投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 27 日 11:05:12:
昨日は銀行の不良債権処理額の上積み、一部大手銀行経営者の責任明確化等の動きが好感されて市場センチメントが好転した。加えて、為替市場での円安が追い風となりハイテク株にも買いが入り指数を押し上げた。この結果、日経平均は11000円大台を回復。昨晩の米国市場では、半導体、ネット関連企業が堅調推移となりナスダック総合指数も先週末比プラスとなった。本日朝方は、わが国ハイテク株は買い先行の動きが期待される。
フィッチが日本政府の発行・保証する長期債務格付けを「ダブルAプラス」から「ダブルA」に引き下げた。また、S&Pの関係者が「(日本国債の格付けは)2段階の引き下げもあり得る」との見解を示したようだ。S&Pの格付けは現在「ダブルAプラス」であり、仮に2段階下げられると「ダブルAマイナス」となる。欧米の格付け機関の格下げをきっかけとして、今後、日本売りが再燃するかには注意が必要だ。円安も適度な動きで推移していれば良いが、オーバーシュートするとそれは株式市場にマイナスの作用となる可能性は排除するべきではなかろう。
とは言え、銀行の今回の中間決算発表における対応は、危機を先送りしたことで目先は安心感が市場に漂うことになろう。剰余金も取り崩すまで追い詰められた銀行の惨状は、問題を先送りし続けた結果でありこれは自業自得と割り切って眺める冷酷さは必要だ。今後、円安と米国景気回復とわが国景気の自律回復とが奇跡的な調和を生み、フェニックスのようにわが国経済が蘇るというシナリオを市場が支持するのかを今回の戻り局面が終了した段階でもう一度考える必要はあろう。ただ、目先は、売り方の買い戻しを起爆剤に押し目を入れながらも戻りを演じる可能性が高いと考える。
戻りメドであるが、35年移動平均線が12300円レベルにあることからこのレベルをメドにした反発を目先は展望しておきたい。鶏は食用のために首を落とされたときに、今までに無い力で羽を動かしたり、首の無い状態で物凄いスピードで走り回ることがあるという。また、蝋燭の炎も消える前に一瞬物凄く明るく光るという。目先の上昇は、そのような局面かも知れないなと思いながら、ロング(買い)で臨む局面と考える。