http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MSZGQV0D9L3601.html
2013/09/12 12:11 JST
9月12日(ブルームバーグ):午前の東京株式相場は下落。為替の円安一服が響いたほか、米金融政策への不透明感も残り、自動車やゴム製品、精密機器など輸出関連株が売られた。チャート分析などから見た短期過熱感もあり、「五輪相場」で週初の急騰ぶりが顕著だった証券、不動産株も安い。
TOPIX の午前終値は前日比6.06ポイント(0.5%)安の1183.19、日経平均株価 は42円15銭(0.3%)安の1万4382円92銭。
豪IGマーケッツのチーフ市場ストラテジスト、クリス・ウェストン氏は「イベントリスクが依然残っており、私は先行きをまだかなり警戒している」と話していた。
午前の東京外国為替市場では1ドル=99円台半ば、1ユーロ=132円台半ばと、前日の東京株式市場終了時の100円44銭近辺、133円10銭付近から円高方向に振れた。日本時間午前10時30分すぎに公表された7月の豪雇用者数が予想外に減少、豪ドル安が進んだ影響もあった。
また、日経平均は週初からの3日続伸で564円(4.1%)上昇、25日移動平均線からの上方乖離(かいり)率が11日時点で5%と上昇ピッチの速さ、短期過熱への警戒感が出やすい状況。あすには株価指数先物・オプションの特別清算値(SQ)算出、来週には米国の金融政策を占う連邦公開市場委員会(FOMC)の開催も控え、積極的な買いが入りづらい中、持ち高整理の売り圧力に押された。
いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、「東京五輪決定を受けた関連銘柄を買う動きがいったん消化され、為替の円安一服で輸出関連株も手掛けにくい」と指摘。来週のFOMC)待ちのムードが強まってきた、とも言う。
三菱自、シャープ売られる
東証1部33業種は証券・商品先物取引、ゴム、輸送用機器、医薬品、精密、パルプ・紙、不動産、サービス、その他金融、電気・ガスなど25業種が下落。証券、不動産は前日までの3日間の上昇率上位に並んでおり、売り対象になりやすかった。売買代金上位では、2013年度中に2000億円規模の公募増資を実施する方針を固めた、と12日付の日本経済新聞で報じられた三菱自動車が1株価値の希薄化懸念で下落。増資観測のシャープも売られ、ソニーによる保有株一部の売却でエムスリーは急落した。このほか近畿日本鉄道、野村ホールディングス、日東電工、三井不動産、村田製作所、富士重工業、ヤマダ電機も安い。
半面、鉱業や海運、石油・石炭製品、空運、倉庫・運輸、水産・農林など8業種は上昇。個別ではコマツ、ファーストリテイリング、川崎汽船、商船三井、国際石油開発帝石、東洋埠頭が高い。海運株には、ばら積み船の国際運賃市況であるバルチック海運指数が11日に5.7%高と8連騰するプラス材料があった。
内閣府が取引開始前に発表した7月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需」は前月比ほぼ横ばいの7772億円。ブルームバーグの事前調査によるアナリスト予想は前月比2.4%増で、発表値は下振れた。ただ、大和証券投資戦略部の塩村賢史シニアストラテジストは、市場予想中央値を下回ったが「まずまずの内容。上下に振れやすい統計でインパクトは限定的」と見ていた。
東証1部の売買高は概算で13億4906万株、売買代金は8772億円。騰落銘柄数は下落が1033、上昇579。
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