67. 秘密のアッコちゃん[1127] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月30日 20:50:11 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[565]
2024/11/30 18:21
https://www.sankei.com/article/20241130-AN5JGSPCAVNKTFTPYB6PXYZNO4/
原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分事業を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)は2024年11月30日、文献調査が行われていた北海道寿都(すっつ)町で調査報告書の説明会を初めて開催した。
約50人の町民が出席し、質疑応答も活発に行われた。説明会は来年2025年2月19日まで道内16カ所で全20回開催される。
説明会ではNUMO側が最終処分地選定にかかる事業概要と共に、寿都町と神恵内(かもえない)村で約4年かけて実施していた文献調査について、寿都町は全域、神恵内村は南端の一部を次の段階に当たる概要調査の候補地などとする結果を報告した。
今後の作業プロセスや概要調査の方法なども紹介した。
参加した町民からは報告書のデータの取り扱いなどについて40件以上の質問があがり、NUMO側は
「今後も安全性を確認しながら丁寧に説明していきたい」
などと回答があった。
最終処分地の選定に向けては、3段階のうち第1段階にあたる文献調査が2020年11月から寿都町と神恵内村で実施され、今月2024年11月22日に報告書が両町村と北海道に提出されていた。
概要調査に進む場合、北海道知事の同意が必要となるが、鈴木直道知事は
「道の条例趣旨を踏まえ、現時点では概要調査に進むことに反対という立場に変わりはない」
としている。
調査が行われた寿都町の片岡春雄町長は
「住民投票で答えを出す」、
神恵内村の高橋昌幸村長は
「村民の意見を十分に踏まえて慎重に対応する」
とのコメントを出している。
報告書は北海道庁本庁舎と寿都町役場、神恵内村役場、道内14振興局などで公開している。
<主張>次の概要調査へ 道知事の翻意を望みたい
社説
2024/11/25 5:00
https://www.sankei.com/article/20241125-7HHISNU4JVL6XJNGP5SY42O57Q/
原子力発電環境整備機構(NUMO)が作成した文献調査報告書が、北海道寿都町長、同神恵内村長、北海道知事に提出された。
原子力発電で生じる高レベル放射性廃棄物(HLW)を地下深くの岩盤に埋設する地層処分事業の候補地探しは3段階の調査で進められ、その第1段階が文献調査だ。
この報告書には、多数の研究論文などを基にNUMOが分析した両町村の地質情報や、地下処分場の建設が可能なエリアなどが記載されている。
報告書は公開され、国民からの意見公募も行われる。
こうした手続きを経るため、第2段階の概要調査に進むかどうかの判断を国が両町村長と知事に確認する時期は来春2025年春以降になるとみられる。
その間に寿都町では住民投票が予定されている。
神恵内村と寿都町では令和3年以降、NUMOとの間での対話交流が重ねられてきた。
両町村それぞれの熟慮の選択を尊重したい。
懸念されるのは鈴木直道知事の対応だ。
北海道にはHLWなどの持ち込みを受け入れ難いとする条例があることを理由に、鈴木氏は概要調査への移行に難色を示し続けている。
寿都町と神恵内村が賛成でも、知事が反対すれば制度上、概要調査には進めない。
その場合、知事の拒否は民意の軽視にとどまらず、最終処分に関わる自治体が文献調査中の佐賀県玄海町のみとなる事態を招く。
鈴木氏が同意して地下構造を実地に調べる概要調査が始まると地層処分への関心が全国的に高まるはずだ。
これまで思案していた他市町村からの文献調査の申し出も期待される。
北海道にも原発が存在し、道民も原子力発電の利便性に浴してきた。
その現実を無視しての地層処分の候補地探しに対する否定的対応は、他県などへのHLWの押し付けに他ならない。
自治体の首長としての道義的責任が問われよう。
概要調査で地質条件が不適なら、第3段階の精密調査には進めない。
適している場合でも知事や市町村長には移行停止を求める権限が認められている。
現段階での硬直対応では、器量のほどが疑われる。
核のゴミとも言われるHLW処分の問題は北欧諸国などで完遂に向けて進行中だ。
世界に視野を広げての翻意を鈴木氏に強く求める。
<主張>核廃棄物の処分 「拒否条例」論拠は希薄に
社説
2024/10/3 5:00
https://www.sankei.com/article/20241003-IPGHN3QPPJPORMHOBIYPZWJZRE/
原子力発電で発生する高レベル放射性廃棄物(HLW)を地下深くの岩盤中に埋設する最終処分事業の試験操業がフィンランドで始まった。
HLWの処分問題は原発を利用する国々に共通する重要な課題である。
日本では3町村が地下処分施設の候補地探しの第1段階にあるが、第2段階に進めるかどうかの見通しは不明の状態だ。
最終処分を確実にしたフィンランドの歩みを日本が辿るには、第1段階の
「文献調査」
から次の
「概要調査」
に進むことが必要だ。
佐賀県玄海町では今年6月から文献調査が始まったところだが、令和2年からスタートした北海道の寿都町と神恵内村では文献調査の結果が、ほぼまとまり、次の概要調査への移行の可否が焦点になっている。
それを大きく左右するのは、今後意見を求められる鈴木直道・北海道知事の判断だ。
概要調査に進むには町村長だけでなく知事の同意が必要だが、北海道にはHLWなどの持ち込みは受け入れ難いとする条例がある。
鈴木氏はこれを根拠に難色を示して憚らない。
この条例は平成12年に公布されたものだ。
HLWなどを人間環境から長期間、隔離する
「処分方法が十分確立されておらず(中略)処分方法の試験研究を進める必要がある」
ことが、拒否の理由になっている。
だが、それから四半世紀が経っている。
この間に研究が進み、技術が高度化したことでフィンランドでの試験操業が始まったのだ。
今回は実物の使用済み燃料の直前で、実物大の専用容器を地下430メートルの坑道内に埋設する工程の実証だ。
日本でも地下深くの岩盤中にHLWを埋設する基礎研究や技術開発の進展が目覚ましい。
最終処分事業の実施主体は原子力発電環境整備機構(NUMO)である。
こうした現実に照らせば、北海道の通称
「道核抜き条例」
は、その根拠の核心部分が無効化しているではないか。
鈴木氏には北海道の2町村の地下の構造を先端技術で確認する概要調査への道を開いてもらいたい。
処分地探しのプロセスが進めば文献調査に関心を示す市町村が本州でも出現しよう。
核のゴミとも言われるHLW問題は先送りでは解決しない。
次世代の負担を軽減するためにも鈴木氏の英断が必要だ。
<主張>玄海町で文献調査 国民の関心拡大へ一石だ
社説
2024/6/12 5:00
https://www.sankei.com/article/20240612-TVW7KYSKOVNLDOWAKZXUPY7HZU/
原発の使用済み燃料に由来する高レベル放射性廃棄物(HLW)の最終処分地探しの第1段階である
「文献調査」
が新たに佐賀県玄海町で始まった。
調査には原子力発電環境整備機構(NUMO)が当たる。
北海道の寿都町と神恵内村に続く3番目の文献調査である。
日本のエネルギー問題の懸案解決に資する展開だ。
地下300メートル以深の岩盤にトンネル網を掘削し、約4万本のガラス固化体に加工したHLWを埋設するのが最終処分施設である。
2024年4月、玄海町の商工団体から文献調査受け入れを求める動きが起き、2024年5月10日に脇山伸太郎町長が受諾を表明した。
それを受けてNUMOが斎藤健経済産業相に申請していた調査計画が2024年6月10日に認可され、文献調査の開始となった。
速やかな進捗を評価したい。
文献調査では約2年間でNUMOが地域の地質などに関する既存の研究論文などを収集し、第2段階の概要調査への可能性を検討する。
同時に地元住民との対話活動にも力を入れる。
令和2年に文献調査が始まった北海道の2町村は、概要調査への移行が焦点になっている段階にある。
寿都町の片岡春雄町長は、概要調査に進むかどうかの決定前に住民投票を実施する意向を示してきた。
それには第3の文献調査地点の出現が条件だったので、玄海町での文献調査開始の意義は大きい。
経産省が平成29年に公表した
「科学的特性マップ」
で、玄海町は地下資源(石炭)との関係で
「好ましくない特性があると推定される地域」
に区分されている。
そのことを理由に文献調査を疑問視する声もあるが、同マップは概略図である。
沿岸海底下を含め、より精細な情報が集まれば石炭の埋蔵がない数キロ四方のエリアは十分に期待されよう。
それを確認するのが文献調査の目的だ。
「核のごみ」
とも呼ばれるHLWは、万年単位で放射能を持ち続けるので地上に保管するのは非現実的だ。
原発利用国は地下処分施設の立地と建設に向けて取り組んでいる。
海外の例に照らすと10前後の候補地から最適の地質条件を備えた1地点に絞り込まれるのが理想的だ。
北海道と九州の3町村に続く市町村からの文献調査受け入れ表明を期待したい。
経産省が佐賀・玄海町から文書受領 高レベル放射性廃棄物最終処分場の文献調査開始へ
2024/5/20 17:14
https://www.sankei.com/article/20240520-6KW47BNGZNIBRCDLVYNGD7M53A/
経済産業省は2024年5月20日、佐賀県玄海町から、高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に必要な文献調査に応じるとの文書を受け取ったと明らかにした。
処分事業を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)は調査計画を作成し、事業計画の変更を国に申請する。
経産相の認可後、調査を始める。
経産省が2024年5月1日、玄海町に調査実施を申し入れていた。
先行する北海道神恵内(かもえない)村では、経産省の申し入れに文書で回答してから約1カ月で調査が始まっている。
処分場選定の第1段階となる文献調査は北海道寿都(すっつ)町と神恵内村で終盤を迎えている。
玄海町は全国で3例目、原発が立地する自治体では初めて。
2024年5月10日に同町の脇山伸太郎町長が受け入れを表明、経産省に電話で報告していた。
玄海町の核最終処分調査受け入れ表明で北海道寿都町の片岡春雄町長が「議論の広がり期待」
2024/5/14 13:48
https://www.sankei.com/article/20240514-G4PBJX6PH5OBBKPCFTJWAOXFYE/
原子力発電で生じる高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査が行われている北海道寿都(すっつ)町の片岡春雄町長は、佐賀県玄海町が同調査の受け入れを表明したことを受けて
「議論の輪が全国に広がり、更に新たな調査地区が出てくることを期待している」
などとするコメントを発表した。
片岡町長は、鈴木直道北海道知事が
「最終処分地の選定は日本全体で考えるべき問題」
と説明していることを挙げ、
「特定の地域だけの問題ではなく、日本社会にとって欠かせない最終処分事業の推進に向け、玄海町での取り組みが国民的議論を喚起する一石となればとの思いから決断されたとお察しする」
と強調。
「私もこの約3年半、同じ思いの首長が早く出てきてほしいと期待していた」
とし、今後は町民向け勉強会など理解を深める取り組みを進めていく考えを示した。
また、最終処分場の選定に向けて
「先行する諸外国では10地区程度の関心地域から徐々に絞り込んでいるが、国家プロジェクトとして推進している我が国ではそれに至っていない」
と指摘。
「国民1人1人が自分事として受け止めて考えることが重要」
とした。
北海道では令和2年から後志(しりべし)地域の寿都町と神恵内(かもえない)村で文献調査が行われており、片岡町長はこの2町村以外で新たな候補地が出た場合、次の段階に当たる
「概要調査」
の賛否を問う住民投票に向け、町民参加型の勉強会を行う考えを示していた。
核最終処分調査は「国と事業者の責任で」 福島県の内堀雅雄知事
2024/5/13 12:51
https://www.sankei.com/article/20240513-L3BZPXRDFBIOJPWMQ7DZNNF3J4/
佐賀県玄海町が原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査の受け入れを表明したことを巡り、福島県の内堀雅雄知事は2024年5月13日の定例記者会見で
「原子力政策は、住民の安全や安心の確保を最優先に、国と事業者の責任で対応すべきだ」
と述べた。
一方、東京電力福島第1、第2原発の使用済み核燃料が玄海町に持ち込まれる可能性について問われると
「仮定の質問だ」
として回答を避けた。
<主張>玄海町も文献調査 核廃棄物の処分へ前進だ
社説
2024/5/11 5:00
https://www.sankei.com/article/20240511-2NAVS7FGUFLC5H3STVEXKD3PMY/
日本が抱える未解決のエネルギー問題へ国民の関心を向けるのに貢献する対応だ。
佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長が、原子力発電で生じる高レベル放射性廃棄物(HLW)の最終処分場選定に向けた第1段階
「文献調査」
の受け入れを表明した。
経済産業省からの申し入れを脇山氏が受諾した。
令和2年11月から文献調査が始まった北海道の寿都町と神恵内村に続く第3の自治体の出現である。
深地底の最終処分場建設で先行するフィンランドなど海外の事例に照らすと、理想的な地質条件を備えた地点選定には10前後の自治体での文献調査から始めるのが望ましいとされる。
寿都町と神恵内村では文献調査結果がほぼまとまり、ボーリングなどで地下の構造を調べる
「概要調査」
移行が焦点となっている。
そうした状況で2024年4月下旬、玄海町の商工3団体が文献調査を受諾するよう求めた請願が町議会で採択された。
あとは脇山氏の決断のみとなり、経産省が調査を受け入れるよう申し入れていた。
これが、当初の反対姿勢を転換するかどうかで迷っていた脇山氏の受諾判断を後押しした面はあろう。
何よりも民意を尊重した脇山氏の見識を高く評価したい。
玄海町が受諾したことで、HLWの問題が北海道だけのものとなりかねない事態は避けられた。
この意義も大きい。
寿都町の片岡春雄町長は、第3の文献調査自治体の出現を条件に、概要調査への住民投票を行う考えを示していたので、北海道では更に議論が活発化するだろう。
「核のごみ」
とも言われるHLWは万年単位の長期間、放射能を持ち続ける。
これを人間の生活圏から隔離するには地下300メートル以深の岩盤中にトンネル網状の施設を建設し、そこに埋設するのが最も確実な方法だ。
これは世界の共通認識だ。
だが、原子力に関する世論調査でもこの問題の国民理解は進んでいない。
一方、玄海町には九州電力の玄海原子力発電所が立地している関係で、原子力エネルギーの利用とその後始末であるHLW問題の重要性を知悉(ちしつ:ある物事について、細かい点まで知りつくす)する町民が多いという。
玄海町の前向きの対応はHLW問題の解決に向けての心強い動きだ。
第4、第5の文献調査地が現れるよう期待する。
「請願採択は大変重い」「適地が見つかる呼び水に」 佐賀県玄海町長の一問一答
2024/5/10 20:35
https://www.sankei.com/article/20240510-TMQNKXHGVBJDJCQHEEWVQ5JQGA/
原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた第1段階の文献調査を受け入れると10日表明した佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長の記者会見での主なやりとりは以下の通り。
「原発事業に長年携わり、国に貢献してきた立地自治体が、更に文献調査に協力することは非常に重い決断だ」
「お金目的で受け入れるものではない」
「日本のどこかに最終処分場の適地が見つかる呼び水となったら有難い」
―判断の経緯は。
「住民の代表である議会の請願採択は大変重い」
「最終処分場に直結するわけではないとの言質も経済産業相から直接もらった」
―町民周知は十分か。
「どこまで理解が進んでいるかまでは、私が言及することはちょっと難しい」
―原発立地自治体の責務を考えているか。
「責務はない」
「原発立地町で使用済み核燃料は出るが、電気を作って安定供給できる場として貢献したい考えだ」
―文献調査受け入れに伴う交付金は申請しないのか。
「国と相談していない」
「交付金を貰わない形を取ると、次に手を挙げる自治体が貰えない流れを作ってしまったらいけないとちょっと感じている」
「日本全体で解決を」北海道の首長ら、議論広がりに期待 佐賀県玄海町の表明受け
2024/5/10 20:14
https://www.sankei.com/article/20240510-JC5JWDFYLZM7FEBTSJLSSUXHMQ/
原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査が全国に先駆けて進んでいる北海道の首長らからは2024年5月10日、佐賀県玄海町の文献調査受け入れ表明を受け、
「日本全体で解決すべきだ」
などと、議論が全国に広がることを期待する声が上がった。
道内では神恵内村と寿都町で文献調査が進む。
神恵内村の高橋昌幸村長は
「更に新たな調査地区が出てくることに加え、全国の皆様が自分事として捉えて関心が高まることを期待する」
と、玄海町以外にも対象が広がることに期待を表明。
核のごみ問題は
「原子力発電の賛否にかかわらず、日本全体で必ず解決しなければならない重要課題だ」
と強調した。
寿都町の片岡春雄町長はこれまで、新たな候補地が出れば、次段階となる
「概要調査」
への賛否を問う住民投票に向け、町民参加型の勉強会を開くとしてきた。
今後の動向が注目されるが、2024年5月10日は取材に応じなかった。
最長20年の核最終処分地選定プロセス、国は歓迎ムードも自治体側は負担 民意変化の恐れも
2024/5/10 19:57
https://www.sankei.com/article/20240510-KCDXF3BQOJI7FEA5BOYNJ4AGXE/
最終処分地の選定は、北海道寿都町と神恵内村で令和2年に第1段階の文献調査が始まって以降、目立った動きはなかった。
国は3例目となる佐賀県玄海町の表明に歓迎ムードだが、受け入れ自治体には最長20年に及ぶとされる選定プロセスが重くのしかかる。
高レベル放射性廃棄物(核のごみ)を地下300メートルより深くに埋める最終処分は国が定めた最終処分法に基づき3段階のプロセスがある。
第1段階の文献調査は2年程度行われ、続く概要調査はボーリングを使った調査を4年程度実施。
最後の精密調査では実際に地下トンネルを建設、14年程度かけて最適地を探す。
各段階への移行前には首長の同意が必要で、この間に核のごみが持ち込まれることはない。
平成19年に高知県東洋町が全国で初めて名乗りを上げたが、住民の反発で白紙撤回となり、2023年9月には長崎県対馬市でも市長の反対で誘致の動きが止まった。
政府は2023年2月に決定した脱炭素化の基本方針で、調査拡大に向け自治体への
「主体的な働き掛けの抜本強化」
を明記。
応募を検討する自治体の負担軽減策として地元商工会など行政の外側に働きかけて機運を高め、首長の決断を後押しする方針を掲げた。
今回の受け入れ表明に影響した可能性は高い。
ただ、長期に及ぶ調査の過程で受け入れ自治体側の民意が変化する恐れもあり、経済産業省の担当者は
「住民の理解が得られるよう引き続き努めたい」
としている。
核最終処分場、全国議論に弾み 異例のスピード決定で先行自治体への影響必至
2024/5/10 19:54
https://www.sankei.com/article/20240510-WYVBSWWK4JLFTKCLRDFBIM3SUE/
原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場の選定を巡り、佐賀県玄海町が2024年5月10日、文献調査の受け入れを表明した。
議論の浮上から1カ月弱で進展した背景には、原発活用に舵を切った現政権の異例とも言える後押しがあった。
既に文献調査が進む北海道の2町村に影響を与えるのは必至で、長年停滞した議論にも大きな弾みが付きそうだ。
「全国で議論が高まり、日本のどこかに最終処分場の適地が見つかる呼び水となれば」。
2024年5月10日、原発立地自治体として初めて受け入れを表明した同町の脇山伸太郎町長は、報道陣にこう語った。
調査の受け入れを求める地元商工3団体の請願が提出され、議論が表面化したのは2024年4月15日。
2024年4月26日には町議会で請願が採択され、脇山町長も
「議会で採択されたことは大変重い」
と述べ、熟慮した上での決断だったことを滲ませた。
調査を申し入れる国側の動きも早かった。
請願提出の2日後の2024年4月28日には、原子力政策を所管する経済産業省の担当者が特別委員会に出席し、処分地選定までの流れなどを説明。
2024年5月1日には同省幹部が町役場を訪れ、2024年5月7日には斎藤健経産相が脇山町長と面談した。
資源エネルギー庁の幹部は
「受け入れの表明前に大臣が首長と面会するのは異例だが、裏を返せば国民的議論に繋げたい強い意志の表れだ」
と話す。
2023年11月には、最終処分の事業主体を担う国の認可法人、原子力発電環境整備機構(NUMO)が主催する地元住民向けの説明会も開かれ、担当者によれば
「会場の反応は悪くなかった」
という。
スピード決定の背景には、水面下の折衝も奏功した可能性が高い。
令和2年に受け入れを表明し、文献調査が進む北海道寿都町と神恵内村は、かねて議論が北海道以外の他地域に広がることを望んでおり、3例目となる自治体が名乗りを上げたことで、今後の動きにも影響するのは確実とみられる。
最終処分が先行するフィンランドやスウェーデンでは、選定までに5〜8つの自治体が候補地となった経緯がある。
エネ庁幹部も
「日本でも6〜8つの候補地が望ましい」
としており、議論の広がりを更に後押ししたい考えだ。
岸田首相「心から敬意と感謝」 佐賀県玄海町の核最終処分場選定に向けた文献調査受け入れ
2024/5/10 19:39
https://www.sankei.com/article/20240510-BNABOX4EIFJRTAYLZAZ463GKZQ/
岸田文雄首相は2024年5月10日、佐賀県玄海町長による核のごみ最終処分場選定に向けた文献調査受け入れ表明に関し
「政府としては心から敬意と感謝を表したい」
と官邸で記者団に述べた。
最終処分地選定について
「半世紀に渡り原子力発電を活用していた我が国にとって必ず解決しなければならない課題だ」
とした上で、
「今後とも最終処分に関する理解や議論が全国で深まっていくよう国として前面に立って取り組みを進めていきたい」
と強調した。
青森知事「少しずつ前進」と歓迎 佐賀県玄海町の文献調査受け入れ表明で
2024/5/10 19:36
https://www.sankei.com/article/20240510-RQBH4ICBHBPFFASWXUGJSHUJFY/
高レベル放射性廃棄物(核のごみ)を一時保管している青森県の宮下宗一郎知事は2024年5月10日、佐賀県玄海町による最終処分場選定に向けた文献調査の受け入れ表明を歓迎した。
青森県庁で記者団に
「少しずつ前進している印象だ」
「国と事業者が責任を持って立地点を決めてほしい」
と述べた。
併せて、電気は全国で使われるとして
「(原発の)立地地域だけが大きい負担を強いられる構造は是正しなければいけない」
「全国の自治体が自分事として取り組むのが重要だ」
と強調した。
青森県六ケ所村には日本原燃の貯蔵管理センターがあり、50年間を期限として核のごみが保管されている。
「こんなに早く」 核最終処分受け入れ、憤る町民 賛成派は全国的議論に期待
2024/5/10 18:36
https://www.sankei.com/article/20240510-WUFQAXKE45N65D2TZCCYWLYXEU/
請願書の議会提出が明らかになってから、僅か1カ月足らず。
佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長が2024年5月10日、原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査受け入れを表明した。
賛成派の町議が全国的な議論を期待するのに対し、役場前に集まった町民らは
「こんなに早く決定を出すのはおかしい」
と憤った。
脇山町長は記者会見の冒頭、用意した紙に目を落とし、淡々とした口調で表明した。
記者会見前に開かれた町議会の全員協議会は、10分ほどで終えていた。
町長の会見後、賛成派の岩下孝嗣町議は
「全国的な議論の俎上に載って良かった」
と評価。
一方で反対派の前川和民町議は
「やり方が余りにも強引」
「十分な審議が尽くされたとは思えない」
と肩を落とした。
この日、役場前に集まった町民らは
「社会的合意不可欠」
などと書かれた10本以上の幟を掲げた。
同町の仲秋喜道さん(94)は
「時間がかかっても町民の意見を聞いて進めるべきだった」
「言葉を失う」
と怒りの声を上げた。
「協力ありがたい」 最終処分担うNUMO、佐賀県玄海町の文献調査受け入れで
2024/5/10 15:01
https://www.sankei.com/article/20240510-2TM7VTKZRBJERMXVU4T2AZZCVY/
原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分事業を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)の近藤駿介理事長は2024年5月10日、佐賀県玄海町による、処分場選定に向けた文献調査の受け入れ表明について、
「文献調査に協力頂けることは大変有難い」
「地域の皆さまの関心や疑問、不安に応え、議論を深めて頂けるよう玄海町に全面的に協力し、情報提供を丁寧に進める」
とのコメントを公表した。
電事連会長「大変意義がある」 佐賀県玄海町による文献調査の受け入れ表明受け
2024/5/10 14:54
https://www.sankei.com/article/20240510-HKTOGI4RG5IKBE37BPBFNKAQ5A/
電気事業連合会の林欣吾会長(中部電力社長)は2024年5月10日、佐賀県玄海町による、原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査の受け入れ表明について、
「全国的な議論を喚起する上でも大変意義がある」
「原子力事業者は廃棄物の発生者としての責任を有する立場から、多くの皆様の関心や理解が深まるよう引き続き取り組む」
とするコメントを公表した。
玄海町長「お金目的ではない」 核最終処分場選定に向けた文献調査受け入れで会見
2024/5/10 12:10
https://www.sankei.com/article/20240510-NF6RAJGBERKK5NEIJKMDS5OVQE/
佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長は2024年5月10日、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査を受け入れると表明した。
同町には九州電力玄海原発があり、原発立地自治体としては初めて。
全国では既に文献調査が進む北海道の2町村に続き3例目。
脇山町長は2024年5月10日午前、町議会全員協議会で自身の考えを説明した後、記者会見した。
脇山町長は受諾理由について
「議会の請願採択は大変重い」
と強調。
「なし崩し的に最終処分場になることはないと思っている」
と述べた。
「国民的議論を喚起するきっかけになればいい」
「(交付金の)お金目的ではない」
とも語った。
町議会は2024年4月26日、飲食業組合や旅館組合など地元3団体がそれぞれ出した請願を賛成多数で採択。
これに伴い経済産業省は2024年5月1、玄海町に調査実施を申し入れた。
調査は市町村の応募か国からの申し入れ受諾で始まり、脇山町長は2024年5月中に自身の態度を明らかにする意向を示していた。
原発立地の佐賀・玄海町長が核最終処分場選定に向けた文献調査受け入れを表明
2024/5/10 11:39
https://www.sankei.com/article/20240510-JBK32G6HDVNGHJS7OMFIU7KIJQ/
佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長は2024年5月10日、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査について受け入れることを表明した。
国が調査実施を申し入れていた。
文献調査は北海道の寿都町(すっつちょう)と神恵内村(かもえないむら)以来3例目。
九州電力玄海原発がある玄海町が原発立地自治体として初めて調査に応じるかどうか注目が集まっていた。
町議会は2024年4月26日、飲食業組合や旅館組合など地元3団体がそれぞれ出した請願を賛成多数で採択。
これに伴い経済産業省は2024年5月1日、玄海町に調査実施を申し入れた。
調査は市町村の応募か国からの申し入れ受諾で始まり、脇山町長は2024年5月中に自身の態度を明らかにする意向を示し、2024年5月10日に町議会全員協議会が開かれた。
文献調査を受け入れると国から最大20億円が交付される。
原発関連の収入が多く、玄海町は佐賀県で唯一、地方交付税を受け取っていない。
一部町議が交付金目当てを否定している。
「核のごみ」文献調査受け入れ表明 玄海町長 原発立地では初
2024年5月10日 19時18分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240510/k10014445071000.html
原子力発電で出るいわゆる
「核のごみ」
の処分地選定を巡って、佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長は10日、第1段階となる
「文献調査」
を受け入れる考えを表明しました。
文献調査の受け入れは全国で3例目で、原発が立地する自治体としては初めてとなります。
目次
「文献調査」巡る動き 浮上から1か月弱で大きく進展
「文献調査」受け入れ表明まで 町長の発言は
高レベル放射性廃棄物いわゆる
「核のごみ」
は、長期間強い放射線を出し続けることから、地下300メートルより深くに埋めて最終処分することが法律で決まっていて、処分地の選定に向けた調査は3段階で行われます。
玄海町では第1段階に当たる
「文献調査」
を巡って4月、調査の受け入れを求める請願が町議会で採択され、今月1日には国が調査の実施を町に申し入れていました。
こうした中、玄海町の脇山町長は先ほど記者会見を開き
「町議会での議論や国からの申し入れを受け熟考した結果、文献調査を受け入れる決断をした」
と述べ、調査を受け入れる考えを表明しました。
その上で
「全国で議論が高まり、取り組みが進む一石となればと思っている」
「なし崩し的に最終処分場になることはないと考えていて、お金目的で調査を受け入れるものではない」
と自らの考えを説明しました。
文献調査の受け入れは北海道の寿都町と神恵内村に続いて全国で3例目です。
玄海町には九州電力の玄海原発が立地していますが、原発が立地する自治体が調査を受け入れるのは初めてとなります。
■「文献調査」巡る動き 浮上から1か月弱で大きく進展
玄海町で核のごみの処分地選定に向けた
「文献調査」
を巡る動きが浮上したのは2024年4月15日でした。
町内の旅館組合、飲食業組合、防災対策協議会が町議会に提出していた、
「文献調査」
への応募を働き掛けるよう求める請願がこの日、町議会の原子力特別委員会に付託され、調査を求める動きが明るみに出ました。
2日後の2024年4月17日には原子力政策を所管する経済産業省の担当者らが特別委員会に出席し、
「核のごみ」
の処分地選定について説明。
そして2024年4月25日には特別委員会で採決が行われ、請願を賛成6人、反対3人の賛成多数で可決しました。
この翌日2024年4月26日に開かれた本会議の採決でもやはり賛成6人、反対3人となり請願は正式に採択されました。
議会での採択を受けて脇山町長は2024年5月中にも判断を示す考えを明らかにしました。
そして、2024年5月1日には経済産業省の幹部が町役場を訪れ
「『文献調査』の実施を求める」
とする経済産業大臣からの文書を脇山町長に手渡しました。
その後、大型連休が明けた2024年5月7日には脇山町長が上京して齋藤経済産業大臣と面会していました。
この間、一部の議員や住民からは住民説明会を求める声も挙がりましたが、町長は開催に否定的な考えを示していました。
「文献調査」
を求める動きが明るみになってから町長が判断を示すまで、1か月も経っておらず、短期間で事態が大きく進展した形となりました。
■「文献調査」受け入れ表明まで 町長の発言は
玄海町ではこれまでも議会の一般質問などで、
「核のごみ」
の処分地選定を巡る
「文献調査」
の受け入れが、度々取り上げられてきました。
ただ、調査対象になる可能性がある地域を示した国の
「科学的特性マップ」
で玄海町は将来、資源の掘削が行われる可能性があるとして
「好ましくない特性があると推定される」
地域となっており、脇山町長は
「文献調査をするという考えはない」
と述べていました。
しかし2024年4月、町内の3つの団体から
「文献調査」
の受け入れを求める請願が提出され、本会議で賛成多数で採択されたことを受け、町長の発言は変化していきます。
本会議での採択を受けて町長は
「町民から請願が出されたことや、議会で採択された6対3というダブルスコアの数字には民意が反映されていて、重く受け止めている」
と述べて、検討を進める考えを示していました。
そして、今月1日に経済産業省の幹部が調査の実施を申し入れるため町を訪れた際には
「国から申し入れに来ているので大事にしなければならない」
と述べていました。
一方、7日に齋藤経済産業大臣と面会した際には
「私はこれまで議会で自分から手を上げることはないと発言していて、議会と自分の考え方とで板挟みになり悩んでいる」
と心境を打ち明けていました。
■「文献調査」今後1か月ほどで始まる見通し
佐賀県玄海町の脇山町長が受け入れを表明したことを受けて、
「文献調査」
は今後1か月ほどで始まる見通しです。
玄海町には、2024年5月1日、経済産業省が調査の実施を文書で申し入れていて、今後、町側が文書で受け入れる旨を回答することになります。
その後、経済産業省の指示のもと、調査を行うNUMO=原子力発電環境整備機構が、玄海町を対象にした
「文献調査」
の計画を作成し、経済産業大臣の認可を受けると正式に調査が始まることになります。
玄海町は、政府が2017年に調査対象の有望地を示そうと全国を色分けした
「科学的特性マップ」
では、そのほとんどが将来、資源の掘削が行われる可能性がある
「好ましくない特性があると推定される」
地域となっています。
これについて、経済産業省は、地下に資源がある可能性を示すもので、安全性に問題があるわけではなく、マップ自体は地質の状態を確定的に示したものでもないとして、調査を行うことは可能だとしています。
《玄海町での受け止めは》
■玄海町議会 上田利治議長 ”ほっとした”
脇山町長が
「文献調査」
を受け入れる考えを表明したことについて、玄海町議会の上田利治議長は記者団に対して
「ほっとしました」
と述べ、車に乗り込んで町議会をあとにしました。
■請願に賛成した玄海町議 ”重く大変な決断”
受け入れを求める請願の採択に賛成した玄海町議会の松本栄一議員は記者団に対して
「重く、大変な決断だったと思います」
「よく決断されて、日本のエネルギー政策に対して脇山町長がどれだけ向き合っているのか分かりました」
と述べました。
■請願に反対した玄海町議 ”あまりにも強引なやり方”
受け入れを求める請願の採択に反対した、玄海町議会の前川和民議員は記者団に対して
「議論が進んでいないし、あまりにも強引なやり方で、なぜこんなに急に決める必要があったのか、理解できないところがある」
「十分に審議が尽くされたとは思っていないので、これから住民に広く知ってもらうことも必要ではないかと思っている」
と述べました。
■原発反対運動続ける町民 ”言葉を失う”
50年以上佐賀県玄海町で原発への反対運動を続けてきた町内に住む元住職の仲秋喜道さん(94)は
「単純には言えないが受け入れは嫌だし、けしからんと思う」
「きちんと真面目に考えて町民の意見も聞くべきだ」
「私たちは住民投票のことも文書で申し入れているのに、それをしないで町民の意見を聞かないで決めるのは許されないことで言葉を失う」
と話していました。
■“期間が短かった” “急に持ち上がった話”
脇山町長が文献調査の受け入れを表明したことについて玄海町の大工の70代男性は、賛成でも反対でもないとした上で、
「請願から受け入れまでの期間が短かった」
「もうちょっと調査した方が良かったと思う」
と述べて受け入れ表明までの期間が短かったことに懸念を示しました。
そして
「地下300メートルに埋めたら絶対放射能が出てこないという保証があるならいいけど、安全面はどうしているのかとか分からない所が多い」
「未来の子供たちに関係することだからやっぱり心配がある」
と話しました。
一方、玄海町の20代女性は、
「核のゴミの話は急に持ち上がった話で、町民も知らない感じで詳細はわからないですが、最終的に強行突破して作ると思っていたので、今日ニュースで知りやっぱり受けるんだと思った」
と話していました。
■佐賀県 山口知事 ”新たな負担受け入れる考えなし”
玄海町の脇山町長が
「文献調査」
の受け入れを表明したことについて、佐賀県の山口知事は
「かねてから一貫して申し上げている通り、佐賀県として新たな負担を受け入れる考えはありません」
「最終処分場は国全体として必要ですが、佐賀県はエネルギー政策に十分に貢献していると考えています」
とのコメントを発表しました。
■岸田首相 ”国として前面に立ち取り組み進めたい”
岸田総理大臣は総理大臣官邸で記者団に対し
「玄海町で文献調査受け入れの判断を頂いたことに、政府としては、心から敬意と感謝を表したい」
と述べました。
その上で
「最終処分地の選定は、半世紀に渡り原子力発電を活用してきた我が国にとって、必ず解決しなければならない課題だ」
「2023年4月に特定放射性廃棄物の最終処分の基本方針を閣議決定して取り組んでいるところだが、今後とも最終処分に関する理解や議論が全国で深まっていくよう、国として前面に立って取り組みを進めていきたい」
と述べました。
■齋藤経産相 ”情報提供に取り組みたい”
原子力発電で出るいわゆる
「核のごみ」
の処分地選定を巡って、佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長が第1段階となる
「文献調査」
を受け入れる考えを表明したことについて、齋藤経済産業大臣は記者団に対して、
「受け入れの判断を頂いたことに心から敬意と感謝を申し上げたい」
「最終処分という国家的な課題について社会全体で議論を深めていく上で、非常に重要な一石を投じるものだ」
「文献調査の実施地域の拡大は重要で、全国で議論が深まるよう必要な情報提供に取り組みたい」
などと述べ、高レベル放射性廃棄物の最終処分への理解が深まるよう、努めていく考えを示しました。
■全国初「文献調査」開始の北海道寿都町と神恵内村では
2020年に、全国で初めて
「文献調査」
が始まった北海道の寿都町と神恵内村について、NUMOは、2024年2月、次の段階の
「概要調査」
に進めるとする報告書案を示しています。
経済産業省の審議会で、専門家が報告書の内容について議論を続けていて、経済産業省は、今後、最終的な報告書を取りまとめる段階に入りたいとしています。
報告書が取りまとまれば、自治体に提出された後、住民に周知する期間が1か月以上設けられ、説明会などが行われます。
そのうえで、NUMOが、ボーリングなどを行う第2段階の
「概要調査」
の計画を作成することになります。
「概要調査」
を行うためには対象の2町村の首長と北海道知事に意見を聞いて同意を得る必要があります。
寿都町の片岡春雄町長は、
「概要調査」
に進むかどうかを住民投票で問うとしていますが、他の調査地域が現れるまでは実施しない方針を示していました。
神恵内村の高橋昌幸村長は、何らかの形で住民の意思を確認する機会を設けたいとしています。
一方、鈴木知事は、処分場を受け入れないとする道の条例などを理由に、
「概要調査」
に進むことに反対する意向を示しています。
■寿都町と神恵内村の住民 調査地点の拡大を歓迎する声も
佐賀県玄海町の町長が
「文献調査」
を受け入れる考えを表明したことについて、北海道の寿都町と神恵内村の住民からは、調査地点の拡大を歓迎する声が聞かれました。
このうち、寿都町の82歳の男性は、
「今回の玄海町長の判断は大変喜ばしいことだが、核のごみの処分場についての全国的な関心はまだ低いと思うので、できれば他の自治体でも調査が行われて、皆で考えることが国民の責任だと思います」
と話していました。
神恵内村の86歳の男性は、
「核のごみはいずれどこかで処分をしないといけないものだと思う」
「原子力発電所は全国に立地しているので、文献調査が各地で行われるのは良いことではないか」
と話していました。
また神恵内村の39歳の男性は、
「核のごみについての議論が色々な所で活発に行われ、選択肢が増えると問題の解決が進むと思うので、調査が全国に広がることを歓迎します」
と話していました。
一方、寿都町では、現在行われている文献調査の進め方に課題があるという指摘も聞かれました。
このうち、72歳の男性は、
「寿都町では文献調査について住民に伝えられる情報が少なくどんな調査が行われているか分からなかった」
「玄海町で調査を行うのであれば住民により丁寧な説明をしてほしい」
と話していました。
■北海道 神恵内村長 ”心から敬意と感謝”
佐賀県玄海町の町長が
「文献調査」
を受け入れる考えを表明したことを受けて、2020年から文献調査が行われている北海道神恵内村の高橋昌幸村長はコメントを発表しました。
この中で、高橋村長は、
「文献調査の受け入れを決断されたことに心から敬意と感謝を申し上げたい」
と述べた上で、
「高レベル放射性廃棄物の最終処分は、原子力発電の賛否にかかわらず日本社会全体で必ず解決しなければならない重要な課題だ」
「神恵内村はもとより、文献調査が行われている北海道の寿都町や玄海町での議論の輪が全国に広がり、更に新たな調査地区が出てくることに加え、高レベル放射性廃棄物の最終処分について、全国の皆様が自分事として捉えて頂き、その関心が高まることを期待しております」
とコメントしています。
■北海道 鈴木知事 ”国民的な議論が必要”
佐賀県玄海町の町長が
「文献調査」
を受け入れる考えを表明したことについて、北海道の鈴木知事は、記者会見で、
「個別の自治体の判断にコメントすることは控えたい」
とした上で、
「最終処分の問題は、原発の所在に関わらず、国民的な議論が必要な問題だが今の時点では、そのような状況にはなっていない」
「小さな町や1つの自治体が手を挙げて背負うものではなく国が前面に立って、役割を果たす必要がある」
と述べ、核のごみが北海道だけの問題になることを強く懸念しているというこれまでの認識に変化はないと強調しました。
また、文献調査がまとめの段階に入っている北海道の寿都町や神恵内村が、次の
「概要調査」
に進むことについても、
「これまでの考えに変わりはない」
と述べ反対する考えを重ねて示しました。
【QAで】「核のごみ」とは? 処分地選定は?
Q.「核のごみ」って何ですか?
青森県六ヶ所村 保管されている「核のごみ」
A.いわゆる
「核のごみ」
は、政府の資料などでは高レベル放射性廃棄物と呼ばれ原子力発電に伴って発生する放射線を出す廃棄物のうち放射能レベルが最も高い部類のものを指します。
原発の使用済み核燃料から再び燃料として使えるウランやプルトニウムを取り出す際に残る廃液を、溶かしたガラスと混ぜ合わせて固めて作られ、
「ガラス固化体」
とも呼ばれます。
なお、使用済み核燃料を直接処分する国では、使用済み核燃料そのものが
「核のごみ」
となります。
青森県にある再処理工場で作られる
「ガラス固化体」
は、直径がおよそ40センチ、高さおよそ1.3メートルの筒型で、重さは500キロほどあります。
2024年3月現在、青森県と茨城県にあわせて2530体が保管されています。
作られた直後は表面の温度が200度以上あり、放射線量は1時間あたり1500シーベルトと、人が防護なしに近付けば10数秒で死に至る極めて高いレベルです。
このため、まず30年から50年ほど地上の施設で貯蔵され、放射線量が減衰するのを待ちます。
放射線量は、50年後には10分の1程度になり、厚さおよそ20センチの金属製の容器で密封すると、容器の表面では1時間あたり2.7ミリシーベルト程度に下がります。
1000年経つと容器の表面で1時間あたり0.15ミリシーベルト程度まで低下し、この段階では、1時間傍に居ると医療機関で胸のエックス線検診を2、3回受けたのと同じ程度の被曝量になります。
最終的な処分では、更に自然界に存在する天然の
「ウラン鉱石」
と同じレベルの0.06ミリシーベルト程度に下がるまで人間の生活環境から隔離することにしていて、これには数万年程度の時間がかかります。
Q.「地層処分」って何ですか?安全なのですか?
A.2000年にできた
「最終処分法」
では、地下300メートルより深くに処分場を設け、
「核のごみ」
の放射能レベルが自然界のレベルに下がるまで、数万年に渡って閉じ込める処分方法が定められています。
これは
「地層処分」
と呼ばれ、原子力を利用する世界各国でも最終処分の方法として採用されています。
地下深くに埋める理由としては、人間の活動や自然災害の影響を受けにくいことや、酸素が少なく、物が錆びるなどの化学変化が起こりにくいこと、一般的に地下水の動きが年間に数ミリ程度と遅いため、万が一、放射性物質が漏れても影響が広がりにくいことなどが挙げられています。
日本で
「地層処分」
が可能かどうかについては、法律の制定に先立って、旧
「動力炉・核燃料開発事業団」
などが、1980年からおよそ20年を掛けて行った調査結果を基に、国の原子力委員会が、技術的に信頼性があることが示されたと評価しています。
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の翌年の2012年には、日本学術会議が
「最新の科学的知見により成立性を見直すべき」
などとした提言を取りまとめましたが、経済産業省が設置した専門家会議は、2014年に
「最新の地球科学的知見に基づいても、好ましい地質環境と長期安定性を確保できる場所を我が国において選定できる」
とする報告書をまとめています。
ただ、2023年10月にも、一部の地質学者などが、
「地層処分」
は安定した岩盤が多いヨーロッパなどを前提とした考え方であり、プレートの活動が活発で地震や火山活動が多い日本には
「適地」
はないなどとする声明を発表するなど、依然として日本での実施を疑問視する声もあります。
Q.他に処分の方法はないの?
A.「核のごみ」
を巡っては、原子力発電が始まった1950年代から、国際機関や世界各国で
「地層処分」
以外の処分方法も検討されてきました。
検討された主な方法としては、深い海底や海溝部に捨てる
「海洋投棄」、
南極などの氷の下に処分する
「氷床処分」、
宇宙にロケットなどで打ち上げる
「宇宙処分」
があります。
しかし、このうち
「氷床処分」
については、1961年に発効した南極条約で、
「海洋投棄」
については1975年に発効したロンドン条約により、それぞれ認められないことになりました。
残る
「宇宙処分」
は打ち上げの信頼性やコスト面などの課題から、採用している国はありません。
また、廃棄物処分の
「発生者責任」
や
「公平負担」
といった考え方が広がる中、2001年に発効し、2003年に日本が締結した放射性廃棄物等安全条約で、
「発生した国で処分されるべき」
という原則が規定され、海外に処分を委託することも難しくなっています。
このほか、放射性物質に中性子などを当てて性質を変える
「核種変換」
によって、
「核のごみ」
に含まれる寿命の長い放射性物質を寿命の短いものに変えることで処分しやすくする方法も検討されていて、基礎的な研究が進められています。
Q.原発の利用を始めた時点で処分方法を決めていなかったの?
A.日本では1966年から商業用の原子力発電が始まりましたが、その4年前の1962年から
「核のごみ」
の処分の検討が始まっていました。
当初は海に捨てる
「海洋投棄」
が可能と考えられていて、1962年には、国の原子力委員会の専門部会が
「国土が狭く、地震のある我が国では最も可能性のある方式」
だとする報告書をまとめています。
しかしその後、国際的に環境保全の機運が高まり、1975年に発効したロンドン条約で
「海洋投棄」
が禁止されました。
これを受けて原子力委員会の専門部会は海外での対策を調べ、1976年、
「地層処分」
に重点を置いて調査研究と技術開発を図るとする報告書をまとめました。
この報告書では、2000年頃までに実証試験を行うことなどを通して処分方法の見通しを得ることを
「努力目標」
としました。
しかし、1980年代に入り、試験を行う土地を決めるために各地でボーリング調査などを計画していることが明らかになると、
「将来の処分場の立地を想起させる」
などとして地域から懸念の声が上がり、十分な調査はできませんでした。
日本で処分地の選定が始まったのは、2000年に
「最終処分法」
が制定された後でした。
一方、海外では、特に北欧のフィンランドやスウェーデンで処分地の選定が先行し、1980年代前半までに地層処分を前提に実施体制を決め、1990年代にかけて処分地の選定を始めていました。
フィンランドでは2001年、スウェーデンは2009年にそれぞれ処分地を決めています。
Q.処分地はどうやって決めるの?
A.2000年に成立した
「最終処分法」
では、
「地層処分」
を行う処分地の選定に向けて3段階の調査を行うことが決められました。
調査は国の認可法人・原子力発電環境整備機構=NUMOが行います。
第1段階として、文献を基に火山や断層の活動状況などを調べる
「文献調査」
で2年程度、次に、ボーリングなどを行い地質や地下水の状況を調べる
「概要調査」
で4年程度かかる見通しで、その後、地下に調査用の施設を作って、岩盤や地下水などの特性が処分場に適しているか調べる
「精密調査」
を14年程度で行う想定です。
対象の自治体には段階に応じた交付金が用意され、初めの
「文献調査」
では最大20億円、次の
「概要調査」
では最大70億円が支払われます。
このうち、
「文献調査」は、地元の自治体が応募するか国の申し入れを受諾すれば始めることができますが、
「概要調査」
に進むには、地元の市町村長だけでなく都道府県知事の同意も必要になります。
制度上
「地域の意見に反して先へ進まない」
と定められていますが、調査の受け入れが議論された自治体では、
「実際の処分場の建設に繋がる」
という懸念から、受け入れを拒まれるケースもありました。
Q.処分地の選定は今どうなっているの?
A.2000年に
「最終処分法」
が作られた後、処分地の選定に向けた第1段階の文献調査を行う候補地の公募が始まりました。
ただ、調査への応募を巡っては、自治体の議会で勉強会を開くなど検討の動きが表面化する度に住民や周辺自治体などから反発を招き、断念するケースが相次ぎました。
2007年には、高知県の東洋町が全国で初めて調査に応募しましたが、賛成派と反対派の対立の末、選挙で町長が落選し調査が始まる前に応募は撤回されました。
更に、2011年の東京電力福島第1原発の事故の後は、調査の受け入れが表立って議論される機会はなくなっていきました。
このため政府は2017年に、文献などを基に火山や活断層の有無などを確認し、調査地点として好ましい、好ましくないといった特性で全国を色分けした
「科学的特性マップ」
を公表し、各地で説明会を開くなどして改めて理解を求めてきました。
こうした中、2020年に北海道の寿都町と神恵内村が調査への応募や受け入れを決め、全国で初めてとなる
「文献調査」
が行われた結果、2024年2月、次の
「概要調査」
に進めるとする報告書案がまとめられました。
ただ、地元からは、処分地の選定が
「北海道だけの問題」
とならないよう、調査地域の拡大を求める声が上がっています。
政府は去年、最終処分の実現に向けた基本方針を8年ぶりに改定し、NUMOや電力会社と合同で、全国の自治体を訪問するなどして働き掛けを強めています。
ただ、2023年9月には、長崎県対馬市の市議会が調査の受け入れを求める請願を採択したものの、市長が調査を受け入れない意向を表明するなど、調査地域の拡大は具体化してきませんでした。
<主張>文献調査の報告書 次のステップに進みたい
社説
2024/2/19 5:00
https://www.sankei.com/article/20240219-S72WEPYBXVJFNEG67XYTWZEBPY/
原子力発電で生じる高レベル放射性廃棄物(HLW)の最終処分場探しの第1段階である
「文献調査」
の報告書案がまとまった。
事業を実施する原子力発電環境整備機構(NUMO)が北海道の寿都町と神恵内村を対象に約3年がかりで取り組んでいた調査の集大成だ。
経済産業省の審議会に提出された報告書案は、今後の審議を経て正式なものとなる。
NUMOは両町村の土地に関する研究論文や地質データを約860点収集し、火山活動や活断層の記録などを調査した。
国内で初めてのことである。
その労を多としたい。
地下300メートル以深の岩盤を掘削して造られる最終処分場の立地点選定は、
「文献調査」
に続く
「概要調査」
「精密調査」
の3段階で進められる。
火山や活断層といった処分場に不適な要素を除外しながら段階的に調査範囲を絞り込む方式だ。
この手法で文献調査を進めた結果、寿都町では全域、神恵内村では南端部が
「概要調査」
の候補エリアとして示された。
「文献調査」
の期間、NUMOの職員は両町村でHLWについての知識などを土地の人々と共有する
「対話の場」
の回を重ねた。
是非とも次の
「概要調査」
に進んでもらいたい。
音波や電磁波などを駆使する物理探査を適用すれば地下の地質構造が詳しく分かる。
技術の進歩に多くの人が目を見張るはずだ。
現時点での最大の関門は、鈴木直道知事が
「概要調査」
への移行に難色を示していることだ。
知事が反対すると、両町村長が賛成しても
「概要調査」
への道は閉ざされる。
一方、
「概要調査」
に進むと、それに励まされる形で北海道以外の市町村から第3、第4の
「文献調査」
への手が挙がることが期待される。
そうなればHLWの最終処分は、鈴木氏が危惧している北海道だけが直面する課題ではなくなるはずだ。
日本の原子力発電は現世代の時代である1970年代に始まった。
核のゴミとも言われるHLWの後始末を将来世代に負わせるのは避けたい。
他の原発利用国も同様の考えだ。
フィンランドやスウェーデンでは地下への処分で国際的に先行し、フランス、米国などが後を追う。
ロシアと中国も
「精密調査」
の段階だ。
「概要調査」
に進めないと日本は最終処分の後発国になってしまう。
核ごみ最終処分場の調査報告書案公表 北海道知事「現時点で反対」
2024/2/13 19:05
https://www.sankei.com/article/20240213-YNRXQWRXPVP3PG3IVDHHM653IM/
原子力発電で生じる高レベル放射性廃棄物(いわゆる核のゴミ)の最終処分場の選定で、事業主体の原子力発電環境整備機構(NUMO)が2024年2月13日、北海道寿都(すっつ)町と神恵内(かもえない)村で実施していた
「文献調査」
の報告書案を公表した。
北海道の鈴木直道知事は2024年2月13日、この公表を受けて
「現時点で反対」
とするコメントを発表した。
コメントでは、幌延(ほろのべ)町が全国唯一の深地層研究を受け入れていることで
「国の原子力政策に具体的な役割を果たしている」
と強調。
さらに放射性廃棄物を持ち込ませないための担保措置として、平成12年に制定された北海道における特定放射性廃棄物に関する条例が
「処分場を受け入れる意思がないとの考えに立って制定されている」
とし、
「概要調査」
に移行しようとする場合
「私としては現時点で反対の意見を述べる考え」
とした。
今後は道議会での議論と共に、様々な機会を通じて把握した道民意見を踏まえて
「適切に対応したい」
としている。
神恵内村の担当者は取材に対し
「専門家の審議状況を見守りたい」
と述べた。
寿都町はコメントなどを出していない。
NUMOが公表した報告書案では、寿都町、神恵内村共に次の段階の概要調査に進む適地があり、移行が可能としている。
核のごみ最終処分場、次段階調査へ北海道2町村は「適地」 事業主体が報告書案を公表
2024/2/13 15:54
https://www.sankei.com/article/20240213-WXTTKPL455PJPDWPU3CNRJRLQQ/
原子力発電で生じる高レベル放射性廃棄物、いわゆる核のゴミの最終処分場の選定を巡り、事業主体の原子力発電環境整備機構(NUMO)は2024年2月13日、全国で初めて北海道寿都町と神恵内村で実施した
「文献調査」
の報告書案を公表した。
調査対象の2町村には、いずれも次の段階の
「概要調査」
に進む適地があるとして、移行が可能と判断した。
概要調査に進むには地元の知事や市区町村長の同意が必要となる。
北海道の鈴木直道知事はかねて調査反対を表明しており、調査が円滑に進むかは不透明だ。
報告書案は今後、経済産業省の専門家会合で審議され、複数回の議論を経て正式にまとまる見通し。
報告書案によれば、概要調査の候補地として、寿都町全域と神恵内村南端の一部地域を提示。
同村については火山の積丹岳の半径15km以内を除外した。
政府が平成29年に公表した科学的特性マップで
「好ましい地域」
としたエリアとほぼ重なった。
文献調査は令和2年11月から開始。
対象地域の火山活動や活断層の記録、経済的価値の高い鉱物資源の有無などに関する約860点の研究論文や地質データを収集し、調査に
「適さない場所」
を特定した。
「文献調査」
の期間は当初、令和2年程度を目安としていたが、他の地域でも使える報告書の作成に時間がかかり、大幅に遅れていた。
http://www.asyura2.com/19/genpatu52/msg/287.html#c67