株式日記と経済展望
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ひょっとして、安倍首相は日本の戦後レジームにどっぷり漬かった他の政治家と
違って、それこそ異次元の決断に踏み切るかもしれない、とひそかに期待している。
2013年8月20日 火曜日
◆ 消費増税凍結こそ「戦後レジーム」脱却 2013.8.14 SANKEI EXPRESS
http://tamurah.iza.ne.jp/blog/entry/3158122/
猛暑にたまりかねて、最近久方ぶりにタクシーに乗った。運転手さんが語る。昼飯は300円の牛丼、それを食べるために駐車して300円を払う毎日。来年4月からは消費税増税。料金を値上げすれば客は減るので増税分を転嫁できない。雇われ運転手たちは1日の上がりが5万円なら、その中から3%、1500円を差し出し、1日の給与はそれだけ減る。
運転手さんに限らない。デフレ下ではモノやサービスの売り上げが縮小する。そのモノ、サービスにかかる消費増税が需要を減らし、デフレをさらに促進するという、経済学上の真実を国民の多数が肌で感じている。消費税増税を予定通り断行すべしと主張する自民、公明、民主党3党の議員たち、すなわち“増税翼賛会”の面々は夏休みに200万円もの公費、つまり税金を使って「海外視察」に興じる代わりに、お抱え運転手付きハイヤーではなくタクシーに乗って増税を説いてみればよいだろう。
0勝13敗2引き分け
サラリーマン諸公ならその無念さは分かるだろう。勤め先が価格転嫁できないか、あるいは売り上げが減れば、そのツケは社員に回る。さらにツケは国庫そのものにも回る。グラフは1997年度の消費税増税後の政府一般会計の消費税収と消費税を除く税収が97年度に比べてどうなったか、その増減の推移を追っている。
消費税率を1%引き上げると、一般会計消費税収が約2兆円増える。97年度の消費税率引き上げ幅は2%なので、毎年度4兆円の消費税収アップである。
では、税収全体が増えたのかというと、98年度から昨年度までの15年間のうち13年は、税収合計が97年度を大きく下回った。2000、07年度はプラスになったが、プラス幅は誤差の範囲内といえるほど極小なので、いわば0勝13敗2引き分けである。
財政収支悪化の原因はデフレ、その引き金を引いたのが消費増税である。その政策を推進、擁護してきた政治家、財務官僚と御用学者は、責任を問われるか、恥じて職を辞すのが当然なのに、誰もそうしない。それどころか、誰かが責任をとれば自分もとらされるのが怖い。だからつるんで「もっと増税しろ」と合唱する。メディア大多数も唱和する。
首相の決断に期待
唯一の救いは、国家指導者である安倍晋三首相が筆者のような増税反対論に耳を傾け、圧倒的な増税派の数の大合唱にもかかわらず、「消費増税を決め打ちせず、今秋、経済情勢をしっかり見極めながら判断する」と明言していることだ。他の政治家なら、これほどの多勢に包囲されるまでもなく、「3党合意があるから」という大義名分を使って、増税実施を指示し、プロセスは財務官僚に丸投げしたことであろう。およそ、財務官僚の意に従わないような指導者が登場したこと自体、今の日本では奇跡に近い。
ただ、現下の政治情勢として、安倍首相が増税凍結や大幅延期の決断を下せる環境ではない。首相周辺筋からよくそう聞かされる。安倍首相は増税慎重派を含め、消費増税がアベノミクスのめざす脱デフレへのマイナスの影響や、税収増あるいは財政再建につながるかどうかなど、多くの識者から見解を聞くよう、甘利明経済再生・経済財政担当相らに有識者会議の設置を指示したのだが、財務官僚ら翼賛会にとってみれば、「ガス抜き」作業としか考えていないだろう。
だが、筆者の欲目かもしれないが、ひょっとして、安倍首相は日本の戦後レジームにどっぷり漬かった他の政治家と違って、それこそ異次元の決断に踏み切るかもしれない、とひそかに期待している。
官僚のシナリオ拒絶せよ
消費増税こそは、安倍氏が第一次安倍内閣時代から脱却を訴えてきた「戦後レジーム」そのものの代表的産物だからである。「脱却」とは一義的には、憲法改正や集団的自衛権など政治・安全保障の懸案の実現を指すのだろうが、憲法改正にいたっては、「盟友」のはずの麻生太郎副総理・財務相から意味不明のナチス発言が飛び出すほど、自民党内の足並みはばらばらだ。
実は経済の戦後レジームからの決別こそは最優先すべき課題である。考えてもみよ。官僚主導の政策の誤りの産物である「15年デフレ」が国民と国家の運命を狂わせ、中国や韓国の対日軽視、増長を許してきた。それは明らかに日本の安全保障を足下から崩している。安倍首相が財務官僚のシナリオを拒絶するのは、時代の要請なのであり、アベノミクスの核心になるべきなのだ。(産経新聞特別記者・編集委員 田村秀男/SANKEI EXPRESS)
(私のコメント)
ホームページ版の「株式日記」は、消費税増税がもたらすデフレ不況について書いてあります。バブル景気を崩壊させたのは消費税であり、消費税導入以降は日本経済は長期にわたるデフレ不況に突入してしまった。だからなすべきことは消費税の廃止と公務員の給与引き下げであり、政府はそれとは反対の事をしてきた。
91年のバブル崩壊以降も、3度にわたって景気が回復しかけたことがありましたが、その都度増税が景気回復の芽を摘んでしまった。財政再建が課題になっていたからですが、財政赤字の原因の一番の原因が公務員の給与の増大によるものだ。90年代は不況であるにもかかわらず公務員の給与は上がり続けてきた。
消費税が上がっていけば、税収が増えて公務員の給与も安泰なわけなのでしょうが、公務員の共稼ぎの夫婦の場合、1億円もの蓄財が可能だ。公務員の平均給与は730万円だから、夫婦が公務員共稼ぎの場合年間1460万円の年収になる。毎年500万円の貯蓄ができて20年間貯蓄して行けば1億円の蓄財ができる。
明らかに公務員の給与が民間に比べて高すぎるから財政赤字になるのであり、その累計が1000兆円の国債残高となって残ってしまった。しかし「みんなの党」や「維新の会」なども公務員制度改革を基本政策としてきましたが、いつの間にか公務員制度改革に対する国民の関心は他に行ってしまった。
今回の選挙でも、公務員制度改革を「みんなの党」や「維新の会」は訴えて選挙すればもっと票がとれたのでしょうが、憲法改正の方に関心が行ってしまった。消費税増税は必要のない政策であり、財政赤字は公務員の給与カットで解消できる。国と地方の公務員や準公務員の給与を半分にカットすれば20兆円の予算が浮きます。
公務員一人当たり1000万円の人件費が使われていますが、約400万人の公務員に40兆円の人件費ですが、半分カットすれば20兆円の経費節減ができる。国債の残高と公務員の過剰な高給がなければ財政赤字は無かったはずだ。地方に行けば豪邸と高級車を乗り回しているのは公務員だとすぐにわかる。
せんしゅうのNHKスペシャルでは「新富裕層」を放送していましたが、「新富裕層」は財産をシンガポールに移して節税している。日本で稼いだ金を外国に持って行って税金を支払わない。会社名義で資産をシンガポールに移して節税して、本人たちは日本で生活して税金を支払わない。外国の会社に資産を貯めこんで給与所得は200万以下にすれば税金は払わなくて済む。
会社の資産でフェラーリを買って高級マンションを買って資産をシンガポールに蓄積して、日本では低所得でいればいい所取りができる。大企業でも社内留保が貯まる一方ですが外国の子会社に資金はプールされている。国内の従業員は非正規化されて賃金は下げられて、会社の利益が従業員には反映されない。
日本政府のみならず、世界各国の政府がなすべき事は、タックスヘイブンに蓄積された資産に課税をすることであり、その資産は2000兆円になるという。日本はアメリカに次いで「新富裕層」が多い国ですが、私も資産家なら資産をシンガポールなどのタックスヘイブンに移して、節税をしていただろう。
財務省は国内に住む国民に対して消費税を増税して税収を上げようとしていますが、タックスヘイブンに隠された資産に課税すべきなのだ。最近になってようやく5000万以上の海外資産が報告の対象になったようですが、国内の税率をいくら高くしても正直者がバカを見る税制では財政赤字は解消しない。