投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 8 月 16 日 01:48:57:
ロシア北方艦隊の原子力潜水艦「クルスク」がバレンツ海で演習中に沈没した事故で、セルゲーエフ国防相は15日午後、本格的な救助活動が始まったことを明らかにした。潜水艦に生存者がいることは確認されているが、沈没から既に2日目に入り、電力の供給が完全にストップしている可能性が高いことから、救出は時間との戦いとなっている。
救出作業は、空気を満たした釣り鐘状の潜水装置を沈めて、潜水艦のハッチなどに密着させ、乗員を「釣り鐘」内に移動させる。しかし、船体が左に傾いているとの情報もあり、「釣り鐘」の固定には難航が予想されている。セルゲーエフ国防相によると、現場の天候はやや回復しているという。
「クルスク」との無線連絡は途絶しているが、ダイバーが潜水艦の外側から船体をたたいたところ、中から反応があったという。無線が使えないのは、電力供給が完全に止まっているためとも考えられ、その場合、空気の供給ができず、乗員の生存は72時間が限度という見方もある。
「クルスク」には116人が乗り組んでいるが、事故による死傷者がいるかどうかは確認されていない。
◎潜水艦内部の爆発が原因?
一方、事故原因については当初、他の潜水艦と衝突したとの見方が出ていたが、BBCがインターネットニュースで伝えたところでは、クロエドフ海軍最高司令官は15日、「魚雷発射室内で爆発が起きたとみるのが最も妥当」と述べたという。
また、ダイバーの話では、外側から見た限り、前部が破壊されているものの、船体に衝突が原因とみられる損傷は確認できなかったという。
◎米政府は依然、「核ミサイル搭載」を懸念
「クルスク」など、オスカー2型潜水艦は、ミサイル発射管24基を装備している。ロシア当局は「クルスク」は核ミサイルを搭載していなかった発表しているが、米政府内には、この発表を疑問視する声もある。
また、事故直後、ノルウェーとロシアの海軍当局が、両国間のホットラインを使って連絡を取り合っていたことが明らかになった。このホットラインが使われたのは初めてという。ノルウェー海軍は、NATO諸国と共同して救助に協力することなどを申し入れたが、ロシア北方艦隊のポポフ提督はこれを断ったという。