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米政府が水素燃料電池車を積極的に支援
AP通信
2002年1月9日 7:32am PST 自動車メーカーに対して15億ドル近くの補助金をつぎ込んできた米政府の高燃費ファミリーカー開発援助計画は、8年を経て終了されようとしている。ブッシュ政権はこれに代わって、次世代自動車の動力源として水素燃料電池を大きく成長させたいと考えている。
米エネルギー省のスペンサー・エイブラハム長官は、9日(米国時間)デトロイトのモーターショーで演説し、外国の石油への依存度を減少させるとともに、二酸化炭素など車からの排気による汚染を減らして環境を保護する政策の一環として、水素燃料電池の開発を奨励するという構想を明らかにする。
エネルギー省によると、エイブラハム長官は自動車メーカーの幹部を前に、『フリーダム・カー』というこの新計画を発表するという。ブッシュ政権は、これがガソリンを食う乗用車やスポーツ・ユーティリティー・ビークル(SUV)を段階的に削減していくように求める批判派への答えとなることを期待している。
自動車用燃料の節減は、上院で2月に予定されているエネルギー立法の論議の際に、重要な問題になる可能性がある。民主党は、人気のSUVについて特に、厳しく燃費の向上を求めるように政府に要求している。
ブッシュ政権下のエネルギー省とホワイトハウスの政策担当幹部はこれまで『自動車新世代に関する協力計画』(PNGV: Partnership for a New Generation of Vehicles)には、さして熱意を示さなかった。これは、2005年ごろまでに自動車燃料の節減率を4倍に高めることを目標に政府と業界が一致して努めるという野心的な計画だった。
PNGVでは、ガソリンと電気のハイブリッドカーの開発が推進され、業界は、車のサイズや性能を落とさずに燃費を向上する方法を探ることに重点を置いていた。ハイブリッドカーはようやく市場に登場しはじめたばかりだ。
連邦政府とビッグスリーの自動車メーカーによるこの協力計画は、1993年に始まり、クリントン政権下でとくにアル・ゴア副大統領の支援を受けていたもので、これにより2004年までにガソリン1リッターあたり約34キロ走るファミリー向けセダンを市場に出すことが想定されていた。
最新の空気力学やエンジン技術、そしてより軽い素材を使用することにより、PNGV計画参加メーカー各社は、リッター30キロ以上という、現在路上を走る大方の車よりも3倍も燃費のよい試作車を作りあげた。しかし、当初予想されたように、数年以内にこのような車を大量生産するという商業開発までは期待できなかった。
エイブラハム長官はミシガン州選出の上院議員としてこの計画を支持していたが、エネルギー省長官となってすぐ、PNGVはすでにその有用性を終えていると語った。その理由は、自動車業界が別の方向へと進み出したからだという。
政府は1年前、最初の予算案でこの計画に対する予算の大幅な削減を提案した。それでも、議会はPNGV計画を継続した。各環境保護団体や、環境監視団体の『タックスペイヤーズ・フォー・コモンセンス』などが、こんな計画は自動車業界のための不必要な補助金だと呼んでいたにもかかわらずだ。
これに代えて政府は、近年強い関心を集めている水素燃料電池車の開発促進に重点を置こうとしている。
政府と業界のこの新たな協力関係は「大統領の国家エネルギー政策をさらに進めるもの」で、「米国のエネルギー安全保障を多様化し強化するために、水素技術の研究をますます推進することが求められている」とエネルギー省は語った。
燃料電池開発に対する連邦からの新たな支援によって、自動車エンジンと動力システムの開発に向けた業界の努力に拍車がかかり、最終的には、内燃機関に取って代わるようになることが期待されている。
ダイムラークライスラー社、米フォードモーター社、米ゼネラルモーターズ社など自動車メーカー数社は、4、5年以内に燃料電池車を発売したいと話しているが、この種の車が広く利用されるようになるのはおそらく10年以上先の話だろう。
燃料電池は水素と酸素が化合するときの化学反応からエネルギーを生み出す。副産物は水だけだ。近年燃料電池のコストは大幅に下がっている。水素は車に積んだ天然ガスから作られる。あるいは純粋な水素をあらかじめ用意することもできるが、そのためには新たな水素供給インフラの開発が必要となる。