Tweet |
◎☆国際部隊早期受け入れ表明 ハビビ大統領が演説
【ジャカルタ12日共同】インドネシアのハビビ大統領は12日
夜、大統領宮殿で演説し、独立派が勝利した住民投票後、騒乱状態
となっていた東ティモールの治安回復のため「国際平和維持部隊を
可能な限り速やかに受け入れ、インドネシア国軍と協力し住民投票
の結果を実現させる」と述べ、国際部隊派遣の早期受け入れを表明
した。直前にアナン国連事務総長にも電話で伝えたという。演説は
テレビで国内外に生中継された。
大統領はこれまで「11月の国民協議会(国権の最高機関)で併
合を撤回するまでは受け入れは認められない」との姿勢を崩してい
なかったが、国際社会の圧力を受け、方針転換に踏み切った。東テ
ィモール情勢は、独立プロセスの再始動に向け、新局面を迎えるこ
とになった。
ハビビ大統領は「早急にアラタス外相をニューヨークに派遣し、
部隊の枠組みなどについて国連側と協議したい」と述べた。オース
トラリア、マレーシア、フィリピンなど部隊派遣を表明している国
々を中心に今後、部隊編成が進むとみられる。
国際部隊受け入れの理由について、ハビビ大統領は「国軍は事態
鎮静のために最大限の努力をしたが、限界があった」と述べた。
東ティモールでは住民投票後、併合派民兵らによる発砲、焼き打
ち、略奪などが続き、治安状況は急速に悪化。国際社会は「インド
ネシアが治安維持の責任を果たしていない」と批判を強め、11日
の国連安全保障理事会公式協議では各国が国際部隊の受け入れを求
めたほか、米国などが軍事交流や武器売却の停止、経済協力の見直
しの可能性などを表明していた。
東ティモールの中心都市ディリでは、発砲などは下火になったも
のの、これまでに少なくとも55人が死亡。住民の多くは西ティモ
ールや近郊の山岳地帯などに避難している。東ティモール全体では
避難民は20万を超えるとみられる。 (了)
[共同 9月13日] ( 1999-09-13-06:50 )