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秘密のアッコちゃん lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx コメント履歴 No: 100029
http://www.asyura2.com/acpn/l/lo/lom/lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx/100029.html
[政治・選挙・NHK295] 自民裏金議員「落選濃厚」20人リスト…非公認6人+比例重複なし14人が“ドボン”の瀬戸際(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
13. 秘密のアッコちゃん[761] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月18日 17:10:20 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[326]
<▽32行くらい>
衆院選候補が「戸別訪問」「ポスター掲示」をSNSでわざわざアピール 公選法違反は否定
2024/10/18 16:11
https://www.sankei.com/article/20241018-MHIGYHYW3RAZTGXOUISDC73WWM/?outputType=theme_election2024
27日投開票の衆院選で小選挙区に立候補している男性候補者がX(旧ツイッター)で、自身が民家を訪問している動画や、公営掲示板以外の場所にポスターを貼っている写真を投稿。
ネット上で
「公選法違反ではないか」
との声が上がっている。
陣営は
「全く法に触れていない」
としている。
この候補の陣営は公示前日の今月2024年10月14日、本人が民家を訪ねてインターホンを押し、ドアを開けた住民に話しかけたり、ガッツポーズや拝むポーズをしたりしている動画をXに投稿。
公示後の2024年10月17日には候補のXに、写真と名前入りのポスターを自分で公営掲示板以外の壁に貼っている写真を投稿した。
これに対し陣営の投稿には、別の利用者から投稿が正しいかどうかの判断に資する背景情報
「コミュニティノート」
が付けられ、
「公示前でも選挙に関する訪問は事前運動となり公職選挙法違反」
と指摘された。
また、候補者がSNS上でわざわざアピールする姿勢に、ネット上では
「こんなわざとらしい動画を撮って」
「違法行為を堂々とSNSで流布する議員」
といった声が多数上がっている。
公選法は、戸別訪問について公示前も含めて禁じているが、
「選挙に関する訪問」
でなければ事前運動には当たらないといい、この候補の陣営関係者は取材に対し
「民家を回って『困りごとはないですか』とご用聞きし『ポスターを貼らせてください』と拝んでいるだけだ」
「全く公選法違反には当たらない」
としている。
ポスターについては
「選管の証紙が貼られたもので、民家に許可ももらっており違反ではない」
「逆に対立候補は国道や県道に大量に貼っている」
と対立陣営を批判した。
選管関係者は
「公選法違反ではないとしても、誤解を生む行為は慎んでほしい」
と話している。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/721.html#c13
[医療崩壊13] 井上正康教授 「訴訟になったら、明治製菓ファルマはやぶ蛇の状態になる」  魑魅魍魎男
19. 秘密のアッコちゃん[762] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月18日 18:51:05 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[327]
鼻出しマスク棋士が敗訴 将棋連盟の出場停止処分は「適法」 東京地裁
2024/10/18 18:10
https://www.sankei.com/article/20241018-TZZWDXZS6ZJHLIGKFRMK3CMRLE/
新型コロナウイルス禍での将棋の公式戦対局で鼻を出してマスクを着け、臨時対局規定違反で3度の反則負けとなり出場停止3カ月の処分を受けた日浦市郎八段(58)が、規定は具体的な着用方法を定めておらず処分は違法だとして、日本将棋連盟に約370万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は18日、請求を退けた。
杜下弘記裁判長は、政府が当時、鼻まで覆ってのマスク着用を推奨していたことから、連盟の判断は
「不合理とは言えない」
と指摘。
対局の立会人から鼻まで覆うよう事前に注意を受けており
「反則負けとなることを承知の上で鼻を出した状態でのマスク着用を是正しなかったのは明らか」
とし、処分は違法ではないと結論付けた。
判決によると、連盟は2022年2月、臨時規定を導入し、健康上やむを得ない理由を除き
「対局中はマスクを着用しなければならない」
とした。
日浦八段は23年1〜2月、3度に渡り鼻を出していたことから反則負けとなった。

http://www.asyura2.com/24/iryo13/msg/200.html#c19
[国際35] 米と「友人になる用意」、習中国主席が円滑な米中関係求める/ Reuters 仁王像
4. 秘密のアッコちゃん[763] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月18日 19:08:46 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[328]
<▽44行くらい>
「客が途切れない」 底が見えない不動産不況 金買いに走る中国の個人投資家
2024/10/18 18:45
https://www.sankei.com/article/20241018-5AYBFRX6NFKLJMM7OB6RYMVFL4/
中国国家統計局が2024年10月18日発表した2024年7〜9月期の実質国内総生産(GDP)は前年同期比4・6%増で、政府の通年目標「5%前後」の達成が厳しい状況になった。
中国当局は景気下支えに躍起だが、景気鈍化の主因である不動産不況に反転の気配はなく、個人投資家は不動産市場への警戒を崩していない。
■金価格が24%上昇
中国南部を代表する経済都市である広東省深圳市の中心部に宝飾店が集中している一角がある。
特に多くの店舗が集まるビルの地下フロアでは、平日昼にもかかわらず多数の来店客がショーケースに釘付けになっていた。
視線の先にあるのは金(ゴールド)だ。
「去年くらいからずっと客が途切れない」
「資金に余裕がある人が金につぎ込んでいるようだ」
金商品を扱う宝飾店の女性店員は好調な売れ行きをこう語った。
中国人は伝統的に金を好んできたが、最近は拍車がかかっている。
中国国営新華社通信によると、中国国内の金価格は今年2024年、上昇率が2024年9月末までに24%に達して過去5年間で最大を記録した。
金価格高騰を受け、販売店の新規出店が増えている他、下取りビジネスも活性化した。
中国人民銀行(中央銀行)が外貨準備高のうち金の保有量を今年2024年4月末まで増やし続けたことに加え、中国経済への不安感も個人投資家を金買いに走らせた。
女性店員は
「不動産価格の下落に伴う不安心理から、金に頼る人が増えている」
と指摘。
深刻化する不動産不況を前に、個人投資家は金に代表される
「安全」
な投資先を探している。
■当局本腰も景気浮揚難しく
不動産不況は底が見えない。
統計局が2024年10月18日発表した2024年9月の新築住宅価格指数は主要70都市の94%に相当する66都市で前月と比べて下落。
市場の需給状況をより反映しやすい中古住宅は全70都市で値下がりした。
不動産不況の影響は大きい。
不動産価格の下落が消費を冷やす逆資産効果を生じさせ、内需低迷が生産の低迷につながる悪循環に陥りつつあると指摘される。
底が見えない状況に危機感を覚えた中国共産党・政府は、重い腰を上げた。
2024年9月下旬以降、大規模な金融緩和の他、不動産市場の支援策、財政出動を伴う経済対策の方針を示した。
中国の株式市場もこれに反応し、代表的指標である上海総合指数が今月2024年10月8日には約2年8カ月ぶりの高値水準を付けた。
ただ、その後は当局の政策に対する様子見ムードが広がって、乱高下の展開となっている。
不動産不況や「ゼロコロナ」政策の後遺症を背景に民間企業の経営が不安定化して庶民の雇用・所得環境が悪化していることに加え、地方政府の過剰債務や少子高齢化、米中対立といった構造的な問題もあり、景気浮揚は容易ではない。
(広東省深圳市 三塚聖平)

http://www.asyura2.com/24/kokusai35/msg/127.html#c4
[政治・選挙・NHK295] 演説も突っ込みどころが満載だ 「反省」連呼 石破首相の二枚舌(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
31. 秘密のアッコちゃん[764] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月18日 21:08:05 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[329]
<■1983行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
血の通わない中国の対応 深圳男児刺殺、日本は国際問題化を 神田外語大・興梠一郎教授
2024/10/18 19:50
https://www.sankei.com/article/20241018-J6YQQKXMO5J27AZW7WQR33MC4M/
中国広東省深圳市の日本人学校に通う男児が中国人の男に刺殺され、2024年10月18日で1カ月となった。
中国情勢に詳しい神田外語大の興梠一郎教授はこの間の中国政府の動きについて
「血が通っていない対応だ」
と批判し、日本は事件を国際問題化すべきだと訴える。
◇  ◇  ◇
深圳市の男児刺殺事件が起きた直後、中国外務省の報道官は
「どこの国でも起こり得る」
と発言した。
全く人の血が通っていない発言で、普通の感覚ではない。
「自分たちのせいではない」
と責任回避しているように映る。
意に沿わない人物は切り捨てられる習近平政権下で懲罰を恐れ、保身に走る者ばかりになった中国政府が硬直化している表れでもある。
■真剣に対応する姿勢見えず
中国側からは1カ月経っても納得のいく説明は皆無だ。
日本も引き続き説明を求めるべきだが正直、何も期待できないだろう。
6、9月の僅か3カ月間で2回も日本人学校を狙った事件が起きて、いずれも死者が出た深刻な事態だが、中国政府は
「偶発的な個別事案だ」
との一点張りで、まるで知らん顔だ。
交流サイト(SNS)で
「日本人学校はスパイ養成機関」
などのデマは放置し、北京大教授による
「事件は(中国の)憎しみを生む教育のせいだ」
との理性的な投稿は削除する。
自らに都合の良い
「中国は安全だ」
といった明るい情報しか出せないのだろうが、真剣に対応しようという姿勢がまるで見えない。
■動機は「生活苦」か「反日」か
容疑者の動機は
「生活苦」

「反日」
のどちらか、または両方とも要因だったと推測できる。
中国は空前の不景気で仕事がない。
今年2024年に入り、失業した中年の男が相次いで刺傷事件を起こしている。
経済低迷で中国社会の治安が悪化していることと無関係ではない。
反日の影響も捨てきれない。
昨年2023年の原発処理水放出以降、日本人学校に卵が投げ付けられるなど嫌がらせは既に起きていた。
今年2024年は2件の刺殺事件の前、江蘇省蘇州市で日本人が首を切り付けられる事件もあった。
「日本嫌い」
が大きな事件を引き起こす予兆≠ヘいくつも出ていた。
中国政府は
「反日教育はない」
と否定しているが、江沢民時代から反日的な愛国主義教育が強化され、南京大虐殺記念館などの歴史教育施設が作られてきた。
容疑者も影響を受けた世代だ。
中国は憎しみを生む教育を進めた反省をすべきだ。
中国は事件が世間から忘れ去られるのを望んでいる。
「経済悪化による事件増」

「外国人ヘイト」
といった切り口で語られるのを避けたいためだ。
外国企業の大量撤退に繋がる事態を恐れている。
「個別事案」
として静かに終わらせたいのが本音だろう。
■日本は国際問題として発信を
一方で中国の不誠実な態度は
「日本軽視」
とも取れる。
2国間関係が悪化して困るのなら事件をぞんざいには扱わないはず。
今の中国は経済より上に政治や国家安全がある。
敵対する西側の一員である日本を以前ほど戦略的に重要と見ていない表れかもしれない。
だからといって、何の罪もない在中邦人が危険に晒されるなどあってはならないことだ。
日本は事件を国際問題として世界に発信すべきだ。
習近平国家主席が哀悼の意を述べるなどすれば状況も変わるが、可能性はほぼゼロだ。
今年2024年は米国人4人が刺される事件も起きたが、米側が説明を求めても動機は明らかにされていない。
態度の変化には期待できないが、中国の不誠実な態度を容認してはならない。
再発を阻止するため、動機の解明も要求し続けるべきだ。

深圳日本人男児刺殺事件の背景は反日教育 中国は「逆切れ」で責任放棄 問われる石破茂政権の本気度
教えて!石平先生 
2024/10/16 7:00
https://www.sankei.com/article/20241016-XHJSQIRZJFJ7XOYAXHWSGJDQDM/?293465
読者からの声を基に、評論家の石平さんに中国に関する質問をぶつけます。
中国広東省深圳市で9月、日本人学校の男子児童(10)が中国人の男に刺殺される事件が起きました。
事件の背景や日中両政府の対応について、石平さんに聞きました。
中国の社会や政治、歴史などについてのご質問をoshiete@sankei.co.jpまでお寄せください。

ーー深圳での事件が起きた背景をどう考えますか
事件が起きたのは9月18日。
「9・18」
と言っても、日本人はピンと来ないと思いますが、満州事変のきっかけとなった柳条湖事件(1931年9月18日)が起きた日で、中国では知らない人はほとんどいない国恥記念日です。
日本人をターゲットにした犯行としか思えません。
男がこの日を選んだ背景には反日感情があると考えられます。

ーー中国は深圳の事件について「類似の事件はいかなる国でも起きる可能性がある」(外務省報道官)とも言っています
どこの国でも外国人が殺傷されるような刑事事件はありますが、6月に江蘇省蘇州市で日本人学校のスクールバスを待つ日本人母子が切り付けられる事件が起きたばかりでしたし、蘇州では4月にも日本人男性が襲われ、首を負傷する事件がありました。
日本人を狙った事件が連続で3件、しかも子供が襲撃されて殺される。
そんなことがどこの国にも起きるのか。
中国だからこそ起きた事件です。
6月の蘇州での事件後、中国政府は再発防止に取り組んでこなかった。
だから、深圳の事件が起きてしまった。
でも、その後も中国政府が再発防止に取り組む意欲は感じられません。
一連の事件の背後にある反日感情を和らげたり、払拭したりするつもりもない。
このままだと同じような事件がまた起きかねないと、大変危惧しています。

ーー日中戦争が終わって79年がたっても反日感情はなくならないのですね
私自身は日本に留学する1988年まで中国にいましたが、1970年代にしても1980年代にしても、中国にいわゆる反日感情というものはほとんどありませんでした。
むしろ1980年代になって、中国が日本と人的交流、経済交流を強めたので、親日とまでは言いませんが、中国人の日本人に対する好感度は高かったですね。
それが何を意味しているか。
要するに中国人が持つ反日感情は、ほとんど戦争中の出来事と関係がないということです。
戦争中の出来事が反日感情の原因であるならば、今よりも戦時に近い1980年代の方がもっと反日感情があってもおかしくない。
1980年代には戦争を体験した人が現在よりも大勢生きていました。
それでも反日感情がなかったのは、基本的に戦争とは関係ないということです。
では、どうして反日感情が生まれたか。
1989年の天安門事件の直後に中国共産党総書記になった江沢民は、若者たちの不平不満や反発を共産党ではなく、外敵に向かわせる必要があると考え、1990年代から反日教育を始めました。
それが現在でも続いています。
深圳で事件を起こした男は当局の発表では44歳。
まさに反日教育で洗脳された世代です。
一連の日本人襲撃事件の背景にあると考えられる反日感情は、江沢民政権以来の反日教育が作り出したものだと言えます。

ーーただ、反日教育が30年以上に渡って続く中で、日本人の子供が立て続けに襲撃され、殺されたのは初めてではないでしょうか。
何か質的な変化があったのでしょうか
鋭い質問だと思います。
習近平政権の、特に2期目以降のこの5、6年で、中国の対外姿勢は以前にも増して横暴、強硬になりました。
戦狼外交という言葉に象徴されるように、外交が攻撃的になっている。
また中国のネット上では
「日本人を全滅させたい」
「東京大虐殺をやりたい」
といった暴力性の強い反日的言論が氾濫していますが、中国政府はそれを容認しています。
中国は世界一の検閲大国ですから、その気になれば簡単に取り締まることができるのに、それをしないのです。
中国政府のこうした姿勢が元々ある反日感情と相まって、中国国民を暴力的言動に駆り立てているのです。

ーー9月の日中外相会談で、事実解明と日本側への明確な説明や悪質で反日的なSNSの投稿の取り締まりを求めた上川陽子外相(当時)に対し、中国の王毅共産党政治局員兼外相は
「冷静に事件を扱い、政治化を避けるべきだ」
と逆に注文を付けました
中国は
「政治化」
と言っていますが、日本人が連続して襲撃されて、子供まで殺されたことに関して、日本側が原因や動機の究明、そして再発防止を中国側に求めるのは当然のことです。
政治レベルの話になったのは、中国政府が無責任な態度を取ったからです。
私が一番憤りを感じたのは、まるで中国が被害者になったかのような王氏の話しぶりです。
要するに逆ギレです。
日本人の子供が中国で殺されているのに、王氏は逆に日本を責めています。
自分が不利な立場に立たされたら、逆に相手に非があるかのように立場を逆転させて、相手を攻撃する。
中国でならず者同士が喧嘩する時によくやる手法です。
王氏のこの一言が、中国政府の無責任ぶりをよく表しています。

ーー日本政府はどう対応すべきでしょう
私が不思議に思うのは、日本人に対する襲撃事件が今年2024年に入って3件も起き、子供が殺されているにもかかわらず、岸田文雄前政権に続き石破茂政権も、中国本土への渡航や滞在の
「危険情報」
のレベルをゼロのままにしていることです。
米国が出している危険情報は4段階のうち上から2番目のレベル3です。
一体日本政府は国民の命を守るつもりはあるのでしょうか。
レベルを引き揚げないから、中国政府も日本は事件について本気でないと受け止める。
要するに舐められてしまっているわけです。
中国の日本人学校の警備強化に効果がないわけではないでしょうが、中国の在留邦人は約10万人。
日本側がいくら努力しても、同種の事件を完全に防ぐことは不可能です。
結局、命を守るには、日本に引き揚げる以外にありません。
最低限、女性と子供は引き揚げるべきでしょう。
企業も中国ビジネスが大事か、社員とその家族の命が大事か、という究極的な判断をしなければなりません。
ですが、危険情報がレベルゼロのままでは企業も対応しにくいでしょう。
そうした点でも日本政府の本気度が問われていると思います。

中国深圳の日本人学校で通学再開へ 男児刺殺事件
2024/10/12 20:16
https://www.sankei.com/article/20241012-UEKGL6LLEBKMBKF6UTX3ZBITEI/
中国広東省深圳で日本人の男子児童(10)が刺殺された事件で、男児が通っていた日本人学校が14日から児童、生徒の通学を再開することが12日、関係者の話で分かった。
一時帰国したり、登校を怖がったりする子どもが少なくないため、オンラインでの授業も継続する。
事件は9月18日朝に発生。
登校中に刺された男児は病院で治療を受けたが、19日未明に死亡した。
警察は容疑者の男を現場で拘束した。
日本人を狙った犯行との見方がある。
中国当局は犯行動機などを明らかにせず
「偶発的な個別事案」
と説明している。(共同)

ネット上で「反日」拡大も 不適切投稿即削除の中国政府は黙認£j児刺殺事件は「日本」標的の可能性、SNS上で煽られたか
2024.9/28 10:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20240928-Q5J4VE4HDRP3ZI4NDGZCC4FNIQ/
中国広東省深圳市で18日朝、日本人学校に登校中の男子児童(10)が男に刺された。
現地の当局者によると、男は鋭利な刃物で男児の腹部を複数回刺し、刃物は肝臓を貫通した。]
男児は近くの病院に運ばれて集中治療室(ICU)で治療を受けたが、出血多量で19日未明に死亡した。
深圳市は20日、地元警察の捜査結果を発表した。
男は44歳の漢族で定職はなく、2019年に公共の秩序を乱す事件を起こすなど、複数の前科があるという。
男は調べに対し、男児を刺したことを認めている。
警察は
「単独犯で偶発的な事件」
だったと強調し、日本人を狙った事件ではないことを示唆した。
しかし、
「日本」
をターゲットにした可能性が高いと筆者はみている。
事件が起きた18日は93年前、満洲(現在の中国東北部)の柳条湖付近(遼寧省瀋陽市近郊)で、関東軍が南満洲鉄道の線路を爆破する事件が起きた。
中国では
「国辱の日」
とされ、反日感情が最も高まる日だからだ。
さらに最近、中国のSNS上では、日本人への差別的な投稿が増えている。
特に日本人学校には
「日本政府のスパイ養成学校」

「租界」
などと根拠のない書き込みが目立つ。
インフルエンサーが日本人学校の校舎内や登下校する児童を盗撮する動画が人気を集めたりもしている。
こうした投稿を鵜呑みにした中国人による、各地の日本人学校への投石などの嫌がらせも相次いでいる。
中国政府はSNSを厳しく監視しており、不適切な投稿はすぐ削除される。
にもかかわらず、日本に関する事実無根な書き込みが放置されているのは、中国政府が事実上黙認しているといってもいい。
今年2024年6月には中国江蘇省蘇州で日本人学校のスクールバスが、刃物を持った男に襲われ、日本人親子がけがをする事件が起きている。
日本人学校関係者が相次いで襲撃される事件が起きていることは、SNS上で煽られた言説とは無関係とは言えないだろう。
中国では、2005年と2010年、2012年と
「反日デモ」
が起きている。
筆者も北京特派員時代、デモ隊に交じって取材したことがある。
緊張感はほとんどなく、参加者は大型バスで現場に乗り付けていた。
デモ後は
「紅包」
と呼ばれる赤い袋に入った謝金を受けとっている場面を何度も目撃した。
いわば政府が動員した
「官製デモ」
だったのだ。
今回の事件については、政府が関与していた可能性はほぼないだろう。
むしろ江沢民政権が1990年代に始めた
「愛国教育」
により煽られた反日感情がきっかけになったとみている。
それがSNSが触媒となって燃え広がり、政府もコントロールできなくなっているのが現状だろう。
中国において日本人学校を狙った類似の事件が起こる可能性を強く懸念している。
日本政府は事件の真相解明を中国政府に求めるとともに、SNS上の反日的な投稿の削除を強く求めるべきだ。
そして、外務省が出す渡航・滞在の
「危険情報」
についても、中国は現在、新疆ウイグル、チベット両自治区を除き
「レベルゼロ」
となっている。
この危険情報の引き上げも検討する時だ。 

新総裁はまず中国に謝罪要求を
政界十六夜 石井聡
2024/9/27 12:00
https://www.sankei.com/article/20240927-OC4UYPAOARJM5N5JZHU5E7CSDM/
15日間の選挙戦を経て第28代自民党総裁が誕生する。次期首相の座を掴み、高揚した気分で言いたいことは色々とあるだろうが、真っ先に手がけてほしいことの1つは、中国に対して厳重抗議し、公式な謝罪を要求することだ。
言うまでもなく、広東省深圳で今月18日、日本人学校に通う小学生の男児(10)が44歳の男に刺されて負傷し、翌19日に死亡した事件についてである。
総裁選候補者の1人だった上川陽子外相は
「卑劣な行為で誠に遺憾だ」
「深い悲しみを禁じ得ない」
と事件直後に述べた。岡野正敬外務事務
次官は呉江浩駐日大使を呼んで
「深刻な憂慮」
を伝えたという。
だが、これらが外交的な用語として用いられているのだとしたら、何とも生温い。
相手にどれだけ日本人の怒りと恐れが伝わるのだろうか。
上川氏は米ニューヨークで王毅外相と会談して、早期の事実解明や犯人の厳正な処罰などを求めたものの、先方からは
「偶発的な個別事案」
とかわされ、
「政治化を避けるべきだ」
とまで言われた。
聞き捨てならない。
6月に江蘇省蘇州で日本人学校のスクールバスが襲われ、日本人の親子らが怪我をした事件に際しても、日本は安全確保を求めている。
しかし、同種の事件が再発した。
中国政府が効果的な手を打っていないことを示している。
つまり、今回の事件は中国側の怠惰と事件軽視が引き起こした側面がある。
国家の体をなしていない点を厳しく非難すべきだ。
そう考えれば、日本が直ちに行うべきことは自明である。
中国政府に対する厳重抗議と謝罪要求だ。
警備強化や安全確保といった点を指摘するのはもっともらしく聞こえるが、それだけでは一般的な刑事事件の1つとして問題を矮小化することに手を貸しかねない。
哀悼を口にしながら
「類似の事件はどの国でも起きる」(中国外務省報道官)
と言い放つ国であることを忘れてはなるまい。
日本人や日本人学校をターゲットにした事件についての報道が、制限を受けていると指摘される点も見逃せない。
中国側では事件が偶発的なものであるとの釈明や報道もみられる。
たまたま日本人学校が続けて狙われた、などという話を真に受けるわけにはいかない。
このような状況を放置しておきながら、政府にとって都合のいいように国民への情報を操作し、強権的にメディアをコントロールする。
共産主義の独裁体制の弊害を象徴するものとして、改めて国際的な問題であると位置付ける必要がある。
6月には吉林省で米国人の大学講師4人が刃物で刺され負傷する事件もあった。
体制や価値観の違いが外国人の命を脅かし、奪っているのだ。
その点を、日本は国際社会に訴えていくことが必要ではないか。
事件への初期的な対応は岸田文雄政権の下で既に取られたとはいえ、新総裁が改めて問題提起し、謝罪を求めることに何ら遠慮は要らない。
むしろ、中国には
「うるさい奴が出てきた」
と最初に思わせることが肝要だろう。
総裁選候補の中には
「親中派」
と目される人物も含まれていた。
だが、新総裁がこの問題で口を噤んでいれば、親中派でも対中強硬派でも大差はない、と相手に足元を見られることになる。

中国広州の日本人学校、全スクールバスに警備員が同乗へ 深圳の男児刺殺を受けて対応
2024/9/27 7:24
https://www.sankei.com/article/20240927-HL6D55HJOFLF7CEF6ZL4J4RVXE/
中国広東省深圳で日本人男子児童(10)が中国人の男に刺殺された事件を受け、同省広州市の日本人学校は児童生徒を送迎する全てのスクールバスに警備員を同乗させる方針を決めた。
関係者が26日明らかにした。
国慶節(建国記念日)の連休明けの10月8日から、運行する13コースのバス全てに警備員1人を同乗させる。
同校には徒歩通学者はおらず、多くがスクールバスで登下校している。
来年3月末までの700万〜800万円ほどの費用は、広州日本商工会が主体となる学校の理事会が負担するという。
江蘇省蘇州市では6月、日本人学校のスクールバスを待っていた日本人母子が刃物で切り付けられる事件が発生し、バスに警備員を乗車させる措置をとった。(共同)

中国での日本人男児殺害「日本政府は毅然と対応せよ」 千葉県議会で3議員が意見書提出
2024/9/26 17:58
https://www.sankei.com/article/20240926-N3AML2P7XROOROU2JDZVSDHWDE/
千葉県議会の会派「千葉新政策議員団」(6人)のうち松戸隆政、田沼隆志の両氏と「有志の会」の折本龍則氏の計3人が、中国広東省深圳で日本人学校に通う日本人男子児童(10)が死亡した事件を巡り、中国側に毅然とした対応を日本政府に求める意見書を22日付で滝田敏幸議長に提出したことが分かった。
意見書では、中国当局が事件の犯行動機や背景を明らかにせず、隠蔽したまま幕引きを図ろうとしていると問題視。
日本政府は6月に江蘇省蘇州市で起きた日本人母子が襲撃された事件でも、現地当局に再発防止などを求めながら、今回の事件を防げなかったと指摘した。
その上で、中国側が事実関係を早急に説明し、再発防止の具体策を講じることや、事件に関する情報を統制せず、真実を適正に報道するよう日本政府は求めるべきだと訴えた。
事件の背景にあるとされる長年の反日教育を中国側に改めるよう、日本側から求めるべきだとも主張した。
意見書では、こうした日本側の要求に中国から誠実な対応が得られなければ中国への渡航危険レベルを引き上げるなど、邦人保護に必要な措置を講じることも日本政府に要望した。
意見書は10月4日の総合企画企業常任委員会で反対者が出なければ、同月9日の本会議で採決される。

金杉憲治氏・駐中国大使、中国の地方幹部に邦人の安全確保求める 男児刺殺事件受け
2024/9/26 15:47
https://www.sankei.com/article/20240926-BJ466QJI4ROLNCS4DS2PWZLIRQ/
金杉憲治・駐中国日本大使は26日、中国遼寧省の省都・瀋陽市で、同市幹部の王永威・同市共産党委員会副書記と会談した。
日本大使館によると、金杉氏は中国広東省深圳市で日本人男子児童が刺殺された事件について、
「全ての在留邦人に大きな衝撃をもたらした」
と強調し、瀋陽にある日本人の児童らが学ぶ補習校の警備強化など在留邦人の安全確保を求めた。
金杉氏は、会談で
「在留邦人と日本企業にとって第1の課題は安心と安全だ」
と訴えた。
また、中国のインターネット上で
「日本に対する極端な言論」
が存在していると指摘し、中国側に対応を求めた。
王氏からは
「日本人や日本企業、その他の外国人も等しく保護する」
という反応があったという。
王氏は事件について、
「個別の案件」
だという中国政府の見解を示した。
金杉氏に対し、日本企業による瀋陽への投資を呼び掛けた。
金杉氏は24〜26日に遼寧省の大連市と瀋陽を訪問した。
大連市トップの熊茂平・市共産党委員会書記、遼寧省トップの郝鵬・省共産党委員会書記とも会談した。
いずれの会談でも深圳の事件に関する懸念を伝達し、在留邦人の安全確保や日本人学校の警備強化などを求めた。
中国東北部に位置する遼寧省は日本との経済関係が深く、省内には1800社超の日系企業が進出し、3500人超の日本人が在留している。
中国東北部は歴史問題との関わりも深い。
満州事変の発端となった柳条湖事件は、昭和6(1931)年9月18日に奉天(現在の瀋陽)近郊で発生した。
男児刺殺事件当日が柳条湖事件から93年に当たり、金杉氏も26日の会談で事件が
「日中間で敏感」
とされる日に起きたと言及した。
事件後、瀋陽の日本総領事館は
「周囲に注意し、日本語で大声で話をする等は控える」
などと在留邦人らに注意を促している。

中国・深圳の日本人男児刺殺 「ねむたいこと」言うてる場合か 次の首相に臨む強い態度
直球&曲球 宮嶋茂樹
2024/9/26 10:00
https://www.sankei.com/article/20240926-Y57UXZRXSVPCBN26MJ4W6A6DGU/
中国・深圳で18日、日本人学校に通う10歳の男子児童が中国人の男に刺殺された。
大切に育ててこられた親御さんの悲しみと怒りは察してあまりある。
約3カ月前、蘇州でも日本人親子と中国人の3人が襲われたばかりや。
中国で暮らさざるを得ない在留邦人の不安は募るばかりやろう。
「外で日本語を話さないように」
「ランドセルをやめて日本人と分からないようにしよう」。
こんな防御手段を取るしかないんやで。
そんな今も東京・銀座の大通りを大声で中国語を話す家族連れが、でっかいキャリーバッグを引きずって闊歩しとるやないか。
大都市やリゾート地の不動産は中国人富裕層に買い占められて価格が暴騰、日本人が住めんようになっとるやないか。
それもそのはずや。
中国大陸じゃ新聞もテレビも日中関係を揺るがすこんな凶悪事件をほとんど報道せんどころか、中国政府のコメントは
「前科のある者の個別の事案であり、どこの国でも起こりうる」
ってまるで他人事や。
容疑者の犯行の動機や事件の詳細も一切、明らかにされん。
これじゃ亡くなった児童も浮かばれん。
遺族の悲しみも永遠に続くわ。
男の動機はワシでも推察でける。
事件の起きた9月18日は93年前、満州事変のきっかけとなった柳条湖事件の日や。
相手が日本やったら何をやっても
「愛国無罪」
どころか
「ヒーロー」
や。
今後、模倣犯が続出するのは必定。
これも中国政府が
「悪いことは、ぜーんぶ日本人のせい」
という反日教育を続けてきた成果≠竄ネいか。
何で日本人はもっと怒らんの?
岸田文雄首相も
「中国政府に説明を求める」
なんてねむたいこと′セうとる場合やないで。
中国政府が聞く耳持っとったらこんな事件が続発するはずないやろ。
もし逆やってみい。
中国はたちまち尖閣諸島、いや沖縄本島に攻め込んできよるで。
もう世が世なら国交断絶のきっかけになってもおかしないくらい酷い事件である。
「中国政府の態度次第では大使召還も辞さない」。
次の首相には、これくらい強い態度を示す人になってもらいたいもんや。

<主張>日本人児童刺殺 中国政府の態度は誤りだ
社説
2024/9/26 5:00
https://www.sankei.com/article/20240926-Z5CMF3YNN5N2DNEWG6VIYGEZSA/
中国広東省深圳市で日本人学校に通う10歳の男子児童が中国人に刺殺された事件から1週間が経った。
23日には米ニューヨークで日中外相会談が開かれた。
そこでの王毅中国共産党政治局員兼外相の発言には本当に驚いた。
突然の凶行に未来を奪われた男児と遺族へのこまやかなお悔やみの言葉もないまま、
「冷静に事件を扱い、政治化を避けるべきだ」
と日本側に注文を付けたからだ。
王氏は刺殺事件を
「個別の事案」
として調査、処理するとし、犯行動機について説明しなかった。
日本国民の不安と憤りを理解せず、日本に説教するような態度は傲慢で容認できるものではない。
上川陽子外相が犯行動機を含む早期の事実解明と中国在留日本人の安全確保対策を要求したのは当然だ。
上川氏は根拠のない悪質で反日的な中国のSNS投稿の取り締まりも求めたが、王氏は約束しなかった。
中国外務省報道官はSNS上の投稿と刺殺事件を結び付けることに反対している。
反日教育が事件の背景にあるとの見方には、
「中国に『仇日(日本を恨む)教育』はない」
と主張し、中国の安全リスクが日本で騒ぎ立てられていると反発した。
中国の治安に責任を有する同国政府が、日本人児童刺殺事件を偶発的事件としか位置付けないことを強く懸念する。
事件への深刻な反省なしに十分な安全対策が生まれるとは考えられない。
中国から日本人が帰国する動きがあるのは当たり前だ。
なぜ中国は犯行の動機を情報公開しないのか。
日本人が標的になった点を隠蔽していると疑われても仕方あるまい。
中国共産党政権は統治の正当性を宣伝するため、愛国教育の名の下に反日教育を続けてきた。
犯行動機を公表すれば、中国政府の責任が明らかになることを恐れているのではないか。
東京にある中国大使館は日本在留の自国民と日本を旅行する自国民に対し
「情勢を鑑みて警戒意識を高め安全を確保」
するようホームページで注意を促した。
一方、日本の外務省は刺殺事件後、中国滞在者や渡航者に注意喚起をしたが、渡航警戒レベルは
「レベルゼロ」
に据え置いている。
これでは中国政府へ日本の怒りは伝わらない。
日本国民のために働くべきだ。

日本人男児刺殺で金杉憲治大使「対中ビジネスは岐路に」 遼寧省トップに懸念を表明
2024/9/25 19:06
https://www.sankei.com/article/20240925-YRZPX5UIKZIS5LA2UMR26WH2N4/
金杉憲治駐中国大使は25日、中国遼寧省瀋陽市を訪問し、同省トップの郝鵬・省共産党委員会書記と会談した。
広東省深圳市で邦人男児が刺殺された事件に懸念を表明し
「日本の対中ビジネスは大きな岐路にある」
「状況は極めて深刻だ」
と述べた。
郝氏は
「極めて遺憾だ」
「不法行為は決して許されない」
と語った。
同行筋が明らかにした。
金杉氏は会談冒頭、経済貿易や人的交流で遼寧省との協力を進めていく上で
「在留邦人の安全確保は基本中の基本だ」
と強調し、日本人学校の警備強化を要請した。
郝氏は
「日本人を含む外国人の安心安全に責任を負っている」
と応じた。
金杉氏は、満州事変の発端となった柳条湖事件から93年となり反日感情が高まっていた今月18日に刺殺事件が起きたと言及、在留邦人に不安が広がっていると説明した。
18日には、柳条湖事件が発生した瀋陽市をはじめ各地で記念行事が開かれていた。(共同)

深セン事件で愛国行為≠ノ反省求める大学教授の記事が謎の削除
2024年9月25日 11:42
https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/317899
中国・広東省深セン市での邦人男児の刺殺について論じ、愛国的な残虐行為に対する反省を求めた中国の学者の記事が削除された。
香港メディア・東網が2024年9月24日、報じた。
政法大学の趙宏教授と陳碧准教授は連名で2024年9月21日、
「亡くなった子供たちのために何ができるか?」
と題する記事をネットに発表し、愛国主義≠フ旗印の下で如何なる残虐なプロパガンダも容認しないことを提案した。
事件後、中国のSNSに暴言が書き込まれたことについて、その原因を
「不合理なヘイト教育」
に帰していると述べた。
そして、声を上げないことは、
「私たち全員が共犯だ」
と訴えた。
しかし、投稿はすぐに削除された。
また、日本の着物や浴衣を着ていると当局によって拘束されることがあると指摘し、
「これは愛国心が利用されていることを示しており、着物の名の下にどれだけ多くの悪行がなされているか」
として、当局の行為を懸念している。
「一般人にとって常識と良心こそが文明と自分自身を守るための唯一の武器である」
ことを強調し、苦労して勝ち取った文化を放棄しないよう呼び掛けている。
この記事は広く拡散され、大きな反響を呼んだが、愛国主義者らからは疑問の声も上がったという。

深圳・日本人男児刺殺事件1週間 早期幕引き図る中国、現場付近の警備厳しく
2024/9/25 16:24
https://www.sankei.com/article/20240925-SN7NFOO5WNI6PFDG6CZS3CI34Y/
中国広東省深圳で日本人学校に通う日本人男子児童(10)が刺殺された事件から25日で1週間となった。
中国政府は
「偶発的な事件」
とし、日本側が求める動機や背景の説明に応じていない。
日本人を狙った犯行との見方が強いが、そうした懸念には応えず、早期の幕引きを図る姿勢を鮮明にしている。
■日本人の姿なく
深圳の日本人学校周辺では25日朝、パトカーや、私服を含む警察関係者が多数配置され、厳しい警備が敷かれていた。
現場付近では中国人の子供が多数登校していたが、日本人とみられる姿はない。
日本人学校ではオンライン授業が行われており、外出も控えているとみられる。
近くで商店を営む女性は
「事件後、警察関係者が増えた」
「子供を殺すなんて正常な人間では考えられない」
と憤った。
現場の歩道には血とみられる跡が今も薄く残る。
事件は18日朝に発生。
保護者と登校中だった男児が日本人学校から約200メートル離れた歩道で男に刃物で腹部などを刺され、近くの病院で手術を受けたが、19日未明に死亡が確認された。
現場から徒歩圏内の飲食店で働く地元の男性は
「日本人の子供が10人以上が来て、餃子を食べては中国語で『おいしい!』と言っていた」
「事件後は誰も来なくなったが、被害者はそのうちの1人じゃないかと心配だ」
と案じた。
■「敏感な日」関係か
容疑者の男(44)は現場で取り押さえられた。
定職はなく、過去2回、警察の拘束歴があるといったこと以外に人物像は明らかでない。
飲食店の女性店主は
「男については全く分からない」
と述べつつ、事件当日が満州事変の発端となった昭和6(1931)年の柳条湖事件から93年だったことを指摘し、
「敏感な日だったことが関係しているだろう」
との見方を示した。
現場付近では事件について
「知らない。報道で見たことがない」
という人が少なくない。
中国の主要メディアは当局の情報を伝えているが、目立たない扱いで、事件を知る人は限られる。
■「反日」ムードは?
中国政府は、日本人を狙った犯行なのかといった日本側が求める動機や背景の説明に応じていない。
6月に江蘇省蘇州市で起きた日本人学校のスクールバスを待っていた日本人母子が切り付けられて負傷した事件も、
「偶発的な事件」
として今も詳細を明らかにしていない。
中国側の不透明な態度が在留邦人の不安感を増大させている。
中国側が詳細を説明していないため
「反日」
感情が原因なのかは現時点で不明だが、中国のSNS(交流サイト)では日本人学校を
「スパイ養成学校」
などとするデマなどが放置され、広まってきた。
こうした論調が反日ムードを助長して事件にも影響したという見方は中国の一部にもある。
中国外務省報道官は23日に
「中国にいわゆる『仇日(日本を恨む)教育』はない」
と主張したが、同日には四川省内の地方政府幹部が通信アプリのグループチャットで
「我々の規律は日本人を殺すことだ」
などと発言したことを香港メディアが報じた。
今回の事件は中国における
「反日」
の深刻さを浮き彫りにもしている。

「日本への渡航、警戒を」中国大使館、男児殺害受け注意喚起 「デモや集会に近づかない」
2024/9/25 9:41
https://www.sankei.com/article/20240925-RHMKS7GHJROOBGA46EDOVG3FSQ/
自国民に安全確保を呼びかける在日本中国大使館のサイト
https://www.sankei.com/article/20240925-RHMKS7GHJROOBGA46EDOVG3FSQ/photo/EIL4OR35PNECZF7GK6TOZ6ZFOI/
在日本中国大使館は24日、日本に在留する自国民と訪日旅行を計画する自国民に対し、
「情勢を鑑みて、警戒意識を高め安全を確保」
するよう公式サイトで注意喚起した。
中国・深圳の日本人男児刺殺事件を受けた対応とみられる。
注意喚起は、10月1日の国慶節(建国記念日)に伴う大型連休を間近に控えているとして、日本での
「安全意識の徹底」
を呼び掛けたもの。
「地域の安全上のリスクに注意し、パレードやデモ、集会には近付かない」
「現地の法律や法規を遵守し、現地の風俗習慣を尊重する」
などと注意事項を列挙。
また、紛争が発生した場合は
「理性的に要求を表明し、交渉や法的手段を通じて正当な権利と利益を守る」
よう求めている。
渡航や滞在の安全情報を巡っては、日本の外務省が中国に対する
「危険情報」
の危険レベル
「ゼロ」
を維持したまま、中国国内での凶悪犯罪に注意を呼び掛ける
「スポット情報」
を出しているが、今回の注意喚起は中国側が日本国内でトラブルに巻き込まれないよう警戒する意図とみられる。

<正論>中国「脅威」に正対できる首相を 
東京大学教授・阿古智子
2024/9/25 8:00
https://www.sankei.com/article/20240925-6FWZP5UM3FKUVL5I3O57J4HP5E/
■尊い命が奪われる現実
9月18日、中国・深圳の日本人学校に登校中に刃物で襲われ、負傷した10歳の日本人の男子児童が亡くなった。
6月にも蘇州で、襲われた日本人学校の児童をかばおうとした中国人女性が死亡している。
日本人学校を狙った事件が連続し、次々に尊い生命が奪われる現実を前に、憤りと悲しみを抑えることができない。
報道が規制されている中国では、ほとんど政府系メディアでは明らかにされないが、私がフォローしているソーシャルメディアでは最近、頻繁に中国で殺傷事件が起こっていることを伝えている。
このところ中国は経済が悪化し続け、少子高齢化や失業率の高まりもあり、習近平政権を批判的に見る国民が増えている。
そうした中、思想教育や
「海外の敵対勢力」
に関するプロパガンダ(宣伝)が盛んに行われ、余裕のない生活を送る人々が
「敵」
とされる日本人に不満のはけ口を見つけようとしているのかもしれない。
いずれにせよ、中国政府がこうした殺傷事件の背景にある社会問題や犯罪者の心理を徹底的に調べ、メディアや外国政府を含む関係機関と共有することはない。
なぜなら中国共産党政権にとって、都合の悪い現実を明らかにすることになるかもしれないからだ。
一方、日本では9人が立候補した自民党総裁選、4人が立候補した立憲民主党の代表選で、外交・防衛の政策課題についても論戦が繰り広げられた。
私は現代中国を研究する学者として、今後の政権運営に以下の問題提起をしたい。
■冷静に鋭く捉えること重要
まず中国の
「脅威」
を冷静に、鋭く捉えることが何よりも重要である。
グローバルなサプライチェーンに組み込まれた私たちの経済活動を考えれば、中国政府への配慮は仕方がないという空気が、日本社会には流れている。
しかし、現在の中国共産党政権による国際法を無視した人権侵害や威圧的な外交に対し、短期的・長期的戦略をタイミングよく打ち出さなければ、中国側の支配の論理で圧力をかけられることが常態化する。
「国家の安全」
のためとして、堂々と情報統制を行う中国政府は大量の情報の流れをコントロールしている。
戦争に関わる歴史を辿れば、偽情報や情報操作で世論が煽られ、政策判断を誤り数々の悲劇が生まれた。
専門家のアドバイスを聞き、学術研究から示唆を得て、変化を適切に捉えた状況分析と想定シナリオに基づく行動計画の策定を急ぐ必要がある。
更に昨今増加している中国から日本への移住者の動向にも目を配る必要がある。
日本が外国人移住者の受け入れに消極的というわけではない。
少子高齢化に対応すべく人手不足の解消や高度人材の受け入れに力を入れ、投資や納税によって日本経済の活性化に貢献する外国人を歓迎している。
語学学校の留学ビザや経営管理ビザ取得のハードルはそう高いわけではなく、政治的迫害や経済情勢の悪化から逃れる形で多くの中国人が日本に一時的に移り住んでいる。
やがては日本の永住権や国籍を申請する中国人も増えるだろう。
移民が増えれば日本は不安定になると感じる人もいるだろう。
しかし、自分とは異なる特徴をもつ人から学ぶことも多い。
同じ色に染めようとする同調圧力が強い社会ではイノベーションは不可能だ。
マイノリティだからこそ、マジョリティには考えつかないような視点を提示できることもある。
当然、日本の制度や法を順守し、民主主義の価値を理解する人に日本の永住権や国籍を申請してもらいたい。
今後、審査の過程で、こうした要素を把握することを検討してはどうだろうか。
同調を求めず、多様性を尊重しながらも、基本的な価値を分かち合える人と日本のコミュニティを共に作るべきだ。
■危機意識共有できる人を
移民や難民を積極的に受け入れてきた欧米諸国で外国人排斥の声が高まり、暴力的な抗議デモが広がるのを見て、日本もこのような状況になってはならないと感じる。
日本人を狙った事件が多発し世界各地で中国のスパイが摘発されるといったニュースが流れる中で、専門的な知識や精度の高い情報を駆使し、日本社会にとっての
「脅威」
を適切に分析できる、知中派の育成が急務だと感じる。
私の大学院のゼミでは、中国研究を志す日本人はゼロという状態が長年続いている。
他の多くの大学でも似た状態だと聞くが、これは危機的ではないか。
中国共産党政権は
「脅威」
だが、中国人全部が
「脅威」
ではない。
どのような中国人と手を繫いで日本を、世界を良くしていくのか。
日本社会の中でも中国語ができる人材を増やし、
「脅威」
の本質を見抜くことのできる人間を全国レベルで育成する必要がある。
中国共産党政権は甚大な影響を日本にも世界にも及ぼしている。
その影響をプラスの方向に導けるかどうかが、人類の未来を左右する。
そんな危機意識を共有できる人が日本の首相になってほしい。
それが今の私の切実な思いだ。

NHKラジオ・中国人スタッフの反日発言「南京大虐殺を忘れるな」に反論できない病理
2024/9/25 7:00
https://www.sankei.com/article/20240925-OEWXGOQPRVMTHC5OEACZY6DIRU/
NHKのラジオ国際放送で先月、中国籍の男性スタッフが尖閣諸島(沖縄県石垣市)を
「中国の領土」
などと発言した問題は、国際放送担当理事の引責辞任や会長らの役員報酬の自主返納なども発表された。
動機や背景が未解明であるなど、このままの幕引きは許されないのは当然だが、NHKのみならずわが国全体が抱える病理を浮き彫りにしたように思える。
この問題は、8月19日放送の中国語ニュースで、中国人スタッフが靖国神社の落書き事件について報じた後、尖閣諸島について
「古来から(ママ)中国の領土です」
と主張、
「南京大虐殺を忘れるな。慰安婦を忘れるな。彼女らは戦時の性奴隷だった。731部隊を忘れるな」
と反日的発言を行ったもの。
■「731部隊を忘れていません」という報道
NHKはこの問題を報じる関連ニュースで、スタッフ発言の不適切な点を
「沖縄県の尖閣諸島の帰属などをめぐって、原稿にはない日本政府の公式見解とは異なる発言を行った」
ことだと繰り返し報じている。
なるほど尖閣諸島が日本固有の領土であることは政府見解を待つまでもない。
「慰安婦=性奴隷」論や731部隊が細菌戦を行ったことを否定する答弁書を政府は決定してもいる(平成19年3月16日付安倍晋三内閣答弁書、同15年10月10日付小泉純一郎内閣答弁書など)。
だが、NHKは例えば昨年11月4日放送のニュースで、 
≪「731部隊」など細菌戦の研究を行ったとされる部隊に所属した軍医将校の…人事記録が残されていることが分かりました…研究者は「旧日本軍による細菌戦研究の全体像を洗い出す上で意義のある資料だ」としています≫
と報じている。
細菌戦の
「研究」
とはしているが、
「731部隊を忘れるな」
という暴言に呼応するかのような報道だ。
■「南京」は「その通り」なのか
最大の問題は「南京」だ。
いわゆる
「南京事件」
についての政府見解は、
「日本軍の南京入城(1937年)後、非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できないと考えています」
というものだ(外務省ホームページ=HP、平成19年4月24日付安倍内閣答弁書など)。
外務省HPや安倍内閣答弁書は続けて、
「被害者の具体的な人数については諸説あり、政府としてどれが正しい数かを認定することは困難であると考えています」
としているが、
「30万人が虐殺された」
とする中国側の主張を毅然と否定できないということだ。
情けない。
「南京大虐殺を忘れるな」
と言われ、政府は
「その通りかもしれません」
とでも言うつもりか。
「大虐殺」
が明白な事実だったら仕方もあるまい。
だが、日本側の学術研究では、中国の主張する
「30万人虐殺」
は否定され、日本軍が軍命で非戦闘員を組織的に殺害したことはなかったことが明らかになっている。
■反日世論を助長したのは日本の姿勢
何とも痛ましく、腹立たしい事件が起きた。
中国広東省深圳における日本人学校の男子児童(10)刺殺事件だ。
その場で中国当局に身柄を拘束された男と事件について、中国政府は
「前科者による個別の案件」
と日本側に説明しているが、日本人を標的にした
「反日テロ」
だったとの見方は根強い。
事件が起きた9月18日が、日本の侵略だとされる満州事変(1931年)の発端となった柳条湖事件の記念日だからだ。
中国の反日世論の土壌である「歴史」教育に中国が本格的に着手したのは、1994(平成6)年に当時の江沢民国家主席が
「愛国主義教育実施要項」
を定めてからである。
戦前の日本軍を残虐極まりない
「悪」
とし、それに中国共産党政権が打ち勝ったという
「歴史」
による愛国主義教育を徹底し、全国に反日記念館を建設した。
日本軍を
「悪」
としたのも、中国共産党が日本軍に打ち勝ったというのも、捏造である。
東西冷戦に東側陣営が敗北して共産主義の正統性が揺らぐ中、中国共産党は新たな統治の正統性を捏造の歴史に求めたのだ。
ところが日本政府はそれを放置し、中国への政府開発援助(ODA)も続けた。
NHKを含む多くのメディアや学術界、政治家も
「南京大虐殺」
などの中国側の反日プロパガンダに阿り続けた。
「南京」
を巡る先の外務省HPの記述や答弁書はその一例だ。
中国人スタッフの暴言に反論もできない日本側の在り方が、中国の反日世論を助長し、刺殺事件の遠因となったのではないか。
この間の日本の姿勢は改めて厳しく問われなければならない。

経団連・十倉雅和会長、日本人男児刺殺に哀悼の意「安心して働ける環境は中国の義務」
2024/9/24 18:29
https://www.sankei.com/article/20240924-MBZCZIHXABN4BDAQFTZYX6PNQE/
中国広東省深圳で日本人学校に通う男子児童が刺殺された事件に関し、経団連の十倉雅和会長は24日の定例記者会見で哀悼の意を示した。
この上で、
「将来、日中の懸け橋の一人となるかもしれない若い命を失った」
「これは両国にとって大きな損失だ」
と述べた。
今回の事件を受け、中国に進出する日系企業の駐在員やその家族に動揺が広がっており、家族帯同で駐在している従業員と帯同家族の一時帰国を認める動きも出るなど、日系企業は警戒感を強めている。
十倉氏は
「どこの国でも国を開いてビジネス活動をやっている国であれば、そこに住む外国人が安心して働ける環境を作るのはその国の義務だ」
と話し、日本の経済界として中国に対し在留邦人の安全確保を強く求めた。
今後も中国で同様の事件が頻発するようであれば、各国からの信用を失い、中国は投資を呼び込む機会を損なうことになるとも指摘した。
また、日中両政府が、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を受け、中国側が停止してきた日本産水産物の輸入を再開することで合意したことについては、
「中国によるとこれで全面的に解禁ということではないが、まずは歓迎したい」
とし、
「我々が主張している全面的解禁になるよう注意深く見ていきたい」
と述べた。

大連でも日本人学校の警備強化を要請 深圳の男児刺殺を受け駐中国大使「日中関係に影響」
2024/9/24 16:34
https://www.sankei.com/article/20240924-AIX4Q66RQJLD5HDLFR2C4RUX74/
金杉憲治駐中国大使は24日、中国遼寧省大連市を訪問し、同市トップの熊茂平(ゆう・もへい)市共産党委員会書記と会談した。
広東省深圳市で日本人男児が刺殺された事件を受け、大連日本人学校の警備強化を要請した。
熊氏は学校周辺の警備員増員といった具体策を講じていると説明した。
同行筋が明らかにした。
大連には1700社を超える日系企業が進出している。
会談で金杉氏は、事件によって中国進出の日系企業は
「大きな岐路にあり、極めて深刻な状況と言わざるを得ない」
と指摘。
「日中関係に影響が出つつある」
との認識を示した。
熊氏は日本側の懸念に
「留意する」
とした上で、在留邦人を含む市民にとっての安心・安全は
「極めて重要だ」
と応じた。(共同)

「日本人男児殺害は国民交流に深刻な打撃」上川陽子外相、中国外相に厳正な処罰要求
2024/9/24 16:24
https://www.sankei.com/article/20240924-2X66MOWM7ZKMLJ6MIHH57BKL3U/
上川陽子外相は23日(日本時間24日未明)、米ニューヨークの国連本部で、中国の王毅共産党政治局員兼外相と会談した。
上川氏は、会談の冒頭で日中の
「戦略的互恵関係」
を進める意向を示した王氏に対し、厳しい表情を見せて中国広東省深圳で日本人男子児童が刺殺された事件に言及し、
「日中関係の基礎である国民交流に深刻な打撃を与える」
と伝えた。
上川氏は約1時間に及んだ会談で、動機を含む
「一刻も早い事実解明と明確な説明」
に加え、犯人の厳正な処罰と再発防止を強く求めた。
「中国の在留邦人、特に子供の安全確保のための具体的な措置」
も要求した。
また、中国の交流サイト(SNS)での日本人学校関連のものを含む根拠のない悪質で反日的な投稿は
「子供たちの安全に直結し絶対に容認できない」
とし、早急な取り締まりの徹底を求めた。
中国外務省によると、王氏は
「中国側は法に照らして調査、処理している」
と説明。
「これまで通り全ての在中外国人の安全を法に照らして保障する」
と表明した。
王氏はまた、
「日本側は(事件を)冷静、理性的に取り扱い、政治化することや拡大することを避けるべきだ」
と主張した。
日本政府によると、上川氏は、中国の在留邦人の安全確保のために日中で協力し速やかに具体策の実現を図ることを提案した。
王氏は外交ルートを通じて引き続き議論することに応じたという。
日中外相の会談は7月にラオスの首都ビエンチャンで実施して以来。
上川氏は国連総会に合わせて、24日までの日程で訪米している。

中国の危険情報レベルゼロ、環太平洋先進国で日本のみ 米はレベル3「拘束の危険が存在」
2024/9/24 15:28
https://www.sankei.com/article/20240924-2DBQOPAFUVG23GJJ3J35T2CFB4/
米国やオーストラリア、韓国など環太平洋の先進国・地域で中国本土への渡航や滞在の
「危険情報」

「レベルゼロ」
は日本だけであることが分かった。
中国・深圳の日本人学校男児刺殺事件を受け、国会議員などからもレベル引き上げの声が上がっている。
各国・地域の公式サイトによると、米国は4段階のうち上から2番目のレベル3で、
「渡航の再考」
を求めている。
それ以上の危険レベルは
「渡航禁止」
のみだ。
米国務省は
「中国国内で、中国政府による米国民への不当な拘束の危険が存在する」
と認定している。
台湾は今年6月に4段階のうち上から2番目のレベル3に引き上げており、
「不必要な渡航を避けるよう勧める」
としている。
また、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドは4段階のレベル2。
韓国も4段階のレベル1としており、環太平洋先進各国・地域でレベルゼロなのは日本のみという状況だ。
一方、G7各国では英仏独伊の欧州4カ国は、中国について警戒レベルを上げていない。
外務省の危険情報は、日本人の渡航・滞在について特に注意が必要な国・地域について公表。
レベル1「十分注意」からレベル2「不要不急の渡航自粛」、レベル3「渡航中止勧告」、レベル4「退避勧告」まで計4段階ある。
6月の蘇州での日本人母子切りつけ事件や深圳の日本人児童刺殺事件後も危険度は上げておらず、新疆ウイグル、チベット両自治区を除き
「レベルゼロ」
のまま。
深圳の事件で男児が死亡した今月19日、
「スポット情報」

「特にお子さん連れの方は、十分注意して行動してください」
などと呼び掛けただけだ。
外務省は
「現段階では見直しの検討はしていないが、中長期的な観点から総合的に判断する」
としている。
衆院議員の松原仁元拉致問題担当相(無所属)は
「中国で暮らす日本人は反日教育のリスクを抱えている」
「今回の事件を日本が危険情報を引き上げる理由に挙げることで、習近平体制に対応の改善を促すべき」
と主張している。

中国・四川省幹部が日本人へのヘイトスピーチ、地元当局が調査…深圳の男児刺殺受けSNSで
2024/9/23 18:56
https://www.yomiuri.co.jp/world/20240923-OYT1T50049/
深圳日本人学校の男児刺殺事件を受け、香港の鳳凰テレビ系ネットメディアは2024年9月23日、SNS上で日本人へのヘイトスピーチをしたとして四川省幹部を地元当局が調査していると報じた。
複数の報道によると、幹部は四川省で農村のエネルギー開発などに携わる副主任の黄如一氏(41)。
黄氏は事件後、SNS上で
「私たちの規律は日本人を殺すこと」
「(歴史的に)罪がある日本人の子を殺しただけ」
などと日本を敵視する発言を繰り返したという。

中国外務省、「反日」投稿取り締まり求める日本側に反発「中国に仇日教育はない」
2024/9/23 22:09
https://www.sankei.com/article/20240923-PT52ZZDRBBN63PJQEKNGLPEW6U/
中国外務省の林剣(りん・けん)報道官は23日の記者会見で、広東省深圳で日本人男子児童が刺殺された事件を巡り、中国の交流サイト(SNS)での
「反日的な投稿」
の取り締まりを日本側が求めていることについて、
「中国にいわゆる『仇日(日本を恨む)教育』はない」
と主張して反発した。
林氏は
「我々は歴史を鑑(かがみ)とすることを主張している」
と発言した上で
「恨み続けるためでなく、戦争の悲劇を再演しないためだ」
と述べた。
柘植芳文外務副大臣は23日、中国の孫衛東(そん・えいとう)外務次官と北京で会談し、深圳の事件に関して中国のSNSでの
「日本人学校関連のものを含む根拠のない悪質で反日的な投稿」
に関する取り締まりの徹底を求めた。
林氏は、会談については
「意思疎通を保ち、偶発的な事件が両国関係に影響することを避けることで合意した」
と表明した。
柘植氏は会談後、記者団の取材に対し、中国側から動機や背景について明確な回答はなかったと明らかにした。
柘植氏は
「再発防止のためにも特に犯行の動機解明は極めて重要であり、これが解決されない限りは前に進めない」
と強調した。

中国の地方幹部が日本人に対するヘイト発言「われわれの紀律」 深圳の男児刺殺巡り
2024/9/23 22:00
https://www.sankei.com/article/20240923-XMPTDJUAC5OEBILIZETXB6QRDM/
中国広東省深圳で邦人男子児童(10)が刺殺された事件を巡り、香港フェニックステレビ傘下のニュースサイトは23日、四川省内の地方政府幹部が通信アプリ微信(ウィーチャット)のグループチャットで
「日本人を殺すのは我々の紀律だ」
と日本人に対するヘイト発言をしていたと伝えた。
問題発言をしたのは同省カンゼ・チベット族自治州新竜県の副県長。
取材に対し、同省の当局者は問題の処理に当たっていると回答したという。
副県長はグループチャットで
「子供を殺したからといって大したことではない」
「米国は毎日何百人も殺している」
「罪のない人を殺したわけではない」
「殺されたのは日本人だ」
と発言した。(共同)

中国の日本人学校警備強化へ4300万円 柘植外務副大臣「できることは全て行う」
2024/9/23 20:00
https://www.sankei.com/article/20240923-NDHDVWF6AZOAFJMDMUU5PO7Y7Q/
中国を訪問している柘植芳文外務副大臣は23日、中国に進出する日系企業の団体「中国日本商会」や日本人学校の関係者らと北京の日本大使館で意見交換を行った。
広東省深圳市で日本人学校に通う日本人男子児童(10)が男に刺されて死亡した事件に関し、柘植氏は
「中国各地の日本人学校の安全や、子供たちの安全確保を最優先に出来る事は全て行っていく考えだ」
と表明した。
柘植氏は、事件を受けて中国国内の日本人学校12校の警備を強化するため、外務省予算から緊急に約4300万円を充てると説明した。
中国日本商会の本間哲朗会長(パナソニックホールディングス副社長)は
「従業員とその家族の安心と安全は、日本企業が中国で事業を継続するための基本中の基本だ」
と指摘。
日中両政府に対し
「中国在留邦人10万人に対する安全確保を改めてお願いしたい」
と訴えた。
柘植氏は同日、中国の孫衛東(そん・えいとう)外務次官と北京市内で会談し、在留邦人の安全確保のための具体的な措置や、事件の動機を含む
「一刻も早い真相の解明と明確な説明」
を強く求めた。

「国民を見下している」河野太郎氏の“ネトウヨ”呼ばわりに非難轟々…安倍元首相「こんな人たち」発言から何も学ばず
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.09.23 16:34 最終更新日:2024.09.23 16:36
https://smart-flash.jp/sociopolitics/307466/1/1/
9月22日、『日曜報道 THE PRIME』(フジテレビ系)に出演した自民党総裁選の立候補者9人(林芳正官房長官は災害対策のため、推薦人代表の田村憲久元厚労相が代理出席)は、日中関係について討論をかわした。
そのなかで、河野太郎デジタル相が発した言葉について、インターネット上で批判が相次いでいる。
中国・深センで、日本人学校に通う10歳の男児が殺害された事件についての対応を聞かれた河野氏は、まず
「中国に対して(中国から見た)在外外国人、在留外国人に対する安全の確保」
「あるいは、こうした事件が起きたときに速やかに説明をする、ということを国際社会が求めるような動きはしていかないと」
と、G7などの広い枠組みで、協調して中国に対応を求めたいと述べた。
それに続いて、こう述べたのだった。
「(外交上の密室のやり取りではなく)外で見えるように強く言え、というのはよく“ネトウヨ”なんかが言いますけども、必ずしもそれがいいとは限りません」
この発言の“ネトウヨ”という部分に、引っかかった人たちが多かったようだ。
政治担当記者がこう話す。
「河野氏は、Xのフォロワーが250万人超と、政界随一の発信力を誇っています」
「しかし、特定のユーザーに投稿を閲覧させないよう遮断できるブロック機能を連発し、Xでは河野氏からのブロックを報告するポストが連日、見られています」
「そのため『ブロック太郎』というあだ名も……」
このブロック連発に『自分とは違う意見には耳を傾けないのは、政治家としてどうなのか』という批判が、インターネット上だけでなく、永田町でもあがっています。
さらに、Xでは河野氏が“親中国派”だと主張するアカウントが多数、存在しており、こうした背景から保守系の人々からの批判的なメッセージも多く寄せられています。
それで、つい“ネトウヨ”という言葉が出てしまったのかもしれません」
X上では河野氏のテレビでの発言に対して、非難の声が多くあがっている。
《国民を見下す河野太郎氏》
《多くの国民の声をネトウヨという言葉を使って、あたかも馬鹿げた意見であるかのように印象付けようとする総理候補》
《こんな場面でもサラッと口から出てくるという事は、普段からも国民を見下しているんでしょうね》
《少しは謙虚な物言い態度を出来無いのかな?河野太郎氏の言動は不快感が毎回残る。国民の価値観の方が、間違いで、自分の価値観が正しいのか?》
《なんの罪もない日本語学校の子どもが親の前で殺されて、中国に対して強く抗議しろと言う人は河野太郎によればネトウヨになるのか?》
《日本人の子どもの命が他国の人の手によって奪われても、強く言えないなら、国を代表する政治家としても終わりです。国民の怒りをネトウヨと言う政治家では日本は、守れない》
自民党では、過去にも
「国民を見下している」
として、批判されたできごとがあった。
2017年7月1日、東京・JR秋葉原駅前。都議選の投開票を翌日に控えたこの日、当時の安倍晋三首相が到着すると、聴衆から「安倍辞めろ」の声が響き始めた。
そんななか、安倍氏はその声の方向を指差して
「こんな人たちに負けるわけにはいかない」
という言葉を発したのだ。
前出の政治担当記者がこう話す。
「あの発言にも、かなりの批判が起きました」
「『こんな人たち』も国民のひとりであり、主権者なのです」
「国民は選挙を通じ、主権者として、その意思を政治に反映させることができる立場です」
「この時は、政治思想的に保守だろうが、革新だろうが、主権者を見下すような酷い言葉を政治家は使うべきではないという論争が起きました。
「河野氏は、7年前の安倍首相の件から、何も学んでいないのでしょう」
自民党総裁選では、石破茂氏、小泉進次郎氏、高市早苗氏の優勢の戦況が多く聞かれている。
不利の状況で、河野氏にあせりによるミスが出たのか――。
( SmartFLASH )

柘植外務副大臣、中国次官会談「真相解明と説明を」 反日的SNS投稿の取り締まり求める
2024/9/23 17:20
https://www.sankei.com/article/20240923-WIVC3UKRYFKGZKDMEB7S72IAOM/
中国を訪問している柘植芳文外務副大臣は23日、中国の孫衛東(そん・えいとう)外務次官と北京市内で会談し、広東省深圳市で日本人学校に通う日本人男子児童(10)が男に刺されて死亡した事件について協議した。
日本側の発表によると、柘植氏は在留邦人の安全確保のための具体的な措置や、事件の動機を含む
「一刻も早い真相の解明と明確な説明」
を中国側に強く求めた。
また、柘植氏は中国の交流サイト(SNS)における
「日本人学校関連のものを含む根拠のない悪質で反日的な投稿」
に関する取り締まりの徹底を求めた。
中国のSNSでは日本人への差別的な投稿や、日本人学校を
「スパイ養成学校」

「租界」
などとするデマや荒唐無稽な主張が放置されて広まってきた。
こうしたSNS上の論調が
「反日」
ムードを助長し、事件にも影響したという見方は中国側の一部にもある。
日本側によると、孫氏は今回の事件に対し、
「遺憾、痛惜の意」
を改めて表明した。孫氏は児童が襲われた今回の事件について
「驚愕している」
と述べた他、中国に在留する日本人を含む外国人の安全を守るとの考えを示した。
柘植氏は深圳の事件に関する対応のため、22〜24日の日程で北京を訪問している。

日中研究者らがフォーラムで課題を議論 中国側、男児刺殺容疑者は「人民代表していない」
2024/9/23 16:06
https://www.sankei.com/article/20240923-XRXCTOIHTVJWHLWVIMSPGKFCTI/
日本と中国の研究者らが両国間にまたがる課題を話し合う
「日中友好・人文交流フォーラム」
が23日、東京都文京区の日中友好会館(宮本雄二会長)で開かれた。
「グローバリズムの下の日中関係」

「日中民間交流」
などをテーマに、双方の出席者数十人が忌憚のない意見を交わした。
慶応大の加茂具樹教授はロシアのウクライナ侵略を例示し、
「国際社会が共有してきたルールや規範が動揺している」
と指摘。
異なる政治体制の日中も意思疎通が難しくなっているとして、互いの立場を乗り越えて
「共通の利益や価値観とは何かを再確認する段階にある」
と訴えた。
元駐中国大使の谷野作太郎氏は中国外務省の報道対応について、
「期待するレベルにはなく、多くの場合で説明になっていない」
と批判。
広東省深圳市で日本人の男子児童(10)が刺殺された事件でも説明が不十分で、日本人学者らが訪中を敬遠する一因になっているとした。
事件に対し、中国側出席者からは一様に
「心を痛めている」
とのコメントが聞かれた。
「公式情報と交流サイト(SNS)などの情報にギャップがある」
「容疑者(の犯行)は中国人民を代表するものではない」
といった声も上がった。
一方、中国社会科学院中国辺境研究所の白帆氏は中国の安全性を強調した上で、国際社会が
「中国は怖い」
との印象を持っていることには
「国際メディアのネガティブな報道」
が背景にあると訴えた。
南開大学日本研究院の喬林生教授は、日中間には現在、深刻な相互信頼の欠如があると指摘。
政治的な理由から
「政府対政府」
では関係改善に限界があるとして、共通する伝統文化や民間の基礎的な交流を強化する必要があると述べた。
フォーラムは、人権保護などを目的とした中国の非営利団体「中国人権発展基金会」と日中友好会館が共催。
日中関係などを専門とする双方の大学教授やシンクタンク研究員、元外交官らが出席した。

上川外相 ニューヨークで中国外相と会談を行うと発表
2024年9月23日 12時09分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240923/k10014589751000.html
上川外務大臣は、日本時間の24日、ニューヨークで中国の王毅外相と会談を行うことを発表し、日本人学校に通う男子児童が登校中に襲われて死亡した事件を受けて、安全確保の徹底などを求める考えを示しました。
上川外務大臣は、国連総会に合わせてアメリカのニューヨークを訪問するため、23日午前、羽田空港を出発しました。
上川大臣は出発前に記者団に対し、日本時間のあす、ニューヨークで中国の王毅外相と会談を行うことを発表しました。
そして、中国 広東省の※深センで、日本人学校に通う10歳の男子児童が登校中に男に刃物で刺されて死亡した事件について
「会談で、しっかりとした事実関係の説明や日本人、とりわけ子どもたちの安全確保を強く求める」
と述べました。
また事件を受けて、中国にある12の日本人学校の安全を守るため、緊急措置としておよそ4300万円をあて、スクールバスや通学路の警備を強化することを明らかにしました。
上川大臣は
「出来る事を全てやるという観点から早急に措置を行う」
「現地のニーズや状況を踏まえ、切れ目のない対策を講じていく」
と述べました。
※「セン」は「土」へんに「川」

中国 日本人学校の男児死亡事件 外務副大臣が中国側と会談
2024年9月23日 14時01分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240923/k10014589741000.html
中国で日本人学校に通う男子児童が登校中に刃物を持った男に襲われ、死亡した事件を受けて北京を訪れている柘植外務副大臣は23日午前、中国政府の関係者と会談し、事実関係の説明や再発防止などを求めたとみられます。
柘植外務副大臣は先週、中国南部 広東省の※深センで日本人学校に通う10歳の男子児童が刃物を持った男に襲われ、死亡する事件が起きたことを受け、22日から北京を訪れています。
柘植副大臣は23日午前、中国外務省の幹部と会談しました。
会談に先立って柘植副大臣は宿泊先のホテルを出発する際メディアの取材に応じ
「状況を把握し、今後の対応や在留邦人の安全確保を求めたい」
と述べました。
会談では、事件のいきさつや背景など事実関係の説明や、再発防止、日本人の安全確保の徹底などを求めたとみられます。
また、午後には中国の日本人社会に不安が広がっていることを踏まえ、北京日本人学校や進出する日本企業でつくる
「中国日本商会」
などの関係者と面会し、意見を交わすことにしています。
また、上川外務大臣は国連総会に合わせて訪問するアメリカ・ニューヨークで中国の王毅外相と会談すると発表し、今回の事件を受けて安全確保の徹底などを求める考えを示しています。
※「セン」は「土」へんに「川」

河野太郎氏が「ネトウヨ」発言 「外向けにワーワー」深圳の日本人男児殺害巡る対中対応で
2024/9/23 11:40
https://www.sankei.com/article/20240923-L3MJRY7MGBAVFB5CSPLRT2UKAY/
自民党総裁選(27日投開票)に立候補した河野太郎デジタル相(61)は22日のフジテレビ番組で、中国・深圳にある日本人学校に通う男子児童(10)が刺殺された事件を巡る中国政府に対する日本政府の対応について、
「『外で見えるように強く言え』と『ネトウヨ』なんかが言うが、必ずしもそれがいいとは限らない」
「申し入れはきちんとやらないといけないが、外向けにワーワー言って、言っているぞ感を出せばいいというものではない」
と語った。
番組には災害対応に当たる林芳正官房長官(63)を除く8候補者が出演。
河野氏ら5人が事件に関する見解を尋ねられた。
河野氏は
「中国と1対1でやることも大事だが、欧米を含めて、中国に対して在留外国人への安全確保、こうした事件が起きたときに速やかに説明することを、国際社会が求めるという動きにしていかないといけない」
とも強調した。
高市早苗経済安全保障担当相(63)は事件の背景に中国の
「反日教育」
が影響しているとの見方を示し、
「個人による偶発的な事件で済まされない」
「ここ数年、SNS上に日本人学校に対する憎悪の書き込みや動画が氾濫していた」
「削除を外務省が要請していると思うが、そういったものが大きなきっかけになった」
と指摘した。
上川陽子外相(71)は
「具体的な背景、動機について事実関係の調査と速やかな説明、児童の安全確保について万全を期すように様々なチャンネルで強い申し入れをしている」
と語った。
小泉進次郎元環境相(43)は
「このような案件はどこの国でも起こり得ない」
「事件は起こり得るかもしれないが、その後の対応、詳細な説明はない」
「日本の警察ではあり得ないことだ」
と指摘した。
茂木敏充幹事長(68)は18日の事件発生以降、中国当局から事件の背景について具体的説明がない状況を問題視し、
「中国がこういう人道問題に対して隠蔽する国だというプレッシャーを与えることが必要だ」
と語った。

中国 日本人学校の男児死亡事件 外務副大臣を北京に派遣へ
2024年9月22日 17時54分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240922/k10014589181000.html
中国で日本人学校に通う男子児童が登校中に襲われて死亡した事件を受け、外務省は、柘植外務副大臣を北京に派遣すると発表しました。
中国政府関係者と会談し、事実関係の説明や再発防止などを求めることにしています。
先週、中国 広東省の※深センで、日本人学校に通う10歳の男子児童が登校中に男に刃物で刺されて亡くなりました。
事件を受けて、外務省は、柘植外務副大臣を22日から24日までの日程で北京に派遣すると発表しました。
柘植副大臣は、23日中国外務省の幹部と会談し、事実関係の説明や再発防止、それに日本人の安全確保の徹底などを求めることにしています。
また、中国の日本人社会に不安が広がっていることを踏まえ、進出する日本企業でつくる
「中国日本商会」
や、北京に住む日本人らでつくる
「北京日本倶楽部」
などの関係者と面会し、意見を交わすことにしています。
政府は、日本人学校に通学する際に問題がないか改めて点検するなど、安全対策の検討を進めています。
※「セン」は「土」へんに「川」

中国SNS「日本でも中国人狙った事件多い」 根拠ない投稿で深圳の男児刺殺を矮小化
2024/9/22 17:51
https://www.sankei.com/article/20240922-QUTXOW6CMBM7LMWLUP4AIM67TA/
中国広東省深圳市で日本人学校に通う日本人男子児童(10)が男に刺されて死亡した事件後、中国の交流サイト(SNS)で
「日本でも同じように中国人を狙った襲撃事件が多く起きている」
などとする投稿が相次いでいる。
その大半は知人とのトラブルなどに起因する事件で、根拠がない投稿で深圳の事件を矮小化する動きとみられる。
中国の短文投稿サイト、微博(ウェイボ)では被害児童を悼む投稿に対し、
「それなら日本で殺された中国人をどう見るのか?」
などと反発する投稿が目立つようになっている。
2022年10月に大阪市で中国籍の自営業男性が殺された事件や、今年2月に静岡県の浜名湖で中国籍の男子高校生が殺害されて遺体が見つかった事件など複数の
「具体例」
を挙げている。
今年7月には大阪市で中国人観光客が腕を刃物で刺されて金を要求される事件が起きているが、いずれも
「中国人を狙った」
とは報じられていない。
強盗被害などの他は、金銭や交友関係を巡るトラブルなどで知人に殺害されたとみられるような事件ばかりだ。
少なくとも児童が面識のない大人に突然刺されて死亡したような事件はない。
中国のSNSにも、日本で中国人を狙った襲撃事件が多いという情報が
「デマ」
であると検証する人がいるが、現時点で投稿は止まっていない。
中国外務省は今回の事件について
「類似の事件は如何なる国でも起きる可能性がある」
と主張し、動機など事件の真相につながる情報は公表していない。
中国のSNSでは日本人への差別的な投稿や、日本人学校を
「スパイ養成学校」

「租界」
などとするデマや荒唐無稽な主張が放置されて広まってきた。
こうしたSNS上の論調が
「反日」
ムードを助長し、事件にも影響したという見方は中国側にもある。

深圳の男児刺殺受け、外務副大臣が中国を訪問へ 再発防止など要請
2024/9/22 17:17
https://www.sankei.com/article/20240922-RFKHA5IQZBK5LHQHG722NU3GL4/
外務省は22日、中国広東省深圳で日本人学校に通う男子児童が刺殺された事件を受け、柘植芳文外務副大臣が中国・北京を訪問すると発表した。
同日から24日までの日程で、滞在中、中国政府関係者と会談し、再発防止や邦人の安全確保に万全を期すよう要請する他、動機など早期の真相究明も求める。
上川陽子外相が20日の記者会見で、外務省政務三役の中国派遣を調整していると明らかにしていた。

上川陽子氏、米国で日中外相会談を検討 深圳の男児刺殺や水産物の輸入再開が議題に
2024/9/22 16:40
https://www.sankei.com/article/20240922-MHTRET32DJI5PPLTGXQUP7NABQ/
上川陽子外相が、米ニューヨークでの国連総会に合わせ、中国の王毅外相との会談を検討していることが分かった。
調整が付けば、現地時間23日(日本時間24日)に実施する方向。
複数の外交筋が22日、明らかにした。
広東省深圳で日本人学校に通う男子児童が刺殺された事件や、日中両政府が合意した日本産水産物の輸入再開などが議題になる見通しだ。
日中外相会談が実現すれば、今年7月にラオスの首都ビエンチャンで開催されて以来となる。
上川氏は男子児童の事件を踏まえ、再発防止と在留邦人の安全確保に万全を期すよう求める意向。
詳細な事実関係や、動機に関わる情報提供も要請する。
東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を巡っては、国際原子力機関(IAEA)のモニタリング(監視)の下で、中国を含む参加国に海水などの試料採取を認める方針を改めて説明。
水産物輸入再開を着実に実施し、早期に輸入規制を撤廃するよう働きかける。

男児刺殺、靖国落書き…相次ぐ「日本」標的事件 投稿サイトには「日本人学校にスパイ」
2024/9/21 15:00
https://www.sankei.com/article/20240921-DSRV7QULFBIO5PEFCINGMXLAXE/
中国・深圳にある日本人学校に通う男子児童(10)が刺殺された事件を受け、中国内外で日本や日本人を標的とした事件や問題がクローズアップされている。
東京・靖国神社の落書き事件をはじめ、蘇州で起きた日本人母子切りつけ事件、NHKのラジオ国際放送での「尖閣発言」…。
一部の事件の背景には、中国共産党政権による反日教育の影響も指摘されている。
「日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」
5月20日、東京都内の在日中国大使館での座談会。
呉江浩駐日大使は台湾との関係を巡り、中国の分裂に加担すれば
「火の中に」
と発言した。
座談会には鳩山由紀夫元首相や外務省OBらが出席していた。
11日後の5月31日、靖国神社の石柱に何者かが赤いスプレーで
「Toilet(トイレ)」
と落書きし、放尿する事件が発生。
7月に中国籍の男が逮捕されるなどした。
6月24日には中国・蘇州で、日本人学校のスクールバスを待っていた日本人の30代の母親と未就学の男児が刃物で切りつけられ負傷。
バスの案内係をしていた中国人女性も刺されて死亡した。
靖国神社では8月19日にも
「厠所(トイレ)」

「軍国主義」
などと、中国で使われている簡体字で記された落書きが見つかった。
関与したとみられる中国籍の10代男性は中国へ出国していた。
NHKのラジオ国際放送が同日、この事件を報じた際、中国籍の男性スタッフ(48)が尖閣諸島(沖縄県石垣市)を
「中国の領土」
と主張、
「南京大虐殺を忘れるな。慰安婦を忘れるな」
などと原稿にない発言をした。
NHKは担当理事が引責辞任した。
今回の男児刺殺事件が起きたのは、例年、反日感情が高まる9月18日。
93年前の昭和6(1931)年に満州事変の発端となった柳条湖事件が起きた日で、習近平政権下で反日教育が強化されて以降、その傾向はより強くなっているという。
「日本人は出ていけ」
「日本のスパイが潜む日本人学校に気をつけろ」。
中国の短文投稿サイト、微博(ウェイボ)には朝から、日本人への憎悪に満ちた投稿が溢れていた。

なぜ狙われた?中国で日本人男児(10)死亡 少しずつ分かってきた“容疑者の人物像”
スーパーJチャンネル
[2024/09/20 20:09]
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/900008641.html?page2
中国で、日本人児童が刺殺された事件。
容疑者の人物像が分かってきました。
■日本人児童(10)死亡 現場の様子は?
(尾崎文康記者報告)
「こちらで起きた事件を受けて、急遽休校を決めた日本人学校は、来週以降も子どもたちを登校させない方針です」
■事件現場
この記事の写真は12枚
18日、中国・深センで10歳の男子児童が登校中に刺殺された事件。 地元メディアが44歳の容疑者について報じました。
地元メディアによると
「深セン特区報」から
「男は44歳で漢民族、安定した職業についていない」
現地メディアによりますと、男は2015年に電信設備の破壊、2019年にデマで公共秩序を乱したとして拘束されたといいます。
■2度拘束されている
今回、ナイフで男児を刺したことを認めているということです。
現場には花が
登校中にいきなり男に刺されるという衝撃の事件。
一体、何が起こったのでしょうか?
目撃した人は
■事件を目撃した人
「ここです。私が来た時は、警察と救急車は既にここに来ていました。だんだん人が集まってきて、武装警察も来ました」
18日朝、男の子は母親と一緒に日本人学校に徒歩で登校中でした。
親子が校門からおよそ200メートルの場所に差し掛かったその時、44歳の男に腹を刺されたというのです。
「救急車が2台来ていて…」
■事件を目撃した人
「救急車2台が来ていて、子どもは救急車の中に運ばれ点滴をつけられていました」
男は警察によって取り押さえられたといいます。
■中国“撤退”の動きも…なぜ狙われた?
■1983年に起きた「柳条湖事件」
事件があったのは、満州事変の発端となった「柳条湖事件」が起こった日で、中国で国の恥と言われ、反日感情が高まりやすい日でした。
中国側から、事件の背景や動機などについて説明はないといいます。
金杉駐中国大使
■金杉 憲治 駐中国大使
「一番知りたいのは日本人が狙われたのか、更には日本人学校が狙われたのか、そこを知りたいと思ってる」
あくまでも
「個別の事案」
だと言われたといいます。
中国側は、事件の沈静化を図っているとみられます。
中国側は
■金杉 憲治 駐中国大使
「日本の経済界の方に危機意識があるということは、やはり中国側にはよく理解してほしいと思う」
■日系企業に動きも
影響は中国に進出している企業にもでています。
パナソニックホールディングスは会社負担で一時帰国できるようにするなど、今回の事件を受け、日系企業が対応に動いています。
20日午後、中国外務省の定例会見で、今回の事件について言及されました。
■20日午後の会見
中国外務省 毛 寧 副報道局長
「日本人がこの案件に関心を持っていることを理解しているが、警察が調査している最中です」

深圳の男児殺害で日本人学校に1000束超の献花 大半が中国人、子供犠牲で衝撃広がる
2024/9/20 19:01
https://www.sankei.com/article/20240920-LXHMXQV6ZNP6FNHGXOLSPIXBZ4/
中国広東省深圳で日本人の男子児童が刺殺された事件で、男児が通っていた日本人学校に20日までに計千以上の花束が贈られたと学校側が明らかにした。
ほとんどは現地の中国人が贈ったもので、哀悼の意を示す人が後を絶たない。
「天国で安らかに」
などとメッセージが添えられたものもある。
インターネット上では事件を巡り反日的な書き込みも少なくないが、市民は子供が犠牲となった事件に衝撃を受けている。
花束は冷房が効いた講堂で保管している。
その様子を撮影した写真が遺族に送られた。
日本人学校には保護者からの要望で献花台が設置された。
保護者らが続々と花を持って学校を訪れた。
来週からのオンライン授業に備えて教室から教材を持ち帰る人もいた。
日本人学校に中学生の息子が通う父親は
「悔しくて悲しい」
「2度とこんな悲惨な事件が起きないでほしい」
と述べ、足早に立ち去った。(共同)

中国の危険情報「レベル0」維持 外務省「見直しは検討していない」子供連れには注意喚起
2024/9/20 17:46
https://www.sankei.com/article/20240920-3TGIO6X24VL4JKCKQLC3DNSQBU/
中国・広東省深圳市の日本人学校に通う男子児童(10)が刺殺された事件を受け、外務省が出す渡航・滞在の
「危険情報」
が注目されている。
中国の危険度は、新疆ウイグル、チベット両自治区を除き
「レベルゼロ」。
インドは全土がレベル1以上、ロシアはレベル2だ。
外務省は
「現段階では見直しの検討はしていないが、中長期的な観点から総合的に判断する」
としている。
中国では6月にも江蘇省蘇州市でスクールバスを待っていた日本人母子が刃物で切りつけられる事件が発生。
日本国内でも靖国神社での落書き事件など
「反日」
が理由とみられる事件が続いており、日本政府が具体的な行動を取らないかぎり邦人の安全は守れないとの指摘も出ている。
一方で、外務省は男児が死亡した19日、日本人の安全に関わる重要な事件が発生した際に速報する
「スポット情報」
で「凶悪犯罪に対する注意喚起」を出し、
「特にお子さん連れの方は、十分注意して行動してください」
などと呼びかけた。
外務省によると、危険情報は渡航・滞在に当たり特に注意が必要な国・地域について発表する情報で、
レベル1「十分注意」
から
レベル2「不要不急の渡航自粛」、
レベル3「渡航中止勧告」、
レベル4「退避勧告」
まで計4段階ある。
強制力はないものの、日本企業の海外進出や海外事業のリスクをカバーする貿易保険などにも影響を及ぼす。
外務省海外邦人安全課は
「レベル1〜4でないからといって、リスクがゼロというわけではない」
とした上で
「もちろん今回の事件も検討材料から排除されていない」
「今回の事件にかぎらず、事案の概要や犯罪統計などを勘案しつつ、外務省として然るべき判断をしている」
と説明している。
中国への渡航危険情報をめぐっては、台湾が6月、4段階ある危険レベルを3番目から2番目に引き上げた。
中国が
「台湾独立派」
を対象にした処罰指針を定めたことなどを受け、台湾人の
「人身の安全」
に対するリスクを考慮したという。
中国は反発している。

日本人男児殺害は「偶発事件」と警察 中国・深圳の地元紙報じる 容疑者は2回の拘束歴
2024/9/20 16:29
https://www.sankei.com/article/20240920-FH2EI3VZUVIVVG6OQIQ22CXNJQ/
中国広東省深圳市の地元紙は20日、深圳で日本人学校へ登校中に男に刺された小学生の日本人男児が死亡した事件について、単独犯による
「偶発的な事件」
だという判断を地元警察が下していると報じた。
容疑者の男(44)が過去2回、警察に拘束されたことがあるとも伝えた。
中国共産党深圳市委員会の機関紙、深圳特区報(電子版)が報じた。
報道によると、容疑者の男は漢族で、定職にはついていない。
2015年には公共の通信設備を破壊した疑いで警察沙汰になり、2019年には公共の秩序を乱した疑いで警察に拘束された。
容疑者の男は刃物で子供を傷つけたことを認めているという。
日本人を狙った犯行なのかといった動機には触れていない。

深圳の日本人男児殺害、中国主要メディア沈黙 SNSは「批判」と「反日」が混在
2024/9/20 16:12
https://www.sankei.com/article/20240920-RLMLCUBNT5LWHOK77UAJNPFJVM/
中国広東省深圳市で日本人学校の日本人男子児童(10)が男に刺殺された事件で、中国の主要メディアは沈黙を貫いている。
当局から情報統制が敷かれているもようだ。
情報が飛び交う交流サイト(SNS)には
「国の恥だ」
と批判する声も多いが、事件の遠因が
「日本にある」
との異常≠ネ意見もあり、度を越えた
「反日分子」
の存在が浮き彫りとなっている。
■「心から謝罪」「日本に原因」
地元紙「深圳特区報」は20日、警察から得た情報として
「偶発的事件だった」
と伝えた。
男は容疑を認めている。
日本政府の要請を受け、当局が同紙を通じて詳細を公表したとみられる。
ただ他のメディアの記事は皆無だ。18日に一報を伝えたメディアの記事は現在、削除されている。
模倣犯の発生や政権批判への転化を避けたい狙いとみられる。
事件が発生した18日以降、中国の短文投稿サイト、微博(ウェイボ)には多くのコメントが書き込まれた。
「深圳人として心から謝罪する」
「子供は無実。あらゆる暴力行為を非難する」
などと事件を批判する書き込みも少なくない。
満州事変につながった柳条湖事件の9月18日に事件が起きたことに反応するコメントも数多かった。
「国恥の日に子供を殺した男は国の恥だ」
との見方もある一方、日本の歴史認識や対中姿勢が事件を引き起こしたとの声も散見された。
■悲劇悼む動きも
NHKラジオ国際放送で尖閣諸島を
「中国の領土」
と発言するなどして解雇され、帰国した中国人男性とされるアカウントも事件に反応。
在中日本人や在日中国人の生活を揺るがす元凶は
「安倍晋三政権が推進してきた歴史修正主義路線だ」
とし、日本が一方的な姿勢を続ければ
「両国で非理性的な傷害事件を引き起こすことになる」
などと警告した。
事件の背景に反日教育が関係している可能性もゼロではないが、
「抗日教育を中傷する者は犯人と同じく卑劣な人間だ」
との投稿も。
在中国日本大使館のアカウントには中国人から多数の謝罪や追悼が寄せられるが、中国人が日本で犯罪に遭った際に同様の光景を
「見たことがない」
として、
「中国人の命は日本人よりも軽いのか」
とする書き込みもあった。
一方、X(旧ツイッター)には、男児が通っていた日本人学校前に献花に訪れた男性が
「(中国の)長期にわたる憎悪教育が招いた結果だ」
と話す動画が拡散。
19日には東京都内で在日中国人有志が追悼集会を開くなど、悲劇を悼む動きも広がっている。

斎藤経産相、深圳の男児殺害で「従業員や家族の安全は最重要」 中国政府に安全確保求める
2024/9/20 12:07
https://www.sankei.com/article/20240920-2GZQMGIYR5KIHIFU722QMEQAJU/
中国広東省深圳市で日本人学校に通う小学生の日本人男子児童(10)が刺殺された事件で、斎藤健経済産業相は20日の記者会見で
「中国に進出する日本企業にとり、従業員や家族の安全は最重要課題だ」
との認識を示し、中国政府に日本人の安全確保や再発防止を求める考えを強調した。
斎藤氏は男児が亡くなったことについて
「深い悲しみを禁じ得ず、心からお悔やみを申し上げる」
と述べた。
その上で経産省としては中国に進出する日本企業で作る「中国日本商会」などと連携し、中国政府に適切な対応を求めるとした。
岸田文雄首相は19日、視察先の石川県内灘町で
「極めて卑劣な犯行であり、重大かつ深刻な事案だ」
と非難し
「日本政府としても、出来る事を全て行っていく」
と強調した。

刺殺された邦人男児に哀悼、秋葉原で自民総裁候補 中国当局に再発防止徹底と真相究明要求
2024/9/20 10:49
https://www.sankei.com/article/20240920-43JEOCTTVVDLZJN5GLTAUEOAX4/
中国広東省深圳市で男に刺された日本人小学生の男児(10)が死亡した19日に東京・秋葉原で行われた自民党総裁選(27日投開票)の街頭演説では、マイクを握った候補者が男児に対する哀悼とともに、中国当局に再発防止と事件の背景を含めた全容解明と詳細情報の共有を求める声が相次いだ。
首相に就任した際には、中国の在外邦人の安全の徹底を図る考えを各候補が強調した形となる。
■加藤氏「真相究明を」
「悲しい残念なニュースが飛び込んだ。心からご冥福とご家族へのお見舞いを申し上げたい」
トップバッターに立った加藤勝信元官房長官(68)は冒頭、犠牲になった男児に対する哀悼の言葉を口にし、
「政府は断固として中国政府に対し、真相の究明と説明、こうした事件が2度と起きない再発防止を断固求めるべきだ」
と語った。
■石破氏「中国は偶発的事件で対応」
石破茂元幹事長(67)も
「ご家族の気持ちを思うと、どんなに悲しいか、悔しいか、皆さまと心から哀悼の誠を捧げたい」
と述べ、遺族の気持ちに寄り添う姿勢を示した。
6月にも中国江蘇省蘇州市で、日本人学校のスクールバスが刃物を持った中国人の暴漢に襲われ、バスを待っていた日本人の母と男児がけがをした。
この事件を巡っては、バスに乗り込もうとした暴漢を阻んだバス案内係の中国人女性、胡友平さんが亡くなっている。
石破氏は
「こういうことが2度とないよう、中国に対し厳正な対処を我々は要請した」
「しかし中国は偶発的な事件として片付けようとしていたのではないか」
「毅然と中国に対して対処を要求していかないといけない」
と強調した。
■茂木氏「外務省予算は十分か」
茂木敏充幹事長(68)も中国当局に徹底捜査を求める考えを示した上で、
「邦人の命は世界中どこででも、日本政府が守らないといけない」
と言及した。
外務省は令和7年度予算案の概算要求で、中国の日本人学校でのスクールバスの警備費に約3億5000万円を計上した。
初めての予算措置で、バス1台に警備員1人を配置する計画だという。
ただ、茂木氏は予算額が不十分との認識を示し、
「子供の命はかけがえない」
「1人の警備員で本当に十分なのか検証し、体制強化を図っていきたい」
と述べた。
■高市氏「反スパイ法の詳細説明を」
高市早苗経済安全保障担当相(63)は、憤懣やるかたない様子で、
「皆さま、中国当局に対し、計り知れないほどの怒りを感じていると思う」
「私も同じだ」
「いい加減にしてほしい」
と述べた上で、
「容疑者が逮捕されてから何の背景が説明されたか」
「かけがえのない我が子を失ったご家族のお気持ちを思うと、悔しくてならない」
と語った。
2023年7月に中国で施行されたスパイ取り締まりを強化する改正スパイ法を挙げて、
「『反スパイ法』だって許せない」
「拘束されている日本人を一刻も早く解放して」
「訳の分からない法律の詳細を国際社会に対して説明してほしい」
と語った。
■林氏「ぐっと腹にため事に当たる」
林芳正官房長官(63)は、
「一体どうなっているのか」
「ご家族に思いを致すと、子を持つ親としていたたまれない」
「この気持ちをぐっと腹にため、全身全霊で事に当たっていきたい」
と語った。
■小泉氏「自分の子供が失われたよう」
小泉進次郎元環境相(43)は、
「自分の子供が失われたような気持ちで、思いを共有しているのは、全ての皆さんが同じ気持ちだと思う」
「中国に直ちに説明を求め、今回の事件の動機は何か、厳正なる対処を求めたい」
と語った。
■上川氏「卑劣な犯罪許さない」
上川陽子外相(71)は、
「心が震える思いだ」
「子供の未来、夢や希望のある小さな幼子が命を絶たれた」
「卑劣な犯罪を断じて許すわけにいかない」
と述べ、
「中国に対し、事実の解明と説明をしっかり求めていく」
「子供たちの命を守るために、安全対策を含めてしっかりと求めていく」
と現職の外相として対応していく考えを示した。
■河野氏「日本人家族へ帰国促す前に中国は対応を」
河野太郎デジタル相(61)と小林鷹之前経済安保相(49)は演説では事件に言及しなかった。
河野氏は(旧ツイッター)で
「中国国内の日本人家族の帰国を促さなければならないようなことになる前に、中国当局にはしっかりとした対応を求める」
と投稿した。
■小林氏「日本人の安全確保に万全期す」
小林氏もXで
「子を持つ親として、親御さまの悲しみを思うと胸が張り裂けそうな思いです」
と書き込み、
「私が総理総裁になれば、スクールバスの警備費増強など、日本人学校の警備体制強化や日本人の安全確保に万全を期してまいります」
と強調した。

男児殺害で日本人校周辺に監視カメラ 中国、警備強化アピールも不安解消難しく
2024/9/20 7:03
https://www.sankei.com/article/20240920-AXRMY7ABUJN2XP3FZTW7G7OD5Q/
中国広東省深圳で日本人の男子児童(10)が刺殺された事件で、男児が通っていた日本人学校の周辺では20日までに監視カメラが増設された。
中国当局は日本側が要請した警備強化への迅速な対応をアピールしたいとみられる。
だが容疑者の男(44)の動機など事件の真相につながる情報は公表しておらず、邦人社会に広がる不安の解消は難しい。
登校中だった男児は18日、校門から約200メートルの通学路で刺された。
学校や事件現場近くでは、遅くとも19日朝には監視カメラの増設作業が始まり、子供連れの家族らが足を止めて見ていた。
金杉憲治駐中国大使は19日に深圳市の羅晃浩副市長と面会し、警備強化や邦人の安全確保を求めた。
ただ事件に関する情報が少なく、邦人社会からは
「中国の対応は信じられない」
といった意見も上がっている。(共同)

<主張>日本人児童刺殺 中国政府に反省ないのか
社説
2024/9/20 5:00
https://www.sankei.com/article/20240920-5W75JOVASNMKLK2WKQDBQ3LAYY/
中国の広東省深圳市で、日本人学校に母親と登校していた10歳の男子児童が男に刺されて死亡した。
無辜の男児が突然命を奪われた痛ましさへの深い悲しみと、理不尽で卑劣な凶行への怒りを覚える。心から男児を追悼したい。
中国では6月にも江蘇省蘇州市で、日本人学校のスクールバスを待っていた日本人の母子が刃物で切り付けられて負傷する事件が起きたばかりだった。
日本人は中国で平和に暮らせないのか。
ならば、ビジネスであれ留学であれ、中国で安心して活動できるわけもない。
中国外務省は会見で
「不幸な事件」
に遺憾の意を表明したが、
「同種の事件はどの国でも起こり得る」
とし、
「中日間の往来や協力に影響を与えない」
と主張した。
許し難い言い草である。
短期間に相次いで日本人が襲撃される。
そんな国は中国以外のどこにもない。
中国政府は事態を深く反省し、再発を防ぐ具体的方策を明確に取るべきだ。
岸田文雄首相は記者団に
「中国側に早く事実関係の説明を求めるよう指示した」
と語ったが、なぜ自らが動かないのか。
中国首脳に対策を講じるよう直接迫るべきである。
児童が襲われた18日は、満州事変の発端となった昭和6(1931)年の柳条湖事件から93年に当たる。
中国では反日機運が盛り上がりやすい日ではあるが、事件との関連は不明だ。
日本政府は、中国側に犯行動機などの情報公開をさせなくてはならない。
6月の事件においても動機などは明らかにされないままである。
今回、拘束された男が日本人を標的にしたのであれば、在留邦人の警備を強化しても根本的な解決には繋がらない。
中国共産党政権による反日教育にこそ問題の根があろう。
東京・九段北の靖国神社で相次ぐ中国人の落書きも同じだ。
政治的な思惑で反日を煽る中国の姿勢が改まらないと、在留邦人の安全はいつまでも確保できないのではないか。
日本政府は中国への不要不急の渡航を自粛するよう国民に促すべきだ。
企業は駐在員や家族の帰国が検討課題となる。
政府は帰国後の住居や教育などを支援すべきである。
邦人が被害を受ける悲劇を2度と繰り返してはならない。

<産経抄>「魔の巣」では暮らせぬ、中国・深圳で日本人男児の刺殺 
2024/9/20 5:00
https://www.sankei.com/article/20240920-4IJ4SPEDO5NPRHDHKAWDJGB2QU/
明治生まれの歌人、窪田空穂(うつぼ)には家族を亡くす痛みを詠んだ歌が多い。
母、妻。
まだ幼い次女を病で失う悲哀も味わっている。
<生えずとてうれへし歯はもかはゆきが灰にまじりてありといはずやも>。
骨上げの際の一首という。
▼娘の歯がなかなか生えないことを、父は気に病んでいたとみえる。
皮肉にも荼毘(だび)に付した後の灰の中に、それは埋もれていた(『人生の節目で読んでほしい短歌』永田和宏著)。
わが子に乳歯を見つけた日は、本当なら欣快(きんかい)に堪えぬ記念日だろう。
▼事件は一緒にいた母親の前で起きた。
中国の広東省深圳市で日本人学校に登校中の10歳の男の子が、男(44)に刺されて亡くなった。
凶行のあった18日は、満州事変の発端となった柳条湖事件が起きた日と重なる。
男は当局に拘束された。
犯行動機や背景は明らかにされていない。
▼深圳には日本の企業も多い。
「同種の事件はどの国でも起こり得る」
とは中国外務省の会見である。
その言い分は受け入れ難い。
中国では6月にも、日本人母子らが刃物で襲われている。
身の安全が約束されない
「魔の巣」
で、誰が暮らせようか。
▼在留邦人の帰国を含め、日本企業は対応を検討すべき時期を迎えているようにも思える。
「一滴舌上に通じて大海の塩味を知る」
という。
物事の一部を知れば全体が見える。
中国共産党政権の応接は、その性根を世界に示すことになろう。
犯行動機の解明を、強く迫り続けたい。
▼10歳。
将来の夢や「なりたい仕事」が、少しずつ輪郭を帯びてくる年頃だろう。
日々の成長は、親御さんにとっても驚きと喜びの連続だったに違いない。
かの国にどれほど鋭い言の刃≠突き立てようと、失われた命は戻らない。
それが、ただただ悔しい。

駐中国大使が刺殺された邦人男児の遺族と面会 深圳市副市長に安全確保と警備強化申し入れ
2024/9/19 22:18
https://www.sankei.com/article/20240919-3IUCKVOUJJNCNG2MFSMBQYRVKQ/
中国広東省深圳で日本人学校の男子児童が刺されて死亡した事件を受けて現地入りした金杉憲治駐中国大使は19日、記者団に対し、遺族と会い
「お見舞いを申し上げた」
と述べた。
深圳市の羅晃浩副市長とも面会し、邦人の安全確保や日本人学校の警備強化を要請した。
事件の真相を究明して日本側と内容を共有するよう求めた。
副市長側からは日本人の安全確保に万全を期し、日本人学校の警備についても更に努力するとの回答があった。(共同)

中国外務次官、深圳の男児殺害は「前科者による個別事案」 駐中国日本大使と電話会談
2024/9/19 20:32
https://www.sankei.com/article/20240919-3IUCKVOUJJNCNG2MFSMBQYRVKQ/
中国広東省深圳で日本人学校へ登校中に刃物で刺された小学生の日本人男児が死亡した事件を受け、現場となった深圳で対応に当たっている金杉憲治・駐中国日本大使は19日、中国の孫衛東(そん・えいとう)外務次官と電話会談し、事件について申し入れを行った。
北京の在中国日本大使館によると、孫氏からは事件について
「前科のある者による個別の事案」
との説明があったという。
金杉氏は電話会談で
「日本政府として尊い人命が奪われる事態となったことを極めて深刻に受け止めている」
と述べ、遺憾の意を表明した。
中国側に再発防止策を講じることや事件の背景を含めた詳細情報の迅速な共有、邦人の安全確保と日本人学校の警備強化を強く求めた。
大使館によると、孫氏は
「極めて遺憾であり、痛惜の念を禁じ得ない」
と述べ、中国政府として日本人を含む外国人の安全を守るため
「最大限の努力をしたい」
と表明したという。
北京の在中国日本大使館では19日、中国に進出する日系企業の団体「中国日本商会」や日本人学校の関係者を集めた緊急会合を開いた。
商会の本間哲朗会長(パナソニックホールディングス副社長)は冒頭、事件について
「極めて深刻に受け止めている」
と表明。
中国側に対し
「在中日本企業にとって従業員と家族の安心と安全の確保は、中国で事業活動を継続するための基本中の基本だ」
と述べ、在留邦人の安全確保や、事件の背景を含めた詳細な情報の速やかな提供を求めた。
本間氏によると、会員企業の間では一時帰国やカウンセリングといった従業員らに対する支援が始まっているという。

中国・深圳の男児殺害で日本企業が警戒 駐在員や家族らに注意喚起 政府に安全確保要望も
2024/9/19 19:50
https://www.sankei.com/article/20240919-GNLFXV3BWNIHVNMOELXF2GVEII/
中国広東省深圳市の日本人学校に通う男子児童が男に刺され、死亡した事件で、現地に進出する日系企業は警戒を強めている。
「経済特区」
としてハイテク・IT企業が集積し、中国の急成長を支えてきた深圳には、自動車や電子部品関連など多くの日系企業が進出しており、駐在員やその家族らに注意喚起を呼びかけている。
電気自動車(EV)の研究開発合弁会社が深圳にあるトヨタ自動車は、中国の現地統括会社が日本大使館と日本人学校が発信する情報をメールで駐在員と共有し、注意喚起する対応をとった。
電子部品の工場が現地にある村田製作所も注意喚起を呼びかけ、不安に感じた場合は心のケアを行う体制を敷く。
深圳に拠点を構える伊藤忠商事も中国の駐在員約100人に対し、メールなどで当面は安全確保を念頭に置くよう注意を促した。
今のところ、退避までは検討していないという。
三菱商事も公私ともに留意して行動するよう注意喚起を行った。
中国で多くの会員企業が事業を展開する日本自動車工業会(自工会)の片山正則会長(いすゞ自動車会長)は19日の記者会見で
「企業にとって駐在員とその家族の安全は最も大切な問題だ」
「個社で色々な対策を行っている」
と述べた。
その上で
「政府には在留邦人の安全確保について、今まで以上に強化をお願いしたい」
と要望した。
事件が起きた深圳は通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)やIT大手、騰訊控股(テンセント)、EV大手、比亜迪(BYD)などが本社を構え、中国のシリコンバレーと呼ばれている。
大手だけでなく、中小の日系企業も数多く進出している。
深圳市駐日経済貿易代表事務所によると、2020年末までに深圳に投資した日系企業は1000社近くに上るという。
中国への進出企業には近年、景気後退を受けて減少傾向もみられるが、深圳日本商工会の会員数は9月現在で372社に上る。

中国・深圳の男児殺害 日本政府、安全確保策検討急ぐ 自民総裁選候補者からは批判や注文
2024/9/19 19:04
https://www.sankei.com/article/20240919-QLPAN2R5PJLE7BFA7YWD6CQO4I/
政府は19日、中国深圳市で日本人学校に通う小学生の男児が中国人の男に刺され死亡したことを受け、再発防止策の検討を含め、中国に在留する邦人の安全確保に全力を挙げる方針を示した。
中国側から事件を巡る事実関係の詳細な説明が同日午後までになく、自民党総裁選の候補者からは、中国政府への批判や日本政府に更なる対応を求める声が相次いだ。
「幼い子供を襲う卑劣な行為が行われたことは誠に遺憾だ」。
林芳正官房長官は19日の記者会見で、死亡した男児にこう弔意を示した。
その上で通学時の安全確保策について
「外務省、文科省などが中心となって可及的速やかに検討していきたい」
と語った。
外務省の統計によると中国の在留邦人は10万1786人で、そのうち未成年は約1万5000人(令和5年10月現在)。
北京や深圳など9都市にある11の日本人学校には、計3300人超の児童や生徒が通学している。
江蘇省蘇州では6月、スクールバスで日本人学校に通う母子が襲われる事件が発生。
外務省は令和7年度予算案の概算要求で、初めて中国国内の日本人学校でのスクールバスの警備費として、約3億5000万円を計上し、安全強化を図ろうとしていた。
事件には林氏以外の自民党総裁選の候補者も言及した。
高市早苗経済安全保障担当相は
「中国当局が未だに原因、動機、何も明らかにしていない」
「これも本当に悔しいし、残念だ」
と述べた。
石破茂元幹事長は蘇州の事件や中国で米国人が襲撃された事件を挙げ、
「偶発的な事件ではないという見方もある」
と指摘。
「中国がどういう対応を取ってきたのか、これから取ろうとしているのか、日本政府として、きちんとした対応を求めるのは当然」
と語った。

中国・深圳の日本人男児殺害 在留邦人、相次ぐ外国人襲撃に衝撃 景気悪化で社会不安懸念
2024/9/19 18:31
https://www.sankei.com/article/20240919-ZGEGQJHRHBIUHB5Y3JNQK2LJBI/
中国広東省深圳市で日本人学校への登校中に男に刺された小学生の日本人男児(10)が19日に死亡したことは中国全土で生活する日本人に衝撃を与えた。
中国政府は動機を明らかにしておらず、中国各地の邦人社会には不安が広がっている。
■情報なく対策とれず
「残念でたまらない」
深圳にも拠点を持つ日本企業トップは男児襲撃事件に悲しみと憤りを隠さなかった。
特に子供連れで中国に駐在している社員の間では深圳に限らず不安が広がっているという。
中国では6月に江蘇省蘇州市で日本人学校のスクールバスを待っていた日本人の母子が刃物で切り付けられる事件が起きたばかり。
短期間で相次ぎ日本人の子供が襲われる事件が起きたことへの動揺は計り知れない。
深圳は香港にも近い経済都市で、外国人と距離が近い街と思われていたことも衝撃に拍車をかけた。
中国政府が動機などについて詳細を説明していことは、在留邦人の不安感をいっそう増大させてもいる。
中国の主要メディアの報道はごく一部にとどまり、深圳の事件を知る中国人は多くない。
子供を北京の日本人学校に通わせる男性は
「情報がないため対策を取りにくい」
と語った。
■相次ぐ外国人襲撃
中国では外国人が襲われる事件が立て続けに起きている。
6月には蘇州の事件に加え、吉林省吉林市で米コーネル・カレッジから同市の大学に派遣されている教員4人が刃物で刺され負傷する事件も起きた。
中国政府は
「偶発的な事件」
と強調するばかりで、詳しい説明は避け続けた。
蘇州の事件では、日本人母子に刃物で切り付けた中国人の男を阻止しようとして刺されて死亡した中国人女性を英雄として持ち上げて「美談」にしたが、効果的な対策を取ることはなかった。
■SNSに疑念あおる動画も
中国では不動産不況を背景に経済成長が鈍化して庶民の雇用・所得環境が悪化しており、社会不安が懸念されている。
そうした中、外国人に不満のはけ口が向かいやすいムードがある。
特に18日は満州事変の発端となった昭和6(1931)年の柳条湖事件から93年に当たり、中国国営メディアは「抗日」の歴史を繰り返し強調した。
中国の交流サイト(SNS)では「日本を打倒せよ!」などと反日感情を露わにした投稿も目立った。
SNSでは深圳の事件について
「これこそが国の恥だ」
などと容疑者を批判する投稿も少なくない。
一方で、中国各地にある日本人学校について
「なぜ各地に日本人学校があるのか」
「背景にはどんな秘密を隠しているのか」
と疑念を煽るような動画も残る。
中国では当局がSNSを管理しており、こうした動画を野放しにしている形だ。
中国政府は現在、不景気の中で海外からの投資呼び込みに熱心だ。
日中外交筋は
「こんな状況では投資などできないと日本企業が考えるのは当然だ」
「中国政府は日中関係の根幹に関わる問題と受け止めて対応する必要がある」
と指摘する。

日本人男児殺害、社会の不安定化の表れ 中国は説明責任果たせ 東京大教授・阿古智子氏
2024/9/19 18:29
https://www.sankei.com/article/20240919-T5I4WOK5SJM7XODIFJE2KBAXJY/
中国広東省深圳市で日本人学校に通う男子児童(10)が男に刃物で刺されて死亡した事件について、現代中国を研究する東京大の阿古智子教授に背景を聞いた。

6月に江蘇省蘇州市で起きた日本人母子への切り付け事件の徹底調査がなされない中、また悲劇が起きてしまった。
殺害されたのは罪のない日本人の男の子だ。
尊い命が奪われた現実に憤りと悲しみを抑えられない。
都合の悪い事実を隠したがる中国政府も、今回はさすがに説明責任を果たさなければならない。
容疑者の動機には
「反日」
「抗日」
が関係している可能性も捨てきれない。
事件が起きた
「9月18日」
は満州事変の発端となった柳条湖事件の日だ。
「この日なら許される」
などの感情が働いたかもしれない。
中国側は背景を徹底調査し、適切に報告すべきだ。
この事件も含め、中国の政府系メディアは詳細を報じないが、中国では最近、外国人への犯罪が増加している。
また交流サイト(SNS)を見ると、中国人同士の殺傷事件も頻繁に起きていることがわかる。
社会が極めて不安定化している表れではないか。
中国は経済が悪化し続けており、習近平政権を批判的に見る人も増えている。
だが、言論統制で不満を口に出すことができず、暴力で解決する傾向が強まっていると感じる。
思想教育やプロパガンダ(政治宣伝)が行われる中、余裕のない人が
「敵」
と教わった日本人を不満のはけ口としてみている恐れもある。
今回の悲劇は日中関係にも影響するだろう。
中国事業により慎重になる日本企業も増えるかもしれない。
中国が徹底調査して説明責任を果たすのが関係維持への第一歩だが、それだけでは根本的な解決にはならない。
日本への憎しみを生むような教育をしていなかったか。
中国側はこれを機に考えるべきだ。
日本人も事件があったからといって中国人差別に手を染めてはいけないが、中国が行き過ぎたナショナリズムの横行を直視しなければ、再び悲劇が起きかねない。

中国・深圳の日本人男児殺害、各候補が政府に「毅然とした対応」促す 自民総裁選
2024/9/19 18:27
https://www.sankei.com/article/20240919-F5Q2JRTB55NDZMJEW6FD7S4FZU/
中国広東省深圳で日本人学校に通う男子児童が刺殺された事件を受け、自民党総裁選候補者からは19日、中国に毅然とした対応を取るよう政府に促す意見が相次いだ。
事件が日中関係に与える影響を懸念する声も出た。
石破茂元幹事長は記者団の取材に
「日本政府として中国に申し入れるだけでなく、どういう対応を取ったのか強く質していくべきだ」
と強調した。
小泉進次郎元環境相は
「中国政府には動機の解明を含めて厳正な対処を求めたい」
と記者団に述べた。
高市早苗経済安全保障担当相は国会内の陣営会合に出席した議員らと黙とうした。
「中国当局が未だに原因や動機を明らかにしておらず、残念だ。説明を求めていく」
と訴えた。
茂木敏充幹事長は、中国で通学する日本人児童の警備費用増額を検討する必要があると主張した。
河野太郎デジタル相は
「こうした事件が続けば、中国で働く日本人が引き揚げることに繋がりかねない」
と指摘した。

中国・深圳の日本人襲撃、動機などなお伝えられず 邦人の安全確保 日中間の重要課題に
2024/9/19 18:19
https://www.sankei.com/article/20240919-IARXY3SOTJP5FKORYIUE6IELAA/
中国広東省深圳市で日本人学校に通う小学生の日本人男子児童(10)が18日に刺されて負傷した事件で、同省広州市の日本総領事館は19日、男児が死亡したと明らかにした。
当局は容疑者の男(44)の身柄を現場で確保して取り調べを行っているが、これまでのところ日本側に動機など詳細な情報は伝えられていない。
中国における日本人の安全確保や、事件の真相解明が日中間における重要課題となる。
日中両政府などによると、男児は18日朝に保護者と登校中、日本人学校の校門から約200メートル離れた場所で男に襲われた。
男児は腹部を刺され、病院で手術を受けたが19日未明に死亡した。
中国では6月、江蘇省蘇州市で日本人学校のスクールバスを待っていた日本人の母子が刃物で切り付けられて負傷する事件が起きたばかり。
在中国日本大使館は19日、在留邦人に対し
「日本人が被害に遭う事件が相次いでいる」
と改めて注意を呼び掛けた。
大使館は事件に関して
「背景など詳細は現在のところ不明」
だとして
「中国側に情報提供を強く求めている」
と強調した。
中国外務省の林剣報道官は19日の記者会見で、男児が死亡したことについて
「不幸な事件」
だとの認識を示して
「遺憾」
の意を示した。
林氏は
「類似の事件は如何なる国でも起きる可能性がある」
と主張し、
「個別の事件が中日両国の往来や協力に影響しないと信じている」
と表明した。
男児は日本国籍で、両親は日本人と中国人だと説明した。
金杉憲治・駐中国日本大使は19日、深圳に急遽入り現地で対応にあたった。
北京市にある在中国日本大使館は同日、日の丸の半旗を掲げて弔意を示した。
日本総領事館の貴島善子総領事は18日夜に深圳の対外窓口である外事弁公室主任と面会。
真相解明や再発防止の具体策などを求めた。

自民・高市早苗氏、中国・深圳の邦人男児殺害に「本当に胸が痛む」 中国政府に説明求める
2024/9/19 17:44
https://www.sankei.com/article/20240919-L255GXC3PNI6TLSJYDPYFJ2TUU/
自民党総裁選(27日投開票)に立候補した高市早苗経済安全保障担当相は19日、中国広東省深圳にある日本人学校に通う男子児童(10)が刺殺された事件について、国会内で記者団に「家族の方の思いを考えると本当に胸が痛む。心からお悔やみを申し上げる」と述べた。
中国当局が犯人拘束後も事件の背景や原因を公表していないことを指摘し、「説明をしてもらわなければ日本人学校の安全も守れない」と強調。中国政府に対し、「中国に滞在している日本人の安全を守る具体的な策を示してほしい」と求めた。
高市氏は中国の反スパイ法への懸念も表明。「日本人にも適用される法律の解釈の詳細な説明を求めることは日本政府の責務だ」と述べ、中国側に説明を求める考えを示した。

中国外務省が深圳の日本人男児死亡に「遺憾」表明 「どの国でも起こり得る」とも主張
2024/9/19 17:24
https://www.sankei.com/article/20240919-E6B6VWL6MVJKLJ3UXZDN7EIGJY/
中国外務省の林剣(りん・けん)報道官は19日の記者会見で、広東省深圳の日本人学校への登校中に小学生の日本人男児(10)が男に刺され死亡したことについて、
「不幸な事件」
だとして
「遺憾」
の意を表明した。
男児に対して哀悼の意も示した。
林氏は
「類似の事件は如何なる国でも起きる可能性がある」
と主張して
「個別の事件が中日両国の往来や協力に影響しないと信じている」
との認識を示した。
「中国側は一貫して有効な措置を取り続けており、中国にいる全ての外国人の安全を保障している」
とも強調した。
動機など詳細については
「現在、調査中であり、中国側の関係部門が法に照らして処理する」
と述べるにとどめた。

岸田首相、中国・深圳で男児殺害に「極めて卑劣な犯行で重大かつ深刻」「説明強く求める」
2024/9/19 15:54
https://www.sankei.com/article/20240919-Z52XZSPCJNJGTCT2HSEEEZ75YA/
岸田文雄首相は19日、中国広東省深圳にある日本人学校に通う男子児童(10)が刺殺された事件について
「極めて卑劣な犯行であり、重大かつ深刻な事案だ」
と非難した。
「中国側に事実関係の説明を強く求めていく」
「犯行から既に1日以上経っている」
「一刻も早く説明を強く求めるよう指示した」
と語った。
視察先の石川県内灘町で語った。
首相は
「このような事案を二度と繰り返してはならない」
「日本人の安全確保と再発防止を中国側に強く求めていくと同時に、日本政府としても、できることを全て行っていく」
と強調。
「ご家族のご心痛、察して余りあるものがある」
「全力でご家族の支援に当たっていきたい」
と語った。

自民・茂木氏 中国・深圳の児童死亡に「強い怒りを覚える」
2024/9/19 14:38
https://www.sankei.com/article/20240919-EVDW2FCFS5NQDPEN4REGZWSO7I/
自民党の茂木敏充幹事長は19日、中国・深圳で日本人学校の男児が刺され死亡した事件を受け、自身のX(旧ツイッター)に
「心よりお悔やみ申し上げる」
「そして今回の事件に強い怒りを覚える」
「捜査当局によるしっかりとした捜査がされることを強く求める」
と投稿した。

北京の日本大使館に半旗 中国・深圳の日本人男児死亡で弔意 駐中国大使が現地入り
2024/9/19 13:53
https://www.sankei.com/article/20240919-AEUXC5QFYZMUHEEJFVWW2JMU34/
中国広東省深圳で日本人学校への登校中に男に刺された小学生の日本人男児(10)が19日に死亡したことを受け、北京の在中国日本大使館は同日、日の丸の半旗を掲げて弔意を示した。
金杉憲治・駐中国日本大使は同日、現場となった深圳に急遽向かった。
事態を深刻に見て現地で対応に当たる。
事件発生後、広東省省広州市の日本総領事館の貴島善子総領事らが現地で家族への対応や地元当局への要請などにあたってきた。
日本政府関係者などによると、男児は18日朝に保護者と登校中、日本人学校の校門から約200メートル離れた場所で男に襲われた。
腹部を刺されており、病院に搬送して手術など治療を続けたが19日未明に死亡した。
容疑者の男(44)は当局が現場で身柄を確保して取り調べを行っている。
日本側には動機など詳細な情報は伝えられていない。
深圳は、香港と隣接する中国南部を代表する経済都市だ。中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)などが本社を置き、IT産業の集積地として日系企業も多数進出している。
外務省のデータによると、2023年10月時点で深圳の在留邦人数は3600人で、中国本土の都市では5番目に多い。

中国には9都市に11の日本人学校、スクールバスの警備強化目指した矢先に 邦人男児死亡
2024/9/19 12:06
https://www.sankei.com/article/20240919-TTHSRMDWQZK5LDMBLO5R4ZGWVE/
中国広東省深圳にある日本人学校近くで、同校に通う男児(10)が男に刺されて20日、死亡した。
中国では6月にも江蘇省蘇州で、スクールバスで日本人学校に通う子供らが襲われる事件が起きている。
政府は中国本土9都市に11ある日本人学校に通う子供の安全確保を徹底するため、スクールバスの警備強化などを図ろうとしていた矢先だった。
蘇州では6月24日、スクールバスを待っていた日本人の母子が、50代の男から刃物で切り付けられて怪我を負った。
事件を受け、外務省は令和7年度予算案の概算要求で、初めて中国国内の日本人学校でのスクールバスの警備費として、約3億5000万円を計上。
スクールバスに1台当たり警備員1人を配置する計画を立て、子供らの安全強化を図ろうとしていた。
外務省の海外在留邦人数調査統計によると、中国の在留邦人は10万1786人おり、2万人近い未成年も在留している(令和5年10月現在)。
11の日本人学校には、合わせて3300人を超える児童や生徒が通学している。
中国に進出する日本企業で作る中国日本商会(本間哲朗会長=パナソニックホールディングス副社長)も今年7月、中国政府に邦人の安全確保を要望していた。

「卑劣な行為」と上川陽子外相 中国・深圳の日本人男児刺殺事件で再発防止を指示
2024/9/19 9:52
https://www.sankei.com/article/20240919-BDDTFTMYLVMLJH4FEFH3P76FLU/
中国広東省深圳にある日本人学校近くで同校に通う男児(10)が男に刺され死亡した事件で、上川陽子外相は19日、
「卑劣な行為で誠に遺憾だ」
「深い悲しみを禁じ得ない」
と外務省で記者団に述べた。
上川外相は再発防止策の検討を外務省の担当者に指示。
また、中国側に日本人の安全確保を求めていくことも明らかにした。

中国・深圳の日本人襲撃で刺された男児が死亡 相次ぐ事件に衝撃、中国側に再発防止を要請
2024/9/19 8:58
https://www.sankei.com/article/20240919-T46FIP3YE5MXXCBUHRGYD72HQM/
中国広東省深圳市で日本人学校に通う小学生の男児(10)が18日に男に刺されて負傷した事件で、同省広州市にある日本総領事館は19日、男児が死亡したと発表した。
男児は病院に搬送されて手術を受けており、総領事館は19日未明に男児の容体が
「予断を許さない状況」
だと説明していた。
容疑者の男(44)は当局が身柄を確保して取り調べを行っているが、日本側には動機など詳細な情報は伝えられていない。
金杉憲治・駐中国日本大使は18日に北京市で記者団に対し、今回の事件が日本人を狙ったものであるかどうかについては
「まだ背景が分からない」
とコメントを避けた。
在広州日本総領事館の貴島善子総領事は18日夜に深圳市の対外窓口である外事弁公室主任と面会。
男児の家族へのケアや真相解明、再発防止の具体策などを求めた。
総領事館は、日本人学校も交えて再発防止に関する協議を始めた。
中国では6月に江蘇省蘇州市で日本人学校のスクールバスを待っていた日本人の母子が刃物で切り付けられる事件が起きており、総領事館が日本人学校などと安全対策に関する情報交換や対策協議を行っていた最中に今回の事件が起きたという。
総領事館は貴島氏ら複数の館員が深圳に入り、家族への対応や日本人学校との連絡、地元当局への要請などを行っている。
中国に進出する日系企業の団体「中国日本商会」は18日にホームページで談話を発表し、事件について
「極めて深刻に受け止めており、このような事案が発生したことは極めて遺憾だ」と表明した。
商会は、今回の事件を受けて日中両政府に対し在中邦人の安全確保を改めて求めるとともに、
「事件の背景を含めた詳細情報を速やかに明らかにすること」
を求めた。
中国に住む日系企業駐在員らの間では、日本人の子供を襲う事件が相次ぎ起きていることに衝撃が広がっている。

10歳男児の容体は「予断を許さない深刻な状況」 中国・深圳の刺傷事件、最善の措置要望
2024/9/19 7:58
https://www.sankei.com/article/20240919-CJ5ATBYX6JLNBDQ4D4HQ66BQOQ/
中国広東省深圳にある日本人学校近くで同校に通う男児(10)が18日に男に刺された事件で、同省広州市にある日本総領事館の貴島善子総領事は19日未明、記者団の取材に応じ、男児の容体は
「予断を許さない非常に深刻な状況だ」
と明らかにした。
同日未明時点で男児は手術室で医療措置を受けているという。
貴島氏は18日夜に深圳市の外事弁公室主任に会い、男児を救うための最善の医療措置や再発防止の具体的措置を要望した。
事件の真相解明と日本側への丁寧な説明も求めた。
現場付近で容疑者の男を取り押さえたのは、近くで警備に当たっていた警察関係者だと述べた。
犯行の動機については警察から情報を得られていない。
日本人を狙った犯行だったかどうかについては
「分析するには情報がまだ少ない」
として明言を避けた。
深圳市の外事弁公室からは事件が起き残念だとの表明があり、男児の治療には広東省の一流の医師が治療に当たっているとの説明があったという。(共同)

金杉憲治中国大使、再度の日本人襲撃に「じくじたる思い」「満足できる説明ない」
2024/9/18 21:35
https://www.sankei.com/article/20240919-T46FIP3YE5MXXCBUHRGYD72HQM/
金杉憲治・駐中国日本大使は18日、中国広東省深圳市で日本人学校に通う小学生の男子児童が男に刺されて負傷した事件を受け、中国側に対し
「在留邦人の安全、安心、万全な警備を改めて働きかけた」
ことを明らかにした。
北京市内で記者団に語った。
中国側に真相究明や背景に関する説明も求めたが、
「残念ながら今のところ我々が満足できるような説明はきていない」
という。
今回の事件が日本人を狙ったものであるかどうかについては
「まだ背景が分からない」
とコメントを避けた。
6月に江蘇省蘇州市で起きた日本人母子が刃物で切り付けられた事件に続いて再び日本人が襲われたことについて
「本当に忸怩たる思いだ」
と述べた。
中国側に対して
「邦人コミュニティー全体の危機意識をしっかりと受け止めた上で対応してほしい」
と適切な対応を求めた。
「在留邦人の安全、安心について大使館、総領事館を挙げて最大限努力していきたい」
と表明した。
一方、中国に進出する日系企業の団体「中国日本商会」は18日にホームページで談話を発表し、事件について

中国・深圳で日本人学校に登校中の小学児童が襲われて負傷 容疑者は当局が確保
2024/9/18 12:08
https://www.sankei.com/article/20240918-SAMWB2FTFFOJ5FYSXRGJZGHW3I/
日本政府関係者や現地関係者によると、中国南部の広東省深圳市で18日午前、日本人学校に登校中だった小学生の男子児童が男に襲われて負傷した。
児童は病院に搬送されて治療を受けている。
怪我の程度などは明らかになっていない。
中国では6月にも、東部の江蘇省蘇州市で日本人学校のスクールバスを待っていた日本人の母子が刃物で切り付けられて負傷する事件が起きている。
容疑者の男は当局が身柄を確保して取り調べを行っているという。
在広州日本総領事館が現地に担当者を送って、被害者の支援や情報収集などに当たっている。
深圳は中国南部の経済都市で、IT産業などの集積地として知られる。

中国 襲われた日本人学校の男子児童死亡 現地に衝撃広がる
2024年9月19日 12時52分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240919/k10014585361000.html
中国南部 広東省の※深センで日本人学校に通う10歳の男子児童が登校中に刃物を持った男に襲われた事件で、現地に駐在する日本の総領事は19日未明に男子児童が死亡したと明らかにしました。
中国ではおよそ3か月前のことし6月にも東部の江蘇省蘇州で日本人学校のスクールバスが刃物を持った男に襲われ、日本人の親子がけがをする事件があり、現地では警戒が高まっていただけに衝撃が広がっています。
※「セン」は「土」へんに「川」。
18日午前、中国 広東省の深センで、日本人の10歳の男子児童が保護者と一緒に日本人学校に登校していたところ、男に刃物で刺されて病院に搬送されました。
広東省広州に駐在する貴島善子総領事は19日朝、記者団に対して
「男子児童は病院で治療を受けていましたが、19日未明、亡くなりました」
「心より哀悼の意を捧げたい」
と述べ、男子児童が死亡したことを明らかにしました。
児童は腹部を刺されて傷を負っていたということで、具体的な死因については、中国の当局が調査しているとしています。
■貴島総領事「一番に家族のケアを」
貴島総領事は
「今回の事案の発生を受けて、引き続き中国側には日本人の安全確保のために尽くしてもらいたい」
「総領事館としても全力で対応していきたい」
と述べました。
そして
「まずご家族のケアを一番に考えて対応していきたい」
と述べ、日本人学校や深セン市政府とも連絡をとりながら対応していく考えを示しました。
■容疑者は44歳の男 動機など不明
地元の警察によりますと、容疑者は44歳の男で、その場で当局に身柄を拘束され、取り調べを受けているとみられますが、動機などについてはこれまでのところ、明らかになっていません。
■「本当に悲しい」「大部分は友好的」中国人からも悲しみの声
現場のすぐ近くに住む30代の中国人の女性は、自らも5歳の子どもがいることにふれた上で
「事件のことを知ったときはびっくりしました」
「お子さんのことを心配していました」
「亡くなったことを知って本当に悲しいです」
「このようなことが起きて残念です」
と話していました。
北京の50代の女性は
「大部分の中国人は日本人に対してとても友好的で、今回は極端な事例だと思う」
「大多数の中国人の本当の考えを代表していない」
「本当に遺憾で心を痛めている」
と話していました。
また、20代の女性は
「もし歴史問題が原因で繰り返し起きたことであれば私は受け入れられない」
と話していました。
■中国メディア 短く伝えるのみ
中国の主なテレビや新聞は、18日に事件が起きた時点ではほとんど伝えず、午後になって中国外務省の報道官が定例会見で記者に聞かれて発言すると、一部のメディアは事件の概要に関する発言だけを短く伝えました。
男子児童が死亡したことについては、いまのところ報じていません。
また、中国外務省は18日の記者会見の内容をホームページに掲載していますが、事件に関する5回の質疑応答のうち、最初のやりとりを除く4回を掲載していません。
■6月にも江蘇省でスクールバス襲われる事件
中国ではことし6月にも東部の江蘇省蘇州で日本人学校のスクールバスが、刃物を持った男に襲われ、日本人の親子がけがをし、男を止めようとした中国人女性が死亡する事件が発生しています。
その後、中国各地の日本人学校では警備体制を強化するなど、警戒が高まっていただけに、日本人が巻き込まれる事件がふたたび起きたことに現地の日本人社会では衝撃が広がっています。
■北京 日本大使館 半旗掲げる
男子児童が死亡したことを受けて、北京にある日本大使館は19日、半旗を掲げました。
また、中国のSNS「ウェイボー」の公式アカウントで半旗の写真と中国語で哀悼のことばを投稿して、中国政府に対して、事件の真相を明らかにするとともに中国にいる邦人の保護や再発防止に努めるよう求めています。
また、日本大使館は18日に続いて19日も、中国国内にいる日本人に対して安全の確保に努めるようメールで強く呼びかけました。
メールでは、ことし6月の江蘇省 蘇州の事件にも触れ、中国の関係当局に日本人の安全確保を強く要請しているとしています。
その上で、外出の際は不審者の接近など周囲の状況に留意し、特に子どもを連れて外出する場合は十分に対策をとるよう呼びかけています。
■上川外相「卑劣な行為で遺憾」中国側に安全確保求める考え
上川外務大臣は19日朝、外務省で記者団に対し
「深い悲しみを禁じ得ず、心からのお悔やみを申し上げる」
「登校中の児童に対し、卑劣な行為が行われたことは誠に遺憾で、両親の心痛も考えると胸が潰れる思いだ」
「政府として全力で家族の支援にあたる」
と述べました。
そして
「ことし6月の蘇州の事件を受け、安全対策の再点検を早急に行うよう伝達していたほか、9月18日が柳条湖事件が起きた日であることを踏まえ、中国外交部に対し、日本人学校の安全対策について万全の対応を行うよう申し入れを行ったところだが、こうした中で本件事案が起きたことは大変残念だ」
と述べました。
その上で
「今般の事案を極めて重く受け止めており、改めて中国側に対し、日本人の安全確保を求めていくとともに、再発防止に向けて、どのような追加的な措置が可能か、事務方に検討を指示した」
と述べました。
■中国との人的交流や投資に影響も
今回の事件は日本と中国の間の人的な交流や日本企業の中国への投資に影響を与えることになりそうです。
中国では、景気の先行きへの不透明感に加え、スパイ行為に関わったなどとして日本人が当局に拘束されるケースも相次いでいます。
このため日本企業の間では、社員の出張や中国への投資を控える動きが広がっています。
中国に進出する企業でつくる「中国日本商会」が8月末に発表した会員企業へのアンケート調査では、ことしの中国への投資額について
▽「大幅に増加させる」や「増加させる」と答えた企業が15%にとどまった一方、
▽「減らす」もしくは「投資はしない」は45%にのぼりました。
調査の中では、中国政府への要望事項として、ことし6月に江蘇省蘇州で日本人学校のスクールバスが襲われた事件を受け、在留邦人の安心や安全を求める声が相次いでいました。
今回の事件を受けて「中国日本商会」は18日
「極めて深刻に受け止めている」
とするコメントを発表しました。
その上で
「改めて邦人の安全確保を日中両国政府に強く求めるとともに、事件の背景を含めた詳細情報を速やかに明らかにすることを求めていく」
とし、北京にある日本大使館に申し入れを行いました。
事件の背景などの詳細はわかっていませんが、蘇州の事件から3か月足らずで発生した今回の事件を受け、日本企業の間で安全への懸念が一段と強まるのは避けられないとみられます。
■専門家「駐在員の安全対策 企業でも」
中国情勢に詳しい神田外語大学の興梠一郎教授は、今回の事件による影響について
「中国への投資はすでに減ってきているが、今後ますます影響してくると思う」
「ビザの問題ですでに減少している日本人観光客や修学旅行への影響も避けられないだろう」
と話していました。
また、中国で日本人が襲われる事件が相次いでいることを受けて現地の日本企業への影響も大きいとしたうえで
「今後、社員が中国に駐在する時にどうするのか、1人で単身赴任する場合、安全対策をどうするのかなど考えないといけない」
「日本人がいると明らかにわかるような場所に行くことは、避けたほうが良い」
と話し、日本政府や現地の日本企業による安全対策の徹底が必要だと訴えました。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/726.html#c31

[政治・選挙・NHK295] 山本太郎(氏、小沢一郎氏のエールに「国会対策や選挙区調整まで剛腕振るうことが出来ていれば…」(日刊スポーツ) 達人が世直し
48. 秘密のアッコちゃん[765] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月19日 06:37:45 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[330]
<■2011行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
深圳の邦人男児殺傷事件から1カ月 動機など説明なし 危険情報レベル「ゼロ」のまま
2024/10/18 22:01
https://www.sankei.com/article/20241018-B7FUWCBNGRMNNAL6IARETUOSXA/
中国広東省深圳市で日本人学校に通う男子児童(10)が中国人の男に刺殺されたことを受け、日本政府は石破茂首相や岩屋毅外相らが早期の事実解明や説明を中国側に求める一方、中国にある日本人学校の警備強化に乗り出した。
だが、再発防止に向けた中国側の取り組みには不安が残り、中国に渡航・滞在する邦人に対し、日本政府がより強い注意を促すよう求める声もある。
「日本人学校の安全確保に万全を期していきたい」。
青木一彦官房副長官は2024年10月18日の記者会見で、中国各地の日本人学校の警備を強化する考えを改めて示した。
政府は事件後、中国の日本人学校12校の警備強化に4300万円を拠出することを決定している。
事件を巡っては、石破首相が2024年10月10日、ラオスで会談した中国の李強首相に
「中国の在留邦人の不安は急速に高まっている」
と伝え、邦人の安全確保を強く求めた。
両首相が事件に
「しっかり対応していくことを確認した」(外務省幹部)
ことを受け、2024年10月17日には日本外務省の岩本桂一領事局長が中国外務省のケ励(とうれい)次官らと北京で協議した。
だが、中国側から動機に関する新たな情報提供はなかったという。
外務省が出す海外渡航・滞在の危険情報で、中国は、新疆ウイグル、チベット両自治区を除き危険レベル
「ゼロ」
のままとなっている。
一部の国会議員らからは、注意喚起のためレベルの引き上げを求める声が上がる。
中国出身の評論家、石平氏は
「レベルを引き上げないから、中国政府も日本は事件について本気でないと受け止める」
「要するに舐められてしまっている」
と指摘している。

血の通わない中国の対応 深圳男児刺殺、日本は国際問題化を 神田外語大・興梠一郎教授
2024/10/18 19:50
https://www.sankei.com/article/20241018-J6YQQKXMO5J27AZW7WQR33MC4M/
中国広東省深圳市の日本人学校に通う男児が中国人の男に刺殺され、2024年10月18日で1カ月となった。
中国情勢に詳しい神田外語大の興梠一郎教授はこの間の中国政府の動きについて
「血が通っていない対応だ」
と批判し、日本は事件を国際問題化すべきだと訴える。
◇  ◇  ◇
深圳市の男児刺殺事件が起きた直後、中国外務省の報道官は
「どこの国でも起こり得る」
と発言した。
全く人の血が通っていない発言で、普通の感覚ではない。
「自分たちのせいではない」
と責任回避しているように映る。
意に沿わない人物は切り捨てられる習近平政権下で懲罰を恐れ、保身に走る者ばかりになった中国政府が硬直化している表れでもある。
■真剣に対応する姿勢見えず
中国側からは1カ月経っても納得のいく説明は皆無だ。
日本も引き続き説明を求めるべきだが正直、何も期待できないだろう。
6、9月の僅か3カ月間で2回も日本人学校を狙った事件が起きて、いずれも死者が出た深刻な事態だが、中国政府は
「偶発的な個別事案だ」
との一点張りで、まるで知らん顔だ。
交流サイト(SNS)で
「日本人学校はスパイ養成機関」
などのデマは放置し、北京大教授による
「事件は(中国の)憎しみを生む教育のせいだ」
との理性的な投稿は削除する。
自らに都合の良い
「中国は安全だ」
といった明るい情報しか出せないのだろうが、真剣に対応しようという姿勢がまるで見えない。
■動機は「生活苦」か「反日」か
容疑者の動機は
「生活苦」

「反日」
のどちらか、または両方とも要因だったと推測できる。
中国は空前の不景気で仕事がない。
今年2024年に入り、失業した中年の男が相次いで刺傷事件を起こしている。
経済低迷で中国社会の治安が悪化していることと無関係ではない。
反日の影響も捨てきれない。
昨年2023年の原発処理水放出以降、日本人学校に卵が投げ付けられるなど嫌がらせは既に起きていた。
今年2024年は2件の刺殺事件の前、江蘇省蘇州市で日本人が首を切り付けられる事件もあった。
「日本嫌い」
が大きな事件を引き起こす予兆≠ヘいくつも出ていた。
中国政府は
「反日教育はない」
と否定しているが、江沢民時代から反日的な愛国主義教育が強化され、南京大虐殺記念館などの歴史教育施設が作られてきた。
容疑者も影響を受けた世代だ。
中国は憎しみを生む教育を進めた反省をすべきだ。
中国は事件が世間から忘れ去られるのを望んでいる。
「経済悪化による事件増」

「外国人ヘイト」
といった切り口で語られるのを避けたいためだ。
外国企業の大量撤退に繋がる事態を恐れている。
「個別事案」
として静かに終わらせたいのが本音だろう。
■日本は国際問題として発信を
一方で中国の不誠実な態度は
「日本軽視」
とも取れる。
2国間関係が悪化して困るのなら事件をぞんざいには扱わないはず。
今の中国は経済より上に政治や国家安全がある。
敵対する西側の一員である日本を以前ほど戦略的に重要と見ていない表れかもしれない。
だからといって、何の罪もない在中邦人が危険に晒されるなどあってはならないことだ。
日本は事件を国際問題として世界に発信すべきだ。
習近平国家主席が哀悼の意を述べるなどすれば状況も変わるが、可能性はほぼゼロだ。
今年2024年は米国人4人が刺される事件も起きたが、米側が説明を求めても動機は明らかにされていない。
態度の変化には期待できないが、中国の不誠実な態度を容認してはならない。
再発を阻止するため、動機の解明も要求し続けるべきだ。

深圳日本人男児刺殺事件の背景は反日教育 中国は「逆切れ」で責任放棄 問われる石破茂政権の本気度
教えて!石平先生 
2024/10/16 7:00
https://www.sankei.com/article/20241016-XHJSQIRZJFJ7XOYAXHWSGJDQDM/?293465
読者からの声を基に、評論家の石平さんに中国に関する質問をぶつけます。
中国広東省深圳市で9月、日本人学校の男子児童(10)が中国人の男に刺殺される事件が起きました。
事件の背景や日中両政府の対応について、石平さんに聞きました。
中国の社会や政治、歴史などについてのご質問をoshiete@sankei.co.jpまでお寄せください。

ーー深圳での事件が起きた背景をどう考えますか
事件が起きたのは9月18日。
「9・18」
と言っても、日本人はピンと来ないと思いますが、満州事変のきっかけとなった柳条湖事件(1931年9月18日)が起きた日で、中国では知らない人はほとんどいない国恥記念日です。
日本人をターゲットにした犯行としか思えません。
男がこの日を選んだ背景には反日感情があると考えられます。

ーー中国は深圳の事件について「類似の事件はいかなる国でも起きる可能性がある」(外務省報道官)とも言っています
どこの国でも外国人が殺傷されるような刑事事件はありますが、6月に江蘇省蘇州市で日本人学校のスクールバスを待つ日本人母子が切り付けられる事件が起きたばかりでしたし、蘇州では4月にも日本人男性が襲われ、首を負傷する事件がありました。
日本人を狙った事件が連続で3件、しかも子供が襲撃されて殺される。
そんなことがどこの国にも起きるのか。
中国だからこそ起きた事件です。
6月の蘇州での事件後、中国政府は再発防止に取り組んでこなかった。
だから、深圳の事件が起きてしまった。
でも、その後も中国政府が再発防止に取り組む意欲は感じられません。
一連の事件の背後にある反日感情を和らげたり、払拭したりするつもりもない。
このままだと同じような事件がまた起きかねないと、大変危惧しています。

ーー日中戦争が終わって79年がたっても反日感情はなくならないのですね
私自身は日本に留学する1988年まで中国にいましたが、1970年代にしても1980年代にしても、中国にいわゆる反日感情というものはほとんどありませんでした。
むしろ1980年代になって、中国が日本と人的交流、経済交流を強めたので、親日とまでは言いませんが、中国人の日本人に対する好感度は高かったですね。
それが何を意味しているか。
要するに中国人が持つ反日感情は、ほとんど戦争中の出来事と関係がないということです。
戦争中の出来事が反日感情の原因であるならば、今よりも戦時に近い1980年代の方がもっと反日感情があってもおかしくない。
1980年代には戦争を体験した人が現在よりも大勢生きていました。
それでも反日感情がなかったのは、基本的に戦争とは関係ないということです。
では、どうして反日感情が生まれたか。
1989年の天安門事件の直後に中国共産党総書記になった江沢民は、若者たちの不平不満や反発を共産党ではなく、外敵に向かわせる必要があると考え、1990年代から反日教育を始めました。
それが現在でも続いています。
深圳で事件を起こした男は当局の発表では44歳。
まさに反日教育で洗脳された世代です。
一連の日本人襲撃事件の背景にあると考えられる反日感情は、江沢民政権以来の反日教育が作り出したものだと言えます。

ーーただ、反日教育が30年以上に渡って続く中で、日本人の子供が立て続けに襲撃され、殺されたのは初めてではないでしょうか。
何か質的な変化があったのでしょうか
鋭い質問だと思います。
習近平政権の、特に2期目以降のこの5、6年で、中国の対外姿勢は以前にも増して横暴、強硬になりました。
戦狼外交という言葉に象徴されるように、外交が攻撃的になっている。
また中国のネット上では
「日本人を全滅させたい」
「東京大虐殺をやりたい」
といった暴力性の強い反日的言論が氾濫していますが、中国政府はそれを容認しています。
中国は世界一の検閲大国ですから、その気になれば簡単に取り締まることができるのに、それをしないのです。
中国政府のこうした姿勢が元々ある反日感情と相まって、中国国民を暴力的言動に駆り立てているのです。

ーー9月の日中外相会談で、事実解明と日本側への明確な説明や悪質で反日的なSNSの投稿の取り締まりを求めた上川陽子外相(当時)に対し、中国の王毅共産党政治局員兼外相は
「冷静に事件を扱い、政治化を避けるべきだ」
と逆に注文を付けました
中国は
「政治化」
と言っていますが、日本人が連続して襲撃されて、子供まで殺されたことに関して、日本側が原因や動機の究明、そして再発防止を中国側に求めるのは当然のことです。
政治レベルの話になったのは、中国政府が無責任な態度を取ったからです。
私が一番憤りを感じたのは、まるで中国が被害者になったかのような王氏の話しぶりです。
要するに逆ギレです。
日本人の子供が中国で殺されているのに、王氏は逆に日本を責めています。
自分が不利な立場に立たされたら、逆に相手に非があるかのように立場を逆転させて、相手を攻撃する。
中国でならず者同士が喧嘩する時によくやる手法です。
王氏のこの一言が、中国政府の無責任ぶりをよく表しています。

ーー日本政府はどう対応すべきでしょう
私が不思議に思うのは、日本人に対する襲撃事件が今年2024年に入って3件も起き、子供が殺されているにもかかわらず、岸田文雄前政権に続き石破茂政権も、中国本土への渡航や滞在の
「危険情報」
のレベルをゼロのままにしていることです。
米国が出している危険情報は4段階のうち上から2番目のレベル3です。
一体日本政府は国民の命を守るつもりはあるのでしょうか。
レベルを引き揚げないから、中国政府も日本は事件について本気でないと受け止める。
要するに舐められてしまっているわけです。
中国の日本人学校の警備強化に効果がないわけではないでしょうが、中国の在留邦人は約10万人。
日本側がいくら努力しても、同種の事件を完全に防ぐことは不可能です。
結局、命を守るには、日本に引き揚げる以外にありません。
最低限、女性と子供は引き揚げるべきでしょう。
企業も中国ビジネスが大事か、社員とその家族の命が大事か、という究極的な判断をしなければなりません。
ですが、危険情報がレベルゼロのままでは企業も対応しにくいでしょう。
そうした点でも日本政府の本気度が問われていると思います。

中国深圳の日本人学校で通学再開へ 男児刺殺事件
2024/10/12 20:16
https://www.sankei.com/article/20241012-UEKGL6LLEBKMBKF6UTX3ZBITEI/
中国広東省深圳で日本人の男子児童(10)が刺殺された事件で、男児が通っていた日本人学校が14日から児童、生徒の通学を再開することが12日、関係者の話で分かった。
一時帰国したり、登校を怖がったりする子どもが少なくないため、オンラインでの授業も継続する。
事件は9月18日朝に発生。
登校中に刺された男児は病院で治療を受けたが、19日未明に死亡した。
警察は容疑者の男を現場で拘束した。
日本人を狙った犯行との見方がある。
中国当局は犯行動機などを明らかにせず
「偶発的な個別事案」
と説明している。(共同)

ネット上で「反日」拡大も 不適切投稿即削除の中国政府は黙認£j児刺殺事件は「日本」標的の可能性、SNS上で煽られたか
2024.9/28 10:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20240928-Q5J4VE4HDRP3ZI4NDGZCC4FNIQ/
中国広東省深圳市で18日朝、日本人学校に登校中の男子児童(10)が男に刺された。
現地の当局者によると、男は鋭利な刃物で男児の腹部を複数回刺し、刃物は肝臓を貫通した。]
男児は近くの病院に運ばれて集中治療室(ICU)で治療を受けたが、出血多量で19日未明に死亡した。
深圳市は20日、地元警察の捜査結果を発表した。
男は44歳の漢族で定職はなく、2019年に公共の秩序を乱す事件を起こすなど、複数の前科があるという。
男は調べに対し、男児を刺したことを認めている。
警察は
「単独犯で偶発的な事件」
だったと強調し、日本人を狙った事件ではないことを示唆した。
しかし、
「日本」
をターゲットにした可能性が高いと筆者はみている。
事件が起きた18日は93年前、満洲(現在の中国東北部)の柳条湖付近(遼寧省瀋陽市近郊)で、関東軍が南満洲鉄道の線路を爆破する事件が起きた。
中国では
「国辱の日」
とされ、反日感情が最も高まる日だからだ。
さらに最近、中国のSNS上では、日本人への差別的な投稿が増えている。
特に日本人学校には
「日本政府のスパイ養成学校」

「租界」
などと根拠のない書き込みが目立つ。
インフルエンサーが日本人学校の校舎内や登下校する児童を盗撮する動画が人気を集めたりもしている。
こうした投稿を鵜呑みにした中国人による、各地の日本人学校への投石などの嫌がらせも相次いでいる。
中国政府はSNSを厳しく監視しており、不適切な投稿はすぐ削除される。
にもかかわらず、日本に関する事実無根な書き込みが放置されているのは、中国政府が事実上黙認しているといってもいい。
今年2024年6月には中国江蘇省蘇州で日本人学校のスクールバスが、刃物を持った男に襲われ、日本人親子がけがをする事件が起きている。
日本人学校関係者が相次いで襲撃される事件が起きていることは、SNS上で煽られた言説とは無関係とは言えないだろう。
中国では、2005年と2010年、2012年と
「反日デモ」
が起きている。
筆者も北京特派員時代、デモ隊に交じって取材したことがある。
緊張感はほとんどなく、参加者は大型バスで現場に乗り付けていた。
デモ後は
「紅包」
と呼ばれる赤い袋に入った謝金を受けとっている場面を何度も目撃した。
いわば政府が動員した
「官製デモ」
だったのだ。
今回の事件については、政府が関与していた可能性はほぼないだろう。
むしろ江沢民政権が1990年代に始めた
「愛国教育」
により煽られた反日感情がきっかけになったとみている。
それがSNSが触媒となって燃え広がり、政府もコントロールできなくなっているのが現状だろう。
中国において日本人学校を狙った類似の事件が起こる可能性を強く懸念している。
日本政府は事件の真相解明を中国政府に求めるとともに、SNS上の反日的な投稿の削除を強く求めるべきだ。
そして、外務省が出す渡航・滞在の
「危険情報」
についても、中国は現在、新疆ウイグル、チベット両自治区を除き
「レベルゼロ」
となっている。
この危険情報の引き上げも検討する時だ。 

新総裁はまず中国に謝罪要求を
政界十六夜 石井聡
2024/9/27 12:00
https://www.sankei.com/article/20240927-OC4UYPAOARJM5N5JZHU5E7CSDM/
15日間の選挙戦を経て第28代自民党総裁が誕生する。次期首相の座を掴み、高揚した気分で言いたいことは色々とあるだろうが、真っ先に手がけてほしいことの1つは、中国に対して厳重抗議し、公式な謝罪を要求することだ。
言うまでもなく、広東省深圳で今月18日、日本人学校に通う小学生の男児(10)が44歳の男に刺されて負傷し、翌19日に死亡した事件についてである。
総裁選候補者の1人だった上川陽子外相は
「卑劣な行為で誠に遺憾だ」
「深い悲しみを禁じ得ない」
と事件直後に述べた。岡野正敬外務事務
次官は呉江浩駐日大使を呼んで
「深刻な憂慮」
を伝えたという。
だが、これらが外交的な用語として用いられているのだとしたら、何とも生温い。
相手にどれだけ日本人の怒りと恐れが伝わるのだろうか。
上川氏は米ニューヨークで王毅外相と会談して、早期の事実解明や犯人の厳正な処罰などを求めたものの、先方からは
「偶発的な個別事案」
とかわされ、
「政治化を避けるべきだ」
とまで言われた。
聞き捨てならない。
6月に江蘇省蘇州で日本人学校のスクールバスが襲われ、日本人の親子らが怪我をした事件に際しても、日本は安全確保を求めている。
しかし、同種の事件が再発した。
中国政府が効果的な手を打っていないことを示している。
つまり、今回の事件は中国側の怠惰と事件軽視が引き起こした側面がある。
国家の体をなしていない点を厳しく非難すべきだ。
そう考えれば、日本が直ちに行うべきことは自明である。
中国政府に対する厳重抗議と謝罪要求だ。
警備強化や安全確保といった点を指摘するのはもっともらしく聞こえるが、それだけでは一般的な刑事事件の1つとして問題を矮小化することに手を貸しかねない。
哀悼を口にしながら
「類似の事件はどの国でも起きる」(中国外務省報道官)
と言い放つ国であることを忘れてはなるまい。
日本人や日本人学校をターゲットにした事件についての報道が、制限を受けていると指摘される点も見逃せない。
中国側では事件が偶発的なものであるとの釈明や報道もみられる。
たまたま日本人学校が続けて狙われた、などという話を真に受けるわけにはいかない。
このような状況を放置しておきながら、政府にとって都合のいいように国民への情報を操作し、強権的にメディアをコントロールする。
共産主義の独裁体制の弊害を象徴するものとして、改めて国際的な問題であると位置付ける必要がある。
6月には吉林省で米国人の大学講師4人が刃物で刺され負傷する事件もあった。
体制や価値観の違いが外国人の命を脅かし、奪っているのだ。
その点を、日本は国際社会に訴えていくことが必要ではないか。
事件への初期的な対応は岸田文雄政権の下で既に取られたとはいえ、新総裁が改めて問題提起し、謝罪を求めることに何ら遠慮は要らない。
むしろ、中国には
「うるさい奴が出てきた」
と最初に思わせることが肝要だろう。
総裁選候補の中には
「親中派」
と目される人物も含まれていた。
だが、新総裁がこの問題で口を噤んでいれば、親中派でも対中強硬派でも大差はない、と相手に足元を見られることになる。

中国広州の日本人学校、全スクールバスに警備員が同乗へ 深圳の男児刺殺を受けて対応
2024/9/27 7:24
https://www.sankei.com/article/20240927-HL6D55HJOFLF7CEF6ZL4J4RVXE/
中国広東省深圳で日本人男子児童(10)が中国人の男に刺殺された事件を受け、同省広州市の日本人学校は児童生徒を送迎する全てのスクールバスに警備員を同乗させる方針を決めた。
関係者が26日明らかにした。
国慶節(建国記念日)の連休明けの10月8日から、運行する13コースのバス全てに警備員1人を同乗させる。
同校には徒歩通学者はおらず、多くがスクールバスで登下校している。
来年3月末までの700万〜800万円ほどの費用は、広州日本商工会が主体となる学校の理事会が負担するという。
江蘇省蘇州市では6月、日本人学校のスクールバスを待っていた日本人母子が刃物で切り付けられる事件が発生し、バスに警備員を乗車させる措置をとった。(共同)

中国での日本人男児殺害「日本政府は毅然と対応せよ」 千葉県議会で3議員が意見書提出
2024/9/26 17:58
https://www.sankei.com/article/20240926-N3AML2P7XROOROU2JDZVSDHWDE/
千葉県議会の会派「千葉新政策議員団」(6人)のうち松戸隆政、田沼隆志の両氏と「有志の会」の折本龍則氏の計3人が、中国広東省深圳で日本人学校に通う日本人男子児童(10)が死亡した事件を巡り、中国側に毅然とした対応を日本政府に求める意見書を22日付で滝田敏幸議長に提出したことが分かった。
意見書では、中国当局が事件の犯行動機や背景を明らかにせず、隠蔽したまま幕引きを図ろうとしていると問題視。
日本政府は6月に江蘇省蘇州市で起きた日本人母子が襲撃された事件でも、現地当局に再発防止などを求めながら、今回の事件を防げなかったと指摘した。
その上で、中国側が事実関係を早急に説明し、再発防止の具体策を講じることや、事件に関する情報を統制せず、真実を適正に報道するよう日本政府は求めるべきだと訴えた。
事件の背景にあるとされる長年の反日教育を中国側に改めるよう、日本側から求めるべきだとも主張した。
意見書では、こうした日本側の要求に中国から誠実な対応が得られなければ中国への渡航危険レベルを引き上げるなど、邦人保護に必要な措置を講じることも日本政府に要望した。
意見書は10月4日の総合企画企業常任委員会で反対者が出なければ、同月9日の本会議で採決される。

金杉憲治氏・駐中国大使、中国の地方幹部に邦人の安全確保求める 男児刺殺事件受け
2024/9/26 15:47
https://www.sankei.com/article/20240926-BJ466QJI4ROLNCS4DS2PWZLIRQ/
金杉憲治・駐中国日本大使は26日、中国遼寧省の省都・瀋陽市で、同市幹部の王永威・同市共産党委員会副書記と会談した。
日本大使館によると、金杉氏は中国広東省深圳市で日本人男子児童が刺殺された事件について、
「全ての在留邦人に大きな衝撃をもたらした」
と強調し、瀋陽にある日本人の児童らが学ぶ補習校の警備強化など在留邦人の安全確保を求めた。
金杉氏は、会談で
「在留邦人と日本企業にとって第1の課題は安心と安全だ」
と訴えた。
また、中国のインターネット上で
「日本に対する極端な言論」
が存在していると指摘し、中国側に対応を求めた。
王氏からは
「日本人や日本企業、その他の外国人も等しく保護する」
という反応があったという。
王氏は事件について、
「個別の案件」
だという中国政府の見解を示した。
金杉氏に対し、日本企業による瀋陽への投資を呼び掛けた。
金杉氏は24〜26日に遼寧省の大連市と瀋陽を訪問した。
大連市トップの熊茂平・市共産党委員会書記、遼寧省トップの郝鵬・省共産党委員会書記とも会談した。
いずれの会談でも深圳の事件に関する懸念を伝達し、在留邦人の安全確保や日本人学校の警備強化などを求めた。
中国東北部に位置する遼寧省は日本との経済関係が深く、省内には1800社超の日系企業が進出し、3500人超の日本人が在留している。
中国東北部は歴史問題との関わりも深い。
満州事変の発端となった柳条湖事件は、昭和6(1931)年9月18日に奉天(現在の瀋陽)近郊で発生した。
男児刺殺事件当日が柳条湖事件から93年に当たり、金杉氏も26日の会談で事件が
「日中間で敏感」
とされる日に起きたと言及した。
事件後、瀋陽の日本総領事館は
「周囲に注意し、日本語で大声で話をする等は控える」
などと在留邦人らに注意を促している。

中国・深圳の日本人男児刺殺 「ねむたいこと」言うてる場合か 次の首相に臨む強い態度
直球&曲球 宮嶋茂樹
2024/9/26 10:00
https://www.sankei.com/article/20240926-Y57UXZRXSVPCBN26MJ4W6A6DGU/
中国・深圳で18日、日本人学校に通う10歳の男子児童が中国人の男に刺殺された。
大切に育ててこられた親御さんの悲しみと怒りは察してあまりある。
約3カ月前、蘇州でも日本人親子と中国人の3人が襲われたばかりや。
中国で暮らさざるを得ない在留邦人の不安は募るばかりやろう。
「外で日本語を話さないように」
「ランドセルをやめて日本人と分からないようにしよう」。
こんな防御手段を取るしかないんやで。
そんな今も東京・銀座の大通りを大声で中国語を話す家族連れが、でっかいキャリーバッグを引きずって闊歩しとるやないか。
大都市やリゾート地の不動産は中国人富裕層に買い占められて価格が暴騰、日本人が住めんようになっとるやないか。
それもそのはずや。
中国大陸じゃ新聞もテレビも日中関係を揺るがすこんな凶悪事件をほとんど報道せんどころか、中国政府のコメントは
「前科のある者の個別の事案であり、どこの国でも起こりうる」
ってまるで他人事や。
容疑者の犯行の動機や事件の詳細も一切、明らかにされん。
これじゃ亡くなった児童も浮かばれん。
遺族の悲しみも永遠に続くわ。
男の動機はワシでも推察でける。
事件の起きた9月18日は93年前、満州事変のきっかけとなった柳条湖事件の日や。
相手が日本やったら何をやっても
「愛国無罪」
どころか
「ヒーロー」
や。
今後、模倣犯が続出するのは必定。
これも中国政府が
「悪いことは、ぜーんぶ日本人のせい」
という反日教育を続けてきた成果≠竄ネいか。
何で日本人はもっと怒らんの?
岸田文雄首相も
「中国政府に説明を求める」
なんてねむたいこと′セうとる場合やないで。
中国政府が聞く耳持っとったらこんな事件が続発するはずないやろ。
もし逆やってみい。
中国はたちまち尖閣諸島、いや沖縄本島に攻め込んできよるで。
もう世が世なら国交断絶のきっかけになってもおかしないくらい酷い事件である。
「中国政府の態度次第では大使召還も辞さない」。
次の首相には、これくらい強い態度を示す人になってもらいたいもんや。

<主張>日本人児童刺殺 中国政府の態度は誤りだ
社説
2024/9/26 5:00
https://www.sankei.com/article/20240926-Z5CMF3YNN5N2DNEWG6VIYGEZSA/
中国広東省深圳市で日本人学校に通う10歳の男子児童が中国人に刺殺された事件から1週間が経った。
23日には米ニューヨークで日中外相会談が開かれた。
そこでの王毅中国共産党政治局員兼外相の発言には本当に驚いた。
突然の凶行に未来を奪われた男児と遺族へのこまやかなお悔やみの言葉もないまま、
「冷静に事件を扱い、政治化を避けるべきだ」
と日本側に注文を付けたからだ。
王氏は刺殺事件を
「個別の事案」
として調査、処理するとし、犯行動機について説明しなかった。
日本国民の不安と憤りを理解せず、日本に説教するような態度は傲慢で容認できるものではない。
上川陽子外相が犯行動機を含む早期の事実解明と中国在留日本人の安全確保対策を要求したのは当然だ。
上川氏は根拠のない悪質で反日的な中国のSNS投稿の取り締まりも求めたが、王氏は約束しなかった。
中国外務省報道官はSNS上の投稿と刺殺事件を結び付けることに反対している。
反日教育が事件の背景にあるとの見方には、
「中国に『仇日(日本を恨む)教育』はない」
と主張し、中国の安全リスクが日本で騒ぎ立てられていると反発した。
中国の治安に責任を有する同国政府が、日本人児童刺殺事件を偶発的事件としか位置付けないことを強く懸念する。
事件への深刻な反省なしに十分な安全対策が生まれるとは考えられない。
中国から日本人が帰国する動きがあるのは当たり前だ。
なぜ中国は犯行の動機を情報公開しないのか。
日本人が標的になった点を隠蔽していると疑われても仕方あるまい。
中国共産党政権は統治の正当性を宣伝するため、愛国教育の名の下に反日教育を続けてきた。
犯行動機を公表すれば、中国政府の責任が明らかになることを恐れているのではないか。
東京にある中国大使館は日本在留の自国民と日本を旅行する自国民に対し
「情勢を鑑みて警戒意識を高め安全を確保」
するようホームページで注意を促した。
一方、日本の外務省は刺殺事件後、中国滞在者や渡航者に注意喚起をしたが、渡航警戒レベルは
「レベルゼロ」
に据え置いている。
これでは中国政府へ日本の怒りは伝わらない。
日本国民のために働くべきだ。

日本人男児刺殺で金杉憲治大使「対中ビジネスは岐路に」 遼寧省トップに懸念を表明
2024/9/25 19:06
https://www.sankei.com/article/20240925-YRZPX5UIKZIS5LA2UMR26WH2N4/
金杉憲治駐中国大使は25日、中国遼寧省瀋陽市を訪問し、同省トップの郝鵬・省共産党委員会書記と会談した。
広東省深圳市で邦人男児が刺殺された事件に懸念を表明し
「日本の対中ビジネスは大きな岐路にある」
「状況は極めて深刻だ」
と述べた。
郝氏は
「極めて遺憾だ」
「不法行為は決して許されない」
と語った。
同行筋が明らかにした。
金杉氏は会談冒頭、経済貿易や人的交流で遼寧省との協力を進めていく上で
「在留邦人の安全確保は基本中の基本だ」
と強調し、日本人学校の警備強化を要請した。
郝氏は
「日本人を含む外国人の安心安全に責任を負っている」
と応じた。
金杉氏は、満州事変の発端となった柳条湖事件から93年となり反日感情が高まっていた今月18日に刺殺事件が起きたと言及、在留邦人に不安が広がっていると説明した。
18日には、柳条湖事件が発生した瀋陽市をはじめ各地で記念行事が開かれていた。(共同)

深セン事件で愛国行為≠ノ反省求める大学教授の記事が謎の削除
2024年9月25日 11:42
https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/317899
中国・広東省深セン市での邦人男児の刺殺について論じ、愛国的な残虐行為に対する反省を求めた中国の学者の記事が削除された。
香港メディア・東網が2024年9月24日、報じた。
政法大学の趙宏教授と陳碧准教授は連名で2024年9月21日、
「亡くなった子供たちのために何ができるか?」
と題する記事をネットに発表し、愛国主義≠フ旗印の下で如何なる残虐なプロパガンダも容認しないことを提案した。
事件後、中国のSNSに暴言が書き込まれたことについて、その原因を
「不合理なヘイト教育」
に帰していると述べた。
そして、声を上げないことは、
「私たち全員が共犯だ」
と訴えた。
しかし、投稿はすぐに削除された。
また、日本の着物や浴衣を着ていると当局によって拘束されることがあると指摘し、
「これは愛国心が利用されていることを示しており、着物の名の下にどれだけ多くの悪行がなされているか」
として、当局の行為を懸念している。
「一般人にとって常識と良心こそが文明と自分自身を守るための唯一の武器である」
ことを強調し、苦労して勝ち取った文化を放棄しないよう呼び掛けている。
この記事は広く拡散され、大きな反響を呼んだが、愛国主義者らからは疑問の声も上がったという。

深圳・日本人男児刺殺事件1週間 早期幕引き図る中国、現場付近の警備厳しく
2024/9/25 16:24
https://www.sankei.com/article/20240925-SN7NFOO5WNI6PFDG6CZS3CI34Y/
中国広東省深圳で日本人学校に通う日本人男子児童(10)が刺殺された事件から25日で1週間となった。
中国政府は
「偶発的な事件」
とし、日本側が求める動機や背景の説明に応じていない。
日本人を狙った犯行との見方が強いが、そうした懸念には応えず、早期の幕引きを図る姿勢を鮮明にしている。
■日本人の姿なく
深圳の日本人学校周辺では25日朝、パトカーや、私服を含む警察関係者が多数配置され、厳しい警備が敷かれていた。
現場付近では中国人の子供が多数登校していたが、日本人とみられる姿はない。
日本人学校ではオンライン授業が行われており、外出も控えているとみられる。
近くで商店を営む女性は
「事件後、警察関係者が増えた」
「子供を殺すなんて正常な人間では考えられない」
と憤った。
現場の歩道には血とみられる跡が今も薄く残る。
事件は18日朝に発生。
保護者と登校中だった男児が日本人学校から約200メートル離れた歩道で男に刃物で腹部などを刺され、近くの病院で手術を受けたが、19日未明に死亡が確認された。
現場から徒歩圏内の飲食店で働く地元の男性は
「日本人の子供が10人以上が来て、餃子を食べては中国語で『おいしい!』と言っていた」
「事件後は誰も来なくなったが、被害者はそのうちの1人じゃないかと心配だ」
と案じた。
■「敏感な日」関係か
容疑者の男(44)は現場で取り押さえられた。
定職はなく、過去2回、警察の拘束歴があるといったこと以外に人物像は明らかでない。
飲食店の女性店主は
「男については全く分からない」
と述べつつ、事件当日が満州事変の発端となった昭和6(1931)年の柳条湖事件から93年だったことを指摘し、
「敏感な日だったことが関係しているだろう」
との見方を示した。
現場付近では事件について
「知らない。報道で見たことがない」
という人が少なくない。
中国の主要メディアは当局の情報を伝えているが、目立たない扱いで、事件を知る人は限られる。
■「反日」ムードは?
中国政府は、日本人を狙った犯行なのかといった日本側が求める動機や背景の説明に応じていない。
6月に江蘇省蘇州市で起きた日本人学校のスクールバスを待っていた日本人母子が切り付けられて負傷した事件も、
「偶発的な事件」
として今も詳細を明らかにしていない。
中国側の不透明な態度が在留邦人の不安感を増大させている。
中国側が詳細を説明していないため
「反日」
感情が原因なのかは現時点で不明だが、中国のSNS(交流サイト)では日本人学校を
「スパイ養成学校」
などとするデマなどが放置され、広まってきた。
こうした論調が反日ムードを助長して事件にも影響したという見方は中国の一部にもある。
中国外務省報道官は23日に
「中国にいわゆる『仇日(日本を恨む)教育』はない」
と主張したが、同日には四川省内の地方政府幹部が通信アプリのグループチャットで
「我々の規律は日本人を殺すことだ」
などと発言したことを香港メディアが報じた。
今回の事件は中国における
「反日」
の深刻さを浮き彫りにもしている。

「日本への渡航、警戒を」中国大使館、男児殺害受け注意喚起 「デモや集会に近づかない」
2024/9/25 9:41
https://www.sankei.com/article/20240925-RHMKS7GHJROOBGA46EDOVG3FSQ/
自国民に安全確保を呼びかける在日本中国大使館のサイト
https://www.sankei.com/article/20240925-RHMKS7GHJROOBGA46EDOVG3FSQ/photo/EIL4OR35PNECZF7GK6TOZ6ZFOI/
在日本中国大使館は24日、日本に在留する自国民と訪日旅行を計画する自国民に対し、
「情勢を鑑みて、警戒意識を高め安全を確保」
するよう公式サイトで注意喚起した。
中国・深圳の日本人男児刺殺事件を受けた対応とみられる。
注意喚起は、10月1日の国慶節(建国記念日)に伴う大型連休を間近に控えているとして、日本での
「安全意識の徹底」
を呼び掛けたもの。
「地域の安全上のリスクに注意し、パレードやデモ、集会には近付かない」
「現地の法律や法規を遵守し、現地の風俗習慣を尊重する」
などと注意事項を列挙。
また、紛争が発生した場合は
「理性的に要求を表明し、交渉や法的手段を通じて正当な権利と利益を守る」
よう求めている。
渡航や滞在の安全情報を巡っては、日本の外務省が中国に対する
「危険情報」
の危険レベル
「ゼロ」
を維持したまま、中国国内での凶悪犯罪に注意を呼び掛ける
「スポット情報」
を出しているが、今回の注意喚起は中国側が日本国内でトラブルに巻き込まれないよう警戒する意図とみられる。

<正論>中国「脅威」に正対できる首相を 
東京大学教授・阿古智子
2024/9/25 8:00
https://www.sankei.com/article/20240925-6FWZP5UM3FKUVL5I3O57J4HP5E/
■尊い命が奪われる現実
9月18日、中国・深圳の日本人学校に登校中に刃物で襲われ、負傷した10歳の日本人の男子児童が亡くなった。
6月にも蘇州で、襲われた日本人学校の児童をかばおうとした中国人女性が死亡している。
日本人学校を狙った事件が連続し、次々に尊い生命が奪われる現実を前に、憤りと悲しみを抑えることができない。
報道が規制されている中国では、ほとんど政府系メディアでは明らかにされないが、私がフォローしているソーシャルメディアでは最近、頻繁に中国で殺傷事件が起こっていることを伝えている。
このところ中国は経済が悪化し続け、少子高齢化や失業率の高まりもあり、習近平政権を批判的に見る国民が増えている。
そうした中、思想教育や
「海外の敵対勢力」
に関するプロパガンダ(宣伝)が盛んに行われ、余裕のない生活を送る人々が
「敵」
とされる日本人に不満のはけ口を見つけようとしているのかもしれない。
いずれにせよ、中国政府がこうした殺傷事件の背景にある社会問題や犯罪者の心理を徹底的に調べ、メディアや外国政府を含む関係機関と共有することはない。
なぜなら中国共産党政権にとって、都合の悪い現実を明らかにすることになるかもしれないからだ。
一方、日本では9人が立候補した自民党総裁選、4人が立候補した立憲民主党の代表選で、外交・防衛の政策課題についても論戦が繰り広げられた。
私は現代中国を研究する学者として、今後の政権運営に以下の問題提起をしたい。
■冷静に鋭く捉えること重要
まず中国の
「脅威」
を冷静に、鋭く捉えることが何よりも重要である。
グローバルなサプライチェーンに組み込まれた私たちの経済活動を考えれば、中国政府への配慮は仕方がないという空気が、日本社会には流れている。
しかし、現在の中国共産党政権による国際法を無視した人権侵害や威圧的な外交に対し、短期的・長期的戦略をタイミングよく打ち出さなければ、中国側の支配の論理で圧力をかけられることが常態化する。
「国家の安全」
のためとして、堂々と情報統制を行う中国政府は大量の情報の流れをコントロールしている。
戦争に関わる歴史を辿れば、偽情報や情報操作で世論が煽られ、政策判断を誤り数々の悲劇が生まれた。
専門家のアドバイスを聞き、学術研究から示唆を得て、変化を適切に捉えた状況分析と想定シナリオに基づく行動計画の策定を急ぐ必要がある。
更に昨今増加している中国から日本への移住者の動向にも目を配る必要がある。
日本が外国人移住者の受け入れに消極的というわけではない。
少子高齢化に対応すべく人手不足の解消や高度人材の受け入れに力を入れ、投資や納税によって日本経済の活性化に貢献する外国人を歓迎している。
語学学校の留学ビザや経営管理ビザ取得のハードルはそう高いわけではなく、政治的迫害や経済情勢の悪化から逃れる形で多くの中国人が日本に一時的に移り住んでいる。
やがては日本の永住権や国籍を申請する中国人も増えるだろう。
移民が増えれば日本は不安定になると感じる人もいるだろう。
しかし、自分とは異なる特徴をもつ人から学ぶことも多い。
同じ色に染めようとする同調圧力が強い社会ではイノベーションは不可能だ。
マイノリティだからこそ、マジョリティには考えつかないような視点を提示できることもある。
当然、日本の制度や法を順守し、民主主義の価値を理解する人に日本の永住権や国籍を申請してもらいたい。
今後、審査の過程で、こうした要素を把握することを検討してはどうだろうか。
同調を求めず、多様性を尊重しながらも、基本的な価値を分かち合える人と日本のコミュニティを共に作るべきだ。
■危機意識共有できる人を
移民や難民を積極的に受け入れてきた欧米諸国で外国人排斥の声が高まり、暴力的な抗議デモが広がるのを見て、日本もこのような状況になってはならないと感じる。
日本人を狙った事件が多発し世界各地で中国のスパイが摘発されるといったニュースが流れる中で、専門的な知識や精度の高い情報を駆使し、日本社会にとっての
「脅威」
を適切に分析できる、知中派の育成が急務だと感じる。
私の大学院のゼミでは、中国研究を志す日本人はゼロという状態が長年続いている。
他の多くの大学でも似た状態だと聞くが、これは危機的ではないか。
中国共産党政権は
「脅威」
だが、中国人全部が
「脅威」
ではない。
どのような中国人と手を繫いで日本を、世界を良くしていくのか。
日本社会の中でも中国語ができる人材を増やし、
「脅威」
の本質を見抜くことのできる人間を全国レベルで育成する必要がある。
中国共産党政権は甚大な影響を日本にも世界にも及ぼしている。
その影響をプラスの方向に導けるかどうかが、人類の未来を左右する。
そんな危機意識を共有できる人が日本の首相になってほしい。
それが今の私の切実な思いだ。

NHKラジオ・中国人スタッフの反日発言「南京大虐殺を忘れるな」に反論できない病理
2024/9/25 7:00
https://www.sankei.com/article/20240925-OEWXGOQPRVMTHC5OEACZY6DIRU/
NHKのラジオ国際放送で先月、中国籍の男性スタッフが尖閣諸島(沖縄県石垣市)を
「中国の領土」
などと発言した問題は、国際放送担当理事の引責辞任や会長らの役員報酬の自主返納なども発表された。
動機や背景が未解明であるなど、このままの幕引きは許されないのは当然だが、NHKのみならずわが国全体が抱える病理を浮き彫りにしたように思える。
この問題は、8月19日放送の中国語ニュースで、中国人スタッフが靖国神社の落書き事件について報じた後、尖閣諸島について
「古来から(ママ)中国の領土です」
と主張、
「南京大虐殺を忘れるな。慰安婦を忘れるな。彼女らは戦時の性奴隷だった。731部隊を忘れるな」
と反日的発言を行ったもの。
■「731部隊を忘れていません」という報道
NHKはこの問題を報じる関連ニュースで、スタッフ発言の不適切な点を
「沖縄県の尖閣諸島の帰属などをめぐって、原稿にはない日本政府の公式見解とは異なる発言を行った」
ことだと繰り返し報じている。
なるほど尖閣諸島が日本固有の領土であることは政府見解を待つまでもない。
「慰安婦=性奴隷」論や731部隊が細菌戦を行ったことを否定する答弁書を政府は決定してもいる(平成19年3月16日付安倍晋三内閣答弁書、同15年10月10日付小泉純一郎内閣答弁書など)。
だが、NHKは例えば昨年11月4日放送のニュースで、 
≪「731部隊」など細菌戦の研究を行ったとされる部隊に所属した軍医将校の…人事記録が残されていることが分かりました…研究者は「旧日本軍による細菌戦研究の全体像を洗い出す上で意義のある資料だ」としています≫
と報じている。
細菌戦の
「研究」
とはしているが、
「731部隊を忘れるな」
という暴言に呼応するかのような報道だ。
■「南京」は「その通り」なのか
最大の問題は「南京」だ。
いわゆる
「南京事件」
についての政府見解は、
「日本軍の南京入城(1937年)後、非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できないと考えています」
というものだ(外務省ホームページ=HP、平成19年4月24日付安倍内閣答弁書など)。
外務省HPや安倍内閣答弁書は続けて、
「被害者の具体的な人数については諸説あり、政府としてどれが正しい数かを認定することは困難であると考えています」
としているが、
「30万人が虐殺された」
とする中国側の主張を毅然と否定できないということだ。
情けない。
「南京大虐殺を忘れるな」
と言われ、政府は
「その通りかもしれません」
とでも言うつもりか。
「大虐殺」
が明白な事実だったら仕方もあるまい。
だが、日本側の学術研究では、中国の主張する
「30万人虐殺」
は否定され、日本軍が軍命で非戦闘員を組織的に殺害したことはなかったことが明らかになっている。
■反日世論を助長したのは日本の姿勢
何とも痛ましく、腹立たしい事件が起きた。
中国広東省深圳における日本人学校の男子児童(10)刺殺事件だ。
その場で中国当局に身柄を拘束された男と事件について、中国政府は
「前科者による個別の案件」
と日本側に説明しているが、日本人を標的にした
「反日テロ」
だったとの見方は根強い。
事件が起きた9月18日が、日本の侵略だとされる満州事変(1931年)の発端となった柳条湖事件の記念日だからだ。
中国の反日世論の土壌である「歴史」教育に中国が本格的に着手したのは、1994(平成6)年に当時の江沢民国家主席が
「愛国主義教育実施要項」
を定めてからである。
戦前の日本軍を残虐極まりない
「悪」
とし、それに中国共産党政権が打ち勝ったという
「歴史」
による愛国主義教育を徹底し、全国に反日記念館を建設した。
日本軍を
「悪」
としたのも、中国共産党が日本軍に打ち勝ったというのも、捏造である。
東西冷戦に東側陣営が敗北して共産主義の正統性が揺らぐ中、中国共産党は新たな統治の正統性を捏造の歴史に求めたのだ。
ところが日本政府はそれを放置し、中国への政府開発援助(ODA)も続けた。
NHKを含む多くのメディアや学術界、政治家も
「南京大虐殺」
などの中国側の反日プロパガンダに阿り続けた。
「南京」
を巡る先の外務省HPの記述や答弁書はその一例だ。
中国人スタッフの暴言に反論もできない日本側の在り方が、中国の反日世論を助長し、刺殺事件の遠因となったのではないか。
この間の日本の姿勢は改めて厳しく問われなければならない。

経団連・十倉雅和会長、日本人男児刺殺に哀悼の意「安心して働ける環境は中国の義務」
2024/9/24 18:29
https://www.sankei.com/article/20240924-MBZCZIHXABN4BDAQFTZYX6PNQE/
中国広東省深圳で日本人学校に通う男子児童が刺殺された事件に関し、経団連の十倉雅和会長は24日の定例記者会見で哀悼の意を示した。
この上で、
「将来、日中の懸け橋の一人となるかもしれない若い命を失った」
「これは両国にとって大きな損失だ」
と述べた。
今回の事件を受け、中国に進出する日系企業の駐在員やその家族に動揺が広がっており、家族帯同で駐在している従業員と帯同家族の一時帰国を認める動きも出るなど、日系企業は警戒感を強めている。
十倉氏は
「どこの国でも国を開いてビジネス活動をやっている国であれば、そこに住む外国人が安心して働ける環境を作るのはその国の義務だ」
と話し、日本の経済界として中国に対し在留邦人の安全確保を強く求めた。
今後も中国で同様の事件が頻発するようであれば、各国からの信用を失い、中国は投資を呼び込む機会を損なうことになるとも指摘した。
また、日中両政府が、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を受け、中国側が停止してきた日本産水産物の輸入を再開することで合意したことについては、
「中国によるとこれで全面的に解禁ということではないが、まずは歓迎したい」
とし、
「我々が主張している全面的解禁になるよう注意深く見ていきたい」
と述べた。

大連でも日本人学校の警備強化を要請 深圳の男児刺殺を受け駐中国大使「日中関係に影響」
2024/9/24 16:34
https://www.sankei.com/article/20240924-AIX4Q66RQJLD5HDLFR2C4RUX74/
金杉憲治駐中国大使は24日、中国遼寧省大連市を訪問し、同市トップの熊茂平(ゆう・もへい)市共産党委員会書記と会談した。
広東省深圳市で日本人男児が刺殺された事件を受け、大連日本人学校の警備強化を要請した。
熊氏は学校周辺の警備員増員といった具体策を講じていると説明した。
同行筋が明らかにした。
大連には1700社を超える日系企業が進出している。
会談で金杉氏は、事件によって中国進出の日系企業は
「大きな岐路にあり、極めて深刻な状況と言わざるを得ない」
と指摘。
「日中関係に影響が出つつある」
との認識を示した。
熊氏は日本側の懸念に
「留意する」
とした上で、在留邦人を含む市民にとっての安心・安全は
「極めて重要だ」
と応じた。(共同)

「日本人男児殺害は国民交流に深刻な打撃」上川陽子外相、中国外相に厳正な処罰要求
2024/9/24 16:24
https://www.sankei.com/article/20240924-2X66MOWM7ZKMLJ6MIHH57BKL3U/
上川陽子外相は23日(日本時間24日未明)、米ニューヨークの国連本部で、中国の王毅共産党政治局員兼外相と会談した。
上川氏は、会談の冒頭で日中の
「戦略的互恵関係」
を進める意向を示した王氏に対し、厳しい表情を見せて中国広東省深圳で日本人男子児童が刺殺された事件に言及し、
「日中関係の基礎である国民交流に深刻な打撃を与える」
と伝えた。
上川氏は約1時間に及んだ会談で、動機を含む
「一刻も早い事実解明と明確な説明」
に加え、犯人の厳正な処罰と再発防止を強く求めた。
「中国の在留邦人、特に子供の安全確保のための具体的な措置」
も要求した。
また、中国の交流サイト(SNS)での日本人学校関連のものを含む根拠のない悪質で反日的な投稿は
「子供たちの安全に直結し絶対に容認できない」
とし、早急な取り締まりの徹底を求めた。
中国外務省によると、王氏は
「中国側は法に照らして調査、処理している」
と説明。
「これまで通り全ての在中外国人の安全を法に照らして保障する」
と表明した。
王氏はまた、
「日本側は(事件を)冷静、理性的に取り扱い、政治化することや拡大することを避けるべきだ」
と主張した。
日本政府によると、上川氏は、中国の在留邦人の安全確保のために日中で協力し速やかに具体策の実現を図ることを提案した。
王氏は外交ルートを通じて引き続き議論することに応じたという。
日中外相の会談は7月にラオスの首都ビエンチャンで実施して以来。
上川氏は国連総会に合わせて、24日までの日程で訪米している。

中国の危険情報レベルゼロ、環太平洋先進国で日本のみ 米はレベル3「拘束の危険が存在」
2024/9/24 15:28
https://www.sankei.com/article/20240924-2DBQOPAFUVG23GJJ3J35T2CFB4/
米国やオーストラリア、韓国など環太平洋の先進国・地域で中国本土への渡航や滞在の
「危険情報」

「レベルゼロ」
は日本だけであることが分かった。
中国・深圳の日本人学校男児刺殺事件を受け、国会議員などからもレベル引き上げの声が上がっている。
各国・地域の公式サイトによると、米国は4段階のうち上から2番目のレベル3で、
「渡航の再考」
を求めている。
それ以上の危険レベルは
「渡航禁止」
のみだ。
米国務省は
「中国国内で、中国政府による米国民への不当な拘束の危険が存在する」
と認定している。
台湾は今年6月に4段階のうち上から2番目のレベル3に引き上げており、
「不必要な渡航を避けるよう勧める」
としている。
また、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドは4段階のレベル2。
韓国も4段階のレベル1としており、環太平洋先進各国・地域でレベルゼロなのは日本のみという状況だ。
一方、G7各国では英仏独伊の欧州4カ国は、中国について警戒レベルを上げていない。
外務省の危険情報は、日本人の渡航・滞在について特に注意が必要な国・地域について公表。
レベル1「十分注意」からレベル2「不要不急の渡航自粛」、レベル3「渡航中止勧告」、レベル4「退避勧告」まで計4段階ある。
6月の蘇州での日本人母子切りつけ事件や深圳の日本人児童刺殺事件後も危険度は上げておらず、新疆ウイグル、チベット両自治区を除き
「レベルゼロ」
のまま。
深圳の事件で男児が死亡した今月19日、
「スポット情報」

「特にお子さん連れの方は、十分注意して行動してください」
などと呼び掛けただけだ。
外務省は
「現段階では見直しの検討はしていないが、中長期的な観点から総合的に判断する」
としている。
衆院議員の松原仁元拉致問題担当相(無所属)は
「中国で暮らす日本人は反日教育のリスクを抱えている」
「今回の事件を日本が危険情報を引き上げる理由に挙げることで、習近平体制に対応の改善を促すべき」
と主張している。

中国・四川省幹部が日本人へのヘイトスピーチ、地元当局が調査…深圳の男児刺殺受けSNSで
2024/9/23 18:56
https://www.yomiuri.co.jp/world/20240923-OYT1T50049/
深圳日本人学校の男児刺殺事件を受け、香港の鳳凰テレビ系ネットメディアは2024年9月23日、SNS上で日本人へのヘイトスピーチをしたとして四川省幹部を地元当局が調査していると報じた。
複数の報道によると、幹部は四川省で農村のエネルギー開発などに携わる副主任の黄如一氏(41)。
黄氏は事件後、SNS上で
「私たちの規律は日本人を殺すこと」
「(歴史的に)罪がある日本人の子を殺しただけ」
などと日本を敵視する発言を繰り返したという。

中国外務省、「反日」投稿取り締まり求める日本側に反発「中国に仇日教育はない」
2024/9/23 22:09
https://www.sankei.com/article/20240923-PT52ZZDRBBN63PJQEKNGLPEW6U/
中国外務省の林剣(りん・けん)報道官は23日の記者会見で、広東省深圳で日本人男子児童が刺殺された事件を巡り、中国の交流サイト(SNS)での
「反日的な投稿」
の取り締まりを日本側が求めていることについて、
「中国にいわゆる『仇日(日本を恨む)教育』はない」
と主張して反発した。
林氏は
「我々は歴史を鑑(かがみ)とすることを主張している」
と発言した上で
「恨み続けるためでなく、戦争の悲劇を再演しないためだ」
と述べた。
柘植芳文外務副大臣は23日、中国の孫衛東(そん・えいとう)外務次官と北京で会談し、深圳の事件に関して中国のSNSでの
「日本人学校関連のものを含む根拠のない悪質で反日的な投稿」
に関する取り締まりの徹底を求めた。
林氏は、会談については
「意思疎通を保ち、偶発的な事件が両国関係に影響することを避けることで合意した」
と表明した。
柘植氏は会談後、記者団の取材に対し、中国側から動機や背景について明確な回答はなかったと明らかにした。
柘植氏は
「再発防止のためにも特に犯行の動機解明は極めて重要であり、これが解決されない限りは前に進めない」
と強調した。

中国の地方幹部が日本人に対するヘイト発言「われわれの紀律」 深圳の男児刺殺巡り
2024/9/23 22:00
https://www.sankei.com/article/20240923-XMPTDJUAC5OEBILIZETXB6QRDM/
中国広東省深圳で邦人男子児童(10)が刺殺された事件を巡り、香港フェニックステレビ傘下のニュースサイトは23日、四川省内の地方政府幹部が通信アプリ微信(ウィーチャット)のグループチャットで
「日本人を殺すのは我々の紀律だ」
と日本人に対するヘイト発言をしていたと伝えた。
問題発言をしたのは同省カンゼ・チベット族自治州新竜県の副県長。
取材に対し、同省の当局者は問題の処理に当たっていると回答したという。
副県長はグループチャットで
「子供を殺したからといって大したことではない」
「米国は毎日何百人も殺している」
「罪のない人を殺したわけではない」
「殺されたのは日本人だ」
と発言した。(共同)

中国の日本人学校警備強化へ4300万円 柘植外務副大臣「できることは全て行う」
2024/9/23 20:00
https://www.sankei.com/article/20240923-NDHDVWF6AZOAFJMDMUU5PO7Y7Q/
中国を訪問している柘植芳文外務副大臣は23日、中国に進出する日系企業の団体「中国日本商会」や日本人学校の関係者らと北京の日本大使館で意見交換を行った。
広東省深圳市で日本人学校に通う日本人男子児童(10)が男に刺されて死亡した事件に関し、柘植氏は
「中国各地の日本人学校の安全や、子供たちの安全確保を最優先に出来る事は全て行っていく考えだ」
と表明した。
柘植氏は、事件を受けて中国国内の日本人学校12校の警備を強化するため、外務省予算から緊急に約4300万円を充てると説明した。
中国日本商会の本間哲朗会長(パナソニックホールディングス副社長)は
「従業員とその家族の安心と安全は、日本企業が中国で事業を継続するための基本中の基本だ」
と指摘。
日中両政府に対し
「中国在留邦人10万人に対する安全確保を改めてお願いしたい」
と訴えた。
柘植氏は同日、中国の孫衛東(そん・えいとう)外務次官と北京市内で会談し、在留邦人の安全確保のための具体的な措置や、事件の動機を含む
「一刻も早い真相の解明と明確な説明」
を強く求めた。

「国民を見下している」河野太郎氏の“ネトウヨ”呼ばわりに非難轟々…安倍元首相「こんな人たち」発言から何も学ばず
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.09.23 16:34 最終更新日:2024.09.23 16:36
https://smart-flash.jp/sociopolitics/307466/1/1/
9月22日、『日曜報道 THE PRIME』(フジテレビ系)に出演した自民党総裁選の立候補者9人(林芳正官房長官は災害対策のため、推薦人代表の田村憲久元厚労相が代理出席)は、日中関係について討論をかわした。
そのなかで、河野太郎デジタル相が発した言葉について、インターネット上で批判が相次いでいる。
中国・深センで、日本人学校に通う10歳の男児が殺害された事件についての対応を聞かれた河野氏は、まず
「中国に対して(中国から見た)在外外国人、在留外国人に対する安全の確保」
「あるいは、こうした事件が起きたときに速やかに説明をする、ということを国際社会が求めるような動きはしていかないと」
と、G7などの広い枠組みで、協調して中国に対応を求めたいと述べた。
それに続いて、こう述べたのだった。
「(外交上の密室のやり取りではなく)外で見えるように強く言え、というのはよく“ネトウヨ”なんかが言いますけども、必ずしもそれがいいとは限りません」
この発言の“ネトウヨ”という部分に、引っかかった人たちが多かったようだ。
政治担当記者がこう話す。
「河野氏は、Xのフォロワーが250万人超と、政界随一の発信力を誇っています」
「しかし、特定のユーザーに投稿を閲覧させないよう遮断できるブロック機能を連発し、Xでは河野氏からのブロックを報告するポストが連日、見られています」
「そのため『ブロック太郎』というあだ名も……」
このブロック連発に『自分とは違う意見には耳を傾けないのは、政治家としてどうなのか』という批判が、インターネット上だけでなく、永田町でもあがっています。
さらに、Xでは河野氏が“親中国派”だと主張するアカウントが多数、存在しており、こうした背景から保守系の人々からの批判的なメッセージも多く寄せられています。
それで、つい“ネトウヨ”という言葉が出てしまったのかもしれません」
X上では河野氏のテレビでの発言に対して、非難の声が多くあがっている。
《国民を見下す河野太郎氏》
《多くの国民の声をネトウヨという言葉を使って、あたかも馬鹿げた意見であるかのように印象付けようとする総理候補》
《こんな場面でもサラッと口から出てくるという事は、普段からも国民を見下しているんでしょうね》
《少しは謙虚な物言い態度を出来無いのかな?河野太郎氏の言動は不快感が毎回残る。国民の価値観の方が、間違いで、自分の価値観が正しいのか?》
《なんの罪もない日本語学校の子どもが親の前で殺されて、中国に対して強く抗議しろと言う人は河野太郎によればネトウヨになるのか?》
《日本人の子どもの命が他国の人の手によって奪われても、強く言えないなら、国を代表する政治家としても終わりです。国民の怒りをネトウヨと言う政治家では日本は、守れない》
自民党では、過去にも
「国民を見下している」
として、批判されたできごとがあった。
2017年7月1日、東京・JR秋葉原駅前。都議選の投開票を翌日に控えたこの日、当時の安倍晋三首相が到着すると、聴衆から「安倍辞めろ」の声が響き始めた。
そんななか、安倍氏はその声の方向を指差して
「こんな人たちに負けるわけにはいかない」
という言葉を発したのだ。
前出の政治担当記者がこう話す。
「あの発言にも、かなりの批判が起きました」
「『こんな人たち』も国民のひとりであり、主権者なのです」
「国民は選挙を通じ、主権者として、その意思を政治に反映させることができる立場です」
「この時は、政治思想的に保守だろうが、革新だろうが、主権者を見下すような酷い言葉を政治家は使うべきではないという論争が起きました。
「河野氏は、7年前の安倍首相の件から、何も学んでいないのでしょう」
自民党総裁選では、石破茂氏、小泉進次郎氏、高市早苗氏の優勢の戦況が多く聞かれている。
不利の状況で、河野氏にあせりによるミスが出たのか――。
( SmartFLASH )

柘植外務副大臣、中国次官会談「真相解明と説明を」 反日的SNS投稿の取り締まり求める
2024/9/23 17:20
https://www.sankei.com/article/20240923-WIVC3UKRYFKGZKDMEB7S72IAOM/
中国を訪問している柘植芳文外務副大臣は23日、中国の孫衛東(そん・えいとう)外務次官と北京市内で会談し、広東省深圳市で日本人学校に通う日本人男子児童(10)が男に刺されて死亡した事件について協議した。
日本側の発表によると、柘植氏は在留邦人の安全確保のための具体的な措置や、事件の動機を含む
「一刻も早い真相の解明と明確な説明」
を中国側に強く求めた。
また、柘植氏は中国の交流サイト(SNS)における
「日本人学校関連のものを含む根拠のない悪質で反日的な投稿」
に関する取り締まりの徹底を求めた。
中国のSNSでは日本人への差別的な投稿や、日本人学校を
「スパイ養成学校」

「租界」
などとするデマや荒唐無稽な主張が放置されて広まってきた。
こうしたSNS上の論調が
「反日」
ムードを助長し、事件にも影響したという見方は中国側の一部にもある。
日本側によると、孫氏は今回の事件に対し、
「遺憾、痛惜の意」
を改めて表明した。孫氏は児童が襲われた今回の事件について
「驚愕している」
と述べた他、中国に在留する日本人を含む外国人の安全を守るとの考えを示した。
柘植氏は深圳の事件に関する対応のため、22〜24日の日程で北京を訪問している。

日中研究者らがフォーラムで課題を議論 中国側、男児刺殺容疑者は「人民代表していない」
2024/9/23 16:06
https://www.sankei.com/article/20240923-XRXCTOIHTVJWHLWVIMSPGKFCTI/
日本と中国の研究者らが両国間にまたがる課題を話し合う
「日中友好・人文交流フォーラム」
が23日、東京都文京区の日中友好会館(宮本雄二会長)で開かれた。
「グローバリズムの下の日中関係」

「日中民間交流」
などをテーマに、双方の出席者数十人が忌憚のない意見を交わした。
慶応大の加茂具樹教授はロシアのウクライナ侵略を例示し、
「国際社会が共有してきたルールや規範が動揺している」
と指摘。
異なる政治体制の日中も意思疎通が難しくなっているとして、互いの立場を乗り越えて
「共通の利益や価値観とは何かを再確認する段階にある」
と訴えた。
元駐中国大使の谷野作太郎氏は中国外務省の報道対応について、
「期待するレベルにはなく、多くの場合で説明になっていない」
と批判。
広東省深圳市で日本人の男子児童(10)が刺殺された事件でも説明が不十分で、日本人学者らが訪中を敬遠する一因になっているとした。
事件に対し、中国側出席者からは一様に
「心を痛めている」
とのコメントが聞かれた。
「公式情報と交流サイト(SNS)などの情報にギャップがある」
「容疑者(の犯行)は中国人民を代表するものではない」
といった声も上がった。
一方、中国社会科学院中国辺境研究所の白帆氏は中国の安全性を強調した上で、国際社会が
「中国は怖い」
との印象を持っていることには
「国際メディアのネガティブな報道」
が背景にあると訴えた。
南開大学日本研究院の喬林生教授は、日中間には現在、深刻な相互信頼の欠如があると指摘。
政治的な理由から
「政府対政府」
では関係改善に限界があるとして、共通する伝統文化や民間の基礎的な交流を強化する必要があると述べた。
フォーラムは、人権保護などを目的とした中国の非営利団体「中国人権発展基金会」と日中友好会館が共催。
日中関係などを専門とする双方の大学教授やシンクタンク研究員、元外交官らが出席した。

上川外相 ニューヨークで中国外相と会談を行うと発表
2024年9月23日 12時09分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240923/k10014589751000.html
上川外務大臣は、日本時間の24日、ニューヨークで中国の王毅外相と会談を行うことを発表し、日本人学校に通う男子児童が登校中に襲われて死亡した事件を受けて、安全確保の徹底などを求める考えを示しました。
上川外務大臣は、国連総会に合わせてアメリカのニューヨークを訪問するため、23日午前、羽田空港を出発しました。
上川大臣は出発前に記者団に対し、日本時間のあす、ニューヨークで中国の王毅外相と会談を行うことを発表しました。
そして、中国 広東省の※深センで、日本人学校に通う10歳の男子児童が登校中に男に刃物で刺されて死亡した事件について
「会談で、しっかりとした事実関係の説明や日本人、とりわけ子どもたちの安全確保を強く求める」
と述べました。
また事件を受けて、中国にある12の日本人学校の安全を守るため、緊急措置としておよそ4300万円をあて、スクールバスや通学路の警備を強化することを明らかにしました。
上川大臣は
「出来る事を全てやるという観点から早急に措置を行う」
「現地のニーズや状況を踏まえ、切れ目のない対策を講じていく」
と述べました。
※「セン」は「土」へんに「川」

中国 日本人学校の男児死亡事件 外務副大臣が中国側と会談
2024年9月23日 14時01分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240923/k10014589741000.html
中国で日本人学校に通う男子児童が登校中に刃物を持った男に襲われ、死亡した事件を受けて北京を訪れている柘植外務副大臣は23日午前、中国政府の関係者と会談し、事実関係の説明や再発防止などを求めたとみられます。
柘植外務副大臣は先週、中国南部 広東省の※深センで日本人学校に通う10歳の男子児童が刃物を持った男に襲われ、死亡する事件が起きたことを受け、22日から北京を訪れています。
柘植副大臣は23日午前、中国外務省の幹部と会談しました。
会談に先立って柘植副大臣は宿泊先のホテルを出発する際メディアの取材に応じ
「状況を把握し、今後の対応や在留邦人の安全確保を求めたい」
と述べました。
会談では、事件のいきさつや背景など事実関係の説明や、再発防止、日本人の安全確保の徹底などを求めたとみられます。
また、午後には中国の日本人社会に不安が広がっていることを踏まえ、北京日本人学校や進出する日本企業でつくる
「中国日本商会」
などの関係者と面会し、意見を交わすことにしています。
また、上川外務大臣は国連総会に合わせて訪問するアメリカ・ニューヨークで中国の王毅外相と会談すると発表し、今回の事件を受けて安全確保の徹底などを求める考えを示しています。
※「セン」は「土」へんに「川」

河野太郎氏が「ネトウヨ」発言 「外向けにワーワー」深圳の日本人男児殺害巡る対中対応で
2024/9/23 11:40
https://www.sankei.com/article/20240923-L3MJRY7MGBAVFB5CSPLRT2UKAY/
自民党総裁選(27日投開票)に立候補した河野太郎デジタル相(61)は22日のフジテレビ番組で、中国・深圳にある日本人学校に通う男子児童(10)が刺殺された事件を巡る中国政府に対する日本政府の対応について、
「『外で見えるように強く言え』と『ネトウヨ』なんかが言うが、必ずしもそれがいいとは限らない」
「申し入れはきちんとやらないといけないが、外向けにワーワー言って、言っているぞ感を出せばいいというものではない」
と語った。
番組には災害対応に当たる林芳正官房長官(63)を除く8候補者が出演。
河野氏ら5人が事件に関する見解を尋ねられた。
河野氏は
「中国と1対1でやることも大事だが、欧米を含めて、中国に対して在留外国人への安全確保、こうした事件が起きたときに速やかに説明することを、国際社会が求めるという動きにしていかないといけない」
とも強調した。
高市早苗経済安全保障担当相(63)は事件の背景に中国の
「反日教育」
が影響しているとの見方を示し、
「個人による偶発的な事件で済まされない」
「ここ数年、SNS上に日本人学校に対する憎悪の書き込みや動画が氾濫していた」
「削除を外務省が要請していると思うが、そういったものが大きなきっかけになった」
と指摘した。
上川陽子外相(71)は
「具体的な背景、動機について事実関係の調査と速やかな説明、児童の安全確保について万全を期すように様々なチャンネルで強い申し入れをしている」
と語った。
小泉進次郎元環境相(43)は
「このような案件はどこの国でも起こり得ない」
「事件は起こり得るかもしれないが、その後の対応、詳細な説明はない」
「日本の警察ではあり得ないことだ」
と指摘した。
茂木敏充幹事長(68)は18日の事件発生以降、中国当局から事件の背景について具体的説明がない状況を問題視し、
「中国がこういう人道問題に対して隠蔽する国だというプレッシャーを与えることが必要だ」
と語った。

中国 日本人学校の男児死亡事件 外務副大臣を北京に派遣へ
2024年9月22日 17時54分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240922/k10014589181000.html
中国で日本人学校に通う男子児童が登校中に襲われて死亡した事件を受け、外務省は、柘植外務副大臣を北京に派遣すると発表しました。
中国政府関係者と会談し、事実関係の説明や再発防止などを求めることにしています。
先週、中国 広東省の※深センで、日本人学校に通う10歳の男子児童が登校中に男に刃物で刺されて亡くなりました。
事件を受けて、外務省は、柘植外務副大臣を22日から24日までの日程で北京に派遣すると発表しました。
柘植副大臣は、23日中国外務省の幹部と会談し、事実関係の説明や再発防止、それに日本人の安全確保の徹底などを求めることにしています。
また、中国の日本人社会に不安が広がっていることを踏まえ、進出する日本企業でつくる
「中国日本商会」
や、北京に住む日本人らでつくる
「北京日本倶楽部」
などの関係者と面会し、意見を交わすことにしています。
政府は、日本人学校に通学する際に問題がないか改めて点検するなど、安全対策の検討を進めています。
※「セン」は「土」へんに「川」

中国SNS「日本でも中国人狙った事件多い」 根拠ない投稿で深圳の男児刺殺を矮小化
2024/9/22 17:51
https://www.sankei.com/article/20240922-QUTXOW6CMBM7LMWLUP4AIM67TA/
中国広東省深圳市で日本人学校に通う日本人男子児童(10)が男に刺されて死亡した事件後、中国の交流サイト(SNS)で
「日本でも同じように中国人を狙った襲撃事件が多く起きている」
などとする投稿が相次いでいる。
その大半は知人とのトラブルなどに起因する事件で、根拠がない投稿で深圳の事件を矮小化する動きとみられる。
中国の短文投稿サイト、微博(ウェイボ)では被害児童を悼む投稿に対し、
「それなら日本で殺された中国人をどう見るのか?」
などと反発する投稿が目立つようになっている。
2022年10月に大阪市で中国籍の自営業男性が殺された事件や、今年2月に静岡県の浜名湖で中国籍の男子高校生が殺害されて遺体が見つかった事件など複数の
「具体例」
を挙げている。
今年7月には大阪市で中国人観光客が腕を刃物で刺されて金を要求される事件が起きているが、いずれも
「中国人を狙った」
とは報じられていない。
強盗被害などの他は、金銭や交友関係を巡るトラブルなどで知人に殺害されたとみられるような事件ばかりだ。
少なくとも児童が面識のない大人に突然刺されて死亡したような事件はない。
中国のSNSにも、日本で中国人を狙った襲撃事件が多いという情報が
「デマ」
であると検証する人がいるが、現時点で投稿は止まっていない。
中国外務省は今回の事件について
「類似の事件は如何なる国でも起きる可能性がある」
と主張し、動機など事件の真相につながる情報は公表していない。
中国のSNSでは日本人への差別的な投稿や、日本人学校を
「スパイ養成学校」

「租界」
などとするデマや荒唐無稽な主張が放置されて広まってきた。
こうしたSNS上の論調が
「反日」
ムードを助長し、事件にも影響したという見方は中国側にもある。

深圳の男児刺殺受け、外務副大臣が中国を訪問へ 再発防止など要請
2024/9/22 17:17
https://www.sankei.com/article/20240922-RFKHA5IQZBK5LHQHG722NU3GL4/
外務省は22日、中国広東省深圳で日本人学校に通う男子児童が刺殺された事件を受け、柘植芳文外務副大臣が中国・北京を訪問すると発表した。
同日から24日までの日程で、滞在中、中国政府関係者と会談し、再発防止や邦人の安全確保に万全を期すよう要請する他、動機など早期の真相究明も求める。
上川陽子外相が20日の記者会見で、外務省政務三役の中国派遣を調整していると明らかにしていた。

上川陽子氏、米国で日中外相会談を検討 深圳の男児刺殺や水産物の輸入再開が議題に
2024/9/22 16:40
https://www.sankei.com/article/20240922-MHTRET32DJI5PPLTGXQUP7NABQ/
上川陽子外相が、米ニューヨークでの国連総会に合わせ、中国の王毅外相との会談を検討していることが分かった。
調整が付けば、現地時間23日(日本時間24日)に実施する方向。
複数の外交筋が22日、明らかにした。
広東省深圳で日本人学校に通う男子児童が刺殺された事件や、日中両政府が合意した日本産水産物の輸入再開などが議題になる見通しだ。
日中外相会談が実現すれば、今年7月にラオスの首都ビエンチャンで開催されて以来となる。
上川氏は男子児童の事件を踏まえ、再発防止と在留邦人の安全確保に万全を期すよう求める意向。
詳細な事実関係や、動機に関わる情報提供も要請する。
東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を巡っては、国際原子力機関(IAEA)のモニタリング(監視)の下で、中国を含む参加国に海水などの試料採取を認める方針を改めて説明。
水産物輸入再開を着実に実施し、早期に輸入規制を撤廃するよう働きかける。

男児刺殺、靖国落書き…相次ぐ「日本」標的事件 投稿サイトには「日本人学校にスパイ」
2024/9/21 15:00
https://www.sankei.com/article/20240921-DSRV7QULFBIO5PEFCINGMXLAXE/
中国・深圳にある日本人学校に通う男子児童(10)が刺殺された事件を受け、中国内外で日本や日本人を標的とした事件や問題がクローズアップされている。
東京・靖国神社の落書き事件をはじめ、蘇州で起きた日本人母子切りつけ事件、NHKのラジオ国際放送での「尖閣発言」…。
一部の事件の背景には、中国共産党政権による反日教育の影響も指摘されている。
「日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」
5月20日、東京都内の在日中国大使館での座談会。
呉江浩駐日大使は台湾との関係を巡り、中国の分裂に加担すれば
「火の中に」
と発言した。
座談会には鳩山由紀夫元首相や外務省OBらが出席していた。
11日後の5月31日、靖国神社の石柱に何者かが赤いスプレーで
「Toilet(トイレ)」
と落書きし、放尿する事件が発生。
7月に中国籍の男が逮捕されるなどした。
6月24日には中国・蘇州で、日本人学校のスクールバスを待っていた日本人の30代の母親と未就学の男児が刃物で切りつけられ負傷。
バスの案内係をしていた中国人女性も刺されて死亡した。
靖国神社では8月19日にも
「厠所(トイレ)」

「軍国主義」
などと、中国で使われている簡体字で記された落書きが見つかった。
関与したとみられる中国籍の10代男性は中国へ出国していた。
NHKのラジオ国際放送が同日、この事件を報じた際、中国籍の男性スタッフ(48)が尖閣諸島(沖縄県石垣市)を
「中国の領土」
と主張、
「南京大虐殺を忘れるな。慰安婦を忘れるな」
などと原稿にない発言をした。
NHKは担当理事が引責辞任した。
今回の男児刺殺事件が起きたのは、例年、反日感情が高まる9月18日。
93年前の昭和6(1931)年に満州事変の発端となった柳条湖事件が起きた日で、習近平政権下で反日教育が強化されて以降、その傾向はより強くなっているという。
「日本人は出ていけ」
「日本のスパイが潜む日本人学校に気をつけろ」。
中国の短文投稿サイト、微博(ウェイボ)には朝から、日本人への憎悪に満ちた投稿が溢れていた。

なぜ狙われた?中国で日本人男児(10)死亡 少しずつ分かってきた“容疑者の人物像”
スーパーJチャンネル
[2024/09/20 20:09]
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/900008641.html?page2
中国で、日本人児童が刺殺された事件。
容疑者の人物像が分かってきました。
■日本人児童(10)死亡 現場の様子は?
(尾崎文康記者報告)
「こちらで起きた事件を受けて、急遽休校を決めた日本人学校は、来週以降も子どもたちを登校させない方針です」
■事件現場
この記事の写真は12枚
18日、中国・深センで10歳の男子児童が登校中に刺殺された事件。 地元メディアが44歳の容疑者について報じました。
地元メディアによると
「深セン特区報」から
「男は44歳で漢民族、安定した職業についていない」
現地メディアによりますと、男は2015年に電信設備の破壊、2019年にデマで公共秩序を乱したとして拘束されたといいます。
■2度拘束されている
今回、ナイフで男児を刺したことを認めているということです。
現場には花が
登校中にいきなり男に刺されるという衝撃の事件。
一体、何が起こったのでしょうか?
目撃した人は
■事件を目撃した人
「ここです。私が来た時は、警察と救急車は既にここに来ていました。だんだん人が集まってきて、武装警察も来ました」
18日朝、男の子は母親と一緒に日本人学校に徒歩で登校中でした。
親子が校門からおよそ200メートルの場所に差し掛かったその時、44歳の男に腹を刺されたというのです。
「救急車が2台来ていて…」
■事件を目撃した人
「救急車2台が来ていて、子どもは救急車の中に運ばれ点滴をつけられていました」
男は警察によって取り押さえられたといいます。
■中国“撤退”の動きも…なぜ狙われた?
■1983年に起きた「柳条湖事件」
事件があったのは、満州事変の発端となった「柳条湖事件」が起こった日で、中国で国の恥と言われ、反日感情が高まりやすい日でした。
中国側から、事件の背景や動機などについて説明はないといいます。
金杉駐中国大使
■金杉 憲治 駐中国大使
「一番知りたいのは日本人が狙われたのか、更には日本人学校が狙われたのか、そこを知りたいと思ってる」
あくまでも
「個別の事案」
だと言われたといいます。
中国側は、事件の沈静化を図っているとみられます。
中国側は
■金杉 憲治 駐中国大使
「日本の経済界の方に危機意識があるということは、やはり中国側にはよく理解してほしいと思う」
■日系企業に動きも
影響は中国に進出している企業にもでています。
パナソニックホールディングスは会社負担で一時帰国できるようにするなど、今回の事件を受け、日系企業が対応に動いています。
20日午後、中国外務省の定例会見で、今回の事件について言及されました。
■20日午後の会見
中国外務省 毛 寧 副報道局長
「日本人がこの案件に関心を持っていることを理解しているが、警察が調査している最中です」

深圳の男児殺害で日本人学校に1000束超の献花 大半が中国人、子供犠牲で衝撃広がる
2024/9/20 19:01
https://www.sankei.com/article/20240920-LXHMXQV6ZNP6FNHGXOLSPIXBZ4/
中国広東省深圳で日本人の男子児童が刺殺された事件で、男児が通っていた日本人学校に20日までに計千以上の花束が贈られたと学校側が明らかにした。
ほとんどは現地の中国人が贈ったもので、哀悼の意を示す人が後を絶たない。
「天国で安らかに」
などとメッセージが添えられたものもある。
インターネット上では事件を巡り反日的な書き込みも少なくないが、市民は子供が犠牲となった事件に衝撃を受けている。
花束は冷房が効いた講堂で保管している。
その様子を撮影した写真が遺族に送られた。
日本人学校には保護者からの要望で献花台が設置された。
保護者らが続々と花を持って学校を訪れた。
来週からのオンライン授業に備えて教室から教材を持ち帰る人もいた。
日本人学校に中学生の息子が通う父親は
「悔しくて悲しい」
「2度とこんな悲惨な事件が起きないでほしい」
と述べ、足早に立ち去った。(共同)

中国の危険情報「レベル0」維持 外務省「見直しは検討していない」子供連れには注意喚起
2024/9/20 17:46
https://www.sankei.com/article/20240920-3TGIO6X24VL4JKCKQLC3DNSQBU/
中国・広東省深圳市の日本人学校に通う男子児童(10)が刺殺された事件を受け、外務省が出す渡航・滞在の
「危険情報」
が注目されている。
中国の危険度は、新疆ウイグル、チベット両自治区を除き
「レベルゼロ」。
インドは全土がレベル1以上、ロシアはレベル2だ。
外務省は
「現段階では見直しの検討はしていないが、中長期的な観点から総合的に判断する」
としている。
中国では6月にも江蘇省蘇州市でスクールバスを待っていた日本人母子が刃物で切りつけられる事件が発生。
日本国内でも靖国神社での落書き事件など
「反日」
が理由とみられる事件が続いており、日本政府が具体的な行動を取らないかぎり邦人の安全は守れないとの指摘も出ている。
一方で、外務省は男児が死亡した19日、日本人の安全に関わる重要な事件が発生した際に速報する
「スポット情報」
で「凶悪犯罪に対する注意喚起」を出し、
「特にお子さん連れの方は、十分注意して行動してください」
などと呼びかけた。
外務省によると、危険情報は渡航・滞在に当たり特に注意が必要な国・地域について発表する情報で、
レベル1「十分注意」
から
レベル2「不要不急の渡航自粛」、
レベル3「渡航中止勧告」、
レベル4「退避勧告」
まで計4段階ある。
強制力はないものの、日本企業の海外進出や海外事業のリスクをカバーする貿易保険などにも影響を及ぼす。
外務省海外邦人安全課は
「レベル1〜4でないからといって、リスクがゼロというわけではない」
とした上で
「もちろん今回の事件も検討材料から排除されていない」
「今回の事件にかぎらず、事案の概要や犯罪統計などを勘案しつつ、外務省として然るべき判断をしている」
と説明している。
中国への渡航危険情報をめぐっては、台湾が6月、4段階ある危険レベルを3番目から2番目に引き上げた。
中国が
「台湾独立派」
を対象にした処罰指針を定めたことなどを受け、台湾人の
「人身の安全」
に対するリスクを考慮したという。
中国は反発している。

日本人男児殺害は「偶発事件」と警察 中国・深圳の地元紙報じる 容疑者は2回の拘束歴
2024/9/20 16:29
https://www.sankei.com/article/20240920-FH2EI3VZUVIVVG6OQIQ22CXNJQ/
中国広東省深圳市の地元紙は20日、深圳で日本人学校へ登校中に男に刺された小学生の日本人男児が死亡した事件について、単独犯による
「偶発的な事件」
だという判断を地元警察が下していると報じた。
容疑者の男(44)が過去2回、警察に拘束されたことがあるとも伝えた。
中国共産党深圳市委員会の機関紙、深圳特区報(電子版)が報じた。
報道によると、容疑者の男は漢族で、定職にはついていない。
2015年には公共の通信設備を破壊した疑いで警察沙汰になり、2019年には公共の秩序を乱した疑いで警察に拘束された。
容疑者の男は刃物で子供を傷つけたことを認めているという。
日本人を狙った犯行なのかといった動機には触れていない。

深圳の日本人男児殺害、中国主要メディア沈黙 SNSは「批判」と「反日」が混在
2024/9/20 16:12
https://www.sankei.com/article/20240920-RLMLCUBNT5LWHOK77UAJNPFJVM/
中国広東省深圳市で日本人学校の日本人男子児童(10)が男に刺殺された事件で、中国の主要メディアは沈黙を貫いている。
当局から情報統制が敷かれているもようだ。
情報が飛び交う交流サイト(SNS)には
「国の恥だ」
と批判する声も多いが、事件の遠因が
「日本にある」
との異常≠ネ意見もあり、度を越えた
「反日分子」
の存在が浮き彫りとなっている。
■「心から謝罪」「日本に原因」
地元紙「深圳特区報」は20日、警察から得た情報として
「偶発的事件だった」
と伝えた。
男は容疑を認めている。
日本政府の要請を受け、当局が同紙を通じて詳細を公表したとみられる。
ただ他のメディアの記事は皆無だ。18日に一報を伝えたメディアの記事は現在、削除されている。
模倣犯の発生や政権批判への転化を避けたい狙いとみられる。
事件が発生した18日以降、中国の短文投稿サイト、微博(ウェイボ)には多くのコメントが書き込まれた。
「深圳人として心から謝罪する」
「子供は無実。あらゆる暴力行為を非難する」
などと事件を批判する書き込みも少なくない。
満州事変につながった柳条湖事件の9月18日に事件が起きたことに反応するコメントも数多かった。
「国恥の日に子供を殺した男は国の恥だ」
との見方もある一方、日本の歴史認識や対中姿勢が事件を引き起こしたとの声も散見された。
■悲劇悼む動きも
NHKラジオ国際放送で尖閣諸島を
「中国の領土」
と発言するなどして解雇され、帰国した中国人男性とされるアカウントも事件に反応。
在中日本人や在日中国人の生活を揺るがす元凶は
「安倍晋三政権が推進してきた歴史修正主義路線だ」
とし、日本が一方的な姿勢を続ければ
「両国で非理性的な傷害事件を引き起こすことになる」
などと警告した。
事件の背景に反日教育が関係している可能性もゼロではないが、
「抗日教育を中傷する者は犯人と同じく卑劣な人間だ」
との投稿も。
在中国日本大使館のアカウントには中国人から多数の謝罪や追悼が寄せられるが、中国人が日本で犯罪に遭った際に同様の光景を
「見たことがない」
として、
「中国人の命は日本人よりも軽いのか」
とする書き込みもあった。
一方、X(旧ツイッター)には、男児が通っていた日本人学校前に献花に訪れた男性が
「(中国の)長期にわたる憎悪教育が招いた結果だ」
と話す動画が拡散。
19日には東京都内で在日中国人有志が追悼集会を開くなど、悲劇を悼む動きも広がっている。

斎藤経産相、深圳の男児殺害で「従業員や家族の安全は最重要」 中国政府に安全確保求める
2024/9/20 12:07
https://www.sankei.com/article/20240920-2GZQMGIYR5KIHIFU722QMEQAJU/
中国広東省深圳市で日本人学校に通う小学生の日本人男子児童(10)が刺殺された事件で、斎藤健経済産業相は20日の記者会見で
「中国に進出する日本企業にとり、従業員や家族の安全は最重要課題だ」
との認識を示し、中国政府に日本人の安全確保や再発防止を求める考えを強調した。
斎藤氏は男児が亡くなったことについて
「深い悲しみを禁じ得ず、心からお悔やみを申し上げる」
と述べた。
その上で経産省としては中国に進出する日本企業で作る「中国日本商会」などと連携し、中国政府に適切な対応を求めるとした。
岸田文雄首相は19日、視察先の石川県内灘町で
「極めて卑劣な犯行であり、重大かつ深刻な事案だ」
と非難し
「日本政府としても、出来る事を全て行っていく」
と強調した。

刺殺された邦人男児に哀悼、秋葉原で自民総裁候補 中国当局に再発防止徹底と真相究明要求
2024/9/20 10:49
https://www.sankei.com/article/20240920-43JEOCTTVVDLZJN5GLTAUEOAX4/
中国広東省深圳市で男に刺された日本人小学生の男児(10)が死亡した19日に東京・秋葉原で行われた自民党総裁選(27日投開票)の街頭演説では、マイクを握った候補者が男児に対する哀悼とともに、中国当局に再発防止と事件の背景を含めた全容解明と詳細情報の共有を求める声が相次いだ。
首相に就任した際には、中国の在外邦人の安全の徹底を図る考えを各候補が強調した形となる。
■加藤氏「真相究明を」
「悲しい残念なニュースが飛び込んだ。心からご冥福とご家族へのお見舞いを申し上げたい」
トップバッターに立った加藤勝信元官房長官(68)は冒頭、犠牲になった男児に対する哀悼の言葉を口にし、
「政府は断固として中国政府に対し、真相の究明と説明、こうした事件が2度と起きない再発防止を断固求めるべきだ」
と語った。
■石破氏「中国は偶発的事件で対応」
石破茂元幹事長(67)も
「ご家族の気持ちを思うと、どんなに悲しいか、悔しいか、皆さまと心から哀悼の誠を捧げたい」
と述べ、遺族の気持ちに寄り添う姿勢を示した。
6月にも中国江蘇省蘇州市で、日本人学校のスクールバスが刃物を持った中国人の暴漢に襲われ、バスを待っていた日本人の母と男児がけがをした。
この事件を巡っては、バスに乗り込もうとした暴漢を阻んだバス案内係の中国人女性、胡友平さんが亡くなっている。
石破氏は
「こういうことが2度とないよう、中国に対し厳正な対処を我々は要請した」
「しかし中国は偶発的な事件として片付けようとしていたのではないか」
「毅然と中国に対して対処を要求していかないといけない」
と強調した。
■茂木氏「外務省予算は十分か」
茂木敏充幹事長(68)も中国当局に徹底捜査を求める考えを示した上で、
「邦人の命は世界中どこででも、日本政府が守らないといけない」
と言及した。
外務省は令和7年度予算案の概算要求で、中国の日本人学校でのスクールバスの警備費に約3億5000万円を計上した。
初めての予算措置で、バス1台に警備員1人を配置する計画だという。
ただ、茂木氏は予算額が不十分との認識を示し、
「子供の命はかけがえない」
「1人の警備員で本当に十分なのか検証し、体制強化を図っていきたい」
と述べた。
■高市氏「反スパイ法の詳細説明を」
高市早苗経済安全保障担当相(63)は、憤懣やるかたない様子で、
「皆さま、中国当局に対し、計り知れないほどの怒りを感じていると思う」
「私も同じだ」
「いい加減にしてほしい」
と述べた上で、
「容疑者が逮捕されてから何の背景が説明されたか」
「かけがえのない我が子を失ったご家族のお気持ちを思うと、悔しくてならない」
と語った。
2023年7月に中国で施行されたスパイ取り締まりを強化する改正スパイ法を挙げて、
「『反スパイ法』だって許せない」
「拘束されている日本人を一刻も早く解放して」
「訳の分からない法律の詳細を国際社会に対して説明してほしい」
と語った。
■林氏「ぐっと腹にため事に当たる」
林芳正官房長官(63)は、
「一体どうなっているのか」
「ご家族に思いを致すと、子を持つ親としていたたまれない」
「この気持ちをぐっと腹にため、全身全霊で事に当たっていきたい」
と語った。
■小泉氏「自分の子供が失われたよう」
小泉進次郎元環境相(43)は、
「自分の子供が失われたような気持ちで、思いを共有しているのは、全ての皆さんが同じ気持ちだと思う」
「中国に直ちに説明を求め、今回の事件の動機は何か、厳正なる対処を求めたい」
と語った。
■上川氏「卑劣な犯罪許さない」
上川陽子外相(71)は、
「心が震える思いだ」
「子供の未来、夢や希望のある小さな幼子が命を絶たれた」
「卑劣な犯罪を断じて許すわけにいかない」
と述べ、
「中国に対し、事実の解明と説明をしっかり求めていく」
「子供たちの命を守るために、安全対策を含めてしっかりと求めていく」
と現職の外相として対応していく考えを示した。
■河野氏「日本人家族へ帰国促す前に中国は対応を」
河野太郎デジタル相(61)と小林鷹之前経済安保相(49)は演説では事件に言及しなかった。
河野氏は(旧ツイッター)で
「中国国内の日本人家族の帰国を促さなければならないようなことになる前に、中国当局にはしっかりとした対応を求める」
と投稿した。
■小林氏「日本人の安全確保に万全期す」
小林氏もXで
「子を持つ親として、親御さまの悲しみを思うと胸が張り裂けそうな思いです」
と書き込み、
「私が総理総裁になれば、スクールバスの警備費増強など、日本人学校の警備体制強化や日本人の安全確保に万全を期してまいります」
と強調した。

男児殺害で日本人校周辺に監視カメラ 中国、警備強化アピールも不安解消難しく
2024/9/20 7:03
https://www.sankei.com/article/20240920-AXRMY7ABUJN2XP3FZTW7G7OD5Q/
中国広東省深圳で日本人の男子児童(10)が刺殺された事件で、男児が通っていた日本人学校の周辺では20日までに監視カメラが増設された。
中国当局は日本側が要請した警備強化への迅速な対応をアピールしたいとみられる。
だが容疑者の男(44)の動機など事件の真相につながる情報は公表しておらず、邦人社会に広がる不安の解消は難しい。
登校中だった男児は18日、校門から約200メートルの通学路で刺された。
学校や事件現場近くでは、遅くとも19日朝には監視カメラの増設作業が始まり、子供連れの家族らが足を止めて見ていた。
金杉憲治駐中国大使は19日に深圳市の羅晃浩副市長と面会し、警備強化や邦人の安全確保を求めた。
ただ事件に関する情報が少なく、邦人社会からは
「中国の対応は信じられない」
といった意見も上がっている。(共同)

<主張>日本人児童刺殺 中国政府に反省ないのか
社説
2024/9/20 5:00
https://www.sankei.com/article/20240920-5W75JOVASNMKLK2WKQDBQ3LAYY/
中国の広東省深圳市で、日本人学校に母親と登校していた10歳の男子児童が男に刺されて死亡した。
無辜の男児が突然命を奪われた痛ましさへの深い悲しみと、理不尽で卑劣な凶行への怒りを覚える。心から男児を追悼したい。
中国では6月にも江蘇省蘇州市で、日本人学校のスクールバスを待っていた日本人の母子が刃物で切り付けられて負傷する事件が起きたばかりだった。
日本人は中国で平和に暮らせないのか。
ならば、ビジネスであれ留学であれ、中国で安心して活動できるわけもない。
中国外務省は会見で
「不幸な事件」
に遺憾の意を表明したが、
「同種の事件はどの国でも起こり得る」
とし、
「中日間の往来や協力に影響を与えない」
と主張した。
許し難い言い草である。
短期間に相次いで日本人が襲撃される。
そんな国は中国以外のどこにもない。
中国政府は事態を深く反省し、再発を防ぐ具体的方策を明確に取るべきだ。
岸田文雄首相は記者団に
「中国側に早く事実関係の説明を求めるよう指示した」
と語ったが、なぜ自らが動かないのか。
中国首脳に対策を講じるよう直接迫るべきである。
児童が襲われた18日は、満州事変の発端となった昭和6(1931)年の柳条湖事件から93年に当たる。
中国では反日機運が盛り上がりやすい日ではあるが、事件との関連は不明だ。
日本政府は、中国側に犯行動機などの情報公開をさせなくてはならない。
6月の事件においても動機などは明らかにされないままである。
今回、拘束された男が日本人を標的にしたのであれば、在留邦人の警備を強化しても根本的な解決には繋がらない。
中国共産党政権による反日教育にこそ問題の根があろう。
東京・九段北の靖国神社で相次ぐ中国人の落書きも同じだ。
政治的な思惑で反日を煽る中国の姿勢が改まらないと、在留邦人の安全はいつまでも確保できないのではないか。
日本政府は中国への不要不急の渡航を自粛するよう国民に促すべきだ。
企業は駐在員や家族の帰国が検討課題となる。
政府は帰国後の住居や教育などを支援すべきである。
邦人が被害を受ける悲劇を2度と繰り返してはならない。

<産経抄>「魔の巣」では暮らせぬ、中国・深圳で日本人男児の刺殺 
2024/9/20 5:00
https://www.sankei.com/article/20240920-4IJ4SPEDO5NPRHDHKAWDJGB2QU/
明治生まれの歌人、窪田空穂(うつぼ)には家族を亡くす痛みを詠んだ歌が多い。
母、妻。
まだ幼い次女を病で失う悲哀も味わっている。
<生えずとてうれへし歯はもかはゆきが灰にまじりてありといはずやも>。
骨上げの際の一首という。
▼娘の歯がなかなか生えないことを、父は気に病んでいたとみえる。
皮肉にも荼毘(だび)に付した後の灰の中に、それは埋もれていた(『人生の節目で読んでほしい短歌』永田和宏著)。
わが子に乳歯を見つけた日は、本当なら欣快(きんかい)に堪えぬ記念日だろう。
▼事件は一緒にいた母親の前で起きた。
中国の広東省深圳市で日本人学校に登校中の10歳の男の子が、男(44)に刺されて亡くなった。
凶行のあった18日は、満州事変の発端となった柳条湖事件が起きた日と重なる。
男は当局に拘束された。
犯行動機や背景は明らかにされていない。
▼深圳には日本の企業も多い。
「同種の事件はどの国でも起こり得る」
とは中国外務省の会見である。
その言い分は受け入れ難い。
中国では6月にも、日本人母子らが刃物で襲われている。
身の安全が約束されない
「魔の巣」
で、誰が暮らせようか。
▼在留邦人の帰国を含め、日本企業は対応を検討すべき時期を迎えているようにも思える。
「一滴舌上に通じて大海の塩味を知る」
という。
物事の一部を知れば全体が見える。
中国共産党政権の応接は、その性根を世界に示すことになろう。
犯行動機の解明を、強く迫り続けたい。
▼10歳。
将来の夢や「なりたい仕事」が、少しずつ輪郭を帯びてくる年頃だろう。
日々の成長は、親御さんにとっても驚きと喜びの連続だったに違いない。
かの国にどれほど鋭い言の刃≠突き立てようと、失われた命は戻らない。
それが、ただただ悔しい。

駐中国大使が刺殺された邦人男児の遺族と面会 深圳市副市長に安全確保と警備強化申し入れ
2024/9/19 22:18
https://www.sankei.com/article/20240919-3IUCKVOUJJNCNG2MFSMBQYRVKQ/
中国広東省深圳で日本人学校の男子児童が刺されて死亡した事件を受けて現地入りした金杉憲治駐中国大使は19日、記者団に対し、遺族と会い
「お見舞いを申し上げた」
と述べた。
深圳市の羅晃浩副市長とも面会し、邦人の安全確保や日本人学校の警備強化を要請した。
事件の真相を究明して日本側と内容を共有するよう求めた。
副市長側からは日本人の安全確保に万全を期し、日本人学校の警備についても更に努力するとの回答があった。(共同)

中国外務次官、深圳の男児殺害は「前科者による個別事案」 駐中国日本大使と電話会談
2024/9/19 20:32
https://www.sankei.com/article/20240919-3IUCKVOUJJNCNG2MFSMBQYRVKQ/
中国広東省深圳で日本人学校へ登校中に刃物で刺された小学生の日本人男児が死亡した事件を受け、現場となった深圳で対応に当たっている金杉憲治・駐中国日本大使は19日、中国の孫衛東(そん・えいとう)外務次官と電話会談し、事件について申し入れを行った。
北京の在中国日本大使館によると、孫氏からは事件について
「前科のある者による個別の事案」
との説明があったという。
金杉氏は電話会談で
「日本政府として尊い人命が奪われる事態となったことを極めて深刻に受け止めている」
と述べ、遺憾の意を表明した。
中国側に再発防止策を講じることや事件の背景を含めた詳細情報の迅速な共有、邦人の安全確保と日本人学校の警備強化を強く求めた。
大使館によると、孫氏は
「極めて遺憾であり、痛惜の念を禁じ得ない」
と述べ、中国政府として日本人を含む外国人の安全を守るため
「最大限の努力をしたい」
と表明したという。
北京の在中国日本大使館では19日、中国に進出する日系企業の団体「中国日本商会」や日本人学校の関係者を集めた緊急会合を開いた。
商会の本間哲朗会長(パナソニックホールディングス副社長)は冒頭、事件について
「極めて深刻に受け止めている」
と表明。
中国側に対し
「在中日本企業にとって従業員と家族の安心と安全の確保は、中国で事業活動を継続するための基本中の基本だ」
と述べ、在留邦人の安全確保や、事件の背景を含めた詳細な情報の速やかな提供を求めた。
本間氏によると、会員企業の間では一時帰国やカウンセリングといった従業員らに対する支援が始まっているという。

中国・深圳の男児殺害で日本企業が警戒 駐在員や家族らに注意喚起 政府に安全確保要望も
2024/9/19 19:50
https://www.sankei.com/article/20240919-GNLFXV3BWNIHVNMOELXF2GVEII/
中国広東省深圳市の日本人学校に通う男子児童が男に刺され、死亡した事件で、現地に進出する日系企業は警戒を強めている。
「経済特区」
としてハイテク・IT企業が集積し、中国の急成長を支えてきた深圳には、自動車や電子部品関連など多くの日系企業が進出しており、駐在員やその家族らに注意喚起を呼びかけている。
電気自動車(EV)の研究開発合弁会社が深圳にあるトヨタ自動車は、中国の現地統括会社が日本大使館と日本人学校が発信する情報をメールで駐在員と共有し、注意喚起する対応をとった。
電子部品の工場が現地にある村田製作所も注意喚起を呼びかけ、不安に感じた場合は心のケアを行う体制を敷く。
深圳に拠点を構える伊藤忠商事も中国の駐在員約100人に対し、メールなどで当面は安全確保を念頭に置くよう注意を促した。
今のところ、退避までは検討していないという。
三菱商事も公私ともに留意して行動するよう注意喚起を行った。
中国で多くの会員企業が事業を展開する日本自動車工業会(自工会)の片山正則会長(いすゞ自動車会長)は19日の記者会見で
「企業にとって駐在員とその家族の安全は最も大切な問題だ」
「個社で色々な対策を行っている」
と述べた。
その上で
「政府には在留邦人の安全確保について、今まで以上に強化をお願いしたい」
と要望した。
事件が起きた深圳は通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)やIT大手、騰訊控股(テンセント)、EV大手、比亜迪(BYD)などが本社を構え、中国のシリコンバレーと呼ばれている。
大手だけでなく、中小の日系企業も数多く進出している。
深圳市駐日経済貿易代表事務所によると、2020年末までに深圳に投資した日系企業は1000社近くに上るという。
中国への進出企業には近年、景気後退を受けて減少傾向もみられるが、深圳日本商工会の会員数は9月現在で372社に上る。

中国・深圳の男児殺害 日本政府、安全確保策検討急ぐ 自民総裁選候補者からは批判や注文
2024/9/19 19:04
https://www.sankei.com/article/20240919-QLPAN2R5PJLE7BFA7YWD6CQO4I/
政府は19日、中国深圳市で日本人学校に通う小学生の男児が中国人の男に刺され死亡したことを受け、再発防止策の検討を含め、中国に在留する邦人の安全確保に全力を挙げる方針を示した。
中国側から事件を巡る事実関係の詳細な説明が同日午後までになく、自民党総裁選の候補者からは、中国政府への批判や日本政府に更なる対応を求める声が相次いだ。
「幼い子供を襲う卑劣な行為が行われたことは誠に遺憾だ」。
林芳正官房長官は19日の記者会見で、死亡した男児にこう弔意を示した。
その上で通学時の安全確保策について
「外務省、文科省などが中心となって可及的速やかに検討していきたい」
と語った。
外務省の統計によると中国の在留邦人は10万1786人で、そのうち未成年は約1万5000人(令和5年10月現在)。
北京や深圳など9都市にある11の日本人学校には、計3300人超の児童や生徒が通学している。
江蘇省蘇州では6月、スクールバスで日本人学校に通う母子が襲われる事件が発生。
外務省は令和7年度予算案の概算要求で、初めて中国国内の日本人学校でのスクールバスの警備費として、約3億5000万円を計上し、安全強化を図ろうとしていた。
事件には林氏以外の自民党総裁選の候補者も言及した。
高市早苗経済安全保障担当相は
「中国当局が未だに原因、動機、何も明らかにしていない」
「これも本当に悔しいし、残念だ」
と述べた。
石破茂元幹事長は蘇州の事件や中国で米国人が襲撃された事件を挙げ、
「偶発的な事件ではないという見方もある」
と指摘。
「中国がどういう対応を取ってきたのか、これから取ろうとしているのか、日本政府として、きちんとした対応を求めるのは当然」
と語った。

中国・深圳の日本人男児殺害 在留邦人、相次ぐ外国人襲撃に衝撃 景気悪化で社会不安懸念
2024/9/19 18:31
https://www.sankei.com/article/20240919-ZGEGQJHRHBIUHB5Y3JNQK2LJBI/
中国広東省深圳市で日本人学校への登校中に男に刺された小学生の日本人男児(10)が19日に死亡したことは中国全土で生活する日本人に衝撃を与えた。
中国政府は動機を明らかにしておらず、中国各地の邦人社会には不安が広がっている。
■情報なく対策とれず
「残念でたまらない」
深圳にも拠点を持つ日本企業トップは男児襲撃事件に悲しみと憤りを隠さなかった。
特に子供連れで中国に駐在している社員の間では深圳に限らず不安が広がっているという。
中国では6月に江蘇省蘇州市で日本人学校のスクールバスを待っていた日本人の母子が刃物で切り付けられる事件が起きたばかり。
短期間で相次ぎ日本人の子供が襲われる事件が起きたことへの動揺は計り知れない。
深圳は香港にも近い経済都市で、外国人と距離が近い街と思われていたことも衝撃に拍車をかけた。
中国政府が動機などについて詳細を説明していことは、在留邦人の不安感をいっそう増大させてもいる。
中国の主要メディアの報道はごく一部にとどまり、深圳の事件を知る中国人は多くない。
子供を北京の日本人学校に通わせる男性は
「情報がないため対策を取りにくい」
と語った。
■相次ぐ外国人襲撃
中国では外国人が襲われる事件が立て続けに起きている。
6月には蘇州の事件に加え、吉林省吉林市で米コーネル・カレッジから同市の大学に派遣されている教員4人が刃物で刺され負傷する事件も起きた。
中国政府は
「偶発的な事件」
と強調するばかりで、詳しい説明は避け続けた。
蘇州の事件では、日本人母子に刃物で切り付けた中国人の男を阻止しようとして刺されて死亡した中国人女性を英雄として持ち上げて「美談」にしたが、効果的な対策を取ることはなかった。
■SNSに疑念あおる動画も
中国では不動産不況を背景に経済成長が鈍化して庶民の雇用・所得環境が悪化しており、社会不安が懸念されている。
そうした中、外国人に不満のはけ口が向かいやすいムードがある。
特に18日は満州事変の発端となった昭和6(1931)年の柳条湖事件から93年に当たり、中国国営メディアは「抗日」の歴史を繰り返し強調した。
中国の交流サイト(SNS)では「日本を打倒せよ!」などと反日感情を露わにした投稿も目立った。
SNSでは深圳の事件について
「これこそが国の恥だ」
などと容疑者を批判する投稿も少なくない。
一方で、中国各地にある日本人学校について
「なぜ各地に日本人学校があるのか」
「背景にはどんな秘密を隠しているのか」
と疑念を煽るような動画も残る。
中国では当局がSNSを管理しており、こうした動画を野放しにしている形だ。
中国政府は現在、不景気の中で海外からの投資呼び込みに熱心だ。
日中外交筋は
「こんな状況では投資などできないと日本企業が考えるのは当然だ」
「中国政府は日中関係の根幹に関わる問題と受け止めて対応する必要がある」
と指摘する。

日本人男児殺害、社会の不安定化の表れ 中国は説明責任果たせ 東京大教授・阿古智子氏
2024/9/19 18:29
https://www.sankei.com/article/20240919-T5I4WOK5SJM7XODIFJE2KBAXJY/
中国広東省深圳市で日本人学校に通う男子児童(10)が男に刃物で刺されて死亡した事件について、現代中国を研究する東京大の阿古智子教授に背景を聞いた。

6月に江蘇省蘇州市で起きた日本人母子への切り付け事件の徹底調査がなされない中、また悲劇が起きてしまった。
殺害されたのは罪のない日本人の男の子だ。
尊い命が奪われた現実に憤りと悲しみを抑えられない。
都合の悪い事実を隠したがる中国政府も、今回はさすがに説明責任を果たさなければならない。
容疑者の動機には
「反日」
「抗日」
が関係している可能性も捨てきれない。
事件が起きた
「9月18日」
は満州事変の発端となった柳条湖事件の日だ。
「この日なら許される」
などの感情が働いたかもしれない。
中国側は背景を徹底調査し、適切に報告すべきだ。
この事件も含め、中国の政府系メディアは詳細を報じないが、中国では最近、外国人への犯罪が増加している。
また交流サイト(SNS)を見ると、中国人同士の殺傷事件も頻繁に起きていることがわかる。
社会が極めて不安定化している表れではないか。
中国は経済が悪化し続けており、習近平政権を批判的に見る人も増えている。
だが、言論統制で不満を口に出すことができず、暴力で解決する傾向が強まっていると感じる。
思想教育やプロパガンダ(政治宣伝)が行われる中、余裕のない人が
「敵」
と教わった日本人を不満のはけ口としてみている恐れもある。
今回の悲劇は日中関係にも影響するだろう。
中国事業により慎重になる日本企業も増えるかもしれない。
中国が徹底調査して説明責任を果たすのが関係維持への第一歩だが、それだけでは根本的な解決にはならない。
日本への憎しみを生むような教育をしていなかったか。
中国側はこれを機に考えるべきだ。
日本人も事件があったからといって中国人差別に手を染めてはいけないが、中国が行き過ぎたナショナリズムの横行を直視しなければ、再び悲劇が起きかねない。

中国・深圳の日本人男児殺害、各候補が政府に「毅然とした対応」促す 自民総裁選
2024/9/19 18:27
https://www.sankei.com/article/20240919-F5Q2JRTB55NDZMJEW6FD7S4FZU/
中国広東省深圳で日本人学校に通う男子児童が刺殺された事件を受け、自民党総裁選候補者からは19日、中国に毅然とした対応を取るよう政府に促す意見が相次いだ。
事件が日中関係に与える影響を懸念する声も出た。
石破茂元幹事長は記者団の取材に
「日本政府として中国に申し入れるだけでなく、どういう対応を取ったのか強く質していくべきだ」
と強調した。
小泉進次郎元環境相は
「中国政府には動機の解明を含めて厳正な対処を求めたい」
と記者団に述べた。
高市早苗経済安全保障担当相は国会内の陣営会合に出席した議員らと黙とうした。
「中国当局が未だに原因や動機を明らかにしておらず、残念だ。説明を求めていく」
と訴えた。
茂木敏充幹事長は、中国で通学する日本人児童の警備費用増額を検討する必要があると主張した。
河野太郎デジタル相は
「こうした事件が続けば、中国で働く日本人が引き揚げることに繋がりかねない」
と指摘した。

中国・深圳の日本人襲撃、動機などなお伝えられず 邦人の安全確保 日中間の重要課題に
2024/9/19 18:19
https://www.sankei.com/article/20240919-IARXY3SOTJP5FKORYIUE6IELAA/
中国広東省深圳市で日本人学校に通う小学生の日本人男子児童(10)が18日に刺されて負傷した事件で、同省広州市の日本総領事館は19日、男児が死亡したと明らかにした。
当局は容疑者の男(44)の身柄を現場で確保して取り調べを行っているが、これまでのところ日本側に動機など詳細な情報は伝えられていない。
中国における日本人の安全確保や、事件の真相解明が日中間における重要課題となる。
日中両政府などによると、男児は18日朝に保護者と登校中、日本人学校の校門から約200メートル離れた場所で男に襲われた。
男児は腹部を刺され、病院で手術を受けたが19日未明に死亡した。
中国では6月、江蘇省蘇州市で日本人学校のスクールバスを待っていた日本人の母子が刃物で切り付けられて負傷する事件が起きたばかり。
在中国日本大使館は19日、在留邦人に対し
「日本人が被害に遭う事件が相次いでいる」
と改めて注意を呼び掛けた。
大使館は事件に関して
「背景など詳細は現在のところ不明」
だとして
「中国側に情報提供を強く求めている」
と強調した。
中国外務省の林剣報道官は19日の記者会見で、男児が死亡したことについて
「不幸な事件」
だとの認識を示して
「遺憾」
の意を示した。
林氏は
「類似の事件は如何なる国でも起きる可能性がある」
と主張し、
「個別の事件が中日両国の往来や協力に影響しないと信じている」
と表明した。
男児は日本国籍で、両親は日本人と中国人だと説明した。
金杉憲治・駐中国日本大使は19日、深圳に急遽入り現地で対応にあたった。
北京市にある在中国日本大使館は同日、日の丸の半旗を掲げて弔意を示した。
日本総領事館の貴島善子総領事は18日夜に深圳の対外窓口である外事弁公室主任と面会。
真相解明や再発防止の具体策などを求めた。

自民・高市早苗氏、中国・深圳の邦人男児殺害に「本当に胸が痛む」 中国政府に説明求める
2024/9/19 17:44
https://www.sankei.com/article/20240919-L255GXC3PNI6TLSJYDPYFJ2TUU/
自民党総裁選(27日投開票)に立候補した高市早苗経済安全保障担当相は19日、中国広東省深圳にある日本人学校に通う男子児童(10)が刺殺された事件について、国会内で記者団に「家族の方の思いを考えると本当に胸が痛む。心からお悔やみを申し上げる」と述べた。
中国当局が犯人拘束後も事件の背景や原因を公表していないことを指摘し、「説明をしてもらわなければ日本人学校の安全も守れない」と強調。中国政府に対し、「中国に滞在している日本人の安全を守る具体的な策を示してほしい」と求めた。
高市氏は中国の反スパイ法への懸念も表明。「日本人にも適用される法律の解釈の詳細な説明を求めることは日本政府の責務だ」と述べ、中国側に説明を求める考えを示した。

中国外務省が深圳の日本人男児死亡に「遺憾」表明 「どの国でも起こり得る」とも主張
2024/9/19 17:24
https://www.sankei.com/article/20240919-E6B6VWL6MVJKLJ3UXZDN7EIGJY/
中国外務省の林剣(りん・けん)報道官は19日の記者会見で、広東省深圳の日本人学校への登校中に小学生の日本人男児(10)が男に刺され死亡したことについて、
「不幸な事件」
だとして
「遺憾」
の意を表明した。
男児に対して哀悼の意も示した。
林氏は
「類似の事件は如何なる国でも起きる可能性がある」
と主張して
「個別の事件が中日両国の往来や協力に影響しないと信じている」
との認識を示した。
「中国側は一貫して有効な措置を取り続けており、中国にいる全ての外国人の安全を保障している」
とも強調した。
動機など詳細については
「現在、調査中であり、中国側の関係部門が法に照らして処理する」
と述べるにとどめた。

岸田首相、中国・深圳で男児殺害に「極めて卑劣な犯行で重大かつ深刻」「説明強く求める」
2024/9/19 15:54
https://www.sankei.com/article/20240919-Z52XZSPCJNJGTCT2HSEEEZ75YA/
岸田文雄首相は19日、中国広東省深圳にある日本人学校に通う男子児童(10)が刺殺された事件について
「極めて卑劣な犯行であり、重大かつ深刻な事案だ」
と非難した。
「中国側に事実関係の説明を強く求めていく」
「犯行から既に1日以上経っている」
「一刻も早く説明を強く求めるよう指示した」
と語った。
視察先の石川県内灘町で語った。
首相は
「このような事案を二度と繰り返してはならない」
「日本人の安全確保と再発防止を中国側に強く求めていくと同時に、日本政府としても、できることを全て行っていく」
と強調。
「ご家族のご心痛、察して余りあるものがある」
「全力でご家族の支援に当たっていきたい」
と語った。

自民・茂木氏 中国・深圳の児童死亡に「強い怒りを覚える」
2024/9/19 14:38
https://www.sankei.com/article/20240919-EVDW2FCFS5NQDPEN4REGZWSO7I/
自民党の茂木敏充幹事長は19日、中国・深圳で日本人学校の男児が刺され死亡した事件を受け、自身のX(旧ツイッター)に
「心よりお悔やみ申し上げる」
「そして今回の事件に強い怒りを覚える」
「捜査当局によるしっかりとした捜査がされることを強く求める」
と投稿した。

北京の日本大使館に半旗 中国・深圳の日本人男児死亡で弔意 駐中国大使が現地入り
2024/9/19 13:53
https://www.sankei.com/article/20240919-AEUXC5QFYZMUHEEJFVWW2JMU34/
中国広東省深圳で日本人学校への登校中に男に刺された小学生の日本人男児(10)が19日に死亡したことを受け、北京の在中国日本大使館は同日、日の丸の半旗を掲げて弔意を示した。
金杉憲治・駐中国日本大使は同日、現場となった深圳に急遽向かった。
事態を深刻に見て現地で対応に当たる。
事件発生後、広東省省広州市の日本総領事館の貴島善子総領事らが現地で家族への対応や地元当局への要請などにあたってきた。
日本政府関係者などによると、男児は18日朝に保護者と登校中、日本人学校の校門から約200メートル離れた場所で男に襲われた。
腹部を刺されており、病院に搬送して手術など治療を続けたが19日未明に死亡した。
容疑者の男(44)は当局が現場で身柄を確保して取り調べを行っている。
日本側には動機など詳細な情報は伝えられていない。
深圳は、香港と隣接する中国南部を代表する経済都市だ。中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)などが本社を置き、IT産業の集積地として日系企業も多数進出している。
外務省のデータによると、2023年10月時点で深圳の在留邦人数は3600人で、中国本土の都市では5番目に多い。

中国には9都市に11の日本人学校、スクールバスの警備強化目指した矢先に 邦人男児死亡
2024/9/19 12:06
https://www.sankei.com/article/20240919-TTHSRMDWQZK5LDMBLO5R4ZGWVE/
中国広東省深圳にある日本人学校近くで、同校に通う男児(10)が男に刺されて20日、死亡した。
中国では6月にも江蘇省蘇州で、スクールバスで日本人学校に通う子供らが襲われる事件が起きている。
政府は中国本土9都市に11ある日本人学校に通う子供の安全確保を徹底するため、スクールバスの警備強化などを図ろうとしていた矢先だった。
蘇州では6月24日、スクールバスを待っていた日本人の母子が、50代の男から刃物で切り付けられて怪我を負った。
事件を受け、外務省は令和7年度予算案の概算要求で、初めて中国国内の日本人学校でのスクールバスの警備費として、約3億5000万円を計上。
スクールバスに1台当たり警備員1人を配置する計画を立て、子供らの安全強化を図ろうとしていた。
外務省の海外在留邦人数調査統計によると、中国の在留邦人は10万1786人おり、2万人近い未成年も在留している(令和5年10月現在)。
11の日本人学校には、合わせて3300人を超える児童や生徒が通学している。
中国に進出する日本企業で作る中国日本商会(本間哲朗会長=パナソニックホールディングス副社長)も今年7月、中国政府に邦人の安全確保を要望していた。

「卑劣な行為」と上川陽子外相 中国・深圳の日本人男児刺殺事件で再発防止を指示
2024/9/19 9:52
https://www.sankei.com/article/20240919-BDDTFTMYLVMLJH4FEFH3P76FLU/
中国広東省深圳にある日本人学校近くで同校に通う男児(10)が男に刺され死亡した事件で、上川陽子外相は19日、
「卑劣な行為で誠に遺憾だ」
「深い悲しみを禁じ得ない」
と外務省で記者団に述べた。
上川外相は再発防止策の検討を外務省の担当者に指示。
また、中国側に日本人の安全確保を求めていくことも明らかにした。

中国・深圳の日本人襲撃で刺された男児が死亡 相次ぐ事件に衝撃、中国側に再発防止を要請
2024/9/19 8:58
https://www.sankei.com/article/20240919-T46FIP3YE5MXXCBUHRGYD72HQM/
中国広東省深圳市で日本人学校に通う小学生の男児(10)が18日に男に刺されて負傷した事件で、同省広州市にある日本総領事館は19日、男児が死亡したと発表した。
男児は病院に搬送されて手術を受けており、総領事館は19日未明に男児の容体が
「予断を許さない状況」
だと説明していた。
容疑者の男(44)は当局が身柄を確保して取り調べを行っているが、日本側には動機など詳細な情報は伝えられていない。
金杉憲治・駐中国日本大使は18日に北京市で記者団に対し、今回の事件が日本人を狙ったものであるかどうかについては
「まだ背景が分からない」
とコメントを避けた。
在広州日本総領事館の貴島善子総領事は18日夜に深圳市の対外窓口である外事弁公室主任と面会。
男児の家族へのケアや真相解明、再発防止の具体策などを求めた。
総領事館は、日本人学校も交えて再発防止に関する協議を始めた。
中国では6月に江蘇省蘇州市で日本人学校のスクールバスを待っていた日本人の母子が刃物で切り付けられる事件が起きており、総領事館が日本人学校などと安全対策に関する情報交換や対策協議を行っていた最中に今回の事件が起きたという。
総領事館は貴島氏ら複数の館員が深圳に入り、家族への対応や日本人学校との連絡、地元当局への要請などを行っている。
中国に進出する日系企業の団体「中国日本商会」は18日にホームページで談話を発表し、事件について
「極めて深刻に受け止めており、このような事案が発生したことは極めて遺憾だ」と表明した。
商会は、今回の事件を受けて日中両政府に対し在中邦人の安全確保を改めて求めるとともに、
「事件の背景を含めた詳細情報を速やかに明らかにすること」
を求めた。
中国に住む日系企業駐在員らの間では、日本人の子供を襲う事件が相次ぎ起きていることに衝撃が広がっている。

10歳男児の容体は「予断を許さない深刻な状況」 中国・深圳の刺傷事件、最善の措置要望
2024/9/19 7:58
https://www.sankei.com/article/20240919-CJ5ATBYX6JLNBDQ4D4HQ66BQOQ/
中国広東省深圳にある日本人学校近くで同校に通う男児(10)が18日に男に刺された事件で、同省広州市にある日本総領事館の貴島善子総領事は19日未明、記者団の取材に応じ、男児の容体は
「予断を許さない非常に深刻な状況だ」
と明らかにした。
同日未明時点で男児は手術室で医療措置を受けているという。
貴島氏は18日夜に深圳市の外事弁公室主任に会い、男児を救うための最善の医療措置や再発防止の具体的措置を要望した。
事件の真相解明と日本側への丁寧な説明も求めた。
現場付近で容疑者の男を取り押さえたのは、近くで警備に当たっていた警察関係者だと述べた。
犯行の動機については警察から情報を得られていない。
日本人を狙った犯行だったかどうかについては
「分析するには情報がまだ少ない」
として明言を避けた。
深圳市の外事弁公室からは事件が起き残念だとの表明があり、男児の治療には広東省の一流の医師が治療に当たっているとの説明があったという。(共同)

金杉憲治中国大使、再度の日本人襲撃に「じくじたる思い」「満足できる説明ない」
2024/9/18 21:35
https://www.sankei.com/article/20240919-T46FIP3YE5MXXCBUHRGYD72HQM/
金杉憲治・駐中国日本大使は18日、中国広東省深圳市で日本人学校に通う小学生の男子児童が男に刺されて負傷した事件を受け、中国側に対し
「在留邦人の安全、安心、万全な警備を改めて働きかけた」
ことを明らかにした。
北京市内で記者団に語った。
中国側に真相究明や背景に関する説明も求めたが、
「残念ながら今のところ我々が満足できるような説明はきていない」
という。
今回の事件が日本人を狙ったものであるかどうかについては
「まだ背景が分からない」
とコメントを避けた。
6月に江蘇省蘇州市で起きた日本人母子が刃物で切り付けられた事件に続いて再び日本人が襲われたことについて
「本当に忸怩たる思いだ」
と述べた。
中国側に対して
「邦人コミュニティー全体の危機意識をしっかりと受け止めた上で対応してほしい」
と適切な対応を求めた。
「在留邦人の安全、安心について大使館、総領事館を挙げて最大限努力していきたい」
と表明した。
一方、中国に進出する日系企業の団体「中国日本商会」は18日にホームページで談話を発表し、事件について

中国・深圳で日本人学校に登校中の小学児童が襲われて負傷 容疑者は当局が確保
2024/9/18 12:08
https://www.sankei.com/article/20240918-SAMWB2FTFFOJ5FYSXRGJZGHW3I/
日本政府関係者や現地関係者によると、中国南部の広東省深圳市で18日午前、日本人学校に登校中だった小学生の男子児童が男に襲われて負傷した。
児童は病院に搬送されて治療を受けている。
怪我の程度などは明らかになっていない。
中国では6月にも、東部の江蘇省蘇州市で日本人学校のスクールバスを待っていた日本人の母子が刃物で切り付けられて負傷する事件が起きている。
容疑者の男は当局が身柄を確保して取り調べを行っているという。
在広州日本総領事館が現地に担当者を送って、被害者の支援や情報収集などに当たっている。
深圳は中国南部の経済都市で、IT産業などの集積地として知られる。

中国 襲われた日本人学校の男子児童死亡 現地に衝撃広がる
2024年9月19日 12時52分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240919/k10014585361000.html
中国南部 広東省の※深センで日本人学校に通う10歳の男子児童が登校中に刃物を持った男に襲われた事件で、現地に駐在する日本の総領事は19日未明に男子児童が死亡したと明らかにしました。
中国ではおよそ3か月前のことし6月にも東部の江蘇省蘇州で日本人学校のスクールバスが刃物を持った男に襲われ、日本人の親子がけがをする事件があり、現地では警戒が高まっていただけに衝撃が広がっています。
※「セン」は「土」へんに「川」。
18日午前、中国 広東省の深センで、日本人の10歳の男子児童が保護者と一緒に日本人学校に登校していたところ、男に刃物で刺されて病院に搬送されました。
広東省広州に駐在する貴島善子総領事は19日朝、記者団に対して
「男子児童は病院で治療を受けていましたが、19日未明、亡くなりました」
「心より哀悼の意を捧げたい」
と述べ、男子児童が死亡したことを明らかにしました。
児童は腹部を刺されて傷を負っていたということで、具体的な死因については、中国の当局が調査しているとしています。
■貴島総領事「一番に家族のケアを」
貴島総領事は
「今回の事案の発生を受けて、引き続き中国側には日本人の安全確保のために尽くしてもらいたい」
「総領事館としても全力で対応していきたい」
と述べました。
そして
「まずご家族のケアを一番に考えて対応していきたい」
と述べ、日本人学校や深セン市政府とも連絡をとりながら対応していく考えを示しました。
■容疑者は44歳の男 動機など不明
地元の警察によりますと、容疑者は44歳の男で、その場で当局に身柄を拘束され、取り調べを受けているとみられますが、動機などについてはこれまでのところ、明らかになっていません。
■「本当に悲しい」「大部分は友好的」中国人からも悲しみの声
現場のすぐ近くに住む30代の中国人の女性は、自らも5歳の子どもがいることにふれた上で
「事件のことを知ったときはびっくりしました」
「お子さんのことを心配していました」
「亡くなったことを知って本当に悲しいです」
「このようなことが起きて残念です」
と話していました。
北京の50代の女性は
「大部分の中国人は日本人に対してとても友好的で、今回は極端な事例だと思う」
「大多数の中国人の本当の考えを代表していない」
「本当に遺憾で心を痛めている」
と話していました。
また、20代の女性は
「もし歴史問題が原因で繰り返し起きたことであれば私は受け入れられない」
と話していました。
■中国メディア 短く伝えるのみ
中国の主なテレビや新聞は、18日に事件が起きた時点ではほとんど伝えず、午後になって中国外務省の報道官が定例会見で記者に聞かれて発言すると、一部のメディアは事件の概要に関する発言だけを短く伝えました。
男子児童が死亡したことについては、いまのところ報じていません。
また、中国外務省は18日の記者会見の内容をホームページに掲載していますが、事件に関する5回の質疑応答のうち、最初のやりとりを除く4回を掲載していません。
■6月にも江蘇省でスクールバス襲われる事件
中国ではことし6月にも東部の江蘇省蘇州で日本人学校のスクールバスが、刃物を持った男に襲われ、日本人の親子がけがをし、男を止めようとした中国人女性が死亡する事件が発生しています。
その後、中国各地の日本人学校では警備体制を強化するなど、警戒が高まっていただけに、日本人が巻き込まれる事件がふたたび起きたことに現地の日本人社会では衝撃が広がっています。
■北京 日本大使館 半旗掲げる
男子児童が死亡したことを受けて、北京にある日本大使館は19日、半旗を掲げました。
また、中国のSNS「ウェイボー」の公式アカウントで半旗の写真と中国語で哀悼のことばを投稿して、中国政府に対して、事件の真相を明らかにするとともに中国にいる邦人の保護や再発防止に努めるよう求めています。
また、日本大使館は18日に続いて19日も、中国国内にいる日本人に対して安全の確保に努めるようメールで強く呼びかけました。
メールでは、ことし6月の江蘇省 蘇州の事件にも触れ、中国の関係当局に日本人の安全確保を強く要請しているとしています。
その上で、外出の際は不審者の接近など周囲の状況に留意し、特に子どもを連れて外出する場合は十分に対策をとるよう呼びかけています。
■上川外相「卑劣な行為で遺憾」中国側に安全確保求める考え
上川外務大臣は19日朝、外務省で記者団に対し
「深い悲しみを禁じ得ず、心からのお悔やみを申し上げる」
「登校中の児童に対し、卑劣な行為が行われたことは誠に遺憾で、両親の心痛も考えると胸が潰れる思いだ」
「政府として全力で家族の支援にあたる」
と述べました。
そして
「ことし6月の蘇州の事件を受け、安全対策の再点検を早急に行うよう伝達していたほか、9月18日が柳条湖事件が起きた日であることを踏まえ、中国外交部に対し、日本人学校の安全対策について万全の対応を行うよう申し入れを行ったところだが、こうした中で本件事案が起きたことは大変残念だ」
と述べました。
その上で
「今般の事案を極めて重く受け止めており、改めて中国側に対し、日本人の安全確保を求めていくとともに、再発防止に向けて、どのような追加的な措置が可能か、事務方に検討を指示した」
と述べました。
■中国との人的交流や投資に影響も
今回の事件は日本と中国の間の人的な交流や日本企業の中国への投資に影響を与えることになりそうです。
中国では、景気の先行きへの不透明感に加え、スパイ行為に関わったなどとして日本人が当局に拘束されるケースも相次いでいます。
このため日本企業の間では、社員の出張や中国への投資を控える動きが広がっています。
中国に進出する企業でつくる「中国日本商会」が8月末に発表した会員企業へのアンケート調査では、ことしの中国への投資額について
▽「大幅に増加させる」や「増加させる」と答えた企業が15%にとどまった一方、
▽「減らす」もしくは「投資はしない」は45%にのぼりました。
調査の中では、中国政府への要望事項として、ことし6月に江蘇省蘇州で日本人学校のスクールバスが襲われた事件を受け、在留邦人の安心や安全を求める声が相次いでいました。
今回の事件を受けて「中国日本商会」は18日
「極めて深刻に受け止めている」
とするコメントを発表しました。
その上で
「改めて邦人の安全確保を日中両国政府に強く求めるとともに、事件の背景を含めた詳細情報を速やかに明らかにすることを求めていく」
とし、北京にある日本大使館に申し入れを行いました。
事件の背景などの詳細はわかっていませんが、蘇州の事件から3か月足らずで発生した今回の事件を受け、日本企業の間で安全への懸念が一段と強まるのは避けられないとみられます。
■専門家「駐在員の安全対策 企業でも」
中国情勢に詳しい神田外語大学の興梠一郎教授は、今回の事件による影響について
「中国への投資はすでに減ってきているが、今後ますます影響してくると思う」
「ビザの問題ですでに減少している日本人観光客や修学旅行への影響も避けられないだろう」
と話していました。
また、中国で日本人が襲われる事件が相次いでいることを受けて現地の日本企業への影響も大きいとしたうえで
「今後、社員が中国に駐在する時にどうするのか、1人で単身赴任する場合、安全対策をどうするのかなど考えないといけない」
「日本人がいると明らかにわかるような場所に行くことは、避けたほうが良い」
と話し、日本政府や現地の日本企業による安全対策の徹底が必要だと訴えました。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/724.html#c48

[国際35] ロシア軍に北朝鮮兵3000人参加か ゼレンスキー大統領「勝利計画」発表へ/テレ朝 仁王像
5. 秘密のアッコちゃん[766] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月19日 07:03:35 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[331]
<■793行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
「現段階で確認できない」NATO事務総長、ウクライナへの北朝鮮派兵報道で
2024/10/18 22:56
https://www.sankei.com/article/20241018-OZTEJIQNSRIOTGHKQN5MCDZD3M/
北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は2024年10月18日
「北朝鮮人が兵士としてウクライナでの戦争に参加しているという報道について現段階では確認できていない」
と述べた。
ブリュッセルで記者団に語った。
ルッテ氏は、NATOが韓国などと緊密に連絡を取り合っており
「この見解は変わる可能性がある」
と指摘し、動向を注視する考えを示した。(共同)

北朝鮮がウクライナ侵攻「参戦」 軍特殊部隊1500人露極東入り 韓国情報機関
2024/10/18 22:29
https://www.sankei.com/article/20241018-TSZJ7GK24NIBZE7OJV4PBVC3A4/
韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は2024年10月18日、北朝鮮がウクライナ侵略を続けるロシアを支援するため、朝鮮人民軍の大規模派兵を決め、既に第1陣約1500人が露極東地域に入ったとの情報を明らかにした。
韓国当局は、北朝鮮が参戦を始めたと判断した。
聯合ニュースが伝えた。
北朝鮮による地上軍の大規模な海外派兵は初めてとされ、ウクライナの戦局にも影響を与える可能性がある。
派兵されたのは、軍特殊作戦部隊である
「第11軍団」
所属の将兵で、近く第2陣の兵員輸送も行われる見通し。
第11軍団は
「暴風軍団」
との異名を持つ最精鋭部隊。
最終的に4個旅団計約1万2000人規模の兵力がウクライナの戦場に投入されると予想されている。
北朝鮮が日米韓への敵対姿勢を強める中、軍の特殊部隊が戦場で実戦経験を積むことになれば、日韓の安全保障情勢にも影響を及ぼしかねない。
国情院によると、第1陣は今月2024年10月8日〜13日に北朝鮮北東部の清津(チョンジン)や東部、咸興(ハムフン)付近の地域から露太平洋艦隊の揚陸艦4隻と護衛艦3隻に乗船し、露極東ウラジオストクに移った。
ウラジオストクの他、ウスリスクやハバロフスクなど極東地域の複数の拠点に駐留。
訓練を終え次第、戦地に送られる模様だ。
北朝鮮の兵士らはロシア人兵士を装うため、ロシアの軍服やロシア製武器、シベリア地域の住民を装う偽身分証も受け取ったとされる。

来年日本で地雷国際会議 ウクライナの除去支援
2024/10/18 19:53
https://www.sankei.com/article/20241018-OZWVQFXBP5ONXEFBSXUIO4AOLY/
スイス西部ローザンヌで2024年10月17日、ウクライナの地雷除去に関する国際会議が開かれ、日本から参加した柘植芳文外務副大臣は来年に日本で同会議を開催すると発表した。
会議には60以上の国・国際機関が参加した。
ウクライナのシュミハリ首相は、国土のおよそ4分の1に地雷や不発弾が埋まっている可能性がある状況に触れ
「地雷除去の分野で支援を強めてほしい」
と訴えた。
柘植氏はスイスやウクライナとの共同記者会見で
「人道支援の効果を最大化させる」
と話し、地雷探知機の供与や専門家育成での協力を強化する考えを示した。(共同)

北朝鮮が特殊部隊など1万2千人派兵決定、移動開始 韓国情報機関
2024/10/18 19:26
https://www.sankei.com/article/20241018-I4KDNLXG6NJSFBPACPPKTFGGDU/
韓国の情報機関、国家情報院は2024年10月18日、北朝鮮が最近、ロシアを支援するため、朝鮮人民軍の特殊部隊など4個旅団計約1万2000人規模の兵力をウクライナの戦場へ派兵することを決定したとの情報を明らかにした。
複数の韓国メディアが伝えた。
既に兵力の移動を開始しているとしている。
北朝鮮とロシアは2024年6月に実質的な軍事同盟となる
「包括的戦略パートナーシップ条約」
を締結し、軍事的協力を急速に深めている。

フランス新型自爆ドローン開発 ウクライナへ「数週間内」に供与
2024/10/18 16:54
https://www.sankei.com/article/20241018-FZR2MHE7JZJSTATRUWAXLCFRXE/
フランス政府が、新開発の自爆ドローン(無人機)をウクライナに近く供与すると発表した。
ルコルニュ国防相が2024年10月16日にX(旧ツイッター)で、
「弾薬を乗せて遠隔操縦できる『カミカゼ・ドローン』第1号の試験に成功した」
と書き込み、
「今後、数週間以内」
に仏軍とウクライナに納入されると明かした。
仏紙フィガロによると、この自爆ドローンは45分間自律飛行でき、5キロ先の標的を攻撃できる。
1機当たりの価格は2万ユーロ(約325万円)以下という。
仏国防省は今年2024年3月、自爆ドローン2000機を発注し、このうち100機をウクライナに供与すると表明していた。

ノルウェー、近くF16戦闘機6機をウクライナに供与 欧米、「戦勝計画」に慎重姿勢
2024/10/18 11:26
https://www.sankei.com/article/20241018-PC7XFHL6KRPOVMJEANBJPE4NFA/
ロシアの侵略を受けるウクライナのウメロフ国防相は2024年10月17日、ベルギー・ブリュッセルで開かれた北大西洋条約機構(NATO)国防相会合でノルウェーのグラム国防相と会談した。
会談後、ウメロフ氏はSNSを通じ、ノルウェーから
「近い将来」
に6機の米国製戦闘機F16がウクライナに供与されると発表した。
ウクライナへのF16供与はこれで、ベルギー、オランダ、デンマーク、ノルウェーの4カ国が表明。
既に少なくとも6機が供与されたとされるが、ウクライナは2024年8月、1機が任務中に墜落したと公表した。
ノルウェーからのF16供与が実現すれば、ウクライナの防空力の向上が見込まれる。
ウクライナメディアによると、F16は2028年までに約80機が同国に供与される予定。
供与は段階的に行われ、2024年今年中に24機、25年末までに40〜50機程度となる見通しだとしている。
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は同日、ブリュッセルで欧州連合(EU)首脳会議とNATO国防相会合に出席し、ロシアに対する
「戦勝計画」
を説明した。
計画は、NATOがウクライナの加盟に向けた手続きを即座に開始することや、欧米製の長距離ミサイルによる露国内攻撃の解禁などを含んでいる。
ただ、ロイター通信によると、EUとNATOはウクライナ支援の継続を約束する一方、即座のNATO加盟手続きの開始には慎重姿勢を維持した。
ゼレンスキー氏は
「仮に計画への支持が得られなくとも、ウクライナはロシアの侵略と戦い続ける」
と表明した。
戦勝計画について、ペスコフ露大統領報道官は同日、
「狙いはNATOを紛争に公式に引き込むことであり、ロシアとNATOの直接衝突を招く」
と警告した。

「ウクライナは負ける」とトランプ氏 ゼレンスキー氏は「最も偉大なセールスマン」
2024/10/18 11:24
https://www.sankei.com/article/20241018-TLAV2B7UW5JTDITXSV3CT33IB4/
米大統領選の共和党候補、トランプ前大統領は17日放送のポッドキャスト番組のインタビューで、ロシアが侵略するウクライナのゼレンスキー大統領について
「戦争を始めるべきではなかった」
「負け戦だ」
と批判した。
ロシアが侵略を始めたことを否定する発言とも受け取れ、民主党候補のハリス副大統領陣営が反発を強めるとみられる。
トランプ氏はロシアのプーチン大統領を指導者として高く評価しており、2021年の離任後にも対話したと報じられている。
侵略を正当化するプーチン氏寄りの姿勢が顕著で、ウクライナを支援する欧州の米同盟国に動揺が広がりそうだ。
ウクライナへの軍事支援に消極的なトランプ氏はゼレンスキー氏について
「最も偉大なセールスマンだ」
「米国に来る度、我々が1000億ドル(約15兆円)を与えている」
と誇張して皮肉る一方
「ウクライナ人を気の毒に思う」
「彼を助けたくないと言っているわけではない」
とも述べた。(共同)

中露を念頭、現状変更に反対 中谷防衛相、NATO会合で連携強化を呼びかけ
2024/10/18 10:04
https://www.sankei.com/article/20241018-FUE3PW4CSZPQ3OS5AGCXDFJ7IQ/
中谷元・防衛相は17日(日本時間同)、北大西洋条約機構(NATO)とインド太平洋地域のパートナー国との国防相会合に初めて出席した。
中国やロシアを念頭に、力による現状変更の試みに反対し、対抗するための連携強化を呼び掛けた。
「厳しい国際情勢だからこそ、基本的価値と戦略的利益を共有する日本とNATOの協力が重要だ」
と述べた。
ロシアのウクライナ侵略を
「国連憲章の原則が踏みにじられた暴挙だ」
と非難。
日本は引き続きウクライナ支援を続けるとして、自衛隊車両を追加提供する考えを示した。
ウクライナのウメロフ国防相との会談でもこうした方針を伝えた。
会合では
「インド太平洋地域でも力や威圧による一方的な現状変更の試みが強化されている」
と述べ、中国軍が2024年10月14日に台湾を包囲する形で実施した軍事演習に言及した。(共同)

NATO国防相会合、ウクライナの加盟で温度差 ゼレンスキー氏の戦勝計画、多難な前途
2024/10/18 9:59
https://www.sankei.com/article/20241018-RVHP6SP63VJIPLKL7CSR6QGYKU/
ブリュッセルで2024年10月18日まで開かれている北大西洋条約機構(NATO)国防相会合は、ロシアに侵略されたウクライナへの
「揺るぎない支援」
が改めて打ち出されたのとは裏腹に、ウクライナのゼレンスキー大統領が2024年10月16日公表の対露戦争計画で求めた
「NATOへの即時無条件加盟への招待」
を巡る加盟国間の温度差が目立ち、前途の多難さを印象付けた。
2024年10月1日に事務総長に就任し、今回初めてNATO会合を主催するルッテ氏は2024年10月17日、
「ウクライナをこれまで以上にNATOに近づける」
と述べるとともに、加盟が実現するまでは、ウクライナの勝利を確実にするため
「あらゆる手立てを講じ続ける」
と強調した。
会合では、初参加のオーストラリアが退役を控えた豪陸軍のM1エーブラムス戦車49両をウクライナに供与すると表明した。
また、加盟国が年間400億ユーロ(6兆5100億円)規模の対ウクライナ軍事支援を続けていくとの目標について、達成されるとの見通しが示された。
一方、ウクライナのNATO加盟を巡っては、エストニアのペブクル国防相やラトビアのスプルーズ国防相が、ゼレンスキー氏の戦勝計画を支持する立場からウクライナのNATO加盟実現を早急に具体化させるべきだと表明した。
ゼレンスキー氏は2024年10月17日、NATO会合に先立ちブリュッセルの欧州連合(EU)首脳会議で演説し、ウクライナのNATO加盟も含めて戦勝計画を今から実行に移せば
「戦争は遅くとも2025年までに終結する」
と主張した。
NATOは2024年7月に米ワシントンで開いた首脳会議で
「ウクライナのNATO加盟は不可逆的だ」
とし、将来のNATO加盟を確約している。
ただし、加盟に向けた実質的な動きは出ていない。
加盟国の間では、NATOの中心国である米国で2024年11月に実施される大統領選の行方を見極めたいとの思惑が強い。
加えて米国とドイツは、現時点でウクライナを加盟させればロシアが反発し、核兵器使用の恐れも含めて戦火が拡大しかねないとの懸念から
「ウクライナの加盟は戦争終結後であるべきだ」
と他の加盟国を説得しているという。
ウクライナが加盟するにしても、他国からの攻撃をNATO全体への攻撃と見なすNATO条約第5条の適用範囲を明確化させるため、ウクライナとロシアとの国境または境界線が明確に確定されていることが加盟の前提となるなど、加盟実現へのハードルは尚高いのが実情だ。

米、攻撃用無人機生産で中国企業に制裁 ウクライナ侵略でロシアが使用
2024/10/18 8:52
https://www.sankei.com/article/20241018-KEX2TZTNYNO5JM5PLNDBZN6L3U/
米財務省は2024年10月17日、ロシアがウクライナ侵略で使用する長距離の攻撃用無人機の生産に関与したとして、中国などに拠点を置く3企業と1個人に制裁を科した。
米国内の資産が凍結される。
ロシアに武器を直接供給する中国企業が制裁対象となるのは初めてとしている。
ミラー国務省報道官は声明で、ロシア企業の協力の下、中国で生産された無人機がウクライナで重要インフラの破壊や多数の負傷者を生み出していると指摘。
「ロシアに対する軍事的支援には引き続き代償を負わせる」
と警告した。
財務省によると、今回制裁対象となった企業は無人機のエンジン生産に加え、今年2024年初めから無人機の部品となる電子機器の輸出にも関わっていた。
米政権高官らは、中国最高指導部がロシアへの軍事産業支援を進めていると非難している。(共同)

北朝鮮部隊1万人派遣準備 ゼレンスキー氏、露との連携に懸念 NATO国防相会合閉幕へ
2024/10/18 7:56
https://www.sankei.com/article/20241018-AKLNYDTKORI65D3SZWD7XFDSI4/
ブリュッセルで開かれた北大西洋条約機構(NATO)国防相会合は2024年10月18日、ロシアに侵略されたウクライナに対する軍事支援の強化と、ウクライナの将来的なNATO加盟を確認して閉幕する。
2024年10月17日のウクライナ関連会合に出席した同国のゼレンスキー大統領は記者会見で、ウクライナ領内に北朝鮮軍の要員が送り込まれていると指摘し、ウクライナ戦争でのロシアと北朝鮮の連携に強い懸念を示した。
ゼレンスキー氏はウクライナの情報機関が入手した情報として
「北朝鮮がウクライナ領内の露支配地域に戦術要員と将校を送り込んだ」
と述べた。
また、北朝鮮が総勢1万人規模の部隊をロシアとウクライナの露占領地域に派遣する準備を進めているとした。
記者会見に同席したNATOのルッテ事務総長は
「北朝鮮の兵士が(ウクライナでの)戦闘に関与している証拠はない」
と述べる一方で、北朝鮮がロシアにミサイルなどの兵器や機器の供与といった多様な支援を展開しており
「非常に懸念している」
と語った。
ルッテ氏はまた
「中国はロシアの対ウクライナ戦争の決定的な支援者と化した」
と批判。
2024年10月17日の会合に中谷元・防衛相ら日本と韓国、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国の国防相が出席したのを踏まえ、NATO加盟国とインド太平洋地域のパートナー諸国が対中国を含めた幅広い分野で連携を深めていくべきだと強調した。
ルッテ氏は4カ国を交えた会合は
「意義深かった」
とし、防衛産業の生産能力強化、偽情報工作を駆使したハイブリッド戦争への対応、サイバー攻撃対策で協力強化を図るとした。
ゼレンスキー氏は日本からの支援に関し
「日本は本当に力強い相棒だ」
「日本がいなければ生き残れなかった」
と謝意を表明した。

<主張>ウクライナへ派兵 北の脅威をもっと論じよ
社説
2024/10/18 5:00
https://www.sankei.com/article/20241018-7IRDVZ74WBLD7KQSOTUO4KCUJA/
ウクライナのゼレンスキー大統領が2024年10月16日、最高会議(国会)の演説で
「ロシアによる侵略に北朝鮮が参戦している」
と明言した。
2024年10月13日の声明でも
「(北朝鮮からロシアへ)もはや武器だけでなく人が派遣されている」
と指摘していた。
複数のウクライナメディアは、ロシア軍が北朝鮮人で作る3000人規模の部隊を編成し、国境地帯に配備したと報じた。
北朝鮮兵1万人がロシアに派遣されたとの報道もある。
北朝鮮は弾道ミサイルや数百万発の砲弾をロシアに輸出し、ウクライナの戦場で使用されている。
ロシアは否定するが、実際に北朝鮮が派兵までしたのであれば、侵略への加担どころか侵略者になったことになる。
事実なら明白な国連憲章違反であり許されない。
北朝鮮は直ちに将兵を自国に戻し、武器弾薬の輸出も停止すべきだ。
北朝鮮軍の派遣について、カービー米大統領補佐官は
「露軍は毎日1000人超が死傷するなど大きな困難に直面している」
「その中で出てきた」
との見方を示し、露朝の軍事協力に懸念を表明した。
懸念されるのはウクライナへの侵略激化だけではない。
2024年6月に露朝が結んだ
「包括的戦略パートナーシップ条約」
には
「一方が戦争状態になれば、遅滞なく軍事的、またはその他の援助を提供する」
とある。
朝鮮半島有事になれば、ロシア軍の参戦の可能性があるということだ。
北朝鮮は韓国との対決姿勢を強めているが、南北の衝突がロシアを含む日本有事へ拡大することもあり得る。
日本にとって他人事ではない。
青木一彦官房副長官は記者会見でウクライナを巡る露朝軍事協力進展について、ウクライナだけでなく日本周辺の安全保障環境に与える影響の観点から
「深刻に憂慮すべきものだ」
と語った。
だが、石破茂首相や与野党からは危機感の表明や露朝両国への批判はほとんどない。
一体どうしたことか。
どの党も候補者も、日本を守る、国民を守る―と連呼する衆院選の最中であるにもかかわらず、この鈍さは理解に苦しむ。
石破首相は外務、防衛両省に北の派兵の詳細をウクライナ政府に確認するよう指示すべきだ。
その上で関係各国に露朝両国への制裁を呼び掛け、日本自身も急ぎ発動すべきである。

ウクライナ軍前総司令官、早期終戦に否定的 欧米が武器供給せず「勝利の機会失った」
2024/10/17 21:49
https://www.sankei.com/article/20241017-NWWI25AG4NPKZMFMBAT4R2NSEQ/
ウクライナ軍前総司令官のザルジニー駐英大使が2024年10月17日、ロンドンで講演し
「ロシアとの長期戦から抜け出すのは、ほぼ不可能に思える」
と述べ、早期の戦闘終結に否定的な見解を示した。
欧米が2023年、ウクライナに必要な武器を供給しなかったため、勝利の機会を失ったとも指摘した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は2024年10月17日の欧州連合(EU)首脳会議で、対ロシア戦の
「勝利計画」
について演説し、計画に今すぐ着手すれば、2025年中に戦闘終結が可能だと主張した。
ザルジニー氏は軍総司令官だった2023年11月に英誌エコノミストが報じたインタビューで、戦闘が
「膠着状態」
にあると発言。
ゼレンスキー氏が
「膠着ではない」
と否定し、両者間の亀裂が指摘された。
ゼレンスキー氏は2024年2月、ザルジニー氏を解任した。(共同)

米、ウクライナのF16要員養成で若手重視に転換 欧米式訓練に柔軟対応も訓練長期化か
2024/10/17 17:02
https://www.sankei.com/article/20241017-NOBKFZHIQJKIXEQNVC6NXHXDKM/
米紙ウォールストリート・ジャーナルは17日、ウクライナ空軍に供与された米国製F16戦闘機の操縦士養成に関し、米国が若手に重点を置く方針に転換したと伝えた。
訓練のためにウクライナを離れることが可能で必要な英語能力がある経験豊富な操縦士の不足が理由。
若手の場合、訓練に時間がかかり、F16による防空態勢の強化が遅れる可能性もある。
ウクライナでは2024年8月下旬にF16が墜落し、ベテラン操縦士が死亡した。
この操縦士は通常数年かかる訓練を6カ月で終えて前線に投入されたばかりだったことから、米国などは訓練の在り方を協議していた。
同紙によると、若手の方が欧米式の訓練に柔軟に対応できるとの意見もあるが、F16の訓練課程に進む前に英国とフランスの施設で1年間の基礎的な飛行訓練を終える必要がある。
方針転換前から、ウクライナ空軍が20機のF16と操縦士40人で構成する飛行隊を配備するには、早くとも来年2025年春までかかる見通しだったという。(共同)

米ウクライナ首脳、対露戦勝計画を協議 米は長射程攻撃で慎重維持、「北派兵」懸念共有か
2024/10/17 8:19
https://www.sankei.com/article/20241017-JYTHWXWJ5NIEVM42XJ6VJ2FSXU/
バイデン米大統領は2024年10月16日、ロシアの侵略が続くウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談し、4億2500万ドル(約636億円)の追加軍事支援を表明した。
ゼレンスキー氏は同日、最高会議(議会)演説で公表した対露戦勝計画を巡る最新状況を説明。
同氏が計画の柱とする米国製長射程兵器による露領内攻撃容認について、米側は慎重姿勢を維持したとみられる。
ウクライナ情勢を巡っては、ロシアに弾道ミサイルなどを供給する北朝鮮が部隊をロシアに派遣したと複数の欧米メディアが報道
ゼレンスキー氏は議会演説で北朝鮮が侵略に
「参戦している」
と表明しており、バイデン氏にも懸念を伝えた可能性がある。
米国家安全保障会議(NSC)のサベット報道官は
「ロシアの代わりに戦う北朝鮮兵士に関する報道に憂慮している」
「事実なら、両国の軍事関係の著しい増強を示すことになる」
と述べた。
また、ホワイトハウスは、バイデン氏が2024年10月17〜18日の日程でドイツを訪問、ショルツ首相らとウクライナや中東情勢などを協議すると発表。
2024年11月にはバイデン氏がウクライナ支援国によるオンラインの首脳級会合を主宰するとも明らかにした。
同月2024年11月の米大統領選に向け、現政権のウクライナ支援姿勢を継承する民主党候補ハリス副大統領と、対露交渉による早期停戦を唱える共和党候補トランプ前大統領との接戦が続いている。
一方でイランや北朝鮮、中国がロシアと軍事的連携を強めており、バイデン氏は支援国の首脳らとの協議を通じ、選挙結果にかかわらず、対露戦勝利に必要な支援をウクライナが確保できるよう、危機意識の共有を図るものとみられる。

NATO国防相会議が開幕へ 日韓など4カ国が初参加 ウクライナの「戦勝計画」など協議
2024/10/17 8:18
https://www.sankei.com/article/20241017-4WFOTPTSMRPXHBJIG7FUA4FQRM/
北大西洋条約機構(NATO)の国防相会合が2024年10月17日、ブリュッセルのNATO本部で2日間の日程で始まる。
2024年10月19日からイタリア南部のナポリで開かれる初の先進7カ国(G7)国防相会合と合わせ、ロシアに侵略されたウクライナへの軍事支援の推進を確認する。
2024年10月17日の会合にはウクライナのゼレンスキー大統領も出席する。
NATO会合には中谷元防衛相を含め日本と韓国、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国の国防相が初参加する。
NATOのルッテ事務総長は2024年10月16日の記者会見で、日本など4カ国の国防相との協議では防衛産業分野での協力に関して話し合うとしており、増産が急務となっているウクライナ向けの弾薬の供給拡大に向けた連携や、先端技術協力などが議題に上るとみられる。
ルッテ氏は4カ国との協力について
「次の段階として何をするかを描き出すことが重要だ」
と指摘。
日本との関係では
「日本はウクライナとの強い連帯を打ち出している」
「中国の軍備増強についても共通の懸念を抱いている」
と述べた。
ウクライナを巡る討議では、ゼレンスキー氏が2024年10月16日に初公表したロシアに対する
「戦勝計画」
への対応などが主要議題となる。
ルッテ氏は戦勝計画に関し
「ウクライナのNATOへの即時無条件の招待」
などが盛り込まれていることを念頭に
「計画を全面的に支持するとは言えない」
と語り、慎重姿勢を示した。

ウクライナの対ロシア「勝利計画」に慎重姿勢 NATO事務総長 国防相理事会で議題に
2024/10/17 7:37
https://www.sankei.com/article/20241017-FWBDEPL4BZIMJEDZUK32CECGOE/
北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は2024年10月16日、ウクライナのゼレンスキー大統領が公表した対ロシア戦争の
「勝利計画」
について
「私は計画全体を支持しているとは言えない」
と述べ、慎重な姿勢を示した。
ブリュッセルで記者会見した。
勝利計画は、ウクライナのNATO加盟交渉に同国を招待することも要求している。
ルッテ氏は
「深く掘り下げ、その背景を理解しなければならない項目が数多くある」
と指摘。
2024年10月17〜18日に開くNATO国防相理事会で
「間違いなく議題に上る」
と述べた。
加盟国が表明したウクライナ軍事支援が今年前半だけで209億ユーロ(約3兆4千億円)に上るとして、来年も400億ユーロ規模の支援を継続するという目標を達成できるとの見通しを示した。(共同)

防衛産業協力を協議へ NATO、日韓豪NZの国防相と 実務的な関係深める狙い
2024/10/17 7:14
https://www.sankei.com/article/20241017-6NXEMG2KVNIK5I75KRYMQRSMJ4/
北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は2024年10月16日、ブリュッセルで2024年10月17〜18日に開催する国防相理事会に招待した日本と韓国、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国の国防相と
「工業生産や技術革新の協力の在り方について協議する」
と明らかにした。
防衛産業分野の協力を進める。
理事会を前に記者会見した。
NATOは2022年から3年連続で4カ国の首脳を招待しているが、国防相理事会に4カ国の国防相を招くのは初めて。
ロシアのウクライナ侵攻を支援する中国に対する懸念を共有するだけでなく、実務的な協力関係を深める狙いがある。
欧州のNATO加盟国はウクライナに対する弾薬などの軍事支援に注力しているが、防衛企業による生産が追い付かず、供給能力不足の克服が課題となっている。(共同)

米、ロシア領長射程攻撃で慎重姿勢を維持 ウクライナ支援の継続を約束
2024/10/17 7:02
https://www.sankei.com/article/20241017-MQKMTR4H5VNN3LEQGWJOG5C544/
ジャンピエール米大統領報道官は2024年10月16日の記者会見で、ウクライナに米国製長射程兵器によるロシア領攻撃を認めるかどうかについて慎重な姿勢を維持した。
バイデン大統領はゼレンスキー大統領と電話会談し、4億2500万ドル(約636億円)の追加軍事支援を表明。
来年2025年1月の任期切れまで支援を続けると約束した。
米政府はバイデン氏が2024年10月17〜18日にドイツを訪れ、ショルツ首相とウクライナや中東の情勢を協議すると正式に発表した。
2024年10月11月にウクライナ防衛支援に関する首脳級会合をオンラインで主催するとも明らかにした。
ゼレンスキー氏は電話会談に先立ち、対ロシア戦争の
「勝利計画」
を初めて公表し、長射程兵器によるロシア領内への攻撃容認も強く求めた。
ジャンピエール氏は
「米国の方針は変わっていないし、今後も変わらない」
と述べた。
米国は使用容認が戦況を好転させるとの見方に否定的で、ロシアを過度に刺激しかねないと懸念している。(共同)

ゼレンスキー氏、対ロシア戦勝計画を初公表 実現なら「来年中にも終戦」と見通し
2024/10/16 23:28
小野田 雄一の写真
https://www.sankei.com/article/20241016-BQW7TIMJYBL67IRQERZPGMOSGE/
ロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は2024年10月16日、同国最高会議(議会)で演説し、ロシアに対する
「戦勝計画」
を公表した。
これまで計画の一部に言及していたが、全体像を明らかにしたのは初めて。
ゼレンスキー氏は、計画を実現して
「ウクライナが今、強くならなければ、ロシアは更に強大化し、外交(による停戦)を永久に放棄するだろう」
と指摘。
一方、計画が実現されれば2025年来年中にも戦争は終結するとの見通しを示した。
ゼレンスキー氏によると、戦勝計画ではウクライナの北大西洋条約機構(NATO)への即時かつ無条件の招待を求めた。
その他、
▽露西部クルスク州の占領地域の維持
▽再侵略を予防するための欧米諸国と協力した戦略的措置
▽経済力強化
▽欧米が供与した長距離ミサイルによるロシア国内への攻撃の解禁
などが盛り込まれている。
NATOへの招待とは、将来的な加盟の確約を事実上求めたものとみられる。
NATO諸国などとの連携を強化することでロシアに侵略継続を断念させ、停戦交渉の場にロシアを引き出したいウクライナの思惑を示した。
戦勝計画の策定は2024年8月下旬にゼレンスキー氏が発表。
これまでに米国や英国、フランス、ドイツ、イタリアに提示し、関与を求めてきた。
ゼレンスキー氏は今月2024年10月17〜18日にベルギー・ブリュッセルで開かれる欧州連合(EU)首脳会議でも計画を説明する。
ただ、ロシアは、停戦にはウクライナがNATO加盟を断念して
「中立化」
することや、ロシアが一方的に併合を宣言したウクライナ東・南部4州の領有権を放棄することが不可欠だと主張。
戦勝計画が実現する前にウクライナを降伏に追い込む思惑だとみられる。
NATO諸国の間でもウクライナのNATO加盟には慎重論が根強く、戦勝計画の実現可能性は不透明だ。

独ショルツ首相、ロシアのプーチン大統領と協議も 戦争終結へ「あらゆること模索」
2024/10/16 23:20
https://www.sankei.com/article/20241016-7TV3NHHSMFL7XE7AZ4YB4NJNIA/
ドイツのショルツ首相は16日、連邦議会での演説で、ロシアとウクライナの戦争終結に向け、ロシアのプーチン大統領との話し合いに前向きな姿勢を示した。
一方で
「ウクライナの頭越しや同盟国の合意なしに決定が下されることは決してない」
とも強調した。
ショルツ氏は、ウクライナへの支持は明確だとした上で
「戦争がいつまでも続かないようにするために、あらゆることを模索しなければならない時が来た」
と述べた。
ウクライナのゼレンスキー大統領は2024年10月11日、ベルリンでショルツ氏に対ロシア戦争の
「勝利計画」
を説明。
欧米の支援を得て軍事的優位を固めてロシアを交渉の席に着かせ、ウクライナ主導で和平を受け入れさせることが狙いだとされる。(共同)

G7初の国防相会合、伊ナポリで19日開催 ウクライナなど紛争多く安全保障面で連携強化
2024/10/16 18:36
https://www.sankei.com/article/20241016-INA6WJQGFRNJHJMJYIWMUMXWOM/
日米欧の先進7カ国(G7)は19日、初の国防相会合をイタリア南部ナポリで開催する。
議長国イタリアによると、ロシアによるウクライナ侵略などの紛争が相次ぐ中、安全保障面での連携強化が目的。
ウクライナの防衛支援や緊張が高まる中東情勢が主要議題となる。
イタリア政府関係者は
「会合を通じて、防衛分野でのG7の結束を示す」
と強調。
ウクライナ支援で防衛産業の生産能力が不足した経験を踏まえ、産業基盤の強化もテーマになる。
ウクライナは砲弾など物量で優位に立つロシア軍に対して劣勢を強いられている。
ゼレンスキー大統領が2024年10月今月、英独仏伊の4カ国を訪問した際、各国はウクライナの防空や防衛産業などへの支援を表明。
今回の会合でも支援継続のメッセージを発信するとみられる。
中東情勢を巡っては、イスラエル軍がレバノン南部に地上侵攻し、駐留する国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の施設が攻撃を受けた。
G7として対応を議論する。(共同)

ロシア、北朝鮮人部隊を編成か 3000〜1万人規模 ウクライナ複数メディア報道
2024/10/16 8:26
https://www.sankei.com/article/20241016-GRWSIK5GKJKE3AFD2BYQYFH72I/
ロシアの侵略を受けるウクライナの複数メディアは15日、露軍が北朝鮮人で構成する部隊を編成し、ウクライナとの国境地帯に配備していると報じた。
ウクライナ軍の情報当局筋の話だとしている。
事実であれば、露軍の損耗拡大を背景とした動きの可能性がある。
部隊に配属された北朝鮮人18人が逃亡し、露軍が捜索しているとの情報があるとも報じている。
現地紙ウクラインスカヤ・プラウダによると、北朝鮮人で構成された部隊の名称は
「特別ブリヤート大隊」。
推定3000人規模だとした。
部隊名はロシアのアジア系少数民族、ブリヤート人に由来するとみられる。
ウクライナの英字紙キーウ・インディペンデントは15日、北朝鮮からロシアに
「兵士1万人」
が派遣されたと欧米側外交筋が話したと伝えた。
ウクライナのゼレンスキー大統領は最近、北朝鮮がロシアに兵器を供給するだけでなく、実際の戦闘に人員を関与させていると指摘。
複数の欧米メディアも、北朝鮮がロシアに供給した短距離弾道ミサイルの運用に携わる人員を露軍に派遣している他、
「数千人」
の北朝鮮人が露国内で訓練を受けており、年内にも前線に配備される可能性があると伝えていた。
露朝は今年6月、事実上の軍事同盟となる
「包括的戦略パートナーシップ条約」
に署名するなど、安全保障協力を拡大している。

ウクライナ関係「強力に」 ジェトロ、首都キーウで事務所開所式
2024/10/11 10:57
https://www.sankei.com/article/20241011-DCN75SPATZNWDA4OEZSRY2RW3Y/
日本貿易振興機構(ジェトロ)は10日、ロシアの侵攻が続くウクライナの首都キーウに事務所を設け、中心部のホテルで開所式を実施した。
日本とウクライナの企業関係者ら約280人が出席。
柴田哲男所長は
「両国のより強力な結び付きの始まりとなる」
と挨拶した。
ウクライナ進出を検討中の日系企業10社も参加。
新しい有機肥料の開発に取り組むスタートアップ企業WAKU(岡山県高梁市)の代表取締役CEO姫野亮佑さんは、ウクライナの農業生産法人と実証実験を進めたい考え。
戦闘が続く中でも
「他の企業が入ってくる前に、できるだけ早く進出したい」
と意気込みを語った。
ウクライナの電力会社の男性社員は
「経済は全ての土台」
「発展するほど勝利に近づける」
と日本の支援に謝意を示した。(共同)

露軍、ウクライナ港湾インフラに3カ月で60回攻撃 副首相「食料危機を引き起こす」と非難
2024/10/11 10:50
https://www.sankei.com/article/20241011-VHYYJBTN6ZKYRC7IKTYSPVSSGM/
ウクライナのクレバ副首相は10日、ロシア軍が直近の3カ月で、ウクライナの港湾インフラを約60回攻撃したと明らかにした。
農業大国ウクライナは黒海を通じた穀物輸出を継続しており、クレバ氏は
「ウクライナの輸出能力を破壊するのが狙いだ」
「食料危機を引き起こす挑発だ」
と非難した。
一連の攻撃で約300の港湾施設、車両177台、船舶22隻が破壊されたという。
港湾作業員や船員ら79人が負傷した。
クレバ氏によると、ウクライナは現在40カ国以上に穀物を輸出している。
輸出先には中国、インドネシア、ベトナムといったアジア諸国のほか、エジプト、リビア、チュニジア、アルジェリア、トルコ、オランダ、スペインが含まれる。(共同)

ロシアでアフリカ女性ら200人が無人機製造か 虚偽広告で渡航 監視下で従事
2024/10/11 10:30
https://www.sankei.com/article/20241011-HOOZHSP2HJKR5ACPO74MYM3SNI/
AP通信は10日、無料航空券や接客業などの仕事を約束するソーシャルメディアの広告を見てロシアに渡航したアフリカ出身の女性ら約200人が、ウクライナ侵攻で多用される無人機の製造に従事させられていると、当事者の話を引用して報じた。
APによると、女性はウガンダやルワンダ、ケニアなどアフリカ諸国やスリランカの出身で年齢は18〜22歳。
ロシア中部タタルスタン共和国アラブガの経済特区にある工場で、イラン製の無人機
「シャヘド」
の組み立てに1日12時間従事させられているとした。
ロシア人や中央アジア諸国の学生も働いているという。
女性らは職場や寮で常に監視下に置かれ、約束された賃金も支払われていないと訴えている。
国際人権団体
「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」
によると、ロシアは侵攻継続のため、仕事の内容を十分に説明せず、アフリカやインドから労働者を募集している。(共同)

ゼレンスキー氏が英仏首脳と会談 トランプ氏当選を視野に「勝利計画」への支持取り付けへ
2024/10/11 8:58
https://www.sankei.com/article/20241011-DMYT6OAAQ5JKDDYURBLTJ5ES4Q/
ロシアに侵略されたウクライナのゼレンスキー大統領は10日、欧州歴訪を開始し、英国とフランスでスターマー英首相、マクロン仏大統領とそれぞれ会談した。
ゼレンスキー氏は歴訪を通じ、各国から軍事支援強化の確約と、戦争終結に向けてウクライナが策定した
「勝利計画」
への支持を取り付けたい考えだ。
英メディアなどによると、ゼレンスキー氏はスターマー氏との会談で、戦勝計画の説明に加え、英国がウクライナに供与した巡航ミサイル
「ストームシャドー」
などの長距離攻撃兵器について露領内に対する使用制限を撤廃するよう改めて要請した。
1日に就任した北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長も会談に同席した。
ルッテ氏が就任後、NATO加盟国を訪れるのは初めて。
ルッテ氏は会談後、記者団に
「ウクライナを支援することは、NATO加盟各国にとって死活的に重要だ」
と訴えた。
戦況については、ロシア軍がウクライナ東部で徐々に前進しており、情勢は
「厳しい」
との認識を示した。
ウクライナによるロシアへの越境攻撃は
「合法的行動だ」
と明言しつつ、長距離兵器の使用制限の緩和の判断は
「供与国次第だ」
と述べるにとどめた。
ゼレンスキー氏は英仏に続いてイタリアとドイツも訪問。
11日のショルツ独首相との会談ではドイツが主導する弾薬の増産などが議題となる見通しだ。
ゼレンスキー氏としては投開票まで1カ月を切った米大統領選でウクライナ支援に懐疑的な共和党のトランプ前大統領が当選した場合を想定し、米欧の主要国との間でウクライナ支援の継続と、ロシアに侵略の利得を与えない形での戦争の終結に向けた合意を固めておきたい思惑がある。
トランプ氏は先月27日にニューヨークでゼレンスキー氏と会談した際、
「戦争は終わらせるべきだ」
「私なら直ちに終結させられる」
と戦いの幕引きに前のめりな姿勢を鮮明にしていた。
これに危機感を強めたゼレンスキー氏が今回の歴訪で改めて支持固めに走ったとみられる。
ただ、バイデン米大統領も含め12日にドイツで予定された米英独仏首脳とゼレンスキー氏との会談は、バイデン氏が米南部を襲ったハリケーンの対応のため出席できないとして見送られ、ゼレンスキー氏としては目算が外れた恰好だ。

「領土放棄してNATO加盟」形式の停戦案報道、ゼレンスキー氏が否定
2024/10/11 8:34
https://www.sankei.com/article/20241011-NMFXYW6N3ZMV3KM6YGTNFODFHM/
ロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は10日、被占領地域の実効支配をロシアに認めるのと引き換えにウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に加盟して安全を確保するという形での停戦案が検討されているという一部メディアの報道について、
「停戦に関する如何なる議論も行われていない」
と否定した。
パリで同日行われたフランスのマクロン大統領との会談後の記者会見での発言としてウクライナメディアが伝えた。
欧州歴訪中のゼレンスキー氏は
「私が停戦を協議するために支援国を訪問していると一部メディアが報じているが、事実ではない」
とも述べた。
ゼレンスキー氏はマクロン氏との会談で、ロシアに対する
「戦勝計画」
を説明し、支援を改めて要請した。
ゼレンスキー氏は同日、訪仏に先立ち英国も訪問。スターマー英首相に戦勝計画を説明した他、NATO加盟を望むウクライナの立場を改めて伝達した。
英紙フィナンシャル・タイムズなど一部メディアは最近、ウクライナや欧米当局者の間で、ウクライナが被占領地域を事実上放棄するのと引き換えに、NATOがウクライナの安全を保証するという形での停戦案が浮上していると報じていた。
ただ、ウクライナは報道を否定。
ロシアも停戦にはウクライナの
「中立化」
が必要だとし、NATO加盟は容認できないとの立場を示している。
一方、ウクライナの有力軍事メディア「ディープステート」は10日、露軍がウクライナ東部ドネツク州の集落3カ所とルガンスク州の集落1カ所を新たに制圧したと伝えた。

ウクライナ最高会議、戦費調達の増税法案可決 財源確保が課題
2024/10/10 21:06
https://www.sankei.com/article/20241010-D2GLGNSM7BMVJEZ4ZWW4CVUHLA/
ウクライナ最高会議(議会)は10日、戦費調達のための増税法案を賛成多数で可決した。
発効にはゼレンスキー大統領の署名が必要となる。
ウクライナメディアなどが伝えた。
ロシアが2022年2月にウクライナに全面侵攻を始めて以降、ウクライナの国防予算は急増し、ゼレンスキー政権は財源の確保を迫られている。(共同)

露南部にドローン攻撃 ウクライナ、「燃料施設を破壊」と発表
2024/10/10 19:50
https://www.sankei.com/article/20241010-M54NUCMUPBOH7EWAKUTWJ3PT5A/
ロシア南部アディゲ共和国のクムピロフ首長は10日、同共和国の都市マイコープ郊外にドローン(無人機)攻撃があり、住民の避難を実施しているとSNSで発表した。
死傷者はないとした。
ウクライナ軍高官のコバレンコ氏は同日、マイコープ近郊の軍用飛行場の燃料貯蔵施設を破壊したとSNSで発表。
飛行場で爆発が起きた様子を撮影したとする動画も投稿した。
ウクライナ軍は最近、露軍の燃料貯蔵施設や弾薬庫への攻撃を激化。露軍の継戦能力を低下させるための作戦だとしている。

プーチン露大統領、「露朝戦略条約」法案を国会提出 北朝鮮と事実上の同盟締結へ
2024/10/15 8:23
https://www.sankei.com/article/20241015-HTQPRFXU7VNN3LOMIIC3BP4KUM/
ロシアのプーチン大統領は14日、北朝鮮と安全保障協力の拡大などを定める
「包括的戦略パートナーシップ条約」
を批准する法案を露下院に提出した。
条約は、どちらか一方の国が武力攻撃を受ける恐れが生じた場合に即座に協議を行うことや、実際に武力攻撃を受けた場合に相互が軍事支援を行うことなどを規定。
一方が他方に不利益を与える協定などを第三国と結ばないことも定めている。
ロシアは北朝鮮と事実上の軍事同盟を結ぶ形。
ウクライナ侵略で欧米諸国と決定的に対立したロシアは、核兵器開発や人権問題などを巡って同じく欧米と敵対する北朝鮮と関係を深め、欧米に対抗する思惑を改めて鮮明にした。
露朝の関係強化は、両国の軍事的威圧と対峙する日本にとっても脅威となる。
法案は今後、露下院と上院で可決された後、プーチン氏の署名により成立する見通し。
米国やウクライナによると、ロシアは北朝鮮から調達した弾道ミサイルや砲弾をウクライナの戦場で使用。
ロシアは見返りにロケットエンジン技術などを北朝鮮に提供していると観測されている。
露朝間の包括的戦略パートナーシップ条約は、6月に24年ぶりに訪朝したプーチン氏が、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記とともに署名していた。

ロシアを退けたアフリカ諸国 国連安保理改革で見せたパワー、中国圧力にもひるまず
アイ・ラブ・ニューヨーク
2024/10/11 7:00
https://www.sankei.com/article/20241011-RS6QSZB2EFPH3OOHFHJTIDM53U/
国連安全保障理事会について、
「改革の緊急の必要性」
を首脳レベルで初めて明記した
「未来のための協定」
の国連総会での採択の成否は予測できなかった。
グテレス事務総長は
@交渉決裂
A採択延期
B採択成功
の3種類の演説原稿を持って議場に入ったと聞く。
採択に難色を示したのは、安保理の常任理事国でありながらウクライナへ侵攻し、安保理の対露非難決議案に拒否権を行使して、改革機運を高める契機を作ったロシア。
「反対のための反対」
と批判されたロシアを押し切り、協定案を採択へと導く原動力となったのはアフリカ諸国だった。
交渉筋によると、カメルーン前首相のヤン国連総会議長は採択前夜、緊急会合を招集し、ロシアに寄り添う中国の圧力にも怯まず、協定案は
「可能な限り広範な合意」
を得ているとして修正協議の打ち切りを告げた。
ロシアの更なる修正要求を退け、議場の総意による採択にロシアを従わせたのは、アフリカ54カ国の即時採択を求める立場を訴えたコンゴ共和国代表の演説だったとされる。
採択にはアフリカ諸国と連携して交渉を進めた先進7カ国(G7)の貢献も大きい。
そうは言っても、途上国中心のアフリカ諸国が大国ロシアを押さえ込む場面は、各国が平等に1票を持つ総会が舞台でなければ見られまい。

ロシア外相、日本の常任理事国入りを否定 インドとブラジルは支持、国連安保理改革を巡り
2024/9/29 7:31
https://www.sankei.com/article/20240929-EW55CS2AURN7DG5U3UAP2CCALA/
ロシアのラブロフ外相は28日、ニューヨークで開かれている国連総会の一般討論で演説し、安全保障理事会改革の必要性を訴えた。
インドとブラジルの常任理事国入りを支持する一方、日本には否定的な見解を示した。
演説でラブロフ氏は
「より公正な世界秩序構成のため、安保理の理事国拡大の議論が重要だ」
と述べ、アフリカ代表の常任理事国入りにも前向きな姿勢を示した。
日本や欧米諸国は
「安保理で過剰に代表されており、追加の席を与える議論すらできない」
と語った。
ウクライナ侵略を巡っては、北大西洋条約機構(NATO)が拡大し、ロシアの安全保障に脅威を与えていると指摘。
侵攻はロシアの安全とウクライナの
「ロシア系住民の保護」
のためだとし、正当化した。
パレスチナ自治区ガザやレバノンでの戦闘は、米国がイスラエルを支援していると非難した。(共同)

韓国外相、ロシアを批判 北朝鮮接近「違法な武器取引に関わり、嘆かわしい」
2024/9/28 11:01
https://www.sankei.com/article/20240928-LHSKFPBJJNNAZEU37VA5Z3IIC4/
韓国の趙兌烈外相は27日、ニューヨークでの国連総会一般討論で演説した。
安全保障理事会の常任理事国ロシアが北朝鮮に接近し、同国から弾薬を得る
「違法な武器取引に関わっているのは嘆かわしいことだ」
と厳しく批判した。
約15年に渡り対北朝鮮制裁の履行を監視してきた安保理の専門家パネルの任期延長にロシアが拒否権を行使したため、4月末で活動終了に追い込まれたと訴えた。
北朝鮮の核・ミサイル開発と人権侵害は
「表裏一体だ」
と指摘。
北朝鮮は国民の人権を抑圧し、飢餓に苦しむ国民から資源を搾取して大量破壊兵器を平然と開発しているとも語った。
ごみをぶら下げた風船を韓国側に飛ばすなど
「卑劣なレベルにまで落ちた挑発で朝鮮半島内外の平和と安全を脅かし続けている」
と強調した。(共同)

<主張>イランの対露支援 ミサイル供与は許されぬ
社説
2024/9/29 5:00
https://www.sankei.com/article/20240929-TBEW6H4O25NA3BNACJYQFCXFQY/
ウクライナを侵略するロシアに対しイランが弾道ミサイルを供与しているとして、先進7カ国(G7)の外相が
「可能な限り最も強い言葉で非難する」
との声明を発表した。
イランのミサイル供与を巡っては、ブリンケン米国務長官が声明に先立って、
「数週間以内にウクライナで使用する可能性が高い」
との見方を示していた。
米国は、ロシアが入手したのは最大射程約120キロの短距離弾道ミサイルだとしている。
イランのペゼシュキアン大統領は西側の非難に対し、
「(今年7月の)私の就任後はロシアに何も提供していない」
と反論したが、これを額面通りに受け止めるわけにはいかない。
イランは既に攻撃型無人航空機をロシアに大量供与している。
そこに弾道ミサイルが加われば、プーチン露政権のウクライナ攻撃が一段と拡大、激化するのは確実だ。
到底容認できない。
G7声明は
「ロシアはイランの兵器でウクライナ市民を殺害し、重要インフラを攻撃している」
「侵略は国連憲章を含む国際法の露骨な違反だ」
として、イランに対し
「全ての対露軍事支援の即時停止」
を要求した。
また、ブリンケン氏はミサイル供与に関わったとして国営イラン航空、イラン革命防衛隊などに制裁を科したと表明した。
英独仏も
「イランとの2国間航空サービス協定を即時に破棄する措置を取る」
としている。
イラン側に納得できる説明や、それを裏付ける行動がない限り、各国が圧力を強めるのは当然である。
ペゼシュキアン氏は国連総会での演説で、
「対等な立場で協力関係を築く用意がある」
と米国に対話を呼びかけたが、まず問われるのはイランが対外強硬路線をやめて融和姿勢に転じるかどうかだ。
「欧州および国際社会への直接的な脅威」(G7声明)
である対露軍事支援に終止符を打たなければ西側諸国との有効な対話は望めない。
米国によると、ロシアはイランへの見返りに核技術などを提供している。
ロシアは北朝鮮に対しても砲弾や弾道ミサイルの供与を受ける見返りに軍事偵察衛星や原子力潜水艦などの技術を提供しているとされる。
日本や欧米などの国際社会は、ロシアが中国を含む強権国家と結ぶ動きを封じるため、さらに連携を強めるべきである。

病院にロシア軍がドローン攻撃 8人死亡 ウクライナ北部スムイ州
2024/9/28 18:01
https://www.sankei.com/article/20240928-DPJEJ4EQT5LPPAXNNPNKPO7IXQ/
ロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は28日、北部スムイ州の病院が同日、露軍のドローン(無人機)攻撃を受け、8人が死亡、11人が負傷したと交流サイト(SNS)で発表した。
「世界はロシアがどこを攻撃しているか注視すべきだ」
「ロシアに和平を強いるのは力だけだ」
と表明した。
ウクライナのクリメンコ内相によると、病院に対する1回目の攻撃で1人が死亡した。
救急隊と警察官による救助・避難活動中に再び攻撃があった。
死者には警察官も含まれているという。

ロシア、送電施設3カ所を攻撃 ウクライナへのインフラ攻撃、冬の電力不足に懸念
2024/9/27 8:12
https://www.sankei.com/article/20240927-CB3XVBOVVNLOBPXNUGONKFLMCA/
ウクライナのシュミハリ首相は26日、ロシア軍が前夜から南部ミコライウ州を含む3カ所の送電施設を攻撃したと発表した。
被害程度は不明だが、シュミハリ氏は
「電力供給停止の予定はなく、ロシアは目的を達成できなかった」
と表明した。
ロシアによるインフラ攻撃が続き、ウクライナでは冬の電力不足の深刻化が懸念されている。
訪米中のウクライナのゼレンスキー大統領は国連総会一般討論での演説などで、ロシアがウクライナの原発への攻撃を計画しているとの見方も示している。(共同)

ゼレンスキー氏、戦勝計画を提示 長射程ミサイル攻撃解禁が焦点 バイデン氏説得なるか
2024/9/26 17:31
https://www.sankei.com/article/20240926-6LQX6ONF75OOLDMMOHAVBJB4XI/
ウクライナのゼレンスキー大統領は26日、米ワシントンでバイデン大統領と会談する。
ロシアの侵略に対する
「戦勝計画」
を提示し、米欧製長射程ミサイルを使った露国内の攻撃容認を求める見通しだ。
プーチン露大統領の報復を懸念して躊躇するバイデン氏を説得できるかが焦点だ。
■解禁なら戦況好転可能
ウクライナには米英仏が長射程ミサイルを提供する。
ゼレンスキー氏がその使用制限の撤廃を戦勝計画の柱とするのは、民間施設への無差別攻撃を続ける露国内の出撃拠点を破壊できるからだ。
露軍機はウクライナの防空圏外から滑空爆弾などを発射して病院、学校、住宅街を爆撃。冬季に向け発電施設の空爆を激化するのは必至だ。
長射程ミサイルを制限なく使用できれば、より多くの軍事目標が射程に入り、戦況を好転させ、将来の停戦交渉を有利に持ち込む
「ゲームチェンジャーになる」(ゼレンスキー氏)
と期待される。
■バイデン氏は後ろ向き
バイデン氏はしかし、ウクライナが殺傷力の高い兵器を要求する度に拒否し高官や欧州首脳に背中を押され決断するパターンを続けた。
新兵器が届く前に露軍が防御を整え時機を逸してきたとの批判は根強い。
今回もプーチン氏は米欧による攻撃とみなすとし、核使用を含む報復を示唆する。
ただし、ウクライナは8月、露西部クルスク州への越境攻撃を敢行。
プーチン氏の
「レッドライン(越えてはならない一線)」

「大規模な報復を恐れることなく、越えられると西側に示した」(米紙ワシントン・ポスト)
と評価された。
欧米メディアによると、マクロン仏大統領やスターマー英首相は容認に傾くもののバイデン氏と歩調を合わせる意向。
米高官は米紙ウォールストリート・ジャーナルに対し、ウクライナの戦勝計画に
「感銘を受けない」
とし
「軍事支援強化の要求の域を越えていない」
との見方を示した。
バイデン氏は24日、国連総会での最後の一般討論演説で
「ウクライナが公正で永続的な平和を勝ち取るまで、同国への支援を緩めない」
と語ったが、長射程ミサイルを巡る決断には後ろ向きであることを窺わせる。
ゼレンスキー氏は26日に民主党大統領候補ハリス副大統領とも会談。
米メディアによると、共和党候補トランプ前大統領との会談の予定は決まっていない。

http://www.asyura2.com/24/kokusai35/msg/128.html#c5

[戦争b25] 兵器だけでなく兵士も底を突いたウクライナは自らの惨状をロシアへ投映(櫻井ジャーナル) 赤かぶ
22. 秘密のアッコちゃん[767] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月19日 09:55:35 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[332]
<■180行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
衆院選のさなか欧州へ飛んだ中谷防衛相 NATO会合初出席、対中抑止へ連携呼び掛け
2024/10/18 22:27
https://www.sankei.com/article/20241018-YE5XQBGZ5JNIHFLGGQVNP6YAWI/
中谷元・防衛相は2024年10月17日(日本時間同日)、ブリュッセルで開かれた北大西洋条約機構(NATO)国防相会合に出席した。
日本の防衛相が同会合に出席するのは初めて。
力による現状変更を試みる中国やロシアを念頭に連携を呼び掛けた。
2024年10月19日にはイタリア・ナポリで初開催となる先進7カ国(G7)国防相会合にも出席予定で、欧州のインド太平洋地域への一層の関与を引き出し、抑止力の強化に繋げたい考えだ。
「インド太平洋地域でも力や威圧による一方的な現状変更の試みが強化されている」。
中谷氏はNATO国防相会合で、ロシアによるウクライナ侵略を非難した上で、中国軍が2024年10月14日に台湾を包囲する形で実施した軍事演習に言及した。
「欧州・大西洋とインド太平洋の安全保障は不可分」
との認識を強調し、ロシアと中国、北朝鮮の連携が
「ウクライナ情勢の更なる悪化を招く」
とも指摘した。
防衛省によると、他の参加国からも中露朝の連携に懸念の声が相次いだ。
ロシアによるウクライナ侵略に直面する欧州と、覇権主義的な動きを強める中国と対峙する日本は、力による現状変更の試みを許さない考えで共通する。
岸田文雄前首相は2022年に初めてNATO首脳会合に参加して以降3年連続で出席。
2023年には安全保障分野の新たな協力文書をまとめるなど日NATO連携の強化に努めた。
部隊間の防衛協力も進んでいる。
今年2024年8月に海上自衛隊練習艦隊がナポリに寄港し、NATO常設海上部隊との共同訓練を実施した。
来年2025年1月からはNATOの戦略的コミュニケーション研究センターに防衛省から軍事情報分析の専門家を新たに派遣する方向で調整もしている。
2024年9月に米ハワイで開かれたインド太平洋参謀総長等会議にはNATO軍事委員長や英国防参謀総長も出席。
自衛隊制服組トップの吉田圭秀統合幕僚長は両者と個別に会談し、連携を確認した。
吉田氏は
「インド太平洋地域の秩序は多層的なネットワークによって維持されている」
と強調する。
NATOは中国を
「体制上の挑戦」
と指摘して警戒を強める一方、加盟国の一部は中国との経済関係を重視する。
こうした背景もあり、中谷氏は衆院選期間中にもかかわらず、欧州での会合で日本の立場を浸透させることを重視した。

<主張>NATO北方拡大 対露抑止力の強化を図れ
2024/2/28 5:00
https://www.sankei.com/article/20240228-3DL4TDTYY5L2HNWOKBDIRT4XKI/
ナポレオン戦争後、200年近く中立を保ってきた北欧のスウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)加盟が決まった。
全加盟国の承認が必要だったが、最後に残ったハンガリーの議会が承認した。
世界最大の軍事同盟であるNATOの北方拡大が完成し、ロシア本土と大西洋を結ぶ海上交通路(シーレーン)が通るバルト海を包み込むことになった。
スウェーデン加盟を評価したい。
32カ国となるNATOは対露抑止力を強化し、欧州、ひいては世界の秩序の安定を図ってもらいたい。
ウクライナ支援も極めて重要な課題である。
スウェーデンは、中立国ながら旧ソ連・ロシアの侵略に備え防衛努力を続けてきた国だ。
だが、ロシアのウクライナ侵略に直面して安全保障政策の転換を決意し、隣国フィンランドとともに2022年、集団的自衛権の行使によって守り合うNATOに加盟申請した。
スウェーデンのクリステション首相は加盟決定について
「歴史的な日だ」
「責任を果たす用意がある」
と語った。
NATOのストルテンベルグ事務総長は
「NATOはより強く、より安全になる」
と歓迎した。
フィンランドの加盟は2023年4月に実現したが、スウェーデンはトルコとハンガリーが難色を示し、承認が遅れていた。
トルコは非合法組織「クルド労働者党」(PKK)関係者らの取り締まりについて、スウェーデン国内での対応進展を認め2024年1月に承認に踏み切った。
エネルギーのロシア依存が大きいハンガリーもNATO諸国による強い働きかけで承認に転じ、スウェーデン製のグリペン戦闘機の購入で合意した。
2024年11月の米大統領選の有力候補であるトランプ前米大統領は最近、国防費の支出が少ないNATO加盟国を防衛しないと語った。
NATOは国防費を国内総生産(GDP)比2%以上にする目標を掲げている。
2024年はドイツなど18カ国が目標を達成する見通しだ。
残る加盟国も国防費の増額など防衛努力を進め、NATOの動揺を防いでもらいたい。
林芳正官房長官は
「同志国間の連携が重要になっている観点」
からスウェーデンの加盟努力を歓迎した。
日本とNATOは地球規模での安保協力を進めてほしい。

「ロシアが何を仕掛けても準備できている」 スウェーデン首相、NATO加盟決定受け
2024/2/27 11:47
https://www.sankei.com/article/20240227-H763TNQ7Q5P5JHWK4MLMNUALJE/
ハンガリー議会は2024年2月26日、北欧スウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)加盟を賛成多数で承認した。
これで全ての加盟国がスウェーデンの加盟を承認し、同国が32番目の加盟国となることが決まった。
スウェーデンのクリステション首相は同日、記者会見で
「スウェーデンは約200年に渡った中立および軍事的非同盟と決別する」
「他のNATO加盟国と一緒に自由と民主主義を守っていく」
と表明した。
また
「スウェーデンの加盟をロシアが嫌がっているのだけは間違いなさそうだ」
とした上で
「彼らが何を仕掛けてこようと準備はできている」
と語った。
NATOのストルテンベルグ事務総長もX(旧ツイッター)への投稿で
「私たちはより強く安全になる」
と強調した。
ハンガリーのオルバン首相は議会の採決前に演説し
「スウェーデンの加盟はハンガリーの安全を高める」
と指摘した。
同氏は一方で、欧州連合(EU)やNATO加盟国がこの数カ月間、ハンガリーに承認を急ぐよう圧力を掛けてきたせいで逆に承認が遅れたとし、
「ハンガリーは主権国家であり、他から命令されるのを容認しない」
と反発した。

スウェーデン加盟決定 ハンガリー承認でNATO拡大32カ国に バルト海、対ロ抑止強化へ
2024/2/27 11:22
https://www.sankei.com/article/20240227-4CDD6H7AIRKOZPZEZIAXLNQBL4/
米欧の軍事同盟、北大西洋条約機構(NATO)加盟国ハンガリーの議会は2024年2月26日、スウェーデンのNATO加盟を承認し、同国が32カ国目として加わることが決まった。
ロシアのウクライナ侵攻開始から2年が経過。
NATOが拡大し、ロシアと欧州に面するバルト海のほぼ全域を加盟国が取り囲むことになり、ロシア軍の活動に対する抑止力強化につながる。
スウェーデンはウクライナ危機を受けて長年の中立政策を転換し、フィンランドと共に2022年5月に加盟申請した。
スウェーデンのクリステション首相は
「歴史的な日だ」
「責任を果たす用意がある」
と決意を示した。
加盟には全加盟国の承認が必要で、ハンガリーが唯一終えていなかった。
新規加盟は2023年4月のフィンランド以来。
NATOのストルテンベルグ事務総長は
「スウェーデンの加盟でNATOはより強く、より安全になる」
と表明した。(共同)

林官房長官、スウェーデンのNATO加盟「努力に敬意」
2024/2/27 10:43
https://www.sankei.com/article/20240227-IK6OGVPZVVJWJOYU773T4Z2SG4/
林芳正官房長官は27日の記者会見で、北欧スウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)加盟が承認されたことについて
「ロシアによるウクライナ侵略等により国際安全保障環境が厳しさを増す中、同志国間の連携がこれまで以上に重要になっているという観点から、スウェーデンの(NATO)加盟手続き完了に向けた努力に敬意を表する」
と述べた。

ハンガリー議会、スウェーデンのNATO加盟を承認 32カ国目の加盟国に
2024/2/27 0:53
https://www.sankei.com/article/20240226-JSLB2UVXQJN6XCDRKQOX2QOWOQ/
ハンガリー議会は2024年2月26日、北欧スウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)加盟を賛成多数で承認した。
これによりスウェーデンのNATO加盟が決まり、32番目の加盟国となる。
加盟には全ての加盟国の承認が必要で、ハンガリーは唯一承認していなかった。
スウェーデンは伝統的な軍事的中立政策を完全に放棄し、北欧でのNATOの対ロシア防衛の一翼を担うことになる。
スウェーデンはロシアがウクライナに侵攻したのを受け、2022年5月に隣国フィンランドと一緒にNATO加盟を申請した。
フィンランドは2023年4月に加盟が実現。
しかしスウェーデンについてはトルコが
「国内で少数民族クルド人の武装組織の活動を容認している」
として2024年1月まで加盟を承認しなかった他、残るハンガリーも明確な理由を示さずに承認を先延ばしにしてきた。
ハンガリーのオルバン首相はこれまで欧州連合(EU)から抑圧的な強権政治を批判されており、ハンガリーがEU加盟国のスウェーデンに反発して承認手続きを遅らせているとの見方も出ていた。
オルバン氏は2024年2月23日、ハンガリーの首都ブダペストでスウェーデンのクリステション首相と会談し、ハンガリーがスウェーデンから同国製のグリペン戦闘機4機を購入することで合意するなど、両国間で信頼関係が構築できたことを強調していた。

スウェーデン、海空軍に強み NATO加盟 露は北欧とバルト3国への侵攻が困難に
2024/2/26 17:52
https://www.sankei.com/article/20240226-FJ7DAMUO7VMHFLELS7PHZQL5UE/
ロシアによるウクライナ侵略を受けて北欧スウェーデンが申請していた北大西洋条約機構(NATO)加盟がようやく承認されることになった。
これにより、2023年4月に加盟したフィンランドも合わせてバルト海のほぼ全域をNATO加盟国が取り囲んで
「NATOの海」
に変え、北欧とバルト3国に対するロシアの脅威を大きく減衰させることが期待される。
ロシアはバルト海沿岸の北西部サンクトペテルブルクと飛び地のカリーニングラードに海軍基地を持つ。
だが、スウェーデンの加盟によりバルト海ではNATOが有利に作戦行動を展開できることになる。
特に、NATOに戦力面で最も重要な貢献を果たすと見られているのがスウェーデンの潜水艦隊だ。
スウェーデンは1904年から潜水艦を運用。
バルト海は平均水深が60メートル程度と浅く水路も複雑で、潜水艦運用のノウハウは他国の追随を許さない。
スウェーデン海軍は現在、数週間に渡る長期の潜航が可能なAIP(非大気依存推進)システム搭載のゴットランド級攻撃型潜水艦3隻を含む4隻を保有。
2028年までに次世代のA26型潜水艦が2隻導入される予定だ。
また、スウェーデンの加盟はロシアがウクライナに続く次の標的に定めているとされるバルト3国(エストニア、ラトビア、リトアニア)の安全保障環境を格段に向上させる。
バルト3国は2004年にNATOに加盟。
仮にロシアがこれらの国への侵攻に踏み切った場合、NATOが北大西洋条約第5条に基づいて陸路で軍部隊を派遣するには、全長約100kmに渡るポーランドとリトアニアとの国境地帯である通称
「スバウキ回廊」
を通過する必要がある。
しかし、スバウキ回廊はロシアとその同盟国のベラルーシに南北から挟まれており、ロシアはバルト3国を孤立させるために侵攻の初期段階で回廊を遮断する恐れが強とされる。
スウェーデンの加盟でNATOがバルト海の制海権を確保すれば、NATO軍が海上経由でバルト3国に応援部隊を上陸させることができる。
バルト3国が国境からの露地上部隊の進撃を一定期間食い止める間に海路で増援を送り、露軍を撃退するシナリオを描くことができるようになる。
加えて、スウェーデンは自国製のグリペン多用途戦闘機70機以上を擁する強力な空軍力を誇る。
スウェーデンとフィンランド、ノルウェー、デンマークの北欧4カ国の空軍司令官は2023年3月、防空態勢での連携強化を確認しており、スウェーデンのNATO加盟で空軍の合同作戦の一層の活発化も期待できそうだ。

http://www.asyura2.com/23/warb25/msg/778.html#c22

[国際35] ロシア軍に北朝鮮兵3000人参加か ゼレンスキー大統領「勝利計画」発表へ/テレ朝 仁王像
6. 秘密のアッコちゃん[768] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月19日 10:40:17 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[333]
<▽44行くらい>
ウクライナ、東部の集落奪還と発表 北朝鮮軍は越境攻撃下の露西部クルスク州に投入か
2024/10/19 8:54
https://www.sankei.com/article/20241019-FS6BVMUHLNIQLAVF2Z4KHHBB3E/
ロシアによるウクライナ侵略で、ウクライナ国防省情報総局は2024年10月18日、同国軍が東部ハリコフ州の集落クルグリャコフカを露軍から奪還したと発表した。
ウクライナメディアが伝えた。
クルグリャコフカは露軍が制圧を狙う同州の都市クピャンスク方面に位置している。
東部では戦力に勝る露軍が徐々に前進しているが、ウクライナも反撃を試みているもようだ。
一方、ロシア側での参戦を決めた北朝鮮が軍の人員をロシアに派遣したとされる問題で、ウクライナメディアは2024年10月18日、同国軍情報当局筋の話として、北朝鮮軍がハバロフスクやウラジオストクなど露極東の4都市で実戦投入に向けた訓練を受けていると報じた。
米軍事メディア「ウォーゾーン」によると、ウクライナ国防省情報総局のブダノフ局長は、ロシアに派遣された北朝鮮軍の規模を
「1万1000人」
だと指摘。
ブダノフ氏はまた、北朝鮮軍が2024年11月1日までに訓練を完了し、うち2600人がウクライナ軍の越境攻撃を受ける露西部クルスク州に投入される見通しだと明らかにした。

プーチン氏、G20首脳会議の欠席表明 ICC逮捕状巡る「混乱回避」理由に
2024/10/19 8:44
https://www.sankei.com/article/20241019-4D6CGK3STRK2BNVZD7LVNPUVUQ/
ロシアのプーチン大統領は2024年10月18日、2024年11月にブラジルで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に欠席すると表明した。
理由に関し、ウクライナ侵略を巡る戦争犯罪容疑で国際刑事裁判所(ICC)が自身に逮捕状を出していることに言及。
「私が行けば、G20の議論はそれ(逮捕問題)ばかりになってしまう」
とし、自身の出席により首脳会議が混乱する事態を防ぐための決定だと主張した。
今月2024年10月22〜24日に露中部カザンで開かれる主要新興国の枠組み「BRICS」の首脳会議に先立つBRICS諸国の報道機関との会見で発言した。
ICC加盟国のブラジルには、プーチン氏が入国した場合、逮捕する義務が生じる。
一方でプーチン氏は
「逮捕を回避することは簡単だ」
「(逮捕しないという)政府間合意を結ぶだけだ」
とも指摘。
逮捕を懸念した欠席ではないと強調した。
プーチン氏はウクライナ情勢にも言及。
将来的な停戦について
「1年間や2年間の停戦であるべきではない」
「その間に北大西洋条約機構(NATO)が兵器を蓄え、(ウクライナに)移転するためだ」
と述べた。
その上で
「長期的で持続可能な平和」
の実現に向けて
「ロシアは戦い続け、勝利する」
と主張した。
プーチン氏はウクライナの
「中立化」
「非軍事化」
といった目標を達成するまで軍事作戦を継続する意思を改めて示した形だ。

http://www.asyura2.com/24/kokusai35/msg/128.html#c6

[政治・選挙・NHK295] 意味不明な差別主義者である杉田水脈の「国会退場」は正常化の第一歩 適菜収「それでもバカとは戦え」(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
22. 秘密のアッコちゃん[769] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月19日 11:56:37 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[334]
<■1015行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
高橋洋一「日本の解き方」
自民と立民が「増税路線」で同調 歩調合わせ減税に否定的、震災後の悪夢が繰り返される 財務省には千載一遇の好機≠ゥ
2024.10/19 10:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241019-5WEPJDBKSRITPAO67CADSNHPIA/
金融所得課税の強化について、石破茂首相は自民党総裁選で取り上げた後で引っ込めたが、ここにきて立憲民主党の野田佳彦代表が
「25%への引き上げもあり得る」
と強調した。
野田氏は法人税も上げる余地があると述べたという。
衆院選のタイミングでこうした発言をした狙いはどこにあるのか。
石破政権はブレるので、金融所得課税については再びブレて
「課税強化」
を言いかねない。
はっきり言えば、消費税について、自民党と立憲民主党がシンクロしているのが気になる。
与野党党首は2024年10月13日のNHK番組で論戦した。
石破首相(自民党総裁)は、消費税率について
「引き下げることは考えていない」
「当面、上げることも考えていない」
とした。
減税はやらない方針だ。
立憲民主党の野田氏も消費税の減税に関し
「高額な所得者が額として一番恩恵を受ける」
と述べた。
一般的には、消費税は逆進性があるので、減税は低所得者層ほど有利になる。
だが、わざわざ額に言及して分かりにくくしているが、要は減税しないということだ。
他の野党党首は減税に言及しているのに、自民と立民は歩調を合わせて減税に否定的だ。
立民の新代表が決まった段階で危惧していたが、野田氏と言えば、民主党政権時代に消費増税という財務省の戦略にまんまと乗り、一部では
「使い勝手ヨシヒコさん」
とも揶揄されていたらしい。
石破首相も、財政緊縮と金融引き締めで有名だった人だ。
衆院選では自民党と公明党は苦戦が見込まれ、自民の過半数割れを予測する人も少なくない。
有権者の動向によっては自公で過半数割れもあり得る状況だ。
その場合、負け方にもよるが、自公と立民による
「大連立」
にならないとも限らない。
仮に
「台湾有事」
になると、大連立の大義名分ができる。
そうした話は東日本大震災の時にあった。
実際には大連立にはならなかったが、当時の野田首相と野党だった自民党の谷垣禎一総裁はともに増税志向だったので、復興増税と2度の消費増税というホップ・ステップ・ジャンプという財務省の野望が実現した。
財務省は、大連立にならなくても、この東日本大震災の後の増税路線の再来を狙っているのではないか。
歴史は繰り返すという。
増税したい財務省からみれば、自民と立民の両トップが増税志向だというのは千載一遇のチャンスだ。
しかも、立民の野田代表は、過去の消費増税の立役者なので、再び増税をやってくれそうだと期待してもおかしくない。
今回は野党なので、石破首相を誘導することも考えられる。
野田代表から金融所得課税25%や法人税増税を言い出したのも、そのための戦略ではないだろうか。
早速、石破首相は防衛増税を言い出した。
金融所得課税は金持ち優遇の是正、法人税増税は利益をため込んで吐き出さない企業へのペナルティーというキャッチフレーズだろう。
そこで増税に勢いをつけ、次には社会保障にかこつけて再び消費増税というシナリオを財務省は描いているのではないか。 
(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

高橋洋一「日本の解き方」
石破首相が掲げた「アジア版NATO」の非現実度 日米地位協定見直しも含め…まず同盟国助けられない「憲法9条の改正」が先決だ
2024.10/18 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241018-E3LN6EODCRPCLKCBOJZXV7BG2M/
石破茂首相は自民党総裁選の際に掲げた
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」
の構想について所信表明演説では触れなかった。
だが、党内に議論する新組織を設置するよう指示した。
アジア版NATOは日本の安全保障に資するのか。
現実味のある構想なのか。
石破首相は総裁選で、日米地位協定の見直しにも言及した。
アジア版NATO創設と日米地位協定見直しは、根っこのところで今の日米安保条約と密接に関係しており、更にその背景には憲法問題がある。
そこで、まずは日米安保条約の条文を振り返っておこう。
ポイントは第5条と第6条だ。
第5条では
「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する」
としている。
第6条では在日米軍の地位について
「別個の協定などに規律される」
としている。
第5条は
「日本国の施政の下にある領域における」
と書いてあるので、日本が攻められた時に発動するもので、米国が攻められた時ではない。
これが
「相互」
安全保障ではなく、
「片務的」
安全保障と言われる所以だ。
これを前提として日米地位協定がある。
一方、NATO条約では、第5条で
「締約国は、ヨーロッパ又は北アメリカにおける一又は二以上の締約国に対する武力攻撃を全締約国に対する攻撃と見做すことに同意する」
「従って、締約国は、そのような武力攻撃が行われた時は、各締約国が、国際連合憲章第51条の規定によって認められている個別的又は集団的自衛権を行使して、北大西洋地域の安全を回復し及び維持するためにその必要と認める行動(兵力の使用を含む)を個別的に及び他の締約国と共同して直ちに執ることにより、その攻撃を受けた締約国を援助することに同意する」
とされており、明らかに異なっている。
日米安保条約が
「片務的」
なのは、日本の憲法9条で交戦権を否定しているからだ。
つまり、同盟国が攻撃された時でも、助けるために交戦できないのだ。
要するに、憲法9条を改正しないと、日米安保条約すら
「相互的」
にできない。
ましてアジア版NATO創設や日米地位協定見直しには到底辿り着けないのだ。
逆にいえば、憲法9条を改正し、日米安保条約を
「相互的な」
ものに改定すれば、ほぼ自動的に日米地位協定も見直せる。
日米安保条約を
「相互的」
なものに改定すれば、その先の将来像としてアジア版NATOもあり得るだろう。
もっとも、アジア版NATOは米国とアジア諸国が安全保障をどのように考えるかに依存するので、日本だけが考えてもできるものではない。
こうしてみると、党内でアジア版NATOを議論しても、大した結論にはならないだろう。
他国に話をしても
「日本の憲法問題が先だ」
と言われ、現実的な政治課題にはならない。 
(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

高橋洋一「日本の解き方」
衆院選で防戦一方の自民党、石破政権の政策がブレて争点にできず「政治とカネ」問題が前面に…「岸田政権の劣化コピー」とも
2024.10/16 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241016-T3XVBMVR7NOKBOI3DWZBFHVBLQ/
衆院選が2024年10月15日に公示された。
「政治とカネ」
の問題が表に出ているが、他には何が争点になるだろうか。
本来は、外交・防衛や内政を議論すべきであるが、首相就任は今月2024年10月1日、解散は8日後の2024年10月9日、投開票は26日後の2024年10月27日といずれも戦後最短だ。
解散から投開票までの18日間も戦後2番目の短さだ。
選挙日程は、3年前の岸田文雄政権とほとんど同じだ。
石破茂政権は、首相と同様に長らく
「党内野党」
だった
「お友達」
を重要閣僚に据えたが、官房長官は岸田政権から横滑りで、副大臣と政務官はほぼ岸田政権の居抜きである。
こうしたことから政策もほとんど岸田政権を踏襲し、岸田政権の劣化コピーとも言われている。
2024年10月4日の所信表明演説では、総裁選の公約をほぼ全面的に撤回した。
その前に実施された世論調査で、内閣支持率は岸田政権の末期からは上昇したが、それでも政権発足直後では過去最低水準で、
「ご祝儀」
はなかった。
その後、石破政権の変節が明らかになると支持率は下がっているとの調査もあり、焦った石破政権は、焦点を裏金問題にすり替えた。
そこで、不記載だった12人を非公認とし、30人以上を比例重複なしとした。
この判断について
「世論に迎合した」
とも言われるが、この場合の世論というのは非自民層なので、これで自民党に支持が戻るわけではない。
この措置の結果、これまでは
「自民単独で過半数割れ」
が懸念されていたのが、
「自民と公明党の与党で過半数割れ」
も視野に入ってきているという。
そもそも検察の捜査で刑事処分がなされ、それを受けて党規約に基づき党として既に決定した処分について、新総裁が追加処分したというのは
「一事不再理」
の原則に反し不当だ。
「ルールを守る」
と強調する石破首相が自ら破っている。
また、選挙の争点を
「政治とカネ」
の問題に絞ることは、選挙戦術としてもまずい。
野党は
「処分は甘い」
と更に攻勢をかけてくるのは必至だ。
更に、これまで党内野党に対しては寛容だった週刊誌などのメディアも、閣僚のスキャンダルを出し始めた。
このため、ますます政策議論になりにくい状況だ。
実は、外交・防衛や内政を争点にするといっても、石破政権はブレブレでほとんど前言を撤回しているので話にならない。
「憲法7条による解散は違憲の疑い」
と言っていたが、解散してしまった。
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」

「北朝鮮との連絡事務所設置」
などは所信表明演説では姿を消し、
「原発ゼロ」

「選択的夫婦別姓導入」
も後退し、
「金融所得課税強化」
もなくなった。
「最低賃金1500円」
のように変えていないものもあるが、立憲民主党より左で、れいわ新選組並みの政策なので争点になりにくい。
能登の災害に対する措置を予備費か補正予算にするかについても、現実に
「補正予算なし」
なので、ここも争点になりにくい。
結果的に
「政治とカネ」

「スキャンダル」
が争点になれば、自民党は防戦一方だろう。
 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

「『政治とカネ』法律家の立場からは時間の無駄」今の日本に後ろ向きの議論する時間はない
弁護士・田中善信氏
2024/10/18 15:30
https://www.sankei.com/article/20241018-G7YZXJ7CXVLBHC7O5KKLPLPW2Q/?outputType=theme_election2024
27日投開票の衆院選について、弁護士で群馬「正論」懇話会会長の田中善信氏(81)は産経新聞のインタビューに応じ、
「『政治とカネ』の問題は大事なことだが、政治資金規正法をきちんと改正すれば済む話だ」
と指摘した。

今回選挙では、
「政治とカネ」
の問題が大きな争点とされていますが、法律家の立場から言わせて頂くと、東京地検が時間をかけて捜査した以上、更に時間を掛けても新事実が出ることはなく時間の無駄だと思う。
政治にとって最も重要なのは国民の安全と生活を守ることです。
日本周辺には中国、北朝鮮、ロシアという核を保有し核兵器の増産を続ける独裁的国家群がミサイルの矛先を日本に向けている。
備えるには、しっかりとした法制度と軍備を整える必要がある。
最大の法整備は憲法改正だ。
そのためにも与党を中心に改憲に必要な議員数を確保すべきで、選挙で最も問われるのはその点だと思います。
今の日本に後ろ向きの議論をしている時間はありません。
石破茂政権は、国民の声を聴くという姿勢を見せてはいますが、ポーズだけのように見えます。
大事なのは国民、とりわけ将来を担う若者や子供たちが希望を持てる国づくりです。
彼らが望むのは金銭的援助というより日本の明るい未来や希望ではないでしょうか。
その意味でも、党総裁選で多数の党員が支持した高市早苗・前経済安全保障担当相の政策や提言を取り入れることも大切だと思います。
その上で、石破首相には国民の安全と生活を守るための憲法改正に向け、先頭に立って頂きたい。
投票率の低下、長期低迷傾向も将来に対するビジョンを示せない政治家が多いからです。
自身の選挙の事ばかり考え、日本のためにという志をもった政治家が少なくなっていることが原因だと思います。
「政治とカネ」
の問題は大事なことですが、政治資金規正法をきちんと改正すれば済む話です。
近視眼的ではなく、もっと巨視的に日本の将来を考える政治家はいないものでしょうか。
真に将来を語れる政治家が出てくれば、投票率も自然と上がり、国民ももっと政治に関心を持つでしょう。
群馬県からは戦後、4人の首相が誕生している。
土壌はあるはずです。
■たなか・よしのぶ
群馬県富岡市出身。
昭和49年に弁護士登録。
群馬弁護士会に所属し民事、刑事から労働問題、破産や債券回収など幅広くカバー。
特に、警察が手を付けられない事件化以前の、いわゆる民事介入暴力の第1人者として数々の事案解決に尽力。
県警察署協議会会長や県警特別講師などを務め県警特別功労賞受賞。
令和3年12月から群馬「正論」懇話会会長。

自民党、過半数割れの可能性 立憲民主党、公示前より議席上積み 日本保守党、複数議席獲得へ 報道各社、衆院選序盤情勢調査
2024.10/17 11:31
https://www.zakzak.co.jp/article/20241017-WLKH5R2JLFMA3JBPQ2QASGGTBA/
第50回衆院選(27日投開票)について、報道各社の序盤情勢調査が出揃ってきた。
自民党は石破茂首相(総裁)の
「変節」
や、派閥裏金事件などが響き、定数465議席の過半数(233)に届かない可能性が出てきた。
単独過半数割れとなれば、2009年以来となる。
立憲民主党は公示前の98議席から議席を増やし、ベストセラー作家の百田尚樹氏が立ち上げた政治団体
「日本保守党」
は複数議席を獲得しそうだ。
共同通信によると、全289選挙区のうち、自民党(公示前256)がリードしているのは140程度で、接戦区が多い。
比例代表で前回選挙(20年)の72議席を下回るのは避けられない情勢だ。
公明党は公認候補を立てた計11選挙区の全勝は難しい情勢。
自民党との連立与党では過半数を維持する見込み。
立憲民主党は公示前の98議席を超える公算が大きい。
日本維新の会は大阪の小選挙区は堅調だが、比例の支持の広がりに欠け、公示前の43議席に手が届かない可能性がある。
共産党は公示前の10議席程度の獲得が見込まれる。国民民主党も公示前の7議席から上積みする勢い。れいわ新選組は比例で複数議席を確保できそうだ。
社民党は小選挙区の1議席死守が課題。
参政党は支持浸透が見られない。

与党過半数巡り攻防 不記載響き自民低調、立民勢い 衆院選序盤情勢
2024/10/17 5:00
https://www.sankei.com/article/20241017-AEBKGSGRPZMN7EBF43MGFUUFOI/?outputType=theme_election2024
27日投開票の第50回衆院選について共同通信社は15、16両日、全国の有権者15万6千人を対象に電話調査を実施し、取材を加味して公示直後の序盤情勢を探った。
自民党は派閥パーティー収入不記載事件が響き低調。
公明党も伸び悩む。
立憲民主党は議席増へ勢いを見せる。
定数465議席の過半数(233)を巡り、与野党の攻防が続いている。
小選挙区では投票先未定が3割近くおり、今後、情勢は変わる可能性がある。
全289選挙区のうち、自民(公示前勢力256)がリードしているのは140程度にとどまり、接戦区が多い。
比例代表で令和3年前回選の72議席を下回るのは避けられない情勢だ。
単独過半数を維持できるかどうか予断を許さない。
不記載事件に関係し、公認されなかった候補の大半は厳しい戦い。
重複立候補が認められなかった候補も半数近くが先行されている。
立民は公示前の98議席(比例含む)を超える公算が大きい。
無党派層でも支持が拡大しつつある。
前回選で39だった比例議席も増やしそうだ。
日本維新の会は地盤の大阪府の小選挙区で堅調。
だが全国的に比例の支持の広がりがいまひとつで、公示前の43議席に手が届かない可能性もある。
公明は公認候補を立てた計11選挙区の全勝は難しい情勢。
維新と争う大阪府の4小選挙区で苦戦が目立つ。
埼玉14区に出馬した石井啓一代表も激戦。
比例も伸びを欠いており、小選挙区と合わせた公示前の32議席を堅持できるか微妙だ。
共産党は小選挙区1議席を維持しそうだ。
比例次第で、公示前の10議席程度の獲得が見込まれる。
国民民主党も公示前の7議席から上積みする勢い。
れいわ新選組は比例で複数議席を確保できそうだ。
社民は小選挙区の1議席死守へ全力を挙げる。
参政党は支持浸透が見られない。
政治団体
「日本保守党」
は複数議席を得る可能性がある。

自公、全国で苦戦 「政治とカネ」国民から厳しい視線、立民躍進 衆院選序盤調査
2024/10/17 5:05
https://www.sankei.com/article/20241017-AEPDUY4J7VP3RG6G4WBNPM3FXY/?outputType=theme_election2024
15、16両日に共同通信社が実施した衆院選の序盤情勢調査では、自民、公明両党が全国で苦戦している状況が浮き彫りとなった。
「政治とカネ」
の問題を受け、自民は一部を非公認とするなどの対応を取ったが、国民からの厳しい視線は向けられたままだ。
一方、立憲民主党は躍進する見通しだが、主要野党との候補者一本化は限定的で、立民が目標に掲げる
「比較第一党」
には届かなそうだ。
■お詫びしながら臨む選挙
石破茂首相(自民総裁)は16日、香川県内でマイクを持ち、派閥パーティー収入不記載事件について
「こういうことが2度とないように、深く国民の皆さま方にお詫びをしながらこの選挙に臨んでいる」
と述べ、自公政権の継続を訴えた。
野党は不記載事件を巡って自民への批判を強めており、立民の野田佳彦代表は16日、新潟県内での演説会で
「裏金隠し解散だ」
「有権者がペナルティーを与えるしかない」
と主張した。
衆院選の勝敗ラインについて、首相と公明の石井啓一代表は、自公政権を維持するための最低条件となる両党での過半数(233議席)獲得と位置付ける。
自民の公示前勢力は256議席で、政権を奪還した平成24年の衆院選以降、4回連続で単独過半数を獲得してきた。
だが、自民の森山裕幹事長は14日の報道各社のインタビューで
「自民単独でどうするかということをまだ考える余裕はない」
と強調。
このまま低調な状況が続けば、自民が下野した平成21年衆院選以来の単独過半数割れの可能性も見えてくる。
自民は不記載事件に関係した旧安倍派幹部ら12人を非公認とし、30人以上の比例代表への重複立候補を認めない対応を取った。
国民の理解を得るために厳しい選択をした形だが、別の自民関係者は
「非公認で出馬となれば有権者の情が沸く可能性もあるが、党公認で立候補して比例重複だけ認めないというのは分かりにくい」
「理解を得られるだろうか」
と表情を曇らせた。
■野党は候補者調整進まず
一方、野党は不記載事件での自民批判で足並みをそろえるものの、候補者調整は進まなかった。
289の小選挙区のうち、立民、共産両党は142の小選挙区で競合。
与党公認候補と、立民、日本維新の会、共産、国民民主党の主要4野党のいずれかの公認候補が
「一騎打ち」
で争うのは、52の小選挙区にとどまる。
立民の野田氏は
「最低限の目標は自公の過半数割れ」
と息巻くが、共産は野田氏の保守的な路線に反発、候補者調整は多くの小選挙区で整わなかった。
野党乱立の構図となった今回の衆院選では、与党への批判票が分散しており、今後の情勢次第では野党の議席数の伸びの足枷となりかねない。

<主張>衆院選と経済 物価高克服への道筋競え 成長を展望できる具体論を
社説
2024/10/17 5:00
https://www.sankei.com/article/20241017-KHQMFV4RCBJKVHZLRWQHWPRCYI/
衆院選における与野党の論戦で、有権者が高い関心を寄せているのが経済政策である。
物価高にどう対処するのか。
賃上げの動きを確かなものにできるのか。
何よりも、日本経済は長期停滞を脱して将来への展望が開けるのか。
問われているのはそのための具体的な処方箋だ。
各党はこぞって給付金や減税などの聞こえのいい政策を並べているが、具体化への道筋や実現可能性を明確に示せなければ国民の納得は得られまい。
デフレ時代に戻らぬよう経済を底上げし、豊かさを実感できる持続的成長に繋げることが肝要だ。
各党には、バラマキに陥ることなく、中長期的に経済活力を高めるための効果的な戦略を競い合ってもらいたい。
■「デフレ脱却」を確実に
日本経済は今、歴史的な転換期にある。
食品などの幅広い品目で値上げが定着するだけでなく、賃上げの動きは中小企業にも広がりを見せつつある。
「物価も賃金も上がらない」
というデフレ下の社会通念は着実に変化してきた。
既に日銀は利上げに転じ、デフレ脱却を眼目とする異次元緩和路線の修正に踏み出した。
「金利のある世界」
の復活は超低金利下での国債大量発行に支えられた財政運営にも変革を促す。
そうした情勢も踏まえて各党の政策を見極めねばならない。
当面の経済政策で課題となるのは、物価高に伴う消費の弱さである。
8月の実質賃金は3カ月ぶりに減少し、物価高に賃上げが追いつかない状況は今も残る。
ここに効果的な手を打てずデフレからの完全脱却が遠のけば元も子もない。
これは各党に共通する認識だろう。
自民党は公約で、人や技術への積極投資で成長力を強め、その果実を国民に分配すると訴えた。
岸田文雄前政権の路線を踏襲するものだ。
石破茂首相が唱える
「コストカット型経済」
からの脱却もそうである。
だが、それで十分なのか。
衆院選後には経済対策やそれを裏付ける補正予算の編成が予定される。
自民は当面の物価高対策として低所得世帯向けの給付金を約束した。
石破首相は昨年を上回る大型補正予算を編成する意向も示した。
ならば自民が目指す経済対策の中身について、もっと多くを明示すべきだ。
そもそもデフレからの完全脱却をいつ達成できると想定しているのか。
そのため優先すべき政策は何か。
これらを明確に示すことが与党である自民、公明党に求められる責務だろう。
野党の公約で目立つのは消費税や所得税などの減税・撤廃や社会保険料の引き下げだ。
消費を促し経済成長に繋げる狙いがある。
消費税については日本維新の会や共産党、国民民主党などが減税を訴え、れいわ新選組は制度の廃止を求めている。
そこに現実味はあるのか。
■減税の必然性どこまで
物価高が深刻といっても、リーマン・ショックや新型コロナウイルス禍の時のような危機的状況ではない。
高齢化で社会保障費が膨らむ中で、安定財源の消費税に手を付ける必然性は吟味しなくてはなるまい。
国民民主は実質賃金が安定的にプラスになるまで税率を5%にするというが、これを元に戻すときには増税となり、景気を下押しする影響もあろう。
各党は減税の詳細をもっと語るべきだ。
具体的な道筋を示さなければ無責任である。
立憲民主党は現行の消費税の軽減税率に代えて中低所得者向けの
「給付付き税額控除」
を提案するが、制度の大幅変更を円滑に進められるのか。
納得できる説明を尽くすべきである。
「分厚い中間層の復活」
を掲げる立民の公約には、最低賃金引き上げや人への投資など自民と似通う部分もあるが、違いを浮き立たせたいのか、理解に苦しむ項目もみられる。
アベノミクスの象徴である
「2%」
の物価安定目標を
「0%超」
にすると打ち出したのもそうだ。
そもそも0%超は2%も含むので目標として曖昧すぎる。
2%に縛られない柔軟な金融政策を求めたいのだろうが、プラス圏でよしとする変更の結果、賃金の大幅増に向けた機運まで妨げられないか。
そうなれば脱デフレも見通せなくなろう。
与野党には、日本経済の生産性や国際競争力を高め、潜在成長率を向上させる成長戦略についても論じ合ってほしい。
デジタル化や規制緩和などの項目を羅列するだけではなく、優先順位を付けて確実に実行に移せるかどうかが問われよう。

40日抗争と首相の天命 
阿比留瑠比の極言御免
2024/10/17 1:00
https://www.sankei.com/article/20241017-4FNAJUF63FN4XK2F5S34QSTADI/?outputType=theme_election2024
「本当に40日抗争の再来があるんじゃないか」
衆院選公示当日の15日、永田町でこんな予想がささやかれていると聞いた。
選挙結果がどうなるのかはまだ分からないのだから、現時点ではあくまで一つの見立てにすぎないが、あり得る話だと妙に得心した。
40日抗争とは、45年前の昭和54年10月の衆院選での敗北と過半数割れをきっかけに、自民党主流派の大平派、田中派と反主流派の福田派、三木派、中曽根派などが40日間にわたり繰り広げた派閥間の争いのことである。
このとき、自民党は首相候補を一本化できず、大平正芳首相と福田赳男前首相の2人が首相指名選挙に出る異例の事態となった。
結局、首相には大平氏が再選されたものの組閣は難航し、抗争はさらに続いたのだった。
古い話のようだが、今回の衆院選では自民、公明両党の獲得議席が目標の過半数(233)に及ばない可能性も指摘されており、もしそうなれば衆院解散を急いだ石破茂首相の退陣を求める声が、自民内から噴き出すのは必至である。
過半数に届かない場合、日本維新の会、国民民主党、保守系無所属議員らの取り込みや、新たな連立の枠組み作りが喫緊の課題となる。
仮に与党で過半数は確保できても、自民が大きく議席を減らせばやはり石破首相の責任論に直結する。
麻生太郎内閣の農林水産相でありながら、麻生氏に身を引くよう要請したり、第1次安倍晋三内閣時の参院選で自民が大敗した際、安倍氏の責任を厳しく問うたりした自らの過去の言動が襲い掛かってくる。
また、石破首相が
「党内融和より国民の共感」
だと強調し、パーティー収入不記載事件を巡って福田派の流れをくむ旧安倍派を狙い撃つかのような二重処分を断行したことで、抗争の芽は十分に育っている。
党の判断に従って政治倫理審査会に出席しなかった議員まで、説明責任を果たしていないと決めつけて非公認にした首相のやり方は、党内に分断の種をたくさんばらまいている。
40日抗争は尾を引き、抗争翌年の昭和55年5月に野党が内閣不信任案を提出すると、自民の反主流派は衆院本会議を欠席し、不信任案は可決された。
これを受けて大平氏は衆院を解散(ハプニング解散)して初の衆参同日選に打って出たが、選挙中に心不全で急逝している。
■「天の声にもたまには変な声がある」
抗争に負けた福田氏は抗争前年の昭和53年には、現職の首相・総裁として本命視されていた自民党総裁選に敗れてこう述べた。
この場合、天の声とは党員・党友、つまり民の声のことである。
一方、安倍氏との一騎打ちとなった総裁選を控えた平成30年夏に香川県観音寺市で大平氏の墓参をした石破氏は、今回の総裁選前に出版した著書『保守政治家 わが政策、わが天命』の中でこう記している。
「もし私などが首相になるようなことがあるなら、それは自民党や日本国が大きく行き詰まった時なのではないか」
「しかも、それは天が決めること」
「天命が降りない限り、それはありえないということでしょう」
自らの首相就任は天命によるということか。
それでは、衆院選という民の声が直接反映される場面で、石破首相はどんな天の声、天命を知るだろうか。
まさか
「変な声」
「変命」
などと愚痴り出すことはないと思いたいが。

衆院解散 産経「外交・安保の政策論争を」 朝毎東 政治とカネで自民糾弾
社説検証
2024/10/16 9:00
https://www.sankei.com/article/20241016-VSS2FRVN6JPG5PKSB4GS7655UM/
衆院選が15日に公示された。
投開票日は27日だ。
石破茂内閣は1日に発足したばかりで、首相就任から8日後の解散、26日後の投開票は戦後最短である。
主要各紙は解散翌日の社説で、石破氏が予算委員会も開かずに解散を急いだことを
「丁寧な論議をしなかった」(産経)、
「有権者が判断する材料は不十分」(毎日)
などと、いずれも批判的に伝えた。
一方、
「政権選択の選挙」
である衆院選で、何が重視されるべきかについては見解が分かれた。
国民を守ることができる外交・安全保障政策の重要性を訴えた産経に対し、朝日、毎日、東京各紙は自民党の派閥パーティー収入不記載事件を巡る
「政治とカネ」
問題を挙げ、政治への信頼回復を重視した。
産経が指摘したのは、今回の衆院選が、日本を取り巻く安保環境が極めて厳しい中で行われるという現実だ。
政治とカネの問題が
「争点の1つになるのは当然だろう」
としつつも、解散当日の国会での党首討論で外交安保がほとんど語られなかったことを嘆き、各政党と候補者に
「日本を守り繁栄させる政策を大いに論じなければならない」
と強く促した。
特に政権交代を唱える立憲民主党に対しては、集団的自衛権の限定行使の容認を
「憲法違反」
とする立場であることを危惧し、このまま政権を取れば
「日米同盟は空洞化する」
と難じた。
読売も、政治とカネの問題で迷走する自民に苦言を呈しつつ、党首討論で立民などがこの問題の追及に大半の時間を費やしたことを疑問視し、
「日本が直面している課題はそれにとどまらないはずだ」
と強調した。
少子化対策や社会保障政策の必要性と共に、悪化した安保環境への対応を
「待ったなしの課題」
とし、議論を深めるよう呼び掛けた。
朝日、毎日、東京の社説は、安保環境の現実にはほとんど触れず、政治とカネの問題に紙幅を割いた。
毎日は、
「裏金問題は、不透明なカネを使って党勢を維持し、権力の座にあぐらをかく自民の実態を浮き彫りにした」
ととがめ、この問題に各党がどう向き合うかが
「今回の衆院選の最大の焦点」
と位置付けた。
東京も、今回の解散を
「裏金解散」
と呼び、裏金議員に
「職にとどまる資格があるのか否か」
「審判を下すのは私たち有権者だ」
と力説する。
石破首相が総裁選で訴えた政策の多くを棚上げしたことも批判し、
「自民党の『中身』が変わるかどうかを見極めねばなるまい」
とした。
朝日は、衆院選の争点を
「石破政権に対する審判」
だけでなく、
「岸田(文雄)前政権の3年間の実績への評価」、
更には
「7年8カ月に及んだ安倍(晋三)長期政権の総括」
に広げるべきだとする主張を展開した。
立民など野党に対しては
「どこまで国民の心を掴むことができるか」
「その真価が試される」
とし、
「自民への失望という『敵失』頼み」
でなく、
「信頼に足る政策を打ち出せる」
ことが重要と指摘した。
立民の野田佳彦代表は
「政権交代こそ、最大の政治改革だ」
と訴えている。
だが、もしも与党が過半数割れした場合、どんな政権ができるのか見えてこない。
産経は、新たな政権の枠組みを示さない立民を批判し、枠組みが曖昧なまま
「選挙区調整だけに走るとすれば、議会制民主主義の軽視となる」
と断じた。
逆に毎日は、個別政策で異なる部分があっても、野党は候補者を一本化し、
「裏金問題についての民意が投票結果に反映される構図を作り出すべき」
だと唱えた。
産経は、論争すべきテーマとして
「国の根幹に関わる憲法改正」
も挙げた。
国民の多くが自衛隊を認め、その活動に期待している。
にもかかわらず自衛隊は日本国憲法に明記されず、未だ多くの憲法学者が自衛隊違憲論を唱えている。
産経が指摘するよう、この
「異様な状態」
を早急に改めなければなるまい。
内外の情勢は混迷を極めている。
だからこそ各党、各候補者は、現実を踏まえ、将来を見据えた政策を訴えるべきだ。
■衆院解散をめぐる主な社説
【産経】
・日本守り抜く政策訴えよ/政権を託せるのはどの党か
【朝日】
・政治への信頼取り戻せるか
【毎日】
・自民政治のゆがみ問う時
【読売】
・与野党の力量が問われている/国難を乗り越える処方箋を示せ
【東京】
・「裏金」に審判を下そう(いずれも10日付)

<産経抄>後世に胸張れる選択を、衆院選の公示    
2024/10/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20241016-PX4FA2XQORLYPMAHTK6SAE6G3I/
選挙結果を国民の
「肖像」
に例えたのは、大正期に東京市長などを務めた後藤新平である。
どんな政党も、
「選挙という種板(写真の原板)に採影せられたる国民の写真である」。
写りの美醜に有権者も責任を負いなさい―と。
▼大正14(1925)年に日本で普通選挙法が公布されてから、間もない頃の発言という(『大正・昭和戦前期 政治・実業・文化 演説・講演集』日外アソシエーツ)。
それまでの納税要件が廃止になり、満25歳以上の男子が選挙権を手に入れた。
▼女性の選挙権は戦後まで待たねばならないものの、普選の幕開けから100年となる来年2025年は1つの節目だろう。
選挙権の行使について、後藤はこうも述べた。
「その醜い写真を修正し、後世、子孫に誇り得る立派な肖像を、我が憲政史上に残す用意と覚悟がなければならぬ」
と。
▼卓説からほぼ100年経った今も、政治不信をどう拭うかが大きなテーマであり続けているのは残念でならない。
さりとて先送りできない課題は他にも山積し、有権者の肩に食い込む荷は重い。
こちらは節目の第50回となる衆院選が公示された。
▼世界は緊迫の度合いを高めている。
台湾情勢の行方によっては、次の政権が
「有事」
に直面するかもしれない。
国家と国民を守る覚悟を持った政治家は誰か。
有権者の眼力が、これまで以上に問われる政権選択選挙になろう。
後世に恥じることのない肖像を残したいものである。
▼「票」
という字は、細かい火の粉が舞い上がる様を表している。
政党や候補者が論戦に火花を散らし、票を奪い合うなら大歓迎である。
少子化や社会保障などの課題も待ったなしだ。
有権者の胸にくすぶる不安と不満の火を、大事な1票に託す選挙でもある。

<主張>衆院選公示 日本の針路掲げて論戦を
社説
2024/10/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20241016-7IBUR7K47ZPCJOOKSB7FJKVUPM/
第50回衆院選が公示された。
石破茂首相が率いる自公連立政権の信を問う選挙である。
有権者はどの政党、候補者に日本を託すべきかを十分吟味し、一票を投じてもらいたい。
今回の衆院選は
「1票の格差」
を是正するため、小選挙区定数を
「10増10減」
するなど、25都道府県の140小選挙区で区割りが変わった。
有権者はよく候補者を確認し、訴えに耳を傾け、投票では間違いのないようにしたい。
日本を取り巻く安全保障環境は厳しい。
日本の独立と繁栄、国民の生命と暮らしがかかった政権選択選挙である。
有権者はこのことを自覚し、投票先を決めてほしい。
臨時国会では論戦の時間が短く、国民に十分な判断材料を提示したとは言い難い。
各党、各候補者は選挙戦で具体的な政策を示し、在るべき日本の針路を丁寧に論じねばならない。
「政治とカネ」
の問題が衆院選で問われている。
同時に国民を守り抜く外交安保政策に関し議論を深めるべきである。
首相は岸田文雄前首相の路線を継承する姿勢を示しているが、総裁選で掲げたアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想の検討を自民に指示した。
首相に曖昧さがあるのは否めない。
立憲民主党は日米同盟が基軸だと主張する一方で、集団的自衛権の限定行使は
「憲法違反」
との立場を崩さず、同盟強化に逆行している。
各党は防衛力の抜本強化と抑止力向上の具体策を競い合うべきだ。
少子化対策も重要な争点の1つだが、給付拡大の訴えが中心で、財源確保策について各党は余り語ろうとしていない。
これでは無責任である。
物価高に負けない持続的な賃上げによるデフレからの完全脱却の方策についても、議論を尽くすことが求められよう。
北朝鮮による拉致問題や国の根幹である憲法改正について、活発な論戦になっていないのは残念だ。
憲法改正で与野党論議を主導すべき首相は、自衛隊明記や緊急事態条項創設の意義について国民の理解を深めるべく、もっと説かねばならない。
安倍晋三元首相暗殺で要人警護の在り方が見直されてから初の大規模な国政選挙である。
暴力による言論封じは許されない。
警備に万全を期したい。

<主張>衆院選討論会 重要政策の論議を続けよ
社説
2024/10/13 5:00
https://www.sankei.com/article/20241013-SDOHJLP4KNKB3MKF2FXZ2JKJUY/
15日の衆院選公示を前に、日本記者クラブ主催の党首討論会が開かれた。
先の臨時国会では専ら
「政治とカネ」
の問題が取り上げられた。
今回の討論会では国内外の諸課題についても議論が展開され、有意義だった。
政治への信頼を回復する上で政治資金の問題は重要である。
同時に、実際の国政運営でどのような政策を遂行していくかを示すことは欠かせない。
有権者にとって投票の判断材料になるからだ。
ただし、理解に苦しむ場面もあった。
石破茂首相は解散前の国会論戦に関し
「有権者が判断する材料をきちんと提供しなければ無責任だ」
「私は一生懸命自分の言葉で答えた」
と語った。
予算委員会を見送ったにもかかわらず、首相の認識は世間の感覚からかけ離れている。
首相は立憲民主党の野田佳彦代表にウクライナへのロシア侵略を巡り、なぜ抑止が破綻したのか見解を質した。
これに対し、野田氏は東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議にバイデン米大統領が欠席したことを引き合いに出し、
「国際会議に米国を呼び込む外交努力はもっと大事だ」
と述べた。
抑止の破綻について正面から答えない無責任な態度だった。
立民が訴えている
「給付付き税額控除」
については、他党から過去との矛盾を指摘する声が上がった。
旧民主党の野田政権時に当時の安住淳財務相が、税額控除の申請が膨大な数に上ることが想定されるため
「難しい」
と語っていたためだ。
野田氏は整合性のある答えを示せなかった。
野党連携に関し
「対話を続ける」
と述べたが、衆院選後に想定する連立の枠組みを明らかにしなかったことはおかしい。
首相には安全保障政策で不明瞭な発言があった。
アジア版NATO(北大西洋条約機構)の構成国に中国を含むのかを問われ、
「一切の可能性を排除しない」
と述べた。
中国が構成国になり得る国に変化する場合には、アジア版NATOはそもそも要らないではないか。
憲法改正については国民民主党の玉木雄一郎代表が緊急事態条項の創設に関連し、大規模災害時などの国会機能維持について早期の改正を促したが、それ以上深まらず残念だった。

<主張>石破首相の初外遊 国際秩序の担い手となれ
社説
2024/10/12 5:00
https://www.sankei.com/article/20241012-YV3266KOENKKBGBAY5YZN6CNSM/
安全運転の外交デビューではいささか物足りない。
石破茂首相は自由で開かれたインド太平洋、国際秩序の担い手として首脳外交を積極的に展開していく必要がある。
石破首相が就任後初めて外遊した。
ラオスで東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の首脳会議に出席し、日中、日韓などの首脳会談を行った。
衆院解散後でもラオスへ足を運んだのは妥当だ。
バイデン米大統領の姿はなく、日本の首相も不参加なら李強首相が出席する中国の存在感が高まってしまう。
石破首相の外遊はそれを防ぎ、日本がASEANと連携する意思を示す意義があった。
ASEANと日中韓3カ国の首脳会議で石破首相は、中国を念頭に
「力や威圧による一方的な現状変更の試みを許容してはいけない」
と牽制した。
日中首脳会談では
「戦略的互恵関係の包括的推進」
で一致した。
李首相に対し、中国軍の動向への深刻な懸念を伝えた。
日本人男児刺殺事件や中国軍機の領空侵犯について説明を強く求めた。
中国が拘束する邦人の早期釈放や日本の排他的経済水域(EEZ)内の中国ブイの即時撤去、日本産水産物輸入の早期再開も促した。
台湾海峡の平和と安定の重要性を指摘した。
日韓首脳会談ではシャトル外交の継続や安保協力の推進などで一致した。
石破首相はラオスで、持論のアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想を封印した。
岸田文雄前首相の外交路線を踏襲した形で、日本の抱く懸念を李首相に直接伝えたこともあり、初外遊は無難に遂行したと見做されているようだ。
だが中国と戦略的互恵関係など築ける時代なのだろうか。
また、石破首相は自民党総裁選でアジア版NATOを不用意に掲げたため、ASEAN諸国から不安視される中でのスタートだった点を忘れてはならない。
マイナスからの出発で安全運転に徹しても存在感は示せない。
フィリピンのマルコス大統領はASEANと中国の首脳会議で南シナ海問題を巡り中国を直接批判した。
石破首相も日中の個別会談だけでなくASEAN首脳の前でも名指しで中国の問題行動を難じるべきだった。
ベトナム首相と会談したが、日越比の首脳会談を開く選択肢もあったのではないか。

<主張>政治とカネ 再発防止策も丁寧に語れ
社説
2024/10/11 5:00
https://www.sankei.com/article/20241011-DR2B2U63YFPI3ED6H4HTFQGRQA/
事実上始まった衆院選では
「政治とカネ」
を巡る問題が争点となっている。
自民党はパーティー収入不記載事件に関連し前議員らを非公認にしたり、比例代表への重複立候補を認めなかったりする方針だ。
野党は
「不十分だ」
と批判している。
野党との対決を前に、石破茂首相による党内の非主流派潰しの様相を呈しているとの指摘も出ている。
有権者の投票判断の材料にすべき課題は他にもある。
政治資金の透明性確保と事件の再発防止の具体策だ。
立憲民主党、日本維新の会、公明党、国民民主党などは、政党から国会議員に支出される使途の報告義務がない
「政策活動費」
の廃止を訴えている。
自民は公約に
「将来的な廃止も念頭に」
改革に取り組むと記した。
首相は今回の衆院選では
「使うことはある」
と語った。
立民が先の通常国会でパーティー禁止法案を提出しながら、同党幹部らが開催していたことを想起させるものだ。
党務を預かっていた茂木敏充前幹事長は自民総裁選で、廃止は可能と語っていた。
今の自民の姿勢は有権者から見て分かりにくい。
国会議員に支給される調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の使途公開は、衆院選後の国会で直ちに関連法を改正して実現すべきだ。
政治資金を監視する第三者機関の制度設計も急がれる。
立民、維新、共産党などが唱えている企業・団体献金の禁止には賛成できない。
企業や労働組合なども民主主義社会の構成員である以上、政治活動の自由は認められるべきだ。
一般国民からの個人献金が定着していない日本で企業・団体献金を禁止すれば、世襲ではない人や、業界団体、宗教団体などの背景を持たない人にとって選挙活動は極めて不利になる弊害も出てくる。
企業・団体の幹部が分散して、個人として献金する抜け穴を塞ぐことも難しい。
却って日本の議会制民主主義を後退させかねない。
一方、外国人・外国法人のパーティー券購入禁止の議論が低調なのは残念だ。
国政が外国勢力からの影響を受けるのを防ぐために禁止は欠かせない。
不記載事件の動機は今も分かっていない。
自民は明らかにする責任がある。

<主張>衆院解散 日本守り抜く政策訴えよ 政権を託せるのはどの党か
社説
2024/10/10 5:00
https://www.sankei.com/article/20241010-KWGTCTQYKVIWLBZR4XMFA2XQJM/
衆院が解散され、事実上の選挙戦が始まった。
解散は天皇陛下の国事行為である。
石破茂内閣は臨時閣議で
「15日公示、27日投開票」
の日程を決めた。
衆院選は3年ぶりだ。
新首相の就任から8日後の解散、26日後の投開票は戦後最短の決戦となる。
衆院選は政権選択選挙だ。
各政党と候補者は有権者の前で、日本を守り繁栄させる政策を大いに論じなければならない。
解散を前に国会で行われた党首討論で石破首相(自民党総裁)は、派閥パーティー収入不記載事件への対応を批判され防戦一方となった。
■安全保障をなぜ語らぬ
政治資金の透明性確保や不記載事件の再発防止を進め、政治への信頼を取り戻すことは重要だ。
政治とカネの問題が争点の1つになるのは当然だろう。
ただし、党首討論は衆院選を前に、日本の将来に向けた政策を競い合う場でもあるべきだった。
ところがそうならなかったのは、全閣僚出席の予算委員会を開いて丁寧な論議をしなかったことが響いている。
石破首相の所信表明演説後、代表質問と党首討論をしただけで解散したのは残念だった。
石破首相と自民は、不記載議員らの一部を対象に非公認の数を増やしたが、有権者が評価するかは不透明だ。
党首討論では外交安全保障がほとんど論じられなかった。
日本を取り巻く安全保障環境が極めて厳しい中で信じ難いことである。
習近平中国国家主席の共産党総書記の任期の関係から、台湾有事が令和9(2027)年までにあるかもしれないと危惧されていることを忘れたのか。
「台湾有事は日本有事」
と言われる。
今回の衆院選で選ばれる議員と彼らが指名する首相は、台湾有事を抑止するため働き抜かねばならない。
もし有事になれば、先頭に立って国家国民を守り抜く重責を担う。
有権者はそれに相応しい議員を選ばなければなるまい。
全ての政党と候補者は現下の国際情勢に対する認識と、今後起こり得る危機の抑止と対処の具体策を語るべきだ。
野党第一党の立憲民主党の安全保障に関する姿勢は、極めて危うい。
日米同盟の抑止力を格段に高めた集団的自衛権の限定行使の容認を
「憲法違反」
とする立場だからだ。
立民の衆院選公約は、限定行使を認める安保関連法について
「違憲部分を廃止する」
という従来方針を踏襲した。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古移設工事は
「中止」
すると明記した。
この政策のまま政権をとれば日米同盟は空洞化する。
旧民主党の鳩山由紀夫政権が同盟の危機を招いた二の舞いとなるだろう。
これも分からない立民の野田佳彦代表に果たして政権担当能力があるだろうか。
■立民は政権枠組み示せ
立民は、衆院選での与党過半数割れや政権交代の実現を叫んでいる。
にもかかわらず、この目標を達成した時の新たな政権の枠組みを示していないのはおかしい。
これでは有権者の判断材料が揃わない。
目指す政権の枠組みを曖昧にして選挙区調整だけに走るとすれば、議会制民主主義の軽視となる。
選挙戦で聞きたいテーマの1つが、国の根幹に関わる憲法改正だ。
日本国民の多数が自衛隊を認め、期待する時代になった。
ところが多くの憲法学者は自衛隊違憲論を唱えている。
このような異様な状態は改めたい。
憲法への自衛隊明記は改憲に前向きな各党で意見集約が進んでおり、是非早期に実現したい。
改正のゴールは
「戦力不保持」
を定めた第9条2項の削除と軍の規定の創設だ。
そうなって初めて世界の他の民主主義国と同様に国民を守る体制が整う。
首都直下地震、南海トラフの巨大地震などの大規模災害や有事への懸念が高まる中、緊急政令を含む緊急事態条項の創設も急務である。
各党が論じるべき政策課題は他にもある。
物価高に負けない持続的な賃上げによるデフレからの完全脱却、原発を含むエネルギーの在り方、少子高齢化を背景にした人口減少などだ。
国民受けする政策だけでなく
「痛み」
を伴う改革にも真摯に向き合わなければならない。
言行不一致は国民の不信を招く。
各党、各候補者は誠実に言葉を紡いでほしい。

<主張>代表質問 安全保障の論議不十分だ
社説
2024/10/9 5:00
https://www.sankei.com/article/20241009-N3ZCWLPEKJIFNBCCPHJ3MP7ZMA/
石破茂首相の所信表明演説への国会の代表質問が終わった。
政権選択選挙である衆院選を前にした国会である。
「政治とカネ」
を巡る問題が盛んに議論された。
その一方で、日本の独立と繁栄の基盤となる安全保障の論議が深まらなかったのは残念だ。
自民党議員は中国軍の領空侵犯や領海侵入、空母「遼寧」の接続水域航行、ロシア軍の領空侵犯を取り上げ、小野寺五典政調会長は
「国民の命と暮らし、領土・領海・領空を守り抜く」
ことを求めた。
日本維新の会の馬場伸幸代表は台湾有事について質した。
首相が最近の著書で
「『台湾有事、即日本有事』となる可能性は相当低い」
と指摘しているからだ。
馬場氏は
「対中抑止力や国民の国防意識を削ぐことになる」
と懸念を示した。
首相は
「仮定の質問に答えるのは差し控える」
とした上で
「台湾海峡の平和と安定は国際社会の安定にとっても重要だ」
と指摘した。
国防の決意と具体策をもっと語る必要がある。
物足りなかったのは野党第一党の立憲民主党である。
野田佳彦代表が首相のアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想に関し
「日米同盟の抑止力に疑念があると思われかねない」
「非現実的ではないか」
と疑問を呈したのは妥当である。
だが、立民として日本をどう守るつもりかを語らなかった。
対中認識を含む現下の国際情勢に対する見方も示さなかった。
田名部匡代参院幹事長はロシアに侵略されたウクライナで、なぜ抑止力が効かなかったのかを質した。
ウクライナ問題を論ずるのではなく、アジア版NATOを巡る首相の言行不一致を引き出したかっただけのようだ。
安保政策を十分語らずに政権交代を迫っても、説得力は感じられない。
憲法改正については自民、立民、維新などが質問した。
首相は緊急事態条項の創設や自衛隊明記について、自民内の議論を
「後戻りさせることなく、前に進めていく決意だ」
と語った。
同時に、任期中に国会への発議を実現したいとし、憲法審査会で議論を深めるよう求めた。
ただ、それだけでは足りない。
首相や憲法改正に前向きな政党は、どの項目をいつまでに条文化したいのかを明らかにすることも重要である。

<主張>中東の戦火拡大 なぜNSCを開かぬのか
社説
2024/10/3 5:00
https://www.sankei.com/article/20241003-4YRNMLACHBI6FNK2GDIOJIQ5N4/
石破茂首相に問いたい。
なぜ国家安全保障会議(NSC)を開催しないのか。
中東の戦火が拡大しているからである。
イスラエルがレバノンの首都ベイルートにある親イラン民兵組織ヒズボラの本部を空爆し指導者ナスララ師を殺害した。
ヒズボラの脅威を除こうとイスラエル軍はレバノン南部へ侵攻した。
ヒズボラの後ろ盾であるイランは報復と称しイスラエルに向けて大規模な弾道ミサイル攻撃を行った。
米英両軍などが協力して迎撃したが一部が着弾し、被害が出た。
イランの対イスラエル直接攻撃は4月以来だ。
どちらも中東有数の軍事大国だ。
双方に自制を求めたい。
ただし事態がエスカレートすれば
「第5次中東戦争」
になりかねない。
日本や世界のエネルギー供給にとっても、経済情勢にとっても、何より中東地域の邦人の安全にとっても、看過できない緊迫した状況である。
日本は一連の事態を遠い地域の出来事と見做すのではなく、自らの問題と捉え、対応しなければならない。
石破首相は2日、イランの弾道ミサイル攻撃を非難し
「全面戦争に拡大しないように(米国などと)連携を取りたい」
と述べた。
そうであるならば、石破首相は、NSCの4大臣会合などを開き、邦人保護や万一の際のエネルギー需給、イスラエル、イラン双方への働きかけについて協議すべきである。
国家安全保障局や外務省の幹部と面会したが、それだけでは足りない。
NSCを開催すれば、日本企業や現地の邦人に対応を促すシグナルにもなる。
石破首相が自民党総裁に当選した9月27日に、岸田文雄内閣の木原稔防衛相はレバノンからの邦人退避に備え、航空自衛隊のC2輸送機を近隣のヨルダンとギリシャへ派遣する命令を発した。
レバノンには約50人の邦人が滞在している。
政権末期でも邦人保護へ動いた岸田政権の対応は妥当だ。
退避では韓国との相互協力も進めたい。
ただし、レバノンからの邦人退避の備えは日本が為すべき対応の一部に過ぎない。
戦火が一気に拡大しかねない時代だ。
危機は政権交代の事情など勘案しない。
石破首相には内閣発足直後であろうと国民を守り抜いてほしい。

<主張>自民総裁に石破氏 保守の精神踏まえ前進を 外交安保政策の継承が重要だ
社説
2024/9/28 5:00
https://www.sankei.com/article/20240928-ZQWPFHRUFBPALP3NUGABOBDVAI/
自民党総裁選で、石破茂元幹事長が高市早苗経済安全保障担当相を決選投票で破り、新総裁に選出された。
10月1日召集の臨時国会で首相に指名され、宮中での認証式などを経て、石破内閣が発足する見通しだ。
石破氏は当選後、
「安全安心な国にするため全身全霊を尽くしたい」
と語った。
ほとんどの派閥が解散を決めたこともあって史上最多の9人が立候補し、激しい総裁選となった。
石破氏は1回目の投票で高市氏に次ぐ2位だった。
決選投票の票差は21票で、党内基盤は強いとは言えない。
■「挙党態勢」が問われる
政治とカネの問題で自民をみる有権者の目は依然として厳しい。
石破氏と自民は挙党態勢で国政運営に当たる必要がある。
党役員や閣僚の人事は適材適所の観点で、総裁選のライバル候補を含め起用すべきだ。
党所属国会議員は結束して新総裁を支えてもらいたい。
石破氏と自民に求めたいのは保守の精神を尊重、堅持することだ。
自民は党綱領で
「日本らしい日本の確立」
を謳い、自らを
「保守政党」
と位置付けている。
この基本線から外れるべきではない。
総裁選で論じられた選択的夫婦別姓の導入は見送るべきである。
石破氏は前向きな姿勢を示してきたが、保守政党が取り組む課題ではない。
家族や社会の根幹に関わる話だ。
片方の親と子の
「強制的親子別姓」
を意味し、戸籍制度も揺らぐ。
個人の自由の問題とは言えず、自民どころか社会の分断を招きかねない。
旧姓使用の充実で対応してもらいたい。
国家と国民を守り抜く外交安全保障は政治リーダーにとって最も重要な責務だ。
安倍晋三元首相は
「自由で開かれたインド太平洋」
構想を国際社会に示し、限定的ながら集団的自衛権の行使容認を実現した。
菅義偉前首相は米国と共に
「台湾海峡の平和と安定の重要性」
を打ち出した。
岸田文雄首相は5年間の防衛費43兆円、反撃能力の保有を決め、防衛力の抜本的強化を開始した。
石破氏は安倍氏以降の外交安全保障を確実に継承し、発展させなければならない。
中国やロシア、北朝鮮といった核武装した専制国家の脅威をどう捉えているかを語ってほしい。
ウクライナ支援の継続も重要だ。
心配なのは、石破氏がアジア版NATO(北大西洋条約機構)の具体化に意欲を示した点だ。
創設には憲法問題の解決や各国との比較的長期の交渉などに相当の年月と大きな政治エネルギーを要する。
数年先の発生も懸念される台湾有事の抑止を優先すべきではないか。
日米同盟の対処力と抑止力の強化も欠かせない。
■男系の皇統を守り抜け
北朝鮮による日本人拉致問題の解決も急がれる。
石破氏は
「東京と平壌に連絡事務所を開設して交渉の足掛かりとする」
と唱えてきた。
家族会は時間稼ぎに利用されるだけだと懸念している。
まず、家族会などと真剣に語り合ってほしい。
千年、二千年の視野で日本を守るため、安定的な皇位継承策を確立すべきである。
自民は、男系(父系)による継承を堅持する内容の岸田内閣の報告書に賛同する立場だ。
石破氏は総裁選でこの党の方針に従うと表明した点を強調しておきたい。
自民は来年、結党70年を迎える。
憲法改正は党是であり、改憲原案の条文化を臨時国会中に完成させるべきだ。
憲法への自衛隊明記は最優先だ。
首都直下地震などの大規模災害や日本有事への懸念が高まっている。
緊急政令を含む緊急事態条項創設も急務である。
自民総裁として与党公明党の説得にも努める必要がある。
日本が抱える課題は他にもある。
物価高を上回る持続的な賃上げを確実なものとし、デフレからの完全脱却を目指してもらいたい。
少子高齢化を背景にした人口減少への対策や社会保障制度改革も欠かせない。
政治とカネの対応は引き続き重要だ。
パーティー収入不記載事件の再発防止と政治資金の透明性確保を確実にしたい。
信頼を取り戻さなければ、政策は遂行できまい。
早期の衆院解散・総選挙が取り沙汰されている。
臨時国会では所信表明演説で国家観と政策の全体像を披露すると共に質疑にも応じ、国民に投票の判断材料を示すべきである。

川口クルド人問題、突如衆院選争点に浮上「私におまかせを」埼玉2区、全く触れない候補も
「移民」と日本人
2024/10/16 12:10
https://www.sankei.com/article/20241016-M2LPK63JJZLGHB5FX4XFJEJGOQ/?outputType=theme_election2024
27日投開票の衆院選埼玉2区は、トルコの少数民族クルド人と地域住民との軋轢が表面化している川口市の大部分が選挙区だ。
「地元国会議員が動いてくれない」
との指摘も出る中、今回の選挙では突如、争点に浮上。
公示日の15日、JR川口駅前では
「クルド人問題を解決する」
と公約する候補も現れた。
川口は外国人問題で有名になった
「ルール違反の外国人問題、おまかせください!」
日本維新の会前職の高橋英明氏(61)陣営の選挙カーから、運動員の女性がこう呼び掛けた。
前回は比例復活で初当選。
今年2月の衆院予算委ではクルド人を念頭に地元の外国人問題を取り上げ、当時の岸田文雄首相に対応を求めた。
選挙カーの上でマイクを握った高橋氏は経済再生などを訴えた後、クルド人らも混じる通行人に向かって
「この川口は外国人問題で全国的に有名になってしまった」
と切り出した。
「ルールを守らない外国人は一旦国に帰ってもらって、きちんとした在留資格で来てもらう」
「支援団体もそういうことを手助けすべきだ」
と指摘し、警察官の増員などを訴えた。
■この機会だから申し上げる
9選を目指す自民前職で前経済再生相の新藤義孝氏(66)は、選対本部長に奥ノ木信夫市長を迎え、駅前広場に自民、公明両党の県議や市議ら約25人を集めて出陣式。
150人以上の聴衆に向かって経済再生などを論じた後、
「もう1つ大事なことは治安の確保だ」
と地元の課題に話題を転じた。
「いわゆるクルド人問題」
「この機会だから申し上げるが、難民認定申請を繰り返し、10年も20年も川口にいる人たちが増えてしまった」
と、自身の選挙で初めてクルド人問題を明確に取り上げた。
新藤氏は自身の政策チラシにも
「クルド人問題の解決」
と明記。
この日の演説で、6月施行の改正入管難民法で難民申請中の強制送還停止が原則2回までに制限されたことについて
「法改正まで5年かかった」
と実績として触れ、
「ルールを守ってこその共生だ」
「川口をあやふやな出入り自由の街にはさせられない」
と声を張り上げた。
■なぜ外国人問題に触れるのか
一方、共産新人で元県議の奥田智子氏(55)は川口駅頭で第一声を上げたが、約13分間の演説で外国人問題に触れることはなかった。
演説後、奥田氏になぜ触れなかったか尋ねたところ、
「逆に聞くが、なぜ触れるのか」
「演説の内容は私が選べる」
「触れない理由は敢えて言わない」。
地元のクルド人問題への対応については
「国の政治が悪すぎる」
「それに尽きる」
と入管政策を批判した。
立民新人で歯科医師の松浦玄嗣(もとつぐ)氏(52)も川口駅前での出陣式では外国人問題について言及しなかったが、配布した政策チラシに
「外国人労働者の処遇に明確な法整備を求める」
と掲げた。
取材に応じた松浦氏は
「外国人を労働者としてなし崩し的に受け入れるから問題になる」
「川口で起きていることは10年後、20年後、必ず国全体の問題になる」
「外国人を移民として受け入れるのか、鎖国するのか、ロボットやAIに頼るのか、政治家は国民と議論しなければならない」
と語った。
■早く目に見える成果を
この他、埼玉2区には諸派新人で不動産会社社長の津村大作氏(50)が立候補。
7月の東京都知事選にも出馬した津村氏は今回、強制送還を拒む不法滞在者の入管施設への収容を一時的に解く
「仮放免制度」
の廃止を訴えている。
クルド人の危険運転などに困っているという地元の男性会社員は
「選挙で取り上げられるようになったのは一歩前進だが、市民の間ではまだまだ『政治家は何もしてくれない』との思いが強い」
「早く目に見える成果を挙げてほしい」
と話していた。
▽埼玉2区立候補者(届け出順)
奥田 智子55元県議 共新
高橋 英明61党県代表 維前
新藤 義孝66前経済再生相 自前
津村 大作50会社社長 諸新
松浦 玄嗣52医療法人役員 立新

政治とカネが最大の争点、有権者の声「選挙後の追加公認釈然としない」「企業献金禁止を」
2024/10/15 12:07
https://www.sankei.com/article/20241015-ULEGDW5RYVPYNDYFO3B7JOEKGI/?outputType=theme_election2024
自民の派閥パーティー収入不記載事件を受け、
「政治とカネ」
が最大の争点とされる今回の衆院選。
有権者はどのような論戦を望むのか。
京都市左京区の主婦(72)は不記載事件について
「50万円でも100万円でも脱税と言われても仕方がない」
と指摘。
自民は不記載があった候補を非公認としたり、比例代表への重複立候補を認めない措置をとったりしたが、
「選挙後に追加公認する可能性があることは釈然としない」
と述べた。
大阪市浪速区の無職の男性(71)は
「政治家は国民の税金から報酬や活動費を得ているのだから、企業献金は禁止すべきだ」
とした上で、
「約束を実行できる候補者や政党に票を投じたい」。
京都市左京区の自営業、久保元昭さん(78)は
「不記載事件については候補によって額がそれぞれ違っており、有権者の判断に委ねるべきだ」
と話した。
一方、政治とカネ以外の課題への対応に注目するという有権者も。
大阪市西成区の会社員、神野瑠璃さん(49)は
「外交・国防政策を重視している」
「台湾有事など安全保障環境が厳しい中、中国に対しきっちりとものを言ってくれる候補を選びたい」。
大阪市北区の主婦、糟谷千恵子さん(78)は
「大阪の経済対策をちゃんとやってほしい」
「物価高に関しては工夫をして何とかやっているが、大阪に必要なお金を国から持ってきてくれる候補かどうかを重視している」
と語った。
兵庫県尼崎市の阪神出屋敷駅前で候補者の街頭演説を聴いていた同市の無職、近橋保憲さん(66)も
「政治とカネの問題も大事だが、それ以上に私たちの生活を守るのが大事」
といい、
「物価抑制などの経済対策や雇用対策を有効に実行してほしい」
と訴えた。

第50回 衆議院選挙 きょう公示
2024年10月15日 5時03分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241015/k10014609431000.html
第50回衆議院選挙が15日に公示されます。
今回の選挙は、与党が過半数の議席を確保して連立政権を継続するのか、野党が勢力を伸ばして与党を過半数割れに追い込むのかが最大の焦点となります。
第50回衆議院選挙は15日に公示され、小選挙区と比例代表、合わせて465議席をめぐって争われます。
NHKのまとめによりますと、14日までに、
▽小選挙区で1108人
▽比例代表単独で230人
合わせて1338人が立候補を予定しています。
政党別では、小選挙区、比例代表の順で
▽自民党が266人と76人の合わせて342人。
▽立憲民主党が207人と30人の合わせて237人。
▽日本維新の会が163人と1人で合わせて164人。
▽公明党が11人と39人の合わせて50人。
▽共産党が213人と23人の合わせて236人。
▽国民民主党が41人と1人の合わせて42人。
▽れいわ新選組が19人と16人の合わせて35人。
▽社民党が10人と7人の合わせて17人。
▽参政党が85人と9人の合わせて94人。
▽みんなでつくる党が小選挙区のみで6人。
▽日本保守党が4人と26人の合わせて30人。
▽安楽死制度を考える会が比例代表のみで2人。
▽諸派と無所属が小選挙区で83人となっています。
今回の選挙は、与党が過半数の議席を確保して連立政権を継続するのか、野党が勢力を伸ばして与党を過半数割れに追い込むのかが、最大の焦点となります。
289ある小選挙区のうち、与党側は大半の選挙区で候補者を擁立し、野党側は各党が、それぞれ党勢拡大を目指して擁立作業を進めてきました。
12日間の選挙期間中、政治とカネの問題を受けた政治改革のあり方や、物価高対策をはじめとする経済政策、厳しい国際情勢に対応するための外交・安全保障政策などをめぐり、激しい論戦が交わされる見通しです。
立候補の受け付けは
▽小選挙区は、各都道府県の選挙管理委員会で
▽比例代表は、総務省にある中央選挙管理会で
いずれも、15日午前8時半から行われます。
■村上総務相 公示にあたり談話を発表
衆議院選挙の公示にあたって、村上総務大臣は
「選挙は、国民が主権者として政治に参加する最も重要かつ基本的な機会だ」
「有権者の皆様には、積極的に投票に参加し、みずから考え、判断することによって、代表者としてふさわしいと考える方を選出されるよう期待する」
「候補者や選挙運動関係者には、選挙のルールを順守し、国民の信頼と期待に応えられるよう希望してやまない」
「今回の選挙は、小選挙区の区割り改定が行われて以降、初めての衆議院選挙で、選挙の管理執行にあたる方々は、厳正かつ公正を旨として選挙の管理執行にあたるとともに、小選挙区の区割り改定内容の周知や有権者の投票参加を促す啓発に取り組んでいただくようお願い申し上げる」
という談話を発表しました。
■各党 声明など発表
衆議院選挙の公示にあたって、各党は声明などを発表しました。
自民党
日本をどのように守り抜くか、次の時代に向けてどんな社会を創っていくか、国民に選択をいただく重要な選挙だ。
政治の信頼なくして政策の推進はない。
厳しい反省と危機感の上に立ち、ルールの順守を徹底し、信頼回復に全力で取り組む。
今、求められているのは、確かな政策と実行力で政治を着実に前へと進めていくことだ。
皆様の納得と共感のもと『この国に生まれてよかった』と思っていただける国づくりを全身全霊で進めていく、
としています。
立憲民主党
自民党派閥の裏金事件を発端として、政治不信が極まっている中、石破総理は、能登半島を支援するための補正予算編成や、十分な国会での議論に応じることなく『裏金隠し解散』を強行した。
本気の政治改革を実現するため全党一丸となって選挙戦に臨む。
アベノミクスで広がった格差を是正し『分厚い中間層の復活』を実現する。
自公を過半数割れに追い込み、第一党となって政権交代を果たす覚悟だ、
としています。
日本維新の会
政治と金の問題で地に落ちてしまった政治への信頼を回復するため、政治改革を真に実行する候補者を選択する選挙だ。
既得権益としがらみを断ち切れない現政権に、古い政治を続けさせるわけにはいかない。
与党を過半数割れに追い込むことにより、この国のかたちを根本から変える力を与えていただくよう訴えていく、
としています。
公明党
日本経済の再生、少子高齢化対策などを強力に進め、成果を上げている自民・公明両党の連立政権を選ぶのか、政権の枠組みを示せない野党に政治のかじ取りを委ねるのか選択が問われる。
結党以来、政治腐敗と闘い実績を重ねてきた公明党が政権にいるからこそ、政治改革を前に進めることができる、
としています。
共産党
自民党政治は『表紙』を替えても政治の中身は変わらないことが明らかになっている。
国民の願いが通らないのは自民党の政治の根本に、財界・大企業の利益を優先し、日米軍事同盟を絶対視する『2つのゆがみ』があるからだ。
共産党がのびてこそ日本の政治は変えられる」としています。
国民民主党
国民のふところを豊かにする政治家を選ぶのか、自分のふところを豊かにしようとする政治家を選ぶのかが問われる選挙だ。
裏金問題に決着をつけることを訴え、国民の『手取りを増やす』経済政策を掲げて戦う。
真面目に働けば給料が上がる社会を取り戻そう、
としています。
れいわ新選組
『失われた30年』の原因は労働環境破壊と逆進性の強い消費税を不況下で何度も増税したことが大きい。
失われた30年と人間の尊厳を取り戻す。
消費税は廃止、社会保険料減免、現金給付が必要だ、
としています。
社民党
今回の選挙は『税金はくらしに!日本を立て直す選挙』であり、『自民党政治を終わりにする選挙』だ。
この衆院選はまさに平和憲法9条を守れるのかどうかの天王山の闘いだ、
としています。
参政党
『日本をなめるな!』このスローガンのもと、参政党は日本の再興に挑む。
守りだけでなく攻めの姿勢で本来自民党がやるべきだったことを、我々参政党が引き受ける、
としています。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/732.html#c22

[政治・選挙・NHK295] 高市早苗「自民裏金議員」応援行脚の狙い…永田町では「なぜわざわざ行くの?」と物議(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
24. 秘密のアッコちゃん[770] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月19日 12:15:05 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[335]
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石破政権「机上の空論」国家安全保障最前線
同盟国に不信感与えた石破首相の寄稿文 総裁選期間中に米シンクタンクで発表 問題点満載、疑われる安全保障への「机上の空論」
2024.10/16 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241016-BXVMWL2LKBPOBBWGYBDW4JAYBQ/
現在、国内外が混沌とした状況にある。
ロシアのウクライナ侵略が継続し、中東ではイスラエル・ハマス戦争が1年経過しても終結せず、イスラム原理主義組織ハマスのみならず、イランや親イラン民兵組織ヒズボラとの紛争に拡大している。
中国は
「台湾武力統一」
を放棄していない。
権威主義国の中国やロシアは、我が国の領空・領海を侵犯している。
まさに我々は激動の時代を生きている。
国内においては、岸田文雄政権から石破茂政権への交代があった。
3年間続いた岸田政権を批判する人は多いが、私は安全保障分野における同政権の功績を高く評価している。
国家安全保障戦略などの
「安全保障3文書の策定」
や、
「防衛費のGDP(国内総生産)比2%への増額」
への道筋をつけた、日米関係を最良の状態にしたことは特筆すべきことだ。
岸田政権を引き継いだ石破政権には、激動の時代における国家運営、特に安全保障分野のかじ取りを適切に行ってもらいたいと思う。
しかし、石破首相に不安を感じている。
石破首相が総裁選の期間中、米シンクタンク「ハドソン研究所」のホームページで発表した
「日本の外交政策の将来」
と題する寄稿文は問題点満載で、安全保障に関する見識が疑われる文書であるからだ。
この不用意に公開された寄稿文が、米国やアジアの諸国に石破首相に対する不信感を与えた。
「覆水盆に返らず」
とはまさにこのことだ。
石破寄稿文には、
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)の創設」
「対等な普通の国同士としての『日米安全保障条約の改定』『日米地位協定の改定』」「国家安全保障基本法の制定」
「米国のFEMA(連邦緊急事態管理庁)に準ずる防災省の設置」
「米国の核シェアや核の持ち込みの具体的な検討」
「自衛隊のグアム駐留」
などが提案されている。
これらは
「机上の空論」
だ。
例えば、対等な普通の国同士としての
「日米安全保障条約の改定」
「日米地位協定の改定」
「米国の核シェアや核の持ち込みの具体的な検討」
は、米国の反発を受けるだけだ。
国内外情勢が厳しい状況下において最優先の課題ではない。
ましてや、
「アジア版NATOの創設」
「米国のFEMA(連邦緊急事態管理庁)に準ずる防災省の設置」
「自衛隊のグアム駐留」
などは、まさに非現実的な議論だ。
幸いにも、石破首相は所信表明演説(4日)では、
「アジア版NATOの創設」
「日米地位協定の改定」
などには触れなかった。
これは賢明だった。
いずれにせよ、石破首相が優先すべきは憲法改正を行い、集団的自衛権の問題を完全に解決することだ。
この集中連載においては、激動の時代における
「現実論」

「机上の空論」
について記述したい。
■渡部悦和(わたなべ・よしかず)
元陸上自衛隊東部方面総監、元富士通システム統合研究所安全保障研究所長、元ハーバード大学アジアセンター・シニアフェロー。
1955年、愛媛県生まれ。
1978年東京大学卒業後、陸上自衛隊に入隊。
その後、外務省安全保障課出向、ドイツ連邦軍指揮幕僚大学留学、第28普通科連隊長(函館)、防衛研究所副所長、陸上幕僚監部装備部長、第2師団長、陸上幕僚副長を経て2011年に東部方面総監。
2013年退職。
著書・共著に『日本はすでに戦時下にある』(ワニブックス)、『宇宙安全保障』(育鵬社)、『台湾有事と日本の安全保障』(ワニブックスPLUS新書)など多数。

高橋洋一「日本の解き方」
自民と立民が「増税路線」で同調 歩調合わせ減税に否定的、震災後の悪夢が繰り返される 財務省には千載一遇の好機≠ゥ
2024.10/19 10:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241019-5WEPJDBKSRITPAO67CADSNHPIA/
金融所得課税の強化について、石破茂首相は自民党総裁選で取り上げた後で引っ込めたが、ここにきて立憲民主党の野田佳彦代表が
「25%への引き上げもあり得る」
と強調した。
野田氏は法人税も上げる余地があると述べたという。
衆院選のタイミングでこうした発言をした狙いはどこにあるのか。
石破政権はブレるので、金融所得課税については再びブレて
「課税強化」
を言いかねない。
はっきり言えば、消費税について、自民党と立憲民主党がシンクロしているのが気になる。
与野党党首は2024年10月13日のNHK番組で論戦した。
石破首相(自民党総裁)は、消費税率について
「引き下げることは考えていない」
「当面、上げることも考えていない」
とした。
減税はやらない方針だ。
立憲民主党の野田氏も消費税の減税に関し
「高額な所得者が額として一番恩恵を受ける」
と述べた。
一般的には、消費税は逆進性があるので、減税は低所得者層ほど有利になる。
だが、わざわざ額に言及して分かりにくくしているが、要は減税しないということだ。
他の野党党首は減税に言及しているのに、自民と立民は歩調を合わせて減税に否定的だ。
立民の新代表が決まった段階で危惧していたが、野田氏と言えば、民主党政権時代に消費増税という財務省の戦略にまんまと乗り、一部では
「使い勝手ヨシヒコさん」
とも揶揄されていたらしい。
石破首相も、財政緊縮と金融引き締めで有名だった人だ。
衆院選では自民党と公明党は苦戦が見込まれ、自民の過半数割れを予測する人も少なくない。
有権者の動向によっては自公で過半数割れもあり得る状況だ。
その場合、負け方にもよるが、自公と立民による
「大連立」
にならないとも限らない。
仮に
「台湾有事」
になると、大連立の大義名分ができる。
そうした話は東日本大震災の時にあった。
実際には大連立にはならなかったが、当時の野田首相と野党だった自民党の谷垣禎一総裁はともに増税志向だったので、復興増税と2度の消費増税というホップ・ステップ・ジャンプという財務省の野望が実現した。
財務省は、大連立にならなくても、この東日本大震災の後の増税路線の再来を狙っているのではないか。
歴史は繰り返すという。
増税したい財務省からみれば、自民と立民の両トップが増税志向だというのは千載一遇のチャンスだ。
しかも、立民の野田代表は、過去の消費増税の立役者なので、再び増税をやってくれそうだと期待してもおかしくない。
今回は野党なので、石破首相を誘導することも考えられる。
野田代表から金融所得課税25%や法人税増税を言い出したのも、そのための戦略ではないだろうか。
早速、石破首相は防衛増税を言い出した。
金融所得課税は金持ち優遇の是正、法人税増税は利益をため込んで吐き出さない企業へのペナルティーというキャッチフレーズだろう。
そこで増税に勢いをつけ、次には社会保障にかこつけて再び消費増税というシナリオを財務省は描いているのではないか。 
(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

高橋洋一「日本の解き方」
石破首相が掲げた「アジア版NATO」の非現実度 日米地位協定見直しも含め…まず同盟国助けられない「憲法9条の改正」が先決だ
2024.10/18 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241018-E3LN6EODCRPCLKCBOJZXV7BG2M/
石破茂首相は自民党総裁選の際に掲げた
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」
の構想について所信表明演説では触れなかった。
だが、党内に議論する新組織を設置するよう指示した。
アジア版NATOは日本の安全保障に資するのか。
現実味のある構想なのか。
石破首相は総裁選で、日米地位協定の見直しにも言及した。
アジア版NATO創設と日米地位協定見直しは、根っこのところで今の日米安保条約と密接に関係しており、更にその背景には憲法問題がある。
そこで、まずは日米安保条約の条文を振り返っておこう。
ポイントは第5条と第6条だ。
第5条では
「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する」
としている。
第6条では在日米軍の地位について
「別個の協定などに規律される」
としている。
第5条は
「日本国の施政の下にある領域における」
と書いてあるので、日本が攻められた時に発動するもので、米国が攻められた時ではない。
これが
「相互」
安全保障ではなく、
「片務的」
安全保障と言われる所以だ。
これを前提として日米地位協定がある。
一方、NATO条約では、第5条で
「締約国は、ヨーロッパ又は北アメリカにおける一又は二以上の締約国に対する武力攻撃を全締約国に対する攻撃と見做すことに同意する」
「従って、締約国は、そのような武力攻撃が行われた時は、各締約国が、国際連合憲章第51条の規定によって認められている個別的又は集団的自衛権を行使して、北大西洋地域の安全を回復し及び維持するためにその必要と認める行動(兵力の使用を含む)を個別的に及び他の締約国と共同して直ちに執ることにより、その攻撃を受けた締約国を援助することに同意する」
とされており、明らかに異なっている。
日米安保条約が
「片務的」
なのは、日本の憲法9条で交戦権を否定しているからだ。
つまり、同盟国が攻撃された時でも、助けるために交戦できないのだ。
要するに、憲法9条を改正しないと、日米安保条約すら
「相互的」
にできない。
ましてアジア版NATO創設や日米地位協定見直しには到底辿り着けないのだ。
逆にいえば、憲法9条を改正し、日米安保条約を
「相互的な」
ものに改定すれば、ほぼ自動的に日米地位協定も見直せる。
日米安保条約を
「相互的」
なものに改定すれば、その先の将来像としてアジア版NATOもあり得るだろう。
もっとも、アジア版NATOは米国とアジア諸国が安全保障をどのように考えるかに依存するので、日本だけが考えてもできるものではない。
こうしてみると、党内でアジア版NATOを議論しても、大した結論にはならないだろう。
他国に話をしても
「日本の憲法問題が先だ」
と言われ、現実的な政治課題にはならない。 
(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

高橋洋一「日本の解き方」
衆院選で防戦一方の自民党、石破政権の政策がブレて争点にできず「政治とカネ」問題が前面に…「岸田政権の劣化コピー」とも
2024.10/16 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241016-T3XVBMVR7NOKBOI3DWZBFHVBLQ/
衆院選が2024年10月15日に公示された。
「政治とカネ」
の問題が表に出ているが、他には何が争点になるだろうか。
本来は、外交・防衛や内政を議論すべきであるが、首相就任は今月2024年10月1日、解散は8日後の2024年10月9日、投開票は26日後の2024年10月27日といずれも戦後最短だ。
解散から投開票までの18日間も戦後2番目の短さだ。
選挙日程は、3年前の岸田文雄政権とほとんど同じだ。
石破茂政権は、首相と同様に長らく
「党内野党」
だった
「お友達」
を重要閣僚に据えたが、官房長官は岸田政権から横滑りで、副大臣と政務官はほぼ岸田政権の居抜きである。
こうしたことから政策もほとんど岸田政権を踏襲し、岸田政権の劣化コピーとも言われている。
2024年10月4日の所信表明演説では、総裁選の公約をほぼ全面的に撤回した。
その前に実施された世論調査で、内閣支持率は岸田政権の末期からは上昇したが、それでも政権発足直後では過去最低水準で、
「ご祝儀」
はなかった。
その後、石破政権の変節が明らかになると支持率は下がっているとの調査もあり、焦った石破政権は、焦点を裏金問題にすり替えた。
そこで、不記載だった12人を非公認とし、30人以上を比例重複なしとした。
この判断について
「世論に迎合した」
とも言われるが、この場合の世論というのは非自民層なので、これで自民党に支持が戻るわけではない。
この措置の結果、これまでは
「自民単独で過半数割れ」
が懸念されていたのが、
「自民と公明党の与党で過半数割れ」
も視野に入ってきているという。
そもそも検察の捜査で刑事処分がなされ、それを受けて党規約に基づき党として既に決定した処分について、新総裁が追加処分したというのは
「一事不再理」
の原則に反し不当だ。
「ルールを守る」
と強調する石破首相が自ら破っている。
また、選挙の争点を
「政治とカネ」
の問題に絞ることは、選挙戦術としてもまずい。
野党は
「処分は甘い」
と更に攻勢をかけてくるのは必至だ。
更に、これまで党内野党に対しては寛容だった週刊誌などのメディアも、閣僚のスキャンダルを出し始めた。
このため、ますます政策議論になりにくい状況だ。
実は、外交・防衛や内政を争点にするといっても、石破政権はブレブレでほとんど前言を撤回しているので話にならない。
「憲法7条による解散は違憲の疑い」
と言っていたが、解散してしまった。
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」

「北朝鮮との連絡事務所設置」
などは所信表明演説では姿を消し、
「原発ゼロ」

「選択的夫婦別姓導入」
も後退し、
「金融所得課税強化」
もなくなった。
「最低賃金1500円」
のように変えていないものもあるが、立憲民主党より左で、れいわ新選組並みの政策なので争点になりにくい。
能登の災害に対する措置を予備費か補正予算にするかについても、現実に
「補正予算なし」
なので、ここも争点になりにくい。
結果的に
「政治とカネ」

「スキャンダル」
が争点になれば、自民党は防戦一方だろう。
 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

「『政治とカネ』法律家の立場からは時間の無駄」今の日本に後ろ向きの議論する時間はない
弁護士・田中善信氏
2024/10/18 15:30
https://www.sankei.com/article/20241018-G7YZXJ7CXVLBHC7O5KKLPLPW2Q/?outputType=theme_election2024
27日投開票の衆院選について、弁護士で群馬「正論」懇話会会長の田中善信氏(81)は産経新聞のインタビューに応じ、
「『政治とカネ』の問題は大事なことだが、政治資金規正法をきちんと改正すれば済む話だ」
と指摘した。

今回選挙では、
「政治とカネ」
の問題が大きな争点とされていますが、法律家の立場から言わせて頂くと、東京地検が時間をかけて捜査した以上、更に時間を掛けても新事実が出ることはなく時間の無駄だと思う。
政治にとって最も重要なのは国民の安全と生活を守ることです。
日本周辺には中国、北朝鮮、ロシアという核を保有し核兵器の増産を続ける独裁的国家群がミサイルの矛先を日本に向けている。
備えるには、しっかりとした法制度と軍備を整える必要がある。
最大の法整備は憲法改正だ。
そのためにも与党を中心に改憲に必要な議員数を確保すべきで、選挙で最も問われるのはその点だと思います。
今の日本に後ろ向きの議論をしている時間はありません。
石破茂政権は、国民の声を聴くという姿勢を見せてはいますが、ポーズだけのように見えます。
大事なのは国民、とりわけ将来を担う若者や子供たちが希望を持てる国づくりです。
彼らが望むのは金銭的援助というより日本の明るい未来や希望ではないでしょうか。
その意味でも、党総裁選で多数の党員が支持した高市早苗・前経済安全保障担当相の政策や提言を取り入れることも大切だと思います。
その上で、石破首相には国民の安全と生活を守るための憲法改正に向け、先頭に立って頂きたい。
投票率の低下、長期低迷傾向も将来に対するビジョンを示せない政治家が多いからです。
自身の選挙の事ばかり考え、日本のためにという志をもった政治家が少なくなっていることが原因だと思います。
「政治とカネ」
の問題は大事なことですが、政治資金規正法をきちんと改正すれば済む話です。
近視眼的ではなく、もっと巨視的に日本の将来を考える政治家はいないものでしょうか。
真に将来を語れる政治家が出てくれば、投票率も自然と上がり、国民ももっと政治に関心を持つでしょう。
群馬県からは戦後、4人の首相が誕生している。
土壌はあるはずです。
■たなか・よしのぶ
群馬県富岡市出身。
昭和49年に弁護士登録。
群馬弁護士会に所属し民事、刑事から労働問題、破産や債券回収など幅広くカバー。
特に、警察が手を付けられない事件化以前の、いわゆる民事介入暴力の第1人者として数々の事案解決に尽力。
県警察署協議会会長や県警特別講師などを務め県警特別功労賞受賞。
令和3年12月から群馬「正論」懇話会会長。

自民党、過半数割れの可能性 立憲民主党、公示前より議席上積み 日本保守党、複数議席獲得へ 報道各社、衆院選序盤情勢調査
2024.10/17 11:31
https://www.zakzak.co.jp/article/20241017-WLKH5R2JLFMA3JBPQ2QASGGTBA/
第50回衆院選(27日投開票)について、報道各社の序盤情勢調査が出揃ってきた。
自民党は石破茂首相(総裁)の
「変節」
や、派閥裏金事件などが響き、定数465議席の過半数(233)に届かない可能性が出てきた。
単独過半数割れとなれば、2009年以来となる。
立憲民主党は公示前の98議席から議席を増やし、ベストセラー作家の百田尚樹氏が立ち上げた政治団体
「日本保守党」
は複数議席を獲得しそうだ。
共同通信によると、全289選挙区のうち、自民党(公示前256)がリードしているのは140程度で、接戦区が多い。
比例代表で前回選挙(20年)の72議席を下回るのは避けられない情勢だ。
公明党は公認候補を立てた計11選挙区の全勝は難しい情勢。
自民党との連立与党では過半数を維持する見込み。
立憲民主党は公示前の98議席を超える公算が大きい。
日本維新の会は大阪の小選挙区は堅調だが、比例の支持の広がりに欠け、公示前の43議席に手が届かない可能性がある。
共産党は公示前の10議席程度の獲得が見込まれる。国民民主党も公示前の7議席から上積みする勢い。れいわ新選組は比例で複数議席を確保できそうだ。
社民党は小選挙区の1議席死守が課題。
参政党は支持浸透が見られない。

与党過半数巡り攻防 不記載響き自民低調、立民勢い 衆院選序盤情勢
2024/10/17 5:00
https://www.sankei.com/article/20241017-AEBKGSGRPZMN7EBF43MGFUUFOI/?outputType=theme_election2024
27日投開票の第50回衆院選について共同通信社は15、16両日、全国の有権者15万6千人を対象に電話調査を実施し、取材を加味して公示直後の序盤情勢を探った。
自民党は派閥パーティー収入不記載事件が響き低調。
公明党も伸び悩む。
立憲民主党は議席増へ勢いを見せる。
定数465議席の過半数(233)を巡り、与野党の攻防が続いている。
小選挙区では投票先未定が3割近くおり、今後、情勢は変わる可能性がある。
全289選挙区のうち、自民(公示前勢力256)がリードしているのは140程度にとどまり、接戦区が多い。
比例代表で令和3年前回選の72議席を下回るのは避けられない情勢だ。
単独過半数を維持できるかどうか予断を許さない。
不記載事件に関係し、公認されなかった候補の大半は厳しい戦い。
重複立候補が認められなかった候補も半数近くが先行されている。
立民は公示前の98議席(比例含む)を超える公算が大きい。
無党派層でも支持が拡大しつつある。
前回選で39だった比例議席も増やしそうだ。
日本維新の会は地盤の大阪府の小選挙区で堅調。
だが全国的に比例の支持の広がりがいまひとつで、公示前の43議席に手が届かない可能性もある。
公明は公認候補を立てた計11選挙区の全勝は難しい情勢。
維新と争う大阪府の4小選挙区で苦戦が目立つ。
埼玉14区に出馬した石井啓一代表も激戦。
比例も伸びを欠いており、小選挙区と合わせた公示前の32議席を堅持できるか微妙だ。
共産党は小選挙区1議席を維持しそうだ。
比例次第で、公示前の10議席程度の獲得が見込まれる。
国民民主党も公示前の7議席から上積みする勢い。
れいわ新選組は比例で複数議席を確保できそうだ。
社民は小選挙区の1議席死守へ全力を挙げる。
参政党は支持浸透が見られない。
政治団体
「日本保守党」
は複数議席を得る可能性がある。

自公、全国で苦戦 「政治とカネ」国民から厳しい視線、立民躍進 衆院選序盤調査
2024/10/17 5:05
https://www.sankei.com/article/20241017-AEPDUY4J7VP3RG6G4WBNPM3FXY/?outputType=theme_election2024
15、16両日に共同通信社が実施した衆院選の序盤情勢調査では、自民、公明両党が全国で苦戦している状況が浮き彫りとなった。
「政治とカネ」
の問題を受け、自民は一部を非公認とするなどの対応を取ったが、国民からの厳しい視線は向けられたままだ。
一方、立憲民主党は躍進する見通しだが、主要野党との候補者一本化は限定的で、立民が目標に掲げる
「比較第一党」
には届かなそうだ。
■お詫びしながら臨む選挙
石破茂首相(自民総裁)は16日、香川県内でマイクを持ち、派閥パーティー収入不記載事件について
「こういうことが2度とないように、深く国民の皆さま方にお詫びをしながらこの選挙に臨んでいる」
と述べ、自公政権の継続を訴えた。
野党は不記載事件を巡って自民への批判を強めており、立民の野田佳彦代表は16日、新潟県内での演説会で
「裏金隠し解散だ」
「有権者がペナルティーを与えるしかない」
と主張した。
衆院選の勝敗ラインについて、首相と公明の石井啓一代表は、自公政権を維持するための最低条件となる両党での過半数(233議席)獲得と位置付ける。
自民の公示前勢力は256議席で、政権を奪還した平成24年の衆院選以降、4回連続で単独過半数を獲得してきた。
だが、自民の森山裕幹事長は14日の報道各社のインタビューで
「自民単独でどうするかということをまだ考える余裕はない」
と強調。
このまま低調な状況が続けば、自民が下野した平成21年衆院選以来の単独過半数割れの可能性も見えてくる。
自民は不記載事件に関係した旧安倍派幹部ら12人を非公認とし、30人以上の比例代表への重複立候補を認めない対応を取った。
国民の理解を得るために厳しい選択をした形だが、別の自民関係者は
「非公認で出馬となれば有権者の情が沸く可能性もあるが、党公認で立候補して比例重複だけ認めないというのは分かりにくい」
「理解を得られるだろうか」
と表情を曇らせた。
■野党は候補者調整進まず
一方、野党は不記載事件での自民批判で足並みをそろえるものの、候補者調整は進まなかった。
289の小選挙区のうち、立民、共産両党は142の小選挙区で競合。
与党公認候補と、立民、日本維新の会、共産、国民民主党の主要4野党のいずれかの公認候補が
「一騎打ち」
で争うのは、52の小選挙区にとどまる。
立民の野田氏は
「最低限の目標は自公の過半数割れ」
と息巻くが、共産は野田氏の保守的な路線に反発、候補者調整は多くの小選挙区で整わなかった。
野党乱立の構図となった今回の衆院選では、与党への批判票が分散しており、今後の情勢次第では野党の議席数の伸びの足枷となりかねない。

<主張>衆院選と経済 物価高克服への道筋競え 成長を展望できる具体論を
社説
2024/10/17 5:00
https://www.sankei.com/article/20241017-KHQMFV4RCBJKVHZLRWQHWPRCYI/
衆院選における与野党の論戦で、有権者が高い関心を寄せているのが経済政策である。
物価高にどう対処するのか。
賃上げの動きを確かなものにできるのか。
何よりも、日本経済は長期停滞を脱して将来への展望が開けるのか。
問われているのはそのための具体的な処方箋だ。
各党はこぞって給付金や減税などの聞こえのいい政策を並べているが、具体化への道筋や実現可能性を明確に示せなければ国民の納得は得られまい。
デフレ時代に戻らぬよう経済を底上げし、豊かさを実感できる持続的成長に繋げることが肝要だ。
各党には、バラマキに陥ることなく、中長期的に経済活力を高めるための効果的な戦略を競い合ってもらいたい。
■「デフレ脱却」を確実に
日本経済は今、歴史的な転換期にある。
食品などの幅広い品目で値上げが定着するだけでなく、賃上げの動きは中小企業にも広がりを見せつつある。
「物価も賃金も上がらない」
というデフレ下の社会通念は着実に変化してきた。
既に日銀は利上げに転じ、デフレ脱却を眼目とする異次元緩和路線の修正に踏み出した。
「金利のある世界」
の復活は超低金利下での国債大量発行に支えられた財政運営にも変革を促す。
そうした情勢も踏まえて各党の政策を見極めねばならない。
当面の経済政策で課題となるのは、物価高に伴う消費の弱さである。
8月の実質賃金は3カ月ぶりに減少し、物価高に賃上げが追いつかない状況は今も残る。
ここに効果的な手を打てずデフレからの完全脱却が遠のけば元も子もない。
これは各党に共通する認識だろう。
自民党は公約で、人や技術への積極投資で成長力を強め、その果実を国民に分配すると訴えた。
岸田文雄前政権の路線を踏襲するものだ。
石破茂首相が唱える
「コストカット型経済」
からの脱却もそうである。
だが、それで十分なのか。
衆院選後には経済対策やそれを裏付ける補正予算の編成が予定される。
自民は当面の物価高対策として低所得世帯向けの給付金を約束した。
石破首相は昨年を上回る大型補正予算を編成する意向も示した。
ならば自民が目指す経済対策の中身について、もっと多くを明示すべきだ。
そもそもデフレからの完全脱却をいつ達成できると想定しているのか。
そのため優先すべき政策は何か。
これらを明確に示すことが与党である自民、公明党に求められる責務だろう。
野党の公約で目立つのは消費税や所得税などの減税・撤廃や社会保険料の引き下げだ。
消費を促し経済成長に繋げる狙いがある。
消費税については日本維新の会や共産党、国民民主党などが減税を訴え、れいわ新選組は制度の廃止を求めている。
そこに現実味はあるのか。
■減税の必然性どこまで
物価高が深刻といっても、リーマン・ショックや新型コロナウイルス禍の時のような危機的状況ではない。
高齢化で社会保障費が膨らむ中で、安定財源の消費税に手を付ける必然性は吟味しなくてはなるまい。
国民民主は実質賃金が安定的にプラスになるまで税率を5%にするというが、これを元に戻すときには増税となり、景気を下押しする影響もあろう。
各党は減税の詳細をもっと語るべきだ。
具体的な道筋を示さなければ無責任である。
立憲民主党は現行の消費税の軽減税率に代えて中低所得者向けの
「給付付き税額控除」
を提案するが、制度の大幅変更を円滑に進められるのか。
納得できる説明を尽くすべきである。
「分厚い中間層の復活」
を掲げる立民の公約には、最低賃金引き上げや人への投資など自民と似通う部分もあるが、違いを浮き立たせたいのか、理解に苦しむ項目もみられる。
アベノミクスの象徴である
「2%」
の物価安定目標を
「0%超」
にすると打ち出したのもそうだ。
そもそも0%超は2%も含むので目標として曖昧すぎる。
2%に縛られない柔軟な金融政策を求めたいのだろうが、プラス圏でよしとする変更の結果、賃金の大幅増に向けた機運まで妨げられないか。
そうなれば脱デフレも見通せなくなろう。
与野党には、日本経済の生産性や国際競争力を高め、潜在成長率を向上させる成長戦略についても論じ合ってほしい。
デジタル化や規制緩和などの項目を羅列するだけではなく、優先順位を付けて確実に実行に移せるかどうかが問われよう。

40日抗争と首相の天命 
阿比留瑠比の極言御免
2024/10/17 1:00
https://www.sankei.com/article/20241017-4FNAJUF63FN4XK2F5S34QSTADI/?outputType=theme_election2024
「本当に40日抗争の再来があるんじゃないか」
衆院選公示当日の15日、永田町でこんな予想がささやかれていると聞いた。
選挙結果がどうなるのかはまだ分からないのだから、現時点ではあくまで一つの見立てにすぎないが、あり得る話だと妙に得心した。
40日抗争とは、45年前の昭和54年10月の衆院選での敗北と過半数割れをきっかけに、自民党主流派の大平派、田中派と反主流派の福田派、三木派、中曽根派などが40日間にわたり繰り広げた派閥間の争いのことである。
このとき、自民党は首相候補を一本化できず、大平正芳首相と福田赳男前首相の2人が首相指名選挙に出る異例の事態となった。
結局、首相には大平氏が再選されたものの組閣は難航し、抗争はさらに続いたのだった。
古い話のようだが、今回の衆院選では自民、公明両党の獲得議席が目標の過半数(233)に及ばない可能性も指摘されており、もしそうなれば衆院解散を急いだ石破茂首相の退陣を求める声が、自民内から噴き出すのは必至である。
過半数に届かない場合、日本維新の会、国民民主党、保守系無所属議員らの取り込みや、新たな連立の枠組み作りが喫緊の課題となる。
仮に与党で過半数は確保できても、自民が大きく議席を減らせばやはり石破首相の責任論に直結する。
麻生太郎内閣の農林水産相でありながら、麻生氏に身を引くよう要請したり、第1次安倍晋三内閣時の参院選で自民が大敗した際、安倍氏の責任を厳しく問うたりした自らの過去の言動が襲い掛かってくる。
また、石破首相が
「党内融和より国民の共感」
だと強調し、パーティー収入不記載事件を巡って福田派の流れをくむ旧安倍派を狙い撃つかのような二重処分を断行したことで、抗争の芽は十分に育っている。
党の判断に従って政治倫理審査会に出席しなかった議員まで、説明責任を果たしていないと決めつけて非公認にした首相のやり方は、党内に分断の種をたくさんばらまいている。
40日抗争は尾を引き、抗争翌年の昭和55年5月に野党が内閣不信任案を提出すると、自民の反主流派は衆院本会議を欠席し、不信任案は可決された。
これを受けて大平氏は衆院を解散(ハプニング解散)して初の衆参同日選に打って出たが、選挙中に心不全で急逝している。
■「天の声にもたまには変な声がある」
抗争に負けた福田氏は抗争前年の昭和53年には、現職の首相・総裁として本命視されていた自民党総裁選に敗れてこう述べた。
この場合、天の声とは党員・党友、つまり民の声のことである。
一方、安倍氏との一騎打ちとなった総裁選を控えた平成30年夏に香川県観音寺市で大平氏の墓参をした石破氏は、今回の総裁選前に出版した著書『保守政治家 わが政策、わが天命』の中でこう記している。
「もし私などが首相になるようなことがあるなら、それは自民党や日本国が大きく行き詰まった時なのではないか」
「しかも、それは天が決めること」
「天命が降りない限り、それはありえないということでしょう」
自らの首相就任は天命によるということか。
それでは、衆院選という民の声が直接反映される場面で、石破首相はどんな天の声、天命を知るだろうか。
まさか
「変な声」
「変命」
などと愚痴り出すことはないと思いたいが。

衆院解散 産経「外交・安保の政策論争を」 朝毎東 政治とカネで自民糾弾
社説検証
2024/10/16 9:00
https://www.sankei.com/article/20241016-VSS2FRVN6JPG5PKSB4GS7655UM/
衆院選が15日に公示された。
投開票日は27日だ。
石破茂内閣は1日に発足したばかりで、首相就任から8日後の解散、26日後の投開票は戦後最短である。
主要各紙は解散翌日の社説で、石破氏が予算委員会も開かずに解散を急いだことを
「丁寧な論議をしなかった」(産経)、
「有権者が判断する材料は不十分」(毎日)
などと、いずれも批判的に伝えた。
一方、
「政権選択の選挙」
である衆院選で、何が重視されるべきかについては見解が分かれた。
国民を守ることができる外交・安全保障政策の重要性を訴えた産経に対し、朝日、毎日、東京各紙は自民党の派閥パーティー収入不記載事件を巡る
「政治とカネ」
問題を挙げ、政治への信頼回復を重視した。
産経が指摘したのは、今回の衆院選が、日本を取り巻く安保環境が極めて厳しい中で行われるという現実だ。
政治とカネの問題が
「争点の1つになるのは当然だろう」
としつつも、解散当日の国会での党首討論で外交安保がほとんど語られなかったことを嘆き、各政党と候補者に
「日本を守り繁栄させる政策を大いに論じなければならない」
と強く促した。
特に政権交代を唱える立憲民主党に対しては、集団的自衛権の限定行使の容認を
「憲法違反」
とする立場であることを危惧し、このまま政権を取れば
「日米同盟は空洞化する」
と難じた。
読売も、政治とカネの問題で迷走する自民に苦言を呈しつつ、党首討論で立民などがこの問題の追及に大半の時間を費やしたことを疑問視し、
「日本が直面している課題はそれにとどまらないはずだ」
と強調した。
少子化対策や社会保障政策の必要性と共に、悪化した安保環境への対応を
「待ったなしの課題」
とし、議論を深めるよう呼び掛けた。
朝日、毎日、東京の社説は、安保環境の現実にはほとんど触れず、政治とカネの問題に紙幅を割いた。
毎日は、
「裏金問題は、不透明なカネを使って党勢を維持し、権力の座にあぐらをかく自民の実態を浮き彫りにした」
ととがめ、この問題に各党がどう向き合うかが
「今回の衆院選の最大の焦点」
と位置付けた。
東京も、今回の解散を
「裏金解散」
と呼び、裏金議員に
「職にとどまる資格があるのか否か」
「審判を下すのは私たち有権者だ」
と力説する。
石破首相が総裁選で訴えた政策の多くを棚上げしたことも批判し、
「自民党の『中身』が変わるかどうかを見極めねばなるまい」
とした。
朝日は、衆院選の争点を
「石破政権に対する審判」
だけでなく、
「岸田(文雄)前政権の3年間の実績への評価」、
更には
「7年8カ月に及んだ安倍(晋三)長期政権の総括」
に広げるべきだとする主張を展開した。
立民など野党に対しては
「どこまで国民の心を掴むことができるか」
「その真価が試される」
とし、
「自民への失望という『敵失』頼み」
でなく、
「信頼に足る政策を打ち出せる」
ことが重要と指摘した。
立民の野田佳彦代表は
「政権交代こそ、最大の政治改革だ」
と訴えている。
だが、もしも与党が過半数割れした場合、どんな政権ができるのか見えてこない。
産経は、新たな政権の枠組みを示さない立民を批判し、枠組みが曖昧なまま
「選挙区調整だけに走るとすれば、議会制民主主義の軽視となる」
と断じた。
逆に毎日は、個別政策で異なる部分があっても、野党は候補者を一本化し、
「裏金問題についての民意が投票結果に反映される構図を作り出すべき」
だと唱えた。
産経は、論争すべきテーマとして
「国の根幹に関わる憲法改正」
も挙げた。
国民の多くが自衛隊を認め、その活動に期待している。
にもかかわらず自衛隊は日本国憲法に明記されず、未だ多くの憲法学者が自衛隊違憲論を唱えている。
産経が指摘するよう、この
「異様な状態」
を早急に改めなければなるまい。
内外の情勢は混迷を極めている。
だからこそ各党、各候補者は、現実を踏まえ、将来を見据えた政策を訴えるべきだ。
■衆院解散をめぐる主な社説
【産経】
・日本守り抜く政策訴えよ/政権を託せるのはどの党か
【朝日】
・政治への信頼取り戻せるか
【毎日】
・自民政治のゆがみ問う時
【読売】
・与野党の力量が問われている/国難を乗り越える処方箋を示せ
【東京】
・「裏金」に審判を下そう(いずれも10日付)

<産経抄>後世に胸張れる選択を、衆院選の公示    
2024/10/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20241016-PX4FA2XQORLYPMAHTK6SAE6G3I/
選挙結果を国民の
「肖像」
に例えたのは、大正期に東京市長などを務めた後藤新平である。
どんな政党も、
「選挙という種板(写真の原板)に採影せられたる国民の写真である」。
写りの美醜に有権者も責任を負いなさい―と。
▼大正14(1925)年に日本で普通選挙法が公布されてから、間もない頃の発言という(『大正・昭和戦前期 政治・実業・文化 演説・講演集』日外アソシエーツ)。
それまでの納税要件が廃止になり、満25歳以上の男子が選挙権を手に入れた。
▼女性の選挙権は戦後まで待たねばならないものの、普選の幕開けから100年となる来年2025年は1つの節目だろう。
選挙権の行使について、後藤はこうも述べた。
「その醜い写真を修正し、後世、子孫に誇り得る立派な肖像を、我が憲政史上に残す用意と覚悟がなければならぬ」
と。
▼卓説からほぼ100年経った今も、政治不信をどう拭うかが大きなテーマであり続けているのは残念でならない。
さりとて先送りできない課題は他にも山積し、有権者の肩に食い込む荷は重い。
こちらは節目の第50回となる衆院選が公示された。
▼世界は緊迫の度合いを高めている。
台湾情勢の行方によっては、次の政権が
「有事」
に直面するかもしれない。
国家と国民を守る覚悟を持った政治家は誰か。
有権者の眼力が、これまで以上に問われる政権選択選挙になろう。
後世に恥じることのない肖像を残したいものである。
▼「票」
という字は、細かい火の粉が舞い上がる様を表している。
政党や候補者が論戦に火花を散らし、票を奪い合うなら大歓迎である。
少子化や社会保障などの課題も待ったなしだ。
有権者の胸にくすぶる不安と不満の火を、大事な1票に託す選挙でもある。

<主張>衆院選公示 日本の針路掲げて論戦を
社説
2024/10/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20241016-7IBUR7K47ZPCJOOKSB7FJKVUPM/
第50回衆院選が公示された。
石破茂首相が率いる自公連立政権の信を問う選挙である。
有権者はどの政党、候補者に日本を託すべきかを十分吟味し、一票を投じてもらいたい。
今回の衆院選は
「1票の格差」
を是正するため、小選挙区定数を
「10増10減」
するなど、25都道府県の140小選挙区で区割りが変わった。
有権者はよく候補者を確認し、訴えに耳を傾け、投票では間違いのないようにしたい。
日本を取り巻く安全保障環境は厳しい。
日本の独立と繁栄、国民の生命と暮らしがかかった政権選択選挙である。
有権者はこのことを自覚し、投票先を決めてほしい。
臨時国会では論戦の時間が短く、国民に十分な判断材料を提示したとは言い難い。
各党、各候補者は選挙戦で具体的な政策を示し、在るべき日本の針路を丁寧に論じねばならない。
「政治とカネ」
の問題が衆院選で問われている。
同時に国民を守り抜く外交安保政策に関し議論を深めるべきである。
首相は岸田文雄前首相の路線を継承する姿勢を示しているが、総裁選で掲げたアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想の検討を自民に指示した。
首相に曖昧さがあるのは否めない。
立憲民主党は日米同盟が基軸だと主張する一方で、集団的自衛権の限定行使は
「憲法違反」
との立場を崩さず、同盟強化に逆行している。
各党は防衛力の抜本強化と抑止力向上の具体策を競い合うべきだ。
少子化対策も重要な争点の1つだが、給付拡大の訴えが中心で、財源確保策について各党は余り語ろうとしていない。
これでは無責任である。
物価高に負けない持続的な賃上げによるデフレからの完全脱却の方策についても、議論を尽くすことが求められよう。
北朝鮮による拉致問題や国の根幹である憲法改正について、活発な論戦になっていないのは残念だ。
憲法改正で与野党論議を主導すべき首相は、自衛隊明記や緊急事態条項創設の意義について国民の理解を深めるべく、もっと説かねばならない。
安倍晋三元首相暗殺で要人警護の在り方が見直されてから初の大規模な国政選挙である。
暴力による言論封じは許されない。
警備に万全を期したい。

<主張>衆院選討論会 重要政策の論議を続けよ
社説
2024/10/13 5:00
https://www.sankei.com/article/20241013-SDOHJLP4KNKB3MKF2FXZ2JKJUY/
15日の衆院選公示を前に、日本記者クラブ主催の党首討論会が開かれた。
先の臨時国会では専ら
「政治とカネ」
の問題が取り上げられた。
今回の討論会では国内外の諸課題についても議論が展開され、有意義だった。
政治への信頼を回復する上で政治資金の問題は重要である。
同時に、実際の国政運営でどのような政策を遂行していくかを示すことは欠かせない。
有権者にとって投票の判断材料になるからだ。
ただし、理解に苦しむ場面もあった。
石破茂首相は解散前の国会論戦に関し
「有権者が判断する材料をきちんと提供しなければ無責任だ」
「私は一生懸命自分の言葉で答えた」
と語った。
予算委員会を見送ったにもかかわらず、首相の認識は世間の感覚からかけ離れている。
首相は立憲民主党の野田佳彦代表にウクライナへのロシア侵略を巡り、なぜ抑止が破綻したのか見解を質した。
これに対し、野田氏は東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議にバイデン米大統領が欠席したことを引き合いに出し、
「国際会議に米国を呼び込む外交努力はもっと大事だ」
と述べた。
抑止の破綻について正面から答えない無責任な態度だった。
立民が訴えている
「給付付き税額控除」
については、他党から過去との矛盾を指摘する声が上がった。
旧民主党の野田政権時に当時の安住淳財務相が、税額控除の申請が膨大な数に上ることが想定されるため
「難しい」
と語っていたためだ。
野田氏は整合性のある答えを示せなかった。
野党連携に関し
「対話を続ける」
と述べたが、衆院選後に想定する連立の枠組みを明らかにしなかったことはおかしい。
首相には安全保障政策で不明瞭な発言があった。
アジア版NATO(北大西洋条約機構)の構成国に中国を含むのかを問われ、
「一切の可能性を排除しない」
と述べた。
中国が構成国になり得る国に変化する場合には、アジア版NATOはそもそも要らないではないか。
憲法改正については国民民主党の玉木雄一郎代表が緊急事態条項の創設に関連し、大規模災害時などの国会機能維持について早期の改正を促したが、それ以上深まらず残念だった。

<主張>石破首相の初外遊 国際秩序の担い手となれ
社説
2024/10/12 5:00
https://www.sankei.com/article/20241012-YV3266KOENKKBGBAY5YZN6CNSM/
安全運転の外交デビューではいささか物足りない。
石破茂首相は自由で開かれたインド太平洋、国際秩序の担い手として首脳外交を積極的に展開していく必要がある。
石破首相が就任後初めて外遊した。
ラオスで東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の首脳会議に出席し、日中、日韓などの首脳会談を行った。
衆院解散後でもラオスへ足を運んだのは妥当だ。
バイデン米大統領の姿はなく、日本の首相も不参加なら李強首相が出席する中国の存在感が高まってしまう。
石破首相の外遊はそれを防ぎ、日本がASEANと連携する意思を示す意義があった。
ASEANと日中韓3カ国の首脳会議で石破首相は、中国を念頭に
「力や威圧による一方的な現状変更の試みを許容してはいけない」
と牽制した。
日中首脳会談では
「戦略的互恵関係の包括的推進」
で一致した。
李首相に対し、中国軍の動向への深刻な懸念を伝えた。
日本人男児刺殺事件や中国軍機の領空侵犯について説明を強く求めた。
中国が拘束する邦人の早期釈放や日本の排他的経済水域(EEZ)内の中国ブイの即時撤去、日本産水産物輸入の早期再開も促した。
台湾海峡の平和と安定の重要性を指摘した。
日韓首脳会談ではシャトル外交の継続や安保協力の推進などで一致した。
石破首相はラオスで、持論のアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想を封印した。
岸田文雄前首相の外交路線を踏襲した形で、日本の抱く懸念を李首相に直接伝えたこともあり、初外遊は無難に遂行したと見做されているようだ。
だが中国と戦略的互恵関係など築ける時代なのだろうか。
また、石破首相は自民党総裁選でアジア版NATOを不用意に掲げたため、ASEAN諸国から不安視される中でのスタートだった点を忘れてはならない。
マイナスからの出発で安全運転に徹しても存在感は示せない。
フィリピンのマルコス大統領はASEANと中国の首脳会議で南シナ海問題を巡り中国を直接批判した。
石破首相も日中の個別会談だけでなくASEAN首脳の前でも名指しで中国の問題行動を難じるべきだった。
ベトナム首相と会談したが、日越比の首脳会談を開く選択肢もあったのではないか。

<主張>政治とカネ 再発防止策も丁寧に語れ
社説
2024/10/11 5:00
https://www.sankei.com/article/20241011-DR2B2U63YFPI3ED6H4HTFQGRQA/
事実上始まった衆院選では
「政治とカネ」
を巡る問題が争点となっている。
自民党はパーティー収入不記載事件に関連し前議員らを非公認にしたり、比例代表への重複立候補を認めなかったりする方針だ。
野党は
「不十分だ」
と批判している。
野党との対決を前に、石破茂首相による党内の非主流派潰しの様相を呈しているとの指摘も出ている。
有権者の投票判断の材料にすべき課題は他にもある。
政治資金の透明性確保と事件の再発防止の具体策だ。
立憲民主党、日本維新の会、公明党、国民民主党などは、政党から国会議員に支出される使途の報告義務がない
「政策活動費」
の廃止を訴えている。
自民は公約に
「将来的な廃止も念頭に」
改革に取り組むと記した。
首相は今回の衆院選では
「使うことはある」
と語った。
立民が先の通常国会でパーティー禁止法案を提出しながら、同党幹部らが開催していたことを想起させるものだ。
党務を預かっていた茂木敏充前幹事長は自民総裁選で、廃止は可能と語っていた。
今の自民の姿勢は有権者から見て分かりにくい。
国会議員に支給される調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の使途公開は、衆院選後の国会で直ちに関連法を改正して実現すべきだ。
政治資金を監視する第三者機関の制度設計も急がれる。
立民、維新、共産党などが唱えている企業・団体献金の禁止には賛成できない。
企業や労働組合なども民主主義社会の構成員である以上、政治活動の自由は認められるべきだ。
一般国民からの個人献金が定着していない日本で企業・団体献金を禁止すれば、世襲ではない人や、業界団体、宗教団体などの背景を持たない人にとって選挙活動は極めて不利になる弊害も出てくる。
企業・団体の幹部が分散して、個人として献金する抜け穴を塞ぐことも難しい。
却って日本の議会制民主主義を後退させかねない。
一方、外国人・外国法人のパーティー券購入禁止の議論が低調なのは残念だ。
国政が外国勢力からの影響を受けるのを防ぐために禁止は欠かせない。
不記載事件の動機は今も分かっていない。
自民は明らかにする責任がある。

<主張>衆院解散 日本守り抜く政策訴えよ 政権を託せるのはどの党か
社説
2024/10/10 5:00
https://www.sankei.com/article/20241010-KWGTCTQYKVIWLBZR4XMFA2XQJM/
衆院が解散され、事実上の選挙戦が始まった。
解散は天皇陛下の国事行為である。
石破茂内閣は臨時閣議で
「15日公示、27日投開票」
の日程を決めた。
衆院選は3年ぶりだ。
新首相の就任から8日後の解散、26日後の投開票は戦後最短の決戦となる。
衆院選は政権選択選挙だ。
各政党と候補者は有権者の前で、日本を守り繁栄させる政策を大いに論じなければならない。
解散を前に国会で行われた党首討論で石破首相(自民党総裁)は、派閥パーティー収入不記載事件への対応を批判され防戦一方となった。
■安全保障をなぜ語らぬ
政治資金の透明性確保や不記載事件の再発防止を進め、政治への信頼を取り戻すことは重要だ。
政治とカネの問題が争点の1つになるのは当然だろう。
ただし、党首討論は衆院選を前に、日本の将来に向けた政策を競い合う場でもあるべきだった。
ところがそうならなかったのは、全閣僚出席の予算委員会を開いて丁寧な論議をしなかったことが響いている。
石破首相の所信表明演説後、代表質問と党首討論をしただけで解散したのは残念だった。
石破首相と自民は、不記載議員らの一部を対象に非公認の数を増やしたが、有権者が評価するかは不透明だ。
党首討論では外交安全保障がほとんど論じられなかった。
日本を取り巻く安全保障環境が極めて厳しい中で信じ難いことである。
習近平中国国家主席の共産党総書記の任期の関係から、台湾有事が令和9(2027)年までにあるかもしれないと危惧されていることを忘れたのか。
「台湾有事は日本有事」
と言われる。
今回の衆院選で選ばれる議員と彼らが指名する首相は、台湾有事を抑止するため働き抜かねばならない。
もし有事になれば、先頭に立って国家国民を守り抜く重責を担う。
有権者はそれに相応しい議員を選ばなければなるまい。
全ての政党と候補者は現下の国際情勢に対する認識と、今後起こり得る危機の抑止と対処の具体策を語るべきだ。
野党第一党の立憲民主党の安全保障に関する姿勢は、極めて危うい。
日米同盟の抑止力を格段に高めた集団的自衛権の限定行使の容認を
「憲法違反」
とする立場だからだ。
立民の衆院選公約は、限定行使を認める安保関連法について
「違憲部分を廃止する」
という従来方針を踏襲した。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古移設工事は
「中止」
すると明記した。
この政策のまま政権をとれば日米同盟は空洞化する。
旧民主党の鳩山由紀夫政権が同盟の危機を招いた二の舞いとなるだろう。
これも分からない立民の野田佳彦代表に果たして政権担当能力があるだろうか。
■立民は政権枠組み示せ
立民は、衆院選での与党過半数割れや政権交代の実現を叫んでいる。
にもかかわらず、この目標を達成した時の新たな政権の枠組みを示していないのはおかしい。
これでは有権者の判断材料が揃わない。
目指す政権の枠組みを曖昧にして選挙区調整だけに走るとすれば、議会制民主主義の軽視となる。
選挙戦で聞きたいテーマの1つが、国の根幹に関わる憲法改正だ。
日本国民の多数が自衛隊を認め、期待する時代になった。
ところが多くの憲法学者は自衛隊違憲論を唱えている。
このような異様な状態は改めたい。
憲法への自衛隊明記は改憲に前向きな各党で意見集約が進んでおり、是非早期に実現したい。
改正のゴールは
「戦力不保持」
を定めた第9条2項の削除と軍の規定の創設だ。
そうなって初めて世界の他の民主主義国と同様に国民を守る体制が整う。
首都直下地震、南海トラフの巨大地震などの大規模災害や有事への懸念が高まる中、緊急政令を含む緊急事態条項の創設も急務である。
各党が論じるべき政策課題は他にもある。
物価高に負けない持続的な賃上げによるデフレからの完全脱却、原発を含むエネルギーの在り方、少子高齢化を背景にした人口減少などだ。
国民受けする政策だけでなく
「痛み」
を伴う改革にも真摯に向き合わなければならない。
言行不一致は国民の不信を招く。
各党、各候補者は誠実に言葉を紡いでほしい。

<主張>代表質問 安全保障の論議不十分だ
社説
2024/10/9 5:00
https://www.sankei.com/article/20241009-N3ZCWLPEKJIFNBCCPHJ3MP7ZMA/
石破茂首相の所信表明演説への国会の代表質問が終わった。
政権選択選挙である衆院選を前にした国会である。
「政治とカネ」
を巡る問題が盛んに議論された。
その一方で、日本の独立と繁栄の基盤となる安全保障の論議が深まらなかったのは残念だ。
自民党議員は中国軍の領空侵犯や領海侵入、空母「遼寧」の接続水域航行、ロシア軍の領空侵犯を取り上げ、小野寺五典政調会長は
「国民の命と暮らし、領土・領海・領空を守り抜く」
ことを求めた。
日本維新の会の馬場伸幸代表は台湾有事について質した。
首相が最近の著書で
「『台湾有事、即日本有事』となる可能性は相当低い」
と指摘しているからだ。
馬場氏は
「対中抑止力や国民の国防意識を削ぐことになる」
と懸念を示した。
首相は
「仮定の質問に答えるのは差し控える」
とした上で
「台湾海峡の平和と安定は国際社会の安定にとっても重要だ」
と指摘した。
国防の決意と具体策をもっと語る必要がある。
物足りなかったのは野党第一党の立憲民主党である。
野田佳彦代表が首相のアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想に関し
「日米同盟の抑止力に疑念があると思われかねない」
「非現実的ではないか」
と疑問を呈したのは妥当である。
だが、立民として日本をどう守るつもりかを語らなかった。
対中認識を含む現下の国際情勢に対する見方も示さなかった。
田名部匡代参院幹事長はロシアに侵略されたウクライナで、なぜ抑止力が効かなかったのかを質した。
ウクライナ問題を論ずるのではなく、アジア版NATOを巡る首相の言行不一致を引き出したかっただけのようだ。
安保政策を十分語らずに政権交代を迫っても、説得力は感じられない。
憲法改正については自民、立民、維新などが質問した。
首相は緊急事態条項の創設や自衛隊明記について、自民内の議論を
「後戻りさせることなく、前に進めていく決意だ」
と語った。
同時に、任期中に国会への発議を実現したいとし、憲法審査会で議論を深めるよう求めた。
ただ、それだけでは足りない。
首相や憲法改正に前向きな政党は、どの項目をいつまでに条文化したいのかを明らかにすることも重要である。

<主張>中東の戦火拡大 なぜNSCを開かぬのか
社説
2024/10/3 5:00
https://www.sankei.com/article/20241003-4YRNMLACHBI6FNK2GDIOJIQ5N4/
石破茂首相に問いたい。
なぜ国家安全保障会議(NSC)を開催しないのか。
中東の戦火が拡大しているからである。
イスラエルがレバノンの首都ベイルートにある親イラン民兵組織ヒズボラの本部を空爆し指導者ナスララ師を殺害した。
ヒズボラの脅威を除こうとイスラエル軍はレバノン南部へ侵攻した。
ヒズボラの後ろ盾であるイランは報復と称しイスラエルに向けて大規模な弾道ミサイル攻撃を行った。
米英両軍などが協力して迎撃したが一部が着弾し、被害が出た。
イランの対イスラエル直接攻撃は4月以来だ。
どちらも中東有数の軍事大国だ。
双方に自制を求めたい。
ただし事態がエスカレートすれば
「第5次中東戦争」
になりかねない。
日本や世界のエネルギー供給にとっても、経済情勢にとっても、何より中東地域の邦人の安全にとっても、看過できない緊迫した状況である。
日本は一連の事態を遠い地域の出来事と見做すのではなく、自らの問題と捉え、対応しなければならない。
石破首相は2日、イランの弾道ミサイル攻撃を非難し
「全面戦争に拡大しないように(米国などと)連携を取りたい」
と述べた。
そうであるならば、石破首相は、NSCの4大臣会合などを開き、邦人保護や万一の際のエネルギー需給、イスラエル、イラン双方への働きかけについて協議すべきである。
国家安全保障局や外務省の幹部と面会したが、それだけでは足りない。
NSCを開催すれば、日本企業や現地の邦人に対応を促すシグナルにもなる。
石破首相が自民党総裁に当選した9月27日に、岸田文雄内閣の木原稔防衛相はレバノンからの邦人退避に備え、航空自衛隊のC2輸送機を近隣のヨルダンとギリシャへ派遣する命令を発した。
レバノンには約50人の邦人が滞在している。
政権末期でも邦人保護へ動いた岸田政権の対応は妥当だ。
退避では韓国との相互協力も進めたい。
ただし、レバノンからの邦人退避の備えは日本が為すべき対応の一部に過ぎない。
戦火が一気に拡大しかねない時代だ。
危機は政権交代の事情など勘案しない。
石破首相には内閣発足直後であろうと国民を守り抜いてほしい。

<主張>自民総裁に石破氏 保守の精神踏まえ前進を 外交安保政策の継承が重要だ
社説
2024/9/28 5:00
https://www.sankei.com/article/20240928-ZQWPFHRUFBPALP3NUGABOBDVAI/
自民党総裁選で、石破茂元幹事長が高市早苗経済安全保障担当相を決選投票で破り、新総裁に選出された。
10月1日召集の臨時国会で首相に指名され、宮中での認証式などを経て、石破内閣が発足する見通しだ。
石破氏は当選後、
「安全安心な国にするため全身全霊を尽くしたい」
と語った。
ほとんどの派閥が解散を決めたこともあって史上最多の9人が立候補し、激しい総裁選となった。
石破氏は1回目の投票で高市氏に次ぐ2位だった。
決選投票の票差は21票で、党内基盤は強いとは言えない。
■「挙党態勢」が問われる
政治とカネの問題で自民をみる有権者の目は依然として厳しい。
石破氏と自民は挙党態勢で国政運営に当たる必要がある。
党役員や閣僚の人事は適材適所の観点で、総裁選のライバル候補を含め起用すべきだ。
党所属国会議員は結束して新総裁を支えてもらいたい。
石破氏と自民に求めたいのは保守の精神を尊重、堅持することだ。
自民は党綱領で
「日本らしい日本の確立」
を謳い、自らを
「保守政党」
と位置付けている。
この基本線から外れるべきではない。
総裁選で論じられた選択的夫婦別姓の導入は見送るべきである。
石破氏は前向きな姿勢を示してきたが、保守政党が取り組む課題ではない。
家族や社会の根幹に関わる話だ。
片方の親と子の
「強制的親子別姓」
を意味し、戸籍制度も揺らぐ。
個人の自由の問題とは言えず、自民どころか社会の分断を招きかねない。
旧姓使用の充実で対応してもらいたい。
国家と国民を守り抜く外交安全保障は政治リーダーにとって最も重要な責務だ。
安倍晋三元首相は
「自由で開かれたインド太平洋」
構想を国際社会に示し、限定的ながら集団的自衛権の行使容認を実現した。
菅義偉前首相は米国と共に
「台湾海峡の平和と安定の重要性」
を打ち出した。
岸田文雄首相は5年間の防衛費43兆円、反撃能力の保有を決め、防衛力の抜本的強化を開始した。
石破氏は安倍氏以降の外交安全保障を確実に継承し、発展させなければならない。
中国やロシア、北朝鮮といった核武装した専制国家の脅威をどう捉えているかを語ってほしい。
ウクライナ支援の継続も重要だ。
心配なのは、石破氏がアジア版NATO(北大西洋条約機構)の具体化に意欲を示した点だ。
創設には憲法問題の解決や各国との比較的長期の交渉などに相当の年月と大きな政治エネルギーを要する。
数年先の発生も懸念される台湾有事の抑止を優先すべきではないか。
日米同盟の対処力と抑止力の強化も欠かせない。
■男系の皇統を守り抜け
北朝鮮による日本人拉致問題の解決も急がれる。
石破氏は
「東京と平壌に連絡事務所を開設して交渉の足掛かりとする」
と唱えてきた。
家族会は時間稼ぎに利用されるだけだと懸念している。
まず、家族会などと真剣に語り合ってほしい。
千年、二千年の視野で日本を守るため、安定的な皇位継承策を確立すべきである。
自民は、男系(父系)による継承を堅持する内容の岸田内閣の報告書に賛同する立場だ。
石破氏は総裁選でこの党の方針に従うと表明した点を強調しておきたい。
自民は来年、結党70年を迎える。
憲法改正は党是であり、改憲原案の条文化を臨時国会中に完成させるべきだ。
憲法への自衛隊明記は最優先だ。
首都直下地震などの大規模災害や日本有事への懸念が高まっている。
緊急政令を含む緊急事態条項創設も急務である。
自民総裁として与党公明党の説得にも努める必要がある。
日本が抱える課題は他にもある。
物価高を上回る持続的な賃上げを確実なものとし、デフレからの完全脱却を目指してもらいたい。
少子高齢化を背景にした人口減少への対策や社会保障制度改革も欠かせない。
政治とカネの対応は引き続き重要だ。
パーティー収入不記載事件の再発防止と政治資金の透明性確保を確実にしたい。
信頼を取り戻さなければ、政策は遂行できまい。
早期の衆院解散・総選挙が取り沙汰されている。
臨時国会では所信表明演説で国家観と政策の全体像を披露すると共に質疑にも応じ、国民に投票の判断材料を示すべきである。

川口クルド人問題、突如衆院選争点に浮上「私におまかせを」埼玉2区、全く触れない候補も
「移民」と日本人
2024/10/16 12:10
https://www.sankei.com/article/20241016-M2LPK63JJZLGHB5FX4XFJEJGOQ/?outputType=theme_election2024
27日投開票の衆院選埼玉2区は、トルコの少数民族クルド人と地域住民との軋轢が表面化している川口市の大部分が選挙区だ。
「地元国会議員が動いてくれない」
との指摘も出る中、今回の選挙では突如、争点に浮上。
公示日の15日、JR川口駅前では
「クルド人問題を解決する」
と公約する候補も現れた。
川口は外国人問題で有名になった
「ルール違反の外国人問題、おまかせください!」
日本維新の会前職の高橋英明氏(61)陣営の選挙カーから、運動員の女性がこう呼び掛けた。
前回は比例復活で初当選。
今年2月の衆院予算委ではクルド人を念頭に地元の外国人問題を取り上げ、当時の岸田文雄首相に対応を求めた。
選挙カーの上でマイクを握った高橋氏は経済再生などを訴えた後、クルド人らも混じる通行人に向かって
「この川口は外国人問題で全国的に有名になってしまった」
と切り出した。
「ルールを守らない外国人は一旦国に帰ってもらって、きちんとした在留資格で来てもらう」
「支援団体もそういうことを手助けすべきだ」
と指摘し、警察官の増員などを訴えた。
■この機会だから申し上げる
9選を目指す自民前職で前経済再生相の新藤義孝氏(66)は、選対本部長に奥ノ木信夫市長を迎え、駅前広場に自民、公明両党の県議や市議ら約25人を集めて出陣式。
150人以上の聴衆に向かって経済再生などを論じた後、
「もう1つ大事なことは治安の確保だ」
と地元の課題に話題を転じた。
「いわゆるクルド人問題」
「この機会だから申し上げるが、難民認定申請を繰り返し、10年も20年も川口にいる人たちが増えてしまった」
と、自身の選挙で初めてクルド人問題を明確に取り上げた。
新藤氏は自身の政策チラシにも
「クルド人問題の解決」
と明記。
この日の演説で、6月施行の改正入管難民法で難民申請中の強制送還停止が原則2回までに制限されたことについて
「法改正まで5年かかった」
と実績として触れ、
「ルールを守ってこその共生だ」
「川口をあやふやな出入り自由の街にはさせられない」
と声を張り上げた。
■なぜ外国人問題に触れるのか
一方、共産新人で元県議の奥田智子氏(55)は川口駅頭で第一声を上げたが、約13分間の演説で外国人問題に触れることはなかった。
演説後、奥田氏になぜ触れなかったか尋ねたところ、
「逆に聞くが、なぜ触れるのか」
「演説の内容は私が選べる」
「触れない理由は敢えて言わない」。
地元のクルド人問題への対応については
「国の政治が悪すぎる」
「それに尽きる」
と入管政策を批判した。
立民新人で歯科医師の松浦玄嗣(もとつぐ)氏(52)も川口駅前での出陣式では外国人問題について言及しなかったが、配布した政策チラシに
「外国人労働者の処遇に明確な法整備を求める」
と掲げた。
取材に応じた松浦氏は
「外国人を労働者としてなし崩し的に受け入れるから問題になる」
「川口で起きていることは10年後、20年後、必ず国全体の問題になる」
「外国人を移民として受け入れるのか、鎖国するのか、ロボットやAIに頼るのか、政治家は国民と議論しなければならない」
と語った。
■早く目に見える成果を
この他、埼玉2区には諸派新人で不動産会社社長の津村大作氏(50)が立候補。
7月の東京都知事選にも出馬した津村氏は今回、強制送還を拒む不法滞在者の入管施設への収容を一時的に解く
「仮放免制度」
の廃止を訴えている。
クルド人の危険運転などに困っているという地元の男性会社員は
「選挙で取り上げられるようになったのは一歩前進だが、市民の間ではまだまだ『政治家は何もしてくれない』との思いが強い」
「早く目に見える成果を挙げてほしい」
と話していた。
▽埼玉2区立候補者(届け出順)
奥田 智子55元県議 共新
高橋 英明61党県代表 維前
新藤 義孝66前経済再生相 自前
津村 大作50会社社長 諸新
松浦 玄嗣52医療法人役員 立新

政治とカネが最大の争点、有権者の声「選挙後の追加公認釈然としない」「企業献金禁止を」
2024/10/15 12:07
https://www.sankei.com/article/20241015-ULEGDW5RYVPYNDYFO3B7JOEKGI/?outputType=theme_election2024
自民の派閥パーティー収入不記載事件を受け、
「政治とカネ」
が最大の争点とされる今回の衆院選。
有権者はどのような論戦を望むのか。
京都市左京区の主婦(72)は不記載事件について
「50万円でも100万円でも脱税と言われても仕方がない」
と指摘。
自民は不記載があった候補を非公認としたり、比例代表への重複立候補を認めない措置をとったりしたが、
「選挙後に追加公認する可能性があることは釈然としない」
と述べた。
大阪市浪速区の無職の男性(71)は
「政治家は国民の税金から報酬や活動費を得ているのだから、企業献金は禁止すべきだ」
とした上で、
「約束を実行できる候補者や政党に票を投じたい」。
京都市左京区の自営業、久保元昭さん(78)は
「不記載事件については候補によって額がそれぞれ違っており、有権者の判断に委ねるべきだ」
と話した。
一方、政治とカネ以外の課題への対応に注目するという有権者も。
大阪市西成区の会社員、神野瑠璃さん(49)は
「外交・国防政策を重視している」
「台湾有事など安全保障環境が厳しい中、中国に対しきっちりとものを言ってくれる候補を選びたい」。
大阪市北区の主婦、糟谷千恵子さん(78)は
「大阪の経済対策をちゃんとやってほしい」
「物価高に関しては工夫をして何とかやっているが、大阪に必要なお金を国から持ってきてくれる候補かどうかを重視している」
と語った。
兵庫県尼崎市の阪神出屋敷駅前で候補者の街頭演説を聴いていた同市の無職、近橋保憲さん(66)も
「政治とカネの問題も大事だが、それ以上に私たちの生活を守るのが大事」
といい、
「物価抑制などの経済対策や雇用対策を有効に実行してほしい」
と訴えた。

第50回 衆議院選挙 きょう公示
2024年10月15日 5時03分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241015/k10014609431000.html
第50回衆議院選挙が15日に公示されます。
今回の選挙は、与党が過半数の議席を確保して連立政権を継続するのか、野党が勢力を伸ばして与党を過半数割れに追い込むのかが最大の焦点となります。
第50回衆議院選挙は15日に公示され、小選挙区と比例代表、合わせて465議席をめぐって争われます。
NHKのまとめによりますと、14日までに、
▽小選挙区で1108人
▽比例代表単独で230人
合わせて1338人が立候補を予定しています。
政党別では、小選挙区、比例代表の順で
▽自民党が266人と76人の合わせて342人。
▽立憲民主党が207人と30人の合わせて237人。
▽日本維新の会が163人と1人で合わせて164人。
▽公明党が11人と39人の合わせて50人。
▽共産党が213人と23人の合わせて236人。
▽国民民主党が41人と1人の合わせて42人。
▽れいわ新選組が19人と16人の合わせて35人。
▽社民党が10人と7人の合わせて17人。
▽参政党が85人と9人の合わせて94人。
▽みんなでつくる党が小選挙区のみで6人。
▽日本保守党が4人と26人の合わせて30人。
▽安楽死制度を考える会が比例代表のみで2人。
▽諸派と無所属が小選挙区で83人となっています。
今回の選挙は、与党が過半数の議席を確保して連立政権を継続するのか、野党が勢力を伸ばして与党を過半数割れに追い込むのかが、最大の焦点となります。
289ある小選挙区のうち、与党側は大半の選挙区で候補者を擁立し、野党側は各党が、それぞれ党勢拡大を目指して擁立作業を進めてきました。
12日間の選挙期間中、政治とカネの問題を受けた政治改革のあり方や、物価高対策をはじめとする経済政策、厳しい国際情勢に対応するための外交・安全保障政策などをめぐり、激しい論戦が交わされる見通しです。
立候補の受け付けは
▽小選挙区は、各都道府県の選挙管理委員会で
▽比例代表は、総務省にある中央選挙管理会で
いずれも、15日午前8時半から行われます。
■村上総務相 公示にあたり談話を発表
衆議院選挙の公示にあたって、村上総務大臣は
「選挙は、国民が主権者として政治に参加する最も重要かつ基本的な機会だ」
「有権者の皆様には、積極的に投票に参加し、みずから考え、判断することによって、代表者としてふさわしいと考える方を選出されるよう期待する」
「候補者や選挙運動関係者には、選挙のルールを順守し、国民の信頼と期待に応えられるよう希望してやまない」
「今回の選挙は、小選挙区の区割り改定が行われて以降、初めての衆議院選挙で、選挙の管理執行にあたる方々は、厳正かつ公正を旨として選挙の管理執行にあたるとともに、小選挙区の区割り改定内容の周知や有権者の投票参加を促す啓発に取り組んでいただくようお願い申し上げる」
という談話を発表しました。
■各党 声明など発表
衆議院選挙の公示にあたって、各党は声明などを発表しました。
自民党
日本をどのように守り抜くか、次の時代に向けてどんな社会を創っていくか、国民に選択をいただく重要な選挙だ。
政治の信頼なくして政策の推進はない。
厳しい反省と危機感の上に立ち、ルールの順守を徹底し、信頼回復に全力で取り組む。
今、求められているのは、確かな政策と実行力で政治を着実に前へと進めていくことだ。
皆様の納得と共感のもと『この国に生まれてよかった』と思っていただける国づくりを全身全霊で進めていく、
としています。
立憲民主党
自民党派閥の裏金事件を発端として、政治不信が極まっている中、石破総理は、能登半島を支援するための補正予算編成や、十分な国会での議論に応じることなく『裏金隠し解散』を強行した。
本気の政治改革を実現するため全党一丸となって選挙戦に臨む。
アベノミクスで広がった格差を是正し『分厚い中間層の復活』を実現する。
自公を過半数割れに追い込み、第一党となって政権交代を果たす覚悟だ、
としています。
日本維新の会
政治と金の問題で地に落ちてしまった政治への信頼を回復するため、政治改革を真に実行する候補者を選択する選挙だ。
既得権益としがらみを断ち切れない現政権に、古い政治を続けさせるわけにはいかない。
与党を過半数割れに追い込むことにより、この国のかたちを根本から変える力を与えていただくよう訴えていく、
としています。
公明党
日本経済の再生、少子高齢化対策などを強力に進め、成果を上げている自民・公明両党の連立政権を選ぶのか、政権の枠組みを示せない野党に政治のかじ取りを委ねるのか選択が問われる。
結党以来、政治腐敗と闘い実績を重ねてきた公明党が政権にいるからこそ、政治改革を前に進めることができる、
としています。
共産党
自民党政治は『表紙』を替えても政治の中身は変わらないことが明らかになっている。
国民の願いが通らないのは自民党の政治の根本に、財界・大企業の利益を優先し、日米軍事同盟を絶対視する『2つのゆがみ』があるからだ。
共産党がのびてこそ日本の政治は変えられる」としています。
国民民主党
国民のふところを豊かにする政治家を選ぶのか、自分のふところを豊かにしようとする政治家を選ぶのかが問われる選挙だ。
裏金問題に決着をつけることを訴え、国民の『手取りを増やす』経済政策を掲げて戦う。
真面目に働けば給料が上がる社会を取り戻そう、
としています。
れいわ新選組
『失われた30年』の原因は労働環境破壊と逆進性の強い消費税を不況下で何度も増税したことが大きい。
失われた30年と人間の尊厳を取り戻す。
消費税は廃止、社会保険料減免、現金給付が必要だ、
としています。
社民党
今回の選挙は『税金はくらしに!日本を立て直す選挙』であり、『自民党政治を終わりにする選挙』だ。
この衆院選はまさに平和憲法9条を守れるのかどうかの天王山の闘いだ、
としています。
参政党
『日本をなめるな!』このスローガンのもと、参政党は日本の再興に挑む。
守りだけでなく攻めの姿勢で本来自民党がやるべきだったことを、我々参政党が引き受ける、
としています。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/728.html#c24

[政治・選挙・NHK295] 各社の選挙予測の分析と今後 まだ二転三転、波乱がありそうだ(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
28. 秘密のアッコちゃん[771] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月20日 06:44:38 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[336]
<■64行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
<主張>原発で日本回復を目指せ 国民生活とAI立国のために
社説
2024/10/20 5:00
https://www.sankei.com/article/20241020-CLMDDPLQJVJXNAJTVGWX5MQGIE/
日本の政治は重要な忘れものをしていないか―。
衆院選の最中であるにもかかわらず、各政党や候補者からエネルギーに関する発言がほとんど聞こえてこないのだ。
ロシアによるウクライナ侵攻や中東での紛争激化に加え、中国の台湾威圧で地政学的な緊張が日々、高まりつつあるのにどうしたことか。
資源貧国で島国の日本は、国際紛争の余波を受けやすい。
国内電力の約7割を占める火力発電の燃料の大半は、輸入天然ガスと石炭に依存している。
タンカーの行く手が塞がれたり、迂回を余儀なくされたりすれば、日本はたちまち電力不足に陥る運命だ。
■安全保障力ある電源は
緊張含みの国際情勢に照らした場合、日本に最も頼りになる電力源は原子力発電だ。
原発は13カ月ごとに止めて定期検査をしているが、必要があれば2年以上の連続運転も可能である。
抜群の安定供給能力などで原子力は準国産エネルギーに位置付けられてきた。
電力の安定供給に最も役立つ原発なのだが、東日本大震災を機に当時の民主党政権によって全面停止に追い込まれた。
国内の原発再稼働は異様に遅い。
大震災前には54基の原発が存在したが、その後に21基が廃炉となった。
残った33基中、再稼働を果たした原発は12基に過ぎないのだ。
こうした減り方を目の当たりにすれば、再稼働の促進や新増設の必要性が痛感されるはずだが、肝心の自民党でさえ頼りない。
「原子力など脱炭素効果の高い電源を最大限活用」
すると公約しているが、目的は
「カーボンニュートラル(脱炭素)」

「エネルギー安全保障」
のためと記す。
順番が違わないか。
原発の必要性を明確に説いているのは唯一、国民民主党だ。
データセンターや半導体工場の増加による電力需要の大幅急増を見据えた上で
「原子力発電所の建て替え・新増設により、輸入に頼らない安価で安定的な電力を確保する」
としている。
立憲民主党は
「原発の新増設は認めない」
と宣言した。
今後4半世紀内に出来る限り早く
化石燃料にも原子力発電にも依存しないカーボンニュートラルを達成」
するという。
■規制委の是正も急務だ
有権者の多くは気付いていないかもしれないが、実は日本の原子力発電は、持続可能性が危ぶまれるほどの深刻な状況に直面している。
13年前2011年の東京電力・福島第1原子力発電所事故の煽りで、既存原発の21基が今も未稼働であることに加え、原発新増設の動きも止まったままだ。
このため原発の部品を供給する企業には廃業に至ったところも少なくない。
国内の原発メーカーである三菱重工業、日立製作所、東芝の3社でも新規プロジェクトが途絶えたことで高度な原発技術の世代間継承に支障を来しつつある。
原発を保有する電力10社でも再稼働を果たしたのは3社に過ぎず、実機での発電経験のない運転員が増しているのだ。
政府は目下、次の
「第7次エネルギー基本計画」
の案を練っている。
衆院選後の新政権には原子力活用に向けての采配を期待する。
現行の6次計画にある
「可能な限り原発依存度を低減する」
との記述などは
「低減」

「増大」
に改めたい。
耳当たりの良い再生可能エネルギーは安定性に欠け、メガソーラーは環境破壊と隣り合わせだ。
原子力発電への消極姿勢を改めなければ電力供給の不足と電気代の値上がりで、国民生活も産業も苦難の道を歩むことになる。
3年前2021年の6次計画策定時点に比べ、エネルギーを取り巻く諸環境は激変している。
国際紛争だけでなく、新産業革命を牽引する人工知能・生成AIの出現も加わった。
AIの開発や運用には膨大な電力需要の発生が予測されており、それへの対応には原発をおいて他にない。
新政権には、再稼働の安全審査に関わる原子力規制委員会の業務遅滞の解決が急務である。
国のエネルギー行政との整合性の回復には規制委設置法の改正も視野に入れるべきだろう。
石破茂首相は就任直後の所信表明演説で
「日本を守る」
など5つの
「守る」
を表明したが、その履行の基盤にはエネルギーが必要だ。
日本の地政学的現況を直視すれば主軸は自ずと原子力エネルギーに帰着する。
各党諸賢には根本原則として胸に刻んでもらいたい。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/733.html#c28
[政治・選挙・NHK295] 自民が東京・神奈川で大苦戦…下村元文科相、甘利元幹事長が落選危機、裏金前職は7人中6人が劣勢(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
34. 秘密のアッコちゃん[772] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月20日 07:29:53 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[337]
<▽35行くらい>
高市早苗氏、支持者の自民党離れを危惧 投票呼び掛けも「高市さん応援しても自民党には失望」の声が続く
2024/10/19(土) 18:06配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/d4c791f3987620eeb7a75e87e11b5683cc4b97d5
自民党の高市早苗前経済安全保障担当相が2024年10月19日、自身のX(旧ツイッター)を更新。
今回の衆院選(2024年10月27日投開票)に向け、総裁選で自身以外の候補者を応援した自民党公認候補者への投票をしないという声があるとして、同党への投票を呼び掛けたが、リプ欄には高市氏は支持しても現在の自民党は支持出来ないという声が相次いだ。
高市氏は
「なかなかニュースも含めてネット情報をチェックする余裕も無いスケジュールで全国遊説を続けていますが、昨日、辛い話を聞きました。」
と切り出し、
「先月2024年9月の自民党総裁選で私以外の候補者を応援しておられた自民党公認候補者に対して『投票しない』と仰る方が居られるという話が数件」
「困り果てた当該候補者の陣営から、私の秘書に連絡を頂いたそうです。」
と明かした。
その上で、高市氏は
「今、私達が戦っている衆議院選挙は、政権選択選挙です」
「私も含めて自民党の候補者達は、自民党への様々なご批判も全員で受け止めながら、これからも日本国の舵取りをお任せいただけるよう、1人でも多くの当選を目指して頑張っている最中です」
「議席を減らして野党になってしまうと、私が訴えてきた政策を議員立法で実現する事も困難になります」
と訴え、
「だから私は、昨日も、今日も、総裁選で他陣営に居られた候補者の応援にも伺っていますし、皆様にも是非とも応援をして頂きたいと願っています」
「どうか宜しくお願い申し上げます」
と呼び掛けた。
高市氏の投稿に対し、フォロワーからは
「高市さんは応援するが自民党には失望した人が多いと思います」
「残念ながら、今の石破政権には信用がない」
「自民党への失望と憤りを持ち続けている自民党員もたくさんおられると感じております」
「自民党に票が集まれば、『有権者の支持を得た』と更に私が望まぬ方向に進む気がしてなりません」
「石破政権を保守政権と認めないのも1つの立派な判断です」
などといった意見が続いた。
(よろず〜ニュース編集部)

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/736.html#c34
[政治・選挙・NHK295] 衆院選・福井1区の戦い ネット保守は裏切り者を許さない 古谷経衡 猫と保守と憂国(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
17. 秘密のアッコちゃん[773] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月20日 10:18:50 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[338]
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石破政権「机上の空論」国家安全保障最前線
日米同盟を「対等な同盟に」石破首相の空想 決定的に違う「核を保有しているか否か」…日本の限界は大きく まず憲法改正を
2024.10/19 15:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241019-N7P52NS64BJN3N45FTJCM7UJSI/
石破茂首相は
「日米の対等な同盟」
を主張していて、米シンクタンク
「ハドソン研究所」
のホームページで発表した寄稿文
「日本の外交政策の将来」
に、まず
「米英同盟なみに日米同盟を強化する」
として以下のように書いている。
「石破政権では 戦後政治の総決算として米英同盟なみの『対等な国』として日米同盟を強化(する)」
「アーミテージ・ナイ・レポートはかつて米英同盟の『特別な関係』を同盟のモデルとして、日米は『対等なパートナー』となることを提案した」
「今、それが可能となり、米国と肩をならべて自由主義陣営の共同防衛ができる状況となり、日米安全保障条約を『普通の国』同士の条約に改定する条件は整った」
石破首相は、日米の関係がかつては対等ではなかったが、今や対等になり
「自由主義陣営の共同防衛ができる状況となった」
と言いたいのであろうが、それは空想でしかない。
日米関係は決して対等ではない。
決定的に違うのは
「核を保有しているか否か」
だ。
非核国家でなおかつ完全な集団的自衛権を有していない日本の限界は大きく、石破首相が主張する
「米国と肩をならべて自由主義陣営の共同防衛ができる状況になった」
とは言えないのである。
石破首相は寄稿文で、日米安保条約は
「非対称双務条約」
であり改定すべきだとも指摘している。
「アメリカは日本『防衛』の義務を負い、日本はアメリカに『基地提供』の義務を負うのが現在の日米安全保障条約の仕組みとなっているが、この『非対称双務条約』を改める時は熟した」
「日米安全保障条約と地位協定の改定を行い自衛隊をグアムに駐留させ日米の抑止力強化を目指すことも考えられる」
「そうなれば、『在グアム自衛隊』の地位協定を在日米軍のものと同じものにすることも考えられる」
「更に、在日米軍基地の共同管理の幅を広げていくなどすれば在日米軍の負担軽減ともなろう」
日米安保条約は通常、
「非対称双務条約」
ではなく片務条約と呼ばれている。
米国は日本防衛の義務を負うが、日本は米国防衛の義務を負わないからだ。
この片務性は日本にとってある意味で都合の良いものである。
石破首相のように、地位協定の改定やグアムへの自衛隊駐留、在日米軍基地の共同管理を主張するのであれば、米側が
「片務性こそ問題であり、日本も米国防衛の義務を負いなさい」
と反論してくるのは火を見るより明らかだ。
そこまでの危険を冒してまで地位協定の改定やグアムへの自衛隊駐留を主張すべきではない。
もしも日本が米国と対等な国として米英同盟並みに日米同盟を強化したいのであれば、日本には集団的自衛権の行使が求められる。
つまり、憲法を改正して集団的自衛権の行使が可能な普通の国家になる必要がある。
しかし、石破首相のハドソン寄稿文には憲法改正の記述がない。
まずは憲法改正から始めなければいけない。
■渡部悦和(わたなべ・よしかず)
元陸上自衛隊東部方面総監、元富士通システム統合研究所安全保障研究所長、元ハーバード大学アジアセンター・シニアフェロー。
1955年、愛媛県生まれ。
1978年東京大学卒業後、陸上自衛隊に入隊。
その後、外務省安全保障課出向、ドイツ連邦軍指揮幕僚大学留学、第28普通科連隊長(函館)、防衛研究所副所長、陸上幕僚監部装備部長、第2師団長、陸上幕僚副長を経て2011年に東部方面総監。
2013年退職。
著書・共著に『日本はすでに戦時下にある』(ワニブックス)、『宇宙安全保障』(育鵬社)、『台湾有事と日本の安全保障』(ワニブックスPLUS新書)など多数。

石破政権「机上の空論」国家安全保障最前線
同盟国に不信感与えた石破首相の寄稿文 総裁選期間中に米シンクタンクで発表 問題点満載、疑われる安全保障への「机上の空論」
2024.10/16 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241016-BXVMWL2LKBPOBBWGYBDW4JAYBQ/
現在、国内外が混沌とした状況にある。
ロシアのウクライナ侵略が継続し、中東ではイスラエル・ハマス戦争が1年経過しても終結せず、イスラム原理主義組織ハマスのみならず、イランや親イラン民兵組織ヒズボラとの紛争に拡大している。
中国は
「台湾武力統一」
を放棄していない。
権威主義国の中国やロシアは、我が国の領空・領海を侵犯している。
まさに我々は激動の時代を生きている。
国内においては、岸田文雄政権から石破茂政権への交代があった。
3年間続いた岸田政権を批判する人は多いが、私は安全保障分野における同政権の功績を高く評価している。
国家安全保障戦略などの
「安全保障3文書の策定」
や、
「防衛費のGDP(国内総生産)比2%への増額」
への道筋をつけた、日米関係を最良の状態にしたことは特筆すべきことだ。
岸田政権を引き継いだ石破政権には、激動の時代における国家運営、特に安全保障分野のかじ取りを適切に行ってもらいたいと思う。
しかし、石破首相に不安を感じている。
石破首相が総裁選の期間中、米シンクタンク「ハドソン研究所」のホームページで発表した
「日本の外交政策の将来」
と題する寄稿文は問題点満載で、安全保障に関する見識が疑われる文書であるからだ。
この不用意に公開された寄稿文が、米国やアジアの諸国に石破首相に対する不信感を与えた。
「覆水盆に返らず」
とはまさにこのことだ。
石破寄稿文には、
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)の創設」
「対等な普通の国同士としての『日米安全保障条約の改定』『日米地位協定の改定』」「国家安全保障基本法の制定」
「米国のFEMA(連邦緊急事態管理庁)に準ずる防災省の設置」
「米国の核シェアや核の持ち込みの具体的な検討」
「自衛隊のグアム駐留」
などが提案されている。
これらは
「机上の空論」
だ。
例えば、対等な普通の国同士としての
「日米安全保障条約の改定」
「日米地位協定の改定」
「米国の核シェアや核の持ち込みの具体的な検討」
は、米国の反発を受けるだけだ。
国内外情勢が厳しい状況下において最優先の課題ではない。
ましてや、
「アジア版NATOの創設」
「米国のFEMA(連邦緊急事態管理庁)に準ずる防災省の設置」
「自衛隊のグアム駐留」
などは、まさに非現実的な議論だ。
幸いにも、石破首相は所信表明演説(4日)では、
「アジア版NATOの創設」
「日米地位協定の改定」
などには触れなかった。
これは賢明だった。
いずれにせよ、石破首相が優先すべきは憲法改正を行い、集団的自衛権の問題を完全に解決することだ。
この集中連載においては、激動の時代における
「現実論」

「机上の空論」
について記述したい。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/734.html#c17

[戦争b25] 追い詰められたウクライナ大統領は西側を核戦争で脅した(櫻井ジャーナル) 赤かぶ
7. 秘密のアッコちゃん[774] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月20日 10:29:31 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[339]
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北朝鮮、制裁監視に反発 新組織「多国間制裁監視チーム」発足は「主権侵害」
2024/10/20 9:54
https://www.sankei.com/article/20241020-4N2RMLAND5M5ZBK4DH2CZVFGWY/
北朝鮮メディアは2024年10月20日、同国に対する国連安全保障理事会の制裁の履行状況を監視する新組織
「多国間制裁監視チーム(MSMT)」
を日米韓など11カ国が発足させたことに関し、崔善姫外相が
「主権侵害行為だ」
と談話で反発したと伝えた。
参加する11カ国を全て名指しし
「必ず代償を払うことになる」
と警告した。
新組織は、制裁監視の役割を担ってきた安保理の専門家パネルがロシアの拒否権行使により2024年4月末に活動停止となったことを受け、安保理とは別の枠組みとして日米韓の主導で発足した。
崔氏は、新組織は
「非合法で、存在自体が国連憲章の否定になる」
と主張。
こうした敵対行為は反米勢力の結集に繋がると強調した。(共同)

<正論>金正恩総書記を放置してよいか
龍谷大学教授・李相哲
2024/10/3 8:00
https://www.sankei.com/article/20241003-SI5I3U33UFIV3KBHG4D3KMTYHQ/
北朝鮮は9月、核弾頭に使われる高濃縮ウラニウム(HEU)製造施設を公開した。
国際社会の目を盗んで造り、ひたすら隠してきた施設だ。
視察に訪れた金正恩総書記は
「ここを見るだけでも力が湧いてくる」
と言ったとされる。
26日付AP通信によれば、国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は
「国際社会は北朝鮮が核を保有しているという事実を認めるべきだ」
と発言した。
そんな中、日本は
「断じて容認できない」
と糾弾はしたものの
「警戒・監視に全力をあげる」(林芳正官房長官)
にとどまる。
今、金正恩氏は完全に野放し状態にいる。
■高い代償を払うことに
韓国メディアによれば、2024年7月、北朝鮮は韓国ドラマを見た中学生30人余りを公開処刑した。
韓国の民間団体が風船にぶら下げて北に送ったUSBを拾い、中の映像を見た罪だ。
北朝鮮の人権状況が如何に劣悪かという証言や報告は枚挙に暇がない。
金氏が人倫に悖(もと)ることをやっていても国際社会は有効な手を打てない。
外交の中心に
「人権」
があると公言したバイデン米政権も、拉致問題解決を最優先課題に挙げる日本政府も手をこまねいている。
野放しにしていれば、国際社会はいつか高い代償を払うことになる。
日本も例外ではない。
核問題では、北朝鮮の核施設を直接見たことのある米国の核専門家、ジークフリード・ヘッカー博士によれば
「2003年1月、北朝鮮が核拡散防止条約(NPT)を脱退する時は核兵器を保有していなかった」
という。
米ランド研究所の報告書や韓国当局によれば、北は毎年数百キロのHEUを抽出できる能力を持ち、2027年までに核兵器151〜242基を保有、朝鮮半島有事の際には78発の核を使用する可能性がある。
■北朝鮮政策では一貫性必要
ヘッカー博士は、こうなったのは
「米韓の政策に一貫性がなかったから」
という。
1994年、米国が北朝鮮の核施設を叩きつぶす構えを見せた時、韓国の金泳三政権は、攻撃するとしても我々の領空を使わせない、断固それを阻止するとして、攻撃を思いとどまらせた(金泳三回顧録)。
左派政権に至っては、北朝鮮の核を容認するかのような姿勢をとった。
盧武鉉大統領は2004年11月に
「北朝鮮の核とミサイルは自衛手段という主張は一理ある」
と主張した。
文在寅大統領はトランプ米大統領に
「北朝鮮が核を開発するのは防衛が目的」
と擁護する姿勢をとった(マクマスター元米大統領補佐官回顧録)。
今や国際社会はトランプ米政権初期に唱えていた北朝鮮の核を
「完全かつ検証可能で後戻りできない(CVID)状態にする」
という政策を口にしなくなった。
北朝鮮が核保有と核の先制使用を
「法制化」
したにもかかわらず、抑制する有効な手を打っていない。
北朝鮮の経済力や技術レベルからして金氏の核は、村をうろつく不良少年のナイフ程度にしか見えないかもしれないが、いつかは腕力をつけた悪漢のものとなるだろう。
その時、一番困るのは隣近所の韓国と日本だ。
また、日本の100分の1の経済力すらもたない北朝鮮に日本が無条件の対話を呼び掛けるのも、北朝鮮の誠意のない言葉にも丁寧に答え、金政権の反応に一喜一憂するのも、拉致問題解決を急ぐからだろう。
その足元を見て北朝鮮は高慢に振る舞っている。
一方で金氏は世界中の高級品を買い漁り、王侯貴族顔負けの生活を続けている。
この夏は自家用の大型ヨットを別荘近辺の海に浮かべ、バカンスを楽しんでいることも衛星で確認された。
その裏で拉致被害者たちは怯えながら救出を待っていると思えば、怒りが込み上げてくる。
それでも放置するのか。
■「核保有3原則」宣言しては
では、どうすればよいのか。
核問題が一向に解決しない理由も拉致問題が解決しない理由も、我々は分かっているのではないか。
核問題では、ロシアや中国が目を瞑るだけでなく幇助をしているからであり、拉致問題では、金氏は解決しなくても困ることはないからだ。
問題の根源が分かれば処方箋があるはずではないか。
まず、核問題では中国やロシアを本気にさせ、北朝鮮の核を放棄させることだ。
そのために日本は
「非核3原則」
を修正、
「核保有3原則」
を宣言してはどうか。
北朝鮮が保有している数だけ核を保有、核は核を抑制するための手段で先制使用せず、北朝鮮が非核化すれば日本も核は捨てるという公約だ。
日本でこのような議論や機運が高まれば、中国やロシアは重い腰をあげ、本気で北朝鮮非核化に取り組むのではないか。
そして拉致問題では、金氏に対し、拉致被害者を解放しなければ実力行使もあり得る、今の生活だけでなく、命も保証できないというシグナルを送る必要がある。
日本はそのような覚悟と本気度を見せる必要があるだろう。

北朝鮮が砲撃準備態勢を指示 無人機侵入主張で南北が非難の応酬、緊張激化
2024/10/13 23:52
https://www.sankei.com/article/20241013-IPAR2MCXH5NLZAOANNWEKK5MCM/
北朝鮮が韓国の無人機による平壌上空への領空侵犯を主張している問題を受け、北朝鮮国防省報道官は13日夜、朝鮮人民軍総参謀部が韓国との
「国境」
付近の砲兵部隊に砲撃準備態勢を整えるよう指示したと発表した。
朝鮮中央通信が伝えた。
北朝鮮は韓国の無人機が今月、3回に渡り平壌上空に飛来し、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の体制を批判するビラをまいたと主張している。
金正恩氏の妹、金与正(キム・ヨジョン)党副部長が12日夜、次に発見した場合は即座に
「惨事が起きる」
として軍事的な報復措置を警告していた。
この警告に対し、韓国国防省は13日、韓国国民の安全に危害を加えれば
「北朝鮮の政権が終末を迎えると警告する」
との声明を発表。
南北が過激なトーンでの非難の応酬を続け、軍事的緊張が一段と高まっている。
北朝鮮国防省の発表によると、指示には完全武装した砲兵8個旅団が13日夜までに砲撃待機態勢に移るとの内容が含まれている。
平壌では、無人機に対する監視所が増強されたとも伝えられた。
韓国軍は、韓国側が無人機を飛ばしたかどうかの事実関係は
「確認できない」
としている。
韓国の民間団体が飛ばした可能性があるものの、北朝鮮による自作自演を指摘する見方もある。

北朝鮮国防省 “韓国の無人機侵入に備え 態勢取るよう指示”
2024年10月14日 6時00分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241014/k10014609201000.html
北朝鮮国防省は、韓国が首都ピョンヤン上空に無人機を飛ばしてビラをまいたと改めて主張し、南北の境界線近くの部隊に対し、再び無人機が侵入した場合に備え態勢を取るよう指示したと発表しました。
北朝鮮国防省は、国営の朝鮮中央通信を通じ、13日夜、韓国が今月、ピョンヤン中心部の上空に無人機を飛ばしてビラをまいたと改めて主張し、朝鮮人民軍の総参謀部が、南北の境界線付近の砲兵部隊に、再び無人機が侵入した場合に備え態勢を取るよう12日、指示を出したと発表しました。
そのうえで、完全武装の8つの砲兵部隊を13日午後8時までに
「射撃待機態勢」
に移行させた他、ピョンヤンの対空監視を強化したとしています。
また、キム・ジョンウン(金正恩)総書記の妹、キム・ヨジョン(金与正)氏も13日夜、談話を発表し、
「他国の領空を侵犯する挑発行為の再発を早急に防止しなければならない」
と強調しました。
一方、韓国が無人機を飛ばしたとする北朝鮮の主張に対し、韓国軍は
「事実の有無を確認できない」
とした上で、北朝鮮側に自制を求めると共に国民の安全を脅かした場合、報復すると牽制していました。
更に北朝鮮の思惑について、韓国政府の高官は13日出演したテレビ番組で、韓国側への揺さぶりや、北朝鮮内部の統制強化に利用しているとの見方を示していました。

http://www.asyura2.com/23/warb25/msg/782.html#c7

[政治・選挙・NHK295] 自民が東京・神奈川で大苦戦…下村元文科相、甘利元幹事長が落選危機、裏金前職は7人中6人が劣勢(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
42. 秘密のアッコちゃん[775] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月20日 15:32:09 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[340]
<■1287行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
処理水問題で中国と対峙、高市早苗氏に台湾から期待の声 衆院選「裏金」で騒ぐだけでいいのか 元産経新聞台北支局長がシンクタンク設立
2024.10/18 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241018-QCCQC6GNGFNRJMN3VRV4Z5OL4E/
衆院選はあたかも
「政治とカネ」
一色のようだが、日本を取り巻く国際情勢に目を向けると、果たして
「裏金、裏金、裏金」
と騒いでいるだけでいいのかと思う。
公示前日の2024年10月14日、中国軍は台湾を取り囲むように大規模な軍事演習を行った。
折しもこの日、筆者は台北にいた。
産経新聞前台北支局長の矢板明夫氏が設立した
「インド太平洋戦略シンクタンク」(印太戦略智庫)
の発足式に出席するためだった。
式典には、頼清徳総統が祝辞を寄せた他、郭智輝経済部長(経産相に相当)、元立法院長で台湾日本関係協会の蘇嘉全会長、日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会台北事務所代表の片山和之氏、米国の対台湾窓口機関、米国在台協会(AIT)台北事務所長のレイモンド・グリーン氏、ドナルド・トランプ前米政権下で、マイク・ポンペオ前国務長官の中国政策に関する首席顧問を務めたマイルズ・ユー氏、半導体大手「聯華電子」(UMC)創業者の曹興誠氏らが出席した。
台湾メディアも多く詰め掛け、矢板氏のシンクタンクへの関心の高さを窺わせた。
片山氏は挨拶の中で、中国軍による演習が矢板氏のシンクタンクの重要性を物語っていると述べた。
矢板氏は、日本の本州(山口県下関市)と九州(北九州市)を結ぶ関門橋をモチーフにした写真を背景に、このシンクタンクがインド太平洋地域の自由を守ると共に、台湾と世界の民主主義国家を繋ぐ
「架け橋」
になればとの抱負を語った。
式典後のパーティーで、台湾側の出席者から話を聞くと、自民党総裁には高市早苗前経済安保相になってほしかったとの声が相次いだ。
高市氏は
「台湾有事は日本有事」
と明言した安倍晋三元首相の遺志を継ぐ姿勢を明確にしているからだ。
高市氏は昨年2023年9月、国際原子力機関(IAEA)総会で、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出について中国側から批判を受けると、
「突出した輸入規制を採っているは中国のみです」
「日本としては引き続き、科学的根拠に基づく行動や正確な情報発信を中国に対して求めていきます」
と強調した。
「処理水」

「核汚染水」
と呼んだ中国代表に反論したものだ。
中国の批判に
「受け身」
にならず、正面から対峙した政治家は珍しい。
実際、読売新聞によると、岸田文雄首相(当時)は周囲に
「中国を再び刺激しないか」
と不安を漏らしたという。
中国側は、高市氏が退出した後、再反論したが、在ウィーン日本政府代表部の引原毅大使(同)が
「中国には、トリチウムの年間排出量が、福島第1原発の5倍から10倍の原発もある」
と再び反論した。
日中間の応酬はこれで終わったが、
「日本側の発言で終わるという最も望ましい形」(政府関係者)
となった。
ちなみに、引原氏は高市氏と同じ奈良県出身だった。
石破茂首相も総裁選前、台湾を訪問して頼総統らと意見交換したが、衆院選では積極的に安全保障について語ってほしい。
日本には内向きになっている余裕はないはずだ。
 (産経新聞特別記者・有元隆志)

石破政権「机上の空論」国家安全保障最前線
日米同盟を「対等な同盟に」石破首相の空想 決定的に違う「核を保有しているか否か」…日本の限界は大きく まず憲法改正を
2024.10/19 15:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241019-N7P52NS64BJN3N45FTJCM7UJSI/
石破茂首相は
「日米の対等な同盟」
を主張していて、米シンクタンク
「ハドソン研究所」
のホームページで発表した寄稿文
「日本の外交政策の将来」
に、まず
「米英同盟なみに日米同盟を強化する」
として以下のように書いている。
「石破政権では 戦後政治の総決算として米英同盟なみの『対等な国』として日米同盟を強化(する)」
「アーミテージ・ナイ・レポートはかつて米英同盟の『特別な関係』を同盟のモデルとして、日米は『対等なパートナー』となることを提案した」
「今、それが可能となり、米国と肩をならべて自由主義陣営の共同防衛ができる状況となり、日米安全保障条約を『普通の国』同士の条約に改定する条件は整った」
石破首相は、日米の関係がかつては対等ではなかったが、今や対等になり
「自由主義陣営の共同防衛ができる状況となった」
と言いたいのであろうが、それは空想でしかない。
日米関係は決して対等ではない。
決定的に違うのは
「核を保有しているか否か」
だ。
非核国家でなおかつ完全な集団的自衛権を有していない日本の限界は大きく、石破首相が主張する
「米国と肩をならべて自由主義陣営の共同防衛ができる状況になった」
とは言えないのである。
石破首相は寄稿文で、日米安保条約は
「非対称双務条約」
であり改定すべきだとも指摘している。
「アメリカは日本『防衛』の義務を負い、日本はアメリカに『基地提供』の義務を負うのが現在の日米安全保障条約の仕組みとなっているが、この『非対称双務条約』を改める時は熟した」
「日米安全保障条約と地位協定の改定を行い自衛隊をグアムに駐留させ日米の抑止力強化を目指すことも考えられる」
「そうなれば、『在グアム自衛隊』の地位協定を在日米軍のものと同じものにすることも考えられる」
「更に、在日米軍基地の共同管理の幅を広げていくなどすれば在日米軍の負担軽減ともなろう」
日米安保条約は通常、
「非対称双務条約」
ではなく片務条約と呼ばれている。
米国は日本防衛の義務を負うが、日本は米国防衛の義務を負わないからだ。
この片務性は日本にとってある意味で都合の良いものである。
石破首相のように、地位協定の改定やグアムへの自衛隊駐留、在日米軍基地の共同管理を主張するのであれば、米側が
「片務性こそ問題であり、日本も米国防衛の義務を負いなさい」
と反論してくるのは火を見るより明らかだ。
そこまでの危険を冒してまで地位協定の改定やグアムへの自衛隊駐留を主張すべきではない。
もしも日本が米国と対等な国として米英同盟並みに日米同盟を強化したいのであれば、日本には集団的自衛権の行使が求められる。
つまり、憲法を改正して集団的自衛権の行使が可能な普通の国家になる必要がある。
しかし、石破首相のハドソン寄稿文には憲法改正の記述がない。
まずは憲法改正から始めなければいけない。
■渡部悦和(わたなべ・よしかず)
元陸上自衛隊東部方面総監、元富士通システム統合研究所安全保障研究所長、元ハーバード大学アジアセンター・シニアフェロー。
1955年、愛媛県生まれ。
1978年東京大学卒業後、陸上自衛隊に入隊。
その後、外務省安全保障課出向、ドイツ連邦軍指揮幕僚大学留学、第28普通科連隊長(函館)、防衛研究所副所長、陸上幕僚監部装備部長、第2師団長、陸上幕僚副長を経て2011年に東部方面総監。
2013年退職。
著書・共著に『日本はすでに戦時下にある』(ワニブックス)、『宇宙安全保障』(育鵬社)、『台湾有事と日本の安全保障』(ワニブックスPLUS新書)など多数。

石破政権「机上の空論」国家安全保障最前線
同盟国に不信感与えた石破首相の寄稿文 総裁選期間中に米シンクタンクで発表 問題点満載、疑われる安全保障への「机上の空論」
2024.10/16 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241016-BXVMWL2LKBPOBBWGYBDW4JAYBQ/
現在、国内外が混沌とした状況にある。
ロシアのウクライナ侵略が継続し、中東ではイスラエル・ハマス戦争が1年経過しても終結せず、イスラム原理主義組織ハマスのみならず、イランや親イラン民兵組織ヒズボラとの紛争に拡大している。
中国は
「台湾武力統一」
を放棄していない。
権威主義国の中国やロシアは、我が国の領空・領海を侵犯している。
まさに我々は激動の時代を生きている。
国内においては、岸田文雄政権から石破茂政権への交代があった。
3年間続いた岸田政権を批判する人は多いが、私は安全保障分野における同政権の功績を高く評価している。
国家安全保障戦略などの
「安全保障3文書の策定」
や、
「防衛費のGDP(国内総生産)比2%への増額」
への道筋をつけた、日米関係を最良の状態にしたことは特筆すべきことだ。
岸田政権を引き継いだ石破政権には、激動の時代における国家運営、特に安全保障分野のかじ取りを適切に行ってもらいたいと思う。
しかし、石破首相に不安を感じている。
石破首相が総裁選の期間中、米シンクタンク「ハドソン研究所」のホームページで発表した
「日本の外交政策の将来」
と題する寄稿文は問題点満載で、安全保障に関する見識が疑われる文書であるからだ。
この不用意に公開された寄稿文が、米国やアジアの諸国に石破首相に対する不信感を与えた。
「覆水盆に返らず」
とはまさにこのことだ。
石破寄稿文には、
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)の創設」
「対等な普通の国同士としての『日米安全保障条約の改定』『日米地位協定の改定』」「国家安全保障基本法の制定」
「米国のFEMA(連邦緊急事態管理庁)に準ずる防災省の設置」
「米国の核シェアや核の持ち込みの具体的な検討」
「自衛隊のグアム駐留」
などが提案されている。
これらは
「机上の空論」
だ。
例えば、対等な普通の国同士としての
「日米安全保障条約の改定」
「日米地位協定の改定」
「米国の核シェアや核の持ち込みの具体的な検討」
は、米国の反発を受けるだけだ。
国内外情勢が厳しい状況下において最優先の課題ではない。
ましてや、
「アジア版NATOの創設」
「米国のFEMA(連邦緊急事態管理庁)に準ずる防災省の設置」
「自衛隊のグアム駐留」
などは、まさに非現実的な議論だ。
幸いにも、石破首相は所信表明演説(4日)では、
「アジア版NATOの創設」
「日米地位協定の改定」
などには触れなかった。
これは賢明だった。
いずれにせよ、石破首相が優先すべきは憲法改正を行い、集団的自衛権の問題を完全に解決することだ。
この集中連載においては、激動の時代における
「現実論」

「机上の空論」
について記述したい。

高市早苗氏、支持者の自民党離れを危惧 投票呼び掛けも「高市さん応援しても自民党には失望」の声が続く
2024/10/19(土) 18:06配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/d4c791f3987620eeb7a75e87e11b5683cc4b97d5
自民党の高市早苗前経済安全保障担当相が2024年10月19日、自身のX(旧ツイッター)を更新。
今回の衆院選(2024年10月27日投開票)に向け、総裁選で自身以外の候補者を応援した自民党公認候補者への投票をしないという声があるとして、同党への投票を呼び掛けたが、リプ欄には高市氏は支持しても現在の自民党は支持出来ないという声が相次いだ。
高市氏は
「なかなかニュースも含めてネット情報をチェックする余裕も無いスケジュールで全国遊説を続けていますが、昨日、辛い話を聞きました。」
と切り出し、
「先月2024年9月の自民党総裁選で私以外の候補者を応援しておられた自民党公認候補者に対して『投票しない』と仰る方が居られるという話が数件」
「困り果てた当該候補者の陣営から、私の秘書に連絡を頂いたそうです。」
と明かした。
その上で、高市氏は
「今、私達が戦っている衆議院選挙は、政権選択選挙です」
「私も含めて自民党の候補者達は、自民党への様々なご批判も全員で受け止めながら、これからも日本国の舵取りをお任せいただけるよう、1人でも多くの当選を目指して頑張っている最中です」
「議席を減らして野党になってしまうと、私が訴えてきた政策を議員立法で実現する事も困難になります」
と訴え、
「だから私は、昨日も、今日も、総裁選で他陣営に居られた候補者の応援にも伺っていますし、皆様にも是非とも応援をして頂きたいと願っています」
「どうか宜しくお願い申し上げます」
と呼び掛けた。
高市氏の投稿に対し、フォロワーからは
「高市さんは応援するが自民党には失望した人が多いと思います」
「残念ながら、今の石破政権には信用がない」
「自民党への失望と憤りを持ち続けている自民党員もたくさんおられると感じております」
「自民党に票が集まれば、『有権者の支持を得た』と更に私が望まぬ方向に進む気がしてなりません」
「石破政権を保守政権と認めないのも1つの立派な判断です」
などといった意見が続いた。
(よろず〜ニュース編集部)

日米防衛相、抑止力強化へ連携確認 中谷氏、中国念頭に「現状変更に反対」
2024/10/19 21:58
https://www.sankei.com/article/20241019-TNWRZLH26ZM6XGD6JYD4YHPVPQ/
中谷元・防衛相は2024年10月19日、先進7カ国(G7)国防相会合が開かれたイタリア南部ナポリでオースティン米国防長官と会談した。
両氏の対面での会談は初めてで、日米同盟の抑止力・対処力を一層強化するため緊密に連携していくことを確認した。
中谷氏は会談で、中国による東・南シナ海や台湾周辺での覇権主義的な行動を念頭に
「インド太平洋地域は戦略的に極めて重要な地域だ」
「東・南シナ海での力による一方的な現状変更の試みに反対する」
と述べた。
「台湾海峡の平和と安定が国際社会に重要だ」
とも語った。
オースティン氏は、米国が核を含む戦力で日本防衛に関与する
「拡大抑止」
に触れ、
「あらゆる能力を含め、米国の日本防衛に対するコミットメントは揺るぎない」
と強調。
日米の反撃能力の充実や指揮統制における連携強化の推進が重要だとの考えを示した。
日本は来年2025年春に陸海空3自衛隊を一元的に指揮する統合作戦司令部を創設する。
米軍も在日米軍司令部を統合軍司令部に再編する方針で、日米が作業部会を通じて連携強化の議論を加速させていくことを確認した。
石破茂首相が唱える日米地位協定の改定への言及があったかどうかは明らかにされなかった。
両氏はまた、北朝鮮の核・ミサイル開発などを念頭に、日米韓などが多国間連携を一層強化していくことを確認した。

<主張>原発で日本回復を目指せ 国民生活とAI立国のために
社説
2024/10/20 5:00
https://www.sankei.com/article/20241020-CLMDDPLQJVJXNAJTVGWX5MQGIE/
日本の政治は重要な忘れものをしていないか―。
衆院選の最中であるにもかかわらず、各政党や候補者からエネルギーに関する発言がほとんど聞こえてこないのだ。
ロシアによるウクライナ侵攻や中東での紛争激化に加え、中国の台湾威圧で地政学的な緊張が日々、高まりつつあるのにどうしたことか。
資源貧国で島国の日本は、国際紛争の余波を受けやすい。
国内電力の約7割を占める火力発電の燃料の大半は、輸入天然ガスと石炭に依存している。
タンカーの行く手が塞がれたり、迂回を余儀なくされたりすれば、日本はたちまち電力不足に陥る運命だ。
■安全保障力ある電源は
緊張含みの国際情勢に照らした場合、日本に最も頼りになる電力源は原子力発電だ。
原発は13カ月ごとに止めて定期検査をしているが、必要があれば2年以上の連続運転も可能である。
抜群の安定供給能力などで原子力は準国産エネルギーに位置付けられてきた。
電力の安定供給に最も役立つ原発なのだが、東日本大震災を機に当時の民主党政権によって全面停止に追い込まれた。
国内の原発再稼働は異様に遅い。
大震災前には54基の原発が存在したが、その後に21基が廃炉となった。
残った33基中、再稼働を果たした原発は12基に過ぎないのだ。
こうした減り方を目の当たりにすれば、再稼働の促進や新増設の必要性が痛感されるはずだが、肝心の自民党でさえ頼りない。
「原子力など脱炭素効果の高い電源を最大限活用」
すると公約しているが、目的は
「カーボンニュートラル(脱炭素)」

「エネルギー安全保障」
のためと記す。
順番が違わないか。
原発の必要性を明確に説いているのは唯一、国民民主党だ。
データセンターや半導体工場の増加による電力需要の大幅急増を見据えた上で
「原子力発電所の建て替え・新増設により、輸入に頼らない安価で安定的な電力を確保する」
としている。
立憲民主党は
「原発の新増設は認めない」
と宣言した。
今後4半世紀内に出来る限り早く
化石燃料にも原子力発電にも依存しないカーボンニュートラルを達成」
するという。
■規制委の是正も急務だ
有権者の多くは気付いていないかもしれないが、実は日本の原子力発電は、持続可能性が危ぶまれるほどの深刻な状況に直面している。
13年前2011年の東京電力・福島第1原子力発電所事故の煽りで、既存原発の21基が今も未稼働であることに加え、原発新増設の動きも止まったままだ。
このため原発の部品を供給する企業には廃業に至ったところも少なくない。
国内の原発メーカーである三菱重工業、日立製作所、東芝の3社でも新規プロジェクトが途絶えたことで高度な原発技術の世代間継承に支障を来しつつある。
原発を保有する電力10社でも再稼働を果たしたのは3社に過ぎず、実機での発電経験のない運転員が増しているのだ。
政府は目下、次の
「第7次エネルギー基本計画」
の案を練っている。
衆院選後の新政権には原子力活用に向けての采配を期待する。
現行の6次計画にある
「可能な限り原発依存度を低減する」
との記述などは
「低減」

「増大」
に改めたい。
耳当たりの良い再生可能エネルギーは安定性に欠け、メガソーラーは環境破壊と隣り合わせだ。
原子力発電への消極姿勢を改めなければ電力供給の不足と電気代の値上がりで、国民生活も産業も苦難の道を歩むことになる。
3年前2021年の6次計画策定時点に比べ、エネルギーを取り巻く諸環境は激変している。
国際紛争だけでなく、新産業革命を牽引する人工知能・生成AIの出現も加わった。
AIの開発や運用には膨大な電力需要の発生が予測されており、それへの対応には原発をおいて他にない。
新政権には、再稼働の安全審査に関わる原子力規制委員会の業務遅滞の解決が急務である。
国のエネルギー行政との整合性の回復には規制委設置法の改正も視野に入れるべきだろう。
石破茂首相は就任直後の所信表明演説で
「日本を守る」
など5つの
「守る」
を表明したが、その履行の基盤にはエネルギーが必要だ。
日本の地政学的現況を直視すれば主軸は自ずと原子力エネルギーに帰着する。
各党諸賢には根本原則として胸に刻んでもらいたい。

高橋洋一「日本の解き方」
自民と立民が「増税路線」で同調 歩調合わせ減税に否定的、震災後の悪夢が繰り返される 財務省には千載一遇の好機≠ゥ
2024.10/19 10:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241019-5WEPJDBKSRITPAO67CADSNHPIA/
金融所得課税の強化について、石破茂首相は自民党総裁選で取り上げた後で引っ込めたが、ここにきて立憲民主党の野田佳彦代表が
「25%への引き上げもあり得る」
と強調した。
野田氏は法人税も上げる余地があると述べたという。
衆院選のタイミングでこうした発言をした狙いはどこにあるのか。
石破政権はブレるので、金融所得課税については再びブレて
「課税強化」
を言いかねない。
はっきり言えば、消費税について、自民党と立憲民主党がシンクロしているのが気になる。
与野党党首は2024年10月13日のNHK番組で論戦した。
石破首相(自民党総裁)は、消費税率について
「引き下げることは考えていない」
「当面、上げることも考えていない」
とした。
減税はやらない方針だ。
立憲民主党の野田氏も消費税の減税に関し
「高額な所得者が額として一番恩恵を受ける」
と述べた。
一般的には、消費税は逆進性があるので、減税は低所得者層ほど有利になる。
だが、わざわざ額に言及して分かりにくくしているが、要は減税しないということだ。
他の野党党首は減税に言及しているのに、自民と立民は歩調を合わせて減税に否定的だ。
立民の新代表が決まった段階で危惧していたが、野田氏と言えば、民主党政権時代に消費増税という財務省の戦略にまんまと乗り、一部では
「使い勝手ヨシヒコさん」
とも揶揄されていたらしい。
石破首相も、財政緊縮と金融引き締めで有名だった人だ。
衆院選では自民党と公明党は苦戦が見込まれ、自民の過半数割れを予測する人も少なくない。
有権者の動向によっては自公で過半数割れもあり得る状況だ。
その場合、負け方にもよるが、自公と立民による
「大連立」
にならないとも限らない。
仮に
「台湾有事」
になると、大連立の大義名分ができる。
そうした話は東日本大震災の時にあった。
実際には大連立にはならなかったが、当時の野田首相と野党だった自民党の谷垣禎一総裁はともに増税志向だったので、復興増税と2度の消費増税というホップ・ステップ・ジャンプという財務省の野望が実現した。
財務省は、大連立にならなくても、この東日本大震災の後の増税路線の再来を狙っているのではないか。
歴史は繰り返すという。
増税したい財務省からみれば、自民と立民の両トップが増税志向だというのは千載一遇のチャンスだ。
しかも、立民の野田代表は、過去の消費増税の立役者なので、再び増税をやってくれそうだと期待してもおかしくない。
今回は野党なので、石破首相を誘導することも考えられる。
野田代表から金融所得課税25%や法人税増税を言い出したのも、そのための戦略ではないだろうか。
早速、石破首相は防衛増税を言い出した。
金融所得課税は金持ち優遇の是正、法人税増税は利益をため込んで吐き出さない企業へのペナルティーというキャッチフレーズだろう。
そこで増税に勢いをつけ、次には社会保障にかこつけて再び消費増税というシナリオを財務省は描いているのではないか。 
(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

高橋洋一「日本の解き方」
石破首相が掲げた「アジア版NATO」の非現実度 日米地位協定見直しも含め…まず同盟国助けられない「憲法9条の改正」が先決だ
2024.10/18 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241018-E3LN6EODCRPCLKCBOJZXV7BG2M/
石破茂首相は自民党総裁選の際に掲げた
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」
の構想について所信表明演説では触れなかった。
だが、党内に議論する新組織を設置するよう指示した。
アジア版NATOは日本の安全保障に資するのか。
現実味のある構想なのか。
石破首相は総裁選で、日米地位協定の見直しにも言及した。
アジア版NATO創設と日米地位協定見直しは、根っこのところで今の日米安保条約と密接に関係しており、更にその背景には憲法問題がある。
そこで、まずは日米安保条約の条文を振り返っておこう。
ポイントは第5条と第6条だ。
第5条では
「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する」
としている。
第6条では在日米軍の地位について
「別個の協定などに規律される」
としている。
第5条は
「日本国の施政の下にある領域における」
と書いてあるので、日本が攻められた時に発動するもので、米国が攻められた時ではない。
これが
「相互」
安全保障ではなく、
「片務的」
安全保障と言われる所以だ。
これを前提として日米地位協定がある。
一方、NATO条約では、第5条で
「締約国は、ヨーロッパ又は北アメリカにおける一又は二以上の締約国に対する武力攻撃を全締約国に対する攻撃と見做すことに同意する」
「従って、締約国は、そのような武力攻撃が行われた時は、各締約国が、国際連合憲章第51条の規定によって認められている個別的又は集団的自衛権を行使して、北大西洋地域の安全を回復し及び維持するためにその必要と認める行動(兵力の使用を含む)を個別的に及び他の締約国と共同して直ちに執ることにより、その攻撃を受けた締約国を援助することに同意する」
とされており、明らかに異なっている。
日米安保条約が
「片務的」
なのは、日本の憲法9条で交戦権を否定しているからだ。
つまり、同盟国が攻撃された時でも、助けるために交戦できないのだ。
要するに、憲法9条を改正しないと、日米安保条約すら
「相互的」
にできない。
ましてアジア版NATO創設や日米地位協定見直しには到底辿り着けないのだ。
逆にいえば、憲法9条を改正し、日米安保条約を
「相互的な」
ものに改定すれば、ほぼ自動的に日米地位協定も見直せる。
日米安保条約を
「相互的」
なものに改定すれば、その先の将来像としてアジア版NATOもあり得るだろう。
もっとも、アジア版NATOは米国とアジア諸国が安全保障をどのように考えるかに依存するので、日本だけが考えてもできるものではない。
こうしてみると、党内でアジア版NATOを議論しても、大した結論にはならないだろう。
他国に話をしても
「日本の憲法問題が先だ」
と言われ、現実的な政治課題にはならない。 
(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

高橋洋一「日本の解き方」
衆院選で防戦一方の自民党、石破政権の政策がブレて争点にできず「政治とカネ」問題が前面に…「岸田政権の劣化コピー」とも
2024.10/16 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241016-T3XVBMVR7NOKBOI3DWZBFHVBLQ/
衆院選が2024年10月15日に公示された。
「政治とカネ」
の問題が表に出ているが、他には何が争点になるだろうか。
本来は、外交・防衛や内政を議論すべきであるが、首相就任は今月2024年10月1日、解散は8日後の2024年10月9日、投開票は26日後の2024年10月27日といずれも戦後最短だ。
解散から投開票までの18日間も戦後2番目の短さだ。
選挙日程は、3年前の岸田文雄政権とほとんど同じだ。
石破茂政権は、首相と同様に長らく
「党内野党」
だった
「お友達」
を重要閣僚に据えたが、官房長官は岸田政権から横滑りで、副大臣と政務官はほぼ岸田政権の居抜きである。
こうしたことから政策もほとんど岸田政権を踏襲し、岸田政権の劣化コピーとも言われている。
2024年10月4日の所信表明演説では、総裁選の公約をほぼ全面的に撤回した。
その前に実施された世論調査で、内閣支持率は岸田政権の末期からは上昇したが、それでも政権発足直後では過去最低水準で、
「ご祝儀」
はなかった。
その後、石破政権の変節が明らかになると支持率は下がっているとの調査もあり、焦った石破政権は、焦点を裏金問題にすり替えた。
そこで、不記載だった12人を非公認とし、30人以上を比例重複なしとした。
この判断について
「世論に迎合した」
とも言われるが、この場合の世論というのは非自民層なので、これで自民党に支持が戻るわけではない。
この措置の結果、これまでは
「自民単独で過半数割れ」
が懸念されていたのが、
「自民と公明党の与党で過半数割れ」
も視野に入ってきているという。
そもそも検察の捜査で刑事処分がなされ、それを受けて党規約に基づき党として既に決定した処分について、新総裁が追加処分したというのは
「一事不再理」
の原則に反し不当だ。
「ルールを守る」
と強調する石破首相が自ら破っている。
また、選挙の争点を
「政治とカネ」
の問題に絞ることは、選挙戦術としてもまずい。
野党は
「処分は甘い」
と更に攻勢をかけてくるのは必至だ。
更に、これまで党内野党に対しては寛容だった週刊誌などのメディアも、閣僚のスキャンダルを出し始めた。
このため、ますます政策議論になりにくい状況だ。
実は、外交・防衛や内政を争点にするといっても、石破政権はブレブレでほとんど前言を撤回しているので話にならない。
「憲法7条による解散は違憲の疑い」
と言っていたが、解散してしまった。
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」

「北朝鮮との連絡事務所設置」
などは所信表明演説では姿を消し、
「原発ゼロ」

「選択的夫婦別姓導入」
も後退し、
「金融所得課税強化」
もなくなった。
「最低賃金1500円」
のように変えていないものもあるが、立憲民主党より左で、れいわ新選組並みの政策なので争点になりにくい。
能登の災害に対する措置を予備費か補正予算にするかについても、現実に
「補正予算なし」
なので、ここも争点になりにくい。
結果的に
「政治とカネ」

「スキャンダル」
が争点になれば、自民党は防戦一方だろう。
 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

「『政治とカネ』法律家の立場からは時間の無駄」今の日本に後ろ向きの議論する時間はない
弁護士・田中善信氏
2024/10/18 15:30
https://www.sankei.com/article/20241018-G7YZXJ7CXVLBHC7O5KKLPLPW2Q/?outputType=theme_election2024
27日投開票の衆院選について、弁護士で群馬「正論」懇話会会長の田中善信氏(81)は産経新聞のインタビューに応じ、
「『政治とカネ』の問題は大事なことだが、政治資金規正法をきちんと改正すれば済む話だ」
と指摘した。

今回選挙では、
「政治とカネ」
の問題が大きな争点とされていますが、法律家の立場から言わせて頂くと、東京地検が時間をかけて捜査した以上、更に時間を掛けても新事実が出ることはなく時間の無駄だと思う。
政治にとって最も重要なのは国民の安全と生活を守ることです。
日本周辺には中国、北朝鮮、ロシアという核を保有し核兵器の増産を続ける独裁的国家群がミサイルの矛先を日本に向けている。
備えるには、しっかりとした法制度と軍備を整える必要がある。
最大の法整備は憲法改正だ。
そのためにも与党を中心に改憲に必要な議員数を確保すべきで、選挙で最も問われるのはその点だと思います。
今の日本に後ろ向きの議論をしている時間はありません。
石破茂政権は、国民の声を聴くという姿勢を見せてはいますが、ポーズだけのように見えます。
大事なのは国民、とりわけ将来を担う若者や子供たちが希望を持てる国づくりです。
彼らが望むのは金銭的援助というより日本の明るい未来や希望ではないでしょうか。
その意味でも、党総裁選で多数の党員が支持した高市早苗・前経済安全保障担当相の政策や提言を取り入れることも大切だと思います。
その上で、石破首相には国民の安全と生活を守るための憲法改正に向け、先頭に立って頂きたい。
投票率の低下、長期低迷傾向も将来に対するビジョンを示せない政治家が多いからです。
自身の選挙の事ばかり考え、日本のためにという志をもった政治家が少なくなっていることが原因だと思います。
「政治とカネ」
の問題は大事なことですが、政治資金規正法をきちんと改正すれば済む話です。
近視眼的ではなく、もっと巨視的に日本の将来を考える政治家はいないものでしょうか。
真に将来を語れる政治家が出てくれば、投票率も自然と上がり、国民ももっと政治に関心を持つでしょう。
群馬県からは戦後、4人の首相が誕生している。
土壌はあるはずです。
■たなか・よしのぶ
群馬県富岡市出身。
昭和49年に弁護士登録。
群馬弁護士会に所属し民事、刑事から労働問題、破産や債券回収など幅広くカバー。
特に、警察が手を付けられない事件化以前の、いわゆる民事介入暴力の第1人者として数々の事案解決に尽力。
県警察署協議会会長や県警特別講師などを務め県警特別功労賞受賞。
令和3年12月から群馬「正論」懇話会会長。

自民党、過半数割れの可能性 立憲民主党、公示前より議席上積み 日本保守党、複数議席獲得へ 報道各社、衆院選序盤情勢調査
2024.10/17 11:31
https://www.zakzak.co.jp/article/20241017-WLKH5R2JLFMA3JBPQ2QASGGTBA/
第50回衆院選(27日投開票)について、報道各社の序盤情勢調査が出揃ってきた。
自民党は石破茂首相(総裁)の
「変節」
や、派閥裏金事件などが響き、定数465議席の過半数(233)に届かない可能性が出てきた。
単独過半数割れとなれば、2009年以来となる。
立憲民主党は公示前の98議席から議席を増やし、ベストセラー作家の百田尚樹氏が立ち上げた政治団体
「日本保守党」
は複数議席を獲得しそうだ。
共同通信によると、全289選挙区のうち、自民党(公示前256)がリードしているのは140程度で、接戦区が多い。
比例代表で前回選挙(20年)の72議席を下回るのは避けられない情勢だ。
公明党は公認候補を立てた計11選挙区の全勝は難しい情勢。
自民党との連立与党では過半数を維持する見込み。
立憲民主党は公示前の98議席を超える公算が大きい。
日本維新の会は大阪の小選挙区は堅調だが、比例の支持の広がりに欠け、公示前の43議席に手が届かない可能性がある。
共産党は公示前の10議席程度の獲得が見込まれる。国民民主党も公示前の7議席から上積みする勢い。れいわ新選組は比例で複数議席を確保できそうだ。
社民党は小選挙区の1議席死守が課題。
参政党は支持浸透が見られない。

与党過半数巡り攻防 不記載響き自民低調、立民勢い 衆院選序盤情勢
2024/10/17 5:00
https://www.sankei.com/article/20241017-AEBKGSGRPZMN7EBF43MGFUUFOI/?outputType=theme_election2024
27日投開票の第50回衆院選について共同通信社は15、16両日、全国の有権者15万6千人を対象に電話調査を実施し、取材を加味して公示直後の序盤情勢を探った。
自民党は派閥パーティー収入不記載事件が響き低調。
公明党も伸び悩む。
立憲民主党は議席増へ勢いを見せる。
定数465議席の過半数(233)を巡り、与野党の攻防が続いている。
小選挙区では投票先未定が3割近くおり、今後、情勢は変わる可能性がある。
全289選挙区のうち、自民(公示前勢力256)がリードしているのは140程度にとどまり、接戦区が多い。
比例代表で令和3年前回選の72議席を下回るのは避けられない情勢だ。
単独過半数を維持できるかどうか予断を許さない。
不記載事件に関係し、公認されなかった候補の大半は厳しい戦い。
重複立候補が認められなかった候補も半数近くが先行されている。
立民は公示前の98議席(比例含む)を超える公算が大きい。
無党派層でも支持が拡大しつつある。
前回選で39だった比例議席も増やしそうだ。
日本維新の会は地盤の大阪府の小選挙区で堅調。
だが全国的に比例の支持の広がりがいまひとつで、公示前の43議席に手が届かない可能性もある。
公明は公認候補を立てた計11選挙区の全勝は難しい情勢。
維新と争う大阪府の4小選挙区で苦戦が目立つ。
埼玉14区に出馬した石井啓一代表も激戦。
比例も伸びを欠いており、小選挙区と合わせた公示前の32議席を堅持できるか微妙だ。
共産党は小選挙区1議席を維持しそうだ。
比例次第で、公示前の10議席程度の獲得が見込まれる。
国民民主党も公示前の7議席から上積みする勢い。
れいわ新選組は比例で複数議席を確保できそうだ。
社民は小選挙区の1議席死守へ全力を挙げる。
参政党は支持浸透が見られない。
政治団体
「日本保守党」
は複数議席を得る可能性がある。

自公、全国で苦戦 「政治とカネ」国民から厳しい視線、立民躍進 衆院選序盤調査
2024/10/17 5:05
https://www.sankei.com/article/20241017-AEPDUY4J7VP3RG6G4WBNPM3FXY/?outputType=theme_election2024
15、16両日に共同通信社が実施した衆院選の序盤情勢調査では、自民、公明両党が全国で苦戦している状況が浮き彫りとなった。
「政治とカネ」
の問題を受け、自民は一部を非公認とするなどの対応を取ったが、国民からの厳しい視線は向けられたままだ。
一方、立憲民主党は躍進する見通しだが、主要野党との候補者一本化は限定的で、立民が目標に掲げる
「比較第一党」
には届かなそうだ。
■お詫びしながら臨む選挙
石破茂首相(自民総裁)は16日、香川県内でマイクを持ち、派閥パーティー収入不記載事件について
「こういうことが2度とないように、深く国民の皆さま方にお詫びをしながらこの選挙に臨んでいる」
と述べ、自公政権の継続を訴えた。
野党は不記載事件を巡って自民への批判を強めており、立民の野田佳彦代表は16日、新潟県内での演説会で
「裏金隠し解散だ」
「有権者がペナルティーを与えるしかない」
と主張した。
衆院選の勝敗ラインについて、首相と公明の石井啓一代表は、自公政権を維持するための最低条件となる両党での過半数(233議席)獲得と位置付ける。
自民の公示前勢力は256議席で、政権を奪還した平成24年の衆院選以降、4回連続で単独過半数を獲得してきた。
だが、自民の森山裕幹事長は14日の報道各社のインタビューで
「自民単独でどうするかということをまだ考える余裕はない」
と強調。
このまま低調な状況が続けば、自民が下野した平成21年衆院選以来の単独過半数割れの可能性も見えてくる。
自民は不記載事件に関係した旧安倍派幹部ら12人を非公認とし、30人以上の比例代表への重複立候補を認めない対応を取った。
国民の理解を得るために厳しい選択をした形だが、別の自民関係者は
「非公認で出馬となれば有権者の情が沸く可能性もあるが、党公認で立候補して比例重複だけ認めないというのは分かりにくい」
「理解を得られるだろうか」
と表情を曇らせた。
■野党は候補者調整進まず
一方、野党は不記載事件での自民批判で足並みをそろえるものの、候補者調整は進まなかった。
289の小選挙区のうち、立民、共産両党は142の小選挙区で競合。
与党公認候補と、立民、日本維新の会、共産、国民民主党の主要4野党のいずれかの公認候補が
「一騎打ち」
で争うのは、52の小選挙区にとどまる。
立民の野田氏は
「最低限の目標は自公の過半数割れ」
と息巻くが、共産は野田氏の保守的な路線に反発、候補者調整は多くの小選挙区で整わなかった。
野党乱立の構図となった今回の衆院選では、与党への批判票が分散しており、今後の情勢次第では野党の議席数の伸びの足枷となりかねない。

<主張>衆院選と経済 物価高克服への道筋競え 成長を展望できる具体論を
社説
2024/10/17 5:00
https://www.sankei.com/article/20241017-KHQMFV4RCBJKVHZLRWQHWPRCYI/
衆院選における与野党の論戦で、有権者が高い関心を寄せているのが経済政策である。
物価高にどう対処するのか。
賃上げの動きを確かなものにできるのか。
何よりも、日本経済は長期停滞を脱して将来への展望が開けるのか。
問われているのはそのための具体的な処方箋だ。
各党はこぞって給付金や減税などの聞こえのいい政策を並べているが、具体化への道筋や実現可能性を明確に示せなければ国民の納得は得られまい。
デフレ時代に戻らぬよう経済を底上げし、豊かさを実感できる持続的成長に繋げることが肝要だ。
各党には、バラマキに陥ることなく、中長期的に経済活力を高めるための効果的な戦略を競い合ってもらいたい。
■「デフレ脱却」を確実に
日本経済は今、歴史的な転換期にある。
食品などの幅広い品目で値上げが定着するだけでなく、賃上げの動きは中小企業にも広がりを見せつつある。
「物価も賃金も上がらない」
というデフレ下の社会通念は着実に変化してきた。
既に日銀は利上げに転じ、デフレ脱却を眼目とする異次元緩和路線の修正に踏み出した。
「金利のある世界」
の復活は超低金利下での国債大量発行に支えられた財政運営にも変革を促す。
そうした情勢も踏まえて各党の政策を見極めねばならない。
当面の経済政策で課題となるのは、物価高に伴う消費の弱さである。
8月の実質賃金は3カ月ぶりに減少し、物価高に賃上げが追いつかない状況は今も残る。
ここに効果的な手を打てずデフレからの完全脱却が遠のけば元も子もない。
これは各党に共通する認識だろう。
自民党は公約で、人や技術への積極投資で成長力を強め、その果実を国民に分配すると訴えた。
岸田文雄前政権の路線を踏襲するものだ。
石破茂首相が唱える
「コストカット型経済」
からの脱却もそうである。
だが、それで十分なのか。
衆院選後には経済対策やそれを裏付ける補正予算の編成が予定される。
自民は当面の物価高対策として低所得世帯向けの給付金を約束した。
石破首相は昨年を上回る大型補正予算を編成する意向も示した。
ならば自民が目指す経済対策の中身について、もっと多くを明示すべきだ。
そもそもデフレからの完全脱却をいつ達成できると想定しているのか。
そのため優先すべき政策は何か。
これらを明確に示すことが与党である自民、公明党に求められる責務だろう。
野党の公約で目立つのは消費税や所得税などの減税・撤廃や社会保険料の引き下げだ。
消費を促し経済成長に繋げる狙いがある。
消費税については日本維新の会や共産党、国民民主党などが減税を訴え、れいわ新選組は制度の廃止を求めている。
そこに現実味はあるのか。
■減税の必然性どこまで
物価高が深刻といっても、リーマン・ショックや新型コロナウイルス禍の時のような危機的状況ではない。
高齢化で社会保障費が膨らむ中で、安定財源の消費税に手を付ける必然性は吟味しなくてはなるまい。
国民民主は実質賃金が安定的にプラスになるまで税率を5%にするというが、これを元に戻すときには増税となり、景気を下押しする影響もあろう。
各党は減税の詳細をもっと語るべきだ。
具体的な道筋を示さなければ無責任である。
立憲民主党は現行の消費税の軽減税率に代えて中低所得者向けの
「給付付き税額控除」
を提案するが、制度の大幅変更を円滑に進められるのか。
納得できる説明を尽くすべきである。
「分厚い中間層の復活」
を掲げる立民の公約には、最低賃金引き上げや人への投資など自民と似通う部分もあるが、違いを浮き立たせたいのか、理解に苦しむ項目もみられる。
アベノミクスの象徴である
「2%」
の物価安定目標を
「0%超」
にすると打ち出したのもそうだ。
そもそも0%超は2%も含むので目標として曖昧すぎる。
2%に縛られない柔軟な金融政策を求めたいのだろうが、プラス圏でよしとする変更の結果、賃金の大幅増に向けた機運まで妨げられないか。
そうなれば脱デフレも見通せなくなろう。
与野党には、日本経済の生産性や国際競争力を高め、潜在成長率を向上させる成長戦略についても論じ合ってほしい。
デジタル化や規制緩和などの項目を羅列するだけではなく、優先順位を付けて確実に実行に移せるかどうかが問われよう。

40日抗争と首相の天命 
阿比留瑠比の極言御免
2024/10/17 1:00
https://www.sankei.com/article/20241017-4FNAJUF63FN4XK2F5S34QSTADI/?outputType=theme_election2024
「本当に40日抗争の再来があるんじゃないか」
衆院選公示当日の15日、永田町でこんな予想がささやかれていると聞いた。
選挙結果がどうなるのかはまだ分からないのだから、現時点ではあくまで一つの見立てにすぎないが、あり得る話だと妙に得心した。
40日抗争とは、45年前の昭和54年10月の衆院選での敗北と過半数割れをきっかけに、自民党主流派の大平派、田中派と反主流派の福田派、三木派、中曽根派などが40日間にわたり繰り広げた派閥間の争いのことである。
このとき、自民党は首相候補を一本化できず、大平正芳首相と福田赳男前首相の2人が首相指名選挙に出る異例の事態となった。
結局、首相には大平氏が再選されたものの組閣は難航し、抗争はさらに続いたのだった。
古い話のようだが、今回の衆院選では自民、公明両党の獲得議席が目標の過半数(233)に及ばない可能性も指摘されており、もしそうなれば衆院解散を急いだ石破茂首相の退陣を求める声が、自民内から噴き出すのは必至である。
過半数に届かない場合、日本維新の会、国民民主党、保守系無所属議員らの取り込みや、新たな連立の枠組み作りが喫緊の課題となる。
仮に与党で過半数は確保できても、自民が大きく議席を減らせばやはり石破首相の責任論に直結する。
麻生太郎内閣の農林水産相でありながら、麻生氏に身を引くよう要請したり、第1次安倍晋三内閣時の参院選で自民が大敗した際、安倍氏の責任を厳しく問うたりした自らの過去の言動が襲い掛かってくる。
また、石破首相が
「党内融和より国民の共感」
だと強調し、パーティー収入不記載事件を巡って福田派の流れをくむ旧安倍派を狙い撃つかのような二重処分を断行したことで、抗争の芽は十分に育っている。
党の判断に従って政治倫理審査会に出席しなかった議員まで、説明責任を果たしていないと決めつけて非公認にした首相のやり方は、党内に分断の種をたくさんばらまいている。
40日抗争は尾を引き、抗争翌年の昭和55年5月に野党が内閣不信任案を提出すると、自民の反主流派は衆院本会議を欠席し、不信任案は可決された。
これを受けて大平氏は衆院を解散(ハプニング解散)して初の衆参同日選に打って出たが、選挙中に心不全で急逝している。
■「天の声にもたまには変な声がある」
抗争に負けた福田氏は抗争前年の昭和53年には、現職の首相・総裁として本命視されていた自民党総裁選に敗れてこう述べた。
この場合、天の声とは党員・党友、つまり民の声のことである。
一方、安倍氏との一騎打ちとなった総裁選を控えた平成30年夏に香川県観音寺市で大平氏の墓参をした石破氏は、今回の総裁選前に出版した著書『保守政治家 わが政策、わが天命』の中でこう記している。
「もし私などが首相になるようなことがあるなら、それは自民党や日本国が大きく行き詰まった時なのではないか」
「しかも、それは天が決めること」
「天命が降りない限り、それはありえないということでしょう」
自らの首相就任は天命によるということか。
それでは、衆院選という民の声が直接反映される場面で、石破首相はどんな天の声、天命を知るだろうか。
まさか
「変な声」
「変命」
などと愚痴り出すことはないと思いたいが。

衆院解散 産経「外交・安保の政策論争を」 朝毎東 政治とカネで自民糾弾
社説検証
2024/10/16 9:00
https://www.sankei.com/article/20241016-VSS2FRVN6JPG5PKSB4GS7655UM/
衆院選が15日に公示された。
投開票日は27日だ。
石破茂内閣は1日に発足したばかりで、首相就任から8日後の解散、26日後の投開票は戦後最短である。
主要各紙は解散翌日の社説で、石破氏が予算委員会も開かずに解散を急いだことを
「丁寧な論議をしなかった」(産経)、
「有権者が判断する材料は不十分」(毎日)
などと、いずれも批判的に伝えた。
一方、
「政権選択の選挙」
である衆院選で、何が重視されるべきかについては見解が分かれた。
国民を守ることができる外交・安全保障政策の重要性を訴えた産経に対し、朝日、毎日、東京各紙は自民党の派閥パーティー収入不記載事件を巡る
「政治とカネ」
問題を挙げ、政治への信頼回復を重視した。
産経が指摘したのは、今回の衆院選が、日本を取り巻く安保環境が極めて厳しい中で行われるという現実だ。
政治とカネの問題が
「争点の1つになるのは当然だろう」
としつつも、解散当日の国会での党首討論で外交安保がほとんど語られなかったことを嘆き、各政党と候補者に
「日本を守り繁栄させる政策を大いに論じなければならない」
と強く促した。
特に政権交代を唱える立憲民主党に対しては、集団的自衛権の限定行使の容認を
「憲法違反」
とする立場であることを危惧し、このまま政権を取れば
「日米同盟は空洞化する」
と難じた。
読売も、政治とカネの問題で迷走する自民に苦言を呈しつつ、党首討論で立民などがこの問題の追及に大半の時間を費やしたことを疑問視し、
「日本が直面している課題はそれにとどまらないはずだ」
と強調した。
少子化対策や社会保障政策の必要性と共に、悪化した安保環境への対応を
「待ったなしの課題」
とし、議論を深めるよう呼び掛けた。
朝日、毎日、東京の社説は、安保環境の現実にはほとんど触れず、政治とカネの問題に紙幅を割いた。
毎日は、
「裏金問題は、不透明なカネを使って党勢を維持し、権力の座にあぐらをかく自民の実態を浮き彫りにした」
ととがめ、この問題に各党がどう向き合うかが
「今回の衆院選の最大の焦点」
と位置付けた。
東京も、今回の解散を
「裏金解散」
と呼び、裏金議員に
「職にとどまる資格があるのか否か」
「審判を下すのは私たち有権者だ」
と力説する。
石破首相が総裁選で訴えた政策の多くを棚上げしたことも批判し、
「自民党の『中身』が変わるかどうかを見極めねばなるまい」
とした。
朝日は、衆院選の争点を
「石破政権に対する審判」
だけでなく、
「岸田(文雄)前政権の3年間の実績への評価」、
更には
「7年8カ月に及んだ安倍(晋三)長期政権の総括」
に広げるべきだとする主張を展開した。
立民など野党に対しては
「どこまで国民の心を掴むことができるか」
「その真価が試される」
とし、
「自民への失望という『敵失』頼み」
でなく、
「信頼に足る政策を打ち出せる」
ことが重要と指摘した。
立民の野田佳彦代表は
「政権交代こそ、最大の政治改革だ」
と訴えている。
だが、もしも与党が過半数割れした場合、どんな政権ができるのか見えてこない。
産経は、新たな政権の枠組みを示さない立民を批判し、枠組みが曖昧なまま
「選挙区調整だけに走るとすれば、議会制民主主義の軽視となる」
と断じた。
逆に毎日は、個別政策で異なる部分があっても、野党は候補者を一本化し、
「裏金問題についての民意が投票結果に反映される構図を作り出すべき」
だと唱えた。
産経は、論争すべきテーマとして
「国の根幹に関わる憲法改正」
も挙げた。
国民の多くが自衛隊を認め、その活動に期待している。
にもかかわらず自衛隊は日本国憲法に明記されず、未だ多くの憲法学者が自衛隊違憲論を唱えている。
産経が指摘するよう、この
「異様な状態」
を早急に改めなければなるまい。
内外の情勢は混迷を極めている。
だからこそ各党、各候補者は、現実を踏まえ、将来を見据えた政策を訴えるべきだ。
■衆院解散をめぐる主な社説
【産経】
・日本守り抜く政策訴えよ/政権を託せるのはどの党か
【朝日】
・政治への信頼取り戻せるか
【毎日】
・自民政治のゆがみ問う時
【読売】
・与野党の力量が問われている/国難を乗り越える処方箋を示せ
【東京】
・「裏金」に審判を下そう(いずれも10日付)

<産経抄>後世に胸張れる選択を、衆院選の公示    
2024/10/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20241016-PX4FA2XQORLYPMAHTK6SAE6G3I/
選挙結果を国民の
「肖像」
に例えたのは、大正期に東京市長などを務めた後藤新平である。
どんな政党も、
「選挙という種板(写真の原板)に採影せられたる国民の写真である」。
写りの美醜に有権者も責任を負いなさい―と。
▼大正14(1925)年に日本で普通選挙法が公布されてから、間もない頃の発言という(『大正・昭和戦前期 政治・実業・文化 演説・講演集』日外アソシエーツ)。
それまでの納税要件が廃止になり、満25歳以上の男子が選挙権を手に入れた。
▼女性の選挙権は戦後まで待たねばならないものの、普選の幕開けから100年となる来年2025年は1つの節目だろう。
選挙権の行使について、後藤はこうも述べた。
「その醜い写真を修正し、後世、子孫に誇り得る立派な肖像を、我が憲政史上に残す用意と覚悟がなければならぬ」
と。
▼卓説からほぼ100年経った今も、政治不信をどう拭うかが大きなテーマであり続けているのは残念でならない。
さりとて先送りできない課題は他にも山積し、有権者の肩に食い込む荷は重い。
こちらは節目の第50回となる衆院選が公示された。
▼世界は緊迫の度合いを高めている。
台湾情勢の行方によっては、次の政権が
「有事」
に直面するかもしれない。
国家と国民を守る覚悟を持った政治家は誰か。
有権者の眼力が、これまで以上に問われる政権選択選挙になろう。
後世に恥じることのない肖像を残したいものである。
▼「票」
という字は、細かい火の粉が舞い上がる様を表している。
政党や候補者が論戦に火花を散らし、票を奪い合うなら大歓迎である。
少子化や社会保障などの課題も待ったなしだ。
有権者の胸にくすぶる不安と不満の火を、大事な1票に託す選挙でもある。

<主張>衆院選公示 日本の針路掲げて論戦を
社説
2024/10/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20241016-7IBUR7K47ZPCJOOKSB7FJKVUPM/
第50回衆院選が公示された。
石破茂首相が率いる自公連立政権の信を問う選挙である。
有権者はどの政党、候補者に日本を託すべきかを十分吟味し、一票を投じてもらいたい。
今回の衆院選は
「1票の格差」
を是正するため、小選挙区定数を
「10増10減」
するなど、25都道府県の140小選挙区で区割りが変わった。
有権者はよく候補者を確認し、訴えに耳を傾け、投票では間違いのないようにしたい。
日本を取り巻く安全保障環境は厳しい。
日本の独立と繁栄、国民の生命と暮らしがかかった政権選択選挙である。
有権者はこのことを自覚し、投票先を決めてほしい。
臨時国会では論戦の時間が短く、国民に十分な判断材料を提示したとは言い難い。
各党、各候補者は選挙戦で具体的な政策を示し、在るべき日本の針路を丁寧に論じねばならない。
「政治とカネ」
の問題が衆院選で問われている。
同時に国民を守り抜く外交安保政策に関し議論を深めるべきである。
首相は岸田文雄前首相の路線を継承する姿勢を示しているが、総裁選で掲げたアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想の検討を自民に指示した。
首相に曖昧さがあるのは否めない。
立憲民主党は日米同盟が基軸だと主張する一方で、集団的自衛権の限定行使は
「憲法違反」
との立場を崩さず、同盟強化に逆行している。
各党は防衛力の抜本強化と抑止力向上の具体策を競い合うべきだ。
少子化対策も重要な争点の1つだが、給付拡大の訴えが中心で、財源確保策について各党は余り語ろうとしていない。
これでは無責任である。
物価高に負けない持続的な賃上げによるデフレからの完全脱却の方策についても、議論を尽くすことが求められよう。
北朝鮮による拉致問題や国の根幹である憲法改正について、活発な論戦になっていないのは残念だ。
憲法改正で与野党論議を主導すべき首相は、自衛隊明記や緊急事態条項創設の意義について国民の理解を深めるべく、もっと説かねばならない。
安倍晋三元首相暗殺で要人警護の在り方が見直されてから初の大規模な国政選挙である。
暴力による言論封じは許されない。
警備に万全を期したい。

<主張>衆院選討論会 重要政策の論議を続けよ
社説
2024/10/13 5:00
https://www.sankei.com/article/20241013-SDOHJLP4KNKB3MKF2FXZ2JKJUY/
15日の衆院選公示を前に、日本記者クラブ主催の党首討論会が開かれた。
先の臨時国会では専ら
「政治とカネ」
の問題が取り上げられた。
今回の討論会では国内外の諸課題についても議論が展開され、有意義だった。
政治への信頼を回復する上で政治資金の問題は重要である。
同時に、実際の国政運営でどのような政策を遂行していくかを示すことは欠かせない。
有権者にとって投票の判断材料になるからだ。
ただし、理解に苦しむ場面もあった。
石破茂首相は解散前の国会論戦に関し
「有権者が判断する材料をきちんと提供しなければ無責任だ」
「私は一生懸命自分の言葉で答えた」
と語った。
予算委員会を見送ったにもかかわらず、首相の認識は世間の感覚からかけ離れている。
首相は立憲民主党の野田佳彦代表にウクライナへのロシア侵略を巡り、なぜ抑止が破綻したのか見解を質した。
これに対し、野田氏は東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議にバイデン米大統領が欠席したことを引き合いに出し、
「国際会議に米国を呼び込む外交努力はもっと大事だ」
と述べた。
抑止の破綻について正面から答えない無責任な態度だった。
立民が訴えている
「給付付き税額控除」
については、他党から過去との矛盾を指摘する声が上がった。
旧民主党の野田政権時に当時の安住淳財務相が、税額控除の申請が膨大な数に上ることが想定されるため
「難しい」
と語っていたためだ。
野田氏は整合性のある答えを示せなかった。
野党連携に関し
「対話を続ける」
と述べたが、衆院選後に想定する連立の枠組みを明らかにしなかったことはおかしい。
首相には安全保障政策で不明瞭な発言があった。
アジア版NATO(北大西洋条約機構)の構成国に中国を含むのかを問われ、
「一切の可能性を排除しない」
と述べた。
中国が構成国になり得る国に変化する場合には、アジア版NATOはそもそも要らないではないか。
憲法改正については国民民主党の玉木雄一郎代表が緊急事態条項の創設に関連し、大規模災害時などの国会機能維持について早期の改正を促したが、それ以上深まらず残念だった。

<主張>石破首相の初外遊 国際秩序の担い手となれ
社説
2024/10/12 5:00
https://www.sankei.com/article/20241012-YV3266KOENKKBGBAY5YZN6CNSM/
安全運転の外交デビューではいささか物足りない。
石破茂首相は自由で開かれたインド太平洋、国際秩序の担い手として首脳外交を積極的に展開していく必要がある。
石破首相が就任後初めて外遊した。
ラオスで東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の首脳会議に出席し、日中、日韓などの首脳会談を行った。
衆院解散後でもラオスへ足を運んだのは妥当だ。
バイデン米大統領の姿はなく、日本の首相も不参加なら李強首相が出席する中国の存在感が高まってしまう。
石破首相の外遊はそれを防ぎ、日本がASEANと連携する意思を示す意義があった。
ASEANと日中韓3カ国の首脳会議で石破首相は、中国を念頭に
「力や威圧による一方的な現状変更の試みを許容してはいけない」
と牽制した。
日中首脳会談では
「戦略的互恵関係の包括的推進」
で一致した。
李首相に対し、中国軍の動向への深刻な懸念を伝えた。
日本人男児刺殺事件や中国軍機の領空侵犯について説明を強く求めた。
中国が拘束する邦人の早期釈放や日本の排他的経済水域(EEZ)内の中国ブイの即時撤去、日本産水産物輸入の早期再開も促した。
台湾海峡の平和と安定の重要性を指摘した。
日韓首脳会談ではシャトル外交の継続や安保協力の推進などで一致した。
石破首相はラオスで、持論のアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想を封印した。
岸田文雄前首相の外交路線を踏襲した形で、日本の抱く懸念を李首相に直接伝えたこともあり、初外遊は無難に遂行したと見做されているようだ。
だが中国と戦略的互恵関係など築ける時代なのだろうか。
また、石破首相は自民党総裁選でアジア版NATOを不用意に掲げたため、ASEAN諸国から不安視される中でのスタートだった点を忘れてはならない。
マイナスからの出発で安全運転に徹しても存在感は示せない。
フィリピンのマルコス大統領はASEANと中国の首脳会議で南シナ海問題を巡り中国を直接批判した。
石破首相も日中の個別会談だけでなくASEAN首脳の前でも名指しで中国の問題行動を難じるべきだった。
ベトナム首相と会談したが、日越比の首脳会談を開く選択肢もあったのではないか。

<主張>政治とカネ 再発防止策も丁寧に語れ
社説
2024/10/11 5:00
https://www.sankei.com/article/20241011-DR2B2U63YFPI3ED6H4HTFQGRQA/
事実上始まった衆院選では
「政治とカネ」
を巡る問題が争点となっている。
自民党はパーティー収入不記載事件に関連し前議員らを非公認にしたり、比例代表への重複立候補を認めなかったりする方針だ。
野党は
「不十分だ」
と批判している。
野党との対決を前に、石破茂首相による党内の非主流派潰しの様相を呈しているとの指摘も出ている。
有権者の投票判断の材料にすべき課題は他にもある。
政治資金の透明性確保と事件の再発防止の具体策だ。
立憲民主党、日本維新の会、公明党、国民民主党などは、政党から国会議員に支出される使途の報告義務がない
「政策活動費」
の廃止を訴えている。
自民は公約に
「将来的な廃止も念頭に」
改革に取り組むと記した。
首相は今回の衆院選では
「使うことはある」
と語った。
立民が先の通常国会でパーティー禁止法案を提出しながら、同党幹部らが開催していたことを想起させるものだ。
党務を預かっていた茂木敏充前幹事長は自民総裁選で、廃止は可能と語っていた。
今の自民の姿勢は有権者から見て分かりにくい。
国会議員に支給される調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の使途公開は、衆院選後の国会で直ちに関連法を改正して実現すべきだ。
政治資金を監視する第三者機関の制度設計も急がれる。
立民、維新、共産党などが唱えている企業・団体献金の禁止には賛成できない。
企業や労働組合なども民主主義社会の構成員である以上、政治活動の自由は認められるべきだ。
一般国民からの個人献金が定着していない日本で企業・団体献金を禁止すれば、世襲ではない人や、業界団体、宗教団体などの背景を持たない人にとって選挙活動は極めて不利になる弊害も出てくる。
企業・団体の幹部が分散して、個人として献金する抜け穴を塞ぐことも難しい。
却って日本の議会制民主主義を後退させかねない。
一方、外国人・外国法人のパーティー券購入禁止の議論が低調なのは残念だ。
国政が外国勢力からの影響を受けるのを防ぐために禁止は欠かせない。
不記載事件の動機は今も分かっていない。
自民は明らかにする責任がある。

<主張>衆院解散 日本守り抜く政策訴えよ 政権を託せるのはどの党か
社説
2024/10/10 5:00
https://www.sankei.com/article/20241010-KWGTCTQYKVIWLBZR4XMFA2XQJM/
衆院が解散され、事実上の選挙戦が始まった。
解散は天皇陛下の国事行為である。
石破茂内閣は臨時閣議で
「15日公示、27日投開票」
の日程を決めた。
衆院選は3年ぶりだ。
新首相の就任から8日後の解散、26日後の投開票は戦後最短の決戦となる。
衆院選は政権選択選挙だ。
各政党と候補者は有権者の前で、日本を守り繁栄させる政策を大いに論じなければならない。
解散を前に国会で行われた党首討論で石破首相(自民党総裁)は、派閥パーティー収入不記載事件への対応を批判され防戦一方となった。
■安全保障をなぜ語らぬ
政治資金の透明性確保や不記載事件の再発防止を進め、政治への信頼を取り戻すことは重要だ。
政治とカネの問題が争点の1つになるのは当然だろう。
ただし、党首討論は衆院選を前に、日本の将来に向けた政策を競い合う場でもあるべきだった。
ところがそうならなかったのは、全閣僚出席の予算委員会を開いて丁寧な論議をしなかったことが響いている。
石破首相の所信表明演説後、代表質問と党首討論をしただけで解散したのは残念だった。
石破首相と自民は、不記載議員らの一部を対象に非公認の数を増やしたが、有権者が評価するかは不透明だ。
党首討論では外交安全保障がほとんど論じられなかった。
日本を取り巻く安全保障環境が極めて厳しい中で信じ難いことである。
習近平中国国家主席の共産党総書記の任期の関係から、台湾有事が令和9(2027)年までにあるかもしれないと危惧されていることを忘れたのか。
「台湾有事は日本有事」
と言われる。
今回の衆院選で選ばれる議員と彼らが指名する首相は、台湾有事を抑止するため働き抜かねばならない。
もし有事になれば、先頭に立って国家国民を守り抜く重責を担う。
有権者はそれに相応しい議員を選ばなければなるまい。
全ての政党と候補者は現下の国際情勢に対する認識と、今後起こり得る危機の抑止と対処の具体策を語るべきだ。
野党第一党の立憲民主党の安全保障に関する姿勢は、極めて危うい。
日米同盟の抑止力を格段に高めた集団的自衛権の限定行使の容認を
「憲法違反」
とする立場だからだ。
立民の衆院選公約は、限定行使を認める安保関連法について
「違憲部分を廃止する」
という従来方針を踏襲した。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古移設工事は
「中止」
すると明記した。
この政策のまま政権をとれば日米同盟は空洞化する。
旧民主党の鳩山由紀夫政権が同盟の危機を招いた二の舞いとなるだろう。
これも分からない立民の野田佳彦代表に果たして政権担当能力があるだろうか。
■立民は政権枠組み示せ
立民は、衆院選での与党過半数割れや政権交代の実現を叫んでいる。
にもかかわらず、この目標を達成した時の新たな政権の枠組みを示していないのはおかしい。
これでは有権者の判断材料が揃わない。
目指す政権の枠組みを曖昧にして選挙区調整だけに走るとすれば、議会制民主主義の軽視となる。
選挙戦で聞きたいテーマの1つが、国の根幹に関わる憲法改正だ。
日本国民の多数が自衛隊を認め、期待する時代になった。
ところが多くの憲法学者は自衛隊違憲論を唱えている。
このような異様な状態は改めたい。
憲法への自衛隊明記は改憲に前向きな各党で意見集約が進んでおり、是非早期に実現したい。
改正のゴールは
「戦力不保持」
を定めた第9条2項の削除と軍の規定の創設だ。
そうなって初めて世界の他の民主主義国と同様に国民を守る体制が整う。
首都直下地震、南海トラフの巨大地震などの大規模災害や有事への懸念が高まる中、緊急政令を含む緊急事態条項の創設も急務である。
各党が論じるべき政策課題は他にもある。
物価高に負けない持続的な賃上げによるデフレからの完全脱却、原発を含むエネルギーの在り方、少子高齢化を背景にした人口減少などだ。
国民受けする政策だけでなく
「痛み」
を伴う改革にも真摯に向き合わなければならない。
言行不一致は国民の不信を招く。
各党、各候補者は誠実に言葉を紡いでほしい。

<主張>代表質問 安全保障の論議不十分だ
社説
2024/10/9 5:00
https://www.sankei.com/article/20241009-N3ZCWLPEKJIFNBCCPHJ3MP7ZMA/
石破茂首相の所信表明演説への国会の代表質問が終わった。
政権選択選挙である衆院選を前にした国会である。
「政治とカネ」
を巡る問題が盛んに議論された。
その一方で、日本の独立と繁栄の基盤となる安全保障の論議が深まらなかったのは残念だ。
自民党議員は中国軍の領空侵犯や領海侵入、空母「遼寧」の接続水域航行、ロシア軍の領空侵犯を取り上げ、小野寺五典政調会長は
「国民の命と暮らし、領土・領海・領空を守り抜く」
ことを求めた。
日本維新の会の馬場伸幸代表は台湾有事について質した。
首相が最近の著書で
「『台湾有事、即日本有事』となる可能性は相当低い」
と指摘しているからだ。
馬場氏は
「対中抑止力や国民の国防意識を削ぐことになる」
と懸念を示した。
首相は
「仮定の質問に答えるのは差し控える」
とした上で
「台湾海峡の平和と安定は国際社会の安定にとっても重要だ」
と指摘した。
国防の決意と具体策をもっと語る必要がある。
物足りなかったのは野党第一党の立憲民主党である。
野田佳彦代表が首相のアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想に関し
「日米同盟の抑止力に疑念があると思われかねない」
「非現実的ではないか」
と疑問を呈したのは妥当である。
だが、立民として日本をどう守るつもりかを語らなかった。
対中認識を含む現下の国際情勢に対する見方も示さなかった。
田名部匡代参院幹事長はロシアに侵略されたウクライナで、なぜ抑止力が効かなかったのかを質した。
ウクライナ問題を論ずるのではなく、アジア版NATOを巡る首相の言行不一致を引き出したかっただけのようだ。
安保政策を十分語らずに政権交代を迫っても、説得力は感じられない。
憲法改正については自民、立民、維新などが質問した。
首相は緊急事態条項の創設や自衛隊明記について、自民内の議論を
「後戻りさせることなく、前に進めていく決意だ」
と語った。
同時に、任期中に国会への発議を実現したいとし、憲法審査会で議論を深めるよう求めた。
ただ、それだけでは足りない。
首相や憲法改正に前向きな政党は、どの項目をいつまでに条文化したいのかを明らかにすることも重要である。

<主張>中東の戦火拡大 なぜNSCを開かぬのか
社説
2024/10/3 5:00
https://www.sankei.com/article/20241003-4YRNMLACHBI6FNK2GDIOJIQ5N4/
石破茂首相に問いたい。
なぜ国家安全保障会議(NSC)を開催しないのか。
中東の戦火が拡大しているからである。
イスラエルがレバノンの首都ベイルートにある親イラン民兵組織ヒズボラの本部を空爆し指導者ナスララ師を殺害した。
ヒズボラの脅威を除こうとイスラエル軍はレバノン南部へ侵攻した。
ヒズボラの後ろ盾であるイランは報復と称しイスラエルに向けて大規模な弾道ミサイル攻撃を行った。
米英両軍などが協力して迎撃したが一部が着弾し、被害が出た。
イランの対イスラエル直接攻撃は4月以来だ。
どちらも中東有数の軍事大国だ。
双方に自制を求めたい。
ただし事態がエスカレートすれば
「第5次中東戦争」
になりかねない。
日本や世界のエネルギー供給にとっても、経済情勢にとっても、何より中東地域の邦人の安全にとっても、看過できない緊迫した状況である。
日本は一連の事態を遠い地域の出来事と見做すのではなく、自らの問題と捉え、対応しなければならない。
石破首相は2日、イランの弾道ミサイル攻撃を非難し
「全面戦争に拡大しないように(米国などと)連携を取りたい」
と述べた。
そうであるならば、石破首相は、NSCの4大臣会合などを開き、邦人保護や万一の際のエネルギー需給、イスラエル、イラン双方への働きかけについて協議すべきである。
国家安全保障局や外務省の幹部と面会したが、それだけでは足りない。
NSCを開催すれば、日本企業や現地の邦人に対応を促すシグナルにもなる。
石破首相が自民党総裁に当選した9月27日に、岸田文雄内閣の木原稔防衛相はレバノンからの邦人退避に備え、航空自衛隊のC2輸送機を近隣のヨルダンとギリシャへ派遣する命令を発した。
レバノンには約50人の邦人が滞在している。
政権末期でも邦人保護へ動いた岸田政権の対応は妥当だ。
退避では韓国との相互協力も進めたい。
ただし、レバノンからの邦人退避の備えは日本が為すべき対応の一部に過ぎない。
戦火が一気に拡大しかねない時代だ。
危機は政権交代の事情など勘案しない。
石破首相には内閣発足直後であろうと国民を守り抜いてほしい。

<主張>自民総裁に石破氏 保守の精神踏まえ前進を 外交安保政策の継承が重要だ
社説
2024/9/28 5:00
https://www.sankei.com/article/20240928-ZQWPFHRUFBPALP3NUGABOBDVAI/
自民党総裁選で、石破茂元幹事長が高市早苗経済安全保障担当相を決選投票で破り、新総裁に選出された。
10月1日召集の臨時国会で首相に指名され、宮中での認証式などを経て、石破内閣が発足する見通しだ。
石破氏は当選後、
「安全安心な国にするため全身全霊を尽くしたい」
と語った。
ほとんどの派閥が解散を決めたこともあって史上最多の9人が立候補し、激しい総裁選となった。
石破氏は1回目の投票で高市氏に次ぐ2位だった。
決選投票の票差は21票で、党内基盤は強いとは言えない。
■「挙党態勢」が問われる
政治とカネの問題で自民をみる有権者の目は依然として厳しい。
石破氏と自民は挙党態勢で国政運営に当たる必要がある。
党役員や閣僚の人事は適材適所の観点で、総裁選のライバル候補を含め起用すべきだ。
党所属国会議員は結束して新総裁を支えてもらいたい。
石破氏と自民に求めたいのは保守の精神を尊重、堅持することだ。
自民は党綱領で
「日本らしい日本の確立」
を謳い、自らを
「保守政党」
と位置付けている。
この基本線から外れるべきではない。
総裁選で論じられた選択的夫婦別姓の導入は見送るべきである。
石破氏は前向きな姿勢を示してきたが、保守政党が取り組む課題ではない。
家族や社会の根幹に関わる話だ。
片方の親と子の
「強制的親子別姓」
を意味し、戸籍制度も揺らぐ。
個人の自由の問題とは言えず、自民どころか社会の分断を招きかねない。
旧姓使用の充実で対応してもらいたい。
国家と国民を守り抜く外交安全保障は政治リーダーにとって最も重要な責務だ。
安倍晋三元首相は
「自由で開かれたインド太平洋」
構想を国際社会に示し、限定的ながら集団的自衛権の行使容認を実現した。
菅義偉前首相は米国と共に
「台湾海峡の平和と安定の重要性」
を打ち出した。
岸田文雄首相は5年間の防衛費43兆円、反撃能力の保有を決め、防衛力の抜本的強化を開始した。
石破氏は安倍氏以降の外交安全保障を確実に継承し、発展させなければならない。
中国やロシア、北朝鮮といった核武装した専制国家の脅威をどう捉えているかを語ってほしい。
ウクライナ支援の継続も重要だ。
心配なのは、石破氏がアジア版NATO(北大西洋条約機構)の具体化に意欲を示した点だ。
創設には憲法問題の解決や各国との比較的長期の交渉などに相当の年月と大きな政治エネルギーを要する。
数年先の発生も懸念される台湾有事の抑止を優先すべきではないか。
日米同盟の対処力と抑止力の強化も欠かせない。
■男系の皇統を守り抜け
北朝鮮による日本人拉致問題の解決も急がれる。
石破氏は
「東京と平壌に連絡事務所を開設して交渉の足掛かりとする」
と唱えてきた。
家族会は時間稼ぎに利用されるだけだと懸念している。
まず、家族会などと真剣に語り合ってほしい。
千年、二千年の視野で日本を守るため、安定的な皇位継承策を確立すべきである。
自民は、男系(父系)による継承を堅持する内容の岸田内閣の報告書に賛同する立場だ。
石破氏は総裁選でこの党の方針に従うと表明した点を強調しておきたい。
自民は来年、結党70年を迎える。
憲法改正は党是であり、改憲原案の条文化を臨時国会中に完成させるべきだ。
憲法への自衛隊明記は最優先だ。
首都直下地震などの大規模災害や日本有事への懸念が高まっている。
緊急政令を含む緊急事態条項創設も急務である。
自民総裁として与党公明党の説得にも努める必要がある。
日本が抱える課題は他にもある。
物価高を上回る持続的な賃上げを確実なものとし、デフレからの完全脱却を目指してもらいたい。
少子高齢化を背景にした人口減少への対策や社会保障制度改革も欠かせない。
政治とカネの対応は引き続き重要だ。
パーティー収入不記載事件の再発防止と政治資金の透明性確保を確実にしたい。
信頼を取り戻さなければ、政策は遂行できまい。
早期の衆院解散・総選挙が取り沙汰されている。
臨時国会では所信表明演説で国家観と政策の全体像を披露すると共に質疑にも応じ、国民に投票の判断材料を示すべきである。

川口クルド人問題、突如衆院選争点に浮上「私におまかせを」埼玉2区、全く触れない候補も
「移民」と日本人
2024/10/16 12:10
https://www.sankei.com/article/20241016-M2LPK63JJZLGHB5FX4XFJEJGOQ/?outputType=theme_election2024
27日投開票の衆院選埼玉2区は、トルコの少数民族クルド人と地域住民との軋轢が表面化している川口市の大部分が選挙区だ。
「地元国会議員が動いてくれない」
との指摘も出る中、今回の選挙では突如、争点に浮上。
公示日の15日、JR川口駅前では
「クルド人問題を解決する」
と公約する候補も現れた。
川口は外国人問題で有名になった
「ルール違反の外国人問題、おまかせください!」
日本維新の会前職の高橋英明氏(61)陣営の選挙カーから、運動員の女性がこう呼び掛けた。
前回は比例復活で初当選。
今年2月の衆院予算委ではクルド人を念頭に地元の外国人問題を取り上げ、当時の岸田文雄首相に対応を求めた。
選挙カーの上でマイクを握った高橋氏は経済再生などを訴えた後、クルド人らも混じる通行人に向かって
「この川口は外国人問題で全国的に有名になってしまった」
と切り出した。
「ルールを守らない外国人は一旦国に帰ってもらって、きちんとした在留資格で来てもらう」
「支援団体もそういうことを手助けすべきだ」
と指摘し、警察官の増員などを訴えた。
■この機会だから申し上げる
9選を目指す自民前職で前経済再生相の新藤義孝氏(66)は、選対本部長に奥ノ木信夫市長を迎え、駅前広場に自民、公明両党の県議や市議ら約25人を集めて出陣式。
150人以上の聴衆に向かって経済再生などを論じた後、
「もう1つ大事なことは治安の確保だ」
と地元の課題に話題を転じた。
「いわゆるクルド人問題」
「この機会だから申し上げるが、難民認定申請を繰り返し、10年も20年も川口にいる人たちが増えてしまった」
と、自身の選挙で初めてクルド人問題を明確に取り上げた。
新藤氏は自身の政策チラシにも
「クルド人問題の解決」
と明記。
この日の演説で、6月施行の改正入管難民法で難民申請中の強制送還停止が原則2回までに制限されたことについて
「法改正まで5年かかった」
と実績として触れ、
「ルールを守ってこその共生だ」
「川口をあやふやな出入り自由の街にはさせられない」
と声を張り上げた。
■なぜ外国人問題に触れるのか
一方、共産新人で元県議の奥田智子氏(55)は川口駅頭で第一声を上げたが、約13分間の演説で外国人問題に触れることはなかった。
演説後、奥田氏になぜ触れなかったか尋ねたところ、
「逆に聞くが、なぜ触れるのか」
「演説の内容は私が選べる」
「触れない理由は敢えて言わない」。
地元のクルド人問題への対応については
「国の政治が悪すぎる」
「それに尽きる」
と入管政策を批判した。
立民新人で歯科医師の松浦玄嗣(もとつぐ)氏(52)も川口駅前での出陣式では外国人問題について言及しなかったが、配布した政策チラシに
「外国人労働者の処遇に明確な法整備を求める」
と掲げた。
取材に応じた松浦氏は
「外国人を労働者としてなし崩し的に受け入れるから問題になる」
「川口で起きていることは10年後、20年後、必ず国全体の問題になる」
「外国人を移民として受け入れるのか、鎖国するのか、ロボットやAIに頼るのか、政治家は国民と議論しなければならない」
と語った。
■早く目に見える成果を
この他、埼玉2区には諸派新人で不動産会社社長の津村大作氏(50)が立候補。
7月の東京都知事選にも出馬した津村氏は今回、強制送還を拒む不法滞在者の入管施設への収容を一時的に解く
「仮放免制度」
の廃止を訴えている。
クルド人の危険運転などに困っているという地元の男性会社員は
「選挙で取り上げられるようになったのは一歩前進だが、市民の間ではまだまだ『政治家は何もしてくれない』との思いが強い」
「早く目に見える成果を挙げてほしい」
と話していた。
▽埼玉2区立候補者(届け出順)
奥田 智子55元県議 共新
高橋 英明61党県代表 維前
新藤 義孝66前経済再生相 自前
津村 大作50会社社長 諸新
松浦 玄嗣52医療法人役員 立新

政治とカネが最大の争点、有権者の声「選挙後の追加公認釈然としない」「企業献金禁止を」
2024/10/15 12:07
https://www.sankei.com/article/20241015-ULEGDW5RYVPYNDYFO3B7JOEKGI/?outputType=theme_election2024
自民の派閥パーティー収入不記載事件を受け、
「政治とカネ」
が最大の争点とされる今回の衆院選。
有権者はどのような論戦を望むのか。
京都市左京区の主婦(72)は不記載事件について
「50万円でも100万円でも脱税と言われても仕方がない」
と指摘。
自民は不記載があった候補を非公認としたり、比例代表への重複立候補を認めない措置をとったりしたが、
「選挙後に追加公認する可能性があることは釈然としない」
と述べた。
大阪市浪速区の無職の男性(71)は
「政治家は国民の税金から報酬や活動費を得ているのだから、企業献金は禁止すべきだ」
とした上で、
「約束を実行できる候補者や政党に票を投じたい」。
京都市左京区の自営業、久保元昭さん(78)は
「不記載事件については候補によって額がそれぞれ違っており、有権者の判断に委ねるべきだ」
と話した。
一方、政治とカネ以外の課題への対応に注目するという有権者も。
大阪市西成区の会社員、神野瑠璃さん(49)は
「外交・国防政策を重視している」
「台湾有事など安全保障環境が厳しい中、中国に対しきっちりとものを言ってくれる候補を選びたい」。
大阪市北区の主婦、糟谷千恵子さん(78)は
「大阪の経済対策をちゃんとやってほしい」
「物価高に関しては工夫をして何とかやっているが、大阪に必要なお金を国から持ってきてくれる候補かどうかを重視している」
と語った。
兵庫県尼崎市の阪神出屋敷駅前で候補者の街頭演説を聴いていた同市の無職、近橋保憲さん(66)も
「政治とカネの問題も大事だが、それ以上に私たちの生活を守るのが大事」
といい、
「物価抑制などの経済対策や雇用対策を有効に実行してほしい」
と訴えた。

第50回 衆議院選挙 きょう公示
2024年10月15日 5時03分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241015/k10014609431000.html
第50回衆議院選挙が15日に公示されます。
今回の選挙は、与党が過半数の議席を確保して連立政権を継続するのか、野党が勢力を伸ばして与党を過半数割れに追い込むのかが最大の焦点となります。
第50回衆議院選挙は15日に公示され、小選挙区と比例代表、合わせて465議席をめぐって争われます。
NHKのまとめによりますと、14日までに、
▽小選挙区で1108人
▽比例代表単独で230人
合わせて1338人が立候補を予定しています。
政党別では、小選挙区、比例代表の順で
▽自民党が266人と76人の合わせて342人。
▽立憲民主党が207人と30人の合わせて237人。
▽日本維新の会が163人と1人で合わせて164人。
▽公明党が11人と39人の合わせて50人。
▽共産党が213人と23人の合わせて236人。
▽国民民主党が41人と1人の合わせて42人。
▽れいわ新選組が19人と16人の合わせて35人。
▽社民党が10人と7人の合わせて17人。
▽参政党が85人と9人の合わせて94人。
▽みんなでつくる党が小選挙区のみで6人。
▽日本保守党が4人と26人の合わせて30人。
▽安楽死制度を考える会が比例代表のみで2人。
▽諸派と無所属が小選挙区で83人となっています。
今回の選挙は、与党が過半数の議席を確保して連立政権を継続するのか、野党が勢力を伸ばして与党を過半数割れに追い込むのかが、最大の焦点となります。
289ある小選挙区のうち、与党側は大半の選挙区で候補者を擁立し、野党側は各党が、それぞれ党勢拡大を目指して擁立作業を進めてきました。
12日間の選挙期間中、政治とカネの問題を受けた政治改革のあり方や、物価高対策をはじめとする経済政策、厳しい国際情勢に対応するための外交・安全保障政策などをめぐり、激しい論戦が交わされる見通しです。
立候補の受け付けは
▽小選挙区は、各都道府県の選挙管理委員会で
▽比例代表は、総務省にある中央選挙管理会で
いずれも、15日午前8時半から行われます。
■村上総務相 公示にあたり談話を発表
衆議院選挙の公示にあたって、村上総務大臣は
「選挙は、国民が主権者として政治に参加する最も重要かつ基本的な機会だ」
「有権者の皆様には、積極的に投票に参加し、みずから考え、判断することによって、代表者としてふさわしいと考える方を選出されるよう期待する」
「候補者や選挙運動関係者には、選挙のルールを順守し、国民の信頼と期待に応えられるよう希望してやまない」
「今回の選挙は、小選挙区の区割り改定が行われて以降、初めての衆議院選挙で、選挙の管理執行にあたる方々は、厳正かつ公正を旨として選挙の管理執行にあたるとともに、小選挙区の区割り改定内容の周知や有権者の投票参加を促す啓発に取り組んでいただくようお願い申し上げる」
という談話を発表しました。
■各党 声明など発表
衆議院選挙の公示にあたって、各党は声明などを発表しました。
自民党
日本をどのように守り抜くか、次の時代に向けてどんな社会を創っていくか、国民に選択をいただく重要な選挙だ。
政治の信頼なくして政策の推進はない。
厳しい反省と危機感の上に立ち、ルールの順守を徹底し、信頼回復に全力で取り組む。
今、求められているのは、確かな政策と実行力で政治を着実に前へと進めていくことだ。
皆様の納得と共感のもと『この国に生まれてよかった』と思っていただける国づくりを全身全霊で進めていく、
としています。
立憲民主党
自民党派閥の裏金事件を発端として、政治不信が極まっている中、石破総理は、能登半島を支援するための補正予算編成や、十分な国会での議論に応じることなく『裏金隠し解散』を強行した。
本気の政治改革を実現するため全党一丸となって選挙戦に臨む。
アベノミクスで広がった格差を是正し『分厚い中間層の復活』を実現する。
自公を過半数割れに追い込み、第一党となって政権交代を果たす覚悟だ、
としています。
日本維新の会
政治と金の問題で地に落ちてしまった政治への信頼を回復するため、政治改革を真に実行する候補者を選択する選挙だ。
既得権益としがらみを断ち切れない現政権に、古い政治を続けさせるわけにはいかない。
与党を過半数割れに追い込むことにより、この国のかたちを根本から変える力を与えていただくよう訴えていく、
としています。
公明党
日本経済の再生、少子高齢化対策などを強力に進め、成果を上げている自民・公明両党の連立政権を選ぶのか、政権の枠組みを示せない野党に政治のかじ取りを委ねるのか選択が問われる。
結党以来、政治腐敗と闘い実績を重ねてきた公明党が政権にいるからこそ、政治改革を前に進めることができる、
としています。
共産党
自民党政治は『表紙』を替えても政治の中身は変わらないことが明らかになっている。
国民の願いが通らないのは自民党の政治の根本に、財界・大企業の利益を優先し、日米軍事同盟を絶対視する『2つのゆがみ』があるからだ。
共産党がのびてこそ日本の政治は変えられる」としています。
国民民主党
国民のふところを豊かにする政治家を選ぶのか、自分のふところを豊かにしようとする政治家を選ぶのかが問われる選挙だ。
裏金問題に決着をつけることを訴え、国民の『手取りを増やす』経済政策を掲げて戦う。
真面目に働けば給料が上がる社会を取り戻そう、
としています。
れいわ新選組
『失われた30年』の原因は労働環境破壊と逆進性の強い消費税を不況下で何度も増税したことが大きい。
失われた30年と人間の尊厳を取り戻す。
消費税は廃止、社会保険料減免、現金給付が必要だ、
としています。
社民党
今回の選挙は『税金はくらしに!日本を立て直す選挙』であり、『自民党政治を終わりにする選挙』だ。
この衆院選はまさに平和憲法9条を守れるのかどうかの天王山の闘いだ、
としています。
参政党
『日本をなめるな!』このスローガンのもと、参政党は日本の再興に挑む。
守りだけでなく攻めの姿勢で本来自民党がやるべきだったことを、我々参政党が引き受ける、
としています。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/736.html#c42

[国際35] トランプ再選後に予想される台湾有事1つのシナリオ(SSS 佐藤戦略総研) 佐藤鴻全
3. 秘密のアッコちゃん[776] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月20日 15:44:41 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[341]
<■64行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
中国のネット管理強化に一人の女性学者が異を唱え…巻き起こった当局非難の嵐 天沼康
正論11月号 「中華考現学」
2024/10/20 12:00
https://www.sankei.com/article/20241020-AQAEW7VR65AVVC7DREHQ4S4TPQ/?outputType=theme_monthly-seiron
「まるで呼吸をするのに許可証が必要というようなでたらめな制度だ!」
中国では2024年8月、当局が11億人近くに達したネット人口の管理強化を進めるため、1人1人にネットを利用するための番号と証明書を交付する制度を発表。
これに学者やネット市民から反対の声が相次いだ。
当局は軌道修正を迫られるなど、ネットの自由を巡る駆け引きが表面化している。
発端は2024年7月26日、公安省と国家インターネット情報弁公室(中国政府のネット管理部門)が発表した
「国家インターネット身分認証公共サービス管理弁法」
という行政法規だ。
これは、ネットを利用する国民1人1人に
「網号(ネット番号)」

「網証(ネット証明書)」
を交付するというもので、ネットの各種サービスやアプリにアクセスする場合は、この番号と証明書を提示すれば、個人情報の登録が不要になるとして
「個人情報保護に役立つ」
としていた。
この法規が出るきっかけとなったのは、今年2024年3月の全国人民代表大会(全人代)に、黒竜江省の地方都市のネット警察が提出した
「国家統一ネット身分認証制度設立の建議書」
だった。
その後、僅か半年足らずで、国民全体を対象とした法規が発表されたのだ。
これについて2024年8月25日まで行われたパブリックコメントの募集では、多くの学者から反対の声が寄せられた。
特に、リベラルな女性学者として知られる清華大学法学部の労東燕教授は短文投稿サイト「微博」に文章を発表。
ネット番号や証明書の申請は強制ではないとしているが、骨抜きにされる可能性が高いことなどを指摘した。
労氏は
「この法規は個人情報の保護ではなく、ネット上の言動の管理強化が目的ではないのか」
と批判。
「ゼロコロナ政策における『健康コード』で国民の管理が常態化したように、ネット番号は1人1人のネット利用に監視機器を取り付けるようなもので、その人のネット上の痕跡が一網打尽に収集されることになる」
「ネット利用は許可が必要な特権となり、関連部門が許可しなければ、個人はネット上での発言やアプリの利用など、あらゆるサービスが受けられなくなる」
と指摘した。
この文章は予想通り、ネットから封殺されたが、ネット市民の間からも批判が噴出した。
「ネット証明書は、社会で政府に批判的意見を持つ人が対象だろう」
「だが本当の被害者となるのは、大学や職場でハラスメントを受けた人や、子供が学校で自殺したのに、その理由を知ることができない親たちだ」
「彼らは社会に声を上げる道が塞がれてしまうだろう」。
社会的な弱者がネットにより不正や真相究明を求めることができる権利が奪われてしまうという指摘だ。
批判が相当堪えたのか、公安省はコメント募集締め切り直前の2024年8月23日、
「ユーザーは『証明書』がなければネットにアクセスできないということはない」
「ユーザーに使用を強制しない」
との見解を発表した。
これについて、ネット上に公開された
「労東燕氏は我々のために局面を挽回してくれた」
という文章は
「ネット番号と証明書はご破算になった」
として、当局が1度実施すると決めた政策がひっくり返るという驚くべき事態となったのは、労東燕氏が人々に警告を発してくれたおかげだと称えた。
また、
「最初にこの制度が発表された時、人々は意味がよく分からなかったが、彼女が呼び掛けてくれたことで、人々はこれを理解し、勇気を出して意見を発表し、反対の声が大きな潮流となった」
と、ネット社会の声が言論統制に歯止めを掛けたことを高く評価した(この文章も削除された)。
台湾・国立成功大学の洪敬富教授(中国政治)は今回の事実上の見送りについて
「もしネット証明書が中国在住の外国人にも適用されれば、反発し外資撤収の恐れがある上、共産党政権内の人々も自分たちのネット上の言動が全て監視されることに不満を感じたのだろう」
「だが今後、形を変えて導入される可能性もある」
とメディアに指摘している。
(月刊「正論」11月号から)
(あまぬま・やすし 作家、チャイナウォッチャー)

http://www.asyura2.com/24/kokusai35/msg/130.html#c3
[政治・選挙・NHK295] 時事通信支持率28%の驚きと必然 総選挙直前 まるで政権末期の阿鼻叫喚(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
45. 秘密のアッコちゃん[777] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月21日 07:02:15 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[342]
<■1323行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
<主張>衆院選と少子化 財源確保の議論不十分だ
社説
2024/10/21 5:00
https://www.sankei.com/article/20241021-SP4JC7WFYJOMHGZJYRQLGLDYV4/
日本の少子化は年々深刻さを増している。
更に高齢化で死亡者数は増加傾向にある。
人口減少は歯止めがかからない状況だ。
少子化と人口減少は社会保障制度の持続可能性に悪影響を与え、国の活力低下にも繋がりかねない。
令和5年の出生数は過去最少の72万7288人だった。
令和6年は70万人を割る可能性がある。
令和5年の合計特殊出生率は1・20と過去最低を更新した。
にもかかわらず、衆院選では各党から危機感が伝わってこない。
しかも訴えは給付の拡充策が中心で、財源確保の議論が足りない。
財源の裏付けがなければ実効性は確保されまい。
自民党は公約に政府の
「こども未来戦略」
を踏まえ、児童手当拡充や高等教育無償化、住宅支援強化などを盛り込んだ。
子育て支援の財源として、政府は公的医療保険に上乗せして徴収する
「子ども・子育て支援金」
の創設を決めている。
岸田文雄前首相は社会保障費の歳出削減などで
「実質的な負担は生じない」
と説明してきた。
だが、高齢化で需要が高まる医療・介護サービスを低下させずに、歳出削減を十分に行うことが出来るのか疑問は残ったままだ。
石破茂首相は岸田前政権の少子化対策を継承する姿勢を示している。
負担についても、きちんと論じるべきだ。
立憲民主党は公立小中学校の給食費無償化、高校や国公立大の授業料無償化を掲げている。
子供・子育て予算として
「対GDP(国内総生産)比3%台」
を達成するとも主張しているが、安定財源はどうするつもりなのか。
不明確では政権担当能力を疑わざるを得ない。
教育費による家計の圧迫が少子化要因になっているとの問題意識は多くの党で共有されている。
日本維新の会は教育の全課程の無償化、公明党は国公私立を問わず高校の実質無償化と2030年代の大学の無償化、国民民主党は高校までの授業料完全無償化を訴えている。
各党は丁寧に説明する必要がある。
訴えるべきは他にもある。
人口減に対応した地域の在り方についてだ。
日本の総人口は約1億2500万人だが、50年後は3割減ると推計されている。
人手不足に拍車がかかり、地方の過疎化も進む。
人口減でも繁栄できる国家像を提示することも重要である。

処理水問題で中国と対峙、高市早苗氏に台湾から期待の声 衆院選「裏金」で騒ぐだけでいいのか 元産経新聞台北支局長がシンクタンク設立
2024.10/18 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241018-QCCQC6GNGFNRJMN3VRV4Z5OL4E/
衆院選はあたかも
「政治とカネ」
一色のようだが、日本を取り巻く国際情勢に目を向けると、果たして
「裏金、裏金、裏金」
と騒いでいるだけでいいのかと思う。
公示前日の2024年10月14日、中国軍は台湾を取り囲むように大規模な軍事演習を行った。
折しもこの日、筆者は台北にいた。
産経新聞前台北支局長の矢板明夫氏が設立した
「インド太平洋戦略シンクタンク」(印太戦略智庫)
の発足式に出席するためだった。
式典には、頼清徳総統が祝辞を寄せた他、郭智輝経済部長(経産相に相当)、元立法院長で台湾日本関係協会の蘇嘉全会長、日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会台北事務所代表の片山和之氏、米国の対台湾窓口機関、米国在台協会(AIT)台北事務所長のレイモンド・グリーン氏、ドナルド・トランプ前米政権下で、マイク・ポンペオ前国務長官の中国政策に関する首席顧問を務めたマイルズ・ユー氏、半導体大手「聯華電子」(UMC)創業者の曹興誠氏らが出席した。
台湾メディアも多く詰め掛け、矢板氏のシンクタンクへの関心の高さを窺わせた。
片山氏は挨拶の中で、中国軍による演習が矢板氏のシンクタンクの重要性を物語っていると述べた。
矢板氏は、日本の本州(山口県下関市)と九州(北九州市)を結ぶ関門橋をモチーフにした写真を背景に、このシンクタンクがインド太平洋地域の自由を守ると共に、台湾と世界の民主主義国家を繋ぐ
「架け橋」
になればとの抱負を語った。
式典後のパーティーで、台湾側の出席者から話を聞くと、自民党総裁には高市早苗前経済安保相になってほしかったとの声が相次いだ。
高市氏は
「台湾有事は日本有事」
と明言した安倍晋三元首相の遺志を継ぐ姿勢を明確にしているからだ。
高市氏は昨年2023年9月、国際原子力機関(IAEA)総会で、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出について中国側から批判を受けると、
「突出した輸入規制を採っているは中国のみです」
「日本としては引き続き、科学的根拠に基づく行動や正確な情報発信を中国に対して求めていきます」
と強調した。
「処理水」

「核汚染水」
と呼んだ中国代表に反論したものだ。
中国の批判に
「受け身」
にならず、正面から対峙した政治家は珍しい。
実際、読売新聞によると、岸田文雄首相(当時)は周囲に
「中国を再び刺激しないか」
と不安を漏らしたという。
中国側は、高市氏が退出した後、再反論したが、在ウィーン日本政府代表部の引原毅大使(同)が
「中国には、トリチウムの年間排出量が、福島第1原発の5倍から10倍の原発もある」
と再び反論した。
日中間の応酬はこれで終わったが、
「日本側の発言で終わるという最も望ましい形」(政府関係者)
となった。
ちなみに、引原氏は高市氏と同じ奈良県出身だった。
石破茂首相も総裁選前、台湾を訪問して頼総統らと意見交換したが、衆院選では積極的に安全保障について語ってほしい。
日本には内向きになっている余裕はないはずだ。
 (産経新聞特別記者・有元隆志)

石破政権「机上の空論」国家安全保障最前線
日米同盟を「対等な同盟に」石破首相の空想 決定的に違う「核を保有しているか否か」…日本の限界は大きく まず憲法改正を
2024.10/19 15:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241019-N7P52NS64BJN3N45FTJCM7UJSI/
石破茂首相は
「日米の対等な同盟」
を主張していて、米シンクタンク
「ハドソン研究所」
のホームページで発表した寄稿文
「日本の外交政策の将来」
に、まず
「米英同盟なみに日米同盟を強化する」
として以下のように書いている。
「石破政権では 戦後政治の総決算として米英同盟なみの『対等な国』として日米同盟を強化(する)」
「アーミテージ・ナイ・レポートはかつて米英同盟の『特別な関係』を同盟のモデルとして、日米は『対等なパートナー』となることを提案した」
「今、それが可能となり、米国と肩をならべて自由主義陣営の共同防衛ができる状況となり、日米安全保障条約を『普通の国』同士の条約に改定する条件は整った」
石破首相は、日米の関係がかつては対等ではなかったが、今や対等になり
「自由主義陣営の共同防衛ができる状況となった」
と言いたいのであろうが、それは空想でしかない。
日米関係は決して対等ではない。
決定的に違うのは
「核を保有しているか否か」
だ。
非核国家でなおかつ完全な集団的自衛権を有していない日本の限界は大きく、石破首相が主張する
「米国と肩をならべて自由主義陣営の共同防衛ができる状況になった」
とは言えないのである。
石破首相は寄稿文で、日米安保条約は
「非対称双務条約」
であり改定すべきだとも指摘している。
「アメリカは日本『防衛』の義務を負い、日本はアメリカに『基地提供』の義務を負うのが現在の日米安全保障条約の仕組みとなっているが、この『非対称双務条約』を改める時は熟した」
「日米安全保障条約と地位協定の改定を行い自衛隊をグアムに駐留させ日米の抑止力強化を目指すことも考えられる」
「そうなれば、『在グアム自衛隊』の地位協定を在日米軍のものと同じものにすることも考えられる」
「更に、在日米軍基地の共同管理の幅を広げていくなどすれば在日米軍の負担軽減ともなろう」
日米安保条約は通常、
「非対称双務条約」
ではなく片務条約と呼ばれている。
米国は日本防衛の義務を負うが、日本は米国防衛の義務を負わないからだ。
この片務性は日本にとってある意味で都合の良いものである。
石破首相のように、地位協定の改定やグアムへの自衛隊駐留、在日米軍基地の共同管理を主張するのであれば、米側が
「片務性こそ問題であり、日本も米国防衛の義務を負いなさい」
と反論してくるのは火を見るより明らかだ。
そこまでの危険を冒してまで地位協定の改定やグアムへの自衛隊駐留を主張すべきではない。
もしも日本が米国と対等な国として米英同盟並みに日米同盟を強化したいのであれば、日本には集団的自衛権の行使が求められる。
つまり、憲法を改正して集団的自衛権の行使が可能な普通の国家になる必要がある。
しかし、石破首相のハドソン寄稿文には憲法改正の記述がない。
まずは憲法改正から始めなければいけない。
■渡部悦和(わたなべ・よしかず)
元陸上自衛隊東部方面総監、元富士通システム統合研究所安全保障研究所長、元ハーバード大学アジアセンター・シニアフェロー。
1955年、愛媛県生まれ。
1978年東京大学卒業後、陸上自衛隊に入隊。
その後、外務省安全保障課出向、ドイツ連邦軍指揮幕僚大学留学、第28普通科連隊長(函館)、防衛研究所副所長、陸上幕僚監部装備部長、第2師団長、陸上幕僚副長を経て2011年に東部方面総監。
2013年退職。
著書・共著に『日本はすでに戦時下にある』(ワニブックス)、『宇宙安全保障』(育鵬社)、『台湾有事と日本の安全保障』(ワニブックスPLUS新書)など多数。

石破政権「机上の空論」国家安全保障最前線
同盟国に不信感与えた石破首相の寄稿文 総裁選期間中に米シンクタンクで発表 問題点満載、疑われる安全保障への「机上の空論」
2024.10/16 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241016-BXVMWL2LKBPOBBWGYBDW4JAYBQ/
現在、国内外が混沌とした状況にある。
ロシアのウクライナ侵略が継続し、中東ではイスラエル・ハマス戦争が1年経過しても終結せず、イスラム原理主義組織ハマスのみならず、イランや親イラン民兵組織ヒズボラとの紛争に拡大している。
中国は
「台湾武力統一」
を放棄していない。
権威主義国の中国やロシアは、我が国の領空・領海を侵犯している。
まさに我々は激動の時代を生きている。
国内においては、岸田文雄政権から石破茂政権への交代があった。
3年間続いた岸田政権を批判する人は多いが、私は安全保障分野における同政権の功績を高く評価している。
国家安全保障戦略などの
「安全保障3文書の策定」
や、
「防衛費のGDP(国内総生産)比2%への増額」
への道筋をつけた、日米関係を最良の状態にしたことは特筆すべきことだ。
岸田政権を引き継いだ石破政権には、激動の時代における国家運営、特に安全保障分野のかじ取りを適切に行ってもらいたいと思う。
しかし、石破首相に不安を感じている。
石破首相が総裁選の期間中、米シンクタンク「ハドソン研究所」のホームページで発表した
「日本の外交政策の将来」
と題する寄稿文は問題点満載で、安全保障に関する見識が疑われる文書であるからだ。
この不用意に公開された寄稿文が、米国やアジアの諸国に石破首相に対する不信感を与えた。
「覆水盆に返らず」
とはまさにこのことだ。
石破寄稿文には、
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)の創設」
「対等な普通の国同士としての『日米安全保障条約の改定』『日米地位協定の改定』」「国家安全保障基本法の制定」
「米国のFEMA(連邦緊急事態管理庁)に準ずる防災省の設置」
「米国の核シェアや核の持ち込みの具体的な検討」
「自衛隊のグアム駐留」
などが提案されている。
これらは
「机上の空論」
だ。
例えば、対等な普通の国同士としての
「日米安全保障条約の改定」
「日米地位協定の改定」
「米国の核シェアや核の持ち込みの具体的な検討」
は、米国の反発を受けるだけだ。
国内外情勢が厳しい状況下において最優先の課題ではない。
ましてや、
「アジア版NATOの創設」
「米国のFEMA(連邦緊急事態管理庁)に準ずる防災省の設置」
「自衛隊のグアム駐留」
などは、まさに非現実的な議論だ。
幸いにも、石破首相は所信表明演説(4日)では、
「アジア版NATOの創設」
「日米地位協定の改定」
などには触れなかった。
これは賢明だった。
いずれにせよ、石破首相が優先すべきは憲法改正を行い、集団的自衛権の問題を完全に解決することだ。
この集中連載においては、激動の時代における
「現実論」

「机上の空論」
について記述したい。

高市早苗氏、支持者の自民党離れを危惧 投票呼び掛けも「高市さん応援しても自民党には失望」の声が続く
2024/10/19(土) 18:06配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/d4c791f3987620eeb7a75e87e11b5683cc4b97d5
自民党の高市早苗前経済安全保障担当相が2024年10月19日、自身のX(旧ツイッター)を更新。
今回の衆院選(2024年10月27日投開票)に向け、総裁選で自身以外の候補者を応援した自民党公認候補者への投票をしないという声があるとして、同党への投票を呼び掛けたが、リプ欄には高市氏は支持しても現在の自民党は支持出来ないという声が相次いだ。
高市氏は
「なかなかニュースも含めてネット情報をチェックする余裕も無いスケジュールで全国遊説を続けていますが、昨日、辛い話を聞きました。」
と切り出し、
「先月2024年9月の自民党総裁選で私以外の候補者を応援しておられた自民党公認候補者に対して『投票しない』と仰る方が居られるという話が数件」
「困り果てた当該候補者の陣営から、私の秘書に連絡を頂いたそうです。」
と明かした。
その上で、高市氏は
「今、私達が戦っている衆議院選挙は、政権選択選挙です」
「私も含めて自民党の候補者達は、自民党への様々なご批判も全員で受け止めながら、これからも日本国の舵取りをお任せいただけるよう、1人でも多くの当選を目指して頑張っている最中です」
「議席を減らして野党になってしまうと、私が訴えてきた政策を議員立法で実現する事も困難になります」
と訴え、
「だから私は、昨日も、今日も、総裁選で他陣営に居られた候補者の応援にも伺っていますし、皆様にも是非とも応援をして頂きたいと願っています」
「どうか宜しくお願い申し上げます」
と呼び掛けた。
高市氏の投稿に対し、フォロワーからは
「高市さんは応援するが自民党には失望した人が多いと思います」
「残念ながら、今の石破政権には信用がない」
「自民党への失望と憤りを持ち続けている自民党員もたくさんおられると感じております」
「自民党に票が集まれば、『有権者の支持を得た』と更に私が望まぬ方向に進む気がしてなりません」
「石破政権を保守政権と認めないのも1つの立派な判断です」
などといった意見が続いた。
(よろず〜ニュース編集部)

日米防衛相、抑止力強化へ連携確認 中谷氏、中国念頭に「現状変更に反対」
2024/10/19 21:58
https://www.sankei.com/article/20241019-TNWRZLH26ZM6XGD6JYD4YHPVPQ/
中谷元・防衛相は2024年10月19日、先進7カ国(G7)国防相会合が開かれたイタリア南部ナポリでオースティン米国防長官と会談した。
両氏の対面での会談は初めてで、日米同盟の抑止力・対処力を一層強化するため緊密に連携していくことを確認した。
中谷氏は会談で、中国による東・南シナ海や台湾周辺での覇権主義的な行動を念頭に
「インド太平洋地域は戦略的に極めて重要な地域だ」
「東・南シナ海での力による一方的な現状変更の試みに反対する」
と述べた。
「台湾海峡の平和と安定が国際社会に重要だ」
とも語った。
オースティン氏は、米国が核を含む戦力で日本防衛に関与する
「拡大抑止」
に触れ、
「あらゆる能力を含め、米国の日本防衛に対するコミットメントは揺るぎない」
と強調。
日米の反撃能力の充実や指揮統制における連携強化の推進が重要だとの考えを示した。
日本は来年2025年春に陸海空3自衛隊を一元的に指揮する統合作戦司令部を創設する。
米軍も在日米軍司令部を統合軍司令部に再編する方針で、日米が作業部会を通じて連携強化の議論を加速させていくことを確認した。
石破茂首相が唱える日米地位協定の改定への言及があったかどうかは明らかにされなかった。
両氏はまた、北朝鮮の核・ミサイル開発などを念頭に、日米韓などが多国間連携を一層強化していくことを確認した。

<主張>原発で日本回復を目指せ 国民生活とAI立国のために
社説
2024/10/20 5:00
https://www.sankei.com/article/20241020-CLMDDPLQJVJXNAJTVGWX5MQGIE/
日本の政治は重要な忘れものをしていないか―。
衆院選の最中であるにもかかわらず、各政党や候補者からエネルギーに関する発言がほとんど聞こえてこないのだ。
ロシアによるウクライナ侵攻や中東での紛争激化に加え、中国の台湾威圧で地政学的な緊張が日々、高まりつつあるのにどうしたことか。
資源貧国で島国の日本は、国際紛争の余波を受けやすい。
国内電力の約7割を占める火力発電の燃料の大半は、輸入天然ガスと石炭に依存している。
タンカーの行く手が塞がれたり、迂回を余儀なくされたりすれば、日本はたちまち電力不足に陥る運命だ。
■安全保障力ある電源は
緊張含みの国際情勢に照らした場合、日本に最も頼りになる電力源は原子力発電だ。
原発は13カ月ごとに止めて定期検査をしているが、必要があれば2年以上の連続運転も可能である。
抜群の安定供給能力などで原子力は準国産エネルギーに位置付けられてきた。
電力の安定供給に最も役立つ原発なのだが、東日本大震災を機に当時の民主党政権によって全面停止に追い込まれた。
国内の原発再稼働は異様に遅い。
大震災前には54基の原発が存在したが、その後に21基が廃炉となった。
残った33基中、再稼働を果たした原発は12基に過ぎないのだ。
こうした減り方を目の当たりにすれば、再稼働の促進や新増設の必要性が痛感されるはずだが、肝心の自民党でさえ頼りない。
「原子力など脱炭素効果の高い電源を最大限活用」
すると公約しているが、目的は
「カーボンニュートラル(脱炭素)」

「エネルギー安全保障」
のためと記す。
順番が違わないか。
原発の必要性を明確に説いているのは唯一、国民民主党だ。
データセンターや半導体工場の増加による電力需要の大幅急増を見据えた上で
「原子力発電所の建て替え・新増設により、輸入に頼らない安価で安定的な電力を確保する」
としている。
立憲民主党は
「原発の新増設は認めない」
と宣言した。
今後4半世紀内に出来る限り早く
化石燃料にも原子力発電にも依存しないカーボンニュートラルを達成」
するという。
■規制委の是正も急務だ
有権者の多くは気付いていないかもしれないが、実は日本の原子力発電は、持続可能性が危ぶまれるほどの深刻な状況に直面している。
13年前2011年の東京電力・福島第1原子力発電所事故の煽りで、既存原発の21基が今も未稼働であることに加え、原発新増設の動きも止まったままだ。
このため原発の部品を供給する企業には廃業に至ったところも少なくない。
国内の原発メーカーである三菱重工業、日立製作所、東芝の3社でも新規プロジェクトが途絶えたことで高度な原発技術の世代間継承に支障を来しつつある。
原発を保有する電力10社でも再稼働を果たしたのは3社に過ぎず、実機での発電経験のない運転員が増しているのだ。
政府は目下、次の
「第7次エネルギー基本計画」
の案を練っている。
衆院選後の新政権には原子力活用に向けての采配を期待する。
現行の6次計画にある
「可能な限り原発依存度を低減する」
との記述などは
「低減」

「増大」
に改めたい。
耳当たりの良い再生可能エネルギーは安定性に欠け、メガソーラーは環境破壊と隣り合わせだ。
原子力発電への消極姿勢を改めなければ電力供給の不足と電気代の値上がりで、国民生活も産業も苦難の道を歩むことになる。
3年前2021年の6次計画策定時点に比べ、エネルギーを取り巻く諸環境は激変している。
国際紛争だけでなく、新産業革命を牽引する人工知能・生成AIの出現も加わった。
AIの開発や運用には膨大な電力需要の発生が予測されており、それへの対応には原発をおいて他にない。
新政権には、再稼働の安全審査に関わる原子力規制委員会の業務遅滞の解決が急務である。
国のエネルギー行政との整合性の回復には規制委設置法の改正も視野に入れるべきだろう。
石破茂首相は就任直後の所信表明演説で
「日本を守る」
など5つの
「守る」
を表明したが、その履行の基盤にはエネルギーが必要だ。
日本の地政学的現況を直視すれば主軸は自ずと原子力エネルギーに帰着する。
各党諸賢には根本原則として胸に刻んでもらいたい。

高橋洋一「日本の解き方」
自民と立民が「増税路線」で同調 歩調合わせ減税に否定的、震災後の悪夢が繰り返される 財務省には千載一遇の好機≠ゥ
2024.10/19 10:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241019-5WEPJDBKSRITPAO67CADSNHPIA/
金融所得課税の強化について、石破茂首相は自民党総裁選で取り上げた後で引っ込めたが、ここにきて立憲民主党の野田佳彦代表が
「25%への引き上げもあり得る」
と強調した。
野田氏は法人税も上げる余地があると述べたという。
衆院選のタイミングでこうした発言をした狙いはどこにあるのか。
石破政権はブレるので、金融所得課税については再びブレて
「課税強化」
を言いかねない。
はっきり言えば、消費税について、自民党と立憲民主党がシンクロしているのが気になる。
与野党党首は2024年10月13日のNHK番組で論戦した。
石破首相(自民党総裁)は、消費税率について
「引き下げることは考えていない」
「当面、上げることも考えていない」
とした。
減税はやらない方針だ。
立憲民主党の野田氏も消費税の減税に関し
「高額な所得者が額として一番恩恵を受ける」
と述べた。
一般的には、消費税は逆進性があるので、減税は低所得者層ほど有利になる。
だが、わざわざ額に言及して分かりにくくしているが、要は減税しないということだ。
他の野党党首は減税に言及しているのに、自民と立民は歩調を合わせて減税に否定的だ。
立民の新代表が決まった段階で危惧していたが、野田氏と言えば、民主党政権時代に消費増税という財務省の戦略にまんまと乗り、一部では
「使い勝手ヨシヒコさん」
とも揶揄されていたらしい。
石破首相も、財政緊縮と金融引き締めで有名だった人だ。
衆院選では自民党と公明党は苦戦が見込まれ、自民の過半数割れを予測する人も少なくない。
有権者の動向によっては自公で過半数割れもあり得る状況だ。
その場合、負け方にもよるが、自公と立民による
「大連立」
にならないとも限らない。
仮に
「台湾有事」
になると、大連立の大義名分ができる。
そうした話は東日本大震災の時にあった。
実際には大連立にはならなかったが、当時の野田首相と野党だった自民党の谷垣禎一総裁はともに増税志向だったので、復興増税と2度の消費増税というホップ・ステップ・ジャンプという財務省の野望が実現した。
財務省は、大連立にならなくても、この東日本大震災の後の増税路線の再来を狙っているのではないか。
歴史は繰り返すという。
増税したい財務省からみれば、自民と立民の両トップが増税志向だというのは千載一遇のチャンスだ。
しかも、立民の野田代表は、過去の消費増税の立役者なので、再び増税をやってくれそうだと期待してもおかしくない。
今回は野党なので、石破首相を誘導することも考えられる。
野田代表から金融所得課税25%や法人税増税を言い出したのも、そのための戦略ではないだろうか。
早速、石破首相は防衛増税を言い出した。
金融所得課税は金持ち優遇の是正、法人税増税は利益をため込んで吐き出さない企業へのペナルティーというキャッチフレーズだろう。
そこで増税に勢いをつけ、次には社会保障にかこつけて再び消費増税というシナリオを財務省は描いているのではないか。 
(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

高橋洋一「日本の解き方」
石破首相が掲げた「アジア版NATO」の非現実度 日米地位協定見直しも含め…まず同盟国助けられない「憲法9条の改正」が先決だ
2024.10/18 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241018-E3LN6EODCRPCLKCBOJZXV7BG2M/
石破茂首相は自民党総裁選の際に掲げた
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」
の構想について所信表明演説では触れなかった。
だが、党内に議論する新組織を設置するよう指示した。
アジア版NATOは日本の安全保障に資するのか。
現実味のある構想なのか。
石破首相は総裁選で、日米地位協定の見直しにも言及した。
アジア版NATO創設と日米地位協定見直しは、根っこのところで今の日米安保条約と密接に関係しており、更にその背景には憲法問題がある。
そこで、まずは日米安保条約の条文を振り返っておこう。
ポイントは第5条と第6条だ。
第5条では
「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する」
としている。
第6条では在日米軍の地位について
「別個の協定などに規律される」
としている。
第5条は
「日本国の施政の下にある領域における」
と書いてあるので、日本が攻められた時に発動するもので、米国が攻められた時ではない。
これが
「相互」
安全保障ではなく、
「片務的」
安全保障と言われる所以だ。
これを前提として日米地位協定がある。
一方、NATO条約では、第5条で
「締約国は、ヨーロッパ又は北アメリカにおける一又は二以上の締約国に対する武力攻撃を全締約国に対する攻撃と見做すことに同意する」
「従って、締約国は、そのような武力攻撃が行われた時は、各締約国が、国際連合憲章第51条の規定によって認められている個別的又は集団的自衛権を行使して、北大西洋地域の安全を回復し及び維持するためにその必要と認める行動(兵力の使用を含む)を個別的に及び他の締約国と共同して直ちに執ることにより、その攻撃を受けた締約国を援助することに同意する」
とされており、明らかに異なっている。
日米安保条約が
「片務的」
なのは、日本の憲法9条で交戦権を否定しているからだ。
つまり、同盟国が攻撃された時でも、助けるために交戦できないのだ。
要するに、憲法9条を改正しないと、日米安保条約すら
「相互的」
にできない。
ましてアジア版NATO創設や日米地位協定見直しには到底辿り着けないのだ。
逆にいえば、憲法9条を改正し、日米安保条約を
「相互的な」
ものに改定すれば、ほぼ自動的に日米地位協定も見直せる。
日米安保条約を
「相互的」
なものに改定すれば、その先の将来像としてアジア版NATOもあり得るだろう。
もっとも、アジア版NATOは米国とアジア諸国が安全保障をどのように考えるかに依存するので、日本だけが考えてもできるものではない。
こうしてみると、党内でアジア版NATOを議論しても、大した結論にはならないだろう。
他国に話をしても
「日本の憲法問題が先だ」
と言われ、現実的な政治課題にはならない。 
(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

高橋洋一「日本の解き方」
衆院選で防戦一方の自民党、石破政権の政策がブレて争点にできず「政治とカネ」問題が前面に…「岸田政権の劣化コピー」とも
2024.10/16 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241016-T3XVBMVR7NOKBOI3DWZBFHVBLQ/
衆院選が2024年10月15日に公示された。
「政治とカネ」
の問題が表に出ているが、他には何が争点になるだろうか。
本来は、外交・防衛や内政を議論すべきであるが、首相就任は今月2024年10月1日、解散は8日後の2024年10月9日、投開票は26日後の2024年10月27日といずれも戦後最短だ。
解散から投開票までの18日間も戦後2番目の短さだ。
選挙日程は、3年前の岸田文雄政権とほとんど同じだ。
石破茂政権は、首相と同様に長らく
「党内野党」
だった
「お友達」
を重要閣僚に据えたが、官房長官は岸田政権から横滑りで、副大臣と政務官はほぼ岸田政権の居抜きである。
こうしたことから政策もほとんど岸田政権を踏襲し、岸田政権の劣化コピーとも言われている。
2024年10月4日の所信表明演説では、総裁選の公約をほぼ全面的に撤回した。
その前に実施された世論調査で、内閣支持率は岸田政権の末期からは上昇したが、それでも政権発足直後では過去最低水準で、
「ご祝儀」
はなかった。
その後、石破政権の変節が明らかになると支持率は下がっているとの調査もあり、焦った石破政権は、焦点を裏金問題にすり替えた。
そこで、不記載だった12人を非公認とし、30人以上を比例重複なしとした。
この判断について
「世論に迎合した」
とも言われるが、この場合の世論というのは非自民層なので、これで自民党に支持が戻るわけではない。
この措置の結果、これまでは
「自民単独で過半数割れ」
が懸念されていたのが、
「自民と公明党の与党で過半数割れ」
も視野に入ってきているという。
そもそも検察の捜査で刑事処分がなされ、それを受けて党規約に基づき党として既に決定した処分について、新総裁が追加処分したというのは
「一事不再理」
の原則に反し不当だ。
「ルールを守る」
と強調する石破首相が自ら破っている。
また、選挙の争点を
「政治とカネ」
の問題に絞ることは、選挙戦術としてもまずい。
野党は
「処分は甘い」
と更に攻勢をかけてくるのは必至だ。
更に、これまで党内野党に対しては寛容だった週刊誌などのメディアも、閣僚のスキャンダルを出し始めた。
このため、ますます政策議論になりにくい状況だ。
実は、外交・防衛や内政を争点にするといっても、石破政権はブレブレでほとんど前言を撤回しているので話にならない。
「憲法7条による解散は違憲の疑い」
と言っていたが、解散してしまった。
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」

「北朝鮮との連絡事務所設置」
などは所信表明演説では姿を消し、
「原発ゼロ」

「選択的夫婦別姓導入」
も後退し、
「金融所得課税強化」
もなくなった。
「最低賃金1500円」
のように変えていないものもあるが、立憲民主党より左で、れいわ新選組並みの政策なので争点になりにくい。
能登の災害に対する措置を予備費か補正予算にするかについても、現実に
「補正予算なし」
なので、ここも争点になりにくい。
結果的に
「政治とカネ」

「スキャンダル」
が争点になれば、自民党は防戦一方だろう。
 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

「『政治とカネ』法律家の立場からは時間の無駄」今の日本に後ろ向きの議論する時間はない
弁護士・田中善信氏
2024/10/18 15:30
https://www.sankei.com/article/20241018-G7YZXJ7CXVLBHC7O5KKLPLPW2Q/?outputType=theme_election2024
27日投開票の衆院選について、弁護士で群馬「正論」懇話会会長の田中善信氏(81)は産経新聞のインタビューに応じ、
「『政治とカネ』の問題は大事なことだが、政治資金規正法をきちんと改正すれば済む話だ」
と指摘した。

今回選挙では、
「政治とカネ」
の問題が大きな争点とされていますが、法律家の立場から言わせて頂くと、東京地検が時間をかけて捜査した以上、更に時間を掛けても新事実が出ることはなく時間の無駄だと思う。
政治にとって最も重要なのは国民の安全と生活を守ることです。
日本周辺には中国、北朝鮮、ロシアという核を保有し核兵器の増産を続ける独裁的国家群がミサイルの矛先を日本に向けている。
備えるには、しっかりとした法制度と軍備を整える必要がある。
最大の法整備は憲法改正だ。
そのためにも与党を中心に改憲に必要な議員数を確保すべきで、選挙で最も問われるのはその点だと思います。
今の日本に後ろ向きの議論をしている時間はありません。
石破茂政権は、国民の声を聴くという姿勢を見せてはいますが、ポーズだけのように見えます。
大事なのは国民、とりわけ将来を担う若者や子供たちが希望を持てる国づくりです。
彼らが望むのは金銭的援助というより日本の明るい未来や希望ではないでしょうか。
その意味でも、党総裁選で多数の党員が支持した高市早苗・前経済安全保障担当相の政策や提言を取り入れることも大切だと思います。
その上で、石破首相には国民の安全と生活を守るための憲法改正に向け、先頭に立って頂きたい。
投票率の低下、長期低迷傾向も将来に対するビジョンを示せない政治家が多いからです。
自身の選挙の事ばかり考え、日本のためにという志をもった政治家が少なくなっていることが原因だと思います。
「政治とカネ」
の問題は大事なことですが、政治資金規正法をきちんと改正すれば済む話です。
近視眼的ではなく、もっと巨視的に日本の将来を考える政治家はいないものでしょうか。
真に将来を語れる政治家が出てくれば、投票率も自然と上がり、国民ももっと政治に関心を持つでしょう。
群馬県からは戦後、4人の首相が誕生している。
土壌はあるはずです。
■たなか・よしのぶ
群馬県富岡市出身。
昭和49年に弁護士登録。
群馬弁護士会に所属し民事、刑事から労働問題、破産や債券回収など幅広くカバー。
特に、警察が手を付けられない事件化以前の、いわゆる民事介入暴力の第1人者として数々の事案解決に尽力。
県警察署協議会会長や県警特別講師などを務め県警特別功労賞受賞。
令和3年12月から群馬「正論」懇話会会長。

自民党、過半数割れの可能性 立憲民主党、公示前より議席上積み 日本保守党、複数議席獲得へ 報道各社、衆院選序盤情勢調査
2024.10/17 11:31
https://www.zakzak.co.jp/article/20241017-WLKH5R2JLFMA3JBPQ2QASGGTBA/
第50回衆院選(27日投開票)について、報道各社の序盤情勢調査が出揃ってきた。
自民党は石破茂首相(総裁)の
「変節」
や、派閥裏金事件などが響き、定数465議席の過半数(233)に届かない可能性が出てきた。
単独過半数割れとなれば、2009年以来となる。
立憲民主党は公示前の98議席から議席を増やし、ベストセラー作家の百田尚樹氏が立ち上げた政治団体
「日本保守党」
は複数議席を獲得しそうだ。
共同通信によると、全289選挙区のうち、自民党(公示前256)がリードしているのは140程度で、接戦区が多い。
比例代表で前回選挙(20年)の72議席を下回るのは避けられない情勢だ。
公明党は公認候補を立てた計11選挙区の全勝は難しい情勢。
自民党との連立与党では過半数を維持する見込み。
立憲民主党は公示前の98議席を超える公算が大きい。
日本維新の会は大阪の小選挙区は堅調だが、比例の支持の広がりに欠け、公示前の43議席に手が届かない可能性がある。
共産党は公示前の10議席程度の獲得が見込まれる。国民民主党も公示前の7議席から上積みする勢い。れいわ新選組は比例で複数議席を確保できそうだ。
社民党は小選挙区の1議席死守が課題。
参政党は支持浸透が見られない。

与党過半数巡り攻防 不記載響き自民低調、立民勢い 衆院選序盤情勢
2024/10/17 5:00
https://www.sankei.com/article/20241017-AEBKGSGRPZMN7EBF43MGFUUFOI/?outputType=theme_election2024
27日投開票の第50回衆院選について共同通信社は15、16両日、全国の有権者15万6千人を対象に電話調査を実施し、取材を加味して公示直後の序盤情勢を探った。
自民党は派閥パーティー収入不記載事件が響き低調。
公明党も伸び悩む。
立憲民主党は議席増へ勢いを見せる。
定数465議席の過半数(233)を巡り、与野党の攻防が続いている。
小選挙区では投票先未定が3割近くおり、今後、情勢は変わる可能性がある。
全289選挙区のうち、自民(公示前勢力256)がリードしているのは140程度にとどまり、接戦区が多い。
比例代表で令和3年前回選の72議席を下回るのは避けられない情勢だ。
単独過半数を維持できるかどうか予断を許さない。
不記載事件に関係し、公認されなかった候補の大半は厳しい戦い。
重複立候補が認められなかった候補も半数近くが先行されている。
立民は公示前の98議席(比例含む)を超える公算が大きい。
無党派層でも支持が拡大しつつある。
前回選で39だった比例議席も増やしそうだ。
日本維新の会は地盤の大阪府の小選挙区で堅調。
だが全国的に比例の支持の広がりがいまひとつで、公示前の43議席に手が届かない可能性もある。
公明は公認候補を立てた計11選挙区の全勝は難しい情勢。
維新と争う大阪府の4小選挙区で苦戦が目立つ。
埼玉14区に出馬した石井啓一代表も激戦。
比例も伸びを欠いており、小選挙区と合わせた公示前の32議席を堅持できるか微妙だ。
共産党は小選挙区1議席を維持しそうだ。
比例次第で、公示前の10議席程度の獲得が見込まれる。
国民民主党も公示前の7議席から上積みする勢い。
れいわ新選組は比例で複数議席を確保できそうだ。
社民は小選挙区の1議席死守へ全力を挙げる。
参政党は支持浸透が見られない。
政治団体
「日本保守党」
は複数議席を得る可能性がある。

自公、全国で苦戦 「政治とカネ」国民から厳しい視線、立民躍進 衆院選序盤調査
2024/10/17 5:05
https://www.sankei.com/article/20241017-AEPDUY4J7VP3RG6G4WBNPM3FXY/?outputType=theme_election2024
15、16両日に共同通信社が実施した衆院選の序盤情勢調査では、自民、公明両党が全国で苦戦している状況が浮き彫りとなった。
「政治とカネ」
の問題を受け、自民は一部を非公認とするなどの対応を取ったが、国民からの厳しい視線は向けられたままだ。
一方、立憲民主党は躍進する見通しだが、主要野党との候補者一本化は限定的で、立民が目標に掲げる
「比較第一党」
には届かなそうだ。
■お詫びしながら臨む選挙
石破茂首相(自民総裁)は16日、香川県内でマイクを持ち、派閥パーティー収入不記載事件について
「こういうことが2度とないように、深く国民の皆さま方にお詫びをしながらこの選挙に臨んでいる」
と述べ、自公政権の継続を訴えた。
野党は不記載事件を巡って自民への批判を強めており、立民の野田佳彦代表は16日、新潟県内での演説会で
「裏金隠し解散だ」
「有権者がペナルティーを与えるしかない」
と主張した。
衆院選の勝敗ラインについて、首相と公明の石井啓一代表は、自公政権を維持するための最低条件となる両党での過半数(233議席)獲得と位置付ける。
自民の公示前勢力は256議席で、政権を奪還した平成24年の衆院選以降、4回連続で単独過半数を獲得してきた。
だが、自民の森山裕幹事長は14日の報道各社のインタビューで
「自民単独でどうするかということをまだ考える余裕はない」
と強調。
このまま低調な状況が続けば、自民が下野した平成21年衆院選以来の単独過半数割れの可能性も見えてくる。
自民は不記載事件に関係した旧安倍派幹部ら12人を非公認とし、30人以上の比例代表への重複立候補を認めない対応を取った。
国民の理解を得るために厳しい選択をした形だが、別の自民関係者は
「非公認で出馬となれば有権者の情が沸く可能性もあるが、党公認で立候補して比例重複だけ認めないというのは分かりにくい」
「理解を得られるだろうか」
と表情を曇らせた。
■野党は候補者調整進まず
一方、野党は不記載事件での自民批判で足並みをそろえるものの、候補者調整は進まなかった。
289の小選挙区のうち、立民、共産両党は142の小選挙区で競合。
与党公認候補と、立民、日本維新の会、共産、国民民主党の主要4野党のいずれかの公認候補が
「一騎打ち」
で争うのは、52の小選挙区にとどまる。
立民の野田氏は
「最低限の目標は自公の過半数割れ」
と息巻くが、共産は野田氏の保守的な路線に反発、候補者調整は多くの小選挙区で整わなかった。
野党乱立の構図となった今回の衆院選では、与党への批判票が分散しており、今後の情勢次第では野党の議席数の伸びの足枷となりかねない。

<主張>衆院選と経済 物価高克服への道筋競え 成長を展望できる具体論を
社説
2024/10/17 5:00
https://www.sankei.com/article/20241017-KHQMFV4RCBJKVHZLRWQHWPRCYI/
衆院選における与野党の論戦で、有権者が高い関心を寄せているのが経済政策である。
物価高にどう対処するのか。
賃上げの動きを確かなものにできるのか。
何よりも、日本経済は長期停滞を脱して将来への展望が開けるのか。
問われているのはそのための具体的な処方箋だ。
各党はこぞって給付金や減税などの聞こえのいい政策を並べているが、具体化への道筋や実現可能性を明確に示せなければ国民の納得は得られまい。
デフレ時代に戻らぬよう経済を底上げし、豊かさを実感できる持続的成長に繋げることが肝要だ。
各党には、バラマキに陥ることなく、中長期的に経済活力を高めるための効果的な戦略を競い合ってもらいたい。
■「デフレ脱却」を確実に
日本経済は今、歴史的な転換期にある。
食品などの幅広い品目で値上げが定着するだけでなく、賃上げの動きは中小企業にも広がりを見せつつある。
「物価も賃金も上がらない」
というデフレ下の社会通念は着実に変化してきた。
既に日銀は利上げに転じ、デフレ脱却を眼目とする異次元緩和路線の修正に踏み出した。
「金利のある世界」
の復活は超低金利下での国債大量発行に支えられた財政運営にも変革を促す。
そうした情勢も踏まえて各党の政策を見極めねばならない。
当面の経済政策で課題となるのは、物価高に伴う消費の弱さである。
8月の実質賃金は3カ月ぶりに減少し、物価高に賃上げが追いつかない状況は今も残る。
ここに効果的な手を打てずデフレからの完全脱却が遠のけば元も子もない。
これは各党に共通する認識だろう。
自民党は公約で、人や技術への積極投資で成長力を強め、その果実を国民に分配すると訴えた。
岸田文雄前政権の路線を踏襲するものだ。
石破茂首相が唱える
「コストカット型経済」
からの脱却もそうである。
だが、それで十分なのか。
衆院選後には経済対策やそれを裏付ける補正予算の編成が予定される。
自民は当面の物価高対策として低所得世帯向けの給付金を約束した。
石破首相は昨年を上回る大型補正予算を編成する意向も示した。
ならば自民が目指す経済対策の中身について、もっと多くを明示すべきだ。
そもそもデフレからの完全脱却をいつ達成できると想定しているのか。
そのため優先すべき政策は何か。
これらを明確に示すことが与党である自民、公明党に求められる責務だろう。
野党の公約で目立つのは消費税や所得税などの減税・撤廃や社会保険料の引き下げだ。
消費を促し経済成長に繋げる狙いがある。
消費税については日本維新の会や共産党、国民民主党などが減税を訴え、れいわ新選組は制度の廃止を求めている。
そこに現実味はあるのか。
■減税の必然性どこまで
物価高が深刻といっても、リーマン・ショックや新型コロナウイルス禍の時のような危機的状況ではない。
高齢化で社会保障費が膨らむ中で、安定財源の消費税に手を付ける必然性は吟味しなくてはなるまい。
国民民主は実質賃金が安定的にプラスになるまで税率を5%にするというが、これを元に戻すときには増税となり、景気を下押しする影響もあろう。
各党は減税の詳細をもっと語るべきだ。
具体的な道筋を示さなければ無責任である。
立憲民主党は現行の消費税の軽減税率に代えて中低所得者向けの
「給付付き税額控除」
を提案するが、制度の大幅変更を円滑に進められるのか。
納得できる説明を尽くすべきである。
「分厚い中間層の復活」
を掲げる立民の公約には、最低賃金引き上げや人への投資など自民と似通う部分もあるが、違いを浮き立たせたいのか、理解に苦しむ項目もみられる。
アベノミクスの象徴である
「2%」
の物価安定目標を
「0%超」
にすると打ち出したのもそうだ。
そもそも0%超は2%も含むので目標として曖昧すぎる。
2%に縛られない柔軟な金融政策を求めたいのだろうが、プラス圏でよしとする変更の結果、賃金の大幅増に向けた機運まで妨げられないか。
そうなれば脱デフレも見通せなくなろう。
与野党には、日本経済の生産性や国際競争力を高め、潜在成長率を向上させる成長戦略についても論じ合ってほしい。
デジタル化や規制緩和などの項目を羅列するだけではなく、優先順位を付けて確実に実行に移せるかどうかが問われよう。

40日抗争と首相の天命 
阿比留瑠比の極言御免
2024/10/17 1:00
https://www.sankei.com/article/20241017-4FNAJUF63FN4XK2F5S34QSTADI/?outputType=theme_election2024
「本当に40日抗争の再来があるんじゃないか」
衆院選公示当日の15日、永田町でこんな予想がささやかれていると聞いた。
選挙結果がどうなるのかはまだ分からないのだから、現時点ではあくまで一つの見立てにすぎないが、あり得る話だと妙に得心した。
40日抗争とは、45年前の昭和54年10月の衆院選での敗北と過半数割れをきっかけに、自民党主流派の大平派、田中派と反主流派の福田派、三木派、中曽根派などが40日間にわたり繰り広げた派閥間の争いのことである。
このとき、自民党は首相候補を一本化できず、大平正芳首相と福田赳男前首相の2人が首相指名選挙に出る異例の事態となった。
結局、首相には大平氏が再選されたものの組閣は難航し、抗争はさらに続いたのだった。
古い話のようだが、今回の衆院選では自民、公明両党の獲得議席が目標の過半数(233)に及ばない可能性も指摘されており、もしそうなれば衆院解散を急いだ石破茂首相の退陣を求める声が、自民内から噴き出すのは必至である。
過半数に届かない場合、日本維新の会、国民民主党、保守系無所属議員らの取り込みや、新たな連立の枠組み作りが喫緊の課題となる。
仮に与党で過半数は確保できても、自民が大きく議席を減らせばやはり石破首相の責任論に直結する。
麻生太郎内閣の農林水産相でありながら、麻生氏に身を引くよう要請したり、第1次安倍晋三内閣時の参院選で自民が大敗した際、安倍氏の責任を厳しく問うたりした自らの過去の言動が襲い掛かってくる。
また、石破首相が
「党内融和より国民の共感」
だと強調し、パーティー収入不記載事件を巡って福田派の流れをくむ旧安倍派を狙い撃つかのような二重処分を断行したことで、抗争の芽は十分に育っている。
党の判断に従って政治倫理審査会に出席しなかった議員まで、説明責任を果たしていないと決めつけて非公認にした首相のやり方は、党内に分断の種をたくさんばらまいている。
40日抗争は尾を引き、抗争翌年の昭和55年5月に野党が内閣不信任案を提出すると、自民の反主流派は衆院本会議を欠席し、不信任案は可決された。
これを受けて大平氏は衆院を解散(ハプニング解散)して初の衆参同日選に打って出たが、選挙中に心不全で急逝している。
■「天の声にもたまには変な声がある」
抗争に負けた福田氏は抗争前年の昭和53年には、現職の首相・総裁として本命視されていた自民党総裁選に敗れてこう述べた。
この場合、天の声とは党員・党友、つまり民の声のことである。
一方、安倍氏との一騎打ちとなった総裁選を控えた平成30年夏に香川県観音寺市で大平氏の墓参をした石破氏は、今回の総裁選前に出版した著書『保守政治家 わが政策、わが天命』の中でこう記している。
「もし私などが首相になるようなことがあるなら、それは自民党や日本国が大きく行き詰まった時なのではないか」
「しかも、それは天が決めること」
「天命が降りない限り、それはありえないということでしょう」
自らの首相就任は天命によるということか。
それでは、衆院選という民の声が直接反映される場面で、石破首相はどんな天の声、天命を知るだろうか。
まさか
「変な声」
「変命」
などと愚痴り出すことはないと思いたいが。

衆院解散 産経「外交・安保の政策論争を」 朝毎東 政治とカネで自民糾弾
社説検証
2024/10/16 9:00
https://www.sankei.com/article/20241016-VSS2FRVN6JPG5PKSB4GS7655UM/
衆院選が15日に公示された。
投開票日は27日だ。
石破茂内閣は1日に発足したばかりで、首相就任から8日後の解散、26日後の投開票は戦後最短である。
主要各紙は解散翌日の社説で、石破氏が予算委員会も開かずに解散を急いだことを
「丁寧な論議をしなかった」(産経)、
「有権者が判断する材料は不十分」(毎日)
などと、いずれも批判的に伝えた。
一方、
「政権選択の選挙」
である衆院選で、何が重視されるべきかについては見解が分かれた。
国民を守ることができる外交・安全保障政策の重要性を訴えた産経に対し、朝日、毎日、東京各紙は自民党の派閥パーティー収入不記載事件を巡る
「政治とカネ」
問題を挙げ、政治への信頼回復を重視した。
産経が指摘したのは、今回の衆院選が、日本を取り巻く安保環境が極めて厳しい中で行われるという現実だ。
政治とカネの問題が
「争点の1つになるのは当然だろう」
としつつも、解散当日の国会での党首討論で外交安保がほとんど語られなかったことを嘆き、各政党と候補者に
「日本を守り繁栄させる政策を大いに論じなければならない」
と強く促した。
特に政権交代を唱える立憲民主党に対しては、集団的自衛権の限定行使の容認を
「憲法違反」
とする立場であることを危惧し、このまま政権を取れば
「日米同盟は空洞化する」
と難じた。
読売も、政治とカネの問題で迷走する自民に苦言を呈しつつ、党首討論で立民などがこの問題の追及に大半の時間を費やしたことを疑問視し、
「日本が直面している課題はそれにとどまらないはずだ」
と強調した。
少子化対策や社会保障政策の必要性と共に、悪化した安保環境への対応を
「待ったなしの課題」
とし、議論を深めるよう呼び掛けた。
朝日、毎日、東京の社説は、安保環境の現実にはほとんど触れず、政治とカネの問題に紙幅を割いた。
毎日は、
「裏金問題は、不透明なカネを使って党勢を維持し、権力の座にあぐらをかく自民の実態を浮き彫りにした」
ととがめ、この問題に各党がどう向き合うかが
「今回の衆院選の最大の焦点」
と位置付けた。
東京も、今回の解散を
「裏金解散」
と呼び、裏金議員に
「職にとどまる資格があるのか否か」
「審判を下すのは私たち有権者だ」
と力説する。
石破首相が総裁選で訴えた政策の多くを棚上げしたことも批判し、
「自民党の『中身』が変わるかどうかを見極めねばなるまい」
とした。
朝日は、衆院選の争点を
「石破政権に対する審判」
だけでなく、
「岸田(文雄)前政権の3年間の実績への評価」、
更には
「7年8カ月に及んだ安倍(晋三)長期政権の総括」
に広げるべきだとする主張を展開した。
立民など野党に対しては
「どこまで国民の心を掴むことができるか」
「その真価が試される」
とし、
「自民への失望という『敵失』頼み」
でなく、
「信頼に足る政策を打ち出せる」
ことが重要と指摘した。
立民の野田佳彦代表は
「政権交代こそ、最大の政治改革だ」
と訴えている。
だが、もしも与党が過半数割れした場合、どんな政権ができるのか見えてこない。
産経は、新たな政権の枠組みを示さない立民を批判し、枠組みが曖昧なまま
「選挙区調整だけに走るとすれば、議会制民主主義の軽視となる」
と断じた。
逆に毎日は、個別政策で異なる部分があっても、野党は候補者を一本化し、
「裏金問題についての民意が投票結果に反映される構図を作り出すべき」
だと唱えた。
産経は、論争すべきテーマとして
「国の根幹に関わる憲法改正」
も挙げた。
国民の多くが自衛隊を認め、その活動に期待している。
にもかかわらず自衛隊は日本国憲法に明記されず、未だ多くの憲法学者が自衛隊違憲論を唱えている。
産経が指摘するよう、この
「異様な状態」
を早急に改めなければなるまい。
内外の情勢は混迷を極めている。
だからこそ各党、各候補者は、現実を踏まえ、将来を見据えた政策を訴えるべきだ。
■衆院解散をめぐる主な社説
【産経】
・日本守り抜く政策訴えよ/政権を託せるのはどの党か
【朝日】
・政治への信頼取り戻せるか
【毎日】
・自民政治のゆがみ問う時
【読売】
・与野党の力量が問われている/国難を乗り越える処方箋を示せ
【東京】
・「裏金」に審判を下そう(いずれも10日付)

<産経抄>後世に胸張れる選択を、衆院選の公示    
2024/10/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20241016-PX4FA2XQORLYPMAHTK6SAE6G3I/
選挙結果を国民の
「肖像」
に例えたのは、大正期に東京市長などを務めた後藤新平である。
どんな政党も、
「選挙という種板(写真の原板)に採影せられたる国民の写真である」。
写りの美醜に有権者も責任を負いなさい―と。
▼大正14(1925)年に日本で普通選挙法が公布されてから、間もない頃の発言という(『大正・昭和戦前期 政治・実業・文化 演説・講演集』日外アソシエーツ)。
それまでの納税要件が廃止になり、満25歳以上の男子が選挙権を手に入れた。
▼女性の選挙権は戦後まで待たねばならないものの、普選の幕開けから100年となる来年2025年は1つの節目だろう。
選挙権の行使について、後藤はこうも述べた。
「その醜い写真を修正し、後世、子孫に誇り得る立派な肖像を、我が憲政史上に残す用意と覚悟がなければならぬ」
と。
▼卓説からほぼ100年経った今も、政治不信をどう拭うかが大きなテーマであり続けているのは残念でならない。
さりとて先送りできない課題は他にも山積し、有権者の肩に食い込む荷は重い。
こちらは節目の第50回となる衆院選が公示された。
▼世界は緊迫の度合いを高めている。
台湾情勢の行方によっては、次の政権が
「有事」
に直面するかもしれない。
国家と国民を守る覚悟を持った政治家は誰か。
有権者の眼力が、これまで以上に問われる政権選択選挙になろう。
後世に恥じることのない肖像を残したいものである。
▼「票」
という字は、細かい火の粉が舞い上がる様を表している。
政党や候補者が論戦に火花を散らし、票を奪い合うなら大歓迎である。
少子化や社会保障などの課題も待ったなしだ。
有権者の胸にくすぶる不安と不満の火を、大事な1票に託す選挙でもある。

<主張>衆院選公示 日本の針路掲げて論戦を
社説
2024/10/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20241016-7IBUR7K47ZPCJOOKSB7FJKVUPM/
第50回衆院選が公示された。
石破茂首相が率いる自公連立政権の信を問う選挙である。
有権者はどの政党、候補者に日本を託すべきかを十分吟味し、一票を投じてもらいたい。
今回の衆院選は
「1票の格差」
を是正するため、小選挙区定数を
「10増10減」
するなど、25都道府県の140小選挙区で区割りが変わった。
有権者はよく候補者を確認し、訴えに耳を傾け、投票では間違いのないようにしたい。
日本を取り巻く安全保障環境は厳しい。
日本の独立と繁栄、国民の生命と暮らしがかかった政権選択選挙である。
有権者はこのことを自覚し、投票先を決めてほしい。
臨時国会では論戦の時間が短く、国民に十分な判断材料を提示したとは言い難い。
各党、各候補者は選挙戦で具体的な政策を示し、在るべき日本の針路を丁寧に論じねばならない。
「政治とカネ」
の問題が衆院選で問われている。
同時に国民を守り抜く外交安保政策に関し議論を深めるべきである。
首相は岸田文雄前首相の路線を継承する姿勢を示しているが、総裁選で掲げたアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想の検討を自民に指示した。
首相に曖昧さがあるのは否めない。
立憲民主党は日米同盟が基軸だと主張する一方で、集団的自衛権の限定行使は
「憲法違反」
との立場を崩さず、同盟強化に逆行している。
各党は防衛力の抜本強化と抑止力向上の具体策を競い合うべきだ。
少子化対策も重要な争点の1つだが、給付拡大の訴えが中心で、財源確保策について各党は余り語ろうとしていない。
これでは無責任である。
物価高に負けない持続的な賃上げによるデフレからの完全脱却の方策についても、議論を尽くすことが求められよう。
北朝鮮による拉致問題や国の根幹である憲法改正について、活発な論戦になっていないのは残念だ。
憲法改正で与野党論議を主導すべき首相は、自衛隊明記や緊急事態条項創設の意義について国民の理解を深めるべく、もっと説かねばならない。
安倍晋三元首相暗殺で要人警護の在り方が見直されてから初の大規模な国政選挙である。
暴力による言論封じは許されない。
警備に万全を期したい。

<主張>衆院選討論会 重要政策の論議を続けよ
社説
2024/10/13 5:00
https://www.sankei.com/article/20241013-SDOHJLP4KNKB3MKF2FXZ2JKJUY/
15日の衆院選公示を前に、日本記者クラブ主催の党首討論会が開かれた。
先の臨時国会では専ら
「政治とカネ」
の問題が取り上げられた。
今回の討論会では国内外の諸課題についても議論が展開され、有意義だった。
政治への信頼を回復する上で政治資金の問題は重要である。
同時に、実際の国政運営でどのような政策を遂行していくかを示すことは欠かせない。
有権者にとって投票の判断材料になるからだ。
ただし、理解に苦しむ場面もあった。
石破茂首相は解散前の国会論戦に関し
「有権者が判断する材料をきちんと提供しなければ無責任だ」
「私は一生懸命自分の言葉で答えた」
と語った。
予算委員会を見送ったにもかかわらず、首相の認識は世間の感覚からかけ離れている。
首相は立憲民主党の野田佳彦代表にウクライナへのロシア侵略を巡り、なぜ抑止が破綻したのか見解を質した。
これに対し、野田氏は東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議にバイデン米大統領が欠席したことを引き合いに出し、
「国際会議に米国を呼び込む外交努力はもっと大事だ」
と述べた。
抑止の破綻について正面から答えない無責任な態度だった。
立民が訴えている
「給付付き税額控除」
については、他党から過去との矛盾を指摘する声が上がった。
旧民主党の野田政権時に当時の安住淳財務相が、税額控除の申請が膨大な数に上ることが想定されるため
「難しい」
と語っていたためだ。
野田氏は整合性のある答えを示せなかった。
野党連携に関し
「対話を続ける」
と述べたが、衆院選後に想定する連立の枠組みを明らかにしなかったことはおかしい。
首相には安全保障政策で不明瞭な発言があった。
アジア版NATO(北大西洋条約機構)の構成国に中国を含むのかを問われ、
「一切の可能性を排除しない」
と述べた。
中国が構成国になり得る国に変化する場合には、アジア版NATOはそもそも要らないではないか。
憲法改正については国民民主党の玉木雄一郎代表が緊急事態条項の創設に関連し、大規模災害時などの国会機能維持について早期の改正を促したが、それ以上深まらず残念だった。

<主張>石破首相の初外遊 国際秩序の担い手となれ
社説
2024/10/12 5:00
https://www.sankei.com/article/20241012-YV3266KOENKKBGBAY5YZN6CNSM/
安全運転の外交デビューではいささか物足りない。
石破茂首相は自由で開かれたインド太平洋、国際秩序の担い手として首脳外交を積極的に展開していく必要がある。
石破首相が就任後初めて外遊した。
ラオスで東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の首脳会議に出席し、日中、日韓などの首脳会談を行った。
衆院解散後でもラオスへ足を運んだのは妥当だ。
バイデン米大統領の姿はなく、日本の首相も不参加なら李強首相が出席する中国の存在感が高まってしまう。
石破首相の外遊はそれを防ぎ、日本がASEANと連携する意思を示す意義があった。
ASEANと日中韓3カ国の首脳会議で石破首相は、中国を念頭に
「力や威圧による一方的な現状変更の試みを許容してはいけない」
と牽制した。
日中首脳会談では
「戦略的互恵関係の包括的推進」
で一致した。
李首相に対し、中国軍の動向への深刻な懸念を伝えた。
日本人男児刺殺事件や中国軍機の領空侵犯について説明を強く求めた。
中国が拘束する邦人の早期釈放や日本の排他的経済水域(EEZ)内の中国ブイの即時撤去、日本産水産物輸入の早期再開も促した。
台湾海峡の平和と安定の重要性を指摘した。
日韓首脳会談ではシャトル外交の継続や安保協力の推進などで一致した。
石破首相はラオスで、持論のアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想を封印した。
岸田文雄前首相の外交路線を踏襲した形で、日本の抱く懸念を李首相に直接伝えたこともあり、初外遊は無難に遂行したと見做されているようだ。
だが中国と戦略的互恵関係など築ける時代なのだろうか。
また、石破首相は自民党総裁選でアジア版NATOを不用意に掲げたため、ASEAN諸国から不安視される中でのスタートだった点を忘れてはならない。
マイナスからの出発で安全運転に徹しても存在感は示せない。
フィリピンのマルコス大統領はASEANと中国の首脳会議で南シナ海問題を巡り中国を直接批判した。
石破首相も日中の個別会談だけでなくASEAN首脳の前でも名指しで中国の問題行動を難じるべきだった。
ベトナム首相と会談したが、日越比の首脳会談を開く選択肢もあったのではないか。

<主張>政治とカネ 再発防止策も丁寧に語れ
社説
2024/10/11 5:00
https://www.sankei.com/article/20241011-DR2B2U63YFPI3ED6H4HTFQGRQA/
事実上始まった衆院選では
「政治とカネ」
を巡る問題が争点となっている。
自民党はパーティー収入不記載事件に関連し前議員らを非公認にしたり、比例代表への重複立候補を認めなかったりする方針だ。
野党は
「不十分だ」
と批判している。
野党との対決を前に、石破茂首相による党内の非主流派潰しの様相を呈しているとの指摘も出ている。
有権者の投票判断の材料にすべき課題は他にもある。
政治資金の透明性確保と事件の再発防止の具体策だ。
立憲民主党、日本維新の会、公明党、国民民主党などは、政党から国会議員に支出される使途の報告義務がない
「政策活動費」
の廃止を訴えている。
自民は公約に
「将来的な廃止も念頭に」
改革に取り組むと記した。
首相は今回の衆院選では
「使うことはある」
と語った。
立民が先の通常国会でパーティー禁止法案を提出しながら、同党幹部らが開催していたことを想起させるものだ。
党務を預かっていた茂木敏充前幹事長は自民総裁選で、廃止は可能と語っていた。
今の自民の姿勢は有権者から見て分かりにくい。
国会議員に支給される調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の使途公開は、衆院選後の国会で直ちに関連法を改正して実現すべきだ。
政治資金を監視する第三者機関の制度設計も急がれる。
立民、維新、共産党などが唱えている企業・団体献金の禁止には賛成できない。
企業や労働組合なども民主主義社会の構成員である以上、政治活動の自由は認められるべきだ。
一般国民からの個人献金が定着していない日本で企業・団体献金を禁止すれば、世襲ではない人や、業界団体、宗教団体などの背景を持たない人にとって選挙活動は極めて不利になる弊害も出てくる。
企業・団体の幹部が分散して、個人として献金する抜け穴を塞ぐことも難しい。
却って日本の議会制民主主義を後退させかねない。
一方、外国人・外国法人のパーティー券購入禁止の議論が低調なのは残念だ。
国政が外国勢力からの影響を受けるのを防ぐために禁止は欠かせない。
不記載事件の動機は今も分かっていない。
自民は明らかにする責任がある。

<主張>衆院解散 日本守り抜く政策訴えよ 政権を託せるのはどの党か
社説
2024/10/10 5:00
https://www.sankei.com/article/20241010-KWGTCTQYKVIWLBZR4XMFA2XQJM/
衆院が解散され、事実上の選挙戦が始まった。
解散は天皇陛下の国事行為である。
石破茂内閣は臨時閣議で
「15日公示、27日投開票」
の日程を決めた。
衆院選は3年ぶりだ。
新首相の就任から8日後の解散、26日後の投開票は戦後最短の決戦となる。
衆院選は政権選択選挙だ。
各政党と候補者は有権者の前で、日本を守り繁栄させる政策を大いに論じなければならない。
解散を前に国会で行われた党首討論で石破首相(自民党総裁)は、派閥パーティー収入不記載事件への対応を批判され防戦一方となった。
■安全保障をなぜ語らぬ
政治資金の透明性確保や不記載事件の再発防止を進め、政治への信頼を取り戻すことは重要だ。
政治とカネの問題が争点の1つになるのは当然だろう。
ただし、党首討論は衆院選を前に、日本の将来に向けた政策を競い合う場でもあるべきだった。
ところがそうならなかったのは、全閣僚出席の予算委員会を開いて丁寧な論議をしなかったことが響いている。
石破首相の所信表明演説後、代表質問と党首討論をしただけで解散したのは残念だった。
石破首相と自民は、不記載議員らの一部を対象に非公認の数を増やしたが、有権者が評価するかは不透明だ。
党首討論では外交安全保障がほとんど論じられなかった。
日本を取り巻く安全保障環境が極めて厳しい中で信じ難いことである。
習近平中国国家主席の共産党総書記の任期の関係から、台湾有事が令和9(2027)年までにあるかもしれないと危惧されていることを忘れたのか。
「台湾有事は日本有事」
と言われる。
今回の衆院選で選ばれる議員と彼らが指名する首相は、台湾有事を抑止するため働き抜かねばならない。
もし有事になれば、先頭に立って国家国民を守り抜く重責を担う。
有権者はそれに相応しい議員を選ばなければなるまい。
全ての政党と候補者は現下の国際情勢に対する認識と、今後起こり得る危機の抑止と対処の具体策を語るべきだ。
野党第一党の立憲民主党の安全保障に関する姿勢は、極めて危うい。
日米同盟の抑止力を格段に高めた集団的自衛権の限定行使の容認を
「憲法違反」
とする立場だからだ。
立民の衆院選公約は、限定行使を認める安保関連法について
「違憲部分を廃止する」
という従来方針を踏襲した。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古移設工事は
「中止」
すると明記した。
この政策のまま政権をとれば日米同盟は空洞化する。
旧民主党の鳩山由紀夫政権が同盟の危機を招いた二の舞いとなるだろう。
これも分からない立民の野田佳彦代表に果たして政権担当能力があるだろうか。
■立民は政権枠組み示せ
立民は、衆院選での与党過半数割れや政権交代の実現を叫んでいる。
にもかかわらず、この目標を達成した時の新たな政権の枠組みを示していないのはおかしい。
これでは有権者の判断材料が揃わない。
目指す政権の枠組みを曖昧にして選挙区調整だけに走るとすれば、議会制民主主義の軽視となる。
選挙戦で聞きたいテーマの1つが、国の根幹に関わる憲法改正だ。
日本国民の多数が自衛隊を認め、期待する時代になった。
ところが多くの憲法学者は自衛隊違憲論を唱えている。
このような異様な状態は改めたい。
憲法への自衛隊明記は改憲に前向きな各党で意見集約が進んでおり、是非早期に実現したい。
改正のゴールは
「戦力不保持」
を定めた第9条2項の削除と軍の規定の創設だ。
そうなって初めて世界の他の民主主義国と同様に国民を守る体制が整う。
首都直下地震、南海トラフの巨大地震などの大規模災害や有事への懸念が高まる中、緊急政令を含む緊急事態条項の創設も急務である。
各党が論じるべき政策課題は他にもある。
物価高に負けない持続的な賃上げによるデフレからの完全脱却、原発を含むエネルギーの在り方、少子高齢化を背景にした人口減少などだ。
国民受けする政策だけでなく
「痛み」
を伴う改革にも真摯に向き合わなければならない。
言行不一致は国民の不信を招く。
各党、各候補者は誠実に言葉を紡いでほしい。

<主張>代表質問 安全保障の論議不十分だ
社説
2024/10/9 5:00
https://www.sankei.com/article/20241009-N3ZCWLPEKJIFNBCCPHJ3MP7ZMA/
石破茂首相の所信表明演説への国会の代表質問が終わった。
政権選択選挙である衆院選を前にした国会である。
「政治とカネ」
を巡る問題が盛んに議論された。
その一方で、日本の独立と繁栄の基盤となる安全保障の論議が深まらなかったのは残念だ。
自民党議員は中国軍の領空侵犯や領海侵入、空母「遼寧」の接続水域航行、ロシア軍の領空侵犯を取り上げ、小野寺五典政調会長は
「国民の命と暮らし、領土・領海・領空を守り抜く」
ことを求めた。
日本維新の会の馬場伸幸代表は台湾有事について質した。
首相が最近の著書で
「『台湾有事、即日本有事』となる可能性は相当低い」
と指摘しているからだ。
馬場氏は
「対中抑止力や国民の国防意識を削ぐことになる」
と懸念を示した。
首相は
「仮定の質問に答えるのは差し控える」
とした上で
「台湾海峡の平和と安定は国際社会の安定にとっても重要だ」
と指摘した。
国防の決意と具体策をもっと語る必要がある。
物足りなかったのは野党第一党の立憲民主党である。
野田佳彦代表が首相のアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想に関し
「日米同盟の抑止力に疑念があると思われかねない」
「非現実的ではないか」
と疑問を呈したのは妥当である。
だが、立民として日本をどう守るつもりかを語らなかった。
対中認識を含む現下の国際情勢に対する見方も示さなかった。
田名部匡代参院幹事長はロシアに侵略されたウクライナで、なぜ抑止力が効かなかったのかを質した。
ウクライナ問題を論ずるのではなく、アジア版NATOを巡る首相の言行不一致を引き出したかっただけのようだ。
安保政策を十分語らずに政権交代を迫っても、説得力は感じられない。
憲法改正については自民、立民、維新などが質問した。
首相は緊急事態条項の創設や自衛隊明記について、自民内の議論を
「後戻りさせることなく、前に進めていく決意だ」
と語った。
同時に、任期中に国会への発議を実現したいとし、憲法審査会で議論を深めるよう求めた。
ただ、それだけでは足りない。
首相や憲法改正に前向きな政党は、どの項目をいつまでに条文化したいのかを明らかにすることも重要である。

<主張>中東の戦火拡大 なぜNSCを開かぬのか
社説
2024/10/3 5:00
https://www.sankei.com/article/20241003-4YRNMLACHBI6FNK2GDIOJIQ5N4/
石破茂首相に問いたい。
なぜ国家安全保障会議(NSC)を開催しないのか。
中東の戦火が拡大しているからである。
イスラエルがレバノンの首都ベイルートにある親イラン民兵組織ヒズボラの本部を空爆し指導者ナスララ師を殺害した。
ヒズボラの脅威を除こうとイスラエル軍はレバノン南部へ侵攻した。
ヒズボラの後ろ盾であるイランは報復と称しイスラエルに向けて大規模な弾道ミサイル攻撃を行った。
米英両軍などが協力して迎撃したが一部が着弾し、被害が出た。
イランの対イスラエル直接攻撃は4月以来だ。
どちらも中東有数の軍事大国だ。
双方に自制を求めたい。
ただし事態がエスカレートすれば
「第5次中東戦争」
になりかねない。
日本や世界のエネルギー供給にとっても、経済情勢にとっても、何より中東地域の邦人の安全にとっても、看過できない緊迫した状況である。
日本は一連の事態を遠い地域の出来事と見做すのではなく、自らの問題と捉え、対応しなければならない。
石破首相は2日、イランの弾道ミサイル攻撃を非難し
「全面戦争に拡大しないように(米国などと)連携を取りたい」
と述べた。
そうであるならば、石破首相は、NSCの4大臣会合などを開き、邦人保護や万一の際のエネルギー需給、イスラエル、イラン双方への働きかけについて協議すべきである。
国家安全保障局や外務省の幹部と面会したが、それだけでは足りない。
NSCを開催すれば、日本企業や現地の邦人に対応を促すシグナルにもなる。
石破首相が自民党総裁に当選した9月27日に、岸田文雄内閣の木原稔防衛相はレバノンからの邦人退避に備え、航空自衛隊のC2輸送機を近隣のヨルダンとギリシャへ派遣する命令を発した。
レバノンには約50人の邦人が滞在している。
政権末期でも邦人保護へ動いた岸田政権の対応は妥当だ。
退避では韓国との相互協力も進めたい。
ただし、レバノンからの邦人退避の備えは日本が為すべき対応の一部に過ぎない。
戦火が一気に拡大しかねない時代だ。
危機は政権交代の事情など勘案しない。
石破首相には内閣発足直後であろうと国民を守り抜いてほしい。

<主張>自民総裁に石破氏 保守の精神踏まえ前進を 外交安保政策の継承が重要だ
社説
2024/9/28 5:00
https://www.sankei.com/article/20240928-ZQWPFHRUFBPALP3NUGABOBDVAI/
自民党総裁選で、石破茂元幹事長が高市早苗経済安全保障担当相を決選投票で破り、新総裁に選出された。
10月1日召集の臨時国会で首相に指名され、宮中での認証式などを経て、石破内閣が発足する見通しだ。
石破氏は当選後、
「安全安心な国にするため全身全霊を尽くしたい」
と語った。
ほとんどの派閥が解散を決めたこともあって史上最多の9人が立候補し、激しい総裁選となった。
石破氏は1回目の投票で高市氏に次ぐ2位だった。
決選投票の票差は21票で、党内基盤は強いとは言えない。
■「挙党態勢」が問われる
政治とカネの問題で自民をみる有権者の目は依然として厳しい。
石破氏と自民は挙党態勢で国政運営に当たる必要がある。
党役員や閣僚の人事は適材適所の観点で、総裁選のライバル候補を含め起用すべきだ。
党所属国会議員は結束して新総裁を支えてもらいたい。
石破氏と自民に求めたいのは保守の精神を尊重、堅持することだ。
自民は党綱領で
「日本らしい日本の確立」
を謳い、自らを
「保守政党」
と位置付けている。
この基本線から外れるべきではない。
総裁選で論じられた選択的夫婦別姓の導入は見送るべきである。
石破氏は前向きな姿勢を示してきたが、保守政党が取り組む課題ではない。
家族や社会の根幹に関わる話だ。
片方の親と子の
「強制的親子別姓」
を意味し、戸籍制度も揺らぐ。
個人の自由の問題とは言えず、自民どころか社会の分断を招きかねない。
旧姓使用の充実で対応してもらいたい。
国家と国民を守り抜く外交安全保障は政治リーダーにとって最も重要な責務だ。
安倍晋三元首相は
「自由で開かれたインド太平洋」
構想を国際社会に示し、限定的ながら集団的自衛権の行使容認を実現した。
菅義偉前首相は米国と共に
「台湾海峡の平和と安定の重要性」
を打ち出した。
岸田文雄首相は5年間の防衛費43兆円、反撃能力の保有を決め、防衛力の抜本的強化を開始した。
石破氏は安倍氏以降の外交安全保障を確実に継承し、発展させなければならない。
中国やロシア、北朝鮮といった核武装した専制国家の脅威をどう捉えているかを語ってほしい。
ウクライナ支援の継続も重要だ。
心配なのは、石破氏がアジア版NATO(北大西洋条約機構)の具体化に意欲を示した点だ。
創設には憲法問題の解決や各国との比較的長期の交渉などに相当の年月と大きな政治エネルギーを要する。
数年先の発生も懸念される台湾有事の抑止を優先すべきではないか。
日米同盟の対処力と抑止力の強化も欠かせない。
■男系の皇統を守り抜け
北朝鮮による日本人拉致問題の解決も急がれる。
石破氏は
「東京と平壌に連絡事務所を開設して交渉の足掛かりとする」
と唱えてきた。
家族会は時間稼ぎに利用されるだけだと懸念している。
まず、家族会などと真剣に語り合ってほしい。
千年、二千年の視野で日本を守るため、安定的な皇位継承策を確立すべきである。
自民は、男系(父系)による継承を堅持する内容の岸田内閣の報告書に賛同する立場だ。
石破氏は総裁選でこの党の方針に従うと表明した点を強調しておきたい。
自民は来年、結党70年を迎える。
憲法改正は党是であり、改憲原案の条文化を臨時国会中に完成させるべきだ。
憲法への自衛隊明記は最優先だ。
首都直下地震などの大規模災害や日本有事への懸念が高まっている。
緊急政令を含む緊急事態条項創設も急務である。
自民総裁として与党公明党の説得にも努める必要がある。
日本が抱える課題は他にもある。
物価高を上回る持続的な賃上げを確実なものとし、デフレからの完全脱却を目指してもらいたい。
少子高齢化を背景にした人口減少への対策や社会保障制度改革も欠かせない。
政治とカネの対応は引き続き重要だ。
パーティー収入不記載事件の再発防止と政治資金の透明性確保を確実にしたい。
信頼を取り戻さなければ、政策は遂行できまい。
早期の衆院解散・総選挙が取り沙汰されている。
臨時国会では所信表明演説で国家観と政策の全体像を披露すると共に質疑にも応じ、国民に投票の判断材料を示すべきである。

川口クルド人問題、突如衆院選争点に浮上「私におまかせを」埼玉2区、全く触れない候補も
「移民」と日本人
2024/10/16 12:10
https://www.sankei.com/article/20241016-M2LPK63JJZLGHB5FX4XFJEJGOQ/?outputType=theme_election2024
27日投開票の衆院選埼玉2区は、トルコの少数民族クルド人と地域住民との軋轢が表面化している川口市の大部分が選挙区だ。
「地元国会議員が動いてくれない」
との指摘も出る中、今回の選挙では突如、争点に浮上。
公示日の15日、JR川口駅前では
「クルド人問題を解決する」
と公約する候補も現れた。
川口は外国人問題で有名になった
「ルール違反の外国人問題、おまかせください!」
日本維新の会前職の高橋英明氏(61)陣営の選挙カーから、運動員の女性がこう呼び掛けた。
前回は比例復活で初当選。
今年2月の衆院予算委ではクルド人を念頭に地元の外国人問題を取り上げ、当時の岸田文雄首相に対応を求めた。
選挙カーの上でマイクを握った高橋氏は経済再生などを訴えた後、クルド人らも混じる通行人に向かって
「この川口は外国人問題で全国的に有名になってしまった」
と切り出した。
「ルールを守らない外国人は一旦国に帰ってもらって、きちんとした在留資格で来てもらう」
「支援団体もそういうことを手助けすべきだ」
と指摘し、警察官の増員などを訴えた。
■この機会だから申し上げる
9選を目指す自民前職で前経済再生相の新藤義孝氏(66)は、選対本部長に奥ノ木信夫市長を迎え、駅前広場に自民、公明両党の県議や市議ら約25人を集めて出陣式。
150人以上の聴衆に向かって経済再生などを論じた後、
「もう1つ大事なことは治安の確保だ」
と地元の課題に話題を転じた。
「いわゆるクルド人問題」
「この機会だから申し上げるが、難民認定申請を繰り返し、10年も20年も川口にいる人たちが増えてしまった」
と、自身の選挙で初めてクルド人問題を明確に取り上げた。
新藤氏は自身の政策チラシにも
「クルド人問題の解決」
と明記。
この日の演説で、6月施行の改正入管難民法で難民申請中の強制送還停止が原則2回までに制限されたことについて
「法改正まで5年かかった」
と実績として触れ、
「ルールを守ってこその共生だ」
「川口をあやふやな出入り自由の街にはさせられない」
と声を張り上げた。
■なぜ外国人問題に触れるのか
一方、共産新人で元県議の奥田智子氏(55)は川口駅頭で第一声を上げたが、約13分間の演説で外国人問題に触れることはなかった。
演説後、奥田氏になぜ触れなかったか尋ねたところ、
「逆に聞くが、なぜ触れるのか」
「演説の内容は私が選べる」
「触れない理由は敢えて言わない」。
地元のクルド人問題への対応については
「国の政治が悪すぎる」
「それに尽きる」
と入管政策を批判した。
立民新人で歯科医師の松浦玄嗣(もとつぐ)氏(52)も川口駅前での出陣式では外国人問題について言及しなかったが、配布した政策チラシに
「外国人労働者の処遇に明確な法整備を求める」
と掲げた。
取材に応じた松浦氏は
「外国人を労働者としてなし崩し的に受け入れるから問題になる」
「川口で起きていることは10年後、20年後、必ず国全体の問題になる」
「外国人を移民として受け入れるのか、鎖国するのか、ロボットやAIに頼るのか、政治家は国民と議論しなければならない」
と語った。
■早く目に見える成果を
この他、埼玉2区には諸派新人で不動産会社社長の津村大作氏(50)が立候補。
7月の東京都知事選にも出馬した津村氏は今回、強制送還を拒む不法滞在者の入管施設への収容を一時的に解く
「仮放免制度」
の廃止を訴えている。
クルド人の危険運転などに困っているという地元の男性会社員は
「選挙で取り上げられるようになったのは一歩前進だが、市民の間ではまだまだ『政治家は何もしてくれない』との思いが強い」
「早く目に見える成果を挙げてほしい」
と話していた。
▽埼玉2区立候補者(届け出順)
奥田 智子55元県議 共新
高橋 英明61党県代表 維前
新藤 義孝66前経済再生相 自前
津村 大作50会社社長 諸新
松浦 玄嗣52医療法人役員 立新

政治とカネが最大の争点、有権者の声「選挙後の追加公認釈然としない」「企業献金禁止を」
2024/10/15 12:07
https://www.sankei.com/article/20241015-ULEGDW5RYVPYNDYFO3B7JOEKGI/?outputType=theme_election2024
自民の派閥パーティー収入不記載事件を受け、
「政治とカネ」
が最大の争点とされる今回の衆院選。
有権者はどのような論戦を望むのか。
京都市左京区の主婦(72)は不記載事件について
「50万円でも100万円でも脱税と言われても仕方がない」
と指摘。
自民は不記載があった候補を非公認としたり、比例代表への重複立候補を認めない措置をとったりしたが、
「選挙後に追加公認する可能性があることは釈然としない」
と述べた。
大阪市浪速区の無職の男性(71)は
「政治家は国民の税金から報酬や活動費を得ているのだから、企業献金は禁止すべきだ」
とした上で、
「約束を実行できる候補者や政党に票を投じたい」。
京都市左京区の自営業、久保元昭さん(78)は
「不記載事件については候補によって額がそれぞれ違っており、有権者の判断に委ねるべきだ」
と話した。
一方、政治とカネ以外の課題への対応に注目するという有権者も。
大阪市西成区の会社員、神野瑠璃さん(49)は
「外交・国防政策を重視している」
「台湾有事など安全保障環境が厳しい中、中国に対しきっちりとものを言ってくれる候補を選びたい」。
大阪市北区の主婦、糟谷千恵子さん(78)は
「大阪の経済対策をちゃんとやってほしい」
「物価高に関しては工夫をして何とかやっているが、大阪に必要なお金を国から持ってきてくれる候補かどうかを重視している」
と語った。
兵庫県尼崎市の阪神出屋敷駅前で候補者の街頭演説を聴いていた同市の無職、近橋保憲さん(66)も
「政治とカネの問題も大事だが、それ以上に私たちの生活を守るのが大事」
といい、
「物価抑制などの経済対策や雇用対策を有効に実行してほしい」
と訴えた。

第50回 衆議院選挙 きょう公示
2024年10月15日 5時03分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241015/k10014609431000.html
第50回衆議院選挙が15日に公示されます。
今回の選挙は、与党が過半数の議席を確保して連立政権を継続するのか、野党が勢力を伸ばして与党を過半数割れに追い込むのかが最大の焦点となります。
第50回衆議院選挙は15日に公示され、小選挙区と比例代表、合わせて465議席をめぐって争われます。
NHKのまとめによりますと、14日までに、
▽小選挙区で1108人
▽比例代表単独で230人
合わせて1338人が立候補を予定しています。
政党別では、小選挙区、比例代表の順で
▽自民党が266人と76人の合わせて342人。
▽立憲民主党が207人と30人の合わせて237人。
▽日本維新の会が163人と1人で合わせて164人。
▽公明党が11人と39人の合わせて50人。
▽共産党が213人と23人の合わせて236人。
▽国民民主党が41人と1人の合わせて42人。
▽れいわ新選組が19人と16人の合わせて35人。
▽社民党が10人と7人の合わせて17人。
▽参政党が85人と9人の合わせて94人。
▽みんなでつくる党が小選挙区のみで6人。
▽日本保守党が4人と26人の合わせて30人。
▽安楽死制度を考える会が比例代表のみで2人。
▽諸派と無所属が小選挙区で83人となっています。
今回の選挙は、与党が過半数の議席を確保して連立政権を継続するのか、野党が勢力を伸ばして与党を過半数割れに追い込むのかが、最大の焦点となります。
289ある小選挙区のうち、与党側は大半の選挙区で候補者を擁立し、野党側は各党が、それぞれ党勢拡大を目指して擁立作業を進めてきました。
12日間の選挙期間中、政治とカネの問題を受けた政治改革のあり方や、物価高対策をはじめとする経済政策、厳しい国際情勢に対応するための外交・安全保障政策などをめぐり、激しい論戦が交わされる見通しです。
立候補の受け付けは
▽小選挙区は、各都道府県の選挙管理委員会で
▽比例代表は、総務省にある中央選挙管理会で
いずれも、15日午前8時半から行われます。
■村上総務相 公示にあたり談話を発表
衆議院選挙の公示にあたって、村上総務大臣は
「選挙は、国民が主権者として政治に参加する最も重要かつ基本的な機会だ」
「有権者の皆様には、積極的に投票に参加し、みずから考え、判断することによって、代表者としてふさわしいと考える方を選出されるよう期待する」
「候補者や選挙運動関係者には、選挙のルールを順守し、国民の信頼と期待に応えられるよう希望してやまない」
「今回の選挙は、小選挙区の区割り改定が行われて以降、初めての衆議院選挙で、選挙の管理執行にあたる方々は、厳正かつ公正を旨として選挙の管理執行にあたるとともに、小選挙区の区割り改定内容の周知や有権者の投票参加を促す啓発に取り組んでいただくようお願い申し上げる」
という談話を発表しました。
■各党 声明など発表
衆議院選挙の公示にあたって、各党は声明などを発表しました。
自民党
日本をどのように守り抜くか、次の時代に向けてどんな社会を創っていくか、国民に選択をいただく重要な選挙だ。
政治の信頼なくして政策の推進はない。
厳しい反省と危機感の上に立ち、ルールの順守を徹底し、信頼回復に全力で取り組む。
今、求められているのは、確かな政策と実行力で政治を着実に前へと進めていくことだ。
皆様の納得と共感のもと『この国に生まれてよかった』と思っていただける国づくりを全身全霊で進めていく、
としています。
立憲民主党
自民党派閥の裏金事件を発端として、政治不信が極まっている中、石破総理は、能登半島を支援するための補正予算編成や、十分な国会での議論に応じることなく『裏金隠し解散』を強行した。
本気の政治改革を実現するため全党一丸となって選挙戦に臨む。
アベノミクスで広がった格差を是正し『分厚い中間層の復活』を実現する。
自公を過半数割れに追い込み、第一党となって政権交代を果たす覚悟だ、
としています。
日本維新の会
政治と金の問題で地に落ちてしまった政治への信頼を回復するため、政治改革を真に実行する候補者を選択する選挙だ。
既得権益としがらみを断ち切れない現政権に、古い政治を続けさせるわけにはいかない。
与党を過半数割れに追い込むことにより、この国のかたちを根本から変える力を与えていただくよう訴えていく、
としています。
公明党
日本経済の再生、少子高齢化対策などを強力に進め、成果を上げている自民・公明両党の連立政権を選ぶのか、政権の枠組みを示せない野党に政治のかじ取りを委ねるのか選択が問われる。
結党以来、政治腐敗と闘い実績を重ねてきた公明党が政権にいるからこそ、政治改革を前に進めることができる、
としています。
共産党
自民党政治は『表紙』を替えても政治の中身は変わらないことが明らかになっている。
国民の願いが通らないのは自民党の政治の根本に、財界・大企業の利益を優先し、日米軍事同盟を絶対視する『2つのゆがみ』があるからだ。
共産党がのびてこそ日本の政治は変えられる」としています。
国民民主党
国民のふところを豊かにする政治家を選ぶのか、自分のふところを豊かにしようとする政治家を選ぶのかが問われる選挙だ。
裏金問題に決着をつけることを訴え、国民の『手取りを増やす』経済政策を掲げて戦う。
真面目に働けば給料が上がる社会を取り戻そう、
としています。
れいわ新選組
『失われた30年』の原因は労働環境破壊と逆進性の強い消費税を不況下で何度も増税したことが大きい。
失われた30年と人間の尊厳を取り戻す。
消費税は廃止、社会保険料減免、現金給付が必要だ、
としています。
社民党
今回の選挙は『税金はくらしに!日本を立て直す選挙』であり、『自民党政治を終わりにする選挙』だ。
この衆院選はまさに平和憲法9条を守れるのかどうかの天王山の闘いだ、
としています。
参政党
『日本をなめるな!』このスローガンのもと、参政党は日本の再興に挑む。
守りだけでなく攻めの姿勢で本来自民党がやるべきだったことを、我々参政党が引き受ける、
としています。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/739.html#c45

[政治・選挙・NHK295] 与野党一騎打ち「自公落選危機」は23人!裏金、旧統一教会、高市推しが「凶」に<一覧あり>(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
41. 秘密のアッコちゃん[778] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月21日 07:26:21 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[343]
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逮捕の男、自民党本部襲撃時にスプレーも噴射か 高圧洗浄機のようなもので液体
2024/10/21 6:33
https://www.sankei.com/article/20241021-QWWONGLFDBJF7DWYGBO6DQ4ZU4/
東京都千代田区の自民党本部と首相官邸が19日に襲撃された事件で、臼田敦伸容疑者(49)が自民党本部前で、スプレーのようなものを撒いた疑いがあることが2024年10月21日、捜査関係者への取材で分かった。
火炎瓶とみられるものも投げており、警戒中の機動隊員3人が喉に軽傷。
警視庁公安部は隊員らから当時の状況を聴き、捜査を進める。
公安部や捜査関係者によると、容疑者は自民党本部前で車から降りると、高圧洗浄機のようなもので液体を噴射し、火炎瓶とみられるものを投げた。
公安部は液体を鑑定し、成分の特定を急ぐ。
容疑者は自民党本部前から車で逃走し、首相官邸前の防護柵に突入。
複数の発煙筒を投げたとして、公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕された。
車内に燃えた跡があり、積まれていたポリタンク約20個の中身の大半はガソリンだった。
引火させようとした可能性がある。

<主張>自民本部に火炎瓶 選挙の安全確保に万全を
社説
2024/10/21 5:00
https://www.sankei.com/article/20241021-XGKKELXX5VIURANTTB4FYYRP3M/
東京・永田町の自民党本部で19日、男が火炎瓶のようなものを複数回投げつけた。
男はその後、車で首相官邸前の防護柵に突入し、車から降りて発煙筒のようなものを警察官に投げつけ、公務執行妨害容疑で現行犯逮捕された。
車内には何らかの方法で燃やした跡があった。
約20個のポリタンクも残されており、中身は大半がガソリンだったという。
大惨事になっていた恐れがある。
党本部前では火炎瓶を投げる前に、高圧洗浄機のようなもので液体を噴射していた。
議会制民主主義の一翼を担う政党の本部と、首相が執務を行う官邸を標的にした今回の犯行を強く非難する。
民主主義に対する暴力は許されない。
衆院選期間中でもあり尚更だ。
石破茂首相は街頭演説で
「民主主義が暴力に屈することは絶対にあってはならない」
「国民の安全・安心が守れるよう万全を尽くす」
と語った。
警察庁は都道府県警に重要施設の警備や要人警護の徹底を指示した。
逮捕された臼田敦伸容疑者は過去、関西電力大飯原発3、4号機の再稼働を巡る反対運動に参加し、原発の近くでテントを張るなどしていた反原発の左派活動家とされる。
交流サイト(SNS)では
「制限選挙をどうにかしろ」
などと選挙の供託金制度廃止を訴えていた。
衆院選への出馬を目指したが、供託金を出せず立候補できなかったことがあるようだ。
警察には動機や背景を徹底的に捜査してもらいたい。
自民党本部は昭和59年に隣接する駐車場の無人トラックに積んだ火炎放射装置で放火されたことがある。
中核派の犯行だった。
昭和期には過激派のデモ隊などによる火炎瓶を使った事件が数多く発生し、警察官に殉職者が出たこともある。
事件では警備に当たっていた警視庁機動隊の車両の一部が焼け、隊員3人が喉の痛みを訴えた。
早朝だったこともあり、一般の通行人が負傷することはなかったが、演説の場などに火炎瓶が投げ込まれれば、大惨事になりかねない。
今回の衆院選は、令和4年7月に安倍晋三元首相が暗殺され、要人警護の在り方が見直されてから初の大規模な国政選挙だ。
重要施設の警備はもちろんのこと、候補者や聴衆の安全確保にも万全を期してほしい。

<主張>自民本部に火炎瓶 選挙の安全確保に万全を
社説
2024/10/21 5:00
https://www.sankei.com/article/20241021-XGKKELXX5VIURANTTB4FYYRP3M/
東京・永田町の自民党本部で19日、男が火炎瓶のようなものを複数回投げつけた。
男はその後、車で首相官邸前の防護柵に突入し、車から降りて発煙筒のようなものを警察官に投げつけ、公務執行妨害容疑で現行犯逮捕された。
車内には何らかの方法で燃やした跡があった。
約20個のポリタンクも残されており、中身は大半がガソリンだったという。
大惨事になっていた恐れがある。
党本部前では火炎瓶を投げる前に、高圧洗浄機のようなもので液体を噴射していた。
議会制民主主義の一翼を担う政党の本部と、首相が執務を行う官邸を標的にした今回の犯行を強く非難する。
民主主義に対する暴力は許されない。
衆院選期間中でもあり尚更だ。
石破茂首相は街頭演説で
「民主主義が暴力に屈することは絶対にあってはならない」
「国民の安全・安心が守れるよう万全を尽くす」
と語った。
警察庁は都道府県警に重要施設の警備や要人警護の徹底を指示した。
逮捕された臼田敦伸容疑者は過去、関西電力大飯原発3、4号機の再稼働を巡る反対運動に参加し、原発の近くでテントを張るなどしていた反原発の左派活動家とされる。
交流サイト(SNS)では
「制限選挙をどうにかしろ」
などと選挙の供託金制度廃止を訴えていた。
衆院選への出馬を目指したが、供託金を出せず立候補できなかったことがあるようだ。
警察には動機や背景を徹底的に捜査してもらいたい。
自民党本部は昭和59年に隣接する駐車場の無人トラックに積んだ火炎放射装置で放火されたことがある。
中核派の犯行だった。
昭和期には過激派のデモ隊などによる火炎瓶を使った事件が数多く発生し、警察官に殉職者が出たこともある。
事件では警備に当たっていた警視庁機動隊の車両の一部が焼け、隊員3人が喉の痛みを訴えた。
早朝だったこともあり、一般の通行人が負傷することはなかったが、演説の場などに火炎瓶が投げ込まれれば、大惨事になりかねない。
今回の衆院選は、令和4年7月に安倍晋三元首相が暗殺され、要人警護の在り方が見直されてから初の大規模な国政選挙だ。
重要施設の警備はもちろんのこと、候補者や聴衆の安全確保にも万全を期してほしい。

防護服着用、永田町襲撃で逮捕の男、計画的か 機動隊員3人が喉を負傷
2024/10/20 11:55
https://www.sankei.com/article/20241020-RPC42JEF45PCRC2VZLER2AIZUI/
東京都千代田区の自民党本部と首相官邸が立て続けに襲撃された事件で、臼田敦伸容疑者(49)が首相官邸前の柵に車で突入し、現行犯逮捕された際、防護服を着用していたことが2024年10月20日、捜査関係者への取材で分かった。
車内から見つかったポリタンクは約20個で、中身の大半がガソリンだったことも判明。
警視庁公安部は計画的だったとみて動機や背景を調べている。
公安部は2024年10月19日夜、現場で対応した機動隊員3人が煙を吸うなどして、喉に軽い怪我をしていたと明らかにした。
臼田容疑者を2024年10月20日に送検した。
自民党本部では火炎瓶とみられるものを5本ほど投げた他、捜査関係者によると、車から高圧洗浄機のようなものを持ち出し、警察官に液体を噴射していた。
車で逃走し、官邸前の防護柵に突っ込んだ後、発煙筒のようなものを警察官に投げたとして公務執行妨害容疑で現行犯逮捕された。
車内には液体の入った瓶も残っており、簡易検査でガソリンが検出された。

永田町襲撃の容疑者宅からポリタンクやガラス瓶など押収 現場では高圧洗浄機で噴射も
2024/10/20 0:04
https://www.sankei.com/article/20241020-OTNKITB4VZON3DPXVSUUNO65WQ/
東京・永田町の自民党本部と首相官邸が襲撃された事件で、警視庁公安部が2024年10月19日夜、公務執行妨害容疑で現行犯逮捕した臼田敦伸容疑者(49)=埼玉県川口市=の自宅を捜索した。
公安部によると、パソコンやタブレット端末、ポリタンク1個、ガラス瓶25個入りの段ボールなどを押収。
中身の解析を進め、思想的な背景や火炎瓶などの製造、入手方法の解明を進める。
臼田容疑者は2024年10月19日早朝、自民党本部に火炎瓶を複数回投げた上、警備用の防護柵に車で突入。
降車して発煙筒のようなものを投げ、車内に戻って何らかの方法で内部を焼いたところで取り押さえられた。
その際、自民党本部では機動隊の車両の一部が焼損。
隊員3人が喉の痛みを訴えているという。
また、自民党本部で火炎瓶を投げ始める前に高圧洗浄機のようなもので周囲に液体を噴射していたことも捜査関係者への取材で判明。
臼田容疑者が取り押さえられた後、現場に残っていた約20個のポリタンクの中身は大半がガソリンだったという。
臼田容疑者と同居する父親によると、容疑者は反原発活動に取り組んでいた他、選挙の供託金制度に不満を持っていたという。

衆院選候補が「戸別訪問」「ポスター掲示」をSNSでわざわざアピール 公選法違反は否定
2024/10/18 16:11
https://www.sankei.com/article/20241018-MHIGYHYW3RAZTGXOUISDC73WWM/?outputType=theme_election2024
27日投開票の衆院選で小選挙区に立候補している男性候補者がX(旧ツイッター)で、自身が民家を訪問している動画や、公営掲示板以外の場所にポスターを貼っている写真を投稿。
ネット上で
「公選法違反ではないか」
との声が上がっている。
陣営は
「全く法に触れていない」
としている。
この候補の陣営は公示前日の今月2024年10月14日、本人が民家を訪ねてインターホンを押し、ドアを開けた住民に話しかけたり、ガッツポーズや拝むポーズをしたりしている動画をXに投稿。
公示後の2024年10月17日には候補のXに、写真と名前入りのポスターを自分で公営掲示板以外の壁に貼っている写真を投稿した。
これに対し陣営の投稿には、別の利用者から投稿が正しいかどうかの判断に資する背景情報
「コミュニティノート」
が付けられ、
「公示前でも選挙に関する訪問は事前運動となり公職選挙法違反」
と指摘された。
また、候補者がSNS上でわざわざアピールする姿勢に、ネット上では
「こんなわざとらしい動画を撮って」
「違法行為を堂々とSNSで流布する議員」
といった声が多数上がっている。
公選法は、戸別訪問について公示前も含めて禁じているが、
「選挙に関する訪問」
でなければ事前運動には当たらないといい、この候補の陣営関係者は取材に対し
「民家を回って『困りごとはないですか』とご用聞きし『ポスターを貼らせてください』と拝んでいるだけだ」
「全く公選法違反には当たらない」
としている。
ポスターについては
「選管の証紙が貼られたもので、民家に許可ももらっており違反ではない」
「逆に対立候補は国道や県道に大量に貼っている」
と対立陣営を批判した。
選管関係者は
「公選法違反ではないとしても、誤解を生む行為は慎んでほしい」
と話している。

警視庁、選挙違反取締本部を設置 2千人態勢で取り締まり
2024/10/10 12:18
https://www.sankei.com/article/20241010-4RAXGCSVN5OUJD722EWOPUHX6U/?outputType=theme_election2024
衆院選の公示が15日に迫る中、警視庁は10日、選挙違反取締本部(本部長・親家和仁刑事部長)を捜査2課に設置し、同課入り口に看板を据え付けた。
公職選挙法違反をはじめとする選挙に関する不正行為を捜査員2000人態勢で取り締まる。
捜査2課によると、令和3年の前回衆院選から今月9日までの違反警告件数は計30件。
いずれもポスターやのぼり旗などに関する文書掲示違反だという。
警視庁管内の選挙を巡っては、4月の衆院東京15区補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の候補者らが、他陣営に妨害行為を繰り返すなどして公選法違反(自由妨害)罪で逮捕、起訴。
7月の都知事選では、掲示板にほぼ全裸の女性や、風俗店を宣伝する内容のポスターを貼ったとして、それぞれ候補と党代表が警告を受けた。

衆院解散で大阪府警が選挙違反取締本部設置 悪質違反は期間中でも摘発へ
2024/10/10 11:56
https://www.sankei.com/article/20241010-2Y6JQJQNVRM57LFKWGT27XTKEA/?outputType=theme_election2024
衆院解散を受け、大阪府警は10日、府警本部内に選挙違反取締本部を設置した。
府警本部と府内66署で捜査に臨み、選挙妨害など悪質な選挙違反については公示前や選挙期間中でも摘発する方針。
府警捜査2課によると、8日時点の警告数は2件で、いずれも政治活動用看板の証票の期限切れなどの文書掲示違反。
令和3年の前回衆院選では解散時の警告件数は19件で、全て文書掲示違反だった。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/740.html#c41

[政治・選挙・NHK295] <れいわ・比例東京>防衛のスペシャリスト 伊勢崎賢治氏が出馬! 「残りの人生をれいわにかける」  赤かぶ
32. 秘密のアッコちゃん[779] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月21日 08:34:41 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[344]
<■1424行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
<産経抄>タフな政治家を選べるか
2024/10/21 5:00
https://www.sankei.com/article/20241021-SR2BR33Y6BOG7IBGCODQBZ4P44/
我田引水だが新聞を開くのが楽しみだ。
ほっとする話題、結果を知っていてもその裏側を知ることがある。
▼週末2024年10月19日には箱根駅伝の予選会が行われ、立教大がトップ通過で出場権を得た。
失礼ながら意外な好成績だ。
翌2024年10月20日付の本紙スポーツ面では
「タフ」
さを重視した新監督の改革が背景にあったことが明かされていた。
▼立大は昨年2023年予選会直前に当時の監督が不祥事で解任された。
新監督に就いたのは強豪、駒沢大のコーチだった高林祐介さん(37)だ。
熱血監督として知られた大八木弘明さんの薫陶を受けた。
高林監督は坂道の走り込みなど
「タフなコンディションでも走れる土台作り」
をした。
▼強豪校の練習を身をもって知る指導は選手らの意識改革にも繋がった。
季節外れの暑さの中、過酷な予選会で
「タフ」
さを証明し、高林監督は
「ようやくスタートラインに立てた」
と箱根路へ静かな闘志を語った。
▼さてこちらも各地で激戦が繰り広げられている衆院選は投票日まで1週間を切ったが、タフな環境で国益を守れる政治リーダーを選べるだろうか。
同僚の近著『政治家は悪人くらいでちょうどいい!』(乾正人著、ワニブックス)は
「善人に政治家は務まらない」
と歯に衣着せず、今、求められている政治家像を語っていて興味深い。
▼「悪人」
と言っては中高生ら良い子には誤解があろうが、専制国家に毅然と対峙できる胆力ある政治家はいるか。
先日の本紙「正論」で同志社大の村田晃嗣教授は、日本の政治家は国内権力闘争に敏感でも国際政治ではものを言えず
「突然ナイーブ」
になると手厳しい。
防衛費増に反対し「外交力」でと声高に語っても、専制国家との協調ばかり口にするのが外交では、頼りにならない。

<正論>分断排し「ネットワーク」の力を 
同志社大学教授・村田晃嗣
2024/10/10 8:00
https://www.sankei.com/article/20241010-TR3DZNNZVJLZBG2PVLBSICD7LY/
石破茂氏が自由民主党総裁、そして内閣総理大臣に選ばれ、早くも衆議院が解散された。
いよいよ総選挙である。
ここで、石破内閣の内外の課題について論じておきたい。
■自民総裁選で感じた変化
自由民主党の総裁選挙は、稀にみる激戦であった。
その熾烈な駆け引きは、エミー賞受賞で話題のドラマ『SHOGUN 将軍』をすら連想させた。
ほとんどの候補者が脱派閥を訴え、麻生派を基盤とした河野太郎氏が守旧派にされたが、結局はどの候補者も派閥的な勢力に依存していた。
400人近い国会議員を擁する巨大政党を、派閥ないしは派閥的なものなしに運営することは不可能であろう。
派閥を否定しながら都合に応じて派閥に頼るゲームでは、有権者の信頼は回復できない。
派閥の功と罪をしっかりと検証した上で、派閥とどう向き合うかを現実的に示すべきである。
さもなければ、自民党の古い体質は変わるまい。
他方で、自民党、そして日本政治の変化を感じさせるものもあった。
9人の総裁候補のうち2人は女性だったし、そのうちの1人、高市早苗氏は決選投票に臨み、予想以上に善戦した。
また、43歳という若さの小泉進次郎氏も3位に付けた。
更に候補者の多くが留学経験などを持ち、英語に堪能であった。
しかも9人のうち河野氏(ジョージタウン大学)、高市氏(神戸大学)、小泉氏(関東学院大学)と3人までが、東京以外の大学の卒業生であった。
戦後の歴代首相で東京以外の日本の大学で学んだ者は、実は池田勇人(京都大学)と宇野宗佑(神戸大学中退)の2人だけなのである。
地方活性化を語っても、日本の政治が如何に中央集権的であるかを如実に示していよう。
さて、石破新首相は5回の総裁選に出馬したベテラン政治家であり、男性の世襲政治家である。
その意味では上述の
「変化」
の枠外にいるのだが、彼はキリスト教徒である。
戦前では原敬、戦後では吉田茂や鳩山一郎、大平正芳などの首相がキリスト教徒であり、直近では麻生太郎氏(カトリック)がそうである。
明治維新以来、日本のキリスト教徒は人口の1%前後で推移しており、今でも100万人ほどである。
その意味では、令和初のキリスト教徒の首相も
「変化」
を体現している。
ジェンダーや世代、国際性、そして宗教などで、包括政党として自民党は新たな多様性を受容できようか。
そうなれば、摩擦を伴いながらも、日本政治は活力を取り戻そう。
他方で、今回の総裁選挙では、高市氏を軸に保守層が強い結束を示した。
米国では既に、共和党も民主党も党内に大きな亀裂を抱えている。
自民党が党内の和解、党外世論との対話に失敗すれば、日本政治は米政治の轍を踏むやもしれない。
■国内「権力闘争」好きだが
自民党総裁選挙は、半ば古いゲームを新しいプレーヤーたちが戦ったことになる。
国際政治もそうである。
グローバルサウスなど新たなプレーヤーが台頭する中で、21世紀のグローバル協力と20世紀、否、19世紀を思わせる露骨な大国間政治や民族・宗教対立が並行している。
日本人の多くは戦国時代や幕末の歴史を愛好し、国内政治の権力闘争にも敏感である。
ところが、国際政治になると突然ナイーブになり、平和の精神や自主独立の気概を観念的に語るだけであったり、逆に、弱肉強食と権謀術数ばかりを強調して規範の力やソフトパワーを軽視したりしがちである。
石破内閣の国内的権力基盤は未だ不安定だが、より不安定な国際情勢の舵取りをしなければならない。
米国の大統領選挙の行方も、まだ分からない。
石破氏が提起するアジア版NATOの創設や日米地位協定の見直しは、対米自立の心の琴線には触れる。
だが、トランプ政権相手にはほとんど実現不可能であろうし、ハリス政権でも容易ではあるまい。
そうした交渉に時間と精力を注ぐ間にも、台湾海峡や朝鮮半島、中東などの国際情勢に何が起こるかわからない。
日本が対米交渉力を持つためにも、まずは岸田文雄前内閣が決定した防衛費の倍増や反撃力の保有という公約を実現すべきであろう。
■日本の持ち味生かせるか
またバイデン政権の間に、日米韓、日米比などのミニラテラル協力も進んできた。
これに日米豪印の協力(クアッド)などを重ね合わせながら、安全保障協力を進めていくのが先決ではなかろうか。
幸い、石破内閣は経験豊かな外相や防衛相、首相補佐官を揃えている。
彼らが述べたように、遠大な制度設計はあくまで
「中長期的な課題」
であり、まずは既存のネットワークを活用すべきであろう。
こうした
「ネットワークパワー」
こそが日本の持ち味だとの指摘もある(ミレヤ・ソリース氏)。
実は、自民党政治のしたたかさも
「ネットワークパワー」
にあろう。
石破内閣には、国内政治の経験と知恵を国際政治にも大いに活用してもらいたい。

<主張>衆院選と少子化 財源確保の議論不十分だ
社説
2024/10/21 5:00
https://www.sankei.com/article/20241021-SP4JC7WFYJOMHGZJYRQLGLDYV4/
日本の少子化は年々深刻さを増している。
更に高齢化で死亡者数は増加傾向にある。
人口減少は歯止めがかからない状況だ。
少子化と人口減少は社会保障制度の持続可能性に悪影響を与え、国の活力低下にも繋がりかねない。
令和5年の出生数は過去最少の72万7288人だった。
令和6年は70万人を割る可能性がある。
令和5年の合計特殊出生率は1・20と過去最低を更新した。
にもかかわらず、衆院選では各党から危機感が伝わってこない。
しかも訴えは給付の拡充策が中心で、財源確保の議論が足りない。
財源の裏付けがなければ実効性は確保されまい。
自民党は公約に政府の
「こども未来戦略」
を踏まえ、児童手当拡充や高等教育無償化、住宅支援強化などを盛り込んだ。
子育て支援の財源として、政府は公的医療保険に上乗せして徴収する
「子ども・子育て支援金」
の創設を決めている。
岸田文雄前首相は社会保障費の歳出削減などで
「実質的な負担は生じない」
と説明してきた。
だが、高齢化で需要が高まる医療・介護サービスを低下させずに、歳出削減を十分に行うことが出来るのか疑問は残ったままだ。
石破茂首相は岸田前政権の少子化対策を継承する姿勢を示している。
負担についても、きちんと論じるべきだ。
立憲民主党は公立小中学校の給食費無償化、高校や国公立大の授業料無償化を掲げている。
子供・子育て予算として
「対GDP(国内総生産)比3%台」
を達成するとも主張しているが、安定財源はどうするつもりなのか。
不明確では政権担当能力を疑わざるを得ない。
教育費による家計の圧迫が少子化要因になっているとの問題意識は多くの党で共有されている。
日本維新の会は教育の全課程の無償化、公明党は国公私立を問わず高校の実質無償化と2030年代の大学の無償化、国民民主党は高校までの授業料完全無償化を訴えている。
各党は丁寧に説明する必要がある。
訴えるべきは他にもある。
人口減に対応した地域の在り方についてだ。
日本の総人口は約1億2500万人だが、50年後は3割減ると推計されている。
人手不足に拍車がかかり、地方の過疎化も進む。
人口減でも繁栄できる国家像を提示することも重要である。

処理水問題で中国と対峙、高市早苗氏に台湾から期待の声 衆院選「裏金」で騒ぐだけでいいのか 元産経新聞台北支局長がシンクタンク設立
2024.10/18 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241018-QCCQC6GNGFNRJMN3VRV4Z5OL4E/
衆院選はあたかも
「政治とカネ」
一色のようだが、日本を取り巻く国際情勢に目を向けると、果たして
「裏金、裏金、裏金」
と騒いでいるだけでいいのかと思う。
公示前日の2024年10月14日、中国軍は台湾を取り囲むように大規模な軍事演習を行った。
折しもこの日、筆者は台北にいた。
産経新聞前台北支局長の矢板明夫氏が設立した
「インド太平洋戦略シンクタンク」(印太戦略智庫)
の発足式に出席するためだった。
式典には、頼清徳総統が祝辞を寄せた他、郭智輝経済部長(経産相に相当)、元立法院長で台湾日本関係協会の蘇嘉全会長、日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会台北事務所代表の片山和之氏、米国の対台湾窓口機関、米国在台協会(AIT)台北事務所長のレイモンド・グリーン氏、ドナルド・トランプ前米政権下で、マイク・ポンペオ前国務長官の中国政策に関する首席顧問を務めたマイルズ・ユー氏、半導体大手「聯華電子」(UMC)創業者の曹興誠氏らが出席した。
台湾メディアも多く詰め掛け、矢板氏のシンクタンクへの関心の高さを窺わせた。
片山氏は挨拶の中で、中国軍による演習が矢板氏のシンクタンクの重要性を物語っていると述べた。
矢板氏は、日本の本州(山口県下関市)と九州(北九州市)を結ぶ関門橋をモチーフにした写真を背景に、このシンクタンクがインド太平洋地域の自由を守ると共に、台湾と世界の民主主義国家を繋ぐ
「架け橋」
になればとの抱負を語った。
式典後のパーティーで、台湾側の出席者から話を聞くと、自民党総裁には高市早苗前経済安保相になってほしかったとの声が相次いだ。
高市氏は
「台湾有事は日本有事」
と明言した安倍晋三元首相の遺志を継ぐ姿勢を明確にしているからだ。
高市氏は昨年2023年9月、国際原子力機関(IAEA)総会で、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出について中国側から批判を受けると、
「突出した輸入規制を採っているは中国のみです」
「日本としては引き続き、科学的根拠に基づく行動や正確な情報発信を中国に対して求めていきます」
と強調した。
「処理水」

「核汚染水」
と呼んだ中国代表に反論したものだ。
中国の批判に
「受け身」
にならず、正面から対峙した政治家は珍しい。
実際、読売新聞によると、岸田文雄首相(当時)は周囲に
「中国を再び刺激しないか」
と不安を漏らしたという。
中国側は、高市氏が退出した後、再反論したが、在ウィーン日本政府代表部の引原毅大使(同)が
「中国には、トリチウムの年間排出量が、福島第1原発の5倍から10倍の原発もある」
と再び反論した。
日中間の応酬はこれで終わったが、
「日本側の発言で終わるという最も望ましい形」(政府関係者)
となった。
ちなみに、引原氏は高市氏と同じ奈良県出身だった。
石破茂首相も総裁選前、台湾を訪問して頼総統らと意見交換したが、衆院選では積極的に安全保障について語ってほしい。
日本には内向きになっている余裕はないはずだ。
 (産経新聞特別記者・有元隆志)

石破政権「机上の空論」国家安全保障最前線
日米同盟を「対等な同盟に」石破首相の空想 決定的に違う「核を保有しているか否か」…日本の限界は大きく まず憲法改正を
2024.10/19 15:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241019-N7P52NS64BJN3N45FTJCM7UJSI/
石破茂首相は
「日米の対等な同盟」
を主張していて、米シンクタンク
「ハドソン研究所」
のホームページで発表した寄稿文
「日本の外交政策の将来」
に、まず
「米英同盟なみに日米同盟を強化する」
として以下のように書いている。
「石破政権では 戦後政治の総決算として米英同盟なみの『対等な国』として日米同盟を強化(する)」
「アーミテージ・ナイ・レポートはかつて米英同盟の『特別な関係』を同盟のモデルとして、日米は『対等なパートナー』となることを提案した」
「今、それが可能となり、米国と肩をならべて自由主義陣営の共同防衛ができる状況となり、日米安全保障条約を『普通の国』同士の条約に改定する条件は整った」
石破首相は、日米の関係がかつては対等ではなかったが、今や対等になり
「自由主義陣営の共同防衛ができる状況となった」
と言いたいのであろうが、それは空想でしかない。
日米関係は決して対等ではない。
決定的に違うのは
「核を保有しているか否か」
だ。
非核国家でなおかつ完全な集団的自衛権を有していない日本の限界は大きく、石破首相が主張する
「米国と肩をならべて自由主義陣営の共同防衛ができる状況になった」
とは言えないのである。
石破首相は寄稿文で、日米安保条約は
「非対称双務条約」
であり改定すべきだとも指摘している。
「アメリカは日本『防衛』の義務を負い、日本はアメリカに『基地提供』の義務を負うのが現在の日米安全保障条約の仕組みとなっているが、この『非対称双務条約』を改める時は熟した」
「日米安全保障条約と地位協定の改定を行い自衛隊をグアムに駐留させ日米の抑止力強化を目指すことも考えられる」
「そうなれば、『在グアム自衛隊』の地位協定を在日米軍のものと同じものにすることも考えられる」
「更に、在日米軍基地の共同管理の幅を広げていくなどすれば在日米軍の負担軽減ともなろう」
日米安保条約は通常、
「非対称双務条約」
ではなく片務条約と呼ばれている。
米国は日本防衛の義務を負うが、日本は米国防衛の義務を負わないからだ。
この片務性は日本にとってある意味で都合の良いものである。
石破首相のように、地位協定の改定やグアムへの自衛隊駐留、在日米軍基地の共同管理を主張するのであれば、米側が
「片務性こそ問題であり、日本も米国防衛の義務を負いなさい」
と反論してくるのは火を見るより明らかだ。
そこまでの危険を冒してまで地位協定の改定やグアムへの自衛隊駐留を主張すべきではない。
もしも日本が米国と対等な国として米英同盟並みに日米同盟を強化したいのであれば、日本には集団的自衛権の行使が求められる。
つまり、憲法を改正して集団的自衛権の行使が可能な普通の国家になる必要がある。
しかし、石破首相のハドソン寄稿文には憲法改正の記述がない。
まずは憲法改正から始めなければいけない。
■渡部悦和(わたなべ・よしかず)
元陸上自衛隊東部方面総監、元富士通システム統合研究所安全保障研究所長、元ハーバード大学アジアセンター・シニアフェロー。
1955年、愛媛県生まれ。
1978年東京大学卒業後、陸上自衛隊に入隊。
その後、外務省安全保障課出向、ドイツ連邦軍指揮幕僚大学留学、第28普通科連隊長(函館)、防衛研究所副所長、陸上幕僚監部装備部長、第2師団長、陸上幕僚副長を経て2011年に東部方面総監。
2013年退職。
著書・共著に『日本はすでに戦時下にある』(ワニブックス)、『宇宙安全保障』(育鵬社)、『台湾有事と日本の安全保障』(ワニブックスPLUS新書)など多数。

石破政権「机上の空論」国家安全保障最前線
同盟国に不信感与えた石破首相の寄稿文 総裁選期間中に米シンクタンクで発表 問題点満載、疑われる安全保障への「机上の空論」
2024.10/16 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241016-BXVMWL2LKBPOBBWGYBDW4JAYBQ/
現在、国内外が混沌とした状況にある。
ロシアのウクライナ侵略が継続し、中東ではイスラエル・ハマス戦争が1年経過しても終結せず、イスラム原理主義組織ハマスのみならず、イランや親イラン民兵組織ヒズボラとの紛争に拡大している。
中国は
「台湾武力統一」
を放棄していない。
権威主義国の中国やロシアは、我が国の領空・領海を侵犯している。
まさに我々は激動の時代を生きている。
国内においては、岸田文雄政権から石破茂政権への交代があった。
3年間続いた岸田政権を批判する人は多いが、私は安全保障分野における同政権の功績を高く評価している。
国家安全保障戦略などの
「安全保障3文書の策定」
や、
「防衛費のGDP(国内総生産)比2%への増額」
への道筋をつけた、日米関係を最良の状態にしたことは特筆すべきことだ。
岸田政権を引き継いだ石破政権には、激動の時代における国家運営、特に安全保障分野のかじ取りを適切に行ってもらいたいと思う。
しかし、石破首相に不安を感じている。
石破首相が総裁選の期間中、米シンクタンク「ハドソン研究所」のホームページで発表した
「日本の外交政策の将来」
と題する寄稿文は問題点満載で、安全保障に関する見識が疑われる文書であるからだ。
この不用意に公開された寄稿文が、米国やアジアの諸国に石破首相に対する不信感を与えた。
「覆水盆に返らず」
とはまさにこのことだ。
石破寄稿文には、
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)の創設」
「対等な普通の国同士としての『日米安全保障条約の改定』『日米地位協定の改定』」「国家安全保障基本法の制定」
「米国のFEMA(連邦緊急事態管理庁)に準ずる防災省の設置」
「米国の核シェアや核の持ち込みの具体的な検討」
「自衛隊のグアム駐留」
などが提案されている。
これらは
「机上の空論」
だ。
例えば、対等な普通の国同士としての
「日米安全保障条約の改定」
「日米地位協定の改定」
「米国の核シェアや核の持ち込みの具体的な検討」
は、米国の反発を受けるだけだ。
国内外情勢が厳しい状況下において最優先の課題ではない。
ましてや、
「アジア版NATOの創設」
「米国のFEMA(連邦緊急事態管理庁)に準ずる防災省の設置」
「自衛隊のグアム駐留」
などは、まさに非現実的な議論だ。
幸いにも、石破首相は所信表明演説(4日)では、
「アジア版NATOの創設」
「日米地位協定の改定」
などには触れなかった。
これは賢明だった。
いずれにせよ、石破首相が優先すべきは憲法改正を行い、集団的自衛権の問題を完全に解決することだ。
この集中連載においては、激動の時代における
「現実論」

「机上の空論」
について記述したい。

高市早苗氏、支持者の自民党離れを危惧 投票呼び掛けも「高市さん応援しても自民党には失望」の声が続く
2024/10/19(土) 18:06配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/d4c791f3987620eeb7a75e87e11b5683cc4b97d5
自民党の高市早苗前経済安全保障担当相が2024年10月19日、自身のX(旧ツイッター)を更新。
今回の衆院選(2024年10月27日投開票)に向け、総裁選で自身以外の候補者を応援した自民党公認候補者への投票をしないという声があるとして、同党への投票を呼び掛けたが、リプ欄には高市氏は支持しても現在の自民党は支持出来ないという声が相次いだ。
高市氏は
「なかなかニュースも含めてネット情報をチェックする余裕も無いスケジュールで全国遊説を続けていますが、昨日、辛い話を聞きました。」
と切り出し、
「先月2024年9月の自民党総裁選で私以外の候補者を応援しておられた自民党公認候補者に対して『投票しない』と仰る方が居られるという話が数件」
「困り果てた当該候補者の陣営から、私の秘書に連絡を頂いたそうです。」
と明かした。
その上で、高市氏は
「今、私達が戦っている衆議院選挙は、政権選択選挙です」
「私も含めて自民党の候補者達は、自民党への様々なご批判も全員で受け止めながら、これからも日本国の舵取りをお任せいただけるよう、1人でも多くの当選を目指して頑張っている最中です」
「議席を減らして野党になってしまうと、私が訴えてきた政策を議員立法で実現する事も困難になります」
と訴え、
「だから私は、昨日も、今日も、総裁選で他陣営に居られた候補者の応援にも伺っていますし、皆様にも是非とも応援をして頂きたいと願っています」
「どうか宜しくお願い申し上げます」
と呼び掛けた。
高市氏の投稿に対し、フォロワーからは
「高市さんは応援するが自民党には失望した人が多いと思います」
「残念ながら、今の石破政権には信用がない」
「自民党への失望と憤りを持ち続けている自民党員もたくさんおられると感じております」
「自民党に票が集まれば、『有権者の支持を得た』と更に私が望まぬ方向に進む気がしてなりません」
「石破政権を保守政権と認めないのも1つの立派な判断です」
などといった意見が続いた。
(よろず〜ニュース編集部)

日米防衛相、抑止力強化へ連携確認 中谷氏、中国念頭に「現状変更に反対」
2024/10/19 21:58
https://www.sankei.com/article/20241019-TNWRZLH26ZM6XGD6JYD4YHPVPQ/
中谷元・防衛相は2024年10月19日、先進7カ国(G7)国防相会合が開かれたイタリア南部ナポリでオースティン米国防長官と会談した。
両氏の対面での会談は初めてで、日米同盟の抑止力・対処力を一層強化するため緊密に連携していくことを確認した。
中谷氏は会談で、中国による東・南シナ海や台湾周辺での覇権主義的な行動を念頭に
「インド太平洋地域は戦略的に極めて重要な地域だ」
「東・南シナ海での力による一方的な現状変更の試みに反対する」
と述べた。
「台湾海峡の平和と安定が国際社会に重要だ」
とも語った。
オースティン氏は、米国が核を含む戦力で日本防衛に関与する
「拡大抑止」
に触れ、
「あらゆる能力を含め、米国の日本防衛に対するコミットメントは揺るぎない」
と強調。
日米の反撃能力の充実や指揮統制における連携強化の推進が重要だとの考えを示した。
日本は来年2025年春に陸海空3自衛隊を一元的に指揮する統合作戦司令部を創設する。
米軍も在日米軍司令部を統合軍司令部に再編する方針で、日米が作業部会を通じて連携強化の議論を加速させていくことを確認した。
石破茂首相が唱える日米地位協定の改定への言及があったかどうかは明らかにされなかった。
両氏はまた、北朝鮮の核・ミサイル開発などを念頭に、日米韓などが多国間連携を一層強化していくことを確認した。

<主張>原発で日本回復を目指せ 国民生活とAI立国のために
社説
2024/10/20 5:00
https://www.sankei.com/article/20241020-CLMDDPLQJVJXNAJTVGWX5MQGIE/
日本の政治は重要な忘れものをしていないか―。
衆院選の最中であるにもかかわらず、各政党や候補者からエネルギーに関する発言がほとんど聞こえてこないのだ。
ロシアによるウクライナ侵攻や中東での紛争激化に加え、中国の台湾威圧で地政学的な緊張が日々、高まりつつあるのにどうしたことか。
資源貧国で島国の日本は、国際紛争の余波を受けやすい。
国内電力の約7割を占める火力発電の燃料の大半は、輸入天然ガスと石炭に依存している。
タンカーの行く手が塞がれたり、迂回を余儀なくされたりすれば、日本はたちまち電力不足に陥る運命だ。
■安全保障力ある電源は
緊張含みの国際情勢に照らした場合、日本に最も頼りになる電力源は原子力発電だ。
原発は13カ月ごとに止めて定期検査をしているが、必要があれば2年以上の連続運転も可能である。
抜群の安定供給能力などで原子力は準国産エネルギーに位置付けられてきた。
電力の安定供給に最も役立つ原発なのだが、東日本大震災を機に当時の民主党政権によって全面停止に追い込まれた。
国内の原発再稼働は異様に遅い。
大震災前には54基の原発が存在したが、その後に21基が廃炉となった。
残った33基中、再稼働を果たした原発は12基に過ぎないのだ。
こうした減り方を目の当たりにすれば、再稼働の促進や新増設の必要性が痛感されるはずだが、肝心の自民党でさえ頼りない。
「原子力など脱炭素効果の高い電源を最大限活用」
すると公約しているが、目的は
「カーボンニュートラル(脱炭素)」

「エネルギー安全保障」
のためと記す。
順番が違わないか。
原発の必要性を明確に説いているのは唯一、国民民主党だ。
データセンターや半導体工場の増加による電力需要の大幅急増を見据えた上で
「原子力発電所の建て替え・新増設により、輸入に頼らない安価で安定的な電力を確保する」
としている。
立憲民主党は
「原発の新増設は認めない」
と宣言した。
今後4半世紀内に出来る限り早く
化石燃料にも原子力発電にも依存しないカーボンニュートラルを達成」
するという。
■規制委の是正も急務だ
有権者の多くは気付いていないかもしれないが、実は日本の原子力発電は、持続可能性が危ぶまれるほどの深刻な状況に直面している。
13年前2011年の東京電力・福島第1原子力発電所事故の煽りで、既存原発の21基が今も未稼働であることに加え、原発新増設の動きも止まったままだ。
このため原発の部品を供給する企業には廃業に至ったところも少なくない。
国内の原発メーカーである三菱重工業、日立製作所、東芝の3社でも新規プロジェクトが途絶えたことで高度な原発技術の世代間継承に支障を来しつつある。
原発を保有する電力10社でも再稼働を果たしたのは3社に過ぎず、実機での発電経験のない運転員が増しているのだ。
政府は目下、次の
「第7次エネルギー基本計画」
の案を練っている。
衆院選後の新政権には原子力活用に向けての采配を期待する。
現行の6次計画にある
「可能な限り原発依存度を低減する」
との記述などは
「低減」

「増大」
に改めたい。
耳当たりの良い再生可能エネルギーは安定性に欠け、メガソーラーは環境破壊と隣り合わせだ。
原子力発電への消極姿勢を改めなければ電力供給の不足と電気代の値上がりで、国民生活も産業も苦難の道を歩むことになる。
3年前2021年の6次計画策定時点に比べ、エネルギーを取り巻く諸環境は激変している。
国際紛争だけでなく、新産業革命を牽引する人工知能・生成AIの出現も加わった。
AIの開発や運用には膨大な電力需要の発生が予測されており、それへの対応には原発をおいて他にない。
新政権には、再稼働の安全審査に関わる原子力規制委員会の業務遅滞の解決が急務である。
国のエネルギー行政との整合性の回復には規制委設置法の改正も視野に入れるべきだろう。
石破茂首相は就任直後の所信表明演説で
「日本を守る」
など5つの
「守る」
を表明したが、その履行の基盤にはエネルギーが必要だ。
日本の地政学的現況を直視すれば主軸は自ずと原子力エネルギーに帰着する。
各党諸賢には根本原則として胸に刻んでもらいたい。

高橋洋一「日本の解き方」
自民と立民が「増税路線」で同調 歩調合わせ減税に否定的、震災後の悪夢が繰り返される 財務省には千載一遇の好機≠ゥ
2024.10/19 10:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241019-5WEPJDBKSRITPAO67CADSNHPIA/
金融所得課税の強化について、石破茂首相は自民党総裁選で取り上げた後で引っ込めたが、ここにきて立憲民主党の野田佳彦代表が
「25%への引き上げもあり得る」
と強調した。
野田氏は法人税も上げる余地があると述べたという。
衆院選のタイミングでこうした発言をした狙いはどこにあるのか。
石破政権はブレるので、金融所得課税については再びブレて
「課税強化」
を言いかねない。
はっきり言えば、消費税について、自民党と立憲民主党がシンクロしているのが気になる。
与野党党首は2024年10月13日のNHK番組で論戦した。
石破首相(自民党総裁)は、消費税率について
「引き下げることは考えていない」
「当面、上げることも考えていない」
とした。
減税はやらない方針だ。
立憲民主党の野田氏も消費税の減税に関し
「高額な所得者が額として一番恩恵を受ける」
と述べた。
一般的には、消費税は逆進性があるので、減税は低所得者層ほど有利になる。
だが、わざわざ額に言及して分かりにくくしているが、要は減税しないということだ。
他の野党党首は減税に言及しているのに、自民と立民は歩調を合わせて減税に否定的だ。
立民の新代表が決まった段階で危惧していたが、野田氏と言えば、民主党政権時代に消費増税という財務省の戦略にまんまと乗り、一部では
「使い勝手ヨシヒコさん」
とも揶揄されていたらしい。
石破首相も、財政緊縮と金融引き締めで有名だった人だ。
衆院選では自民党と公明党は苦戦が見込まれ、自民の過半数割れを予測する人も少なくない。
有権者の動向によっては自公で過半数割れもあり得る状況だ。
その場合、負け方にもよるが、自公と立民による
「大連立」
にならないとも限らない。
仮に
「台湾有事」
になると、大連立の大義名分ができる。
そうした話は東日本大震災の時にあった。
実際には大連立にはならなかったが、当時の野田首相と野党だった自民党の谷垣禎一総裁はともに増税志向だったので、復興増税と2度の消費増税というホップ・ステップ・ジャンプという財務省の野望が実現した。
財務省は、大連立にならなくても、この東日本大震災の後の増税路線の再来を狙っているのではないか。
歴史は繰り返すという。
増税したい財務省からみれば、自民と立民の両トップが増税志向だというのは千載一遇のチャンスだ。
しかも、立民の野田代表は、過去の消費増税の立役者なので、再び増税をやってくれそうだと期待してもおかしくない。
今回は野党なので、石破首相を誘導することも考えられる。
野田代表から金融所得課税25%や法人税増税を言い出したのも、そのための戦略ではないだろうか。
早速、石破首相は防衛増税を言い出した。
金融所得課税は金持ち優遇の是正、法人税増税は利益をため込んで吐き出さない企業へのペナルティーというキャッチフレーズだろう。
そこで増税に勢いをつけ、次には社会保障にかこつけて再び消費増税というシナリオを財務省は描いているのではないか。 
(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

高橋洋一「日本の解き方」
石破首相が掲げた「アジア版NATO」の非現実度 日米地位協定見直しも含め…まず同盟国助けられない「憲法9条の改正」が先決だ
2024.10/18 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241018-E3LN6EODCRPCLKCBOJZXV7BG2M/
石破茂首相は自民党総裁選の際に掲げた
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」
の構想について所信表明演説では触れなかった。
だが、党内に議論する新組織を設置するよう指示した。
アジア版NATOは日本の安全保障に資するのか。
現実味のある構想なのか。
石破首相は総裁選で、日米地位協定の見直しにも言及した。
アジア版NATO創設と日米地位協定見直しは、根っこのところで今の日米安保条約と密接に関係しており、更にその背景には憲法問題がある。
そこで、まずは日米安保条約の条文を振り返っておこう。
ポイントは第5条と第6条だ。
第5条では
「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する」
としている。
第6条では在日米軍の地位について
「別個の協定などに規律される」
としている。
第5条は
「日本国の施政の下にある領域における」
と書いてあるので、日本が攻められた時に発動するもので、米国が攻められた時ではない。
これが
「相互」
安全保障ではなく、
「片務的」
安全保障と言われる所以だ。
これを前提として日米地位協定がある。
一方、NATO条約では、第5条で
「締約国は、ヨーロッパ又は北アメリカにおける一又は二以上の締約国に対する武力攻撃を全締約国に対する攻撃と見做すことに同意する」
「従って、締約国は、そのような武力攻撃が行われた時は、各締約国が、国際連合憲章第51条の規定によって認められている個別的又は集団的自衛権を行使して、北大西洋地域の安全を回復し及び維持するためにその必要と認める行動(兵力の使用を含む)を個別的に及び他の締約国と共同して直ちに執ることにより、その攻撃を受けた締約国を援助することに同意する」
とされており、明らかに異なっている。
日米安保条約が
「片務的」
なのは、日本の憲法9条で交戦権を否定しているからだ。
つまり、同盟国が攻撃された時でも、助けるために交戦できないのだ。
要するに、憲法9条を改正しないと、日米安保条約すら
「相互的」
にできない。
ましてアジア版NATO創設や日米地位協定見直しには到底辿り着けないのだ。
逆にいえば、憲法9条を改正し、日米安保条約を
「相互的な」
ものに改定すれば、ほぼ自動的に日米地位協定も見直せる。
日米安保条約を
「相互的」
なものに改定すれば、その先の将来像としてアジア版NATOもあり得るだろう。
もっとも、アジア版NATOは米国とアジア諸国が安全保障をどのように考えるかに依存するので、日本だけが考えてもできるものではない。
こうしてみると、党内でアジア版NATOを議論しても、大した結論にはならないだろう。
他国に話をしても
「日本の憲法問題が先だ」
と言われ、現実的な政治課題にはならない。 
(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

高橋洋一「日本の解き方」
衆院選で防戦一方の自民党、石破政権の政策がブレて争点にできず「政治とカネ」問題が前面に…「岸田政権の劣化コピー」とも
2024.10/16 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241016-T3XVBMVR7NOKBOI3DWZBFHVBLQ/
衆院選が2024年10月15日に公示された。
「政治とカネ」
の問題が表に出ているが、他には何が争点になるだろうか。
本来は、外交・防衛や内政を議論すべきであるが、首相就任は今月2024年10月1日、解散は8日後の2024年10月9日、投開票は26日後の2024年10月27日といずれも戦後最短だ。
解散から投開票までの18日間も戦後2番目の短さだ。
選挙日程は、3年前の岸田文雄政権とほとんど同じだ。
石破茂政権は、首相と同様に長らく
「党内野党」
だった
「お友達」
を重要閣僚に据えたが、官房長官は岸田政権から横滑りで、副大臣と政務官はほぼ岸田政権の居抜きである。
こうしたことから政策もほとんど岸田政権を踏襲し、岸田政権の劣化コピーとも言われている。
2024年10月4日の所信表明演説では、総裁選の公約をほぼ全面的に撤回した。
その前に実施された世論調査で、内閣支持率は岸田政権の末期からは上昇したが、それでも政権発足直後では過去最低水準で、
「ご祝儀」
はなかった。
その後、石破政権の変節が明らかになると支持率は下がっているとの調査もあり、焦った石破政権は、焦点を裏金問題にすり替えた。
そこで、不記載だった12人を非公認とし、30人以上を比例重複なしとした。
この判断について
「世論に迎合した」
とも言われるが、この場合の世論というのは非自民層なので、これで自民党に支持が戻るわけではない。
この措置の結果、これまでは
「自民単独で過半数割れ」
が懸念されていたのが、
「自民と公明党の与党で過半数割れ」
も視野に入ってきているという。
そもそも検察の捜査で刑事処分がなされ、それを受けて党規約に基づき党として既に決定した処分について、新総裁が追加処分したというのは
「一事不再理」
の原則に反し不当だ。
「ルールを守る」
と強調する石破首相が自ら破っている。
また、選挙の争点を
「政治とカネ」
の問題に絞ることは、選挙戦術としてもまずい。
野党は
「処分は甘い」
と更に攻勢をかけてくるのは必至だ。
更に、これまで党内野党に対しては寛容だった週刊誌などのメディアも、閣僚のスキャンダルを出し始めた。
このため、ますます政策議論になりにくい状況だ。
実は、外交・防衛や内政を争点にするといっても、石破政権はブレブレでほとんど前言を撤回しているので話にならない。
「憲法7条による解散は違憲の疑い」
と言っていたが、解散してしまった。
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」

「北朝鮮との連絡事務所設置」
などは所信表明演説では姿を消し、
「原発ゼロ」

「選択的夫婦別姓導入」
も後退し、
「金融所得課税強化」
もなくなった。
「最低賃金1500円」
のように変えていないものもあるが、立憲民主党より左で、れいわ新選組並みの政策なので争点になりにくい。
能登の災害に対する措置を予備費か補正予算にするかについても、現実に
「補正予算なし」
なので、ここも争点になりにくい。
結果的に
「政治とカネ」

「スキャンダル」
が争点になれば、自民党は防戦一方だろう。
 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

「『政治とカネ』法律家の立場からは時間の無駄」今の日本に後ろ向きの議論する時間はない
弁護士・田中善信氏
2024/10/18 15:30
https://www.sankei.com/article/20241018-G7YZXJ7CXVLBHC7O5KKLPLPW2Q/?outputType=theme_election2024
27日投開票の衆院選について、弁護士で群馬「正論」懇話会会長の田中善信氏(81)は産経新聞のインタビューに応じ、
「『政治とカネ』の問題は大事なことだが、政治資金規正法をきちんと改正すれば済む話だ」
と指摘した。

今回選挙では、
「政治とカネ」
の問題が大きな争点とされていますが、法律家の立場から言わせて頂くと、東京地検が時間をかけて捜査した以上、更に時間を掛けても新事実が出ることはなく時間の無駄だと思う。
政治にとって最も重要なのは国民の安全と生活を守ることです。
日本周辺には中国、北朝鮮、ロシアという核を保有し核兵器の増産を続ける独裁的国家群がミサイルの矛先を日本に向けている。
備えるには、しっかりとした法制度と軍備を整える必要がある。
最大の法整備は憲法改正だ。
そのためにも与党を中心に改憲に必要な議員数を確保すべきで、選挙で最も問われるのはその点だと思います。
今の日本に後ろ向きの議論をしている時間はありません。
石破茂政権は、国民の声を聴くという姿勢を見せてはいますが、ポーズだけのように見えます。
大事なのは国民、とりわけ将来を担う若者や子供たちが希望を持てる国づくりです。
彼らが望むのは金銭的援助というより日本の明るい未来や希望ではないでしょうか。
その意味でも、党総裁選で多数の党員が支持した高市早苗・前経済安全保障担当相の政策や提言を取り入れることも大切だと思います。
その上で、石破首相には国民の安全と生活を守るための憲法改正に向け、先頭に立って頂きたい。
投票率の低下、長期低迷傾向も将来に対するビジョンを示せない政治家が多いからです。
自身の選挙の事ばかり考え、日本のためにという志をもった政治家が少なくなっていることが原因だと思います。
「政治とカネ」
の問題は大事なことですが、政治資金規正法をきちんと改正すれば済む話です。
近視眼的ではなく、もっと巨視的に日本の将来を考える政治家はいないものでしょうか。
真に将来を語れる政治家が出てくれば、投票率も自然と上がり、国民ももっと政治に関心を持つでしょう。
群馬県からは戦後、4人の首相が誕生している。
土壌はあるはずです。
■たなか・よしのぶ
群馬県富岡市出身。
昭和49年に弁護士登録。
群馬弁護士会に所属し民事、刑事から労働問題、破産や債券回収など幅広くカバー。
特に、警察が手を付けられない事件化以前の、いわゆる民事介入暴力の第1人者として数々の事案解決に尽力。
県警察署協議会会長や県警特別講師などを務め県警特別功労賞受賞。
令和3年12月から群馬「正論」懇話会会長。

自民党、過半数割れの可能性 立憲民主党、公示前より議席上積み 日本保守党、複数議席獲得へ 報道各社、衆院選序盤情勢調査
2024.10/17 11:31
https://www.zakzak.co.jp/article/20241017-WLKH5R2JLFMA3JBPQ2QASGGTBA/
第50回衆院選(27日投開票)について、報道各社の序盤情勢調査が出揃ってきた。
自民党は石破茂首相(総裁)の
「変節」
や、派閥裏金事件などが響き、定数465議席の過半数(233)に届かない可能性が出てきた。
単独過半数割れとなれば、2009年以来となる。
立憲民主党は公示前の98議席から議席を増やし、ベストセラー作家の百田尚樹氏が立ち上げた政治団体
「日本保守党」
は複数議席を獲得しそうだ。
共同通信によると、全289選挙区のうち、自民党(公示前256)がリードしているのは140程度で、接戦区が多い。
比例代表で前回選挙(20年)の72議席を下回るのは避けられない情勢だ。
公明党は公認候補を立てた計11選挙区の全勝は難しい情勢。
自民党との連立与党では過半数を維持する見込み。
立憲民主党は公示前の98議席を超える公算が大きい。
日本維新の会は大阪の小選挙区は堅調だが、比例の支持の広がりに欠け、公示前の43議席に手が届かない可能性がある。
共産党は公示前の10議席程度の獲得が見込まれる。国民民主党も公示前の7議席から上積みする勢い。れいわ新選組は比例で複数議席を確保できそうだ。
社民党は小選挙区の1議席死守が課題。
参政党は支持浸透が見られない。

与党過半数巡り攻防 不記載響き自民低調、立民勢い 衆院選序盤情勢
2024/10/17 5:00
https://www.sankei.com/article/20241017-AEBKGSGRPZMN7EBF43MGFUUFOI/?outputType=theme_election2024
27日投開票の第50回衆院選について共同通信社は15、16両日、全国の有権者15万6千人を対象に電話調査を実施し、取材を加味して公示直後の序盤情勢を探った。
自民党は派閥パーティー収入不記載事件が響き低調。
公明党も伸び悩む。
立憲民主党は議席増へ勢いを見せる。
定数465議席の過半数(233)を巡り、与野党の攻防が続いている。
小選挙区では投票先未定が3割近くおり、今後、情勢は変わる可能性がある。
全289選挙区のうち、自民(公示前勢力256)がリードしているのは140程度にとどまり、接戦区が多い。
比例代表で令和3年前回選の72議席を下回るのは避けられない情勢だ。
単独過半数を維持できるかどうか予断を許さない。
不記載事件に関係し、公認されなかった候補の大半は厳しい戦い。
重複立候補が認められなかった候補も半数近くが先行されている。
立民は公示前の98議席(比例含む)を超える公算が大きい。
無党派層でも支持が拡大しつつある。
前回選で39だった比例議席も増やしそうだ。
日本維新の会は地盤の大阪府の小選挙区で堅調。
だが全国的に比例の支持の広がりがいまひとつで、公示前の43議席に手が届かない可能性もある。
公明は公認候補を立てた計11選挙区の全勝は難しい情勢。
維新と争う大阪府の4小選挙区で苦戦が目立つ。
埼玉14区に出馬した石井啓一代表も激戦。
比例も伸びを欠いており、小選挙区と合わせた公示前の32議席を堅持できるか微妙だ。
共産党は小選挙区1議席を維持しそうだ。
比例次第で、公示前の10議席程度の獲得が見込まれる。
国民民主党も公示前の7議席から上積みする勢い。
れいわ新選組は比例で複数議席を確保できそうだ。
社民は小選挙区の1議席死守へ全力を挙げる。
参政党は支持浸透が見られない。
政治団体
「日本保守党」
は複数議席を得る可能性がある。

自公、全国で苦戦 「政治とカネ」国民から厳しい視線、立民躍進 衆院選序盤調査
2024/10/17 5:05
https://www.sankei.com/article/20241017-AEPDUY4J7VP3RG6G4WBNPM3FXY/?outputType=theme_election2024
15、16両日に共同通信社が実施した衆院選の序盤情勢調査では、自民、公明両党が全国で苦戦している状況が浮き彫りとなった。
「政治とカネ」
の問題を受け、自民は一部を非公認とするなどの対応を取ったが、国民からの厳しい視線は向けられたままだ。
一方、立憲民主党は躍進する見通しだが、主要野党との候補者一本化は限定的で、立民が目標に掲げる
「比較第一党」
には届かなそうだ。
■お詫びしながら臨む選挙
石破茂首相(自民総裁)は16日、香川県内でマイクを持ち、派閥パーティー収入不記載事件について
「こういうことが2度とないように、深く国民の皆さま方にお詫びをしながらこの選挙に臨んでいる」
と述べ、自公政権の継続を訴えた。
野党は不記載事件を巡って自民への批判を強めており、立民の野田佳彦代表は16日、新潟県内での演説会で
「裏金隠し解散だ」
「有権者がペナルティーを与えるしかない」
と主張した。
衆院選の勝敗ラインについて、首相と公明の石井啓一代表は、自公政権を維持するための最低条件となる両党での過半数(233議席)獲得と位置付ける。
自民の公示前勢力は256議席で、政権を奪還した平成24年の衆院選以降、4回連続で単独過半数を獲得してきた。
だが、自民の森山裕幹事長は14日の報道各社のインタビューで
「自民単独でどうするかということをまだ考える余裕はない」
と強調。
このまま低調な状況が続けば、自民が下野した平成21年衆院選以来の単独過半数割れの可能性も見えてくる。
自民は不記載事件に関係した旧安倍派幹部ら12人を非公認とし、30人以上の比例代表への重複立候補を認めない対応を取った。
国民の理解を得るために厳しい選択をした形だが、別の自民関係者は
「非公認で出馬となれば有権者の情が沸く可能性もあるが、党公認で立候補して比例重複だけ認めないというのは分かりにくい」
「理解を得られるだろうか」
と表情を曇らせた。
■野党は候補者調整進まず
一方、野党は不記載事件での自民批判で足並みをそろえるものの、候補者調整は進まなかった。
289の小選挙区のうち、立民、共産両党は142の小選挙区で競合。
与党公認候補と、立民、日本維新の会、共産、国民民主党の主要4野党のいずれかの公認候補が
「一騎打ち」
で争うのは、52の小選挙区にとどまる。
立民の野田氏は
「最低限の目標は自公の過半数割れ」
と息巻くが、共産は野田氏の保守的な路線に反発、候補者調整は多くの小選挙区で整わなかった。
野党乱立の構図となった今回の衆院選では、与党への批判票が分散しており、今後の情勢次第では野党の議席数の伸びの足枷となりかねない。

<主張>衆院選と経済 物価高克服への道筋競え 成長を展望できる具体論を
社説
2024/10/17 5:00
https://www.sankei.com/article/20241017-KHQMFV4RCBJKVHZLRWQHWPRCYI/
衆院選における与野党の論戦で、有権者が高い関心を寄せているのが経済政策である。
物価高にどう対処するのか。
賃上げの動きを確かなものにできるのか。
何よりも、日本経済は長期停滞を脱して将来への展望が開けるのか。
問われているのはそのための具体的な処方箋だ。
各党はこぞって給付金や減税などの聞こえのいい政策を並べているが、具体化への道筋や実現可能性を明確に示せなければ国民の納得は得られまい。
デフレ時代に戻らぬよう経済を底上げし、豊かさを実感できる持続的成長に繋げることが肝要だ。
各党には、バラマキに陥ることなく、中長期的に経済活力を高めるための効果的な戦略を競い合ってもらいたい。
■「デフレ脱却」を確実に
日本経済は今、歴史的な転換期にある。
食品などの幅広い品目で値上げが定着するだけでなく、賃上げの動きは中小企業にも広がりを見せつつある。
「物価も賃金も上がらない」
というデフレ下の社会通念は着実に変化してきた。
既に日銀は利上げに転じ、デフレ脱却を眼目とする異次元緩和路線の修正に踏み出した。
「金利のある世界」
の復活は超低金利下での国債大量発行に支えられた財政運営にも変革を促す。
そうした情勢も踏まえて各党の政策を見極めねばならない。
当面の経済政策で課題となるのは、物価高に伴う消費の弱さである。
8月の実質賃金は3カ月ぶりに減少し、物価高に賃上げが追いつかない状況は今も残る。
ここに効果的な手を打てずデフレからの完全脱却が遠のけば元も子もない。
これは各党に共通する認識だろう。
自民党は公約で、人や技術への積極投資で成長力を強め、その果実を国民に分配すると訴えた。
岸田文雄前政権の路線を踏襲するものだ。
石破茂首相が唱える
「コストカット型経済」
からの脱却もそうである。
だが、それで十分なのか。
衆院選後には経済対策やそれを裏付ける補正予算の編成が予定される。
自民は当面の物価高対策として低所得世帯向けの給付金を約束した。
石破首相は昨年を上回る大型補正予算を編成する意向も示した。
ならば自民が目指す経済対策の中身について、もっと多くを明示すべきだ。
そもそもデフレからの完全脱却をいつ達成できると想定しているのか。
そのため優先すべき政策は何か。
これらを明確に示すことが与党である自民、公明党に求められる責務だろう。
野党の公約で目立つのは消費税や所得税などの減税・撤廃や社会保険料の引き下げだ。
消費を促し経済成長に繋げる狙いがある。
消費税については日本維新の会や共産党、国民民主党などが減税を訴え、れいわ新選組は制度の廃止を求めている。
そこに現実味はあるのか。
■減税の必然性どこまで
物価高が深刻といっても、リーマン・ショックや新型コロナウイルス禍の時のような危機的状況ではない。
高齢化で社会保障費が膨らむ中で、安定財源の消費税に手を付ける必然性は吟味しなくてはなるまい。
国民民主は実質賃金が安定的にプラスになるまで税率を5%にするというが、これを元に戻すときには増税となり、景気を下押しする影響もあろう。
各党は減税の詳細をもっと語るべきだ。
具体的な道筋を示さなければ無責任である。
立憲民主党は現行の消費税の軽減税率に代えて中低所得者向けの
「給付付き税額控除」
を提案するが、制度の大幅変更を円滑に進められるのか。
納得できる説明を尽くすべきである。
「分厚い中間層の復活」
を掲げる立民の公約には、最低賃金引き上げや人への投資など自民と似通う部分もあるが、違いを浮き立たせたいのか、理解に苦しむ項目もみられる。
アベノミクスの象徴である
「2%」
の物価安定目標を
「0%超」
にすると打ち出したのもそうだ。
そもそも0%超は2%も含むので目標として曖昧すぎる。
2%に縛られない柔軟な金融政策を求めたいのだろうが、プラス圏でよしとする変更の結果、賃金の大幅増に向けた機運まで妨げられないか。
そうなれば脱デフレも見通せなくなろう。
与野党には、日本経済の生産性や国際競争力を高め、潜在成長率を向上させる成長戦略についても論じ合ってほしい。
デジタル化や規制緩和などの項目を羅列するだけではなく、優先順位を付けて確実に実行に移せるかどうかが問われよう。

40日抗争と首相の天命 
阿比留瑠比の極言御免
2024/10/17 1:00
https://www.sankei.com/article/20241017-4FNAJUF63FN4XK2F5S34QSTADI/?outputType=theme_election2024
「本当に40日抗争の再来があるんじゃないか」
衆院選公示当日の15日、永田町でこんな予想がささやかれていると聞いた。
選挙結果がどうなるのかはまだ分からないのだから、現時点ではあくまで一つの見立てにすぎないが、あり得る話だと妙に得心した。
40日抗争とは、45年前の昭和54年10月の衆院選での敗北と過半数割れをきっかけに、自民党主流派の大平派、田中派と反主流派の福田派、三木派、中曽根派などが40日間にわたり繰り広げた派閥間の争いのことである。
このとき、自民党は首相候補を一本化できず、大平正芳首相と福田赳男前首相の2人が首相指名選挙に出る異例の事態となった。
結局、首相には大平氏が再選されたものの組閣は難航し、抗争はさらに続いたのだった。
古い話のようだが、今回の衆院選では自民、公明両党の獲得議席が目標の過半数(233)に及ばない可能性も指摘されており、もしそうなれば衆院解散を急いだ石破茂首相の退陣を求める声が、自民内から噴き出すのは必至である。
過半数に届かない場合、日本維新の会、国民民主党、保守系無所属議員らの取り込みや、新たな連立の枠組み作りが喫緊の課題となる。
仮に与党で過半数は確保できても、自民が大きく議席を減らせばやはり石破首相の責任論に直結する。
麻生太郎内閣の農林水産相でありながら、麻生氏に身を引くよう要請したり、第1次安倍晋三内閣時の参院選で自民が大敗した際、安倍氏の責任を厳しく問うたりした自らの過去の言動が襲い掛かってくる。
また、石破首相が
「党内融和より国民の共感」
だと強調し、パーティー収入不記載事件を巡って福田派の流れをくむ旧安倍派を狙い撃つかのような二重処分を断行したことで、抗争の芽は十分に育っている。
党の判断に従って政治倫理審査会に出席しなかった議員まで、説明責任を果たしていないと決めつけて非公認にした首相のやり方は、党内に分断の種をたくさんばらまいている。
40日抗争は尾を引き、抗争翌年の昭和55年5月に野党が内閣不信任案を提出すると、自民の反主流派は衆院本会議を欠席し、不信任案は可決された。
これを受けて大平氏は衆院を解散(ハプニング解散)して初の衆参同日選に打って出たが、選挙中に心不全で急逝している。
■「天の声にもたまには変な声がある」
抗争に負けた福田氏は抗争前年の昭和53年には、現職の首相・総裁として本命視されていた自民党総裁選に敗れてこう述べた。
この場合、天の声とは党員・党友、つまり民の声のことである。
一方、安倍氏との一騎打ちとなった総裁選を控えた平成30年夏に香川県観音寺市で大平氏の墓参をした石破氏は、今回の総裁選前に出版した著書『保守政治家 わが政策、わが天命』の中でこう記している。
「もし私などが首相になるようなことがあるなら、それは自民党や日本国が大きく行き詰まった時なのではないか」
「しかも、それは天が決めること」
「天命が降りない限り、それはありえないということでしょう」
自らの首相就任は天命によるということか。
それでは、衆院選という民の声が直接反映される場面で、石破首相はどんな天の声、天命を知るだろうか。
まさか
「変な声」
「変命」
などと愚痴り出すことはないと思いたいが。

衆院解散 産経「外交・安保の政策論争を」 朝毎東 政治とカネで自民糾弾
社説検証
2024/10/16 9:00
https://www.sankei.com/article/20241016-VSS2FRVN6JPG5PKSB4GS7655UM/
衆院選が15日に公示された。
投開票日は27日だ。
石破茂内閣は1日に発足したばかりで、首相就任から8日後の解散、26日後の投開票は戦後最短である。
主要各紙は解散翌日の社説で、石破氏が予算委員会も開かずに解散を急いだことを
「丁寧な論議をしなかった」(産経)、
「有権者が判断する材料は不十分」(毎日)
などと、いずれも批判的に伝えた。
一方、
「政権選択の選挙」
である衆院選で、何が重視されるべきかについては見解が分かれた。
国民を守ることができる外交・安全保障政策の重要性を訴えた産経に対し、朝日、毎日、東京各紙は自民党の派閥パーティー収入不記載事件を巡る
「政治とカネ」
問題を挙げ、政治への信頼回復を重視した。
産経が指摘したのは、今回の衆院選が、日本を取り巻く安保環境が極めて厳しい中で行われるという現実だ。
政治とカネの問題が
「争点の1つになるのは当然だろう」
としつつも、解散当日の国会での党首討論で外交安保がほとんど語られなかったことを嘆き、各政党と候補者に
「日本を守り繁栄させる政策を大いに論じなければならない」
と強く促した。
特に政権交代を唱える立憲民主党に対しては、集団的自衛権の限定行使の容認を
「憲法違反」
とする立場であることを危惧し、このまま政権を取れば
「日米同盟は空洞化する」
と難じた。
読売も、政治とカネの問題で迷走する自民に苦言を呈しつつ、党首討論で立民などがこの問題の追及に大半の時間を費やしたことを疑問視し、
「日本が直面している課題はそれにとどまらないはずだ」
と強調した。
少子化対策や社会保障政策の必要性と共に、悪化した安保環境への対応を
「待ったなしの課題」
とし、議論を深めるよう呼び掛けた。
朝日、毎日、東京の社説は、安保環境の現実にはほとんど触れず、政治とカネの問題に紙幅を割いた。
毎日は、
「裏金問題は、不透明なカネを使って党勢を維持し、権力の座にあぐらをかく自民の実態を浮き彫りにした」
ととがめ、この問題に各党がどう向き合うかが
「今回の衆院選の最大の焦点」
と位置付けた。
東京も、今回の解散を
「裏金解散」
と呼び、裏金議員に
「職にとどまる資格があるのか否か」
「審判を下すのは私たち有権者だ」
と力説する。
石破首相が総裁選で訴えた政策の多くを棚上げしたことも批判し、
「自民党の『中身』が変わるかどうかを見極めねばなるまい」
とした。
朝日は、衆院選の争点を
「石破政権に対する審判」
だけでなく、
「岸田(文雄)前政権の3年間の実績への評価」、
更には
「7年8カ月に及んだ安倍(晋三)長期政権の総括」
に広げるべきだとする主張を展開した。
立民など野党に対しては
「どこまで国民の心を掴むことができるか」
「その真価が試される」
とし、
「自民への失望という『敵失』頼み」
でなく、
「信頼に足る政策を打ち出せる」
ことが重要と指摘した。
立民の野田佳彦代表は
「政権交代こそ、最大の政治改革だ」
と訴えている。
だが、もしも与党が過半数割れした場合、どんな政権ができるのか見えてこない。
産経は、新たな政権の枠組みを示さない立民を批判し、枠組みが曖昧なまま
「選挙区調整だけに走るとすれば、議会制民主主義の軽視となる」
と断じた。
逆に毎日は、個別政策で異なる部分があっても、野党は候補者を一本化し、
「裏金問題についての民意が投票結果に反映される構図を作り出すべき」
だと唱えた。
産経は、論争すべきテーマとして
「国の根幹に関わる憲法改正」
も挙げた。
国民の多くが自衛隊を認め、その活動に期待している。
にもかかわらず自衛隊は日本国憲法に明記されず、未だ多くの憲法学者が自衛隊違憲論を唱えている。
産経が指摘するよう、この
「異様な状態」
を早急に改めなければなるまい。
内外の情勢は混迷を極めている。
だからこそ各党、各候補者は、現実を踏まえ、将来を見据えた政策を訴えるべきだ。
■衆院解散をめぐる主な社説
【産経】
・日本守り抜く政策訴えよ/政権を託せるのはどの党か
【朝日】
・政治への信頼取り戻せるか
【毎日】
・自民政治のゆがみ問う時
【読売】
・与野党の力量が問われている/国難を乗り越える処方箋を示せ
【東京】
・「裏金」に審判を下そう(いずれも10日付)

<産経抄>後世に胸張れる選択を、衆院選の公示    
2024/10/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20241016-PX4FA2XQORLYPMAHTK6SAE6G3I/
選挙結果を国民の
「肖像」
に例えたのは、大正期に東京市長などを務めた後藤新平である。
どんな政党も、
「選挙という種板(写真の原板)に採影せられたる国民の写真である」。
写りの美醜に有権者も責任を負いなさい―と。
▼大正14(1925)年に日本で普通選挙法が公布されてから、間もない頃の発言という(『大正・昭和戦前期 政治・実業・文化 演説・講演集』日外アソシエーツ)。
それまでの納税要件が廃止になり、満25歳以上の男子が選挙権を手に入れた。
▼女性の選挙権は戦後まで待たねばならないものの、普選の幕開けから100年となる来年2025年は1つの節目だろう。
選挙権の行使について、後藤はこうも述べた。
「その醜い写真を修正し、後世、子孫に誇り得る立派な肖像を、我が憲政史上に残す用意と覚悟がなければならぬ」
と。
▼卓説からほぼ100年経った今も、政治不信をどう拭うかが大きなテーマであり続けているのは残念でならない。
さりとて先送りできない課題は他にも山積し、有権者の肩に食い込む荷は重い。
こちらは節目の第50回となる衆院選が公示された。
▼世界は緊迫の度合いを高めている。
台湾情勢の行方によっては、次の政権が
「有事」
に直面するかもしれない。
国家と国民を守る覚悟を持った政治家は誰か。
有権者の眼力が、これまで以上に問われる政権選択選挙になろう。
後世に恥じることのない肖像を残したいものである。
▼「票」
という字は、細かい火の粉が舞い上がる様を表している。
政党や候補者が論戦に火花を散らし、票を奪い合うなら大歓迎である。
少子化や社会保障などの課題も待ったなしだ。
有権者の胸にくすぶる不安と不満の火を、大事な1票に託す選挙でもある。

<主張>衆院選公示 日本の針路掲げて論戦を
社説
2024/10/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20241016-7IBUR7K47ZPCJOOKSB7FJKVUPM/
第50回衆院選が公示された。
石破茂首相が率いる自公連立政権の信を問う選挙である。
有権者はどの政党、候補者に日本を託すべきかを十分吟味し、一票を投じてもらいたい。
今回の衆院選は
「1票の格差」
を是正するため、小選挙区定数を
「10増10減」
するなど、25都道府県の140小選挙区で区割りが変わった。
有権者はよく候補者を確認し、訴えに耳を傾け、投票では間違いのないようにしたい。
日本を取り巻く安全保障環境は厳しい。
日本の独立と繁栄、国民の生命と暮らしがかかった政権選択選挙である。
有権者はこのことを自覚し、投票先を決めてほしい。
臨時国会では論戦の時間が短く、国民に十分な判断材料を提示したとは言い難い。
各党、各候補者は選挙戦で具体的な政策を示し、在るべき日本の針路を丁寧に論じねばならない。
「政治とカネ」
の問題が衆院選で問われている。
同時に国民を守り抜く外交安保政策に関し議論を深めるべきである。
首相は岸田文雄前首相の路線を継承する姿勢を示しているが、総裁選で掲げたアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想の検討を自民に指示した。
首相に曖昧さがあるのは否めない。
立憲民主党は日米同盟が基軸だと主張する一方で、集団的自衛権の限定行使は
「憲法違反」
との立場を崩さず、同盟強化に逆行している。
各党は防衛力の抜本強化と抑止力向上の具体策を競い合うべきだ。
少子化対策も重要な争点の1つだが、給付拡大の訴えが中心で、財源確保策について各党は余り語ろうとしていない。
これでは無責任である。
物価高に負けない持続的な賃上げによるデフレからの完全脱却の方策についても、議論を尽くすことが求められよう。
北朝鮮による拉致問題や国の根幹である憲法改正について、活発な論戦になっていないのは残念だ。
憲法改正で与野党論議を主導すべき首相は、自衛隊明記や緊急事態条項創設の意義について国民の理解を深めるべく、もっと説かねばならない。
安倍晋三元首相暗殺で要人警護の在り方が見直されてから初の大規模な国政選挙である。
暴力による言論封じは許されない。
警備に万全を期したい。

<主張>衆院選討論会 重要政策の論議を続けよ
社説
2024/10/13 5:00
https://www.sankei.com/article/20241013-SDOHJLP4KNKB3MKF2FXZ2JKJUY/
15日の衆院選公示を前に、日本記者クラブ主催の党首討論会が開かれた。
先の臨時国会では専ら
「政治とカネ」
の問題が取り上げられた。
今回の討論会では国内外の諸課題についても議論が展開され、有意義だった。
政治への信頼を回復する上で政治資金の問題は重要である。
同時に、実際の国政運営でどのような政策を遂行していくかを示すことは欠かせない。
有権者にとって投票の判断材料になるからだ。
ただし、理解に苦しむ場面もあった。
石破茂首相は解散前の国会論戦に関し
「有権者が判断する材料をきちんと提供しなければ無責任だ」
「私は一生懸命自分の言葉で答えた」
と語った。
予算委員会を見送ったにもかかわらず、首相の認識は世間の感覚からかけ離れている。
首相は立憲民主党の野田佳彦代表にウクライナへのロシア侵略を巡り、なぜ抑止が破綻したのか見解を質した。
これに対し、野田氏は東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議にバイデン米大統領が欠席したことを引き合いに出し、
「国際会議に米国を呼び込む外交努力はもっと大事だ」
と述べた。
抑止の破綻について正面から答えない無責任な態度だった。
立民が訴えている
「給付付き税額控除」
については、他党から過去との矛盾を指摘する声が上がった。
旧民主党の野田政権時に当時の安住淳財務相が、税額控除の申請が膨大な数に上ることが想定されるため
「難しい」
と語っていたためだ。
野田氏は整合性のある答えを示せなかった。
野党連携に関し
「対話を続ける」
と述べたが、衆院選後に想定する連立の枠組みを明らかにしなかったことはおかしい。
首相には安全保障政策で不明瞭な発言があった。
アジア版NATO(北大西洋条約機構)の構成国に中国を含むのかを問われ、
「一切の可能性を排除しない」
と述べた。
中国が構成国になり得る国に変化する場合には、アジア版NATOはそもそも要らないではないか。
憲法改正については国民民主党の玉木雄一郎代表が緊急事態条項の創設に関連し、大規模災害時などの国会機能維持について早期の改正を促したが、それ以上深まらず残念だった。

<主張>石破首相の初外遊 国際秩序の担い手となれ
社説
2024/10/12 5:00
https://www.sankei.com/article/20241012-YV3266KOENKKBGBAY5YZN6CNSM/
安全運転の外交デビューではいささか物足りない。
石破茂首相は自由で開かれたインド太平洋、国際秩序の担い手として首脳外交を積極的に展開していく必要がある。
石破首相が就任後初めて外遊した。
ラオスで東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の首脳会議に出席し、日中、日韓などの首脳会談を行った。
衆院解散後でもラオスへ足を運んだのは妥当だ。
バイデン米大統領の姿はなく、日本の首相も不参加なら李強首相が出席する中国の存在感が高まってしまう。
石破首相の外遊はそれを防ぎ、日本がASEANと連携する意思を示す意義があった。
ASEANと日中韓3カ国の首脳会議で石破首相は、中国を念頭に
「力や威圧による一方的な現状変更の試みを許容してはいけない」
と牽制した。
日中首脳会談では
「戦略的互恵関係の包括的推進」
で一致した。
李首相に対し、中国軍の動向への深刻な懸念を伝えた。
日本人男児刺殺事件や中国軍機の領空侵犯について説明を強く求めた。
中国が拘束する邦人の早期釈放や日本の排他的経済水域(EEZ)内の中国ブイの即時撤去、日本産水産物輸入の早期再開も促した。
台湾海峡の平和と安定の重要性を指摘した。
日韓首脳会談ではシャトル外交の継続や安保協力の推進などで一致した。
石破首相はラオスで、持論のアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想を封印した。
岸田文雄前首相の外交路線を踏襲した形で、日本の抱く懸念を李首相に直接伝えたこともあり、初外遊は無難に遂行したと見做されているようだ。
だが中国と戦略的互恵関係など築ける時代なのだろうか。
また、石破首相は自民党総裁選でアジア版NATOを不用意に掲げたため、ASEAN諸国から不安視される中でのスタートだった点を忘れてはならない。
マイナスからの出発で安全運転に徹しても存在感は示せない。
フィリピンのマルコス大統領はASEANと中国の首脳会議で南シナ海問題を巡り中国を直接批判した。
石破首相も日中の個別会談だけでなくASEAN首脳の前でも名指しで中国の問題行動を難じるべきだった。
ベトナム首相と会談したが、日越比の首脳会談を開く選択肢もあったのではないか。

<主張>政治とカネ 再発防止策も丁寧に語れ
社説
2024/10/11 5:00
https://www.sankei.com/article/20241011-DR2B2U63YFPI3ED6H4HTFQGRQA/
事実上始まった衆院選では
「政治とカネ」
を巡る問題が争点となっている。
自民党はパーティー収入不記載事件に関連し前議員らを非公認にしたり、比例代表への重複立候補を認めなかったりする方針だ。
野党は
「不十分だ」
と批判している。
野党との対決を前に、石破茂首相による党内の非主流派潰しの様相を呈しているとの指摘も出ている。
有権者の投票判断の材料にすべき課題は他にもある。
政治資金の透明性確保と事件の再発防止の具体策だ。
立憲民主党、日本維新の会、公明党、国民民主党などは、政党から国会議員に支出される使途の報告義務がない
「政策活動費」
の廃止を訴えている。
自民は公約に
「将来的な廃止も念頭に」
改革に取り組むと記した。
首相は今回の衆院選では
「使うことはある」
と語った。
立民が先の通常国会でパーティー禁止法案を提出しながら、同党幹部らが開催していたことを想起させるものだ。
党務を預かっていた茂木敏充前幹事長は自民総裁選で、廃止は可能と語っていた。
今の自民の姿勢は有権者から見て分かりにくい。
国会議員に支給される調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の使途公開は、衆院選後の国会で直ちに関連法を改正して実現すべきだ。
政治資金を監視する第三者機関の制度設計も急がれる。
立民、維新、共産党などが唱えている企業・団体献金の禁止には賛成できない。
企業や労働組合なども民主主義社会の構成員である以上、政治活動の自由は認められるべきだ。
一般国民からの個人献金が定着していない日本で企業・団体献金を禁止すれば、世襲ではない人や、業界団体、宗教団体などの背景を持たない人にとって選挙活動は極めて不利になる弊害も出てくる。
企業・団体の幹部が分散して、個人として献金する抜け穴を塞ぐことも難しい。
却って日本の議会制民主主義を後退させかねない。
一方、外国人・外国法人のパーティー券購入禁止の議論が低調なのは残念だ。
国政が外国勢力からの影響を受けるのを防ぐために禁止は欠かせない。
不記載事件の動機は今も分かっていない。
自民は明らかにする責任がある。

<主張>衆院解散 日本守り抜く政策訴えよ 政権を託せるのはどの党か
社説
2024/10/10 5:00
https://www.sankei.com/article/20241010-KWGTCTQYKVIWLBZR4XMFA2XQJM/
衆院が解散され、事実上の選挙戦が始まった。
解散は天皇陛下の国事行為である。
石破茂内閣は臨時閣議で
「15日公示、27日投開票」
の日程を決めた。
衆院選は3年ぶりだ。
新首相の就任から8日後の解散、26日後の投開票は戦後最短の決戦となる。
衆院選は政権選択選挙だ。
各政党と候補者は有権者の前で、日本を守り繁栄させる政策を大いに論じなければならない。
解散を前に国会で行われた党首討論で石破首相(自民党総裁)は、派閥パーティー収入不記載事件への対応を批判され防戦一方となった。
■安全保障をなぜ語らぬ
政治資金の透明性確保や不記載事件の再発防止を進め、政治への信頼を取り戻すことは重要だ。
政治とカネの問題が争点の1つになるのは当然だろう。
ただし、党首討論は衆院選を前に、日本の将来に向けた政策を競い合う場でもあるべきだった。
ところがそうならなかったのは、全閣僚出席の予算委員会を開いて丁寧な論議をしなかったことが響いている。
石破首相の所信表明演説後、代表質問と党首討論をしただけで解散したのは残念だった。
石破首相と自民は、不記載議員らの一部を対象に非公認の数を増やしたが、有権者が評価するかは不透明だ。
党首討論では外交安全保障がほとんど論じられなかった。
日本を取り巻く安全保障環境が極めて厳しい中で信じ難いことである。
習近平中国国家主席の共産党総書記の任期の関係から、台湾有事が令和9(2027)年までにあるかもしれないと危惧されていることを忘れたのか。
「台湾有事は日本有事」
と言われる。
今回の衆院選で選ばれる議員と彼らが指名する首相は、台湾有事を抑止するため働き抜かねばならない。
もし有事になれば、先頭に立って国家国民を守り抜く重責を担う。
有権者はそれに相応しい議員を選ばなければなるまい。
全ての政党と候補者は現下の国際情勢に対する認識と、今後起こり得る危機の抑止と対処の具体策を語るべきだ。
野党第一党の立憲民主党の安全保障に関する姿勢は、極めて危うい。
日米同盟の抑止力を格段に高めた集団的自衛権の限定行使の容認を
「憲法違反」
とする立場だからだ。
立民の衆院選公約は、限定行使を認める安保関連法について
「違憲部分を廃止する」
という従来方針を踏襲した。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古移設工事は
「中止」
すると明記した。
この政策のまま政権をとれば日米同盟は空洞化する。
旧民主党の鳩山由紀夫政権が同盟の危機を招いた二の舞いとなるだろう。
これも分からない立民の野田佳彦代表に果たして政権担当能力があるだろうか。
■立民は政権枠組み示せ
立民は、衆院選での与党過半数割れや政権交代の実現を叫んでいる。
にもかかわらず、この目標を達成した時の新たな政権の枠組みを示していないのはおかしい。
これでは有権者の判断材料が揃わない。
目指す政権の枠組みを曖昧にして選挙区調整だけに走るとすれば、議会制民主主義の軽視となる。
選挙戦で聞きたいテーマの1つが、国の根幹に関わる憲法改正だ。
日本国民の多数が自衛隊を認め、期待する時代になった。
ところが多くの憲法学者は自衛隊違憲論を唱えている。
このような異様な状態は改めたい。
憲法への自衛隊明記は改憲に前向きな各党で意見集約が進んでおり、是非早期に実現したい。
改正のゴールは
「戦力不保持」
を定めた第9条2項の削除と軍の規定の創設だ。
そうなって初めて世界の他の民主主義国と同様に国民を守る体制が整う。
首都直下地震、南海トラフの巨大地震などの大規模災害や有事への懸念が高まる中、緊急政令を含む緊急事態条項の創設も急務である。
各党が論じるべき政策課題は他にもある。
物価高に負けない持続的な賃上げによるデフレからの完全脱却、原発を含むエネルギーの在り方、少子高齢化を背景にした人口減少などだ。
国民受けする政策だけでなく
「痛み」
を伴う改革にも真摯に向き合わなければならない。
言行不一致は国民の不信を招く。
各党、各候補者は誠実に言葉を紡いでほしい。

<主張>代表質問 安全保障の論議不十分だ
社説
2024/10/9 5:00
https://www.sankei.com/article/20241009-N3ZCWLPEKJIFNBCCPHJ3MP7ZMA/
石破茂首相の所信表明演説への国会の代表質問が終わった。
政権選択選挙である衆院選を前にした国会である。
「政治とカネ」
を巡る問題が盛んに議論された。
その一方で、日本の独立と繁栄の基盤となる安全保障の論議が深まらなかったのは残念だ。
自民党議員は中国軍の領空侵犯や領海侵入、空母「遼寧」の接続水域航行、ロシア軍の領空侵犯を取り上げ、小野寺五典政調会長は
「国民の命と暮らし、領土・領海・領空を守り抜く」
ことを求めた。
日本維新の会の馬場伸幸代表は台湾有事について質した。
首相が最近の著書で
「『台湾有事、即日本有事』となる可能性は相当低い」
と指摘しているからだ。
馬場氏は
「対中抑止力や国民の国防意識を削ぐことになる」
と懸念を示した。
首相は
「仮定の質問に答えるのは差し控える」
とした上で
「台湾海峡の平和と安定は国際社会の安定にとっても重要だ」
と指摘した。
国防の決意と具体策をもっと語る必要がある。
物足りなかったのは野党第一党の立憲民主党である。
野田佳彦代表が首相のアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想に関し
「日米同盟の抑止力に疑念があると思われかねない」
「非現実的ではないか」
と疑問を呈したのは妥当である。
だが、立民として日本をどう守るつもりかを語らなかった。
対中認識を含む現下の国際情勢に対する見方も示さなかった。
田名部匡代参院幹事長はロシアに侵略されたウクライナで、なぜ抑止力が効かなかったのかを質した。
ウクライナ問題を論ずるのではなく、アジア版NATOを巡る首相の言行不一致を引き出したかっただけのようだ。
安保政策を十分語らずに政権交代を迫っても、説得力は感じられない。
憲法改正については自民、立民、維新などが質問した。
首相は緊急事態条項の創設や自衛隊明記について、自民内の議論を
「後戻りさせることなく、前に進めていく決意だ」
と語った。
同時に、任期中に国会への発議を実現したいとし、憲法審査会で議論を深めるよう求めた。
ただ、それだけでは足りない。
首相や憲法改正に前向きな政党は、どの項目をいつまでに条文化したいのかを明らかにすることも重要である。

<主張>中東の戦火拡大 なぜNSCを開かぬのか
社説
2024/10/3 5:00
https://www.sankei.com/article/20241003-4YRNMLACHBI6FNK2GDIOJIQ5N4/
石破茂首相に問いたい。
なぜ国家安全保障会議(NSC)を開催しないのか。
中東の戦火が拡大しているからである。
イスラエルがレバノンの首都ベイルートにある親イラン民兵組織ヒズボラの本部を空爆し指導者ナスララ師を殺害した。
ヒズボラの脅威を除こうとイスラエル軍はレバノン南部へ侵攻した。
ヒズボラの後ろ盾であるイランは報復と称しイスラエルに向けて大規模な弾道ミサイル攻撃を行った。
米英両軍などが協力して迎撃したが一部が着弾し、被害が出た。
イランの対イスラエル直接攻撃は4月以来だ。
どちらも中東有数の軍事大国だ。
双方に自制を求めたい。
ただし事態がエスカレートすれば
「第5次中東戦争」
になりかねない。
日本や世界のエネルギー供給にとっても、経済情勢にとっても、何より中東地域の邦人の安全にとっても、看過できない緊迫した状況である。
日本は一連の事態を遠い地域の出来事と見做すのではなく、自らの問題と捉え、対応しなければならない。
石破首相は2日、イランの弾道ミサイル攻撃を非難し
「全面戦争に拡大しないように(米国などと)連携を取りたい」
と述べた。
そうであるならば、石破首相は、NSCの4大臣会合などを開き、邦人保護や万一の際のエネルギー需給、イスラエル、イラン双方への働きかけについて協議すべきである。
国家安全保障局や外務省の幹部と面会したが、それだけでは足りない。
NSCを開催すれば、日本企業や現地の邦人に対応を促すシグナルにもなる。
石破首相が自民党総裁に当選した9月27日に、岸田文雄内閣の木原稔防衛相はレバノンからの邦人退避に備え、航空自衛隊のC2輸送機を近隣のヨルダンとギリシャへ派遣する命令を発した。
レバノンには約50人の邦人が滞在している。
政権末期でも邦人保護へ動いた岸田政権の対応は妥当だ。
退避では韓国との相互協力も進めたい。
ただし、レバノンからの邦人退避の備えは日本が為すべき対応の一部に過ぎない。
戦火が一気に拡大しかねない時代だ。
危機は政権交代の事情など勘案しない。
石破首相には内閣発足直後であろうと国民を守り抜いてほしい。

<主張>自民総裁に石破氏 保守の精神踏まえ前進を 外交安保政策の継承が重要だ
社説
2024/9/28 5:00
https://www.sankei.com/article/20240928-ZQWPFHRUFBPALP3NUGABOBDVAI/
自民党総裁選で、石破茂元幹事長が高市早苗経済安全保障担当相を決選投票で破り、新総裁に選出された。
10月1日召集の臨時国会で首相に指名され、宮中での認証式などを経て、石破内閣が発足する見通しだ。
石破氏は当選後、
「安全安心な国にするため全身全霊を尽くしたい」
と語った。
ほとんどの派閥が解散を決めたこともあって史上最多の9人が立候補し、激しい総裁選となった。
石破氏は1回目の投票で高市氏に次ぐ2位だった。
決選投票の票差は21票で、党内基盤は強いとは言えない。
■「挙党態勢」が問われる
政治とカネの問題で自民をみる有権者の目は依然として厳しい。
石破氏と自民は挙党態勢で国政運営に当たる必要がある。
党役員や閣僚の人事は適材適所の観点で、総裁選のライバル候補を含め起用すべきだ。
党所属国会議員は結束して新総裁を支えてもらいたい。
石破氏と自民に求めたいのは保守の精神を尊重、堅持することだ。
自民は党綱領で
「日本らしい日本の確立」
を謳い、自らを
「保守政党」
と位置付けている。
この基本線から外れるべきではない。
総裁選で論じられた選択的夫婦別姓の導入は見送るべきである。
石破氏は前向きな姿勢を示してきたが、保守政党が取り組む課題ではない。
家族や社会の根幹に関わる話だ。
片方の親と子の
「強制的親子別姓」
を意味し、戸籍制度も揺らぐ。
個人の自由の問題とは言えず、自民どころか社会の分断を招きかねない。
旧姓使用の充実で対応してもらいたい。
国家と国民を守り抜く外交安全保障は政治リーダーにとって最も重要な責務だ。
安倍晋三元首相は
「自由で開かれたインド太平洋」
構想を国際社会に示し、限定的ながら集団的自衛権の行使容認を実現した。
菅義偉前首相は米国と共に
「台湾海峡の平和と安定の重要性」
を打ち出した。
岸田文雄首相は5年間の防衛費43兆円、反撃能力の保有を決め、防衛力の抜本的強化を開始した。
石破氏は安倍氏以降の外交安全保障を確実に継承し、発展させなければならない。
中国やロシア、北朝鮮といった核武装した専制国家の脅威をどう捉えているかを語ってほしい。
ウクライナ支援の継続も重要だ。
心配なのは、石破氏がアジア版NATO(北大西洋条約機構)の具体化に意欲を示した点だ。
創設には憲法問題の解決や各国との比較的長期の交渉などに相当の年月と大きな政治エネルギーを要する。
数年先の発生も懸念される台湾有事の抑止を優先すべきではないか。
日米同盟の対処力と抑止力の強化も欠かせない。
■男系の皇統を守り抜け
北朝鮮による日本人拉致問題の解決も急がれる。
石破氏は
「東京と平壌に連絡事務所を開設して交渉の足掛かりとする」
と唱えてきた。
家族会は時間稼ぎに利用されるだけだと懸念している。
まず、家族会などと真剣に語り合ってほしい。
千年、二千年の視野で日本を守るため、安定的な皇位継承策を確立すべきである。
自民は、男系(父系)による継承を堅持する内容の岸田内閣の報告書に賛同する立場だ。
石破氏は総裁選でこの党の方針に従うと表明した点を強調しておきたい。
自民は来年、結党70年を迎える。
憲法改正は党是であり、改憲原案の条文化を臨時国会中に完成させるべきだ。
憲法への自衛隊明記は最優先だ。
首都直下地震などの大規模災害や日本有事への懸念が高まっている。
緊急政令を含む緊急事態条項創設も急務である。
自民総裁として与党公明党の説得にも努める必要がある。
日本が抱える課題は他にもある。
物価高を上回る持続的な賃上げを確実なものとし、デフレからの完全脱却を目指してもらいたい。
少子高齢化を背景にした人口減少への対策や社会保障制度改革も欠かせない。
政治とカネの対応は引き続き重要だ。
パーティー収入不記載事件の再発防止と政治資金の透明性確保を確実にしたい。
信頼を取り戻さなければ、政策は遂行できまい。
早期の衆院解散・総選挙が取り沙汰されている。
臨時国会では所信表明演説で国家観と政策の全体像を披露すると共に質疑にも応じ、国民に投票の判断材料を示すべきである。

川口クルド人問題、突如衆院選争点に浮上「私におまかせを」埼玉2区、全く触れない候補も
「移民」と日本人
2024/10/16 12:10
https://www.sankei.com/article/20241016-M2LPK63JJZLGHB5FX4XFJEJGOQ/?outputType=theme_election2024
27日投開票の衆院選埼玉2区は、トルコの少数民族クルド人と地域住民との軋轢が表面化している川口市の大部分が選挙区だ。
「地元国会議員が動いてくれない」
との指摘も出る中、今回の選挙では突如、争点に浮上。
公示日の15日、JR川口駅前では
「クルド人問題を解決する」
と公約する候補も現れた。
川口は外国人問題で有名になった
「ルール違反の外国人問題、おまかせください!」
日本維新の会前職の高橋英明氏(61)陣営の選挙カーから、運動員の女性がこう呼び掛けた。
前回は比例復活で初当選。
今年2月の衆院予算委ではクルド人を念頭に地元の外国人問題を取り上げ、当時の岸田文雄首相に対応を求めた。
選挙カーの上でマイクを握った高橋氏は経済再生などを訴えた後、クルド人らも混じる通行人に向かって
「この川口は外国人問題で全国的に有名になってしまった」
と切り出した。
「ルールを守らない外国人は一旦国に帰ってもらって、きちんとした在留資格で来てもらう」
「支援団体もそういうことを手助けすべきだ」
と指摘し、警察官の増員などを訴えた。
■この機会だから申し上げる
9選を目指す自民前職で前経済再生相の新藤義孝氏(66)は、選対本部長に奥ノ木信夫市長を迎え、駅前広場に自民、公明両党の県議や市議ら約25人を集めて出陣式。
150人以上の聴衆に向かって経済再生などを論じた後、
「もう1つ大事なことは治安の確保だ」
と地元の課題に話題を転じた。
「いわゆるクルド人問題」
「この機会だから申し上げるが、難民認定申請を繰り返し、10年も20年も川口にいる人たちが増えてしまった」
と、自身の選挙で初めてクルド人問題を明確に取り上げた。
新藤氏は自身の政策チラシにも
「クルド人問題の解決」
と明記。
この日の演説で、6月施行の改正入管難民法で難民申請中の強制送還停止が原則2回までに制限されたことについて
「法改正まで5年かかった」
と実績として触れ、
「ルールを守ってこその共生だ」
「川口をあやふやな出入り自由の街にはさせられない」
と声を張り上げた。
■なぜ外国人問題に触れるのか
一方、共産新人で元県議の奥田智子氏(55)は川口駅頭で第一声を上げたが、約13分間の演説で外国人問題に触れることはなかった。
演説後、奥田氏になぜ触れなかったか尋ねたところ、
「逆に聞くが、なぜ触れるのか」
「演説の内容は私が選べる」
「触れない理由は敢えて言わない」。
地元のクルド人問題への対応については
「国の政治が悪すぎる」
「それに尽きる」
と入管政策を批判した。
立民新人で歯科医師の松浦玄嗣(もとつぐ)氏(52)も川口駅前での出陣式では外国人問題について言及しなかったが、配布した政策チラシに
「外国人労働者の処遇に明確な法整備を求める」
と掲げた。
取材に応じた松浦氏は
「外国人を労働者としてなし崩し的に受け入れるから問題になる」
「川口で起きていることは10年後、20年後、必ず国全体の問題になる」
「外国人を移民として受け入れるのか、鎖国するのか、ロボットやAIに頼るのか、政治家は国民と議論しなければならない」
と語った。
■早く目に見える成果を
この他、埼玉2区には諸派新人で不動産会社社長の津村大作氏(50)が立候補。
7月の東京都知事選にも出馬した津村氏は今回、強制送還を拒む不法滞在者の入管施設への収容を一時的に解く
「仮放免制度」
の廃止を訴えている。
クルド人の危険運転などに困っているという地元の男性会社員は
「選挙で取り上げられるようになったのは一歩前進だが、市民の間ではまだまだ『政治家は何もしてくれない』との思いが強い」
「早く目に見える成果を挙げてほしい」
と話していた。
▽埼玉2区立候補者(届け出順)
奥田 智子55元県議 共新
高橋 英明61党県代表 維前
新藤 義孝66前経済再生相 自前
津村 大作50会社社長 諸新
松浦 玄嗣52医療法人役員 立新

政治とカネが最大の争点、有権者の声「選挙後の追加公認釈然としない」「企業献金禁止を」
2024/10/15 12:07
https://www.sankei.com/article/20241015-ULEGDW5RYVPYNDYFO3B7JOEKGI/?outputType=theme_election2024
自民の派閥パーティー収入不記載事件を受け、
「政治とカネ」
が最大の争点とされる今回の衆院選。
有権者はどのような論戦を望むのか。
京都市左京区の主婦(72)は不記載事件について
「50万円でも100万円でも脱税と言われても仕方がない」
と指摘。
自民は不記載があった候補を非公認としたり、比例代表への重複立候補を認めない措置をとったりしたが、
「選挙後に追加公認する可能性があることは釈然としない」
と述べた。
大阪市浪速区の無職の男性(71)は
「政治家は国民の税金から報酬や活動費を得ているのだから、企業献金は禁止すべきだ」
とした上で、
「約束を実行できる候補者や政党に票を投じたい」。
京都市左京区の自営業、久保元昭さん(78)は
「不記載事件については候補によって額がそれぞれ違っており、有権者の判断に委ねるべきだ」
と話した。
一方、政治とカネ以外の課題への対応に注目するという有権者も。
大阪市西成区の会社員、神野瑠璃さん(49)は
「外交・国防政策を重視している」
「台湾有事など安全保障環境が厳しい中、中国に対しきっちりとものを言ってくれる候補を選びたい」。
大阪市北区の主婦、糟谷千恵子さん(78)は
「大阪の経済対策をちゃんとやってほしい」
「物価高に関しては工夫をして何とかやっているが、大阪に必要なお金を国から持ってきてくれる候補かどうかを重視している」
と語った。
兵庫県尼崎市の阪神出屋敷駅前で候補者の街頭演説を聴いていた同市の無職、近橋保憲さん(66)も
「政治とカネの問題も大事だが、それ以上に私たちの生活を守るのが大事」
といい、
「物価抑制などの経済対策や雇用対策を有効に実行してほしい」
と訴えた。

第50回 衆議院選挙 きょう公示
2024年10月15日 5時03分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241015/k10014609431000.html
第50回衆議院選挙が15日に公示されます。
今回の選挙は、与党が過半数の議席を確保して連立政権を継続するのか、野党が勢力を伸ばして与党を過半数割れに追い込むのかが最大の焦点となります。
第50回衆議院選挙は15日に公示され、小選挙区と比例代表、合わせて465議席をめぐって争われます。
NHKのまとめによりますと、14日までに、
▽小選挙区で1108人
▽比例代表単独で230人
合わせて1338人が立候補を予定しています。
政党別では、小選挙区、比例代表の順で
▽自民党が266人と76人の合わせて342人。
▽立憲民主党が207人と30人の合わせて237人。
▽日本維新の会が163人と1人で合わせて164人。
▽公明党が11人と39人の合わせて50人。
▽共産党が213人と23人の合わせて236人。
▽国民民主党が41人と1人の合わせて42人。
▽れいわ新選組が19人と16人の合わせて35人。
▽社民党が10人と7人の合わせて17人。
▽参政党が85人と9人の合わせて94人。
▽みんなでつくる党が小選挙区のみで6人。
▽日本保守党が4人と26人の合わせて30人。
▽安楽死制度を考える会が比例代表のみで2人。
▽諸派と無所属が小選挙区で83人となっています。
今回の選挙は、与党が過半数の議席を確保して連立政権を継続するのか、野党が勢力を伸ばして与党を過半数割れに追い込むのかが、最大の焦点となります。
289ある小選挙区のうち、与党側は大半の選挙区で候補者を擁立し、野党側は各党が、それぞれ党勢拡大を目指して擁立作業を進めてきました。
12日間の選挙期間中、政治とカネの問題を受けた政治改革のあり方や、物価高対策をはじめとする経済政策、厳しい国際情勢に対応するための外交・安全保障政策などをめぐり、激しい論戦が交わされる見通しです。
立候補の受け付けは
▽小選挙区は、各都道府県の選挙管理委員会で
▽比例代表は、総務省にある中央選挙管理会で
いずれも、15日午前8時半から行われます。
■村上総務相 公示にあたり談話を発表
衆議院選挙の公示にあたって、村上総務大臣は
「選挙は、国民が主権者として政治に参加する最も重要かつ基本的な機会だ」
「有権者の皆様には、積極的に投票に参加し、みずから考え、判断することによって、代表者としてふさわしいと考える方を選出されるよう期待する」
「候補者や選挙運動関係者には、選挙のルールを順守し、国民の信頼と期待に応えられるよう希望してやまない」
「今回の選挙は、小選挙区の区割り改定が行われて以降、初めての衆議院選挙で、選挙の管理執行にあたる方々は、厳正かつ公正を旨として選挙の管理執行にあたるとともに、小選挙区の区割り改定内容の周知や有権者の投票参加を促す啓発に取り組んでいただくようお願い申し上げる」
という談話を発表しました。
■各党 声明など発表
衆議院選挙の公示にあたって、各党は声明などを発表しました。
自民党
日本をどのように守り抜くか、次の時代に向けてどんな社会を創っていくか、国民に選択をいただく重要な選挙だ。
政治の信頼なくして政策の推進はない。
厳しい反省と危機感の上に立ち、ルールの順守を徹底し、信頼回復に全力で取り組む。
今、求められているのは、確かな政策と実行力で政治を着実に前へと進めていくことだ。
皆様の納得と共感のもと『この国に生まれてよかった』と思っていただける国づくりを全身全霊で進めていく、
としています。
立憲民主党
自民党派閥の裏金事件を発端として、政治不信が極まっている中、石破総理は、能登半島を支援するための補正予算編成や、十分な国会での議論に応じることなく『裏金隠し解散』を強行した。
本気の政治改革を実現するため全党一丸となって選挙戦に臨む。
アベノミクスで広がった格差を是正し『分厚い中間層の復活』を実現する。
自公を過半数割れに追い込み、第一党となって政権交代を果たす覚悟だ、
としています。
日本維新の会
政治と金の問題で地に落ちてしまった政治への信頼を回復するため、政治改革を真に実行する候補者を選択する選挙だ。
既得権益としがらみを断ち切れない現政権に、古い政治を続けさせるわけにはいかない。
与党を過半数割れに追い込むことにより、この国のかたちを根本から変える力を与えていただくよう訴えていく、
としています。
公明党
日本経済の再生、少子高齢化対策などを強力に進め、成果を上げている自民・公明両党の連立政権を選ぶのか、政権の枠組みを示せない野党に政治のかじ取りを委ねるのか選択が問われる。
結党以来、政治腐敗と闘い実績を重ねてきた公明党が政権にいるからこそ、政治改革を前に進めることができる、
としています。
共産党
自民党政治は『表紙』を替えても政治の中身は変わらないことが明らかになっている。
国民の願いが通らないのは自民党の政治の根本に、財界・大企業の利益を優先し、日米軍事同盟を絶対視する『2つのゆがみ』があるからだ。
共産党がのびてこそ日本の政治は変えられる」としています。
国民民主党
国民のふところを豊かにする政治家を選ぶのか、自分のふところを豊かにしようとする政治家を選ぶのかが問われる選挙だ。
裏金問題に決着をつけることを訴え、国民の『手取りを増やす』経済政策を掲げて戦う。
真面目に働けば給料が上がる社会を取り戻そう、
としています。
れいわ新選組
『失われた30年』の原因は労働環境破壊と逆進性の強い消費税を不況下で何度も増税したことが大きい。
失われた30年と人間の尊厳を取り戻す。
消費税は廃止、社会保険料減免、現金給付が必要だ、
としています。
社民党
今回の選挙は『税金はくらしに!日本を立て直す選挙』であり、『自民党政治を終わりにする選挙』だ。
この衆院選はまさに平和憲法9条を守れるのかどうかの天王山の闘いだ、
としています。
参政党
『日本をなめるな!』このスローガンのもと、参政党は日本の再興に挑む。
守りだけでなく攻めの姿勢で本来自民党がやるべきだったことを、我々参政党が引き受ける、
としています。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/743.html#c32

[政治・選挙・NHK295] <れいわ・比例東京>防衛のスペシャリスト 伊勢崎賢治氏が出馬! 「残りの人生をれいわにかける」  赤かぶ
44. 秘密のアッコちゃん[780] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月21日 13:50:35 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[345]
<■292行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
ユーチューブでも見られる衆院選の政見放送、再生回数トップは日本保守党 自民、立民は…
2024/10/21 12:34
https://www.sankei.com/article/20241021-4IZCAZ5YBNGOVDO7Y5EILYPY7Y/?outputType=theme_election2024
2024年10月27日投開票の衆院選・比例代表の政見放送について、ユーチューブ上で政治情報などを配信している個人アカウントが各党の放送を掲載したところ、日本保守党が再生回数約44万回でトップとなっている。
自民党は約9千回、立憲民主党は約3500回となっている。
このアカウントは、官房長官の定例記者会見などを掲載している「Ripbanwinkle」。
今回、各党の政見放送を収集し、2024年10月17〜19日に順次掲載したところ、2024年10月21日正午時点で日本保守党が再生回数約44万回でトップ。
参政党の約7万9千回、国民民主党の約1万回が続いている。
政見放送は近年、テレビやラジオだけでなくユーチューブ上でも見られるようになっている。
総務省によると、政見放送をインターネット上に掲載することについて公職選挙法上に特段の規定はなく、各党や団体、個人などが個別に掲載している状況という。
■各党の政見放送の再生回数(比例代表)
日本保守党(19日掲載)44万563回
参政党(18日掲載)7万8730回
国民民主党(17日掲載)1万256回
自民党(17日掲載)9182回
社民党(19日掲載)5769回
立憲民主党(17日掲載)3534回
れいわ新選組(19日掲載)2035回
日本維新の会(17日掲載)975回
共産党(19日掲載)569回
公明党(19日掲載)396回
(ユーチューブアカウント「Ripbanwinkle」での再生回数、21日正午時点)

【衆院選2024】日本保守党 政見放送(比例代表)
https://www.bing.com/videos/riverview/relatedvideo?q=%E6%94%BF%E8%A6%8B%E6%94%BE%E9%80%81%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BF%9D%E5%AE%88%E5%85%9ARipbanwinkle&mid=44486B54B038705694E144486B54B038705694E1&ajaxhist=0

日本保守党 政見放送
2024/10/20
https://www.nicovideo.jp/watch/sm44232914

日本保守党
https://hoshuto.jp/

自民党、過半数割れの可能性 立憲民主党、公示前より議席上積み 日本保守党、複数議席獲得へ 報道各社、衆院選序盤情勢調査
2024.10/17 11:31
https://www.zakzak.co.jp/article/20241017-WLKH5R2JLFMA3JBPQ2QASGGTBA/
第50回衆院選(27日投開票)について、報道各社の序盤情勢調査が出揃ってきた。
自民党は石破茂首相(総裁)の
「変節」
や、派閥裏金事件などが響き、定数465議席の過半数(233)に届かない可能性が出てきた。
単独過半数割れとなれば、2009年以来となる。
立憲民主党は公示前の98議席から議席を増やし、ベストセラー作家の百田尚樹氏が立ち上げた政治団体
「日本保守党」
は複数議席を獲得しそうだ。
共同通信によると、全289選挙区のうち、自民党(公示前256)がリードしているのは140程度で、接戦区が多い。
比例代表で前回選挙(20年)の72議席を下回るのは避けられない情勢だ。
公明党は公認候補を立てた計11選挙区の全勝は難しい情勢。
自民党との連立与党では過半数を維持する見込み。
立憲民主党は公示前の98議席を超える公算が大きい。
日本維新の会は大阪の小選挙区は堅調だが、比例の支持の広がりに欠け、公示前の43議席に手が届かない可能性がある。
共産党は公示前の10議席程度の獲得が見込まれる。国民民主党も公示前の7議席から上積みする勢い。れいわ新選組は比例で複数議席を確保できそうだ。
社民党は小選挙区の1議席死守が課題。
参政党は支持浸透が見られない。

与党過半数巡り攻防 不記載響き自民低調、立民勢い 衆院選序盤情勢
2024/10/17 5:00
https://www.sankei.com/article/20241017-AEBKGSGRPZMN7EBF43MGFUUFOI/?outputType=theme_election2024
27日投開票の第50回衆院選について共同通信社は15、16両日、全国の有権者15万6千人を対象に電話調査を実施し、取材を加味して公示直後の序盤情勢を探った。
自民党は派閥パーティー収入不記載事件が響き低調。
公明党も伸び悩む。
立憲民主党は議席増へ勢いを見せる。
定数465議席の過半数(233)を巡り、与野党の攻防が続いている。
小選挙区では投票先未定が3割近くおり、今後、情勢は変わる可能性がある。
全289選挙区のうち、自民(公示前勢力256)がリードしているのは140程度にとどまり、接戦区が多い。
比例代表で令和3年前回選の72議席を下回るのは避けられない情勢だ。
単独過半数を維持できるかどうか予断を許さない。
不記載事件に関係し、公認されなかった候補の大半は厳しい戦い。
重複立候補が認められなかった候補も半数近くが先行されている。
立民は公示前の98議席(比例含む)を超える公算が大きい。
無党派層でも支持が拡大しつつある。
前回選で39だった比例議席も増やしそうだ。
日本維新の会は地盤の大阪府の小選挙区で堅調。
だが全国的に比例の支持の広がりがいまひとつで、公示前の43議席に手が届かない可能性もある。
公明は公認候補を立てた計11選挙区の全勝は難しい情勢。
維新と争う大阪府の4小選挙区で苦戦が目立つ。
埼玉14区に出馬した石井啓一代表も激戦。
比例も伸びを欠いており、小選挙区と合わせた公示前の32議席を堅持できるか微妙だ。
共産党は小選挙区1議席を維持しそうだ。
比例次第で、公示前の10議席程度の獲得が見込まれる。
国民民主党も公示前の7議席から上積みする勢い。
れいわ新選組は比例で複数議席を確保できそうだ。
社民は小選挙区の1議席死守へ全力を挙げる。
参政党は支持浸透が見られない。
政治団体
「日本保守党」
は複数議席を得る可能性がある。

日本保守党、初の全国的な国政選挙 有本香氏「選択肢増やす」
毎日新聞
2024/10/15 13:45(最終更新 10/15 13:45)
https://mainichi.jp/articles/20241015/k00/00m/010/079000c
政治団体
「日本保守党」
は15日午前11時頃、JR新橋駅(東京都港区)前で第一声を上げた。
2023年9月の発足以来、初の全国的な国政選挙となり、「SL広場」には数百人の聴衆が集まった。
作家の百田尚樹代表や有本香事務総長らが壇上に立ち、有本氏は
「中国資本がどんどん日本の土地を買収している問題に真面目に取り組む党派は国会にない」
「国民の選択肢を増やしましょう」
などと訴えた。

「日本は世界最高の国だ」 日本保守党・百田尚樹代表が第一声 つなぎ弁士で歴史の講義も
2024/10/15 12:44
https://www.sankei.com/article/20241015-6C7DQDZ355F2ZBYMGF632X7UUE/?outputType=theme_election2024
政治団体
「日本保守党」
の百田尚樹代表は15日午前、衆院選(27日投開票)の公示を受け、東京・JR新橋駅前で第一声をあげた。
「日本は、日本人はもっと幸福になるべきだ」
「日本は世界最高の国だ」
と声を張り上げ、約600人の聴衆が日の丸などを手に拍手を送った。
同党の有本香事務総長は
「北朝鮮による拉致問題や外国資本による不動産買収など真面目にやっている政党はない」
「新しい選択肢を増やしましょう」
と支持を訴えた。
百田氏は党のシンボルカラーである青のジャンパーを着込んで登場。
比例代表の届け出が開始から遅れるハプニングもあり、百田氏は受理の一報が入るまで、聖徳太子や元寇など日本史について語って
「つなぎ弁士」
を務める一幕もあった。
午前10時55分ごろに始まった衆院選の選挙演説で、百田氏は
「我々と一緒にもっともっと幸せになりましょう」
と気勢を上げた。
日本保守党は昨年10月の結党以降、今年4月の衆院東京15区補欠選挙に続く国政選挙への挑戦となる。
小選挙区に4人(いずれも愛知)、比例代表に百田氏や有本氏ら26人を擁立した。

橋下氏 自民分裂→高市早苗氏と「日本保守党」合流が「日本にとって最善策」 立憲も割れて石破首相と野田代表で第2グループと
デイリースポーツ によるストーリー • 9 時間
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E6%A9%8B%E4%B8%8B%E6%B0%8F-%E8%87%AA%E6%B0%91%E5%88%86%E8%A3%82-%E9%AB%98%E5%B8%82%E6%97%A9%E8%8B%97%E6%B0%8F%E3%81%A8-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BF%9D%E5%AE%88%E5%85%9A-%E5%90%88%E6%B5%81%E3%81%8C-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AB%E3%81%A8%E3%81%A3%E3%81%A6%E6%9C%80%E5%96%84%E7%AD%96-%E7%AB%8B%E6%86%B2%E3%82%82%E5%89%B2%E3%82%8C%E3%81%A6%E7%9F%B3%E7%A0%B4%E9%A6%96%E7%9B%B8%E3%81%A8%E9%87%8E%E7%94%B0%E4%BB%A3%E8%A1%A8%E3%81%A7%E7%AC%AC%EF%BC%92%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97%E3%81%A8/ar-AA1s5QuR?ocid=BingNewsVerp
橋下徹弁護士が11日付でX投稿。
政治団体
「日本保守党」
の公認で衆院選愛知1区に立候補するため名古屋市長を辞職する河村たかし氏が、自民・高市早苗氏との合流について語ったとする記事を取り上げ、
「これが日本の政治にとっての最善策」
と投稿した。
橋下氏は、中央政界を
「3つのグループに再編すればスッキリする」
とし
「自民党が割れて高市さんグループと日本保守党が合流」
とした。
更に別投稿で
「立憲も割れて野田さんグループと石破さんグループが合流」
「立憲のいわゆる左派は共産党と合流」
とグループ分けし、
「この3つのグループに整理されると有権者は選択しやすくなる」
「維新、国民なども割れて3つのグループに別れていけばいい」
と記した。

衆院選出馬の河村・名古屋市長の辞職、議会「職務放棄」と不同意 15日自動失職へ
2024/10/11 12:21
https://www.sankei.com/article/20241011-TP3CKYC2TJJLXLEB2UMB6DYFBE/?outputType=theme_election2024
名古屋市議会は11日の本会議で、衆院選出馬を表明した河村たかし市長(75)の辞職の申し出を自民、公明両党会派などの反対多数で不同意とした。
公示日の15日に立候補を届け出た時点で自動失職する。
本会議で、自民市議は
「多くの重要案件が積み残されている」
「任期が残ったまま、やりきったとする振る舞いは職務放棄だ」
と批判した。
地方自治法は、市町村長は退職の20日前までに議会に申し出るよう規定。
議会の同意があれば、それより前に退職できると定めている。
河村氏は散会後
「不同意は残念」
と述べた。
自身が代表を務める地域政党「減税日本」の一部議員も本会議で反対した。
河村氏は9日、市議会に辞表を提出。
市選管によると、市長選は11月中に投開票される見通しという。

河村たかし氏、衆院選「台風の目」可能性「75歳まで来ると有権者の心を信じるに尽きる」
2024/10/1 23:20
https://www.sankei.com/article/20241001-6WLNPES2ZBNRPGZWSGU44D6AI4/
選挙巧者で
「総理を狙う男」
を自称する名古屋市の河村たかし市長が1日、衆院選愛知1区への出馬を表明した。
出馬記者会見で勝算を問われた河村氏は
「75歳まで来ると、有権者の心を信じてやるに尽きる」
「皆さんのためにやってきた」
「必ず分かってくれる」。
国政復帰への意欲を示し続けてきたが、年齢のために今回がラストチャンスとの声も出ている。
河村氏の存在は、衆院選で
「台風の目」
となる可能性を秘める。
2023年4月の市議選では、減税日本の党勢低迷が指摘されながら、自らが前面に出た選挙戦を展開した結果、改選前より議席を増やした。
2023年10月から
「日本保守党」
の共同代表に就任。
名古屋市などの選挙区で候補を擁立すれば、保守層から一定の支持を得られる可能性がある。
地元市議は、自民党総裁選で石破茂新首相が、保守層に人気の高市早苗氏を破ったことで
「自民候補から保守票が逃げる可能性がある」
「自身の年齢も考えれば、最後のチャンスだったのだろう」
と推察する。

名古屋市の河村たかし市長、愛知1区から衆院選出馬へ「総理を狙う男、アゲインという感じ」
2024/10/1 9:27
https://www.sankei.com/article/20241001-3OISJHHS3RLWXM7WY6B2I3OMOA/
名古屋市の河村たかし市長は1日、27日投開票の衆院選に愛知1区から出馬する意向を明らかにした。
記者団の取材に答えた。
河村市長は4期目で市長を退く考えを示していたことを踏まえ、
「4年前、これで最後と言ったので公約を守る」
「総理を狙う男、アゲインという感じだ」
と述べた。

日本保守党が30人擁立、衆院選の秘策=@百田氏の比例3位と小選挙区で愛知注力のワケ 有本香氏は東京1位、島田洋一氏は近畿1位
2024.10/9 11:45
https://www.zakzak.co.jp/article/20241009-5HXGCNPV7VJBVEITHJ2WM3R3AA/
政治団体
「日本保守党」
は8日、次期衆院選で擁立を見込む30人の候補予定者を発表し、党代表で作家の百田尚樹氏(68)と、事務総長でジャーナリストの有本香氏(62)も比例代表で出馬すると明らかにした。
百田氏は衆院選を
「国政政党になれるチャンス」
と位置付け、
「『日本を豊かに、強く。』を合言葉に戦っていきたい」
と意気込みを見せた。
比例の東京ブロックでは、名簿1位に有本氏、2位に梅原克彦元仙台市長(70)ら4人を擁立する。
近畿ブロックでは福井県立大学の島田洋一名誉教授(66)が1位、百田氏は3位で出馬を予定する。
百田氏は
「誰が一番国会議員になるに相応しい人材であるかを一番優先して考えた」
と説明した。
小選挙区は、愛知で共同代表の河村たかし名古屋市長(75)ら4人を擁立する。
有本氏は
「局地戦で一発勝負なので、強みのある所に絞るのが戦略だ」
と語る。
公約について有本氏は
「国会の中にない選択肢、政策を掲げていく」
と強調、党の重点政策では消費税などの減税や再エネ賦課金の廃止、入管難民法の改正と運用の厳正化などを掲げている。
政治家の世襲については
「どこの政党と言わないが、スッと息子さんに継いでしまうのは国民の納得感がない」
「近い親族が出る場合、選挙区を変更するなど何らかの原則をもって、家業のように引き継ぐのをやめていくべきではないか」
と指摘した。
「政治とカネ」
問題では、政党交付金の引き下げを主張するなど、既存政党に有利な制度の見直しにも言及した。

百田尚樹代表、有本香事務総長ら比例26人 選挙区は4人 日本保守党が候補者名簿を発表
2024/10/8 16:05
https://www.sankei.com/article/20241008-5K2ZQKCTWNC5XGHR2OFQDWYNL4/
日本保守党は8日、衆院選(15日公示、27日投開票予定)に向け、選挙区4人と比例代表26人の候補予定者名簿を発表した。
選挙区の愛知1区には河村たかし・名古屋市長、比例代表には百田尚樹代表、有本香事務総長、国際政治学者で福井県立大名誉教授の島田洋一氏らを擁立する。
名簿は以下の通り。
【選挙区】
河村たかし(愛知1区)、大橋とおる(愛知3区)、麻生ちさ(愛知4区)、田中克和(愛知5区)
【比例代表】
北海道ブロック=小野寺まさる、堀田真作
北関東ブロック=伊藤純子、野寺直美、芦沢進、宮入良明
東京ブロック=有本香、梅原克彦、阿部力也、小柳岳志
南関東ブロック=小坂英二、大河内元喜、森健太郎、渡辺紀明、服部徹
東海ブロック=竹上ゆうこ、中川健一、織田敏之、中村憲一、青木崇佳
近畿ブロック=島田洋一、佐々木みのり、百田尚樹、豆谷和男、竹内唯裕、残る1人は通称調整中のため非公表

日本保守党が衆院選で会見 百田、有本両氏ら30人擁立 「『移民』政策見直しを」
2024/10/8 14:45
https://www.sankei.com/article/20241008-KS5HD7W5MVHK7NWTBBK5GRBWEI/
政治団体
「日本保守党」
は8日、衆院選(15日告示、27日投開票予定)について、東京都内で記者会見した。
愛知1区に出馬する共同代表の河村たかし名古屋市長ら4人を選挙区に、比例代表には国際政治学者で福井県立大名誉教授の島田洋一氏ら26人、計30人を擁立する方針を明らかにした。
2023年10月に結党して以降、2024年4月の衆院東京15区補欠選挙に続く国政選挙への挑戦となる。
百田尚樹代表は比例近畿ブロック、有本香事務総長は比例東京ブロックにそれぞれ擁立する。
公約については、
「スパイ防止法の制定」
「消費税減税」
「共同親権制度の導入」
など結党時に発表した重点政策項目を踏襲。
表現などは練り上げるという。
有本氏は会見で、衆院選について
「願わくば国政政党になりたい」
「国政に行くぞというお披露目でもある」
と述べ、政党要件を満たす5人以上の当選に強い意欲を滲ませた。
その上で、再生可能エネルギー普及のため電気料金に上乗せされている
「再エネ賦課金」
の廃止などを例に挙げて
「国会の中にない政策を掲げていく」
と強調した。
百田氏は
「日本を守り、日本の良さをそのまま残したい」
「『日本を豊かに、強く。』を合言葉に戦いたい」
と語った。
特に重視する政策については、
「移民」
政策の見直しを挙げて
「『移民』が増えている」
「地域住民とトラブルを抱え、日本の本来守るべきルールを守らない一部の外国人もいる」
「町によっては治安が脅かされている」
「『移民』問題をもう1度考え直すべきではないか」
と述べた。

日本保守党、百田尚樹氏が比例代表の近畿ブロック 有本香氏が東京ブロックから出馬へ 次期衆院選
2024.10/8 13:54
https://www.zakzak.co.jp/article/20241008-PLSYAED6NJO5XDXPNETUCI6HIY/
政治団体
「日本保守党」
は8日、記者会見を開き、次期衆院選(15日公示、27日投開票)で、党代表で作家の百田尚樹氏(68)が比例代表の近畿ブロックから、事務総長でジャーナリストの有本香氏(62)が東京ブロックから出馬すると明らかにした。
百田氏は
「日本を守りたい、日本の良さを残したいという思いだ」
「『日本を豊かに、強く』という理念に賛同した候補者とともに衆院選を戦っていきたい」
と意気込みを述べた。
北海道ブロックでは元北海道議の小野寺まさる氏(61)、東京ブロックでは元仙台市長の梅原克彦氏(70)、南関東ブロックでは荒川区議の小坂英二氏(51)、近畿ブロックでは福井県立大学名誉教授の島田洋一氏(66)が名を連ねている。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/743.html#c44

[経世済民136] 「日本のカマラ・ハリス」石破新総理と我が国の行方(SSRI 佐藤戦略総研) 佐藤鴻全
5. 秘密のアッコちゃん[781] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月21日 16:23:25 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[346]
<▽46行くらい>
田村秀男「お金は知っている」
習近平主席の「大型財政出動」が口先だけの理由 中国で続く外貨難、共産党が支配する米ドル本位の金融システムが行き詰まり
2024.10/18 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241018-I36YAYYTEVOPRBTW53TOXGMSRA/
中国の習近平政権は底が見えない不動産バブル崩壊不況に対し、大型財政出動を今月2024年10月12日に示唆したが、口先だけにとどまりそうである。
なぜか。
西側のメディアや市場アナリストは首を傾げているが、理由ははっきりしている。
共産党が支配する米ドル本位の金融システムの行き詰まりが原因なのだ。
グラフは中国人民銀行の保有外貨資産と人民元資金発行高(マネタリーベース)の前年同期比増減率の推移である。
一目瞭然、人民銀行は外貨資産の増減に合わせて資金発行している。
外貨の大半は無論、基軸通貨米ドルである。
人民銀行は人民元を発行して流入する外貨を全面的に買い上げる。
言い換えると、ドルがふんだんに流入すれば金融を大幅に緩和でき、流入が縮小すると引き締めることになる。
ドルの裏付けのない人民元は中国国民に信用されない恐れがある。
従って共産党中央は国債発行に応じて人民元資金を創出することに極めて慎重だ。
西側の中央銀行は日銀、米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行がそうであるように、通貨を発行する場合、外貨ではなく、主として国債を市場から購入する。
ところが人民銀行の場合は、これまでの20年間、総資産に占める国債など政府金融負債はわずかに4%前後にとどまっている。
対照的に、人民銀行の外貨資産比率は最近で約5割である。
2008年9月のリーマン・ショックの際には、人民銀行が巨額の資金発行を行い、国有商業銀行などに資金供給し、地方政府や国有企業向け融資を一挙に増やした。
金融の量的拡大の下で北京の中央政府は大型財政出動に踏み切った。
この離れ業は、米FRBが大量発行したドル資金が国際金融市場経由で中国に流入したからこそ可能だった。
中国への外貨流入源は貿易など経常収支の黒字と外国からの対中投融資だが、中国は資本の流出が激しく、経常収支黒字だけでは外貨が底を突く恐れが付きまとう。
特に2015年から2016年には金融危機が発生し、中国の投資家が資金を一斉に海外に持ち出す資本逃避ラッシュとなった。
習政権がそこで頼りにするのが、外国企業による直接投資と海外の金融機関や投資家による証券投資だが、不動産バブル崩壊と共に、2022年以降、対中投融資が激減している。
習政権は資本の流出を厳重に取り締まることで、辛うじて外貨資産の減少を食い止めているが、外貨難は続いている。
中国財政省は2024年10月12日に
「財政支出を大幅に増加する用意がある」
と表明したものの、具体的な金額については触れなかった。
景気テコ入れのために必要な国債発行は日本円換算で約200兆円に上ると推定されるが、市場で消化するためには人民銀行の資金発行が欠かせない。
すると、人民元の価値が失われ、一党独裁制の根底が揺らぐ。
習氏はそんな悪夢に悩んでいるだろう。
 (産経新聞特別記者・田村秀男)

http://www.asyura2.com/23/hasan136/msg/469.html#c5
[NWO7] 米軍が米国内で米国人を殺害することを許可する指令書を米国防総省が発行 いよいよ戒厳令、軍事独裁が始まるか  魑魅魍魎男
8. 秘密のアッコちゃん[782] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月21日 17:24:14 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[347]
<■67行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
中国からインド洋のモルディブ、スリランカを取り戻せ 「近隣第一」外交強めるモディ政権
インド太平洋考
2024/10/21 9:00
https://www.sankei.com/article/20241021-KDQFXMR7ZROSBPJUVTJAYTR7AA/
インドのモディ政権がモルディブやスリランカといったインド洋諸国に外交攻勢をかけている。
インドと領土問題で対立する中国が、経済や安全保障面でこうしたインド近隣国への影響力を強める中、巻き返しを図っている形だ。
■国賓訪問で成果
モルディブのムイズ大統領は今月2024年10月6日から5日間、インドを国賓訪問した。
2023年昨秋、
「インドは出ていけ」
をスローガンに大統領選で親印派現職を破って勝利したムイズ氏は親中政策を取ってきただけに、今回の訪問はインドにとって大きな外交的成果となった。
両国は
「包括的経済・海洋安全保障パートナーシップのビジョン」
を発表し、政治交流や開発協力をはじめ、防衛・安全保障協力を推進することで合意した。
モルディブの外貨準備高を強化するため、インドが約7億6千万ドル(約1100億円)相当を支援する通貨スワップ協定が結ばれ、インドがモルディブに贈った沿岸警備隊の船の修理をインドが行うことも発表された。
自由貿易協定(FTA)交渉も始まる。
モディ首相は共同記者会見で、インドが進める近隣第一政策の一環であることをアピールした。
インドがモルディブとの関係強化を図ったのは、中国のインド近隣国への影響力拡大に対抗する意図があるのは明らかで、インドのミスリ外務次官は
「この地域と世界は数多くの課題に直面している」
とした上で、両国間で行われた議論について
「大部分は2国間関係に焦点が当てられた」
と述べつつ
「地域問題もあった」
と明らかにした。
ムイズ氏はこれまで、巨大経済圏構想
「一帯一路」
を掲げてインフラ開発を進める中国を重視する政策を進めてきた。
今年2024年3月には中国と
「無償軍事援助」
に関する協定に調印し、中国から軍装備品の供与や軍事訓練協力を受けることになった。
一方で、駐留インド軍を撤退させ、
「親中反印」
を加速させていた。
■経済危機受けて
人口50万人強のイスラム教国モルディブの外交の風向きを変えたのは、ムイズ氏の大統領就任以前から深刻度を増してきた経済危機だ。
モルディブは、新型コロナウイルスの蔓延で観光業が打撃を受けた上、巨額債務の支払いに窮するようになった。
イスラム法を順守した金融商品であるイスラム債で初めてのデフォルト(債務不履行)に陥るリスクが高まり、主要債権国の中国とインドに支援を求めざるを得なくなった。
インドは既にモルディブにドル建て融資を行っている。
インドが外交攻勢をかけているもう1つの国がやはりインド洋のスリランカだ。
モルディブと同じく経済危機に見舞われ、既にデフォルトに陥っている。
2024年9月の大統領選では、失政を批判された現職大統領が落選し、左派勢力、人民の力(NPP)を率いる野党・人民解放戦線(JVP)のディサナヤカ党首が勝利した。
JVPはマルクス・レーニン主義を掲げ、1980年代にはインドを
「スリランカの利益の敵」
と見做したこともある。
■印の利益害さず
スリランカはモルディブと同様、アジアと中東・アフリカの中間に位置するシーレーン上の戦略的要衝で、中国が経済的、軍事的関係を強めてきた。
インドとしては左派新政権が中国に傾斜しないよう引き寄せる必要に迫られている。
インドのジャイシャンカル外相は大統領選から間もない今月2024年10月4日、スリランカを訪問し、ディサナヤカ新大統領らと会談。
北部の港湾改修への資金協力の方針を強調した。
スリランカは、2国間債務の4割強は対中国だが、インドや日本など多くの国への債務返済に窮している。
ディサナヤカ氏は当面はバランス外交を取るとみられ、ジャイシャンカル氏に
「スリランカの領土が、インドの安全上の利益を害する方法で使われることは決して許されない」
と表明。
インド側をある程度安心させた。
ただ、前政権下の大統領選直前、スリランカに事務局が置かれることが決まった両国とモルディブなどの安全保障枠組み
「コロンボ安全保障会議」
についての言及は発表されておらず、不安材料になっている。
インドの陸続きの隣国バングラデシュでは2024年8月、ハシナ親印政権が強権政治に反発する民衆や野党のデモを受けて崩壊した。
2024年6月に3期目に突入したモディ政権は、初の2国間外遊先にロシアを選び米国などとの軋轢を生んだが、近隣国外交でも気の抜けない対応が続きそうだ。

http://www.asyura2.com/23/holocaust7/msg/604.html#c8
[政治・選挙・NHK295] 与野党一騎打ち「自公落選危機」は23人!裏金、旧統一教会、高市推しが「凶」に<一覧あり>(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
42. 秘密のアッコちゃん[783] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月21日 17:34:45 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[348]
<■314行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
衆院選終盤情勢、与党過半数割れも 立民は大幅増 日本保守党が政党要件満たす可能性
世論調査
2024/10/21 16:12
https://www.sankei.com/article/20241021-PQB5OO7ILVMXZKFLNCJZYCDVBA/?outputType=theme_election2024
産経新聞社は2024年10月21日、FNN(フジニュースネットワーク)と合同で実施した衆院選情勢調査(2024年10月19、20両日実施)に取材を加味し、2024年10月27日の投開票に向けた終盤情勢をまとめた。
自民党は大きく議席を減らす見通しで、連立政権を組む公明党と合わせても過半数(233議席)を割り込む可能性がある。
一方、立憲民主党は公示前に比べ大幅に議席を積み増す勢いだ。
衆院選は、全国289小選挙区と11ブロックの比例代表の計465議席を争う。
自民は、公示前の256議席から60議席程度減少する可能性があり、与党全体でも公示前の288議席から70議席程度落ち込みそうだ。
一方、公示前に98議席だった立民は50議席程度を増やし、7議席だった国民民主党は15議席程度を積み増すと見込まれる。
10議席だった共産は数議席を増やす可能性がある。
日本維新の会は、公示前の43議席を維持するのは困難な情勢だ。
小規模の党派が躍進する傾向がみられ、れいわ新選組(公示前3)が数議席を増やすと予想される他、政治団体
「日本保守党」
が公職選挙法上の
「所属国会議員5人以上」
の政党要件を満たす可能性がある。

ユーチューブでも見られる衆院選の政見放送、再生回数トップは日本保守党 自民、立民は…
2024/10/21 12:34
https://www.sankei.com/article/20241021-4IZCAZ5YBNGOVDO7Y5EILYPY7Y/?outputType=theme_election2024
2024年10月27日投開票の衆院選・比例代表の政見放送について、ユーチューブ上で政治情報などを配信している個人アカウントが各党の放送を掲載したところ、日本保守党が再生回数約44万回でトップとなっている。
自民党は約9千回、立憲民主党は約3500回となっている。
このアカウントは、官房長官の定例記者会見などを掲載している「Ripbanwinkle」。
今回、各党の政見放送を収集し、2024年10月17〜19日に順次掲載したところ、2024年10月21日正午時点で日本保守党が再生回数約44万回でトップ。
参政党の約7万9千回、国民民主党の約1万回が続いている。
政見放送は近年、テレビやラジオだけでなくユーチューブ上でも見られるようになっている。
総務省によると、政見放送をインターネット上に掲載することについて公職選挙法上に特段の規定はなく、各党や団体、個人などが個別に掲載している状況という。
■各党の政見放送の再生回数(比例代表)
日本保守党(19日掲載)44万563回
参政党(18日掲載)7万8730回
国民民主党(17日掲載)1万256回
自民党(17日掲載)9182回
社民党(19日掲載)5769回
立憲民主党(17日掲載)3534回
れいわ新選組(19日掲載)2035回
日本維新の会(17日掲載)975回
共産党(19日掲載)569回
公明党(19日掲載)396回
(ユーチューブアカウント「Ripbanwinkle」での再生回数、21日正午時点)

【衆院選2024】日本保守党 政見放送(比例代表)
https://www.bing.com/videos/riverview/relatedvideo?q=%E6%94%BF%E8%A6%8B%E6%94%BE%E9%80%81%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BF%9D%E5%AE%88%E5%85%9ARipbanwinkle&mid=44486B54B038705694E144486B54B038705694E1&ajaxhist=0

日本保守党 政見放送
2024/10/20
https://www.nicovideo.jp/watch/sm44232914

日本保守党
https://hoshuto.jp/

自民党、過半数割れの可能性 立憲民主党、公示前より議席上積み 日本保守党、複数議席獲得へ 報道各社、衆院選序盤情勢調査
2024.10/17 11:31
https://www.zakzak.co.jp/article/20241017-WLKH5R2JLFMA3JBPQ2QASGGTBA/
第50回衆院選(27日投開票)について、報道各社の序盤情勢調査が出揃ってきた。
自民党は石破茂首相(総裁)の
「変節」
や、派閥裏金事件などが響き、定数465議席の過半数(233)に届かない可能性が出てきた。
単独過半数割れとなれば、2009年以来となる。
立憲民主党は公示前の98議席から議席を増やし、ベストセラー作家の百田尚樹氏が立ち上げた政治団体
「日本保守党」
は複数議席を獲得しそうだ。
共同通信によると、全289選挙区のうち、自民党(公示前256)がリードしているのは140程度で、接戦区が多い。
比例代表で前回選挙(20年)の72議席を下回るのは避けられない情勢だ。
公明党は公認候補を立てた計11選挙区の全勝は難しい情勢。
自民党との連立与党では過半数を維持する見込み。
立憲民主党は公示前の98議席を超える公算が大きい。
日本維新の会は大阪の小選挙区は堅調だが、比例の支持の広がりに欠け、公示前の43議席に手が届かない可能性がある。
共産党は公示前の10議席程度の獲得が見込まれる。国民民主党も公示前の7議席から上積みする勢い。れいわ新選組は比例で複数議席を確保できそうだ。
社民党は小選挙区の1議席死守が課題。
参政党は支持浸透が見られない。

与党過半数巡り攻防 不記載響き自民低調、立民勢い 衆院選序盤情勢
2024/10/17 5:00
https://www.sankei.com/article/20241017-AEBKGSGRPZMN7EBF43MGFUUFOI/?outputType=theme_election2024
27日投開票の第50回衆院選について共同通信社は15、16両日、全国の有権者15万6千人を対象に電話調査を実施し、取材を加味して公示直後の序盤情勢を探った。
自民党は派閥パーティー収入不記載事件が響き低調。
公明党も伸び悩む。
立憲民主党は議席増へ勢いを見せる。
定数465議席の過半数(233)を巡り、与野党の攻防が続いている。
小選挙区では投票先未定が3割近くおり、今後、情勢は変わる可能性がある。
全289選挙区のうち、自民(公示前勢力256)がリードしているのは140程度にとどまり、接戦区が多い。
比例代表で令和3年前回選の72議席を下回るのは避けられない情勢だ。
単独過半数を維持できるかどうか予断を許さない。
不記載事件に関係し、公認されなかった候補の大半は厳しい戦い。
重複立候補が認められなかった候補も半数近くが先行されている。
立民は公示前の98議席(比例含む)を超える公算が大きい。
無党派層でも支持が拡大しつつある。
前回選で39だった比例議席も増やしそうだ。
日本維新の会は地盤の大阪府の小選挙区で堅調。
だが全国的に比例の支持の広がりがいまひとつで、公示前の43議席に手が届かない可能性もある。
公明は公認候補を立てた計11選挙区の全勝は難しい情勢。
維新と争う大阪府の4小選挙区で苦戦が目立つ。
埼玉14区に出馬した石井啓一代表も激戦。
比例も伸びを欠いており、小選挙区と合わせた公示前の32議席を堅持できるか微妙だ。
共産党は小選挙区1議席を維持しそうだ。
比例次第で、公示前の10議席程度の獲得が見込まれる。
国民民主党も公示前の7議席から上積みする勢い。
れいわ新選組は比例で複数議席を確保できそうだ。
社民は小選挙区の1議席死守へ全力を挙げる。
参政党は支持浸透が見られない。
政治団体
「日本保守党」
は複数議席を得る可能性がある。

日本保守党、初の全国的な国政選挙 有本香氏「選択肢増やす」
毎日新聞
2024/10/15 13:45(最終更新 10/15 13:45)
https://mainichi.jp/articles/20241015/k00/00m/010/079000c
政治団体
「日本保守党」
は15日午前11時頃、JR新橋駅(東京都港区)前で第一声を上げた。
2023年9月の発足以来、初の全国的な国政選挙となり、「SL広場」には数百人の聴衆が集まった。
作家の百田尚樹代表や有本香事務総長らが壇上に立ち、有本氏は
「中国資本がどんどん日本の土地を買収している問題に真面目に取り組む党派は国会にない」
「国民の選択肢を増やしましょう」
などと訴えた。

「日本は世界最高の国だ」 日本保守党・百田尚樹代表が第一声 つなぎ弁士で歴史の講義も
2024/10/15 12:44
https://www.sankei.com/article/20241015-6C7DQDZ355F2ZBYMGF632X7UUE/?outputType=theme_election2024
政治団体
「日本保守党」
の百田尚樹代表は15日午前、衆院選(27日投開票)の公示を受け、東京・JR新橋駅前で第一声をあげた。
「日本は、日本人はもっと幸福になるべきだ」
「日本は世界最高の国だ」
と声を張り上げ、約600人の聴衆が日の丸などを手に拍手を送った。
同党の有本香事務総長は
「北朝鮮による拉致問題や外国資本による不動産買収など真面目にやっている政党はない」
「新しい選択肢を増やしましょう」
と支持を訴えた。
百田氏は党のシンボルカラーである青のジャンパーを着込んで登場。
比例代表の届け出が開始から遅れるハプニングもあり、百田氏は受理の一報が入るまで、聖徳太子や元寇など日本史について語って
「つなぎ弁士」
を務める一幕もあった。
午前10時55分ごろに始まった衆院選の選挙演説で、百田氏は
「我々と一緒にもっともっと幸せになりましょう」
と気勢を上げた。
日本保守党は昨年10月の結党以降、今年4月の衆院東京15区補欠選挙に続く国政選挙への挑戦となる。
小選挙区に4人(いずれも愛知)、比例代表に百田氏や有本氏ら26人を擁立した。

橋下氏 自民分裂→高市早苗氏と「日本保守党」合流が「日本にとって最善策」 立憲も割れて石破首相と野田代表で第2グループと
デイリースポーツ によるストーリー • 9 時間
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E6%A9%8B%E4%B8%8B%E6%B0%8F-%E8%87%AA%E6%B0%91%E5%88%86%E8%A3%82-%E9%AB%98%E5%B8%82%E6%97%A9%E8%8B%97%E6%B0%8F%E3%81%A8-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BF%9D%E5%AE%88%E5%85%9A-%E5%90%88%E6%B5%81%E3%81%8C-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AB%E3%81%A8%E3%81%A3%E3%81%A6%E6%9C%80%E5%96%84%E7%AD%96-%E7%AB%8B%E6%86%B2%E3%82%82%E5%89%B2%E3%82%8C%E3%81%A6%E7%9F%B3%E7%A0%B4%E9%A6%96%E7%9B%B8%E3%81%A8%E9%87%8E%E7%94%B0%E4%BB%A3%E8%A1%A8%E3%81%A7%E7%AC%AC%EF%BC%92%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97%E3%81%A8/ar-AA1s5QuR?ocid=BingNewsVerp
橋下徹弁護士が11日付でX投稿。
政治団体
「日本保守党」
の公認で衆院選愛知1区に立候補するため名古屋市長を辞職する河村たかし氏が、自民・高市早苗氏との合流について語ったとする記事を取り上げ、
「これが日本の政治にとっての最善策」
と投稿した。
橋下氏は、中央政界を
「3つのグループに再編すればスッキリする」
とし
「自民党が割れて高市さんグループと日本保守党が合流」
とした。
更に別投稿で
「立憲も割れて野田さんグループと石破さんグループが合流」
「立憲のいわゆる左派は共産党と合流」
とグループ分けし、
「この3つのグループに整理されると有権者は選択しやすくなる」
「維新、国民なども割れて3つのグループに別れていけばいい」
と記した。

衆院選出馬の河村・名古屋市長の辞職、議会「職務放棄」と不同意 15日自動失職へ
2024/10/11 12:21
https://www.sankei.com/article/20241011-TP3CKYC2TJJLXLEB2UMB6DYFBE/?outputType=theme_election2024
名古屋市議会は11日の本会議で、衆院選出馬を表明した河村たかし市長(75)の辞職の申し出を自民、公明両党会派などの反対多数で不同意とした。
公示日の15日に立候補を届け出た時点で自動失職する。
本会議で、自民市議は
「多くの重要案件が積み残されている」
「任期が残ったまま、やりきったとする振る舞いは職務放棄だ」
と批判した。
地方自治法は、市町村長は退職の20日前までに議会に申し出るよう規定。
議会の同意があれば、それより前に退職できると定めている。
河村氏は散会後
「不同意は残念」
と述べた。
自身が代表を務める地域政党「減税日本」の一部議員も本会議で反対した。
河村氏は9日、市議会に辞表を提出。
市選管によると、市長選は11月中に投開票される見通しという。

河村たかし氏、衆院選「台風の目」可能性「75歳まで来ると有権者の心を信じるに尽きる」
2024/10/1 23:20
https://www.sankei.com/article/20241001-6WLNPES2ZBNRPGZWSGU44D6AI4/
選挙巧者で
「総理を狙う男」
を自称する名古屋市の河村たかし市長が1日、衆院選愛知1区への出馬を表明した。
出馬記者会見で勝算を問われた河村氏は
「75歳まで来ると、有権者の心を信じてやるに尽きる」
「皆さんのためにやってきた」
「必ず分かってくれる」。
国政復帰への意欲を示し続けてきたが、年齢のために今回がラストチャンスとの声も出ている。
河村氏の存在は、衆院選で
「台風の目」
となる可能性を秘める。
2023年4月の市議選では、減税日本の党勢低迷が指摘されながら、自らが前面に出た選挙戦を展開した結果、改選前より議席を増やした。
2023年10月から
「日本保守党」
の共同代表に就任。
名古屋市などの選挙区で候補を擁立すれば、保守層から一定の支持を得られる可能性がある。
地元市議は、自民党総裁選で石破茂新首相が、保守層に人気の高市早苗氏を破ったことで
「自民候補から保守票が逃げる可能性がある」
「自身の年齢も考えれば、最後のチャンスだったのだろう」
と推察する。

名古屋市の河村たかし市長、愛知1区から衆院選出馬へ「総理を狙う男、アゲインという感じ」
2024/10/1 9:27
https://www.sankei.com/article/20241001-3OISJHHS3RLWXM7WY6B2I3OMOA/
名古屋市の河村たかし市長は1日、27日投開票の衆院選に愛知1区から出馬する意向を明らかにした。
記者団の取材に答えた。
河村市長は4期目で市長を退く考えを示していたことを踏まえ、
「4年前、これで最後と言ったので公約を守る」
「総理を狙う男、アゲインという感じだ」
と述べた。

日本保守党が30人擁立、衆院選の秘策=@百田氏の比例3位と小選挙区で愛知注力のワケ 有本香氏は東京1位、島田洋一氏は近畿1位
2024.10/9 11:45
https://www.zakzak.co.jp/article/20241009-5HXGCNPV7VJBVEITHJ2WM3R3AA/
政治団体
「日本保守党」
は8日、次期衆院選で擁立を見込む30人の候補予定者を発表し、党代表で作家の百田尚樹氏(68)と、事務総長でジャーナリストの有本香氏(62)も比例代表で出馬すると明らかにした。
百田氏は衆院選を
「国政政党になれるチャンス」
と位置付け、
「『日本を豊かに、強く。』を合言葉に戦っていきたい」
と意気込みを見せた。
比例の東京ブロックでは、名簿1位に有本氏、2位に梅原克彦元仙台市長(70)ら4人を擁立する。
近畿ブロックでは福井県立大学の島田洋一名誉教授(66)が1位、百田氏は3位で出馬を予定する。
百田氏は
「誰が一番国会議員になるに相応しい人材であるかを一番優先して考えた」
と説明した。
小選挙区は、愛知で共同代表の河村たかし名古屋市長(75)ら4人を擁立する。
有本氏は
「局地戦で一発勝負なので、強みのある所に絞るのが戦略だ」
と語る。
公約について有本氏は
「国会の中にない選択肢、政策を掲げていく」
と強調、党の重点政策では消費税などの減税や再エネ賦課金の廃止、入管難民法の改正と運用の厳正化などを掲げている。
政治家の世襲については
「どこの政党と言わないが、スッと息子さんに継いでしまうのは国民の納得感がない」
「近い親族が出る場合、選挙区を変更するなど何らかの原則をもって、家業のように引き継ぐのをやめていくべきではないか」
と指摘した。
「政治とカネ」
問題では、政党交付金の引き下げを主張するなど、既存政党に有利な制度の見直しにも言及した。

百田尚樹代表、有本香事務総長ら比例26人 選挙区は4人 日本保守党が候補者名簿を発表
2024/10/8 16:05
https://www.sankei.com/article/20241008-5K2ZQKCTWNC5XGHR2OFQDWYNL4/
日本保守党は8日、衆院選(15日公示、27日投開票予定)に向け、選挙区4人と比例代表26人の候補予定者名簿を発表した。
選挙区の愛知1区には河村たかし・名古屋市長、比例代表には百田尚樹代表、有本香事務総長、国際政治学者で福井県立大名誉教授の島田洋一氏らを擁立する。
名簿は以下の通り。
【選挙区】
河村たかし(愛知1区)、大橋とおる(愛知3区)、麻生ちさ(愛知4区)、田中克和(愛知5区)
【比例代表】
北海道ブロック=小野寺まさる、堀田真作
北関東ブロック=伊藤純子、野寺直美、芦沢進、宮入良明
東京ブロック=有本香、梅原克彦、阿部力也、小柳岳志
南関東ブロック=小坂英二、大河内元喜、森健太郎、渡辺紀明、服部徹
東海ブロック=竹上ゆうこ、中川健一、織田敏之、中村憲一、青木崇佳
近畿ブロック=島田洋一、佐々木みのり、百田尚樹、豆谷和男、竹内唯裕、残る1人は通称調整中のため非公表

日本保守党が衆院選で会見 百田、有本両氏ら30人擁立 「『移民』政策見直しを」
2024/10/8 14:45
https://www.sankei.com/article/20241008-KS5HD7W5MVHK7NWTBBK5GRBWEI/
政治団体
「日本保守党」
は8日、衆院選(15日告示、27日投開票予定)について、東京都内で記者会見した。
愛知1区に出馬する共同代表の河村たかし名古屋市長ら4人を選挙区に、比例代表には国際政治学者で福井県立大名誉教授の島田洋一氏ら26人、計30人を擁立する方針を明らかにした。
2023年10月に結党して以降、2024年4月の衆院東京15区補欠選挙に続く国政選挙への挑戦となる。
百田尚樹代表は比例近畿ブロック、有本香事務総長は比例東京ブロックにそれぞれ擁立する。
公約については、
「スパイ防止法の制定」
「消費税減税」
「共同親権制度の導入」
など結党時に発表した重点政策項目を踏襲。
表現などは練り上げるという。
有本氏は会見で、衆院選について
「願わくば国政政党になりたい」
「国政に行くぞというお披露目でもある」
と述べ、政党要件を満たす5人以上の当選に強い意欲を滲ませた。
その上で、再生可能エネルギー普及のため電気料金に上乗せされている
「再エネ賦課金」
の廃止などを例に挙げて
「国会の中にない政策を掲げていく」
と強調した。
百田氏は
「日本を守り、日本の良さをそのまま残したい」
「『日本を豊かに、強く。』を合言葉に戦いたい」
と語った。
特に重視する政策については、
「移民」
政策の見直しを挙げて
「『移民』が増えている」
「地域住民とトラブルを抱え、日本の本来守るべきルールを守らない一部の外国人もいる」
「町によっては治安が脅かされている」
「『移民』問題をもう1度考え直すべきではないか」
と述べた。

日本保守党、百田尚樹氏が比例代表の近畿ブロック 有本香氏が東京ブロックから出馬へ 次期衆院選
2024.10/8 13:54
https://www.zakzak.co.jp/article/20241008-PLSYAED6NJO5XDXPNETUCI6HIY/
政治団体
「日本保守党」
は8日、記者会見を開き、次期衆院選(15日公示、27日投開票)で、党代表で作家の百田尚樹氏(68)が比例代表の近畿ブロックから、事務総長でジャーナリストの有本香氏(62)が東京ブロックから出馬すると明らかにした。
百田氏は
「日本を守りたい、日本の良さを残したいという思いだ」
「『日本を豊かに、強く』という理念に賛同した候補者とともに衆院選を戦っていきたい」
と意気込みを述べた。
北海道ブロックでは元北海道議の小野寺まさる氏(61)、東京ブロックでは元仙台市長の梅原克彦氏(70)、南関東ブロックでは荒川区議の小坂英二氏(51)、近畿ブロックでは福井県立大学名誉教授の島田洋一氏(66)が名を連ねている。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/740.html#c42

[政治・選挙・NHK295] <れいわ・比例東京>防衛のスペシャリスト 伊勢崎賢治氏が出馬! 「残りの人生をれいわにかける」  赤かぶ
47. 秘密のアッコちゃん[784] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月21日 18:56:49 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[349]
<▽41行くらい>
日本保守党が複数議席獲得の可能性 衆院愛知1区は河村氏リード、産経・FNN終盤調査
世論調査
2024/10/21 17:44
https://www.sankei.com/article/20241021-XUVAOZ7J35EQHPQ5LPZTHY476A/?outputType=theme_election2024
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が実施した衆院選の終盤情勢調査で、愛知1区は政治団体
「日本保守党」
共同代表の元職、河村たかし前名古屋市長が立憲民主党の前職、吉田統彦氏、自民党の前職、熊田裕通氏らをリードしている。
日本保守党は比例代表でも複数が当選する可能性が出ている。
いずれも実現すれば、昨年2023年10月の設立以来、衆参通じて初の議席獲得となる。
河村氏は平成5年衆院選で初当選し、2021年からは名古屋市長を4期連続で務めた。
今回は同党の公認候補として衆院選へのくら替え出馬を決めた。
▽愛知1区(4人、敬称略)
山本耕一(47)☆元高校教諭 日本維新の会新人
河村たかし(75) 前名古屋市長 諸派元職
熊田裕通(60)☆元総務副大臣 自民党前職
吉田統彦(49)☆元消費者問題特別委員会理事 立憲民主党前職
(届け出順、☆は比例と重複)

衆院選終盤情勢、与党過半数割れも 立民は大幅増 日本保守党が政党要件満たす可能性
世論調査
2024/10/21 16:12
https://www.sankei.com/article/20241021-PQB5OO7ILVMXZKFLNCJZYCDVBA/?outputType=theme_election2024
産経新聞社は2024年10月21日、FNN(フジニュースネットワーク)と合同で実施した衆院選情勢調査(2024年10月19、20両日実施)に取材を加味し、2024年10月27日の投開票に向けた終盤情勢をまとめた。
自民党は大きく議席を減らす見通しで、連立政権を組む公明党と合わせても過半数(233議席)を割り込む可能性がある。
一方、立憲民主党は公示前に比べ大幅に議席を積み増す勢いだ。
衆院選は、全国289小選挙区と11ブロックの比例代表の計465議席を争う。
自民は、公示前の256議席から60議席程度減少する可能性があり、与党全体でも公示前の288議席から70議席程度落ち込みそうだ。
一方、公示前に98議席だった立民は50議席程度を増やし、7議席だった国民民主党は15議席程度を積み増すと見込まれる。
10議席だった共産は数議席を増やす可能性がある。
日本維新の会は、公示前の43議席を維持するのは困難な情勢だ。
小規模の党派が躍進する傾向がみられ、れいわ新選組(公示前3)が数議席を増やすと予想される他、政治団体
「日本保守党」
が公職選挙法上の
「所属国会議員5人以上」
の政党要件を満たす可能性がある。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/743.html#c47

[政治・選挙・NHK295] <サンデー毎日>「選挙のプロ」による“解散総選挙”全議席予測 石破自民24減 単独過半数割れギリギリ 野党一本化進まず「… 赤かぶ
21. 秘密のアッコちゃん[785] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月22日 06:46:08 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[350]
<■1459行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
<主張>衆院選と年金 次世代も安心する提案を
社説
2024/10/22 5:00
https://www.sankei.com/article/20241022-MQA74BFJDZKTJFYNJZVXNJ2PIU/
令和7年には5年に1度の年金法の改正が予定されている。
だが衆院選での年金を巡る議論は低調だ。
今年2024年夏に公表された年金の財政検証では、積立金の運用が順調だったことなどで収支は好転した。
しかし、これで改革の機運を衰退させてはいけない。
非正規雇用の人が増え、高齢期にも多くの人が働くようになっているのに、今の年金制度は働き方の変化に追い付いていない。
公的年金の土台となる基礎年金(国民年金)の水準低下にも対処が必要である。
選挙戦は、これらの難問にどう取り組むかを訴える好機なのに、各党の公約は漠然としていて、具体策や実現の時期、財源の裏打ちが示されていない。
自民党は、パートなど短時間労働者への厚生年金の適用拡大に向けて
「引き続き検討」
するというが、拡大は企業規模なのか、業種なのか、労働時間なのか明確でないのは問題だ。
基礎年金の水準については、自民も公明党も
「底上げを図る」
と主張するものの、どのような手段で実現するのかは不明だ。
有権者に理解してもらう努力が欠けている。
低年金の人に、国庫負担などによる給付を行い、年金に最低保障機能を持たせる
「最低保障年金」
案は野党側には今も魅力的に映るようだ。
国民民主党は
「最低保障機能強化による安心の年金制度」
を謳い、日本維新の会は制度の抜本改革による
「最低所得保障制度」
の導入を掲げる。
立憲民主党は
「低所得の高齢者の年金に一定額を上乗せして給付する」
と訴える。
しかし、最低保障年金は過去に頓挫した経緯がある。
旧民主党は平成21年の衆院選で
「月額7万円の最低保障年金」
を掲げた。
だが、政権奪取後に試算すると、消費税5%弱分の追加財源が必要なうえ、生涯の平均年収が420万円程度を超える人には減額になる仕組みだと分かった。
各党が、本気で最低保障年金や年金の上積みを制度化するつもりなら、当時の民主党案とどう違い、どう財源を用意するつもりか明らかにすべきだ。
年金などの社会保障制度は、次世代に安心を繋げられるかが問われている。
過去の失敗に学び、公平で適切な再分配をしなければならない。

<産経抄>タフな政治家を選べるか
2024/10/21 5:00
https://www.sankei.com/article/20241021-SR2BR33Y6BOG7IBGCODQBZ4P44/
我田引水だが新聞を開くのが楽しみだ。
ほっとする話題、結果を知っていてもその裏側を知ることがある。
▼週末2024年10月19日には箱根駅伝の予選会が行われ、立教大がトップ通過で出場権を得た。
失礼ながら意外な好成績だ。
翌2024年10月20日付の本紙スポーツ面では
「タフ」
さを重視した新監督の改革が背景にあったことが明かされていた。
▼立大は昨年2023年予選会直前に当時の監督が不祥事で解任された。
新監督に就いたのは強豪、駒沢大のコーチだった高林祐介さん(37)だ。
熱血監督として知られた大八木弘明さんの薫陶を受けた。
高林監督は坂道の走り込みなど
「タフなコンディションでも走れる土台作り」
をした。
▼強豪校の練習を身をもって知る指導は選手らの意識改革にも繋がった。
季節外れの暑さの中、過酷な予選会で
「タフ」
さを証明し、高林監督は
「ようやくスタートラインに立てた」
と箱根路へ静かな闘志を語った。
▼さてこちらも各地で激戦が繰り広げられている衆院選は投票日まで1週間を切ったが、タフな環境で国益を守れる政治リーダーを選べるだろうか。
同僚の近著『政治家は悪人くらいでちょうどいい!』(乾正人著、ワニブックス)は
「善人に政治家は務まらない」
と歯に衣着せず、今、求められている政治家像を語っていて興味深い。
▼「悪人」
と言っては中高生ら良い子には誤解があろうが、専制国家に毅然と対峙できる胆力ある政治家はいるか。
先日の本紙「正論」で同志社大の村田晃嗣教授は、日本の政治家は国内権力闘争に敏感でも国際政治ではものを言えず
「突然ナイーブ」
になると手厳しい。
防衛費増に反対し「外交力」でと声高に語っても、専制国家との協調ばかり口にするのが外交では、頼りにならない。

<正論>分断排し「ネットワーク」の力を 
同志社大学教授・村田晃嗣
2024/10/10 8:00
https://www.sankei.com/article/20241010-TR3DZNNZVJLZBG2PVLBSICD7LY/
石破茂氏が自由民主党総裁、そして内閣総理大臣に選ばれ、早くも衆議院が解散された。
いよいよ総選挙である。
ここで、石破内閣の内外の課題について論じておきたい。
■自民総裁選で感じた変化
自由民主党の総裁選挙は、稀にみる激戦であった。
その熾烈な駆け引きは、エミー賞受賞で話題のドラマ『SHOGUN 将軍』をすら連想させた。
ほとんどの候補者が脱派閥を訴え、麻生派を基盤とした河野太郎氏が守旧派にされたが、結局はどの候補者も派閥的な勢力に依存していた。
400人近い国会議員を擁する巨大政党を、派閥ないしは派閥的なものなしに運営することは不可能であろう。
派閥を否定しながら都合に応じて派閥に頼るゲームでは、有権者の信頼は回復できない。
派閥の功と罪をしっかりと検証した上で、派閥とどう向き合うかを現実的に示すべきである。
さもなければ、自民党の古い体質は変わるまい。
他方で、自民党、そして日本政治の変化を感じさせるものもあった。
9人の総裁候補のうち2人は女性だったし、そのうちの1人、高市早苗氏は決選投票に臨み、予想以上に善戦した。
また、43歳という若さの小泉進次郎氏も3位に付けた。
更に候補者の多くが留学経験などを持ち、英語に堪能であった。
しかも9人のうち河野氏(ジョージタウン大学)、高市氏(神戸大学)、小泉氏(関東学院大学)と3人までが、東京以外の大学の卒業生であった。
戦後の歴代首相で東京以外の日本の大学で学んだ者は、実は池田勇人(京都大学)と宇野宗佑(神戸大学中退)の2人だけなのである。
地方活性化を語っても、日本の政治が如何に中央集権的であるかを如実に示していよう。
さて、石破新首相は5回の総裁選に出馬したベテラン政治家であり、男性の世襲政治家である。
その意味では上述の
「変化」
の枠外にいるのだが、彼はキリスト教徒である。
戦前では原敬、戦後では吉田茂や鳩山一郎、大平正芳などの首相がキリスト教徒であり、直近では麻生太郎氏(カトリック)がそうである。
明治維新以来、日本のキリスト教徒は人口の1%前後で推移しており、今でも100万人ほどである。
その意味では、令和初のキリスト教徒の首相も
「変化」
を体現している。
ジェンダーや世代、国際性、そして宗教などで、包括政党として自民党は新たな多様性を受容できようか。
そうなれば、摩擦を伴いながらも、日本政治は活力を取り戻そう。
他方で、今回の総裁選挙では、高市氏を軸に保守層が強い結束を示した。
米国では既に、共和党も民主党も党内に大きな亀裂を抱えている。
自民党が党内の和解、党外世論との対話に失敗すれば、日本政治は米政治の轍を踏むやもしれない。
■国内「権力闘争」好きだが
自民党総裁選挙は、半ば古いゲームを新しいプレーヤーたちが戦ったことになる。
国際政治もそうである。
グローバルサウスなど新たなプレーヤーが台頭する中で、21世紀のグローバル協力と20世紀、否、19世紀を思わせる露骨な大国間政治や民族・宗教対立が並行している。
日本人の多くは戦国時代や幕末の歴史を愛好し、国内政治の権力闘争にも敏感である。
ところが、国際政治になると突然ナイーブになり、平和の精神や自主独立の気概を観念的に語るだけであったり、逆に、弱肉強食と権謀術数ばかりを強調して規範の力やソフトパワーを軽視したりしがちである。
石破内閣の国内的権力基盤は未だ不安定だが、より不安定な国際情勢の舵取りをしなければならない。
米国の大統領選挙の行方も、まだ分からない。
石破氏が提起するアジア版NATOの創設や日米地位協定の見直しは、対米自立の心の琴線には触れる。
だが、トランプ政権相手にはほとんど実現不可能であろうし、ハリス政権でも容易ではあるまい。
そうした交渉に時間と精力を注ぐ間にも、台湾海峡や朝鮮半島、中東などの国際情勢に何が起こるかわからない。
日本が対米交渉力を持つためにも、まずは岸田文雄前内閣が決定した防衛費の倍増や反撃力の保有という公約を実現すべきであろう。
■日本の持ち味生かせるか
またバイデン政権の間に、日米韓、日米比などのミニラテラル協力も進んできた。
これに日米豪印の協力(クアッド)などを重ね合わせながら、安全保障協力を進めていくのが先決ではなかろうか。
幸い、石破内閣は経験豊かな外相や防衛相、首相補佐官を揃えている。
彼らが述べたように、遠大な制度設計はあくまで
「中長期的な課題」
であり、まずは既存のネットワークを活用すべきであろう。
こうした
「ネットワークパワー」
こそが日本の持ち味だとの指摘もある(ミレヤ・ソリース氏)。
実は、自民党政治のしたたかさも
「ネットワークパワー」
にあろう。
石破内閣には、国内政治の経験と知恵を国際政治にも大いに活用してもらいたい。

<主張>衆院選と少子化 財源確保の議論不十分だ
社説
2024/10/21 5:00
https://www.sankei.com/article/20241021-SP4JC7WFYJOMHGZJYRQLGLDYV4/
日本の少子化は年々深刻さを増している。
更に高齢化で死亡者数は増加傾向にある。
人口減少は歯止めがかからない状況だ。
少子化と人口減少は社会保障制度の持続可能性に悪影響を与え、国の活力低下にも繋がりかねない。
令和5年の出生数は過去最少の72万7288人だった。
令和6年は70万人を割る可能性がある。
令和5年の合計特殊出生率は1・20と過去最低を更新した。
にもかかわらず、衆院選では各党から危機感が伝わってこない。
しかも訴えは給付の拡充策が中心で、財源確保の議論が足りない。
財源の裏付けがなければ実効性は確保されまい。
自民党は公約に政府の
「こども未来戦略」
を踏まえ、児童手当拡充や高等教育無償化、住宅支援強化などを盛り込んだ。
子育て支援の財源として、政府は公的医療保険に上乗せして徴収する
「子ども・子育て支援金」
の創設を決めている。
岸田文雄前首相は社会保障費の歳出削減などで
「実質的な負担は生じない」
と説明してきた。
だが、高齢化で需要が高まる医療・介護サービスを低下させずに、歳出削減を十分に行うことが出来るのか疑問は残ったままだ。
石破茂首相は岸田前政権の少子化対策を継承する姿勢を示している。
負担についても、きちんと論じるべきだ。
立憲民主党は公立小中学校の給食費無償化、高校や国公立大の授業料無償化を掲げている。
子供・子育て予算として
「対GDP(国内総生産)比3%台」
を達成するとも主張しているが、安定財源はどうするつもりなのか。
不明確では政権担当能力を疑わざるを得ない。
教育費による家計の圧迫が少子化要因になっているとの問題意識は多くの党で共有されている。
日本維新の会は教育の全課程の無償化、公明党は国公私立を問わず高校の実質無償化と2030年代の大学の無償化、国民民主党は高校までの授業料完全無償化を訴えている。
各党は丁寧に説明する必要がある。
訴えるべきは他にもある。
人口減に対応した地域の在り方についてだ。
日本の総人口は約1億2500万人だが、50年後は3割減ると推計されている。
人手不足に拍車がかかり、地方の過疎化も進む。
人口減でも繁栄できる国家像を提示することも重要である。

処理水問題で中国と対峙、高市早苗氏に台湾から期待の声 衆院選「裏金」で騒ぐだけでいいのか 元産経新聞台北支局長がシンクタンク設立
2024.10/18 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241018-QCCQC6GNGFNRJMN3VRV4Z5OL4E/
衆院選はあたかも
「政治とカネ」
一色のようだが、日本を取り巻く国際情勢に目を向けると、果たして
「裏金、裏金、裏金」
と騒いでいるだけでいいのかと思う。
公示前日の2024年10月14日、中国軍は台湾を取り囲むように大規模な軍事演習を行った。
折しもこの日、筆者は台北にいた。
産経新聞前台北支局長の矢板明夫氏が設立した
「インド太平洋戦略シンクタンク」(印太戦略智庫)
の発足式に出席するためだった。
式典には、頼清徳総統が祝辞を寄せた他、郭智輝経済部長(経産相に相当)、元立法院長で台湾日本関係協会の蘇嘉全会長、日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会台北事務所代表の片山和之氏、米国の対台湾窓口機関、米国在台協会(AIT)台北事務所長のレイモンド・グリーン氏、ドナルド・トランプ前米政権下で、マイク・ポンペオ前国務長官の中国政策に関する首席顧問を務めたマイルズ・ユー氏、半導体大手「聯華電子」(UMC)創業者の曹興誠氏らが出席した。
台湾メディアも多く詰め掛け、矢板氏のシンクタンクへの関心の高さを窺わせた。
片山氏は挨拶の中で、中国軍による演習が矢板氏のシンクタンクの重要性を物語っていると述べた。
矢板氏は、日本の本州(山口県下関市)と九州(北九州市)を結ぶ関門橋をモチーフにした写真を背景に、このシンクタンクがインド太平洋地域の自由を守ると共に、台湾と世界の民主主義国家を繋ぐ
「架け橋」
になればとの抱負を語った。
式典後のパーティーで、台湾側の出席者から話を聞くと、自民党総裁には高市早苗前経済安保相になってほしかったとの声が相次いだ。
高市氏は
「台湾有事は日本有事」
と明言した安倍晋三元首相の遺志を継ぐ姿勢を明確にしているからだ。
高市氏は昨年2023年9月、国際原子力機関(IAEA)総会で、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出について中国側から批判を受けると、
「突出した輸入規制を採っているは中国のみです」
「日本としては引き続き、科学的根拠に基づく行動や正確な情報発信を中国に対して求めていきます」
と強調した。
「処理水」

「核汚染水」
と呼んだ中国代表に反論したものだ。
中国の批判に
「受け身」
にならず、正面から対峙した政治家は珍しい。
実際、読売新聞によると、岸田文雄首相(当時)は周囲に
「中国を再び刺激しないか」
と不安を漏らしたという。
中国側は、高市氏が退出した後、再反論したが、在ウィーン日本政府代表部の引原毅大使(同)が
「中国には、トリチウムの年間排出量が、福島第1原発の5倍から10倍の原発もある」
と再び反論した。
日中間の応酬はこれで終わったが、
「日本側の発言で終わるという最も望ましい形」(政府関係者)
となった。
ちなみに、引原氏は高市氏と同じ奈良県出身だった。
石破茂首相も総裁選前、台湾を訪問して頼総統らと意見交換したが、衆院選では積極的に安全保障について語ってほしい。
日本には内向きになっている余裕はないはずだ。
 (産経新聞特別記者・有元隆志)

石破政権「机上の空論」国家安全保障最前線
日米同盟を「対等な同盟に」石破首相の空想 決定的に違う「核を保有しているか否か」…日本の限界は大きく まず憲法改正を
2024.10/19 15:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241019-N7P52NS64BJN3N45FTJCM7UJSI/
石破茂首相は
「日米の対等な同盟」
を主張していて、米シンクタンク
「ハドソン研究所」
のホームページで発表した寄稿文
「日本の外交政策の将来」
に、まず
「米英同盟なみに日米同盟を強化する」
として以下のように書いている。
「石破政権では 戦後政治の総決算として米英同盟なみの『対等な国』として日米同盟を強化(する)」
「アーミテージ・ナイ・レポートはかつて米英同盟の『特別な関係』を同盟のモデルとして、日米は『対等なパートナー』となることを提案した」
「今、それが可能となり、米国と肩をならべて自由主義陣営の共同防衛ができる状況となり、日米安全保障条約を『普通の国』同士の条約に改定する条件は整った」
石破首相は、日米の関係がかつては対等ではなかったが、今や対等になり
「自由主義陣営の共同防衛ができる状況となった」
と言いたいのであろうが、それは空想でしかない。
日米関係は決して対等ではない。
決定的に違うのは
「核を保有しているか否か」
だ。
非核国家でなおかつ完全な集団的自衛権を有していない日本の限界は大きく、石破首相が主張する
「米国と肩をならべて自由主義陣営の共同防衛ができる状況になった」
とは言えないのである。
石破首相は寄稿文で、日米安保条約は
「非対称双務条約」
であり改定すべきだとも指摘している。
「アメリカは日本『防衛』の義務を負い、日本はアメリカに『基地提供』の義務を負うのが現在の日米安全保障条約の仕組みとなっているが、この『非対称双務条約』を改める時は熟した」
「日米安全保障条約と地位協定の改定を行い自衛隊をグアムに駐留させ日米の抑止力強化を目指すことも考えられる」
「そうなれば、『在グアム自衛隊』の地位協定を在日米軍のものと同じものにすることも考えられる」
「更に、在日米軍基地の共同管理の幅を広げていくなどすれば在日米軍の負担軽減ともなろう」
日米安保条約は通常、
「非対称双務条約」
ではなく片務条約と呼ばれている。
米国は日本防衛の義務を負うが、日本は米国防衛の義務を負わないからだ。
この片務性は日本にとってある意味で都合の良いものである。
石破首相のように、地位協定の改定やグアムへの自衛隊駐留、在日米軍基地の共同管理を主張するのであれば、米側が
「片務性こそ問題であり、日本も米国防衛の義務を負いなさい」
と反論してくるのは火を見るより明らかだ。
そこまでの危険を冒してまで地位協定の改定やグアムへの自衛隊駐留を主張すべきではない。
もしも日本が米国と対等な国として米英同盟並みに日米同盟を強化したいのであれば、日本には集団的自衛権の行使が求められる。
つまり、憲法を改正して集団的自衛権の行使が可能な普通の国家になる必要がある。
しかし、石破首相のハドソン寄稿文には憲法改正の記述がない。
まずは憲法改正から始めなければいけない。
■渡部悦和(わたなべ・よしかず)
元陸上自衛隊東部方面総監、元富士通システム統合研究所安全保障研究所長、元ハーバード大学アジアセンター・シニアフェロー。
1955年、愛媛県生まれ。
1978年東京大学卒業後、陸上自衛隊に入隊。
その後、外務省安全保障課出向、ドイツ連邦軍指揮幕僚大学留学、第28普通科連隊長(函館)、防衛研究所副所長、陸上幕僚監部装備部長、第2師団長、陸上幕僚副長を経て2011年に東部方面総監。
2013年退職。
著書・共著に『日本はすでに戦時下にある』(ワニブックス)、『宇宙安全保障』(育鵬社)、『台湾有事と日本の安全保障』(ワニブックスPLUS新書)など多数。

石破政権「机上の空論」国家安全保障最前線
同盟国に不信感与えた石破首相の寄稿文 総裁選期間中に米シンクタンクで発表 問題点満載、疑われる安全保障への「机上の空論」
2024.10/16 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241016-BXVMWL2LKBPOBBWGYBDW4JAYBQ/
現在、国内外が混沌とした状況にある。
ロシアのウクライナ侵略が継続し、中東ではイスラエル・ハマス戦争が1年経過しても終結せず、イスラム原理主義組織ハマスのみならず、イランや親イラン民兵組織ヒズボラとの紛争に拡大している。
中国は
「台湾武力統一」
を放棄していない。
権威主義国の中国やロシアは、我が国の領空・領海を侵犯している。
まさに我々は激動の時代を生きている。
国内においては、岸田文雄政権から石破茂政権への交代があった。
3年間続いた岸田政権を批判する人は多いが、私は安全保障分野における同政権の功績を高く評価している。
国家安全保障戦略などの
「安全保障3文書の策定」
や、
「防衛費のGDP(国内総生産)比2%への増額」
への道筋をつけた、日米関係を最良の状態にしたことは特筆すべきことだ。
岸田政権を引き継いだ石破政権には、激動の時代における国家運営、特に安全保障分野のかじ取りを適切に行ってもらいたいと思う。
しかし、石破首相に不安を感じている。
石破首相が総裁選の期間中、米シンクタンク「ハドソン研究所」のホームページで発表した
「日本の外交政策の将来」
と題する寄稿文は問題点満載で、安全保障に関する見識が疑われる文書であるからだ。
この不用意に公開された寄稿文が、米国やアジアの諸国に石破首相に対する不信感を与えた。
「覆水盆に返らず」
とはまさにこのことだ。
石破寄稿文には、
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)の創設」
「対等な普通の国同士としての『日米安全保障条約の改定』『日米地位協定の改定』」「国家安全保障基本法の制定」
「米国のFEMA(連邦緊急事態管理庁)に準ずる防災省の設置」
「米国の核シェアや核の持ち込みの具体的な検討」
「自衛隊のグアム駐留」
などが提案されている。
これらは
「机上の空論」
だ。
例えば、対等な普通の国同士としての
「日米安全保障条約の改定」
「日米地位協定の改定」
「米国の核シェアや核の持ち込みの具体的な検討」
は、米国の反発を受けるだけだ。
国内外情勢が厳しい状況下において最優先の課題ではない。
ましてや、
「アジア版NATOの創設」
「米国のFEMA(連邦緊急事態管理庁)に準ずる防災省の設置」
「自衛隊のグアム駐留」
などは、まさに非現実的な議論だ。
幸いにも、石破首相は所信表明演説(4日)では、
「アジア版NATOの創設」
「日米地位協定の改定」
などには触れなかった。
これは賢明だった。
いずれにせよ、石破首相が優先すべきは憲法改正を行い、集団的自衛権の問題を完全に解決することだ。
この集中連載においては、激動の時代における
「現実論」

「机上の空論」
について記述したい。

高市早苗氏、支持者の自民党離れを危惧 投票呼び掛けも「高市さん応援しても自民党には失望」の声が続く
2024/10/19(土) 18:06配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/d4c791f3987620eeb7a75e87e11b5683cc4b97d5
自民党の高市早苗前経済安全保障担当相が2024年10月19日、自身のX(旧ツイッター)を更新。
今回の衆院選(2024年10月27日投開票)に向け、総裁選で自身以外の候補者を応援した自民党公認候補者への投票をしないという声があるとして、同党への投票を呼び掛けたが、リプ欄には高市氏は支持しても現在の自民党は支持出来ないという声が相次いだ。
高市氏は
「なかなかニュースも含めてネット情報をチェックする余裕も無いスケジュールで全国遊説を続けていますが、昨日、辛い話を聞きました。」
と切り出し、
「先月2024年9月の自民党総裁選で私以外の候補者を応援しておられた自民党公認候補者に対して『投票しない』と仰る方が居られるという話が数件」
「困り果てた当該候補者の陣営から、私の秘書に連絡を頂いたそうです。」
と明かした。
その上で、高市氏は
「今、私達が戦っている衆議院選挙は、政権選択選挙です」
「私も含めて自民党の候補者達は、自民党への様々なご批判も全員で受け止めながら、これからも日本国の舵取りをお任せいただけるよう、1人でも多くの当選を目指して頑張っている最中です」
「議席を減らして野党になってしまうと、私が訴えてきた政策を議員立法で実現する事も困難になります」
と訴え、
「だから私は、昨日も、今日も、総裁選で他陣営に居られた候補者の応援にも伺っていますし、皆様にも是非とも応援をして頂きたいと願っています」
「どうか宜しくお願い申し上げます」
と呼び掛けた。
高市氏の投稿に対し、フォロワーからは
「高市さんは応援するが自民党には失望した人が多いと思います」
「残念ながら、今の石破政権には信用がない」
「自民党への失望と憤りを持ち続けている自民党員もたくさんおられると感じております」
「自民党に票が集まれば、『有権者の支持を得た』と更に私が望まぬ方向に進む気がしてなりません」
「石破政権を保守政権と認めないのも1つの立派な判断です」
などといった意見が続いた。
(よろず〜ニュース編集部)

日米防衛相、抑止力強化へ連携確認 中谷氏、中国念頭に「現状変更に反対」
2024/10/19 21:58
https://www.sankei.com/article/20241019-TNWRZLH26ZM6XGD6JYD4YHPVPQ/
中谷元・防衛相は2024年10月19日、先進7カ国(G7)国防相会合が開かれたイタリア南部ナポリでオースティン米国防長官と会談した。
両氏の対面での会談は初めてで、日米同盟の抑止力・対処力を一層強化するため緊密に連携していくことを確認した。
中谷氏は会談で、中国による東・南シナ海や台湾周辺での覇権主義的な行動を念頭に
「インド太平洋地域は戦略的に極めて重要な地域だ」
「東・南シナ海での力による一方的な現状変更の試みに反対する」
と述べた。
「台湾海峡の平和と安定が国際社会に重要だ」
とも語った。
オースティン氏は、米国が核を含む戦力で日本防衛に関与する
「拡大抑止」
に触れ、
「あらゆる能力を含め、米国の日本防衛に対するコミットメントは揺るぎない」
と強調。
日米の反撃能力の充実や指揮統制における連携強化の推進が重要だとの考えを示した。
日本は来年2025年春に陸海空3自衛隊を一元的に指揮する統合作戦司令部を創設する。
米軍も在日米軍司令部を統合軍司令部に再編する方針で、日米が作業部会を通じて連携強化の議論を加速させていくことを確認した。
石破茂首相が唱える日米地位協定の改定への言及があったかどうかは明らかにされなかった。
両氏はまた、北朝鮮の核・ミサイル開発などを念頭に、日米韓などが多国間連携を一層強化していくことを確認した。

<主張>原発で日本回復を目指せ 国民生活とAI立国のために
社説
2024/10/20 5:00
https://www.sankei.com/article/20241020-CLMDDPLQJVJXNAJTVGWX5MQGIE/
日本の政治は重要な忘れものをしていないか―。
衆院選の最中であるにもかかわらず、各政党や候補者からエネルギーに関する発言がほとんど聞こえてこないのだ。
ロシアによるウクライナ侵攻や中東での紛争激化に加え、中国の台湾威圧で地政学的な緊張が日々、高まりつつあるのにどうしたことか。
資源貧国で島国の日本は、国際紛争の余波を受けやすい。
国内電力の約7割を占める火力発電の燃料の大半は、輸入天然ガスと石炭に依存している。
タンカーの行く手が塞がれたり、迂回を余儀なくされたりすれば、日本はたちまち電力不足に陥る運命だ。
■安全保障力ある電源は
緊張含みの国際情勢に照らした場合、日本に最も頼りになる電力源は原子力発電だ。
原発は13カ月ごとに止めて定期検査をしているが、必要があれば2年以上の連続運転も可能である。
抜群の安定供給能力などで原子力は準国産エネルギーに位置付けられてきた。
電力の安定供給に最も役立つ原発なのだが、東日本大震災を機に当時の民主党政権によって全面停止に追い込まれた。
国内の原発再稼働は異様に遅い。
大震災前には54基の原発が存在したが、その後に21基が廃炉となった。
残った33基中、再稼働を果たした原発は12基に過ぎないのだ。
こうした減り方を目の当たりにすれば、再稼働の促進や新増設の必要性が痛感されるはずだが、肝心の自民党でさえ頼りない。
「原子力など脱炭素効果の高い電源を最大限活用」
すると公約しているが、目的は
「カーボンニュートラル(脱炭素)」

「エネルギー安全保障」
のためと記す。
順番が違わないか。
原発の必要性を明確に説いているのは唯一、国民民主党だ。
データセンターや半導体工場の増加による電力需要の大幅急増を見据えた上で
「原子力発電所の建て替え・新増設により、輸入に頼らない安価で安定的な電力を確保する」
としている。
立憲民主党は
「原発の新増設は認めない」
と宣言した。
今後4半世紀内に出来る限り早く
化石燃料にも原子力発電にも依存しないカーボンニュートラルを達成」
するという。
■規制委の是正も急務だ
有権者の多くは気付いていないかもしれないが、実は日本の原子力発電は、持続可能性が危ぶまれるほどの深刻な状況に直面している。
13年前2011年の東京電力・福島第1原子力発電所事故の煽りで、既存原発の21基が今も未稼働であることに加え、原発新増設の動きも止まったままだ。
このため原発の部品を供給する企業には廃業に至ったところも少なくない。
国内の原発メーカーである三菱重工業、日立製作所、東芝の3社でも新規プロジェクトが途絶えたことで高度な原発技術の世代間継承に支障を来しつつある。
原発を保有する電力10社でも再稼働を果たしたのは3社に過ぎず、実機での発電経験のない運転員が増しているのだ。
政府は目下、次の
「第7次エネルギー基本計画」
の案を練っている。
衆院選後の新政権には原子力活用に向けての采配を期待する。
現行の6次計画にある
「可能な限り原発依存度を低減する」
との記述などは
「低減」

「増大」
に改めたい。
耳当たりの良い再生可能エネルギーは安定性に欠け、メガソーラーは環境破壊と隣り合わせだ。
原子力発電への消極姿勢を改めなければ電力供給の不足と電気代の値上がりで、国民生活も産業も苦難の道を歩むことになる。
3年前2021年の6次計画策定時点に比べ、エネルギーを取り巻く諸環境は激変している。
国際紛争だけでなく、新産業革命を牽引する人工知能・生成AIの出現も加わった。
AIの開発や運用には膨大な電力需要の発生が予測されており、それへの対応には原発をおいて他にない。
新政権には、再稼働の安全審査に関わる原子力規制委員会の業務遅滞の解決が急務である。
国のエネルギー行政との整合性の回復には規制委設置法の改正も視野に入れるべきだろう。
石破茂首相は就任直後の所信表明演説で
「日本を守る」
など5つの
「守る」
を表明したが、その履行の基盤にはエネルギーが必要だ。
日本の地政学的現況を直視すれば主軸は自ずと原子力エネルギーに帰着する。
各党諸賢には根本原則として胸に刻んでもらいたい。

高橋洋一「日本の解き方」
自民と立民が「増税路線」で同調 歩調合わせ減税に否定的、震災後の悪夢が繰り返される 財務省には千載一遇の好機≠ゥ
2024.10/19 10:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241019-5WEPJDBKSRITPAO67CADSNHPIA/
金融所得課税の強化について、石破茂首相は自民党総裁選で取り上げた後で引っ込めたが、ここにきて立憲民主党の野田佳彦代表が
「25%への引き上げもあり得る」
と強調した。
野田氏は法人税も上げる余地があると述べたという。
衆院選のタイミングでこうした発言をした狙いはどこにあるのか。
石破政権はブレるので、金融所得課税については再びブレて
「課税強化」
を言いかねない。
はっきり言えば、消費税について、自民党と立憲民主党がシンクロしているのが気になる。
与野党党首は2024年10月13日のNHK番組で論戦した。
石破首相(自民党総裁)は、消費税率について
「引き下げることは考えていない」
「当面、上げることも考えていない」
とした。
減税はやらない方針だ。
立憲民主党の野田氏も消費税の減税に関し
「高額な所得者が額として一番恩恵を受ける」
と述べた。
一般的には、消費税は逆進性があるので、減税は低所得者層ほど有利になる。
だが、わざわざ額に言及して分かりにくくしているが、要は減税しないということだ。
他の野党党首は減税に言及しているのに、自民と立民は歩調を合わせて減税に否定的だ。
立民の新代表が決まった段階で危惧していたが、野田氏と言えば、民主党政権時代に消費増税という財務省の戦略にまんまと乗り、一部では
「使い勝手ヨシヒコさん」
とも揶揄されていたらしい。
石破首相も、財政緊縮と金融引き締めで有名だった人だ。
衆院選では自民党と公明党は苦戦が見込まれ、自民の過半数割れを予測する人も少なくない。
有権者の動向によっては自公で過半数割れもあり得る状況だ。
その場合、負け方にもよるが、自公と立民による
「大連立」
にならないとも限らない。
仮に
「台湾有事」
になると、大連立の大義名分ができる。
そうした話は東日本大震災の時にあった。
実際には大連立にはならなかったが、当時の野田首相と野党だった自民党の谷垣禎一総裁はともに増税志向だったので、復興増税と2度の消費増税というホップ・ステップ・ジャンプという財務省の野望が実現した。
財務省は、大連立にならなくても、この東日本大震災の後の増税路線の再来を狙っているのではないか。
歴史は繰り返すという。
増税したい財務省からみれば、自民と立民の両トップが増税志向だというのは千載一遇のチャンスだ。
しかも、立民の野田代表は、過去の消費増税の立役者なので、再び増税をやってくれそうだと期待してもおかしくない。
今回は野党なので、石破首相を誘導することも考えられる。
野田代表から金融所得課税25%や法人税増税を言い出したのも、そのための戦略ではないだろうか。
早速、石破首相は防衛増税を言い出した。
金融所得課税は金持ち優遇の是正、法人税増税は利益をため込んで吐き出さない企業へのペナルティーというキャッチフレーズだろう。
そこで増税に勢いをつけ、次には社会保障にかこつけて再び消費増税というシナリオを財務省は描いているのではないか。 
(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

高橋洋一「日本の解き方」
石破首相が掲げた「アジア版NATO」の非現実度 日米地位協定見直しも含め…まず同盟国助けられない「憲法9条の改正」が先決だ
2024.10/18 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241018-E3LN6EODCRPCLKCBOJZXV7BG2M/
石破茂首相は自民党総裁選の際に掲げた
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」
の構想について所信表明演説では触れなかった。
だが、党内に議論する新組織を設置するよう指示した。
アジア版NATOは日本の安全保障に資するのか。
現実味のある構想なのか。
石破首相は総裁選で、日米地位協定の見直しにも言及した。
アジア版NATO創設と日米地位協定見直しは、根っこのところで今の日米安保条約と密接に関係しており、更にその背景には憲法問題がある。
そこで、まずは日米安保条約の条文を振り返っておこう。
ポイントは第5条と第6条だ。
第5条では
「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する」
としている。
第6条では在日米軍の地位について
「別個の協定などに規律される」
としている。
第5条は
「日本国の施政の下にある領域における」
と書いてあるので、日本が攻められた時に発動するもので、米国が攻められた時ではない。
これが
「相互」
安全保障ではなく、
「片務的」
安全保障と言われる所以だ。
これを前提として日米地位協定がある。
一方、NATO条約では、第5条で
「締約国は、ヨーロッパ又は北アメリカにおける一又は二以上の締約国に対する武力攻撃を全締約国に対する攻撃と見做すことに同意する」
「従って、締約国は、そのような武力攻撃が行われた時は、各締約国が、国際連合憲章第51条の規定によって認められている個別的又は集団的自衛権を行使して、北大西洋地域の安全を回復し及び維持するためにその必要と認める行動(兵力の使用を含む)を個別的に及び他の締約国と共同して直ちに執ることにより、その攻撃を受けた締約国を援助することに同意する」
とされており、明らかに異なっている。
日米安保条約が
「片務的」
なのは、日本の憲法9条で交戦権を否定しているからだ。
つまり、同盟国が攻撃された時でも、助けるために交戦できないのだ。
要するに、憲法9条を改正しないと、日米安保条約すら
「相互的」
にできない。
ましてアジア版NATO創設や日米地位協定見直しには到底辿り着けないのだ。
逆にいえば、憲法9条を改正し、日米安保条約を
「相互的な」
ものに改定すれば、ほぼ自動的に日米地位協定も見直せる。
日米安保条約を
「相互的」
なものに改定すれば、その先の将来像としてアジア版NATOもあり得るだろう。
もっとも、アジア版NATOは米国とアジア諸国が安全保障をどのように考えるかに依存するので、日本だけが考えてもできるものではない。
こうしてみると、党内でアジア版NATOを議論しても、大した結論にはならないだろう。
他国に話をしても
「日本の憲法問題が先だ」
と言われ、現実的な政治課題にはならない。 
(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

高橋洋一「日本の解き方」
衆院選で防戦一方の自民党、石破政権の政策がブレて争点にできず「政治とカネ」問題が前面に…「岸田政権の劣化コピー」とも
2024.10/16 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241016-T3XVBMVR7NOKBOI3DWZBFHVBLQ/
衆院選が2024年10月15日に公示された。
「政治とカネ」
の問題が表に出ているが、他には何が争点になるだろうか。
本来は、外交・防衛や内政を議論すべきであるが、首相就任は今月2024年10月1日、解散は8日後の2024年10月9日、投開票は26日後の2024年10月27日といずれも戦後最短だ。
解散から投開票までの18日間も戦後2番目の短さだ。
選挙日程は、3年前の岸田文雄政権とほとんど同じだ。
石破茂政権は、首相と同様に長らく
「党内野党」
だった
「お友達」
を重要閣僚に据えたが、官房長官は岸田政権から横滑りで、副大臣と政務官はほぼ岸田政権の居抜きである。
こうしたことから政策もほとんど岸田政権を踏襲し、岸田政権の劣化コピーとも言われている。
2024年10月4日の所信表明演説では、総裁選の公約をほぼ全面的に撤回した。
その前に実施された世論調査で、内閣支持率は岸田政権の末期からは上昇したが、それでも政権発足直後では過去最低水準で、
「ご祝儀」
はなかった。
その後、石破政権の変節が明らかになると支持率は下がっているとの調査もあり、焦った石破政権は、焦点を裏金問題にすり替えた。
そこで、不記載だった12人を非公認とし、30人以上を比例重複なしとした。
この判断について
「世論に迎合した」
とも言われるが、この場合の世論というのは非自民層なので、これで自民党に支持が戻るわけではない。
この措置の結果、これまでは
「自民単独で過半数割れ」
が懸念されていたのが、
「自民と公明党の与党で過半数割れ」
も視野に入ってきているという。
そもそも検察の捜査で刑事処分がなされ、それを受けて党規約に基づき党として既に決定した処分について、新総裁が追加処分したというのは
「一事不再理」
の原則に反し不当だ。
「ルールを守る」
と強調する石破首相が自ら破っている。
また、選挙の争点を
「政治とカネ」
の問題に絞ることは、選挙戦術としてもまずい。
野党は
「処分は甘い」
と更に攻勢をかけてくるのは必至だ。
更に、これまで党内野党に対しては寛容だった週刊誌などのメディアも、閣僚のスキャンダルを出し始めた。
このため、ますます政策議論になりにくい状況だ。
実は、外交・防衛や内政を争点にするといっても、石破政権はブレブレでほとんど前言を撤回しているので話にならない。
「憲法7条による解散は違憲の疑い」
と言っていたが、解散してしまった。
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」

「北朝鮮との連絡事務所設置」
などは所信表明演説では姿を消し、
「原発ゼロ」

「選択的夫婦別姓導入」
も後退し、
「金融所得課税強化」
もなくなった。
「最低賃金1500円」
のように変えていないものもあるが、立憲民主党より左で、れいわ新選組並みの政策なので争点になりにくい。
能登の災害に対する措置を予備費か補正予算にするかについても、現実に
「補正予算なし」
なので、ここも争点になりにくい。
結果的に
「政治とカネ」

「スキャンダル」
が争点になれば、自民党は防戦一方だろう。
 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

「『政治とカネ』法律家の立場からは時間の無駄」今の日本に後ろ向きの議論する時間はない
弁護士・田中善信氏
2024/10/18 15:30
https://www.sankei.com/article/20241018-G7YZXJ7CXVLBHC7O5KKLPLPW2Q/?outputType=theme_election2024
27日投開票の衆院選について、弁護士で群馬「正論」懇話会会長の田中善信氏(81)は産経新聞のインタビューに応じ、
「『政治とカネ』の問題は大事なことだが、政治資金規正法をきちんと改正すれば済む話だ」
と指摘した。

今回選挙では、
「政治とカネ」
の問題が大きな争点とされていますが、法律家の立場から言わせて頂くと、東京地検が時間をかけて捜査した以上、更に時間を掛けても新事実が出ることはなく時間の無駄だと思う。
政治にとって最も重要なのは国民の安全と生活を守ることです。
日本周辺には中国、北朝鮮、ロシアという核を保有し核兵器の増産を続ける独裁的国家群がミサイルの矛先を日本に向けている。
備えるには、しっかりとした法制度と軍備を整える必要がある。
最大の法整備は憲法改正だ。
そのためにも与党を中心に改憲に必要な議員数を確保すべきで、選挙で最も問われるのはその点だと思います。
今の日本に後ろ向きの議論をしている時間はありません。
石破茂政権は、国民の声を聴くという姿勢を見せてはいますが、ポーズだけのように見えます。
大事なのは国民、とりわけ将来を担う若者や子供たちが希望を持てる国づくりです。
彼らが望むのは金銭的援助というより日本の明るい未来や希望ではないでしょうか。
その意味でも、党総裁選で多数の党員が支持した高市早苗・前経済安全保障担当相の政策や提言を取り入れることも大切だと思います。
その上で、石破首相には国民の安全と生活を守るための憲法改正に向け、先頭に立って頂きたい。
投票率の低下、長期低迷傾向も将来に対するビジョンを示せない政治家が多いからです。
自身の選挙の事ばかり考え、日本のためにという志をもった政治家が少なくなっていることが原因だと思います。
「政治とカネ」
の問題は大事なことですが、政治資金規正法をきちんと改正すれば済む話です。
近視眼的ではなく、もっと巨視的に日本の将来を考える政治家はいないものでしょうか。
真に将来を語れる政治家が出てくれば、投票率も自然と上がり、国民ももっと政治に関心を持つでしょう。
群馬県からは戦後、4人の首相が誕生している。
土壌はあるはずです。
■たなか・よしのぶ
群馬県富岡市出身。
昭和49年に弁護士登録。
群馬弁護士会に所属し民事、刑事から労働問題、破産や債券回収など幅広くカバー。
特に、警察が手を付けられない事件化以前の、いわゆる民事介入暴力の第1人者として数々の事案解決に尽力。
県警察署協議会会長や県警特別講師などを務め県警特別功労賞受賞。
令和3年12月から群馬「正論」懇話会会長。

自民党、過半数割れの可能性 立憲民主党、公示前より議席上積み 日本保守党、複数議席獲得へ 報道各社、衆院選序盤情勢調査
2024.10/17 11:31
https://www.zakzak.co.jp/article/20241017-WLKH5R2JLFMA3JBPQ2QASGGTBA/
第50回衆院選(27日投開票)について、報道各社の序盤情勢調査が出揃ってきた。
自民党は石破茂首相(総裁)の
「変節」
や、派閥裏金事件などが響き、定数465議席の過半数(233)に届かない可能性が出てきた。
単独過半数割れとなれば、2009年以来となる。
立憲民主党は公示前の98議席から議席を増やし、ベストセラー作家の百田尚樹氏が立ち上げた政治団体
「日本保守党」
は複数議席を獲得しそうだ。
共同通信によると、全289選挙区のうち、自民党(公示前256)がリードしているのは140程度で、接戦区が多い。
比例代表で前回選挙(20年)の72議席を下回るのは避けられない情勢だ。
公明党は公認候補を立てた計11選挙区の全勝は難しい情勢。
自民党との連立与党では過半数を維持する見込み。
立憲民主党は公示前の98議席を超える公算が大きい。
日本維新の会は大阪の小選挙区は堅調だが、比例の支持の広がりに欠け、公示前の43議席に手が届かない可能性がある。
共産党は公示前の10議席程度の獲得が見込まれる。国民民主党も公示前の7議席から上積みする勢い。れいわ新選組は比例で複数議席を確保できそうだ。
社民党は小選挙区の1議席死守が課題。
参政党は支持浸透が見られない。

与党過半数巡り攻防 不記載響き自民低調、立民勢い 衆院選序盤情勢
2024/10/17 5:00
https://www.sankei.com/article/20241017-AEBKGSGRPZMN7EBF43MGFUUFOI/?outputType=theme_election2024
27日投開票の第50回衆院選について共同通信社は15、16両日、全国の有権者15万6千人を対象に電話調査を実施し、取材を加味して公示直後の序盤情勢を探った。
自民党は派閥パーティー収入不記載事件が響き低調。
公明党も伸び悩む。
立憲民主党は議席増へ勢いを見せる。
定数465議席の過半数(233)を巡り、与野党の攻防が続いている。
小選挙区では投票先未定が3割近くおり、今後、情勢は変わる可能性がある。
全289選挙区のうち、自民(公示前勢力256)がリードしているのは140程度にとどまり、接戦区が多い。
比例代表で令和3年前回選の72議席を下回るのは避けられない情勢だ。
単独過半数を維持できるかどうか予断を許さない。
不記載事件に関係し、公認されなかった候補の大半は厳しい戦い。
重複立候補が認められなかった候補も半数近くが先行されている。
立民は公示前の98議席(比例含む)を超える公算が大きい。
無党派層でも支持が拡大しつつある。
前回選で39だった比例議席も増やしそうだ。
日本維新の会は地盤の大阪府の小選挙区で堅調。
だが全国的に比例の支持の広がりがいまひとつで、公示前の43議席に手が届かない可能性もある。
公明は公認候補を立てた計11選挙区の全勝は難しい情勢。
維新と争う大阪府の4小選挙区で苦戦が目立つ。
埼玉14区に出馬した石井啓一代表も激戦。
比例も伸びを欠いており、小選挙区と合わせた公示前の32議席を堅持できるか微妙だ。
共産党は小選挙区1議席を維持しそうだ。
比例次第で、公示前の10議席程度の獲得が見込まれる。
国民民主党も公示前の7議席から上積みする勢い。
れいわ新選組は比例で複数議席を確保できそうだ。
社民は小選挙区の1議席死守へ全力を挙げる。
参政党は支持浸透が見られない。
政治団体
「日本保守党」
は複数議席を得る可能性がある。

自公、全国で苦戦 「政治とカネ」国民から厳しい視線、立民躍進 衆院選序盤調査
2024/10/17 5:05
https://www.sankei.com/article/20241017-AEPDUY4J7VP3RG6G4WBNPM3FXY/?outputType=theme_election2024
15、16両日に共同通信社が実施した衆院選の序盤情勢調査では、自民、公明両党が全国で苦戦している状況が浮き彫りとなった。
「政治とカネ」
の問題を受け、自民は一部を非公認とするなどの対応を取ったが、国民からの厳しい視線は向けられたままだ。
一方、立憲民主党は躍進する見通しだが、主要野党との候補者一本化は限定的で、立民が目標に掲げる
「比較第一党」
には届かなそうだ。
■お詫びしながら臨む選挙
石破茂首相(自民総裁)は16日、香川県内でマイクを持ち、派閥パーティー収入不記載事件について
「こういうことが2度とないように、深く国民の皆さま方にお詫びをしながらこの選挙に臨んでいる」
と述べ、自公政権の継続を訴えた。
野党は不記載事件を巡って自民への批判を強めており、立民の野田佳彦代表は16日、新潟県内での演説会で
「裏金隠し解散だ」
「有権者がペナルティーを与えるしかない」
と主張した。
衆院選の勝敗ラインについて、首相と公明の石井啓一代表は、自公政権を維持するための最低条件となる両党での過半数(233議席)獲得と位置付ける。
自民の公示前勢力は256議席で、政権を奪還した平成24年の衆院選以降、4回連続で単独過半数を獲得してきた。
だが、自民の森山裕幹事長は14日の報道各社のインタビューで
「自民単独でどうするかということをまだ考える余裕はない」
と強調。
このまま低調な状況が続けば、自民が下野した平成21年衆院選以来の単独過半数割れの可能性も見えてくる。
自民は不記載事件に関係した旧安倍派幹部ら12人を非公認とし、30人以上の比例代表への重複立候補を認めない対応を取った。
国民の理解を得るために厳しい選択をした形だが、別の自民関係者は
「非公認で出馬となれば有権者の情が沸く可能性もあるが、党公認で立候補して比例重複だけ認めないというのは分かりにくい」
「理解を得られるだろうか」
と表情を曇らせた。
■野党は候補者調整進まず
一方、野党は不記載事件での自民批判で足並みをそろえるものの、候補者調整は進まなかった。
289の小選挙区のうち、立民、共産両党は142の小選挙区で競合。
与党公認候補と、立民、日本維新の会、共産、国民民主党の主要4野党のいずれかの公認候補が
「一騎打ち」
で争うのは、52の小選挙区にとどまる。
立民の野田氏は
「最低限の目標は自公の過半数割れ」
と息巻くが、共産は野田氏の保守的な路線に反発、候補者調整は多くの小選挙区で整わなかった。
野党乱立の構図となった今回の衆院選では、与党への批判票が分散しており、今後の情勢次第では野党の議席数の伸びの足枷となりかねない。

<主張>衆院選と経済 物価高克服への道筋競え 成長を展望できる具体論を
社説
2024/10/17 5:00
https://www.sankei.com/article/20241017-KHQMFV4RCBJKVHZLRWQHWPRCYI/
衆院選における与野党の論戦で、有権者が高い関心を寄せているのが経済政策である。
物価高にどう対処するのか。
賃上げの動きを確かなものにできるのか。
何よりも、日本経済は長期停滞を脱して将来への展望が開けるのか。
問われているのはそのための具体的な処方箋だ。
各党はこぞって給付金や減税などの聞こえのいい政策を並べているが、具体化への道筋や実現可能性を明確に示せなければ国民の納得は得られまい。
デフレ時代に戻らぬよう経済を底上げし、豊かさを実感できる持続的成長に繋げることが肝要だ。
各党には、バラマキに陥ることなく、中長期的に経済活力を高めるための効果的な戦略を競い合ってもらいたい。
■「デフレ脱却」を確実に
日本経済は今、歴史的な転換期にある。
食品などの幅広い品目で値上げが定着するだけでなく、賃上げの動きは中小企業にも広がりを見せつつある。
「物価も賃金も上がらない」
というデフレ下の社会通念は着実に変化してきた。
既に日銀は利上げに転じ、デフレ脱却を眼目とする異次元緩和路線の修正に踏み出した。
「金利のある世界」
の復活は超低金利下での国債大量発行に支えられた財政運営にも変革を促す。
そうした情勢も踏まえて各党の政策を見極めねばならない。
当面の経済政策で課題となるのは、物価高に伴う消費の弱さである。
8月の実質賃金は3カ月ぶりに減少し、物価高に賃上げが追いつかない状況は今も残る。
ここに効果的な手を打てずデフレからの完全脱却が遠のけば元も子もない。
これは各党に共通する認識だろう。
自民党は公約で、人や技術への積極投資で成長力を強め、その果実を国民に分配すると訴えた。
岸田文雄前政権の路線を踏襲するものだ。
石破茂首相が唱える
「コストカット型経済」
からの脱却もそうである。
だが、それで十分なのか。
衆院選後には経済対策やそれを裏付ける補正予算の編成が予定される。
自民は当面の物価高対策として低所得世帯向けの給付金を約束した。
石破首相は昨年を上回る大型補正予算を編成する意向も示した。
ならば自民が目指す経済対策の中身について、もっと多くを明示すべきだ。
そもそもデフレからの完全脱却をいつ達成できると想定しているのか。
そのため優先すべき政策は何か。
これらを明確に示すことが与党である自民、公明党に求められる責務だろう。
野党の公約で目立つのは消費税や所得税などの減税・撤廃や社会保険料の引き下げだ。
消費を促し経済成長に繋げる狙いがある。
消費税については日本維新の会や共産党、国民民主党などが減税を訴え、れいわ新選組は制度の廃止を求めている。
そこに現実味はあるのか。
■減税の必然性どこまで
物価高が深刻といっても、リーマン・ショックや新型コロナウイルス禍の時のような危機的状況ではない。
高齢化で社会保障費が膨らむ中で、安定財源の消費税に手を付ける必然性は吟味しなくてはなるまい。
国民民主は実質賃金が安定的にプラスになるまで税率を5%にするというが、これを元に戻すときには増税となり、景気を下押しする影響もあろう。
各党は減税の詳細をもっと語るべきだ。
具体的な道筋を示さなければ無責任である。
立憲民主党は現行の消費税の軽減税率に代えて中低所得者向けの
「給付付き税額控除」
を提案するが、制度の大幅変更を円滑に進められるのか。
納得できる説明を尽くすべきである。
「分厚い中間層の復活」
を掲げる立民の公約には、最低賃金引き上げや人への投資など自民と似通う部分もあるが、違いを浮き立たせたいのか、理解に苦しむ項目もみられる。
アベノミクスの象徴である
「2%」
の物価安定目標を
「0%超」
にすると打ち出したのもそうだ。
そもそも0%超は2%も含むので目標として曖昧すぎる。
2%に縛られない柔軟な金融政策を求めたいのだろうが、プラス圏でよしとする変更の結果、賃金の大幅増に向けた機運まで妨げられないか。
そうなれば脱デフレも見通せなくなろう。
与野党には、日本経済の生産性や国際競争力を高め、潜在成長率を向上させる成長戦略についても論じ合ってほしい。
デジタル化や規制緩和などの項目を羅列するだけではなく、優先順位を付けて確実に実行に移せるかどうかが問われよう。

40日抗争と首相の天命 
阿比留瑠比の極言御免
2024/10/17 1:00
https://www.sankei.com/article/20241017-4FNAJUF63FN4XK2F5S34QSTADI/?outputType=theme_election2024
「本当に40日抗争の再来があるんじゃないか」
衆院選公示当日の15日、永田町でこんな予想がささやかれていると聞いた。
選挙結果がどうなるのかはまだ分からないのだから、現時点ではあくまで一つの見立てにすぎないが、あり得る話だと妙に得心した。
40日抗争とは、45年前の昭和54年10月の衆院選での敗北と過半数割れをきっかけに、自民党主流派の大平派、田中派と反主流派の福田派、三木派、中曽根派などが40日間にわたり繰り広げた派閥間の争いのことである。
このとき、自民党は首相候補を一本化できず、大平正芳首相と福田赳男前首相の2人が首相指名選挙に出る異例の事態となった。
結局、首相には大平氏が再選されたものの組閣は難航し、抗争はさらに続いたのだった。
古い話のようだが、今回の衆院選では自民、公明両党の獲得議席が目標の過半数(233)に及ばない可能性も指摘されており、もしそうなれば衆院解散を急いだ石破茂首相の退陣を求める声が、自民内から噴き出すのは必至である。
過半数に届かない場合、日本維新の会、国民民主党、保守系無所属議員らの取り込みや、新たな連立の枠組み作りが喫緊の課題となる。
仮に与党で過半数は確保できても、自民が大きく議席を減らせばやはり石破首相の責任論に直結する。
麻生太郎内閣の農林水産相でありながら、麻生氏に身を引くよう要請したり、第1次安倍晋三内閣時の参院選で自民が大敗した際、安倍氏の責任を厳しく問うたりした自らの過去の言動が襲い掛かってくる。
また、石破首相が
「党内融和より国民の共感」
だと強調し、パーティー収入不記載事件を巡って福田派の流れをくむ旧安倍派を狙い撃つかのような二重処分を断行したことで、抗争の芽は十分に育っている。
党の判断に従って政治倫理審査会に出席しなかった議員まで、説明責任を果たしていないと決めつけて非公認にした首相のやり方は、党内に分断の種をたくさんばらまいている。
40日抗争は尾を引き、抗争翌年の昭和55年5月に野党が内閣不信任案を提出すると、自民の反主流派は衆院本会議を欠席し、不信任案は可決された。
これを受けて大平氏は衆院を解散(ハプニング解散)して初の衆参同日選に打って出たが、選挙中に心不全で急逝している。
■「天の声にもたまには変な声がある」
抗争に負けた福田氏は抗争前年の昭和53年には、現職の首相・総裁として本命視されていた自民党総裁選に敗れてこう述べた。
この場合、天の声とは党員・党友、つまり民の声のことである。
一方、安倍氏との一騎打ちとなった総裁選を控えた平成30年夏に香川県観音寺市で大平氏の墓参をした石破氏は、今回の総裁選前に出版した著書『保守政治家 わが政策、わが天命』の中でこう記している。
「もし私などが首相になるようなことがあるなら、それは自民党や日本国が大きく行き詰まった時なのではないか」
「しかも、それは天が決めること」
「天命が降りない限り、それはありえないということでしょう」
自らの首相就任は天命によるということか。
それでは、衆院選という民の声が直接反映される場面で、石破首相はどんな天の声、天命を知るだろうか。
まさか
「変な声」
「変命」
などと愚痴り出すことはないと思いたいが。

衆院解散 産経「外交・安保の政策論争を」 朝毎東 政治とカネで自民糾弾
社説検証
2024/10/16 9:00
https://www.sankei.com/article/20241016-VSS2FRVN6JPG5PKSB4GS7655UM/
衆院選が15日に公示された。
投開票日は27日だ。
石破茂内閣は1日に発足したばかりで、首相就任から8日後の解散、26日後の投開票は戦後最短である。
主要各紙は解散翌日の社説で、石破氏が予算委員会も開かずに解散を急いだことを
「丁寧な論議をしなかった」(産経)、
「有権者が判断する材料は不十分」(毎日)
などと、いずれも批判的に伝えた。
一方、
「政権選択の選挙」
である衆院選で、何が重視されるべきかについては見解が分かれた。
国民を守ることができる外交・安全保障政策の重要性を訴えた産経に対し、朝日、毎日、東京各紙は自民党の派閥パーティー収入不記載事件を巡る
「政治とカネ」
問題を挙げ、政治への信頼回復を重視した。
産経が指摘したのは、今回の衆院選が、日本を取り巻く安保環境が極めて厳しい中で行われるという現実だ。
政治とカネの問題が
「争点の1つになるのは当然だろう」
としつつも、解散当日の国会での党首討論で外交安保がほとんど語られなかったことを嘆き、各政党と候補者に
「日本を守り繁栄させる政策を大いに論じなければならない」
と強く促した。
特に政権交代を唱える立憲民主党に対しては、集団的自衛権の限定行使の容認を
「憲法違反」
とする立場であることを危惧し、このまま政権を取れば
「日米同盟は空洞化する」
と難じた。
読売も、政治とカネの問題で迷走する自民に苦言を呈しつつ、党首討論で立民などがこの問題の追及に大半の時間を費やしたことを疑問視し、
「日本が直面している課題はそれにとどまらないはずだ」
と強調した。
少子化対策や社会保障政策の必要性と共に、悪化した安保環境への対応を
「待ったなしの課題」
とし、議論を深めるよう呼び掛けた。
朝日、毎日、東京の社説は、安保環境の現実にはほとんど触れず、政治とカネの問題に紙幅を割いた。
毎日は、
「裏金問題は、不透明なカネを使って党勢を維持し、権力の座にあぐらをかく自民の実態を浮き彫りにした」
ととがめ、この問題に各党がどう向き合うかが
「今回の衆院選の最大の焦点」
と位置付けた。
東京も、今回の解散を
「裏金解散」
と呼び、裏金議員に
「職にとどまる資格があるのか否か」
「審判を下すのは私たち有権者だ」
と力説する。
石破首相が総裁選で訴えた政策の多くを棚上げしたことも批判し、
「自民党の『中身』が変わるかどうかを見極めねばなるまい」
とした。
朝日は、衆院選の争点を
「石破政権に対する審判」
だけでなく、
「岸田(文雄)前政権の3年間の実績への評価」、
更には
「7年8カ月に及んだ安倍(晋三)長期政権の総括」
に広げるべきだとする主張を展開した。
立民など野党に対しては
「どこまで国民の心を掴むことができるか」
「その真価が試される」
とし、
「自民への失望という『敵失』頼み」
でなく、
「信頼に足る政策を打ち出せる」
ことが重要と指摘した。
立民の野田佳彦代表は
「政権交代こそ、最大の政治改革だ」
と訴えている。
だが、もしも与党が過半数割れした場合、どんな政権ができるのか見えてこない。
産経は、新たな政権の枠組みを示さない立民を批判し、枠組みが曖昧なまま
「選挙区調整だけに走るとすれば、議会制民主主義の軽視となる」
と断じた。
逆に毎日は、個別政策で異なる部分があっても、野党は候補者を一本化し、
「裏金問題についての民意が投票結果に反映される構図を作り出すべき」
だと唱えた。
産経は、論争すべきテーマとして
「国の根幹に関わる憲法改正」
も挙げた。
国民の多くが自衛隊を認め、その活動に期待している。
にもかかわらず自衛隊は日本国憲法に明記されず、未だ多くの憲法学者が自衛隊違憲論を唱えている。
産経が指摘するよう、この
「異様な状態」
を早急に改めなければなるまい。
内外の情勢は混迷を極めている。
だからこそ各党、各候補者は、現実を踏まえ、将来を見据えた政策を訴えるべきだ。
■衆院解散をめぐる主な社説
【産経】
・日本守り抜く政策訴えよ/政権を託せるのはどの党か
【朝日】
・政治への信頼取り戻せるか
【毎日】
・自民政治のゆがみ問う時
【読売】
・与野党の力量が問われている/国難を乗り越える処方箋を示せ
【東京】
・「裏金」に審判を下そう(いずれも10日付)

<産経抄>後世に胸張れる選択を、衆院選の公示    
2024/10/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20241016-PX4FA2XQORLYPMAHTK6SAE6G3I/
選挙結果を国民の
「肖像」
に例えたのは、大正期に東京市長などを務めた後藤新平である。
どんな政党も、
「選挙という種板(写真の原板)に採影せられたる国民の写真である」。
写りの美醜に有権者も責任を負いなさい―と。
▼大正14(1925)年に日本で普通選挙法が公布されてから、間もない頃の発言という(『大正・昭和戦前期 政治・実業・文化 演説・講演集』日外アソシエーツ)。
それまでの納税要件が廃止になり、満25歳以上の男子が選挙権を手に入れた。
▼女性の選挙権は戦後まで待たねばならないものの、普選の幕開けから100年となる来年2025年は1つの節目だろう。
選挙権の行使について、後藤はこうも述べた。
「その醜い写真を修正し、後世、子孫に誇り得る立派な肖像を、我が憲政史上に残す用意と覚悟がなければならぬ」
と。
▼卓説からほぼ100年経った今も、政治不信をどう拭うかが大きなテーマであり続けているのは残念でならない。
さりとて先送りできない課題は他にも山積し、有権者の肩に食い込む荷は重い。
こちらは節目の第50回となる衆院選が公示された。
▼世界は緊迫の度合いを高めている。
台湾情勢の行方によっては、次の政権が
「有事」
に直面するかもしれない。
国家と国民を守る覚悟を持った政治家は誰か。
有権者の眼力が、これまで以上に問われる政権選択選挙になろう。
後世に恥じることのない肖像を残したいものである。
▼「票」
という字は、細かい火の粉が舞い上がる様を表している。
政党や候補者が論戦に火花を散らし、票を奪い合うなら大歓迎である。
少子化や社会保障などの課題も待ったなしだ。
有権者の胸にくすぶる不安と不満の火を、大事な1票に託す選挙でもある。

<主張>衆院選公示 日本の針路掲げて論戦を
社説
2024/10/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20241016-7IBUR7K47ZPCJOOKSB7FJKVUPM/
第50回衆院選が公示された。
石破茂首相が率いる自公連立政権の信を問う選挙である。
有権者はどの政党、候補者に日本を託すべきかを十分吟味し、一票を投じてもらいたい。
今回の衆院選は
「1票の格差」
を是正するため、小選挙区定数を
「10増10減」
するなど、25都道府県の140小選挙区で区割りが変わった。
有権者はよく候補者を確認し、訴えに耳を傾け、投票では間違いのないようにしたい。
日本を取り巻く安全保障環境は厳しい。
日本の独立と繁栄、国民の生命と暮らしがかかった政権選択選挙である。
有権者はこのことを自覚し、投票先を決めてほしい。
臨時国会では論戦の時間が短く、国民に十分な判断材料を提示したとは言い難い。
各党、各候補者は選挙戦で具体的な政策を示し、在るべき日本の針路を丁寧に論じねばならない。
「政治とカネ」
の問題が衆院選で問われている。
同時に国民を守り抜く外交安保政策に関し議論を深めるべきである。
首相は岸田文雄前首相の路線を継承する姿勢を示しているが、総裁選で掲げたアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想の検討を自民に指示した。
首相に曖昧さがあるのは否めない。
立憲民主党は日米同盟が基軸だと主張する一方で、集団的自衛権の限定行使は
「憲法違反」
との立場を崩さず、同盟強化に逆行している。
各党は防衛力の抜本強化と抑止力向上の具体策を競い合うべきだ。
少子化対策も重要な争点の1つだが、給付拡大の訴えが中心で、財源確保策について各党は余り語ろうとしていない。
これでは無責任である。
物価高に負けない持続的な賃上げによるデフレからの完全脱却の方策についても、議論を尽くすことが求められよう。
北朝鮮による拉致問題や国の根幹である憲法改正について、活発な論戦になっていないのは残念だ。
憲法改正で与野党論議を主導すべき首相は、自衛隊明記や緊急事態条項創設の意義について国民の理解を深めるべく、もっと説かねばならない。
安倍晋三元首相暗殺で要人警護の在り方が見直されてから初の大規模な国政選挙である。
暴力による言論封じは許されない。
警備に万全を期したい。

<主張>衆院選討論会 重要政策の論議を続けよ
社説
2024/10/13 5:00
https://www.sankei.com/article/20241013-SDOHJLP4KNKB3MKF2FXZ2JKJUY/
15日の衆院選公示を前に、日本記者クラブ主催の党首討論会が開かれた。
先の臨時国会では専ら
「政治とカネ」
の問題が取り上げられた。
今回の討論会では国内外の諸課題についても議論が展開され、有意義だった。
政治への信頼を回復する上で政治資金の問題は重要である。
同時に、実際の国政運営でどのような政策を遂行していくかを示すことは欠かせない。
有権者にとって投票の判断材料になるからだ。
ただし、理解に苦しむ場面もあった。
石破茂首相は解散前の国会論戦に関し
「有権者が判断する材料をきちんと提供しなければ無責任だ」
「私は一生懸命自分の言葉で答えた」
と語った。
予算委員会を見送ったにもかかわらず、首相の認識は世間の感覚からかけ離れている。
首相は立憲民主党の野田佳彦代表にウクライナへのロシア侵略を巡り、なぜ抑止が破綻したのか見解を質した。
これに対し、野田氏は東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議にバイデン米大統領が欠席したことを引き合いに出し、
「国際会議に米国を呼び込む外交努力はもっと大事だ」
と述べた。
抑止の破綻について正面から答えない無責任な態度だった。
立民が訴えている
「給付付き税額控除」
については、他党から過去との矛盾を指摘する声が上がった。
旧民主党の野田政権時に当時の安住淳財務相が、税額控除の申請が膨大な数に上ることが想定されるため
「難しい」
と語っていたためだ。
野田氏は整合性のある答えを示せなかった。
野党連携に関し
「対話を続ける」
と述べたが、衆院選後に想定する連立の枠組みを明らかにしなかったことはおかしい。
首相には安全保障政策で不明瞭な発言があった。
アジア版NATO(北大西洋条約機構)の構成国に中国を含むのかを問われ、
「一切の可能性を排除しない」
と述べた。
中国が構成国になり得る国に変化する場合には、アジア版NATOはそもそも要らないではないか。
憲法改正については国民民主党の玉木雄一郎代表が緊急事態条項の創設に関連し、大規模災害時などの国会機能維持について早期の改正を促したが、それ以上深まらず残念だった。

<主張>石破首相の初外遊 国際秩序の担い手となれ
社説
2024/10/12 5:00
https://www.sankei.com/article/20241012-YV3266KOENKKBGBAY5YZN6CNSM/
安全運転の外交デビューではいささか物足りない。
石破茂首相は自由で開かれたインド太平洋、国際秩序の担い手として首脳外交を積極的に展開していく必要がある。
石破首相が就任後初めて外遊した。
ラオスで東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の首脳会議に出席し、日中、日韓などの首脳会談を行った。
衆院解散後でもラオスへ足を運んだのは妥当だ。
バイデン米大統領の姿はなく、日本の首相も不参加なら李強首相が出席する中国の存在感が高まってしまう。
石破首相の外遊はそれを防ぎ、日本がASEANと連携する意思を示す意義があった。
ASEANと日中韓3カ国の首脳会議で石破首相は、中国を念頭に
「力や威圧による一方的な現状変更の試みを許容してはいけない」
と牽制した。
日中首脳会談では
「戦略的互恵関係の包括的推進」
で一致した。
李首相に対し、中国軍の動向への深刻な懸念を伝えた。
日本人男児刺殺事件や中国軍機の領空侵犯について説明を強く求めた。
中国が拘束する邦人の早期釈放や日本の排他的経済水域(EEZ)内の中国ブイの即時撤去、日本産水産物輸入の早期再開も促した。
台湾海峡の平和と安定の重要性を指摘した。
日韓首脳会談ではシャトル外交の継続や安保協力の推進などで一致した。
石破首相はラオスで、持論のアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想を封印した。
岸田文雄前首相の外交路線を踏襲した形で、日本の抱く懸念を李首相に直接伝えたこともあり、初外遊は無難に遂行したと見做されているようだ。
だが中国と戦略的互恵関係など築ける時代なのだろうか。
また、石破首相は自民党総裁選でアジア版NATOを不用意に掲げたため、ASEAN諸国から不安視される中でのスタートだった点を忘れてはならない。
マイナスからの出発で安全運転に徹しても存在感は示せない。
フィリピンのマルコス大統領はASEANと中国の首脳会議で南シナ海問題を巡り中国を直接批判した。
石破首相も日中の個別会談だけでなくASEAN首脳の前でも名指しで中国の問題行動を難じるべきだった。
ベトナム首相と会談したが、日越比の首脳会談を開く選択肢もあったのではないか。

<主張>政治とカネ 再発防止策も丁寧に語れ
社説
2024/10/11 5:00
https://www.sankei.com/article/20241011-DR2B2U63YFPI3ED6H4HTFQGRQA/
事実上始まった衆院選では
「政治とカネ」
を巡る問題が争点となっている。
自民党はパーティー収入不記載事件に関連し前議員らを非公認にしたり、比例代表への重複立候補を認めなかったりする方針だ。
野党は
「不十分だ」
と批判している。
野党との対決を前に、石破茂首相による党内の非主流派潰しの様相を呈しているとの指摘も出ている。
有権者の投票判断の材料にすべき課題は他にもある。
政治資金の透明性確保と事件の再発防止の具体策だ。
立憲民主党、日本維新の会、公明党、国民民主党などは、政党から国会議員に支出される使途の報告義務がない
「政策活動費」
の廃止を訴えている。
自民は公約に
「将来的な廃止も念頭に」
改革に取り組むと記した。
首相は今回の衆院選では
「使うことはある」
と語った。
立民が先の通常国会でパーティー禁止法案を提出しながら、同党幹部らが開催していたことを想起させるものだ。
党務を預かっていた茂木敏充前幹事長は自民総裁選で、廃止は可能と語っていた。
今の自民の姿勢は有権者から見て分かりにくい。
国会議員に支給される調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の使途公開は、衆院選後の国会で直ちに関連法を改正して実現すべきだ。
政治資金を監視する第三者機関の制度設計も急がれる。
立民、維新、共産党などが唱えている企業・団体献金の禁止には賛成できない。
企業や労働組合なども民主主義社会の構成員である以上、政治活動の自由は認められるべきだ。
一般国民からの個人献金が定着していない日本で企業・団体献金を禁止すれば、世襲ではない人や、業界団体、宗教団体などの背景を持たない人にとって選挙活動は極めて不利になる弊害も出てくる。
企業・団体の幹部が分散して、個人として献金する抜け穴を塞ぐことも難しい。
却って日本の議会制民主主義を後退させかねない。
一方、外国人・外国法人のパーティー券購入禁止の議論が低調なのは残念だ。
国政が外国勢力からの影響を受けるのを防ぐために禁止は欠かせない。
不記載事件の動機は今も分かっていない。
自民は明らかにする責任がある。

<主張>衆院解散 日本守り抜く政策訴えよ 政権を託せるのはどの党か
社説
2024/10/10 5:00
https://www.sankei.com/article/20241010-KWGTCTQYKVIWLBZR4XMFA2XQJM/
衆院が解散され、事実上の選挙戦が始まった。
解散は天皇陛下の国事行為である。
石破茂内閣は臨時閣議で
「15日公示、27日投開票」
の日程を決めた。
衆院選は3年ぶりだ。
新首相の就任から8日後の解散、26日後の投開票は戦後最短の決戦となる。
衆院選は政権選択選挙だ。
各政党と候補者は有権者の前で、日本を守り繁栄させる政策を大いに論じなければならない。
解散を前に国会で行われた党首討論で石破首相(自民党総裁)は、派閥パーティー収入不記載事件への対応を批判され防戦一方となった。
■安全保障をなぜ語らぬ
政治資金の透明性確保や不記載事件の再発防止を進め、政治への信頼を取り戻すことは重要だ。
政治とカネの問題が争点の1つになるのは当然だろう。
ただし、党首討論は衆院選を前に、日本の将来に向けた政策を競い合う場でもあるべきだった。
ところがそうならなかったのは、全閣僚出席の予算委員会を開いて丁寧な論議をしなかったことが響いている。
石破首相の所信表明演説後、代表質問と党首討論をしただけで解散したのは残念だった。
石破首相と自民は、不記載議員らの一部を対象に非公認の数を増やしたが、有権者が評価するかは不透明だ。
党首討論では外交安全保障がほとんど論じられなかった。
日本を取り巻く安全保障環境が極めて厳しい中で信じ難いことである。
習近平中国国家主席の共産党総書記の任期の関係から、台湾有事が令和9(2027)年までにあるかもしれないと危惧されていることを忘れたのか。
「台湾有事は日本有事」
と言われる。
今回の衆院選で選ばれる議員と彼らが指名する首相は、台湾有事を抑止するため働き抜かねばならない。
もし有事になれば、先頭に立って国家国民を守り抜く重責を担う。
有権者はそれに相応しい議員を選ばなければなるまい。
全ての政党と候補者は現下の国際情勢に対する認識と、今後起こり得る危機の抑止と対処の具体策を語るべきだ。
野党第一党の立憲民主党の安全保障に関する姿勢は、極めて危うい。
日米同盟の抑止力を格段に高めた集団的自衛権の限定行使の容認を
「憲法違反」
とする立場だからだ。
立民の衆院選公約は、限定行使を認める安保関連法について
「違憲部分を廃止する」
という従来方針を踏襲した。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古移設工事は
「中止」
すると明記した。
この政策のまま政権をとれば日米同盟は空洞化する。
旧民主党の鳩山由紀夫政権が同盟の危機を招いた二の舞いとなるだろう。
これも分からない立民の野田佳彦代表に果たして政権担当能力があるだろうか。
■立民は政権枠組み示せ
立民は、衆院選での与党過半数割れや政権交代の実現を叫んでいる。
にもかかわらず、この目標を達成した時の新たな政権の枠組みを示していないのはおかしい。
これでは有権者の判断材料が揃わない。
目指す政権の枠組みを曖昧にして選挙区調整だけに走るとすれば、議会制民主主義の軽視となる。
選挙戦で聞きたいテーマの1つが、国の根幹に関わる憲法改正だ。
日本国民の多数が自衛隊を認め、期待する時代になった。
ところが多くの憲法学者は自衛隊違憲論を唱えている。
このような異様な状態は改めたい。
憲法への自衛隊明記は改憲に前向きな各党で意見集約が進んでおり、是非早期に実現したい。
改正のゴールは
「戦力不保持」
を定めた第9条2項の削除と軍の規定の創設だ。
そうなって初めて世界の他の民主主義国と同様に国民を守る体制が整う。
首都直下地震、南海トラフの巨大地震などの大規模災害や有事への懸念が高まる中、緊急政令を含む緊急事態条項の創設も急務である。
各党が論じるべき政策課題は他にもある。
物価高に負けない持続的な賃上げによるデフレからの完全脱却、原発を含むエネルギーの在り方、少子高齢化を背景にした人口減少などだ。
国民受けする政策だけでなく
「痛み」
を伴う改革にも真摯に向き合わなければならない。
言行不一致は国民の不信を招く。
各党、各候補者は誠実に言葉を紡いでほしい。

<主張>代表質問 安全保障の論議不十分だ
社説
2024/10/9 5:00
https://www.sankei.com/article/20241009-N3ZCWLPEKJIFNBCCPHJ3MP7ZMA/
石破茂首相の所信表明演説への国会の代表質問が終わった。
政権選択選挙である衆院選を前にした国会である。
「政治とカネ」
を巡る問題が盛んに議論された。
その一方で、日本の独立と繁栄の基盤となる安全保障の論議が深まらなかったのは残念だ。
自民党議員は中国軍の領空侵犯や領海侵入、空母「遼寧」の接続水域航行、ロシア軍の領空侵犯を取り上げ、小野寺五典政調会長は
「国民の命と暮らし、領土・領海・領空を守り抜く」
ことを求めた。
日本維新の会の馬場伸幸代表は台湾有事について質した。
首相が最近の著書で
「『台湾有事、即日本有事』となる可能性は相当低い」
と指摘しているからだ。
馬場氏は
「対中抑止力や国民の国防意識を削ぐことになる」
と懸念を示した。
首相は
「仮定の質問に答えるのは差し控える」
とした上で
「台湾海峡の平和と安定は国際社会の安定にとっても重要だ」
と指摘した。
国防の決意と具体策をもっと語る必要がある。
物足りなかったのは野党第一党の立憲民主党である。
野田佳彦代表が首相のアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想に関し
「日米同盟の抑止力に疑念があると思われかねない」
「非現実的ではないか」
と疑問を呈したのは妥当である。
だが、立民として日本をどう守るつもりかを語らなかった。
対中認識を含む現下の国際情勢に対する見方も示さなかった。
田名部匡代参院幹事長はロシアに侵略されたウクライナで、なぜ抑止力が効かなかったのかを質した。
ウクライナ問題を論ずるのではなく、アジア版NATOを巡る首相の言行不一致を引き出したかっただけのようだ。
安保政策を十分語らずに政権交代を迫っても、説得力は感じられない。
憲法改正については自民、立民、維新などが質問した。
首相は緊急事態条項の創設や自衛隊明記について、自民内の議論を
「後戻りさせることなく、前に進めていく決意だ」
と語った。
同時に、任期中に国会への発議を実現したいとし、憲法審査会で議論を深めるよう求めた。
ただ、それだけでは足りない。
首相や憲法改正に前向きな政党は、どの項目をいつまでに条文化したいのかを明らかにすることも重要である。

<主張>中東の戦火拡大 なぜNSCを開かぬのか
社説
2024/10/3 5:00
https://www.sankei.com/article/20241003-4YRNMLACHBI6FNK2GDIOJIQ5N4/
石破茂首相に問いたい。
なぜ国家安全保障会議(NSC)を開催しないのか。
中東の戦火が拡大しているからである。
イスラエルがレバノンの首都ベイルートにある親イラン民兵組織ヒズボラの本部を空爆し指導者ナスララ師を殺害した。
ヒズボラの脅威を除こうとイスラエル軍はレバノン南部へ侵攻した。
ヒズボラの後ろ盾であるイランは報復と称しイスラエルに向けて大規模な弾道ミサイル攻撃を行った。
米英両軍などが協力して迎撃したが一部が着弾し、被害が出た。
イランの対イスラエル直接攻撃は4月以来だ。
どちらも中東有数の軍事大国だ。
双方に自制を求めたい。
ただし事態がエスカレートすれば
「第5次中東戦争」
になりかねない。
日本や世界のエネルギー供給にとっても、経済情勢にとっても、何より中東地域の邦人の安全にとっても、看過できない緊迫した状況である。
日本は一連の事態を遠い地域の出来事と見做すのではなく、自らの問題と捉え、対応しなければならない。
石破首相は2日、イランの弾道ミサイル攻撃を非難し
「全面戦争に拡大しないように(米国などと)連携を取りたい」
と述べた。
そうであるならば、石破首相は、NSCの4大臣会合などを開き、邦人保護や万一の際のエネルギー需給、イスラエル、イラン双方への働きかけについて協議すべきである。
国家安全保障局や外務省の幹部と面会したが、それだけでは足りない。
NSCを開催すれば、日本企業や現地の邦人に対応を促すシグナルにもなる。
石破首相が自民党総裁に当選した9月27日に、岸田文雄内閣の木原稔防衛相はレバノンからの邦人退避に備え、航空自衛隊のC2輸送機を近隣のヨルダンとギリシャへ派遣する命令を発した。
レバノンには約50人の邦人が滞在している。
政権末期でも邦人保護へ動いた岸田政権の対応は妥当だ。
退避では韓国との相互協力も進めたい。
ただし、レバノンからの邦人退避の備えは日本が為すべき対応の一部に過ぎない。
戦火が一気に拡大しかねない時代だ。
危機は政権交代の事情など勘案しない。
石破首相には内閣発足直後であろうと国民を守り抜いてほしい。

<主張>自民総裁に石破氏 保守の精神踏まえ前進を 外交安保政策の継承が重要だ
社説
2024/9/28 5:00
https://www.sankei.com/article/20240928-ZQWPFHRUFBPALP3NUGABOBDVAI/
自民党総裁選で、石破茂元幹事長が高市早苗経済安全保障担当相を決選投票で破り、新総裁に選出された。
10月1日召集の臨時国会で首相に指名され、宮中での認証式などを経て、石破内閣が発足する見通しだ。
石破氏は当選後、
「安全安心な国にするため全身全霊を尽くしたい」
と語った。
ほとんどの派閥が解散を決めたこともあって史上最多の9人が立候補し、激しい総裁選となった。
石破氏は1回目の投票で高市氏に次ぐ2位だった。
決選投票の票差は21票で、党内基盤は強いとは言えない。
■「挙党態勢」が問われる
政治とカネの問題で自民をみる有権者の目は依然として厳しい。
石破氏と自民は挙党態勢で国政運営に当たる必要がある。
党役員や閣僚の人事は適材適所の観点で、総裁選のライバル候補を含め起用すべきだ。
党所属国会議員は結束して新総裁を支えてもらいたい。
石破氏と自民に求めたいのは保守の精神を尊重、堅持することだ。
自民は党綱領で
「日本らしい日本の確立」
を謳い、自らを
「保守政党」
と位置付けている。
この基本線から外れるべきではない。
総裁選で論じられた選択的夫婦別姓の導入は見送るべきである。
石破氏は前向きな姿勢を示してきたが、保守政党が取り組む課題ではない。
家族や社会の根幹に関わる話だ。
片方の親と子の
「強制的親子別姓」
を意味し、戸籍制度も揺らぐ。
個人の自由の問題とは言えず、自民どころか社会の分断を招きかねない。
旧姓使用の充実で対応してもらいたい。
国家と国民を守り抜く外交安全保障は政治リーダーにとって最も重要な責務だ。
安倍晋三元首相は
「自由で開かれたインド太平洋」
構想を国際社会に示し、限定的ながら集団的自衛権の行使容認を実現した。
菅義偉前首相は米国と共に
「台湾海峡の平和と安定の重要性」
を打ち出した。
岸田文雄首相は5年間の防衛費43兆円、反撃能力の保有を決め、防衛力の抜本的強化を開始した。
石破氏は安倍氏以降の外交安全保障を確実に継承し、発展させなければならない。
中国やロシア、北朝鮮といった核武装した専制国家の脅威をどう捉えているかを語ってほしい。
ウクライナ支援の継続も重要だ。
心配なのは、石破氏がアジア版NATO(北大西洋条約機構)の具体化に意欲を示した点だ。
創設には憲法問題の解決や各国との比較的長期の交渉などに相当の年月と大きな政治エネルギーを要する。
数年先の発生も懸念される台湾有事の抑止を優先すべきではないか。
日米同盟の対処力と抑止力の強化も欠かせない。
■男系の皇統を守り抜け
北朝鮮による日本人拉致問題の解決も急がれる。
石破氏は
「東京と平壌に連絡事務所を開設して交渉の足掛かりとする」
と唱えてきた。
家族会は時間稼ぎに利用されるだけだと懸念している。
まず、家族会などと真剣に語り合ってほしい。
千年、二千年の視野で日本を守るため、安定的な皇位継承策を確立すべきである。
自民は、男系(父系)による継承を堅持する内容の岸田内閣の報告書に賛同する立場だ。
石破氏は総裁選でこの党の方針に従うと表明した点を強調しておきたい。
自民は来年、結党70年を迎える。
憲法改正は党是であり、改憲原案の条文化を臨時国会中に完成させるべきだ。
憲法への自衛隊明記は最優先だ。
首都直下地震などの大規模災害や日本有事への懸念が高まっている。
緊急政令を含む緊急事態条項創設も急務である。
自民総裁として与党公明党の説得にも努める必要がある。
日本が抱える課題は他にもある。
物価高を上回る持続的な賃上げを確実なものとし、デフレからの完全脱却を目指してもらいたい。
少子高齢化を背景にした人口減少への対策や社会保障制度改革も欠かせない。
政治とカネの対応は引き続き重要だ。
パーティー収入不記載事件の再発防止と政治資金の透明性確保を確実にしたい。
信頼を取り戻さなければ、政策は遂行できまい。
早期の衆院解散・総選挙が取り沙汰されている。
臨時国会では所信表明演説で国家観と政策の全体像を披露すると共に質疑にも応じ、国民に投票の判断材料を示すべきである。

川口クルド人問題、突如衆院選争点に浮上「私におまかせを」埼玉2区、全く触れない候補も
「移民」と日本人
2024/10/16 12:10
https://www.sankei.com/article/20241016-M2LPK63JJZLGHB5FX4XFJEJGOQ/?outputType=theme_election2024
27日投開票の衆院選埼玉2区は、トルコの少数民族クルド人と地域住民との軋轢が表面化している川口市の大部分が選挙区だ。
「地元国会議員が動いてくれない」
との指摘も出る中、今回の選挙では突如、争点に浮上。
公示日の15日、JR川口駅前では
「クルド人問題を解決する」
と公約する候補も現れた。
川口は外国人問題で有名になった
「ルール違反の外国人問題、おまかせください!」
日本維新の会前職の高橋英明氏(61)陣営の選挙カーから、運動員の女性がこう呼び掛けた。
前回は比例復活で初当選。
今年2月の衆院予算委ではクルド人を念頭に地元の外国人問題を取り上げ、当時の岸田文雄首相に対応を求めた。
選挙カーの上でマイクを握った高橋氏は経済再生などを訴えた後、クルド人らも混じる通行人に向かって
「この川口は外国人問題で全国的に有名になってしまった」
と切り出した。
「ルールを守らない外国人は一旦国に帰ってもらって、きちんとした在留資格で来てもらう」
「支援団体もそういうことを手助けすべきだ」
と指摘し、警察官の増員などを訴えた。
■この機会だから申し上げる
9選を目指す自民前職で前経済再生相の新藤義孝氏(66)は、選対本部長に奥ノ木信夫市長を迎え、駅前広場に自民、公明両党の県議や市議ら約25人を集めて出陣式。
150人以上の聴衆に向かって経済再生などを論じた後、
「もう1つ大事なことは治安の確保だ」
と地元の課題に話題を転じた。
「いわゆるクルド人問題」
「この機会だから申し上げるが、難民認定申請を繰り返し、10年も20年も川口にいる人たちが増えてしまった」
と、自身の選挙で初めてクルド人問題を明確に取り上げた。
新藤氏は自身の政策チラシにも
「クルド人問題の解決」
と明記。
この日の演説で、6月施行の改正入管難民法で難民申請中の強制送還停止が原則2回までに制限されたことについて
「法改正まで5年かかった」
と実績として触れ、
「ルールを守ってこその共生だ」
「川口をあやふやな出入り自由の街にはさせられない」
と声を張り上げた。
■なぜ外国人問題に触れるのか
一方、共産新人で元県議の奥田智子氏(55)は川口駅頭で第一声を上げたが、約13分間の演説で外国人問題に触れることはなかった。
演説後、奥田氏になぜ触れなかったか尋ねたところ、
「逆に聞くが、なぜ触れるのか」
「演説の内容は私が選べる」
「触れない理由は敢えて言わない」。
地元のクルド人問題への対応については
「国の政治が悪すぎる」
「それに尽きる」
と入管政策を批判した。
立民新人で歯科医師の松浦玄嗣(もとつぐ)氏(52)も川口駅前での出陣式では外国人問題について言及しなかったが、配布した政策チラシに
「外国人労働者の処遇に明確な法整備を求める」
と掲げた。
取材に応じた松浦氏は
「外国人を労働者としてなし崩し的に受け入れるから問題になる」
「川口で起きていることは10年後、20年後、必ず国全体の問題になる」
「外国人を移民として受け入れるのか、鎖国するのか、ロボットやAIに頼るのか、政治家は国民と議論しなければならない」
と語った。
■早く目に見える成果を
この他、埼玉2区には諸派新人で不動産会社社長の津村大作氏(50)が立候補。
7月の東京都知事選にも出馬した津村氏は今回、強制送還を拒む不法滞在者の入管施設への収容を一時的に解く
「仮放免制度」
の廃止を訴えている。
クルド人の危険運転などに困っているという地元の男性会社員は
「選挙で取り上げられるようになったのは一歩前進だが、市民の間ではまだまだ『政治家は何もしてくれない』との思いが強い」
「早く目に見える成果を挙げてほしい」
と話していた。
▽埼玉2区立候補者(届け出順)
奥田 智子55元県議 共新
高橋 英明61党県代表 維前
新藤 義孝66前経済再生相 自前
津村 大作50会社社長 諸新
松浦 玄嗣52医療法人役員 立新

政治とカネが最大の争点、有権者の声「選挙後の追加公認釈然としない」「企業献金禁止を」
2024/10/15 12:07
https://www.sankei.com/article/20241015-ULEGDW5RYVPYNDYFO3B7JOEKGI/?outputType=theme_election2024
自民の派閥パーティー収入不記載事件を受け、
「政治とカネ」
が最大の争点とされる今回の衆院選。
有権者はどのような論戦を望むのか。
京都市左京区の主婦(72)は不記載事件について
「50万円でも100万円でも脱税と言われても仕方がない」
と指摘。
自民は不記載があった候補を非公認としたり、比例代表への重複立候補を認めない措置をとったりしたが、
「選挙後に追加公認する可能性があることは釈然としない」
と述べた。
大阪市浪速区の無職の男性(71)は
「政治家は国民の税金から報酬や活動費を得ているのだから、企業献金は禁止すべきだ」
とした上で、
「約束を実行できる候補者や政党に票を投じたい」。
京都市左京区の自営業、久保元昭さん(78)は
「不記載事件については候補によって額がそれぞれ違っており、有権者の判断に委ねるべきだ」
と話した。
一方、政治とカネ以外の課題への対応に注目するという有権者も。
大阪市西成区の会社員、神野瑠璃さん(49)は
「外交・国防政策を重視している」
「台湾有事など安全保障環境が厳しい中、中国に対しきっちりとものを言ってくれる候補を選びたい」。
大阪市北区の主婦、糟谷千恵子さん(78)は
「大阪の経済対策をちゃんとやってほしい」
「物価高に関しては工夫をして何とかやっているが、大阪に必要なお金を国から持ってきてくれる候補かどうかを重視している」
と語った。
兵庫県尼崎市の阪神出屋敷駅前で候補者の街頭演説を聴いていた同市の無職、近橋保憲さん(66)も
「政治とカネの問題も大事だが、それ以上に私たちの生活を守るのが大事」
といい、
「物価抑制などの経済対策や雇用対策を有効に実行してほしい」
と訴えた。

第50回 衆議院選挙 きょう公示
2024年10月15日 5時03分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241015/k10014609431000.html
第50回衆議院選挙が15日に公示されます。
今回の選挙は、与党が過半数の議席を確保して連立政権を継続するのか、野党が勢力を伸ばして与党を過半数割れに追い込むのかが最大の焦点となります。
第50回衆議院選挙は15日に公示され、小選挙区と比例代表、合わせて465議席をめぐって争われます。
NHKのまとめによりますと、14日までに、
▽小選挙区で1108人
▽比例代表単独で230人
合わせて1338人が立候補を予定しています。
政党別では、小選挙区、比例代表の順で
▽自民党が266人と76人の合わせて342人。
▽立憲民主党が207人と30人の合わせて237人。
▽日本維新の会が163人と1人で合わせて164人。
▽公明党が11人と39人の合わせて50人。
▽共産党が213人と23人の合わせて236人。
▽国民民主党が41人と1人の合わせて42人。
▽れいわ新選組が19人と16人の合わせて35人。
▽社民党が10人と7人の合わせて17人。
▽参政党が85人と9人の合わせて94人。
▽みんなでつくる党が小選挙区のみで6人。
▽日本保守党が4人と26人の合わせて30人。
▽安楽死制度を考える会が比例代表のみで2人。
▽諸派と無所属が小選挙区で83人となっています。
今回の選挙は、与党が過半数の議席を確保して連立政権を継続するのか、野党が勢力を伸ばして与党を過半数割れに追い込むのかが、最大の焦点となります。
289ある小選挙区のうち、与党側は大半の選挙区で候補者を擁立し、野党側は各党が、それぞれ党勢拡大を目指して擁立作業を進めてきました。
12日間の選挙期間中、政治とカネの問題を受けた政治改革のあり方や、物価高対策をはじめとする経済政策、厳しい国際情勢に対応するための外交・安全保障政策などをめぐり、激しい論戦が交わされる見通しです。
立候補の受け付けは
▽小選挙区は、各都道府県の選挙管理委員会で
▽比例代表は、総務省にある中央選挙管理会で
いずれも、15日午前8時半から行われます。
■村上総務相 公示にあたり談話を発表
衆議院選挙の公示にあたって、村上総務大臣は
「選挙は、国民が主権者として政治に参加する最も重要かつ基本的な機会だ」
「有権者の皆様には、積極的に投票に参加し、みずから考え、判断することによって、代表者としてふさわしいと考える方を選出されるよう期待する」
「候補者や選挙運動関係者には、選挙のルールを順守し、国民の信頼と期待に応えられるよう希望してやまない」
「今回の選挙は、小選挙区の区割り改定が行われて以降、初めての衆議院選挙で、選挙の管理執行にあたる方々は、厳正かつ公正を旨として選挙の管理執行にあたるとともに、小選挙区の区割り改定内容の周知や有権者の投票参加を促す啓発に取り組んでいただくようお願い申し上げる」
という談話を発表しました。
■各党 声明など発表
衆議院選挙の公示にあたって、各党は声明などを発表しました。
自民党
日本をどのように守り抜くか、次の時代に向けてどんな社会を創っていくか、国民に選択をいただく重要な選挙だ。
政治の信頼なくして政策の推進はない。
厳しい反省と危機感の上に立ち、ルールの順守を徹底し、信頼回復に全力で取り組む。
今、求められているのは、確かな政策と実行力で政治を着実に前へと進めていくことだ。
皆様の納得と共感のもと『この国に生まれてよかった』と思っていただける国づくりを全身全霊で進めていく、
としています。
立憲民主党
自民党派閥の裏金事件を発端として、政治不信が極まっている中、石破総理は、能登半島を支援するための補正予算編成や、十分な国会での議論に応じることなく『裏金隠し解散』を強行した。
本気の政治改革を実現するため全党一丸となって選挙戦に臨む。
アベノミクスで広がった格差を是正し『分厚い中間層の復活』を実現する。
自公を過半数割れに追い込み、第一党となって政権交代を果たす覚悟だ、
としています。
日本維新の会
政治と金の問題で地に落ちてしまった政治への信頼を回復するため、政治改革を真に実行する候補者を選択する選挙だ。
既得権益としがらみを断ち切れない現政権に、古い政治を続けさせるわけにはいかない。
与党を過半数割れに追い込むことにより、この国のかたちを根本から変える力を与えていただくよう訴えていく、
としています。
公明党
日本経済の再生、少子高齢化対策などを強力に進め、成果を上げている自民・公明両党の連立政権を選ぶのか、政権の枠組みを示せない野党に政治のかじ取りを委ねるのか選択が問われる。
結党以来、政治腐敗と闘い実績を重ねてきた公明党が政権にいるからこそ、政治改革を前に進めることができる、
としています。
共産党
自民党政治は『表紙』を替えても政治の中身は変わらないことが明らかになっている。
国民の願いが通らないのは自民党の政治の根本に、財界・大企業の利益を優先し、日米軍事同盟を絶対視する『2つのゆがみ』があるからだ。
共産党がのびてこそ日本の政治は変えられる」としています。
国民民主党
国民のふところを豊かにする政治家を選ぶのか、自分のふところを豊かにしようとする政治家を選ぶのかが問われる選挙だ。
裏金問題に決着をつけることを訴え、国民の『手取りを増やす』経済政策を掲げて戦う。
真面目に働けば給料が上がる社会を取り戻そう、
としています。
れいわ新選組
『失われた30年』の原因は労働環境破壊と逆進性の強い消費税を不況下で何度も増税したことが大きい。
失われた30年と人間の尊厳を取り戻す。
消費税は廃止、社会保険料減免、現金給付が必要だ、
としています。
社民党
今回の選挙は『税金はくらしに!日本を立て直す選挙』であり、『自民党政治を終わりにする選挙』だ。
この衆院選はまさに平和憲法9条を守れるのかどうかの天王山の闘いだ、
としています。
参政党
『日本をなめるな!』このスローガンのもと、参政党は日本の再興に挑む。
守りだけでなく攻めの姿勢で本来自民党がやるべきだったことを、我々参政党が引き受ける、
としています。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/749.html#c21

[政治・選挙・NHK295] 野田立民では石破自民に勝てぬ(植草一秀の『知られざる真実』) 赤かぶ
34. 秘密のアッコちゃん[786] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月22日 07:03:23 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[351]
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<産経抄>世の中は今も昔もウソであふれている
2024/10/22 5:00
https://www.sankei.com/article/20241022-KCPHO5DFFJJHDMABMJU6LXKX6U/
毎年暮れには日本漢字能力検定協会が全国から公募した
「今年の漢字」
が発表される。
平成19年は
「偽」
が選ばれた。
確かにこの年は、食品の
「偽装」
を巡って有名な洋菓子メーカーや名物和菓子店から高級料亭までがやり玉に挙がった。
公的年金制度への国民の信頼をゆるがす
「消えた年金問題」
も発覚した。
▼首都圏で相次いでいる強盗事件の実行犯はやはりSNSでの募集に応じた若者たちだった。
横浜市青葉区の住宅では75歳の男性が手足を縛られた遺体で見つかり、現金約20万円が奪われていた。
▼強盗殺人容疑で逮捕された22歳の男の供述には驚いた。
アルバイトをSNSで探しているうち、
「『ホワイト案件』の投稿を見つけて応募した」
というのだ。
今も昔も世の中はウソで溢れている。
事件の首謀者がブラックな闇バイトだと明かすわけがない。
▼途中で犯罪に加担することに気付いたものの後戻りはできなかった。
個人情報を知られ家族が危害を加えられるかもしれない恐怖にかられたからだとも供述している。
稼いだ金で数十万円滞納している税金を払うつもりだったらしい。
ごく普通の納税感覚と、むごたらしい犯行との間に落差がありすぎる。
▼衆院選の投開票日が来週27日に迫り、選挙戦は激しさを増している。
有権者としては各党の候補者の訴えに耳をすませて冷静に判断したい。
政治家の公約にこそ、ウソが蔓延っているからだ。
▼その中で石破茂首相は
「看板に偽りなし」
を意識しているように思える。
何しろ毎日テレビの画面から飛び込んでくるのは、
「新しい自民党はルールを守る」
との決意表明である。
ただし、余りにも当たり前過ぎると突っ込みたくなるのは、小欄だけではあるまい。

<主張>衆院選と年金 次世代も安心する提案を
社説
2024/10/22 5:00
https://www.sankei.com/article/20241022-MQA74BFJDZKTJFYNJZVXNJ2PIU/
令和7年には5年に1度の年金法の改正が予定されている。
だが衆院選での年金を巡る議論は低調だ。
今年2024年夏に公表された年金の財政検証では、積立金の運用が順調だったことなどで収支は好転した。
しかし、これで改革の機運を衰退させてはいけない。
非正規雇用の人が増え、高齢期にも多くの人が働くようになっているのに、今の年金制度は働き方の変化に追い付いていない。
公的年金の土台となる基礎年金(国民年金)の水準低下にも対処が必要である。
選挙戦は、これらの難問にどう取り組むかを訴える好機なのに、各党の公約は漠然としていて、具体策や実現の時期、財源の裏打ちが示されていない。
自民党は、パートなど短時間労働者への厚生年金の適用拡大に向けて
「引き続き検討」
するというが、拡大は企業規模なのか、業種なのか、労働時間なのか明確でないのは問題だ。
基礎年金の水準については、自民も公明党も
「底上げを図る」
と主張するものの、どのような手段で実現するのかは不明だ。
有権者に理解してもらう努力が欠けている。
低年金の人に、国庫負担などによる給付を行い、年金に最低保障機能を持たせる
「最低保障年金」
案は野党側には今も魅力的に映るようだ。
国民民主党は
「最低保障機能強化による安心の年金制度」
を謳い、日本維新の会は制度の抜本改革による
「最低所得保障制度」
の導入を掲げる。
立憲民主党は
「低所得の高齢者の年金に一定額を上乗せして給付する」
と訴える。
しかし、最低保障年金は過去に頓挫した経緯がある。
旧民主党は平成21年の衆院選で
「月額7万円の最低保障年金」
を掲げた。
だが、政権奪取後に試算すると、消費税5%弱分の追加財源が必要なうえ、生涯の平均年収が420万円程度を超える人には減額になる仕組みだと分かった。
各党が、本気で最低保障年金や年金の上積みを制度化するつもりなら、当時の民主党案とどう違い、どう財源を用意するつもりか明らかにすべきだ。
年金などの社会保障制度は、次世代に安心を繋げられるかが問われている。
過去の失敗に学び、公平で適切な再分配をしなければならない。

<産経抄>タフな政治家を選べるか
2024/10/21 5:00
https://www.sankei.com/article/20241021-SR2BR33Y6BOG7IBGCODQBZ4P44/
我田引水だが新聞を開くのが楽しみだ。
ほっとする話題、結果を知っていてもその裏側を知ることがある。
▼週末2024年10月19日には箱根駅伝の予選会が行われ、立教大がトップ通過で出場権を得た。
失礼ながら意外な好成績だ。
翌2024年10月20日付の本紙スポーツ面では
「タフ」
さを重視した新監督の改革が背景にあったことが明かされていた。
▼立大は昨年2023年予選会直前に当時の監督が不祥事で解任された。
新監督に就いたのは強豪、駒沢大のコーチだった高林祐介さん(37)だ。
熱血監督として知られた大八木弘明さんの薫陶を受けた。
高林監督は坂道の走り込みなど
「タフなコンディションでも走れる土台作り」
をした。
▼強豪校の練習を身をもって知る指導は選手らの意識改革にも繋がった。
季節外れの暑さの中、過酷な予選会で
「タフ」
さを証明し、高林監督は
「ようやくスタートラインに立てた」
と箱根路へ静かな闘志を語った。
▼さてこちらも各地で激戦が繰り広げられている衆院選は投票日まで1週間を切ったが、タフな環境で国益を守れる政治リーダーを選べるだろうか。
同僚の近著『政治家は悪人くらいでちょうどいい!』(乾正人著、ワニブックス)は
「善人に政治家は務まらない」
と歯に衣着せず、今、求められている政治家像を語っていて興味深い。
▼「悪人」
と言っては中高生ら良い子には誤解があろうが、専制国家に毅然と対峙できる胆力ある政治家はいるか。
先日の本紙「正論」で同志社大の村田晃嗣教授は、日本の政治家は国内権力闘争に敏感でも国際政治ではものを言えず
「突然ナイーブ」
になると手厳しい。
防衛費増に反対し「外交力」でと声高に語っても、専制国家との協調ばかり口にするのが外交では、頼りにならない。

<正論>分断排し「ネットワーク」の力を 
同志社大学教授・村田晃嗣
2024/10/10 8:00
https://www.sankei.com/article/20241010-TR3DZNNZVJLZBG2PVLBSICD7LY/
石破茂氏が自由民主党総裁、そして内閣総理大臣に選ばれ、早くも衆議院が解散された。
いよいよ総選挙である。
ここで、石破内閣の内外の課題について論じておきたい。
■自民総裁選で感じた変化
自由民主党の総裁選挙は、稀にみる激戦であった。
その熾烈な駆け引きは、エミー賞受賞で話題のドラマ『SHOGUN 将軍』をすら連想させた。
ほとんどの候補者が脱派閥を訴え、麻生派を基盤とした河野太郎氏が守旧派にされたが、結局はどの候補者も派閥的な勢力に依存していた。
400人近い国会議員を擁する巨大政党を、派閥ないしは派閥的なものなしに運営することは不可能であろう。
派閥を否定しながら都合に応じて派閥に頼るゲームでは、有権者の信頼は回復できない。
派閥の功と罪をしっかりと検証した上で、派閥とどう向き合うかを現実的に示すべきである。
さもなければ、自民党の古い体質は変わるまい。
他方で、自民党、そして日本政治の変化を感じさせるものもあった。
9人の総裁候補のうち2人は女性だったし、そのうちの1人、高市早苗氏は決選投票に臨み、予想以上に善戦した。
また、43歳という若さの小泉進次郎氏も3位に付けた。
更に候補者の多くが留学経験などを持ち、英語に堪能であった。
しかも9人のうち河野氏(ジョージタウン大学)、高市氏(神戸大学)、小泉氏(関東学院大学)と3人までが、東京以外の大学の卒業生であった。
戦後の歴代首相で東京以外の日本の大学で学んだ者は、実は池田勇人(京都大学)と宇野宗佑(神戸大学中退)の2人だけなのである。
地方活性化を語っても、日本の政治が如何に中央集権的であるかを如実に示していよう。
さて、石破新首相は5回の総裁選に出馬したベテラン政治家であり、男性の世襲政治家である。
その意味では上述の
「変化」
の枠外にいるのだが、彼はキリスト教徒である。
戦前では原敬、戦後では吉田茂や鳩山一郎、大平正芳などの首相がキリスト教徒であり、直近では麻生太郎氏(カトリック)がそうである。
明治維新以来、日本のキリスト教徒は人口の1%前後で推移しており、今でも100万人ほどである。
その意味では、令和初のキリスト教徒の首相も
「変化」
を体現している。
ジェンダーや世代、国際性、そして宗教などで、包括政党として自民党は新たな多様性を受容できようか。
そうなれば、摩擦を伴いながらも、日本政治は活力を取り戻そう。
他方で、今回の総裁選挙では、高市氏を軸に保守層が強い結束を示した。
米国では既に、共和党も民主党も党内に大きな亀裂を抱えている。
自民党が党内の和解、党外世論との対話に失敗すれば、日本政治は米政治の轍を踏むやもしれない。
■国内「権力闘争」好きだが
自民党総裁選挙は、半ば古いゲームを新しいプレーヤーたちが戦ったことになる。
国際政治もそうである。
グローバルサウスなど新たなプレーヤーが台頭する中で、21世紀のグローバル協力と20世紀、否、19世紀を思わせる露骨な大国間政治や民族・宗教対立が並行している。
日本人の多くは戦国時代や幕末の歴史を愛好し、国内政治の権力闘争にも敏感である。
ところが、国際政治になると突然ナイーブになり、平和の精神や自主独立の気概を観念的に語るだけであったり、逆に、弱肉強食と権謀術数ばかりを強調して規範の力やソフトパワーを軽視したりしがちである。
石破内閣の国内的権力基盤は未だ不安定だが、より不安定な国際情勢の舵取りをしなければならない。
米国の大統領選挙の行方も、まだ分からない。
石破氏が提起するアジア版NATOの創設や日米地位協定の見直しは、対米自立の心の琴線には触れる。
だが、トランプ政権相手にはほとんど実現不可能であろうし、ハリス政権でも容易ではあるまい。
そうした交渉に時間と精力を注ぐ間にも、台湾海峡や朝鮮半島、中東などの国際情勢に何が起こるかわからない。
日本が対米交渉力を持つためにも、まずは岸田文雄前内閣が決定した防衛費の倍増や反撃力の保有という公約を実現すべきであろう。
■日本の持ち味生かせるか
またバイデン政権の間に、日米韓、日米比などのミニラテラル協力も進んできた。
これに日米豪印の協力(クアッド)などを重ね合わせながら、安全保障協力を進めていくのが先決ではなかろうか。
幸い、石破内閣は経験豊かな外相や防衛相、首相補佐官を揃えている。
彼らが述べたように、遠大な制度設計はあくまで
「中長期的な課題」
であり、まずは既存のネットワークを活用すべきであろう。
こうした
「ネットワークパワー」
こそが日本の持ち味だとの指摘もある(ミレヤ・ソリース氏)。
実は、自民党政治のしたたかさも
「ネットワークパワー」
にあろう。
石破内閣には、国内政治の経験と知恵を国際政治にも大いに活用してもらいたい。

<主張>衆院選と少子化 財源確保の議論不十分だ
社説
2024/10/21 5:00
https://www.sankei.com/article/20241021-SP4JC7WFYJOMHGZJYRQLGLDYV4/
日本の少子化は年々深刻さを増している。
更に高齢化で死亡者数は増加傾向にある。
人口減少は歯止めがかからない状況だ。
少子化と人口減少は社会保障制度の持続可能性に悪影響を与え、国の活力低下にも繋がりかねない。
令和5年の出生数は過去最少の72万7288人だった。
令和6年は70万人を割る可能性がある。
令和5年の合計特殊出生率は1・20と過去最低を更新した。
にもかかわらず、衆院選では各党から危機感が伝わってこない。
しかも訴えは給付の拡充策が中心で、財源確保の議論が足りない。
財源の裏付けがなければ実効性は確保されまい。
自民党は公約に政府の
「こども未来戦略」
を踏まえ、児童手当拡充や高等教育無償化、住宅支援強化などを盛り込んだ。
子育て支援の財源として、政府は公的医療保険に上乗せして徴収する
「子ども・子育て支援金」
の創設を決めている。
岸田文雄前首相は社会保障費の歳出削減などで
「実質的な負担は生じない」
と説明してきた。
だが、高齢化で需要が高まる医療・介護サービスを低下させずに、歳出削減を十分に行うことが出来るのか疑問は残ったままだ。
石破茂首相は岸田前政権の少子化対策を継承する姿勢を示している。
負担についても、きちんと論じるべきだ。
立憲民主党は公立小中学校の給食費無償化、高校や国公立大の授業料無償化を掲げている。
子供・子育て予算として
「対GDP(国内総生産)比3%台」
を達成するとも主張しているが、安定財源はどうするつもりなのか。
不明確では政権担当能力を疑わざるを得ない。
教育費による家計の圧迫が少子化要因になっているとの問題意識は多くの党で共有されている。
日本維新の会は教育の全課程の無償化、公明党は国公私立を問わず高校の実質無償化と2030年代の大学の無償化、国民民主党は高校までの授業料完全無償化を訴えている。
各党は丁寧に説明する必要がある。
訴えるべきは他にもある。
人口減に対応した地域の在り方についてだ。
日本の総人口は約1億2500万人だが、50年後は3割減ると推計されている。
人手不足に拍車がかかり、地方の過疎化も進む。
人口減でも繁栄できる国家像を提示することも重要である。

処理水問題で中国と対峙、高市早苗氏に台湾から期待の声 衆院選「裏金」で騒ぐだけでいいのか 元産経新聞台北支局長がシンクタンク設立
2024.10/18 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241018-QCCQC6GNGFNRJMN3VRV4Z5OL4E/
衆院選はあたかも
「政治とカネ」
一色のようだが、日本を取り巻く国際情勢に目を向けると、果たして
「裏金、裏金、裏金」
と騒いでいるだけでいいのかと思う。
公示前日の2024年10月14日、中国軍は台湾を取り囲むように大規模な軍事演習を行った。
折しもこの日、筆者は台北にいた。
産経新聞前台北支局長の矢板明夫氏が設立した
「インド太平洋戦略シンクタンク」(印太戦略智庫)
の発足式に出席するためだった。
式典には、頼清徳総統が祝辞を寄せた他、郭智輝経済部長(経産相に相当)、元立法院長で台湾日本関係協会の蘇嘉全会長、日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会台北事務所代表の片山和之氏、米国の対台湾窓口機関、米国在台協会(AIT)台北事務所長のレイモンド・グリーン氏、ドナルド・トランプ前米政権下で、マイク・ポンペオ前国務長官の中国政策に関する首席顧問を務めたマイルズ・ユー氏、半導体大手「聯華電子」(UMC)創業者の曹興誠氏らが出席した。
台湾メディアも多く詰め掛け、矢板氏のシンクタンクへの関心の高さを窺わせた。
片山氏は挨拶の中で、中国軍による演習が矢板氏のシンクタンクの重要性を物語っていると述べた。
矢板氏は、日本の本州(山口県下関市)と九州(北九州市)を結ぶ関門橋をモチーフにした写真を背景に、このシンクタンクがインド太平洋地域の自由を守ると共に、台湾と世界の民主主義国家を繋ぐ
「架け橋」
になればとの抱負を語った。
式典後のパーティーで、台湾側の出席者から話を聞くと、自民党総裁には高市早苗前経済安保相になってほしかったとの声が相次いだ。
高市氏は
「台湾有事は日本有事」
と明言した安倍晋三元首相の遺志を継ぐ姿勢を明確にしているからだ。
高市氏は昨年2023年9月、国際原子力機関(IAEA)総会で、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出について中国側から批判を受けると、
「突出した輸入規制を採っているは中国のみです」
「日本としては引き続き、科学的根拠に基づく行動や正確な情報発信を中国に対して求めていきます」
と強調した。
「処理水」

「核汚染水」
と呼んだ中国代表に反論したものだ。
中国の批判に
「受け身」
にならず、正面から対峙した政治家は珍しい。
実際、読売新聞によると、岸田文雄首相(当時)は周囲に
「中国を再び刺激しないか」
と不安を漏らしたという。
中国側は、高市氏が退出した後、再反論したが、在ウィーン日本政府代表部の引原毅大使(同)が
「中国には、トリチウムの年間排出量が、福島第1原発の5倍から10倍の原発もある」
と再び反論した。
日中間の応酬はこれで終わったが、
「日本側の発言で終わるという最も望ましい形」(政府関係者)
となった。
ちなみに、引原氏は高市氏と同じ奈良県出身だった。
石破茂首相も総裁選前、台湾を訪問して頼総統らと意見交換したが、衆院選では積極的に安全保障について語ってほしい。
日本には内向きになっている余裕はないはずだ。
 (産経新聞特別記者・有元隆志)

石破政権「机上の空論」国家安全保障最前線
日米同盟を「対等な同盟に」石破首相の空想 決定的に違う「核を保有しているか否か」…日本の限界は大きく まず憲法改正を
2024.10/19 15:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241019-N7P52NS64BJN3N45FTJCM7UJSI/
石破茂首相は
「日米の対等な同盟」
を主張していて、米シンクタンク
「ハドソン研究所」
のホームページで発表した寄稿文
「日本の外交政策の将来」
に、まず
「米英同盟なみに日米同盟を強化する」
として以下のように書いている。
「石破政権では 戦後政治の総決算として米英同盟なみの『対等な国』として日米同盟を強化(する)」
「アーミテージ・ナイ・レポートはかつて米英同盟の『特別な関係』を同盟のモデルとして、日米は『対等なパートナー』となることを提案した」
「今、それが可能となり、米国と肩をならべて自由主義陣営の共同防衛ができる状況となり、日米安全保障条約を『普通の国』同士の条約に改定する条件は整った」
石破首相は、日米の関係がかつては対等ではなかったが、今や対等になり
「自由主義陣営の共同防衛ができる状況となった」
と言いたいのであろうが、それは空想でしかない。
日米関係は決して対等ではない。
決定的に違うのは
「核を保有しているか否か」
だ。
非核国家でなおかつ完全な集団的自衛権を有していない日本の限界は大きく、石破首相が主張する
「米国と肩をならべて自由主義陣営の共同防衛ができる状況になった」
とは言えないのである。
石破首相は寄稿文で、日米安保条約は
「非対称双務条約」
であり改定すべきだとも指摘している。
「アメリカは日本『防衛』の義務を負い、日本はアメリカに『基地提供』の義務を負うのが現在の日米安全保障条約の仕組みとなっているが、この『非対称双務条約』を改める時は熟した」
「日米安全保障条約と地位協定の改定を行い自衛隊をグアムに駐留させ日米の抑止力強化を目指すことも考えられる」
「そうなれば、『在グアム自衛隊』の地位協定を在日米軍のものと同じものにすることも考えられる」
「更に、在日米軍基地の共同管理の幅を広げていくなどすれば在日米軍の負担軽減ともなろう」
日米安保条約は通常、
「非対称双務条約」
ではなく片務条約と呼ばれている。
米国は日本防衛の義務を負うが、日本は米国防衛の義務を負わないからだ。
この片務性は日本にとってある意味で都合の良いものである。
石破首相のように、地位協定の改定やグアムへの自衛隊駐留、在日米軍基地の共同管理を主張するのであれば、米側が
「片務性こそ問題であり、日本も米国防衛の義務を負いなさい」
と反論してくるのは火を見るより明らかだ。
そこまでの危険を冒してまで地位協定の改定やグアムへの自衛隊駐留を主張すべきではない。
もしも日本が米国と対等な国として米英同盟並みに日米同盟を強化したいのであれば、日本には集団的自衛権の行使が求められる。
つまり、憲法を改正して集団的自衛権の行使が可能な普通の国家になる必要がある。
しかし、石破首相のハドソン寄稿文には憲法改正の記述がない。
まずは憲法改正から始めなければいけない。
■渡部悦和(わたなべ・よしかず)
元陸上自衛隊東部方面総監、元富士通システム統合研究所安全保障研究所長、元ハーバード大学アジアセンター・シニアフェロー。
1955年、愛媛県生まれ。
1978年東京大学卒業後、陸上自衛隊に入隊。
その後、外務省安全保障課出向、ドイツ連邦軍指揮幕僚大学留学、第28普通科連隊長(函館)、防衛研究所副所長、陸上幕僚監部装備部長、第2師団長、陸上幕僚副長を経て2011年に東部方面総監。
2013年退職。
著書・共著に『日本はすでに戦時下にある』(ワニブックス)、『宇宙安全保障』(育鵬社)、『台湾有事と日本の安全保障』(ワニブックスPLUS新書)など多数。

石破政権「机上の空論」国家安全保障最前線
同盟国に不信感与えた石破首相の寄稿文 総裁選期間中に米シンクタンクで発表 問題点満載、疑われる安全保障への「机上の空論」
2024.10/16 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241016-BXVMWL2LKBPOBBWGYBDW4JAYBQ/
現在、国内外が混沌とした状況にある。
ロシアのウクライナ侵略が継続し、中東ではイスラエル・ハマス戦争が1年経過しても終結せず、イスラム原理主義組織ハマスのみならず、イランや親イラン民兵組織ヒズボラとの紛争に拡大している。
中国は
「台湾武力統一」
を放棄していない。
権威主義国の中国やロシアは、我が国の領空・領海を侵犯している。
まさに我々は激動の時代を生きている。
国内においては、岸田文雄政権から石破茂政権への交代があった。
3年間続いた岸田政権を批判する人は多いが、私は安全保障分野における同政権の功績を高く評価している。
国家安全保障戦略などの
「安全保障3文書の策定」
や、
「防衛費のGDP(国内総生産)比2%への増額」
への道筋をつけた、日米関係を最良の状態にしたことは特筆すべきことだ。
岸田政権を引き継いだ石破政権には、激動の時代における国家運営、特に安全保障分野のかじ取りを適切に行ってもらいたいと思う。
しかし、石破首相に不安を感じている。
石破首相が総裁選の期間中、米シンクタンク「ハドソン研究所」のホームページで発表した
「日本の外交政策の将来」
と題する寄稿文は問題点満載で、安全保障に関する見識が疑われる文書であるからだ。
この不用意に公開された寄稿文が、米国やアジアの諸国に石破首相に対する不信感を与えた。
「覆水盆に返らず」
とはまさにこのことだ。
石破寄稿文には、
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)の創設」
「対等な普通の国同士としての『日米安全保障条約の改定』『日米地位協定の改定』」「国家安全保障基本法の制定」
「米国のFEMA(連邦緊急事態管理庁)に準ずる防災省の設置」
「米国の核シェアや核の持ち込みの具体的な検討」
「自衛隊のグアム駐留」
などが提案されている。
これらは
「机上の空論」
だ。
例えば、対等な普通の国同士としての
「日米安全保障条約の改定」
「日米地位協定の改定」
「米国の核シェアや核の持ち込みの具体的な検討」
は、米国の反発を受けるだけだ。
国内外情勢が厳しい状況下において最優先の課題ではない。
ましてや、
「アジア版NATOの創設」
「米国のFEMA(連邦緊急事態管理庁)に準ずる防災省の設置」
「自衛隊のグアム駐留」
などは、まさに非現実的な議論だ。
幸いにも、石破首相は所信表明演説(4日)では、
「アジア版NATOの創設」
「日米地位協定の改定」
などには触れなかった。
これは賢明だった。
いずれにせよ、石破首相が優先すべきは憲法改正を行い、集団的自衛権の問題を完全に解決することだ。
この集中連載においては、激動の時代における
「現実論」

「机上の空論」
について記述したい。

高市早苗氏、支持者の自民党離れを危惧 投票呼び掛けも「高市さん応援しても自民党には失望」の声が続く
2024/10/19(土) 18:06配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/d4c791f3987620eeb7a75e87e11b5683cc4b97d5
自民党の高市早苗前経済安全保障担当相が2024年10月19日、自身のX(旧ツイッター)を更新。
今回の衆院選(2024年10月27日投開票)に向け、総裁選で自身以外の候補者を応援した自民党公認候補者への投票をしないという声があるとして、同党への投票を呼び掛けたが、リプ欄には高市氏は支持しても現在の自民党は支持出来ないという声が相次いだ。
高市氏は
「なかなかニュースも含めてネット情報をチェックする余裕も無いスケジュールで全国遊説を続けていますが、昨日、辛い話を聞きました。」
と切り出し、
「先月2024年9月の自民党総裁選で私以外の候補者を応援しておられた自民党公認候補者に対して『投票しない』と仰る方が居られるという話が数件」
「困り果てた当該候補者の陣営から、私の秘書に連絡を頂いたそうです。」
と明かした。
その上で、高市氏は
「今、私達が戦っている衆議院選挙は、政権選択選挙です」
「私も含めて自民党の候補者達は、自民党への様々なご批判も全員で受け止めながら、これからも日本国の舵取りをお任せいただけるよう、1人でも多くの当選を目指して頑張っている最中です」
「議席を減らして野党になってしまうと、私が訴えてきた政策を議員立法で実現する事も困難になります」
と訴え、
「だから私は、昨日も、今日も、総裁選で他陣営に居られた候補者の応援にも伺っていますし、皆様にも是非とも応援をして頂きたいと願っています」
「どうか宜しくお願い申し上げます」
と呼び掛けた。
高市氏の投稿に対し、フォロワーからは
「高市さんは応援するが自民党には失望した人が多いと思います」
「残念ながら、今の石破政権には信用がない」
「自民党への失望と憤りを持ち続けている自民党員もたくさんおられると感じております」
「自民党に票が集まれば、『有権者の支持を得た』と更に私が望まぬ方向に進む気がしてなりません」
「石破政権を保守政権と認めないのも1つの立派な判断です」
などといった意見が続いた。
(よろず〜ニュース編集部)

日米防衛相、抑止力強化へ連携確認 中谷氏、中国念頭に「現状変更に反対」
2024/10/19 21:58
https://www.sankei.com/article/20241019-TNWRZLH26ZM6XGD6JYD4YHPVPQ/
中谷元・防衛相は2024年10月19日、先進7カ国(G7)国防相会合が開かれたイタリア南部ナポリでオースティン米国防長官と会談した。
両氏の対面での会談は初めてで、日米同盟の抑止力・対処力を一層強化するため緊密に連携していくことを確認した。
中谷氏は会談で、中国による東・南シナ海や台湾周辺での覇権主義的な行動を念頭に
「インド太平洋地域は戦略的に極めて重要な地域だ」
「東・南シナ海での力による一方的な現状変更の試みに反対する」
と述べた。
「台湾海峡の平和と安定が国際社会に重要だ」
とも語った。
オースティン氏は、米国が核を含む戦力で日本防衛に関与する
「拡大抑止」
に触れ、
「あらゆる能力を含め、米国の日本防衛に対するコミットメントは揺るぎない」
と強調。
日米の反撃能力の充実や指揮統制における連携強化の推進が重要だとの考えを示した。
日本は来年2025年春に陸海空3自衛隊を一元的に指揮する統合作戦司令部を創設する。
米軍も在日米軍司令部を統合軍司令部に再編する方針で、日米が作業部会を通じて連携強化の議論を加速させていくことを確認した。
石破茂首相が唱える日米地位協定の改定への言及があったかどうかは明らかにされなかった。
両氏はまた、北朝鮮の核・ミサイル開発などを念頭に、日米韓などが多国間連携を一層強化していくことを確認した。

<主張>原発で日本回復を目指せ 国民生活とAI立国のために
社説
2024/10/20 5:00
https://www.sankei.com/article/20241020-CLMDDPLQJVJXNAJTVGWX5MQGIE/
日本の政治は重要な忘れものをしていないか―。
衆院選の最中であるにもかかわらず、各政党や候補者からエネルギーに関する発言がほとんど聞こえてこないのだ。
ロシアによるウクライナ侵攻や中東での紛争激化に加え、中国の台湾威圧で地政学的な緊張が日々、高まりつつあるのにどうしたことか。
資源貧国で島国の日本は、国際紛争の余波を受けやすい。
国内電力の約7割を占める火力発電の燃料の大半は、輸入天然ガスと石炭に依存している。
タンカーの行く手が塞がれたり、迂回を余儀なくされたりすれば、日本はたちまち電力不足に陥る運命だ。
■安全保障力ある電源は
緊張含みの国際情勢に照らした場合、日本に最も頼りになる電力源は原子力発電だ。
原発は13カ月ごとに止めて定期検査をしているが、必要があれば2年以上の連続運転も可能である。
抜群の安定供給能力などで原子力は準国産エネルギーに位置付けられてきた。
電力の安定供給に最も役立つ原発なのだが、東日本大震災を機に当時の民主党政権によって全面停止に追い込まれた。
国内の原発再稼働は異様に遅い。
大震災前には54基の原発が存在したが、その後に21基が廃炉となった。
残った33基中、再稼働を果たした原発は12基に過ぎないのだ。
こうした減り方を目の当たりにすれば、再稼働の促進や新増設の必要性が痛感されるはずだが、肝心の自民党でさえ頼りない。
「原子力など脱炭素効果の高い電源を最大限活用」
すると公約しているが、目的は
「カーボンニュートラル(脱炭素)」

「エネルギー安全保障」
のためと記す。
順番が違わないか。
原発の必要性を明確に説いているのは唯一、国民民主党だ。
データセンターや半導体工場の増加による電力需要の大幅急増を見据えた上で
「原子力発電所の建て替え・新増設により、輸入に頼らない安価で安定的な電力を確保する」
としている。
立憲民主党は
「原発の新増設は認めない」
と宣言した。
今後4半世紀内に出来る限り早く
化石燃料にも原子力発電にも依存しないカーボンニュートラルを達成」
するという。
■規制委の是正も急務だ
有権者の多くは気付いていないかもしれないが、実は日本の原子力発電は、持続可能性が危ぶまれるほどの深刻な状況に直面している。
13年前2011年の東京電力・福島第1原子力発電所事故の煽りで、既存原発の21基が今も未稼働であることに加え、原発新増設の動きも止まったままだ。
このため原発の部品を供給する企業には廃業に至ったところも少なくない。
国内の原発メーカーである三菱重工業、日立製作所、東芝の3社でも新規プロジェクトが途絶えたことで高度な原発技術の世代間継承に支障を来しつつある。
原発を保有する電力10社でも再稼働を果たしたのは3社に過ぎず、実機での発電経験のない運転員が増しているのだ。
政府は目下、次の
「第7次エネルギー基本計画」
の案を練っている。
衆院選後の新政権には原子力活用に向けての采配を期待する。
現行の6次計画にある
「可能な限り原発依存度を低減する」
との記述などは
「低減」

「増大」
に改めたい。
耳当たりの良い再生可能エネルギーは安定性に欠け、メガソーラーは環境破壊と隣り合わせだ。
原子力発電への消極姿勢を改めなければ電力供給の不足と電気代の値上がりで、国民生活も産業も苦難の道を歩むことになる。
3年前2021年の6次計画策定時点に比べ、エネルギーを取り巻く諸環境は激変している。
国際紛争だけでなく、新産業革命を牽引する人工知能・生成AIの出現も加わった。
AIの開発や運用には膨大な電力需要の発生が予測されており、それへの対応には原発をおいて他にない。
新政権には、再稼働の安全審査に関わる原子力規制委員会の業務遅滞の解決が急務である。
国のエネルギー行政との整合性の回復には規制委設置法の改正も視野に入れるべきだろう。
石破茂首相は就任直後の所信表明演説で
「日本を守る」
など5つの
「守る」
を表明したが、その履行の基盤にはエネルギーが必要だ。
日本の地政学的現況を直視すれば主軸は自ずと原子力エネルギーに帰着する。
各党諸賢には根本原則として胸に刻んでもらいたい。

高橋洋一「日本の解き方」
自民と立民が「増税路線」で同調 歩調合わせ減税に否定的、震災後の悪夢が繰り返される 財務省には千載一遇の好機≠ゥ
2024.10/19 10:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241019-5WEPJDBKSRITPAO67CADSNHPIA/
金融所得課税の強化について、石破茂首相は自民党総裁選で取り上げた後で引っ込めたが、ここにきて立憲民主党の野田佳彦代表が
「25%への引き上げもあり得る」
と強調した。
野田氏は法人税も上げる余地があると述べたという。
衆院選のタイミングでこうした発言をした狙いはどこにあるのか。
石破政権はブレるので、金融所得課税については再びブレて
「課税強化」
を言いかねない。
はっきり言えば、消費税について、自民党と立憲民主党がシンクロしているのが気になる。
与野党党首は2024年10月13日のNHK番組で論戦した。
石破首相(自民党総裁)は、消費税率について
「引き下げることは考えていない」
「当面、上げることも考えていない」
とした。
減税はやらない方針だ。
立憲民主党の野田氏も消費税の減税に関し
「高額な所得者が額として一番恩恵を受ける」
と述べた。
一般的には、消費税は逆進性があるので、減税は低所得者層ほど有利になる。
だが、わざわざ額に言及して分かりにくくしているが、要は減税しないということだ。
他の野党党首は減税に言及しているのに、自民と立民は歩調を合わせて減税に否定的だ。
立民の新代表が決まった段階で危惧していたが、野田氏と言えば、民主党政権時代に消費増税という財務省の戦略にまんまと乗り、一部では
「使い勝手ヨシヒコさん」
とも揶揄されていたらしい。
石破首相も、財政緊縮と金融引き締めで有名だった人だ。
衆院選では自民党と公明党は苦戦が見込まれ、自民の過半数割れを予測する人も少なくない。
有権者の動向によっては自公で過半数割れもあり得る状況だ。
その場合、負け方にもよるが、自公と立民による
「大連立」
にならないとも限らない。
仮に
「台湾有事」
になると、大連立の大義名分ができる。
そうした話は東日本大震災の時にあった。
実際には大連立にはならなかったが、当時の野田首相と野党だった自民党の谷垣禎一総裁はともに増税志向だったので、復興増税と2度の消費増税というホップ・ステップ・ジャンプという財務省の野望が実現した。
財務省は、大連立にならなくても、この東日本大震災の後の増税路線の再来を狙っているのではないか。
歴史は繰り返すという。
増税したい財務省からみれば、自民と立民の両トップが増税志向だというのは千載一遇のチャンスだ。
しかも、立民の野田代表は、過去の消費増税の立役者なので、再び増税をやってくれそうだと期待してもおかしくない。
今回は野党なので、石破首相を誘導することも考えられる。
野田代表から金融所得課税25%や法人税増税を言い出したのも、そのための戦略ではないだろうか。
早速、石破首相は防衛増税を言い出した。
金融所得課税は金持ち優遇の是正、法人税増税は利益をため込んで吐き出さない企業へのペナルティーというキャッチフレーズだろう。
そこで増税に勢いをつけ、次には社会保障にかこつけて再び消費増税というシナリオを財務省は描いているのではないか。 
(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

高橋洋一「日本の解き方」
石破首相が掲げた「アジア版NATO」の非現実度 日米地位協定見直しも含め…まず同盟国助けられない「憲法9条の改正」が先決だ
2024.10/18 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241018-E3LN6EODCRPCLKCBOJZXV7BG2M/
石破茂首相は自民党総裁選の際に掲げた
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」
の構想について所信表明演説では触れなかった。
だが、党内に議論する新組織を設置するよう指示した。
アジア版NATOは日本の安全保障に資するのか。
現実味のある構想なのか。
石破首相は総裁選で、日米地位協定の見直しにも言及した。
アジア版NATO創設と日米地位協定見直しは、根っこのところで今の日米安保条約と密接に関係しており、更にその背景には憲法問題がある。
そこで、まずは日米安保条約の条文を振り返っておこう。
ポイントは第5条と第6条だ。
第5条では
「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する」
としている。
第6条では在日米軍の地位について
「別個の協定などに規律される」
としている。
第5条は
「日本国の施政の下にある領域における」
と書いてあるので、日本が攻められた時に発動するもので、米国が攻められた時ではない。
これが
「相互」
安全保障ではなく、
「片務的」
安全保障と言われる所以だ。
これを前提として日米地位協定がある。
一方、NATO条約では、第5条で
「締約国は、ヨーロッパ又は北アメリカにおける一又は二以上の締約国に対する武力攻撃を全締約国に対する攻撃と見做すことに同意する」
「従って、締約国は、そのような武力攻撃が行われた時は、各締約国が、国際連合憲章第51条の規定によって認められている個別的又は集団的自衛権を行使して、北大西洋地域の安全を回復し及び維持するためにその必要と認める行動(兵力の使用を含む)を個別的に及び他の締約国と共同して直ちに執ることにより、その攻撃を受けた締約国を援助することに同意する」
とされており、明らかに異なっている。
日米安保条約が
「片務的」
なのは、日本の憲法9条で交戦権を否定しているからだ。
つまり、同盟国が攻撃された時でも、助けるために交戦できないのだ。
要するに、憲法9条を改正しないと、日米安保条約すら
「相互的」
にできない。
ましてアジア版NATO創設や日米地位協定見直しには到底辿り着けないのだ。
逆にいえば、憲法9条を改正し、日米安保条約を
「相互的な」
ものに改定すれば、ほぼ自動的に日米地位協定も見直せる。
日米安保条約を
「相互的」
なものに改定すれば、その先の将来像としてアジア版NATOもあり得るだろう。
もっとも、アジア版NATOは米国とアジア諸国が安全保障をどのように考えるかに依存するので、日本だけが考えてもできるものではない。
こうしてみると、党内でアジア版NATOを議論しても、大した結論にはならないだろう。
他国に話をしても
「日本の憲法問題が先だ」
と言われ、現実的な政治課題にはならない。 
(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

高橋洋一「日本の解き方」
衆院選で防戦一方の自民党、石破政権の政策がブレて争点にできず「政治とカネ」問題が前面に…「岸田政権の劣化コピー」とも
2024.10/16 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241016-T3XVBMVR7NOKBOI3DWZBFHVBLQ/
衆院選が2024年10月15日に公示された。
「政治とカネ」
の問題が表に出ているが、他には何が争点になるだろうか。
本来は、外交・防衛や内政を議論すべきであるが、首相就任は今月2024年10月1日、解散は8日後の2024年10月9日、投開票は26日後の2024年10月27日といずれも戦後最短だ。
解散から投開票までの18日間も戦後2番目の短さだ。
選挙日程は、3年前の岸田文雄政権とほとんど同じだ。
石破茂政権は、首相と同様に長らく
「党内野党」
だった
「お友達」
を重要閣僚に据えたが、官房長官は岸田政権から横滑りで、副大臣と政務官はほぼ岸田政権の居抜きである。
こうしたことから政策もほとんど岸田政権を踏襲し、岸田政権の劣化コピーとも言われている。
2024年10月4日の所信表明演説では、総裁選の公約をほぼ全面的に撤回した。
その前に実施された世論調査で、内閣支持率は岸田政権の末期からは上昇したが、それでも政権発足直後では過去最低水準で、
「ご祝儀」
はなかった。
その後、石破政権の変節が明らかになると支持率は下がっているとの調査もあり、焦った石破政権は、焦点を裏金問題にすり替えた。
そこで、不記載だった12人を非公認とし、30人以上を比例重複なしとした。
この判断について
「世論に迎合した」
とも言われるが、この場合の世論というのは非自民層なので、これで自民党に支持が戻るわけではない。
この措置の結果、これまでは
「自民単独で過半数割れ」
が懸念されていたのが、
「自民と公明党の与党で過半数割れ」
も視野に入ってきているという。
そもそも検察の捜査で刑事処分がなされ、それを受けて党規約に基づき党として既に決定した処分について、新総裁が追加処分したというのは
「一事不再理」
の原則に反し不当だ。
「ルールを守る」
と強調する石破首相が自ら破っている。
また、選挙の争点を
「政治とカネ」
の問題に絞ることは、選挙戦術としてもまずい。
野党は
「処分は甘い」
と更に攻勢をかけてくるのは必至だ。
更に、これまで党内野党に対しては寛容だった週刊誌などのメディアも、閣僚のスキャンダルを出し始めた。
このため、ますます政策議論になりにくい状況だ。
実は、外交・防衛や内政を争点にするといっても、石破政権はブレブレでほとんど前言を撤回しているので話にならない。
「憲法7条による解散は違憲の疑い」
と言っていたが、解散してしまった。
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」

「北朝鮮との連絡事務所設置」
などは所信表明演説では姿を消し、
「原発ゼロ」

「選択的夫婦別姓導入」
も後退し、
「金融所得課税強化」
もなくなった。
「最低賃金1500円」
のように変えていないものもあるが、立憲民主党より左で、れいわ新選組並みの政策なので争点になりにくい。
能登の災害に対する措置を予備費か補正予算にするかについても、現実に
「補正予算なし」
なので、ここも争点になりにくい。
結果的に
「政治とカネ」

「スキャンダル」
が争点になれば、自民党は防戦一方だろう。
 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

「『政治とカネ』法律家の立場からは時間の無駄」今の日本に後ろ向きの議論する時間はない
弁護士・田中善信氏
2024/10/18 15:30
https://www.sankei.com/article/20241018-G7YZXJ7CXVLBHC7O5KKLPLPW2Q/?outputType=theme_election2024
27日投開票の衆院選について、弁護士で群馬「正論」懇話会会長の田中善信氏(81)は産経新聞のインタビューに応じ、
「『政治とカネ』の問題は大事なことだが、政治資金規正法をきちんと改正すれば済む話だ」
と指摘した。

今回選挙では、
「政治とカネ」
の問題が大きな争点とされていますが、法律家の立場から言わせて頂くと、東京地検が時間をかけて捜査した以上、更に時間を掛けても新事実が出ることはなく時間の無駄だと思う。
政治にとって最も重要なのは国民の安全と生活を守ることです。
日本周辺には中国、北朝鮮、ロシアという核を保有し核兵器の増産を続ける独裁的国家群がミサイルの矛先を日本に向けている。
備えるには、しっかりとした法制度と軍備を整える必要がある。
最大の法整備は憲法改正だ。
そのためにも与党を中心に改憲に必要な議員数を確保すべきで、選挙で最も問われるのはその点だと思います。
今の日本に後ろ向きの議論をしている時間はありません。
石破茂政権は、国民の声を聴くという姿勢を見せてはいますが、ポーズだけのように見えます。
大事なのは国民、とりわけ将来を担う若者や子供たちが希望を持てる国づくりです。
彼らが望むのは金銭的援助というより日本の明るい未来や希望ではないでしょうか。
その意味でも、党総裁選で多数の党員が支持した高市早苗・前経済安全保障担当相の政策や提言を取り入れることも大切だと思います。
その上で、石破首相には国民の安全と生活を守るための憲法改正に向け、先頭に立って頂きたい。
投票率の低下、長期低迷傾向も将来に対するビジョンを示せない政治家が多いからです。
自身の選挙の事ばかり考え、日本のためにという志をもった政治家が少なくなっていることが原因だと思います。
「政治とカネ」
の問題は大事なことですが、政治資金規正法をきちんと改正すれば済む話です。
近視眼的ではなく、もっと巨視的に日本の将来を考える政治家はいないものでしょうか。
真に将来を語れる政治家が出てくれば、投票率も自然と上がり、国民ももっと政治に関心を持つでしょう。
群馬県からは戦後、4人の首相が誕生している。
土壌はあるはずです。
■たなか・よしのぶ
群馬県富岡市出身。
昭和49年に弁護士登録。
群馬弁護士会に所属し民事、刑事から労働問題、破産や債券回収など幅広くカバー。
特に、警察が手を付けられない事件化以前の、いわゆる民事介入暴力の第1人者として数々の事案解決に尽力。
県警察署協議会会長や県警特別講師などを務め県警特別功労賞受賞。
令和3年12月から群馬「正論」懇話会会長。

自民党、過半数割れの可能性 立憲民主党、公示前より議席上積み 日本保守党、複数議席獲得へ 報道各社、衆院選序盤情勢調査
2024.10/17 11:31
https://www.zakzak.co.jp/article/20241017-WLKH5R2JLFMA3JBPQ2QASGGTBA/
第50回衆院選(27日投開票)について、報道各社の序盤情勢調査が出揃ってきた。
自民党は石破茂首相(総裁)の
「変節」
や、派閥裏金事件などが響き、定数465議席の過半数(233)に届かない可能性が出てきた。
単独過半数割れとなれば、2009年以来となる。
立憲民主党は公示前の98議席から議席を増やし、ベストセラー作家の百田尚樹氏が立ち上げた政治団体
「日本保守党」
は複数議席を獲得しそうだ。
共同通信によると、全289選挙区のうち、自民党(公示前256)がリードしているのは140程度で、接戦区が多い。
比例代表で前回選挙(20年)の72議席を下回るのは避けられない情勢だ。
公明党は公認候補を立てた計11選挙区の全勝は難しい情勢。
自民党との連立与党では過半数を維持する見込み。
立憲民主党は公示前の98議席を超える公算が大きい。
日本維新の会は大阪の小選挙区は堅調だが、比例の支持の広がりに欠け、公示前の43議席に手が届かない可能性がある。
共産党は公示前の10議席程度の獲得が見込まれる。国民民主党も公示前の7議席から上積みする勢い。れいわ新選組は比例で複数議席を確保できそうだ。
社民党は小選挙区の1議席死守が課題。
参政党は支持浸透が見られない。

与党過半数巡り攻防 不記載響き自民低調、立民勢い 衆院選序盤情勢
2024/10/17 5:00
https://www.sankei.com/article/20241017-AEBKGSGRPZMN7EBF43MGFUUFOI/?outputType=theme_election2024
27日投開票の第50回衆院選について共同通信社は15、16両日、全国の有権者15万6千人を対象に電話調査を実施し、取材を加味して公示直後の序盤情勢を探った。
自民党は派閥パーティー収入不記載事件が響き低調。
公明党も伸び悩む。
立憲民主党は議席増へ勢いを見せる。
定数465議席の過半数(233)を巡り、与野党の攻防が続いている。
小選挙区では投票先未定が3割近くおり、今後、情勢は変わる可能性がある。
全289選挙区のうち、自民(公示前勢力256)がリードしているのは140程度にとどまり、接戦区が多い。
比例代表で令和3年前回選の72議席を下回るのは避けられない情勢だ。
単独過半数を維持できるかどうか予断を許さない。
不記載事件に関係し、公認されなかった候補の大半は厳しい戦い。
重複立候補が認められなかった候補も半数近くが先行されている。
立民は公示前の98議席(比例含む)を超える公算が大きい。
無党派層でも支持が拡大しつつある。
前回選で39だった比例議席も増やしそうだ。
日本維新の会は地盤の大阪府の小選挙区で堅調。
だが全国的に比例の支持の広がりがいまひとつで、公示前の43議席に手が届かない可能性もある。
公明は公認候補を立てた計11選挙区の全勝は難しい情勢。
維新と争う大阪府の4小選挙区で苦戦が目立つ。
埼玉14区に出馬した石井啓一代表も激戦。
比例も伸びを欠いており、小選挙区と合わせた公示前の32議席を堅持できるか微妙だ。
共産党は小選挙区1議席を維持しそうだ。
比例次第で、公示前の10議席程度の獲得が見込まれる。
国民民主党も公示前の7議席から上積みする勢い。
れいわ新選組は比例で複数議席を確保できそうだ。
社民は小選挙区の1議席死守へ全力を挙げる。
参政党は支持浸透が見られない。
政治団体
「日本保守党」
は複数議席を得る可能性がある。

自公、全国で苦戦 「政治とカネ」国民から厳しい視線、立民躍進 衆院選序盤調査
2024/10/17 5:05
https://www.sankei.com/article/20241017-AEPDUY4J7VP3RG6G4WBNPM3FXY/?outputType=theme_election2024
15、16両日に共同通信社が実施した衆院選の序盤情勢調査では、自民、公明両党が全国で苦戦している状況が浮き彫りとなった。
「政治とカネ」
の問題を受け、自民は一部を非公認とするなどの対応を取ったが、国民からの厳しい視線は向けられたままだ。
一方、立憲民主党は躍進する見通しだが、主要野党との候補者一本化は限定的で、立民が目標に掲げる
「比較第一党」
には届かなそうだ。
■お詫びしながら臨む選挙
石破茂首相(自民総裁)は16日、香川県内でマイクを持ち、派閥パーティー収入不記載事件について
「こういうことが2度とないように、深く国民の皆さま方にお詫びをしながらこの選挙に臨んでいる」
と述べ、自公政権の継続を訴えた。
野党は不記載事件を巡って自民への批判を強めており、立民の野田佳彦代表は16日、新潟県内での演説会で
「裏金隠し解散だ」
「有権者がペナルティーを与えるしかない」
と主張した。
衆院選の勝敗ラインについて、首相と公明の石井啓一代表は、自公政権を維持するための最低条件となる両党での過半数(233議席)獲得と位置付ける。
自民の公示前勢力は256議席で、政権を奪還した平成24年の衆院選以降、4回連続で単独過半数を獲得してきた。
だが、自民の森山裕幹事長は14日の報道各社のインタビューで
「自民単独でどうするかということをまだ考える余裕はない」
と強調。
このまま低調な状況が続けば、自民が下野した平成21年衆院選以来の単独過半数割れの可能性も見えてくる。
自民は不記載事件に関係した旧安倍派幹部ら12人を非公認とし、30人以上の比例代表への重複立候補を認めない対応を取った。
国民の理解を得るために厳しい選択をした形だが、別の自民関係者は
「非公認で出馬となれば有権者の情が沸く可能性もあるが、党公認で立候補して比例重複だけ認めないというのは分かりにくい」
「理解を得られるだろうか」
と表情を曇らせた。
■野党は候補者調整進まず
一方、野党は不記載事件での自民批判で足並みをそろえるものの、候補者調整は進まなかった。
289の小選挙区のうち、立民、共産両党は142の小選挙区で競合。
与党公認候補と、立民、日本維新の会、共産、国民民主党の主要4野党のいずれかの公認候補が
「一騎打ち」
で争うのは、52の小選挙区にとどまる。
立民の野田氏は
「最低限の目標は自公の過半数割れ」
と息巻くが、共産は野田氏の保守的な路線に反発、候補者調整は多くの小選挙区で整わなかった。
野党乱立の構図となった今回の衆院選では、与党への批判票が分散しており、今後の情勢次第では野党の議席数の伸びの足枷となりかねない。

<主張>衆院選と経済 物価高克服への道筋競え 成長を展望できる具体論を
社説
2024/10/17 5:00
https://www.sankei.com/article/20241017-KHQMFV4RCBJKVHZLRWQHWPRCYI/
衆院選における与野党の論戦で、有権者が高い関心を寄せているのが経済政策である。
物価高にどう対処するのか。
賃上げの動きを確かなものにできるのか。
何よりも、日本経済は長期停滞を脱して将来への展望が開けるのか。
問われているのはそのための具体的な処方箋だ。
各党はこぞって給付金や減税などの聞こえのいい政策を並べているが、具体化への道筋や実現可能性を明確に示せなければ国民の納得は得られまい。
デフレ時代に戻らぬよう経済を底上げし、豊かさを実感できる持続的成長に繋げることが肝要だ。
各党には、バラマキに陥ることなく、中長期的に経済活力を高めるための効果的な戦略を競い合ってもらいたい。
■「デフレ脱却」を確実に
日本経済は今、歴史的な転換期にある。
食品などの幅広い品目で値上げが定着するだけでなく、賃上げの動きは中小企業にも広がりを見せつつある。
「物価も賃金も上がらない」
というデフレ下の社会通念は着実に変化してきた。
既に日銀は利上げに転じ、デフレ脱却を眼目とする異次元緩和路線の修正に踏み出した。
「金利のある世界」
の復活は超低金利下での国債大量発行に支えられた財政運営にも変革を促す。
そうした情勢も踏まえて各党の政策を見極めねばならない。
当面の経済政策で課題となるのは、物価高に伴う消費の弱さである。
8月の実質賃金は3カ月ぶりに減少し、物価高に賃上げが追いつかない状況は今も残る。
ここに効果的な手を打てずデフレからの完全脱却が遠のけば元も子もない。
これは各党に共通する認識だろう。
自民党は公約で、人や技術への積極投資で成長力を強め、その果実を国民に分配すると訴えた。
岸田文雄前政権の路線を踏襲するものだ。
石破茂首相が唱える
「コストカット型経済」
からの脱却もそうである。
だが、それで十分なのか。
衆院選後には経済対策やそれを裏付ける補正予算の編成が予定される。
自民は当面の物価高対策として低所得世帯向けの給付金を約束した。
石破首相は昨年を上回る大型補正予算を編成する意向も示した。
ならば自民が目指す経済対策の中身について、もっと多くを明示すべきだ。
そもそもデフレからの完全脱却をいつ達成できると想定しているのか。
そのため優先すべき政策は何か。
これらを明確に示すことが与党である自民、公明党に求められる責務だろう。
野党の公約で目立つのは消費税や所得税などの減税・撤廃や社会保険料の引き下げだ。
消費を促し経済成長に繋げる狙いがある。
消費税については日本維新の会や共産党、国民民主党などが減税を訴え、れいわ新選組は制度の廃止を求めている。
そこに現実味はあるのか。
■減税の必然性どこまで
物価高が深刻といっても、リーマン・ショックや新型コロナウイルス禍の時のような危機的状況ではない。
高齢化で社会保障費が膨らむ中で、安定財源の消費税に手を付ける必然性は吟味しなくてはなるまい。
国民民主は実質賃金が安定的にプラスになるまで税率を5%にするというが、これを元に戻すときには増税となり、景気を下押しする影響もあろう。
各党は減税の詳細をもっと語るべきだ。
具体的な道筋を示さなければ無責任である。
立憲民主党は現行の消費税の軽減税率に代えて中低所得者向けの
「給付付き税額控除」
を提案するが、制度の大幅変更を円滑に進められるのか。
納得できる説明を尽くすべきである。
「分厚い中間層の復活」
を掲げる立民の公約には、最低賃金引き上げや人への投資など自民と似通う部分もあるが、違いを浮き立たせたいのか、理解に苦しむ項目もみられる。
アベノミクスの象徴である
「2%」
の物価安定目標を
「0%超」
にすると打ち出したのもそうだ。
そもそも0%超は2%も含むので目標として曖昧すぎる。
2%に縛られない柔軟な金融政策を求めたいのだろうが、プラス圏でよしとする変更の結果、賃金の大幅増に向けた機運まで妨げられないか。
そうなれば脱デフレも見通せなくなろう。
与野党には、日本経済の生産性や国際競争力を高め、潜在成長率を向上させる成長戦略についても論じ合ってほしい。
デジタル化や規制緩和などの項目を羅列するだけではなく、優先順位を付けて確実に実行に移せるかどうかが問われよう。

40日抗争と首相の天命 
阿比留瑠比の極言御免
2024/10/17 1:00
https://www.sankei.com/article/20241017-4FNAJUF63FN4XK2F5S34QSTADI/?outputType=theme_election2024
「本当に40日抗争の再来があるんじゃないか」
衆院選公示当日の15日、永田町でこんな予想がささやかれていると聞いた。
選挙結果がどうなるのかはまだ分からないのだから、現時点ではあくまで一つの見立てにすぎないが、あり得る話だと妙に得心した。
40日抗争とは、45年前の昭和54年10月の衆院選での敗北と過半数割れをきっかけに、自民党主流派の大平派、田中派と反主流派の福田派、三木派、中曽根派などが40日間にわたり繰り広げた派閥間の争いのことである。
このとき、自民党は首相候補を一本化できず、大平正芳首相と福田赳男前首相の2人が首相指名選挙に出る異例の事態となった。
結局、首相には大平氏が再選されたものの組閣は難航し、抗争はさらに続いたのだった。
古い話のようだが、今回の衆院選では自民、公明両党の獲得議席が目標の過半数(233)に及ばない可能性も指摘されており、もしそうなれば衆院解散を急いだ石破茂首相の退陣を求める声が、自民内から噴き出すのは必至である。
過半数に届かない場合、日本維新の会、国民民主党、保守系無所属議員らの取り込みや、新たな連立の枠組み作りが喫緊の課題となる。
仮に与党で過半数は確保できても、自民が大きく議席を減らせばやはり石破首相の責任論に直結する。
麻生太郎内閣の農林水産相でありながら、麻生氏に身を引くよう要請したり、第1次安倍晋三内閣時の参院選で自民が大敗した際、安倍氏の責任を厳しく問うたりした自らの過去の言動が襲い掛かってくる。
また、石破首相が
「党内融和より国民の共感」
だと強調し、パーティー収入不記載事件を巡って福田派の流れをくむ旧安倍派を狙い撃つかのような二重処分を断行したことで、抗争の芽は十分に育っている。
党の判断に従って政治倫理審査会に出席しなかった議員まで、説明責任を果たしていないと決めつけて非公認にした首相のやり方は、党内に分断の種をたくさんばらまいている。
40日抗争は尾を引き、抗争翌年の昭和55年5月に野党が内閣不信任案を提出すると、自民の反主流派は衆院本会議を欠席し、不信任案は可決された。
これを受けて大平氏は衆院を解散(ハプニング解散)して初の衆参同日選に打って出たが、選挙中に心不全で急逝している。
■「天の声にもたまには変な声がある」
抗争に負けた福田氏は抗争前年の昭和53年には、現職の首相・総裁として本命視されていた自民党総裁選に敗れてこう述べた。
この場合、天の声とは党員・党友、つまり民の声のことである。
一方、安倍氏との一騎打ちとなった総裁選を控えた平成30年夏に香川県観音寺市で大平氏の墓参をした石破氏は、今回の総裁選前に出版した著書『保守政治家 わが政策、わが天命』の中でこう記している。
「もし私などが首相になるようなことがあるなら、それは自民党や日本国が大きく行き詰まった時なのではないか」
「しかも、それは天が決めること」
「天命が降りない限り、それはありえないということでしょう」
自らの首相就任は天命によるということか。
それでは、衆院選という民の声が直接反映される場面で、石破首相はどんな天の声、天命を知るだろうか。
まさか
「変な声」
「変命」
などと愚痴り出すことはないと思いたいが。

衆院解散 産経「外交・安保の政策論争を」 朝毎東 政治とカネで自民糾弾
社説検証
2024/10/16 9:00
https://www.sankei.com/article/20241016-VSS2FRVN6JPG5PKSB4GS7655UM/
衆院選が15日に公示された。
投開票日は27日だ。
石破茂内閣は1日に発足したばかりで、首相就任から8日後の解散、26日後の投開票は戦後最短である。
主要各紙は解散翌日の社説で、石破氏が予算委員会も開かずに解散を急いだことを
「丁寧な論議をしなかった」(産経)、
「有権者が判断する材料は不十分」(毎日)
などと、いずれも批判的に伝えた。
一方、
「政権選択の選挙」
である衆院選で、何が重視されるべきかについては見解が分かれた。
国民を守ることができる外交・安全保障政策の重要性を訴えた産経に対し、朝日、毎日、東京各紙は自民党の派閥パーティー収入不記載事件を巡る
「政治とカネ」
問題を挙げ、政治への信頼回復を重視した。
産経が指摘したのは、今回の衆院選が、日本を取り巻く安保環境が極めて厳しい中で行われるという現実だ。
政治とカネの問題が
「争点の1つになるのは当然だろう」
としつつも、解散当日の国会での党首討論で外交安保がほとんど語られなかったことを嘆き、各政党と候補者に
「日本を守り繁栄させる政策を大いに論じなければならない」
と強く促した。
特に政権交代を唱える立憲民主党に対しては、集団的自衛権の限定行使の容認を
「憲法違反」
とする立場であることを危惧し、このまま政権を取れば
「日米同盟は空洞化する」
と難じた。
読売も、政治とカネの問題で迷走する自民に苦言を呈しつつ、党首討論で立民などがこの問題の追及に大半の時間を費やしたことを疑問視し、
「日本が直面している課題はそれにとどまらないはずだ」
と強調した。
少子化対策や社会保障政策の必要性と共に、悪化した安保環境への対応を
「待ったなしの課題」
とし、議論を深めるよう呼び掛けた。
朝日、毎日、東京の社説は、安保環境の現実にはほとんど触れず、政治とカネの問題に紙幅を割いた。
毎日は、
「裏金問題は、不透明なカネを使って党勢を維持し、権力の座にあぐらをかく自民の実態を浮き彫りにした」
ととがめ、この問題に各党がどう向き合うかが
「今回の衆院選の最大の焦点」
と位置付けた。
東京も、今回の解散を
「裏金解散」
と呼び、裏金議員に
「職にとどまる資格があるのか否か」
「審判を下すのは私たち有権者だ」
と力説する。
石破首相が総裁選で訴えた政策の多くを棚上げしたことも批判し、
「自民党の『中身』が変わるかどうかを見極めねばなるまい」
とした。
朝日は、衆院選の争点を
「石破政権に対する審判」
だけでなく、
「岸田(文雄)前政権の3年間の実績への評価」、
更には
「7年8カ月に及んだ安倍(晋三)長期政権の総括」
に広げるべきだとする主張を展開した。
立民など野党に対しては
「どこまで国民の心を掴むことができるか」
「その真価が試される」
とし、
「自民への失望という『敵失』頼み」
でなく、
「信頼に足る政策を打ち出せる」
ことが重要と指摘した。
立民の野田佳彦代表は
「政権交代こそ、最大の政治改革だ」
と訴えている。
だが、もしも与党が過半数割れした場合、どんな政権ができるのか見えてこない。
産経は、新たな政権の枠組みを示さない立民を批判し、枠組みが曖昧なまま
「選挙区調整だけに走るとすれば、議会制民主主義の軽視となる」
と断じた。
逆に毎日は、個別政策で異なる部分があっても、野党は候補者を一本化し、
「裏金問題についての民意が投票結果に反映される構図を作り出すべき」
だと唱えた。
産経は、論争すべきテーマとして
「国の根幹に関わる憲法改正」
も挙げた。
国民の多くが自衛隊を認め、その活動に期待している。
にもかかわらず自衛隊は日本国憲法に明記されず、未だ多くの憲法学者が自衛隊違憲論を唱えている。
産経が指摘するよう、この
「異様な状態」
を早急に改めなければなるまい。
内外の情勢は混迷を極めている。
だからこそ各党、各候補者は、現実を踏まえ、将来を見据えた政策を訴えるべきだ。
■衆院解散をめぐる主な社説
【産経】
・日本守り抜く政策訴えよ/政権を託せるのはどの党か
【朝日】
・政治への信頼取り戻せるか
【毎日】
・自民政治のゆがみ問う時
【読売】
・与野党の力量が問われている/国難を乗り越える処方箋を示せ
【東京】
・「裏金」に審判を下そう(いずれも10日付)

<産経抄>後世に胸張れる選択を、衆院選の公示    
2024/10/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20241016-PX4FA2XQORLYPMAHTK6SAE6G3I/
選挙結果を国民の
「肖像」
に例えたのは、大正期に東京市長などを務めた後藤新平である。
どんな政党も、
「選挙という種板(写真の原板)に採影せられたる国民の写真である」。
写りの美醜に有権者も責任を負いなさい―と。
▼大正14(1925)年に日本で普通選挙法が公布されてから、間もない頃の発言という(『大正・昭和戦前期 政治・実業・文化 演説・講演集』日外アソシエーツ)。
それまでの納税要件が廃止になり、満25歳以上の男子が選挙権を手に入れた。
▼女性の選挙権は戦後まで待たねばならないものの、普選の幕開けから100年となる来年2025年は1つの節目だろう。
選挙権の行使について、後藤はこうも述べた。
「その醜い写真を修正し、後世、子孫に誇り得る立派な肖像を、我が憲政史上に残す用意と覚悟がなければならぬ」
と。
▼卓説からほぼ100年経った今も、政治不信をどう拭うかが大きなテーマであり続けているのは残念でならない。
さりとて先送りできない課題は他にも山積し、有権者の肩に食い込む荷は重い。
こちらは節目の第50回となる衆院選が公示された。
▼世界は緊迫の度合いを高めている。
台湾情勢の行方によっては、次の政権が
「有事」
に直面するかもしれない。
国家と国民を守る覚悟を持った政治家は誰か。
有権者の眼力が、これまで以上に問われる政権選択選挙になろう。
後世に恥じることのない肖像を残したいものである。
▼「票」
という字は、細かい火の粉が舞い上がる様を表している。
政党や候補者が論戦に火花を散らし、票を奪い合うなら大歓迎である。
少子化や社会保障などの課題も待ったなしだ。
有権者の胸にくすぶる不安と不満の火を、大事な1票に託す選挙でもある。

<主張>衆院選公示 日本の針路掲げて論戦を
社説
2024/10/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20241016-7IBUR7K47ZPCJOOKSB7FJKVUPM/
第50回衆院選が公示された。
石破茂首相が率いる自公連立政権の信を問う選挙である。
有権者はどの政党、候補者に日本を託すべきかを十分吟味し、一票を投じてもらいたい。
今回の衆院選は
「1票の格差」
を是正するため、小選挙区定数を
「10増10減」
するなど、25都道府県の140小選挙区で区割りが変わった。
有権者はよく候補者を確認し、訴えに耳を傾け、投票では間違いのないようにしたい。
日本を取り巻く安全保障環境は厳しい。
日本の独立と繁栄、国民の生命と暮らしがかかった政権選択選挙である。
有権者はこのことを自覚し、投票先を決めてほしい。
臨時国会では論戦の時間が短く、国民に十分な判断材料を提示したとは言い難い。
各党、各候補者は選挙戦で具体的な政策を示し、在るべき日本の針路を丁寧に論じねばならない。
「政治とカネ」
の問題が衆院選で問われている。
同時に国民を守り抜く外交安保政策に関し議論を深めるべきである。
首相は岸田文雄前首相の路線を継承する姿勢を示しているが、総裁選で掲げたアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想の検討を自民に指示した。
首相に曖昧さがあるのは否めない。
立憲民主党は日米同盟が基軸だと主張する一方で、集団的自衛権の限定行使は
「憲法違反」
との立場を崩さず、同盟強化に逆行している。
各党は防衛力の抜本強化と抑止力向上の具体策を競い合うべきだ。
少子化対策も重要な争点の1つだが、給付拡大の訴えが中心で、財源確保策について各党は余り語ろうとしていない。
これでは無責任である。
物価高に負けない持続的な賃上げによるデフレからの完全脱却の方策についても、議論を尽くすことが求められよう。
北朝鮮による拉致問題や国の根幹である憲法改正について、活発な論戦になっていないのは残念だ。
憲法改正で与野党論議を主導すべき首相は、自衛隊明記や緊急事態条項創設の意義について国民の理解を深めるべく、もっと説かねばならない。
安倍晋三元首相暗殺で要人警護の在り方が見直されてから初の大規模な国政選挙である。
暴力による言論封じは許されない。
警備に万全を期したい。

<主張>衆院選討論会 重要政策の論議を続けよ
社説
2024/10/13 5:00
https://www.sankei.com/article/20241013-SDOHJLP4KNKB3MKF2FXZ2JKJUY/
15日の衆院選公示を前に、日本記者クラブ主催の党首討論会が開かれた。
先の臨時国会では専ら
「政治とカネ」
の問題が取り上げられた。
今回の討論会では国内外の諸課題についても議論が展開され、有意義だった。
政治への信頼を回復する上で政治資金の問題は重要である。
同時に、実際の国政運営でどのような政策を遂行していくかを示すことは欠かせない。
有権者にとって投票の判断材料になるからだ。
ただし、理解に苦しむ場面もあった。
石破茂首相は解散前の国会論戦に関し
「有権者が判断する材料をきちんと提供しなければ無責任だ」
「私は一生懸命自分の言葉で答えた」
と語った。
予算委員会を見送ったにもかかわらず、首相の認識は世間の感覚からかけ離れている。
首相は立憲民主党の野田佳彦代表にウクライナへのロシア侵略を巡り、なぜ抑止が破綻したのか見解を質した。
これに対し、野田氏は東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議にバイデン米大統領が欠席したことを引き合いに出し、
「国際会議に米国を呼び込む外交努力はもっと大事だ」
と述べた。
抑止の破綻について正面から答えない無責任な態度だった。
立民が訴えている
「給付付き税額控除」
については、他党から過去との矛盾を指摘する声が上がった。
旧民主党の野田政権時に当時の安住淳財務相が、税額控除の申請が膨大な数に上ることが想定されるため
「難しい」
と語っていたためだ。
野田氏は整合性のある答えを示せなかった。
野党連携に関し
「対話を続ける」
と述べたが、衆院選後に想定する連立の枠組みを明らかにしなかったことはおかしい。
首相には安全保障政策で不明瞭な発言があった。
アジア版NATO(北大西洋条約機構)の構成国に中国を含むのかを問われ、
「一切の可能性を排除しない」
と述べた。
中国が構成国になり得る国に変化する場合には、アジア版NATOはそもそも要らないではないか。
憲法改正については国民民主党の玉木雄一郎代表が緊急事態条項の創設に関連し、大規模災害時などの国会機能維持について早期の改正を促したが、それ以上深まらず残念だった。

<主張>石破首相の初外遊 国際秩序の担い手となれ
社説
2024/10/12 5:00
https://www.sankei.com/article/20241012-YV3266KOENKKBGBAY5YZN6CNSM/
安全運転の外交デビューではいささか物足りない。
石破茂首相は自由で開かれたインド太平洋、国際秩序の担い手として首脳外交を積極的に展開していく必要がある。
石破首相が就任後初めて外遊した。
ラオスで東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の首脳会議に出席し、日中、日韓などの首脳会談を行った。
衆院解散後でもラオスへ足を運んだのは妥当だ。
バイデン米大統領の姿はなく、日本の首相も不参加なら李強首相が出席する中国の存在感が高まってしまう。
石破首相の外遊はそれを防ぎ、日本がASEANと連携する意思を示す意義があった。
ASEANと日中韓3カ国の首脳会議で石破首相は、中国を念頭に
「力や威圧による一方的な現状変更の試みを許容してはいけない」
と牽制した。
日中首脳会談では
「戦略的互恵関係の包括的推進」
で一致した。
李首相に対し、中国軍の動向への深刻な懸念を伝えた。
日本人男児刺殺事件や中国軍機の領空侵犯について説明を強く求めた。
中国が拘束する邦人の早期釈放や日本の排他的経済水域(EEZ)内の中国ブイの即時撤去、日本産水産物輸入の早期再開も促した。
台湾海峡の平和と安定の重要性を指摘した。
日韓首脳会談ではシャトル外交の継続や安保協力の推進などで一致した。
石破首相はラオスで、持論のアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想を封印した。
岸田文雄前首相の外交路線を踏襲した形で、日本の抱く懸念を李首相に直接伝えたこともあり、初外遊は無難に遂行したと見做されているようだ。
だが中国と戦略的互恵関係など築ける時代なのだろうか。
また、石破首相は自民党総裁選でアジア版NATOを不用意に掲げたため、ASEAN諸国から不安視される中でのスタートだった点を忘れてはならない。
マイナスからの出発で安全運転に徹しても存在感は示せない。
フィリピンのマルコス大統領はASEANと中国の首脳会議で南シナ海問題を巡り中国を直接批判した。
石破首相も日中の個別会談だけでなくASEAN首脳の前でも名指しで中国の問題行動を難じるべきだった。
ベトナム首相と会談したが、日越比の首脳会談を開く選択肢もあったのではないか。

<主張>政治とカネ 再発防止策も丁寧に語れ
社説
2024/10/11 5:00
https://www.sankei.com/article/20241011-DR2B2U63YFPI3ED6H4HTFQGRQA/
事実上始まった衆院選では
「政治とカネ」
を巡る問題が争点となっている。
自民党はパーティー収入不記載事件に関連し前議員らを非公認にしたり、比例代表への重複立候補を認めなかったりする方針だ。
野党は
「不十分だ」
と批判している。
野党との対決を前に、石破茂首相による党内の非主流派潰しの様相を呈しているとの指摘も出ている。
有権者の投票判断の材料にすべき課題は他にもある。
政治資金の透明性確保と事件の再発防止の具体策だ。
立憲民主党、日本維新の会、公明党、国民民主党などは、政党から国会議員に支出される使途の報告義務がない
「政策活動費」
の廃止を訴えている。
自民は公約に
「将来的な廃止も念頭に」
改革に取り組むと記した。
首相は今回の衆院選では
「使うことはある」
と語った。
立民が先の通常国会でパーティー禁止法案を提出しながら、同党幹部らが開催していたことを想起させるものだ。
党務を預かっていた茂木敏充前幹事長は自民総裁選で、廃止は可能と語っていた。
今の自民の姿勢は有権者から見て分かりにくい。
国会議員に支給される調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の使途公開は、衆院選後の国会で直ちに関連法を改正して実現すべきだ。
政治資金を監視する第三者機関の制度設計も急がれる。
立民、維新、共産党などが唱えている企業・団体献金の禁止には賛成できない。
企業や労働組合なども民主主義社会の構成員である以上、政治活動の自由は認められるべきだ。
一般国民からの個人献金が定着していない日本で企業・団体献金を禁止すれば、世襲ではない人や、業界団体、宗教団体などの背景を持たない人にとって選挙活動は極めて不利になる弊害も出てくる。
企業・団体の幹部が分散して、個人として献金する抜け穴を塞ぐことも難しい。
却って日本の議会制民主主義を後退させかねない。
一方、外国人・外国法人のパーティー券購入禁止の議論が低調なのは残念だ。
国政が外国勢力からの影響を受けるのを防ぐために禁止は欠かせない。
不記載事件の動機は今も分かっていない。
自民は明らかにする責任がある。

<主張>衆院解散 日本守り抜く政策訴えよ 政権を託せるのはどの党か
社説
2024/10/10 5:00
https://www.sankei.com/article/20241010-KWGTCTQYKVIWLBZR4XMFA2XQJM/
衆院が解散され、事実上の選挙戦が始まった。
解散は天皇陛下の国事行為である。
石破茂内閣は臨時閣議で
「15日公示、27日投開票」
の日程を決めた。
衆院選は3年ぶりだ。
新首相の就任から8日後の解散、26日後の投開票は戦後最短の決戦となる。
衆院選は政権選択選挙だ。
各政党と候補者は有権者の前で、日本を守り繁栄させる政策を大いに論じなければならない。
解散を前に国会で行われた党首討論で石破首相(自民党総裁)は、派閥パーティー収入不記載事件への対応を批判され防戦一方となった。
■安全保障をなぜ語らぬ
政治資金の透明性確保や不記載事件の再発防止を進め、政治への信頼を取り戻すことは重要だ。
政治とカネの問題が争点の1つになるのは当然だろう。
ただし、党首討論は衆院選を前に、日本の将来に向けた政策を競い合う場でもあるべきだった。
ところがそうならなかったのは、全閣僚出席の予算委員会を開いて丁寧な論議をしなかったことが響いている。
石破首相の所信表明演説後、代表質問と党首討論をしただけで解散したのは残念だった。
石破首相と自民は、不記載議員らの一部を対象に非公認の数を増やしたが、有権者が評価するかは不透明だ。
党首討論では外交安全保障がほとんど論じられなかった。
日本を取り巻く安全保障環境が極めて厳しい中で信じ難いことである。
習近平中国国家主席の共産党総書記の任期の関係から、台湾有事が令和9(2027)年までにあるかもしれないと危惧されていることを忘れたのか。
「台湾有事は日本有事」
と言われる。
今回の衆院選で選ばれる議員と彼らが指名する首相は、台湾有事を抑止するため働き抜かねばならない。
もし有事になれば、先頭に立って国家国民を守り抜く重責を担う。
有権者はそれに相応しい議員を選ばなければなるまい。
全ての政党と候補者は現下の国際情勢に対する認識と、今後起こり得る危機の抑止と対処の具体策を語るべきだ。
野党第一党の立憲民主党の安全保障に関する姿勢は、極めて危うい。
日米同盟の抑止力を格段に高めた集団的自衛権の限定行使の容認を
「憲法違反」
とする立場だからだ。
立民の衆院選公約は、限定行使を認める安保関連法について
「違憲部分を廃止する」
という従来方針を踏襲した。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古移設工事は
「中止」
すると明記した。
この政策のまま政権をとれば日米同盟は空洞化する。
旧民主党の鳩山由紀夫政権が同盟の危機を招いた二の舞いとなるだろう。
これも分からない立民の野田佳彦代表に果たして政権担当能力があるだろうか。
■立民は政権枠組み示せ
立民は、衆院選での与党過半数割れや政権交代の実現を叫んでいる。
にもかかわらず、この目標を達成した時の新たな政権の枠組みを示していないのはおかしい。
これでは有権者の判断材料が揃わない。
目指す政権の枠組みを曖昧にして選挙区調整だけに走るとすれば、議会制民主主義の軽視となる。
選挙戦で聞きたいテーマの1つが、国の根幹に関わる憲法改正だ。
日本国民の多数が自衛隊を認め、期待する時代になった。
ところが多くの憲法学者は自衛隊違憲論を唱えている。
このような異様な状態は改めたい。
憲法への自衛隊明記は改憲に前向きな各党で意見集約が進んでおり、是非早期に実現したい。
改正のゴールは
「戦力不保持」
を定めた第9条2項の削除と軍の規定の創設だ。
そうなって初めて世界の他の民主主義国と同様に国民を守る体制が整う。
首都直下地震、南海トラフの巨大地震などの大規模災害や有事への懸念が高まる中、緊急政令を含む緊急事態条項の創設も急務である。
各党が論じるべき政策課題は他にもある。
物価高に負けない持続的な賃上げによるデフレからの完全脱却、原発を含むエネルギーの在り方、少子高齢化を背景にした人口減少などだ。
国民受けする政策だけでなく
「痛み」
を伴う改革にも真摯に向き合わなければならない。
言行不一致は国民の不信を招く。
各党、各候補者は誠実に言葉を紡いでほしい。

<主張>代表質問 安全保障の論議不十分だ
社説
2024/10/9 5:00
https://www.sankei.com/article/20241009-N3ZCWLPEKJIFNBCCPHJ3MP7ZMA/
石破茂首相の所信表明演説への国会の代表質問が終わった。
政権選択選挙である衆院選を前にした国会である。
「政治とカネ」
を巡る問題が盛んに議論された。
その一方で、日本の独立と繁栄の基盤となる安全保障の論議が深まらなかったのは残念だ。
自民党議員は中国軍の領空侵犯や領海侵入、空母「遼寧」の接続水域航行、ロシア軍の領空侵犯を取り上げ、小野寺五典政調会長は
「国民の命と暮らし、領土・領海・領空を守り抜く」
ことを求めた。
日本維新の会の馬場伸幸代表は台湾有事について質した。
首相が最近の著書で
「『台湾有事、即日本有事』となる可能性は相当低い」
と指摘しているからだ。
馬場氏は
「対中抑止力や国民の国防意識を削ぐことになる」
と懸念を示した。
首相は
「仮定の質問に答えるのは差し控える」
とした上で
「台湾海峡の平和と安定は国際社会の安定にとっても重要だ」
と指摘した。
国防の決意と具体策をもっと語る必要がある。
物足りなかったのは野党第一党の立憲民主党である。
野田佳彦代表が首相のアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想に関し
「日米同盟の抑止力に疑念があると思われかねない」
「非現実的ではないか」
と疑問を呈したのは妥当である。
だが、立民として日本をどう守るつもりかを語らなかった。
対中認識を含む現下の国際情勢に対する見方も示さなかった。
田名部匡代参院幹事長はロシアに侵略されたウクライナで、なぜ抑止力が効かなかったのかを質した。
ウクライナ問題を論ずるのではなく、アジア版NATOを巡る首相の言行不一致を引き出したかっただけのようだ。
安保政策を十分語らずに政権交代を迫っても、説得力は感じられない。
憲法改正については自民、立民、維新などが質問した。
首相は緊急事態条項の創設や自衛隊明記について、自民内の議論を
「後戻りさせることなく、前に進めていく決意だ」
と語った。
同時に、任期中に国会への発議を実現したいとし、憲法審査会で議論を深めるよう求めた。
ただ、それだけでは足りない。
首相や憲法改正に前向きな政党は、どの項目をいつまでに条文化したいのかを明らかにすることも重要である。

<主張>中東の戦火拡大 なぜNSCを開かぬのか
社説
2024/10/3 5:00
https://www.sankei.com/article/20241003-4YRNMLACHBI6FNK2GDIOJIQ5N4/
石破茂首相に問いたい。
なぜ国家安全保障会議(NSC)を開催しないのか。
中東の戦火が拡大しているからである。
イスラエルがレバノンの首都ベイルートにある親イラン民兵組織ヒズボラの本部を空爆し指導者ナスララ師を殺害した。
ヒズボラの脅威を除こうとイスラエル軍はレバノン南部へ侵攻した。
ヒズボラの後ろ盾であるイランは報復と称しイスラエルに向けて大規模な弾道ミサイル攻撃を行った。
米英両軍などが協力して迎撃したが一部が着弾し、被害が出た。
イランの対イスラエル直接攻撃は4月以来だ。
どちらも中東有数の軍事大国だ。
双方に自制を求めたい。
ただし事態がエスカレートすれば
「第5次中東戦争」
になりかねない。
日本や世界のエネルギー供給にとっても、経済情勢にとっても、何より中東地域の邦人の安全にとっても、看過できない緊迫した状況である。
日本は一連の事態を遠い地域の出来事と見做すのではなく、自らの問題と捉え、対応しなければならない。
石破首相は2日、イランの弾道ミサイル攻撃を非難し
「全面戦争に拡大しないように(米国などと)連携を取りたい」
と述べた。
そうであるならば、石破首相は、NSCの4大臣会合などを開き、邦人保護や万一の際のエネルギー需給、イスラエル、イラン双方への働きかけについて協議すべきである。
国家安全保障局や外務省の幹部と面会したが、それだけでは足りない。
NSCを開催すれば、日本企業や現地の邦人に対応を促すシグナルにもなる。
石破首相が自民党総裁に当選した9月27日に、岸田文雄内閣の木原稔防衛相はレバノンからの邦人退避に備え、航空自衛隊のC2輸送機を近隣のヨルダンとギリシャへ派遣する命令を発した。
レバノンには約50人の邦人が滞在している。
政権末期でも邦人保護へ動いた岸田政権の対応は妥当だ。
退避では韓国との相互協力も進めたい。
ただし、レバノンからの邦人退避の備えは日本が為すべき対応の一部に過ぎない。
戦火が一気に拡大しかねない時代だ。
危機は政権交代の事情など勘案しない。
石破首相には内閣発足直後であろうと国民を守り抜いてほしい。

<主張>自民総裁に石破氏 保守の精神踏まえ前進を 外交安保政策の継承が重要だ
社説
2024/9/28 5:00
https://www.sankei.com/article/20240928-ZQWPFHRUFBPALP3NUGABOBDVAI/
自民党総裁選で、石破茂元幹事長が高市早苗経済安全保障担当相を決選投票で破り、新総裁に選出された。
10月1日召集の臨時国会で首相に指名され、宮中での認証式などを経て、石破内閣が発足する見通しだ。
石破氏は当選後、
「安全安心な国にするため全身全霊を尽くしたい」
と語った。
ほとんどの派閥が解散を決めたこともあって史上最多の9人が立候補し、激しい総裁選となった。
石破氏は1回目の投票で高市氏に次ぐ2位だった。
決選投票の票差は21票で、党内基盤は強いとは言えない。
■「挙党態勢」が問われる
政治とカネの問題で自民をみる有権者の目は依然として厳しい。
石破氏と自民は挙党態勢で国政運営に当たる必要がある。
党役員や閣僚の人事は適材適所の観点で、総裁選のライバル候補を含め起用すべきだ。
党所属国会議員は結束して新総裁を支えてもらいたい。
石破氏と自民に求めたいのは保守の精神を尊重、堅持することだ。
自民は党綱領で
「日本らしい日本の確立」
を謳い、自らを
「保守政党」
と位置付けている。
この基本線から外れるべきではない。
総裁選で論じられた選択的夫婦別姓の導入は見送るべきである。
石破氏は前向きな姿勢を示してきたが、保守政党が取り組む課題ではない。
家族や社会の根幹に関わる話だ。
片方の親と子の
「強制的親子別姓」
を意味し、戸籍制度も揺らぐ。
個人の自由の問題とは言えず、自民どころか社会の分断を招きかねない。
旧姓使用の充実で対応してもらいたい。
国家と国民を守り抜く外交安全保障は政治リーダーにとって最も重要な責務だ。
安倍晋三元首相は
「自由で開かれたインド太平洋」
構想を国際社会に示し、限定的ながら集団的自衛権の行使容認を実現した。
菅義偉前首相は米国と共に
「台湾海峡の平和と安定の重要性」
を打ち出した。
岸田文雄首相は5年間の防衛費43兆円、反撃能力の保有を決め、防衛力の抜本的強化を開始した。
石破氏は安倍氏以降の外交安全保障を確実に継承し、発展させなければならない。
中国やロシア、北朝鮮といった核武装した専制国家の脅威をどう捉えているかを語ってほしい。
ウクライナ支援の継続も重要だ。
心配なのは、石破氏がアジア版NATO(北大西洋条約機構)の具体化に意欲を示した点だ。
創設には憲法問題の解決や各国との比較的長期の交渉などに相当の年月と大きな政治エネルギーを要する。
数年先の発生も懸念される台湾有事の抑止を優先すべきではないか。
日米同盟の対処力と抑止力の強化も欠かせない。
■男系の皇統を守り抜け
北朝鮮による日本人拉致問題の解決も急がれる。
石破氏は
「東京と平壌に連絡事務所を開設して交渉の足掛かりとする」
と唱えてきた。
家族会は時間稼ぎに利用されるだけだと懸念している。
まず、家族会などと真剣に語り合ってほしい。
千年、二千年の視野で日本を守るため、安定的な皇位継承策を確立すべきである。
自民は、男系(父系)による継承を堅持する内容の岸田内閣の報告書に賛同する立場だ。
石破氏は総裁選でこの党の方針に従うと表明した点を強調しておきたい。
自民は来年、結党70年を迎える。
憲法改正は党是であり、改憲原案の条文化を臨時国会中に完成させるべきだ。
憲法への自衛隊明記は最優先だ。
首都直下地震などの大規模災害や日本有事への懸念が高まっている。
緊急政令を含む緊急事態条項創設も急務である。
自民総裁として与党公明党の説得にも努める必要がある。
日本が抱える課題は他にもある。
物価高を上回る持続的な賃上げを確実なものとし、デフレからの完全脱却を目指してもらいたい。
少子高齢化を背景にした人口減少への対策や社会保障制度改革も欠かせない。
政治とカネの対応は引き続き重要だ。
パーティー収入不記載事件の再発防止と政治資金の透明性確保を確実にしたい。
信頼を取り戻さなければ、政策は遂行できまい。
早期の衆院解散・総選挙が取り沙汰されている。
臨時国会では所信表明演説で国家観と政策の全体像を披露すると共に質疑にも応じ、国民に投票の判断材料を示すべきである。

川口クルド人問題、突如衆院選争点に浮上「私におまかせを」埼玉2区、全く触れない候補も
「移民」と日本人
2024/10/16 12:10
https://www.sankei.com/article/20241016-M2LPK63JJZLGHB5FX4XFJEJGOQ/?outputType=theme_election2024
27日投開票の衆院選埼玉2区は、トルコの少数民族クルド人と地域住民との軋轢が表面化している川口市の大部分が選挙区だ。
「地元国会議員が動いてくれない」
との指摘も出る中、今回の選挙では突如、争点に浮上。
公示日の15日、JR川口駅前では
「クルド人問題を解決する」
と公約する候補も現れた。
川口は外国人問題で有名になった
「ルール違反の外国人問題、おまかせください!」
日本維新の会前職の高橋英明氏(61)陣営の選挙カーから、運動員の女性がこう呼び掛けた。
前回は比例復活で初当選。
今年2月の衆院予算委ではクルド人を念頭に地元の外国人問題を取り上げ、当時の岸田文雄首相に対応を求めた。
選挙カーの上でマイクを握った高橋氏は経済再生などを訴えた後、クルド人らも混じる通行人に向かって
「この川口は外国人問題で全国的に有名になってしまった」
と切り出した。
「ルールを守らない外国人は一旦国に帰ってもらって、きちんとした在留資格で来てもらう」
「支援団体もそういうことを手助けすべきだ」
と指摘し、警察官の増員などを訴えた。
■この機会だから申し上げる
9選を目指す自民前職で前経済再生相の新藤義孝氏(66)は、選対本部長に奥ノ木信夫市長を迎え、駅前広場に自民、公明両党の県議や市議ら約25人を集めて出陣式。
150人以上の聴衆に向かって経済再生などを論じた後、
「もう1つ大事なことは治安の確保だ」
と地元の課題に話題を転じた。
「いわゆるクルド人問題」
「この機会だから申し上げるが、難民認定申請を繰り返し、10年も20年も川口にいる人たちが増えてしまった」
と、自身の選挙で初めてクルド人問題を明確に取り上げた。
新藤氏は自身の政策チラシにも
「クルド人問題の解決」
と明記。
この日の演説で、6月施行の改正入管難民法で難民申請中の強制送還停止が原則2回までに制限されたことについて
「法改正まで5年かかった」
と実績として触れ、
「ルールを守ってこその共生だ」
「川口をあやふやな出入り自由の街にはさせられない」
と声を張り上げた。
■なぜ外国人問題に触れるのか
一方、共産新人で元県議の奥田智子氏(55)は川口駅頭で第一声を上げたが、約13分間の演説で外国人問題に触れることはなかった。
演説後、奥田氏になぜ触れなかったか尋ねたところ、
「逆に聞くが、なぜ触れるのか」
「演説の内容は私が選べる」
「触れない理由は敢えて言わない」。
地元のクルド人問題への対応については
「国の政治が悪すぎる」
「それに尽きる」
と入管政策を批判した。
立民新人で歯科医師の松浦玄嗣(もとつぐ)氏(52)も川口駅前での出陣式では外国人問題について言及しなかったが、配布した政策チラシに
「外国人労働者の処遇に明確な法整備を求める」
と掲げた。
取材に応じた松浦氏は
「外国人を労働者としてなし崩し的に受け入れるから問題になる」
「川口で起きていることは10年後、20年後、必ず国全体の問題になる」
「外国人を移民として受け入れるのか、鎖国するのか、ロボットやAIに頼るのか、政治家は国民と議論しなければならない」
と語った。
■早く目に見える成果を
この他、埼玉2区には諸派新人で不動産会社社長の津村大作氏(50)が立候補。
7月の東京都知事選にも出馬した津村氏は今回、強制送還を拒む不法滞在者の入管施設への収容を一時的に解く
「仮放免制度」
の廃止を訴えている。
クルド人の危険運転などに困っているという地元の男性会社員は
「選挙で取り上げられるようになったのは一歩前進だが、市民の間ではまだまだ『政治家は何もしてくれない』との思いが強い」
「早く目に見える成果を挙げてほしい」
と話していた。
▽埼玉2区立候補者(届け出順)
奥田 智子55元県議 共新
高橋 英明61党県代表 維前
新藤 義孝66前経済再生相 自前
津村 大作50会社社長 諸新
松浦 玄嗣52医療法人役員 立新

政治とカネが最大の争点、有権者の声「選挙後の追加公認釈然としない」「企業献金禁止を」
2024/10/15 12:07
https://www.sankei.com/article/20241015-ULEGDW5RYVPYNDYFO3B7JOEKGI/?outputType=theme_election2024
自民の派閥パーティー収入不記載事件を受け、
「政治とカネ」
が最大の争点とされる今回の衆院選。
有権者はどのような論戦を望むのか。
京都市左京区の主婦(72)は不記載事件について
「50万円でも100万円でも脱税と言われても仕方がない」
と指摘。
自民は不記載があった候補を非公認としたり、比例代表への重複立候補を認めない措置をとったりしたが、
「選挙後に追加公認する可能性があることは釈然としない」
と述べた。
大阪市浪速区の無職の男性(71)は
「政治家は国民の税金から報酬や活動費を得ているのだから、企業献金は禁止すべきだ」
とした上で、
「約束を実行できる候補者や政党に票を投じたい」。
京都市左京区の自営業、久保元昭さん(78)は
「不記載事件については候補によって額がそれぞれ違っており、有権者の判断に委ねるべきだ」
と話した。
一方、政治とカネ以外の課題への対応に注目するという有権者も。
大阪市西成区の会社員、神野瑠璃さん(49)は
「外交・国防政策を重視している」
「台湾有事など安全保障環境が厳しい中、中国に対しきっちりとものを言ってくれる候補を選びたい」。
大阪市北区の主婦、糟谷千恵子さん(78)は
「大阪の経済対策をちゃんとやってほしい」
「物価高に関しては工夫をして何とかやっているが、大阪に必要なお金を国から持ってきてくれる候補かどうかを重視している」
と語った。
兵庫県尼崎市の阪神出屋敷駅前で候補者の街頭演説を聴いていた同市の無職、近橋保憲さん(66)も
「政治とカネの問題も大事だが、それ以上に私たちの生活を守るのが大事」
といい、
「物価抑制などの経済対策や雇用対策を有効に実行してほしい」
と訴えた。

第50回 衆議院選挙 きょう公示
2024年10月15日 5時03分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241015/k10014609431000.html
第50回衆議院選挙が15日に公示されます。
今回の選挙は、与党が過半数の議席を確保して連立政権を継続するのか、野党が勢力を伸ばして与党を過半数割れに追い込むのかが最大の焦点となります。
第50回衆議院選挙は15日に公示され、小選挙区と比例代表、合わせて465議席をめぐって争われます。
NHKのまとめによりますと、14日までに、
▽小選挙区で1108人
▽比例代表単独で230人
合わせて1338人が立候補を予定しています。
政党別では、小選挙区、比例代表の順で
▽自民党が266人と76人の合わせて342人。
▽立憲民主党が207人と30人の合わせて237人。
▽日本維新の会が163人と1人で合わせて164人。
▽公明党が11人と39人の合わせて50人。
▽共産党が213人と23人の合わせて236人。
▽国民民主党が41人と1人の合わせて42人。
▽れいわ新選組が19人と16人の合わせて35人。
▽社民党が10人と7人の合わせて17人。
▽参政党が85人と9人の合わせて94人。
▽みんなでつくる党が小選挙区のみで6人。
▽日本保守党が4人と26人の合わせて30人。
▽安楽死制度を考える会が比例代表のみで2人。
▽諸派と無所属が小選挙区で83人となっています。
今回の選挙は、与党が過半数の議席を確保して連立政権を継続するのか、野党が勢力を伸ばして与党を過半数割れに追い込むのかが、最大の焦点となります。
289ある小選挙区のうち、与党側は大半の選挙区で候補者を擁立し、野党側は各党が、それぞれ党勢拡大を目指して擁立作業を進めてきました。
12日間の選挙期間中、政治とカネの問題を受けた政治改革のあり方や、物価高対策をはじめとする経済政策、厳しい国際情勢に対応するための外交・安全保障政策などをめぐり、激しい論戦が交わされる見通しです。
立候補の受け付けは
▽小選挙区は、各都道府県の選挙管理委員会で
▽比例代表は、総務省にある中央選挙管理会で
いずれも、15日午前8時半から行われます。
■村上総務相 公示にあたり談話を発表
衆議院選挙の公示にあたって、村上総務大臣は
「選挙は、国民が主権者として政治に参加する最も重要かつ基本的な機会だ」
「有権者の皆様には、積極的に投票に参加し、みずから考え、判断することによって、代表者としてふさわしいと考える方を選出されるよう期待する」
「候補者や選挙運動関係者には、選挙のルールを順守し、国民の信頼と期待に応えられるよう希望してやまない」
「今回の選挙は、小選挙区の区割り改定が行われて以降、初めての衆議院選挙で、選挙の管理執行にあたる方々は、厳正かつ公正を旨として選挙の管理執行にあたるとともに、小選挙区の区割り改定内容の周知や有権者の投票参加を促す啓発に取り組んでいただくようお願い申し上げる」
という談話を発表しました。
■各党 声明など発表
衆議院選挙の公示にあたって、各党は声明などを発表しました。
自民党
日本をどのように守り抜くか、次の時代に向けてどんな社会を創っていくか、国民に選択をいただく重要な選挙だ。
政治の信頼なくして政策の推進はない。
厳しい反省と危機感の上に立ち、ルールの順守を徹底し、信頼回復に全力で取り組む。
今、求められているのは、確かな政策と実行力で政治を着実に前へと進めていくことだ。
皆様の納得と共感のもと『この国に生まれてよかった』と思っていただける国づくりを全身全霊で進めていく、
としています。
立憲民主党
自民党派閥の裏金事件を発端として、政治不信が極まっている中、石破総理は、能登半島を支援するための補正予算編成や、十分な国会での議論に応じることなく『裏金隠し解散』を強行した。
本気の政治改革を実現するため全党一丸となって選挙戦に臨む。
アベノミクスで広がった格差を是正し『分厚い中間層の復活』を実現する。
自公を過半数割れに追い込み、第一党となって政権交代を果たす覚悟だ、
としています。
日本維新の会
政治と金の問題で地に落ちてしまった政治への信頼を回復するため、政治改革を真に実行する候補者を選択する選挙だ。
既得権益としがらみを断ち切れない現政権に、古い政治を続けさせるわけにはいかない。
与党を過半数割れに追い込むことにより、この国のかたちを根本から変える力を与えていただくよう訴えていく、
としています。
公明党
日本経済の再生、少子高齢化対策などを強力に進め、成果を上げている自民・公明両党の連立政権を選ぶのか、政権の枠組みを示せない野党に政治のかじ取りを委ねるのか選択が問われる。
結党以来、政治腐敗と闘い実績を重ねてきた公明党が政権にいるからこそ、政治改革を前に進めることができる、
としています。
共産党
自民党政治は『表紙』を替えても政治の中身は変わらないことが明らかになっている。
国民の願いが通らないのは自民党の政治の根本に、財界・大企業の利益を優先し、日米軍事同盟を絶対視する『2つのゆがみ』があるからだ。
共産党がのびてこそ日本の政治は変えられる」としています。
国民民主党
国民のふところを豊かにする政治家を選ぶのか、自分のふところを豊かにしようとする政治家を選ぶのかが問われる選挙だ。
裏金問題に決着をつけることを訴え、国民の『手取りを増やす』経済政策を掲げて戦う。
真面目に働けば給料が上がる社会を取り戻そう、
としています。
れいわ新選組
『失われた30年』の原因は労働環境破壊と逆進性の強い消費税を不況下で何度も増税したことが大きい。
失われた30年と人間の尊厳を取り戻す。
消費税は廃止、社会保険料減免、現金給付が必要だ、
としています。
社民党
今回の選挙は『税金はくらしに!日本を立て直す選挙』であり、『自民党政治を終わりにする選挙』だ。
この衆院選はまさに平和憲法9条を守れるのかどうかの天王山の闘いだ、
としています。
参政党
『日本をなめるな!』このスローガンのもと、参政党は日本の再興に挑む。
守りだけでなく攻めの姿勢で本来自民党がやるべきだったことを、我々参政党が引き受ける、
としています。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/748.html#c34

[戦争b25] 窮地に陥っているウクライナ大統領はロシアとの核戦争への道を進むと脅している(櫻井ジャーナル) 赤かぶ
18. 秘密のアッコちゃん[787] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月22日 14:30:02 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[352]
<■812行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
北の露派兵 同盟諸国と事実関係を協議 露軍犠牲1日1200人超との概算も 米補佐官
2024/10/22 11:48
https://www.sankei.com/article/20241022-ACC7VAVO2JPRJFDUXHSMWE3RK4/
カービー米大統領補佐官は2024年10月21日の記者会見で、北朝鮮がウクライナへの侵略を続けるロシアに地上部隊を派兵したとされる問題で、事実関係を調査するため同盟諸国と協議していると明らかにした。
近日中にも調査内容を公表する計画があるとも述べた。
北朝鮮のロシア派兵は欧米メディアが相次ぎ報道し、ウクライナのゼレンスキー大統領が議会演説で北朝鮮が侵略に
「参戦している」
と明言。
韓国の情報機関、国家情報院も、特殊部隊がロシアに派兵されたとの情報を明らかにした。
カービー補佐官は協議中の国名に触れなかったが、ウクライナや北大西洋条約機構(NATO)加盟国に加え、北朝鮮の軍動向を監視する韓国とも情報を精査している可能性がある。
派兵規模は最終的に数千人から1万人超に上るとの見方がある。
カービー氏は
「侵略への参戦を目的とした北朝鮮のロシア派兵が事実であれば、危険かつ極めて憂慮すべき事態だ」
とし、同盟諸国と実態把握に務めていると述べた。
カービー氏はまた、ウクライナでの露軍の死傷者数が
「1日当たり1200人超」
に上るとの概算を示し、
「歴史的な数だ」
と指摘。
ロシアが国際社会で孤立し、戦場での犠牲も増加していることが、北朝鮮やイランなどとの軍事協力を急速に強める背景との見解を示した。
ロシアに対しイランは大量の無人機を、北朝鮮は弾道ミサイルや砲弾をそれぞれ供与している。

北朝鮮派兵に懸念相次ぐ 安保理、ロシア「恐怖をあおるデマだ」と否定
2024/10/22 8:31
https://www.sankei.com/article/20241022-ZLLQUCW3JFPFVMMRS5RTZUHTQQ/
国連安全保障理事会は21日、ロシアによるウクライナ侵攻を協議する緊急会合を開いた。
韓国やウクライナは北朝鮮がロシアへの派兵を始めたと指摘し、米国や日本などは派兵情報への懸念を表明。
ロシアは
「恐怖を煽るデマだ」
と否定した。
韓国の黄浚局国連大使は、ロシアに派兵した北朝鮮は
「積極的な交戦国」
だと非難。
ウクライナのキスリツァ国連大使は
「ロシア東部で約1万1千人の北朝鮮兵が訓練を受けている」
とし、2024年11月1日までに実戦投入される見通しだと主張した。
ロシアのネベンジャ国連大使は、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟は絶対に受け入れられないと強調。
劣勢のウクライナが
「ロシアとNATOの直接対決を引き起こそうとしている」
と訴えた。(共同)

NATOと韓国が北朝鮮の露派兵で連携へ 韓国は露大使呼び抗議
2024/10/21 20:10
https://www.sankei.com/article/20241021-6E2WNCGOJJMODOCRUOB5WJ4CNU/
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は2024年10月21日、電話で会談し、ウクライナを侵略するロシアに北朝鮮が部隊を派兵したとされる問題を巡り意見交換した。
ルッテ氏は、派兵は国際法と国連安全保障理事会決議に反するとして、深刻な懸念を表明した。
韓国大統領府が発表した。
尹氏は、北朝鮮が派兵した特殊部隊約1500人がロシアで適応訓練を受けているといった詳細情報を説明。
露朝の軍事協力は
「国際秩序を根本的に揺るがし、朝鮮半島や世界の平和をも脅かしており、決して座視しない」
と強調した。
両氏は詳細な情報を共有するため、韓国がNATOに代表団を派遣するなど連携を強化することで合意した。
韓国政府は2024年10月18日に情報機関を通じて派兵について発表したが、直後にルッテ氏は
「証拠は確認できない」
と述べていた。
尹氏の説明を受け、派兵に関して確信を強めたとみられる。
一方、韓国外務省は2024年10月21日、ロシアのジノビエフ駐韓大使を呼び、北朝鮮の派兵を厳しく非難し、朝鮮人民軍の即時撤退と軍事協力の中止を強く求めた。
露大使館によると、ジノビエフ氏は
「露朝間の協力は国際法の枠内で行われ、韓国の安保の利益に反するものではない」
と反論した。
韓国政府が露朝への対応策を検討する中、これまで控えてきたウクライナへの殺傷兵器の提供に踏み切るのか注目されている。

北朝鮮兵映像「本物と確認した」 ウクライナ、ロシア軍人が撮影と説明
2024/10/21 18:05
https://www.sankei.com/article/20241021-FXFX3RKAZZMOHHYATLPFKHN2KM/
北朝鮮兵の姿がロシア軍施設で確認されたとの映像を公開したウクライナ文化情報省傘下機関トップのイゴル・ソロベイ氏は2024年12月20日、映像について
「現場にいたロシア軍兵士が撮影した」
「信頼できる情報源から入手した」
と述べた。
北朝鮮がウクライナ侵攻に
「参戦」
した証拠になるとの見方を示し
「公開情報オシントを活用して本物と確認した」
と主張した。
共同通信のオンラインインタビューに答えた。
ソロベイ氏は文化情報省の戦略コミュニケーション・情報セキュリティーセンターの所長。
ゼレンスキー政権や韓国の情報機関、国家情報院は北朝鮮がロシアへの派兵を始めたと分析している。
ただ、オースティン米国防長官は2024年10月19日の記者会見で
「現時点で確認できていない」
「調査を続ける」
「事実なら深刻だ」
と述べるにとどめた。
同センターは2024年10月18日、ロシア極東の軍事施設で北朝鮮兵士が装備品を受け取る様子だとする映像を公開した。(共同)

ロシア国境付近で北朝鮮兵士18人集団脱走 派遣兵か 韓国紙報道
毎日新聞
2024/10/16 13:28(最終更新 10/16 18:20)
https://mainichi.jp/articles/20241016/k00/00m/030/058000c
韓国紙の朝鮮日報は2024年10月16日、ウクライナ軍高官の話として、ロシア西部ブリャンスク、クルスク両州のウクライナとの国境付近で、北朝鮮軍兵士18人が集団脱走したと報じた。
ウクライナ軍は、脱走したのは北朝鮮が対露軍事協力の一環で派遣した兵士らで、まだ拘束されていないとみているという。
露朝両国は2024年6月の首脳会談で、有事の際の軍事援助を規定した包括的戦略パートナーシップ条約を締結。
軍事協力を進展させる可能性が指摘されていた。
韓国の金龍顕(キムヨンヒョン)国防相は2024年10月8日、
「(北朝鮮が対露協力のため)正規軍をウクライナに派遣する可能性が高い」
との見方を示した。
北朝鮮の派兵を巡っては、露政府は否定しているが、ウクライナ側からの情報発信が相次いでいる。
米紙ワシントン・ポストは2024年10月11日、ウクライナ軍関係者の証言として
「数千人規模の北朝鮮の歩兵部隊が露国内で訓練を受けている」
と伝えた。
2024年年末までに前線に配置される可能性があるという。
また、ウクライナメディアは2024年10月上旬、東部ドネツク州の露側占領地域で、北朝鮮軍の将校6人がウクライナのミサイル攻撃で死亡したと報じた。
米CNNは、北朝鮮がロシアに兵器を供給していることから、これらの兵器に関する工学的な支援や情報交換のために兵士が派遣されたとの情報を伝えている。【ソウル日下部元美】

北朝鮮のロシア派兵に「明確な証拠」ゼレンスキー大統領 米は「調査を継続」
2024/10/21 7:08
https://www.sankei.com/article/20241021-HLVLS35425OXTKCTRMZPIFCSR4/
ウクライナのゼレンスキー大統領は20日の声明で、北朝鮮がロシアに兵士を派遣している「明確な証拠」があるとして、北朝鮮がウクライナ侵攻に「参戦」していると改めて主張した。衛星情報やロシアからの映像が証拠だとしており、各国に対抗措置を取るよう訴えた。
ゼレンスキー政権や韓国の情報機関、国家情報院は北朝鮮が派兵を始めたと分析している。ただ米国のオースティン国防長官は19日の記者会見で「現時点で確認できていない。調査を継続する。事実だとすれば深刻だ」と述べるにとどめた。
ゼレンスキー氏は声明で「北朝鮮が現代の戦争の特徴を学び始めれば、脅威が大きく増すだろう」と指摘。「世界が沈黙を続け、われわれが北朝鮮兵士と前線で対峙することになれば、世界の誰の得にもならないし、戦争が長期化するだけだ」と主張した。
ウクライナ文化情報省の戦略コミュニケーション・情報セキュリティーセンターは18日、ロシア極東の軍事関連施設で北朝鮮の兵士らが装備品を受け取る様子だとする映像を公開した。20日には、ロシア軍が軍服や靴などのサイズを質問する朝鮮語の調査票を用意していたと明らかにした。(共同)

ウクライナ、東部の集落奪還と発表 北朝鮮軍は越境攻撃下の露西部クルスク州に投入か
2024/10/19 8:54
https://www.sankei.com/article/20241019-FS6BVMUHLNIQLAVF2Z4KHHBB3E/
ロシアによるウクライナ侵略で、ウクライナ国防省情報総局は2024年10月18日、同国軍が東部ハリコフ州の集落クルグリャコフカを露軍から奪還したと発表した。
ウクライナメディアが伝えた。
クルグリャコフカは露軍が制圧を狙う同州の都市クピャンスク方面に位置している。
東部では戦力に勝る露軍が徐々に前進しているが、ウクライナも反撃を試みているもようだ。
一方、ロシア側での参戦を決めた北朝鮮が軍の人員をロシアに派遣したとされる問題で、ウクライナメディアは2024年10月18日、同国軍情報当局筋の話として、北朝鮮軍がハバロフスクやウラジオストクなど露極東の4都市で実戦投入に向けた訓練を受けていると報じた。
米軍事メディア「ウォーゾーン」によると、ウクライナ国防省情報総局のブダノフ局長は、ロシアに派遣された北朝鮮軍の規模を
「1万1000人」
だと指摘。
ブダノフ氏はまた、北朝鮮軍が2024年11月1日までに訓練を完了し、うち2600人がウクライナ軍の越境攻撃を受ける露西部クルスク州に投入される見通しだと明らかにした。

プーチン氏、G20首脳会議の欠席表明 ICC逮捕状巡る「混乱回避」理由に
2024/10/19 8:44
https://www.sankei.com/article/20241019-4D6CGK3STRK2BNVZD7LVNPUVUQ/
ロシアのプーチン大統領は2024年10月18日、2024年11月にブラジルで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に欠席すると表明した。
理由に関し、ウクライナ侵略を巡る戦争犯罪容疑で国際刑事裁判所(ICC)が自身に逮捕状を出していることに言及。
「私が行けば、G20の議論はそれ(逮捕問題)ばかりになってしまう」
とし、自身の出席により首脳会議が混乱する事態を防ぐための決定だと主張した。
今月2024年10月22〜24日に露中部カザンで開かれる主要新興国の枠組み「BRICS」の首脳会議に先立つBRICS諸国の報道機関との会見で発言した。
ICC加盟国のブラジルには、プーチン氏が入国した場合、逮捕する義務が生じる。
一方でプーチン氏は
「逮捕を回避することは簡単だ」
「(逮捕しないという)政府間合意を結ぶだけだ」
とも指摘。
逮捕を懸念した欠席ではないと強調した。
プーチン氏はウクライナ情勢にも言及。
将来的な停戦について
「1年間や2年間の停戦であるべきではない」
「その間に北大西洋条約機構(NATO)が兵器を蓄え、(ウクライナに)移転するためだ」
と述べた。
その上で
「長期的で持続可能な平和」
の実現に向けて
「ロシアは戦い続け、勝利する」
と主張した。
プーチン氏はウクライナの
「中立化」
「非軍事化」
といった目標を達成するまで軍事作戦を継続する意思を改めて示した形だ。

「現段階で確認できない」NATO事務総長、ウクライナへの北朝鮮派兵報道で
2024/10/18 22:56
https://www.sankei.com/article/20241018-OZTEJIQNSRIOTGHKQN5MCDZD3M/
北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は2024年10月18日
「北朝鮮人が兵士としてウクライナでの戦争に参加しているという報道について現段階では確認できていない」
と述べた。
ブリュッセルで記者団に語った。
ルッテ氏は、NATOが韓国などと緊密に連絡を取り合っており
「この見解は変わる可能性がある」
と指摘し、動向を注視する考えを示した。(共同)

北朝鮮がウクライナ侵攻「参戦」 軍特殊部隊1500人露極東入り 韓国情報機関
2024/10/18 22:29
https://www.sankei.com/article/20241018-TSZJ7GK24NIBZE7OJV4PBVC3A4/
韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は2024年10月18日、北朝鮮がウクライナ侵略を続けるロシアを支援するため、朝鮮人民軍の大規模派兵を決め、既に第1陣約1500人が露極東地域に入ったとの情報を明らかにした。
韓国当局は、北朝鮮が参戦を始めたと判断した。
聯合ニュースが伝えた。
北朝鮮による地上軍の大規模な海外派兵は初めてとされ、ウクライナの戦局にも影響を与える可能性がある。
派兵されたのは、軍特殊作戦部隊である
「第11軍団」
所属の将兵で、近く第2陣の兵員輸送も行われる見通し。
第11軍団は
「暴風軍団」
との異名を持つ最精鋭部隊。
最終的に4個旅団計約1万2000人規模の兵力がウクライナの戦場に投入されると予想されている。
北朝鮮が日米韓への敵対姿勢を強める中、軍の特殊部隊が戦場で実戦経験を積むことになれば、日韓の安全保障情勢にも影響を及ぼしかねない。
国情院によると、第1陣は今月2024年10月8日〜13日に北朝鮮北東部の清津(チョンジン)や東部、咸興(ハムフン)付近の地域から露太平洋艦隊の揚陸艦4隻と護衛艦3隻に乗船し、露極東ウラジオストクに移った。
ウラジオストクの他、ウスリスクやハバロフスクなど極東地域の複数の拠点に駐留。
訓練を終え次第、戦地に送られる模様だ。
北朝鮮の兵士らはロシア人兵士を装うため、ロシアの軍服やロシア製武器、シベリア地域の住民を装う偽身分証も受け取ったとされる。

来年日本で地雷国際会議 ウクライナの除去支援
2024/10/18 19:53
https://www.sankei.com/article/20241018-OZWVQFXBP5ONXEFBSXUIO4AOLY/
スイス西部ローザンヌで2024年10月17日、ウクライナの地雷除去に関する国際会議が開かれ、日本から参加した柘植芳文外務副大臣は来年に日本で同会議を開催すると発表した。
会議には60以上の国・国際機関が参加した。
ウクライナのシュミハリ首相は、国土のおよそ4分の1に地雷や不発弾が埋まっている可能性がある状況に触れ
「地雷除去の分野で支援を強めてほしい」
と訴えた。
柘植氏はスイスやウクライナとの共同記者会見で
「人道支援の効果を最大化させる」
と話し、地雷探知機の供与や専門家育成での協力を強化する考えを示した。(共同)

北朝鮮が特殊部隊など1万2千人派兵決定、移動開始 韓国情報機関
2024/10/18 19:26
https://www.sankei.com/article/20241018-I4KDNLXG6NJSFBPACPPKTFGGDU/
韓国の情報機関、国家情報院は2024年10月18日、北朝鮮が最近、ロシアを支援するため、朝鮮人民軍の特殊部隊など4個旅団計約1万2000人規模の兵力をウクライナの戦場へ派兵することを決定したとの情報を明らかにした。
複数の韓国メディアが伝えた。
既に兵力の移動を開始しているとしている。
北朝鮮とロシアは2024年6月に実質的な軍事同盟となる
「包括的戦略パートナーシップ条約」
を締結し、軍事的協力を急速に深めている。

フランス新型自爆ドローン開発 ウクライナへ「数週間内」に供与
2024/10/18 16:54
https://www.sankei.com/article/20241018-FZR2MHE7JZJSTATRUWAXLCFRXE/
フランス政府が、新開発の自爆ドローン(無人機)をウクライナに近く供与すると発表した。
ルコルニュ国防相が2024年10月16日にX(旧ツイッター)で、
「弾薬を乗せて遠隔操縦できる『カミカゼ・ドローン』第1号の試験に成功した」
と書き込み、
「今後、数週間以内」
に仏軍とウクライナに納入されると明かした。
仏紙フィガロによると、この自爆ドローンは45分間自律飛行でき、5キロ先の標的を攻撃できる。
1機当たりの価格は2万ユーロ(約325万円)以下という。
仏国防省は今年2024年3月、自爆ドローン2000機を発注し、このうち100機をウクライナに供与すると表明していた。

ノルウェー、近くF16戦闘機6機をウクライナに供与 欧米、「戦勝計画」に慎重姿勢
2024/10/18 11:26
https://www.sankei.com/article/20241018-PC7XFHL6KRPOVMJEANBJPE4NFA/
ロシアの侵略を受けるウクライナのウメロフ国防相は2024年10月17日、ベルギー・ブリュッセルで開かれた北大西洋条約機構(NATO)国防相会合でノルウェーのグラム国防相と会談した。
会談後、ウメロフ氏はSNSを通じ、ノルウェーから
「近い将来」
に6機の米国製戦闘機F16がウクライナに供与されると発表した。
ウクライナへのF16供与はこれで、ベルギー、オランダ、デンマーク、ノルウェーの4カ国が表明。
既に少なくとも6機が供与されたとされるが、ウクライナは2024年8月、1機が任務中に墜落したと公表した。
ノルウェーからのF16供与が実現すれば、ウクライナの防空力の向上が見込まれる。
ウクライナメディアによると、F16は2028年までに約80機が同国に供与される予定。
供与は段階的に行われ、2024年今年中に24機、25年末までに40〜50機程度となる見通しだとしている。
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は同日、ブリュッセルで欧州連合(EU)首脳会議とNATO国防相会合に出席し、ロシアに対する
「戦勝計画」
を説明した。
計画は、NATOがウクライナの加盟に向けた手続きを即座に開始することや、欧米製の長距離ミサイルによる露国内攻撃の解禁などを含んでいる。
ただ、ロイター通信によると、EUとNATOはウクライナ支援の継続を約束する一方、即座のNATO加盟手続きの開始には慎重姿勢を維持した。
ゼレンスキー氏は
「仮に計画への支持が得られなくとも、ウクライナはロシアの侵略と戦い続ける」
と表明した。
戦勝計画について、ペスコフ露大統領報道官は同日、
「狙いはNATOを紛争に公式に引き込むことであり、ロシアとNATOの直接衝突を招く」
と警告した。

「ウクライナは負ける」とトランプ氏 ゼレンスキー氏は「最も偉大なセールスマン」
2024/10/18 11:24
https://www.sankei.com/article/20241018-TLAV2B7UW5JTDITXSV3CT33IB4/
米大統領選の共和党候補、トランプ前大統領は17日放送のポッドキャスト番組のインタビューで、ロシアが侵略するウクライナのゼレンスキー大統領について
「戦争を始めるべきではなかった」
「負け戦だ」
と批判した。
ロシアが侵略を始めたことを否定する発言とも受け取れ、民主党候補のハリス副大統領陣営が反発を強めるとみられる。
トランプ氏はロシアのプーチン大統領を指導者として高く評価しており、2021年の離任後にも対話したと報じられている。
侵略を正当化するプーチン氏寄りの姿勢が顕著で、ウクライナを支援する欧州の米同盟国に動揺が広がりそうだ。
ウクライナへの軍事支援に消極的なトランプ氏はゼレンスキー氏について
「最も偉大なセールスマンだ」
「米国に来る度、我々が1000億ドル(約15兆円)を与えている」
と誇張して皮肉る一方
「ウクライナ人を気の毒に思う」
「彼を助けたくないと言っているわけではない」
とも述べた。(共同)

中露を念頭、現状変更に反対 中谷防衛相、NATO会合で連携強化を呼びかけ
2024/10/18 10:04
https://www.sankei.com/article/20241018-FUE3PW4CSZPQ3OS5AGCXDFJ7IQ/
中谷元・防衛相は17日(日本時間同)、北大西洋条約機構(NATO)とインド太平洋地域のパートナー国との国防相会合に初めて出席した。
中国やロシアを念頭に、力による現状変更の試みに反対し、対抗するための連携強化を呼び掛けた。
「厳しい国際情勢だからこそ、基本的価値と戦略的利益を共有する日本とNATOの協力が重要だ」
と述べた。
ロシアのウクライナ侵略を
「国連憲章の原則が踏みにじられた暴挙だ」
と非難。
日本は引き続きウクライナ支援を続けるとして、自衛隊車両を追加提供する考えを示した。
ウクライナのウメロフ国防相との会談でもこうした方針を伝えた。
会合では
「インド太平洋地域でも力や威圧による一方的な現状変更の試みが強化されている」
と述べ、中国軍が2024年10月14日に台湾を包囲する形で実施した軍事演習に言及した。(共同)

NATO国防相会合、ウクライナの加盟で温度差 ゼレンスキー氏の戦勝計画、多難な前途
2024/10/18 9:59
https://www.sankei.com/article/20241018-RVHP6SP63VJIPLKL7CSR6QGYKU/
ブリュッセルで2024年10月18日まで開かれている北大西洋条約機構(NATO)国防相会合は、ロシアに侵略されたウクライナへの
「揺るぎない支援」
が改めて打ち出されたのとは裏腹に、ウクライナのゼレンスキー大統領が2024年10月16日公表の対露戦争計画で求めた
「NATOへの即時無条件加盟への招待」
を巡る加盟国間の温度差が目立ち、前途の多難さを印象付けた。
2024年10月1日に事務総長に就任し、今回初めてNATO会合を主催するルッテ氏は2024年10月17日、
「ウクライナをこれまで以上にNATOに近づける」
と述べるとともに、加盟が実現するまでは、ウクライナの勝利を確実にするため
「あらゆる手立てを講じ続ける」
と強調した。
会合では、初参加のオーストラリアが退役を控えた豪陸軍のM1エーブラムス戦車49両をウクライナに供与すると表明した。
また、加盟国が年間400億ユーロ(6兆5100億円)規模の対ウクライナ軍事支援を続けていくとの目標について、達成されるとの見通しが示された。
一方、ウクライナのNATO加盟を巡っては、エストニアのペブクル国防相やラトビアのスプルーズ国防相が、ゼレンスキー氏の戦勝計画を支持する立場からウクライナのNATO加盟実現を早急に具体化させるべきだと表明した。
ゼレンスキー氏は2024年10月17日、NATO会合に先立ちブリュッセルの欧州連合(EU)首脳会議で演説し、ウクライナのNATO加盟も含めて戦勝計画を今から実行に移せば
「戦争は遅くとも2025年までに終結する」
と主張した。
NATOは2024年7月に米ワシントンで開いた首脳会議で
「ウクライナのNATO加盟は不可逆的だ」
とし、将来のNATO加盟を確約している。
ただし、加盟に向けた実質的な動きは出ていない。
加盟国の間では、NATOの中心国である米国で2024年11月に実施される大統領選の行方を見極めたいとの思惑が強い。
加えて米国とドイツは、現時点でウクライナを加盟させればロシアが反発し、核兵器使用の恐れも含めて戦火が拡大しかねないとの懸念から
「ウクライナの加盟は戦争終結後であるべきだ」
と他の加盟国を説得しているという。
ウクライナが加盟するにしても、他国からの攻撃をNATO全体への攻撃と見なすNATO条約第5条の適用範囲を明確化させるため、ウクライナとロシアとの国境または境界線が明確に確定されていることが加盟の前提となるなど、加盟実現へのハードルは尚高いのが実情だ。

米、攻撃用無人機生産で中国企業に制裁 ウクライナ侵略でロシアが使用
2024/10/18 8:52
https://www.sankei.com/article/20241018-KEX2TZTNYNO5JM5PLNDBZN6L3U/
米財務省は2024年10月17日、ロシアがウクライナ侵略で使用する長距離の攻撃用無人機の生産に関与したとして、中国などに拠点を置く3企業と1個人に制裁を科した。
米国内の資産が凍結される。
ロシアに武器を直接供給する中国企業が制裁対象となるのは初めてとしている。
ミラー国務省報道官は声明で、ロシア企業の協力の下、中国で生産された無人機がウクライナで重要インフラの破壊や多数の負傷者を生み出していると指摘。
「ロシアに対する軍事的支援には引き続き代償を負わせる」
と警告した。
財務省によると、今回制裁対象となった企業は無人機のエンジン生産に加え、今年2024年初めから無人機の部品となる電子機器の輸出にも関わっていた。
米政権高官らは、中国最高指導部がロシアへの軍事産業支援を進めていると非難している。(共同)

北朝鮮部隊1万人派遣準備 ゼレンスキー氏、露との連携に懸念 NATO国防相会合閉幕へ
2024/10/18 7:56
https://www.sankei.com/article/20241018-AKLNYDTKORI65D3SZWD7XFDSI4/
ブリュッセルで開かれた北大西洋条約機構(NATO)国防相会合は2024年10月18日、ロシアに侵略されたウクライナに対する軍事支援の強化と、ウクライナの将来的なNATO加盟を確認して閉幕する。
2024年10月17日のウクライナ関連会合に出席した同国のゼレンスキー大統領は記者会見で、ウクライナ領内に北朝鮮軍の要員が送り込まれていると指摘し、ウクライナ戦争でのロシアと北朝鮮の連携に強い懸念を示した。
ゼレンスキー氏はウクライナの情報機関が入手した情報として
「北朝鮮がウクライナ領内の露支配地域に戦術要員と将校を送り込んだ」
と述べた。
また、北朝鮮が総勢1万人規模の部隊をロシアとウクライナの露占領地域に派遣する準備を進めているとした。
記者会見に同席したNATOのルッテ事務総長は
「北朝鮮の兵士が(ウクライナでの)戦闘に関与している証拠はない」
と述べる一方で、北朝鮮がロシアにミサイルなどの兵器や機器の供与といった多様な支援を展開しており
「非常に懸念している」
と語った。
ルッテ氏はまた
「中国はロシアの対ウクライナ戦争の決定的な支援者と化した」
と批判。
2024年10月17日の会合に中谷元・防衛相ら日本と韓国、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国の国防相が出席したのを踏まえ、NATO加盟国とインド太平洋地域のパートナー諸国が対中国を含めた幅広い分野で連携を深めていくべきだと強調した。
ルッテ氏は4カ国を交えた会合は
「意義深かった」
とし、防衛産業の生産能力強化、偽情報工作を駆使したハイブリッド戦争への対応、サイバー攻撃対策で協力強化を図るとした。
ゼレンスキー氏は日本からの支援に関し
「日本は本当に力強い相棒だ」
「日本がいなければ生き残れなかった」
と謝意を表明した。

<主張>ウクライナへ派兵 北の脅威をもっと論じよ
社説
2024/10/18 5:00
https://www.sankei.com/article/20241018-7IRDVZ74WBLD7KQSOTUO4KCUJA/
ウクライナのゼレンスキー大統領が2024年10月16日、最高会議(国会)の演説で
「ロシアによる侵略に北朝鮮が参戦している」
と明言した。
2024年10月13日の声明でも
「(北朝鮮からロシアへ)もはや武器だけでなく人が派遣されている」
と指摘していた。
複数のウクライナメディアは、ロシア軍が北朝鮮人で作る3000人規模の部隊を編成し、国境地帯に配備したと報じた。
北朝鮮兵1万人がロシアに派遣されたとの報道もある。
北朝鮮は弾道ミサイルや数百万発の砲弾をロシアに輸出し、ウクライナの戦場で使用されている。
ロシアは否定するが、実際に北朝鮮が派兵までしたのであれば、侵略への加担どころか侵略者になったことになる。
事実なら明白な国連憲章違反であり許されない。
北朝鮮は直ちに将兵を自国に戻し、武器弾薬の輸出も停止すべきだ。
北朝鮮軍の派遣について、カービー米大統領補佐官は
「露軍は毎日1000人超が死傷するなど大きな困難に直面している」
「その中で出てきた」
との見方を示し、露朝の軍事協力に懸念を表明した。
懸念されるのはウクライナへの侵略激化だけではない。
2024年6月に露朝が結んだ
「包括的戦略パートナーシップ条約」
には
「一方が戦争状態になれば、遅滞なく軍事的、またはその他の援助を提供する」
とある。
朝鮮半島有事になれば、ロシア軍の参戦の可能性があるということだ。
北朝鮮は韓国との対決姿勢を強めているが、南北の衝突がロシアを含む日本有事へ拡大することもあり得る。
日本にとって他人事ではない。
青木一彦官房副長官は記者会見でウクライナを巡る露朝軍事協力進展について、ウクライナだけでなく日本周辺の安全保障環境に与える影響の観点から
「深刻に憂慮すべきものだ」
と語った。
だが、石破茂首相や与野党からは危機感の表明や露朝両国への批判はほとんどない。
一体どうしたことか。
どの党も候補者も、日本を守る、国民を守る―と連呼する衆院選の最中であるにもかかわらず、この鈍さは理解に苦しむ。
石破首相は外務、防衛両省に北の派兵の詳細をウクライナ政府に確認するよう指示すべきだ。
その上で関係各国に露朝両国への制裁を呼び掛け、日本自身も急ぎ発動すべきである。

ウクライナ軍前総司令官、早期終戦に否定的 欧米が武器供給せず「勝利の機会失った」
2024/10/17 21:49
https://www.sankei.com/article/20241017-NWWI25AG4NPKZMFMBAT4R2NSEQ/
ウクライナ軍前総司令官のザルジニー駐英大使が2024年10月17日、ロンドンで講演し
「ロシアとの長期戦から抜け出すのは、ほぼ不可能に思える」
と述べ、早期の戦闘終結に否定的な見解を示した。
欧米が2023年、ウクライナに必要な武器を供給しなかったため、勝利の機会を失ったとも指摘した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は2024年10月17日の欧州連合(EU)首脳会議で、対ロシア戦の
「勝利計画」
について演説し、計画に今すぐ着手すれば、2025年中に戦闘終結が可能だと主張した。
ザルジニー氏は軍総司令官だった2023年11月に英誌エコノミストが報じたインタビューで、戦闘が
「膠着状態」
にあると発言。
ゼレンスキー氏が
「膠着ではない」
と否定し、両者間の亀裂が指摘された。
ゼレンスキー氏は2024年2月、ザルジニー氏を解任した。(共同)

米、ウクライナのF16要員養成で若手重視に転換 欧米式訓練に柔軟対応も訓練長期化か
2024/10/17 17:02
https://www.sankei.com/article/20241017-NOBKFZHIQJKIXEQNVC6NXHXDKM/
米紙ウォールストリート・ジャーナルは17日、ウクライナ空軍に供与された米国製F16戦闘機の操縦士養成に関し、米国が若手に重点を置く方針に転換したと伝えた。
訓練のためにウクライナを離れることが可能で必要な英語能力がある経験豊富な操縦士の不足が理由。
若手の場合、訓練に時間がかかり、F16による防空態勢の強化が遅れる可能性もある。
ウクライナでは2024年8月下旬にF16が墜落し、ベテラン操縦士が死亡した。
この操縦士は通常数年かかる訓練を6カ月で終えて前線に投入されたばかりだったことから、米国などは訓練の在り方を協議していた。
同紙によると、若手の方が欧米式の訓練に柔軟に対応できるとの意見もあるが、F16の訓練課程に進む前に英国とフランスの施設で1年間の基礎的な飛行訓練を終える必要がある。
方針転換前から、ウクライナ空軍が20機のF16と操縦士40人で構成する飛行隊を配備するには、早くとも来年2025年春までかかる見通しだったという。(共同)

米ウクライナ首脳、対露戦勝計画を協議 米は長射程攻撃で慎重維持、「北派兵」懸念共有か
2024/10/17 8:19
https://www.sankei.com/article/20241017-JYTHWXWJ5NIEVM42XJ6VJ2FSXU/
バイデン米大統領は2024年10月16日、ロシアの侵略が続くウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談し、4億2500万ドル(約636億円)の追加軍事支援を表明した。
ゼレンスキー氏は同日、最高会議(議会)演説で公表した対露戦勝計画を巡る最新状況を説明。
同氏が計画の柱とする米国製長射程兵器による露領内攻撃容認について、米側は慎重姿勢を維持したとみられる。
ウクライナ情勢を巡っては、ロシアに弾道ミサイルなどを供給する北朝鮮が部隊をロシアに派遣したと複数の欧米メディアが報道
ゼレンスキー氏は議会演説で北朝鮮が侵略に
「参戦している」
と表明しており、バイデン氏にも懸念を伝えた可能性がある。
米国家安全保障会議(NSC)のサベット報道官は
「ロシアの代わりに戦う北朝鮮兵士に関する報道に憂慮している」
「事実なら、両国の軍事関係の著しい増強を示すことになる」
と述べた。
また、ホワイトハウスは、バイデン氏が2024年10月17〜18日の日程でドイツを訪問、ショルツ首相らとウクライナや中東情勢などを協議すると発表。
2024年11月にはバイデン氏がウクライナ支援国によるオンラインの首脳級会合を主宰するとも明らかにした。
同月2024年11月の米大統領選に向け、現政権のウクライナ支援姿勢を継承する民主党候補ハリス副大統領と、対露交渉による早期停戦を唱える共和党候補トランプ前大統領との接戦が続いている。
一方でイランや北朝鮮、中国がロシアと軍事的連携を強めており、バイデン氏は支援国の首脳らとの協議を通じ、選挙結果にかかわらず、対露戦勝利に必要な支援をウクライナが確保できるよう、危機意識の共有を図るものとみられる。

NATO国防相会議が開幕へ 日韓など4カ国が初参加 ウクライナの「戦勝計画」など協議
2024/10/17 8:18
https://www.sankei.com/article/20241017-4WFOTPTSMRPXHBJIG7FUA4FQRM/
北大西洋条約機構(NATO)の国防相会合が2024年10月17日、ブリュッセルのNATO本部で2日間の日程で始まる。
2024年10月19日からイタリア南部のナポリで開かれる初の先進7カ国(G7)国防相会合と合わせ、ロシアに侵略されたウクライナへの軍事支援の推進を確認する。
2024年10月17日の会合にはウクライナのゼレンスキー大統領も出席する。
NATO会合には中谷元防衛相を含め日本と韓国、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国の国防相が初参加する。
NATOのルッテ事務総長は2024年10月16日の記者会見で、日本など4カ国の国防相との協議では防衛産業分野での協力に関して話し合うとしており、増産が急務となっているウクライナ向けの弾薬の供給拡大に向けた連携や、先端技術協力などが議題に上るとみられる。
ルッテ氏は4カ国との協力について
「次の段階として何をするかを描き出すことが重要だ」
と指摘。
日本との関係では
「日本はウクライナとの強い連帯を打ち出している」
「中国の軍備増強についても共通の懸念を抱いている」
と述べた。
ウクライナを巡る討議では、ゼレンスキー氏が2024年10月16日に初公表したロシアに対する
「戦勝計画」
への対応などが主要議題となる。
ルッテ氏は戦勝計画に関し
「ウクライナのNATOへの即時無条件の招待」
などが盛り込まれていることを念頭に
「計画を全面的に支持するとは言えない」
と語り、慎重姿勢を示した。

ウクライナの対ロシア「勝利計画」に慎重姿勢 NATO事務総長 国防相理事会で議題に
2024/10/17 7:37
https://www.sankei.com/article/20241017-FWBDEPL4BZIMJEDZUK32CECGOE/
北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は2024年10月16日、ウクライナのゼレンスキー大統領が公表した対ロシア戦争の
「勝利計画」
について
「私は計画全体を支持しているとは言えない」
と述べ、慎重な姿勢を示した。
ブリュッセルで記者会見した。
勝利計画は、ウクライナのNATO加盟交渉に同国を招待することも要求している。
ルッテ氏は
「深く掘り下げ、その背景を理解しなければならない項目が数多くある」
と指摘。
2024年10月17〜18日に開くNATO国防相理事会で
「間違いなく議題に上る」
と述べた。
加盟国が表明したウクライナ軍事支援が今年前半だけで209億ユーロ(約3兆4千億円)に上るとして、来年も400億ユーロ規模の支援を継続するという目標を達成できるとの見通しを示した。(共同)

防衛産業協力を協議へ NATO、日韓豪NZの国防相と 実務的な関係深める狙い
2024/10/17 7:14
https://www.sankei.com/article/20241017-6NXEMG2KVNIK5I75KRYMQRSMJ4/
北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は2024年10月16日、ブリュッセルで2024年10月17〜18日に開催する国防相理事会に招待した日本と韓国、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国の国防相と
「工業生産や技術革新の協力の在り方について協議する」
と明らかにした。
防衛産業分野の協力を進める。
理事会を前に記者会見した。
NATOは2022年から3年連続で4カ国の首脳を招待しているが、国防相理事会に4カ国の国防相を招くのは初めて。
ロシアのウクライナ侵攻を支援する中国に対する懸念を共有するだけでなく、実務的な協力関係を深める狙いがある。
欧州のNATO加盟国はウクライナに対する弾薬などの軍事支援に注力しているが、防衛企業による生産が追い付かず、供給能力不足の克服が課題となっている。(共同)

米、ロシア領長射程攻撃で慎重姿勢を維持 ウクライナ支援の継続を約束
2024/10/17 7:02
https://www.sankei.com/article/20241017-MQKMTR4H5VNN3LEQGWJOG5C544/
ジャンピエール米大統領報道官は2024年10月16日の記者会見で、ウクライナに米国製長射程兵器によるロシア領攻撃を認めるかどうかについて慎重な姿勢を維持した。
バイデン大統領はゼレンスキー大統領と電話会談し、4億2500万ドル(約636億円)の追加軍事支援を表明。
来年2025年1月の任期切れまで支援を続けると約束した。
米政府はバイデン氏が2024年10月17〜18日にドイツを訪れ、ショルツ首相とウクライナや中東の情勢を協議すると正式に発表した。
2024年10月11月にウクライナ防衛支援に関する首脳級会合をオンラインで主催するとも明らかにした。
ゼレンスキー氏は電話会談に先立ち、対ロシア戦争の
「勝利計画」
を初めて公表し、長射程兵器によるロシア領内への攻撃容認も強く求めた。
ジャンピエール氏は
「米国の方針は変わっていないし、今後も変わらない」
と述べた。
米国は使用容認が戦況を好転させるとの見方に否定的で、ロシアを過度に刺激しかねないと懸念している。(共同)

ゼレンスキー氏、対ロシア戦勝計画を初公表 実現なら「来年中にも終戦」と見通し
2024/10/16 23:28
小野田 雄一の写真
https://www.sankei.com/article/20241016-BQW7TIMJYBL67IRQERZPGMOSGE/
ロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は2024年10月16日、同国最高会議(議会)で演説し、ロシアに対する
「戦勝計画」
を公表した。
これまで計画の一部に言及していたが、全体像を明らかにしたのは初めて。
ゼレンスキー氏は、計画を実現して
「ウクライナが今、強くならなければ、ロシアは更に強大化し、外交(による停戦)を永久に放棄するだろう」
と指摘。
一方、計画が実現されれば2025年来年中にも戦争は終結するとの見通しを示した。
ゼレンスキー氏によると、戦勝計画ではウクライナの北大西洋条約機構(NATO)への即時かつ無条件の招待を求めた。
その他、
▽露西部クルスク州の占領地域の維持
▽再侵略を予防するための欧米諸国と協力した戦略的措置
▽経済力強化
▽欧米が供与した長距離ミサイルによるロシア国内への攻撃の解禁
などが盛り込まれている。
NATOへの招待とは、将来的な加盟の確約を事実上求めたものとみられる。
NATO諸国などとの連携を強化することでロシアに侵略継続を断念させ、停戦交渉の場にロシアを引き出したいウクライナの思惑を示した。
戦勝計画の策定は2024年8月下旬にゼレンスキー氏が発表。
これまでに米国や英国、フランス、ドイツ、イタリアに提示し、関与を求めてきた。
ゼレンスキー氏は今月2024年10月17〜18日にベルギー・ブリュッセルで開かれる欧州連合(EU)首脳会議でも計画を説明する。
ただ、ロシアは、停戦にはウクライナがNATO加盟を断念して
「中立化」
することや、ロシアが一方的に併合を宣言したウクライナ東・南部4州の領有権を放棄することが不可欠だと主張。
戦勝計画が実現する前にウクライナを降伏に追い込む思惑だとみられる。
NATO諸国の間でもウクライナのNATO加盟には慎重論が根強く、戦勝計画の実現可能性は不透明だ。

独ショルツ首相、ロシアのプーチン大統領と協議も 戦争終結へ「あらゆること模索」
2024/10/16 23:20
https://www.sankei.com/article/20241016-7TV3NHHSMFL7XE7AZ4YB4NJNIA/
ドイツのショルツ首相は16日、連邦議会での演説で、ロシアとウクライナの戦争終結に向け、ロシアのプーチン大統領との話し合いに前向きな姿勢を示した。
一方で
「ウクライナの頭越しや同盟国の合意なしに決定が下されることは決してない」
とも強調した。
ショルツ氏は、ウクライナへの支持は明確だとした上で
「戦争がいつまでも続かないようにするために、あらゆることを模索しなければならない時が来た」
と述べた。
ウクライナのゼレンスキー大統領は2024年10月11日、ベルリンでショルツ氏に対ロシア戦争の
「勝利計画」
を説明。
欧米の支援を得て軍事的優位を固めてロシアを交渉の席に着かせ、ウクライナ主導で和平を受け入れさせることが狙いだとされる。(共同)

G7初の国防相会合、伊ナポリで19日開催 ウクライナなど紛争多く安全保障面で連携強化
2024/10/16 18:36
https://www.sankei.com/article/20241016-INA6WJQGFRNJHJMJYIWMUMXWOM/
日米欧の先進7カ国(G7)は19日、初の国防相会合をイタリア南部ナポリで開催する。
議長国イタリアによると、ロシアによるウクライナ侵略などの紛争が相次ぐ中、安全保障面での連携強化が目的。
ウクライナの防衛支援や緊張が高まる中東情勢が主要議題となる。
イタリア政府関係者は
「会合を通じて、防衛分野でのG7の結束を示す」
と強調。
ウクライナ支援で防衛産業の生産能力が不足した経験を踏まえ、産業基盤の強化もテーマになる。
ウクライナは砲弾など物量で優位に立つロシア軍に対して劣勢を強いられている。
ゼレンスキー大統領が2024年10月今月、英独仏伊の4カ国を訪問した際、各国はウクライナの防空や防衛産業などへの支援を表明。
今回の会合でも支援継続のメッセージを発信するとみられる。
中東情勢を巡っては、イスラエル軍がレバノン南部に地上侵攻し、駐留する国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の施設が攻撃を受けた。
G7として対応を議論する。(共同)

ロシア、北朝鮮人部隊を編成か 3000〜1万人規模 ウクライナ複数メディア報道
2024/10/16 8:26
https://www.sankei.com/article/20241016-GRWSIK5GKJKE3AFD2BYQYFH72I/
ロシアの侵略を受けるウクライナの複数メディアは15日、露軍が北朝鮮人で構成する部隊を編成し、ウクライナとの国境地帯に配備していると報じた。
ウクライナ軍の情報当局筋の話だとしている。
事実であれば、露軍の損耗拡大を背景とした動きの可能性がある。
部隊に配属された北朝鮮人18人が逃亡し、露軍が捜索しているとの情報があるとも報じている。
現地紙ウクラインスカヤ・プラウダによると、北朝鮮人で構成された部隊の名称は
「特別ブリヤート大隊」。
推定3000人規模だとした。
部隊名はロシアのアジア系少数民族、ブリヤート人に由来するとみられる。
ウクライナの英字紙キーウ・インディペンデントは15日、北朝鮮からロシアに
「兵士1万人」
が派遣されたと欧米側外交筋が話したと伝えた。
ウクライナのゼレンスキー大統領は最近、北朝鮮がロシアに兵器を供給するだけでなく、実際の戦闘に人員を関与させていると指摘。
複数の欧米メディアも、北朝鮮がロシアに供給した短距離弾道ミサイルの運用に携わる人員を露軍に派遣している他、
「数千人」
の北朝鮮人が露国内で訓練を受けており、年内にも前線に配備される可能性があると伝えていた。
露朝は今年6月、事実上の軍事同盟となる
「包括的戦略パートナーシップ条約」
に署名するなど、安全保障協力を拡大している。

ウクライナ関係「強力に」 ジェトロ、首都キーウで事務所開所式
2024/10/11 10:57
https://www.sankei.com/article/20241011-DCN75SPATZNWDA4OEZSRY2RW3Y/
日本貿易振興機構(ジェトロ)は10日、ロシアの侵攻が続くウクライナの首都キーウに事務所を設け、中心部のホテルで開所式を実施した。
日本とウクライナの企業関係者ら約280人が出席。
柴田哲男所長は
「両国のより強力な結び付きの始まりとなる」
と挨拶した。
ウクライナ進出を検討中の日系企業10社も参加。
新しい有機肥料の開発に取り組むスタートアップ企業WAKU(岡山県高梁市)の代表取締役CEO姫野亮佑さんは、ウクライナの農業生産法人と実証実験を進めたい考え。
戦闘が続く中でも
「他の企業が入ってくる前に、できるだけ早く進出したい」
と意気込みを語った。
ウクライナの電力会社の男性社員は
「経済は全ての土台」
「発展するほど勝利に近づける」
と日本の支援に謝意を示した。(共同)

露軍、ウクライナ港湾インフラに3カ月で60回攻撃 副首相「食料危機を引き起こす」と非難
2024/10/11 10:50
https://www.sankei.com/article/20241011-VHYYJBTN6ZKYRC7IKTYSPVSSGM/
ウクライナのクレバ副首相は10日、ロシア軍が直近の3カ月で、ウクライナの港湾インフラを約60回攻撃したと明らかにした。
農業大国ウクライナは黒海を通じた穀物輸出を継続しており、クレバ氏は
「ウクライナの輸出能力を破壊するのが狙いだ」
「食料危機を引き起こす挑発だ」
と非難した。
一連の攻撃で約300の港湾施設、車両177台、船舶22隻が破壊されたという。
港湾作業員や船員ら79人が負傷した。
クレバ氏によると、ウクライナは現在40カ国以上に穀物を輸出している。
輸出先には中国、インドネシア、ベトナムといったアジア諸国のほか、エジプト、リビア、チュニジア、アルジェリア、トルコ、オランダ、スペインが含まれる。(共同)

ロシアでアフリカ女性ら200人が無人機製造か 虚偽広告で渡航 監視下で従事
2024/10/11 10:30
https://www.sankei.com/article/20241011-HOOZHSP2HJKR5ACPO74MYM3SNI/
AP通信は10日、無料航空券や接客業などの仕事を約束するソーシャルメディアの広告を見てロシアに渡航したアフリカ出身の女性ら約200人が、ウクライナ侵攻で多用される無人機の製造に従事させられていると、当事者の話を引用して報じた。
APによると、女性はウガンダやルワンダ、ケニアなどアフリカ諸国やスリランカの出身で年齢は18〜22歳。
ロシア中部タタルスタン共和国アラブガの経済特区にある工場で、イラン製の無人機
「シャヘド」
の組み立てに1日12時間従事させられているとした。
ロシア人や中央アジア諸国の学生も働いているという。
女性らは職場や寮で常に監視下に置かれ、約束された賃金も支払われていないと訴えている。
国際人権団体
「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」
によると、ロシアは侵攻継続のため、仕事の内容を十分に説明せず、アフリカやインドから労働者を募集している。(共同)

ゼレンスキー氏が英仏首脳と会談 トランプ氏当選を視野に「勝利計画」への支持取り付けへ
2024/10/11 8:58
https://www.sankei.com/article/20241011-DMYT6OAAQ5JKDDYURBLTJ5ES4Q/
ロシアに侵略されたウクライナのゼレンスキー大統領は10日、欧州歴訪を開始し、英国とフランスでスターマー英首相、マクロン仏大統領とそれぞれ会談した。
ゼレンスキー氏は歴訪を通じ、各国から軍事支援強化の確約と、戦争終結に向けてウクライナが策定した
「勝利計画」
への支持を取り付けたい考えだ。
英メディアなどによると、ゼレンスキー氏はスターマー氏との会談で、戦勝計画の説明に加え、英国がウクライナに供与した巡航ミサイル
「ストームシャドー」
などの長距離攻撃兵器について露領内に対する使用制限を撤廃するよう改めて要請した。
1日に就任した北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長も会談に同席した。
ルッテ氏が就任後、NATO加盟国を訪れるのは初めて。
ルッテ氏は会談後、記者団に
「ウクライナを支援することは、NATO加盟各国にとって死活的に重要だ」
と訴えた。
戦況については、ロシア軍がウクライナ東部で徐々に前進しており、情勢は
「厳しい」
との認識を示した。
ウクライナによるロシアへの越境攻撃は
「合法的行動だ」
と明言しつつ、長距離兵器の使用制限の緩和の判断は
「供与国次第だ」
と述べるにとどめた。
ゼレンスキー氏は英仏に続いてイタリアとドイツも訪問。
11日のショルツ独首相との会談ではドイツが主導する弾薬の増産などが議題となる見通しだ。
ゼレンスキー氏としては投開票まで1カ月を切った米大統領選でウクライナ支援に懐疑的な共和党のトランプ前大統領が当選した場合を想定し、米欧の主要国との間でウクライナ支援の継続と、ロシアに侵略の利得を与えない形での戦争の終結に向けた合意を固めておきたい思惑がある。
トランプ氏は先月27日にニューヨークでゼレンスキー氏と会談した際、
「戦争は終わらせるべきだ」
「私なら直ちに終結させられる」
と戦いの幕引きに前のめりな姿勢を鮮明にしていた。
これに危機感を強めたゼレンスキー氏が今回の歴訪で改めて支持固めに走ったとみられる。
ただ、バイデン米大統領も含め12日にドイツで予定された米英独仏首脳とゼレンスキー氏との会談は、バイデン氏が米南部を襲ったハリケーンの対応のため出席できないとして見送られ、ゼレンスキー氏としては目算が外れた恰好だ。

「領土放棄してNATO加盟」形式の停戦案報道、ゼレンスキー氏が否定
2024/10/11 8:34
https://www.sankei.com/article/20241011-NMFXYW6N3ZMV3KM6YGTNFODFHM/
ロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は10日、被占領地域の実効支配をロシアに認めるのと引き換えにウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に加盟して安全を確保するという形での停戦案が検討されているという一部メディアの報道について、
「停戦に関する如何なる議論も行われていない」
と否定した。
パリで同日行われたフランスのマクロン大統領との会談後の記者会見での発言としてウクライナメディアが伝えた。
欧州歴訪中のゼレンスキー氏は
「私が停戦を協議するために支援国を訪問していると一部メディアが報じているが、事実ではない」
とも述べた。
ゼレンスキー氏はマクロン氏との会談で、ロシアに対する
「戦勝計画」
を説明し、支援を改めて要請した。
ゼレンスキー氏は同日、訪仏に先立ち英国も訪問。スターマー英首相に戦勝計画を説明した他、NATO加盟を望むウクライナの立場を改めて伝達した。
英紙フィナンシャル・タイムズなど一部メディアは最近、ウクライナや欧米当局者の間で、ウクライナが被占領地域を事実上放棄するのと引き換えに、NATOがウクライナの安全を保証するという形での停戦案が浮上していると報じていた。
ただ、ウクライナは報道を否定。
ロシアも停戦にはウクライナの
「中立化」
が必要だとし、NATO加盟は容認できないとの立場を示している。
一方、ウクライナの有力軍事メディア「ディープステート」は10日、露軍がウクライナ東部ドネツク州の集落3カ所とルガンスク州の集落1カ所を新たに制圧したと伝えた。

ウクライナ最高会議、戦費調達の増税法案可決 財源確保が課題
2024/10/10 21:06
https://www.sankei.com/article/20241010-D2GLGNSM7BMVJEZ4ZWW4CVUHLA/
ウクライナ最高会議(議会)は10日、戦費調達のための増税法案を賛成多数で可決した。
発効にはゼレンスキー大統領の署名が必要となる。
ウクライナメディアなどが伝えた。
ロシアが2022年2月にウクライナに全面侵攻を始めて以降、ウクライナの国防予算は急増し、ゼレンスキー政権は財源の確保を迫られている。(共同)

露南部にドローン攻撃 ウクライナ、「燃料施設を破壊」と発表
2024/10/10 19:50
https://www.sankei.com/article/20241010-M54NUCMUPBOH7EWAKUTWJ3PT5A/
ロシア南部アディゲ共和国のクムピロフ首長は10日、同共和国の都市マイコープ郊外にドローン(無人機)攻撃があり、住民の避難を実施しているとSNSで発表した。
死傷者はないとした。
ウクライナ軍高官のコバレンコ氏は同日、マイコープ近郊の軍用飛行場の燃料貯蔵施設を破壊したとSNSで発表。
飛行場で爆発が起きた様子を撮影したとする動画も投稿した。
ウクライナ軍は最近、露軍の燃料貯蔵施設や弾薬庫への攻撃を激化。露軍の継戦能力を低下させるための作戦だとしている。

プーチン露大統領、「露朝戦略条約」法案を国会提出 北朝鮮と事実上の同盟締結へ
2024/10/15 8:23
https://www.sankei.com/article/20241015-HTQPRFXU7VNN3LOMIIC3BP4KUM/
ロシアのプーチン大統領は14日、北朝鮮と安全保障協力の拡大などを定める
「包括的戦略パートナーシップ条約」
を批准する法案を露下院に提出した。
条約は、どちらか一方の国が武力攻撃を受ける恐れが生じた場合に即座に協議を行うことや、実際に武力攻撃を受けた場合に相互が軍事支援を行うことなどを規定。
一方が他方に不利益を与える協定などを第三国と結ばないことも定めている。
ロシアは北朝鮮と事実上の軍事同盟を結ぶ形。
ウクライナ侵略で欧米諸国と決定的に対立したロシアは、核兵器開発や人権問題などを巡って同じく欧米と敵対する北朝鮮と関係を深め、欧米に対抗する思惑を改めて鮮明にした。
露朝の関係強化は、両国の軍事的威圧と対峙する日本にとっても脅威となる。
法案は今後、露下院と上院で可決された後、プーチン氏の署名により成立する見通し。
米国やウクライナによると、ロシアは北朝鮮から調達した弾道ミサイルや砲弾をウクライナの戦場で使用。
ロシアは見返りにロケットエンジン技術などを北朝鮮に提供していると観測されている。
露朝間の包括的戦略パートナーシップ条約は、6月に24年ぶりに訪朝したプーチン氏が、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記とともに署名していた。

http://www.asyura2.com/23/warb25/msg/784.html#c18

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