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体細胞を利用したクローン牛の肉や牛乳の安全性を検討していた厚生労働省の研究班は、普通の牛と比べて「安全性が損なわれることは考えがたい」と安全性を認める報告書をまとめた。厚労省が研究中であることを理由に出荷自粛を求めてきた農水省は、解禁の是非について検討に入る。厚労省によると、主な先進国で体細胞クローン牛の流通を認めている国は現段階ではない。
体細胞クローン牛は、成長した牛の細胞の核を、核を取り除いた未受精卵に移植してつくる。96年に誕生したクローン羊「ドリー」と同じ原理で、体細胞クローン牛としては98年に日本が初めて成功した。元の牛の遺伝情報をそっくり引き継ぐため高品質な牛の量産につながるが、死産や流産が多いなど技術的に未確立な部分も残っている。
研究班は99年から、国内外で生まれたクローン牛について血液や牛乳の成分、育ち方、解剖結果などを一般の牛と比較。新たな毒性物質や病原物質が生じる可能性を研究していた。報告書は、これらに差がみられなかったことや理論上の可能性から「クローン牛特有の要因によって食品としての安全性が損なわれることは考えがたい」と結論づけた。ただし「新しい技術であることを踏まえ、慎重な配慮が必要」としている。
農水省は99年、体細胞クローン牛の出荷を自粛するよう研究機関や都道府県などに通知。同省は02年8月に「一般牛との差は認められなかった」とする調査結果を発表し、厚労省研究班の調査結果を待っていた。研究班の報告書を受け、農水省は凍結していた出荷の是非の検討を進める方針で、消費者や畜産関係者、厚労省の意見も踏まえ判断する。7月発足予定の政府の食品安全委員会に諮られる可能性もある。
体細胞クローン牛の安全性をめぐっては、全米科学アカデミーも02年8月、食用可能と結論づける報告書をまとめ、米政府の食品医薬品局が流通を解禁するかどうか検討している。
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<クローン牛> 牛の遺伝情報をそっくり引き継ぐ体細胞クローン牛と、分割した受精卵の核を使って一卵性の双子と同じ原理でつくる受精卵クローン牛がある。受精卵クローンが父親と母親の特徴を引き継ぐ牛を殖やす技術なのに対し、体細胞クローンは特定の牛のコピーを多数つくれるのが特徴。国内の体細胞クローン牛はこれまで40研究機関で300頭以上が産まれた。受精卵クローン牛は安全だとして流通が認められ、昨年9月までに220頭が食肉処理され、一部が市販されている。
(04/11 16:52)
http://www.asahi.com/national/update/0411/015.html