「それなしには生きていけない」ものを売る企業の底力とは
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2015-05-31 ダークネスDUA
アメリカの西部劇を見ると、必ず出てくる動物がいる。それは「馬」だ。馬は愛玩動物ではない。「乗り物」であった。
馬が人類最強の「乗り物」だった頃、馬のムチを作る会社は史上最強の会社だったはずだ。需要があったからだ。
しかし、ムチを作る会社は永遠ではなかった。馬は自動車に取って代わられて、今では車を作る会社が馬のムチを作る会社に取って代わられた。
自動車の時代になったとき、馬のムチを作る会社など吹けば飛ぶような存在と化した。需要が消えたのだ。
アメリカの西部劇を見ると、必ず出てくる飲み物がある。それは「ビール」だ。
アメリカは1920年代に入ってから10年間、禁酒法の時代に入った。アルコールは「人間を破滅させる悪魔の飲み物」と定義されて需要があったにも関わらず供給が断たれた。
当時の為政者は、「供給を断てば需要が消える」と単純に考えていたのだろう。
■永遠に生き残る「需要」が、そこにあるかどうか
しかし、アルコールに対する需要は消えなかった。どんなに禁止しても人々はそれを求め、違法な酒造所があちこちに林立し、マフィアがそんな闇酒をナイトクラブで闇販売して大儲けする時代になった。
中国のことわざに「上に施策があれば、下に対策があり」というものがある。
需要があれば、どんなに供給を断っても何とかしてそれを手に入れようとする人々が法の目をかいくぐって動き、それが供給ルートになっていく。
ところで、さらに昔の西部劇を見ていると、銃と共に男たちが必ず持っているものに気が付く。それは「タバコ」だ。
タバコもまたアルコールと同じで迫害を受け、現代社会においてそれは悪魔の物質のように忌み嫌われている。しかし、人類は古代石器時代から身体をビリビリと痺れさせてくれるあのタバコの快楽を楽しんでいた。
人類にタバコを止めさせようと思っても、なかなかうまくいかない。人類はそれが快楽であることを知っているからである。
アルコールやタバコは「ドラッグ」の一種だ。人間に快楽を与える物質は、社会が叩きのめそうが、禁止しようが、処罰しようが、決して廃れることがない。
つまり、ドラッグという需要は人間社会から消え去ることがなく、それはこれからも永遠に生き残るということである。
覚醒剤を扱う上場企業は存在しないが、アルコールやタバコを扱う上場企業は世界中にゴロゴロと転がっている。それも、尋常ではない時価総額の企業となっている。
西部劇の時代から生き残っているのだから、タバコやビールを売る会社が巨大企業と化しても不思議でも何でもない。
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