投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 10 月 21 日 10:11:15:
回答先: <中東情勢>目標期限日に衝突続発、死者10人 パレスチナ=替(毎日新聞) 投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 10 月 21 日 10:05:13:
【カイロ20日=平野真一】
パレスチナ騒乱をめぐる緊急アラブ首脳会議が、二十一日から二日間の日程でカイロで開かれる。イスラエルに対して衝突終結や中東包括和平達成を迫るため、どのような対応策を打ち出すかが注目される。だが、最終声明には、パレスチナ経済支援やイスラエルとの新規関係改善凍結など、穏健な措置が盛り込まれるだけとなる公算が大きく、イスラエルへの圧力としての実効性は早くも疑問視されている。
エジプトのムーサ外相は十九日、首脳会議の準備会合として開かれたアラブ外相会議の初日の協議後の記者会見で、「すべての点で合意に達し、声明草案を作成した」と明らかにした。
草案は公表されていないが、十九日付レバノン紙ムスタクバルによれば、イスラエルの「攻撃的、挑発的行為」や「和平拒否」を非難し、「衝突の責任は全面的にイスラエルにある」とするとともに、〈1〉自治区封鎖で困窮しているパレスチナ人救済のための経済基金創設〈2〉イスラエルの「戦争犯罪人」を裁くための国際法廷設置を国連安全保障理事会に要請〈3〉アラブ諸国の新たな対イスラエル関係改善凍結――などの内容になるという。
アラブ強硬派、リビアの最高指導者カダフィ大佐は十七日、カタール衛星テレビで、草案がサミット一週間前に各国首脳に回覧されていたことを暴露し、「サミットは始まる前から終わっている」と非難した。これに対してムーサ外相は「単なる草案に過ぎず、(不満があれば)首脳が変更すればよい」と反論したが、穏健な対応策でことを収めようという雰囲気が支配的であるところに、「キバを抜かれた」と言われるアラブ世界の現状がある。
アラブ諸国の多くは、衝突の原因を、イスラエルが中東和平の原則である「領土と平和の交換」を拒否しているためと見ている。
だが、リビア、イラクなど初めから和平プロセスのらち外に置かれている強硬派が和平交渉破棄を主張しているのを除けば、エジプト、ヨルダンなどすでにイスラエルと平和条約を結んでいる国はもとより、シリア、レバノンなど、和平交渉が進まずいらだちを強めている国でさえ、和平プロセスの枠組みを揺るがす強硬措置は取りたくないとの立場だ。
一九九一年の和平プロセス開始以来、多くのアラブ諸国は「イスラエルとの和平を通じて地域の安定化を図り、経済発展の基盤を作る」との戦略を採択してきた。ここで強硬措置をとっても、アラブの停滞を自ら深めるだけだとの認識がある。