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http://www.na.rim.or.jp/~mai/idensi.html
遺伝子組み換え食品はWindows95/98 のバグのように
来日した米国のDNA研究の第一人者
フェイガン博士が危険性を強く指摘!
遺伝子組み換え技術によって生まれた除草剤に強い大豆や菜種、害虫
が食べると死んでしまうジャガイモやトウモロコシが人間の食べる食
品として、家畜の飼料として、なんの表示のないまま日本への輸入が
始まろうとしています。 これは厚生省や農水省が「安全性に問題な
し」とゴーサインを出したためです。
アメリカの「タイム」誌(10月28日、国際版)によると
ヨーロッパへの第一陣、20万トンの遺伝子組み換え大豆を積んだ米
国の貨物船が今週アムステルダム港に入港、組み換え大豆を含んだ製
品が来月早々にもヨーロッパのスーパーマーケットの棚に並ぶだろう
と報道。これに対し業者、消費者、環境団体などが表示のない 「遺
伝子組み換え大豆.コーンボイコット」運動に立ち上がっています。
こうしたなかアメリカの遺伝子工学.DNA研究の第一人者であるジ
ョン.フェイガン博士が、遺伝子組み換え食品の危険性を訴えるため
急遽来日。 東京.虎ノ門の国立教育会館で、安全な食と環境を考え
るネットワーク(伊庭みか子代表)が開いたセミナーで講演し、意見
交換が行われました。フェイガン博士の話を中心に、遺伝子組み換え
食品の問題点についてまとめてみました。
遺伝子組み換え食品の疑問
その1.不確実な技術研究.安全テストも不十分
同博士はこれまで20年以上にわたって最先端の遺伝子工学の開発に
携わってきたが、遺伝子組み換えはまだ不確実の技術であり、これを
食品に適用することは深刻な誤りであると厳しく指摘しています。遺
伝子組み換え食品が未知のアレルギーや新しい毒性を生み出し、 栄
養価を減少させるなど、いまは予想できない副作用をおこす可能性が
あるからです。しかもそれにたいする研究、安全性テストはきわめて
不十分。とくに日本に第一陣として輸入されるモンサント社の除草剤
耐性大豆「ラウンドアップ.レディ大豆」は、マウスなどの動物に4
−6週間食べさせて急性毒素が あるかどうかの実験をしているだ
け。人間がこれを長い間食べていると、神経や消化系統などにどのよ
うな影響がでるかといった慢性毒素や催奇性などの実験は全くやられ
ていません。同博士は、遺伝子組み換え食品を認可するなら、最低千
人くらいの人に一定期間食べさせる実験が必要だと指摘。食品添加物
や新薬のように 慢性毒素、催奇性、アレルギー性などの試験を義務
づけるべきだとしています。
その2.DNAへの異物組み込みで突然変異の恐れ
生物のDNAに異物(別の遺伝子)を組み込むことのよって、生物の
構造や機能がどのように変わるか、どんな突然変異が起こるかの研究
はなんらやられていません。こうした危険性の例として、1.耐病性
を強めるため遺伝子組み換えした大豆にアレルギー性大豆が偶然発生
しているのを米国で確認されていること 2.昭和電工が遺伝子組
み換え細菌で製造したトリプトファン入り健康食品で、アメリカ、カ
ナダ、ドイツなどで38人の死者を出し6000人を超す人が生涯治
ることのない後遺症を負っている事実を上げています。*トリプトフ
ァン事件−−−1989年秋、アメリカで原因不明の筋肉の痛みや呼
吸困難、咳、皮膚の発疹などの症状を訴える患者が多数発見されまし
た。この病気は、好酸球増加・筋肉痛症候群(EMS)といいます。
アメリカの研究機関は、その原因究明をおこない、患者たちが健康食
品のトリプトファンを食べていたことがわかりました。その企業と
は、日本の昭和電工です。 昭和電工では、遺伝子組み換えによって
改造した細菌にトリプトファンを作らせ、それを抽出・精製して販売
していたのです。トリプトファンは、必須アミノ酸の一つで、不眠症
などに効果があるとされています。同社が使っていた細菌は、パチル
ス・アミロリケファシエンスといいます。もともとトリプトファンを
作る能力をもっています。その細菌のトリプトファン生産に関する酵
素の遺伝子を、 その細菌自体に組み込んで、生産量を増やすことに
成功し、1984年10月から、その改造細菌を使って、生産を開始
しました。さらに、生産率を上げるために、納豆菌の仲間である枯草
菌の遺伝子の一部が組み込まれました。そして、それによる生産は8
8年12月から開始されました。アメリカで大量に発生したEMS患
者は、この最終組み換え細菌から生産されたトリプトファンを食べた
人たちのみなのです。 このトリプトファンからは、二種類の不純物
が発見されました。つまり、枯草菌の遺伝子を組み込んだことによっ
て、予期しえない有害物質ができ、被害をもたらしたのです。結局、
死者38人、被害者1500人以上にのぼりました。昭和電工は、こ
れらの不純物の生成をまったく予想できませんでした。そして、それ
らは精製工程で除去されませんでした。つまり、遺伝子組み換えとい
う技術は、このように予測できない 事態を引き起こし、人類に被害
をおよぼす可能性を秘めた技術なのです。細菌どうしの遺伝子組み換
えでさえ、これだけ予想できない害が出るのですから、植物と細菌と
いうまったく種の違う生物どうしを組み換えた場合、どんなことがお
こるかは科学者にも予測が不可能なのです。(渡辺雄二著「遺伝子組
み換え食品Q&A」青木書店より)
その3.表示義務がなく消費者の選択の権利奪う
遺伝子組み換え食品は、まだ実験段階あるいは開発途上のもの。これ
を厚生省は、開発者のモンサント社側のデーターだけで「国際的に認
められた指針に従って安全性を確認したから」と、当時の管直人厚生
大臣(民主党代表)が認可しました。しかも日本への輸入.販売にあ
たっては「安全性を確認したものに、表示を義務づける必要はない」
と頑固に拒否しています。消費者にたいしては、なんの情報も提供
せず、表示もしないまま、様々な食品に混入され、加工されて販売さ
れるということは、これを拒否したり、選択することもできず、基本
的人権の重大な侵害です。フェイガン博士はこれらを踏まえて、1.
安全性の厳しいテストを行なうこと 2.安全性が確認できないもの
は、市場に出すことを禁止すること 3.遺伝子組み換えの食材
が入っている場合は、必ず表示することなどを提案しています。
その4.自然の生態系や環境破壊を深刻なものに
「ラウン
ドアップ.レディ大豆」は、モンサント社が開発した万能除
草剤とも呼ばれて世界最大の売り上げを記録している強烈な除草剤ラ
ウンドアップに影響されない大豆。モンサント社はラウンドアップの
使用を前提として作付けされることになっており、除草剤の使用はい
っそう多くなります。このことは土壌微生物やミミズなどを死滅さ
せ、地下水や河川を汚染するなど 自然の生態系や環境破壊を深刻な
ものにします。すでに@の除草剤耐性のナタネが周りの雑草と自然交
配して、除草剤に強い雑草ができてしまった。A日照りに強い耐干性
ナタネを開発したが、花粉が飛んでいって水辺に生息しているブラシ
カという雑草と交配し、干ばつ耐性がついたブラシカは湿地帯から水
のない所に移動してしまい、生態系がすっかり変わってしまった、と
いう 遺伝子汚染の実例がうまれています。
その5.遺伝子汚染は放射能汚染よりもこわい?
旧ソ連のチェルノブイリ原発の事故による環境汚染は、深刻な被害を
もたらしました。北ヨーロッパを中心に、空気、水、土壌が汚染さ
れ、人間や動物が被爆し、食べ物も汚染されました。放出された放射
性物質はジェット気流にのって、アジアのほうにも流れてきました。
日本でも、全国の空気や水、食べ物から放射能が検出されました。
チェルノブイリ周辺では、白血病などの癌が急増し、苦しい闘病生活
を送っている人がたくさんいることが報道されています。
しかし、放射能はしだいにその力を弱めていきます。事故で大量に
放出された放射性のヨウ素131は、半減期(放射能が半分に減る期
間)が8日と短く、すでに消滅しています。セシウム137は半減期
が30年と長いのですが、しかし、放射能がそれ以上増えるというこ
とはありません。
ところが、組み換え植物や微生物の場合、自己増殖を繰り返し、汚
染をどんどん広めていってしまうという、放射性物質にはない面をも
っています。したがって、深刻な害をもたらす組み換え生物が一度野
に放たれると、その被害は限りなく広がってしまいます。
フェイガン博士は次のように言っています。
「遺伝子汚染のリスクは、原発のリスクより大きいといえます。いっ
たん、新しい遺伝子が、自然界のプールに入ると、これだけを取り出
すことは不可能なってしまいます。元に戻すことができないのです。
しかも、遺伝子は、世代から世代へ、種から種へと伝わり、どんどん
複雑になっていきます。これが、エコシステムにあたえる影響は計り
知れないのです。 この技術は、次の世代に苦しみのみをあたえるも
のであり、これ以上使うのを止めるべきものなのです」。