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(回答先: 首相:イラク復興などで追加財政支出も−予備費で十分か検討 [ブルームバーグ]【「米英が勝つ。イラクが勝つわけがない」】 投稿者 あっしら 日時 2003 年 4 月 03 日 21:15:08)
小泉首相は、政局だけはけっこうわかり、政策についてはどのような分野も不如意だと評価させてもらっている。
小泉首相は、今回の米英の「イラク侵略戦争」を支持するに当たって、日本の“安全保障”を大きな要因として打ち出した。
“安全保障”とは、自国が不必要な妥協をしないで戦争を避けることができる能力であり、それでも戦争になった場合にはできるだけ犠牲を少なくして終結させる能力だろう。
(国家間の利害対立を戦争につなげないことが“安全保障”の要諦である)
この記事に出ている下記の小泉首相の発言を読む限り、彼が戦争をわずかなりとも理解しているとは思えない。
『イラク戦争については、「結果は大体分かっている。米国、イギリスが勝つ。イラクが勝つわけがない」と明確な形での勝敗に言及。そのうえで、「できるだけ犠牲の少ない形で戦争を終わらせてほしい。イラクにとっては無謀な戦いだと思う。もっと早く武装解除を受け入れれば、戦争にならずに済んだ。しかし戦争に突入した以上、早く犠牲を少なくするという意味で、イラクが降伏する形での終結が一番望ましい」と語った。』
戦争は、対外的な目的を達成するために行なわれる政治活動である。
米英侵略軍は、フセイン政権によるイラク支配を崩壊させ、米英主導のイラク支配を確立することが目的である。
フセイン政権は、米英侵略軍のイラク支配を阻止することが目的である。
個々の戦闘や戦術は、戦争目的(戦略)を勝ち取るためのものである。
戦闘に勝つことが戦争目的であれば、米英侵略軍が勝利することは疑いをはさむ余地はない。
陸上部隊を侵攻させる必要もなく、核弾頭ミサイルでも何でもイラクの都市に撃ち込めばいいだけである。
(そうやって得た戦闘の勝利がどういう政治的結末をもたらすかは説明するまでもないだろう)
しかし、米英政権の戦争目的はイラク支配なのである。(それを空虚な美辞麗句で表現すれば、「イラクの解放」ということになるらしい)
それが達成されない限り、米英侵略軍がどれだけ戦闘に勝とうとも、戦争に勝ったことにはならないである。
ここまでの「イラク侵略戦争」の戦況をきちんと見れば、米英政権のイラク支配という戦争目的が、“願望”と“錯誤”に支えられた無謀なものであったことは明らかである。
(戦況を見なくても、攻撃開始前からわかっていることである)
米英は、「イラク侵略戦争」開戦数日で、戦略(目的)的に敗北したのである。
「できるだけ犠牲の少ない形で戦争を終わらせてほしい」は、米英政権にイラクからの撤兵を助言する際の米英兵士の犠牲に使うことをお勧めする。
「イラクにとっては無謀な戦いだと思う」は、米英政権にこそ語りかける言葉である。
「もっと早く武装解除を受け入れれば、戦争にならずに済んだ」は、独立主権国家であり12年間以上にわたって攻撃の脅威にさらされ続け、現実にも国際法違反の武力侵攻を受けたイラクに対して語る言葉としては、首相である以前に個として自分のカス性を表明するものである。
「しかし戦争に突入した以上、早く犠牲を少なくするという意味で、イラクが降伏する形での終結が一番望ましい」は、同盟関係を自認する米英政権に対してこそ投げ掛けなけければならいものだ。
(早期降伏が望ましい場合もあるが、今回のイラク側にそれはあてはまらない)
このまま米英政権に「イラク侵略戦争」を続けさせれば、ケツの穴をなめる上にお金まで差し出して尽くしたい米英の国際社会での居場所がなくなることになる。
日本政府はそうなった国際社会で優位に生き抜く術を身に付けていないという自覚くらい持たなくてどうする!
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※ 参照書き込みリスト
『日本やドイツで成功した占領政策が通用せず、勝利できない戦争に足を突っ込むのは愚か − 米国に勝手にやらせればいい −』
( http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/405.html )
『産油国の「近代化」には失敗し、ブッシュ政権には“悪の烙印”が押され、「近代」は終焉に向かいます』
( http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/375.html )
『【小泉首相が考えるべきこと】 ブッシュ大統領が生け贄にされ日本に罪がなすり付けられる事態』
( http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/1102.html )
『終局を迎えたイラク問題「国連外交」 − 日本は「世界最終戦争」で再び“敗戦”する愚を犯すのか −』
( http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/781.html )
『【国際情勢を考える手掛かり】 {(近代産業主義 Vs. 近代金融主義) Vs. (イスラム近代派 Vs. イスラム利権派)}という対立図式 − 日本が立っている歴史的岐路 −』
( http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/632.html )
『【国際情勢を見る手掛かり】 世界の対立構図は今後どのように変容するのか』
( http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/638.html )
『“乳児”精神の無能で臆病なエリート層が国家を支配していること − 主体的に国家間関係の在り方を追求してこなかったツケ −』
( http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/637.html )
『イラク攻撃から始まろうとしている「中東対イスラム戦争」を止められる国家は日本だけ!?』
( http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/215.html )
『米国イラク攻撃「石油目的論」の陥穽 − 否定はしないが「石油目的論」では占領支配以降の動きを見誤る −』
( http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/605.html )
『反戦平和民主主義者「社民党」の陥穽 − 「決議の有り無しに関わらずイラク攻撃に反対」はいいのだが − [NHKニュース]』
( http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/574.html )