警察無線解読への憎悪をむきだしにする権力

 
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投稿者 一刀斎 日時 2000 年 2 月 20 日 23:36:51:

回答先: 連続的デッチアゲ逮捕と指名手配攻撃を弾劾する 投稿者 一刀斎 日時 2000 年 2 月 20 日 23:35:09:

警察無線解読への憎悪をむきだしにする権力

 二月七日の不当逮捕・指名手配に続いて、翌八日に、国家権力・公
安警察は、神戸事件で逮捕されたA少年が送致されている関東医療少
年院に「侵入」したとして「建造物侵入容疑」で逮捕・起訴されてい
るS同志を、今度は、「電波法違反容疑」なるものをデッチあげ不当
逮捕した。そして同時に五名の女性同志にたいしても同容疑をデッチ
あげ、「全国指名手配」したのであった。
 だが、S同志を逮捕し五名の同志を指名手配した「電波法違反」と
いう容疑事実そのものがまったくデタラメなものなのだ。警視庁公安
部の発表によるならば、S同志らは「九七年三月ごろ」千葉県浦安市
内のマンションで無線機などを使い、警視庁などの警察無線を傍受
し、通信内容を練馬区内のマンションに住んでいた「革マル派の非公
然メンバー」に「報告」したとされている。このS同志らの行為が
「無線局の取扱中に係る無線通信の秘密をもらし、または、窃用した
者」(「電波法第一〇九条第一項」)に該当するというわけである。
 けれども、警察無線を傍受し、その通信内容を公表するということ
は、一般に広くおこなわれているのであり、「違法性」などまったく
問題にならないのだ。最近発刊された、共同通信社の社会部記者(青
木理)が執筆した『日本の公安警察』(講談社現代新書)や、月刊誌
の『噂の真相』、無線マニアむけの月刊誌『ラジオライフ』『アクシ
ョンバンド』などにおいて、警察無線で交信された内容の傍受記録が
そのまま掲載されているほどなのである。こうした事実は、警察無線
の傍受それ自体は、なんら違法ではないばかりか、その通信内容を広
く社会的に知らしめることは、「驕(おご)る警察権力の腐敗(その
違法性・犯罪性)を監視するためのジャーナリズムの使命」として、
社会的に許容されているからにほかならない。にもかかわらず、今回
権力が「警察無線を傍受し、その交信内容を漏らした」として、「電
波法違反」などという容疑をデッチあげてわが同盟の同志を逮捕し、
指名手配したりしたのは、ほかならぬわが同盟が「世界で最も解読困
難な無線のひとつ」と警察官僚が豪語していたデジタル警察無線を傍
受し解析していたことが満天下に知れわたったからにほかならない。
わが同盟 を「封じ込めていた」つもりになっていた警察権力が、実は
まったくその逆に、われわれの手のひらの上で泳いでいたにすぎない
ということが、きわめて滑稽な事態として全社会的にも明らかになっ
てしまったことのゆえに、彼らはわが同盟にたいする階級的敵意と自
己保身的意識をむきだしにし、なりふりかまわぬ弾圧をかけてきてい
るわけなのである。
 しかも警視庁公安部は、昨年十二月二十四日にS同志の同容疑の逮
捕状をとり、それを「朝日新聞」を使って「警察無線傍受、秘密漏え
いの疑い」で「革マル派活動家に逮捕状」(十二月二十五日付夕刊)
などとキャンペーンさせたにもかかわらず、その令状を執行すること
ができず、断念したのであった。彼らにしても、警察無線を傍受しそ
の内容を漏らした、ということをもって、わが同盟の同志だけを選別
的に逮捕するというのは無理がある、と判断せざるをえなかったので
あり、逮捕を強行した場合にその違法性を暴露され、追及されること
を恐れたにちがいないのだ。
 それにもかかわらず、警察権力が今日、わが仲間を逮捕し、指名手
配に踏み切ったのは次のようなドス黒い動機にもとづくものなのであ
る。
 国家権力・公安警察は、「絶対傍受されてはならない」デジタル警
察無線をわが同盟に傍受されていたことを突きつけられて「警察の組
織防衛」(九八年五月、当時の警察庁長官・関口)などと、全国の都
道府県警察に訓示をたれざるをえなかった。そして、警察庁の九八年
度補正予算で「警察通信システムのデジタル化費用」として約一五六
億円を計上したのであった(九八年十月)。こうして「改良・再編」
した警察無線が、だがまたしてもわが同盟に傍受され、神奈川県警を
はじめとした全国の警察の「不祥事」が、したがって、権力犯罪の実
態が掌握されてしまっているのではないか――このように警察権力は
脅え、危機意識を高じさせているわけなのだ。

米情報機関に揺さぶられた日本の「情報管理」

 しかも、かの中央省庁ハッカー事件によって、日本の「情報管理の
甘さ」をつきだされた権力者どもは、ますます危機意識を高じさせて
いるのだ。すなわち、一月二十四日に、科学技術庁のホームページ
(HP)が「日本人は負け犬だ」という内容の英文に突然書き換えら
れた。その後、人事院、総務庁本庁(一月二十五日)、経企庁のシン
クタンク(一月二十六日)、運輸省(一月二十七日)などのHPが、
中国語で「南京大虐殺」をめぐる日本政府への抗議文に、次々と書き
換えられた。これら一連の「ハッカー事件」は、一月二十一日に小渕
内閣の官房副長官・古川貞二郎を議長とした「情報セキュリティ関係
省庁局長等会議」で「ハッカー対策などの基盤整備に係る行動計画」
を決定した直後のことであり、日本政府の省庁のHPがサイバーテロ
の餌食にされたことからしても、それは日本政府の情報管理能力の低
さと杜撰さを衝撃的なかたちで突きつけるためのものといってよい。
 しかも、このサイバーテロは、アドレスを偽造し、韓国の企業や日
本の高知工科大学などの複数のコンピュータを経由してアクセスして
いること、また、わずか二分間に一万一九九二回もの攻撃をくりかえ
していること(人事院のHPの場合)、これらのことからしてきわめ
て計画的かつ組織的におこなわれていることは明らかである。しか
も、アメリカに本拠をおく中国の「反体制組織」が開設したHPに、
一月二十七日に日本へのハッカー攻撃の継続を呼びかける内容が書き
込まれていることからしても、アメリカの情報機関が関与しているこ
とは想像に難くない。事実、「情報の二十一世紀」の幕開けにむけ
て、ハッカー対策費として二〇〇〇会計年度に一四億ドル(約一五七
七億円)を計上したアメリカ政府にたいして、日本政府は防衛庁です
ら高度セキュリティシステムの試験的構築、運用評価環境の整備など
のハッカー対策に、わずか二六億円程度しか計上していないことに、
アメリカ政府の情報機関(NSA、CIAなど)は、苛立ちをしめし
ているといわれている。
 こうした日本帝国主義の「情報管理」についての危機意識の弱さに
たいするアメリカ帝国主義の苛立ちと揺さぶりをもうけて、「サイバ
ーテロ対策」をも主要な課題にするといわれている二〇〇〇年サミッ
トの議長に予定されている首相・小渕は、警察権力の「ハイテク犯罪
対策の強化」と称した「不正アクセス禁止法」を施行(二月十三日)
したりしている。NSAやCIAなどのアメリカの情報機関に揺さぶ
られつづけている日本国家権力・公安警察は、あたかも自分たちは
「情報」の管理をおこなっているかのような姿勢を押し出すために
も、「革マル派のデジタル警察無線の傍受」と「秘密の漏えい」など
というようなキャンペーンをはり、わが同盟を破壊するために血眼に
なっているのである。



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