投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 10 月 31 日 22:29:08:
31日午後8時40分ごろ、茨城県大洗町にある核燃料サイクル開発機構の「大洗工学センター」内の高速実験炉「常陽」のメンテナンス棟1階部分から出火した。同建物は、常陽で使った機器に付着したナトリウムを洗浄し、修理するための施設。原子炉から30メートルの距離で、放射線の管理区域に入っている。午後10時現在、大洗町消防本部が消火にあたっているが、ビニールシートかプラスチックのようなものが燃え、建物内部で煙が充満しているという。けが人はいないもよう。常陽の原子炉は定期点検のため、昨年6月から停止中だった。
核燃機構によると、放射能の排気モニターでは、放射能漏れは感知されていないという。茨城県警も放射能漏れの恐れはないとしている。
県によると、現場は「常陽」のメンテナンスのための施設で、原子炉からは独立しているという。
メンテナンス建屋は、一部に地下がある建物で、機器のナトリウム洗浄と解体、補修、一時貯蔵などが行われる。
原子炉建物から搬出された機器は必要に応じてここで洗浄される。
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●高速実験炉「常陽」
高速実験炉は、高速増殖炉の開発の第一段階。高速増殖炉は発電しながら核燃料としては使えないウラン238を燃料として使えるプルトニウム239に変えることができる。核燃料サイクル開発機構が中心となって開発が進められている。開発は、実験炉、原型炉、実証炉、実用炉と段階的に進められる。実験炉の「常陽」(熱出力10万キロワット)は77年に臨界に達し、高速増殖炉開発が本格的にスタートした。福井県敦賀市にある「もんじゅ」は原型炉。
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