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(回答先: マルキシズム Vs. アナーキズムや「最終決戦」について 投稿者 あっしら 日時 2003 年 6 月 05 日 23:19:47)
クロポトキンやバクーニン、プルードンを育んだロシアの伝統思想について
ロシアの近代化は、ツアーリによって推進されたが、イギリスを中心としたレッセ・フェーるの自由放任経済思想から自由でいられた。元来、ロシアは伝統的に、大地主と農民の封建制秩序が確立しており、農民の間には、相互扶助をベースにした平等思想が行き渡っていた。それゆえ、イギリス流のマルサスのイカサマ経済学やアダムスミスの分業論を正当化する思想を権威付けすることもなっかし、知識人の間ではそれらは、イギリスの支配者階級を正当化する悪魔の思想と罵倒されていたほどでした。進化論を発表したダーウインの考えの中にも、弱肉強食を正当化するマルサスの腐臭を見抜いたのも当然でした。相互扶助の考えは、クロポトキンのオリジナルではなく、当時のロシアの生物学者の間で普遍的な考えでした。クロポトキンは魚類学者のケッスラーの講演をヒントに『相互扶助論』を書き上げたのですが、ダーウインのオリジナルな進化論から、生存闘争という言葉が、弱きものは災いなるかな、と言う信仰の領域にまで拡張され、それが、あたかも自然界の中の真実であるかのように民衆の中にいきわたっているのに、反論する目的があったのでした。その後百年,金持ち(支配者)階級のための、イカサマ経済学ではなく、もっと暖かい経済が世界をおおっていたら、世界はまるっきり違っていたでしょう。あっしらさんのいうように、開かれた地域共同体の連帯した暖かい経済社会になっていたのでは、と思います。
ちなみに、最低限の私的所有は大賛成で、どちらかと言うとチェスタトンの『自宅の居間に寝転がって、お気楽にだらしなく食事する自由』がいいかなと考えたりしています。件名倒れで、あんまりうまくまとめられなくてスンません。