投稿者 ★阿修羅♪ 日時 2000 年 7 月 02 日 16:00:32:
牛乳について
硬組織をだめにする牛乳
ついこの間のことである。所要があって東京発の「こだま」号に乗り込むなり夢中で原稿を書き始めた。ふと気が付くと、列車はもう熱海を過ぎていて、斜め前のボックスには、観光客らしいアメリカ人の親子4人が座っていた。その二人の子供は、五歳くらいの女の子と二歳前後の男の子だった。そして、牛乳をがぶ飲みしていた男の子と視線が合った時、その子は愛嬌の有る顔をせいいっぱいほころばせてみたが、まったくびっくりしてしまった。
その子の歯にはほとんど銀冠をかぶせてあったからだ。次いでこちらを振り返った女の子の前歯も虫歯のために大部分が失われていた。
私にとってそれは見過ごす事のできない大問題だった。なぜなら「このごろの乳幼児はどうして虫歯にかかりやすくなってきているのか?」についての答えがそこにあったからである。
最近、アメリカの歯医者たち、特にスプローソン博士やブルーン博士、その他何人かの専門家たちは、「歯をいためつけるものとしては、白砂糖もさることながら、殺菌牛乳も一役かっている・・・・」と指摘し始めた。それは、殺菌牛乳が腸内のビフィズス菌(乳児の乳酸菌)を駆逐したり、また一方では体内のカルシウムおよびリン代謝を混乱させるために、胃腸の働きが弱まり、骨や歯をもろくしてしまうからである。
事実、世界で最も虫歯の多い国は世界一の牛乳消費国であるニュージーランドである。また反対に、世界一歯の丈夫な人種はオーストラリア原住民で、彼らは牛乳はおろか牛の姿さえもみたことがない。
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牛乳が病気を招く
一般に「牛乳はカルシウムを豊富に含む「完全栄養食品」といわれているが、この牛乳カルシウムは、むしろ人体のカルシウム代謝をかき乱すのに役立っているかのように見える。
数年前に書いた拙著『失われゆく生命』では”殺菌牛乳が我が国を結核国たらしめた一代要因だろう・・・”と、きわめて大胆な推論をしておいた。この考えに反対の意見を寄せられた学者もおられたが、昨年、私見を裏書きする資料をみつけた。
あるイギリスの少年の家で、七百五十人に牛乳を飲ませてみたら、五年間に十五人の結核患者が発生した。
この少年の家ではいまだかつて結核にかかったものはいないし、またこの実験期間中、牛乳を与えていないグループからはただの一人も発病しなかったという。この研究を試みたマクドナルド博士はこう結論している。「殺菌牛乳は、結核菌に対する抵抗力を弱めているようだ。」と。
さらに、昨今、激増中であるアレルギー体質も、この牛乳(それに玉子など)が重要な一原因となっている。その証拠に、さまざまなアレルギー性疾患は牛乳・卵をやめ、大豆のミルクに切り替えたり、米や麦の胚芽を与えたりすると、多くは効果てきめんで、ほとんどが快方に向かう。
ともあれ現在大流行の「人工栄養」は、民族衛生的な立場からみても大きな危険をおかしている。常識的に考えてみてもわかるように”牛乳は、本来、牛の子を牛に育てるためのもの”だ。人の子を人に育てるには、母乳にまさるものはない。
肉食民族である欧米人が牛乳を愛用してきたことには、それなりの理由があった。肉食をすると有益な腸内細菌(たとえば乳酸菌)が消え失せ、有害な細菌(たとえばウエルシュ菌など)がふえてくるからである。この異常を解消する生理的な必要性から、生の牛乳(現在の殺菌牛乳ではない)を飲む事によって、生きている乳酸菌を補給する習慣を覚えたのであろう。
また肉食とそれにつきものの白砂糖などを取り続けていると腸の組織がゆるみ、便秘がちになるが、それを緩和するために緩和作用をもった牛乳が好まれるようになったのかもしれない。
一方、菜食的な傾向の強い日本人に、牛乳を飲む習慣がなかったのは「日本の風土が乳牛の飼育に適さない」ということのほかに、生理的な必要性がなかったからである。とにかく、現代日本人の食生活においては肉食増大の傾向とともに(いやそのために)牛乳の消費もまた増加している。それが、必然的に体位の大型化を招いていることも事実だが、同時に、体質、体力、知能の発達を伴っていないことも事実だ。試験管内の栄養分析ではなく人間(とくに日本人)の生理を土台にした真の栄養学的検討が、いろいろな食物について加えられねばならなぬ時点にさしかかっているといえよう。
http://www.urban.ne.jp/home/kenbi/imporj.htm