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(回答先: 官民の5人程度、米復興支援庁へ来週にも派遣 [読売新聞]【これで日本は対イラク参戦国!!】 投稿者 あっしら 日時 2003 年 4 月 19 日 03:04:07)
占領地の行政は、占領軍の権限かつ責任です。これへの加担は中立義務に反します。(煩雑なので簡単に「加担」としましたが、国民間の交易は戦争中も制限されるものではありませんし、その他、中立義務に反せずに関与し得る場合もあります。しかし、占領行政への要員の派遣は、交戦国兵力の補強ですから明らかに中立義務に反します。
ただ、これはただちに「参戦」とはなりません。国連中心主義をタテマエとする第二次世界大戦後の法規範を問題とせず、もっぱら陸戦法規、海戦法規等のジュネーブ条約レベルで考えたとしても、中立義務の違反で、違反国と相手国の間に戦争が開始されるとするのは無理があります。戦争開始には別に宣戦布告か最後通牒が必要で、それがない限り、中立義務違反国には交戦国の権利(敵国兵員の殺傷、中立船の臨検など)はありません。あっしら氏のコメントにある「戦争に関してはどちらかの陣営か中立以外にはない」は、「陣営」を交戦国の意味とすると、形式的にも国際法に適合しませんし(国際法的に表現すると、「交戦国は他国に中立義務を負わせることができる」でしょう。)、事実においても「非中立的援助」はジュネーブ条約当初から行われております。
現実的に考えると、すでに中立義務に反していることは明らかですから、今回の政府の決定は、「参戦」として非難するより、「交戦国への兵力の提供」として議論した方がよいと思います(法制局官僚に揚げ足を取られない)。非戦闘員ですが交戦国の兵力に属することは明らかです。