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投稿者 ＦＰ親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 10 月 06 日 12:23:23:
ベオグラード（ＣＮＮ）
ユーゴスラビア連邦の大統領選をめぐる野党側の抗議行動は５日、ベオグラードで５０万人以上の市民が連邦議会ビルを占拠するなど、民主ほう起の事態に進展した。セルビア国営テレビ局など、政府側メディアは一時、放送を中断した後、「中立」を宣言、また、軍も現在のところ、不介入の姿勢をみせている。セルビア民主野党連合のコシュトニツァ大統領候補は国営テレビに出演して、大統領職の遂行を始めたと認めたうえで、国民に平静を呼びかけた。ミロシェビッチ大統領はベオグラードを離れたとみられ、同政権は事実上、崩壊したとの見方が強まっている。
１０万人以上ともされるデモ隊は５日午後、「首都決戦」と呼んでいた大規模集会を議事堂前で開催。集会の最中に、一部グループが議事堂のドアに投石を始め、突入を試み始めた。これに対し警官隊は催涙ガスを使用して排除し、１回目の突入の試みは阻止されたものの、２回目に議事堂内へなだれ込んだ。 この衝突で、少女１人が車両にひかれて死亡したほか、１００人以上が負傷したとの情報もある。
現政権寄りとされてきたタンユグ通信は声明の中で、「タンユグはユーゴスラビア国民とともに歩む」との立場を表明、野党連合を支持する姿勢を鮮明にした。また、首都の国営テレビ局（ＲＴＳ）とミロシェビッチ大統領を支持してきた第２のテレビ局「スタジオＢ」も野党連合の支持勢力により占拠された。
コシュトニツァ氏「新しい歴史を刻んだ」
コシュトニツァ氏はこの後、国会議事堂のバルコニーから群集に向かって演説。「ミロシェビッチ大統領は、これ以上、国民の意思に反して抵抗することはできない。セルビアは今日、新しい歴史を刻んだ」と訴えた。
コシュトニツァ氏は５日深夜、テレビに出演し、野党側の勝利と大統領就任を事実上、宣言した。一方で、自らの任期を１年半程度とし、その間に選挙を実施して、新政権を樹立するという意向を示した。
ミロシェビッチ大統領の行方が焦点に
独立系のベタ通信社は、ユーゴ連邦軍幹部の「軍が街頭での動きに干渉することははない。ユーゴ軍人は常に憲法を順守して、事態を見守ってきた」というコメントを伝えた。
また、米国防総省も５日、ユーゴ連邦軍が兵舎にとどまっており、武力介入する様子はないことを確認。ベーコン報道官はミロシェビッチ大統領の所在について「われわれの知る限り、ミロシェビッチ氏はまだベオグラードにいる」と述べが、ユーゴ国内では、同大統領がベオグラードから逃亡し、ルーマニア国境に近い東部にいるという情報が流れている。
ＥＵはコシュトニツァ氏支持と制裁解除を示唆
ユーゴ情勢について、欧州連合（ＥＵ）議長国フランスのベドリヌ外相は５日、コシュトニツァ氏を同国の正統な権力者と認め、同氏が求めているＥＵの対ユーゴ経済制裁を解除する用意がある、との声明を発表した。
一方、米クリントン政権は、野党側を支持しつつも、事態の推移を冷静に見守る立場を崩していない。クリントン米大統領は５日、「米政府と野党候補の立場は違うが、野党候補が選挙に勝ったのは明らかだ」と述べた。シーワート米大統領報道官は「今後については、野党側の決断に任せる」として、クリントン政権が積極的に野党側と接触していないことを示唆した。
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