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(回答先: Re愚民党さん:コロンブス−ラス・カサス−セルバンテス: 歴史円環 投稿者 すみちゃん 日時 2003 年 4 月 05 日 14:23:38)
スペイン帝国は軍事力は非常に強いものの、製造業は非常に弱く、他の欧州諸国からの輸入に頼っていました。
また、欧州は伝統的にアジアに対して貿易赤字状態であり、膨大な量の金銀がアジアに流出していました。
スペイン帝国がアメリカから奪った金銀は他の欧州国家を介して、中国・印度・東南アジアなどへ貿易赤字の決済目的に流れたのです。
軍事力は強いが製造業の弱い現在の米国は膨大な経常赤字の決済目的に多額のドル紙幣や国債、株式を垂れ流してきました。
しかし、その赤字の余りに急速な膨張故にもはや米国の経常赤字ファイナンスは困難になりつつあります。
今回の米国のイラク攻撃は、引き続き予定されるイラン攻撃、サウジ等への民主化要求と言う名の威嚇を含めて一連のものであり、
スペインが南米の金銀を強奪した様に中東地区の油田を奪い、その原油売買代金で経常赤字をファイナンスするためのものと見なすべきでしょう。
しかし、現在の中東の住民達はかつてのインディオほど弱体ではなく、軍による住民虐殺に対しても世界からの激しい非難は避けられません。
更に、仮に米国が中東植民地化に成功したとしても、中東の石油が枯渇する数十年後には、原油による米国の経常赤字決済はもはや不可能になり、
米国は力を失って没落していくことでしょう。そして、今世紀中には米国の覇権は独仏を中心とする欧州に移行していくものと思われます。
日本にとって必要なことは、来るべき米国の没落がいつどのように起きるかを予測し、対策を立てる事だと思われます。