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東京都の石原慎太郎都知事=写真=がブチ上げ、19日午後の本会議で可決される「ホテル税(宿泊税)」条例案。導入をめぐっては、地方の知事から批判な噴出するなど波紋を広げたが、ラブホテルも課税対象になっていることから、一部で“SEX税”などとも取り沙汰された。対象となる高級ラブホを直撃すると、「よりによって、こんな時期に…」と困惑しきりで、専門家からも石原知事が目論む経済効果に疑問の声が…。
「週末は料金が高くなって1万円以上してしまう。これからはカレシの家に近い横浜のラブホに行かなきゃならない」と嘆いていたのは、東京都中野区に住むフリーターの女性(21)。
もっとも、今回のホテル税は宿泊費が1泊(1人)1万円未満の場合は免税され、1万円?1万5000円で100円、1万5000円以上の場合は200円が課税されることになっている。
つまり、一般ラブホテルに関しては1人あたり1万円が課税対象なので、フリーター女性の心配は当たらない。1室2万円を超えなければ免税となるわけで、東京都の主税局担当者も、「2万円超えるラブホテルは稀ですので…」と話す。
それでも、税をかけられるラブホ側は、「よりによってこんなときに」と、口々に不満を漏らす。
渋谷区円山町、都下有数のラブホテルが密集する一帯でもこの“SEX税”は波紋を広げている。
「最近はお客が少なくなり、どこも値段を下げている。今はかからないが、もし(課税)額が下がったら、大変だね」とは、あるホテルのマネジャー。
2万円を超す高級ラブホだって、存在する。渋谷・道玄坂にある「P&Aプラザ」には、洞窟風呂、プール、フィットネスマシン付きの超リッチな客室があり、1泊約2万9000円?2万4000円と課税の“射程範囲”となってしまった。
同ホテルの中津信治社長は、「決まったから、払うしかない。でも、地方の人が泊まるための税なのに、なんでウチのようなホテルが負担しないといけないのか」とこぼす。
13年前、「都内のホテルにない目立つものを作ろう」と改装されたプール付きの客室は8室。バブル崩壊後も、「回転率はそれほどでもないが、単価が高いので、売り上げの上位に食い込む」と、同ホテルの目玉となっている。
それだけに、「この税金を端末に組み込むだけでもコストがかかる。今は額が少ないが、今後歯止めがきかなくなるのが心配だ」と眉をひそめた。
また、同ホテルには1万7000円の部屋もあり、延長料金(30分=1800円)次第では、2万円を超すことになるが、「その場合、税金を取られるのか、シロクロつけてほしい」とも話していた。
目黒区には2万円ジャストの高級ラブホもある。この関係者は、「ウチもジワジワ不況になってきた。慎太郎さんには困った」。
課税の実施時期は来年のサッカーW杯終了後の7月以降となるが、このホテルでは、「(施行後)2万円をちょっと割れるように値下げする」と早くも対策を画策中だ。
そもそも、この新税、都内で課税対象になるホテルや旅館は全体の約5%(約120施設)、全宿泊者の約17%にあたる1日平均約3万人に課税され、年間約15億円が都の懐に入り、観光PRなどに使われるという。当の石原知事は、「観光は裾野が広く、運輸や宿泊、飲食業など多くの産業に経済効果が波及する」と自信を示す。
だが、明治大学の高木勝教授は、「景気の悪い状況で、100円だからといって増税することがそもそもの間違い。東京に来る地方の人は年に何十回も訪れる人が多い。そういった人にすれば、この課税は大きい。税金は1度できるといずれ税額が上がり、課税対象額も下がる可能性もあるから、100円といってもよく検討すべきだった。経済効果も税金を増やすわけだからトータルで明らかにマイナス」と厳しい見方だ。
ZAKZAK 2001/12/19