投稿者 倉田佳典 日時 2001 年 8 月 13 日 18:33:01:
回答先: 「皇后寄付」世論工作か秘密資金退避か ベールに包まれた真の動機 共同 投稿者 倉田佳典 日時 2001 年 8 月 13 日 18:32:04:
08/13 08:48 日本にも詳細は知らせず 数奇な変転「皇后寄付」 外信12
【ジュネーブ１３日共同＝藤井靖】スイス政府や赤十字国際委員
会（ＩＣＲＣ）の公文書で十三日明らかになった「皇后寄付」は、
提示段階の混乱に始まり、極東委員会の送金禁止決定を経て、日本
にも詳細が伝えられないまま四年後に送金が実行される数奇な変転
をたどった。
東郷茂徳外相（当時）がＩＣＲＣの駐日代表に一千万スイスフラ
ンの寄付を申し出たのが一九四五年八月七日。通信事情の悪さから
スイス本国とＩＣＲＣ本部（ジュネーブ）に情報が伝わったのは八
月十七日。ところが十五日の終戦でスイス政府は十六日、米英など
との合意に基づき、国内の日本資産を凍結していた。
寄付に関する合意が資産凍結前に成立したかどうか―。わずか数
日の差が寄付の実行を求める赤十字側と米英両国政府が四年間にわ
たり対立する原因となった。いったんは「最終判断」をゆだねられ
た連合国の極東委員会は四六年六月、送金の禁止決定を出す。
ＩＣＲＣは対米交渉用の弁護士として、米国務省の元法律専門家
を雇い米国に焦点を絞った工作を続けた。
米国は四九年三月、国務省が「資金の移転は、スイス当局が決め
るべきである」との表現で、寄付の実行を容認。米国に追従する形
で英国も同年五月に「資金の所有権放棄」を決める。ただし英国は
「本来は米英捕虜の待遇改善のため、われわれが日本に送ったカネ
だ」との基本姿勢は崩さなかった。
米英の了解を取り付けた後、スイス政府とＩＣＲＣの動きは慌た
だしい。横浜正金銀行がスイス国立銀行に保有している「特別勘定
」から拠出される寄付の凍結中の利子はどうするのか、送金手数料
は―。巨額のカネが四年間も眠っていたことで生じた疑問点をめぐ
り、文書が何度もやりとりされている。
スイス政府とＩＣＲＣは「日本の寄付」に反対する英国に配慮、
寄付金の出所をあいまいにすることを決めた。ＩＣＲＣは四九年五
月九日付でスイス政府に「極東委員会に加わっている（フランスな
ど）他国が新たな障害をつくらないよう、早急に（送金の）措置を
取ってほしい」と訴えている。
最後は、日本にも詳しい事実関係を知らせないまま、横浜正金の
資金がひそかにＩＣＲＣに移された。
送金実施後の四九年七月十三日、ＩＣＲＣの駐日代表部は「日本
政府が寄付金について問い合わせてきた」との電報をジュネーブの
本部に送った。一カ月後に本部から届いた指示は、寄付を「日本の
贈り物」と表現しながらも（１）結末の細部は日本に伝えるな（２
）日本には最小限の口頭説明にとどめよ―と記されている。
（了） ０１０８１３ ０８４８
[2001-08-13-08:48]
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。