【討論!】亡国最終兵器TPPの真実・Part2[桜H25/3/16]
http://www.youtube.com/watch?v=P3r3Ak2H4ng
http://www.youtube.com/watch?v=xCCyMJ22TX8
http://www.youtube.com/watch?v=4SG2LUgeORQ
パネリスト:
井尻千男(拓殖大学名誉教授)
片桐勇治(政治アナリスト)
亀井亜紀子(参議院議員)
関岡英之(ノンフィクション作家)
長尾たかし(前衆議院議員)
東谷暁(ジャーナリスト)
司会:水島総
shishio0makoto 16 時間前
いやあ、すばらしい。これが「神回」っていうやつだな。素晴らしい回だった思います
やっぱり、東谷さんと関岡さんは素晴らしい。この人たちがいると俄然、面白くなる
これからも呼んでいただきたいです
初登場かな??亀井さんも良かったですよ
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無視された安倍総理 2013年02月24日
今回の日米首脳会談を日本側は大きく報じていますが、アメリカ側は「無視」している実態を朝日新聞は報じています。
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22日午後、ホワイトハウスの大統領執務室。
会談を終えた安倍、オバマ両氏が記者団の前に姿を現した。 両首脳が会談内容について説明した後、米メディアからオバマ氏に飛んだ質問は、日本とは関係ない米政府支出の強制削減について。オバマ氏は質問に答えた後
「これは米国内向けの質問だから、次の質問は安倍首相に」
と促したが、米側記者から会談に関する質問は出なかった。
そのオバマ氏も、日本の記者からの
「尖閣問題についての考えを説明してください」
という問いかけには答えなかった。
米政府は会談後、環太平洋経済連携協定(TPP)についての共同声明の文書を発表しただけで、会談全体の意義については触れなかった。
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これが実態です。
『意義について触れなかった』
日米首脳会談が米側にとり意義がなかったために触れなかったのです。
日本側の大騒ぎとは裏腹にアメリカの「無視」さは異常な位ですが、安倍総理は日本を二級(二流)国にさせないと表明していましたが、今回の訪米で日本(安倍総理)が2流国扱いされたことを一番感じとっていたのかも知れません。
http://blog.livedoor.jp/nevada_report-investment/?p=6
オバマ・安倍首脳会談の実態 2013年02月23日
ホワイトハウスでの共同記者会見
晩餐会
この二つはアメリカが首脳をもてなす最低限の礼儀ですが、今回の安倍総理にはこの二つとも与えられませんでした。
また出迎えは?
話になりません。
日本のマスコミはこのような実態を一切報じていません。
http://blog.livedoor.jp/nevada_report-investment/?p=6
今回のTPP問題(英文全文)
日米政府が発表しました共同声明のアメリカの発表文です。
これを読めば、日本の報道とはかなり違うニュアンスが読み取れます。
今後、問題を起こすことは避けられませんが、アメリカは日本に関係なく、このTPPを推し進めていきますので、日本語でどう解釈しようが、この英文をもとに交渉を進めていくことになります。
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Joint Statement by the United States and Japan
The two Governments confirm that should Japan participate in the TPP negotiations, all goods would be subject to negotiation, and Japan would join others in achieving a comprehensive, high-standard agreement, as described in the Outlines of the TPP Agreement announced by TPP Leaders on November 12, 2011.
Recognizing that both countries have bilateral trade sensitivities, such as certain agricultural products for Japan and certain manufactured products for the United States, the two Governments confirm that, as the final outcome will be determined during the negotiations, it is not required to make a prior commitment to unilaterally eliminate all tariffs upon joining the TPP negotiations.
The two Governments will continue their bilateral consultations with respect to Japan’s possible interest in joining the TPP. While progress has been made in these consultations, more work remains to be done, including addressing outstanding concerns with respect to the automotive and insurance sectors, addressing other non-tariff measures, and completing work regarding meeting the high TPP standards.
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この共同声明で特に、注意するべき部分は上記声明の3段落目の以下の部分です。
「Japan’s possible interest in joining the TPP」
これはアメリカがどうしても入れたかった部分でしょうが、日本以外の国がこれを読めば、アメリカの立ち位置が良くわかります。
http://blog.livedoor.jp/nevada_report-investment/?p=7
TPPでまたお金 2013年03月15日
以前のウルグアイラウンド対策として、ばらまかれました年間1兆円、総額5 兆円あまりが、今回のTPP加盟交渉の条件として浮上してきているようで、総額3兆円になるのか、5兆円になるのかわかりませんが、反対側はお金さえ貰えれば賛成となってきており、落とし処としては、今日日経が報じていました『農業生産は3兆円減少』を埋める3兆円が基準値となります。
消費税1%で2兆円ですから、TPP対策費として3年間に亘り1%の消費税追加引き上げを打ち出してくるかも知れません。
日本の農林水産業生産高は年間10兆円とされており、この影響が3兆円と試算され、これを対策費としてばらまけばとなるのです。
日本を取り戻しつつあります。
http://blog.livedoor.jp/nevada_report-investment/?p=5
とうとう辞任に追い込まれた日銀総裁 2013年02月06日
白川日銀総裁は4月8日の任期満了を果たせず、3月19日付けで辞任すると発表していますが、日銀としての矜持を失い、最低の日銀総裁として代々語り継がれることになりますが、これで日銀が日本政府の機関銀行となり、何でもありの政策に走ることになります。
即ち、日本には中央銀行が存在しないということになり、日本政府(その背後にいる外人)は史上最大のバブルを引き起こす役割を担うことになりましたが、それも期限付きとなります。
今回の3月19日という日付が重要になります。
3月末の決算期末にかけて円安・株安を演じることができる日銀総裁を選び、そして3月末までに背後にいる外人が日本株の買いポジションを売り抜ける。
円安で日本人の円資産が今猛烈な勢いで減少していますが、今後半端ではない円安が襲い、日本は先進国から転落することになります。
「ローカル国」として生きていければよいですが、問題は1億2000万人が食べていけるだけのお金(輸入代金)があるかどうかです。
すでに外人から見れば、日本の外貨準備高は「赤字」、即ちマイナスになっており、日本人のための外貨は一ドルもありません。
詳しくは今日明日中に完成しますワールドレポートにて解説させて頂きます。
http://blog.livedoor.jp/nevada_report-investment/?p=19
世界対日本 2013年01月31日
ソロス氏は日本の為替政策を批判し、以下のような発言をしていると報じられています。
『日本の円安攻勢にドイツもユーロ切り下げで反撃すれば、世界の金融市場が混乱する可能性がある』
『ドイツと日本は自動車など複数の産業分野で競争しており、円安でドイツ経済が打撃を受けるならば、ドイツ政府は座視しないはずであり、ドイツもユーロを切り下げし、世界の金融市場は衝撃を受けることになる』
『(日本とドイツの)通貨戦争は結局、世界を混乱に陥れることになる』
日本以外の国は日本の円安政策を批判し警戒していますが、日本はどこふく風で1ドル95円までの円安は当然だとの見方も安倍政権にはあるようですが、ヨーロッパ経済が悪化するなか、ユーロ高による輸出不振となれば政治的にもドイツ、フランスは今の円安政策を支持できないどころか、円安政策に対して公然と批判し、通貨戦争に止まらず、貿易戦争にも発展するリスクを世界は抱えることになります。
すなわち、世界対日本という、日本には最悪の展開になりかねないのです。
悪いのは全て日本という図式が出来上がることになります。
今さら円安政策をやめることなど安倍政権にできるものではなく(株価の大暴落を招きます)、安倍政権は今後存亡の危機に直面するかも知れません。
http://blog.livedoor.jp/nevada_report-investment/?p=25
ヘッジファンドの巨利(報道) 2013年02月14日
今の安倍政権がいかに外資に利益を与えたか、ウォール・ストリート・ジャーナルが報じています。
ワールドレポートにて解説しました「裏」が表面化したことになります。
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米ファンド、円売りで巨利=ソロス氏も930億円―米紙
【ニューヨーク時事】米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は13日、米国のヘッジファンドが円売りで巨額の利益を上げていると報じた。1990年代に英ポンド売りで巨利を得たことで知られる著名投資家ジョージ・ソロス氏のファンドも参入し、昨年11月以降で総額10億ドル(約930億円)の利益を計上したという。
円は過去4カ月の間に20%近く下落した。ファンドは昨年12月の日本の総選挙前に相次いで円売りを開始。安倍晋三首相が誕生したことで、流れが一段と加速した。
金融機関が、高リスクを承知で高利回りを狙うヘッジファンドなどの投資家に円売りを推奨。ファンドは、円の下落で大きな利益を上げられるデリバティブ(金融派生商品)も購入しているという。
ソロス氏に近い関係者は「アベノミクスに賭けている」と説明。同氏のファンドは日本株を大量に保有し、株高でも大きな利益を上げているもようだ。
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今は利益を上げることが成功したファンドですが、これが終われば?
用済みとなり捨てられます。
問題はそれがいつか、というだけになります。
http://blog.livedoor.jp/nevada_report-investment/?p=13
バブル期の指標が登場 2013年02月03日
今日の朝のTV番組で株式の専門家が今の株式市場を割安という理由を解散価値で説明していましたが、これは懐かしい【Qレシオ】と同じ理屈になります。
解散価値で会社をはかるというのはバブル期に証券界が生み出したもので、【Qレシオ】と言われていました。
これは株価をはかる本来の指標であるPERでは高すぎて、まともな指標ではなくなり、ならば何かないかとして探し(産み)出したのが【Qレシオ】だったのです。
結果は無残にもバブル崩壊となったものですが、今、同じような指標がTVで語られるようになってきており、歴史は繰り返すとなっています。
株価収益率(PER)では今の日本の株価は高すぎて、とても正当化など出来ません。
結果、PBRという指標を持ち出し、一斉に割安だと言いはじめているのです。
バブル期と同じ話をしているのです。
踊るのも自由で、踊らないのも自由です。
http://blog.livedoor.jp/nevada_report-investment/?p=22
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国売り飛ばすTPP参加表明
日米首脳会談 米国に必死に売りこむ無様さ 2013年2月25日付
安倍首相がオバマ大統領と日米首脳会談をおこない、TPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加や、米軍普天間基地移設早期推進などの実行を約束した。すでに民主党が消費税やTPP、普天間問題などあらゆる公約を覆して「日米同盟」を復活させた日本社会つぶしに輪をかけて、安倍自民党は「それでは不十分」とさらなる全面的な国売り飛ばしに乗り出している。
辺野古への新基地建設も推進
年頭に「TPPの進展がない」と訪米をはねつけられると、TPPを具体化する規制改革会議などさまざまな検討会議を発足させ、「やれ」といわれるより先にTPPも米軍再編を軸とする軍事強化も朝鮮へのミサイル対応を想定した集団的自衛権の具体化も、アメリカの要求をせっせと先取り。そして「聖域なき関税撤廃を前提にしたTPP交渉には反対」「沖縄の負担軽減に頑張る」と訪米直前まで公言しながら、TPP問題も普天間移設問題も国民をだまし討ちにした売国行為に、全国で尋常でない憤りが噴き上がっている。安倍は「二級国家にはならない」と講演したが、米国に売り込むためにはアジア諸国、欧州諸国、世界中と対立・孤立していく度はずれた売国奴の本性を見せつけている。それこそ「二級国家の二級首相」の姿にほかならない。
安倍は「オバマ大統領とファーストネームで呼びあうほどの信頼関係を作りたい」と意気込んで訪米したが、一国の首相としてまともな扱いをされなかった。一月に訪米を打診して「TPPの進展が望めない」と蹴られ、今回も「TPPについて踏み込んだ議論が期待できず、具体的な成果も発表できない」と米国側が会談後の共同記者会見を事前に拒絶する異例の事態となった。呼ばれた場所も親密度を示すキャンプデービットではなくホワイトハウス。会談前の晩餐会も持たれなかった。このなかで安倍は対日施策を裏で操る米国のシンクタンク・戦略国際問題研究所(CSIS)へ行き英語で講演。尖閣問題にふれて「挑戦を容認することはできない」と朝鮮や中国への挑発姿勢を示すとともに、米国には「日本は戻ってきた。私の国を頼りにし続けてほしい」「日本は二級国家にならない。私はカムバックした。日本もそうでなくてはならない」とこびを売ることに終始した。
そして日米会談ではこの2カ月でやってきたTPPの準備や集団自衛権行使容認に向けた検討会や改憲準備など、日本国民の利益を売り飛ばす売国施策の進展を報告。しかし新しい内容はなく米国側は「すでに指示している内容を早く実行しろ」という対応。とくにTPPや米軍再編などの対応について「もっと急げ」とハッパをかけ、朝鮮や中国の対応は米国に火の粉がかからないように日本が矢面に立つ体制を早急につくることを迫った。その米国の要求を積極的に丸呑みしたのが安倍訪米の中味となった。そんなものを安倍は「“日米同盟の信頼、強い絆は完全に復活した”と自信を持って宣言したい」と威張って表明している。
米国利益優先する基準 TPPで国富差出す
TPPをめぐって「すべての関税撤廃が前提でないことを引き出した」とメディアがもてはやしたが、米国はTPPへの態度を一切変えていない。共同声明の「日本には一定の農産品、米国には一定の工業製品というように両国ともに二国間貿易上のセンシティビティー(敏感さ)が存在することを認識しつつ両政府は最終的な結果は交渉のなかで決まっていく」「すべての関税を撤廃することを約束することを求められるものではない」という内容は、米国への輸入品にかかる関税は維持し、日本へ輸出するものは関税を撤廃するダブルスタンダードを示したにすぎない。
米国はすでにTPP交渉参加の前提条件として、米国産牛肉の輸入規制を緩和し、安全かどうかもわからない米国産牛肉の乱売が日本国内で始まり、農業関係者に甚大な打撃を与えている。自動車も米国が輸入する日本車にだけ関税をかける方向(日本は輸入車の関税はゼロ)で交渉中だ。そのほか1491兆円にのぼる個人金融資産、そのなかでもゆうちょ・かんぽ資金267兆円という国民資産を外資が略奪することを狙い、「郵政」の完全株式上場など民営化徹底を急げとハッパをかけている。
2期目のオバマ政府は、TPPによる中国封じ込めのブロック経済政策をすすめ、TPPの原加盟国・交渉参加国11カ国(中国や韓国は参加の意志を表明せず)のうち日本が加われば市場規模が約3割増えると見込んでいる。しかもTPPは非関税障壁撤廃が前提。このため米国はなにがなんでも日本をTPP交渉に引きずり込み、工業製品や農産物、サービスなどすべての関税を米国の都合にあわせて全面撤廃(日本側の関税自主権の放棄)させ、医療や保険、労働、金融、不動産、政府調達、知的財産権の規制緩和によって非関税障壁を撤廃させ、日本の富を根こそぎ食いつぶそうというのである。
日本盾にする日米同盟 原発で核もためこみ
そして重要な特徴は、「日米軍事同盟の強化」と称し、日本を対中国戦争の盾に変えていく日本全土売り飛ばしである。米国がグアムとともに出撃拠点と位置づけている沖縄の普天間基地問題をめぐっては、安倍の方から「普天間移設と嘉手納以南返還の両方を早期にすすめたい」と表明し、オバマがうなずくと「合意」と評価。すぐ実行へむけて動き出し、3月中にも沖縄県知事に埋め立て申請をする方針を明らかにしている。地元合意もまったくないまま、普天間基地代替の新基地建設へ乗りだす姿勢である。
さらに北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射と核実験問題については、米国とともに経済制裁を強化することを確認。他方対中国関係は「日米が引き続き連携することを確認」とし、日本が前面に立ち自主的な対応をする方向。このために米軍の移動式早期警戒レーダーを日本国内に追加配備し、日本をミサイル発射拠点にすることや、「原発稼働ゼロ」方針を見直して原発を稼働させ、核兵器製造につながる核物質ためこみを加速することも盛り込んだ。
それは米軍の損害を可能な限り最小にし、日本に対中国戦争を肩代わりさせる「アジア人同士をたたかわせる戦略」にもとづいている。日米政府は「集団的自衛権」「邦人保護」といって世界中に自衛隊を動員する準備を急ぐ一方で、中国の核ミサイル攻撃が届く九州、沖縄をはじめ日本列島、台湾、フィリピンを結ぶ第一列島線のなかから米軍は外に移し、米国だけ通信ネットワークや精密誘導弾などを駆使した「遠隔誘導戦争」をやる体制を整備している。
朝鮮のミサイル問題、核実験、中国船の「レーダー照射」問題を煽って「中国や北朝鮮から日本を守ってくれる米軍が攻撃されても守れないのはおかしい」と大手メディアが煽り立て、それにのって安倍が「集団的自衛権が必要だ」とさまざまな法整備に着手した。日本で進行している現実はミサイル攻撃態勢、戦斗機の出撃体制、迅速な輸送体制網の整備に加えて、TPPによる大収奪で職のない若者を戦地に投入していく日本全土の米軍基地化である。
安倍は「集団的自衛権の行使容認に向けて検討を始めた」とさっそく報告し、オバマは「米国にとって明らかに日本は最も密接な同盟国であって、日米同盟はこの地域の安全保障にとって、アジア太平洋地域において、中心的な礎だ」とけしかけている。
参院選まで待てぬ米国 反米斗争発展で窮地
もともと自民党は参院選で勝利することをめざし、TPPにしろ日米同盟にしろ本音を隠し「安全運転」を演出してきた。安倍自民党自体が総選挙で得た得票はわずか16%であり、自民党総裁選も国会議員票を集めて返り咲いただけで自民党内の支持すらほとんどない。いくら安倍が「TPPも普天間移設もやる」と息巻いても、日本国内の反対世論に火をつけるだけで、今後の手続きが進展していくどころか困難を増すしかない。全国の圧倒的な批判世論に包囲され、国民を動員する力などまるでない「裸の王様」がいくら暴走しても、反発が強まる一方だからである。
だが参院選まで待つことも堪えきれず安倍政府を暴走させるところに、米国の深刻な危機が現れている。米国は近年、中東、中南米、アフリカなどで反米斗争が発展するなか、軍事費がかさんで米兵の犠牲者が増えて窮地に立っている。このなかでアジア重視戦略に転換したが、世界各国の反米斗争はますます勢いを増し、アジアにおける支配も北朝鮮が核実験をやって対抗するなど行き詰まり状態。米国内もいったん減税打ち切りと歳出削減が重なる「財政の崖」を回避したが、時期を先送りしただけで、いつ政府の借金残高が法定上限に達し債務不履行の危機になってもおかしくない事態が継続している。五年前にアメリカの住宅バブルが崩壊してリーマン・ショックとなり、その後財政を投入して金融機関救済に動いたが、職がなくフードスタンプで暮らす人が4000万人に拡大し、オバマ政府自体が窮地にたっている。
これを打開するためすべて日本に肩変わりさせて延命を図る米国の意図を先取りし、TPPによる対中国包囲網をつくって日本の富を根こそぎ差し出し、日本全土を基地化する米軍再編を強行してアジア諸国との対立を煽り、あげくの果ては国内の反発をおさえつけてアメリカのための対中国戦争の盾にし、戦火にさらすというのが、日米首脳会談で安倍が実行を買って出た内容にほかならない。安倍訪米による日米首脳会談は、売国独占資本集団の利益のために、日本民族の根本的な利益を根こそぎ売り飛ばす売国の旅であり、国民からいかに浮き上がろうとも、アメリカに認められることで地位を守ろうというのである。
失業や生活苦など、国民生活でのあらゆる苦難の根源は、敗戦後から続くアメリカの日本支配、国益を根こそぎ売り飛ばす日米安保体制を軸にした売国奴政治にある。独立、平和、民主主義と繁栄の道か、売国、戦争、反動、貧困の道か、日本全国で大衆自身がそれぞれの個別要求に共通するこの日本の国をどうするかという根本問題解決に向けて、各地で渦巻く巨大な世論を形にするときが到来している。
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/kuniuritobasutppsankahyoumei.html
全面的な国売飛ばしと対決 TPP 製造業も医療も農業も潰す 2013年1月9日付
TPP(環太平洋経済連携協定)への交渉参加をめぐって、アメリカのいいなりになって日本の富をまるごと差し出す道を暴走しようとする安倍政府・財界と、日本民族の将来のためにTPPに反対する広範な国民世論とが大激突する情勢になっている。
安倍政府は発足早早に訪米しアメリカに忠誠を誓うため、今月28日の通常国会前の日米首脳会談を打診してきたが、TPPなどで具体的進展が望めないとしてオバマ政府にはねつけられた。昨年の総選挙で自民党は、政権公約に「聖域なき関税撤廃を前提にするかぎり、TPP交渉参加に反対」を掲げて国民を欺いたが、オバマ政府に一喝されるとすぐに「交渉には参加しながら守るべきものは守る」(自民党政調会長・高市)と本性をあらわし、財界も「TPP参加が遅きに失する。訪米を早く実現し、参加を表明せよ」(経団連会長・米倉)と尻をたたいている。
一方、マスメディアは報道しないが、農協や医師会が全国的なTPP反対の運動を起こし、各分野の知識人が各地を講演して回り、八日には官邸前での「TPP断固阻止」のデモ行進がおこなわれるなど、国民の大運動になっている。戦後の対米従属の鎖を断ち切ることをめざし、「安保」破棄の大運動に合流する様相になっている。
米国の対中国包囲戦略の一環
2期目のオバマ政府は、TPPによる中国封じ込めのブロック経済政策を強めている。現在、TPPの原加盟国・交渉参加国は11カ国(中国や韓国は参加の意志を表明せず)で、これに日本が加われば、市場規模は日米両国でその81%を占める。アメリカから見ればTPPの55%が日本市場となる。TPPは、工業製品や農産物、サービスなどすべての関税を全面撤廃する(日本側の関税自主権の放棄)とともに、医療や保険、労働、金融、不動産、政府調達、知的財産権などの規制緩和による非関税障壁の撤廃である。つまり、小泉・竹中の新自由主義改革を全面的に徹底させ、日本の富を食いつぶすのが狙いである。
そこにはアメリカの深刻な危機がある。オバマ政府は減税打ち切りと歳出削減が重なる「財政の崖」を回避したといっているが、削減を2カ月延期するなど先送りしたにすぎず、同じ時期には政府の借金残高が法定上限に達し、2年前と同じ債務不履行の危機に直面する。5年前、アメリカの住宅バブルが崩壊してリーマン・ショックとなり、その後財政を投入して金融機関救済に動いたが、一方で職がなくフードスタンプで暮らしている人は4000万人ともいわれ、経済格差はますます拡大している。アメリカ資本主義が歴史的な瓦解に向かって進んでいることは明らかである。
食料自給率13%の危機 国土も崩壊へ
TPPに反対する運動が全国に広がるなかで、それが農業だけの問題にとどまらず、生活の全分野で民族的な利益を根こそぎ売り飛ばすものであり、日本社会の土台を根底から崩すものであることが広く暴露されてきた。
国内の農業生産を維持し食料自給を確保することは、独立国として最低限の条件である。ところが日本の場合、戦後アメリカによって農産物自由化が一貫して押し付けられ、現状の39%という食料自給率自体が先進国では最低レベルである。TPPに参加すれば、それは13%という壊滅状態になる。食料という国民の生殺与奪の権を外国に握られるとともに、農林業の衰退は山や田畑の荒廃につながり、水害を防止し豊かな水を提供する機能も失われ、国土崩壊の危機となる。
すでに米国政府は、TPP交渉参加の前提条件として、米国産牛肉の輸入規制緩和を日本に迫り、昨年11月、野田政府が受け入れることを表明した。2003年、アメリカで狂牛病が発生したさい、日本は米国産牛肉の輸入を停止したが、米国政府の圧力で05年、「月齢20カ月以下」に限って米国産牛肉の輸入を再開した。だがそれが、米国の出荷牛の1割にすぎなかったため、米国政府は出荷牛の9割をカバーする「月齢30カ月以下」に緩和せよと迫り、それを今回のませたのである。アメリカはTPPで、狂牛病感染の疑いが濃厚な牛肉を大量に日本市場に持ち込むとともに、日本の畜産農家がうち立ててきた「全頭検査」も「輸出拡大に不都合」といってやり玉に上げようとしている。
投資は外資の規制徹廃 産業空洞化にも拍車
TPPは製造業の海外移転・産業の空洞化をいっそう進め、日本を失業社会にする労働問題でもあることに、研究者たちは注意を喚起している。
TPPは、農産物貿易の自由化だけを目的にしているのではなく、自由貿易圏内の労働者の国境をこえた移動の自由化を目的にしている。それはアジアの低賃金労働者が大量に日本にやってくることであり、そのために経団連など財界は「日本の移民国家化」を奨励している。その結果、植民地なみの労働条件が強要されることになり、日本の農村も都市も失業者だらけになる。
米国政府はTPPの「投資」分野で、外資系企業に対する規制を撤廃させ、外資を国内企業と同等に扱わなくてはならないという「内国民待遇」を求めている。米国の投資家やファンドの投資戦略は、日本のどんな企業を買収し、いかに転売して短期で最大のキャピタルゲイン(売却益)を稼ぐかであるが、すでに日米投資イニシアチブなどでは、米国の投資家による日本企業の買収をやりやすくするためとして、「確定拠出型年金の早期導入」「有料職業紹介事業の規制撤廃」「労働者派遣事業の自由化」「労働基準法における労働者の権利や福利の後退」を求めてきており、TPPはその延長線にある。
米国式の自由診療拡大 医療分野
TPPは医療の分野でも、すべての国民が医療を受けられることをめざす国民皆保険制度を崩壊させ、金のある者だけを対象にするアメリカ式の自由診療拡大となる。
米国政府は80年代から、日本に混合診療の全面解禁、株式会社の医療参入、薬価引き上げを求めてきた。現在日本では、医師の手術料も処方薬の価格も、厚労省が診療報酬として全国一律に定め、病院や製薬会社が自由に決めることはできない。ところが混合診療が認められると、公的保険が適用される保険診療とともに、保険外で、病院や製薬会社が価格を自由に決められる自由診療ができることになる。
アメリカでは医学の進歩である高度な手術も新薬も、すべてその特許を握る独占大企業のもうけの道具である。TPPでこれを日本にも広げようとしており、米国企業が特許を持つ手術は日本では制限されるようになり、米製薬会社が医薬品価格の決定権を持つようになる。現在、新薬の特許が消滅した後の後発医薬品(ジェネリック医薬品)は、新たな臨床試験が不要とされ安価で提供できるので、それによってHIV治療薬の価格は最初の1%にまで下がって世界各地のエイズ患者の命を救ったといわれるが、アメリカはTPPで特許を含む知的財産権の保護強化を要求しており、今後は安価での入手が困難になると懸念されている。
混合診療の全面解禁によって自由価格の医療市場ができれば、外資が一斉に参入し、公的医療保険の給付範囲の縮小となる。だが外資を含む株式会社の経営は、コスト優先で乱診乱療が広がり患者の安全が脅かされ、不採算な診療科・部門・地域からの撤退や医療経営自体からの撤退がおこり、患者の選別や囲い込みが起こることが危惧(ぐ)されている。アメリカでは現在、約4000万人が無保険であり、年間四万人以上が医療を受けられずに死亡しているが、日本の公的な医療を崩壊させアメリカと同じ医療後進国となることに、日本の医療関係者は強く警鐘を鳴らしている。
郵貯資金の略奪も狙う 郵便局も潰す方向
アメリカはTPPで、「金融」と「投資」を重視している。それは、日本の1491兆円にのぼる個人金融資産、そのなかでもゆうちょ・かんぽ資金267兆円という国民資産をヘッジファンドなどが略奪することが狙いである。
アメリカは小泉内閣に郵政民営化を実行させて以降も、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険会社に対して「日本政府が100%出資という暗黙の政府保証があり、民間と公平な競争条件が確保されていない」と攻撃してきた。
TPPに参加すれば、郵政の完全民営化(株式売却)を要求してくるのは明らかである。51%の株式を取得すれば、267兆円の金が自由に使えることになる。現在、ゆうちょ資金の74%、かんぽ資金の約70%を日本の国債で運用しているが、この資金を米国債などに変更することも可能になる。
現在全国で2万4500局ある郵便局のうち、特定局が1万8900、簡易局が4000あまりで、その46%が銀行や農協・漁協のない過疎地の町や村にある。完全民営化になれば、こうしたもうからない地域から撤退していくことは必至であり、地域の住民にとってさらに困難が増すことになる。
ある研究者は、米通商代表部が農協、漁協、全労済、県民共済など協同組合組織が運営する保険部門に、民間保険会社と同じ規制基準の適用を求めていると指摘する。協同組合の保険は、身元がわかっている特定多数による保険であり、不特定多数による民間の保険よりもはるかにリスクが低く設定でき、したがって掛け金(保険料)は安く、共済金(保険金)は高くできる。これを参入の障害と見たアメリカの保険業界が、規制を撤廃させ、総資産46兆円のJA共済市場などを開放せよと迫っているのである。
国益放棄し外資を優先 ISD条項
さらにTPPのなかでは、「投資家対国家間の紛争解決」条項(ISD条項)が、その国の国家主権をも剥奪する「治外法権」の侵略条項として問題視されている。
ISD条項では、その国の法律や制度で不利益をこうむったとみなした外資が、その国を相手取って訴訟を起こせる権利を認めている。この条項によって、環境保護や有害物質の規制、食品や医薬品などの安全規制、消費者保護のための規制など、国民の生命や財産を守るための政府の規制でさえ、「投資家の利益を損なった」という理由で外資に訴えられ、巨額の損害賠償を命じられることになる。しかも訴訟を受けつける先が、米国人が総裁を独占し続けている世界銀行傘下の国際投資紛争解決センターである。紛争案件のうち、ほとんどが米国企業による相手国政府への訴えであり、米国政府が訴えられたわずかな例のうち米国政府が負けた事例はゼロである。
一例として、メキシコ政府は、メキシコで有毒廃棄物処理施設の建設をおこなおうとする米国のメタルクラッド社に対して、住民の健康被害をもたらすとして廃棄物処理の許可を取り消した。これに対して同社は提訴し、メキシコ政府が損害賠償として同社に1670万j(約13億円)を支払った。
アルゼンチンで民営の労働災害保険を運営する米国保険会社コンチネンタルカジュアルティ社は、アルゼンチン政府が財政危機への対応としてとった財産の国外移転の制限、通貨切り下げ、国債の債務返済繰り延べの政策で経済的不利益をこうむったとして提訴。裁判ではアルゼンチン政府に、損害賠償金280万j(約2億2000万円)の支払いが命じられた。
その他米国のセンチュリオン健康会社が、カナダ政府を相手取り、「独占的な国民皆保険制度によって米国の民間企業に損害を与えているのは、政府独占を制限するNAFTA違反」として、1億6000万j(約128億円)の損害賠償を求めて提訴した。
日本の独立が根本問題 富根こそぎ奪う米国
以上のように、TPPはアメリカによる日本の富の完全な食いつぶしであり、日本社会を根底から破滅に導くものである。そして、オバマ政府のTPPによる中国封じ込めのブロック化は、アジア重視の「新軍事戦略」と一体のものである。アメリカは戦後、日本を一時的に肥え太らせたうえで富を根こそぎ奪いとり、果ては対中国の原水爆戦争の盾にして日本全土を廃虚にするたくらみを進めている。
そのことは、日本で失業をなくし工業や農漁業を振興しアジア諸国との貿易を発展させるうえでも、医療や福祉を充実させ安心した生活を送るうえでも、なにより将来にわたって戦争を阻止し平和を実現するうえでも、アメリカへの隷属の鎖を断ち切って日本の独立を勝ちとることが根本的な問題としてあることを教えている。さまざまな分野でたたかわれているTPP反対の行動を一つに合流させて大きな力にするとともに、全国民的な規模で民族的な固い団結によって「日米安保条約」破棄の大運動を巻き起こすことでありそれによってのみ勝利することができる。今、その機運はかつてなく高まっている。
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改憲軸に戦争企む安倍内閣 対米盲従でTPPも原発も
根本変革の世論が包囲 2012年12月28日付
民意を無視して公約を覆し続けてきた民主党政府がつぶれ、自民党の安倍内閣が発足した。メディアは前回衆院選の大惨敗時よりも票を減らし、全有権者のたった16%(比例)の得票で大量議席を得たにすぎない落ち目の安倍内閣を「危機突破内閣」「重厚布陣だ」ともてはやし、まるで「救世主」があらわれたかのように騒いでいる。
安倍は早速、集団自衛権行使を可能にする改憲を目指して鼻息を荒くし、選挙中は態度を曖昧にしていた原発問題は新設・再稼働を目指す姿勢をむき出しにし、TPP(環太平洋経済連携協定)も早期参加に向けて動き出す様相となった。前回総選挙でたたきつぶされながら、今選挙で民主の自滅に助けられて復活し、性懲りもなくアメリカの対日要求丸呑みを続け、総翼賛・戦争政治で暴走しようというのである。それは独立と平和を願う全日本国民との対立を激化させずにはおかない。
集団的自衛権の行使を意図
第2次安倍内閣発足にあたり安倍は「人物重視、実力重視の危機突破内閣だ」「強い経済をとり戻す!」と胸を張ったが、国民の目は冷ややかだ。「クビのすげ替えでは変わらない」「どの政党もあてにならない」と根本変革を求める世論が圧倒しているからである。
3年前の自民党の大惨敗は、戦後の対米従属の売国政治、直接には中曽根から小泉へ続く新自由主義改革による日本社会の大崩壊に対する怒りの爆発だった。今回の民主党壊滅も、次次に公約を破棄して小泉以上の新自由主義改革で突っ走り、大震災が来ると被災地を救うどころか外資が食いつぶすTPP先取りの市場として差し出す売国政治への強烈な憤りが全国共通であることを明確に示した。この民主党をたたきつぶした国民の怒りの矛先は、戦後の対米従属・売国政治へと向いており、再び亡霊のように再登板してきた安倍・自民党にそのまま向けられている。
これまで普天間移転、消費税増税、TPP、円高などの経済政策、原発事故問題など、だれが首相になっても、アメリカが背後で指図し、それに抵抗する要素はメディアや官僚、検察などがよってたかって叩きつぶしてきた。日本の政府を動かす権力者は総理大臣ではないとの実感が拡大している。日本の最高権力者はアメリカであり、その目下の権力者が財界である。官僚機構、メディアなどあらゆる権力機関がその道具になって、政治家を使用人として動かす。それがどの政党が与党になっても、だれが首相になっても国民や国益のためには一切働かない根拠である。
このなかで国会議員票で多数を占めて自民党総裁に返り咲き、四割の有権者が投票にも行かなかった「コップのなか選挙」で議席を独占し組閣。それでも議席が足りないため公明党、石原慎太郎率いる「維新の会」、みんなの党など似たりよったりの新党と結託し、憲法改定、TPP参加、原発再稼働・新設などアメリカから提示された課題をオール与党体制で実行することを狙っている。それはアメリカのための「危機突破内閣」「重厚布陣」であり、民主党以上に露骨な対米従属の総翼賛・戦争政治をおし進める暴走体制にほかならない。
すぐに憲法改悪に着手 米軍再編とも連動
安倍が真っ先に意欲を見せたのが「改憲」を軸とする戦争動員体制である。選挙前から「憲法改正」の必要性を絶叫。そして「自衛隊と米軍が同じ活動をしているとき、米軍は日本を守るのに、日本は米軍が攻撃されても守ることができない。これはおかしい」とまくし立て、米軍が世界各国で引き起こす戦争に自衛隊をずるずる引きずり込む集団的自衛権を行使させるため「憲法解釈を変更すべきだ」と主張してきた。
石原慎太郎の尖閣購入発言、民主党・野田政府の尖閣国有化で矛盾が激化すると「挑戦を跳ね返すのは純粋に軍事力」と好戦姿勢を露わにし、海上保安庁の増強や防衛費の増額を選挙公約に盛り込んで訴えた。首相の座につくと「私が憲法を変えるための橋を架けた(国民投票法を成立させた)ので、いよいよ国民みんなで橋を渡り、最初に行うことは改正要件を定めた九六条の改正だ。3分の1をちょっと超える国会議員が反対すれば、国民が指一本触れることができないというのはあまりにもハードルが高すぎる」と発言。そして「発議のために必要な3分の2の議席は(公明党と合わせ)衆院で確保したが、参院ではほど遠い」といって「維新」や「みんな」と連携し具体的な「改憲」準備に着手している。
憲法96条で規定した改憲に必要な発議要件(現行=3分の2以上の賛成)を「過半数」に緩和し、その後、自衛隊を国防軍に位置づけたり、集団自衛権の行使を可能にする解釈変更をやるなどして「戦争ができる国」にすることを意図している。
しかもそれは、国民にはそっぽを向きアメリカの要求に沿ったものである。選挙公約には「米国の新国防戦略にもとづく自衛隊の役割強化」や「日米防衛協力ガイドラインの見直し」を盛り込み、辺野古への新基地建設にむけ「地元の理解を得る努力をしたい」と公言。国益にたってアメリカに意見をいうどころか、もっぱらアメリカの利益にたって住民説得にあたるイエスマンの立場を隠さない。この安倍・自民党が次期政府を握ることが決まると、アメリカは歓迎の意を表し、朝鮮半島に近い岩国基地へのF35ステルス戦斗機配備を表明した。沖縄の基地増強とともに岩国や下関、広島湾岸一帯を軍事拠点化する意図を露わにしている。
反省なく再稼働や新設 本性表す原発対処
東北被災地はもとより全国の農漁業生産に甚大な影響を及ぼし続けている原発問題も、選挙では「すべての原発については3年以内の結論を目指す」と争点化を避け、選挙後に本性をあらわす姑息な性根を露呈している。
山口県庁での記者会見で安倍は、中止に追い込まれた上関原発計画について「民主党政権が決めたことは決めたこととして、もう一度見直しをしていきたい」と表明。原発政策全般については「10年間でベストミックスを考えるという大方針がある。その中で新設をどう考えるかもう一度見直す」とのべ、原発再稼働や原発新増設に乗り出す姿勢を明確にした。経団連との政策対話でも「原子力なしで経済成長はあり得ない」と公言。自民党政府が「絶対安全」と住民をだまして原発を作らせて大事故を起こしたことへの反省はまるでなく、今度は「ベストミックス」とだまして、後は野となれの亡国政治で突っ走ろうというのである。
選挙終われば公約変更 TPPも参加推進
改憲による戦時体制作りや原発再稼動とセットですすむのがTPPと称する中国包囲体制であり、日本国民大収奪体制である。選挙時は農漁業者や医師会、建設業界や大学人など全国的な反対運動が噴き上がったことを恐れて「聖域なき関税撤廃を前提にする限り交渉参加に反対」と公約に掲げていたが、選挙が終わればさっさと変更。「TPPについては国益にかなう最善の道を求める」(自公連立合意)と文面を変え、TPP参加推進の本性をあらわした。
TPP参加問題では、郵政民営化見直しや、牛肉やコメの輸入制限、公共事業参入制限などを「貿易障壁」として緩和するよう迫るアメリカへの盲従姿勢は民主党よりも自民党の方が元祖である。安倍・自民党も「日米同盟の絆を強化することが外交立て直しの第一歩」といって恥じない。
郵政民営化については「民主党は手ぬるい」として、300兆円以上の国民資産を抱える「ゆうちょ銀行」や「かんぽ生命」の株をすべて売却し、外資が奪いとれるようにするためトップ人事にも口を挟む姿勢。さらに現日銀総裁が安倍のインフレ目標政策を「物価も賃金も上がらない状況が長い経済では現実的ではない」と批判したため、日銀法改正や日銀総裁の変更を模索。次期日銀総裁候補には竹中平蔵などの名前もあがっている。東日本大震災、世界恐慌に便乗して、日本市場を全面開放させ日本社会を丸ごと大収奪するのがTPPであるが、安倍政府は米国にいわれるままに実行する姿勢を見せている。
消費税増税については「(自民、公明、民主の)3党合意に基づき、社会保障と税の一体改革を継続する」と明言した。
安倍はこれらの売国施策を手みやげにして1月にアメリカで日米首脳会談をおこなう予定だ。テーマは普天間移設などの米軍再編問題、集団自衛権の行使容認、防衛協力指針の見直し、TPPなどでオバマは「関係を緊密にし連携を強化したい」と表明。米国務省は「日本の新しい首相や内閣と緊密な関係を続けていくことを楽しみにしている」と歓迎している。震災復興が遅遅として進まないのに、原発の再稼働・新設で突っ走り、TPP参加で農漁業や産業の破壊に輪をかけ、増税で大収奪したあげく、「改憲」で集団的自衛権行使に道を開き、日本をアメリカの企む対中国戦争にたたき込むという事態が現実味を帯びるところにきている。
強まる直接行動の機運 全国的な政治斗争へ
こうした動きはオバマ政府が2期目に入り、アメリカ自体が経済危機打開のため、TPPによる中国包囲網を強め、対中国戦争体制の布陣を強めていることと連動している。オバマは選挙中「中国の軍事力が将来強大になるから、アジア太平洋に軸足を移したのだ」といい、昨年11月にアジア太平洋最重視戦略を打ち出したことを「中国の軍事的脅威に対抗するためだ」と公言した。危機を戦争で打開する姿勢を露わにし、米海兵隊をグアムやハワイに置き、ローテーションでオーストラリア・ダーウィンに分散展開する体制作りを着着とおし進め、それと連動した形で日本国内の在日米軍再編やオスプレイ配備なども動いている。
米議会では、これまで財政悪化を理由にストップがかかっていた在沖海兵隊のグアム移転関連経費(約22億円)の計上を一転して復活させ、動き出した。さらに尖閣に安保適用を明記する国防権限法を可決するなど、米国側も日本を重視する姿勢を露わにしている。それは米国が財政危機に直面するなかで、日本へ軍事費負担の押しつけを拡大し、兵員派遣要求にも応えさせ、さまざまな米軍仕様の武器を配備し、日本国土全体を対中国代理戦争の矢面に立たせて米本土防衛の盾にするためである。
この要求に応えるために安倍・自民党を軸にする親米・売国政治家が色めき立って総翼賛体制で戦争政治と右傾化に拍車をかけている。だがアメリカの方ばかり向いて戦争をやる国にしようと突っ走っても、国民を動員できなければ戦争などできない。強権に走る脆弱さも露呈するところとなっている。
被爆者や戦争体験者をはじめとして、新たな戦争を阻止し独立・平和の日本をつくろうという世論は沸騰している。この勤労大衆が全国的に結びついて、共通の敵に対する共同のたたかいを起こすなら、いかなる権力者もうち負かすことができる。原発に続き、政党政治も総選挙もメルトダウン状態となっているが、政党がまったくあてにならないからこそ、全国団結を求める行動が各地で活発化している。
1950年8・6斗争に始まる原水爆禁止運動は、朝鮮戦争でもベトナム戦争でもその後の戦争でも原爆を使用させない力になり、それに続く60年安保斗争は戦後最大の全人民的な政治斗争となってアイゼンハワー大統領の来日を阻止し、岸内閣を打倒した。そのような大衆的な基盤を持った全国的な政治斗争が日本の政治を変えていく確かな力となる。原発再稼働反対の首相官邸前行動、東北被災地での生産を軸にした復興、TPPを阻止する農漁業者の行動、基地撤去を求める行動など、全国で直接行動を下から起こす機運は確実に大きくなっている。
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米国への国売り飛ばしと対決
安倍首相のTPP参加表明 2013年3月15日付
安倍首相が15日に環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加を表明することに対し、農業団体をはじめ国民の各界各層が「断固反対」の声をあげ行動に立ち上がっている。12日には東京都内で農林漁業者や消費者団体が主催する「国益を守れないTPP交渉参加断固反対緊急全国集会」が開催され、都内をデモ行進した。知識人は「TPPは“壊国”協定」と指摘し、経済問題にとどまらず、政治的社会的な問題であり、なにより日本の国家主権にかかわる問題であることに警鐘を鳴らしている。安倍首相のTPP参加表明は、原爆投下に始まる戦後の日本社会がどこに行き着いたかを白日のもとにさらすことになり、アメリカへの従属の鎖を断ち切り、独立と繁栄、平和を求める日本民族のたたかいを新たな段階に発展させざるをえない。
12日に東京都内で開催された「国益を守れないTPP交渉参加断固反対緊急集会」は、農業団体=JAグループ・全国農業会議所、全漁連、全森連、生活クラブ生協連、大地を守る会、中央酪農会議の八団体が実行委員会をつくって主催。農林漁業者や消費者など約4000人が全国から結集した。集会後は「TPP参加反対」などのむしろ旗やのぼりを掲げ、官庁街や永田町の首相官邸、国会議員会館前をデモ行進した。
集会では、漁業者の団体である全国漁青連の代表が「愛媛県で漁業をしている。水産物はこれまで国際交渉のたびに関税が下がり、市場は十分に開放されている。安い水産物が海外から入ってくるうえ、消費の減退、“風評被害”なども加わり、収入は減る一方だ。TPPに参加すれば漁業経営者だけでなく、水産加工や流通関係者にも大きな影響があり、多くの業者が廃業する。水産物の安定供給はできなくなる」と実情をのべた。
主婦連合会の代表は「主婦連はTPP交渉参加表明に断固反対を表明する。理由はTPPは暮らしを一層困難にするからだ」とし、四つの懸念として「@日本の農業・畜産業・水産業に壊滅的な打撃を与える、A食の安全基準、環境保護基準、製品規格基準が緩和され、撤廃されてしまう、B国民皆保険制度が崩れる、C経済構造を大きく変え、地域経済をだめにする」をあげ、「TPPは競争原理を本来入れてはいけない分野に導入することだ」と指摘し、国民が大同団結することを訴えた。
東京大学院教授の鈴木宣弘氏は「(自民党が掲げた六項目の)公約はどうなったのか。日米首脳会談後、米国は国内の農業団体に“日本は農産物の関税撤廃を認めた”と報告している。守るべき国益はもう破綻している。TPPはすべてを壊す異常協定で、日本実質国内総生産(GDP)が10年で何兆円増えたからといって、不利益を相殺できるような問題ではない」と警鐘を鳴らした。
学校給食を考える会の代表は「全国で954万人の児童・生徒が学校給食を食べている。TPPに入れば、海外から安いコメや乳製品などが入り、給食には輸入食料が使われるようになる。給食に地場の食材を使う運動を続けてきた。次世代に豊かな食・文化を受け継いでほしい。TPPに加入すれば、外国産米や遺伝子組み換え農産物を学校給食で食べることになる。健やかな子どもの成長のためにもTPPには断固反対」と発言した。
精糖工業会の代表も「沖縄県の基幹産業であるサトウキビ。これを守らずに日本を守れるのか」と訴え、福島県のJA女性協の代表は「東日本大震災から二年過ぎたが、まだ“復興”は実感できない。今も県民一五万人が県内外で避難生活している。いつ元の生活に戻れるのか。“復興より先にやるべきものはない。TPPより復興が先だ”と声を大にしたい」と呼びかけた。
また、岩手県の建設業協会の代表は「東日本大震災の被災地は復興が進まず、農家は莫大な被害を被っている。ここに安い農林水産物が輸入されれば、東北をはじめ、日本の農業は壊滅する。岩手県の建設業は農業と関係が深い。県内農家の四人に一人は建設業に従事する。TPPに参加すると市町村の小さな工事に海外企業が参加できるようになる可能性もある。ダンピングによる価格競争が進み、中小建設業は大きな打撃を受ける」と発言した。
このようにTPP交渉参加は、農業だけでなく、漁業、林業、医療、消費者、学校教育、中小製造業、建設業など、国民生活全般にわたって壊滅的な打撃を及ぼす。これに対して各界各層の怒りの声が上がっている。
米国企業が相手国支配 カナダや韓国で前例
TPP交渉参加に関して、当初マスコミは農業分野にかかわる関税引き下げなど自由貿易推進という経済問題に切り縮めて報道し、「農業者が“開国”を妨げ、日本経済の足を引っぱっている」(『読売新聞』)といった悪質な宣伝をおこなってきた。だが、この間国民的な反対行動が広がるなかで、TPPは単なる経済的な打撃の問題ではなく、政治、社会の全分野に「アメリカルール」を押しつけ、根本的な変革を迫るものであることが明らかになっている。それはメキシコやカナダ、「韓国」などがアメリカと自由貿易協定を結んだ結果が証明している。経済連携した国の間で投資に関して不利益を被った場合、国や投資家が相手国に訴訟を起こせる権利を定めたISD条項はその典型である。
アメリカとNAFTAを締結したカナダでは、ガソリン添加剤に神経系有毒物質が含まれているため、政府が輸入を規制した。これに対し米国企業がカナダ政府を提訴し、2億5000万jの賠償金支払いを請求。カナダ政府は1300万jを支払い、規制も撤回した。
また、米国企業がカナダ国内で処理した廃棄物を米国に輸出しようとしたが、カナダ政府が一定期間の輸出を禁止。これに対し米国企業がカナダ政府を提訴し、カナダ政府は823万jの賠償金を支払った。
同じくNAFTAを締結したメキシコでは、米国企業が国内で有害物質の埋め立てを計画し、メキシコ政府が計画の許可を取り消したため、米国企業がメキシコ政府を提訴。メキシコ政府は1670万jの賠償金を支払わされている。
米韓FTAが昨年3月15日発効した「韓国」でも、米国の不動産業者が政府提訴の動きを起こしている。米投資ファンド「ローンスター」が外換銀行の売却で不当な損失を被ったとして、ISD条項に基づき「韓国」政府を仲裁機関である「国際投資紛争解決センター」に提訴した。
また、ソウル市では30もの条例がISD条項違反となる可能性があるとして対策を検討している。米国企業は「地域の食材を使った学校給食推進」や「GM作物を使わない」などの条例がISD条項に違反するとして、条例変更を要求する可能性もある。
さらに「韓国」はアメリカとのFTA締結前に交渉開始の条件として、@遺伝子組み換え食品について米国が容認したものは自動的に「韓国」でも受け入れる、A国民健康保険が適用されない米国の営利病院が認められる医療特区を何カ所もつくる、BBSEにかかわる輸入牛肉の条件緩和、なども飲まされている。
日本でもTPP交渉参加前に、すでに狂牛病対策としての米国産牛肉の輸入規制の緩和を飲まされ、自動車や保険分野でも米国に譲歩することを表明するという屈辱的な対応を安倍首相はとっている。
全分野で障害撤廃徹底 生産も加工も流通も
このようなTPPはだれの利益になるのか。米通商代表部は、TPPの目的として、「アジア太平洋地域において発展しつつある生産・流通網への米国企業の繋がりを深めるための連続性の促進」としている。すなわち、「穀物メジャーなどの多国籍企業による、投資、生産、加工、流通、販売を米国が主体となって促進する」ことであり、「米国企業がより一貫してTPP協定参加国の市場で活動をおこなえるように、TPP協定交渉国の規制制度をより整合的なものにする」ことを狙っている。そこでは、FTAの基本的な構成要素である物品市場アクセス(物品の関税の撤廃・削減)やサービス貿易のみではなく、非関税分野(投資、競争、知的財産、政府調達等)のルール作りのほか、新しい分野(環境、労働、「分野横断的事項」等)を含む包括的協定として交渉するとしている。
またTPP交渉においては、「除外」(特定の物品を関税の撤廃・削減の対象としないこと)や、「再協議」(特定の物品の扱いを将来の交渉に先送りすること)は原則として認めないとしている。つまりTPPは、日本社会の全分野で米多国籍企業の利益追求のために障害となる規制や法律、憲法さえも変えてしまうことを迫るものである。
医療分野では日本の皆保険制度、農地を守るために株式会社の所有を禁じている農地法、漁業振興のために設定されている漁業権、農協や漁協など協同組合を保護するための制度、知的財産権を保護するための法律、労働者の権利を守るための法律等等、米国企業の活動のために不都合とみなす規制や法律は力づくで変更させられる。
米国が外国貿易障壁報告書に盛り込んだ対日要求や指摘事項として、農業分野では牛肉、コメ、小麦、豚肉、農産物関税など。郵政・共済、自動車、医薬品・医療機器などがある。共済ではJA共済などの優遇措置を見直し、私企業と対等な競争条件にすることを迫っている。
たとえば、地方自治体が推進している「地産地消」や「学校給食に地元の食材を」といった政策も、競争を阻害するものとして攻撃される可能性は高い。また、ISD条項を使えば、米国の保険会社は日本の国民健康保険制度を「参入障害」として提訴することで、損害賠償の獲得と制度撤廃に追い込むこともできる。また、日本の薬価決定に米国の製薬会社が入り、薬の特許も強化されて安価な薬の販売ができなくなる可能性もある。
また、TPP参加で、独占企業は海外投資に拍車をかけることは目に見えている。今でも海外移転にともなう労働者の大量解雇が問題になっているが、現行の労働法では資本は労働者の首切りを自由にはできない。TPP参加で労働者の解雇を自由にできるように法改定し、日本国内で操業する工場も海外から低賃金で労働者を雇えるようにすることも狙っている。
戦後対日戦略の総仕上 対中国包囲網と連動
TPP参加で日本の農林漁業をはじめ、工業や商業、教育や医療、文化などすべての分野で国内の生産活動、加工、流通、販売をアメリカの多国籍企業が好き勝手に荒らし回り、根こそぎ富を吸い上げていこうというものである。これは、アメリカの戦後の対日戦略の総仕上げといえる。1985年のプラザ合意で円高ドル安で貿易不均衡を解消、89年の日米構造協議で240項目の対日市場開放を要求、93年からは年次改革要望書を出し、そして最後にTPPである。
政府の試算では、TPP参加で、日本農業の生産額は4・5兆円減少で半減。関連産業を含め国内総生産の損失は7・9兆円。農業・食品産業などで340万人が失業し、食料自給率は40%から13%へ激減する。とくに基幹作物であるコメは、残るのは新潟コシヒカリなど一割に過ぎず、牛乳、乳製品は全滅。牛肉も3等級以下は全滅する。すなわち日本農業はほぼ壊滅である。
関税自主権の放棄は独立国家としての存立基盤の崩壊につながる。農林水産業の衰退は地域経済と国土保全機能を崩壊させ、医療制度では皆保険制度を崩壊させ、外国資本・株式会社の医療への参入激化で医療がビジネスに転じる。雇用では外国人労働者の流入で日本の若者の失業増加・賃金低下。産業は外国資本との競争が激化し、倒産増加。食の安全・安心では米国産牛肉輸入規制・残留農薬基準・遺伝子組み換え食品表示の緩和・廃止。公共事業では、外国企業の入札参入が土建業者を圧迫し、地域経済の衰退に拍車をかける。
対米従属の多国籍企業が支配する世の中では、日本社会は崩壊せざるをえない。しかし多国籍企業が乗り込んできたところで、生産を基礎にして成り立っている地域社会を崩壊させるなら、搾り取る対象も失ってしまい、失敗せざるをえない。
また、TPPの背景にはアメリカのアジア重視の軍事戦略があり、政治・軍事的な対中国包囲網に日本を動員する狙いを持っている。そこにはアメリカ自体の経済的、政治的、軍事的危機の深刻さがある。安倍首相は、衰退し世界的に孤立を深めるアメリカにあくまで盲従して、日本民族の利益を売り渡し、国を滅ぼそうとしている。しかし広島、長崎に原爆を投げつけられた日本民族は、再び原水爆戦争の戦場にされることを黙ってみているわけにはいかない。
現在、人人のなかで戦後社会についての根本的な見直しが進行している。国というものが国民の生命や財産を守るものではなく、一握りの大資本のための道具になっており、日本はアメリカと財界のための独裁国家という姿があらわになっている。農漁民や労働者、商工業者や教育・医療関係者、知識人、青年学生など広範な各界各層のなかで、斗争機運はますます高揚している。安倍売国政府を打倒し、「日米安保条約」を破棄する全国的政治斗争を巻き起こす条件は成熟している。
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日本語が最大の非関税障壁
僕の英会話「放置したのは自民政権」 橋下徹・日本維新の会代表代行
ゆとり教育を許してきたのは自民党政権だ。英語教育も、僕なんか10年たってしゃべれるのはグッドモーニングだけ。頭に来たので大阪市は小学校1年生から英語教育をやる。大阪市のこどもは高校卒業するまでに日常会話できる。
国全体でやったらいいが、日本の英語の先生の職域を守るため、日本の教育委員会はやらない。英語の教員なんて(教員)免許なんかどうでもいい。アジアで英語をしゃべれないのは日本人だけ。
僕も国際会議に呼ばれる。中国人も韓国人もベトナム人もタイ人も英語べらべら。僕だけ通訳がついている。みんなゲラゲラ笑いながら英語で会話している。僕は通訳入っているから1分後にゲラゲラ笑う。何でこんな人間になってしまったのか。
日本の英語教師が英語をしゃべれないからだ。総入れ替えしたらいいが、教員組合は認めない。放置していたのは自民党政権じゃないか。(自民党政権に)もう一度戻すのか。僕は嫌だから、日本維新の会を立ち上げた。(福岡市内での街頭演説で)
http://www.asahi.com/politics/update/1212/OSK201212120173.html
英語ができない役員は2年後にクビにします
三木谷浩史・楽天会長兼社長 2010年06月16日
--なぜ楽天は急にグローバル化へと舵を切り始めたのですか。
国境や国という概念が大きく変わっているのに、唯一大きく取り残されているのが日本。ここ2〜3年、世界中を飛び回ったが、社会のトップ層が英語をしゃべれないのは世界中でたぶん日本だけですよ。これは相当やばい。ヨーロッパだろうがどこでも英語はペラペラです。
さらに経済を見ると、サービスの重要性が急速に高まっている。日本の企業は、トヨタにせよソニーにせよ、メーカーを中心にモノで国際化してきた。しかし今はiPad、iPodに象徴されるように、モノとサービスが組み合わさりつつある。モノだけの価値は下がって、サービスの比重が上がっている。
それなのに、「日本人は手先が器用」「モノづくりの国ニッポン」なんて言っていたら、モノはつくっても利益を全部持っていかれることになりかねない。言い方は悪いかもしれないが、ダイヤの原石はアフリカで採られているけれども儲けているのはヨーロッパ。それと同じようなことが起こりつつある。
楽天は若い会社だから、これから20年、30年というスパンで日本を見たとき、たいへん大きな危機感を抱いている。
--その危機感の象徴が社内の英語公用語化であると。
英語化をやる理由は二つある。
一つは、楽天を世界一のインターネットサービス企業にするため。もう一つは、楽天が変われば他の会社にも影響を与える。日本の企業や一般家庭にも、「やっぱりやらなきゃいけない」という意識が広がるきっかけになればいいと思っている。
まじめな話、英語化というのは、日本にとって歴史を覆すぐらいの大きな挑戦。でも、それぐらいのことをしないと、日本は終わりだと思っている。日本の文化や伝統を重んじるのはいいと思う。でも、ガラパゴス状態から脱して、多様化しないとサバイバルはできない。
日本人が英語をしゃべれるようになれば、海外の人も日本で働きやすくなる。日本人を使うとコストが高いし、労働力が足りなくなるのだから、海外から来てもらうしかない。
--インド人、中国人も積極採用し、幹部候補生として育てている。
もう国籍は問わない。中国人、インド人は今までエンジニアが中心だったが、今後はビジネス系の職種も採用する。そのために英語を公用語化した。日本語だと、日本語がしゃべれないとハンデになるが、英語になった瞬間に全員が平等になる。
昔から「英語だけしゃべれて仕事ができない奴がいっぱいいる」という人が必ずいるが、もう英語は必要条件。読み書きそろばんのそろばんと同じ。その意味で、英語がしゃべれない社員は問題外です。
そうはいっても、「いきなり明日から英語をしゃべれ」というのは無理でしょうから、2年間は猶予を与える。2年後に英語ができない執行役員はみんなクビです。
--部長以下の役職の社員についてもそれは同じですか。
グローバルに展開していくんですから、業務進行上の支障があれば、降格せざるをえない。日本語のできない人が、日本でビジネスをやっているようなものですよ。
--日本人同士で英語を話すと、効率が落ちるのではないかという声もありますが、そうした問題は乗り越えられますか。
簡単に乗り越えられる。1年後にはまったく問題ないでしょう。
--楽天と同じことを多くの日本企業がやり始めたら、日本が本当に変わり始めるかもしれない。
いちばん重要なのは、中学校の英語の先生をみな外国人か本当にペラペラしゃべれる人に替えること。今の先生を教育し直すのは、時間とカネのムダなので、別の科目に移ってもらったほうがいい。そうしたら絶対に変わる。日本の競争力が上がる。小学校からの英語教育と併せて、すぐにでもやるべき。
--英語公用語化は海外拠点のメンバーにも評判がいいですか。
すごく受けがいい。モチベーションアップにもなっているし、テレビ会議に参加してくる人間が多くなっている。日本語でやることの限界は、海外拠点の社員から「自分たちはあくまで日本企業の子会社でしょう」とか「あいつら日本の本社で訳のわからないこと言っている」というふうに思われてしまうこと。それでは、同じ船に乗れない。
--英語は最低条件として、世界で戦うために、プラスアルファとして必要になる能力は何ですか。
国際的な感覚というか、「普通に考えたらおかしいよね」というふうに自発的に思考する能力。自発的に思考する能力というのは、グローバルスタンダードを自分の中に持っているということだと思う。
しかし、日本はマスコミも含めてガラパゴス化を進めてきているから、一般的にお上がいいといったら、いいと思ってしまう。たとえば、薬事法のネット規制の問題も、僕があれだけ反対しなければ、そのまま簡単に通ってしまったはず。
大事なのは、動くために考え、考えるために動くこと。それを日本人とだけではなくて、グローバルにできるような人が求められている。
グローバルにコミュニケーションできるといろんなノウハウを吸収できる。なぜ楽天が強いかというと、僕が世界中の成功例にアクセスして、いいアイデアを見つけてくるから。僕は天才でも何でもない。世界中のいいものを見つけて、結び付けて日本でやる。はっきり言って、僕がやってきたのはそれだけ。
--ビジネスを通じて、中国人、インド人の若者と日本人の若者に大きな差を感じますか。
ハングリー精神が違うというのは確か。鎖国を300年続けた国と、いろんな歴史を繰り返してきた国とは違う。お上が守ってくれると彼らは思ってないでしょう。自分の道は自分で切り開くというのが原則。
小中高の教育にしても、日本は競争が甘っちょろい。やっぱり大事なのは切磋琢磨。敗者を蔑(さげす)むのではなくて、「競争してみんなで伸びていく」「ダメな奴は強い奴が助ける」というふうにしないといけない。
--三木谷さんは今中国語を勉強していますが、英語だけでなく中国語も必須ですか。
そこまでは言わない。中国語を学ぶ意味は二つある。一つ目に、僕は英語は半分ネーティブなので、みなに英語を義務づける分、僕も新しいことをやれば文句ないだろうと(笑)。二つ目に、中国市場は楽天のビジネスにとって将来的に極めて重要。最低でも30年後には、中国語圏のマーケットは英語圏を超えるでしょうから、中国の人と片言でもしゃべれるようになっておきたい。
みきたに・ひろし
1965年兵庫県生まれ。日本興業銀行、ハーバード大学留学(MBA取得)を経て、1997年5月「楽天市場」を開設。
(週刊東洋経済2010年6月19日号/特集・あなたは世界で戦えますか? より)
http://toyokeizai.net/articles/-/4500
官僚にも競争を「TOEFL試験義務化」で大激震 2013年3月14日 掲載
「正社員を解雇しやすくするようにルール改正すべし」などトンデモ意見が飛び出した政府の「産業競争力会議」。
刃は民間だけでなく公務員にも向きそうだ。15日の会合で、民間議員から大胆な提案がなされることが明らかになった。国家公務員試験に英語検定試験TOEFLを導入するというのだ。
採用試験だけでなく、現職の国家公務員についても定期的にTOEFL受験を義務付け、役職者には最低点のクリアも求める。英語ができない管理職はポストを剥奪されるわけだ。
英語を社内公用語にした楽天の例は極端にしても、昇進にあたってTOEFLやTOEICの受験を社員に課す民間企業は増えている。
もっとも、キャリア官僚には東大や京大のOBが多い。入省直後はTOEFLで高得点をマークするのは朝飯前だろう。だが、英語から遠ざかっていた40代以上の管理職には死活問題になりかねない。
元産経新聞記者で国際教養大客員教授の小山貴氏がこう言う。
「かつて『ニューズウィーク』国際版の元編集長のファリード・ザカリア氏を取材した際、“日本の外交官は英語を話せない”と指摘していました。文法重視の戦後の英語教育の弊害で、日本人は英会話が苦手です。優秀な官僚も例外ではないということです。外務省の役人がダメ出しされているのだから、他省庁の官僚の英語力は推して知るべし。
TOEFLを導入すれば、それで出世レースから脱落する係長、課長クラスが出るでしょう。いまだに入省年が幅をきかせる霞が関には一大事です」
役人を競わせるなら大いに結構。 .
http://gendai.net/articles/view/syakai/141447
小4以下も英語必修、文科省検討 指導法を研究 2012/9/9 0:26
文部科学省は小学校低学年から英語を必修にする検討を始める。
昨年度から小学5・6年生で必修化したところだが、社会のグローバル化に対応してより早い段階から発音などに慣れ、コミュニケーション能力を高める必要があると判断した。2013年度に専門家会議を設け、実施学年や効果的な指導法を研究する。
13年度予算の概算要求に調査研究費2500万円を計上した。専門家会議が13年度中にまとめる報告を踏まえ、14年度にも中央教育審議会に諮問。次の学習指導要領の実施に合わせ、小4以下でも必修化したい考えだ。
専門家会議は、文科省の指定を受けて特例で小4以下に英語を教えている学校の取り組みや卒業生を調査。何年生からの指導が効果的か探る。成績評価を行う教科にしたり授業時数を増やしたりした場合の効果や、教員が低・中学年に適切に教えられるかどうかも調べる。
小学校英語は現行指導要領が全面実施された11年度、5・6年の高学年で週1回の「外国語活動」として必修化した。道徳と同じく教科ではないと位置付けられ、「音声や基本的な表現に慣れ親しませながら、コミュニケーション能力の素地を養う」のを目的とする。
高学年で必修化した時は「日本語教育を優先すべきだ」などと反対意見も少なくなかった。しかし、特例制度で小4以下に教える小学校が全国で1700校に上るなど、グローバル化が進む中で英語の早期指導へのニーズは高まっていると同省はみている。
指導要領の改訂はほぼ10年ごとに行われる。次期要領の策定作業は数年先だが、小学校英語の学年引き下げや教科化が焦点になるとみて、他教科に先駆けて検討を始めることにした。
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英語の早期教育はこういう出来損ないを作ってしまう:
CIA工作員として育てられた麻生首相 2008年12月02日
スパイを養成するには.子供の頃から訓練しなければならない事は.高校時代からダレスに教育されたブルームが.一番良く知っていた。1945年.CIA日本支局長となったブルームは.日本人のCIA工作員(スパイ)となる人材を探し始める。
ブルームは.当時.日本の吉田茂首相を毎日.呼び付け.日本の政治に様々な命令を下していた。ブルームは.しばしば吉田茂の自宅を訪問もし.深夜まで吉田首相と会談した。
その時.ブルームが目を付けたのが.吉田茂首相の孫であった。ブルームは吉田首相の孫を自分の家に引き取り.子供の頃から工作員(スパイ)として徹底的に教育し.育て上げる。この吉田首相の孫が.2008年現在の.麻生太郎首相である。
http://d.hatena.ne.jp/nk2nk2/20081201
「麻生前首相が資質を問われ始めたのは漢字の誤読が発覚してからだ(毎日新聞論説副委員長・与良正男)[85] 」といわれるように、麻生が国会答弁の中で、踏襲を『ふしゅう』と読み間違えたことを朝日新聞が問題視する[86]と、「麻生の漢字間違い」は国民の大きな反響を呼び、マスコミは麻生が報道関係者宛てに出した礼状まで公開し、漢字間違いを指摘する[87]などのバッシングが行われ、「麻生太郎は漢字が読めない」という風評が定着していった。
こうした世論について、自民党の細田博之幹事長は「麻生総理が字が読めないらしいと言って楽しんでいる。日本国の程度を表している。国民の程度かもしれない」と述べた[88]。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BA%BB%E7%94%9F%E5%A4%AA%E9%83%8E
2008-09-27 20:47:51
麻生総理の国連総会演説、議場はガラガラ。日本の存在感殆どゼロ?
何の為に、出向いたのか疑問。
老生が、疑問を呈した、麻生総理の国連総会演説。会場はガラガラ、英語が堪能のはずが、英語は冒頭だけで、殆どは日本語だった。おまけに、翻訳の機械が故障してしまい、初めからやり直す破目になってしまった。
機械故障を取り上げて、英語で翻訳機は日本製ではないようだとやって、一部外人記者たちから喝采を浴びていたが、新聞に取り上げられていた、咄嗟のジョークに拍手と言うほどではなかった。
英語で行なった、冒頭部分のスピーチも、決して上等の英語ではなかった。相変わらずのだみ声は止むおえないが、折角英語でやるなら、もう少し格調高く、内容を吟味した表現を使うべきだったのではと思う。日常会話の延長線上では、国連総会で発言する意味が無かろう。
http://ameblo.jp/tadurabe/entry-10144541678.html
麻生太郎は本当に英語が得意なのか
チンピラ太郎が首相になれるんだったら、猿だってなれるというエントリーでも触れたけど、又、ゴミ売りが麻生が日本語ができないからって、まるで、麻生が英語ができるかのごとく読者に誤ったイメージを抱かせて、洗脳しようとしている。
スピーチは得意の英語で…首相、日本語より不安ない?(読売新聞 - 01月15日 22:12)
麻生首相は15日、アイルランドのカウエン首相との会談など、三つの行事で得意の英語を披露した。
同日朝には、都内のホテルで開かれた国際会議「交通分野における地球環境・エネルギーに関する大臣会合」で、「Good morning, ladies and gentlemen(みなさん、おはようございます)」と切り出し、約4分間のあいさつを英語で通した。
米国やカナダなど22か国が参加した「大臣会合」のあいさつは、周囲が「国内だって、英語でやったらどうか」と勧め、首相も二つ返事で応じたという。
留学や海外勤務の経験が長く、「英語には全く抵抗感がない」(側近)という首相。漢字の誤読が多い日本語のスピーチより、英会話の方に自信があるのかもしれない。
日本人が英語がわからないと思ってこんないいかげんな記事を書くのは本当にひどいと思う。麻生が国連のスピーチの冒頭で話した、というか、読んだ、ほんの2行の英語のセンテンスの発音を分析して、いかに麻生の発音がひどいかを見てみようと思う。
麻生総理大臣国際連合総会演説(1/3)(英語通訳版)
【More・・・】
英語が得意な麻生太郎のはずなのに、彼の英語が録音されているYouTubeは、これともう1つくらいしかなく、分析するにもデータが限りなく少ない。まずは、この国連の動画の英語から分析してみようと思う。非常に聞きにくい英語で、ネイティブ・スピーカーにとっては、いったい何を言っているのかさっぱりわからないと思うけど、スピーチの冒頭では、下記のような英語を読んでいると思われる。
Mr. President, distinguished participants,
国連総長、参加者のみなさま、
It is my greatest honour to stand here as a new Japanese Prime Minister, Brand-new.
こうして新しい日本の総理大臣としてここに立てるのは、大変名誉あることでございます。真新しい。
英語の単語はいくつかの音節に分かれていて、そのうちの1つの音節の中の母音を最も強く発音することになっている。例えば、”TOKYO”という単語だったら、(英語の辞書にはないので、音節数はわからないが、多分1〜2音節だと思う。)最初の”O”にストレス(強調)が置かれるので、その”O”を強調して発音すると、英語らしく聞こえる。これに対して、日本語は、音節に分かれることはなく、ひらがな1つ1つが音節のような役割をしている。「と・う・きょ・う」では、最初の「う」と最後の「う」がハイピッチ{高音}で発音され、英語の強調と同じような役目をする。このように、日本語の単語では、強調のかわりに音程で言葉のアクセントが表現され、英語のように単語の中で1つの母音が強調されることはほとんどない。家(いえ)や猫(ねこ)など2つのひらがなからなる言葉の中で一つのひらがなだけが、高音で強調される言葉もあることはあるが、3つ以上のひらがなからなる言葉では、複数のひらがなが高音で強調されることが多い。
麻生の英語は1つの母音を強く発音することができず、彼の英語の単語の発音をみてみると、日本語のように、複数の母音に強調を置いて発音していることがわかる。つまり、英語の発音の基礎が全くできていないということだ。
まず、一行目だけど、”distinguished”という単語が正しく発音できていないので、聞き取るのがとても難しい。”distinguish”は、”dis”と”tinguish”の二つの音節に分かれていて、本来は、”dis-tinguish”と第二音節の最初の”i”が強調されなくてはならないが、麻生は2番目の”i”を強調しているので、次に続く”participants”という単語をうまく発音できずに言い直している。又、"distinguished"の最後の"ed"や、”participants”の最後の”s”もほとんど聞き取れない。英語の単語の語尾をはっきりと発音しないのは、初心者の日本人英語学習者に見られる特徴だ。
2行目は、1行目より長い文なので、もっと何を言っているのかわかりにくい。特に"my greatest honour"が、どうしても"magnificent honour”にきこえてしまう。麻生は、日本語のように、全ての音節をハイピッチで発音しているので、とても聞き取りにくく、次に続く ”honour”という単語を必要以上に強く発音しているので、”my greatest honour”がより一層聞きとりにくくなっている。全体的な発音が日本語的な英語で、”here”だけブリティッシュ・イングリッシュなので、1つのセンテンスとして聞くと、全体の発音がとても奇妙な英語になっている。カナダ人に聞いたら、この人全然英語駄目だねと言っていた。
そして、2行目の文末に”Brand-new.”と形容詞を付け加えているが、これは、”a new Japanese Prime Minister”を言い換えたものとしても、英語では形容詞だけを文末に加えることはほとんどない。こうした公式のそれも国連のスピーチの場で、突然、口語体のこのような言葉を自分で付け加えるというのは、スピーチの品を落とし、とてもみっともない。まあ、聴衆がほとんど日本人で、他にいないという点では助かったといえよう。
又、通訳を聞くイヤホンが壊れていた時も、"It's not a Japanese machine, I think, no?"という発言をしているが、これもかなり日本語的な英語になっている。本来なら、"I think that it is not a Japanese machine, or is it?"とするべきだが、麻生は、日本語のように「〜と思う」の ”I think”を最後に持ってきている。最後に”NO?”と言ったのも、日本語なら、「違う?」と最後につけるのと同じ用法だが、英語では、ほとんどこういった使い方はしない。まさに、子供が話す"Children's English"そのもので、こんな幼稚な英語を話す人物が日本の総理大臣というのだから、日本のいい恥さらしだ。英語のわかる日本人が聞くと、恥ずかしくなるばかりである。
こんな英語を話す麻生を英語が得意と持ち上げるゴミ売りには、日本人はきっと英語がわからないだろうから、こんなことでも書いておけば少しは麻生を見直す人がいるかもしれない。そうすれば、麻生内閣の支持率も上がるのではないかという浅はかな下心がみえみえで、心の底から情けないと思う。これまでも、ごみ売りは、こういった嘘を書くことで、自民党を持ち上げ、国民を騙してきたのだ。しかし、今の日本人は、海外に留学経験し、生の英語を体験した人が多いので、こういったゴミ売りの嘘もすぐに見破られる。又、ネットの普及で、ゴミ売りの嘘も次々とあばかれ、やっと自民党政治に終止符を打とうとしているのだ。
ゴミ売りが麻生が英語が得意だなどととんでもない嘘を記事にするのは、これを最後にしてもらいたい。でなければ、すでに失った国民の信用をさらに失うことになるだろう。
前にも書いたが、第二言語(英語)は、第一言語(日本語)の能力に比例するのだから、漢字も読めないチンピラ太郎が、英語ができるわけないだろうが。英語はとても繊細な言葉で、少しでも発音を間違えたり、間違った単語を使ったりすると、とても侮辱的に聞こえることもある。
日本語力どころか英語力もない麻生に総理大臣としての立場で間違った英語を使って、国益を損なうこともありえるので、そういった点では、麻生は英語を話さない方がいいだろう。
http://minnie111.blog40.fc2.com/blog-entry-1366.html
まあ、麻生ファンが彼を庇いたい気持ちは分かりますが......
英語の自己紹介など中学生でも出来る事。
自己紹介の何処がイギリス英語だったのか私にはさっぱり分かりませが、件のジョークは少なくとも一国の宰相の使う英語ではないと私は思います。
#1の参考サイトにある見出しにも I think 以降は省いてあります。
言葉の最後に付ける I think は大体において、自分の主張に自信の無い時に使うもので、それでもなお足りずに no? とだめ押ししているようです。
これがイギリス英語なのでしょうか?それとも私が分からないからかな?
その他の新聞等にも、麻生氏の英語を褒めた記事は見た事がありません。
どうしても、翻訳機の粗雑さをジョークにしたいのなら、
It's not a Japanese machine is it ?
とするべきでしょう。しかし、それでもあまり趣味の良いジョークとは言えません。新聞は皮肉で辛辣とコメントしています。
#1の参考サイトの新聞には、オブザーバーは「麻生は良いスピーチをした」と賞賛、となっていますが、これは勿論日本語の部分で"brand-new"首相へのご祝儀 と取るべきでしょう。
まさか、英語の自己紹介を「良く出来ました」と賞賛するわけないですからね。
http://okwave.jp/qa/q4362730.html
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英語を学ぶなら日本語を勉強しよう 2012年11月17日
私は言語学者でもなければ、英語を教えるのプロでもないのですが、日本語力がある人は英語も上手くなるように思います。
ずっと海外で暮らしていた人は別にして、普通は第二外国語は母国語を超えることはない、と言われています。この考えに従えば、英語だけをがんばったとしても、日本語能力もアップさせないことには、英語は上達しない、となります。
言語能力の発展についてはいくつか考え方があるのですが、こちらの図をご覧下さい。
これは言語を能力を図式化したものなのですが、表層部と深層部に分かれています。表層部は、読み、書き、話し、聞く、といった、日常的に目に見える能力を表しています。
一方で深層部では、言語生活を支える層で、基底能力と呼ばれます。これは、普段はそれほど使いませんが、簡単にいえば「知っている」「理解できる」言葉です。
例えば、語彙を例にとると「初詣」や「奉納」といった言葉は、は日常生活の中で使わないけど、誰もが知っている言葉です。普段自分で使うことがないけど、あるいは使う自信のない単語であっても、いつでも理解したり引き合いに出せる能力が、基底能力です。そして、表層部は基底能力の大きさに比例するので、基底能力が大きければ大きいほど、表層部の発達度合いも大きくなります。
では、バイリンガルの人の言語能力の発達はどのようなものになるかといいますと、それを表したものがこちらの図です。
バイリンガルの人は、表層部に2つの山があります。表層部は分かれていますが、深層部では分かれておらず、共通基底能力として一体化しています。なお、表層部の山の大きさはきれいに同じではなく、言語の発展段階によって、母国語は大きく、第二言語は小さくなったりします。
これは言語能力発展の一つの理論で、他にも考え方はあるので、正しいか正しくないかは自分にはわかりません。
でも、確かに、自分の留学中に色々な人と出会いましたが、日本人だけではなく他の国の人も、母国語の能力が高い人は、英語力もしっかり身についていたように思います。
英語をすぐに身につけたい人には遠回りな方法かもしれませんが、英語を学びたい!と思ったら、新聞や本とかで日本語にも触れて、日本語能力をアップさせると、しっかりとした英語が身につくかもしれません。
余談ですが、最近日本でも小さい頃から英語英語、と言われていますが、日本語もしっかりと学ばないと、将来的にはその子どもが困るのではないかと思う今日この頃です。。。
http://blog.gcsgp.com/english_japanese_study.html
英語教育はなぜ間違うのか 山田雄一郎 ちくま新書 2005年2月刊
http://www.amazon.co.jp/%E8%8B%B1%E8%AA%9E%E6%95%99%E8%82%B2%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%9C%E9%96%93%E9%81%95%E3%81%86%E3%81%AE%E3%81%8B-%E3%81%A1%E3%81%8F%E3%81%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E5%B1%B1%E7%94%B0-%E9%9B%84%E4%B8%80%E9%83%8E/dp/448006219X
英語教育はなぜ間違うのか 山田雄一郎 ちくま新書 2005年2月刊より抜粋引用
(21世紀日本の構想懇談会 報告書「日本のフロンティアは日本の中にある」の「グローバル・リテラシー」に言及して)
物事が地球規模で交流する今日、言語力を重視し、それを育む事が大切だとい意見について異存はない。これからの日本は、相手の言葉によく耳を傾けると同時に、自らの意志を相手にわかる言葉で明確に伝えなければならない。そのために日本人が言語の能力を高めることは、大いに必要だと考えている。
しかし、その言語力とは必ずしも英語の力を意味しない。相手にわかる言葉で伝えるとは、自分の考えを論理的に表現するという意味であり、どの言語を用いるかは本質的な問題ではない。われわれがまず為すべきことは、日本語できちんと考え、相手が理解できる表現で論理的に意志を伝える能力を養うことである。
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世界を相手にするとき、何よりもまず優先させなければならないのは、論理である。
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相手にわかる言葉で語るというのは言うほど簡単ではない。偏見のない世界観と感情に流されない判断力が大切である。「世界へアクセスする能力」「世界と対話できる能力」とは、そのような世界観と判断力のことであって、ある特定の言葉を手に入れることとは別な問題である。
報告書は「世界と対話できる能力」を英語力と捉えているが、英語は表現手段に過ぎない。「世界と対話できる能力」とは、世界を視野に入れた、公平で堅固かつ柔軟な視座である。手段を目的と取り違えて、進むべき方向を見誤ってはならない。
(同書 pp15)
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報告書も、「日本の戦略課題」という言葉を用いて英語習得の必要性を強調している。
しかし、このとらえ方は果たして正しいのだろうか。英語で世界を渡り合うと言うが、英語を武器に戦うのは危険である。英語は強力な武器のように見えるが、それを使いこなし、それで自分の身を守るのは並大抵のことではない。英語を規準に物事を判断するのでは、非英語国が英語国の前に立つことは不可能である。われわれが英語で彼らに勝てるとは到底思えない。またこのような争いで生まれるのは、英語を頂点とした階層化だけである。
われわれに必要なことは、誰を相手にしても堂々とひるまない心構えである。英語コンプレックスとか西洋人崇拝という言葉ではひとくくりにされないで済むような偏見のない態度と価値観を育てなければならない。英語が話せれば確かに便利である。自分の考えを世界の人に伝える機会も増えるだろう。しかし、その英語よりも大切なものは、伝えるべき内容である。
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歯に衣を着せぬ評論で知られた山本夏彦は、現代日本人を揶揄して「にせ毛唐」と繰り返した。「にせ毛唐」とは穏やかではないが、山本の主張はもっともである。彼は、日本人が日本人としての姿勢を見失っているのを腹立たしく思ったのである。自分たちの言語や文化を犠牲にしてまで西洋人に同化したがる日本人を嘆いたのである。
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義務教育の目的は、社会の求めるものに直接応じることではない。義務教育を、職業訓練と同列に扱ってはならない。仮に、英語が国際社会を切り抜けるための武器だとしても、それはあくまで考慮すべきことであって直接の目的にすべきものではない。義務教育は、学習者が将来、必要とするかも知れない諸能力を身につけるための準備期間である。十分な基礎訓練こそ大切にすべきで、いたずらに断片的知識を増やすことを目的にしてはいけない。
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多くの人は、英会話能力を絶対視して、それこそが社会的な成功の鍵だと思いこんでいる。それは言い換えるなら、多くの人が自らの英会話力不足を劣等感に結びつけているということである。これは、誤った考え方である。英会話力などという特殊能力の有無をもって人を判断してはならない。
(中略)
学校英語教育の目的を英会話能力などに限定してはいけない。外国語の学習は、もっと豊かなものにつながっている。英語を丁寧に学習すれば、それまで見えなかった日本語が見えてくる。英語という言語が持っている広い世界は、われわれのものの見方に新しい視点を加えてくれる。それは英会話の暗記学習では得られない刺激的で魅力にあふれた世界である。学校英語教育が英会話学校のまねごとになってはならない。その目的は、学習指導要領にある通り、正しく「コミュニケーション能力の基礎を養う」(傍点は著者)ことに置かれなくてはならない。
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私は、日本人の心には、いまも第一には、西欧がありアメリカがあると思っている。われわれの国際化には漠然とした西欧憧憬と、その具現としてのアメリカがつきまとっていると思っている。
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英語と国際化が結びつけられるようになったのが、いつの頃のことなのかはわからない。ただ、この種の思い違いは、日本人の心のどこかに潜んでいて、事あるごとに顔を出す癖がある。例えば、小学校の国際理解教育がそうである。2002年の英語導入を前にして、研究開発校に指定された小学校ではいろいろな試みが重ねられていた。その1つが国際理解教育であるが、その実践を支える論理が、やはり怪しげなのである。和田稔の報告(1999年)によると「国際理解教育」と銘打って行われた授業は、すべて国際理解とは何の関係もない英語の授業であったという。
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言語の学習には長い時間が必要である。そしてその長い時間の大部分は、ルールの発見とその応用練習が占めている。言語の学習は、本質的に単調な作業の繰り返しなのである。コミュニケーション能力の基礎とは、この単調な作業の繰り返しによって生まれる。母語の場合、退屈しなくて済むのは、習得が生活と直結しているからである。外国語学習が母語の習得過程を繰り返すことができない以上、単調で長い時間を避けることはできない。これは小学校英語といえども同じである。
外国語のコミュニケーション能力とは、その見返りとして手に入るものなのである。もっとも、言語の学習は、本来興味深いものであり、それにかかる長い時間は工夫次第で楽しく、かつ学習効果の高いものになる。その意味では、中学校の英語教育は大いに見直されなければならない。同時に小学校英語を単なる娯楽の時間にしてはならない。本当に楽しい英語学習とは、単調な訓練を楽しく感じさせてくれる知的な作業のことであり、ただ楽しく遊ぶことではない。
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一般にネイティブスピーカー信仰は、どの国おいても根が深い。旧植民地の人々の間ではもちろん、植民地支配を被った経験のない日本人の間にも、白人憧憬と重なった英語のネイティブスピーカーに対する信頼は、一種病的と言ってよいほどものがある。ダグラス・ラミス(イデオロギーとしての英会話 展望2月号 1975)は、日本における英会話学校の実態を取り上げ、その差別性を指摘しながら次のように述べた。
たとえて言えば、native speaker(生まれつき話す人)という考え方がそもそも欺瞞である。特に営利を目的としている外国語学校は彼らのnative speakerがご自慢であり、彼らを広告に使う。けれども、native speakerという表現は、結果として「白人」を意味する暗号なのである。(その証拠に)あるnative speakerは英語が本来の言語ではないヨーロッパからやって来るのである。
日本の不思議な慣行の1つは、外国語教育をネイティブ(当該言語を母語している人)から学んでいないことである。例えば、アメリカでフランス語を習おうとすると、必ずフランス人に就くけれども、日本では英語を日本人から習っている。このような日本は、グローバル・スタンダードからはずれていると批判されている。(中略)日本人が本当にバイリンガルで自由自在に会話ができる民族になろうとするならば、日本人の教師が英語を教える今の教育の在り方を早急に改革しなければならない。
(出典:東北産業活性化センター(編)「国益を損なう英会話力不足 英語教育改革への提言」八朔社1999年刊13ページ)
乱暴な意見というほかはない。日本人の教師が英語を教えることがなぜグローバル・スタンダードからはずれるのか、誰がそのような批判をしているのか、日本人がなぜバイリンガルにならなければならないのかなどについては、右の本のどこにも書かれていない。
ただ、理論的かつ実証的根拠を欠いたこの種の意見は、「日本人は英語ができない」、「どうにかして英語ができるようになりたい」と思いこんでいる人々にとって「やはりそうだったのか」という得心とともに最後のよりどころとして受け入れられやすい。そうした精神的土壌は、ラミスの批判の以前から今日に至るまで、さしたる改良を加えられることなく受け継がれていると考えてよい。人の判断がものの外見に左右されやすいのは、日本人に限ったことではない。問題なのは、それが社会全体の特徴として世代を超えて受け継がれている点である。
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ALTの要件
JETプログラムという事業をご存じだろうか。中学校や高校にいる英語ネイティブ・スピーカーは、このプログラムに従って配置されている。要するにALTと呼ばれる外国語指導助手や国際交流員の受け入れシステムである。JETプログラムは、昭和62年に始まった。(中略)2003年度では、招致国38,参加人数6273という発展を見せるほどに成長した。(中略)
ところで、ALTとして来日している人たちは、どのような規準で選ばれているのだろうか。彼らが外国語教員ではなく、外国語指導助手と呼ばれているのには、それなりの理由がある。(中略)
学士号があればよいというだけで、外国語教育の経験などについてはどこにも触れられていない。(中略)このFAQを見た応募者たちは、どう思うだろう。日本を寛大な国として尊敬し、日本の英語教育のために貢献しようと大いに張り切るだろうか。それとも逆に、英語ネイティブ・スピーカーであることを幸いに、日本での生活を大いに楽しむことを考えるだろうか。
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次に紹介するのは、「ガーディアン」(2000〜2001)に掲載されたJETプログラム紹介記事のいくつかである。イギリス人たちのJETプログラムに対する見方がよく表れていると思うが、読者はこれらの記事をどう受けとめるであろうか。(赤字は、この場合、著者の下線部を示す)
日本政府は、JETプログラムに基づき中・高等学校用にALTを募集している。ALTは、現在6000人ほどである。2001年度(原典のママ)からは英語が小学校に導入されえるようで、その需要が増すことが予想されている。外国人は日本人の相棒教師とティーム・ティーチングを行うことになり、年俸は2万3000ポンドである。(安倍注 1ポンド203円換算で年俸462万円)。驚いた話だが、この仕事に教師の資格は求められていない。応募にあたっては学士号があれば十分である。
大学を出て1〜2年間、外国政府(安倍注 日本政府のこと 募集は外務省)のために働くのはどうでしょう。仕事は比較的簡単なもので、経歴にもなります。十分な給料と観光のための時間が与えられます。しかも、ビザとか住居などの面倒は、すべて相手持ちです。そのお返しに期待されていることは、公立中・高等学校で教師の助手を務めることです。あなたが本当のキャリアを始めるのは、帰国後のことでよいのです。
外国人に英語を教えるのは、世界旅行と同時に金儲けができる絶好の手段です。(中略)コースを選ぶときには、自分が本当に必要としてるものを見つけることです。かりにあなたが英語を教えたいと思っているなら、その目的にあった、たとえば、修士号とか資格免状(diploma)を取れるコースを選ぶことです。しかし、もし世界を旅行するのが目的なら、教育技術のイロハを授けてくれる短期コースを選ぶことです。日本のような国では、英語のネイティブ・スピーカーでありさえすれば教師資格が無くても雇ってくれるのです。しかし、ほとんどの国では教師資格が要求されます。
JETプログラム 何もしないで金儲け?
日本における英語教師の役割は、たとえて言えばサーカス役者。子どもを喜ばすために自転車に乗って登場するピエロ、遠い国からやってきたエイリアン。(中略)給料と諸条件を入念にチェックすること。学士号さえあればよい。もっとも最近では、上の資格がないとよい仕事にはありつけない。金の話をするなら、たいていの奴はなにがしかため込んでいる。飲んでり食ったりで遊び回らなければの話だが。日本に来るときは笑顔で、日本語をちょっと勉強すること、間違っても伝統と誇りを持った国を変えようとは思わないように。これを守るなら帰るときも笑顔。ボブは、JETプログラムで二年間辛抱した現在、○○大学の客員教授になってるよ。
これらは、決していかがわしい金儲けを持ちかける広告ではない。かりにも日本の政府が後押しするれっきとした教育事業を紹介する文章である。(中略)こうした事態は、決して好ましいものではない。日本人がALTに対して抱いているイメージは、ALTの日本や日本人に対するイメージとは大きくかけ離れているかも知れないのである。(中略)国際理解は、相互理解である。ALTに代表されるネイティブ・スピーカーは、その最前線に立って生徒たちと向き合っている。
http://abe.ihatov.jp/etc/yamada.htm
必修化直前 小学校英語の「悪影響」を避けるには
大津由紀雄慶應義塾大学教授に聞く
2011年04月01日(Fri) 大津由紀雄
4月の新学期から、全国の公立小学校の5・6年生を対象に、年間35時間の外国語活動必修化がいよいよスタートする。以前からマスコミを賑わしてきたこの「小学校英語」に対して、当初から異議を唱える慶應義塾大学教授の大津由紀雄氏に、子どもたち、親、担任教師がどのような心構えをもってこの英語活動に臨むべきかをインタビュー。必修化直前のこの時期だからこそ、心構えだけでなくもっと本質的な議論をすべきだと警鐘を鳴らす。
――以前、小学校英語活動の実態をレポートし、(『それでもやるべき? 小学校英語』)その必要性に疑問を抱きました。なぜ大津先生が小学校英語に反対され続けているのか、改めてお考えをお聞かせ下さい。
大津由紀雄教授(以下大津教授):まず、誤解がないように言っておきますと、私は「子どもたちが英語を含めた外国語に触れること」には反対していません。現状のように、「コミュニケーション能力の素地を養う」という曖昧な目的を掲げ、子どもたちの英語嫌いや英語特別視を助長し、担任の先生たちに負担を課し、本質的な議論が十分でないまま行われているこの活動に、異議を唱えているのです。
一般の方はあまり気にしていないと思われますが、4月から始まるのは「小学校での外国語活動の必修化」です。つまり、必ずしも英語でなくてもよいのですが、実質ほとんどの学校で扱われているのは英語なのでここでは「英語活動」と呼びます。また、今回「必修化」というのは、文科省用語では「領域」といって、道徳と同じように数値による評価の必要がありません。数値による評価が必須となるのは「教科」であり、私が絶対的に避けなければならないと考えているのはこの「教科化」です。「教科化」こそ、現在の中学校英語を単に前倒しするということで、学校英語教育全体の姿が根本的に変わることになります。
混乱が続く現場
――必修化といえども小学校での英語活動において、担任の先生、ALT(Assistant Language Teacher)など現場はどのような問題を抱えているのでしょうか。
大津教授:文科省の方針では、活動を組み立てるのは担任の先生としています。担任の先生たちの努力は涙ぐましいとも言えるほどです。いかにして子どもたちを惹きつけるか、他教科で培ったスキルをフル活用し、一見すると以前よりも活動は順調に行われているように見えます。しかし、本質的な問題は何も解決されていません。
先日、京都で行われた「第7回全国小学校英語活動実践研究大会」へ行って来ました。そこである授業を見学したのですが、担任の先生が英語で書かれた手作りの時間割を指して、どの曜日が好きか英語で尋ねます。それに対して、子どもたちはもちろん英語で答えます。ここまでは練習していたのでスムーズな流れでした。しかしその後、当然「なぜその曜日が好きか」という理由を尋ねるのが会話として自然な流れですが、やりとりの仕方が担任の先生には分からない。“Why?”ぐらいは言えるかもしれませんが、それに子どもたちが答えられるはずがありません。このように、「英語」というあまりにも限られた資源の中でのコミュニケーションは、創造性がなく、子どもたちにとっても無益です。
担任の先生の役割については、「英語を教えるという立場ではなく、『英語学習者』の模範として、積極的に英語を知ろうとする姿勢を示すべき」という「学習者モデル論」を唱えていますが、教室に学習者しかいない状況では、誰が間違いを正すのか、誰が英語に関して授業をコントロールするのか、という疑問は拭えません。これに対して、「ALTがその役割を担う」という返答をよくもらうのですが、ある小学校の先生は、「それを英語でALTに説明できたら担任は苦労しない」と漏らしていました。英語でALTに担任との役割の違いを伝えるという難しさはもちろん、そもそも打ち合わせの時間がとれないという問題も改善されない中で、無理な注文と言えるでしょう。
「英語を知っている」と「英語について知っている」
――ALTの質についても問題がある場合が多いのではないでしょうか。
大津教授:子どもたちから「ALTの言っていることが分からない」という声がたくさん寄せられています。本当に英語を「教えられる」人であれば、子どもたちの理解の様子を見ながら色々な工夫をして話すはずです。「英語を知っている」ことと「英語について知っている」ことは別物なのです。前者は「英語が使える」こと、後者は「英語を教えられる」ことに欠かすことができません。「英語について知っている」状態になるには、そのための訓練を受けなければなりません。
立場を変えて考えてみてください。日本語を母語とする人が、次の二つの文を比べたとき、違和感があるのはどちらでしょう。
@昔々あるところにおじいさんとおばあさんがいました。
A昔々あるところにおじいさんとおばあさんはいました。
日本語のネイティブであれば、直感的にAの「は」がおかしいと感じ、正しく「が」に直すこともできるはずです。ただし、その理由を説明することは困難でしょう。それは、多くの日本人が「日本語を知っている」けれども「日本語について知っている」わけではないからです。
現在のALTに対する研修で、上記のような状態が英語について活動中に出てきたときにきちんと説明できるようになるとは思えません。また、外国語指導においては、直すべき間違いと直さなくても問題にならない間違いを見極めることも非常に重要ですが、現状の授業を見ていてもそれができるALTはさほどいないと思います。
――子どもたちや親御さんの反応に変化は感じられますか?
大津教授:子どもたちの生々しい声としては、先ほどの「ALTの言っていることが分からない」の他に「しょうもないゲーム、同じ歌ばかり」というものが多い。最初は外国語に触れるだけで新鮮かもしれませんが、同じことの繰り返しでは飽きて当然です。
親御さんは、当初の熱狂的な支持は徐々に下がりつつあるようですが、基本的に「公立で平等に英語教育が受けられる」という点についてはありがたがっている様子です。しかし、同時に、担任の先生が主導するという現実を知り、「本当に大丈夫なのでしょうか」という声も増えてきました。
必修化に向けた心構え
――子ども、親、担任の先生それぞれの、必修化に際しての心構えを教えてください。
大津教授:まず、子どもたちは、難しいことは考えずに、日本語を母語としない人=ALTと触れあうことを楽しめばいいと思います。親御さんは、先述のように担任の先生が英語を担当することへの不安を感じているかもしれませんが、週45分の授業ですからここはたんたんと受け止めてください。そして、小学校で子どもたちは英語「活動」を行っているのであって英語「教育」を受けているわけではない、ということを理解していただきたいと思います。親御さんたちは、「早くから英語に触れていれば使えるようになる」という幻想を抱いている場合が多いのですが、それは間違いですし、どちらにしても今の小学校英語ではそうなりません。
親御さんは、「それでも発音だけは、早くから慣れさせておいた方がよいのでは」と言います。小学校英語、または早期英語教育推進派も、必ず同じように主張しますが、発音は独り歩きできません。つまり、どんなに発音が良くても、話している内容が簡単な挨拶や自己紹介などに限られていれば、それにどれほど意味を見出せるのでしょうか。それが本当のコミュニケーション力と言えるでしょうか。それよりも、子どもたちにある程度ことばに対する感覚と思考力がついた中学生の時点から始める方が、ずっとスムーズに英語を勉強できます。冷静な判断をお願いしたい。
担任の先生は、ぜひ「ことば」という視点を忘れないでいただきたい。外国語に触れれば、母語との違いに「気づき」、言語に共通する基盤にも「気づく」ことができるからです。これが、私が英語活動の代替案として推奨している「ことばへの気づき」活動です。
「ことばへの気づき」とは?
「言語に共通する基盤」とは、例えば、どの言語にも母音と子音があるということや、文を作る際には単語を一列に並べるという方法をとる、ということなどが挙げられます。そして、その共通の基盤の上に、個々の言語という「個性」があるのです。例えば、母音・子音の組み合わせによって音声ができる、ということはどの言語でも共通ですが、日本語には“th”の音はない一方で英語にはある。また、「本を読む」を英語にすると、read a bookとなり、日本語と単語が出てくる順番が違います。このように、個々の言語の個性を知ることは、母語を相対化すること、つまり他言語と比較することによって可能となります。
そういった点で、英語は日本語から「遠い」言語、すなわち構造が大きく異なる言語なので、比較できる点が多く、適役です。しかし、多くの人々は「英語は事実上、世界の共通言語となっているから」英語を扱うべきという意識をもっていて、その利便性の後ろに「言語の共通基盤」「ことばへの気づき」という大切なことが隠れてしまっています。
――そのような「ことば」という視点は、現在の日本の公教育ではほとんど見られません。小学校での英語活動において、子どもに最も害を及ぼす点は何でしょうか。
私が一番心配していることは、子どもたちが英語を「特別視」してしまうことです。小学校時代の体験というのは、子どもたちのその後の成長過程に大きな影響を及ぼすことは、親御さんも担任の先生も十分理解しているでしょう。その時期に、英語という特定の言語だけに触れてしまえば、多かれ少なかれ「英語は特別な言語なんだ」という意識をもつことは避けられないでしょう。だからこそ、そこで「言語には共通の基盤があり、日本語も英語も他の言語も同じ基盤の上にあり、そこには優劣はない」ということを、少なくとも指導する側が意識している必要があります。
教育とは、「新しい知識を授けること」と同様に、「既知の知識に気づかせること」も非常に重要です。母語はまさに後者にうってつけの材料。しかも、先述のおじいさんとおばあさんの例のように、母語は直感がききます。故に、小学校でも取り入れられるし、そこで母語を相対化することによって、「ことば」という視点が身につき、中学校から英語を学び始めるのがスムーズになります。そのためにも、小学校では「英語活動」ではなく「ことば活動」を取り入れてほしい。
必修化に向けた心構えも示しましたが、根本的な議論はまだ終わっていません。小学校英語活動の準備不足を指摘する声が出ているのは当然ですが、「準備が整えばやるべき」とも思えません。「本当に小学校で英語を扱う必要があるのか」という本質の議論をしないまま、事が進めば、犠牲になるのは子どもたちです。私たち大人が、「英語が使えない日本人」、だから「早期英語教育」が必要だ、などの神話を捨て、子どもたちにとって本当に大切なことは何か、もっと考えるべきです。
子どもたちには、言語や文化に優劣はないということを身に染みて理解し、相手を思いやる心をもってコミュニケーションを図る、本当の意味での「国際人」になってほしいと、誰しも思うはずです。「ことば」の視点が欠けた英語偏重意識が強くなる恐れのある小学校英語、ひいては日本の英語教育は、それとまったく逆の方向へ向かっている気がしてなりません。
今からでも遅くありません。「ことばへの気づき」活動の教材等は、近々ある程度ウェブ上で提供する予定です。小学校英語が、日本の英語教育を見直す良いきっかけになれば良いと思います。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/1266?page=1
書評 ■劣等感と信仰が生む「常識」への警告
英語を自在に操る「国際人」になりたい。せめて自分の子どもには英語力をつけさせたい。これからの日本人には英語力が必須だ——こうした英語力願望をもつ人は少なくない。コンプレックスの裏返しともいえる願望だが、本書はそういう人にこそ読んでほしい一冊である。
「グローバル化」の時代には、国際共通語としての英語力が不可欠だ。だから、日本人の英語力を高めなければならない。こんな「常識」や「神話」が巷(ちまた)にあふれている。「グローバル・リテラシー(国際的対話能力)」を担う言語としての英語という見方であり、その英語力を高める教育の奨励である。本書は、こうした常識を疑い、日本の英語教育がなぜ間違ってしまうのかを、言語学の知識に基づき、教育の実態を見据えながら、わかりやすく解き明かす。
著者の言う、間違いを導く常識とは何か。外国語の中でも英語を特別視し、国際理解教育と結びつける見方。バイリンガルの頭の中には二つの別々の言語能力があるという見方。外国語の学習には早期教育が有効だから小学校にも英語を取り入れるべしとの見方。ネイティブ・スピーカーによる英語教育を信奉する見方、等々。こうした常識が、英語教育を誤った方向に導くと、著者は警告する。
たとえば外国から若者を招聘(しょうへい)し、学校に派遣するALT(外国語指導助手)制度。ネイティブ・スピーカーに接する機会を与えようとの試みだが、英語教育の専門家でもない若者に、高額の給与を払って行われるこの「文化交流プログラム」は、英語教育としてのねらいがあまりに不明確だ。そのため、本人も何をすべきか不安を感じたり、安易なお金稼ぎの場になったり、日本人教員が彼らをうまく使いこなせなかったりといった問題が生じているという。ネイティブ信仰の落とし穴の一例である。
日本語であれ、英語であれ、それらに共通する深層の「基底能力」が言語能力の土台である。それは、どんな言語の使用もコントロールする力のことだ。英語力も、この基底能力の高さによる。これが著者の言語能力観である。だから、基底能力を高めるには、まずは豊かな日本語力が必要となる。書き言葉を介して、直接触れることのできない世界を知る「間接経験」を豊かにしておくことで、基底能力も高まるという。
学ぶ楽しさや、すぐに役に立つことを求める風潮が、日本の教育界には溢(あふ)れている。たとえ小学校から始めても、週3、4回の授業で英語が流暢(りゅうちょう)に話せるようになるはずがない。そんな願いは虫がよすぎる。地道な応用練習が不可欠なのだ。それを楽しくやる教える側の工夫が問われているのであり、楽しければよいというものではない。この警句は、英語に限らず、現在の日本の教育一般にあてはまる。まさに、「学問(学び)に王道なし」である。
[評者]苅谷剛彦(東京大学教授=教育社会学)
http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2011072700947.html
読書メモ「英語教育はなぜ間違うのか」
今日はちくま新書の「英語教育はなぜ間違うのか」を読んだ感想である。著者の山田雄一郎氏は、広島修道大教授で、言語政策、英語教育学がご専門である。
この本は英語教育の過ちを正す本というよりは、英語帝国主義に抗う強いメッセージを発しているように思う。それも津田幸男先生らの本と同じように強いメッセージである。
私がまず印象に残った箇所は、英語公用語化に対して、本当に日本人全体を対象にしているのか、という主張である。そして山田氏はこう続ける。
引用1 英語を日本人の実用語にと言うが、人がバイリンガルになるのは、思うほど簡単なことではない。(p. 100)
私も同意する。確かに世界には二つ以上の言語を日常的に使用する人は多いし、むしろそちらの方が普通かもしれない。しかし私たちが今問題としているのは、片方が外国語の場合である。ちょっと勉強したからといって、すぐに外国語ができるようになるわけではない、というのは誰もが経験上知っている。
引用2 論理が逆転している。英語公用語化案は、必然性があってといいうより、日本人の英語力を高める手段として提案されたのである。(p. 109)
この論理の逆転は、さまざまな人の議論で見られる。山田氏の指摘する船橋洋一氏の議論でもそうだし、私が昨年このブログで指摘した明石康氏の議論もそうだ。
引用3 これまでの研究成果に従う限り、「早ければ早いほどよい」という仮説は、第二言語習得の多くの過程において無効であるということになる。第二言語習得の中核をなすのは語彙と文法構造の獲得であり、子どもの方が優れているのは発音の領域に限定されるというのである。(p. 156)
不遜ながら私が捕捉するなら、その発音も必ずしも効果が実証されていない。さらにその発音とは、英米人のような発音だとするならば、コミュニケーションの場でそんなものが重要だとは言えないのは、当たり前のことである。そうなると早期英語教育導入は、非常に優先順位の低い事柄に執着し、効果のほども分からないのに、突っ走ろうとしていることになる。やはり小学校の英語熱は、理解しがたい。
2006年12月2日 福田哲哉
http://craigfukuda.blog.so-net.ne.jp/2006-12-02
日本語は英語より遥かに優れた奇跡の言葉
日本の成功の秘密は日本語にあるのですが,欧米人にはそれがわからない.中国語も日本語も漢字を使っているから,日本語は中国語と同じ様なものだと思い込んでいるんですね:
一口に日本語と言っても、書き言葉と読み言葉がある。ここで取上げるのは主に前者、つまり書き言葉である。主に日本語は、漢字という表意文字と、ひら仮名・カタ仮名という表音文字で構成されている。さらに日本語の表記には、これらの他に句読点やローマ字、簡単な英語、西洋数字、ギリシャ数字そして特殊な記号まで雑多な文字を使う。最近、メールには絵文字まで登場している。
表記方法も、横書きだけでなく縦書きもある。通常、横書きは左から右に書くが、昔の看板なんかは右から左に書いたものがある。縦書きは世界的に見ても珍しく、外国人は日本人が縦書きで文章を書くのを見て驚いている。これらの雑多の表記方法を使っている日本語は、マスターをするのが難しい言語かもしれない。しかし一旦マスターすれば、これほど便利な言語はないと考える。これは筆者の偏見かもしれないが、日本語は世界の中で一番進化した言語であり、優れた言語と思っている。
漢字は象形文字が基になった表意文字であり、文字そのものが意味を持つ。しかし今日、表意文字として使われているのは漢字くらいである。漢字圏は、日本を除けば中国、台湾、シンガポールと朝鮮半島、そしてべトナムである。しかし朝鮮半島やベトナムは漢字離れをしているようだ。
表意文字である漢字は、文字自体に意味を持つので、言葉を速く理解することができるという利点がある。特に漢字はパターンで認識するので、文字とイメージが結びきやすい。「犬」という文字を見ると、犬のイメージが頭に直ぐ浮かぶ。「京都」という言葉に当ると、京都という文字から京都に関するイメージが自然と頭に浮かぶ。
高速道路の標識も、漢字だから速く、しかも正確に認識できる。これがアルファベットなら一瞬のうちに認識することは難しい。例えば長い地名がアルファベットで記されていたなら、車を停車させなければ、書いてある行き先を読むことはできないであろう。これは言語の特徴を考える場合、重要な点である。
日本語の文書は、斜読みによって、ある程度の意味を把握することができる。これも日本語に漢字が使われているからである。速読の達人と呼ばれる人がいるが、もし文章が全て「かな」で書いてあったなら、とても一瞬のうちに読むことはできないであろう。またアルファベットだけの英語も速読に向かない言語と思われる。
しかし漢字にも欠点がある。基本的に一文字がそれぞれ意味を持ち、世の中の現象を表現するためには、漢字がどんどん増えることである。新しい物が発見されたり、新しい概念の表記が必要になると、それに対応する漢字が必要になる。しかしそこを日本語は、熟語と「かな文字」の発明で、極力使う漢字が増えることを回避してきた。
熟語の登場は、文字と文字の組合せだから、漢字の数を増やすことなく新しい概念を表現することを可能にした。また「ひら仮名」と句読点を用いることによって、どれが熟語であるのか明示できる。さらに外来語をとりあえず「カタ仮名」で表記することで、漢字を増やすことを回避している。
中国語も最近は句読点を使ったり、また熟語も使うようになっているようだが、基本的には漢字ばかり並んでいるので、覚える必要な漢字の数は膨大である。仕方がないので、簡略体の漢字を多用している。またインターネットや新聞では、漢字を表意文字としてではなく、表音文字として使っているという話がある。ちょうど全て「ひら仮名」の文書と同じである。おそらく「話し言葉」をそのまま「書き言葉」に使って表現を行っているのであろう。それなら使われている漢字は発音記号のようなもので、わざわざ漢字を使う必要がないような気がする。
筆者は、まず難しい日本語をマスターし、日本語に翻訳された本や文献で勉強するのが一番効率的な学習方法という気がする。英語の本を一冊読む間に、日本語なら二冊の本が読めるのではないかと思う程である。もしこのような方面を研究している方がいれば、是非その辺の事情を教えていただきたいものである。
日本語と中国語
知人から中国語には文法がないという話を聞いたことがある。たしかに漢字ばかり並んでいるのに、どうして文章として理解できるのか不思議であった。そもそも我々が学んだ漢文は、返り点などがあるから読めたのである。
どうも昔の中国人は「四書五経」という基本文献の文章を徹底的にマスターし、「四書五経」と同じ解釈で他の文章を読んだり、新しい文章を作成しているようである。「四書五経」は「論語」「中庸」「春秋」「礼記」などの中国の古典である。「四書五経」を参考に、漢字の並び方をどのように解釈するのかが決まるようだ。しかしこれも絶対的なものとは思われない。いまだに「魏志倭人伝」の解釈が別れるのも、中国語の文法というものが、あやふやな面があるからと考える。
「四書五経」は膨大な文章の集合体である。中国の官僚の登用試験である「科挙」には、これらの暗記と決まった文章の解釈の知識が必要とされた。中国語は文法がはっきりしないから、とにかく全部覚える他はないのである。つまり「科挙」の試験制度は、とてつもなく厳しいものである。しかし行政を司るためには、文書を正しく読み、正しい文章を書く必要がある。たしかにこのためには「四書五経」を完全にマスターしておく必要があったのだ。
一方、日本においては、昔から、一般国民の中に文章を読める者は大勢いた。特に明治時代に義務教育が始まり、誰もが日本語を書いたり読んだりするのが当り前になった。少なくとも日本では、中国のように、国語というものが、極少数の超エリートしか操ることができないという代物ではなかった。
戦後、GHQが日本人を色々調査した。当時、米国人から見れば「日本人は人間より猿に近い動物」という認識であった(失礼な話である)。そのような日本人が、どうして短期間のうちに列強と対等の国力を持つことができたのか、不思議だったのである。しかし調査によって、日本では、どのような地方に行っても、またどれだけ年配の人でも、文字を知り、文章が読めることを発見した。これはGHQにとって驚きであり、これで日本を見直したのである。これも日本の教育制度が優れていたのと、日本語が誰にもマスターできる優れた言語であったからである。
言語は重要である。ところが中国語はそれほど進化していると思われない。しかし世の中が変わって、新しい概念を言語で表現する必要に迫られる。本当に全ての文章が「四書五経」の解釈を踏襲して理解できるのか疑問である。筆者は、「四書五経」の時代にはなかったようなIT関連のマニュアル類が、どのような記述になっているのか興味がある。
「四書五経」の時代にはなかった文章で、一番関心があるのが「法律」である。「法律」は中国にとって新しい文章の形態である。本当に「四書五経」の解釈で現代の「法律」を適切に解釈できるのか疑問である。たしかに中国では、よく条文の解釈を巡って侃々諤々(カンカンガクガク)の議論がなされるという話は聞く。もっともこれは中国の問題であり、我々日本人には関係がないが(中国の日系企業には関係するかもしれない)。
しかし世の中には「国際法」というものがある。「国際法」の基では、日本も中国と利害関係者となる。日本は、戦時中「捕虜の虐待」などで戦時国際法を破った経緯もあり、あまり偉そうなことはいえない。しかし今日国際的な利害を調整するものは、「国際法」とこれに附随する各種の取決めである。少なくとも今日の日本はこれを順守する姿勢である。
ところが最近、日本と中国や韓国の間で国際法上のトラブルや対立が頻発している。しかし中韓の主張が、とても「国際法」に乗っとって行われているとは思われない。中国や韓国は「国際法」を勝手に解釈しているのだろうか。さらに度々日本の要人発言が曲解されている。まるで「四書五経」の解釈を持込んでいるのではと思われるくらいである。
しかしこれほど優れた言語である日本語が、最近の教育現場では軽視されている。群馬の太田市では、全て英語で授業を行う小学校が開校した。例のくだらない特区である。
最近読んだ雑誌に、算数の学力を向上させるには、まず国語の教育を徹底的に行うことが重要という記事があった。特に小学生の低学年の授業は、全て国語で良いというのである。算数や理科・社会の教育は、国語の力をつけてからの方が好ましいという意見であった。これには筆者も賛成である。とにかく太田市の小学校の教育成果が注目される。
今日、国語教育が軽視されているのに、英語、特に英会話の教育が重視されている。筆者は、英会話は必要に迫られればなんとかマスターできるものであり、学校教育で行う必要はないと考える。また必要のない英会話の技能は簡単に失われる。
日本人がどうしても英語で会話する必要に迫られるのは、年間平均で3分間という話を聞いたことがある。筆者の経験でもその程度と感じる。年に一、二度、外国人に道を訪ねられるくらいのものである。しかし年間平均でたった3分間のために、日本人は多額の費用を使い、膨大な時間を割いている。必要なら通訳を雇った方がずっと安上がりである。むろんこのような労力は国語教育に注ぐべきと考える。
http://www.adpweb.com/eco/eco395.html
○○○ 世界で最も《 繊細 》な表現をもつ日本語 ○○○
雨や風といった自然の気象を表現する言葉や、魚を分類する言葉などの具体例を調べてみるならば、日本語の中に存在するそれらの数の多さに誰もが唖然とすることでしょう。日本語は、外的な事物を対象にした場合のみならず、内的な世界に向かう場合であっても極めて繊細なのです。
日本語、英語、中国語、台湾語の4ヶ国語を自在に語れる、台湾の李登輝・前総統は、「じっくり考えたい時、私は日本語で考えている」 と語っているそうです。
私は中国語を話せませんが、100ページ分の中国語を日本語に翻訳すると、どうしても150ページになってしまうことを経験しています。中国語には現在・過去・未来という時制がないこと等も原因の一つですが、対人関係や周辺状況などによっておのずと表現の異なってくる日本語の繊細さが、中国語にはないのです。
この言語的特長は、「日本人が中国人(外国人)に対して、相手を気づかった繊細な表現をしても無駄である」 ことを示しています。中国語には繊細な表現がないのですから、日本語の繊細さがおのずと生み出している 「日本人の謙虚な態度が、中国人(外国人)には伝わらない」 のです。また、「中国の政治的傲慢さの出所は中国語を話す民族であるから」 とも言えるのです。
○《繊細さ》 それは日本語の中に生きている横の秘儀である 【現実世界での日本の優位性】○
認知心理学の表現を借りると、「認識できないものは存在しない」 ことになります。言い換えるならば 「言葉で表現できないものは存在しない」 ということです。つまり、「細やかな表現を持つ日本人にとって存在する世界が、細やかな表現を持たない外国人には存在しない」 のです。このことを逆の方向から表現するならば、「言葉で表現できない外国人に創れないものが、言葉で表現できる日本人には創れる」 ということになります。
常に未知の領域を目指して開発されてゆく最先端産業技術の領域や、繊細な感情表現を背後に内包するアニメなどのストーリー展開において、日本語を話せる人のみが、常に世界の先頭に立って、開発し生産し表現し続けることになるのは必然的なことなのです。
さて、次に 《繊細》 さ とは全く逆と思われる、《曖昧》 な 表現が活きる日本語の特徴を、その背景から探って見ましょう。
●●● 曖昧な表現が活きる日本語の背景 ●●●
今日では、日本のアニメがもたらした 「カワイイ(可愛い)」 とか 「ビミョー(微妙)」 といった意味の曖昧な単語が、世界中に広がっています。輸入先の各国では、これらの言葉がいろんな場面によって、異なった意味に用いられているため翻訳できず、「日本語の音」 をそのまま印刷して出版しています。
言うまでもないことですが、日本語を話す日本人どうしならば、曖昧語を用いた表現でも即座にコミュニケーションが可能です。その理由は、「細やかな感情表現」 や 「音が媒介する意味の広がり」 を言葉の背後で共有しているからです。
■ 細やかな感情表現を持つ日本語 ■
細やかな感情表現の有無を比較するには、小説や映画のラブストーリーの描かれ方を見るのが例として相応しいでしょう。
外国のラブストーリーの面白さは、階級や身分の異なる者どうしが、それらの障害を乗り越えて互いを求め合うという “ 状況の中 ” にある ものが殆どです。 故にストーリー展開に引き込まれる傾向があります。「ロミオとジュリエット」 や 台湾・中国でブレイクした 「寒玉楼」 など、みなこのパターンに分類されます。 一方、日本人が心打たれるラブストーリーとは、「相手を思いやる優しさ」 とか、「相手を労わる美しさ」 とか、「惻隠の情」 といった “ 情感の中 ” に見出されるものなのです。
繊細な日本文学や、日本映画だけを対象にし日本人の審査員だけが選ぶ日本映画大賞の最優秀作品の良さ(美しさ)を、外国人が分るかどうか、日本語の特徴から考えて、かなり難しいと思うのです。
■ 音が媒介する意味の広がりをもつ日本語 ■
具体例を挙げるならば、「神」と「火水」、「姫」と「秘め」、「松」と「待つ」、「結び」と「生す霊」、「日の本」と「霊の元」、「性」と「生」と「正」と「聖」と「誠」、「愛」と「天意」、「真剣」と「神権」 など、神道の世界では、一つの音を聞いて同音の単語を瞬時に複数思い浮かべることは、「一を聞いて十を知る」 ための大前提になっているのです。神道の世界はここから始まると言っても過言ではありません。
派生的な事例ですが、日本語の特徴として、音で表現する擬態語や擬声語が非常に多いことが挙げられます。 「ヨタヨタ歩く」 と 「ヨロヨロ歩く」 の違いを日本人に説明する必要はありませんが、外国人にこの違いを理解してもらうためには、ややこしい単語を用いて説明することが必要になります。 前編に記述してきたように、古代の日本人は現代の日本人より遥かに音(言霊)に対して敏感だったようですが、現代の日本人であっても、音としての日本語の特徴に多くを依存して使い分けを行っているのです。
●《言霊》それは日本語の中に生きている縦の秘儀である 【精神(霊的)世界での日本の優位性】●
音は言葉以前の原初的なものです。日本人が自然の美しさや自然に対する畏怖を感じた時、深い感情をともなって、「ああ」 とか 「おお」 等の母音の単音表現が出てくるのです。感情表現としての音、この原初的な音に細やかな感情表現が乗せられた時、日本語は繊細であるが故に強力なエネルギーをもった言霊となります。
この原初的な音(母音)を日本語の中に持つが故に、日本は言霊を介して宇宙(神)へと通ずる回路を脳の中に保持している、世界で唯一の特殊な民族集団として<言霊の国・日本>を形成しているのです。
http://74.125.153.132/search?q=cache:Dsy-yxb-UusJ:blogs.yahoo.co.jp/bmb2mbf413/30487456.html+%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E8%AA%9E+%E6%84%9F%E6%83%85%E8%A1%A8%E7%8F%BE%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%81%AA%E3%81%84&cd=6&hl=ja&ct=clnk&gl=jp
英語は原始時代から全く進歩していない欠陥言語
英語は声に出して話す事を前提にした言葉なんですね.
本来,本の様な書かれた文章を読むのには向きません.
なぜ外国映画はアメリカで字幕上映されない?
世界中ほとんどの国で、外国映画は吹き替え上映が普通。
日本みたいに字幕上映が多い国が例外。
1 :名無しより愛をこめて [sage]:2009/07/12(日) 13:22:19 ID:J3Qe6wQy
アメリカで公開される外国の映画は殆どが英語吹き替えで上映されたり、
映画の舞台が非英語圏でも堂々と登場人物が英語を喋ったりで、日本で言う
字幕厨なんていう奴は全くいなく、吹替厨だらけ。
なんでアメリカ人は外国映画を英語字幕で見ようとしないんだろ?
3 :名無シネマさん[sage]:2009/07/12(日) 14:18:47 ID:CKJtk7i/
英語は綴りを読まなくちゃならないからな
漢字は一文字の情報量が多いから流し読みしても意味が汲み取りやすい
日本語字幕が全部ひらがなで書かれてる位の読み難さじゃないかな>英語字幕
7 :名無シネマさん[sage]:2009/07/13(月) 14:18:50 ID:Y0rfQyei
>>3
何度か、英語字幕付きの日本映画を見たけど
登場人物が難しいことを言いだすと、長い単語が画面にズラズラと流れて
これは無理だと思ったよ。
8 :名無シネマさん[sage]:2009/07/19(日) 20:34:54 ID:ShU9guzs
に半年いたことがあったけど、
映画館は約8割はハリウッド映画を吹き替え上映してたよ。
1日一本週4日、メジャーな映画(天使と悪魔、グラントリノ、ターミネーター等)の英語のオリジナル(字幕なし)上映があってたけど。
>>4が最初のほうでいってるように、
吹き替え上映はアメリカに限らず、けっこういろんな国で多数派なのでは?
10 :名無シネマさん[sage]:2009/07/28(火) 18:02:21 ID:W/Jd8xzS
吹替えって結構徹底してるみたいです。
しかし一度「John Rabe」というドイツ映画を見に行ったことがあるんだけど、
これがドイツ映画でドイツ語が主言語のくせにせりふがすべて吹替え!
なぜかというと、
この映画はシンドラーのリストドイツ版?
日本軍の南京大虐殺から中国人を救ったドイツ人ビジネスマンの話。
なので、せりふもドイツ語のほか、英語、フランス語、中国語、日本語といくつかある。(IMDbで確認した)
日本人の将校役の俳優さんたちは日本語だな!と期待したらだめだった。
明らかにドイツ語でしゃべってる部分まで調整のため?かふきかえられてんだもん。
まじで徹底した吹替えっぷり。
これはドイツでの一例なので、ほかの国でどうなのかは未体験だが・・・
外国いって字幕で外国映画を見ようなんて、
アメリカに限らずどこの国いっても期待しないほうがいいぞ。
そして,欠陥言語を使っている付けは:
「アメリカでは大人の4人に1人が自分の名前程度しか読み書きできない」。
新聞や雑誌で、こんな統計に出くわしてハッとする。
ただそれは、ぼくが4人に1人という数に驚くからではなく、
「やっぱりそうか、アメリカの非識字率ってそんなとこだったんだよな・・・・・」
と改めて意識させられ、でもショックは受けず、危機感もイマイチわかず、
「ま、別段新しい数字でもないし・・・・・」
と片付けそうになる、とそこで気がつく。そしてハッとするのだ。慣れっこになってはならない、深刻な問題なのだ。
しかしまったく、ぼくの母国はどこを見ても、危機的な統計がゴロゴロしている。
――国民健康保険の制度はなく、アメリカ人のおよそ6人に1人が無保険状態で、事実上、医療が受けられない。
――ブッシュ政権が1期目で実施した大型減税は、総額の半分以上が超富裕層のトップの1パーセントの懐に入った。
――米国人は世界人口の5%にも満たないが、世界の石油消費量の4分の1以上を、一国だけで燃やしている。
――マリア様がセックス抜きに、処女のまま妊娠してキリスト様を産んだという「処女懐胎」を、アメリカの成人の8割が信じている。
25%の非識字率と、その他もろもろのトンデモ統計と、当然みんな地続きのものだ。字がうまく読めないと、テレビが主な情報源になってしまい、テレビ報道は、「処女懐胎」と同じくらい現実から掛け離れていることが多々ある。
では、もし一生懸命ABCを勉強し、どうにかディクショナリーと首っぴきで新聞が読めるようになったとして、それで確かな情報にありつけるかというと、そうはメディア屋が卸さない。
例えば、二年前の古新聞を見てみると、『ニューヨーク・タイムズ』を始めアメリカの全国紙も地方紙も、妄想とイリュージョンの記事で埋め尽くされている。「死との隠れん坊・なおくすぶるイラクの核兵器の謎」「細菌博士・世界一の殺傷力を持つ女」―― 2002年の暮れは、イラクが隠し持っているに違いない生物兵器と化学兵器と核兵器と弾道ミサイルの脅威の話題で100%持ち切りだった。
http://www.web-nihongo.com/back_no/column_01b/041221/index1.html
◆米国民の知的劣化
これは、米国民が、知的に劣化したせいだと考えられるのです。
とにかく、米国の成人の5人に1人は天動説を信じていますし、26%しか進化論を信じていません。
そもそも、高卒以下の人々の約45%は聖書に書かれていることはすべて真実だと信じています。
それどころか、白人の原理主義的(evangelical)キリスト教徒の60%は、議会ではなく、聖書に拠って米国の法律が制定されるべきだと考えているのです。
また、成人のたった57%しか年間に1冊以上ノンフィクションの本を読んでおらず、若い成人の3分の2はイラクがどこにあるか地図上で示すことができず、成人の3分の2は米国の3権を列挙することができず、同じく3分の2は1人の最高裁判事の名前も挙げることができません。
15歳の数学の力はOECD加盟29カ国中24位ですし、2007年の研究では読む力が男女とも、しかも教育レベルの相違にかかわらず、低下気味であることが明らかになっています。
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu181.htm
アメリカ人のじつに68パーセントは、悪魔がいることを信じている、との統計がある。それに対して、進化論を信じている人は、28パーセント。神様が、聖書に書いてある通り、1週間で宇宙を創造した。われわれ人間はサルから進化したのではない。最初から特別な存在として、神様が創造したのだ、と信じている人の方が、はるかに多く、48パーセントもいる。
聖書には、この宇宙は、神が7日で創造したと書いてある。それをそのまま信じる。現在世界は、悪魔に支配されているから、この世の中には邪悪なものが充ち満ちている。しかし悪と闘い、福音を全世界にもたらすことが、世界を救う、と信じている。そして、やがてキリストが再びこの世に姿をあらわすこと(再臨)を信じている。
NHKの「クローズアップ現代」とNHK-BSで「ブッシュとキリスト教右派」の番組が放送されましたが、福音派の教会におけるミサの様子はまさしく、オーム真理教の様子とよく似ている。悪魔の存在を信じ、善悪の二元論で考える彼らの思想はブッシュの演説にもよく反映されている。彼らは今、オームがサリンをばら撒いたがごとく、イラクで劣化ウラン弾をばら撒いた。そのためにイランの子供達はその後遺症に苦しんでいる。
アメリカは共和党、民主党の二つに分かれているように、東北部と西海岸地区の人口の多い豊かな地域と、中西部と南部の過疎地域で貧しい地域に分かれている。福音派はこの貧しい地域が地盤でありそこから全土にテレビ伝道などで広がり始めている。民主党の地盤と共和党の地盤も同じように分布するのは、経済格差が原因だろうか。
アクエリアス氏はアメリカ南部のキリスト教について次のように書いている。
《聖書を重んじるあまり、それ以外の人類の知的営みをまともに受け止めない。
哲学も歴史学も拒否する。
自分らに都合よく書き直されたキリスト教史と、良いとこ取りのアメリカ建国史だけが、彼らの歴史である、科学も拒否する、ダーウィンの進化論は、南部の学校では教えることができない。
聖書以外の知的営みを拒否し、対話をすることなく、説教師の話を聞き、聖書を読むという世界に自閉する。
そういう点で、聖書主義は反知性主義である。インテリは嫌われ、特に大学教授は悪魔の手先だとされる。
人間と世界を学ばず、先ほど書いた天国か地獄かの終末論だけに閉じこもるから、極端な善悪二元論に陥る。正義か悪か、救われるものか地獄行きか、黒か白かのどちらかであって、灰色の部分を許さない。
一見正しいものにも問題があり、駄目なものも見所があり、救いようがある。人間には強いところも、弱いところもあり、そう単純にはいかない。そんな軟弱な考え方は、すでにサタンに誘惑された間違った考え方だと糾弾する。
http://www.asyura2.com/0401/dispute16/msg/594.html
イギリス社会の10大特徴
@とにかく犯罪が多い
スリ、置き引き、強盗、売春、ナイフ殺人…
このどれかに遭遇せずにロンドンからは出られねえぜヒャッハー!
A街中にハッテン場
ホモのレイプ魔がトイレや階段の陰で獲物を待ち伏せている。
公衆トイレでアナル強姦されてエイズになって死んだ日本人の大学教授がいる(実話です)。
Bメシが不味い
イギリス料理は脂肪と塩そのまんまの味がする。食事というより家畜のエサ。
C不細工・奇形だらけ
歯並びが悪かったり、顔が左右対称になってなかったり、足が異様に短かったり
日本人が持っている白人のイメージとは随分違った醜い容姿の人たちでいっぱい。
D原因不明の難病患者群
世界の奇病リストを見ると患者にイギリス人大杉。
Eイジメがすごい
幼稚園から大学、社会人まで陰湿極まりないイジメ文化が複雑・重層的に発達している。
人間関係の基本は陰口と嫌がらせ。人を騙す技術に長けた欲深い金持ちを紳士という。
F階級差別・人種差別
貧富の差が凄まじい。言葉づかいの差別が激しく、貧乏人の訛りがついてしまうと一生出世できなくなる。
日本人や中国人がものすごく嫌われている。また、ネオナチがインド人や黒人の移民を襲撃している。
G不潔
毎日風呂に入る習慣が確立していない。ジメジメかつ埃っぽく、どこへ行ってもカビの生えた毛布のような変な臭いがする。
H乱れた王室
王室関係者はスキャンダルまみれ。セックス・ドラッグ・不倫・公金横領・人種差別発言などやりたい放題。
Iウリナラ根性
そんな自分たちが世界をリードするべき人種で近代文明の産みの親だと信じて疑わない恐るべき傲慢ぶり
アメリカ社会の特徴
1.スーパーのレジが異様に遅い。(日本の5倍くらいはかかってるw)
2.ファーストフードのセットメニューを頼むと、時々一品抜けてる。(3品しかないのにねw)
3.まともな運行時刻表すらないアメリカのバス・電車。(アメリカでは新幹線なんてとてもムリw)
4.殆どのアメリカ人って、外国に行った事も無い、外国語も話せない。要は、無知な田舎者w
5.レディーファーストなんてカッコつける割には、旦那の暴力が社会問題&驚異的な離婚率w
6.アメリカ人の運転マナーの悪さ・自分勝手度合い・・・ 日本人には『想定外』の連続ですw
7.何かを発注したとき、まず守られない納期。稀に納期を守る会社があるとビックリするw
8.議論は長いが何の結論も出ないアホな会議が、実は日本より多いw
9.必ず下らないギャクを入れるプレゼン。アメリカ人はプレゼン上手だと勘違いしてる模様w
10.テメーの稼ぐ金よりも、多くの金を浪費してる国・国民。愚かな・・・(以下省略w
11.コミュニケーションという言葉が好きみたいだが、要はペチャクチャ話して仕事せずw
12.自由を守る!テロとの戦いだ!などと他国に騒いでるが、要は、親米か反米か、それだけw
13.ミーティングでは“No Problem. We can do that” し か し・・・行動が伴わないw
14.ゴミの分別などお構いなし。誰も居ない週末のオフィスでも冷房ガンガン。環境を語る資格ナシw
15.駐車場で白線内にクルマを停めない馬鹿が多過ぎw、世間の程度が知れるw
16.セクハラ訴訟で何百億円、タバコ訴訟で何千億円・・・素晴らしい常識の国だよw
17.国民総肥満w、何食ってどれだけ怠惰に生活すれば、あんな肥満になるのか誰か教えてくれw
18.いまだにアメリカだけポンド・ガロン・インチ・・・の世の中w ま、彼らに国際単位系への変更なんて理解不能かw
19.終わってる製造業w 武器以外に輸出できるようなモノって一体何があるの?誰か教えてくれw
20.たかだか二百数十年の『アメリカ史』w なんせ白人は人々が暮らしているのにアメリカ大陸“発見”だからw
皮肉な事に、日本の負け組みに限って渡米希望w
要するにアメリカの一般大衆は魔女狩りの時代から何も進歩していないのですね.
アメリカのエリ−トはみんなユダヤ人だしwww
結論 _ 英語を小学校から習うとアホになる
最近読んだ雑誌に、算数の学力を向上させるには、まず国語の教育を徹底的に行うことが重要という記事があった。特に小学生の低学年の授業は、全て国語で良いというのである。算数や理科・社会の教育は、国語の力をつけてからの方が好ましいという意見であった。これには筆者も賛成である。
今日、国語教育が軽視されているのに、英語、特に英会話の教育が重視されている。筆者は、英会話は必要に迫られればなんとかマスターできるものであり、学校教育で行う必要はないと考える。また必要のない英会話の技能は簡単に失われる。
日本人がどうしても英語で会話する必要に迫られるのは、年間平均で3分間という話を聞いたことがある。筆者の経験でもその程度と感じる。年に一、二度、外国人に道を訪ねられるくらいのものである。しかし年間平均でたった3分間のために、日本人は多額の費用を使い、膨大な時間を割いている。必要なら通訳を雇った方がずっと安上がりである。むろんこのような労力は国語教育に注ぐべきと考える。
http://www.adpweb.com/eco/eco395.html
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ヽヾゝ''ヽヽ::,, --v,‖ :リ,,リ,゙,,,,,::://ノ /リ
ヾ|ヽ,゙ヽヽ,, ''|'''_ :::ソ/ /リ
| ゙ヽ.\゙Vri ri | ‖iヾソノ / |
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| \ ゙゙'''''゙゙'''''''゙ / |
TPPに入ると日本もこうなる:
なんとサムスンなどの主要企業・銀行の殆どが外資に乗っ取られてる韓国(笑)
韓国猿がどんなに働いても、利益のほとんどが日本と欧米に吸い上げられる絶望的な構造が完成しているのですwww
【朝鮮日報】韓国の大企業、もはや「韓国企業」ではない
各企業が公表してる最新のIRでは、
サムスン - 外資比率60%
ポスコ - 58% ←日本が筆頭株主です
現代自動車 - 49%
LG - 50%
SKテレコム - 55%
さらに韓国の主要銀行はウリ銀行以外はすべて外資。
韓国の銀行は最大規模でも300億ドル前後と、日米英に比べて資金力が欠如しているために、外資比率がドンドン高まっている。
日本と比較しても、銀行の資金力は5〜10倍程度差がある(英米と比較すると20倍程度の開き)
ポスコは新日鉄との提携強化を進めた結果、ボスコの筆頭株主は新日鉄に。
第一銀行 外資比率: 0.1%→100.0% 主要株主:スタンダード・チャータード(100%)
韓美銀行 外資比率:29.4%→99.90% 主要株主:シティグループ(99.91%)
KB金融 外資比率:41.2%→85.68% 主要株主:Bank of New York(15.21%)
韓国外韓銀行 外資比率: 2.7%→74.16% 主要株主:ローンスター(50.53%)
ハナ銀行 外資比率:21.3%→72.27% 主要株主:ゴールドマンサックス(9.34%)
新韓銀行 外資比率:23.4%→57.05% 主要株主:新韓フィナンシャルグループ(100%)
ウリ銀行 外資比率: 8.6%→11.10% 主要株主:ウリィフィナンシャルグループ(韓国預金保険公社)(77.97%)
http://www.scbri.jp/PDFgeppou/2006/2006-10.pdf
697 :金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2013/02/19(火) 03:46:55.74
半島はインフレの先例だよね
@時給300円社員500円無住居者200万人
Aアパート都市部坪1万円/月(都市率80%)
B物価食費日本の2倍。ウォルマート以外は日本の2倍
C日本並の生活をする場合の参考生活コスト
食費6万(衛生機にするなら12万)
家賃15万駅15分1LDK空港都心まで30分
ガソリン代5万
世帯で2倍規模
保険10万
税別30万から50万税込1000万くらいで
ほとんど世帯の1%以下でありそもそも市長クラスがこの3文の1
699 :金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2013/02/19(火) 06:55:19.95
>>697
通貨を安くしすぎだわ
輸出ばかり優遇しその利益は韓国国民に還元されていない
経済植民地になっている
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/eco/1357967323/l50
大木広也の息子が韓国で見たものは
私事で恐縮だが、私の息子は日本で売れない役者やモデルをやっていたものの、行き詰まりを感じたらしく女優の笛木優子さんの男性版を狙ってソウルに渡り、笛木優子さんと同じ大学に在籍しながら「韓流ドラマ」に関係するなどして二〇〇七年の暮れから四年半韓国で生活していた。一年に二回ほどスカイプでソウルでの生活を中心に四方山話をしたのだが、その内容は最初のうち、にわかには信じられないものであった。そのくらい日本で聞く話とはギャップがあったのである。
「ソウル市役所の職員は冬になると毎朝、凍死したホームレスの死体を片付けるので大忙しなんだ。ソウルの地下鉄駅には乞食やホームレスが溢れているからね」
韓国には国民健康保険も社会福祉制度も皆無であるから病気または失業は即、乞食への転落または死を意味する。また冬にはソウルの最低気温は零下二〇度まで下がる。
「ソウルでは日本円で十万円出してもまともな住居には住めない。一千万近い保証金が積めないなら、地下室とか屋上に建てられたプレハブくらいだね。順番待ちのアルバイトの時給が二五〇円くらいのところでだよ」
おそらく、いつぞやのIMF騒動の際に不動産が外国資本や一部特権富裕層に買占められてしまったのだろう。本来、息子など人並みに部屋など借りられない身分なのだが、ろくに言葉も話せないうちから韓国人スッチーの部屋に転がり込んで家賃を不要としたのは天晴れとしか言いようがない。
「KBSにずっと勤めている知り合いでも家が買えないんだよ。KBSって言えば日本のNHKなんだけど、外国資本だから韓国人の職員の給料は死ぬほど安いんだ」
これも同じくIMF騒動のときに企業の株式が外資によって底値で買い占められてしまった結果だろう。これは日本でも二〇〇三年から既に現実になっていることである。
「もう僕のいる大学を出ても実際に就職できるのは十人に一人くらいしかいない。仕方がないから若い人は国外に出るんだ。こっちに来て友だちになった四人は全員、香港、カナダ、シンガポール、日本に移住してしまった。女の子は売春しか仕事口はないよ」
おそらく非正規就業者が五割を超えると若者が国外に流出し始め、国家のメルトダウンが開始されるようである。そしてこれはアメリカに徹底的に収奪された一九〇〇年代後半の中南米諸国の動向を髣髴とさせる。
「国が崩壊するっていうのは怖いもので、こないだの延坪島砲撃事件で韓国軍が反撃したんだけど一発も当たらないんだ。士気が衰えちゃって兵士が逃げ腰になっているからだと、こっちではいわれている」
国家が崩壊・破綻してしまったなら、どれほど精神力を謳おうとも、軍隊は必ず烏合の衆の敗残兵集団と化すことは記憶しておかねばなるまい。死力を尽くした戦争など出来るわけもない。またこういうときに真っ先に腰砕けになって逃げ出すのは最も勇ましいことを声高に叫んでいた人間であるのは様々な戦史の等しく教えてくれるところである。
「韓国みたいな完全植民地になると老人は飯も食えずに死んで行くしかないみたいだ。こっちには日本の牛丼屋にあたる『キンパップ天国』という韓国式海苔巻屋があるんだけど老人がここで一本の海苔巻を三人で分けて食べるというのが当たり前の光景になっている。大体一〇〇円のものをだよ。紅生姜みたいにキムチは食べ放題だからこれで出来るだけ腹を満たすようにするみたい。それにスープも付くからね。日本人の間では『一杯のカケ蕎麦』をもじって『一本の海苔巻』って呼んでいるんだ」
何とも悲惨な光景だが、一歩間違えると我国も十年、二十年先には、まさかと思いつつ、こういう状態になっているかもしれないことは十分、警戒する必要がある。油断大敵。
そして韓国情報で何よりも恐ろしいのは、このような韓国国内の惨状が日本に一切伝わってこないことであり、おそらく正確な情報を完全に遮断したうえで巧妙なすり替えや情報の偽造が行われているものと推測される。韓国の技術が日本の技術を凌駕したなどという韓国人経営者の傲(おご)った発言が報道されたことなど、その最たるものであろう。
これは大きく見れば、戦時中、軍の開発した自決用の毒薬(帝銀事件でも使用されたといわれている)が服用から致死までにタイムラグを持っていたことによく似ている。誰だって先に薬を飲んだ人間が、もがき苦しんで死んで行く様子を見れば警戒するなり躊躇するなりしてしまう。韓国はハゲタカに食い荒らされて一足早く既に死に体となっているのである。次の標的である日本に自身の近未来の姿を見せるわけにはいかない。
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2013/02/post-d9db.html
歴史は繰り返す
日本人も
グローバリズム = 帝国主義
だというのに気付いて欲しい:
歴史は繰り返す 米韓FTAに盛られた「毒素条項」
今日のNBonlineで、米韓FTAに盛られた「毒素条項」が取り上げられいました。
参考までに、引用紹介しておきます。
::::::引用ここから
(1)サービス市場開放のNegative list:
サービス市場を全面的に開放する。例外的に禁止する品目だけを明記する。
(2)Ratchet条項:
一度規制を緩和するとどんなことがあっても元に戻せない、狂牛病が発生
しても牛肉の輸入を中断できない。
(3)Future most-favored-nation treatment:
未来最恵国待遇:今後、韓国が他の国とFTAを締結した場合、その条件が
米国に対する条件よりも有利な場合は、米にも同じ条件を適用する。
(4)Snap-back:
自動車分野で韓国が協定に違反した場合、または米国製自動車の販売・流
通に深刻な影響を及ぼすと米企業が判断した場合、米の自動車輸入関税2.5%
撤廃を無効にする。
(5)ISD:Investor-State Dispute Settlement。
韓国に投資した企業が、韓国の政策によって損害を被った場合、世界銀行
傘下の国際投資紛争仲裁センターに提訴できる。韓国で裁判は行わない。
韓国にだけ適用。
(6)Non-Violation Complaint:
米国企業が期待した利益を得られなかった場合、韓国がFTAに違反していな
くても、米国政府が米国企業の代わりに、国際機関に対して韓国を提訴で
きる。例えば米の民間医療保険会社が「韓国の公共制度である国民医療保険
のせいで営業がうまくいかない」として、米国政府に対し韓国を提訴するよ
う求める可能性がある。韓米FTAに反対する人たちはこれが乱用されるので
はないかと恐れている。
(7)韓国政府が規制の必要性を立証できない場合は、市場開放のための追加措置
を取る必要が生じる。
(8)米企業・米国人に対しては、韓国の法律より韓米FTAを優先適用
例えば牛肉の場合、韓国では食用にできない部位を、米国法は加工用食肉と
して認めている。FTAが優先されると、そういった部位も輸入しなければな
らなくなる。また韓国法は、公共企業や放送局といった基幹となる企業にお
いて、外国人の持分を制限している。FTAが優先されると、韓国の全企業が
外国人持分制限を撤廃する必要がある。外国人または外国企業の持分制限率
は事業分野ごとに異なる。
(9)知的財産権を米が直接規制
例えば米国企業が、韓国のWEBサイトを閉鎖することができるようになる。
韓国では現在、非営利目的で映画のレビューを書くためであれば、映画シー
ンのキャプチャー画像を1〜2枚載せても、誰も文句を言わない。しかし、米
国から見るとこれは著作権違反。このため、その掲示物い対して訴訟が始ま
れば、サイト閉鎖に追い込まれることが十分ありえる。非営利目的のBlogや
SNSであっても、転載などで訴訟が多発する可能性あり。
(10)公企業の民営化
::::::引用ここまで
何か、「日米修好通商条約」の亡霊に出くわしたかのよう…
もしかすると20〜30年後には、「関税自主権」の回復、「最恵国条項」の撤廃、
「治外法権」の返上を求める、韓国版小村外交が必要となるのかも(^_-)
http://www.asahi-net.or.jp/~VB7Y-TD/221220.htm
日本が35年間にわたって行った朝鮮統治によって、本当に得をしたのは誰なのか?
“朝鮮統治”という1つのビジネス・モデルこの問題は余りにも複雑であり、単純化して述べてしまってはその本質を見誤る。
過去における朝鮮統治の問題を考える時、次のような質問をされたならば、皆さんはどのように答えるだろうか。
「日本による植民地統治下にあった朝鮮半島で、石油を売っていたのは誰なのか。
そこにも日本人による現地住民に対する“搾取”という絵柄が見て取れるのか」。
恐らく答えに窮する読者が多いに違いない。
「第2次世界大戦へと突入する直前まで、朝鮮半島で石油を独占的に販売していたのは、日本勢ではなく、英米勢だった」
というのが、この問いに対する正解なのである。
朝鮮統治が行われた1910年以降の大部分の時期において、現地での石油販売を独占していたのは米系のスタンダード社、そして英系のライジングサン社(後のシェル)なのであった。
なぜこれら2社が朝鮮マーケットを独占できたのかといえば、これらいわゆる「外油」に対しては、輸入に際して特例関税が課されていたからである。
具体的には、当時、日本のいわゆる「内地」に石油を輸入するにあたっては高額の輸入税が課せられていたのに対し、朝鮮という「外地」については消費者に安い石油を使わせるべしという理由で、無税に近い税率が設定されていたからである。
そのため、外国から輸入した石油を朝鮮へと転売する日本の石油企業は著しく不利な立場に置かれていたわけなのだ。
満州(現在の中国東北部)における鉄道などについてもいえるのだが、日本の大陸進出を巡るビジネス・モデルには、常にこれと全く同じ1つのパターンが見え隠れする。
すなわち、表向き「進出」していくのは紛れもなく日本である。
だが、その一方で目立たないが重大なセクター(インフラストラクチャー)で広く、着実に収益を上げていたのは米国勢、そして英国勢なのであった。
もちろん、第2次世界大戦の足音が響き始めると同時に、これら英米勢は駆逐され、日本勢が代わりに入っていくことにはなる。
しかし、だからといって「朝鮮統治」というビジネス・モデルは日本が単独で担ったものではなく、むしろステルス(透明)で、より狡猾な形でそれによって莫大な利益をあげていたのは他ならぬ英米勢だったのである。
そして問題なのは、こうした単純な「史実」であっても、私たち=日本人が学校で学ぶ機会はほぼ100パーセント無いという現実なのである。
確かに、過去の一時期において「不幸な出来事」が日朝間で生じたことは否定できない。
しかし、だからといって朝鮮統治というビジネス・モデルの展開によって現地が被った全ての償いを日本に対して求める一方、いわば“本当の黒幕”だった英米に対しては何も問わないという主張は、全く肯んずることはできないのである。
そして、こうしたダブルスタンダード(二重の基準)自身に見え隠れする虚構こそ、今の日本、そして東アジア・マーケットを見る私たち=日本の個人投資家の眼を曇らせる最大の要因でもあるのだ。
http://money.mag2.com/invest/kokusai/2009/03/post_105.html
要するに、当時の日本の政治家もやはりアメリカの手先で、朝鮮統治政策はアメリカの指示通りだったのですね。
96:名無しさん@お腹いっぱい。:2006/10/09(月) 17:01:24 ID:CJqAHY/N0
李氏朝鮮は1895年清国冊封体制から離脱により、迎恩門での土下座の礼拝は終焉した。
その後、列強各国は利権を求め李氏朝鮮に殺到した。
1900年頃の李氏朝鮮が奪われた利権
ロシア (金鉱採掘権、石炭採掘権、森林伐採件、海関管理権、捕鯨権)
アメリカ(ソウルー仁川鉄道施設権、金鉱採掘権、電車、電燈、水道経営権)
イギリス(海関管理権、金鉱採掘権)
ドイツ (金鉱採掘権)
日本 (ソウルー釜山鉄道施設権、金鉱採掘権、漁業権)
当時独立は風前の灯火、史実は日本による併合(植民地ではない)
列強に対して独立を保つ事は現実不可能と思える状況なんだが
いったい李氏朝鮮はどこに支配されたかったんだ。
http://2chnull.info/r/history2/1150845121/1-1001
05. 2010年10月14日 22:40:13: MiKEdq2F3Q
李朝末期には森林伐採権・関税徴収権・漁業権・鉱山採掘権・鉄道敷設権などあらゆる利権を欧米に奪われてしまい, 財政が破綻し破産状態でした:
1896年
ロシアへ咸北・慶源・鐘城の金鉱採掘権
鐘城の石炭採掘権 豆満江・鴨緑江上流地域と鬱陵島の森林伐採権
アメリカには京仁鉄道敷設権
雲山金鉱(平北)採掘権
イギリスには財閥顧問の派遣と海関管理権
フランスには京義鉄道敷設権
1897年
ロシアへ財政顧問の派遣と海関管理権
軍隊の教育訓練権
ドイツに江原・金城、金鉱採掘権
1898年
アメリカにソウルの電車・電灯・水道経営権
日本へ京釜鉄道敷設権
イギリスに平南・殷山金鉱採掘権
1899年
ロシアへ東海岸における捕鯨権
1900年
ロシアへ慶南・馬山浦の栗九味租借忠北・稷山金鉱採掘権
日本に京畿道沿海の漁業権
1901年
フランスに平北・昌城金鉱採掘権
http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:3EzcXDEIEAEJ:mobile2ch.net/news2/1114521477/%3Fguid%3DON+%E6%98%A5%E7%AA%AE&cd=27&hl=ja&ct=clnk&gl=jp
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グローバリズムというのは“帝国主義”の単なる言い換え
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| イ●丶 ィ●ア| |
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. Π | 丶 ー→ ノ リ
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/スノ / |_/ |\
L_ノ / > | / ( ヽ
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グローバリストを信じるな
Againの定例経営会議で箱根湯本に集まり、平川くん、兄ちゃん、石川くんと日本の行く末について話し合った。
EUの先行き、日本のデフォルトの可能性から、TPPが「空洞化したアメリカ産業の最後の抵抗」という話になる。
いったいアメリカは自由貿易によって日本に何を輸出して、どういうメリットを得るつもりなのか?
この中心的な論点について、メディアは実はほとんど言及していない。
「TPPに参加しないと、『世界の孤児』になる」とか「バスに乗り遅れるな」
というような、「自己利益(というよりは「自己利益の喪失)」にフォーカスした言葉が飛び交うだけで、
「なぜアメリカがこれほど強硬に日本のTPP参加を要求するのか?」
という、アメリカの行動の内在的なロジックを冷静に解析した記事をメディアで見る機会はほとんどない。
まさか、アメリカが自国の国益はさておき日本の国益を守るために完全な市場開放を日本に求めているのだと思っている国民はいないと思うが、メディアの社説を徴する限り、論説委員たちはその数少ない例外らしい。
TPP参加は日本の国益のためだ、と推進派の人々は言う。だが、それではアメリカが日本に市場開放を求め理由を説明したことにはならない。アメリカが他国に市場開放を求めるのは、自国の国益がそれによって増大するという見通しが立つからである。そして、貿易において、一国が輸出によって大きな貿易黒字を得る場合、その相手国は輸入超過となって貿易赤字が増えることになっている。ふつうはそうである。
貿易では(グローバリストの好きな)Win-Win はない。片一方が黒字なら、片一方は赤字になる。
アメリカは自国の貿易収支が黒字になることをめざして他国に市場開放を求めている。それは「売りたいもの」があるからで、「買いたいもの」があるからではない。アメリカが自国の貿易黒字を達成すれば、相手国は貿易赤字を抱え込むことになる。
だから、「アメリカの求めに応じて、日本が市場開放することは、日本の国益を増大することになる」という命題を有意味なものにするためには、
「アメリカの国益を最大限に配慮することが、結果的には、日本の国益を最大化することになる」
という命題をそこに媒介命題としてはめ込むしかない。だが、「アメリカの国益を最大限に配慮することが、結果的には、日本の国益を最大化することになる」という命題は汎通的に真であるわけではない。
そう思っている人は少なからずいるが、それはあくまで個人的な「信念」であって、一般的真理ではない。もちろん私はそのような「風が吹けば桶屋が儲かる」式の推論にまるで根拠がないと言っているわけではない。経験的に「そういうこと」が繰り返しあったからこそ、彼ら(松下政経塾系政治家とか財界人とか官僚とかメディア知識人のかたがた)はそのような推論になじんでいるのである。
私とて経験則の有効性を否定するものではない。でも、その場合には、「この政治的選択は原理的には合理性がないが、経験的にはわりと合理性がこれまではあったので、これからも妥当するかも・・・」というくらいの、節度ある語り口を採用すべきだと思う。「バスに云々」のような、人を情緒的に不安にしておいて、その虚を衝いてガセネタをつかませるあくどいセールスマンのような安手の語り口は採るべきではないと私は思う。
誤解して欲しくないのだが、私は市場開放や自由貿易に「原理的に」反対しているのではない。その点については、ぜひご理解を頂きたい。ただ、市場開放や自由貿易は「主義」として採用すべきものではなく、国民経済に資する範囲で「按配」すべきものだという下村治の立場に与するのである。貿易政策の得失については、「これでいいのだ」と包括的に断定したりしないで、個別的に吟味した方がいいと申し上げているだけである。
とりあえず私たちが知っているのは「アメリカは必死だ」ということである。ここでTPPに日本を巻き込むことができるかどうかが「アメリカ経済の生命線」であるかのような悲壮な覚悟でアメリカは日本に迫っている。別に、日本の国運を案じて悲愴になっているわけではない。アメリカの行く末を案じて悲愴になっているのである。
アメリカの貿易について考える場合に、私たちがまず前提として理解すべきことは、「アメリカには、日本に売る工業製品がない」ということである。アメリカの製造業は壊滅してしまったからである。「ものつくり」という点について言えば、もうアメリカには世界のどんな国に対しても国際競争力のある「もの」を輸出する力がない。自動車も家電も衣料品も、なにもない。
一応作ってはいるけれど、クオリティについての信頼性が低く、割高なので、買い手がつかないのである。「もの」でまだ国際競争力があるのは、農産物だけである。
残りは「ノウハウ」、つまり「頭のなかみ」である。GoogleとAppleのような情報産業と司法、医療、教育といった制度資本を「金にするノウハウ」だけはまだ「売り物」になる。でも、正直に言うと、GoogleもAppleも、「なくても困らない」ものである。あると便利なので私も愛用しているが、ほんとうに必要なのか、と改めて考えるとわからなくなる。
「そうやって温泉宿にまでiPhoneやiPadを持ち込むことで、キミたちの人生は豊かになっていると言えるのかね。そんなものがあるせいで、キミたちはますます忙しくなり、ますます不幸になっているようにしか、オレには見えないのだが」
と兄ちゃんに言われて、私も平川くんも返す言葉を失ったのである。たしかに、そのとおりで、このような高度にリファインされた情報環境があった方がいいのか、なくてもいいのか、考えるとよくわからない。朝起きてパソコンを起動して、メールを読んで返事を書いているうちに、ふと気づくとが日が暮れ始めていたことに気づいて愕然とするとき、
「いったいオレは何をしているのか」
と考え込んでしまう。私が機械を使っているのか、それとも機械が私を使っているのか。『モダンタイムス』的不条理感に捉えられる。
兄ちゃんの話では、最近のサラリーマンたちはオフィスで朝から晩までプレゼン用の資料をパワーポイントとエクセルで作っているそうである。
「仕事の時間の半分をプレゼンの資料作りに使っているのを『働いている』と言ってよいのだろうか?」
と兄ちゃんは問う。情報環境の「改善」によって、私たちの労働は軽減されるよりはむしろ強化された。それは実感として事実である。家にいながら仕事ができるようになったせいで、私たちは外で働いているときも家にいるときも働くようになり、そうやって増大する作業をこなすためにますます高度化・高速化した端末を求めるようになり、その高度化した端末のせいで私たちのしなければいけない仕事はますます増大し・・・
エンドレスである。アメリカはこのエンドレスの消費サイクルに私たち「ガジェット大好き人間」を巻き込むことによって、巨大な市場を創設することに成功した。もうアメリカが「売ることのできるもの」は、それくらいしかない。
だから、アメリカの大学と研究開発機関は世界中から「テクニカルなイノベーションができそうな才能」を必死で金でかき集めようとしている。アメリカの先端研究の大学院に占める中国人、インド人、韓国人の比率は増え続けているが、それは彼らにアメリカで発明をさせて、それを絶対に故国に持ち帰らせず、アメリカのドメスティックなビジネスにするためである。いつまで続くかわからないが、しばらくはこれで息継ぎできるはずである。
「アメリカの大学は外国人に開放的で素晴らしい」
とほめたたえる人がよくいるが、それはあまりにナイーブな反応と言わねばならぬ。先方だって生き残りをかけて必死なのである。外国人だって、国富を増大させてくれる可能性があるなら、愛想の一つくらい振りまくのは当たり前である。これが「教育を商売にする方法」である。
アメリカの学校教育には「子供たちの市民的成熟を促す」という発想はもうほとんどない。
学校はビジネスチャンスを生み出す可能性のある才能をセレクトする機会であり、市民的成熟のためのものではない。
アメリカでは、高付加価値産業だけが生き残り、生産性が低い代わりに大きな雇用を創出していた産業セクターは海外に移転するか、消滅した。だから、「才能のある若者」以外には雇用のチャンスが減っている(失業率は2010年が9・6%だが、二十代の若者に限ればその倍くらいになるだろう)。ウォール街でデモをしている若者たちは「まず雇用」を求めている。これまでアメリカ政府は彼らに「我慢しろ」と言ってきた。
まず、国際競争力のある分野に資金と人材を集中的に投入する。それが成功すれば、アメリカ経済は活性化する。消費も増える。雇用も増える。貧乏人にも「余沢に浴する」チャンスが訪れる。だから、資源を「勝てそうなやつら」に集中しろ、と。
「選択と集中」である。
でも、それを30年ほどやってわかったことは、
「選択されて、資源を集中されて、勝った諸君」は、そうやって手に入れた金を貧乏な同胞に還元して、彼らの生活レベルを向上させるためには結局使わなかった、ということである。
それよりは自家用ジェット機買ったり、ケイマン諸島の銀行に預金したり、カリブ海の島を買ったり、フェラーリに乗ったり、ドンペリ抜いたり、アルマーニ着たり(たとえが古くてすみません・・・)して使ってしまったのである。
選択-集中-成功-富の独占というスパイラルの中で、
「選択から漏れ、集中から排除された、その他大勢の皆さん」
が絶対的な貧窮化にさらされ、今ウォール街を占拠している。彼らの運動に
「政策的な主張がないから、政治的には無力だろう」
と冷たく言い捨てる人々が日米に多いが、それは間違いだと思う。彼らが政府に何を要求していいかわからないのは、
「完全雇用は経済成長に優先する」
という(日本の高度成長を理論づけた)下村治のような「常識を語る人」がアメリカでは政府部内にも、議会にも、メディアにもいないからである。ウォール街を占拠している若者たち自身
「成長なんか、しなくてもいい。それより国民全員が飯を食えるようにすることが国民経済の優先課題である」
という主張をなしうるだけの理論武装を果たしていないのである。
「生産性の低い産業分野は淘汰されて当然だ(生産性の低い人間は淘汰されて当然だ)」
というグローバリストのロジックは貧困層の中にさえ深く根付いている。だから、彼らはこの格差の発生を「金持ちたちの強欲(greed)」という属人的な理由で説明することに満足している。「属人的な理由で説明することに満足している」というのは、それを社会構造の問題としては論じないということである。「強欲である」というのは「能力に比して不当に多くの富を得ている」という意味である。
問題は個人の倫理性のレベルにあり、国家制度のレベルにはない。「アメリカはこれでいい」のである。ただ、一部に「ワルモノ」がいて、国民に還元されるべき富を独占しているので、それは「倫理的に正しくない」と言っているのである。
このような一部の富者だけを利する経済システムは「アメリカの建国理念からの倫理的な逸脱」であって、構造的な問題ではない。だから、建国の父たちが思い描いた「あるべきアメリカの姿」に立ち戻れば問題は解決する。
彼らの多くはまだそう思っている。
アメリカのこの頽落はもしかすると「建国の理念のコロラリー」ではないのか・・・
という足元が崩れるような不安はまだアメリカ人のうちに広まっていない。それが最大の危機であるように私には思われる。
話を続ける。情報と教育の他、あと、アメリカが商売にしようとしているのは司法と医療である。これについては、専門家が的確に危険性を指摘しているから、私の方からは特に付け加えることはない。医療については、前にご紹介したYoo先生の『「改革」のための医療経済学』をご一読いただければよろしいかと思う。
そして、アメリカの最大の売り物は農産物である。
驚くべきことに、アメリカが「かたちのあるもの」として売れるのはもはや農産物だけなのである(あと兵器があるが、この話は大ネタなので、また今度)。
農産物はそれは「その供給が止まると、食えなくなる」ものである。Googleのサービスが停止したり、Appleのガジェットの輸入が止まると悲しむ人は多いだろうが(私も悲しい)、「それで死ぬ」という人はいない(と思う)。日本列島からアメリカの弁護士がいなくなっても、アメリカ的医療システムが使えなくなっても、誰も困らない。でも、TPPで日本の農業が壊滅したあとに、アメリカ産の米や小麦や遺伝子組み換え作物の輸入が止まったら、日本人はいきなり飢える。国際価格が上がったら、どれほど法外な値でも、それを買うしかない。そして、もし日本が債務不履行に陥ったりした場合には、もう「買う金」もなくなる。
NAFTA(North America Free Trade Agreement)締結後、メキシコにアメリカ産の「安いトウモロコシ」が流入して、メキシコのトウモロコシ農家は壊滅した。そのあと、バイオマス燃料の原材料となってトウモロコシの国際価格が高騰したため、メキシコ人は主食を買えなくなってしまった。基幹的な食料を「外国から買って済ませる」というのはリスクの高い選択である。
アメリカの農産物が自由貿易で入ってくれば、日本の農業は壊滅する。
「生産性を上げる努力をしてこなかったんだから、当然の報いだ」
とうそぶくエコノミストは、もし気象変動でカリフォルニア米が凶作になって、金を出しても食料が輸入できないという状況になったときにはどうするつもりなのであろう。同じロジックで
「そういうリスクをヘッジする努力をしてこなかったのだから、当然の報いだ」
と言うつもりであろうか。きっと、そう言うだろう。そう言わなければ、話の筋目が通らない。
でも、こういうことを言う人間はだいたい日本が食料危機になったときには、さっさとカナダとかオーストラリアとかに逃げ出して、ピザやパスタなんかたっぷり食ってるのである。
TPPについて私が申し上げたいことはわりと簡単である。
「生産性の低い産業セクターは淘汰されて当然」とか
「選択と集中」とか
「国際競争力のある分野が牽引し」とか
「結果的に雇用が創出され」とか
「内向きだからダメなんだ」
とか言っている人間は信用しない方がいい、ということである。そういうことを言うやつらが、日本経済が崩壊するときにはまっさきに逃げ出すからである。彼らは自分のことを「国際競争に勝ち抜ける」「生産性の高い人間」だと思っているので、
「いいから、オレに金と権力と情報を集めろ。オレが勝ち残って、お前らの雇用を何とかしてやるから」
と言っているわけである。だが用心した方がいい。こういう手合いは成功しても、手にした財貨を誰にも分配しないし、失敗したら、後始末を全部「日本列島から出られない人々」に押しつけて、さっさと外国に逃げ出すに決まっているからである
「だから『内向きはダメだ』って前から言ってただろ。オレなんかワイキキとバリに別荘あるし、ハノイとジャカルタに工場もってっから、こういうときに強いわけよ。バカだよ、お前ら。日本列島なんかにしがみつきやがってよ」。
そういうことをいずれ言いそうなやつ(見ればわかると思うけどね)は信用しない方が良いです。私からの心を込めたご提言である。
http://blog.tatsuru.com/2011/10/25_1624.php
グローバリズムは、帝国主義。 August 25, 2007
すこし、涼しくなってきた。アメリカの経済にも秋風が吹いている。このままだと、近い将来ドルの暴落という事態も考えられる。
政治的なアメリカの威信は、イラク戦争の失敗ですでに翳りを見せていた。必然的にアメリカはユニラテラリズムを採用せざるを得なかったということだろう。難破船からねずみが逃げ出すように、ブッシュ政権からは何人もの関係者が退散している。そして、政治的な威信失墜の兆しが、今度は経済的な信用崩壊へと接続されそうな気配である。クレジットクランチである。
日本の経済学者は、楽観論が多いようであるがこの度の住宅ローンの破綻に始まる米国経済の混乱と、連動する世界同時不況は予断を許さない状況になっている。アメリカの事態に関しては悲観的な観測を述べているエコノミストの一人、水野和夫の『人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか』
http://www.amazon.co.jp/%E4%BA%BA%E3%80%85%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%9C%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%AB%E7%B5%8C%E6%B8%88%E3%81%AE%E6%9C%AC%E8%B3%AA%E3%82%92%E8%A6%8B%E8%AA%A4%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%8B-%E6%B0%B4%E9%87%8E-%E5%92%8C%E5%A4%AB/dp/4532352452
を読んだ。
水野は、1995年を境にして、戦後が終焉し、日本も世界もこれまでの経済的な常識はもはや使い物にならないということを、実証的に裏付けてゆく。
彼はシンクタンクの保有しているあらゆるデータを分析することで、95年が時代の転路点であることを発見する。ここまでなら、多くの経済学者、エコノミストも予見することはできる。水野の創見は、それが経済の世界における近代の終焉であり、同時に資本による反革命の始まりであるという、経済システムの変換を読み込んだことである。
大変に面白く、スリリングな理論である。
俺もかつて、94年という年が時代の転換点であると書いたことがあった。
「ぼくはビジネスの世界で、1994年を境に劇的な変化、価値変動がおこったと考えています。そしてその変化は日本中を隈なく覆い尽くして文化や人々の言葉づかいまで変えていくほどの繁殖力をもっていました。正確に言えばアメリカン・スタンダードというものがカバーする地域、人種、職業すべての価値観に大きな修正をもたらすものとなった」(『東京ファイティングキッズ』)
俺は、ビジネスの現場における人々の言葉づかいが大きく変わったことから、このアイデアを思いついたのであるが、水野は専門家らしく経済的な指標を読み解くことの中から、この転換が根源的なシステムの転換であることを「発見」する。そして、ポスト近代とは、インターネットや金融技術が牽引する超近代などではなく、帝国の再来,資本が、自らへの分配を確保するための反革命であると言うのである。 これは、実に目から鱗の指摘であった。
なるほど、グローバリズムとは、自由主義の拡大ではなく経済帝国主義であったのか。
そう考えればいろいろなことが腑に落ちる。そう考えなければ、グローバル企業の飽くなき膨張や、経済成長しながらも拡大する格差や周縁の疲弊といった問題がうまく理解できない。膨張しているのは、資本だけであり、国民経済ではないのである。
帝国主義とは何か。
レーニンはその帝国主義論でこう述べている。
「帝国主義とは、独占体と金融資本の支配が成立していて、資本輸出が著しく重要性を増し、国際的なトラストによる世界の分割が始まり、最強の資本主義諸国による世界の全領土の分割が完了したという発達段階に達した資本主義のことである。」
簡単に言えば、帝国主義とは、国益拡大のための際限のない周縁国の植民化であった。
帝国主義はどのようにして終結したのか。
それは、有限な世界の中で、覇権同士がぶつかり合い、経済的なブロック化が進行し、ついには戦争による以外、つまりは覇権の蕩尽という方法でしか決着をつけることができなかったからだ。
いま起こっているグローバリズムとは、この帝国主義の時代における軍に代わって、企業が、世界経済を再分割してゆく動きであるといえるかもしれない。低賃金の労働力、飢えたマーケットを固定化、植民化するという形で、企業が国境を超えていく。
「グローバリゼーションは誰の手にも負えないコントロール不可能な経済現象で、関わる者すべてはこれに影響を受け、そして、たまたま適切な準備ができていた者だけがその恩恵を受けることができるのだと考える人もいる」
ちょうどいま書評を書いている本の中で、その著者チャールズ・フィッシュマンが言っている。市場主義といい、グローバリズムといい、その渦中にいるものにとっては、それが時代の中の過程的なシステムであると考えるよりは、究極の姿であると考えやすい。ビジネスも政治も、限定的な時間の中での損得勘定しかできないからである。
「改革なくして成長なし」も
「成長がすべての怪我をなおす」
という法則も、限定的な時間の中でしか意味を持ち得ない。こういったスローガンは、何かの真理を言いあらわすというよりは、現在のシステムが、それを弁護ないしは強化するために言わせているのだと思ったほうがよいのである
http://plaza.rakuten.co.jp/hirakawadesu/diary/200708250000/
帝国主義・民主主義・グローバリズム
帝国主義は悪で、民主主義は善、そして少し前までグローバリズムは正しかったと言うのが、良識派の人の認識である。そして、帝国主義 vs 民主主義の戦いが、第二次世界大戦で、正義が勝ったのだと言うのが常識となっている。しかし、この図式の中には忘れられていると言うか、隠蔽されている重要な事実が隠されている。
帝国主義も民主主義もグローバリズムもプレイヤーが違うために一見違う目的を持つものだと考えられがちだが、役者(と出し物)が違うだけで、目的は15世紀から代わっていないという事なのだ。役者や出し物は代わっても同じ興行主が掛けている芝居(ヨーロッパの興行主がロスチャイルドで、アメリカはロックフェラー)に過ぎないと分かれば国際金融資本というものがどういうものかは自ずと明らかになってくるのだ。便宜的にユダヤと言う言葉を使う事もあるが人種としてのユダヤでも、イスラエルに住んでいる人達を指すものでも無い。そもそも、純粋なユダヤ人など本当は存在しないと考えるべきなのだ。
自虐史観に囚われた人達から見れば帝国主義と言えば枢軸国(日独伊)の事になるのだろうが、第二次大戦中の最大の帝国は間違いなく大英帝国だったし、日本が占領した地域の多くは大日本帝国では無くヨーロッパの列強の植民地だった。植民地を持っていると言う事は、フランスやオランダも当然帝国主義国家で、帝国主義を批判していたアメリカだってフィリピンを統治(満州を批判したアメリカだって傀儡政権を使ってフィルピンを植民地化していたのだ)していた立派な帝国主義国だったのだ。
要するに戦勝国が善だとすれば帝国主義は悪では無く枢軸国だけは限定的に悪い帝国主義だったと考えなければならない。では、何故帝国主義は悪となったのだろうか。第二次世界大戦で悪の帝国主義国家が胡散霧消しただけでは無く、多くの植民地が独立し、ヨーロッパ列強が帝国主義を続けられなくなり帝国主義では金儲けが出来なくなったから悪になってしまっただけの話なのだ。第二次大戦は民主主義と帝国主義の戦いと言われているが、古い帝国主義と新興の帝国主義の戦いに過ぎなかったのである。その両方の帝国を育てたスポンサーは東インド会社のオーナーだった連中(ロスチャイルド)だったのだ。
民主主義(資本主義)の方はどうだろう。帝国主義が無くなったあとに敵対したのは共産主義だった。ドイツや日本と言うビッグプレイヤー(勝つ事はないが取りあえず長い間戦争の相手を出来ると言う意味)がいなくなった時には、共産主義と言う種が大きく育っていた。
敵対する相手がいない事には世の中は平和でなければいけないが、平和では金儲けは出来ない。日露戦争で日本に加担(シフを通じてロスチャイルドが支援)し、同時に共産主義者たち(実は労働者では無くロスチャイルドに資金を提供された貴族階級だ)はソビエトと言う国を興し、民主主義国家と渡り合えるようになった。冷戦と言う長い戦い(核兵器を競い合ったが、核兵器の原料は誰が支配していたかを忘れてはいけない)が続けられたが、アフガニスタンと言う火種を残しソビエトは崩壊したが、それは火種が出来たからであって、民主主義が正しかったからではなかったのだ。
アフガニスタン侵攻と軍拡競争で疲弊したソビエトは消えてなくなり、世界は平和になる筈だったが、イラクによるクェート侵攻と言う出来過ぎのシナリオで中近東が火薬庫の役目を果たしてくれた。悪いアラブと良いアラブ、アラブとイスラエル、パレスチナとイスラエルと争いの種はいくらでもあるが、ロックフェラーは、911を口実にイラクとアフガニスタン(どちらもロックフェラーのテリトリー)に戦いを仕掛けて金儲けの種にし、オイルマネーを絞り取るためにドバイなどの窓口に資金を集めるために金融バブルを仕掛けてきたのが、ついこの前までの話だった。結局、世界の金融を実際に牛耳っているロスチャイルドには敵わなかったのが今なのである。グローバリズムも、要は金儲けのための一時的な道具だったのだ。
結論:世の中に数多ある主義主張やイデオロギーに正しいも何も無い。金を儲ける手段として機能している内は善で、そうでなくなれば悪になるだけの話なのだ。神聖ローマ帝国の御用銀行家がルーツのロスチャイルドは、英国だけでは無くユーラシアからアフリカ全体を支配する金融資本の総元締め。北米が主体のロックフェラーが出先に過ぎない(表面的に戦後60年以上最強に見えたが)のは仕方がない。イデオロギーなどという色眼鏡を外し、金の流れを見れば世の中の仕組みは非常に単純なのである。
http://maimaikaburi.blogspot.com/2009/01/blog-post_1042.html
マルクスは資本主義については正しかった 2011/11/05 (Sat) 22:40:26
カール・マルクスは共産主義については間違っていたが、資本主義の大部分については正しかった、とジョン・グレイは書いている。
金融危機の副作用として、ますます多くの人々がカール・マルクスは正しかったと考え始めている。19世紀の偉大なドイツ人哲学者、経済学者であり革命家は、資本主義は根本的に不安定であると信じた。 資本主義には、より大きなブームと破滅を作り出す傾向がビルトインされており、長期的には自分自身を破壊するにちがいないというのだ。
マルクスは、資本主義の自滅を歓迎した。彼は、大衆的な革命が起こり、より生産的ではるかに人間的な共産主義システムを実現すると確信していた。
マルクスは、共産主義については間違っていた。彼が予言的に正しかったのは、資本主義の革命のとらえ方においてだった。彼は、資本主義固有の不安定性を理解しただけではない――もちろん、この点で彼は、当時の、また現在の大多数の経済学者よりも鋭かったのだが。
もっと深くマルクスが理解したのは、どのようにして資本主義が自分自身の社会的基盤――中産階級 the middle-class の生活様式――を破壊するか、ということだった。ブルジョアジーとプロレタリアというマルクス主義者の用語は古い響きをもっている。
しかし、資本主義は中産階級を当時の厳しく抑圧された労働者の不安定な存在に似た状態におとしいれるとマルクスが主張するとき、彼は、われわれの生活の変化を予測していた。それは、いまわれわれが立ち向かっているものだ。
彼は、資本主義を、歴史上もっとも革命的な経済システムとして描き出した。資本主義がそれ以前の経済システムと根本的に違っていることは疑い得ない。
狩猟・採取民は、何千年もその生活を守り続け、奴隷は長期にわたって耕し、封建社会は何世紀も続いた。反対に、資本主義は、それが触れるものすべてを変化させる。
資本主義は、絶えず変化するだけではない。企業と産業は、革新の絶えざる流れのなかで創造され破壊され、その一方で、人間関係は解体され新しい形態で再現する。
資本主義は、創造的破壊のプロセスとして描かれてきた。資本主義が驚くほど生産的であったことは誰も否定できない。実際、現在のイギリスに暮らす誰もが、資本主義が存在しなかった場合に受け取っていたであろう収入よりも多くの収入を得ている。
否定的な帰結
問題は、プロセスの中で破壊されてきたさまざまなもののなかで、資本主義が過去において依拠した生活様式を破壊してきたことだ。
資本主義の擁護者たちは、次のように主張する。資本主義はあらゆる人に利益を提供するが、それは、マルクスの時代にはブルジョアジー――資本を所有し、生活において適切な水準の安全と自由を享受した安定した中産階級――だけが享受したものだ、と。
19世紀資本主義においては、大多数の人々は何も持たなかった。彼らは、自分の労働を売って生活した。市場が低迷すると、彼らは厳しい生活に直面した。しかし、資本主義が発展するにつれて、ますます多くの人々がそこから利益を手にすることができるようになるだろう――資本主義擁護者たちはそう言う。
誇るべきキャリアは、もはや、少数の特権ではなくなるだろう。もはや人々は、毎月毎月、不安定な賃金で苦労して生活することはないだろう。貯蓄、自身が所有する家屋および相当な年金によって保護され、彼らは、懸念なしに生活設計することができるだろう。民主主義および富の拡張とともに、誰かがブルジョア的生活から締め出される必要はなくなる。誰もが中産階級になれるのだ。
実際には、イギリスやアメリカ、その他の先進国では、過去2、30年間にわたって、反対のことが起こっている。仕事の安定は存在しない。過去の職業や専門は、ほとんど消えうせて、生涯にわたるキャリアというものはほとんど記憶でしかない。
もし人々がなんらかの富をもっているとすれば、それは家の中にあるが、住宅価格はつねに上昇するわけではない。いまのように信用がタイトなときには、彼らは数年間にわたって停滞するだろう。快適に暮らすことのできる年金をあてにできる人はますます少数派になっており、多くは十分な貯蓄を持ってはいない。
ますます多くの人々が、将来のことをほとんど考えることもなく、その日暮しをしている。中産階級の人々は、彼らの生活が秩序正しく展開すると考えたものだった。しかし、人生を、最後から一つずつ昇っていくステージの連続とみなすことは、もはや不可能だ。
創造的破壊のプロセスのなかで、梯子は外されてしまい、ますます多くの人たちにとって、中産階級であることは、もはや人生の目標にさえならなくなっている。
リスクを負わされる人
資本主義が発展するのにつれて、それは大多数の人々を、マルクスの言うプロレタリア階級の不安定な存在の新バージョンへと追い返した。現在の収入ははるかに高いし、ある程度は、戦後の福祉国家の名残によって衝撃から守られてもいる。
しかし、われわれは自分の人生コースをほとんど効果的にコントロールしてはいない。われわれは不安定さのなかで生活しなければならず、その不安定さは、金融危機に対処するためにとられた政策によって悪化させられている。物価上昇のもとでのゼロ金利は、あなたのカネにマイナスの報酬をもたらし、やがてあなたの資産を腐らせるということだ。
多くの若者の状況はもっと悪い。必要なスキルを身につけるためには、あなたは、借金を背負わなければならない。いくつかの点から、あなたは貯蓄に努めるように再訓練されなければならないだろう。しかし、もし出発点から借金を背負っていたら、貯蓄は、あなたにできる最後のことだ。何歳であれ、今日、大多数の人々が直面している可能性は、不安定な生活である。
資本主義は、人々からブルジョア的生活の安全を奪い取るのと同時に、ブルジョア的生活を送ってきたようなタイプの人々を絶滅させてきた。1980年代には、ビクトリア朝的価値観のことがしきりに言われた。そして、自由市場の促進者たちは、それがわれわれを過去の健全な美徳に連れ戻すだろうと主張したものだった。
多くの人々にとって、たとえば女性や貧困者にとって、これらビクトリア朝的価値観は、彼らの効果においてほとんど無意味なものになっただろう。しかし、より大きな事実は、自由市場がブルジョア的生活を支えた美徳を掘り崩す働きをすることだ。
貯蓄が融けてなくなってゆくとき、質素倹約は、破滅への道になるかもしれない。たくさん借金をして、破産宣告することを恐れない人こそが生き残り、成功へむかうのだ。
市場の力によって持続的に変化させられる社会では、伝統的価値観は上手く機能せず、それによって生活しようとする人は誰もがガラクタの山にたどり着く恐れがある。
莫大な富
市場が人生のすべての曲がり角に浸透した未来を展望して、マルクスは、「共産党宣言」で、「すべての固定したものは消え去る」と書いた。ビクトリア朝初期――「宣言」は1848年に出版された――のイングランドに生活する者にとっては、これは、驚くほど遠くまで見通した観察だった。
当時、マルクスが生活した社会の周縁部以上に固定的に見えたものはなかった。一世紀半ののち、われわれは、われわれ自身が、彼が予告した世界にいることを発見する。そこは、あらゆる人の生活が暫定的で一時的であり、いつでも突然の破滅が起こりうる世界だ。
ごくわずかな人々だけが莫大な富を蓄積してきたが、それははかない、たいていは幽霊のような性質をもっている。ビクトリア朝時代には、とてつもない富者は、自分たちのおカネをどう投資するかという点で保守的でありたければ、くつろいでそうすることもできた。ディケンズの小説の主人公たちは、最終的には、遺産を手に入れ、その後は永久に何もしない。
今日、安息地はどこにも存在しない。市場の急激な変動は、わずか数年後であれ、何が価値を持っているか知ることができないほどだ。
このような永久に休息することのない状態は、資本主義の永続革命であり、資本主義は、現実的に考えられる限りのどんな未来にわれわれを連れてゆこうとしているのかと考える。
通貨と政府は、われわれがずっと安全だと思ってきた金融システムのさまざまな部分と一緒に、ほとんど破滅しかかっている。たった3年前に世界経済を凍りつかせる恐れのあったリスクは、手つかずのままだ。リスクは国家にしわ寄せされただけだ。
政治家たちが、赤字を抑制する必要について何を言っても、負債は返済できないほどのスケールで膨れ上がっている。 それらが膨れ上がるプロセスは、多くの人々にとって痛みをともない、多くの人々が貧しくなるプロセスと結びついている。
結果は、非常に大きなスケールで激動が起こるという以上のものでしかありえない。しかし、 それは世界の終わりではないだろう。あるいは資本主義の終わりでさえないだろう。何が起ころうと、われわれは、依然として、市場がときはなってきた マーキュリー(商業の神様)のエネルギーとともに 生きてゆくしかないだろう。
資本主義は、革命に導いてきたが、それはマルクスが期待したような革命ではない。燃えるようなドイツ人思想家はブルジョア的生活を嫌い、共産主義がそれを破壊することを期待した。そして、彼が予測したとおり、ブルジョア的世界は破壊された。 しかし、共産主義に席を譲ったのではない。資本主義がブルジョアジーを殺してしまったのだ。
http://www.asyura2.com/11/senkyo121/msg/726.html
TPPを推奨しようとする人達の背景にあるのは、比較優位説などの自由化が善であるとする間違った経済理論を踏襲していることである。
このような自由化理論は、欧米が植民地政策の推進や、アジアへの進出に当たってのプロパガンダであったことが分かっていないのである。このプロパガンダにより明治初頭の日本やアジア、そしてアフリカ諸国がどれほどの被害を受けたことか。これによりヨーロッパがどれだけ利益を受けたであろうか。
このことを理解せずうかつに比較優位説などを唱えてはならない。みんなの党などの賛成派は、その真意を理解せず、現実を理解せず、自分たちも昔と同じようにその恩恵を受けられると思っているのだ。
この理論は、単なる平均値の問題であり、それぞれの国が今より豊かになるという保証はしていない。総額が伸び平均値は上がるという理論に過ぎないのである。
比較優位説は、物物交換の場合で、同じような経済状態にある国同士で成り立つ特殊理論であり、貨幣経済が発達し、グローバル化した市場では、すべてが成り立つものではない。
特にバブル国やデフレ国との交易では成り立たない。
バブル国とデフレ国の交易は、一方的にインフレ国が、利益を得、デフレ国は損を被ることになるからである。お互いの利益にならないのである。
ここではデフレ国とインフレ国との交易を主に説明しよう。それを説明すれば比較優位説もどんなものか分かるからである。
生産量と資金量の間に大きな差額が生じているデフレ国とインフレ国の所得線の角度を、インフレ国が60度、デフレ国が30度としよう。インフレ国は、生産量に比べ資金量が著しく多くなっている。デフレ国は逆に生産量に比べ資金量が著しく少なくなっている。それゆえ所得線の角度が違っている。
(デフレの原理と消費税参照
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/teraxBLG/blg-hiduke.html)
もちろん正常な国は45度である。
デフレの国は、生み出した付加価値に対する貨幣的評価が本来あるべきものより低く評価されるため、常に儲けの悪い状態にある。8時間の労働で6時間ぐらいの儲けしか得られない。(8時間労働で生み出した付加価値が、資金量が少ないため貨幣的評価が少なくなされる。)
逆にインフレの国は付加価値に対する貨幣的評価が高く評価されるため常に儲けが良い状態です。8時間の労働で10時間ぐらいの儲けが得られる状態です。
正常な国は当然の8時間の労働で8時間の儲けになります。
このような時デフレ国とインフレ国が通商を行ったとしよう。全体で平等に交渉が行われ、適材適所で生産が行われすべてが融合した時、資金量と生産量の差がなくなり所得線の角度が45度になった。めでたしめでたし。数値的には正しいでしょう。
しかしその内容を吟味すると、デフレ国はよりデフレが激しくなり、所得線の角度がさらに下がり20度になっており、インフレ国は所得線が70度になって、よりバブルが激しくなるのです。二つを足して90度これを2で割れば45度になる。
デフレの国は所得線が30度より下がっている。インフレの国は60度より上がっている。デフレの国は資金量がさらに少なくなり、インフレの国は資金量がさらに多くなる。
同じ労働時間でも、稼ぐ資金量が違うため、デフレ国は常にインフレ国にたくさん買われ、デフレ国はいつも少なく買うことになり、資金がどんどん流出していく。
デフレ国は物でもサービスでも資産でも、株式でもどのような物でも値下がりしているため、相手国側に有利に買われるのである。
インフレ国は反対に物でもサービスでも資産でも常に割高になっている。相手国側が買い難いのである。
しかもデフレ国は、ハートランド(産業経済基盤)から湧出する資金がほとんど無く逆に枯渇している状態である。それゆえ国内資産の換金売りが多く、海外資産の購入などほとんどできない。
逆にインフレ国は旺盛なハートランドの活動により、資金がどんどん湧出し、国内資産や海外資産の購入が活発になる。
このようなことが世界的に起こると、デフレの国は世界全体でいくらパイが増えようとも、その恩恵を被ることができずさらに食い物されるだけなのだ。
比較優位説でも結論は同じです。この理論は、正常な経済同士の間だけで成り立つものであるが、それでも適材適所の生産が行われ、全体のパイが大きくなっても、その恩恵は平均値以上の国がもっていくのであり、平均値以下の国は損失を被るものです。
そのため自由貿易による損失を防ぐため、あるいは自国の生活レベルを維持するため、競争力のない国はさまざまな障壁を儲けることになる。それは民主主義国家として当然のことなのです。
自由貿易を善とする考え方は、弱肉強食の考え方であり、強い国はより強く、弱い国はより弱くなる。自由貿易は万能ではない。適度に管理しながら全体の国富を上げて行くのが良いのです。それにはどの国もデフレでないことが前提になります。
現在デフレにあえぐ日本は、自由化をすればさらに不利被るのは必定です。この20年間日本はぼろ負けであり、一方的に負け続けているのです。
それは時間が経つにつれその差がどんどん大きくなっていきます。
例えばバブルの時、東京の人達の資産価格が寝ている間に上がり、その他の地域の人達は寝ている間に資産を買い取られたの同じようなものなのです。
資金不足による内需の停滞は多くの企業や個人に借金をもたらし、その返済のための換金売りが増えたため、商品価格や資産価格、株式が割安になっている。それが外資の餌食になっている。
最近になりようやく欧米がデフレに陥り始めたため、以前のようなぼろ負け状態ではないが、ここにカナダやメキシコなどの正常な経済国が参入すれば、確実に彼らに日本は食われるであろう。また中国や、東南アジアの国が入っても同じくすさまじい様相を照らすだろう。
TPPの怖さはアメリカだけにあるのではない。バブルの新興国の方が怖いのである。特にバブルの中国や発展する東南アジアが日本の富を食い荒らすのである。
アジアの発展を取り込むより以上に彼らに食われてしまうのだ。
デフレの国はそうではない国に食われてしまうのです。TPPの広がりは、デフレの日本にとって非常に悪いことです。このような非常識なことが日本で行われようとしているのです。
日本の山林や土地の多くが外国人に買われ、株式市場は外国人バイヤーがいなければ閑散としてしまうのが現状だ。上場企業の多くが外国資本に変わっている。
外資の導入などという甘い言葉にだまされ、日本の多くの企業が買われ、名前を変え、日本が食われているのです。
外資がいくら増えても、デフレの解消にはなりません。それは皆さんよくご存じでしょう。デフレは消費不足で起こっています。外資は消費をしません。企業を買収するだけなのです。
(デフレの成長戦略とは何か参照)
このことを経済専門家は如何に考えているのだろうか。政治家はどこを見ているのだろうか。相も変わらず間違った教科書紐解いて、デフレを促進し続けているのである。
第2次世界戦争後の世界経済の拡大期、欧米や日本がその拡大の恩恵の大半を享受し、南北間格差はさらに広まったのです。それは発展途上国の多くが、デフレ経済であり、内需が停滞し、伝統的産業が廃れ、輸出品が安く買い叩かれ、大量に外国に流れ、輸入品に国内産業が圧倒され、資金がどんどん流出したのです。そして多くの資産が外国資本に買われたのです。
今の日本と寸分変わりません。
そのようなことが現実に日本でこの20年間起こったのです。日本は自由貿易の敗者なのです。その根本的認識がないため、TPPを推進しようとするのです。
日本で反対しているのは、農業もそうですが、多くの地方経済が疲弊している地域です。彼らは身をもってその現状が分かっています。日本は敗者であること。これ以上の自由化は地場産業がなくなること、地域経済が崩壊することをよく知っているのです。
しかし今なお日本の中枢、官僚組織、公務員層、政治家達、新聞の解説者達は勝者だと思っているのです。
日本の敗退の主な原因はデフレだからです。それが内需を減退させ、輸出を促進しているのです。内需の減退は低価格競争を余儀無くさせ、輸入品の拡大をもたらしています。
日本人は怠けているのではなく、冒険をしないのでもない。ただ政策が悪いだけなのです。
船中八策
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/参照、
日本のウイニングショット
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/winningshot.html
今の日本は少しでもよいから資金を増やし消費を増やしたいのです。TPPはそれを真っ向から潰すものです。弱体化した経済を、解放して得することはなにもないのです。
TPP参加の中で、デフレから解消するのは至難の業だ。2千5年頃の日本にとって有利な輸出状況でも、一向に借金を返すことができなかったのだから。
日本は、デフレから逃れ、拡大再生産がなされる時までTPPなどの無制限な自由化に応じてはならないのです。
http://www.asyura2.com/11/hasan74/msg/275.html
経済成長の定式(モデル)08/9/15(541号)
構造改革の定式化
自民党の総裁選で経済論争が行われている。その中で積極財政派と財政再建派の主張は、正しいかどうかを別にして分りやすい。しかし上げ潮派(構造改革派)の言い分が曖昧である。そこで今週から筆者なりに上げ潮派の主張の背景にある経済理論を解明してみる。
まず最初に理論経済における経済成長の定式(モデル)を示すと次のようになる。
g(経済成長率)=s(貯蓄率)/v(資本係数)
v(資本係数)とはY(生産・所得)1単位を増やすのに必要なK(資本・・生産設備など)である。つまり
v(資本係数)=K(資本)/Y(生産・所得)
となる。そこでv(資本係数)が一定ならば(技術進歩がなく生産設備の効率が不変ならば)、s(貯蓄率)が大きい国ほどg(経済成長率)が大きくなる。
つまり生産されたもの(所得)が、なるべく消費されず貯蓄され、これが投資に回される国ほど経済成長率は大きくなる。極端なケースで生産されたものが全て消費されるような国は、経済成長率はゼロになる(外資の導入はないものとする)。またs(貯蓄率)が同じ大きさであっても、資本係数(生産(所得)1単位を増やすのに必要な資本量)が小さい、したがって生産効率の高い資本備えている国の方が経済成長率は大きくなる。
次にこの定式にn(労働人口増加率)の要素を加味すると次のようになる。
g(経済成長率)=s(貯蓄率)/v(資本係数)+n(労働人口増加率)
この式は
s(貯蓄率)/v(資本係数)が一定ならば、n(労働人口増加率)が大きい国ほど経済成長率が大きくなる。
よく上げ潮派の政治家やエコノミストが
「人口がこれから減るのだから、日本は経済成長のため積極的に移民を受入れる必要がある」
と主張するのもこのような定式が頭の中にあるのであろう。
さらにここにt(技術進歩あるいは生産性の向上)の要素を加味すると次の通りになる。
g(経済成長率)=s(貯蓄率)/v(資本係数)+n(労働人口増加率)+t(技術進歩)
ただしこのt(技術進歩あるいは生産性の向上)は、資本(生産設備など)と労働の双方の効率化の成果を外に出して一つにまとめたものである。
具体的には、生産工程の改良や新しい技術を体現した設備の導入であり、労働者の教育・訓練による生産性の向上である。
またt(技術進歩あるいは生産性の向上)を外に出さない表現も考えられる。
この場合「技術進歩あるいは生産性の向上」は、v(資本係数)を小さくするとか、n(労働人口増加率)を大きくするものとして理解される。
上げ潮派(構造改革派)は
「構造改革なくして経済成長なし」
と主張する。しかしこの「構造改革」という言葉がはっきりしない(もっとも構造改革派の人々もこれを本当に理解しているか疑わしいが)。そこで筆者の示した経済成長の定式(モデル)でこれを考えてみる。
構造改革とは端的に言えばt(技術進歩あるいは生産性の向上)を大きくすることである。その方法はの
v(資本係数)を小さくし、n(労働人口増加率)を大きくすることである。
たしかにこれによってg(経済成長率)は大きくなる。
これをさらに具体的に説明する。
v(資本係数)=K(資本)/Y(生産・所得)
である。v(資本係数)を小さくするには、K(資本)が一定ならそれから産まれるY(生産・所得)を大きくするような「技術進歩あるいは生産性の向上」を行うことになる。
またY(生産・所得)が一定ならば、一単位のY(生産・所得)を産出するためのK(資本)を小さくするような「技術進歩あるいは生産性の向上」を行うことになる。
さらに教育・訓練による労働の生産性を向上させることがn(労働人口増加率)を大きくする。
これらを一つの企業で考えた場合、当り前の話である。しかしこれを一国の経済で考えた場合は多少複雑になる。
一国の資本(K)と言った場合、民間の生産設備や販売設備などだけではなく、道路や港湾と言った公共資本や社会資本も含まれる。
また一国のY(生産・所得)はGDPということになる。
したがってY(生産・所得=GDP)の増加に結び付かないような公共投資を構造改革派は「無駄な公共投資」と批判する。
また上げ潮派(構造改革派)は「官」が「民」より非効率と考え、政府部門の縮小を訴える。
「「民」にできることは「民」」
ということになる。そして社会全体の「技術進歩あるいは生産性の向上」のために行う施策が、規制緩和などの競争促進政策である。このように構造改革に必要な具体的な施策は、規制緩和や公企業の廃止や民営化ということになる。
スッポリ抜けているもの
ところが上げ潮派(構造改革派)が念頭に置いていると思われる経済成長の定式(モデル)には、大事なものがスッポリ抜けている。
抜けているのは「需要」である。
彼等が訴える施策は全て「供給サイド」に関するものに限られる。
しかしどれだけ企業や国を効率化しより多くの生産物を生産しても、需要がなければ生産物は余る。生産物が売残れば、その次には資本や労働が余剰となり、資本や労働の遊休が生じる。
しかし上げ潮派(構造改革派)の考えには、
作った物は全て売れ消費される
というびっくりするような前提条件が、暗黙のうちに設定されている。ところが上げ潮派(構造改革派)の人々は、このことに気付いていないか、もしくは気付いていても誤魔化す。多くの場合、単に需要不足が原因で遊休設備や失業状態になっていることを、上げ潮派(構造改革派)は認めない。
彼等は遊休設備や失業という現実を突き付けられても、遊休状態の設備は既に陳腐化して使い物にならないと決めつける。また失業者は、生産性の向上に追いつけない人々であり、新たな教育・訓練が必要であると主張する。したがって一時的に余った資本や労働といった生産資源は、もっと生産性の高い成長分野にシフトさせるような構造改革が必要があると説く。このように上げ潮派(構造改革派)は供給サイドのことしか言わない。
しかし筆者は遊休設備の全てが陳腐化しているとは考えない。また職に就いている人と失業している人の間に、技術や知識に大きな差は認められない。そういう事ではなく、多くの場合需要の不足によって遊休設備や失業が発生していると考えるべきである。特に日本は慢性的に需要不足(内需不足)に陥る体質にあり(このことを本誌は何回も取上げてきた)、むしろ構造改革を目指す政策がさらなる需要不足を促進している。
上げ潮派(構造改革派)の考えの背景には、
「作ったものは全て売れる」という古典派経済学の「セイの法則」がある。
しかし現実の経済を知っている者は「そんなばかなことはない」とすぐ分る。ところが頭がおかしい構造改革派は、この単純な経済理論の信奉者なのである。
「セイの法則」が成立つのは極めて特殊な時だけと指摘したのはケインズである。
たしかに「作ったものは全て売れる」のは、例えば戦争で大半の生産設備が破壊され極端な物不足に陥った国や、新興国における経済の高度成長期くらいのものである。古典派の特殊理論に対して、彼は一般的な一国の経済状態での理論展開を行った。ケインズは著書「一般理論」で、ごく普通に需要不足が起き、遊休設備や失業が発生するメカニズムを解明した。またケインズの弟子のハロッドは、経済成長理論を展開したが、供給と需要の増大の過程での両者の関係の不安定さを指摘した。
ケインズは需要不足による不況が起ることを理論的に解明した。彼はその場合には金利を下げるだけでなく、政府が財政支出を増やすことによって需要を創出することが有効とした。今日このような政策は世界中の国で採られている。これもあってか第二次世界大戦後、先進資本主義国家は深刻な不況に陥っていない。
また上げ潮派(構造改革派)が盲目的に信奉する「供給サイド重視」の考えは、貿易収支が慢性的に赤字の米国で生まれた。たしかに米国のように供給サイドに問題のある国で、このような考えが一定の支持を得るのは解る。しかし慢性的に貯蓄が過剰で内需が不足し、過剰生産のはけ口を外需に頼っている日本に「供給サイド重視」の考えを適用しようとするからおかしくなるのである。
だいたい供給サイドに問題のある米国でさえ、今日サブプライム問題で不況になったため、減税などによる需要創出政策、つまりケインズ政策を行っているのである。需要創出政策を「オールドケインズ政策」と否定的な決めつけをするエコノミストや、自民党の総裁候補の中で今だに「私は構造改革派」と言っている人々は、頭の中の構造の改革が必要だ。
http://www.adpweb.com/eco/eco541.html
技術進歩の恩恵 11/11/28(688号)
意味のない経済成長の定式(モデル)
人々の所得が増え、一人一人の国民が豊になるのが国家の理想と筆者は思う。
そのためには経済が成長する必要がある。本誌はこの経済成長の定式(モデル)を08/9/15(第541号)「経済成長の定式(モデル)」で取上げた。これを示せば
g(経済成長率)=s(貯蓄率)/v(資本係数)+n(労働人口増加率)+t(技術進歩)
となる。つまり机上の経済理論では、
s(貯蓄率)とv(資本係数)が一定ならば、労働人口が増え技術進歩がなされれば経済は成長することになる。
実に簡単な話である。しかしこの理論の最大の弱点は、これが供給サイドのみに着目していることである。したがってこの定式(モデル)が有効なのは生産力が乏しかった時代や、よほど産業の発展が遅れている国だけである。
今日、少なくとも先進国でこの経済理論があてはまる国はない。どの国も余剰の生産設備と労働力を抱えている。ところがいまだに構造改革派は「改革」が必要と寝ぼけたことを言っている。
今日、国の経済成長を決めるのは供給ではなく間違い無く「需要」である。毎年、10%前後の経済成長を続けている中国は、供給サイドに様々な大きな問題を抱えている。例えば慢性的な電力不足といった致命的な問題をずっと抱えて来ており、当分、これは解消される見通しがない。しかし旺盛な民間と政府の投資、さらに輸出の伸長といった需要増がこれまで続いて来たので(今後の見通しは不透明)、高い経済成長が実現できたのである。
つまり現実の経済においては、中国のように供給サイドに問題があっても需要さえあれば経済はどれだけでも成長する。つまり伝統的な古典派の経済理論なんて、現実の経済において何の役にも立たない。しかし経済学者は、これしか知らずまた現実の経済に興味がないので、今でも意味のない経済理論を学生に教えて生活をしている。
彼等は、日頃の言動と現実の経済の動きとの辻褄を合わせるため、供給サイドと潜在需要にミスマッチがあるといった奇妙な事を言う。彼等のいう潜在需要とは例のごとく医療や介護といったものである。
「この分野の規制緩和がなされないから、潜在需要が顕在化しないのだ」
と主張する。しかし仮にかれらの言っている事が正しくそれが解決したとしても大してGDPは伸びない。また医療や介護の需要を伸ばす有効な方法は、筆者は規制緩和ではなく予算の増額による医療や介護に勤務する人々の待遇改善と考える。決して規制緩和やフィリピンやインドネシアから看護士を連れてくることではない。
彼等は何十年も前から
「規制緩和が不十分で潜在需要が顕在化しない」
という間抜けな主張を続けている。つまり何でも需給のミスマッチと言って誤魔化そうとしている。しかし民間は、四六時中、どこに潜在需要があるのか必死になって探し回っている。供給力が需要をはるかにオーバーしている日本においては当り前の話である。実際、
09/4/13(第565号)「筆者の経済対策案」
http://www.adpweb.com/eco/eco565.html
で述べたように、少なくともリーマンショックの前までは日本の製品在庫率指数はずっと100前後で推移していた。つまり日本では、消費者が必要とする商品はピタリと供給されてきた。またサービスについても供給サイドにネックが生じているとは思われない。つまり日本経済はコンビニみたいなものであり供給サイドにさしたる問題はない。
ちなみにリーマンショック後の世界的な経済の混乱以降、この数値が乱れ始めた。ただし2010年から東北大震災の直前まではこの数値も落着きを取戻していた(100〜110程度で推移)。ところが震災後は再び120程度まで上昇している。おそらく復興事業の遅れによる、関連製品の在庫増が影響していると筆者は見ている。
豊かさを与えない技術進歩
昔の経済学のメインテーマは、供給力をいかにして上げるかであった。消費を抑えながら生産力を増やすための資本の蓄積(つまり投資)が重要であった。また生産資源の適正な配置が経済成長に有効と考えられた。そのためには価格メカニズムを働かせることが大切と考え、規制緩和による競争政策が必要とされた。
この経済理論の背景には、需要は無限にある(セイの法則)という錯覚がある。しかし前段で述べたように、たいていの先進国はどこも生産設備と労働力の余剰を抱えている。必要なのは供給力の整備ではなく「需要」である。
たしかにギリシャのような例外的な国がある。このギリシャのように慢性的に経常収支が赤字の国は、供給サイドの強化が有効である。そのためには一刻も早くユーロから離脱し、自国通貨を大幅に切下げることが必要と考えられる。
一方、少なくとも日本は需要不足の経済が常態化している。必要なのは需要創出政策であり、ギリシャのような国にとって必要な「改革」ではない。ただし通貨の切下げ(円安)は日本にとっても有効と考える。ただし経常収支の黒字が常態化している日本の通貨の切下げは、なかなか国際的に認められるものではない。
筆者は、先進国における需要不足の一つの原因を、長らく平和が続いたことによって生産設備の破壊がなかったことと考える(大きな戦争がなくせいぜい大災害があったくらい)。そしてもう一つ重要なことは、第二次世界大戦後、生産技術が飛躍的に向上したことである。つまり世界的な供給力の余剰が生じている。さらに世界的なバブル生成の過程で凍り付いたマネーサプライが積み上がった(GDPより金融資産の方が伸び率が大きく、これによって大きな有効需要の不足が生じている)。
筆者は、生産技術の向上、つまり技術進歩に注目している。技術進歩によって小さな生産資源(生産設備投資と労働力)の投入によって、より大きな産出が生まれるようになった。たしかに
需要は無限にある(セイの法則)
といった改革派の戯言(たわごと)が本当なら、問題(設備の遊休や失業)は生じない。ところがこれが大嘘だから今日問題が起っているのである。
毎年10%前後の高度経済成長を続けている中国で失業がなくならないといった奇妙な現象が起っている。同じような高度経済成長を経験した日本では、当時、人手不足が深刻で人件費がどんどん上がったが、中国の現状は対照的である。これについて本誌は10年前
01/11/12(第230号)「中国通商問題の分析(その2)」
http://www.adpweb.com/eco/eco230.html
で、この原因を中国が先進国の進んだ技術を取り入れながら経済発展したからと指摘した。
今日、中国でもバブルが起って物価上昇が起っているが、日本の高度経済成長期と比べれば大したことはない。むしろ中国の雇用問題は深刻で、人気のある公務員の募集に1,000倍の応募があったという話さえある。これだけの経済成長を達成しても失業問題が解消しない背景には、労働力をさほど必要としない進んだ生産システムを中国が取入れたからと筆者は考える。
技術進歩は人類にとって大事であり、人々に豊かさを与えるものと思われてきた。筆者も技術進歩は絶対に必要なものと考えている。技術進歩は、過酷で長時間の労働から人々を解放してくれるものと考えたい。実際、技術進歩によって日本では労働者の単純作業が軽減され、労働時間も短縮されてきた。例えば週休二日制も技術進歩なくして実現しなかったと考える。つまり日本もある時期までは良い方向に進んでいたのである。
ところが今日、日本ではむしろ労働強化の方向に向かっていて、雇用条件がどんどん悪くなっている。日本でも中国と同じように技術進歩の恩恵が人々に行き渡らず、むしろ人々を不幸にしているかのようだ。いつ頃からこのような事態が目立つようになったのか筆者も考える。大雑把な感想で申し訳ないが、筆者は日本で財政再建運動と構造改革運動が盛んになってからと思っている。
http://www.adpweb.com/eco/
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植民地インドの後釜にされた日本
実はアメリカのこの「うまい話」は、19世紀に繁栄した大英帝国をまねているだけだ。大英帝国の場合は、その繁栄の謎をとく鍵はインドをはじめとする植民地が持っていた。たとえば当時イギリスの植民地であったインドは、香辛料などの原材料を輸出してイギリスを相手に多額の黒字を計上していた。ところが黒字はルピーではなく、ポンドを使って決済され、そのままイギリスの銀行に預けられていた。
だからイギリスはいくら植民地を相手に赤字を出しても平気だった。イギリスの銀行に預けられたポンドを、イギリス国内で使えばいいからだ。インドは名目上は債権が増え、お金持ちになったが、そのお金をイギリスの銀行から自由に引き出し、自分の国では使えなかった。お金の使い道は預金者ではなく、イギリスの銀行が決めていたからだ。そしてもちろん、イギリスの銀行は国内の人々に貸し出した。
イギリス国民は植民地から輸入した品物で生活をたのしみ、しかもしはらったポンドもイギリスの銀行に吸収され、イギリスのために使われるわけだ。こうしてイギリスはどんどん発展した。
一方植民地はどうなったか。たとえばインドは商品を輸出しても、その見返りの代金はポンドでイギリスに蓄積されるだけだから、国内にお金がまわらなくなる。どんどんデフレになり、不景気になった。
仕事がきつくなり、給料が下がり、ますます必死で働いて輸出する。ところが黒字分の代金は、ポンドのまま名義上の所有としてやはりイギリス国内で使われる。こうしていくら黒字を出してもインドは豊かになれなかった。そして、赤字を出し続けたイギリスは、これを尻目に繁栄を謳歌できた。
このイギリスとインドの関係は、そっくり現在のアメリカと日本の関係だと言ってもよい。経済同友会元副代表幹事の三國陽夫さんは、「黒字亡国」(文春新書)にこう書いている:
輸出拡大によっていくら日本が黒字を蓄積しても、それはアメリカ国内にあるアメリカの銀行にドルで預け入れ、アメリカ国内に貸し置かれる。日本からの預金は、アメリカにしてみれば資金調達である。貸し出しなどに自由に使うことができる。
日本は稼いだ黒字にふさわしい恩恵に与らないどころか、輸出関連産業を除いて国内消費は慢性的な停滞に喘いでいる。停滞の原因であるデフレはなかなか出口が見えない。
日本の黒字がドルとして流入したアメリカはどうなのか。ドルはアメリカの銀行から金融市場を経由して広く行き渡り、アメリカ経済の拡大のために投下されている。日本の黒字は結局、アメリカが垂れ流す赤字の穴埋めをし、しかもアメリカの景気の底上げに貢献しているのである。・・・
輸出で稼いだ黒字を日本がドルでアメリカに預け、日本の利益ではなく、アメリカの利益に貢献している限り、円高圧力もデフレ圧力も弱まることなく、政府・日銀がいくら財政支出や金融緩和というデフレ解消策を講じても、一向に持続性ある効果は現れないのである.
http://www.asyura2.com/0601/hasan45/msg/253.html
インド,日本そしてその次は?
アメリカ政府も大資本も日本のマネーを吸い取っているのです。アメリカの日本経済研究者の間には次のような見方が強いそうです。
―『2015年くらいまで、日本の金を使ってアメリカの繁栄を支える。2015年になれば日本の金は尽きてしまう。その時は中国とインドをアメリカ財政の補給源にする』
「2020年の世界」という2004年秋に作られたアメリカ政府部内のリポートには、「2020年にはアメリカのパートナーは中国とインドだ」と書かれています。 つい先日、アメリカの著名な大学教授がNHK・BSで「中国とインドがアメリカのパートナーだ」と明言したということです。アメリカの有力な経済人も同趣旨の発言をしています。
アメリカは日本の富を緻密に計算して「2015年限界説」を述べているのでしょう。日本はアメリカによって使い捨てにされようとしているのです。
http://wanderer.exblog.jp/4632381/
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