2. 中川隆[-14412] koaQ7Jey 2021年12月27日 19:27:27 : FJEIHMRJnI : NXN6TkV3SFpxQi4=[5]
アメリカでは金融緩和・財政出動で実際に大インフレになりかけているよ。
MMTポリテクスがどういう結果になるかはすでに実証された:
10月の米インフレは年率12%近い高騰、来年は物資不足か
2021年11月11日
最新のアメリカのCPI(消費者物価指数)が発表され、10月は11.9%(前月比年率、以下同じ)の上昇となり、前月の5.1%から急加速した。
止まらないアメリカのインフレ
ついに家計に影響が出るレベルのインフレになってきたと言えよう。まずは全体のチャートを見てみよう。
見事に跳ね上がっている。夏場に半導体不足で中古車価格が高騰した時から一時的に収まっていたインフレが再発してきた。春過ぎに以下の記事でジェフリー・ガンドラック氏が予想していた通りの展開であり、流石は債券投資家だと言うべきだろう。当時の彼の発言は読み返す価値がある。
さて、ではCPIの内容を見てゆくが、夏にはインフレ高騰を先導していた中古車の10月の価格上昇は34.5%となり、前月のマイナス成長-8.1%から持ち直してはいるが、チャートを見れば一時のような強烈な高騰は収まっていることが分かる。
今回のCPIを押し上げたのは中古車価格ではなさそうである。
では住宅価格はどうだろうか? 住宅の価格を反映する CPIの要素である持ち家の見なし家賃(持ち家に家賃を払うと仮定して産出する項目)は5.4%の上昇となり、前月の5.3%から僅かに加速した。
上昇率は高止まりしており、住宅バブルは続いていると見るべきだが、先月からあまり変わっておらず、こちらも今回全体を押し上げた項目ではないだろう。
高騰するエネルギー価格
ではエネルギー価格はどうだろうか。10月のエネルギー価格は年率74.9%の上昇となり、前月の16.5%から大きく跳ね上がった。
明らかにこれである。脱炭素な人々が原油と天然ガスの供給を無理矢理制限した結果、エネルギー価格が高騰している。当然の結果で本当に馬鹿ではないのかと思う。
原油価格のチャートは次のようになっている。
原油価格もそうだが、天然ガスの高騰はより深刻で、脱炭素政策を特に推し進めたヨーロッパでは貧しい人々が暖房なしで日本より寒い冬を過ごさなければならない瀬戸際になっている。
脱炭素を推し進めた張本人であるリベラル派の裕福なヨーロッパ人たちは、それでも暖房の効いた部屋で冬を過ごすのだろう。彼らが偽善者でなければ誰がそうなのだろうか。
他に波及するエネルギー価格高騰
電力価格の高騰だけでも家計には結構なダメージだが、原油価格高騰はそれだけでは終わらない。
例えば衣料品の価格は今回0.0%と完全に横ばいだが、高い原油価格が定着すれば化学繊維の価格を通して衣料品価格も上昇してくるはずである。
更に、砂糖やコーンなどの一部の農作物はバイオ燃料になるためエネルギー価格と連動している。つまり、エネルギー価格が高騰すると農作物も高騰する。しかしタイムラグがある。それが本格的にスーパーの食料品の価格に反映されてくるのは恐らく来年のことだろう。
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2021年11月13日
世界最大のヘッジファンドBridgewater創業者のレイ・ダリオ氏が、LinkedInのブログでますます高まるアメリカのインフレについてコメントしている。
止まらないアメリカの物価高騰
先日、アメリカではCPI(消費者物価指数)が発表され、物価上昇が30年ぶりの高水準であることが示された。
かねてより紙幣印刷が最終的にはインフレを生むと主張してきたダリオ氏がこれに反応したのは当然だろう。彼は次のように述べている。
昨日のインフレ統計はインフレが高まっており、人々の財産を溶かしていることを示している。これは当然である。
去年コロナの流行が始まり、現金給付や様々な救済措置が発表された時から筆者やダリオ氏やジェフリー・ガンドラック氏のような投資家たちは当たり前のように物価高騰が起こるとして警告を続けてきた。
そしてそれが当たり前のように現実となっている。
まともな金融家には何の驚きもない、政治家によって引き起こされた経済危機がアメリカを襲っている。政治家が国民を襲っていると言っても良いだろう。票田にばら撒くために国民の生活を犠牲にしたからである。そして日本では、国民は自分を害した政治家に対して犬のように寝転んで腹を撫でられようとしている。自民党支持者のことである。
不可避の物価高騰
好む好まざるに関わらず、インフレは来る。日本でもガソリン価格が高騰しているが、こんなものはまだまだ序の口である。ダリオ氏は次のように続ける。
一部の人々は資産価格が上がって裕福になったと勘違いしているが、自分の購買力がどれだけ溶けているかを考えていない。一番被害を受けるのは、資産を現金で持っている人だ。
ダリオ氏は数年前から現金はゴミだと言い続けてきた。
それは当時は現金よりも金融資産をという意味だったが、今では現金を持っていてもものは買えないという意味に変わった。それがインフレの意味である。そういう時代が来ようとしている。
状況を上手く説明するために、ダリオ氏は4つの定式を立てている。
資産 = 購買力
資産 ≠ 金融資産
資産の創造 = 生産すること
資産の減少 = 購買力の減少
要するに、資産価格が上がってもそれを売却してものが買えなければ何の意味もないとダリオ氏は言っているのである。そして豊かになるためには紙幣を印刷するのではなく、ものを生産する必要がある。ダリオ氏は以前言っていた。
紙幣は食べられない。
インフレ対策
人々はどうするべきだろうか。例えば株式の購入はインフレには勝てないのだろうか。
1970年代から80年代のアメリカのインフレでは、株価はインフレに大いに負け、インフレを差し引いた実質リターンでは酷い状況に陥っている。以下の記事は再読の価値があるが、当時の株価をインフレ率で割ったチャートを再掲載しよう。
アメリカ株が10年間マイナスリターンだった時代があったのである。そしてそれはインフレによってもたらされた。この意味が今の投資家に分かるだろうか。
アメリカの凋落
物価高騰とは貨幣価値の暴落であり、それは一定のタイムラグを経て為替相場におけるドルの暴落に繋がる。ダリオ氏がその先に見ているのはアメリカの凋落である。
ダリオ氏は人々が政府から降ってくるお金でリッチになった気分になる代わりに貧困に突入するのではなく、ものを生産することで豊かになってほしいと願っている。
アメリカは収入よりもよほど多くの消費をしており、しかもそれをばら撒かれて減価している紙幣で支払っている。状況を改善するには協力してより生産するしかない。今のところ、われわれは間違った方向に進んでいる。
だが人々がダリオ氏の賢明な助言を聞くことはないだろう。人々は賢明ではないからである。
http://www.asyura2.com/21/ban10/msg/177.html#c2