トヨタの新テレマティクスサービス「ティーコネクト」のデモンストレーション。タッチパネルでナビに指示が出せる=18日、東京都江東区(写真:産経新聞)
世界初“会話できる車” トヨタ新サービス ビッグデータ連携
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140619-00000098-san-bus_all
産経新聞 6月19日(木)7時55分配信
■「おそば屋さんを教えて」→ナビが回答
トヨタ自動車は18日、対話しながら目的地を設定できるテレマティクスサービス「Tコネクト」を開発したと発表した。新サービスは、インターネットなどで集めた膨大な情報を分析する「ビッグデータ」技術との連携で、車に考える機能を持たせた形。車が運転者の問いかけに答え、渋滞回避や給油のほか、履歴情報を使って付近の好みの店などを提案してくれる。車とITの融合で世界的に注目されている自動運転車など、“考える車”の本格的な実用化を促す技術としても注目される。(飯田耕司)
「車が心を通わせるパートナーになる」
同日会見したトヨタの友山茂樹常務役員は、新サービスをこう表現した。
飲食店の情報提供や、渋滞情報を提供するサービスは日産自動車やホンダも手がけるが、対話、提案型のサービスは世界初という。トヨタは今夏以降にTコネクトに対応したカーナビゲーションを発売する。
新サービスは、例えば運転者が「○○通り沿いのおそば屋さんを探して」とカーナビに問いかけると、該当するそば店をナビが提示する。さらに「今、営業している駐車場のある店にして」と質問すれば、条件に合ったそば店を再提案してくれるという。
仮に、用件がうまく伝わらない場合は、カーナビとの会話履歴をもとにオペレーターが直接会話し、行きたい場所を指南する。
サービス展開に当たってはJTBやパナソニックなどとの連携も進めており、機種によっては車内から帰宅前に自宅のエアコンの電源を遠隔操作することも可能だ。あいおいニッセイ同和損害保険とも組み、走行距離に応じて1キロ単位で保険料を算出する自動車保険も来年度から始める予定。
また、Tコネクトは提供するサービスごとに課金できるのも特徴で、トヨタは他社がTコネクト向けのアプリ(応用ソフト)を開発し、新たなサービスを提供できる仕組みも整備して幅広い企業との協業を呼びかけている。課金サービスでは、「回収代金の20%をトヨタが手数料としてもらう」(友山常務役員)ことを想定している。今後、サービス課金が増えれば新たな収益事業として成長する可能性もある。
これまでトヨタは、ビッグデータを使って、災害情報や渋滞情報を収集し、自治体や企業に販売。日産自動車は、電気自動車「リーフ」の走行情報を販売するなどしてきたが、収益は限定されていた。