投稿者 転載多し 日時 2000 年 10 月 21 日 06:21:18:
協栄生命が潰れました。
千代田生命の時に他に債務超過の生保は無いと
金融庁は言ったが、やはりウソだったのだろうか?
まずは転載から。
協栄生命破たん、どうなる保険契約
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協栄生命保険の会社更生手続きの申し立てに対し、裁判所が保全処分を出したことで、保険契約者は10月20日から保険契約を解約できなくなった。解約が自由にできるようになる時期は、裁判所が決める更生計画の中で定められる。解約ができるようになった後も、解約が急増することを防ぐため、一定期間、解約返戻金を削減することが認められている。いずれも解約が殺到すれば、契約を続けている人への保険金支払いができなくなる恐れがあるためだ。
契約通りの保険金を受け取れることが保証されているのは、特例期間の2001年3月末までに死んだり入院したりした場合の個人・団体向け保険の死亡保険金と入院給付金だけだ。ただ、これらの契約も来年4月以降は、支払われる保険金が最大数パーセントカットされることがある。
一方、個人向けの保険でも、貯蓄性の高い、一時払い養老保険の満期保険金や個人年金保険などの保険金は「保険金全額補償」の特例の対象になっていない。破たん保険会社は、更生計画の中で、保証利回り(予定利率)を引き下げてもよいことになっており、こうした保険の保険金の受取額は、当初予定より減額される可能性が大きい。
逆ざや増大で破たん、と協栄生命社長が会見で説明
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東京地裁に更生特例法を申請した協栄生命保険の大塚昭一社長(20日付で辞任)らは20日夜、記者会見し「このような事態に陥ったことをご契約者、株主に対して深くおわびします」と深々と頭を下げた。破たんの理由について、超低金利により逆ざや(運用利回りが保証利回りを下回る状態)が増大し、財務体質の悪化を招いたほか、生保破たんが続き、同社への信用不安が増幅された、と説明した。千代田生命破たん後、解約が急増したという。今回の経営破たんで生保業界や国からの支援を受けることにはならない可能性が高い、と述べた。
大塚社長は「新規契約が不調で、解約も相次いだ。このままいたずらに事態を放置すると、資産のさらなる劣化を招き、ご契約者により大きな損害を与えかねないと判断した」などと述べた。また、「超低金利は誠に異常だった」と破たんの一因にあげた。
同社と米プルデンシャルとの提携交渉が合意に至らなかった点については、逆ざやの深刻化で、今年度上半期の財務状況が予想より悪化し、資産評価など条件面で折り合わなかった、と説明した。同社はプルデンシャルと並行して、日本の保険会社とも提携交渉を進めていたことを明らかにした。更生法申請はごく最近になって決めたという。
今後について、大塚社長は「支援に手を挙げているプルデンシャルを軸に、できるだけ早く支援交渉を始めたい」と述べた。(23:31)
協栄生命、更正特例法申請 プルデンシャル軸に再建検討
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中堅生保の協栄生命保険(本社・東京、大塚昭一社長=株式会社)は20日、経営内容が悪化し自主再建は困難になったとして、生保版の会社更生法である更生特例法の適用を東京地裁に申請、経営破たんした。生保破たんは戦後6社目。協栄生命の契約件数は約600万件、負債総額は4兆5297億円に達し、過去最大の生保破たんになった。北米最大の生保プルデンシャル保険との資本提携の道を探ってきたが、条件面で折り合わず断念。ほかの外資や国内保険会社との提携も見込めない中で解約が相次ぎ、財務が一段と悪化したことから自主再建を断念した。
東京地裁は協栄生命の申請を受理し、保全管理人に高木新二郎弁護士を選任した。大塚社長ら全役員は同日、辞表を提出した。今後、プルデンシャル保険を軸に支援先を検討する。プルデンシャル保険は20日、「裁判所から(支援先に)任命されれば、協栄生命の更生計画を支援するために、全力を傾けて慎重かつ速やかに計画を実行する準備を整える方針だ」との談話を発表した。このほかにも、米ノンバンク、GEキャピタル、大和生命保険グループも名乗りを上げている。
協栄生命によると、9月末時点の見込みで、約45億円の実質的な債務超過に陥っていた。生保の財務の健全性を示すソルベンシー・マージン比率は203%で、金融庁から業務改善命令を受ける200%未満すれすれになっていた。
協栄生命の保険契約のうち、死亡保険金や入院給付金は2001年3月末まで特例として全額保護される。その後は、保険金支払いに充てる責任準備金のカットや保証利回り(予定利率)の引き下げなどで、削減される。個人年金などその他の商品の保険金は、当初から削減対象となる。保険は、東京地裁が更生計画を認定するまでは解約できない。
債務超過額が今後さらに膨らむと、保険会社でつくる生命保険契約者保護機構が穴埋め資金を拠出し、公的資金が使われる可能性もあるが、大塚社長は「そんなに大きな額が必要にはならない」との見通しを述べた。
協栄生命は自衛隊や教職員の市場に強い中堅生保。これまでの生保破たんと同じようにバブル経済期の高利回り商品の販売が、超低金利時代になり足を引っ張った。保険の支払い利回りが資産の運用利回りを上回る「逆ざや」の額は年間750億円にも達し、財務体質を年々悪化させた。
協栄生命は2000年3月末に約210%だったソルベンシー・マージン比率を300%超に改善するため、6月、プルデンシャルが資金支援することで、提携に基本合意した。
しかし、その後も新規契約が取れないことや、株式市況の低迷などで財務内容がさらに悪化。計画していた300億円の資本受け入れだけでは今年度末にソルベンシー・マージン比率300%超えが困難な状況になり、プルデンシャルに追加支援を要請したが、プルデンシャルは応じなかった。
10月9日に更生特例法を申請した千代田生命の破たんの影響で、協栄生命も保険契約の解約が急増し、同社の経営を圧迫した。(01:23)
破たんの協栄生命、子会社経営老人ホームに418人入居
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協栄生命保険は、子会社の協栄年金ホームが千葉県流山市、札幌市、和歌山県白浜町、岡山県賀陽町、福岡市の5カ所で有料老人ホームを経営し、介護が必要な高齢者を含む418人が生活している。破たんによる入居者への影響が懸念される。
入居者は入 居時に約2700万―8500万円を支払って協栄生命の個人年金保険に入り、そこから支払われる月額二十数万円の年金が子会社に入り、月々の家賃、食費、管理費などに充てられる仕組みだ。
子会社は20日夕、各ホームで臨時の入居者懇談会を開き、(1)契約通り終身のサービスを保証する(2)年金額が目減りしても追加負担を求めない――と説明した。ただ、更生計画がまとまるまで新規の入居者募集を停止する。
岡山を除く4ホームが介護保険の指定施設で、約100人の要介護者がいるため、同社は厚生省にも当面の対応策について報告した。
(03:01)
次は少し前に潰れた千代田の転載
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〈破たんの千代田生命〉
一時は大手の一角にまで登りつめた中堅生保、千代田生命保険が更生特例法の適用を申請、経営破たんした。バブル期の不動産投資などの失敗が原因だが、メーンバンクの東海銀行が経営統合を優先して、支援しきれなかったことが響いた。外資生保の支援に期待をつないだが、信用不安から最後は資金繰りがつかない果ての破たんだった。(1面参照)
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■委員長の顔に泥
「東海は三行統合で千代田に構ってられなかったんだろうな。統合名は何て言ったっけ。変な名前だよな」
千代田破たんから一夜明けた十日朝の閣議後会見。相沢英之・金融再生委員長(金融担当相)の口からは、東海銀に対する毒を含んだ言葉が流れ続けた。
三日前の会見で「(千代田が)存続する方向で関係金融機関の協力をお願いしたい」と「大見え」を切ったばかりの相沢氏。唐突な千代田の破たんで、金融行政トップの顔に泥を塗られたと受け止めたに違いない。「東海のとった行動の軌跡は納得いかない」。相沢委員長の東海銀批判はしばらく収まりそうにない。
千代田生命は一九○四(明治三十七)年に創業した業界しにせの一角。七○年には東海銀をはじめ千代田火災海上保険、中央信託銀行(現中央三井信託銀行)などと親密企業グループ「さつき会」をつくる。とりわけ東海銀とは「法人営業は二人三脚のケースもあった」(関係者)とされるほど関係が深く、東海銀の行員にも千代田の契約者は多い。相沢委員長ならずとも「東海銀が最後は面倒を見る」と踏んでもおかしくなかった。
しかし銀行再編の流れの中で東海銀の置かれた立場は、この一年で様変わりした。三和銀行、東洋信託銀行との経営統合「UFJグループ」の発足だ。「東海銀は、もはや単独で千代田問題に答えを出すことはできない状態」(関係者)になっていた。
■3行足並み乱れ
常に経営不安がつきまとった千代田生命だが、実は半年余り前に支援策がまとまりかかったことがある。
ことし三月。東海銀とあさひ銀行の統合構想に三和銀が加わった後、三行は千代田支援について、いったんは「資金を出し合って支える」との結論に達していた。保険金の支払い余力を表す「ソルベンシーマージン比率」を二六三%から六○○%以上に引き上げるため、三行で三千億円規模の基金(資本)を拠出する計画だった。
しかし三カ月後、合併への切り替えを求める二行から、あさひ銀が離脱。支援策がとん挫し、急速に暗雲が広がる。三和銀からは「抜けたあさひの支援分をどうするのか。三和だけでは支えきれない。株式の評価損も二千億円に膨らんだと聞く」(幹部)。突き放した発言が漏れるようになる。
「さつき会の仲間でもあり救ってあげたかった」(首脳)との東海銀の思いは、既にこのあたりで絶たれたと言ってよさそうだ。
■1兆円が消えた
連休直前の六日の金曜日。生保業界に不気味な「現象」が起きていた。数社の団体保険の保有高が、日常では起こり得ないほど急増したのだ。
原因を探りたどり着いたのは「ある大手銀行が千代田生命から一兆円以上の団体保険を解約した」との情報だった。千代田からの解約分がほかの生保などに回ったことは、間違いなかった。千代田は、生保としては異例の「資金繰り破たん」から逃れられなくなっていた。
「信用不安は日増しに募り、特に九月中旬ごろから急速に増大しました」。九日朝、秋雨の中集まった報道陣を前に破たんの経緯を淡々と説明した米山令士社長の胸中は意外と、資金繰りの苦労から解放された安ど感で占められていたのかもしれない。
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次に協栄生命関連の過去のニュースの見出し。
掲載日2000年06月06日[経済]中堅生保7社新契約高6社が減
掲載日2000年06月02日[経済]協栄生命米社傘下に
掲載日2000年01月20日[経済]中堅の協栄生命米大手と提携
掲載日2000年01月06日[経済]協栄生命が47億円増資
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〈中堅の協栄生命米大手と提携〉
中堅生命保険会社の協栄生命保険(東京)は十九日、米保険大手のリンカーン・ファイナンシャル・グループ(米インディアナ州)と再保険分野で提携、合弁会社を設立することで合意したと発表した。
再保険は保険金支払いの負担を軽減するため、いったん引き受けた保険契約の一部を別の保険会社に任せる制度。設立する合弁会社の社名は「協栄リンカーン再保険サービス」(東京)で、資本金は一千万円。協栄生命が一○%、リンカーンが九○%出資する。営業開始は三月一日。
協栄生命は長期不況を背景にした消費者の生保離れや解約増の影響で業績が振るわず、経営立て直しを迫られている。米国の有力保険会社と手を組むことで、収益力を高め、信用力の補完を図る。
リンカーンは、将来有望な日本の保険市場に進出する足掛かりを得る。国内中堅、中小生保をめぐっては日本団体生命保険がフランスのアクサ、平和生命保険が米エトナの傘下に入るなど外資による買収、提携が相次いでおり今後も外資主導の再編が加速しそうだ。
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掲載日2000年06月02日 <共>
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〈協栄生命米社傘下に〉
生保業界中堅の協栄生命保険(東京)は一日、米最大手の生保プルデンシャルを引受先に約三百億円の第三者割当増資を実施し、合弁で販売会社も設立する提携で基本合意したと発表した。プルデンシャルは発行済み株式の当面一八%を保有する筆頭株主となり、協栄生命はプルデンシャルの傘下に入る。提携に合わせ、協栄生命は二○○○年度から三年間で内勤、営業の総合職など約千人を希望退職を募って削減する経営合理化策をまとめたことが明らかになった。退職者は営業職員を除く職員の四分の一に当たる。役員年収の二五―三五%削減、営業職員を除く役職員の昇給中止も実施する。
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p>協栄生命は経営破たんした第一火災海上保険に基金三百億円を拠出している。だが基金の回収が困難になり、プルデンシャルとの提携で経営の立て直しを進める。
第三者割当増資は二○○○年度に二百億円、二○○一年度に百億円と二段階で実施する見通し。合弁販売会社は新たな営業基盤を開拓するのが狙い。協栄生命は商品開発、投資運用面などでプルデンシャルに支援を仰ぐ。
希望退職は勤続十年以上の内勤総合職、営業総合職などから募集する。また全職員を対象にして年収を削減する人件費抑制も計画。年収の削減率は役員の二五―三五%に対して、内勤職員は一○%程度とする。
現在約五百七十カ所の支部、営業所などを統廃合し、拠点を大幅に縮小することを柱にした機構改革や関連会社の統廃合、保養所売却も進める。
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千代田生命と同様、協栄生命も外資系との
提携で生き残りを模索していたのです。
証券会社の破綻にも同じパターンが見られたのを
憶えている方も多いかと思いますが、困っている
時に親切そうな外資系の会社と提携の話が
出てきて、やれやれこれで助かったと思って
再建策を緩めていると不意打ちを食らって
潰されるという手口です。
提携ではなく、自力で早めに更正するなり
破綻整理した方が被害が少なかったであろうと
噂されるケースも多く、魅力的な提携話を
ちらつかせて会社を潰し、最安値を付けたところで
叩いて買ってぼろ儲けをするM&Aの手法と言えば
それまでですが詐欺的と言っても良いでしょう。
生保業界はまだ被害者が出るかもしれません。
生保に限らず、バブル期に政治家や暴力団の
コネでいい加減な融資をした業界はどれもこれも
満身創痍だと考えた方が良いと思います。
まだ死ぬと決まったわけではないですが、
余力が少なくなっているので慎重で大胆な経営が
必要とされています。
さらに、これからはメディア関連企業が標的に
されるでしょう。
新聞、テレビ、出版、ネットプロバイダー、電話、
携帯、そして広告会社に金と誘惑が伸びる模様です。
旨い話には御用心あれ。