沖縄・名護市長選:新人の渡具知氏が当選 !
安倍政権の札束で頬を叩いて投票を強要する行為で自公の候補者当選 !
(www3.nhk.or.jp:2018年2月5日 5時00分より抜粋・転載)
沖縄県名護市の市長選挙は、2月4日に投票が行われ、自民・公明両党などが推薦し、地域経済の活性化を前面に掲げた新人の渡具知武豊(とぐち・たけとよ)氏が、アメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設阻止を訴えた現職・稲嶺氏を破って、初めての当選を果たしました。
名護市長選挙の結果です。
▽渡具知武豊(無所属・新)当選、2万389票
▽稲嶺進(無所属・現)1万6931票
自民党、公明党、日本維新の会が、推薦する新人で元市議会議員の渡具知氏が、民進党、共産党、自由党、社民党、地域政党の沖縄社会大衆党が推薦し、立憲民主党が支持する現職の稲嶺氏を破って、初めての当選を果たしました。
渡具知氏は、名護市出身の56歳。20年近く市議会議員を務め、今回初めて市長選挙に立候補しました。
アメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設に向け、護岸工事が進む中で行われた今回の選挙戦で、渡具知氏は、移設問題の賛否には直接言及せず、前回自主投票だった公明党の推薦も受けて、地域経済の活性化を前面に掲げました。
その結果、自民党や公明党の支持層を固めたほか、いわゆる無党派層からも一定の支持を集め、初めての当選を果たしました。
一方、辺野古への移設阻止を訴えた現職の稲嶺氏は、沖縄県の翁長知事の支援を受けて3期目を目指しましたが、及びませんでした。
渡具知氏は「今の市政に対する閉塞(へいそく)感と、これからの名護市の経済振興や子育て世代に対する支援などを訴えたことで支持されたと思う」と述べました。
また、名護市辺野古への移設計画については「これまで何度も申し上げているように、国と県とが争っている裁判の行方を注視していく」と述べました。
自民党の塩谷選挙対策委員長は党本部で記者団に対し、「基地問題への対応と、地元の経済、教育、福祉を両立させようという候補の訴えが受け入れられた。基地の移設は今までの計画どおり進められていくと思う」と述べました。
そのうえで、塩谷氏は、ことし行われる沖縄県知事選挙について「今回の名護市長選挙は知事選挙に向けての大きなポイントになっていた訳だから、大きな影響がある。今回の結果を受けて、今後の態勢を整えていく」と述べました。
公明党の斉藤選挙対策委員長は「この8年間で停滞した市政を転換したいという市民の思いと、渡具知氏の『活気あふれる名護』という訴えが重なった結果だと思う。
渡具知氏がこれまでの『分断の名護』から『協力しあう名護』に変えてくれるとの市民の期待が、最大の要因だ。
ことしは沖縄の選挙イヤーで、各種の地方選挙に大きな弾みとなるだろう。普天間基地の名護市辺野古への移設は、地元と県民の理解を得て進めるべきだ」などとするコメントを発表しました。
日本維新の会の馬場幹事長は「多数の民意を得たことは喜ばしい。
市民の皆さんから受けた支持をしっかりと政策につなげていくためにも、地域の活性化と振興に向けて、新市長には頑張っていただきたい。
わが党は長年、過剰な負担を強いられている沖縄の方々の基地負担軽減に向けた取り組みを進めていきたい」というコメントを出しました。
社民党の又市幹事長は、「相手陣営の『辺野古移設問題の争点外し戦術』に加え、安倍政権の大攻勢の前に、残念ながら稲嶺氏は及ばず、苦杯を飲んだ。
社民党は、沖縄県の負担削減に向けて『辺野古新基地建設阻止』などを強く求めるとともに、翁長知事の再選と統一地方選挙勝利を目指し、全力を尽くしていく」というコメントを出しました。
自由党の小沢代表は「稲嶺氏は、辺野古移設問題について、常に市民の声を第一に、一貫して反対の立場を貫き、将来を見据えた、責任ある対応をとってきたが、選挙結果につながらなかったことは誠に残念だ。
安倍政権が、沖縄に寄り添うどころか、沖縄の民意を踏みにじっていることは明らかで、安倍政権を1日も早く終わらせるために、引き続き全力で闘っていく」というコメントを出しました。
民進党の篠原選挙対策委員長は、「稲嶺氏を推薦した政党として、力が及ばなかったことをおわびする。
稲嶺氏は、地域と暮らしを守る政治を訴えてきたが、残念ながら力が及ばなかった。
民進党は、沖縄県民1人1人の思いを胸に刻み、結果を厳粛に受け止め、安倍自民党政権と厳しく対じしていく」というコメントを出しました。
立憲民主党の福山幹事長は、「極めて残念だが、『辺野古新基地移設方針』に対し、名護市民と沖縄県民の多くが反対の意思を表明し、理解が得られていないことも明白であり、政府・与党は沖縄の現実をしっかりと直視するべきだ。
立憲民主党は、政府・与党が引き続き沖縄県民の意思に寄り添うことなく強硬に事態を推し進めていくことに対しては、厳しく対じしていく」というコメントを出しました。
(参考資料)
札束で頬を叩いて投票を強要する行為に、
名護市民は、怒りの対応を示すべきだ !
(「植草一秀の『知られざる真実』」:2018/02/02より抜粋・転載)
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1) 沖縄県名護市長選は、現職と新人の激戦が伝えられている !
2) 名護市長選は、辺野古海岸に、米軍基地
を建設する事の是非を問う選挙だ !
名護市辺野古海岸に、米軍基地を建設することの是非を問う選挙である。
安倍政権は沖縄県民の意思、名護市民の意思を踏みにじって辺野古米軍基地建設を強行している。
基地建設が進捗してしまうと、これを中止して原状を回復することは困難になる。
また、裁判所に訴えても「訴えに利益なし」と訴えを退けられてしまう可能性も高くなる。
辺野古米軍基地建設問題は正念場を迎えているわけだ。
この名護市長選で米軍基地建設反対を訴える現職の稲嶺進氏が敗北することになれば、安倍政権は米軍基地建設を一気に加速することになるだろう。
3) 米軍基地建設を阻止するためには、稲嶺進氏を当選させるべきだ !
米軍基地建設を阻止するためには、この名護市長選に敗北することは許されない。本年最初の最重要政治決戦となる。
名護市の市民は札束で頬を叩くような安倍政権の沖縄差別、沖縄蔑視の行動を跳ね返す矜持を示す必要がある。
安倍政権与党である自公、さらに維新が支持する渡具知武豊(とぐち・たけとよ)候補は、表向き辺野古米軍基地建設推進を唱えていない。
しかし、安倍政権は名護市の市民に対して、辺野古米軍基地建設を受け入れれば、米軍再編交付金を支給するとしている。そして、渡具知候補は、再編交付金を受け取ることを公言している。
4)自公維新が支持する、渡具知候補は、
辺野古米軍基地建設容認の人物だ !
5)「基地問題隠し選挙」にする、渡具知候補は、
名護市民に、極めて不誠実な態度である !
「基地問題隠し選挙」と呼ぶことができるが、名護市の主権者に対して極めて不誠実な態度であると言わざるを得ない。
沖縄の創価学会は、平和運動に、熱心に取り組んできた。
創価学会の池田大作名誉会長は、著書『新人間革命』のなかで、次のように記述している。
「『本土復帰』という、住民の悲願の実現を盾に、核兵器や基地を、沖縄に背負わせるとするならば、かつて、沖縄を本土決戦の”捨て石”にしたことと、同様の裏切りを、政府は、重ねることになる」(『新人間革命』第13巻P300)
6)核兵器や基地を、沖縄に押しつける事に反対の
創価学会員は、渡具知候補を支持するだろうか ?
その公明党が、実質的に米軍基地建設容認の渡具知候補を推薦したことについて、名護市の創価学会員は、無批判に、これを是認するのだろうか。
創価学会員のかなりの人々が、選挙では、稲嶺進氏に投票することも、十分に考えられる。
政府が、財政支出として支出する、交付金について、与党が支持する候補が勝ったら、交付金を支給し、政府が支持しない候補が勝ったら、交付金を支給しないことを、選挙活動として述べることは、実質的な利益誘導、利害誘導、「買収行動」である。
7)公職選挙法は、安倍政権の行政権限を利用した、
投票誘導を選挙違反として、明確に禁止すべきだ !
8)札束で頬を叩いて投票を強要する行為に、
名護市民は、怒りの対応を示すべきだ !
辺野古海岸を破壊して、日本国民の費用負担で、新しい巨大な米軍基地を、沖縄県内に建設することの是非を、名護市の市民に率直に問うべきなのだ。
「基地を受け入れたらカネをくれてやる、しかし、基地を受け入れないなら、びた一文カネをくれてやらない」との対応は、最低の、卑劣な名護市の市民を冒涜する行動である。
名護市は安倍政権が、財政資金を用いて、陰湿な嫌がらせ、予算カットの暴挙に進んでも、これを、あらゆる工夫によって乗り越えてきた。
9)稲嶺進氏が、市長に選出された年以降、政府は
名護市に対する米軍再編交付金の交付を取りやめた !
稲嶺進氏が、市長に選出された、2010年以降、政府は市に対する米軍再編交付金の交付を取りやめたが、名護市は地域振興の13事業のうち、11事業の財源を確保してきた。
札束で頬を叩き投票を強要するような安倍政治に、名護市民は明確にNOの意思を突きつけるべきである。名護市民の矜持が問われる選挙である。
稲嶺進候補は、名護市内を駆けめぐり、「名護市の未来、沖縄県の未来を決める大事な選挙だ」「辺野古では、さまざまな手続きと、民意を全く無視する形で、新基地建設の工事が強行されているが、あきらめる必要はない。
護岸工事の進捗状況は、埋め立て面積の1%にも満たず、名護市長と県知事の権限によって、止めることができる」と強調した。
10)稲嶺市長は、米軍再編交付金に頼らずに、
子供の医療費無料化などを推進してきた !
さらに、米軍再編交付金に頼らずに、子供の医療費無料化などを進めてきた、実績を具体的に語った。
安倍政権の沖縄担当内閣府副大臣だった松本文明氏は、共産党の志位和夫委員長が国会の代表質問で米軍機による相次ぐ事故について政府を追及すると、「それで何人死んだんだ」との暴言を吐いた。
「県民が死んでもいないのにつべこべ言うな」という意味でこのヤジを飛ばしたのだと推察される。
松本氏は沖縄担当の副大臣であり、これが安倍政権の基本姿勢なのである。
11)面積が日本全土の1%にも満たない沖縄県に、
在日米軍専用施設の70%が集中だ !
面積が日本全土の0.6%にも満たない沖縄県に、日本全体の米軍専用施設の7割が集中している。
1952年の「日本主権回復の日」に沖縄和日本から切り離されて米軍統治下に移行した。
その沖縄でいったい何が行われたのか。
米軍は、銃剣とブルドーザーで、沖縄県民の土地を強奪し、そこに基地を建設した。
第二次大戦末期、本土決戦を企図した、大本営は、沖縄を切り捨てて、本土決戦のための時間を確保しようとした。
これが、沖縄戦の悲劇の背景である。敗戦から72年が経過する今、日本に存在する、米軍専用施設の7割が沖縄に集中している。
12)沖縄県内辺野古に、新たな米軍基地を建設する
という理屈は、間違いだ !
13)安倍自公の議席が多いのは、自公以外の勢力が、
候補者を乱立していたからだ !
14)反安倍政治の候補者を1人にすれば、政治刷新の可能性大となり、
投票率が高くなる !
15)稲嶺進氏を当選させ、次期総選挙で、安倍政権を退場させれば、
基地建設中止できる !