鹿児島県、「口永良部爆発的に噴火」!
幸い犠牲者はいなかった !
迫る噴煙 !「必死」…軽装、少ない荷物で全島民、避難 !
再び大規模噴火の可能性も !
T 口永良部島の新岳、爆発的に噴火 !
幸い犠牲者はいなかった !
(毎日新聞 5月29日(金)21時25分配信より抜粋・転載)
<口永良部噴火>迫る噴煙「必死」…軽装、少ない荷物で避難
避難所に到着し、食事を取りながら休む島民=鹿児島県屋久島町で2015年5月29日午後7時46分、須賀川理撮影
「逃げるのに必死だった」。鹿児島県屋久島町の口永良部島(くちのえらぶじま)の新岳(しんだけ)が29日、爆発的に噴火し、わき上がる噴煙から逃れるように全島民ら137人がフェリーなどで島外に避難した。
幸い犠牲者はいなかったが、避難先にたどり着いた島民は軽装で荷物も少ない。「これからどうなるのか」。夜の避難所で不安な表情を浮かべた。【柳瀬成一郎】
「ドカーン」。新岳から約2キロ離れた畑で夫婦でジャガイモの収穫作業をしていた口永良部島の本村地区の区長、林信昭さん(69)は午前10時ごろ、ごう音を聞いた。黒い噴煙が見え、たちまち周囲は薄暗くなった。「硫黄の匂いがして怖かった」
迫ってくる噴煙。急いで妻と車に乗り、避難場所になった番屋ケ峰(ばんやがみね)に向かう。山道で速度は20〜30キロしか出せず気が焦る。15分ほどで番屋ケ峰につくと、ぐったり疲れた様子の人もいた。
ひと息つこうと思ったその時、今度は町から全島避難指示が出た。着替えなどを取りに帰るため、再び車で自宅へ戻る。
2週間分くらいの着替えと持病の薬をとりあえずリュックに詰め、急いで番屋ケ峰に戻った。ずっと逃げたい一心だった。「フェリーに乗り、ようやく安心した」
フェリーから屋久島の宮之浦港に降り立った林さんはポロシャツの軽装。笑顔もみせた。だが、帰宅がいつになるかは火山次第だ。「避難所で体調を崩す人もいそうで心配だ。しかし、長い避難生活は覚悟している」と自らに言い聞かせるように話した。
経験したことのない爆発だった。島に住む漁業、後藤利幸さん(69)は、漁の途中でその瞬間を目撃した。「ドーンという大きな音がした。
今まで4回噴火を見てきたが、一番大きい」と声を震わせた。島で民宿を経営する後藤しづ子さん(64)は「外にいたら『ボーン』というすごい音がし、家の方向に真っ黒い煙が迫ってきた。息もしづらい。着の身着のままで何も持たずに避難を始めた」と慌てた様子で話した。
約12キロ離れた屋久島でも噴火がはっきりと見えた。屋久島で民宿を経営する女性(59)は「噴煙が見えた。空の半分くらいを灰色の煙が埋め尽くし、暗くなった」と不安そう。屋久島町永田の海沿いで民宿を経営する岩川和司さん(59)も午前10時ごろ、海の向こうの口永良部島から黒い噴煙が高く上がる様子を見た。
「『ゴボゴボ』という低い音も響いて聞こえてきた。小学生の時にも大きな噴火を見たことがあるが、今回はそれをはるかにしのぐ規模だ」と驚く。
屋久島町永田で旅館を経営する牧シゲコさん(79)は「噴煙に覆われて急に空が真っ暗になった。
口永良部島を見たら、島の左半分が噴煙で見えなかった。
噴煙の中に稲光みたいな閃光(せんこう)が『パッパッ』と見えて、恐ろしくて生きた心地がしなかった」と語った。
U 噴火警戒レベル5 避難などの対応を
(www.tenki.jp/2015年5月29日より抜粋・転載)
日直主任日直主任
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鹿児島県 口永良部島 噴火特別警報
29日9時59分、口永良部島の新岳で爆発的噴火が発生しました。この噴火に伴い、火砕流が発生し、海岸まで達しています。
屋久島町口永良部島の居住地域には、火砕流の到達が予想されます。避難など、厳重な対応が必要です。
※参考※
噴火警戒レベル5は、最大級の警戒を呼び掛けるものです。危険な居住地域から避難をしてください。
(2015年5月29日 10時36分)
V 口永良部島:マグマ噴火か !
再び大規模噴火の可能性も !
毎日新聞 2015年05月29日 16時43分より抜粋・転載)
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爆発的噴火を起こした鹿児島県・口永良部(くちのえらぶ)島(屋久島町)の新岳(標高626メートル)は、過去にも死者を出すなど大きな噴火を繰り返してきた。
専門家は今回の噴火について、死者が出た1933年の噴火や66年の噴火に匹敵するか、それよりも規模の大きな噴火と分析。マグマ自体が噴出する「マグマ噴火」の可能性が高いと指摘する。
火山の噴火には、「水蒸気噴火」「マグマ水蒸気噴火」「マグマ噴火」の3種類がある。
戦後最悪の火山災害となった昨年の御嶽山(おんたけさん)(長野・岐阜県境)の噴火は、火山の地下にある水がマグマの熱で熱せられ、大量の水蒸気によって圧力が急激に高まり噴出する「水蒸気噴火」だった。「マグマ水蒸気噴火」は地下水と接触したマグマが水蒸気と共に噴出する噴火だ。
気象庁は「今回の噴火は、規模から見て水蒸気噴火ではない」と説明。
中田節也・東京大地震研究所教授(火山学)は、マグマそのものが噴出する規模の大きい「マグマ噴火」の可能性が高いと指摘し、「それほど間を置かずに同規模かそれ以上の噴火が起こる可能性がある。
南九州全体の火山活動が活発化しており、警戒が必要だ」と話す。石原和弘・火山噴火予知連絡会副会長(京都大名誉教授)は「噴煙の色が黒いので、温度が比較的高く、500〜600度に達するのではないか」と推定している。【斎藤広子、須田桃子、酒造唯】