★阿修羅♪ 現在地 HOME > 掲示板 > 議論10 > 366.html
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
Re: ちょっと認識が..様&たこ様へ
http://www.asyura.com/0304/dispute10/msg/366.html
投稿者 ちょっと認識が.. 日時 2003 年 5 月 15 日 03:41:13:

(回答先: ちょっと認識が..様&たこ様へ 投稿者 何を言うやら 日時 2003 年 5 月 14 日 00:02:43)

遅くなりましたが、レスします。
相続税の制限に拘る理由が「富の集中」阻止と「再配分」であることはわかりました。
が、当初主張されていたのと論点がずれてきているように思います。

>もし、それ以上の財産を残して死んだ場合は国庫に没収されるようにすれば、金を持ってる年寄りが金を使うために消費が上向き、富の再配分が進行し、金だけ持ってるバカが減って機会の公平性が担保されないだろうか。(中略)被相続人に対してはやはり1000万円程度とすれば、自分が死ぬ前に残った生産財を高く買ってくれる法人や個人に売って金銭化し、自分の欲望を満たそうとするだろうから、生産活動が衰退することはないと思うがどうだろう>

こちらの思い違いかもしれませんが、当初の投稿からは、相続の上限を1000万円に制限することで、消費が上向くのを期待するのが主眼の主張かと思っていました。
しかし、その後のレスを読むとどうやら、再配分が主眼で消費向上は付け足しのようですね。
以下に部分的なレスをしましたが、結果の「公正」ならわかりますが、結果の「公平」を求めるのは間違いだと考えます。(結果の公平によって、不公平が生じます。)また「公平」を求めるなら、機会にこそ求めるべきでしょう。

文面から、日本国内の金持ちを眼の仇にしているように映りますが、日本国内の金持ちなんて大したことありません。世界的レベルからみたら小物の範疇に入るかどうかのレベルです。
21世紀に入りマネーは国境を超え、瞬時に動く時代なのですから、もっと大きな動きの中で「日本はどうするべきか」を考えられてみられたらいかがでしょうか。

●民主主義について
現状の民主主義が続く限り「金持ち有利」は変わらないと考えます。
なぜなら、民主主義はお金がかかる制度だからです。(戦前でさえ、政治にお金がかかりすぎると言われていました。戦後の普通選挙となった後は、おしてして知るべきです。)
そして、現在の各政党は庶民の幻想とは裏腹に、単にその利益代表でしかないのです。(日本の場合は、官僚の小間使いとの説もあります。)
政治家にとって一番大事なのは、次ぎの選挙にも当選することであり、その為には「お金」と「票」を確実に集めてくれる利益団体の意向には逆らえないのです。小選挙制の導入により、この傾向に拍車が掛りました。(今でも選挙の度に贈賄が報道されます。政党助成金が導入されたにもかかわらず、政治家の資金集めパーティーもなくなっていません。)
戦後日本の政治史を検証すれば、違ったものも色々見えてくると思います。

●なぜ、消費を控えるようになったのか?
それは、ある意味で国民が賢くなりすぎたからでしょう。
消費行動優先の家庭だと、決して裕福にはなれません。同じ条件の家庭で、9割が消費優先の行動をし、残り1割が貯蓄優先の行動をしているケースを考えてみれば分かるはずです。この場合、裕福になるのは残り1割の家庭です。
資本主義社会では資本家が王様です。株主資本主義では大株主が王様です。マネー経済社会では現金マネーをたくさん持っている人が王様です。
日本は、戦後〜バブルまでは土地。バブル後は預貯金が一番安全で有利な資産運用方法だったからです。現在はデフレ経済下ですから、現金(現金に近いもの)が一番価値があるのです。

お年よりがお金を使わないのは、買いたい品がないからだとも言えませんか?

なにを言うやらさんのご家庭が、なぜ、以前よりも消費を控えるようになったのか?を考えれば他の人の消費行動の謎も理解できると思います。

●親の面倒を看ることへの価値観の変化
戦後、民法が改正され「第八百八十七条 被相続人の子は、相続人となる。」「第九百条 同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、左の規定に従う。 一 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。」となりました。
つまり、子供の相続分は人数割りで平等に相続されるとなったのです。

旧民法下では「第288条 家督相続を為すは一家一人に限る。 何人と雖も二家以上の家督相続を為すことを得す。」「第294条 家督相続人は姓氏、系統、貴号及ひ一切の財産を相続して戸主と為る 。系譜、世襲財産、祭具、墓地、商号及ひ商標は家督相続の特権を組成す。」「第295条 法律に於て家督相続人と為る可き者の順位を定むること左の如し 。第1 被相続人の家族たる卑属親中親等の最も近き者 第2 卑属親中同親等の男子と女子と有るときは男子 第3 男子数人あるときは其先に生まれたる者但嫡出子と庶子又は私生子と有るときは嫡出子 」となっていました。ここから、長男が親の面倒を看るのが当然との風潮が生まれたわけです。

戦後になり、親の意識だけは旧民法下のままでしたが、幸い兄弟姉妹(平均5〜6人)が多い世代でしたから「誰か一人に押し付けて(但し、相続分は権利だからしっかり貰います)」他人事で何とか済ませていられました。
しかし、戦後豊かになるにつれ子供の数は1〜2人と減り、親の老後の問題は避けて通れなくなってきました。現在の日本は長寿社会なので(以前はもっと短命でした)下手をすると、60代や70代になっても親の世話に明け暮れる可能性もあるわけです。不謹慎な言い方ですが、高齢者は、病気に罹りやすく、持病もあるでしょう。その上、痴呆率や寝たきりも見逃せません。
昔と違い、面倒を看なければいけない老後はとても長いのです。この点を考えても、一概に昔と比べられません。子供側の考え方に変化が出るのは仕方の無い事です。また「自分自身が看ていない親ほど、親の面倒を看るのが当たり前の子供の義務。」と思い込んでいるように見受けられます。

●相続について
ちょっと考えてみて下さい。相続が発生するのは大抵の場合、被相続人死亡時です。
大方のケースは親の死亡時でしょう。世界一の長寿を誇る現在の日本では、相続が発生した時点で相続人たる子供は何歳になっているのかを。(子供の方が先に寿命が尽きるケースも今後増えるかもしれません。現に、親よりも20代〜30代で早死した友人知人が数人おります。)

50代や60代でも親の介護うんぬんや老々介護が言われて久しい日本です。その年齢で何がしかを貰っても、本人にとってあまり意味がないようにさえ思えてきます。そう思う理由は、相続した本人自身が(相続がお金にしろ土地にしろを)、相続したものを最も有効に使える時代をすでに過ぎているからです。また、日本の相続の場合、非意図的相続(残すつもりはなかったが、結果として残ってしまった)のケースが半数以上だとも聞きます。

日本の相続で一番多い土地を例にとりフィクションを書きます。
58歳の頃に相続が発生し、相続財産は土地と数百万のお金だったと仮定します。親は10年弱の長患いの末、84歳で天寿を真っ当したとします。
相続人たる子供世帯A氏は、それまでずっと狭いアパート暮らしをしていました。家が狭い為、子供は1人で諦めました。お金がなかったので息子B(孫)は高校まで公立で、大学は諦めさせ、現在はフリーターをしています。他のアパートで同棲している彼女はいますが、2人ともフリーターなので結婚には躊躇しています。嫁Cは親Aとの折り合いが悪かったのですが、10年弱長患いをしていた親Aの手伝いには行っていました。親Aも子供帰りしたのか、最後には痴呆症状もでて共倒れになる寸前でした。
葬式の後、息子B(孫)が「今更貰っても、ありがたくないよー。どうせくれるのなら、もっと前にくれればよかったのにさ。そうすれば行きたかった大学も行け、俺の人生も違っていたのに。」と言いました。


実は「富の集中」は被相続人死亡時以前から、起こっているのです。(東大合格者の親の年収が、他校に比べて、高いのは御存知ですか。さらに言えば、俗にいう偏差値の高い大学ほど親の年収が高い傾向にあります。近年、公立高校からの合格者激減現象も顕著になってきました。)そしてその後、彼等が国の舵取りをするケースが多いのです。死亡時の相続だけをうんぬんしても無意味です。
以前、石原都知事が「大工の子は大工に。美容師の子は美容師になればいい。」と発言して物議を醸し出しましたが、「富の集中」と「再配分」の有効な手段は「機会の均等(特に官へのコネ入社禁止.世襲議員廃止など)」と「公教育の充実」ではないでしょうか?
単に、相続だけを制限しても「機会の均等」と「公教育の充実」が図られないならば、いずれ元の木阿弥になるだけです。

●刹那的享楽主義
刹那的享楽主義は、以前より蔓延してきていると感じています。街中の落書きが増えたのもその現れかもしれません。
どうも、今の10代は「親がこの程度なら、自分が幾ら頑張っても無駄」「自分の将来はこの程度」と考えて諦めているかのようです。(実際に、電車中などでそんな会話を何度も聞きました。)
「勉強する子」と「しない子」の格差や「勉学意欲」の格差もかなり出てきてるようです。傾向として親の年収が高い家庭ほど「勉学意欲」が高いとの統計もあります。

刹那的享楽主義の人が増えるのを気にしている理由は、それが社会の硬直化を示している現象と捉えているからです。そんな社会は、果たして住みやすい社会でしょうか?

●さいごに
御商売で、理不尽な取引先からの要求に苦労なさっているようですが、一消費者としては、近年、品質の低下は肌で感じています。家電製品は、製品寿命が以前の半分以下。衣料品も生地.縫製の低下。その他モロモロな品々で品質の低下を感じています。
消費者としては、以前の半分の製品寿命.品質ならば、当然、以前の半値以下でなければ買わなくなるものです。個人的には、以前程度の製品寿命.品質の品なら、現在の倍近い値段でも買いたいと思っていますが、素人にはどれがそうなのか見極められないので、結局は悪い方の製品寿命を勘案せざる得ない情況です。資源保護やゴミを減らす為にも、各企業には以前のような製品を作って欲しいと思っています。

長々と駄文失礼しました。

 次へ  前へ

議論10掲示板へ

フォローアップ:
  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。