投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 8 月 20 日 00:30:26:
一万五千人近い発症者を出した雪印乳業大阪工場の「低脂肪乳」などによる集団食中毒で十九日、黄色ブドウ球菌の毒素が検出された脱脂粉乳を製造していた同社大樹工場(北海道大樹町)に対し、北海道庁などが立ち入り検査に入ったが、大阪府警と大阪市が進める汚染源解明の作業にも新たな展開が予想される。なぜ製造日が何日にもわたり、しかも工程が別の複数の製品が食中毒を引き起こしたのかという大きな疑問に、原材料である脱脂粉乳の汚染が答える形になるからだ。
大阪工場製品による発症被害は、「低脂肪乳」が最も多く、次いで「毎日骨太」「カルパワー」など計九製品。大阪市は「低脂肪乳」など三種類から「エンテロトキシンA型」を検出している。
「低脂肪乳」の発症者は、六月二十三日と二十五日の製品による人が突出して多いものの、二十一〜二十七日まで幅がある。
また、「低脂肪乳」とは製造ラインが異なる製品でも毒素が検出されており、製造日が六月三十日だったものもある。さらに、神戸工場製品でも約百七十人が発症しており、大阪工場の製造ラインの汚染では説明がつかなかった。
大樹工場では月に数回、脱脂粉乳を製造。毒素が検出された四月十日製造の脱脂粉乳は、大阪工場に六月二十日に入荷、すべての種類の乳製品の製造に原材料として使われた可能性があり、製造日や種類のばらつきの疑問は解ける。
神戸工場でも同じ脱脂粉乳を、六月二十七日から三十日にかけ「低脂肪乳」など五種類に使っていた。
毒素は菌と違い、増殖することはないが、殺菌加熱しても分解されない。
大阪府警は、原材料の脱脂粉乳が有力な汚染源の一つである可能性が強まったとする一方、「原料だけでなく、工場施設自体の汚染とずさんな衛生管理がミックスした複合汚染が原因」(捜査幹部)と公式にはこれまでの見方を崩していない。しかし、今回の検査結果を受け、捜査員には「汚染源が北海道で作られた脱脂粉乳と特定された場合、大阪工場の責任を問うことが難しくなるかも知れない」と戸惑う声も上がっている。