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米英のイラク“武装解除”がアダに/補給や補充は問題なし/米英軍兵士の“反抗”問題
http://www.asyura.com/0304/dispute9/msg/456.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 3 月 28 日 02:51:08:

(回答先: Re:「目的はバグダッド、目標はイラク軍」 投稿者 Silent Tears 日時 2003 年 3 月 27 日 23:38:26)


Silent Tearsさん、レスありがとうございます。


>「目的はバグダッド、目標はイラク軍」

これは、傲慢で愚昧な米英知的エリートが攻撃開始前に構想したものに近いものであって、それが意味を持たなくなったことを示しているのが攻撃開始後の現実です。

傲慢で愚昧な米英知的エリートは、「目的はイラクの占領支配、目標はフセイン政権を究極的に支えるイラク軍事機構」と考えていたはずです。


● 米英のイラク“武装解除”がアダに

米英は「湾岸戦争」後にイラクの軍事力を削いできました。
それは、まさに、今回のイラク攻撃を優位に進めるための下準備でした。

しかし、それが、現在の「イラク侵略戦争」の戦況をもたらした要因の一つでもあると見ています。

というのは、フセイン政権が90年までの軍事力を維持していれば、その力に頼った対抗戦術をとった可能性が高く、同質の兵器体系で優れている米英侵略軍の圧勝になったのではないかと推測しているからです。

70年代レベルまで軍事力が削がれたことで、フセイン政権は、強大な米英軍になんとか対抗しようと必死に戦術を考えるとともに、圧倒的な空爆でもひどい損失を被らないで済んでいるようです。
(戦車を1000台といったレベルで保有していれば、空爆の格好の餌食になります)

米英は、フセイン政権の軍事力をローテク化したことで、“非対称戦”に引きずり込まれたとも言えます。

もちろん、フセイン政権が“正規戦”で敗北し崩壊したとしても、米英の占領支配は安定や秩序を維持できず、いずれ敗北を喫することになります。

● 補給や補充は問題なし

>米英軍の弱点は補給ルートが長過ぎることですが、一方イラク側の弱点は予備兵力が
>無いことです。
>丁度太平洋戦争当時の日本海軍と同じですね。米英軍は損害を受けても補充出来ます
>が、イラク側にはありません。

この間も、イラク側は米英侵略軍の兵器や弾薬を相当量鹵獲しているはずです。
脆弱な米英の補給線ですから、今後も鹵獲は続くはずです。

しかし、そのようなことがないとしても、イラク側は補給で窮することはないないと見ています。
そうでなければ、占領支配後にイラク抵抗勢力が米英軍をじりじりと追い詰めるという予測はできません。

アラブは、近代になって西欧諸国から国境線を押し付けられ近代国家の体裁を整えましたが、長い歴史にわたって同朋意識を維持してきました。
とりわけ、国家ではなく共同体的関係性を基礎に宗教的連帯を重要視するイスラムが根強く生きていますので、民衆レベルでは国家を超えた同朋意識を持ち合っています。
砂漠の遊牧民は、イラクとサウジアラビアのあいだを昔ながらに行き来し、シーア派信仰者は、イランとイラクの間を行き来する状況にあります。

そして、日本や欧州諸国とは違って、部族レベルで武装している社会です。
サウジアラビア・イラン・ヨルダン・シリアなどが政府レベルで抑制しようとしても、武器や弾薬がイラクに運び込まれることを阻止することはできません。

長期戦になればなるほど、周辺諸国のムスリムのイラク・ムスリムに対する共感と同情が高まるので、政府がイラク人向け武器の支援を無理に抑え込もうとすれば、その政府のほうが倒れることにもなりかねません。

兵士の問題も、正規の国家軍事機構の兵員よりも部族社会の戦士のほうが数が多いくらいですから問題ありません。部族社会の戦士ではなくても、多くの男性が武器を扱うことに抵抗がない歴史性を持っていますから、1000万人の戦士が供給できる態勢になっています。

>とすれば、フセイン大統領が取るべき方法は二つ。
>1)出来る限り兵力を集中させ、常に敵より多数の兵力で戦うことで各個撃破する。

>2)損害を避ける為、敵の補給線が伸びきったところを叩き後退させるが、深追いはしない。


破壊的な航空攻撃力を保有する米英軍と戦うわけですから、補給の問題は別として、そのような戦術が必要になります。(ゲリラ戦の場合は、必ずしも相手よりも多い兵力である必要はありません)

昨日の夜間攻撃も、ゲリラ戦に近いもので、気象条件を利用して攻撃し、朝が来るまでに終えて戻ったと推察しています。

>「侵攻部隊を撃滅すること」
>ではなく
>「バグダットに近寄せないにこと」
>にあります。


バグダッドに引き寄せながら、バグダッドには近づけないという戦術をとって、気象条件や戦闘成果を見ながら、少しずつ敵を叩くというかたちをとるはずです。


>弱体化したイラク軍を見て、トルコ以下の周辺諸国が黙っているとも思えない。


周辺諸国の政府が、米英からの侵略を受けているイラクに利権絡みでちょっかいを出すことはありません。
そのようなことを企てた政権は、国民の手で引きずりおろされることになります。
周辺諸国が、イラクの苦境に乗じてイラクに軍事介入することはありません。
(もちろん、米英が絡んでいない直接対決であれば話は別です)

● 米英軍兵士の“反抗”問題

ブッシュ&ブレア政権は、表向き、どんな困難があろうとも「イラク国民を解放する」と宣言しました。(先ほど、米英首脳会談後の記者会見の模様が報じられました)

民兵の後ろからの攻撃と視界が利かないなかでの正規部隊からの攻撃にさらされながら、補給もままならないまま慣れない気象条件と極度の緊張が続いていることで、米英軍兵士の肉体的精神的疲労がひどく進んでいると推察しています。

朝鮮日報の従軍記者からでさえ、米軍兵士のなかから「イラク人が抵抗するのは当然だ」という声が出ていると報じています。
個々の兵士が大義を信じ義務感に燃えているのなら、過酷な条件でも士気を保つこともできますが、戦争目的に大義を感じられないようであれば、状況が過酷になることで士気が急速に衰退します。

米英軍のなかで反乱が起きるとは言わないまでも、大隊長など指揮官レベルまでもがカタールの作戦本部の命令に従わない状況が最前線で生まれると考えています。

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