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(回答先: 陰謀説はつくり出したらきりがない 投稿者 HINO 日時 2003 年 4 月 17 日 14:57:48)
HINOさん、こんにちわ。
まず、世の中は陰謀に満ちていると思っています。
それは、政治に限らず、企業や個人の経済取引についても言えることです。
「談合」も陰謀の一種です。
良い意味でも悪い意味でも、自分たち(個人・国家・企業・家族など)のほうができるだけ有利な条件を手に入れたいと考え、様々なはかりごとを裏で行なっているのがこの世界だと思っています。
そして、政府・政党・企業は表立ってはきれいごとだけを語り、主要メディアもそれに同調した報道をしています。
(立花隆氏の「田中角栄研究」が世に出たとき、主要新聞社の政治部記者たちは「あんなことはみんな知っている」と豪語したそうです)
>どうも巷に流れる陰謀説というのは、根拠もなく信じる人が多いので眉を顰めてしま
>うんですが・・・
根拠もなく得心できないまま信じる人は危険だと思っています。
しかし、陰謀説ではなく政府発表や主要メディアの言説をそのまま信じる人も、同じように危険だと思っています。
流れる情報のボリュームを考えたとき、もっともらしい陰謀を提示し、その確からしさを検討することは大きな意義があると思っています。
>フセインとブッシュが手を組んでいたとして、フセインになんのメリットがあるんで
>しょう?
>あまりにワリが合わない気がします。
どういう根拠で「あまりにワリが合わない気」がするのかを書いて貰っていればありがたかったと思います。
ブッシュ政権にはワリが合うと判断されているようなので、フセイン政権のメリットを推測します。
■ 経済的利益
いかなる独裁者であれ、経済権益を独り占めすることはできません。
末端は雀の涙であってもピラミッド構造の隅々まで権益を配分しなければなりません。
● 12年間の「経済制裁」でフセイン一派は大きな富を手に入れた
フセイン政権中枢は、湾岸戦争以後の経済制裁のなかで、原油代金の配分が従来通りにはできないという言い訳を手に入れました。
しかし、原油の密輸(しかも、なぜか開戦直前に報道されたように米国絡みも)や国連の「石油と食糧の交換プログラム」を通じて、フセイン一派は、従来以上の経済権益を手に入れてきました。
国連の「石油と食糧の交換プログラム」は奇妙なルールで、イラク原油の価格を市場価格よりも安く売るというものです。
イラク原油は良質のものが多くあり市場価格でも十分売れるものですから、“公定価格”と市場価格の落差は、ほぼフセイン一派が上前を跳ねていたと推測できます。
(フセインが原油密輸と国連の「石油と食糧の交換プログラム」を通じて得たお金をパナマやスイスの金融機関で運用していたという報道が先週出ています)
国連の「石油と食糧の交換プログラム」も、公定価格で一日当たり200万バレルを売った代金が表に出る仕掛けでしかも食糧との交換ですから、フセイン一派にしてみれば、国民向け利益配分は食糧を配給すればいいだけだというお墨付きをもらったようなものです。
湾岸戦争以降、フセイン一派は、国民向けには窮乏生活は米英の経済制裁によるものだと宣伝しながら、豪奢な生活や蓄財に励み、宮殿建設やバビロニア庭園の再現にいそしんだのです。
そして、石油メジャーは、国連の「石油と食糧の交換プログラム」を通じて、フセイン一派に上納金を支払ってもなお市場価格よりも安い良質のイラク原油を手に入れて大きな利益をあげたはずです。
同時に、イラク原油の採掘量は能力の半分以下(40%ほど)に抑え込まれていたので、良質なイラク原油を温存できたことにもなります。(原油市場は基本的に供給過剰です)
● フセイン一派は今後も経済権益を得続ける
フセイン一派は、ティクリート周辺で半ば公然と生活していると推測しています。
シリア逃亡説も流れていますが、犬猿の仲であるアサド政権が国家危機を招き入れるようなことをするはずがありません。
(米国政権がそのようなことを叫んでいることこそが陰謀です)
また他の国外逃亡説も取り沙汰されていますが、フセイン一家だけではなく50名にものぼるフセイン一派が、安全に隠れつつそれなりに自由に生活できるような場所はないと見ています。
それよりも重要なのは、“孤独な”独裁政権であれば、マルコスの例でもわかるように、政権から追われると国外逃亡しなければなりませんが、孤独ではなく地盤がある独裁政権であれば、新しく生まれる政権がそれを認める限り、国内の地盤にとどまることが出来るということです。
北部地域全体が、大勢として、米英の侵略を受け入れるような態度をとったことから、フセイン一派の姿を見かけても、手を振る人がいるくらいではないかと推察します。
そのために、南部シーア派地域は困窮状況に追い込んでも、地盤地域には経済権益を配分し続け、部族長など支配層にはより厚く配分し続けたはずです。
むろん、地盤地域にも、反フセインの人がいたはずですし、今回の裏切りで新たに反フセインになった人がけっこういるはずですから、その人たちに存在を知られると密告されたり攻撃を受けることになります。
米国政権とフセイン政権が同盟関係であれば、密告されても痛くも痒くもありません。
地元警察から中央政府までがフセイン一派擁護者なのですから、「いないじゃないか。つまらん嘘をついたから逮捕する」といって密告者を拘束することもあり得るでしょう。
フセイン一派がティクリートで長期にわたって安全に生活できるためには、そのような反フセイン派をその地域から放逐する必要があります。
その意味では、密告者や攻撃者はそのような目的を達成するありがたい動きだとも言えます。
米国主導の占領支配が始まっても、フセイン一派及びそれを支える勢力には、経済権益が厚く配分されることは変わらないと見ています。
■ 価値観的利益
経済利益の観点だけですと、とんとんか少し利益を得たというものですから、それなら、米英侵略軍と戦ってイラクの支配権を維持したほうがずっと得ではないかという見方もできます。
その見方に立てば、強大な軍事力を誇る米国と戦っても勝ち目はないから裏取引したという判断がふさわしいのかもしれません。
(これ自体も、十分過ぎるほどの陰謀説です。米英政権は、交渉や取引はしない、ブッシュ政権を転覆し政権中枢を戦争犯罪者として裁くと公言していたのですから)
フセイン一派は、たんなる強欲者ではなく、世界経済支配層の別働隊として強欲を実現しようとし、世界経済支配層の価値観(グローバリズム)を世界化する最後の障壁であるイスラム諸国の「近代化」を善なるものだとして信仰していた可能性が強いと判断しています。
私の言葉で言えば、フセイン一派は、悪魔崇拝者の仲間だったということになります。
悪魔崇拝者であれば、理念や経済権益のために、嘘をついたり、虐殺が荒れ狂う戦争に自国民を投げ出すことになんら罪悪感をもちません。
その他大勢の人間は、自分たちの理念や強欲を実現するための道具でしかないからです。
悪魔崇拝者は、恐ろしいことに、自分の嘘を信じ、それに踊ったりそのために死んでいくその他大勢の人間の姿を見てあざ笑うという習性を持っています。
「騙されるアホが悪いんだ。騙されたとわかって悔しいのなら、知性か財力で俺たちを凌駕してみろ!」