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(回答先: 肝心な反応か脇道か... 投稿者 たこ 日時 2003 年 6 月 26 日 21:27:38)
たこさん、こんばんわ。
おかけで消費税制度のあらましが見えるようになりました。
『「地方消費税」の説明に対する質問 [おかげで新しい問題が浮上したのですが...]』( http://www.asyura.com/0306/dispute11/msg/572.html )に対するレス( http://www.asyura.com/0306/dispute11/msg/607.html )ありがとうございます。
まず、いただいたレスで考えたことです。
● 「輸出地課税」と「輸入地課税」
たこさん:「そして、各国が輸出地課税の選択肢を採った場合、輸出企業も内需企業も、消費税率に関しては同じ利害を感じるはずです(価格転嫁が困難なら税率アップは利益を圧迫する)。もちろん、現実には「税率が各国で同じ」はなく、輸入地課税が国際的な慣行ですから(日本の消費税法もそれによっている)、輸出企業は、国内の消費税アップには痛痒を感じず、むしろ国外のVAT税率に利害を感じる歪みが生じます。「消費税の段階的アップ」などを積極的に提唱するトヨタのような企業が現れることになります。」
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「輸出地課税」と「輸入地課税」のどちらを選択するかで有利・不利が発生するのは、政府です。
現在と異なる「輸出地課税」になっても、輸入業者が輸入税額控除をできるのなら、輸出企業(納税者)の実質輸出価格は変わりません。(輸入業者(納税者)もどちらでも同じです)
結論的に言えば、貿易収支黒字国の政府は税収が増える「輸出地課税」を志向し、貿易収支赤字国の政府は税収が増える「輸入地課税」を志向するはずです。
日本や中国をはじめとするアジア諸国が貿易収支黒字国で、米国や欧州諸国に貿易収支赤字国が多いという現実を踏まえると、「輸出地課税」に変更されることはないと予測します。
● 地方消費税と輸出免税(戻し税)
他の読者の方のために地方消費税絡みで生じている問題を再提起させていただく。
消費税5%は、国4%と都道府県1%から構成されている。
都道府県分は納税義務事業者の本社が存在する都道府県に納入される。
このような仕組みと輸出免税(戻し税)が結びつくと、
[輸出]
業者A[東京]:付加価値1万円(納付地方消費税100円)→業者D[大阪]:輸出価格2万円(付加価値:2万円−1万円)
東京都税収:100円
しかし、この場合、業者Dは国税分の400円だけではなく、「輸出戻し税」としては消費税全体の500円を受け取る。
これは、輸出免税による「輸出戻し税」の制度に基づき、国から東京都に100円のお金が移転されたことを意味する。
都道府県サイドから見ると、輸出するものに関しては、できるだけ自分のところで付加価値を産み出してもらって、輸出する直前に他の都道府県の業者に売ってもらうと税収の確保ができることになる。
このような仕組みになっているのなら、国内経済循環のみを考えるたときは最終消費地で消費税が課税されるからそれほどの地域格差が生じないが、輸出を含めて考えると、輸出直前までの付加価値を多く産み出した業者が存在する都道府県が税収を増やすことになる。
極端な例だが、他の都道府県で付加価値が生産された財を仕入れて輸出するだけの業者しかいない都道府県は、地方税や法人地方税の税収はあるとしても、地方消費税の税収がまったくないことになる。
そして、「輸出戻し税」で消費税(国税)税収が減っていることも一因の税収不足を補うために消費税率がアップされたら(例:国8%&地方2%)、輸出される財の付加価値を多く産み出しながら輸出は他の都道府県の業者が行なっている都道府県は税収が増大するが、付加価値を輸出してしまう都道府県や輸出される付加価値の生産に関わらない都道府県は、国内最終消費に与える消費税の重み増加にとりわけ苛まれることになる。
トヨタが存在する愛知県は、トヨタができるだけ関連企業に外注し、関連企業に消費税を負担した支払いをすれば、トヨタからは地方消費税は納付されないとしても、愛知県の消費活動に消費税が及ぼす影響を排除したかたちでトヨタ関連企業から輸出分(途中までの付加価値)の地方消費税を受け取ることができる。
トヨタには1500億円ほどの還付金があるから、トヨタ関連企業から愛知県が得る地方消費税の一部(輸出されたものに使われた納入品+α)は、国庫が負担していることになる。(1500億円の20%:300億円は地方消費税と推定できる)
輸出を完全免税にするための「輸出戻し税」は、単に国庫金が盗まれているだけではなく、地方財政に歪みをもたらしている。
● 非課税取引について
たこさん:「ちょっと言葉を整理しますが、現行制度では「公益法人」を理由とする非課税はありません。国や地方公共団体も納税義務者となる異例の税制です(60条参照)。
非課税とされているのは、土地の譲渡やある種の公共サービスなど、一定の売上や役務提供です(法6条、別表1ないし別表2)。そして、これは免税ではなく非課税で、この売上に対しては、仕入税額控除がありません(法30条1項カッコ書き、2項以下)。そのため、通常の場合は「戻し税」が発生することもありません。」
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不勉強で恐縮ですが、これは、個人住宅賃貸など非課税取引一般に適用されるものなのでしょうか?
これまでの議論では、個人住宅賃貸をやっている不動産業者は、その分も含めて仕入れ税額控除が受けられるという内容で進んできたと思っています。
(賃貸住宅を所有している人は、その物件に関わる経費(課税取引)がけっこうかかっているはずです)
宗教法人の布施(戒名料)や献金も、非課税取引で同じ処理が適用されるのでしょうか?課税売上が一切ない宗教法人は、消費税の仕入れ(購入)税額控除はまったくない(還付なし)という理解でよろしいのでしょうか。