「爆買い」はもう終わりなのか・・・(画像はイメージ)
中国人観光客「爆買い」銘柄が軒並み下落 日本の百貨店や家電量販店は戦々恐々?
http://www.j-cast.com/2015/07/09239867.html?p=all
2015/7/ 9 19:48 J-CASTニュース
中国株の暴落で、日本の「インバウンド消費」への影響を懸念する声が漏れはじめている。
東京・銀座や秋葉原、大阪の心斎橋界隈などでは大きな買い物袋を抱えた、多くの中国人観光客が街を闊歩する姿を見ない日はない。百貨店や家電量販店など、いまや日本の小売業を支えているのは中国人観光客といっても過言ではない状況に、「チャイナ・ショック」が冷や水を浴びせたというのだ。
■1日のうちに10%もの値幅で動く異常事態
急降下に急上昇、不安定な中国株への警戒感が強まっている。上海総合指数は2015年7月9日、前日比で5.76%上昇したものの、「前場では約3%下落しており、1日のうちに10%もの値幅で動くことが『超』異常事態です」(第一生命経済研究所経済調査部の藤代宏一・主任エコノミスト)という。
8日には上海と深センの証券取引所に上場する2808社のうち46%にあたる約1300社が売買を停止する事態に陥った。中国株に引きずられるように、同日の米ニューヨーク株式市場は急反落。東京株式市場でも、日経平均株価の終値が前日比638円95銭安の1万9737円64銭と今年最大の下げ幅を記録した。
ほぼ全面安の展開だったが、なかでも「爆買い」と呼ばれる中国人観光客の消費に悪影響が出かねないとの見方から、小売業などの「インバウンド」銘柄の売りが目立ち、軒並み下落した。
観光庁がまとめた15年1〜3月期の訪日外国人消費動向調査によると、中国人観光客の買い物代金は1人あたり17万9902円。前年同期より36%も増え、また訪日外国人客全体の平均(7万1926円)の約2.5倍とダントツ。
中国株の下落が続けば、そんな「お金持ち」の中国人観光客が保有する株式の含み資産が目減りするので、「爆買い」が沈静化してしまうというわけだ。
9日の東京株式市場では、前日に5.21%安となったJ.フロントリテイリングや4.78%安だった高島屋がやや戻したものの、三越伊勢丹ホールディングスは続落して0.46%安で引けた。家電量販店大手のヤマダ電機が1.08%安、ビックカメラも4.99%安とさっぱり。親会社が中国の家電量販大手で、中国人観光客の利用が多い総合免税店のラオックスは1.70%安と続落した。
また、ドラッグストアのマツモトキヨシホールディングスも0.19%安と続落。化粧品の資生堂は0.11%安と、振るわなかった。
■中国株下落→「爆買い」沈静化のシナリオは「成り立たない」
そうした中でインターネットには、
“「バブルはじけちゃったか? これまでが異様だったから、少し静かになってほっとするよ。新宿辺りのドラッグストアなんか中国人ばかりだったから・・・」
「まあ頭を抱えてる日本の商売人は多かろう。せっかく売り場面積を拡大したり、仕入れ倍増したりしたのに、って。そんな経営者多そうだな」
「もう買いたくても買う金どころか日本にも来れないんじゃね?」
「やっぱ外国人観光客を当て込むというのはいろいろ問題があるな」
と、冷ややかな声が寄せられている。
とはいえ、前出の第一生命経済研究所の藤代宏一氏は「(爆買いが冷え込む)心配はわからないわけではありませんが、『中国株下落→爆買いの沈静化』というシナリオは今のところ成り立ちません」と話す。
その理由を、こう説明する。
“「たしかに中国株の状況が直ちに改善されるとは考えづらいのですが、中国株で打撃を受けている人は信用取引をしていた個人投資家です。この層は訪日客でもあるのですが、まだ下落幅より上昇幅のほうが大きく上回っていますし、所得水準も高い層になります。中国の中でも、もともとお金持ちで株の利益で日本に来て『爆買い』しているわけではない人たちです」
さらには、国内のインバウンド銘柄が「中国株の影響を受けて、このまま下落が続くとは考えにくい」とも話す。
中国人観光客の動向について、家電量販大手のビックカメラは「今のところ売り場に大きな変化はありませんし、売り上げも依然として好調に推移しています」としている。
三越伊勢丹ホールディングスも、「(中国株下落の影響は)ほとんどありません」という。現状について、「インバウンドによって売上高はかなり上振れていますが、当社はもともとインバウンドについては目標を定めていませんし、上振れした分が少し下がったという程度です。いまは今後の状況を見守っていきたい」と話している。