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◎中国が中性子爆弾技術保有 脅威論の高まり必至
【北京15日共同】中国政府の趙啓正・新聞弁公室主任は15日
記者会見し、中国は既に独自に中性子爆弾の製造設計技術を保有し
ている、と初めて発表した。中国が米国の軍事技術を盗んだとする
米下院特別委員会の報告書に反論する中で明らかにした。
中国が中性子爆弾を実際にミサイル弾頭や爆弾などとして配備し
ているかどうかは不明だが、製造技術の保有が明らかになったこと
で台湾を含む周辺諸国・地域で「中国脅威論」が高まるのは必至だ。
趙主任は中国の核開発研究について「1970−80年代に米国
とソ連が核開発競争をしていた。この脅威から中国の安全を守るた
め独自に研究を続けざるを得なかった」と説明した。
米下院特別委が今年5月に発表した報告書は、中国が米国から7
種類の核弾頭、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の設計技術ととも
に中性子爆弾の技術を盗み出したと結論付けていた。趙主任はこれ
を全面的に否定し、「中国は既に1970−80年代に独自の研究
で中性子爆弾の設計や核兵器小型化の技術を有していた」と語った。
中性子爆弾は爆発で放出される放射線を増やし、建物や戦車など
を破壊せずに内部の人間を殺傷する兵器で、戦術核として局地的な
攻撃に使用され、米国、ロシア、フランスが保有している。
北大西洋条約機構(NATO)がソ連軍の侵攻阻止などのため1
970年代後半から配備を検討。米国やフランスは80年代初頭か
ら生産を始めた。現在は戦術核削減の流れの中で廃棄されつつあり、
各国の核開発の関心は爆発力、放射線ともに抑制した小型核に移っ
ている。 (了)
[共同 7月15日] ( 1999-07-15-16:37 )