追加緩和効果、早くも剥落 東京株急落、原油安再燃で559円安
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SankeiBiz 2016/2/4 08:15
3日の東京株式市場は、原油価格が下がったことを受け日経平均株価が急落し、前日比559円43銭安の1万7191円25銭で取引を終えた。投資家のリスク回避姿勢が強まって、円相場も一時1ドル=119円台まで円高ドル安が進行。日銀が金融緩和策として、マイナス金利の導入を決めたことによる円安・株高の効果は大部分が早くも剥げ落ちた。
国債市場では、長期金利の指標である新発10年債の利回りが一時0.045%をつけて過去最低を更新した。
「依然、原油価格の動向がマーケットを引っ張っている状況が続いている」
大手証券の担当者はこう語った。きっかけはロシアと石油輸出国機構(OPEC)による協調減産への観測が後退し、ニューヨーク市場の原油先物相場が1バレル=30ドルの大台を再び割り込んだことだ。最近は原油価格と米国株式市場の連動性が高くなっており、2日のダウ工業株30種平均は大幅続落。こうした悪い流れが東京市場に波及した。日銀によるマイナス金利導入決定は、金融市場に与えた「サプライズ(驚き)」が大きかったこともあり、当初は株高・円安をもたらした。
だが、「原油安のような海外発のリスク要因に対し、日銀の金融政策はなかなか及ばない」(三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジスト)というのも事実。平均株価は前日からの大幅続落となり、2日間の下げ幅は計673円に達した。先月29日のマイナス金利導入決定から2日間で計823円上昇した分の大半が打ち消された形だ。金利低下で収益が圧迫される銀行や保険の株価が下がるなど、副作用も目立ち始めた。
投資家の警戒感は再び強まっており、原油安と中国経済の減速という2つのリスクをにらみながら、上下に振れやすい相場展開がまだ続く可能性がある。