関西電力のスマートメーター (c)朝日新聞社
“電力自由化”詐欺に引っかからないために気をつけたいこと〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160311-00000010-sasahi-life
週刊朝日 2016年3月18日号より抜粋
「電力自由化」に向けて多くの企業が参入し、サービスや価格競争が繰り広げられている。新しい電力会社に切り替えるときに気をつけることは何か。専門家に聞いてみた。
Q1:マンションに住んでいる場合は?
各戸が個別に電力会社と契約しているのであれば、自由に電力会社を選んで契約できる。ただし、マンションの管理組合が一括して電力を購入している場合は、自由に選べない可能性があるので、管理組合などに確認をとってみよう。
Q2:新しい電力会社が、供給が不安定になったり、停電になったりすることは?
新しい電力会社と契約しても、使用する送電線網は今までと同じ。電気の供給が不安定になることはない。
「万が一、新しく契約した電力会社が倒産した場合、地域の大手電力会社が電気を供給してくれる仕組みになっています」(オールアバウト電力自由化・賢いエネルギーの選び方ガイド、藤本健さん)
新電力だから電灯が暗い、停電しやすいといったことはない。また、新プランを選ばないと電気が止まると不安視する人もいるが、
「従量電灯プランなど、従来の一般的な料金プランは、2020年3月までは、経過措置として据え置かれます。4月に新電力への手続きをしなかったとしても、電気が止まることはありません」(同)
Q3:価格競争が起これば電気料金はまた安くなる?
電力自由化が進むと、電気料金がもっと安くなるのではないかと期待するが、海外では反対に値上がりした例もある。
「イギリスやドイツでは激しい価格競争が起こり、一時期、電気料金は引き下げられましたが、近年は燃料費の高騰などで上昇した経緯があります。今は原油安の影響で燃料費は下がっていますが、今後どうなるかはわかりません」(同)
燃料費と為替の変動は、即座に電気料金に反映されるわけではないが、影響を受ける可能性は高い。値上がりすることもあると認識しておいたほうが無難だ。
Q4:勧誘なのか詐欺なのか、わからない電話がかかってくる。
訪問販売、電話勧誘販売で新たな電力会社に申し込んだ場合、8日以内であれば、クーリングオフができる。また、乗り換え手続きに便乗した悪質な営業や不要な工事を高額で行うといった詐欺が起きているので注意したい。
「電力会社を切り替えるとスマートメーターが設置されますが、消費者が設置費用を支払う必要はありません。電力自由化に伴い、新たな機器の購入を求められることはないので、工事代金など支払いを請求されたらそれは詐欺だと思ったほうがいいです」(電力比較サイト「エネチェンジ」副社長の巻口守男さん)
あやしいなと思ったら、資源エネルギー庁のHPで登録されている小売電気事業者かどうか確認して、消費者庁のナビダイヤル(0570−028−555)に連絡しよう。