投稿者 あっしら 日時 2001 年 11 月 29 日 17:38:54:
捕虜になったタリバン側兵士が、収容施設で暴動を起こし、3日間の戦闘の末“玉砕”したという。
ことの経緯については、最後まで戦い死ぬ決意をしているタリバン兵が、「隠し持っていた手榴弾による自爆が発端」、「隠し持っていた武器を使用」で大規模な暴動になったなどが報じられている。
神浦元彰氏News解説のサイトによれば、『ヨーロッパのテレビ局員が捕虜にインタビューするために近づいた。すると捕虜の一人が、「我々が戦う異教徒が来た」といって、警備兵の銃を奪った。すぐに銃撃が始まり、近くの北部同盟の兵士が殺されたというものだった。(米ABC放送で元米海兵隊の大将が証言)』とある。
日本のメディアでは報じられていないようだが、BBCニュース(NHK衛星1未明)やABCニュース(NHK衛星1今朝)は、「アムネスティインターナショナルがマザリルシャリフで発生した事件について、ことの発端・攻撃機や戦車の必要性・全員が死亡した結果などについて人権上の問題があると思われるので、米国政府及び英国政府にその調査を行うよう要求した」ことを伝えていた。(アムネスティインタナショナルは偽善者団体だと思っています)
ABCニュースは、同じ放送枠で、「死亡したタリバン兵の多くが後ろ手で縛られていた」と報じた。同時に、「この暴動で、32歳(顔写真(白人)と氏名を公表)のCIA職員が死亡した。そのCIA職員は捕虜を尋問していた」とも報じている。
この暴動で死亡したタリバン側兵士の数は、[毎日新聞]
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タリバン捕虜の暴動を完全鎮圧、死者は450人
【イスラマバード28日=奥村健一】アフガニスタンからの報道によると、同国北部マザリシャリフの北部同盟司令官は28日、北部同市西郊の捕虜収容所でタリバン兵捕虜が起こした暴動を「完全に鎮圧した」と述べた。
タリバン兵捕虜はパキスタン人やチェチェン人、アラブ人などの外国人が中心で、タリバン側の死者は最終的に約450人にのぼったとした。
(11月28日22:21)
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このようなことから、
● CIA要員が尋問できる環境ということから、“隠し持っていた武器で”という話は眉唾だと言えるだろう。米国側が、武装解除についても北部同盟に指示を出し、施設に収容する段階でさらにチェックしているはずだ。CIAは、誰よりも米国の戦闘要員が憎悪の対象となっていることぐらいは知っているから。
● 投降した兵士が、“最後まで戦い死ぬ決意で決起”という筋書きも、それなら初めから投降しないので無理がある。意図的に捕虜になって決起しマザリシャリフ奪還を狙うというのは映画の世界であり、武器が入手できるという保障が前提としてなければならない。
● “ヨーロッパのテレビ局員が捕虜にインタビューするために近づいた。すると捕虜の一人が、「我々が戦う異教徒が来た」といって、警備兵の銃を奪った”という話は可能性がある。ジャーナリストの死亡は必ず報じられているのだから、ヨーロッパのテレビ局員が死んでいないだろう。これが本当かどうかはすぐにわかるはずだ。とにかく、暴動の発端が何か。<調査対象>
● 「死亡したタリバン兵の多くが後ろ手で縛られていた」というのは重要情報だが、その数が明確でない。その数によって、米軍攻撃機や北部同盟戦車が鎮圧のために出動する必要があったのかどうかの一つがわかる。<調査対象>
この他に調査しなければならないのは、
● 3日間の戦闘のなかで、捕虜側から降伏の意志表示は一度もなかったのか?
● 米軍及び北部同盟側から降伏勧告が継続的に呼びかけられていたのか?
● 収容されていた捕虜の身体的条件。無拘束だったのか、拘束だったらどのような方法だったのか?
● 捕虜に対して、処遇についてどのような情報が流れていたのか?
すでに、下記のような情報が流れている。
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軍事法廷は米領ウェーク島に設置?
アルカイダのメンバー13人をすでに移送か 英紙
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英紙「デーリー・テレグラフ」のインターネット版が29日付で伝えたところによると、米国がテロ組織「アルカイダ」のメンバー13人を西太平洋上の米国領ウェーク島の軍事基地へ移送した可能性があることが28日、分かった。ブッシュ政権はテロ容疑者を裁くために軍事法廷を設置する方針を示しているが、報復攻撃を避ける目的で、米本土ではなく同島に軍事法廷が設置されるとの憶測が浮上している。
同紙によると、移送されたとみられる13人の中には、1993年にニューヨークの世界貿易センタービル爆破事件を共謀したとされるシャイク・オマル・アブデル・ラフマン被告の息子、アハメド・アブデル・ラフマン氏(35)や、アルカイダの主要メンバーらが含まれている可能性があるという。
<後略>
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このような情報が捕虜(外国人)に流れたら、暴動が起きる可能性が高い。
● 捕虜に強奪された武器はどういうものでどれくらいの武器か?
これで、行われた鎮圧活動が“過剰”か“適正”か判断できる。
このような調査がきちんと行われ公表されない限り、“マザリシャリフ暴動”は米軍および北部同盟の虐殺行為として断罪されるべきである。