http://www.asyura2.com/acpn/k/ko/koa/koaQ7Jey/100354.html
63. 中川隆[-10510] koaQ7Jey 2019年10月28日 18:37:22 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2363]
山本太郎(れいわ新選組代表)おしゃべり会 佐賀市 2019年10月25日 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=--yUnOdlqKc
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/559.html#c63
233. 中川隆[-10509] koaQ7Jey 2019年10月28日 18:49:21 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2364]
鈴木傾城 2019年10月28日
今の株式市場は割高に評価されている
ところで、現在の世界は米中新冷戦の真っ只中にある。
巨大な経済大国であるアメリカと中国が激しく互いに報復関税をかけ合って対立している。中国の経済成長は鈍化し、状況は想像以上に悪化している。
グローバル経済は、「成長」に向かっているのではなく、「後退」に向かっているのである。
そうであれば、世界の株式の総本山であるアメリカの株式市場はそれを織り込んで「下がっていなければならない」のだが、下がるどころか上がっている。
つまり、今の株式市場は実体経済と乖離して割高に評価されている。
株式市場が割高かどうかを評価する指標で最も分かりやすいのはバフェット指数である。バフェット指数というのは、稀代の投資家であるウォーレン・バフェットが指し示した指数なのだが、「株式時価総額 ÷ 名目GDP × 100」で算出される数字だ。
バフェット指数は「株式時価総額と名目GDPは、本来であればだいたい一致する」という点を利用した指数である。要するに実体経済(名目GDP)に対して株価は高いのか安いのかを評価しているものだ。
そのため、100%を超えてくるようであれば「株価は実体経済よりも高く評価されているので下落しても不思議ではない」という考え方ができるし、実体経済よりも株価が低いと「売られすぎ」という考え方もできる。
今はどうなのか。今のバフェット指数は140%台にある。つまり、株価は実体経済よりも高いということが分かる。
さらにシラーPEレシオ(CAPEレシオ)というものもある。通常のPERは現在の株価を1株あたりの純利益で割って計算するのだが、シラーPERは現在の株価を「過去10年間の1株あたり純利益の平均値」で割る。それによって「長期的に見て現在の株価が割高か割安か」が分かる。
それを見ても、現在のアメリカの株式(S&P500)はシラーPEレシオで「ほぼ30ポイント」になっているので、やはり「割高」であると判断できる。15ポイントあたりがシラーPEレシオの心地良い数字ではあるが、30ポイントと言えば「ほぼ2倍」である。
大暴落で追い込まれるのは「借金をして株を買っている人」
もちろん、株価が高いからと言って「ただちに暴落する」とは誰にも言えない。
実体経済が停滞しており、株価が割高に評価されているのであれば、いずれは株価の下落が来るのは間違いないのだが、それは「いつ来るのか」「どれくらいの規模でくるのか」は誰にも分からないところである。
しかし、それは必ずやってくる。
いつの時代にも「経済的ショック」によって追い込まれるのは、「借金をして株を買っている人間」である。
借金をして株を買うと株が下落して評価損が出た時、追証を求められることになる。追証が払えないと、損失覚悟で次々と株は売り払われる上に、足りない分を補填しなければならない。
借金をして株を買っている投資家は、株をじっと保有するということが許されない。そして、一番カネに困っている時にもっとカネが必要になる。さらに「安い時に仕込む」ということすらもできなくなるのである。
https://www.mag2.com/p/money/802891
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/822.html#c233
124. 中川隆[-10508] koaQ7Jey 2019年10月28日 19:00:30 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2365]
エリオット波動マーケット分析 宮田 直彦 2019 年10 月28 日
【ダウ工業株平均・S&P500】
(S&P500 は第(iii)波上昇トレンド)
S&P500 は09 年安値(666)以来、サイクル第T波の上昇局面にあるとみている。第T波はプライマリー級の5波構成─(1)-(2)-(3)-(4)-(5)─となる。
18 年12 月26 日安値(2346)以来プライマリー第(5)波が進行中。
(NY ダウは順当なら3 万ドルへ)
NY ダウは6 月3 日安値(24680 ドル)以来、プライマリー第(5)波における第(iii)波の上昇トレンドが進行中である。順当なら第(iii)波は3 万ドルを目指すことになるだろう。
S&P500 は2822(8/5 安値)から、ダウ平均は25339 ドル(8/15 安値)から、各々第iii 波の第3 波「サード・オブ・サード」の上昇トレンドに入った可能性が高いとみている。
【日経平均・TOPIX】
(18 年12 月安値から「サード・オブ・サード」の強気相場が進行中)
日経平均、TOPIX など日本株主要インデックスは2018 年12 月安値以来、(3)-3 波「サード・オブ・サード」という長期強気相場が進行中である(現在はその初期段階に当たる)。日経平均が今年度中に、18 年高値(24,448円)を上回る可能性は引き続きあるとみている。
▲△▽▼
鈴木傾城 2019年10月28日
今の株式市場は割高に評価されている
ところで、現在の世界は米中新冷戦の真っ只中にある。
巨大な経済大国であるアメリカと中国が激しく互いに報復関税をかけ合って対立している。中国の経済成長は鈍化し、状況は想像以上に悪化している。
グローバル経済は、「成長」に向かっているのではなく、「後退」に向かっているのである。
そうであれば、世界の株式の総本山であるアメリカの株式市場はそれを織り込んで「下がっていなければならない」のだが、下がるどころか上がっている。
つまり、今の株式市場は実体経済と乖離して割高に評価されている。
株式市場が割高かどうかを評価する指標で最も分かりやすいのはバフェット指数である。バフェット指数というのは、稀代の投資家であるウォーレン・バフェットが指し示した指数なのだが、「株式時価総額 ÷ 名目GDP × 100」で算出される数字だ。
バフェット指数は「株式時価総額と名目GDPは、本来であればだいたい一致する」という点を利用した指数である。要するに実体経済(名目GDP)に対して株価は高いのか安いのかを評価しているものだ。
そのため、100%を超えてくるようであれば「株価は実体経済よりも高く評価されているので下落しても不思議ではない」という考え方ができるし、実体経済よりも株価が低いと「売られすぎ」という考え方もできる。
今はどうなのか。今のバフェット指数は140%台にある。つまり、株価は実体経済よりも高いということが分かる。
さらにシラーPEレシオ(CAPEレシオ)というものもある。通常のPERは現在の株価を1株あたりの純利益で割って計算するのだが、シラーPERは現在の株価を「過去10年間の1株あたり純利益の平均値」で割る。それによって「長期的に見て現在の株価が割高か割安か」が分かる。
それを見ても、現在のアメリカの株式(S&P500)はシラーPEレシオで「ほぼ30ポイント」になっているので、やはり「割高」であると判断できる。15ポイントあたりがシラーPEレシオの心地良い数字ではあるが、30ポイントと言えば「ほぼ2倍」である。
大暴落で追い込まれるのは「借金をして株を買っている人」
もちろん、株価が高いからと言って「ただちに暴落する」とは誰にも言えない。
実体経済が停滞しており、株価が割高に評価されているのであれば、いずれは株価の下落が来るのは間違いないのだが、それは「いつ来るのか」「どれくらいの規模でくるのか」は誰にも分からないところである。
しかし、それは必ずやってくる。
いつの時代にも「経済的ショック」によって追い込まれるのは、「借金をして株を買っている人間」である。
借金をして株を買うと株が下落して評価損が出た時、追証を求められることになる。追証が払えないと、損失覚悟で次々と株は売り払われる上に、足りない分を補填しなければならない。
借金をして株を買っている投資家は、株をじっと保有するということが許されない。そして、一番カネに困っている時にもっとカネが必要になる。さらに「安い時に仕込む」ということすらもできなくなるのである。
https://www.mag2.com/p/money/802891
先行き不透明な時には信用買いも空売りも損切も大量買いもすべて NG
というより、柴田罫線みたいな丁半バクチ投資法は絶対にやってはいけないのですね。
234. 中川隆[-10507] koaQ7Jey 2019年10月28日 19:04:27 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2366]
エリオット波動マーケット分析 宮田 直彦 2019 年10 月28 日
【ダウ工業株平均・S&P500】
(S&P500 は第(iii)波上昇トレンド)
S&P500 は09 年安値(666)以来、サイクル第T波の上昇局面にあるとみている。第T波はプライマリー級の5波構成─(1)-(2)-(3)-(4)-(5)─となる。
18 年12 月26 日安値(2346)以来プライマリー第(5)波が進行中。
(NY ダウは順当なら3 万ドルへ)
NY ダウは6 月3 日安値(24680 ドル)以来、プライマリー第(5)波における第(iii)波の上昇トレンドが進行中である。順当なら第(iii)波は3 万ドルを目指すことになるだろう。
S&P500 は2822(8/5 安値)から、ダウ平均は25339 ドル(8/15 安値)から、各々第iii 波の第3 波「サード・オブ・サード」の上昇トレンドに入った可能性が高いとみている。
【日経平均・TOPIX】
(18 年12 月安値から「サード・オブ・サード」の強気相場が進行中)
日経平均、TOPIX など日本株主要インデックスは2018 年12 月安値以来、(3)-3 波「サード・オブ・サード」という長期強気相場が進行中である(現在はその初期段階に当たる)。日経平均が今年度中に、18 年高値(24,448円)を上回る可能性は引き続きあるとみている。
▲△▽▼
先行き不透明な時には信用買いも空売りも損切も大量買いもすべて NG
というより、チャート分析に基いたドテン売買法みたいな丁半バクチ投資法は絶対にやってはいけないのですね。
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/822.html#c234
4. 中川隆[-10506] koaQ7Jey 2019年10月28日 19:09:04 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2367]
>>3
生活保護の現物支給をすると生活保護者は全員でっぷりと太って糖尿病になる
日本の貧困層は飢えずに太る。糖尿病患者の半数以上が年収200万円未満の衝撃=鈴木傾城 2019年9月18日
https://www.mag2.com/p/money/770836
現代は、貧困が増えれば増えるほど「飢える」のではなく、「炭水化物漬け」になっていき、結果的に糖尿病を引き寄せる時代になっているのだ。認識を改めなければならない。「貧困=栄養失調」ではなく「貧困=糖尿病」なのである。
全日本民主医療機関連合会は、全国の医療機関96施設で40歳以下の「2型糖尿病患者」の実態調査をした結果として、患者世帯の年収分布から年収200万円未満が57.4%を占めていると報告している。
健康にまで格差が現れた日本、もはや糖尿病は貧困層の持病に
誰でも炭水化物は好きだが……
誰でも炭水化物は好きだ。セレブもアメリカ大統領も炭水化物漬けだ。炭水化物は「うまい」のだ。
しかし、富裕層は肉や魚や野菜をたっぷりと取る余地があり、さらに健康に気を使ったり高額な医療にかかることもできる。炭水化物まみれであっても、きちんと他の栄養素が取れていて健康のアドバイスが受けられる。
しかし、貧困層はそうではない。
厚生労働省の調査では、所得が低い層であればあるほど米やパンなどの炭水化物を主体とした食事になり、野菜や肉類をとらなくなっていくという結果を出している。
その理由は明白だ。炭水化物は安いからだ。
たとえば、低所得層の多くはインスタントラーメンを好んで食べるのだが、その麺はもちろん炭水化物でできている。カロリーは意外に高いのだが、1袋100円以下で買えるのでかなり安い。
食べにいくとどんな安い食事でも300円以上になるし、まともなレストランで食べると1,000円以上するのは当たり前だ。もし金がなければ、1,000円も出して1食しか食べられないのであれば、インスタントラーメンで10回くらい食べた方が断然お得だと思う。
炭水化物まみれの食品
インスタントラーメンが主体であったとしても、そこに野菜や肉をたっぷりと合わせればいいのだが、どちらも高いので、節約するのであれば素のままのインスタントラーメンを食べるのが一番安い。
すると、必然的に炭水化物を主体とした食事になっていき、野菜も肉類も食べていないので栄養が極度に偏っていく。
コンビニで売られている弁当も炭水化物の塊であり、菓子パンに至っては炭水化物と糖分がびっしりと混ぜられている。300円台で食べられる各種ジャンクフードも、やはり炭水化物主体である。
低所得者はでっぷりと太っている
アメリカやメキシコでも低所得層がでっぷりと太っているのは、炭水化物の塊であるピザやタコスが安く大量に買えるからだ。そのため、アメリカでは今やピザが国民食と言えるほど食べられている。
炭水化物に砂糖をまぶしたスナック菓子も安く、炭水化物に脂肪をたっぷりまぶしたジャンクフードも安い。そこに砂糖まみれの炭酸飲料をガブ飲みしている。
そうすれば、安くて確実に腹が膨れる。だから、炭水化物食ばかりを低所得層が食べるようになり、どんどん太っていく。
低所得層になればなるほど炭水化物過剰で肥満になる
途上国でも、インドなどは極貧の環境なのに、でっぷりと太った人たちが大量にいる。スラムに住んでいるのにみんな腹が突き出て肥満が顕著に見て取れる。
このインドも米や小麦が大量に安く流通していて、低所得層が炭水化物を流し込むようにして食べている。おまけにどこの店でも小分けにしたスナックを安く売っており、子供たちが朝から晩までそれを口にしている。
炭水化物は日持ちがしやすく、工場での大量生産に向いており、消費されやすい。
そのために企業は炭水化物まみれの食品やスナックを大量生産するようになり、大量に溢れたものがどんどん出回って価格も安くなっていく。
極度の低所得層は飢えていくが、そこまで至らない低所得層は炭水化物漬けになるのだ。
今の世の中は世界中で低所得層が炭水化物を大量に食べる時代であり、低所得層になればなるほど炭水化物が過剰になり、肥満になっていく仕組みになっている。
2型糖尿病患者の57.4%が年収200万円未満
全日本民主医療機関連合会は、全国の医療機関96施設で40歳以下の「2型糖尿病患者」の実態調査をした結果として、患者世帯の年収分布から年収200万円未満が57.4%を占めていると報告している。
※参考:放置されてきた若年2型糖尿病(PDFファイル) – 全日本民医連
この「2型糖尿病」というのは、インスリンの作用不足で起きる糖尿病だが、その原因は体質以外には「肥満・運動不足・食べすぎといった生活習慣の乱れ」が引き起こしていることが分かっている。
つまり、年収200万円以下の低所得層が、肥満や運動不足や食べすぎといった生活習慣の乱れで2型糖尿病になっている。
アメリカでもメキシコでもインドでも「糖尿病」が深刻な国民病となっているのだが、低所得層が炭水化物の過剰摂取で肥満となり、その肥満が糖尿病を引き起こしているのが実態だ。
その「低所得層が炭水化物過剰によって糖尿病の発病」という流れがいよいよ日本にも現れているのが分かる。
低所得層の糖尿病は重症化する
しかも、低所得層の糖尿病は重度で深刻なものになっていることが多いのだが、そこにも低所得層特有の理由があることが分かっている。
低所得層の糖尿病が重度になりやすいのは、健康診断を受ける余裕がないからである。また、健康診断を受けて異常が発覚しても病院に行く金や時間がない。
そして、医者に生活改善を求められても、やはり経済的な理由で対処できないからだ。生活改善どころか、その後の通院すらもできない。
低所得層の多くは非正規雇用者なのだが、彼らは企業にとっては使い捨て要員である。だから、彼らに健康診断を受けさせてケアさせてその費用を負担して長く働いてもらうという発想にならない。
安い賃金でギリギリまで働かせ、壊れたら使い捨てて新しい人員に入れ替える方がコスト削減になる。逆に言えば、企業に捨てられたくない非正規雇用者はなかなか休めないし、健康診断も受ける精神的余裕も経済的余裕もない。
だから、体調が悪化しても動けるのであれば無理して働き、どうしようもならなくなって医者に行くと、すでに手遅れになっている現状がある。
重篤な病気にかかって自滅していく
低所得層は満足な賃金を得られていない上に、何年働いても賃金が上がる見込みもない。長く勤めれば評価されて賃金が上がっていくというのは正社員の話であって、非正規雇用者は長く勤めても契約更新でリスタートされて終わりだ。
賃金を上げられないのであれば、仕事を掛け持ちして賃金を上げる方策がある。
しかし、そうして時間的な余裕も体力的な余裕もなくなると、食事はより簡素で適当なものになり、炭水化物漬けとならざるを得ない。そして、疲労が溜まって病気になりやすくなるのに、逆に医者に行く時間がなくなる。
医者にかからないで無理をする環境と偏った食生活が長年続くことによって、最後に自滅するかのように重篤な病気になっていくのである。
健康にも「格差」が現れてきた
厚生労働省の国民健康・栄養調査では、低所得層は高所得の人に比べて肥満や脳卒中でおよそ1.5倍発症のリスクがあるというのは、こうした複合的な理由がすべて積み重なるからだ。健康にも明確に格差が現れてきているのだ。
低所得層は病気になりやすく、病気が重篤化しやすく、経済的な理由で病気が治りにくい。
しかし、皮肉なことに、重篤化して手遅れに近い状態でも今の医学はかなり発達しているので、人間を簡単に死なせないで重篤化したまま中途半端に生きながらえさせる。
飢えるのではなく、炭水化物漬けに
ところで、これは驚きの事実だったのだろうか。
いや、こうしたことは貧困が蔓延すると起こり得ることであると誰もが指摘していることだった。低所得層が追い込まれると、もはや健康すらも維持できなくなると、誰もが知っていたと言っても過言ではない。
低所得層がいよいよ健康の面でも破滅的になっているのは、起こるべきものが起こっているということなのである。
現代は、貧困が増えれば増えるほど「飢える」のではなく、「炭水化物漬け」になっていき、結果的に糖尿病を引き寄せる時代になっているのだ。認識を改めなければならない。
「貧困=栄養失調」ではなく「貧困=糖尿病」なのである。
炭水化物は異様に安い。だから、炭水化物まみれの食生活が糖尿病を呼び寄せる。低所得層が次々と健康を害する時代の幕開けになっている。
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/464.html#c4
119. 中川隆[-10505] koaQ7Jey 2019年10月28日 19:17:55 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2368]
種子法廃止とこれからの日本の農業について 元農林水産大臣・山田正彦 2019年10月26日
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/13829
福岡県糟屋郡宇美町立中央公民館で20日、「種子法廃止と、これからの日本の農業について―食と農 命と暮らしを守るために福岡県独自の種子条例を制定しよう」と題して、地元有志でつくる「糟屋地区の未来を考える会」の第2回シンポジウムが開催された。山田正彦元農林水産大臣の基調講演を受けて、「グローバル化が進展する日本において国民の生活をどう守るか」をテーマに、山田正彦(元農林水産大臣)、野田国義(参議院議員)、原竹岩海(福岡県議会議員)、原田和明(北九州市立大学)、時任裕史(宇美町議会議員)の五氏によるパネルディスカッションがおこなわれた。種子法の廃止、種苗法改定、水道民営化や漁業法改定など、公共の分野が多国籍企業に明け渡されていく現状に警鐘を鳴らすと同時に、真実を知り、地方から変えていく道筋について熱のこもった議論が、農家や種子を守る市民運動をしている参加者をまじえておこなわれた。山田正彦元農林水産大臣の講演を紹介したい。記事は基調講演の内容に質疑応答のなかでの発言を加えたものである。なお、文中の表・写真は山田氏が示した資料を参考に本紙が作成した。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
私は五島列島出身で、29歳のときに400頭くらい牛を飼っていた。豚も年間8000頭くらい出荷していたので、相当な規模だった。うまくいかず自分で肉屋もやり、最後は県庁前で牛丼屋までやったが、さんざん失敗した。当時4億円くらい借金を抱えた。忘れられないのは当時の農水省の勧めで大型畜産をやった仲間が2人自殺したことだ。私は破産状態だったが、弁護士の資格だけは持っていたので、弁護士をして借金の支払いをしながら、なんとも悔しかったので衆議院に出た。3回敗れて4回目に通り、5期衆議院議員をさせていただき、運良く農林水産大臣にさせていただいた。そのときに、戸別所得補償や飼料米制度、林業再生プラン、漁業の所得保障などいろいろやらせてもらった。そのときちょうどTPP交渉に参加したいという話があり、閣議で大げんかして大臣を辞め、今日までTPP反対運動を続けてきた。
ところがTPPは昨年12月30日に発効した。たった5日間で牛肉の輸入量は半月分になるほど急増した。今年2月1日に日欧EPAも発効し、なんとEU産豚肉は五割増になった。チーズやバター、乳製品、果物類も今だいたい昨年に比べて3割増だ。そんななか日米FTAがいよいよ来年1月には発効する。一番恐れていたことだ。
アメリカは農産物しか売る物がない。日本を見るとトヨタ自動車一社の売上だけで30兆円だ。農林水産物はあわせても8兆円しかない。2年前に「トヨタ自動車その他日本の自動車に25%の報復関税をかける」とトランプからいわれ、霞が関の官邸や農林水産省、経産省から聞こえて来るのは、「このさい、報復関税25%をなんとか延期してもらうために、農林水産物は譲るだけ譲る」ということだった。そしてアメリカの農務省長官も、はっきり「もう日本とは話がついた」と、今年5月からツイッターでいっている。今後大変なことになっていくのではないかと思う。
今、アメリカもオーストラリアもどんどんコシヒカリをつくっている。これが60`4000円で入ってくる。私が農林水産大臣のときにおこなった試算では、今日本のコメの生産原価は60`当り1万5000円だ。昨年の農家の手取りが1万3300円だった。試算ではTPPに参加すると日本の食料自給率は14%まで落ち込むという結果になった。韓国ですら今、食料自給率は48%だ。日本は本当にどうなるのかと心配している。
TPP協定は条約であり、憲法の下で、国内法の上になる。米韓FTAを結んだ韓国が200本の法律を変えたように、日本もTPP協定(8000ページ・30章)に従って、この2年間、次次に法律を変えている。一番最初に変えたのが主要農産物種子法の廃止だ。これについて私は5年前から、「明らかに国の主権を損なうものだ」としてTPP違憲訴訟をしている。その判決が昨年10月31日にあったが、判決のなかで種子法廃止について「背景事情の一つにTPP協定に関する動向があったことは否定できない」と、TPP協定と種子法廃止の関連を最高裁判所は認めた。水道法改定、漁業法の改定、市場法の事実上の廃止、森林管理法の改定など、すべてこれはTPP協定によるものなのだ。
種子法で日本のコメ、麦、大豆は守られてきた
今私たちはおいしいお米を当たり前のように食べている。これは全部、伝統的な固定種だ。種子法のおかげで私たちの主食であるコメ、麦、大豆など、それぞれおいしいものを食べることができた。これがどうなるか。
野菜で考えていただくとわかりやすい。野菜は30年前、みんな伝統的な固定種だった。ところが野菜の種子はF1に変わり、今、90%を海外で生産している。2年前にモンサントの遺伝子組み換え農産物の見学会に行ったとき、思いがけないことを聞いた。「日本の野菜の種子はモンサントでつくっています」といわれたのだ。そんなことはパッケージに書いていない。「委託生産し、委託販売している」という。調べてみるとモンサントは野菜の種子だけで800億つくっている。世界の種子は今、モンサント(バイエル)、ダウ・デュポン、シンジェンダ(中国化工集団傘下)の3社で世界の種の7割を握っている。同時にこの3社で世界の農薬の7割、世界の化学肥料の7割を握っている。
こうして野菜の種子はF1になり、ニンジンでいえばカロチンなど栄養価は3分の1に減っている。F1は科学的にそこまで問題になるとはいわれていないものの、主食のコメ、麦、大豆の公共の種子がなくなると、民間の種子を使わざるを得なくなる。すでにコメ、麦、大豆の民間の種子ができている。
種子法とは
種子法ではコメ、麦、大豆の伝統的な日本の在来種を国が管理し、各都道府県に原種・原原種の維持、優良品種の選定、奨励、審査を制度として義務づけてきた。そのもとで、各地の農業試験場で雑種の混入や不良な種を取り除き、厳格に監査した優良な品種を公共品種として安く安定して提供してきた。
原原種の栽培では、コシヒカリやヒノヒカリなどを1本ずつ植え、毎年つくっている原種を純粋なコシヒカリに合わせて開花時期、丈の高さを揃えていく。四割くらいは黒米や赤米になったりするので、それをとり除いていくと、そこで6割くらいしか残らない。農業試験場に見学に行くと、穂先が1aくらい伸びているなかから、1_か2_違えばとり除いていた。その後も10回前後の抜きとり作業をおこなうなど、「異株」に対して細心の注意を払い、発芽率90%の種をつくり、その後に原種をつくる。3年目にようやく県が種子栽培農家を選定し、圃場を選定して、福岡県であれば「ヒノヒカリ」「発芽率90%以上」と、県として責任を持って保証書を出し、だいたい1`500円ほどでコメ農家に提供してきた。それをコメ農家は4年目につくり、われわれは5年目に食べることができる。そうやって純粋な伝統的な品種をしっかり守っている。麦も大豆も同じだ。
ところが、種子法を廃止するとき政府は「種子法があることで民間の優秀な品種が普及できない」「なかなか売れない」といった。民間の優秀な品種(三井化学の「みつひかり」など)があるではないかと説明して回った。「みつひかり」は野菜と同じようにF1の種子で、伝統的な固定種ではない。価格を見ると、「みつひかり」の種子は4000円なので、公共の種子と比較すると8〜10倍する高い物だ。野菜の種子もF1になって多国籍企業がつくるようになってからは、イチゴやトマトなど1粒1〜2円だったものが、今は40〜50円だ。いずれコメ、麦、大豆の種子も40〜50倍になっていくことは間違いないと思っている。
農家を大企業に隷属させる
私は三井化学の「みつひかり」や住友化学の「つくばSD」の生産者、日本モンサントの「とねのめぐみ」の生産者など、さまざまな方に会ってきた。話を聞くと、民間の種子には必ず、収量がコシヒカリの1・2倍〜4倍、味はヒノヒカリ以上、コシヒカリ以上という内容が書いてある。そしてつくりやすく倒伏しない。しかし実際は必ずしもそうではない。最初の年は化学肥料をやるのでいくらか収量があるが、土壌が追いつかず、だんだん収量が減ってくるのでやめた農家もけっこういた。
実際の契約書を見ると、モンサントの契約書は有名で、何十ページもあって肝心な部分は英語で書かれているのだが、これがたった1枚だった。そのなかに「指示されたことに従わない場合はモンサントに生産者は責任を負う」と書かれている。農薬や化学肥料の指示はなかったのかと聞くと、その方は「そういう指示はなかった」といっていた。
しかし、「つくばSD」の契約書は10ページあり、指定された農薬と化学肥料を必ず使わなければならない、反すると損害賠償責任を負うと書かれていた。そして「収穫されたものはすべて住友化学の指定するところに納めなければならない」となっている。価格については住友化学と生産者とで、「収穫後にそのときの相場を見て決める」となっている。今回の台風のときのように全滅する場合はどうかというと、「災害時の責任はすべて生産者が負う」となっている。これは非常に一方的な契約だ。
「みつひかり」の生産者の話では、最初の年は60`1万2000円で全量引き取りだったからつくったが、翌年は60`1万円、その次の年は9000円になったのでやめたという。私は「よくやめられましたね」といった。この「みつひかり」の契約書だと、正当な理由がなければ、やめるにしても莫大な損害賠償を請求される恐れがある。
これから、地方自治体が公共の種子をつくらなくなると、モンサントなど民間との契約の下、農家はまさにがんじがらめに縛られて、アメリカの農家のように奴隷農場に、借金漬けになっていく。
日本のコメ農家がモンサントへロイヤリティを支払う
もう一つ、「農業競争力強化支援法」の八条三項のなかで、「銘柄が多すぎる」といっている。日本には各県の奨励品種だけで約300品種ある。天皇家の古代米だけで17種類だから、全国でだいたい1000種類のコメがつくられている。そのコメを数種類に集約するという。「民間の種子に」という意味だ。農協潰しの法案といわれた「農業競争力強化支援法」だが、八条四項では、日本(国の農研機構や各都道府県)が蓄積してきた育種知見をすべて民間に提供するとされている。国会で「海外のモンサントなどにも提供するのか」と聞くと、当時の斉藤農水大臣は「TPP協定は内外無差別だから、当然そうなる」と答えている。
そうなるとどうなるか。メキシコはトウモロコシの原産国だが、今、メキシコの農家はモンサントなどにロイヤリティを払わなければトウモロコシをつくることができない。フィリピンもそうなった。日本のコメ農家もそうなっていくということだ。
たとえば福岡県でやっとできたおいしいコメの品種も、提供するとロイヤリティを払わなければならない。国民の税金、県民の税金でつくった新しい品種だ。この育種知見がTPP協定によって多国籍企業に出て行くことになる。
じつは農水省の事務次官が平成29年11月15日付で、「都道府県に一律の制度を義務付けていた種子法及び関連通知は廃止するものの、都道府県が、これまで実施してきた稲、麦類及び大豆の種子に関する業務のすべてを、直ちに取りやめることを求めているわけではない」という通知を出した。「いずれやめなさい」「予算をつけませんよ」という意味だ。さらに、「民間事業者による稲、麦類及び大豆の種子生産への参入が進むまでの間、種子の増殖に必要な栽培技術等の種子の生産に係る知見を維持し、それを民間事業者に対して提供する役割を担う」とある。
三井化学の「みつひかり」や日本モンサントの「とねのめぐみ」などのように、麦でもすでにF1の麦もできている。そういった民間のものが普及するまでの間だけ、各都道府県は育種知見を維持し、その間に民間にそれらの知見をすべて提供する義務があるという通知だ。実際に種子法が廃止になった昨年四月に奈良県、和歌山県、大阪府は県が責任を持ってつくるのをやめ、民間に委託した。県の保証するコメ、麦、大豆の種子は三府県ではなくなった。福岡県も条例をつくらなければそうなっていく。
日本も遺伝子組換えのコメ、麦、大豆を作付けするようになる?
飼料米制度は私が大臣のときにつくったものだ。今コメでは農家は赤字だが、飼料米制度で何とか食べてきている。その飼料米農家に先日、農政局から説明があり、「反当り11俵以上とれないと補助金を出さない」という話が出てきたという。調べて見ると、すでにゲノム編集の飼料米の種子が用意されていた。その農家が「これからはF1か遺伝子組み換えの飼料米をつくらなければいけないのではないか」と心配していたが、まさにそうだった。そして「WRKY45(ワーキー45)」というゲノム編集のコシヒカリの種子も用意されていた。
ゲノム編集について、昨年8月7日の『日本農業新聞』の1面に「GM技術該当せず」とある。ゲノム編集は遺伝子組み換えの一つだが、「遺伝子組み換え技術に該当せず、安全だ」といい始めたのだ。『日本経済新聞』(今年3月19日付)には「ゲノム編集食品、夏にも」とある。実際にはこの10月1日にゲノム編集食品は解禁された。任意の届け出のみで表示もないまま、いよいよ流通し始める。
ゲノム編集とはなにか。例えばトマトの熟成する遺伝子だけを粉砕すると、熟成せず腐らなくなる。3年間、青青としているトマトができている。それを収穫して倉庫に入れておき、出荷のさいにエチレンガスをかけると真っ赤になる。それが本当に安全なものなのだろうか。
EUでは、遺伝子組み換えは原則禁止しており、ゲノム編集は遺伝子組み換えであるとして使わないようにしている。ところが日本は、「ゲノム編集は遺伝子組み換えと違い、新しい別の種類の遺伝子を組み換えて入れるわけではない。アミノ酸に変わりないから安全だ」といっている。ところがアメリカもそうではない。先日訪米し、遺伝子組み換えの分野では右に出る人はいないというチャペラ教授に話を聞いたが、最初「ゲノム編集」といっても伝わらなかった。そして「そうか、山田さんがいっているのはNEW GMOのことだな」といわれた。アメリカでもみな、遺伝子組み換えの延長線上の話だという認識だ。しかし日本だけはゲノム編集は遺伝子組み換えと違うといい出した。
今、ネイチャー誌に論文が載っているように、「ネズミ1匹の遺伝子を粉砕すると1600」の副作用がある。
たとえば、中国でゲノム編集によって双子の赤ちゃんが生まれた。父親がエイズだったので、生まれてくる子どもがエイズにならないよう、ウイルスにかかっている遺伝子だけを壊した。すると思いがけず双子が生まれた。しかし、2人はエイズにはかからないが、西ナイル熱ウイルスにはかかる、インフルエンザにかかると重症化する、免疫疾患になる、短命であるなど、さまざまな影響があることがわかってきた。
ゲノム編集食品で最初に、もうすでに日本に入ってきているのは高オレイン酸大豆だ。アメリカでは「ゲノム編集の大豆」「遺伝子組み換え大豆」というと、今ほとんど売れない。それで安倍総理は日米FTA交渉のなかで受け入れた。何の表示もないまま、食用油としてすぐに店頭に並ぶと思う。これがどういう作用があるのかはまったくわからない。
ゲノム編集の高オレイン酸大豆や、カーギルが関与している除草剤耐性のあるナタネなどが日本に入ってきたところだと思うが、さらに政府はそれについて「有機(JAS)」の認証をできないか検討を始めた。9月30日に第1回の検討会があり、第2回が近く予定されている。アメリカですでに用意されている遺伝子組み換えのコメの種子、ゲノム編集のコメの種子、麦、大豆、ジャガイモなどについて、「有機」の認証をしたいというのだ。話を聞き、資料を読んでみると、認証することが前提の検討会になっている。今、遺伝子組み換え食品について、日本は政府が318種類も承認している。アメリカですら197種類だから日本はダントツだ。
遺伝子組み換え農作物は、すべて除草剤・ラウンドアップ耐性だ。ラウンドアップをまくと植物は枯れる。主成分のグリホサートはベトナム戦争の枯れ葉剤と考えればよい。植物がアミノ酸をつくるシキミ酸経路を破壊するので、植物はアミノ酸をつくれず枯れる。ところがグリホサート耐性を持たせた農作物は、いくらグリホサートをまいても死なず、すくすくと生きている。ところが、そのラウンドアップで今大変なことが起きている。
ラウンドアップ裁判
アメリカで昨年8月10日、歴史的な裁判があった。
学校の用務員ジョンソンさんが、校庭の除草のために20〜30回ラウンドアップをまくと、腕に腫瘍ができ、末期ガンであることがわかった。モンサントのラウンドアップ以外に考えられないと、モンサントを訴えた裁判だが、モンサントに320億円支払えという評決が出た。判決は86億円に訂正されたが、これは世界のトップニュースになり、世界中に激震が走った。
世界各国でじつは今、グリホサート、ラウンドアップの規制が広がっている。ラウンドアップをやめた国は24カ国、規制している国は33カ国にのぼっている。隣の韓国もラウンドアップの使用をやめ、ネオニコチノイドの空中散布や屋外の使用を一切禁止している。
ラウンドアップをめぐる裁判は次次に起きており、ジョンソンさんの次には88億円、3例目の夫婦のガン患者には2200億円支払えという評決が出た。サンフランシスコでジョンソンさんに会い、インタビューをすることができたが、腕はケロイド状で肉が出ていた。彼は、「妻がハグすると皮がずりっと落ちて大変なので、今優しく抱いてもらっているだけだ。子どもはどうやらあきらめがついたようだが、妻はまだあきらめがついていないようだ」と話していた。日本に対するメッセージを求めると、「ラウンドアップの使用をできるだけ早くやめてほしい。日本だけでなく世界の人にそういいたい」といわれていた。
その後、この訴訟にかかわったロバート・ケネディ・ジュニア弁護士にもインタビューした。彼は叔父のジョン・F・ケネディがホワイトハウスにいるときに、レイチェル・カーソン女史に会ったという。当時、モンサントはDDTを世界中で売りまくっていて、レイチェル・カーソン女史は「鳥も鳴かない春が来る」といい、モンサントから徹底的に糾弾されていたそうだ。そのときからロバート・ケネディ・ジュニア弁護士は30年間モンサントとたたかってきたという。
裁判で勝利できたのは、モンサントが所有している最高の内部機密資料を裁判に出すことができたからだという。その内部機密資料によって、モンサントは19年前から、遺伝子組み換え作物やグリホサートでガンになることを認識していたことが明らかになった。実証の結果わかっていたのに悪質な隠蔽工作を続け、今日まで売り続けてきていたのだ。ロバート・ケネディ・ジュニア弁護士の話では、例えばニューヨークでは「ラウンドアップはコーヒーやピクルスと同じように飲んでも健康な大丈夫なものです」と宣伝していた。これは明らかな間違いなので、モンサントは莫大な罰金を払わされることになったという。
日本では、「すぐに生分解されて自然に戻るから害がないとコマーシャルしている」と話すと、明らかに虚偽の事実で、公共放送でやるなど考えられないといわれていた。TPP違憲訴訟をするうえで裁判資料の提供を依頼すると、喜んで承諾して下さり、「日米で一緒にたたかいましょう」という話になった。
今回、劇的な裁判となったが、すでにアメリカで5万件、同様の裁判が起こされており、カナダやオーストラリアでもモンサントに対する同様の裁判がなされている。モンサントを昨年6月に買収したバイエルは今、株価が5割下がっている。そしてついに正社員の1割に当たる1万2000人のリストラを発表し、動物医薬品を売るドル箱だった会社を売却した。アメリカでもEUでも「モンサントは終わった」といわれ、バイエルも危ないといわれているほどだ。
オーガニック食品の広がり
今、アメリカのスーパーはどこに行ってもオーガニック、「NON GMO」があふれている。アメリカを変えた女性といわれているゼン・ハニーカットさんにもお会いした。彼女はロバート・ケネディ・ジュニア弁護士やジョンソンさんと一緒になって裁判をひっ張って来た人だ。
彼女の子どもは3人ともアレルギーで、そのうち次男のボダイ君は小麦アレルギーがなかったのでパンやパスタをたくさん食べさせた。するとある日突然、理由もないのに怒り出し、暴れ出して自閉症の症状を起こした。驚いて病院に連れて行き、腸内細菌を調べると、クロストリジウムという脳神経を直接おかしくする細菌が、ヨーロッパの環境基準の四倍見つかった。このせいではないかと彼女は考えた。
アメリカでは10年前から小麦の収穫前にラウンドアップをまいていた。ラウンドアップをまくと小麦が枯れるため、コンバインで刈る手間がなくなる。主成分・グリホサートは小麦の芯まで浸透し、水分が一滴もなくなるため、日本に運んで来るまでにカビが生えたり細菌が発生することもない。彼女はこのグリホサートのせいではないかと考え、小麦粉製品を食べさせるのをやめ、有機の物と発酵食品にするとボダイ君の症状は劇的に改善された。
それまで、「グリホサートは食べ物から体内に入ってもすぐに分解されて尿として排出され、体内に残ることはない」という研究論文の下で、アメリカ環境保護局(EPA)も認めて来た。しかし、体内にグリホサートがあるかもしれないと考えた彼女が、母親たちの協力を得て母乳中のグリホサートの検査をすると、9割以上の母親からグリホサートが検出された。
私はそれを聞いて日本で何とか調べたいと思い、フランスのクズサイエンスというところに髪の毛を送って調べてもらった。1キット5万円したが、30キット購入し、国会議員23人や私も含め総勢30人を調べると30人中21人からグリホサートが検出された。これを黒田純子博士が聞いて驚いた。「尿で検査すると日本人みんなから検出されるのではないか」と。
今の医学では1個の細胞が生きるのに10個の腸内細菌の力を借りなければいけないといわれている。私たちは腸内細菌で生かされている。グリホサートはその腸内細菌のうち善玉菌をほとんど殺してしまう。そうなるとガンになったり、切迫流産や生殖系の機能を阻害したり、自閉症になることなどが明らかになってきている。黒田純子博士は、「じつはグリホサートは遺伝子を傷つけるのではなく、メチル化するのだ」といわれた。メチル化とは、遺伝子のオン・オフを人によって突然切り替えるのだそうだ。そうなるとこの遺伝子がそのままゲノム編集と同じ効果になる。
ネズミの実験ではF0(大人の世代)、F1(子どもたちの世代)にはほとんど影響はないという。ただF3(孫)、F4(ひ孫)の時代に異常が出てくるという。遺伝子そのものが変わるため、最初の角度が一度違っても、遠くに行くほど角度が開くそうだ。
ラウンドアップにかわる除草剤
ラウンドアップは今のJAでもどこでも売っている。しかし、お母さんたちが反対運動をしてダイソーは8月8日から販売をやめた。ラウンドアップにかわる天然素材の除草剤はないか調べていると、オーストラリアでオーガニック・コンタクト社の除草剤を、昨年暮れ近くになって政府が有効な除草剤としたことがわかった。この話を聞いてすぐにサンプルを輸入してもらい、試験してみた。すると1時間で雑草に黒く斑点ができてひっくり返っていき、4時間後には一部だが茶色く枯れた。これを、アメリカのEPAが除草剤として承認した。EUも審議中で、スリランカ、ニュージーランドも承認し、4カ国が承認したところだ。何とかしてラウンドアップをやめたい。
世界に逆行する日本―世界の流れは有機・自然栽培、非遺伝子組み換え作物に
アメリカのダイソーで販売しているポテトチップには警告として「揚げたジャガイモ(ポテトチップスなどの)には、発がん性や、先天性血管、そのほかの生殖系への悪影響を引き起こすことが知られている、アクリルアミドという化学物質が含まれています」という表示がされている。日本では普通に食べている。カラムーチョもそうだ。世界は食品表示が厳しいのに、これから日本で売られるゲノム編集の大豆やナタネでつくられる食用油は、何の表示もないまま合法的に売られる。しかも政府はこれを「有機(JAS)」で売りたいという検討会まで始めている。まさに世界の流れと逆行している。
韓国のスーパーでもオーガニックコーナーができ、オルゴク小学校(清州市・500人)では、有機・無償で学校給食を提供している。パンやサンドイッチは輸入小麦に頼らざるを得ないのではないかと思ったが、パンやパスタは一切使わず、うどんは全部国産の小麦粉だという。日本の大手3社の小麦粉を調べてみると、グリホサートがたくさん含まれている。もっとも入っているのが日清製粉の「全粒粉強力粉」だ。オルゴク小学校はアレルギーの子どもが七人しかいなかった。
韓国の農水省の課長に全国の状況を聞くと、ほぼ小・中学校は有機・無償でやっており、高校はもう少しかかるということだった。保育園・幼稚園でも始め、何年か後には妊婦にも有機の物を食べさせたいと思っているという話だった。
韓国も台湾も、食の安全に対する取り組みを始めている。日本は農薬や食品添加物の基準でいうと台湾の400倍も緩い。小麦粉のグリホサート残留農薬基準は中国の150倍緩い。そして世界各国がグリホサート、ラウンドアップを規制しようとしているなかで、こともあろうに日本だけがグリホサートの残留農薬基準を、物によっては400倍にまで緩めた。そば粉やナタネなどは75倍、100倍、テンサイは75倍だ。今、世界で一番農薬の残留基準が緩いのが日本だ。
ロシアも2016年に遺伝子組み換え農産物はつくらせない、輸入させないという法律を上院下院で通した。中国も2017年から同じように輸入も国内栽培も禁止している。いずれも国を挙げて有機栽培に力を入れている。アメリカも、じつは遺伝子組み換え農産物は2016年から頭打ちで、今オーガニックの生産がなんと年に10%の割合で伸びている。
先月アメリカに行き、モンタナ州(小麦の大産地)を訪れた。そこで10年前までケミカル農業(農薬や化学肥料を使う農業)をしてきたが、オーガニックに変えたという農家に会った。やめた理由を聞くと、「ケミカル農業をしている農家は家に帰るとすぐに服を脱ぎ捨ててシャワーを浴びないと子どもをハグできなかった。今は子どもたちと一緒に畑の中に入ることができる」という話だった。今、彼のつくった小麦は1ポンド14jだが、ケミカル農業の小麦は1ポンド3・7jだという。農薬や化学肥料にも金がかかる。「彼らは赤字だ。私は早く切り替えてよかった。アメリカでももう有機にしないと農業はやっていけない」と話していた。
自家採種の禁止
政府が自家採種を原則禁止するという種苗法の改定案を、いよいよ来年の通常国会で提出することがはっきりした。今年3月から9月25日まで5回にわたって検討会を開いてきたものだ。
自家採種(自家増殖)というのは、たとえばイチゴの場合は苗を10本とか15本購入し、ランナーで芽出しして次の年に植えたりすることだ。イモやサトウキビ、ジャガイモも同じだ。木の場合は接ぎ木する。そのような自家増殖を現行の種苗法では、二一条にあるように、モンサントなどが登録した品種でも、農家は種を買ったら自由に自家採種し、次の年に植えたり、加工することができる。原則自家採種自由だ。
ただし、第三項に「農林水産省が特例でもっていわば適用しない品目を定めることができる」となっていた。じつは自家採種の禁止は始まっていた。最初はバラ、カーネーションなどの花、その次はキノコ、TPPを批准してからはキャベツ、ブロッコリー、ナス、トマト、スイカ、メロン、キュウリ、ダイコン、ニンジンなど、あらゆるメジャーな野菜や果樹をはじめとする357種類もの植物が指定され、今年新たに野菜のみで31種類指定され、400種類近くになっている。この登録品種を勝手に自家採種したら懲役10年、1000万円以下の罰金で、しかも共謀罪の対象だ。
ところが、アメリカでも主要農産物の小麦は自家採種が3分の2で、3分の1が公共の種子、カナダは8割が自家採種、2割が公共の種子だ。オーストラリアは95%が自家採種で5%が公共の種子だ。それなのに日本はいよいよ自家採種禁止法案を出してきた。農水省の課長に「コメも麦も大豆も自家採種禁止にするのか。それが本当の狙いで、邪魔だったから公共の種子法を先に廃止したのか」と聞くと黙っていた。ところが検討会のとりまとめ(9月25日)には、わざわざ「これまで種苗法では非常に例外が多くて複雑だったから、シンプルなものにして、一律、自家増殖禁止の条文にしたい」と書いてある。そうすると「あまおう」をつくっているイチゴ農家もこれまでのように増殖できない。苗を1本250円ほどで6000本買わなければいけなくなる。
検討会でプレゼンをした茨城県の横田農場は、過疎地のため、人に頼まれて耕作面積が増え、今150fでコメをつくっている。8品種のコメを作付けしているが、そのうち登録品種だけで7dくらい自家採種しているという。コシヒカリなど育種期間(25年)が切れている品種もあるが、まだ切れていない新しい品種(「ゆめぴりか」など)の自家採種をやめて種子を購入すると500万円ほどかかり、「われわれはやっていけない」とプレゼンした。これが民間の種子になるとその10倍=5000万円かかる。ところがこれに一切コメントなしで、自家採種一律禁止という方向で条文にし、来年の通常国会で審議が始まることになった。自民党はどんなことがあってもこの法案を通すとはりきっているという話を耳にし、大変心配しているところだ。
なぜ自家採種を禁止するのか、その理由として農水省は「シャインマスカットなど日本の優秀な育種知見がそのまま中国や韓国に流れた。これを取り締まらなければならない」という。そのために種苗法を改正して、許諾・承認を得るか、新しく買うかしなければいけないのだという。しかし、海外流出を食い止めるのであれば、宮崎県が種牛の精液が海外流出するのを刑事告訴したように、現行法で刑事告訴すれば足りることだ。海外に出たものを取り締まるには、農水省が海外でシャインマスカットの育種登録もしくは商標登録などをすべきではなかったか。それを怠っていて、政府は「種苗法を改正しなければ海外流出を食い止めることができない」といういい方をしている。
1週間ほど前に「日本の種を守る会」は農水省の知財課長を呼んで話を聞いた。そこで農水省は「育種権者が第三者、企業にかわった場合、育種権はどうなるか」を説明した。思い出してほしい。農業競争力強化支援法で、例えばマスカットは農研機構の育種知見だが、それらをモンサントなどの民間企業に譲渡するようになっている。譲渡されて育種権者がかわった場合、そこから許諾を得るか、種苗を買わなければいけなくなるのではないか。県民や国民の税金で開発した育種知見を民間企業に譲渡しておいて、農家(国民・県民)が使うときには民間企業にロイヤリティを払わなければ許諾するわけはないだろう。県や国であれば許諾するであろうし、研究者はみんな使ってほしいと思っている。しかし、民間企業は当然、許諾料をとるか、1本ずつ買えとなるのではないか。
もう一つ、農水省は「これまでの伝統的な固定種をつくっている有機栽培の農家は大丈夫だ。安全だ」と説明している。家庭菜園は私も大丈夫だと思っているが、有機栽培の農家は安心ではない。種苗法二一条では、「登録された品種」と「特性により登録された品種と明確に区別されない品種」も自由に自家採種できるようになっている。野菜は土地と風土、栽培する人や年によって少しずつ変化していくものだ。登録品種であっても変化していくので、今モンサントは子会社を使ってナスやブロッコリー、トマトなど、さまざまな野菜をどんどん登録品種にしている。これらの登録品種と、有機栽培で農家がつくっている野菜のどこが違うのか区別はしにくい。こうして新規の育種登録を次次にした民間企業が、野菜農家などに育種権の侵害として賠償金を求めるようなことになりはしないかと心配している。
すでに企業から生産者が訴えられる裁判が6件起こっている。モンサントの裁判は有名だが、カナダでは有機栽培の伝統的なナタネ農家がモンサントから訴えられて裁判で負けた。日本で有機栽培をしている農家も、ある日突然、モンサントから20億、30億円の賠償金を請求されることもあり得る。実際、今度の種苗法の検討会でリードしたのは知的財産権ネットワークの弁護士だ。日弁連の雑誌にも、「これからは育種権の争いが論点になってくるだろう」と書かれている。
農水省の知財課長の説明では、こうした争いになった場合、裁判所は育種登録した品種の現物と、農家がつくっている作物の違いを求めようとするという。しかし、実際には登録したモンサントの野菜の品種も変化してくるから、その特性を6項目くらい法制化し、それに反したら育種権違反だとやれるよう改正案を準備しているという。これはモンサントなど種子企業が裁判で争えるように改正する内容だ。
アメリカで10年ほど前に自家採種禁止法案が通ったときも、「伝統的な固定種を栽培している有機栽培農家は安全だ」と説明していたが、今は本当に伝統的な有機栽培農家も種子を買わなければならなくなり、事実上、自家採種禁止になってしまった。このことはエップ・レイモンドさんの米国からの報告に詳しく書かれている。決して有機栽培農家、自分で種とりをして伝統的な固定種を栽培している農家も安心ではない。今度の種苗法改定案はどのようなことがあっても反対しなければならない。
種子法が廃止されたとき、農水省は自民党議員のところを「種苗法で守る」といって回った。ところが種苗法改定で自家採種を禁止し、コメも麦も大豆も、すべての種を買わせるのが狙いだった。アメリカもそうだったが、国家は嘘をつくものだ。
私たちは裁判でも争っているが、今後は広島県のジーンバンクのように伝統的な固定種を県が発掘し、それを保存・管理することが大事になってくる。広島県はそれを農家に無償で貸し出している。福岡県でもそのような条例をつくって、企業や民間や県も出資して公社をつくり、守ることが必要になってくる。
日本の経済、地域の経済を発展させていく施策
種子条例は、九州では宮崎県が1番につくり、今、熊本県が種子条例のパブコメで骨子案を発表した。鹿児島県知事もつくることを表明した。この前の議会までに11の道県でできたが、新しく栃木が先日採決し、宮城県の種子条例もパブコメをした。島根県も種子条例をつくることを発表し、岩手県は議員提案でやることが決まった。滋賀県もやる。年内にだいたい16の道県で種子条例ができそうだ。秋田、青森なども動き出しているし、福島も動き出した。来年度までに26の道県で種子条例ができるのではないかと思っている。
種子条例ができる一つのきっかけは、市町村のみなさんが動き出したということだ。1番最初につくった新潟県では、柏崎市が日本で1番最初に種子条例の制定を求める意見書を出した。県内各市町村で動き出し、それをもとに新潟県がつくり、兵庫県、埼玉県、山形県というようにどんどん動いてきた。
地方分権一括法では、国が地方自治体に指揮命令することは一切禁止している。国が地方にいえるのは単なる通知だけだ。通知は法律的にいうと「技術的助言」に過ぎない。法律に反しない限り地方自治体は何でもできるのだ。今治市は食と農の条例をつくった。「遺伝子組み換え農産物はつくらせない」という条例だ。もし市長の承認なくつくれば、2年間の懲役、500万円以下の罰金など、非常に厳しい内容だ。この町で「ゲノム編集のものは表示なくして流通させない」といった条例に刑罰まで定めてつくることができる。韓国は学校給食を条例で全部無償でやっているが、おそらく日本でも学校給食を有機でやる市町村が出てくる。世田谷の区長は無償で学校給食を始めた。同時に今、有機でやろうと真剣に考えているところだ。千葉県いすみ市の学校給食はコメは有機100%だ。普通入札で60`1万3000円くらいだが、2万円で買い、差額を市が補填している。
じつは安倍官邸が悪いといっている時期ではない。農薬から自家採種禁止まで大変なことになろうとしているが、私たちの暮らしは自分で守るしかない。そして自分で守ることができる。住民には請願権が認められている。知っている市会議員や町会議員を通じて、この町で学校給食を有機農産物でやるという条例案を審議してくれという請願を出すと市町村議会はそれを審議しなければいけない。次次にそういったものを出していくことによって地方から変えていくことができる。今、自分が動けば何でもできる。私たちが主役だ。
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/13829
http://www.asyura2.com/09/gaikokujin01/msg/518.html#c119
146. 中川隆[-10504] koaQ7Jey 2019年10月28日 19:18:21 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2369]
種子法廃止とこれからの日本の農業について 元農林水産大臣・山田正彦 2019年10月26日
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/13829
福岡県糟屋郡宇美町立中央公民館で20日、「種子法廃止と、これからの日本の農業について―食と農 命と暮らしを守るために福岡県独自の種子条例を制定しよう」と題して、地元有志でつくる「糟屋地区の未来を考える会」の第2回シンポジウムが開催された。山田正彦元農林水産大臣の基調講演を受けて、「グローバル化が進展する日本において国民の生活をどう守るか」をテーマに、山田正彦(元農林水産大臣)、野田国義(参議院議員)、原竹岩海(福岡県議会議員)、原田和明(北九州市立大学)、時任裕史(宇美町議会議員)の五氏によるパネルディスカッションがおこなわれた。種子法の廃止、種苗法改定、水道民営化や漁業法改定など、公共の分野が多国籍企業に明け渡されていく現状に警鐘を鳴らすと同時に、真実を知り、地方から変えていく道筋について熱のこもった議論が、農家や種子を守る市民運動をしている参加者をまじえておこなわれた。山田正彦元農林水産大臣の講演を紹介したい。記事は基調講演の内容に質疑応答のなかでの発言を加えたものである。なお、文中の表・写真は山田氏が示した資料を参考に本紙が作成した。
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私は五島列島出身で、29歳のときに400頭くらい牛を飼っていた。豚も年間8000頭くらい出荷していたので、相当な規模だった。うまくいかず自分で肉屋もやり、最後は県庁前で牛丼屋までやったが、さんざん失敗した。当時4億円くらい借金を抱えた。忘れられないのは当時の農水省の勧めで大型畜産をやった仲間が2人自殺したことだ。私は破産状態だったが、弁護士の資格だけは持っていたので、弁護士をして借金の支払いをしながら、なんとも悔しかったので衆議院に出た。3回敗れて4回目に通り、5期衆議院議員をさせていただき、運良く農林水産大臣にさせていただいた。そのときに、戸別所得補償や飼料米制度、林業再生プラン、漁業の所得保障などいろいろやらせてもらった。そのときちょうどTPP交渉に参加したいという話があり、閣議で大げんかして大臣を辞め、今日までTPP反対運動を続けてきた。
ところがTPPは昨年12月30日に発効した。たった5日間で牛肉の輸入量は半月分になるほど急増した。今年2月1日に日欧EPAも発効し、なんとEU産豚肉は五割増になった。チーズやバター、乳製品、果物類も今だいたい昨年に比べて3割増だ。そんななか日米FTAがいよいよ来年1月には発効する。一番恐れていたことだ。
アメリカは農産物しか売る物がない。日本を見るとトヨタ自動車一社の売上だけで30兆円だ。農林水産物はあわせても8兆円しかない。2年前に「トヨタ自動車その他日本の自動車に25%の報復関税をかける」とトランプからいわれ、霞が関の官邸や農林水産省、経産省から聞こえて来るのは、「このさい、報復関税25%をなんとか延期してもらうために、農林水産物は譲るだけ譲る」ということだった。そしてアメリカの農務省長官も、はっきり「もう日本とは話がついた」と、今年5月からツイッターでいっている。今後大変なことになっていくのではないかと思う。
今、アメリカもオーストラリアもどんどんコシヒカリをつくっている。これが60`4000円で入ってくる。私が農林水産大臣のときにおこなった試算では、今日本のコメの生産原価は60`当り1万5000円だ。昨年の農家の手取りが1万3300円だった。試算ではTPPに参加すると日本の食料自給率は14%まで落ち込むという結果になった。韓国ですら今、食料自給率は48%だ。日本は本当にどうなるのかと心配している。
TPP協定は条約であり、憲法の下で、国内法の上になる。米韓FTAを結んだ韓国が200本の法律を変えたように、日本もTPP協定(8000ページ・30章)に従って、この2年間、次次に法律を変えている。一番最初に変えたのが主要農産物種子法の廃止だ。これについて私は5年前から、「明らかに国の主権を損なうものだ」としてTPP違憲訴訟をしている。その判決が昨年10月31日にあったが、判決のなかで種子法廃止について「背景事情の一つにTPP協定に関する動向があったことは否定できない」と、TPP協定と種子法廃止の関連を最高裁判所は認めた。水道法改定、漁業法の改定、市場法の事実上の廃止、森林管理法の改定など、すべてこれはTPP協定によるものなのだ。
種子法で日本のコメ、麦、大豆は守られてきた
今私たちはおいしいお米を当たり前のように食べている。これは全部、伝統的な固定種だ。種子法のおかげで私たちの主食であるコメ、麦、大豆など、それぞれおいしいものを食べることができた。これがどうなるか。
野菜で考えていただくとわかりやすい。野菜は30年前、みんな伝統的な固定種だった。ところが野菜の種子はF1に変わり、今、90%を海外で生産している。2年前にモンサントの遺伝子組み換え農産物の見学会に行ったとき、思いがけないことを聞いた。「日本の野菜の種子はモンサントでつくっています」といわれたのだ。そんなことはパッケージに書いていない。「委託生産し、委託販売している」という。調べてみるとモンサントは野菜の種子だけで800億つくっている。世界の種子は今、モンサント(バイエル)、ダウ・デュポン、シンジェンダ(中国化工集団傘下)の3社で世界の種の7割を握っている。同時にこの3社で世界の農薬の7割、世界の化学肥料の7割を握っている。
こうして野菜の種子はF1になり、ニンジンでいえばカロチンなど栄養価は3分の1に減っている。F1は科学的にそこまで問題になるとはいわれていないものの、主食のコメ、麦、大豆の公共の種子がなくなると、民間の種子を使わざるを得なくなる。すでにコメ、麦、大豆の民間の種子ができている。
種子法とは
種子法ではコメ、麦、大豆の伝統的な日本の在来種を国が管理し、各都道府県に原種・原原種の維持、優良品種の選定、奨励、審査を制度として義務づけてきた。そのもとで、各地の農業試験場で雑種の混入や不良な種を取り除き、厳格に監査した優良な品種を公共品種として安く安定して提供してきた。
原原種の栽培では、コシヒカリやヒノヒカリなどを1本ずつ植え、毎年つくっている原種を純粋なコシヒカリに合わせて開花時期、丈の高さを揃えていく。四割くらいは黒米や赤米になったりするので、それをとり除いていくと、そこで6割くらいしか残らない。農業試験場に見学に行くと、穂先が1aくらい伸びているなかから、1_か2_違えばとり除いていた。その後も10回前後の抜きとり作業をおこなうなど、「異株」に対して細心の注意を払い、発芽率90%の種をつくり、その後に原種をつくる。3年目にようやく県が種子栽培農家を選定し、圃場を選定して、福岡県であれば「ヒノヒカリ」「発芽率90%以上」と、県として責任を持って保証書を出し、だいたい1`500円ほどでコメ農家に提供してきた。それをコメ農家は4年目につくり、われわれは5年目に食べることができる。そうやって純粋な伝統的な品種をしっかり守っている。麦も大豆も同じだ。
ところが、種子法を廃止するとき政府は「種子法があることで民間の優秀な品種が普及できない」「なかなか売れない」といった。民間の優秀な品種(三井化学の「みつひかり」など)があるではないかと説明して回った。「みつひかり」は野菜と同じようにF1の種子で、伝統的な固定種ではない。価格を見ると、「みつひかり」の種子は4000円なので、公共の種子と比較すると8〜10倍する高い物だ。野菜の種子もF1になって多国籍企業がつくるようになってからは、イチゴやトマトなど1粒1〜2円だったものが、今は40〜50円だ。いずれコメ、麦、大豆の種子も40〜50倍になっていくことは間違いないと思っている。
農家を大企業に隷属させる
私は三井化学の「みつひかり」や住友化学の「つくばSD」の生産者、日本モンサントの「とねのめぐみ」の生産者など、さまざまな方に会ってきた。話を聞くと、民間の種子には必ず、収量がコシヒカリの1・2倍〜4倍、味はヒノヒカリ以上、コシヒカリ以上という内容が書いてある。そしてつくりやすく倒伏しない。しかし実際は必ずしもそうではない。最初の年は化学肥料をやるのでいくらか収量があるが、土壌が追いつかず、だんだん収量が減ってくるのでやめた農家もけっこういた。
実際の契約書を見ると、モンサントの契約書は有名で、何十ページもあって肝心な部分は英語で書かれているのだが、これがたった1枚だった。そのなかに「指示されたことに従わない場合はモンサントに生産者は責任を負う」と書かれている。農薬や化学肥料の指示はなかったのかと聞くと、その方は「そういう指示はなかった」といっていた。
しかし、「つくばSD」の契約書は10ページあり、指定された農薬と化学肥料を必ず使わなければならない、反すると損害賠償責任を負うと書かれていた。そして「収穫されたものはすべて住友化学の指定するところに納めなければならない」となっている。価格については住友化学と生産者とで、「収穫後にそのときの相場を見て決める」となっている。今回の台風のときのように全滅する場合はどうかというと、「災害時の責任はすべて生産者が負う」となっている。これは非常に一方的な契約だ。
「みつひかり」の生産者の話では、最初の年は60`1万2000円で全量引き取りだったからつくったが、翌年は60`1万円、その次の年は9000円になったのでやめたという。私は「よくやめられましたね」といった。この「みつひかり」の契約書だと、正当な理由がなければ、やめるにしても莫大な損害賠償を請求される恐れがある。
これから、地方自治体が公共の種子をつくらなくなると、モンサントなど民間との契約の下、農家はまさにがんじがらめに縛られて、アメリカの農家のように奴隷農場に、借金漬けになっていく。
日本のコメ農家がモンサントへロイヤリティを支払う
もう一つ、「農業競争力強化支援法」の八条三項のなかで、「銘柄が多すぎる」といっている。日本には各県の奨励品種だけで約300品種ある。天皇家の古代米だけで17種類だから、全国でだいたい1000種類のコメがつくられている。そのコメを数種類に集約するという。「民間の種子に」という意味だ。農協潰しの法案といわれた「農業競争力強化支援法」だが、八条四項では、日本(国の農研機構や各都道府県)が蓄積してきた育種知見をすべて民間に提供するとされている。国会で「海外のモンサントなどにも提供するのか」と聞くと、当時の斉藤農水大臣は「TPP協定は内外無差別だから、当然そうなる」と答えている。
そうなるとどうなるか。メキシコはトウモロコシの原産国だが、今、メキシコの農家はモンサントなどにロイヤリティを払わなければトウモロコシをつくることができない。フィリピンもそうなった。日本のコメ農家もそうなっていくということだ。
たとえば福岡県でやっとできたおいしいコメの品種も、提供するとロイヤリティを払わなければならない。国民の税金、県民の税金でつくった新しい品種だ。この育種知見がTPP協定によって多国籍企業に出て行くことになる。
じつは農水省の事務次官が平成29年11月15日付で、「都道府県に一律の制度を義務付けていた種子法及び関連通知は廃止するものの、都道府県が、これまで実施してきた稲、麦類及び大豆の種子に関する業務のすべてを、直ちに取りやめることを求めているわけではない」という通知を出した。「いずれやめなさい」「予算をつけませんよ」という意味だ。さらに、「民間事業者による稲、麦類及び大豆の種子生産への参入が進むまでの間、種子の増殖に必要な栽培技術等の種子の生産に係る知見を維持し、それを民間事業者に対して提供する役割を担う」とある。
三井化学の「みつひかり」や日本モンサントの「とねのめぐみ」などのように、麦でもすでにF1の麦もできている。そういった民間のものが普及するまでの間だけ、各都道府県は育種知見を維持し、その間に民間にそれらの知見をすべて提供する義務があるという通知だ。実際に種子法が廃止になった昨年四月に奈良県、和歌山県、大阪府は県が責任を持ってつくるのをやめ、民間に委託した。県の保証するコメ、麦、大豆の種子は三府県ではなくなった。福岡県も条例をつくらなければそうなっていく。
日本も遺伝子組換えのコメ、麦、大豆を作付けするようになる?
飼料米制度は私が大臣のときにつくったものだ。今コメでは農家は赤字だが、飼料米制度で何とか食べてきている。その飼料米農家に先日、農政局から説明があり、「反当り11俵以上とれないと補助金を出さない」という話が出てきたという。調べて見ると、すでにゲノム編集の飼料米の種子が用意されていた。その農家が「これからはF1か遺伝子組み換えの飼料米をつくらなければいけないのではないか」と心配していたが、まさにそうだった。そして「WRKY45(ワーキー45)」というゲノム編集のコシヒカリの種子も用意されていた。
ゲノム編集について、昨年8月7日の『日本農業新聞』の1面に「GM技術該当せず」とある。ゲノム編集は遺伝子組み換えの一つだが、「遺伝子組み換え技術に該当せず、安全だ」といい始めたのだ。『日本経済新聞』(今年3月19日付)には「ゲノム編集食品、夏にも」とある。実際にはこの10月1日にゲノム編集食品は解禁された。任意の届け出のみで表示もないまま、いよいよ流通し始める。
ゲノム編集とはなにか。例えばトマトの熟成する遺伝子だけを粉砕すると、熟成せず腐らなくなる。3年間、青青としているトマトができている。それを収穫して倉庫に入れておき、出荷のさいにエチレンガスをかけると真っ赤になる。それが本当に安全なものなのだろうか。
EUでは、遺伝子組み換えは原則禁止しており、ゲノム編集は遺伝子組み換えであるとして使わないようにしている。ところが日本は、「ゲノム編集は遺伝子組み換えと違い、新しい別の種類の遺伝子を組み換えて入れるわけではない。アミノ酸に変わりないから安全だ」といっている。ところがアメリカもそうではない。先日訪米し、遺伝子組み換えの分野では右に出る人はいないというチャペラ教授に話を聞いたが、最初「ゲノム編集」といっても伝わらなかった。そして「そうか、山田さんがいっているのはNEW GMOのことだな」といわれた。アメリカでもみな、遺伝子組み換えの延長線上の話だという認識だ。しかし日本だけはゲノム編集は遺伝子組み換えと違うといい出した。
今、ネイチャー誌に論文が載っているように、「ネズミ1匹の遺伝子を粉砕すると1600」の副作用がある。
たとえば、中国でゲノム編集によって双子の赤ちゃんが生まれた。父親がエイズだったので、生まれてくる子どもがエイズにならないよう、ウイルスにかかっている遺伝子だけを壊した。すると思いがけず双子が生まれた。しかし、2人はエイズにはかからないが、西ナイル熱ウイルスにはかかる、インフルエンザにかかると重症化する、免疫疾患になる、短命であるなど、さまざまな影響があることがわかってきた。
ゲノム編集食品で最初に、もうすでに日本に入ってきているのは高オレイン酸大豆だ。アメリカでは「ゲノム編集の大豆」「遺伝子組み換え大豆」というと、今ほとんど売れない。それで安倍総理は日米FTA交渉のなかで受け入れた。何の表示もないまま、食用油としてすぐに店頭に並ぶと思う。これがどういう作用があるのかはまったくわからない。
ゲノム編集の高オレイン酸大豆や、カーギルが関与している除草剤耐性のあるナタネなどが日本に入ってきたところだと思うが、さらに政府はそれについて「有機(JAS)」の認証をできないか検討を始めた。9月30日に第1回の検討会があり、第2回が近く予定されている。アメリカですでに用意されている遺伝子組み換えのコメの種子、ゲノム編集のコメの種子、麦、大豆、ジャガイモなどについて、「有機」の認証をしたいというのだ。話を聞き、資料を読んでみると、認証することが前提の検討会になっている。今、遺伝子組み換え食品について、日本は政府が318種類も承認している。アメリカですら197種類だから日本はダントツだ。
遺伝子組み換え農作物は、すべて除草剤・ラウンドアップ耐性だ。ラウンドアップをまくと植物は枯れる。主成分のグリホサートはベトナム戦争の枯れ葉剤と考えればよい。植物がアミノ酸をつくるシキミ酸経路を破壊するので、植物はアミノ酸をつくれず枯れる。ところがグリホサート耐性を持たせた農作物は、いくらグリホサートをまいても死なず、すくすくと生きている。ところが、そのラウンドアップで今大変なことが起きている。
ラウンドアップ裁判
アメリカで昨年8月10日、歴史的な裁判があった。
学校の用務員ジョンソンさんが、校庭の除草のために20〜30回ラウンドアップをまくと、腕に腫瘍ができ、末期ガンであることがわかった。モンサントのラウンドアップ以外に考えられないと、モンサントを訴えた裁判だが、モンサントに320億円支払えという評決が出た。判決は86億円に訂正されたが、これは世界のトップニュースになり、世界中に激震が走った。
世界各国でじつは今、グリホサート、ラウンドアップの規制が広がっている。ラウンドアップをやめた国は24カ国、規制している国は33カ国にのぼっている。隣の韓国もラウンドアップの使用をやめ、ネオニコチノイドの空中散布や屋外の使用を一切禁止している。
ラウンドアップをめぐる裁判は次次に起きており、ジョンソンさんの次には88億円、3例目の夫婦のガン患者には2200億円支払えという評決が出た。サンフランシスコでジョンソンさんに会い、インタビューをすることができたが、腕はケロイド状で肉が出ていた。彼は、「妻がハグすると皮がずりっと落ちて大変なので、今優しく抱いてもらっているだけだ。子どもはどうやらあきらめがついたようだが、妻はまだあきらめがついていないようだ」と話していた。日本に対するメッセージを求めると、「ラウンドアップの使用をできるだけ早くやめてほしい。日本だけでなく世界の人にそういいたい」といわれていた。
その後、この訴訟にかかわったロバート・ケネディ・ジュニア弁護士にもインタビューした。彼は叔父のジョン・F・ケネディがホワイトハウスにいるときに、レイチェル・カーソン女史に会ったという。当時、モンサントはDDTを世界中で売りまくっていて、レイチェル・カーソン女史は「鳥も鳴かない春が来る」といい、モンサントから徹底的に糾弾されていたそうだ。そのときからロバート・ケネディ・ジュニア弁護士は30年間モンサントとたたかってきたという。
裁判で勝利できたのは、モンサントが所有している最高の内部機密資料を裁判に出すことができたからだという。その内部機密資料によって、モンサントは19年前から、遺伝子組み換え作物やグリホサートでガンになることを認識していたことが明らかになった。実証の結果わかっていたのに悪質な隠蔽工作を続け、今日まで売り続けてきていたのだ。ロバート・ケネディ・ジュニア弁護士の話では、例えばニューヨークでは「ラウンドアップはコーヒーやピクルスと同じように飲んでも健康な大丈夫なものです」と宣伝していた。これは明らかな間違いなので、モンサントは莫大な罰金を払わされることになったという。
日本では、「すぐに生分解されて自然に戻るから害がないとコマーシャルしている」と話すと、明らかに虚偽の事実で、公共放送でやるなど考えられないといわれていた。TPP違憲訴訟をするうえで裁判資料の提供を依頼すると、喜んで承諾して下さり、「日米で一緒にたたかいましょう」という話になった。
今回、劇的な裁判となったが、すでにアメリカで5万件、同様の裁判が起こされており、カナダやオーストラリアでもモンサントに対する同様の裁判がなされている。モンサントを昨年6月に買収したバイエルは今、株価が5割下がっている。そしてついに正社員の1割に当たる1万2000人のリストラを発表し、動物医薬品を売るドル箱だった会社を売却した。アメリカでもEUでも「モンサントは終わった」といわれ、バイエルも危ないといわれているほどだ。
オーガニック食品の広がり
今、アメリカのスーパーはどこに行ってもオーガニック、「NON GMO」があふれている。アメリカを変えた女性といわれているゼン・ハニーカットさんにもお会いした。彼女はロバート・ケネディ・ジュニア弁護士やジョンソンさんと一緒になって裁判をひっ張って来た人だ。
彼女の子どもは3人ともアレルギーで、そのうち次男のボダイ君は小麦アレルギーがなかったのでパンやパスタをたくさん食べさせた。するとある日突然、理由もないのに怒り出し、暴れ出して自閉症の症状を起こした。驚いて病院に連れて行き、腸内細菌を調べると、クロストリジウムという脳神経を直接おかしくする細菌が、ヨーロッパの環境基準の四倍見つかった。このせいではないかと彼女は考えた。
アメリカでは10年前から小麦の収穫前にラウンドアップをまいていた。ラウンドアップをまくと小麦が枯れるため、コンバインで刈る手間がなくなる。主成分・グリホサートは小麦の芯まで浸透し、水分が一滴もなくなるため、日本に運んで来るまでにカビが生えたり細菌が発生することもない。彼女はこのグリホサートのせいではないかと考え、小麦粉製品を食べさせるのをやめ、有機の物と発酵食品にするとボダイ君の症状は劇的に改善された。
それまで、「グリホサートは食べ物から体内に入ってもすぐに分解されて尿として排出され、体内に残ることはない」という研究論文の下で、アメリカ環境保護局(EPA)も認めて来た。しかし、体内にグリホサートがあるかもしれないと考えた彼女が、母親たちの協力を得て母乳中のグリホサートの検査をすると、9割以上の母親からグリホサートが検出された。
私はそれを聞いて日本で何とか調べたいと思い、フランスのクズサイエンスというところに髪の毛を送って調べてもらった。1キット5万円したが、30キット購入し、国会議員23人や私も含め総勢30人を調べると30人中21人からグリホサートが検出された。これを黒田純子博士が聞いて驚いた。「尿で検査すると日本人みんなから検出されるのではないか」と。
今の医学では1個の細胞が生きるのに10個の腸内細菌の力を借りなければいけないといわれている。私たちは腸内細菌で生かされている。グリホサートはその腸内細菌のうち善玉菌をほとんど殺してしまう。そうなるとガンになったり、切迫流産や生殖系の機能を阻害したり、自閉症になることなどが明らかになってきている。黒田純子博士は、「じつはグリホサートは遺伝子を傷つけるのではなく、メチル化するのだ」といわれた。メチル化とは、遺伝子のオン・オフを人によって突然切り替えるのだそうだ。そうなるとこの遺伝子がそのままゲノム編集と同じ効果になる。
ネズミの実験ではF0(大人の世代)、F1(子どもたちの世代)にはほとんど影響はないという。ただF3(孫)、F4(ひ孫)の時代に異常が出てくるという。遺伝子そのものが変わるため、最初の角度が一度違っても、遠くに行くほど角度が開くそうだ。
ラウンドアップにかわる除草剤
ラウンドアップは今のJAでもどこでも売っている。しかし、お母さんたちが反対運動をしてダイソーは8月8日から販売をやめた。ラウンドアップにかわる天然素材の除草剤はないか調べていると、オーストラリアでオーガニック・コンタクト社の除草剤を、昨年暮れ近くになって政府が有効な除草剤としたことがわかった。この話を聞いてすぐにサンプルを輸入してもらい、試験してみた。すると1時間で雑草に黒く斑点ができてひっくり返っていき、4時間後には一部だが茶色く枯れた。これを、アメリカのEPAが除草剤として承認した。EUも審議中で、スリランカ、ニュージーランドも承認し、4カ国が承認したところだ。何とかしてラウンドアップをやめたい。
世界に逆行する日本―世界の流れは有機・自然栽培、非遺伝子組み換え作物に
アメリカのダイソーで販売しているポテトチップには警告として「揚げたジャガイモ(ポテトチップスなどの)には、発がん性や、先天性血管、そのほかの生殖系への悪影響を引き起こすことが知られている、アクリルアミドという化学物質が含まれています」という表示がされている。日本では普通に食べている。カラムーチョもそうだ。世界は食品表示が厳しいのに、これから日本で売られるゲノム編集の大豆やナタネでつくられる食用油は、何の表示もないまま合法的に売られる。しかも政府はこれを「有機(JAS)」で売りたいという検討会まで始めている。まさに世界の流れと逆行している。
韓国のスーパーでもオーガニックコーナーができ、オルゴク小学校(清州市・500人)では、有機・無償で学校給食を提供している。パンやサンドイッチは輸入小麦に頼らざるを得ないのではないかと思ったが、パンやパスタは一切使わず、うどんは全部国産の小麦粉だという。日本の大手3社の小麦粉を調べてみると、グリホサートがたくさん含まれている。もっとも入っているのが日清製粉の「全粒粉強力粉」だ。オルゴク小学校はアレルギーの子どもが七人しかいなかった。
韓国の農水省の課長に全国の状況を聞くと、ほぼ小・中学校は有機・無償でやっており、高校はもう少しかかるということだった。保育園・幼稚園でも始め、何年か後には妊婦にも有機の物を食べさせたいと思っているという話だった。
韓国も台湾も、食の安全に対する取り組みを始めている。日本は農薬や食品添加物の基準でいうと台湾の400倍も緩い。小麦粉のグリホサート残留農薬基準は中国の150倍緩い。そして世界各国がグリホサート、ラウンドアップを規制しようとしているなかで、こともあろうに日本だけがグリホサートの残留農薬基準を、物によっては400倍にまで緩めた。そば粉やナタネなどは75倍、100倍、テンサイは75倍だ。今、世界で一番農薬の残留基準が緩いのが日本だ。
ロシアも2016年に遺伝子組み換え農産物はつくらせない、輸入させないという法律を上院下院で通した。中国も2017年から同じように輸入も国内栽培も禁止している。いずれも国を挙げて有機栽培に力を入れている。アメリカも、じつは遺伝子組み換え農産物は2016年から頭打ちで、今オーガニックの生産がなんと年に10%の割合で伸びている。
先月アメリカに行き、モンタナ州(小麦の大産地)を訪れた。そこで10年前までケミカル農業(農薬や化学肥料を使う農業)をしてきたが、オーガニックに変えたという農家に会った。やめた理由を聞くと、「ケミカル農業をしている農家は家に帰るとすぐに服を脱ぎ捨ててシャワーを浴びないと子どもをハグできなかった。今は子どもたちと一緒に畑の中に入ることができる」という話だった。今、彼のつくった小麦は1ポンド14jだが、ケミカル農業の小麦は1ポンド3・7jだという。農薬や化学肥料にも金がかかる。「彼らは赤字だ。私は早く切り替えてよかった。アメリカでももう有機にしないと農業はやっていけない」と話していた。
自家採種の禁止
政府が自家採種を原則禁止するという種苗法の改定案を、いよいよ来年の通常国会で提出することがはっきりした。今年3月から9月25日まで5回にわたって検討会を開いてきたものだ。
自家採種(自家増殖)というのは、たとえばイチゴの場合は苗を10本とか15本購入し、ランナーで芽出しして次の年に植えたりすることだ。イモやサトウキビ、ジャガイモも同じだ。木の場合は接ぎ木する。そのような自家増殖を現行の種苗法では、二一条にあるように、モンサントなどが登録した品種でも、農家は種を買ったら自由に自家採種し、次の年に植えたり、加工することができる。原則自家採種自由だ。
ただし、第三項に「農林水産省が特例でもっていわば適用しない品目を定めることができる」となっていた。じつは自家採種の禁止は始まっていた。最初はバラ、カーネーションなどの花、その次はキノコ、TPPを批准してからはキャベツ、ブロッコリー、ナス、トマト、スイカ、メロン、キュウリ、ダイコン、ニンジンなど、あらゆるメジャーな野菜や果樹をはじめとする357種類もの植物が指定され、今年新たに野菜のみで31種類指定され、400種類近くになっている。この登録品種を勝手に自家採種したら懲役10年、1000万円以下の罰金で、しかも共謀罪の対象だ。
ところが、アメリカでも主要農産物の小麦は自家採種が3分の2で、3分の1が公共の種子、カナダは8割が自家採種、2割が公共の種子だ。オーストラリアは95%が自家採種で5%が公共の種子だ。それなのに日本はいよいよ自家採種禁止法案を出してきた。農水省の課長に「コメも麦も大豆も自家採種禁止にするのか。それが本当の狙いで、邪魔だったから公共の種子法を先に廃止したのか」と聞くと黙っていた。ところが検討会のとりまとめ(9月25日)には、わざわざ「これまで種苗法では非常に例外が多くて複雑だったから、シンプルなものにして、一律、自家増殖禁止の条文にしたい」と書いてある。そうすると「あまおう」をつくっているイチゴ農家もこれまでのように増殖できない。苗を1本250円ほどで6000本買わなければいけなくなる。
検討会でプレゼンをした茨城県の横田農場は、過疎地のため、人に頼まれて耕作面積が増え、今150fでコメをつくっている。8品種のコメを作付けしているが、そのうち登録品種だけで7dくらい自家採種しているという。コシヒカリなど育種期間(25年)が切れている品種もあるが、まだ切れていない新しい品種(「ゆめぴりか」など)の自家採種をやめて種子を購入すると500万円ほどかかり、「われわれはやっていけない」とプレゼンした。これが民間の種子になるとその10倍=5000万円かかる。ところがこれに一切コメントなしで、自家採種一律禁止という方向で条文にし、来年の通常国会で審議が始まることになった。自民党はどんなことがあってもこの法案を通すとはりきっているという話を耳にし、大変心配しているところだ。
なぜ自家採種を禁止するのか、その理由として農水省は「シャインマスカットなど日本の優秀な育種知見がそのまま中国や韓国に流れた。これを取り締まらなければならない」という。そのために種苗法を改正して、許諾・承認を得るか、新しく買うかしなければいけないのだという。しかし、海外流出を食い止めるのであれば、宮崎県が種牛の精液が海外流出するのを刑事告訴したように、現行法で刑事告訴すれば足りることだ。海外に出たものを取り締まるには、農水省が海外でシャインマスカットの育種登録もしくは商標登録などをすべきではなかったか。それを怠っていて、政府は「種苗法を改正しなければ海外流出を食い止めることができない」といういい方をしている。
1週間ほど前に「日本の種を守る会」は農水省の知財課長を呼んで話を聞いた。そこで農水省は「育種権者が第三者、企業にかわった場合、育種権はどうなるか」を説明した。思い出してほしい。農業競争力強化支援法で、例えばマスカットは農研機構の育種知見だが、それらをモンサントなどの民間企業に譲渡するようになっている。譲渡されて育種権者がかわった場合、そこから許諾を得るか、種苗を買わなければいけなくなるのではないか。県民や国民の税金で開発した育種知見を民間企業に譲渡しておいて、農家(国民・県民)が使うときには民間企業にロイヤリティを払わなければ許諾するわけはないだろう。県や国であれば許諾するであろうし、研究者はみんな使ってほしいと思っている。しかし、民間企業は当然、許諾料をとるか、1本ずつ買えとなるのではないか。
もう一つ、農水省は「これまでの伝統的な固定種をつくっている有機栽培の農家は大丈夫だ。安全だ」と説明している。家庭菜園は私も大丈夫だと思っているが、有機栽培の農家は安心ではない。種苗法二一条では、「登録された品種」と「特性により登録された品種と明確に区別されない品種」も自由に自家採種できるようになっている。野菜は土地と風土、栽培する人や年によって少しずつ変化していくものだ。登録品種であっても変化していくので、今モンサントは子会社を使ってナスやブロッコリー、トマトなど、さまざまな野菜をどんどん登録品種にしている。これらの登録品種と、有機栽培で農家がつくっている野菜のどこが違うのか区別はしにくい。こうして新規の育種登録を次次にした民間企業が、野菜農家などに育種権の侵害として賠償金を求めるようなことになりはしないかと心配している。
すでに企業から生産者が訴えられる裁判が6件起こっている。モンサントの裁判は有名だが、カナダでは有機栽培の伝統的なナタネ農家がモンサントから訴えられて裁判で負けた。日本で有機栽培をしている農家も、ある日突然、モンサントから20億、30億円の賠償金を請求されることもあり得る。実際、今度の種苗法の検討会でリードしたのは知的財産権ネットワークの弁護士だ。日弁連の雑誌にも、「これからは育種権の争いが論点になってくるだろう」と書かれている。
農水省の知財課長の説明では、こうした争いになった場合、裁判所は育種登録した品種の現物と、農家がつくっている作物の違いを求めようとするという。しかし、実際には登録したモンサントの野菜の品種も変化してくるから、その特性を6項目くらい法制化し、それに反したら育種権違反だとやれるよう改正案を準備しているという。これはモンサントなど種子企業が裁判で争えるように改正する内容だ。
アメリカで10年ほど前に自家採種禁止法案が通ったときも、「伝統的な固定種を栽培している有機栽培農家は安全だ」と説明していたが、今は本当に伝統的な有機栽培農家も種子を買わなければならなくなり、事実上、自家採種禁止になってしまった。このことはエップ・レイモンドさんの米国からの報告に詳しく書かれている。決して有機栽培農家、自分で種とりをして伝統的な固定種を栽培している農家も安心ではない。今度の種苗法改定案はどのようなことがあっても反対しなければならない。
種子法が廃止されたとき、農水省は自民党議員のところを「種苗法で守る」といって回った。ところが種苗法改定で自家採種を禁止し、コメも麦も大豆も、すべての種を買わせるのが狙いだった。アメリカもそうだったが、国家は嘘をつくものだ。
私たちは裁判でも争っているが、今後は広島県のジーンバンクのように伝統的な固定種を県が発掘し、それを保存・管理することが大事になってくる。広島県はそれを農家に無償で貸し出している。福岡県でもそのような条例をつくって、企業や民間や県も出資して公社をつくり、守ることが必要になってくる。
日本の経済、地域の経済を発展させていく施策
種子条例は、九州では宮崎県が1番につくり、今、熊本県が種子条例のパブコメで骨子案を発表した。鹿児島県知事もつくることを表明した。この前の議会までに11の道県でできたが、新しく栃木が先日採決し、宮城県の種子条例もパブコメをした。島根県も種子条例をつくることを発表し、岩手県は議員提案でやることが決まった。滋賀県もやる。年内にだいたい16の道県で種子条例ができそうだ。秋田、青森なども動き出しているし、福島も動き出した。来年度までに26の道県で種子条例ができるのではないかと思っている。
種子条例ができる一つのきっかけは、市町村のみなさんが動き出したということだ。1番最初につくった新潟県では、柏崎市が日本で1番最初に種子条例の制定を求める意見書を出した。県内各市町村で動き出し、それをもとに新潟県がつくり、兵庫県、埼玉県、山形県というようにどんどん動いてきた。
地方分権一括法では、国が地方自治体に指揮命令することは一切禁止している。国が地方にいえるのは単なる通知だけだ。通知は法律的にいうと「技術的助言」に過ぎない。法律に反しない限り地方自治体は何でもできるのだ。今治市は食と農の条例をつくった。「遺伝子組み換え農産物はつくらせない」という条例だ。もし市長の承認なくつくれば、2年間の懲役、500万円以下の罰金など、非常に厳しい内容だ。この町で「ゲノム編集のものは表示なくして流通させない」といった条例に刑罰まで定めてつくることができる。韓国は学校給食を条例で全部無償でやっているが、おそらく日本でも学校給食を有機でやる市町村が出てくる。世田谷の区長は無償で学校給食を始めた。同時に今、有機でやろうと真剣に考えているところだ。千葉県いすみ市の学校給食はコメは有機100%だ。普通入札で60`1万3000円くらいだが、2万円で買い、差額を市が補填している。
じつは安倍官邸が悪いといっている時期ではない。農薬から自家採種禁止まで大変なことになろうとしているが、私たちの暮らしは自分で守るしかない。そして自分で守ることができる。住民には請願権が認められている。知っている市会議員や町会議員を通じて、この町で学校給食を有機農産物でやるという条例案を審議してくれという請願を出すと市町村議会はそれを審議しなければいけない。次次にそういったものを出していくことによって地方から変えていくことができる。今、自分が動けば何でもできる。私たちが主役だ。
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/13829
http://www.asyura2.com/13/health16/msg/134.html#c146
328. 中川隆[-10503] koaQ7Jey 2019年10月28日 19:18:41 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2370]
種子法廃止とこれからの日本の農業について 元農林水産大臣・山田正彦 2019年10月26日
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/13829
福岡県糟屋郡宇美町立中央公民館で20日、「種子法廃止と、これからの日本の農業について―食と農 命と暮らしを守るために福岡県独自の種子条例を制定しよう」と題して、地元有志でつくる「糟屋地区の未来を考える会」の第2回シンポジウムが開催された。山田正彦元農林水産大臣の基調講演を受けて、「グローバル化が進展する日本において国民の生活をどう守るか」をテーマに、山田正彦(元農林水産大臣)、野田国義(参議院議員)、原竹岩海(福岡県議会議員)、原田和明(北九州市立大学)、時任裕史(宇美町議会議員)の五氏によるパネルディスカッションがおこなわれた。種子法の廃止、種苗法改定、水道民営化や漁業法改定など、公共の分野が多国籍企業に明け渡されていく現状に警鐘を鳴らすと同時に、真実を知り、地方から変えていく道筋について熱のこもった議論が、農家や種子を守る市民運動をしている参加者をまじえておこなわれた。山田正彦元農林水産大臣の講演を紹介したい。記事は基調講演の内容に質疑応答のなかでの発言を加えたものである。なお、文中の表・写真は山田氏が示した資料を参考に本紙が作成した。
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私は五島列島出身で、29歳のときに400頭くらい牛を飼っていた。豚も年間8000頭くらい出荷していたので、相当な規模だった。うまくいかず自分で肉屋もやり、最後は県庁前で牛丼屋までやったが、さんざん失敗した。当時4億円くらい借金を抱えた。忘れられないのは当時の農水省の勧めで大型畜産をやった仲間が2人自殺したことだ。私は破産状態だったが、弁護士の資格だけは持っていたので、弁護士をして借金の支払いをしながら、なんとも悔しかったので衆議院に出た。3回敗れて4回目に通り、5期衆議院議員をさせていただき、運良く農林水産大臣にさせていただいた。そのときに、戸別所得補償や飼料米制度、林業再生プラン、漁業の所得保障などいろいろやらせてもらった。そのときちょうどTPP交渉に参加したいという話があり、閣議で大げんかして大臣を辞め、今日までTPP反対運動を続けてきた。
ところがTPPは昨年12月30日に発効した。たった5日間で牛肉の輸入量は半月分になるほど急増した。今年2月1日に日欧EPAも発効し、なんとEU産豚肉は五割増になった。チーズやバター、乳製品、果物類も今だいたい昨年に比べて3割増だ。そんななか日米FTAがいよいよ来年1月には発効する。一番恐れていたことだ。
アメリカは農産物しか売る物がない。日本を見るとトヨタ自動車一社の売上だけで30兆円だ。農林水産物はあわせても8兆円しかない。2年前に「トヨタ自動車その他日本の自動車に25%の報復関税をかける」とトランプからいわれ、霞が関の官邸や農林水産省、経産省から聞こえて来るのは、「このさい、報復関税25%をなんとか延期してもらうために、農林水産物は譲るだけ譲る」ということだった。そしてアメリカの農務省長官も、はっきり「もう日本とは話がついた」と、今年5月からツイッターでいっている。今後大変なことになっていくのではないかと思う。
今、アメリカもオーストラリアもどんどんコシヒカリをつくっている。これが60`4000円で入ってくる。私が農林水産大臣のときにおこなった試算では、今日本のコメの生産原価は60`当り1万5000円だ。昨年の農家の手取りが1万3300円だった。試算ではTPPに参加すると日本の食料自給率は14%まで落ち込むという結果になった。韓国ですら今、食料自給率は48%だ。日本は本当にどうなるのかと心配している。
TPP協定は条約であり、憲法の下で、国内法の上になる。米韓FTAを結んだ韓国が200本の法律を変えたように、日本もTPP協定(8000ページ・30章)に従って、この2年間、次次に法律を変えている。一番最初に変えたのが主要農産物種子法の廃止だ。これについて私は5年前から、「明らかに国の主権を損なうものだ」としてTPP違憲訴訟をしている。その判決が昨年10月31日にあったが、判決のなかで種子法廃止について「背景事情の一つにTPP協定に関する動向があったことは否定できない」と、TPP協定と種子法廃止の関連を最高裁判所は認めた。水道法改定、漁業法の改定、市場法の事実上の廃止、森林管理法の改定など、すべてこれはTPP協定によるものなのだ。
種子法で日本のコメ、麦、大豆は守られてきた
今私たちはおいしいお米を当たり前のように食べている。これは全部、伝統的な固定種だ。種子法のおかげで私たちの主食であるコメ、麦、大豆など、それぞれおいしいものを食べることができた。これがどうなるか。
野菜で考えていただくとわかりやすい。野菜は30年前、みんな伝統的な固定種だった。ところが野菜の種子はF1に変わり、今、90%を海外で生産している。2年前にモンサントの遺伝子組み換え農産物の見学会に行ったとき、思いがけないことを聞いた。「日本の野菜の種子はモンサントでつくっています」といわれたのだ。そんなことはパッケージに書いていない。「委託生産し、委託販売している」という。調べてみるとモンサントは野菜の種子だけで800億つくっている。世界の種子は今、モンサント(バイエル)、ダウ・デュポン、シンジェンダ(中国化工集団傘下)の3社で世界の種の7割を握っている。同時にこの3社で世界の農薬の7割、世界の化学肥料の7割を握っている。
こうして野菜の種子はF1になり、ニンジンでいえばカロチンなど栄養価は3分の1に減っている。F1は科学的にそこまで問題になるとはいわれていないものの、主食のコメ、麦、大豆の公共の種子がなくなると、民間の種子を使わざるを得なくなる。すでにコメ、麦、大豆の民間の種子ができている。
種子法とは
種子法ではコメ、麦、大豆の伝統的な日本の在来種を国が管理し、各都道府県に原種・原原種の維持、優良品種の選定、奨励、審査を制度として義務づけてきた。そのもとで、各地の農業試験場で雑種の混入や不良な種を取り除き、厳格に監査した優良な品種を公共品種として安く安定して提供してきた。
原原種の栽培では、コシヒカリやヒノヒカリなどを1本ずつ植え、毎年つくっている原種を純粋なコシヒカリに合わせて開花時期、丈の高さを揃えていく。四割くらいは黒米や赤米になったりするので、それをとり除いていくと、そこで6割くらいしか残らない。農業試験場に見学に行くと、穂先が1aくらい伸びているなかから、1_か2_違えばとり除いていた。その後も10回前後の抜きとり作業をおこなうなど、「異株」に対して細心の注意を払い、発芽率90%の種をつくり、その後に原種をつくる。3年目にようやく県が種子栽培農家を選定し、圃場を選定して、福岡県であれば「ヒノヒカリ」「発芽率90%以上」と、県として責任を持って保証書を出し、だいたい1`500円ほどでコメ農家に提供してきた。それをコメ農家は4年目につくり、われわれは5年目に食べることができる。そうやって純粋な伝統的な品種をしっかり守っている。麦も大豆も同じだ。
ところが、種子法を廃止するとき政府は「種子法があることで民間の優秀な品種が普及できない」「なかなか売れない」といった。民間の優秀な品種(三井化学の「みつひかり」など)があるではないかと説明して回った。「みつひかり」は野菜と同じようにF1の種子で、伝統的な固定種ではない。価格を見ると、「みつひかり」の種子は4000円なので、公共の種子と比較すると8〜10倍する高い物だ。野菜の種子もF1になって多国籍企業がつくるようになってからは、イチゴやトマトなど1粒1〜2円だったものが、今は40〜50円だ。いずれコメ、麦、大豆の種子も40〜50倍になっていくことは間違いないと思っている。
農家を大企業に隷属させる
私は三井化学の「みつひかり」や住友化学の「つくばSD」の生産者、日本モンサントの「とねのめぐみ」の生産者など、さまざまな方に会ってきた。話を聞くと、民間の種子には必ず、収量がコシヒカリの1・2倍〜4倍、味はヒノヒカリ以上、コシヒカリ以上という内容が書いてある。そしてつくりやすく倒伏しない。しかし実際は必ずしもそうではない。最初の年は化学肥料をやるのでいくらか収量があるが、土壌が追いつかず、だんだん収量が減ってくるのでやめた農家もけっこういた。
実際の契約書を見ると、モンサントの契約書は有名で、何十ページもあって肝心な部分は英語で書かれているのだが、これがたった1枚だった。そのなかに「指示されたことに従わない場合はモンサントに生産者は責任を負う」と書かれている。農薬や化学肥料の指示はなかったのかと聞くと、その方は「そういう指示はなかった」といっていた。
しかし、「つくばSD」の契約書は10ページあり、指定された農薬と化学肥料を必ず使わなければならない、反すると損害賠償責任を負うと書かれていた。そして「収穫されたものはすべて住友化学の指定するところに納めなければならない」となっている。価格については住友化学と生産者とで、「収穫後にそのときの相場を見て決める」となっている。今回の台風のときのように全滅する場合はどうかというと、「災害時の責任はすべて生産者が負う」となっている。これは非常に一方的な契約だ。
「みつひかり」の生産者の話では、最初の年は60`1万2000円で全量引き取りだったからつくったが、翌年は60`1万円、その次の年は9000円になったのでやめたという。私は「よくやめられましたね」といった。この「みつひかり」の契約書だと、正当な理由がなければ、やめるにしても莫大な損害賠償を請求される恐れがある。
これから、地方自治体が公共の種子をつくらなくなると、モンサントなど民間との契約の下、農家はまさにがんじがらめに縛られて、アメリカの農家のように奴隷農場に、借金漬けになっていく。
日本のコメ農家がモンサントへロイヤリティを支払う
もう一つ、「農業競争力強化支援法」の八条三項のなかで、「銘柄が多すぎる」といっている。日本には各県の奨励品種だけで約300品種ある。天皇家の古代米だけで17種類だから、全国でだいたい1000種類のコメがつくられている。そのコメを数種類に集約するという。「民間の種子に」という意味だ。農協潰しの法案といわれた「農業競争力強化支援法」だが、八条四項では、日本(国の農研機構や各都道府県)が蓄積してきた育種知見をすべて民間に提供するとされている。国会で「海外のモンサントなどにも提供するのか」と聞くと、当時の斉藤農水大臣は「TPP協定は内外無差別だから、当然そうなる」と答えている。
そうなるとどうなるか。メキシコはトウモロコシの原産国だが、今、メキシコの農家はモンサントなどにロイヤリティを払わなければトウモロコシをつくることができない。フィリピンもそうなった。日本のコメ農家もそうなっていくということだ。
たとえば福岡県でやっとできたおいしいコメの品種も、提供するとロイヤリティを払わなければならない。国民の税金、県民の税金でつくった新しい品種だ。この育種知見がTPP協定によって多国籍企業に出て行くことになる。
じつは農水省の事務次官が平成29年11月15日付で、「都道府県に一律の制度を義務付けていた種子法及び関連通知は廃止するものの、都道府県が、これまで実施してきた稲、麦類及び大豆の種子に関する業務のすべてを、直ちに取りやめることを求めているわけではない」という通知を出した。「いずれやめなさい」「予算をつけませんよ」という意味だ。さらに、「民間事業者による稲、麦類及び大豆の種子生産への参入が進むまでの間、種子の増殖に必要な栽培技術等の種子の生産に係る知見を維持し、それを民間事業者に対して提供する役割を担う」とある。
三井化学の「みつひかり」や日本モンサントの「とねのめぐみ」などのように、麦でもすでにF1の麦もできている。そういった民間のものが普及するまでの間だけ、各都道府県は育種知見を維持し、その間に民間にそれらの知見をすべて提供する義務があるという通知だ。実際に種子法が廃止になった昨年四月に奈良県、和歌山県、大阪府は県が責任を持ってつくるのをやめ、民間に委託した。県の保証するコメ、麦、大豆の種子は三府県ではなくなった。福岡県も条例をつくらなければそうなっていく。
日本も遺伝子組換えのコメ、麦、大豆を作付けするようになる?
飼料米制度は私が大臣のときにつくったものだ。今コメでは農家は赤字だが、飼料米制度で何とか食べてきている。その飼料米農家に先日、農政局から説明があり、「反当り11俵以上とれないと補助金を出さない」という話が出てきたという。調べて見ると、すでにゲノム編集の飼料米の種子が用意されていた。その農家が「これからはF1か遺伝子組み換えの飼料米をつくらなければいけないのではないか」と心配していたが、まさにそうだった。そして「WRKY45(ワーキー45)」というゲノム編集のコシヒカリの種子も用意されていた。
ゲノム編集について、昨年8月7日の『日本農業新聞』の1面に「GM技術該当せず」とある。ゲノム編集は遺伝子組み換えの一つだが、「遺伝子組み換え技術に該当せず、安全だ」といい始めたのだ。『日本経済新聞』(今年3月19日付)には「ゲノム編集食品、夏にも」とある。実際にはこの10月1日にゲノム編集食品は解禁された。任意の届け出のみで表示もないまま、いよいよ流通し始める。
ゲノム編集とはなにか。例えばトマトの熟成する遺伝子だけを粉砕すると、熟成せず腐らなくなる。3年間、青青としているトマトができている。それを収穫して倉庫に入れておき、出荷のさいにエチレンガスをかけると真っ赤になる。それが本当に安全なものなのだろうか。
EUでは、遺伝子組み換えは原則禁止しており、ゲノム編集は遺伝子組み換えであるとして使わないようにしている。ところが日本は、「ゲノム編集は遺伝子組み換えと違い、新しい別の種類の遺伝子を組み換えて入れるわけではない。アミノ酸に変わりないから安全だ」といっている。ところがアメリカもそうではない。先日訪米し、遺伝子組み換えの分野では右に出る人はいないというチャペラ教授に話を聞いたが、最初「ゲノム編集」といっても伝わらなかった。そして「そうか、山田さんがいっているのはNEW GMOのことだな」といわれた。アメリカでもみな、遺伝子組み換えの延長線上の話だという認識だ。しかし日本だけはゲノム編集は遺伝子組み換えと違うといい出した。
今、ネイチャー誌に論文が載っているように、「ネズミ1匹の遺伝子を粉砕すると1600」の副作用がある。
たとえば、中国でゲノム編集によって双子の赤ちゃんが生まれた。父親がエイズだったので、生まれてくる子どもがエイズにならないよう、ウイルスにかかっている遺伝子だけを壊した。すると思いがけず双子が生まれた。しかし、2人はエイズにはかからないが、西ナイル熱ウイルスにはかかる、インフルエンザにかかると重症化する、免疫疾患になる、短命であるなど、さまざまな影響があることがわかってきた。
ゲノム編集食品で最初に、もうすでに日本に入ってきているのは高オレイン酸大豆だ。アメリカでは「ゲノム編集の大豆」「遺伝子組み換え大豆」というと、今ほとんど売れない。それで安倍総理は日米FTA交渉のなかで受け入れた。何の表示もないまま、食用油としてすぐに店頭に並ぶと思う。これがどういう作用があるのかはまったくわからない。
ゲノム編集の高オレイン酸大豆や、カーギルが関与している除草剤耐性のあるナタネなどが日本に入ってきたところだと思うが、さらに政府はそれについて「有機(JAS)」の認証をできないか検討を始めた。9月30日に第1回の検討会があり、第2回が近く予定されている。アメリカですでに用意されている遺伝子組み換えのコメの種子、ゲノム編集のコメの種子、麦、大豆、ジャガイモなどについて、「有機」の認証をしたいというのだ。話を聞き、資料を読んでみると、認証することが前提の検討会になっている。今、遺伝子組み換え食品について、日本は政府が318種類も承認している。アメリカですら197種類だから日本はダントツだ。
遺伝子組み換え農作物は、すべて除草剤・ラウンドアップ耐性だ。ラウンドアップをまくと植物は枯れる。主成分のグリホサートはベトナム戦争の枯れ葉剤と考えればよい。植物がアミノ酸をつくるシキミ酸経路を破壊するので、植物はアミノ酸をつくれず枯れる。ところがグリホサート耐性を持たせた農作物は、いくらグリホサートをまいても死なず、すくすくと生きている。ところが、そのラウンドアップで今大変なことが起きている。
ラウンドアップ裁判
アメリカで昨年8月10日、歴史的な裁判があった。
学校の用務員ジョンソンさんが、校庭の除草のために20〜30回ラウンドアップをまくと、腕に腫瘍ができ、末期ガンであることがわかった。モンサントのラウンドアップ以外に考えられないと、モンサントを訴えた裁判だが、モンサントに320億円支払えという評決が出た。判決は86億円に訂正されたが、これは世界のトップニュースになり、世界中に激震が走った。
世界各国でじつは今、グリホサート、ラウンドアップの規制が広がっている。ラウンドアップをやめた国は24カ国、規制している国は33カ国にのぼっている。隣の韓国もラウンドアップの使用をやめ、ネオニコチノイドの空中散布や屋外の使用を一切禁止している。
ラウンドアップをめぐる裁判は次次に起きており、ジョンソンさんの次には88億円、3例目の夫婦のガン患者には2200億円支払えという評決が出た。サンフランシスコでジョンソンさんに会い、インタビューをすることができたが、腕はケロイド状で肉が出ていた。彼は、「妻がハグすると皮がずりっと落ちて大変なので、今優しく抱いてもらっているだけだ。子どもはどうやらあきらめがついたようだが、妻はまだあきらめがついていないようだ」と話していた。日本に対するメッセージを求めると、「ラウンドアップの使用をできるだけ早くやめてほしい。日本だけでなく世界の人にそういいたい」といわれていた。
その後、この訴訟にかかわったロバート・ケネディ・ジュニア弁護士にもインタビューした。彼は叔父のジョン・F・ケネディがホワイトハウスにいるときに、レイチェル・カーソン女史に会ったという。当時、モンサントはDDTを世界中で売りまくっていて、レイチェル・カーソン女史は「鳥も鳴かない春が来る」といい、モンサントから徹底的に糾弾されていたそうだ。そのときからロバート・ケネディ・ジュニア弁護士は30年間モンサントとたたかってきたという。
裁判で勝利できたのは、モンサントが所有している最高の内部機密資料を裁判に出すことができたからだという。その内部機密資料によって、モンサントは19年前から、遺伝子組み換え作物やグリホサートでガンになることを認識していたことが明らかになった。実証の結果わかっていたのに悪質な隠蔽工作を続け、今日まで売り続けてきていたのだ。ロバート・ケネディ・ジュニア弁護士の話では、例えばニューヨークでは「ラウンドアップはコーヒーやピクルスと同じように飲んでも健康な大丈夫なものです」と宣伝していた。これは明らかな間違いなので、モンサントは莫大な罰金を払わされることになったという。
日本では、「すぐに生分解されて自然に戻るから害がないとコマーシャルしている」と話すと、明らかに虚偽の事実で、公共放送でやるなど考えられないといわれていた。TPP違憲訴訟をするうえで裁判資料の提供を依頼すると、喜んで承諾して下さり、「日米で一緒にたたかいましょう」という話になった。
今回、劇的な裁判となったが、すでにアメリカで5万件、同様の裁判が起こされており、カナダやオーストラリアでもモンサントに対する同様の裁判がなされている。モンサントを昨年6月に買収したバイエルは今、株価が5割下がっている。そしてついに正社員の1割に当たる1万2000人のリストラを発表し、動物医薬品を売るドル箱だった会社を売却した。アメリカでもEUでも「モンサントは終わった」といわれ、バイエルも危ないといわれているほどだ。
オーガニック食品の広がり
今、アメリカのスーパーはどこに行ってもオーガニック、「NON GMO」があふれている。アメリカを変えた女性といわれているゼン・ハニーカットさんにもお会いした。彼女はロバート・ケネディ・ジュニア弁護士やジョンソンさんと一緒になって裁判をひっ張って来た人だ。
彼女の子どもは3人ともアレルギーで、そのうち次男のボダイ君は小麦アレルギーがなかったのでパンやパスタをたくさん食べさせた。するとある日突然、理由もないのに怒り出し、暴れ出して自閉症の症状を起こした。驚いて病院に連れて行き、腸内細菌を調べると、クロストリジウムという脳神経を直接おかしくする細菌が、ヨーロッパの環境基準の四倍見つかった。このせいではないかと彼女は考えた。
アメリカでは10年前から小麦の収穫前にラウンドアップをまいていた。ラウンドアップをまくと小麦が枯れるため、コンバインで刈る手間がなくなる。主成分・グリホサートは小麦の芯まで浸透し、水分が一滴もなくなるため、日本に運んで来るまでにカビが生えたり細菌が発生することもない。彼女はこのグリホサートのせいではないかと考え、小麦粉製品を食べさせるのをやめ、有機の物と発酵食品にするとボダイ君の症状は劇的に改善された。
それまで、「グリホサートは食べ物から体内に入ってもすぐに分解されて尿として排出され、体内に残ることはない」という研究論文の下で、アメリカ環境保護局(EPA)も認めて来た。しかし、体内にグリホサートがあるかもしれないと考えた彼女が、母親たちの協力を得て母乳中のグリホサートの検査をすると、9割以上の母親からグリホサートが検出された。
私はそれを聞いて日本で何とか調べたいと思い、フランスのクズサイエンスというところに髪の毛を送って調べてもらった。1キット5万円したが、30キット購入し、国会議員23人や私も含め総勢30人を調べると30人中21人からグリホサートが検出された。これを黒田純子博士が聞いて驚いた。「尿で検査すると日本人みんなから検出されるのではないか」と。
今の医学では1個の細胞が生きるのに10個の腸内細菌の力を借りなければいけないといわれている。私たちは腸内細菌で生かされている。グリホサートはその腸内細菌のうち善玉菌をほとんど殺してしまう。そうなるとガンになったり、切迫流産や生殖系の機能を阻害したり、自閉症になることなどが明らかになってきている。黒田純子博士は、「じつはグリホサートは遺伝子を傷つけるのではなく、メチル化するのだ」といわれた。メチル化とは、遺伝子のオン・オフを人によって突然切り替えるのだそうだ。そうなるとこの遺伝子がそのままゲノム編集と同じ効果になる。
ネズミの実験ではF0(大人の世代)、F1(子どもたちの世代)にはほとんど影響はないという。ただF3(孫)、F4(ひ孫)の時代に異常が出てくるという。遺伝子そのものが変わるため、最初の角度が一度違っても、遠くに行くほど角度が開くそうだ。
ラウンドアップにかわる除草剤
ラウンドアップは今のJAでもどこでも売っている。しかし、お母さんたちが反対運動をしてダイソーは8月8日から販売をやめた。ラウンドアップにかわる天然素材の除草剤はないか調べていると、オーストラリアでオーガニック・コンタクト社の除草剤を、昨年暮れ近くになって政府が有効な除草剤としたことがわかった。この話を聞いてすぐにサンプルを輸入してもらい、試験してみた。すると1時間で雑草に黒く斑点ができてひっくり返っていき、4時間後には一部だが茶色く枯れた。これを、アメリカのEPAが除草剤として承認した。EUも審議中で、スリランカ、ニュージーランドも承認し、4カ国が承認したところだ。何とかしてラウンドアップをやめたい。
世界に逆行する日本―世界の流れは有機・自然栽培、非遺伝子組み換え作物に
アメリカのダイソーで販売しているポテトチップには警告として「揚げたジャガイモ(ポテトチップスなどの)には、発がん性や、先天性血管、そのほかの生殖系への悪影響を引き起こすことが知られている、アクリルアミドという化学物質が含まれています」という表示がされている。日本では普通に食べている。カラムーチョもそうだ。世界は食品表示が厳しいのに、これから日本で売られるゲノム編集の大豆やナタネでつくられる食用油は、何の表示もないまま合法的に売られる。しかも政府はこれを「有機(JAS)」で売りたいという検討会まで始めている。まさに世界の流れと逆行している。
韓国のスーパーでもオーガニックコーナーができ、オルゴク小学校(清州市・500人)では、有機・無償で学校給食を提供している。パンやサンドイッチは輸入小麦に頼らざるを得ないのではないかと思ったが、パンやパスタは一切使わず、うどんは全部国産の小麦粉だという。日本の大手3社の小麦粉を調べてみると、グリホサートがたくさん含まれている。もっとも入っているのが日清製粉の「全粒粉強力粉」だ。オルゴク小学校はアレルギーの子どもが七人しかいなかった。
韓国の農水省の課長に全国の状況を聞くと、ほぼ小・中学校は有機・無償でやっており、高校はもう少しかかるということだった。保育園・幼稚園でも始め、何年か後には妊婦にも有機の物を食べさせたいと思っているという話だった。
韓国も台湾も、食の安全に対する取り組みを始めている。日本は農薬や食品添加物の基準でいうと台湾の400倍も緩い。小麦粉のグリホサート残留農薬基準は中国の150倍緩い。そして世界各国がグリホサート、ラウンドアップを規制しようとしているなかで、こともあろうに日本だけがグリホサートの残留農薬基準を、物によっては400倍にまで緩めた。そば粉やナタネなどは75倍、100倍、テンサイは75倍だ。今、世界で一番農薬の残留基準が緩いのが日本だ。
ロシアも2016年に遺伝子組み換え農産物はつくらせない、輸入させないという法律を上院下院で通した。中国も2017年から同じように輸入も国内栽培も禁止している。いずれも国を挙げて有機栽培に力を入れている。アメリカも、じつは遺伝子組み換え農産物は2016年から頭打ちで、今オーガニックの生産がなんと年に10%の割合で伸びている。
先月アメリカに行き、モンタナ州(小麦の大産地)を訪れた。そこで10年前までケミカル農業(農薬や化学肥料を使う農業)をしてきたが、オーガニックに変えたという農家に会った。やめた理由を聞くと、「ケミカル農業をしている農家は家に帰るとすぐに服を脱ぎ捨ててシャワーを浴びないと子どもをハグできなかった。今は子どもたちと一緒に畑の中に入ることができる」という話だった。今、彼のつくった小麦は1ポンド14jだが、ケミカル農業の小麦は1ポンド3・7jだという。農薬や化学肥料にも金がかかる。「彼らは赤字だ。私は早く切り替えてよかった。アメリカでももう有機にしないと農業はやっていけない」と話していた。
自家採種の禁止
政府が自家採種を原則禁止するという種苗法の改定案を、いよいよ来年の通常国会で提出することがはっきりした。今年3月から9月25日まで5回にわたって検討会を開いてきたものだ。
自家採種(自家増殖)というのは、たとえばイチゴの場合は苗を10本とか15本購入し、ランナーで芽出しして次の年に植えたりすることだ。イモやサトウキビ、ジャガイモも同じだ。木の場合は接ぎ木する。そのような自家増殖を現行の種苗法では、二一条にあるように、モンサントなどが登録した品種でも、農家は種を買ったら自由に自家採種し、次の年に植えたり、加工することができる。原則自家採種自由だ。
ただし、第三項に「農林水産省が特例でもっていわば適用しない品目を定めることができる」となっていた。じつは自家採種の禁止は始まっていた。最初はバラ、カーネーションなどの花、その次はキノコ、TPPを批准してからはキャベツ、ブロッコリー、ナス、トマト、スイカ、メロン、キュウリ、ダイコン、ニンジンなど、あらゆるメジャーな野菜や果樹をはじめとする357種類もの植物が指定され、今年新たに野菜のみで31種類指定され、400種類近くになっている。この登録品種を勝手に自家採種したら懲役10年、1000万円以下の罰金で、しかも共謀罪の対象だ。
ところが、アメリカでも主要農産物の小麦は自家採種が3分の2で、3分の1が公共の種子、カナダは8割が自家採種、2割が公共の種子だ。オーストラリアは95%が自家採種で5%が公共の種子だ。それなのに日本はいよいよ自家採種禁止法案を出してきた。農水省の課長に「コメも麦も大豆も自家採種禁止にするのか。それが本当の狙いで、邪魔だったから公共の種子法を先に廃止したのか」と聞くと黙っていた。ところが検討会のとりまとめ(9月25日)には、わざわざ「これまで種苗法では非常に例外が多くて複雑だったから、シンプルなものにして、一律、自家増殖禁止の条文にしたい」と書いてある。そうすると「あまおう」をつくっているイチゴ農家もこれまでのように増殖できない。苗を1本250円ほどで6000本買わなければいけなくなる。
検討会でプレゼンをした茨城県の横田農場は、過疎地のため、人に頼まれて耕作面積が増え、今150fでコメをつくっている。8品種のコメを作付けしているが、そのうち登録品種だけで7dくらい自家採種しているという。コシヒカリなど育種期間(25年)が切れている品種もあるが、まだ切れていない新しい品種(「ゆめぴりか」など)の自家採種をやめて種子を購入すると500万円ほどかかり、「われわれはやっていけない」とプレゼンした。これが民間の種子になるとその10倍=5000万円かかる。ところがこれに一切コメントなしで、自家採種一律禁止という方向で条文にし、来年の通常国会で審議が始まることになった。自民党はどんなことがあってもこの法案を通すとはりきっているという話を耳にし、大変心配しているところだ。
なぜ自家採種を禁止するのか、その理由として農水省は「シャインマスカットなど日本の優秀な育種知見がそのまま中国や韓国に流れた。これを取り締まらなければならない」という。そのために種苗法を改正して、許諾・承認を得るか、新しく買うかしなければいけないのだという。しかし、海外流出を食い止めるのであれば、宮崎県が種牛の精液が海外流出するのを刑事告訴したように、現行法で刑事告訴すれば足りることだ。海外に出たものを取り締まるには、農水省が海外でシャインマスカットの育種登録もしくは商標登録などをすべきではなかったか。それを怠っていて、政府は「種苗法を改正しなければ海外流出を食い止めることができない」といういい方をしている。
1週間ほど前に「日本の種を守る会」は農水省の知財課長を呼んで話を聞いた。そこで農水省は「育種権者が第三者、企業にかわった場合、育種権はどうなるか」を説明した。思い出してほしい。農業競争力強化支援法で、例えばマスカットは農研機構の育種知見だが、それらをモンサントなどの民間企業に譲渡するようになっている。譲渡されて育種権者がかわった場合、そこから許諾を得るか、種苗を買わなければいけなくなるのではないか。県民や国民の税金で開発した育種知見を民間企業に譲渡しておいて、農家(国民・県民)が使うときには民間企業にロイヤリティを払わなければ許諾するわけはないだろう。県や国であれば許諾するであろうし、研究者はみんな使ってほしいと思っている。しかし、民間企業は当然、許諾料をとるか、1本ずつ買えとなるのではないか。
もう一つ、農水省は「これまでの伝統的な固定種をつくっている有機栽培の農家は大丈夫だ。安全だ」と説明している。家庭菜園は私も大丈夫だと思っているが、有機栽培の農家は安心ではない。種苗法二一条では、「登録された品種」と「特性により登録された品種と明確に区別されない品種」も自由に自家採種できるようになっている。野菜は土地と風土、栽培する人や年によって少しずつ変化していくものだ。登録品種であっても変化していくので、今モンサントは子会社を使ってナスやブロッコリー、トマトなど、さまざまな野菜をどんどん登録品種にしている。これらの登録品種と、有機栽培で農家がつくっている野菜のどこが違うのか区別はしにくい。こうして新規の育種登録を次次にした民間企業が、野菜農家などに育種権の侵害として賠償金を求めるようなことになりはしないかと心配している。
すでに企業から生産者が訴えられる裁判が6件起こっている。モンサントの裁判は有名だが、カナダでは有機栽培の伝統的なナタネ農家がモンサントから訴えられて裁判で負けた。日本で有機栽培をしている農家も、ある日突然、モンサントから20億、30億円の賠償金を請求されることもあり得る。実際、今度の種苗法の検討会でリードしたのは知的財産権ネットワークの弁護士だ。日弁連の雑誌にも、「これからは育種権の争いが論点になってくるだろう」と書かれている。
農水省の知財課長の説明では、こうした争いになった場合、裁判所は育種登録した品種の現物と、農家がつくっている作物の違いを求めようとするという。しかし、実際には登録したモンサントの野菜の品種も変化してくるから、その特性を6項目くらい法制化し、それに反したら育種権違反だとやれるよう改正案を準備しているという。これはモンサントなど種子企業が裁判で争えるように改正する内容だ。
アメリカで10年ほど前に自家採種禁止法案が通ったときも、「伝統的な固定種を栽培している有機栽培農家は安全だ」と説明していたが、今は本当に伝統的な有機栽培農家も種子を買わなければならなくなり、事実上、自家採種禁止になってしまった。このことはエップ・レイモンドさんの米国からの報告に詳しく書かれている。決して有機栽培農家、自分で種とりをして伝統的な固定種を栽培している農家も安心ではない。今度の種苗法改定案はどのようなことがあっても反対しなければならない。
種子法が廃止されたとき、農水省は自民党議員のところを「種苗法で守る」といって回った。ところが種苗法改定で自家採種を禁止し、コメも麦も大豆も、すべての種を買わせるのが狙いだった。アメリカもそうだったが、国家は嘘をつくものだ。
私たちは裁判でも争っているが、今後は広島県のジーンバンクのように伝統的な固定種を県が発掘し、それを保存・管理することが大事になってくる。広島県はそれを農家に無償で貸し出している。福岡県でもそのような条例をつくって、企業や民間や県も出資して公社をつくり、守ることが必要になってくる。
日本の経済、地域の経済を発展させていく施策
種子条例は、九州では宮崎県が1番につくり、今、熊本県が種子条例のパブコメで骨子案を発表した。鹿児島県知事もつくることを表明した。この前の議会までに11の道県でできたが、新しく栃木が先日採決し、宮城県の種子条例もパブコメをした。島根県も種子条例をつくることを発表し、岩手県は議員提案でやることが決まった。滋賀県もやる。年内にだいたい16の道県で種子条例ができそうだ。秋田、青森なども動き出しているし、福島も動き出した。来年度までに26の道県で種子条例ができるのではないかと思っている。
種子条例ができる一つのきっかけは、市町村のみなさんが動き出したということだ。1番最初につくった新潟県では、柏崎市が日本で1番最初に種子条例の制定を求める意見書を出した。県内各市町村で動き出し、それをもとに新潟県がつくり、兵庫県、埼玉県、山形県というようにどんどん動いてきた。
地方分権一括法では、国が地方自治体に指揮命令することは一切禁止している。国が地方にいえるのは単なる通知だけだ。通知は法律的にいうと「技術的助言」に過ぎない。法律に反しない限り地方自治体は何でもできるのだ。今治市は食と農の条例をつくった。「遺伝子組み換え農産物はつくらせない」という条例だ。もし市長の承認なくつくれば、2年間の懲役、500万円以下の罰金など、非常に厳しい内容だ。この町で「ゲノム編集のものは表示なくして流通させない」といった条例に刑罰まで定めてつくることができる。韓国は学校給食を条例で全部無償でやっているが、おそらく日本でも学校給食を有機でやる市町村が出てくる。世田谷の区長は無償で学校給食を始めた。同時に今、有機でやろうと真剣に考えているところだ。千葉県いすみ市の学校給食はコメは有機100%だ。普通入札で60`1万3000円くらいだが、2万円で買い、差額を市が補填している。
じつは安倍官邸が悪いといっている時期ではない。農薬から自家採種禁止まで大変なことになろうとしているが、私たちの暮らしは自分で守るしかない。そして自分で守ることができる。住民には請願権が認められている。知っている市会議員や町会議員を通じて、この町で学校給食を有機農産物でやるという条例案を審議してくれという請願を出すと市町村議会はそれを審議しなければいけない。次次にそういったものを出していくことによって地方から変えていくことができる。今、自分が動けば何でもできる。私たちが主役だ。
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/13829
http://www.asyura2.com/09/health15/msg/764.html#c328
34. 中川隆[-10508] koaQ7Jey 2019年10月29日 11:55:59 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2365]
今、アメリカのスーパーはどこに行ってもオーガニック、「NON GMO」があふれている。アメリカを変えた女性といわれているゼン・ハニーカットさんにもお会いした。彼女はロバート・ケネディ・ジュニア弁護士やジョンソンさんと一緒になって裁判をひっ張って来た人だ。
彼女の子どもは3人ともアレルギーで、そのうち次男のボダイ君は小麦アレルギーがなかったのでパンやパスタをたくさん食べさせた。するとある日突然、理由もないのに怒り出し、暴れ出して自閉症の症状を起こした。驚いて病院に連れて行き、腸内細菌を調べると、クロストリジウムという脳神経を直接おかしくする細菌が、ヨーロッパの環境基準の四倍見つかった。このせいではないかと彼女は考えた。
アメリカでは10年前から小麦の収穫前にラウンドアップをまいていた。ラウンドアップをまくと小麦が枯れるため、コンバインで刈る手間がなくなる。主成分・グリホサートは小麦の芯まで浸透し、水分が一滴もなくなるため、日本に運んで来るまでにカビが生えたり細菌が発生することもない。彼女はこのグリホサートのせいではないかと考え、小麦粉製品を食べさせるのをやめ、有機の物と発酵食品にするとボダイ君の症状は劇的に改善された。
それまで、「グリホサートは食べ物から体内に入ってもすぐに分解されて尿として排出され、体内に残ることはない」という研究論文の下で、アメリカ環境保護局(EPA)も認めて来た。しかし、体内にグリホサートがあるかもしれないと考えた彼女が、母親たちの協力を得て母乳中のグリホサートの検査をすると、9割以上の母親からグリホサートが検出された。
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種子法廃止とこれからの日本の農業について 元農林水産大臣・山田正彦 2019年10月26日
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/13829
私は五島列島出身で、29歳のときに400頭くらい牛を飼っていた。豚も年間8000頭くらい出荷していたので、相当な規模だった。うまくいかず自分で肉屋もやり、最後は県庁前で牛丼屋までやったが、さんざん失敗した。当時4億円くらい借金を抱えた。忘れられないのは当時の農水省の勧めで大型畜産をやった仲間が2人自殺したことだ。私は破産状態だったが、弁護士の資格だけは持っていたので、弁護士をして借金の支払いをしながら、なんとも悔しかったので衆議院に出た。3回敗れて4回目に通り、5期衆議院議員をさせていただき、運良く農林水産大臣にさせていただいた。そのときに、戸別所得補償や飼料米制度、林業再生プラン、漁業の所得保障などいろいろやらせてもらった。そのときちょうどTPP交渉に参加したいという話があり、閣議で大げんかして大臣を辞め、今日までTPP反対運動を続けてきた。
ところがTPPは昨年12月30日に発効した。たった5日間で牛肉の輸入量は半月分になるほど急増した。今年2月1日に日欧EPAも発効し、なんとEU産豚肉は五割増になった。チーズやバター、乳製品、果物類も今だいたい昨年に比べて3割増だ。そんななか日米FTAがいよいよ来年1月には発効する。一番恐れていたことだ。
アメリカは農産物しか売る物がない。日本を見るとトヨタ自動車一社の売上だけで30兆円だ。農林水産物はあわせても8兆円しかない。2年前に「トヨタ自動車その他日本の自動車に25%の報復関税をかける」とトランプからいわれ、霞が関の官邸や農林水産省、経産省から聞こえて来るのは、「このさい、報復関税25%をなんとか延期してもらうために、農林水産物は譲るだけ譲る」ということだった。そしてアメリカの農務省長官も、はっきり「もう日本とは話がついた」と、今年5月からツイッターでいっている。今後大変なことになっていくのではないかと思う。
今、アメリカもオーストラリアもどんどんコシヒカリをつくっている。これが60`4000円で入ってくる。私が農林水産大臣のときにおこなった試算では、今日本のコメの生産原価は60`当り1万5000円だ。昨年の農家の手取りが1万3300円だった。試算ではTPPに参加すると日本の食料自給率は14%まで落ち込むという結果になった。韓国ですら今、食料自給率は48%だ。日本は本当にどうなるのかと心配している。
TPP協定は条約であり、憲法の下で、国内法の上になる。米韓FTAを結んだ韓国が200本の法律を変えたように、日本もTPP協定(8000ページ・30章)に従って、この2年間、次次に法律を変えている。一番最初に変えたのが主要農産物種子法の廃止だ。これについて私は5年前から、「明らかに国の主権を損なうものだ」としてTPP違憲訴訟をしている。その判決が昨年10月31日にあったが、判決のなかで種子法廃止について「背景事情の一つにTPP協定に関する動向があったことは否定できない」と、TPP協定と種子法廃止の関連を最高裁判所は認めた。水道法改定、漁業法の改定、市場法の事実上の廃止、森林管理法の改定など、すべてこれはTPP協定によるものなのだ。
種子法で日本のコメ、麦、大豆は守られてきた
今私たちはおいしいお米を当たり前のように食べている。これは全部、伝統的な固定種だ。種子法のおかげで私たちの主食であるコメ、麦、大豆など、それぞれおいしいものを食べることができた。これがどうなるか。
野菜で考えていただくとわかりやすい。野菜は30年前、みんな伝統的な固定種だった。ところが野菜の種子はF1に変わり、今、90%を海外で生産している。2年前にモンサントの遺伝子組み換え農産物の見学会に行ったとき、思いがけないことを聞いた。「日本の野菜の種子はモンサントでつくっています」といわれたのだ。そんなことはパッケージに書いていない。「委託生産し、委託販売している」という。調べてみるとモンサントは野菜の種子だけで800億つくっている。世界の種子は今、モンサント(バイエル)、ダウ・デュポン、シンジェンダ(中国化工集団傘下)の3社で世界の種の7割を握っている。同時にこの3社で世界の農薬の7割、世界の化学肥料の7割を握っている。
こうして野菜の種子はF1になり、ニンジンでいえばカロチンなど栄養価は3分の1に減っている。F1は科学的にそこまで問題になるとはいわれていないものの、主食のコメ、麦、大豆の公共の種子がなくなると、民間の種子を使わざるを得なくなる。すでにコメ、麦、大豆の民間の種子ができている。
種子法とは
種子法ではコメ、麦、大豆の伝統的な日本の在来種を国が管理し、各都道府県に原種・原原種の維持、優良品種の選定、奨励、審査を制度として義務づけてきた。そのもとで、各地の農業試験場で雑種の混入や不良な種を取り除き、厳格に監査した優良な品種を公共品種として安く安定して提供してきた。
原原種の栽培では、コシヒカリやヒノヒカリなどを1本ずつ植え、毎年つくっている原種を純粋なコシヒカリに合わせて開花時期、丈の高さを揃えていく。四割くらいは黒米や赤米になったりするので、それをとり除いていくと、そこで6割くらいしか残らない。農業試験場に見学に行くと、穂先が1aくらい伸びているなかから、1_か2_違えばとり除いていた。その後も10回前後の抜きとり作業をおこなうなど、「異株」に対して細心の注意を払い、発芽率90%の種をつくり、その後に原種をつくる。3年目にようやく県が種子栽培農家を選定し、圃場を選定して、福岡県であれば「ヒノヒカリ」「発芽率90%以上」と、県として責任を持って保証書を出し、だいたい1`500円ほどでコメ農家に提供してきた。それをコメ農家は4年目につくり、われわれは5年目に食べることができる。そうやって純粋な伝統的な品種をしっかり守っている。麦も大豆も同じだ。
ところが、種子法を廃止するとき政府は「種子法があることで民間の優秀な品種が普及できない」「なかなか売れない」といった。民間の優秀な品種(三井化学の「みつひかり」など)があるではないかと説明して回った。「みつひかり」は野菜と同じようにF1の種子で、伝統的な固定種ではない。価格を見ると、「みつひかり」の種子は4000円なので、公共の種子と比較すると8〜10倍する高い物だ。野菜の種子もF1になって多国籍企業がつくるようになってからは、イチゴやトマトなど1粒1〜2円だったものが、今は40〜50円だ。いずれコメ、麦、大豆の種子も40〜50倍になっていくことは間違いないと思っている。
農家を大企業に隷属させる
私は三井化学の「みつひかり」や住友化学の「つくばSD」の生産者、日本モンサントの「とねのめぐみ」の生産者など、さまざまな方に会ってきた。話を聞くと、民間の種子には必ず、収量がコシヒカリの1・2倍〜4倍、味はヒノヒカリ以上、コシヒカリ以上という内容が書いてある。そしてつくりやすく倒伏しない。しかし実際は必ずしもそうではない。最初の年は化学肥料をやるのでいくらか収量があるが、土壌が追いつかず、だんだん収量が減ってくるのでやめた農家もけっこういた。
実際の契約書を見ると、モンサントの契約書は有名で、何十ページもあって肝心な部分は英語で書かれているのだが、これがたった1枚だった。そのなかに「指示されたことに従わない場合はモンサントに生産者は責任を負う」と書かれている。農薬や化学肥料の指示はなかったのかと聞くと、その方は「そういう指示はなかった」といっていた。
しかし、「つくばSD」の契約書は10ページあり、指定された農薬と化学肥料を必ず使わなければならない、反すると損害賠償責任を負うと書かれていた。そして「収穫されたものはすべて住友化学の指定するところに納めなければならない」となっている。価格については住友化学と生産者とで、「収穫後にそのときの相場を見て決める」となっている。今回の台風のときのように全滅する場合はどうかというと、「災害時の責任はすべて生産者が負う」となっている。これは非常に一方的な契約だ。
「みつひかり」の生産者の話では、最初の年は60`1万2000円で全量引き取りだったからつくったが、翌年は60`1万円、その次の年は9000円になったのでやめたという。私は「よくやめられましたね」といった。この「みつひかり」の契約書だと、正当な理由がなければ、やめるにしても莫大な損害賠償を請求される恐れがある。
これから、地方自治体が公共の種子をつくらなくなると、モンサントなど民間との契約の下、農家はまさにがんじがらめに縛られて、アメリカの農家のように奴隷農場に、借金漬けになっていく。
日本のコメ農家がモンサントへロイヤリティを支払う
もう一つ、「農業競争力強化支援法」の八条三項のなかで、「銘柄が多すぎる」といっている。日本には各県の奨励品種だけで約300品種ある。天皇家の古代米だけで17種類だから、全国でだいたい1000種類のコメがつくられている。そのコメを数種類に集約するという。「民間の種子に」という意味だ。農協潰しの法案といわれた「農業競争力強化支援法」だが、八条四項では、日本(国の農研機構や各都道府県)が蓄積してきた育種知見をすべて民間に提供するとされている。国会で「海外のモンサントなどにも提供するのか」と聞くと、当時の斉藤農水大臣は「TPP協定は内外無差別だから、当然そうなる」と答えている。
そうなるとどうなるか。メキシコはトウモロコシの原産国だが、今、メキシコの農家はモンサントなどにロイヤリティを払わなければトウモロコシをつくることができない。フィリピンもそうなった。日本のコメ農家もそうなっていくということだ。
たとえば福岡県でやっとできたおいしいコメの品種も、提供するとロイヤリティを払わなければならない。国民の税金、県民の税金でつくった新しい品種だ。この育種知見がTPP協定によって多国籍企業に出て行くことになる。
じつは農水省の事務次官が平成29年11月15日付で、「都道府県に一律の制度を義務付けていた種子法及び関連通知は廃止するものの、都道府県が、これまで実施してきた稲、麦類及び大豆の種子に関する業務のすべてを、直ちに取りやめることを求めているわけではない」という通知を出した。「いずれやめなさい」「予算をつけませんよ」という意味だ。さらに、「民間事業者による稲、麦類及び大豆の種子生産への参入が進むまでの間、種子の増殖に必要な栽培技術等の種子の生産に係る知見を維持し、それを民間事業者に対して提供する役割を担う」とある。
三井化学の「みつひかり」や日本モンサントの「とねのめぐみ」などのように、麦でもすでにF1の麦もできている。そういった民間のものが普及するまでの間だけ、各都道府県は育種知見を維持し、その間に民間にそれらの知見をすべて提供する義務があるという通知だ。実際に種子法が廃止になった昨年四月に奈良県、和歌山県、大阪府は県が責任を持ってつくるのをやめ、民間に委託した。県の保証するコメ、麦、大豆の種子は三府県ではなくなった。福岡県も条例をつくらなければそうなっていく。
日本も遺伝子組換えのコメ、麦、大豆を作付けするようになる?
飼料米制度は私が大臣のときにつくったものだ。今コメでは農家は赤字だが、飼料米制度で何とか食べてきている。その飼料米農家に先日、農政局から説明があり、「反当り11俵以上とれないと補助金を出さない」という話が出てきたという。調べて見ると、すでにゲノム編集の飼料米の種子が用意されていた。その農家が「これからはF1か遺伝子組み換えの飼料米をつくらなければいけないのではないか」と心配していたが、まさにそうだった。そして「WRKY45(ワーキー45)」というゲノム編集のコシヒカリの種子も用意されていた。
ゲノム編集について、昨年8月7日の『日本農業新聞』の1面に「GM技術該当せず」とある。ゲノム編集は遺伝子組み換えの一つだが、「遺伝子組み換え技術に該当せず、安全だ」といい始めたのだ。『日本経済新聞』(今年3月19日付)には「ゲノム編集食品、夏にも」とある。実際にはこの10月1日にゲノム編集食品は解禁された。任意の届け出のみで表示もないまま、いよいよ流通し始める。
ゲノム編集とはなにか。例えばトマトの熟成する遺伝子だけを粉砕すると、熟成せず腐らなくなる。3年間、青青としているトマトができている。それを収穫して倉庫に入れておき、出荷のさいにエチレンガスをかけると真っ赤になる。それが本当に安全なものなのだろうか。
EUでは、遺伝子組み換えは原則禁止しており、ゲノム編集は遺伝子組み換えであるとして使わないようにしている。ところが日本は、「ゲノム編集は遺伝子組み換えと違い、新しい別の種類の遺伝子を組み換えて入れるわけではない。アミノ酸に変わりないから安全だ」といっている。ところがアメリカもそうではない。先日訪米し、遺伝子組み換えの分野では右に出る人はいないというチャペラ教授に話を聞いたが、最初「ゲノム編集」といっても伝わらなかった。そして「そうか、山田さんがいっているのはNEW GMOのことだな」といわれた。アメリカでもみな、遺伝子組み換えの延長線上の話だという認識だ。しかし日本だけはゲノム編集は遺伝子組み換えと違うといい出した。
今、ネイチャー誌に論文が載っているように、「ネズミ1匹の遺伝子を粉砕すると1600」の副作用がある。
たとえば、中国でゲノム編集によって双子の赤ちゃんが生まれた。父親がエイズだったので、生まれてくる子どもがエイズにならないよう、ウイルスにかかっている遺伝子だけを壊した。すると思いがけず双子が生まれた。しかし、2人はエイズにはかからないが、西ナイル熱ウイルスにはかかる、インフルエンザにかかると重症化する、免疫疾患になる、短命であるなど、さまざまな影響があることがわかってきた。
ゲノム編集食品で最初に、もうすでに日本に入ってきているのは高オレイン酸大豆だ。アメリカでは「ゲノム編集の大豆」「遺伝子組み換え大豆」というと、今ほとんど売れない。それで安倍総理は日米FTA交渉のなかで受け入れた。何の表示もないまま、食用油としてすぐに店頭に並ぶと思う。これがどういう作用があるのかはまったくわからない。
ゲノム編集の高オレイン酸大豆や、カーギルが関与している除草剤耐性のあるナタネなどが日本に入ってきたところだと思うが、さらに政府はそれについて「有機(JAS)」の認証をできないか検討を始めた。9月30日に第1回の検討会があり、第2回が近く予定されている。アメリカですでに用意されている遺伝子組み換えのコメの種子、ゲノム編集のコメの種子、麦、大豆、ジャガイモなどについて、「有機」の認証をしたいというのだ。話を聞き、資料を読んでみると、認証することが前提の検討会になっている。今、遺伝子組み換え食品について、日本は政府が318種類も承認している。アメリカですら197種類だから日本はダントツだ。
遺伝子組み換え農作物は、すべて除草剤・ラウンドアップ耐性だ。ラウンドアップをまくと植物は枯れる。主成分のグリホサートはベトナム戦争の枯れ葉剤と考えればよい。植物がアミノ酸をつくるシキミ酸経路を破壊するので、植物はアミノ酸をつくれず枯れる。ところがグリホサート耐性を持たせた農作物は、いくらグリホサートをまいても死なず、すくすくと生きている。ところが、そのラウンドアップで今大変なことが起きている。
ラウンドアップ裁判
アメリカで昨年8月10日、歴史的な裁判があった。
学校の用務員ジョンソンさんが、校庭の除草のために20〜30回ラウンドアップをまくと、腕に腫瘍ができ、末期ガンであることがわかった。モンサントのラウンドアップ以外に考えられないと、モンサントを訴えた裁判だが、モンサントに320億円支払えという評決が出た。判決は86億円に訂正されたが、これは世界のトップニュースになり、世界中に激震が走った。
世界各国でじつは今、グリホサート、ラウンドアップの規制が広がっている。ラウンドアップをやめた国は24カ国、規制している国は33カ国にのぼっている。隣の韓国もラウンドアップの使用をやめ、ネオニコチノイドの空中散布や屋外の使用を一切禁止している。
ラウンドアップをめぐる裁判は次次に起きており、ジョンソンさんの次には88億円、3例目の夫婦のガン患者には2200億円支払えという評決が出た。サンフランシスコでジョンソンさんに会い、インタビューをすることができたが、腕はケロイド状で肉が出ていた。彼は、「妻がハグすると皮がずりっと落ちて大変なので、今優しく抱いてもらっているだけだ。子どもはどうやらあきらめがついたようだが、妻はまだあきらめがついていないようだ」と話していた。日本に対するメッセージを求めると、「ラウンドアップの使用をできるだけ早くやめてほしい。日本だけでなく世界の人にそういいたい」といわれていた。
その後、この訴訟にかかわったロバート・ケネディ・ジュニア弁護士にもインタビューした。彼は叔父のジョン・F・ケネディがホワイトハウスにいるときに、レイチェル・カーソン女史に会ったという。当時、モンサントはDDTを世界中で売りまくっていて、レイチェル・カーソン女史は「鳥も鳴かない春が来る」といい、モンサントから徹底的に糾弾されていたそうだ。そのときからロバート・ケネディ・ジュニア弁護士は30年間モンサントとたたかってきたという。
裁判で勝利できたのは、モンサントが所有している最高の内部機密資料を裁判に出すことができたからだという。その内部機密資料によって、モンサントは19年前から、遺伝子組み換え作物やグリホサートでガンになることを認識していたことが明らかになった。実証の結果わかっていたのに悪質な隠蔽工作を続け、今日まで売り続けてきていたのだ。ロバート・ケネディ・ジュニア弁護士の話では、例えばニューヨークでは「ラウンドアップはコーヒーやピクルスと同じように飲んでも健康な大丈夫なものです」と宣伝していた。これは明らかな間違いなので、モンサントは莫大な罰金を払わされることになったという。
日本では、「すぐに生分解されて自然に戻るから害がないとコマーシャルしている」と話すと、明らかに虚偽の事実で、公共放送でやるなど考えられないといわれていた。TPP違憲訴訟をするうえで裁判資料の提供を依頼すると、喜んで承諾して下さり、「日米で一緒にたたかいましょう」という話になった。
今回、劇的な裁判となったが、すでにアメリカで5万件、同様の裁判が起こされており、カナダやオーストラリアでもモンサントに対する同様の裁判がなされている。モンサントを昨年6月に買収したバイエルは今、株価が5割下がっている。そしてついに正社員の1割に当たる1万2000人のリストラを発表し、動物医薬品を売るドル箱だった会社を売却した。アメリカでもEUでも「モンサントは終わった」といわれ、バイエルも危ないといわれているほどだ。
オーガニック食品の広がり
今、アメリカのスーパーはどこに行ってもオーガニック、「NON GMO」があふれている。アメリカを変えた女性といわれているゼン・ハニーカットさんにもお会いした。彼女はロバート・ケネディ・ジュニア弁護士やジョンソンさんと一緒になって裁判をひっ張って来た人だ。
彼女の子どもは3人ともアレルギーで、そのうち次男のボダイ君は小麦アレルギーがなかったのでパンやパスタをたくさん食べさせた。するとある日突然、理由もないのに怒り出し、暴れ出して自閉症の症状を起こした。驚いて病院に連れて行き、腸内細菌を調べると、クロストリジウムという脳神経を直接おかしくする細菌が、ヨーロッパの環境基準の四倍見つかった。このせいではないかと彼女は考えた。
アメリカでは10年前から小麦の収穫前にラウンドアップをまいていた。ラウンドアップをまくと小麦が枯れるため、コンバインで刈る手間がなくなる。主成分・グリホサートは小麦の芯まで浸透し、水分が一滴もなくなるため、日本に運んで来るまでにカビが生えたり細菌が発生することもない。彼女はこのグリホサートのせいではないかと考え、小麦粉製品を食べさせるのをやめ、有機の物と発酵食品にするとボダイ君の症状は劇的に改善された。
それまで、「グリホサートは食べ物から体内に入ってもすぐに分解されて尿として排出され、体内に残ることはない」という研究論文の下で、アメリカ環境保護局(EPA)も認めて来た。しかし、体内にグリホサートがあるかもしれないと考えた彼女が、母親たちの協力を得て母乳中のグリホサートの検査をすると、9割以上の母親からグリホサートが検出された。
私はそれを聞いて日本で何とか調べたいと思い、フランスのクズサイエンスというところに髪の毛を送って調べてもらった。1キット5万円したが、30キット購入し、国会議員23人や私も含め総勢30人を調べると30人中21人からグリホサートが検出された。これを黒田純子博士が聞いて驚いた。「尿で検査すると日本人みんなから検出されるのではないか」と。
今の医学では1個の細胞が生きるのに10個の腸内細菌の力を借りなければいけないといわれている。私たちは腸内細菌で生かされている。グリホサートはその腸内細菌のうち善玉菌をほとんど殺してしまう。そうなるとガンになったり、切迫流産や生殖系の機能を阻害したり、自閉症になることなどが明らかになってきている。黒田純子博士は、「じつはグリホサートは遺伝子を傷つけるのではなく、メチル化するのだ」といわれた。メチル化とは、遺伝子のオン・オフを人によって突然切り替えるのだそうだ。そうなるとこの遺伝子がそのままゲノム編集と同じ効果になる。
ネズミの実験ではF0(大人の世代)、F1(子どもたちの世代)にはほとんど影響はないという。ただF3(孫)、F4(ひ孫)の時代に異常が出てくるという。遺伝子そのものが変わるため、最初の角度が一度違っても、遠くに行くほど角度が開くそうだ。
ラウンドアップにかわる除草剤
ラウンドアップは今のJAでもどこでも売っている。しかし、お母さんたちが反対運動をしてダイソーは8月8日から販売をやめた。ラウンドアップにかわる天然素材の除草剤はないか調べていると、オーストラリアでオーガニック・コンタクト社の除草剤を、昨年暮れ近くになって政府が有効な除草剤としたことがわかった。この話を聞いてすぐにサンプルを輸入してもらい、試験してみた。すると1時間で雑草に黒く斑点ができてひっくり返っていき、4時間後には一部だが茶色く枯れた。これを、アメリカのEPAが除草剤として承認した。EUも審議中で、スリランカ、ニュージーランドも承認し、4カ国が承認したところだ。何とかしてラウンドアップをやめたい。
世界に逆行する日本―世界の流れは有機・自然栽培、非遺伝子組み換え作物に
アメリカのダイソーで販売しているポテトチップには警告として「揚げたジャガイモ(ポテトチップスなどの)には、発がん性や、先天性血管、そのほかの生殖系への悪影響を引き起こすことが知られている、アクリルアミドという化学物質が含まれています」という表示がされている。日本では普通に食べている。カラムーチョもそうだ。世界は食品表示が厳しいのに、これから日本で売られるゲノム編集の大豆やナタネでつくられる食用油は、何の表示もないまま合法的に売られる。しかも政府はこれを「有機(JAS)」で売りたいという検討会まで始めている。まさに世界の流れと逆行している。
韓国のスーパーでもオーガニックコーナーができ、オルゴク小学校(清州市・500人)では、有機・無償で学校給食を提供している。パンやサンドイッチは輸入小麦に頼らざるを得ないのではないかと思ったが、パンやパスタは一切使わず、うどんは全部国産の小麦粉だという。日本の大手3社の小麦粉を調べてみると、グリホサートがたくさん含まれている。もっとも入っているのが日清製粉の「全粒粉強力粉」だ。オルゴク小学校はアレルギーの子どもが七人しかいなかった。
韓国の農水省の課長に全国の状況を聞くと、ほぼ小・中学校は有機・無償でやっており、高校はもう少しかかるということだった。保育園・幼稚園でも始め、何年か後には妊婦にも有機の物を食べさせたいと思っているという話だった。
韓国も台湾も、食の安全に対する取り組みを始めている。日本は農薬や食品添加物の基準でいうと台湾の400倍も緩い。小麦粉のグリホサート残留農薬基準は中国の150倍緩い。そして世界各国がグリホサート、ラウンドアップを規制しようとしているなかで、こともあろうに日本だけがグリホサートの残留農薬基準を、物によっては400倍にまで緩めた。そば粉やナタネなどは75倍、100倍、テンサイは75倍だ。今、世界で一番農薬の残留基準が緩いのが日本だ。
ロシアも2016年に遺伝子組み換え農産物はつくらせない、輸入させないという法律を上院下院で通した。中国も2017年から同じように輸入も国内栽培も禁止している。いずれも国を挙げて有機栽培に力を入れている。アメリカも、じつは遺伝子組み換え農産物は2016年から頭打ちで、今オーガニックの生産がなんと年に10%の割合で伸びている。
先月アメリカに行き、モンタナ州(小麦の大産地)を訪れた。そこで10年前までケミカル農業(農薬や化学肥料を使う農業)をしてきたが、オーガニックに変えたという農家に会った。やめた理由を聞くと、「ケミカル農業をしている農家は家に帰るとすぐに服を脱ぎ捨ててシャワーを浴びないと子どもをハグできなかった。今は子どもたちと一緒に畑の中に入ることができる」という話だった。今、彼のつくった小麦は1ポンド14jだが、ケミカル農業の小麦は1ポンド3・7jだという。農薬や化学肥料にも金がかかる。「彼らは赤字だ。私は早く切り替えてよかった。アメリカでももう有機にしないと農業はやっていけない」と話していた。
自家採種の禁止
政府が自家採種を原則禁止するという種苗法の改定案を、いよいよ来年の通常国会で提出することがはっきりした。今年3月から9月25日まで5回にわたって検討会を開いてきたものだ。
自家採種(自家増殖)というのは、たとえばイチゴの場合は苗を10本とか15本購入し、ランナーで芽出しして次の年に植えたりすることだ。イモやサトウキビ、ジャガイモも同じだ。木の場合は接ぎ木する。そのような自家増殖を現行の種苗法では、二一条にあるように、モンサントなどが登録した品種でも、農家は種を買ったら自由に自家採種し、次の年に植えたり、加工することができる。原則自家採種自由だ。
ただし、第三項に「農林水産省が特例でもっていわば適用しない品目を定めることができる」となっていた。じつは自家採種の禁止は始まっていた。最初はバラ、カーネーションなどの花、その次はキノコ、TPPを批准してからはキャベツ、ブロッコリー、ナス、トマト、スイカ、メロン、キュウリ、ダイコン、ニンジンなど、あらゆるメジャーな野菜や果樹をはじめとする357種類もの植物が指定され、今年新たに野菜のみで31種類指定され、400種類近くになっている。この登録品種を勝手に自家採種したら懲役10年、1000万円以下の罰金で、しかも共謀罪の対象だ。
ところが、アメリカでも主要農産物の小麦は自家採種が3分の2で、3分の1が公共の種子、カナダは8割が自家採種、2割が公共の種子だ。オーストラリアは95%が自家採種で5%が公共の種子だ。それなのに日本はいよいよ自家採種禁止法案を出してきた。農水省の課長に「コメも麦も大豆も自家採種禁止にするのか。それが本当の狙いで、邪魔だったから公共の種子法を先に廃止したのか」と聞くと黙っていた。ところが検討会のとりまとめ(9月25日)には、わざわざ「これまで種苗法では非常に例外が多くて複雑だったから、シンプルなものにして、一律、自家増殖禁止の条文にしたい」と書いてある。そうすると「あまおう」をつくっているイチゴ農家もこれまでのように増殖できない。苗を1本250円ほどで6000本買わなければいけなくなる。
検討会でプレゼンをした茨城県の横田農場は、過疎地のため、人に頼まれて耕作面積が増え、今150fでコメをつくっている。8品種のコメを作付けしているが、そのうち登録品種だけで7dくらい自家採種しているという。コシヒカリなど育種期間(25年)が切れている品種もあるが、まだ切れていない新しい品種(「ゆめぴりか」など)の自家採種をやめて種子を購入すると500万円ほどかかり、「われわれはやっていけない」とプレゼンした。これが民間の種子になるとその10倍=5000万円かかる。ところがこれに一切コメントなしで、自家採種一律禁止という方向で条文にし、来年の通常国会で審議が始まることになった。自民党はどんなことがあってもこの法案を通すとはりきっているという話を耳にし、大変心配しているところだ。
なぜ自家採種を禁止するのか、その理由として農水省は「シャインマスカットなど日本の優秀な育種知見がそのまま中国や韓国に流れた。これを取り締まらなければならない」という。そのために種苗法を改正して、許諾・承認を得るか、新しく買うかしなければいけないのだという。しかし、海外流出を食い止めるのであれば、宮崎県が種牛の精液が海外流出するのを刑事告訴したように、現行法で刑事告訴すれば足りることだ。海外に出たものを取り締まるには、農水省が海外でシャインマスカットの育種登録もしくは商標登録などをすべきではなかったか。それを怠っていて、政府は「種苗法を改正しなければ海外流出を食い止めることができない」といういい方をしている。
1週間ほど前に「日本の種を守る会」は農水省の知財課長を呼んで話を聞いた。そこで農水省は「育種権者が第三者、企業にかわった場合、育種権はどうなるか」を説明した。思い出してほしい。農業競争力強化支援法で、例えばマスカットは農研機構の育種知見だが、それらをモンサントなどの民間企業に譲渡するようになっている。譲渡されて育種権者がかわった場合、そこから許諾を得るか、種苗を買わなければいけなくなるのではないか。県民や国民の税金で開発した育種知見を民間企業に譲渡しておいて、農家(国民・県民)が使うときには民間企業にロイヤリティを払わなければ許諾するわけはないだろう。県や国であれば許諾するであろうし、研究者はみんな使ってほしいと思っている。しかし、民間企業は当然、許諾料をとるか、1本ずつ買えとなるのではないか。
もう一つ、農水省は「これまでの伝統的な固定種をつくっている有機栽培の農家は大丈夫だ。安全だ」と説明している。家庭菜園は私も大丈夫だと思っているが、有機栽培の農家は安心ではない。種苗法二一条では、「登録された品種」と「特性により登録された品種と明確に区別されない品種」も自由に自家採種できるようになっている。野菜は土地と風土、栽培する人や年によって少しずつ変化していくものだ。登録品種であっても変化していくので、今モンサントは子会社を使ってナスやブロッコリー、トマトなど、さまざまな野菜をどんどん登録品種にしている。これらの登録品種と、有機栽培で農家がつくっている野菜のどこが違うのか区別はしにくい。こうして新規の育種登録を次次にした民間企業が、野菜農家などに育種権の侵害として賠償金を求めるようなことになりはしないかと心配している。
すでに企業から生産者が訴えられる裁判が6件起こっている。モンサントの裁判は有名だが、カナダでは有機栽培の伝統的なナタネ農家がモンサントから訴えられて裁判で負けた。日本で有機栽培をしている農家も、ある日突然、モンサントから20億、30億円の賠償金を請求されることもあり得る。実際、今度の種苗法の検討会でリードしたのは知的財産権ネットワークの弁護士だ。日弁連の雑誌にも、「これからは育種権の争いが論点になってくるだろう」と書かれている。
農水省の知財課長の説明では、こうした争いになった場合、裁判所は育種登録した品種の現物と、農家がつくっている作物の違いを求めようとするという。しかし、実際には登録したモンサントの野菜の品種も変化してくるから、その特性を6項目くらい法制化し、それに反したら育種権違反だとやれるよう改正案を準備しているという。これはモンサントなど種子企業が裁判で争えるように改正する内容だ。
アメリカで10年ほど前に自家採種禁止法案が通ったときも、「伝統的な固定種を栽培している有機栽培農家は安全だ」と説明していたが、今は本当に伝統的な有機栽培農家も種子を買わなければならなくなり、事実上、自家採種禁止になってしまった。このことはエップ・レイモンドさんの米国からの報告に詳しく書かれている。決して有機栽培農家、自分で種とりをして伝統的な固定種を栽培している農家も安心ではない。今度の種苗法改定案はどのようなことがあっても反対しなければならない。
種子法が廃止されたとき、農水省は自民党議員のところを「種苗法で守る」といって回った。ところが種苗法改定で自家採種を禁止し、コメも麦も大豆も、すべての種を買わせるのが狙いだった。アメリカもそうだったが、国家は嘘をつくものだ。
私たちは裁判でも争っているが、今後は広島県のジーンバンクのように伝統的な固定種を県が発掘し、それを保存・管理することが大事になってくる。広島県はそれを農家に無償で貸し出している。福岡県でもそのような条例をつくって、企業や民間や県も出資して公社をつくり、守ることが必要になってくる。
日本の経済、地域の経済を発展させていく施策
種子条例は、九州では宮崎県が1番につくり、今、熊本県が種子条例のパブコメで骨子案を発表した。鹿児島県知事もつくることを表明した。この前の議会までに11の道県でできたが、新しく栃木が先日採決し、宮城県の種子条例もパブコメをした。島根県も種子条例をつくることを発表し、岩手県は議員提案でやることが決まった。滋賀県もやる。年内にだいたい16の道県で種子条例ができそうだ。秋田、青森なども動き出しているし、福島も動き出した。来年度までに26の道県で種子条例ができるのではないかと思っている。
種子条例ができる一つのきっかけは、市町村のみなさんが動き出したということだ。1番最初につくった新潟県では、柏崎市が日本で1番最初に種子条例の制定を求める意見書を出した。県内各市町村で動き出し、それをもとに新潟県がつくり、兵庫県、埼玉県、山形県というようにどんどん動いてきた。
地方分権一括法では、国が地方自治体に指揮命令することは一切禁止している。国が地方にいえるのは単なる通知だけだ。通知は法律的にいうと「技術的助言」に過ぎない。法律に反しない限り地方自治体は何でもできるのだ。今治市は食と農の条例をつくった。「遺伝子組み換え農産物はつくらせない」という条例だ。もし市長の承認なくつくれば、2年間の懲役、500万円以下の罰金など、非常に厳しい内容だ。この町で「ゲノム編集のものは表示なくして流通させない」といった条例に刑罰まで定めてつくることができる。韓国は学校給食を条例で全部無償でやっているが、おそらく日本でも学校給食を有機でやる市町村が出てくる。世田谷の区長は無償で学校給食を始めた。同時に今、有機でやろうと真剣に考えているところだ。千葉県いすみ市の学校給食はコメは有機100%だ。普通入札で60`1万3000円くらいだが、2万円で買い、差額を市が補填している。
じつは安倍官邸が悪いといっている時期ではない。農薬から自家採種禁止まで大変なことになろうとしているが、私たちの暮らしは自分で守るしかない。そして自分で守ることができる。住民には請願権が認められている。知っている市会議員や町会議員を通じて、この町で学校給食を有機農産物でやるという条例案を審議してくれという請願を出すと市町村議会はそれを審議しなければいけない。次次にそういったものを出していくことによって地方から変えていくことができる。今、自分が動けば何でもできる。私たちが主役だ。
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/13829
27. 中川隆[-10507] koaQ7Jey 2019年10月29日 11:57:12 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2366]
今、アメリカのスーパーはどこに行ってもオーガニック、「NON GMO」があふれている。アメリカを変えた女性といわれているゼン・ハニーカットさんにもお会いした。彼女はロバート・ケネディ・ジュニア弁護士やジョンソンさんと一緒になって裁判をひっ張って来た人だ。
彼女の子どもは3人ともアレルギーで、そのうち次男のボダイ君は小麦アレルギーがなかったのでパンやパスタをたくさん食べさせた。するとある日突然、理由もないのに怒り出し、暴れ出して自閉症の症状を起こした。驚いて病院に連れて行き、腸内細菌を調べると、クロストリジウムという脳神経を直接おかしくする細菌が、ヨーロッパの環境基準の四倍見つかった。このせいではないかと彼女は考えた。
アメリカでは10年前から小麦の収穫前にラウンドアップをまいていた。ラウンドアップをまくと小麦が枯れるため、コンバインで刈る手間がなくなる。主成分・グリホサートは小麦の芯まで浸透し、水分が一滴もなくなるため、日本に運んで来るまでにカビが生えたり細菌が発生することもない。彼女はこのグリホサートのせいではないかと考え、小麦粉製品を食べさせるのをやめ、有機の物と発酵食品にするとボダイ君の症状は劇的に改善された。
それまで、「グリホサートは食べ物から体内に入ってもすぐに分解されて尿として排出され、体内に残ることはない」という研究論文の下で、アメリカ環境保護局(EPA)も認めて来た。しかし、体内にグリホサートがあるかもしれないと考えた彼女が、母親たちの協力を得て母乳中のグリホサートの検査をすると、9割以上の母親からグリホサートが検出された。
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種子法廃止とこれからの日本の農業について 元農林水産大臣・山田正彦 2019年10月26日
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/13829
私は五島列島出身で、29歳のときに400頭くらい牛を飼っていた。豚も年間8000頭くらい出荷していたので、相当な規模だった。うまくいかず自分で肉屋もやり、最後は県庁前で牛丼屋までやったが、さんざん失敗した。当時4億円くらい借金を抱えた。忘れられないのは当時の農水省の勧めで大型畜産をやった仲間が2人自殺したことだ。私は破産状態だったが、弁護士の資格だけは持っていたので、弁護士をして借金の支払いをしながら、なんとも悔しかったので衆議院に出た。3回敗れて4回目に通り、5期衆議院議員をさせていただき、運良く農林水産大臣にさせていただいた。そのときに、戸別所得補償や飼料米制度、林業再生プラン、漁業の所得保障などいろいろやらせてもらった。そのときちょうどTPP交渉に参加したいという話があり、閣議で大げんかして大臣を辞め、今日までTPP反対運動を続けてきた。
ところがTPPは昨年12月30日に発効した。たった5日間で牛肉の輸入量は半月分になるほど急増した。今年2月1日に日欧EPAも発効し、なんとEU産豚肉は五割増になった。チーズやバター、乳製品、果物類も今だいたい昨年に比べて3割増だ。そんななか日米FTAがいよいよ来年1月には発効する。一番恐れていたことだ。
アメリカは農産物しか売る物がない。日本を見るとトヨタ自動車一社の売上だけで30兆円だ。農林水産物はあわせても8兆円しかない。2年前に「トヨタ自動車その他日本の自動車に25%の報復関税をかける」とトランプからいわれ、霞が関の官邸や農林水産省、経産省から聞こえて来るのは、「このさい、報復関税25%をなんとか延期してもらうために、農林水産物は譲るだけ譲る」ということだった。そしてアメリカの農務省長官も、はっきり「もう日本とは話がついた」と、今年5月からツイッターでいっている。今後大変なことになっていくのではないかと思う。
今、アメリカもオーストラリアもどんどんコシヒカリをつくっている。これが60`4000円で入ってくる。私が農林水産大臣のときにおこなった試算では、今日本のコメの生産原価は60`当り1万5000円だ。昨年の農家の手取りが1万3300円だった。試算ではTPPに参加すると日本の食料自給率は14%まで落ち込むという結果になった。韓国ですら今、食料自給率は48%だ。日本は本当にどうなるのかと心配している。
TPP協定は条約であり、憲法の下で、国内法の上になる。米韓FTAを結んだ韓国が200本の法律を変えたように、日本もTPP協定(8000ページ・30章)に従って、この2年間、次次に法律を変えている。一番最初に変えたのが主要農産物種子法の廃止だ。これについて私は5年前から、「明らかに国の主権を損なうものだ」としてTPP違憲訴訟をしている。その判決が昨年10月31日にあったが、判決のなかで種子法廃止について「背景事情の一つにTPP協定に関する動向があったことは否定できない」と、TPP協定と種子法廃止の関連を最高裁判所は認めた。水道法改定、漁業法の改定、市場法の事実上の廃止、森林管理法の改定など、すべてこれはTPP協定によるものなのだ。
種子法で日本のコメ、麦、大豆は守られてきた
今私たちはおいしいお米を当たり前のように食べている。これは全部、伝統的な固定種だ。種子法のおかげで私たちの主食であるコメ、麦、大豆など、それぞれおいしいものを食べることができた。これがどうなるか。
野菜で考えていただくとわかりやすい。野菜は30年前、みんな伝統的な固定種だった。ところが野菜の種子はF1に変わり、今、90%を海外で生産している。2年前にモンサントの遺伝子組み換え農産物の見学会に行ったとき、思いがけないことを聞いた。「日本の野菜の種子はモンサントでつくっています」といわれたのだ。そんなことはパッケージに書いていない。「委託生産し、委託販売している」という。調べてみるとモンサントは野菜の種子だけで800億つくっている。世界の種子は今、モンサント(バイエル)、ダウ・デュポン、シンジェンダ(中国化工集団傘下)の3社で世界の種の7割を握っている。同時にこの3社で世界の農薬の7割、世界の化学肥料の7割を握っている。
こうして野菜の種子はF1になり、ニンジンでいえばカロチンなど栄養価は3分の1に減っている。F1は科学的にそこまで問題になるとはいわれていないものの、主食のコメ、麦、大豆の公共の種子がなくなると、民間の種子を使わざるを得なくなる。すでにコメ、麦、大豆の民間の種子ができている。
種子法とは
種子法ではコメ、麦、大豆の伝統的な日本の在来種を国が管理し、各都道府県に原種・原原種の維持、優良品種の選定、奨励、審査を制度として義務づけてきた。そのもとで、各地の農業試験場で雑種の混入や不良な種を取り除き、厳格に監査した優良な品種を公共品種として安く安定して提供してきた。
原原種の栽培では、コシヒカリやヒノヒカリなどを1本ずつ植え、毎年つくっている原種を純粋なコシヒカリに合わせて開花時期、丈の高さを揃えていく。四割くらいは黒米や赤米になったりするので、それをとり除いていくと、そこで6割くらいしか残らない。農業試験場に見学に行くと、穂先が1aくらい伸びているなかから、1_か2_違えばとり除いていた。その後も10回前後の抜きとり作業をおこなうなど、「異株」に対して細心の注意を払い、発芽率90%の種をつくり、その後に原種をつくる。3年目にようやく県が種子栽培農家を選定し、圃場を選定して、福岡県であれば「ヒノヒカリ」「発芽率90%以上」と、県として責任を持って保証書を出し、だいたい1`500円ほどでコメ農家に提供してきた。それをコメ農家は4年目につくり、われわれは5年目に食べることができる。そうやって純粋な伝統的な品種をしっかり守っている。麦も大豆も同じだ。
ところが、種子法を廃止するとき政府は「種子法があることで民間の優秀な品種が普及できない」「なかなか売れない」といった。民間の優秀な品種(三井化学の「みつひかり」など)があるではないかと説明して回った。「みつひかり」は野菜と同じようにF1の種子で、伝統的な固定種ではない。価格を見ると、「みつひかり」の種子は4000円なので、公共の種子と比較すると8〜10倍する高い物だ。野菜の種子もF1になって多国籍企業がつくるようになってからは、イチゴやトマトなど1粒1〜2円だったものが、今は40〜50円だ。いずれコメ、麦、大豆の種子も40〜50倍になっていくことは間違いないと思っている。
農家を大企業に隷属させる
私は三井化学の「みつひかり」や住友化学の「つくばSD」の生産者、日本モンサントの「とねのめぐみ」の生産者など、さまざまな方に会ってきた。話を聞くと、民間の種子には必ず、収量がコシヒカリの1・2倍〜4倍、味はヒノヒカリ以上、コシヒカリ以上という内容が書いてある。そしてつくりやすく倒伏しない。しかし実際は必ずしもそうではない。最初の年は化学肥料をやるのでいくらか収量があるが、土壌が追いつかず、だんだん収量が減ってくるのでやめた農家もけっこういた。
実際の契約書を見ると、モンサントの契約書は有名で、何十ページもあって肝心な部分は英語で書かれているのだが、これがたった1枚だった。そのなかに「指示されたことに従わない場合はモンサントに生産者は責任を負う」と書かれている。農薬や化学肥料の指示はなかったのかと聞くと、その方は「そういう指示はなかった」といっていた。
しかし、「つくばSD」の契約書は10ページあり、指定された農薬と化学肥料を必ず使わなければならない、反すると損害賠償責任を負うと書かれていた。そして「収穫されたものはすべて住友化学の指定するところに納めなければならない」となっている。価格については住友化学と生産者とで、「収穫後にそのときの相場を見て決める」となっている。今回の台風のときのように全滅する場合はどうかというと、「災害時の責任はすべて生産者が負う」となっている。これは非常に一方的な契約だ。
「みつひかり」の生産者の話では、最初の年は60`1万2000円で全量引き取りだったからつくったが、翌年は60`1万円、その次の年は9000円になったのでやめたという。私は「よくやめられましたね」といった。この「みつひかり」の契約書だと、正当な理由がなければ、やめるにしても莫大な損害賠償を請求される恐れがある。
これから、地方自治体が公共の種子をつくらなくなると、モンサントなど民間との契約の下、農家はまさにがんじがらめに縛られて、アメリカの農家のように奴隷農場に、借金漬けになっていく。
日本のコメ農家がモンサントへロイヤリティを支払う
もう一つ、「農業競争力強化支援法」の八条三項のなかで、「銘柄が多すぎる」といっている。日本には各県の奨励品種だけで約300品種ある。天皇家の古代米だけで17種類だから、全国でだいたい1000種類のコメがつくられている。そのコメを数種類に集約するという。「民間の種子に」という意味だ。農協潰しの法案といわれた「農業競争力強化支援法」だが、八条四項では、日本(国の農研機構や各都道府県)が蓄積してきた育種知見をすべて民間に提供するとされている。国会で「海外のモンサントなどにも提供するのか」と聞くと、当時の斉藤農水大臣は「TPP協定は内外無差別だから、当然そうなる」と答えている。
そうなるとどうなるか。メキシコはトウモロコシの原産国だが、今、メキシコの農家はモンサントなどにロイヤリティを払わなければトウモロコシをつくることができない。フィリピンもそうなった。日本のコメ農家もそうなっていくということだ。
たとえば福岡県でやっとできたおいしいコメの品種も、提供するとロイヤリティを払わなければならない。国民の税金、県民の税金でつくった新しい品種だ。この育種知見がTPP協定によって多国籍企業に出て行くことになる。
じつは農水省の事務次官が平成29年11月15日付で、「都道府県に一律の制度を義務付けていた種子法及び関連通知は廃止するものの、都道府県が、これまで実施してきた稲、麦類及び大豆の種子に関する業務のすべてを、直ちに取りやめることを求めているわけではない」という通知を出した。「いずれやめなさい」「予算をつけませんよ」という意味だ。さらに、「民間事業者による稲、麦類及び大豆の種子生産への参入が進むまでの間、種子の増殖に必要な栽培技術等の種子の生産に係る知見を維持し、それを民間事業者に対して提供する役割を担う」とある。
三井化学の「みつひかり」や日本モンサントの「とねのめぐみ」などのように、麦でもすでにF1の麦もできている。そういった民間のものが普及するまでの間だけ、各都道府県は育種知見を維持し、その間に民間にそれらの知見をすべて提供する義務があるという通知だ。実際に種子法が廃止になった昨年四月に奈良県、和歌山県、大阪府は県が責任を持ってつくるのをやめ、民間に委託した。県の保証するコメ、麦、大豆の種子は三府県ではなくなった。福岡県も条例をつくらなければそうなっていく。
日本も遺伝子組換えのコメ、麦、大豆を作付けするようになる?
飼料米制度は私が大臣のときにつくったものだ。今コメでは農家は赤字だが、飼料米制度で何とか食べてきている。その飼料米農家に先日、農政局から説明があり、「反当り11俵以上とれないと補助金を出さない」という話が出てきたという。調べて見ると、すでにゲノム編集の飼料米の種子が用意されていた。その農家が「これからはF1か遺伝子組み換えの飼料米をつくらなければいけないのではないか」と心配していたが、まさにそうだった。そして「WRKY45(ワーキー45)」というゲノム編集のコシヒカリの種子も用意されていた。
ゲノム編集について、昨年8月7日の『日本農業新聞』の1面に「GM技術該当せず」とある。ゲノム編集は遺伝子組み換えの一つだが、「遺伝子組み換え技術に該当せず、安全だ」といい始めたのだ。『日本経済新聞』(今年3月19日付)には「ゲノム編集食品、夏にも」とある。実際にはこの10月1日にゲノム編集食品は解禁された。任意の届け出のみで表示もないまま、いよいよ流通し始める。
ゲノム編集とはなにか。例えばトマトの熟成する遺伝子だけを粉砕すると、熟成せず腐らなくなる。3年間、青青としているトマトができている。それを収穫して倉庫に入れておき、出荷のさいにエチレンガスをかけると真っ赤になる。それが本当に安全なものなのだろうか。
EUでは、遺伝子組み換えは原則禁止しており、ゲノム編集は遺伝子組み換えであるとして使わないようにしている。ところが日本は、「ゲノム編集は遺伝子組み換えと違い、新しい別の種類の遺伝子を組み換えて入れるわけではない。アミノ酸に変わりないから安全だ」といっている。ところがアメリカもそうではない。先日訪米し、遺伝子組み換えの分野では右に出る人はいないというチャペラ教授に話を聞いたが、最初「ゲノム編集」といっても伝わらなかった。そして「そうか、山田さんがいっているのはNEW GMOのことだな」といわれた。アメリカでもみな、遺伝子組み換えの延長線上の話だという認識だ。しかし日本だけはゲノム編集は遺伝子組み換えと違うといい出した。
今、ネイチャー誌に論文が載っているように、「ネズミ1匹の遺伝子を粉砕すると1600」の副作用がある。
たとえば、中国でゲノム編集によって双子の赤ちゃんが生まれた。父親がエイズだったので、生まれてくる子どもがエイズにならないよう、ウイルスにかかっている遺伝子だけを壊した。すると思いがけず双子が生まれた。しかし、2人はエイズにはかからないが、西ナイル熱ウイルスにはかかる、インフルエンザにかかると重症化する、免疫疾患になる、短命であるなど、さまざまな影響があることがわかってきた。
ゲノム編集食品で最初に、もうすでに日本に入ってきているのは高オレイン酸大豆だ。アメリカでは「ゲノム編集の大豆」「遺伝子組み換え大豆」というと、今ほとんど売れない。それで安倍総理は日米FTA交渉のなかで受け入れた。何の表示もないまま、食用油としてすぐに店頭に並ぶと思う。これがどういう作用があるのかはまったくわからない。
ゲノム編集の高オレイン酸大豆や、カーギルが関与している除草剤耐性のあるナタネなどが日本に入ってきたところだと思うが、さらに政府はそれについて「有機(JAS)」の認証をできないか検討を始めた。9月30日に第1回の検討会があり、第2回が近く予定されている。アメリカですでに用意されている遺伝子組み換えのコメの種子、ゲノム編集のコメの種子、麦、大豆、ジャガイモなどについて、「有機」の認証をしたいというのだ。話を聞き、資料を読んでみると、認証することが前提の検討会になっている。今、遺伝子組み換え食品について、日本は政府が318種類も承認している。アメリカですら197種類だから日本はダントツだ。
遺伝子組み換え農作物は、すべて除草剤・ラウンドアップ耐性だ。ラウンドアップをまくと植物は枯れる。主成分のグリホサートはベトナム戦争の枯れ葉剤と考えればよい。植物がアミノ酸をつくるシキミ酸経路を破壊するので、植物はアミノ酸をつくれず枯れる。ところがグリホサート耐性を持たせた農作物は、いくらグリホサートをまいても死なず、すくすくと生きている。ところが、そのラウンドアップで今大変なことが起きている。
ラウンドアップ裁判
アメリカで昨年8月10日、歴史的な裁判があった。
学校の用務員ジョンソンさんが、校庭の除草のために20〜30回ラウンドアップをまくと、腕に腫瘍ができ、末期ガンであることがわかった。モンサントのラウンドアップ以外に考えられないと、モンサントを訴えた裁判だが、モンサントに320億円支払えという評決が出た。判決は86億円に訂正されたが、これは世界のトップニュースになり、世界中に激震が走った。
世界各国でじつは今、グリホサート、ラウンドアップの規制が広がっている。ラウンドアップをやめた国は24カ国、規制している国は33カ国にのぼっている。隣の韓国もラウンドアップの使用をやめ、ネオニコチノイドの空中散布や屋外の使用を一切禁止している。
ラウンドアップをめぐる裁判は次次に起きており、ジョンソンさんの次には88億円、3例目の夫婦のガン患者には2200億円支払えという評決が出た。サンフランシスコでジョンソンさんに会い、インタビューをすることができたが、腕はケロイド状で肉が出ていた。彼は、「妻がハグすると皮がずりっと落ちて大変なので、今優しく抱いてもらっているだけだ。子どもはどうやらあきらめがついたようだが、妻はまだあきらめがついていないようだ」と話していた。日本に対するメッセージを求めると、「ラウンドアップの使用をできるだけ早くやめてほしい。日本だけでなく世界の人にそういいたい」といわれていた。
その後、この訴訟にかかわったロバート・ケネディ・ジュニア弁護士にもインタビューした。彼は叔父のジョン・F・ケネディがホワイトハウスにいるときに、レイチェル・カーソン女史に会ったという。当時、モンサントはDDTを世界中で売りまくっていて、レイチェル・カーソン女史は「鳥も鳴かない春が来る」といい、モンサントから徹底的に糾弾されていたそうだ。そのときからロバート・ケネディ・ジュニア弁護士は30年間モンサントとたたかってきたという。
裁判で勝利できたのは、モンサントが所有している最高の内部機密資料を裁判に出すことができたからだという。その内部機密資料によって、モンサントは19年前から、遺伝子組み換え作物やグリホサートでガンになることを認識していたことが明らかになった。実証の結果わかっていたのに悪質な隠蔽工作を続け、今日まで売り続けてきていたのだ。ロバート・ケネディ・ジュニア弁護士の話では、例えばニューヨークでは「ラウンドアップはコーヒーやピクルスと同じように飲んでも健康な大丈夫なものです」と宣伝していた。これは明らかな間違いなので、モンサントは莫大な罰金を払わされることになったという。
日本では、「すぐに生分解されて自然に戻るから害がないとコマーシャルしている」と話すと、明らかに虚偽の事実で、公共放送でやるなど考えられないといわれていた。TPP違憲訴訟をするうえで裁判資料の提供を依頼すると、喜んで承諾して下さり、「日米で一緒にたたかいましょう」という話になった。
今回、劇的な裁判となったが、すでにアメリカで5万件、同様の裁判が起こされており、カナダやオーストラリアでもモンサントに対する同様の裁判がなされている。モンサントを昨年6月に買収したバイエルは今、株価が5割下がっている。そしてついに正社員の1割に当たる1万2000人のリストラを発表し、動物医薬品を売るドル箱だった会社を売却した。アメリカでもEUでも「モンサントは終わった」といわれ、バイエルも危ないといわれているほどだ。
オーガニック食品の広がり
今、アメリカのスーパーはどこに行ってもオーガニック、「NON GMO」があふれている。アメリカを変えた女性といわれているゼン・ハニーカットさんにもお会いした。彼女はロバート・ケネディ・ジュニア弁護士やジョンソンさんと一緒になって裁判をひっ張って来た人だ。
彼女の子どもは3人ともアレルギーで、そのうち次男のボダイ君は小麦アレルギーがなかったのでパンやパスタをたくさん食べさせた。するとある日突然、理由もないのに怒り出し、暴れ出して自閉症の症状を起こした。驚いて病院に連れて行き、腸内細菌を調べると、クロストリジウムという脳神経を直接おかしくする細菌が、ヨーロッパの環境基準の四倍見つかった。このせいではないかと彼女は考えた。
アメリカでは10年前から小麦の収穫前にラウンドアップをまいていた。ラウンドアップをまくと小麦が枯れるため、コンバインで刈る手間がなくなる。主成分・グリホサートは小麦の芯まで浸透し、水分が一滴もなくなるため、日本に運んで来るまでにカビが生えたり細菌が発生することもない。彼女はこのグリホサートのせいではないかと考え、小麦粉製品を食べさせるのをやめ、有機の物と発酵食品にするとボダイ君の症状は劇的に改善された。
それまで、「グリホサートは食べ物から体内に入ってもすぐに分解されて尿として排出され、体内に残ることはない」という研究論文の下で、アメリカ環境保護局(EPA)も認めて来た。しかし、体内にグリホサートがあるかもしれないと考えた彼女が、母親たちの協力を得て母乳中のグリホサートの検査をすると、9割以上の母親からグリホサートが検出された。
私はそれを聞いて日本で何とか調べたいと思い、フランスのクズサイエンスというところに髪の毛を送って調べてもらった。1キット5万円したが、30キット購入し、国会議員23人や私も含め総勢30人を調べると30人中21人からグリホサートが検出された。これを黒田純子博士が聞いて驚いた。「尿で検査すると日本人みんなから検出されるのではないか」と。
今の医学では1個の細胞が生きるのに10個の腸内細菌の力を借りなければいけないといわれている。私たちは腸内細菌で生かされている。グリホサートはその腸内細菌のうち善玉菌をほとんど殺してしまう。そうなるとガンになったり、切迫流産や生殖系の機能を阻害したり、自閉症になることなどが明らかになってきている。黒田純子博士は、「じつはグリホサートは遺伝子を傷つけるのではなく、メチル化するのだ」といわれた。メチル化とは、遺伝子のオン・オフを人によって突然切り替えるのだそうだ。そうなるとこの遺伝子がそのままゲノム編集と同じ効果になる。
ネズミの実験ではF0(大人の世代)、F1(子どもたちの世代)にはほとんど影響はないという。ただF3(孫)、F4(ひ孫)の時代に異常が出てくるという。遺伝子そのものが変わるため、最初の角度が一度違っても、遠くに行くほど角度が開くそうだ。
ラウンドアップにかわる除草剤
ラウンドアップは今のJAでもどこでも売っている。しかし、お母さんたちが反対運動をしてダイソーは8月8日から販売をやめた。ラウンドアップにかわる天然素材の除草剤はないか調べていると、オーストラリアでオーガニック・コンタクト社の除草剤を、昨年暮れ近くになって政府が有効な除草剤としたことがわかった。この話を聞いてすぐにサンプルを輸入してもらい、試験してみた。すると1時間で雑草に黒く斑点ができてひっくり返っていき、4時間後には一部だが茶色く枯れた。これを、アメリカのEPAが除草剤として承認した。EUも審議中で、スリランカ、ニュージーランドも承認し、4カ国が承認したところだ。何とかしてラウンドアップをやめたい。
世界に逆行する日本―世界の流れは有機・自然栽培、非遺伝子組み換え作物に
アメリカのダイソーで販売しているポテトチップには警告として「揚げたジャガイモ(ポテトチップスなどの)には、発がん性や、先天性血管、そのほかの生殖系への悪影響を引き起こすことが知られている、アクリルアミドという化学物質が含まれています」という表示がされている。日本では普通に食べている。カラムーチョもそうだ。世界は食品表示が厳しいのに、これから日本で売られるゲノム編集の大豆やナタネでつくられる食用油は、何の表示もないまま合法的に売られる。しかも政府はこれを「有機(JAS)」で売りたいという検討会まで始めている。まさに世界の流れと逆行している。
韓国のスーパーでもオーガニックコーナーができ、オルゴク小学校(清州市・500人)では、有機・無償で学校給食を提供している。パンやサンドイッチは輸入小麦に頼らざるを得ないのではないかと思ったが、パンやパスタは一切使わず、うどんは全部国産の小麦粉だという。日本の大手3社の小麦粉を調べてみると、グリホサートがたくさん含まれている。もっとも入っているのが日清製粉の「全粒粉強力粉」だ。オルゴク小学校はアレルギーの子どもが七人しかいなかった。
韓国の農水省の課長に全国の状況を聞くと、ほぼ小・中学校は有機・無償でやっており、高校はもう少しかかるということだった。保育園・幼稚園でも始め、何年か後には妊婦にも有機の物を食べさせたいと思っているという話だった。
韓国も台湾も、食の安全に対する取り組みを始めている。日本は農薬や食品添加物の基準でいうと台湾の400倍も緩い。小麦粉のグリホサート残留農薬基準は中国の150倍緩い。そして世界各国がグリホサート、ラウンドアップを規制しようとしているなかで、こともあろうに日本だけがグリホサートの残留農薬基準を、物によっては400倍にまで緩めた。そば粉やナタネなどは75倍、100倍、テンサイは75倍だ。今、世界で一番農薬の残留基準が緩いのが日本だ。
ロシアも2016年に遺伝子組み換え農産物はつくらせない、輸入させないという法律を上院下院で通した。中国も2017年から同じように輸入も国内栽培も禁止している。いずれも国を挙げて有機栽培に力を入れている。アメリカも、じつは遺伝子組み換え農産物は2016年から頭打ちで、今オーガニックの生産がなんと年に10%の割合で伸びている。
先月アメリカに行き、モンタナ州(小麦の大産地)を訪れた。そこで10年前までケミカル農業(農薬や化学肥料を使う農業)をしてきたが、オーガニックに変えたという農家に会った。やめた理由を聞くと、「ケミカル農業をしている農家は家に帰るとすぐに服を脱ぎ捨ててシャワーを浴びないと子どもをハグできなかった。今は子どもたちと一緒に畑の中に入ることができる」という話だった。今、彼のつくった小麦は1ポンド14jだが、ケミカル農業の小麦は1ポンド3・7jだという。農薬や化学肥料にも金がかかる。「彼らは赤字だ。私は早く切り替えてよかった。アメリカでももう有機にしないと農業はやっていけない」と話していた。
自家採種の禁止
政府が自家採種を原則禁止するという種苗法の改定案を、いよいよ来年の通常国会で提出することがはっきりした。今年3月から9月25日まで5回にわたって検討会を開いてきたものだ。
自家採種(自家増殖)というのは、たとえばイチゴの場合は苗を10本とか15本購入し、ランナーで芽出しして次の年に植えたりすることだ。イモやサトウキビ、ジャガイモも同じだ。木の場合は接ぎ木する。そのような自家増殖を現行の種苗法では、二一条にあるように、モンサントなどが登録した品種でも、農家は種を買ったら自由に自家採種し、次の年に植えたり、加工することができる。原則自家採種自由だ。
ただし、第三項に「農林水産省が特例でもっていわば適用しない品目を定めることができる」となっていた。じつは自家採種の禁止は始まっていた。最初はバラ、カーネーションなどの花、その次はキノコ、TPPを批准してからはキャベツ、ブロッコリー、ナス、トマト、スイカ、メロン、キュウリ、ダイコン、ニンジンなど、あらゆるメジャーな野菜や果樹をはじめとする357種類もの植物が指定され、今年新たに野菜のみで31種類指定され、400種類近くになっている。この登録品種を勝手に自家採種したら懲役10年、1000万円以下の罰金で、しかも共謀罪の対象だ。
ところが、アメリカでも主要農産物の小麦は自家採種が3分の2で、3分の1が公共の種子、カナダは8割が自家採種、2割が公共の種子だ。オーストラリアは95%が自家採種で5%が公共の種子だ。それなのに日本はいよいよ自家採種禁止法案を出してきた。農水省の課長に「コメも麦も大豆も自家採種禁止にするのか。それが本当の狙いで、邪魔だったから公共の種子法を先に廃止したのか」と聞くと黙っていた。ところが検討会のとりまとめ(9月25日)には、わざわざ「これまで種苗法では非常に例外が多くて複雑だったから、シンプルなものにして、一律、自家増殖禁止の条文にしたい」と書いてある。そうすると「あまおう」をつくっているイチゴ農家もこれまでのように増殖できない。苗を1本250円ほどで6000本買わなければいけなくなる。
検討会でプレゼンをした茨城県の横田農場は、過疎地のため、人に頼まれて耕作面積が増え、今150fでコメをつくっている。8品種のコメを作付けしているが、そのうち登録品種だけで7dくらい自家採種しているという。コシヒカリなど育種期間(25年)が切れている品種もあるが、まだ切れていない新しい品種(「ゆめぴりか」など)の自家採種をやめて種子を購入すると500万円ほどかかり、「われわれはやっていけない」とプレゼンした。これが民間の種子になるとその10倍=5000万円かかる。ところがこれに一切コメントなしで、自家採種一律禁止という方向で条文にし、来年の通常国会で審議が始まることになった。自民党はどんなことがあってもこの法案を通すとはりきっているという話を耳にし、大変心配しているところだ。
なぜ自家採種を禁止するのか、その理由として農水省は「シャインマスカットなど日本の優秀な育種知見がそのまま中国や韓国に流れた。これを取り締まらなければならない」という。そのために種苗法を改正して、許諾・承認を得るか、新しく買うかしなければいけないのだという。しかし、海外流出を食い止めるのであれば、宮崎県が種牛の精液が海外流出するのを刑事告訴したように、現行法で刑事告訴すれば足りることだ。海外に出たものを取り締まるには、農水省が海外でシャインマスカットの育種登録もしくは商標登録などをすべきではなかったか。それを怠っていて、政府は「種苗法を改正しなければ海外流出を食い止めることができない」といういい方をしている。
1週間ほど前に「日本の種を守る会」は農水省の知財課長を呼んで話を聞いた。そこで農水省は「育種権者が第三者、企業にかわった場合、育種権はどうなるか」を説明した。思い出してほしい。農業競争力強化支援法で、例えばマスカットは農研機構の育種知見だが、それらをモンサントなどの民間企業に譲渡するようになっている。譲渡されて育種権者がかわった場合、そこから許諾を得るか、種苗を買わなければいけなくなるのではないか。県民や国民の税金で開発した育種知見を民間企業に譲渡しておいて、農家(国民・県民)が使うときには民間企業にロイヤリティを払わなければ許諾するわけはないだろう。県や国であれば許諾するであろうし、研究者はみんな使ってほしいと思っている。しかし、民間企業は当然、許諾料をとるか、1本ずつ買えとなるのではないか。
もう一つ、農水省は「これまでの伝統的な固定種をつくっている有機栽培の農家は大丈夫だ。安全だ」と説明している。家庭菜園は私も大丈夫だと思っているが、有機栽培の農家は安心ではない。種苗法二一条では、「登録された品種」と「特性により登録された品種と明確に区別されない品種」も自由に自家採種できるようになっている。野菜は土地と風土、栽培する人や年によって少しずつ変化していくものだ。登録品種であっても変化していくので、今モンサントは子会社を使ってナスやブロッコリー、トマトなど、さまざまな野菜をどんどん登録品種にしている。これらの登録品種と、有機栽培で農家がつくっている野菜のどこが違うのか区別はしにくい。こうして新規の育種登録を次次にした民間企業が、野菜農家などに育種権の侵害として賠償金を求めるようなことになりはしないかと心配している。
すでに企業から生産者が訴えられる裁判が6件起こっている。モンサントの裁判は有名だが、カナダでは有機栽培の伝統的なナタネ農家がモンサントから訴えられて裁判で負けた。日本で有機栽培をしている農家も、ある日突然、モンサントから20億、30億円の賠償金を請求されることもあり得る。実際、今度の種苗法の検討会でリードしたのは知的財産権ネットワークの弁護士だ。日弁連の雑誌にも、「これからは育種権の争いが論点になってくるだろう」と書かれている。
農水省の知財課長の説明では、こうした争いになった場合、裁判所は育種登録した品種の現物と、農家がつくっている作物の違いを求めようとするという。しかし、実際には登録したモンサントの野菜の品種も変化してくるから、その特性を6項目くらい法制化し、それに反したら育種権違反だとやれるよう改正案を準備しているという。これはモンサントなど種子企業が裁判で争えるように改正する内容だ。
アメリカで10年ほど前に自家採種禁止法案が通ったときも、「伝統的な固定種を栽培している有機栽培農家は安全だ」と説明していたが、今は本当に伝統的な有機栽培農家も種子を買わなければならなくなり、事実上、自家採種禁止になってしまった。このことはエップ・レイモンドさんの米国からの報告に詳しく書かれている。決して有機栽培農家、自分で種とりをして伝統的な固定種を栽培している農家も安心ではない。今度の種苗法改定案はどのようなことがあっても反対しなければならない。
種子法が廃止されたとき、農水省は自民党議員のところを「種苗法で守る」といって回った。ところが種苗法改定で自家採種を禁止し、コメも麦も大豆も、すべての種を買わせるのが狙いだった。アメリカもそうだったが、国家は嘘をつくものだ。
私たちは裁判でも争っているが、今後は広島県のジーンバンクのように伝統的な固定種を県が発掘し、それを保存・管理することが大事になってくる。広島県はそれを農家に無償で貸し出している。福岡県でもそのような条例をつくって、企業や民間や県も出資して公社をつくり、守ることが必要になってくる。
日本の経済、地域の経済を発展させていく施策
種子条例は、九州では宮崎県が1番につくり、今、熊本県が種子条例のパブコメで骨子案を発表した。鹿児島県知事もつくることを表明した。この前の議会までに11の道県でできたが、新しく栃木が先日採決し、宮城県の種子条例もパブコメをした。島根県も種子条例をつくることを発表し、岩手県は議員提案でやることが決まった。滋賀県もやる。年内にだいたい16の道県で種子条例ができそうだ。秋田、青森なども動き出しているし、福島も動き出した。来年度までに26の道県で種子条例ができるのではないかと思っている。
種子条例ができる一つのきっかけは、市町村のみなさんが動き出したということだ。1番最初につくった新潟県では、柏崎市が日本で1番最初に種子条例の制定を求める意見書を出した。県内各市町村で動き出し、それをもとに新潟県がつくり、兵庫県、埼玉県、山形県というようにどんどん動いてきた。
地方分権一括法では、国が地方自治体に指揮命令することは一切禁止している。国が地方にいえるのは単なる通知だけだ。通知は法律的にいうと「技術的助言」に過ぎない。法律に反しない限り地方自治体は何でもできるのだ。今治市は食と農の条例をつくった。「遺伝子組み換え農産物はつくらせない」という条例だ。もし市長の承認なくつくれば、2年間の懲役、500万円以下の罰金など、非常に厳しい内容だ。この町で「ゲノム編集のものは表示なくして流通させない」といった条例に刑罰まで定めてつくることができる。韓国は学校給食を条例で全部無償でやっているが、おそらく日本でも学校給食を有機でやる市町村が出てくる。世田谷の区長は無償で学校給食を始めた。同時に今、有機でやろうと真剣に考えているところだ。千葉県いすみ市の学校給食はコメは有機100%だ。普通入札で60`1万3000円くらいだが、2万円で買い、差額を市が補填している。
じつは安倍官邸が悪いといっている時期ではない。農薬から自家採種禁止まで大変なことになろうとしているが、私たちの暮らしは自分で守るしかない。そして自分で守ることができる。住民には請願権が認められている。知っている市会議員や町会議員を通じて、この町で学校給食を有機農産物でやるという条例案を審議してくれという請願を出すと市町村議会はそれを審議しなければいけない。次次にそういったものを出していくことによって地方から変えていくことができる。今、自分が動けば何でもできる。私たちが主役だ。
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/13829
31. 中川隆[-10506] koaQ7Jey 2019年10月29日 11:57:38 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2367]
今、アメリカのスーパーはどこに行ってもオーガニック、「NON GMO」があふれている。アメリカを変えた女性といわれているゼン・ハニーカットさんにもお会いした。彼女はロバート・ケネディ・ジュニア弁護士やジョンソンさんと一緒になって裁判をひっ張って来た人だ。
彼女の子どもは3人ともアレルギーで、そのうち次男のボダイ君は小麦アレルギーがなかったのでパンやパスタをたくさん食べさせた。するとある日突然、理由もないのに怒り出し、暴れ出して自閉症の症状を起こした。驚いて病院に連れて行き、腸内細菌を調べると、クロストリジウムという脳神経を直接おかしくする細菌が、ヨーロッパの環境基準の四倍見つかった。このせいではないかと彼女は考えた。
アメリカでは10年前から小麦の収穫前にラウンドアップをまいていた。ラウンドアップをまくと小麦が枯れるため、コンバインで刈る手間がなくなる。主成分・グリホサートは小麦の芯まで浸透し、水分が一滴もなくなるため、日本に運んで来るまでにカビが生えたり細菌が発生することもない。彼女はこのグリホサートのせいではないかと考え、小麦粉製品を食べさせるのをやめ、有機の物と発酵食品にするとボダイ君の症状は劇的に改善された。
それまで、「グリホサートは食べ物から体内に入ってもすぐに分解されて尿として排出され、体内に残ることはない」という研究論文の下で、アメリカ環境保護局(EPA)も認めて来た。しかし、体内にグリホサートがあるかもしれないと考えた彼女が、母親たちの協力を得て母乳中のグリホサートの検査をすると、9割以上の母親からグリホサートが検出された。
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種子法廃止とこれからの日本の農業について 元農林水産大臣・山田正彦 2019年10月26日
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/13829
私は五島列島出身で、29歳のときに400頭くらい牛を飼っていた。豚も年間8000頭くらい出荷していたので、相当な規模だった。うまくいかず自分で肉屋もやり、最後は県庁前で牛丼屋までやったが、さんざん失敗した。当時4億円くらい借金を抱えた。忘れられないのは当時の農水省の勧めで大型畜産をやった仲間が2人自殺したことだ。私は破産状態だったが、弁護士の資格だけは持っていたので、弁護士をして借金の支払いをしながら、なんとも悔しかったので衆議院に出た。3回敗れて4回目に通り、5期衆議院議員をさせていただき、運良く農林水産大臣にさせていただいた。そのときに、戸別所得補償や飼料米制度、林業再生プラン、漁業の所得保障などいろいろやらせてもらった。そのときちょうどTPP交渉に参加したいという話があり、閣議で大げんかして大臣を辞め、今日までTPP反対運動を続けてきた。
ところがTPPは昨年12月30日に発効した。たった5日間で牛肉の輸入量は半月分になるほど急増した。今年2月1日に日欧EPAも発効し、なんとEU産豚肉は五割増になった。チーズやバター、乳製品、果物類も今だいたい昨年に比べて3割増だ。そんななか日米FTAがいよいよ来年1月には発効する。一番恐れていたことだ。
アメリカは農産物しか売る物がない。日本を見るとトヨタ自動車一社の売上だけで30兆円だ。農林水産物はあわせても8兆円しかない。2年前に「トヨタ自動車その他日本の自動車に25%の報復関税をかける」とトランプからいわれ、霞が関の官邸や農林水産省、経産省から聞こえて来るのは、「このさい、報復関税25%をなんとか延期してもらうために、農林水産物は譲るだけ譲る」ということだった。そしてアメリカの農務省長官も、はっきり「もう日本とは話がついた」と、今年5月からツイッターでいっている。今後大変なことになっていくのではないかと思う。
今、アメリカもオーストラリアもどんどんコシヒカリをつくっている。これが60`4000円で入ってくる。私が農林水産大臣のときにおこなった試算では、今日本のコメの生産原価は60`当り1万5000円だ。昨年の農家の手取りが1万3300円だった。試算ではTPPに参加すると日本の食料自給率は14%まで落ち込むという結果になった。韓国ですら今、食料自給率は48%だ。日本は本当にどうなるのかと心配している。
TPP協定は条約であり、憲法の下で、国内法の上になる。米韓FTAを結んだ韓国が200本の法律を変えたように、日本もTPP協定(8000ページ・30章)に従って、この2年間、次次に法律を変えている。一番最初に変えたのが主要農産物種子法の廃止だ。これについて私は5年前から、「明らかに国の主権を損なうものだ」としてTPP違憲訴訟をしている。その判決が昨年10月31日にあったが、判決のなかで種子法廃止について「背景事情の一つにTPP協定に関する動向があったことは否定できない」と、TPP協定と種子法廃止の関連を最高裁判所は認めた。水道法改定、漁業法の改定、市場法の事実上の廃止、森林管理法の改定など、すべてこれはTPP協定によるものなのだ。
種子法で日本のコメ、麦、大豆は守られてきた
今私たちはおいしいお米を当たり前のように食べている。これは全部、伝統的な固定種だ。種子法のおかげで私たちの主食であるコメ、麦、大豆など、それぞれおいしいものを食べることができた。これがどうなるか。
野菜で考えていただくとわかりやすい。野菜は30年前、みんな伝統的な固定種だった。ところが野菜の種子はF1に変わり、今、90%を海外で生産している。2年前にモンサントの遺伝子組み換え農産物の見学会に行ったとき、思いがけないことを聞いた。「日本の野菜の種子はモンサントでつくっています」といわれたのだ。そんなことはパッケージに書いていない。「委託生産し、委託販売している」という。調べてみるとモンサントは野菜の種子だけで800億つくっている。世界の種子は今、モンサント(バイエル)、ダウ・デュポン、シンジェンダ(中国化工集団傘下)の3社で世界の種の7割を握っている。同時にこの3社で世界の農薬の7割、世界の化学肥料の7割を握っている。
こうして野菜の種子はF1になり、ニンジンでいえばカロチンなど栄養価は3分の1に減っている。F1は科学的にそこまで問題になるとはいわれていないものの、主食のコメ、麦、大豆の公共の種子がなくなると、民間の種子を使わざるを得なくなる。すでにコメ、麦、大豆の民間の種子ができている。
種子法とは
種子法ではコメ、麦、大豆の伝統的な日本の在来種を国が管理し、各都道府県に原種・原原種の維持、優良品種の選定、奨励、審査を制度として義務づけてきた。そのもとで、各地の農業試験場で雑種の混入や不良な種を取り除き、厳格に監査した優良な品種を公共品種として安く安定して提供してきた。
原原種の栽培では、コシヒカリやヒノヒカリなどを1本ずつ植え、毎年つくっている原種を純粋なコシヒカリに合わせて開花時期、丈の高さを揃えていく。四割くらいは黒米や赤米になったりするので、それをとり除いていくと、そこで6割くらいしか残らない。農業試験場に見学に行くと、穂先が1aくらい伸びているなかから、1_か2_違えばとり除いていた。その後も10回前後の抜きとり作業をおこなうなど、「異株」に対して細心の注意を払い、発芽率90%の種をつくり、その後に原種をつくる。3年目にようやく県が種子栽培農家を選定し、圃場を選定して、福岡県であれば「ヒノヒカリ」「発芽率90%以上」と、県として責任を持って保証書を出し、だいたい1`500円ほどでコメ農家に提供してきた。それをコメ農家は4年目につくり、われわれは5年目に食べることができる。そうやって純粋な伝統的な品種をしっかり守っている。麦も大豆も同じだ。
ところが、種子法を廃止するとき政府は「種子法があることで民間の優秀な品種が普及できない」「なかなか売れない」といった。民間の優秀な品種(三井化学の「みつひかり」など)があるではないかと説明して回った。「みつひかり」は野菜と同じようにF1の種子で、伝統的な固定種ではない。価格を見ると、「みつひかり」の種子は4000円なので、公共の種子と比較すると8〜10倍する高い物だ。野菜の種子もF1になって多国籍企業がつくるようになってからは、イチゴやトマトなど1粒1〜2円だったものが、今は40〜50円だ。いずれコメ、麦、大豆の種子も40〜50倍になっていくことは間違いないと思っている。
農家を大企業に隷属させる
私は三井化学の「みつひかり」や住友化学の「つくばSD」の生産者、日本モンサントの「とねのめぐみ」の生産者など、さまざまな方に会ってきた。話を聞くと、民間の種子には必ず、収量がコシヒカリの1・2倍〜4倍、味はヒノヒカリ以上、コシヒカリ以上という内容が書いてある。そしてつくりやすく倒伏しない。しかし実際は必ずしもそうではない。最初の年は化学肥料をやるのでいくらか収量があるが、土壌が追いつかず、だんだん収量が減ってくるのでやめた農家もけっこういた。
実際の契約書を見ると、モンサントの契約書は有名で、何十ページもあって肝心な部分は英語で書かれているのだが、これがたった1枚だった。そのなかに「指示されたことに従わない場合はモンサントに生産者は責任を負う」と書かれている。農薬や化学肥料の指示はなかったのかと聞くと、その方は「そういう指示はなかった」といっていた。
しかし、「つくばSD」の契約書は10ページあり、指定された農薬と化学肥料を必ず使わなければならない、反すると損害賠償責任を負うと書かれていた。そして「収穫されたものはすべて住友化学の指定するところに納めなければならない」となっている。価格については住友化学と生産者とで、「収穫後にそのときの相場を見て決める」となっている。今回の台風のときのように全滅する場合はどうかというと、「災害時の責任はすべて生産者が負う」となっている。これは非常に一方的な契約だ。
「みつひかり」の生産者の話では、最初の年は60`1万2000円で全量引き取りだったからつくったが、翌年は60`1万円、その次の年は9000円になったのでやめたという。私は「よくやめられましたね」といった。この「みつひかり」の契約書だと、正当な理由がなければ、やめるにしても莫大な損害賠償を請求される恐れがある。
これから、地方自治体が公共の種子をつくらなくなると、モンサントなど民間との契約の下、農家はまさにがんじがらめに縛られて、アメリカの農家のように奴隷農場に、借金漬けになっていく。
日本のコメ農家がモンサントへロイヤリティを支払う
もう一つ、「農業競争力強化支援法」の八条三項のなかで、「銘柄が多すぎる」といっている。日本には各県の奨励品種だけで約300品種ある。天皇家の古代米だけで17種類だから、全国でだいたい1000種類のコメがつくられている。そのコメを数種類に集約するという。「民間の種子に」という意味だ。農協潰しの法案といわれた「農業競争力強化支援法」だが、八条四項では、日本(国の農研機構や各都道府県)が蓄積してきた育種知見をすべて民間に提供するとされている。国会で「海外のモンサントなどにも提供するのか」と聞くと、当時の斉藤農水大臣は「TPP協定は内外無差別だから、当然そうなる」と答えている。
そうなるとどうなるか。メキシコはトウモロコシの原産国だが、今、メキシコの農家はモンサントなどにロイヤリティを払わなければトウモロコシをつくることができない。フィリピンもそうなった。日本のコメ農家もそうなっていくということだ。
たとえば福岡県でやっとできたおいしいコメの品種も、提供するとロイヤリティを払わなければならない。国民の税金、県民の税金でつくった新しい品種だ。この育種知見がTPP協定によって多国籍企業に出て行くことになる。
じつは農水省の事務次官が平成29年11月15日付で、「都道府県に一律の制度を義務付けていた種子法及び関連通知は廃止するものの、都道府県が、これまで実施してきた稲、麦類及び大豆の種子に関する業務のすべてを、直ちに取りやめることを求めているわけではない」という通知を出した。「いずれやめなさい」「予算をつけませんよ」という意味だ。さらに、「民間事業者による稲、麦類及び大豆の種子生産への参入が進むまでの間、種子の増殖に必要な栽培技術等の種子の生産に係る知見を維持し、それを民間事業者に対して提供する役割を担う」とある。
三井化学の「みつひかり」や日本モンサントの「とねのめぐみ」などのように、麦でもすでにF1の麦もできている。そういった民間のものが普及するまでの間だけ、各都道府県は育種知見を維持し、その間に民間にそれらの知見をすべて提供する義務があるという通知だ。実際に種子法が廃止になった昨年四月に奈良県、和歌山県、大阪府は県が責任を持ってつくるのをやめ、民間に委託した。県の保証するコメ、麦、大豆の種子は三府県ではなくなった。福岡県も条例をつくらなければそうなっていく。
日本も遺伝子組換えのコメ、麦、大豆を作付けするようになる?
飼料米制度は私が大臣のときにつくったものだ。今コメでは農家は赤字だが、飼料米制度で何とか食べてきている。その飼料米農家に先日、農政局から説明があり、「反当り11俵以上とれないと補助金を出さない」という話が出てきたという。調べて見ると、すでにゲノム編集の飼料米の種子が用意されていた。その農家が「これからはF1か遺伝子組み換えの飼料米をつくらなければいけないのではないか」と心配していたが、まさにそうだった。そして「WRKY45(ワーキー45)」というゲノム編集のコシヒカリの種子も用意されていた。
ゲノム編集について、昨年8月7日の『日本農業新聞』の1面に「GM技術該当せず」とある。ゲノム編集は遺伝子組み換えの一つだが、「遺伝子組み換え技術に該当せず、安全だ」といい始めたのだ。『日本経済新聞』(今年3月19日付)には「ゲノム編集食品、夏にも」とある。実際にはこの10月1日にゲノム編集食品は解禁された。任意の届け出のみで表示もないまま、いよいよ流通し始める。
ゲノム編集とはなにか。例えばトマトの熟成する遺伝子だけを粉砕すると、熟成せず腐らなくなる。3年間、青青としているトマトができている。それを収穫して倉庫に入れておき、出荷のさいにエチレンガスをかけると真っ赤になる。それが本当に安全なものなのだろうか。
EUでは、遺伝子組み換えは原則禁止しており、ゲノム編集は遺伝子組み換えであるとして使わないようにしている。ところが日本は、「ゲノム編集は遺伝子組み換えと違い、新しい別の種類の遺伝子を組み換えて入れるわけではない。アミノ酸に変わりないから安全だ」といっている。ところがアメリカもそうではない。先日訪米し、遺伝子組み換えの分野では右に出る人はいないというチャペラ教授に話を聞いたが、最初「ゲノム編集」といっても伝わらなかった。そして「そうか、山田さんがいっているのはNEW GMOのことだな」といわれた。アメリカでもみな、遺伝子組み換えの延長線上の話だという認識だ。しかし日本だけはゲノム編集は遺伝子組み換えと違うといい出した。
今、ネイチャー誌に論文が載っているように、「ネズミ1匹の遺伝子を粉砕すると1600」の副作用がある。
たとえば、中国でゲノム編集によって双子の赤ちゃんが生まれた。父親がエイズだったので、生まれてくる子どもがエイズにならないよう、ウイルスにかかっている遺伝子だけを壊した。すると思いがけず双子が生まれた。しかし、2人はエイズにはかからないが、西ナイル熱ウイルスにはかかる、インフルエンザにかかると重症化する、免疫疾患になる、短命であるなど、さまざまな影響があることがわかってきた。
ゲノム編集食品で最初に、もうすでに日本に入ってきているのは高オレイン酸大豆だ。アメリカでは「ゲノム編集の大豆」「遺伝子組み換え大豆」というと、今ほとんど売れない。それで安倍総理は日米FTA交渉のなかで受け入れた。何の表示もないまま、食用油としてすぐに店頭に並ぶと思う。これがどういう作用があるのかはまったくわからない。
ゲノム編集の高オレイン酸大豆や、カーギルが関与している除草剤耐性のあるナタネなどが日本に入ってきたところだと思うが、さらに政府はそれについて「有機(JAS)」の認証をできないか検討を始めた。9月30日に第1回の検討会があり、第2回が近く予定されている。アメリカですでに用意されている遺伝子組み換えのコメの種子、ゲノム編集のコメの種子、麦、大豆、ジャガイモなどについて、「有機」の認証をしたいというのだ。話を聞き、資料を読んでみると、認証することが前提の検討会になっている。今、遺伝子組み換え食品について、日本は政府が318種類も承認している。アメリカですら197種類だから日本はダントツだ。
遺伝子組み換え農作物は、すべて除草剤・ラウンドアップ耐性だ。ラウンドアップをまくと植物は枯れる。主成分のグリホサートはベトナム戦争の枯れ葉剤と考えればよい。植物がアミノ酸をつくるシキミ酸経路を破壊するので、植物はアミノ酸をつくれず枯れる。ところがグリホサート耐性を持たせた農作物は、いくらグリホサートをまいても死なず、すくすくと生きている。ところが、そのラウンドアップで今大変なことが起きている。
ラウンドアップ裁判
アメリカで昨年8月10日、歴史的な裁判があった。
学校の用務員ジョンソンさんが、校庭の除草のために20〜30回ラウンドアップをまくと、腕に腫瘍ができ、末期ガンであることがわかった。モンサントのラウンドアップ以外に考えられないと、モンサントを訴えた裁判だが、モンサントに320億円支払えという評決が出た。判決は86億円に訂正されたが、これは世界のトップニュースになり、世界中に激震が走った。
世界各国でじつは今、グリホサート、ラウンドアップの規制が広がっている。ラウンドアップをやめた国は24カ国、規制している国は33カ国にのぼっている。隣の韓国もラウンドアップの使用をやめ、ネオニコチノイドの空中散布や屋外の使用を一切禁止している。
ラウンドアップをめぐる裁判は次次に起きており、ジョンソンさんの次には88億円、3例目の夫婦のガン患者には2200億円支払えという評決が出た。サンフランシスコでジョンソンさんに会い、インタビューをすることができたが、腕はケロイド状で肉が出ていた。彼は、「妻がハグすると皮がずりっと落ちて大変なので、今優しく抱いてもらっているだけだ。子どもはどうやらあきらめがついたようだが、妻はまだあきらめがついていないようだ」と話していた。日本に対するメッセージを求めると、「ラウンドアップの使用をできるだけ早くやめてほしい。日本だけでなく世界の人にそういいたい」といわれていた。
その後、この訴訟にかかわったロバート・ケネディ・ジュニア弁護士にもインタビューした。彼は叔父のジョン・F・ケネディがホワイトハウスにいるときに、レイチェル・カーソン女史に会ったという。当時、モンサントはDDTを世界中で売りまくっていて、レイチェル・カーソン女史は「鳥も鳴かない春が来る」といい、モンサントから徹底的に糾弾されていたそうだ。そのときからロバート・ケネディ・ジュニア弁護士は30年間モンサントとたたかってきたという。
裁判で勝利できたのは、モンサントが所有している最高の内部機密資料を裁判に出すことができたからだという。その内部機密資料によって、モンサントは19年前から、遺伝子組み換え作物やグリホサートでガンになることを認識していたことが明らかになった。実証の結果わかっていたのに悪質な隠蔽工作を続け、今日まで売り続けてきていたのだ。ロバート・ケネディ・ジュニア弁護士の話では、例えばニューヨークでは「ラウンドアップはコーヒーやピクルスと同じように飲んでも健康な大丈夫なものです」と宣伝していた。これは明らかな間違いなので、モンサントは莫大な罰金を払わされることになったという。
日本では、「すぐに生分解されて自然に戻るから害がないとコマーシャルしている」と話すと、明らかに虚偽の事実で、公共放送でやるなど考えられないといわれていた。TPP違憲訴訟をするうえで裁判資料の提供を依頼すると、喜んで承諾して下さり、「日米で一緒にたたかいましょう」という話になった。
今回、劇的な裁判となったが、すでにアメリカで5万件、同様の裁判が起こされており、カナダやオーストラリアでもモンサントに対する同様の裁判がなされている。モンサントを昨年6月に買収したバイエルは今、株価が5割下がっている。そしてついに正社員の1割に当たる1万2000人のリストラを発表し、動物医薬品を売るドル箱だった会社を売却した。アメリカでもEUでも「モンサントは終わった」といわれ、バイエルも危ないといわれているほどだ。
オーガニック食品の広がり
今、アメリカのスーパーはどこに行ってもオーガニック、「NON GMO」があふれている。アメリカを変えた女性といわれているゼン・ハニーカットさんにもお会いした。彼女はロバート・ケネディ・ジュニア弁護士やジョンソンさんと一緒になって裁判をひっ張って来た人だ。
彼女の子どもは3人ともアレルギーで、そのうち次男のボダイ君は小麦アレルギーがなかったのでパンやパスタをたくさん食べさせた。するとある日突然、理由もないのに怒り出し、暴れ出して自閉症の症状を起こした。驚いて病院に連れて行き、腸内細菌を調べると、クロストリジウムという脳神経を直接おかしくする細菌が、ヨーロッパの環境基準の四倍見つかった。このせいではないかと彼女は考えた。
アメリカでは10年前から小麦の収穫前にラウンドアップをまいていた。ラウンドアップをまくと小麦が枯れるため、コンバインで刈る手間がなくなる。主成分・グリホサートは小麦の芯まで浸透し、水分が一滴もなくなるため、日本に運んで来るまでにカビが生えたり細菌が発生することもない。彼女はこのグリホサートのせいではないかと考え、小麦粉製品を食べさせるのをやめ、有機の物と発酵食品にするとボダイ君の症状は劇的に改善された。
それまで、「グリホサートは食べ物から体内に入ってもすぐに分解されて尿として排出され、体内に残ることはない」という研究論文の下で、アメリカ環境保護局(EPA)も認めて来た。しかし、体内にグリホサートがあるかもしれないと考えた彼女が、母親たちの協力を得て母乳中のグリホサートの検査をすると、9割以上の母親からグリホサートが検出された。
私はそれを聞いて日本で何とか調べたいと思い、フランスのクズサイエンスというところに髪の毛を送って調べてもらった。1キット5万円したが、30キット購入し、国会議員23人や私も含め総勢30人を調べると30人中21人からグリホサートが検出された。これを黒田純子博士が聞いて驚いた。「尿で検査すると日本人みんなから検出されるのではないか」と。
今の医学では1個の細胞が生きるのに10個の腸内細菌の力を借りなければいけないといわれている。私たちは腸内細菌で生かされている。グリホサートはその腸内細菌のうち善玉菌をほとんど殺してしまう。そうなるとガンになったり、切迫流産や生殖系の機能を阻害したり、自閉症になることなどが明らかになってきている。黒田純子博士は、「じつはグリホサートは遺伝子を傷つけるのではなく、メチル化するのだ」といわれた。メチル化とは、遺伝子のオン・オフを人によって突然切り替えるのだそうだ。そうなるとこの遺伝子がそのままゲノム編集と同じ効果になる。
ネズミの実験ではF0(大人の世代)、F1(子どもたちの世代)にはほとんど影響はないという。ただF3(孫)、F4(ひ孫)の時代に異常が出てくるという。遺伝子そのものが変わるため、最初の角度が一度違っても、遠くに行くほど角度が開くそうだ。
ラウンドアップにかわる除草剤
ラウンドアップは今のJAでもどこでも売っている。しかし、お母さんたちが反対運動をしてダイソーは8月8日から販売をやめた。ラウンドアップにかわる天然素材の除草剤はないか調べていると、オーストラリアでオーガニック・コンタクト社の除草剤を、昨年暮れ近くになって政府が有効な除草剤としたことがわかった。この話を聞いてすぐにサンプルを輸入してもらい、試験してみた。すると1時間で雑草に黒く斑点ができてひっくり返っていき、4時間後には一部だが茶色く枯れた。これを、アメリカのEPAが除草剤として承認した。EUも審議中で、スリランカ、ニュージーランドも承認し、4カ国が承認したところだ。何とかしてラウンドアップをやめたい。
世界に逆行する日本―世界の流れは有機・自然栽培、非遺伝子組み換え作物に
アメリカのダイソーで販売しているポテトチップには警告として「揚げたジャガイモ(ポテトチップスなどの)には、発がん性や、先天性血管、そのほかの生殖系への悪影響を引き起こすことが知られている、アクリルアミドという化学物質が含まれています」という表示がされている。日本では普通に食べている。カラムーチョもそうだ。世界は食品表示が厳しいのに、これから日本で売られるゲノム編集の大豆やナタネでつくられる食用油は、何の表示もないまま合法的に売られる。しかも政府はこれを「有機(JAS)」で売りたいという検討会まで始めている。まさに世界の流れと逆行している。
韓国のスーパーでもオーガニックコーナーができ、オルゴク小学校(清州市・500人)では、有機・無償で学校給食を提供している。パンやサンドイッチは輸入小麦に頼らざるを得ないのではないかと思ったが、パンやパスタは一切使わず、うどんは全部国産の小麦粉だという。日本の大手3社の小麦粉を調べてみると、グリホサートがたくさん含まれている。もっとも入っているのが日清製粉の「全粒粉強力粉」だ。オルゴク小学校はアレルギーの子どもが七人しかいなかった。
韓国の農水省の課長に全国の状況を聞くと、ほぼ小・中学校は有機・無償でやっており、高校はもう少しかかるということだった。保育園・幼稚園でも始め、何年か後には妊婦にも有機の物を食べさせたいと思っているという話だった。
韓国も台湾も、食の安全に対する取り組みを始めている。日本は農薬や食品添加物の基準でいうと台湾の400倍も緩い。小麦粉のグリホサート残留農薬基準は中国の150倍緩い。そして世界各国がグリホサート、ラウンドアップを規制しようとしているなかで、こともあろうに日本だけがグリホサートの残留農薬基準を、物によっては400倍にまで緩めた。そば粉やナタネなどは75倍、100倍、テンサイは75倍だ。今、世界で一番農薬の残留基準が緩いのが日本だ。
ロシアも2016年に遺伝子組み換え農産物はつくらせない、輸入させないという法律を上院下院で通した。中国も2017年から同じように輸入も国内栽培も禁止している。いずれも国を挙げて有機栽培に力を入れている。アメリカも、じつは遺伝子組み換え農産物は2016年から頭打ちで、今オーガニックの生産がなんと年に10%の割合で伸びている。
先月アメリカに行き、モンタナ州(小麦の大産地)を訪れた。そこで10年前までケミカル農業(農薬や化学肥料を使う農業)をしてきたが、オーガニックに変えたという農家に会った。やめた理由を聞くと、「ケミカル農業をしている農家は家に帰るとすぐに服を脱ぎ捨ててシャワーを浴びないと子どもをハグできなかった。今は子どもたちと一緒に畑の中に入ることができる」という話だった。今、彼のつくった小麦は1ポンド14jだが、ケミカル農業の小麦は1ポンド3・7jだという。農薬や化学肥料にも金がかかる。「彼らは赤字だ。私は早く切り替えてよかった。アメリカでももう有機にしないと農業はやっていけない」と話していた。
自家採種の禁止
政府が自家採種を原則禁止するという種苗法の改定案を、いよいよ来年の通常国会で提出することがはっきりした。今年3月から9月25日まで5回にわたって検討会を開いてきたものだ。
自家採種(自家増殖)というのは、たとえばイチゴの場合は苗を10本とか15本購入し、ランナーで芽出しして次の年に植えたりすることだ。イモやサトウキビ、ジャガイモも同じだ。木の場合は接ぎ木する。そのような自家増殖を現行の種苗法では、二一条にあるように、モンサントなどが登録した品種でも、農家は種を買ったら自由に自家採種し、次の年に植えたり、加工することができる。原則自家採種自由だ。
ただし、第三項に「農林水産省が特例でもっていわば適用しない品目を定めることができる」となっていた。じつは自家採種の禁止は始まっていた。最初はバラ、カーネーションなどの花、その次はキノコ、TPPを批准してからはキャベツ、ブロッコリー、ナス、トマト、スイカ、メロン、キュウリ、ダイコン、ニンジンなど、あらゆるメジャーな野菜や果樹をはじめとする357種類もの植物が指定され、今年新たに野菜のみで31種類指定され、400種類近くになっている。この登録品種を勝手に自家採種したら懲役10年、1000万円以下の罰金で、しかも共謀罪の対象だ。
ところが、アメリカでも主要農産物の小麦は自家採種が3分の2で、3分の1が公共の種子、カナダは8割が自家採種、2割が公共の種子だ。オーストラリアは95%が自家採種で5%が公共の種子だ。それなのに日本はいよいよ自家採種禁止法案を出してきた。農水省の課長に「コメも麦も大豆も自家採種禁止にするのか。それが本当の狙いで、邪魔だったから公共の種子法を先に廃止したのか」と聞くと黙っていた。ところが検討会のとりまとめ(9月25日)には、わざわざ「これまで種苗法では非常に例外が多くて複雑だったから、シンプルなものにして、一律、自家増殖禁止の条文にしたい」と書いてある。そうすると「あまおう」をつくっているイチゴ農家もこれまでのように増殖できない。苗を1本250円ほどで6000本買わなければいけなくなる。
検討会でプレゼンをした茨城県の横田農場は、過疎地のため、人に頼まれて耕作面積が増え、今150fでコメをつくっている。8品種のコメを作付けしているが、そのうち登録品種だけで7dくらい自家採種しているという。コシヒカリなど育種期間(25年)が切れている品種もあるが、まだ切れていない新しい品種(「ゆめぴりか」など)の自家採種をやめて種子を購入すると500万円ほどかかり、「われわれはやっていけない」とプレゼンした。これが民間の種子になるとその10倍=5000万円かかる。ところがこれに一切コメントなしで、自家採種一律禁止という方向で条文にし、来年の通常国会で審議が始まることになった。自民党はどんなことがあってもこの法案を通すとはりきっているという話を耳にし、大変心配しているところだ。
なぜ自家採種を禁止するのか、その理由として農水省は「シャインマスカットなど日本の優秀な育種知見がそのまま中国や韓国に流れた。これを取り締まらなければならない」という。そのために種苗法を改正して、許諾・承認を得るか、新しく買うかしなければいけないのだという。しかし、海外流出を食い止めるのであれば、宮崎県が種牛の精液が海外流出するのを刑事告訴したように、現行法で刑事告訴すれば足りることだ。海外に出たものを取り締まるには、農水省が海外でシャインマスカットの育種登録もしくは商標登録などをすべきではなかったか。それを怠っていて、政府は「種苗法を改正しなければ海外流出を食い止めることができない」といういい方をしている。
1週間ほど前に「日本の種を守る会」は農水省の知財課長を呼んで話を聞いた。そこで農水省は「育種権者が第三者、企業にかわった場合、育種権はどうなるか」を説明した。思い出してほしい。農業競争力強化支援法で、例えばマスカットは農研機構の育種知見だが、それらをモンサントなどの民間企業に譲渡するようになっている。譲渡されて育種権者がかわった場合、そこから許諾を得るか、種苗を買わなければいけなくなるのではないか。県民や国民の税金で開発した育種知見を民間企業に譲渡しておいて、農家(国民・県民)が使うときには民間企業にロイヤリティを払わなければ許諾するわけはないだろう。県や国であれば許諾するであろうし、研究者はみんな使ってほしいと思っている。しかし、民間企業は当然、許諾料をとるか、1本ずつ買えとなるのではないか。
もう一つ、農水省は「これまでの伝統的な固定種をつくっている有機栽培の農家は大丈夫だ。安全だ」と説明している。家庭菜園は私も大丈夫だと思っているが、有機栽培の農家は安心ではない。種苗法二一条では、「登録された品種」と「特性により登録された品種と明確に区別されない品種」も自由に自家採種できるようになっている。野菜は土地と風土、栽培する人や年によって少しずつ変化していくものだ。登録品種であっても変化していくので、今モンサントは子会社を使ってナスやブロッコリー、トマトなど、さまざまな野菜をどんどん登録品種にしている。これらの登録品種と、有機栽培で農家がつくっている野菜のどこが違うのか区別はしにくい。こうして新規の育種登録を次次にした民間企業が、野菜農家などに育種権の侵害として賠償金を求めるようなことになりはしないかと心配している。
すでに企業から生産者が訴えられる裁判が6件起こっている。モンサントの裁判は有名だが、カナダでは有機栽培の伝統的なナタネ農家がモンサントから訴えられて裁判で負けた。日本で有機栽培をしている農家も、ある日突然、モンサントから20億、30億円の賠償金を請求されることもあり得る。実際、今度の種苗法の検討会でリードしたのは知的財産権ネットワークの弁護士だ。日弁連の雑誌にも、「これからは育種権の争いが論点になってくるだろう」と書かれている。
農水省の知財課長の説明では、こうした争いになった場合、裁判所は育種登録した品種の現物と、農家がつくっている作物の違いを求めようとするという。しかし、実際には登録したモンサントの野菜の品種も変化してくるから、その特性を6項目くらい法制化し、それに反したら育種権違反だとやれるよう改正案を準備しているという。これはモンサントなど種子企業が裁判で争えるように改正する内容だ。
アメリカで10年ほど前に自家採種禁止法案が通ったときも、「伝統的な固定種を栽培している有機栽培農家は安全だ」と説明していたが、今は本当に伝統的な有機栽培農家も種子を買わなければならなくなり、事実上、自家採種禁止になってしまった。このことはエップ・レイモンドさんの米国からの報告に詳しく書かれている。決して有機栽培農家、自分で種とりをして伝統的な固定種を栽培している農家も安心ではない。今度の種苗法改定案はどのようなことがあっても反対しなければならない。
種子法が廃止されたとき、農水省は自民党議員のところを「種苗法で守る」といって回った。ところが種苗法改定で自家採種を禁止し、コメも麦も大豆も、すべての種を買わせるのが狙いだった。アメリカもそうだったが、国家は嘘をつくものだ。
私たちは裁判でも争っているが、今後は広島県のジーンバンクのように伝統的な固定種を県が発掘し、それを保存・管理することが大事になってくる。広島県はそれを農家に無償で貸し出している。福岡県でもそのような条例をつくって、企業や民間や県も出資して公社をつくり、守ることが必要になってくる。
日本の経済、地域の経済を発展させていく施策
種子条例は、九州では宮崎県が1番につくり、今、熊本県が種子条例のパブコメで骨子案を発表した。鹿児島県知事もつくることを表明した。この前の議会までに11の道県でできたが、新しく栃木が先日採決し、宮城県の種子条例もパブコメをした。島根県も種子条例をつくることを発表し、岩手県は議員提案でやることが決まった。滋賀県もやる。年内にだいたい16の道県で種子条例ができそうだ。秋田、青森なども動き出しているし、福島も動き出した。来年度までに26の道県で種子条例ができるのではないかと思っている。
種子条例ができる一つのきっかけは、市町村のみなさんが動き出したということだ。1番最初につくった新潟県では、柏崎市が日本で1番最初に種子条例の制定を求める意見書を出した。県内各市町村で動き出し、それをもとに新潟県がつくり、兵庫県、埼玉県、山形県というようにどんどん動いてきた。
地方分権一括法では、国が地方自治体に指揮命令することは一切禁止している。国が地方にいえるのは単なる通知だけだ。通知は法律的にいうと「技術的助言」に過ぎない。法律に反しない限り地方自治体は何でもできるのだ。今治市は食と農の条例をつくった。「遺伝子組み換え農産物はつくらせない」という条例だ。もし市長の承認なくつくれば、2年間の懲役、500万円以下の罰金など、非常に厳しい内容だ。この町で「ゲノム編集のものは表示なくして流通させない」といった条例に刑罰まで定めてつくることができる。韓国は学校給食を条例で全部無償でやっているが、おそらく日本でも学校給食を有機でやる市町村が出てくる。世田谷の区長は無償で学校給食を始めた。同時に今、有機でやろうと真剣に考えているところだ。千葉県いすみ市の学校給食はコメは有機100%だ。普通入札で60`1万3000円くらいだが、2万円で買い、差額を市が補填している。
じつは安倍官邸が悪いといっている時期ではない。農薬から自家採種禁止まで大変なことになろうとしているが、私たちの暮らしは自分で守るしかない。そして自分で守ることができる。住民には請願権が認められている。知っている市会議員や町会議員を通じて、この町で学校給食を有機農産物でやるという条例案を審議してくれという請願を出すと市町村議会はそれを審議しなければいけない。次次にそういったものを出していくことによって地方から変えていくことができる。今、自分が動けば何でもできる。私たちが主役だ。
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/13829
6. 中川隆[-10505] koaQ7Jey 2019年10月29日 11:58:20 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2368]
今、アメリカのスーパーはどこに行ってもオーガニック、「NON GMO」があふれている。アメリカを変えた女性といわれているゼン・ハニーカットさんにもお会いした。彼女はロバート・ケネディ・ジュニア弁護士やジョンソンさんと一緒になって裁判をひっ張って来た人だ。
彼女の子どもは3人ともアレルギーで、そのうち次男のボダイ君は小麦アレルギーがなかったのでパンやパスタをたくさん食べさせた。するとある日突然、理由もないのに怒り出し、暴れ出して自閉症の症状を起こした。驚いて病院に連れて行き、腸内細菌を調べると、クロストリジウムという脳神経を直接おかしくする細菌が、ヨーロッパの環境基準の四倍見つかった。このせいではないかと彼女は考えた。
アメリカでは10年前から小麦の収穫前にラウンドアップをまいていた。ラウンドアップをまくと小麦が枯れるため、コンバインで刈る手間がなくなる。主成分・グリホサートは小麦の芯まで浸透し、水分が一滴もなくなるため、日本に運んで来るまでにカビが生えたり細菌が発生することもない。彼女はこのグリホサートのせいではないかと考え、小麦粉製品を食べさせるのをやめ、有機の物と発酵食品にするとボダイ君の症状は劇的に改善された。
それまで、「グリホサートは食べ物から体内に入ってもすぐに分解されて尿として排出され、体内に残ることはない」という研究論文の下で、アメリカ環境保護局(EPA)も認めて来た。しかし、体内にグリホサートがあるかもしれないと考えた彼女が、母親たちの協力を得て母乳中のグリホサートの検査をすると、9割以上の母親からグリホサートが検出された。
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種子法廃止とこれからの日本の農業について 元農林水産大臣・山田正彦 2019年10月26日
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/13829
私は五島列島出身で、29歳のときに400頭くらい牛を飼っていた。豚も年間8000頭くらい出荷していたので、相当な規模だった。うまくいかず自分で肉屋もやり、最後は県庁前で牛丼屋までやったが、さんざん失敗した。当時4億円くらい借金を抱えた。忘れられないのは当時の農水省の勧めで大型畜産をやった仲間が2人自殺したことだ。私は破産状態だったが、弁護士の資格だけは持っていたので、弁護士をして借金の支払いをしながら、なんとも悔しかったので衆議院に出た。3回敗れて4回目に通り、5期衆議院議員をさせていただき、運良く農林水産大臣にさせていただいた。そのときに、戸別所得補償や飼料米制度、林業再生プラン、漁業の所得保障などいろいろやらせてもらった。そのときちょうどTPP交渉に参加したいという話があり、閣議で大げんかして大臣を辞め、今日までTPP反対運動を続けてきた。
ところがTPPは昨年12月30日に発効した。たった5日間で牛肉の輸入量は半月分になるほど急増した。今年2月1日に日欧EPAも発効し、なんとEU産豚肉は五割増になった。チーズやバター、乳製品、果物類も今だいたい昨年に比べて3割増だ。そんななか日米FTAがいよいよ来年1月には発効する。一番恐れていたことだ。
アメリカは農産物しか売る物がない。日本を見るとトヨタ自動車一社の売上だけで30兆円だ。農林水産物はあわせても8兆円しかない。2年前に「トヨタ自動車その他日本の自動車に25%の報復関税をかける」とトランプからいわれ、霞が関の官邸や農林水産省、経産省から聞こえて来るのは、「このさい、報復関税25%をなんとか延期してもらうために、農林水産物は譲るだけ譲る」ということだった。そしてアメリカの農務省長官も、はっきり「もう日本とは話がついた」と、今年5月からツイッターでいっている。今後大変なことになっていくのではないかと思う。
今、アメリカもオーストラリアもどんどんコシヒカリをつくっている。これが60`4000円で入ってくる。私が農林水産大臣のときにおこなった試算では、今日本のコメの生産原価は60`当り1万5000円だ。昨年の農家の手取りが1万3300円だった。試算ではTPPに参加すると日本の食料自給率は14%まで落ち込むという結果になった。韓国ですら今、食料自給率は48%だ。日本は本当にどうなるのかと心配している。
TPP協定は条約であり、憲法の下で、国内法の上になる。米韓FTAを結んだ韓国が200本の法律を変えたように、日本もTPP協定(8000ページ・30章)に従って、この2年間、次次に法律を変えている。一番最初に変えたのが主要農産物種子法の廃止だ。これについて私は5年前から、「明らかに国の主権を損なうものだ」としてTPP違憲訴訟をしている。その判決が昨年10月31日にあったが、判決のなかで種子法廃止について「背景事情の一つにTPP協定に関する動向があったことは否定できない」と、TPP協定と種子法廃止の関連を最高裁判所は認めた。水道法改定、漁業法の改定、市場法の事実上の廃止、森林管理法の改定など、すべてこれはTPP協定によるものなのだ。
種子法で日本のコメ、麦、大豆は守られてきた
今私たちはおいしいお米を当たり前のように食べている。これは全部、伝統的な固定種だ。種子法のおかげで私たちの主食であるコメ、麦、大豆など、それぞれおいしいものを食べることができた。これがどうなるか。
野菜で考えていただくとわかりやすい。野菜は30年前、みんな伝統的な固定種だった。ところが野菜の種子はF1に変わり、今、90%を海外で生産している。2年前にモンサントの遺伝子組み換え農産物の見学会に行ったとき、思いがけないことを聞いた。「日本の野菜の種子はモンサントでつくっています」といわれたのだ。そんなことはパッケージに書いていない。「委託生産し、委託販売している」という。調べてみるとモンサントは野菜の種子だけで800億つくっている。世界の種子は今、モンサント(バイエル)、ダウ・デュポン、シンジェンダ(中国化工集団傘下)の3社で世界の種の7割を握っている。同時にこの3社で世界の農薬の7割、世界の化学肥料の7割を握っている。
こうして野菜の種子はF1になり、ニンジンでいえばカロチンなど栄養価は3分の1に減っている。F1は科学的にそこまで問題になるとはいわれていないものの、主食のコメ、麦、大豆の公共の種子がなくなると、民間の種子を使わざるを得なくなる。すでにコメ、麦、大豆の民間の種子ができている。
種子法とは
種子法ではコメ、麦、大豆の伝統的な日本の在来種を国が管理し、各都道府県に原種・原原種の維持、優良品種の選定、奨励、審査を制度として義務づけてきた。そのもとで、各地の農業試験場で雑種の混入や不良な種を取り除き、厳格に監査した優良な品種を公共品種として安く安定して提供してきた。
原原種の栽培では、コシヒカリやヒノヒカリなどを1本ずつ植え、毎年つくっている原種を純粋なコシヒカリに合わせて開花時期、丈の高さを揃えていく。四割くらいは黒米や赤米になったりするので、それをとり除いていくと、そこで6割くらいしか残らない。農業試験場に見学に行くと、穂先が1aくらい伸びているなかから、1_か2_違えばとり除いていた。その後も10回前後の抜きとり作業をおこなうなど、「異株」に対して細心の注意を払い、発芽率90%の種をつくり、その後に原種をつくる。3年目にようやく県が種子栽培農家を選定し、圃場を選定して、福岡県であれば「ヒノヒカリ」「発芽率90%以上」と、県として責任を持って保証書を出し、だいたい1`500円ほどでコメ農家に提供してきた。それをコメ農家は4年目につくり、われわれは5年目に食べることができる。そうやって純粋な伝統的な品種をしっかり守っている。麦も大豆も同じだ。
ところが、種子法を廃止するとき政府は「種子法があることで民間の優秀な品種が普及できない」「なかなか売れない」といった。民間の優秀な品種(三井化学の「みつひかり」など)があるではないかと説明して回った。「みつひかり」は野菜と同じようにF1の種子で、伝統的な固定種ではない。価格を見ると、「みつひかり」の種子は4000円なので、公共の種子と比較すると8〜10倍する高い物だ。野菜の種子もF1になって多国籍企業がつくるようになってからは、イチゴやトマトなど1粒1〜2円だったものが、今は40〜50円だ。いずれコメ、麦、大豆の種子も40〜50倍になっていくことは間違いないと思っている。
農家を大企業に隷属させる
私は三井化学の「みつひかり」や住友化学の「つくばSD」の生産者、日本モンサントの「とねのめぐみ」の生産者など、さまざまな方に会ってきた。話を聞くと、民間の種子には必ず、収量がコシヒカリの1・2倍〜4倍、味はヒノヒカリ以上、コシヒカリ以上という内容が書いてある。そしてつくりやすく倒伏しない。しかし実際は必ずしもそうではない。最初の年は化学肥料をやるのでいくらか収量があるが、土壌が追いつかず、だんだん収量が減ってくるのでやめた農家もけっこういた。
実際の契約書を見ると、モンサントの契約書は有名で、何十ページもあって肝心な部分は英語で書かれているのだが、これがたった1枚だった。そのなかに「指示されたことに従わない場合はモンサントに生産者は責任を負う」と書かれている。農薬や化学肥料の指示はなかったのかと聞くと、その方は「そういう指示はなかった」といっていた。
しかし、「つくばSD」の契約書は10ページあり、指定された農薬と化学肥料を必ず使わなければならない、反すると損害賠償責任を負うと書かれていた。そして「収穫されたものはすべて住友化学の指定するところに納めなければならない」となっている。価格については住友化学と生産者とで、「収穫後にそのときの相場を見て決める」となっている。今回の台風のときのように全滅する場合はどうかというと、「災害時の責任はすべて生産者が負う」となっている。これは非常に一方的な契約だ。
「みつひかり」の生産者の話では、最初の年は60`1万2000円で全量引き取りだったからつくったが、翌年は60`1万円、その次の年は9000円になったのでやめたという。私は「よくやめられましたね」といった。この「みつひかり」の契約書だと、正当な理由がなければ、やめるにしても莫大な損害賠償を請求される恐れがある。
これから、地方自治体が公共の種子をつくらなくなると、モンサントなど民間との契約の下、農家はまさにがんじがらめに縛られて、アメリカの農家のように奴隷農場に、借金漬けになっていく。
日本のコメ農家がモンサントへロイヤリティを支払う
もう一つ、「農業競争力強化支援法」の八条三項のなかで、「銘柄が多すぎる」といっている。日本には各県の奨励品種だけで約300品種ある。天皇家の古代米だけで17種類だから、全国でだいたい1000種類のコメがつくられている。そのコメを数種類に集約するという。「民間の種子に」という意味だ。農協潰しの法案といわれた「農業競争力強化支援法」だが、八条四項では、日本(国の農研機構や各都道府県)が蓄積してきた育種知見をすべて民間に提供するとされている。国会で「海外のモンサントなどにも提供するのか」と聞くと、当時の斉藤農水大臣は「TPP協定は内外無差別だから、当然そうなる」と答えている。
そうなるとどうなるか。メキシコはトウモロコシの原産国だが、今、メキシコの農家はモンサントなどにロイヤリティを払わなければトウモロコシをつくることができない。フィリピンもそうなった。日本のコメ農家もそうなっていくということだ。
たとえば福岡県でやっとできたおいしいコメの品種も、提供するとロイヤリティを払わなければならない。国民の税金、県民の税金でつくった新しい品種だ。この育種知見がTPP協定によって多国籍企業に出て行くことになる。
じつは農水省の事務次官が平成29年11月15日付で、「都道府県に一律の制度を義務付けていた種子法及び関連通知は廃止するものの、都道府県が、これまで実施してきた稲、麦類及び大豆の種子に関する業務のすべてを、直ちに取りやめることを求めているわけではない」という通知を出した。「いずれやめなさい」「予算をつけませんよ」という意味だ。さらに、「民間事業者による稲、麦類及び大豆の種子生産への参入が進むまでの間、種子の増殖に必要な栽培技術等の種子の生産に係る知見を維持し、それを民間事業者に対して提供する役割を担う」とある。
三井化学の「みつひかり」や日本モンサントの「とねのめぐみ」などのように、麦でもすでにF1の麦もできている。そういった民間のものが普及するまでの間だけ、各都道府県は育種知見を維持し、その間に民間にそれらの知見をすべて提供する義務があるという通知だ。実際に種子法が廃止になった昨年四月に奈良県、和歌山県、大阪府は県が責任を持ってつくるのをやめ、民間に委託した。県の保証するコメ、麦、大豆の種子は三府県ではなくなった。福岡県も条例をつくらなければそうなっていく。
日本も遺伝子組換えのコメ、麦、大豆を作付けするようになる?
飼料米制度は私が大臣のときにつくったものだ。今コメでは農家は赤字だが、飼料米制度で何とか食べてきている。その飼料米農家に先日、農政局から説明があり、「反当り11俵以上とれないと補助金を出さない」という話が出てきたという。調べて見ると、すでにゲノム編集の飼料米の種子が用意されていた。その農家が「これからはF1か遺伝子組み換えの飼料米をつくらなければいけないのではないか」と心配していたが、まさにそうだった。そして「WRKY45(ワーキー45)」というゲノム編集のコシヒカリの種子も用意されていた。
ゲノム編集について、昨年8月7日の『日本農業新聞』の1面に「GM技術該当せず」とある。ゲノム編集は遺伝子組み換えの一つだが、「遺伝子組み換え技術に該当せず、安全だ」といい始めたのだ。『日本経済新聞』(今年3月19日付)には「ゲノム編集食品、夏にも」とある。実際にはこの10月1日にゲノム編集食品は解禁された。任意の届け出のみで表示もないまま、いよいよ流通し始める。
ゲノム編集とはなにか。例えばトマトの熟成する遺伝子だけを粉砕すると、熟成せず腐らなくなる。3年間、青青としているトマトができている。それを収穫して倉庫に入れておき、出荷のさいにエチレンガスをかけると真っ赤になる。それが本当に安全なものなのだろうか。
EUでは、遺伝子組み換えは原則禁止しており、ゲノム編集は遺伝子組み換えであるとして使わないようにしている。ところが日本は、「ゲノム編集は遺伝子組み換えと違い、新しい別の種類の遺伝子を組み換えて入れるわけではない。アミノ酸に変わりないから安全だ」といっている。ところがアメリカもそうではない。先日訪米し、遺伝子組み換えの分野では右に出る人はいないというチャペラ教授に話を聞いたが、最初「ゲノム編集」といっても伝わらなかった。そして「そうか、山田さんがいっているのはNEW GMOのことだな」といわれた。アメリカでもみな、遺伝子組み換えの延長線上の話だという認識だ。しかし日本だけはゲノム編集は遺伝子組み換えと違うといい出した。
今、ネイチャー誌に論文が載っているように、「ネズミ1匹の遺伝子を粉砕すると1600」の副作用がある。
たとえば、中国でゲノム編集によって双子の赤ちゃんが生まれた。父親がエイズだったので、生まれてくる子どもがエイズにならないよう、ウイルスにかかっている遺伝子だけを壊した。すると思いがけず双子が生まれた。しかし、2人はエイズにはかからないが、西ナイル熱ウイルスにはかかる、インフルエンザにかかると重症化する、免疫疾患になる、短命であるなど、さまざまな影響があることがわかってきた。
ゲノム編集食品で最初に、もうすでに日本に入ってきているのは高オレイン酸大豆だ。アメリカでは「ゲノム編集の大豆」「遺伝子組み換え大豆」というと、今ほとんど売れない。それで安倍総理は日米FTA交渉のなかで受け入れた。何の表示もないまま、食用油としてすぐに店頭に並ぶと思う。これがどういう作用があるのかはまったくわからない。
ゲノム編集の高オレイン酸大豆や、カーギルが関与している除草剤耐性のあるナタネなどが日本に入ってきたところだと思うが、さらに政府はそれについて「有機(JAS)」の認証をできないか検討を始めた。9月30日に第1回の検討会があり、第2回が近く予定されている。アメリカですでに用意されている遺伝子組み換えのコメの種子、ゲノム編集のコメの種子、麦、大豆、ジャガイモなどについて、「有機」の認証をしたいというのだ。話を聞き、資料を読んでみると、認証することが前提の検討会になっている。今、遺伝子組み換え食品について、日本は政府が318種類も承認している。アメリカですら197種類だから日本はダントツだ。
遺伝子組み換え農作物は、すべて除草剤・ラウンドアップ耐性だ。ラウンドアップをまくと植物は枯れる。主成分のグリホサートはベトナム戦争の枯れ葉剤と考えればよい。植物がアミノ酸をつくるシキミ酸経路を破壊するので、植物はアミノ酸をつくれず枯れる。ところがグリホサート耐性を持たせた農作物は、いくらグリホサートをまいても死なず、すくすくと生きている。ところが、そのラウンドアップで今大変なことが起きている。
ラウンドアップ裁判
アメリカで昨年8月10日、歴史的な裁判があった。
学校の用務員ジョンソンさんが、校庭の除草のために20〜30回ラウンドアップをまくと、腕に腫瘍ができ、末期ガンであることがわかった。モンサントのラウンドアップ以外に考えられないと、モンサントを訴えた裁判だが、モンサントに320億円支払えという評決が出た。判決は86億円に訂正されたが、これは世界のトップニュースになり、世界中に激震が走った。
世界各国でじつは今、グリホサート、ラウンドアップの規制が広がっている。ラウンドアップをやめた国は24カ国、規制している国は33カ国にのぼっている。隣の韓国もラウンドアップの使用をやめ、ネオニコチノイドの空中散布や屋外の使用を一切禁止している。
ラウンドアップをめぐる裁判は次次に起きており、ジョンソンさんの次には88億円、3例目の夫婦のガン患者には2200億円支払えという評決が出た。サンフランシスコでジョンソンさんに会い、インタビューをすることができたが、腕はケロイド状で肉が出ていた。彼は、「妻がハグすると皮がずりっと落ちて大変なので、今優しく抱いてもらっているだけだ。子どもはどうやらあきらめがついたようだが、妻はまだあきらめがついていないようだ」と話していた。日本に対するメッセージを求めると、「ラウンドアップの使用をできるだけ早くやめてほしい。日本だけでなく世界の人にそういいたい」といわれていた。
その後、この訴訟にかかわったロバート・ケネディ・ジュニア弁護士にもインタビューした。彼は叔父のジョン・F・ケネディがホワイトハウスにいるときに、レイチェル・カーソン女史に会ったという。当時、モンサントはDDTを世界中で売りまくっていて、レイチェル・カーソン女史は「鳥も鳴かない春が来る」といい、モンサントから徹底的に糾弾されていたそうだ。そのときからロバート・ケネディ・ジュニア弁護士は30年間モンサントとたたかってきたという。
裁判で勝利できたのは、モンサントが所有している最高の内部機密資料を裁判に出すことができたからだという。その内部機密資料によって、モンサントは19年前から、遺伝子組み換え作物やグリホサートでガンになることを認識していたことが明らかになった。実証の結果わかっていたのに悪質な隠蔽工作を続け、今日まで売り続けてきていたのだ。ロバート・ケネディ・ジュニア弁護士の話では、例えばニューヨークでは「ラウンドアップはコーヒーやピクルスと同じように飲んでも健康な大丈夫なものです」と宣伝していた。これは明らかな間違いなので、モンサントは莫大な罰金を払わされることになったという。
日本では、「すぐに生分解されて自然に戻るから害がないとコマーシャルしている」と話すと、明らかに虚偽の事実で、公共放送でやるなど考えられないといわれていた。TPP違憲訴訟をするうえで裁判資料の提供を依頼すると、喜んで承諾して下さり、「日米で一緒にたたかいましょう」という話になった。
今回、劇的な裁判となったが、すでにアメリカで5万件、同様の裁判が起こされており、カナダやオーストラリアでもモンサントに対する同様の裁判がなされている。モンサントを昨年6月に買収したバイエルは今、株価が5割下がっている。そしてついに正社員の1割に当たる1万2000人のリストラを発表し、動物医薬品を売るドル箱だった会社を売却した。アメリカでもEUでも「モンサントは終わった」といわれ、バイエルも危ないといわれているほどだ。
オーガニック食品の広がり
今、アメリカのスーパーはどこに行ってもオーガニック、「NON GMO」があふれている。アメリカを変えた女性といわれているゼン・ハニーカットさんにもお会いした。彼女はロバート・ケネディ・ジュニア弁護士やジョンソンさんと一緒になって裁判をひっ張って来た人だ。
彼女の子どもは3人ともアレルギーで、そのうち次男のボダイ君は小麦アレルギーがなかったのでパンやパスタをたくさん食べさせた。するとある日突然、理由もないのに怒り出し、暴れ出して自閉症の症状を起こした。驚いて病院に連れて行き、腸内細菌を調べると、クロストリジウムという脳神経を直接おかしくする細菌が、ヨーロッパの環境基準の四倍見つかった。このせいではないかと彼女は考えた。
アメリカでは10年前から小麦の収穫前にラウンドアップをまいていた。ラウンドアップをまくと小麦が枯れるため、コンバインで刈る手間がなくなる。主成分・グリホサートは小麦の芯まで浸透し、水分が一滴もなくなるため、日本に運んで来るまでにカビが生えたり細菌が発生することもない。彼女はこのグリホサートのせいではないかと考え、小麦粉製品を食べさせるのをやめ、有機の物と発酵食品にするとボダイ君の症状は劇的に改善された。
それまで、「グリホサートは食べ物から体内に入ってもすぐに分解されて尿として排出され、体内に残ることはない」という研究論文の下で、アメリカ環境保護局(EPA)も認めて来た。しかし、体内にグリホサートがあるかもしれないと考えた彼女が、母親たちの協力を得て母乳中のグリホサートの検査をすると、9割以上の母親からグリホサートが検出された。
私はそれを聞いて日本で何とか調べたいと思い、フランスのクズサイエンスというところに髪の毛を送って調べてもらった。1キット5万円したが、30キット購入し、国会議員23人や私も含め総勢30人を調べると30人中21人からグリホサートが検出された。これを黒田純子博士が聞いて驚いた。「尿で検査すると日本人みんなから検出されるのではないか」と。
今の医学では1個の細胞が生きるのに10個の腸内細菌の力を借りなければいけないといわれている。私たちは腸内細菌で生かされている。グリホサートはその腸内細菌のうち善玉菌をほとんど殺してしまう。そうなるとガンになったり、切迫流産や生殖系の機能を阻害したり、自閉症になることなどが明らかになってきている。黒田純子博士は、「じつはグリホサートは遺伝子を傷つけるのではなく、メチル化するのだ」といわれた。メチル化とは、遺伝子のオン・オフを人によって突然切り替えるのだそうだ。そうなるとこの遺伝子がそのままゲノム編集と同じ効果になる。
ネズミの実験ではF0(大人の世代)、F1(子どもたちの世代)にはほとんど影響はないという。ただF3(孫)、F4(ひ孫)の時代に異常が出てくるという。遺伝子そのものが変わるため、最初の角度が一度違っても、遠くに行くほど角度が開くそうだ。
ラウンドアップにかわる除草剤
ラウンドアップは今のJAでもどこでも売っている。しかし、お母さんたちが反対運動をしてダイソーは8月8日から販売をやめた。ラウンドアップにかわる天然素材の除草剤はないか調べていると、オーストラリアでオーガニック・コンタクト社の除草剤を、昨年暮れ近くになって政府が有効な除草剤としたことがわかった。この話を聞いてすぐにサンプルを輸入してもらい、試験してみた。すると1時間で雑草に黒く斑点ができてひっくり返っていき、4時間後には一部だが茶色く枯れた。これを、アメリカのEPAが除草剤として承認した。EUも審議中で、スリランカ、ニュージーランドも承認し、4カ国が承認したところだ。何とかしてラウンドアップをやめたい。
世界に逆行する日本―世界の流れは有機・自然栽培、非遺伝子組み換え作物に
アメリカのダイソーで販売しているポテトチップには警告として「揚げたジャガイモ(ポテトチップスなどの)には、発がん性や、先天性血管、そのほかの生殖系への悪影響を引き起こすことが知られている、アクリルアミドという化学物質が含まれています」という表示がされている。日本では普通に食べている。カラムーチョもそうだ。世界は食品表示が厳しいのに、これから日本で売られるゲノム編集の大豆やナタネでつくられる食用油は、何の表示もないまま合法的に売られる。しかも政府はこれを「有機(JAS)」で売りたいという検討会まで始めている。まさに世界の流れと逆行している。
韓国のスーパーでもオーガニックコーナーができ、オルゴク小学校(清州市・500人)では、有機・無償で学校給食を提供している。パンやサンドイッチは輸入小麦に頼らざるを得ないのではないかと思ったが、パンやパスタは一切使わず、うどんは全部国産の小麦粉だという。日本の大手3社の小麦粉を調べてみると、グリホサートがたくさん含まれている。もっとも入っているのが日清製粉の「全粒粉強力粉」だ。オルゴク小学校はアレルギーの子どもが七人しかいなかった。
韓国の農水省の課長に全国の状況を聞くと、ほぼ小・中学校は有機・無償でやっており、高校はもう少しかかるということだった。保育園・幼稚園でも始め、何年か後には妊婦にも有機の物を食べさせたいと思っているという話だった。
韓国も台湾も、食の安全に対する取り組みを始めている。日本は農薬や食品添加物の基準でいうと台湾の400倍も緩い。小麦粉のグリホサート残留農薬基準は中国の150倍緩い。そして世界各国がグリホサート、ラウンドアップを規制しようとしているなかで、こともあろうに日本だけがグリホサートの残留農薬基準を、物によっては400倍にまで緩めた。そば粉やナタネなどは75倍、100倍、テンサイは75倍だ。今、世界で一番農薬の残留基準が緩いのが日本だ。
ロシアも2016年に遺伝子組み換え農産物はつくらせない、輸入させないという法律を上院下院で通した。中国も2017年から同じように輸入も国内栽培も禁止している。いずれも国を挙げて有機栽培に力を入れている。アメリカも、じつは遺伝子組み換え農産物は2016年から頭打ちで、今オーガニックの生産がなんと年に10%の割合で伸びている。
先月アメリカに行き、モンタナ州(小麦の大産地)を訪れた。そこで10年前までケミカル農業(農薬や化学肥料を使う農業)をしてきたが、オーガニックに変えたという農家に会った。やめた理由を聞くと、「ケミカル農業をしている農家は家に帰るとすぐに服を脱ぎ捨ててシャワーを浴びないと子どもをハグできなかった。今は子どもたちと一緒に畑の中に入ることができる」という話だった。今、彼のつくった小麦は1ポンド14jだが、ケミカル農業の小麦は1ポンド3・7jだという。農薬や化学肥料にも金がかかる。「彼らは赤字だ。私は早く切り替えてよかった。アメリカでももう有機にしないと農業はやっていけない」と話していた。
自家採種の禁止
政府が自家採種を原則禁止するという種苗法の改定案を、いよいよ来年の通常国会で提出することがはっきりした。今年3月から9月25日まで5回にわたって検討会を開いてきたものだ。
自家採種(自家増殖)というのは、たとえばイチゴの場合は苗を10本とか15本購入し、ランナーで芽出しして次の年に植えたりすることだ。イモやサトウキビ、ジャガイモも同じだ。木の場合は接ぎ木する。そのような自家増殖を現行の種苗法では、二一条にあるように、モンサントなどが登録した品種でも、農家は種を買ったら自由に自家採種し、次の年に植えたり、加工することができる。原則自家採種自由だ。
ただし、第三項に「農林水産省が特例でもっていわば適用しない品目を定めることができる」となっていた。じつは自家採種の禁止は始まっていた。最初はバラ、カーネーションなどの花、その次はキノコ、TPPを批准してからはキャベツ、ブロッコリー、ナス、トマト、スイカ、メロン、キュウリ、ダイコン、ニンジンなど、あらゆるメジャーな野菜や果樹をはじめとする357種類もの植物が指定され、今年新たに野菜のみで31種類指定され、400種類近くになっている。この登録品種を勝手に自家採種したら懲役10年、1000万円以下の罰金で、しかも共謀罪の対象だ。
ところが、アメリカでも主要農産物の小麦は自家採種が3分の2で、3分の1が公共の種子、カナダは8割が自家採種、2割が公共の種子だ。オーストラリアは95%が自家採種で5%が公共の種子だ。それなのに日本はいよいよ自家採種禁止法案を出してきた。農水省の課長に「コメも麦も大豆も自家採種禁止にするのか。それが本当の狙いで、邪魔だったから公共の種子法を先に廃止したのか」と聞くと黙っていた。ところが検討会のとりまとめ(9月25日)には、わざわざ「これまで種苗法では非常に例外が多くて複雑だったから、シンプルなものにして、一律、自家増殖禁止の条文にしたい」と書いてある。そうすると「あまおう」をつくっているイチゴ農家もこれまでのように増殖できない。苗を1本250円ほどで6000本買わなければいけなくなる。
検討会でプレゼンをした茨城県の横田農場は、過疎地のため、人に頼まれて耕作面積が増え、今150fでコメをつくっている。8品種のコメを作付けしているが、そのうち登録品種だけで7dくらい自家採種しているという。コシヒカリなど育種期間(25年)が切れている品種もあるが、まだ切れていない新しい品種(「ゆめぴりか」など)の自家採種をやめて種子を購入すると500万円ほどかかり、「われわれはやっていけない」とプレゼンした。これが民間の種子になるとその10倍=5000万円かかる。ところがこれに一切コメントなしで、自家採種一律禁止という方向で条文にし、来年の通常国会で審議が始まることになった。自民党はどんなことがあってもこの法案を通すとはりきっているという話を耳にし、大変心配しているところだ。
なぜ自家採種を禁止するのか、その理由として農水省は「シャインマスカットなど日本の優秀な育種知見がそのまま中国や韓国に流れた。これを取り締まらなければならない」という。そのために種苗法を改正して、許諾・承認を得るか、新しく買うかしなければいけないのだという。しかし、海外流出を食い止めるのであれば、宮崎県が種牛の精液が海外流出するのを刑事告訴したように、現行法で刑事告訴すれば足りることだ。海外に出たものを取り締まるには、農水省が海外でシャインマスカットの育種登録もしくは商標登録などをすべきではなかったか。それを怠っていて、政府は「種苗法を改正しなければ海外流出を食い止めることができない」といういい方をしている。
1週間ほど前に「日本の種を守る会」は農水省の知財課長を呼んで話を聞いた。そこで農水省は「育種権者が第三者、企業にかわった場合、育種権はどうなるか」を説明した。思い出してほしい。農業競争力強化支援法で、例えばマスカットは農研機構の育種知見だが、それらをモンサントなどの民間企業に譲渡するようになっている。譲渡されて育種権者がかわった場合、そこから許諾を得るか、種苗を買わなければいけなくなるのではないか。県民や国民の税金で開発した育種知見を民間企業に譲渡しておいて、農家(国民・県民)が使うときには民間企業にロイヤリティを払わなければ許諾するわけはないだろう。県や国であれば許諾するであろうし、研究者はみんな使ってほしいと思っている。しかし、民間企業は当然、許諾料をとるか、1本ずつ買えとなるのではないか。
もう一つ、農水省は「これまでの伝統的な固定種をつくっている有機栽培の農家は大丈夫だ。安全だ」と説明している。家庭菜園は私も大丈夫だと思っているが、有機栽培の農家は安心ではない。種苗法二一条では、「登録された品種」と「特性により登録された品種と明確に区別されない品種」も自由に自家採種できるようになっている。野菜は土地と風土、栽培する人や年によって少しずつ変化していくものだ。登録品種であっても変化していくので、今モンサントは子会社を使ってナスやブロッコリー、トマトなど、さまざまな野菜をどんどん登録品種にしている。これらの登録品種と、有機栽培で農家がつくっている野菜のどこが違うのか区別はしにくい。こうして新規の育種登録を次次にした民間企業が、野菜農家などに育種権の侵害として賠償金を求めるようなことになりはしないかと心配している。
すでに企業から生産者が訴えられる裁判が6件起こっている。モンサントの裁判は有名だが、カナダでは有機栽培の伝統的なナタネ農家がモンサントから訴えられて裁判で負けた。日本で有機栽培をしている農家も、ある日突然、モンサントから20億、30億円の賠償金を請求されることもあり得る。実際、今度の種苗法の検討会でリードしたのは知的財産権ネットワークの弁護士だ。日弁連の雑誌にも、「これからは育種権の争いが論点になってくるだろう」と書かれている。
農水省の知財課長の説明では、こうした争いになった場合、裁判所は育種登録した品種の現物と、農家がつくっている作物の違いを求めようとするという。しかし、実際には登録したモンサントの野菜の品種も変化してくるから、その特性を6項目くらい法制化し、それに反したら育種権違反だとやれるよう改正案を準備しているという。これはモンサントなど種子企業が裁判で争えるように改正する内容だ。
アメリカで10年ほど前に自家採種禁止法案が通ったときも、「伝統的な固定種を栽培している有機栽培農家は安全だ」と説明していたが、今は本当に伝統的な有機栽培農家も種子を買わなければならなくなり、事実上、自家採種禁止になってしまった。このことはエップ・レイモンドさんの米国からの報告に詳しく書かれている。決して有機栽培農家、自分で種とりをして伝統的な固定種を栽培している農家も安心ではない。今度の種苗法改定案はどのようなことがあっても反対しなければならない。
種子法が廃止されたとき、農水省は自民党議員のところを「種苗法で守る」といって回った。ところが種苗法改定で自家採種を禁止し、コメも麦も大豆も、すべての種を買わせるのが狙いだった。アメリカもそうだったが、国家は嘘をつくものだ。
私たちは裁判でも争っているが、今後は広島県のジーンバンクのように伝統的な固定種を県が発掘し、それを保存・管理することが大事になってくる。広島県はそれを農家に無償で貸し出している。福岡県でもそのような条例をつくって、企業や民間や県も出資して公社をつくり、守ることが必要になってくる。
日本の経済、地域の経済を発展させていく施策
種子条例は、九州では宮崎県が1番につくり、今、熊本県が種子条例のパブコメで骨子案を発表した。鹿児島県知事もつくることを表明した。この前の議会までに11の道県でできたが、新しく栃木が先日採決し、宮城県の種子条例もパブコメをした。島根県も種子条例をつくることを発表し、岩手県は議員提案でやることが決まった。滋賀県もやる。年内にだいたい16の道県で種子条例ができそうだ。秋田、青森なども動き出しているし、福島も動き出した。来年度までに26の道県で種子条例ができるのではないかと思っている。
種子条例ができる一つのきっかけは、市町村のみなさんが動き出したということだ。1番最初につくった新潟県では、柏崎市が日本で1番最初に種子条例の制定を求める意見書を出した。県内各市町村で動き出し、それをもとに新潟県がつくり、兵庫県、埼玉県、山形県というようにどんどん動いてきた。
地方分権一括法では、国が地方自治体に指揮命令することは一切禁止している。国が地方にいえるのは単なる通知だけだ。通知は法律的にいうと「技術的助言」に過ぎない。法律に反しない限り地方自治体は何でもできるのだ。今治市は食と農の条例をつくった。「遺伝子組み換え農産物はつくらせない」という条例だ。もし市長の承認なくつくれば、2年間の懲役、500万円以下の罰金など、非常に厳しい内容だ。この町で「ゲノム編集のものは表示なくして流通させない」といった条例に刑罰まで定めてつくることができる。韓国は学校給食を条例で全部無償でやっているが、おそらく日本でも学校給食を有機でやる市町村が出てくる。世田谷の区長は無償で学校給食を始めた。同時に今、有機でやろうと真剣に考えているところだ。千葉県いすみ市の学校給食はコメは有機100%だ。普通入札で60`1万3000円くらいだが、2万円で買い、差額を市が補填している。
じつは安倍官邸が悪いといっている時期ではない。農薬から自家採種禁止まで大変なことになろうとしているが、私たちの暮らしは自分で守るしかない。そして自分で守ることができる。住民には請願権が認められている。知っている市会議員や町会議員を通じて、この町で学校給食を有機農産物でやるという条例案を審議してくれという請願を出すと市町村議会はそれを審議しなければいけない。次次にそういったものを出していくことによって地方から変えていくことができる。今、自分が動けば何でもできる。私たちが主役だ。
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/13829
29. 中川隆[-10504] koaQ7Jey 2019年10月29日 11:58:46 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2369]
今、アメリカのスーパーはどこに行ってもオーガニック、「NON GMO」があふれている。アメリカを変えた女性といわれているゼン・ハニーカットさんにもお会いした。彼女はロバート・ケネディ・ジュニア弁護士やジョンソンさんと一緒になって裁判をひっ張って来た人だ。
彼女の子どもは3人ともアレルギーで、そのうち次男のボダイ君は小麦アレルギーがなかったのでパンやパスタをたくさん食べさせた。するとある日突然、理由もないのに怒り出し、暴れ出して自閉症の症状を起こした。驚いて病院に連れて行き、腸内細菌を調べると、クロストリジウムという脳神経を直接おかしくする細菌が、ヨーロッパの環境基準の四倍見つかった。このせいではないかと彼女は考えた。
アメリカでは10年前から小麦の収穫前にラウンドアップをまいていた。ラウンドアップをまくと小麦が枯れるため、コンバインで刈る手間がなくなる。主成分・グリホサートは小麦の芯まで浸透し、水分が一滴もなくなるため、日本に運んで来るまでにカビが生えたり細菌が発生することもない。彼女はこのグリホサートのせいではないかと考え、小麦粉製品を食べさせるのをやめ、有機の物と発酵食品にするとボダイ君の症状は劇的に改善された。
それまで、「グリホサートは食べ物から体内に入ってもすぐに分解されて尿として排出され、体内に残ることはない」という研究論文の下で、アメリカ環境保護局(EPA)も認めて来た。しかし、体内にグリホサートがあるかもしれないと考えた彼女が、母親たちの協力を得て母乳中のグリホサートの検査をすると、9割以上の母親からグリホサートが検出された。
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種子法廃止とこれからの日本の農業について 元農林水産大臣・山田正彦 2019年10月26日
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/13829
私は五島列島出身で、29歳のときに400頭くらい牛を飼っていた。豚も年間8000頭くらい出荷していたので、相当な規模だった。うまくいかず自分で肉屋もやり、最後は県庁前で牛丼屋までやったが、さんざん失敗した。当時4億円くらい借金を抱えた。忘れられないのは当時の農水省の勧めで大型畜産をやった仲間が2人自殺したことだ。私は破産状態だったが、弁護士の資格だけは持っていたので、弁護士をして借金の支払いをしながら、なんとも悔しかったので衆議院に出た。3回敗れて4回目に通り、5期衆議院議員をさせていただき、運良く農林水産大臣にさせていただいた。そのときに、戸別所得補償や飼料米制度、林業再生プラン、漁業の所得保障などいろいろやらせてもらった。そのときちょうどTPP交渉に参加したいという話があり、閣議で大げんかして大臣を辞め、今日までTPP反対運動を続けてきた。
ところがTPPは昨年12月30日に発効した。たった5日間で牛肉の輸入量は半月分になるほど急増した。今年2月1日に日欧EPAも発効し、なんとEU産豚肉は五割増になった。チーズやバター、乳製品、果物類も今だいたい昨年に比べて3割増だ。そんななか日米FTAがいよいよ来年1月には発効する。一番恐れていたことだ。
アメリカは農産物しか売る物がない。日本を見るとトヨタ自動車一社の売上だけで30兆円だ。農林水産物はあわせても8兆円しかない。2年前に「トヨタ自動車その他日本の自動車に25%の報復関税をかける」とトランプからいわれ、霞が関の官邸や農林水産省、経産省から聞こえて来るのは、「このさい、報復関税25%をなんとか延期してもらうために、農林水産物は譲るだけ譲る」ということだった。そしてアメリカの農務省長官も、はっきり「もう日本とは話がついた」と、今年5月からツイッターでいっている。今後大変なことになっていくのではないかと思う。
今、アメリカもオーストラリアもどんどんコシヒカリをつくっている。これが60`4000円で入ってくる。私が農林水産大臣のときにおこなった試算では、今日本のコメの生産原価は60`当り1万5000円だ。昨年の農家の手取りが1万3300円だった。試算ではTPPに参加すると日本の食料自給率は14%まで落ち込むという結果になった。韓国ですら今、食料自給率は48%だ。日本は本当にどうなるのかと心配している。
TPP協定は条約であり、憲法の下で、国内法の上になる。米韓FTAを結んだ韓国が200本の法律を変えたように、日本もTPP協定(8000ページ・30章)に従って、この2年間、次次に法律を変えている。一番最初に変えたのが主要農産物種子法の廃止だ。これについて私は5年前から、「明らかに国の主権を損なうものだ」としてTPP違憲訴訟をしている。その判決が昨年10月31日にあったが、判決のなかで種子法廃止について「背景事情の一つにTPP協定に関する動向があったことは否定できない」と、TPP協定と種子法廃止の関連を最高裁判所は認めた。水道法改定、漁業法の改定、市場法の事実上の廃止、森林管理法の改定など、すべてこれはTPP協定によるものなのだ。
種子法で日本のコメ、麦、大豆は守られてきた
今私たちはおいしいお米を当たり前のように食べている。これは全部、伝統的な固定種だ。種子法のおかげで私たちの主食であるコメ、麦、大豆など、それぞれおいしいものを食べることができた。これがどうなるか。
野菜で考えていただくとわかりやすい。野菜は30年前、みんな伝統的な固定種だった。ところが野菜の種子はF1に変わり、今、90%を海外で生産している。2年前にモンサントの遺伝子組み換え農産物の見学会に行ったとき、思いがけないことを聞いた。「日本の野菜の種子はモンサントでつくっています」といわれたのだ。そんなことはパッケージに書いていない。「委託生産し、委託販売している」という。調べてみるとモンサントは野菜の種子だけで800億つくっている。世界の種子は今、モンサント(バイエル)、ダウ・デュポン、シンジェンダ(中国化工集団傘下)の3社で世界の種の7割を握っている。同時にこの3社で世界の農薬の7割、世界の化学肥料の7割を握っている。
こうして野菜の種子はF1になり、ニンジンでいえばカロチンなど栄養価は3分の1に減っている。F1は科学的にそこまで問題になるとはいわれていないものの、主食のコメ、麦、大豆の公共の種子がなくなると、民間の種子を使わざるを得なくなる。すでにコメ、麦、大豆の民間の種子ができている。
種子法とは
種子法ではコメ、麦、大豆の伝統的な日本の在来種を国が管理し、各都道府県に原種・原原種の維持、優良品種の選定、奨励、審査を制度として義務づけてきた。そのもとで、各地の農業試験場で雑種の混入や不良な種を取り除き、厳格に監査した優良な品種を公共品種として安く安定して提供してきた。
原原種の栽培では、コシヒカリやヒノヒカリなどを1本ずつ植え、毎年つくっている原種を純粋なコシヒカリに合わせて開花時期、丈の高さを揃えていく。四割くらいは黒米や赤米になったりするので、それをとり除いていくと、そこで6割くらいしか残らない。農業試験場に見学に行くと、穂先が1aくらい伸びているなかから、1_か2_違えばとり除いていた。その後も10回前後の抜きとり作業をおこなうなど、「異株」に対して細心の注意を払い、発芽率90%の種をつくり、その後に原種をつくる。3年目にようやく県が種子栽培農家を選定し、圃場を選定して、福岡県であれば「ヒノヒカリ」「発芽率90%以上」と、県として責任を持って保証書を出し、だいたい1`500円ほどでコメ農家に提供してきた。それをコメ農家は4年目につくり、われわれは5年目に食べることができる。そうやって純粋な伝統的な品種をしっかり守っている。麦も大豆も同じだ。
ところが、種子法を廃止するとき政府は「種子法があることで民間の優秀な品種が普及できない」「なかなか売れない」といった。民間の優秀な品種(三井化学の「みつひかり」など)があるではないかと説明して回った。「みつひかり」は野菜と同じようにF1の種子で、伝統的な固定種ではない。価格を見ると、「みつひかり」の種子は4000円なので、公共の種子と比較すると8〜10倍する高い物だ。野菜の種子もF1になって多国籍企業がつくるようになってからは、イチゴやトマトなど1粒1〜2円だったものが、今は40〜50円だ。いずれコメ、麦、大豆の種子も40〜50倍になっていくことは間違いないと思っている。
農家を大企業に隷属させる
私は三井化学の「みつひかり」や住友化学の「つくばSD」の生産者、日本モンサントの「とねのめぐみ」の生産者など、さまざまな方に会ってきた。話を聞くと、民間の種子には必ず、収量がコシヒカリの1・2倍〜4倍、味はヒノヒカリ以上、コシヒカリ以上という内容が書いてある。そしてつくりやすく倒伏しない。しかし実際は必ずしもそうではない。最初の年は化学肥料をやるのでいくらか収量があるが、土壌が追いつかず、だんだん収量が減ってくるのでやめた農家もけっこういた。
実際の契約書を見ると、モンサントの契約書は有名で、何十ページもあって肝心な部分は英語で書かれているのだが、これがたった1枚だった。そのなかに「指示されたことに従わない場合はモンサントに生産者は責任を負う」と書かれている。農薬や化学肥料の指示はなかったのかと聞くと、その方は「そういう指示はなかった」といっていた。
しかし、「つくばSD」の契約書は10ページあり、指定された農薬と化学肥料を必ず使わなければならない、反すると損害賠償責任を負うと書かれていた。そして「収穫されたものはすべて住友化学の指定するところに納めなければならない」となっている。価格については住友化学と生産者とで、「収穫後にそのときの相場を見て決める」となっている。今回の台風のときのように全滅する場合はどうかというと、「災害時の責任はすべて生産者が負う」となっている。これは非常に一方的な契約だ。
「みつひかり」の生産者の話では、最初の年は60`1万2000円で全量引き取りだったからつくったが、翌年は60`1万円、その次の年は9000円になったのでやめたという。私は「よくやめられましたね」といった。この「みつひかり」の契約書だと、正当な理由がなければ、やめるにしても莫大な損害賠償を請求される恐れがある。
これから、地方自治体が公共の種子をつくらなくなると、モンサントなど民間との契約の下、農家はまさにがんじがらめに縛られて、アメリカの農家のように奴隷農場に、借金漬けになっていく。
日本のコメ農家がモンサントへロイヤリティを支払う
もう一つ、「農業競争力強化支援法」の八条三項のなかで、「銘柄が多すぎる」といっている。日本には各県の奨励品種だけで約300品種ある。天皇家の古代米だけで17種類だから、全国でだいたい1000種類のコメがつくられている。そのコメを数種類に集約するという。「民間の種子に」という意味だ。農協潰しの法案といわれた「農業競争力強化支援法」だが、八条四項では、日本(国の農研機構や各都道府県)が蓄積してきた育種知見をすべて民間に提供するとされている。国会で「海外のモンサントなどにも提供するのか」と聞くと、当時の斉藤農水大臣は「TPP協定は内外無差別だから、当然そうなる」と答えている。
そうなるとどうなるか。メキシコはトウモロコシの原産国だが、今、メキシコの農家はモンサントなどにロイヤリティを払わなければトウモロコシをつくることができない。フィリピンもそうなった。日本のコメ農家もそうなっていくということだ。
たとえば福岡県でやっとできたおいしいコメの品種も、提供するとロイヤリティを払わなければならない。国民の税金、県民の税金でつくった新しい品種だ。この育種知見がTPP協定によって多国籍企業に出て行くことになる。
じつは農水省の事務次官が平成29年11月15日付で、「都道府県に一律の制度を義務付けていた種子法及び関連通知は廃止するものの、都道府県が、これまで実施してきた稲、麦類及び大豆の種子に関する業務のすべてを、直ちに取りやめることを求めているわけではない」という通知を出した。「いずれやめなさい」「予算をつけませんよ」という意味だ。さらに、「民間事業者による稲、麦類及び大豆の種子生産への参入が進むまでの間、種子の増殖に必要な栽培技術等の種子の生産に係る知見を維持し、それを民間事業者に対して提供する役割を担う」とある。
三井化学の「みつひかり」や日本モンサントの「とねのめぐみ」などのように、麦でもすでにF1の麦もできている。そういった民間のものが普及するまでの間だけ、各都道府県は育種知見を維持し、その間に民間にそれらの知見をすべて提供する義務があるという通知だ。実際に種子法が廃止になった昨年四月に奈良県、和歌山県、大阪府は県が責任を持ってつくるのをやめ、民間に委託した。県の保証するコメ、麦、大豆の種子は三府県ではなくなった。福岡県も条例をつくらなければそうなっていく。
日本も遺伝子組換えのコメ、麦、大豆を作付けするようになる?
飼料米制度は私が大臣のときにつくったものだ。今コメでは農家は赤字だが、飼料米制度で何とか食べてきている。その飼料米農家に先日、農政局から説明があり、「反当り11俵以上とれないと補助金を出さない」という話が出てきたという。調べて見ると、すでにゲノム編集の飼料米の種子が用意されていた。その農家が「これからはF1か遺伝子組み換えの飼料米をつくらなければいけないのではないか」と心配していたが、まさにそうだった。そして「WRKY45(ワーキー45)」というゲノム編集のコシヒカリの種子も用意されていた。
ゲノム編集について、昨年8月7日の『日本農業新聞』の1面に「GM技術該当せず」とある。ゲノム編集は遺伝子組み換えの一つだが、「遺伝子組み換え技術に該当せず、安全だ」といい始めたのだ。『日本経済新聞』(今年3月19日付)には「ゲノム編集食品、夏にも」とある。実際にはこの10月1日にゲノム編集食品は解禁された。任意の届け出のみで表示もないまま、いよいよ流通し始める。
ゲノム編集とはなにか。例えばトマトの熟成する遺伝子だけを粉砕すると、熟成せず腐らなくなる。3年間、青青としているトマトができている。それを収穫して倉庫に入れておき、出荷のさいにエチレンガスをかけると真っ赤になる。それが本当に安全なものなのだろうか。
EUでは、遺伝子組み換えは原則禁止しており、ゲノム編集は遺伝子組み換えであるとして使わないようにしている。ところが日本は、「ゲノム編集は遺伝子組み換えと違い、新しい別の種類の遺伝子を組み換えて入れるわけではない。アミノ酸に変わりないから安全だ」といっている。ところがアメリカもそうではない。先日訪米し、遺伝子組み換えの分野では右に出る人はいないというチャペラ教授に話を聞いたが、最初「ゲノム編集」といっても伝わらなかった。そして「そうか、山田さんがいっているのはNEW GMOのことだな」といわれた。アメリカでもみな、遺伝子組み換えの延長線上の話だという認識だ。しかし日本だけはゲノム編集は遺伝子組み換えと違うといい出した。
今、ネイチャー誌に論文が載っているように、「ネズミ1匹の遺伝子を粉砕すると1600」の副作用がある。
たとえば、中国でゲノム編集によって双子の赤ちゃんが生まれた。父親がエイズだったので、生まれてくる子どもがエイズにならないよう、ウイルスにかかっている遺伝子だけを壊した。すると思いがけず双子が生まれた。しかし、2人はエイズにはかからないが、西ナイル熱ウイルスにはかかる、インフルエンザにかかると重症化する、免疫疾患になる、短命であるなど、さまざまな影響があることがわかってきた。
ゲノム編集食品で最初に、もうすでに日本に入ってきているのは高オレイン酸大豆だ。アメリカでは「ゲノム編集の大豆」「遺伝子組み換え大豆」というと、今ほとんど売れない。それで安倍総理は日米FTA交渉のなかで受け入れた。何の表示もないまま、食用油としてすぐに店頭に並ぶと思う。これがどういう作用があるのかはまったくわからない。
ゲノム編集の高オレイン酸大豆や、カーギルが関与している除草剤耐性のあるナタネなどが日本に入ってきたところだと思うが、さらに政府はそれについて「有機(JAS)」の認証をできないか検討を始めた。9月30日に第1回の検討会があり、第2回が近く予定されている。アメリカですでに用意されている遺伝子組み換えのコメの種子、ゲノム編集のコメの種子、麦、大豆、ジャガイモなどについて、「有機」の認証をしたいというのだ。話を聞き、資料を読んでみると、認証することが前提の検討会になっている。今、遺伝子組み換え食品について、日本は政府が318種類も承認している。アメリカですら197種類だから日本はダントツだ。
遺伝子組み換え農作物は、すべて除草剤・ラウンドアップ耐性だ。ラウンドアップをまくと植物は枯れる。主成分のグリホサートはベトナム戦争の枯れ葉剤と考えればよい。植物がアミノ酸をつくるシキミ酸経路を破壊するので、植物はアミノ酸をつくれず枯れる。ところがグリホサート耐性を持たせた農作物は、いくらグリホサートをまいても死なず、すくすくと生きている。ところが、そのラウンドアップで今大変なことが起きている。
ラウンドアップ裁判
アメリカで昨年8月10日、歴史的な裁判があった。
学校の用務員ジョンソンさんが、校庭の除草のために20〜30回ラウンドアップをまくと、腕に腫瘍ができ、末期ガンであることがわかった。モンサントのラウンドアップ以外に考えられないと、モンサントを訴えた裁判だが、モンサントに320億円支払えという評決が出た。判決は86億円に訂正されたが、これは世界のトップニュースになり、世界中に激震が走った。
世界各国でじつは今、グリホサート、ラウンドアップの規制が広がっている。ラウンドアップをやめた国は24カ国、規制している国は33カ国にのぼっている。隣の韓国もラウンドアップの使用をやめ、ネオニコチノイドの空中散布や屋外の使用を一切禁止している。
ラウンドアップをめぐる裁判は次次に起きており、ジョンソンさんの次には88億円、3例目の夫婦のガン患者には2200億円支払えという評決が出た。サンフランシスコでジョンソンさんに会い、インタビューをすることができたが、腕はケロイド状で肉が出ていた。彼は、「妻がハグすると皮がずりっと落ちて大変なので、今優しく抱いてもらっているだけだ。子どもはどうやらあきらめがついたようだが、妻はまだあきらめがついていないようだ」と話していた。日本に対するメッセージを求めると、「ラウンドアップの使用をできるだけ早くやめてほしい。日本だけでなく世界の人にそういいたい」といわれていた。
その後、この訴訟にかかわったロバート・ケネディ・ジュニア弁護士にもインタビューした。彼は叔父のジョン・F・ケネディがホワイトハウスにいるときに、レイチェル・カーソン女史に会ったという。当時、モンサントはDDTを世界中で売りまくっていて、レイチェル・カーソン女史は「鳥も鳴かない春が来る」といい、モンサントから徹底的に糾弾されていたそうだ。そのときからロバート・ケネディ・ジュニア弁護士は30年間モンサントとたたかってきたという。
裁判で勝利できたのは、モンサントが所有している最高の内部機密資料を裁判に出すことができたからだという。その内部機密資料によって、モンサントは19年前から、遺伝子組み換え作物やグリホサートでガンになることを認識していたことが明らかになった。実証の結果わかっていたのに悪質な隠蔽工作を続け、今日まで売り続けてきていたのだ。ロバート・ケネディ・ジュニア弁護士の話では、例えばニューヨークでは「ラウンドアップはコーヒーやピクルスと同じように飲んでも健康な大丈夫なものです」と宣伝していた。これは明らかな間違いなので、モンサントは莫大な罰金を払わされることになったという。
日本では、「すぐに生分解されて自然に戻るから害がないとコマーシャルしている」と話すと、明らかに虚偽の事実で、公共放送でやるなど考えられないといわれていた。TPP違憲訴訟をするうえで裁判資料の提供を依頼すると、喜んで承諾して下さり、「日米で一緒にたたかいましょう」という話になった。
今回、劇的な裁判となったが、すでにアメリカで5万件、同様の裁判が起こされており、カナダやオーストラリアでもモンサントに対する同様の裁判がなされている。モンサントを昨年6月に買収したバイエルは今、株価が5割下がっている。そしてついに正社員の1割に当たる1万2000人のリストラを発表し、動物医薬品を売るドル箱だった会社を売却した。アメリカでもEUでも「モンサントは終わった」といわれ、バイエルも危ないといわれているほどだ。
オーガニック食品の広がり
今、アメリカのスーパーはどこに行ってもオーガニック、「NON GMO」があふれている。アメリカを変えた女性といわれているゼン・ハニーカットさんにもお会いした。彼女はロバート・ケネディ・ジュニア弁護士やジョンソンさんと一緒になって裁判をひっ張って来た人だ。
彼女の子どもは3人ともアレルギーで、そのうち次男のボダイ君は小麦アレルギーがなかったのでパンやパスタをたくさん食べさせた。するとある日突然、理由もないのに怒り出し、暴れ出して自閉症の症状を起こした。驚いて病院に連れて行き、腸内細菌を調べると、クロストリジウムという脳神経を直接おかしくする細菌が、ヨーロッパの環境基準の四倍見つかった。このせいではないかと彼女は考えた。
アメリカでは10年前から小麦の収穫前にラウンドアップをまいていた。ラウンドアップをまくと小麦が枯れるため、コンバインで刈る手間がなくなる。主成分・グリホサートは小麦の芯まで浸透し、水分が一滴もなくなるため、日本に運んで来るまでにカビが生えたり細菌が発生することもない。彼女はこのグリホサートのせいではないかと考え、小麦粉製品を食べさせるのをやめ、有機の物と発酵食品にするとボダイ君の症状は劇的に改善された。
それまで、「グリホサートは食べ物から体内に入ってもすぐに分解されて尿として排出され、体内に残ることはない」という研究論文の下で、アメリカ環境保護局(EPA)も認めて来た。しかし、体内にグリホサートがあるかもしれないと考えた彼女が、母親たちの協力を得て母乳中のグリホサートの検査をすると、9割以上の母親からグリホサートが検出された。
私はそれを聞いて日本で何とか調べたいと思い、フランスのクズサイエンスというところに髪の毛を送って調べてもらった。1キット5万円したが、30キット購入し、国会議員23人や私も含め総勢30人を調べると30人中21人からグリホサートが検出された。これを黒田純子博士が聞いて驚いた。「尿で検査すると日本人みんなから検出されるのではないか」と。
今の医学では1個の細胞が生きるのに10個の腸内細菌の力を借りなければいけないといわれている。私たちは腸内細菌で生かされている。グリホサートはその腸内細菌のうち善玉菌をほとんど殺してしまう。そうなるとガンになったり、切迫流産や生殖系の機能を阻害したり、自閉症になることなどが明らかになってきている。黒田純子博士は、「じつはグリホサートは遺伝子を傷つけるのではなく、メチル化するのだ」といわれた。メチル化とは、遺伝子のオン・オフを人によって突然切り替えるのだそうだ。そうなるとこの遺伝子がそのままゲノム編集と同じ効果になる。
ネズミの実験ではF0(大人の世代)、F1(子どもたちの世代)にはほとんど影響はないという。ただF3(孫)、F4(ひ孫)の時代に異常が出てくるという。遺伝子そのものが変わるため、最初の角度が一度違っても、遠くに行くほど角度が開くそうだ。
ラウンドアップにかわる除草剤
ラウンドアップは今のJAでもどこでも売っている。しかし、お母さんたちが反対運動をしてダイソーは8月8日から販売をやめた。ラウンドアップにかわる天然素材の除草剤はないか調べていると、オーストラリアでオーガニック・コンタクト社の除草剤を、昨年暮れ近くになって政府が有効な除草剤としたことがわかった。この話を聞いてすぐにサンプルを輸入してもらい、試験してみた。すると1時間で雑草に黒く斑点ができてひっくり返っていき、4時間後には一部だが茶色く枯れた。これを、アメリカのEPAが除草剤として承認した。EUも審議中で、スリランカ、ニュージーランドも承認し、4カ国が承認したところだ。何とかしてラウンドアップをやめたい。
世界に逆行する日本―世界の流れは有機・自然栽培、非遺伝子組み換え作物に
アメリカのダイソーで販売しているポテトチップには警告として「揚げたジャガイモ(ポテトチップスなどの)には、発がん性や、先天性血管、そのほかの生殖系への悪影響を引き起こすことが知られている、アクリルアミドという化学物質が含まれています」という表示がされている。日本では普通に食べている。カラムーチョもそうだ。世界は食品表示が厳しいのに、これから日本で売られるゲノム編集の大豆やナタネでつくられる食用油は、何の表示もないまま合法的に売られる。しかも政府はこれを「有機(JAS)」で売りたいという検討会まで始めている。まさに世界の流れと逆行している。
韓国のスーパーでもオーガニックコーナーができ、オルゴク小学校(清州市・500人)では、有機・無償で学校給食を提供している。パンやサンドイッチは輸入小麦に頼らざるを得ないのではないかと思ったが、パンやパスタは一切使わず、うどんは全部国産の小麦粉だという。日本の大手3社の小麦粉を調べてみると、グリホサートがたくさん含まれている。もっとも入っているのが日清製粉の「全粒粉強力粉」だ。オルゴク小学校はアレルギーの子どもが七人しかいなかった。
韓国の農水省の課長に全国の状況を聞くと、ほぼ小・中学校は有機・無償でやっており、高校はもう少しかかるということだった。保育園・幼稚園でも始め、何年か後には妊婦にも有機の物を食べさせたいと思っているという話だった。
韓国も台湾も、食の安全に対する取り組みを始めている。日本は農薬や食品添加物の基準でいうと台湾の400倍も緩い。小麦粉のグリホサート残留農薬基準は中国の150倍緩い。そして世界各国がグリホサート、ラウンドアップを規制しようとしているなかで、こともあろうに日本だけがグリホサートの残留農薬基準を、物によっては400倍にまで緩めた。そば粉やナタネなどは75倍、100倍、テンサイは75倍だ。今、世界で一番農薬の残留基準が緩いのが日本だ。
ロシアも2016年に遺伝子組み換え農産物はつくらせない、輸入させないという法律を上院下院で通した。中国も2017年から同じように輸入も国内栽培も禁止している。いずれも国を挙げて有機栽培に力を入れている。アメリカも、じつは遺伝子組み換え農産物は2016年から頭打ちで、今オーガニックの生産がなんと年に10%の割合で伸びている。
先月アメリカに行き、モンタナ州(小麦の大産地)を訪れた。そこで10年前までケミカル農業(農薬や化学肥料を使う農業)をしてきたが、オーガニックに変えたという農家に会った。やめた理由を聞くと、「ケミカル農業をしている農家は家に帰るとすぐに服を脱ぎ捨ててシャワーを浴びないと子どもをハグできなかった。今は子どもたちと一緒に畑の中に入ることができる」という話だった。今、彼のつくった小麦は1ポンド14jだが、ケミカル農業の小麦は1ポンド3・7jだという。農薬や化学肥料にも金がかかる。「彼らは赤字だ。私は早く切り替えてよかった。アメリカでももう有機にしないと農業はやっていけない」と話していた。
自家採種の禁止
政府が自家採種を原則禁止するという種苗法の改定案を、いよいよ来年の通常国会で提出することがはっきりした。今年3月から9月25日まで5回にわたって検討会を開いてきたものだ。
自家採種(自家増殖)というのは、たとえばイチゴの場合は苗を10本とか15本購入し、ランナーで芽出しして次の年に植えたりすることだ。イモやサトウキビ、ジャガイモも同じだ。木の場合は接ぎ木する。そのような自家増殖を現行の種苗法では、二一条にあるように、モンサントなどが登録した品種でも、農家は種を買ったら自由に自家採種し、次の年に植えたり、加工することができる。原則自家採種自由だ。
ただし、第三項に「農林水産省が特例でもっていわば適用しない品目を定めることができる」となっていた。じつは自家採種の禁止は始まっていた。最初はバラ、カーネーションなどの花、その次はキノコ、TPPを批准してからはキャベツ、ブロッコリー、ナス、トマト、スイカ、メロン、キュウリ、ダイコン、ニンジンなど、あらゆるメジャーな野菜や果樹をはじめとする357種類もの植物が指定され、今年新たに野菜のみで31種類指定され、400種類近くになっている。この登録品種を勝手に自家採種したら懲役10年、1000万円以下の罰金で、しかも共謀罪の対象だ。
ところが、アメリカでも主要農産物の小麦は自家採種が3分の2で、3分の1が公共の種子、カナダは8割が自家採種、2割が公共の種子だ。オーストラリアは95%が自家採種で5%が公共の種子だ。それなのに日本はいよいよ自家採種禁止法案を出してきた。農水省の課長に「コメも麦も大豆も自家採種禁止にするのか。それが本当の狙いで、邪魔だったから公共の種子法を先に廃止したのか」と聞くと黙っていた。ところが検討会のとりまとめ(9月25日)には、わざわざ「これまで種苗法では非常に例外が多くて複雑だったから、シンプルなものにして、一律、自家増殖禁止の条文にしたい」と書いてある。そうすると「あまおう」をつくっているイチゴ農家もこれまでのように増殖できない。苗を1本250円ほどで6000本買わなければいけなくなる。
検討会でプレゼンをした茨城県の横田農場は、過疎地のため、人に頼まれて耕作面積が増え、今150fでコメをつくっている。8品種のコメを作付けしているが、そのうち登録品種だけで7dくらい自家採種しているという。コシヒカリなど育種期間(25年)が切れている品種もあるが、まだ切れていない新しい品種(「ゆめぴりか」など)の自家採種をやめて種子を購入すると500万円ほどかかり、「われわれはやっていけない」とプレゼンした。これが民間の種子になるとその10倍=5000万円かかる。ところがこれに一切コメントなしで、自家採種一律禁止という方向で条文にし、来年の通常国会で審議が始まることになった。自民党はどんなことがあってもこの法案を通すとはりきっているという話を耳にし、大変心配しているところだ。
なぜ自家採種を禁止するのか、その理由として農水省は「シャインマスカットなど日本の優秀な育種知見がそのまま中国や韓国に流れた。これを取り締まらなければならない」という。そのために種苗法を改正して、許諾・承認を得るか、新しく買うかしなければいけないのだという。しかし、海外流出を食い止めるのであれば、宮崎県が種牛の精液が海外流出するのを刑事告訴したように、現行法で刑事告訴すれば足りることだ。海外に出たものを取り締まるには、農水省が海外でシャインマスカットの育種登録もしくは商標登録などをすべきではなかったか。それを怠っていて、政府は「種苗法を改正しなければ海外流出を食い止めることができない」といういい方をしている。
1週間ほど前に「日本の種を守る会」は農水省の知財課長を呼んで話を聞いた。そこで農水省は「育種権者が第三者、企業にかわった場合、育種権はどうなるか」を説明した。思い出してほしい。農業競争力強化支援法で、例えばマスカットは農研機構の育種知見だが、それらをモンサントなどの民間企業に譲渡するようになっている。譲渡されて育種権者がかわった場合、そこから許諾を得るか、種苗を買わなければいけなくなるのではないか。県民や国民の税金で開発した育種知見を民間企業に譲渡しておいて、農家(国民・県民)が使うときには民間企業にロイヤリティを払わなければ許諾するわけはないだろう。県や国であれば許諾するであろうし、研究者はみんな使ってほしいと思っている。しかし、民間企業は当然、許諾料をとるか、1本ずつ買えとなるのではないか。
もう一つ、農水省は「これまでの伝統的な固定種をつくっている有機栽培の農家は大丈夫だ。安全だ」と説明している。家庭菜園は私も大丈夫だと思っているが、有機栽培の農家は安心ではない。種苗法二一条では、「登録された品種」と「特性により登録された品種と明確に区別されない品種」も自由に自家採種できるようになっている。野菜は土地と風土、栽培する人や年によって少しずつ変化していくものだ。登録品種であっても変化していくので、今モンサントは子会社を使ってナスやブロッコリー、トマトなど、さまざまな野菜をどんどん登録品種にしている。これらの登録品種と、有機栽培で農家がつくっている野菜のどこが違うのか区別はしにくい。こうして新規の育種登録を次次にした民間企業が、野菜農家などに育種権の侵害として賠償金を求めるようなことになりはしないかと心配している。
すでに企業から生産者が訴えられる裁判が6件起こっている。モンサントの裁判は有名だが、カナダでは有機栽培の伝統的なナタネ農家がモンサントから訴えられて裁判で負けた。日本で有機栽培をしている農家も、ある日突然、モンサントから20億、30億円の賠償金を請求されることもあり得る。実際、今度の種苗法の検討会でリードしたのは知的財産権ネットワークの弁護士だ。日弁連の雑誌にも、「これからは育種権の争いが論点になってくるだろう」と書かれている。
農水省の知財課長の説明では、こうした争いになった場合、裁判所は育種登録した品種の現物と、農家がつくっている作物の違いを求めようとするという。しかし、実際には登録したモンサントの野菜の品種も変化してくるから、その特性を6項目くらい法制化し、それに反したら育種権違反だとやれるよう改正案を準備しているという。これはモンサントなど種子企業が裁判で争えるように改正する内容だ。
アメリカで10年ほど前に自家採種禁止法案が通ったときも、「伝統的な固定種を栽培している有機栽培農家は安全だ」と説明していたが、今は本当に伝統的な有機栽培農家も種子を買わなければならなくなり、事実上、自家採種禁止になってしまった。このことはエップ・レイモンドさんの米国からの報告に詳しく書かれている。決して有機栽培農家、自分で種とりをして伝統的な固定種を栽培している農家も安心ではない。今度の種苗法改定案はどのようなことがあっても反対しなければならない。
種子法が廃止されたとき、農水省は自民党議員のところを「種苗法で守る」といって回った。ところが種苗法改定で自家採種を禁止し、コメも麦も大豆も、すべての種を買わせるのが狙いだった。アメリカもそうだったが、国家は嘘をつくものだ。
私たちは裁判でも争っているが、今後は広島県のジーンバンクのように伝統的な固定種を県が発掘し、それを保存・管理することが大事になってくる。広島県はそれを農家に無償で貸し出している。福岡県でもそのような条例をつくって、企業や民間や県も出資して公社をつくり、守ることが必要になってくる。
日本の経済、地域の経済を発展させていく施策
種子条例は、九州では宮崎県が1番につくり、今、熊本県が種子条例のパブコメで骨子案を発表した。鹿児島県知事もつくることを表明した。この前の議会までに11の道県でできたが、新しく栃木が先日採決し、宮城県の種子条例もパブコメをした。島根県も種子条例をつくることを発表し、岩手県は議員提案でやることが決まった。滋賀県もやる。年内にだいたい16の道県で種子条例ができそうだ。秋田、青森なども動き出しているし、福島も動き出した。来年度までに26の道県で種子条例ができるのではないかと思っている。
種子条例ができる一つのきっかけは、市町村のみなさんが動き出したということだ。1番最初につくった新潟県では、柏崎市が日本で1番最初に種子条例の制定を求める意見書を出した。県内各市町村で動き出し、それをもとに新潟県がつくり、兵庫県、埼玉県、山形県というようにどんどん動いてきた。
地方分権一括法では、国が地方自治体に指揮命令することは一切禁止している。国が地方にいえるのは単なる通知だけだ。通知は法律的にいうと「技術的助言」に過ぎない。法律に反しない限り地方自治体は何でもできるのだ。今治市は食と農の条例をつくった。「遺伝子組み換え農産物はつくらせない」という条例だ。もし市長の承認なくつくれば、2年間の懲役、500万円以下の罰金など、非常に厳しい内容だ。この町で「ゲノム編集のものは表示なくして流通させない」といった条例に刑罰まで定めてつくることができる。韓国は学校給食を条例で全部無償でやっているが、おそらく日本でも学校給食を有機でやる市町村が出てくる。世田谷の区長は無償で学校給食を始めた。同時に今、有機でやろうと真剣に考えているところだ。千葉県いすみ市の学校給食はコメは有機100%だ。普通入札で60`1万3000円くらいだが、2万円で買い、差額を市が補填している。
じつは安倍官邸が悪いといっている時期ではない。農薬から自家採種禁止まで大変なことになろうとしているが、私たちの暮らしは自分で守るしかない。そして自分で守ることができる。住民には請願権が認められている。知っている市会議員や町会議員を通じて、この町で学校給食を有機農産物でやるという条例案を審議してくれという請願を出すと市町村議会はそれを審議しなければいけない。次次にそういったものを出していくことによって地方から変えていくことができる。今、自分が動けば何でもできる。私たちが主役だ。
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/13829
98. 中川隆[-10503] koaQ7Jey 2019年10月29日 11:59:39 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2370]
今、アメリカのスーパーはどこに行ってもオーガニック、「NON GMO」があふれている。アメリカを変えた女性といわれているゼン・ハニーカットさんにもお会いした。彼女はロバート・ケネディ・ジュニア弁護士やジョンソンさんと一緒になって裁判をひっ張って来た人だ。
彼女の子どもは3人ともアレルギーで、そのうち次男のボダイ君は小麦アレルギーがなかったのでパンやパスタをたくさん食べさせた。するとある日突然、理由もないのに怒り出し、暴れ出して自閉症の症状を起こした。驚いて病院に連れて行き、腸内細菌を調べると、クロストリジウムという脳神経を直接おかしくする細菌が、ヨーロッパの環境基準の四倍見つかった。このせいではないかと彼女は考えた。
アメリカでは10年前から小麦の収穫前にラウンドアップをまいていた。ラウンドアップをまくと小麦が枯れるため、コンバインで刈る手間がなくなる。主成分・グリホサートは小麦の芯まで浸透し、水分が一滴もなくなるため、日本に運んで来るまでにカビが生えたり細菌が発生することもない。彼女はこのグリホサートのせいではないかと考え、小麦粉製品を食べさせるのをやめ、有機の物と発酵食品にするとボダイ君の症状は劇的に改善された。
それまで、「グリホサートは食べ物から体内に入ってもすぐに分解されて尿として排出され、体内に残ることはない」という研究論文の下で、アメリカ環境保護局(EPA)も認めて来た。しかし、体内にグリホサートがあるかもしれないと考えた彼女が、母親たちの協力を得て母乳中のグリホサートの検査をすると、9割以上の母親からグリホサートが検出された。
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種子法廃止とこれからの日本の農業について 元農林水産大臣・山田正彦 2019年10月26日
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/13829
私は五島列島出身で、29歳のときに400頭くらい牛を飼っていた。豚も年間8000頭くらい出荷していたので、相当な規模だった。うまくいかず自分で肉屋もやり、最後は県庁前で牛丼屋までやったが、さんざん失敗した。当時4億円くらい借金を抱えた。忘れられないのは当時の農水省の勧めで大型畜産をやった仲間が2人自殺したことだ。私は破産状態だったが、弁護士の資格だけは持っていたので、弁護士をして借金の支払いをしながら、なんとも悔しかったので衆議院に出た。3回敗れて4回目に通り、5期衆議院議員をさせていただき、運良く農林水産大臣にさせていただいた。そのときに、戸別所得補償や飼料米制度、林業再生プラン、漁業の所得保障などいろいろやらせてもらった。そのときちょうどTPP交渉に参加したいという話があり、閣議で大げんかして大臣を辞め、今日までTPP反対運動を続けてきた。
ところがTPPは昨年12月30日に発効した。たった5日間で牛肉の輸入量は半月分になるほど急増した。今年2月1日に日欧EPAも発効し、なんとEU産豚肉は五割増になった。チーズやバター、乳製品、果物類も今だいたい昨年に比べて3割増だ。そんななか日米FTAがいよいよ来年1月には発効する。一番恐れていたことだ。
アメリカは農産物しか売る物がない。日本を見るとトヨタ自動車一社の売上だけで30兆円だ。農林水産物はあわせても8兆円しかない。2年前に「トヨタ自動車その他日本の自動車に25%の報復関税をかける」とトランプからいわれ、霞が関の官邸や農林水産省、経産省から聞こえて来るのは、「このさい、報復関税25%をなんとか延期してもらうために、農林水産物は譲るだけ譲る」ということだった。そしてアメリカの農務省長官も、はっきり「もう日本とは話がついた」と、今年5月からツイッターでいっている。今後大変なことになっていくのではないかと思う。
今、アメリカもオーストラリアもどんどんコシヒカリをつくっている。これが60`4000円で入ってくる。私が農林水産大臣のときにおこなった試算では、今日本のコメの生産原価は60`当り1万5000円だ。昨年の農家の手取りが1万3300円だった。試算ではTPPに参加すると日本の食料自給率は14%まで落ち込むという結果になった。韓国ですら今、食料自給率は48%だ。日本は本当にどうなるのかと心配している。
TPP協定は条約であり、憲法の下で、国内法の上になる。米韓FTAを結んだ韓国が200本の法律を変えたように、日本もTPP協定(8000ページ・30章)に従って、この2年間、次次に法律を変えている。一番最初に変えたのが主要農産物種子法の廃止だ。これについて私は5年前から、「明らかに国の主権を損なうものだ」としてTPP違憲訴訟をしている。その判決が昨年10月31日にあったが、判決のなかで種子法廃止について「背景事情の一つにTPP協定に関する動向があったことは否定できない」と、TPP協定と種子法廃止の関連を最高裁判所は認めた。水道法改定、漁業法の改定、市場法の事実上の廃止、森林管理法の改定など、すべてこれはTPP協定によるものなのだ。
種子法で日本のコメ、麦、大豆は守られてきた
今私たちはおいしいお米を当たり前のように食べている。これは全部、伝統的な固定種だ。種子法のおかげで私たちの主食であるコメ、麦、大豆など、それぞれおいしいものを食べることができた。これがどうなるか。
野菜で考えていただくとわかりやすい。野菜は30年前、みんな伝統的な固定種だった。ところが野菜の種子はF1に変わり、今、90%を海外で生産している。2年前にモンサントの遺伝子組み換え農産物の見学会に行ったとき、思いがけないことを聞いた。「日本の野菜の種子はモンサントでつくっています」といわれたのだ。そんなことはパッケージに書いていない。「委託生産し、委託販売している」という。調べてみるとモンサントは野菜の種子だけで800億つくっている。世界の種子は今、モンサント(バイエル)、ダウ・デュポン、シンジェンダ(中国化工集団傘下)の3社で世界の種の7割を握っている。同時にこの3社で世界の農薬の7割、世界の化学肥料の7割を握っている。
こうして野菜の種子はF1になり、ニンジンでいえばカロチンなど栄養価は3分の1に減っている。F1は科学的にそこまで問題になるとはいわれていないものの、主食のコメ、麦、大豆の公共の種子がなくなると、民間の種子を使わざるを得なくなる。すでにコメ、麦、大豆の民間の種子ができている。
種子法とは
種子法ではコメ、麦、大豆の伝統的な日本の在来種を国が管理し、各都道府県に原種・原原種の維持、優良品種の選定、奨励、審査を制度として義務づけてきた。そのもとで、各地の農業試験場で雑種の混入や不良な種を取り除き、厳格に監査した優良な品種を公共品種として安く安定して提供してきた。
原原種の栽培では、コシヒカリやヒノヒカリなどを1本ずつ植え、毎年つくっている原種を純粋なコシヒカリに合わせて開花時期、丈の高さを揃えていく。四割くらいは黒米や赤米になったりするので、それをとり除いていくと、そこで6割くらいしか残らない。農業試験場に見学に行くと、穂先が1aくらい伸びているなかから、1_か2_違えばとり除いていた。その後も10回前後の抜きとり作業をおこなうなど、「異株」に対して細心の注意を払い、発芽率90%の種をつくり、その後に原種をつくる。3年目にようやく県が種子栽培農家を選定し、圃場を選定して、福岡県であれば「ヒノヒカリ」「発芽率90%以上」と、県として責任を持って保証書を出し、だいたい1`500円ほどでコメ農家に提供してきた。それをコメ農家は4年目につくり、われわれは5年目に食べることができる。そうやって純粋な伝統的な品種をしっかり守っている。麦も大豆も同じだ。
ところが、種子法を廃止するとき政府は「種子法があることで民間の優秀な品種が普及できない」「なかなか売れない」といった。民間の優秀な品種(三井化学の「みつひかり」など)があるではないかと説明して回った。「みつひかり」は野菜と同じようにF1の種子で、伝統的な固定種ではない。価格を見ると、「みつひかり」の種子は4000円なので、公共の種子と比較すると8〜10倍する高い物だ。野菜の種子もF1になって多国籍企業がつくるようになってからは、イチゴやトマトなど1粒1〜2円だったものが、今は40〜50円だ。いずれコメ、麦、大豆の種子も40〜50倍になっていくことは間違いないと思っている。
農家を大企業に隷属させる
私は三井化学の「みつひかり」や住友化学の「つくばSD」の生産者、日本モンサントの「とねのめぐみ」の生産者など、さまざまな方に会ってきた。話を聞くと、民間の種子には必ず、収量がコシヒカリの1・2倍〜4倍、味はヒノヒカリ以上、コシヒカリ以上という内容が書いてある。そしてつくりやすく倒伏しない。しかし実際は必ずしもそうではない。最初の年は化学肥料をやるのでいくらか収量があるが、土壌が追いつかず、だんだん収量が減ってくるのでやめた農家もけっこういた。
実際の契約書を見ると、モンサントの契約書は有名で、何十ページもあって肝心な部分は英語で書かれているのだが、これがたった1枚だった。そのなかに「指示されたことに従わない場合はモンサントに生産者は責任を負う」と書かれている。農薬や化学肥料の指示はなかったのかと聞くと、その方は「そういう指示はなかった」といっていた。
しかし、「つくばSD」の契約書は10ページあり、指定された農薬と化学肥料を必ず使わなければならない、反すると損害賠償責任を負うと書かれていた。そして「収穫されたものはすべて住友化学の指定するところに納めなければならない」となっている。価格については住友化学と生産者とで、「収穫後にそのときの相場を見て決める」となっている。今回の台風のときのように全滅する場合はどうかというと、「災害時の責任はすべて生産者が負う」となっている。これは非常に一方的な契約だ。
「みつひかり」の生産者の話では、最初の年は60`1万2000円で全量引き取りだったからつくったが、翌年は60`1万円、その次の年は9000円になったのでやめたという。私は「よくやめられましたね」といった。この「みつひかり」の契約書だと、正当な理由がなければ、やめるにしても莫大な損害賠償を請求される恐れがある。
これから、地方自治体が公共の種子をつくらなくなると、モンサントなど民間との契約の下、農家はまさにがんじがらめに縛られて、アメリカの農家のように奴隷農場に、借金漬けになっていく。
日本のコメ農家がモンサントへロイヤリティを支払う
もう一つ、「農業競争力強化支援法」の八条三項のなかで、「銘柄が多すぎる」といっている。日本には各県の奨励品種だけで約300品種ある。天皇家の古代米だけで17種類だから、全国でだいたい1000種類のコメがつくられている。そのコメを数種類に集約するという。「民間の種子に」という意味だ。農協潰しの法案といわれた「農業競争力強化支援法」だが、八条四項では、日本(国の農研機構や各都道府県)が蓄積してきた育種知見をすべて民間に提供するとされている。国会で「海外のモンサントなどにも提供するのか」と聞くと、当時の斉藤農水大臣は「TPP協定は内外無差別だから、当然そうなる」と答えている。
そうなるとどうなるか。メキシコはトウモロコシの原産国だが、今、メキシコの農家はモンサントなどにロイヤリティを払わなければトウモロコシをつくることができない。フィリピンもそうなった。日本のコメ農家もそうなっていくということだ。
たとえば福岡県でやっとできたおいしいコメの品種も、提供するとロイヤリティを払わなければならない。国民の税金、県民の税金でつくった新しい品種だ。この育種知見がTPP協定によって多国籍企業に出て行くことになる。
じつは農水省の事務次官が平成29年11月15日付で、「都道府県に一律の制度を義務付けていた種子法及び関連通知は廃止するものの、都道府県が、これまで実施してきた稲、麦類及び大豆の種子に関する業務のすべてを、直ちに取りやめることを求めているわけではない」という通知を出した。「いずれやめなさい」「予算をつけませんよ」という意味だ。さらに、「民間事業者による稲、麦類及び大豆の種子生産への参入が進むまでの間、種子の増殖に必要な栽培技術等の種子の生産に係る知見を維持し、それを民間事業者に対して提供する役割を担う」とある。
三井化学の「みつひかり」や日本モンサントの「とねのめぐみ」などのように、麦でもすでにF1の麦もできている。そういった民間のものが普及するまでの間だけ、各都道府県は育種知見を維持し、その間に民間にそれらの知見をすべて提供する義務があるという通知だ。実際に種子法が廃止になった昨年四月に奈良県、和歌山県、大阪府は県が責任を持ってつくるのをやめ、民間に委託した。県の保証するコメ、麦、大豆の種子は三府県ではなくなった。福岡県も条例をつくらなければそうなっていく。
日本も遺伝子組換えのコメ、麦、大豆を作付けするようになる?
飼料米制度は私が大臣のときにつくったものだ。今コメでは農家は赤字だが、飼料米制度で何とか食べてきている。その飼料米農家に先日、農政局から説明があり、「反当り11俵以上とれないと補助金を出さない」という話が出てきたという。調べて見ると、すでにゲノム編集の飼料米の種子が用意されていた。その農家が「これからはF1か遺伝子組み換えの飼料米をつくらなければいけないのではないか」と心配していたが、まさにそうだった。そして「WRKY45(ワーキー45)」というゲノム編集のコシヒカリの種子も用意されていた。
ゲノム編集について、昨年8月7日の『日本農業新聞』の1面に「GM技術該当せず」とある。ゲノム編集は遺伝子組み換えの一つだが、「遺伝子組み換え技術に該当せず、安全だ」といい始めたのだ。『日本経済新聞』(今年3月19日付)には「ゲノム編集食品、夏にも」とある。実際にはこの10月1日にゲノム編集食品は解禁された。任意の届け出のみで表示もないまま、いよいよ流通し始める。
ゲノム編集とはなにか。例えばトマトの熟成する遺伝子だけを粉砕すると、熟成せず腐らなくなる。3年間、青青としているトマトができている。それを収穫して倉庫に入れておき、出荷のさいにエチレンガスをかけると真っ赤になる。それが本当に安全なものなのだろうか。
EUでは、遺伝子組み換えは原則禁止しており、ゲノム編集は遺伝子組み換えであるとして使わないようにしている。ところが日本は、「ゲノム編集は遺伝子組み換えと違い、新しい別の種類の遺伝子を組み換えて入れるわけではない。アミノ酸に変わりないから安全だ」といっている。ところがアメリカもそうではない。先日訪米し、遺伝子組み換えの分野では右に出る人はいないというチャペラ教授に話を聞いたが、最初「ゲノム編集」といっても伝わらなかった。そして「そうか、山田さんがいっているのはNEW GMOのことだな」といわれた。アメリカでもみな、遺伝子組み換えの延長線上の話だという認識だ。しかし日本だけはゲノム編集は遺伝子組み換えと違うといい出した。
今、ネイチャー誌に論文が載っているように、「ネズミ1匹の遺伝子を粉砕すると1600」の副作用がある。
たとえば、中国でゲノム編集によって双子の赤ちゃんが生まれた。父親がエイズだったので、生まれてくる子どもがエイズにならないよう、ウイルスにかかっている遺伝子だけを壊した。すると思いがけず双子が生まれた。しかし、2人はエイズにはかからないが、西ナイル熱ウイルスにはかかる、インフルエンザにかかると重症化する、免疫疾患になる、短命であるなど、さまざまな影響があることがわかってきた。
ゲノム編集食品で最初に、もうすでに日本に入ってきているのは高オレイン酸大豆だ。アメリカでは「ゲノム編集の大豆」「遺伝子組み換え大豆」というと、今ほとんど売れない。それで安倍総理は日米FTA交渉のなかで受け入れた。何の表示もないまま、食用油としてすぐに店頭に並ぶと思う。これがどういう作用があるのかはまったくわからない。
ゲノム編集の高オレイン酸大豆や、カーギルが関与している除草剤耐性のあるナタネなどが日本に入ってきたところだと思うが、さらに政府はそれについて「有機(JAS)」の認証をできないか検討を始めた。9月30日に第1回の検討会があり、第2回が近く予定されている。アメリカですでに用意されている遺伝子組み換えのコメの種子、ゲノム編集のコメの種子、麦、大豆、ジャガイモなどについて、「有機」の認証をしたいというのだ。話を聞き、資料を読んでみると、認証することが前提の検討会になっている。今、遺伝子組み換え食品について、日本は政府が318種類も承認している。アメリカですら197種類だから日本はダントツだ。
遺伝子組み換え農作物は、すべて除草剤・ラウンドアップ耐性だ。ラウンドアップをまくと植物は枯れる。主成分のグリホサートはベトナム戦争の枯れ葉剤と考えればよい。植物がアミノ酸をつくるシキミ酸経路を破壊するので、植物はアミノ酸をつくれず枯れる。ところがグリホサート耐性を持たせた農作物は、いくらグリホサートをまいても死なず、すくすくと生きている。ところが、そのラウンドアップで今大変なことが起きている。
ラウンドアップ裁判
アメリカで昨年8月10日、歴史的な裁判があった。
学校の用務員ジョンソンさんが、校庭の除草のために20〜30回ラウンドアップをまくと、腕に腫瘍ができ、末期ガンであることがわかった。モンサントのラウンドアップ以外に考えられないと、モンサントを訴えた裁判だが、モンサントに320億円支払えという評決が出た。判決は86億円に訂正されたが、これは世界のトップニュースになり、世界中に激震が走った。
世界各国でじつは今、グリホサート、ラウンドアップの規制が広がっている。ラウンドアップをやめた国は24カ国、規制している国は33カ国にのぼっている。隣の韓国もラウンドアップの使用をやめ、ネオニコチノイドの空中散布や屋外の使用を一切禁止している。
ラウンドアップをめぐる裁判は次次に起きており、ジョンソンさんの次には88億円、3例目の夫婦のガン患者には2200億円支払えという評決が出た。サンフランシスコでジョンソンさんに会い、インタビューをすることができたが、腕はケロイド状で肉が出ていた。彼は、「妻がハグすると皮がずりっと落ちて大変なので、今優しく抱いてもらっているだけだ。子どもはどうやらあきらめがついたようだが、妻はまだあきらめがついていないようだ」と話していた。日本に対するメッセージを求めると、「ラウンドアップの使用をできるだけ早くやめてほしい。日本だけでなく世界の人にそういいたい」といわれていた。
その後、この訴訟にかかわったロバート・ケネディ・ジュニア弁護士にもインタビューした。彼は叔父のジョン・F・ケネディがホワイトハウスにいるときに、レイチェル・カーソン女史に会ったという。当時、モンサントはDDTを世界中で売りまくっていて、レイチェル・カーソン女史は「鳥も鳴かない春が来る」といい、モンサントから徹底的に糾弾されていたそうだ。そのときからロバート・ケネディ・ジュニア弁護士は30年間モンサントとたたかってきたという。
裁判で勝利できたのは、モンサントが所有している最高の内部機密資料を裁判に出すことができたからだという。その内部機密資料によって、モンサントは19年前から、遺伝子組み換え作物やグリホサートでガンになることを認識していたことが明らかになった。実証の結果わかっていたのに悪質な隠蔽工作を続け、今日まで売り続けてきていたのだ。ロバート・ケネディ・ジュニア弁護士の話では、例えばニューヨークでは「ラウンドアップはコーヒーやピクルスと同じように飲んでも健康な大丈夫なものです」と宣伝していた。これは明らかな間違いなので、モンサントは莫大な罰金を払わされることになったという。
日本では、「すぐに生分解されて自然に戻るから害がないとコマーシャルしている」と話すと、明らかに虚偽の事実で、公共放送でやるなど考えられないといわれていた。TPP違憲訴訟をするうえで裁判資料の提供を依頼すると、喜んで承諾して下さり、「日米で一緒にたたかいましょう」という話になった。
今回、劇的な裁判となったが、すでにアメリカで5万件、同様の裁判が起こされており、カナダやオーストラリアでもモンサントに対する同様の裁判がなされている。モンサントを昨年6月に買収したバイエルは今、株価が5割下がっている。そしてついに正社員の1割に当たる1万2000人のリストラを発表し、動物医薬品を売るドル箱だった会社を売却した。アメリカでもEUでも「モンサントは終わった」といわれ、バイエルも危ないといわれているほどだ。
オーガニック食品の広がり
今、アメリカのスーパーはどこに行ってもオーガニック、「NON GMO」があふれている。アメリカを変えた女性といわれているゼン・ハニーカットさんにもお会いした。彼女はロバート・ケネディ・ジュニア弁護士やジョンソンさんと一緒になって裁判をひっ張って来た人だ。
彼女の子どもは3人ともアレルギーで、そのうち次男のボダイ君は小麦アレルギーがなかったのでパンやパスタをたくさん食べさせた。するとある日突然、理由もないのに怒り出し、暴れ出して自閉症の症状を起こした。驚いて病院に連れて行き、腸内細菌を調べると、クロストリジウムという脳神経を直接おかしくする細菌が、ヨーロッパの環境基準の四倍見つかった。このせいではないかと彼女は考えた。
アメリカでは10年前から小麦の収穫前にラウンドアップをまいていた。ラウンドアップをまくと小麦が枯れるため、コンバインで刈る手間がなくなる。主成分・グリホサートは小麦の芯まで浸透し、水分が一滴もなくなるため、日本に運んで来るまでにカビが生えたり細菌が発生することもない。彼女はこのグリホサートのせいではないかと考え、小麦粉製品を食べさせるのをやめ、有機の物と発酵食品にするとボダイ君の症状は劇的に改善された。
それまで、「グリホサートは食べ物から体内に入ってもすぐに分解されて尿として排出され、体内に残ることはない」という研究論文の下で、アメリカ環境保護局(EPA)も認めて来た。しかし、体内にグリホサートがあるかもしれないと考えた彼女が、母親たちの協力を得て母乳中のグリホサートの検査をすると、9割以上の母親からグリホサートが検出された。
私はそれを聞いて日本で何とか調べたいと思い、フランスのクズサイエンスというところに髪の毛を送って調べてもらった。1キット5万円したが、30キット購入し、国会議員23人や私も含め総勢30人を調べると30人中21人からグリホサートが検出された。これを黒田純子博士が聞いて驚いた。「尿で検査すると日本人みんなから検出されるのではないか」と。
今の医学では1個の細胞が生きるのに10個の腸内細菌の力を借りなければいけないといわれている。私たちは腸内細菌で生かされている。グリホサートはその腸内細菌のうち善玉菌をほとんど殺してしまう。そうなるとガンになったり、切迫流産や生殖系の機能を阻害したり、自閉症になることなどが明らかになってきている。黒田純子博士は、「じつはグリホサートは遺伝子を傷つけるのではなく、メチル化するのだ」といわれた。メチル化とは、遺伝子のオン・オフを人によって突然切り替えるのだそうだ。そうなるとこの遺伝子がそのままゲノム編集と同じ効果になる。
ネズミの実験ではF0(大人の世代)、F1(子どもたちの世代)にはほとんど影響はないという。ただF3(孫)、F4(ひ孫)の時代に異常が出てくるという。遺伝子そのものが変わるため、最初の角度が一度違っても、遠くに行くほど角度が開くそうだ。
ラウンドアップにかわる除草剤
ラウンドアップは今のJAでもどこでも売っている。しかし、お母さんたちが反対運動をしてダイソーは8月8日から販売をやめた。ラウンドアップにかわる天然素材の除草剤はないか調べていると、オーストラリアでオーガニック・コンタクト社の除草剤を、昨年暮れ近くになって政府が有効な除草剤としたことがわかった。この話を聞いてすぐにサンプルを輸入してもらい、試験してみた。すると1時間で雑草に黒く斑点ができてひっくり返っていき、4時間後には一部だが茶色く枯れた。これを、アメリカのEPAが除草剤として承認した。EUも審議中で、スリランカ、ニュージーランドも承認し、4カ国が承認したところだ。何とかしてラウンドアップをやめたい。
世界に逆行する日本―世界の流れは有機・自然栽培、非遺伝子組み換え作物に
アメリカのダイソーで販売しているポテトチップには警告として「揚げたジャガイモ(ポテトチップスなどの)には、発がん性や、先天性血管、そのほかの生殖系への悪影響を引き起こすことが知られている、アクリルアミドという化学物質が含まれています」という表示がされている。日本では普通に食べている。カラムーチョもそうだ。世界は食品表示が厳しいのに、これから日本で売られるゲノム編集の大豆やナタネでつくられる食用油は、何の表示もないまま合法的に売られる。しかも政府はこれを「有機(JAS)」で売りたいという検討会まで始めている。まさに世界の流れと逆行している。
韓国のスーパーでもオーガニックコーナーができ、オルゴク小学校(清州市・500人)では、有機・無償で学校給食を提供している。パンやサンドイッチは輸入小麦に頼らざるを得ないのではないかと思ったが、パンやパスタは一切使わず、うどんは全部国産の小麦粉だという。日本の大手3社の小麦粉を調べてみると、グリホサートがたくさん含まれている。もっとも入っているのが日清製粉の「全粒粉強力粉」だ。オルゴク小学校はアレルギーの子どもが七人しかいなかった。
韓国の農水省の課長に全国の状況を聞くと、ほぼ小・中学校は有機・無償でやっており、高校はもう少しかかるということだった。保育園・幼稚園でも始め、何年か後には妊婦にも有機の物を食べさせたいと思っているという話だった。
韓国も台湾も、食の安全に対する取り組みを始めている。日本は農薬や食品添加物の基準でいうと台湾の400倍も緩い。小麦粉のグリホサート残留農薬基準は中国の150倍緩い。そして世界各国がグリホサート、ラウンドアップを規制しようとしているなかで、こともあろうに日本だけがグリホサートの残留農薬基準を、物によっては400倍にまで緩めた。そば粉やナタネなどは75倍、100倍、テンサイは75倍だ。今、世界で一番農薬の残留基準が緩いのが日本だ。
ロシアも2016年に遺伝子組み換え農産物はつくらせない、輸入させないという法律を上院下院で通した。中国も2017年から同じように輸入も国内栽培も禁止している。いずれも国を挙げて有機栽培に力を入れている。アメリカも、じつは遺伝子組み換え農産物は2016年から頭打ちで、今オーガニックの生産がなんと年に10%の割合で伸びている。
先月アメリカに行き、モンタナ州(小麦の大産地)を訪れた。そこで10年前までケミカル農業(農薬や化学肥料を使う農業)をしてきたが、オーガニックに変えたという農家に会った。やめた理由を聞くと、「ケミカル農業をしている農家は家に帰るとすぐに服を脱ぎ捨ててシャワーを浴びないと子どもをハグできなかった。今は子どもたちと一緒に畑の中に入ることができる」という話だった。今、彼のつくった小麦は1ポンド14jだが、ケミカル農業の小麦は1ポンド3・7jだという。農薬や化学肥料にも金がかかる。「彼らは赤字だ。私は早く切り替えてよかった。アメリカでももう有機にしないと農業はやっていけない」と話していた。
自家採種の禁止
政府が自家採種を原則禁止するという種苗法の改定案を、いよいよ来年の通常国会で提出することがはっきりした。今年3月から9月25日まで5回にわたって検討会を開いてきたものだ。
自家採種(自家増殖)というのは、たとえばイチゴの場合は苗を10本とか15本購入し、ランナーで芽出しして次の年に植えたりすることだ。イモやサトウキビ、ジャガイモも同じだ。木の場合は接ぎ木する。そのような自家増殖を現行の種苗法では、二一条にあるように、モンサントなどが登録した品種でも、農家は種を買ったら自由に自家採種し、次の年に植えたり、加工することができる。原則自家採種自由だ。
ただし、第三項に「農林水産省が特例でもっていわば適用しない品目を定めることができる」となっていた。じつは自家採種の禁止は始まっていた。最初はバラ、カーネーションなどの花、その次はキノコ、TPPを批准してからはキャベツ、ブロッコリー、ナス、トマト、スイカ、メロン、キュウリ、ダイコン、ニンジンなど、あらゆるメジャーな野菜や果樹をはじめとする357種類もの植物が指定され、今年新たに野菜のみで31種類指定され、400種類近くになっている。この登録品種を勝手に自家採種したら懲役10年、1000万円以下の罰金で、しかも共謀罪の対象だ。
ところが、アメリカでも主要農産物の小麦は自家採種が3分の2で、3分の1が公共の種子、カナダは8割が自家採種、2割が公共の種子だ。オーストラリアは95%が自家採種で5%が公共の種子だ。それなのに日本はいよいよ自家採種禁止法案を出してきた。農水省の課長に「コメも麦も大豆も自家採種禁止にするのか。それが本当の狙いで、邪魔だったから公共の種子法を先に廃止したのか」と聞くと黙っていた。ところが検討会のとりまとめ(9月25日)には、わざわざ「これまで種苗法では非常に例外が多くて複雑だったから、シンプルなものにして、一律、自家増殖禁止の条文にしたい」と書いてある。そうすると「あまおう」をつくっているイチゴ農家もこれまでのように増殖できない。苗を1本250円ほどで6000本買わなければいけなくなる。
検討会でプレゼンをした茨城県の横田農場は、過疎地のため、人に頼まれて耕作面積が増え、今150fでコメをつくっている。8品種のコメを作付けしているが、そのうち登録品種だけで7dくらい自家採種しているという。コシヒカリなど育種期間(25年)が切れている品種もあるが、まだ切れていない新しい品種(「ゆめぴりか」など)の自家採種をやめて種子を購入すると500万円ほどかかり、「われわれはやっていけない」とプレゼンした。これが民間の種子になるとその10倍=5000万円かかる。ところがこれに一切コメントなしで、自家採種一律禁止という方向で条文にし、来年の通常国会で審議が始まることになった。自民党はどんなことがあってもこの法案を通すとはりきっているという話を耳にし、大変心配しているところだ。
なぜ自家採種を禁止するのか、その理由として農水省は「シャインマスカットなど日本の優秀な育種知見がそのまま中国や韓国に流れた。これを取り締まらなければならない」という。そのために種苗法を改正して、許諾・承認を得るか、新しく買うかしなければいけないのだという。しかし、海外流出を食い止めるのであれば、宮崎県が種牛の精液が海外流出するのを刑事告訴したように、現行法で刑事告訴すれば足りることだ。海外に出たものを取り締まるには、農水省が海外でシャインマスカットの育種登録もしくは商標登録などをすべきではなかったか。それを怠っていて、政府は「種苗法を改正しなければ海外流出を食い止めることができない」といういい方をしている。
1週間ほど前に「日本の種を守る会」は農水省の知財課長を呼んで話を聞いた。そこで農水省は「育種権者が第三者、企業にかわった場合、育種権はどうなるか」を説明した。思い出してほしい。農業競争力強化支援法で、例えばマスカットは農研機構の育種知見だが、それらをモンサントなどの民間企業に譲渡するようになっている。譲渡されて育種権者がかわった場合、そこから許諾を得るか、種苗を買わなければいけなくなるのではないか。県民や国民の税金で開発した育種知見を民間企業に譲渡しておいて、農家(国民・県民)が使うときには民間企業にロイヤリティを払わなければ許諾するわけはないだろう。県や国であれば許諾するであろうし、研究者はみんな使ってほしいと思っている。しかし、民間企業は当然、許諾料をとるか、1本ずつ買えとなるのではないか。
もう一つ、農水省は「これまでの伝統的な固定種をつくっている有機栽培の農家は大丈夫だ。安全だ」と説明している。家庭菜園は私も大丈夫だと思っているが、有機栽培の農家は安心ではない。種苗法二一条では、「登録された品種」と「特性により登録された品種と明確に区別されない品種」も自由に自家採種できるようになっている。野菜は土地と風土、栽培する人や年によって少しずつ変化していくものだ。登録品種であっても変化していくので、今モンサントは子会社を使ってナスやブロッコリー、トマトなど、さまざまな野菜をどんどん登録品種にしている。これらの登録品種と、有機栽培で農家がつくっている野菜のどこが違うのか区別はしにくい。こうして新規の育種登録を次次にした民間企業が、野菜農家などに育種権の侵害として賠償金を求めるようなことになりはしないかと心配している。
すでに企業から生産者が訴えられる裁判が6件起こっている。モンサントの裁判は有名だが、カナダでは有機栽培の伝統的なナタネ農家がモンサントから訴えられて裁判で負けた。日本で有機栽培をしている農家も、ある日突然、モンサントから20億、30億円の賠償金を請求されることもあり得る。実際、今度の種苗法の検討会でリードしたのは知的財産権ネットワークの弁護士だ。日弁連の雑誌にも、「これからは育種権の争いが論点になってくるだろう」と書かれている。
農水省の知財課長の説明では、こうした争いになった場合、裁判所は育種登録した品種の現物と、農家がつくっている作物の違いを求めようとするという。しかし、実際には登録したモンサントの野菜の品種も変化してくるから、その特性を6項目くらい法制化し、それに反したら育種権違反だとやれるよう改正案を準備しているという。これはモンサントなど種子企業が裁判で争えるように改正する内容だ。
アメリカで10年ほど前に自家採種禁止法案が通ったときも、「伝統的な固定種を栽培している有機栽培農家は安全だ」と説明していたが、今は本当に伝統的な有機栽培農家も種子を買わなければならなくなり、事実上、自家採種禁止になってしまった。このことはエップ・レイモンドさんの米国からの報告に詳しく書かれている。決して有機栽培農家、自分で種とりをして伝統的な固定種を栽培している農家も安心ではない。今度の種苗法改定案はどのようなことがあっても反対しなければならない。
種子法が廃止されたとき、農水省は自民党議員のところを「種苗法で守る」といって回った。ところが種苗法改定で自家採種を禁止し、コメも麦も大豆も、すべての種を買わせるのが狙いだった。アメリカもそうだったが、国家は嘘をつくものだ。
私たちは裁判でも争っているが、今後は広島県のジーンバンクのように伝統的な固定種を県が発掘し、それを保存・管理することが大事になってくる。広島県はそれを農家に無償で貸し出している。福岡県でもそのような条例をつくって、企業や民間や県も出資して公社をつくり、守ることが必要になってくる。
日本の経済、地域の経済を発展させていく施策
種子条例は、九州では宮崎県が1番につくり、今、熊本県が種子条例のパブコメで骨子案を発表した。鹿児島県知事もつくることを表明した。この前の議会までに11の道県でできたが、新しく栃木が先日採決し、宮城県の種子条例もパブコメをした。島根県も種子条例をつくることを発表し、岩手県は議員提案でやることが決まった。滋賀県もやる。年内にだいたい16の道県で種子条例ができそうだ。秋田、青森なども動き出しているし、福島も動き出した。来年度までに26の道県で種子条例ができるのではないかと思っている。
種子条例ができる一つのきっかけは、市町村のみなさんが動き出したということだ。1番最初につくった新潟県では、柏崎市が日本で1番最初に種子条例の制定を求める意見書を出した。県内各市町村で動き出し、それをもとに新潟県がつくり、兵庫県、埼玉県、山形県というようにどんどん動いてきた。
地方分権一括法では、国が地方自治体に指揮命令することは一切禁止している。国が地方にいえるのは単なる通知だけだ。通知は法律的にいうと「技術的助言」に過ぎない。法律に反しない限り地方自治体は何でもできるのだ。今治市は食と農の条例をつくった。「遺伝子組み換え農産物はつくらせない」という条例だ。もし市長の承認なくつくれば、2年間の懲役、500万円以下の罰金など、非常に厳しい内容だ。この町で「ゲノム編集のものは表示なくして流通させない」といった条例に刑罰まで定めてつくることができる。韓国は学校給食を条例で全部無償でやっているが、おそらく日本でも学校給食を有機でやる市町村が出てくる。世田谷の区長は無償で学校給食を始めた。同時に今、有機でやろうと真剣に考えているところだ。千葉県いすみ市の学校給食はコメは有機100%だ。普通入札で60`1万3000円くらいだが、2万円で買い、差額を市が補填している。
じつは安倍官邸が悪いといっている時期ではない。農薬から自家採種禁止まで大変なことになろうとしているが、私たちの暮らしは自分で守るしかない。そして自分で守ることができる。住民には請願権が認められている。知っている市会議員や町会議員を通じて、この町で学校給食を有機農産物でやるという条例案を審議してくれという請願を出すと市町村議会はそれを審議しなければいけない。次次にそういったものを出していくことによって地方から変えていくことができる。今、自分が動けば何でもできる。私たちが主役だ。
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/13829
38. 中川隆[-10505] koaQ7Jey 2019年10月29日 12:00:41 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2368]
今、アメリカのスーパーはどこに行ってもオーガニック、「NON GMO」があふれている。アメリカを変えた女性といわれているゼン・ハニーカットさんにもお会いした。彼女はロバート・ケネディ・ジュニア弁護士やジョンソンさんと一緒になって裁判をひっ張って来た人だ。
彼女の子どもは3人ともアレルギーで、そのうち次男のボダイ君は小麦アレルギーがなかったのでパンやパスタをたくさん食べさせた。するとある日突然、理由もないのに怒り出し、暴れ出して自閉症の症状を起こした。驚いて病院に連れて行き、腸内細菌を調べると、クロストリジウムという脳神経を直接おかしくする細菌が、ヨーロッパの環境基準の四倍見つかった。このせいではないかと彼女は考えた。
アメリカでは10年前から小麦の収穫前にラウンドアップをまいていた。ラウンドアップをまくと小麦が枯れるため、コンバインで刈る手間がなくなる。主成分・グリホサートは小麦の芯まで浸透し、水分が一滴もなくなるため、日本に運んで来るまでにカビが生えたり細菌が発生することもない。彼女はこのグリホサートのせいではないかと考え、小麦粉製品を食べさせるのをやめ、有機の物と発酵食品にするとボダイ君の症状は劇的に改善された。
それまで、「グリホサートは食べ物から体内に入ってもすぐに分解されて尿として排出され、体内に残ることはない」という研究論文の下で、アメリカ環境保護局(EPA)も認めて来た。しかし、体内にグリホサートがあるかもしれないと考えた彼女が、母親たちの協力を得て母乳中のグリホサートの検査をすると、9割以上の母親からグリホサートが検出された。
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種子法廃止とこれからの日本の農業について 元農林水産大臣・山田正彦 2019年10月26日
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/13829
私は五島列島出身で、29歳のときに400頭くらい牛を飼っていた。豚も年間8000頭くらい出荷していたので、相当な規模だった。うまくいかず自分で肉屋もやり、最後は県庁前で牛丼屋までやったが、さんざん失敗した。当時4億円くらい借金を抱えた。忘れられないのは当時の農水省の勧めで大型畜産をやった仲間が2人自殺したことだ。私は破産状態だったが、弁護士の資格だけは持っていたので、弁護士をして借金の支払いをしながら、なんとも悔しかったので衆議院に出た。3回敗れて4回目に通り、5期衆議院議員をさせていただき、運良く農林水産大臣にさせていただいた。そのときに、戸別所得補償や飼料米制度、林業再生プラン、漁業の所得保障などいろいろやらせてもらった。そのときちょうどTPP交渉に参加したいという話があり、閣議で大げんかして大臣を辞め、今日までTPP反対運動を続けてきた。
ところがTPPは昨年12月30日に発効した。たった5日間で牛肉の輸入量は半月分になるほど急増した。今年2月1日に日欧EPAも発効し、なんとEU産豚肉は五割増になった。チーズやバター、乳製品、果物類も今だいたい昨年に比べて3割増だ。そんななか日米FTAがいよいよ来年1月には発効する。一番恐れていたことだ。
アメリカは農産物しか売る物がない。日本を見るとトヨタ自動車一社の売上だけで30兆円だ。農林水産物はあわせても8兆円しかない。2年前に「トヨタ自動車その他日本の自動車に25%の報復関税をかける」とトランプからいわれ、霞が関の官邸や農林水産省、経産省から聞こえて来るのは、「このさい、報復関税25%をなんとか延期してもらうために、農林水産物は譲るだけ譲る」ということだった。そしてアメリカの農務省長官も、はっきり「もう日本とは話がついた」と、今年5月からツイッターでいっている。今後大変なことになっていくのではないかと思う。
今、アメリカもオーストラリアもどんどんコシヒカリをつくっている。これが60`4000円で入ってくる。私が農林水産大臣のときにおこなった試算では、今日本のコメの生産原価は60`当り1万5000円だ。昨年の農家の手取りが1万3300円だった。試算ではTPPに参加すると日本の食料自給率は14%まで落ち込むという結果になった。韓国ですら今、食料自給率は48%だ。日本は本当にどうなるのかと心配している。
TPP協定は条約であり、憲法の下で、国内法の上になる。米韓FTAを結んだ韓国が200本の法律を変えたように、日本もTPP協定(8000ページ・30章)に従って、この2年間、次次に法律を変えている。一番最初に変えたのが主要農産物種子法の廃止だ。これについて私は5年前から、「明らかに国の主権を損なうものだ」としてTPP違憲訴訟をしている。その判決が昨年10月31日にあったが、判決のなかで種子法廃止について「背景事情の一つにTPP協定に関する動向があったことは否定できない」と、TPP協定と種子法廃止の関連を最高裁判所は認めた。水道法改定、漁業法の改定、市場法の事実上の廃止、森林管理法の改定など、すべてこれはTPP協定によるものなのだ。
種子法で日本のコメ、麦、大豆は守られてきた
今私たちはおいしいお米を当たり前のように食べている。これは全部、伝統的な固定種だ。種子法のおかげで私たちの主食であるコメ、麦、大豆など、それぞれおいしいものを食べることができた。これがどうなるか。
野菜で考えていただくとわかりやすい。野菜は30年前、みんな伝統的な固定種だった。ところが野菜の種子はF1に変わり、今、90%を海外で生産している。2年前にモンサントの遺伝子組み換え農産物の見学会に行ったとき、思いがけないことを聞いた。「日本の野菜の種子はモンサントでつくっています」といわれたのだ。そんなことはパッケージに書いていない。「委託生産し、委託販売している」という。調べてみるとモンサントは野菜の種子だけで800億つくっている。世界の種子は今、モンサント(バイエル)、ダウ・デュポン、シンジェンダ(中国化工集団傘下)の3社で世界の種の7割を握っている。同時にこの3社で世界の農薬の7割、世界の化学肥料の7割を握っている。
こうして野菜の種子はF1になり、ニンジンでいえばカロチンなど栄養価は3分の1に減っている。F1は科学的にそこまで問題になるとはいわれていないものの、主食のコメ、麦、大豆の公共の種子がなくなると、民間の種子を使わざるを得なくなる。すでにコメ、麦、大豆の民間の種子ができている。
種子法とは
種子法ではコメ、麦、大豆の伝統的な日本の在来種を国が管理し、各都道府県に原種・原原種の維持、優良品種の選定、奨励、審査を制度として義務づけてきた。そのもとで、各地の農業試験場で雑種の混入や不良な種を取り除き、厳格に監査した優良な品種を公共品種として安く安定して提供してきた。
原原種の栽培では、コシヒカリやヒノヒカリなどを1本ずつ植え、毎年つくっている原種を純粋なコシヒカリに合わせて開花時期、丈の高さを揃えていく。四割くらいは黒米や赤米になったりするので、それをとり除いていくと、そこで6割くらいしか残らない。農業試験場に見学に行くと、穂先が1aくらい伸びているなかから、1_か2_違えばとり除いていた。その後も10回前後の抜きとり作業をおこなうなど、「異株」に対して細心の注意を払い、発芽率90%の種をつくり、その後に原種をつくる。3年目にようやく県が種子栽培農家を選定し、圃場を選定して、福岡県であれば「ヒノヒカリ」「発芽率90%以上」と、県として責任を持って保証書を出し、だいたい1`500円ほどでコメ農家に提供してきた。それをコメ農家は4年目につくり、われわれは5年目に食べることができる。そうやって純粋な伝統的な品種をしっかり守っている。麦も大豆も同じだ。
ところが、種子法を廃止するとき政府は「種子法があることで民間の優秀な品種が普及できない」「なかなか売れない」といった。民間の優秀な品種(三井化学の「みつひかり」など)があるではないかと説明して回った。「みつひかり」は野菜と同じようにF1の種子で、伝統的な固定種ではない。価格を見ると、「みつひかり」の種子は4000円なので、公共の種子と比較すると8〜10倍する高い物だ。野菜の種子もF1になって多国籍企業がつくるようになってからは、イチゴやトマトなど1粒1〜2円だったものが、今は40〜50円だ。いずれコメ、麦、大豆の種子も40〜50倍になっていくことは間違いないと思っている。
農家を大企業に隷属させる
私は三井化学の「みつひかり」や住友化学の「つくばSD」の生産者、日本モンサントの「とねのめぐみ」の生産者など、さまざまな方に会ってきた。話を聞くと、民間の種子には必ず、収量がコシヒカリの1・2倍〜4倍、味はヒノヒカリ以上、コシヒカリ以上という内容が書いてある。そしてつくりやすく倒伏しない。しかし実際は必ずしもそうではない。最初の年は化学肥料をやるのでいくらか収量があるが、土壌が追いつかず、だんだん収量が減ってくるのでやめた農家もけっこういた。
実際の契約書を見ると、モンサントの契約書は有名で、何十ページもあって肝心な部分は英語で書かれているのだが、これがたった1枚だった。そのなかに「指示されたことに従わない場合はモンサントに生産者は責任を負う」と書かれている。農薬や化学肥料の指示はなかったのかと聞くと、その方は「そういう指示はなかった」といっていた。
しかし、「つくばSD」の契約書は10ページあり、指定された農薬と化学肥料を必ず使わなければならない、反すると損害賠償責任を負うと書かれていた。そして「収穫されたものはすべて住友化学の指定するところに納めなければならない」となっている。価格については住友化学と生産者とで、「収穫後にそのときの相場を見て決める」となっている。今回の台風のときのように全滅する場合はどうかというと、「災害時の責任はすべて生産者が負う」となっている。これは非常に一方的な契約だ。
「みつひかり」の生産者の話では、最初の年は60`1万2000円で全量引き取りだったからつくったが、翌年は60`1万円、その次の年は9000円になったのでやめたという。私は「よくやめられましたね」といった。この「みつひかり」の契約書だと、正当な理由がなければ、やめるにしても莫大な損害賠償を請求される恐れがある。
これから、地方自治体が公共の種子をつくらなくなると、モンサントなど民間との契約の下、農家はまさにがんじがらめに縛られて、アメリカの農家のように奴隷農場に、借金漬けになっていく。
日本のコメ農家がモンサントへロイヤリティを支払う
もう一つ、「農業競争力強化支援法」の八条三項のなかで、「銘柄が多すぎる」といっている。日本には各県の奨励品種だけで約300品種ある。天皇家の古代米だけで17種類だから、全国でだいたい1000種類のコメがつくられている。そのコメを数種類に集約するという。「民間の種子に」という意味だ。農協潰しの法案といわれた「農業競争力強化支援法」だが、八条四項では、日本(国の農研機構や各都道府県)が蓄積してきた育種知見をすべて民間に提供するとされている。国会で「海外のモンサントなどにも提供するのか」と聞くと、当時の斉藤農水大臣は「TPP協定は内外無差別だから、当然そうなる」と答えている。
そうなるとどうなるか。メキシコはトウモロコシの原産国だが、今、メキシコの農家はモンサントなどにロイヤリティを払わなければトウモロコシをつくることができない。フィリピンもそうなった。日本のコメ農家もそうなっていくということだ。
たとえば福岡県でやっとできたおいしいコメの品種も、提供するとロイヤリティを払わなければならない。国民の税金、県民の税金でつくった新しい品種だ。この育種知見がTPP協定によって多国籍企業に出て行くことになる。
じつは農水省の事務次官が平成29年11月15日付で、「都道府県に一律の制度を義務付けていた種子法及び関連通知は廃止するものの、都道府県が、これまで実施してきた稲、麦類及び大豆の種子に関する業務のすべてを、直ちに取りやめることを求めているわけではない」という通知を出した。「いずれやめなさい」「予算をつけませんよ」という意味だ。さらに、「民間事業者による稲、麦類及び大豆の種子生産への参入が進むまでの間、種子の増殖に必要な栽培技術等の種子の生産に係る知見を維持し、それを民間事業者に対して提供する役割を担う」とある。
三井化学の「みつひかり」や日本モンサントの「とねのめぐみ」などのように、麦でもすでにF1の麦もできている。そういった民間のものが普及するまでの間だけ、各都道府県は育種知見を維持し、その間に民間にそれらの知見をすべて提供する義務があるという通知だ。実際に種子法が廃止になった昨年四月に奈良県、和歌山県、大阪府は県が責任を持ってつくるのをやめ、民間に委託した。県の保証するコメ、麦、大豆の種子は三府県ではなくなった。福岡県も条例をつくらなければそうなっていく。
日本も遺伝子組換えのコメ、麦、大豆を作付けするようになる?
飼料米制度は私が大臣のときにつくったものだ。今コメでは農家は赤字だが、飼料米制度で何とか食べてきている。その飼料米農家に先日、農政局から説明があり、「反当り11俵以上とれないと補助金を出さない」という話が出てきたという。調べて見ると、すでにゲノム編集の飼料米の種子が用意されていた。その農家が「これからはF1か遺伝子組み換えの飼料米をつくらなければいけないのではないか」と心配していたが、まさにそうだった。そして「WRKY45(ワーキー45)」というゲノム編集のコシヒカリの種子も用意されていた。
ゲノム編集について、昨年8月7日の『日本農業新聞』の1面に「GM技術該当せず」とある。ゲノム編集は遺伝子組み換えの一つだが、「遺伝子組み換え技術に該当せず、安全だ」といい始めたのだ。『日本経済新聞』(今年3月19日付)には「ゲノム編集食品、夏にも」とある。実際にはこの10月1日にゲノム編集食品は解禁された。任意の届け出のみで表示もないまま、いよいよ流通し始める。
ゲノム編集とはなにか。例えばトマトの熟成する遺伝子だけを粉砕すると、熟成せず腐らなくなる。3年間、青青としているトマトができている。それを収穫して倉庫に入れておき、出荷のさいにエチレンガスをかけると真っ赤になる。それが本当に安全なものなのだろうか。
EUでは、遺伝子組み換えは原則禁止しており、ゲノム編集は遺伝子組み換えであるとして使わないようにしている。ところが日本は、「ゲノム編集は遺伝子組み換えと違い、新しい別の種類の遺伝子を組み換えて入れるわけではない。アミノ酸に変わりないから安全だ」といっている。ところがアメリカもそうではない。先日訪米し、遺伝子組み換えの分野では右に出る人はいないというチャペラ教授に話を聞いたが、最初「ゲノム編集」といっても伝わらなかった。そして「そうか、山田さんがいっているのはNEW GMOのことだな」といわれた。アメリカでもみな、遺伝子組み換えの延長線上の話だという認識だ。しかし日本だけはゲノム編集は遺伝子組み換えと違うといい出した。
今、ネイチャー誌に論文が載っているように、「ネズミ1匹の遺伝子を粉砕すると1600」の副作用がある。
たとえば、中国でゲノム編集によって双子の赤ちゃんが生まれた。父親がエイズだったので、生まれてくる子どもがエイズにならないよう、ウイルスにかかっている遺伝子だけを壊した。すると思いがけず双子が生まれた。しかし、2人はエイズにはかからないが、西ナイル熱ウイルスにはかかる、インフルエンザにかかると重症化する、免疫疾患になる、短命であるなど、さまざまな影響があることがわかってきた。
ゲノム編集食品で最初に、もうすでに日本に入ってきているのは高オレイン酸大豆だ。アメリカでは「ゲノム編集の大豆」「遺伝子組み換え大豆」というと、今ほとんど売れない。それで安倍総理は日米FTA交渉のなかで受け入れた。何の表示もないまま、食用油としてすぐに店頭に並ぶと思う。これがどういう作用があるのかはまったくわからない。
ゲノム編集の高オレイン酸大豆や、カーギルが関与している除草剤耐性のあるナタネなどが日本に入ってきたところだと思うが、さらに政府はそれについて「有機(JAS)」の認証をできないか検討を始めた。9月30日に第1回の検討会があり、第2回が近く予定されている。アメリカですでに用意されている遺伝子組み換えのコメの種子、ゲノム編集のコメの種子、麦、大豆、ジャガイモなどについて、「有機」の認証をしたいというのだ。話を聞き、資料を読んでみると、認証することが前提の検討会になっている。今、遺伝子組み換え食品について、日本は政府が318種類も承認している。アメリカですら197種類だから日本はダントツだ。
遺伝子組み換え農作物は、すべて除草剤・ラウンドアップ耐性だ。ラウンドアップをまくと植物は枯れる。主成分のグリホサートはベトナム戦争の枯れ葉剤と考えればよい。植物がアミノ酸をつくるシキミ酸経路を破壊するので、植物はアミノ酸をつくれず枯れる。ところがグリホサート耐性を持たせた農作物は、いくらグリホサートをまいても死なず、すくすくと生きている。ところが、そのラウンドアップで今大変なことが起きている。
ラウンドアップ裁判
アメリカで昨年8月10日、歴史的な裁判があった。
学校の用務員ジョンソンさんが、校庭の除草のために20〜30回ラウンドアップをまくと、腕に腫瘍ができ、末期ガンであることがわかった。モンサントのラウンドアップ以外に考えられないと、モンサントを訴えた裁判だが、モンサントに320億円支払えという評決が出た。判決は86億円に訂正されたが、これは世界のトップニュースになり、世界中に激震が走った。
世界各国でじつは今、グリホサート、ラウンドアップの規制が広がっている。ラウンドアップをやめた国は24カ国、規制している国は33カ国にのぼっている。隣の韓国もラウンドアップの使用をやめ、ネオニコチノイドの空中散布や屋外の使用を一切禁止している。
ラウンドアップをめぐる裁判は次次に起きており、ジョンソンさんの次には88億円、3例目の夫婦のガン患者には2200億円支払えという評決が出た。サンフランシスコでジョンソンさんに会い、インタビューをすることができたが、腕はケロイド状で肉が出ていた。彼は、「妻がハグすると皮がずりっと落ちて大変なので、今優しく抱いてもらっているだけだ。子どもはどうやらあきらめがついたようだが、妻はまだあきらめがついていないようだ」と話していた。日本に対するメッセージを求めると、「ラウンドアップの使用をできるだけ早くやめてほしい。日本だけでなく世界の人にそういいたい」といわれていた。
その後、この訴訟にかかわったロバート・ケネディ・ジュニア弁護士にもインタビューした。彼は叔父のジョン・F・ケネディがホワイトハウスにいるときに、レイチェル・カーソン女史に会ったという。当時、モンサントはDDTを世界中で売りまくっていて、レイチェル・カーソン女史は「鳥も鳴かない春が来る」といい、モンサントから徹底的に糾弾されていたそうだ。そのときからロバート・ケネディ・ジュニア弁護士は30年間モンサントとたたかってきたという。
裁判で勝利できたのは、モンサントが所有している最高の内部機密資料を裁判に出すことができたからだという。その内部機密資料によって、モンサントは19年前から、遺伝子組み換え作物やグリホサートでガンになることを認識していたことが明らかになった。実証の結果わかっていたのに悪質な隠蔽工作を続け、今日まで売り続けてきていたのだ。ロバート・ケネディ・ジュニア弁護士の話では、例えばニューヨークでは「ラウンドアップはコーヒーやピクルスと同じように飲んでも健康な大丈夫なものです」と宣伝していた。これは明らかな間違いなので、モンサントは莫大な罰金を払わされることになったという。
日本では、「すぐに生分解されて自然に戻るから害がないとコマーシャルしている」と話すと、明らかに虚偽の事実で、公共放送でやるなど考えられないといわれていた。TPP違憲訴訟をするうえで裁判資料の提供を依頼すると、喜んで承諾して下さり、「日米で一緒にたたかいましょう」という話になった。
今回、劇的な裁判となったが、すでにアメリカで5万件、同様の裁判が起こされており、カナダやオーストラリアでもモンサントに対する同様の裁判がなされている。モンサントを昨年6月に買収したバイエルは今、株価が5割下がっている。そしてついに正社員の1割に当たる1万2000人のリストラを発表し、動物医薬品を売るドル箱だった会社を売却した。アメリカでもEUでも「モンサントは終わった」といわれ、バイエルも危ないといわれているほどだ。
オーガニック食品の広がり
今、アメリカのスーパーはどこに行ってもオーガニック、「NON GMO」があふれている。アメリカを変えた女性といわれているゼン・ハニーカットさんにもお会いした。彼女はロバート・ケネディ・ジュニア弁護士やジョンソンさんと一緒になって裁判をひっ張って来た人だ。
彼女の子どもは3人ともアレルギーで、そのうち次男のボダイ君は小麦アレルギーがなかったのでパンやパスタをたくさん食べさせた。するとある日突然、理由もないのに怒り出し、暴れ出して自閉症の症状を起こした。驚いて病院に連れて行き、腸内細菌を調べると、クロストリジウムという脳神経を直接おかしくする細菌が、ヨーロッパの環境基準の四倍見つかった。このせいではないかと彼女は考えた。
アメリカでは10年前から小麦の収穫前にラウンドアップをまいていた。ラウンドアップをまくと小麦が枯れるため、コンバインで刈る手間がなくなる。主成分・グリホサートは小麦の芯まで浸透し、水分が一滴もなくなるため、日本に運んで来るまでにカビが生えたり細菌が発生することもない。彼女はこのグリホサートのせいではないかと考え、小麦粉製品を食べさせるのをやめ、有機の物と発酵食品にするとボダイ君の症状は劇的に改善された。
それまで、「グリホサートは食べ物から体内に入ってもすぐに分解されて尿として排出され、体内に残ることはない」という研究論文の下で、アメリカ環境保護局(EPA)も認めて来た。しかし、体内にグリホサートがあるかもしれないと考えた彼女が、母親たちの協力を得て母乳中のグリホサートの検査をすると、9割以上の母親からグリホサートが検出された。
私はそれを聞いて日本で何とか調べたいと思い、フランスのクズサイエンスというところに髪の毛を送って調べてもらった。1キット5万円したが、30キット購入し、国会議員23人や私も含め総勢30人を調べると30人中21人からグリホサートが検出された。これを黒田純子博士が聞いて驚いた。「尿で検査すると日本人みんなから検出されるのではないか」と。
今の医学では1個の細胞が生きるのに10個の腸内細菌の力を借りなければいけないといわれている。私たちは腸内細菌で生かされている。グリホサートはその腸内細菌のうち善玉菌をほとんど殺してしまう。そうなるとガンになったり、切迫流産や生殖系の機能を阻害したり、自閉症になることなどが明らかになってきている。黒田純子博士は、「じつはグリホサートは遺伝子を傷つけるのではなく、メチル化するのだ」といわれた。メチル化とは、遺伝子のオン・オフを人によって突然切り替えるのだそうだ。そうなるとこの遺伝子がそのままゲノム編集と同じ効果になる。
ネズミの実験ではF0(大人の世代)、F1(子どもたちの世代)にはほとんど影響はないという。ただF3(孫)、F4(ひ孫)の時代に異常が出てくるという。遺伝子そのものが変わるため、最初の角度が一度違っても、遠くに行くほど角度が開くそうだ。
ラウンドアップにかわる除草剤
ラウンドアップは今のJAでもどこでも売っている。しかし、お母さんたちが反対運動をしてダイソーは8月8日から販売をやめた。ラウンドアップにかわる天然素材の除草剤はないか調べていると、オーストラリアでオーガニック・コンタクト社の除草剤を、昨年暮れ近くになって政府が有効な除草剤としたことがわかった。この話を聞いてすぐにサンプルを輸入してもらい、試験してみた。すると1時間で雑草に黒く斑点ができてひっくり返っていき、4時間後には一部だが茶色く枯れた。これを、アメリカのEPAが除草剤として承認した。EUも審議中で、スリランカ、ニュージーランドも承認し、4カ国が承認したところだ。何とかしてラウンドアップをやめたい。
世界に逆行する日本―世界の流れは有機・自然栽培、非遺伝子組み換え作物に
アメリカのダイソーで販売しているポテトチップには警告として「揚げたジャガイモ(ポテトチップスなどの)には、発がん性や、先天性血管、そのほかの生殖系への悪影響を引き起こすことが知られている、アクリルアミドという化学物質が含まれています」という表示がされている。日本では普通に食べている。カラムーチョもそうだ。世界は食品表示が厳しいのに、これから日本で売られるゲノム編集の大豆やナタネでつくられる食用油は、何の表示もないまま合法的に売られる。しかも政府はこれを「有機(JAS)」で売りたいという検討会まで始めている。まさに世界の流れと逆行している。
韓国のスーパーでもオーガニックコーナーができ、オルゴク小学校(清州市・500人)では、有機・無償で学校給食を提供している。パンやサンドイッチは輸入小麦に頼らざるを得ないのではないかと思ったが、パンやパスタは一切使わず、うどんは全部国産の小麦粉だという。日本の大手3社の小麦粉を調べてみると、グリホサートがたくさん含まれている。もっとも入っているのが日清製粉の「全粒粉強力粉」だ。オルゴク小学校はアレルギーの子どもが七人しかいなかった。
韓国の農水省の課長に全国の状況を聞くと、ほぼ小・中学校は有機・無償でやっており、高校はもう少しかかるということだった。保育園・幼稚園でも始め、何年か後には妊婦にも有機の物を食べさせたいと思っているという話だった。
韓国も台湾も、食の安全に対する取り組みを始めている。日本は農薬や食品添加物の基準でいうと台湾の400倍も緩い。小麦粉のグリホサート残留農薬基準は中国の150倍緩い。そして世界各国がグリホサート、ラウンドアップを規制しようとしているなかで、こともあろうに日本だけがグリホサートの残留農薬基準を、物によっては400倍にまで緩めた。そば粉やナタネなどは75倍、100倍、テンサイは75倍だ。今、世界で一番農薬の残留基準が緩いのが日本だ。
ロシアも2016年に遺伝子組み換え農産物はつくらせない、輸入させないという法律を上院下院で通した。中国も2017年から同じように輸入も国内栽培も禁止している。いずれも国を挙げて有機栽培に力を入れている。アメリカも、じつは遺伝子組み換え農産物は2016年から頭打ちで、今オーガニックの生産がなんと年に10%の割合で伸びている。
先月アメリカに行き、モンタナ州(小麦の大産地)を訪れた。そこで10年前までケミカル農業(農薬や化学肥料を使う農業)をしてきたが、オーガニックに変えたという農家に会った。やめた理由を聞くと、「ケミカル農業をしている農家は家に帰るとすぐに服を脱ぎ捨ててシャワーを浴びないと子どもをハグできなかった。今は子どもたちと一緒に畑の中に入ることができる」という話だった。今、彼のつくった小麦は1ポンド14jだが、ケミカル農業の小麦は1ポンド3・7jだという。農薬や化学肥料にも金がかかる。「彼らは赤字だ。私は早く切り替えてよかった。アメリカでももう有機にしないと農業はやっていけない」と話していた。
自家採種の禁止
政府が自家採種を原則禁止するという種苗法の改定案を、いよいよ来年の通常国会で提出することがはっきりした。今年3月から9月25日まで5回にわたって検討会を開いてきたものだ。
自家採種(自家増殖)というのは、たとえばイチゴの場合は苗を10本とか15本購入し、ランナーで芽出しして次の年に植えたりすることだ。イモやサトウキビ、ジャガイモも同じだ。木の場合は接ぎ木する。そのような自家増殖を現行の種苗法では、二一条にあるように、モンサントなどが登録した品種でも、農家は種を買ったら自由に自家採種し、次の年に植えたり、加工することができる。原則自家採種自由だ。
ただし、第三項に「農林水産省が特例でもっていわば適用しない品目を定めることができる」となっていた。じつは自家採種の禁止は始まっていた。最初はバラ、カーネーションなどの花、その次はキノコ、TPPを批准してからはキャベツ、ブロッコリー、ナス、トマト、スイカ、メロン、キュウリ、ダイコン、ニンジンなど、あらゆるメジャーな野菜や果樹をはじめとする357種類もの植物が指定され、今年新たに野菜のみで31種類指定され、400種類近くになっている。この登録品種を勝手に自家採種したら懲役10年、1000万円以下の罰金で、しかも共謀罪の対象だ。
ところが、アメリカでも主要農産物の小麦は自家採種が3分の2で、3分の1が公共の種子、カナダは8割が自家採種、2割が公共の種子だ。オーストラリアは95%が自家採種で5%が公共の種子だ。それなのに日本はいよいよ自家採種禁止法案を出してきた。農水省の課長に「コメも麦も大豆も自家採種禁止にするのか。それが本当の狙いで、邪魔だったから公共の種子法を先に廃止したのか」と聞くと黙っていた。ところが検討会のとりまとめ(9月25日)には、わざわざ「これまで種苗法では非常に例外が多くて複雑だったから、シンプルなものにして、一律、自家増殖禁止の条文にしたい」と書いてある。そうすると「あまおう」をつくっているイチゴ農家もこれまでのように増殖できない。苗を1本250円ほどで6000本買わなければいけなくなる。
検討会でプレゼンをした茨城県の横田農場は、過疎地のため、人に頼まれて耕作面積が増え、今150fでコメをつくっている。8品種のコメを作付けしているが、そのうち登録品種だけで7dくらい自家採種しているという。コシヒカリなど育種期間(25年)が切れている品種もあるが、まだ切れていない新しい品種(「ゆめぴりか」など)の自家採種をやめて種子を購入すると500万円ほどかかり、「われわれはやっていけない」とプレゼンした。これが民間の種子になるとその10倍=5000万円かかる。ところがこれに一切コメントなしで、自家採種一律禁止という方向で条文にし、来年の通常国会で審議が始まることになった。自民党はどんなことがあってもこの法案を通すとはりきっているという話を耳にし、大変心配しているところだ。
なぜ自家採種を禁止するのか、その理由として農水省は「シャインマスカットなど日本の優秀な育種知見がそのまま中国や韓国に流れた。これを取り締まらなければならない」という。そのために種苗法を改正して、許諾・承認を得るか、新しく買うかしなければいけないのだという。しかし、海外流出を食い止めるのであれば、宮崎県が種牛の精液が海外流出するのを刑事告訴したように、現行法で刑事告訴すれば足りることだ。海外に出たものを取り締まるには、農水省が海外でシャインマスカットの育種登録もしくは商標登録などをすべきではなかったか。それを怠っていて、政府は「種苗法を改正しなければ海外流出を食い止めることができない」といういい方をしている。
1週間ほど前に「日本の種を守る会」は農水省の知財課長を呼んで話を聞いた。そこで農水省は「育種権者が第三者、企業にかわった場合、育種権はどうなるか」を説明した。思い出してほしい。農業競争力強化支援法で、例えばマスカットは農研機構の育種知見だが、それらをモンサントなどの民間企業に譲渡するようになっている。譲渡されて育種権者がかわった場合、そこから許諾を得るか、種苗を買わなければいけなくなるのではないか。県民や国民の税金で開発した育種知見を民間企業に譲渡しておいて、農家(国民・県民)が使うときには民間企業にロイヤリティを払わなければ許諾するわけはないだろう。県や国であれば許諾するであろうし、研究者はみんな使ってほしいと思っている。しかし、民間企業は当然、許諾料をとるか、1本ずつ買えとなるのではないか。
もう一つ、農水省は「これまでの伝統的な固定種をつくっている有機栽培の農家は大丈夫だ。安全だ」と説明している。家庭菜園は私も大丈夫だと思っているが、有機栽培の農家は安心ではない。種苗法二一条では、「登録された品種」と「特性により登録された品種と明確に区別されない品種」も自由に自家採種できるようになっている。野菜は土地と風土、栽培する人や年によって少しずつ変化していくものだ。登録品種であっても変化していくので、今モンサントは子会社を使ってナスやブロッコリー、トマトなど、さまざまな野菜をどんどん登録品種にしている。これらの登録品種と、有機栽培で農家がつくっている野菜のどこが違うのか区別はしにくい。こうして新規の育種登録を次次にした民間企業が、野菜農家などに育種権の侵害として賠償金を求めるようなことになりはしないかと心配している。
すでに企業から生産者が訴えられる裁判が6件起こっている。モンサントの裁判は有名だが、カナダでは有機栽培の伝統的なナタネ農家がモンサントから訴えられて裁判で負けた。日本で有機栽培をしている農家も、ある日突然、モンサントから20億、30億円の賠償金を請求されることもあり得る。実際、今度の種苗法の検討会でリードしたのは知的財産権ネットワークの弁護士だ。日弁連の雑誌にも、「これからは育種権の争いが論点になってくるだろう」と書かれている。
農水省の知財課長の説明では、こうした争いになった場合、裁判所は育種登録した品種の現物と、農家がつくっている作物の違いを求めようとするという。しかし、実際には登録したモンサントの野菜の品種も変化してくるから、その特性を6項目くらい法制化し、それに反したら育種権違反だとやれるよう改正案を準備しているという。これはモンサントなど種子企業が裁判で争えるように改正する内容だ。
アメリカで10年ほど前に自家採種禁止法案が通ったときも、「伝統的な固定種を栽培している有機栽培農家は安全だ」と説明していたが、今は本当に伝統的な有機栽培農家も種子を買わなければならなくなり、事実上、自家採種禁止になってしまった。このことはエップ・レイモンドさんの米国からの報告に詳しく書かれている。決して有機栽培農家、自分で種とりをして伝統的な固定種を栽培している農家も安心ではない。今度の種苗法改定案はどのようなことがあっても反対しなければならない。
種子法が廃止されたとき、農水省は自民党議員のところを「種苗法で守る」といって回った。ところが種苗法改定で自家採種を禁止し、コメも麦も大豆も、すべての種を買わせるのが狙いだった。アメリカもそうだったが、国家は嘘をつくものだ。
私たちは裁判でも争っているが、今後は広島県のジーンバンクのように伝統的な固定種を県が発掘し、それを保存・管理することが大事になってくる。広島県はそれを農家に無償で貸し出している。福岡県でもそのような条例をつくって、企業や民間や県も出資して公社をつくり、守ることが必要になってくる。
日本の経済、地域の経済を発展させていく施策
種子条例は、九州では宮崎県が1番につくり、今、熊本県が種子条例のパブコメで骨子案を発表した。鹿児島県知事もつくることを表明した。この前の議会までに11の道県でできたが、新しく栃木が先日採決し、宮城県の種子条例もパブコメをした。島根県も種子条例をつくることを発表し、岩手県は議員提案でやることが決まった。滋賀県もやる。年内にだいたい16の道県で種子条例ができそうだ。秋田、青森なども動き出しているし、福島も動き出した。来年度までに26の道県で種子条例ができるのではないかと思っている。
種子条例ができる一つのきっかけは、市町村のみなさんが動き出したということだ。1番最初につくった新潟県では、柏崎市が日本で1番最初に種子条例の制定を求める意見書を出した。県内各市町村で動き出し、それをもとに新潟県がつくり、兵庫県、埼玉県、山形県というようにどんどん動いてきた。
地方分権一括法では、国が地方自治体に指揮命令することは一切禁止している。国が地方にいえるのは単なる通知だけだ。通知は法律的にいうと「技術的助言」に過ぎない。法律に反しない限り地方自治体は何でもできるのだ。今治市は食と農の条例をつくった。「遺伝子組み換え農産物はつくらせない」という条例だ。もし市長の承認なくつくれば、2年間の懲役、500万円以下の罰金など、非常に厳しい内容だ。この町で「ゲノム編集のものは表示なくして流通させない」といった条例に刑罰まで定めてつくることができる。韓国は学校給食を条例で全部無償でやっているが、おそらく日本でも学校給食を有機でやる市町村が出てくる。世田谷の区長は無償で学校給食を始めた。同時に今、有機でやろうと真剣に考えているところだ。千葉県いすみ市の学校給食はコメは有機100%だ。普通入札で60`1万3000円くらいだが、2万円で買い、差額を市が補填している。
じつは安倍官邸が悪いといっている時期ではない。農薬から自家採種禁止まで大変なことになろうとしているが、私たちの暮らしは自分で守るしかない。そして自分で守ることができる。住民には請願権が認められている。知っている市会議員や町会議員を通じて、この町で学校給食を有機農産物でやるという条例案を審議してくれという請願を出すと市町村議会はそれを審議しなければいけない。次次にそういったものを出していくことによって地方から変えていくことができる。今、自分が動けば何でもできる。私たちが主役だ。
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/13829
18. 中川隆[-10504] koaQ7Jey 2019年10月29日 12:02:00 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2369]
今、アメリカのスーパーはどこに行ってもオーガニック、「NON GMO」があふれている。アメリカを変えた女性といわれているゼン・ハニーカットさんにもお会いした。彼女はロバート・ケネディ・ジュニア弁護士やジョンソンさんと一緒になって裁判をひっ張って来た人だ。
彼女の子どもは3人ともアレルギーで、そのうち次男のボダイ君は小麦アレルギーがなかったのでパンやパスタをたくさん食べさせた。するとある日突然、理由もないのに怒り出し、暴れ出して自閉症の症状を起こした。驚いて病院に連れて行き、腸内細菌を調べると、クロストリジウムという脳神経を直接おかしくする細菌が、ヨーロッパの環境基準の四倍見つかった。このせいではないかと彼女は考えた。
アメリカでは10年前から小麦の収穫前にラウンドアップをまいていた。ラウンドアップをまくと小麦が枯れるため、コンバインで刈る手間がなくなる。主成分・グリホサートは小麦の芯まで浸透し、水分が一滴もなくなるため、日本に運んで来るまでにカビが生えたり細菌が発生することもない。彼女はこのグリホサートのせいではないかと考え、小麦粉製品を食べさせるのをやめ、有機の物と発酵食品にするとボダイ君の症状は劇的に改善された。
それまで、「グリホサートは食べ物から体内に入ってもすぐに分解されて尿として排出され、体内に残ることはない」という研究論文の下で、アメリカ環境保護局(EPA)も認めて来た。しかし、体内にグリホサートがあるかもしれないと考えた彼女が、母親たちの協力を得て母乳中のグリホサートの検査をすると、9割以上の母親からグリホサートが検出された。
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種子法廃止とこれからの日本の農業について 元農林水産大臣・山田正彦 2019年10月26日
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/13829
私は五島列島出身で、29歳のときに400頭くらい牛を飼っていた。豚も年間8000頭くらい出荷していたので、相当な規模だった。うまくいかず自分で肉屋もやり、最後は県庁前で牛丼屋までやったが、さんざん失敗した。当時4億円くらい借金を抱えた。忘れられないのは当時の農水省の勧めで大型畜産をやった仲間が2人自殺したことだ。私は破産状態だったが、弁護士の資格だけは持っていたので、弁護士をして借金の支払いをしながら、なんとも悔しかったので衆議院に出た。3回敗れて4回目に通り、5期衆議院議員をさせていただき、運良く農林水産大臣にさせていただいた。そのときに、戸別所得補償や飼料米制度、林業再生プラン、漁業の所得保障などいろいろやらせてもらった。そのときちょうどTPP交渉に参加したいという話があり、閣議で大げんかして大臣を辞め、今日までTPP反対運動を続けてきた。
ところがTPPは昨年12月30日に発効した。たった5日間で牛肉の輸入量は半月分になるほど急増した。今年2月1日に日欧EPAも発効し、なんとEU産豚肉は五割増になった。チーズやバター、乳製品、果物類も今だいたい昨年に比べて3割増だ。そんななか日米FTAがいよいよ来年1月には発効する。一番恐れていたことだ。
アメリカは農産物しか売る物がない。日本を見るとトヨタ自動車一社の売上だけで30兆円だ。農林水産物はあわせても8兆円しかない。2年前に「トヨタ自動車その他日本の自動車に25%の報復関税をかける」とトランプからいわれ、霞が関の官邸や農林水産省、経産省から聞こえて来るのは、「このさい、報復関税25%をなんとか延期してもらうために、農林水産物は譲るだけ譲る」ということだった。そしてアメリカの農務省長官も、はっきり「もう日本とは話がついた」と、今年5月からツイッターでいっている。今後大変なことになっていくのではないかと思う。
今、アメリカもオーストラリアもどんどんコシヒカリをつくっている。これが60`4000円で入ってくる。私が農林水産大臣のときにおこなった試算では、今日本のコメの生産原価は60`当り1万5000円だ。昨年の農家の手取りが1万3300円だった。試算ではTPPに参加すると日本の食料自給率は14%まで落ち込むという結果になった。韓国ですら今、食料自給率は48%だ。日本は本当にどうなるのかと心配している。
TPP協定は条約であり、憲法の下で、国内法の上になる。米韓FTAを結んだ韓国が200本の法律を変えたように、日本もTPP協定(8000ページ・30章)に従って、この2年間、次次に法律を変えている。一番最初に変えたのが主要農産物種子法の廃止だ。これについて私は5年前から、「明らかに国の主権を損なうものだ」としてTPP違憲訴訟をしている。その判決が昨年10月31日にあったが、判決のなかで種子法廃止について「背景事情の一つにTPP協定に関する動向があったことは否定できない」と、TPP協定と種子法廃止の関連を最高裁判所は認めた。水道法改定、漁業法の改定、市場法の事実上の廃止、森林管理法の改定など、すべてこれはTPP協定によるものなのだ。
種子法で日本のコメ、麦、大豆は守られてきた
今私たちはおいしいお米を当たり前のように食べている。これは全部、伝統的な固定種だ。種子法のおかげで私たちの主食であるコメ、麦、大豆など、それぞれおいしいものを食べることができた。これがどうなるか。
野菜で考えていただくとわかりやすい。野菜は30年前、みんな伝統的な固定種だった。ところが野菜の種子はF1に変わり、今、90%を海外で生産している。2年前にモンサントの遺伝子組み換え農産物の見学会に行ったとき、思いがけないことを聞いた。「日本の野菜の種子はモンサントでつくっています」といわれたのだ。そんなことはパッケージに書いていない。「委託生産し、委託販売している」という。調べてみるとモンサントは野菜の種子だけで800億つくっている。世界の種子は今、モンサント(バイエル)、ダウ・デュポン、シンジェンダ(中国化工集団傘下)の3社で世界の種の7割を握っている。同時にこの3社で世界の農薬の7割、世界の化学肥料の7割を握っている。
こうして野菜の種子はF1になり、ニンジンでいえばカロチンなど栄養価は3分の1に減っている。F1は科学的にそこまで問題になるとはいわれていないものの、主食のコメ、麦、大豆の公共の種子がなくなると、民間の種子を使わざるを得なくなる。すでにコメ、麦、大豆の民間の種子ができている。
種子法とは
種子法ではコメ、麦、大豆の伝統的な日本の在来種を国が管理し、各都道府県に原種・原原種の維持、優良品種の選定、奨励、審査を制度として義務づけてきた。そのもとで、各地の農業試験場で雑種の混入や不良な種を取り除き、厳格に監査した優良な品種を公共品種として安く安定して提供してきた。
原原種の栽培では、コシヒカリやヒノヒカリなどを1本ずつ植え、毎年つくっている原種を純粋なコシヒカリに合わせて開花時期、丈の高さを揃えていく。四割くらいは黒米や赤米になったりするので、それをとり除いていくと、そこで6割くらいしか残らない。農業試験場に見学に行くと、穂先が1aくらい伸びているなかから、1_か2_違えばとり除いていた。その後も10回前後の抜きとり作業をおこなうなど、「異株」に対して細心の注意を払い、発芽率90%の種をつくり、その後に原種をつくる。3年目にようやく県が種子栽培農家を選定し、圃場を選定して、福岡県であれば「ヒノヒカリ」「発芽率90%以上」と、県として責任を持って保証書を出し、だいたい1`500円ほどでコメ農家に提供してきた。それをコメ農家は4年目につくり、われわれは5年目に食べることができる。そうやって純粋な伝統的な品種をしっかり守っている。麦も大豆も同じだ。
ところが、種子法を廃止するとき政府は「種子法があることで民間の優秀な品種が普及できない」「なかなか売れない」といった。民間の優秀な品種(三井化学の「みつひかり」など)があるではないかと説明して回った。「みつひかり」は野菜と同じようにF1の種子で、伝統的な固定種ではない。価格を見ると、「みつひかり」の種子は4000円なので、公共の種子と比較すると8〜10倍する高い物だ。野菜の種子もF1になって多国籍企業がつくるようになってからは、イチゴやトマトなど1粒1〜2円だったものが、今は40〜50円だ。いずれコメ、麦、大豆の種子も40〜50倍になっていくことは間違いないと思っている。
農家を大企業に隷属させる
私は三井化学の「みつひかり」や住友化学の「つくばSD」の生産者、日本モンサントの「とねのめぐみ」の生産者など、さまざまな方に会ってきた。話を聞くと、民間の種子には必ず、収量がコシヒカリの1・2倍〜4倍、味はヒノヒカリ以上、コシヒカリ以上という内容が書いてある。そしてつくりやすく倒伏しない。しかし実際は必ずしもそうではない。最初の年は化学肥料をやるのでいくらか収量があるが、土壌が追いつかず、だんだん収量が減ってくるのでやめた農家もけっこういた。
実際の契約書を見ると、モンサントの契約書は有名で、何十ページもあって肝心な部分は英語で書かれているのだが、これがたった1枚だった。そのなかに「指示されたことに従わない場合はモンサントに生産者は責任を負う」と書かれている。農薬や化学肥料の指示はなかったのかと聞くと、その方は「そういう指示はなかった」といっていた。
しかし、「つくばSD」の契約書は10ページあり、指定された農薬と化学肥料を必ず使わなければならない、反すると損害賠償責任を負うと書かれていた。そして「収穫されたものはすべて住友化学の指定するところに納めなければならない」となっている。価格については住友化学と生産者とで、「収穫後にそのときの相場を見て決める」となっている。今回の台風のときのように全滅する場合はどうかというと、「災害時の責任はすべて生産者が負う」となっている。これは非常に一方的な契約だ。
「みつひかり」の生産者の話では、最初の年は60`1万2000円で全量引き取りだったからつくったが、翌年は60`1万円、その次の年は9000円になったのでやめたという。私は「よくやめられましたね」といった。この「みつひかり」の契約書だと、正当な理由がなければ、やめるにしても莫大な損害賠償を請求される恐れがある。
これから、地方自治体が公共の種子をつくらなくなると、モンサントなど民間との契約の下、農家はまさにがんじがらめに縛られて、アメリカの農家のように奴隷農場に、借金漬けになっていく。
日本のコメ農家がモンサントへロイヤリティを支払う
もう一つ、「農業競争力強化支援法」の八条三項のなかで、「銘柄が多すぎる」といっている。日本には各県の奨励品種だけで約300品種ある。天皇家の古代米だけで17種類だから、全国でだいたい1000種類のコメがつくられている。そのコメを数種類に集約するという。「民間の種子に」という意味だ。農協潰しの法案といわれた「農業競争力強化支援法」だが、八条四項では、日本(国の農研機構や各都道府県)が蓄積してきた育種知見をすべて民間に提供するとされている。国会で「海外のモンサントなどにも提供するのか」と聞くと、当時の斉藤農水大臣は「TPP協定は内外無差別だから、当然そうなる」と答えている。
そうなるとどうなるか。メキシコはトウモロコシの原産国だが、今、メキシコの農家はモンサントなどにロイヤリティを払わなければトウモロコシをつくることができない。フィリピンもそうなった。日本のコメ農家もそうなっていくということだ。
たとえば福岡県でやっとできたおいしいコメの品種も、提供するとロイヤリティを払わなければならない。国民の税金、県民の税金でつくった新しい品種だ。この育種知見がTPP協定によって多国籍企業に出て行くことになる。
じつは農水省の事務次官が平成29年11月15日付で、「都道府県に一律の制度を義務付けていた種子法及び関連通知は廃止するものの、都道府県が、これまで実施してきた稲、麦類及び大豆の種子に関する業務のすべてを、直ちに取りやめることを求めているわけではない」という通知を出した。「いずれやめなさい」「予算をつけませんよ」という意味だ。さらに、「民間事業者による稲、麦類及び大豆の種子生産への参入が進むまでの間、種子の増殖に必要な栽培技術等の種子の生産に係る知見を維持し、それを民間事業者に対して提供する役割を担う」とある。
三井化学の「みつひかり」や日本モンサントの「とねのめぐみ」などのように、麦でもすでにF1の麦もできている。そういった民間のものが普及するまでの間だけ、各都道府県は育種知見を維持し、その間に民間にそれらの知見をすべて提供する義務があるという通知だ。実際に種子法が廃止になった昨年四月に奈良県、和歌山県、大阪府は県が責任を持ってつくるのをやめ、民間に委託した。県の保証するコメ、麦、大豆の種子は三府県ではなくなった。福岡県も条例をつくらなければそうなっていく。
日本も遺伝子組換えのコメ、麦、大豆を作付けするようになる?
飼料米制度は私が大臣のときにつくったものだ。今コメでは農家は赤字だが、飼料米制度で何とか食べてきている。その飼料米農家に先日、農政局から説明があり、「反当り11俵以上とれないと補助金を出さない」という話が出てきたという。調べて見ると、すでにゲノム編集の飼料米の種子が用意されていた。その農家が「これからはF1か遺伝子組み換えの飼料米をつくらなければいけないのではないか」と心配していたが、まさにそうだった。そして「WRKY45(ワーキー45)」というゲノム編集のコシヒカリの種子も用意されていた。
ゲノム編集について、昨年8月7日の『日本農業新聞』の1面に「GM技術該当せず」とある。ゲノム編集は遺伝子組み換えの一つだが、「遺伝子組み換え技術に該当せず、安全だ」といい始めたのだ。『日本経済新聞』(今年3月19日付)には「ゲノム編集食品、夏にも」とある。実際にはこの10月1日にゲノム編集食品は解禁された。任意の届け出のみで表示もないまま、いよいよ流通し始める。
ゲノム編集とはなにか。例えばトマトの熟成する遺伝子だけを粉砕すると、熟成せず腐らなくなる。3年間、青青としているトマトができている。それを収穫して倉庫に入れておき、出荷のさいにエチレンガスをかけると真っ赤になる。それが本当に安全なものなのだろうか。
EUでは、遺伝子組み換えは原則禁止しており、ゲノム編集は遺伝子組み換えであるとして使わないようにしている。ところが日本は、「ゲノム編集は遺伝子組み換えと違い、新しい別の種類の遺伝子を組み換えて入れるわけではない。アミノ酸に変わりないから安全だ」といっている。ところがアメリカもそうではない。先日訪米し、遺伝子組み換えの分野では右に出る人はいないというチャペラ教授に話を聞いたが、最初「ゲノム編集」といっても伝わらなかった。そして「そうか、山田さんがいっているのはNEW GMOのことだな」といわれた。アメリカでもみな、遺伝子組み換えの延長線上の話だという認識だ。しかし日本だけはゲノム編集は遺伝子組み換えと違うといい出した。
今、ネイチャー誌に論文が載っているように、「ネズミ1匹の遺伝子を粉砕すると1600」の副作用がある。
たとえば、中国でゲノム編集によって双子の赤ちゃんが生まれた。父親がエイズだったので、生まれてくる子どもがエイズにならないよう、ウイルスにかかっている遺伝子だけを壊した。すると思いがけず双子が生まれた。しかし、2人はエイズにはかからないが、西ナイル熱ウイルスにはかかる、インフルエンザにかかると重症化する、免疫疾患になる、短命であるなど、さまざまな影響があることがわかってきた。
ゲノム編集食品で最初に、もうすでに日本に入ってきているのは高オレイン酸大豆だ。アメリカでは「ゲノム編集の大豆」「遺伝子組み換え大豆」というと、今ほとんど売れない。それで安倍総理は日米FTA交渉のなかで受け入れた。何の表示もないまま、食用油としてすぐに店頭に並ぶと思う。これがどういう作用があるのかはまったくわからない。
ゲノム編集の高オレイン酸大豆や、カーギルが関与している除草剤耐性のあるナタネなどが日本に入ってきたところだと思うが、さらに政府はそれについて「有機(JAS)」の認証をできないか検討を始めた。9月30日に第1回の検討会があり、第2回が近く予定されている。アメリカですでに用意されている遺伝子組み換えのコメの種子、ゲノム編集のコメの種子、麦、大豆、ジャガイモなどについて、「有機」の認証をしたいというのだ。話を聞き、資料を読んでみると、認証することが前提の検討会になっている。今、遺伝子組み換え食品について、日本は政府が318種類も承認している。アメリカですら197種類だから日本はダントツだ。
遺伝子組み換え農作物は、すべて除草剤・ラウンドアップ耐性だ。ラウンドアップをまくと植物は枯れる。主成分のグリホサートはベトナム戦争の枯れ葉剤と考えればよい。植物がアミノ酸をつくるシキミ酸経路を破壊するので、植物はアミノ酸をつくれず枯れる。ところがグリホサート耐性を持たせた農作物は、いくらグリホサートをまいても死なず、すくすくと生きている。ところが、そのラウンドアップで今大変なことが起きている。
ラウンドアップ裁判
アメリカで昨年8月10日、歴史的な裁判があった。
学校の用務員ジョンソンさんが、校庭の除草のために20〜30回ラウンドアップをまくと、腕に腫瘍ができ、末期ガンであることがわかった。モンサントのラウンドアップ以外に考えられないと、モンサントを訴えた裁判だが、モンサントに320億円支払えという評決が出た。判決は86億円に訂正されたが、これは世界のトップニュースになり、世界中に激震が走った。
世界各国でじつは今、グリホサート、ラウンドアップの規制が広がっている。ラウンドアップをやめた国は24カ国、規制している国は33カ国にのぼっている。隣の韓国もラウンドアップの使用をやめ、ネオニコチノイドの空中散布や屋外の使用を一切禁止している。
ラウンドアップをめぐる裁判は次次に起きており、ジョンソンさんの次には88億円、3例目の夫婦のガン患者には2200億円支払えという評決が出た。サンフランシスコでジョンソンさんに会い、インタビューをすることができたが、腕はケロイド状で肉が出ていた。彼は、「妻がハグすると皮がずりっと落ちて大変なので、今優しく抱いてもらっているだけだ。子どもはどうやらあきらめがついたようだが、妻はまだあきらめがついていないようだ」と話していた。日本に対するメッセージを求めると、「ラウンドアップの使用をできるだけ早くやめてほしい。日本だけでなく世界の人にそういいたい」といわれていた。
その後、この訴訟にかかわったロバート・ケネディ・ジュニア弁護士にもインタビューした。彼は叔父のジョン・F・ケネディがホワイトハウスにいるときに、レイチェル・カーソン女史に会ったという。当時、モンサントはDDTを世界中で売りまくっていて、レイチェル・カーソン女史は「鳥も鳴かない春が来る」といい、モンサントから徹底的に糾弾されていたそうだ。そのときからロバート・ケネディ・ジュニア弁護士は30年間モンサントとたたかってきたという。
裁判で勝利できたのは、モンサントが所有している最高の内部機密資料を裁判に出すことができたからだという。その内部機密資料によって、モンサントは19年前から、遺伝子組み換え作物やグリホサートでガンになることを認識していたことが明らかになった。実証の結果わかっていたのに悪質な隠蔽工作を続け、今日まで売り続けてきていたのだ。ロバート・ケネディ・ジュニア弁護士の話では、例えばニューヨークでは「ラウンドアップはコーヒーやピクルスと同じように飲んでも健康な大丈夫なものです」と宣伝していた。これは明らかな間違いなので、モンサントは莫大な罰金を払わされることになったという。
日本では、「すぐに生分解されて自然に戻るから害がないとコマーシャルしている」と話すと、明らかに虚偽の事実で、公共放送でやるなど考えられないといわれていた。TPP違憲訴訟をするうえで裁判資料の提供を依頼すると、喜んで承諾して下さり、「日米で一緒にたたかいましょう」という話になった。
今回、劇的な裁判となったが、すでにアメリカで5万件、同様の裁判が起こされており、カナダやオーストラリアでもモンサントに対する同様の裁判がなされている。モンサントを昨年6月に買収したバイエルは今、株価が5割下がっている。そしてついに正社員の1割に当たる1万2000人のリストラを発表し、動物医薬品を売るドル箱だった会社を売却した。アメリカでもEUでも「モンサントは終わった」といわれ、バイエルも危ないといわれているほどだ。
オーガニック食品の広がり
今、アメリカのスーパーはどこに行ってもオーガニック、「NON GMO」があふれている。アメリカを変えた女性といわれているゼン・ハニーカットさんにもお会いした。彼女はロバート・ケネディ・ジュニア弁護士やジョンソンさんと一緒になって裁判をひっ張って来た人だ。
彼女の子どもは3人ともアレルギーで、そのうち次男のボダイ君は小麦アレルギーがなかったのでパンやパスタをたくさん食べさせた。するとある日突然、理由もないのに怒り出し、暴れ出して自閉症の症状を起こした。驚いて病院に連れて行き、腸内細菌を調べると、クロストリジウムという脳神経を直接おかしくする細菌が、ヨーロッパの環境基準の四倍見つかった。このせいではないかと彼女は考えた。
アメリカでは10年前から小麦の収穫前にラウンドアップをまいていた。ラウンドアップをまくと小麦が枯れるため、コンバインで刈る手間がなくなる。主成分・グリホサートは小麦の芯まで浸透し、水分が一滴もなくなるため、日本に運んで来るまでにカビが生えたり細菌が発生することもない。彼女はこのグリホサートのせいではないかと考え、小麦粉製品を食べさせるのをやめ、有機の物と発酵食品にするとボダイ君の症状は劇的に改善された。
それまで、「グリホサートは食べ物から体内に入ってもすぐに分解されて尿として排出され、体内に残ることはない」という研究論文の下で、アメリカ環境保護局(EPA)も認めて来た。しかし、体内にグリホサートがあるかもしれないと考えた彼女が、母親たちの協力を得て母乳中のグリホサートの検査をすると、9割以上の母親からグリホサートが検出された。
私はそれを聞いて日本で何とか調べたいと思い、フランスのクズサイエンスというところに髪の毛を送って調べてもらった。1キット5万円したが、30キット購入し、国会議員23人や私も含め総勢30人を調べると30人中21人からグリホサートが検出された。これを黒田純子博士が聞いて驚いた。「尿で検査すると日本人みんなから検出されるのではないか」と。
今の医学では1個の細胞が生きるのに10個の腸内細菌の力を借りなければいけないといわれている。私たちは腸内細菌で生かされている。グリホサートはその腸内細菌のうち善玉菌をほとんど殺してしまう。そうなるとガンになったり、切迫流産や生殖系の機能を阻害したり、自閉症になることなどが明らかになってきている。黒田純子博士は、「じつはグリホサートは遺伝子を傷つけるのではなく、メチル化するのだ」といわれた。メチル化とは、遺伝子のオン・オフを人によって突然切り替えるのだそうだ。そうなるとこの遺伝子がそのままゲノム編集と同じ効果になる。
ネズミの実験ではF0(大人の世代)、F1(子どもたちの世代)にはほとんど影響はないという。ただF3(孫)、F4(ひ孫)の時代に異常が出てくるという。遺伝子そのものが変わるため、最初の角度が一度違っても、遠くに行くほど角度が開くそうだ。
ラウンドアップにかわる除草剤
ラウンドアップは今のJAでもどこでも売っている。しかし、お母さんたちが反対運動をしてダイソーは8月8日から販売をやめた。ラウンドアップにかわる天然素材の除草剤はないか調べていると、オーストラリアでオーガニック・コンタクト社の除草剤を、昨年暮れ近くになって政府が有効な除草剤としたことがわかった。この話を聞いてすぐにサンプルを輸入してもらい、試験してみた。すると1時間で雑草に黒く斑点ができてひっくり返っていき、4時間後には一部だが茶色く枯れた。これを、アメリカのEPAが除草剤として承認した。EUも審議中で、スリランカ、ニュージーランドも承認し、4カ国が承認したところだ。何とかしてラウンドアップをやめたい。
世界に逆行する日本―世界の流れは有機・自然栽培、非遺伝子組み換え作物に
アメリカのダイソーで販売しているポテトチップには警告として「揚げたジャガイモ(ポテトチップスなどの)には、発がん性や、先天性血管、そのほかの生殖系への悪影響を引き起こすことが知られている、アクリルアミドという化学物質が含まれています」という表示がされている。日本では普通に食べている。カラムーチョもそうだ。世界は食品表示が厳しいのに、これから日本で売られるゲノム編集の大豆やナタネでつくられる食用油は、何の表示もないまま合法的に売られる。しかも政府はこれを「有機(JAS)」で売りたいという検討会まで始めている。まさに世界の流れと逆行している。
韓国のスーパーでもオーガニックコーナーができ、オルゴク小学校(清州市・500人)では、有機・無償で学校給食を提供している。パンやサンドイッチは輸入小麦に頼らざるを得ないのではないかと思ったが、パンやパスタは一切使わず、うどんは全部国産の小麦粉だという。日本の大手3社の小麦粉を調べてみると、グリホサートがたくさん含まれている。もっとも入っているのが日清製粉の「全粒粉強力粉」だ。オルゴク小学校はアレルギーの子どもが七人しかいなかった。
韓国の農水省の課長に全国の状況を聞くと、ほぼ小・中学校は有機・無償でやっており、高校はもう少しかかるということだった。保育園・幼稚園でも始め、何年か後には妊婦にも有機の物を食べさせたいと思っているという話だった。
韓国も台湾も、食の安全に対する取り組みを始めている。日本は農薬や食品添加物の基準でいうと台湾の400倍も緩い。小麦粉のグリホサート残留農薬基準は中国の150倍緩い。そして世界各国がグリホサート、ラウンドアップを規制しようとしているなかで、こともあろうに日本だけがグリホサートの残留農薬基準を、物によっては400倍にまで緩めた。そば粉やナタネなどは75倍、100倍、テンサイは75倍だ。今、世界で一番農薬の残留基準が緩いのが日本だ。
ロシアも2016年に遺伝子組み換え農産物はつくらせない、輸入させないという法律を上院下院で通した。中国も2017年から同じように輸入も国内栽培も禁止している。いずれも国を挙げて有機栽培に力を入れている。アメリカも、じつは遺伝子組み換え農産物は2016年から頭打ちで、今オーガニックの生産がなんと年に10%の割合で伸びている。
先月アメリカに行き、モンタナ州(小麦の大産地)を訪れた。そこで10年前までケミカル農業(農薬や化学肥料を使う農業)をしてきたが、オーガニックに変えたという農家に会った。やめた理由を聞くと、「ケミカル農業をしている農家は家に帰るとすぐに服を脱ぎ捨ててシャワーを浴びないと子どもをハグできなかった。今は子どもたちと一緒に畑の中に入ることができる」という話だった。今、彼のつくった小麦は1ポンド14jだが、ケミカル農業の小麦は1ポンド3・7jだという。農薬や化学肥料にも金がかかる。「彼らは赤字だ。私は早く切り替えてよかった。アメリカでももう有機にしないと農業はやっていけない」と話していた。
自家採種の禁止
政府が自家採種を原則禁止するという種苗法の改定案を、いよいよ来年の通常国会で提出することがはっきりした。今年3月から9月25日まで5回にわたって検討会を開いてきたものだ。
自家採種(自家増殖)というのは、たとえばイチゴの場合は苗を10本とか15本購入し、ランナーで芽出しして次の年に植えたりすることだ。イモやサトウキビ、ジャガイモも同じだ。木の場合は接ぎ木する。そのような自家増殖を現行の種苗法では、二一条にあるように、モンサントなどが登録した品種でも、農家は種を買ったら自由に自家採種し、次の年に植えたり、加工することができる。原則自家採種自由だ。
ただし、第三項に「農林水産省が特例でもっていわば適用しない品目を定めることができる」となっていた。じつは自家採種の禁止は始まっていた。最初はバラ、カーネーションなどの花、その次はキノコ、TPPを批准してからはキャベツ、ブロッコリー、ナス、トマト、スイカ、メロン、キュウリ、ダイコン、ニンジンなど、あらゆるメジャーな野菜や果樹をはじめとする357種類もの植物が指定され、今年新たに野菜のみで31種類指定され、400種類近くになっている。この登録品種を勝手に自家採種したら懲役10年、1000万円以下の罰金で、しかも共謀罪の対象だ。
ところが、アメリカでも主要農産物の小麦は自家採種が3分の2で、3分の1が公共の種子、カナダは8割が自家採種、2割が公共の種子だ。オーストラリアは95%が自家採種で5%が公共の種子だ。それなのに日本はいよいよ自家採種禁止法案を出してきた。農水省の課長に「コメも麦も大豆も自家採種禁止にするのか。それが本当の狙いで、邪魔だったから公共の種子法を先に廃止したのか」と聞くと黙っていた。ところが検討会のとりまとめ(9月25日)には、わざわざ「これまで種苗法では非常に例外が多くて複雑だったから、シンプルなものにして、一律、自家増殖禁止の条文にしたい」と書いてある。そうすると「あまおう」をつくっているイチゴ農家もこれまでのように増殖できない。苗を1本250円ほどで6000本買わなければいけなくなる。
検討会でプレゼンをした茨城県の横田農場は、過疎地のため、人に頼まれて耕作面積が増え、今150fでコメをつくっている。8品種のコメを作付けしているが、そのうち登録品種だけで7dくらい自家採種しているという。コシヒカリなど育種期間(25年)が切れている品種もあるが、まだ切れていない新しい品種(「ゆめぴりか」など)の自家採種をやめて種子を購入すると500万円ほどかかり、「われわれはやっていけない」とプレゼンした。これが民間の種子になるとその10倍=5000万円かかる。ところがこれに一切コメントなしで、自家採種一律禁止という方向で条文にし、来年の通常国会で審議が始まることになった。自民党はどんなことがあってもこの法案を通すとはりきっているという話を耳にし、大変心配しているところだ。
なぜ自家採種を禁止するのか、その理由として農水省は「シャインマスカットなど日本の優秀な育種知見がそのまま中国や韓国に流れた。これを取り締まらなければならない」という。そのために種苗法を改正して、許諾・承認を得るか、新しく買うかしなければいけないのだという。しかし、海外流出を食い止めるのであれば、宮崎県が種牛の精液が海外流出するのを刑事告訴したように、現行法で刑事告訴すれば足りることだ。海外に出たものを取り締まるには、農水省が海外でシャインマスカットの育種登録もしくは商標登録などをすべきではなかったか。それを怠っていて、政府は「種苗法を改正しなければ海外流出を食い止めることができない」といういい方をしている。
1週間ほど前に「日本の種を守る会」は農水省の知財課長を呼んで話を聞いた。そこで農水省は「育種権者が第三者、企業にかわった場合、育種権はどうなるか」を説明した。思い出してほしい。農業競争力強化支援法で、例えばマスカットは農研機構の育種知見だが、それらをモンサントなどの民間企業に譲渡するようになっている。譲渡されて育種権者がかわった場合、そこから許諾を得るか、種苗を買わなければいけなくなるのではないか。県民や国民の税金で開発した育種知見を民間企業に譲渡しておいて、農家(国民・県民)が使うときには民間企業にロイヤリティを払わなければ許諾するわけはないだろう。県や国であれば許諾するであろうし、研究者はみんな使ってほしいと思っている。しかし、民間企業は当然、許諾料をとるか、1本ずつ買えとなるのではないか。
もう一つ、農水省は「これまでの伝統的な固定種をつくっている有機栽培の農家は大丈夫だ。安全だ」と説明している。家庭菜園は私も大丈夫だと思っているが、有機栽培の農家は安心ではない。種苗法二一条では、「登録された品種」と「特性により登録された品種と明確に区別されない品種」も自由に自家採種できるようになっている。野菜は土地と風土、栽培する人や年によって少しずつ変化していくものだ。登録品種であっても変化していくので、今モンサントは子会社を使ってナスやブロッコリー、トマトなど、さまざまな野菜をどんどん登録品種にしている。これらの登録品種と、有機栽培で農家がつくっている野菜のどこが違うのか区別はしにくい。こうして新規の育種登録を次次にした民間企業が、野菜農家などに育種権の侵害として賠償金を求めるようなことになりはしないかと心配している。
すでに企業から生産者が訴えられる裁判が6件起こっている。モンサントの裁判は有名だが、カナダでは有機栽培の伝統的なナタネ農家がモンサントから訴えられて裁判で負けた。日本で有機栽培をしている農家も、ある日突然、モンサントから20億、30億円の賠償金を請求されることもあり得る。実際、今度の種苗法の検討会でリードしたのは知的財産権ネットワークの弁護士だ。日弁連の雑誌にも、「これからは育種権の争いが論点になってくるだろう」と書かれている。
農水省の知財課長の説明では、こうした争いになった場合、裁判所は育種登録した品種の現物と、農家がつくっている作物の違いを求めようとするという。しかし、実際には登録したモンサントの野菜の品種も変化してくるから、その特性を6項目くらい法制化し、それに反したら育種権違反だとやれるよう改正案を準備しているという。これはモンサントなど種子企業が裁判で争えるように改正する内容だ。
アメリカで10年ほど前に自家採種禁止法案が通ったときも、「伝統的な固定種を栽培している有機栽培農家は安全だ」と説明していたが、今は本当に伝統的な有機栽培農家も種子を買わなければならなくなり、事実上、自家採種禁止になってしまった。このことはエップ・レイモンドさんの米国からの報告に詳しく書かれている。決して有機栽培農家、自分で種とりをして伝統的な固定種を栽培している農家も安心ではない。今度の種苗法改定案はどのようなことがあっても反対しなければならない。
種子法が廃止されたとき、農水省は自民党議員のところを「種苗法で守る」といって回った。ところが種苗法改定で自家採種を禁止し、コメも麦も大豆も、すべての種を買わせるのが狙いだった。アメリカもそうだったが、国家は嘘をつくものだ。
私たちは裁判でも争っているが、今後は広島県のジーンバンクのように伝統的な固定種を県が発掘し、それを保存・管理することが大事になってくる。広島県はそれを農家に無償で貸し出している。福岡県でもそのような条例をつくって、企業や民間や県も出資して公社をつくり、守ることが必要になってくる。
日本の経済、地域の経済を発展させていく施策
種子条例は、九州では宮崎県が1番につくり、今、熊本県が種子条例のパブコメで骨子案を発表した。鹿児島県知事もつくることを表明した。この前の議会までに11の道県でできたが、新しく栃木が先日採決し、宮城県の種子条例もパブコメをした。島根県も種子条例をつくることを発表し、岩手県は議員提案でやることが決まった。滋賀県もやる。年内にだいたい16の道県で種子条例ができそうだ。秋田、青森なども動き出しているし、福島も動き出した。来年度までに26の道県で種子条例ができるのではないかと思っている。
種子条例ができる一つのきっかけは、市町村のみなさんが動き出したということだ。1番最初につくった新潟県では、柏崎市が日本で1番最初に種子条例の制定を求める意見書を出した。県内各市町村で動き出し、それをもとに新潟県がつくり、兵庫県、埼玉県、山形県というようにどんどん動いてきた。
地方分権一括法では、国が地方自治体に指揮命令することは一切禁止している。国が地方にいえるのは単なる通知だけだ。通知は法律的にいうと「技術的助言」に過ぎない。法律に反しない限り地方自治体は何でもできるのだ。今治市は食と農の条例をつくった。「遺伝子組み換え農産物はつくらせない」という条例だ。もし市長の承認なくつくれば、2年間の懲役、500万円以下の罰金など、非常に厳しい内容だ。この町で「ゲノム編集のものは表示なくして流通させない」といった条例に刑罰まで定めてつくることができる。韓国は学校給食を条例で全部無償でやっているが、おそらく日本でも学校給食を有機でやる市町村が出てくる。世田谷の区長は無償で学校給食を始めた。同時に今、有機でやろうと真剣に考えているところだ。千葉県いすみ市の学校給食はコメは有機100%だ。普通入札で60`1万3000円くらいだが、2万円で買い、差額を市が補填している。
じつは安倍官邸が悪いといっている時期ではない。農薬から自家採種禁止まで大変なことになろうとしているが、私たちの暮らしは自分で守るしかない。そして自分で守ることができる。住民には請願権が認められている。知っている市会議員や町会議員を通じて、この町で学校給食を有機農産物でやるという条例案を審議してくれという請願を出すと市町村議会はそれを審議しなければいけない。次次にそういったものを出していくことによって地方から変えていくことができる。今、自分が動けば何でもできる。私たちが主役だ。
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/13829
61. 中川隆[-10503] koaQ7Jey 2019年10月29日 12:06:57 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2370]
鈴木傾城 2019年10月28日
今の株式市場は割高に評価されている
ところで、現在の世界は米中新冷戦の真っ只中にある。
巨大な経済大国であるアメリカと中国が激しく互いに報復関税をかけ合って対立している。中国の経済成長は鈍化し、状況は想像以上に悪化している。
グローバル経済は、「成長」に向かっているのではなく、「後退」に向かっているのである。
そうであれば、世界の株式の総本山であるアメリカの株式市場はそれを織り込んで「下がっていなければならない」のだが、下がるどころか上がっている。
つまり、今の株式市場は実体経済と乖離して割高に評価されている。
株式市場が割高かどうかを評価する指標で最も分かりやすいのはバフェット指数である。バフェット指数というのは、稀代の投資家であるウォーレン・バフェットが指し示した指数なのだが、「株式時価総額 ÷ 名目GDP × 100」で算出される数字だ。
バフェット指数は「株式時価総額と名目GDPは、本来であればだいたい一致する」という点を利用した指数である。要するに実体経済(名目GDP)に対して株価は高いのか安いのかを評価しているものだ。
そのため、100%を超えてくるようであれば「株価は実体経済よりも高く評価されているので下落しても不思議ではない」という考え方ができるし、実体経済よりも株価が低いと「売られすぎ」という考え方もできる。
今はどうなのか。今のバフェット指数は140%台にある。つまり、株価は実体経済よりも高いということが分かる。
さらにシラーPEレシオ(CAPEレシオ)というものもある。通常のPERは現在の株価を1株あたりの純利益で割って計算するのだが、シラーPERは現在の株価を「過去10年間の1株あたり純利益の平均値」で割る。それによって「長期的に見て現在の株価が割高か割安か」が分かる。
それを見ても、現在のアメリカの株式(S&P500)はシラーPEレシオで「ほぼ30ポイント」になっているので、やはり「割高」であると判断できる。15ポイントあたりがシラーPEレシオの心地良い数字ではあるが、30ポイントと言えば「ほぼ2倍」である。
大暴落で追い込まれるのは「借金をして株を買っている人」
もちろん、株価が高いからと言って「ただちに暴落する」とは誰にも言えない。
実体経済が停滞しており、株価が割高に評価されているのであれば、いずれは株価の下落が来るのは間違いないのだが、それは「いつ来るのか」「どれくらいの規模でくるのか」は誰にも分からないところである。
しかし、それは必ずやってくる。
いつの時代にも「経済的ショック」によって追い込まれるのは、「借金をして株を買っている人間」である。
借金をして株を買うと株が下落して評価損が出た時、追証を求められることになる。追証が払えないと、損失覚悟で次々と株は売り払われる上に、足りない分を補填しなければならない。
借金をして株を買っている投資家は、株をじっと保有するということが許されない。そして、一番カネに困っている時にもっとカネが必要になる。さらに「安い時に仕込む」ということすらもできなくなるのである。
https://www.mag2.com/p/money/802891
▲△▽▼
エリオット波動マーケット分析 宮田 直彦 2019 年10 月28 日
【ダウ工業株平均・S&P500】
(S&P500 は第(iii)波上昇トレンド)
S&P500 は09 年安値(666)以来、サイクル第T波の上昇局面にあるとみている。第T波はプライマリー級の5波構成─(1)-(2)-(3)-(4)-(5)─となる。
18 年12 月26 日安値(2346)以来プライマリー第(5)波が進行中。
(NY ダウは順当なら3 万ドルへ)
NY ダウは6 月3 日安値(24680 ドル)以来、プライマリー第(5)波における第(iii)波の上昇トレンドが進行中である。順当なら第(iii)波は3 万ドルを目指すことになるだろう。
S&P500 は2822(8/5 安値)から、ダウ平均は25339 ドル(8/15 安値)から、各々第iii 波の第3 波「サード・オブ・サード」の上昇トレンドに入った可能性が高いとみている。
【日経平均・TOPIX】
(18 年12 月安値から「サード・オブ・サード」の強気相場が進行中)
日経平均、TOPIX など日本株主要インデックスは2018 年12 月安値以来、(3)-3 波「サード・オブ・サード」という長期強気相場が進行中である(現在はその初期段階に当たる)。日経平均が今年度中に、18 年高値(24,448円)を上回る可能性は引き続きあるとみている。
▲△▽▼
先行き不透明な時には信用買いも空売りも損切も大量買いもすべて NG
というより、チャート分析に基いたドテン売買法みたいな丁半バクチ投資法は絶対にやってはいけないのですね。
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/895.html#c61
28. 中川隆[-10508] koaQ7Jey 2019年10月29日 12:36:27 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2365]
現生人類、ボツワナで20万年前に誕生 DNA分析で特定
10/29(火) 6:25配信 AFP=時事
現生人類誕生の地として特定されたマカディカディ・オカバンゴ地域を示した図。矢印は、人類が13万〜10万年前に北東と南西の両方向に移動した経路。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191029-00000002-jij_afp-sctch.view-000
【AFP=時事】現生人類は20万年前、ボツワナ北部で誕生したとする論文が28日、国際研究チームにより科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。人類誕生の地を特定した研究結果としては、これまでで最も詳細な位置を示したものとみられる。
【写真】現在のオカバンゴ・デルタの様子
https://www.afpbb.com/articles/-/3251885?pid=21794231&tmpl_skin=gallery&utm_source=yahoo&utm_medium=news&cx_from=yahoo&cx_position=p1&cx_rss=afp&cx_id=3251885
解剖学的現生人類のホモ・サピエンス・サピエンスがアフリカで誕生したことは以前から知られていたが、その正確な場所は特定されていなかった。
研究チームは、「L0」系統のDNAを高い割合で保持することが知られている民族グループ「コイサン」に属する200人からDNAサンプルを採取した。コイサンは現在、南アフリカとナミビアに暮らしている。
研究チームはサンプルを地理的分布や考古学、気候変動のデータと合わせ、ゲノム年表を作製。年表から、L0系統の起源が20万年前のザンベジ川(Zambezi River)南方のボツワナ北部にさかのぼることが示唆された。
同地域はマカディカディ・オカバンゴ(Makgadikgadi-Okavango)と呼ばれ、現在は主に荒原が広がっているが、当時はビクトリア湖(Lake Victoria)の約2倍の大きさの巨大湖があったという。人類は同地域に約7万年の間住んでいたが、約13万年前に起きた気候変動により世界各地に広がっていったとみられている。【翻訳編集】 AFPBB News
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191029-00000002-jij_afp-sctch
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/581.html#c28
70. 中川隆[-10507] koaQ7Jey 2019年10月29日 13:02:26 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2366]
2019.10.29
ネオコンの好戦的な政策はアメリカ帝国の終焉を早めた(1/3)
アメリカの支配力が急速に弱まっている。基軸通貨を発行する特権を利用して世界に大きな影響力を持ってきたアメリカだが、その特権を失いかけているからだ。こうしたことは少なからぬ人が指摘してきた。
かつてドルは金との交換が認められていたが、1971年8月にリチャード・ニクソン大統領がドルと金との交換停止を発表、73年から変動相場制へ移行している。
このシステム変更によってアメリカはドルを金に束縛されることなく発行できるようになるが、金という裏付けをなくしたことから何も対策を講じずに発行を続ければ基軸通貨としての地位から陥落してしまう。
そこで、アメリカの支配層は流通するドルを吸い上げる仕組みを作る。その仕組みのひとつが石油取引のドル決済強要。サウジアラビアをはじめとする主要産油国に対し、石油取引の決済をドルに限定させたのだ。
どの国もエネルギー資源は必要であり、各国は石油を買うためにドルを買い集め、ドルは産油国に集まる。産油国はアメリカの財務省証券や高額兵器を買うという形でドルをアメリカへ還流させ、アメリカ支配層は還流したドルを地下へ沈め、固定化させる。いわゆるペトロダラーの仕組みだ。
だぶついたドルを吸い上げ、流通する通貨の量をコントロールする別の仕組みも整備された。投機である。投機市場にドルを吸い上げさせ、そこでドルを沈め、人びとへは替わりに数字が与えられる。いわば金融マジックであり、ドルは狸や狐が人間をたぶらかすために使う木の葉のようなもの。
人びとが価値あるものだと信じている間、ドルは通貨として機能するが、信頼度が低下するとマジックは機能しなくなる。製造業を放棄したアメリカは金融マジックで人びとをたぶらかし続けるしかない。
この金融マジックを正当化するための「理屈」を考えたのがミルトン・フリードマンたち。フリードマンは1976年にノーベル経済学賞を受賞している。つまり、金融マジックは西側支配層が望んでいたことだ。そのマジックに中国も参加する
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201910290000/
2019.10.29
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ネオコンの好戦的な政策はアメリカ帝国の終焉を早めた(2/3)
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アメリカとソ連は1983年から84年にかけての時期に核戦争の寸前までいった。ロナルド・レーガンとユーリ・アンドロポフの時代だ。
アンドロポフは1984年2月に死亡、コンスタンティン・チェルネンコを経て1985年3月から西側を信奉するミハイル・ゴルバチョフが最高指導者になり、ソ連解体への道筋を作った。止めを刺したのはボリス・エリツィンだ。
その間、アメリカでは1982年にレーガン大統領がNSDD55を出し、憲法の機能を停止させる目的でCOGプロジェクトを始める。
ドワイト・アイゼンハワー大統領の時代にアメリカでは核戦争の際に国を動かす「秘密政府」を設置することが決められ、1979年にはFEMAが作られた。それを発展させたものがCOGプロジェクトである。
このプロジェクトは1988年に質的な変化を遂げる。大統領令12656によって、憲法は「国家安全保障上の緊急事態」の際に機能を停止できることになったのだ。自然災害でも何でも政府が「国家安全保障上の緊急事態」だと判断すればよくなったのである。
1980年代からネオコンはイラクのサダム・フセイン政権を破壊して親イスラエル体制を樹立、シリアとイランを分断し、その両国を破壊するという戦略をたてていた。
1991年12月にソ連が消滅した直後の92年2月、その戦略を発展させる形で国防次官だったポール・ウォルフォウィッツを中心に国防総省のDPG草案を作成する。これは一種の世界制覇プランで、ウォルフォウィッツ・ドクトリンとも呼ばれている。
このドクトリンに基づき、PNACというシオニスト系シンクタンクは2000年に「アメリカ国防の再構築」という報告書を出す。この年に実施された大統領選挙で勝利したジョージ・W・ブッシュはこの報告書に基づいて国際問題に関する政策は決めていく。
アメリカの国防政策を「革命的に変化させる」としているのだが、そのためには「新たな真珠湾」のような何かが必要だと主張している。ネオコンに好都合なことに、2001年9月11日にそうした衝撃的な出来事が引き起こされた。
いわゆる9/11だが、この出来事を切っ掛けにしてアメリカ国内の収容所化と国外での侵略が急速に進められる。2003年3月にブッシュ・ジュニア政権はイラクを先制攻撃してフセイン政権を破壊するが、親イスラエル体制の樹立には失敗、2011年春にバラク・オバマ政権はジハード傭兵を使ってリビアとシリアへの侵略戦争を開始する。(つづく)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201910290000/
2019.10.29
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ネオコンの好戦的な政策はアメリカ帝国の終焉を早めた(3/3)
カテゴリ:カテゴリ未分類
21世紀に入って再独立に成功したロシアをアメリカの支配層は再び属国化するため、2014年にはウクライナでネオ・ナチを使ってクーデターを実行する。政権の転覆には成功するが、戦略的に重要なクリミアの制圧に失敗、クーデターに反対する住民が多かった東部では戦闘が始まり、南部では反クーデター派の虐殺があった。
ウクライナを支配してロシアとEUを分断し、EUのアメリカ依存を高めると同時にロシアから市場を奪って経済を破綻させようとネオコンは計算していたのだろうが、失敗に終わる。ロシアは東を向いたのだ。
2014年に香港で反中国運動が盛り上がったのだが、その背後にアメリカやイギリスがいることを知った中国はアメリカから離れ始める。そのタイミングでウクライナのクーデターがあり、西側信仰が残っていたロシアでのEU離れにつながった。そしてロシアと中国は戦略的な同盟関係に入る。
この年、オバマ政権はシリアでダーイッシュ(イスラム国、IS、ISIS、ISILとも表記)を売り出し、残虐さを演出、リビアと同じようにアメリカ軍/NATO軍にシリアを大々的に攻撃させようとしている。
2011年10月にリビアのムアンマル・アル・カダフィを倒した後、オバマ政権は戦闘員と武器/兵器をシリアへ集中させ、反政府軍を支援する。そうしたオバマの政策を危険だと警告したのがアメリカ軍の情報機関DIAだった。
DIAは2012年の8月、シリアで政府軍と戦っている武装勢力はサラフィ主義者やムスリム同胞団が中心だと指摘し、反政府軍としてアル・カイダ系のアル・ヌスラ(AQIと実態は同じだと指摘されていた)の名前を挙げている。ちなみにアル・ヌスラの主力はサラフィ主義者やムスリム同胞団だ。
この報告書でDIAはオバマ政権の政策がシリアの東部(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配地域を作ることになるとも警告、それはダーイッシュの出現という形で現実になった。2014年のことだが、その年にDIA局長だったマイケル・フリン中将は解任され、15年にオバマ大統領は国防長官や統合参謀本部議長を好戦派へ交代させる。そして2015年9月末にロシア軍がシリア政府の要請で介入、ダーイッシュは支配地域を急速に縮小させていく。
その前、2013年からオバマ政権は軍事介入を正当化させるために化学兵器話を宣伝するが、すぐに嘘だということが判明してしまう。(そうした話は本ブログでも繰り返し書いてきたので、ここでは割愛する。)
それでも攻撃する姿勢をアメリカ軍は見せ、シリア近くの基地にB52爆撃機の2航空団を配備、さらに5隻の駆逐艦、1隻の揚陸艦、そして紅海にいる空母ニミッツと3隻の軍艦などの艦船を地中海へ派遣した。
対抗してロシア政府は「空母キラー」と呼ばれている巡洋艦のモスクワを中心に、フリゲート艦2隻、電子情報収集艦、揚陸艦5隻、コルベット艦2隻がシリアを守る形に配置したと報道された。
攻撃が予想されていた9月3日、地中海の中央から東へ向かって2発の弾道ミサイルが発射される。このミサイルをロシアの早期警戒システムがすぐに探知したが、2発とも海中に落ち、その直後にイスラエル国防省はアメリカと合同で行ったミサイル発射実験だと発表している。
事前に周辺国(少なくともロシア)へ発射実験が通告されなかったこともあり、実際にシリアへのミサイル攻撃を始めたのだが、何らかの理由で墜落した可能性がある。ジャミングなどECM(電子対抗手段)が使われたと推測されていた。
それを反省したのか、ドナルド・トランプ大統領は2017年4月6日にアメリカ海軍の駆逐艦、ポーターとロスから59機の巡航ミサイル(トマホーク)を発射させるが、約6割が撃墜されてしまった。2018年4月にはイギリスとフランスを巻き込んで100機以上の巡航ミサイルをシリアへ向けて発射したが、そのうち約7割が撃墜される。
それだけでなく、シリアでの戦争はロシア軍の強さと兵器の優秀さを人びとに知らしめることになった。ネオコンの好戦的な政策はドル体制を支える柱のひとつだったアメリカの軍事力に対する神話を崩すことになったと言える。その先にはドル神話の崩壊、アメリカ帝国の終焉が見える。(了)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201910290001/
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/175.html#c70
39. 中川隆[-10506] koaQ7Jey 2019年10月29日 13:05:54 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2367]
2019.10.29
ネオコンの好戦的な政策はアメリカ帝国の終焉を早めた(1/3)
アメリカの支配力が急速に弱まっている。基軸通貨を発行する特権を利用して世界に大きな影響力を持ってきたアメリカだが、その特権を失いかけているからだ。こうしたことは少なからぬ人が指摘してきた。
かつてドルは金との交換が認められていたが、1971年8月にリチャード・ニクソン大統領がドルと金との交換停止を発表、73年から変動相場制へ移行している。
このシステム変更によってアメリカはドルを金に束縛されることなく発行できるようになるが、金という裏付けをなくしたことから何も対策を講じずに発行を続ければ基軸通貨としての地位から陥落してしまう。
そこで、アメリカの支配層は流通するドルを吸い上げる仕組みを作る。その仕組みのひとつが石油取引のドル決済強要。サウジアラビアをはじめとする主要産油国に対し、石油取引の決済をドルに限定させたのだ。
どの国もエネルギー資源は必要であり、各国は石油を買うためにドルを買い集め、ドルは産油国に集まる。産油国はアメリカの財務省証券や高額兵器を買うという形でドルをアメリカへ還流させ、アメリカ支配層は還流したドルを地下へ沈め、固定化させる。いわゆるペトロダラーの仕組みだ。
だぶついたドルを吸い上げ、流通する通貨の量をコントロールする別の仕組みも整備された。投機である。投機市場にドルを吸い上げさせ、そこでドルを沈め、人びとへは替わりに数字が与えられる。いわば金融マジックであり、ドルは狸や狐が人間をたぶらかすために使う木の葉のようなもの。
人びとが価値あるものだと信じている間、ドルは通貨として機能するが、信頼度が低下するとマジックは機能しなくなる。製造業を放棄したアメリカは金融マジックで人びとをたぶらかし続けるしかない。
この金融マジックを正当化するための「理屈」を考えたのがミルトン・フリードマンたち。フリードマンは1976年にノーベル経済学賞を受賞している。つまり、金融マジックは西側支配層が望んでいたことだ。そのマジックに中国も参加する
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201910290000/
2019.10.29
ネオコンの好戦的な政策はアメリカ帝国の終焉を早めた(2/3)
アメリカとソ連は1983年から84年にかけての時期に核戦争の寸前までいった。ロナルド・レーガンとユーリ・アンドロポフの時代だ。
アンドロポフは1984年2月に死亡、コンスタンティン・チェルネンコを経て1985年3月から西側を信奉するミハイル・ゴルバチョフが最高指導者になり、ソ連解体への道筋を作った。止めを刺したのはボリス・エリツィンだ。
その間、アメリカでは1982年にレーガン大統領がNSDD55を出し、憲法の機能を停止させる目的でCOGプロジェクトを始める。
ドワイト・アイゼンハワー大統領の時代にアメリカでは核戦争の際に国を動かす「秘密政府」を設置することが決められ、1979年にはFEMAが作られた。それを発展させたものがCOGプロジェクトである。
このプロジェクトは1988年に質的な変化を遂げる。大統領令12656によって、憲法は「国家安全保障上の緊急事態」の際に機能を停止できることになったのだ。自然災害でも何でも政府が「国家安全保障上の緊急事態」だと判断すればよくなったのである。
1980年代からネオコンはイラクのサダム・フセイン政権を破壊して親イスラエル体制を樹立、シリアとイランを分断し、その両国を破壊するという戦略をたてていた。
1991年12月にソ連が消滅した直後の92年2月、その戦略を発展させる形で国防次官だったポール・ウォルフォウィッツを中心に国防総省のDPG草案を作成する。これは一種の世界制覇プランで、ウォルフォウィッツ・ドクトリンとも呼ばれている。
このドクトリンに基づき、PNACというシオニスト系シンクタンクは2000年に「アメリカ国防の再構築」という報告書を出す。この年に実施された大統領選挙で勝利したジョージ・W・ブッシュはこの報告書に基づいて国際問題に関する政策は決めていく。
アメリカの国防政策を「革命的に変化させる」としているのだが、そのためには「新たな真珠湾」のような何かが必要だと主張している。ネオコンに好都合なことに、2001年9月11日にそうした衝撃的な出来事が引き起こされた。
いわゆる9/11だが、この出来事を切っ掛けにしてアメリカ国内の収容所化と国外での侵略が急速に進められる。2003年3月にブッシュ・ジュニア政権はイラクを先制攻撃してフセイン政権を破壊するが、親イスラエル体制の樹立には失敗、2011年春にバラク・オバマ政権はジハード傭兵を使ってリビアとシリアへの侵略戦争を開始する。(つづく)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201910290000/
2019.10.29
ネオコンの好戦的な政策はアメリカ帝国の終焉を早めた(3/3)
21世紀に入って再独立に成功したロシアをアメリカの支配層は再び属国化するため、2014年にはウクライナでネオ・ナチを使ってクーデターを実行する。政権の転覆には成功するが、戦略的に重要なクリミアの制圧に失敗、クーデターに反対する住民が多かった東部では戦闘が始まり、南部では反クーデター派の虐殺があった。
ウクライナを支配してロシアとEUを分断し、EUのアメリカ依存を高めると同時にロシアから市場を奪って経済を破綻させようとネオコンは計算していたのだろうが、失敗に終わる。ロシアは東を向いたのだ。
2014年に香港で反中国運動が盛り上がったのだが、その背後にアメリカやイギリスがいることを知った中国はアメリカから離れ始める。そのタイミングでウクライナのクーデターがあり、西側信仰が残っていたロシアでのEU離れにつながった。そしてロシアと中国は戦略的な同盟関係に入る。
この年、オバマ政権はシリアでダーイッシュ(イスラム国、IS、ISIS、ISILとも表記)を売り出し、残虐さを演出、リビアと同じようにアメリカ軍/NATO軍にシリアを大々的に攻撃させようとしている。
2011年10月にリビアのムアンマル・アル・カダフィを倒した後、オバマ政権は戦闘員と武器/兵器をシリアへ集中させ、反政府軍を支援する。そうしたオバマの政策を危険だと警告したのがアメリカ軍の情報機関DIAだった。
DIAは2012年の8月、シリアで政府軍と戦っている武装勢力はサラフィ主義者やムスリム同胞団が中心だと指摘し、反政府軍としてアル・カイダ系のアル・ヌスラ(AQIと実態は同じだと指摘されていた)の名前を挙げている。ちなみにアル・ヌスラの主力はサラフィ主義者やムスリム同胞団だ。
この報告書でDIAはオバマ政権の政策がシリアの東部(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配地域を作ることになるとも警告、それはダーイッシュの出現という形で現実になった。2014年のことだが、その年にDIA局長だったマイケル・フリン中将は解任され、15年にオバマ大統領は国防長官や統合参謀本部議長を好戦派へ交代させる。そして2015年9月末にロシア軍がシリア政府の要請で介入、ダーイッシュは支配地域を急速に縮小させていく。
その前、2013年からオバマ政権は軍事介入を正当化させるために化学兵器話を宣伝するが、すぐに嘘だということが判明してしまう。(そうした話は本ブログでも繰り返し書いてきたので、ここでは割愛する。)
それでも攻撃する姿勢をアメリカ軍は見せ、シリア近くの基地にB52爆撃機の2航空団を配備、さらに5隻の駆逐艦、1隻の揚陸艦、そして紅海にいる空母ニミッツと3隻の軍艦などの艦船を地中海へ派遣した。
対抗してロシア政府は「空母キラー」と呼ばれている巡洋艦のモスクワを中心に、フリゲート艦2隻、電子情報収集艦、揚陸艦5隻、コルベット艦2隻がシリアを守る形に配置したと報道された。
攻撃が予想されていた9月3日、地中海の中央から東へ向かって2発の弾道ミサイルが発射される。このミサイルをロシアの早期警戒システムがすぐに探知したが、2発とも海中に落ち、その直後にイスラエル国防省はアメリカと合同で行ったミサイル発射実験だと発表している。
事前に周辺国(少なくともロシア)へ発射実験が通告されなかったこともあり、実際にシリアへのミサイル攻撃を始めたのだが、何らかの理由で墜落した可能性がある。ジャミングなどECM(電子対抗手段)が使われたと推測されていた。
それを反省したのか、ドナルド・トランプ大統領は2017年4月6日にアメリカ海軍の駆逐艦、ポーターとロスから59機の巡航ミサイル(トマホーク)を発射させるが、約6割が撃墜されてしまった。2018年4月にはイギリスとフランスを巻き込んで100機以上の巡航ミサイルをシリアへ向けて発射したが、そのうち約7割が撃墜される。
それだけでなく、シリアでの戦争はロシア軍の強さと兵器の優秀さを人びとに知らしめることになった。ネオコンの好戦的な政策はドル体制を支える柱のひとつだったアメリカの軍事力に対する神話を崩すことになったと言える。その先にはドル神話の崩壊、アメリカ帝国の終焉が見える。(了)
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http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/121.html#c39
62. 中川隆[-10505] koaQ7Jey 2019年10月29日 13:06:25 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2368]
2019.10.29
ネオコンの好戦的な政策はアメリカ帝国の終焉を早めた(1/3)
アメリカの支配力が急速に弱まっている。基軸通貨を発行する特権を利用して世界に大きな影響力を持ってきたアメリカだが、その特権を失いかけているからだ。こうしたことは少なからぬ人が指摘してきた。
かつてドルは金との交換が認められていたが、1971年8月にリチャード・ニクソン大統領がドルと金との交換停止を発表、73年から変動相場制へ移行している。
このシステム変更によってアメリカはドルを金に束縛されることなく発行できるようになるが、金という裏付けをなくしたことから何も対策を講じずに発行を続ければ基軸通貨としての地位から陥落してしまう。
そこで、アメリカの支配層は流通するドルを吸い上げる仕組みを作る。その仕組みのひとつが石油取引のドル決済強要。サウジアラビアをはじめとする主要産油国に対し、石油取引の決済をドルに限定させたのだ。
どの国もエネルギー資源は必要であり、各国は石油を買うためにドルを買い集め、ドルは産油国に集まる。産油国はアメリカの財務省証券や高額兵器を買うという形でドルをアメリカへ還流させ、アメリカ支配層は還流したドルを地下へ沈め、固定化させる。いわゆるペトロダラーの仕組みだ。
だぶついたドルを吸い上げ、流通する通貨の量をコントロールする別の仕組みも整備された。投機である。投機市場にドルを吸い上げさせ、そこでドルを沈め、人びとへは替わりに数字が与えられる。いわば金融マジックであり、ドルは狸や狐が人間をたぶらかすために使う木の葉のようなもの。
人びとが価値あるものだと信じている間、ドルは通貨として機能するが、信頼度が低下するとマジックは機能しなくなる。製造業を放棄したアメリカは金融マジックで人びとをたぶらかし続けるしかない。
この金融マジックを正当化するための「理屈」を考えたのがミルトン・フリードマンたち。フリードマンは1976年にノーベル経済学賞を受賞している。つまり、金融マジックは西側支配層が望んでいたことだ。そのマジックに中国も参加する
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201910290000/
2019.10.29
ネオコンの好戦的な政策はアメリカ帝国の終焉を早めた(2/3)
アメリカとソ連は1983年から84年にかけての時期に核戦争の寸前までいった。ロナルド・レーガンとユーリ・アンドロポフの時代だ。
アンドロポフは1984年2月に死亡、コンスタンティン・チェルネンコを経て1985年3月から西側を信奉するミハイル・ゴルバチョフが最高指導者になり、ソ連解体への道筋を作った。止めを刺したのはボリス・エリツィンだ。
その間、アメリカでは1982年にレーガン大統領がNSDD55を出し、憲法の機能を停止させる目的でCOGプロジェクトを始める。
ドワイト・アイゼンハワー大統領の時代にアメリカでは核戦争の際に国を動かす「秘密政府」を設置することが決められ、1979年にはFEMAが作られた。それを発展させたものがCOGプロジェクトである。
このプロジェクトは1988年に質的な変化を遂げる。大統領令12656によって、憲法は「国家安全保障上の緊急事態」の際に機能を停止できることになったのだ。自然災害でも何でも政府が「国家安全保障上の緊急事態」だと判断すればよくなったのである。
1980年代からネオコンはイラクのサダム・フセイン政権を破壊して親イスラエル体制を樹立、シリアとイランを分断し、その両国を破壊するという戦略をたてていた。
1991年12月にソ連が消滅した直後の92年2月、その戦略を発展させる形で国防次官だったポール・ウォルフォウィッツを中心に国防総省のDPG草案を作成する。これは一種の世界制覇プランで、ウォルフォウィッツ・ドクトリンとも呼ばれている。
このドクトリンに基づき、PNACというシオニスト系シンクタンクは2000年に「アメリカ国防の再構築」という報告書を出す。この年に実施された大統領選挙で勝利したジョージ・W・ブッシュはこの報告書に基づいて国際問題に関する政策は決めていく。
アメリカの国防政策を「革命的に変化させる」としているのだが、そのためには「新たな真珠湾」のような何かが必要だと主張している。ネオコンに好都合なことに、2001年9月11日にそうした衝撃的な出来事が引き起こされた。
いわゆる9/11だが、この出来事を切っ掛けにしてアメリカ国内の収容所化と国外での侵略が急速に進められる。2003年3月にブッシュ・ジュニア政権はイラクを先制攻撃してフセイン政権を破壊するが、親イスラエル体制の樹立には失敗、2011年春にバラク・オバマ政権はジハード傭兵を使ってリビアとシリアへの侵略戦争を開始する。(つづく)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201910290000/
2019.10.29
ネオコンの好戦的な政策はアメリカ帝国の終焉を早めた(3/3)
21世紀に入って再独立に成功したロシアをアメリカの支配層は再び属国化するため、2014年にはウクライナでネオ・ナチを使ってクーデターを実行する。政権の転覆には成功するが、戦略的に重要なクリミアの制圧に失敗、クーデターに反対する住民が多かった東部では戦闘が始まり、南部では反クーデター派の虐殺があった。
ウクライナを支配してロシアとEUを分断し、EUのアメリカ依存を高めると同時にロシアから市場を奪って経済を破綻させようとネオコンは計算していたのだろうが、失敗に終わる。ロシアは東を向いたのだ。
2014年に香港で反中国運動が盛り上がったのだが、その背後にアメリカやイギリスがいることを知った中国はアメリカから離れ始める。そのタイミングでウクライナのクーデターがあり、西側信仰が残っていたロシアでのEU離れにつながった。そしてロシアと中国は戦略的な同盟関係に入る。
この年、オバマ政権はシリアでダーイッシュ(イスラム国、IS、ISIS、ISILとも表記)を売り出し、残虐さを演出、リビアと同じようにアメリカ軍/NATO軍にシリアを大々的に攻撃させようとしている。
2011年10月にリビアのムアンマル・アル・カダフィを倒した後、オバマ政権は戦闘員と武器/兵器をシリアへ集中させ、反政府軍を支援する。そうしたオバマの政策を危険だと警告したのがアメリカ軍の情報機関DIAだった。
DIAは2012年の8月、シリアで政府軍と戦っている武装勢力はサラフィ主義者やムスリム同胞団が中心だと指摘し、反政府軍としてアル・カイダ系のアル・ヌスラ(AQIと実態は同じだと指摘されていた)の名前を挙げている。ちなみにアル・ヌスラの主力はサラフィ主義者やムスリム同胞団だ。
この報告書でDIAはオバマ政権の政策がシリアの東部(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配地域を作ることになるとも警告、それはダーイッシュの出現という形で現実になった。2014年のことだが、その年にDIA局長だったマイケル・フリン中将は解任され、15年にオバマ大統領は国防長官や統合参謀本部議長を好戦派へ交代させる。そして2015年9月末にロシア軍がシリア政府の要請で介入、ダーイッシュは支配地域を急速に縮小させていく。
その前、2013年からオバマ政権は軍事介入を正当化させるために化学兵器話を宣伝するが、すぐに嘘だということが判明してしまう。(そうした話は本ブログでも繰り返し書いてきたので、ここでは割愛する。)
それでも攻撃する姿勢をアメリカ軍は見せ、シリア近くの基地にB52爆撃機の2航空団を配備、さらに5隻の駆逐艦、1隻の揚陸艦、そして紅海にいる空母ニミッツと3隻の軍艦などの艦船を地中海へ派遣した。
対抗してロシア政府は「空母キラー」と呼ばれている巡洋艦のモスクワを中心に、フリゲート艦2隻、電子情報収集艦、揚陸艦5隻、コルベット艦2隻がシリアを守る形に配置したと報道された。
攻撃が予想されていた9月3日、地中海の中央から東へ向かって2発の弾道ミサイルが発射される。このミサイルをロシアの早期警戒システムがすぐに探知したが、2発とも海中に落ち、その直後にイスラエル国防省はアメリカと合同で行ったミサイル発射実験だと発表している。
事前に周辺国(少なくともロシア)へ発射実験が通告されなかったこともあり、実際にシリアへのミサイル攻撃を始めたのだが、何らかの理由で墜落した可能性がある。ジャミングなどECM(電子対抗手段)が使われたと推測されていた。
それを反省したのか、ドナルド・トランプ大統領は2017年4月6日にアメリカ海軍の駆逐艦、ポーターとロスから59機の巡航ミサイル(トマホーク)を発射させるが、約6割が撃墜されてしまった。2018年4月にはイギリスとフランスを巻き込んで100機以上の巡航ミサイルをシリアへ向けて発射したが、そのうち約7割が撃墜される。
それだけでなく、シリアでの戦争はロシア軍の強さと兵器の優秀さを人びとに知らしめることになった。ネオコンの好戦的な政策はドル体制を支える柱のひとつだったアメリカの軍事力に対する神話を崩すことになったと言える。その先にはドル神話の崩壊、アメリカ帝国の終焉が見える。(了)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201910290001/
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/895.html#c62
9. 中川隆[-10504] koaQ7Jey 2019年10月29日 14:24:16 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2369]
軽量≠フ「即位礼」米代表団、冷戦終結30年、同盟の脆い土台
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/17748
天皇陛下が即位を宣明される「即位礼正殿の儀」は先週、滞りなく終了した。華やかな祝賀外交≠燗W開された。
サプライズ≠ヘ、なんといっても米国の参列特使だった。各国の国王、元首クラスが顔をそろえる中、米国は、大統領でも副大統領でもなく、運輸長官を派遣したにとどめた。 「世界で最も重要な2国間関係」の相手の、国をあげての慶事に対してだ。
冷戦終結30年≠ニいう節目の年にあって、重みを増している日米の同盟関係が盤石かといえば、必ずしもそうとはいえまい。これまでの両国関係を顧みれば、脆弱さを暗示する大小の問題が、起きては消え、消えては起こるーいわば摩擦の繰り返しだった。今回の即位の礼代表団問題は、その典型的な例だろう。
この機会に、両国の間に見えない形で横たわる根源的な相違を再認識し、日米関係の在り方を内省するのも悪くない試みだろう。
(bee32/gettyimages)
当初はペンス副大統領派遣を検討
米国代表、イレーン・チャオ運輸長官は、大統領職継承順位13位、日本でいえばヒラ大臣≠セ。
お祝いに駆けつけてくれた海外の特使について、あれこれいうのは非礼極まりないことは承知のうえだが、前回、上皇さまの即位の礼の際は、当時のクエール副大統領が参列した。
今回も当初、ペンス副大統領が出席する方向で検討されていたが、ウクライナ疑惑への同氏の関与も指摘されるなど政治情勢が考慮され見送られた。
米国以外の主要国からの顔ぶれを見ると、チャールズ英皇太子、アレクサンダー・オランダ国王夫妻、フィリップ・ベルギー国王夫妻、アウン・サン・スー・チー・ミャンマー国家顧問兼外相、サルコジ前フランス大統領ら絢爛たる顔ぶれ。関係が改善しつつある中国は王岐山・国家副主席、いわゆる徴用工問題で関係が極度に悪化している韓国も李洛淵首相を派遣した。
これらに比べると、米国代表団の存在は率直に言って見劣り≠フ印象を否定できない。
儀式への参列者が誰だったとか、いわば感情論で日米の同盟関係を論じる愚を犯すつもりはないが、些細に見えるものの、実はそれが、文化、習慣、互いに相手を敬うという基本的な価値観にかかわる深刻な問題であったということは、過去、現在少なからず見られる。
いまさらながらの「安保ただ乗り論」
いくつか具体的な例をあげよう。
ことし6月、米ブルームバーグ通信の記事に驚いた人も多かったろう。
トランプ大統領が側近らに対して、日米安保条約に関して、日本が支援された場合だけ米国が助けることを「一方的で米国に不公平だ」と強い不満を漏らした。条約の破棄にまで言及したという。同じ時期、大統領はホルムズ海峡での船舶航行に関して、日本、中国などを名指し、「米国はなぜ無報酬で航路を守っているのか。自身で防衛すべきだ」と厳しく注文をつけた。
1980、90年代に米国内でやかましかった「安保ただ乗り論」そのままであり、日本が多額の経費負担をしている今ごろになって蒸し返されるとは驚きだった。
日本政府は安保廃棄について、「ホワイトハウスかららは、条約の見直しは考えていないという話だった」(当時の河野外相)と否定、ホルムズ海峡の防衛については「中東の緊張緩和と安定に向けて努力を続ける」(菅官房長官)と述べるにとどまったが、当惑は隠せなかった。
トランプ氏は2016年の大統領選の期間中も、防衛費問題や貿易不均衡で日本非難を展開した。安保破棄やホルムズ海峡に関する発言もこうした持論を持ち出しただけなのだろう。
北朝鮮の短距離弾道ミサイル発射実験についても、トランプ大統領は容認姿勢に転じ、脅威に直接さらされる日本を一顧だにしない姿勢を見せている。ことし10月2日、北朝鮮が海上構造物からミサイルを発射した際も、安倍首相が強く非難したのを知ってか知らずか、「様子を見てみよう」とやはり寛容な発言ぶりだった。
「日本嫌い」を公言する国務長官
いずれも、日米安保体制の根幹を揺るがしかねない重大な発言だが、トランプ大統領の言葉だけに、あきらめムードも日本国内にはあるだろう。しかし、こうした言動は、実のところトランプ氏に限ったことではない。
1993(平成5)年から2期8年間続いたクリントン政権(民主党)で、女性初の国務長官を務めたマデレン・オルブライト女史。回想録のなかで日本についてこう書いている。「日本に滞在すれば歓迎されるし、(指導者たちと)幅広い知的な会話を交わすことができるだろう。しかし、笑顔でお土産を、そしてポケットにはフォークを忍ばせておいたほうがいい」―。日本人は退屈だから、フォークで体をついて痛い思いをしなければ居眠りしてしまうーということらしい。
その2代後、息子ブッシュ政権(共和党)でやはり国務長官を務めたコンドリーザ・ライス女史の対日観は、もっとひどかった。
回想録の中で「小泉首相の退任後、日本は合意政治に逆戻りした。国を前進させるとは思えないような、誰とでも取り替え可能な首相が何人も続いた。日本を訪問するのがどんどん憂鬱になっていった。日本は停滞、老化しているだけでなく、周辺諸国からの憎悪に呪縛されているようにみえた。個人的に日本人と相性がいいとは言えなかった」―。
両国務長官をご記憶の方が少なくないだろうが、これほどまでの嫌日≠ニは知らなかった。こうなればもう、個人的な好き嫌いの次元であり、理性でどうこうすることはできまい。こういう人たちと同盟関係の発展を話し合うことなど、どだい無理な話だろう。トランプ氏といい、オルブライト、ライス女史といい、「グローバル・パートナーシップ」などという言葉とは全く異なる、別な感情を日本に抱いているように思える。
メディアの報道ぶりでも同様なことがみられる。
今回の「即位礼正殿の儀」について、ニューヨーク・タイムズ紙は、 5月に御代替わりがあったにもかかわらず、今回、あらた儀式が行われたことについて、「もう済んでいたのではなかったのか」という見出しで、5月の剣璽等継承の儀は「序曲」にすぎなかったと皮肉まじりに報じた。万歳三唱や礼砲が憲法違反の疑いがあるという批判的な一部見解も伝えた。
20年以上も古い話で恐縮だが、1997(平成9)年、日本で橋本龍太郎首相(当時)が、中国人女性通訳と不適切≠ネ関係を持っていたのではないかーという疑惑が指摘されてことがあった。
ワシントン・ポスト紙は、東京特派員発でこれを報じたが、「首相と同年配の多くの日本人男性は愛人をもっており、妻はそれを簡単に受け入れている」というくだりがあった。日本の中年、初老男の多く≠ヘそれほどふしだらとは思えないし、それほどもてるとも思えない。愛人を持つ財力もないだろう。多くの妻が簡単に℃け入れることもありえない。日本の夫を中傷し、妻の名誉を傷つける意図しか感じられなかったが、わずか20年前まで米の大新聞は日本に対して平気でこういう記事を掲載していた。
真の同盟関係への認識不足
米国の驚くべき対日観、日本への理解不足については、まだまだ書くべきことが山ほどあるが、一方で、日本における同様な問題も考えてみなければならない。
もう40年近くも前の1981(昭和56)年、鈴木善幸首相(当時)が「同盟に軍事的側面はない」と発言して日米両国で大騒ぎになった事件があったが、さすがにいまはもう、そんなことをいう政治家はいない。
だが、本当に大丈夫かと疑念を抱かせたのが、2015(平成27)年の安保法制をめぐる騒ぎだ。
集団的自衛権の行使を容認し、日米の安保協力を高めようとした安倍政権の方針に対して、一部野党は「戦争法」という驚くべき表現で強く反発。1960(昭和35)年の安保反対闘争以来ともいえる国論を2分する対立に発展した。
米国は「同盟での協力関係に対する日本社会の亀裂は米議会の期待とは異なるものだった」(外交評議会の知日派、シーラ・スミス研究員)として、日本の安保への認識に失望を示し、安保体制の円滑な運営に懸念を隠さなかった。
日米同盟に反対する勢力が対立をあおるならともかく、認めている政党が反対するというのだから、米国も苦々しく感じたろう。
大物大使≠ヨのはしゃぎぶり
米国の駐日大使が交代するたびに、くりかえされる日本国内の反応も米国を呆れさせている。
このポストは1970年代末から、大物が次々に派遣されてきた。1977(昭和52)年、日本でもよくその名を知られたマイク・マンスフィールド元民主党上院院内総務の着任をはじめ、ウォルター・モンデール元副大統領、トム・フォーリー元下院議長、最近ではケネディ元大統領の長女、キャロライン・ケネディ女史らだ。これだけ大物が送り込まれる国はほかにあるまい。
こうした人事が決まるたびに日本のメディアは「日本重視の表れ」などと報じる。ブランド≠好む日本政府、国民の心情を米国はよく知っている。
重要なことは適材かどうかということであって、有名人であるかどうかではない。フォリー氏の大使起用が決まった時、国務省幹部が筆者に対して「日本人はハッピーだろう」とからかい半分で語りかけてきた。「日本には名の知れた人物を派遣しておけばいい」と米国が考えているとしたら、日本に責任があるというべきだろう。
異常なトランプ厚遇が物議
安倍首相はトランプ大統領との良好な関係を誇っているが、喜んでばかりでいいというものではない。
2016(平成28)年11月の米大統領選でトランプ氏が当選を決めたわずか9日後、安倍首相はわざわざニューヨークのトランプタワーに駆けつけ、会談した。人種差別、性差別ともいえる発言を繰り返すトランプ氏の当選に各国首脳が当惑、様子を見ているときだっただけに、氏にとってはうれしいことだったろう。
その後の両者のかたい友情♀ヨ係は周知のとおり。今年5月、トランプ大統領が国賓訪問した際の厚遇ぶりは日本国内で物議をかもした。
大相撲観戦の際、ほかの観客の迷惑を顧みず、土俵近くに椅子を持ち込んで升席をとりはらってしまったことなどは異常だった。
ニューヨーク・タイムズは「トランプ訪日に安倍、へつらいを重ねる」という見出しで「報われるのか疑問視されている」と報じた。
たしかにトランプ氏の発言など見る限り、本当に信頼できるのかという疑念を抱かざるをえない。いざというとき不本意な結果をまねくことになれば、うわべだけの親しい関係に幻惑された結果として深刻な事態になるだろうだろう。
各国から、日本の首相は、トランプ大統領と同じ価値観を持っているようだという憶測をも生むという恐れもあろう。
「カゲの部分」無視で同盟深化ありえぬ
筆者は心ならずも、日米関係のネガティブな側面ばかり論じてきた。日米同盟関係に対する米国の思惑と本音については、これまでもすでに『仮面の日米関係』(春名幹夫著)などすぐれた著作で分析されてきた。それだけに、「いまさら、そんなこといちいちあげつらって論じる意味があるのか」「他国との間に認識の違いがあるのは当然ではないか」「日米関係はそんなことに拘泥されないくらい深化・進化している」といわれるかもしれない。
筆者が指摘したいのは、米国の政策上の打算だとか、条約上の不備、在日米軍への日本側負担が大きすぎるとか、そういう政治的、政策的な問題ではなく、2国間に横たわる根の深い疑問だ。
こうした問題は、「グローバル・パートナーシップ」などという響きのいい言葉や、安全保障上の必要性という差し迫った事情から、いつの間にかどこかに埋没≠オてしまったのではないか。根本的な問題を放置して同盟関係の実際だけが進展していってしまえば、いつの日か同盟関係を揺るがす事態にも発展しかねない。ちょうど脆い土台の上に建設されたビルにいつか亀裂が入るようにだ。
もっとも、土台が脆いからといって、手を加えることは危険を伴う。そのうえに建つビルを傷つけるかもしれない。
しかし、同盟が高度に成熟した今だからこそ、あえて問題提起する意味があるだろう。国家の命運を共にする同盟関係に身を置きながら、相手がどういう思考方法の人間なのか、何をどう感じているのかーわかっていないというのでは情けないし、本当の意味での関係深化にはつながらないだろう。
日本でも令和という新しい時代が到来した今、一歩引いて冷静に日米関係のカゲの部分に恐れずにみつめ、真の同盟深化には何が必要か、じっくり考える機会にしてはどうだろう。
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/659.html#c9
ニコ生主が富士山登山中に滑落中にこち亀BGM 2019/10/29 05:33
https://www.nicovideo.jp/watch/sm35878834
▲△▽▼
富士山登山を「ニコ生」中継中に滑落か 救助隊が捜索
2019年10月29日 13時24分 産経新聞
富士山登山を「ニコ生」中継中に滑落か 救助隊が捜索
青空に浮かび上がった雪化粧した富士山=23日午前、甲府市愛宕町から(渡辺浩撮影)
富士山山頂付近で28日、インターネットで動画を配信しながら登山していた男性が滑落した恐れがあるとして、山梨県の消防防災ヘリなどが捜索したが発見できず、29日朝から静岡県警の山岳遭難救助隊員約10人が山中を捜索している。
男性は28日午前、動画配信サービス「ニコニコ生放送」を利用し、「富士山へGO」のタイトルで自らの登山をライブ配信していたが、山頂付近で「滑る」と叫んで落ちる様子が映し出された直後に配信が止まった。動画を見た人が110通報した。
富士山は16日に雪が積もっているのが上空などから確認され、22日に甲府地方気象台が初冠雪を発表するなど冬山の時期に入っている。男性は動画で「指が冷たい」などと話しており、軽装だった可能性がある。
https://news.nifty.com/article/domestic/society/12274-449918/
▲△▽▼
いまだ行方不明 富士山登山を生放送していたニコ生配信者が滑落か 軽装で登山初心者だと推定
2019/10/29 11:16TABLO
https://news.nicovideo.jp/watch/nw6112095
2019年10月28日午前未明、ニコ生配信主が「富士山へGO」という企画名で富士山山頂へ向かいました。生配信でコメントを読みながら登山。
しかし、何回も「手が冷たい」「カイロ持ってこなかった」「足跡があるから辿っていこう」「凄い滑る」「30度くらいの坂になっている」というコメントをしています。そこから、暖房器具もなく軽装であることが判ります。初めて富士山を登山したと思われ、当然一人。ガイドや経験者もつけずに登山をしたようです。
しかも、コメントに対して、コメントするなどスマホを見ながらの登山だったと思われます。そして山頂らしきものが見えてきたころ、急激に斜面が角度を持ち、「滑る」を連発。雪がアイスバーン状態になっているところを、「滑る」と言いながら落下。配信はそのまま止まってしまいました。配信主の無事を祈るよりほかにありません。
この「事件」は三つのポイントがあります。
【富士山は高山である事】
僕は三才ブックスという出版社に勤務していた頃、「富士山で全国のラジオをどれだけ受信できるのか」という実験を行いました。五合目でテントを張り一晩かかって実験を行いました。
結果、AM放送は北朝鮮放送や国内では青森放送まで受信出来ましたが、その夜が酷かった。雨、風が凄い強さになりテントを張っていたのですがテントが飛ばされ。八木アンテナ(皆さんの家の屋上などにあるトンボのような形のアンテナ)が風で曲がっていました。五合目が「この状態」ですから山頂ではどんな事になっていたか。ですから、僕はそれ以来、富士山には登っていません。
【配信者の行動の是非】
この行動はいわゆる、「自己責任論」の範疇に入ると思われます。雪山で遭難する人がいる度、自衛隊や警察のヘリが飛び救助される模様が報道すると、「そんな山に登った人が悪い」という論調になります。確かにそういう事も言えます。危機意識かが低いケースもあるでしょう。が、人命は助けなければなりません。そして救助されたならば、心から反省して頂きたいと思います。
【配信者だけでないYouTuberの無茶】
以前、ニコ生配信者が自宅で花火をし、消防車が出動するハメになった事もありました。配信中に刃物を振り回し逮捕された人もいました。これも十年くらい前から言われている事でうんざりなのですが、過激な事をすれば登録者数が増えるという風潮。YouTubeの場合、あまりに過激だったり法令に抵触したり、差別を目的としたような番組はBANされるので、無くなってきましたが、未だに差別だけでなく名誉棄損的内容の配信は残っているようです。
ともあれ、「山は絶対なめてはいけない」。そして「富士山は大変危険である」これは肝に銘じてほしいと強く思うと同時に遭難した配信者の無事を祈るばかりです(画像はニコニコ動画より)。(文◎久田将義)
https://news.nicovideo.jp/watch/nw6112095
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html
41. 中川隆[-10503] koaQ7Jey 2019年10月29日 15:34:58 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2371]
[2019.10.28放送]週刊クライテリオン 藤井聡のあるがままラジオ(KBS京都ラジオ) - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=-X-9-fmHoRU
今週のテーマは『台風19号災害、それは予算削減が導いた人災である』です。
第42回 2019年10月28日(月)放送
1. 中川隆[-10502] koaQ7Jey 2019年10月29日 16:16:49 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2372]
2019年10月29日
富士山で滑落したニコ生主『TEDZU』さんの顔画像が判明!本人がTwitterで公開
https://matomame.jp/user/FrenchToast/c3841eb538998b33e79f
ニコ生配信しながら富士山に登っていたニコ生主のTEDZUさんが滑落事故を起こしました。調べたところ、本人がTwitterで顔画像を自ら公開していると判明。5ch民によれば40歳とのこと。Twitterを調べたところ、がん闘病経験があり、司法試験の勉強をしていたことも判明。
ニコ生主『TEDZU』さんが富士山で滑落
富士山の登山動画をニコ生で配信していたのですが、山頂付近で「ここも危ないな、斜面。あ、ちょっと滑る!うわ…」などと発言。その直後、画面がめちゃくちゃに揺れて、放送が止まってしまいました。
出典:ニコ生配信
画面が上下反転し、荷物や杖が飛び散っていました。
出典:ニコ生配信
テレビ報道され、滑落が確定
配信の翌日、テレビで報道があり、事故が起きたことが確定。
ヘリコプターで空から捜索しても見つからず、救助隊員10人が陸から捜索を始めたとのこと。
出典:フジテレビ
5ch民がプロフィールを調査した結果
40歳
大腸がんステージ4を克服
自称「司法試験浪人」
中央大学法学部卒(リスナーより)
かわいい彼女がいるとの情報(妄想説あり)
夏の富士山には何回か登ってた
ツイッターには「富士山を舐めるな」と書いていた
この日は体調不良だった
8:00新宿発→5合目から10:30に登頂開始
14:30に登頂成功
山頂付近でウロウロ(ビバーク予定なし・装備なし/下山中に真っ暗確定)
ピッケルなし
アイゼンなし
手袋は指出しタイプではなかった
15:00前に滑落。配信視聴者が警察に通報
一応、捜索のため飛行機が飛んだっぽい(航空機経路サイトより)
本格捜索は本日の模様
引用元:なんでも実況J ニコ生主さんの富士山滑落映像2
司法試験合格を目指していた
司法試験予備試験短答落ちる・・・orz
さすがに3日間では間に合わんかった
2018/06/15 05:52:42
言い訳をすれば、短答本試験前に2週間ぐらい掛けて短答過去問を5回ぐらい回すのだけど、荷物になるからと静岡には軽い「まこたん」だけ持って行ってて、過去問に触れたのが試験日前の2日間だけ
舐めすぎてた・・・orz
2018/06/15 21:04:45
大腸がんにかかっていた
静岡がんセンターの大腸外科って、先月までお世話になってたとこ
去年から今年に掛けて常勤の先生がごっそり辞めちゃってたんだけど、こういうことだったのね
静岡がんセンターで医療事故
https://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/tokai-news/CK2018061502000099.html
2018/06/16 21:19:24
https://matomame.jp/user/FrenchToast/c3841eb538998b33e79f
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c1
71. 中川隆[-10501] koaQ7Jey 2019年10月29日 16:59:12 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2373]
東海アマブログ トランプ! 役者やのー 2019年10月29日
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-918.html
イスラム国最高指導者バクダディは、モサド工作員やでー!
yakusya.jpg
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191028-00000005-jij-m_est
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191027-00000010-reut-asia
イスラム国最高指導者が、米軍に追い詰められて家族もろとも自爆したとトランプが発表したが、これは今年最大のお笑いである。
ドバイのCIA病院で死亡したはずのビンラディンを殺害したと発表したときも、大切な遺体を、たちまち水葬にしたと発表して、まことにお笑いだったが、今回も、爆死したことにして、遺体が公開されないことになったのは実に滑稽である。
CIA元職員のエドワード・スノーデン氏によると、イスラム国の指導者バグダディ氏は実はサイモン・エリオットという名のユダヤ人で、イスラエル諜報機関モサドの工作員である
https://www.mag2.com/p/news/121966
https://open.mixi.jp/user/7112912/diary/1938050605
https://togetter.com/li/901477
https://ameblo.jp/tony-9/entry-12504239645.html
あまりにも、たくさんの情報があり、証拠もあって、これを知らない世界の指導者は、ほぼいないであろう。つまり、イスラム国を作ったのは、イスラエル=モサドであるというのは世界の常識である。
これを補完する情報としては、イスラム国の躍進期には、米軍がイスラム国を兵器や移動用・宣伝用の周辺装備、資金で大きな援助をしていたことが知られる。
ロシアのシリア空爆で明らかになった「米軍によるイスラム国支援」
https://www.mag2.com/p/money/5680
テロリストはアメリカ――イスラム国に関する大嘘
http://www.dcsociety.org/2012/info2012/140927_2.pdf
イスラム国のラジオ放送施設が、トルコの米軍基地内にあったのは常識。トルコと米国、そしてイスラエルこそ、イスラム国の本当の正体である。
日本から送られた数百台のトヨタ・ランドクルーザーも、トルコからたちまちISISに渡されたことが知られている。
https://parstoday.com/ja/news/middle_east-i20365
なぜ、イスラム超過激派のISISをイスラエル=モサドが作り出したのか?
理由は、ユダヤ教徒が、「ハルマゲドンのため」イスラム教徒をこの世から追放したいためのニセ旗作戦であり、アメリカ・イスラエル・サウジアラビアが共謀して、イランというイスラム大国を滅亡させたいからである。
ISISに、あらゆる人道を破らせ、極度に残酷で悪質な集団であるとのイメージを作ることで、これをイスラム社会全体とイランのせいにしたいからである。
そもそも、アメリカを作ったのはユダヤ人であり、建国以来、現在もなお、アメリカの支配階級は一貫してユダヤ人であり、トランプも明確にユダヤ人である。
なお、娘婿のクシュナーは、イスラエルのネタニヤフ首相の親族であると知られている。トランプの娘と結婚したのも、政治的連帯の意味があった。
https://www.gqjapan.jp/culture/column/20170217/the-kushner-family-about-jared
ユダヤ人? トランプ
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-690.html
また、アメリカにおけるユダヤ人の利権は、ユダヤ人銀行=FRBを中核に構築されていて、この利権を破壊しようとした4人の大統領=リンカーン・ガーフィールド・マッキンリー・ケネディは、いずれも、米国憲法に違反して、ユダヤの私的銀行が発行権を持っている米国通貨を、議会に取り戻そうとして暗殺された。
レーガンも狙撃されたが、一命を取り留めた。
https://sites.google.com/site/issuecurrency/home/president
ケネディ大統領の暗殺を指揮したのは、FBI長官であったフーバーである。彼こそは、アメリカのユダヤ人支配階級の守護権力を握っていた。
http://www.asyura2.com/sora/bd15/msg/508.html
アメリカ=ユダヤ人は、人類最大にして最高の陰謀マニアである。
ユダヤ人は、13歳までに、旧約聖書トーラーを暗記して、人前で一字一句の誤りもなく語ることで、初めて「元服式=成人式」を認められる。
そのトーラーに描かれている物語は、徹頭徹尾、陰謀と残酷な殺人に満ちている。
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-616.html
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-410.html
創世記34章にヤコブの娘、デナを犯したシケムの一族を皆殺しにする陰謀が描かれている。これこそ、ユダヤ教徒が、生涯を陰謀殺人に捧げる思想上の根拠である。
https://plaza.rakuten.co.jp/caphiro/diary/201306210000/
アメリカの歴史は、まさに陰謀殺戮の歴史であった。
メイフラワー号で欧州から東海岸に渡ってから、彼らは、北米大陸先住民の少なくとも1000万人を殺戮して、その土地と生活を奪って白人王国を築き上げた。
太平洋戦争の発端となった真珠湾事件も、実は、ルーズベルトが、ケインズの入知恵によって、わざと日本軍の奇襲を演出し、この戦争によってニューデール恐慌以来の破綻経済を立て直すことが理由だった。
真珠湾攻撃が決定された数ヶ月も前から、米軍は日本軍の暗号の完全解読に成功し、情報はすべて筒抜けだった。
https://www.sankei.com/west/news/151222/wst1512220003-n5.html
真珠湾から最先鋭の空母、エンタープライズは、奇襲前に脱出し、無傷でミッドウェー海戦の主力になり日本艦隊を壊滅させた。
真珠湾に解体が予定されていた老朽戦艦のアリゾナなどが集められ、乗組員も米海軍が「不要」と認定した問題兵士ばかりが乗り組んでいた。
日本は、見事に引っかかって、ケインズの示唆した、「戦争による莫大な消費の喚起と経済回復」に乗せられたのである。
アメリカの起こした戦争で、陰謀が仕組まれなかったものなど一つもない。アメリカの発表は、何もかもウソに満ちている。
ベトナム戦争北爆の発端となったトンキン湾事件は、後に真相が暴露された。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%B3%E6%B9%BE%E4%BA%8B%E4%BB%B6
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=281143
記憶に新しいところでは、2001年911事件こそ、実にアメリカ=イスラエルらしい陰謀であった。
【911事件「疑惑の数々」】 911同時多発テロ事件10周年 安部芳裕氏の(9/10)tweetより
http://enzai.9-11.jp/?p=6400
米国9・11テロ、その22年前にイスラエルが予告?テロ前からイラク戦争実行計画が存在か
https://biz-journal.jp/2018/10/post_25152_2.html
アメリカによる、歴史に残る陰謀事件は、ケネディ暗殺や、アポロ計画の捏造、911事件と、あまりに数が多すぎて紹介しきれない。
優に、分厚い、数十冊の本が必要になるだろう。
しかし、今回のバクダディと同じ内容の、ビンラディン暗殺事件だけは触れないわけにはいかない。
************************************************************************
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%BB%E3%83%93%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%AE%BA%E5%AE%B3
https://www.cnn.co.jp/usa/35064397.html
911事件の主犯として手配され、殺害されたとされるビンラディンが、実際に死んだのは、911事件の遙か前、2001年4月、ドーハのCIA病院だった。(8月説や10月説もあるが、CIA長官が見舞ったのは公式に記録されている)
ビンラディン死亡に関する、いくつかの情報
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=298466
https://blog.goo.ne.jp/xenaj/e/54486a12476682244d191ce0ad659c7e
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=250851
http://www.asyura2.com/18/warb22/msg/896.html
つまり、米軍海兵隊の奇襲によるビンラディン殺害も完全なウソで、まったくの別人を殺害したのだ。だから、米国政府は、ただちに「ビンラディンの遺体」を大西洋に捨ててしまった。
もし、本当のビンラディンだったなら、遺体を冷凍し、DNA分析で親族を割り出し、永久に保存するのが当然なのに、「水葬」にしたというのだ。
腐敗するにしても空輸すればすむ話だった。中東にはサウジはじめ米軍基地などいくらでもあったのだから。
だから、殺害を喜んで見せた当時のオバマに対しても「役者やのー!」と叫ばねばならない。
今回のバクダディも、まったく同じで、息子もろとも自爆して遺体が散乱して回収できないと発表している。
実際には、バクダディの本名は、サイモン・エリオットという著名なモサドの工作員でユダヤ人である、ということは、同時にCIAの工作員でもある。
実は、モサドとCIAは一心同体であり、むしろCIAはモサドの下部機関とさえいわれている。モサドの実体は、極度に過小評価されているが、本当は、一国の軍隊に匹敵するといわれている。
それは、彼らの主が、米国政府やイスラエル政府というよりは、世界を支配するユダヤ人の頂上グループだからである。
https://www.afpbb.com/articles/-/3038406
https://matome.naver.jp/odai/2154329353346268201
したがって、今回のバクダディ暗殺も、本気で信じる人など、上の事情を知る者たちなら、ほとんどいないだろう。
ホンモノ=バクダディは、今頃、整形手術を受けて、新たな人格を準備していることだろう。
むしろ、バクダディ暗殺ニュースを流した理由は、おそらくISISに変わる新たな、最強のテロ組織を作って、911のような陰謀を仕掛けるという意味にしか受け取れない。
ISISは、もう用済みなのだ。次は、クルドかもしれない。
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-918.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/175.html#c71
4. 中川隆[-10500] koaQ7Jey 2019年10月29日 16:59:40 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2374]
東海アマブログ トランプ! 役者やのー 2019年10月29日
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-918.html
イスラム国最高指導者バクダディは、モサド工作員やでー!
yakusya.jpg
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191028-00000005-jij-m_est
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191027-00000010-reut-asia
イスラム国最高指導者が、米軍に追い詰められて家族もろとも自爆したとトランプが発表したが、これは今年最大のお笑いである。
ドバイのCIA病院で死亡したはずのビンラディンを殺害したと発表したときも、大切な遺体を、たちまち水葬にしたと発表して、まことにお笑いだったが、今回も、爆死したことにして、遺体が公開されないことになったのは実に滑稽である。
CIA元職員のエドワード・スノーデン氏によると、イスラム国の指導者バグダディ氏は実はサイモン・エリオットという名のユダヤ人で、イスラエル諜報機関モサドの工作員である
https://www.mag2.com/p/news/121966
https://open.mixi.jp/user/7112912/diary/1938050605
https://togetter.com/li/901477
https://ameblo.jp/tony-9/entry-12504239645.html
あまりにも、たくさんの情報があり、証拠もあって、これを知らない世界の指導者は、ほぼいないであろう。つまり、イスラム国を作ったのは、イスラエル=モサドであるというのは世界の常識である。
これを補完する情報としては、イスラム国の躍進期には、米軍がイスラム国を兵器や移動用・宣伝用の周辺装備、資金で大きな援助をしていたことが知られる。
ロシアのシリア空爆で明らかになった「米軍によるイスラム国支援」
https://www.mag2.com/p/money/5680
テロリストはアメリカ――イスラム国に関する大嘘
http://www.dcsociety.org/2012/info2012/140927_2.pdf
イスラム国のラジオ放送施設が、トルコの米軍基地内にあったのは常識。トルコと米国、そしてイスラエルこそ、イスラム国の本当の正体である。
日本から送られた数百台のトヨタ・ランドクルーザーも、トルコからたちまちISISに渡されたことが知られている。
https://parstoday.com/ja/news/middle_east-i20365
なぜ、イスラム超過激派のISISをイスラエル=モサドが作り出したのか?
理由は、ユダヤ教徒が、「ハルマゲドンのため」イスラム教徒をこの世から追放したいためのニセ旗作戦であり、アメリカ・イスラエル・サウジアラビアが共謀して、イランというイスラム大国を滅亡させたいからである。
ISISに、あらゆる人道を破らせ、極度に残酷で悪質な集団であるとのイメージを作ることで、これをイスラム社会全体とイランのせいにしたいからである。
そもそも、アメリカを作ったのはユダヤ人であり、建国以来、現在もなお、アメリカの支配階級は一貫してユダヤ人であり、トランプも明確にユダヤ人である。
なお、娘婿のクシュナーは、イスラエルのネタニヤフ首相の親族であると知られている。トランプの娘と結婚したのも、政治的連帯の意味があった。
https://www.gqjapan.jp/culture/column/20170217/the-kushner-family-about-jared
ユダヤ人? トランプ
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-690.html
また、アメリカにおけるユダヤ人の利権は、ユダヤ人銀行=FRBを中核に構築されていて、この利権を破壊しようとした4人の大統領=リンカーン・ガーフィールド・マッキンリー・ケネディは、いずれも、米国憲法に違反して、ユダヤの私的銀行が発行権を持っている米国通貨を、議会に取り戻そうとして暗殺された。
レーガンも狙撃されたが、一命を取り留めた。
https://sites.google.com/site/issuecurrency/home/president
ケネディ大統領の暗殺を指揮したのは、FBI長官であったフーバーである。彼こそは、アメリカのユダヤ人支配階級の守護権力を握っていた。
http://www.asyura2.com/sora/bd15/msg/508.html
アメリカ=ユダヤ人は、人類最大にして最高の陰謀マニアである。
ユダヤ人は、13歳までに、旧約聖書トーラーを暗記して、人前で一字一句の誤りもなく語ることで、初めて「元服式=成人式」を認められる。
そのトーラーに描かれている物語は、徹頭徹尾、陰謀と残酷な殺人に満ちている。
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-616.html
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-410.html
創世記34章にヤコブの娘、デナを犯したシケムの一族を皆殺しにする陰謀が描かれている。これこそ、ユダヤ教徒が、生涯を陰謀殺人に捧げる思想上の根拠である。
https://plaza.rakuten.co.jp/caphiro/diary/201306210000/
アメリカの歴史は、まさに陰謀殺戮の歴史であった。
メイフラワー号で欧州から東海岸に渡ってから、彼らは、北米大陸先住民の少なくとも1000万人を殺戮して、その土地と生活を奪って白人王国を築き上げた。
太平洋戦争の発端となった真珠湾事件も、実は、ルーズベルトが、ケインズの入知恵によって、わざと日本軍の奇襲を演出し、この戦争によってニューデール恐慌以来の破綻経済を立て直すことが理由だった。
真珠湾攻撃が決定された数ヶ月も前から、米軍は日本軍の暗号の完全解読に成功し、情報はすべて筒抜けだった。
https://www.sankei.com/west/news/151222/wst1512220003-n5.html
真珠湾から最先鋭の空母、エンタープライズは、奇襲前に脱出し、無傷でミッドウェー海戦の主力になり日本艦隊を壊滅させた。
真珠湾に解体が予定されていた老朽戦艦のアリゾナなどが集められ、乗組員も米海軍が「不要」と認定した問題兵士ばかりが乗り組んでいた。
日本は、見事に引っかかって、ケインズの示唆した、「戦争による莫大な消費の喚起と経済回復」に乗せられたのである。
アメリカの起こした戦争で、陰謀が仕組まれなかったものなど一つもない。アメリカの発表は、何もかもウソに満ちている。
ベトナム戦争北爆の発端となったトンキン湾事件は、後に真相が暴露された。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%B3%E6%B9%BE%E4%BA%8B%E4%BB%B6
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=281143
記憶に新しいところでは、2001年911事件こそ、実にアメリカ=イスラエルらしい陰謀であった。
【911事件「疑惑の数々」】 911同時多発テロ事件10周年 安部芳裕氏の(9/10)tweetより
http://enzai.9-11.jp/?p=6400
米国9・11テロ、その22年前にイスラエルが予告?テロ前からイラク戦争実行計画が存在か
https://biz-journal.jp/2018/10/post_25152_2.html
アメリカによる、歴史に残る陰謀事件は、ケネディ暗殺や、アポロ計画の捏造、911事件と、あまりに数が多すぎて紹介しきれない。
優に、分厚い、数十冊の本が必要になるだろう。
しかし、今回のバクダディと同じ内容の、ビンラディン暗殺事件だけは触れないわけにはいかない。
************************************************************************
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%BB%E3%83%93%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%AE%BA%E5%AE%B3
https://www.cnn.co.jp/usa/35064397.html
911事件の主犯として手配され、殺害されたとされるビンラディンが、実際に死んだのは、911事件の遙か前、2001年4月、ドーハのCIA病院だった。(8月説や10月説もあるが、CIA長官が見舞ったのは公式に記録されている)
ビンラディン死亡に関する、いくつかの情報
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=298466
https://blog.goo.ne.jp/xenaj/e/54486a12476682244d191ce0ad659c7e
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=250851
http://www.asyura2.com/18/warb22/msg/896.html
つまり、米軍海兵隊の奇襲によるビンラディン殺害も完全なウソで、まったくの別人を殺害したのだ。だから、米国政府は、ただちに「ビンラディンの遺体」を大西洋に捨ててしまった。
もし、本当のビンラディンだったなら、遺体を冷凍し、DNA分析で親族を割り出し、永久に保存するのが当然なのに、「水葬」にしたというのだ。
腐敗するにしても空輸すればすむ話だった。中東にはサウジはじめ米軍基地などいくらでもあったのだから。
だから、殺害を喜んで見せた当時のオバマに対しても「役者やのー!」と叫ばねばならない。
今回のバクダディも、まったく同じで、息子もろとも自爆して遺体が散乱して回収できないと発表している。
実際には、バクダディの本名は、サイモン・エリオットという著名なモサドの工作員でユダヤ人である、ということは、同時にCIAの工作員でもある。
実は、モサドとCIAは一心同体であり、むしろCIAはモサドの下部機関とさえいわれている。モサドの実体は、極度に過小評価されているが、本当は、一国の軍隊に匹敵するといわれている。
それは、彼らの主が、米国政府やイスラエル政府というよりは、世界を支配するユダヤ人の頂上グループだからである。
https://www.afpbb.com/articles/-/3038406
https://matome.naver.jp/odai/2154329353346268201
したがって、今回のバクダディ暗殺も、本気で信じる人など、上の事情を知る者たちなら、ほとんどいないだろう。
ホンモノ=バクダディは、今頃、整形手術を受けて、新たな人格を準備していることだろう。
むしろ、バクダディ暗殺ニュースを流した理由は、おそらくISISに変わる新たな、最強のテロ組織を作って、911のような陰謀を仕掛けるという意味にしか受け取れない。
ISISは、もう用済みなのだ。次は、クルドかもしれない。
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-918.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/696.html#c4
2. 中川隆[-10499] koaQ7Jey 2019年10月29日 17:03:21 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2375]
富士山に登る様子をライブ配信中に滑落か 山岳救助隊が捜索
2019年10月29日 16時24分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191029/k10012155231000.html
28日、雪が積もる富士山に登る様子を動画配信サイトでライブ配信していた人が滑落したと通報が相次ぎ、警察は遭難したおそれがあるとみて山岳救助隊を派遣し捜索にあたっています。
警察によりますと先月から閉山している富士山で28日、男性とみられる人が登山する様子を動画配信サイトでライブ配信していましたが、午後2時半ごろに滑落する様子が流れ、これを見ていた人たちから静岡県や山梨県の警察署に通報が相次ぎました。
警察は動画投稿サイト「YouTube」に掲載されていた映像などをもとにヘリコプターを出して確認したところ、頂上から7合目付近にかけての静岡県側の斜面に人が滑落したような跡が見つかり、遭難したおそれがあるとみて29日朝から山岳救助隊10人を派遣して捜索活動にあたっています。
映像を配信していた人の名前や住所などは特定されておらず、動画配信サイトのアカウントなどの確認を進めているということです。
映像では富士山の山頂付近一面に雪が積もり、配信している人が登山道を歩きながら「急ぐわ、剣ヶ峰へ」とか「指やばいけどスマホを操作しなきゃなんない」などと話す様子が確認できます。
静岡県警察本部地域課は雪が積もった富士山は滑りやすく特に危険だとして、閉山期間には決して登らないよう注意を呼びかけています。
滑落する様子が映った映像
登山の様子をライブ配信していたとみられる人物の動画配信サイトのアカウントには、現在、動画は掲載されていませんが、登山中に滑落する様子が映った映像が別の動画サイトに投稿されています。
映像では男性の声で「雪がやばい。滑る」などと話しながら、息を切らして雪が積もった富士山とみられる山を登っている様子が映っています。
そして、山頂付近を柵に沿って歩いていましたが、柵がなくなった辺りで「滑る」とことばを発したあと、足を下にしてふもとの方向に滑落し、ストックやスマートフォンが飛ばされて途中で動画は終わっています。
また、本人とみられるツイッターのアカウントには、28日午前8時前に都内を出発して富士山五合目に向かうバスの乗車券の写真や、午前10時前にバスの車内で撮影したという写真などが投稿されていました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191029/k10012155231000.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c2
3. 中川隆[-10498] koaQ7Jey 2019年10月29日 17:10:56 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2376]
2019年10月28日10時30分〜 lv322645088 雪の富士山へGO TEDZU - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=h7-Oq-mmsZk
2019/10/28 にアップロード
滑落はラスト30秒くらいです。冒頭写っている建物は山頂共同トイレ(吉田口・須走口側)。電波の問題で途中数分映像が止まっていますが、時間から移動距離が予測できるよう、一切カットしていません。more info below⬇️
この動画は10時30分の放送開始から4時間8分経過したあたりなので、滑落したのは14時38分。最後の静止画で止まったまま16時13分放送終了。
元の放送枠はニコニコ動画管理者によって削除済み(これは通常の対応です)
【放送タイトル:雪の富士山へGO】
https://live.nicovideo.jp/watch/lv322...
リアルタイムで視聴していた方が放送の終了前に山梨県警に通報、「静岡県警と連絡取って対処する」との返答。
遭難者のハンドルネームはTEDZU(てつ)。40歳くらいの男性。富士登山経験は5回(今回は6回目)。登山届けなし。
当日の行動は午前10時30分ころ五合目 吉田ルート登山口から登山開始、八合目の太子館の横のブル道を通り、吉田ルートの下山道に切り替えて(下山道を登って)14時27分頃山頂到着→14時38分 お鉢を時計回りする途中で滑落。当初、御殿場コースで下山予定だったようです。
登山開始時の映像と放送中の会話で確認ができている装備は黒いザック、軽登山靴、黒いデニム地パンツ、青色フリース生地のジップジャケット、雨具の上下(おそらく未着用)、コットンのインナー、薄地の靴下、手袋、黒い帽子(つば付キャップ)、トレッキングポール2本、スマートフォン、モバイルバッテリー、ヘッドランプ、GoProのHERO7(帽子に固定したカメラ)。水1リットル(開始時点)。
アイゼンおよびピッケル等の冬山装備なし。食料なし。本人曰く「だいぶ軽装」。
この動画は状況と位置の確認共有のためにアップロードしたものなので、役目を終えたら非公開にします。
12. 中川隆[-10497] koaQ7Jey 2019年10月29日 18:01:22 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2377]
孫正義氏「純利益1兆円で法人税ゼロ」に国税庁が反撃の狼煙
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191029-00000011-pseven-bus_all
NEWS ポストセブン 10/29(火) 16:00配信 週刊ポスト2019年11月8・15日号
狭まる包囲網(写真/AFP=時事)
「世界の投資家はルールのなかで色々な節税を合法的にやっている。(ソフトバンクは)合法的な範囲のなかである程度、節税を図っていく」
今年6月に行なわれた株主総会でそう発言したのは、ソフトバンクG(グループ)会長兼社長の孫正義氏(62)だった。その姿勢に対し、国税庁は虎視眈々と反撃の機会をうかがっていたようだ。
「莫大な利益をあげながら法人税がゼロだなんて、他の納税者が納得するはずがないでしょう。これ以上の抜け穴は許されないと考えた国税は、今年末の税制改正に向け周到に政府・与党に根回しを続けてきました」(国税庁関係者)
2018年3月期の連結決算で純利益約1兆円を計上していたソフトバンクGだが、「課税対象となる所得がない」として、法人税の支払いを免れていたことが明るみに出たのは今年6月。2016年に買収した海外子会社の株の一部をグループ内で譲渡するといったやり方で「欠損金」を生じさせ、1兆円の利益が税務上、相殺されたのだ。ジャーナリストの伊藤博敏氏が解説する。
「グループ内の取引で実態に変化はないが、法人税はゼロになった。このやり方は適法な処理であり、国税庁も欠損金の計上時期の誤りを指摘するだけで、追徴課税を迫ることはできませんでした」
来年も同じことが繰り返されてはならない──前出の国税庁関係者の言葉からは当局サイドのそんな“決意”が伝わってくる。
「海外子会社との株取引を利用した過度な節税策を防ぐようルールを変える。規制の詳細は財務省が詰め、与党の税調の議論も踏まえて、来年度の税制改正大綱に盛り込んでいくことになる」
国民の多くが消費増税に苦しむ中、当然のことかもしれない。
東京商工リサーチによれば上場企業の役員報酬ランキング(2019年3月期)では32億6600万円で1位のロナルド・フィッシャー副会長を筆頭にトップ10のうち半数をソフトバンクGの役員が占めた。孫氏の報酬は2億2900万円に止まるが、それとは別に株主配当で約102億円という収入を手にしている計算になる。
ソフトバンクGを念頭に置いたとみられる規制強化の動きについて同社に問うと、「コメントを控えさせていただきます」(広報室)と答えるのみだが、グローバル企業にとって税による利益の流出は競争力を左右する死活問題だ。
「ソフトバンクGは大手会計事務所出身の“税務のプロ”を抱えている。孫氏の発言からもわかるように、節税が株主の利益になると考えている以上、別の策を講じるのではないか」(前出・伊藤氏)
ソフトバンクグループVS国税庁の攻防―規制強化後の同社の法人税額がいくらになるか、見物である。
12. 中川隆[-10496] koaQ7Jey 2019年10月29日 18:01:47 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2378]
孫正義氏「純利益1兆円で法人税ゼロ」に国税庁が反撃の狼煙
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191029-00000011-pseven-bus_all
NEWS ポストセブン 10/29(火) 16:00配信 週刊ポスト2019年11月8・15日号
狭まる包囲網(写真/AFP=時事)
「世界の投資家はルールのなかで色々な節税を合法的にやっている。(ソフトバンクは)合法的な範囲のなかである程度、節税を図っていく」
今年6月に行なわれた株主総会でそう発言したのは、ソフトバンクG(グループ)会長兼社長の孫正義氏(62)だった。その姿勢に対し、国税庁は虎視眈々と反撃の機会をうかがっていたようだ。
「莫大な利益をあげながら法人税がゼロだなんて、他の納税者が納得するはずがないでしょう。これ以上の抜け穴は許されないと考えた国税は、今年末の税制改正に向け周到に政府・与党に根回しを続けてきました」(国税庁関係者)
2018年3月期の連結決算で純利益約1兆円を計上していたソフトバンクGだが、「課税対象となる所得がない」として、法人税の支払いを免れていたことが明るみに出たのは今年6月。2016年に買収した海外子会社の株の一部をグループ内で譲渡するといったやり方で「欠損金」を生じさせ、1兆円の利益が税務上、相殺されたのだ。ジャーナリストの伊藤博敏氏が解説する。
「グループ内の取引で実態に変化はないが、法人税はゼロになった。このやり方は適法な処理であり、国税庁も欠損金の計上時期の誤りを指摘するだけで、追徴課税を迫ることはできませんでした」
来年も同じことが繰り返されてはならない──前出の国税庁関係者の言葉からは当局サイドのそんな“決意”が伝わってくる。
「海外子会社との株取引を利用した過度な節税策を防ぐようルールを変える。規制の詳細は財務省が詰め、与党の税調の議論も踏まえて、来年度の税制改正大綱に盛り込んでいくことになる」
国民の多くが消費増税に苦しむ中、当然のことかもしれない。
東京商工リサーチによれば上場企業の役員報酬ランキング(2019年3月期)では32億6600万円で1位のロナルド・フィッシャー副会長を筆頭にトップ10のうち半数をソフトバンクGの役員が占めた。孫氏の報酬は2億2900万円に止まるが、それとは別に株主配当で約102億円という収入を手にしている計算になる。
ソフトバンクGを念頭に置いたとみられる規制強化の動きについて同社に問うと、「コメントを控えさせていただきます」(広報室)と答えるのみだが、グローバル企業にとって税による利益の流出は競争力を左右する死活問題だ。
「ソフトバンクGは大手会計事務所出身の“税務のプロ”を抱えている。孫氏の発言からもわかるように、節税が株主の利益になると考えている以上、別の策を講じるのではないか」(前出・伊藤氏)
ソフトバンクグループVS国税庁の攻防―規制強化後の同社の法人税額がいくらになるか、見物である。
立憲民主党の枝野幸男は経済が全くわからない完全なアホだった
2019年10月29日
野党の経済音痴は日本を更に貧国化させる
From 室伏謙一@政策コンサルタント/室伏政策研究室代表
https://38news.jp/politics/14835
日米FTA、そしてデジタル貿易協定が国会で審議入りしてしまいました。Win-Winと呼ぶには何億光年もの開きがある、端的に言って譲歩しかしていない、もっと言えばほとんどアメリカの言いなりの、日本の農畜産業を破壊し、食の安心安全を破壊し、日本人の健康を危機的状況に追いやる可能性の高い、トンデモナイ内容。(詳細な問題点等については、東大の鈴木宣弘教授が様々なところで解説してくれていると思いますので、そちらをご参照ください。)審議入りしてしまえば、いつものパターンで短時間の審議で強行採決へと突き進んでいくことでしょう。したがって審議入りをさせないことが肝要だったわけですが、野党第一会派は早々に審議入りで合意してしまいました。れいわ新選組の山本太郎代表は、こうした対応を批判し、「チョロい野党」と揶揄しました。
私は「チャラい野党」と揶揄しました。その心は、日米FTAの問題点を理解せず十分勉強もせず、与党の足を引っ張ることができるタマになればいい程度にしか考えていない、目立つことを重視して国民のために本気で闘おうなどと思っていない、ということです。
そのチャラい野党、夏の参院選でも国民生活に直結し、日本経済をどん底に叩き落とすか否かの分かれ道になる消費税増税問題を争点にしませんでした。(争点として前面に押し出していたのは、れいわ新選組だけでした。)その結果は既にご承知のとおり。これは立憲民主党にせよ国民民主党にせよ、党代表は争点化の必要性を理解していても、党内の増税・緊縮派に押し切られたか、気兼ねしたか、そうしたことが背景としてあって争点化できなかったのだろうと思っていましたが、どうやらそうでもなさそうです。
例えば、選挙の頃から、立憲民主党の枝野代表、街頭演説で変なことを言うようになっていました。臨時国会が始まる直前、10月3日に行われた「緊急大街宣」での枝野代表の演説からいくつか拾って、少々ツッコミを入れてみましょう。(一字一句は拾っていません。語尾等は文章化の都合で少し変えています。その場での声のトーンや身振り手振りも含めて実際に聞いてみたいという方は、立憲民主党のホームページに動画が掲載されていますので、そちらをご参照ください。)
枝野代表:「日本は今でも貿易黒字を積み重ねる豊かな国はず。それなのにそこに住んでいる人たちが、10年前、20年前、30年前と比べて豊かさと安心を感じられていないとすれば、それはまさに政治による再分配が機能していないからではないか。」
ツッコミ:貿易黒字は輸出と輸入の差が単に黒字になっているというだけなので、豊かさとは無関係ですね。また貿易収支の話と再分配の話は無関係です。そもそも貿易黒字を起点として話をしているあたりからは、枝野代表は「日本は貿易立国だ」などという話いまだに信じ込んでいるようですね。日本は内需の国です。輸出依存は国の経済を脆弱化します。
枝野代表:「高齢化が進んでいる日本、人口減少が進んでいる日本、競争すればそのことで世の中が発展していく、これは日本の人口構成がまだ若かった、貧しかった、昭和の感覚、古い発想。」
ツッコミ:競争すれば世の中が発展していくというのも、それが昭和の感覚だというのも、何をいいたいのか意味不明です。とにかく競争を導入すればいいというのは新自由主義の発想であり、インフレ対策、供給を増やすための考え方です。人口構成云々とは全く関係がありません。今はデフレなので、とにかく競争の導入というのはやってはいけないのです。なぜなら、それはデフレを更に進めることになるからです。
枝野代表:「大規模な、カジノに象徴されるような開発に投資すれば景気が良くなるというのは、昭和の時代の古い発想。」
ツッコミ:大規模開発や投資を批判したいのか、カジノを批判したいのか、何なのかよく分かりませんが、現在のデフレ下では財政支出の拡大は景気を好転させます。直近のG20でも日本以外の各国からは財政出動の必要性についての話が出ていましたね。もちろん対象は吟味し、計画的に行う必要がありますが、これを昭和の古い発想というのは間違いです。むしろそれをやらなかったから経済は停滞し、貧国化の道を歩んでいるわけですし、最近の災害でも甚大な被害が生じてしまったわけです。カジノを大規模投資の代表例として持ってくるのは無理があります。カジノの問題点は大規模開発・投資だからではなく、胴元に儲けが集中して地域にはお金はほとんど落ちないビジネスモデルであり、それに国の経済成長を依存させようとしているところです。加えて、胴元の儲けが少なくなればいつでも逃げられるように出来ることも問題としてありますね。
枝野代表:「コストを下げて外国との競争に勝つんだ、いかに人を安く便利に雇うか、それが企業を儲けさせることだ、それも昭和の時代の古い発想。」
ツッコミ:人件費を下げて海外企業とのコスト競争に勝つ、というのはまさにグローバリズム、底辺への競争の話であり、昭和ではなく平成の発想。昭和のコスト削減は労働力以外の生産要素についてでしたね。
枝野代表:「今の日本にとって必要なのは、増えていく高齢者の皆さんが、どうやって安心して歳を重ねていけるのか。若い皆さんが安心して子供を産み育てることができる、そういう社会にしていくことではないのか。」
ツッコミ:これは正しい認識ですね。だからこそ、そのためにも消費税は税率引下げか廃止、財政支出の拡大が必須なのですが・・・
枝野代表:「人件費コストを安くすることで成長するのではなくて、お一人お一人がその人の持ち味を十分に発揮できるような、そういう社会にすることで、高くても買ってもらえるものを世界に売っていくことではないか。」
ツッコミ:おいおい「一億総活躍」かい?海外にモノを売るのではなく、国内で売れるように、国民が買えるようにすることが必要なのですよ。内需を復活させることが。やっぱりこの人「輸出依存脳」。まあ今や日本は「安い国」になりましたから、日本人からして高いものも、中国人あたりからは安いものだったり、普通のものだったりしそうですから、買ってはもらえるでしょうけど、それでいいんですか?デフレ貧国の継続、固定化でいいんですか?
枝野代表:「そのために必要なことは、今低賃金で暮らしてらっしゃる、低賃金なのに重労働をしていらっしゃる、そういう皆さんの賃金を底上げすることでできるんです。そうした仕事のほとんどは、政治が賃金を決めているからです。」
ツッコミ:これも正しい認識です。これ、介護士や保育士のことを念頭に置いた発言のようです。だったら「そのためには積極財政、財政支出の拡大だ!財源は法人税制の適正化や国債の発行だ!」と言わなきゃいけないはずですが、まだまだ「無駄削減」や「身を切る改革」なんですかね。緊縮比べをやってる場合じゃないですよ。
と、まあツッコミどころ満載でございました。まさに経済音痴!これじゃ消費税率引下げの話をしても、MMTの話をしても通じないわけです。(マレーシアの消費税廃止の話を鼻で笑ったようですしね。)
野党第一党がこのテイタラクでは・・・令和の政策ピボットの役割がますます重要になりますね。
https://38news.jp/politics/14835
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/699.html
67. 中川隆[-10495] koaQ7Jey 2019年10月29日 18:54:50 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2380]
違いのわかる男 ゴールドピンと吠えるライオン編 mixiユーザー(id5343821)の日記 2019年10月28日
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1973473516
休みのうちにということで、プリ管を交換してみた。焦ると違いがよくわからないのだが・・・
オリジナルは、謎のもので、脚が錆びついているのは印象的。EF86というマイナーなもので、内部にユニクロのようなシールドのカバーを着込んでいる。
こいつを、EF806Sという、高信頼バージョン?に替える。しかも、JJの脚を金メッキしたというバージョン。高信頼のはずだがシールドのカバーはない。
とりあえず、入手できる中で一番高価なものを選んだという感じだ。
JJの赤ロゴ印刷はダサいのだが、金メッキバージョンはロゴも金でカッコイイのだ。が、取り付けるとロゴは後ろを向いて隠れてしまった。
プリ管は、整流管や出力管に較べたら、ずいぶん長持ちしそうな感じがある。多少高価でも、長く使うからよいかなと。
結果だが、これはよいのではないだろうか。
たとえていうと、スピーカーケーブルで、普通の銅線を繋いでいた、端末も汚くなって気になっていた、そこに、銀メッキ高級ケーブル新品を繋いだら、こういう感想になりそう。
繊細で、高級な艶があって、品位や純度が上がって。ただ、少し美しすぎたり、色づけがあったり。いわゆる化粧け。こなれて消えるのかはわからない。
素朴な感じが真空管にはいいのだという可能性もあり、オリジナルで感動したわけだから、そこから遠ざかってはいかん。
オーディオは難しい。
この音の変化をもっと聞き分けてもよかったが、とにかく出力管が気になっているので、オリジナルを測定に送り出すにあたって、GOLD LIONを早めに付け替えた。
これで、初めて、オール新品、オリジナルを追放した形になる。
で、結果として、食卓で聴くスタイルでは、やはり付帯音というか、素直じゃなくなるというか、ちょっと太って高域にクセがつく感じがある。
灯火が床に反射して見た目も気になる。
真剣にリスニングポジションで暗闇で聴くパターン。
ブニアティシヴィリのシューベルトは、ツヤツヤになって、高域がひずみそうなほど明るめ。繊細さが減じる。悪くはない。
欅坂のライブブルーレイで、ちょっと驚きのダイナミックで歯切れよく、ハイスピードで気持ち良い再現。過去最高ではないかというドライブ感で、歌詞も聞き取れなかったものがきけたりした。
ああそうか、GOLD LIONはKT88の復刻で有名なのだが、KT88はジャズやポップスに好適とされるハイパワー管なのだ。
それに通じるノリのよさで、KT66の繊細でイギリス人のネクラな感じではなく、豪快になるのだ。
真空管は低域が緩いからポップ系に向かないと誰が言ったというパワーで、初めてライオンが吠えまくるさまがわかった。
これはたまたまプレート電流が高めの球の新品だからなのか、わからないがスリリング。しかしKT66やQUADの持ち味と違う感じもして微妙だ。
オリジナルを測定してもらって、いろいろ考えてみたい。
いちどよさがわかると、クラシックでも、オケの豪快さは出るが、高弦は現状荒っぽいなとか、特徴がつかめてきた。
真剣に聴くときは、十分よいところがあって、オリジナルと一長一短ぐらい。
アンプでは、パワーアンプよりプリアンプのほうが音が変わると、よくわかってる人はそういう。私もそうだと思っていて、真空管でもそういう考えの人はいるようだが、今日は、高価なプリ管の交換は、パワー管の感想でふきとんだ。
今日の良い印象にプリ管が寄与してる可能性もあるのだけど。
ヒマができたら、プリ管のみオリジナルに戻す週などあってもよい。
コメント
mixiユーザー2019年10月29日 06:14
錆びているということは、ソケット側も錆びているか、錆が付着して導通か悪くなっているおそれも。
日記に書いたような方法でアコリバの導通向上クリーナーで洗浄&導通アップをオススメします。
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1973473516
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/840.html#c67
35. 中川隆[-10494] koaQ7Jey 2019年10月29日 18:55:24 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2381]
違いのわかる男 ゴールドピンと吠えるライオン編 mixiユーザー(id5343821)の日記 2019年10月28日
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1973473516
休みのうちにということで、プリ管を交換してみた。焦ると違いがよくわからないのだが・・・
オリジナルは、謎のもので、脚が錆びついているのは印象的。EF86というマイナーなもので、内部にユニクロのようなシールドのカバーを着込んでいる。
こいつを、EF806Sという、高信頼バージョン?に替える。しかも、JJの脚を金メッキしたというバージョン。高信頼のはずだがシールドのカバーはない。
とりあえず、入手できる中で一番高価なものを選んだという感じだ。
JJの赤ロゴ印刷はダサいのだが、金メッキバージョンはロゴも金でカッコイイのだ。が、取り付けるとロゴは後ろを向いて隠れてしまった。
プリ管は、整流管や出力管に較べたら、ずいぶん長持ちしそうな感じがある。多少高価でも、長く使うからよいかなと。
結果だが、これはよいのではないだろうか。
たとえていうと、スピーカーケーブルで、普通の銅線を繋いでいた、端末も汚くなって気になっていた、そこに、銀メッキ高級ケーブル新品を繋いだら、こういう感想になりそう。
繊細で、高級な艶があって、品位や純度が上がって。ただ、少し美しすぎたり、色づけがあったり。いわゆる化粧け。こなれて消えるのかはわからない。
素朴な感じが真空管にはいいのだという可能性もあり、オリジナルで感動したわけだから、そこから遠ざかってはいかん。
オーディオは難しい。
この音の変化をもっと聞き分けてもよかったが、とにかく出力管が気になっているので、オリジナルを測定に送り出すにあたって、GOLD LIONを早めに付け替えた。
これで、初めて、オール新品、オリジナルを追放した形になる。
で、結果として、食卓で聴くスタイルでは、やはり付帯音というか、素直じゃなくなるというか、ちょっと太って高域にクセがつく感じがある。
灯火が床に反射して見た目も気になる。
真剣にリスニングポジションで暗闇で聴くパターン。
ブニアティシヴィリのシューベルトは、ツヤツヤになって、高域がひずみそうなほど明るめ。繊細さが減じる。悪くはない。
欅坂のライブブルーレイで、ちょっと驚きのダイナミックで歯切れよく、ハイスピードで気持ち良い再現。過去最高ではないかというドライブ感で、歌詞も聞き取れなかったものがきけたりした。
ああそうか、GOLD LIONはKT88の復刻で有名なのだが、KT88はジャズやポップスに好適とされるハイパワー管なのだ。
それに通じるノリのよさで、KT66の繊細でイギリス人のネクラな感じではなく、豪快になるのだ。
真空管は低域が緩いからポップ系に向かないと誰が言ったというパワーで、初めてライオンが吠えまくるさまがわかった。
これはたまたまプレート電流が高めの球の新品だからなのか、わからないがスリリング。しかしKT66やQUADの持ち味と違う感じもして微妙だ。
オリジナルを測定してもらって、いろいろ考えてみたい。
いちどよさがわかると、クラシックでも、オケの豪快さは出るが、高弦は現状荒っぽいなとか、特徴がつかめてきた。
真剣に聴くときは、十分よいところがあって、オリジナルと一長一短ぐらい。
アンプでは、パワーアンプよりプリアンプのほうが音が変わると、よくわかってる人はそういう。私もそうだと思っていて、真空管でもそういう考えの人はいるようだが、今日は、高価なプリ管の交換は、パワー管の感想でふきとんだ。
今日の良い印象にプリ管が寄与してる可能性もあるのだけど。
ヒマができたら、プリ管のみオリジナルに戻す週などあってもよい。
コメント
mixiユーザー2019年10月29日 06:14
錆びているということは、ソケット側も錆びているか、錆が付着して導通か悪くなっているおそれも。
日記に書いたような方法でアコリバの導通向上クリーナーで洗浄&導通アップをオススメします。
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1973473516
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/834.html#c35
204. 中川隆[-10493] koaQ7Jey 2019年10月29日 20:34:06 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2382]
かつて「赤恐怖(Red Scare)」といわれる現象があった。1950年代のマッカーシズムのことはよく知られているけれど、1910年代の「赤恐怖」についてはそれほど知られていない。
1917年にロシア革命が起きると、アメリカでもアナーキストたちによる武装闘争が始まった。1919年の同時多発爆弾テロでは、パーマー司法長官の自宅まで爆破された。政府はこれによって「武装蜂起は近い」という心証を形成した。
いま聞くと「バカバカしい」と思えるだろうけれど、その二年前、まさかそんなところで共産主義革命が起きるはずがないと思われていたロシアでロマノフ王朝があっという間に瓦解したのである。未来は霧の中である。アメリカでだって何が起きるかわからない。
なにしろ、1870年代の「金ぴか時代」から後、アメリカ政治はその腐敗の極にあり、資本家たちの収奪ぶりもまた非人道的なものであったからだ。レーニンは一九一八年八月に「アメリカの労働者たちへの手紙」の中で、「立ち上がれ、武器をとれ」と獅子吼し、一九一九年三月には、世界37ヵ国の労働者組織の代表者たちがモスクワに結集して、コミンテルンの指導下に世界革命に邁進することを誓言していたのである。
十月革命時点でのロシア国内のボルシェヴィキの実数は十万人。一九一九年にアメリカ国内には確信的な過激派が六万人いた。そう聞けば、アメリカのブルジョワたちが「革命近し」という恐怖心に捉えられたことに不思議はない。
19年に制定された法律では、マルクス主義者も、アナーキストも、組合活動家も、司法省が「反アメリカ的」と判定すれば、市民権をまだ取得していないものは国外追放、市民権を取得しているものはただちに収監されることになった。この仕事を遂行するために司法省内に「赤狩り(Red Hunt)」に特化したセクションが設立された。パーマーがその任を委ねたのが、若きJ・エドガー・フーヴァーである。
そのフーヴァーは革命組織が一九二〇年五月一日に全米で一斉蜂起するという不確実な情報をパーマーに上げた。フーヴァーは、取り調べをした活動家たちが彼らの機関紙に書き散らしていた過激な言葉(「抗議ストから始まり、それを政治スト、さらには革命的大衆行動に拡大して、最終的に国家権力を奪取する」)にいうほどの政治的実力などないことを知りながら、パーマーに武装蜂起が切迫しているという恐怖を吹き込み、それによって自分のセクションへの予算配分と政府部内でのキャリア形成をはかったのである。
フーヴァーのささやきを信じたパーマーは五月一日に、ニューヨーク、ワシントンDC、フィラデルフィア、シカゴなど全米大都市の全公共施設と要人たちの私邸に警察官を総動員して厳戒態勢を命じた。だが、何も起こらなかった。全国の新聞はパーマーの「五月革命」を嘲笑し、ウッドロー・ウィルソンの次のホワイトハウス入りを有力視されていたパーマーはこの壮大な空振りで政治生命を失ったのだが、それはまた別の話。
私が言いたいのは、アメリカ人は意外に「怖がり」だということである。
アメリカ人は久しくソ連を恐れていた。冷戦が終わった後はイスラムを恐れていた。そして、いまは中国を恐れている。
http://blog.tatsuru.com/2019/10/28_0831.html
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/312.html#c204
162. 中川隆[-10492] koaQ7Jey 2019年10月29日 20:34:29 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2383]
かつて「赤恐怖(Red Scare)」といわれる現象があった。1950年代のマッカーシズムのことはよく知られているけれど、1910年代の「赤恐怖」についてはそれほど知られていない。
1917年にロシア革命が起きると、アメリカでもアナーキストたちによる武装闘争が始まった。1919年の同時多発爆弾テロでは、パーマー司法長官の自宅まで爆破された。政府はこれによって「武装蜂起は近い」という心証を形成した。
いま聞くと「バカバカしい」と思えるだろうけれど、その二年前、まさかそんなところで共産主義革命が起きるはずがないと思われていたロシアでロマノフ王朝があっという間に瓦解したのである。未来は霧の中である。アメリカでだって何が起きるかわからない。
なにしろ、1870年代の「金ぴか時代」から後、アメリカ政治はその腐敗の極にあり、資本家たちの収奪ぶりもまた非人道的なものであったからだ。レーニンは一九一八年八月に「アメリカの労働者たちへの手紙」の中で、「立ち上がれ、武器をとれ」と獅子吼し、一九一九年三月には、世界37ヵ国の労働者組織の代表者たちがモスクワに結集して、コミンテルンの指導下に世界革命に邁進することを誓言していたのである。
十月革命時点でのロシア国内のボルシェヴィキの実数は十万人。一九一九年にアメリカ国内には確信的な過激派が六万人いた。そう聞けば、アメリカのブルジョワたちが「革命近し」という恐怖心に捉えられたことに不思議はない。
19年に制定された法律では、マルクス主義者も、アナーキストも、組合活動家も、司法省が「反アメリカ的」と判定すれば、市民権をまだ取得していないものは国外追放、市民権を取得しているものはただちに収監されることになった。この仕事を遂行するために司法省内に「赤狩り(Red Hunt)」に特化したセクションが設立された。パーマーがその任を委ねたのが、若きJ・エドガー・フーヴァーである。
そのフーヴァーは革命組織が一九二〇年五月一日に全米で一斉蜂起するという不確実な情報をパーマーに上げた。フーヴァーは、取り調べをした活動家たちが彼らの機関紙に書き散らしていた過激な言葉(「抗議ストから始まり、それを政治スト、さらには革命的大衆行動に拡大して、最終的に国家権力を奪取する」)にいうほどの政治的実力などないことを知りながら、パーマーに武装蜂起が切迫しているという恐怖を吹き込み、それによって自分のセクションへの予算配分と政府部内でのキャリア形成をはかったのである。
フーヴァーのささやきを信じたパーマーは五月一日に、ニューヨーク、ワシントンDC、フィラデルフィア、シカゴなど全米大都市の全公共施設と要人たちの私邸に警察官を総動員して厳戒態勢を命じた。だが、何も起こらなかった。全国の新聞はパーマーの「五月革命」を嘲笑し、ウッドロー・ウィルソンの次のホワイトハウス入りを有力視されていたパーマーはこの壮大な空振りで政治生命を失ったのだが、それはまた別の話。
私が言いたいのは、アメリカ人は意外に「怖がり」だということである。
アメリカ人は久しくソ連を恐れていた。冷戦が終わった後はイスラムを恐れていた。そして、いまは中国を恐れている。
http://blog.tatsuru.com/2019/10/28_0831.html
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/297.html#c162
53. 中川隆[-10491] koaQ7Jey 2019年10月29日 20:35:33 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2384]
かつて「赤恐怖(Red Scare)」といわれる現象があった。1950年代のマッカーシズムのことはよく知られているけれど、1910年代の「赤恐怖」についてはそれほど知られていない。
1917年にロシア革命が起きると、アメリカでもアナーキストたちによる武装闘争が始まった。1919年の同時多発爆弾テロでは、パーマー司法長官の自宅まで爆破された。政府はこれによって「武装蜂起は近い」という心証を形成した。
いま聞くと「バカバカしい」と思えるだろうけれど、その二年前、まさかそんなところで共産主義革命が起きるはずがないと思われていたロシアでロマノフ王朝があっという間に瓦解したのである。未来は霧の中である。アメリカでだって何が起きるかわからない。
なにしろ、1870年代の「金ぴか時代」から後、アメリカ政治はその腐敗の極にあり、資本家たちの収奪ぶりもまた非人道的なものであったからだ。レーニンは一九一八年八月に「アメリカの労働者たちへの手紙」の中で、「立ち上がれ、武器をとれ」と獅子吼し、一九一九年三月には、世界37ヵ国の労働者組織の代表者たちがモスクワに結集して、コミンテルンの指導下に世界革命に邁進することを誓言していたのである。
十月革命時点でのロシア国内のボルシェヴィキの実数は十万人。一九一九年にアメリカ国内には確信的な過激派が六万人いた。そう聞けば、アメリカのブルジョワたちが「革命近し」という恐怖心に捉えられたことに不思議はない。
19年に制定された法律では、マルクス主義者も、アナーキストも、組合活動家も、司法省が「反アメリカ的」と判定すれば、市民権をまだ取得していないものは国外追放、市民権を取得しているものはただちに収監されることになった。この仕事を遂行するために司法省内に「赤狩り(Red Hunt)」に特化したセクションが設立された。パーマーがその任を委ねたのが、若きJ・エドガー・フーヴァーである。
そのフーヴァーは革命組織が一九二〇年五月一日に全米で一斉蜂起するという不確実な情報をパーマーに上げた。フーヴァーは、取り調べをした活動家たちが彼らの機関紙に書き散らしていた過激な言葉(「抗議ストから始まり、それを政治スト、さらには革命的大衆行動に拡大して、最終的に国家権力を奪取する」)にいうほどの政治的実力などないことを知りながら、パーマーに武装蜂起が切迫しているという恐怖を吹き込み、それによって自分のセクションへの予算配分と政府部内でのキャリア形成をはかったのである。
フーヴァーのささやきを信じたパーマーは五月一日に、ニューヨーク、ワシントンDC、フィラデルフィア、シカゴなど全米大都市の全公共施設と要人たちの私邸に警察官を総動員して厳戒態勢を命じた。だが、何も起こらなかった。全国の新聞はパーマーの「五月革命」を嘲笑し、ウッドロー・ウィルソンの次のホワイトハウス入りを有力視されていたパーマーはこの壮大な空振りで政治生命を失ったのだが、それはまた別の話。
私が言いたいのは、アメリカ人は意外に「怖がり」だということである。
アメリカ人は久しくソ連を恐れていた。冷戦が終わった後はイスラムを恐れていた。そして、いまは中国を恐れている。
http://blog.tatsuru.com/2019/10/28_0831.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/296.html#c53
72. 中川隆[-10490] koaQ7Jey 2019年10月29日 20:37:15 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2385]
かつて「赤恐怖(Red Scare)」といわれる現象があった。1950年代のマッカーシズムのことはよく知られているけれど、1910年代の「赤恐怖」についてはそれほど知られていない。
1917年にロシア革命が起きると、アメリカでもアナーキストたちによる武装闘争が始まった。1919年の同時多発爆弾テロでは、パーマー司法長官の自宅まで爆破された。政府はこれによって「武装蜂起は近い」という心証を形成した。
いま聞くと「バカバカしい」と思えるだろうけれど、その二年前、まさかそんなところで共産主義革命が起きるはずがないと思われていたロシアでロマノフ王朝があっという間に瓦解したのである。未来は霧の中である。アメリカでだって何が起きるかわからない。
なにしろ、1870年代の「金ぴか時代」から後、アメリカ政治はその腐敗の極にあり、資本家たちの収奪ぶりもまた非人道的なものであったからだ。レーニンは一九一八年八月に「アメリカの労働者たちへの手紙」の中で、「立ち上がれ、武器をとれ」と獅子吼し、一九一九年三月には、世界37ヵ国の労働者組織の代表者たちがモスクワに結集して、コミンテルンの指導下に世界革命に邁進することを誓言していたのである。
十月革命時点でのロシア国内のボルシェヴィキの実数は十万人。一九一九年にアメリカ国内には確信的な過激派が六万人いた。そう聞けば、アメリカのブルジョワたちが「革命近し」という恐怖心に捉えられたことに不思議はない。
19年に制定された法律では、マルクス主義者も、アナーキストも、組合活動家も、司法省が「反アメリカ的」と判定すれば、市民権をまだ取得していないものは国外追放、市民権を取得しているものはただちに収監されることになった。この仕事を遂行するために司法省内に「赤狩り(Red Hunt)」に特化したセクションが設立された。パーマーがその任を委ねたのが、若きJ・エドガー・フーヴァーである。
そのフーヴァーは革命組織が一九二〇年五月一日に全米で一斉蜂起するという不確実な情報をパーマーに上げた。フーヴァーは、取り調べをした活動家たちが彼らの機関紙に書き散らしていた過激な言葉(「抗議ストから始まり、それを政治スト、さらには革命的大衆行動に拡大して、最終的に国家権力を奪取する」)にいうほどの政治的実力などないことを知りながら、パーマーに武装蜂起が切迫しているという恐怖を吹き込み、それによって自分のセクションへの予算配分と政府部内でのキャリア形成をはかったのである。
フーヴァーのささやきを信じたパーマーは五月一日に、ニューヨーク、ワシントンDC、フィラデルフィア、シカゴなど全米大都市の全公共施設と要人たちの私邸に警察官を総動員して厳戒態勢を命じた。だが、何も起こらなかった。全国の新聞はパーマーの「五月革命」を嘲笑し、ウッドロー・ウィルソンの次のホワイトハウス入りを有力視されていたパーマーはこの壮大な空振りで政治生命を失ったのだが、それはまた別の話。
私が言いたいのは、アメリカ人は意外に「怖がり」だということである。
アメリカ人は久しくソ連を恐れていた。冷戦が終わった後はイスラムを恐れていた。そして、いまは中国を恐れている。
http://blog.tatsuru.com/2019/10/28_0831.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/175.html#c72
25. 中川隆[-10489] koaQ7Jey 2019年10月29日 20:38:04 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2386]
かつて「赤恐怖(Red Scare)」といわれる現象があった。1950年代のマッカーシズムのことはよく知られているけれど、1910年代の「赤恐怖」についてはそれほど知られていない。
1917年にロシア革命が起きると、アメリカでもアナーキストたちによる武装闘争が始まった。1919年の同時多発爆弾テロでは、パーマー司法長官の自宅まで爆破された。政府はこれによって「武装蜂起は近い」という心証を形成した。
いま聞くと「バカバカしい」と思えるだろうけれど、その二年前、まさかそんなところで共産主義革命が起きるはずがないと思われていたロシアでロマノフ王朝があっという間に瓦解したのである。未来は霧の中である。アメリカでだって何が起きるかわからない。
なにしろ、1870年代の「金ぴか時代」から後、アメリカ政治はその腐敗の極にあり、資本家たちの収奪ぶりもまた非人道的なものであったからだ。レーニンは一九一八年八月に「アメリカの労働者たちへの手紙」の中で、「立ち上がれ、武器をとれ」と獅子吼し、一九一九年三月には、世界37ヵ国の労働者組織の代表者たちがモスクワに結集して、コミンテルンの指導下に世界革命に邁進することを誓言していたのである。
十月革命時点でのロシア国内のボルシェヴィキの実数は十万人。一九一九年にアメリカ国内には確信的な過激派が六万人いた。そう聞けば、アメリカのブルジョワたちが「革命近し」という恐怖心に捉えられたことに不思議はない。
19年に制定された法律では、マルクス主義者も、アナーキストも、組合活動家も、司法省が「反アメリカ的」と判定すれば、市民権をまだ取得していないものは国外追放、市民権を取得しているものはただちに収監されることになった。この仕事を遂行するために司法省内に「赤狩り(Red Hunt)」に特化したセクションが設立された。パーマーがその任を委ねたのが、若きJ・エドガー・フーヴァーである。
そのフーヴァーは革命組織が一九二〇年五月一日に全米で一斉蜂起するという不確実な情報をパーマーに上げた。フーヴァーは、取り調べをした活動家たちが彼らの機関紙に書き散らしていた過激な言葉(「抗議ストから始まり、それを政治スト、さらには革命的大衆行動に拡大して、最終的に国家権力を奪取する」)にいうほどの政治的実力などないことを知りながら、パーマーに武装蜂起が切迫しているという恐怖を吹き込み、それによって自分のセクションへの予算配分と政府部内でのキャリア形成をはかったのである。
フーヴァーのささやきを信じたパーマーは五月一日に、ニューヨーク、ワシントンDC、フィラデルフィア、シカゴなど全米大都市の全公共施設と要人たちの私邸に警察官を総動員して厳戒態勢を命じた。だが、何も起こらなかった。全国の新聞はパーマーの「五月革命」を嘲笑し、ウッドロー・ウィルソンの次のホワイトハウス入りを有力視されていたパーマーはこの壮大な空振りで政治生命を失ったのだが、それはまた別の話。
私が言いたいのは、アメリカ人は意外に「怖がり」だということである。
アメリカ人は久しくソ連を恐れていた。冷戦が終わった後はイスラムを恐れていた。そして、いまは中国を恐れている。
http://blog.tatsuru.com/2019/10/28_0831.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/457.html#c25
27. 中川隆[-10488] koaQ7Jey 2019年10月29日 20:38:51 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2387]
かつて「赤恐怖(Red Scare)」といわれる現象があった。1950年代のマッカーシズムのことはよく知られているけれど、1910年代の「赤恐怖」についてはそれほど知られていない。
1917年にロシア革命が起きると、アメリカでもアナーキストたちによる武装闘争が始まった。1919年の同時多発爆弾テロでは、パーマー司法長官の自宅まで爆破された。政府はこれによって「武装蜂起は近い」という心証を形成した。
いま聞くと「バカバカしい」と思えるだろうけれど、その二年前、まさかそんなところで共産主義革命が起きるはずがないと思われていたロシアでロマノフ王朝があっという間に瓦解したのである。未来は霧の中である。アメリカでだって何が起きるかわからない。
なにしろ、1870年代の「金ぴか時代」から後、アメリカ政治はその腐敗の極にあり、資本家たちの収奪ぶりもまた非人道的なものであったからだ。レーニンは一九一八年八月に「アメリカの労働者たちへの手紙」の中で、「立ち上がれ、武器をとれ」と獅子吼し、一九一九年三月には、世界37ヵ国の労働者組織の代表者たちがモスクワに結集して、コミンテルンの指導下に世界革命に邁進することを誓言していたのである。
十月革命時点でのロシア国内のボルシェヴィキの実数は十万人。一九一九年にアメリカ国内には確信的な過激派が六万人いた。そう聞けば、アメリカのブルジョワたちが「革命近し」という恐怖心に捉えられたことに不思議はない。
19年に制定された法律では、マルクス主義者も、アナーキストも、組合活動家も、司法省が「反アメリカ的」と判定すれば、市民権をまだ取得していないものは国外追放、市民権を取得しているものはただちに収監されることになった。この仕事を遂行するために司法省内に「赤狩り(Red Hunt)」に特化したセクションが設立された。パーマーがその任を委ねたのが、若きJ・エドガー・フーヴァーである。
そのフーヴァーは革命組織が一九二〇年五月一日に全米で一斉蜂起するという不確実な情報をパーマーに上げた。フーヴァーは、取り調べをした活動家たちが彼らの機関紙に書き散らしていた過激な言葉(「抗議ストから始まり、それを政治スト、さらには革命的大衆行動に拡大して、最終的に国家権力を奪取する」)にいうほどの政治的実力などないことを知りながら、パーマーに武装蜂起が切迫しているという恐怖を吹き込み、それによって自分のセクションへの予算配分と政府部内でのキャリア形成をはかったのである。
フーヴァーのささやきを信じたパーマーは五月一日に、ニューヨーク、ワシントンDC、フィラデルフィア、シカゴなど全米大都市の全公共施設と要人たちの私邸に警察官を総動員して厳戒態勢を命じた。だが、何も起こらなかった。全国の新聞はパーマーの「五月革命」を嘲笑し、ウッドロー・ウィルソンの次のホワイトハウス入りを有力視されていたパーマーはこの壮大な空振りで政治生命を失ったのだが、それはまた別の話。
私が言いたいのは、アメリカ人は意外に「怖がり」だということである。
アメリカ人は久しくソ連を恐れていた。冷戦が終わった後はイスラムを恐れていた。そして、いまは中国を恐れている。
http://blog.tatsuru.com/2019/10/28_0831.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/145.html#c27
21. 中川隆[-10487] koaQ7Jey 2019年10月29日 20:39:47 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2388]
かつて「赤恐怖(Red Scare)」といわれる現象があった。1950年代のマッカーシズムのことはよく知られているけれど、1910年代の「赤恐怖」についてはそれほど知られていない。
1917年にロシア革命が起きると、アメリカでもアナーキストたちによる武装闘争が始まった。1919年の同時多発爆弾テロでは、パーマー司法長官の自宅まで爆破された。政府はこれによって「武装蜂起は近い」という心証を形成した。
いま聞くと「バカバカしい」と思えるだろうけれど、その二年前、まさかそんなところで共産主義革命が起きるはずがないと思われていたロシアでロマノフ王朝があっという間に瓦解したのである。未来は霧の中である。アメリカでだって何が起きるかわからない。
なにしろ、1870年代の「金ぴか時代」から後、アメリカ政治はその腐敗の極にあり、資本家たちの収奪ぶりもまた非人道的なものであったからだ。レーニンは一九一八年八月に「アメリカの労働者たちへの手紙」の中で、「立ち上がれ、武器をとれ」と獅子吼し、一九一九年三月には、世界37ヵ国の労働者組織の代表者たちがモスクワに結集して、コミンテルンの指導下に世界革命に邁進することを誓言していたのである。
十月革命時点でのロシア国内のボルシェヴィキの実数は十万人。一九一九年にアメリカ国内には確信的な過激派が六万人いた。そう聞けば、アメリカのブルジョワたちが「革命近し」という恐怖心に捉えられたことに不思議はない。
19年に制定された法律では、マルクス主義者も、アナーキストも、組合活動家も、司法省が「反アメリカ的」と判定すれば、市民権をまだ取得していないものは国外追放、市民権を取得しているものはただちに収監されることになった。この仕事を遂行するために司法省内に「赤狩り(Red Hunt)」に特化したセクションが設立された。パーマーがその任を委ねたのが、若きJ・エドガー・フーヴァーである。
そのフーヴァーは革命組織が一九二〇年五月一日に全米で一斉蜂起するという不確実な情報をパーマーに上げた。フーヴァーは、取り調べをした活動家たちが彼らの機関紙に書き散らしていた過激な言葉(「抗議ストから始まり、それを政治スト、さらには革命的大衆行動に拡大して、最終的に国家権力を奪取する」)にいうほどの政治的実力などないことを知りながら、パーマーに武装蜂起が切迫しているという恐怖を吹き込み、それによって自分のセクションへの予算配分と政府部内でのキャリア形成をはかったのである。
フーヴァーのささやきを信じたパーマーは五月一日に、ニューヨーク、ワシントンDC、フィラデルフィア、シカゴなど全米大都市の全公共施設と要人たちの私邸に警察官を総動員して厳戒態勢を命じた。だが、何も起こらなかった。全国の新聞はパーマーの「五月革命」を嘲笑し、ウッドロー・ウィルソンの次のホワイトハウス入りを有力視されていたパーマーはこの壮大な空振りで政治生命を失ったのだが、それはまた別の話。
私が言いたいのは、アメリカ人は意外に「怖がり」だということである。
アメリカ人は久しくソ連を恐れていた。冷戦が終わった後はイスラムを恐れていた。そして、いまは中国を恐れている。
http://blog.tatsuru.com/2019/10/28_0831.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/146.html#c21
76. 中川隆[-10486] koaQ7Jey 2019年10月29日 20:41:28 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2389]
かつて「赤恐怖(Red Scare)」といわれる現象があった。1950年代のマッカーシズムのことはよく知られているけれど、1910年代の「赤恐怖」についてはそれほど知られていない。
1917年にロシア革命が起きると、アメリカでもアナーキストたちによる武装闘争が始まった。1919年の同時多発爆弾テロでは、パーマー司法長官の自宅まで爆破された。政府はこれによって「武装蜂起は近い」という心証を形成した。
いま聞くと「バカバカしい」と思えるだろうけれど、その二年前、まさかそんなところで共産主義革命が起きるはずがないと思われていたロシアでロマノフ王朝があっという間に瓦解したのである。未来は霧の中である。アメリカでだって何が起きるかわからない。
なにしろ、1870年代の「金ぴか時代」から後、アメリカ政治はその腐敗の極にあり、資本家たちの収奪ぶりもまた非人道的なものであったからだ。レーニンは一九一八年八月に「アメリカの労働者たちへの手紙」の中で、「立ち上がれ、武器をとれ」と獅子吼し、一九一九年三月には、世界37ヵ国の労働者組織の代表者たちがモスクワに結集して、コミンテルンの指導下に世界革命に邁進することを誓言していたのである。
十月革命時点でのロシア国内のボルシェヴィキの実数は十万人。一九一九年にアメリカ国内には確信的な過激派が六万人いた。そう聞けば、アメリカのブルジョワたちが「革命近し」という恐怖心に捉えられたことに不思議はない。
19年に制定された法律では、マルクス主義者も、アナーキストも、組合活動家も、司法省が「反アメリカ的」と判定すれば、市民権をまだ取得していないものは国外追放、市民権を取得しているものはただちに収監されることになった。この仕事を遂行するために司法省内に「赤狩り(Red Hunt)」に特化したセクションが設立された。パーマーがその任を委ねたのが、若きJ・エドガー・フーヴァーである。
そのフーヴァーは革命組織が一九二〇年五月一日に全米で一斉蜂起するという不確実な情報をパーマーに上げた。フーヴァーは、取り調べをした活動家たちが彼らの機関紙に書き散らしていた過激な言葉(「抗議ストから始まり、それを政治スト、さらには革命的大衆行動に拡大して、最終的に国家権力を奪取する」)にいうほどの政治的実力などないことを知りながら、パーマーに武装蜂起が切迫しているという恐怖を吹き込み、それによって自分のセクションへの予算配分と政府部内でのキャリア形成をはかったのである。
フーヴァーのささやきを信じたパーマーは五月一日に、ニューヨーク、ワシントンDC、フィラデルフィア、シカゴなど全米大都市の全公共施設と要人たちの私邸に警察官を総動員して厳戒態勢を命じた。だが、何も起こらなかった。全国の新聞はパーマーの「五月革命」を嘲笑し、ウッドロー・ウィルソンの次のホワイトハウス入りを有力視されていたパーマーはこの壮大な空振りで政治生命を失ったのだが、それはまた別の話。
私が言いたいのは、アメリカ人は意外に「怖がり」だということである。
アメリカ人は久しくソ連を恐れていた。冷戦が終わった後はイスラムを恐れていた。そして、いまは中国を恐れている。
http://blog.tatsuru.com/2019/10/28_0831.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/262.html#c76
26. 中川隆[-10485] koaQ7Jey 2019年10月29日 20:42:20 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2390]
かつて「赤恐怖(Red Scare)」といわれる現象があった。1950年代のマッカーシズムのことはよく知られているけれど、1910年代の「赤恐怖」についてはそれほど知られていない。
1917年にロシア革命が起きると、アメリカでもアナーキストたちによる武装闘争が始まった。1919年の同時多発爆弾テロでは、パーマー司法長官の自宅まで爆破された。政府はこれによって「武装蜂起は近い」という心証を形成した。
いま聞くと「バカバカしい」と思えるだろうけれど、その二年前、まさかそんなところで共産主義革命が起きるはずがないと思われていたロシアでロマノフ王朝があっという間に瓦解したのである。未来は霧の中である。アメリカでだって何が起きるかわからない。
なにしろ、1870年代の「金ぴか時代」から後、アメリカ政治はその腐敗の極にあり、資本家たちの収奪ぶりもまた非人道的なものであったからだ。レーニンは一九一八年八月に「アメリカの労働者たちへの手紙」の中で、「立ち上がれ、武器をとれ」と獅子吼し、一九一九年三月には、世界37ヵ国の労働者組織の代表者たちがモスクワに結集して、コミンテルンの指導下に世界革命に邁進することを誓言していたのである。
十月革命時点でのロシア国内のボルシェヴィキの実数は十万人。一九一九年にアメリカ国内には確信的な過激派が六万人いた。そう聞けば、アメリカのブルジョワたちが「革命近し」という恐怖心に捉えられたことに不思議はない。
19年に制定された法律では、マルクス主義者も、アナーキストも、組合活動家も、司法省が「反アメリカ的」と判定すれば、市民権をまだ取得していないものは国外追放、市民権を取得しているものはただちに収監されることになった。この仕事を遂行するために司法省内に「赤狩り(Red Hunt)」に特化したセクションが設立された。パーマーがその任を委ねたのが、若きJ・エドガー・フーヴァーである。
そのフーヴァーは革命組織が一九二〇年五月一日に全米で一斉蜂起するという不確実な情報をパーマーに上げた。フーヴァーは、取り調べをした活動家たちが彼らの機関紙に書き散らしていた過激な言葉(「抗議ストから始まり、それを政治スト、さらには革命的大衆行動に拡大して、最終的に国家権力を奪取する」)にいうほどの政治的実力などないことを知りながら、パーマーに武装蜂起が切迫しているという恐怖を吹き込み、それによって自分のセクションへの予算配分と政府部内でのキャリア形成をはかったのである。
フーヴァーのささやきを信じたパーマーは五月一日に、ニューヨーク、ワシントンDC、フィラデルフィア、シカゴなど全米大都市の全公共施設と要人たちの私邸に警察官を総動員して厳戒態勢を命じた。だが、何も起こらなかった。全国の新聞はパーマーの「五月革命」を嘲笑し、ウッドロー・ウィルソンの次のホワイトハウス入りを有力視されていたパーマーはこの壮大な空振りで政治生命を失ったのだが、それはまた別の話。
私が言いたいのは、アメリカ人は意外に「怖がり」だということである。
アメリカ人は久しくソ連を恐れていた。冷戦が終わった後はイスラムを恐れていた。そして、いまは中国を恐れている。
http://blog.tatsuru.com/2019/10/28_0831.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/580.html#c26
73. 中川隆[-10484] koaQ7Jey 2019年10月29日 20:57:55 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2391]
2019.10.29
なにか大きなことが起きたの意味 IS=イスラエルの終了
https://golden-tamatama.com/blog-entry-is-israel-end.html
さて、昨日、トランプさんが
何か大きなことが起きた!
というツィートの話。
この件だったようですね。
イスラム国ってあんた。
以前、こういう記事を書きますたが。
関連記事円柱を取り除くぞ!米軍海兵隊がCIA本部に突入?2017年11月22日
https://golden-tamatama.com/blog-entry-us-marineforce-land-rangry.html
要するに自作自演。
イスラム国は、アメリカのCIAさんが作った国ですた。
トランプさんが大統領就任後にやった演説を覚えてるでしょうか。
こんな演説でした。
トランプ「Maybe! Maybe!(もしかしたら!もしかしたら!)」
トランプ「(CIA用に部屋を広くするけど)作り方を知っている人が建てて、部屋はcolumns(円柱)無しになるかも知れない」
CIA職員「(大爆笑)」
トランプ「みんな(意味は)わかるだろ?」
CIA職員「(拍手)」
トランプ「我々は円柱を取り除くぞ!」
これ最高ですね。
これは大統領就任直後、CIA本部ラングレーで行われた演説でした。
トランプさんが言う、我々は、columns(円柱)を取り除くぞ!
これはどういう意味かというと、円柱というのは組織内の裏切者という隠語です。
つまり、トランプさんはあの時、CIA内部にいる裏切者を取り除くぞ!
と宣言したのですね。
イスラム国はCIA内部の裏切り者が世界をコントロールするために作ったものですた。
世界中でテロを繰り返す組織。
恐怖ネタがないと世界をコントロールできないからですた。
で、この記事は2017年の11月に書いたのですが。
やっと今、2年越しに現実化したのですね。
このブログを読んでる人なら分かるでしょう。
今、起きてること。
今回、丁度同じ時期にイスラエルのネタニヤフさんが組閣に再び失敗しますたね。
ちゃんちゃん。
今までいろんなところを脅したりして。
最近も色々悪さをして往生際の悪かったネタニヤフさん。
やっと終了〜
これと同時期にISのトップが死亡。
なんで同時期なんだ?
それを考えれば普通に分かることでしょう。
要するに
イスラエル=IS。
このブログで前から言ってる話。
日本では、芸能界、ヤクザ、パチンコ、右翼の街宣車が徐々に消えてってる。
そして今度は韓国が消滅。
2016年秋から全てが変わる。
これは全部一連の流れなのです。
そして確かに変わって来た。
そして昨日、決定的なことが起きた。
トランプさんが言う大きなことが起きた!というのはそういう意味なのでしょう。
本当にありがとうございますた。
びっくりしたなぁもう。
滝川クリステルの暗号は起きなかった。
変わりにISがぶっ潰れた。
https://golden-tamatama.com/blog-entry-is-israel-end.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/175.html#c73
5. 中川隆[-10483] koaQ7Jey 2019年10月29日 20:58:27 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2392]
2019.10.29
なにか大きなことが起きたの意味 IS=イスラエルの終了
https://golden-tamatama.com/blog-entry-is-israel-end.html
さて、昨日、トランプさんが
何か大きなことが起きた!
というツィートの話。
この件だったようですね。
イスラム国ってあんた。
以前、こういう記事を書きますたが。
関連記事円柱を取り除くぞ!米軍海兵隊がCIA本部に突入?2017年11月22日
https://golden-tamatama.com/blog-entry-us-marineforce-land-rangry.html
要するに自作自演。
イスラム国は、アメリカのCIAさんが作った国ですた。
トランプさんが大統領就任後にやった演説を覚えてるでしょうか。
こんな演説でした。
トランプ「Maybe! Maybe!(もしかしたら!もしかしたら!)」
トランプ「(CIA用に部屋を広くするけど)作り方を知っている人が建てて、部屋はcolumns(円柱)無しになるかも知れない」
CIA職員「(大爆笑)」
トランプ「みんな(意味は)わかるだろ?」
CIA職員「(拍手)」
トランプ「我々は円柱を取り除くぞ!」
これ最高ですね。
これは大統領就任直後、CIA本部ラングレーで行われた演説でした。
トランプさんが言う、我々は、columns(円柱)を取り除くぞ!
これはどういう意味かというと、円柱というのは組織内の裏切者という隠語です。
つまり、トランプさんはあの時、CIA内部にいる裏切者を取り除くぞ!
と宣言したのですね。
イスラム国はCIA内部の裏切り者が世界をコントロールするために作ったものですた。
世界中でテロを繰り返す組織。
恐怖ネタがないと世界をコントロールできないからですた。
で、この記事は2017年の11月に書いたのですが。
やっと今、2年越しに現実化したのですね。
このブログを読んでる人なら分かるでしょう。
今、起きてること。
今回、丁度同じ時期にイスラエルのネタニヤフさんが組閣に再び失敗しますたね。
ちゃんちゃん。
今までいろんなところを脅したりして。
最近も色々悪さをして往生際の悪かったネタニヤフさん。
やっと終了〜
これと同時期にISのトップが死亡。
なんで同時期なんだ?
それを考えれば普通に分かることでしょう。
要するに
イスラエル=IS。
このブログで前から言ってる話。
日本では、芸能界、ヤクザ、パチンコ、右翼の街宣車が徐々に消えてってる。
そして今度は韓国が消滅。
2016年秋から全てが変わる。
これは全部一連の流れなのです。
そして確かに変わって来た。
そして昨日、決定的なことが起きた。
トランプさんが言う大きなことが起きた!というのはそういう意味なのでしょう。
本当にありがとうございますた。
びっくりしたなぁもう。
滝川クリステルの暗号は起きなかった。
変わりにISがぶっ潰れた。
https://golden-tamatama.com/blog-entry-is-israel-end.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/696.html#c5
104. 中川隆[-10482] koaQ7Jey 2019年10月29日 20:59:02 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2393]
2019.10.29
なにか大きなことが起きたの意味 IS=イスラエルの終了
https://golden-tamatama.com/blog-entry-is-israel-end.html
さて、昨日、トランプさんが
何か大きなことが起きた!
というツィートの話。
この件だったようですね。
イスラム国ってあんた。
以前、こういう記事を書きますたが。
関連記事円柱を取り除くぞ!米軍海兵隊がCIA本部に突入?2017年11月22日
https://golden-tamatama.com/blog-entry-us-marineforce-land-rangry.html
要するに自作自演。
イスラム国は、アメリカのCIAさんが作った国ですた。
トランプさんが大統領就任後にやった演説を覚えてるでしょうか。
こんな演説でした。
トランプ「Maybe! Maybe!(もしかしたら!もしかしたら!)」
トランプ「(CIA用に部屋を広くするけど)作り方を知っている人が建てて、部屋はcolumns(円柱)無しになるかも知れない」
CIA職員「(大爆笑)」
トランプ「みんな(意味は)わかるだろ?」
CIA職員「(拍手)」
トランプ「我々は円柱を取り除くぞ!」
これ最高ですね。
これは大統領就任直後、CIA本部ラングレーで行われた演説でした。
トランプさんが言う、我々は、columns(円柱)を取り除くぞ!
これはどういう意味かというと、円柱というのは組織内の裏切者という隠語です。
つまり、トランプさんはあの時、CIA内部にいる裏切者を取り除くぞ!
と宣言したのですね。
イスラム国はCIA内部の裏切り者が世界をコントロールするために作ったものですた。
世界中でテロを繰り返す組織。
恐怖ネタがないと世界をコントロールできないからですた。
で、この記事は2017年の11月に書いたのですが。
やっと今、2年越しに現実化したのですね。
このブログを読んでる人なら分かるでしょう。
今、起きてること。
今回、丁度同じ時期にイスラエルのネタニヤフさんが組閣に再び失敗しますたね。
ちゃんちゃん。
今までいろんなところを脅したりして。
最近も色々悪さをして往生際の悪かったネタニヤフさん。
やっと終了〜
これと同時期にISのトップが死亡。
なんで同時期なんだ?
それを考えれば普通に分かることでしょう。
要するに
イスラエル=IS。
このブログで前から言ってる話。
日本では、芸能界、ヤクザ、パチンコ、右翼の街宣車が徐々に消えてってる。
そして今度は韓国が消滅。
2016年秋から全てが変わる。
これは全部一連の流れなのです。
そして確かに変わって来た。
そして昨日、決定的なことが起きた。
トランプさんが言う大きなことが起きた!というのはそういう意味なのでしょう。
本当にありがとうございますた。
びっくりしたなぁもう。
滝川クリステルの暗号は起きなかった。
変わりにISがぶっ潰れた。
https://golden-tamatama.com/blog-entry-is-israel-end.html
http://www.asyura2.com/12/lunchbreak52/msg/816.html#c104
53. 中川隆[-10481] koaQ7Jey 2019年10月29日 20:59:52 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2394]
2019.10.29
なにか大きなことが起きたの意味 IS=イスラエルの終了
https://golden-tamatama.com/blog-entry-is-israel-end.html
さて、昨日、トランプさんが
何か大きなことが起きた!
というツィートの話。
この件だったようですね。
イスラム国ってあんた。
以前、こういう記事を書きますたが。
関連記事円柱を取り除くぞ!米軍海兵隊がCIA本部に突入?2017年11月22日
https://golden-tamatama.com/blog-entry-us-marineforce-land-rangry.html
要するに自作自演。
イスラム国は、アメリカのCIAさんが作った国ですた。
トランプさんが大統領就任後にやった演説を覚えてるでしょうか。
こんな演説でした。
トランプ「Maybe! Maybe!(もしかしたら!もしかしたら!)」
トランプ「(CIA用に部屋を広くするけど)作り方を知っている人が建てて、部屋はcolumns(円柱)無しになるかも知れない」
CIA職員「(大爆笑)」
トランプ「みんな(意味は)わかるだろ?」
CIA職員「(拍手)」
トランプ「我々は円柱を取り除くぞ!」
これ最高ですね。
これは大統領就任直後、CIA本部ラングレーで行われた演説でした。
トランプさんが言う、我々は、columns(円柱)を取り除くぞ!
これはどういう意味かというと、円柱というのは組織内の裏切者という隠語です。
つまり、トランプさんはあの時、CIA内部にいる裏切者を取り除くぞ!
と宣言したのですね。
イスラム国はCIA内部の裏切り者が世界をコントロールするために作ったものですた。
世界中でテロを繰り返す組織。
恐怖ネタがないと世界をコントロールできないからですた。
で、この記事は2017年の11月に書いたのですが。
やっと今、2年越しに現実化したのですね。
このブログを読んでる人なら分かるでしょう。
今、起きてること。
今回、丁度同じ時期にイスラエルのネタニヤフさんが組閣に再び失敗しますたね。
ちゃんちゃん。
今までいろんなところを脅したりして。
最近も色々悪さをして往生際の悪かったネタニヤフさん。
やっと終了〜
これと同時期にISのトップが死亡。
なんで同時期なんだ?
それを考えれば普通に分かることでしょう。
要するに
イスラエル=IS。
このブログで前から言ってる話。
日本では、芸能界、ヤクザ、パチンコ、右翼の街宣車が徐々に消えてってる。
そして今度は韓国が消滅。
2016年秋から全てが変わる。
これは全部一連の流れなのです。
そして確かに変わって来た。
そして昨日、決定的なことが起きた。
トランプさんが言う大きなことが起きた!というのはそういう意味なのでしょう。
本当にありがとうございますた。
びっくりしたなぁもう。
滝川クリステルの暗号は起きなかった。
変わりにISがぶっ潰れた。
https://golden-tamatama.com/blog-entry-is-israel-end.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/105.html#c53
64. 中川隆[-10480] koaQ7Jey 2019年10月29日 21:02:26 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2395]
「山本太郎を操っている?」斎藤まさしに全て聞いた(Newsweek)
http://www.asyura2.com/19/senkyo266/msg/842.html
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/10/-19804020092015-6-115-20121010tpp-1.php
2019年10月29日(火)16時45分 大橋 希(本誌記者) Newsweek Japan
<日本政界の異端児・山本太郎との出会い、その評価、れいわ新選組の政策の出元、命を狙われる危険性、野党共闘の可能性......。山本の「ブレーン」と噂される男が饒舌に語った>
菅直人の衆議院議員初当選(1980年)の選挙を手伝い、以来40年間、数々の選挙に関わってきた市民運動家で選挙ボランティアの齋藤まさし。2009年の民主党による政権交代にも関わり、れいわ新選組代表の山本太郎の初当選をお膳立てしたのも彼だ(2015年の静岡市長選で公職選挙法違反で有罪となり、現在は公民権停止中の立場)。
ネット上では「極左の活動家」と言われ、山本太郎と彼との関係を不安視する声もあるが、6年間、山本を近くで見てきたのが斎藤であることは確かだ。山本本人は、「年に2〜3回はお茶を飲んだり、意見交換する。でも選挙に関わる話を具体的に指示してもらうことはない」と言っている。
11月5日号の特集「山本太郎現象」では、山本を知る関係者の1人として斎藤にも話を聞いた。
――山本太郎さんとの出会いについて。
2012年の10月下旬ぐらいかと思う。野田(佳彦)くんが衆議院を解散するという、ほぼ確実な情報が入ってきた。僕は菅(直人)さんが消費税10%を容認し、TPP(環太平洋経済連携協定)を持ってきた時点で民主党支持はやめていた。
民主党の中にも「民主党じゃダメだ」と言う人はいたし、国民も既存の政党を信用していないから、永田町の外から新党を作ろうという話が出てきた。そこで当時の滋賀県知事で現・参院議員の嘉田由紀子さん、菅原文太さん(故人)や坂本龍一さんといった人たちに呼び掛けてもらい、そこに議員が合流する形で新党を作ろうということになった。その呼び掛け人の1人に上がったのが山本太郎だったんです。
彼が反原発のデモを始めた頃から、僕は注目していたので、ある人を介して、十数名の国会議員と一緒に彼に会った。そのときが初対面だったけど、「呼び掛け人になるだけじゃなくて、(あなたも)選挙に出るしかないだろう」と言っちゃったんですよ。本当に原発を止めたいなら、ほかに方法はあるか? 政権取るしかないんじゃない、と。
でも、そのときは反応がなかったし、連絡先の交換もしなかった。ただ、そのあとで衆院選が近づいたとき、友人を介して、太郎のほうから「会いたい」と連絡が来た。会ってみたら、「衆院選に出る」と。そのときは橋下徹が出るという噂もあって、「大阪で橋下が出たら自分がぶつかって出たい」と、太郎は言っていた。それが一番メディアの耳目を引くことになるから、それで原発を訴えたい、という話だった。
結局、橋本は出なかったので、太郎も出るか出ないか直前まで迷っていた。選挙区の候補はいろいろあったが、東京の自民党で一番の強敵である石原伸晃がいる杉並(東京8区)にしたいと彼は言っていた。公示の前日の夕方に代々木の喫茶店で太郎を含めた4人で話をして、最終的にそこに決めた。僕は「杉並だと勝てない。東京1区はどうか。必ず勝たせる」と言ったんだけど、本人は勝てると思っていたんじゃないかな。知名度や、反原発をやっていることで、多少自信があったと思う。
今でも僕の中でいちばん印象に残っているのは、この代々木の喫茶店でのこと。もう1つは、この衆院選に負けた後のこと。一緒に飲んだり、朝まで歌ったり、喧嘩もしながら結構付き合った。(2013年7月の)参院選に出ると決めるまでの約半年間は、彼が非常に悩んだ時期なんですよ。参院選の2カ月くらい前に、彼から「東京選挙区で出たい」と言われ、やる以上は今度は勝とうぜ、って僕は言った。その頃のことが、2番目の思い出かな(*この参院選で初当選)。
Photograph by Hajime Kimura for Newsweek Japan
――山本さんは裏表なく、気配りもできるというのが周囲の人たちからの評判。ただ、善人には政治家は務まらないとも言うが......。
今までの政治がそうだったから、日本がこんなひどいことになっているわけ。
僕はずっと選挙に関わってきた人間です。平成の30年間って日本が没落する30年間で、それをずっと見てきた。僕は消費税は導入前から反対で、廃止をずっと言い続けてきた。(れいわ新選組の公約である消費税廃止は)新しいアイデアでも何でもないけど、そんな当たり前のことを今までの政治家は誰も言えなかった。
菅直人だって、やっぱり既存の政治システムから離れられなかった。僕が一緒にやった80年のダブル選挙で、彼はいきなりトップ当選。すると、とたんに山岸(章)さんという連合(日本労働組合総連合会)の会長が接近してきた。やっぱりそのほうが楽なの。金もくれるし、連合を味方にすれば野党の中でのし上がれるから、やっぱり菅はそっちを選んだ。
僕が見る限り、(山本太郎は)最初から一貫して、既存の政治システムに対して否定的で、それに依存しないで新しい政治を作ろうとしている。僕は6年間付き合ってきたけど、そこは一度もぶれていない。ただ、今も野党共闘を呼び掛けているように、既存の政党を全否定しているわけじゃない。
今の野党は、人々の生活にかかわる問題、主に経済政策でアベノミクスに対抗するものを提案できていない。だから、太郎はそれを何とかやろうとしている。実は(れいわの公約は)太郎が作った政策ではない。鳩山(由紀夫)さんや経済学者の植草(一秀)さんがやっている「オールジャパン平和と共生」というグループがあって、基本はそこの運営委員会で煮詰めた案なんです。
あの案は太郎にだけじゃなくて、立憲民主党や国民民主党の幹部にも、「政権を取るためには、これでまとまれ」と昨年から提案している。最低賃金1500円にしたって、奨学金チャラにしたって、どこの党にも提案している。れいわだけが、(公約として)ほぼ丸のみしてくれた。
連合も、消費税を10%に上げろと要望した。だから立民も国民も、消費税については連合とぶつかっている。連合はしょせん労働者の10%台しか組織していなくて、基本は正社員だけ。今は労働者の4割が非正規で、8割は連合に組織されていない人たち。そうした未組織の労働者、TPPやFTA(自由貿易協定)でつぶされている一次産業の従事者、中小零細企業と個人事業者、あとは無年金の老齢者とか障害者などいわゆる社会的弱者と言われる層が、今の政治で一番苦しんでいる。人口の8割を占める彼らが「俺たちの政党だ」と思えるものができれば、政権交代なんて一発でできる。
Photograph by Hajime Kimura for Newsweek Japan
――そうした点は、山本さんも最初から理解していた?
彼の中には最初から、貧しい人や弱い人への共感がある。それが原発事故で動き出した。論理的にどうこうでなく、彼はすべて感性から入る。でも国会議員になってからの6年間で、国会で質問するためにあらゆる分野で資料にあたり、本を読み、いろんな人の話を聞いて勉強した。そんな議員がほかにいないこともないけど、いちばん血肉化しているのは山本太郎。
6年前の参院選のときは、防弾チョッキは手に入らなくて、防刃チョッキを着て(選挙運動を)やっていた。彼の場合はその主張からして、命を狙われる危険も感じたわけですよ。カミソリの刃が送られてきたりして、大変だった。僕は、「こいつは命をなくしてもやる、という覚悟で出たんだな」と感じた。その投票日に、いきなり「今日、子供が生まれた」と打ち明けられた。彼女がいることも、子供ができていることもまったく知らなかった。今から思えば、それが彼に再び選挙に出る覚悟を決めさせた要因だったかな、という気がする。
彼は大臣や総理になっても、よっぽどのことがないとSP(警護官)は付けないんじゃないかと思う。ある意味、SPはその人の情報を全部把握しちゃう。戦前の話だけど、山本宣治という男がいた(38歳で初当選し、39歳で暗殺)。誰が彼を殺したか。石井紘基(民主党、2002年刺殺)のときもそうだけど、どこの誰だか分からない人間が殺すわけですよ。何らかの情報がなければ不可能なんです。僕はそういう歴史を見てきている。
社民連という小さな政党の事務局長をやっていたのが、まだ選挙に出る前の石井だった。僕は親しかったから、あいつが殺されたときは衝撃を受けた。彼は国家の闇、国家予算をはるかに上回る特別会計の闇を追及し始めたところで殺された。確かに、SPがいるところで殺されることはないだろうけど、でもそこから情報が抜けることも当然、覚悟しなくてはいけない。
太郎の人生は、お母さんの影響が強いと思う。(NGOの)グリーンピースのメンバーだったりして、太郎がちっちゃいときからフィリピンに何度も連れていったらしい。スモーキーマウンテンなんかにもね。それに、お母さんはシングルじゃん。彼はお父さんの顔も知らない。だから彼は、シングルの人に共感を持つ。
Photograph by Hajime Kimura for Newsweek Japan
――あなたは山本さんのブレーンと言っていい?
ブレーンというかどうかは知らないけど、僕の意見だって聞くってこと。でも僕の意見で動いているわけではない。彼はいろんな人の意見を聞くし、自分が納得するまで絶対受け入れない。例えば消費税廃止だって、納得するまで2年かかっている。
僕が太郎を裏から操っていると言う人は永田町を含めて多いけど、それは事実と違うし、そもそも太郎を見くびっている。参院選での特定枠の利用や、当事者を候補にするというアイデアも太郎のものです。彼のそういう人たちへの愛というか、思い入れからですよ。もし私が選挙ブレーンという立場にいたら、特定枠1つはいいけど、2つは厳しいと、反対した。太郎が落ちる可能性が高いから。周りの人もみんな反対だったと思う。
政治家の能力は、選挙か政策か政局かって言われるんだけど、その全てで抜きんでている人は、僕らが生きてきた時代では、田中角栄(故人)以外にいない。金集めの力もあった。ただ今回、太郎も集金力を証明した。3カ月で4億円集めた例は過去初めてのことだ。野党への呼び掛けなんかを見ていると、野党のリーダーの中で政局に対して最も積極的に動いているのも太郎だと、僕は思っている。
――7月の参院選には関わらなかった?
僕は、選挙運動は一切していない。でも、僕が今まで一緒に選挙をやってきた人たちが(れいわの選挙の)軸になっている。
――山本さんの欠点は何だと思うか。
欠点と魅力は、すべて裏表。太郎について、好き嫌いがはっきり分かれるってことは、その長所が強烈だってことの裏返しなんだよね。だから、欠点=長所なんだよ。あの胆力は、敵をたくさん作ってしまう。でも強い味方も作る。野党のリーダーは、そういう人でないと無理なんです。だって権力がないんだから。それでも支持者を引き付ける。だから、敵はいていいし、それ以上の味方がいればいい。叩かれないようなやつは、本当のリーダーにはなれない。
今は太郎にとって試練の時期だと、僕は思っている。これまでは小沢(一郎)さんと共同代表だったが、今は山本太郎の個人事務所と個人後援会、いってみれば個人商店です。公党になったから、組織として人の面倒も見ていかないといけない。角さん(田中角栄)を見れば分かるように、リーダーにとって大事なのは、最後は人を見る目。それがないと、人がついてこない。太郎がその目を持てるのか。角さんのように、官僚も含めて人たらしになれるのか。それが彼にとっての分かれ道だ。
衆院選で100人たてるということは、最低1000人のスタッフ、20億のカネが要る。4億は集めたが、20億集めるのは大変なこと。次の衆院選で彼が人を活かせるか、人を見る目を養えるか......今の状況からすれば、決して不可能とは思わない。
Photograph by Hajime Kimura for Newsweek Japan
――今後、山本さんがつまずく可能性は?
あらゆる事態が想定される。殺されるとかもあり得る。日本の富を独占しようとしている人たちにとっては、石井紘基よりも危険人物だから。
平成は消費税とともに始まり、この30年で経済が、日本が没落していった。今の上皇は、そういう状況にじくじたる思いを持っていると思う。(上皇は)太郎に対しては親近感を持っているかな、と僕は思っている。それを一番感じたのは、(園遊会での)太郎のお手紙事件があったとき。右翼からの批判がすごく、その先頭に立っていたのが昨年亡くなった鴻池(祥肇)さんだった。彼は天皇主義者で、太郎に(ナイフが入った封筒が届いたとき)「切腹用の刀が送られたそうだ」と発言した。そのとき上皇(当時の天皇)は宮内庁の記者会見で「天皇が心配している」と言わせた。太郎のところにカミソリや銃弾が送られてきたりとすごかったのが、この瞬間にぴたりとやんだ。鴻池さんはそれから死ぬまで、太郎の面倒を随分と見てくれた。それは鴻池さんが、上皇のそういう気持ちを感じ取ったからではないか、と俺は勝手に推測している。
参院選では、菅さん(官房長官)を中心にした官邸は、天皇の代替わりキャンペーンを最大の武器にしようとした。ものすごい金を突っ込んでたんだよ。でも太郎が「れいわ」を使った瞬間に、それを封じられたと思う。
――命を狙われる以外では、どんな心配がある?
さっき言ったように、彼が本当に人を見る目を磨かないとつぶされる。人を活かす力をつけないと、何千万の人たちを味方につけ、動かし続けることは不可能だから。
今は太郎から僕に連絡してくることはなくて、僕が言いたいことがあるときに連絡する。太郎には、お互いに言いたいことを言える人がまだ少ないと思う。そういう人を2桁は周りにつけられないと。
その人の個性を生かし、短所を補える人たちがどれだけ周りにいるのか。角さんがなぜあれだけ潰されてもキングメーカーであり続けたかといえば、官僚や自民党の中に、彼が長年かけて関係を築いたそういう人たちがいたからだ。
――野党の中にも、山本さんの味方になりそうな人は。
山ほどいる。それはよく知っている。これだけのスターが野党の中に生まれたのは、民主党が政権を取ったときから10年ぶり。あのときは鳩山さんがどこに行っても、今の太郎と同じくらい人が集まった。今の野党にはそのスターがいなくて苦しんでいる。国民と立民で新党作っても、民主党の焼き直し。太郎だったら、旧民主党と何のかかわりもなく、彼らの裏切りとも関係ない。なぜそれを使わないんだ、と思う。
4年以内に太郎が政権取れなかったら、永遠に総理にはなれないと思う。その4年先も選挙があると思っていたらダメだよ。どんどん選挙はやりにくくなっている。ずっと見ているから分かる。僕は「未必の故意による黙示的共謀」で公選法違反の有罪判決を受けた。政権にとって不都合な存在なら、いつでも誰でも共謀罪で逮捕できる。そんな時代になっちゃった。
実際には自由な選挙なんて、とっくになくなっている。今回の選挙まで、国政選挙で現職の国会議員を有する政治団体が、選挙本番まで諸派で扱われたことは、NHKも含めて、過去一度もなかった。田中康夫の新党にっぽんであろうが、荒井広幸の新党改革であろうが、選挙で2%取ったことがなくても、必ず党名で扱われた。5人の政党要件をクリアしたところと扱いの大きさは違っても、新聞でも、必ず党首の顔写真は出たし、政策も出た。それぐらいメディアが統制されたのは今回の参院選が初めてだった。
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/559.html#c64
2. 中川隆[-10479] koaQ7Jey 2019年10月29日 21:03:10 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2396]
「山本太郎を操っている?」斎藤まさしに全て聞いた(Newsweek)
http://www.asyura2.com/19/senkyo266/msg/842.html
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/10/-19804020092015-6-115-20121010tpp-1.php
2019年10月29日(火)16時45分 大橋 希(本誌記者) Newsweek Japan
<日本政界の異端児・山本太郎との出会い、その評価、れいわ新選組の政策の出元、命を狙われる危険性、野党共闘の可能性......。山本の「ブレーン」と噂される男が饒舌に語った>
菅直人の衆議院議員初当選(1980年)の選挙を手伝い、以来40年間、数々の選挙に関わってきた市民運動家で選挙ボランティアの齋藤まさし。2009年の民主党による政権交代にも関わり、れいわ新選組代表の山本太郎の初当選をお膳立てしたのも彼だ(2015年の静岡市長選で公職選挙法違反で有罪となり、現在は公民権停止中の立場)。
ネット上では「極左の活動家」と言われ、山本太郎と彼との関係を不安視する声もあるが、6年間、山本を近くで見てきたのが斎藤であることは確かだ。山本本人は、「年に2〜3回はお茶を飲んだり、意見交換する。でも選挙に関わる話を具体的に指示してもらうことはない」と言っている。
11月5日号の特集「山本太郎現象」では、山本を知る関係者の1人として斎藤にも話を聞いた。
――山本太郎さんとの出会いについて。
2012年の10月下旬ぐらいかと思う。野田(佳彦)くんが衆議院を解散するという、ほぼ確実な情報が入ってきた。僕は菅(直人)さんが消費税10%を容認し、TPP(環太平洋経済連携協定)を持ってきた時点で民主党支持はやめていた。
民主党の中にも「民主党じゃダメだ」と言う人はいたし、国民も既存の政党を信用していないから、永田町の外から新党を作ろうという話が出てきた。そこで当時の滋賀県知事で現・参院議員の嘉田由紀子さん、菅原文太さん(故人)や坂本龍一さんといった人たちに呼び掛けてもらい、そこに議員が合流する形で新党を作ろうということになった。その呼び掛け人の1人に上がったのが山本太郎だったんです。
彼が反原発のデモを始めた頃から、僕は注目していたので、ある人を介して、十数名の国会議員と一緒に彼に会った。そのときが初対面だったけど、「呼び掛け人になるだけじゃなくて、(あなたも)選挙に出るしかないだろう」と言っちゃったんですよ。本当に原発を止めたいなら、ほかに方法はあるか? 政権取るしかないんじゃない、と。
でも、そのときは反応がなかったし、連絡先の交換もしなかった。ただ、そのあとで衆院選が近づいたとき、友人を介して、太郎のほうから「会いたい」と連絡が来た。会ってみたら、「衆院選に出る」と。そのときは橋下徹が出るという噂もあって、「大阪で橋下が出たら自分がぶつかって出たい」と、太郎は言っていた。それが一番メディアの耳目を引くことになるから、それで原発を訴えたい、という話だった。
結局、橋本は出なかったので、太郎も出るか出ないか直前まで迷っていた。選挙区の候補はいろいろあったが、東京の自民党で一番の強敵である石原伸晃がいる杉並(東京8区)にしたいと彼は言っていた。公示の前日の夕方に代々木の喫茶店で太郎を含めた4人で話をして、最終的にそこに決めた。僕は「杉並だと勝てない。東京1区はどうか。必ず勝たせる」と言ったんだけど、本人は勝てると思っていたんじゃないかな。知名度や、反原発をやっていることで、多少自信があったと思う。
今でも僕の中でいちばん印象に残っているのは、この代々木の喫茶店でのこと。もう1つは、この衆院選に負けた後のこと。一緒に飲んだり、朝まで歌ったり、喧嘩もしながら結構付き合った。(2013年7月の)参院選に出ると決めるまでの約半年間は、彼が非常に悩んだ時期なんですよ。参院選の2カ月くらい前に、彼から「東京選挙区で出たい」と言われ、やる以上は今度は勝とうぜ、って僕は言った。その頃のことが、2番目の思い出かな(*この参院選で初当選)。
Photograph by Hajime Kimura for Newsweek Japan
――山本さんは裏表なく、気配りもできるというのが周囲の人たちからの評判。ただ、善人には政治家は務まらないとも言うが......。
今までの政治がそうだったから、日本がこんなひどいことになっているわけ。
僕はずっと選挙に関わってきた人間です。平成の30年間って日本が没落する30年間で、それをずっと見てきた。僕は消費税は導入前から反対で、廃止をずっと言い続けてきた。(れいわ新選組の公約である消費税廃止は)新しいアイデアでも何でもないけど、そんな当たり前のことを今までの政治家は誰も言えなかった。
菅直人だって、やっぱり既存の政治システムから離れられなかった。僕が一緒にやった80年のダブル選挙で、彼はいきなりトップ当選。すると、とたんに山岸(章)さんという連合(日本労働組合総連合会)の会長が接近してきた。やっぱりそのほうが楽なの。金もくれるし、連合を味方にすれば野党の中でのし上がれるから、やっぱり菅はそっちを選んだ。
僕が見る限り、(山本太郎は)最初から一貫して、既存の政治システムに対して否定的で、それに依存しないで新しい政治を作ろうとしている。僕は6年間付き合ってきたけど、そこは一度もぶれていない。ただ、今も野党共闘を呼び掛けているように、既存の政党を全否定しているわけじゃない。
今の野党は、人々の生活にかかわる問題、主に経済政策でアベノミクスに対抗するものを提案できていない。だから、太郎はそれを何とかやろうとしている。実は(れいわの公約は)太郎が作った政策ではない。鳩山(由紀夫)さんや経済学者の植草(一秀)さんがやっている「オールジャパン平和と共生」というグループがあって、基本はそこの運営委員会で煮詰めた案なんです。
あの案は太郎にだけじゃなくて、立憲民主党や国民民主党の幹部にも、「政権を取るためには、これでまとまれ」と昨年から提案している。最低賃金1500円にしたって、奨学金チャラにしたって、どこの党にも提案している。れいわだけが、(公約として)ほぼ丸のみしてくれた。
連合も、消費税を10%に上げろと要望した。だから立民も国民も、消費税については連合とぶつかっている。連合はしょせん労働者の10%台しか組織していなくて、基本は正社員だけ。今は労働者の4割が非正規で、8割は連合に組織されていない人たち。そうした未組織の労働者、TPPやFTA(自由貿易協定)でつぶされている一次産業の従事者、中小零細企業と個人事業者、あとは無年金の老齢者とか障害者などいわゆる社会的弱者と言われる層が、今の政治で一番苦しんでいる。人口の8割を占める彼らが「俺たちの政党だ」と思えるものができれば、政権交代なんて一発でできる。
Photograph by Hajime Kimura for Newsweek Japan
――そうした点は、山本さんも最初から理解していた?
彼の中には最初から、貧しい人や弱い人への共感がある。それが原発事故で動き出した。論理的にどうこうでなく、彼はすべて感性から入る。でも国会議員になってからの6年間で、国会で質問するためにあらゆる分野で資料にあたり、本を読み、いろんな人の話を聞いて勉強した。そんな議員がほかにいないこともないけど、いちばん血肉化しているのは山本太郎。
6年前の参院選のときは、防弾チョッキは手に入らなくて、防刃チョッキを着て(選挙運動を)やっていた。彼の場合はその主張からして、命を狙われる危険も感じたわけですよ。カミソリの刃が送られてきたりして、大変だった。僕は、「こいつは命をなくしてもやる、という覚悟で出たんだな」と感じた。その投票日に、いきなり「今日、子供が生まれた」と打ち明けられた。彼女がいることも、子供ができていることもまったく知らなかった。今から思えば、それが彼に再び選挙に出る覚悟を決めさせた要因だったかな、という気がする。
彼は大臣や総理になっても、よっぽどのことがないとSP(警護官)は付けないんじゃないかと思う。ある意味、SPはその人の情報を全部把握しちゃう。戦前の話だけど、山本宣治という男がいた(38歳で初当選し、39歳で暗殺)。誰が彼を殺したか。石井紘基(民主党、2002年刺殺)のときもそうだけど、どこの誰だか分からない人間が殺すわけですよ。何らかの情報がなければ不可能なんです。僕はそういう歴史を見てきている。
社民連という小さな政党の事務局長をやっていたのが、まだ選挙に出る前の石井だった。僕は親しかったから、あいつが殺されたときは衝撃を受けた。彼は国家の闇、国家予算をはるかに上回る特別会計の闇を追及し始めたところで殺された。確かに、SPがいるところで殺されることはないだろうけど、でもそこから情報が抜けることも当然、覚悟しなくてはいけない。
太郎の人生は、お母さんの影響が強いと思う。(NGOの)グリーンピースのメンバーだったりして、太郎がちっちゃいときからフィリピンに何度も連れていったらしい。スモーキーマウンテンなんかにもね。それに、お母さんはシングルじゃん。彼はお父さんの顔も知らない。だから彼は、シングルの人に共感を持つ。
Photograph by Hajime Kimura for Newsweek Japan
――あなたは山本さんのブレーンと言っていい?
ブレーンというかどうかは知らないけど、僕の意見だって聞くってこと。でも僕の意見で動いているわけではない。彼はいろんな人の意見を聞くし、自分が納得するまで絶対受け入れない。例えば消費税廃止だって、納得するまで2年かかっている。
僕が太郎を裏から操っていると言う人は永田町を含めて多いけど、それは事実と違うし、そもそも太郎を見くびっている。参院選での特定枠の利用や、当事者を候補にするというアイデアも太郎のものです。彼のそういう人たちへの愛というか、思い入れからですよ。もし私が選挙ブレーンという立場にいたら、特定枠1つはいいけど、2つは厳しいと、反対した。太郎が落ちる可能性が高いから。周りの人もみんな反対だったと思う。
政治家の能力は、選挙か政策か政局かって言われるんだけど、その全てで抜きんでている人は、僕らが生きてきた時代では、田中角栄(故人)以外にいない。金集めの力もあった。ただ今回、太郎も集金力を証明した。3カ月で4億円集めた例は過去初めてのことだ。野党への呼び掛けなんかを見ていると、野党のリーダーの中で政局に対して最も積極的に動いているのも太郎だと、僕は思っている。
――7月の参院選には関わらなかった?
僕は、選挙運動は一切していない。でも、僕が今まで一緒に選挙をやってきた人たちが(れいわの選挙の)軸になっている。
――山本さんの欠点は何だと思うか。
欠点と魅力は、すべて裏表。太郎について、好き嫌いがはっきり分かれるってことは、その長所が強烈だってことの裏返しなんだよね。だから、欠点=長所なんだよ。あの胆力は、敵をたくさん作ってしまう。でも強い味方も作る。野党のリーダーは、そういう人でないと無理なんです。だって権力がないんだから。それでも支持者を引き付ける。だから、敵はいていいし、それ以上の味方がいればいい。叩かれないようなやつは、本当のリーダーにはなれない。
今は太郎にとって試練の時期だと、僕は思っている。これまでは小沢(一郎)さんと共同代表だったが、今は山本太郎の個人事務所と個人後援会、いってみれば個人商店です。公党になったから、組織として人の面倒も見ていかないといけない。角さん(田中角栄)を見れば分かるように、リーダーにとって大事なのは、最後は人を見る目。それがないと、人がついてこない。太郎がその目を持てるのか。角さんのように、官僚も含めて人たらしになれるのか。それが彼にとっての分かれ道だ。
衆院選で100人たてるということは、最低1000人のスタッフ、20億のカネが要る。4億は集めたが、20億集めるのは大変なこと。次の衆院選で彼が人を活かせるか、人を見る目を養えるか......今の状況からすれば、決して不可能とは思わない。
Photograph by Hajime Kimura for Newsweek Japan
――今後、山本さんがつまずく可能性は?
あらゆる事態が想定される。殺されるとかもあり得る。日本の富を独占しようとしている人たちにとっては、石井紘基よりも危険人物だから。
平成は消費税とともに始まり、この30年で経済が、日本が没落していった。今の上皇は、そういう状況にじくじたる思いを持っていると思う。(上皇は)太郎に対しては親近感を持っているかな、と僕は思っている。それを一番感じたのは、(園遊会での)太郎のお手紙事件があったとき。右翼からの批判がすごく、その先頭に立っていたのが昨年亡くなった鴻池(祥肇)さんだった。彼は天皇主義者で、太郎に(ナイフが入った封筒が届いたとき)「切腹用の刀が送られたそうだ」と発言した。そのとき上皇(当時の天皇)は宮内庁の記者会見で「天皇が心配している」と言わせた。太郎のところにカミソリや銃弾が送られてきたりとすごかったのが、この瞬間にぴたりとやんだ。鴻池さんはそれから死ぬまで、太郎の面倒を随分と見てくれた。それは鴻池さんが、上皇のそういう気持ちを感じ取ったからではないか、と俺は勝手に推測している。
参院選では、菅さん(官房長官)を中心にした官邸は、天皇の代替わりキャンペーンを最大の武器にしようとした。ものすごい金を突っ込んでたんだよ。でも太郎が「れいわ」を使った瞬間に、それを封じられたと思う。
――命を狙われる以外では、どんな心配がある?
さっき言ったように、彼が本当に人を見る目を磨かないとつぶされる。人を活かす力をつけないと、何千万の人たちを味方につけ、動かし続けることは不可能だから。
今は太郎から僕に連絡してくることはなくて、僕が言いたいことがあるときに連絡する。太郎には、お互いに言いたいことを言える人がまだ少ないと思う。そういう人を2桁は周りにつけられないと。
その人の個性を生かし、短所を補える人たちがどれだけ周りにいるのか。角さんがなぜあれだけ潰されてもキングメーカーであり続けたかといえば、官僚や自民党の中に、彼が長年かけて関係を築いたそういう人たちがいたからだ。
――野党の中にも、山本さんの味方になりそうな人は。
山ほどいる。それはよく知っている。これだけのスターが野党の中に生まれたのは、民主党が政権を取ったときから10年ぶり。あのときは鳩山さんがどこに行っても、今の太郎と同じくらい人が集まった。今の野党にはそのスターがいなくて苦しんでいる。国民と立民で新党作っても、民主党の焼き直し。太郎だったら、旧民主党と何のかかわりもなく、彼らの裏切りとも関係ない。なぜそれを使わないんだ、と思う。
4年以内に太郎が政権取れなかったら、永遠に総理にはなれないと思う。その4年先も選挙があると思っていたらダメだよ。どんどん選挙はやりにくくなっている。ずっと見ているから分かる。僕は「未必の故意による黙示的共謀」で公選法違反の有罪判決を受けた。政権にとって不都合な存在なら、いつでも誰でも共謀罪で逮捕できる。そんな時代になっちゃった。
実際には自由な選挙なんて、とっくになくなっている。今回の選挙まで、国政選挙で現職の国会議員を有する政治団体が、選挙本番まで諸派で扱われたことは、NHKも含めて、過去一度もなかった。田中康夫の新党にっぽんであろうが、荒井広幸の新党改革であろうが、選挙で2%取ったことがなくても、必ず党名で扱われた。5人の政党要件をクリアしたところと扱いの大きさは違っても、新聞でも、必ず党首の顔写真は出たし、政策も出た。それぐらいメディアが統制されたのは今回の参院選が初めてだった。
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/652.html#c2
26. 中川隆[-10478] koaQ7Jey 2019年10月29日 21:15:23 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2397]
内田樹の研究室
China Scare 2019-10-28
Foreign Affairs Report はアメリカの政策決定者たちの「本音」がかなり正直に語られているので、毎月興味深く読んでいるが、ここ一年ほどはアメリカの外交専門家の中に「中国恐怖(China Scare)」が強く浸透していることが実感される。
私が言いたいのは、アメリカ人は意外に「怖がり」だということである。
アメリカ人は久しくソ連を恐れていた。冷戦が終わった後はイスラムを恐れていた。そして、いまは中国を恐れている。
もちろん中国を恐れるには十分な理由がある。
最大の理由はAI軍拡競争において中国に後れを取っているのではないかという懸念が政府内部に広がっているからである。
中国では、党中央がある国防戦略を採択したら、命令一下全国民資源をその一点に集中できる。軍も企業も大学も党中央には逆らえない。だが、アメリカではそうはゆかない。政府が「国家的急務」とみなすプロジェクトがあったとしても、そこに民間の人材や資源を集中するためにはしかるべき手続きが要る。民主国家だから当然である。仮にグーグルやアマゾンに個人情報にかかわる企業秘密を政府に差し出せと言っても、おいそれとは聞いてもらえない。グローバル企業である兵器産業が自社利益を優先して(F35のような)不良在庫を軍に売りつけようとするのも止められない。
そして、本当のことを言うと、もうミサイルも空母も戦闘機も軍略的にはそれほどの緊急性がないのである。
AIが戦争概念を一変させた。
AIは人間よりも大量の情報を瞬時に判定できるので、リアルタイムで複雑な戦況で最適解を出す仕事には人間より適している。AIシステムは戦場でも人間より迅速かつ正確かつ組織的に移動することができる。一方、システム攪乱のためのディープフェイク技術も進化している。アメリカの兵器システムにサイバーセキュリティ上の抜け穴が存在し、「比較的単純なツールと技術」で、これを利用できることを2018年にアメリカ政府監査院が指摘した。
ミサイルや空母や戦闘機のような兵器の装備がいくら充実していても、それを統御するコンピュータシステムが攪乱されたら、戦争はできない。だから、ほんとうは戦闘機や空母を作る金があったら、サイバー・セキュリティの精度を高める方が優先するのである。ところが、アメリカではそれが遅れている。
この点では中国に明らかにアドバンテージがある。中国は独裁国家だから、AI技術の軍事転用に抵抗する勢力は国内にはいない。顔認証システムやカメラによる国民監視システムでは中国はすでに世界一である(パッケージしてシンガポールやアフリカの独裁国家に輸出しているほどである)。
遠からずアメリカはAI技術における相対優位を失うだろうとアメリカの軍事の専門家たちは警告している。
むろん、フーヴァーがそうであったように、「中国恐怖」は、この恐怖心を利用しておのれの利権や予算分配を拡大しようとするアクターたちの間の主導権争いをいくぶんかは反映している。だから、この恐怖心は戦術的に誇張されていると考えた方がいい。
だが、この恐怖心は日米同盟のチャンネルを通じて日本にはそのまま浸透してきた。
この「中国恐怖」にまず日本の政官財のトップが感染した。なにしろこれは米軍上層部から「ここだけの話」と耳打ちされた極秘情報である。「ここだけの話」というタグをつけた話はあっという間に広まる。「中国はアメリカにAI 軍拡競争で優位に立っているらしい」という話は官邸に近い、首相と飯を食うジャーナリストたちを通じてメディアの現場に伝わり、それによってたちまち対中国の論調が一変した。
それが「嫌中言説」の抑制の背景にあると私は見ている。
トランプ大統領が仕掛けた米中貿易摩擦もアメリカの科学技術の移転への恐怖に駆動されている。アメリカにとって中国はすでに「嫌いな相手」ではなくて、「怖い相手」になっているのである。その恐怖心が日本のメディアに感染して、気がついたら「嫌中言説」がかき消えていた。別に日中関係が好転したわけではない。
ここまではどなたでも納得して頂けると思う。だが、私が恐れているのはそのことではない。それよりは、中国モデルを模倣しようとしている国が世界中に生まれつつあるということの方である。中央統制を組み合わせた「チャイナ・モデル」の劇的成功を羨む人たちは民主国家よりも強権国家の方が巨視的アプローチを効果的に採択できると信じ始めている。
安倍政権は、無意識的にではあるけれども、中国の強権政治に憧れに近い感情を持っている。彼が目指している「改憲」なるものは要するに単なる「非民主化」のことである。それと市場経済を組み合わせたら、中国やシンガポールのような劇的な成功が起きるのではないかと官邸周りの人々は本気で信じているのである。本気で。
そして、指導層の抱いている「日本も中国化することが望ましい」というアイディアに日本国民の多くはすでに無意識のうちに同意し始めている。「現に中国はそれで成功した」と知っているからである。そして、「成功者を批判することは誰にも許されない」という奴隷根性を深く内面化しているからである。
http://blog.tatsuru.com/2019/10/28_0831.html
99. 中川隆[-10477] koaQ7Jey 2019年10月29日 21:39:05 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2398]
戦前の話だけど、山本宣治という男がいた(38歳で初当選し、39歳で暗殺)。誰が彼を殺したか。石井紘基(民主党、2002年刺殺)のときもそうだけど、どこの誰だか分からない人間が殺すわけですよ。何らかの情報がなければ不可能なんです。僕はそういう歴史を見てきている。
社民連という小さな政党の事務局長をやっていたのが、まだ選挙に出る前の石井だった。僕は親しかったから、あいつが殺されたときは衝撃を受けた。彼は国家の闇、国家予算をはるかに上回る特別会計の闇を追及し始めたところで殺された。確かに、SPがいるところで殺されることはないだろうけど、でもそこから情報が抜けることも当然、覚悟しなくてはいけない。
http://www.asyura2.com/19/senkyo266/msg/842.html
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/296.html#c99
19. 中川隆[-10476] koaQ7Jey 2019年10月29日 21:39:44 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2399]
戦前の話だけど、山本宣治という男がいた(38歳で初当選し、39歳で暗殺)。誰が彼を殺したか。石井紘基(民主党、2002年刺殺)のときもそうだけど、どこの誰だか分からない人間が殺すわけですよ。何らかの情報がなければ不可能なんです。僕はそういう歴史を見てきている。
社民連という小さな政党の事務局長をやっていたのが、まだ選挙に出る前の石井だった。僕は親しかったから、あいつが殺されたときは衝撃を受けた。彼は国家の闇、国家予算をはるかに上回る特別会計の闇を追及し始めたところで殺された。確かに、SPがいるところで殺されることはないだろうけど、でもそこから情報が抜けることも当然、覚悟しなくてはいけない。
http://www.asyura2.com/19/senkyo266/msg/842.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/542.html#c19
20. 中川隆[-10475] koaQ7Jey 2019年10月29日 21:42:50 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2400]
山本太郎は6年前の参院選のときは、防弾チョッキは手に入らなくて、防刃チョッキを着て(選挙運動を)やっていた。彼の場合はその主張からして、命を狙われる危険も感じたわけですよ。カミソリの刃が送られてきたりして、大変だった。僕は、「こいつは命をなくしてもやる、という覚悟で出たんだな」と感じた。
彼は大臣や総理になっても、よっぽどのことがないとSP(警護官)は付けないんじゃないかと思う。ある意味、SPはその人の情報を全部把握しちゃう。
確かに、SPがいるところで殺されることはないだろうけど、でもそこから情報が抜けることも当然、覚悟しなくてはいけない。
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/542.html#c20
100. 中川隆[-10474] koaQ7Jey 2019年10月29日 21:43:17 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2401]
山本太郎は6年前の参院選のときは、防弾チョッキは手に入らなくて、防刃チョッキを着て(選挙運動を)やっていた。彼の場合はその主張からして、命を狙われる危険も感じたわけですよ。カミソリの刃が送られてきたりして、大変だった。僕は、「こいつは命をなくしてもやる、という覚悟で出たんだな」と感じた。
彼は大臣や総理になっても、よっぽどのことがないとSP(警護官)は付けないんじゃないかと思う。ある意味、SPはその人の情報を全部把握しちゃう。
確かに、SPがいるところで殺されることはないだろうけど、でもそこから情報が抜けることも当然、覚悟しなくてはいけない。
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/296.html#c100
65. 中川隆[-10473] koaQ7Jey 2019年10月30日 05:28:05 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2402]
かつて「赤恐怖(Red Scare)」といわれる現象があった。1950年代のマッカーシズムのことはよく知られているけれど、1910年代の「赤恐怖」についてはそれほど知られていない。
1917年にロシア革命が起きると、アメリカでもアナーキストたちによる武装闘争が始まった。1919年の同時多発爆弾テロでは、パーマー司法長官の自宅まで爆破された。政府はこれによって「武装蜂起は近い」という心証を形成した。
いま聞くと「バカバカしい」と思えるだろうけれど、その二年前、まさかそんなところで共産主義革命が起きるはずがないと思われていたロシアでロマノフ王朝があっという間に瓦解したのである。未来は霧の中である。アメリカでだって何が起きるかわからない。
なにしろ、1870年代の「金ぴか時代」から後、アメリカ政治はその腐敗の極にあり、資本家たちの収奪ぶりもまた非人道的なものであったからだ。レーニンは一九一八年八月に「アメリカの労働者たちへの手紙」の中で、「立ち上がれ、武器をとれ」と獅子吼し、一九一九年三月には、世界37ヵ国の労働者組織の代表者たちがモスクワに結集して、コミンテルンの指導下に世界革命に邁進することを誓言していたのである。
十月革命時点でのロシア国内のボルシェヴィキの実数は十万人。一九一九年にアメリカ国内には確信的な過激派が六万人いた。そう聞けば、アメリカのブルジョワたちが「革命近し」という恐怖心に捉えられたことに不思議はない。
19年に制定された法律では、マルクス主義者も、アナーキストも、組合活動家も、司法省が「反アメリカ的」と判定すれば、市民権をまだ取得していないものは国外追放、市民権を取得しているものはただちに収監されることになった。この仕事を遂行するために司法省内に「赤狩り(Red Hunt)」に特化したセクションが設立された。パーマーがその任を委ねたのが、若きJ・エドガー・フーヴァーである。
そのフーヴァーは革命組織が一九二〇年五月一日に全米で一斉蜂起するという不確実な情報をパーマーに上げた。フーヴァーは、取り調べをした活動家たちが彼らの機関紙に書き散らしていた過激な言葉(「抗議ストから始まり、それを政治スト、さらには革命的大衆行動に拡大して、最終的に国家権力を奪取する」)にいうほどの政治的実力などないことを知りながら、パーマーに武装蜂起が切迫しているという恐怖を吹き込み、それによって自分のセクションへの予算配分と政府部内でのキャリア形成をはかったのである。
フーヴァーのささやきを信じたパーマーは五月一日に、ニューヨーク、ワシントンDC、フィラデルフィア、シカゴなど全米大都市の全公共施設と要人たちの私邸に警察官を総動員して厳戒態勢を命じた。だが、何も起こらなかった。全国の新聞はパーマーの「五月革命」を嘲笑し、ウッドロー・ウィルソンの次のホワイトハウス入りを有力視されていたパーマーはこの壮大な空振りで政治生命を失ったのだが、それはまた別の話。
私が言いたいのは、アメリカ人は意外に「怖がり」だということである。
アメリカ人は久しくソ連を恐れていた。冷戦が終わった後はイスラムを恐れていた。そして、いまは中国を恐れている。
http://blog.tatsuru.com/2019/10/28_0831.html
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/321.html#c65
4. 中川隆[-10472] koaQ7Jey 2019年10月30日 05:37:21 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2403]
富士吉田口 登山ルートマップ
https://i.imgur.com/Wq2J0sr.jpg
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c4
5. 中川隆[-10471] koaQ7Jey 2019年10月30日 06:16:29 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2404]
【冬富士登山 厳冬期】生死の境界線 元旦に冬富士山頂を目指す人 2015/08/07
http://fujisan.rash.jp/fuyufuji/talk1.html
昨今、登山用品のレンタルサービス充実し、低予算で安心して借りられるようになってきています。装備をすべて購入するのに比べて費用は約1/3以下、重要装備の登山用レインウェアは2500円〜、登山靴は3500円〜で1泊2日レンタル可能です。そこで、最近の富士登山のレンタル事情、レンタルする前に知っておきたいこと、大手レンタル会社の特徴・内容・価格について調査し、記事にまとめました。
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http://fujisan.rash.jp/rental-info.html
夏には数十万人もの登山者が山頂を目指す富士山。
多くの人々が美しく雄大な日本を象徴する山で感動していることでしょう。
しっかりとした事前準備、約10時間の運動に耐えられる体力、服装、装備があれば初心者でも登頂しやすい夏の富士山ですが、冬になると毎年死者を出すほどその様子は一変します。
冬富士は見るには美しいですが、登山においては「白い魔境」、「恐怖の雪山」、「難易度はエベレスト級」などと呼ばれています。
今回、2005年から2012年にかけて厳冬期の元旦の冬富士登山に挑戦し続けていいるSさんから非常に生々しい体験談を聞くことができました。
対談を終えて、冬富士は、安易な挑戦はせず、挑戦するならそれ相応の準備と覚悟を持って挑むべき山であると深く感じました。
対談の衝撃的な内容
突風は上のほうからゴーーー!と鳴りながら、下りてきます
冬富士の氷・アイスバーンはカッチカチで耐風姿勢のとりようが無い
突風で飛ばされて斜度45度くらいのアイスバーンを滑落!「ああ、死んだ」と思った。
数百メートルくらい離れた右側でドドーンと雪崩が起きた
上のほうからものすごい勢いでおじさんが滑落してきて横を通り過ぎていった
対談者自己紹介
元旦冬富士登山家のSさん
登山・登攀のエキスパート Sさん
アルパインクライミング(普通の人はまず登らない崖みたいなところを登る)を得意とする
登山経歴 マッキンリー(6,194m、北米大陸の最高峰)
マッターホルン(4,478m、スイス・イタリア国境)
モンブラン(4,810m、フランス・イタリア国境)
天山山脈(5000m〜8000m級、中国 新疆ウイグル自治区)
南アルプス(2000〜3000m級、日本)
北アルプス(2000〜3000m級、日本)
八ヶ岳(2000m級、日本)
谷川岳(2000m級、日本)
その他多数
特長数々の死線を越えているため、冷静沈着
登山の知識、技術力、経験共に計り知れないレベル。もはや生きる登山辞典
Sさんの言葉 なぜ冬富士に登るのですか?「楽しいからですよ。登るの面白いですね。」
「死ぬか生きるかの境界線はすごく面白い」(何が何でも生きていてください!by M・T)
「自然には勝てません」
「引き際の判断が難しい。かといって、謙虚すぎても前進できません」
「雪崩の危険があるところに行くと雪崩ますね」(雪崩で3度も自力&他力で脱出した経験より)
冬の富士山を無事登頂!鳥居の前で
当サイト管理人 M・T (2012/05/24 富士山の山頂の鳥居前で)
登山経歴 主に八ヶ岳、谷川岳、アルプス、丹沢など出没。Sさんから比べると完全に初心者レベル
特長 のんびりした登山を得意とする。
どちらかというと、夏山よりも冬山好き
アイスクライミングで10mくらい登ると足がプルプル痙攣する
登山仲間からはよく「行動食が多すぎない?」と言われて、「いやいや、非常用も兼ねてるから」と回答する。
登山中に行動食を食いすぎなのか、下山後は体重が増える。
アウトドアが好きだが、虫がきらい。特にヤマビルは存在が気持ち悪い
蜂が大の苦手で、蜂に遭遇すると全速力で逃げ出す。
M・T 今日は厳冬期である元旦の冬富士登山についてお話していただけるということですが、よろしくお願いします。
Sさん よろしくお願いします。
M・T 簡単に登山経歴を教えていただけますか?
Sさん 日本の山だと、夏と冬の富士山や谷川岳、厳冬期の北アルプス縦走など登ってます。
M・T それは、すごいですね。
Sさん 海外の山だと、初めて登ったのはマッキンリー(6,194m、北米大陸の最高峰)、マッターホルン(4,478m、スイス・イタリア国境)とかモンブラン(4,810m、フランス・イタリア国境)や新疆ウイグル自治区(しんきょうウイグルじちく)の5000mとか8000mちょうどくらいの山を登りました。
M・T もはや私には想像つかない異次元の世界ですね(^_^;)すご過ぎます。冬富士には何度登られたんですか?
Sさん ここ8年連続で1月に登っています。そのほとんどが元旦ご来光登山です。
M・T すべて登頂されたんですか?
Sさん 初年度だけ、途中下山しましたが、それ以後の7回は無事に登頂できています。
M・T 初年度はなぜ途中下山したんですか?
Sさん 初めての冬富士だったのですが、完全になめてましたね。冬期北アルプス縦走したし、大丈夫だろうと挑んだのですが見事にはね返されました。
M・T 何に、はね返されたんですか?
Sさん 斜面の氷ですね。アイスバーンがやばかったんです。
厳冬期の冬富士の難易度
M・T 登山のエキスパートのSさんですが、冬富士の難易度はどの程度なんでしょうか?
Sさん 時期にもよりますが、厳冬期の1〜2月の富士登山の難易度は七大大陸最高峰(マッキンリー、キリマンジャロなど)の夏の気候が安定した時期より難しいか同じくらいです。
M・T えっそうんなんですか?
Sさん マッキンリーにしても夏であれば、スキーはいて登れるんですよ。もちろん、クレバス落下防止や高所技術や時間はかかりますけど、クレバスに落ちないように登っていけば行けちゃいます。寒いですけどね。上のほういけば-45℃とか普通ですけど。
M・T やばいじゃないですか!
Sさん アイゼン付けるかもしくはスキー履いて登れば行けるんですよ。ただ、冬富士はそんなものの比ではないんですよ。何より冬富士はアイスバーンがやばくて、風がつよいんですよ。年平均で風速10mぐらいですから。そして冬富士は気圧が20hpa程度低いので3776mの標高でも実質4000m級の標高になります。
※補足解説)
アイゼン(別名クランポン)とは、登山靴の靴底に装着する金属の爪のことです。
積雪期の富士山レベルであれば、12本爪を使うのが妥当でしょう。
因みに、私は
PETZL LYNX(ペツル リンクス)
https://search.rakuten.co.jp/search/mall/PETZL+LYNX/?v=2&scid=af_pc_link_urltxt&sc2id=af_101_0_0
というアイゼンを使用し登頂しました。
冬富士の風
富士山の4つの登山ルート
M・T 厳冬期の富士山の風はどんな感じですか?
Sさん とにかく、冬の富士山は強烈な風が吹きます。だいたい風速10m(時速で36km)くらいですかね。基本的に、冬型の気圧配置になると北西風が吹きます。場合によっては西風、南西風になります。とにかく風がどの方角から吹くのかは非常に重要で、登山前に確認が必須です。
M・T なるほど。
Sさん
北西風が吹いて、御殿場口から登った場合は富士山の山頂を挟んで、ちょうど反対側から登ることになりますので、風が穏やかになります。ただ、頂上に近づくと回り込んだ風が吹いて突風となり、体が浮くほどの突風の場合もあります。突風は上のほうからゴーーー!と鳴りながら、下りてきます。雪あれば雪煙で見てわかります。
M・T 体が浮くほどの風ですか!
Sさん しかも山頂近くになると斜度45度くらいのカッチカチの氷でできたアイスバーンですから、耐風姿勢をとっても体が突風に持っていかれることもあります。
M・T う〜ん、こわいこわい。
Sさん あと、2008年か2009年の元旦に登ったときですね。異常気象だったんですよ。めちゃくちゃ雪が多くて、海からの南西の風が吹いていて、すごく湿った強風だったんですよ。御殿場口から登ると風にめちゃくちゃあたりますから、服がバリバリ凍ってきて自分が海老の尻尾みたいにバリバリに凍った感じですね。
M・T 南からの風は凍傷の危険性とそもそも横風を思いっきりくらうので危険なんですね。
冬富士の氷・アイスバーン
M・T 冬富士の氷・アイスバーンはどうなんですか?
Sさん アイスバーンはガッチガチに凍って、アイゼンの刃がまったく刺さりません。そして風で飛ばされそうになって滑りそうになって耐風姿勢をとりたいのですが、そうすると滑って滑落しそうになるので、耐風姿勢のとりようが無いんです。
M・T えっそれじゃどうするんですか?
Sさん どうしようも無いので、そうなる前に逃げるしかないです。石垣の陰とかに隠れるか、それができないなら覚悟を決めてガッて耐風姿勢をとるしかないです。
M・T 少し思ってのですが、そもそも通常のピッケルではなくて、アイスクライミング用のアイスアックスを使ったら良いんじゃないですかね?
※補足解説)
ピッケルとは積雪期の登山に使う”つるはし”のような形の道具です。
雪山登山中の杖として、万が一滑落したときに止まるための道具として使います。
因みに私は、
GRIVEL(グリベル)ネパールSA・プラス
https://www.amazon.co.jp/s?k=GRIVEL+%E3%83%8D%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%ABSA%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%B9&i=sporting&_encoding=UTF8&camp=247&creative=7399&linkCode=ur2&tag=fujisanlife-22
を愛用しています。
Sさん う〜ん、何度か叩けば刺さると思いますが、冬富士の氷はアイスクライミングの氷よりは固いですね。冬富士の氷は密度が高いですから。
※補足解説) アイスクライミング用のアックスとは、氷壁を登るときに使う鎌みたいな道具です。
PETZL QUARK(ペツル クォーク)
https://www.amazon.co.jp/s?k=PETZL+%E3%82%AF%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%AF&_encoding=UTF8&camp=247&creative=7399&linkCode=ur2&tag=fujisanlife-22
や
PETZL NOMIC(ペツル ノミック)
https://www.amazon.co.jp/s?k=PETZL+NOMIC&_encoding=UTF8&camp=247&creative=7399&linkCode=ur2&tag=fujisanlife-22
あたりが、アイスクライマーに人気です(^-^)
M・T そうなるとぜんぜん登れないのでは?
Sさん アイスバーンにも柔らかいアイスバーンもあるので、そこを狙って登ります。固いアイスバーンは何やってもダメなんで、柔らかいアイスバーンを狙ってガッとアイゼンをある程度刺して進みます。
M・T 固いアイスバーンと、柔らかいアイスバーンをどうやって見分けるんですか?
Sさん だいたい見ればわかります。目で見て色が違うんですよ。簡単に言うと、冷蔵庫の霜のような白く濁った色の氷や、完全に透き通っている氷が固いアイスバーンです。柔らかい氷は白色なんですが、なんか盛り上がっているんです。それが沢みたいな感じになっているので、そこを狙って登ります。
M・T へ〜、そうなんですね。
Sさん アイスバーンのでき方もいろいろありますからね。風でできたり、雨でできたり、日光でできたりしますから。日光でできた氷は日光で雪の表面が溶けて凍ったものなので、氷のしたはふかふかの雪ですからたいしたことありませんが、風でできた氷はやばいですね。
M・T そんなに風でできたアイスバーンはやばいんですか?
Sさん 何回も雪が降って雪の重みで固くなるじゃないですか。風が強いんで上の雪が吹き飛ばされて下の硬い部分が表に出てきます。その固い雪がどんどん強風で磨かれたり圧雪されて、どんどん固くい氷になるんです。その氷はやばいです。まるで表面がボコボコしたスケートリンクです。
M・T スケートリンクですか。。。
Sさん アイゼンを蹴りこまないと刺さりません。ただ足を乗せるだけではキシッと音が鳴るだけでぜんぜん刺さりません。そもそも蹴りこんでも刺さんないくらい固い氷ですから。
M・T それはやばいですね(^_^;)
Sさん そんな氷でできた斜度45度のアイスバーンの上を風速10m以上、場合によっては20mくらいの状況で登るのは無理なので、ゼッタイに近づいてはいけません。吹き溜まりや氷のもろいところを狙って進まねばなりません。
M・T すべて固いアイスバーンのときはどうするんですか?
Sさん 気象条件によってはありえるのですが、その時はもう富士山を登れません。たとえ何とか登ったとしても、下りが非常に危険です。
M・T 確かに、上りより下りの方が難しいですからね。
Sさん あと5、6月になると温かいので雨が降るんですよ。それが深夜に凍ってアイスバーンになるのですが、それも氷の密度が高くキケンです。あと4月、5月はとても積雪が2〜3mと多いんですよ。鳥居が触れちゃいますよ。そうなると氷が雪で埋まるので、わりとフツーの冬山登山になります。
冬富士の雪崩
Sさん
富士山で起こる雪崩には、大規模な「スラッシュ雪崩(底雪崩)」と人為的に起きやすい「表層雪崩(新雪雪崩)」があります。スラッシュ雪崩は巨大な雪崩で、平成16年12月5日に富士スバルライン土砂災害は山頂付近で発生したスラッシュとなり雪の無い斜面を数キロ下り自動車数台を巻き込んだようです。
表層雪崩
「表層雪崩」のメカニズムとは? 気象予報士解説(12-02-02) - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=4i1zG1nDzes
スラッシュ雪崩
スラッシュ雪崩を見たい方は平成19年3月25日撮影された映像をご覧ください
http://fujisan.rash.jp/fuyufuji/talk1.html
M・T スラッシュ雪崩はすごいですね。こんなの食らったら一瞬で死にますね。雪崩の起きやすい時期があるんですか?
Sさん 積雪のある時期は雪崩が起こりえます。雪崩れる場所は季節によって決まっているんですよ。だいたい富士山の東側にある須走口の方は雪崩やすいですね。障害物が何も無いですから。表層雪崩はほとんど人が人為的に発生しますね。スラッシュ雪崩は根こそぎですね。富士山は活火山ですから地面が温かいです。それで地面側から雪が溶けて弱層になるので、ドドーンと巨大な雪崩が起きます。
M・T なるほど、そういう原理でスラッシュ雪崩が起きるんですね。とてもわかりやすいです。
Sさん スラッシュ雪崩が起きやすいのがゴールデンウィークくらいですね。
M・T ゴールデンウィークは登山者が多くなる時期ですよね。
Sさん 5合目くらいまでは雪崩が起き難いですが、6合目、7合目くらいの東斜面は雪崩やすいです。
冬富士の登山ルート
M・T いつも登られるルートはどこですか?
Sさん 御殿場口ルートを登ります。5合5勺くらいから、測候所の人が使っていた安全柵を呼ばれる鉄柵(無人化に伴い撤去中のようです)が頂上の測候所まで続いるので、それに並行する感じで登っていきます。測候所の人の通勤ルートですね。8合目からは避難所と呼ばれる石垣の囲い(風除け)が5ヶ所あるので、それを利用しながら登ります。
M・T 他にもルートがありますが、なぜ御殿場ルートなのですか?
Sさん 基本的に冬場は北西から風が吹きますから、南東から登る御殿場ルートは比較的風が穏やかになります。北西風の強風の中、吉田口から登ると右側から、富士宮から登ると左側から強風が吹いてきて凍傷確実ですし、常時風速10mくらいある中で、アイスバーンはこけて滑落します。吉田口は雪崩が起きるのでまず無理です。
M・T そうなると、厳冬期の富士登山は御殿場からのみになりますね。過去登ったのはすべて御殿場ルートですか?
Sさん そうです。他のルートは恐くて登れません。
M・T Sさんが恐いというくらいなら、厳冬期の富士登山するなら御殿場ルートしかないですね。
冬富士登山のタイムスケジュール
M・T いつも元旦に富士山登るときのタイムスケジュールはどうなんですか?
Sさん 31日に前泊して1日に登り始めます。31日には御殿場ルートの0合目に車を置いて、6、7合目くらいにある測候所の避難小屋の裏にテントを張って、早朝1時から上り始めます。
M・T 朝早いですね。朝は何度くらいなんですかね?
Sさん う〜ん、たぶん−15℃くらいじゃないですかね。テントでは、シュラフなしの防寒着とザックで寝ます。
M・T −15℃でシュラフなしって、もはや変態ですね。たぶん普通の人は耐えられないですよ。
Sさん はっはっはっ。そうですね。日の出には山頂からご来光を眺めています。下山はテント立てた場所まで2時間弱で下山します。下山のときは、斜面が緩んできたところからファンスキーで下りることもあります。
M・T お鉢めぐりはするんですか?
Sさん 天候次第ですね。行ける時はいきます。ただ、山頂はめちゃくちゃ風が強いんですよ。富士山の火口に風が巻いちゃうので、いろんな方向から強烈な風が吹いてきます。
M・T なるほど。
Sさん 冬の富士登山は、本当に難しいですからね。何より事前の気象情報の確認が非常に重要です。気象情報がわからないと行くのかやめるのか、判断できません。風が南風ならやめた方がいいですしね。
実際にあった事故・アクシデント
M・T 過去何度も厳冬期の冬富士に登られていますが、危険な状況になったこと、アクシデントなどありましたか?
Sさん 2008年か2009年の元旦に登ったときですね。異常気象だったんですよ。めちゃくちゃ雪が多くて、海からの南西の風が吹いていて、すごく湿った強風だったんですよ。御殿場口から登ると風にめちゃくちゃあたりますから、服がバリバリ凍ってきて自分が海老の尻尾みたいにバリバリに凍った感じですね。
M・T それはヤバイですね(^_^;)
Sさん 左後ろくらいから吹いてきたんですけど、なぜか前からも強風が吹いてきたんですよね。たぶん風が巻いてるんでしょうね。それでヤバイと思って耐風姿勢をとったんですが、ドーンと風に飛ばされて9合目くらいからバーンと滑ってしまいました。
M・T えーーーーー!!!!滑ったんですか!!!
Sさん うわーっと体がもっていかれて、滑ったときは「ああ、死んだ」と思いましたね。
M・T よく生きてましたね(^_^;)
Sさん
氷の斜面を滑落して、クルッと回って、すぐにピッケルで氷を刺しました。が、ガガガガッと固い氷にはじかれて、ビヤーとそのまま落ちていきました。
雪山・冬山の滑落停止技術 in 冬富士
雪山・冬山の滑落停止技術 登山ガイド 野中径隆 - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=03sJJTxbq30
富士山登山ガイド 野中径隆
https://michi3.com/
M・T ひえ〜〜〜〜!
Sさん ピッケルが刺さらずにしばらく滑り落ちていたら、途中で氷が柔らかくなっていたのか、ピッケルがガクン!!!と刺さってムクッと起き上がることができました。
M・T 9合目付近から何メートルくらい滑落したんですか?
Sさん たぶん50mくらいの滑落だと思いますよ。でもあんまり覚えてないんですよ。滑落停止も条件反射ですからね。逆に条件反射でできないとヤバイですから。何年も前から本格的な滑落停止の訓練はしていますから。
M・T 滑落した後は下山したんですか?
Sさん そのまま登って登頂しました。
M・T ご無事でなによりです。それ以外にもなにかアクシデントはありましたか?
Sさん 富士山の突風で吹っ飛ばされるのは良くあるんですけどね。滑落も良くあります、体重が軽いので。あと数百メートルくらい離れた右側でドドーンと雪崩が起きたりとか。あと、休憩していたら遠くのほうで人が滑落していたりだとか、上のほうからものすごい勢いでおじさんが落っこちてきて横を通り過ぎていったりとか。結構ありますよ。
M・T えーーおじさんが落っこちてきたんですか!!!そのおじさんはどうなったんですか?
Sさん 少しはなれたところをすごい勢いで落ちて来ていました。かなりの距離は落ちてましたが、生きてはいたようです。
M・T そうですか。それは良かったですね。
Sさん 滑落すると、岩とかに激突して骨折したり、最悪激突死します。富士山の上の方は氷ですけど、綺麗な氷ではなくて所々岩が出ています。滑落すると、ピンボールみたいにボンッ!ボンッ!と激突しながら落ちていきます。
M・T うわっ(^_^;)
Sさん 滑落中に骨に当たれば折れますし、背骨に当たればそれで終わりですし、頭に当たれば即死です。そういうのを滑落死というのですが、ほとんどが滑落中に亡くなります。基本的にアイゼンが刺さらないような氷の斜面では、ピッケルも刺さらないですから。ヘルメットもこけた衝撃でハーネスごと切れてしまうこともあります。
M・T 冬富士はヤバイですね。
Sさん 厳冬期の冬富士が、七大大陸最高峰(マッキンリー、キリマンジャロなど)の夏の気候が安定した時期より技術レベル難しいと言ったのはそういう背景があるからです。
M・T ・・・。
Sさん 冬富士を登るには、突風に耐えられないといけないですし(耐えても体が浮いて飛ぶときもありますが)、滑落事故は上りよりも下りで起きます。上りはまだ元気ですし、気を張っています。しかし、下るときは疲労もありますし、そもそも氷の斜面を下るのは上りの倍以上難易度が高いです。下りの滑落は、しりもちついてそのままザーー!っと落ちる感じです。
M・T こわいですね。
Sさん 一瞬の油断が命取りです。
※※※猛スピードで滑落する60歳男性(衝撃映像です・・・)※※※
(撮影:アメリカ海兵、事故発生日:2011/12/10)
Mt. Fuji Rescue Sasebo Sailors Spring Into Action - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=64ekKwRIXHQ
・10日、上部の尾根から日本人男性(60)が滑落していくのを、登頂を断念して周囲を撮影中だった佐世保所属の米国海軍3名が山頂直下100m内の地点 で確認。(注:記事では山頂近くにいたとあるが、ビデオによると須走口8合5勺御来光館付近で、須走口(9合目鳥居)南側の沢を滑落していくのを確認した ように見える)
・3名は下降。途中救助具を所持する日本人登山者らに出会う。滑落確認30分後に滑落者に追いつき、ヘリを呼ぶが、3000m以上にヘリが飛べないとの回答。
・Baughman(36)は高山病になりかかっていた仲間2名を下山させ、日本人登山者らと共に男性を寝袋に入れて3000m以下に下降後、再度ヘリを呼ぶが、気象条件が悪く、当日は来ず。アイスアックスで掘って山小屋を開け、中に入れ、火を炊いた(床が焼けた)。
・翌日朝8時、ヘリが来て下山。滑落した日本人男性は骨折と凍傷で全治6ヶ月。
・Baughmanは翌日、車の鍵が入ったバッグを取りにホテルから入山地点まで戻った勢いで登頂した。 (海軍兵の記事はこちら)
冬富士登山ならでは準備
M・T 冬富士ならではの準備はありますか?
Sさん アイゼンとピッケルの歯はやすりで研ぎますね。じゃないと刺さらないですからね。まあ、研いでも刺さらないんですが、願掛けみたいなもんです。
M・T 他には何かありますか?
Sさん それと水と食料ですね。水は2リットルは持っていきます。とにかく寒いので、自分自身で熱エネルギーを作り出すしかありませんから、お菓子もいっぱい持っていきます。避難小屋の影や石垣で風があたりにくい場所で食べたりします。
M・T 2リットルの水はすべて魔法瓶に入れるんですか?
Sさん いいえ、魔法瓶とボトルに入れてもって行きます。水筒に入れたのは凍ってしまうので、お湯をたしてバーナーで溶かします。熱湯を魔法瓶に1リットル、残り1リットルは普通の水筒にいれます。私の場合は行動中は1リットルでだいたいたりますので、残り1リットルは予備です。
M・T そうなると、バーナーはもって行くんですね。
Sさん バーナー(ガス缶はプロパン)は必ずもって行きます。ただ、風が強いので使うときにはツェルトをかぶって使います。あぐらかくなり体育座りするなりして、股の間でバーナーを使います。ついでに暖もとれますしね。
M・T 因みにツェルトは何使っているんですか?
Sさん 私はアライテントのツェルトですね。まあ、ツェルトなら何でも良いと思うのですが、冬富士登山の場合は、あまり大きいのは風でバタついて保温効果が低下するので、小さくコンパクトにたためる アライテント ビバーク・ツェルトスーパーライト がいいかもしれません。ツェルトは冬富士では必須の持ち物ですが、夏の富士登山でも必要だと思います。
M・T 夏の富士登山でもツェルトは必須ですか?
Sさん 夏でも必須ですね。ツェルトに包まるだけでぜんぜん違いますから。極端な話、夏ならツェルトかぶっていればその辺でゴロンとなって寝れますから。女性なら中で着替えとかもできるでしょうし。
M・T たしかに、特に山頂でご来光を見る人にはあった方がいいですよね。因みにザックは何リットルですか?
Sさん 35リットルですね。あまり重いのは負担なので、それで十分です。
冬富士登山中の行動食・休憩
M・T 登山中は何を食べてるんですか?
Sさん だいたい羊羹を食べてますね。あと、登山中はほとんど休憩しません。
なぜ、冬富士に登るのですか
M・T とても根本的な質問で、もしかしたら愚問かもしれませんが、なぜ厳冬期の冬富士に登るのですか?
Sさん それは楽しいからですよ。登るの面白いですね。
M・T そんな危ないのに楽しいんですか?
Sさん 変な言い方かもしれないですけど、死ぬか生きるかの境界線はすごく面白いんですよ。ここで転んだら死ぬな、とか突風で弾き飛ばされて滑落しそうになって助かったときなんて、僕はめっちゃ笑顔になってますよ(^-^) ヤベー(^-^)みたいな感じで。あとまあ、完全に実力で登れるか登れないかなので、登れると自分に自身が持てますよね。
M・T たしかに、それだけ冬富士は危険で難しいですからね。
Sさん ある程度、道具だ服装だってありますけど、結局、自分の足で歩いて自分の技量でどうにかするんで、明確に自分がどれくらいできるかわかるのが面白いですね。
M・T そうなんですね。
Sさん 調子に乗ると失敗するんですけどね。自然には勝てませんから。どんなに万全に準備しても、天候が悪ければ失敗しますから。調子に乗らない程度に調子に乗るとちょうどいいですね。
M・T えっ!?
Sさん 謙虚に調子に乗るってことですね。はっはっはっ。引き際を間違えなければ、無茶していいみたいな。まあ、引き際の判断が難しいんですけどね。かといって、謙虚すぎても前進できませんから。
M・T
確かに、引き際が難しそうですね。せっかく着たからには登頂したいという思いもある中で下山するというのはとても勇気がいることだと思いますし、私自身も冬山登山者としてそうありたいと強く思います。
今日は本当に厳冬期の冬富士登山に体験談を聞かせていただきありがとうございました。きっと、今日お話頂いた内容は冬富士に関心のある方が賢明なる判断をする上で非常に役立つと思います。Sさんが今後も無事に登山を楽しめるよう心より願っています。
お役立ち映像 イッテQ!内村が真冬の富士山に挑む
2009年12月08日にウッチャンナンチャンの内村さんが、多数のガイドのサポートを受けて富士山の富士吉田ルートから2泊3日の行程で無事登頂しました。
動画はこちら ⇒ http://www.tudou.com/programs/view/Uvnq2vVqQaI
(冬富士登山の映像は110分ごろから始まります)
無事に登頂できて、よかったですね。(まあ、最後の方は先行するガイドにロープで引っ張られていますが。。。)
あと、内村さんが着ているウェアーとザックとテントがモンベルのでしたね。
このTVの登山の約1週間後、元F1ドライバーの片山右京さんを含むパーティーが遭難し、2名の方が亡くなられました。
ご報告
2012/05/24に、当サイト管理人が積雪期の富士山を無事登頂することができました。
8合目付近 ( 2012/05/24 07:09 )
積雪期5月の九合目到着 - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=II0u9rEpQbs
九合目の山小屋に到着! ( 2012/05/24 7:21 ) 撮影者(登山ガイド野中径隆)
冬の富士山山頂
雪に埋まった富士山頂上浅間大社奥宮 付近から ( 2012/05/24 09:53 )
夏の富士登山に何度も挑戦し、冬の高山で雪上訓練、雪山の登山技術の向上に励み友人と共に3度目の挑戦で無事登頂できました!
本当にうれしくて、雪山の中でも難易度の高い、ある意味命がけの積雪期の富士山登山の経験と山頂で撮影した写真は、私の人生の宝です。
ただ、当日に富士山頂付近で外国人の遭難者に会い、また友人の支持のもとで救助活動をおこないました。
初めての遭難者救助だったことと、救助者の命がかかっていること、そもそも少なからず自分の命を危険にさらす行為でもあったため、数時間にわたり非常に強い緊張感をしいられました。
遭難者を新7合目の山小屋前で無事に山岳救助隊に引き渡したときは、本当に安心しました。
そして、下山後の疲労感は今も忘れられません。
ただ、その数日後にわかったことですが、行方不明となっていた遭難者の仲間が滑落死していたことは、なんともいえない、とても苦い記憶となっています。
天候にもよりますが、積雪期の富士登山は本当に危険です。
死が近いです。
もし、このページをみて冬富士に挑戦したいと考えている方がいましたら、ぜひ、このページを何度も読み返すと同時に、こちらの登山記録にも目を通していただきたいと思います。
チェコ人・スロバキア人の富士山遭難事故 2012/05/24
http://fujisan.rash.jp/2012/05/120524-1.html
多くの方々が、事故なく安全に登山を楽しめることを願って・・・
M・T
http://fujisan.rash.jp/fuyufuji/talk1.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c5
6. 中川隆[-10470] koaQ7Jey 2019年10月30日 06:43:25 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2405]
富士山で不明のスロバキア人男性、遺体で発見 2012年6月15日
富士山 宝永山火口斜面 滑落 脳損傷 死亡
御殿場署は十四日、富士山で行方が分からなくなっていたスロバキア人男性の遺体を収容し、観光目的で来日していたミカル・ヒルマンさん(27)と特定したと発表した。
五月二十四日未明、知人とともに富士宮口から登山を始めたが、同日早朝に別行動をとり、行方不明になっていた。
スロバキアから訪れた捜索隊が十一日、御殿場市の宝永山火口(標高約二、七〇〇メートル)の斜面で遺体を発見。死因は脳損傷。
http://mtgear.blog18.fc2.com/blog-entry-326.html
富士山遭難事故の記録 2012年 5月24日
5月24日 33歳男性 軽装登山で救助/27歳男性 行方不明
5月といえば、平地ではうららかな春の陽気でしょう。ですが、富士山はまだ春には程遠い「氷の滑り台」です。
この時期に登れるのは、冬山の経験を多く積んだ上級者だけなのですが、雪山を登るための装備も持たず無謀にもジーンズとスニーカーで挑戦した登山者が、たまたま居合わせた他の登山者に救助されたようです。この人に限っては、実際にはまだ遭難していないため、遭難未満、遭難未遂ですが、たった一度でも足を滑らせてしまえば、何百mも斜面を滑り落ち、岩に激しくぶつかって命を失うことになっていたでしょう。
これは決して脅しや、大げさに表現しているのではありません。実際に、この遭難者と一緒に登っていて途中で分かれた別の登山者は、人知れず滑落したのか行方不明になり、6月11日に遺体となって発見されているのですから・・・
その根拠のない自信はどこから来るの?
特に注目して欲しいのが、この登山者は最初、救助の申し出を拒否していることです。
曰く、「私は大丈夫」と・・・
私は夏山の経験しかありませんが、このようなことはよく見かけます。例えば、ライトも持たずに日が暮れて真っ暗な山で途方にくれている人。そのような状況であるにも係わらず、「大丈夫ですか?下山に付き添いましょうか?」というこちらの申し出を、やんわりと断られるという体験を、私も何度かしています。
虚勢を張るな!素直になれ!
本人は、その状況がどれだけ危険か、全く理解していないのです。これは、飲酒運転などにみられる「根拠の無い自信」とでも言うべき傾向と同じなのではないでしょうか。結局は、事故を起こしてから後悔するのでしょうが、後の祭りです。
みなさんは、これを教訓に、きちんとした準備と装備を整え、それでも状況が悪化したら、虚勢を張らずに素直に人の助けを受け入れるべきです。世間では、遭難者や遭難者予備軍を叩く傾向にありますが、そんな人の目を気にするよりも、あなたの命を大切にしてください。すべては、命あってこそです。
Report
この男性を救助した人たちの記録。
富士登山の服装・持ち物・装備の初心者向け準備ガイドからの引用です。“
【冬富士登山遭難】九合五尺付近で滑落しそうな遭難者を発見・救助
アイゼンやピッケルの刃がなんとか刺さる程度のカッチカチの傾斜のキツイ斜面を、四つん這いになりながら、雪が柔らかいときに付けられた足跡をたよりに、遭難者が下山していました。
見ての通り、この過酷な雪山の富士山、しかも早朝においてこの軽装は信じられません。
はっきりいいますが、この遭難者が手や足を滑らせれば徐々に雪面を加速しながら数百メートル滑落し、露出した岩などに猛スピードで激突し、たぶんグシャグシャになって死にます。
http://www.fujisanpo.com/topics/2012/05-24.html
【岐阜】外国人登山者を救助 美濃加茂の看護師、酒井さん 2012/06/20
富士山の山頂付近で発見
「自然には勝てない」 戒めに
美濃加茂市古井町の看護師酒井富士見さん(26)=土岐市出身=が5月、富士山の山頂付近で遭難しかけていた外国人登山者を救助した。零度近い気温の中、無謀にもスニーカーにジーパン姿。「最初は山をなめてんのか、とむっとしたくらい。でも、助けられて良かった」と振り返る。 (安藤恭子)
「そんなばかな…」。5月24日朝、間もなく山頂という地点であぜんとした。一面が固い雪で覆われた45度の急斜面で、男性が後ろ向きになって下山しようとしていた。靴底の金属爪「アイゼン」も、雪に刺して滑落を防ぐ「ピッケル」も持っていない。
足を滑らせれば命を失いかねない。たまらず英語で「大丈夫ですか。ものすごく危険ですよ」と話しかけた。チェコ人の男(33)は「ゆっくり下りるから大丈夫。先に行って」と遠慮がちに答えたため、いったんその場を離れた。
酒井さんは昨年12月から月5回の冬山登山を続け、この日は1人で富士山に初挑戦。山頂を目指しながら歩くと、患者を亡くした家族の悲しむ姿が頭をよぎった。
「登頂をあきらめよう。また来ればいい」。すぐに引き返して男性と合流。滑落しないようピッケルを渡し、靴の底で雪を削って足場を作った。途中、風にあおられてくる雪の固まりが当たり、腕がしびれた。
30分ほどして登ってきた横浜市の男性2人が協力し、9合目の小屋へたどり着いた。雪が緩むまで待機し、体力を消耗してふらつき始めたチェコ人男性を真ん中にして、腰に綱をつないで下山。7合目付近で救助隊員に引き渡した。
「あなたたちは私の命を救ってくれた」。別れ際、お礼を言った男性の笑顔にホッとした。
ところが後日、悲しいニュースを知った。救助した日に富士山で行方不明になったスロバキア人男性が遺体で見つかった。チェコ人男性から「友人と途中で離れた」とは聞いていたが、無事に引き返したと思っていた。
同じような事故が起きないことを願い、インターネットのブログで体験をつづった。「できることはしたけれど、ハッピーエンドにならずに悔しい。自然を相手に人間は勝てない」と戒めた。
足跡を頼りに斜面を下りる男性、ピッケルは使い方が分からないようだった
http://job.chunichi.co.jp/tamago/news/detail.php?nid=200&ts=1340171112
▲△▽▼
【自然】遭難事故が相次ぐ冬の富士山。専門家は「日本一難しい山」と指摘 [無断転載禁止]©2ch.net
1 :記憶たどり。 ★:2017/02/04(土) 14:44:41.93 ID:CAP_USER9
冬の富士山で遭難が後を絶たない。
毎年のように遭難者が出ており、今年1月には滑落事故で2人が死亡、
1人が負傷した。独立峰のため、冬季は全方向から強風が吹くなど
気象条件が厳しいことが理由で、登山歴約50年の古屋寿隆・山梨県
山岳連盟会長(66)は「8合目より上は日本で一番難しい山」と強調する。
「スケートリンクを斜めにした状態」。遭難者の救助に当たる山梨県警などは、
冬の富士山の登山道をこう表現する。氷が分厚く、ピッケルは刺さりづらい。
県警の担当者は「一度転べば数百メートル滑落する可能性がある」と説明する。
数年前の年末、古屋会長は県警からの要請を受け、9合目から6合目に
滑落した男性の救助に向かった。事故発生時は生存していたとみられるが、
発見できず数カ月後に遺体で見つかった。同会長は「5合目付近でも氷点下
20度くらいになり、けがをすると体力も落ちる」と述べ、生命の危険にさらされる
恐れがあると指摘する。
滑落する登山者の中には知識や技術が不足している人も少なからずいるという。
いきなり山頂を目指すのは大きなリスクが伴うため、古屋会長は「5〜6合目で
訓練を重ね、判断能力を養うべきだ」と話す。
富士山の開山期間は7〜9月上旬。環境省などで構成する協議会が策定した
指針は、閉山期間に万全な準備をせずに登山することを禁止しているが、
罰則や強制力はない。県警と県などは1合目付近で登山の自粛を求めて
いるものの、引き返す人は皆無に等しいという。登山計画書の提出や単独での
入山を避けるよう呼び掛けるのがせいぜいで、事実上打つ手無しの状態だ。
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c6
7. 中川隆[-10469] koaQ7Jey 2019年10月30日 07:21:40 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2406]
【冬富士登山遭難】九合五尺付近で滑落しそうな遭難者を発見・救助
[最終更新日]2015/06/18 [投稿日]2012/05/24
http://fujisan.rash.jp/2012/05/120524-4.html
24.jpg
この写真を見る人が見れば、この状態がどういう状況なのかわかると思います。
アイゼンやピッケルの刃がなんとか刺さる程度のカッチカチの傾斜のキツイ斜面を、四つん這いになりながら、雪が柔らかいときに付けられた足跡をたよりに、遭難者が下山していました。
見ての通り、この過酷な雪山の富士山、しかも早朝においてこの軽装は信じられません。
はっきりいいますが、この遭難者が手や足を滑らせれば徐々に雪面を加速しながら数百メートル滑落し、露出した岩などに猛スピードで激突し、たぶんグシャグシャになって死にます。
http://fujisan.rash.jp/photo/120524fujinomiya/fujinomiya2.jpg
http://fujisan.rash.jp/photo/120524fujinomiya/fujinomiya1.jpg
私はこの状況をみて、
「いくらなんでも富士山をなめすぎだろう」
といいました。
そうすると、第一発見者のSさんが、
「たとえそうでも、この人が死んでいいという訳ではない」
と力強く言いました。
後で聞いた話ですが、Sさんもここまでに葛藤があったそうです。以下、
Sさんのヤマレコ記事
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-194974.html
より転載
——————————————————–
この記録をヤマレコに乗せるべきかどうか、悩んだ。
当事者が自分ひとりだけでない以上、どこまで内容を公開していいのか…。
何日か考えて最終的に、書くことに決めた。
山岳遭難の事例を載せることで、見た人がそのことについて知り、
同じような事故を少しでも減らすことができるように。
誰かの役に立てるような記録を残したくてヤマレコを始めたので、何かの役に立てばいいと思います。
積雪期の富士に初めて挑んだ今回。
まさか自分がこんな出来事に遭遇するとは思ってもみなかった。
4:15に富士宮口を出発。
その日は晴れた空、アイゼンの良く効く雪質、暑くも寒くもなく、適度な風の吹いていた。
まるで山が私を受け入れてくれているかのような、申し分の無い状況だった。
体調も、天候も良く、9合目までは調子良く登ってこれた。
この調子で行けば、3時間弱で山頂に到着できそうだった。
9合目辺りから、山頂付近の急斜面に人影のようなものが見えた。
恐らく先行している登山者だろう。初めは単純に、そう思った。
ただ、高度を上げていくにつれ、その先行者にたいし何か奇妙な印象を持ち始めた。…移動速度がやけに遅い。
もう少し近づく。その登山者は、山側を腹にして、後ろ向きでゆっくり下りてきているようだ。…なぜだろう?
更に近づくと、何故その登山者が後ろ向きでゆっくり下りているのか理解できた。
アイゼン、ピッケルを持っていない…
「そんな馬鹿な」と初めは信じられなかった。5月とはいえ、この時期の富士山に冬山装備もなしで来るなんて。
顔が分かるほどに近づいて、再び驚いた。外国人だ…
先日ドイツ人が遭難したばかりなのに、そのことについては知らないのか?
靴はスニーカー、下はジーンズ。
一言でいえば「山をなめている」を体現したような格好。
雪が緩んだ時につけられたステップを頼りに、カチカチの斜面を一歩、一歩下りている。
少しでも足を滑らせたら、滑落する可能性が非常に高い。
急いでその外国人に近寄り、声をかけた。
自分「大丈夫ですか?(大丈夫なわけないが)すごく危ないですよ?」
外国人「私は大丈夫。ゆっくり下りるよ」
少し言葉のやり取りをしたが、ある意味呆気にとられてしまっていて、なんて声をかけていいか分からなかった。
とりあえず「気をつけて」と月並みなことを言って私は再び登り始めた。
富士山の山頂は近い…。もうすぐ、残雪の富士山の山頂に立てる。
山頂へはあと15分もあれば登れそうな感じだった。
だが…少し登って、外国人登山者のことが気になった。
あの軽装。アイゼンもピッケルもなしに、雪の急斜面で滑ったら、下まで滑り落ちてしまうだろう。
そうなれば、最悪死ぬ。
頭の中で葛藤が始まった。
登るか。それとも、登るのを止めて、彼を助けるか。
助けると言っても、どうやって? 自己責任じゃないか、登山は。山を甘く見過ぎたのが悪い。
登るのか? 自己満足のために人を見殺しにするのか?
足を止めて、少し考えた、そして結論を出した。
「登山は止め。今日はこれで下りる。何とかしてあの外国人が下山できるように手を貸す」
急いで外国人登山者のところまで降りていく。雪は締まっていて、アイゼンは良く効いた。
足だけでも何とかバランスは取れそうだ。
私「やっぱりあなたをそのままにしておけません。そのまま下りるのは危険です」
外国人「ゆっくり下りるよ。私に構わなくても大丈夫。山頂に行ってください」
私「私は日本人だから、いつでもまた来れる。今日はあなたと一緒に下ります」
と、一緒に下山することを伝えた。
とりあえず、滑落停止にと、自分の使っていたピッケルを渡した。
使い方をその場で軽く教える。
しかし、分かってはいたが伝えたところでいきなりピッケルを上手く扱えるわけではない。
外国人(チェコ出身と言っていたのでC氏とする)は時々ピッケルを雪面に突き刺すものの、決して安全に下りれているとは言えない状況だった。
先日つけられたステップも、所々消えかかっており、足をかけるのが難しいこともあった。
そんな時は、私がアイゼンを装着したブーツで雪面を蹴り込み、何とか足場を作ってC氏を下らせた。
しかし、後ろ向きで恐る恐る下っている状態であり、遅々としてなかなか高度を下げられない。
こんなことを雪の無い安全な場所まで繰り返さなければならないのか、と思うと気が遠くなった。
そんな時、登りで追い抜いてきた2名の登山者が上がってくるのが見えた。
何か、C氏が安全に下山できるための手段がないか…
祈るような気持ちで2名の登山者に助けの手を求めた。
——————————————————–
話は戻りますが、「たとえそうでも、この人が死んでいいという訳ではない」という言葉で、私はそれでハッと目が覚めて、自分の怒りよりも、一歩間違えば滑落死する遭難者をどうすれば助けられるかに意識を向けることにしました。
今にも滑落しそうな外国人遭難者
Sさん撮影(このとき、私はまだ呆然とした状態でした。)
ただ、この状況は助けるにしても非常に困難な状況です。
まずこういうときには、助ける側の安全が確保されねばなりません。
何度か話を聞いたことがありますが、こういう状況で非常に危険なのが2次災害です。
助ける側が遭難者に巻き込まれて、共に命を落とすということです。
私は登山・登攀のエキスパート Sさんから、積雪期の富士山の2次災害について聞いたことがありました。
積雪期の富士登山で仲間が滑落し、それで助けようとしてあせった他の仲間も滑落すると言う話を。
この場所は、自分たちが滑ったとしてもピッケルで止まることが困難な状況でした。
ロープやスリングなどで連結した場合、共倒れになる可能性が非常に高い状況。
野中さんもそのことを良く知っているので、ロープなどでの連結は行わず、遭難者はそのまま四つん這いで九合目の山小屋まで下山、残った私たちは遭難者が下山しやすいように、足場を作るようにと、指示しました。
第一発見者のSさんは英語が話せる方だったので、それを外国人遭難者に伝えてました。
Sさんは、アイゼン歩行により足場を、私は手持ちのピッケルのブレードで雪面を削って足場を作りました。
見てのとおりブレードは非常に小さく、足場一つを作るのに、何度も何度も固い雪面に叩きつけるように掘る必要がありました。
その間、野中さんは万が一遭難者が滑った場合に備えて、初期制動できるように遭難者のすぐ下で構えながら下山していました。
正直に書くと、私は外国人のすぐ下で作業しているため、万が一、外国人が滑り出したときにそれを食い止める気持ちとともに、加速して止められない、もう自分自身が危ない、助けられないと感じたときに、その外国人が加速しながら数百メートルも弾丸のように滑り落ちて死に行く様を見届けることになってしまう覚悟もしていました。
生死がかかった非常に高いの緊張感の中、その作業を続けること約2〜300m、約30分ほどかけて、遭難者が力尽きるこなく、何とか九合目の山小屋までたどり着いたのです。
救助者一同、荷物を降ろし、ホッとしました。
とりあえず平地のあるここまでたどり着けば腰をすえて対応できるからです。
この状況で心配されることは、当然のように防寒着など持っていない遭難者が低体温症になり動けなくなることでした。
遭難者の安全確保のため、ツェルトを設営
野中さんはすぐにツェルトを取り出し自前のスリングとカラビナ、私のスリングと環付きカラビナを使用し、設営しました。
Sさんもツェルトを持っていて、中で2重になっています。
遭難者救助のためツェルトを設営 - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=Id_g-yeQQxA
富士山九合目で遭難者をツェルト内に救助 - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=c9jJq8cnxCM
撮影者(登山ガイド野中径隆)
その後、どうするかというのをみんなで話し合いました。
その結果、
まずは110番で通報する
救助隊が来るのには非常に時間がかかるため、雪面が緩くなり滑落リスクが低くなった時点で下山する
ということでした。
野中さんが、「どちらにしろ、しばらくは動けない。私はここで待機しているから、2人は山頂まで行ってきてください。これほど絶好の登山日和はそうそうないし。私は何度も登頂しているので、大丈夫です。ただ、雲もでてきているので剣ヶ峰には行かず、下山してきてください。」
というありがたい提案を受けて、Sさんと私は富士宮登山ルートの山頂を目指すこととなりました。
http://fujisan.rash.jp/2012/05/120524-4.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c7
8. 中川隆[-10468] koaQ7Jey 2019年10月30日 07:25:30 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2407]
チェコ人遭難者と共に下山・救助隊と合流
[最終更新日]2015/04/29 [投稿日]2012/05/24
http://fujisan.rash.jp/2012/05/120524-6.html
10:38 野中さんが通報したものの、救助隊が来るまでにビックするほど時間がかかり、ここで待っていると夕暮れになってしまうとのこと。
太陽光と気温の上昇で、雪面もだいぶ緩くなってきたため、下山することとなった。
遭難者に私のハーネスと環つきカラビナを装着し、Sさんのピッケルを持たせ、野中さんがアンザイレンで遭難者を確保しながら下山することになった。
DSC00054.jpg
まず、私が先頭を歩き遭難者の足場を作り、続いてSさんが足場をさらに固くし、遭難者が続いてあるき、最後尾に野中さんがいるという隊列。
通常の雪山下山は、フラットフッティングといって雪面の傾斜に対して平行になるようにアイゼンを乗せるのが、この方法だとスニーカーをはいている遭難者が歩きにくいため、私はあえてかかとから雪面を踏み込み、階段ができるようにした。
また、できるだけ小股で歩き、積極的にトレースがありすでに階段状になっているルートを選択した。
外国人遭難者と共に下山
Sさんが撮影してくれた写真
いつ、遭難者が足を滑らし滑落するかわからない状況での行動なので、常に高い緊張感と集中力が求められた。
あとあと野中さんに聞くと、やはり疲労からか遭難者が足を滑らせて転倒しそうになっていたのをロープで制動したとのこと。
12:50 新七合目の山小屋で休憩中に救助隊と合流。ここで遭難者を引き渡した。
外国人遭難者を山岳救助隊に引き渡す
Sさん撮影
九合目から8:40頃に警察に通報してから約4時間。
ここから富士山の九合目で待機していたら、おそらく合流は15時くらいになっていただろう。
その時間から下山となると、天候の悪化や雪面が固くなるなど、我々救助者が下山困難な状況になっていたかもしれない。
野中さんの冷静な状況判断でみな無事に下山できたということだろう。
因みに、遭難者は救助隊の方々が持ってきた登山靴に軽アイゼンをつけて下山していきました。
Sさんともここでお別れになりました。
我々も尻セードで楽しく下山しました。
富士山新七合目から尻セード - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=wcsK-gvwenw
撮影者(登山ガイド野中径隆)
14:14 ようやく登山口に到着。
つ、疲れた。。。
非常に高い緊張と体力消耗によりここ最近で感じたことのない、疲労感。。。
全身ぐったりです。。。
まあ、何はともあれ遭難者の方も我々も無事に下山できてよかったです。
先に下山した外国人遭難者はここで、救助隊の方々にこってりと絞られているようでした。
ただ、話はここで終わりませんでした。
http://fujisan.rash.jp/2012/05/120524-6.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c8
9. 中川隆[-10467] koaQ7Jey 2019年10月30日 07:30:50 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2408]
予想外の悲しい結末
[最終更新日]2015/05/04 [投稿日]2012/05/24
http://fujisan.rash.jp/2012/05/120524-7.html
荷物を片付けて、車で御殿場市内まで移動し、一緒に食事をとっていた時のこと・・・
野中さんの携帯電話に警察から電話がかかってきました。
「もう1人の外国人は知りませんか?」
最初、何のこと言っているのかさっぱりわかりませんでした。
私たちが救助した遭難者は、Sさんの通訳で「仲間と2人で登山し、途中で別れて自分だけ登ってきた。」と言っていたことは知っていました。
ただ、私たちはてっきりアイゼンが必要になる、もっと麓のほうで(六合目とか)で別れたのだと勝手に思い込んでいました。
続けて警察の方が
「どうやら九合目まで一緒だったようです。」
・・・その言葉を聞いて、私も野中さんも言葉を失いました。
確かに、五合目には救助した遭難者の外国人しかいませんでした。
深夜に軽装2人が富士山九合目まで登り、そこで一人は山頂へ。別れたもう一人は・・・まだ確定ではありませんが下山しようとして滑落したと考えるのが妥当でしょう。
野中さんも私も、何とも言えない重い気持ちになりました。
「生きている人は助けることができるかもしれないが、死んだ人は助けられない。」
野中さんの言葉が心にしみました。
■登山ルート(GPSデータより)
http://fujisan.rash.jp/photo/120524fujinomiya/fujinomiya2.jpg
http://fujisan.rash.jp/photo/120524fujinomiya/fujinomiya1.jpg
■今回の感想
最終的に残念な結末となった登山でした。
私も野中さんも、おそらく第一発見者のSさんも心に深い影を落としていることでしょう。
ただ、我々がやれることは精一杯できたように思います。
第一発見者のSさんが献身的に救助活動をサポートする姿には感動しました。
この稀な好天の中、遭難者を発見してしまったがために、結局、剣ヶ峰までいけませんでした。
ご自身の中で、いろいろと葛藤があったようですが、最終的に「人を助ける」道を選ばれたのですから。
★Sさんの書かれた記事はこちら ⇒ ヤマレコ
http://fujisan.rash.jp/photo/120524fujinomiya/fujinomiya1.jpg
そして、登山ガイドの野中さん。
http://fujisan.rash.jp/photo/120524fujinomiya/fujinomiya1.jpg
プライベートの登山にもかかわらず、ツェルトはもちろんのこと、補助ロープまで携帯しているとは、ただただ感動しました。
遭難者が無事に下山できたのは、間違いなく野中さんのおかげです。
なぜなら、私も含めて一般登山者は登山技術は持っていても救助技術はほとんどもっていないからです。
野中さんの的確な判断、そして知識と技術、姿勢含めてこの方は根っからのプロの登山ガイドだと感じました。
★野中さんの今回の遭難事故に関する記事はこちら ⇒ ブログ ツイッター
https://michi3.com/2012/05/fuji-sounan/
https://twitter.com/natureguidelis
そして最後に無事に救助されたチェコ人の方へ。
あなたは、非常に危険な状況のおいてかなり運が良かった。
まず、英語をスラスラと話せるSさんに発見されたこと。
続いて、プロの登山ガイドの野中さんに発見されたこと。
軽装備で、傾斜の強く危険な山頂へ二人で向かったにもかかわらず、生き残ったのはあなたでした。
深い後悔と悲しみを背負うことになるかもしれませんが、奇跡的に生き残った命をこれからも大切にして生きていただきたいと願っています。
■2012/06/12 追記
その後、消息不明となっていたエクアドル人遭難者がどうなったのか気になってニュースをこまめにチェックしていたのですが、どうやら発見されたようです。
富士登山のスロバキア人?遺体発見
遺族のことを考えると、心が痛みます。
悲しい遭難事故となりましたが、遺体が発見されたことが唯一の救いかもしれません。
http://fujisan.rash.jp/2012/05/120524-7.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c9
10. 中川隆[-10466] koaQ7Jey 2019年10月30日 07:44:22 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2409]
【無料版】日本語・英語版の富士登山ルート地図・マップの確認とダウンロード(カラー、モノクロ印刷対応)[最終更新日]2019/05/28
http://fujisan.rash.jp/motimono/map.html
富士登山ルート全体地図(日本語版)
http://fujisan.rash.jp/pdf/Fuji_Climbing_Map.pdf
吉田ルート地図(日本語版)
http://fujisan.rash.jp/pdf/Yoshida_Trail.pdf
富士宮ルート地図(日本語版)
http://fujisan.rash.jp/motimono/map.html
富士登山の4ルート比較と人気ランキング!
http://fujisan.rash.jp/route/root.html
富士登山の服装・装備・持ち物リスト一覧
http://fujisan.rash.jp/motimono/list.html
コストパフォーマンスに優れ、高評価の富士登山の装備一覧
http://fujisan.rash.jp/motimono/mybest.html
富士山の登山数日前・当日の天気予報(雷・強風・雨)確認手順
http://fujisan.rash.jp/weather.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c10
11. 中川隆[-10465] koaQ7Jey 2019年10月30日 07:59:35 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2410]
山小屋情報|富士登山オフィシャルサイト
http://www.fujisan-climb.jp/hospitality/mountain_hut.html
富士山ガイド 山小屋のご案内
http://www.fujisanguide.com/forms/menutop/menutop.aspx?menu_id=1650
富士山の山小屋情報 JAPAN WEB MAGAZINE
https://japan-web-magazine.com/japanese/select/fuji/koya-info.html
吉田ルートの山小屋
http://www.mtfuji.jpn.org/index.htm
http://www001.upp.so-net.ne.jp/fujisan/fuji-hutk.html
富士山表富士宮口登山組合−富士山山室宿泊情報
http://www.fuji-tozan.com/04_lodge.html
富士山のトイレ|富士登山オフィシャルサイト
http://www.fujisan-climb.jp/hospitality/toilet.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c11
12. 中川隆[-10464] koaQ7Jey 2019年10月30日 08:02:24 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2411]
9月の富士登山(2019年版)
http://www001.upp.so-net.ne.jp/fujisan/fuji-sept.html
登山道開通期間
静岡県側<富士宮ルート、須走ルート、御殿場ルート> 〜9月10日
山梨県側<吉田ルート> 〜9月10日
その他、トイレや救護所などの主要な施設の開設期間は、富士登山オフィシャルサイトの「登山シーズン」のページにまとめられています。
(久須志神社 2006年9月17日撮影)
2014年から登山道の閉鎖が遅くなりました。これまでは8月末に登山道を閉鎖しても、9月上旬から中旬までは、毎年、多くの(富士登山に慣れた)人たちが登っていました。吉田ルートでは、山小屋も多く営業しており、バスツアーまでありました。閉鎖時期を遅らせたのは現実的な対応だと思います。
登山道が閉鎖されれば、もはや観光登山とはいえません。すでに富士登山を熟知していて、当サイトを見る必要がないエキスパートでなければ登るのは控えるべきです。また9月に入るとどんどん気温が下がっていき、降雪がある年もあります。注意が必要です。2012年は9月12日に初冠雪、2013年は8月26日に山頂の水が滴る場所が凍結、2014年は8月23日に山頂に雪が降りました。この時期は寒さ対策が重要です。
【富士山初冠雪の日の一覧表】→甲府地方気象台・富士山初冠雪の記録
現実には、登山道が閉鎖されても登る人はいます。ただ、閉鎖されたら登山道の整備は終わりますから落石などが心配です。また、降雪時の対応など、十分な知識や経験を持った人でなければ、止めるのが無難です。そもそも登山道は「県道」なので、行政が通行禁止を設定したら、通行してはいけないのです。
トイレが利用できる期間
山小屋が閉店するとトイレも使えなくなります。これが特に女性には大問題です。富士山の上部では隠れて用を足せるような場所はほとんどありません。女性と同行する場合は注意して下さい。
公衆トイレの開設期間は、冒頭でご紹介した、富士登山オフィシャルサイトの「登山シーズン」のページを参照して下さい。山頂には2つの公衆トイレがありますが、吉田、須走側は閉鎖が早いです。
山小屋の営業期間
公的な施設については富士登山オフィシャルサイトを参照すれば良いのですが、山小屋の営業期間については下記のサイトを参照して下さい。
山頂
富士宮側:頂上富士館
「9月7日の宿泊まで営業します。」(店長ブログより)
吉田・須走側:山口屋、東京屋、扇屋の三店舗があります。最後まで営業しているのは扇屋です。
「9月8日(日)朝位までになりそうです。」(小岩井大輔さんのブログ「ほぼ日刊、山小屋日記」より)
吉田ルート
富士山吉田口旅館組合の「オンライン空室状況ページ」を参照。
富士宮ルート
富士宮口・閉店情報
毎年、頂上富士館のサイトに「富士宮口山小屋&施設・閉店日のお知らせ」が掲載されます。2019年版が掲載されました。
御殿場ルート
わらじ館 〜 9月15日(日) (わらじ館のサイトより)
砂走館 「8月31日(土)までを予定しております。」(砂走館のサイトより)
須走ルート
見晴館
「2019年の営業予定は7月6日(土)〜9月9日(日)となっております。」(見晴館のサイトより)
須走ルートは、山小屋の間隔が長い登山ルートなので、飲料やトイレなど「次の山小屋で」と思わずに、開いているところで早めに用を足すのが無難です。
七合目の大陽館は、10月中旬頃まで営業していますが、その時期でもまだ山頂へ行けるというわけではありません。まだ雪が積もっていないところまで登って、休憩、宿泊をするための営業です。
五合目
富士宮口五合目、須走口五合目の売店は11月上旬まで、富士スバルライン五合目のレストハウスは富士スバルラインが通行できれば12月でも営業しています。1999年は大晦日でもやっていました。あくまで五合目の観光目的で利用して下さい。
山小屋ごとのホームページは、当サイトの山小屋リストで紹介しています。
9月中旬以降〜冬〜6月まで
山小屋が閉鎖してしまう9月中旬以降は、もはや「観光登山レベル」を逸脱しています。登山客がさらに激減してしまうと、万一途中で足を負傷して動けなくなった場合、救助を求めることも難しくなります。そして、この時期は富士山の上部では雪が降る可能性が高くなります。もし登山中に動けなくなり、軽装備で一晩、雪の降る山中で過ごす事態にでもなったらそのままアウトです。平年、初冠雪は9月下旬から10月上旬頃とされています。もちろん、それ以前でも山頂に雪が積もるようなら、止めるべきであることは言うまでもありません。
(撮影2005年10月15日)
10月後半から11月になると新雪なだれの危険がでてきます。とにかく雪が降ったなら、もう我々素人は登るべきではありません。それ以降は「登山家」さんたちの季節です。初日の 出を富士山頂で見ようと登る人や、厳冬期にヒマラヤ登山の訓練のために来る人もいます。でももちろんそれらの人は、冬山用の登山技術と装備を持って登るわけですし、それ相応のリス クを覚悟して登っているわけです。なにせ、凍結路から滑落する事故がけっこう多い。5月頃でもそういう事故があります。滑落事故に関する情報は 積雪期の富士山のページの「事例1」と「富士山事故報告書」を見て下さい。5月頃は積雪が一番多いぐらいでして、まだまだ富士山は完全な冬山です。
富士山の雪解けは遅いです。7月上旬でも残っていることがあります。その場合はブルドーザー道を登るように指示されたり、山頂まで行けない場合もあります。
観光登山には関係ないですが、吉田口五合目の佐藤小屋は冬期でも店を開けている時期があります。登山家のみなさんが冬期登山に利用することが多いようです。
http://www001.upp.so-net.ne.jp/fujisan/fuji-sept.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c12
13. 中川隆[-10463] koaQ7Jey 2019年10月30日 08:10:03 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2412]
登山シーズン
http://www.fujisan-climb.jp/season.html
2019年登山シーズン(5合目〜山頂)【予定】
登山道によって開通期間が異なります!
2019年の富士山登山道開通期間は次のとおりです。
なお、登山道等の開通日及び閉鎖日は、残雪状況や気象情報等により変更となることがあります。
ルート 開山期間 備考
吉田ルート黄色
(山梨県側) 7月1日(月) 〜 9月10日(火) 下山ルートは9月11日の午前中まで通行可能
須走ルート赤色
(静岡県側) 7月10日(水) 〜 9月10日(火)
御殿場ルート緑色
(静岡県側) 7月10日(水) 〜 9月10日(火)
富士宮ルート青色
(静岡県側) 7月10日(水) 〜 9月10日(火) 5合目〜6合目間は6月13日
9時より開通
山頂【お鉢巡り歩道】 7月10日(水) 〜 9月10日(火)
各施設の供用期間(2019年)
山梨県側のルート
静岡県側のルート
山頂【お鉢巡り歩道】
http://www.fujisan-climb.jp/season.html
登山道の開通と閉鎖
富士山の登山シーズンは、7月上旬〜9月上旬まで!
その他の期間や積雪期は危険!
登山道が開通している期間が登山シーズンです。
•7月の登山道開通時期は、残雪等登山道の状況によって開通が遅れることがあります。
•登山ルートによって、開通・閉鎖時期が異なるため、登山、下山で利用する各ルートの開通状況の確認が必要です。
•登山道が閉鎖されると、各ルートとも登山道は通行できませんのでご注意ください。
•特に、積雪期は厳しい気象条件となり、滑落や遭難事故に繋がるため大変危険です。
•登山シーズン以外の富士登山については、ガイドラインを定めています。
富士登山における安全確保のためのガイドライン
http://www.fujisan-climb.jp/risk/guidelines.html
緊急時の閉鎖
大雨等により登山道に危険がある場合は、登山道を閉鎖します。
緊急的な登山道の閉鎖については、トップページ「緊急情報」でお知らせします。
http://www.fujisan-climb.jp/season.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c13
14. 中川隆[-10462] koaQ7Jey 2019年10月30日 08:13:20 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2413]
富士山 初冠雪の記録
http://www.jma-net.go.jp/kofu/menu/siryo_hatsukansetsu.html
初冠雪とは、対象とする『山の一部が雪等の固形降水により白くなった状態が初めて見えたとき』
としており、甲府地方気象台では、富士山・甲斐駒ヶ岳について観測をおこなっています。
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c14
15. 中川隆[-10461] koaQ7Jey 2019年10月30日 08:23:02 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2414]
雪山!富士山に登る!! 【ドローン空撮4K】- 登山 富士宮ルート - - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=VIEn5-JDxLQ
2018/11/03 に公開
【ドローン映像は0:00〜及び3:49〜になります】
ドローン撮影者「畑 正太」
You Tubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCuJo...
2018.10.22-23
昨年より27日早い積雪で10月下旬でも真っ白でした!!
2日間、天候にも恵まれましたので雲海などの景色を楽しむこともできました!!
ルートは最短コースの「富士宮」
八合目の避難小屋で撮影の為一泊しました。
----1日目----
06:30 登山開始(五合目)
11:00 八合目(昼食)
12:00 荷物を置き頂上へ(剣ヶ峰)
15:00 剣ヶ峰
16:30 八合目
----2日目----
07:30 下山開始
09:30 下山(五合目)
--------
今回、撮影機材、テント、食料、雪山装備などで荷物は多めに持って行きました。1人16キロと重い荷物でした。
日帰りコースや山小屋宿泊などの方は荷物も軽いと思うので片道6時間くらいで登れるはずです。
※10月下旬はシーズンオフになります!登山経験の無い方、浅い方は経験者と登ることをオススメします!天気予報も必ずチェックしましょう!
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c15
16. 中川隆[-10460] koaQ7Jey 2019年10月30日 08:30:30 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2415]
富士登山 吉田ルート 全山小屋をチェック! 【山開き】5合目から全部です - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=kkbf6xGEWDU
.
2017/07/20 に公開
この映像は2017年7月6日に富士山を吉田登山ルートを撮影しました。
2019年でも変わっていない吉田ルートにある全ての山小屋がチェックできます。
人気の高い吉田ルートを初めて行かれる方の予習をしたい方には、登山道の様子もわかりますので、ご参考ください。
#富士登山 #吉田ルート #Mt.Fuji
***************************
情報の参考サイト
http://www.fujisan-climb.jp/trails/yo...
関連動画
【富士山】山開き登山(令和初の世界最速)吉田ルート【ジャン君 Jamkun】
https://youtu.be/AWTcqjdO95o
富士登山きょう山開き “入山料”キャッシュレスに(19/07/01)
https://youtu.be/3xh5h_iq02I
Mt. Fuji in 4K taken with a drone / 絶景富士山 [4K]
https://youtu.be/WILjDHQLgts
【吉田ルート】富士登山5合目から6合目の行き方 [ Mout Fuji ]
https://youtu.be/SY37n8VBkrw
行こうよ富士登山2014 吉田ルート Mt.Fuji
https://youtu.be/kE0LdlAH1y4
夏の富士登山とご来光
https://youtu.be/U1uqNsj2Ubw
What To Do In Japan: Tokyo, Hakone, Mt. Fuji, Kyoto, Nara, Osaka, Kanazawa, Takayama, Nagano
https://youtu.be/dgfBlLR9ppw
富士山登山 吉田ルート | Climbing Mt. Fuji Yoshida Trail
https://youtu.be/yKyV2r1nTzA
ULTRA-TRAIL Mt.FUJI 2019
https://youtu.be/mcQ63DpnRx8
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c16
17. 中川隆[-10459] koaQ7Jey 2019年10月30日 08:45:00 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2416]
富士山厳冬期単独登頂 2013年1月4日、 5日 - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=oJMtlRwOcXo
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c17
18. 中川隆[-10458] koaQ7Jey 2019年10月30日 08:51:24 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2417]
【登山】初冬の富士登山 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=2ibw3xKuqYc
2018/11/10 に公開
登山を始めて5年目になりますが、2年目より毎年、富士山に登っています。今回は雪が降ってしまい冬山登山の練習的な登山になってしまいましたが、動画的にはいい画が撮れたと思っています。
ぜひ、御覧ください。
【BLOG】 https://mtrsadv.blogspot.com/
【twitter】https://twitter.com/mtrsadv
◆撮影機材
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http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c18
19. 中川隆[-10457] koaQ7Jey 2019年10月30日 08:53:05 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2418]
富士登山 富士宮ルート 2018年11月3日 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=w2y-xnQaWKY
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c19
20. 中川隆[-10456] koaQ7Jey 2019年10月30日 08:55:45 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2419]
雪中キャンプ 富士登山 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=e8oY0rx9r-8
2013/05/06 に公開
5月3〜4日にテン泊で富士山に登ってきました
予定では山頂泊でしたが、風が強く危険を感じたためにあわてて下山
6合目付近でテン泊になってしまいました。
もう少し装備を整えて出直しです。
BGM HURT RECORD
雪と幻 荒野の先に のびを一つ
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c20
21. 中川隆[-10455] koaQ7Jey 2019年10月30日 09:03:29 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2420]
富士登山 富士宮ルート 2018年10月23日 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=xkGeVuzaSLM
富士宮ルート 5合目から剣が峰へ。
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c21
22. 中川隆[-10454] koaQ7Jey 2019年10月30日 09:44:08 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2421]
夏山期間以外(シーズン外)の富士登山に関して【厳冬期の富士登山含む】 2019/9/13
https://www.soranoshita.net/blog/post-4363/
山にはシーズンがある山もあります。
富士山にも同じく夏山期間というものがあり、7月上旬〜9月上旬がこれに当たります。具体的な日程は毎年変わるため下記サイト等で確認しましょう。この夏山期間というものがなぜ決められているのか?、夏山シーズンとシーズン外は何が違うのか?、夏山期間以外の富士山は実際どういう状況なのか?など順を追って解説していきます。
なぜ富士山には夏山シーズンが決められているのか?
富士山は毎年本当に多くの方が登ります。人生に一度は富士山に登ってみたいと考えるのは、日本人であればおかしいことではないでしょう。そのため登山に長けた方もいれば、初めての登山が富士山です!という方までいます(もちろんステップアップして富士山にチャレンジすることはとても良いことだと思います)。
このように様々な方がチャレンジする富士山。山のベテランでなくても挑戦できる時期こそが夏山シーズンなのです。一年で最も登りやすい時期とも言い換えることができます。山小屋が営業していることで登山中の休憩や飲み物を購入したりすることができ、ルートによっては避難所が開設されていて不調の際に相談することができる点は夏山シーズンだからこそ整備されている環境です。
富士山の夏山シーズンとシーズン外の違い
富士山の夏山シーズンとシーズン外の違いをしっかりと理解しておくことでシーズン外のリスクを認識しましょう。
山小屋が営業しているかどうか
まず、初心者が富士登山できる最大の要因は山小屋だと思います。もし富士山にこれほどの山小屋が無ければ初心者には厳しい山になるはずです。ほかの山に比べると行程は短くて済みますが標高が高い分、一度荒れてしまうと厳しい環境下に置かれます。通常の山であれば知識や経験でできる限りのリスクを回避したり、万全な装備で短時間を耐え忍んだりします。富士山においてはその役割を山小屋が引き受けてくれています。山小屋の役割は登山の初心者にとって絶大です。この山小屋が営業していない状況では厳しい登山となります。山の知識の浅い人はシーズン外に登るべきではないでしょう。
トイレがあるかないか
トイレがあるかないかもシーズンで変わってきます。富士登山シーズン中は山頂のトイレや山小屋でのトイレが有料ながらも使用ができます。しかしながらシーズン外ではトイレがすべて閉まってしまいます。開いているのは出発時の五合目くらいです(積雪期は五合目までも通行止めになりますので麓からになります)。携帯トイレの準備と、トイレに行かなくても良いくらいのスピーディーな登山ができる体力は必要になります。かなり頻繁に登山している人であれば往復5時間程度で可能かと思います。天候等のリスク回避の意味も含めてそのくらい体力をつけてでないとシーズン外は登るべきではないと思います。
夏山期間以外の富士山は実際どういう状況なのか?
富士山は7月に開山して9月中旬に閉山します。それ以外の時期は富士山はどうなっているのでしょうか?ここで解説してある状況を理解してリスクのある富士登山は避けるようにしましょう。結論としては、登山初心者は絶対に挑んではいけないということです。
富士登山シーズン前
まず、開山前に関して、年によって違いがあります。たいていの年では6月末でも山頂付近に雪が残って7月の開山を延期にするかどうか協議があります。関係者が6月末に富士登山道を歩き開山するかどうか判断するのです。2015年や2016年は雪解けが早く、特に2016年は6月になるとほぼ雪が無く、シーズン中とほぼ変わらない状況になってました(但し前述したトイレ問題は生じます)。実際に2016年の6月は土日になると多くの登山者が登ってました。とは言え例年は6月初旬は残雪があり、通常の富士登山装備ではNGです。GW明け〜6月中旬までは必ず雪山の装備をする必要があります。シーズンに向けて登山道が整備されてるからこそ初心者でも歩きやすくなっている点を理解しましょう。
富士登山シーズン後(9月末〜10月前半)
シーズン後の富士登山は、私が思うに危険レベルが時期によって異なります。もちろん年によって状況は異なりますがリスクをしっかりと認識してほしいと思い、状況を分けて解説しています。
9月末から10月前半にかけては、富士登山シーズン外の中で最も登りやすい時期といえます。基本的には雪が無く(ただし降雪する可能性はあるため準備は必要)、天候が安定している状況であれば静かで落ち着いた富士登山ができます。個人的にも一番好きな時期です。須走ルートの太陽館ではこの時期でも山小屋を営業していることがありますので、問い合わせてみるのも良いと思います。山小屋を利用することでよりプランニングが楽になると思います。
ただしこの時期はとても寒くて山頂では氷点下が当たり前の世界になります。道中もかなり冷え込むので相当な防寒対策が必須になります。日照時間も短く、プランニングも難しくなるため登山初心者にはNGです。
富士登山シーズン後(10月後半〜11月)
この時期は富士山に雪が付くシーズンです。例え雪が無かったとしても登山中にいつ雪が降ってもおかしくない状況になります。この時期に登るのは雪山も充分に経験している者でなければなりません。雪山・冬山を経験したことのない人は登るべきではありません。雪道を歩いて五合目まで行き雪上訓練を行う等は危険性が少ないので良いとは思います。
※2016年11月中旬で滑落事故が2件発生し、3名の方が亡くなっています。登山経験や装備も備えている方のようです。積雪状況によっては下記に解説している厳冬期の富士山の状況になります。積雪期の富士山は非常に危険です。この後に解説する厳冬期の富士山の状況もよく理解したうえで懸命な判断をしてください。
富士登山シーズン後(12月〜3月【厳冬期】)
この時期の富士登山は最も危険です。非常に事故の多い時期となっています。しかも経験が浅かったり装備が不十分で事故に繋がっているだけでなく、冬山経験が非常に豊富な方や、何度も厳冬期の富士登山をしている人であっても事故が起こっています。ベテランであっても登山を避けるべき時期だと考えます。
なぜ雪山で慣れている人でも事故が起こるかといえば、この時期の富士山は山頂付近はほとんどブルーアイス状態となっており、アイゼンやピッケルの刺さりが悪くなっています。それだけであれば事故が増えることはないのですが、さらに富士山の地形特有の強い風(突風)が吹くためにバランスを崩してしまい滑落する事故が相次いでます。厳冬期富士登山のポイントは「風」なのです。どんなに固い氷だろうがしっかり研いだアイゼンと強靭な足腰とバランス感覚で下る自信があるかと思いますが、一定ではなく急に吹き出したり止まったりする風が原因で登山のベテランだろうが厳冬期富士登山の経験者であろうが関係なく呑み込んでしまいます。
また、厳しい山道でありがちな、登りはなんとか登れても下れないという状況になります。山頂付近は傾斜が40度近くにもなり、ガチガチの氷でアイゼンの刺さりが悪い状態で風で不安定な中、降りてくる状況ははっきり言っていつ事故が起こっても不思議ではない状態です。いくら雪山経験が豊富な人でも危険な状況になるのが厳冬期の富士山です。
それでもどうしても厳冬期の富士山に登りたいという人はいますのでさらに踏み込んで解説しますと、唯一、安全に登る方法はパーティーを組んで、アイススクリューを複数持っていき、アイススクリューで支点を確保しながらスタカットで降りる方法です。ピッケルではガチガチの氷に支点を作ることはできないので唯一の解決策は八合目以上ではアイススクリューを使っていく方法だと思います。但し時間が掛かるためロープワークに慣れている等、相当の訓練を積んだ者でなければなりません。とは言え厳冬期の富士山に確保なしで登ろうという考えは改めるべきだと考えます。
※2016-2017厳冬期シーズンも非常に多くの方が滑落事故を起こしており、そのほとんどが亡くなっています。経験が浅い・装備が不十分というわけでなく、通常の冬山経験・冬山装備を持っていても発生しているのが厳冬期の富士山の滑落事故の現実です。私自身も一登山者として登ることを咎めることはしませんが、厳冬期の富士山は非常に特異的な風が発生するため、必ず確保をしながら登るべきだと考えます。確保の技術が無い者・確保ができない状況で登る者は八合目より上を登るべきではないと考えます。
夏山期間以外(シーズン外)は富士山登っていいものか?
これまでに説明してきたように、夏山期間というものは登山に恵まれた状況が揃っていて、その中で登山ができます。逆に言えば夏山期間以外は登山に恵まれた状況が揃っていないのです。行政側も充分な計画や装備がされていない夏山期間以外の富士登山は禁止としております。2016年現在、法律や条令上の完全な禁止とはなっておりませんが特に厳冬期である12月後半〜3月は経験者であっても山頂は目指すべきではないと思います。
夏山期間外の富士登山は自己責任であることはもちろんのこと、登山計画書を提出したり、前述した雪の状況を想定して充分な装備と技術と体力を備えた上で登山する必要があります。
夏山期間以外(シーズン外)の富士登山に関してまとめ
如何でしたでしょうか?
シーズン中の富士登山の様子は他のサイトでも様子を伺うことはできますが、シーズン外の状況はなかなか知ることは難しいです。私自身も冬季の富士登山で怖いなと思った経験もありますし、冬季富士登山の救助援助にも出てたくさんの痛ましい状況を見てきました。その経験を少しでも知ってもらうことで、無謀であったり危険な富士登山を回避してもらえればと思っています。
https://www.soranoshita.net/blog/post-4363/
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c22
23. 中川隆[-10453] koaQ7Jey 2019年10月30日 10:16:42 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2422]
9月の富士山登山
https://www.camp-outdoor.com/tozan/fujisan/9gatsu.shtml
初心者を連れての富士登山
2008年9月、会社の友人を富士登山に連れて行くことになった。
マイカー規制と混雑を避けて、9月に行くことにした。
マイカー規制とは、夏場一定の時期に登山口付近が混雑して駐車ができなくなるため、ある場所からシャトルバスに乗り換えて登山口までいくというものだ。時期は最新の情報をHPでチェックするといい。
トイレの問題
今回は普段山に登らない友人を連れていくのにすっかりトイレのことを忘れていた。9月の山小屋が閉まった後ではトイレすら開いていないのである。普段の山では、動いているせいか、ふつうの生活よりもトイレに行く回数が極端に少ないし、いざとなったら木の陰に隠れてすませられるし、以前の富士登山でもトイレには行かなかった。しかし富士山5合目登山口より上には木がなく人が多いうえに見晴らしが大変よく隠れることはむずかしい。
友人はガッツのある女子だが、さすがに10時間以上トイレをガマンしてくれというのはかわいそうなので万が一の秘策を考えていった。用意したものは小さめの折りたたみ傘とテントのフライシート。ない人はツエルトと呼ばれる簡易テントや、あとは自転車カバーなんかどうだろうか。使用方法は、折りたたみ傘をさしてしゃがんだ上にシートをかぶせて他の人が足でスソを踏むなり石をおくなりして下から吹き上げる風でめくれないようにするだけだ。
処理は、たとえトイレットペーパーであっても持って帰ろう。水に溶けるというが景観の問題だ。本来は出したものも持って帰るべきという声もあるが、私は友人に埋めてくるよう言ってしまったが。高山ではバクテリアも少ないため腐って土になる、ということは考えない方がいいのだ。だからみかんの皮も捨ててはいけない。すべての持ち込んだゴミは持ち帰るのがルールだ。ちなみに私は下山までトイレに行きたくはならなかったが、基本富士山は山小屋が開いているときにいくのがベストだろう。
富士山のトイレと携帯トイレのススメ
コース
今回は普段山に行かない友人と行くので、歩く距離の短い富士宮口にした。
このコースは出だしから富士山の大きな斜面をみながら、天気が良ければゴールの頂上の建物を見ながら登れるので結構好きだ。それに 「人生で一度くらいは富士山に登りたい」 という人が大半なので、それなら是非とも 「頂上まで登った!」って言ってほしいじゃないですか。
それに富士宮口は、5合目までのスカイラインも無料だし、天気が良ければ海も見えるらしい。他のコースについてはこのHPの紹介を参考にしてほしい。
装備と持ち物
9月というとかなり涼しい。 頂上に至っては寒い。冷えるとテンションが低くなるだけでなく運動機能も鈍るから要注意だ。友人にはジャージのような化繊のズボンとスポーツ用などの化繊のTシャツ、ウィンドブレーカー的なもの、厚めの靴下2枚と運動靴、防寒着の持参を指定した。
私の方で用意したのは、人数分のヘッドランプ、上下に分かれるカッパ、軍手、それから共同装備で、具合が悪くなったとき体を風から防ぐ用にテントのフライシート、下に敷くロールマット、それから折りたたみのストックを1本用意した。あと足首やひざを痛めた時のテーピングやファーストエイドはあった方がいい。本当は靴はトレッキング用が良いのだが、さすがにそれは貸せる分だけもっていない。
ズボンやTシャツはやはり濡れても冷たくない化繊がいいだろう。最近のルームウェアなんかは腰履きが多く、小さなTシャツだとおなかに冷えた空気があたる。友人はそれをはいてきておなかをこわしたようだ。また、底がぺったんこの運動靴を履いてきてさかんに「アキレス腱とふくらはぎがいたい」と言っていた。トレッキングシューズは下りでもとにかくダンゼン楽なのはもちろん、かかとに程よい段差があるから登りでも違いが出るのだ。
荷物に余裕があれば小さな鍋とコンロ、水と粉スープやココアなどを持っていくと体が冷えた時にあたたまれてうれしい。小屋がやっていないとなるとなおさらだ。
行程
2008年9月12日(金)夜10時に都心を出て13日(土)に登るという計画にした。高速道路を下りて富士山スカイラインに入る前に下山までのすべての食料を買っておく。車なら水を多めに積んでから出かけると安心だ。
5合目駐車場は夜景や日の出を見に来た人でうるさいので、少し下の駐車場でテントを張って仮眠を取る。高鉢駐車場には30台くらいのスペースがありトイレもあるが、そこではない別の広場があったのでそこにテントを張った。トイレはなかった。
早朝5時くらいに起きて5合目へ向かう。まだ暗い。途中数台の車にしか会わなかったが登山口に着くと車であふれかえっていた。駐車場の看板があった。上の方は輪になっているのでぎりぎりまで空きスペースを見つけて進める。
新五合目駐車場案内
裾野左手には山並が。なんの山だろう。
五合目からの眺望
駐車場には仮眠を取って朝を待つ人が。テントもあった。
仮眠をとる人
日の出を待つ人でにぎわう。
日の出
逆光でうまく撮れなかったが朝焼けはきれいだ。
日の出
登山口には案内図と目安の時間が書いてある。標高2305mの吉田口五合目との差は95m。
表口看板
案内図
登山口入ってすぐのところ。この付近のトイレのみオープンしていた。チップを払って、ぜひ入ろう。
9月の富士山の様子
道は火山灰や溶岩のかたまり。視界が効いていればロープが付いているので迷うことはない。9月、山は秋なのでオンタデなどの植物が紅葉している。富士山の上部にまだ木は生えていない。富士山は新しい火山なのだ。
9月の富士山の様子
6合目の山小屋「雲海荘」はオープンしていた。お土産も売っている。
山小屋の看板
道は、ブルドーザーで平らにされた部分もある。やはり9月は登山客も少ない。
頂上への道
やはり8合目で具合が悪くなった。風の当たらない場所でビニール(テントのフライ)をかぶり暖かい飲み物を飲んでしばし睡眠をとる。8合目は具合が悪くなるかどうかの境目の人が多い気がする。友人はこの後回復したが、本当の高山病になった場合は下山する以外に解決する方法はない。睡眠をとると脳の酸素が不足し、高山病が悪化する場合もある。
具合が悪くなる人
頂上付近。空と山の堺にあるのが頂上の建物だ。山の天気は変わりやすいとはその通りでこのころには曇り空に。
富士山への道
鳥居を過ぎて小屋を見送ると噴火口が。この巨大さは見ごたえがある。町からは穴までは見えないしね。向こうには今はドームのなくなった富士山測候所が。本当はあの辺が「剣ヶ峯」といって本当の本当の頂上だけど、意外に遠かったりする。友人には穴を見たら頂上ってことだけ伝えよう。
頂上と観測所
山頂では風が強かったのですぐにカッパを着る。体が冷える前に着るのが鉄則だ。風をよける店も当然閉まっている。頭まですっぽりかぶってしっかり軍手をすれば風とガスが出ても安心感がちがう。その後ふたたびテントのフライをみんなで頭からすっぽりかぶって、中でお湯を沸かしてカップラーメンを食べた。
頂上富士館
下り始める前に靴下を2枚はいて靴紐をしっかり締める。このほうが足の保護になるし、靴の中で足がずれたり前に足が滑ってツメを傷めたりしづらいとおもう。
下る頃にはガスが。一寸先は見えない。
一寸先は見えない
8合目で体調回復のために時間をとったせいか、6合目まで下る頃にはヘッドランプを出すことになった。使うとは想定していなかったが人数分もってきてよかった。その後町におりたら温泉に入り夕食を食べ、深夜割引の効くころに高速出口を出て解散した。東京からの往復であったがガソリンを含めても一人3千円ですんだ。
富士登山のポイント
富士山登山はなかなかイベントとしても盛り上がるし単なるドライブや旅行より濃密な思い出ができてかなりたのしい。前述のように登れる敵期はかなり短いので(7月すぐは梅雨が残ってたり雪があったり。9月は小屋もトイレもない。)、行くと決まったらすぐに日にちを決めて行こう!
適当な格好で来ている人もいるけど、しっかりした装備で行った方がたのしいに決まっている。このときも、友人は予備で持っていったストック使うことになり大変心強かったそうだ。特にリーダーは具合が悪くなった人のために準備をしていくことも大事だ。また、息が切れないくらいの速さでゆっくりゆっくり歩くことが具合が悪くならずに登頂できるポイント。そのために時間をかなり多めに用意しよう。結局この日も下山まで12時間を山中で過ごした。
あと大事なことは、元気な体で登りはじめること。十分な睡眠、疲労がたまりすぎていないこと。疲れて食べれなくなる前に食べること。ぜひたのしい富士登山をたのしんでください。
https://www.camp-outdoor.com/tozan/fujisan/9gatsu.shtml
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c23
24. 中川隆[-10452] koaQ7Jey 2019年10月30日 10:46:57 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2423]
30回目富士登山
富士山(関東) ヨコケン さん
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=145799
日程 2018年10月16日(火)
利用した登山口
富士宮口五合目
https://www.yamakei-online.com/trailhead/detail.php?id=1107
登山口へのアクセス マイカー
天候 曇り 視界良好
[2018年10月16日(火)の雨雲の位置]
https://www.yamakei-online.com/cl_record/kumo_anime.php?id=145799&ymdhis=201810160000
地図
https://www.yamakei-online.com/cl_record/big_map.php?id=145799
この登山記録の行程
富士宮口五合目(08:40)・・・六合目・・・新七合目・・・七合目・・・八合目(10:50)・・・九合目・・・九合五勺(11:40)・・・富士宮口頂上(12:20)[休憩 20分]・・・剣ヶ峰(13:00)・・・富士宮口頂上(13:15)・・・九合五勺・・・九合目・・・八合目(14:50)・・・七合目・・・新七合目(15:30)・・・六合目・・・富士宮口五合目(16:05)
総距離 約8.6km
累積標高差
上り:約1,466m
下り:約1,466m
コースタイム
標準:10時間
自己:7時間5分
コースタイム倍率 0.71
平成元年より毎年登り始めて30年。
ここ数年は10月のこの時期、初冠雪の時期に登ることが楽しくなった。
頂上積雪は20cmほどだが途中吹き溜まりでは50〜100cmはあった。
今年は早い時期より積雪があり雪は結構締まっていたので、ラッセル箇所はほとんどなく
締まりすぎのアイスバーンも少なくアイゼンの効きが程よく登りやすかった。
10本爪以上が必要だと思ったが、岩の露出部分の具合だとチェーンアイゼンが最適と思い使用した。
天候は日差しはない一日でしたが、下界への視界は良好。でもこの時期富士山の風はやっぱり堪える。
しっかりしたグローブないと凍傷になります。
登山中の画像
水ヶ塚駐車場
八合目
富士宮頂上
剣ヶ峰
火口
剣ヶ峰山頂
六合あたりより南アルプス望
この山行での装備
長袖シャツ、Tシャツ・アンダーウェア、パンツ、靴下、登山靴・トレッキングシューズ、ザック、スパッツ、ゲイター、水筒・テルモス、ヘッドライト(+予備電池)、タオル、防寒着、帽子、グローブ、手袋、軍手、サングラス、着替え、メモ帳・筆記用具、カメラ、ナイフ、健康保険証、ホイッスル、ファーストエイド・医療品、非常食、行動食、テーピングテープ、トレッキングポール、アウタージャケット、オーバーパンツ、オーバーグローブ、アイゼン、カラビナ
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=145799
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c24
25. 中川隆[-10451] koaQ7Jey 2019年10月30日 10:55:15 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2424]
富士登山 ヨコケン さん
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=179663
日程 2019年10月28日(月)
利用した登山口
富士スバルライン五合目
https://www.yamakei-online.com/trailhead/detail.php?id=1108
登山口へのアクセス
マイカー
スバルラインが午前3時の開通のため入り口で車中泊する。
天候
火曜日が雨予報だったので晴れ予報の月曜日に休みを取って行く
[2019年10月28日(月)の雨雲の位置]
https://www.yamakei-online.com/cl_record/kumo_anime.php?id=179663&ymdhis=201910280000
この登山記録の行程
富士スバルライン五合目(08:30)・・・六合目(09:15)・・・七合目(10:00)・・・八合目(11:30)・・・本八合目(13:00)・・・九合目(13:40)[休憩 30分]
地図
https://www.yamakei-online.com/cl_record/big_map.php?id=179663
総距離 約5.7km
累積標高差
上り:約1,355m
下り:約91m
コースタイム
標準:5時間40分
自己:5時間10分
コースタイム倍率 0.91
7合目すぎたあたりから積雪。固く締まった雪は10本爪アイゼンが具合よくかみしめるグリップ感。
爪の跡は残るが靴底の跡はまるで残らないので、振り返っても痕跡がよくわからないくらいの雪の硬さ。気持ちよく登れるが滑ったら滑落は避けられない。登りコースはそのようなところ今のところなかったが、下りは危険なところがあった。画像に映っている足跡は前日のものと思われる。この日このコースを登ったのは私だけのようだった。
前日の根不足がたたり8合目あたりから高度障害に苦戦する。頭痛はないがめまいと眠気でペースが激減した。
結局、八号半で13時半を過ぎてしまい、頂上まで登って下山すると完全に日が暮れる時間計算。危険な積雪部分は明るいうちに通過できても、6合から5合目までには台風の影響で登山道が土石で埋まっていたり、崩落寸前の個所もあってガスったら非常に危険な状況が予測できた。もちろんライトは所持していたが9合目手前で下山を決める。
案の定5合目到着で日が暮れた、残念だったが判断して正解だった。
下山中下山コースをソロで登りながら何やら一人しゃべっている登山者が気になった。5〜600mは離れていたのでコッミュニケーションはできなかった。現時間では登頂は厳しいのではないかと思った。もしやその日滑落した人ではないことを祈る。
登山中の画像
下山後の富士
ひと一人通れる幅を残しているが、すぐにでも崩れそうな様子。渡るのに躊躇った。
靴跡は前日以降のものと思われます。 この日は靴が沈まない固さ。
ここで、下山を決めた。
この山行での装備
長袖シャツ、Tシャツ・アンダーウェア、パンツ、靴下、雨具・レインウェア、登山靴・トレッキングシューズ、ザック、防水スタッフバック、スパッツ、ゲイター、水筒・テルモス、ヘッドライト(+予備電池)、タオル、防寒着、帽子、グローブ、手袋、軍手、サングラス、着替え、コンパス、メモ帳・筆記用具、カメラ、登山計画書(控え)、ナイフ、修理用具、健康保険証、ファーストエイド・医療品、ロールペーパー、非常食、行動食、テーピングテープ、軽アイゼン、トレッキングポール、GPS機器、アウタージャケット、オーバーパンツ、オーバーグローブ、アイゼン、ゴーグル、カラビナ、環付きカラビナ、ヘルメット
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=179663
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c25
26. 中川隆[-10450] koaQ7Jey 2019年10月30日 11:08:04 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2425]
11月 初冬の富士山は絶景!厳しさの先にある達成感!
2015/11/5 2016/11/8
https://anshinmoufu03.tokyo/post/132577195216/mtfujiautumnwinter
富士山 山頂
11月の富士登山へ行ってきました。幸い天候にも恵まれ、山頂ではこの時期ならではの絶景を拝むことが出来ました。
シーズン外ということで決しておすすめは出来ませんが、やっぱり富士登山は夏以外がいいなあと再確認できた日になりました。
そもそもシーズンオフの富士登山はありなの?
富士山 通行止め
https://anshinmoufu03.tokyo/wp-content/uploads/2015/11/mtfujiautumnwinter00022.jpg
シーズンオフには登山口にこのような↑通行止めの看板が置いてありますが、富士宮市の公式ではあくまでも自粛要請ということで、シーズン以外の富士登山は違法行為ではありません。
参考:登山シーズン以外の富士登山について – 富士山ガイド.com
http://www.fujisanguide.com/forms/info/info.aspx?info_id=22855
自己責任の世界といいつつ、トラブルがあった時は救助隊のお世話になることになってしまいます。迷惑をかけないよう、装備も含めて安全意識の徹底、登山計画書の提出、ゴミ、排泄のマナーの遵守が絶対条件となります。
登山道に積雪があった場合は必ず引き返す
登山道が雪に埋もれていた場合は必ずその場で撤退を決断する必要があります。
冬の富士山は登山道に積もった雪が凍結し巨大な氷のスライダーのようになり、一度足を滑らせたら死ぬまで滑落し続けます。
また積雪があると下山時に降りる方角を見失ってしまい遭難する可能性も高くなります。
雪に覆われた富士山の登山道 写真は6月
あまり大きく報道はされませんが、毎年こういった事故が起こっています。雪が積もっていた場合は絶対に引き返しましょう。強風など悪天候の場合は言わずもがなです。
富士宮口から登る
富士宮口
今回は5合目の中で一番標高の高い(2400m)ところからスタートできる富士宮ルートで行きました。シーズン中は途中の水ヶ塚駐車場に自家用車を置いてシャトルバスに乗り換える必要があり、また冬季(11月中旬以降)は途中の富士山スカイラインが全面通行止めになるので自家用車でここまで来られる期間は短いです。
富士宮 駐車場
参考:富士スカイライン交通情報 – 静岡県公式ホームページ
http://www.pref.shizuoka.jp/kensetsu/ke-230/mt_fuji_road.html
自家用車で登山口まで登れる期間は短いですが、登山口周辺でも見晴らしがいいので下山してきた時にはドライブ目的で来ている人も多かったです。ここのトイレはシーズンオフでも利用できます。
富士宮の展望台
富士宮口から富士山頂を目指す
地図
https://www.google.com/maps?ll=35.290788,138.607141&z=11&t=m&hl=ja&gl=JP&mapclient=embed
11月ですが、5合目は晴れていて雪もなくシーズンオフとしては絶好のコンディションでした。
富士宮口 5号目
富士山の登山道は本当につまらないんですが、振り返れば壮観な景色が拝めるのでなんとか耐えられます。雲がなければ伊豆半島、駿河湾が見えるはずだったんですが…
富士山 登山道
富士山から駿河湾を望む
富士宮ルートは岩を登っていく場面が多いです。退屈です。
富士山の岩場
標高が高いので、晴れていたり急にガスまみれになったりと天候は変わりやすいです。ラッキーな事に登山道の風は大したことがなく、手先や顔を除けば寒さを感じることはありませんでした。
ガスで覆われた登山道
八合目付近の鳥居です。
8号目付近の鳥居
こちらは九合目の山小屋です。この辺りで寒さによりiPhoneが強制シャットダウン。カメラは持ってなかったので少し焦りました…
9号目の山小屋
ポケットの中でスマホを温めて復活させ、なんとか山頂に到着。スタートから2時間45分ほどでした。素人にしては急ぎすぎて、山頂付近では酸素の薄さも相まって足取りが重くなりました。
富士山頂 山小屋
お鉢巡り
山頂では多少凍っているところもありましたが、火口周りを回ってきました。
凍った足場
登山口とは違い、山頂は程よく雪が残っており絶景が広がっています。このためにつまらない富士登山をしたといっても過言ではありません。
富士山 雪のかかった火口
剣ヶ峰をのぞむ
つららもできています。
つらら
富士山最高点の剣ヶ峰に到着。
アメダス
http://www.jma.go.jp/jp/amedas_h/today-50066.html
によると、この日の山頂の気温は氷点下8℃。この写真を取るためスマホの電源を復活させるのにだいぶ時間を取られました。
富士山最高峰 剣ヶ峰
たった40分程度で1周できる程度の距離ですが、北側と南側で全く風景が異なるのが面白いです。山頂ならではですね。
山頂の雪景色
山頂の南側 雪がありません
また山頂では場所によって全然気候が違い、一部の区間ではかなりの強風が火口に向かって吹いていたため、この瞬間は恐怖を感じました。
凍った足場
無事1周して下山。富士宮ルートは傾斜がある分下りは早いです。下山にかかった時間は1時間半程度でした。
宝永山の火口を眺める
宝永山
富士宮口からは宝永山にも登ることが出来ます。さすがに山頂に行く気力はありませんでしたが、帰りがけに火口だけは眺めてきました。駐車場から15分程度なので、これだけを見に来ている人も多かったですね。
シーズンオフの富士山に登る準備
おすすめはしませんが、シーズンオフの富士山に登るために必要な物をご紹介。もちろん安定したコンディションを想定しており、厳冬期のことは考慮していません。
防寒具
当たり前ですが、シーズンオフの富士山は寒いです。インナー、アウターを含め防寒対策はしっかりとする必要があります。また絶対に必要なのが頭、耳を温める帽子と手袋です。今回のような比較的安定した気候でも、手袋をしているのに手が動かなくなるくらい冷えた瞬間があったので厚めのものがいいでしょう。
食料、水
シーズンオフは山小屋がやっていないので、十分な量の飲み物、食べ物を持っていく必要があります。保温水筒、炭水化物が必須です。最近の保温水筒は日常生活でも役に立つので一本持っておいて損はないですよ。
象印 水筒 直飲み ステンレスマグ 480ml ダークココア SM-KB48-TM
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00B1KVCEQ/anshinmoufu03-22/ref=nosim/
携帯トイレ
富士山の山頂付近はほとんど岩場の上、その寒さにより生き物も少なく排泄物が分解されません。シーズンオフに富士登山をするなら、携帯トイレを持参するのがマナーです。
携帯トイレ 大便もOK 「万能トイレくん」 5個組
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0083Q4ASQ/anshinmoufu03-22/ref=nosim/
ホッカイロ
保温グッズとしてはもちろんですが、スマホを動作させるために必須です。上にも書きましたが、氷点下ではスマホのバッテリーが正常動作しなくなり電源が入らなくなります。
スマホが使えないと緊急時の連絡ができず、また写真で記録を残すことも出来ないので、ホッカイロでやんわりと温めて置く必要があります。ただし直接スマホとホッカイロをくっつけると今度は温度が上がりすぎるので、その点も注意です。
カイロは使い捨てよりもハクキンカイロを買ったほうが良いです。日常生活でも使えますし、何より暖かさが全然違います。長期的に見ればランニングコストも安いです。
ハクキンカイロ ハクキンウォーマー スタンダード 1個入 【保温約24時間】
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雑記
今回はコンディションが良かったので、無事初冬の富士山を満喫できました。夏の富士登山は苦痛でしかなく、冬季の富士登山は死と隣り合わせのため、こういういいタイミングで登ることが出来たことはラッキーでした。いつかは6月頃の登頂にも挑戦したい気もするし、もうつまらない登山道は歩きたくないとも思ったり…
https://anshinmoufu03.tokyo/post/132577195216/mtfujiautumnwinter
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c26
27. 中川隆[-10449] koaQ7Jey 2019年10月30日 11:24:24 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2426]
【富士山に登る】初心者は富士宮ルートからの登山がおすすめ 2016/8/22
https://anshinmoufu03.tokyo/mtfujifujinomiyaroute
世界文化遺産にも登録され、近年ますます人気が高まっている富士山。今年こそ富士山に登ってみよう、と考えている方は多いでしょう。富士山には大きく分けて4つの登山口があるのですが、初めて富士山に登るのであれば静岡県 富士宮ルートが一番おすすめです。
この記事では、なぜ富士宮ルートで登るべきかを解説します。
富士山 4つの登山口
まず富士山の登山口の基本情報から。上に行くほど人気が高く人が多いルートになります。
富士山の登山口
登山口 スタートの標高(m) 所要時間 (往/復)
富士吉田
2300m 4時間 / 2時間半
富士宮
2400m 3時間半 / 2時間
須走
2000m 5時間半 / 3時間
御殿場
1400m 6時間半 / 3時間
富士登山の所要時間はあまり当てになりません。夏場は登山渋滞が起きているため上記の時間以上にかかる可能性が高いです。逆に空いていれば大幅に短縮できます。11月に富士宮ルートから登った際には登り2時間半、下り1時間半と参考タイムより大幅に早かったです。
須走、御殿場ルートは上級者向け
上記の表を見てもらえれば分かりますが、須走、御殿場ルートはスタートの標高が低く時間がかかるため、上級者向けのルートになります。初心者が登る際に選択するべきではありません。
ただし下山時は砂の上を滑るように降りていくことが可能でさほど時間がかからないので、自家用車で富士山を訪れていないのであれば須走、御殿場方面へ下山するのも選択肢の一つです。
以下では、富士吉田と富士宮ルートを比較しながら富士宮の方がおすすめな理由を紹介します。
富士山に登るなら富士宮ルートがおすすめな理由
標高が高く所要時間が一番短い
富士宮ルートの登山口は富士吉田より100m標高が高く、山頂までにかかる時間が一番短いです。富士山は標高が高く空気が薄いため、たった100mでも所要時間に大きな差が出ます。
富士宮口
また富士吉田ルートではスタートから30分ほど水平に歩く必要があり標高が上がらないため、富士宮より余計に時間がかかる要因となっています。
富士吉田口 5号目付近
富士山の登山道は恐ろしくつまらないので、登山にかかる時間は短いにこしたことはありません。さっさと頂上へ登って、頂上の景色と日本最高峰に登ったという達成感を得ることが大切なのです。
富士山 山頂
人工物が少ない
富士吉田ルートの登山道は崩落防止のためのフェンスが至る所に設置してあり、安全のためとはいえ見栄えが悪いです。
富士吉田ルートのフェンス
対して富士宮ルートは山小屋こそ富士吉田と同様にたくさん設置してありますが、登山道の景色をつまらなくするようなものはありません。
富士宮口 5号目
日本最高峰 剣ヶ峰が一番近い
日本の最高地点である標高3776mに到達するには、山頂からさらに剣ヶ峰(けんがみね)と呼ばれる地点まで登らなければなりません。せっかく富士山に登ったのだからぜひ最高峰を踏んでおきたいですよね。
剣ヶ峰をのぞむ
この剣ヶ峰は富士宮ルートの終点からすぐのところにあるため、お鉢巡り(富士山の火口周りを1周、40分〜1時間ほど)をするつもりがないのであれば富士宮ルートから登ると最も早く到達できます。
富士山最高峰 剣ヶ峰
海が見える
富士宮ルートから後ろを振り返ると、晴れていれば駿河湾や伊豆半島を見渡すことができます。
富士山から駿河湾を望む
富士吉田ルートからも河口湖や山中湖の綺麗な景色が望めますが、個人的には富士宮の方が景色はいいと思います。
富士吉田から山中湖、河口湖を望む
富士吉田は観光地感が強い
富士吉田の登山口は最も人が多く、飲食店やお土産屋などがたくさんあるため俗っぽい雰囲気です。毎年山開きになるとTV局のレポーターが中継をやっているので見覚えのある人も多いでしょう。
富士吉田 5号目
近年は登山目的ではない中国やタイのツアーバスが大挙して押し寄せており、その混雑はとんでもないことになっています。
富士宮にもレストランはありますし外国人のツアーバスも来ていますが、富士吉田に比べると遥かに穏やかで質素な雰囲気ですし、展望台からは駿河湾の景色を眺めることもできます。
富士宮 駐車場
富士宮の展望台
富士スバルラインが有料
富士吉田へ行くには、中央道 河口湖ICを出てから
富士スバルライン
http://subaruline.jp/
という有料道路(往復2060円/ETC不可)を通る必要があります。近年はロードバイクのヒルクライムコースとしても人気で自転車だらけなので、非常に走りにくいです。
一方、富士宮へ行くには東名高速 御殿場ICから下道を走り、
富士山スカイライン
https://www.fujiyama-navi.jp/entries/oBrZj
を通ることになりますがこちらは無料です。
山開きの期間(7月上旬〜9月上旬)は富士スバルライン、富士山スカイラインともにマイカー規制が実施されており、自家用車は通ることができません。富士吉田へは
県立富士北麓駐車場
https://www.pref.yamanashi.jp/kankou-sgn/hokurokuchuusyajou.html
から、富士宮へは
水ヶ塚駐車場
http://www.fuji-tozan.com/05_access.html
からシャトルバスに乗り換える必要があります。
高速道路の渋滞
これは主に車で富士山を訪れて東京方面へ帰る人向けの項目です。
富士吉田ルートの最寄りICは、上記の通り中央道 河口湖ICになります。よって東京方面へ帰宅する際には悪名高き小仏トンネルを通過することになるため、休日は確実に渋滞につかまります。近年の小仏トンネルの渋滞は主に車線の増減による合流の乱れから生じているため、小仏トンネル付近で発生した渋滞を抜けるまでには非常に時間がかかります。
対して、富士宮ルートの最寄りICは東名高速 御殿場ICになります。こちらも御殿場IC入口付近や大和トンネルで渋滞が発生するものの、事故渋滞でない限り完全に止まってしまうということは少なく、30〜40km程度で転がって進むことができるため中央道ほどストレスがたまりません。
富士宮ルートからはご来光が見えない
ひとつ注意点として、富士宮ルートからはご来光を拝むことができません(もちろん山頂までいけば見られる)。山頂に辿り着く前に山小屋などからご来光を見ようと考えている人は富士吉田から登りましょう。
まとめ
富士山 雪のかかった火口
紹介した通り、初めての富士登山ならあらゆる点で富士宮ルートがおすすめです。はっきりいって富士山に登るのは非常に退屈ですが、頂上の景色や日本一高い所を踏んだ、という達成感は何にも代えがたいものがあります。話のネタにもなりますし、ぜひ人生の記念に富士山へ登ってみましょう。
夏場でも山頂付近の気温は低いので防寒具の用意は忘れずに。下りは膝を痛めやすいので、ストックも持っておくと安心です。登山用品は高価なので、今後本格的に登山をする予定がないのであれば
を活用するのがオススメです。
https://anshinmoufu03.tokyo/mtfujifujinomiyaroute
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c27
28. 中川隆[-10448] koaQ7Jey 2019年10月30日 11:35:47 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2427]
富士山はいつ登れるの?
https://tozan.net/fuji/gaikan/itsu.php
こちらの写真をまず参照してください。これ、何月だと思います?これ、実は5月です。麓では春でも、富士山では風に磨かれたガチガチの雪に覆われて真冬 真っ盛りです。
may4.jpg
この雪が解けるのは、7月と8月だけ。9月も後半になるといつ雪が降ってもおかしくない状況になります。従って、まず登山の心得のない人が登ろうとする場 合
は、7月か8月だけがチャンスです。(吉田口だけは年によりますが、9月の中旬頃まで登山可能です)
6月だと登山道はまだこんな感じです。
特に一番難しいのが9月後半〜10月でして、この時期は雨が降るか雪がふるかわかりません。最悪なのは雨が降って体が濡れたあと、冷えてきて雪になること で、こうなると余程のベテランでも生死にかかわります。
9月後半になって、「まだ間に合いますかねえ」とかいう人がたまに おりますが、基本的には無理と考えて下さい。たまたま天候に恵まれて偶然登れることもあるかもしれませんが、それは結果的に登れただけで、ちょっと悪条件 が重なれば死ぬ可能性もあることを忘れずに。遅れて登る登山は、絶対慎むようにしてください。
・富士宮口・御殿場口 =
山小屋は8月の最後の日曜日まででほぼ終了しますので、ここまでが初心者の登れる時期です。
・吉田口(河口湖口) =
9月中旬(15日頃)まであいている山小屋があります。9月に営業している山小屋は8月に営業している山小屋より格段に少なくな り、また天候も厳しくなるので、まったくの未経験者は9月の登山はおすすめできません。9月10日くらいまでは登れますが、おおむね8合目より上へいった ことがある人でないと僕は不安だと思います。経験のない人がどうしても9月上旬に登りたい場合、ツアーを利用した方が安全です
★夏以外には登れないの?
まず、登山者のスキルを以下のとおりに分けます。
(1)登山は富士山がはじめてだというグループ(仮に「未経験者」と称します)
(2)富士山には1〜2度登っている(概ね8合目より上まで行っていることを指す)もしくは、他の山域で比較的やさしい夏山登山を何度か経験しているグ ループ(仮に「軽登山経験者」とします)
(3)夏の富士山には何年も登っている。もしくは夏の南北アルプスに登るのに充分な実力があるグループ。
(仮に「夏山経験者」と称します)
(4)冬の低山や、GWの残雪期くらいは歩けるグループ
(仮に「春山経験者」と称します)
(5)冬山もバリバリ。冬の剱岳や槍ヶ岳、エベレストなんかも登っちゃうグループ
(仮に「冬山経験者」と称します)
で、チャートにすると、だいたい以下のとおりだと思います。これはあくまでも「僕の考え」ですし、経験の区分の線引きも、そのときどきの気候も厳密ではな いですから、これを見て「登れた」「登れなかった」と言われても困るのですが、大筋でそんなには間違ってないと思います。
凡例:「◎」おすすめ 「○」問題なし 「△」登れるが厳重な注意が必要 「×」不可
未経験者 軽登山経験者 夏山経験者 春山経験者 冬山経験者 備考
7月のごく初め頃 × × △ ◎ ◎
7月の3日〜10日頃までは登山道に雪が残っていて通行止めになっていることがありますが、その時期のことを示します。勿論7月1日 から山頂へいける年もありますが、その時はこの時期がありません。
7月〜8月20日頃 △ 但し経験者同行の場合○
○ ○ ○ ○
山小屋があいている期間です。一般に富士山登山シーズンはここを指します。
8月20日頃以降〜8月末まで △ 但し経験者同行の場合○
○ ◎ ○ ○
8月の後半、富士山には秋がやってきます。お盆すぎには人の数は急速に減り、最終日曜日にはいくつかの山小屋が閉鎖になります。日は 短く、天候は不安定になってくるのもこの時期です。
9月1日〜20日頃まで × △ ○ ◎ ◎
小屋がしまった後、冬がやってくるまでの2週間は、静かな登山が楽しめますが、自己責任が厳しく問われる時期です。日も短いのである 程度の脚力も必要です
9月20日〜10月末頃 × × × × △
暖気が入れば雨、寒気が入れば吹雪。非常に天候を読みにくい季節です。また、10月以降は降れば確実に雪ですが、岩と雪のミックス ルートでアイゼンワークが難しい時期です。ベテランでも注意が必要な時期です。
11月1日〜5月末頃まで × × × × △
厳冬期の富士山はマイナス30度以下の気温。積もった雪は風に磨かれて、ときとしてアイゼンが効かないほどガチガチに凍りつきます。 ヒマラヤ並に難しい富士山に登れるのは、一部のエキスパートクライマーだけに限られます。
6月中 × × × △ ◎
この時期になると雪は緩んできますので、ザイルで確保したり、しっかりした滑落停止技術がなくても登れますが、6月前半でも寒気が入 り込めば雪になる可能性はあります。
富士山はのっぺりした山なので、この時期でもピッケル・アイゼンは必要です。
と、まあ、こんな感じになると思います。
★9月には登れないの?
うるさい!!!
無理だっちゅーの!!
人の話をきけぇい!!
凸(▼ー▼)凸
たとえば、石に足をのっけたところで足を滑らせて転倒しますよね。履き慣れたビブラム底の登山靴を履いている「登山者」 なら雨(というか、9月後半は雪か、悪くするとみぞれ)で濡 れてでもいない限りまず靴が滑ることはないですし、靴が滑り やすい状況でも体重のかけ方で滑らないようにできます。万一 滑ったとしても普段から不整地を歩いていますから、バランス を取ってリカバリーすることも可能です。でも登山経験なしで はどうでしょう。 足を滑らせて行動不能になったとき、どうしますか?
大抵足を 滑らせるのは下り。夕方近くなって疲れてきた頃です。夜が近 づいてきます。夏なら近くの小屋まで30分もあればいけます が9月では場所によっては日没までに戻れる保証もありません。 その場で夜を明かすか、日が暮れてでも1人置いて小屋まで走 るか。判断は貴方が下さなければいけないのです。場合によっ ては5合目ではなく、麓まで行かなければいけません。
9月中旬の富士山の気候は、着のみ着のままで一晩平気で過ご せるほど甘くはありません。外気温−5度、風速15mなら体 感温度はマイナス20度です。もしみぞれまじりの雨で体が濡 れてしまっていたら、おそらく再び朝日を見ることはないでしょ う。 僕は普段ツェルト(非常用小型テント)を持っていますからそ の場で一晩は持ちこたえられます。携帯コンロやメタも持って いますから、落石の通り道をさけてちゃんと設営できれば暖を 取ることも可能です。 非常食を口にしてもらって、足が折れていなければ翌日ゆっく り歩いて降りてもらうこともできるし、自力で歩けない状況で も、女性1人なら山小屋まで1〜2時間程度なら背負って降り ることもできます。 はじめて山を見て、どこが落石の通り道かわかりますか?
もし、小屋まで走るとして、そして今度は救助の人をつれて登 り返さなければなりません。それだけの体力は大丈夫ですか?
夏山では問題にならない、ただの「足をひねった」という些細 なトラブルが、9月ではこれだけ考えなければいけないことが あるのです。 7月8月なら技術や知識のない初心者が登れる山でも、9月に 登るのなら、夏場自力で3000m級の山に登れるだけの技量 は必要です。
富士山の初冠雪は9月下旬から10月初旬。初冠雪というのは、 翌日麓からはじめて積雪が観測された日で、前日は吹雪です。 早い年なら9月下旬には吹雪がくるのです。初冠雪は、はじめて雪が降った日ではありません。7月に最低気 温で氷点下を日もある富士山です。9月に寒気が吹き込めば、 初冠雪前であろうと雪になるであろうことは容易に想像がつきます。
先にも書きましたが、実は雪より怖いのはみぞれでして、水分 が多いため、みぞれにたたられるとどうしても装備を濡らして しまいがちです。そして、濡れた服に風が当たると・・・ 凍死はあっという間です。
確実な安全性が確保されてはじめて登山というのは行われるも のです。命がかかっているものですから、ただ1つでも無茶だ と思われる点があるのなら、その登山は中止されるべきです。 まして、それが未経験者ならなおのことです。
https://tozan.net/fuji/gaikan/itsu.php
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c28
29. 中川隆[-10447] koaQ7Jey 2019年10月30日 11:41:21 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2428]
積雪期の富士山(2016年12月中旬撮影)
http://www001.upp.so-net.ne.jp/fujisan/fuji-snow.html
当サイトは夏期の観光としての富士登山に関する情報サイトですが、積雪期の厳しさや危険性を知っていただくために、このページを作りました。投稿者の皆さんたちは雪山登山のエキスパートです。初心者は決して積雪期に登らないで下さい。
富士山の雪解けは遅いです。4〜5月の頃はむしろ一番、雪が積もっている時期です。 また、春頃になっても富士山の上部は低温のため、雪がまだ凍結しており、強風でバランスを崩して滑落する事故も多発しています。特に激しい風の時は身体が持ち上げられてしまうこともあるそうです。
富士登山オフィシャルサイト・積雪期の富士山で遭難・滑落事故が多発しています!!
http://www.fujisan-climb.jp/info/161207_winterclimb.html
http://www001.upp.so-net.ne.jp/fujisan/fuji-snow.html
積雪期の富士山(事例1)
【ご注意】積雪期の富士登山は熟練した高度の登山技術、経験、体力が必要です。このページの写真は11月で、まだまだ雪が少ない状態です。真冬の富士山は凍結した雪に覆われており、大変に危険です。
登山者:土屋四郎さん
登山日:2001年11月23日
冬の富士登山もこなす土屋四郎さんから写真を送っていただきました。なかなか見ることのできない景色なのでお願いして掲載させていただきました。土屋さんは2001年に6回登頂されたそうです。特に9月は、2日、6日、21日の3回。登頂して4日後にまた登るとはすごいですね。
雪の富士宮口山頂(18KB)
2001年11月23日の富士宮口の山頂です。最も積雪が深くなる4月下旬頃には2m以上の積雪があり、鳥居が埋もれてしまいます。
雪の馬の背(23KB)
馬の背と剣が峰の富士山測候所を見上げたところ。すでにレーダードームは解体されています。向かって右側が火口内部です。1999年11月末には、ここでスノーボードをしていた男性が火口から30m下で負傷。富士山測候所の職員が救出した、なんてことがありました。
雪の馬の背(23KB)
石碑の下部の台座が埋まっているので、積雪は40pぐらいでしょう。
冬期の富士登山は危険です。
土屋さんも危機一髪でした。
(土屋さんからのメール)
12月23日、宝永山の写真が撮りたくて、水が塚駐車場に車を停めて須山口から登り、宝永山の写真を撮って、帰りに砂走りを下りて双子山を経由して須山口下山道で帰ろうと考え歩きはじめ、水を飲もうと立ち止まったとき尻もちをついたらそのまま滑り始めてしまい、仰向けの状態だったので滑落停止姿勢がとれずに何度かバウンドした時に、今度はうつぶせになりましたがアイゼンが刺さらずピッケルも弾かれてしまいました。そのうち地面から突き出ている岩が見えて、もうだめだとあきらめた次の瞬間、バーンという音とともに被っていたヘルメットと毛糸の帽子が飛んでいくのが見えました。
その後「まだ生きてる。あきらめてはダメだ」と思い、再度ピッケルを地面につきたてながら滑っていったら、日光に照らされ柔かくなっている地面があって上手く刺さったようで止めることが出来、死なずにすみました。冬装備でいたのですが左脇肋骨2本 右脇肋骨1本 右手の甲を骨折 左足首捻挫その他体中傷だらけでした。また、滑落時何とか停止できる姿勢になろうとして無意識のうちに爪を立てていたせいか左人差し指と薬指の爪が半分はがれてしまいました。それと最近になって以前治療した歯が痛み出したので被せてあった銀歯を外して診た所、中の歯が割れていて、こんなとこにも事故の影響が出ていました。このところ11月23日に登った時も何の障害もなかったので少し気が緩んでいたようです。死なずにすんだので良い戒めとなりました。
滑り落ちている時思っていたことは、多分助からないだろう、どうせ死ぬならなるたけ痛い思いをしたくないというのがホントの気持ちでした。インターネットで滑落事故を検索すると大体が本人死亡となっていて同じパーティーの人が事故報告という形でのせている場合が多いようですね、ですから滑落時何を思ったかなんて誰も書いていませんでしたが、昨年の4月に富士山で滑落を経験した樽家さんという方も私と同じようなことを事故報告に載せていました。彼は私より重傷で社会復帰に半年以上かかったのこと。(樽家さんの事故報告書はこちら)
きちんと傾斜の緩い砂走り下山道まで戻ればよかったのですが、避難小屋地点まで降りて須山口下山道を行く場合、また右に移動しなければならないので、つい、宝永山の途中から真下へ向かってトラバースし、途中水を飲もうと立ち止まった時、ザックの脇ポケットに入れてあるボトルを取り出すのにちゃんとザックを下ろして出せばよかったのに右手で強引にボトルを取ろうとしたため、体重をかけていた左足がずれ、しりもちというか背中から落ちて滑り始めたというわけです。
この時期頂上は目指さなくとも御殿場口から七合目辺りまでは、比較的緩やかなので一歩一歩気をつけて歩けば、そして急斜面には近寄らなければ、もしつまずいて滑ったとしても滑り台を降りているぐらいですみそうです。(途中に地面から突き出ている岩などがなければですが・・・) 夏場は、ジグザグに登る登山道ですがアイゼンをきかせながら真っ直ぐに登ることも可能というわけです。 私が滑落した時も八合目辺りに訓練にきている人が3人、避難小屋の横にテントを張っている人が2,3人いて私が何とか止まり立ち上がったのを心配そうに見てました。まぁ今回の事故は本当にいい教訓になりました。今シーズンは山開きを待って富士山を楽しみたいと思います。
http://www001.upp.so-net.ne.jp/fujisan/fuji-snow1.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c29
30. 中川隆[-10446] koaQ7Jey 2019年10月30日 11:43:33 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2429]
積雪期の富士山(事例2)
http://www001.upp.so-net.ne.jp/fujisan/fuji-snow2.html
登山者:きのこるげさん
登山日:2009年6月9日
6月9・10日と大陽館に宿泊して富士山に登ってきました。
NHKで放映した冬富士では今年は雪が異常に少ない事でしたが行ってみたら・・・。
8日に大陽館さんに電話したところ、宿泊はOK・去年より雪が多い・アイゼンは必要・ストックはあったほうが良いとのことなので予約を入れました。
菊屋前、閑散としています。
標高2300m位です、木々の間を潜り抜けなくてはなりません。
長田山荘前です、あまり雪があるようには見えませんが裏手からすぐに雪に埋もれてます。
標高2600m位です、登山道が完全に雪に埋もれてますが緩斜面で柔らかいため注意すれば問題ありません。
瀬戸館前、ここも雪があまりなさそうに見えますが裏はてんこもりです。
大陽館下、50m位雪渓を直登します。
大陽館、埋まってますが営業中。
大陽館、埋まってますが営業中。
小屋の奥が完全に埋まっているため、ここから登り始めます。
大陽館のすぐ上から八合目方面。
見晴館
下江戸屋
3300m位から山頂方面。
上江戸屋と八合目トモエ館の間。
御来光館。
山頂の鳥居、這いつくばって鳥居をくぐりました。
河口湖口山頂。
頂上山口屋前。
火口。
大日岳。
山頂直下から八合目。
砂走り入口、雪が固いところが多いのでアイゼンないと洒落にならないほど怖いです。
砂走りならぬ雪走り。
吉野屋から、砂走りの半分が雪で隠れてます。
今回聞いた話だと
・おととしよりも雪が多い(除雪していた人の話だと大陽館上の下山道で3mくらい、吹き溜まりだと15mくらいありそう)
・河口湖口は去年一昨年と1日に山開きさせたが2年連続でけが人をだしヘリが出動したため今年はツアー客は10日まで受け付けない
・須走口は除雪の入札もまだしていない&人手も足りないため山開きの日はわからない
・たしかに雪は少なかったが、5月に異常に雪が降った
・山口屋も10日ごろに開けられればいいといっているらしい
菊屋のおばあちゃんのお話は
・不景気だからか日曜はお客さんが多いが土曜は少ない(実際9日は1時間で3人、10日は2人しかこなかった)
・昨日、60〜70才の4人組の登山客が登っていった、東京から歩いてきて前日は山中湖に昨日は大陽館に泊まり山頂まで行った
・週末に中国人4人組が富士山に登りたいとやって来て雪が多く危ないから止めたほうがいいと諭してそのうち3人は六合目まで雪を見に行って帰ってきたが、一人だけどうしても頂上に行きたいと登って行ったが暗くなっても帰ってこず仲間が懐中電灯を借りて探しにいき樹林帯で下りてきたところを見つけたそうです。
http://www001.upp.so-net.ne.jp/fujisan/fuji-snow2.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c30
31. 中川隆[-10445] koaQ7Jey 2019年10月30日 11:44:38 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2430]
積雪期の富士山(事例3)
http://www001.upp.so-net.ne.jp/fujisan/fuji-snow3.html
登山者:白田祐樹さん
登山日:2010年5月3日
5月3日に富士宮口からの登頂に成功しました。
無謀な登山者が近年増えてきているので写真を見て皆さんに危険を分かってもらえればと思います。
八合目から撮影
奥宮の鳥居
馬の背
(管理人)
4〜5月は富士山の積雪が一番多い時期です。下界とは全く異なります。
参考写真・夏期の同じ場所(富士宮口山頂・奥宮前)
http://www001.upp.so-net.ne.jp/fujisan/fuji-snow3.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c31
32. 中川隆[-10444] koaQ7Jey 2019年10月30日 11:45:38 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2431]
積雪期の富士山(事例4)
http://www001.upp.so-net.ne.jp/fujisan/fuji-snow4.html
登山者:ふじ男さん
登山日:2012年6月30日
本日、富士宮口ルートから山頂まで歩いてきましたので 簡単に登山道の状況をお知らせします。 須走口に比べると、それほど荒れてはいません。 ただし、何度か落石が目撃されているようですので 歩行中は注意が必要です。 雪はそれほど残っていませんが、9合5勺からは登山道の 半分が雪渓に覆われています。 未経験者は雪が無くなるのを待ちましょう。 新6合目の山小屋は営業していましたが、他の山小屋は準備すらしていません。 ブル道も整備中でした。
九合五勺の雪渓部
奥宮
剣が峰
(管理人)
2012年6月30日にふじ男さんが撮影した写真です。
山開きが目前ですが、この年の富士宮ルートは積雪が多く、山頂までの開通が遅れています。
http://www001.upp.so-net.ne.jp/fujisan/fuji-snow4.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c32
33. 中川隆[-10443] koaQ7Jey 2019年10月30日 11:50:57 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2432]
2017.01.06
積雪期の富士山で遭難・滑落事故が多発しています!!
http://www.fujisan-climb.jp/info/161207_winterclimb.html
積雪期の富士登山については、猛烈な突風や吹雪に見舞われることが多く、気象条件が特に厳しく山岳遭難のリスクが極めて高く大変危険です。七合目以上では、突風による転倒やアイスバーンでの滑落の恐れがあります。(夏山期間以外は、登山道は通行止めとなっています。)
毎年、積雪期における登山がなされ、山岳遭難事故が数多く発生し、死傷者、行方不明者が出ております。
遭難の原因は、気象などの情報不足、観光気分、十分な装備を持たない、知識・経験不足、無理な登山や過密スケジュールによる強行日程、自分は事故を起こさないという過信など様々です。山岳会会員など充分な知識・経験があり装備も万全な登山者による死亡事故も発生しています。
こうした遭難事故の防止や自然環境を保全するため、平成25年に「富士登山における安全確保のためのガイドライン」が制定され、夏山期間以外での富士登山では3つのルールが決められていますので、これらのルールを遵守するようにお願いします。
1.夏山期間以外の事故発生状況(H28.9.11〜)
平成29年1月5日現在
発生件数 遭難者数 死者 行方不明者 負傷者 無事救出
10件 11人 7人 0人 4人 0人
山梨県・静岡県警調べ
<主な事故の状況>
•H28. 9.25 遺体の発見 須走まぼろしの滝付近で男性1名の遺体を発見
•H28.10.15 転倒事故 須走口で男性1名が転倒し、負傷
•H28.11.20 滑落事故 須走口9合目付近から約2km滑落 2名死亡(登山歴40年山岳会会員男性、大学山岳部員男性)
•H28.11.21 遺体の発見 御殿場口宝永山付近で男性1名の遺体を発見
•H28.12. 4 滑落事故 吉田口8合目付近から約500m滑落 1名死亡(会社員男性)
•H28.12.24 滑落事故 吉田口7合5尺付近から滑落 1名重傷(登山歴約30年、医師男性)
•H29. 1. 1 滑落事故 吉田口で滑落し6合目付近で発見、2名死亡(会社員男性 等)
冬山登山者への啓発指導の様子
■登山者の過信について
昨年11〜12月にかけ、山梨県側において滑落事故が続けて発生したことから、12月17日から、山梨県警と自治体及び環境省により、登山者への啓発指導を実施しております。
今まで、610人を超える登山者に指導しておりますが、43人が山頂を目指し、そのうち3人が滑落事故を起こしております。
事故を起こした3人は、自分は大丈夫だという過信のもと、山頂を目指しております。
2.啓発ビデオ
■You Tube 山梨県警察公式チャンネル
緊迫!県警ヘリ「はやて」による山岳遭難者救助
https://www.youtube.com/watch?v=9nABtiVuji4
※富士山の夏山期間以外の気象条件は特に厳しいため、救助のヘリがすぐに到着できず、早急な救助活動が出来ない場合があります。
ハギトモ大使と山岳救助隊員によるトークショー
https://www.youtube.com/watch?v=byD9lkHv68E
平成28年10月5日、東京都内で開催した山梨県警察主催の「山岳遭難防止キャンペーン」の際の、元オリンピック競泳選手の萩原智子さんと山梨県警山岳救助隊員との安全な登山について呼びかけるトークショーの様子。
3.富士登山における安全確保のためのガイドライン
(1)万全な準備をしない登山者の登山禁止
十分な知識やしっかりとした装備、計画を持たない登山者の登山は禁止されています。
夏山期間以外は、特に気象条件が厳しく、救護所、トイレも閉鎖、携帯電話も通じにくいなど、安全確保が困難となります。
(2)「登山計画書」を必ず作成、提出
登山は自己責任です。
しかし、万が一の遭難時の迅速な救助のため、登山する際には、行程、メンバー、装備、緊急連絡先などを記載した「登山計画書」を必ず作成、提出して下さい。
なお、「登山計画書」を提出したからといって、登山道の通行を許可したことにはなりません。
(3)登山者として「携帯トイレ」持参のマナー
五合目以上にある山小屋や公衆トイレは、夏山期間以外は閉所されています。
万全な準備をした登山者が登山を行う場合、自然環境保全のための携帯トイレを持参して下さい。また、自らの排泄物は回収し必ず持ち帰って下さい。
携帯トイレ 大便もOK 「万能トイレくん」 5個組
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0083Q4ASQ/anshinmoufu03-22/ref=nosim/
4.リンク
山梨県警(山岳情報)
https://www.pref.yamanashi.jp/police/sangaku/
静岡県警(山岳情報)
http://www.pref.shizuoka.jp/police/kurashi/sangaku/
富士登山における安全確保のためのガイドライン
http://www.fujisan-climb.jp/risk/guidelines.html
http://www.fujisan-climb.jp/info/161207_winterclimb.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c33
24. 中川隆[-10442] koaQ7Jey 2019年10月30日 11:59:30 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2433]
2019年10月30日
コンビニ24時間年中無休は、オーナー一家の犠牲で成立している
週刊ダイヤモンドの「コンビニ地獄」特集号
画像引用:https://www.amazon.co.jp/ 週刊ダイヤモンド 2019年 6/1号 [雑誌] (コンビニ地獄) | |本 | 通販 | Amazon
コンビニチェーンは24時間年中無休で成立している
コンビニの24時間営業や年中無休制度が批判され、特にセブンイレブンの対応が話題になっています。
全店例外なく24時間営業だったのを見直し、年中無休も一部店舗で休業を認める方針と報道されています。
今までコンビニチェーンは「24時間年中無休、フルボリューム、全都道府県全市町村展開」を基本方針にしていました。
織田信長の天下統一にも通じる積極展開で、拡大し前進し支配しまた拡大するという戦略です。
これには理由があり、24時間営業でない店舗や休日がある店舗があると、効率が落ちてしまいます。
例えば同じ町のABCD店すべて年中無休24時間なら、配達トラックを常に走らせ常に商品を補充できます。
ところが半分の店が夜間閉店し休日休んだら、AB店だけ配達しCD店には配達しないので時間を空けて配達する事になる。
すると弁当や総菜などが品切れを起こし、ランチタイムなのにお弁当が並んでいないという状態になります。
大手コンビニチェーンは売れなくても弁当はフルボリュームで並べ、隙間を作らないようにしています。
こうする事で客を呼び込み買う気を起こさせる為であり、それには常に配達トラックが補充する必要があります。
小さいヤマザキショップとか地方の独自コンビニは商品が寂しい場合があるが、24時間年中無休によってああなるのを防いでいます。
ところがこの24時間年中無休フルボリュームは、オーナーの犠牲よって成立していました。
コンビニオーナーは借金を背負わせるために募集している
コンビニオーナー募集の広告を見たことがあると思いますが、頭金なしや300万円くらいでオーナーになれます。
土地も店舗もコンビニ本部が用意するからで、オーナーは本部に数千万円を借金をし店舗を借りて開店します。
それなら本部が直接経営すれば良い気がしますが、実はオーナーに借金を背負わせるために募集しています。
地方のコンビニの多くは最初赤字ですが、この赤字は経営者=所有者であるオーナーの借金になります。
フランチャイズ契約は通常3年なので、3年後に黒字になっていたら本部は契約を更新せず店を乗っ取ります。
あるいはFC店のすぐ近くにもっと大きい店を開店し、FC店を潰すような事もしています。
コンビニ店の仕組みは本部から商品を仕入れて店で売るのですが、本部から仕入れる金額はスーパーの小売価格くらいです。
つまり130円で売っている缶コーヒーの仕入れ価格は100円くらいで、自分で買ってきた方が安いくらいです。
店が仕入れた段階で本部の売り上げになり、商品が売れようが売れまいが本部には一切関係ありません。
家族ぐるみで倒れるまで働かせる
さらに本部はロイヤリティとして粗利益の5割以上を取りますが、オーナーは残りの5割以下からバイト代を支払います。
実際にはバイトの給料は本部から支払われているので、オーナーはお金の管理に関わっていません。
それどころかオーナーは自分の「給料」を本部から毎月貰っているのは周知の事実です。
コンビニオーナーは実際にはコンビニの労働者に過ぎないのに、借金を押し付けられ無償労働させられます。
このためコンビニ本部は家族持ちで妻や働ける子供がいる男性を狙って勧誘し、家族に無償労働をさせます。
数千万円の借金を家族で背負っているので、妻も息子も娘も不眠不休でタダ働きをします。
契約期間の3年以内で辞めると莫大な違約金を請求され、病気や災害などで休業しても違約金を課されます。
地震や水害でもコンビニが空いているのは人助けや地域貢献ではなく、閉店したら違約金で破産するからです。
オーナー一家は契約期間中は一生休むことはできず、契約満了時にはボロボロになって借金だけを背負わされます。
土地と店は本部から借りているので本部の所有物であり、契約終了時にオーナーには何も残りません。
こうした実態が徐々に知れ渡ってきてオーナーになり手が減り、本部は24時間年中無休を改めざるを得なくなっている。
http://www.thutmosev.com/archives/81355000.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/826.html#c24
208. 中川隆[-10441] koaQ7Jey 2019年10月30日 12:18:52 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2434]
英語民間試験の導入でついに現実となった優生学的教育制度 二極化・格差社会の真相
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/263918
2019/10/30 日刊ゲンダイ
「身の丈」とはどういうことか(萩生田文科相)/(C)日刊ゲンダイ
萩生田光一文部科学相の暴言が話題になっている。来年度から始まる「大学入試共通テスト」で導入される英語の民間試験が、居住地や経済力に恵まれていない受験生を著しく不利にする問題について、「身の丈に合わせて頑張ってもらえば」とホザいたのだ。
24日に放送されたBSフジの番組。かりそめにも文科相の肩書を持つ者が、何という言い草か。とうとうここまで来てしまったかと、天を仰いだ。直ちに連想したのは、1990年代末の取材だ。私は拙著「機会不平等」に書く目的で、それまで教育課程審議会の会長だった作家の三浦朱門氏(故人)に会っていた。2002年度から小中学校の授業時間と内容が3割がた減る、平均学力の低下が懸念されますがと尋ねると、彼は、
「平均学力が下がらないようではどうにもならん。できん者はできんままで結構。戦後50年、落ちこぼれの底辺を上げることにばかり注いできた労力を、できる者を限りなく伸ばすことに振り向ける。非才、無才には、せめて実直な精神だけを養っておいてもらえばいい」
教育とは裕福で、教育熱心な家庭の子のためのみにある、と言い放たれたようなものだった。零細な鉄屑屋の倅で、落第スレスレの“ビリメン”都立高校生だった経験のある私は(居座ったが)、目の前の相手をぶちのめしたい衝動を必死で堪えつつ、こんな言葉も引き出した。
「欧米の(平均)点数は低いが、すごいリーダーも出てくる。日本もそういう先進国型になっていかなければ。それが“ゆとり教育”の本当の目的。エリート教育とは言いにくい時代だから、回りくどくいっただけの話だ」
三浦氏は文化庁長官だった80年代にも、スポーツ雑誌で〈女性を強姦する体力がないのは、男として恥ずべきこと〉だと、それこそ男として恥ずかしい異常な理屈を開陳し、国会で取り上げられた前科がある。教育関係の審議会をそんな人物に託した政府自体の異常性も問われるべきだった。
あれから20年。私が警鐘を乱打し続けてきた優生学的教育制度の不安は、完全な現実となった。“グローバル人材”の育成と愛国心の涵養を両輪とする教育改革の狙いは自明だ。彼らにとって下々の人生など、ただ己に奉仕させる道具以上でも以下でもないのである。
萩生田氏は謝罪したそうだが、その程度で済ませては絶対いけない。こんな手合いを放置していたら、権力に近くない家庭の子どもは、みんなあの連中の奴隷か私兵にされてしまう。
http://www.asyura2.com/09/bun2/msg/492.html#c208
26. 中川隆[-10440] koaQ7Jey 2019年10月30日 12:21:32 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2435]
2019.10.30
権力者にとって都合の悪い情報を伝えることが犯罪になる時代へ入った
マックス・ブルメンソールというジャーナリストがアメリカで逮捕され、2日間留置された。ベネズエラの反政府派、つまりアメリカ支配層の手先の訴えによるもので、拘束されていた間、外部との接触が禁止されたという。
このジャーナリストはベネズエラにおけるアメリカの工作やパレスチナ問題などを調査、結果として有力メディアが偽情報を流していることを明らかにしてきた。アメリカやイスラエルの支配層に嫌われていることは間違いない。有力メディアが言うところの「ファクトチェック」とは、「大本営発表」に反する事実を排除することだが、そのターゲットになる情報を彼は伝えてきた。
4月11日にイギリス警察はエクアドル大使館へ乗り込み、内部告発を支援してきたウィキリークスのジュリアン・アッサンジを逮捕した。アッサンジはイギリス版のグアンタナモ刑務所と言われているベルマーシュ刑務所で拘束されている。
アッサンジを尋問しているアメリカ人は国防総省、FBI、CIAに所属している人びとで、BZ(3-キヌクリジニルベンジラート)という薬物が使用され、1日に22時間、あるいは23時間は外部との接触が禁止され、友人や親戚との面会はできない。弁護チームも監視下で会うことが要求されているほか、食べ物の差し入れや基本的な医療行為も拒否されているようだ。
彼の逮捕はアメリカ政府の意向だ。支配層にとって都合の悪い情報を入手し、公表したことが「1917年のスパイ活動法」に違反すると主張されている。アメリカ政府の主張が全て認められた場合、最大懲役175年になるという。
イラクでアメリカ軍のヘリコプターから非武装の人びとを銃撃して死傷させる様子を撮影した映像をウィキリークスは2010年4月に公表しているが、犠牲者の中にはロイターの取材チームが含まれていた。
この映像を含むイラク戦争の実態を明らかにする情報をウィキリークスへ提供したブラドレー・マニング(現在はチェルシー・マニングと名乗っている)特技兵は2010年5月に逮捕され、刑務所で過酷な扱いを受けたと言われている。
また、2016年の大統領選挙における不正を明らかにする民主党本部とヒラリー・クリントンの電子メールなどを公表し、バーニー・サンダースを負けさせる工作があったことを明らかにした。
権力者にとって都合の悪い情報を伝えるジャーナリストが犯罪者として扱われる時代に入ったと言える。権力者に容認される「スクープ」は情報操作のためのリークだと言えるだろう。欧米の有力メディアに対する信仰を捨てられない人は権力者に操られる。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201910300000/
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/330.html#c26
30. 中川隆[-10439] koaQ7Jey 2019年10月30日 12:22:04 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2436]
2019.10.30
権力者にとって都合の悪い情報を伝えることが犯罪になる時代へ入った
マックス・ブルメンソールというジャーナリストがアメリカで逮捕され、2日間留置された。ベネズエラの反政府派、つまりアメリカ支配層の手先の訴えによるもので、拘束されていた間、外部との接触が禁止されたという。
このジャーナリストはベネズエラにおけるアメリカの工作やパレスチナ問題などを調査、結果として有力メディアが偽情報を流していることを明らかにしてきた。アメリカやイスラエルの支配層に嫌われていることは間違いない。有力メディアが言うところの「ファクトチェック」とは、「大本営発表」に反する事実を排除することだが、そのターゲットになる情報を彼は伝えてきた。
4月11日にイギリス警察はエクアドル大使館へ乗り込み、内部告発を支援してきたウィキリークスのジュリアン・アッサンジを逮捕した。アッサンジはイギリス版のグアンタナモ刑務所と言われているベルマーシュ刑務所で拘束されている。
アッサンジを尋問しているアメリカ人は国防総省、FBI、CIAに所属している人びとで、BZ(3-キヌクリジニルベンジラート)という薬物が使用され、1日に22時間、あるいは23時間は外部との接触が禁止され、友人や親戚との面会はできない。弁護チームも監視下で会うことが要求されているほか、食べ物の差し入れや基本的な医療行為も拒否されているようだ。
彼の逮捕はアメリカ政府の意向だ。支配層にとって都合の悪い情報を入手し、公表したことが「1917年のスパイ活動法」に違反すると主張されている。アメリカ政府の主張が全て認められた場合、最大懲役175年になるという。
イラクでアメリカ軍のヘリコプターから非武装の人びとを銃撃して死傷させる様子を撮影した映像をウィキリークスは2010年4月に公表しているが、犠牲者の中にはロイターの取材チームが含まれていた。
この映像を含むイラク戦争の実態を明らかにする情報をウィキリークスへ提供したブラドレー・マニング(現在はチェルシー・マニングと名乗っている)特技兵は2010年5月に逮捕され、刑務所で過酷な扱いを受けたと言われている。
また、2016年の大統領選挙における不正を明らかにする民主党本部とヒラリー・クリントンの電子メールなどを公表し、バーニー・サンダースを負けさせる工作があったことを明らかにした。
権力者にとって都合の悪い情報を伝えるジャーナリストが犯罪者として扱われる時代に入ったと言える。権力者に容認される「スクープ」は情報操作のためのリークだと言えるだろう。欧米の有力メディアに対する信仰を捨てられない人は権力者に操られる。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201910300000/
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/119.html#c30
272. 中川隆[-10441] koaQ7Jey 2019年10月30日 12:24:35 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2434]
2019.10.30
権力者にとって都合の悪い情報を伝えることが犯罪になる時代へ入った
マックス・ブルメンソールというジャーナリストがアメリカで逮捕され、2日間留置された。ベネズエラの反政府派、つまりアメリカ支配層の手先の訴えによるもので、拘束されていた間、外部との接触が禁止されたという。
このジャーナリストはベネズエラにおけるアメリカの工作やパレスチナ問題などを調査、結果として有力メディアが偽情報を流していることを明らかにしてきた。アメリカやイスラエルの支配層に嫌われていることは間違いない。有力メディアが言うところの「ファクトチェック」とは、「大本営発表」に反する事実を排除することだが、そのターゲットになる情報を彼は伝えてきた。
4月11日にイギリス警察はエクアドル大使館へ乗り込み、内部告発を支援してきたウィキリークスのジュリアン・アッサンジを逮捕した。アッサンジはイギリス版のグアンタナモ刑務所と言われているベルマーシュ刑務所で拘束されている。
アッサンジを尋問しているアメリカ人は国防総省、FBI、CIAに所属している人びとで、BZ(3-キヌクリジニルベンジラート)という薬物が使用され、1日に22時間、あるいは23時間は外部との接触が禁止され、友人や親戚との面会はできない。弁護チームも監視下で会うことが要求されているほか、食べ物の差し入れや基本的な医療行為も拒否されているようだ。
彼の逮捕はアメリカ政府の意向だ。支配層にとって都合の悪い情報を入手し、公表したことが「1917年のスパイ活動法」に違反すると主張されている。アメリカ政府の主張が全て認められた場合、最大懲役175年になるという。
イラクでアメリカ軍のヘリコプターから非武装の人びとを銃撃して死傷させる様子を撮影した映像をウィキリークスは2010年4月に公表しているが、犠牲者の中にはロイターの取材チームが含まれていた。
この映像を含むイラク戦争の実態を明らかにする情報をウィキリークスへ提供したブラドレー・マニング(現在はチェルシー・マニングと名乗っている)特技兵は2010年5月に逮捕され、刑務所で過酷な扱いを受けたと言われている。
また、2016年の大統領選挙における不正を明らかにする民主党本部とヒラリー・クリントンの電子メールなどを公表し、バーニー・サンダースを負けさせる工作があったことを明らかにした。
権力者にとって都合の悪い情報を伝えるジャーナリストが犯罪者として扱われる時代に入ったと言える。権力者に容認される「スクープ」は情報操作のためのリークだと言えるだろう。欧米の有力メディアに対する信仰を捨てられない人は権力者に操られる。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201910300000/
阿修羅で真理を明らかにした投稿者が投稿制限されるのもマスコミと同時進行していますね。
http://www.asyura2.com/11/kanri20/msg/603.html#c272
15. 中川隆[-10440] koaQ7Jey 2019年10月30日 12:25:09 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2435]
2019.10.30
権力者にとって都合の悪い情報を伝えることが犯罪になる時代へ入った
マックス・ブルメンソールというジャーナリストがアメリカで逮捕され、2日間留置された。ベネズエラの反政府派、つまりアメリカ支配層の手先の訴えによるもので、拘束されていた間、外部との接触が禁止されたという。
このジャーナリストはベネズエラにおけるアメリカの工作やパレスチナ問題などを調査、結果として有力メディアが偽情報を流していることを明らかにしてきた。アメリカやイスラエルの支配層に嫌われていることは間違いない。有力メディアが言うところの「ファクトチェック」とは、「大本営発表」に反する事実を排除することだが、そのターゲットになる情報を彼は伝えてきた。
4月11日にイギリス警察はエクアドル大使館へ乗り込み、内部告発を支援してきたウィキリークスのジュリアン・アッサンジを逮捕した。アッサンジはイギリス版のグアンタナモ刑務所と言われているベルマーシュ刑務所で拘束されている。
アッサンジを尋問しているアメリカ人は国防総省、FBI、CIAに所属している人びとで、BZ(3-キヌクリジニルベンジラート)という薬物が使用され、1日に22時間、あるいは23時間は外部との接触が禁止され、友人や親戚との面会はできない。弁護チームも監視下で会うことが要求されているほか、食べ物の差し入れや基本的な医療行為も拒否されているようだ。
彼の逮捕はアメリカ政府の意向だ。支配層にとって都合の悪い情報を入手し、公表したことが「1917年のスパイ活動法」に違反すると主張されている。アメリカ政府の主張が全て認められた場合、最大懲役175年になるという。
イラクでアメリカ軍のヘリコプターから非武装の人びとを銃撃して死傷させる様子を撮影した映像をウィキリークスは2010年4月に公表しているが、犠牲者の中にはロイターの取材チームが含まれていた。
この映像を含むイラク戦争の実態を明らかにする情報をウィキリークスへ提供したブラドレー・マニング(現在はチェルシー・マニングと名乗っている)特技兵は2010年5月に逮捕され、刑務所で過酷な扱いを受けたと言われている。
また、2016年の大統領選挙における不正を明らかにする民主党本部とヒラリー・クリントンの電子メールなどを公表し、バーニー・サンダースを負けさせる工作があったことを明らかにした。
権力者にとって都合の悪い情報を伝えるジャーナリストが犯罪者として扱われる時代に入ったと言える。権力者に容認される「スクープ」は情報操作のためのリークだと言えるだろう。欧米の有力メディアに対する信仰を捨てられない人は権力者に操られる。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201910300000/
阿修羅で真理を明らかにした投稿者が投稿制限されるのもマスコミと同時進行していますね。
http://www.asyura2.com/13/kanri21/msg/571.html#c15
334. 中川隆[-10439] koaQ7Jey 2019年10月30日 14:47:57 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2436]
2019年10月30日
千葉”大停電”で顕在化、高度情報化社会の災害リスク
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/17671
情報空白地帯と化した南房総
「4日振りに停電が復旧してテレビをつけたら、自分たちの地域のニュースが全く流れていなかった。こんな大変な思いをしているのに、世間には知られていないのかと落胆しました」
9月9日の未明に千葉県の房総半島南端から東京湾沿岸を北上した台風15号は甚大な被害を及ぼした。しかし、発災当初、房総エリアの深刻な状況が伝わっておらず、”情報空白地帯”と化していた。南房総市に住む青木多恵子さん(48歳)は当時を冒頭のように振り返った。
広い範囲で台風被害があった千葉房総半島。破損した家屋の屋根にはブルーシートが広がる(Wedge)
台風の影響で送電線をつなぐ鉄塔や電柱が倒れ、大規模で長期的な停電が発生し、それに伴い通信障害も拡大していった。自治体は被害状況の把握に手こずり、県との情報共有や災害対応が遅れていった。また、この背景には自治体合併といった行政の広域化による課題も浮き彫りにした。
高度に情報化された社会で情報通信インフラが寸断された場合、住民の安否や被害状況を把握するために、行政や地域はどう備え、行動すべきか。房総エリアの当時の状況や自治体の対応をたどりながら検証した。
停電で長期の通信断絶 高度情報化社会の脆さが露わに
房総半島で台風がまさに猛威を振るっていた9日未明、鋸南(きょなん)町役場はすでに停電していた。自家発電で最低限の電源を確保したものの、雨漏りによる故障で固定電話が使えない。携帯電話も通じなくなっていた。衛星電話は屋外に出なければ使えないが、暴風雨の吹き荒れる外に出ることは考えられない。「外との連絡が全く取れない状況だった」と町職員は振り返る。その夜は、在庁する職員で避難所の設置など住民の安全確保に努めた。
朝になり、台風が過ぎ去っても、停電は続いた。庁舎も強風で窓が割れ、壁の一部がはがれ落ちた。携帯電話の電波は心もとないままで、職員間で満足に連絡が取れない。避難所に集まってきた住民の対応もあり、町内全ての状況把握に職員を当てることができなかった。
そこで町は、各地区の住民代表である区長26人に情報収集と提供を呼びかける”人海戦術”を選ぶ。ただ、電話がつながらず、各区長の自宅を訪ねたため「依頼するだけでも丸一日かかった」(町職員)。区長は町内約3700世帯をまわり、人的被害や住宅の損壊状況を確認。民生委員をはじめとする住民からの情報も合わせて、状況を把握した。すべての被災情報を町が把握するまでに5日間を要した。
平成の大合併で7町村が合併した南房総市では、さらに情報の把握に時間を要した。被災当初は、予備電源や自家発電により固定電話や携帯電話などで職員が連絡を取り合っていたが、10日頃から徐々に通信が途絶え始める。
固定電話はNTTの光通信、携帯電話は通信各社の基地局の電源が尽きたためだった。携帯大手3社は被災直後から移動電源車や可搬型基地局を派遣するなどして対応した。船舶型基地局を出し、海からの電波復旧という試みも見られた。しかし、「大規模で広範囲な停電のため、対応しきれなかった」と各社は声をそろえる。
災害に強いとされる防災行政無線は、中継局のブレーカーが故障しており、市内には本庁舎と六つの支所があるが、およそ半分のエリアでつながらなかった。職員は満足に連絡を取り合うことができず、「本庁舎の職員を各支所へ伝令のような形で向かわせるしかなかった」と市の担当者は話す。市内の消防団にも依頼し、団員928人が約1万7200世帯をまわり、住民の安否確認や家屋調査をしたが、状況把握できたのは被災から8日たった時だった。
災害時の情報伝達に詳しい東洋大学社会学部の中村功教授は、「インターネットや携帯電話が使えなくなることも想定し、情報伝達手段を多重化し、被災状況に応じて柔軟に切り替えていくことが必要。数キロしかカバーできない簡易無線もラストワンマイルを埋める情報伝達には有効だ」と話す。
(出所)各種資料を基にウェッジ作成
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/17671?page=2
総務省によると、全国では、災害時に職員同士が連絡を取る防災行政無線(移動系)を整備しない自治体が増えている。中継局の整備や維持にコストがかかるためで、携帯電話の回線を使ったIP無線へシフトする傾向にあるとされ、ここ5年で200以上の自治体がやめている。財政状況を考慮しながら、通信の多重化をどう図るかが自治体共通の課題となっている。
「なんでも上げろ」では必要な情報は集まらない
では、千葉県による被災自治体の状況把握はいかなるものだったのか。県は台風上陸の9日未明から昼にかけて、市町村の避難勧告の有無や避難所の開設状況を中心に情報を収集。大規模な停電が起きていたことから、発電機や給水の手配を優先していた。
千葉県では、県と自治体、消防本部、県出先機関など関係機関をオンラインで結んだ「千葉県防災情報システム」が構築されている。気象や地震といった防災に関する情報をはじめ、けが人や家屋、道路などの被害状況も共有できる。
しかし、9日未明からの停電でネットがつながらなかった鋸南町は、一切の報告を県に上げることができなかった。また、南房総市では、9日はシステムにアクセスできたが、午前7時に避難所の開設状況を、午後0時40分に土砂災害警戒地域の解除の報告を上げるにとどまった。「毎日2回は情報システムに入れることになっていたが、報告事項がなく、県からの催促もなかった」と市職員は状況を説明する。なお、システムによらない9日の県への報告は、鋸南町が避難所開設のための発電機を近隣の県出先機関に要請し、南房総市もブルーシート4000枚を依頼していた。
「自治体には、わかる範囲であらゆる情報を入手した段階で報告してもらうことになっている」と県危機管理課担当者は話すが、あくまでも、被害状況は現場である市町村が県へ報告するのが前提であるとのことだ。
これに対し、防災プロセス工学を専門とする東京大学生産技術研究所の沼田宗純准教授は「『なんでも良いから情報を上げろ』と言われても、集めるべき情報がわからないと自治体は上げられない。被災している中、報告のための報告などしない。あらかじめ集めるべき情報を県と自治体との間で『共通言語』として明確に定めておくことで、情報収集や報告はスムーズになり、その後の復旧や支援も先取りして決めていける」と日ごろからの認識合わせの意義を強調する。もっとも「全体の状況を把握することが目的ではなく、災害対応をするための情報収集と伝達でなければ意味がない」と「共通言語」の中身が重要だとも指摘する。
住民同士の情報共有が災害対応を加速する
行政同士の情報共有だけでなく、自治体と地域住民との間でも情報共有ができていることが望ましい。その意味では、館山市富崎地区の地域住民による活動が一つのヒントを与えてくれるかもしれない。
房総半島の最南端に位置するこの地区もまた多くの住宅や建物が被害を受けた。それでも、被災による住民たちの混乱は少なかった。
公民館に災害情報を集め、物資や復旧作業を振り分ける館山市富崎地区(WEDGE)
「この辺りは、江戸と明治の時代に大きな火事が起き『火の用心』を呼びかける警護団が作られたことがきっかけで地域のつながりが強いんです」と区長の豊崎悦朗さん(70歳)は話す。同地区の住民が、災害の際に公民館に集まり情報共有することにしていたという。
今回の台風上陸直後も、近隣住民は公民館に集まった。地域環境をよく知る市職員もかけつけ、「物資手配も含め、すぐに対策を立てることができた」(豊崎さん)。災害直後から、物資の供給拠点となり、生活で困っているとの情報や全国各地から来たボランティアが集まり、作業を振り分ける場所となった。
沼田准教授は「住民同士が共通認識の下、主体的な動きができるのが理想。ただ、住んでいる人も地域性もわかる小さな地区だからできること。都会ではこうした密な関係は期待できないが、どの地域にも世話役的な住民はいる。自治体がその人へ依頼できる関係を築き、人命や物資といった災害時に必要不可欠な情報を共有しておくことはできる」と話す。
長期停電を余儀なくされた際に住民の安否や地域の被災状況をいかに迅速に把握するか。千葉の大停電を対岸の火事で終わらせず、自治体や住民が互いの立場で備えをし続けなければならない。
http://www.asyura2.com/13/lunchbreak53/msg/390.html#c334
109. 中川隆[-10438] koaQ7Jey 2019年10月30日 15:02:32 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2437]
「音質」は機器の価格なんて当てに出来ない - Mr.トレイルのオーディオ回り道 2019年10月30日
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/24d56e17ec76a64bca2b571433197a94
オーディオ雑誌では機器の音質を聴いて、評論をされるのが一般的だ。そこで書いて有るのは「売らんが為」の記事になる。どんなに音が悪くても「褒めて」マニアに欲しがらせなくてはならない。それが「評論家の仕事」だ。ある方の言によれば、「嘘ばかり書いているのでオーディオ評論家は早死にする」との事らしい。
ここで取り上げるのは CLASSE OMEGA SACD と云う¥100万クラスの機器と、Pioneer BDプレーヤー BDP-160-Kのたかだか¥10万円以下のゼネラルクラスの機器との音質比較をした事が有る。どちらもオリンパスシステムのA730をどかして聴いてみました。あるマニアの方が2台とも持ち込んでの事です。
(比較試聴に使ったソース)
結果は安いPioneer BDプレーヤー BDP-160-Kに軍配が上がりました。作りや見た目では絶対にCLASSEの方が良い様に思いますが、このCLASSEは見た目ほどには作りが良くない。片やBDP-160-Kの方も内部はスカスカの状況。
一聴してBDP-160-Kの方が、聴きごたえのあるサウンドがしました。価格で決めるより、実際に聴いて選択しなさい・・・と云う典型的な見本の様に思います。
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/24d56e17ec76a64bca2b571433197a94
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/842.html#c109
63. 中川隆[-10437] koaQ7Jey 2019年10月30日 15:03:08 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2438]
「音質」は機器の価格なんて当てに出来ない - Mr.トレイルのオーディオ回り道 2019年10月30日
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/24d56e17ec76a64bca2b571433197a94
オーディオ雑誌では機器の音質を聴いて、評論をされるのが一般的だ。そこで書いて有るのは「売らんが為」の記事になる。どんなに音が悪くても「褒めて」マニアに欲しがらせなくてはならない。それが「評論家の仕事」だ。ある方の言によれば、「嘘ばかり書いているのでオーディオ評論家は早死にする」との事らしい。
ここで取り上げるのは CLASSE OMEGA SACD と云う¥100万クラスの機器と、Pioneer BDプレーヤー BDP-160-Kのたかだか¥10万円以下のゼネラルクラスの機器との音質比較をした事が有る。どちらもオリンパスシステムのA730をどかして聴いてみました。あるマニアの方が2台とも持ち込んでの事です。
(比較試聴に使ったソース)
結果は安いPioneer BDプレーヤー BDP-160-Kに軍配が上がりました。作りや見た目では絶対にCLASSEの方が良い様に思いますが、このCLASSEは見た目ほどには作りが良くない。片やBDP-160-Kの方も内部はスカスカの状況。
一聴してBDP-160-Kの方が、聴きごたえのあるサウンドがしました。価格で決めるより、実際に聴いて選択しなさい・・・と云う典型的な見本の様に思います。
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/24d56e17ec76a64bca2b571433197a94
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/852.html#c63
128. 中川隆[-10436] koaQ7Jey 2019年10月30日 15:03:42 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2439]
「音質」は機器の価格なんて当てに出来ない - Mr.トレイルのオーディオ回り道 2019年10月30日
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/24d56e17ec76a64bca2b571433197a94
オーディオ雑誌では機器の音質を聴いて、評論をされるのが一般的だ。そこで書いて有るのは「売らんが為」の記事になる。どんなに音が悪くても「褒めて」マニアに欲しがらせなくてはならない。それが「評論家の仕事」だ。ある方の言によれば、「嘘ばかり書いているのでオーディオ評論家は早死にする」との事らしい。
ここで取り上げるのは CLASSE OMEGA SACD と云う¥100万クラスの機器と、Pioneer BDプレーヤー BDP-160-Kのたかだか¥10万円以下のゼネラルクラスの機器との音質比較をした事が有る。どちらもオリンパスシステムのA730をどかして聴いてみました。あるマニアの方が2台とも持ち込んでの事です。
(比較試聴に使ったソース)
結果は安いPioneer BDプレーヤー BDP-160-Kに軍配が上がりました。作りや見た目では絶対にCLASSEの方が良い様に思いますが、このCLASSEは見た目ほどには作りが良くない。片やBDP-160-Kの方も内部はスカスカの状況。
一聴してBDP-160-Kの方が、聴きごたえのあるサウンドがしました。価格で決めるより、実際に聴いて選択しなさい・・・と云う典型的な見本の様に思います。
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/24d56e17ec76a64bca2b571433197a94
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/845.html#c128
34. 中川隆[-10435] koaQ7Jey 2019年10月30日 16:29:11 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2440]
富士山7合目で遺体発見 ニコ生配信中に滑落の男性か
10/30(水) 16:14配信 朝日新聞デジタル
動画配信サイト「ニコニコ動画」で人が富士山から滑落する様子が配信されているとの通報を受け、周辺部の捜索を行っていた静岡県警は30日、富士山須走口の7合目にある山小屋・大陽(たいよう)館付近(標高約3千メートル)で、身元不明の遺体を発見したと発表した。
御殿場署によると、30日午後1時45分ごろ、県警の山岳遭難救助隊が遺体を発見。遺体は損傷が激しく、衣服も破れていたという。近くにはリュックサックが落ちていたが、身元の確認につながるものは見つかっていない。
動画は、男性が28日に富士山頂付近を歩く様子を自身で撮影しながら生配信していたとみられ、署は遺体がこの男性の可能性が高いとみて、身元の確認を急いでいる。
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c34
35. 中川隆[-10434] koaQ7Jey 2019年10月30日 18:24:59 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2441]
511 :名無しさん@1周年 :2019/10/30(水) 17:15:13.98 ID:Ov1h0+7m0
10月28日にニコニコ生放送(以下ニコ生)で富士山に登る様子をライブ配信していた男性が滑落する様子が流れ、
静岡県警の山岳遭難救助隊が捜索していたところ、30日午後7合目の山小屋付近で遺体が発見された
御殿場署によると、発見は午後1時40分ごろ、捜索にあたっていた県警の山岳遭難救助隊が遺体を発見した
遺体は顔の部分が性別の判別が出来ないほど損傷しており、腰から下は欠損している状態であったという
遺体の近くに落ちていたリュックサックには身元に繋がるものはなかったといい県警では遺体はニコ生でライブ配信中に
滑落した人の可能性もあるとみて、下半身部分の捜索と身元の確認を急いでいる。
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c35
8. 中川隆[-10433] koaQ7Jey 2019年10月30日 19:18:20 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2442]
阿修羅は風説の流布が異常に多いから Google 検索から排除されたんだよ
「認知の歪み」が諸悪の根源だった _ 医療少年院で精神科医が受けた衝撃
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/630.html
アホの考えを変えようとしたり、反論したり、話し合おうとしたりするのはすべて無意味で無駄
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/805.html
阿修羅掲示板はパラノイアや統合失調症患者の投稿が多いので、真に受けない様に気を付けて下さい
http://www.asyura2.com/13/lunchbreak53/msg/899.html
▲△▽▼
阿修羅掲示板でも「認知の歪み」が酷い投稿者が頑張っていますね:
阿修羅掲示板でデマを撒き散らしている頭がおかしい投稿者のリスト
・お天道様はお見通し
・魑魅魍魎男
・日高見連邦共和国
・けろりん
・BRIAN ENO
・櫻井ジャーナル 櫻井春彦
・てんさい(い)= 東海アマ
・小野寺光一
・仁王像
・西岡昌紀
・木村愛二
・こーるてん
・taked4700
・HAL
・ポスト米英時代=小沢内閣待望論
・佐伯まお=おおたこうじ=シノブ
阿修羅掲示板の中国工作員
・赤かぶ
74. 中川隆[-10435] koaQ7Jey 2019年10月30日 20:29:40 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2440]
2019.10.30
アルゼンチンの選挙で新自由主義に反対し、米国からの独立を目指す勢力が勝利
アルゼンチンで10月27日に行われた選挙の結果、新自由主義に反対する、つまりアメリカの巨大資本からの独立を目指すアルベルト・フェルナンデスが勝利した。副大統領にはアメリカ支配層から攻撃され続けているクリスティーナ・フェルナンデス・デ・キルチネルが就任される予定だ。
現在、ラテン・アメリカでは再植民地化を目指すアメリカ巨大資本が攻勢をかけている。かつてアメリカから独立しようという勢力を引っ張っていたブラジルでは新自由主義に反対していた労働者党のルイス・シルバとジルマ・ルセフが潰された。ルセフはブラジル上院の議員たちによって大統領の職務を停止させられ、シルバは刑務所の中だ。
ルセフを失脚させて大統領に就任したミシェル・テメルはアメリカ巨大資本の手先として知られ、彼を含むクーデター派の中心グループは犯罪捜査の対象になっていた人物。そのテメルは今年3月に逮捕されたが、新自由主義の体制は維持されている。
インターネット・マガジンのインターセプトが公表した映像によると、新自由主義に基づく政策、つまり私有化や規制緩和によって富をアメリカやブラジルの富裕層や巨大資本へ集中させようという計画を進めなかったルセフをアメリカ支配層は懲罰するとテメルは語っている。
職務停止の決定が出る直前、ルセフ大統領はテメルだけでなくエドアルド・クニャ下院議長もクーデターの首謀者だと批判していた。クーニャ議長はスイスの秘密口座に数百万ドルを隠していることが発覚している。
また、今年1月から大統領を務めているジャイ・ボウソナル下院議員は軍事政権時代に拷問を行っていたカルロス・アルベルト・ブリリャンテ・ウストラを公然と褒め称えていた人物。軍事政権はアメリカ支配層が望む政策を推進するために樹立されたわけで、ボウソナルもアメリカ支配層の手先だ。
収監中のシルバにインタビューしたジャーナリストのぺぺ・エスコバルによると、シルバはブラジルをドル依存から離脱させるつもりだった。その考えを彼はアメリカ大統領だったバラク・オバマに伝えたところ、アメリカ側は激しく反応し、ブラジルの政府や主要企業に対するNSAの監視が厳しくなったという。
イラクのサダム・フセインにしろ、リビアのムアンマル・アル・カダフィにしろ、ドル体制からの自立を打ち出した政権は潰されている。
アメリカからの独立を掲げていたウーゴ・チャベスが大統領に就任した1999年から産油国のベネズエラも激しく攻撃されてきた。ネオコンなどはエネルギー資源を支配力の源泉と考え、そうした資源を産出する国を支配しようとしてきた。彼らが中東を軍事侵略している理由のひとつはそこにある。
チャベス政権を倒すため、アメリカのジョージ・W・ブッシュ政権は2002年にクーデターを試みたが、失敗している。そのクーデターで中心的な役割を果たした人物はイラン・コントラ事件に登場するエリオット・エイブラムズ、キューバ系アメリカ人で1986年から89年にかけてベネズエラ駐在大使を務めたオットー・ライヒ、そして国連大使だったジョン・ネグロポンテの3人。このクーデター計画を事前に知らされていたチャベス政権は潰されずにすんだ。情報を伝えたのはOPECの事務局長を務めていたアリ・ロドリゲスだ。
また、ウィキリークスが公表したアメリカの外交文書によると、2006年にもベネズエラではクーデターが計画されている。アメリカの支配システムに操られている機関を強化し、チャベスの政治的な拠点に潜入、チャベス派を分裂させ、それによってアメリカの重要なビジネスを保護してチャベスを国際的に孤立させるとされている。
チャベスは2013年3月に癌のため、58歳の若さで死亡。その際にアメリカは体制転覆を目論むが、それも失敗した。チャベスを引き継いだニコラス・マドゥロもアメリカの支配層から嫌われている。現在、反マドゥロ派の象徴として使われている人物はアメリカ政府から「暫定大統領」という称号を与えられたフアン・グアイドだ。
ブラジルがアメリカの巨大資本に奪われた後、2017年にはエクアドルでも新自由主義を推進するレニン・モレノ政権が登場し、リチウム資源で注目されているボリビアにもアメリカは揺さぶりをかけている。
それに対し、新自由主義が最初に導入されたチリ、金や石油を産出する資源国でクリントン家の利権にもなっているハイチなどでは新自由主義に反対する抗議活動が展開され、アルゼンチンではアメリカの巨大資本と戦ってきた勢力が大統領選挙で勝利した。腐敗しきっているブラジルやエクアドルの傀儡政権が安定しているとも言えない。
香港では新自由主義を求める反中国活動が続き、西側の有力メディアの支援を受け、「左翼」や「リベラル」といったタグをつけた少なからぬ人びともメディアに同調しているが、ラテン・アメリカの人びとは新自由主義に反対している。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201910300001/
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/175.html#c74
伝説の遭難者 yucon氏の幻視体験
伝説の遭難者yucon氏の体験について(1) 2018年06月07日
https://hagarie.naturum.ne.jp/e3087346.html
前回、
「新潟親子遭難事故について」の記事
https://hagarie.naturum.ne.jp/e3086142.html
を書いたところ反響があったので、数年前にネットを騒がしたyucon氏の遭難に関しても一応記事を書いておこうかと思います。
このyucon氏の遭難に関しては、多くの失敗を犯している形ですので逆にここから色々な事を学ぶ事が出来ます。特にアウトドア初心者の方には是非読んで貰いたい内容です。これをアウトドアを楽しむうえで役立てて頂ければ幸いです。
★yucon氏について
yucon氏のプロフィール
登山暦:2011年から死亡する2013年11月まで
年齢:当時40代前半
性別:男
本名:川崎
彼はパーキンソン病を患い途方に暮れていた時に"山"に出会いました。その病の進行と闘いながら死亡するまでの間、山を登り続けました。しかし、そんな身体で山登りをする事は自殺行為であり推奨できるものではありません。誰かが止めていればこんな結末にはなっていなかったでしょう。またパーキンソン病の影響か幻覚症状があり、遭難記のどこまでが本当にあった事で、どこまでが彼の幻覚かという議論が未だにネット上では続いています。
yucon氏は"ヤマレコ"という登山系SNSのヘビーユーザーであり、遭難後もその遭難記事をヤマレコにアップした事により一躍、有名人となった方です。リアルでも山雑誌に取材されたり講演会に呼ばれたりしたようです。
そして、今回紹介する遭難から1年後の冬、御在所岳で再び遭難。救助されたものの翌日に病院でお亡くなりになりました。ご冥福をお祈りします。
★遭難時の装備等
遭難発生日:2012年07月16日(月)〜 2012年07月22日(日)
天候:ほぼ晴れだが5日目に雷雨に襲われる
装備:
・食糧(カップ麺、マッシュポテト2人前、バランスパワー4本)
・飲料水(ハイドレーション2ℓ、炭酸ジュース500ml、水500ml)
・野球帽、モンベル半袖ジップアップシャツの下にナイキドライフィット長袖Tシャツ
モンベルパンツ、アンダーにメンズタイツ。
・バーナー、コッヘル、ガスボンベ、
・25,000分の1地図、山と高原地図、コンパス、ホイッスル
当日忘れた装備類:
・雨具、ビニールシート、ツエルト、バックライト付きリストウォッチ、ヘッドランプ、GPS
★どのように遭難したか
今回は
yucon氏のヤマレコの記事やBlogの記事
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-210149.html
http://yucon.hatenablog.com/entry/2012/07/28/030725
あとアウトドア雑誌「山と溪谷2013年8月号」から遭難の内容を抜粋、加筆、修正を行なって記事にしています。
※ヤマレコの記事とBlogの記事、山と溪谷の記事で微妙に内容が違います。今回はBlog側の記事を参考にしています。
1日目:2012年7月16日(月)
まず今回遭難が起きた御池岳の地図を紹介します。
http://turi-yama.moo.jp/yama/2015yama/yama150429.html#top
(※「五目釣りと山旅日記」より転載)
http://turi-yama.moo.jp/yama/2015yama/yama150429.html#top
yucon氏は今回の山行を"土倉岳−御池岳−T字尾根"の周回ルートで計画していましたが、自宅を出発するのが大幅に遅れた為、途中撤退のつもりで家族へ「ノタノ坂、土倉岳、T字尾根、山は登らずに帰ります。帰りは17:00頃」とメモを残し出発することにしました。
しかし奥さんはそのメモを読んで「山に登らないのだったら、このメモは必要がない」として捨ててしまいます。早速この時点でyucon氏が何処の山に行ったのか誰も分からなくなります。
さらに駐車場へ向かっていると道中、土砂崩れにより封鎖されている箇所があり迂回を余儀なくされ、さらに1時間半ロス。駐車場に到着したのは午前10時半。さすがにyucon氏も少し遅いと感じた様ですが、駐車場で別の登山客1人がこれから登るところを見て安心しyucon氏も登山の準備を進めました。
登山準備を済ませて登山口へ向います、林道の段階で山ヒルを数匹確認しており少し不安を感じながらも薄暗い樹林帯へ入って行って行きます。この沢沿いの樹林帯の道は山ヒルの危険地帯です。しかしyucon氏はアルコール除菌スプレー準備しており、それを駆使し、樹林帯を抜ける間際まで山ヒルの被害は無かったようです。
それから稜線に出てから、しばらく休憩した後、左右どちらへ進むのか悩みました。
というのも方角的には間違いなく左なのですが少し進んでみると"侵入不可のケルン"(※1)があり、さらには明らかに人の手によって木の枝で道が塞がれていたそうです。すぐに戻り右方向へ進むと程なく土倉岳山頂へ到着、御池岳の衛星峰「土倉岳」にとりあえずは登頂成功。時刻は13時頃。
時刻も13時と言う事で、このまま御池岳方面を目指しT字尾根経由で下山することに決めたそうです。
その後、土倉岳を北進し痩せ尾根を慎重に渡り、テーブルランドの端にようやく到達。しかしT字尾根経由で下るのにどれくらいの時間がかかるのか分からず、霧が濃いので長居は無用と決め、直ぐにT字尾根の取付き(※2)を探し始めました。
そしてグリーンのテープがいくつも張ってある取付きを発見し下山を開始します。取付きを過ぎた後一旦は違う尾根に乗ってしまった様ですが、この時はすぐに気が付き来た道を戻りました。戻って注意深く辺りを見るとテープや踏み跡があり、それについて行くと正しくT字尾根に乗ることが出来た様です。
順調に下山は進み、後はT字尾根の突き当たりを左へ進めば山行は終了というところで、
駐車場で見た登山者が反対方向から現れました(以後R氏)
R氏「さっきと同じ所を通ったみたいで同じ手拭い見たので拾ったんだ」
R氏の話しでは、T字尾根の突き当たりまで進み、正しく左へ進んだつもりが道迷いになった様で知らぬ間に戻ってきてしまった様です。そして話しの流れでyucon氏はR氏に同行する事となりました。
R氏はyucon氏よりも5歳以上も年上に見え、装備からも察するにベテラン、会話の中でも「旺文社の登山コースは全部制覇した」との事を言っており、それを聞きyucon氏は完全にR氏を信用した様で雑談に夢中になってしまいました。
...雑談に夢中になった結果、二人で迷ってしまいます。
R氏の提案で、沢へ下りて川を下ろうという事になり、yucon氏も一緒に沢へ降りる事に。しかし沢へ降りている最中5mの高さから滑落、2〜3回転しながら沢へ落ちてしまいます。yucon氏は首からぶら下げていた一眼レフが気になり作動確認をし、正常動作したのを確認し安心したそうです。
R氏は滑落したyucon氏に声を掛けて大事に至っていない事を確認すると先行して沢を下って行きました、そしてまた戻って来て一言、
R氏「出口は滝だ、だめだこりゃ。もう一度登り返して稜線へ出よう。」
yucon氏「(滑落してまで下りたのに稜線へ登り返すのか、夕暮れも近いのに...)」
そう思いながらR氏に従い登り返しましたが、途中、沢から少し登った所で足を滑らし両膝を岩に強打。かなりの痛みで出血もあり、しばらく蹲っていましたが何とか登り始める事にしました。登る途中もかなりの薮漕ぎ(※3)でR氏に若干遅れてしまいましたが何とか付いて行きました。
やっとの事で稜線に出て暫く進んだところで二人で休憩。
ここでyucon氏はバランスパワー(※4)の4本のうちの2本を食べ、残り2本をR氏に勧めましたが遠慮されます。そしてそこでyucon氏は自分には持病があり薬無しでは身体がもたないことを説明しました。
休憩を終えて再び歩きだした直後、R氏のザックから水筒が落ちて斜面を滑って行きました。まだ見える場所で止まったのにも係らずR氏は諦めてしまったそうです。
そして尾根を目指しているのに、なかなか尾根が現れない。R氏も高度計を確認しながら首をかしげる。尾根に出ないどころか勾配は急になるばかり、焦りと不安が募ります。不安に駆られていると進行上に大きな岩がありR氏は右に巻く(※5)、しかしyucon氏は上手く巻けず岩の左側を直進する事に。
ここで彼らは一旦別れてしまいます。
日は暮れて薄暗さが増して辺りを見回してみると、遥か先にボタンブチらしき所が見えたそうで、立ち止まりながらもなんとか上へ上へと登っていくと山頂直下15m程の所に僅かなスペースがあり、そこで一人ビバーク(※6)することを決意したそうです。
山頂からはR氏の呼ぶ声とヘッドランプを点灯させるのが見えたそうです、yucon氏もバーナーを点火させ合図を送ります。R氏も山頂でビバークをする様で、山頂から10m程東の地面にシートを広げて横になっていたようです。
眼下には雲海が広がり頭上には満天の星空。月明かり、星明かりのおかげで全くの闇夜ではなく、さらにホタルの群れが飛び交う今まで見たこともない美しい光景が広がっていたそうです。それと同時に遥か下の雲海からは雨音が聞こえていました。
しかしながら、不安から眠れずに夜明けが来るのをじっと待つしかなったそうです。
【用語解説】
(※1)"ケルン"とは人工的な積み石の事で通常ルートを示す道標や墓標として用いられる。
(※2)"取付き"とは登り始める地点などを指す言葉、アプローチポイント。
(※3)"藪漕ぎ"とは藪をかき分けて進む事。
(※4)"バランスパワー"とはカロリーメイトっぽい携行食、商品名。
(※5)"巻く"とは迂回する事。
(※6)"ビバーク"とは緊急避難的野営
2日目:2012年7月17日(火)
ここでもう一度地図を確認しましょう。T字尾根の途中から道を外れ、沢を登りボタンブチへ進んでしまい、そこでビバークした状況です。
(※「五目釣りと山旅日記」より転載)
http://turi-yama.moo.jp/yama/2015yama/yama150429.html#top
この日は夜明けから登り始める事にしました。幸いにも雲ひとつない青空。ボタンブチ直下はカレンフェルト(※7)で、崩れやすい岩がゴロゴロしている為、R氏にロープを渡してもらい慎重に慎上へ進みました。途中3回ロープを掛け直し、なんとか山頂へ倒れ込みました。
そこには2月にボタンブチ下のゴロ谷で遭難死したN氏の慰霊碑があったそうです(参照元:山と溪谷 2013年 8月号)
しばらくそこで倒れこんでいましたが、今日が平日で会社へ行かなければならないことを思い出して立上がります。
とりあえず家族へ連絡と言う事で、yucon氏の携帯はバッテリーが切れていた為、R氏から携帯を借り自宅へ電話。しかし留守番電話だった為「危機的な状況は脱したのでこれから下山します」とだけメッセージを入れたそうです。
R氏から下山ルートの相談を受け、yucon氏はT字尾根ルートを押します。R氏も反対しません。その時、yucon氏は「R氏はここまで大変なことにしてしまった責任を感じてか私の意見に反対しない」と感じていた様です。
この日の朝は雲ひとつない快晴で迷い様が無い天候だったのですが二人してテーブルランドを彷徨い歩いたものの、なかなか目的のT字尾根の取付きが見付りません。見付からないままその先にある土倉岳の取付きを見つけました。R氏はそのまま土倉岳のコースを押したものの、yucon氏は頑としてT字尾根を押した様です。
その後、やっとの事でT字尾根の取付きを見つけて下って行ったものの、昨夜の雲海の下から聞こえた雨の影響でしょうか、地面はぬかるみ、踏み後は消えてしまっていました。
しかも二人とも会社の始業時間に間に合わせたくて下山を急いでしまいます、さらにこの時点で二人が持っている水分はゼロという状況で、その焦りがミスを誘発。一度下ったルートが間違いであることに途中で気付き登り返したりを何度もする事となりました。
この時yucon氏自身も自分が相当混乱しているのが分かったそうです。
そして事態は思わぬ方向へ。
yucon氏が見えるテープがR氏には見えないという現象が起こり始めます。
脇の石を見ると「T」の字が横を向いて進行方向を指していたので
「ほら、目印があるじゃないですか!こっちへ進めって書いてありますよ」
自信満々で石を指さすyucon氏。
R氏は何も言いません。
しばらくしてまた道が違うことに気付き、
yucon氏「おかしいな、Tの字が横を向いてこっちを指してたのにねぇ」
R氏「いいや、そんな石は無かった」
そんなyucon氏でしたが、R氏も反対意見を言わなかった為、「R氏も自身が狂っていないと主張できる根拠や自信が無いのか強く反対意見を言われない」と感じた様です。
それから、二人はテーブルランドから少し下りたところでモタついていました。yucon氏は体調のこともあり何度もR氏に先行を依頼したものの行こうとしなかった様です。それをyucon氏は「やはりR氏も自信を喪失しているようだ」と感じていた様です。
そしてyucon氏がクマ除けの鈴の様な音が聞こえる為、他の登山者が歩いていると思い声を掛けました。しかし音は近づいてくるものの、その姿は見えない。
何度も叫ぶ。
それをR氏は黙って見ていました。
...しかし結局、その登山者の姿を見る事は無かったそうです。
yucon氏「せっかく道を聞こうと思ったのに!」
それをR氏は黙って見ていました。
その後、yucon氏が長い尾根を下って行ったのにも係らず、R氏は尾根を下らず、留まって様子を見ていたそうです。かなり下った後、尾根違いと分かり急峻(※8)を登り返さなければならず半泣きになるyucon氏。昨晩も殆ど睡眠を取れておらず、その上水分補給も無いこの状況、体力も精神も尽きたのでしょう。
すると遥か上でR氏が正しいと思われるルートを進んで行くのが見えたそうです。
そして、その後R氏の姿を再び見ることはありませんでした。
ちなみにyucon氏は遭難救助され暫く経った後R氏と思われる人物のBlogを発見し、その行動を批判したそうです。R氏と思われる人物はBlog閉鎖、音信不通に。それに対してyucon氏は一言、やはり世の中で一番怖いのは「人間」です。
(参照:外部リンク「yucon氏のヤマレコ-R氏について」)
https://www.yamareco.com/modules/diary/21099-detail-38421
その後も何度もルートミスをしながら、6時間掛けてようやくT字尾根の真中あたりの標高967mのピークに辿り着きます。通常この季節、この天候であれば1時間半で到着するコースです。いや、そもそも実は辿り着いたその場所は標高967mのピークですらありません。随分手前の標高1,010mの場所でした。
標高差100m、水平距離でも100m、6時間掛けてこれしか進めていません。
もはや道迷いでは無く自身の衰弱との戦いです。
そこからのまた幻覚が見え始めルートが分からなくなりました。
親子連れや夫婦の登山者を見える。
さらに東西南北全ての方向に目印があり踏み跡があり他の登山者が進んで行くのが見える。
しまいには国道などにある青色の大きな道路案内板が見えたそうです。
T字尾根最高点から30m程下った所で遂に倒れ込みホイッスルを吹き助けを求める。
何度も何度も吹いて「助けて下さ〜い」と叫ぶが誰も来ない。
遥か上の稜線に人の気配がする。
学生のような登山者がこちらを見ており、少し近寄り掛けて躊躇している。
その影に向かって叫ぶがいつの間にか消えていた。
30分ほどしてT字尾根最高点になんとか戻り、登山道脇に倒れ込んでしまいます。
誰か通りかかったら水を貰おう待つが誰も来ません。
自分が居る事を気付かれないように迂回して逃げていく家族連れの登山者がいる。
他にも夫婦やカップル、父子連れの登山者がいる気配がするが誰も助けてくれない。
その後もホイッスルを何度も吹き「誰か助けて下さい!」と呼び掛けたものの反応は無し。
遠くの物陰からこちらの様子を窺がう気配だけがする。
そうなのだ、全て幻覚なのだ。
連休明け平日のT字尾根に一体何人の登山者が訪れるだろう、一人か二人いれば多い方でゼロの可能性の方が高いはず。
ましてや上級者向けのコースに親子連れなどいる訳が無い。
yucon氏も気が付きました。
15時を過ぎ、脱水症状はさらに進行、「水」への思いは募るばかり。幻覚を見つつも川の音のする方へ降りて行きました。降りている途中で「また登り返すのが大変だ」迷っていると、川岸に水量を計測する機械の制御盤の様なものがあり、係員のような女性が機械を触っているのが見えました。さらによく見ると、手前にも係員達の使っているトイレ(便器だけ)やセンサーの様なものまでが見えました。
(※この係員も記事よって女性1人だけだったり女性1人男性2人だったりする)
「急な沢だが降りて水を飲み、係員に自分の存在を知らせ助けを呼んでもらおう」
yucon氏の中でそういう計画が出来上がり斜面を降りて行く事しました。
木にロープを掛け、下の木まで降りることを繰り返しましたが、ついにはロープを掛ける木が無くなってしまいます。しかし下を覗きこむと美味しそうな水が流れている沢が見えた為、そのまま3m以上の高さから落下。全身が痛みましたが何とか上体を起し川の水を手ですくい口へ運ぶ、その瞬間、yucon氏は身体が生き返るのを実感したそうです。
しかし落下の衝撃で身体中が痛み、もはや崖を登り返すことも出来ません。
時刻も16時半を過ぎており夕暮れは目前です。
この日はもう体力の回復を待って、崖を登り返すのは明日の朝からにしました。
もしかしたら水量計の係員が来るかもしれません。そう思いながら辺りを見回すとさっき機械があったところは、ただの木が生えているだけで、どうやら全て幻覚だったようです。
水分補給出来た事で安心したのか、少し眠ってしまった様です。ふと気が付くとまだ幸いにも明るかったものの、寝ている間に顎と首筋の間にヒルを刺されていました。慌ててヒルを剥がしたものの出血は止まらず、タオルで止血しつつも完全に暗くなる前にお湯を沸かしラーメンを食べる事にしました。残る食料はマッシュポテトのみです。
そうしている間にあっと言う間に日は暮れます。
ここは谷間の沢、昨夜のボタンブチとは違い、真っ暗です。
深夜谷底から稜線を見上げると上に人の気配を感じたました。しかもそれは捜索隊で自分を見つけてくれた様です。こちらの存在をアピールする為ガスバーナーを点火し叫びながら、明日の救出を楽しみにそのまま寝てしまいました。
【用語紹介】
(※7)"カレンフェルト"とは石灰岩が林立した地形の事
(※8)"急峻"とは傾斜が急で険しい場所の事
3日目:2012年7月18日(水)
この日、yucon氏は昨夜見た捜索隊が来てくれるのを、ただひたすらに待つ事にしました。
しかし夕方頃、深夜の捜索などあり得ず、昨夜の捜索隊は幻覚だった事に気付きました。
そしてバーナーのコックが開きっぱなしでガスが空になっている事に気がつきました。
そしてこの日yucon氏の家族が捜索願を提出。午後から捜索が開始される。
4日目:2012年7月19日(木)
朝起きると、また救助隊が来ると言う幻覚が始まっており何もせず待つ事にしました。
上流の方で声が聞こえました。
やっと救出部隊が来たような気配がします。
しかし一向に救出活動が進みません。
正午を過ぎ少し不審に思いましたが上流の方から相変わらず声が聞こえてきます。
何か作業を進めているように感じました。
気が付くと15時。
上流の声が聞こえる場所へ行くと誰も居らず、
また全て幻覚だった様です。
夕暮れになり横になると手首を山ヒルが這っていました。
既に両手は10ヵ所以上ずつ刺されていました。
5日目:2012年7月20日(金)
この日ついにyucon氏は自力脱出を実行を決意しました。
ここでまた地図を確認してみましょう。
yucon氏はT字尾根の途中から南に逸れてしまい小又谷にいるものと勘違いをしていました。そして、そのまま沢を下れば川と合流して川を下れば出られるものと考えていた様です。しかも手持ちの地図を見ると間に堰堤や滝がある様に記されているのは分かったそうですが、きっと高低差は少ないものだろう、そして明日には確実に帰れるだろうと楽観的な予想で沢下りを決行する事にしました。
出発前、最後の食糧のマッシュポテトを沢水で溶き半分食べます。
沢を下って行くと高低差20mはあろうかという滝にぶつかり、進めなくなります。
(※この滝に関してもBlogでは20m、ヤマレコでは50mと表現されており、どちらが正しいかは謎です)
(※これが実際のその滝を後日撮影したものらしいです)
いっその事このまま飛び込もうか迷っていると雨が降り始め正気に戻る事が出来た様です。
その雨は夜まで続き、落石や鉄砲水の危険性から中州で一夜を過ごす事にしました。
深夜、真っ暗な中yucon氏が居る所にも水が流れてきました。もう座ったところから一歩も動けない、もしかすると中洲も水の流れで削られており一歩横はもう激流の中かもしれない。そう思うと一歩も動けなくなったそうです。尿意を催したものの、もし立ち上がって沢に落ちれば終わりという不安から一歩も動かず尿はその場に垂れ流したそうです。
5日目:2012年7月21日(土)
雨は早朝に上がったものの身体へのダメージは相当のyucon氏。雨が上がった後すぐに眠り込んでしまいます。
起きた後、遂に地図とコンパスを準備し再度自分のいる地点を割り出すと現在地はT字尾根の北側に位置するゴロ谷と判明。それまでずっと反対側の小又谷と思い込んでいました。
そして昨日作ったマッシュポテトの残りを腐っているとわかりながらも食べたそうです。
今まで食べた中で最も不味い食べ物だったそうですが何かしら摂取しなくては身体がもたないので我慢して口へ運んだとの事です。
そしてyucon氏の身体に衝撃的な異変が、以下yucon氏のコメント。
そういえば最近股間がむずむずしている。
恐る恐る肛門付近を見ると自分の肛門から次から次へとウジ虫が出てきている。
どうやら自分の腸内で卵からかえり肛門から出ていくようだ。
出口がないと気に入らないのか股間の皮膚に噛みついて暴れるのでとても痛い。
沢の水の中に卵がありそれを飲むことにより体内でふ化するようだ。
これも鹿の糞が媒体となっていて鹿の増加が関係しているのか。
思案を重ねた結果、沢を下るのではなく、稜線まで上がれば誰かに会えるだろうという考えで尾根まで上がる計画を立てました。しかし12時過ぎから出発し比較的勾配の少ないガレ沢から取付き慎重に登って行ったもののかなり衰弱していたのでしょう、8割進んだところで日没を迎えてしまいます。
斜面途中の木の根周辺にスペースを見つけ木に跨る姿勢で夜を迎える。
この夜はどこからかテレビの音声が聞こえてきたので呼び掛けをしたそうです。するとカサカサとサンダル履きで駆け寄ってくる音がしたので、警察へ連絡をお願いをしたところ近くで電話を掛けているような会話が聞こえてきたのでお礼をしたそうです。
深夜寝ぼけて足を踏み外し落下、たまたま触れられた木の枝に掴まり止まったが、足は完全に宙ぶらりん。微動だに出来ない姿勢で一晩過ごし小便はまた垂れ流しだったそうです。
6日目:2012年7月22日(日)
朝起きると、なんとかまだ木の上でした。
この日も頭の中では救助隊がこちらに向かっているという状況が出来上がっていました。
ほんの少し上の尾根の方からもいろんな人の声が聞こえ辺りがざわついていました。
近所のおじさんの声、飼っている犬の声、聞き慣れた声がたくさん聞こえます。
そんな雰囲気の中yucon氏は木の上で安心して待っていました。
昼頃のどの渇きを訴えるとお茶を用意してくれると言われます。
yucon氏は楽しみにして待っていたものの、お茶も出ないし救助も来ません。
気付いた時は既に遅く13時半。
沢から持ってきていた水ももう空です。
そしてもう一度沢まで降りたらもう登り返せないのが分かります。
しかし諦めかけたその時、下の沢から声が聞こえてきました。
しかもyucon氏の名前を呼んでいました。
こちらからも叫んだものの声が届かないので滑り落ちるように下りました。
半分程降りた所でコッヘルで叩き大きな音を出してから投げ落としたりもしました。
一眼レフカメラも投げました。
望遠レンズも投げました。
それでも下の人には気付いてもらえません。
残り3分の1のところでザックも投げ落としました。
yucon氏は半ばヤケクソ気味に飛び降り様としました。
すると会社からも捜索に来てくれているのか同僚の女性の声が聞こえます。
「川崎さんの為にここにジュースを置いていこう」
(※川崎とはyucon氏の本名)
それを聞きブレーキが掛けるyucon氏。
「死ぬまでに彼女が置いて行ってくれたジュースを飲もう!」
そう決意したものの、2m程滑落、途中でメガネも紛失してしまいます。
沢に降りられたものの全く動けなくなりました。
もちろん下には誰もおらず、全て幻覚でした。
辛うじて這い蹲り沢の水を飲んでいると、
川の向こうに親子の3人連れと中年男性が見えました。
「三途の川か」
そうyucon氏が呟くと川の岸辺に先程のジュースが見えました。
しかし少しでもジュースに近付こうとするものの、たった数cmも進みません。
川の向こうの人達が楽しそうにしているのが見えます。
そしてラジオ放送が流れていて野球中継を放送が聞こえます。
yucon氏は後一日は死なないだろうと計算をしていましたが、肛門からはウジ虫が誕生し続けており、全身山ヒルの噛み跡だらけ、脇腹もムカデにやられているこの状況を感じ、眠ったら二度と目が覚めることは無い様な気がしたそうです。
救出
2012年7月23日(日)のこの日は三重県山岳連盟の救助隊が前日から捜索を行なっており、そのうちの一班がボタンブチからN氏(上述した過去の遭難者)の遭難地点を経てゴロ谷に下りるルートを捜索していました。
16時ごろ登山者から遺留品が見付かったとの連絡が入った為、その方面に向かう事になりました。
そしてついに17時40分頃、yucon氏の最後の力で振り絞って振った手を隊員の一人の女性が捕らえました。
その時は突然やって来た。
人の気配がする。
久々に人間の気配だ!
2人程の人影が見える。
最後の力を振り絞り手を振る、声にならない声を振り絞る。
一人が近づいてくる。
女性だ。
「遭難してます。川崎と言います。」
女性は驚いた表情を見せ「生きてる!よかった!」と叫んだ。
歓喜の声と一緒に複数の人が来るのがわかった。
「水を下さい!」
アクエリアスを一口貰った。
これはyucon氏の人生の中で一番美味しい飲み物だったと謳っています。
さっきまで川の向こうに居た人たちの姿はどこにも見当たりません。
岸辺にあったジュースも探してもらいましたが見当たりません。
しかしyucon氏の中ではまだ半信半疑でした。
もしかするとこれも幻覚かもという疑念が振り払えません。
「川崎さん!」と呼ぶ声に目をやると色黒の精悍な男性が居ました。
彼はヤマレコ仲間でyucon氏が師と仰ぐToshiという人物でした。
(※yucon氏のBlogから転載、足元の男性がToshi氏)
そして、18時55分、時間ギリギリだったものの県防災のヘリで搬送してもらえる事となり救助となりました。
★今回は一旦ここまで
あまりにも記事が長くなりすぎた為、今回はここまで。
この遭難記を読むと結構最初の方から「あれ?」ってところありますよね。オカルトっぽい要素もありつつも多くの間違った行動をしていたのが分かりましたか?次回はそういったところを中心に解説をしていきたいと思います。
それでは皆さん良いアウトドアライフを!それでは、また!
https://hagarie.naturum.ne.jp/e3087346.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1013.html
1. 中川隆[-10434] koaQ7Jey 2019年10月31日 03:51:28 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2442]
伝説の遭難者yucon氏の体験について(2) 2018年06月10日
https://hagarie.naturum.ne.jp/e3088762.html
今回は先日の「伝説の遭難者yucon氏の体験について(1)」の続きで、yucon氏がなぜ遭難してしまったかを考察していきたいと思います。
★パーキンソン病の登山の是非
yucon氏はパーキンソン病です。当時ネット上ではyucon氏に対して「パーキンソン病なのに山に登るな」と言う意見を目にしました。賛否はあるかと思いますが私も全くの同意見です。パーキンソン病は「手の震え・動作や歩行の困難など、運動障害を示す、進行性の神経変性疾患」だそうで、そしてyucon氏のヤマレコやBlogを読む限り軽度では無い様に読めます。その状態で山へ臨む事が間違いだと私は思います。そういった方がどうしても山に登りたいのであればロープウェイ等で山に登れば良いのでは無いでしょうか、もちろんロープウェイ等無い山は登れませんが、それは仕方ない事でしょう。
山、というかアウトドアでは普通の暮らしに比べ自己責任の面が凄く大きいです。なので病気なのに山を登るなら何かあっても全て自分で対応出来る準備をして、もしもトラブルに遭遇しても自分で対処し、他者に迷惑を掛けるな。と言いたいです。
しかし、そんな事を言っている私も人間ですからね、実際に登山の最中にトラブルに見舞われている人達を何度も見掛けた事ありますが「自分で対処しろ馬鹿野郎!」なんて一切思えませんでした。自己責任の世界だからこそかもしれませんが、そして自分自身に余裕があったからかも知れませんが、どうしても助けられずにはいられませんでした。自分の水分を分けたり、ファーストエイドキッド中身を分けたりしてしまいました。きっと多くの人は私と同じ行動を取るでしょう。しかし、それは私自身のリスクを上げる行動です、その他人を手助けしたばかりに後々自分が行動不能になり死亡してしまうリスクすらあります。それを傍から見たら、私自身が自らリスクを高め死に至った馬鹿野郎という事になるでしょう。
病気や障害を持って登山をしている人は逆を考えてください。「好きな登山で死ぬなら良い」と考えているかもしれませんが、それは自分善がりの考えで回りはそうは思いません、周辺の登山者へ大きなリスクを振り撒いていると自覚してください。私が登山を止めた理由も病気によるものです。止める時も山は好きだったし症状を薬で抑えれば登れない事はありませんでしたが、周囲の登山者にリスクを振り撒くという事が理由で登るのを止めました。一応もう症状が出ない状態が何年か続いて病院からも登山OKが出ているので、現在、少しづつ軽登山で練習を始めているところです。
病気や障害という特殊な環境なので一般人は理解しづらい事もあり、そういった事で指摘を受けると「そうか、これは差別になるのか」と思ってしまいますが、これはあくまでも"区別"であって"差別"ではありません。分かり易くもっと身近な話しに置き換えてみましょう。
例えば、全くお酒の飲めない人がいるとします。彼が「皆お酒を飲んで楽しそうにしている、私は全くお酒を飲めないけど、それでもお酒を飲んで楽しくなりたいんだ!」と言い出したとしましょう。周囲の人は急性アルコール中毒のリスク等を考えそれを止める事でしょう。それに対して誰も「差別だ!」なんて思いませんよね?そして彼が「じゃあ、一人で飲んで勝手に死ぬから良いよ」と言い出したとしましょう。飲み会の席で。そんな人が居たら迷惑以外の何者でも無いですよね。
厳しい事を言う様ですが、見えているリスクは回避するべきです。自分も周りも。
★幻覚症状について
今回の遭難事故をややオカルト気味にしている幻覚症状ですが、これはyucon氏の患っているパーキンソン病が関係するかはわかりません。遭難をして極度の水分不足や、ハンガーノックと言われる極度の低血糖状態に陥ったり、また緊張状態が続き過度なストレス、睡眠不足等に晒されると病気の無い健常者でも、幻視や幻聴と言った幻覚症状が現れます。それも極短時間で症状が出始めたりもするそうです。
こういった幻覚症状は山岳経験が長ければある程度は自己判断が出来るとも聞きますが、ベテラン登山家でも幻覚に陥って遭難してしまう事がありますので、これは病気や経験とは全く別に個人の精神耐性の様なものがあるようです。幻覚というのは健康状態の我々が見れば明らかな幻覚症状でも、本人はそれを幻覚と気付けません、よく例えられるのは夢の中に居るような感覚だそうで、どんな不自然な状況や現象でも、それが変と思えないそうです。
また、幻覚の他にも精神の柔軟性や開放性、効率性が損なわれ意味不明な「極端な強いこだわり」が出てきたり、本人でも分からない「記憶の改竄」が発生したりするそうです。
★遭難時の装備等
yucon氏の装備は以下の通りです。
装備:
・食糧(カップ麺、マッシュポテト2人前、バランスパワー4本)
・飲料水(ハイドレーション2ℓ、炭酸ジュース500ml、水500ml)
・野球帽、モンベル半袖ジップアップシャツの下にナイキドライフィット長袖Tシャツ
モンベルパンツ、アンダーにメンズタイツ。
・バーナー、コッヘル、ガスボンベ、
・25,000分の1地図、山と高原地図、コンパス、ホイッスル
当日忘れた装備類:
・雨具、ビニールシート、ツエルト、バックライト付きリストウォッチ、ヘッドランプ、GPS
装備、特に食料と水に関しては初心者向けの低山であればこれで問題無いでしょうが、御池岳は中級者向けの山ですのでこれでは少ない様に感じますね。
また、当日忘れた装備類があまりにも酷すぎます、準備を怠りすぎです。特にレインウェアとヘッドランプを忘れているのは致命的で、これが無いのに気が付いた時点で撤退した方が良いレベルの忘れものです。さらに、書かれていませんがヤマレコの他の記録等を読む限り、彼は他の山行を含め元々ファーストエイドキッドを持っていなかった様です。持病があるのにも係らず油断し過ぎています。
★山行での問題行動
病気や装備の準備段階で既に多くのリスクを抱えた状態ですが、山行そのものにも多くの問題がありました。
地図
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1日目:2012年7月16日(月)
まず、yucon氏は"土倉岳−御池岳−T字尾根"というルートを計画していましたが、何らかの原因で家を出る時間が大幅に遅れ"土倉岳−T字尾根"に計画をし直しています。さらにyucon氏的には御池岳に登らない事ので"山には登らない"という思いがあり家族へのメモにも「ノタノ坂、土倉岳、T字尾根、山は登らずに帰ります。帰りは17:00頃」と書いたのでしょうが、その他のルートも山道ですからね、最早言い訳レベルです、家族がそれを見て「山に登らないのだったら、このメモは必要がない」と判断したのも頷けます。
そして更に山へ向かっている道中が土砂崩れにより封鎖されており迂回してさらに時間を大幅にロス、登りはじめが10時半。これも遅すぎますね、他の登山客を見たからと言っても、山行計画をまた変えるべきでした。
次に林道を歩いている時に、ご機嫌な感じで山ヒル対策にアルコール除菌スプレーを使っています。これは持ち物リストに書かれていなかったアイテムなので詳しくは分かりませんが、アルコール除菌スプレーという事で70~80%のアルコールです。このアイテムは今後登場しませんが封を開けた食品の殺菌や着火や燃料としても非常に有効だった事でしょう、凄く勿体無く感じます。
それから稜線に出てから、左右どちらへ進むのか悩み、「方角的には間違いなく左なのですが少し進んでみると"侵入不可のケルン"があり、さらには明らかに人の手によって木の枝で道が塞がれていて、すぐに戻り右方向へ進むと正解だった」と謳っています。この感じだと地図もコンパスも使っていないで己の感覚で左と決め付けている気がします、山で道に迷ったら必ず地図とコンパスです。経験や感というのは間違いの元になってしまいます。
その後yucon氏はテーブルランドに到着、T字尾根経由で下るのにどれくらいの時間がかかるのか分からず、直ぐにT字尾根の取り付きを探し始めます。彼はT字尾根経由で下るのにどれくらい時間が掛かるか分かっていません。この事から山行計画自体が下調べ不足で最早これは計画と呼べないレベルだった事が伺えます。
★ R氏との出会い
その後yucon氏は道に迷ったR氏に出会いますが、当時ネット上では「そもそもR氏が幻覚」という議論が交わされていました。もしそうであったら恐怖そのものですよね。私の個人的意見としては、さすがにR氏は存在したし、出会ったものと思います。しかしR氏の言動はyucon氏が遭難している間の危機的状況下の被害妄想により記憶の書き換えがあったのではないかと感じます。そしてyucon氏が後日見つけたR氏のBlogに関しても、果たしてそれが本当にR氏のものだったかは疑問があります、記憶は無意識に改竄されてしまいますので。
R氏に会ってからもyucon氏は地図とコンパスで現在地とコースの確認を行なっていません、R氏を信用したと謳っていますが、そもそもR氏は道に迷った状態で会っていますから、本来であれば現在地とコースの確認は必須なのですがそれを怠ってしまっています。そしてそのまま二人で迷ってしまい、さらにR氏の指示で沢に降りる事になりますが、「沢に降りるのは悪手」というのは登山の基本です。誇張はあるにしろベテランであるR氏が果たしてそんな提案をしたのでしょうか。まだ精神も体力も疲弊しきる前ですからそれは考えづらいと思います。特にR氏の指示等で無く二人で知らぬ間に沢に迷い込んでいたと考えるのが自然でしょう。
そして沢に降りる際、yucon氏は5mの高さから滑落、2〜3回転しながら沢へ落ちてしまいます。しかし自身よりも一眼レフカメラを心配したり、また思いの外R氏のリアクションが薄い事から5mというのも疑わしいです。
その後、稜線まで上り返し休憩した際、yucon氏が持っていたバランスパワーという携行食を4本中2本をyucon氏が食べ、残り2本をR氏に勧めたものの遠慮されます。この残ったバランスパワー2本も最後まで触れられる事はありません、行方が気になるところです。
(これを食べて君もyucon氏になろう!上の画像をクリックでAmazonに飛びます)
そこでyucon氏は自分には持病があり薬無しでは身体がもたないことを説明したそうです。そんな身体なら薬携帯しておけよ!という話しです、私がもしもR氏なら、準備不足な病人を助ける事にリスクと責任を感じてしまい「逃げる」という選択肢が頭をチラつくと思います。
休憩を終えて再び歩きだした直後、R氏のザックから水筒が落ちて斜面を滑って行きました。まだ見える場所で止まったのにも係らずR氏は諦めてしまったそうです。元の記事を読むとこれをyucon氏が疑問に思っていますが、これはきっとR氏のその水筒は空だったか、見えているだけで取りに行けない場所だったのは無いかと思われます。
その後、尾根を目指す最中、進行上に大きな岩がありR氏は右に巻き、yucon氏は上手く巻けず岩の左側を直進する事になりますが、これもよく分かりません、何故無理をしてでも付いて行かなかったのでしょうか、既にまともな判断は出来なかったのかも知れませんが、先行者の後をついて行くのを半分放棄しています。その後yucon氏は山頂直下15m程の所の僅かなスペースで一人ビバークすることを決意し、R氏も山頂でビバーク。R氏のヘッドランプの点灯の合図に、ヘッドランプを忘れたyucon氏はガスバーナーを点火させ合図を送ります。これガスバーナーを点火させる必要があったのでしょうか...。そして何よりもそこはお互いの声が届く範囲なので、ここで本来であれば救助要請をお願いするべきでした、ここまでの工程を見返しても遭難以外の何者でも無いですので。
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http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1013.html#c1
2. 中川隆[-10433] koaQ7Jey 2019年10月31日 03:58:17 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2443]
伝説の遭難者yucon氏の体験について(3) 2018年06月12日
https://hagarie.naturum.ne.jp/e3089714.html
★山行での問題行動
1日目、道迷いのR氏と出会い、そのまま一緒に遭難し、T字尾根の途中から道を外れ、沢を登りボタンブチへ進んでしまい、そこでビバークした状況です。
地図
https://hagarie.naturum.ne.jp/e3089714.html
2日目:2012年7月17日(日)
yucon氏はビバークしたものの不安からか夜眠る事は無く、夜明けから崖を登り始める事にしました。この時もR氏はyucon氏を見捨てる事無くロープを渡し救助を行なっています。通常の登山で人を支えられる強度のロープを何mも持っている人はベテランでもそう多くは無いと思います。R氏はそこまでの準備をしていながら何故この状況で救助要請をしなかったのでしょうか。逆にそこまでの装備を持っていたから「自分は助かる」という自信があったのでしょうか。
そして、崖を登り切りまず思った事が「今日が平日で会社へ行かなければならない」という事だったようです。私もサラリーマンとして思い当たる節はありますが、この段階でyucon氏的には「もう遭難から自力で脱した」と思ったのでしょう、正規の登山ルートに復帰出来たので、これは分からなくは無い事ですが、道に迷った後に正規の登山ルートに復帰し、また直ぐに道に迷うというのは比較的多い事故例です。体力や精神を磨耗した状態では正しいルート判断が出来ずルートを外れ易い為です。もしも皆さんも遭難を経験する事があれば注意してください。
その後、自宅に電話を掛けますが、その際もyucon氏は携帯電話のバッテリーを切らしてしまっておりR氏に電話を借りる事になりますが、山岳での携帯電話は「緊急時に救助を呼べる」というかなり重要な役割を果たしますので予備のバッテリーを用意したり、必要以外は電源を切ったり、機内モードにし、バッテリー切れにより携帯電話が使用出来なくなる事態を避けなければなりません。yucon氏はそれを怠ってしまっていた様です。
少し余談とはなりますが、yucon氏が遭難した当時よりもスマートフォンの普及率が大幅に進んでいる現在では特にそれが重要です。yucon氏が遭難した当時、登山用GPSナビは非常に高価でなかなか買えるものではありませんでしたが、現在ではそれらを凌ぐ高性能、多機能なアプリケーションが簡単にスマートフォンで利用出来ます。これらをしっかりと活用出来れば、遭難防止に大いに役立ちます。本当に良い時代になりましたね。
話しが少し逸れてしまいましたが、R氏から携帯電話を借りたyucon氏は自宅へ電話し留守番電話にメッセージを残します。しかしyucon氏自身も後から反省していましたが、ここで「危機的な状況は脱したのでこれから下山します」とだけメッセージを残して、現在地や現在の状況、下山ルート等何も連絡しなかった様です。ここでそれらを言えていれば今後の展開が大きく変わったことでしょう。非常に残念です。
そして、ここで少し疑問なのですが、yucon氏の自宅へはR氏の携帯電話で掛けているので、R氏の番号が残っていますよね?遭難3日目、家族が救助要請した際に、留守番電話の記録からR氏に連絡が行かなかったのかな?と。もしR氏に連絡が付いていればもっと早い救助に繋がったのではないでしょうか。
それから下山する事となりR氏から下山ルートの相談を受けたyucon氏はT字尾根ルートを押します。一度(R氏は二度か?)遭難したルートです、またそのルートに挑戦するのはリスクです、ここは登りで通った土倉岳ルートで下山するべきですね。しかもそれをR氏は反対しません。その時、yucon氏は「R氏はここまで大変なことにしてしまった責任を感じてか私の意見に反対しない」と感じていた様ですが、実際には二人とも判断力が極めて低下していたのでしょう。
この日の朝は雲ひとつない快晴で迷い様が無い天候だったのですが二人してT字尾根の取付きが見つけられず、T字尾根の取付きのさらに先にある土倉岳の取付きを見つけました。R氏はそのまま土倉岳のコースを押しました。ここでR氏に従い土倉岳へルートを進めていれば結果は違ったのでしょう。しかし、yucon氏は頑としてT字尾根を押したそうです。これは「伝説の遭難者yucon氏の体験について(2)」でも述べた、意味不明な「極端な強いこだわり」でしょう。
そしてやっとの事でT字尾根の取付きを見つけたものの、雨の影響で、地面はぬかるみ、踏み後は消えてしまっていました。遭難したルートで、尚且つそんなコース状況なら引き返すのが普通ですが、二人は引き返す事はありません。二人とも会社の始業時間に間に合わせたくて下山を急いで事もあり、引き返す気はもう無かったのかも知れません。その後も焦りからコースを何度も外れてしまいyucon氏自身「自分が混乱している事が分かった」と語っている事から相当だったものと読み取れます。ここでも地図とコンパスを使うべきだったのでしょうが、もはやそんな冷静な判断は出来なくなっていたのでしょうね。
極限状況に陥ると慣れない行動は出来なくなります。その為に普段から地図とコンパスを使う練習をして癖を付けておくしかありません。
ルートミスを繰り返したせいでしょうか、ついにyucon氏が幻視を見始めます。しかし、それに対してR氏は無言です。色々の人の遭難記でパーティメンバーが幻覚を見始めた人のコメント等を読むと、言い知れぬ恐怖で、やはり言葉を失うそうです。そしてもしかして自分がおかしいのかも?と疑心暗鬼になり、精神不安→パニックへ陥ったりしまいます。yucon氏も指摘している通りR氏もそういう状態になったのでしょう。
そしてyucon氏は何度もR氏に先行を依頼したものの、R氏は拒否し続けた様です。それに対して「やはりR氏も自信を喪失しているようだ」と感じていた様ですが、もしも、あなたがR氏の立場だったらどうでしょうか。自分は比較的安全なルートから下山したいのに、リスクのあるT字尾根ルートを強く押され、その結果、ルートを幾度と外れ、自分自身も精神が磨耗し切った状態で、その相方は幻覚が見え意味不明な事を言ったり、見えない何かに叫んだりしています。さらに言えば彼は病気を持っており、薬が無ければ身体を保て無いのにその薬も持っいません。ましては赤の他人です。私なら自分が助かる為に「見捨てる」という選択肢を取らない自信はありません。そうなれば期を見て逃げる為に、先行を依頼されても拒否し、yucon氏が幻覚を見て、戻れないくらい沢まで降りたタイミングで逃げ出します。R氏もそういう状況だったのでは無いかと考察します。
・・・R氏はyucon氏が遭難する事を確証したでしょう。でもそうすると下山後に通報しないのも不可解です。遭難記を読み返してみるとR氏の言動は土倉岳取付きを拒否されyucon氏に強くT字尾根ルートを押された辺りからおかしくなっています。もしかしたらR氏とはそこで別れ、幻覚でR氏を見ていたか、無意識に記憶が改竄されてしまったかも知れません。
R氏と離れた後、yucon氏は6時間掛けてようやくT字尾根の真中あたりの標高967mのピークに辿り着きます。通常この季節、この天候であれば1時間半で到着するコースです。そもそも辿り着いたその場所は標高967mのピークですらなく、随分手前の標高1,010mの場所でした。ここでさらに幻覚が酷くなり、さらに「国道などにある青色の大きな道路案内板」等の登山路に絶対に存在しないものまで見えてきてルート進行は不可能なものになります。
さらに水を求め沢に降り、機械を触る係員が見えたり、その係員が使う便器だけのトイレが見えたり、現実離れした幻覚が見えてきます。幻覚とは本当に怖いもので、現実と夢が混ざり合った状態です、夢の中でおかしな事があっても気が付かないように、幻覚でもおかしなことがあっても分かりません。そして自分の中で設定を作り上げ、それを信じてしまいます。そこまでの状態に陥ると単独での回復は不可能でしょう。もちろんこの症状は健常者でも極限状態に追い込まれると発生してしまいます。
沢の水を飲み、少し寝た後に山ビルに刺されているのに気が付きます。もはやそんな気力は無かったとは思いますが、もしもここで得意のアルコール除菌スプレーで山ビルを撃退していたら、後のガス切れの際にアルコールを燃やすという案が出たかもしれません。そしてラーメンを食べます。残る食料はマッシュポテトのみです。一日目にR氏に遠慮されたバランスパワー2本はどうなったのでしょうね。yucon氏の記憶からも脱落しています。
そして夜。アウトドアでマットを使わずに寝た事があれば分かると思いますが、身体中が痛くなりますよね。しかもyucon氏が倒れているのはゴツゴツの岩だらけの沢で、前夜もボタンブチの岩棚で、今日は一日歩きっぱなし、山ビルにも吸い付かれ身体は限界でしょう。そして月明かりも届き難い沢の底。人工物に守られていない場所で視界が殆ど無いという状況はかなり精神を消耗します。そして既に幾度と無く幻覚を見るような精神ですから精神も限界でしょう。
深夜yucon氏が谷底から稜線を見上げると人の気配を感じたました。しかもそれは捜索隊で自分を見つけてくれたと感じた様です。こちらの存在をアピールする為にまたボタンブチの時と同様にガスバーナーを点火し叫びながら。ここまで身体も精神もボロボロなので、もう何も言えませんが本来であればガスバーナーの点火による合図は意味が薄く、さらにガスを悪戯に減らしてしまうだけです。装備品リストには「ホイッスル」があったのでそちらを使うべきでしたね。またカップラーメンを食べ回復した時にガスバーナーを用いて焚火を起こしていれば良かったのかも知れません。
少し話しが逸れますが、遭難時に焚火を行なうと煙や、夜間なら焚火による明かりにより発見される確立が飛躍的に上がります、また焚火はパニック症状を和らげる働きがあります。是非皆さんも山で遭難したら焚火に挑戦しましょう。
3日目:2012年7月18日(水)
yucon氏はもう限界を迎えた様で救助隊が来る幻覚に苛まれ一日が終わってしまいます。そしてさらにガスが空っぽになっている事に気が付きます、きっと精神的に大きなダメージがあった事と推測できます。
そしてついにこの日、yucon氏の家族が捜索願を提出。午後から捜索が開始されます。もしも、1日目のまだ身体も精神も壊れていない時にyucon氏自らが救助要請していればここまでは事態は悪化していなかったでしょう。
4日目:2012年7月19日(木)
この日も救助隊が来る幻覚に苛まれ一日が終わってしまいます。何もしないにしても薄暗い沢よりも、少しでも開けた場所に移動出来ればヘリコプターから発見される可能性は高まります。遭難した時は開けた場所へ。
5日目:2012年7月20日(金)
この日、遂にyucon氏は自力脱出を実行を決意しました。地図を確認、やはりここでもコンパスを使わない為、現在地を勘違いしてしまいT字尾根の北川のゴロ谷に居るにも係らず、南側の小又谷にいるものと勘違いし、さらにそのまま沢を下る選択をしてしまいます。そして地図を確認し滝や堤防があるのにも係らず、「きっと高低差は少ないものだろう」「そして明日には確実に帰れるだろう」と楽観的な予想で沢下りを決行する事にしました。しかしやはり滝にぶつかり進めなくなります。
そして、雨が降り始め、落石や鉄砲水の危険性から中州で雷雨の一夜を過ごす事にしたそうですが、中州は鉄砲水が来た場合、非常に危険な場所なので避けるべき場所ですが、yucon氏としては両岸の崖下は落石のリスクがあり避けた様です。
5日目:2012年7月21日(土)
気になっていましたが、
yucon氏のBlog
http://yucon.hatenablog.com/entry/2012/07/28/030725
を見ると5日目が何故か2回ありますね。そもそもこの遭難劇は「7月16日〜22日の6日間の遭難記録」と謳われていますが、
1日目:7月16日(月)・・・R氏との出会い→遭難
2日目:7月17日(火)・・・R氏との別れ→沢に降りる
3日目:7月18日(水)・・・沢で幻覚に苛まれる、家族が救助要請
4日目:7月19日(木)・・・沢で幻覚に苛まれる
5日目:7月20日(金)・・・沢から脱出→失敗→雨に打たれる
6日目:7月21日(土)・・・沢から脱出→途中で夜になる
7日目:7月22日(日)・・・沢にまた降りる→救助
7日間の遭難劇では?
この日、遂にコンパスと地図を使用し現在地を正しく認識します。そして稜線まで上がれば誰かに会えるだろうという考えで尾根まで上がる計画を立てました。コンパスも使用しているし、稜線に上がるのも正しい判断です。しかし、もう体力を失い過ぎていた為その日中には稜線に上がれませんでした。
そしてこの日、それとは別にyucon氏は自分の肛門からハエの幼虫が這い出してきているのを見ています。これはこの遭難劇をより悲惨なものと印象付けるエピソードで、当時ネット上では「そんな事ありえない、幻覚だろ」と言われていましたが、救出後の入院中に看護師の方も確認しているのできっと事実でしょう。(参照:yucon氏のBlog)
6日目:2012年7月22日(日)
この日、また幻覚に苛まれ、yucon氏は全ての荷物、メガネまでも失いながら沢に落下。そして救出です。
特にここは考察が入る隙間は無いですね、幻覚が怖いとしか思いません。そしてギリギリのところで救出されるという強運の持ち主だな。という感想です。
★今回の遭難から見える精神状況
今回の遭難を見ると「ベテランっぽい人と居るから安心」という思いや「多分大丈夫だろう」という思いから遭難に陥る、いわゆる"楽観主義遭難"です。これは自らの願望などから非合理な楽観的思考を起因とした"認知バイアス"という心理効果による遭難です。今回はその認知バイアスについて幾つか紹介します。
正常性バイアス
これは東日本大震災の際でもよく言われたものですので知っている方も多いと思います、これは本来、日常生活の小さなトラブルから精神を守る機能で、想定外の事が起きた時に想定内と誤認する心理傾向です。
遭難時に正常性バイアスが働き過ぎると「大した山では無いので大丈夫」「自分だけは大丈夫」という心理になり救助要請を遅らせる原因になります。
確証バイアス
これは先入観に一致する情報だけを受け入れ、都合の悪い情報や矛盾が生じても目を瞑り、さらに思い込みを強化していく心理傾向です。遭難時にこの確証バイアスが働き過ぎると「自分は地図上のココに居るはず」という強い思い込みでコンパスも使用せず、現在地を誤認し、道迷いを起こしてしまいます。
集団同調性バイアス
これは集団に依存し集団と異なる行動を取り難くなる心理傾向です。特にこれは良くも悪くも"空気を読む"事に長けた日本人に多く見られるバイアスだそうです。集団同調性バイアスが働き過ぎると、一人では引き返す様な難所でも、他の人達が進んで行くのを見ると自分が実力不足と分かっていても同じルートを進んでしまい滑落等のトラブルを引き起こします。
埋没費用の偏見よる判断ミス
これは、これまでに費やしたコスト(労力、時間、費用等)に思考を左右され、合理的な判断が出来なくなってしまう心理状況です。これは遭難時良く見られるもので「もしかして道迷いかも」と内心焦っていながらも「ここまで歩いた労力が無駄になるので、引き返したくない、きっとこのままでも何とかなる」と思考し来たルートを戻れなくなる心理です。
現状維持バイアス
これは変化によって得られる可能性があるリターンよりも、それにより失う可能性のあるリスクに対して、過剰に反応してしまう傾向です。上記の「確証バイアス」や「埋没費用の偏見による判断ミス」と合わさり間違ったルートに内心気が付いていても引き返せなくなります。
★楽観主義遭難を防ぐ為に
上記は認知バイアスの一部ですが、登山ではそれらが働き合理的な判断が出来なくなると認識してください。そして多くの人は「自分はそこまで認知バイアス働かないだろう」という認知バイアスが働いています。普段からバイアスを意識し、自分の行動を疑う様にする事が大事になります。
そして楽観主義の逆、悲観主義行動を実行する事が大切です。悲観主義行動とは「もしかしたら」「かもしれない」「念のために」と言った様な行動をする事です。
認知バイアスを知り、悲観主義な準備が出来たら次は正しいタイミングで、正しい判断を行なう事を意識します。ルートを外れたと感じても引き返さず進んでしまうと色々なバイアスにより行動するのが先延ばしになります。ギリギリまで先延ばしにして行動している様では直ぐに遭難に繋がってしまいます。違和感があったら直ぐに「もしかしたらルートを間違っているかもしれない、念のため地図とコンパスで現在地を確認しよう」という様に行動する癖を付けることが大切です。
最後に
はい、以上で終わりになります。
このBlogは初心者ソロキャンパー向けBlogですが、こういった遭難事例はアウトドアを行なう全ての人に多くの事を学ばせてくれます。
それでは皆さん良いアウトドアライフを!ではまた!
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http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1013.html#c2
3. 中川隆[-10432] koaQ7Jey 2019年10月31日 04:06:21 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2444]
2016年02月24日
伝説の遭難者yucon氏について語ろう
http://tozanchannel.blog.jp/archives/1052697395.html
1: 名無しさん 投稿日:2016/02/19(金) 08:30:19.56 ID:s+ePQvHp.ne
今も私達の中であなたは生きております
〜山岳遭難顛末記〜 御池岳ゴロ谷での6日間
鈴鹿山脈御池岳の谷筋で6日間にわたり遭難を体験したレコです。
公開することに抵抗はありません。ご批判やご意見は甘んじて受け入れ致します。
記載されている情報全てが役立つものと思えませんし、一部オカルト的な内容も含まれています。しかし、私の体験を多くの方々に知っていただくことが悲惨な山岳事故を減らすことにお役に立てるのではないかと信じております。
【当日の装備】
・食糧(カップ麺、マッシュポテト2人前、パワーバランス4本)
・飲料水(ハイドレーション2ℓ、炭酸ジュース500ml、水500ml)
・野球帽(カーキ色)モンベル半袖ジップアップシャツの下にナイキドライフィット長袖Tシャツ、モンベルパンツ、アンダーにメンズタイツ。
・バーナー、コッヘル、ガスボンベ、
・25,000分の1地図、山と高原地図、コンパス、ホイッスル
【なかったもの】
・雨具、ビニールシート、ツエルト、バックライト付きリストウォッチ、ヘッデンン、GPS、
no title
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-210149.html
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1
御池岳 - Wikipedia
御池岳(おいけだけ)は、滋賀県東近江市の鈴鹿国定公園内にある標高1,247 mの山。山腹の北東面は三重県いなべ市との境界に位置する。鈴鹿山脈および東近江市の最高峰。
2: 名無しさん 投稿日:2016/02/19(金) 18:33:54.13 ID:ensj5/Mk.ne
誰かと思ったら。。。結構有名な人だよね
避けられない宿命みたいなものを感じるわ。
3: 名無しさん 投稿日:2016/02/21(日) 07:07:37.61 ID:v+PTGGne.ne
御池で遭難した2〜3年後に御在所で道迷いから滑落してお亡くなりに
5: 名無しさん 投稿日:2016/02/21(日) 13:09:05.55 ID:Y0SOaZ9i.ne
>>3
確かー、2011年夏から登山を始めて、翌2012年7月に御池で遭難・救助され、翌2013年8月号の「山と渓谷」に、その遭難の様子が掲載されたと思ったら、2013年11月に御在所で再び遭難・救助されたと思ったら、救助された翌日に病院でお亡くなりになってたーと記憶してます。
4: 名無しさん 投稿日:2016/02/21(日) 12:44:04.17 ID:hDXFeigm.ne
基本的に山に向いてなかったんだと思う
6: 名無しさん 投稿日:2016/02/21(日) 13:29:02.86 ID:vYX+N7eq.ne
この人の最期は示唆に富んでいると思う
7: 名無しさん 投稿日:2016/02/21(日) 16:54:05.17 ID:tO3RJHwE.ne
記録みたけど、完全に山に向いてなかった人だな。
基礎的な判断力、技術力がなさすぎ。
ヤマレコならではの独学に多いパターン。
8: 名無しさん 投稿日:2016/02/21(日) 18:29:39.49 ID:vl2JlCKM.ne
たまにはuedayasujiさんのことも思い出してやってください
http://www.yamareco.com/modules/diary/37029
10: 名無しさん 投稿日:2016/02/21(日) 23:28:18.67 ID:hDXFeigm.ne
>>8
その人なんなん?
13: 名無しさん 投稿日:2016/02/22(月) 18:24:05.49 ID:oMTxh/f7.ne
>>10
ヘビーヤマレコユーザー
八ヶ岳権現岳の看板立てた人。
身の丈に合わない山行を繰り返し、昨年春に滑落死した。
12: 名無しさん 投稿日:2016/02/22(月) 01:24:03.89 ID:wNdcpsLp.ne
>>8
ご安心ください。ご存知かと思いますが、先月号の「山と渓谷」で羽根田治氏がキッチリ記事にしてくれていますから。
18: 名無しさん 投稿日:2016/02/22(月) 22:06:13.16 ID:kmZwDGRk.ne
>>12
あらためて読みなおしました。。。
ところで同誌の「御池岳のKさん」ってyucon氏のことなんだろうなあ。
34: 名無しさん 投稿日:2016/02/23(火) 21:59:37.25 ID:baS8f6GX.ne
幻覚症状の現れる病気を抱えてソロ山行を続けたのが敗因だったんだろうなあ
初見だったんだが、それに比べてさえ>>8の方がひどいと思う
11: 名無しさん 投稿日:2016/02/22(月) 01:04:26.98 ID:DfZR99Ve.ne
パーキンソン病で自暴自棄になったのかも知れんね
まあ病気にせよ何にせよソロ登山に向かない人だったことは確かだ
15: 名無しさん 投稿日:2016/02/22(月) 19:06:26.14 ID:uXUgDsYI.ne
山レコって、こういう人たちの山行記録が結構残されてるんだよね。
当たり前だけど、風化もせずに。
なんかエベレストに放置された死体を思い出すわ。
16: 名無しさん 投稿日:2016/02/22(月) 19:57:23.52 ID:uXUgDsYI.ne
uedayasujiのヤマレコ見た。
死人に鞭打つようだが、ある意味死んで当然の山行を繰り返してたみたいで呆れたわ。
時に「なお一部で、uedayasuji氏の「とある山行記録」に書かれた「とある人のコメント」が
uedayasuji氏の気持ちを煽って死期を早めたのではといわれています。」って何?
22: 名無しさん 投稿日:2016/02/22(月) 23:35:50.50 ID:ty5W10r3.ne
>>16
パソコムだな。
赤岳敗退した植田に対して期待はずれだの何だのと罵倒して、死地へと向かわせた。
44: 名無しさん 投稿日:2016/02/24(水) 08:04:26.43 ID:qtDYj6MU.ne
>>22
罵倒だの煽るだのは少し違うような気がするが…
最後のレポとなった赤岳で「何で撤退しちゃったの?もったいない」みたいな書き込みを繰り返して
それから1か月足らずのうちに同じ山域で遭難死してる。
間接的には、原因を作っていると言えるのかもしれない。
17: 名無しさん 投稿日:2016/02/22(月) 21:02:32.69 ID:OFylofsW.ne
いくつかレポ読んだが
典型的な調子乗りの迷惑かけるオッサンみたいな感じだな
山でなくても何かで致命的なアクシデントを起こしてそう
19: 名無しさん 投稿日:2016/02/22(月) 22:11:31.19 ID:nc6HFcm8.ne
いいね欲しさに愚行に走るバカッターのメンタリテイーなんだろうな
この人の場合、炎上で済まずに命であがなうことになったわけだけど
20: 名無しさん 投稿日:2016/02/22(月) 22:46:42.23 ID:kvJoVAVN.ne
R氏が酷すぎわろたww
21: 名無しさん 投稿日:2016/02/22(月) 23:27:12.82 ID:aq3GDfF/.ne
R氏は死神みたいなやつだ
魂取り損ねた挙句、翌年その事を雑誌の記事にされた事で
止めをさしたって感じ
山の中で人間の姿をした死神には何があっても付いて行かないように
23: 名無しさん 投稿日:2016/02/22(月) 23:43:02.71 ID:5JkU3ZGX.ne
R氏は実在しないでしょ
24: 名無しさん 投稿日:2016/02/22(月) 23:47:44.32 ID:EUUEB7Oq.ne
記録みてもキチガイとしか思えない
27: 名無しさん 投稿日:2016/02/23(火) 12:19:39.63 ID:vvCWFtD8.ne
前提知識無しで上から読んでいって
どこまで読んでコイツが異常かどうか気づくかだな
幻覚っていう単語が出る前からおかしいことには気づくのは遅い方だと思う
28: 名無しさん 投稿日:2016/02/23(火) 16:18:12.77 ID:6OXNRAQ0.ne
R氏に出会うあたりからすべて幻覚なんだと思う
32: 名無しさん 投稿日:2016/02/23(火) 21:13:40.91 ID:baS8f6GX.ne
>>28
だよなあ
29: 名無しさん 投稿日:2016/02/23(火) 16:40:48.62 ID:zxqPTqE+.ne
映画にしたら面白そうじゃん
30: 名無しさん 投稿日:2016/02/23(火) 16:58:12.46 ID:x9NfwmWh.ne
俺は、周回ルートを目指し〜〜
のくだりから頭おかしい気がする
31: 名無しさん 投稿日:2016/02/23(火) 17:41:43.41 ID:vvCWFtD8.ne
ウジ虫は本当なのかなあ?
33: 名無しさん 投稿日:2016/02/23(火) 21:55:48.17 ID:nIx3Gssz.ne
この山域に行ったことないけど
バカなんだろうな〜(´Д` )
R氏なんて居なかったんだろうなー
35: 名無しさん 投稿日:2016/02/23(火) 22:00:57.10 ID:Yo5bl8Va.ne
R氏もヤマレコ仲間に担がれてたよね
36: 名無しさん 投稿日:2016/02/23(火) 22:23:34.12 ID:AJk21oKA.ne
なんか、ヘンな人だったのだろうな。
近寄りたくない感じがする。
夏の山で1週間過ごす中で、ケツからウジ虫とかないよ。
絶対とは言えないけれども。
アレな人なのだろう。
地図とか見ないのだろうね。
当たり前のこと、出来ないのだろう。
相当ヤバイ人物だったのか。
レコのコメントにでわでわウエダが書き込んでいるのは、何かの前触れ?
37: 名無しさん 投稿日:2016/02/23(火) 22:32:38.22 ID:7/F0zRpS.ne
1が載せてる遭難のレコを去年の春くらいに初めて見て、この人の存在を知った
秋くらいになって、既に故人だということを知ってショックを受けたわ。。
こんな無茶をしていたら、いずれはこのようになってしまう。
伝説の遭難者ってスレ名は良くないが、同じことが起こらないように語っていくことは、一定の意味があると思う。
38: 名無しさん 投稿日:2016/02/23(火) 22:34:25.10 ID:79gZn86C.ne
最後に装備が散らかってたのはなんなんだろうね
何プレイ中だったんだろ
熊プレイかな
39: 名無しさん 投稿日:2016/02/23(火) 22:47:25.92 ID:6OXNRAQ0.ne
今回が初見の人はこれもどうぞ
http://yucon.hatenablog.com/entry/2012/07/28/030725
41: 名無しさん 投稿日:2016/02/23(火) 23:40:42.76 ID:QTjKfEt1.ne
>>39
これ、R氏に関する記述がヤマレコと全然違うんだな
どこから狂ってるのかサッパリわからんくなった
43: 名無しさん 投稿日:2016/02/24(水) 00:21:40.02 ID:MVER8H89.ne
>>41
途中から狂ってるわけじゃなくて最初からだろ
40: 名無しさん 投稿日:2016/02/23(火) 22:59:43.37 ID:DD/mQjVk.ne
正常な人なんか?
レビー小体病とかの認知症なんじゃ・・・
42: 名無しさん 投稿日:2016/02/24(水) 00:12:16.85 ID:Yldq/EzL.ne
レコの中には、息子さんや父親との記録もあって、こう言う登山を楽しむことで満足していれば、亡くなってしまうことなんてなかっただろうにな。と、同世代としては身につまされます。
▲△▽▼
コメント一覧
1. 名無しさん縦走中 2016年02月24日 19:09 ID:UpucsbGB0
パーキンソン病の患者に触れる機会が多いが、とてもハードな山行できるようなものじゃない
幻覚幻聴が四六時中襲ってくるのに
本人は幻覚幻聴だとわかってないから周りがしんどい
2. 名無しさん縦走中 2016年02月24日 20:15 ID:Vk.UQRVB0
uedayasujiさんが亡くなってたの初めて知ったよ。
よくコメント頂いただけにビックリ。
3. 名無しさん縦走中 2016年02月24日 20:23 ID:AKxR.ti50
ご冥福をお祈りします
遭難せずに冥土に逝けよ。迷惑だ
4. 名無しさん縦走中 2016年02月24日 21:54 ID:M4BwDdc60
御冥福をおい〜スw
5. 名無しさん縦走中 2016年02月24日 22:08 ID:ZCQ7vEr20
死ぬ時まで人騒がせな奴だな
6. 名無しさん縦走中 2016年02月24日 22:49 ID:rsaYhM5Y0
死んだ人間の悪口まで言う人って、お里が知れるよね。
7. 名無しさん縦走中 2016年02月24日 23:29 ID:fgaCR2oD0
反撃を喰らう心配がないからね。
いくらでも尊大になれるのだろう。
8. 名無しさん縦走中 2016年02月25日 03:50 ID:X.aq4Mrj0
>利用交通機関 車・バイク
ここまで頻繁に、致命的な幻覚を見るような人でも
免許を持てるんだな恐ろしい
9. 名無しさん縦走中 2016年02月25日 07:31 ID:DtKgzr2k0
氏はさらっと書き流してるけど、なんで?って不可解な行動がちょこちょこある印象。
救助関係者にお礼言ってまわったり、まともそうな人なのになあ。
10. 名無しさん縦走中 2016年02月25日 09:44 ID:lY.LS6fW0
パーキンソン病とレビー小体型認知症は部分的に似ている
幻視幻覚幻聴の類いはレビーっぽいと思われ
11. 名無しさん縦走中 2016年02月25日 14:40 ID:wTGMPVJk0
死者に鞭打つ気はないけど。
ここまで問題があっても「単独登山」するのは・・・
やはり問題だと思う
12. 名無しさん縦走中 2016年02月25日 15:41 ID:keaOHL6i0
結局R氏は実在したの??
13. 名無しさん縦走中 2016年02月25日 16:50 ID:n1sOVS420
この人病気だとは知らなかった
いくら何でもこの状態でソロ登山って自殺しに行くようなもんでしょ?
正直迷惑ですよ
病気と知るとレポの内容も受け止め方も違ってきますよね
R氏もいつの間にか不在になってるし
14. 名無しさん縦走中 2016年02月25日 17:09 ID:Q5Itps110
※8
全くの同感。
こういう病気持ちが車の運転してる事実が一番の恐怖やわ…。
15. 名無しさん縦走中 2016年02月25日 17:58 ID:xkvP.2XG0
赤岳撤退で非難されるって何?主稜ルートでも行ってたの?
違うでしょ?ただのハイカーのくせにしょうもないこと言ってんなよ
16. 名無しさん縦走中 2016年02月26日 21:09 ID:XZViyOUg0
ヤマレコ見ると気持ち悪くて吐き気がする
17. 名無しさん縦走中 2016年05月15日 22:18 ID:5ycq9lUk0
※16
せやな、見てると自己顕示欲全開な連中ばっかりやからな
18. 名無しさん縦走中 2017年04月19日 16:44 ID:O0.U2tW.0
R氏はどうなったのか、というのが気になった。
彼が救助されたので、この人も助かったのだろうか。
星新一でも読んでいるような気になった。
19. 名無しさん縦走中 2017年05月25日 14:52 ID:y5SIgrgp0
いやまったく。
下手なSFより奇妙な気持ちにさせるよ
この話
20. 名無しさん縦走中 2017年10月13日 17:35 ID:nYpzFUC10
知り合いがさ、体力経験全然ないのに危険な山に行きたいって言ってて
あなたの体力じゃ無理だよって言っても行きたがってる
登山始めて数年で今まで一人で登ったこともないのに無茶しすぎ
本人が行くって言ったら止めたいけど止められない
21. 名無しさん縦走中 2018年05月16日 21:28 ID:R.5Y7k6S0
R氏との出会いで同じ手ぬぐいを拾ったっておかしいよな、一度拾えばなくなるだろ。
22. 名無しさん縦走中 2018年05月16日 23:22 ID:InNbYlUe0
一回目:手拭いを見た
二回目:同じ手ぬぐいを見たのでおや?と思い拾った のかも。
当人じゃないとわからんけどね。
R氏は実在したけど、yucon氏と一緒に歩いてやばいわこの人、と思って離れた と思ってる。
23. 名無しさん縦走中 2018年05月16日 23:25 ID:PT4aQTf00
拾う度に捨ててるだろうな
24. 名無しさん縦走中 2018年05月18日 00:22 ID:AWRKEtjl0
https://www.yamareco.com/modules/diary/21099-detail-38421
R氏についてはこれかな
コメントでも指摘されてるけど自責の念がないのが致命傷になってしまったんだろうか
山は怖いところだ
25. 名無しさん縦走中 2018年05月18日 15:47 ID:BN3Zqing0
本人が後日「自分を見捨てたR氏が通報してくれなかった」的なこと書いてるようだが、
こいつも、同じく遭難しているかもしれないR氏のことを救助隊に知らせていない
それなのに何故か、R氏は無事下山したことを大前提で話を進めてるのが薄気味悪い
こいつとR氏が会ったのは、最初の登山口での一度きりだと思うわ
あとはみんな妄想の類
26. 名無しさん縦走中 2018年05月19日 07:06 ID:xxGoacKh0
上の記事見てきたけど
R氏のブログとやらが本当にあったのかすら不明だよな
27. 名無しさん縦走中 2018年05月20日 02:27 ID:L6hAMFNY0
ってかどう見ても言い訳のための空想キャラだろ。深く考えるだけ無駄
行動が全てを証左してるだろうに
28. 名無しさん縦走中 2018年05月20日 05:54 ID:IXqLEQaA0
R氏が実在してて記録通りのところまで同行してたとして、R氏サイドから見て、あれ? 遭難したかもって一日目とか二日目で、唯一の同行者が謎の印を見出したり幻聴聞こえ始めたら滅茶苦茶怖いと思う。「遭難四・五日目でそうなるなら分かるけど、こんなに早いのってそもそ何かおかしくね?」って
29. 名無しさん縦走中 2018年05月20日 09:46 ID:AlhXZDjk0
R氏が本当にその場に居たとして、同行者が狂人だったとわかった時からの恐怖は半端ないわ。
だって野生動物じゃなくて今目の前にいる人が急にナイフで…って事になり得る訳で。
沢に行ったのも本人だけの様な気がする
放って置けないから朝になって引き上げたけど
どう考えてもそっち方面じゃないってところに行くかずっと同じとこぐるぐるしてたとかで
>>何度もR氏に先行を依頼するもなかなか行こうとされない
ここで逃げるしかないって切実具合が見えてくる下手なホラーより怖い。
30. 名無しさん縦走中 2018年05月22日 09:50 ID:GntMfNJp0
パーキンソン病ってそんなやばいのか?
老人の痴呆の一種じゃないのか
31. 名無しさん縦走中 2018年05月23日 17:33 ID:dsDrONYW0
R氏は実在するらしいけど、
遭難時に会ってたのかは不明らしいな。
32. 名無しさん縦走中 2018年06月01日 00:57 ID:hcZOy8.S0
恐ろしい話だし、教訓にはなるな
ただR氏は幻覚の可能性が高いと思う
パーキンソン病は幻覚を伴うこともあるそうだし、
もともと持病だったのが、水も栄養も取れずに幻覚が顕在化したのだろう
で幻のR氏を見たと。
R氏が実在して、現地に行ってなかったとすると、それはそれでR氏にとって恐怖だろうな。
結局、この人はまた遭難して死んでしまうのだが。それも自業自得という気がする。
怖いのが、後日のレポで、もし遭難した山に行かれるなら連絡くれれば案内するみたいなこと書いてること。遭難したことで自信がついたのか、何なのか。
いろいろ危なすぎる人だったわ。
33. 名無しさん縦走中 2018年06月01日 01:00 ID:hcZOy8.S0
結局、(恐らく幻覚の)R氏のせいにすることで反省せず、再び遭難で死に至ったんだろうな
34. 名無しさん縦走中 2018年06月01日 13:29 ID:rK.w.8L40
脳の錯覚だろうから反省しようがないんだろうね
35. 名無しさん縦走中 2018年06月03日 07:45 ID:5O2AXGr40
御前等も五十歩百歩なのが真実
36. 名無しさん縦走中 2018年07月16日 14:49 ID:i6GgkH6t0
世の中には話半分という言葉がある。
特に体験談の様なものはその傾向が強い。
戦争体験記とか遭難体験記とか、人は不思議と自分が危険に遭遇したことに優越感んを感じる様だ。
そこにオーバー表現や創作が入り込む恐れが出て来ると思う。
皆さんも話を盛った経験がお有りだろう。
クドクドと異常に細く長い書く人は精神障害の可能性も可能性もある。
体験記などは「本当かな?」と疑って読むべきもので、同調してのめり込んでは絶対ダメです。
37. 名無しさん縦走中 2018年12月21日 01:01 ID:aGr4oqsR0
パーキンソン病は脳の病気で手足が震えるだけじゃなく認知機能障害で幻覚が見えたりすることもあるみたいだから
R氏というのはまあそういうことなんだろう
ホラー映画よりホラーしてるけど
38. 名無しさん縦走中 2019年05月06日 00:32 ID:toBWCci60
遭難死した時の写真からスタートしてすぐ道を外してた事がわかってるから、単独で登山どころか外出レベルの行動も幻覚でヤバかったんじゃないかな。
ブログを読めば読むほどそこかしこに自責の念の無さが滲み出てて、ある意味上から目線な意見満載なのもパーキンソン病の幻覚症状が成せる技なのかもしれない。
統合失調症の患者が一方的に被害を訴える様に、氏の主張は病んでいる。
何しろブログは読んでて気持ち悪い。
39. 名無しさん縦走中 2019年05月07日 03:29 ID:IpgPX1gZ0
これもう結構昔の話だけど、時々思い出してヤマレコ読んでしまう
なんと言っても怖い、普通の遭難体験記とは違った怖さがある
もし自分がR氏の立場だったら先行なんて絶対したくないし、やっぱり怖くて逃げるだろう
もっともどこから幻覚が始まってるのかわからないのだが...
40. 名無しさん縦走中 2019年07月03日 17:58 ID:UlrCrnsG0
「この世で一番怖いものは人間」じゃなくて自分だったという・・・
http://tozanchannel.blog.jp/archives/1052697395.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1013.html#c3
パーキンソン病患者の幻覚体験 _ 伝説の遭難者 yucon氏の体験について
伝説の遭難者yucon氏の体験について(1) 2018年06月07日
https://hagarie.naturum.ne.jp/e3087346.html
前回、
「新潟親子遭難事故について」の記事
https://hagarie.naturum.ne.jp/e3086142.html
を書いたところ反響があったので、数年前にネットを騒がしたyucon氏の遭難に関しても一応記事を書いておこうかと思います。
このyucon氏の遭難に関しては、多くの失敗を犯している形ですので逆にここから色々な事を学ぶ事が出来ます。特にアウトドア初心者の方には是非読んで貰いたい内容です。これをアウトドアを楽しむうえで役立てて頂ければ幸いです。
★yucon氏について
yucon氏のプロフィール
登山暦:2011年から死亡する2013年11月まで
年齢:当時40代前半
性別:男
本名:川崎
彼はパーキンソン病を患い途方に暮れていた時に"山"に出会いました。その病の進行と闘いながら死亡するまでの間、山を登り続けました。しかし、そんな身体で山登りをする事は自殺行為であり推奨できるものではありません。誰かが止めていればこんな結末にはなっていなかったでしょう。またパーキンソン病の影響か幻覚症状があり、遭難記のどこまでが本当にあった事で、どこまでが彼の幻覚かという議論が未だにネット上では続いています。
yucon氏は"ヤマレコ"という登山系SNSのヘビーユーザーであり、遭難後もその遭難記事をヤマレコにアップした事により一躍、有名人となった方です。リアルでも山雑誌に取材されたり講演会に呼ばれたりしたようです。
そして、今回紹介する遭難から1年後の冬、御在所岳で再び遭難。救助されたものの翌日に病院でお亡くなりになりました。ご冥福をお祈りします。
★遭難時の装備等
遭難発生日:2012年07月16日(月)〜 2012年07月22日(日)
天候:ほぼ晴れだが5日目に雷雨に襲われる
装備:
・食糧(カップ麺、マッシュポテト2人前、バランスパワー4本)
・飲料水(ハイドレーション2ℓ、炭酸ジュース500ml、水500ml)
・野球帽、モンベル半袖ジップアップシャツの下にナイキドライフィット長袖Tシャツ
モンベルパンツ、アンダーにメンズタイツ。
・バーナー、コッヘル、ガスボンベ、
・25,000分の1地図、山と高原地図、コンパス、ホイッスル
当日忘れた装備類:
・雨具、ビニールシート、ツエルト、バックライト付きリストウォッチ、ヘッドランプ、GPS
★どのように遭難したか
今回は
yucon氏のヤマレコの記事やBlogの記事
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-210149.html
http://yucon.hatenablog.com/entry/2012/07/28/030725
あとアウトドア雑誌「山と溪谷2013年8月号」から遭難の内容を抜粋、加筆、修正を行なって記事にしています。
※ヤマレコの記事とBlogの記事、山と溪谷の記事で微妙に内容が違います。今回はBlog側の記事を参考にしています。
1日目:2012年7月16日(月)
まず今回遭難が起きた御池岳の地図を紹介します。
http://turi-yama.moo.jp/yama/2015yama/yama150429.html#top
(※「五目釣りと山旅日記」より転載)
http://turi-yama.moo.jp/yama/2015yama/yama150429.html#top
yucon氏は今回の山行を"土倉岳−御池岳−T字尾根"の周回ルートで計画していましたが、自宅を出発するのが大幅に遅れた為、途中撤退のつもりで家族へ「ノタノ坂、土倉岳、T字尾根、山は登らずに帰ります。帰りは17:00頃」とメモを残し出発することにしました。
しかし奥さんはそのメモを読んで「山に登らないのだったら、このメモは必要がない」として捨ててしまいます。早速この時点でyucon氏が何処の山に行ったのか誰も分からなくなります。
さらに駐車場へ向かっていると道中、土砂崩れにより封鎖されている箇所があり迂回を余儀なくされ、さらに1時間半ロス。駐車場に到着したのは午前10時半。さすがにyucon氏も少し遅いと感じた様ですが、駐車場で別の登山客1人がこれから登るところを見て安心しyucon氏も登山の準備を進めました。
登山準備を済ませて登山口へ向います、林道の段階で山ヒルを数匹確認しており少し不安を感じながらも薄暗い樹林帯へ入って行って行きます。この沢沿いの樹林帯の道は山ヒルの危険地帯です。しかしyucon氏はアルコール除菌スプレー準備しており、それを駆使し、樹林帯を抜ける間際まで山ヒルの被害は無かったようです。
それから稜線に出てから、しばらく休憩した後、左右どちらへ進むのか悩みました。
というのも方角的には間違いなく左なのですが少し進んでみると"侵入不可のケルン"(※1)があり、さらには明らかに人の手によって木の枝で道が塞がれていたそうです。すぐに戻り右方向へ進むと程なく土倉岳山頂へ到着、御池岳の衛星峰「土倉岳」にとりあえずは登頂成功。時刻は13時頃。
時刻も13時と言う事で、このまま御池岳方面を目指しT字尾根経由で下山することに決めたそうです。
その後、土倉岳を北進し痩せ尾根を慎重に渡り、テーブルランドの端にようやく到達。しかしT字尾根経由で下るのにどれくらいの時間がかかるのか分からず、霧が濃いので長居は無用と決め、直ぐにT字尾根の取付き(※2)を探し始めました。
そしてグリーンのテープがいくつも張ってある取付きを発見し下山を開始します。取付きを過ぎた後一旦は違う尾根に乗ってしまった様ですが、この時はすぐに気が付き来た道を戻りました。戻って注意深く辺りを見るとテープや踏み跡があり、それについて行くと正しくT字尾根に乗ることが出来た様です。
順調に下山は進み、後はT字尾根の突き当たりを左へ進めば山行は終了というところで、
駐車場で見た登山者が反対方向から現れました(以後R氏)
R氏「さっきと同じ所を通ったみたいで同じ手拭い見たので拾ったんだ」
R氏の話しでは、T字尾根の突き当たりまで進み、正しく左へ進んだつもりが道迷いになった様で知らぬ間に戻ってきてしまった様です。そして話しの流れでyucon氏はR氏に同行する事となりました。
R氏はyucon氏よりも5歳以上も年上に見え、装備からも察するにベテラン、会話の中でも「旺文社の登山コースは全部制覇した」との事を言っており、それを聞きyucon氏は完全にR氏を信用した様で雑談に夢中になってしまいました。
...雑談に夢中になった結果、二人で迷ってしまいます。
R氏の提案で、沢へ下りて川を下ろうという事になり、yucon氏も一緒に沢へ降りる事に。しかし沢へ降りている最中5mの高さから滑落、2〜3回転しながら沢へ落ちてしまいます。yucon氏は首からぶら下げていた一眼レフが気になり作動確認をし、正常動作したのを確認し安心したそうです。
R氏は滑落したyucon氏に声を掛けて大事に至っていない事を確認すると先行して沢を下って行きました、そしてまた戻って来て一言、
R氏「出口は滝だ、だめだこりゃ。もう一度登り返して稜線へ出よう。」
yucon氏「(滑落してまで下りたのに稜線へ登り返すのか、夕暮れも近いのに...)」
そう思いながらR氏に従い登り返しましたが、途中、沢から少し登った所で足を滑らし両膝を岩に強打。かなりの痛みで出血もあり、しばらく蹲っていましたが何とか登り始める事にしました。登る途中もかなりの薮漕ぎ(※3)でR氏に若干遅れてしまいましたが何とか付いて行きました。
やっとの事で稜線に出て暫く進んだところで二人で休憩。
ここでyucon氏はバランスパワー(※4)の4本のうちの2本を食べ、残り2本をR氏に勧めましたが遠慮されます。そしてそこでyucon氏は自分には持病があり薬無しでは身体がもたないことを説明しました。
休憩を終えて再び歩きだした直後、R氏のザックから水筒が落ちて斜面を滑って行きました。まだ見える場所で止まったのにも係らずR氏は諦めてしまったそうです。
そして尾根を目指しているのに、なかなか尾根が現れない。R氏も高度計を確認しながら首をかしげる。尾根に出ないどころか勾配は急になるばかり、焦りと不安が募ります。不安に駆られていると進行上に大きな岩がありR氏は右に巻く(※5)、しかしyucon氏は上手く巻けず岩の左側を直進する事に。
ここで彼らは一旦別れてしまいます。
日は暮れて薄暗さが増して辺りを見回してみると、遥か先にボタンブチらしき所が見えたそうで、立ち止まりながらもなんとか上へ上へと登っていくと山頂直下15m程の所に僅かなスペースがあり、そこで一人ビバーク(※6)することを決意したそうです。
山頂からはR氏の呼ぶ声とヘッドランプを点灯させるのが見えたそうです、yucon氏もバーナーを点火させ合図を送ります。R氏も山頂でビバークをする様で、山頂から10m程東の地面にシートを広げて横になっていたようです。
眼下には雲海が広がり頭上には満天の星空。月明かり、星明かりのおかげで全くの闇夜ではなく、さらにホタルの群れが飛び交う今まで見たこともない美しい光景が広がっていたそうです。それと同時に遥か下の雲海からは雨音が聞こえていました。
しかしながら、不安から眠れずに夜明けが来るのをじっと待つしかなったそうです。
【用語解説】
(※1)"ケルン"とは人工的な積み石の事で通常ルートを示す道標や墓標として用いられる。
(※2)"取付き"とは登り始める地点などを指す言葉、アプローチポイント。
(※3)"藪漕ぎ"とは藪をかき分けて進む事。
(※4)"バランスパワー"とはカロリーメイトっぽい携行食、商品名。
(※5)"巻く"とは迂回する事。
(※6)"ビバーク"とは緊急避難的野営
2日目:2012年7月17日(火)
ここでもう一度地図を確認しましょう。T字尾根の途中から道を外れ、沢を登りボタンブチへ進んでしまい、そこでビバークした状況です。
(※「五目釣りと山旅日記」より転載)
http://turi-yama.moo.jp/yama/2015yama/yama150429.html#top
この日は夜明けから登り始める事にしました。幸いにも雲ひとつない青空。ボタンブチ直下はカレンフェルト(※7)で、崩れやすい岩がゴロゴロしている為、R氏にロープを渡してもらい慎重に慎上へ進みました。途中3回ロープを掛け直し、なんとか山頂へ倒れ込みました。
そこには2月にボタンブチ下のゴロ谷で遭難死したN氏の慰霊碑があったそうです(参照元:山と溪谷 2013年 8月号)
しばらくそこで倒れこんでいましたが、今日が平日で会社へ行かなければならないことを思い出して立上がります。
とりあえず家族へ連絡と言う事で、yucon氏の携帯はバッテリーが切れていた為、R氏から携帯を借り自宅へ電話。しかし留守番電話だった為「危機的な状況は脱したのでこれから下山します」とだけメッセージを入れたそうです。
R氏から下山ルートの相談を受け、yucon氏はT字尾根ルートを押します。R氏も反対しません。その時、yucon氏は「R氏はここまで大変なことにしてしまった責任を感じてか私の意見に反対しない」と感じていた様です。
この日の朝は雲ひとつない快晴で迷い様が無い天候だったのですが二人してテーブルランドを彷徨い歩いたものの、なかなか目的のT字尾根の取付きが見付りません。見付からないままその先にある土倉岳の取付きを見つけました。R氏はそのまま土倉岳のコースを押したものの、yucon氏は頑としてT字尾根を押した様です。
その後、やっとの事でT字尾根の取付きを見つけて下って行ったものの、昨夜の雲海の下から聞こえた雨の影響でしょうか、地面はぬかるみ、踏み後は消えてしまっていました。
しかも二人とも会社の始業時間に間に合わせたくて下山を急いでしまいます、さらにこの時点で二人が持っている水分はゼロという状況で、その焦りがミスを誘発。一度下ったルートが間違いであることに途中で気付き登り返したりを何度もする事となりました。
この時yucon氏自身も自分が相当混乱しているのが分かったそうです。
そして事態は思わぬ方向へ。
yucon氏が見えるテープがR氏には見えないという現象が起こり始めます。
脇の石を見ると「T」の字が横を向いて進行方向を指していたので
「ほら、目印があるじゃないですか!こっちへ進めって書いてありますよ」
自信満々で石を指さすyucon氏。
R氏は何も言いません。
しばらくしてまた道が違うことに気付き、
yucon氏「おかしいな、Tの字が横を向いてこっちを指してたのにねぇ」
R氏「いいや、そんな石は無かった」
そんなyucon氏でしたが、R氏も反対意見を言わなかった為、「R氏も自身が狂っていないと主張できる根拠や自信が無いのか強く反対意見を言われない」と感じた様です。
それから、二人はテーブルランドから少し下りたところでモタついていました。yucon氏は体調のこともあり何度もR氏に先行を依頼したものの行こうとしなかった様です。それをyucon氏は「やはりR氏も自信を喪失しているようだ」と感じていた様です。
そしてyucon氏がクマ除けの鈴の様な音が聞こえる為、他の登山者が歩いていると思い声を掛けました。しかし音は近づいてくるものの、その姿は見えない。
何度も叫ぶ。
それをR氏は黙って見ていました。
...しかし結局、その登山者の姿を見る事は無かったそうです。
yucon氏「せっかく道を聞こうと思ったのに!」
それをR氏は黙って見ていました。
その後、yucon氏が長い尾根を下って行ったのにも係らず、R氏は尾根を下らず、留まって様子を見ていたそうです。かなり下った後、尾根違いと分かり急峻(※8)を登り返さなければならず半泣きになるyucon氏。昨晩も殆ど睡眠を取れておらず、その上水分補給も無いこの状況、体力も精神も尽きたのでしょう。
すると遥か上でR氏が正しいと思われるルートを進んで行くのが見えたそうです。
そして、その後R氏の姿を再び見ることはありませんでした。
ちなみにyucon氏は遭難救助され暫く経った後R氏と思われる人物のBlogを発見し、その行動を批判したそうです。R氏と思われる人物はBlog閉鎖、音信不通に。それに対してyucon氏は一言、やはり世の中で一番怖いのは「人間」です。
(参照:外部リンク「yucon氏のヤマレコ-R氏について」)
https://www.yamareco.com/modules/diary/21099-detail-38421
その後も何度もルートミスをしながら、6時間掛けてようやくT字尾根の真中あたりの標高967mのピークに辿り着きます。通常この季節、この天候であれば1時間半で到着するコースです。いや、そもそも実は辿り着いたその場所は標高967mのピークですらありません。随分手前の標高1,010mの場所でした。
標高差100m、水平距離でも100m、6時間掛けてこれしか進めていません。
もはや道迷いでは無く自身の衰弱との戦いです。
そこからのまた幻覚が見え始めルートが分からなくなりました。
親子連れや夫婦の登山者を見える。
さらに東西南北全ての方向に目印があり踏み跡があり他の登山者が進んで行くのが見える。
しまいには国道などにある青色の大きな道路案内板が見えたそうです。
T字尾根最高点から30m程下った所で遂に倒れ込みホイッスルを吹き助けを求める。
何度も何度も吹いて「助けて下さ〜い」と叫ぶが誰も来ない。
遥か上の稜線に人の気配がする。
学生のような登山者がこちらを見ており、少し近寄り掛けて躊躇している。
その影に向かって叫ぶがいつの間にか消えていた。
30分ほどしてT字尾根最高点になんとか戻り、登山道脇に倒れ込んでしまいます。
誰か通りかかったら水を貰おう待つが誰も来ません。
自分が居る事を気付かれないように迂回して逃げていく家族連れの登山者がいる。
他にも夫婦やカップル、父子連れの登山者がいる気配がするが誰も助けてくれない。
その後もホイッスルを何度も吹き「誰か助けて下さい!」と呼び掛けたものの反応は無し。
遠くの物陰からこちらの様子を窺がう気配だけがする。
そうなのだ、全て幻覚なのだ。
連休明け平日のT字尾根に一体何人の登山者が訪れるだろう、一人か二人いれば多い方でゼロの可能性の方が高いはず。
ましてや上級者向けのコースに親子連れなどいる訳が無い。
yucon氏も気が付きました。
15時を過ぎ、脱水症状はさらに進行、「水」への思いは募るばかり。幻覚を見つつも川の音のする方へ降りて行きました。降りている途中で「また登り返すのが大変だ」迷っていると、川岸に水量を計測する機械の制御盤の様なものがあり、係員のような女性が機械を触っているのが見えました。さらによく見ると、手前にも係員達の使っているトイレ(便器だけ)やセンサーの様なものまでが見えました。
(※この係員も記事よって女性1人だけだったり女性1人男性2人だったりする)
「急な沢だが降りて水を飲み、係員に自分の存在を知らせ助けを呼んでもらおう」
yucon氏の中でそういう計画が出来上がり斜面を降りて行く事しました。
木にロープを掛け、下の木まで降りることを繰り返しましたが、ついにはロープを掛ける木が無くなってしまいます。しかし下を覗きこむと美味しそうな水が流れている沢が見えた為、そのまま3m以上の高さから落下。全身が痛みましたが何とか上体を起し川の水を手ですくい口へ運ぶ、その瞬間、yucon氏は身体が生き返るのを実感したそうです。
しかし落下の衝撃で身体中が痛み、もはや崖を登り返すことも出来ません。
時刻も16時半を過ぎており夕暮れは目前です。
この日はもう体力の回復を待って、崖を登り返すのは明日の朝からにしました。
もしかしたら水量計の係員が来るかもしれません。そう思いながら辺りを見回すとさっき機械があったところは、ただの木が生えているだけで、どうやら全て幻覚だったようです。
水分補給出来た事で安心したのか、少し眠ってしまった様です。ふと気が付くとまだ幸いにも明るかったものの、寝ている間に顎と首筋の間にヒルを刺されていました。慌ててヒルを剥がしたものの出血は止まらず、タオルで止血しつつも完全に暗くなる前にお湯を沸かしラーメンを食べる事にしました。残る食料はマッシュポテトのみです。
そうしている間にあっと言う間に日は暮れます。
ここは谷間の沢、昨夜のボタンブチとは違い、真っ暗です。
深夜谷底から稜線を見上げると上に人の気配を感じたました。しかもそれは捜索隊で自分を見つけてくれた様です。こちらの存在をアピールする為ガスバーナーを点火し叫びながら、明日の救出を楽しみにそのまま寝てしまいました。
【用語紹介】
(※7)"カレンフェルト"とは石灰岩が林立した地形の事
(※8)"急峻"とは傾斜が急で険しい場所の事
3日目:2012年7月18日(水)
この日、yucon氏は昨夜見た捜索隊が来てくれるのを、ただひたすらに待つ事にしました。
しかし夕方頃、深夜の捜索などあり得ず、昨夜の捜索隊は幻覚だった事に気付きました。
そしてバーナーのコックが開きっぱなしでガスが空になっている事に気がつきました。
そしてこの日yucon氏の家族が捜索願を提出。午後から捜索が開始される。
4日目:2012年7月19日(木)
朝起きると、また救助隊が来ると言う幻覚が始まっており何もせず待つ事にしました。
上流の方で声が聞こえました。
やっと救出部隊が来たような気配がします。
しかし一向に救出活動が進みません。
正午を過ぎ少し不審に思いましたが上流の方から相変わらず声が聞こえてきます。
何か作業を進めているように感じました。
気が付くと15時。
上流の声が聞こえる場所へ行くと誰も居らず、
また全て幻覚だった様です。
夕暮れになり横になると手首を山ヒルが這っていました。
既に両手は10ヵ所以上ずつ刺されていました。
5日目:2012年7月20日(金)
この日ついにyucon氏は自力脱出を実行を決意しました。
ここでまた地図を確認してみましょう。
yucon氏はT字尾根の途中から南に逸れてしまい小又谷にいるものと勘違いをしていました。そして、そのまま沢を下れば川と合流して川を下れば出られるものと考えていた様です。しかも手持ちの地図を見ると間に堰堤や滝がある様に記されているのは分かったそうですが、きっと高低差は少ないものだろう、そして明日には確実に帰れるだろうと楽観的な予想で沢下りを決行する事にしました。
出発前、最後の食糧のマッシュポテトを沢水で溶き半分食べます。
沢を下って行くと高低差20mはあろうかという滝にぶつかり、進めなくなります。
(※この滝に関してもBlogでは20m、ヤマレコでは50mと表現されており、どちらが正しいかは謎です)
(※これが実際のその滝を後日撮影したものらしいです)
いっその事このまま飛び込もうか迷っていると雨が降り始め正気に戻る事が出来た様です。
その雨は夜まで続き、落石や鉄砲水の危険性から中州で一夜を過ごす事にしました。
深夜、真っ暗な中yucon氏が居る所にも水が流れてきました。もう座ったところから一歩も動けない、もしかすると中洲も水の流れで削られており一歩横はもう激流の中かもしれない。そう思うと一歩も動けなくなったそうです。尿意を催したものの、もし立ち上がって沢に落ちれば終わりという不安から一歩も動かず尿はその場に垂れ流したそうです。
5日目:2012年7月21日(土)
雨は早朝に上がったものの身体へのダメージは相当のyucon氏。雨が上がった後すぐに眠り込んでしまいます。
起きた後、遂に地図とコンパスを準備し再度自分のいる地点を割り出すと現在地はT字尾根の北側に位置するゴロ谷と判明。それまでずっと反対側の小又谷と思い込んでいました。
そして昨日作ったマッシュポテトの残りを腐っているとわかりながらも食べたそうです。
今まで食べた中で最も不味い食べ物だったそうですが何かしら摂取しなくては身体がもたないので我慢して口へ運んだとの事です。
そしてyucon氏の身体に衝撃的な異変が、以下yucon氏のコメント。
そういえば最近股間がむずむずしている。
恐る恐る肛門付近を見ると自分の肛門から次から次へとウジ虫が出てきている。
どうやら自分の腸内で卵からかえり肛門から出ていくようだ。
出口がないと気に入らないのか股間の皮膚に噛みついて暴れるのでとても痛い。
沢の水の中に卵がありそれを飲むことにより体内でふ化するようだ。
これも鹿の糞が媒体となっていて鹿の増加が関係しているのか。
思案を重ねた結果、沢を下るのではなく、稜線まで上がれば誰かに会えるだろうという考えで尾根まで上がる計画を立てました。しかし12時過ぎから出発し比較的勾配の少ないガレ沢から取付き慎重に登って行ったもののかなり衰弱していたのでしょう、8割進んだところで日没を迎えてしまいます。
斜面途中の木の根周辺にスペースを見つけ木に跨る姿勢で夜を迎える。
この夜はどこからかテレビの音声が聞こえてきたので呼び掛けをしたそうです。するとカサカサとサンダル履きで駆け寄ってくる音がしたので、警察へ連絡をお願いをしたところ近くで電話を掛けているような会話が聞こえてきたのでお礼をしたそうです。
深夜寝ぼけて足を踏み外し落下、たまたま触れられた木の枝に掴まり止まったが、足は完全に宙ぶらりん。微動だに出来ない姿勢で一晩過ごし小便はまた垂れ流しだったそうです。
6日目:2012年7月22日(日)
朝起きると、なんとかまだ木の上でした。
この日も頭の中では救助隊がこちらに向かっているという状況が出来上がっていました。
ほんの少し上の尾根の方からもいろんな人の声が聞こえ辺りがざわついていました。
近所のおじさんの声、飼っている犬の声、聞き慣れた声がたくさん聞こえます。
そんな雰囲気の中yucon氏は木の上で安心して待っていました。
昼頃のどの渇きを訴えるとお茶を用意してくれると言われます。
yucon氏は楽しみにして待っていたものの、お茶も出ないし救助も来ません。
気付いた時は既に遅く13時半。
沢から持ってきていた水ももう空です。
そしてもう一度沢まで降りたらもう登り返せないのが分かります。
しかし諦めかけたその時、下の沢から声が聞こえてきました。
しかもyucon氏の名前を呼んでいました。
こちらからも叫んだものの声が届かないので滑り落ちるように下りました。
半分程降りた所でコッヘルで叩き大きな音を出してから投げ落としたりもしました。
一眼レフカメラも投げました。
望遠レンズも投げました。
それでも下の人には気付いてもらえません。
残り3分の1のところでザックも投げ落としました。
yucon氏は半ばヤケクソ気味に飛び降り様としました。
すると会社からも捜索に来てくれているのか同僚の女性の声が聞こえます。
「川崎さんの為にここにジュースを置いていこう」
(※川崎とはyucon氏の本名)
それを聞きブレーキが掛けるyucon氏。
「死ぬまでに彼女が置いて行ってくれたジュースを飲もう!」
そう決意したものの、2m程滑落、途中でメガネも紛失してしまいます。
沢に降りられたものの全く動けなくなりました。
もちろん下には誰もおらず、全て幻覚でした。
辛うじて這い蹲り沢の水を飲んでいると、
川の向こうに親子の3人連れと中年男性が見えました。
「三途の川か」
そうyucon氏が呟くと川の岸辺に先程のジュースが見えました。
しかし少しでもジュースに近付こうとするものの、たった数cmも進みません。
川の向こうの人達が楽しそうにしているのが見えます。
そしてラジオ放送が流れていて野球中継を放送が聞こえます。
yucon氏は後一日は死なないだろうと計算をしていましたが、肛門からはウジ虫が誕生し続けており、全身山ヒルの噛み跡だらけ、脇腹もムカデにやられているこの状況を感じ、眠ったら二度と目が覚めることは無い様な気がしたそうです。
救出
2012年7月23日(日)のこの日は三重県山岳連盟の救助隊が前日から捜索を行なっており、そのうちの一班がボタンブチからN氏(上述した過去の遭難者)の遭難地点を経てゴロ谷に下りるルートを捜索していました。
16時ごろ登山者から遺留品が見付かったとの連絡が入った為、その方面に向かう事になりました。
そしてついに17時40分頃、yucon氏の最後の力で振り絞って振った手を隊員の一人の女性が捕らえました。
その時は突然やって来た。
人の気配がする。
久々に人間の気配だ!
2人程の人影が見える。
最後の力を振り絞り手を振る、声にならない声を振り絞る。
一人が近づいてくる。
女性だ。
「遭難してます。川崎と言います。」
女性は驚いた表情を見せ「生きてる!よかった!」と叫んだ。
歓喜の声と一緒に複数の人が来るのがわかった。
「水を下さい!」
アクエリアスを一口貰った。
これはyucon氏の人生の中で一番美味しい飲み物だったと謳っています。
さっきまで川の向こうに居た人たちの姿はどこにも見当たりません。
岸辺にあったジュースも探してもらいましたが見当たりません。
しかしyucon氏の中ではまだ半信半疑でした。
もしかするとこれも幻覚かもという疑念が振り払えません。
「川崎さん!」と呼ぶ声に目をやると色黒の精悍な男性が居ました。
彼はヤマレコ仲間でyucon氏が師と仰ぐToshiという人物でした。
(※yucon氏のBlogから転載、足元の男性がToshi氏)
そして、18時55分、時間ギリギリだったものの県防災のヘリで搬送してもらえる事となり救助となりました。
★今回は一旦ここまで
あまりにも記事が長くなりすぎた為、今回はここまで。
この遭難記を読むと結構最初の方から「あれ?」ってところありますよね。オカルトっぽい要素もありつつも多くの間違った行動をしていたのが分かりましたか?次回はそういったところを中心に解説をしていきたいと思います。
それでは皆さん良いアウトドアライフを!それでは、また!
https://hagarie.naturum.ne.jp/e3087346.html
▲△▽▼
伝説の遭難者yucon氏の体験について(2) 2018年06月10日
https://hagarie.naturum.ne.jp/e3088762.html
今回は先日の「伝説の遭難者yucon氏の体験について(1)」の続きで、yucon氏がなぜ遭難してしまったかを考察していきたいと思います。
★パーキンソン病の登山の是非
yucon氏はパーキンソン病です。当時ネット上ではyucon氏に対して「パーキンソン病なのに山に登るな」と言う意見を目にしました。賛否はあるかと思いますが私も全くの同意見です。パーキンソン病は「手の震え・動作や歩行の困難など、運動障害を示す、進行性の神経変性疾患」だそうで、そしてyucon氏のヤマレコやBlogを読む限り軽度では無い様に読めます。その状態で山へ臨む事が間違いだと私は思います。そういった方がどうしても山に登りたいのであればロープウェイ等で山に登れば良いのでは無いでしょうか、もちろんロープウェイ等無い山は登れませんが、それは仕方ない事でしょう。
山、というかアウトドアでは普通の暮らしに比べ自己責任の面が凄く大きいです。なので病気なのに山を登るなら何かあっても全て自分で対応出来る準備をして、もしもトラブルに遭遇しても自分で対処し、他者に迷惑を掛けるな。と言いたいです。
しかし、そんな事を言っている私も人間ですからね、実際に登山の最中にトラブルに見舞われている人達を何度も見掛けた事ありますが「自分で対処しろ馬鹿野郎!」なんて一切思えませんでした。自己責任の世界だからこそかもしれませんが、そして自分自身に余裕があったからかも知れませんが、どうしても助けられずにはいられませんでした。自分の水分を分けたり、ファーストエイドキッド中身を分けたりしてしまいました。きっと多くの人は私と同じ行動を取るでしょう。しかし、それは私自身のリスクを上げる行動です、その他人を手助けしたばかりに後々自分が行動不能になり死亡してしまうリスクすらあります。それを傍から見たら、私自身が自らリスクを高め死に至った馬鹿野郎という事になるでしょう。
病気や障害を持って登山をしている人は逆を考えてください。「好きな登山で死ぬなら良い」と考えているかもしれませんが、それは自分善がりの考えで回りはそうは思いません、周辺の登山者へ大きなリスクを振り撒いていると自覚してください。私が登山を止めた理由も病気によるものです。止める時も山は好きだったし症状を薬で抑えれば登れない事はありませんでしたが、周囲の登山者にリスクを振り撒くという事が理由で登るのを止めました。一応もう症状が出ない状態が何年か続いて病院からも登山OKが出ているので、現在、少しづつ軽登山で練習を始めているところです。
病気や障害という特殊な環境なので一般人は理解しづらい事もあり、そういった事で指摘を受けると「そうか、これは差別になるのか」と思ってしまいますが、これはあくまでも"区別"であって"差別"ではありません。分かり易くもっと身近な話しに置き換えてみましょう。
例えば、全くお酒の飲めない人がいるとします。彼が「皆お酒を飲んで楽しそうにしている、私は全くお酒を飲めないけど、それでもお酒を飲んで楽しくなりたいんだ!」と言い出したとしましょう。周囲の人は急性アルコール中毒のリスク等を考えそれを止める事でしょう。それに対して誰も「差別だ!」なんて思いませんよね?そして彼が「じゃあ、一人で飲んで勝手に死ぬから良いよ」と言い出したとしましょう。飲み会の席で。そんな人が居たら迷惑以外の何者でも無いですよね。
厳しい事を言う様ですが、見えているリスクは回避するべきです。自分も周りも。
★幻覚症状について
今回の遭難事故をややオカルト気味にしている幻覚症状ですが、これはyucon氏の患っているパーキンソン病が関係するかはわかりません。遭難をして極度の水分不足や、ハンガーノックと言われる極度の低血糖状態に陥ったり、また緊張状態が続き過度なストレス、睡眠不足等に晒されると病気の無い健常者でも、幻視や幻聴と言った幻覚症状が現れます。それも極短時間で症状が出始めたりもするそうです。
こういった幻覚症状は山岳経験が長ければある程度は自己判断が出来るとも聞きますが、ベテラン登山家でも幻覚に陥って遭難してしまう事がありますので、これは病気や経験とは全く別に個人の精神耐性の様なものがあるようです。幻覚というのは健康状態の我々が見れば明らかな幻覚症状でも、本人はそれを幻覚と気付けません、よく例えられるのは夢の中に居るような感覚だそうで、どんな不自然な状況や現象でも、それが変と思えないそうです。
また、幻覚の他にも精神の柔軟性や開放性、効率性が損なわれ意味不明な「極端な強いこだわり」が出てきたり、本人でも分からない「記憶の改竄」が発生したりするそうです。
★遭難時の装備等
yucon氏の装備は以下の通りです。
装備:
・食糧(カップ麺、マッシュポテト2人前、バランスパワー4本)
・飲料水(ハイドレーション2ℓ、炭酸ジュース500ml、水500ml)
・野球帽、モンベル半袖ジップアップシャツの下にナイキドライフィット長袖Tシャツ
モンベルパンツ、アンダーにメンズタイツ。
・バーナー、コッヘル、ガスボンベ、
・25,000分の1地図、山と高原地図、コンパス、ホイッスル
当日忘れた装備類:
・雨具、ビニールシート、ツエルト、バックライト付きリストウォッチ、ヘッドランプ、GPS
装備、特に食料と水に関しては初心者向けの低山であればこれで問題無いでしょうが、御池岳は中級者向けの山ですのでこれでは少ない様に感じますね。
また、当日忘れた装備類があまりにも酷すぎます、準備を怠りすぎです。特にレインウェアとヘッドランプを忘れているのは致命的で、これが無いのに気が付いた時点で撤退した方が良いレベルの忘れものです。さらに、書かれていませんがヤマレコの他の記録等を読む限り、彼は他の山行を含め元々ファーストエイドキッドを持っていなかった様です。持病があるのにも係らず油断し過ぎています。
★山行での問題行動
病気や装備の準備段階で既に多くのリスクを抱えた状態ですが、山行そのものにも多くの問題がありました。
地図
https://hagarie.naturum.ne.jp/e3088762.html
1日目:2012年7月16日(月)
まず、yucon氏は"土倉岳−御池岳−T字尾根"というルートを計画していましたが、何らかの原因で家を出る時間が大幅に遅れ"土倉岳−T字尾根"に計画をし直しています。さらにyucon氏的には御池岳に登らない事ので"山には登らない"という思いがあり家族へのメモにも「ノタノ坂、土倉岳、T字尾根、山は登らずに帰ります。帰りは17:00頃」と書いたのでしょうが、その他のルートも山道ですからね、最早言い訳レベルです、家族がそれを見て「山に登らないのだったら、このメモは必要がない」と判断したのも頷けます。
そして更に山へ向かっている道中が土砂崩れにより封鎖されており迂回してさらに時間を大幅にロス、登りはじめが10時半。これも遅すぎますね、他の登山客を見たからと言っても、山行計画をまた変えるべきでした。
次に林道を歩いている時に、ご機嫌な感じで山ヒル対策にアルコール除菌スプレーを使っています。これは持ち物リストに書かれていなかったアイテムなので詳しくは分かりませんが、アルコール除菌スプレーという事で70~80%のアルコールです。このアイテムは今後登場しませんが封を開けた食品の殺菌や着火や燃料としても非常に有効だった事でしょう、凄く勿体無く感じます。
それから稜線に出てから、左右どちらへ進むのか悩み、「方角的には間違いなく左なのですが少し進んでみると"侵入不可のケルン"があり、さらには明らかに人の手によって木の枝で道が塞がれていて、すぐに戻り右方向へ進むと正解だった」と謳っています。この感じだと地図もコンパスも使っていないで己の感覚で左と決め付けている気がします、山で道に迷ったら必ず地図とコンパスです。経験や感というのは間違いの元になってしまいます。
その後yucon氏はテーブルランドに到着、T字尾根経由で下るのにどれくらいの時間がかかるのか分からず、直ぐにT字尾根の取り付きを探し始めます。彼はT字尾根経由で下るのにどれくらい時間が掛かるか分かっていません。この事から山行計画自体が下調べ不足で最早これは計画と呼べないレベルだった事が伺えます。
★ R氏との出会い
その後yucon氏は道に迷ったR氏に出会いますが、当時ネット上では「そもそもR氏が幻覚」という議論が交わされていました。もしそうであったら恐怖そのものですよね。私の個人的意見としては、さすがにR氏は存在したし、出会ったものと思います。しかしR氏の言動はyucon氏が遭難している間の危機的状況下の被害妄想により記憶の書き換えがあったのではないかと感じます。そしてyucon氏が後日見つけたR氏のBlogに関しても、果たしてそれが本当にR氏のものだったかは疑問があります、記憶は無意識に改竄されてしまいますので。
R氏に会ってからもyucon氏は地図とコンパスで現在地とコースの確認を行なっていません、R氏を信用したと謳っていますが、そもそもR氏は道に迷った状態で会っていますから、本来であれば現在地とコースの確認は必須なのですがそれを怠ってしまっています。そしてそのまま二人で迷ってしまい、さらにR氏の指示で沢に降りる事になりますが、「沢に降りるのは悪手」というのは登山の基本です。誇張はあるにしろベテランであるR氏が果たしてそんな提案をしたのでしょうか。まだ精神も体力も疲弊しきる前ですからそれは考えづらいと思います。特にR氏の指示等で無く二人で知らぬ間に沢に迷い込んでいたと考えるのが自然でしょう。
そして沢に降りる際、yucon氏は5mの高さから滑落、2〜3回転しながら沢へ落ちてしまいます。しかし自身よりも一眼レフカメラを心配したり、また思いの外R氏のリアクションが薄い事から5mというのも疑わしいです。
その後、稜線まで上り返し休憩した際、yucon氏が持っていたバランスパワーという携行食を4本中2本をyucon氏が食べ、残り2本をR氏に勧めたものの遠慮されます。この残ったバランスパワー2本も最後まで触れられる事はありません、行方が気になるところです。
(これを食べて君もyucon氏になろう!上の画像をクリックでAmazonに飛びます)
そこでyucon氏は自分には持病があり薬無しでは身体がもたないことを説明したそうです。そんな身体なら薬携帯しておけよ!という話しです、私がもしもR氏なら、準備不足な病人を助ける事にリスクと責任を感じてしまい「逃げる」という選択肢が頭をチラつくと思います。
休憩を終えて再び歩きだした直後、R氏のザックから水筒が落ちて斜面を滑って行きました。まだ見える場所で止まったのにも係らずR氏は諦めてしまったそうです。元の記事を読むとこれをyucon氏が疑問に思っていますが、これはきっとR氏のその水筒は空だったか、見えているだけで取りに行けない場所だったのは無いかと思われます。
その後、尾根を目指す最中、進行上に大きな岩がありR氏は右に巻き、yucon氏は上手く巻けず岩の左側を直進する事になりますが、これもよく分かりません、何故無理をしてでも付いて行かなかったのでしょうか、既にまともな判断は出来なかったのかも知れませんが、先行者の後をついて行くのを半分放棄しています。その後yucon氏は山頂直下15m程の所の僅かなスペースで一人ビバークすることを決意し、R氏も山頂でビバーク。R氏のヘッドランプの点灯の合図に、ヘッドランプを忘れたyucon氏はガスバーナーを点火させ合図を送ります。これガスバーナーを点火させる必要があったのでしょうか...。そして何よりもそこはお互いの声が届く範囲なので、ここで本来であれば救助要請をお願いするべきでした、ここまでの工程を見返しても遭難以外の何者でも無いですので。
https://hagarie.naturum.ne.jp/e3088762.html
▲△▽▼
伝説の遭難者yucon氏の体験について(3) 2018年06月12日
https://hagarie.naturum.ne.jp/e3089714.html
★山行での問題行動
1日目、道迷いのR氏と出会い、そのまま一緒に遭難し、T字尾根の途中から道を外れ、沢を登りボタンブチへ進んでしまい、そこでビバークした状況です。
地図
https://hagarie.naturum.ne.jp/e3089714.html
2日目:2012年7月17日(日)
yucon氏はビバークしたものの不安からか夜眠る事は無く、夜明けから崖を登り始める事にしました。この時もR氏はyucon氏を見捨てる事無くロープを渡し救助を行なっています。通常の登山で人を支えられる強度のロープを何mも持っている人はベテランでもそう多くは無いと思います。R氏はそこまでの準備をしていながら何故この状況で救助要請をしなかったのでしょうか。逆にそこまでの装備を持っていたから「自分は助かる」という自信があったのでしょうか。
そして、崖を登り切りまず思った事が「今日が平日で会社へ行かなければならない」という事だったようです。私もサラリーマンとして思い当たる節はありますが、この段階でyucon氏的には「もう遭難から自力で脱した」と思ったのでしょう、正規の登山ルートに復帰出来たので、これは分からなくは無い事ですが、道に迷った後に正規の登山ルートに復帰し、また直ぐに道に迷うというのは比較的多い事故例です。体力や精神を磨耗した状態では正しいルート判断が出来ずルートを外れ易い為です。もしも皆さんも遭難を経験する事があれば注意してください。
その後、自宅に電話を掛けますが、その際もyucon氏は携帯電話のバッテリーを切らしてしまっておりR氏に電話を借りる事になりますが、山岳での携帯電話は「緊急時に救助を呼べる」というかなり重要な役割を果たしますので予備のバッテリーを用意したり、必要以外は電源を切ったり、機内モードにし、バッテリー切れにより携帯電話が使用出来なくなる事態を避けなければなりません。yucon氏はそれを怠ってしまっていた様です。
少し余談とはなりますが、yucon氏が遭難した当時よりもスマートフォンの普及率が大幅に進んでいる現在では特にそれが重要です。yucon氏が遭難した当時、登山用GPSナビは非常に高価でなかなか買えるものではありませんでしたが、現在ではそれらを凌ぐ高性能、多機能なアプリケーションが簡単にスマートフォンで利用出来ます。これらをしっかりと活用出来れば、遭難防止に大いに役立ちます。本当に良い時代になりましたね。
話しが少し逸れてしまいましたが、R氏から携帯電話を借りたyucon氏は自宅へ電話し留守番電話にメッセージを残します。しかしyucon氏自身も後から反省していましたが、ここで「危機的な状況は脱したのでこれから下山します」とだけメッセージを残して、現在地や現在の状況、下山ルート等何も連絡しなかった様です。ここでそれらを言えていれば今後の展開が大きく変わったことでしょう。非常に残念です。
そして、ここで少し疑問なのですが、yucon氏の自宅へはR氏の携帯電話で掛けているので、R氏の番号が残っていますよね?遭難3日目、家族が救助要請した際に、留守番電話の記録からR氏に連絡が行かなかったのかな?と。もしR氏に連絡が付いていればもっと早い救助に繋がったのではないでしょうか。
それから下山する事となりR氏から下山ルートの相談を受けたyucon氏はT字尾根ルートを押します。一度(R氏は二度か?)遭難したルートです、またそのルートに挑戦するのはリスクです、ここは登りで通った土倉岳ルートで下山するべきですね。しかもそれをR氏は反対しません。その時、yucon氏は「R氏はここまで大変なことにしてしまった責任を感じてか私の意見に反対しない」と感じていた様ですが、実際には二人とも判断力が極めて低下していたのでしょう。
この日の朝は雲ひとつない快晴で迷い様が無い天候だったのですが二人してT字尾根の取付きが見つけられず、T字尾根の取付きのさらに先にある土倉岳の取付きを見つけました。R氏はそのまま土倉岳のコースを押しました。ここでR氏に従い土倉岳へルートを進めていれば結果は違ったのでしょう。しかし、yucon氏は頑としてT字尾根を押したそうです。これは「伝説の遭難者yucon氏の体験について(2)」でも述べた、意味不明な「極端な強いこだわり」でしょう。
そしてやっとの事でT字尾根の取付きを見つけたものの、雨の影響で、地面はぬかるみ、踏み後は消えてしまっていました。遭難したルートで、尚且つそんなコース状況なら引き返すのが普通ですが、二人は引き返す事はありません。二人とも会社の始業時間に間に合わせたくて下山を急いで事もあり、引き返す気はもう無かったのかも知れません。その後も焦りからコースを何度も外れてしまいyucon氏自身「自分が混乱している事が分かった」と語っている事から相当だったものと読み取れます。ここでも地図とコンパスを使うべきだったのでしょうが、もはやそんな冷静な判断は出来なくなっていたのでしょうね。
極限状況に陥ると慣れない行動は出来なくなります。その為に普段から地図とコンパスを使う練習をして癖を付けておくしかありません。
ルートミスを繰り返したせいでしょうか、ついにyucon氏が幻視を見始めます。しかし、それに対してR氏は無言です。色々の人の遭難記でパーティメンバーが幻覚を見始めた人のコメント等を読むと、言い知れぬ恐怖で、やはり言葉を失うそうです。そしてもしかして自分がおかしいのかも?と疑心暗鬼になり、精神不安→パニックへ陥ったりしまいます。yucon氏も指摘している通りR氏もそういう状態になったのでしょう。
そしてyucon氏は何度もR氏に先行を依頼したものの、R氏は拒否し続けた様です。それに対して「やはりR氏も自信を喪失しているようだ」と感じていた様ですが、もしも、あなたがR氏の立場だったらどうでしょうか。自分は比較的安全なルートから下山したいのに、リスクのあるT字尾根ルートを強く押され、その結果、ルートを幾度と外れ、自分自身も精神が磨耗し切った状態で、その相方は幻覚が見え意味不明な事を言ったり、見えない何かに叫んだりしています。さらに言えば彼は病気を持っており、薬が無ければ身体を保て無いのにその薬も持っいません。ましては赤の他人です。私なら自分が助かる為に「見捨てる」という選択肢を取らない自信はありません。そうなれば期を見て逃げる為に、先行を依頼されても拒否し、yucon氏が幻覚を見て、戻れないくらい沢まで降りたタイミングで逃げ出します。R氏もそういう状況だったのでは無いかと考察します。
・・・R氏はyucon氏が遭難する事を確証したでしょう。でもそうすると下山後に通報しないのも不可解です。遭難記を読み返してみるとR氏の言動は土倉岳取付きを拒否されyucon氏に強くT字尾根ルートを押された辺りからおかしくなっています。もしかしたらR氏とはそこで別れ、幻覚でR氏を見ていたか、無意識に記憶が改竄されてしまったかも知れません。
R氏と離れた後、yucon氏は6時間掛けてようやくT字尾根の真中あたりの標高967mのピークに辿り着きます。通常この季節、この天候であれば1時間半で到着するコースです。そもそも辿り着いたその場所は標高967mのピークですらなく、随分手前の標高1,010mの場所でした。ここでさらに幻覚が酷くなり、さらに「国道などにある青色の大きな道路案内板」等の登山路に絶対に存在しないものまで見えてきてルート進行は不可能なものになります。
さらに水を求め沢に降り、機械を触る係員が見えたり、その係員が使う便器だけのトイレが見えたり、現実離れした幻覚が見えてきます。幻覚とは本当に怖いもので、現実と夢が混ざり合った状態です、夢の中でおかしな事があっても気が付かないように、幻覚でもおかしなことがあっても分かりません。そして自分の中で設定を作り上げ、それを信じてしまいます。そこまでの状態に陥ると単独での回復は不可能でしょう。もちろんこの症状は健常者でも極限状態に追い込まれると発生してしまいます。
沢の水を飲み、少し寝た後に山ビルに刺されているのに気が付きます。もはやそんな気力は無かったとは思いますが、もしもここで得意のアルコール除菌スプレーで山ビルを撃退していたら、後のガス切れの際にアルコールを燃やすという案が出たかもしれません。そしてラーメンを食べます。残る食料はマッシュポテトのみです。一日目にR氏に遠慮されたバランスパワー2本はどうなったのでしょうね。yucon氏の記憶からも脱落しています。
そして夜。アウトドアでマットを使わずに寝た事があれば分かると思いますが、身体中が痛くなりますよね。しかもyucon氏が倒れているのはゴツゴツの岩だらけの沢で、前夜もボタンブチの岩棚で、今日は一日歩きっぱなし、山ビルにも吸い付かれ身体は限界でしょう。そして月明かりも届き難い沢の底。人工物に守られていない場所で視界が殆ど無いという状況はかなり精神を消耗します。そして既に幾度と無く幻覚を見るような精神ですから精神も限界でしょう。
深夜yucon氏が谷底から稜線を見上げると人の気配を感じたました。しかもそれは捜索隊で自分を見つけてくれたと感じた様です。こちらの存在をアピールする為にまたボタンブチの時と同様にガスバーナーを点火し叫びながら。ここまで身体も精神もボロボロなので、もう何も言えませんが本来であればガスバーナーの点火による合図は意味が薄く、さらにガスを悪戯に減らしてしまうだけです。装備品リストには「ホイッスル」があったのでそちらを使うべきでしたね。またカップラーメンを食べ回復した時にガスバーナーを用いて焚火を起こしていれば良かったのかも知れません。
少し話しが逸れますが、遭難時に焚火を行なうと煙や、夜間なら焚火による明かりにより発見される確立が飛躍的に上がります、また焚火はパニック症状を和らげる働きがあります。是非皆さんも山で遭難したら焚火に挑戦しましょう。
3日目:2012年7月18日(水)
yucon氏はもう限界を迎えた様で救助隊が来る幻覚に苛まれ一日が終わってしまいます。そしてさらにガスが空っぽになっている事に気が付きます、きっと精神的に大きなダメージがあった事と推測できます。
そしてついにこの日、yucon氏の家族が捜索願を提出。午後から捜索が開始されます。もしも、1日目のまだ身体も精神も壊れていない時にyucon氏自らが救助要請していればここまでは事態は悪化していなかったでしょう。
4日目:2012年7月19日(木)
この日も救助隊が来る幻覚に苛まれ一日が終わってしまいます。何もしないにしても薄暗い沢よりも、少しでも開けた場所に移動出来ればヘリコプターから発見される可能性は高まります。遭難した時は開けた場所へ。
5日目:2012年7月20日(金)
この日、遂にyucon氏は自力脱出を実行を決意しました。地図を確認、やはりここでもコンパスを使わない為、現在地を勘違いしてしまいT字尾根の北川のゴロ谷に居るにも係らず、南側の小又谷にいるものと勘違いし、さらにそのまま沢を下る選択をしてしまいます。そして地図を確認し滝や堤防があるのにも係らず、「きっと高低差は少ないものだろう」「そして明日には確実に帰れるだろう」と楽観的な予想で沢下りを決行する事にしました。しかしやはり滝にぶつかり進めなくなります。
そして、雨が降り始め、落石や鉄砲水の危険性から中州で雷雨の一夜を過ごす事にしたそうですが、中州は鉄砲水が来た場合、非常に危険な場所なので避けるべき場所ですが、yucon氏としては両岸の崖下は落石のリスクがあり避けた様です。
5日目:2012年7月21日(土)
気になっていましたが、
yucon氏のBlog
http://yucon.hatenablog.com/entry/2012/07/28/030725
を見ると5日目が何故か2回ありますね。そもそもこの遭難劇は「7月16日〜22日の6日間の遭難記録」と謳われていますが、
1日目:7月16日(月)・・・R氏との出会い→遭難
2日目:7月17日(火)・・・R氏との別れ→沢に降りる
3日目:7月18日(水)・・・沢で幻覚に苛まれる、家族が救助要請
4日目:7月19日(木)・・・沢で幻覚に苛まれる
5日目:7月20日(金)・・・沢から脱出→失敗→雨に打たれる
6日目:7月21日(土)・・・沢から脱出→途中で夜になる
7日目:7月22日(日)・・・沢にまた降りる→救助
7日間の遭難劇では?
この日、遂にコンパスと地図を使用し現在地を正しく認識します。そして稜線まで上がれば誰かに会えるだろうという考えで尾根まで上がる計画を立てました。コンパスも使用しているし、稜線に上がるのも正しい判断です。しかし、もう体力を失い過ぎていた為その日中には稜線に上がれませんでした。
そしてこの日、それとは別にyucon氏は自分の肛門からハエの幼虫が這い出してきているのを見ています。これはこの遭難劇をより悲惨なものと印象付けるエピソードで、当時ネット上では「そんな事ありえない、幻覚だろ」と言われていましたが、救出後の入院中に看護師の方も確認しているのできっと事実でしょう。(参照:yucon氏のBlog)
6日目:2012年7月22日(日)
この日、また幻覚に苛まれ、yucon氏は全ての荷物、メガネまでも失いながら沢に落下。そして救出です。
特にここは考察が入る隙間は無いですね、幻覚が怖いとしか思いません。そしてギリギリのところで救出されるという強運の持ち主だな。という感想です。
★今回の遭難から見える精神状況
今回の遭難を見ると「ベテランっぽい人と居るから安心」という思いや「多分大丈夫だろう」という思いから遭難に陥る、いわゆる"楽観主義遭難"です。これは自らの願望などから非合理な楽観的思考を起因とした"認知バイアス"という心理効果による遭難です。今回はその認知バイアスについて幾つか紹介します。
正常性バイアス
これは東日本大震災の際でもよく言われたものですので知っている方も多いと思います、これは本来、日常生活の小さなトラブルから精神を守る機能で、想定外の事が起きた時に想定内と誤認する心理傾向です。
遭難時に正常性バイアスが働き過ぎると「大した山では無いので大丈夫」「自分だけは大丈夫」という心理になり救助要請を遅らせる原因になります。
確証バイアス
これは先入観に一致する情報だけを受け入れ、都合の悪い情報や矛盾が生じても目を瞑り、さらに思い込みを強化していく心理傾向です。遭難時にこの確証バイアスが働き過ぎると「自分は地図上のココに居るはず」という強い思い込みでコンパスも使用せず、現在地を誤認し、道迷いを起こしてしまいます。
集団同調性バイアス
これは集団に依存し集団と異なる行動を取り難くなる心理傾向です。特にこれは良くも悪くも"空気を読む"事に長けた日本人に多く見られるバイアスだそうです。集団同調性バイアスが働き過ぎると、一人では引き返す様な難所でも、他の人達が進んで行くのを見ると自分が実力不足と分かっていても同じルートを進んでしまい滑落等のトラブルを引き起こします。
埋没費用の偏見よる判断ミス
これは、これまでに費やしたコスト(労力、時間、費用等)に思考を左右され、合理的な判断が出来なくなってしまう心理状況です。これは遭難時良く見られるもので「もしかして道迷いかも」と内心焦っていながらも「ここまで歩いた労力が無駄になるので、引き返したくない、きっとこのままでも何とかなる」と思考し来たルートを戻れなくなる心理です。
現状維持バイアス
これは変化によって得られる可能性があるリターンよりも、それにより失う可能性のあるリスクに対して、過剰に反応してしまう傾向です。上記の「確証バイアス」や「埋没費用の偏見による判断ミス」と合わさり間違ったルートに内心気が付いていても引き返せなくなります。
★楽観主義遭難を防ぐ為に
上記は認知バイアスの一部ですが、登山ではそれらが働き合理的な判断が出来なくなると認識してください。そして多くの人は「自分はそこまで認知バイアス働かないだろう」という認知バイアスが働いています。普段からバイアスを意識し、自分の行動を疑う様にする事が大事になります。
そして楽観主義の逆、悲観主義行動を実行する事が大切です。悲観主義行動とは「もしかしたら」「かもしれない」「念のために」と言った様な行動をする事です。
認知バイアスを知り、悲観主義な準備が出来たら次は正しいタイミングで、正しい判断を行なう事を意識します。ルートを外れたと感じても引き返さず進んでしまうと色々なバイアスにより行動するのが先延ばしになります。ギリギリまで先延ばしにして行動している様では直ぐに遭難に繋がってしまいます。違和感があったら直ぐに「もしかしたらルートを間違っているかもしれない、念のため地図とコンパスで現在地を確認しよう」という様に行動する癖を付けることが大切です。
最後に
はい、以上で終わりになります。
このBlogは初心者ソロキャンパー向けBlogですが、こういった遭難事例はアウトドアを行なう全ての人に多くの事を学ばせてくれます。
それでは皆さん良いアウトドアライフを!ではまた!
https://hagarie.naturum.ne.jp/e3089714.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/700.html
1. 中川隆[-10431] koaQ7Jey 2019年10月31日 04:12:27 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2446]
2016年02月24日
伝説の遭難者yucon氏について語ろう
http://tozanchannel.blog.jp/archives/1052697395.html
1: 名無しさん 投稿日:2016/02/19(金) 08:30:19.56 ID:s+ePQvHp.ne
今も私達の中であなたは生きております
〜山岳遭難顛末記〜 御池岳ゴロ谷での6日間
鈴鹿山脈御池岳の谷筋で6日間にわたり遭難を体験したレコです。
公開することに抵抗はありません。ご批判やご意見は甘んじて受け入れ致します。
記載されている情報全てが役立つものと思えませんし、一部オカルト的な内容も含まれています。しかし、私の体験を多くの方々に知っていただくことが悲惨な山岳事故を減らすことにお役に立てるのではないかと信じております。
【当日の装備】
・食糧(カップ麺、マッシュポテト2人前、パワーバランス4本)
・飲料水(ハイドレーション2ℓ、炭酸ジュース500ml、水500ml)
・野球帽(カーキ色)モンベル半袖ジップアップシャツの下にナイキドライフィット長袖Tシャツ、モンベルパンツ、アンダーにメンズタイツ。
・バーナー、コッヘル、ガスボンベ、
・25,000分の1地図、山と高原地図、コンパス、ホイッスル
【なかったもの】
・雨具、ビニールシート、ツエルト、バックライト付きリストウォッチ、ヘッデンン、GPS、
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-210149.html
1
御池岳 - Wikipedia
御池岳(おいけだけ)は、滋賀県東近江市の鈴鹿国定公園内にある標高1,247 mの山。山腹の北東面は三重県いなべ市との境界に位置する。鈴鹿山脈および東近江市の最高峰。
2: 名無しさん 投稿日:2016/02/19(金) 18:33:54.13 ID:ensj5/Mk.ne
誰かと思ったら。。。結構有名な人だよね
避けられない宿命みたいなものを感じるわ。
3: 名無しさん 投稿日:2016/02/21(日) 07:07:37.61 ID:v+PTGGne.ne
御池で遭難した2〜3年後に御在所で道迷いから滑落してお亡くなりに
5: 名無しさん 投稿日:2016/02/21(日) 13:09:05.55 ID:Y0SOaZ9i.ne
>>3
確かー、2011年夏から登山を始めて、翌2012年7月に御池で遭難・救助され、翌2013年8月号の「山と渓谷」に、その遭難の様子が掲載されたと思ったら、2013年11月に御在所で再び遭難・救助されたと思ったら、救助された翌日に病院でお亡くなりになってたーと記憶してます。
4: 名無しさん 投稿日:2016/02/21(日) 12:44:04.17 ID:hDXFeigm.ne
基本的に山に向いてなかったんだと思う
6: 名無しさん 投稿日:2016/02/21(日) 13:29:02.86 ID:vYX+N7eq.ne
この人の最期は示唆に富んでいると思う
7: 名無しさん 投稿日:2016/02/21(日) 16:54:05.17 ID:tO3RJHwE.ne
記録みたけど、完全に山に向いてなかった人だな。
基礎的な判断力、技術力がなさすぎ。
ヤマレコならではの独学に多いパターン。
8: 名無しさん 投稿日:2016/02/21(日) 18:29:39.49 ID:vl2JlCKM.ne
たまにはuedayasujiさんのことも思い出してやってください
http://www.yamareco.com/modules/diary/37029
10: 名無しさん 投稿日:2016/02/21(日) 23:28:18.67 ID:hDXFeigm.ne
>>8
その人なんなん?
13: 名無しさん 投稿日:2016/02/22(月) 18:24:05.49 ID:oMTxh/f7.ne
>>10
ヘビーヤマレコユーザー
八ヶ岳権現岳の看板立てた人。
身の丈に合わない山行を繰り返し、昨年春に滑落死した。
12: 名無しさん 投稿日:2016/02/22(月) 01:24:03.89 ID:wNdcpsLp.ne
>>8
ご安心ください。ご存知かと思いますが、先月号の「山と渓谷」で羽根田治氏がキッチリ記事にしてくれていますから。
18: 名無しさん 投稿日:2016/02/22(月) 22:06:13.16 ID:kmZwDGRk.ne
>>12
あらためて読みなおしました。。。
ところで同誌の「御池岳のKさん」ってyucon氏のことなんだろうなあ。
34: 名無しさん 投稿日:2016/02/23(火) 21:59:37.25 ID:baS8f6GX.ne
幻覚症状の現れる病気を抱えてソロ山行を続けたのが敗因だったんだろうなあ
初見だったんだが、それに比べてさえ>>8の方がひどいと思う
11: 名無しさん 投稿日:2016/02/22(月) 01:04:26.98 ID:DfZR99Ve.ne
パーキンソン病で自暴自棄になったのかも知れんね
まあ病気にせよ何にせよソロ登山に向かない人だったことは確かだ
15: 名無しさん 投稿日:2016/02/22(月) 19:06:26.14 ID:uXUgDsYI.ne
山レコって、こういう人たちの山行記録が結構残されてるんだよね。
当たり前だけど、風化もせずに。
なんかエベレストに放置された死体を思い出すわ。
16: 名無しさん 投稿日:2016/02/22(月) 19:57:23.52 ID:uXUgDsYI.ne
uedayasujiのヤマレコ見た。
死人に鞭打つようだが、ある意味死んで当然の山行を繰り返してたみたいで呆れたわ。
時に「なお一部で、uedayasuji氏の「とある山行記録」に書かれた「とある人のコメント」が
uedayasuji氏の気持ちを煽って死期を早めたのではといわれています。」って何?
22: 名無しさん 投稿日:2016/02/22(月) 23:35:50.50 ID:ty5W10r3.ne
>>16
パソコムだな。
赤岳敗退した植田に対して期待はずれだの何だのと罵倒して、死地へと向かわせた。
44: 名無しさん 投稿日:2016/02/24(水) 08:04:26.43 ID:qtDYj6MU.ne
>>22
罵倒だの煽るだのは少し違うような気がするが…
最後のレポとなった赤岳で「何で撤退しちゃったの?もったいない」みたいな書き込みを繰り返して
それから1か月足らずのうちに同じ山域で遭難死してる。
間接的には、原因を作っていると言えるのかもしれない。
17: 名無しさん 投稿日:2016/02/22(月) 21:02:32.69 ID:OFylofsW.ne
いくつかレポ読んだが
典型的な調子乗りの迷惑かけるオッサンみたいな感じだな
山でなくても何かで致命的なアクシデントを起こしてそう
19: 名無しさん 投稿日:2016/02/22(月) 22:11:31.19 ID:nc6HFcm8.ne
いいね欲しさに愚行に走るバカッターのメンタリテイーなんだろうな
この人の場合、炎上で済まずに命であがなうことになったわけだけど
20: 名無しさん 投稿日:2016/02/22(月) 22:46:42.23 ID:kvJoVAVN.ne
R氏が酷すぎわろたww
21: 名無しさん 投稿日:2016/02/22(月) 23:27:12.82 ID:aq3GDfF/.ne
R氏は死神みたいなやつだ
魂取り損ねた挙句、翌年その事を雑誌の記事にされた事で
止めをさしたって感じ
山の中で人間の姿をした死神には何があっても付いて行かないように
23: 名無しさん 投稿日:2016/02/22(月) 23:43:02.71 ID:5JkU3ZGX.ne
R氏は実在しないでしょ
24: 名無しさん 投稿日:2016/02/22(月) 23:47:44.32 ID:EUUEB7Oq.ne
記録みてもキチガイとしか思えない
27: 名無しさん 投稿日:2016/02/23(火) 12:19:39.63 ID:vvCWFtD8.ne
前提知識無しで上から読んでいって
どこまで読んでコイツが異常かどうか気づくかだな
幻覚っていう単語が出る前からおかしいことには気づくのは遅い方だと思う
28: 名無しさん 投稿日:2016/02/23(火) 16:18:12.77 ID:6OXNRAQ0.ne
R氏に出会うあたりからすべて幻覚なんだと思う
32: 名無しさん 投稿日:2016/02/23(火) 21:13:40.91 ID:baS8f6GX.ne
>>28
だよなあ
29: 名無しさん 投稿日:2016/02/23(火) 16:40:48.62 ID:zxqPTqE+.ne
映画にしたら面白そうじゃん
30: 名無しさん 投稿日:2016/02/23(火) 16:58:12.46 ID:x9NfwmWh.ne
俺は、周回ルートを目指し〜〜
のくだりから頭おかしい気がする
31: 名無しさん 投稿日:2016/02/23(火) 17:41:43.41 ID:vvCWFtD8.ne
ウジ虫は本当なのかなあ?
33: 名無しさん 投稿日:2016/02/23(火) 21:55:48.17 ID:nIx3Gssz.ne
この山域に行ったことないけど
バカなんだろうな〜(´Д` )
R氏なんて居なかったんだろうなー
35: 名無しさん 投稿日:2016/02/23(火) 22:00:57.10 ID:Yo5bl8Va.ne
R氏もヤマレコ仲間に担がれてたよね
36: 名無しさん 投稿日:2016/02/23(火) 22:23:34.12 ID:AJk21oKA.ne
なんか、ヘンな人だったのだろうな。
近寄りたくない感じがする。
夏の山で1週間過ごす中で、ケツからウジ虫とかないよ。
絶対とは言えないけれども。
アレな人なのだろう。
地図とか見ないのだろうね。
当たり前のこと、出来ないのだろう。
相当ヤバイ人物だったのか。
レコのコメントにでわでわウエダが書き込んでいるのは、何かの前触れ?
37: 名無しさん 投稿日:2016/02/23(火) 22:32:38.22 ID:7/F0zRpS.ne
1が載せてる遭難のレコを去年の春くらいに初めて見て、この人の存在を知った
秋くらいになって、既に故人だということを知ってショックを受けたわ。。
こんな無茶をしていたら、いずれはこのようになってしまう。
伝説の遭難者ってスレ名は良くないが、同じことが起こらないように語っていくことは、一定の意味があると思う。
38: 名無しさん 投稿日:2016/02/23(火) 22:34:25.10 ID:79gZn86C.ne
最後に装備が散らかってたのはなんなんだろうね
何プレイ中だったんだろ
熊プレイかな
39: 名無しさん 投稿日:2016/02/23(火) 22:47:25.92 ID:6OXNRAQ0.ne
今回が初見の人はこれもどうぞ
http://yucon.hatenablog.com/entry/2012/07/28/030725
41: 名無しさん 投稿日:2016/02/23(火) 23:40:42.76 ID:QTjKfEt1.ne
>>39
これ、R氏に関する記述がヤマレコと全然違うんだな
どこから狂ってるのかサッパリわからんくなった
43: 名無しさん 投稿日:2016/02/24(水) 00:21:40.02 ID:MVER8H89.ne
>>41
途中から狂ってるわけじゃなくて最初からだろ
40: 名無しさん 投稿日:2016/02/23(火) 22:59:43.37 ID:DD/mQjVk.ne
正常な人なんか?
レビー小体病とかの認知症なんじゃ・・・
42: 名無しさん 投稿日:2016/02/24(水) 00:12:16.85 ID:Yldq/EzL.ne
レコの中には、息子さんや父親との記録もあって、こう言う登山を楽しむことで満足していれば、亡くなってしまうことなんてなかっただろうにな。と、同世代としては身につまされます。
▲△▽▼
コメント一覧
1. 名無しさん縦走中 2016年02月24日 19:09 ID:UpucsbGB0
パーキンソン病の患者に触れる機会が多いが、とてもハードな山行できるようなものじゃない
幻覚幻聴が四六時中襲ってくるのに
本人は幻覚幻聴だとわかってないから周りがしんどい
2. 名無しさん縦走中 2016年02月24日 20:15 ID:Vk.UQRVB0
uedayasujiさんが亡くなってたの初めて知ったよ。
よくコメント頂いただけにビックリ。
3. 名無しさん縦走中 2016年02月24日 20:23 ID:AKxR.ti50
ご冥福をお祈りします
遭難せずに冥土に逝けよ。迷惑だ
4. 名無しさん縦走中 2016年02月24日 21:54 ID:M4BwDdc60
御冥福をおい〜スw
5. 名無しさん縦走中 2016年02月24日 22:08 ID:ZCQ7vEr20
死ぬ時まで人騒がせな奴だな
6. 名無しさん縦走中 2016年02月24日 22:49 ID:rsaYhM5Y0
死んだ人間の悪口まで言う人って、お里が知れるよね。
7. 名無しさん縦走中 2016年02月24日 23:29 ID:fgaCR2oD0
反撃を喰らう心配がないからね。
いくらでも尊大になれるのだろう。
8. 名無しさん縦走中 2016年02月25日 03:50 ID:X.aq4Mrj0
>利用交通機関 車・バイク
ここまで頻繁に、致命的な幻覚を見るような人でも
免許を持てるんだな恐ろしい
9. 名無しさん縦走中 2016年02月25日 07:31 ID:DtKgzr2k0
氏はさらっと書き流してるけど、なんで?って不可解な行動がちょこちょこある印象。
救助関係者にお礼言ってまわったり、まともそうな人なのになあ。
10. 名無しさん縦走中 2016年02月25日 09:44 ID:lY.LS6fW0
パーキンソン病とレビー小体型認知症は部分的に似ている
幻視幻覚幻聴の類いはレビーっぽいと思われ
11. 名無しさん縦走中 2016年02月25日 14:40 ID:wTGMPVJk0
死者に鞭打つ気はないけど。
ここまで問題があっても「単独登山」するのは・・・
やはり問題だと思う
12. 名無しさん縦走中 2016年02月25日 15:41 ID:keaOHL6i0
結局R氏は実在したの??
13. 名無しさん縦走中 2016年02月25日 16:50 ID:n1sOVS420
この人病気だとは知らなかった
いくら何でもこの状態でソロ登山って自殺しに行くようなもんでしょ?
正直迷惑ですよ
病気と知るとレポの内容も受け止め方も違ってきますよね
R氏もいつの間にか不在になってるし
14. 名無しさん縦走中 2016年02月25日 17:09 ID:Q5Itps110
※8
全くの同感。
こういう病気持ちが車の運転してる事実が一番の恐怖やわ…。
15. 名無しさん縦走中 2016年02月25日 17:58 ID:xkvP.2XG0
赤岳撤退で非難されるって何?主稜ルートでも行ってたの?
違うでしょ?ただのハイカーのくせにしょうもないこと言ってんなよ
16. 名無しさん縦走中 2016年02月26日 21:09 ID:XZViyOUg0
ヤマレコ見ると気持ち悪くて吐き気がする
17. 名無しさん縦走中 2016年05月15日 22:18 ID:5ycq9lUk0
※16
せやな、見てると自己顕示欲全開な連中ばっかりやからな
18. 名無しさん縦走中 2017年04月19日 16:44 ID:O0.U2tW.0
R氏はどうなったのか、というのが気になった。
彼が救助されたので、この人も助かったのだろうか。
星新一でも読んでいるような気になった。
19. 名無しさん縦走中 2017年05月25日 14:52 ID:y5SIgrgp0
いやまったく。
下手なSFより奇妙な気持ちにさせるよ
この話
20. 名無しさん縦走中 2017年10月13日 17:35 ID:nYpzFUC10
知り合いがさ、体力経験全然ないのに危険な山に行きたいって言ってて
あなたの体力じゃ無理だよって言っても行きたがってる
登山始めて数年で今まで一人で登ったこともないのに無茶しすぎ
本人が行くって言ったら止めたいけど止められない
21. 名無しさん縦走中 2018年05月16日 21:28 ID:R.5Y7k6S0
R氏との出会いで同じ手ぬぐいを拾ったっておかしいよな、一度拾えばなくなるだろ。
22. 名無しさん縦走中 2018年05月16日 23:22 ID:InNbYlUe0
一回目:手拭いを見た
二回目:同じ手ぬぐいを見たのでおや?と思い拾った のかも。
当人じゃないとわからんけどね。
R氏は実在したけど、yucon氏と一緒に歩いてやばいわこの人、と思って離れた と思ってる。
23. 名無しさん縦走中 2018年05月16日 23:25 ID:PT4aQTf00
拾う度に捨ててるだろうな
24. 名無しさん縦走中 2018年05月18日 00:22 ID:AWRKEtjl0
https://www.yamareco.com/modules/diary/21099-detail-38421
R氏についてはこれかな
コメントでも指摘されてるけど自責の念がないのが致命傷になってしまったんだろうか
山は怖いところだ
25. 名無しさん縦走中 2018年05月18日 15:47 ID:BN3Zqing0
本人が後日「自分を見捨てたR氏が通報してくれなかった」的なこと書いてるようだが、
こいつも、同じく遭難しているかもしれないR氏のことを救助隊に知らせていない
それなのに何故か、R氏は無事下山したことを大前提で話を進めてるのが薄気味悪い
こいつとR氏が会ったのは、最初の登山口での一度きりだと思うわ
あとはみんな妄想の類
26. 名無しさん縦走中 2018年05月19日 07:06 ID:xxGoacKh0
上の記事見てきたけど
R氏のブログとやらが本当にあったのかすら不明だよな
27. 名無しさん縦走中 2018年05月20日 02:27 ID:L6hAMFNY0
ってかどう見ても言い訳のための空想キャラだろ。深く考えるだけ無駄
行動が全てを証左してるだろうに
28. 名無しさん縦走中 2018年05月20日 05:54 ID:IXqLEQaA0
R氏が実在してて記録通りのところまで同行してたとして、R氏サイドから見て、あれ? 遭難したかもって一日目とか二日目で、唯一の同行者が謎の印を見出したり幻聴聞こえ始めたら滅茶苦茶怖いと思う。「遭難四・五日目でそうなるなら分かるけど、こんなに早いのってそもそ何かおかしくね?」って
29. 名無しさん縦走中 2018年05月20日 09:46 ID:AlhXZDjk0
R氏が本当にその場に居たとして、同行者が狂人だったとわかった時からの恐怖は半端ないわ。
だって野生動物じゃなくて今目の前にいる人が急にナイフで…って事になり得る訳で。
沢に行ったのも本人だけの様な気がする
放って置けないから朝になって引き上げたけど
どう考えてもそっち方面じゃないってところに行くかずっと同じとこぐるぐるしてたとかで
>>何度もR氏に先行を依頼するもなかなか行こうとされない
ここで逃げるしかないって切実具合が見えてくる下手なホラーより怖い。
30. 名無しさん縦走中 2018年05月22日 09:50 ID:GntMfNJp0
パーキンソン病ってそんなやばいのか?
老人の痴呆の一種じゃないのか
31. 名無しさん縦走中 2018年05月23日 17:33 ID:dsDrONYW0
R氏は実在するらしいけど、
遭難時に会ってたのかは不明らしいな。
32. 名無しさん縦走中 2018年06月01日 00:57 ID:hcZOy8.S0
恐ろしい話だし、教訓にはなるな
ただR氏は幻覚の可能性が高いと思う
パーキンソン病は幻覚を伴うこともあるそうだし、
もともと持病だったのが、水も栄養も取れずに幻覚が顕在化したのだろう
で幻のR氏を見たと。
R氏が実在して、現地に行ってなかったとすると、それはそれでR氏にとって恐怖だろうな。
結局、この人はまた遭難して死んでしまうのだが。それも自業自得という気がする。
怖いのが、後日のレポで、もし遭難した山に行かれるなら連絡くれれば案内するみたいなこと書いてること。遭難したことで自信がついたのか、何なのか。
いろいろ危なすぎる人だったわ。
33. 名無しさん縦走中 2018年06月01日 01:00 ID:hcZOy8.S0
結局、(恐らく幻覚の)R氏のせいにすることで反省せず、再び遭難で死に至ったんだろうな
34. 名無しさん縦走中 2018年06月01日 13:29 ID:rK.w.8L40
脳の錯覚だろうから反省しようがないんだろうね
35. 名無しさん縦走中 2018年06月03日 07:45 ID:5O2AXGr40
御前等も五十歩百歩なのが真実
36. 名無しさん縦走中 2018年07月16日 14:49 ID:i6GgkH6t0
世の中には話半分という言葉がある。
特に体験談の様なものはその傾向が強い。
戦争体験記とか遭難体験記とか、人は不思議と自分が危険に遭遇したことに優越感んを感じる様だ。
そこにオーバー表現や創作が入り込む恐れが出て来ると思う。
皆さんも話を盛った経験がお有りだろう。
クドクドと異常に細く長い書く人は精神障害の可能性も可能性もある。
体験記などは「本当かな?」と疑って読むべきもので、同調してのめり込んでは絶対ダメです。
37. 名無しさん縦走中 2018年12月21日 01:01 ID:aGr4oqsR0
パーキンソン病は脳の病気で手足が震えるだけじゃなく認知機能障害で幻覚が見えたりすることもあるみたいだから
R氏というのはまあそういうことなんだろう
ホラー映画よりホラーしてるけど
38. 名無しさん縦走中 2019年05月06日 00:32 ID:toBWCci60
遭難死した時の写真からスタートしてすぐ道を外してた事がわかってるから、単独で登山どころか外出レベルの行動も幻覚でヤバかったんじゃないかな。
ブログを読めば読むほどそこかしこに自責の念の無さが滲み出てて、ある意味上から目線な意見満載なのもパーキンソン病の幻覚症状が成せる技なのかもしれない。
統合失調症の患者が一方的に被害を訴える様に、氏の主張は病んでいる。
何しろブログは読んでて気持ち悪い。
39. 名無しさん縦走中 2019年05月07日 03:29 ID:IpgPX1gZ0
これもう結構昔の話だけど、時々思い出してヤマレコ読んでしまう
なんと言っても怖い、普通の遭難体験記とは違った怖さがある
もし自分がR氏の立場だったら先行なんて絶対したくないし、やっぱり怖くて逃げるだろう
もっともどこから幻覚が始まってるのかわからないのだが...
40. 名無しさん縦走中 2019年07月03日 17:58 ID:UlrCrnsG0
「この世で一番怖いものは人間」じゃなくて自分だったという・・・
http://tozanchannel.blog.jp/archives/1052697395.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/700.html#c1
36. 中川隆[-10430] koaQ7Jey 2019年10月31日 04:19:33 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2447]
2019年10月30日
富士山から滑落したニコ生主、ルートを間違えていた
http://tozanchannel.blog.jp/archives/1076095775.html
1: 名無しさん 2019/10/30(水) 06:42:59.85 ID:NAgT8NVmd
https://livedoor.blogimg.jp/tozanch/imgs/0/5/057b0fa2.jpg
23: 名無しさん 2019/10/30(水) 06:47:39.88 ID:cgCkRs2ua
嘘やで、道は合っとる
https://livedoor.blogimg.jp/tozanch/imgs/9/b/9b51a1e4.jpg
https://livedoor.blogimg.jp/tozanch/imgs/0/9/09c5ffdc.jpg
233: 名無しさん 2019/10/30(水) 07:02:23.20 ID:ez/wGAsU0
>>23
柵ある方は夏用のルートで冬は上級者でもなかなか行かないて聞いたけど
2: 名無しさん 2019/10/30(水) 06:43:23.95 ID:NAgT8NVmd
かなC��
3: 名無しさん 2019/10/30(水) 06:43:56.41 ID:hqE03rRq0
紙一重やんけ⚓
6: 名無しさん 2019/10/30(水) 06:44:41.86 ID:cxt+cAL50
こいつの装備じゃどっちいこうが滑落
15: 名無しさん 2019/10/30(水) 06:46:22.75 ID:NAgT8NVmd
>>6
そもそもこいつの前に登頂した奴は足跡からしてあっちの方向に行ってないからな
7: 名無しさん 2019/10/30(水) 06:45:05.47 ID:hKhU+w9j0
正しいルートも滑りそうやんけ
10: 名無しさん 2019/10/30(水) 06:45:11.57 ID:feg/PL9T0
柵がある方にしたんやろなぁ
落石防止用らしいけど
17: 名無しさん 2019/10/30(水) 06:46:47.90 ID:961fEdDhr
冷静にちょっと遠くまで見れば当たり前だよな
あいつどこ行こうとしてたんやろ
42: 名無しさん 2019/10/30(水) 06:49:55.89 ID:ViiNDkrA0
>>17
柵沿いに傾斜のゆるい方から頂上へ回ろうとしたんやろかな
18: 名無しさん 2019/10/30(水) 06:46:54.96 ID:L28JQWLN0
柵というトラップ
28: 名無しさん 2019/10/30(水) 06:48:26.57 ID:f6mwImjLM
冬山に正しいルートとか無いぞガ ジ
55: 名無しさん 2019/10/30(水) 06:50:49.08 ID:cPk5kpKC0
>>28
これってなんで山頂まで柵つくらんの?
深く差し込めば風でも飛ばんやろ?
観光地なんやしそれくらいしてもいいんでないの
44: 名無しさん 2019/10/30(水) 06:50:02.84 ID:gp9yqYBm0
つーか
たったこれだけの選択肢の違いで
死ぬか生きるか変わるのかよ…
51: 名無しさん 2019/10/30(水) 06:50:33.26 ID:ViiNDkrA0
>>44
どのみち生きて帰れなかったぞ
87: 名無しさん 2019/10/30(水) 06:53:56.95 ID:cPk5kpKC0
>>51
確かに17時前には真っ暗やったろうけど万が一身動きできなくなったらリスナーも救助隊呼んでくれるし
下りの方が滑って難しいって言ってもさすがに段々なだらかにはなるし
15時のあの時点ですぐ降りてれば普通に助かる見込みの方が高かったで
308: 名無しさん 2019/10/30(水) 07:07:46.34 ID:4EaUcJ4Na
>>87
夜は救助隊出ないんやないの?
59: 名無しさん 2019/10/30(水) 06:51:08.48 ID:flx1U/JQ0
どのみちあれじゃどっかで落ちてるやろ
63: 名無しさん 2019/10/30(水) 06:51:30.14 ID:eyImG1zF0
そもそももう富士山って閉山してんやろ あかんやん
74: 名無しさん 2019/10/30(水) 06:52:39.68 ID:JSA0moNma
アイゼン無し!ピッケル無し!軽装備!登山開始時間遅め!
数え役満です
112: 名無しさん 2019/10/30(水) 06:55:28.66 ID:jUOQOzGS0
雪が滑るからって
左側の少し出てる小さい岩に足乗せてるのがすごい
岩も滑るで
209: 名無しさん 2019/10/30(水) 07:00:37.06 ID:NAgT8NVmd
>>112
こいつが滑落した時に映った雪面が物凄いツルツルに磨きあげられてたから
雪の上だから平気やろ☃(実はツルツル雪面の上に積もってるだけ
↓
滑落やな��
155: 名無しさん 2019/10/30(水) 06:57:36.83 ID:gp8KQrmG0
柵のところで引き返しても無事だったとは思えないな
下山の方が滑る ローカットのトレッキングシューズは滑るし登った時点で詰んでいた
夏タイヤで雪道走れるけど止まらないのと同じ
242: 名無しさん 2019/10/30(水) 07:02:52.76 ID:cgCkRs2ua
>>155
過去にこれで下山しとるしいけるやろ
220: 名無しさん 2019/10/30(水) 07:01:20.81 ID:NmurFOm+0
歩く所の両端に柵を付けとけよ
これ夏場でも滑落するだろ
278: 名無しさん 2019/10/30(水) 07:04:43.20 ID:gp8KQrmG0
>>220
その柵は落石防止用の柵でその下には登山道がある
もし落ちれば登山道に引っかかるなりして怪我するかもだけど死にはせん
途中から柵がなくなっているということは
下は斜面 柵ないとこで滑落したら下まで一直線や
268: 名無しさん 2019/10/30(水) 07:04:11.55 ID:YtNEIKFBd
目的地どこやねん
そのコースの先は落ちるしかないやんけ
317: 名無しさん 2019/10/30(水) 07:08:17.47 ID:cgCkRs2ua
>>268
お鉢巡り言うて火口を一周すんねん
その火口の途中に剣が峰言うとこが一番高いからそこ目指すんや
ほんで山になっとるのを外側に回るのが一応正規ルートや、道はあるで
419: 名無しさん 2019/10/30(水) 07:18:44.19 ID:X/5h/SDP0
紙一重やけどもうフラフラやったし「岩伝って行きます」とかいうガ ジ発言した数秒後に落下やからな
436: 名無しさん 2019/10/30(水) 07:20:19.76 ID:tr6GVkuKa
>>419
岩はええ判断やろ誰でもそうすると思うで
454: 名無しさん 2019/10/30(水) 07:22:05.12 ID:X/5h/SDP0
>>436
正直もう限界やったと思うし一度立ち止まりさえしたら引き返せたかもしれん
462: 名無しさん 2019/10/30(水) 07:22:51.66 ID:vKISlN2C0
>>436
普通はアイゼンもピッケルもない時点で撤退やこの期に及んでそんなこと言ってるのがガ ジ
▽注目記事
腸頸靭帯炎、俺もなやんでる…いつ来るかわからないのが本当に腹立たしい
ほかの人の記録見たら自分が70lのザックに詰めるような量を50lとか60lに詰めてるけど何が違うんだろう・・・
登山って贅沢な趣味だと思う?
【カメラ】登山用と一言で言っても、撮影目的の登山と登山のための撮影では求められるものが全然違うよね
車中泊って得体の知れない怖さがあるよな ((( ;゚Д゚)))
幼女「パパー!ママ―!キノコ狩りいこうよ!」 父「よーしパパはりきってキノコ狩っちゃうぞ!」
足が遅い人とのグループ登山について…
【グローブ】テムレス良すぎてソロイスト持ってるが今シーズンは出番なし
長野行くわ
登山中に野糞したらふつーその野糞持って帰らないよな? おい!
引用元:富士山から滑落したニコ生ガ ジ、ルートを間違えていた .
http://swallow.5ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1572385379/
37. 中川隆[-10429] koaQ7Jey 2019年10月31日 04:33:07 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2448]
2019年10月30日
【悲報】富士山から滑落したニコ生主、性別不明の状態で発見される
http://tozanchannel.blog.jp/archives/1076100430.html
1: 名無しさん 2019/10/30(水) 20:58:42.15 ID:QJLwZ+RJ9
富士山画像
https://livedoor.blogimg.jp/tozanch/imgs/1/e/1e96dfb7.jpg
富士登山の動画をライブ配信中に滑落したとみられる登山者を捜索していた静岡県警は30日午後1時40分ごろ、富士山7合目付近で遺体を発見した。
県警御殿場署によると、富士山須走口7合目にある山小屋から南に約800メートル、標高約3000メートルの地点で発見した。遺体の損傷が激しく性別は不明。身元が分かるものは所持しておらず、身元の特定を進めている。
28日午後2時半ごろ、富士山頂付近を歩きながらインターネット中継していた男性とみられる登山者が滑落するような様子が動画配信サイトに流れ、静岡、山梨両県警に通報が相次いだ。ヘリコプターで上空から雪上を滑り落ちたような跡を確認した静岡県警が29日から救助隊を出して捜索していた。【池田由莉矢】
2: 名無しさん 2019/10/30(水) 20:58:51.79 ID:U3Bet0As0
当日、目撃されてて草
富士登山 - 2019年10月28日(月) - ヤマケイオンライン / 山と溪谷社
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=179663
素人と玄人の違いが生死を分けたね
30: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:00:45.44 ID:M2cvwO4T0
>>2
仮に止められたとしても、視聴者から行け行けと言われたら言った気しかしない
70: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:02:42.73 ID:zVuHToYP0
>>2
5、600メートル離れていても独り言が聞こえるものなの?
山頂付近は声がめっちゃ響くとか?
122: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:05:10.20 ID:jRroBm5i0
>>70
風が吹いてなきゃ届くな。他に雑音原がない
86: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:03:35.08 ID:79aS65N+0
>>2
ベテランが諦めて下山するところを登っていたのか…
105: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:04:18.67 ID:hyBbemig0
>>86
ベテランだから諦めることができる
126: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:05:22.57 ID:ypVq9hta0
>>105
自分で滑るつってんのに柵ないところでツルッ
175: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:07:21.00 ID:ft9lf9mH0
>>126
それな
877: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:34:42.36 ID:ekQxWZ4V0
>>2
当日の雪の状況を見てたら素人目にも装備持ってないとこりゃアカンわというのがわかる
でも風景は抜群に綺麗だね
山に登る気持ちもわかる
6: 名無しさん 2019/10/30(水) 20:59:00.71 ID:y/aCxFg20
どの辺で「ヤバイ…!?」って気付いただろね
最初の数秒は「みんな観てる〜」くらいだったろ
330: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:13:37.05 ID:Khd7EvBl0
>>6
滑るって言ったあと落ちながらヤバいって言ってるからね
85: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:03:31.78 ID:pZeQnxDh0
滑る滑る言ってた時にさっさと滑ってれば
柵に引っかかって助かったかもしれないのに
151: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:06:20.43 ID:Btq1k3zg0
>>85
装備もほぼ夏用で帰りまで考えた計画も練れない能天気なバカじゃ柵のある所ですっころんで柵で助かっても気にせず先に進でたんじゃない?
130: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:05:33.02 ID:Qwgebebu0
7合目って標高では1000メートル下だけど実際はどのくらいの距離を落ちたんだろうな
226: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:09:41.53 ID:ETHmuVlC0
画像
https://livedoor.blogimg.jp/tozanch/imgs/4/b/4b96c4f6.jpg
1.36km/cos29.5°≒1.5km
163: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:06:53.69 ID:pZ85lfN/0
動画見たけど、こんなとこで死ぬ?
そんな急斜面に見えないけど
198: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:08:20.90 ID:DYFKOTwP0
>>163
いやいやいやいや。
富士山頂やぞ
241: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:10:17.24 ID:c8Uruj760
>>163
角度30度以上。
スキージャンプのジャンプ台の角度は35度。それと同じくらいの角度。
氷のような雪の上じゃ、滑り始めたらもう絶対止まれない
273: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:11:20.47 ID:EfFT/JSL0
>>163
スマホからの撮影ではリアルか角度が分かりづらい
843: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:33:38.20 ID:9yowD9Cw0
>>163
八方尾根スキー場の黒菱が斜度31度
斜度30度以上のカチコチの固い氷の上を歩いて
いちど滑ったらアウツ
167: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:07:06.44 ID:eQkC6Soc0
富士山じゃなしに奥穂とかいい山たくさんあるだろ
222: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:09:32.48 ID:jRroBm5i0
>>167
奥穂高となると、到着まで数日かかるからニコ生放送的に美味しくないのだろう
富士山だから1日日帰りができるので
238: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:10:11.82 ID:MvzxryJi0
>>222
いやこの人は過疎だからあんま関係ない
ついでに配信してるだけなんよ
みんな勘違いしてる
185: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:08:04.42 ID:VPVuW3PA0
せめて神社の所で引き返してたらギリギリなんとかなったのかなあ?
359: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:14:57.67 ID:28a0jMek0
>>185
生きたいと思うのなら神社でもどこでいいから施設に篭って救助を要請する一択だったろうけどな
装備は貧弱ながら登頂は果たし案外体力的に余裕があったので
お鉢巡りと洒落こんでしまったのだろうか? もうわけがわからんけど
295: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:12:25.12 ID:pC95Yqey0
閉山後も登れるってを初めて知ったわ
何でフェンスかなんかでちゃんと閉鎖しないの
てか不法侵入で取り締まればいいのに
323: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:13:16.13 ID:Btq1k3zg0
>>295
看板「何度も言わせるな、入るな」
331: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:13:39.50 ID:5SL8nNVa0
>>295
どんだけの距離柵で囲わなきゃいけないと思ってんだ
422: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:17:20.92 ID:3DYAEX3O0
命かけて配信したあの美しい景色わすれないお
448: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:18:16.13 ID:a4BaS2ER0
富士山て毎年何人も死ぬ山なの?
612: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:24:47.50 ID:FRcHC/Ul0
>>448 遭難者数 死亡 負傷 無事救助 行方不明
平成30年 175 25 67 79 4
平成29年 180 30 81 68 1
807: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:32:16.08 ID:VBl46QGn0
>>612
こんな遭難してるんか ちゃんとしたルート通ったら遭難なんてしなさそうに思うが
891: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:35:20.49 ID:hyBbemig0
>>807
ちゃんとルート通ってても時間配分間違えて暗くなる前に下山できなきゃ死ぬ可能性出てくるんや
その上富士山は落石も結構あるし
583: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:23:50.78 ID:LrjhlI+r0
彼の功績はあったね
これを見た多くの人が「山をなめんな」というもう味のしない定句より冬山の怖さを実感したし
逆にこれを見て自分も富士山に登ってみたいという
全く登山に興味なかった者に変な作用を及ぼしている
613: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:24:48.98 ID:D3OIIal90
>>583
山に何か行かないぞと決めたわw
621: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:25:02.49 ID:jRroBm5i0
>>583
まあ、舐めてるやつ諦めさせるとき、動画見せるだけで良くなったのは確か
675: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:27:14.28 ID:njnMYcyp0
>>583
実感してても年開ける頃には皆忘れるんじゃね
610: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:24:40.58 ID:G0clsdgd0
しかし、冬山の経験うんぬんの前に普通なら右側のちょい左をチョイスするやろ。
662: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:26:33.82 ID:VPVuW3PA0
>>610
でも先に行くと左側しか通れない感じ
713: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:28:24.46 ID:z3m6IRSO0
>>662
右側は伊豆岳。太巻きみたいなのが乗っかってるのが伊豆岳ね
そこは山頂手前で行き止まりになってる。尾根筋が正解と思ってる外人がよく迷い込むらしい
784: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:31:27.76 ID:G0clsdgd0
>>713
まじかぁ
知ってたら引き返すわ。アイゼンもっててもあんなとこ無理
630: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:25:16.86 ID:QAm0O25i0
滑っただけで死ぬの?とか聞く人って雪道でちょっとでも滑ったことないんかな
945: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:37:35.31 ID:wEckL0Bo0
>>630
別に実体験が必要とは思わないけど
それまでどんな情報に触れて来たかだよね
都合の良い映画、漫画、小説
エンタメだから仕方無いが、ドキュメンタリーやノンフィクション 検証資料なんかは興味や必要が無いと誰も見ないもんな
634: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:25:23.52 ID:LHAetfC20
身元不明じゃなくて性別不明なのが損壊の激しさを表してるな…南無南無
645: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:25:41.15 ID:rNvtC34V0
滑落動画
https://imgur.com/avnAJhH
883: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:35:00.12 ID:d82mew1q0
>>645
これはまだ雪が柔らかいから刺す余裕があるんだけど、今回のはカッチカチだからまず刺さらないw
939: 名無しさん 2019/10/30(水) 21:37:25.77 ID:DYFKOTwP0
大雨やら山やら自然はこええな
引用元:ライブ配信者か?富士山で滑落遺体見つかる 7合目付近、損傷激しく性別不明★5
http://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1572436722/
http://tozanchannel.blog.jp/archives/1076100430.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c37
6. 中川隆[-10428] koaQ7Jey 2019年10月31日 04:40:55 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2449]
不法滞在者数1位、刑法犯検挙件数1位、入管法違反1位ってどこの国?−「ベトナム」2019年10月30日
https://ameblo.jp/evening--primrose/entry-12540680876.html
イギリスでトラックの冷凍用貨物コンテナの中から不法移民とみられる39人の遺体が見つかった事件がありました。ベトナム人が最大20人いるようです。ブローカーの一員が逮捕されました。
AFPは「命がけで欧州に渡るベトナム移民」として41歳の男を紹介しています。
-----------------------------------------------------------------------------
・小悪党でドラッグ常習者だった彼は29歳の時に偽造旅券で欧州旅行へ行く
・フランスでツアーから抜け出しカレーでブローカーを通じて英国への密航手配
・トラックの底に隠れてドーバー海峡を渡る
・仲介業者を通じて民家での違法大麻栽培に従事、警察に追われるとまた別の場所で従事
・ロンドンに行き、ドラッグを売ったり、大麻栽培で新人教育をしたりして数年間を過ごす
・2013年に大麻吸引の罪で逮捕、禁錮10月、国外追放
-----------------------------------------------------------------------------
現在ベトナムに戻った彼は取材に対して「とにかく稼ぎたかった…合法、違法にかかわらず」と当時の心境を語っています。
お隣の韓国でもベトナム人は問題児です。よく出身地で入国禁止措置などを取っています。
韓国でも頻発するベトナム人による事件・事故、死傷者が出て問題に(VIETJO [ベトジョー])
日本でもベトナム人と言えば組織的に窃盗を繰り返す犯罪集団として名を馳せています。
例えばこんな事件・・・不法残留ベトナム人4人 連続万引き 少なくとも40件被害か(FNN )
彼らは殺人事件もあちらこちらで起こしていて、気性の荒さが窺い知れます。
例えばこんな事件・・・茨城夫婦殺傷 ベトナム人実習生を殺人容疑で再逮捕(産経)
こんな中で安倍政権はベトナム人を日本に入れやすくする政策を推進しています。
対ベトナム人への政策が間違いである証拠が以下の事実に現れています。
ベトナム人の違法が止まらないどころか増え続けているのです。
日本のベトナム人不法残留者数5661人、国籍別4位―2017/10/18 VIETJO
日本のベトナム人不法残留者数8296人、国籍別3位に―2018/09/27VIETJO
日本のベトナム人不法残留者数1万1131人で過去最高、中国抜き国籍別2位に―2019/03/26VIETJO
日本のベトナム人不法残留者数が過去最高を更新、国籍別トップに―2019/10/29 VIETJO
(ベトナム人不法滞在者数は1万3325人)
日本のベトナム人入管法違反者数4395人で過去最高、中国抜き国籍別1位に―2019/03/29VIETJO
誰がこんな外国人を日本に呼び込んでいるのでしょうか?英国のように犯罪組織ですか?
不法滞在が増えれば犯罪も増え、ベトナム人の不良振りが目につきます。
今年3月に警察庁が公表した「平成30年における組織犯罪の情勢」(82頁参照)をみると・・・
国籍等総検挙状況の件数と人数は次の通りです。
刑法犯に限ってみると次の通りです。
https://ameblo.jp/evening--primrose/entry-12540680876.html
※中国の人口は14憶、ベトナムは9千500万、日本に滞在する外国人は過去最多の283万人ですが、1位が中国人78万強、2位が韓国の45万強、ベトナムは3位の37万強です。
中国人の半分未満の人数で、犯罪は互角か多いというとんでもない移民です。ポーン
こんな中で、ナニワに「リトルベトナム」1900人 昨年末から300人増―2019.10.25産経
八尾ベトナム人会では旧正月にベトナムの獅子舞「ムーラン」を毎年実施。旧暦で8月の中秋節は、府内のベトナム人の子供らが集まり伝統の踊りを楽しむ。こうした本国さながらの雰囲気を感じられる行事が多い点も「安心感につながっているのでは」(朴さん)という。
今年4月には、外国人労働者の受け入れ拡大を目指す改正出入国管理法が施行され、新在留資格「特定技能」の運用などがスタート。今後はより多くのベトナム人が転入することも予想される。市の担当者は「外国人が地元に溶け込みやすい環境づくりと、違いを認め合う多文化共生の推進に一層努めたい」と話している。
「とにかく稼ぎたかった…合法、違法にかかわらず」この考えはベトナム人には多いいと思います。内戦を経験した国は違うのだと思ったものです。
東南アジアでは陸続きのために不法滞在や不法就労は日常茶飯事です。
大量に摘発されて送り返され、また懲りずに不法滞在、就労を繰り返しています。
それを防ぐのは厳しい法律と容赦ない取り締まり以外ありません。
違法行為常習者には遵法精神は無く、かれらにとって脱法行為は「賢さ」の証です。
もちろん日本人にもこういうのはいますが、外国人と違い退去強制にできないわけで、日本人と外国籍を同じように論じることは出来ないのです。
不良外国人を入れるのは政府の裁量ですから、こういうのがのさばり日本に根付いていることは安倍政権の責任です。
日本人が読めない看板、日本人がわからない会話、日本人が歩けない町、このような外国人集住地区を許せば、やがて犯罪者が逃げ込むNO GO ZONEとなり、平行社会や分断社会が出来上がります。
外国人に土地をどんどん売り、移民を入れ、就職させ、日本人を貧困化させている安倍政権は領土問題解決どころか、内地の領土まで虫食いさせているのです。
多様性とか多文化共生が善というのは、グローバリストや外国に負けて(または共鳴して)売国に走った政権が、侵略されていることを国民に隠すために用いる常套句なのです。
https://ameblo.jp/evening--primrose/entry-12540680876.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/169.html#c6
38. 中川隆[-10427] koaQ7Jey 2019年10月31日 09:23:03 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2450]
2019年10月31日
富士山の雪面を1km滑落←これ言うほどか?
http://tozanchannel.blog.jp/archives/1076103347.html
1: 名無しさん 2019/10/30(水) 13:22:59.908 ID:W++kXt4Pd
富士山って滑らかだし
死ぬ要素なくね?
2: 名無しさん 2019/10/30(水) 13:23:29.334 ID:nfEEWykD0
行ってきて
5: 名無しさん 2019/10/30(水) 13:24:14.024 ID:WJDPmiJS0
割とそこかしこに岩が飛び出てたぞ
7: 名無しさん 2019/10/30(水) 13:25:14.574 ID:9ulb4ux90
お前おろし金でできた滑り台から滑れって言われても同じこと言えんの?
26: 名無しさん 2019/10/30(水) 13:46:46.056 ID:7TwbGMYpd
>>7
おろし金のほうが助かりそう
8: 名無しさん 2019/10/30(水) 13:26:29.849 ID:+F3+Onky0
いたる所に岩がむき出しの土手を100メートルでもいいから滑り落ちてみ
関連記事
【滑落停止】ピッケル突き刺しても止まらないもんなの?減速ぐらいできるんでないの?
http://tozanchannel.blog.jp/archives/1025755818.html
15: 名無しさん 2019/10/30(水) 13:29:48.403 ID:S1nT9x7a0
山の全体像や分度器だと大したことない角度に見える
スキーヤーならわかるけど、傾斜20°でもうほとんど崖だから
29: 名無しさん 2019/10/30(水) 13:58:18.340 ID:XUISEzmka
>>15
20°で崖は言い過ぎそれくらいの斜面だと気持ちよく滑れる
35°越えるとさすがに崖に見えるけど
16: 名無しさん 2019/10/30(水) 13:30:15.514 ID:gEsSsiPBp
時速200キロのクソでかい岩が飛んでくるようなもんだろ
生きてる方が不思議
21: 名無しさん 2019/10/30(水) 13:33:01.682 ID:kZaIgpnj0
夏の富士山登った事あるけど結構急斜面だし岩ばっかだぞ
その辺の山とは全然違う
27: 名無しさん 2019/10/30(水) 13:48:25.239 ID:I9r/gRgK0
雪に見えてアレ氷だからな
30: 名無しさん 2019/10/30(水) 14:03:17.546 ID:9Pe6AiNAa
スキーやってる人に
45°なんて崖だよ
というのは聞いたことあった
39: 名無しさん 2019/10/30(水) 14:21:23.748 ID:OPaWmiQxa
>>30
スキー用語だと
30度超えると超急斜面と呼ばれる
33: 名無しさん 2019/10/30(水) 14:06:53.629 ID:1C+hD+kp0
雪の中に混じってた黒い点々あれ全部尖った岩ってマジ?
リアル針山地獄だな
34: 名無しさん 2019/10/30(水) 14:10:40.780 ID:LIQW2j8x0
>>33
針のがマシかもな、打撲系だから当たる度にどっか折れていてーよ
36: 名無しさん 2019/10/30(水) 14:15:33.518 ID:9Pe6AiNAa
階段から落ちて死ぬ人も結構いるからな
ましてや
38: 名無しさん 2019/10/30(水) 14:20:38.982 ID:bTtaEEpe0
ポリカ製のソリとかあれば、うまく滑れそうじゃねえ?
47: 名無しさん 2019/10/30(水) 14:24:35.040 ID:OPaWmiQxa
>>38
自然の物なので表面が滑らかじゃないんよ
そのせいでバンバン跳ねる
速度は100キロ前後で落ち着くと思うけど
至る所にある岩と氷の塊を避けられないのが厳しい
40: 名無しさん 2019/10/30(水) 14:22:02.983 ID:FpStckux0
でもこれって実際生身でそのまま落ちるから怪我したりするんだろ?
例えば亀仙人の甲羅みたいなのを背負って、いざという時はそれに乗ってソリにすれば割と真面目に助かるだろ
物理法則で一定速度以上は加速しないし、ただ長い距離をソリで滑るだけ
43: 名無しさん 2019/10/30(水) 14:22:30.716 ID:tKKfygL+0
>>40
どうやって止まるんだよ
44: 名無しさん 2019/10/30(水) 14:23:17.920 ID:CJjMW/Mz0
>>40
ゴムマリみたいな中に入って坂転がしたら中の人間は死んだ
45: 名無しさん 2019/10/30(水) 14:23:56.797 ID:+F3+Onky0
>>40
不意に足を滑らせて転がってる時にそれができるならやってみろ
49: 名無しさん 2019/10/30(水) 14:25:59.096 ID:OPaWmiQxa
>>40
もっと緩い斜度だったらね
実際の登山でも下りで
緩いところはズルズル滑って降りることがある
体力セーブできるし
42: 名無しさん 2019/10/30(水) 14:22:15.306 ID:3H8f6Oyt0
ちょっとデコボコな滑り台ですら滑ったら痛いだろうにあんなとこ滑ったらバッキボキよ
51: 名無しさん 2019/10/30(水) 14:30:06.997 ID:LIQW2j8x0
まぁ実際登山後尻スキー用のペラいソリってあるからな
ちゃんと積雪後だったらそれは実際イケるぞ、地形がヤバくてコケたら知らんが
関連記事
【おとなのソリ遊び 尻セード】ジャンプしてケツに刺さったらしねる
http://tozanchannel.blog.jp/archives/1017968636.html
54: 名無しさん 2019/10/30(水) 14:41:38.018 ID:HMn4RS9Mr
最初は滑ってるけど途中から跳ねるように転げ落ちてく
スキーの大回転の時とかの動画で転んで大の字のまま車輪みたく転がってくの見たことない?
55: 名無しさん 2019/10/30(水) 15:17:58.392 ID:n/G2Y2xKr
やっと映像見たけど怖いな
ドキュメント 滑落遭難 (ヤマケイ文庫) – 2013/8/23
羽根田 治 (著)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4635047628/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4635047628&linkCode=as2&tag=tozanch00-22&linkId=2896e8097d5927e7a609fc0ae0ddb7c0
http://tozanchannel.blog.jp/archives/1076103347.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c38
39. 中川隆[-10426] koaQ7Jey 2019年10月31日 09:32:34 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2451]
918底名無し沼さん (ワッチョイ c725-gwkS [122.29.136.15])2019/10/31(木) 09:09:27.54ID:PQsAbFlr0
俺は冬はゲレンデでスキーをするので雪山登山のことはわからないけど
斜度30度位のアイスバーン急斜面で滑っても、ピッケルで上手く
滑落防止姿勢を取れば止まったり減速できるもの?
ゲレンデでも斜度30度こえた硬いバーンで転ぶとなかなか止まらないよ
921底名無し沼さん (アウアウカー Sa73-kQ2O [182.251.246.19])2019/10/31(木) 09:12:34.13ID:lIqOXud9a
>>918
転倒した直後にピッケルブッ刺す
滑り出してからは困難
だから滑落停止訓練とかやってるわけだしピッケル自体もすぐにブッ刺せるような持ち方をする
925底名無し沼さん (スップ Sd5a-SOHX [49.97.110.192])2019/10/31(木) 09:19:51.34ID:elzgLhExd
コケた時に反射的にぶっ刺せないと、滑り出してからはどんどん無理になっていく
927底名無し沼さん (ワッチョイ 5316-mCDS [60.112.206.183])2019/10/31(木) 09:21:11.00ID:DQv9UJtD0
回転しながら転がり落ちてるのにピッケルもクソもない
あの転び方じゃ何持ってても無理
928底名無し沼さん (ワッチョイ c725-gwkS [122.29.136.15])2019/10/31(木) 09:23:39.63ID:PQsAbFlr0
>>921
そうなんだ、アイゼンつけても絶対はないだろうし、雪山は上級者でも命がけだね
俺はスキー場で雪山眺めてるだけでいいや
https://matsuri.5ch.net/test/read.cgi/out/1572407402/928-n
縦に回転しながら転がり落ちていく画像
2019 3 19 かぐら 衝撃の光景 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=a2-HCrtNQS8
既にコントロールを失って、このコースに突っ込んだか?
初めてのスキー場で、このモーグルコースを知らずに突っ込んだか?
冒頭からコマ送りで見ると、どうやら後者のように思われます。
いつものスキー場でも見通せない場所では、転倒者がいるかも知れないと、減速して視認した上で滑りましょう。
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c39
40. 中川隆[-10425] koaQ7Jey 2019年10月31日 09:43:27 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2452]
272底名無し沼さん2019/10/31(木) 09:06:08.61ID:JGzmHLfi>>273
実際に滑落中を止めようと思ったらパラシュートくらいないとダメだよな
273底名無し沼さん2019/10/31(木) 09:08:41.60ID:oYWNPWFM
>>272
加速してから止めようと思うからそうなる
初動だよ
274底名無し沼さん2019/10/31(木) 09:09:19.51ID:fJT9X5G0>>276>>277>>285
今回みたいな滑り方で、もしピッケル持ってたら止まれるのかね
275底名無し沼さん2019/10/31(木) 09:10:41.83ID:JGzmHLfi
ピッケルの使い方を知っていて運が良ければ止まれる
277底名無し沼さん2019/10/31(木) 09:12:18.12ID:DQv9UJtD
>>274
無理
滑落姿勢じゃなくぐるんぐるん回転して転がり落ちてるんだから
279底名無し沼さん2019/10/31(木) 09:14:39.10ID:JGzmHLfi>>281
こけた瞬間に腹ばいになってえび反りになり全体重と全身全霊をもってピッケルを氷に突き刺す
失敗しても何度もやるしかない
諦めたらそこで人生終了ですよ
281底名無し沼さん2019/10/31(木) 09:15:38.97ID:XadFFss6
>>279
諦めるまでやりこんで初めて、試合開始なのだが?
285底名無し沼さん2019/10/31(木) 09:18:40.08ID:eN2FN+qu
>>274
倒れた瞬間に身体を捻ってうつ伏せ状態で接地して、なおかつ接地と同時か接地後直ぐにピッケルを地面に突き刺し、さらに突き刺した箇所が岩やガチガチの氷ではなく、岩の間や土で深く刺さればワンチャンあったかも
https://matsuri.5ch.net/test/read.cgi/out/1572433643/l50
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c40
41. 中川隆[-10424] koaQ7Jey 2019年10月31日 09:45:29 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2453]
滑落停止 ピッケルの使い方 - YouTube動画
https://www.youtube.com/results?search_query=%E6%BB%91%E8%90%BD+%E3%83%94%E3%83%83%E3%82%B1%E3%83%AB
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c41
42. 中川隆[-10423] koaQ7Jey 2019年10月31日 09:47:44 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2454]
雪山でスキーヤーが約500メートル滑落 九死に一生を得た瞬間 - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=LSAliOEbd-c
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c42
43. 中川隆[-10422] koaQ7Jey 2019年10月31日 09:50:47 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2455]
雪山でジャンプ直後ごろごろ 急斜面300m転落の一部始終(17-03-12) Endless tomahawk 不帰二峰滑走転倒・南峰オープンa 別アングル - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=ANUHP76RFQg
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c43
44. 中川隆[-10421] koaQ7Jey 2019年10月31日 09:55:23 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2456]
バックカントリー 滑落動画 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=cs1pbd_0-NM
Stay on the ridge 2018.1.28 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=fprzjlwQ7vE
【スキー滑落】崖から転落、、あれ?なんで止まったの? - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=id1Zr5B_TWM
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1012.html#c44