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回答先: インドネシアとキルギス、今後の展開は? 投稿者 日蝕旗のカラス 日時 1999 年 9 月 03 日 02:33:00:
◎「聖域」求め新たな国際網 拉致事件に原理主義の野望
キルギスで邦人4人を拉致(らち)したイスラム武装勢力「ウズ
ベキスタン・イスラム運動」の実態が分かるにつれ、中央アジアに
「聖域」の建設をもくろむ原理主義勢力の新たな国際的ネットワー
クの存在が浮かび上がってきた。
中東、西南アジアという従来の拠点に加え、ロシアの統制が及ば
ないチェチェン共和国が新たなゲリラの訓練地となっており、エリ
ツィン政権はカフカス地方と、ロシアの勢力圏とみなす中央アジア
の双方で原理主義の脅威にさらされる事態に危機感を深めている。
インタファクス通信によると、チェチェンには7カ所の本格的な
ゲリラ訓練施設が設立され、ことし7月には、アフガニスタンの原
理主義勢力タリバンの庇護(ひご)下にあるとされるテロの黒幕ウ
サマ・ビン・ラディン氏が極秘に視察に訪れた。訓練施設は同氏の
資金提供を受けているとみられる。
また、「イスラム運動」のメンバーがチェチェンで訓練を受けて
いたことも、ウズベキスタン当局の調査などで判明した。
「イスラム運動」が今回の拉致事件で、優れた武器と洗練された
ゲリラ戦術を駆使、キルギス軍に大きな打撃を与えた背景には、こ
うした国際的な支援があったとみられる。
ロシア科学アカデミーのゲオルギー・シトニャンスキー氏は、こ
とし2月の連続爆弾テロでウズベキスタン政府から大弾圧を受けた
「イスラム運動」について、「彼らがウズベキスタンに本格的な戦
いを挑めるまでには、もっと時間がかかると思っていた。今やアジ
ア全域で2万人規模の勢力を持っている」と語り、同運動が短期間
に予想以上の力を蓄積していたとの驚きを隠さない。
ロシアから独立したイスラム国家建設を目指すチェチェンと、ラ
ディン氏を結びつけたのは、サウジアラビア出身のハタブという人
物とされる。ハタブ氏は、1994年から96年のチェチェン紛争
でチェチェン側に参戦、チェチェン軍の野戦司令官バサエフ氏と親
密になった。
バサエフ、ハタブ両氏は、ことし8月から1000人規模のチェ
チェン武装勢力を指揮して隣接するダゲスタン共和国にたびたび侵
攻。「イスラム運動」も同月キルギスで行動を開始した。
ダゲスタンは、石油資源が豊富なカスピ海に面する戦略的要衝で、
西部の山岳地帯は外部からの攻撃が難しい。ロシア政府筋は「国際
的な連携を強める原理主義勢力が、中央アジアのフェルガナ渓谷と
カフカスの双方に新たな拠点確保を狙っている」とみている。(モ
スクワ共同) (了)
[共同 9月 7日] ( 1999-09-07-15:11 )