★阿修羅♪ 電磁波と憂鬱 アメリカでは大問題

 

[カルテの内側]電磁波と憂うつ アメリカでは大問題に=栗原雅直
 (日曜くらぶ)1998.02.08 東京朝刊 34頁 総合 写図有 (全
1500字) 

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 毎日新聞から出版された『お父さんの更年期』を読んでいたら、5
3歳になる男性が仕事をやめたとき、憂うつで死にたくなったという
話が書いてあった。最後の仕事として電波塔を完成した結果、気が緩
んだのが原因だった。

 うつ病は大変な仕事がストレスになって起こるだけではない。いわ
ゆる「荷おろしうつ病」というタイプでは、負担が大きい仕事をやっ
と終えてほっとした途端、いわば「たたらを踏む」ような形で病気が
起こる。この男性の場合もそんなケースに近いし、また傾向的に多い
のも事実である。

 だが唐突ではあるが、私はこんなふうにも考えた。
電波塔が出す強 い電磁波が、うつ病を起こした可能性はないだろうか、と。

 飛行機が離着陸をするとき、ノート型パソコンなどの電子機器を使
わないようにアナウンスされる。また病院で携帯電話をかけると、医
療機器や心臓のペースメーカーが狂ってしまうからやめるようにと掲
示がしてある。

 これは電磁波が電子機器の作用を狂わせ、場合によっては人命にか
かわる事故を起こすからである。人間も電子信号で制御される非常に
デリケートな精密機械と言えるので、当然、いろんなトラブルが起こ
ってくる。

 私自身、長時間パソコンの仕事をしたあと、急に胸が苦しくなった
ことがある。ちょうど診療所に居たときだったので、すぐに心電図を
とってみたら、見事に2段脈・3段脈という不整脈が起こっていた。

 電磁波が原因だとすぐ自覚したので、しばらく休んでいたらよくな
った。

 内科の先生からは24時間心臓の働きを記録するホルター心電図を
とって不整脈の起こり方を調べるように言われたが、どうせ原因は分
かっていたので、さぼって何もしなかった。

 もっとも前夜の深酒もいささか関係があるので、それを知られたく
なかったこともある。その後できるだけパソコンは続けてやらないよ
うに心がけている。

 また長時間パソコンをした後に苦もん状態となり、居ても立っても
いられなくなった職員を診察したこともあった。この人にも休みなが
ら仕事するようにアドバイスしたら、症状は回復した。

 通産省や厚生省は立場上、「携帯電話は有害」とは言えないので、
とりあえず携帯電話で脳が電子レンジのように熱くなる危険だけは配
慮するよう「耳から何センチ離してかけるように」などと言ってい
る。

 だが携帯電話が持つ問題は発熱作用よりも、むしろ免疫低下作用や
うつ病を起こすなどの危険の方が大きいとの指摘もある。

 例えば、高圧線の下の曲がり角でよく自動車事故が起きているが、
それも電磁波の影響と関係が多いにあるらしい、と言われているの
だ。

 荻野晃也著『ガンと電磁波』(技術と人間社)に書いてあった話だ
が、冷戦中の1959年に、当時のアメリカ副大統領ニクソンがモス
クワを訪問したとき、大使館のニクソン氏の寝室がかなり強力な電磁
波を照射されていたことが分かった。

 さらに外交官2人がリンパ腺(せん)がんにかかり、ウオルター・
ストーセル大使までも原因不明の吐き気と目から出血するという災難
に見舞われた。厳重な抗議のあと、なぜか電磁波はなくなったが、実
態はうやむやにされた。

 また携帯電話で側頭葉の脳しゅようが起こるという説もある。おそ
らく電磁波によってメラトニンという脳内物質の分泌がおさえられ、
免疫力が低下するためらしい。

 2、3年前に私はたまたま脳外科の学者たちの集まりに出席したこ
とがあった。そこで私は携帯電話の問題をこのまま放置しておいても
いいものなのか、と質問したところ、アメリカでは大きな問題になっ
ているこの話をほとんどが知らなかったという。

 専門家も、もう少し広くいろいろ勉強してほしいと思ったのであ

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