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米の大義になお疑問 イラク戦闘終結宣言 目的変質 力のみ誇示 「真の勝利」ほど遠い終戦 【ワシントン1日平山孝治】ブッシュ米大統領が一日、イラク戦争での戦闘終結を宣言した。大統領は「イラクの自由、解放」を前面にうたい上げたが、武力による超大国支配をみせつける一方で戦争目的の大量破壊兵器も発見できていないなど、これまで培ってきた民主主義国家の盟主としての信頼や威信は間違いなく失った。その意味では、米国にとって真の勝利とはほど遠い終戦といえるだろう。
イラクをめぐる展開のスピードは速い。米英軍は予想以上の短期間の戦争でフセイン政権を打倒。既に暫定政権へ向けた米主導の戦後処理が進む。世界の目もイラクの復興、民主化に向けられている。
しかし、この戦争の意味を考える時、開戦前から再三指摘された米国の「大義なき戦争」をあらためて問わざるを得ない。
米国の戦争理由はもともと、フセイン政権の米国に対する「差し迫った脅威」であり、決して「イラク国民のための戦争」ではなかった。イラクが大量破壊兵器を所持し、それがテロリストに渡り、明日にでも米国が攻撃されるという脅威であった。
しかし、戦争が終わった今、いまだに大量破壊兵器は見つかっておらず、テロリストとのつながりも不明確だ。この日のブッシュ演説でも、このことについて納得いく説明はなかった。
また仮に、なにがしかの生物・化学兵器などが見つかったとしても、国際社会の米国に対する不信、不安が一気に解消されることもないだろう。
それは、超大国が脅威の推測に基づき、しかも、脅威を取り除こうという国連査察の最中に先制攻撃に踏み切り、戦争目的さえ変質させていった戦争だからだ。米国が「解放した」というイラクでも、フセイン政権の圧政からの解放は歓迎しながら、今、反米感情も高まりつつある。
「米国自身の国益のためにも国連での協調外交に立ち返れ」。首都バグダッド制圧後、ワシントン・ポスト紙やニューヨーク・タイムズ紙はそんな社説を掲げた。それは国際協調で信頼を取り戻せとの警鐘でもある。
しかし、ブッシュ政権内では、今回の戦争で軍事力を政策手段の一つとする新保守主義派や国防総省の発言力が増しつつある。少なくとも政権内で、米国が失ったものの価値の重さを問い直す様子はまるでない。
http://www.nishinippon.co.jp/media/news/news-today/news016.html