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(回答先: Re: 「燃料電池車計画」はブッシュ政権の「環境テロ宣言」である 投稿者 あっしら 日時 2002 年 1 月 11 日 23:22:04)
■2.コラム ━━━━━「US Business Frontier」No15 ━━━━━━━
アメリカのビジネス先端企業を紹介(2週に1回掲載)
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「燃料電池で高い技術水準〜Ballard Power Systems」
(バラード・パワー・システムズ、本社カナダ・バンクーバー)
http://www.ballard.com
車社会のアメリカでは車は生活に無くてはならないものだ。といって、
環境問題を考えていないわけではない。自動車メーカー各社は、環境汚染
や排気ガスが人体に与える影響について研究を続けている。その中でダイ
ムラークライスラーやフォードなど大手メーカーから支持を受けている燃
料電池の販売開発を手がける企業がある。
Ballard Power Systems (バラード・パワー・システムズ)社だ。1979年
にカナダのバンクーバーでバラード博士ら3人で設立された。燃料電池の
開発・販売で世界をリードする技術集団と言って良いだろう。
バラード社の燃料電池はメタノールから水素を取り出すため、燃料電池
を装備した車は空気中の酸素と水素を反応させて電気を作り出し、モータ
ーを回して走行するため、有害物質の排出がほとんどない。同社に対する
技術評価は高く、ダイムラークライスラーが19.7%, フォードが14.7%、バ
ラード社株を保有している。ダイムラークライスラーは2020年には燃料電
池車の販売比率が大幅に上昇すると予想している。またコストや性能でも
10年以内にはガソリン車を上回ると見ている。
バラード社はGM、ホンダ、フォルクスワーゲン、シカゴ・トランジッ
ト・オーソリティーなどさまざまな企業に製品を供給している。最近は自
動車メーカーだけでなく、他の業界からも支持を得ている。今年9月には
Quest Air社と空気清浄技術の研究開発・商品化の契約を結んだ。これに
より、バラード社はQuest Air社株10%を保有することになった。
テクノロジーの進歩によって損なわれる自然環境を守ろうと配慮した製
品の質が支持の理由だろう。加速的に進んでいる地球温暖化、その対策に
どちらかといえば消極的だったアメリカも変わりつつある。2020年には燃
料電池車は75%の市場シェアを占めるとの観測もある。そしてその中でも
バラード社は燃料電池トップ企業として、市場シェア30%を占めるとの見
方もある。日本では、荏原と据え置き型燃料電池、松下電工とは持ち運び
可能タイプで提携している。
同社は目下エコカービジネスの代名詞のようにとらえられている。元々
トロント取引所に上場していたが、プレゼンスを高め、資金調達の多様化
を進めるため米国でも上場し、去年1月17日からナスダックで取引きされ
始めた。当初20ドル〜40ドルの間の値動きに終始していたが、環境関連、
エコカー関連の代表株として今年1月から注目され、3月2日144 15/16
ドルの高値を付けた。その後、ハイテク株調整の中60ドル近辺まで下がっ
たもののジリ高傾向をたどり、10月17日の引け値は96ドルである。
業績を見てみよう。99年12月期通期ベースで売上げは3315万カナダドル
(約24億1200万円)。技術革新を強力に推し進める企業だけあって、研究
開発費がかかるため、6202万カナダドル(約45億1250万円)の赤字だ。し
かし燃料電池車の認知が高まり、市場へ浸透するにつれ売り上げは増加の
一途をたどると見られている。アメリカは大統領選挙戦たけなわ、ブッシ
ュ・ゴア両候補により白熱の論戦が展開されている。これに伴って、各陣
営の勝利を想定した優位銘柄群がピックアップされているが、環境問題は
双方にとって重要で優先度の高いテーマであるため「どちらが勝っても安
心して買っていける数少ない銘柄の一つ」(アナリスト談)と言われてい
る。(青雲)
http://www.nikkei-cnbc.co.jp/backnum/001020b.txt