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中川隆 koaQ7Jey コメント履歴 No: 100302
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[リバイバル3] 昭和の日本のスピーカー・ユニットの音質はイギリスやドイツに劣らなかった 中川隆
2. 中川隆[-10183] koaQ7Jey 2019年5月24日 09:43:55 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2162]

CORAL BETA 10 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=CORAL+BETA+10


CORAL BETA-10
¥18,500(1台、1970年代前半頃)
¥22,500(1台、1980年頃)
https://audio-heritage.jp/CORAL/unit/beta-10.html


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私のオーディオ人生 第24回伝説の名ユニットと男たちのロマン by Y下 
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-024

 今回は伝説の名ユニットと男たちのロマンを題材にします。

 オーディオ(ステレオ)が華々しい頃、国産品でも大変素晴らしいスピーカーユニットが販売されていました。

ナショナルの8P−W1ゲンコツ。三菱のP−610 パイオニアのPAXシリーズ等クラフトマニアなら一度は使った経験をお持ちの方も沢山いるのではないだろうか、


 デジタルオーディオになってからオーディオを始められた方や既製品のスピーカーシステムしか使ったことのない方は興味が薄いかも知れませんがクラフトが趣味の方ならこのようなユニットは見覚えがあるはずです。今回は日本の伝説の名ユニットの紹介になりますから海外のスピーカーしか興味がない方も楽しく読んで頂けるコラムにしました。

 後半はオーディオを離れて誰もが経験したことのあるキットでの初心者に帰ってもの作りの楽しさを一読して下さい。(多分こちらのが面白いかも)


伝説の名ユニット、コーラル BETA−10


 このスピーカーは昭和40年代に発売されたユニットでコーラルと言えば必ずBETA−8 BETA−10を思い浮かべます。それ以外にもコアキシャルタイプやフルレンジのフラットシリーズが発売されていましたがこのBETAシリーズは特別に高価だった記憶があります。GOODMANSのAXIOM−80、ローサのPM−6辺りに対抗すべき国産初の超が付く高級ユニットになります。まずは写真を見て下さい。

肌色のコーン紙は大変綺麗な状態でほとんど無傷です。今時珍しい
BETA−10の超が付く極上品でボイスコイルの断線もコスレもまったくない、

フレーム仕上げは赤色に塗装を施したダイキャストと思われるがマグネットカバーは高級感溢れるクロームメッキ仕上げ

 このユニットを見ますとスピーカーの工芸品に相応しい佇まいを持っていていかにも良い音で音楽を楽しませてくれそうなスピーカーユニットでこれこそヴィンテージの称号を与えてもおかしくはない一つではないだろうか、BETA−8,10は40年以上の前のユニットですからコーン紙はボロボロの状態かエッジが破れて廃棄処分にされた運命にあるか状態が良ければ今でも大切に使っているマニアもいると思う、この伝説のユニットで音楽を楽しんでいる方は絶対手放すことはないから巷ではほとんど見かけない、

 コーラルのBETAシリーズこそ歴代の国産ユニットの中では名器中の名器でマニアの間では伝説のユニットと言われているがこのユニットをじっくり眺めるとフレームの仕上げの良さとマグネット部分をクロームメッキで施し磁束密度は15500ガウスを搭載した強力なマグネット、高域の指向性を考慮した星型の特徴あるディフューザーを採用、これこそはスピーカーの工芸品と思えてくるのは私だけではないと思うのだが果たしてどんな音を奏でてくれるのか、このコラムを読まれるマニアの方は懐かしさと面白さで興味深々ではなかろうか、

星型のディフューザーが印象的なスピーカー

いま愛用しているヴァイタボックスと比較すると音を聴くより飾っておいた方のが楽しそうだ、

信じられない体験


 このユニットを入手出来たのは自分でも信じられないと思っている。

 1月の後半に知り合いの方からアパートの部屋の廃材すべてを処分するから手伝ってほしいと依頼があり休みの日にお手伝いをさせて頂いた時に押入れの奥から一つのスピーカーユニットが出てきた、そのユニットがコーラルのBETA−10である、コーン紙は汚れも日焼けも無く大事なエッジ部分も痛みはほとんどない美品である。

 どうしてこんなのが有るのか理解できなかったが戦利品として勿論私が貰うことにしたが前に住んでいる方は何方か存じ上げませんが相当なステレオマニアであったと想像します。オーディオマニアでも過去のスピーカーユニットを知らない人は多分ゴミ扱いにしてごみ袋に入れて捨てたと思う、

 本当に信じられない体験で粗大ゴミの中からダイヤモンドを見つけたような嘘のような本当の話である。


名器の音とはどんな音?

 当時からこのユニットはクラフトマニアの間では評判が高く1本の価格がサラリーマンの初任給と同じぐらいであるから実際に購入して使われた方はごく少数だと思う、巷の話を総合するとアルテックやJBL、タンノイなどのユニット以上に良い音で鳴るとしか答えが返って来ないが私もこのスピーカーは一度も聴いた経験はない、

 今愛用している英国のワーフェデール、グッドマン、ヴァイタボックス等のヴィンテージスピーカーを使用しているから大変面白い比較になるのではないだろうか、また当時のステレオマニアは予算がないのでSPボックスは適当な箱に入れ音の悪い真空管アンプか半導体アンプで聴いていたのでは・・・・・

 ステレオ好きなマニアでも高級なスピーカーを買ってしまったらもう他の物は簡単に買えない金銭的に余裕などなかった時代です。

 また当時は真空管でもWE−300Bなどは聞いたこともなければ見たこともない、このような球で鳴らしている方は皆無に等しかったと思われる。そう思うとこのユニットの評価はまったく当てにならない、あまり期待するとがっかりする場合が往々にしてあるのがオーディオの世界ですから期待半分にしましょう、

 今回もスピーカーユニットの実装はいつもコラム等でご紹介しているフィンランドバーチで製作して頂いたタンノイGRF似のボックスにリングアダプターを自作してこのユニットを取り付けて聴くことにします。本来はこのユニットはバックロードタイプがメーカー指定になっていますがバスレフ仕様でも内部の吸音材やバスレフポートの調整を上手くすれば十分と考えているのと同じ名器でもあるサンパレーのSV−91Bを使えば力でねじ伏せて鳴るのではないか、伝説の名器コーラルのBETA−10にマランツ#7、SV−91Bを使った組み合わせで試聴します。試聴結果は次回のコラムで乞うご期待!


男たちのロマン

 もの作りでの趣味の世界では真空管アンプを始めプラモデル等のキットで組み立てる商品を扱った物は沢山あります。テレビで放映されていた蒸気機関車D51、トヨタ2000GT、スカイライン2000GTRなどを作るコマーシャルが流れていましたがあのCMを見ますと男なら一度は作りたい気持ちになるのではないか、

 遠い昔プラモデルに興味を抱いて飛行機、戦車、軍艦等を作った経験をお持ちの方は沢山いるはずで(その一人が私でもある)上手く出来ずに最終的に粗大ゴミになってしまった方、上手く出来ても埃まみれになり邪魔になって処分をされた方、このように書くと「俺の事を言っているのか」と思い当たる方が沢山いるはずだ、

 真空管の自作アンプとプラモデルとは同じ土俵での「もの作り」は多少方向性が異なる。プラモデルは製作の過程を楽しむのと飾って眺めるだけで終わりの趣味であるが真空管アンプの製作は作りながらどんな音が出るのか想像する楽しみが残っている。また上手く鳴れば苦労をして作ったアンプには愛着が出てきて手放さないはずだ、そこが自作アンプとプラモデルの違いかも?でも一度は作って見たい「男たちのロマン」がプラモデルだ、

 最近のプラモデルは大変精巧かつ精密でリアル感があります。勿論それなりに価格が高くなっているが、模型雑誌などでの製作記や作られた写真を見ますと本当にこれがプラモデルなのか本物に近い感じには驚かされてしまいます。

 「Y下のオーディオ人生」からは外れますがオーディオはちょっと一休みしてリラックスして「男たちのロマンをお読みください。


大日本帝国海軍の戦艦の写真


 何となく大げさな表題になってしまったが私が中学生の頃、同級生の友人の父親が元海軍の水兵で駆逐艦に乗艦していたと言っていた、当時のアルバムを見せて貰った時一枚の写真が目に飛び込んできた、その一枚が大日本帝国海軍の雄姿ある戦艦の写真だった、

 雑誌等では当時の艦船写真は良く掲載されていたが本物のプリントされた写真は初めてで感激したのを覚えるのと水兵さんの軍服の写真もカッコよかった、後ほどこの写真の戦艦を調べたところ「戦艦日向」とわかった、

 この戦艦の写真を無理を言って頂いたが残念ながら紛失してしまったのが心残りである。あれから50年近くの歳月が流れ記憶が薄れていたが今を持っても大日本帝国海軍の戦艦は迫力があり興味がある。


スクリーンにも登場した日本の戦艦

 1970年代に皆さんもご記憶にある映画「トラ・トラ・トラ」をご存じだと思う、確か帝国海軍の戦艦長門が映し出されていた、山本五十六に扮する山村聡が聯合艦隊司令長官として戦艦長門に乗艦するシーンがあったがあれはカッコ良かった、また「男たちの大和」これも見ごたえのある戦争映画の一つでしたね、


帝国海軍 1/350の戦艦金剛を作る。


 ハードオフ巡りをしていたらプラモコーナーにフジミ模型の戦艦金剛が目に飛び込んできたが価格が10,395円だが高いのか安いのか、まぁ上手く作れば楽しく安い買い物だが失敗すれば高い物に付くから悩むところだ、

 購入したのは良いが家族からは上手く作れるはずはないからそのまま開封せずにオークションに出品して転売するのが利口だと馬鹿にされたがそんな事言われると不安が先に来る。

フジミ模型の戦艦金剛、サイズは1/350になります。

プレーヤー台に乗せて完成した戦艦金剛

プラモデルは難しい

 付属のプラだけのキットパーツだけで組み上げるのはそう難しくはないがオプションの真鍮製エッチングパーツや甲板セットを使うとパーツが細かいので神経衰弱になりそう、特にエッチングパーツは細か過ぎて目が見えないし部品をすぐに紛失してしまう、ラッタル、手すり、窓枠の取り付け及び機銃の接着は拡大鏡を使わないと見えない辛さがあったがどうにかまとめることが出来たのだがもうプラモデルは作りたくない、はっきり言って俺には無理だったのと最初から完璧を求めて作るのが間違っていた、これはキットの真空管アンプにも言えるから最初は簡単な物から作らないといけないと言う鉄則がある。良く聞くことわざで「失敗は成功の元」と言うが失敗したら「使った費用」は誰が面倒を見てくれるのかなぁ、

 老後はボケ防止にプラモデルでも作って余生を楽しむは理解できるが年を取ると目が見えなくなりイライラが先に来るからはっきり言ってやめた方が利口だ!


写真をモノトーンにしますと大変リアルに見えます。


金剛型戦艦の活躍

 日本の戦艦で一番活躍したのは金剛と榛名の2隻でガタルカナル島のヘンダーソン飛行場に初めて36p砲の艦砲射撃を行ったのは有名であり金剛はフィリピンのサマール島沖で米艦隊の空母ガンビア・ベイ、駆逐艦ロバーツを砲撃で撃沈した功績がある。また日本の戦艦で潜水艦に沈められたのは金剛だけで有名な戦艦大和、武蔵は大した功績を残すことも無く大和は東シナ海で武蔵はフィリピンのシブヤン海で米軍に沈められた、金剛型戦艦の功績により今でも海上自衛隊でもこのネーミングが引き継がれている。「こんごう」と「きりしま」はイージス護衛艦、「ひえい」、「はるな」はヘリコプター搭載護衛艦の名称で活躍している。


次回予告

 次回はコーラルのBETA−10の試聴記をお届けします。憎き米英スピーカー対日本スピーカーの対決は期待して下さい。そう言えば戦争ドラマで鬼畜米英と言っていたセリフを聞いたことがありましたね、
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-024



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私のオーディオ人生 第25回名器コーラルのBETA−10の試聴 by Y下
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-025

BEAT−10の試聴

 今回はコーラルのBETA−10の試聴になります。

前回でも書きましたがこのユニットは伝説の名器と言われているが名器とは何を基準にして評価しているのだろうか、

スピーカーのユニットの名器は巷には沢山ありましたが名器の称号が付くものは鳴らしづらくまともに鳴らすのは相当のテクニックと苦労を伴うものと言われているが今回のBETA−10はどんな音を奏でてくれるのか、

このユニットを使った経験のあるマニアに聞くと大変明るくパンチ力のあるドンドン攻めて来る豪快な音と評価していたのだが、やはり自分の耳で聴かないと・・・・・


 まぁ気に入らなければヤオフクにワンオーナー極上品で出品すればそれなりの価格になるから興味半分で聴けば腹も立たないし国産のスピーカーのレベルは海外のスピーカーより低いと評価されているらしいのとただで手に入れたユニットですから期待度30%いや10%で聴けば良い、


BETA−10の仕様

 コーラルのBETA−10を試聴する前にこのユニットの仕様がわからなければ先には進まない、ネットで検索しましたら以下のような仕様になっているのがわかった、


再生周波数25〜20,000HZ
最低共振周波数25HZ〜40HZ

インピーダンス8Ω
出力音圧レベル97dB
マグネット密度15,500ガウス

重量4,6Kg
ユニット構造 ダブルコーン

発売時期1968年ごろ    


以上が概略の詳細になります。

 当時の国産のユニットは海外のユニットと比較して大変丁重に作られているのとユニット単体での販売の場合は高級感も重要なポイントと思われる。

今回のコーラルBETA−10は15,500ガウスの強力なマグネットと97dBの音圧レベルを持った国産最高のフルレンジと評価が高くマニアは喉から手が出るほど欲しかったのだが価格が高くて手が出せないユニットの一つでもあった、


BETA−10を鳴らすシステム


アナログ系 

フォノモーターケンウッド KP−880のモーターのみ
使用トンアーム グレース G−565F ロングアーム
カートリッジ エラック EMC−1 MCタイプ、DENON DL−103GL


デジタル系 

CDトランスポート CEC TL51X
D/Aコンバータ Model2

プリアンプ 私が改造したマランツ#7

メインアンプ 英国マツダ PP5/400シングルアンプ


 今回はヨーロッパの直熱三極管で名球と言われている英国マツダのPP5/400で試聴します。

米国球のWE−300Bも良いのですが私が試聴した限りイギリスの直熱三極管はアメリカ球には無いイギリス・サウンドの音がします。

スピーカーは現在愛用中のワーフェデールとの比較も面白いのではないか、


今回のリファレンスアンプである91Bを予定していましたが解体後に組み上げて悪戦苦闘中ですから今回は間に合いませんでしたが完成後には再度報告させていただきたい、


はやる気持ちで早く鳴らしたい


 25cmのリングアダプターが必要のためホームセンターで合板を購入してユニットを前面から取り付けようとしてジグソーで加工したが上手く円形カットにできず最初は失敗、再度合板を購入して仕方なくバッフルの後方から取り付けることにしたのだが早く鳴らしたい気持ちと焦りは私も皆さんも同じではなかろうか、

 大橋氏の店主日記やK藤氏のブログでも紹介されたワーフェデールのスーパー8との違いを確かめたいのとBETA−10は名器と言っても国産のラッパですからマニアが使っているアルテック、JBL、タンノイには足元には及ばない気がするが・・・・・・・

 試聴には私のリファレンスCDでアンヌ・ケフェレックの「バッハの瞑想」とアナログディスクを使っての試聴になりますからこの曲を聴けばスピーカーの全貌が手に取るようにわかります。

 音を聴く前にこのユニットは多分長い年月押入れに放置してあったので完璧な状態ではないのとエージングまでは時間がかかる事をご了承して頂きたい、又ボックスとユニットとのDNAが一致するまでは時間がかかりますので絶対的な評価ではない事をご理解して頂きたい、

BETA−10をワーフェデールから外して取り付け、ボックスの上には戦艦金剛のプラモが展示してある。

30pユニット用のためアダプターリングを取り付けた、

これがコーラルBETA−10の音だ!

 コーラルを聴く前にワーフェデールを十分聴き込んでユニット交換後に早速アンヌ・ケフェレック「バッハの瞑想」のCDをトレーに入れて音出しを開始した、

 最初に出てきた音は話で聞いた音とは正反対でこれは一言では表現できない、

確かにワーフェデールとは音質、音色はまったく違う鳴り方だがこの音は今迄イギリス、アメリカ、ドイツのスピーカーを沢山聴いてきた音とはBETA−10だけは異質、というのか言葉では表せない音でこう言う音の世界も有りとつくづく感じたのだがこれが国産の音とは思えない、

 この音を聴くと国産の音ではなく又英国サウンドとも違う、勿論アルテックやJBLに代表されるアメリカンサウンドとは異なる。

私自身どう評価すればいいのか答えが出ないがピアノやボーカルに関してはずばりワーフェデールよりも渋くて繊細かつコクと味がある。

勿論ワーフェデールも素晴らしい良いユニットだがBETA−10もそれ以上のユニットと捉えた、

勿論スピード感はワーフェデールには負けてはいないと思う、
明るくパンチ力のある豪快な音は影を潜めていぶし銀サウンドだ、

例えを言えば言葉は悪いが「荒馬がロバ」になったような感じになるが半導体アンプで鳴らせばDF値が高いので多分高域のアバレのあるサウンドとなり聞こえは良いが賑やかな喧しい音になるのではないか、このようなサウンドなら名器とは言い難い魅力ないスピーカーになってしまう、


 次に試聴したのはヨー・ヨー・マのバッハ無伴奏ソナタのアナログ盤だ、このレコードはSUNVALLEY AUDIOさんの大阪の試聴会や真空管オーディオフェアにお貸ししたレコードで多分皆さんも聴かれているはずだ、

これも大変心地よく大きな音量を上げても疲れないのと大音量にもかかわらず人との会話が出来るのには素晴らしい、

この独特な音色が心を燻ぶるのは魅力的でアナログの暖かさが大変心地よく改めてアナログの良さを再認識した、


 デジタルCDだけで音作りされているマニアの方も是非アナログに挑戦して頂きたい、自分の好みに合った良い音を出すにはCDだけではなくレコードの良さも引き出してデジタルとアナログとの融合を計りながら音を構築するのも面白いのではないだろうか、レコードの良さがわかればCDの良さもわかるから新しいオーディオが開けるはずだ、


 最後は日本の伝統で以前のコラムでご紹介した坂田美子の琵琶ものがたりの「祇園精舎」

尺八、琵琶、語りは暗く寂しい響きが十分感じ取れ静寂の中から聞こえる鳴り方は今迄沢山の海外のスピーカーを聴いてきたがこの雰囲気感だけは出ない、

答えは簡単で琵琶と言う楽器や小唄のような節回しや演歌等は海外のスピーカー開発者は多分知らないのではないか、

 コーラルBETA−10は期待度10〜30%であったがメーカーの広告では外国スピーカーを超えると書いてあったが正直な話事実かも?

私が聴いてきた英国グッドマンのAxiom−80、ワーフェデールのスーパー8、ローサのPM−6Aより良い音と捉えたのと大変鳴らしやすいユニットでもある。

もうこのスピーカーは手放さずに末長く大切に愛用したいのだがスピーカーが国産品だと言うだけで見下げるマニアが沢山いるのには腹が立つ、

アルテック、JBL、タンノイしか興味がないマニアにコーラルのBETA−10を聴いてもらえば国産スピーカーの良さを再認識するのではないか、

また最近の新しい海外のスピーカーはどれも優等生的な音で魅力に欠けるがBETA−10のような個性のある不良っぽい音の方がスピーカーとしては面白いし飽きが来ない、

 スピーカーに関してはいつも思うのだがユニットはオーケストラでありボックスはコンサートホールであるからどんな良いオーケストラ(ユニット)でもホール(ボックス)が悪ければ良さが出てこない、

 今回は皆さんに試聴評価を伝えたかったですが私のような無知なレベルでは正確に文章では書けなかったのは残念に思いますが、まだ実装直後の音出しですからこれが絶対とは言えませんがこのユニットこそ後世に残る名器の称号を与えてもおかしくは無い素晴らしいスピーカーユニットです。


※名器とはどんなジャンルでもそのような雰囲気感で鳴らなければ名器といえない、

このアナログ盤を聴くとCDにはないアナログの暖かさが聞こえる

BETA−10で聴く琵琶ものがたりはせつなくも悲しい表情が出ている。

大橋氏も愛用の私のリファレンスの定番でこのピアノをいかに上手く鳴らすかがポイントと思う、

コーラルに想う

 私が21歳の頃(40数年前)に25pのコアキシャルを初めて買ったのは確かコーラルの10TX−70でこれを大型の自作箱に入れ自作の半導体アンプで鳴らしていたが良くも無ければ悪くも無い音であったが多分トランジスターアンプでは上手く鳴らなかったのではないかと今にして思うのだが・・・・・

 この時代にWE−300B、DA−30クラスの直熱三極管アンプで鳴らせばオーディオの方向性が今とは違った道を歩んでいたかも知れないが当時は国産より海外のスピーカーが魅力であったけれども今にして手放したのが少し心残りだ、


 このBETA−10を聴くと当時のコーラルの技術者は相当レベルが高かったと思う又スタッフの中に凄い耳の持ち主がいて海外の名器「グッドマンのAxiom80,ローサのPM−6,JBLのLE8T」当たりを十分聴き込んで開発されたユニットではないだろうか、

残念ながらコーラルという会社が今は存続していないのは非常に寂しい気がする。


追記 2軒のオーディオショップ

 所要で神奈川県の川崎に行く機会がありこちらのオーディオショップを覗いてみましたので報告します。こちらの2軒は中部地区には無いヴィンテージの専門店です。大変好感が持てましたのでご紹介させて頂きます。


横浜市内にあります「ホールトーンシティ横浜」は沢山のヴィンテージオーディオがありここの店主も大変良いお方で音も素晴らしいサウンドを聴かせてくれた、


ホールトーンシティ横浜|ヴィンテージオーディオ専門店
http://www.halltone.com/


 確かスピーカーはアルテックとローサのPM−6アルニコタイプ、メインアンプはアンペックスの807プッシュで業務用アンプ、プリアンプはオーディオリサーチのSP−3でしたがここで聴いたローサもアルテックも大変良くクラシックも見事に鳴っているのにはびっくりした、

特にアルテックで鳴らすクラシックは相当のテクニックを駆使しないと中々上手くは鳴らない、コーヒーまで出してくれた店の雰囲気と店主の対応は気持ちよかったのが印象に残る。


 2軒目は横須賀にあります「マツシタハィファイ」です。


ヴィンテージオーディオの店:マツシタハイファイ
http://www.mat-hifi.co.jp/


ここで聴くエレクトロボイスのパトリシアン800は実に芳醇な鳴り方でいつまでも聴いていたい音の一つです。

現在使用中のBETA−10の音を思い出しながら比較しますとどちらも良く好みの差ぐらいにしか感じない、そう思うと名器BETA−10は凄いユニットと痛感したのと私が求める音の方向性は間違っていなかった、


 エレクトロボイスのユニットは私が使用していた物と同じですがやはりアメリカから直輸入されたオリジナルは作りも素晴らしい、

ここの店主も話の分かる方で意気投合、オーディオに対しての共通点は同じですから話は弾みますね、最後にご夫婦で店の外までお見送りして頂くとは、お伺いして良かったと感じました、中部地区にはこのようなアットホーム的な良いオーディオショップがないのが悔やまれる。関東の方は是非この2軒のヴィンテージショップに行って下さい。自分が望む音の参考になるかも?

あとがき

 BETA−10の試聴は上手く表現できないのと言葉では言い表せないのが残念でなりません。私1人の評価では結論が出せませんでした。ここはSUNVALLEY AUDIOの大橋さんや四日市のK藤様に聴きに来て頂き前回聴いて頂いたワーフェデールとコーラルの比較を一刀両断で評価して頂きたい、

またこのコラムを読まれた方でBETA−10を一度聴いてみたいとおっしゃる方がお見えでしたらご遠慮なく聴きに来て下さい。
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-025




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CORAL BETA 10 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=CORAL+BETA+10

CORAL BETA-10
¥18,500(1台、1970年代前半頃)
¥22,500(1台、1980年頃)
https://audio-heritage.jp/CORAL/unit/beta-10.html

BETAシリーズの25cmダブルコーン型フルレンジスピーカーユニット。

振動板には主原料のパルプに化学繊維を混入したものを使用しており、従来のスピーカーにみられる厚さや密度の不均一を抑えています。さらに、厳選したものを着色をさけて白色のまま使用しています。

高域用のサブコーンには強靭で高密度のパルプを特殊処理を施して使用しています。

ボイスコイルには銅線とアルミニウム線の長所を併せ持つ銅被膜アルミニウム線を使用しています。

コーラル独自のスカイバーエッジや、指向性を広げる星型ディフューザーを採用しています。

プロミネントフレームを採用しており、バッフル面にフラット・マウントが可能です。


機種の定格

型式 25cmダブルコーン型フルレンジユニット

公称インピーダンス 8Ω

プログラムソース入力
20W(1970年台前半頃)
40W(1980年頃)

最低共振周波数 32Hz
再生周波数帯域 fo〜20kHz

出力音圧レベル 97dB/W/m
磁束密度 15,500gauss

有効振動半径(a) 10.7cm
振動系等価質量(mo) 16g
Qo 0.5
メカニカルクロスオーバー 6kHz

最大外形寸法 直径285x奥行133mm

バッフル穴寸法 240mm
272mm(プロミネントフレームによるフラットマウント時)

取付穴寸法 228mm
258mm(プロミネントフレームによるフラットマウント時)

重量 4.6kg
https://audio-heritage.jp/CORAL/unit/beta-10.html


http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/953.html#c2

[リバイバル3] 昭和の日本のスピーカー・ユニットの音質はイギリスやドイツに劣らなかった 中川隆
3. 中川隆[-10182] koaQ7Jey 2019年5月24日 09:45:29 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2163]

多摩音響研究所 16センチユニット L16A


多摩音響のスピーカーユニット L16A の広告
(オーディオアクセサリー 21号掲載)

ko_genki 2014年5月3日 at 12:26
僕の愛用スピーカーですね 貴重な情報です
昭和56年購入
http://audiosharing.com/review/?p=14581


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横浜のMさんと北関東の遠足 GRFのある部屋 2019年 05月 19日
https://tannoy.exblog.jp/30602341/


駅では、K.Oさんが待っていてくれました。昼食をいただいてから、まずはお嫁に出したDecolaに逢いに行きました。現地では、近くに住む大山君も合流です。


一年半ぶりに見たDecolaはすっかりこの家の住人になり、一回り大きくなった気もして、マダムの風格も出てきました。大山君も今更のようにDecolaの大きさに驚いていました。音を聴いたMさんは、しきりに感心されて、私の家にいたときより幸せだと言われました。私は、ちょっぴり複雑な気持ちですが、その通りだとうなずいていました。遠い英国の古い街から来た彼女を、二年がかりでOさんとレストアーして、いまこのように大輪の花を咲かせている彼女を見て安堵しました。


家の前に広く拡がる悠久の景色に、クレスパンの歌声が消えていきます。忘れていたオーディオの落ち着いた音を聴かせて貰い、里親として、満ち足りた時間でした。


K.Oさんは、Decolaばかりではなく、ご自宅の装置もDECCAのカートリッジをメインにしておられます。長野のLogeさんの手になる、Quad22のプリと、同じくQuad II の組み合わせで、鳴らす英デッカの盤は、とても切れ味も良く、弦楽器の広がり、ピアノのタッチの良さ、そして何よりも魅力的な声に、ここまで音をまとめているK.Oさんの音作りにも大変感心しました。


SPはユニークで、Lawtherの日本版を作っていた多摩音響の16センチユニットを、英国の AudioVector の箱に入れて鳴らされています。


多摩音響の16センチユニット + 英国のAudioVectorの箱
https://tannoy.exblog.jp/iv/detail/?s=30602341&i=201905%2F19%2F99%2Ff0108399_12392836.jpg


その音はローサーのイメージとは違った、極めて上品な音で、それと比べると、家のユニコーンは、今少し謙虚にならなければと反省しました。


場所を変えて、K.Oさん行きつけのお店に。ブルゴーニュの白と同じブルゴーニュのNuits-Saint-Georges をごちそうになりました。私の好きなワインです。お気遣いいただきありがとうございました。それから三時間近く帰りの電車を忘れて歓談しました。K.Oさんの趣味の深さ、歴史の長さを感じました。それが今の音をつくり、そして、Decolaの置いてある家に結実されているのだと、徐々にK.Oさんのスケールの大きさがわかってきました。
https://tannoy.exblog.jp/30602341/


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チューブ オーディオ ラボ 多摩音響研究所スピーカー + 後面開放箱

スピーカーコーナー   ☆2015/09/12 
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2015/Speaker4/Speaker4.html


Part.1
 モノラルをフルレンジでお楽しみの皆さん
是で良いと言うユニットに巡り合えたでしょうか・・・
   ついつい未だ聴いた事の無い他のユニットに・・・
   憧れるのは私だけでは無いと思います。


そんな訳で・・・
今回ご紹介するのは、後面開放のスピーカーボックス・・・
(ボックスとは言わないか・・・)に色んなユニットを取り付けて聴ける様に致しました。

Part.2
 音楽聴くにはフルレンジのSP1本有れば良い・・・と・・・お考えの皆様・・・
 モノラルでぶ厚い再生音を楽しんでいらっしゃいますか?
 後面開放ボックスに取り付けるべく・・・
 SPのサブバッフルが出来上がりましたので・・・ご覧ください。

Part.3
 しばらく時間が空いてしまいましたが・・・
 多摩音響研究所スピーカーを後面開放型の箱に取付けまして・・・
 無事 納品となりました。

Part.1 ◇ ユニット

是から出番を待っているユニットたちです・・・米国が多いです。 後・・・3点ほどバッフルの穴加工に出ています・・・


◇ ジェンセン

スピーカーボックスは・・・こんな感じです。 後は・・・ローサー16Cm サブバッフルに名器ジェンセンのP8P・・・20Cmフルレンジ・・・センターキャップはフェノール・・・ 4本の蝶ネジで固定します。

◇ 後面開放

裏側はこんな感じです・・・ 裏蓋が無いのでユニットの取り換えが容易に出来ます。


◇ 多摩音響研究所1

ご存じの方は・・・いらっしゃいますか? 当時・・・とてもとても高額なユニットでした。 黒のチジミ塗装です・・・採算等・・・考えて無かったと思います・・・ヨ


http://shinkuukan2.web.fc2.com/2015/Speaker4/Speaker4.html


◇ 多摩音響研究所2

実測で・・・13cm位のフルレンジです。 此のたたずまいから・・・ローサー・・・エクザクト等を連想するのは・・・私だけでしょうか・・・

http://shinkuukan2.web.fc2.com/2015/Speaker4/Speaker4.html


◇ 多摩音響研究所3

ご覧ください・・・此のフレーム・・・ ぶ厚いアルミダイキャスト・・・開発した技術者の心意気が伝わって来ます。 出てくる音・・・悪かろうはず有りません・・・ネ

http://shinkuukan2.web.fc2.com/2015/Speaker4/Speaker4.html


Part.3 ◇ 出来上がり

箱が出来上がってきましたので・・・早速にユニットを取付け・・・


◇ 50

万全を期して・・・使用アンプは50シングル・・・(フェアに出品します)


◇ 音だし

はやる心を抑えて・・・音出し確認です・・・ 此のユニットは初めての体験・・・ ターミナルの配線が・・・モドカシイ ボーカルでチェック・・・ びっくりです・・・ 素晴らしいです・・・ 皆さんに・・・聴いてもらいたい・・・ナ〜

◇ セッティング

良い感じで・・・収まりました・・・ 16センチで後面開放・・・実にのびのびと音が出ます。 絶品の美空ひばり・・・


◇ アルテック

隣の名機・・・アルテック・・・色が褪せてしまいそうです・・・(失礼) とても良い感じに仕上がり、喜んで頂きました。

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 SPボックスについての詳細はお問い合わせください。
 ご希望に応じ製作、調整致します。

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http://shinkuukan2.web.fc2.com/2015/Speaker4/Speaker4.html

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/953.html#c3

[リバイバル3] 昭和の日本のスピーカー・ユニットの音質はイギリスやドイツに劣らなかった 中川隆
4. 中川隆[-10181] koaQ7Jey 2019年5月24日 09:48:35 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2164]

DIATONE 2S-305 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=DIATONE+2S-305

オーディオの足跡 DIATONE 2S-305
https://audio-heritage.jp/DIATONE/professional/2s-305.html

¥47,000(1台、1958年発売時)
¥56,000(1台、1968年頃)
¥78,500(1台、1969年頃)
¥120,000(1台、1971年頃)
¥200,000(1台、1975年頃)
¥250,000(1台、1977年10月1日改定)
¥350,000(1台、1984年頃)


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私のオーディオ人生 第3回懐かしきオーディオ仲間、コンコルド訪問記
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-003

三菱2S−305の音

タンノイを聴かせて頂いて感服している後に今度は三菱のモニタースピーカーの音出しとなった。

タンノイの余韻が残っている後の三菱の2S−305モニタースピーカーはどんな響きで鳴り出すのだろう?

レコードはクラッシックから一転して流行歌に変わった、私個人としては、はっきり言って興味がない。しかも美空ひばりと青江三奈だ。戦前派のK藤氏はこんなのが好きなのか、しかもオーディオ装置でこんな歌謡曲を聴くなんて、オーディオマニアはクラッシックかジャズが通り相場なのだが。

三菱のスピーカーからどんな音が聴けるのか、目を閉じてスピーカーに一点を集中しながら美空ひばりの歌が聞こえてくるまで固唾を呑んで鳴り出すのを待った。

最初のイントロから始まり美空ひばりの歌が流れ始めたとき、こんな切ない美空ひばりの歌は聴いたことがない。

低音がどうの高音がどうのと言う次元ではない。歌謡曲なんかバカにしていたけれど感動してしまう。

次は青江三奈の伊勢崎町ブルースだ。

イントロから始まり(あなた知ってる〜港ヨコハマ〜)この歌声を聴くと青江三奈はすごく魅力のある女性と感じた。

お色気ムンムンである。

「俺も青江三奈のファンになっておっかけでもやろうかなぁ」
それぐらい魅力のある歌声だ

良い音で聴く流行歌には本当に感動した。音が良いと歌まで上手く聞こえてくる。今まで色んなスピーカーを聴いてきたがこの三菱の2S−305は、さすがに日本が誇るスピーカーの名機だ、歌謡曲を鳴らしたらこのスピーカーの右に出るものはないぐらい素晴らしい。

この雰囲気はタンノイやエレクトロボイスでは出ない。K藤氏の音には魂がこもっている。

こんな音を聴いてしまうとオーディオとはいったい何だろうと考えさせられた。

(追記)テレビやラジオで青江三奈の伊勢崎町ブルースが流れると、K藤氏のことを思い出して昔を懐かしんでいます。
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-003

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伝説の MItsubishi「2S-305」を手に入れる 2013年04月03日
https://blog.goo.ne.jp/cuckoo-cuckoo8/e/c755568f7139f37e553711afbab70288


 前回、Kripton KX-1000P について書きました。

 うん、このスピーカーあたりが、私のレベルではひとつのゴールかなあ・・・
 と思っていたところに、オーディオ関連本「これだ!オーディオ術」(村井裕弥著)を読んでいて件名のスピーカー「2S-305」に関する記事が目に止まったのでした。

「江川三郎実験室の記録」(P43~)より一部を抜粋します;

 珍しく、イベント開始時から良い音が出ている!

 ほとんどの場合、最初は「なんてひでえ音だ。何とかしようぜ。」で始まり、対策を重ねたあげく、ハッピーな世界にたどり着くというのが常で、それがこのイベントの趣旨なのだからそれはそれで良いのだけれど、今日は例外のようだ。

 「何が鳴っているの?」と人垣をかき分けてみると、写真では何度も見ているが実物を見るのは初めての、大型スピーカーが姿を現す。三菱の2S-305じゃないか。伝説のNHKモニター!!

 この2S-305の、それも保存状態がいい個体の音を聞いたことがある人はほとんどいないのではないだろうか。

 かかっているのはチェチーリア・バルトリの「ゆかしい月よ〜イタリア歌曲集」(DECCA)で、軽い振動板の大型ウーファーが鼻歌気分で奏でる音は、昨今の小型スピーカーが逆立ちをしても表現できない世界だ。念のためにいっとくが、「低音がよく出る」とかいう低レベルの話じゃないよ。

 こんな風に書かれたら、聞いてみたくなりますよね(笑)。

 ネットで2S-305を検索してみますと、NHKの現場で使うために開発された伝説のプロ用モニタースピーカーであることが判明しました。

 最初に発売されたのが1958年(私が生まれる前)、生産が終了したのが2001年という驚異のロングセラーを記録し、「スピーカーのダイヤトーン」という名声を得るに至った記念碑的作品です。

 数年ごとにモデルチェンジをしなければ売れない日本のスピーカーの中にあって、奇跡的なシーラカンス的存在という見方もできるかと。


 オーディオ評論家、菅野沖彦氏のコメント:

 「満開の桜を見るように、端正で、淡泊でいて豪華な響きの音は「はんなり」とでも形容したい上品な佇まいのバランスと音色」

 ただ、大きいんですよねえ。

 ・・・W(幅) : 650.00mm  H(高さ) : 880.00mm  D(奥行) : 445.00mm 重量50kg弱。

 ちょっとした「家具」です。 


★ 参考になるHP/ブログ;

□ ステレオの産業史|ダイヤトーン
□ DIATONE 2S-305の仕様 ・・・価格がどんどん上がっていく不思議
□ audiosharing「過去のReview」(菅野沖彦氏、瀬川冬樹氏、井上卓也氏、岩崎千明氏のコメント)
□ ダイヤトーン 2S-305 (BTS R-305) モニタースピーカー
□ オーディオ・音の傾向「diatone 2s-305」


★ YouTubeより;

□ 廿日市のコーヒーハウス・イシイへ名機R305(2S-305)がやって来た
□ スタジオモニター定番スピーカ 三菱 DIATONE 2S-305D(R-305)
□ スッと出る音My Audio test (2S-305,LHH1000,2A3-Z Amp & Preamp was made
□ Diatone Mitsubishi-R305
□ 音楽喫茶「アヒルのジミー」開店 因幡晃のフランス語「わかって下さい」
https://blog.goo.ne.jp/cuckoo-cuckoo8/e/c755568f7139f37e553711afbab70288


 そ、そして、中古の2S-305をボチッ(パソコンのキーボードを押す音)と買ってしまった私。

 アフターケアも可能なショップ「ハイファイ堂」から購入しました。
 何せ古い品物であり、格安のオークション出品物ではキチンと稼働するかどうか不安が残りますので。

 そこで実働するようメインテナンスされ、かつ使いやすいように一部改造した品です。

《メインテナンス内容》

 外装研磨・全塗装 サランネット張替え コンデンサー交換(JRCオイルコンデンサー計4ヶ)

《改造内容》
 スピーカーターミナル背面バッフル加工取付け

 このスピーカーは本来「キャノンコネクター」というプロ用ターミナルしかないのですが、一般のバナナプラグも使用できるようにターミナルを増設してあるのです。
 なお、キャノンコネクターも従来通り使用可能であり、専用ケーブルも付属しています。

 側面にあるキャノンコネクターの形状(↓)


 本来は背面には何もないのですが(↓)


 バナナプラグ対応のターミナルが増設してあります(↓)


 年度末セールで「送料無料」「2年保証付き」というタイミングでゲットしました。

 相談したら、なんと2Fまで運び上げてくれるとのこと(よかった〜)。
 4月中旬に届く予定で、どの位置に設置しようか、スピーカースタンドはどうしようか、と嬉しい悩みを味わっているところです。
 ああ、部屋中に広がるオーケストラの響きを早く味わいたい・・・。

 どうもピカピカの最新式よりも、いぶし銀のヴィンテージものに惹かれてしまう私。
 気がつくと周囲には古いものばかりが増えています。
 腕時計も50年前の機械式のものばかり。
 自分自身もそろそろ骨董品と化してきたかな・・・。
https://blog.goo.ne.jp/cuckoo-cuckoo8/e/c755568f7139f37e553711afbab70288



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DIATONE 2S-305 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=DIATONE+2S-305


オーディオの足跡 DIATONE 2S-305
https://audio-heritage.jp/DIATONE/professional/2s-305.html

¥47,000(1台、1958年発売時)
¥56,000(1台、1968年頃)
¥78,500(1台、1969年頃)
¥120,000(1台、1971年頃)
¥200,000(1台、1975年頃)
¥250,000(1台、1977年10月1日改定)
¥350,000(1台、1984年頃)


1955年に発表された2S-660から3年を費やし改良されて誕生したスピーカーシステム。
NHK技術研究所との共同研究によって開発されました。

2S-305は何十年もの間、BTS-6131に規定された音質監視用R305の指定名称で、国内の放送局をはじめ海外の放送局や、音響専門メーカー、音響研究所で標準再生用として採用されました。

また、高い技術精度で作られる一つ一つのパーツをシステムとして完成させるため、エンクロージャーの製作、部品の組立て、取付けにいたる過程すべてが熟練した職人による手作業により行われていました。

低域には20cmコーン型ウーファーであるPW-125を搭載しています。
PW-125の振動系はクロスオーバー周波数1500Hz以上で高域が減衰するメカニカル・フィルターになっており、ネットワークを使用しなくても不要な高音の放射がありません。

高域には5cmコーン型トゥイーターであるTW-25を搭載しています。
このユニットの振動板は有効振動半径2cmとなっており、磁気回路には磁性材料の中でも高い方の飽和磁束をもつとされている鉄・コバルト合金を使用して、高能率化を実現しています。

エンクロージャーにはバスレフ方式を採用しています。また、カバとラワンの薄板を1枚1枚接着し外角に丸みを持たせることで、回折現象による中・高域への影響を防止するとともに、機械的強度も高めています。

1台1台に無響室での実測データが添付されていました。

壁掛け用の2S-305C(灰色)や600Ωのマッチングトランス付もありました。

別売りオプションとして専用キャスターがありました。


機種の定格

方式 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・フロア型

ユニット等構成
低域用:30cmコーン型(PW-125)
高域用:5cmコーン型(TW-25)

ネットワーク:HP-170

再生周波数帯域 50Hz〜15kHz 40Hz〜16kHz ±5dB

入力インピーダンス 8Ω

クロスオーバー周波数 1.5kHz

定格入力 20W
最大入力 60W

出力音圧レベル 96dB/W 102dB/VA

ネットワーク 高域:12dB/oct

外形寸法 幅650x高さ880x奥行445mm

重量
45kg(1975年以降のカタログ記載)
50kg(1969年〜71年のカタログ記載)

別売 専用キャスターMC-1380A(¥30,000)
https://audio-heritage.jp/DIATONE/professional/2s-305.html


http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/953.html#c4

[リバイバル3] 音は凶器 中川隆
31. 中川隆[-10180] koaQ7Jey 2019年5月24日 12:44:02 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2165]

STAX ELS-8X・BB
¥850,000(1台、1990年頃)
https://audio-heritage.jp/STAX/speaker/els-8x-bb.html

ELS-8Xにバッテリーボックスを追加したコンデンサー型スピーカーシステム。

ELS-8X・BBではバイアス回路にバッテリーを採用しています。
このバッテリーは約350Vの乾電池を12本直列につなぐことで約4,400Vを作り出しています。(トゥイーターは2,200V)
電池は約3年間の使用が可能です。


振動板にはコンデンサー型を採用しています。

コンデンサー型は振動膜とそれをドライブする固定極で構成されており、振動膜にあらかじめ直流電圧を加え、両側の固定極に片側が+、片側が−になるように高い信号電圧を加えることで反発(+と+)と引き合い(+と−)を起こして振動を生み出しています。
振動膜には極めて薄いポリエステルフィルムが採用されています。

ELS-8Xでは、低域用に4枚、全帯域用に2枚、高域用に2枚の発音ユニットを搭載しています。

コンデンサー型に必要な高電圧の信号はカットコアトランスによって作り出しています。

ここにはELSシリーズ共通の800VAのカットコア・シグナルトランスを採用しています。このトランスはPC-OCCの巻線を使用しており、特性のポリカーボネート製ボビンに丁寧に巻いて仕上げられています。

内部配線にもPC-OCCが採用されています。

ネットワーク回路のハイカット抵抗には大型の高音質特注品を使用しています。また、ドイツ製ポリプロピレン・コンデンサーなどを採用することで、高音質かを図っています。

機種の定格

方式 3ウェイ・8ユニット・コンデンサー型・フロア型

使用ユニット
低域用:コンデンサー型x4
全帯域用:コンデンサー型x2
高域用:コンデンサー型x2

インピーダンス 4Ω以上

再生周波数帯域 35Hz〜25kHz

最大入力レベル 200W

出力音圧レベル
81dB(400Hz/2W/1m)
78dB(400Hz/2W/2m)

クロスオーバー周波数 300Hz

外形寸法 幅770x高さ1,900x奥行86mm
脚部奥行:250mm

重量 53kg(本体)
7.7kg(バッテリーボックス)
https://audio-heritage.jp/STAX/speaker/els-8x-bb.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/205.html#c31

[リバイバル3] まるで細密画を思わせる奇跡の描写力 _ スタックスの静電型スピーカー ELS-8X

まるで細密画を思わせる奇跡の描写力 _ スタックスの静電型スピーカー ELS-8X

スタックス 静電型スピーカー


日本製スピーカーの中で唯一つだけ飛び抜けて欧米での評価が高かった STAX 静電型スピーカーですが、いつの間にか中国資本のヘッドフォン・メーカーに変わってしまいました。

オーディオの足跡 STAX スピーカーシステム一覧
https://audio-heritage.jp/STAX/speaker/index.html

オーディオの足跡 STAX セパレートアンプ一覧
https://audio-heritage.jp/STAX/amp/index.html

STAX 創業80周年の歩み 会社概要
https://stax.co.jp/company/history/

音は凶器 _ 僕が STAX の静電型ヘッドフォンを薦めない理由
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/205.html



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■ 甦れSTAX ELS-8Xコンデンサースピーカー
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2014-04-05

かつて、日本のオーディオ業界が盛んであった時代、世界に類を見ない精緻な作りの、大型コンデンサースピーカーがありました。

STAX社のELS-8Xです。

ダメになった発音ユニットの3ミクロン厚の振動膜の張替え・修復に成功したELS-8Xから、思いも寄らない音響空間が出現しました。

眼前にぱあっと広がるリアルな音場。

あそこで鳴ってる、こちらで歌う、そこにいる。今まで経験したことがない明確な定位。

低音のさらに低域の、震える空気の粗密波が頬に触れ体を包む。

なによりも「そこで演(や)ってる感」がすばらしい。

おそらく世界最高の精緻な発音ユニットと音質を備えた STAX ELS-8X を中心に、コンデンサースピーカーについて綴ります。


(1)甦れ(1回)STAX ELS-8X コンデンサースピーカー 
http://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-17 

**修理不可能と諦め、10年ほど放置していた8Xの修復に挑んだ結果、思わぬ大成功**


(2)甦れ(2回)8X コンデンサースピーカー/SR-1との出会い
http://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-25 

**50年前にSTAX本社で聴いたイヤースピーカーとコンデンサースピーカー**


(3)甦れ(3回)8X コンデンサースピーカーもう一つの8X電源修復 
http://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-11-09 

**息子が入手。奇跡的に完全オリジナル超美品の8X。電源を修復して完動**


(4)甦れ(4回)8X コンデンサースピーカー成功!発音ユニットの分解 
http://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-11-20 

**発音ユニットを解剖する。ダメージを与えずに分解できるか**


(5)甦れ(5回)8X コンデンサースピーカー構造の詳細と修復手順 
http://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-12-11 

**発音ユニットの詳細な分解図と修復手順の概略**

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2014-04-05

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STAX ELS-8X
¥500,000(1台、1985年頃)
¥684,000(1台、1990年頃)
https://audio-heritage.jp/STAX/speaker/els-8x.html

1964年に発売されたESS-6Aに数々の改良を加えて開発されたコンデンサー型スピーカーシステム。

振動板にはコンデンサー型を採用しています。

コンデンサー型は振動膜とそれをドライブする固定極で構成されており、振動膜にあらかじめ直流電圧を加え、両側の固定極に片側が+、片側が−になるように高い信号電圧を加えることで反発(+と+)と引き合い(+と−)を起こして振動を生み出しています。

振動膜には極めて薄いポリエステルフィルムが採用されています。

ELS-8Xでは、低域用に4枚、全帯域用に2枚、高域用に2枚の発音ユニットを搭載しています。

コンデンサー型に必要な高電圧の信号はカットコアトランスによって作り出しています。

ここにはELSシリーズ共通の800VAのカットコア・シグナルトランスを採用しています。このトランスはPC-OCCの巻線を使用しており、特性のポリカーボネート製ボビンに丁寧に巻いて仕上げられています。

内部配線にもPC-OCCが採用されています。

ネットワーク回路のハイカット抵抗には大型の高音質特注品を使用しています。また、ドイツ製ポリプロピレン・コンデンサーなどを採用することで、高音質かを図っています。

周波数特性
https://audio-heritage.jp/STAX/speaker/els-8x.html


機種の定格

方式 3ウェイ・8ユニット・コンデンサー型・フロア型

使用ユニット
低域用:コンデンサー型x4
全帯域用:コンデンサー型x2
高域用:コンデンサー型x2

インピーダンス 4Ω以上

再生周波数帯域 35Hz〜25kHz
最大入力レベル 200W

出力音圧レベル 79dB(400Hz/2W/1m)、76dB(400Hz/2W/2m)

クロスオーバー周波数 300Hz

消費電力 3.5W(バイアス電源)

外形寸法 幅770x高さ1,900x奥行86mm
脚部奥行:250mm
重量 53kg
https://audio-heritage.jp/STAX/speaker/els-8x.html


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STAX ELS-8X・BB
¥850,000(1台、1990年頃)
https://audio-heritage.jp/STAX/speaker/els-8x-bb.html

ELS-8Xにバッテリーボックスを追加したコンデンサー型スピーカーシステム。

ELS-8X・BBではバイアス回路にバッテリーを採用しています。
このバッテリーは約350Vの乾電池を12本直列につなぐことで約4,400Vを作り出しています。(トゥイーターは2,200V)
電池は約3年間の使用が可能です。


振動板にはコンデンサー型を採用しています。

コンデンサー型は振動膜とそれをドライブする固定極で構成されており、振動膜にあらかじめ直流電圧を加え、両側の固定極に片側が+、片側が−になるように高い信号電圧を加えることで反発(+と+)と引き合い(+と−)を起こして振動を生み出しています。
振動膜には極めて薄いポリエステルフィルムが採用されています。

ELS-8Xでは、低域用に4枚、全帯域用に2枚、高域用に2枚の発音ユニットを搭載しています。

コンデンサー型に必要な高電圧の信号はカットコアトランスによって作り出しています。

ここにはELSシリーズ共通の800VAのカットコア・シグナルトランスを採用しています。このトランスはPC-OCCの巻線を使用しており、特性のポリカーボネート製ボビンに丁寧に巻いて仕上げられています。

内部配線にもPC-OCCが採用されています。

ネットワーク回路のハイカット抵抗には大型の高音質特注品を使用しています。また、ドイツ製ポリプロピレン・コンデンサーなどを採用することで、高音質かを図っています。

機種の定格

方式 3ウェイ・8ユニット・コンデンサー型・フロア型

使用ユニット
低域用:コンデンサー型x4
全帯域用:コンデンサー型x2
高域用:コンデンサー型x2

インピーダンス 4Ω以上

再生周波数帯域 35Hz〜25kHz

最大入力レベル 200W

出力音圧レベル
81dB(400Hz/2W/1m)
78dB(400Hz/2W/2m)

クロスオーバー周波数 300Hz

外形寸法 幅770x高さ1,900x奥行86mm
脚部奥行:250mm

重量 53kg(本体)
7.7kg(バッテリーボックス)
https://audio-heritage.jp/STAX/speaker/els-8x-bb.html

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買ってはいけない STAX の静電型ヘッドフォン(イヤースピーカー)

高級イヤースピーカーメーカー『STAX』が中国の企業にわずか1億円で買収される
2011年12月12日(月)14時30分配信


高級イヤースピーカーメーカーのスタックスが中国の企業“漫歩者科技”に約1億2000万円で買収されることとなった。スタックスと言えば独自のドライバーユニットと耳にかけるイヤーヘッドホン、そして販売後のアフターケアも素晴らしいことからオーディオマニアの間では知られているメーカー。

記者もこのスタックスの『SignatureII』と『Ω(オメガ)』を所有。付け心地と耳に伝わる音は、ほかのヘッドホンでは味わえない物がある。CDのノイズまで拾う程だ。そんな日本の老舗オーディオメーカーがわずか1億円で買収されてしまったというから驚き。

ネット上では

「お前らなんで買わなかったんだよ」、

「たったそれだけで買えるなら日本のメーカーが買えよ」、

「高すぎんだよ。もう少し市場の調査して出せよ。」

という意見が書かれている。
確かに買いたくても簡単に買えない値段。一番安いエントリーモデルでも数万。高い物だと10万超えはするという。「ヘッドホンにそんな値段だせないよ」と嘆く人もいるかも知れないが、一度聞いたらやみつきになることは確か。オーディオショップではヘッドホンコーナーと独立してスタックス特設ブースができる程だ。唯一の弱点はドライバーユニット制なので、持ち運んで聞くことができない。

ドライバーユニットも真空管となっているため、扱いが難しい。起動するまでの待ち時間が良かったりするんだけどなあ。数十秒待って「カチッ」となるあの音。
今は低価格で音の良いヘッドホンや、またインナーイヤースピーカーまで出てきているので、それに押された傾向もある。

ピュアオーディオ業界も不景気なのだろうか?
http://www.stax.co.jp/Pdf/KAKUI_20111212.pdf


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究極の静電型ヘッドフォンはどのように生まれたのか、STAX「SR-009S」の秘密
三浦 孝仁 2018年4月26日

 高音質なヘッドフォンによる音楽リスニングのトレンドは、スピーカーシステムで音楽を楽しむピュアオーディオを超えるほどの勢いを感じさせる。そんななか、静電型ヘッドフォンで世界のトップを独走する日本のスタックスから、新開発のフラグシップ機「SR-009S」が6月中旬に発売される。静電型とはコンデンサー型やエレクトロスタティック型とも言われるもの。静電気を帯電させた超軽量の振動板を全面駆動するという、きわめてユニークな発音方式である。ここでは、創業80周年を迎えたスタックスの歴史から、静電型ヘッドフォンの発音原理の解説、SR-009Sに投入された高音質技術、開発と製造の現場などについて語っていきたい。

新開発のフラグシップ機「SR-009S」

 まず最初にネーミングの統一から始めさせてもらおう。実はスタックスではヘッドフォンという名称を使っていない。耳にあてるスピーカーという意味から、「イヤースピーカー」という表記にしているのだ。とはいえ、一般的にはヘッドフォンと言われているわけだし、“ヘッド(頭)のフォーン”と“イヤー(耳)のスピーカー”とは同意義であるわけだから、ここではヘッドフォンと書かせていただく。また、冒頭で私は発音方式について「静電型」と述べている。しかしながら、スタックスでは伝統的に「コンデンサー型」と呼んでいる。だが、英語ではエレクトロスタティック(Electrostatic)、すなわち静電型となっているのだ。動作原理として静電気を応用しているのだから、ここでは日本語で静電型と呼ばせてもらう。スタックスの皆さんも含めて、どうか御了解いただきたい!


ヘッドフォンファン憧れのスタックス。昔はスピーカーやアンプも作っていた

 私がまだ学生時分の若かりし頃から、オーディオファイルが憧れる最高峰のヘッドフォンといえば、断然スタックスだった(現在私は58歳)。同社の静電型ヘッドフォンはダイアフラム(振動板)の質量がゼロに等しいくらい軽いのが大きな特徴で、そのダイアフラムを静電気の応用でプッシュ・プル駆動するという発音構造なのである。セーターなどでプラスチック下敷きを擦って髪の毛が引き寄せられる現象(今の世代はやらないかな?)は、下敷きが静電気で帯電しているからだ。振動系が軽く応答性に優れているということで、スタックスの静電型ヘッドフォンは特にデリケートな音の再現性が求められるアコースティック楽器やボーカルの発声に対して昔から確固たる定評を得ていた。

 そのころ、耳の肥えたベテランのオーディオファイルの多くはクラシック音楽を好んで聴いていた。バイオリンの陰影表現が豊かで音色の鮮やかな再現性や、ピアノの打弦による複雑に織りなす音色など、スタックスの静電型ヘッドフォンはスピーカーシステムが奏でるよりも繊細で解像感に優れた音を聴かせてくれる。いまもクラシック系のレコーディングでは、スタックスの静電型ヘッドフォンをモニター用途に使っているというケースが少なくない。実は私も同社製ヘッドフォンを愛用している1人である。今回の取材で私はスタックスの製造現場を見学することができ、同社製品への理解と愛着がいっそう深まることになった。

 スタックスの歴史は古く、会社が始動したのはいまから80年前の1938年(!)、今年の初めには、創業80周年を記念した新Λ(ラムダ)シリーズの静電型ヘッドフォン「SR-L300 Limited」と、同社製品用の専用アンプである漆黒のソリッドステート方式ドライバーユニット「SRM-353XBK」が数量限定で発売された。だが、もうすでに完売したという……。

創立80周年記念の「SR-L300 Limited」

 スタックスを創業した人物は、林 尚武氏(1906年〜2000年)である。創業の1938年から14年ほど前に遡る1924年頃、彼は早稲田大学在学中で短波の無線通信技術を研究していたそうだ。音声信号を得るためにはマイクロフォンが必要であり、低品質のカーボンマイクから音質に優れたコンデンサー型マイクロフォンがちょうど登場した時期だった。彼は静電型(コンデンサー型)という新しいテクノロジーの可能性に惹かれていったらしい。

 創業から7年前の1931年頃は、録音技術者として中国(当時は中華民国)の上海にあるレコード会社の主任技師として働いている。そこで画期的な発明をした。当時の円盤記録(SPレコードを造るためのワックス原盤への音溝カッティング)では検聴用のフォノカートリッジの針圧が10g程度もあったのだが、彼は針先(振動系)を磁化した磁束検出タイプの軽針圧フォノカートリッジを考案したのである。これは現在のMM型(ムービングマグネット)に通じるものだ。当時は製盤用と検聴用に2台の録音機を同時に動かしていたそうで、それが音溝を痛めない軽針圧のフォノカートリッジが実現できたことでレコーディングが1台の録音機で済むようになり、彼は大いに感謝されたという。

 スタックスの創業当時の社名は、昭和光音工業(株)である。社屋は東京都の千代田区九段に構えていた。その頃はワックス原盤への録音や、そのメタルスタンパーの製作などが主な業務だったらしい。そして、1944年には豊島区の雑司が谷に社屋を移転している。使われた社屋は木造2階建ての洋館(元々は雑司ヶ谷宣教師館)であり、現在は東京都の指定有形文化財に指定されている重要な建造物。第二次世界大戦の終結は1945年なので、スタックスは戦時中も活動していたことになる。

 昭和光音工業からスタックス工業へと社名を変更したのは1963年。1950年から製造を始めたコンデンサーマイクロフォンに使われた「Stax」のブランド名を社名に採用したのである。初期の製品はコンデンサー型のフォノカートリッジ(モノーラル)や専用トーンアームなど、アナログディスク再生に関するものが多かった。スピーカー関連では1954年に発売されたCSG-1というコンデンサー型ツイータが初めての製品になる。アナログディスクの音溝から信号をピックアップするという音の入り口から、音を再生する音の出口側の製品が開発されたスターティングポイントである。

 スタックスの偉大なる功績は、静電型(コンデンサー型)ヘッドフォンを世界で初めて世に送りだしたこと。彼らは静電型ヘッドフォンの先駆者であり、いつの時代もトップランナーでいたのだ。現在まで脈々と続いている静電型ヘッドフォンのルーツは、1960年に登場したSR-1。ペアとなる専用ドライバーはSRD-1という型番だった。

1960年に登場した、世界初の静電型ヘッドフォン「SR-1」

 それ以降、スタックスは製品開発を静電型フォノカートリッジ+高感度トーンアームと静電型ヘッドフォンに特化していく。1974年には、世界初となるソリッドステート増幅のA級DCステレオパワーアンプ「DA-300」を発売。当時のアンプが信号経路にコンデンサー素子(キャパシター)を挿入して不要な直流成分をカットしていたのに対して、それを排除してしまったのがDCアンプと呼ばれるもの。もちろんDC=直流成分を増幅してはまずいので保護回路が働くわけだが、素子としてのコンデンサーを経由することによる音質劣化から解放されるという画期的な手法だったのである。現代のアンプリファイアの大半はDCアンプ構成なのだから、スタックスの先見性の高さがうかがえよう。

スタックス社内の歴代モデル展示部屋


 1980年代には静電型スピーカーシステムに加えてアンプやCDプレーヤー、単体DACなども開発している。スタックスの製品は海外でも高い人気を誇り、最盛期には売上げの約70%を輸出が占めるほどになっていたという。スタックス工業が埼玉県の三芳町に本社を構えていた1990年代の前半、私は同社を訪問して創業者の林 尚武氏と言葉を交わす機会があった。ちょうど大型の静電型スピーカーシステム「CLASS Model 2」のバージョン2が完成した頃だったと記憶している。スタックスの製品はどれも独創的で、海外の著名なオーディオメーカーの製品と比べても互角以上の音を聴かせてくれた。


かつては大型の静電型スピーカーシステムや、アンプやCDプレーヤーなども手がけていた

 順風満帆と思われていたスタックス工業であるが、為替変動による急激な円高傾向により採算性が急激に悪化。海外比率の高さが災いした結果でもあり、1995年12月に操業停止となる。しかし、その翌年(1996年1月)には債権者会議で新会社(有限会社スタックス)の設立とスタックスのブランドを継承することが承認された。元従業員の有志10名が集まり、同じ社屋で生産を再開することになったのである。製品については手を広げずに、静電型ヘッドフォンに絞り込むことにした。現在の有限会社スタックスは、このようにスタートしたのだ。

 そして、2011年には中国のEDIFIER TECHNOLOGYと資本・業務提携を行なっている。従業員数3,000名を超えるという中国企業のトップは、スタックスの静電型ヘッドフォンを熱烈に愛している人物なのだという。2015年には埼玉県富士見市に社屋を移転(現在の本社)して、本格的なクリーンルーム設備と生産ロボットの導入により近代的な製品製造を行なっている。以上が、駆け足であらわしたスタックスの歩みである。より詳しい情報は、同社の「創業80周年の歩み」ページに書かれている。

埼玉県富士見市にある現在の本社


静電型ヘッドフォンはどのように音を出すのか

 さて、静電型ヘッドフォンの発音構造を説明しよう。一般的なヘッドフォンがダイナミック型スピーカーを搭載しているのは御存知だろう。永久磁石を使った磁気回路があり、磁気ギャップ(磁束)の中で振動板に接着されたボイスコイルが振幅動作を行なって音を出すと。軽量化のためボイスコイルが巻かれるボビン(筒)を持たない場合もあるが、概ねスピーカーのユニットを小型化したような構造になっている。ダイナミック型スピーカーでは、振動板+ボイスコイルによる振動系にある程度の重さ(質量)があると容易に想像できるだろう。

 一方、スタックスの静電型ヘッドフォンでは、食品を包む透明なラップ素材のような薄い高分子フィルム素材(エンジニアリング・プラスチック=エンプラ)が振動板になっている。紙や金属とは異なり、素材自体が柔らかいために振動膜と呼ばれることも多い。その表面には電気を帯電させる目的で導電コーティングが施されているのだが、極薄で透明度が高いために目で見てもわからないほど。この軽量な振動膜に+580Vという電圧が印加され、振動膜は均一に静電気が帯電した状態を維持しているのだ。580Vと聞いて驚かれるかも知れないが、電流値はごく微量なので危険性はまったくない。

 この振動膜を動かすために存在するのは、表面と裏面に配置されている合計2基の固定電極。板状の固定電極には音を透過させるための穴が無数に開けられている。前述したように、固定電極に挟まれている振動膜には+580Vの電圧が加わっている。たとえば表面の固定電極に+の信号電圧が加わると、プラスに帯電している振動膜は固定電極から遠ざかる。同様に表面の固定電極に-の信号電圧が加われば、プラスに帯電している振動膜は固定電極に引き寄せられる。これが静電型での振幅原理だ。

MLER固定電極。音を透過させるための穴が無数に開いている

 スタックスの静電型ヘッドフォンでは、表面の固定電極がプラスの電圧になるときに裏面の固定電極がマイナスの電圧になるように、押す力と引く力が同時に発生する巧妙なプッシュ・プルの動作構造になっている。重さ(質量)がほとんどない振動膜を全面駆動するわけで、音の歪みが非常に少ないというのも得がたい特徴になっている。ちなみに、現行製品の専用ドライバー(駆動アンプ)ではラインレベルのバランス入力の場合なら2基の固定電極までストレートに信号伝送が行なわれており、理想的なバランス駆動が実現できている。

 このような発音原理であれば、一般的なアンプやヘッドフォンアンプでも静電型ヘッドフォンを鳴らすことができると考えてしまうかも知れないが、それはできない。一般的なアンプやヘッドフォンアンプはスピーカーを駆動するために音楽信号に応じた電力を送りこむわけだが、静電型ヘッドフォンでは電力ではなく高電圧の音楽信号が求められるのだ。スタックスが自社の静電型ヘッドフォン専用のドライバー(駆動アンプ)を作っているのはそのためで、彼らの専用ドライバーは振動膜に静電気を帯電させる高電圧回路と固定電極への高電圧な音楽信号が最適化されている設計なのである。

 例えば、静電型で有名なQUADのスピーカーは一般的なアンプで鳴らすことができる。それは送り込まれた電力を高電圧の音楽信号に変換する回路(トランスフォーマーを使った昇圧回路)を内蔵しているから可能なのである。

新フラグシップ機「SR-009S」

 スタックスの静電型ヘッドフォンは長年に渡る研究開発と経験から、振動膜に加える電圧値と固定電極との距離関係を見極めている。5月下旬発売の新フラグシップ機「SR-009S」(税込496,800円)では、現行製品のSR-009と同じく高性能の極薄化した高分子極薄フィルム素材(スーパー・エンジニアリング・プラスチック=スーパー・エンプラ)が振動膜素材として採用されている。その厚みは1,000分の1〜2mmという。そして、振動膜と固定電極との距離は僅か0.5mm。流体である空気を振動膜の制動にも役立てており、高度に精確な音楽再生を実現している。しかも、同社製品に使われている独自形状のフラットケーブルは、ケーブルの静電容量も考慮したオリジナル設計なのである。

 その名前が示すとおり、新製品のSR-009Sは、既存の「SR-009」のバリエーション・モデル。末尾のSは“スーパーのS“や“スペシャルのS”をイメージしているもので、マーク2やシリーズ2という次世代機を意味しているわけではなさそうだ。とはいえ、技術的にも構造的にも理に適った大幅な進化を遂げているのは明らかであり、SR-009の上位モデルに位置づけられるのは確実。オーディオ製品に限ったことではないが、オリジナルを丁寧に磨きあげるように改良していくことをブラッシュアップと表現することがある。ここで紹介するSR-009Sは、まさにオリジナルのSR-009を徹底的にブラッシュアップすることで未踏の音質領域に到達した孤高の静電型ヘッドフォンなのだ。

左が新フラグシップ機「SR-009S」、右が既発売の「SR-009」


SR-009SとSR-009、音はどう違うのか!?

 スタックスの静電型ヘッドフォン、その音質を画期的なレベルにまで高めたのは、SR-009の開発で誕生した斬新なMLER固定電極である。先ほど述べた発音構造を御理解していただくと、振動膜とその前後にある固定電極は、いずれも高い精度で平面性が得られているべきと判るはず。静電気が与えられている振動膜を信号電圧の変動で動かす固定電極は平面性が限りなく高く、しかも薄いことが求められる。

 平面性の高さは振動膜に均一なプレッシャーを加えるためであり、薄さは音をスムーズに透過させるためだからだ。だが、固定電極が薄ければ物理的な剛性が十分に得られず、振動してはいけないはずの固定電極が反作用的に振動して音が濁ってしまう可能性も……。実は静電型ヘッドフォンの設計経験が少ないメーカーの製品が陥りやすい音の色づけ=カラレーションの発生は、このあたりが原因ではないかと私は思っている。再生音量が低い場合は気づきにくいけれども、リズムのキレが鋭く強弱のコントラストが高いダイナミックな曲を聴いていると、固定電極の振動や共振による付帯音が加わっていると感じられることがある。静電型の発音原理は割合とシンプルなのだが、いざ製品化しようと挑むと相反するような困難が待ち構えているのだ。

 オリジナルのSR-009で開発された画期的な固定電極は、MLER(Multi Layer ElectRodes=多層電極)と呼ばれる。素材は導電性があり平面度の高いステンレススチール製の薄板。音を透過させる無数の開口部(丸穴)は超精密フォトエッチングという手法であけられている。すなわち、表面からピンポイント的に金属を溶かして穴をあけているのだ。そして、同じくフォトエッチング手法で剛性を高めるリブ形状の部材を2枚造りあげる。その3枚のステンレススチール板を拡散接合技術という高度な先端技術を用いて原子レベルで一体化させてしまったのが、MLER固定電極なのである。

SR-009のMLER固定電極


近づいて見てみると、3枚の板が一体化しているのがわかる

 一般的に金属は空気の酸素成分と接することで表面に酸化膜が形成されてしまう。MLERの拡散接合プロセスでは金属を表面が酸化しない真空状態の環境に置き、3枚のステンレススチール材料に圧力と熱を数日間ほど加えるという。その結果、互いの原子が拡散して境界面が再結晶化された状態になる。つまり、積み重ねた金属を接着剤などを使わずに一体化できているのだ。

 こうして完成したSR-009のMLER固定電極は要所が薄くきわめて平面性に優れており、しかも2枚重ねのリブ形状が加わったことで剛性が飛躍的に高められている。このMLERによる固定電極はSR-009に使われている大型の円形タイプと、新Λ(ラムダ)シリーズのSR-L700に使われている長円形タイプの2種類がある。スタックスの80周年を記念した限定仕様のSR-L300 Limitedには、SR-L700と同じMLER固定電極によるモジュールが搭載されていた。

長円形の固定電極(MLERプロセスを施す前の状態)

新しいSR-009Sでは従来のMLER固定電極にさらなる改良プロセスが加えられ、第2世代のMLER2と呼ばれる固定電極が採用されている。SR-009Sのウルトラ・スムーズでトランジェントに優れた美音は、このMLER2による貢献度が大きい。スタックスの技術陣は、MLERで完成した固定電極に対して、境界面を更に滑らかな形状にするためにフィニッシュ・エッチング加工を施したのである。無数に空けられている穴の開口部分やリブ形状の端面などが再度の溶解(エッチング)でスムーズに仕上げられているのがMLER2の最大の特徴で、仕上げとして固定電極全体に金メッキを施している。金メッキ処理は美しさのためではなく、電気抵抗が低く導電性に優れていることから選ばれた。スタックスによるとフォトエッチング加工や拡散接合技術の施行、そして金メッキ仕上げなどは外部の協力会社で行っており、その製造コストは非常に高価だという。振動膜素材はSR-009のそれを継承している。

左がSR-009Sの固定電極、右がSR-009の固定電極


SR-009の開口部分のアップ。穴の縁を見ると、カクッと鋭角になっている


SR-009Sのアップ。穴の縁がなだらかになっているのがわかる

 SR-009SとSR-009を持ち比べると、僅かながらもSR-009Sのほうが軽くなっていると実感できよう。実測値では13gの違いに過ぎないのだが、それはヘッドフォンのメイン筐体である切削アルミニウム製のハウジング形状が見直されているためだ。振動系全体は電気的な絶縁性に優れた白い樹脂素材でモジュール化されているが、SR-009Sではそれを保持するアルミニウム製ハウジングの設計を刷新した。具体的には、振動膜の位置から外側の距離を10mmから7.98mmへと薄く仕上げて、しかも表側の開口直径をφ81mmからφ83mmへと拡大したのである。

断面図。左がSR-009、右がSR-009S


右側のSR-009Sではアルミニウム製ハウジングを薄くした

 スタックスの技術陣は、以前から開口部分の大きさや後面開放型の形状によって漏れ伝わる外部の音の雰囲気が変化することに着目していた。そこでSR-009Sの開発段階ではいくつかの形状を試作。そこで漏れ伝わってくる音を聴き比べて最終的な形状を決定したという。

 専用のフラットケーブルは内部が6本構成。それぞれが中芯線に音質評価の高い6N純度の軟銅線(φ0.14mm×3)と銀メッキ軟銅線(φ0.08mm×9)を組み合わせたもので、もちろんスタックスの最高グレード品である。装着感に関わるイヤーパッドには上質の本革製が使われている。また、同社ではアークアッセイ(アッセンブリー)と呼んでいるヘッドバンド部分には10ステップのアジャストクリックが与えられている。一度調整しておくと最適なポジションが保たれるという便利な構造である。

イヤーパッドには上質の本革製が使われている


アークアッセイと呼ばれるヘッドバンド部分

 取材のためにスタックス本社を訪問した際、試聴室で最終プロトタイプ状態のSR-009Sを聴くことができた。大型スピーカーシステムを聴くわけではないので、スタックスの試聴室は応接間のような親しみやすい雰囲気である。なお、事前に予約しておくと、スタックスの全製品をこの部屋で試聴できるという。

 用意していただいたのはSR-009SとオリジナルのSR-009の2台。それを駆動するドライバーユニットは2017年に発売された最高級機のSRM-T8000である。入力段には信頼性の高い双三極管6922が採用(2本)されて、出力段はA級動作のソリッドステート増幅というハイブリッド構成である。スタックスの高級ドライバーユニットには、左右チャンネルが独立している珍しい2軸アッテネーター(ボリューム)が使われている。これは左右バランスの調整に使うアッテネーターが省略できる高音質追求のためだ。再生プレーヤーには試聴室に常設しているラックスマンの高級SACD/CDプレーヤー「D-05u」を使用。音源にはCDを使っている。

SR-009SとSR-009を聴き比べた。駆動するドライバーユニットは2017年に発売された最高級機のSRM-T8000

 最初にオリジナルのSR-009で聴いてみた。一聴してハイグレードな音だと判る高品位サウンドが奏でられている。以前に「SR-L700」を聴いた時も同じように感じたのだが、剛性の高いMLER固定電極の恩恵は本当に素晴らしく、音のアタックが鋭くリズムが深く沈み込むようなポップスやジャズ系の音楽に対する相性が格段に高くなっている。クラシック音楽でも大編成オーケストラの臨場感や叩きつけるような音の迫力もストレスなく再現してくれるので、SR-009は音楽ジャンルを問わないオールマイティなハイエンド機なのだと納得できる。大口径の円形振動膜を持つSR-009の音をじっくりと聴きながら、私はその音質に関してまったく不満を覚えることはなかった。音楽が自然に自分の心に響いて感情移入ができてしまう、浸透力に優れた音という好感を抱いたのである。

 SR-009で音の感触を十分把握してから、少しドキドキしながらSR-009Sの音を聴き始めることに……。そして、ほんの一瞬で音質の違いが判った!! 直前まで聴いていたSR-009よりも、音の滑らかさが格段にアップした印象で、先ほどよりも音楽がスッと心に届いてくるではないか。例えば、プロプリウス/プロフォン「ジャズ・アット・ザ・ポーンショップ」では、ガヤガヤとした観客の話し声や場の気配が恐ろしいほど鮮明に感じられ、ビブラフォン(鉄琴)やドラムスのブラシワークといった音が超高精細という雰囲気で聴き取れる。そして、私がリファレンス音源のひとつにしているジェニファー・ウォーンズの女声ボーカルは、喉の動きまで視覚的に感じられる生々しさ。ベーシストのレイ・ブラウンとギタリストのローリンド・アルメイダによる「G線上のアリア」(独JETON)は、ウッドベースの音色がローエンドまで深々と響く。いずれもストレスフリーな音という印象を与える、トランジェントに優れた高品位サウンドだ。

 再びオリジナルのSR-009を聴いてみると、こちらも決して悪くはないのだけれども、例えばボーカルの子音やシンバルのクラッシュ・サウンドなどで音像描写の輪郭(エッジ)がほんの僅かに強調されるような、音にメリハリやアクセントを効かせたように感じられる。これは固定電極のMLERとMLER2の音質的な違いといえるのだろう。振動膜の音が透過する無数の丸穴の断面形状が滑らかになっているぶん、MLER2の固定電極が与えられたSR-009Sは音粒が磨かれたようなスムーズさを感じさせる。

 だが、私はSR-009の音を好むヘッドフォン・リスナーもいるのではと思う。普段はスピーカーシステムで音楽を聴いていて、コンサート会場でライブな音楽も聴くというリスナーなら、おそらく新しいSR-009Sの音を気に入るのではないだろうか。スタックスでも両機種の音質傾向の違いを理解しており、SR-009とSR-009Sは併売していく方針だという。私個人の音の好みでいえば、間違いなくSR-009Sを選ぶ。圧倒的なワイドレンジ感ということでは、共に互角といえるだろう。


静電型ヘッドフォンが生まれる現場に潜入!

 スタックスの社屋の1階には、本格的なクリーンルームが設置されている。昨年に取材したDAC素子の旭化成エレクトロニクスと比べると当然ながら規模はかなり小さいのだが、静電型ヘッドフォンの心臓部である発音体を製造するには十分な広さがある。

いざ、静電型ヘッドフォンが生まれる現場へ。クリーンルームに潜入した

 振動膜に使われている素材は本当に食品ラップのように柔らかく透明で、それが専用の金属型枠(真鍮製のようだ)に貼られるのであるが、ここで適切なテンションが加えられているという。型枠はインナータイプのSRS-002から新Λ、そしてSR-007AやSR-009など各種が用意されている。


振動膜の形をした金属の枠をプレートに配置。そこに振動膜の素材を貼り、枠ごとに半田ごてで切り出していく

 型枠に貼られた振動膜は次に隣の部屋に移されて、そこでは発音モジュールの組み立てとして固定電極の組み付けが行われる。いずれの作業も熟練した数名の技術者により丁寧に行われているのが印象的だった。発音モジュールの最終工程は、防湿膜を両面に貼る作業となる。

繊維性のゴミを取り除く作業。極めて薄いので、力を入れすぎると簡単に破けてしまうので、熟練の業が必要だ

 防湿膜とは、これまで出てこなかった言葉だ。想像していただくと判ると思うのだが、静電型のヘッドフォンやスピーカーシステムは、動作環境での湿気(湿度)に対してクリティカルなのである。具体的には、湿度が高ければ静電気を応用している振幅効率が低下してしまうのだ。そのため、温度と湿度が最適にコントロールされているクリーンルームの空気を発音モジュールの内部に閉じ込めるべく、防湿膜といわれる保護膜を貼って覆うのである。その素材は違う素材のフィルムで、テンションはかなり低めに設定されているようだ。また、マイクロダストや髪の毛の侵入を防ぐという重要な役割も担っている。さきほど名前を挙げたQUADの静電型スピーカーにも防湿膜が使われているのだ。

 完成した発音モジュールは白い樹脂製のハウジングに納められている。そしてクリーンルーム内部にある検査室に集められ、実際に通電をしてテスト信号による最初のサウンドチェックが行なわれる。ハイレベルなクリーン環境で製造されているので、この検査で不合格になるケースは稀だという。

 クリーンルームでの作業はここまでで、製品としてのアッセンブル工程は通常の環境で行われる。完成した製品はすべて昼間は音楽ソース、夜間はピンクノイズを使い、最低一週間以上継続した鳴らしこみが行なわれて、1台ずつ音を確認していく。スタックスの静電型ヘッドフォンは幾度もの入念なチェックを経て出荷されていくのだ。

完成した発音モジュールは白い樹脂製のハウジングに納められている


白い箱の中にズラッと並ぶ黒いものは、全て完成した発音モジュールだ。ここで実際に通電をしてテスト信号を鳴らす

検査室での細かなチェックも


完成した製品は改めて鳴らし込みが行なわれ、1台ずつ音を確認して出荷される。ブラック仕上げは輸出用の製品

 以前から少し気になっていたのだが、最近ではスタックス互換という触れ込みの非純正アンプが市場やオークションなどで散見されるようになってきた。だが、スタックスではサードパーティによるドライバーの使用を認めておらず、それによりヘッドフォンが故障した場合は保証の対象外としている。

 前述の通り、振動膜に580Vの電圧を印加しているわけだが、サードパーティのそれらはオーバードライブするように既定値以上を加えている場合が多いようなのだ。何度か私はラスベガスのCES会場などで尋ねたことがあるが、非純正ドライバーを展示している業者は概ねオーバードライブであることを示唆している。スタックスの静電型ヘッドフォンには細部に至るまで高音質が得られるノウハウが詰め込まれているわけだから、必ずスタックス製の純正ドライバーで鳴らしてほしいものだ。

 純正ドライバーには真空管を採用した製品とソリッドステート(半導体)回路、そして真空管と半導体の両方を使っているハイブリッド構成がある。固定電極には高電圧の音楽信号が必要だと述べたが、共通するのは高電圧の出力に適した素子が使われていること。真空管はもとより高電圧出力に親和性の高い素子であり、採用されている半導体の出力素子も高電圧を得やすい特性なのである。


ヘッドフォン・リスニングの最高峰のひとつ

 ヘッドフォンは耳の鼓膜の至近距離で音を鳴らす。そこではスピーカーシステムのウーファーのような大振幅は必要なく、応答性能の高さこそが最優先で求められる。帯電した超軽量の振動膜をプッシュ・プルで駆動するスタックスの静電型ヘッドフォンは、まさにヘッドフォンによる音楽再生という目的に適った発音方式だと思う。

 取材で聴いた新製品SR-009Sは、高品位なヘッドフォン・リスニングの最高峰のひとつだと断言できる。画期的なMLER固定電極を進化・発展させて完成したSR-009SのMLER2固定電極は、聴き慣れているはずの愛聴曲からこれまで気づくことのなかった音がいくつも潜んでいることを教えてくれた。新Λシリーズの静電型ヘッドフォンを愛用している私にとって、SR-009Sは究極の逸品として鮮やかに映ったのである。
https://av.watch.impress.co.jp/docs/topic/1117613.html


▲△▽▼

STAX の静電型ヘッドフォンについては

音は凶器 _ 僕が STAX を薦めない理由
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/205.html


http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/954.html

[近代史02] タイは天国に二番目に近い国 3 _ 鴨ネギにされる日本人 中川隆
66. 中川隆[-10179] koaQ7Jey 2019年5月24日 14:07:47 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2167]

タイで振り込め詐欺 容疑の15人全員を警視庁が逮捕 日本移送中の機内で
5/24(金) 13:08配信 毎日新聞


タイから日本に移送されるため警察官らに囲まれて歩く振り込め詐欺グループの容疑者の男(中央)=スワンナプーム国際空港で2019年5月24日午前5時52分、西脇真一撮影


 タイのリゾート地、パタヤで日本を狙った振り込め詐欺グループの拠点が摘発された事件で、現地で拘束されていた男15人の日本への移送が24日始まり、警視庁捜査2課は航空機内で全員を詐欺容疑で逮捕した。15人は同日午後、日本に到着する見込み。同課は全容解明に向けて捜査を本格化させる。

【動画】タイ詐欺容疑15人、日本へ移送 無言のまま帰国の途へ

 逮捕されたのは、いずれも住所不定、職業不詳の竹田圭二(46)▽古田幸一(23)▽岩本颯(りゅう)(23)――ら15容疑者。

 逮捕容疑は3月29日、パタヤから福井市の50代の自営業女性の携帯電話に「有料サイトの未納料金がある」とメールを送付し、電話をかけてきた女性にコンビニエンスストアで電子マネーのギフトカード計30万円分を買わせ、だまし取ったとしている。

 15人は24日、日本航空の定期便2便に分かれてタイを出発。日本の航空機内は日本の管轄権が及ぶため、警視庁の捜査員が機内で逮捕した。午後に成田、羽田の両空港に到着し、都内の警察署に移送する。

 タイ警察によると、詐欺の被害者は全国に約200人、被害総額は約2億円に上る。3月29日、タイ警察がパタヤ郊外の一軒家で15人を不法就労の疑いで逮捕していた。【佐久間一輝、岩崎邦宏】
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190524-00000041-mai-soci
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/379.html#c66

[近代史3] マスコミの偽情報 _ CIA は有力メディアを情報操作のために使っている 中川隆
14. 中川隆[-10178] koaQ7Jey 2019年5月24日 16:48:28 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2168]
2019.05.24
米支配層は自分たちの情報操作に邪魔なアッサンジを追起訴、懲役175年の可能性

 ジュリアン・アッサンジに対する追加起訴があった。アメリカ政府が秘密にしていた情報を違法に入手し、公表したことが「1917年のスパイ活動法」に違反するという主張で、すべてが有罪になると最大懲役175年になる。

 アッサンジが創設者のひとりであるウィキリークスは内部告発を支援する活動を続けてきた。内部告発とは政府というより支配層の暗部を明るみに出す行為。ウィキリークスの場合、イラクやアフガニスタンにおける戦争の実態、2016年の大統領選挙における不正を明るみに出した民主党とヒラリー・クリントンの電子メールなどを公表している。

 公表された情報には映像も含まれている。2010年4月に公開された映像はアメリカ軍の戦闘ヘリコプターから撮影されたもので、そのヘリコプターが非武装の人びとを銃撃しているようすが記録されてしる。犠牲者の中にはロイターの取材チームが含まれていた。

 この映像を含むイラク戦争の実態を明らかにする情報をウィキリークスへ提供したのはブラドレー・マニング(現在はチェルシー・マニングと名乗っている)特技兵。2010年5月に逮捕された。その前にアメリカの当局がアッサンジを起訴していたことが明らかになっている。

 そのアッサンジが2010年8月にスウェーデンで事件の容疑者になる。ベッドの上でのトラブルが原因で逮捕状が出され、その事実をスウェーデン警察がタブロイド紙にリーク、そのタブロイド紙がセンセーショナルに伝えた。

 これが「レイプ事件」の始まりだが、その翌日には主任検事が令状を取り消してしまう。事件性はないと判断したのだが、その決定を検事局長が翻して捜査を再開を決めた。

 しかし、アメリカの当局はすでにアッサンジを秘密裏に起訴している。アメリカ側から命令を受けなくても、その意向を忖度すれば拘束しなければならない。つまり、捜査の再開は政治的な判断だったと見られている。

 そうした中、9月27日にアッサンジはスウェーデンを離れてロンドンへ向かう。スウェーデン当局は11月にアッサンジを国際手配するが、2017年に捜査を打ち切った。冤罪だと言うことを認めたのである。

 イギリスの警察当局はスウェーデン当局の要請を受けてという形でアッサンジを逮捕しようとするのだが、ヨーロッパの場合、裁判所の発行した令状でなければ無効とされている。アッサンジのケースでは検察官が出したもの。つまり無効なのである。それをイギリスの裁判所は有効だと認めた。超法規的な決定だと言えるだろう。

 言うまでもなく、これまでイギリスの警察がアッサンジを逮捕できなかったのはエクアドル大使館で保護されていたからである。エクアドルはアッサンジの亡命を認めていた。その決定を新大統領のレニン・モレノが取り消し、4月11日にアッサンジは大使館内で逮捕されたのである。

 これまでもアメリカの支配システムは内部告発者を厳しく取り締まってきた。自分たちの悪事が露見することを極度に恐れている。悪事が知られても決定的な証拠がでなければ「謀略論だ」と言って逃げることも可能だが、それが出てきたら大変なことになる。証拠の大半は廃棄しているだろうが、完全に行うことは難しい。

 内部告発を公にすることは本来、ジャーナリストの仕事である。そのジャーナリストが1970年代の後半から急速に減ってしまった。有力メディアのプロパガンダ機関化が徹底し、ジャーナリストの居場所がなくなってきたのだ。

 有力メディアは巨大資本に飲み込まれ、支配層に選ばれた記者や編集者は支配システムへ組み込まれていく。BAPはその一例だ。記者や編集者に情報を提供、その条件として守秘義務を負わせるということもあるようだ。必然的に某情報機関の協力者になる。

 飴と鞭で記者や編集者は取り込まれ、有力メディアは支配システムの宣伝部門になってしまった。そうした中、登場してきたのがウィキリークスだ。

 アメリカの当局者はアッサンジをジャーナリストだと認めていないが、それは自分たちの影響下にないからだろう。誰でもそう名乗ればジャーナリストだ。支配層の承認はいらない。アメリカの支配システムは言論の自由を公然と否定するステージに入https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201905240000/ったと言える。

http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/330.html#c14

[近代史3] マスコミは何時からフェイクニュースを流す様になったのか 中川隆
17. 中川隆[-10177] koaQ7Jey 2019年5月24日 16:49:06 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2169]
2019.05.24
米支配層は自分たちの情報操作に邪魔なアッサンジを追起訴、懲役175年の可能性

 ジュリアン・アッサンジに対する追加起訴があった。アメリカ政府が秘密にしていた情報を違法に入手し、公表したことが「1917年のスパイ活動法」に違反するという主張で、すべてが有罪になると最大懲役175年になる。

 アッサンジが創設者のひとりであるウィキリークスは内部告発を支援する活動を続けてきた。内部告発とは政府というより支配層の暗部を明るみに出す行為。ウィキリークスの場合、イラクやアフガニスタンにおける戦争の実態、2016年の大統領選挙における不正を明るみに出した民主党とヒラリー・クリントンの電子メールなどを公表している。

 公表された情報には映像も含まれている。2010年4月に公開された映像はアメリカ軍の戦闘ヘリコプターから撮影されたもので、そのヘリコプターが非武装の人びとを銃撃しているようすが記録されてしる。犠牲者の中にはロイターの取材チームが含まれていた。

 この映像を含むイラク戦争の実態を明らかにする情報をウィキリークスへ提供したのはブラドレー・マニング(現在はチェルシー・マニングと名乗っている)特技兵。2010年5月に逮捕された。その前にアメリカの当局がアッサンジを起訴していたことが明らかになっている。

 そのアッサンジが2010年8月にスウェーデンで事件の容疑者になる。ベッドの上でのトラブルが原因で逮捕状が出され、その事実をスウェーデン警察がタブロイド紙にリーク、そのタブロイド紙がセンセーショナルに伝えた。

 これが「レイプ事件」の始まりだが、その翌日には主任検事が令状を取り消してしまう。事件性はないと判断したのだが、その決定を検事局長が翻して捜査を再開を決めた。

 しかし、アメリカの当局はすでにアッサンジを秘密裏に起訴している。アメリカ側から命令を受けなくても、その意向を忖度すれば拘束しなければならない。つまり、捜査の再開は政治的な判断だったと見られている。

 そうした中、9月27日にアッサンジはスウェーデンを離れてロンドンへ向かう。スウェーデン当局は11月にアッサンジを国際手配するが、2017年に捜査を打ち切った。冤罪だと言うことを認めたのである。

 イギリスの警察当局はスウェーデン当局の要請を受けてという形でアッサンジを逮捕しようとするのだが、ヨーロッパの場合、裁判所の発行した令状でなければ無効とされている。アッサンジのケースでは検察官が出したもの。つまり無効なのである。それをイギリスの裁判所は有効だと認めた。超法規的な決定だと言えるだろう。

 言うまでもなく、これまでイギリスの警察がアッサンジを逮捕できなかったのはエクアドル大使館で保護されていたからである。エクアドルはアッサンジの亡命を認めていた。その決定を新大統領のレニン・モレノが取り消し、4月11日にアッサンジは大使館内で逮捕されたのである。

 これまでもアメリカの支配システムは内部告発者を厳しく取り締まってきた。自分たちの悪事が露見することを極度に恐れている。悪事が知られても決定的な証拠がでなければ「謀略論だ」と言って逃げることも可能だが、それが出てきたら大変なことになる。証拠の大半は廃棄しているだろうが、完全に行うことは難しい。

 内部告発を公にすることは本来、ジャーナリストの仕事である。そのジャーナリストが1970年代の後半から急速に減ってしまった。有力メディアのプロパガンダ機関化が徹底し、ジャーナリストの居場所がなくなってきたのだ。

 有力メディアは巨大資本に飲み込まれ、支配層に選ばれた記者や編集者は支配システムへ組み込まれていく。BAPはその一例だ。記者や編集者に情報を提供、その条件として守秘義務を負わせるということもあるようだ。必然的に某情報機関の協力者になる。

 飴と鞭で記者や編集者は取り込まれ、有力メディアは支配システムの宣伝部門になってしまった。そうした中、登場してきたのがウィキリークスだ。

 アメリカの当局者はアッサンジをジャーナリストだと認めていないが、それは自分たちの影響下にないからだろう。誰でもそう名乗ればジャーナリストだ。支配層の承認はいらない。アメリカの支配システムは言論の自由を公然と否定するステージに入ったと言える。
2019.05.24
米支配層は自分たちの情報操作に邪魔なアッサンジを追起訴、懲役175年の可能性

 ジュリアン・アッサンジに対する追加起訴があった。アメリカ政府が秘密にしていた情報を違法に入手し、公表したことが「1917年のスパイ活動法」に違反するという主張で、すべてが有罪になると最大懲役175年になる。

 アッサンジが創設者のひとりであるウィキリークスは内部告発を支援する活動を続けてきた。内部告発とは政府というより支配層の暗部を明るみに出す行為。ウィキリークスの場合、イラクやアフガニスタンにおける戦争の実態、2016年の大統領選挙における不正を明るみに出した民主党とヒラリー・クリントンの電子メールなどを公表している。

 公表された情報には映像も含まれている。2010年4月に公開された映像はアメリカ軍の戦闘ヘリコプターから撮影されたもので、そのヘリコプターが非武装の人びとを銃撃しているようすが記録されてしる。犠牲者の中にはロイターの取材チームが含まれていた。

 この映像を含むイラク戦争の実態を明らかにする情報をウィキリークスへ提供したのはブラドレー・マニング(現在はチェルシー・マニングと名乗っている)特技兵。2010年5月に逮捕された。その前にアメリカの当局がアッサンジを起訴していたことが明らかになっている。

 そのアッサンジが2010年8月にスウェーデンで事件の容疑者になる。ベッドの上でのトラブルが原因で逮捕状が出され、その事実をスウェーデン警察がタブロイド紙にリーク、そのタブロイド紙がセンセーショナルに伝えた。

 これが「レイプ事件」の始まりだが、その翌日には主任検事が令状を取り消してしまう。事件性はないと判断したのだが、その決定を検事局長が翻して捜査を再開を決めた。

 しかし、アメリカの当局はすでにアッサンジを秘密裏に起訴している。アメリカ側から命令を受けなくても、その意向を忖度すれば拘束しなければならない。つまり、捜査の再開は政治的な判断だったと見られている。

 そうした中、9月27日にアッサンジはスウェーデンを離れてロンドンへ向かう。スウェーデン当局は11月にアッサンジを国際手配するが、2017年に捜査を打ち切った。冤罪だと言うことを認めたのである。

 イギリスの警察当局はスウェーデン当局の要請を受けてという形でアッサンジを逮捕しようとするのだが、ヨーロッパの場合、裁判所の発行した令状でなければ無効とされている。アッサンジのケースでは検察官が出したもの。つまり無効なのである。それをイギリスの裁判所は有効だと認めた。超法規的な決定だと言えるだろう。

 言うまでもなく、これまでイギリスの警察がアッサンジを逮捕できなかったのはエクアドル大使館で保護されていたからである。エクアドルはアッサンジの亡命を認めていた。その決定を新大統領のレニン・モレノが取り消し、4月11日にアッサンジは大使館内で逮捕されたのである。

 これまでもアメリカの支配システムは内部告発者を厳しく取り締まってきた。自分たちの悪事が露見することを極度に恐れている。悪事が知られても決定的な証拠がでなければ「謀略論だ」と言って逃げることも可能だが、それが出てきたら大変なことになる。証拠の大半は廃棄しているだろうが、完全に行うことは難しい。

 内部告発を公にすることは本来、ジャーナリストの仕事である。そのジャーナリストが1970年代の後半から急速に減ってしまった。有力メディアのプロパガンダ機関化が徹底し、ジャーナリストの居場所がなくなってきたのだ。

 有力メディアは巨大資本に飲み込まれ、支配層に選ばれた記者や編集者は支配システムへ組み込まれていく。BAPはその一例だ。記者や編集者に情報を提供、その条件として守秘義務を負わせるということもあるようだ。必然的に某情報機関の協力者になる。

 飴と鞭で記者や編集者は取り込まれ、有力メディアは支配システムの宣伝部門になってしまった。そうした中、登場してきたのがウィキリークスだ。

 アメリカの当局者はアッサンジをジャーナリストだと認めていないが、それは自分たちの影響下にないからだろう。誰でもそう名乗ればジャーナリストだ。支配層の承認はいらない。アメリカの支配システムは言論の自由を公然と否定するステージに入https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201905240000/ったと言える。


http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/119.html#c17

[リバイバル3] ベストセラーになったモニタースピーカー ヤマハ NS-1000M の音は現代でも通用するのか? 中川隆
1. 中川隆[-10176] koaQ7Jey 2019年5月24日 18:57:06 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2170]

価格.com - 『YAMAHA NS-1000M と現在のスピーカー を比べると?』 のクチコミ掲示板
https://bbs.kakaku.com/bbs/-/SortID=17057650/

YAMAHA NS-1000M と現在のスピーカー を比べると? 2014/01/10
スレ主 山葉音響さん


ここを読んでると いまだ話題にのぼるNS-1000Mですが、今でも最高の音質と言えるのでしょうか?

FOSTEX GX250、B&W 8シリーズ、DYNAUDIO M3、JBL 4319、などと比べて どちらのが良いのでしょうか?

フルレストアしてあるNS-1000M と現代のモニター系 どちらが買いですか?

▲△▽▼

たなたかたなたかさん 2014/01/10 23:39(1年以上前)

確か90年位に、当時人気の"607"、"333"、"717"等の花形プリメインでは巧く鳴らず、アルパインLUX"109u"だけが巧み鳴らしていた記憶が有ります。

腕力ごり押しだけでは駄目で、重いパルプウーハァーと繊細なボロンスコーカー(だったかな?)のバランスを揃える時間(エイジィング)凄く懸かる頑固者ですね。

"B&W"・"ディナウデオ"・"PMC"・"KRK"等とは違う難しさが有ったと思います。
強いて言えばSCMモニターの忍耐・時間を求められ、それを堪えられると至極な音で答えてくれる感じかな?(う〜ん微妙)。


たなたかたなたかさん 2014/01/11 01:02(1年以上前)

拝啓、又間違い有りて再投稿です。
いや〜ボロンじゃなかったですねぇ!、ベリリュウムですね。
それとアッテネーターが付いてるですけど定期的に回してやらないと(グリグリ捻る)、数年後にガリちゃんですよねぇ。
其処が少し面倒臭いかも知れませんが。

HDMaister_さん 2014/01/11 03:31(1年以上前)

YAMAHA NS-1000Mの話が出たので余談ですが、NHK 『偉大なるお年寄り「人生の大先輩に学ぶ健康長寿の秘訣』 という
番組内で1人暮らしで 99歳の長岡三重子さんと言うおばあさんの部屋内にも きれいなNS-1000Mが置いてありましたね。
http://www.nhk.or.jp/you-doki/archive/life/20140109.html (お年寄りのご用達品 定番かい?)
それにしてもNS-1000M は BOXのみとかエンクロージャとユニットの切り売りされるケースが多くいまだに仕上げようとするファンが多いみたいですね。

1000Mの特徴は良くも悪くも密閉での量感も緩みも無い低音とクールな高域だとユニット構造からは推察します。
中古が多く出回っているのは故人の遺品処分も多いでしょうが、ゆったりとした低音が出る今のバスレフ型への買い換えも多いはずですから、1000Mに多くの期待は禁物だとも思いますよ。
ヴェアリアスクラフトさんが作ってるバスレフ化kitも結構売れてるようですしね。

20〜30万円の予算でしょうか? 個人的には遊びで2代目3代目ならともかくとして、1台メインの体制なら1000Mは手を出さないでB&W805シリーズとかのが良いかと・・・・・


LE-8Tさん 2014/01/11 06:04(1年以上前)

音の好みは、人其々ですから・・・

今市販中のSPに比べてもNS1000Mの方が好みだと思う人もいらっしゃれば好みじゃ無いと思う人もいらっしゃるでしょう。

小生の様に小音量で聴く場合が多ければ中低音域以下の量感が乏しいと感じる方が多いとは思います。
暖色系の音では無いけど、フォステクスの様な寒色系かと問われればそうでも無い中間色って感じでしょうか?


130theater 2さん 2014/01/11 06:30(1年以上前)

当時、このNS-1000Mとテクニクス7(SB7000)
http://www.audio-heritage.jp/TECHNICS/speaker/sb-7000.html

とでどちらを購入するかで迷いました。

NS-1000M は金属振動板によるスピーカー構成、
テクニクス7はペーパーとトゥイーターがシルクドームとバスレフ

と、音色的には正反対でした。

カラッとした乾いた感じのNS-1000M、しっとりゆったりしたテクニクス7・・・
音色は正反対ですが迷いましたね!。

当時、リニアフェーズを謳いテクニクスもオーディオに10000番シリーズを投入し、かなり力が入っていました。
話題からズレますがカートリッジは色々買いましたが、Technics EPC-205Cmk2,3で私はMM型は完結しました。
リニアフェーズなどの新技術、ボロンという聞いた事もない最先端素材(原子記号;Bホウ素)、サマリウムコバルトという超強力マグネット採用のカートリッジカンチレバー・・・なにかワクワクしました。

で、スピーカーはテクニクス7にしました。今なら両方買っていますね。


スレ主 山葉音響さん 2014/01/11 12:49(1年以上前)

たなたかたなたかさんを始め多くの皆様ありがとうございます。
賛否両論と言うかNS-1000Mを冷めた目で見ているマニアさんが多いのも意外でした 国産ものだと歴代最高のスピーカーだと思っていたからです。
ひとつわからないのは今売られている小型ブックシェルフ型よりもかなりデカくて重いのに低音が出ないんですよね?
ウーハーが弱いのか弱点なんでしょうか?不思議です。
フルレストア品なら大丈夫だと思っていたんですがアッテネーターも定期的に回してやらないと数年でガリちゃんとはいやですよね。
ところでYAMAHAからはNS-1000Mに似たような新製品はもう出ないんでしょうか?


Strike Rougeさん 2014/01/11 13:00(1年以上前)

30センチクラスのウーハーを搭載したレガシィスピーカーの方が最近のトールボーイスピーカーよりポテンシャルが高いと感じるモノです。

現役でその手のスピーカーを探すとJBLかタンノイあたりに限られてきますね。

で、1000Mに限りませんが、試聴比較出来ないものを選択することは全くお勧めしません。

他人がどんなに絶賛しようがね。


デジタル貧者さん 2014/01/11 14:17(1年以上前)

>国産ものだと歴代最高のスピーカーだと思っていたからです。

まあ、ここを読んでると「NS-1000M最高」と思ったり「ダイヤトーン最高」と思ったりする事もあるでしょうね。

当時NS-1000Mにはさほど感銘は受けませんでしたね。

>ところでYAMAHAからはNS-1000Mに似たような新製品はもう出ないんでしょうか?

YAMAHA曰く出す予定は全くないそうです。
直接YAMAHAに聞く人は多いようで。

素朴に思うことさん 2014/01/11 14:39(1年以上前)

NS-1000Mの欠点を克服したようなものが FOSTEX GX250あたりなんだと思います。

YAMAHA NS-1000M が今でも愛される理由のひとつは その小型ブック型にはない、落ち着いたドッシリとした見た目の良さからではないでしょうか。
ボクも見た目は好きですが、あそこまで大きくなくとも充分満足できる製品が多くあるから 買うまではいきません。

Strike Rougeさん 2014/01/11 14:47(1年以上前)

ハンネからはヤマハ大好きな方なんでしょうね。
オモロイつうか好きなメーカーではあります。
楽器がオリジナルかな? ロゴはトリプル音叉ですからね。

バイクにボート、楽器繋がりのAV音響機器、ピアノ造りを活かした家具、撤退しましたがスキー板にラケットも手掛けてましたね。

テンモニとセンモニはヤマハスピーカーの双璧かもしれません。

歴代最高かどうかは多少怪しい感がありますが・・・・・・

密閉スピーカー好きなメーカーでした。

〉今うられている小型ブックシェリフ型よりもかなりデカくて重いのに低音が出ないんですよね?

店頭処分、半額以下投げ売りの598を衝動ゲットしたことがありますが、低域量感はサッパリでした・・・・・

早々に諦め、手放してしまいましたが(^_^;)

岡チャーンさん 2014/01/11 14:51(1年以上前)

最近のYAMAHAの音は私の耳ではキンキンに聴こえちゃうので敬遠してたんですが、作りの良さはさすが国内メーカーだと感じますね。

ちなみに私は、YAMAHAのセンモニ好きです。

晴れの日はお散歩さん 2014/01/11 15:11(1年以上前)

>今でも最高の音質と言えるのでしょうか?

結局は聴く方の好みの問題ですよね。
ヤマハNS-1000Mの音はFostex,B&W,Dynaudio,JBLのどれとも結構明確に異なるように思います。その個性がご自身にとって他では得難いものであるならばNS-1000Mを最高と感じるのでしょうね。
ちなみに私は、当時オンキョーMonitor2000Xと比較し1000Mは高音域が線が細く少しナーバスに感じたのでのびのびと明るい音の2000Xを選んだ記憶があります。

レストア品のお値段は結構なものが多いようですが発生する人件費や時間を考えればやむお得ないでしょう。ただ元値20万ちょっとの製品に対しそれだけの費用をかけることが適切な方策なのかは良く考えた方がよいかも。


たなたかたなたかさん 2014/01/11 18:35(1年以上前)

僭越ながら再講釈します。失礼ながら山葉音響さんは文面から観るとお若い方かな?
当然当時音を知らないし答える側は多分最低20年位のベテラン諸氏です。"607"や"333"は判っても、"717"や"109u"はご存知ないでしょうね?、千モニの音作りに同時期人気アンプの2千番を使ったそうです。

このアンプの音(当然今のYAMAHAとは全く違う)が今無いので、例えられる物も皆無で質問主さんがベストコンディションの千モニを聴け無いかもしれません。私は運良く10年位使い込んだ物(エイジィング出来た物)を聴ける環境が有ったので、音の良さも鳴らす難し様も判るつもりです。

ビギナー(素人)さんが手を出すと大変だよ!と進言します。

"アンプ選び"
"部屋の広さ"
"音量は上げられるか?"
"床の条件に重量級SP台の用意"

等の覚悟がありますか?、覚悟あれば否定はしません。悪しからず。

LE-8Tさん 2014/01/11 19:31(1年以上前)

>ひとつわからないのは今うられている小型ブックシェリフ型よりもかなりデカくて重いのに低音が出ないんですよね?

ちゃんと低音域は出ますよ。
ある程度まで音量を上げると体感出来る(体に響く?床が振動する)低音が出てきます。
同じ程度の音量で LE8T-H よりもね。S3500(25pWウーファー)よりは少なめ。
小生の場合は、バイアンプで使えるように改造(改悪)したので小音量でも問題無く聴いてますけど。

どちらにせよ、今の市販品を買った方が良いとは思いますよ。
NS1000Mは販売終了後年月経ってるし、20年以上のロングセラーのSPなので其れなりに中古の玉は有るでしょうが、ユニットの固着とかコンデンサの劣化とか問題も有りますから。


HDMaister_さん 2014/01/12 00:57(1年以上前)

そうですよね、全てがそうでないにしろhttp://sakumo.kir.jp/V_kraft/AUDIO-3menteSP4-85_YAMAHA_NS-1000M.html

ここまでやらないと 当時の新品と同じとはいかないはずです。

ただスレ主さんが言うにはフルレストア品=フルオーバーホール品とのことなんで大丈夫かな・・


スレ主 山葉音響さん 2014/01/12 13:21(1年以上前)

多くの多くの皆様、また多数のご意見ありがとうございます。
さすがマニアのみなさんだけあって略されてる品番とかほぼ分らない状況です。

E-8Tさん S3500(25pWウーファー)というのはヤマハでしょうか?
1000Mが30cmなのにそれより小さくても低音出るんですね。

Strike Rougeさんレガシィスピーカーとはスバル純正でしょうか? 
初めて聞くもので知らなくてすみません。

たなたかたなたかさんすみません。607"や"333"はサンスイとソニーでしょうか?
"717"や"109u"あと2千番は分りませんでした。
もしかして今のアンプだと合わないということですか?

デジタル貧者さんもう出ないとはこれだけ人気あるのに不思議ですね。

クリームパンマンさん 2014/01/13 07:52(1年以上前)

音の好みは人それぞれ、
バスレフ型の量感ある低音、密閉型の締りのある低音、
これは好みの問題ですので比較するのも変な話です。

LE-8Tさん 2014/01/13 08:34(1年以上前)

言葉足らずで申し訳ない。
S3500ってJBLのスピーカーで
25pウーファーが2発 + ホーンツィーター って構成です。
(計算上は、36p程度のウーファー)

NS1000Mと略同じウーファーを使ってると言われたNS690系の音は、NS1000Mよりも低音域は豊かに聴こえてた。(NS690系のウーファーのエッジは柔らかなウレタンエッジ)
NS1000MよりNS690系の方が一般向けで良い様には思います。
但し、ウーファーの固着やウレタンエッジの劣化等NS690系も弱点は有りますし、今のSPを聴き慣れてる方からすると高域に物足りなさが出るかも知れません。

やっぱり傑作RS-1506U 38-2Tも可さん 2014/01/13 16:07(1年以上前)

NS1000をモニター化したのが1000Mで10万ちょっとの価格でした。
ヨーロッパの北欧の放送局のモニターとして採用されたということで人気となったモデルだったと思います。
価格の割にはパフォーマンスがよかったんではないかと思います。
いずれにせよ、ヤマハの顔となったモデルには間違いはありませんでした。

元・副会長さん 2014/01/13 19:00(1年以上前)

 えーっと、要するにトピ主さんは何をされたいのですかね。
NS-1000Mを買いたいのですか? 
今までの書き込みを読むと、トピ主さんはNS-1000Mの音を聴いたことがないとお見受けしますが、それで合ってますか?

>フルレストアしてあるNS-1000Mと現代の
>モニター系、どちらが買いですか?

 オーディオ機器なんて「聴いてナンボ」の商品ですから、トピ主さんが「フルレストアしてあるNS-1000M」を試聴されて、それが現行のスピーカーよりも音が良いと思ったのならば買うのを検討すれば良いし、そうじゃなかったら買うのをやめればいい・・・・ということに尽きるのではないでしょうか。

 確かにNS-1000Mは過去における人気機種の一つですけど、現時点で入手して使う価値があるかどうかは、人それぞれの価値観と音の好み次第でしょう。

>YAMAHAからはNS-1000Mに似たような
>新製品はもう出ないんでしょうか?

 出ません・・・・というか、出せないでしょう。
オーディオフェアの会場で某評論家が言ってたように記憶していますが、
今のYAMAHAにはNS-1000MやセパレートアンプのC-1&B-1、アナログプレーヤーのGT-2000、CDプレーヤーのGT-CD1といった往年の名機と呼ばれているような機種をリメイク出来るような技術力もスタッフも不在であるとのことです。

 まあ、たとえリメイク出来たとしても、喜ぶのは往年のマニアか一部の好事家だけかと思いますけどね。

 余談ですが、YAMAHAに101Mという超弩級のメインアンプ(価格が100万円。重量が60kg)がありましたが、昔それが大手スーパーの家電コーナーに置かれていたのを目撃したことがあります。今で例えれば、西友やイトーヨーカドーの家庭用品コーナーにピュア・オーディオ機器が展示・販売されるようなものですから、昔はオーディオを取り巻く環境は現在とはまるで違っていたことを痛感しますね。

ほにょVer2さん 2014/01/14 15:27(1年以上前)

NS- 1000Mのユーザーです。今でも現役で使ってます。もう、30数年使ってます。
一言で言うと、無駄な音を鳴らさない、多少神経質な音を出すスピーカーと言う感じでしょうか。

30cmのウーハー積んでますが、今時のスピーカーに比べると、低音は必要最低限出ているかな、と言う感じにきこえるかもしれませんね。
このスピーカーは、迫力ある音場を再現させるものではなく、音像と定位置とカッチリした音場を確認するためのスピーカーです。
ある程度満足感のある低音を得るためには、普通のスピーカーよりもアンプの物量が必要です。パワーに物言わせて大音響で鳴らせる環境をお持ちなら、納得出来る実力を持ちます。

因みに、過去、私がこのスピーカーに繋いだ歴代のアンプは、サンスイの初代AU- D907ltd、AU- X11ヴィンテージ。そして、今は、防音のオーディオルームにてデノンのPMA- SX でドライブしてます。


Kyushuwalkerさん 2014/01/14 22:36(1年以上前)

私もアンプにパワーがあれば低音は出ると思います。
私もいまはモノラル接続です。
各ユニットの固着などの掃除と、ネットワークの見直しができるなら、
安い中古を買ってもいいと思います。
フルレストア品はちょっと高いような気がします。
軽井沢という工房に出すという手もあります。

スレ主 山葉音響さん 2014/01/16 18:55(1年以上前)

また多くの書き込みありがとうございます。
総合判断して NS-1000M の購入は見送ることとしました。
当時最高でも技術進歩というのは無視できないレベルに達しているのかもしれないですね。
同じモニター系でも現代のモニター系を検討することにしました、

みっどぼんどさん 2014/01/19 12:14(1年以上前)

いまさらですが。
当時のオーディオ事情がNS-1000Mの評価を上げていたと思います。
主役ソースがアナログレコードで、RIAAを使用していたため、どうしても超低音のノイズが乗ります。
レコーディングもアナログなので、機種間に超高音再生の能力差が厳然と存在していました。
密閉型でベリリウムツィータのNS-1000Mは、超低音ノイズのネガを消すとともに、超高音をリニアに再生する、というモニターとしてのツボをついていた、それなのに10万円程度で買えた、という製品だったと記憶しています。

今のデジタルオーディオ環境では、もし新品状態のものが入手できても、その良さを発揮出来ないのではないでしょうか。


ドンシャリオヤジさん 2016/08/20 23:12(1年以上前)

NS1000Mは良いSPですよ、私も特別仕様を所有しています。
置き方・部屋などで影響は大きいですが、ただ色気がない(モニターだから仕方ないでしょうが)

長いことAUDIOをしていると特性とかでは表現出来ないものがあると思います。

自動車に例えると、排気量が少ないが、過給して出力を出している(数値は良いが、人為的)
それよりも能率の良い(反応がよい)SPのほうが空気感があって良いように感じています。

自宅ですはELAC247SEの横にALTEC A7があります。
ELACを聞いているときは良いSPと感じていますが、A7を鳴らすと空気感が全く違います(音楽が自然に感じます)

他にBRAUNやスペンドールもありますが(NS1000Mと並んでいます)・・・こちらは色気がある、さ行かな?

色々書きましたが、結局自分の好みです。

だけど、NS1000Mはすごいスピーカーです。
手放せません。

ドンシャリオヤジさん 2016/08/21 09:35(1年以上前)

NS1000Mの台はTAOC
理由は展示会でTAOC社員の方が「当社のモニターとして使用している」と言われていたから
ちなみにアンプはアキュフェーズでした。
ケーブルはベルデン9497です、うるさいセンモニが落ち着いた音になる。

SPの外装は鏡面塗装(北海道製)です。

低域は出過ぎるほど出ています(乾いた締まった音です、密閉型の良い所)


参考
「ドンシャリオヤジ AUDIO三昧」
https://blogs.yahoo.co.jp/pri_30_a


hoskinsさん 2016/11/27 16:22(1年以上前)

約2年半前に、長岡式バスレフに改造後の、感想ですが、ボリュームを9時の位置から上にすると、ウーファーの低音が、相変わらず、ズンズンと響きます。エージング効果もあるのだと思います。

この2年半の間に、実績ある専門業者に、ウーファーとスコーカーを外して送り整備してもらいました。
ピアノの音、声楽、シンフォニー、ジャズ、歌謡曲、アメリカのオールディーズ、ジャンルを選ばず大活躍しています。

プリメインアンプは、ヤマハA2000で、これも、一度、専門業者に整備してもらいました。このアンプも響きが繊細にして、骨太な感じがして、気にいってます。


hoskinsさん 2017/06/25 15:35(1年以上前)

アンプをA-2000からラックスマンの507uxに買い換えました。濃密なサウンドに生まれ変わりました。昭和のスピーカーが現代のアンプの力で、見事に鳴ってます。
https://bbs.kakaku.com/bbs/-/SortID=17057650/


http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/952.html#c1

[近代史3] 日本製のスピーカーは どんな名作でもすぐに消えてしまう理由 中川隆
32. 中川隆[-10175] koaQ7Jey 2019年5月24日 18:59:33 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2171]
>>23, >>24, >>25 に追記

価格.com - 『YAMAHA NS-1000M と現在のスピーカー を比べると?』 のクチコミ掲示板
https://bbs.kakaku.com/bbs/-/SortID=17057650/

YAMAHA NS-1000M と現在のスピーカー を比べると? 2014/01/10
スレ主 山葉音響さん


ここを読んでると いまだ話題にのぼるNS-1000Mですが、今でも最高の音質と言えるのでしょうか?

FOSTEX GX250、B&W 8シリーズ、DYNAUDIO M3、JBL 4319、などと比べて どちらのが良いのでしょうか?

フルレストアしてあるNS-1000M と現代のモニター系 どちらが買いですか?

▲△▽▼

たなたかたなたかさん 2014/01/10 23:39(1年以上前)

確か90年位に、当時人気の"607"、"333"、"717"等の花形プリメインでは巧く鳴らず、アルパインLUX"109u"だけが巧み鳴らしていた記憶が有ります。

腕力ごり押しだけでは駄目で、重いパルプウーハァーと繊細なボロンスコーカー(だったかな?)のバランスを揃える時間(エイジィング)凄く懸かる頑固者ですね。

"B&W"・"ディナウデオ"・"PMC"・"KRK"等とは違う難しさが有ったと思います。
強いて言えばSCMモニターの忍耐・時間を求められ、それを堪えられると至極な音で答えてくれる感じかな?(う〜ん微妙)。


たなたかたなたかさん 2014/01/11 01:02(1年以上前)

拝啓、又間違い有りて再投稿です。
いや〜ボロンじゃなかったですねぇ!、ベリリュウムですね。
それとアッテネーターが付いてるですけど定期的に回してやらないと(グリグリ捻る)、数年後にガリちゃんですよねぇ。
其処が少し面倒臭いかも知れませんが。

HDMaister_さん 2014/01/11 03:31(1年以上前)

YAMAHA NS-1000Mの話が出たので余談ですが、NHK 『偉大なるお年寄り「人生の大先輩に学ぶ健康長寿の秘訣』 という
番組内で1人暮らしで 99歳の長岡三重子さんと言うおばあさんの部屋内にも きれいなNS-1000Mが置いてありましたね。
http://www.nhk.or.jp/you-doki/archive/life/20140109.html (お年寄りのご用達品 定番かい?)
それにしてもNS-1000M は BOXのみとかエンクロージャとユニットの切り売りされるケースが多くいまだに仕上げようとするファンが多いみたいですね。

1000Mの特徴は良くも悪くも密閉での量感も緩みも無い低音とクールな高域だとユニット構造からは推察します。
中古が多く出回っているのは故人の遺品処分も多いでしょうが、ゆったりとした低音が出る今のバスレフ型への買い換えも多いはずですから、1000Mに多くの期待は禁物だとも思いますよ。
ヴェアリアスクラフトさんが作ってるバスレフ化kitも結構売れてるようですしね。

20〜30万円の予算でしょうか? 個人的には遊びで2代目3代目ならともかくとして、1台メインの体制なら1000Mは手を出さないでB&W805シリーズとかのが良いかと・・・・・


LE-8Tさん 2014/01/11 06:04(1年以上前)

音の好みは、人其々ですから・・・

今市販中のSPに比べてもNS1000Mの方が好みだと思う人もいらっしゃれば好みじゃ無いと思う人もいらっしゃるでしょう。

小生の様に小音量で聴く場合が多ければ中低音域以下の量感が乏しいと感じる方が多いとは思います。
暖色系の音では無いけど、フォステクスの様な寒色系かと問われればそうでも無い中間色って感じでしょうか?


130theater 2さん 2014/01/11 06:30(1年以上前)

当時、このNS-1000Mとテクニクス7(SB7000)
http://www.audio-heritage.jp/TECHNICS/speaker/sb-7000.html

とでどちらを購入するかで迷いました。

NS-1000M は金属振動板によるスピーカー構成、
テクニクス7はペーパーとトゥイーターがシルクドームとバスレフ

と、音色的には正反対でした。

カラッとした乾いた感じのNS-1000M、しっとりゆったりしたテクニクス7・・・
音色は正反対ですが迷いましたね!。

当時、リニアフェーズを謳いテクニクスもオーディオに10000番シリーズを投入し、かなり力が入っていました。
話題からズレますがカートリッジは色々買いましたが、Technics EPC-205Cmk2,3で私はMM型は完結しました。
リニアフェーズなどの新技術、ボロンという聞いた事もない最先端素材(原子記号;Bホウ素)、サマリウムコバルトという超強力マグネット採用のカートリッジカンチレバー・・・なにかワクワクしました。

で、スピーカーはテクニクス7にしました。今なら両方買っていますね。


スレ主 山葉音響さん 2014/01/11 12:49(1年以上前)

たなたかたなたかさんを始め多くの皆様ありがとうございます。
賛否両論と言うかNS-1000Mを冷めた目で見ているマニアさんが多いのも意外でした 国産ものだと歴代最高のスピーカーだと思っていたからです。
ひとつわからないのは今売られている小型ブックシェルフ型よりもかなりデカくて重いのに低音が出ないんですよね?
ウーハーが弱いのか弱点なんでしょうか?不思議です。
フルレストア品なら大丈夫だと思っていたんですがアッテネーターも定期的に回してやらないと数年でガリちゃんとはいやですよね。
ところでYAMAHAからはNS-1000Mに似たような新製品はもう出ないんでしょうか?


Strike Rougeさん 2014/01/11 13:00(1年以上前)

30センチクラスのウーハーを搭載したレガシィスピーカーの方が最近のトールボーイスピーカーよりポテンシャルが高いと感じるモノです。

現役でその手のスピーカーを探すとJBLかタンノイあたりに限られてきますね。

で、1000Mに限りませんが、試聴比較出来ないものを選択することは全くお勧めしません。

他人がどんなに絶賛しようがね。


デジタル貧者さん 2014/01/11 14:17(1年以上前)

>国産ものだと歴代最高のスピーカーだと思っていたからです。

まあ、ここを読んでると「NS-1000M最高」と思ったり「ダイヤトーン最高」と思ったりする事もあるでしょうね。

当時NS-1000Mにはさほど感銘は受けませんでしたね。

>ところでYAMAHAからはNS-1000Mに似たような新製品はもう出ないんでしょうか?

YAMAHA曰く出す予定は全くないそうです。
直接YAMAHAに聞く人は多いようで。

素朴に思うことさん 2014/01/11 14:39(1年以上前)

NS-1000Mの欠点を克服したようなものが FOSTEX GX250あたりなんだと思います。

YAMAHA NS-1000M が今でも愛される理由のひとつは その小型ブック型にはない、落ち着いたドッシリとした見た目の良さからではないでしょうか。
ボクも見た目は好きですが、あそこまで大きくなくとも充分満足できる製品が多くあるから 買うまではいきません。

Strike Rougeさん 2014/01/11 14:47(1年以上前)

ハンネからはヤマハ大好きな方なんでしょうね。
オモロイつうか好きなメーカーではあります。
楽器がオリジナルかな? ロゴはトリプル音叉ですからね。

バイクにボート、楽器繋がりのAV音響機器、ピアノ造りを活かした家具、撤退しましたがスキー板にラケットも手掛けてましたね。

テンモニとセンモニはヤマハスピーカーの双璧かもしれません。

歴代最高かどうかは多少怪しい感がありますが・・・・・・

密閉スピーカー好きなメーカーでした。

〉今うられている小型ブックシェリフ型よりもかなりデカくて重いのに低音が出ないんですよね?

店頭処分、半額以下投げ売りの598を衝動ゲットしたことがありますが、低域量感はサッパリでした・・・・・

早々に諦め、手放してしまいましたが(^_^;)

岡チャーンさん 2014/01/11 14:51(1年以上前)

最近のYAMAHAの音は私の耳ではキンキンに聴こえちゃうので敬遠してたんですが、作りの良さはさすが国内メーカーだと感じますね。

ちなみに私は、YAMAHAのセンモニ好きです。

晴れの日はお散歩さん 2014/01/11 15:11(1年以上前)

>今でも最高の音質と言えるのでしょうか?

結局は聴く方の好みの問題ですよね。
ヤマハNS-1000Mの音はFostex,B&W,Dynaudio,JBLのどれとも結構明確に異なるように思います。その個性がご自身にとって他では得難いものであるならばNS-1000Mを最高と感じるのでしょうね。
ちなみに私は、当時オンキョーMonitor2000Xと比較し1000Mは高音域が線が細く少しナーバスに感じたのでのびのびと明るい音の2000Xを選んだ記憶があります。

レストア品のお値段は結構なものが多いようですが発生する人件費や時間を考えればやむお得ないでしょう。ただ元値20万ちょっとの製品に対しそれだけの費用をかけることが適切な方策なのかは良く考えた方がよいかも。


たなたかたなたかさん 2014/01/11 18:35(1年以上前)

僭越ながら再講釈します。失礼ながら山葉音響さんは文面から観るとお若い方かな?
当然当時音を知らないし答える側は多分最低20年位のベテラン諸氏です。"607"や"333"は判っても、"717"や"109u"はご存知ないでしょうね?、千モニの音作りに同時期人気アンプの2千番を使ったそうです。

このアンプの音(当然今のYAMAHAとは全く違う)が今無いので、例えられる物も皆無で質問主さんがベストコンディションの千モニを聴け無いかもしれません。私は運良く10年位使い込んだ物(エイジィング出来た物)を聴ける環境が有ったので、音の良さも鳴らす難し様も判るつもりです。

ビギナー(素人)さんが手を出すと大変だよ!と進言します。

"アンプ選び"
"部屋の広さ"
"音量は上げられるか?"
"床の条件に重量級SP台の用意"

等の覚悟がありますか?、覚悟あれば否定はしません。悪しからず。

LE-8Tさん 2014/01/11 19:31(1年以上前)

>ひとつわからないのは今うられている小型ブックシェリフ型よりもかなりデカくて重いのに低音が出ないんですよね?

ちゃんと低音域は出ますよ。
ある程度まで音量を上げると体感出来る(体に響く?床が振動する)低音が出てきます。
同じ程度の音量で LE8T-H よりもね。S3500(25pWウーファー)よりは少なめ。
小生の場合は、バイアンプで使えるように改造(改悪)したので小音量でも問題無く聴いてますけど。

どちらにせよ、今の市販品を買った方が良いとは思いますよ。
NS1000Mは販売終了後年月経ってるし、20年以上のロングセラーのSPなので其れなりに中古の玉は有るでしょうが、ユニットの固着とかコンデンサの劣化とか問題も有りますから。


HDMaister_さん 2014/01/12 00:57(1年以上前)

そうですよね、全てがそうでないにしろhttp://sakumo.kir.jp/V_kraft/AUDIO-3menteSP4-85_YAMAHA_NS-1000M.html

ここまでやらないと 当時の新品と同じとはいかないはずです。

ただスレ主さんが言うにはフルレストア品=フルオーバーホール品とのことなんで大丈夫かな・・


スレ主 山葉音響さん 2014/01/12 13:21(1年以上前)

多くの多くの皆様、また多数のご意見ありがとうございます。
さすがマニアのみなさんだけあって略されてる品番とかほぼ分らない状況です。

E-8Tさん S3500(25pWウーファー)というのはヤマハでしょうか?
1000Mが30cmなのにそれより小さくても低音出るんですね。

Strike Rougeさんレガシィスピーカーとはスバル純正でしょうか? 
初めて聞くもので知らなくてすみません。

たなたかたなたかさんすみません。607"や"333"はサンスイとソニーでしょうか?
"717"や"109u"あと2千番は分りませんでした。
もしかして今のアンプだと合わないということですか?

デジタル貧者さんもう出ないとはこれだけ人気あるのに不思議ですね。

クリームパンマンさん 2014/01/13 07:52(1年以上前)

音の好みは人それぞれ、
バスレフ型の量感ある低音、密閉型の締りのある低音、
これは好みの問題ですので比較するのも変な話です。

LE-8Tさん 2014/01/13 08:34(1年以上前)

言葉足らずで申し訳ない。
S3500ってJBLのスピーカーで
25pウーファーが2発 + ホーンツィーター って構成です。
(計算上は、36p程度のウーファー)

NS1000Mと略同じウーファーを使ってると言われたNS690系の音は、NS1000Mよりも低音域は豊かに聴こえてた。(NS690系のウーファーのエッジは柔らかなウレタンエッジ)
NS1000MよりNS690系の方が一般向けで良い様には思います。
但し、ウーファーの固着やウレタンエッジの劣化等NS690系も弱点は有りますし、今のSPを聴き慣れてる方からすると高域に物足りなさが出るかも知れません。

やっぱり傑作RS-1506U 38-2Tも可さん 2014/01/13 16:07(1年以上前)

NS1000をモニター化したのが1000Mで10万ちょっとの価格でした。
ヨーロッパの北欧の放送局のモニターとして採用されたということで人気となったモデルだったと思います。
価格の割にはパフォーマンスがよかったんではないかと思います。
いずれにせよ、ヤマハの顔となったモデルには間違いはありませんでした。

元・副会長さん 2014/01/13 19:00(1年以上前)

 えーっと、要するにトピ主さんは何をされたいのですかね。
NS-1000Mを買いたいのですか? 
今までの書き込みを読むと、トピ主さんはNS-1000Mの音を聴いたことがないとお見受けしますが、それで合ってますか?

>フルレストアしてあるNS-1000Mと現代の
>モニター系、どちらが買いですか?

 オーディオ機器なんて「聴いてナンボ」の商品ですから、トピ主さんが「フルレストアしてあるNS-1000M」を試聴されて、それが現行のスピーカーよりも音が良いと思ったのならば買うのを検討すれば良いし、そうじゃなかったら買うのをやめればいい・・・・ということに尽きるのではないでしょうか。

 確かにNS-1000Mは過去における人気機種の一つですけど、現時点で入手して使う価値があるかどうかは、人それぞれの価値観と音の好み次第でしょう。

>YAMAHAからはNS-1000Mに似たような
>新製品はもう出ないんでしょうか?

 出ません・・・・というか、出せないでしょう。
オーディオフェアの会場で某評論家が言ってたように記憶していますが、
今のYAMAHAにはNS-1000MやセパレートアンプのC-1&B-1、アナログプレーヤーのGT-2000、CDプレーヤーのGT-CD1といった往年の名機と呼ばれているような機種をリメイク出来るような技術力もスタッフも不在であるとのことです。

 まあ、たとえリメイク出来たとしても、喜ぶのは往年のマニアか一部の好事家だけかと思いますけどね。

 余談ですが、YAMAHAに101Mという超弩級のメインアンプ(価格が100万円。重量が60kg)がありましたが、昔それが大手スーパーの家電コーナーに置かれていたのを目撃したことがあります。今で例えれば、西友やイトーヨーカドーの家庭用品コーナーにピュア・オーディオ機器が展示・販売されるようなものですから、昔はオーディオを取り巻く環境は現在とはまるで違っていたことを痛感しますね。

ほにょVer2さん 2014/01/14 15:27(1年以上前)

NS- 1000Mのユーザーです。今でも現役で使ってます。もう、30数年使ってます。
一言で言うと、無駄な音を鳴らさない、多少神経質な音を出すスピーカーと言う感じでしょうか。

30cmのウーハー積んでますが、今時のスピーカーに比べると、低音は必要最低限出ているかな、と言う感じにきこえるかもしれませんね。
このスピーカーは、迫力ある音場を再現させるものではなく、音像と定位置とカッチリした音場を確認するためのスピーカーです。
ある程度満足感のある低音を得るためには、普通のスピーカーよりもアンプの物量が必要です。パワーに物言わせて大音響で鳴らせる環境をお持ちなら、納得出来る実力を持ちます。

因みに、過去、私がこのスピーカーに繋いだ歴代のアンプは、サンスイの初代AU- D907ltd、AU- X11ヴィンテージ。そして、今は、防音のオーディオルームにてデノンのPMA- SX でドライブしてます。


Kyushuwalkerさん 2014/01/14 22:36(1年以上前)

私もアンプにパワーがあれば低音は出ると思います。
私もいまはモノラル接続です。
各ユニットの固着などの掃除と、ネットワークの見直しができるなら、
安い中古を買ってもいいと思います。
フルレストア品はちょっと高いような気がします。
軽井沢という工房に出すという手もあります。

スレ主 山葉音響さん 2014/01/16 18:55(1年以上前)

また多くの書き込みありがとうございます。
総合判断して NS-1000M の購入は見送ることとしました。
当時最高でも技術進歩というのは無視できないレベルに達しているのかもしれないですね。
同じモニター系でも現代のモニター系を検討することにしました、

みっどぼんどさん 2014/01/19 12:14(1年以上前)

いまさらですが。
当時のオーディオ事情がNS-1000Mの評価を上げていたと思います。
主役ソースがアナログレコードで、RIAAを使用していたため、どうしても超低音のノイズが乗ります。
レコーディングもアナログなので、機種間に超高音再生の能力差が厳然と存在していました。
密閉型でベリリウムツィータのNS-1000Mは、超低音ノイズのネガを消すとともに、超高音をリニアに再生する、というモニターとしてのツボをついていた、それなのに10万円程度で買えた、という製品だったと記憶しています。

今のデジタルオーディオ環境では、もし新品状態のものが入手できても、その良さを発揮出来ないのではないでしょうか。


ドンシャリオヤジさん 2016/08/20 23:12(1年以上前)

NS1000Mは良いSPですよ、私も特別仕様を所有しています。
置き方・部屋などで影響は大きいですが、ただ色気がない(モニターだから仕方ないでしょうが)

長いことAUDIOをしていると特性とかでは表現出来ないものがあると思います。

自動車に例えると、排気量が少ないが、過給して出力を出している(数値は良いが、人為的)
それよりも能率の良い(反応がよい)SPのほうが空気感があって良いように感じています。

自宅ですはELAC247SEの横にALTEC A7があります。
ELACを聞いているときは良いSPと感じていますが、A7を鳴らすと空気感が全く違います(音楽が自然に感じます)

他にBRAUNやスペンドールもありますが(NS1000Mと並んでいます)・・・こちらは色気がある、さ行かな?

色々書きましたが、結局自分の好みです。

だけど、NS1000Mはすごいスピーカーです。
手放せません。

ドンシャリオヤジさん 2016/08/21 09:35(1年以上前)

NS1000Mの台はTAOC
理由は展示会でTAOC社員の方が「当社のモニターとして使用している」と言われていたから
ちなみにアンプはアキュフェーズでした。
ケーブルはベルデン9497です、うるさいセンモニが落ち着いた音になる。

SPの外装は鏡面塗装(北海道製)です。

低域は出過ぎるほど出ています(乾いた締まった音です、密閉型の良い所)


参考
「ドンシャリオヤジ AUDIO三昧」
https://blogs.yahoo.co.jp/pri_30_a


hoskinsさん 2016/11/27 16:22(1年以上前)

約2年半前に、長岡式バスレフに改造後の、感想ですが、ボリュームを9時の位置から上にすると、ウーファーの低音が、相変わらず、ズンズンと響きます。エージング効果もあるのだと思います。

この2年半の間に、実績ある専門業者に、ウーファーとスコーカーを外して送り整備してもらいました。
ピアノの音、声楽、シンフォニー、ジャズ、歌謡曲、アメリカのオールディーズ、ジャンルを選ばず大活躍しています。

プリメインアンプは、ヤマハA2000で、これも、一度、専門業者に整備してもらいました。このアンプも響きが繊細にして、骨太な感じがして、気にいってます。


hoskinsさん 2017/06/25 15:35(1年以上前)

アンプをA-2000からラックスマンの507uxに買い換えました。濃密なサウンドに生まれ変わりました。昭和のスピーカーが現代のアンプの力で、見事に鳴ってます。
https://bbs.kakaku.com/bbs/-/SortID=17057650/


http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/450.html#c32

[リバイバル3] 苗場スキー場の元高級リゾートマンションが遂に10万円になった 中川隆
532. 中川隆[-10174] koaQ7Jey 2019年5月24日 22:18:28 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2172]

廃虚同然リゾマン、執念の解体 全員同意へ所有者を追跡 2019年4月27日

負動産時代

 つくるのは簡単だが、こわすのは大変。それはマンションの宿命といえる。一度建ったマンションを建て替えたり、更地にしたりするには、所有者の大多数、場合によっては全員の同意が必要だからだ。

 築44年で老朽化が進み、所有者も散り散りになっていた新潟県湯沢町のリゾートマンション(リゾマン)が 昨年取り壊され、更地として売却された。所有者全員が同意してのマンション解体は全国的にも珍しく、「奇跡的」ともいえる。売るに売れず、税金や管理の負担が重くのしかかる「負動産」の問題を長く取材してきた記者が、現地に向かった。


リゾマンの草分け

上越新幹線の越後湯沢駅から車で約30分。「マンション苗場」があった場所はいま、きれいな更地になっている。

 全国屈指のスキーリゾートとして知られる苗場高原にこのマンションが建ったのは1975年。6階建て、40〜50平方メートルの30部屋にレストランなどもあり、リゾートマンションの草分け的存在だった。その後、バブル期にかけてリゾマンが次々と建ち、そのバブルも崩壊したため、利用者は激減した。

 管理費の滞納も相次ぎ、管理組合は機能不全に。2003年を最後に大規模修繕も行われなくなり、廃虚に近づいていった。


立ち上がったオーナー

 朽ちゆくマンションの惨状を見かねて、立ち上がった所有者たちがいる。その一人が新潟県柏崎市の建設会社社長、石坂泰男さん(54)だ。会社名義でマンション苗場の物件2戸を持ち、先代社長だった父は管理組合の理事長をしていた。石坂さんは「このまま廃虚になることだけは避けたい」と、14年に地元の不動産仲介会社ひまわりに相談した。


 廃虚同然のリゾマンをどうするか。やらなければならないことは山ほどあった。

 まずは休眠状態にあった管理組合の立て直しだ。15年6月に臨時総会を開き、あらためて理事を決めた。

 つぎに、散り散りになった所有者たちの意向を確認しなくてはいけない。

 石坂さんらは不動産登記簿に載っていた28の個人・法人にアンケートを郵送した。回答は21、無回答が3。4通は宛先不明で戻ってきた。

 回答があった21人のうち19人は、すでにマンションを利用していなかった。

2人が「年に5〜10泊利用している」 と答えた。

使い続けたいという声は皆無で、解体をめざすという方向性は決まった。保証期間が切れる寸前だったエレベーターを止め、建物は閉鎖した。15年10月に改めて管理組合の定期総会を開き、解体の方針を決議した。


全員同意の「壁」

 管理組合の「財布」を調べ直してみると、修繕積立金が約3500万円残っていた。理事を務めていた3人ら、一部の所有者が管理費・積立金を払い続けてきたことが大きかった。解体費用のめどは立った。だがそこで最大の難関が立ちはだかった。「所有者全員の同意」だ。マンションを壊すのに、なぜ全員の同意が必要なのか。

マンションを壊すのは

@建て替える
A更地にして売却する

という二つのパターンがある。

原則として

@では所有者の5分の4以上、
Aでは所有者全員の合意

が必要となる。ただしAには特例もある。耐震性が足りないマンションや、大規模に被災したマンションについては5分の4以上の合意があれば、解体・売却できる。

マンション苗場も耐震性が足りない可能性があり、特例の「5分の4以上」の合意による解体も検討した。だが、行政の手続きでかえって時間がかかるかもしれないと判断。全員合意を目指す方針をとった。

 全員から合意を取り付ける仕事にあたったのは大野元さん(61)だ。ひまわりグループのリゾマン専門の管理会社、エンゼルの管理部長としてこの問題を担当した。

 大野さんはさっそく壁に突き当たった。所有者不明問題だ。

 所有者へのアンケートで、宛先不明で戻ってきてしまったのは3人と1法人。送り先の住所を訪ねてみたが所有者は見つからない。

 大野さんは周辺の「聞き込み」から始めた。3人のうち1人は飲食店オーナーだったが、すでに自己破産して行方がわからなくなっていた。ただし、飲食店の元従業員がいることがわかった。訪ねて事情を聴くと、元従業員もかつてマンション苗場を利用したことがあるという。すぐに元オーナーに連絡を取ってくれ、協力を得られることになった。

 法人の1社は2部屋を持っていたが、何度か住所が変わった末に事業の実態はなくなっていた。最後の住所地を訪ねるとマンションが建っていて、手がかりはなくなった。

 それでも大野さんは聞き込みを続けた。訪ね歩くうちに、ふと目についた診療所の看板に、元経営者の特徴のある名字と同じ名前があった。その診療所に飛び込んで事情を話すと、医師の父が、探していた法人の元経営者だとわかった。

 残った2人には、管理組合が滞納分の管理費の支払いを求める裁判を起こした。裁判所からの手紙である「送達」は、郵便局の転送期限が切れても可能な限り転居先を追いかけて届けられる。これで2人とも連絡が取れた。

 このうち1人は、納める管理費を一部減額することを条件に解体に協力してくれた。

 最後の1人になった。でも、解体には合意できないという。もともと、管理組合との関係がこじれていた所有者だった。


最後の1人

 いざこざの原因は複雑だ。

 その人が買ったマンション苗場の部屋は競売物件だった。元の所有者が住宅ローンを滞納したため差し押さえられたのだ。

 ここで「債務の引き継ぎ」というやっかいな問題が持ち上がる。

 競売物件を買った人が、元所有者の住宅ローンを肩代わりする必要は、もちろんない。ところが、元所有者が滞納していた管理費などの債務は、物件の新たな所有者に引き継がれるのだ。

 管理組合は滞納分の支払いを求めたが、新たな所有者は応じなかった。そこで管理組合は、この所有者がマンションを利用することを拒否していた。

 説得に当たったのが大野さんだ。「あなた以外の所有者は解体に合意しています。このまま幽霊屋敷になって事故が起きたら、あなたが責任を問われますよ」などと説き、ようやく解体することにだけ合意が得られた。


個人の土地を、管理組合が競売に

 ついに全員の合意を取り付けた。17年10月の管理組合総会で解体を決議した。残っていた修繕積立金約3500万円を使って解体を始め、昨年6月に更地になった。

 あとは更地を売るだけ、という段階で、最後まで解体に応じなかった1人が土地売却に反対した。そこで管理組合は、その人の所有分である土地を競売にかけることを申し立てた。管理費の滞納があるため、「債権者」である管理組合は土地を競売にかけることができる。今年2月、新たな所有者が落札し、一連の敷地売却が完了した。

 こうした苦労を重ねてようやく更地になった敷地を買ってくれたのは、近くのペンション経営者で、500万円を出してくれた。大野さんの努力もあって、滞納管理費など1千万円以上を回収できた。

 解体工事費や諸経費などを差し引くと、500万円近くが残った。これを、ずっと管理費などを払い続けてきた7戸の所有者の5人に分配した。

 理事長の石坂さんは振り返る。

 「管理がない状態が続いて積立金がたまっていたので、工事費に回せた。初期のリゾートマンションだったので、所有者はもともと比較的余裕のある人たちが多く、協力が得られたことも大きい」


思い出のマンション

 ほかにも、いろいろな課題に直面した。解体にあたって工事車両の出入りや足場の設置場所が必要だったため、隣の土地を借りたいと頼んだときのことだ。

 隣の土地の所有者から、借りるのではなく買うよう求められた。応じざるをえなかった。

 解体前、苗場マンションを「社員寮にしたいので丸ごと売ってほしい」という話が舞い込んだこともあった。石坂さんたちは真剣に検討した。しかし、本当に責任を持って使ってくれるかの確信が持てず、断った。

 その会社が近くでやると言っていた事業は、いまはない。もし売却していたら、マンション苗場の所有者たちは楽になったかもしれないが、物件そのものは今も放置され、廃虚になっていたかもしれない。

 「自分が中学生のときに親が会社の保養所として買い、友達と何度も利用した思い出のマンションだった。廃虚になることが避けられて、本当によかった」

 石坂さんはほっとしているという。(松浦新)
http://www.angel-r.com/pdf/asahi_1.pdf


http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/565.html#c532

[リバイバル3] 「住宅は資産」という幻想で誰があなたをカモにするのか? 中川隆
248. 中川隆[-10173] koaQ7Jey 2019年5月24日 22:19:36 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2173]

廃虚同然リゾマン、執念の解体 全員同意へ所有者を追跡 2019年4月27日

負動産時代

 つくるのは簡単だが、こわすのは大変。それはマンションの宿命といえる。一度建ったマンションを建て替えたり、更地にしたりするには、所有者の大多数、場合によっては全員の同意が必要だからだ。

 築44年で老朽化が進み、所有者も散り散りになっていた新潟県湯沢町のリゾートマンション(リゾマン)が 昨年取り壊され、更地として売却された。所有者全員が同意してのマンション解体は全国的にも珍しく、「奇跡的」ともいえる。売るに売れず、税金や管理の負担が重くのしかかる「負動産」の問題を長く取材してきた記者が、現地に向かった。


リゾマンの草分け

上越新幹線の越後湯沢駅から車で約30分。「マンション苗場」があった場所はいま、きれいな更地になっている。

 全国屈指のスキーリゾートとして知られる苗場高原にこのマンションが建ったのは1975年。6階建て、40〜50平方メートルの30部屋にレストランなどもあり、リゾートマンションの草分け的存在だった。その後、バブル期にかけてリゾマンが次々と建ち、そのバブルも崩壊したため、利用者は激減した。

 管理費の滞納も相次ぎ、管理組合は機能不全に。2003年を最後に大規模修繕も行われなくなり、廃虚に近づいていった。


立ち上がったオーナー

 朽ちゆくマンションの惨状を見かねて、立ち上がった所有者たちがいる。その一人が新潟県柏崎市の建設会社社長、石坂泰男さん(54)だ。会社名義でマンション苗場の物件2戸を持ち、先代社長だった父は管理組合の理事長をしていた。石坂さんは「このまま廃虚になることだけは避けたい」と、14年に地元の不動産仲介会社ひまわりに相談した。


 廃虚同然のリゾマンをどうするか。やらなければならないことは山ほどあった。

 まずは休眠状態にあった管理組合の立て直しだ。15年6月に臨時総会を開き、あらためて理事を決めた。

 つぎに、散り散りになった所有者たちの意向を確認しなくてはいけない。

 石坂さんらは不動産登記簿に載っていた28の個人・法人にアンケートを郵送した。回答は21、無回答が3。4通は宛先不明で戻ってきた。

 回答があった21人のうち19人は、すでにマンションを利用していなかった。

2人が「年に5〜10泊利用している」 と答えた。

使い続けたいという声は皆無で、解体をめざすという方向性は決まった。保証期間が切れる寸前だったエレベーターを止め、建物は閉鎖した。15年10月に改めて管理組合の定期総会を開き、解体の方針を決議した。


全員同意の「壁」

 管理組合の「財布」を調べ直してみると、修繕積立金が約3500万円残っていた。理事を務めていた3人ら、一部の所有者が管理費・積立金を払い続けてきたことが大きかった。解体費用のめどは立った。だがそこで最大の難関が立ちはだかった。「所有者全員の同意」だ。マンションを壊すのに、なぜ全員の同意が必要なのか。

マンションを壊すのは

@建て替える
A更地にして売却する

という二つのパターンがある。

原則として

@では所有者の5分の4以上、
Aでは所有者全員の合意

が必要となる。ただしAには特例もある。耐震性が足りないマンションや、大規模に被災したマンションについては5分の4以上の合意があれば、解体・売却できる。

マンション苗場も耐震性が足りない可能性があり、特例の「5分の4以上」の合意による解体も検討した。だが、行政の手続きでかえって時間がかかるかもしれないと判断。全員合意を目指す方針をとった。

 全員から合意を取り付ける仕事にあたったのは大野元さん(61)だ。ひまわりグループのリゾマン専門の管理会社、エンゼルの管理部長としてこの問題を担当した。

 大野さんはさっそく壁に突き当たった。所有者不明問題だ。

 所有者へのアンケートで、宛先不明で戻ってきてしまったのは3人と1法人。送り先の住所を訪ねてみたが所有者は見つからない。

 大野さんは周辺の「聞き込み」から始めた。3人のうち1人は飲食店オーナーだったが、すでに自己破産して行方がわからなくなっていた。ただし、飲食店の元従業員がいることがわかった。訪ねて事情を聴くと、元従業員もかつてマンション苗場を利用したことがあるという。すぐに元オーナーに連絡を取ってくれ、協力を得られることになった。

 法人の1社は2部屋を持っていたが、何度か住所が変わった末に事業の実態はなくなっていた。最後の住所地を訪ねるとマンションが建っていて、手がかりはなくなった。

 それでも大野さんは聞き込みを続けた。訪ね歩くうちに、ふと目についた診療所の看板に、元経営者の特徴のある名字と同じ名前があった。その診療所に飛び込んで事情を話すと、医師の父が、探していた法人の元経営者だとわかった。

 残った2人には、管理組合が滞納分の管理費の支払いを求める裁判を起こした。裁判所からの手紙である「送達」は、郵便局の転送期限が切れても可能な限り転居先を追いかけて届けられる。これで2人とも連絡が取れた。

 このうち1人は、納める管理費を一部減額することを条件に解体に協力してくれた。

 最後の1人になった。でも、解体には合意できないという。もともと、管理組合との関係がこじれていた所有者だった。


最後の1人

 いざこざの原因は複雑だ。

 その人が買ったマンション苗場の部屋は競売物件だった。元の所有者が住宅ローンを滞納したため差し押さえられたのだ。

 ここで「債務の引き継ぎ」というやっかいな問題が持ち上がる。

 競売物件を買った人が、元所有者の住宅ローンを肩代わりする必要は、もちろんない。ところが、元所有者が滞納していた管理費などの債務は、物件の新たな所有者に引き継がれるのだ。

 管理組合は滞納分の支払いを求めたが、新たな所有者は応じなかった。そこで管理組合は、この所有者がマンションを利用することを拒否していた。

 説得に当たったのが大野さんだ。「あなた以外の所有者は解体に合意しています。このまま幽霊屋敷になって事故が起きたら、あなたが責任を問われますよ」などと説き、ようやく解体することにだけ合意が得られた。


個人の土地を、管理組合が競売に

 ついに全員の合意を取り付けた。17年10月の管理組合総会で解体を決議した。残っていた修繕積立金約3500万円を使って解体を始め、昨年6月に更地になった。

 あとは更地を売るだけ、という段階で、最後まで解体に応じなかった1人が土地売却に反対した。そこで管理組合は、その人の所有分である土地を競売にかけることを申し立てた。管理費の滞納があるため、「債権者」である管理組合は土地を競売にかけることができる。今年2月、新たな所有者が落札し、一連の敷地売却が完了した。

 こうした苦労を重ねてようやく更地になった敷地を買ってくれたのは、近くのペンション経営者で、500万円を出してくれた。大野さんの努力もあって、滞納管理費など1千万円以上を回収できた。

 解体工事費や諸経費などを差し引くと、500万円近くが残った。これを、ずっと管理費などを払い続けてきた7戸の所有者の5人に分配した。

 理事長の石坂さんは振り返る。

 「管理がない状態が続いて積立金がたまっていたので、工事費に回せた。初期のリゾートマンションだったので、所有者はもともと比較的余裕のある人たちが多く、協力が得られたことも大きい」


思い出のマンション

 ほかにも、いろいろな課題に直面した。解体にあたって工事車両の出入りや足場の設置場所が必要だったため、隣の土地を借りたいと頼んだときのことだ。

 隣の土地の所有者から、借りるのではなく買うよう求められた。応じざるをえなかった。

 解体前、苗場マンションを「社員寮にしたいので丸ごと売ってほしい」という話が舞い込んだこともあった。石坂さんたちは真剣に検討した。しかし、本当に責任を持って使ってくれるかの確信が持てず、断った。

 その会社が近くでやると言っていた事業は、いまはない。もし売却していたら、マンション苗場の所有者たちは楽になったかもしれないが、物件そのものは今も放置され、廃虚になっていたかもしれない。

 「自分が中学生のときに親が会社の保養所として買い、友達と何度も利用した思い出のマンションだった。廃虚になることが避けられて、本当によかった」

 石坂さんはほっとしているという。(松浦新)
http://www.angel-r.com/pdf/asahi_1.pdf


http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/615.html#c248

[近代史3] 内閣官房参与をクビにされた藤井聡先生、遂に本音を語る 中川隆
21. 中川隆[-10172] koaQ7Jey 2019年5月24日 22:42:07 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2174]

【Front Japan 桜】日本経済が落第生の理由 -
今の消費増税は「害」しかない[桜R1-5-24] - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=4POHZ97qB8Q


キャスター:三橋貴明・藤井聡

■ ニュースPick Up

■ 日本経済が落第生の理由

■ 今の消費増税は「害」しかない
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/140.html#c21

[リバイバル3] B&W なんて買うと 10年後に後悔しまっせ _ 超高性能だけど中高音がキンキンして音楽にならないダメダメ・スピーカー

B&W なんて買うと 10年後に後悔しまっせ _ 超高性能だけど中高音がキンキンして音楽にならないダメダメ・スピーカー

B&W 805 D3 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=B%26W+805+D3+++&sp=mAEB

B&W - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=B%26W

B&W HP
http://dm-importaudio.jp/bwspeakers/home/l4/Vcms4_00000177.html


価格.com - Bowers & Wilkins(B&W)のスピーカー 人気売れ筋ランキング
https://kakaku.com/kaden/speaker/itemlist.aspx?pdf_ma=381


amazon.co.jp Bowers & Wilkins スピーカー
https://www.amazon.co.jp/s?k=Bowers+%26+Wilkins+%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC&s=price-desc-rank&__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&qid=1558264215&ref=sr_st_price-desc-rank


ヤフオク! -「B&W スピーカー」の検索結果
https://auctions.yahoo.co.jp/search/search?p=B%26W+%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC&va=B%26W+%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC&exflg=1&b=1&n=20&s1=cbids&o1=d


B&W-SOLID 製品一覧
https://audio-heritage.jp/BandW/index.html


スピーカー追求道 B&Wというメーカー 
http://www.diyloudspeakers.jp/5000html/bandw/bw.html


ハイエンドスピーカー B&W 800 D3シリーズ
http://www.ac2.jp/tp/au_bw800d3.html


▲△▽▼


B&Wなんて買うと、10年後に後悔しまっせい。


がははは、今日も、●ユニオンに逝ったら、どこかのお父さんがB&Wとタンノイを切り替えて試聴していました。

B&Wになったとたんに、空気が死んでいましたね。 中域がカンカンして聴くに耐えない。

アタイは詩が萩原朔太郎をもって終わったように、ピュアオーディオは20世紀で終わったと思ってます。その意味は、20年前の音を超える場に出会ったことがない。むしろ映像の世紀としてAVに知恵が流れていくほうが自然に思える。
http://sniperfon.exblog.jp/7395004/


▲△▽▼

B&W のスピーカー


B&W 801 (1979)

B&W 801F (1982)

B&W 808 (1984)

B&W Nautilus (1995)

B&W Nautilus 801 (1998)


B&W 800 D3 (2016) : 425万円・ペア/税抜
http://kakaku.com/item/K0000910821/


B&W Silver Signature 25 (1993) : 116万円・ペア/税抜

B&W Signature Diamond (2007) : 260万円・ペア/税抜


B&W 800 D3 (2016) : 425万円・ペア/税抜
http://kakaku.com/item/K0000910821/


B&W 802D3 (2016) : 340万円・ペア/税抜
http://www.bowers-wilkins.jp/Speakers/Home_Audio/800_Series_Diamond/802-D3.html#close


B&W 805 D3 (2016) : 88万円・ペア/税抜
http://kakaku.com/search_results/805d3/?category=0002_0019

___


B&W Nautilus の後継機種

VIVID audio GIYA G1 SPIRIT (2016) : 900万円・ペア/税抜
http://www.stella-inc.com/02vividaudio/lineup.html


▲△▽▼


B&Wのスピーカー、音が硬すぎますね。硬質なJBLより二段階くらい上の硬さです。

スタティックでJBLのような躍動感が無い。ダイナミクスもない。
ジャズやロックは JBL と比較すると悲惨な音がでる。

ハイ上がりで高域がキツ過ぎる。サ行がきついハスキーな女性ボーカル。
かなり時間掛けてエンハンサーCDの信号入れたり、鳴らしこんだりしましたが、音楽を聴くにはいかにも音が硬すぎる。


リニアフェイズ採用、位相特性の見事さ、小口径ウーファーをパラッてバッフルをギリギリまで狭めたデザインなどによる音場感の見事な再現性は他社と比べても特筆すべき優秀さがあるけど、ある程度パワーを突っ込まないと包み込まれるような実感が得られにくいと感じた。

最大の問題点は、JBL よりも繋ぐ機器やケーブルの良さが出ないと感じた事。
なにを鳴らしてもB&Wの音になる。

モニタースピーカーなのになぜ?と思ったけど、実はB&Wのスピーカーは全モデル
コンシューマー用なんだってさ。

鳴らしこみ十分な個体と思うので、これがこのスピーカーの音なんじゃないかなあ・・・・・

確かに高忠実度の音で、ポテンシャルは確かに凄いけど、自分の思うような音では鳴ってくれない。性能は出てるから部屋のせいではないと思う。

分析的に聴く際の解析力はやはり凄い!
しかし音楽鑑賞には使えた物じゃない。


▲△▽▼


この酷い音があの有名な B&W のスピーカーか


私のオーディオ人生-第8回 オーディオの浦島太郎


私が再度オーディオを再開したのは

第1回 過去に苦労したオーディオ
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-001


でご紹介したように百円ショップで買ったたった一枚のCDです。これが私の人生が大きく狂わせたと言っても言い過ぎではない、たった一枚のCDそれはバッハのチェンバロ曲です、

カーステレオで聞いた瞬間、もう一度オーディオをやろうと決意したのが2003年の春です。

一軒のオーディオショップで恐る恐る玄関のドアーを開けて店の中に入った、

店のフロアーには沢山のスピーカー郡が所狭しに並べられアンプも棚に整然と陳列してある。

 よく見ると見たことも聞いたこともないメーカーが沢山あるではないか、過去の人気商品などは一台も見当たらない、

今のオーディオマニアはこのような機器で音楽を楽しんでいるのか、

アンプ類はすべてが半導体ばかりで真空管アンプなど一台もない、心の中で「時代は変わったな」と一人呟いた、

 色んな製品を見ていると中年の店主らしき方が私に「何をお探しでしょうか」と声をかけてきた

「スピーカーは何がご希望でしょうか」

私は奥に置いてある中型のフロアータイプでSPボックスの上に(ゲゲゲの鬼太郎の目玉おやじ)が乗っているような変わったスピーカーを指で指し「このスピーカーで聴かせてください。」と指示した、

そのスピーカーはどこのメーカーなのかわからないにも関わらず音出しを待った、国産?外国製?見たことも無いタイプだがユニークな外観だ、


 出てきた音は確かに流麗で柔らかい響きを伴った個性があまり表に出ない音である、

私は独り言で「これが現代のサウンドなのか」

正直に言って良い音なのか悪い音なのかさっぱりわからんのが本音である、


店員に私は「今、接続してある機器はどの様なラインアップですか?」と質問すると店員はすかさず

「CDトランスポートはOO製の製品で価格は約百万、

D/AコンバーターはOOO製で価格は50万、

プリアンプとメインアンプはジェフローランドの最新モデルでアンプだけで約300万です。

スピーカーは有名なB&Wでトータルが600万ぐらいですねぇ」

とすまし顔、追い討ちをかけるように

「これぐらいオーディオに投資しないと良い音は聴けませんよ」

こんなセリフを簡単に言われると・・・


現代のオーディオマニアはこんな高価なシステムで音楽を聴いているのかと思うと内心腹が立つのを通り越してバカバカしさが先に来た、

こんな高い趣味は他にはない!
オーディオマニアと名が付く連中は異常とも思える、

私は腹ただしさを感じながら店を出た、

 夢を抱いてもう一度オーディオを再開したいと思ったが出鼻を挫かれたような気がしてくる、

外から見たオーディオの世界

ハイエンドとかピュアーオーディオとか言う事を耳にするが簡単に買えないようではオーディオ産業も先が見えてくる、

オーディオフェアーを見学すると各社ブースには新製品を並べてあたかも当社の製品がベストワンと言わないばかりに誇張して宣伝しているが、

本当に自社で生産したアンプなど無く設計開発だけは国内?で行なわれ生産は人件費の安い中国、ベトナムで作っているのであればもっとコストダウンが図られ価格破壊的な安い製品が流通してもよさそうなのに現状は価格がどんどんエスカレートしていく、

今の半導体を採用したアンプ技術は(どんぐり)の背比べで特別な回路を開発して商品化しても音は極端に変わらない、

オーディオは趣味の世界と言えども価格が無限大で上昇するようではもうお金がいくらあっても趣味とは言えなくなる。


オーディオ雑誌等にマニアのシステムがカラー写真で載っているが途轍もない高価な機器を使用している方がお見えだが、持っている人はただ自慢をしたいだけでの自己満足ではないのか、

完成品を個々に組み合わせてオーディオをするのなら金を持っている奴が勝ちのような気がしてくる。


オーディオを再開する前、雑誌等の広告を見ると個々のパーツが途方も無く高い、

現代のアナログプレーヤーのカートリッジが20万〜30万と聞くと(あんなキャラメルみたいな小さな物が)と言いたい、

オーディオにのめり込んでしまうと金銭感覚が麻痺して当たり前になってしまうのだろうか?恐ろしい世界だ、

 CDトランスポート?

横文字で言うから高級感があるけど簡単に言えばデジタル信号読み取り機だ、
一般的に考えればCDプレーヤーと何処が違うのだろう、しかもこんなのが何十万もするとは私には理解がしがたい、

今は、DVDプレーヤーだって10万円も出せば立派な物が買えるのに、たかがデスクを回してデジタル信号を出力するだけなのにどうしてこんなに高価になるのだろう、オーディオマニアは高いは良いと勘違いしているのでは・・・

DVDプレーヤーは音声信号と画像信号をデジタル信号にしてテレビに映し出しているのに音声信号しか用途がないのに価格がべらぼうに高い、それでもオーディオマニアは買う、オーディオに興味がない人から見れば不思議な世界だ、


トータルで何百万も投資してするオーディオもあれば、お金をかけずに良い音を求めるオーディオもある、少ないお金で良い音を出す、これこそオーディオの勝ち組であり醍醐味でもあると思うのですが、

(今までマニアの高額なオーディオシステムを聴かさせて頂いたが良い音で鳴っているのは一つも無い)

少ない予算で考えるオーディオ

オーディオショップのあの店主の態度は(貧乏人はオーディオをするな)と嫌味に感じ取れる、

過去に自分の音が思うように鳴らないためどんどんエスカレートしていくマニアを沢山見てきましたが、そのようなマニアに共通しているのは音に対して自分のポリシーがない人が多い、

過去に苦労したオーディオを踏み台にして遠回りせずに最短で良い音を出すには音作りのノウハウも必要だが、他のマニアの音も聴かせて頂きその人の苦労話やオーディオ哲学に素直に耳を傾けないと(井の中の蛙)で終わってしまう、

オーディオこそ出てきた音こそすべてである。音に問題があれば必ずそれには原因があるはずだ、最初から素晴らしい音が出て自己満足しているようでは進歩はない、

オーディオに限らず自分以上のレベルの高い人は世の中沢山います、その様な方からアドバイスを頂き自分のレベルアップを図る、オーディオに対して謙虚になればなるほど音も比例して良くなるのではないだろうか、

少ない費用でオーディオを楽しむには自作と創意工夫を持ってやる、これが私の(オレ流のオーディオ)かな?
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-008
 


▲△▽▼


49.オーディオ/音楽・ネタ / 蔵 2011/10/25(Tue) 09:05

しかし昔のアルテックやJBL、エレボイの技術力は高かったですよね。
局長曰く

「JBLとアルテックはWEの直系、子どもだから」

だそうです。それに比べると ウィルソンやB&W、アヴァロンなどはゴミに等しいとも言われましたが、同感ですね。

と、嘗て一時期JBLを離れ、B&Wの800シグネイチュアーに走った私は語ります。いえ、それを使ったが為、逆にJBLやアルテックの素晴らしさを再認識した次第です。


1: テツオ 2011/10/25(Tue) 09:16
>蔵さん
ダメですよ、800シグネイチュアーに走っては。(笑)
きんどーさんが

「アンプ依存症のスピーカーなんて欠陥商品だ」

と明言しましたが、その通りだと思います。
http://ppp.atbbs.jp/jbl4344jp1623/mode/all/49/0


6: 蔵 2011/11/15(Tue) 08:45

友人宅へ。何でも94年に690万円で発売されていたクレルのKASを導入した為です。その友人は私が譲ったB&W800シグネイチュアーを使っていますが、そのKASで真価を発揮。

しかしA級動作、8Ωで350Wのモンスター・アンプでやっと真価を発揮するスピーカーって何か解せません。


7: テツオ 2011/11/15(Tue) 09:23

B&Wの800シグネイチュアーですか。

記憶違いでなければ、ノーチラス801が出た頃、アビーロード・スタジオでノーチラス801を鳴らすアンプとして、クラッセのオミクロンが大量にあったのを覚えています。

ああいう超弩級のアンプでしか鳴らないものなのか、とびっくりしたものです。

こういうスピーカーは果たして本当に正しいスピーカーなのか疑問ですね。ウィルソンもですが。
http://ppp.atbbs.jp/jbl4344jp1623/page/35


54.音楽&オーディオ・ネタ / きんどーちゃん 2011/11/15(Tue) 21:33

>蔵さん
蔵さんはいつも800シグネイチュアーの話になると話題を変えようとしますよね(笑)。

何かトラウマでも?

蔵さんは800にパスのX600やクラッセのオミクロンMKUを使用なさったそうですが、それでもご不満だったようですね。

クレルのKASで鳴ったのですか。これは、そういうスピーカーは欠陥商品としか言いようがないですね。


2: 蔵 2011/11/16(Wed) 09:18

いえ、何と言ったら良いのか。やはりトラウマでしょうか。

800シグネイチュアー。(苦笑)

800シグネイチュアーを鳴らしきる為に、クラッセのオミクロンMK2まで導入しました。

それでなる鳴るようになったのですが、クラッセ、私の嫌いな音でした。(笑)

それで完全に鳴らなくともいいや、と思いレビンソンの336Lに換え、数年後、こちらに来た次第です。

それまではアルテックの自作スピーカー、JBLの4435のマルチと来て、何故、B&Wに走ったのか、自分でもよく解りません。

多分、新鮮な音に聞こえたんでしょうね。

でも紆余曲折を経て、今のJBLとオートグラフに出会え、嬉しく思っています。


3: マロン 2011/11/17(Thu) 07:57
>蔵さん
クラッセのオミクロンMK2って、評論家の三浦某が使っていた重量100キロ以上のアンプですよね。

すごいですね。


5: 蔵 2011/11/18(Fri) 09:42
>マロンさん
そうです。ただ三浦某氏がウィルソンを鳴らしていたのはMK2化される前のモデルですが。

800シグネイチュアーか・・・・・。私のオーディオ・ライフにおける最大の汚点だな。
http://ppp.atbbs.jp/jbl4344jp1623/page/30


B&W社のスピーカー


32 :Terry:2007/10/08(月) 09:57:40 HOST:p5012-ipbfp405kyoto.kyoto.ocn.ne.jp

昨年オーディオを再開するとき、いろんなスピーカを視聴しましたが、B&W も Dali もどれも同質の音で「コレでなくっちゃ」というのがありませんでした。

そのときは B&W でなく Dali を購入しましたが、それもいちばん安いの。

あれこれ言わず音楽を聴く分にはそれで十分以上だったのですが、でも半年過ぎたころから飽き初めて、結局は20年前の国産SPに戻ってしまいました。


10 :金持ち人:2006/02/12(日) 09:42:07 HOST:236249078203user.viplt.ne.jp

一見聞くと、B&Wのスピーカーは良い音がするように感じますが、長く使う人が少ない、音に飽きてしまうのでしょう。


11 :S&L:2006/02/12(日) 12:41:33 HOST:softbank218127146034.bbtec.net

>音に飽きてしまうのでしょう。

僕もそうおもいます。

確かに、凄く綺麗な音で欠点がほとんどない感じの音なのですが、どっぷりと漬かってしまうような部分があるんですよね。
一頃は売れに売れてハイエンドの代名詞になってましたが、最近はどうなんでしょう。
ジャズも全然問題なくてオールマイティな印象ありました。
しかし、良いスピーカーであることは確かです。


12 :金持ちの人:2006/02/12(日) 21:11:44 HOST:030229211203user.viplt.ne.jp

失礼なことを言うかも知れませんが、代理店と店が一体となってB&Wを売りまくってきましたが、そろそろ限界にきています。

B&Wの宣伝費に莫大な金を使いました。評論家と言われる方にも沢山・・・・しました。
はじめはユーザーをごまかすことが出来ても、ズ〜とというわけにはいきません。


13 :S&L:2006/02/12(日) 23:45:13 HOST:softbank218127146034.bbtec.net

>はじめはユーザーをごまかすことが出来ても、ズ〜とというわけにはいきません。

そこまで悪いスピーカーとは思わないけどね。(笑)
なんか、スピーカーとは別なところで悪い印象があるだけでないですか?


14 :金持ちの人:2006/02/13(月) 12:43:51 HOST:247229211203user.viplt.ne.jp

B&Wの価格設定が物凄いのです。聞いたらビックリ。
せっかく購入したなら、好きな人は楽しんで使ってください。


16 :金持ちの人:2006/02/14(火) 09:15:11 HOST:247229211203user.viplt.ne.jp

そんなこと言えませんが、常識では考えられない多額の宣伝費を投入しました。
会社一丸となって広告費、店へのリペート、評論家への○○等。

店や評論家が推薦すればたちまち売れますから。ユーザーなんかちょろいちょろい。


17 :株主:2006/02/15(水) 15:56:19 HOST:K118068.ppp.dion.ne.jp

確かにナカミチが代理店をやってた以降は、凄かったですね。

個人的には、技術者の皆さんは好感が持てます。
イギリス系の人の中では、クセのあるシステムや人物と言うよりニュートラルに近い人が、多いかもしれません。・・・ある意味、日本的かも?。 

- アメリカのADSの技術が行ってるかも?・・・。


19 :パルジファル:2006/02/16(木) 18:24:19 HOST:cf01.pref.okayama.jp 

同じ会社が輸入してるヘリコンとかいうスピーカーも人気が高いようですが、やはり宣伝が上手いんでしょうね。

 実際、聴いてみても、どこがいいんだか私には全く解りません。


20 :K.S.:2006/02/16(木) 18:53:52 HOST:ZL059198.ppp.dion.ne.jp

この掲示板の方々はB&Wに厳しい評価の方が多いようですね(私もその一人)。

特に古い?人にとって「昔は箸にも棒にも引っかからなかった?(怒られそう!)」B&Wが特に大きく変わった訳でもないのに、これほどまでに売れる事自体が異常に思える人も多いのではないでしょうか?

しばらく前にインフィニティーが馬鹿売れしましたが今は・・・二の舞か?


21 :金持ちの人:2006/02/16(木) 21:32:40 HOST:241188211203user.viplt.ne.jp

パルジファルさん  
B&Wと比べればヘリコンは大変良心的です。価格設定も大変良心的ですよ。
私がいうのですから間違いありません。ユーザーがどう捕えるかです。


2 :ひまじん:2005/11/14(月) 21:36:01 HOST:YahooBB220009068121.bbtec.net

私は、B&Wのユーザーなのですが、サブシステムに使っていますが、確かに音は良いです。

B&Wは、新素材のケブラーで出来ているわけですが、紙のスピーカーより安定していて湿度などの条件であまり音質が変化しないようです。

今日は、メインに使用の懐古なスピーカーは、天候としばらく使っていなかったせいで、音が好くありません。

B&Wは、イギリス製で、日本国内はもとより世界各国に輸出しているので、どこの国でもある程度評価を得るために、音質も個性的な音ではないようです。

日本のオーディオマニアの中には、音の評価も個性が少ない為に、つまらない音と評価されることも多いようですが、CDプレーヤーとアンプに良い物を選んで使用しますと、音楽が活き活きと鳴ります。

かつて、この掲示板で「B&Wノーチラス」が取り上げられましたが、評価が大変悪い投稿もあったと記憶しています。

今後は、日本のメーカーが日本と言う小さな市場で、本格的なスピーカーを作り続ける事は大変困難だと思います。かつてのオーディオ全盛期とは違い、今は条件が悪すぎて日本のメーカーはスピーカーからは事実上撤退したという状態です。
一部AV用のローコスト製品を作るだけのようです。スピーカーに限らず、オーディオ製品は世界市場で戦える製品を出せるメーカーしか生き残らないかも知れません。

もう一つは、ハイエンド・オーディオの分野で、個性的で高額商品でも買うユーザー層を狙った物も根強い需要があるようです。

B&Wは、800Dのようなハイエンド向けから、AVで使うようなDM600シリーズも出しているわけで、そうした事からも世界戦略をめざしていることが分かります。


4 :名無しさん:2006/01/17(火) 00:48:41 HOST:ZL013003.ppp.dion.ne.jp

確かにジャズを除けば、奥行きの音場感がすばらしくハイパワーアンプ(FET200w以上&400W以上)を使用しますとさらに良くなります。


5 :パルジファル:2006/01/17(火) 13:04:58 HOST:cf01.pref.okayama.jp 

ジャズの場合は、出るべきところで音が前に出てくれないと、らしくないですからね。

 それから、アンプの駆動力をより要求するってのは、ウーハーのダンパーがかなり固いためでしょう。なので、非力なアンプでは初動感度が得られに難いということですよ。

 しかし、「音場感」がウリのスピーカーって、リスニングルームの影響でそのウリの部分が大きく異なってまいりますから、良くも悪しくも誤解されやすいところですね。


22 :金欠:2006/03/19(日) 01:11:25 HOST:ZO157177.ppp.dion.ne.jp

>ウーハーのダンパーがかなり固いためでしょう。

確かにダブルダンパーや固めのエッジのやつは、音量上げないとダメですね。
小音量では聞けない・・・。


6 :名無しさん:2006/01/18(水) 15:06:07 HOST:ZQ082104.ppp.dion.ne.jp

確かにヨーロッパのスピーカーは、部屋の作りがレンガ・石等を想定してるでしょうから、使いこなしに一工夫はやらないとだめでしょうね。


7 :パルジファル:2006/01/18(水) 17:52:04 HOST:cf01.pref.okayama.jp 

壁や床が強固ですと、間接音が増え、音像も手前に張り出して、元気のいい音になりますね。

 その点、強固でない部屋では、SP背後の壁に音像が張り付いたようになることも。

 ま、ウチのボロ家では、背後の壁に張り付くどころか、壁の向こう側に音像が定位しちゃいますけどね。(勿論、調整済みですが。)


8 :貧乏人:2006/01/25(水) 16:00:41 HOST:ZO153092.ppp.dion.ne.jp

多分ジョンバウアーのイメージしてる音は、前に出る音だと判断してます。

例の大型モニターの設計から見ても、そう感じます。
30cmユニット-4発のやつ-


23 :bmw:2006/04/03(月) 23:27:28 HOST:59-190-119-212.eonet.ne.jp

2000年に802を買いました。
本当は JBLパラゴンをツイターを 075→045 に変え、ネットワークなしで
マルチで鳴らそうかとか、コンデンサーで自分の耳を信じながら思考錯誤してました。

そのときのメインスピーカーは ALTEC A7 でしたが、初めて聞く802の凄さはある意味、JBL ALTECを凌ぐものでした。

OLD JBL は確かに鮮やかさと軽さとリアルさを・・・ALTEC はまさにそこで、クリフード・ブラウンがトランペットを吹いてるような錯覚さえ覚えます。

しかし、802の腰の強さはなんとたとえればよいのでしょうか・・・

つい最近 Dタイプの存在を知り、不精になってしまった僕は聞いていませんが、
今の時代にこの SP からオーディオの世界に浸れる人たちが羨ましいですね。


27 :パルジファル:2007/10/06(土) 23:52:08 HOST:wacc2s1.ezweb.ne.jp

私もジジイに近づいたのか、最近は英国製 SP でひっそりとバロックでも聴きたいな〜と考えておりますが、昔憧れたスペンドール BCU だとかハーベ スHL みたいな音のSPが無いですね〜。

去年出逢った BCU のレプリカでも、ツイーターが元気過ぎて、全然音が違ってた。

ま、しかし、あの類いは長持ちしない作りになっているんでしょうナ。
吸音材にスポンジ使ってたりとか。


28 :SX3NW:2007/10/07(日) 11:24:37 HOST:28.19.87.61.ap.yournet.ne.jp

昔、大手家電店の積み上げ試聴室ぢゃスペンドールとかロジャースとかビクターのSXシリーズとかどれもインパクトがないんだよね。

あそこで聴いてインパクトある物は自宅に持ってくると手綱をそうとう締める必要があるんだ(笑)

ハーベスHLも5型やコンパクト以降は元気いっぱいの鳴り方するようになってたね。

B&Wについては、今の国産SPはほとんど擬似B&Wになっちまったようだ。
良く言えばフォロワ〜。逆だと物真似。ま、日本の得意分野だな(笑)


29 :パルジファル:2007/10/07(日) 12:55:58 HOST:wacc2s2.ezweb.ne.jp

装置を買う時には試聴しない方がいいですナ。
下手に試聴しちゃうと買うものが無くなってしまいます。

エイヤッー!と買ってから後戻り出来ない状態になれば、油汗かきながらでもなんとかせざるを得ないので、なんとかなっちゃう。


30 :SX3NW:2007/10/07(日) 21:40:08 HOST:28.19.87.61.ap.yournet.ne.jp

あんな試聴室ぢゃ一番地味に鳴るのがイイんですよね(笑)
部屋持ってくりゃ1/2の距離で聴くことになるんだし。

バッフルぎりぎりサイズのウーファーにメタルドーム2個付きのキンキラ金の国産3ウェイなんかは気をつけなきゃならん。

そういえばB&WのSS25は高能率フルレンジのような鮮度とピントきっちりで
素晴らしい音だったけど、デザインが酷いんだ(笑)


31 :Moon:2007/10/07(日) 23:09:25 HOST:i219-164-18-178.s02.a001.ap.plala.or.jp
>>29
 パルジファルさんの発言に1票!
と云いたいけど、私は『卒塔婆』と呼んでいる現代SP
試聴の前に見ただけで買う物なくなって、20年前のままです。


33 :パルジファル:2007/10/08(月) 13:27:17 HOST:wacc3s2.ezweb.ne.jp

聴かずにエイヤッー!の前提として、十分な予備知識と経験に基づくカンがありませんと、大失敗で冷や汗出っぱなしになってしまいますけどね。

それにしても、Moonさんがおっしゃるとおり、今時いい SPが無いですナ。
音さえ良けりゃ、墓石型でも目玉オヤジ型でも我慢するけどね〜。
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/music/11602/1131836376/


▲△▽▼

45 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/04(火) 06:13:10 ID:omPvYYRn

タンノイユーザーがB&Wは数年で消えると断言 :


304 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 20:37:23 ID:IpVKZK9M

乗せられて買うのは一時的もんだろ。
買っても悪きゃ直ぐ放出される。

それを30年繰り返し未だに人気が有り値が付く。
悪い流行物は自然淘汰されていくもんなんだよ。

確かにVLZは万人に向く物でもないし万能でもない。
消えていったスピーカーは5万と有れど生き残ってるには意味がある。

今、B&Wやディナを評判聞いて買うのとは訳が違うんだよ。
30年後に上の2つは間違い無く残ってない。

http://unkar.org/r/pav/1190728028

614 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/09/24(金) 14:19:14 ID:OWkQ/CtL

B&Wは直ぐ飽きるんだな

615 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/09/24(金) 14:41:56 ID:xI8O8Fhw

B&Wのスピーカーを欲しいとは一度も思った事がない

623 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/09/24(金) 21:08:15 ID:QBHoK88W

B&Wは人間のにおいがしないスピーカーだよな。 愛着が湧かない。

153 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/08/07(土) 20:28:54 ID:ReWhNcYY

B&Wの高域のカサつきはなんとかならんものかね

152 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/08/07(土) 20:12:28 ID:7Hq7YkAb

良心的なショップでJBLとB&Wどっちがいいかな?

って尋ねると即答でJBLと返ってきた。 理由を聞くと一生使えるってことだ。
それは音質は勿論だがそれよりも将来に渡りサポート(交換部品等や修理が安価)がしっかりしてるからと言われた。 で、俺は一生もんとしてJBLの4348を買って6年が経過してる。

154 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/08/07(土) 20:47:14 ID:cU/nyzHR

JBLもB&Wも良いとこは当然あるにしても、無難な音で面白くない。

http://toki.2ch.net/test/read.cgi/pav/1260664587/

93 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/09/23(金) 00:55:37.00 ID:SQoFElgt

あの音色を退屈でつまらないと思わない訳?
音色を判断出来る耳を持たず雑誌の評価を頼りに選んだ800やら802やら買ったから尚更図星で必死なんだろうね


86 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/09/22(木) 18:22:46.14 ID:ixOWwJkE

同じB&W機種同士での差別のし合い、醜いのうwww

どうもdiamondを以前の800モデルと差別化したい様だが、800diaとなっても、単調でスピーカーに音が張り付いた様な鳴り方しかできない、
空間表現能力皆無、スケール感皆無で「ただ、音が出てるだけ」 であるのは変わらない。

買ってしまったお馬鹿さんはなんて糞耳なんだろうと思うが、本当に他社製と聞き比べて買ったのか?

例えば、激しく高価格帯でなくとも、サシャ、KtemaやG2 GIYAなど(他にもあるが)の上品で、心に響く音色を奏でる、空間表現にも優れた他社SPだってあるだろうに・・・
デザイン性でも800の野暮ったさにくらべ、洗練され勝負にならないレベル。

800買ったお前ら、センスなさすぎw

88 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/09/22(木) 20:06:52.54 ID:ZQZ4+OsG
>>86
B&Wは優等生と揶揄されるけど、何でも単調で半端な再生に成ってしまうのは仕方ない所ですね。

音楽のモニターではなくて、音のモニターというか・・・

107 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/09/24(土) 00:17:37.96 ID:8y53sbG4

まぁ、800系はモニター系SPであり、音楽を聴くSPで無いことを認識出来ない糞耳所有者しか買わないがw

雑誌の提灯記事をあてにして購入した連中ばかりだから、そりゃ糞耳だよねw

800系はデザインも下品で卑猥な感じだし、購入者のセンスも疑われる...

123 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/09/25(日) 00:24:23.59 ID:X04mYplM

800信者って余程の糞耳か、自らの音色の判断で機種選びも出来ないというまさに弱者の癖に、他を認めず、800最強と周囲に宣伝しまくるというまさに精神病患者なのだが、お前らはそれを自覚しているのか?

133 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/09/25(日) 01:44:56.05 ID:NUdDEL+I

煽るつもりはないけど実際にストライクに欲しいと思える音で鳴ってる800DやDiaは、ショップも個人宅も経験ないんだよな。

DやDiaは密度や量感が出るのに薄っぺらい粒子感がね。
初めはそれがハイエンドっぽくて良かったんだけど。
気なるけど手が出ないSP。

パワーのないパワーアンプの方が合うのだろうか。

136 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/09/25(日) 02:13:06.08 ID:LGWZuOUq
>>133
バカだな。優等生な女性を色気出させるのが良いのではないか。

137 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/09/25(日) 02:16:16.21 ID:X04mYplM

何を鳴らしても、音がSPに張り付いた様にしか鳴らない上に退屈でとてもつまらない音色なのに、それを自分で音色が評価出来ないから雑誌の提灯記事を鵜呑みにして意気揚々と購入する糞耳がいて、その癖して800最高とか吹聴してるキチガイが多数いるのが問題

冷静に他社SPと800を比較すれば、音楽聞くのにまともな神経があれば800は普通買わない、デザインも下品だしw

センスのないモテないオッサンが買うSPかな800はwww

583 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/10/29(土) 12:28:27.33 ID:/cFYaoel

800シリーズは内部配線がヴァンデンハルの特注OFCなんでエージングに時間がかかりすぎるのが欠点だな。

高域がキレイに抜けるまで1000時間くらいはかかると思う。
昔からヴァンデンハルはそう。長く使えば使うほど馴染む。

鈍いユーザーの中には気付いてない奴もいるだろうが、1000時間くらい使った後、音がさらに良くなってるケースがあると思われる。 高域にほんの少しだけあった腫れぼったさが消えるのがエージング完了の合図。

http://toki.2ch.net/test/read.cgi/pav/1316406070/

19 :名無しさん@お腹いっぱい。:2001/03/25(日) 04:52

B&Wは確かに中低域が薄くて中高域がきんきんって言うのはわかるけど単にセッテイングやアンプとの相性がだめなだけじゃないのかな。
http://mimizun.com/log/2ch/pav/985368592/



http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/955.html

[リバイバル3] B&W なんて買うと 10年後に後悔しまっせ _ 超高性能だけど中高音がキンキンして音楽にならないダメダメ・スピーカー 中川隆
1. 中川隆[-10171] koaQ7Jey 2019年5月25日 05:36:25 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2176]

B&W のモニター用スピーカーはプロが調整すれば物凄い音になるんだけど…


B&W 800シリーズは再生面での一切の誤魔化しが効きません。

旧マトリックスシリーズは現行のノーチラスシリーズと比べると全域に軽快なナチュラルさと穏やかさがあり、トゥイーターが歪んで五月蝿いと感じさせるようなことはあまり無かったのですが、Nautilusへモデルチェンジされ一気に現代的な高い解像度とスピード感を獲得した結果、厳格なモニタースピーカーとして接続される機器や録音の誤魔化しが一切許されない厳しさも同時に兼ね備えてしまった印象があります。そんなB&W 800シリーズのアキュレートなシビアさを目の前にすると、私などは身の丈に合わないと感じてどうしても尻込みしてしまいます。

迂闊にノーチラスに手を出したりすると・・・そのセッティングの神経質さを持て余してコントロール不能に陥り、望んでいたような音質が得られず、結果さじを投げ出したくなるかも知れません。B&Wの上位機種を中途半端なシステムと組み合わせてしまった場合、高域が金属的に耳につく、リラックスできない神経質な音に終始してしまうのです。

B&Wのサウンドは、正にモニタースピーカーの名に相応しい歪みのないアキュレートな広い音場とそこに浮かぶ正確でシャープな音像、強烈な解像感を伴うセンシティブでクールな高域とフラットな周波数特性など、他メーカーのスピーカーとは次元の異なる圧倒的な情報量が特徴です。反面これだけの情報量と引き換えに使いこなしの難しさも第一級。

ノーチラス・ツイーターの応答性の良さが災いし、生半可なクオリティのアンプやケーブルを繋げて音出しをした場合には、高域方向の神経質さが耳につきとても長時間聴いていられない類のキツく耳に痛い音になってしまう状況にしばしば出会います。

かといって分解能の低く高域方向が丸まった甘い音色のオーディオ機器との組み合わせではノーチラスが持つ本来の高解像度を基調とした高性能な持ち味を十分発揮することは出来ません。ノーチラスをそれらしく鳴らすためには、全帯域に於いてハイスピードで情報量が多く色付けを廃しながらも一切の歪み感を感じさせない質の高いアンプ・SACDプレーヤー・スピーカーケーブル・クリーンな電源システムなど、ブランドに惑わされないトータルでの優れたリスニング環境を揃えることが必須になります。

B&W800シリーズは、

艶っぽい個性的な音色を備えた危うい魅力のスピーカーに真空管アンプを繋げて、出てくる音は非現実的だけれども夢のような魅惑の音空間〜♪

的な方向性とは思考回路が全く正反対にあるスピーカーだと云えると思います。
http://www.audiostyle.net/archives/19598366.html


「新生B&W 800dの音に問題あり!?」

2005年3月25日、全国初という店頭展示品のB&W 800dが搬入されました。いつもなら速攻でハルズサークルの皆様に私のインプレッションを配信しているところなのですが、なぜあれから10日間経ってもそうしなかったのか?

それは私が800dの音に納得できず、逆に失望してしまったからなのです。

「なんだか低域の輪郭が見えないな〜? それに以前に802dを聴いた時のように透明感も薄いし、オーケストラの各パートもばらばらみたいにつながりが悪いし…」

私はここでのスピーカーのセッティングでは、これまでの経験から左右のトゥイーター間で3メートル、私の耳から約4メートルという距離でNEOやStradivari Homageなどのリプレースメントをしてきました。そのトライアングルの関係を何も疑うことなく、上手くNEOとStradivari Homageの中間に800dを配置して三者のスピーカーが等環境で聴けるようにしました。

次に気がかりなのはスピーカーケーブルです。YEMANJA BI-WIREはスピーカー側の4本のうち2本だけを長らく使用してきました。NEOやStradivari Homageはシングルワイヤーでの接続なので、残る2本のケーブルはまったく未使用でありバーンインは全然出来ていないものです。私はバーンインが完了している2本を800dの中・高域に、まったく使用していなかった方をウーファー用としてつなぎました。これが第二の要因でした。

セッティング、ケーブル、アンプの相性という三つの要素がまっさら新品の800dに関して私の期待にそぐわない第一声を出してしまったのではないかと推測してしまいました。各々の要素を調和させるためにも先ずはバーンインを進めなくてはと、自分を納得させてPADのシステムエンハンサーをリピートさせることにしました。

              -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

翌日も試聴しましたが昨日の印象は変わりなく、それからの数日間の配信の中でも「これから800dを試聴してみます」と述べていたものですが、大勢に影響なく数日が経過していきました。

そして、次の展開がありました。それは気になっていたアンプの相性ということでNEOの低域コントロールで抜群のドライブ力を発揮していたChord SPM 14000が戻り、この組み合わせでもシステムエンハンサーを三日間徹夜でリピートさせてきた3/31のことでした。

そろそろケーブルのバーンインも進み、これほど強力な制動力を持つパワーアンプを駆使しての800dの音は果たしてどうであったか?

              -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

今度こそは、と期待して試聴に望みましたが、ダメでした。私が色々な曲を試聴しての印象は800dに関する低域再生が以前のS800と比較しても解像度、分解能、ダンピングのされ方、などで極めて不満であり疑問に思うという結論に致りました。
 低域の音像が膨らみます。打楽器のテンションはゆるく不要な響きを残すようです。ドラムやベースに引き締まった質感がなく膨張しています。 ドラムのアタックもゆるくなっていてスピード感もありません。 また微妙に音階が異なるドラムの連打などももったりとして音階が変わる部分が再現されません。

 エレキベースの音も正体不明にブーミーな感じがします。 オーケストラではわかりにくいのですが、ティンパニーなどの音像が大きくなりコントラバスの音は洪水のように溢れてしまいます。

 今日は耳の良いお得意様がNEOと比較されて、800dよりもNEOの方が良いという印象を口にしました。もちろん私は何も言っていませんが、お客様に与える印象がこのようなことでは今後の試聴と接客に自信はもてません。

 返品したいくらいです・・・(-_-;)

 私は深刻に800dの音がこのままであったらどうしようかと色々と悩んでいましたが…!?

「コンポーネントとしては願うべくもないレベルのものが揃っており、ケーブルも次第にバーンインが進んでいる。これらの要素が問題ないとすると消去法で考えると残る可能性はなんだろうか!? そうだ!! これをやってみなくては!! 」

トゥイーター間3メートルと他のスピーカーと同様に整然と並べたものの、待てよ?
Signature 800の時もNautilusの時もトゥイーターの間隔は2.4から2.8メートル程度でベストではなかったか? では私のリプレースメントに間違いがあったのでは!?

早速トゥイーターの間隔を2.4メートルとして私の耳からの距離も約3.6メートルと一回りトライアングルを小さくした。


              -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

先ず最初に低域の打楽器の輪郭がどう表現されるか、重量感とスピード感は両立するのか、というチェックに昨日まで何度もかけていたAudio labの「THE DIALOGUE」から(1) WITH BASSをかけてみることにした。すると…?

「あー!! キックドラムに個体感が出てきた。テンションがふたまわりも引き締められているぞ!!

ウッドベースの輪郭が鮮明になってる!! そうだよ、これだよ!!」

と、あまりの変化の大きさに唖然としながらも、以前の記憶を上回るクォリティーが私のデータファイルを瞬時に更新していく。では次だ。

多用な楽器が背景を埋めてヴォーカルも同時にチェックできるものをと「Muse」からフィリッパ・ジョルダーノ 1.ハバネラをかけることにした。ヴォーカルはもちろんだが、センターでゆったりとならされるドラムの響きがチェックポイントだ。

「うんうん、そうそう、これだよこれ!!」

今まで扁平に広がり緩慢になっていたドラムが明らかに変わっている。拡散していた低音のエネルギーをセンターにかき集め密度感を高めたように濃密で重々しいドラムに変わっているではないか!!

そして、あろうことかフィリッパのヴォーカルはバックコーラスでもセンターでのメインヴォーカルでも両方で鮮度を高め、周囲との色彩感でコントラストを鮮明にしているではないか。なんと言うことか!!

一般的にオーケストラはスピーカーの間隔は広い方が音場感も出やすいと思われているものだが、おなじみのマーラー交響曲第一番「巨人」小澤征爾/ボストン交響楽団で第二楽章をかけた。

「おいおい、うそだろう〜」

左側からの弦楽器のエコー感を右チャンネルが引き継いで拡散していく、逆に右側の弦楽器の余韻感は左チャンネルが引き受けて余韻感を広げていく。私が常々感じていた左右チャンネルの連係による音場感の再現がこの時に達成された。

ヴァイオリンの質感が今までと違って潤いを帯びているのはなぜなんだ!?

金管楽器の解像度が上がりストレスもなくなり聴きやすくなったのはなぜなんだ!?
木管楽器の音色がしなやかに変化したのはなぜなんだ!?

Nautilus以来私はB&Wのスピーカーに関してはクロスセッティングを標準としているのだが、その効用としては三次元的な音場展開と奥行き感の素晴らしさ、そしてセンターに位置するヴォーカルなどの質感と背後の伴奏の対比がある。当然今回の800dでもクロスセッティングを初めからしていたのだが、今日のセッティングの変更からチェックしなくてはと次にかけたのはおなじみの…。
http://www.kkv.no/ 


kirkelig Kulturverksted(シルケリグ・クルチュールヴェルクスタ)
・Thirty Years’Fidelity より

7.トラックでは冒頭のコーラスが始まったところで私の口はしばらくあきっぱなしとなってしまった。昨日までの空間表現よりも三倍くらいの深みがあり、余韻感の浮遊する時間軸は二倍くらい増加したのではと思うくらいに伸びがある。

そして、Ole PausのVoiceはぎゅっと圧縮したように800dのセンターで濃密な質感をたたえ、口元の輪郭がくっきりと浮かぶ。こんなにも違うものなのか!!

10.トラック目では更なる驚きが待っていた。女性ヴォーカリストRIM BANNAがソロで歌い上げる導入部で既に違いがわかる。中空に浮かぶという表現を私は良く使うのだが、昨日までは彼女の口元はピントがずれた写真のように実態感が希薄だった。しかし、今日のセッティングで変化したのはまさにタイトリーフォーカス!! という感じでトレーシングペーパーでなぞれるほどの輪郭を引き立たせているのである。

なんということだろうか!! この一週間というもの私は何を聴いてきたのか!!

              -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

新しい800d、801dと802dに関しては標準仕様のボールスライダーを取り外してB&Wが純正アクセサリーとして供給するスパイクに変更できるという。しかし、私は今までは多数のスピーカーを置き換えてベストポジションに移動するためにスパイクに換装することはしていなかった。

しかし、今日の変化は大きすぎる。セッティングによって誤った評価をしたのではいけないと考え、日本マランツの澤田氏に尋ねるとB&Wは800dだけは無条件でスパイクを取り付けて音出しをしていたと言うではないか。そこで純正のスパイクを直ちにマランツ担当者に発注し、それが来るまではとゴールドムンドのコーンを使って800dをスパイクで三点支持に変更してみた。そうしたら…!?

「あら〜、どうしてオーケストラの弦楽器がきれいになるの!?なぜキックドラムのテンションが引き締まるの!?

なぜヴォーカルはウェットに滑らかになるの!?」

今までテストしてきた曲を次々に聴き直すたびにスパイクのよる変化の大きさが直前までの評価をすべて塗り替えていくではないか!! これは違いすぎるぞ!!
800dを導入して十日目にしてやっと私は本当のパフォーマンスを引き出すことが出来ました。そして、昨日までの状態が続いていたとしたら何と被害甚大なミスを犯すところであったと、セッティングの重要さを今更ながら思い知るところです。

              -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

この段階でさえ仮のスパイク設置にして音質の変化に驚いていたのですが、事実は更に奥深いものがあったのです。それでは、まず下記のリンクをご覧下さい。

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/op-pho/bw-spike.html


私が上記にてゴールドムンドのコーンで三点支持で試聴したということは、この写真1においてボールスライダーに引っかからないようにフロント側に二個、リアー側に一個のスパイクを台座の側壁というか写真2で見られる板厚の縁で荷重を支えるような位置にゴールドムンド・コーンをはさんでセッティングしたものでした。
さあ、本日手配しておいたB&W純正のスパイク・キットが到着しましたので、それを早速取り付けることにしたのです。

滅多に見ることが出来ないので800dの台座の底部ですが、これが写真1です。ここに見られるビスを取り外すと写真2のようにネットワークが見られるということですね。

多数のビスを取り外すので電動ドライバーを用意したら、何とこの部分のビスは普通のプラスネジでもヘックス(六角)レンチのビスでもなく、いわゆるスターレンチという特殊な工具で締め込むタイプのものでした^_^;従って一個一個手で取り外しするということになりました。

そして、写真3がボールスライダーを取り外した部分を拡大したものです。
どうですか、この肉厚のある装着部の剛性は!!

四方四辺の板の縁に簡易的にスパイクをはさむように事とは違って、これほど重厚な構造にスパイクを取り付けるのだから更に違いが出るだろうと期待が膨らむ!!
125Kgもある800dを一人で横倒ししてスパイクを取り付けるのは危険なのでお勧めできないが、ピアノ運送で納品された際に業者の手で交換することは可能であるという。

さて、次に注目して頂きたいのは純正スパイクの構造だが、Signature 800に付属していたスパイクのシャフトの太さの三倍程度の太さがあり、それを写真4でまず注目して頂ければと思う。この極太シャフトにかぶせるようにリングがねじ込まれているが、これは高さ調整のあとに固定するためのものです。

ご覧のように床面を傷つけないように合成樹脂の先端を付けたものとスパイクのもの二種類を選択することが出来、更に取り付けたときにシャフトの高さを調整できるようにタッピングが切ってある肉厚の盛り上がりがある方とない方を上下で選択できる。私はここでのセッティングでは写真4の右下の方法で設置しました。
私も多数のハイエンドメーカーのスピーカーに装着するスパイクを色々と見てきましたが、これほど極太シャフトで剛性が高いものを見たのは初めてです。あっ、そうそう、ゴールドムンドのFULL EPILOGUEの一番下に付いているスパイクもこのくらいの太さでした。

いよいよ取り付けが終わったのが写真5です。この状態で直接床にぐさりと置きましたが、この状態で台座の底面は床から6センチまで上がりました。しかし、125Kgの800dが文字通りビクともしない状態を手に感じるとやってよかったと思いました。
腹具合に満足して試聴に入っていくと…!?

なんということか、センターポジションのソファーに歩いていく途中で既に鳴り方が変わっているのに驚いてしまった!!

最初のこの一曲でこけたら、もう次はないと思っている(笑)マーラー交響曲第一番「巨人」小澤征爾/ボストン交響楽団で第二楽章をかけることにしました。
トゥイーター間隔3メートルで、次に2.4メートルにして誤解が解け、次に簡易的にスパイクで三点支持でと、この過程においても800dの中高域の素晴らしさは十分にわかっていたつもりだったのですが、完全に昨日までの音は間違いであったと瞬時に見せ付けられることになってしまいました。

「なんなんだ、このノイズフロアーの低さは!! それが楽音のすべてに予想以上の変化を与えているではないか!! 」

床への設置を確実にすること、メカニカルアースを確立するということが聴感上でのノイズフロアーを引き下げるということは何度も経験したきたはずですが、この時に私の耳が受け取った変化のありようは尋常ではなかった!!
「この弦楽器は最高だ!! 」

冒頭の弦楽器の合奏で瞬間的に感じた一言は私のレベルでこれまで聴いてきた音質の膨大な記憶との照合での感動です。光り輝きながら響くヴァイオリンでありながら刺激成分をまったく含まず、弦楽器の音をスピーカーという存在がここまで浄化してくれるのかと驚きと感動が胸を熱くするほどでした。

そのB&Wの理論を実際の音質に仕上げるために何が必要であったのか?

剛性の高いスパイクで設置することによって表れたのは、800dの周辺に存在する空気の浄化作用に他なりません。今までは微量の霧か水蒸気と例えられるものがあったことに気が付かなかっただけなのでしょう。それは肉眼では気が付かない半透明の白く極薄のベールをふんわりとスピーカーにおおいかぶせていたようなのです。
それが、今日の800dではダイヤモンドの放つ熱い輝きに瞬間的に蒸発されられてしまったように視界が晴れ渡り、鮮明さという言葉を二乗したほどに楽音を明るく浮かび上がらせています。

しかし、このような弦楽器の質感がしなやかで聴きやすいということは、歪み感が究極的に除去されたということかと思いました。すると木管楽器のたおやかな質感も解像度を向上させているので、余韻感に潤いが追加されてきました。逆に金管楽器がエネルギッシュに吹かれる場面では耳に刺さるようなストレスはまったくなく気が付かないうちにボリュームが上がってしまいます。

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これではすべてを聴き直さなければ…、という思いが浮かび迷うことなく次の選曲に進んでいきました。
http://www.kkv.no/ 


kirkelig Kulturverksted(シルケリグ・クルチュールヴェルクスタ)
・Thirty Years’Fidelity より


7.トラックでは出だしのコーラスが始まった瞬間に私の過去の記憶からサーチして以前の音質との相違点を次々と発見し、同時にこれがベストなのではという思いから記憶のデータを瞬間的に上書きしてしまった。

10.トラック目で女性ヴォーカリストRIM BANNAがソロで歌い上げる導入部を耳にした時には予感から実感に変わっていた。

「なんでこんなに色彩感が濃いんだろうか!?」

歌手の発する声質そのものが濃厚になり、私から見てそこにいるだろうという位置関係がことさらに鮮明になっている。今まで聴いたきたこのディスクの情報は例えればトレーシングペーパーをかぶせて透かし見た画像だったようだ。それがなんとしたことか、今日の800dでは一点の曇りもないガラスを乗せて彼らの歌声を見ているように色合いと輪郭、そして色彩が薄れていく余韻感までもがくっきりと描かれるのだから堪らない!! 視覚的にこのように例えられる変化が起こってしまったのだから、もう昨日までの800dの記憶には価値観を見出すことが出来ないほどだ!!

              -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

さあ、次だ!! チェックしたいディスクに交換していくのが加速される!!

たAudio labの「THE DIALOGUE」から(1) WITH BASSをかけてみる。すると…?

「これじゃあ詐欺だ!! 昨日までの800dの低域は何だったんだー!!」

呆れる、というのはこのことか!? 今までは2.4メートルの間隔で再セットしたが、同時に4個のウーファーも2.4メートルの左右の間隔があり、片側の800dの二個のウーファーは高さで60センチくらいの開きがあるので、縦0.6メートル横2.4メートルの長方形の面積で最初の頃の800dの低域は感じられていました。

ところが、今ここで叩かれるキックドラムの音像はそのような横長の長方形に見える音像のサイズから、縦横60センチ四方の正方形に変化して800dのセンターにくっきりと打音のあるなしを表現しているではないか!! この引き締まりようはなんとしたことか!! そればかりではない。

打音の有り無しと表現したのは打撃音のエコー感と感じていたものは、実は不要な共振か何かの原因で録音に入っていないものが現れていたということがわかってしまったのです。つまり、強力なブレーキがかかっている低域なので、打撃音が消え去った後には何も残っていないということを当然のごとく見せ付けるのです。

それがシンバルや金属の鳴り物を叩いた高域の打音についても、上記のノイズフロアー低下という現象を裏付けるものになっており、スティックがヒットした相手の楽器の正面からの投影面積を極めて小型化してしまっています。これは凄い!!

プロゴルファーの愛用のクラブでは打点の一部が中心に集まっているようにキズがあったり、プロテニスプレーヤーのラケットではガットの中心点だけが磨耗しているように、打楽器のスイートスポットを未体験のレベルで絞り込んでいるのです。こんなDIALOGUEを聴くのは初めてです!!

そして、低域の音像が引き締まりながら同時に重みを増していること、高域の打音に関しても音像が小型化してテンションが上がっているというエネルギー感の集中が実現されたということ、こんな変化がセッティングの変更でたちどころに表れるのだから800dの能力が底なしに見えてくるのでした。

              -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

弦楽器とオーケストラ、そしてヴォーカルと打楽器と次々にチェックポイントを新記録で通過していく“今日の800d”で、次にこれをかけてみることにした。
「Muse」からフィリッパ・ジョルダーノ 1.ハバネラをかけることにした。
http://www.universal-music.co.jp/classics/healing_menu.html


これはBRASS SHELLの開発の時にSignature 800で耳が擦り切れるくらい(笑)何度も繰り返し聴いたことを思い出しながら、その冒頭のバックコーラスとフィリッパのセンターに浮かぶメインヴォーカルの対比をチッェクし、そしてセンターでゆったりと鳴らされるドラムに着目し、フォルテで拡散していくエコー感の描写力に目と
耳を傾けてきたものだった。

さあ、本物の800dが何を聴かせてくれるのか!?

イントロのバックコーラスでは実に多彩なハーモニーが展開されていることに驚く。抽選券や宝くじの銀色のスクラッチを思い出してしまった。スクラッチを削るのに細いペン先で削っているように銀色の面に引っかき傷をつけていたようであり、今まではどうやら細い数本の削り跡から何が書いてあるのか文字の一部から想像していたようなのです。

ところが、今聴こえてきたフィリッパのコーラスとセンターに位置するヴォーカルの鮮やかさはどうでしょう!! 幅2.4メートルの全面にバックコーラスが展開するどころか、800dの両翼に更にエコー感を拡散しているのでキャンバスの面積は1.5倍ほども大きくなっている。そのキャンバスには先ず下地として鮮やかなブルーが全面に塗られ、それが乾いてから純白で上塗りしていたようなのです。次にオイルだけを筆先につけて擦るように動かすと、下地のブルーが白といっしょに溶け出してきれいな水色が表れてきます。しかし、白のキャンバスに最初からいきなり水色の絵の具を乗せたものとは周囲のグラデーションのあり方が本質的に違うようです。

白と水色の境目はどうしても見えてしまいますが、下地のブルーと上塗りした白がオイルの量によって水色と化し、オイルがなくなってきた周辺部では溶け合った二色がえもいわれぬ中間色として楽音の余韻感を代弁してくれるようです。真ん中はくっきりと、しかし周辺部では次第に中間色から白へとなだらかな階調の変化を見せるということは、楽音の核心をいかに鮮明に描き出すのかという800dの能力の表れ、そしてセッティングによる潜在能力の開花としか言いようがありません。

冒頭の複数のヴォーカルを聴き始めた瞬間に立ち上るイマジネーションの絶対量は、実は私の想像力の産物ではなく、誰もが体験できる800dという存在の極めて優れた中立性に他ならないのです。無色透明であるからこそ、録音に封じ込めたアーチストのセンスが原色のままで引き出されるという事実はそれほど多くないものです!!

さあ、センターにドラムが一定のリズムで出てくる頃合です。すると…!?

「え〜、どうしてこんなに!?」

先ほどのDIALOGUEで見せた低域の音像が、面積として六分の一になってしまったという例えは見事にここでも発揮されました。しかし、ちょっと背景との位置関係が違っています。

今までは縦0.6メートル横2.4メートルの長方形は左右ウーファーの下半分くらいから床面に裾を広げるように展開していました。ちょうど富士山の白い頂上付近に最初の打音があって、その余韻感がゆったりと裾野を広がっていったというイメージでしょうか? しかし、たった今のこれはなんとしたことでしょう!!

ドラムの打音の最初のポジションは上下二個のウーファーの上側とミッドレンジのユニットがある高さ付近に持ち上がって聴こえるではありませんか!!

何でドラムのような楽器の定位感がこんなにも変化してしまうのか!!

そこで考え始めました。800dのクロスオーバー周波数は350Hzと4KHzです。そして…

新トゥイーターの新しいサスペンションによる低域共振周波数は、現行のものに比べてわずか20%の200Hzです。これによってファーストオーダー(6dB/oct)のフィルターの使用(つまりコンデンサー1個だけ)が可能になりました。
ネットワークに使用する全てのフィルムコンデンサーにはドイツのムンドルフ社製スペシャルコンデンサーを採用しています。特にダイヤモンド・トゥイーターには金含有銀箔コンデンサー(M-Cap Supream Silver/Gold)を採用しています。

もちろん音圧レスポンスのスロープはファーストオーダーではありません。ドライバーユニット自身の特性と合わせて実際には、ほぼセカンドオーダー(12dB/oct)の特性になっています。通常この場合平坦特性を得るにはドライバーユニットを逆相接続することが必要ですが、B&Wはこのような接続をとったことがありません。

それは基音に対してハーモニクスが逆相になるからだと言います。単純に半波長分前に出すことによってシステムは常に正相を保てるわけです。これがノーチラスヘッドに対して今回のダイヤモンド・トゥイーターの先端が以前に比べてクロスオーバー周波数の半波長分前に出た取り付け位置になったことの要因です。

そして低音用ドライバーについて三つの重要な要素があると言います。コーンは非常に強いコーンが必要です。レゾナンス(共振)レゾナンスに対する良好なダンピングが必要です。トランス・ミッション(伝達性)キャビネット内部からの音に対する低い伝達性、つまり遮断性が必要です。

B&Wはロハセル(PMIポリメタクリルイミド独立発泡体)と呼ばれる新素材を発見しました。これがロハセル(サンドイッチ)コーンです。

ロハセルとはドイツ、ローム社のハイテク素材であり(ポリメタクリルイミド独立発泡体)航空機やスペースシャトル、新幹線のボディに使用される軽くて非常に剛性の高い素材です。厚いロハセル(8〜10mm)の表裏にカーボンファイバークロスを貼って(サンドイッチにして)使用しています。軽く、剛性が高く、内部損失が大きく、遮音性が高い。B&Wはこのコーンによって、ペーパーケブラーコーンの三倍の強度を得ました。

さて、この新しいウーファーはクロスオーバー周波数である350Hzから上は18dB/octでハイカットされ、ミッドレンジは上下ともに12dB/oct、そして上記のようにトゥイーターは6dB/octでローカットされています。私の経験上、これらのネットワークにおける遮断特性とスロープのあり方はセッティングによって真価を発揮するもの
とそうでないスピーカーがありました。簡単に言えばシステムの変更やセッティングの変更による音質変化を引き出すためにはネットワークがシンプル、かつパスしていく情報量に欠落があってはいけないということです。

逆説的に言えば、今起こったような低域の反応の素晴らしさがB&Wの純正スパイクによって引き出されたということでネットワークの優秀さを裏付けるものと言えます。セッティングの変化によって低域の楽音の上下の定位感が変化するということは、セッティングを変更する前後でも電気的には同じ仕事をしていたということになり、微細な情報をスパイクなしでも伝送し再生していたということになります。
その微細な情報の伝送ということはウーファーとミッドレンジの連係によってもたらされるものであり、一番大きなエネルギーを消費し、それをキャビネットに伝えてしまう低域の信号だからこそスパイク使用時に大きな変化があったのでしょう。
ここです!! 新素材の採用によって究極の高速反応を得た800dのウーファーは同時にキャビネット内部からのバックプレッシャーを遮音する効果も倍増し、ミッドレンジとの連係作業によって司る低域の定位感にも変化を引き起こしました。それはボディー全体を支持する方法がスパイクの使用によって本性を表したものということ、いやB&Wはスパイクを標準としてこれらの音を作ってきたということなのです!!
              -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

Yo-Yo MaのSimply Baroqueを取り出してきました。

http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Arch/SR/YOYOMA/
10. Concerto in G Major for Cello and String Orchestra, G. 480


この曲は思い返すことが出来ないほど多数のハイエンドスピーカーたちで試聴してきました。その中には800dの数倍にまで及ぶ価格帯のものもあり、音楽CDで座右の銘というものがあるとすれば、私の場合にはこの一枚を手元に置くでしょう。

上記ではウーファーとミッドレンジの連係による低域楽器の再現性を述べましたが、800dが描くチェロはちょうど打ってつけの楽器かもしれません。そんな思いを胸にP-01をスタートさせました。

「あ〜、何と美しいことか。流れるような…、とはこのことだ!! 」

アムステルダム・バロックオーケストラとコープマンのコンビがポッケリーニの名曲を奏で始めました。オリジナル楽器のヴァイオリンの透き通るような音色が左右の800dの中間にほとばしります。さあ、この時に私が感じたことは、先ず以前に数え切れないほどに聴き込んできたはずなのに、ヴァイオリン演奏者の数がこれほどまでにないくらいに大人数に感じるということでした。

ひとりひとりが奏でるアルコはことさら質感に柔軟性を帯びているのに、なぜか凛とした佇まいを見せて各々の輪郭を引き立たせ、一人ずつ独立した奏者であることを自己主張する。それらが幾層のレイヤーとなって800dの周囲に一人ずつ色合いの違う余韻感を発することを800dによって許可されたように、今まで気が付かなかった奏者一人ずつの余韻感の尾ひれが観察できるのです。これはなんと言うことか!!
今まで、これほどの情報量がたたまれてしまってあったなんて!!

導入部でのヴァイオリンが800d周辺の空気に流動感を作り出し、その中に定点としてコープマンのハープシコードがきらめきを定着させる。美観と解像度という感性と物性表現の両者をいとも簡単に同居させるような再生音は始めてだ!!

さあ、3ウェイのすべてのユニットが共同作業で再現しなければならないYo-Yo Maのチェロが入ってきた。それを“見た”私の口から思わず言葉が漏れる…。

「あ〜、チェロが浮かんでいるぞ!!」

軽やかな音色のバロック・チェロに改造したものをYo-Yo Maは弾いているのだが、その音階の変化に応じて定位感がふらつくようなことはない。私の正面3.6メートルの距離にある800dはそれ自体が高さ60センチ程度の小ステージを持っているかのように、床面からすべての楽音を空間に持ち上げ音場感を上へと拡散する。過激な打撃音でウーファーの特性を語るのは以前のB&Wスピーカーで散々やってきたものだが、この時間帯と今の心境からはアグレッシブな再生音は勘弁して欲しいと思われた。

私が800dで強調したいところは3ウェイのシステムでありながら、すべての楽音が音階の移行によって切り離されることなく素晴らしい連続性が得られるということです。それは上記で述べているように打楽器の強烈なアタックでも、そして今この瞬間のYo-Yo Maとコープマンを取り囲むアムステルダム・バロックオーケストラの演奏でも同じことなのです。

それは超高速反応のウーファーによってミッドレンジとの境目をなくしたことで実現できるたものであり、コンデンサー一個という一次フィルターで使えるようになったダイヤモンド・トゥイーターとミッドレンジとの整合性の素晴らしさでもあり、そして3ウェイのユニット三者に共通したテンションと高精度な動作環境として今日の実験で明らかになった純正スパイクという土台の確立という複数の要因が成しえたものなのです。

私は、Simply Baroqueを聴きながら、オリジナルNautilusを思い出し、Signature 800で試聴した記憶を呼び起こし、そしてこれまでに手がけてきた本当に多数のスピーカーたちの個性を再評価してきました。

それは何を意味するのか!!

800dこそ私が過去に体験しえなかった能力を持っているスピーカーだということを今夜認めてしまったということです。  
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/bw800/7f.html


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「1,600万円のオーディオ装置」 2008.3.28

先日のブログにも書いたことだが、とある友人の紹介でオーディオ輸入業を仕事とされている方のご自宅を訪問させていただき、ご自慢の装置でいくつか音盤を聴かせていただいた。

何とスピーカーや高性能アンプ、CDプレーヤーなどで正味1,600万円ほどだという。地下1階の防音の効いた30畳ほどのリスニング・ルームにどっしりと鎮座している様は誠に神々しい。

あらゆるジャンルの音楽(J-Popから民族音楽風のもの、Jazz Vocal、クラシック音楽など)を耳にしたが、どうやらこのマシーンはオーケストラを聴くために調整してあるらしく、やはりクラシックのしかも管弦楽曲が抜群の音色で鳴っていた。レヴァイン指揮するサン=サーンスの「オルガン」交響曲第 2楽章冒頭やアバド&ルツェルン祝祭のマーラー「復活」冒頭、ドビュッシーの「海」第3楽章終結などなど、まるで目の前で実際に演奏されているかのごとくめくるめく錯覚をおこすほどの見事さであった。その彼曰く、

「世間の人は生演奏で聴くのが一番いいというじゃないですか。
確かに「実演」がベストです。でも、実演が必ずしも良い演奏とは限りません。先日などは3万円も払ってベルリン・フィルを聴きに行ったところ金管の何某がとちったものだからアンサンブルがガタガタになり、最低だったんですよ。
だから、名演を聴くならしっかり調整された最高のオーディオ装置で聴く方が良い場合が多いんです」と。

なるほど、確かにそう言われればそうかもしれない。ついでに彼が言っていたのは
「それまで名演だと思っていた演奏がこの装置で聴くと、特にオーケストラの良し悪しが手にとるようにわかるようになり、がっかりさせられることも多々ある」
ということ。ゲルギエフの「ハルサイ」などはその典型らしい。
へぇ、そうなんだと感心しながらもちょっと腑に落ちないなと感じる。


僕はSP復刻盤といわれる戦前録音された録音レンジの狭いCDを時折聴く。音質が悪いとはいえ感動させられてしまうのだから音の良し悪しを超越するエネルギーがあるのだろう。メンゲルベルクのチャイコフスキー「悲愴」やフルトヴェングラーのベートーヴェンなどはその際たるもので、今の時代に聴いてもその音楽の素晴らしさは最新録音盤を超える何かが確かにある。

「音」を聴きたいのではなく「音楽」を楽しみたいのである。音がいかに完璧に再生されるかに興味があるのではなく、心が震える感動体験がしたいのである。

確かにCD ラジカセじゃ限界があろう。でも、僕は今もっているオーディオ装置で充分だなと正直思ってしまった。そこそこ優秀な装置があれば音楽は「愉悦」を運んでくれる。そして何といっても、多少の瑕があろうと実演・生演奏のもつ波動が一番だ。

こう書くうちに以前柳田邦男氏が、「人生の1枚のレコード」と題するエッセーでメンゲルベルクの指揮するバッハの「マタイ受難曲」に言及し、その感動的な演奏に対する深い想いを書いておられることを思い出した。その中で「追記」された文章があり、それがとても印象的で、僕の今回の体験と何となく同じようなニュアンスを感じたので、その部分を抜粋させていただく。

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メンゲルベルク指揮のマタイ受難曲は、心を病んでいた私の次男・洋二郎も何度となく聴いていたレコードだった。1993年夏、自ら命を絶った洋二郎の遺体を病院から引き取って家に帰った時、偶然にもマタイ受難曲のアリア「主よ憐れみたまえ」がテレビから流れた。

「憐れみたまえ、わが神よ」をテーマ曲にしたアンドレイ・タルコフスキーの映画『サクリファイス』が、まさに終わろうとしていたのだった。私は、立ちすくんだ。それ以後、マタイ受難曲は、私にとって人生全体をゆさぶられるような重い曲となっている。

なお、音楽美学やドイツ音楽史の専門家で国立音楽大学教授の礒山雅氏は、詳細な作品研究の著書『マタイ受難曲』(東京書籍)のなかで、メンゲルベルク指揮のこの演奏を、バッハの基本からはずれていて、とくにテンポの伸び縮みがあまりにも恣意的だと、きびしく批判し、

「聴いていて途方に暮れ」
「うんざりする」

とまで書いている。批判は演奏に対してだけでなく、聴き手に対しても向けられ、

「この演奏に感動して涙する若い聴き手がいると聞くのだが、そういう人はどうやって耳の抵抗を克服しているのか、知りたいものである」

と冷笑している。どうやら楽譜を読みこなす力のない私や息子は、マタイ受難曲を聴くには失格らしいのだが、音楽とは人生の状況のなかでの魂の響き合いではないかと考えている私は、「それでもメンゲルベルク指揮のあの演奏は私の魂をゆさぶる」という感覚をいまも抱いている。
「かけがえのない日々」(柳田邦男著)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/410124913X/250-8550177-4320268?ie=UTF8&tag=opus3asyuracom-22&linkCode=xm2&camp=247&creativeASIN=410124913X
より

http://classic.opus-3.net/column/16002008328/


Willem Mengelberg [Matthäus-Passion]

Johann Sebastian Bach (1685-1750)
Matthaus-Passion BWV 244 (1727)
Willem Mengelberg & Concertgebouw Orchestra - 1939
https://www.youtube.com/results?search_query=Mengelberg++Matthew+Passion+
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9021434

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/955.html#c1

[リバイバル3] B&W なんて買うと 10年後に後悔しまっせ _ 超高性能だけど中高音がキンキンして音楽にならないダメダメ・スピーカー 中川隆
2. 中川隆[-10170] koaQ7Jey 2019年5月25日 05:39:24 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2177]

B&W の様なモニター・スピーカは音楽を愉しむ為には作られていない


モニターの音はどうあるべきなのか!!

大阪のMusic Well studio の○○○○と申します。

私は常に “フラット” な音環境を切望し、そこを追究する事がリスナーの皆様に対しての責任だと日々考えております。目指すは良いものと悪いものをしっかり聴き分ける事が出来るフラットな環境です。その様な着色のない環境での制作を可能にしないと最終アウトプット(流通商品)時点では大変な事になります。

制作初期段階で少しでもピーキーなものが出来上がってしまうと、その後段階での作業で段々としわ寄せが積み重なり、ごまかしごまかしで最終的にはろくなものにはなりません。

制作スタジオに求められるのは限りなくフラットな音響環境です。
決して良い音も悪い音も『立派な音にしてしまう再生環境』ではありません。

Studioで自然に出来た“音の印象”がどの様な再生環境(ヘッドフォン、ラジカセ、カーステ、喫茶店の天井スピーカーそして高級オーディオ等)においても“同じ印象”で聴く事が出来れば、制作環境としては最高の状態と言えます。

歴史的に、あまり良い環境で制作出来なかった頃に“エンジニアの勘”というものが生まれ、そしてそれが重要視されてきた気がします。

フラットな再生環境では無いため“見越”の技術が必要だったんですね。なんとも恐ろしいですね。

“音”が解りにくければ、音楽制作は大変困難になります。
今、目の前では今までに感じた事の無い“素晴しい音”が鳴っております。

しかし、それだけではありません。制作段階では各トラックに色々な補正処理を施します。その中にEQ処理や音圧処理があります。 リニューアル後、特にEQ処理には大きな変化が出てます。パラメーターを動かす幅が大幅に減少しました。変化がとても良く見えるからです。処理後のEQカーブを見ても今までの様に大きくはなりません。なだらかで微妙な曲線です。

“自然に聴こえるまま”で、何の見越も必要なく作業出来ています。不安になるくらい。。。(笑)

これで大正解なのだと思います。大きく変化させる事はピークを生みます。振り返って、今までどれだけピーキーなものを創って来たのかと思うとゾッとします。音をCD-Rに納め、いつもの様に色々な再生環境で聴いてみました。実験です。ここが私にとって “肝” となります。 ドキドキです。
http://www.procable.jp/setting/07.html

オーディオは、プロのレコーディングとは違います。

アルテック612A(銀箱)というモニタースピーカーの名前、アルテック604ユニットというモニタースピーカー用のユニットの名前を出さざるを得ませんでしたが、素人のかた、オーディオのかたは、WEのフィールドスピーカーと同様、これにも近寄らないでください。これによって、いかに多くの熟練したオーディオマニアのかたが泥沼に陥ってしまわれたことか、それはまさしく吸血鬼のごとしです。

一生涯かけてもセッティングできないかもしれない、非常に危険なプロの道具です。

セッティングしきれるのはプロだけと想像します。アルテック612Aというモニタースピーカーは、セッティングしきってこそ、はじめて上記のような、聞いた通りの録音がしていけるものであり、セッティングが不完全ですとかえって混乱してしまうことになります。

あまりにも正確に信号を増幅してくるからこそ、一個のXLRプラグ、一本のケーブル、一個の電源プラグ、アンプ、卓などの選択ミス等、一つも許されません。もろにその間違いを出してきますので、その原因はプロのかたにしか皆目分からないはずですし、オーディオ用のプリアンプやパワーアンプくらいのものでは、とうてい鳴るものではありません

したがって、アルテック612A(銀箱)の本当の音、本当の能力は、オーディオ界では、オーナーであれオーディオ店であれ、ただの一人も知らないはずです。 趣味に使うには、あまりにも過酷で、かつ、デリケート過ぎる、本物中の本物のモニタースピーカーなのです。
http://www.procable.jp/setting/07.html



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オーディオ も 車 も 女性 も ハイエンドだけは止めておいた方が良い

Western Electric 594A

音響分野の技術研究が最高水準にあった時代、ベル研究所が惜しみなく研究開発費と人材を投入して完成させた、歴史上の頂点に立つドライバー・ユニットWE594A

 このドライバーは追い込めば追い込むほどにその能力を発揮していくという、レーシング・マシン的な色彩を放つ。このドライバーを理想状態で鳴らし、これに低音をマッチングできれば、ウエスタンの一つの峰の頂上に到達できるのではないかと思う。
http://mikami.a.la9.jp/audio/24a594a/24a594a.htm


1933年4月27日に行なわれた、ワシントン・フィラディルフィア間141マイルの電話回線を使用したオーケストラの立体音響伝送実験(オーディトリ-・パースペクティブ)は、ベル研究所が当時の最高水準の技術を結集したエクスペリメントとして歴史に残る。このためのシステムは、膨大なコストと人員が投入された。当時の技術水準と貨幣価値を今日に比較換算するならば、NASA的なプロジェクトと考えてもよいだろう。

このときの再生用のシステムが、幻のフレッチャー・システムであり、おそらくは人類史上最高のシステムと評価できるものだ。すべては、このエクスペリメントのために研究開発された。このスピーカー・システムは、低音部に20インチの巨大な金属振動版を持った折り曲げ低音ホーンと大口径4インチ振動版を持つ中高音用のホーンドライバーで構成されている。中高音ドライバーは、マルチセルラホーンである。このシステムは、当時の映画産業界から劇場用としてのリリースの声が大きかったが、低音ホーンのエコー現象もあり、実際に業務用の装置としては量産されることはなかった。製造された数は、10本に満たないと思われる。

しかしながら、このシステムの中高音用のドライバーは改良を経て、世に出されることとなる。これがWE594A Loud Speaking Telephone 、すなわち今日我々が目にすることのできる、あのWE594Aドライバーである。その生まれからしてただならぬ血統のスピーカーである。このドライバーの性能は隔絶したものである。自動車に例えるならば、F-1レーサーのようなものだ。

WE594Aは、WE555とは異なり、2Wayのシステムとして、あくまで低音用のスピーカーと併用することを前提に作られている。しかし皮肉なことに、このドライバーとつなげられる相棒は、かのフレッチャーシステムの巨大金属振動版低音ホーン・ドライバーだけなのである。これ以外の紙の振動版のウーファーでは、やすやすとはつながらない。WE594Aは、その生まれから、まさに孤高の存在であった。究極の理想を求めて設計され、卓越した性能を発揮するが、それとバランスできるウーファーがないのである。


理詰め

このドライバーは、ベル研究所で研究設計されている。すべて基本設計は理詰めで行われている。そして実際の実験によって検証、評価され、そのフィードバックでさらに煮詰められている。中途半端な相性問題など微塵もない。特定の音色はあるが、システムの音をそのまま過敏に容赦なく出してしまう。

うるさく鳴る場合は、スピーカー以前のシステムの音がすでに"うるさい"のである。生気のない音がする場合は、すでにドライバーに信号がたどり着くまでに生気が失せているのである。ドロンとにごって団子状態になるのは、同様にドライバー以前に問題がある。

このドライバーがきちんと鳴る装置は、他のスピーカーもきちんと鳴らせるだろう。リファレンスというものはそういうものだ。このようなリファレンス装置を追い込むのは、たやすくはない。フィールド電源、ネットワーク、ウーファーとの(音の)繋ぎかた、すべてにわたって、理詰めですすまなければならない。そして最後に耳とと心でバランスをとっていく。このドライバーは、システムの性能が良い方向に正しく向上すれば、それに敏感に反応し、的確に素晴らしい音の世界を現出する。難しく、手こずるが裏切ったりすることがない。


ホーンとウーファー

594Aドライバーは、システムの違いを如実にさらけ出してしまう。それは、ネットワークするウーファーの十倍以上だろうか。つまりある点でバランスしているときに、システムを少々アップグレードすると、ウーファーに対してドライバーが、過敏に反応して音を変えてしまう。そうするとドライバーがイッてしまったバランス点を追いかけて、ウーファーを再バランスしなければならないのである。その労力は当然十倍に及ぶ。

業務用の使い方では、これでは成り立たないので、594Aにレベル合わせと称してアッテネーション(信号経路に直列に抵抗成分を追加する)をして、594Aの生気を殺して、ウーファーが追いつける程度に鈍くして使う。しかしこれは、594Aの真の実力ではない。この状態では、耐入力と最大音圧レベルでは優位だが、WE555一本のほうが魅力的である。

594Aと組み合わせるホーンも難しい。31Aホーンでは、594A単体の魅力を出し切ることはできないが、クロスオーバーを高くとると、ウーファーとのマッチングが容易になるので、スピーカーシステム全体としての性能、バランスも素晴らしいものになる。高音域もかなり伸びるので実に好ましい。ウーファーも励磁型であれば15インチ二発か18インチ一発でなんとかなる。

これが24Aホーンになると、その聴感上の音響エネルギーは尋常ではなくなる。これにバランスさせるためのウーファーは、励磁の18インチをホーンロードを掛けても最低2発は必要だろう。25Aとか26Aホーンになったら、さらにその上を行くわけだから、もう体育館とか劇場に設置して聴くよりほかはない。F-1のようにサーキットに出かけることを思えば、まだまだ大した道楽ではないが。


仲間と巡礼

このような大物を一人で追い込むには、何度も生まれ変わらないとできない。よって、専門分野の異なる仲間と共にいろいろと研究、試行をしながら進んでいくのが好ましいと思う。信頼のおけるショップの助言も有益である。そしてできるだけ多くのいろいろのシステム音と生の演奏を聴くことである。音の求道者は、すべからく巡礼をしている。私も自分の研究や巡礼の成果をホームページにできるだけ公開したい。参考になればよいが、迷いから救うつもりが一層混迷の度を深めることにもなりかねない危惧もある。たかが道楽と一喝するのはたやすいが、私の不徳の至りもあろう。ただひとつだけ言いたいことは、音楽とオーディオの世界は、深く、極めれば極めるほどに感動的で素晴らしいということだ。

最近は、いろいろなところで594Aが鳴っている。しかしその多くは、我々に忍耐を強いるようなサウンドを轟かせている。オーナーは、これがウエスタンのすばらしい音なのだから、この良さが分からない者は、オーディオを語る資格がないといわんばかりの情熱を傾注する。

聴衆も自分の耳に自信がないからか、恐れ入って敬意を持って、いい音だと絶賛する。裸の王様の世界そのままである。

正直な人は、私はこの音を好きになれませんとかウエスタンの音というものはこの程度のものかと思ってしまうかも知れない。

このような悲劇は誰のせいでもない。そもそも本来のウエスタンの音を聴いたことがある人がいないのだ。それはもう70年以上前にこの空間から発して、そして消えてしまい、人々に語り伝えられた、伝説の音なのである。
今日に生きる人々は、当時のシステムを可能な限り再現し、失われた音を復活させようとしているのだ。私は、その情熱に心から協調する。しかし再現された音が、はたしてその本来のウエスタンの音であるかどうかの検証は、とても難しい。

さきに述べたとおり、この"孤高の"594Aドライバーは、そもそも鳴らすのが至難の代物なのだ。よって、やかましい音で鳴っている594Aに出会っても、達観しようではないか。

趣味でF-1レーザーを所有しているようなものだと思えばよろしい。
そしていつの日にか鳴らしきることを生きがいとすれば、これはすばらしいライフワークとなる。
http://mikami.a.la9.jp/audio/we594a/we594a.htm?.tok=bcwjY6SBu.hmxIxe&.dir=/594A&.src=ph

▲△▽▼


885: 名無しさん@お腹いっぱい。 2009/08/24(月) 15:07:24 ID:gXFhpuhh

ステレオ誌のインタビューで、村井に菅野氏は訪問先でマトモに鳴っているところは2〜3割もないとか書いてた。 菅野氏はラ技やステレオ、レコ芸の方が面白い。


886: 名無しさん@お腹いっぱい。 2009/08/24(月) 16:10:05 ID:NlHtaPNg
>>885
記事になるときは遠慮してるけど講演会だと 2、3%もないになりますよ。
SSだと全部合格です。


887: 名無しさん@お腹いっぱい。 2009/08/24(月) 19:48:29 ID:13xIkpFt

演奏家訪問で部屋の広さとスピーカーでマトモに鳴ってるか想像つくよね。
まあ、お金持ちが多いんだろうけどステサンはインテリの宗教だね。


449: 名無しさん@お腹いっぱい。 2008/03/23(日) 17:32:25 ID:Wla7JK6e

     ∧_∧ ミ ギャーッハッハッハッ! 猫に小判!ブタに真珠!へっぽこ☆料理人!
 o/⌒(. ;´∀`)つ 
  と_)__つノ  ☆ バンバン


450: 名無しさん@お腹いっぱい。 2008/03/23(日) 17:37:43 ID:Wla7JK6e

高級ブランド品を自慢して見せびらかすオーヲタの50%は、装置一流、腕前三流という現実。大笑いの恥さらし者ですな。


792: 名無しさん@お腹いっぱい。 2008/12/16(火) 09:47:17 ID:Je7a/ZAZ

褒めるところがないと、まずは雑談から入るよな
「オーディオはいつ頃から始められましたか?」
とかね
気に入ったところだと冒頭から
「素晴らしい!」とか「いやぁ!」
とか感嘆詞が出るからわかりやすいよな
http://2bangai.net/read/05ba12b399b8ea350fcbbec294a7977277fe6b10e0014ef46534d16d3dc2af87/all


490 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :2005/11/30(水) 02:34:17 ID:wrlfszBu

名物のレコード演奏家に関しては、当の菅野翁が別の雑誌で、

「他誌でやっている連載でいろいろなシステムを聴く機会が多いが、本人は悦に入ってても実際には聴くに堪えないような装置も多い。」

ってことを語っており、 果たして今回は本当はどうなんだろうっていう目であの連載を読むと結構笑える。

あそこに登場するのがステータスだと勘違いしてネットでも俺を取り上げろとばかり運動しているような人もいるが、登場即音の良さ、オーディオの腕のよさを示すとは、必ずしも言えないようだ。


502 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :2005/12/01(木) 21:22:19 ID:c8yn/MDN

先日の大阪ハイエンドオーディオショウ2日目の特別イベントでした。
まだ、各社がイベント試聴用機器のセッティング中、マイクを持たれた先生が

「今まで数百人のレコード演奏家を訪問しましたが、いい音で鳴ってたのは一人も無かった・・・」

とおっしゃられたのには驚きました。 で、ステサンを見る限りけっこう先々号などではべた褒め? の方なんかおられたのに過大評価と言うか、どんぐりの背比べ的要素しかなかったのかと?・・・


意外な所で先生の本音? が聞けたような気がしました。

個人個人、性格がそれぞれ違う以上好みの音質も千差万別と言う事を思うとまぁ これも仕方ないでしょうね。 でも、確かな事は先生の音作りに関して言えば万人向き、多くの人がいい音と感じる音作りされてると言う事です。 装置も重要だけど、聴く環境は更に重要ですと最後におっしゃられてました。

音質と同じくらい重要なのが「音量」とも言ったおられました。
音楽再生の時のボリュームには特に神経を使っておられたようです。

ただ、ホテルの大広間と言う特殊な環境下での音量は難しく、なかないい音で聞いていただく分けには行きません、それを納得の上聴いてくださいとのことでした。
レコード演奏時、大切な事は「再生環境」「オーディオ装置」「音量」ことに「再生環境」と「音量」は重要で高額な装置を導入しても宝の持ち腐れになる事が多々有ります、その間違った音質にならない為にも正しい音楽再生を聴いて耳を鍛えて慣らしてください、間違った音質で演奏されていた方が実に多い事に驚かれたそうです。

ライブ演奏や、他のオーディオでの再生音、いろいろな音を聴いてこそベストな音質でレコード演奏できると言っておられました。
http://hifi.denpark.net/1125064884.html


菅野沖彦

「私は幸いなことに、この数十年で、数百人の熱心なオーディオファイルを、日本列島の北から南まで訪ねることができました。 その殆どの方は、その機器の持つ可能性を発揮し得ていなかった...。

そこで得られた現実は、世評の高級なブランドの製品が、その実力に見合った凄い音を出している例は数少なく、皮肉にもその逆が多いということでした。
それよりごく普通の製品を使っているのほうが、熱心に鳴らし込み、素晴らしい音を出しているケースが多かったですね。

技術のない人は、その辺の普通の自動車に乗っていた方がいい。
これは全くオーディオでも同じ事なのです。」

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/955.html#c2

[リバイバル3] B&W なんて買うと 10年後に後悔しまっせ _ 超高性能だけど中高音がキンキンして音楽にならないダメダメ・スピーカー 中川隆
3. 中川隆[-10169] koaQ7Jey 2019年5月25日 05:40:01 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2178]

スターリングとノーチラス805の聞き比べ
http://www.asahi-net.or.jp/~zh7y-tkyn/s&n.htm

 
なぜこのようなことになったのか、未だに良くわからないが、今まで何もなかった我が家に突然タンノイのスターリング/HEとB&Wのノーチラス805が同居することになってしまった。今まで両者は全く異なる系統の音がするスピーカーだと思っていたが、聴いてみると音楽性と言う意味では共通点も多いような気がする。

上に乗っているのは善本氏の好意により拝借した、300BシングルアンプのModel 1−300B


感想をぼちぼち書きこんでゆくと:

どちらもすばらしいスピーカで良いCDプレーヤーと良いアンプにつなげば良い音する。(当たり前)

スターリングの方はどんなCDプレイヤー、アンプにつないでも、そこそこ聞ける。
それに対し、805の方はつなぐ相手によって極端に音が違う。もう一つは、どう言い訳かわからないが、長く聞いているとどこかおかしいのではないかと気になりだす。

別の言い方をするとスターリングの方は、場所動かしたり、ケーブルを交換してセッティングが終わると、さあ好きな曲を楽しもうと言う気なるが、805の方はいつまでたってもCDプレイヤーかアンプかケ−ブルかどこかが悪いのではないかといじりたくなり、どうも財布が空になるまで続きそうな気がする。こんな感想は私だけか。

極端な話、スターリングの方はミニミニコンポのアンプでも、5Wの300Bのシングルでもそこそこ鳴るが、805は同じことをやると、音が引っ込んでしまってミニミニコンポのおまけのスピーカーと余り変わらなくなる。


この2つは全く対照的なスピーカーなので、エンクロージャーを対比してみた。


        スターリング   N805
1.外部容積      125L    33L
2.内部容積      85L    20L(推定値)
3.重量        23Kg     9Kg
4.密度       0.27    0.45


N805のエンクロージャーは非常の硬く、叩いても手が痛くなるだけで余り音がしない。スターリングとN805では密度が倍近く違う。やはりタンノイはエンクロージャーを軽く柔らかく作り、それ鳴らしているのか。エンクロージャーにマイクをくっつけると測定できるので、エンクロージャーからどんな音が出ているのかそのうちにやってみます。
http://www.asahi-net.or.jp/~zh7y-tkyn/s&n.htm


スターリング/HE

タンノイの嫌いな人に言わせると、高音は出ないし、低音はボケてふやけた音がするという。確かにウーハーのコーンがエクスポネンシャンルという妙な格好をしているし、ウーハーがツイーターのフォーンを兼ねている為にやたら大きくなって高音を出すのには無理がある。測定結果をノーチラス805と比較すると大きな差がある。

サロンスピーカーであるという言い方もあるが、弦の音は美しくゆったり聞けるところが良いところ。
http://www.asahi-net.or.jp/~zh7y-tkyn/s&n.htm

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/955.html#c3

[リバイバル3] B&W なんて買うと 10年後に後悔しまっせ _ 超高性能だけど中高音がキンキンして音楽にならないダメダメ・スピーカー 中川隆
4. 中川隆[-10168] koaQ7Jey 2019年5月25日 05:43:45 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2179]

B&W 805 D3 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=B%26W+805+D3+++&sp=mAEB


805 D3 スタンドマウントスピーカー Bowers & Wilkins
https://www.bowerswilkins.com/ja-jp/home-audio/805-d3


価格.com - Bowers & Wilkins 805 D3 価格比較

発売日:2015年10月
最安価格(税込):\422,280
https://kakaku.com/item/K0000811523/
https://kakaku.com/item/K0000811522/

805D3購入したものの音質が酷いです。エージング不足?不良品?
2017/04/25 22:49(1年以上前)
スレ主 バッハの宗教曲が好きさん


805D3を購入しました。
説明書には15時間、かつ、7日間のならし運転が必要とかいてありましたので実施しました。

初日〜2日目はかなりひどい音でした。耳が痛くて聴いてられませんでした。
3日目から多少は耳が痛くなくなりましたが、まだまだ聴いていて疲れるキツさで耳も痛いです。
6日目から多少は音質の向上が見られました。

そして1週間が経過しました。20時間程度再生していると思います。

良い点
・箱から鳴っている感が全くない。(スピーカーが消えたと表現する人もいますが)
・音が濃密なのに細やか。

悪い点
・聴いていて気持ちのいい音ではない。
・耳が痛く、疲れる。特に最新録音(クラシック)の鮮明な録音はかなり耳に刺激が入る。聴いていて辛い。
・音の伸びがいまいち

私はB&W CM6S2(エージング完全に完了済み)を所有していますが、
B&W CM6S2もクッキリ系の音色ですが、クッキリ鮮明なのにトゲトゲしさは全くなく、聴いていて本当に気持ちがいいのです。耳も全く痛くなく、耳疲れも皆無です。音の伸びがとてもすばらしいです。
ただ、音の濃密さは805D3に負けます。箱から鳴っている感じも少しします。


私の805D3とCM6S2(エージング完全に完了済み)のどちらがいい音かといえば、CM6S2の方が断然良いです。

ただ、普通に考えてそんな訳ありません。ましてや同じメーカーです。

私はとても悩んでいます。単なるエージング不足なら良いのですが、もしかして不良品だったらどうしよう…。
しかし、一応、説明書に書いてあるエージング期間は終了しました。それでこの音質…。

Linn-2さん
2017/04/26 02:14(1年以上前)


バッハの宗教曲が好きさん、こんばんは。

たなたかたなたかさんが仰る事と被るのですが、80XシリーズはB&Wの最上級ラインですよね。

私見ですが、そんなの、普通に形式通りに鳴らしたって良い音が出る訳がありませんよ。

普通、フラグシップモデルは性能が極めてピーキーに作ってあり(一切の妥協をしなければ必然的にそうなりますでしょう?)、スイートスポットは本当にピンポイントで(何から何まで)セッティングしなければ本来の音質にはなりません。(一部の隙も許されないと言いますか…)

そのピンポイントのセッティングが出来れば本当に夢のような音質になるでしょうし、出来なければ悪夢のような音質かもしれません。出来ない場合の音質はスイートスポットが広くとってあるCM6S2よりも格段に劣るでしょう。(805D3はおそらく不良品では無いと思いますよ)

フラグシップモデルって、そんなもんです。

フラグシップモデルの方が普及価格帯の製品よりもスイートスポットが広いと思われている方もいるかもですが、特にB&Wのような「モニター系」のスピーカーでは欲を言えば「針の穴を通すような完成度のセッティング」が必要になると思われます。(まあ、最終的にはどこで妥協するか、ですが…)

いわゆる、“そのスピーカー”に見合った“使いこなし”ですね。
本来の音質で鳴るまでは数年掛かるのではないでしょうか?
あと、エージングに過度な期待はしない方が良いかと思います。
セッティングが適切であれば、エージングをあまり問題とせずに良い音が鳴ります。

たなたかたなたかさんの書き込みを引用させていただくと、(スピーカーから鳴る音は)
*「スレ主様自身の習得度を問われるる鏡(計り)の様なレベルに為ると思いますよ!」

挑戦あるのみです!頑張ってください!


スレ主 バッハの宗教曲が好きさん
2017/05/01 22:47(1年以上前)


お待たせしました。やっと50時間再生しましたのでレビューします。

以前から問題であった

・高音のキンつきが酷くて耳が痛い
・単純に音質がそれほど良くない

という点から説明します。

キンつきは以前に比べればマシになりましたが、エージング完全完了済みのCM6S2に比べればまだキンつきはあります。
音質もまだまだCM6S2の方が上ですね。

805D3の良い点は音が濃密で細やかな点と箱から鳴っている感が無いという点だけで、
エージング完全完了済みのCM6S2は、音のリアリティのすごさ、明るく立ち上がり、音の伸びも抜群によく、もう購入して1年半ほど経ちますが毎回いちいち感動してしまいます。これで32万円とは脅威のハイコストパフォーマンスです。

805D3は音の伸びが良くなく、音色は暗いです。あと、低音があまり出てないです。CM6S2も低音があまり出ないと評判ですが、それよりもかなり出てないです。
言葉はわるいですが、いわゆる「スカキン」です。現状は。

理屈はいろいろありますが、単純に感動できる音ではないです。

しかし、まだ50時間。まだのびしろはあると思いますが…。

スレ主 バッハの宗教曲が好きさん
2017/05/21 23:46(1年以上前)


みなさまお待たせしました。
100時間のエージングが終了しましたので、その様子をお知らせします。

まず、音質ですが、エージング15時間後からは相当上がりました。50時間後からも相当上がりました。
(これはもう805D3の説明書の記載が誤っているとしか言いようがありません。ひどい説明書です)
でも、CM6S2より上かと言われてばよくわからないですね。それについては後ほど説明します。

キンつきもかなり減りましたね。75時間後でもキンキンしていたんですが。
しかしまだキンつきます。少し疲れる音です。CM6S2は完全にキンつきません。


805D3は非常に細かい音の固い粒が濃密に鳴る感じ。
CM6S2は粒感がぜんぜん無いです。805D3が細密な点画なら、CM6S2は不自然さのない線画です。

まあ線画の方がなめらかですけど、でもこのような点は805D3の方が面白いですね。線画的なSPは安物でも大量にあふれていますから。

上記のようにCM6S2の響きって普通っぽさがあるんですが、805D3は濃い上にキラキラ感があってリッチな感じがします。(キンつきの副産物の可能性あり)
しかし805D3は濃いがゆえに明瞭さに欠けるように感じるときもあります。CM6S2はスッキリしてて見通しは良いですよ。そして音の伸びがいいんです。気持ちがいい音です。


ピアノ曲は805D3の方が正確にピアノの音色を表現しています。これと比べるとCM6S2は音が歪んでいるのがわかります。
逆にパイプオルガン曲だと、とくに低音がCM6S2だときっちり正確に鳴らしているのに対して、805D3は明らかに表現力が足りていません。


805D3は全く色付けのない音色で「これが正しい音です」という感じですが、
CM6S2は「私は面白く鳴ります」という感じです。CM6S2は高音と低音が顔の前まで迫ってくるようなキレの良さヌケの良さがあり、
抑揚の激しい音楽(例えばショスタコーヴィチの交響曲10番、12番とかベートーヴェンの交響曲5番、9番など)は迫力があり、聴いていて爽快です。
それを聴いた後に805D3で鳴らすと物足りなさは感じますね。
しかし、古楽の管弦楽は805D3の方が非常に上品で高貴な鳴り方をするんですよ。


あと、今回は私以外にも評価者がいます。
友人のプロのヴァイオリニストを家に招いて、805D3とCM6S2を聴き比べてもらいました。
(友人は非常に高価な楽器をいくつか持っており、音にはシビアです)


・低音、中音、高音が均等に出ているのは805D3

・聴きやすいのはCM6S2

・(声楽曲で)音がクリアなのは805D3。でも管弦楽を聴いたらどちらも同じ程度に感じる。

・2つのSPは結構音色が違うが、音質がどちらが上かは全然わからない。


私も正直、805D3とCM6S2どちらが音質が上かわかりません。

人間というのは、高額を支払って購入したものを悪いと思いたくないものですよ。無意識に無理矢理良い物だと思おうとするものですよ。

そのプラセボ効果があっても、「正直、805D3とCM6S2どちらが音質が上かわからない」というのは、本当にこの2つのSPが僅差なんだと思います。
私も本当なら「あー805D3買ってよかった」とすんなり思いたいですよ。

一般的な所得の若者はわざわざペア100万円の805D3を買う必要はないんじゃないかと思いますね。


(人によってはエージングは200時間必要と言う人もいますので、200時間後にまたレビューします。)

背中にエンジンさん
2017/05/28 12:30(1年以上前)


スレ主は何がしたいんですかね?
このスレッドより数日前に、某掲示板に以下の書き込みが有りました。


261 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2017/04/19(水) 12:10:13.42 ID:OVcqIAFM

購入したばかりなんだけど、音をきいていて耳が痛いんだけどエイジングが済んだら解消されるのかな?

うちのエイジング済みCm6s2 は全く耳が痛くなく気持ちいい音が出てる


276 名前:261[sage] 投稿日:2017/04/20(木) 14:22:43.49 ID:jPuTj/os [1/8]

今日は805d3とcm6s2の聴き比べをしてみたけど、
スタンドの上の805d3より棚の上に置いたcm6s2の方が格段に良い音するなぁ
つまり、セッティングの問題ではなさそうだ

エージングで改善されなかったら泣くぞオレは


282 名前:261[sage] 投稿日:2017/04/20(木) 15:36:09.40 ID:jPuTj/os [3/8]

デノンのPMA-2500NEだよ
プレーヤーはPCのみ


283 名前:261[sage] 投稿日:2017/04/20(木) 15:38:04.78 ID:jPuTj/os [4/8]
>>281
初日に比べて、耳の痛さはかなり改善されたよ
今日はほとんど痛くなかった
やっぱりエージングのせいだと思う

匿名ですが、まぁ同一人物でしょうね。

向こうでも、こちらでも自分でエージングについて触れているのに、家電大好きの大阪さんに言われると「そんな事は言ってない」と否定するし、こちらでは自分の環境を明かさず(向こうではアンプに触れているが)、あげくに(高級オーディオの価値観を破壊する私の話を絶対に受け入れられない人間もいるでしょう。いいんじゃないでしょうか。すべてに人に信じてもらおうとは思っていません)とか言い出す。

質問でスレッドを立てたのに、ただ自分の意見を言いたいだけのようです。それならば、レビューだけで良いのでは無いですか?


スレ主 バッハの宗教曲が好きさん
2019/01/22 18:12(3ヶ月以上前)

ずいぶん久しぶりにこの場所を覗きましたが、
私がスピーカーを段ボールに載せているとか、AVアンプを使っているとか、
嘘の情報を書いてまで私を中傷したい人たちがいるようです。
ハイエンドスピーカーを購入する人にそういう人間性の人がいるとは悲しいですね。


まあ、お察しというか、
そういう性質の人間と、私と、どちらの言う事が信用できるのか、みなさんのご判断にお任せします。

ちなみに、私がレビュー欄に書いた、805D3の評価文は、支持数NO.1になりました。ありがとうございます。

スレ主 バッハの宗教曲が好きさん
2019/01/22 18:15(3ヶ月以上前)

私の話って高額オーディオの価値観を破壊するわけですが、こういう話をすると高額オーディオ崇拝者の方から

「アンプとプレーヤーが安物だからだろ。高額のSPは同程度の高額のアンプとプレーヤーが必要」

と言ってくると思うんです。

私は「ああ、2017年にもなってまだその話か」と思います。

海外では頻繁にブラインドテストが行われており、アンプとプレーヤーは高額品も低額品も音質は同じ。音色が違うだけ。というのは証明されきっているし、(正確に言えば人間の耳では音質の差異を聞き分けることはできない)

日本でもブラインドテストが行われて「アンプとプレーヤーは高額品も低額品も音質は同じ。音色が違うだけ」という結果が発表されており、
価格.com内でもそのことはすでに語りつくされています。(そこでも高額オーディオ崇拝者の方が執拗に口撃していましたが、相手をする側は気の毒だと思いましたよ。私は争いに巻き込まれるのはゴメンです)

そういえば、ゴールドムンドが超高額ハイエンドプレーヤーを発売して、実は中身は2万円のパイオニアのプレーヤーだったことがありました。

オーディオ評論家も購入者達もまったく気が付かなかったわけです。

これにはもう1つ事実があります。それはメーカーと技術者は「アンプとプレーヤーは高額品も低額品も音質は同じ。音色が違うだけ。だから外側だけ立派にして中身は安物を転用してもバレないから金儲けしよう。ほんと、アンプ、プレーヤー、ケーブル等はぼろい商売だわ」とわかっていることが証明されました。

ここまで話して、まだ高額オーディオ崇拝者の方はこう言ってくると思います。「それって他人の話じゃん。自分で聴いて判断したわけじゃないくせに」

実は、1年前私もブラインドテストしました。SPはELACの50万円ぐらいの物。
アンプはONKYOのフラグシップモデル45万円とONKYOの一番安いアンプ(オープン価格。実売25000円前後)

友人に手伝ってもらって作業しましたが、何度聴き比べても音質の違いが判らない(本来なら、価格差からして一聴してはっきりわかるほど圧倒的に音質差がないとおかしいんですよ)
メーカーが同じなので音色の系列は同じ。似通っている。しかし両方ともフラットな音色であるが、一方とくらべるともう一方のほうが元気がある。多少。
結局最後までどちらが高額品かわかりませんでした。

805D3とCM6S2でも同じことが言えます。

【100万円と30万円のスピーカー。本来なら、価格差からして一聴してはっきりわかるほど圧倒的に音質差がないとおかしいんですよ】


オレンジー色さん
2019/01/22 19:02(3ヶ月以上前)


>バッハの宗教曲が好きさん

スレ主さんこんばんは。
オレンジと申します。
かなり以前より勉強されて?帰ってこられたようですね。別に上から目線という訳ではありませんが、なんか素直にそう感じました。(わたしも若輩者ですから)

いいんじゃないですか?
100万円と30万円のスピーカの音が一聴して違いがなくても。
そして、100万円のスピーカーだから30万円のスピーカよりよいと思いたくても。
しょせん趣味の世界ですからね。
自己満足が私は重要だと思います。

私が個人的に最重要視しているのは当然音ですが、それ以外もかなり重要視しています。
それはデザインや機能性、使い勝手です。

今使っているManhattan DAC2は購入した際に100万円しましたが、正直以前所有していたSonica DAC(10万)と比べても、比較しないとわからないかもしれませんね。

しかしManhattan DAC2の方がデザインの良さ、入出力端子の豊富さはSonica DACとは比べ物になりません。価格差90万を補って有り余ると思いManhattan DAC2を購入しました。

比較試聴してもブラインドで音だけを聴いたら、別に10万のSonica DACでも良かったかもしれませんがね。
所詮私はそんなもんですよ。

私も800シリーズのオーナーですので言わせていただきますが、デザインや満足度でいくと CMシリーズは眼中にもないですね。
(CMシリーズのオーナーには申し訳ないです。そこはあやまります)

以前車に例えましたのでいいますと、軽4にポルシェのエンジン乗ってても違いがわからない可能せいはありますよね。所詮経4ですし。その後、軽4にポルシェのエンジン載せて足回りも、駆動性も安定性もポルシェと同等で価格は150万円でどうだ!って言われても私なら買いませんね。かっこ悪いし、やっぱりポルシェじゃないし。。。

なお、ハイエンドの方を引揚に出されてますが・・・
まだ私はハイエンドクラスを扱えるほどの人間ではないですが、真にハイエンド(またはオーディオフリーク)の方は音が良い・悪い(スレ主さんの言う音質差?)より音が好きか・嫌い化の好みに重点をおいてると思いますよ。
そう言う方々があえて、スレ主さんのレベルまで落としてアドバイスしてくれているの気づかれてますか?

>>ずいぶん久しぶりにこの場所を覗きましたが、
>>私がスピーカーを段ボールに載せているとか、AVアンプを使っているとか、
>>嘘の情報を書いてまで私を中傷したい人たちがいるようです。

→以前アンプを晒すといろいろ言われると言って、使用機器のご説明を頂いておりませんが、それが結果スレ主サンに思わぬ誤解を生んでいますよね。

せめて使用機器ぐらいは、教えていただきたいものですね。


まあ、いろいろご意見あると思いますし、思うところもあるかと思いますが。また200時間のエージング後のご評価を心待ちにしております。

オレンジー色さん
2019/01/22 19:30(3ヶ月以上前)


そうそう、誤解を与えないためにもいいます。

30万のCMシリーズでもいいですし、100万の800シリーズでもいいですが
スピーカを鳴らすためにはやはりエージングもそうですが、トータルシステム、セッティングは最低限必要だと思いますよ。
それは安い・高いではなく805D3を鳴らすための腕や努力・時間ですかね。

一般論で恐縮ですが、お気に入りのスピーカを鳴らすために私はいろいろ機器を購入し、セッティングを繰り返しあーでもないこーでもないとやるわけですよ。
まあ、それが楽しくてオーディオやってるってのもあります。

スレ主さんはエージングという時間以外の努力を感じられないんですよ、これが・・・
異論は認めますけどね。

スレ主 バッハの宗教曲が好きさん
2019/01/22 22:41(3ヶ月以上前)

>オレンジー色さん

申し訳ありませんが、もう私に関わらないでください。

私のオーディオルームを見たこともないのに、セッティングが足りないとか、トータルシステムのダメ出しとか、エージング以外努力していないとか、あなたはどうかしていると思います。

あなたは、私が段ボールに載せているとかAVアンプを使っているとか嘘を書いている人たちと同じです。


赤の他人の人に開口一番「かなり以前より勉強されて?帰ってこられたようですね。」と上から目線で言うあなたの人間性に恐怖を感じます。
あと、この場所は長らく誰も書き込んでおらず、私も数年ぶりに書き込みましたが、50分後に私に中傷してくる早さも恐怖です。


私のレビューは、あなた方高額オーディオ崇拝者の逆鱗に触れる内容かもしれないですが、私は事実を書きました。
そして、それがかなりの差で支持数NO.1になりました。誰が正しいのか結果は出ました。

私はあなたみたな人たちに関わりたくないので去ります。二度と訪れないでしょう。
私のレビューが多くの人たちの役に立ったようでよかったです。
https://bbs.kakaku.com/bbs/K0000811522/SortID=20845826/

▲△▽▼

>日本でもブラインドテストが行われて「アンプとプレーヤーは高額品も低額品も音質は同じ。音色が違うだけ」という結果が発表されており、価格.com内でもそのことはすでに語りつくされています。(そこでも高額オーディオ崇拝者の方が執拗に口撃していましたが、相手をする側は気の毒だと思いましたよ。私は争いに巻き込まれるのはゴメンです)

>そういえば、ゴールドムンドが超高額ハイエンドプレーヤーを発売して、実は中身は2万円のパイオニアのプレーヤーだったことがありました。

>オーディオ評論家も購入者達もまったく気が付かなかったわけです。

>これにはもう1つ事実があります。それはメーカーと技術者は「アンプとプレーヤーは高額品も低額品も音質は同じ。音色が違うだけ。だから外側だけ立派にして中身は安物を転用してもバレないから金儲けしよう。ほんと、アンプ、プレーヤー、ケーブル等はぼろい商売だわ」とわかっていることが証明されました。

解説を加えておくと


アンプや DAC の音色は電源ケーブルとトランスで殆ど決まってしまうので、たとえゴールドムンドの中身が 1万円であっても最終的な音の良さとはあまり関係ないのですね。


詳細は


「マイ電柱」は効果が有るのか?
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/759.html

ケーブル(電線)の世界
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/757

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/955.html#c4

[リバイバル3] B&W なんて買うと 10年後に後悔しまっせ _ 超高性能だけど中高音がキンキンして音楽にならないダメダメ・スピーカー 中川隆
5. 中川隆[-10167] koaQ7Jey 2019年5月25日 05:44:43 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2180]

118 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/11/19(土) 23:00:07.87 ID:79IxvzQs
このスレ住人のみんなは、これをどう思う?


配達セッティング・・・蘇れ805 Signatureの巻きです(^^♪
http://dyna-t-center-u.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/805-signature-1.html#more


・・・またまた配達セッティングに行ってスピーカーを曲げて来ました( ̄ー ̄*)V


今回はB&Wの805 Signatureです(^^♪


今回は、お客様が

EsotericのX-03SE、
LuxmanのL-509f SE、
B&Wの805Signature

をお持ちで、アンプとD/Aコンバーターをご購入頂いたのでした(*^_^*)
そもそも、今回は、お店にご来店頂いたお客様から、

どうも音が硬くて疲れるからどうすれば良いか

という観点で相談があったことから始まりました。で、上記の現在のラインアップを聴いて、音楽のお好みをお聞きしたところ、ロックやジャズ、J-Popということだったのですね。


EsotericのX-03SE、LuxmanのL-509f SE、B&Wの805Signature・・・

うーん、これは音がかなりクッキリしていて、一方的に押してくる感じで深みや優しさのないセットなのですね。

でも、まあ、当時はバリバリに売れていたベストセラーモデルで、それぞれ単体としては良いモデルなのです。では、何が問題だったかと言うと、組み合わせなんですね(;^_^A アセアセ・・・
・・・


ということで、今回お客様と話していて、好みの音楽が近いこともあり・・・
店で、805 Signatureの代わりに805Diamondを聴いてもらいながら・・・・
EsotericのX-03SEはトランスポートとしては優れているということ・・・
805 Signatureもスピーカーとしては優れていることからして・・・


お勧めは、ロックの面白さを表現できるD/Aコンバーターということで、たまたま中古品があった GOLDMUND の MIMESIS 21D/USB と、アンプにJeff RowlandのCapri S と MODEL 102S

をお勧めして、いろいろな曲を試聴してもらい、気に入ってもらいました。そして、805 Signatureの特性を活かすセッティング方法をお伝えして、後日セッティングにお伺いするということになったのですね(*^▽^*)

・・・もちろん、単体としてのL-509f SEはけっして悪い機種ではありません。当時のベストセラーですし・・・ただ、

X-03SEがシャープでフラットな出し方で、Luxmanもとてもシャープなので、今回はそれがぶつかって、その音をそのまま805 Signatureが出してしまっていただけなのですね(; ̄ー ̄A アセアセ・・・
で、配達セッティング・・・


ステップ1・・・

当日お伺いすると、普通通り、805 Signatureはスタンドにネジ止めされて、スタンドはスパイクベースの上にスパイク立てで、真っ直ぐ設置されていました。その状態でアンプを外して、D/Aコンバーターをセットします。この状態で、スピーカーはセッティングをいじらないで音出しをしてみました。(この時、機械は直接ラックに直置きです。)

・・・これだけでも、音がかなり優しく、奥行きと広がり感が出て、中域がぐっと盛り上がって、ロックらしいバランスになって、耳に痛い音ではなくなっています(*^_^*)


 
ステップ2・・・

スタンドの天板と、805 Signatureを留めているネジをはずしました( ̄ー ̄*)V
・・・
このネジを外すだけで、またグンと音がゆったりしました(*^_^*)
最初からするとかなり聴きやすい音になっています。

ステップ3・・・

スパイク受けを外して、スピーカースタンドの下にステレオサウンドを敷いて、スピーカースタンドの前の床にタイルカーペットを敷いて、向きをググっと内振りにします。

そして、あらかじめお客様に買っておいてもらった、カインズホームの防震パッドをスピーカースタンドとスピーカーの底の間に貼ります(*^_^*)
このパッド、丸さの径と厚みと柔らかさが丁度いいのですね(*^_^*)
・・・・
で、出来上がりがこの角度です・・・

これで、一気に音の広がりと奥行き感が出て、さらの低域に弾力性が出て、ベースやドラムスがなかり良くなりました( ̄ー ̄*)V


ステップ4・・・・
そして、得意の、機械の下にステレオサウンドを挟みますΨ( ̄∇ ̄)Ψ
これも、まず、X-03SEの下から1段毎に音出しをしましたが・・・
だんだん、音に厚み感と太さが増して行きますΨ( ̄∇ ̄)Ψ
で、最後にトップのJeffにもステサンを敷いて完成です(^^♪

これで、ばっちり、トータルな音は、もうまったくうるさくなく、小音量でも細部の音がちゃんと細部の音として出しゃばらずに聴こえて・・・
CDソフトに入っている空間情報がしっかり聴こえ・・・

音量を上げてもまったく痛くない音で、演奏やヴォーカルの躍動感や優しさが良く聴こえて・・・

音楽としてロックとしてとても楽しい音楽が聴こえるようになりました( ̄ー ̄*)V
http://dyna-t-center-u.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/805-signature-1.html

119 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/11/19(土) 23:21:18.06 ID:Zl/+BUQP

セッティングした店員は自分の趣味を押し付けてるんだろうけど店員が帰ってから自分でセッティングし直してなくて、そのままだったら購入者が耳鼻科行けレベルのただの金持ち。


123 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/11/20(日) 01:52:48.34 ID:oTBCEhR4
>>118
内振りの角度がどれも凄いね
他の記事のほうがもっと凄い

124 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/11/20(日) 01:58:33.26 ID:bokzEb0U

FALのセッティング法まねてるんだろうか


125 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/11/20(日) 06:14:19.26 ID:FHFP9wBj

通常の試聴距離なら内振りにする程、左右のセパレーションが悪くなる

これは右SPで左耳、左SPで右耳を狙ってる?ぐらいだから
モノラルで聴いてるような感じで位置情報が減って落ち着くんだろ

126 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/11/20(日) 09:10:11.25 ID:qMlPfxpz

内振り過ぎてワロタw
というかもう横向いてるじゃんwww

128 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/11/20(日) 14:40:10.43 ID:7MFewiOt

つか、それサラウンドのリアじゃん
バカか?おまえら


129 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/11/20(日) 15:32:58.54 ID:hdEnKz5O

みんな内振りばかりに突っ込んでるけど、SPスタンドの下にStereosound 噛ましているところはスルーなのか?

SPスタンドのねじ止めをはずした時点で低音の解像度が怪しいし、更にあの足元じゃ腰砕けのスカスカ低音だろうに・・・

あと、音像もふらふらふわふわの状態だろう。しかし、それを隠すための内振りか?

しかしねぇ。どう考えてもGOLDMUND MIMESIS 21D/USBはないだろうに・・・
何が何でも売りたかったんだろうけどさ。
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/pav/1319546215/l50

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/955.html#c5

[リバイバル3] B&W なんて買うと 10年後に後悔しまっせ _ 超高性能だけど中高音がキンキンして音楽にならないダメダメ・スピーカー 中川隆
6. 中川隆[-10166] koaQ7Jey 2019年5月25日 05:45:54 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2181]

オーディオクリニックの旅 Rosenkranz(ローゼンクランツ)

御影石とスパイク(B&W S800) カイザーサウンド Rosenkranz(ローゼンクランツ)
http://www.rosenkranz-jp.com/kaiser/Visitor_visit%20(Trip%20of%20audio%20clinic)/Visitor_visit%20(Trip%20of%20audio%20clinic)/20050405_js.html


福島に住む。Sと申します

B&W S800を使用していますが なんといっても高音がきつく、疲れてしまいます
貴社のホームページを見てインシュレータを試してみたいのですが可能でしょうか???

 上記のメールを頂戴しました。


 B&W S800は大変重たいので、一人でのインシュレーターの取り付けは不可能です。近い内に岩手県に行く用事がありますので、私が直接伺って試聴のお手伝いと共にクリニックの提案をさせて頂きました。

 朝の4時に東京を出て福島には予定より少し早く9時に着きました。昨年の暮れに新築したばかりですから何もかもピカピカです。Sさんはお忙しい方なのであまり時間が取れません。今日の制限時間が午後の2時までです。

 難題は二つ、その一つは部屋幅一杯に降りてくる140インチのサウンドスクリーン、ようするに音の透過タイプです。この手のスクリーンは私にとって初めての経験ですから興味が湧きます。早速スクリーン越しに出てくるその音を聞かせて頂きましたが、いかに音を通すといえども、やはり何かに遮蔽された感は拭えません。でも映像の音出しですから、一旦映画のストーリーに意識が向きますと意外と気にならないかもしれません。でも出来ることならこの方式は避けるに越した事はないでしょう。

 もう一つが大変なのです。それはスピーカーを置く為に施工されたのでしょうが、奥行き70センチで部屋幅一杯に御影石が床に貼られているのです。その上に純正のローリングキャスターからスパイクに変更されたS800が置かれています。

 実際に鳴っている音といえばキンキンガンガンな音です。あるところのボリューム位置からは耳に矢が突き刺さるような強烈な音に変わります。『これでもサーロジックのパネルを入れて良くなった方なんです』。とSさんは仰るのですが、この音量を上げた時の音は誰も耐えられないでしょう。

 部屋全体はフローリングで壁は4面全てに無垢の杉板張りです。大地に流し込んだコンクリートの上にスピーカーを置くという方式は一つの方法ではあるでしょうが、如何せん奥行き60センチを超えるS800を置くにはギリギリで壁面に当たるほどです。せめてその倍の1.5mでもあればスピーカーの設置場所も良い所を探せるのですが、さすがの私も途方にくれ、息子と二人で座り込んだまま15分近くお互いが考え込んでしまいました。それ位今日のセッティングはウルトラ超難度です。


 二人の出した結論はスピーカーの後ろにまで設置された音響パネルを少し両外に移動させ、その厚み分だけでもスピーカーの位置調整が出来るようにする事です。わずか7〜8センチ生まれたその空間の中でスピーカーの最適位置を見つけるしか方法はありません。それでもカイザーウェーブの青い波(157.5ミリ)の半波長分はありますので何とかなります。

 とりあえずその位置出しをした状態で音を聞きます。粗方の場所は確保出来た音が出ておりますので、これを元にいくつか手を打っていけば何とかなりそうな感触が掴めました。スピーカーのベースの前の部分に座布団をこじ入れそのままうつ伏せにスピーカーを寝かせます。その後ローゼンクランツのB&W専用インシュレーターを取り付けて試聴します。

 今日の問題点の耳に刺す様な音が大分取れ、ボリュームを上げても逃げ出したくなるような音はほとんどしなくなりました。それに伴って周波数バランスも凄く良くなっています。サーロジックのパネルを入れた際に部屋のf特を測ってもらったそうですが、スペクトラム上には特にピークもディップも見当たらないので、部屋としては問題ないでしょうと言われたそうです。強いて上げるなら横の壁面間でのフラッターエコーを指摘されたようです。

 しかし、今こうしてスピーカーの足の変更をすることによって解決が図れたので、横壁間の問題よりも床の御影石とスパイクとの振動の関係が一番大きな原因だったようです。マイクによる音響測定では大雑把な音の調整の参考としては利用できても、聞き苦しさの内容までは判定出来ず、感動を感じる良質なセッティングには自ずと限界があるようです。

____

 福島、J.Sです。

 我が家の音はだいぶ落ち着いた音になりました。 安心して聞いていられます。 中等度の音量までは気持ちよく聞いております。

 私的には2人のプロ(貝崎さんと村田さん)により、 うまく音が生まれ変わったと思っています。

 まだ音量を上げすぎると、 耳につく音が残っているのですが、 これは今後の課題にしたいと思います。
 
http://www.rosenkranz-jp.com/kaiser/Visitor_visit%20(Trip%20of%20audio%20clinic)/Visitor_visit%20(Trip%20of%20audio%20clinic)/20050405_js.html

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/955.html#c6

[リバイバル3] 「住宅は資産」という幻想で誰があなたをカモにするのか? 中川隆
249. 中川隆[-10165] koaQ7Jey 2019年5月25日 06:08:04 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2182]
なぜ50代でマイホームを欲しがる人が増えた?購入前に冷静に考えるべきこと=川畑明美 2019年5月21日
https://www.mag2.com/p/money/681093


50代でマイホームの購入を検討している方から相談を受けることがあります。50代前半なら住宅ローンも組めますが、少し冷静に考えて欲しいことがあります。(『教育貧困にならないために』川畑明美)

本当にマイホームは必要か?年老いた後のことをリアルに考えよう

65歳を過ぎると賃貸に住めない?

50代でマイホームの購入を検討している方からのご相談をいただくことがあります。


65歳を過ぎると、賃貸物件でも審査が通りにくくなります。孤独死や認知症のリスクが高まるので、大家さんの中には嫌がるケースもあります。

特に、独身で近くに親戚もいない方は、審査が通りにくくなります。

なので、マイホームを購入しようと考える人も少なくありません。

50代前半ならマイホームも夢ではないが…

50代前半でしたら、ローンも組めますし、購入できる可能性はあります。


ですが、少し冷静に考えてみてください。

介護が必要になる頃に、マイホームが必要でしょうか?

独身で近くに親戚もいないのでしたら、介護が必要になった時のことを考えて欲しいのです。

階段が登れないのに2階のアパートに住む老人

以前、報道番組で見たのですが、病気になり、1人で階段も登れないお年寄りが退院になりました。

病院の職員は、お年寄りをおんぶして階段しかない2Fのアパートに連れ帰るシーンでした。

私は、そのシーンを見て思いました。「この人は今後、家から一歩も出られないのでは?」と。


高齢者が増え、病院は、治療が終わるとそのまま入院はさせてくれません。もう完治するまで入院ではなくなっているのです。

介護費用は1人あたり800万円は確保すべき

つまり、50代でマイホームを購入するには、介護まで考える必要があるということです。

介護費用は、程度によって費用が違ってきますが、1人につき800万円くらいは確保すべきです。


50代でマイホームを購入するよりは、有料老人ホームの費用を確保する方が大切かもしれません。

最近の住宅ローンは完済年齢が80歳

最近の住宅ローンは、完済年齢が80歳である場合が多いです。

50代からでも30年くらいのローンが借りられるのですが、貸して貰えるお金と返済できる金額は
違うので、よくシミュレーションしてくださいね。


http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/615.html#c249

[リバイバル3] 株で儲ける方法教えてあげる(こっそり) 新スレ 中川隆
203. 中川隆[-10164] koaQ7Jey 2019年5月25日 07:09:21 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2183]

2019年05月25日
年金(GPIF)の半分は株式、半分は海外に投資している


将来的にGPIFはそれぞれ4分の1ずつ運用にするでしょう


画像引用:私達の年金の半分は「株式」で運用されている - シニアガイドhttps://seniorguide.jp/article/1182924.html


年金を海外運用するのは悪か?

わたしたちが収めている公的年金はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)で運用されています。

以前は6割を国内債券が占めていたが、最近GPIFの半分は株式で運用され、海外運用も4割を占めている。

将来的には国内5割海外5割、しかも株式5割、債券5割になると推測されます。



これを「国民が払った年金で株価を釣り上げるとは何事か!」「日本人の年金が外国に取られている!」と激高している人達がいる。

確かに年金をつかって株を購入し株価が上がったのは事実で、株価対策になっているのも事実です。

年金で外国株や米国債を購入しているのも事実で、アメリカに従属して金を払っていると一部の人は怒っている。


だがこれは一面的な見方で、年金を安全に効率よく運用しようとすると、自然にそうなります。

将来的に日本と世界のどちらが経済成長するかは分かりませんが、日本だけ繁栄して「世界」が衰退する可能性は低い。

するともし日本株や日本債券だけで年金を運用したら、日本経済が打撃を受けた時に価値が暴落してしまいます。


例えばバブル崩壊からリーマンショックまで日経平均は約5分の1になったが、米株は約10倍になりました。

もし日本株だけで年金を運用したら5分の1になっていたのに、日本株と米株を均等買いしたら5倍になった計算です。

日本株だけで運用するより、外国株と日本株の両方に分散投資したほうが、遥かに安全で効率的なのが分かります。

年金で株を買うのは「ばくち」?

だがそもそも国民の資産である年金を、株式投資という「ばくち」に使うべきではないという意見があります。

もしGPIFを株式や社債や米国債に投資しなかったら、買えるのは事実上日本国債だけになります。

日本株と米株の比較と同じように、日本国債だけで運用するより、米国債と分散したほうが安全です。


もし日本政府が破産して円が紙切れになっても、米国債は残るので年金はドル建て運用で守られる。

バブル崩壊からリーマンショックまで、日本国債は値上がりしたが日本株は5分の1になった。

これは日本がデフレで株安だったからで、国債利回りは株と反比例して上下する関連性があります。


株が安くなると資産は国債に流れて債券高になり、株が高くなると国債から資産が引き上げられて安くなります。

もし日本国債だけで運用して株高になり、国債から資金が引き上げられたら、物価上昇で実質マイナスもありえます。

このようになるべく安全に、なるべく効率よくお金を増やそうとすると、自動的に「日本株、日本国債、外国株、外国債券」という組み合わせになります。

どれが上がってどれが下がるかは見通せないので、4つに均等に分散投資します。

これは個人の長期投資にも有効で、GPIFの運用法を意識すれば、安全に効率よく資産を守れるでしょう。
http://www.thutmosev.com/archives/79922472.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/822.html#c203

[近代史3] (三橋貴明×山本太郎) 絶対にTVでカットされる国債の真実 中川隆
20. 中川隆[-10163] koaQ7Jey 2019年5月25日 08:39:15 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2184]

続 センメルヴェイス反射 2019-05-25
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12463709459.html


三橋貴明

 改めて、MMT(現代貨幣理論)は凄まじいインパクトです。まさに、天動説派が多数派を占める中で、地動説が「証明」されてしまったのと同じなのです。


 以前、ある方の本の校正をした際に、
「日銀の量的緩和で発行された当座預金は国内の投資に向かわず、中国に流れていっている」
 と、あったため、
「日銀当座預金は民間は借りられないので国内の投資に使われることはあり得ず、ましてや外国に流れることもないですよ」(外銀とのインターバンクの決済除く)
 と説明し、該当箇所を修正してもらったのですが、一体「誰」が日銀当座預金が外国に流れているなどというデマを流しているんだ、と気になってはいました。

 ちなみに、銀行の日銀当座預金は、
「日本銀行が国債や政府短期証券、政府小切手と引き換えに、日銀当座預金を増やす」
「銀行が日銀当座預金を引き出す形で、現金・硬貨を手に入れる」
「日本政府が国債発行で借り入れる」
「日本銀行が国債を売却し、代金として日銀当座預金を受け取る(そして、相殺されて消滅)」
 以外の理由では変動しません。


 もちろん、インターバンク間の決済で日銀当座預金が動きますが、この場合は特定銀行の残高は変動するものの、全体金額が変わるわけではありません。

【日本の預金取扱機関の現金紙幣と日銀預け金(日銀当座預金)兆円】

http://mtdata.jp/data_64.html#touzayokin

 量的緩和が終了していないため(事実上、終わっているけど)、預金取扱機関(銀行)の日銀当座預金は360兆円台で高止まりを続けています。

 さて、昨日の桜の討論収録で、菊池英博氏がMB(マネタリーベース、ほとんどが日銀当座預金)とMS(マネーストック、市中の現金紙幣+銀行預金)のグラフを出し、MBの増加量ほど、MSが増えていないことを示し、
「この差額が外国に流れた」
 と、言いだしたので、「あんたかっ!」という話になってしまったのです。


 当たり前ですが、
「日銀当座預金は日本銀行が銀行(及び政府)に発行するおカネで、民間は借りることができない」
 のです。「MB ⇒ MS」というおカネの流れはあり得ません。そもそも、MBとMSが「違うおカネ(※現金紙幣除く)」である以上、MBとMSの差額を見るなど、ナンセンス極まりないのです。


 例えば、日本銀行がMBを100兆円増やしたとして、民間の資金需要がなく、銀行からの借入が増えない以上、極端なことを言えば「MSの増加はゼロ」ということは論理的にあり得るのです。


 その場合、MB100兆円−MS0円=100兆円が「外国に流れた」などということにはなりません。単に、銀行の日銀当座預金口座で凍り付いているだけの話です。


 MS(ほとんどが銀行預金)は、我々がおカネを借りる際に、銀行が「通帳の口座に数字を書く」ことで発行されます。銀行は、預金を発行する際に、「資金調達」をしているわけではないのです。


 ところが、菊池氏(他、数名も)は、
「日銀当座預金を民間に貸し出し、MSを増やすことが可能」」
 と、信じていたようです。


 というわけで、まあご想像がつくと思いますが、わたくしは、
「菊池さんは日銀当座預金を借りれるの?」
「(日銀は)金貨や銀貨を発行してるわけではないんですよ!」
 と、容赦なく批判し、「日銀当座預金が国内で使われず、外国に流れていっている」という出鱈目を全否定したわけでございます。


 ということで、相当に嫌われ、憎まれることになりましたが、正しいことは正しいので、仕方がありません。


 さて、菊池氏は今後、どうするのでしょうか。


 頑なに自説(MB増加とMS増加の差額が外国に流れた)などという、金貨銀貨を使っていた中世のような話にこだわり、三橋を憎み続けるのか。まさに、現代のセンメルヴェイスの反射です。
 あるいは、自説の間違いを認め、しれっと正しいことを言い始めるのか(それでいいと思います)。


 MMTは、今後、この手のリアル・センメルヴェイス反射を頻発させることになるでしょう。とはいえ、繰り返しますが正しいことは正しいのです。


 貨幣観を正すことこそが、日本の緊縮財政路線の打破に繋がる以上、「正しいこと」を繰り返し、広めるしかありません。皆様も「日本国民の貨幣観を正す」にご協力くださいませ。
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12463709459.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/298.html#c20

[近代史3] 中野剛志 _ アメリカで大論争の「現代貨幣理論」とは何か 中川隆
20. 中川隆[-10162] koaQ7Jey 2019年5月25日 08:39:42 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2185]

続 センメルヴェイス反射 2019-05-25
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12463709459.html


三橋貴明

 改めて、MMT(現代貨幣理論)は凄まじいインパクトです。まさに、天動説派が多数派を占める中で、地動説が「証明」されてしまったのと同じなのです。


 以前、ある方の本の校正をした際に、
「日銀の量的緩和で発行された当座預金は国内の投資に向かわず、中国に流れていっている」
 と、あったため、
「日銀当座預金は民間は借りられないので国内の投資に使われることはあり得ず、ましてや外国に流れることもないですよ」(外銀とのインターバンクの決済除く)
 と説明し、該当箇所を修正してもらったのですが、一体「誰」が日銀当座預金が外国に流れているなどというデマを流しているんだ、と気になってはいました。

 ちなみに、銀行の日銀当座預金は、
「日本銀行が国債や政府短期証券、政府小切手と引き換えに、日銀当座預金を増やす」
「銀行が日銀当座預金を引き出す形で、現金・硬貨を手に入れる」
「日本政府が国債発行で借り入れる」
「日本銀行が国債を売却し、代金として日銀当座預金を受け取る(そして、相殺されて消滅)」
 以外の理由では変動しません。


 もちろん、インターバンク間の決済で日銀当座預金が動きますが、この場合は特定銀行の残高は変動するものの、全体金額が変わるわけではありません。

【日本の預金取扱機関の現金紙幣と日銀預け金(日銀当座預金)兆円】

http://mtdata.jp/data_64.html#touzayokin

 量的緩和が終了していないため(事実上、終わっているけど)、預金取扱機関(銀行)の日銀当座預金は360兆円台で高止まりを続けています。

 さて、昨日の桜の討論収録で、菊池英博氏がMB(マネタリーベース、ほとんどが日銀当座預金)とMS(マネーストック、市中の現金紙幣+銀行預金)のグラフを出し、MBの増加量ほど、MSが増えていないことを示し、
「この差額が外国に流れた」
 と、言いだしたので、「あんたかっ!」という話になってしまったのです。


 当たり前ですが、
「日銀当座預金は日本銀行が銀行(及び政府)に発行するおカネで、民間は借りることができない」
 のです。「MB ⇒ MS」というおカネの流れはあり得ません。そもそも、MBとMSが「違うおカネ(※現金紙幣除く)」である以上、MBとMSの差額を見るなど、ナンセンス極まりないのです。


 例えば、日本銀行がMBを100兆円増やしたとして、民間の資金需要がなく、銀行からの借入が増えない以上、極端なことを言えば「MSの増加はゼロ」ということは論理的にあり得るのです。


 その場合、MB100兆円−MS0円=100兆円が「外国に流れた」などということにはなりません。単に、銀行の日銀当座預金口座で凍り付いているだけの話です。


 MS(ほとんどが銀行預金)は、我々がおカネを借りる際に、銀行が「通帳の口座に数字を書く」ことで発行されます。銀行は、預金を発行する際に、「資金調達」をしているわけではないのです。


 ところが、菊池氏(他、数名も)は、
「日銀当座預金を民間に貸し出し、MSを増やすことが可能」」
 と、信じていたようです。


 というわけで、まあご想像がつくと思いますが、わたくしは、
「菊池さんは日銀当座預金を借りれるの?」
「(日銀は)金貨や銀貨を発行してるわけではないんですよ!」
 と、容赦なく批判し、「日銀当座預金が国内で使われず、外国に流れていっている」という出鱈目を全否定したわけでございます。


 ということで、相当に嫌われ、憎まれることになりましたが、正しいことは正しいので、仕方がありません。


 さて、菊池氏は今後、どうするのでしょうか。


 頑なに自説(MB増加とMS増加の差額が外国に流れた)などという、金貨銀貨を使っていた中世のような話にこだわり、三橋を憎み続けるのか。まさに、現代のセンメルヴェイスの反射です。
 あるいは、自説の間違いを認め、しれっと正しいことを言い始めるのか(それでいいと思います)。


 MMTは、今後、この手のリアル・センメルヴェイス反射を頻発させることになるでしょう。とはいえ、繰り返しますが正しいことは正しいのです。


 貨幣観を正すことこそが、日本の緊縮財政路線の打破に繋がる以上、「正しいこと」を繰り返し、広めるしかありません。皆様も「日本国民の貨幣観を正す」にご協力くださいませ。
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12463709459.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/314.html#c20

[近代史3] 「万世一系」の虚妄 _ 日本はなぜ「万世一系」を必要としたか 中川隆
13. 中川隆[-10161] koaQ7Jey 2019年5月25日 12:28:07 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2186]

民間男性を皇族にせず天皇制を続ける方法 5/25
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190525-00028756-president-soci&p=1


多くのヨーロッパの諸王国が女系継承を容認したのに対し、フランスはたびたび代をさかのぼって遠縁をたどってでも、男系継承を守り続けた――1594年2月27日のアンリ4世(図中央)の戴冠式(写真=Roger-Viollet/アフロ)

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190525-00028756-president-soci.view-000


日本の皇位継承をめぐって、「女性天皇」のあり方が議論になっています。女系の継承を認めた場合、野心家の民間人男性が「婿」として皇統を乗っ取る恐れがあります。皇室典範が定める「男系男子継承」を続ける方法はないのでしょうか。著述家の宇山卓栄氏は「側室が現実的でない今、そのヒントはヨーロッパ史にある」と指摘します――。

■「側室」の制度がなかったヨーロッパ

 新しい天皇陛下が即位され、新しい元号・令和が始まりました。皇室への国民の関心が改めて高まるとともに、皇位継承に関する報道も増え、注目が集まっています。

 現在、わが国では、皇室典範の規定により、男系男子にしか皇位継承を認めていません。しかし、男系男子の皇位継承者を永続的に多数、維持することは容易ではないため、男系男子以外にも皇位継承権を認めるかどうかという議論がなされています。本稿では、そのような議論をいったん脇に置き、男系男子継承がそもそも持続可能なものなのかどうかを、多数の王室が存在したヨーロッパの歴史から考えていきたいと思います。

 「男系継承者の維持が難しいのは側室が置かれなくなったからだ」とする見解があります(日本の皇室では明治天皇の時代まで側室が置かれていましたが、それ以降は置かれていません)。この見解は正しいのですが、それだけが理由で継承者維持の困難さが生じているわけではありません。というのは、側室がいなくとも、男系男子の継承が長期間続いた例があるからです。フランス王室です。

 ヨーロッパの王候貴族は側室を持たず、公妾を持ちました。側室と公妾が決定的に違う点は、その子が地位や財産などの継承権を持つか持たないかです。側室の生んだ子は継承権を与えられたのに対し、ヨーロッパの公妾の生んだ子は王の正式な子として扱われず、王位継承権や財産相続権も認められません(王から爵位を授かって、一貴族となるのが通例でした)。

 ちなみに、公妾は公式な地位であり、フランス王ルイ14世の公妾マントノン夫人、ルイ15世の公妾ポンパドゥール夫人に代表されるように、王のブレーンとして、外交や人事、学芸の振興などに深く関わりました。公妾は単なる王の愛人ではなく、宮廷の政治や文化を支える廷臣でした。ルイ14世の王后マリー・テレーズの亡き後、マントノン夫人は事実上の王后として振る舞いました。


■女系継承を認めた結果「乗っ取り」が多発

 アジア各国では側室制があったために、皇帝や王に何十人も子供がいるのは普通でした。皇帝や王自身が健康でありさえすれば、男系子孫をいくらでも残すことができ、継承者が途絶えることはありませんでした。側室制によって、男系子孫を絶やさないようにしたことは貴族や武家も同じです。

 これに対してヨーロッパでは、前述のように公妾の子に王位継承権が認められなかったため、王統の継承は、皇后・王后の出産にかかっていました。当然、后によっては子供ができなかったり、女子しか生まれなかったりということがたびたび起こります。そういう状況で男系継承にこだわれば、王統は断絶してしまいます。そこでやむなく、女系継承を認めて王統の継承の安定を図ったのです。

 しかし、女系継承を認めた結果、ヨーロッパ各国の王室では、婚姻政策による王位乗っ取りのようなことが頻発しました。有名な例が、ハプスブルク家の積極的な婚姻政策です。1496年、スペイン王女フアナはハプスブルク家の皇子フィリップと結婚しました。2人の間にできた長男が、カール5世(スペイン名:カルロス1世)です。

 スペイン王国に男子の跡継ぎがなかったため、カール5世はスペイン王位を母フアナから相続します。こうして、ハプスブルク家は合法的にスペイン王国を「乗っ取った」のです。同様の手法でハプスブルグ家は諸国を乗っ取り、現在のオーストリア、ドイツ、オランダ、ベルギー、スペインに相当する、広大な領土を有する大帝国を築き上げました。

■フランスはなぜ男系継承を維持できたか

 そうした婚姻政策が横行する中でも、フランス王室は男系男子の王位継承を800年以上も維持しました。987年にユーグ・カペーがフランス王位に就いてから、フランス革命で1793年にルイ16世が処刑されるまでの期間です。その後1814年からの復古王政で即位したルイ18世、その後を継いだシャルル10世もブルボン家の男系、7月王政で擁立された国王ルイ・フィリップも、ブルボン家の支流であるオルレアン家(ルイ14世の弟フィリップの子孫)の血筋でした。

 1848年の二月革命によってルイ・フィリップは廃位され、イギリスに亡命。フランス王政はここで終わりました。とはいえ、フランス王統の男系男子の血筋は今日まで続いており、現在はオルレアン家の当主であるジャン・ドルレアンが、名目上のフランス国王ジャン4世となっています。つまり、王家の「血の継承」が1000年以上も続いていることになります。

フランス王室が男系継承を維持できた最大の理由は、直系子孫にこだわらず、遠縁の男系子孫にも王位継承権を広げたからです。フランス王室も嫡出の男子が途絶えることがあり、その度に代をさかのぼって王家の血を引く遠縁の男系子孫を連れて来て、王位を継がせました。

 たとえば、カペー王朝は1328年に直系の男子が途絶えると、2代さかのぼった王の次男(ヴァロワ家)の嫡男をフィリップ6世としました。シャルル8世が1498年、嫡男を残さず逝去すると、やはり、4代さかのぼった王の次男(ヴァロワ・オルレアン家)の嫡孫がルイ12世に。ルイ12世も1515年、嫡男を残さず逝去したため、2代さかのぼった公爵の次男(ヴァロワ・アングレーム家)の嫡孫がフランソワ1世となりました。

 1589年、アンリ3世が暗殺され、彼に子がなかったため、ヴァロワ朝は断絶します。この時には約300年さかのぼり、聖王ルイ9世の血統につながるブルボン家のアンリ・ド・ブルボンがアンリ4世となり、ブルボン王朝を開きました。このブルボン王朝から、17世紀に太陽王ルイ14世が出ます。

 このように、フランス王室はカペー朝を開いたユーグ・カペーの男系子孫たちが、脈々と王位を継承しました。つまり、本家のカペー王家、分家のヴァロワ家とブルボン家の血筋により、男系継承を維持したのです。この例からも、側室制がない場合、男系継承の維持のためには、世代をさかのぼって分家から男系子孫を継承者に据えるという方式が有効であることがわかります。

■「女性天皇」と「女系天皇」の大きな違い

 現在日本の皇室をめぐっては、とくに女性の天皇即位を認めるかどうかでさまざまな議論がなされています。その場合、一代限りの「女性天皇」を認めるのか、その女性天皇と民間人の夫の子にも皇位継承権を認める「女系天皇」までを是とするのかでは、皇位継承における意味が全く異なります。「女系天皇」までを是とした場合、ハプスブルグ家の婚姻政策のような、あるいは野心家の民間人男性による、皇統の「乗っ取り」の可能性を開くことにもなりかねません。

 日本の歴史にはかつて8人の女性天皇が登場しましたが、これらの女性天皇はすべて、男性天皇の子、あるいは男性天皇の男系の孫・ひ孫などの「男系の女性天皇」でした。「女系天皇」は存在せず、今日に至るまで天皇家は男系を離れたことがありません。

 天皇家は民間女性を皇后などに迎えて皇族にすることはあっても、民間男性を皇族にしたことはありません。民間の男性は皇族になれないのです。つまり、男系継承とは女性を排除する制度ではなく、むしろ皇族/王族外の男性を排除し、「王朝の交代」を防ぐ制度なのです。

■「フランス方式」を検討する意義はある

 1000年にわたる男系継承を可能にしてきたフランス方式を、直ちに現在の皇室に当てはめることは困難かもしれません。文化や伝統の違いに加え、時代環境の差もあります。昔の后は現在ほど公務に追われることなく、出産に専念できましたし、フランス王室では、男子が産まれない王后と離縁し、再婚することもできました。いずれも、現在の日本の皇室にとって現実的ではありません。

 それでも、今後の皇位継承を考えるうえで、フランス方式を検討してみる意義はあると思います。具体的には、戦後、皇籍離脱した旧皇族の皇籍復帰により、男系の皇位継承権者の範囲を広げるという措置になります。復活する宮家が2〜3あれば十分かと思われます。「そもそも男系継承にこだわるべきではない」とする論者にとっては意味がないかもしれませんが、男系継承を維持するべきと考える人にとっては、最も妥当な措置であるのは言うまでもありません。

 一方で、疑問の声もあります。臣籍降下(皇籍から離れ一般人となること)されたかつての宮家の人々はこれまで、われわれと同じように「俗人」として過ごしてきました。それにもかかわらず、ある日を境に皇族や皇位継承者になるということに、国民の理解が得られるのかどうか。ひとたび俗人となった人が皇族となって、崇敬されるのか。もし皇位継承者にふさわしくないような人物が含まれていたら、どうするのか――。こうした観点から、無理に男系継承にこだわることは天皇制をかえって危うくするという、女系継承容認の立場からの批判も根強くあります。

 女系継承容認論を含め、どのような措置も百点満点とはいえず、またどのような制度改変にも困難や障害がつきまといます。であるならば、フランス方式も一つの選択肢として、より多くの国民の理解を得られる皇位継承制度を築くための議論を積み重ねていけばよいのではないでしょうか。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190525-00028756-president-soci&p=1
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/411.html#c13

[近代史3] 内閣官房参与をクビにされた藤井聡先生、遂に本音を語る 中川隆
22. 中川隆[-10160] koaQ7Jey 2019年5月25日 13:15:47 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2187]

世界経済はバブル崩壊直前


【Front Japan 桜】日本経済が落第生の理由 -
今の消費増税は「害」しかない[桜R1-5-24] - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=4POHZ97qB8Q

キャスター:三橋貴明・藤井聡

http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/140.html#c22

[リバイバル3] 株で儲ける方法教えてあげる(こっそり) 新スレ 中川隆
204. 中川隆[-10159] koaQ7Jey 2019年5月25日 13:16:18 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2188]

世界経済はバブル崩壊直前


【Front Japan 桜】日本経済が落第生の理由 -
今の消費増税は「害」しかない[桜R1-5-24] - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=4POHZ97qB8Q

キャスター:三橋貴明・藤井聡

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/822.html#c204

[リバイバル3] 株で損した理由教えてあげる 新スレ 中川隆
172. 中川隆[-10158] koaQ7Jey 2019年5月25日 13:16:49 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2189]

世界経済はバブル崩壊直前


【Front Japan 桜】日本経済が落第生の理由 -
今の消費増税は「害」しかない[桜R1-5-24] - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=4POHZ97qB8Q

キャスター:三橋貴明・藤井聡

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/823.html#c172

[リバイバル3] 苗場スキー場 中川隆
70. 中川隆[-10157] koaQ7Jey 2019年5月25日 14:34:21 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2190]

かぐら・みつまた・田代・年表
http://web2.nazca.co.jp/dfg236rt/page266.html


1931年 − ○慈恵医大山岳部ヒュッテ開設(宮大工の和田氏が建築、その後隣に和田
氏の山小屋「和田ヒュッテ」を建築)★慈恵医大山岳部ヒュッテと和田小屋は
別物とのご指摘をいただきました。情報ありがとうごうざいます。 【訂正H18.7.29】

1955年 3月31日 − 湯沢村、神立村、土樽村、三俣村、三国村が合併し湯沢町となる 湯沢町ホームページ

1959年 6月15日 − 三国トンネル開通式 日経580108、湯沢町ホームページ

1961年 12月28日 国土 苗場国際スキー場開業 新潟日報611229、読売新潟
版611226・29、朝日新潟版
611226

1962年 7月 国土 ○苗場山和田小屋開業(国土計画が和田夫婦から買収) 国土年表

1963年 7月 国土 ○苗場山遊仙閣開業(国土計画が買収) 国土年表

1966年 11月 − 国道17号線全面舗装完成 湯沢町ホームページ

1968年 9月 国土 ○苗場遊仙閣建替 国土年表

1969年
2月3日 国土 自然公園審議会は苗場山麓スキー場計画を承認 日経690204
10月 国土 苗場山向山スキー場開発着手(みつまた高原スキー場) 国土年表
12月28日 国土 ◆みつまた高原にリフト1基(第2リフトB線)とコース11haを造成

1970年 12月17日 国土 ◆みつまた高原スキー場開業(ロープウエー、国道沿いの駐車場、レストラン新設) 新潟県スキー連盟ホームページ

1971年 12月17日 国土 みつまた高原スキー場、第3リフト新設、コースを14haに拡張、外の川ヒュッテ、下山コース5ha新設

1972年 12月26日 国土 第2リフトA線、スキーセンター新設、駐車場1000台に拡張

1974年 12月27日 国土 第1リフト新設、コース25haに拡張

1977年 12月24日 国土 ◆かぐらスキー場開業、和田小屋新築、みつまた高原第4リフト新設、コース70haに拡張

1978年
4月 国土 かぐらスキー場春スキーフェスティバル初開催
7月 − カッサダム、二居ダム完成、奥清津発電所(揚水式)操業開始

1979年 12月15日 国土 かぐらスキー場第3リフトB・C線新設

1980年 12月23日 国土 みつまた高原第3リフトB線新設

1981年 2月15日 国土 みつまた高原第1ロマンスリフト新設(大島民宿と直結)

1982年 11月15日 − 上越新幹線開通(大宮ー新潟間、大宮ー上野間はリレー号が運行) 湯沢町ホームページ

1983年 12月10日 国土 ◆苗場山田代スキー場開業、「信州そばしなの木」、「レストランアリエスカ」、「カレーハウス白樺」、「とんかつぶなの木」、「ラーメン・ギョーザ唐松」オープン

12月 国土 かぐらスキー場「レストランアリエスカ」、「ラーメン・ギョーザ唐松」オープン

1984年 12月 国土 ◆かぐらスキー場と田代スキー場がつながる、かぐらスキー場かぐら第3ロマンスリフト、第4ロマンスリフト新設、田代スキー場第6ロマンスリフト、第7ロマンスリフト新設

1985年
3月14日 − 上越・東北新幹線(大宮ー上野間)開業 湯沢町ホームページ
10月2日 − 関越自動車道、前橋ICー湯沢IC開通により全線開通 湯沢町ホームページ
12月 国土 かぐらスキー場かぐら第5ロマンスリフト新設

1987年 12月 国土 田代スキー場田代第8ロマンスリフト新設

1988年 12月24日 国土 ◆かぐらゴンドラ開業、みつまた第3ロマンスリフト新設 新潟日報881225

1991年
6月20日 − 東北・上越新幹線(上野ー東京間)開通 湯沢町ホームページ
12月 国土 かぐらスキー場メインゲレンデにスノーマシン新設

1992年 11月27日 コクド
新潟日報921127広告
◆みつまたロープウエー竣工(121人乗り)輸送力が3倍に

12月 コクド かぐらスキー場かぐら第1高速リフト(フード付4人乗り)、みつまたスキー場みつまた第2高速リフト(フード付4人乗り)新設

1994年 2月1日 コクド 田代スキー場ロープウエーが駅舎に衝突事故6人怪我 朝日940201、読売940201

1996年
3月12日 − 三俣共同浴場「街道の湯」オープン 湯沢町ホームページ
8月3日 − 二居共同浴場「宿場の湯」オープン 湯沢町ホームページ

2000年 7月 コクド 苗場ー田代ゴンドラ着工

2001年
9月 コクド 苗場・みつまたかぐら田代 2つのスキー場を結ぶ世界最長のゴンドラの愛称が「ドラゴンドラ」に決定、松任谷由実が命名 日刊スポーツ010924
12月21日 コクド ◆苗場ー田代ゴンドラ(ドラゴンドラ)開業、世界最長のゴンドラ(5481m、施工日本ケーブル)、田代第2高速リフト開業 日経010929、日本ケーブルホームページ、日経産業010928
12月 コクド 田代スキー場「レストランアルム」開業(田代ヒュッテ)

2002年 3月10日 コクド 田代スキー場田代連絡コースでスキーをしていた男性がコース外の立ち木に衝突し、意識不明の重体

2004年
2月5日 コクド
かぐら・みつまたスキー場で軽油流失事故
新潟日報040207
3月 コクド かぐら・みつまたスキー場駐車場で偽造リフト券(カラーコピー)を販売した男2名を詐欺などの疑いで六日町警察署が逮捕

2007年 12月 プリンス かぐら第1ロマンスリフト新設(第3シングルリフトBC線廃止)

http://web2.nazca.co.jp/dfg236rt/page266.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/775.html#c70

[リバイバル3] かぐらスキー場 (かぐら・三俣・田代スキー場) 中川隆
123. 中川隆[-10156] koaQ7Jey 2019年5月25日 14:35:10 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2191]

かぐら・みつまた・田代・年表
http://web2.nazca.co.jp/dfg236rt/page266.html


1931年 − ○慈恵医大山岳部ヒュッテ開設(宮大工の和田氏が建築、その後隣に和田
氏の山小屋「和田ヒュッテ」を建築)★慈恵医大山岳部ヒュッテと和田小屋は
別物とのご指摘をいただきました。情報ありがとうごうざいます。 【訂正H18.7.29】

1955年 3月31日 − 湯沢村、神立村、土樽村、三俣村、三国村が合併し湯沢町となる 湯沢町ホームページ

1959年 6月15日 − 三国トンネル開通式 日経580108、湯沢町ホームページ

1961年 12月28日 国土 苗場国際スキー場開業 新潟日報611229、読売新潟
版611226・29、朝日新潟版
611226

1962年 7月 国土 ○苗場山和田小屋開業(国土計画が和田夫婦から買収) 国土年表

1963年 7月 国土 ○苗場山遊仙閣開業(国土計画が買収) 国土年表

1966年 11月 − 国道17号線全面舗装完成 湯沢町ホームページ

1968年 9月 国土 ○苗場遊仙閣建替 国土年表

1969年
2月3日 国土 自然公園審議会は苗場山麓スキー場計画を承認 日経690204
10月 国土 苗場山向山スキー場開発着手(みつまた高原スキー場) 国土年表
12月28日 国土 ◆みつまた高原にリフト1基(第2リフトB線)とコース11haを造成

1970年 12月17日 国土 ◆みつまた高原スキー場開業(ロープウエー、国道沿いの駐車場、レストラン新設) 新潟県スキー連盟ホームページ

1971年 12月17日 国土 みつまた高原スキー場、第3リフト新設、コースを14haに拡張、外の川ヒュッテ、下山コース5ha新設

1972年 12月26日 国土 第2リフトA線、スキーセンター新設、駐車場1000台に拡張

1974年 12月27日 国土 第1リフト新設、コース25haに拡張

1977年 12月24日 国土 ◆かぐらスキー場開業、和田小屋新築、みつまた高原第4リフト新設、コース70haに拡張

1978年
4月 国土 かぐらスキー場春スキーフェスティバル初開催
7月 − カッサダム、二居ダム完成、奥清津発電所(揚水式)操業開始

1979年 12月15日 国土 かぐらスキー場第3リフトB・C線新設

1980年 12月23日 国土 みつまた高原第3リフトB線新設

1981年 2月15日 国土 みつまた高原第1ロマンスリフト新設(大島民宿と直結)

1982年 11月15日 − 上越新幹線開通(大宮ー新潟間、大宮ー上野間はリレー号が運行) 湯沢町ホームページ

1983年 12月10日 国土 ◆苗場山田代スキー場開業、「信州そばしなの木」、「レストランアリエスカ」、「カレーハウス白樺」、「とんかつぶなの木」、「ラーメン・ギョーザ唐松」オープン

12月 国土 かぐらスキー場「レストランアリエスカ」、「ラーメン・ギョーザ唐松」オープン

1984年 12月 国土 ◆かぐらスキー場と田代スキー場がつながる、かぐらスキー場かぐら第3ロマンスリフト、第4ロマンスリフト新設、田代スキー場第6ロマンスリフト、第7ロマンスリフト新設

1985年
3月14日 − 上越・東北新幹線(大宮ー上野間)開業 湯沢町ホームページ
10月2日 − 関越自動車道、前橋ICー湯沢IC開通により全線開通 湯沢町ホームページ
12月 国土 かぐらスキー場かぐら第5ロマンスリフト新設

1987年 12月 国土 田代スキー場田代第8ロマンスリフト新設

1988年 12月24日 国土 ◆かぐらゴンドラ開業、みつまた第3ロマンスリフト新設 新潟日報881225

1991年
6月20日 − 東北・上越新幹線(上野ー東京間)開通 湯沢町ホームページ
12月 国土 かぐらスキー場メインゲレンデにスノーマシン新設

1992年 11月27日 コクド
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◆みつまたロープウエー竣工(121人乗り)輸送力が3倍に

12月 コクド かぐらスキー場かぐら第1高速リフト(フード付4人乗り)、みつまたスキー場みつまた第2高速リフト(フード付4人乗り)新設

1994年 2月1日 コクド 田代スキー場ロープウエーが駅舎に衝突事故6人怪我 朝日940201、読売940201

1996年
3月12日 − 三俣共同浴場「街道の湯」オープン 湯沢町ホームページ
8月3日 − 二居共同浴場「宿場の湯」オープン 湯沢町ホームページ

2000年 7月 コクド 苗場ー田代ゴンドラ着工

2001年
9月 コクド 苗場・みつまたかぐら田代 2つのスキー場を結ぶ世界最長のゴンドラの愛称が「ドラゴンドラ」に決定、松任谷由実が命名 日刊スポーツ010924
12月21日 コクド ◆苗場ー田代ゴンドラ(ドラゴンドラ)開業、世界最長のゴンドラ(5481m、施工日本ケーブル)、田代第2高速リフト開業 日経010929、日本ケーブルホームページ、日経産業010928
12月 コクド 田代スキー場「レストランアルム」開業(田代ヒュッテ)

2002年 3月10日 コクド 田代スキー場田代連絡コースでスキーをしていた男性がコース外の立ち木に衝突し、意識不明の重体

2004年
2月5日 コクド
かぐら・みつまたスキー場で軽油流失事故
新潟日報040207
3月 コクド かぐら・みつまたスキー場駐車場で偽造リフト券(カラーコピー)を販売した男2名を詐欺などの疑いで六日町警察署が逮捕

2007年 12月 プリンス かぐら第1ロマンスリフト新設(第3シングルリフトBC線廃止)

http://web2.nazca.co.jp/dfg236rt/page266.html

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/779.html#c123

[リバイバル3] 買い手が見つからないスラム化したリゾートマンションを処分する方法 中川隆
11. 中川隆[-10155] koaQ7Jey 2019年5月25日 16:27:58 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2192]

廃虚同然リゾマン、執念の解体 全員同意へ所有者を追跡 2019年4月27日
負動産時代

 つくるのは簡単だが、こわすのは大変。それはマンションの宿命といえる。一度建ったマンションを建て替えたり、更地にしたりするには、所有者の大多数、場合によっては全員の同意が必要だからだ。

 築44年で老朽化が進み、所有者も散り散りになっていた新潟県湯沢町のリゾートマンション(リゾマン)が 昨年取り壊され、更地として売却された。所有者全員が同意してのマンション解体は全国的にも珍しく、「奇跡的」ともいえる。売るに売れず、税金や管理の負担が重くのしかかる「負動産」の問題を長く取材してきた記者が、現地に向かった。


リゾマンの草分け

上越新幹線の越後湯沢駅から車で約30分。「マンション苗場」があった場所はいま、きれいな更地になっている。

 全国屈指のスキーリゾートとして知られる苗場高原にこのマンションが建ったのは1975年。6階建て、40〜50平方メートルの30部屋にレストランなどもあり、リゾートマンションの草分け的存在だった。その後、バブル期にかけてリゾマンが次々と建ち、そのバブルも崩壊したため、利用者は激減した。

 管理費の滞納も相次ぎ、管理組合は機能不全に。2003年を最後に大規模修繕も行われなくなり、廃虚に近づいていった。


立ち上がったオーナー

 朽ちゆくマンションの惨状を見かねて、立ち上がった所有者たちがいる。その一人が新潟県柏崎市の建設会社社長、石坂泰男さん(54)だ。会社名義でマンション苗場の物件2戸を持ち、先代社長だった父は管理組合の理事長をしていた。石坂さんは「このまま廃虚になることだけは避けたい」と、14年に地元の不動産仲介会社ひまわりに相談した。


 廃虚同然のリゾマンをどうするか。やらなければならないことは山ほどあった。

 まずは休眠状態にあった管理組合の立て直しだ。15年6月に臨時総会を開き、あらためて理事を決めた。

 つぎに、散り散りになった所有者たちの意向を確認しなくてはいけない。

 石坂さんらは不動産登記簿に載っていた28の個人・法人にアンケートを郵送した。回答は21、無回答が3。4通は宛先不明で戻ってきた。

 回答があった21人のうち19人は、すでにマンションを利用していなかった。

2人が「年に5〜10泊利用している」 と答えた。

使い続けたいという声は皆無で、解体をめざすという方向性は決まった。保証期間が切れる寸前だったエレベーターを止め、建物は閉鎖した。15年10月に改めて管理組合の定期総会を開き、解体の方針を決議した。


全員同意の「壁」

 管理組合の「財布」を調べ直してみると、修繕積立金が約3500万円残っていた。理事を務めていた3人ら、一部の所有者が管理費・積立金を払い続けてきたことが大きかった。解体費用のめどは立った。だがそこで最大の難関が立ちはだかった。「所有者全員の同意」だ。マンションを壊すのに、なぜ全員の同意が必要なのか。

マンションを壊すのは

@建て替える
A更地にして売却する

という二つのパターンがある。

原則として

@では所有者の5分の4以上、
Aでは所有者全員の合意

が必要となる。ただしAには特例もある。耐震性が足りないマンションや、大規模に被災したマンションについては5分の4以上の合意があれば、解体・売却できる。

マンション苗場も耐震性が足りない可能性があり、特例の「5分の4以上」の合意による解体も検討した。だが、行政の手続きでかえって時間がかかるかもしれないと判断。全員合意を目指す方針をとった。


 全員から合意を取り付ける仕事にあたったのは大野元さん(61)だ。ひまわりグループのリゾマン専門の管理会社、エンゼルの管理部長としてこの問題を担当した。

 大野さんはさっそく壁に突き当たった。所有者不明問題だ。

 所有者へのアンケートで、宛先不明で戻ってきてしまったのは3人と1法人。送り先の住所を訪ねてみたが所有者は見つからない。

 大野さんは周辺の「聞き込み」から始めた。3人のうち1人は飲食店オーナーだったが、すでに自己破産して行方がわからなくなっていた。ただし、飲食店の元従業員がいることがわかった。訪ねて事情を聴くと、元従業員もかつてマンション苗場を利用したことがあるという。すぐに元オーナーに連絡を取ってくれ、協力を得られることになった。

 法人の1社は2部屋を持っていたが、何度か住所が変わった末に事業の実態はなくなっていた。最後の住所地を訪ねるとマンションが建っていて、手がかりはなくなった。

 それでも大野さんは聞き込みを続けた。訪ね歩くうちに、ふと目についた診療所の看板に、元経営者の特徴のある名字と同じ名前があった。その診療所に飛び込んで事情を話すと、医師の父が、探していた法人の元経営者だとわかった。

 残った2人には、管理組合が滞納分の管理費の支払いを求める裁判を起こした。裁判所からの手紙である「送達」は、郵便局の転送期限が切れても可能な限り転居先を追いかけて届けられる。これで2人とも連絡が取れた。

 このうち1人は、納める管理費を一部減額することを条件に解体に協力してくれた。

 最後の1人になった。でも、解体には合意できないという。もともと、管理組合との関係がこじれていた所有者だった。


最後の1人

 いざこざの原因は複雑だ。

 その人が買ったマンション苗場の部屋は競売物件だった。元の所有者が住宅ローンを滞納したため差し押さえられたのだ。

 ここで「債務の引き継ぎ」というやっかいな問題が持ち上がる。

 競売物件を買った人が、元所有者の住宅ローンを肩代わりする必要は、もちろんない。ところが、元所有者が滞納していた管理費などの債務は、物件の新たな所有者に引き継がれるのだ。

 管理組合は滞納分の支払いを求めたが、新たな所有者は応じなかった。そこで管理組合は、この所有者がマンションを利用することを拒否していた。

 説得に当たったのが大野さんだ。「あなた以外の所有者は解体に合意しています。このまま幽霊屋敷になって事故が起きたら、あなたが責任を問われますよ」などと説き、ようやく解体することにだけ合意が得られた。


個人の土地を、管理組合が競売に

 ついに全員の合意を取り付けた。17年10月の管理組合総会で解体を決議した。残っていた修繕積立金約3500万円を使って解体を始め、昨年6月に更地になった。

 あとは更地を売るだけ、という段階で、最後まで解体に応じなかった1人が土地売却に反対した。そこで管理組合は、その人の所有分である土地を競売にかけることを申し立てた。管理費の滞納があるため、「債権者」である管理組合は土地を競売にかけることができる。今年2月、新たな所有者が落札し、一連の敷地売却が完了した。

 こうした苦労を重ねてようやく更地になった敷地を買ってくれたのは、近くのペンション経営者で、500万円を出してくれた。大野さんの努力もあって、滞納管理費など1千万円以上を回収できた。

 解体工事費や諸経費などを差し引くと、500万円近くが残った。これを、ずっと管理費などを払い続けてきた7戸の所有者の5人に分配した。

 理事長の石坂さんは振り返る。

 「管理がない状態が続いて積立金がたまっていたので、工事費に回せた。初期のリゾートマンションだったので、所有者はもともと比較的余裕のある人たちが多く、協力が得られたことも大きい」


思い出のマンション

 ほかにも、いろいろな課題に直面した。解体にあたって工事車両の出入りや足場の設置場所が必要だったため、隣の土地を借りたいと頼んだときのことだ。

 隣の土地の所有者から、借りるのではなく買うよう求められた。応じざるをえなかった。

 解体前、苗場マンションを「社員寮にしたいので丸ごと売ってほしい」という話が舞い込んだこともあった。石坂さんたちは真剣に検討した。しかし、本当に責任を持って使ってくれるかの確信が持てず、断った。

 その会社が近くでやると言っていた事業は、いまはない。もし売却していたら、マンション苗場の所有者たちは楽になったかもしれないが、物件そのものは今も放置され、廃虚になっていたかもしれない。

 「自分が中学生のときに親が会社の保養所として買い、友達と何度も利用した思い出のマンションだった。廃虚になることが避けられて、本当によかった」

 石坂さんはほっとしているという。(松浦新)
http://www.angel-r.com/pdf/asahi_1.pdf

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/650.html#c11

[不安と不健康16] “早死にする人”ランキング 短命にある共通点とは…(ZAK×SPA!)  赤かぶ
94. 中川隆[-10154] koaQ7Jey 2019年5月25日 17:59:14 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2193]

2019年4月25日 ネコ好き女子は肺がんで死にやすい?!

 驚くべき論文が発表されました。

 医学誌『Environmental Research』2019年2月25日で発表された論文「米国の18年間の追跡調査からみるペット飼育と肺がんのリスク(Pet ownership and the risk of dying from lung cancer, findings from an 18 year follow-up of a US national cohort)」によると、ネコ好きの女性は、ネコを飼っていない女性に比べて肺がん死亡率が2.85倍にもなるというのです。

 この研究の対象者は、1988〜94年に実施された第3回米国国民健康栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey)に協力した19歳以上の13,725人で、2010年12月31日まで追跡調査が行われています。

 対象者の43%がペットを飼育しており、20.4%がネコ、4.6%が鳥を飼っていました。追跡期間中、肺がんで213人が死亡しています。女性でみると、ペット飼育者の肺がん死亡率は2.31倍。なかでもネコを飼育していると2.85倍と最も高くなっています。ちなみに鳥も2.67倍と有意差を持って高く、一方、イヌは1.01倍と関連がありません。

 男性ではペット飼育と死亡率に有意な関係は認められていません。

 尚、この分析では対象者の喫煙、飲酒、身体活動、体重、アトピー性疾患(喘息を含む)などの影響を調節した上で算出されています。

************

 この論文では数値を算出しているだけであり、なぜネコを飼育する女性が肺がん死亡率が高くなるのかは分かりません。太融寺町谷口医院の患者さんにもネコ好きの女性患者さんは非常に多く、なかにはネコのせいで喘息発作を起こしているのにネコと離れられないという人もいます。そういう場合は、生活に工夫をすることでネコと"共存"することが可能となりますが、そこまで進むのに時間がかかることもしばしばあります。

 私がこの論文を読みかけたとき、きっと喘息発作を繰り返している人が死亡率を上げているのでは、と思っていました(とはいえ喘息と肺がんに関連があるわけではありませんが)。しかし、喘息やアトピーの因子も除外した上で統計処理がおこなわれていました。また、以前紹介したトキソプラズマとも無関係のようです。

 今後物議を醸しそうな論文と言えるでしょう。
http://www.stellamate-clinic.org/blog/2019/04/2019425-1466138.html
http://www.asyura2.com/13/health16/msg/134.html#c94

[リバイバル3] 癌はニンニクで治そう: 中川隆
19. 中川隆[-10153] koaQ7Jey 2019年5月25日 17:59:47 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2194]

2019年4月25日 ネコ好き女子は肺がんで死にやすい?!

 驚くべき論文が発表されました。

 医学誌『Environmental Research』2019年2月25日で発表された論文「米国の18年間の追跡調査からみるペット飼育と肺がんのリスク(Pet ownership and the risk of dying from lung cancer, findings from an 18 year follow-up of a US national cohort)」によると、ネコ好きの女性は、ネコを飼っていない女性に比べて肺がん死亡率が2.85倍にもなるというのです。

 この研究の対象者は、1988〜94年に実施された第3回米国国民健康栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey)に協力した19歳以上の13,725人で、2010年12月31日まで追跡調査が行われています。

 対象者の43%がペットを飼育しており、20.4%がネコ、4.6%が鳥を飼っていました。追跡期間中、肺がんで213人が死亡しています。女性でみると、ペット飼育者の肺がん死亡率は2.31倍。なかでもネコを飼育していると2.85倍と最も高くなっています。ちなみに鳥も2.67倍と有意差を持って高く、一方、イヌは1.01倍と関連がありません。

 男性ではペット飼育と死亡率に有意な関係は認められていません。

 尚、この分析では対象者の喫煙、飲酒、身体活動、体重、アトピー性疾患(喘息を含む)などの影響を調節した上で算出されています。

************

 この論文では数値を算出しているだけであり、なぜネコを飼育する女性が肺がん死亡率が高くなるのかは分かりません。太融寺町谷口医院の患者さんにもネコ好きの女性患者さんは非常に多く、なかにはネコのせいで喘息発作を起こしているのにネコと離れられないという人もいます。そういう場合は、生活に工夫をすることでネコと"共存"することが可能となりますが、そこまで進むのに時間がかかることもしばしばあります。

 私がこの論文を読みかけたとき、きっと喘息発作を繰り返している人が死亡率を上げているのでは、と思っていました(とはいえ喘息と肺がんに関連があるわけではありませんが)。しかし、喘息やアトピーの因子も除外した上で統計処理がおこなわれていました。また、以前紹介したトキソプラズマとも無関係のようです。

 今後物議を醸しそうな論文と言えるでしょう。
http://www.stellamate-clinic.org/blog/2019/04/2019425-1466138.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/731.html#c19

[近代史3] 天皇家では何時から知恵遅れや発達障害の子供しか生まれなくなったのか? 中川隆
151. 中川隆[-10152] koaQ7Jey 2019年5月25日 18:17:59 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2195]

2019.05.25
愛子さまの「傲慢さ」に一同唖然 「皇族失格」 雅子さまの甘やかしが原因か
https://rondan.net/23177


万世一系の重要さ


皇統は万世一系で紡いでいかなければならない。

このごろは新聞社などのアンケートで「女性天皇」やら「女系天皇」やらを支持する層が多いと喚ているが、滑稽である。

女性天皇を認めることは、愛子さまに一生独身を強いなければならない。こんなことは「人権」上許されない。女性天皇供用者は人権を軽んじる前近代人である。

女系天皇を認めるなど論外。皇統を破壊する朝敵・反日でしかない。嘆かわしいことに、女系・女系の違いもわからず女系天皇を支持している人が多いらしい。

皇室の有り方はアンケートでは決まらない

だが、皇室の在り方はアンケートや投票で決められるものではなく、悠久の歴史のなかで育まれるものである。

ゆえにいかなる国民の支持があろうとも、女系天皇を認めることなどありえない。

まして皇后・雅子さまと、親王・愛子さまには「皇族」としてふさわしくない情報が飛び交っている。このような人間を天皇にするなどもってのほかである。

前回、その問題について、雅子さまの「子育て失敗」の一例を取り上げた。今回もこれに続いて、雅子さまと愛子さまの資質について述べたい。

叱らない子育ての問題点「あいさつ」ができない

雅子さまの教育の最大の問題は、「叱らない子育て」である。

ろくに「しつけ」ができておらず、挨拶もできないらしい。


記者E こういった“叱らない子育て”は現代の育児法の主流と言えます。皇太子ご夫妻はかなり忠実に実行していらっしゃるようです。

記者C でも結果、しつけができていないように見えるケースも多いのではないでしょうか。

記者E 2006年のオランダご静養では、海外のメディアも大勢いる前で、愛子さまは気をつけをして挨拶が出来ませんでした。身体をグニャグニャとさせて、脚を交差させ、シャネルのマークのような「シャネル立ち」だと噂されました。
『週刊文春 皇室ファッション革命』 
これは愛子さまが4歳のころの出来事だが、「三つ子の魂百まで」というように、いまさら改善不可能だろう。

天皇となれば様々な人と挨拶しなければならない。その時まともな挨拶ができないとなれば、日本の恥である。

ゴミ事件

愛子さまがまともな人間に成長していない根拠は他にもある。12歳になってもろくなコミュニケーションが取れないらしい。


記者B 「ゴミ事件」には驚きましたね(2014年7月3日号)。12歳でしたよね?

記者C はい。学習院大のキャンパスで行われたイベントに行かれた時に、お菓子を立ち食いされたのですが、べたべたした包み紙を近くのスタッフに差し出し、たった一言、「これ」とおっしゃった。「捨てたいの?」と尋ねられても、頷くだけ。しまいには鼻をかんだティッシュを「ゴミ」と言って、スタッフに差し出しました。

デスクA 皇太子殿下ご自身は、厳しく育てられています。浜尾実東宮侍従に姿勢や挨拶などを厳格にしつけられていた。そういった過去に対する“反動”なのでしょうか。
『週刊文春 皇室ファッション革命』 
この事件からも明らかにように愛子さまに皇族としての資質はない。

傲慢な人間は皇室から不要である。

まとめ

女系天皇がありえないことはよくわかっていただけたと思う。

そしてたとえ過去に女性天皇がいたとしても、愛子さまを天皇にする危険性も解っていただけたと思う。

トランプ大統領が国賓としてきている。おそらく雅子さまも愛子さまも「失態」を見せるだろう。それは相対的に、そして秋篠宮家の方々(殿下、紀子さま、眞子さま、佳子さま)のすばらしさを際立たせるだろう。

秋篠宮家に正しく皇統が移り、悠仁さまが天皇となられる日を心待ちにしなければならない。
https://rondan.net/23177
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/110.html#c151

[社会問題9] 語られ始めた皇太子「退位論」は説得力があるか・・が、語られるだけでも適応失調の天皇家! 墨染
234. 中川隆[-10151] koaQ7Jey 2019年5月25日 18:18:40 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2196]

2019.05.25
愛子さまの「傲慢さ」に一同唖然 「皇族失格」 雅子さまの甘やかしが原因か
https://rondan.net/23177


万世一系の重要さ


皇統は万世一系で紡いでいかなければならない。

このごろは新聞社などのアンケートで「女性天皇」やら「女系天皇」やらを支持する層が多いと喚ているが、滑稽である。

女性天皇を認めることは、愛子さまに一生独身を強いなければならない。こんなことは「人権」上許されない。女性天皇供用者は人権を軽んじる前近代人である。

女系天皇を認めるなど論外。皇統を破壊する朝敵・反日でしかない。嘆かわしいことに、女系・女系の違いもわからず女系天皇を支持している人が多いらしい。

皇室の有り方はアンケートでは決まらない

だが、皇室の在り方はアンケートや投票で決められるものではなく、悠久の歴史のなかで育まれるものである。

ゆえにいかなる国民の支持があろうとも、女系天皇を認めることなどありえない。

まして皇后・雅子さまと、親王・愛子さまには「皇族」としてふさわしくない情報が飛び交っている。このような人間を天皇にするなどもってのほかである。

前回、その問題について、雅子さまの「子育て失敗」の一例を取り上げた。今回もこれに続いて、雅子さまと愛子さまの資質について述べたい。

叱らない子育ての問題点「あいさつ」ができない

雅子さまの教育の最大の問題は、「叱らない子育て」である。

ろくに「しつけ」ができておらず、挨拶もできないらしい。


記者E こういった“叱らない子育て”は現代の育児法の主流と言えます。皇太子ご夫妻はかなり忠実に実行していらっしゃるようです。

記者C でも結果、しつけができていないように見えるケースも多いのではないでしょうか。

記者E 2006年のオランダご静養では、海外のメディアも大勢いる前で、愛子さまは気をつけをして挨拶が出来ませんでした。身体をグニャグニャとさせて、脚を交差させ、シャネルのマークのような「シャネル立ち」だと噂されました。
『週刊文春 皇室ファッション革命』 
これは愛子さまが4歳のころの出来事だが、「三つ子の魂百まで」というように、いまさら改善不可能だろう。

天皇となれば様々な人と挨拶しなければならない。その時まともな挨拶ができないとなれば、日本の恥である。

ゴミ事件

愛子さまがまともな人間に成長していない根拠は他にもある。12歳になってもろくなコミュニケーションが取れないらしい。


記者B 「ゴミ事件」には驚きましたね(2014年7月3日号)。12歳でしたよね?

記者C はい。学習院大のキャンパスで行われたイベントに行かれた時に、お菓子を立ち食いされたのですが、べたべたした包み紙を近くのスタッフに差し出し、たった一言、「これ」とおっしゃった。「捨てたいの?」と尋ねられても、頷くだけ。しまいには鼻をかんだティッシュを「ゴミ」と言って、スタッフに差し出しました。

デスクA 皇太子殿下ご自身は、厳しく育てられています。浜尾実東宮侍従に姿勢や挨拶などを厳格にしつけられていた。そういった過去に対する“反動”なのでしょうか。
『週刊文春 皇室ファッション革命』 
この事件からも明らかにように愛子さまに皇族としての資質はない。

傲慢な人間は皇室から不要である。

まとめ

女系天皇がありえないことはよくわかっていただけたと思う。

そしてたとえ過去に女性天皇がいたとしても、愛子さまを天皇にする危険性も解っていただけたと思う。

トランプ大統領が国賓としてきている。おそらく雅子さまも愛子さまも「失態」を見せるだろう。それは相対的に、そして秋篠宮家の方々(殿下、紀子さま、眞子さま、佳子さま)のすばらしさを際立たせるだろう。

秋篠宮家に正しく皇統が移り、悠仁さまが天皇となられる日を心待ちにしなければならない。
https://rondan.net/23177
http://www.asyura2.com/12/social9/msg/352.html#c234

[お知らせ・管理20] 世間の噂 _ 阿修羅はCIAに乗っ取られた? 中川隆
32. 中川隆[-10153] koaQ7Jey 2019年5月25日 19:02:28 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2194]
櫻井ジャーナル 2019.05.25

 アメリカやイギリスを中心とするアングロ・サクソン系の5カ国の情報機関、いわゆるファイブ・アイズ(FVEY)は衛星通信の始まった1970年代から電子的な情報活動に力を入れています。その中心がアメリカのNSAとイギリスのGCHQです。

 このグループはイスラエルの8200部隊とも連携、通信の傍受をはじめとする監視システムを整備し、バックドア(裏口)を組み込んだシステムを世界規模で売ってきました。各国の政策を事前に知り、資金の流れを調べ、個人情報を集め、有力者の弱みを握ろうというわけです。言うまでもなく、インターネットやコンピュータの分野で大きな影響力を持っているアメリカ系企業はそうした情報機関と緊密な関係にあります。

 こうした情報活動は1970年代から問題になっているのですが、その流れは止まりませんでした。個人的な経験ですが、日本ではマスコミだけでなく、リベラル派、左翼、右翼、市民活動家といった人びともその問題に触れたがりませんでした。一瞬、話題になっても表面的な話で終わり、すぐに忘れてしまうようです。唯一の例外が山川暁夫さんでした。

 こうした電子的な情報活動はアメリカやイギリスの独擅場でしたが、中国の技術力が向上したことで情況は大きく変化しています。そこで2018年7月、ファイブ・アイズのトップたちがカナダ東部のノバスコシアに集まり、カナダのジャスティン・トルドー首相を交えて会談しています。これは本ブログでも書いてきました。

 その会議から5カ月後、バンクーバーの空港でカナダ当局が中国の大手通信機器メーカー、ファーウェイ・テクノロジーズのCFO(最高財務責任者)である孟晩舟が逮捕されます。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201905250000/
http://www.asyura2.com/11/kanri20/msg/582.html#c32

[近代史3] 日本人は「狂ったアメリカ」を知らなすぎる 中川隆
49. 中川隆[-10152] koaQ7Jey 2019年5月25日 19:03:58 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2195]
櫻井ジャーナル 2019.05.25

 アメリカやイギリスを中心とするアングロ・サクソン系の5カ国の情報機関、いわゆるファイブ・アイズ(FVEY)は衛星通信の始まった1970年代から電子的な情報活動に力を入れています。その中心がアメリカのNSAとイギリスのGCHQです。

 このグループはイスラエルの8200部隊とも連携、通信の傍受をはじめとする監視システムを整備し、バックドア(裏口)を組み込んだシステムを世界規模で売ってきました。各国の政策を事前に知り、資金の流れを調べ、個人情報を集め、有力者の弱みを握ろうというわけです。言うまでもなく、インターネットやコンピュータの分野で大きな影響力を持っているアメリカ系企業はそうした情報機関と緊密な関係にあります。

 こうした情報活動は1970年代から問題になっているのですが、その流れは止まりませんでした。個人的な経験ですが、日本ではマスコミだけでなく、リベラル派、左翼、右翼、市民活動家といった人びともその問題に触れたがりませんでした。一瞬、話題になっても表面的な話で終わり、すぐに忘れてしまうようです。唯一の例外が山川暁夫さんでした。

 こうした電子的な情報活動はアメリカやイギリスの独擅場でしたが、中国の技術力が向上したことで情況は大きく変化しています。そこで2018年7月、ファイブ・アイズのトップたちがカナダ東部のノバスコシアに集まり、カナダのジャスティン・トルドー首相を交えて会談しています。これは本ブログでも書いてきました。

 その会議から5カ月後、バンクーバーの空港でカナダ当局が中国の大手通信機器メーカー、ファーウェイ・テクノロジーズのCFO(最高財務責任者)である孟晩舟が逮捕されます。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201905250000/
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/175.html#c49

[昼休み54] 中国 _ 悪夢の監視社会 中川隆
28. 中川隆[-10151] koaQ7Jey 2019年5月25日 19:04:29 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2196]
櫻井ジャーナル 2019.05.25

 アメリカやイギリスを中心とするアングロ・サクソン系の5カ国の情報機関、いわゆるファイブ・アイズ(FVEY)は衛星通信の始まった1970年代から電子的な情報活動に力を入れています。その中心がアメリカのNSAとイギリスのGCHQです。

 このグループはイスラエルの8200部隊とも連携、通信の傍受をはじめとする監視システムを整備し、バックドア(裏口)を組み込んだシステムを世界規模で売ってきました。各国の政策を事前に知り、資金の流れを調べ、個人情報を集め、有力者の弱みを握ろうというわけです。言うまでもなく、インターネットやコンピュータの分野で大きな影響力を持っているアメリカ系企業はそうした情報機関と緊密な関係にあります。

 こうした情報活動は1970年代から問題になっているのですが、その流れは止まりませんでした。個人的な経験ですが、日本ではマスコミだけでなく、リベラル派、左翼、右翼、市民活動家といった人びともその問題に触れたがりませんでした。一瞬、話題になっても表面的な話で終わり、すぐに忘れてしまうようです。唯一の例外が山川暁夫さんでした。

 こうした電子的な情報活動はアメリカやイギリスの独擅場でしたが、中国の技術力が向上したことで情況は大きく変化しています。そこで2018年7月、ファイブ・アイズのトップたちがカナダ東部のノバスコシアに集まり、カナダのジャスティン・トルドー首相を交えて会談しています。これは本ブログでも書いてきました。

 その会議から5カ月後、バンクーバーの空港でカナダ当局が中国の大手通信機器メーカー、ファーウェイ・テクノロジーズのCFO(最高財務責任者)である孟晩舟が逮捕されます。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201905250000/
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/181.html#c28

[文化2] ゆとり教育を推進した三浦朱門の妻 曽野綾子がした事 _ これがクリスチャン 中川隆
190. 中川隆[-10150] koaQ7Jey 2019年5月25日 19:41:37 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2197]

若者を借金奴隷にする奨学金 大卒から20年返済の道のり… 2019年5月25日
https://www.chosyu-journal.jp/kyoikubunka/11799


まるでサラ金 前途を摘んでいるのは誰か?


 日本は先進国のなかでも教育にあてている国の予算の割合は最低レベルで、とりわけ高等教育(大学・大学院等の教育)の負担は家庭に重くのしかかっている。そのもとで学生たちは「奨学金」という名の多額の借金を背負って社会に出て行かざるを得ない状況が蔓延している。日本学生支援機構による苛烈な取り立てによって家族もろとも破産に追い込まれたりといった事態も頻発してきた。参議院選を前に安倍政府は「大学無償化法」を成立させたが、対象者は住民税非課税世帯に限定されているうえ、国が指定した教育機関に通うことが条件というもので、無償化とはほど遠い内容だ。日本の将来を担う若者を借金漬けにして食い潰す構造が学生たちの人生のみならず、日本社会をもむしばんでいる。

 日本では高等教育機関で学ぶ学生のうち約半数が何らかの奨学金を借りて学生生活を送っている。そのうち独立行政法人日本学生支援機構(JASSO、旧日本育英会)の奨学金を受けている学生が大多数だ。日本学生支援機構によると2017年度には学生348万人のうち129万人(37・2%)が同機構の奨学金を利用しており、その割合は学生の2・7人に1人にのぼる。10年前の2007年度が3・4人に1人だったのと比較しても、その割合は上昇し続けている。

 奨学金を借りなければならない学生が増加しているもっとも大きな原因は、大学の授業料が異常なほどに値上がりしていることにある。「安い」というイメージのある国立大学の授業料は、1971年までは年間1万2000円、月にするとわずか1000円というものだった。それが1980年代に入ると新自由主義にもとづく大学改革が実行され、「受益者負担」を掲げて国立大学の入学金と授業料が交互に値上げされるようになった。

 こうして現在では53万5800円と、当時の約45倍にまで高騰している。入学金を含む初年度納付金は1969年の1万6000円から81万7800円と約50倍である。1960年代〜70年代のように国立大学の学費が私立大学と比べて格安だった時期は、国立大学に合格すれば下宿をしてもかなり安く大学に通うことができた。しかし、今では仕送りとアルバイトだけでまかなえる水準ではなくなっている。さらに日本の場合、国立大学は全国に86校しかなく、学部学生のおよそ7割が、学費が国立大学の1・6倍の私立大学に通っている。私立大学の授業料は平均で86万4384円、私立大医学部になると初年度納付金(平均)は約756万円で、6年間の授業料総額(平均)は3321万円にもなる。

学費は高騰 仕送りは減 経済的理由の中退も

 政府は2004年の国立大学の独立行政法人化以降、国の運営費交付金を毎年削減して競争的資金を拡大し、大企業、さらには防衛省や米軍などから資金を得て研究を進める産学協同、軍学共同へと誘導しようとしてきた。財務省は2015年に運営費交付金の削減とそれに対応した授業料値上げを求める方針をうち出したが、それが実行されれば2031年には授業料が約93万円になるという試算もある。

 70年代以降、国立・私立ともに学費は上昇し続けたが、バブル崩壊以前はそれらの費用がまかなえるだけの経済状況にある層が一定数存在し、また年功序列賃金のもとで、子どもが成長するに従って親の収入が増加していたため、奨学金を借りる学生は少数派だった。さらに大学を卒業すれば正規雇用の職に就けていたため、かりに奨学金を借りて大学に通ったとしても返済は比較的可能だったことから、学費の値上げが現在ほど問題になることはなかった。

 しかし、バブルが崩壊するとその状況は大きく変化していった。大卒者の就職は困難となる一方で大学進学率は上昇を続けた。その背景には高卒者の就職が大卒者にも増して厳しくなっていたことがあるといわれている。高卒求人はピークの1992年に167万6001人あったものから急速に減少し、1995年には約半分の64万人台に、2011年には19万4635人へと、わずか19年で約9割減となった。少子化のなかで求人倍率の上昇が喧伝されている今年3月末を見ても求人数は42万人台であり、ピーク時の2割超に過ぎない。高卒者の就職が厳しいことから、大学は「高等教育を受ける」というより、進路や就職先を確保するツールという色合いを強め、無理をしてでも大学に通わせる親たちも多くなっていった。

 高等教育に対する公的支出が極端に少ない日本では、その費用は家計負担でまかなわれている。しかし、この期間に労働の規制緩和によって終身雇用・年功序列賃金制度が解体され、親たちの収入は減少していった。非正規雇用が働く人の4割を占めるまでになるなかで、「子どもが大学に通うころには賃金が上がる」保証のある家庭はむしろ少なくなり、親たちの仕送りは年年減っている(グラフ参照)。

 全国大学生活協同組合連合会の学生生活実態調査によると、下宿生のうち月の仕送り額が10万円以上の学生は1995年には62・4%いたが、2018年度には33・5%へと半分にまで減少した。一方で、仕送り0円の学生は95年の2・0%から18年は7%へ、5万円以下(0円を含む)も7・3%から23%へと増加している。18年度の支出を見ると、食費が2万6230円、住居費が5万2560円となっており、たとえ10万円の仕送りを得てもその大半が消えてしまう関係だ。

 東京私大教連が私立大学の新入生を対象におこなっている調査でも、昨年度の月平均仕送り額(初年度の出費の多い時期を過ぎた6月以降)は8万3100円と過去最低を更新している。1994年度の12万4900円と比較すると33・5%もの減少だ。一方で家賃の平均は前年度から1200円上がって6万2800円となり、仕送り額平均(6月以降)に占める家賃の割合は75・6%にのぼった。仕送り額から家賃を除いた生活費は2万300円で、1日当り677円と過去最低水準となっている。親たちの生活がいかに困難になっているかがここから浮き彫りになる。

 こうしたなかで学生たちは、家賃や食費、生活費、書籍や教科書代、通信費など、大学に通ううえで必要な経費を自分で稼ぎ出さなければならない。かつて学生のアルバイトは自身の趣味やサークルなど自由に使うお金を稼ぐためにおこなわれていたが、親からの仕送りを十分に得られない学生が増加するなかで、それは大学生活を継続するために必要な資金を稼ぐものへと変化している。アルバイトをやめたくてもやめられない、アルバイトのために学業がおろそかになるという事例が蔓延しているのも、こうした家計の事情からだ。経済的な理由で大学を中退する学生は年間2万人に迫る。下宿代が高いため片道3時間以上かけて自宅通学する学生が珍しくないといわれ、首都圏の主要大学は首都圏の高校出身者が6〜7割を占めるまでになった。

6割が有利子の奨学金 返済総額600万超も

 物価上昇をはるかにしのぐ学費の高騰と家庭の貧困化−−。現在の大学生をとりまく環境は、一昔前のそれと大きく異なっている。

 こうしたなかで学生たちは大学を卒業するために奨学金に頼らざるを得ない。独立行政法人日本学生支援機構の奨学金を借りる学生は90年代の20%から急増しておよそ4割にまでなっている。1人の学生が借りる額で見ると、4年間の平均貸与額は学部生で無利子の第一種奨学金は237万円、有利子の第二種奨学金は343万円にのぼっている(グラフ参照)。

 問題は、世界的には返さなくてよい給付型奨学金が一般的であるのに対して、日本の奨学金のほとんどは返済が義務づけられた貸与型奨学金だということだ。しかも貸与型のなかでも有利子である第二種奨学金の割合が、人数・金額ともに約6割を占めており、事実上の教育ローンとなっている。近年、奨学金問題がクローズアップされ、第一種の割合が増加傾向にあるが、半数以上の若者は借り入れた額に上乗せして金融機関のもうけになる利子分まで返還しなければならない。

 奨学金返済について具体例で見てみると、国立大学で自宅通学の学生が無利子の第一種奨学金を受けた場合、毎月4万5000円借りることができ、4年間の貸与総額は216万円になる。それを毎月1万2857円ずつ168カ月(14年)かけて返還することになる。有利子の第二種奨学金の場合、国立・私立関係なく毎月12万円借りたとすると4年間の貸与総額は576万円となり、利子を年利0・63%の固定金利(2016年3月貸与終了者の場合)としても毎月2万5624円ずつ240カ月(20年)かけて返済しなければならない。返済総額は614万9683円にふくれあがる。

 通常、借金なりローンを組む場合、年収や返済計画など厳格に資格審査がおこなわれるが、将来の職業も決まっておらず、安定した収入を得られるかも分からない若者たちに巨額の借金をかぶせ、しかも金融機関の利子分までを背負わせる異様な仕組みだ。また、小・中・高校の教員になれば奨学金の返済が免除される制度も、1998年3月に廃止された。

給料差し押え等9000件 自己破産者も急増

 さらに社会問題となってきたのはJASSOの教育的配慮があるとは思えない「サラ金以上」ともいわれる取り立てである。非正規雇用化と、若者を使い捨てにする労働環境が広がるなかで、大学を卒業しても奨学金を返済しうるだけの収入を得られなかったり、正規雇用として就職しても過重労働などで体調を崩し、離職せざるを得ないといった事情でも、返済が滞ると容赦ない取り立てが待っている。特別の事情があって収入がゼロでも、返済猶予は10年間しか認められず、10年をこえれば収入がゼロのままであっても返済しなければならない。

 JASSOは、奨学金の返済が滞ると滞納1〜3カ月で本人や保証人に督促を開始し、滞納が3カ月を過ぎた時点で奨学生の個人情報を個人信用情報機関(ブラックリスト)に登録する。延滞が解消しても5年間はローンやクレジットカードの審査が通りにくくなる。滞納4カ月目に入るとサービサー(債権回収専門会社)による取り立てが始まり、9カ月をこえると一括で元本が請求され、裁判を起こされる。奨学生が2週間以内に意義を申し立てて裁判を起こさないかぎり、サービサーは給料差し押さえなどの法的措置をとる。2015年にJASSOがとった法的措置は8713件にも達し、2011〜2016年の5年間で奨学金にかかわる自己破産者は1万1223人にのぼった。本人6300人、連帯保証人と保証人が5700人である。

 さらに延滞金の問題がある。奨学金の返済が滞ると、利子率をはるかに上回る年率5%の延滞金が加算され、年とともに増えていく。しかも返済を開始したとしても延滞金、利子の順に充当されていくため、元本が減らない「借金地獄」に追いやられるのだ。

 JASSOは「我が国の大学等において学ぶ学生等に対する適切な修学の環境を整備し、もって次世代の社会を担う豊かな人間性を備えた創造的な人材の育成に資する」ことを目的に掲げている。しかし次世代の育成どころか奨学金事業が銀行や投資家の「優良投資先」となる金融事業に変質しており、さらに利益率を高めようとするJASSOによって強硬な回収策がとられていることを、奨学金問題にとりくむ研究者らは指摘している。

 JASSOの2017年度決算を見ると、奨学生からの取り立てによって手にした利益は、利息収入349億5000万円、延滞金収入40億5300万円にのぼっている。JASSOは投資家向けに第一種97・8%、第二種96・6%(当年度分)という高い回収率をアピールし、さらなる回収率向上に向けて、債権回収会社への回収の委託、個人信用情報機関の活用、法的措置の強化を掲げている。

 これらでばく大なもうけをあげているのは民間の銀行や投資家だ。たとえば三井住友銀行は1861億円を年利0・465%でJASSOに貸しており、これだけで約87億円の利息収入を得ている。奨学金返済の問題が社会問題化する前まで、利子付きの第二種奨学金ばかりが拡大し、本来無利子で借りられるはずの成績優秀者まで利子付き奨学金しか受けられなかったケースも相当数にのぼる。それを含め、若者が無理を重ねて返済しているものが利益となって金融機関に還流する仕組みとなっている。

 こうした金融機関のために多額の借金を抱えて社会に出る若者たちは、20〜40代の期間にこれらの返済をしなければならず、それが結婚や出産を躊躇する大きな要因になっている。奨学金の存在が少子化を加速させていることは明白だ。

世界に逆行する日本の奨学金制度

 国際的に見ても日本の教育に対する公的支出は最低水準だ。北欧やヨーロッパの先進国ではそもそも学費が無料で、そのうえに生活費として給付型奨学金が支給されている国が多い。欧州では教育によって利益を得るのは学生本人だけでなく社会全体だという考え方から、「社会が税金で負担するのが当たり前」ということが社会的な合意となっている。

 北欧諸国やドイツなどは低授業料・高補助で、アメリカ・イギリス・オーストラリア・カナダ・オランダ・ニュージーランドなどは高授業料・高補助、低授業料・低補助の国がオーストリアやフランス、イタリア、スペイン、チェコ、ポーランド、ポルトガルなどだ。そして高授業料・低補助の国は日本、韓国、チリのみとなっている。しかし日本と比べて経済的に困難な状態にあるチリでも学生たちの運動が高まり、2015年12月に高等教育無償化に向けた法案が可決され、家庭の所得水準が下位50%までの学生の学費が無料となっており、チリ政府は今後も無償化の対象を広げようとしている。

 一方アメリカではハーバード大学など有名私立大学の学費はこの20年ほどで3倍近くまではね上がっており、年間の学費が4万j(約500万円)以上、生活費込で6万j(約750万円)を下らない。比較的学費が安いとされている公立の州立大学でも学費は生活費込みで約5万5000jだ。

 約46万人の学生を擁し、全米最大のカリフォルニア州立大学が委託した調査によると、同大学では10人に1人にあたる約5万人の学生が特定の住所を持たないホームレス状態にあり、さらに4〜5人に1人にあたる10万人が食べ物の確保ができていない。路上や施設で暮らしたり、定住先を持たないため友人や知人などの家を渡り歩いたり、「カウチ・サーフィン(インターネット上で提供される無料民泊)」で日日をしのいでいるという。

 アメリカでは高校を卒業していない人の年収は大卒の半分以下で、失業率は3倍近くにのぼる格差がある。そのため将来、高収入の職に就くことを前提として高利子の学生ローンを組んで進学することが一般的となっている。しかし近年可処分所得を上回るペースで大学費用が高騰する一方で、不景気によって大学を卒業してもウエイターや小売販売など一般的に低所得の職に就く人が増えている。そのため大学を卒業しても学生ローンの返済が困難になるケースが増加しているのだ。

 最近、アメリカの富豪が卒業生約400人分の学生ローンを肩代わりすると表明し話題となったが、その金額は4000万j(約44億円)にのぼる。つまり、大学卒業時に1人当り約1100万円もの借金を抱えているということになる。

 現在アメリカで学生ローンを借りている人は4400万人をこえ、負債額はトータルで1兆5000億j(約169兆6800億円)にのぼる。2016年を見ると、学生ローンの平均借入額は3万7172j(約420万円)だが、2017年には4万j(約452万円)近くになっている。アメリカの消費者が抱える借金の種目別ランキングでは、1位の住宅ローンに次いで学生ローンが2位にランクインしており、自動車ローンやクレジットカードローンを上回るまでになっている。学生ローンの借金は2007年以降3倍となっており、2013年と比べても5000億j(約56兆5600億円)も増加している。

 アメリカでは2010年にオバマ政府が、学生ローンの一部を民間が提供する制度を廃止し連邦政府が全額融資するようにした。しかしその結果、大学側が学費の値上げに踏み切るようになり、政府から学生への貸し付けは2010年以降、約2000億jから約9000億j以上に膨らんでいる。学生ローンの増加分のうち、70%は借入額が増えたことに起因するという。

 政府の救済プログラムである「所得連動型返済プラン」では月月の返済額が所得に応じて抑制され、返済期間も通常の10年から最大20〜25年へと延長される。しかしその分金利負担が増し、負債総額は膨れあがる。ニューヨーク連銀によると、2014年末に返済が予定通りに進捗している借り入れは全体の37%しかなく、17%がデフォルトか返済が遅延(30日以上)している。残りの46%は金利しか払っていないのが現状となっている。

 学生ローン債務を抱える60歳以上の人口は、過去10年間で70万人から280万人へと4倍にも増加している。その債務額は10年前の80億jから670億jにもなり、債務者の多くは、公的年金から支払いをしている。

 「奨学金」と銘打った日本の教育ローンはアメリカの後追いをしているともいえる。日本の未来を発展させるうえでも、高い学費を大幅に値下げすること、学生の時期から金融機関の餌食にして食い潰すような奨学金制度を是正することが緊急の課題となっている。
https://www.chosyu-journal.jp/kyoikubunka/11799
http://www.asyura2.com/09/bun2/msg/492.html#c190

[近代史3] 日本人を憎む被差別同和部落出身者 2 _ 竹中平蔵 中川隆
6. 中川隆[-10152] koaQ7Jey 2019年5月26日 03:46:50 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2195]

権力犯罪者 竹中平蔵 2019年05月25日
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-754.html

 竹中平蔵については、ほとんど無数といえるほどの権力犯罪の疑惑に包まれている。本来ならば、この男は、日本人数千万人の窮乏化と数十万人の自殺に関与したことで、死ぬまで牢獄に幽閉されなければならないほどの極悪犯罪者なのだが、どんな疑惑についても、権力の側にいて要領よくスルリと逃げ出してしまうのである。

 私は、すでに何回も竹中平蔵について書いている。しかし、強い関心を集めることには成功していないので、「下手な鉄砲……」で、繰り返し撃ち続けるしかないと覚悟しているのである。
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-326.html

 竹中が登場したのは1998年の小渕政権だが、2001年前後の小泉政権で経済財政政策大臣として実質的に竹中流新自由主義政策を主導した。
 戦後、小渕政権から安倍政権に至るまで、20年以上の長期にわたって、政権中枢で経済政策の根幹に関与してきた経済学者は竹中平蔵以外に存在しない。
 言い換えれば、戦後保守政権の人権破壊をもたらした経済政策は、竹中平蔵一人の存在に依っていて、アホの代名詞のようなアベノミクスでさえ、竹中の責任に帰せられるべきである。

 いわゆる「小泉政策」の大半が竹中によるもので、郵政民営化問題については、ゆうちょ・簡保資金400兆円をアメリカデリバティブに投資させる見返りに数兆円をバックリベートとしてもらう契約まであったと囁かれている。
 まさに「権力を利用して私腹を肥やす悪代官」という表現は、竹中のためにあるような印象さえある。

 竹中がやったことは、日本の雇用安定を完全破壊し、すべての労働者の基本的権利を剥奪して「ルンペンプロレタリアート」に再編することだった。
 つまり正規雇用を排除し、臨時・派遣雇用に切り替える政策を推進し、その「日雇い手配師」の頭目である「人材派遣事業」によって甘い汁を吸っている最大手パソナの会長に納まったのが竹中平蔵である。

 あまりにも疑惑が多すぎて、いちいち覚えていられないので、彼の犯罪をまとめた、いくつかのブログを紹介してゆきたい。

 御用学者・竹中平蔵がこれほど『悪質で重大な権力犯罪』を数多く犯しても決して逮捕も起訴も終身刑にも 2019年1月(杉並からの情報発信)
 https://ameblo.jp/homura2/entry-12435790556.html

 2018年06月23日 ブログ『杉並からの情報発信です』
https://blog.goo.ne.jp/yampr7/e/bdc08bb2426a6c0e08a6d8a517c9c774

 https://www.youtube.com/watch?v=Budowbdq4LQ

 以下引用

1. 竹中平蔵は小泉政権下の経済担当大臣の時「米国債」を20兆円買って米国に貢いだ!

2. 竹中平蔵は小泉政権下の経済担当大臣の時「りそな銀行倒産」をわざと示唆して日本株を大暴落させゴールドマンサックスなどの米国金融機関に日本株を底値で買い占めさせ、その直後「りそな銀行の国営化による救済」を示唆して株価を急騰させた。

3. 竹中平蔵は米金融機関に莫大な利益を提供した上、日本の代表的大企業の株を米国金融機関と投資家に「独占」させた!

4. 竹中平蔵は小泉政権下の総務大臣の時「郵政民営化」を担当し「郵便貯金」と「郵便保険」の国民資産250兆円を米国金融機関に「解放」した!

5. 竹中平蔵は以前は慶応大学の経済学部教授であり、現在は東洋大学経済学部の教授であるが、その正体は年収1億円の人材派遣会社「パソナ」会長であり、またオリックスの社外取締役である。竹中平蔵は「学者」を装って「世論誘導」するデマゴーグ(大衆扇動者)であり、比類のない「金の亡者」である!

6. 竹中平蔵は「経済財政諮問会議・産業競争力会議合同会議」の民間議員として高プロ制度を企画・提案し、安倍政権が推し進める「弱者いじめ」「労働者いじめ」「非正規労働者拡大」路線の司令塔であり大企業と経団連へ利益誘導する「工作員」である!

7. 慶応大学と東洋大学は、竹中平蔵に「教授」の肩書を与えて「学者」「民間人」を偽装させ「権力犯罪」をより犯しやすくした「犯罪加担者」である!

 2011-03-24 【杉並からの情報発信です】
http://blog.goo.ne.jp/yampr7/e/2438579e8831a671ecfd84b5a37c5f0d

「規制緩和」「市場開放」「民営化」「小さな政府」「自己責任」という美名のもとに、小泉元首相と竹中平蔵氏が強行した「小泉竹中構造改革」 は、それまで培ってきた日本の経済・金融・生活・労働・社会保障・価値観の「基本構造」を根こそぎ破壊しました。

 米国ユダヤ金融資本、米国軍産複合体、米国多国籍企業からなる「米国支配層」の利益のために、日本を「構造的に再編成」する目的があったのです。

 当時の日本国民の80%が小泉元首相と竹中平蔵氏と大手マスコミが唱える「構造改革すれば日本は復活する」という大嘘に騙されたのです。

 5年半にわたる「小泉竹中構造改革」こそが現在の「日本の貧困化」と悲惨な状況をもたらしたのです。
 優良企業の株や資産・土地と日本人の資産がユダヤ金融資本に買占められ、正社員が給料1/3の非正規社員にとって代わられ、1999年には一人当 たりのGDPが世界2位であったのが2010年には世界27位となり、年間3万人以上が自殺する国となり、「財政の健全化」の名のもとに医療や介護や年 金などのセーフティ―ネットが破壊されたのです。

 「小泉竹中構造改革」によってそれまで日本が誇っていた安定した中間層が貧困化しごく一部の金持ちと大多数の貧乏人とに分離した「大格差社会」に 変貌してしまったのです。

 小泉元首相と竹中平蔵氏はブッシュ大統領、ポールソン財務長官(後にゴールドマンサックスCEO)、西川善文三井銀行頭取らと共謀して、ゼロ金利政策、外資への市場開放、米国債の大量購入、りそな銀行倒産→国有化の国家的インサイダーによる外資の株と土地の買占め、郵政民営化による郵貯資産の米国への売却などを次々に実行したのです。

 小泉純一郎氏と竹中平蔵氏の二人は日本人の資産と日本企業を米国に売り渡し「日本の貧困化」を実行した主犯なのですが、彼らの法的責任と道義的責任は一切問われることなく今でものうのうと暮らしています。

 竹中平蔵氏は慶應義塾大学の教授(グローバルセキュリティ研究所所長・大学院メディアデザイン研究科教授・総合政策学部(SFC)教授)を務め、 同時に株式会社パソナグループ取締役会長とシンクタンク「アカデミーヒルズ」の理事長を務めています。

「構造改革」の立役者、竹中平蔵・慶応大学教授にはSTAP細胞も真っ青の論文剽窃騒動があった。

『市場と権力』(講談社)で大宅壮一ノンフィクション賞をを受賞した佐々木実氏が、知られざる秘話を明かす。

 かくも長きにわたり日本の経済政策に影響を与えた経済学者がかつていただろうか。竹中氏は十六年前に小渕政権の経済戦略会議のメンバーになって以降、ほぼ途切れること無く政府の経済ブレーンをつとめている。

 そんな竹中氏が、今度は安倍政権で規制緩和の司令塔役を果たそうとしている。産業競争力会議で「国家戦略特区」構想を打ち出し、提言どおり安倍総理直属の「国家戦略特区諮問会議」が新設されると、こちらでも民間議員に就任。労働、医療、農業などの分野に大胆な規制緩和で切り込もうとしている。

【筆者註:日本政府の規制を廃止して、外資に利権を開放するのが竹中流規制緩和の正体で、竹中平蔵が、外資=ユダヤ金融資本の代理人である事実を、これほどあからさまに示しているものはない。@種子法 A水道法 B国有林野管理経営法 C民泊法 etc 】

 竹中にも触れられたくない過去がある。デビュー作をめぐる“剽窃疑惑”だ。

 竹中氏が『研究開発と設備投資の経済学』(東洋経済新報社)を上梓したのは一九八四年七月。当時は日本開発銀行(現日本政策投資銀行)に勤務する三十三歳の駆け出しエコノミストで、大蔵省のシンクタンクに出向していた。

ところが、満を持してのデビュー作が出版されると、日本開発銀行に波紋が広がった。共同研究者だった鈴木和志氏(現明治大教授)が、竹中氏の本を見てショックのあまり同僚たちの前で泣き出してしまったからだ。アメリカ留学時のふたりの研究が、「竹中氏個人の研究成果」として発表されていたためである。

 竹中氏は確信犯だった。というのも、出版前に鈴木氏を訪れ、共同研究の成果を竹中氏個人の著作として発表させてほしいと頼み込んでいた。「ふたりで研究したのだから、発表するならふたりの名前で発表してほしい」。鈴木氏はそういって拒絶した。
 鈴木氏にとっても、アメリカでの研究の集大成なのだから無理もない。しかしその後、竹中氏は鈴木氏にいっさい何も知らせず、出版を強行した。

涙を流して悔しがった鈴木氏は結局、竹中氏と絶交した。一方、竹中氏はこの著作でサントリー学芸賞を受賞、新進気鋭のエコノミストとして評価された。「裏切り」の対価として「褒賞」を得たわけだが、そもそも研究を主導したのが鈴木氏だったことから、研究仲間からも「剽窃に近い行為だ」との声があがった。

 剽窃騒動はそれだけではない。開銀の後輩研究者だった高橋伸彰氏は、自分が作成して論文で発表したはずのグラフが竹中氏の本に無断掲載されているのを発見して驚愕した。
 しかもこのグラフは高橋氏の論文の核をなすものだった。だが竹中氏は高橋氏のクレジットを入れることもせず、勝手に拝借していたのだ。

 竹中氏は批判など意に介さず、大胆にも本作を博士論文として母校の一橋大学経済学部に提出している。経済学博士号の取得がかねてからの狙いだったのだ。
 だが、事査の結果は「不合格」。真偽は定かでないが、剽窃疑惑が響いたとみる向きもあるようだ。いずれにせよ、「経済学者竹中平蔵」がトラブルを伴って誕生したことは事実である。

 「処女作に作家のすべてがあらわれる」。学者にもあてはまる格言だろう。現在、竹中氏は「慶応大学教授」として労働規制の緩和に熱心に取り組む。一方で、彼は人材派遣大手パソナグループの取締役会長をつとめる。「利益相反」をものともしない経済学者には、“剽窃疑惑”騒動でかいまみせた“グリード(強欲)”の精神がいまも宿っている。

 「脱税王といわれた男」

 2010年04月02日 竹中平蔵 そろそろ万事休すか
 https://ameblo.jp/kriubist/entry-10497882299.html

 以下引用
 小泉と共に郵政改革法案を通して国会議員としての任期も全うせず辞職した竹中平蔵。
 亀井郵政担当相にTVで「東京地検に告訴しますよ」と言われて青ざめていた竹中平蔵。
 国会での参考人招致に何度も呼ばれているが「忙しい」の一点張りで、そのくせTV番組には出演しまくっている竹中平蔵。

 セーフティーネットを破壊し、多くの国民を自殺または生きるためにしかたなく犯罪を犯させるような日本にした竹中平蔵。
 そのくせパソナという人材派遣会社の会長職に就いて、年間1億円以上の報酬を、人材派遣という「人身売買」によって得る竹中平蔵。

 りそな銀行をインサイダー取引きで外資に大儲けさせたという疑惑大の竹中平蔵。
 ろくでもない似非学者のくせに、講演料は1回150万円を取る竹中平蔵。
 和歌山出身なのにイルカ漁で地域住民が海外からバッシングされているのに、地域住民に援護も何もしない竹中平蔵。
 郵政の350兆円を外資にうまく貢げたら、その報酬で3兆円頂くことになっているとの疑惑を持つ竹中平蔵。

 毎年年末に住民票を米国に移し、日本に税金を支払わないらしい竹中平蔵。
 植草一秀氏を冤罪に仕向けた張本人と言われている竹中平蔵。

 2010年、世界的なタックスヘイブンの名所、ケイマン諸島における脱税者のリストが情報公開された結果、日本人数百名の情報が含まれていることが判明した。
 
 タックスヘイブン、国税庁へ脱税情報を提供との報道があったが、安倍政権は、これをうやむやにして情報を隠蔽、国税も一切手を出さなかった。
 日本人で、タックスヘイブンを利用した巨額脱税者がいるとすれば、おおむね見当がついている。例えば、笹川一族や、糸山英太郎などの故人、現役政治家では竹中平蔵の名前が挙がっていた。
 国税が手を出せないのは、自民党政権中枢にいる人物がターゲットになるためで、顔ぶれをみて可能性の一番手に竹中平蔵が上げられていた。

 実は、竹中には、小泉政権大臣時代から「脱税疑惑」が繰り返し指摘されてきた。

 住民税脱税犯における偽計行為(続)
 http://www.zsk.ne.jp/zeikei517/ronbun.html

 竹中平蔵氏の住民票操作
 https://blog.goo.ne.jp/sinji_ss/e/60818aa09b1f61e24bfbce9e49cc69b4

 大半の資産が、日本国内ではなく外国に置かれていると噂されているが、だとすれば、タックスヘイブン最大級の利用者であることは間違いなかろう。
 パソナの会長報酬は、年間1億円以上ともいわれ、オリックス社外取締役、SBIホールディングス社外取締役、森ビルアカデミーヒルズ理事長、日本経済研究センター研究顧問、外為どっとコム総合研究所主席研究理事、などの役職手当を含めれば、年収は軽く数億円を超えると思われるが、彼は税金をほとんど支払っていないとも噂されている。
 このあたり、竹中は脱税詮索の多さに応えて、自ら、収入源と納税を明らかにしなければ、竹中によって正規雇用を奪われ、窮乏させられた数百万の人々が納得しないだろう。

 実は、竹中の収入については、年収数億どころではなく、ユダヤ系外資に、ゆうちょ資金など日本政府の利権を開放した見返りに数兆円のバックマージンが贈られているとの噂が絶えない。安倍政権が、タックスヘイブン疑惑を権力で隠蔽、潰した理由は、この竹中の疑惑が関係しているといわれている。

 国民生活を破壊する悪魔。竹中平蔵の犯罪を山本太郎が国会で追及!
 https://useful-info.com/yamamototaro-pursues-takenakaheizou-crime

 よくわかる竹中平蔵_その1
 https://www.youtube.com/watch?v=56KKGU205WQ

 よくわかる竹中平蔵-その2(金融犯罪編)
  https://www.youtube.com/watch?v=bzkWwXTaYfs

 よくわかる竹中平蔵-その3 ("世間"はこうして騙された)
 https://www.youtube.com/watch?v=K-Cy6wMjECs

 超売国奴 竹中平蔵死罪に価する
 https://www.youtube.com/watch?v=RFkgLvkJ8tg


 竹中平蔵の犯罪・悪事などで検索すると、無数に出てきて、あまりに数が多すぎるので、核心的に容易にまとめるのが困難であるが、これからも、世間に竹中の悪事が広く浸透するまで、繰り返し、これを紹介してゆきたいと思っている。

http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-754.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/115.html#c6

[近代史02] 竹中平蔵物語 中川隆
93. 中川隆[-10151] koaQ7Jey 2019年5月26日 03:47:25 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2196]

権力犯罪者 竹中平蔵 2019年05月25日
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-754.html

 竹中平蔵については、ほとんど無数といえるほどの権力犯罪の疑惑に包まれている。本来ならば、この男は、日本人数千万人の窮乏化と数十万人の自殺に関与したことで、死ぬまで牢獄に幽閉されなければならないほどの極悪犯罪者なのだが、どんな疑惑についても、権力の側にいて要領よくスルリと逃げ出してしまうのである。

 私は、すでに何回も竹中平蔵について書いている。しかし、強い関心を集めることには成功していないので、「下手な鉄砲……」で、繰り返し撃ち続けるしかないと覚悟しているのである。
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-326.html

 竹中が登場したのは1998年の小渕政権だが、2001年前後の小泉政権で経済財政政策大臣として実質的に竹中流新自由主義政策を主導した。
 戦後、小渕政権から安倍政権に至るまで、20年以上の長期にわたって、政権中枢で経済政策の根幹に関与してきた経済学者は竹中平蔵以外に存在しない。
 言い換えれば、戦後保守政権の人権破壊をもたらした経済政策は、竹中平蔵一人の存在に依っていて、アホの代名詞のようなアベノミクスでさえ、竹中の責任に帰せられるべきである。

 いわゆる「小泉政策」の大半が竹中によるもので、郵政民営化問題については、ゆうちょ・簡保資金400兆円をアメリカデリバティブに投資させる見返りに数兆円をバックリベートとしてもらう契約まであったと囁かれている。
 まさに「権力を利用して私腹を肥やす悪代官」という表現は、竹中のためにあるような印象さえある。

 竹中がやったことは、日本の雇用安定を完全破壊し、すべての労働者の基本的権利を剥奪して「ルンペンプロレタリアート」に再編することだった。
 つまり正規雇用を排除し、臨時・派遣雇用に切り替える政策を推進し、その「日雇い手配師」の頭目である「人材派遣事業」によって甘い汁を吸っている最大手パソナの会長に納まったのが竹中平蔵である。

 あまりにも疑惑が多すぎて、いちいち覚えていられないので、彼の犯罪をまとめた、いくつかのブログを紹介してゆきたい。

 御用学者・竹中平蔵がこれほど『悪質で重大な権力犯罪』を数多く犯しても決して逮捕も起訴も終身刑にも 2019年1月(杉並からの情報発信)
 https://ameblo.jp/homura2/entry-12435790556.html

 2018年06月23日 ブログ『杉並からの情報発信です』
https://blog.goo.ne.jp/yampr7/e/bdc08bb2426a6c0e08a6d8a517c9c774

 https://www.youtube.com/watch?v=Budowbdq4LQ

 以下引用

1. 竹中平蔵は小泉政権下の経済担当大臣の時「米国債」を20兆円買って米国に貢いだ!

2. 竹中平蔵は小泉政権下の経済担当大臣の時「りそな銀行倒産」をわざと示唆して日本株を大暴落させゴールドマンサックスなどの米国金融機関に日本株を底値で買い占めさせ、その直後「りそな銀行の国営化による救済」を示唆して株価を急騰させた。

3. 竹中平蔵は米金融機関に莫大な利益を提供した上、日本の代表的大企業の株を米国金融機関と投資家に「独占」させた!

4. 竹中平蔵は小泉政権下の総務大臣の時「郵政民営化」を担当し「郵便貯金」と「郵便保険」の国民資産250兆円を米国金融機関に「解放」した!

5. 竹中平蔵は以前は慶応大学の経済学部教授であり、現在は東洋大学経済学部の教授であるが、その正体は年収1億円の人材派遣会社「パソナ」会長であり、またオリックスの社外取締役である。竹中平蔵は「学者」を装って「世論誘導」するデマゴーグ(大衆扇動者)であり、比類のない「金の亡者」である!

6. 竹中平蔵は「経済財政諮問会議・産業競争力会議合同会議」の民間議員として高プロ制度を企画・提案し、安倍政権が推し進める「弱者いじめ」「労働者いじめ」「非正規労働者拡大」路線の司令塔であり大企業と経団連へ利益誘導する「工作員」である!

7. 慶応大学と東洋大学は、竹中平蔵に「教授」の肩書を与えて「学者」「民間人」を偽装させ「権力犯罪」をより犯しやすくした「犯罪加担者」である!

 2011-03-24 【杉並からの情報発信です】
http://blog.goo.ne.jp/yampr7/e/2438579e8831a671ecfd84b5a37c5f0d

「規制緩和」「市場開放」「民営化」「小さな政府」「自己責任」という美名のもとに、小泉元首相と竹中平蔵氏が強行した「小泉竹中構造改革」 は、それまで培ってきた日本の経済・金融・生活・労働・社会保障・価値観の「基本構造」を根こそぎ破壊しました。

 米国ユダヤ金融資本、米国軍産複合体、米国多国籍企業からなる「米国支配層」の利益のために、日本を「構造的に再編成」する目的があったのです。

 当時の日本国民の80%が小泉元首相と竹中平蔵氏と大手マスコミが唱える「構造改革すれば日本は復活する」という大嘘に騙されたのです。

 5年半にわたる「小泉竹中構造改革」こそが現在の「日本の貧困化」と悲惨な状況をもたらしたのです。
 優良企業の株や資産・土地と日本人の資産がユダヤ金融資本に買占められ、正社員が給料1/3の非正規社員にとって代わられ、1999年には一人当 たりのGDPが世界2位であったのが2010年には世界27位となり、年間3万人以上が自殺する国となり、「財政の健全化」の名のもとに医療や介護や年 金などのセーフティ―ネットが破壊されたのです。

 「小泉竹中構造改革」によってそれまで日本が誇っていた安定した中間層が貧困化しごく一部の金持ちと大多数の貧乏人とに分離した「大格差社会」に 変貌してしまったのです。

 小泉元首相と竹中平蔵氏はブッシュ大統領、ポールソン財務長官(後にゴールドマンサックスCEO)、西川善文三井銀行頭取らと共謀して、ゼロ金利政策、外資への市場開放、米国債の大量購入、りそな銀行倒産→国有化の国家的インサイダーによる外資の株と土地の買占め、郵政民営化による郵貯資産の米国への売却などを次々に実行したのです。

 小泉純一郎氏と竹中平蔵氏の二人は日本人の資産と日本企業を米国に売り渡し「日本の貧困化」を実行した主犯なのですが、彼らの法的責任と道義的責任は一切問われることなく今でものうのうと暮らしています。

 竹中平蔵氏は慶應義塾大学の教授(グローバルセキュリティ研究所所長・大学院メディアデザイン研究科教授・総合政策学部(SFC)教授)を務め、 同時に株式会社パソナグループ取締役会長とシンクタンク「アカデミーヒルズ」の理事長を務めています。

「構造改革」の立役者、竹中平蔵・慶応大学教授にはSTAP細胞も真っ青の論文剽窃騒動があった。

『市場と権力』(講談社)で大宅壮一ノンフィクション賞をを受賞した佐々木実氏が、知られざる秘話を明かす。

 かくも長きにわたり日本の経済政策に影響を与えた経済学者がかつていただろうか。竹中氏は十六年前に小渕政権の経済戦略会議のメンバーになって以降、ほぼ途切れること無く政府の経済ブレーンをつとめている。

 そんな竹中氏が、今度は安倍政権で規制緩和の司令塔役を果たそうとしている。産業競争力会議で「国家戦略特区」構想を打ち出し、提言どおり安倍総理直属の「国家戦略特区諮問会議」が新設されると、こちらでも民間議員に就任。労働、医療、農業などの分野に大胆な規制緩和で切り込もうとしている。

【筆者註:日本政府の規制を廃止して、外資に利権を開放するのが竹中流規制緩和の正体で、竹中平蔵が、外資=ユダヤ金融資本の代理人である事実を、これほどあからさまに示しているものはない。@種子法 A水道法 B国有林野管理経営法 C民泊法 etc 】

 竹中にも触れられたくない過去がある。デビュー作をめぐる“剽窃疑惑”だ。

 竹中氏が『研究開発と設備投資の経済学』(東洋経済新報社)を上梓したのは一九八四年七月。当時は日本開発銀行(現日本政策投資銀行)に勤務する三十三歳の駆け出しエコノミストで、大蔵省のシンクタンクに出向していた。

ところが、満を持してのデビュー作が出版されると、日本開発銀行に波紋が広がった。共同研究者だった鈴木和志氏(現明治大教授)が、竹中氏の本を見てショックのあまり同僚たちの前で泣き出してしまったからだ。アメリカ留学時のふたりの研究が、「竹中氏個人の研究成果」として発表されていたためである。

 竹中氏は確信犯だった。というのも、出版前に鈴木氏を訪れ、共同研究の成果を竹中氏個人の著作として発表させてほしいと頼み込んでいた。「ふたりで研究したのだから、発表するならふたりの名前で発表してほしい」。鈴木氏はそういって拒絶した。
 鈴木氏にとっても、アメリカでの研究の集大成なのだから無理もない。しかしその後、竹中氏は鈴木氏にいっさい何も知らせず、出版を強行した。

涙を流して悔しがった鈴木氏は結局、竹中氏と絶交した。一方、竹中氏はこの著作でサントリー学芸賞を受賞、新進気鋭のエコノミストとして評価された。「裏切り」の対価として「褒賞」を得たわけだが、そもそも研究を主導したのが鈴木氏だったことから、研究仲間からも「剽窃に近い行為だ」との声があがった。

 剽窃騒動はそれだけではない。開銀の後輩研究者だった高橋伸彰氏は、自分が作成して論文で発表したはずのグラフが竹中氏の本に無断掲載されているのを発見して驚愕した。
 しかもこのグラフは高橋氏の論文の核をなすものだった。だが竹中氏は高橋氏のクレジットを入れることもせず、勝手に拝借していたのだ。

 竹中氏は批判など意に介さず、大胆にも本作を博士論文として母校の一橋大学経済学部に提出している。経済学博士号の取得がかねてからの狙いだったのだ。
 だが、事査の結果は「不合格」。真偽は定かでないが、剽窃疑惑が響いたとみる向きもあるようだ。いずれにせよ、「経済学者竹中平蔵」がトラブルを伴って誕生したことは事実である。

 「処女作に作家のすべてがあらわれる」。学者にもあてはまる格言だろう。現在、竹中氏は「慶応大学教授」として労働規制の緩和に熱心に取り組む。一方で、彼は人材派遣大手パソナグループの取締役会長をつとめる。「利益相反」をものともしない経済学者には、“剽窃疑惑”騒動でかいまみせた“グリード(強欲)”の精神がいまも宿っている。

 「脱税王といわれた男」

 2010年04月02日 竹中平蔵 そろそろ万事休すか
 https://ameblo.jp/kriubist/entry-10497882299.html

 以下引用
 小泉と共に郵政改革法案を通して国会議員としての任期も全うせず辞職した竹中平蔵。
 亀井郵政担当相にTVで「東京地検に告訴しますよ」と言われて青ざめていた竹中平蔵。
 国会での参考人招致に何度も呼ばれているが「忙しい」の一点張りで、そのくせTV番組には出演しまくっている竹中平蔵。

 セーフティーネットを破壊し、多くの国民を自殺または生きるためにしかたなく犯罪を犯させるような日本にした竹中平蔵。
 そのくせパソナという人材派遣会社の会長職に就いて、年間1億円以上の報酬を、人材派遣という「人身売買」によって得る竹中平蔵。

 りそな銀行をインサイダー取引きで外資に大儲けさせたという疑惑大の竹中平蔵。
 ろくでもない似非学者のくせに、講演料は1回150万円を取る竹中平蔵。
 和歌山出身なのにイルカ漁で地域住民が海外からバッシングされているのに、地域住民に援護も何もしない竹中平蔵。
 郵政の350兆円を外資にうまく貢げたら、その報酬で3兆円頂くことになっているとの疑惑を持つ竹中平蔵。

 毎年年末に住民票を米国に移し、日本に税金を支払わないらしい竹中平蔵。
 植草一秀氏を冤罪に仕向けた張本人と言われている竹中平蔵。

 2010年、世界的なタックスヘイブンの名所、ケイマン諸島における脱税者のリストが情報公開された結果、日本人数百名の情報が含まれていることが判明した。
 
 タックスヘイブン、国税庁へ脱税情報を提供との報道があったが、安倍政権は、これをうやむやにして情報を隠蔽、国税も一切手を出さなかった。
 日本人で、タックスヘイブンを利用した巨額脱税者がいるとすれば、おおむね見当がついている。例えば、笹川一族や、糸山英太郎などの故人、現役政治家では竹中平蔵の名前が挙がっていた。
 国税が手を出せないのは、自民党政権中枢にいる人物がターゲットになるためで、顔ぶれをみて可能性の一番手に竹中平蔵が上げられていた。

 実は、竹中には、小泉政権大臣時代から「脱税疑惑」が繰り返し指摘されてきた。

 住民税脱税犯における偽計行為(続)
 http://www.zsk.ne.jp/zeikei517/ronbun.html

 竹中平蔵氏の住民票操作
 https://blog.goo.ne.jp/sinji_ss/e/60818aa09b1f61e24bfbce9e49cc69b4

 大半の資産が、日本国内ではなく外国に置かれていると噂されているが、だとすれば、タックスヘイブン最大級の利用者であることは間違いなかろう。
 パソナの会長報酬は、年間1億円以上ともいわれ、オリックス社外取締役、SBIホールディングス社外取締役、森ビルアカデミーヒルズ理事長、日本経済研究センター研究顧問、外為どっとコム総合研究所主席研究理事、などの役職手当を含めれば、年収は軽く数億円を超えると思われるが、彼は税金をほとんど支払っていないとも噂されている。
 このあたり、竹中は脱税詮索の多さに応えて、自ら、収入源と納税を明らかにしなければ、竹中によって正規雇用を奪われ、窮乏させられた数百万の人々が納得しないだろう。

 実は、竹中の収入については、年収数億どころではなく、ユダヤ系外資に、ゆうちょ資金など日本政府の利権を開放した見返りに数兆円のバックマージンが贈られているとの噂が絶えない。安倍政権が、タックスヘイブン疑惑を権力で隠蔽、潰した理由は、この竹中の疑惑が関係しているといわれている。

 国民生活を破壊する悪魔。竹中平蔵の犯罪を山本太郎が国会で追及!
 https://useful-info.com/yamamototaro-pursues-takenakaheizou-crime

 よくわかる竹中平蔵_その1
 https://www.youtube.com/watch?v=56KKGU205WQ

 よくわかる竹中平蔵-その2(金融犯罪編)
  https://www.youtube.com/watch?v=bzkWwXTaYfs

 よくわかる竹中平蔵-その3 ("世間"はこうして騙された)
 https://www.youtube.com/watch?v=K-Cy6wMjECs

 超売国奴 竹中平蔵死罪に価する
 https://www.youtube.com/watch?v=RFkgLvkJ8tg


 竹中平蔵の犯罪・悪事などで検索すると、無数に出てきて、あまりに数が多すぎるので、核心的に容易にまとめるのが困難であるが、これからも、世間に竹中の悪事が広く浸透するまで、繰り返し、これを紹介してゆきたいと思っている。

http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-754.html
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/301.html#c93

[近代史3] (三橋貴明×山本太郎) 絶対にTVでカットされる国債の真実 中川隆
21. 中川隆[-10150] koaQ7Jey 2019年5月26日 05:23:04 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2197]

三橋貴明は人の話が全く聞けない人だというのが良くわかります。
困った人ですね:


【経済討論】最終警告!亡国の消費増税[桜R1-5-25] - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=BcbuxUBgJTY


パネリスト:
 青木泰樹(京都大学レジリエンス実践ユニット特任教授)
 菊池英博(日本金融財政研究所所長)
 島倉原(経済評論家・株式会社クレディセゾン主任研究員)
 田村秀男(産経新聞特別記者・編集委員兼論説委員)
 浜崎洋介(文芸批評家)
 三橋貴明(経世論研究所所長)
 渡邉哲也(経済評論家)
司会:水島総
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/298.html#c21

[近代史3] チャンネル桜の常連の三橋貴明はチャンネル桜関係者の受け売りしかできないアホだった 中川隆
7. 中川隆[-10149] koaQ7Jey 2019年5月26日 05:24:34 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2198]
これを聴けば、三橋貴明は人の話が全く聞けない人だというのが良くわかります。
本当に困った人ですね:


【経済討論】最終警告!亡国の消費増税[桜R1-5-25] - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=BcbuxUBgJTY


パネリスト:
 青木泰樹(京都大学レジリエンス実践ユニット特任教授)
 菊池英博(日本金融財政研究所所長)
 島倉原(経済評論家・株式会社クレディセゾン主任研究員)
 田村秀男(産経新聞特別記者・編集委員兼論説委員)
 浜崎洋介(文芸批評家)
 三橋貴明(経世論研究所所長)
 渡邉哲也(経済評論家)
司会:水島総
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/374.html#c7

[近代史3] チャンネル桜のアホ番組に出演する自称専門家の話は信じてはいけない 中川隆
10. 中川隆[-10148] koaQ7Jey 2019年5月26日 05:34:43 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2199]

これを聴けば、三橋貴明は人の話が全く聞けない人だというのが良くわかります。
本当に困った人ですね:


【経済討論】最終警告!亡国の消費増税[桜R1-5-25] - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=BcbuxUBgJTY


パネリスト:
 青木泰樹(京都大学レジリエンス実践ユニット特任教授)
 菊池英博(日本金融財政研究所所長)
 島倉原(経済評論家・株式会社クレディセゾン主任研究員)
 田村秀男(産経新聞特別記者・編集委員兼論説委員)
 浜崎洋介(文芸批評家)
 三橋貴明(経世論研究所所長)
 渡邉哲也(経済評論家)
司会:水島総




http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/399.html#c10

[近代史3] チャンネル桜や正論で大活躍中のアホ右翼・アホ陰謀論評論家 まとめ 中川隆
8. 中川隆[-10147] koaQ7Jey 2019年5月26日 05:36:31 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2200]

これを聴けば、三橋貴明は人の話が全く聞けない人だというのが良くわかります。
本当に困った人ですね:


【経済討論】最終警告!亡国の消費増税[桜R1-5-25] - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=BcbuxUBgJTY


パネリスト:
 青木泰樹(京都大学レジリエンス実践ユニット特任教授)
 菊池英博(日本金融財政研究所所長)
 島倉原(経済評論家・株式会社クレディセゾン主任研究員)
 田村秀男(産経新聞特別記者・編集委員兼論説委員)
 浜崎洋介(文芸批評家)
 三橋貴明(経世論研究所所長)
 渡邉哲也(経済評論家)
司会:水島総




http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/228.html#c8

[昼休み53] 千葉県にだけは住んではいけない 中川隆
255. 中川隆[-10146] koaQ7Jey 2019年5月26日 05:42:17 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2201]
>>155
>千葉県人の経済評論家・三橋貴明が妻へのDV容疑で逮捕された

に追記

これを聴けば、三橋貴明は人の話が全く聞けない人だというのが良くわかります。
千葉県人はみんなそうなんですね:


【経済討論】最終警告!亡国の消費増税[桜R1-5-25] - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=BcbuxUBgJTY


パネリスト:
 青木泰樹(京都大学レジリエンス実践ユニット特任教授)
 菊池英博(日本金融財政研究所所長)
 島倉原(経済評論家・株式会社クレディセゾン主任研究員)
 田村秀男(産経新聞特別記者・編集委員兼論説委員)
 浜崎洋介(文芸批評家)
 三橋貴明(経世論研究所所長)
 渡邉哲也(経済評論家)
司会:水島総


http://www.asyura2.com/13/lunchbreak53/msg/390.html#c255

[昼休み53] 千葉県にだけは住んではいけない 中川隆
256. 中川隆[-10145] koaQ7Jey 2019年5月26日 05:52:36 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2202]

しかし、千葉にはヤクザや妻へのDV容疑で逮捕された三橋貴明みたいなネトウヨが多いですね:

チャンネル桜の常連の三橋貴明はチャンネル桜関係者の受け売りしかできないアホだった
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/374.html

チャンネル桜のアホ番組に出演する自称専門家の話は信じてはいけない
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/399.html

チャンネル桜や正論で大活躍中のアホ右翼・アホ陰謀論評論家 まとめ
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/228.html

朝日新聞陰謀論 _ なんでもみんな朝日新聞が元凶だというアホ右翼の妄想
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/233.html

アイヌ人は先住民ではない、日本人は単一民族だというデマを撒き散らすチャンネル桜
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/323.html


http://www.asyura2.com/13/lunchbreak53/msg/390.html#c256

[昼休み53] 千葉県にだけは住んではいけない 中川隆
257. 中川隆[-10144] koaQ7Jey 2019年5月26日 06:15:53 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2203]

そういえば 731部隊の石井四郎も千葉県人でしたね:


731部隊 石井四郎 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=731%E9%83%A8%E9%9A%8A+%E7%9F%B3%E4%BA%95%E5%9B%9B%E9%83%8E+


▲△▽▼

石井 四郎(1892年(明治25年)6月25日 - 1959年(昭和34年)10月9日)は、日本の陸軍軍人(軍医将校)、医師。最終階級は陸軍軍医中将(軍医総監)。功四級、医学博士。岳父は荒木寅三郎(細菌学者、京都帝国大学総長)。

関東軍防疫給水部長(「731部隊」は関東軍防疫給水部本部のことであり、関東軍防疫給水部は659部隊であることに注意)を務めたことで知られる。

詳細は

「731部隊」
https://ja.wikipedia.org/wiki/731%E9%83%A8%E9%9A%8A


を参照

千葉県山武郡芝山町(加茂)の地主 兼 酒造家である石井桂の四男として生まれる[1]。

千葉中学(現・千葉県立千葉中学校・高等学校)、第四高等学校(金沢市)を経て、1920年(大正9年)3月、京都帝国大学医学部を卒業[1]。指導教官は清野謙次。

1921年(大正10年)4月、陸軍二等軍医(中尉相当官)に任官し、近衛歩兵第三連隊附[1]。同年8月、東京第1衛戍病院(戦後は厚生省に引き継がれ、現・国立国際医療研究センター)[1]。

1924年(大正13年)4月から1926年(大正15年)3月、京都帝国大学大学院に派遣される[1]。

1924年(大正13年)、陸軍一等軍医(大尉相当官)に進級[1]。

1926年(大正15年)4月、京都衛戍病院(戦後は厚生省に引き継がれ、現・国立病院機構京都医療センター)[1]。

1927年(昭和2年)7月、京都帝国大学から医学博士号を授与される[1]。博士論文は「グラム陽性双球菌について」[1]。1928年(昭和3年)4月 から1930年(昭和5年)4月、欧米出張[1]。

1930年(昭和5年)8月、陸軍三等軍医正(少佐相当官)に進級。陸軍軍医学校教官[1]。1932年(昭和7年)8月、陸軍兵器本部附 兼 陸軍軍医学校附(防疫研究室)[1]。1933年(昭和8年)4月、陸軍軍医学校部員、同年9月、防疫研究室主幹[1]。

1935年(昭和10年)8月、陸軍二等軍医正(中佐相当官)に進級[1]。

1936年(昭和11年)8月、陸軍兵器本部附(被仰 関東軍防疫部長)[1]。1937年(昭和12年)2月、陸軍武官官等表の改正により陸軍軍医中佐[2]。

1938年(昭和13年)3月、陸軍軍医大佐に進級[1]。

1939年(昭和14年)4月、兼 参謀本部附[1]。同月から1941年(昭和16年)1月まで、兼 中支那派遣軍防疫給水部長[1]。

ノモンハン事件

1939年(昭和14年)5月11日、ノモンハン事件が勃発すると、野戦防疫給水部長として出動。7月8日から10日間、海拉爾、将軍廟方面にて防疫給水を指導[3]。

10月1日、ノモンハン事件での防疫給水への貢献が評価され、石井が長を務める関東軍防疫部は、第6軍司令官の荻洲立兵中将から部隊感状を授与され(衛生部隊としては史上初)、石井の顔写真付きで新聞報道された[4]。

関東軍防疫給水部(731部隊)長

詳細は「731部隊」を参照

1940年(昭和15年)8月、関東軍防疫給水部長 兼 陸軍軍医学校教官[1]。

関東軍防疫給水部は、帝国陸軍の慣習により、部隊長の名を冠した「石井部隊」の通称名で呼ばれた。

1941年(昭和16年)3月、陸軍軍医少将に進級[1]。同年4月、陸軍の全部隊に通称号が導入されたのに伴い、関東軍防疫給水部本部に「満洲第731部隊」の通称号が割り当てられる。同年11月、陸軍技術有功章を受章[1]。

第一軍軍医部長

1942年(昭和17年)8月、第1軍軍医部長[1]。

終戦まで

1943年(昭和18年)8月、陸軍軍医学校附[1]。

1945年(昭和20年)3月、陸軍軍医中将に進級[1]。関東軍防疫給水部長に再任[1]。同年5月、満洲第731部隊は「満洲第25202部隊」と改称された。同年8月、ソ連軍の侵攻を受けた満洲国を脱出し、内地へ帰還[1]。同年12月、予備役編入[1]。

戦後

極東国際軍事裁判(東京裁判)において戦犯容疑を問われたが、詳細な研究資料を提供したため、GHQのダグラス・マッカーサー最高司令官とチャールズ・ウィロビー少将の協議によって訴追を免れたという[5][6][7]。

公職追放の対象者となり[8]、新宿区内で医院を開業し、近隣の住民が怪我や病気になると無償で診療を行ったという[9]。晩年にはキリスト教に入信した[10]。

1959年(昭和34年)10月9日、喉頭癌のため国立東京第一病院で死去(67歳)。葬儀委員長は関東軍防疫給水部長を務めたことのある北野政次が務めた。墓所は東京都新宿区・河田町の月桂寺。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%B3%E4%BA%95%E5%9B%9B%E9%83%8E


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七三一部隊の責任者だった石井四郎は、許しがたいことにアメリカ軍との取引で、細菌戦の膨大な資料の提供と引き換えに戦犯を免れているのである。
当然一級戦犯になるべき人物が!

七三一部隊と「ミドリ十字」

 帰国した次の日、二十日の「しんぶん赤旗」で、私は「ミドリ十字」の見出しの
小さな記事を目ざとく見つけた。「七三一部隊はこうしてまだ息の根を止めていない」と、怒りがわいた。

 某病院の照会に、C型肝炎汚染の血液製剤の納入はしなかったとうそをついていたミドリ十字が、実は納入していたことを認めていたニュースだった。このため、医師は汚染血液製剤を患者に使ってしまっていた。

 薬害エイズの問題を初めとし、人工血液で捏造問題を次々起こしている「ミドリ十字」の前身「日本ブラックバンド」は、
七三一部隊二代目の元部隊長、北野政治が創設した会社であることは、誰もが知っている事実である。

命を何とも思わない考えは脈々と流れているではないか。
これは偶然ではなく、中国で行った人体実験の実績が利用された疑いも、最近濃厚になっているという話もあるくらいだ。

 七三一部隊の責任者だった石井四郎は、許しがたいことにアメリカ軍との取引で、細菌戦の膨大な資料の提供と引き換えに戦犯を免れているのである。
当然一級戦犯になるべき人物が!

 アメリカの侵略戦争は、マルタとなった命を踏みつけて、
さらに罪なき人の屍を無数に積み上げる人でなしの行為である。
http://www.akazukin-sanae.com/column/china2004/c05_03.html


731部隊の人体実験のレポート見つかる(NHKニュース)1992年
http://www.youtube.com/watch?v=R9aaf5jZhLw&feature=youtu.be


2001banekuro
否定派はこの「ダグウェイ文書」に対しては完全に知らぬふりを決­め込んでいますな。というかウィキペディアで取り上げられると、­寄ってたかって消して廻っているとか。
日本が悲しい。


_______


三千人以上を生きたまま人体実験して殺した731部隊が免罪され、厚生省や医学界の頂点に収まった


@_KnZ
悪魔の731部隊は実験データをGHQに引き渡すことで東京裁判を逃れた。
そして、その精神は今尚、医学界や厚生省や日本赤十字などに受け継がれている。

御用学者山下は、人体実験で有名な731部隊 出身者 重松逸造の直弟子である。
長崎大学にも多くの731部隊出身者が潜んでいる。


@nzkysnb
山下俊一が731部隊の関係者の弟子筋に当たるというのは、
すごく根深い問題だと思う。
日本の医学犯罪、人体実験の倫理に関しては、土屋貴志さんが詳しい。
/第4回 日本軍による人体実験
http://www.lit.osaka-cu.ac.jp/user/tsuchiya/class/vuniv99/exp-lec4.html


@tokaiama
731部隊帰還者、重松逸造は戦後医学の重鎮として君臨、水俣病とチッソの因果関係なしと断定、救済を十年遅らせた。
チェルノブイリにICRP責任者として出向き被曝死者皆無と断定、死亡総数数十名にした。今でも米軍ABCC後継機関の放影研理事
http://www.asyura2.com/11/genpatu10/msg/116.html

@tokaiama
医学界が、どうしてこれほど産業、政府寄りの姿勢ばかり続けているのか? 
その秘密は人脈にある。
中国で子供たちを人体実験で数千名殺害した関東軍731部隊が
資料を米国に渡して罪を免れ帰国、厚生省や国立大医学部に帰還。
医学部教授や各県医師会長は731部隊出身者でなければなれないと言われた


@mariscontact
731と薬害と原発の関係!
1952年日本に原子力導入の提言をした元東大学長・茅誠司は
エイズ研究班長・安部英設立の「血友病総合治療普及会」理事だった。
茅は戦後、731部隊の追及をやめるように発言。山下俊一は福島事故当時、
HIV・HCV血友病患者の長期療養に関する患者参加型研究班長!


@tokaiama
被曝正当化は関東軍731部隊の免責復員から始まった。
彼らは米軍に人体実験資料を引き渡し罪を免れ戦後医学界の重鎮に。
北野指令官は日本ブラッドバンクを設立、売血事業を行った。
これが肝炎を蔓延させて禁止されると次にレントゲン集団検診事業。
当時1枚10mSV、これを浴びた女児が今乳ガンに


@mariscontact
731部隊の生体解剖の様子は、フィルムを回していたカメラマンも
嘔吐しながら、撮影したと聞きます。
731部隊→エイズ→福島エートス、つながっています。


@tokaiama
731部隊 → 日本ブラッドバンク → 放射線検診協会 → ミドリ十字社 
→ 三菱ウェルファーマ → 厚生省予防医学研究班 → 血友病治療会
→ 原子力産業 は一本のロープでつながり、たぐればゾロゾロ出てきます。
悪魔の系譜 すべては731部隊の免罪から始まった

@itoshunya
米軍占領下の原爆調査 笹本征男を読むと
広島市民の原発犠牲を調査に当った731部隊や東大医学者が
如何に己と米軍のために隠蔽改ざんしたかが良くわかる。
そんな奴らの調査を信用して国際的コンセンサスだと宣う奴らは共犯者に等しい

731部隊に関与した医師・医学関係者
http://t.co/2nLYRqFp


@mariscontact
731部隊関係者その後の職業一覧
http://www5.ocn.ne.jp/~kmatsu/iryou/731butai/kitikunoshokugyou.htm

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広瀬隆さんの「腐食の連鎖」
http://ameblo.jp/dembo531/entry-11426285171.html


この本の内容をざっくりと...
原発人脈と薬害人脈が重なっていること
その大元がA級戦犯の関東軍七三一部隊の人脈であり
さらにその人脈が 住専処理や公安警察・右翼・法曹界にも繋がっている

七三一部隊は アメリカに人体実験の研究成果を引き渡す代わりに
免罪符を得る取引をしており この時に逃れたA級戦犯が何の反省もなく日本の権力の中枢部を握っているため 数々の社会問題を起こしその責任をカネとコネの力で踏み倒し続けている....
http://ameblo.jp/sunamerio/entry-11498664616.html


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731部隊の全貌
http://www7a.biglobe.ne.jp/~dev2ec82/index.htm

731部隊・石井四郎の野望・元部隊員の証言
http://www.youtube.com/watch?v=-qOV2saI5kQ


 昭和17年(1942年)春のことだった。入営以来の住み馴れた
東満国境の部隊から関東軍防疫給水部に転勤になったとき、私に与えられた職務は
教育部付きとして各支部に配属される衛生兵の教育だった。
それが終了した後、第一部吉村班に出向ということになった。

 ここは主として凍傷に関する研究を担当していて、私が行ったとき、たまたま
喝病〔原文ママ〕の生体実験が行われている最中だった。

それまでこの部隊は防疫給水、特に濾水機の製造補給が主な任務と聞いていた私には、
初めて接する部隊の隠された側面にただ驚くばかりであった。

堅牢なガラス張りの箱に全裸の人間を入れ、下から蒸気を注入して人工的に
喝病にかかりやすい気象条件を作り出して罹患させ、臨床的、病理的に観察し、
その病因を究明するためのものだった。

 時間が経過するにつれ全身が紅潮し汗が滝のように流れ出る。
いかに苦しくとも束縛されていて身動きもできない。

やがて発汗が止まる。苦渋に顔が歪み、必死に身悶えする。
耐えかねて哀訴となり、怒号となり、罵声となり、狂声と変わっていく
あの凄まじい断末魔ともいえる形相は、今もって脳裏にこびりついて離れない。

私は初めて見るこの凄惨な光景をとても直視するに忍びず、一刻も早く逃げ出したかった。
それにしても平然としてこのような実験に取り組んでいる人たちは、果たしてどんな神経の持ち主なのであろうか。……
http://hide20.blog.ocn.ne.jp/mokei/2008/05/post_44a5.html


実験その1。

厳冬の厳しい真冬の寒さの中に「マルタ」を長時間置き、凍傷を作りその治療をするという人体実験。

この場合限界まで外に置き完全に凍傷をさせる死の直前まで外に置く。

死んでは治療が出来なくなためです。そして体に出来た各部の凍傷を治療するという人体実験。

零下40度cの中に、長時間置かれるだけでも苦痛なのに。凍傷しているかを試すのに、
角材で、手、足を殴り、痛いうちはまだ凍傷になって
いないため更に、長時間、外に凍傷するまで置かれたという。


実験その2。

腹部に銃弾を撃ち込み、その銃弾の摘出手術をするという人体実験。
治癒するまでの時間がどの位掛かるのか。


実験その3。

無理やり全身麻酔の注射をして、人体を解剖し、足、腕、を切断し、接続する人体実験。
頭部を切り落とし脳の中の仕組みを調べる。


実験その4。

「マルタ」の男女にセックスをさせる実験。目的は梅毒に感染させるため。
日本兵が梅毒に感染した時の治療方法の研究。


実験その5。

細菌に感染させる人体実験。チフス、ぺスト、コレラ、赤痢、結核、梅毒等に感染させて、
その病状の変化の様子を克明に記録した。


実験その6。人間はどの位食べ物を摂らずに生きていられるかの実験。

兵士の背負う重装備の「背嚢」→はいのう。約30キロはある重い物を
背負わせ。5時間〜6時間歩かせ、水、食べ物をも与えず何日位位耐えられるのか。

あるいは飲料水と乾パンだけで、何日耐えられるか。

この実験には2人の中国人が使われた。何も与えない人。水と乾パンだけの人。
それぞれのデーターが記録された。


実験その7。

臓器摘出の人体実験。「マルタ」に全身麻酔をして、切り開かれた体内の臓器に、
刺激を与えどのような反応をするのかの人体実験。

そして摘出をして、ホルマリン漬けにする。まだぴくぴくと動いていたという。


実験その8。

「マルタ」を逆さつりにして、何時間何分で死に至るのかの人体実験。
身体の各部はどのように変化するるのかのテスト。


実験その9。

猿や馬の血液と人間の血液の交換実験。「マルタ」の体内血液を全て抜き取り、
どの位の分量の血液が搾り取る事が出来るかの人体実験。


凍傷の人体実験では、極寒の零下40度に長時間放置し、冷凍人間に近いものを作って
人体実験をした部分は記載中涙が止まらなかった。何故そのような事が行われたのか?

答えは、かってシベリア出兵の時日本軍は凍傷に悩まされた経験を持っていました。
この凍傷の克服のために731部隊では、凍傷実験が行われたのです。

この実験で手足を無くした「マルタ」の身体は、かろうじて残された頭部だけです。
そして最終的には毒ガス実験などに「再利用」されたという

その他「マルタ」を柱に縛り付け、空中から細菌爆弾を投下し効果がどの位あるのかを実験した。
「細菌の効力を確かめるため」

毒ガス実験では、ガラス張りの中に「マルタ」を入れ、毒ガスで死亡していく経過を映像に記録したり。絵画を描いたという。
http://homepage2.nifty.com/yocyan1854/ikari4.htm


そやね。私たちが片付けにいったとき、中国の女の人がありましたね。

梅毒の実験の。スペロヘータの実験の。それは思い出ありますね。

えーと、やられた先生は、園田中佐。教育隊の中佐のね。

それで私たちが入ったのは梅毒のそれをやったあとですから、恥部をずうっと切り開いとったですね。

その実験がどういうようにしたとかはお聞きになりましたか?

いやー、それは聞いてない。それは恥部と、それとあばらを開いとったですね。

その中をどうあたっていたかは覚えてないですね。顔とかはあたってないです。
まあ、そのような繰り返しです。
http://tenjin.coara.or.jp/~makoty/library/memory731.htm


その真空試験いうのは?

結局カプセルの中に入れて空気を抜くわけです。そうすると穴という穴から腸とか全部飛び出してくるいうて、凄かったらしいです。

それを言われた方、覚えていますか?

はい、1班におったのですね。茨木の方です。4年次になってちょっとして聞いたですね。

何班ですか?

それは研究班になるんですね。岡本班ですね。どういう意味でやったのかそこまで聞かなんだけどね。
http://tenjin.coara.or.jp/~makoty/library/memory731.htm


証拠隠滅=殺しつくし、焼きつくす

 撤収作業で緊急を要したのは、マルタの処置であった。

 ロ号7,8棟に、青酸ガスを噴出させて、かなりのマルタを殺した、
また、私たちが直接手を出さないで確実に殺す方法を編み出した。

つまり、マルタ2人を互いに向かい合わせ、首にロープをまき、その中央に棒を差し込んで、2人がねじるのである。

もちろん、私たちはかたわらで銃を構えている。2,3分で2人とも自らの首を自らの手で締め上げていった。

この方法で私たちは多数のマルタを殺した。また、その他いろいろな方法で、マルタを整理したのである。

 私たちは、マルタを殺す前、マルタ自身に溝を掘らせてから処置することも忘れなかった。

そんな時、彼らは足かせを引きずりながら、生気の無いドロンとした眼で、シャベルや鍬(すき)をにぎっていた。
きっと、その溝が何のためのものかわかっていたのだろう。
http://xa0007.blogspot.com/2009/10/731_27.html


アメリカが主導した○○○○の戦争犯罪の証拠隠滅

○○○○と731部隊


欧米の帝国主義にならって、日本も中国侵略を真剣に考え、実行していった。
当時、天皇は現人神であり、日本国においては絶対の存在だった。小さい頃から、家庭や学校で天皇を拝み、学校では教育勅語を奉読され、天皇のために死ぬことが最高の価値のように教えられた時代でもあった。

 日本の傀儡政権が満州に成立すると、早速、その地で、安くて強力な兵器(貧者の核爆弾)の開発を目指した。その中心になったのが陸軍軍医少佐の石井四郎であった。

 1936年、天皇の認可の下に中国ハルピンの郊外平房の広大な敷地に研究施設を作り、東京の陸軍軍医学校やその他の石井のネットワークと連携しながら、中国人・朝鮮人・ロシア人・モンゴル人などをマルタと称して生体実験・生体解剖などをし、試行錯誤を重ね、より強力な細菌兵器の開発を目指した。

 そこで開発された細菌爆弾(陶器爆弾)は中国の都市で実戦された。ペスト菌で多くの被災者を出し都市は混乱した。
 研究成果は思ったよりも上がらず、兵器の開発を急いだが、時すでに遅く、ソ連の参戦を許してしまった。

 ソ連が参戦するや否や、軍部・天皇はいち早く731部隊の証拠隠滅をはかり、建物を爆破し、収容されていたマルタを全員殺し、731部隊員を急遽日本へ戻した。

 これも戦争犯罪がばれると、天皇にもその責任が問われることになるからだ。
 731部隊にも何人かの皇族が行き来し、実際731に係わっていた皇族もいた。東条も足を運び、大元帥昭和天皇の耳にも731についての情報は入っていたはずである。

 莫大な予算をかけ、全国の優秀な医学者を集めて作られた731部隊は、軍部・天皇がもっとも期待していた部隊ではなかったか?

 戦後、アメリカは731部隊幹部の尋問を細菌兵器の専門家に担当させた。
ところが、731部隊幹部は事実を隠し続け、人体実験はしていないと嘘を通した。

 1947年(昭和22年)1月に、ソ連が石井ら日本にいる731部隊員の尋問を要求した。ソ連とアメリカの交渉により、人体実験のことが明らかになると、アメリカは人体実験・細菌戦のデータを独占しようと、石井らと打ち合わせをする。その結果、ソ連の尋問は形式的なものになってしまった。

 731の戦犯追及をしていた占領軍(アメリカ)の法務部の活動はアメリカ自身の手によって強制的に停止され、詳細なデータはアメリカが独占することになり、東京裁判では731部隊のことは裁かれなかった。

 マッカーサーと本国アメリカとの交渉の中で、データの独占のこともあったが、もう1つの大きな懸案は、天皇にその責任が及ばないようにすることだったのではないか?

 マッカーサーは当初から日本の占領にあたって、天皇の力を利用しようと考えていた。

 また、マッカーサーは自国の遅れていた細菌兵器の開発に日本軍のデータが役立つだろうと見ていた。何としても、細菌戦や細菌兵器のデータが欲しかった。
 731部隊の戦犯追及をすると、そのデータは独占できなくなり、またその責任が天皇に及ぶのを恐れたのではないか?

 (ドイツでは人体実験にかかわった医師などが「ニュルンベルグ継続裁判」によってアメリカの手によって裁かれている!最高責任者ヒトラーはすでに自殺している。)

 日本政府とアメリカは、一緒になって、731の隠蔽を図り、これが東京裁判で裁かれない様にし、その残虐な事実が国民の前に公表されないようにした。

昭和天皇とマッカーサーとの会談は極秘裏に戦後11回行われた。

新憲法が制定された後でも、「象徴天皇」という新たな憲法上の地位に“制約”を感じることもなく「政治的行為」として、マッカーサーと「トップ会談」がなされていた。それも、当時の政府を飛び越えて行われていた。

 それ結果、裁判で国民の前に731の情報が公開されなかったし、追及もされなかったものだから、大元帥昭和天皇の戦争責任は問われなかった。

※パウエルの記事と森村の本は、日本で政府が見解を出さざるを得ないほどの騒ぎを巻き起こした。政府は国会で731部隊の存在と、731部隊の戦争犯罪について初めて認めた。議論の中で政府は、石井の細菌実験について知りながら石井にかなりの軍人恩給を給付していたことを全く偶然に露呈してしまった。(『死の工場』ハリス著:柏書房)

・天皇裕仁は、明らかに、2度にわたって石井の実演を目にしている。

1度目は1933年に陸軍軍医学校を視察した折、もう1度は恒例の天皇訪問の際の、海軍の艦船上においてである。石井が濾水機の1つに放尿し、その濾過水を飲み干すよう天皇に恭しく差し出したとされているのは、天皇が視察したそうした折のことだった。・・・天皇はその申し出を断り、そして石井は尿を濾過したその水を見るからに嬉々として飲み干したという。

・軍医中将で元関東軍軍医部長の梶塚隆二によれば、石井は「天皇の軍令」によって1936年に平房の実験を開始する許可を与えられたと言う。・・・・梶塚によれば、その後1939年に、天皇は、石井の特殊部隊を再編成するようさらにもう1つ軍令を発布した。・・・・

 石井が東京の高い地位のところに、ひょっとすれば最も上のところに味方を持っていたことは明らかである。


・軽く見てはならないのは、石井と若松の部隊は、裕仁の勅令によって設立された部隊であるという事実である。他の多くの部隊は、必要とされた時に陸軍の内部で適当な司令官によって設立された。

・軍事細菌研究のさらにもう1つの拠点が長春の第100部隊(部隊長:若松有次郎)であった。作戦任務のための資金供給は莫大かつ無制限だった。部隊は2つの経路から資金を得ていた。すなわち、東京の陸軍省と、関東軍司令部の第2部である。(陸軍省から人件費60万円の予算が、100万円が関東軍司令部の第2部から攻撃的生物戦の研究のために支出された。731部隊の予算総額は1000万円、人件費300万円、20万から30万が各支部の運営費、600万円が細菌製造、実験、研究費用である。しかも731部隊の予算は国会の場で細部を発表されることはなかった。関東軍の獣医将校は、生物戦の資金は底なしだと自分は理解していたと語っている。)

・石井はノモンハン事件の間に彼が行ったサービス業務に対する褒美として、天皇の玉璽の押してある大変名誉な政府表彰を受けた。彼の部隊は、同じ戦闘中における英雄的な行動に対して、天皇から価値ある表彰状を贈られた。

このことも、またしても無二の名誉だったのである。他の医療部隊も日本の戦争において勇敢に働いた。それなのに、20世紀において他の医療部隊が天皇の表彰状をその業務に対して受けたことはない。裕仁が、これらの名誉ある賞を与える前に、いくらかの調査を行ったのではないかと疑ってもおかしくない。

 (1939年に発生したノモンハン事件では、出動部隊の給水支援を行うことになり、石井式濾水機などを装備した防疫給水隊3個ほかを編成して現地へ派遣し、部長の石井大佐自身も現地へ赴いて指導にあたった。最前線での給水活動・衛生指導は、消化器系伝染病の発生率を低く抑えるなど大きな成果を上げたとされる。その功績により、第6軍配属防疫給水部は、第6軍司令官だった荻洲立兵中将から衛生部隊としては史上初となる感状の授与を受け、石井大佐には金鵄勲章と陸軍技術有功賞が贈られた。)

・『731部隊−天皇は知っていたか?』と題されたそのドキュメンタリーは、2人のベテランのテレビジャーナリストによって製作された。・・・アメリカ、イギリス、その他の連合国軍の西洋人捕虜が、人体実験の犠牲になったことが暴露された。その上、ドキュメンタリーの製作者・ナレーターは、天皇が満州での細菌戦の人体実験を知っていたことを強く示唆している。

・1930年代において、くるくる替わった日本の内閣においては役目を果たすように〔大臣職に〕任命された軍部のリーダーたちは、誰もが満州で起こっていることを認識していた。参謀本部のスタッフ〔立案者〕とその上司たちは、石井、若松、北野のプロジェクトに精通していたし、細菌兵器の開発研究を助けた。・・・・

 何千人もの、もしかしたら何万人もの陸軍の軍医や獣医、生物学者、化学者、微生物学者、技術スタッフその他の似たような職の人々が、定期的に交代で満州や〔その他の〕中国占領地に派遣されている。(731部隊には専用の飛行場があり、専用の飛行機も複数持っていた。東京⇔ハルピン間を何度も往復して情報交換や物資の輸送などをしていた。また、他の部隊との連絡にも使った。)

・軍部を除けば、外務省が平房での秘密の任務について認識していたことは確実と思われる。それは、ハルピンの日本領事館の地下室がマルタの留置場として使われていたことからも言える。

・東久邇は早い時期に、平房の施設を旅先で訪れている。

・1939年2月9日に、裕仁の弟である活発な秩父宮は、陸軍省の大会議室で、2時間半にわたる石井の「雄弁な」講演に出席した。

・天皇の一番下の弟である三笠宮は、施設の多くに立ち寄った。

・竹田宮は関東軍の首席主計官として、満州におけるすべての細菌戦の関連施設に割り当てられる金を扱った。・・・また、平房〔の施設〕に立ち入る際には竹田宮・宮田が発行した通行証を求める必要があった。関東軍司令官もしくはその直属の部下が731部隊を訪れるときは、竹田宮自身が彼らの一行に混じって彼らをエスコートした。

・天皇は、その倹約〔の精神〕でも知られていた。彼は常々、役に立たないもしくは取るに足らないプロジェクトのために、政府の支出が無駄に使われないよう懸念していると表明していた。細菌戦のプログラムは、国の資源の大規模な乱費であった。第2次世界大戦中、平房、長春、奉天、南京の主要な基地および多くの支部施設は、少なくとも1500万円から2000万円、多分それ以上の年間予算を食い潰して機能していたに違いない。天皇が軍事予算を詳細に調べたなら、満州やその他の中国における何千もの人員の滞在は、天皇にとって関心事だったはずである。裕仁はまた、特別の武器研究にその使途を限定された秘密の帝国予算を持っていたが、それが満州や中国において細菌戦の研究に使用されていても何の不思議も無い。

・裕仁は細菌戦の研究については知っていたのだろうか。おそらくイエス、であろう。このプロジェクトは、単純に、天皇の目から隠しおおすには、大規模すぎた。費用も、天皇の政府費用に対する鋭い関心から逃れるには巨額すぎた。・・・・最終的に、大日本帝国において、政策決定は政府の最高レベルで行なわれるべきものであって、陸軍の将軍たちの気まぐれでできるものではなかったのである。

(以上『死の工場(隠された731部隊)』:シェルダン・H・ハリス著、近藤昭二訳より抜書き)

・731部隊の組織犯罪については、関東軍という日本陸軍の一駐留軍の指揮命令系統下にあった。部隊そのものは関東軍司令官の直轄であり、あらゆる人体実験も形式上は司令官の命令無しには行なわれえなかった。また、731部隊以外の「防疫給水部隊」(北京、南京、広東など)も日本陸軍の中国派遣軍の指揮下にあった。

日本陸軍を統括していたのは陸軍省であり、その上には天皇がいた。したがって731部隊の人体実験の最終責任者も天皇である。(『検証 人体実験 731部隊・ナチ医学』小俣和一郎著:第3文明社)

http://blog.livedoor.jp/nobug51/archives/1103925.html


731部隊の石井四郎も、栗原心愛ちゃん(10歳)を殺した父親の栗原勇一郎も、妻へのDV容疑で逮捕された三橋貴明もみんなそうですが

千葉県人は誰でも、対人関係が上手く行かないと、言う事を聞かない相手を暴力で従わせようとするのですね。
http://www.asyura2.com/13/lunchbreak53/msg/390.html#c257

[リバイバル3] 音楽はこういう部屋で聴きたい 中川隆
53. 中川隆[-10143] koaQ7Jey 2019年5月26日 08:08:17 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2204]

スピーカー (振り返って)
Der Klang vom Theater (ドイツ〜劇場の音と音楽)2009/06/02
http://kaorin27.blog67.fc2.com/blog-entry-66.html


小さな取りこぼしはあるにしても一応アンプ関係が終了したところで、スピーカーに移るわけですが、現在は1セットしかスピーカーを使っていませんのでこれまでに使って来たものを振り返ってみたいと思います。

所謂ヴィンテージオーディオとは20歳過ぎに出会いました。当時はまだデジカメの存在すら知りませんでした。

よって、古い写真をさらにデジカメで撮ったデータを使います、画質についてはご容赦下さい。

部屋は6畳、2階のまあ普通の日本建築の子供部屋です。床はふらふら、壁はポコポコ。オーディオの常識では「使ってはいけない部屋の条件」を見事に全て満たしています。

最初に手にしたヴィンテージスピーカーは

Western Erectric WE728Bx2 と WE713C+WE31の2Wayです。

http://blog-imgs-30.fc2.com/k/a/o/kaorin27/DSC01998.jpg

モノラル専用でしたので、ドライバーは1本でした。


これで、6dB/Octのネットワークの実験をさせてもらいました。

713Cのアップ
http://blog-imgs-30.fc2.com/k/a/o/kaorin27/DSC01999.jpg


スピーカーに教えられたことで一番印象深いことは「良いスピーカーは部屋の環境(エアヴォリューム)を学習する」でした。

このスピーカーを、良い音だ。と感じるには7年の歳月を必要としました。
思い返せば最初の4,5年は何も解らなかっただけですが。

L・ボベスコの弾く「フォーレ」の小品がスピーカーの面から7m(冗談でなく7mと確信していました)奥から鳴ったのです。

低音も高音も全く意識の外になり、ただボベスコが家に来てくれた。と実感できた鳴り方でした。

これはよく言われる「天使が降りてきた」状態で、翌日には天使は別の家へ遊びに行ってしまいましたけど。

オーディオを長くされている方は経験ありますよね。アンプの電源をOFFにするまでは居てくれる天使を見たことが。


それまでは728Bで四苦八苦していたので、2台目のスピーカーを買うことは想像だに出来ませんでしたが、やっと、意を決して求めたものが両翼にある

Lowther PW2です。

ユニットPM-6は底板(足で20cmくらいあがっている)に設置され、延長2m近くもある木製の折り返しフロントホーンで上部に見えるテグスのネットの開口から音は放出される優れものです。

http://blog-imgs-30.fc2.com/k/a/o/kaorin27/DSC02000.jpg


もし、どこかで入手可能であればもう一度使ってみたいスピーカーのNo.1です。
まあ、バフルに遮られ我が家では置き場所はないんですがね・・・

ある日の深夜2時頃、クナのパルジファル(フィリップスの有名なバイロイトライブ)を聴いていたところ「気まぐれ天使」がやって来ました。

目を瞑ると、どう考えてもピットのオケは階下から聴こえますし、歌手はその奥のステージに立っていました。

「やったー!」と叫んだのですが、その内気持ちが悪くなってきました。

寒気が酷く、体温を計ると「38度強!」
やばーと思い明日は会社休もう。と決めて早々に寝ました。
翌朝、嘘のように体はスッキリ。でも、気持ちは決まっていたので、課長さんに電話して欠勤の許しを得ました。

もう、お解かりですね。
会社を休んで、昨夜の続きを聴きたかったのです。

もちろん、そんな不遜者の処に天使は来る筈もありませんでしたが・・・
課長さん、嘘ついてごめんなさい
http://kaorin27.blog67.fc2.com/blog-entry-66.html

スピーカー (振り返って2) 2009/06/03
http://kaorin27.blog67.fc2.com/blog-entry-67.html

引越しをしてほんのちょっと(7畳半)部屋が大きくなった30代前半はオーディオ迷走時代だったと思います。

「天使」の存在を知ってから狂っちゃったんでしょうか?まさにオーディオの魔力ですね。

使ったスピーカーの全てはとても紹介できません。
その中で写真の残っているものを中心に幾つか記してみます。

ALTEC A-5 (515、288、N500全てオリジナル)
http://blog-imgs-30.fc2.com/k/a/o/kaorin27/DSC02002.jpg

(どこを探してもWE555の写真がないのですが、上の写真左側のホーンが555です。)

箱はH110で通常の828等よりは多少大きめでした。

続いてアメリカ系のJensen H15同軸入り

http://blog-imgs-30.fc2.com/k/a/o/kaorin27/DSC02003.jpg


これは一瞬だけで、すぐに友人宅へ嫁いで行ってしまいました。

そして、いよいよEurodyn(Kl-L438 パーマネントの初号機)がやってきました。

http://blog-imgs-30.fc2.com/k/a/o/kaorin27/DSC02004.jpg


高さ1500mmx幅900mmx奥450mmの後面開放(ラワンで作ったボロイ自作)に入れました。


これまで10数台のスピーカーを買ってきたと思いますが、購入に際して一つだけ共通点があります。

どれ一つとして事前に聴いてから買ったものがありません。まあ、田舎暮らしですから、そんな機会もほぼ無いのですが、このEurodynも当時お世話になっていたお店に遊びに行った時、床に置いてあったのをそのままHonda Todayの荷台へ押し込んで持ち帰ったものです。

深夜に帰宅後、とりあえず裸のままでアンプに結線し音だしだけはしてみようと・・・

その時のアセリ、絶望を何と表現したら良いでしょうか?
間違いなく人生で一番の衝撃でした。

ウーハーが鳴っていない!!! 
世界記録を出しそうな勢いでウーハーに走りより耳を押し当てました。

「・・・・・んーーーー」

わずかハムの音がします。その時の安堵感も表現の方法がありません。
勿論、直ぐに箱に入れて聴き始めしたが、それからの約2年はウーハーの音が殆ど聴こえない、長島先生の名文句「怪鳥の叫び」を聴き続けることになりました。

結局、その時期の苦労が例えようも無いほどの財産になったと思います。

@始めから低音の出るスピーカーは成長の伸び代が少ない。

Aスピーカーの背面の壁は吸音性にする。(後面開放ですから、当然でしたが)

Bインピーダンスマッチングは親の次に大切。


・・・・等など沢山の、今に続く自分の中のフォームを固めていった時期でした。

Eurodynは「大リーグボール養成ギブス」だったんでしょうね。・・・・とうちゃん
それにしては、随分バネの強いギブスでしたが。

現在に至るまでこのときの音は自分の「キャリアハイ」です。
1週間に4、5日も「天使」が遊びに来ていました。まさに蜜月時代でした。

オーケストラは家の外へ飛び出し、隣接する線路(私電)の上に整列し、バイオリンのユニゾンでも奏者が何人か数えられるような精密な再現を見せたのです。

終の棲家を手にして、この蜜月は一生続くと思っていたのですが・・・

コメント

豪華履歴に唖然

パラゴン、オートグラフ、ハーツフィールドと並べる様な人達がいる事は知っていました。今更驚きません。

だとすればこう言う人がいても不思議はないのかも知れません。けれどパラゴンを買う人達とは少しばかり御趣味が違うようです。その履歴に驚きました。今まででも既に十分感心していたのです。現在のラインナップから過去の履歴だってただじゃ済まない事は充分に予測がつきました。

その予測さえ超えるラインナップにただ感心しています。

自作後面開放にいれたパーマネントのオイロダインがあえて言わせて頂ければ現在の私に少し近いかな。私が平面バッフルを着けたのは最近の事でそれまで裸で鳴らしていました。低音が出なくて困るといった経験が私にはありません。怪鳥の叫びを聞いていません。

裸だと低音の量が下がるけれど質は悪く無いのではないか。

箱に入れると量は増えるけれど質は下がるのではないかなどと考えていたのですが、違ったようです。箱に入れた事で量が増える事はありませんでした。コントラバスとオルガンの差が明瞭にベースラインがつかみやすくなりました。むしろ質に変化がありました。やってみないと解らないものですね。自分で経験出来る事には限りがあります。数々のご経験ご披露頂ければ幸いです。
2009/06/04(木) 12:37 | URL | kawa #-[ 編集]

Re: 豪華履歴に唖然

kawaさん、こんにちは。

仰る通りEyrodynのようなスティフィネスの低いスピーカーは箱の力を借りて低音の量感を出すには不向きな性格ですね。だからこそ精密描写が可能なのだと思います。
箱に入れた当初も全く低音感は増えませんでした。
その時も「やっっちまった」事が多々あり、勉強をしながら少しづつ馴染んでいったんだと思います。

バカみたいにスピーカーを買い換えていましたが、思い返すと「これが欲しいから、貯金をしてでも」(仰るところの何時かはクラウン的な)と思いつめて買ったことがありません。
この辺りが、JBLとTannoyにめぐり合っていない理由でしょうか。

偶々出会いがあったからと、有名な登山家みたいな理由付けでローンも組みました。(涙)
おかげで、支離滅裂な過去を晒すことになり大変お恥ずかしい限りです。

2009/06/04(木) 13:15 | URL | kaorin27 #-[ 編集]
http://kaorin27.blog67.fc2.com/blog-entry-67.html


スピーカー (振り返って3) 2009/06/04
http://kaorin27.blog67.fc2.com/blog-entry-68.html

ご覧いただいている皆さんもこんな気持ちになったことはありませんか?

自室の音に不満のある間はしゃかりきになって音を聴き、藁にもすがる思いで調整を繰り返し、オレはオーディオをいじっていたいんじゃないんだ!

オーディオを気にせず好きな音楽を心ゆくまで聴きたいんだー。と念じていたはずなのに、ある瞬間、納得のいった音が出たとたん、レコードに手が伸びなくなる・・・

吉祥寺のJazz喫茶マスターはそれを「倦怠期」のように表現していましたね。

ある日、大恩ある方からおまえの Eurodyn を譲って欲しいと依頼があり、反射的に了解をしていました。100%以上の満足は人を満足させないのかも知れませんね。
それほど、Eurodynは傑出したパフォーマンスを示していました。

以降は、それまで補欠扱いだったA-5も私に仕返しすることなく充分に活躍してくれたのですが、心の壁にポッカリと穴が開いたような虚脱感は拭いきれませんでした。

その後、その方から「もっと凄いEurodyn(フィールドのこと)が入ったから使うか?」と電話を貰い、再度一から挑戦することになったのですが・・・

家も立て部屋も大きくなり、壁一面にスピーカーが並んでいた頃。

http://blog-imgs-30.fc2.com/k/a/o/kaorin27/DSC02005.jpg

自分の実力じゃ、どれ一つとしてまともに鳴るわけないんですけどね。一人でご満悦でした。

勿論、そこにハッピーエンドはありませんでした。

これこそ、我が家に伝わる「バンビーノの呪い」の伝説です。Red Soxは86年ぶりに見事ワールドチャンピオンになりましたが、我が家は、まだ解けていないのかな?

当然ですが、呪いではありません。下の通り、日本のオーディオシーンでは当たり前のバフル(バフルを床に自立させてスピーカーを中ほどに付ける)で使っていました。

http://blog-imgs-30.fc2.com/k/a/o/kaorin27/DCP_0160_convert_20090604142735.jpg


ご覧のようにWEばりの梁をバリバリ付けて補強しました。

Klangfilm の資料に範を取り製作したので、当初は無かったもので後付けです。
ご想像の通り、低域の解像度が低く耐えられなかった為です。

誤解を招かぬよう申し添えますが、このバフルの方式が悪いということではありません。
要は、スピーカーとのコンビネーションの問題です。

足るを知らない心の隙に魔の手は忍び込み、更に、哀れな自惚れ者には新築3ヶ月目にしてどん底へと突き落とされる審判が下ったのでした。

 「君、4月1日から、横浜だから。 おめでとう。」 
         
             「うそっ」

http://kaorin27.blog67.fc2.com/blog-entry-68.html

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/655.html#c53

[リバイバル3] 音楽はこういう部屋で聴きたい 中川隆
54. 中川隆[-10142] koaQ7Jey 2019年5月26日 08:11:17 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2205]

僕の好きなコンポーネント(スピーカー達)
Der Klang vom Theater (ドイツ〜劇場の音と音楽)2010/02/03
http://kaorin27.blog67.fc2.com/blog-entry-139.html


先日バレエ「白鳥の湖」を見てきた事を記事にしました。


原音再生は戯言だけど、演奏会のイメージを追及する
http://kaorin27.blog67.fc2.com/blog-entry-132.html

ホールがオペラハウス形式でもあり、2階のバルコニー先端で、オケピットから10mほどの近距離という貴重な体験をしました。

そのときに聴きながら、ボーっと「この音はA-5の音だなあ」と思っていました。
ALTEC A-5は実に演奏会のソノリティの味を持ったスピーカーだと思います。


スピーカー (振り返って2)
http://kaorin27.blog67.fc2.com/blog-entry-67.html


ALTECはA-5しか使ったことはありませんが、A-7(これは近所の喫茶店、シルバービートさんで逢ったKさんが使っていました)も家庭用のカーメル(友人のHさんが使用していた)も、本当に音楽をよく知っている人が作ったスピーカーだと感心させられます。


お宅訪問記 1
http://kaorin27.blog67.fc2.com/blog-entry-46.html

訪問記 2
http://kaorin27.blog67.fc2.com/blog-entry-48.html


後半には席を後方へ移動し約30m程の距離を置いて聴きました。
よりハーモニーは融合し、ホールトーンに包まれる感じが強くなります。
このときは、流石にEurodyn(パーマネント)は良くできたスピーカーだったと思い起されました。

スピーカー (振り返って2)
http://kaorin27.blog67.fc2.com/blog-entry-67.html


この2機種に共通なものは何か?

そうです。どちらも15インチウーハーとコンプレッションドライバーの2Wayであることです。
なるほど、改めて演奏会を聴きながら考えると、自分はこの式のスピーカーが好きなんだなと確認できました。

これらの他には、A-5と同じ設計図で作ったような Westrex London .Ltdの2080&2090型があり、Vitavoxのバイトーン型があります。この2機種は使った事がありません。


Westrex London.Ltd 2090ドライバーと独特の形状をした10セルホーン。
http://blog-imgs-29.fc2.com/k/a/o/kaorin27/1020cell3.jpg


買っちゃおうかなー。置くとこ無いな

Westrexは何度か購入のチャンスがあったのですが、バフル(フロントホーン)が入手難でついぞ縁がありませんでした。そんな訳で、これは憧れのスピーカーですね。

まあ、ドライバーはALTEC-288ですし、ウーハーも見た目515(フレームの隙間に羊毛綿みたいのが詰まってますが)です。A-5を手放してしまってこれを買うのが申し訳ないっていうのが、心の底にあるかも知れません。

A-5やEyrodynは全てにおいてバランスがいいですね。
帯域は広すぎず、狭すぎず。直接音と間接音のブレンドも絶妙!
本当に劇場に居合わせた雰囲気で音楽を聴かせてくれると思います。

一般に広い部屋が必要だ!みたいな言われ方をしますが、専用室なら8畳もあればちょっと吸音に気をつければ充分です。

「言われ方」で思い出しましたが、日本の雑誌を読むと、これらのような構成のホール用スピーカーは

「広い場所で多くの観客に聞かせる為に、パワーの入る設計がされており、迫力のある音を出すが家庭用としては音が荒いのが難点」

なーんて評ばかりでしたし、その頃に話を聞いた販売店のお兄さん達も揃って同じようなことを言っていました。

イタイケな少年だった僕はそれを真に受けて仲間と話す時には、受け売りの業務用スピーカー評を展開していたのでしょう。

A-5を購入した時に、ハタと気付いちゃいましたよ。
ひょっとして、世の中の評価ってほとんどが受け売りなんじゃないだろうか! ってね。

それ以来 「てめーの身銭で買って使ったモノ意外、その製品について語らないぞ」とココロに念じました。


コメント

写真にある2090ドライバーはアルテックの288と外見はそっくりですが、重さは1、5倍で音色もまったく異なります。2090ドライバーは後期になると角型からカボチャ型になります。ウーファーの2080もアルテックの515と似ていますがコーン紙が随分異なります。とても重いです。この組み合わせは2040アンプや2042アンプなどで鳴らされていましたが、低域に特徴があります。

2010/04/05(月) 19:22 | URL | かめきち #

Re: タイトルなし

かめきちさん、こんばんは。コメントありがとうございます。

2080、2090お使いなんですか、いいスピーカーですね。
僕も数回すれ違ったんですが、撫で回しただけで結局我が家に来て貰う縁がありませんでした。

音については、きちんと鳴らせば同じ音楽が聴こえる。という程度の駄耳なものですから、出りゃーもうけもの!ですね。
これらの優秀な機械が、正確に動作してえらい違う音になるのは、多分別の原因でしょうから。

2010/04/06(火) 02:31 | URL | kaorin27 #


http://kaorin27.blog67.fc2.com/blog-entry-139.html

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/655.html#c54

[リバイバル3] 音楽はこういう部屋で聴きたい 中川隆
55. 中川隆[-10141] koaQ7Jey 2019年5月26日 08:16:16 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2206]

Der Klang vom Theater (ドイツ〜劇場の音と音楽)
http://community.phileweb.com/mypage/myroom/1805/
http://kaorin27.blog67.fc2.com/blog-date-201209.html


Logeさんのマイルーム
http://community.phileweb.com/images/myroom/18/1805/1L.jpg?1369190094

小劇場のような空間を目指してます

十分な響きがあってもダブつかない。そんな空間を目指してます。

所有機器は僅かしかリストにありませんでした(涙)


仕方がないので自力で書き込んでみます。
現在はレコードの録音年代やプレスの時代(時代ごとに溝の曲率や周波数特性が変わってきているので)によって少しづつ機材を変えて聴くようにしています。

mono LP (1947-1957)

EMT-CB25(角)
EMT RF-297(mono)
Presto 64a

モノラル・レコードも年代によってバリエーションがありますので
OFS-65 (SP)
AA-25D (40年代)
OFD-25 (50年代以降)
CA-12.5D (再発盤)
などの針先の曲率半径や針圧の異なるモデルで対応します。

Neumann WV-1(NF-EQ)

Stereo LP(1957-64)

Neumann DST(白)
Neumann Z-25
Presto 64a (2本アーム)

LCRイコライザー 鋭意製作中


Stereo LP(1965-1975)

Neumann DST-62a
EMT RF-297
EMT-927Ast

Klangfilm 6S ELA-2145 (CR-EQ)

Stereo LP(1976年〜)

EMT-TSD15
EMT EMT-929
EMT-930

EMT 139x2 (NF-EQ) TSD-15用にゲインを変更

以上、EQアンプまでが4世代のLPレコードに対応しています。

その後
Eckmiller W-68
Telefunken AD-1pp

に渡すラインと

Eckmiller W-66v
Klangfilm Kl-32611 (KL-72406pp)

に行くラインがあり、この2台のパワーアンプは差し替えでスピーカーは

Klangfilm Kl-43006 の1台だけです。
http://community.phileweb.com/mypage/myroom/1805/

2014年 05月 03日 素晴らしい音! Loge邸訪問記 GRFのある部屋
http://tannoy.exblog.jp/21942624/


昨年、行ったり来たりの最後のお客様で、11月に来ていただいたLogeさんのお宅をようやく訪ねることが出来ました。

連休中には何とか伺いたいと思っていました。ただ長野方面に連休中移動するのには、大渋滞を覚悟しなければなりません。先月の北海道の休み無しの日々を鑑みて、自分に休日を与えることにしました。蓼科の家のメンテナンスに来ていたBellwoodさんと連絡し合い、午後1時半に長野のインターチェンジで待ちわせることにしました。無事に時間通り合流して初めてのLoge邸へ。今日は、ウィーン旅行のO君も誘ってきました。レコードマニアの彼も興味津々だからです。

五月に入った信濃平は、様々な花たちの競演です。白い林檎の花、濃いピンクの桃の花、梨や杏の花も咲いています。良く整備された庭には、チューリップや水仙なども咲き乱れており、道を走っていても嬉しくなってきます。都会の花と違って、日照率と紫外線、空気も違うので、どの花も色鮮やかです。その道を、進んでいくと待望のLoge邸が見えてきました。

http://tannoy.exblog.jp/iv/detail/?s=21942624&i=201405%2F02%2F99%2Ff0108399_22393836.jpg

早速、部屋の案内していただきますと、そこは、ドイツの歌劇場でした。20年ほど前に専用で作られたという部屋には、マニア羨望の機器が並んでいます。入り口に入ってまず目に付くのが、大きな Telefunken のマスターテープレコーダーM-15です。それと同じ大きさの EMT の927、その隣が 930とアナログファンはこれだけで圧倒されてしまいます。案の定、同じ 927を使っているO君は、嬉しそうに機器に見入っています。

http://tannoy.exblog.jp/iv/detail/?s=21942624&i=201405%2F03%2F99%2Ff0108399_10483939.jpg

そして正面には、ドイツの劇場用スピーカー Klangfilm のスピーカーが屹立しています。

でも、出迎えの音楽は、比較的最近ご購入された Quad のESL57 です。
このSPにだけCDプレーヤーが繋がっているからです。

ドイツ製の業務用の機器だけが、この部屋に入ることを許されていますが、唯一の例外が、この ESL57 なのです。しかし、その ESL57 を駆動するのは、カメラでお馴染みの ZEISS IKON社のアンプです。浅学な私は、初めてお目に掛かりました。EL-12 という真空管で駆動されています。

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早速、聞かせていただきました。最初は、左側が接触不良で、右側しかなっていませんでした。しかし、その片側だけの音に圧倒されました。ESL57 は私の愛用機です。それからこの様な暖かい音が聞こえてくるのは、驚きです。送り出しは、EMT-861です。ですが、驚きはその隣にある、ZEISS IKONのアッティネッターです。

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これで音量を調整されて、アンプの左下の入力トランスで、マッチングされて増幅されます。音の暖かさ、深さがまったく違います。この部屋は、EMT861用のクロックだけが、100vでそのほかのききはすべて、200vで使用されているそうです。当然、ESL57 も 240v の電源を使っています。極めてシンプルな構成ですが、とても実在感のある音がしていました。

しかし、Logeさんにとっては、この ESL57 はおまけの装置だそうです。

http://tannoy.exblog.jp/iv/detail/?s=21942624&i=201405%2F03%2F99%2Ff0108399_85275.jpg

メインの装置は、三種類のプレーヤーを使った Klangfilm 社製の業務用システムです。Klangfilm Europa にハイルドライバーをスーパーツィーターで足しています。三種類のプレーヤーとは、針先の直径に合わせて使い分けをされているのです。


1、新しいプレス用のもの(ホロヴィッツのモスクワライブを聴きたくて2年前に作りました)

EMT930

EMT TSD-15 (針先は6μm ラインコンタクト)

EMT139 (モノ用EQをTSD用にモデファイ)古いんですがNF方式なので〜20kHzまででます。2台使用

パワーアンプ 真空管AD-1のプッシュ 戦後のアンプに出力管だけ乗せ替えています
スピーカーKL-43006 オイローパ ジュニア・クラトンと呼ばれる機種です

ESSのハイルドライバーを足しています(16kHz〜)


2、1957〜1968頃のステレオ

EMT927
Neumann DST-62 (針先17μm丸針)

Klangfilm ラインアンプに CR-EQ を入れました。(EQ素子のCを決めてからまだ2ヶ月くらいなので少し腰高な音で失礼しました。上記139は完成後丸2年経っているので、1−2と連続して聞くと逆に新録の方が若干落ち着き過ぎな面が強調されていたかもしれません。半年程でこちらも落ち着くと思います)

パワーは klangfilm の Kl-32611 というもので、当スピーカーとセットで1930年代に使われていたものです。出力管は同じくAD-1規格の Klangfilm 専用のものでプッシュです

ツイーターは使いません


3、モノラル

presto です。
EMT-OFD-25 (針先25μm丸針)

EQ は Neumann WV-1 1960年代のカッティングマシーンに付随していた検聴用アンプです。

つい先日、EQカーヴの微調整を行ったばかりだったので RIAA も NAB(リバール盤)もバッチリでしたね。パワーアンプ以下は「2」と同じです。


http://tannoy.exblog.jp/iv/detail/?s=21942624&i=201405%2F03%2F99%2Ff0108399_102742.jpg

と、ご説明していただきました。とても、一度お伺いしただけでは覚えきれない、深い内容です。レコードの溝と針には、大変密接な関係があります。それぞれの時代の傾向や技術の進歩で、溝の切り方が変化しました。SP (針先65μm丸針)からLP (針先25μm丸針)に替わった頃では、現在より4倍ぐらい大きな25ミルの針が使われていました。それが、12ミル、そして6ミルの溝に進歩していったのです。

大きな溝のレコードは力強い音がします。それが、高域の特性が上がるにつれて、細かの音を刻む必要から、12ミル、6ミルへと変化して、針も丸針から楕円針へと変わっていったのです。おとはまったく違います。イコライザーカーブも時代によって変わって来ました。


Logeさんは、それらのレコードの進歩に忠実な再生を目指し、時代に合わせ、プレーヤーやアンプも変化させる繊細かつ大胆な再生を行っています。私の知る限り、モノとステレオを異なったプレーヤーやアームで換えている方はおられますが、同じSPに入力方法を合わせているのは、Logeさんが初めての方です。

私は、時代に合わせて別な装置を聞いています。

デコラの時代、ハートレーの時代、GRF の時代、ESL57 の時代等です。

しかし、ドイツの劇場の音と音楽の再生を目指す Logeさんの徹底した追求心に感心致しました。

演奏された順番は、この順番で、ハイルドライバーを組み合わせた装置が、もっとも新しいレコードへの対応です。そのツイーターを使わない 927の組み合わせのほうがむしろ高域がしっかり伸びている気がしました。

私自身お好みを聞かれれば、三番のモノラルの時代の音が一番しっくりと来ました。

ステレオの再生の基準を、800人程度の劇場の二階席の一番前に合わせている Logeさんのチューニングでは、試聴位置の椅子の少し手前で、左右のSPの交点が来るようにSPを内振りにしてあります。800人のホールに音を響かせる劇場用SPの特性を活かしているからです。

その為、座る位置で少し前屈みになるか、後ろにもたれかかるかで、音のイメージが大きく変化させることが出来ます。勿論この部屋の主人は、それらの変化を楽しむために極めて微妙な調整をされているます。


http://tannoy.exblog.jp/iv/detail/?s=21942624&i=201405%2F03%2F99%2Ff0108399_10484290.jpg


私自身の好みで言うと、その厳格さが薄れて、音の楽しみが増す、モノラル録音での、モントゥのマスネーのマノンが一番魅力的でした。真ん中の指定席で聞かなくても音が拡がるという意味においてです。その意味では、一度、完全な平行法の音を聞いてみたいと感じました。劇場では、平行法で置かれている気もするのですが、、。勿論その場合は、中央もある3SP方式ですが。

その中央で聞かせていただいた、コーガンのプロコイエフは、是枝さんのハートレーに驚き、購入したのと同じ様な衝撃を受けることが出来ました。今から、Klangfilm の世界には入れないのを幸運だと思った日和った自分がいたことを白状します。

良い音です!

正確さと厳密さ、ドイツ製の機器を扱うときの心得と楽しみです。極めて厳格な調整から、とても品質の高い響きがするのです。70年前以上につくられていた音楽の国の拡声装置。その質の高さに今更の様に驚かされました。

詳細は、Logeさんの素晴らしいブログドイツ〜劇場の音と音楽からのをご覧下さい。美しいカートリッジや機器の写真が掲載されています。その質感を是非、味わってください。戦前のメルセデスの水準です。ドイツに憧れても、ほとんどが英国製の QUAD (Quality Unit Amplifier Domestic )的な装置を使っている私との差に驚き、畏敬の念さえ覚えました。


しかし、一番最後に聞かせていただいた、クレデンザの鉄針の柔らかな音!
私には、やはり英国の音を感じました。


今回は日帰りの車でお邪魔しましたので、お酒が飲めずに、美味しい酒の肴だけ頂きました。山菜のてんぷらや青菜をゆでて、芥子醤油で頂く美味しい季節の野菜です。その食べ方にも、北信地方独特の厳しさを感じました。その北信の方の厳しさと、熱さが表れている装置でした。茅野へ帰る道すがら、夕方の信濃平の景色と、まだ白い白馬の山々の美しい景色をみて、信濃の人の厳しいけど自然に恵まれた人の音楽への憧憬が、ドイツやオーストリアの山間の人達の気質に重なりました。


Commented by (Y) at 2014-05-06 10:49 x

オイロッパですか! 見たことも聴いたことも無いですが、うちの後面開放の箱に入ったオイロダインと比べると、なんとも荘厳ですね。

うちは本当に箱庭。手巻き蓄音機はHMVの卓上だし、930だしスチューダーも…。
盤によるターンテーブルの使い分けも、うちはシングル盤用(オートチェンジャー)・70年代までのジャズ/ロック用・国内LP用だし(笑)。なんか共通点が多いような全然違うような。まあ、音は比べるべくも無いでしょうが。


Commented by GRF at 2014-05-06 11:20 x

この記事は、(Y)さんの為に書いたようなモノです(笑)。凄かったです。使いこなしが半端ではありません。ヴィンテージオーディオの最高峰でしょう。それでいて、テープのように精緻だけど暖かい音でした。

でも、白眉は何と言ってもEMIの純正鉄針を一回ごと捨てていくグレデンザの音でした。一度、ご一緒しましょう!
http://tannoy.exblog.jp/21942624/

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/655.html#c55

[近代史3] 中野剛志 _ アメリカで大論争の「現代貨幣理論」とは何か 中川隆
21. 中川隆[-10140] koaQ7Jey 2019年5月26日 09:27:22 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2208]

現代の真実 2019-05-26 三橋貴明
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12463946426.html


チャンネル桜「日本よ、今...「闘論!倒論!討論!」」に出演しました。

【経済討論】最終警告!亡国の消費増税[桜R1/5/25]
https://www.youtube.com/watch?v=BcbuxUBgJTY&feature=youtu.be

 Youtubeのコメントを見ていると、MMTというか「おカネの本質」を理解している一般人があまりにも多く、ビビりました。一般人がここまでおカネの本質について学んでいるって、これはアメリカ以上でしょう(絶対数でも)。


 わたくしが、菊池英雄氏の、

「MB(マネタリーベース)の増加分と、MS(マネーストック)の増加分の差額が外国に流れた」

 という出鱈目に怒ったのは、まずは「間違い」であり、国民に誤解というか嘘の刷り込みをしてしまうためです。インターネットだろうが、言動は「ソース」にされてしまうのですよ。


 しかも、MBを増やしたが、MSが十分に増えたなかったのは、外国に流れたからだというのは、下手に説得力がある嘘だから厄介なのです。


 もちろん、上記は「おカネのプール論」であり、完全に間違っています。

そもそも、MBとMSは直接的な関係はありません。

MBは日銀の国債等の買い取りにより「書く」ことで発行されるおカネ

MSのメインの預金は、銀行が貸し出しの際に「書くこと」で発行されるおカネ。

MB⇒MSと動くおカネは、現金紙幣だけです。

 無論、銀行準備制度の下では、銀行はMS(預金)を増やした分、MB(日銀当座預金」を増やす必要がありますが、今は量的緩和で日銀預け金が巨額になりすぎ、有名無実化しています。


 いずれにせよ、別の経済主体が「書くこと」で発行されるおカネが、同一のはずがありません。番組中でも散々に言いましたが、金貨銀貨じゃないんです。


 しかも、おカネのプール論に基づく「MBの多くが外国に流れ、MSが増えなかった」という話が正しいとなると、

「ならば、MBを発行し、外国におカネが流れないようにすれば、デフレ脱却できるよね」

 と、バカバカしい(かつ間違った)結論に結びついてしまいます。財務省が喜びそうです。

・MBを増やしても、MSは増えない(そもそも違うおカネである以上、当たり前)。

・MSやGDPを増やすためには、政府が支出をしなければならない(国債発行もしくはOMFで)。

・政府は何ら債務的負担を負うことなく、MSやGDPを増やせる。

 上記を国民が理解しない限り、結局は勝てないでしょう。

 MMTやおカネの話をしていると、むしろ「ど素人」の方が鋭いように思えます。例えば、昨日の討論で言えば、水島社長の、

「(P&Gにおカネを貸した)シティバンクは、どこからおカネを調達したの?」

「何で、量的緩和政策で日銀当座預金を発行したの?」

 という質問は秀逸でした。

 ちなみに、答えは、

「どこからも調達しておらず、単にシティバンクがP&Gの通帳に書いただけ」

「量的緩和により期待インフレ率を引き上げ、実質金利を下げ、銀行貸し出し(これはMS)を増やし、需要を創出しデフレだっきゃできるという『風が吹けば桶屋が儲かる理論』」

 でございます。

 ところで、シティバンクから100億ドルを借りたP&Gがおカネ(預金)をGEのJPモルガンの口座に振り込むと、

「シティバンクのFRB準備預金口座から、JPモルガンのFRB準備預金口座に、100億ドル振り替える」

 ことで決済します。一応、島倉氏が説明していましたが、念のため補足。



 ともかく、敵(主流派経済学、財務省、政商、財政破綻論者たち)は、財政出動、特に政治の意思が入る財政出動「だけ」は絶対に嫌! という、価値観の持ち主です。


 この辺りの話は、

【Front Japan 桜・藤井聡×三橋貴明】日本経済が落第生の(他)[桜R1/5/24]
https://www.youtube.com/watch?v=4POHZ97qB8Q&feature=youtu.be


 で、藤井聡先生とやっています。

 実は、現在の日本における経済問題は、いわゆるリフレ派、あるいはプライマリーバランス黒字化目標を含め。

「政府支出に政治家の意思を入れてはならない」
「経済には自然法則があり、人が立ち入ってはいけない」

 という、経済学(古典派、新古典派など)と、

「経済は人間の意思から始めなければならない」

 という、経済学(ケインズ、ラーナー、ミンスキー、MMTなど) との戦いなのでございます。


 いわゆるリフレ派が、財政の必要性は認めつつ「給付金にするべき」と繰り返し、政治の意思が関与するプロジェクト系(公共事業、科学技術、社会保障など)を嫌悪するのは、そういう理由なのです。


 財政はプライマリーバランス。どうしても財政赤字を増やしたいならば、機械的な給付金。

 そういえば、フリードマンのベーシック・インカムも、まさに「機械的に所得を配れ」というわけで、ヒト(政治)の意図が全く入らない社会保障というわけですね。

 そして、経済には自然法則があり、それに従うべき(政治を関与させるな)という考え方が、政商に利用され、特定のビジネスの利益最大化に使われている。


 これが現代の真実です。


 というわけで、事態を打開するためには、「間違いは間違いだ」「嘘は嘘だ」と容赦なく否定していかなければならないのです。もはや我が国には、間違い理論を許容するような余裕はありません。
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12463946426.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/314.html#c21

[近代史3] ファーウェイ排除で世界に激震! 日本はどうなる?

【教えて!ワタナベさん】ファーウェイ排除で世界に激震!
日本はどうなる?[桜R1-5-25] - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=cKqwnvO79QI

出演:渡邉哲也(経済評論家)


▲△▽▼


激化する通信覇権争奪戦 ファーウェイ排除の背景にあるもの 2019年5月25日
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/11808


 米中貿易戦争がエスカレートするなか、日本の携帯電話大手があいついでファーウェイの最新スマートフォンの発売延期や予約停止を表明した。米商務省が16日、ファーウェイ本社と関連68社をアメリカ企業との取引を禁止する制裁措置を発動し、米グーグルが今後発売するファーウェイ製品の基本ソフト(OS)のサポートを停止する方向を示したからだ。米半導体メーカーのインテルやクアルコムも取引停止に踏み切り、パナソニックなど日本企業もファーウェイとの取引停止や中国での生産をタイや日本に移す動きを見せている。しかしこの問題は中国製品の使用をやめ、影響の少ない欧米製品に乗り換えれば済むという問題ではない。

 国内の携帯電話会社や家電量販店では少し前までファーウェイ製品を目立つ位置で宣伝していた。しかしアメリカ政府が制裁を発動し、それに米大手企業が追随すると、今度は日本企業がこぞって「制裁」に同調し始めた。ソフトバンクは5月24日に最高峰のトリプルカメラを搭載したファーウェイの新型スマホ「P30」シリーズの発売を予定していたが、突然2日前の22日に「発売延期」を発表した。それにKDDI(au)も続き、午後5時頃にはNTTドコモが予約の受付を停止した。

 日本国内では近年、高額な米アップル製のiPhone(アイフォン)販売は伸び悩み、高機能で低価格のファーウェイ製品が売上を伸ばしていた。しかし技術面や価格面で対抗することができないため、アメリカが「サイバーセキュリティ上の脅威」を掲げて強引にファーウェイ排除に乗り出した。これに日本企業が雪崩をうって追随する事態になっている。

 アメリカが発動した制裁措置は1980年代の第一世代通信(1G)登場から激化してきた通信技術覇権をめぐる争奪戦が根底にある。アメリカはとくに携帯電話通信の根幹となる基地局の支配を重視した。その結果、これまではアメリカ政府と関係の深いエリクソン(スウェーデン)とノキア(フィンランド)の二強が通信機器メーカー(基地局ベンダー)の主導権を握っていた。ところが世界の携帯通信市場の設備投資規模は8兆円をこす規模に膨張した。そこに技術力や低コストを武器にして、ファーウェイやZTEなどの中国勢が食い込んでいる。

 基地局ベンダー全売上高の世界シェア(2018年、213億j)のうちわけはエリクソンが29%、ファーウェイが26%、ノキアが23・4%、ZTE(中国)が11・7%となっている。大手四社で90%を占め、ファーウェイが世界首位の座を争うまでに勢力を拡大している。

 この基地局は企業や個人通信の中枢施設であると同時に、政府や軍事機関が使う中核施設である。それは民間企業であっても一国の基地局をみな牛耳る地位を築けば国政を陰から操る存在になる。そのためアメリカは、世界市場のなかで軍事技術とともに通信技術を重視し常に独占的な地位を保つことに力を注いだ。その政策が功を奏し第四世代通信(4G)まではGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)と呼ばれる米国企業集団が、ネット社会を牛耳る態勢を維持してきた。ところが5Gが本格始動していく動きのなかで、米国は技術開発力で遅れをとっている。そしてITや基地局を軸にした通信技術の独占体制がほころび始めている。

 2018年のスマートフォン世界出荷台数シェアを見てみると、

1位=韓国・サムスン電子(20・8%)

2位=米国・アップル(14・9%)

3位=中国・ファーウェイ(14・7%)

4位=中国・シャオミ(8・7%)

5位=中国・OPPO(8・1%)

となっている。5Gに向けた最新スマホは中国勢が急速に売れ行きを伸ばしている。こうして基地局ベンダーではエリクソンとノキアの二強を脅かし、スマートフォン市場ではアップルを脅かす存在として台頭してきた。それを阻止するために開始したのが、国主導で関税引き上げや制裁措置を発動し、競争相手を世界の通信市場から排除することだった。

 そのためトランプ大統領は昨年8月段階で、米国の国防権限法に署名している。同法は「19年8月から米政府機関はファーウェイなど特定5社(ファーウェイ、ZTE、ハイクビジョン、ダーファ、ハイテラ)の機器・サービスの利用を禁止する。5社の機器を使った製品も利用を禁止する」「20年8月からは5社の機器やサービスを利用している企業との取引も禁止する」という内容である。中国には日本からも多様な業種が進出し、工場内で使う監視カメラや通信機器は中国製品を使っていた。アメリカの国防権限法はそうした企業もふくめて米政府機関との取引禁止対象にする内容である。そうした今後の動きも見込んで、日本企業が中国から手を引く動きを加速している。

 しかし中国勢を排除した後、日本の通信市場の強奪を狙っているのは欧米勢である。現在、日本の基地局インフラは

ノキア=26・1%

NEC=11・7%

富士通=9・9%

サムスン電子=8・7%

エリクソン=7・5%

ファーウェイ=6%

ZTE=2・1%

となっており、欧米勢のシェアは3割程度に過ぎない。これを「中国の企業はセキュリティに問題がある」と騒いで中国勢を排除し、欧米勢のシェアを拡大していく動きが同時進行している。

 これまで日本の携帯電話大手三社の基地局ベンダー別売上高は次のようになっている。
【ソフトバンク】
ファーウェイ=54%
ZTE   =21%
エリクソン =14%
ノキア   =5%

【KDDI(au)】
サムスン電子=52%
エリクソン =35%
ノキア   =10%
富士通   =3%

【ドコモ】
NEC   =33%
富士通   =33%
ノキア   =28%
エリクソン =4%

 ソフトバンクは中国勢が75%を占め欧米勢が入り込めない。KDDIも韓国勢が5割以上のシェアを握っている。電電公社の流れを汲むドコモは国産メーカーが7割近くを押さえている。この基本構図を突き崩し、欧米勢が参入していく地ならしが動いている。

 安倍政府は4月中旬、合計で10枠ある5Gの周波数を割り当てた。その結果はドコモとKDDIが3枠、ソフトバンクと楽天モバイルが2枠だった。ドコモ、KDDI、楽天モバイルの3社は希望通りの割り当てだった。ソフトバンクだけ3枠希望したが2枠しか獲得できず、今後増やすときは「電気通信設備の安全・信頼性の向上」という追加条件がついた。安倍政府もアメリカの要求にそって中国勢を排除し欧米勢を引き込んでいく動きを強めている。

 こうした方向は国産基地局ベンダーが5Gの段階で全滅しかねない危機もはらんでいる。かつてNECと富士通は電電公社時から日本全国の通信機器を保障する基地局ベンダーとして、世界の通信技術を牽引していた。それが1985年の電電公社民営化で、通信事業、回線、端末などへの新規参入を自由化した結果、日本国内の通信市場は民間企業の草刈り場と化した。そのなかで中国や韓国の企業と連携したKDDIやソフトバンクが勢力を拡大し、欧米勢も一定のシェアを確保した。だがNECと富士通は低迷を続け、とうとう昨年、NECはサムスン電子、富士通はエリクソンと提携した。こうして基地局ベンダーから日本勢を駆逐し、日本の通信技術の根幹を欧米勢を中心にした外資が握っていく動きが加速している。「ファーウェイ製品が使えなくなる」「中国製品より欧米製品を使った方がいい」と煽るメディアの宣伝の陰で、国の通信網の根幹である通信インフラ市場を欧米勢を中心とする外資へみな明け渡していく動きが同時進行していることを見過ごすことはできない。
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/11808
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/452.html

[近代史3] ファーウェイ排除で世界に激震! 日本はどうなる? 中川隆
1. 中川隆[-10139] koaQ7Jey 2019年5月26日 10:12:23 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2210]

特番『新ココム発動!もはや答えは出ている!米国?中国?』
ゲスト:経済評論家 渡邊哲也氏 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=VSnj27cpgUw


2019/05/22 に公開

ゲスト:経済評論家 渡邊哲也氏
司会:松田政策研究所 代表 松田学

<主な内容>
・米中貿易戦争
・ファーウェイ問題
・ECRA
・IEEPA
・どうなる?ファーウェイとのビジネス
・みなし輸出、再輸出、最終利用者
・DPLリスト
・ファブレスメーカー
・日本の経済界は??
・グローバルサプライチェーンの組み換え
・もはや答えは出ている!米国?中国?
・パンダハガー



http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/452.html#c1

[近代史3] ファーウェイ排除で世界に激震! 日本はどうなる? 中川隆
2. 中川隆[-10138] koaQ7Jey 2019年5月26日 10:14:27 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2211]

特番『米中二極化への対応を急げ!衆参同時選挙!?』
ゲスト:経済評論家 渡邊哲也氏 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=XsXABvNvhkI


2019/05/24 に公開

ゲスト:経済評論家 渡邊哲也氏
司会:松田政策研究所 代表 松田学

<主な内容>
・中国の行方
・習近平はマオニスト
・監視社会の到来
・今後の日本企業の中国への進出は??
・韓国は大丈夫か?
・一帯一路への向き合い方
・トランプ来日と日米貿易協定の行方
・G20
・経済危機はあるのか?
・消費増税とオリンピック
・参議院選挙と今後の政局
・7月28日衆参同時選挙!?
・米国の思惑



http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/452.html#c2

[リバイバル4] 買ってはいけない 300B ダメ・アンプ _ SUNVALLEY AUDIO(旧キット屋) SV-91B 中川隆
15. 中川隆[-10137] koaQ7Jey 2019年5月26日 10:50:15 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2212]

オーディオ物価指数 2019年05月23日
https://open.mixi.jp/user/8290003/diary/1971622097


トーマン75アンプ、モガミケーブル、シャイン電ケーらでだいぶオーディオ物価指数を音基地外レベルから、常識人レベルに戻った気がします。

プロ用アンプというのををかねてからご愛用はうにさん、モグラさん ナイトさんらごくわずかです。

ジャンクオーディオを外部に修理に出して、安くて3万、場合によっては10万、20万も。これも常識的市民からは立派な「音吉外」

しかし音質的にははるか昔に終了しているリレーや可変抵抗器はそのままというお笑いオチ付き(*^^*)。

ひどいのは油、接点復活剤をふきかけて終わり・・・・

あの是枝重治氏もガリが出たVOL(ポテンショメータ)が手に入らないと、それに孔を開けて、接点復活剤でした(苦笑)

いっとき使ったサンバレーの真空管アンプには驚きました。
肝心のプリアンプのVOLは無印(部品そのものに製造メーカーや型番の表示なしの最低部品を無印と呼びます)アキバ最安値の中華?
ロータリースイッチも同様の100円するかしないか。。

往時のオーディオなら、ラジオ、ラジカセかミニコンレベルに付いている部品レベルでした。

売るのに1年後、2年後なんて関係ない、最初の1ヶ月〜数ヶ月まともに音が維持できれば(T_T)。ああ、今のオーディオ儲けはこうしてやるんだな(苦笑)
こういうのを10万単位で買うのも市民からは音基地。

とにかくオリジナルパーツで直してもらわないと価値もないメンテです!となる現代では各種性能の悪いコンデンサー1個、鮮度命の電解コンデンサーなのに、どうしてもウン十年前のオリジナルでとに1個数千円〜数万円払うヴィンテージオーディオらも音基地外レベル?

誰にも迷惑なく、じゃんじゃんと浪費するのはこの厳しい時代にいいことでしょうけど(*^^*)

問題はトーマンら12,000円〜本国で売っている業務用アンプ類。

その他同社製品類をご覧ください。1Kwまでのアンプまで10万円もしないであります。
https://www.thomann.de/intl/jp/tamp_s75.htm?ref=search_prv_0

Amazonら通販だけで流通している中国メーカーオーディオ。

試聴できるショップがないのですね。

あるじゃないか!大阪にプロケーブルが!

いやいや、YouTubeでそこの音の生録が流れていますが、EVのPAスピーカーらを使ったそこの音って、記憶にある限り、平蔵がロックバンド活動をしていた30年前のPAレベルの音質にしか聞こえません(T_T)。

YouTubeを介してすら、キンキンして5秒と聴いていられません(T_T)(T_T)大泣き

プロケーブル理論?「音の焦点!」???信者用でしょうか(*^^*)これも立派なオトキチ。

Western Electric超え、クラウン超えも同様で、一旦信者にしたら、買った製品(クラウン、アムクロン)を陳腐化させて買い替えさせる、古くはクルマで取られた商い手法でしょうか?。

だいたいWestern Electricアンプも戦前のマグネチックSpeakerから戦中の今のハイエンドも鳴らせるものまで多数で何をもってWestern Electricアンプを超えたのか(苦笑)。

クラウンのアンプなんてPA用の現場用だから、聴いたこともない音吉の方が圧倒的で比較対象の意味もない。
プロケーブルのススメでクラウンのアンプを買った人は買い替えてもらえる?

なにやら凄いんだぞ!という、本国から通販価格の2倍以上の価格でたくさん売れば、懐ウホウホのナニワ商人ならではの商い手法?

プロ用アンプの流通は通販メインのほか、せいぜい楽器店ルート。
そこにあるスピーカーはPA用の大味?のがメイン。

こんな1万2千円のアンプを売るとなると、数を仕入れて本国の倍以上の27,800円(もしかしたらまとめ仕入れ値の3倍?)以上の値付けをして売るプロケーブルはともかく、一般オーディオ店に並べたら、儲け大きなかねてよりのオーディオ雑誌が取り上げるアンプが売れなくなるから置かない。

こんなかねてからの5万円を超える390シリーズより半値以下で、もっとハイエンドスピーカーのウーハーまでドライブ出来るアンプは、トーマンらいくらでも浮かびそうです。ねえ!

PMA-390RE こういうのが5万2000円では・・・売れないわ!
https://www.denon.jp/jp/product/hificomponents/amplifiers/pma390re

ONKYO DENON PIONEER。
うにさんがアップされていましたが、10万を超えるDENONのSACDプレーヤーメカがプラスチックのミニコンメカと同じらロクな製品がないのだから、みんなダメになるのも当然ではないでしょうか。

昭和国産ジャンクは万カネかけていくら完璧に治しても、中古価格は千円単位、ハードオフ買い取り100円から良くて数千円では?その程度の価値。
ここもオトキチ感覚が発揮される部分かと。

PIONEERなんか持っている工場ら土地、建物だって広いだろうに、メーカー全部を10億円単位で叩き売られたそうで(T_T)。

看板価値メインで、そこの技術者らの価格はほとんどゼロ円と見ました。
(つまり日本人技術者不要、ここを中国技術に置き換えてPIONEERブランドで売れば投資のバックがありそうと)

これらが消えたって、音吉平蔵 なーんにも困りません。海外にはもっと安いのに立派なメーカーが多数ありますから。
https://open.mixi.jp/user/8290003/diary/1971622097

http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/124.html#c15

[リバイバル3] 古いアンプやスピーカーにはリスクが有る 中川隆
52. 中川隆[-10136] koaQ7Jey 2019年5月26日 10:50:54 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2213]


オーディオ物価指数 2019年05月23日
https://open.mixi.jp/user/8290003/diary/1971622097


トーマン75アンプ、モガミケーブル、シャイン電ケーらでだいぶオーディオ物価指数を音基地外レベルから、常識人レベルに戻った気がします。

プロ用アンプというのををかねてからご愛用はうにさん、モグラさん ナイトさんらごくわずかです。

ジャンクオーディオを外部に修理に出して、安くて3万、場合によっては10万、20万も。これも常識的市民からは立派な「音吉外」

しかし音質的にははるか昔に終了しているリレーや可変抵抗器はそのままというお笑いオチ付き(*^^*)。

ひどいのは油、接点復活剤をふきかけて終わり・・・・

あの是枝重治氏もガリが出たVOL(ポテンショメータ)が手に入らないと、それに孔を開けて、接点復活剤でした(苦笑)

いっとき使ったサンバレーの真空管アンプには驚きました。
肝心のプリアンプのVOLは無印(部品そのものに製造メーカーや型番の表示なしの最低部品を無印と呼びます)アキバ最安値の中華?
ロータリースイッチも同様の100円するかしないか。。

往時のオーディオなら、ラジオ、ラジカセかミニコンレベルに付いている部品レベルでした。

売るのに1年後、2年後なんて関係ない、最初の1ヶ月〜数ヶ月まともに音が維持できれば(T_T)。ああ、今のオーディオ儲けはこうしてやるんだな(苦笑)
こういうのを10万単位で買うのも市民からは音基地。

とにかくオリジナルパーツで直してもらわないと価値もないメンテです!となる現代では各種性能の悪いコンデンサー1個、鮮度命の電解コンデンサーなのに、どうしてもウン十年前のオリジナルでとに1個数千円〜数万円払うヴィンテージオーディオらも音基地外レベル?

誰にも迷惑なく、じゃんじゃんと浪費するのはこの厳しい時代にいいことでしょうけど(*^^*)

問題はトーマンら12,000円〜本国で売っている業務用アンプ類。

その他同社製品類をご覧ください。1Kwまでのアンプまで10万円もしないであります。
https://www.thomann.de/intl/jp/tamp_s75.htm?ref=search_prv_0

Amazonら通販だけで流通している中国メーカーオーディオ。

試聴できるショップがないのですね。

あるじゃないか!大阪にプロケーブルが!

いやいや、YouTubeでそこの音の生録が流れていますが、EVのPAスピーカーらを使ったそこの音って、記憶にある限り、平蔵がロックバンド活動をしていた30年前のPAレベルの音質にしか聞こえません(T_T)。

YouTubeを介してすら、キンキンして5秒と聴いていられません(T_T)(T_T)大泣き

プロケーブル理論?「音の焦点!」???信者用でしょうか(*^^*)これも立派なオトキチ。

Western Electric超え、クラウン超えも同様で、一旦信者にしたら、買った製品(クラウン、アムクロン)を陳腐化させて買い替えさせる、古くはクルマで取られた商い手法でしょうか?。

だいたいWestern Electricアンプも戦前のマグネチックSpeakerから戦中の今のハイエンドも鳴らせるものまで多数で何をもってWestern Electricアンプを超えたのか(苦笑)。

クラウンのアンプなんてPA用の現場用だから、聴いたこともない音吉の方が圧倒的で比較対象の意味もない。
プロケーブルのススメでクラウンのアンプを買った人は買い替えてもらえる?

なにやら凄いんだぞ!という、本国から通販価格の2倍以上の価格でたくさん売れば、懐ウホウホのナニワ商人ならではの商い手法?

プロ用アンプの流通は通販メインのほか、せいぜい楽器店ルート。
そこにあるスピーカーはPA用の大味?のがメイン。

こんな1万2千円のアンプを売るとなると、数を仕入れて本国の倍以上の27,800円(もしかしたらまとめ仕入れ値の3倍?)以上の値付けをして売るプロケーブルはともかく、一般オーディオ店に並べたら、儲け大きなかねてよりのオーディオ雑誌が取り上げるアンプが売れなくなるから置かない。

こんなかねてからの5万円を超える390シリーズより半値以下で、もっとハイエンドスピーカーのウーハーまでドライブ出来るアンプは、トーマンらいくらでも浮かびそうです。ねえ!

PMA-390RE こういうのが5万2000円では・・・売れないわ!
https://www.denon.jp/jp/product/hificomponents/amplifiers/pma390re

ONKYO DENON PIONEER。
うにさんがアップされていましたが、10万を超えるDENONのSACDプレーヤーメカがプラスチックのミニコンメカと同じらロクな製品がないのだから、みんなダメになるのも当然ではないでしょうか。

昭和国産ジャンクは万カネかけていくら完璧に治しても、中古価格は千円単位、ハードオフ買い取り100円から良くて数千円では?その程度の価値。
ここもオトキチ感覚が発揮される部分かと。

PIONEERなんか持っている工場ら土地、建物だって広いだろうに、メーカー全部を10億円単位で叩き売られたそうで(T_T)。

看板価値メインで、そこの技術者らの価格はほとんどゼロ円と見ました。
(つまり日本人技術者不要、ここを中国技術に置き換えてPIONEERブランドで売れば投資のバックがありそうと)

これらが消えたって、音吉平蔵 なーんにも困りません。海外にはもっと安いのに立派なメーカーが多数ありますから。
https://open.mixi.jp/user/8290003/diary/1971622097

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/832.html#c52

[リバイバル3] 真空管アンプについての よく有る誤解 中川隆
5. 中川隆[-10135] koaQ7Jey 2019年5月26日 10:51:52 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2214]


オーディオ物価指数 2019年05月23日
https://open.mixi.jp/user/8290003/diary/1971622097


トーマン75アンプ、モガミケーブル、シャイン電ケーらでだいぶオーディオ物価指数を音基地外レベルから、常識人レベルに戻った気がします。

プロ用アンプというのををかねてからご愛用はうにさん、モグラさん ナイトさんらごくわずかです。

ジャンクオーディオを外部に修理に出して、安くて3万、場合によっては10万、20万も。これも常識的市民からは立派な「音吉外」

しかし音質的にははるか昔に終了しているリレーや可変抵抗器はそのままというお笑いオチ付き(*^^*)。

ひどいのは油、接点復活剤をふきかけて終わり・・・・

あの是枝重治氏もガリが出たVOL(ポテンショメータ)が手に入らないと、それに孔を開けて、接点復活剤でした(苦笑)

いっとき使ったサンバレーの真空管アンプには驚きました。
肝心のプリアンプのVOLは無印(部品そのものに製造メーカーや型番の表示なしの最低部品を無印と呼びます)アキバ最安値の中華?
ロータリースイッチも同様の100円するかしないか。。

往時のオーディオなら、ラジオ、ラジカセかミニコンレベルに付いている部品レベルでした。

売るのに1年後、2年後なんて関係ない、最初の1ヶ月〜数ヶ月まともに音が維持できれば(T_T)。ああ、今のオーディオ儲けはこうしてやるんだな(苦笑)
こういうのを10万単位で買うのも市民からは音基地。

とにかくオリジナルパーツで直してもらわないと価値もないメンテです!となる現代では各種性能の悪いコンデンサー1個、鮮度命の電解コンデンサーなのに、どうしてもウン十年前のオリジナルでとに1個数千円〜数万円払うヴィンテージオーディオらも音基地外レベル?

誰にも迷惑なく、じゃんじゃんと浪費するのはこの厳しい時代にいいことでしょうけど(*^^*)

問題はトーマンら12,000円〜本国で売っている業務用アンプ類。

その他同社製品類をご覧ください。1Kwまでのアンプまで10万円もしないであります。
https://www.thomann.de/intl/jp/tamp_s75.htm?ref=search_prv_0

Amazonら通販だけで流通している中国メーカーオーディオ。

試聴できるショップがないのですね。

あるじゃないか!大阪にプロケーブルが!

いやいや、YouTubeでそこの音の生録が流れていますが、EVのPAスピーカーらを使ったそこの音って、記憶にある限り、平蔵がロックバンド活動をしていた30年前のPAレベルの音質にしか聞こえません(T_T)。

YouTubeを介してすら、キンキンして5秒と聴いていられません(T_T)(T_T)大泣き

プロケーブル理論?「音の焦点!」???信者用でしょうか(*^^*)これも立派なオトキチ。

Western Electric超え、クラウン超えも同様で、一旦信者にしたら、買った製品(クラウン、アムクロン)を陳腐化させて買い替えさせる、古くはクルマで取られた商い手法でしょうか?。

だいたいWestern Electricアンプも戦前のマグネチックSpeakerから戦中の今のハイエンドも鳴らせるものまで多数で何をもってWestern Electricアンプを超えたのか(苦笑)。

クラウンのアンプなんてPA用の現場用だから、聴いたこともない音吉の方が圧倒的で比較対象の意味もない。
プロケーブルのススメでクラウンのアンプを買った人は買い替えてもらえる?

なにやら凄いんだぞ!という、本国から通販価格の2倍以上の価格でたくさん売れば、懐ウホウホのナニワ商人ならではの商い手法?

プロ用アンプの流通は通販メインのほか、せいぜい楽器店ルート。
そこにあるスピーカーはPA用の大味?のがメイン。

こんな1万2千円のアンプを売るとなると、数を仕入れて本国の倍以上の27,800円(もしかしたらまとめ仕入れ値の3倍?)以上の値付けをして売るプロケーブルはともかく、一般オーディオ店に並べたら、儲け大きなかねてよりのオーディオ雑誌が取り上げるアンプが売れなくなるから置かない。

こんなかねてからの5万円を超える390シリーズより半値以下で、もっとハイエンドスピーカーのウーハーまでドライブ出来るアンプは、トーマンらいくらでも浮かびそうです。ねえ!

PMA-390RE こういうのが5万2000円では・・・売れないわ!
https://www.denon.jp/jp/product/hificomponents/amplifiers/pma390re

ONKYO DENON PIONEER。
うにさんがアップされていましたが、10万を超えるDENONのSACDプレーヤーメカがプラスチックのミニコンメカと同じらロクな製品がないのだから、みんなダメになるのも当然ではないでしょうか。

昭和国産ジャンクは万カネかけていくら完璧に治しても、中古価格は千円単位、ハードオフ買い取り100円から良くて数千円では?その程度の価値。
ここもオトキチ感覚が発揮される部分かと。

PIONEERなんか持っている工場ら土地、建物だって広いだろうに、メーカー全部を10億円単位で叩き売られたそうで(T_T)。

看板価値メインで、そこの技術者らの価格はほとんどゼロ円と見ました。
(つまり日本人技術者不要、ここを中国技術に置き換えてPIONEERブランドで売れば投資のバックがありそうと)

これらが消えたって、音吉平蔵 なーんにも困りません。海外にはもっと安いのに立派なメーカーが多数ありますから。
https://open.mixi.jp/user/8290003/diary/1971622097

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/923.html#c5

[リバイバル3] 最近のオーディオ業界の状況 中川隆
93. 中川隆[-10134] koaQ7Jey 2019年5月26日 10:52:50 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2215]

オーディオ物価指数 2019年05月23日
https://open.mixi.jp/user/8290003/diary/1971622097


トーマン75アンプ、モガミケーブル、シャイン電ケーらでだいぶオーディオ物価指数を音基地外レベルから、常識人レベルに戻った気がします。

プロ用アンプというのををかねてからご愛用はうにさん、モグラさん ナイトさんらごくわずかです。

ジャンクオーディオを外部に修理に出して、安くて3万、場合によっては10万、20万も。これも常識的市民からは立派な「音吉外」

しかし音質的にははるか昔に終了しているリレーや可変抵抗器はそのままというお笑いオチ付き(*^^*)。

ひどいのは油、接点復活剤をふきかけて終わり・・・・

あの是枝重治氏もガリが出たVOL(ポテンショメータ)が手に入らないと、それに孔を開けて、接点復活剤でした(苦笑)

いっとき使ったサンバレーの真空管アンプには驚きました。
肝心のプリアンプのVOLは無印(部品そのものに製造メーカーや型番の表示なしの最低部品を無印と呼びます)アキバ最安値の中華?
ロータリースイッチも同様の100円するかしないか。。

往時のオーディオなら、ラジオ、ラジカセかミニコンレベルに付いている部品レベルでした。

売るのに1年後、2年後なんて関係ない、最初の1ヶ月〜数ヶ月まともに音が維持できれば(T_T)。ああ、今のオーディオ儲けはこうしてやるんだな(苦笑)
こういうのを10万単位で買うのも市民からは音基地。

とにかくオリジナルパーツで直してもらわないと価値もないメンテです!となる現代では各種性能の悪いコンデンサー1個、鮮度命の電解コンデンサーなのに、どうしてもウン十年前のオリジナルでとに1個数千円〜数万円払うヴィンテージオーディオらも音基地外レベル?

誰にも迷惑なく、じゃんじゃんと浪費するのはこの厳しい時代にいいことでしょうけど(*^^*)

問題はトーマンら12,000円〜本国で売っている業務用アンプ類。

その他同社製品類をご覧ください。1Kwまでのアンプまで10万円もしないであります。
https://www.thomann.de/intl/jp/tamp_s75.htm?ref=search_prv_0

Amazonら通販だけで流通している中国メーカーオーディオ。

試聴できるショップがないのですね。

あるじゃないか!大阪にプロケーブルが!

いやいや、YouTubeでそこの音の生録が流れていますが、EVのPAスピーカーらを使ったそこの音って、記憶にある限り、平蔵がロックバンド活動をしていた30年前のPAレベルの音質にしか聞こえません(T_T)。

YouTubeを介してすら、キンキンして5秒と聴いていられません(T_T)(T_T)大泣き

プロケーブル理論?「音の焦点!」???信者用でしょうか(*^^*)これも立派なオトキチ。

Western Electric超え、クラウン超えも同様で、一旦信者にしたら、買った製品(クラウン、アムクロン)を陳腐化させて買い替えさせる、古くはクルマで取られた商い手法でしょうか?。

だいたいWestern Electricアンプも戦前のマグネチックSpeakerから戦中の今のハイエンドも鳴らせるものまで多数で何をもってWestern Electricアンプを超えたのか(苦笑)。

クラウンのアンプなんてPA用の現場用だから、聴いたこともない音吉の方が圧倒的で比較対象の意味もない。
プロケーブルのススメでクラウンのアンプを買った人は買い替えてもらえる?

なにやら凄いんだぞ!という、本国から通販価格の2倍以上の価格でたくさん売れば、懐ウホウホのナニワ商人ならではの商い手法?

プロ用アンプの流通は通販メインのほか、せいぜい楽器店ルート。
そこにあるスピーカーはPA用の大味?のがメイン。

こんな1万2千円のアンプを売るとなると、数を仕入れて本国の倍以上の27,800円(もしかしたらまとめ仕入れ値の3倍?)以上の値付けをして売るプロケーブルはともかく、一般オーディオ店に並べたら、儲け大きなかねてよりのオーディオ雑誌が取り上げるアンプが売れなくなるから置かない。

こんなかねてからの5万円を超える390シリーズより半値以下で、もっとハイエンドスピーカーのウーハーまでドライブ出来るアンプは、トーマンらいくらでも浮かびそうです。ねえ!

PMA-390RE こういうのが5万2000円では・・・売れないわ!
https://www.denon.jp/jp/product/hificomponents/amplifiers/pma390re

ONKYO DENON PIONEER。
うにさんがアップされていましたが、10万を超えるDENONのSACDプレーヤーメカがプラスチックのミニコンメカと同じらロクな製品がないのだから、みんなダメになるのも当然ではないでしょうか。

昭和国産ジャンクは万カネかけていくら完璧に治しても、中古価格は千円単位、ハードオフ買い取り100円から良くて数千円では?その程度の価値。
ここもオトキチ感覚が発揮される部分かと。

PIONEERなんか持っている工場ら土地、建物だって広いだろうに、メーカー全部を10億円単位で叩き売られたそうで(T_T)。

看板価値メインで、そこの技術者らの価格はほとんどゼロ円と見ました。
(つまり日本人技術者不要、ここを中国技術に置き換えてPIONEERブランドで売れば投資のバックがありそうと)

これらが消えたって、音吉平蔵 なーんにも困りません。海外にはもっと安いのに立派なメーカーが多数ありますから。
https://open.mixi.jp/user/8290003/diary/1971622097

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/845.html#c93

[近代史3] スマホやノートパソコンを使っていると失明する 中川隆
1. 中川隆[-10133] koaQ7Jey 2019年5月26日 11:19:22 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2216]

<医療プレミア特集>スマホ見過ぎで増加?「ものが二重に見える子供」
5/26(日) 9:30配信 毎日新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190526-00000006-mai-soci

 デジタル機器と子どもの斜視との因果関係に医師が注目し始めました


 スマートフォンやタブレット端末の普及で、「急性内斜視」になる子どもが増えているのではないかと、医師たちが調査に乗り出しました。内斜視は、片方の黒目が内側に寄ったまま戻らなくなる症状です。発症すると子どもにどんな悪影響があるのか、どう防げばいいかを調べました。【毎日新聞統合デジタル取材センター・和田浩幸】

 ◇ものが二重に見えてしまう子どもが増加

 「ものが二重に見えるようです。スマホの使いすぎだと思うのですが……」。浜松市の浜松医科大付属病院では最近、急性内斜視になった子どもを連れてくる親が目立つようになりました。もともと未成年に多い症状ですが、年間2〜3人ほどだった患者数は3年前から10人前後で推移しているそうです。

 主な症状は、両目の視線が一致せず、ものが二重に見えてしまう「複視」で、遠近感をつかんだり、立体感を捉えたりすることが難しくなります。一般的に脳の異常やストレス、強い近視などから突然発症するとされますが、近年はスマホやタブレット端末などのデジタル機器が引き金になっているのではないか、と疑われています。

 国立成育医療研究センター(東京)のグループは昨年1月、急性内斜視を発症したり、悪化させたりしたことで2014〜16年に同センター眼科を受診した6〜17歳の7症例を分析した論文を発表しました。

 ◇研究機関「スマホやタブレットの過剰使用が原因かも」

 いずれの患者も毎日3〜4時間以上、スマホや携帯ゲーム機、タブレット端末を使っていたといいます。論文は「ICT(情報通信技術)機器の過剰使用で斜視の発症や増悪(悪化)をきたす可能性がある」と指摘しました。

 日本弱視斜視学会も日本小児眼科学会と協力し、昨年12月末から全国の医師約1000人を対象とする調査を進めています。急性内斜視の患者を診たことがある場合、その患者がデジタル機器を長時間使っていたかどうかなどを尋ね、6月中旬の学会総会で結果を報告する予定です。

 では、デジタル機器を長時間使うと、なぜ片目が内側に寄るのでしょうか。

 日本弱視斜視学会理事長で、浜松医科大病院教授の佐藤美保医師(小児眼科)によると、小さい画面のデジタル機器は顔を近づけて見ることが多く、ピントを合わせるために寄り目になってしまうといいます。その状態を長時間続けることで、利き目ではないほうの眼球が元に戻りづらくなることが考えられるそうです。

 自然に治るケースは少なく、重症化すれば手術が必要です。また、両目でものを立体的に捉える脳の機能は5歳ごろに完成するため、それまでに複視の症状が表れると、運動能力の発達が阻害される可能性もあるので特に注意が必要だそうです。

 佐藤さんは「子どもの患者が多いのは、自由な時間が長いうえ、大人より目が疲れにくく、近くにピントを合わせる力も強いためではないか」と推測します。そのうえで、「斜視とデジタル機器との因果関係を早急に明らかにする必要があります」と指摘しています。

 ◇専門家「目を30センチ以上離し、30〜40分に一度休憩を」

 では、デジタル機器を使う際、どんなことに注意すればいいのでしょうか。

 大阪大大学院生命機能研究科の不二門(ふじかど)尚(たかし)特任教授(眼科学)は、書籍は目から平均約30センチの距離で読まれますが、スマホの文字は拡大しない場合、平均約20センチにとどまるとの報告を引用しながら、「20センチだとピントを合わせる負担が大きすぎる。デジタル機器も意識して、(目から)30センチ以上離すべきです」と警鐘を鳴らしています。

 実際、韓国の研究機関が7〜16歳の急性内斜視患者12人を調べ、16年に公表した論文によると、全員が日常的に30センチ以下の距離でスマホ画面を見ていたそうです。

 目をデジタル機器に近づける原因になる「近視」の予防も、効果的です。不二門さんによると、30分以上続けて読書をするグループは、そうでないグループより1.5倍近視になりやすいとの報告があります。より長く屋外で活動するほうが近視の進行を抑えられることも分かっています。

 そのため、「デジタル機器を使う時も30〜40分に1度は目を休め、外で遊ぶ時間を増やすことが有効です」と呼び掛けています。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190526-00000006-mai-soci
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/342.html#c1

[近代史3] 石平 中国共産党政権の脅威 中川隆
4. 中川隆[-10132] koaQ7Jey 2019年5月26日 11:59:08 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2217]

国際派日本人養成講座 No.1115 天安門事件は「もう終わったもの」か? 2019/05/25
https://s.webry.info/sp/blog.jog-net.jp/201905/article_4.html


 この30年、中国共産党政権は巧みな手口で、天安門事件を「もう終わったもの」と糊塗してきたが、、、

■1.「居酒屋のテーブルに顔を伏せて嗚咽を漏らし続ける石平氏」

「この人の本当の人生は、実は一九八九年六月四日に終わっているのではないか? ・・・居酒屋のテーブルに顔を伏せて嗚咽を漏らし続ける石平氏を見て、私はそんな思いが頭から離れなかった」[1, p216]

 1989(平成元)年6月に起きた天安門事件[a]から30年。民主化を求めて立ち上がった学生や民衆を戦車と銃で鎮圧し、数千とも万とも言われる犠牲者が出たとされる。当時、石平氏は日本留学中だったが、この事件で何人かの知人を失った。[b,c]

__________
石平 私は彼らの名前も出身地も、当時の学年も所属学科も、一緒に未来を語り合ったときの雰囲気も握手したときの手のぬくもりも、すべて明確に覚えている。でも、どんなに頑張っても彼らの顔を思い出せない。……なぜか、本当に思い出せない。おそらく思い出したら私の精神はもたないんです。[1, p95]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 自分の精神を守るために、本能が記憶の一部を封印してしまう事があるそうな。石平氏にとって、天安門事件で失った知人たちの顔はこのケースなのだろう。

 天安門事件の詳細なルポ『八九六四 「天安門事件」は再び起きるか』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した安田峰俊氏と石平氏が語り合った『天安門30年 中国はどうなる?』[1]の一コマである。天安門は石平氏にとって、いまだ直視し得ない事件であった。

 一方、安田氏はこう言う。

__________
安田 私は仕事でもプライベートでもさまざまな中国人に会うわけですが、事件をリアルタイムで知る世代と知らない世代では、世界観や自国(=中国)観が根本的に違う。政府や権力に対する怖(こわ)がり方や、社会への信頼感の持ちようが明確に違うんです。[1, p16]

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「その謎を解きたい」と安田氏は、石平氏との会談に臨んだ。

■2.トウ小平と知識人たちとの「契約」

 二人の対話は、「そもそも天安門に至る民主化運動の本質はなんだったのか」から始まって、「現在の習近平政権とその後の展望」にまで広がっているが、その中で筆者にとって最も印象的だったのが、中国共産党政権が事件を巧みに封印した手口だった。

 天安門事件の直後から中国は3年ほど迷走の期間があったと、安田氏は指摘する。

__________
安田 八〇年代の自由な雰囲気の中で育った学生が反抗したので、陳雲(ちんうん)なんかの保守派の長老にしてみれば「それ見たことか」となった。
 この時期は東欧の社会主義国に加えて、一九九一年にはついに社会主義の大親分であるソ連まで崩壊してしまいましたので、西側陣営が中国国内の世論に介入して体制転覆をはかっているとする「和平演変(えんぺん)」を警戒する声が強まった。・・・
 当時の中国の社会は、沈黙の中にあったようです。天安門事件を機に海外からの投資がいっせいに引き揚げて経済が停滞し、中国へ旅行に行こうと考える外国人もいなくなります。実際に当時を知っている人たちの話でも、社会はピリピリし続けていたといいます。そんな、死んだ沈黙の時代が、三年続いた。[1, p88]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
__________
石平 では、そんな天安門事件の後遺症をどうすれば克服できるのか。党の側が出した一つの答えが「南巡講話(なんじゅんこうわ)」で、一九九二年、トウ小平が打ち出した市場経済の大幅な容認政策です。実は中国共産党が市場経済化、すなわち社会主義市場経済を認めたのは九〇年代からのことです。[1, p70]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 石平氏は「中国の経済発展は、天安門事件から始まったといえる」と言う。

__________
石平 つまりトウ小平は、天安門事件の後遺症を克服するために、政権と敵対するエリート階層、知識人たちとの間で「契約」を結んだわけです。その契約の内容とは、「市場経済による金儲けのチャンスを与える」です。日本で「金儲けのチャンス」というと普通に聞こえますが、中国人にとっては一九四九年以来初めてのことなんです。
自分の努力次第で(もちろん悪いほうの努力も含めて)お金持ちになれるというのは、中国人にとっては衝撃です。そうなると大半のエリートたちがいっせいに市場に参入します。しかしこの契約にはもう一つ、「その代わり二度と反政府的な言動をするな、二度と政治に関心を持つな」という意味もありました。[1, p72]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

■3.「この契約を受け入れて金儲けすれば、、、」

 その「契約」に乗ったのが、たとえば石平氏の友人E君。北京大学でよく酒を飲みながら、中国の未来について激論を交わしていた。天安門の当時は、出身地の東北(旧満洲)地方で大学講師をやっていたが、北京へ戻ってきて最後まで戦い、しかも生き延びた。

 その後、しばらく東北に潜伏していたが、やがて南巡講話によって市場経済化が始まると、地方にある国有銀行の副頭取だった叔父に融資してもらい、不動産開発を始めて大金持ちになった。

__________
石平 彼は開発のために共産党の幹部にたくさん賄賂を渡したと公言していました。しかし彼には彼の論理があって、「自分は昔、共産党との闘いで敗れたが、今度こそ勝つ。共産党幹部は俺のカネの力の前に跪(ひざま)ずいた。カネの力で共産党を変える」というわけです。[1, p75]
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 石平氏はこの発言を聞いて、E君が心の底でまだ反骨心を持っていたことに、少しは嬉しかったという。

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 ただ、おそらく周囲の人間の大部分は彼の心の底に何があるかを知らず、「金持ち」というアイコンしか認識していない。政権側からすれば、やはり彼のような人間の登場はしてやったりでしょう。
「権力に対して反抗的な人間、天安門事件で絶望して共産党政権に敵意を抱く人間、あるいはそれでもまだ中国を変えようとしている人間──。そうした連中がみんな、この契約を受け入れて金儲けすれば彼のように大金持ちになって成功するじゃないか」というわけです。[1, p76]
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■4.西洋式「デモクラシー」と中国式「民主」の認識の「ズレ」

 トウ小平が亡くなったのは1997年だが、その後、江沢民、胡錦濤と2代の後継者を通じて、その方針は20年以上も継続された。安田氏は「天安門の学生運動の性質を、実は共産党はよく理解していた」という。

__________
安田 天安門の運動で若者たちを動かした動機には、民主化要求以外にもいくつかのレイヤー(層)が存在していました。それが「愛国」や「自由」です。江沢民政権は「天安門」で爆発した若者のパッションから「民主化」を注意深く除去し、「愛国」と「(経済的な)自由」のみを拡大して提示し、国民を慰撫(いぶ)することに成功した。・・・
 愛国に関しては「中国が好き」という気持ちですから、すごく明確です。自由に関しても、自由が何かを知らなくても何となく想像がつく。つまりは、自分のお金で好きなものを買って、好きな人間と交際して、好きな本を読んで好きなことを喋(しゃべ)ることですからね。しかし「民主」は漠然としていて想像がつきにくいものだった。[1, p80]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 この「民主」が、西洋のデモクラシーとはやや意味がズレている可能性がある、と安田氏は指摘する。安田氏は天安門事件のルポを書く過程で多くの人の話を聞いたが、その中に事件当時26歳で北京大学の講師だった人がいた。一日中立ちっぱなしでデモをやっている熱血青年が、今は「牙を抜かれて会社の社長」におさまっている。天安門OBにはよくあるパターンだという。

__________
安田 彼が「(現在、似たようなデモが起きても)参加するかは微妙」「(自分の娘が仮に参加するとすれば)感心しない」と言ったので、その理由を尋ねると、「今は昔よりもずっと『民主』になったじゃないか」と言う(笑)。
「民主」になったとはどういうことか尋ねると、「新聞は昔よりも面白いことをたくさん書くようになったし、話せる話題も増えた。こういう商売でもちゃんとできる。『民主』じゃないか」と。そこからはもう深くは突っ込みませんでしたが、これぞまさに中国式の「民主」理解です。[1, p82]
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 本来の「民主」とは国民が政治的な自由と国政の決定権を持つことだが、中国では孟子の「民本」思想、すなわち「名君のよき統治のもとで民心が安定した状態」という中国人の伝統思想に置き換えられてしまった。この「ズレ」に、共産党政権は上手に乗っかっていると、安田氏は指摘する。石平氏もこう賛同する。

__________
石平 まことに腹立たしくもどかしい限りですが、そういうことですな。天安門事件後、中国共産党は「愛国」と「(経済的な)自由」だけを残し、「民主」を中国的民主に読み替えたのです。[1, p83]
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■5.「運動はなかったかのようにみんな自分の人生を歩み始めました」

 中国政府の工作の手は、事件当時、海外で活動していた留学生たちにも伸びた。

__________
石平 最初は「運動にかかわった人は帰国できない」とみんな覚悟を決めていましたが、中国政府も上手なもので、しばらくしてから「一切おとがめなし」と『人民日報』で宣言しました。それでみんな安心して帰国するようになった。
そして、帰国した中国の変化を目の当たりにして、運動はなかったかのようにみんな自分の人生を歩み始めました。人はそういうものですから、彼らを責める理由はないでしょう。[1, p116]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 それでも帰国しない活動家たちには、中国政府のプロパガンダが浴びせられた。内ゲバや銭ゲバを取り上げられて「海外で民主主義運動をやっている連中は自分さえよければいいというようなとんでもない人間だ。理想や理念以前に人間としてダメなやつだ」というイメージが作られた。

 また、中国国内で一国一城の大企業の経営者だったのに、その地位をなげうって運動に参加した万潤南という人物は、今はニューヨークでタクシーの運転手をしながら生計を立てている。それを『人民日報』傘下の『環球時報』が「昔の民主化運動のリーダーは今このような悲惨な状況です」と底意地の悪い報道をする。


■6.「あの運動はもう終わったことにしたほうが」

 現体制に不満を抱く中国人エリートにとっては、もう一つの逃げ道ができた。海外に高飛びすることである。

__________
安田 極論、民主化運動をしなくても、シリコンバレーに行けば才能は発揮できるわけです。GAFA(Google, Amazon, Facebook,Apple)をはじめとした最先端のグローバル大企業に高給で雇われれば、デモをしなくても、中国どころか世界を変えることができる。
 そうなってくると、中国の体制に不満を持つ層の中でも知的に優れた層は、デモをして逮捕されて人生がご破算になるようなリスクを背負わなくていいわけです。チケットを一枚買って外国に行けばそれでハッピーですから。[1, p203]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
__________
石平 結局、大きな環境変化の中で、ごく自然に大半の人々がそれぞれの生活に戻り、運動はあっという間に歴史になってしまった。
私も神戸大学で修士課程・博士課程を取りましたが、天安門事件後には留学生のほとんど誰もこの話には触れなくなりました。意図的に触れない。それは一種の集団的共謀であって、あの運動はもう終わったことにしたほうがみんなにとって都合がよかったからです。[1, p117]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

■7.「劉暁波という灯火」

 しかし、中国政府の巧みな工作に乗らなかった人物がいた。その一人が作家・劉暁波(りゅうぎょうは)氏だった。1989年に民主化運動が勃発した際、劉はアメリカ・コロンビア大学の客員研究員の立場をなげうって帰国し、運動に身を投じた。天安門事件では学生たちに武器を捨てるよう説得する一方、軍と交渉して衝突を防ごうとした。

 事件後「反革命罪」で投獄され、多くの政治リーダーが欧米からの中国政府への圧力で出国許可されるなかで、あえて国内に留まり、事件の殉難者の名誉回復と人権保障などを呼びかけて、さらに二度の投獄や強制労働を受けた。

 2008年には中国の大幅な民主化を求める「〇八憲章」を300名以上の知識人とともに実名で発表した。この発表により、「国家政権転覆扇動罪」による懲役11年の判決を受け、2010年にノーベル平和賞を受賞したが、17年には獄中にて病死した。

 天安門事件そのものは、共産党政権の巧みな手口で、あたかも「もう終わったもの」にされてしまったが、その中で唯一、劉暁波の足跡が共産党にも消せない現実として残っている。石平氏は言う。「劉暁波という灯火が最後まで輝いたことが、我々にとって唯一の救いです。」[1, p136]

 中国共産党政権は国内では完璧な言論・報道統制を敷いているが、いまや多くの中国国民が海外に移住したり旅行したりして、政治的自由と民主主義を体感できる時代となった。

 中国共産党独裁政権の巨大な闇は世界を覆う大きさに拡大しつつある。その闇を中国国民が「劉暁波という灯火」を高く掲げて駆逐することができるかどうか。石平氏の思いは、日本国民全体にとっても他人事ではない。
(文責 伊勢雅臣)


■リンク■

a. JOG(162) 天安門の地獄絵
 天安門広場に集まって自由と民主化を要求する100万の群衆に人民解放軍が襲いかかった。
http://www2s.biglobe.ne.jp/nippon/jogbd_h12/jog162.html

b. JOG(487) 中国の覚醒(上) 〜 中国共産党の嘘との戦い
 「毛主席の小戦士」から「民主派闘士」へ、そして「反日」打破の論客へ。
http://www2s.biglobe.ne.jp/nippon/jogdb_h19/jog487.html

c. JOG(488) 中国の覚醒(下) 〜 日本で再発見した中国の理想
 中国で根絶やしにされた孔子の理想は、日本で花開いていた。
http://www2s.biglobe.ne.jp/nippon/jogdb_h19/jog488.html


■参考■(お勧め度、★★★★:必読〜★:専門家向け)

1. 石平、安田 峰俊『「天安門」三十年 中国はどうなる?』★★★、育鵬社、R01
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4594082297/japanontheg01-22/


https://s.webry.info/sp/blog.jog-net.jp/201905/article_4.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/435.html#c4

[近代史3] もうすぐ氷河時代が来る証拠 中川隆
15. 中川隆[-10131] koaQ7Jey 2019年5月26日 12:38:43 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2218]

ノルウェーで進む氷河融解、貴重な遺物出現も保存前に破損の恐れ
2019.05.26 Sun posted at 12:09 JST
https://www.cnn.co.jp/fringe/35134008.html


ノルウェーでは「氷の秘密」と呼ばれるプログラムに参加する考古学者が、溶けた氷から現れた遺物を探している。写真は1400年前の矢を手にする研究チームのメンバー/Glacier Archaeology Program Oppland




写真特集:溶けた氷から遺物続々

ノルウェーでは「氷の秘密」と呼ばれるプログラムに参加する考古学者が、溶けた氷から現れた遺物を探している。写真は1400年前の矢を手にする研究チームのメンバー/Glacier Archaeology Program Oppland


2018年には、トナカイの狩りが行われていた場所から非常に珍しいタイプの矢じりが見つかった。1500年前のもので、一緒に木のシャフトも発見されている


この荷馬の頭蓋骨(ずがいこつ)は300年前のものだ


フィールドワークを終えた考古学者たちが遺物を包む様子


一部の遺跡はあまりに規模が大きいため、全ての遺物を収集するのに数週間かかる。その場合には遺跡の近くにベースキャンプを設置する


氷河の融解で先史時代や中世のスキーも現れた。このスキーは放射性炭素年代測定により700年ごろのものと判明している


トナカイは夏の間、虫を避けるために雪や氷の上に移動する。古代の猟師はこれを知っており、氷上でトナカイ狩りを行った。狩りの道具が大量に雪の中に残されているのはこれが理由だ


狩りでは「脅し棒」(長さ1メートルほどの棒で、先端に可動物を取り付ける)を並べて設置し、隠れた猟師のもとにトナカイをおびき寄せた






(CNN) ノルウェー・オップランでは猛暑に見舞われた2006年夏以降、融解した氷の中から3000点近い遺物が現れた。その中には鉄器時代の衣服や1500年前の矢、3400年前の靴もある。

この地では「氷の秘密」と呼ばれる氷河考古学プログラムを通じ、研究者が氷上での発見を記録している。

伝統的な考古学者のように地面を掘る必要はない。単に氷が溶けて現れた遺物を探すだけだ。

ノルウェーでは今世紀に入り、多くの氷河で温暖化による融解が増加した。こうした気候変動のおかげで、考古学者にとっては刺激的な発見につながっているものの、発見前に遺物が破壊されてしまう恐れも出ている。


氷の秘密

ノルウェー文化遺産研究所の考古学者、ビベケ・バンドルップ・マルテンス氏は「温暖化や雪の減少、雨量の増加により警戒すべき速度で氷河が融解しており、その過程で数百年、数千年と氷に覆われていた考古物を露出させている」と説明する。

遺物はいったん酸素や日光にさらされると、劣化が始まっていくという。

ヨーツンヘイム山地の遺跡で見つかったバイキング時代の矢。この遺跡では70本近い矢が発見された。最も古いものは6000年前にさかのぼる/Glacier Archaeology Program Oppland
ヨーツンヘイム山地の遺跡で見つかったバイキング時代の矢。この遺跡では70本近い矢が発見された。最も古いものは6000年前にさかのぼる/Glacier Archaeology Program Oppland

「氷の秘密」の共同責任者、ラース・ピロ氏はCNNに対し、「調査地域では急速な融解が起きている。時間を逆行する形で人間の歴史のかけらが溶けて現れている」と語った。


氷漬けのミイラ

ピロ氏が「究極の発見」として挙げるのが氷漬けのミイラだ。現在知られている欧州最古の自然ミイラは「アイスマン」ことエッツィ。5300年前のミイラで、1991年にアルプス山脈内のオーストリアとイタリアの国境で見つかった。一部の科学者の間では、気候変動の影響で露出したとの見方もある。

ピロ氏は冷凍ミイラ発見の可能性は低いと考えているが、現地の山岳センターには念のため、ミイラの発掘や運搬に役立つ道具が備えられている。

イタリアの考古学博物館に展示されているミイラ、「アイスマン」ことエッツィ/AFP/AFP/AFP/Getty Images
イタリアの考古学博物館に展示されているミイラ、「アイスマン」ことエッツィ/AFP/AFP/AFP/Getty Images

ただ、冷凍ミイラのような貴重な遺物がこの先いつまで氷の中に残っているか、予想は難しい。ベルゲン大学のアトレ・ネスジェ教授は、今世紀末にはノルウェーの氷河の約90%が融解している可能性もあるとの見方を示す。

マルテンス氏は「切迫した状況であることは確かだ」と強調。「考古学者が何もしなければ、地域全体のものである遺物や遺跡が永遠に失われてしまうかもしれない」と話した。


温暖化する北極圏

氷の融解により氷原に眠る遺物が脅かされる一方、北極圏では気候変動による別の問題も生じている。

デンマーク国立博物館の研究者、ヨルゲン・ホレセン氏は「北極圏はかつて寒冷な気候から考古遺物の素晴らしい保存場所になっていた」「だが、この数十年は世界平均の2倍の速度で温暖化している」と指摘する。

ホレセン氏らが執筆した2018年の研究論文では、北極圏に登録済みの遺跡およそ18万カ所が存在することが判明。石器時代から中世、さらに最近の時期に至るまでの集落や墓地、教会などが残っていることが分かった。

だが、論文は一方で、気候関連の事象で幅広い文化遺跡が破壊されているとも警鐘を鳴らしている。

論文を共同で執筆したマルテンス氏によると、北極圏で主な脅威になっているのは海岸侵食と地滑りだ。

温暖化による氷の融解のほかにも、北極圏では気候変動が多くの脅威を突き付けている/Joe Raedle/Getty Images Europe/Getty Images
温暖化による氷の融解のほかにも、北極圏では気候変動が多くの脅威を突き付けている/Joe Raedle/Getty Images Europe/Getty Images

アラスカ北部の沿岸地帯では既に、侵食により一部の遺跡が海に消えた。そこに海面上昇や暴風雨の増加も加わり、問題は一層深刻化すると予想されている。

ホレセン氏とマルテンス氏は論文で、影響を受けやすい場所を特定・監視する手法の開発が必要になると指摘し、考古学保護プログラムに充てる資金の増額も必須だと訴えた。

「考古遺跡には人間と環境のかけがえのない記録が残されている」とホレセン氏。「状況はまさに切迫している」と警鐘を鳴らす。

https://www.cnn.co.jp/fringe/35134008.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/202.html#c15

[近代史3] もうすぐ氷河時代が来る証拠 中川隆
16. 中川隆[-10130] koaQ7Jey 2019年5月26日 14:16:37 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2219]

猛烈な暑さは衰え知らず 北海道39度台突入! 5/26



猛烈な暑さはまだまだ、続いています。北海道佐呂間町は13時20分に気温が39度0分を観測。通年でも経験したことがない猛烈な暑さとなっています。
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北海道 史上初 39度台突入!

猛烈な暑さはまだまだ、続いています。北海道佐呂間町で13時20分に気温が39度0分を観測。通年でも経験がない猛烈な暑さとなっています。
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炎天下では激しい運動厳禁!

各地で5月としては記録的な暑さとなっています。暑さに身体がまだ馴染んでいない時期ですので、気分が悪くなる前に水分補給を行い、外で作業中の方は、日陰で休憩をとるなど、熱中症に十分注意していただきたいと思います。

http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/202.html#c16

[リバイバル3] ヒヤリ・ハット体験 _ スキー事故で半身不随になりたくなかったら… 中川隆
38. 中川隆[-10129] koaQ7Jey 2019年5月26日 18:15:38 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2220]

【衝撃】スキースノボーの事故映像 5選【Video Pizza】 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=SYg46hGB8VE
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/778.html#c38
[リバイバル3] 音は凶器 中川隆
32. 中川隆[-10128] koaQ7Jey 2019年5月26日 18:48:56 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2221]

甦れ(1回)STAX ELS-8X コンデンサースピーカー [甦れSTAX ELS-8X コンデンサースピーカ]
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-17


甦った8X

■序

8Xふたたび

眼前にぱあっと広がるリアルな音場。
あそこで鳴ってる、こちらで歌う、そこにいる。
今まで経験したことがない明確な定位。

低音のさらに低域の、震える空気の粗密波が頬に触れ体を包む。
なによりも「そこで演(や)ってる感」がすばらしい。

修復成ったSTAX ELS-8Xから、思いも寄らない音響空間が出現した。

オーディオルームの8X
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-17


<写真1:修復がほぼ終わったSTAX ELS-8Xを、オーディオ部屋に運んで試聴>

**8Xの後ろの黒い箱は、8Xがダメになっていた期間の代替機として使っていたALTECのMODEL 19。

これはこれで大した器である。

右端の真空管アンプは、当ブログの別テーマ『原器を目指した「最終アンプ」』の主人公**

ELS-8Xとは

かつて、日本のオーディオ業界が盛んであった時代、世界に類を見ない精緻な作りの、コンデンサースピーカーがあった。

STAX社のコンデンサースピーカー ELS-8Xである。

ELSすなわち「Electrostatic Loud Speaker」。

英国QUADなど海外では、この方式のものをESL「ElectroStatic Loudspeaker」と呼んでいる。

8Xは左右それぞれのスピーカーに8つの発音ユニットが付いているので「8」、
そしてほぼ改良し尽くした最終・最高のモデルなので(これは勝手な推測)「X」。

スタックス工業株式会社のフラグシップ機であり、コンデンサー型の各種オーディオ製品に最後までこだわり続けた同社の誇りと象徴、ELS-8X。

思い切り人手をかけた「熱意」が伝わってくる作り。

音響の基盤となる物量投入の分厚い木製バッフルと、よき時代の「ものづくり日本」でしかできない精緻かつ堅牢な発音ユニット。

8Xはその無比・無上の再生音とともに、日本のオーディオ界の文化財的な「宝」に値するだろう。

この8Xをバラし、発音ユニットを分解し、洗いざらい調べ尽くした私は、「こんなものを作っていては事業は成り立たない」と呆れたものだ。

昔のスタックス工業株式会社が今もあって、世界第1級のELS(ESL)を作り続けてほしかった、という願望の裏返しである。

私の感覚では、当時、たとえ2倍の価格で同数の売り上げがあったとしても採算はおぼつかない。
それほど入念な作りである。

8Xの発音ユニットを分解した結果、海外のESLのそれと、大きな相違点があることに気が付いた。

ダイアフラム(振動膜)と固定電極とのギャップ(距離)、それと成極電圧(数千ボルトのバイアス電圧)との配分関係が大きく違うのである。

ギャップが狭い!。

この相違点には、なにかとても重要な意味があるに違いない。

なぜなら、8Xが選択した配分関係の発音ユニットを製造するには、大幅なコストアップが不可避だからである。

つまり必然的に精緻・精密な作りをせざるを得ない構造となる。

なにか特別にいいことがないかぎり、そのような選択をする筈はない。

推測であるが、8Xの発音ユニットの比類ない音質は、この相違点に一つの秘密があるのではないだろうか。

8Xはこのような素性の、今や誰も作れない(事業性がない)スピーカーである。
もし、今も健全で完動している8Xのオーナーがおられたら、いい環境の中で大切に大切に使い続けていただきたいと切にお願いしたい。

ちなみに私の8Xより数年古く、30年近く使われていた8Xでも、いい環境の中にあれば、まったく健全で音質の劣化も認められない状態を保つことが実証された。

そのことについては当ブログ内の別テーマ、「i氏山荘訪遊記(第2話)」で触れているので、よろしければ訪ねていただきたい。

この見事な加工のパンチングメタルを見よ_全域ユニット

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-17


<写真2:全域ユニットの固定電極のパンチングメタル。低域ユニットとも共通>

**この精緻な加工を見てほしい。孔の細かさ、開孔率の高さ、孔のエッジの丸め加工(裏・表とも)など、これを見ただけで8Xが内外ともに突き抜けた存在であることが分かる。高域ユニットのものはさらに細かい。

この見事な加工のパンチングメタルを見よ_全域ユニット

**固定電極の表面電界は、均一で平らで滑らかであることが求められる。そのためには、パンチングメタルの孔を可能な限り小さくする必要がある。また、音が抵抗なく通るよう、開孔率はできるだけ高くしなければならない。それらを満たしてなおかつ、機械的強度や、振動対策を考えねばならない。これらのことから、パンチングメタルとその周辺構造は、ESL製品のクオリティーを知る上での重要なチェックポイントになる**

瀕死の8X

8Xが我が家に来たのは1987年であった。

それから10数年愛聴してきた8Xを、私は知らず知らずの間にダメにしていた。
周囲の環境に問題があった。

左右で都合16個ある発音ユニットの半数以上が、能率の低下で鳴らなくなった。

不調に気づいた時、すでに製造元のスタックス工業株式会社はなく、別の組織に様変わりして、8X修復の望みは完全に失われていた。

問題の箇所が発音ユニットにあることは見当がついた。
しかし8Xの発音ユニットは、もともと修理ができる構造ではない。

組み立てにネジなどは使われておらず、接着剤で完全に一体化され、分解できるようにはなっていない。

故障すればユニットをまるごとそっくり交換する。

その当時、荒技でも裏技でも、なんとか修復の手立てはないかと足掻いてみたが、結局どうにもならないことが、はっきりしただけであった。

それでも「いつの日にか」と、一種のライフワーク的な思いで納戸に押し込んだ。
瀕死の8Xは古シーツに包まれ、いつ覚めるともしれない眠りに就いたのである。


放電によりフィルムに空いた穴

<写真4:固定電極と振動膜との間で高圧がスパークして開いた穴。その周囲が損傷している>

**フォーカスが外れているが、ついでにパンチングメタルの加工のアップも見ていただきたい。高い電圧は尖った先に電界が集中して放電を引き起こす。だから打ち抜いた孔のバリなどはあってはならず、さらに角も丸く磨くかなければならない**


緊急決起ボタン

瀕死の8Xは納戸の隅で、10年近くの長い年月を過ごした。
ところが2013年の早春、「いつの日にか」は突然やってきた。

あるきっかけで、私の心の中の「緊急決起ボタン」が押されたのだ。
8Xは狭い納戸から明るい部屋に運ばれ、裏蓋を外された。

高圧プローブで電圧が測られ、2現象オシロスコープでオーディオ信号を観測され、試料として1つのユニットが取り外された。

高域発音ユニットの成極電圧1.8KV正常、全域および低域の成極電圧3.5KV正常。
発音ユニットへのオーディオ入力信号は、高域入力正常、全域入力正常、低域入力正常。

まず最初の行動は、不具合が確かに発音ユニットにあることの再確認だった。
それからが五里霧中、暗中模索。

蘇生へ向けての下準備を開始した。

インターネットに張り付いて「ElectroStatic Loudspeaker」、「Repair」などを検索キーワードに、内外の関連情報を収集する日々が続いた。

いろいろ試みて、やはり修理は不可能な場合、同形、同寸法の発音ユニットを自分で作ることも検討し、部材の見積もりも取った。

目の前に現物見本があるので、選択肢として「あり」だろう。
修復に必要な振動膜や導電コート材等の主要な材料は海外に求めた。

日本は優秀な材料を多種生産しているが、残念ながら個人が僅かばかりの量を入手することができない。


クーロン力

さて、基本中の基本であるが、コンデンサースピーカーの振動膜を駆動する力はクーロン力である。

電荷の+と−が引き合い、+と+、−と−が反発し合う電気の根元的な力である。
電極板の面積、間隙の距離、印加する成極電圧。

それらと、振動膜を駆動する力との関係は?(前出の話と関係する)
まずそのあたりの基本原理のお勉強から必要となった。

早稲田大学では古くから、研究室やクラブ活動などにおいて、コンデンサースピーカーの研究を伝統的に行っており、その論文を何本もインターネットで公開していた。

早稲田大学大学院平成15年度修士論文「スイッチングアンプ駆動コンデンサスピーカに関する研究」など、コンデンサースピーカーを語る上で極めて重要かつ貴重な情報が満載である。

なおこの論文は、初歩的な基本原理のお勉強から書き出しているので、興味のある方はぜひとも検索されたい。

ちなみに、薄いフィルムの平面を全面駆動するコンデンサースピーカーといえど、振動膜はピストン運動をしていない。

「コーン型スピーカーは分割振動するが、コンデンサースピーカーはピストン運動であるため平面波が出る」、というのは誤りである。

レーザーでドップラー効果を利用したスキャニング振動計を使って、各種のモデルを実測した写真を見ることができる。

そして春も浅くまだ寒い日が続く頃から、初夏の暑さが感じられる頃まで、なにかに憑かれたようにがんばった。
その結果、驚くことが起こった。

甦った8X

瀕死の白鳥が奇跡的に甦った。

軽くしなやかな新しい羽にはえかわり、大空に舞い上がったような感動。
このようなことが自分の手で、これほどうまくいくとは思ってもいなかった。

発音ユニットの振動膜を、極薄・極軽、元の半分の厚みの3ミクロン・ポリエステルフルムで張り替えることに成功した。

その結果が冒頭の音響空間の出現である。
なんという幸運か。

優れた基本設計と入念な工作、長年にわたる改良の積み重ねにより到達した、STAXの頂点であり最終モデルであった8X。

それを一人のSTAXファンのアマチュアが、なんの裏付けもないまま「3ミクロンの修復」を試み、一発で成功してしまった。

世の中全般、普通はそれほど甘くはないので、多分、コンデンサースピーカーのダイアフラムには、「けっこういいかげん」なところがあるに違いない。

振動膜の張力や、導電コートの電気伝導に関する各種パラメータの値(つまり導電コート剤の種類やその塗布のしかた)などには、ある程度の許容範囲があるように思える。

薄いフィルムの張力を測る計器も、導電コーティングの非常に高い抵抗を測るメグオーム計や絶縁抵抗計もなく(普通のテスターでは測定不可能)、すべて素人の手作業による「勘」を頼りにフィルムを張り、導電剤を塗布している。

もちろん失敗してやり直したユニットもあったが、うまくいったユニットは、それぞれのユニット間の音の違いは聞き分けられない。

だからたぶん、限定された誤差範囲内で、ある程度の「ファジーさ」があるのだろう。

甦った音響は、8Xの新たな頂が、まだ先に聳えている可能性を示唆しているように思える。

スタックス工業株式会社が今にあれば、きっとさらなる高峰に到達しているに違いない。


外枠ヘフィルムを張る手順の最初の工程

<写真5:発音ユニットの振動膜を張る手順の最初の工程>


**まず、発音ユニットより大きなフレームに、3ミクロン厚のポリエステルフルムを、破断一二歩手前ほどの強い張力で張り締めていく。この作業が終わった後、おもて面に導電コーティングを施す**


高域ユニットのフィルムを2つを同時に張る

<写真6:発音ユニットの外枠に導電コーティング済のフィルムを接着する作業>

**いくつかのユニットの張り替えに成功していたので、調子に乗って高域ユニットを2つ並べて同時に作業してみた。これもうまくいった。接着剤が乾いたら、周囲のフィルムを切り落とせば振動膜を張る作業は終了**


この「甦れSTAX ELS-8X」では、8X修復の顛末を中心に、それらにまつわる話などを綴ろうと思います。

なお当ブログ内の別テーマ、

「i氏山荘訪遊記(第2話)」
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14-1


で、この8Xとi氏のスピーカーシステムとの関連についての記事が少しあります。
そちらもお訪ねください。

厳重注意!

コンデンサースピーカーの修理は、生命の危険が伴います。

8Xでは4000V(4KV)、他の機種では6000Vを超えるものもあり、通電中の内部にはそのような電圧が「そこら中に」かかっています。

電流は微小ですが、触れた場合の電撃ショックは大きく、どのような結果を引き起こすか分かりません。

また電源を切っても、数日間は完全に放電しきらない場合もあります。
身の安全を守るため、家電製品の注意書きにある「サービスマン以外は裏ぶたを開けたり、分解したりしないでください」、のお約束をよろしくお願いいたします。

(第1話 おわり)
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-17
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/205.html#c32

[リバイバル3] 音は凶器 中川隆
33. 中川隆[-10127] koaQ7Jey 2019年5月26日 18:57:46 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2222]

i氏山荘オーディオ訪遊記(第2話) [i氏山荘オーディオ訪遊記]
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14-1


平面バッフルの音空間とSTAX ELS-8Xの音空間

■竹集成材平面バッフル

i氏山荘の現状のスピーカーシステムの基本構成は「竹集成材の平面バッフル3Way+大容量密閉箱ウーハー」である。

氏の描く基本形は、この平面バッフルを主放射源とするものである。

低域を補完するウーハーの最終形態は今後の課題としている。

これらは氏のオリジナルな自作であり、特に平面バッフルに竹集成材を採用したことや、その工作の巧みさは、今まで他に製作例がないと思われる。

またそのセッティングには、日常の家庭生活を考慮する必要のない山荘の「自分だけスペース」ならではの豪快さがある。

スピーカーの背壁は、急勾配の2階屋根に沿って傾斜した板張り。

その最奥に大容量密閉箱型ウーハが置かれ、その1mほど手前に平面バッフル型3Wayスピーカーシステムが、床と天井の梁との間に設けた強固な支柱に取り付けられている

(第1話の写真1)
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14


この「1mほど手前」の間隔が問題を起こしているのであるが、その解決はのちほど。

上下が固定された丈夫な太い支柱に、バッフルをがっちりと取り付けた構造が、このスピーカーシステム全体の音響を左右する大きな要素の一つになっているのだろう。

いずれにしてもこのスピーカーシステムが感動的な音場を形成する要因は、音の主放射源の平面バッフル方式にあると思われる。

平面バッフル方式のよさを評価する先達は大勢おられるが、ここの場合はそれが顕著に現れた好例だろう。


この平面バッフルスピーカーにはつぎの特徴がある。

・バッフルの材料に竹の集成材を採用た3Way方式。構成はツイーター1、16cmフルレンジ1、16cmウーハー2。

・スピーカー開口部のエッジに滑らかなR付け加工。

・表側全面のニス塗装。


穴あけ加工等、すべて自作である。
木工の腕は本職跣(はだし)であり、プロの指物師(さしものし)や大工の見習いとして即決採用かもしれない。
オーディオ道楽だけでなく、年中次々と発生する山荘の補修等の大工仕事を、各種の電動工具を揃えてやっているらしい。


i氏山荘SP平面バッフルのアップ

<写真1:竹集成材平面バッフル3Wayシステム>

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**構成は上からツイーター1、16cmフルレンジ1、16cmウーハー2。この写真の16cmフルレンジはDS-16Fが付いている。SPの穴の周囲のみごとなR加工**


■「箱」では得難いこの感動はなにか

山荘訪問初日、ああだのこうだの、CDをとっかえひっかえしながら配置を工夫した。

どうも位相的な微妙な違和感が付きまとうように聞こえる。

ウーハーと平面バッフルとの前後の間隔が1m強ある。

どうやらウーハーの直接音が、平面バッフルの背面放射と干渉しているのではないかと見当をつけ、とりあえずの荒仕事で位置を変える。

平面バッフルを上下逆さまにして、ウーハーの箱の天板の高さに持ち上げる。
そしてウーハーを平面バッフルと同じ面まで前に出す。

フルレンジユニットはDS-16Fから三菱ダイヤトーンP-610DBに取り替えた。
さて、この取って付けの仮配置で音を出す。

この時の感激は、当訪遊記(第1話)の冒頭「序」のとおりである。
このような音の空間に入った時が、音楽好きオーディオファイルの至福の瞬間である。

聴き慣れた音源から発見される新たな音響的感動、それによって初めて感じ取ることができた音楽的感動が次々と出現し、涙腺を刺激する。

ああ、このステージはこうだったのか。
この演奏はこういう響きだったのか。
この楽器はそこで鳴っていたのか。
この歌手は、この演奏家は、ここまで微妙・精妙な表現をしていたのか。


その時、氏もこの境地にいたと思う。
あれはどうか、これはどうだろうと、次々とCDを取り替えては聴いている。

いやー、すばらしい。
これほどの音場感が出るシステムは本当に稀である。
お金を掛ければ実現できるものでもない。
この音響はどこから、どういう理屈で出てくるのだろう。
やはり平面バッフルに何らかの要因があるのだろう。


i氏山荘SP全景 after

<写真2:第1話の写真1の配置では微妙な違和感があったので、このような応急処置をして音を出してみる>

**さてbefore→afterの結果は・・。竹集成材平面バッフルのフルレンジユニットは、三菱ダイヤトーンP-610DBに取り替えてある**

■STAX ELS-8Xとの共通点

今回の山荘訪問は、都合で氏に送り迎えしてもらった。

山荘に向かう前に、拙宅の修復成ったSTAXの大型コンデンサースピーカーELS-8Xの試聴をしてもらう目的もあった。

20数年ほど前から、氏はこの8Xを何度か聴いているのであるが、オーディオ道楽に染まってからは聴いていない。

8Xは片側に8個の発音ユニットがあるが(写真2)、ここ10年来、その半数近くの能率が下がり、使用できなくなった。

いつの日にか、なんとかしようと、納戸の小部屋に押し込めてあった。
8Xの代替機はALTECのMODEL 19を選んだ。

大型であるが、家庭に設置するタイプとして音響的に最高の器の一つだろう。

8Xとの音の質感の違いは当然ながら大きいが、これはこれで「大したものだ」と思う。

8Xを製造したSTAX工業株式会社はその後会社の形態が変わり、今後とも8Xが修理を受けられる可能性は完全に断たれている。
でもいつの日か、耳の聞こえるうちに、目がなんとか利くうちに、手先が自由に動くうちに、そして気力があるうちに修復したいと思っていた。

そうこうしているうちに自適生活に入り、怠惰な日々を2年も送っていたが、今年になってあるスピーカーを聴くにおよび、8X修復への「緊急決起ボタン」が押された。

この話は当ブログの別テーマ、「甦れSTAX ELS-8X」で綴ろうと思うが、かなりオーバーに言えば4・5ヶ月の寝食を忘れた苦楽の結果、3ミクロン厚のポリエステルフィルムを使った振動膜の張り替えに成功した。

オリジナル8Xは、ツイータ4ミクロン厚、フルレンジとウーハーは6ミクロン厚である。
それをすべて3ミクロン厚で張替えた。

その3ミクロン厚の超軽量振動膜の威力だと思うが、長年の8Xオーナーである自分が腰を抜かすほどの音響空間が再現されるようになった。

これを氏に聴いてもらった。

さて、氏は8Xの前に立つや、「これ平面バッフルですよね」、と一言。

「あっ!」。
迂闊であった。

発音原理や形がまったく異なるため、コーン型SPユニットを取り付けた平面バッフルと同一であることの意識が希薄であった。

氏の言うとおりである。
8Xは畳1畳ほどの木材の分厚いバッフルに、8個のSPを取り付けた平面バッフル型スピーカーそのものだ。

私は修復成った8Xから、今まで体験したことがないすばらしい音場の広がりと明確な定位が再現されることを知ったが、氏の山荘の音場も、これと類似の効果なのだと思っている。

「逆相になるが背面からも前面と同じ音が放射される」。

「背圧がかからないため、ダイアフラム(振動板)がもっとも自由に動く形態」。

事実としてこの平面バッフルの効果を、どのように理論づければいいのか分からないが、音場の再現や音響の品質に極めて有効に働いているに違いない。

余談であるが修復成った8Xを聴いた「蛙の子」の息子が、その音に驚いて、すぐさま同じ8Xを手に入れた。

ちょうどその時期、奇跡的タイミングで売りに出たらしく、二度とない幸運にめぐり合ったといえる。

片側の音が小さいという不具合がある出物だったが、私の8Xと比べられないほどの美品であり、不具合の原因だった高電圧発生部を修理して完動している。
よほど環境のよい部屋で、大切に使われていたのであろう。

この8Xも氏に聴いてもらった。
すべての発音ユニットが、これもまた奇跡的に健全な状態を保っており、オリジナル8Xの音が聴ける。

氏は一言、「これはこれでアリですね。少し力強いかな」。

部屋も置き方もアンプも異なるが、確かに3ミクロン厚の音と少し違う。


新旧2組の8XDSC_6847

<写真3:修復作業がほぼ終わった8Xの裏側と(左寄り)、息子が入手した同じ8X(右寄り)>

**左右それぞれ8個の発音ユニットから成る平面バッフル型であることが分かる。上下シンメトリー。内側から外側に向かって高域ユニット×2、全域ユニット×2、低域ユニット×4の3Way構成**


8X振動膜張りDSC_6769

<写真4:8Xの発音ユニットの振動膜の張替え作業>

**3ミクロン厚のポリエステルフィルムを、かなり強い張力をかけた状態で、ユニットのフレームに貼り付ける工程**


■山荘SPシステムの次のステ―ジ余談が長くなったが、山荘2日目の朝は早起きし、朝食も早々に音を出した。

昨日と同じく、本当にすばらしい音響と音場感である。
音楽に深く入り込める至福の再生音だと思う。

しかし少し気になる。

ウーハーの箱の天板が音を反射し、どうもその悪影響があるような感じがする。

天板の上に布団などを重ねて置くと、かなり改善されるので多分そうだろう。
ほんの僅かな違和感であるが、これがなくなれば良い方向の相乗効果で、格段の向上があるかもしれない。

とりあえずの実験としてウーハーの箱を分解し、前面パネルだけの平面バッフルの形で音を出してみよう、ということになった。

電動ドライバーを片手に、氏は箱と格闘を始めた。
しかし「大工見習いもどき」の氏の手に成る箱は、頑丈に作りすぎて簡単には分解できないことが分かった。

薄手の長袖の上着が必要な山荘の朝であるが、30分ほど汗をかいて、とりあえずの実験は諦めた。

さてこの課題を氏はどう解決するだろうか。
来年の春頃かな。
冬の氷点下で冷凍庫と化した山荘でも厭わない。
そのときは次のステージにグレードアップされた、さらにすばらしい音響空間に浸ることができるだろう。

(第2話 おわり)u

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14-1
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/205.html#c33

[リバイバル3] 音は凶器 中川隆
34. 中川隆[-10126] koaQ7Jey 2019年5月26日 19:07:02 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2223]

甦れ(2回)8X コンデンサースピーカー(2)SR-1との出会い [甦れSTAX ELS-8X コンデンサースピーカ]


今日の日記は、瀕死の8Xを「いつの日にか」、と思い続けたこだわりの源泉と、今後綴っていく修復日記の伏線になるようなエピソードについて記します。


■SR-1との出会い

若者の足なら、STAX本社の館、現在の東京都有形文化財「雑司が谷旧宣教師館」まで歩くのは、わけもない距離である。
JR池袋駅から南東に、徒歩で10分もかからない。

しかし微かな記憶には、国電池袋駅から路面電車に乗ったような情景が浮かぶ。
多分そうだったのだろう。
田舎から出てきて日も浅く、地理に不案内な学生である。
都電(路面電車)で行けば迷わない、と誰かに言われてそうしたのかもしれない。


STAX本社を訪問した目的は、イヤースピーカーSR-1と、イヤースピーカー用アダプターSRD-3の購入であった。

自分が請うたのか、あるいはご好意だったのか覚えていないが、そのとき試聴ルームに案内され、フルレンジ・コンデンサースピーカーESS-6A(であったはず)を聞かせていただいた。

これが当ブログ表紙冒頭の「私はこの館で音の洗礼を受けた・・・」のシーンである。


ESS-6Aが奏でる音楽。

その未体験の音響は、一生忘れることのない感動を残した。
そしてそのとき購入したSR-1。
これがその後、私の耳に「オーディオを聴く際の音の基準」を形づくることになる。

つまり私が歩いてきた「オーディオの道」を遡れば、源流は池袋の雑司が谷にある旧宣教師館に行き着く。


学生時代のオーディオシステム


<写真1:これ1枚しかない学生時代のオーディオ装置>
**古くなれば本当にセピア色になるんですね**


写真は、機器の揃い具合から、学生時代の終わり頃のものだろう。
STAX SR-1はスネかじりであったが、レコードプレーヤーなどは自前である。
(SR-1はトリオのアンプ類の下の戸棚の中に見える)。

当時、春休みや夏休みなどに帰省して、浜松の日本楽器(YAMAHA)で高額報酬のバイトをやらせていただいた。

あの頃、浜松の日本楽器は、オーディオ評論などで高名な青木周三氏を招いて、レコードコンサートなどを定期的に催し、地方のオーディオ文化の発展や啓蒙に貢献していた。

浜松城公園に近い公会堂(?)で催された夜のレコードコンサートに、担当の綺麗なお姉さんに誘われてついて行ったことなど、とてもリアルに甦ってくる。

大通りの四つ角に面した店舗には、高級オーディオのフロアもあり、写真のレコードプレーヤーはそこで調達した。

アームはSTAX UA-7、ターンテーブルはSONY TTS-3000、カートリッジはFidelity-ResearchのFR-1とそのヘッドアンプFTR-2。

スピーカーは三菱ダイヤトーンP-610xx(続くサフィックスは覚えていない)を、その標準箱もどきに入れている。

ツイーターは当時のボクらの大定番、大ベストセラー、驚異の価格/性能比、Technics 5HH17。
この1枚の写真だけで、一冊の物語になるほどの思い出が湧いてくる。

バイトに通っていた時、浜松駅近くの新幹線ガード下あたりに「ナルダン」という喫茶店があり、そこのご主人に、いろいろとお世話になった。
ありがとうございました。

様々な思い出が甦る「これ1枚だけ」の写真である。


SR-1をめぐる高城重躬先生とSTAX社員との逸話

イヤースピーカーSR-1にはいろいろなエピソードがある。

ある日、高城重躬先生宅にSTAXの技術者ら数人が訪れた。

先生は悪戯に、氏のマルチチャンネル・システムの各帯域のアッテネータを少しズラして、「君たち、これを調整してバランスのいい音にしてごらん」と促した。

結局彼らは悪戦苦闘の末、僅かの違いを残して、元に近い状態に戻してしまった。
先生はこのことの講評に、「普段、イヤースピーカーを聴いている彼らの耳が、よく訓練されているからだろう」とおっしゃったという。

古いオーディオファイル諸兄の間では、伝説の逸話である。

私のオーディオは、形あるものも、ないものも、すべてにこの話のエッセンスが溶け込んでいるように思う。

さて、私のイヤースピーカーSR-1と、イヤースピーカー用アダプターSRD-3は、今どこにあるのだろう。

私自身が育て親を捨てることなどあり得ないので、屋根裏のダンボール箱のどこかに眠っているはずである。
発見できたら、その音を聴いてみたい。
耳パッドは元々ダメになっていたが、たぶん鳴ると思う。
「私の基準」を育んだ音をもう一度聴きたい。

■STAXもう一つの傑作はSR-001

SR-1はその後、改良された新モデルが次々と出て今日に至っている。

私もその間、Lambda Nova Signatureなど2種類ほどのイヤースピーカーを買い替え、ドライバーユニットSRM-T1とともに所持している。

SR-1を原型として、現在の最新鋭モデルまでの変遷は、時代とともに進化を重ねてきたものであり、当然の流れである。

しかしSR-001は、その流れとちょっと違う。
コンセプトが全然違う、と言ってもいい。

従来のAC電源が必要なイヤースピーカー用アダプターを、乾電池で動作するポータブルにした。

従来のイヤースピーカーを何十分の一程度に小型化した。

STAX工業株式会社から今日の有限会社STAXに至るまで、世に送り出した製品で、他社が追従できない画期的な傑作が3つある。

他にも評価すべき意欲作はいくつかあるが、代表すればこの3つだろう。

1.コンデンサー型イヤースピーカー
2.フルレンジ・コンデンサースピーカー
3.コンデンサー型の超小型イン・ザ・イヤースピーカー・システム


私はこの「3.」の初代機SR-001を手にしたとき、本当に凄いものを開発したと感嘆した。

これ、嘘ではなく本当にコンデンサー型ですよ。

その当時私は、ウォークマンのたぐいのヘッドフォン・ステレオに、SONYのNT-1とNT-2を使っていた。
iPodが出現する前の話である。

NT-1/2は、切手大のデジタル・マイクロカセットを記録メディアとするデジタルレコーダーである。

サンプリング周波数32KHz、量子化ビット数 12bit折線(17bit相当)、圧縮方式 ADPCMのデジタル信号を、幅僅か2.5mmのテープにヘリカルスキャンで記録・再生する。

もっともSONYらしい、宝石のような、輝けるSONY製品の一つである。
当時、このNT-1やNT-2のすばらしい音質に応えられるヘッドフォンは皆無であった。

SR-001を使ってみた。
感激!。

音全体はイヤースピーカーを踏襲しているが、まず低音に驚かされる。
SR-001の低音は、他社の如何なるヘッドフォンより深くて生々しい。
この音を外に持っていける!。

私は写真2の「お出かけセット」を、通勤や出張、旅行などに離さず持ち歩いた。
そしてウォークマン型の終焉。

本来ならばSONYが出して然るべき、また出せる可能性があったにもかかわらず、iPodは門外漢のAppleから出た。

それから通常タイプのイヤフォンの高音質化競争が始まった。
私の「お出かけセット」もiPodになった。

しかしSR-001を原型とする、携帯できるイン・ザ・イヤースピーカー・システムは、イヤースピーカーとともに、世界に誇る傑作であると確信している。

(アダプターの側面に付いているライン入力ジャックは、その取り付け場所が悪く、じゃまになって使いにくい。しょうがないので、その脇に穴を開け、ラインケーブルを直付けした)


SR-001DSC_7091
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/SR-001EFBC88E7B8AEE5B08FEFBC89DSC_7091.jpg


<写真2:SR-001とNT-2。iPod出現前の私の携帯オーディオシステム>

■8X修復の手掛かりなし

さて8X修復の話であるが、情報はまったくない。

英国QUADのESLやESL-63系に関するrepair記事は、具体的かつ詳細なものが山ほど出てくる。

しかしSTAXのコンデンサースピーカーの内部構造や、修理に関する情報はネット上のどこを探しても出てこない。

ただ1つ、8Xの高圧電源部の修理を、絶縁ワックスをドライヤーで融かして行ったという国内記事があった。

高電圧発生回路は、4段のコッククロフト回路、とある。

具体的記述はそれのみであるが、確かにそのとおりであった。

当ブログの「i氏山荘訪遊記(第2話)」の「かえるの息子」が入手した8Xの修理の際、目視できるダイオードの結線状況から推測し、彼が回路図を書き起こした。
この話は次の日記で綴りたい。

新8X高圧電源部全景
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/E696B08XE9AB98E59CA7E99BBBE6BA90E983A8E585A8E699AFEFBC88E6B888EFBC89.jpg

<写真3:「かえるの息子」の8Xの高圧電源部(修理前)>

**電源トランスと4個のコンデンサーが入った小部屋が、絶縁ワックスで充填されている。それらの一部が透けて見える。不良コンデンサーを交換するには、この大量の蝋をかき出さねばならない。さてどうすれば・・。左上の基板上の抵抗素子のアレイは、私の8Xより一つほど古いバージョンの仕様を示す**

STAXカタログ内部構造
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/STAXE382ABE382BFE383ADE382B0E58685E983A8E6A78BE980A0EFBC88E7B8AEE5B08FE38388E6B888EFBC89.jpg

<写真4:STAXのコンデンサースピーカーのカタログの一部分>
**発音ユニットの基本構造が描かれている**


発音ユニットの構造はカタログの模式図のみ

発音ユニットを分解する前に、その構造を知る必要がある。
構造が分からないまま、手荒なことはできない。
致命的なダメージを与えたら、はいそれまでよ、になる。

しかし、喉から手が出るほど欲しかった発音ユニットに関する具体的情報は皆無であった。

唯一、STAXのコンデンサースピーカーのカタログに、発音ユニットの内部構造の簡略スケッチがあった。

基本構造は正しく描かれているが、修復工作に最も重要な部分が省略されている。
でもこの図が、構造を推理するための大きな手掛かりとなった。

これらは次回以降の日記に順次綴っていこうと思います。

(第2話 おわり)

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-25
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/205.html#c34

[近代史3] ファーウェイ排除で世界に激震! 日本はどうなる? 中川隆
3. 中川隆[-10125] koaQ7Jey 2019年5月26日 19:11:38 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2224]
森永卓郎が警告〜こんなに怖い、米中貿易摩擦の日本への影響(ニッポン放送)
http://www.asyura2.com/19/hasan132/msg/476.html

ニッポン放送 5/26(日) 12:40配信

経済アナリストの森永卓郎が、「垣花正 あなたとハッピー!」(5月22日放送)に出演。出口の見えない米中貿易摩擦が与える日本への影響について、持論を展開した。このまま両国の貿易摩擦が進むと取り返しのつかないことになるという。

制裁「第4弾」が発動されるとアメリカの物価が上昇して経済が失速する


ニッポン放送「垣花正あなたとハッピー!」

アメリカは中国の通信機器最大手ファーウェイとアメリカの企業の取引を原則禁止する措置を発動しました。中国に対する制裁関税は去年の7、8、9月に第1、2、3弾とやりました。去年(2018年)の9月にやったのは日用品や家具、家電製品と、中国以外から買うと困るものに関税を課して10%に抑えていました。ところが、これを今月(5月)、25%に引き上げることを決め、さらに残りの33兆円分の中国から輸入するほぼすべての商品に25%の関税をかけるということを言っています。

そして、第4弾が発動されると関税がパソコンやスマートフォンにもかかるわけです。アメリカで使われているパソコンやスマートフォンの8割が中国製なので、物価が上がって大変なことになります。例えばiPhoneだと、2万円ほど値段が上がるのではないかと言われています。iPhoneは組み立てが中国で行われているからです。多くのエコノミストが、貿易交渉を有利に行うためのトランプ大統領の脅しだと言っているのですが、本当に実行してしまうのがトランプ大統領です。第4弾が発動されれば、物価が上昇してアメリカ経済は失速すると思います。中国経済の痛手はもっと大きいでしょう。

トランプ大統領の怒りと中国の強み


ワシントンで始まった米中の閣僚級貿易協議(アメリカ・ワシントン)ー2019年2月21日 写真提供:時事通信

アメリカが言っているのは、表向きは、「中国はパクリをやめろ」と言うことです。もうパクる必要がないから降りるかと思っていたのですが、中国の専門家によると「中国は第5世代通信や人工知能、宇宙開発という先端分野から全面撤退しろ。中国は家電製品などを労働集約的に組み立てればいい」というものがトランプ大統領の考えです。

第5世代通信という携帯電話の新しい通信は、ファーウェイが世界最先端のところに来ていると言われる。既にファーウェイの通信設備はアフリカやヨーロッパで主流になっています。それがトランプ大統領の逆鱗に触れたのです。

しかし中国に有利なのは、中国は国によって、自動運転のための車の実験もできるし、個人データの集約もたやすくできる。さらに、GoogleやApple、Amazonはそれぞれ企業が研究開発していますが、ファーウェイは国が全面バックアップしているのではないかと言われているところです。

100%道連れになる日本


中国広東省にある華為技術(ファーウェイ)本社キャンパス(ゲッティー共同)ー2018年12月7日 写真提供:共同通信社

ではこの貿易摩擦が日本にどう影響するのか。日本が昨年1年間でファーウェイに買ってもらったスマホの部品は7300億円です。iPhoneのディスプレイは、日本で作って中国に輸出しています。国内でもファーウェイの端末が発売できるかどうかわからないとなると、日本がファーウェイへ輸出している部品はどうなるのか…。日本も100%道連れになります。

G20でするべき安倍総理の役割


笑顔で会談するトランプ米大統領(右)と安倍首相ー2018年9月26日、米ニューヨーク(共同) 写真提供:共同通信社

今回のG20での安倍総理の役割は大きいです。トランプ大統領にはこれまでのように「言うことは何でも聞きます」と持ち上げるだけではなく、「ここは大統領、冷静になりましょう」となだめることが必要です。

習近平主席も来日するので、その間を取り持って、仲良くさせなければなりません。今回の大阪サミットは世界の明暗を決めることになるのです。また、ここで失敗すると参院選にも大きな影響を与えてしまいます。

ニッポン放送


http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/452.html#c3

[リバイバル3] 音は凶器 中川隆
35. 中川隆[-10124] koaQ7Jey 2019年5月26日 20:10:23 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2225]

甦れ(3回)8X コンデンサースピーカーもう一つの8X電源修復 [甦れSTAX ELS-8X コンデンサースピーカ]
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-11-09


今日の日記は、私の8Xの修復ではなく、もう一つの8X、「かえるの8X」の高圧発生電源部の修理について綴ってみます。

「かえるの8X」を修理してみて、同時期のロット(同じ時期に作られた8X)には、高圧発生電源部のコンデンサーの不具合が発生する恐れがあったのでは、と心配になったからです。

また、8Xとは直接関係のない、わき道にもけっこう深く迷いこみますが、すみません。

おやじの耳はいい?

芸術作品などに向かい合う際の審美感覚。

「鑑賞眼」とはちょっと違う気もするが、「心に沁み込む度合い」のようなもの。
映画、演劇、音楽、文学、絵画・・、といったものを味わう能力のようなものは、年を重ねるに従い、深まるのではないかと思う。

オーディオの音を聴く力も然りである。
聴力はどんどん衰えるのに、「コクや妙味を味わう」能力は向上するように感じられる。


8Xの健康管理

「かえるの息子」が入手したELS-8X(委細は「i氏山荘」第2話)。

自分のアパートに収容するスペースがないので、我が家に置いてある。
その8Xの健康維持のため、ときどき聴いている。

置いてある部屋は防音施工ではないが、家中に響く大音量も出してやる。
GECのKT88が挿してあるAIR TIGHTのATM-2は、太くてずっしりした音が出る。

大編成のオーケストラなど、床の振動が体に伝わって、実に豪快に楽しめる。

8Xから、ALTECの416-8B 38cmウーハー(「いとし子」第3回の写真1)を凌ぐほどの、床が震える低音が出る。

これって、プッシュプル方式独特の音なのだろうか。
今まで経験したP-Pの音は、どうも雰囲気が似ている。

新8X全景
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/E696B08XE585A8E699AFEFBC88E7B8AEE5B08FE38388E6B888EFBC89DSC_7442.jpg

<写真1:「かえるの8X」は別室に置いてある>

**私の8Xとは比較にならないほどきれい。どのような環境で使われていたのか不思議である。左右合計16個の発音ユニットがすべて健全なのも信じがたい。購入して間もない頃の私の8Xが帰ってきたような錯覚に陥る**


新8Xアンプ類

<写真2:「かえるの8X」を鳴らすために急きょ集めた機器類>

**木の穴から顔を出しているリスだか、モモンガだかの後ろがAIR TIGHT ATM-2**


わき道談 AIR TIGHT ATM-2

余談であるが、このATM-2は、AIR TIGHTブランドのA&M社が創立間もない頃に購入した。

取り扱い説明書らしいものはなく、案内状は手書きであり、回路図も手書きであった。
内部のはんだ付けも下手で、重い本体を送り返すのも面倒なので自分で何箇所も補修した。
そのことを電話で伝えると、社長さんが「職人がまだ熟練してなくて・・」と、えらく恐縮しておられた。
しかしこの器の作りと、基本コンセプトは、とても共感できる。

回路はP-P増幅器の基本中の基本形、教科書どおりであり、妙な細工は一切なし。
あとはシャシー、トランス、各種の電子部品、それらの配置などなど、部品の品質・性能と、全体設計の良否で勝負、である。
私の「最終アンプ」のコンセプトと通じている。


このATM-2は、GECのKT88のゲッターがほとんどなくなるまで愛用し、今のGEC KT88は2代目である。
驚くべきことに、ゲッターがほとんどなくなったGECのKT88のip(プレート電流)は、新品のものと大きな差はなかった。
つまり交換の必要はなかったことになる。

そんな状況のATM-2、面白いことがいっぱいあった。
それらの話は別のタイトルで綴った方がいいとは思うが、楽しい思い出がいっぱいで、筆が止まらない。

初段の12AX7と、位相反転の12AU7、ドライバーの12BH7Aの銘柄やロットの違いで、出てくる音や、音の性質がコロコロ変わる。
NF(ネガティブフィードバック)も外した。

その話をしたら、「そんなことされたら音になりませんがな」とAIR TIGHTの方に言われた(本社は大阪)。

NFを外し、初段の12AX7を12AU7に替え、元のX7周りの定数をU7に合わせて少し変更することにより、明らかに、明確に「音が活きる」。
それによる他の聴感上の問題は特に出ない。
(こんなこと、やってはいけません。もはや時効の昔の話ですし、これは私が所持するATM-2だけに限ったことですから。P-PのNFを外すなど、もってのほかの愚行はおやめください。私、今は元通りにしてますから・・(~_~;) )


ごく初期に作られた私のATM-2。

バイアス・チェックメータのロータリーSWのガリには、ずーと悩まされ続けてはいるが、この器、全体的にはとても信頼できる、すこぶる良品だと思っている。

オリジナル8Xの音

すみません、話を元にもどします。
この8X、すべての発音ユニットが、完璧に良好な状態を保っている。

半数以上がダメになった私の8Xとは雲泥の差であるが、前オーナーはどのような環境で使っておられたのだろう。
本当にありがたいことである。

鳴らしてみる。
はて、こんなによかったのかな、と首をかしげる。
ハッとする。
またハッとする。

100%オリジナルのSTAX ELS-8Xの音が、これほど聴く人の心を、音楽の中に引き込むとは。
私の8Xが健全であった10年ほど前の状況と、今、鳴らしている環境に大きな違いはないはずである。
部屋は違うが、あの頃の私の8Xも、このように鳴っていたのだろうか。
ハッとだらけの、体が緊張するほどの臨場感を聴いていたのだろうか。
あの頃の音を忘れているだけなのか。

私の8Xの製造シリアルナンバーは400番台、かえるの8Xはそれより50番ほど古い。
見た目では、発音ユニットもバッフルも同一であり違いはない。

ただ、裏ぶたの内側に、へんな吸音材がしっかりと貼り付けてあった(それが正規仕様)。
誰かに指摘されてそうしたのか、それとも自分たちが考えたのか、背面放射を少しでも減らそうとしたためと思うが、音響抵抗になるようなものは、百害あって一利なし。
一苦労して完全撤去した。

私の8Xの頃には、吸音材の愚行は「改善」されていて付いていない。

つまり2つの8Xは、まったく同一である。
間違いなく私の8Xからも、同じ音が出ていたはずである。

とすると、当時の私の聴く力が浅かったことになる。
やはり、私が年をとったおかげで、音楽オーディオを味わう力が深くなったせいだろう。
そうに違いない。


「コンデンサースピーカー」の呼称は?

わが国ではこの方式のスピーカーを、一般的に「コンデンサースピーカー」と呼んでいる。

この方式による全帯域スピーカーの製品化は、1957年、英国Quad社の「Quad ESL」が最初である。
優美な曲面を描く「あれ」である。
すばらしい造形、私の「永遠のあこがれ」である。

これらはESL、すなわち「ElectroStatic Loudspeaker」。
「コンデンサー型」ではなく「静電型スピーカー」と呼ばれている。

昔、STAX社の製品に、コンデンサー型カートリッジがあった。
ご年配のターンテーブル愛好家諸兄には、そのカートリッジに特別の思いを持っておられる方も多い。

針先の動きをコンデンサーの容量の変化として取り出し、FM変調、検波の処理を経て、オーディオ信号を作り出す仕掛けである。

エンコーダー/デコーダーを含め、現代の技術で再開発すれば、どのような音が出るのだろうか。
さて、このカートリッジは、「コンデンサー型」と呼ぶに相応しい。
そのものズバリ、「コンデンサーの容量の変化」がキーポイントだからである。

しかしQuad ESLやSTAX ELS-8Xなどのスピーカーは、「静電型スピーカー」と呼ぶ方が実態を表している。

発音の原理にコンデンサー、つまり「蓄電」の有意性はない。
あくまで「静電」によるクーロン力こそが、音を出す源であり、この方式のスピーカーの本質である。

まあ呼び方など、この発音ユニットから飛び散る比類ない音を浴びればどうでもよくなるが・・。

かえるの8Xの高圧発生電源の修理

重要なご注意

STAX ELS-8Xの高圧発生電源部は、4000V近くの電圧が発生します。
感電した場合、人命にかかわります。

発音ユニットに供給される高圧は、高抵抗を介するため電流は微小ですが、感電した場合の電撃(ショック)は大きく、やはり人命にかかわります。

高圧発生電源部は、その供給元であるため、感電した場合はかなりの電流が流れると思われます。
それには生命の危険があります。

この高圧発生電源部を修理・修復・稼動させるには、4〜5000Vの高電圧と、その取り扱いに関する知識と経験が必要です。
この点のご配慮を、くれぐれもよろしくお願いいたします。


なおこの日記の、修理についての記述は、あくまで「かえるの8X」単体に関するものであり、他の8Xが同一の作りや仕様であるか否かは分かりません。

また、ここの記述や写真や図も、修理の「参考の一つ」や「ヒントの一つ」にしていただくためのものです。
修理に際しては、あくまで、それぞれの修理対象の現物を実地に調査・解明して、その上で適切な対応を検討されるようお願いいたします。

訳あり

承知の上であったが、かえるの8Xは、右側完動、左側音圧低下、の「訳あり」として彼が手に入れた。

訳あり側の発音ユニット各部の電圧を測ると、すべての発音ユニットの成極電圧(バイアス電圧)が、正規の1/3以下であることが分かった。
このことから、不具合箇所は高圧発生電源部だろう、と推測できる。

左右の高圧発生電源部のボックスを引き出し、裏ぶたを外すと、意外なことが分かった。
完動している右側の高圧発生電源部に、メーカーで(多分)修理を受けた形跡がある。

充填されている蝋に、手を加えた跡があり、コンデンサーが取り替えられている。
左側とはメーカーが異なるものに交換されていた。
要するに、右側にもコンデンサーのトラブルがあったことになる。

左側の高圧発生電源部は、工場出荷時のままであることは見れば分かる。
つまり、このシリアル番号の近辺のものは、高圧発生電源部の、たぶんコンデンサーが「弱い」ことが推測できる。

不具合の左側の高圧発生電源部も、右側と同様に、いずれかのコンデンサーがダメになっているのだろう。

整流用ダイオードは蝋漬けになっていないので、テスターで良否をチェックした。
すべて健全であった。


高圧発生電源部修理前
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<写真3:修理を受ける前の高圧発生電源部>

**電源トランスと4つのコンデンサーが入っている小部屋は、蝋で充填されている**

高圧発生電源部ダイオード側
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<写真4:蝋の小部屋の壁裏のダイオード類>

**写真上部に蝋の小部屋とコンデンサーが見える。見えているコンデンサーの下にも、さらに3つのコンデンサーが埋められているとして、このダイオード類の配置などを、よーく観察していると、回路図が見えてくるようになる、かな**


高圧発生電源部の回路推測

充填されている蝋の中に、電源トランスとコンデンサーが複数個、漬けられているとする。
その上で、写真4:のダイオードなどの結線状況から推理して、4段のコッククロフト・ウォルトン回路と仮定した。

かえるの息子が予想回路図を描いてみた。
多分正解だろう。

使われていたコンデンサーは、チューブラー型(リード型)の0.01μF、耐圧3000Vが4個。
ここでは手持ちの都合で、0.047μF、耐圧2000Vのものを使った(耐圧は3000Vが安心)。


高圧発生電源部回路図
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/E9AB98E59CA7E799BAE7949FE99BBBE6BA90E983A8E59B9EE8B7AFE59BB3EFBC88E7B8AEE5B08FE38388E6B888EFBC89.jpg


<写真5:高圧発生電源部の整流&昇圧回路の推測回路図>

**雑な絵ですみません。かえるの彼が、その場にあった紙に描いたスケッチ。4段のコッククロフト・ウォルトン回路と推定された。赤字の電圧が修理後の数値。ただし成極電圧調整VRが最小のときの電圧であり、VR最大時は、これの約140%に上昇する。通常はVR最大で使う>

大量の蝋を取り除く

缶ビールを輪切りにして蝋の容器を作る。
ドライヤーで充填されている蝋を熱し、柔らかくして小さなスプーン状のものでかき出す。

その前に、ダイオードを熱風から守るために、何らかの工夫をしておく必要がある。

熱してはかき出し、また熱してはかき出す。
いやというほど繰り返す。

この作業はコンデンサーの周りだけでよい。
トランス周りはそのままでかまわない。


コンデンサーの交換

底につくまで蝋をかき出すと、4つのコンデンサーが現れる。
それを全点、交換する。

狭い空間の中、順にコンデンサーを取り外して、新しいものを順に取り付ける。
かなりアクロバット的な技が要求される。
この作業、よほど器用な方でないと難しいかもしれない。

交換が終わった段階で十分な目視チェックをして、誤りなしを確認する。


高圧電源コンデンサー交換
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/E9AB98E59CA7E99BBBE6BA90E382B3E383B3E38387E383B3E382B5E383BCE4BAA4E68F9BEFBC88E7B8AEE5B08FE38388E6B888EFBC89DSC_6887.jpg

<写真6:コンデンサーの周りの蝋を取り除き、全部のコンデンサーを交換する>

**手持ちの0.047μF、耐圧2000Vのコンデンサーの寸法は少し大きすぎた。最上部のコンデンサーは裏ぶたに接触する恐れがあるため、絶縁チューブを被せた**


電源を投入して動作試験

発音ユニットへの接続はつながったままであり、外さないでおく。
各部、要所要所の電圧をチェックする。

かえるの8Xの修理後の場合、発音ユニットの成極電圧端子(高域)1.9KV、全域および低域3.7KVであった。
いずれも高圧発生電源部の成極電圧調整VR最大時。

この状態で音を出してみたり、電源のON/OFFを繰り返したり、電圧可変VRを回したりして実働試験を行い、確信が得られれば再び蝋で充填する。


再び蝋で充填

缶ビールの蝋を電熱器などで温める。
蝋って、断熱材のように熱が伝わりにくく、なかなか融けてくれない。
アルミホイルで覆うなどの工夫をして、完全に融けたら(融けると透明になる)、空気を排除しながら完全に充填されるように、少しずつ慎重に注入していく。
完了したら、十分に冷えるまで待って実働試験を行い、問題がなければ元通り本体に収め、めでたく修理完了となる。

高圧電源蝋充填
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/E9AB98E59CA7E99BBBE6BA90E89D8BE58585E5A1ABEFBC88E7B8AEE5B08FE38388E6B888EFBC89DSC_6890.jpg

<写真7:ひととおりの動作確認後、「小部屋」を融かした蝋で再び充填する>

**蝋が茶色の部分は、まだ冷えていない半透明の状態。冷えるとクリーム色になる**

かえるの息子が帰ってきたときは、夜通し8Xを聴いている。
8Xの前のソファーで横になって朝まで聴いている、たぶん寝ている。

自分のアパートにも「けっこうそこそこ」のシステムがあるが、音の出方が根本的に違って聞こえるらしい。

この違い、おおまかには、一般的なヘッドフォンやイヤフォンと、STAXのイヤースピーカーとの違い、と思っていただければ近いと思います。

オリジナル8Xの音。

昔は気付かなかった深い味わい。

8X本来の素晴らしさを、「もう一つの8X」が教え示してくれた。
この歳になってようやく気付く、なさけない感性である。

(甦れ8X(第3話)もう一つの8X電源修復 おわり)�

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-11-09

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/205.html#c35

[] 「覚醒剤」
88. 中川隆[-10123] koaQ7Jey 2019年5月26日 20:23:03 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2226]

 再び大麻問題 2019年05月26日
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-755.html


 KAT-TUNの元メンバー・田口淳之介容疑者と女優の小嶺麗奈容疑者は22日、東京・世田谷区の自宅マンションで乾燥大麻数グラムを所持していたとして、厚生労働省の麻薬取締部に現行犯逮捕された。

 https://www.huffingtonpost.jp/entry/taguchi-taima-drug_jp_5ce798dee4b0a2f9f28cab00

 このニュースに対して、大麻使用で執行猶予中である高樹沙耶は、以下のように書いている。
 https://hochi.news/articles/20190524-OHT1T50076.html

 また、国家権力に迎合する右翼思想の持ち主として知られる松本人志は、「大麻合法化論を言う人は自分で大麻をやっている人だけだ」と語っている。 https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2019/05/26/kiji/20190526s00041000101000c.html

 私も大麻合法化論者だが、残念ながら、私は1970年頃、ベトナム戦争の最中に立川基地の米兵から、大麻をもらって吸った経験が一度あるだけで、あとは合法麻薬も含めて、一切経験がなく、松本人志の勝手な思い込みはウソである。
 しかし、合法化されたなら、一度は経験してみたいと願っている。

 すでに私は、大麻使用取締問題について、社会的にみて、タバコや酒と比較して毒性や依存性が低く、無意味なものであることを何度も書いている。
 羽鳥モーニングショーの玉川徹も、田口逮捕に関係して、タバコと比べて耽溺性・依存性・有害性が低い大麻だけを悪者にするメディアはおかしいと批判している。
 
 元KAT-TUN田口淳之介・小嶺麗奈の大麻逮捕報道で玉川徹も疑問! 酒やタバコも依存性あるのに“大麻だけ悪”はフェアじゃない
 https://www.excite.co.jp/news/article/Litera_kat-tun/

 私も、すでに玉川と同じ視点で、何回も大麻問題を書いている。

 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-391.html

 これを書いてから、見知らぬ人物が、私の土地の周囲をうろうろするのを見たので、おそらく私が大麻を栽培吸引していると思い込んだ警察か麻取関係者だろう。

 大麻取締に賛成する人たちの主張は、「大麻に手を出せば、次々に毒性の強い麻薬使用がエスカレートしてゆき、最終的に人格破壊を引き起こす」というものだが、実際には、それは権力側の主張を調べずに鵜呑みにしてオウム返ししているにすぎず、事実認識を完全に見誤っている。

 厚労省による「大麻が身を滅ぼす」というような告白・宣伝も、官僚の頭のなかで描かれた妄想作文にすぎない。
 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000180755.html

 むしろ、こんなウソを書いているから、自分でやりたくなるのだ。
 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45230130U9A520C1CC1000/

 私の経験からいうと、薬物濫用は社会の常識である。
 大手タクシー会社の周囲にある喫茶店に行くと、昼間から勤務時間中に運転手がたむろしていることがあるが、これはシャブの取引であることが多い。タクシー運転手のような深夜業務は、眠気覚ましに覚醒剤に手を出す者が多い。
 客にも暴力団関係者がいて、走行中に隠語で販売を示唆されることもある。

 これは1970年代の経験だが、この頃、私は大型免許を取得し長距離トラックを運行したことがある。眠くなって浜名湖や足柄のような大型パーキングに入ると、決まって誰かが忍び寄ってきて「眠気覚ましがあるよ」とか持ちかけてくる。
 もちろんシャブ売りだが、本当のターゲットは、むしろ観光バスの運転手であった。

 トラックは適当にパーキングに入って眠れるが、観光バスは、客がいるため、それが許されない。ところが、眠気覚ましの本当に効く妙薬がないのだ。
 あられを食べたり、ガムを噛んだり、コーヒーを飲んだりで醒ませる眠気は一時的なもので、最悪、運転しながら眠っている自分に、ハッと気づくことさえある。
 そこで、違法行為だと知りつつ、事故を起こして身を破滅させるより、確実に眠気を覚ませるシャブに手を出すのである。どちらが罪が重いかといえば、事故を起こした方だからだ。
 
 「眠気覚ましの妙薬がない」このことは「絶対に寝てはならない」いくつかの職種にとって、非合法と知りつつもシャブに手を出さざるをえない喫緊の理由になっている。
 航空機パイロット、列車運転手、バス運転手、タクシー運転手などである。
 実は、シャブ=ヒロポンというのは、日本軍の研究機関によって、零戦などのパイロットが眠気を催さない薬として開発したものだった。
 https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/17/040500003/041100003/

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E4%BA%95%E9%95%B7%E7%BE%A9

 私などは、長距離運行中に、どうしても眠気を覚ませないとき、最後の手段として、タバコの火を腕に押しつけて火傷させるという方法を用いた。これはめちゃくちゃに効いた。一発で、眠気が完全に覚めたが、精神的な後遺症が残る。
 トラック運転手のなかには、手の甲が火傷だらけという人も珍しくないが、それは、こうした事情なのだ。
 これに比べればシャブ=ヒロポンの方がはるかにマシだが、これも寝たいときに眠れないという後遺症が残る。

 そこで、シャブのお得意様であるパイロットたちは、次のフライトに備えて無理矢理眠るため大量の酒を飲むのが普通で、この1・2年、パイロットがアルコール検出で罪に問われることがある本当の事情は、実はパイロットが日常的にシャブを常用しているため、睡眠コントロールがきかなくなっているのである。

 これも公然たる秘密だが、実は、自衛隊も米軍も、世界の多くの空軍が、パイロットに覚醒剤を供与しているのである。あるいは航空会社もそうかもしれない。
 これも観光バスと同じで、事故を起こすより薬物の方がマシという切羽詰まった事情からなのだが、世間に知られると困るので、もちろん秘密裏に配布しているのである。 「パイロットはシャブ中患者、睡眠のためにアルコール依存症になる」と考えておいた方がよいいかもしれない。

 http://untiwar.jugem.cc/?eid=243
 
 以上のような事情で、日本における薬物濫用の真の姿は、メディアの報道とはかけ離れたものである。
 観光バスなど運転手・パイロットからシャブを取り上げたら、もの凄い数の深刻な事故が起きるだろう。バスや旅客機は禁煙なので、手を火傷させることができないからだ。
 その意味では、運転手やパイロットの薬物は、耽溺目的では決してなく、乗客を守ろうとする意思でもあることを知っておいた方がよい。
 シャブを禁止させる前に、「間違いなく効く眠気覚まし」を開発してから文句を言えということだ。

 つまり、薬物濫用は、決して、人間の堕落的意思、耽溺性要求ばかりでなく、実用上の要求があるわけだ。
 また大麻については、現在カンナビノイドの重要な薬効が論議されていて、外国ではパーキンソン氏病などの治療に欠くべからざる地位があり、日本だけが、世界のカンナビ治療ブームから取り残されているのである。

 https://www.youtube.com/watch?v=PwBnogYTdZw

  マリファナの合法化進む、薬効研究が盛んに
 https://style.nikkei.com/article/DGXMZO87342950X20C15A5000000/

 大麻の薬効と規制・・・騙され続けてきた70年間
 http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=317076

 なぜ、これほど優れた医薬品が「人を破滅させる麻薬」として認定され、不可解な取締の対象になってきたか?
 私のブログでも何度も説明した。
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-391.html

 それは、1920年にアメリカで成立した禁酒法時代に、大麻がアルコール耽溺の代替品として用いられたことに対し、当時のアメリカ政府高官の大半が、ユダヤ人・モルモン教徒など禁欲主義者で占められていたため、大麻に対する憎悪が感情的に累積し、何が何でもアルコールや大麻のような快楽薬物を社会から排除するという強い意志を抱いたことである。

 また、大麻は、あらゆる病気に対し強い薬効を示したため、当時勃興中だったアメリカ医療薬品産業が、商売敵である大麻の排除を狙った。
 https://www.youtube.com/watch?v=HpE3ouEdeJQ

 https://www.youtube.com/watch?v=ftK8cJ_O8YM

 日本政府は、主体性を失い徹底的にアメリカに隷属している事情から、大麻問題も深く考えることなく、アメリカ=モルモン教徒・ユダヤ教徒に盲従したといってもよい。

 本来、大麻の薬害というなら、タバコや酒よりも、はるかに低いものであって、取締の対象にするならば、先にタバコも酒も排除されなければならないのである。
 https://togetter.com/li/51054

 大麻は、数千年の大昔から神道など日本文化と切り離せない本質的な要素を築いてきた。
 https://matome.naver.jp/odai/2151632859100820201

 衣類だけでなく、あらゆる繊維や、民間薬としても利用されてきた長く深い歴史があった。
 ところが、戦後、自民党のアメリカ盲従勢力が、アメリカ官僚の嫌悪感をそのまま日本に持ち込んで禁止してしまったのである。
 そこには、科学的・合理的な意味はほとんどなく、モルモン教倫理観への盲従だけがある。この価値観は、日本の伝統的文化を破壊するものであり、アメリカに盲従すべき必然性など、まったく存在しないのである。

 薬物依存性問題の解決は、まずは眠れない職種について対策を考えることと、有効な睡眠阻止薬を開発することなどが先だろうと私は思う。
 薬物に耽溺しなくとも、人生を楽しめる趣味を若者に拡大することも大切だ。
 私の若い頃は、年間50回以上の登山で、薬物どころではなかったのだから。
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-755.html
http://www.asyura2.com/0310/dispute13/msg/126.html#c88

[] 経験者としての意見です。
40. 中川隆[-10125] koaQ7Jey 2019年5月26日 20:24:19 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2224]

 再び大麻問題 2019年05月26日
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-755.html


 KAT-TUNの元メンバー・田口淳之介容疑者と女優の小嶺麗奈容疑者は22日、東京・世田谷区の自宅マンションで乾燥大麻数グラムを所持していたとして、厚生労働省の麻薬取締部に現行犯逮捕された。

 https://www.huffingtonpost.jp/entry/taguchi-taima-drug_jp_5ce798dee4b0a2f9f28cab00

 このニュースに対して、大麻使用で執行猶予中である高樹沙耶は、以下のように書いている。
 https://hochi.news/articles/20190524-OHT1T50076.html

 また、国家権力に迎合する右翼思想の持ち主として知られる松本人志は、「大麻合法化論を言う人は自分で大麻をやっている人だけだ」と語っている。 https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2019/05/26/kiji/20190526s00041000101000c.html

 私も大麻合法化論者だが、残念ながら、私は1970年頃、ベトナム戦争の最中に立川基地の米兵から、大麻をもらって吸った経験が一度あるだけで、あとは合法麻薬も含めて、一切経験がなく、松本人志の勝手な思い込みはウソである。
 しかし、合法化されたなら、一度は経験してみたいと願っている。

 すでに私は、大麻使用取締問題について、社会的にみて、タバコや酒と比較して毒性や依存性が低く、無意味なものであることを何度も書いている。
 羽鳥モーニングショーの玉川徹も、田口逮捕に関係して、タバコと比べて耽溺性・依存性・有害性が低い大麻だけを悪者にするメディアはおかしいと批判している。
 
 元KAT-TUN田口淳之介・小嶺麗奈の大麻逮捕報道で玉川徹も疑問! 酒やタバコも依存性あるのに“大麻だけ悪”はフェアじゃない
 https://www.excite.co.jp/news/article/Litera_kat-tun/

 私も、すでに玉川と同じ視点で、何回も大麻問題を書いている。

 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-391.html

 これを書いてから、見知らぬ人物が、私の土地の周囲をうろうろするのを見たので、おそらく私が大麻を栽培吸引していると思い込んだ警察か麻取関係者だろう。

 大麻取締に賛成する人たちの主張は、「大麻に手を出せば、次々に毒性の強い麻薬使用がエスカレートしてゆき、最終的に人格破壊を引き起こす」というものだが、実際には、それは権力側の主張を調べずに鵜呑みにしてオウム返ししているにすぎず、事実認識を完全に見誤っている。

 厚労省による「大麻が身を滅ぼす」というような告白・宣伝も、官僚の頭のなかで描かれた妄想作文にすぎない。
 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000180755.html

 むしろ、こんなウソを書いているから、自分でやりたくなるのだ。
 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45230130U9A520C1CC1000/

 私の経験からいうと、薬物濫用は社会の常識である。
 大手タクシー会社の周囲にある喫茶店に行くと、昼間から勤務時間中に運転手がたむろしていることがあるが、これはシャブの取引であることが多い。タクシー運転手のような深夜業務は、眠気覚ましに覚醒剤に手を出す者が多い。
 客にも暴力団関係者がいて、走行中に隠語で販売を示唆されることもある。

 これは1970年代の経験だが、この頃、私は大型免許を取得し長距離トラックを運行したことがある。眠くなって浜名湖や足柄のような大型パーキングに入ると、決まって誰かが忍び寄ってきて「眠気覚ましがあるよ」とか持ちかけてくる。
 もちろんシャブ売りだが、本当のターゲットは、むしろ観光バスの運転手であった。

 トラックは適当にパーキングに入って眠れるが、観光バスは、客がいるため、それが許されない。ところが、眠気覚ましの本当に効く妙薬がないのだ。
 あられを食べたり、ガムを噛んだり、コーヒーを飲んだりで醒ませる眠気は一時的なもので、最悪、運転しながら眠っている自分に、ハッと気づくことさえある。
 そこで、違法行為だと知りつつ、事故を起こして身を破滅させるより、確実に眠気を覚ませるシャブに手を出すのである。どちらが罪が重いかといえば、事故を起こした方だからだ。
 
 「眠気覚ましの妙薬がない」このことは「絶対に寝てはならない」いくつかの職種にとって、非合法と知りつつもシャブに手を出さざるをえない喫緊の理由になっている。
 航空機パイロット、列車運転手、バス運転手、タクシー運転手などである。
 実は、シャブ=ヒロポンというのは、日本軍の研究機関によって、零戦などのパイロットが眠気を催さない薬として開発したものだった。
 https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/17/040500003/041100003/

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E4%BA%95%E9%95%B7%E7%BE%A9

 私などは、長距離運行中に、どうしても眠気を覚ませないとき、最後の手段として、タバコの火を腕に押しつけて火傷させるという方法を用いた。これはめちゃくちゃに効いた。一発で、眠気が完全に覚めたが、精神的な後遺症が残る。
 トラック運転手のなかには、手の甲が火傷だらけという人も珍しくないが、それは、こうした事情なのだ。
 これに比べればシャブ=ヒロポンの方がはるかにマシだが、これも寝たいときに眠れないという後遺症が残る。

 そこで、シャブのお得意様であるパイロットたちは、次のフライトに備えて無理矢理眠るため大量の酒を飲むのが普通で、この1・2年、パイロットがアルコール検出で罪に問われることがある本当の事情は、実はパイロットが日常的にシャブを常用しているため、睡眠コントロールがきかなくなっているのである。

 これも公然たる秘密だが、実は、自衛隊も米軍も、世界の多くの空軍が、パイロットに覚醒剤を供与しているのである。あるいは航空会社もそうかもしれない。
 これも観光バスと同じで、事故を起こすより薬物の方がマシという切羽詰まった事情からなのだが、世間に知られると困るので、もちろん秘密裏に配布しているのである。 「パイロットはシャブ中患者、睡眠のためにアルコール依存症になる」と考えておいた方がよいいかもしれない。

 http://untiwar.jugem.cc/?eid=243
 
 以上のような事情で、日本における薬物濫用の真の姿は、メディアの報道とはかけ離れたものである。
 観光バスなど運転手・パイロットからシャブを取り上げたら、もの凄い数の深刻な事故が起きるだろう。バスや旅客機は禁煙なので、手を火傷させることができないからだ。
 その意味では、運転手やパイロットの薬物は、耽溺目的では決してなく、乗客を守ろうとする意思でもあることを知っておいた方がよい。
 シャブを禁止させる前に、「間違いなく効く眠気覚まし」を開発してから文句を言えということだ。

 つまり、薬物濫用は、決して、人間の堕落的意思、耽溺性要求ばかりでなく、実用上の要求があるわけだ。
 また大麻については、現在カンナビノイドの重要な薬効が論議されていて、外国ではパーキンソン氏病などの治療に欠くべからざる地位があり、日本だけが、世界のカンナビ治療ブームから取り残されているのである。

 https://www.youtube.com/watch?v=PwBnogYTdZw

  マリファナの合法化進む、薬効研究が盛んに
 https://style.nikkei.com/article/DGXMZO87342950X20C15A5000000/

 大麻の薬効と規制・・・騙され続けてきた70年間
 http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=317076

 なぜ、これほど優れた医薬品が「人を破滅させる麻薬」として認定され、不可解な取締の対象になってきたか?
 私のブログでも何度も説明した。
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-391.html

 それは、1920年にアメリカで成立した禁酒法時代に、大麻がアルコール耽溺の代替品として用いられたことに対し、当時のアメリカ政府高官の大半が、ユダヤ人・モルモン教徒など禁欲主義者で占められていたため、大麻に対する憎悪が感情的に累積し、何が何でもアルコールや大麻のような快楽薬物を社会から排除するという強い意志を抱いたことである。

 また、大麻は、あらゆる病気に対し強い薬効を示したため、当時勃興中だったアメリカ医療薬品産業が、商売敵である大麻の排除を狙った。
 https://www.youtube.com/watch?v=HpE3ouEdeJQ

 https://www.youtube.com/watch?v=ftK8cJ_O8YM

 日本政府は、主体性を失い徹底的にアメリカに隷属している事情から、大麻問題も深く考えることなく、アメリカ=モルモン教徒・ユダヤ教徒に盲従したといってもよい。

 本来、大麻の薬害というなら、タバコや酒よりも、はるかに低いものであって、取締の対象にするならば、先にタバコも酒も排除されなければならないのである。
 https://togetter.com/li/51054

 大麻は、数千年の大昔から神道など日本文化と切り離せない本質的な要素を築いてきた。
 https://matome.naver.jp/odai/2151632859100820201

 衣類だけでなく、あらゆる繊維や、民間薬としても利用されてきた長く深い歴史があった。
 ところが、戦後、自民党のアメリカ盲従勢力が、アメリカ官僚の嫌悪感をそのまま日本に持ち込んで禁止してしまったのである。
 そこには、科学的・合理的な意味はほとんどなく、モルモン教倫理観への盲従だけがある。この価値観は、日本の伝統的文化を破壊するものであり、アメリカに盲従すべき必然性など、まったく存在しないのである。

 薬物依存性問題の解決は、まずは眠れない職種について対策を考えることと、有効な睡眠阻止薬を開発することなどが先だろうと私は思う。
 薬物に耽溺しなくとも、人生を楽しめる趣味を若者に拡大することも大切だ。
 私の若い頃は、年間50回以上の登山で、薬物どころではなかったのだから。
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-755.html
http://www.asyura2.com/0310/dispute13/msg/131.html#c40

[近代史3] 女性受刑者の40%は「覚醒剤」で刑務所に。女たちは知らずして堕とされる 中川隆
16. 中川隆[-10124] koaQ7Jey 2019年5月26日 20:25:13 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2225]

 再び大麻問題 2019年05月26日
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-755.html


 KAT-TUNの元メンバー・田口淳之介容疑者と女優の小嶺麗奈容疑者は22日、東京・世田谷区の自宅マンションで乾燥大麻数グラムを所持していたとして、厚生労働省の麻薬取締部に現行犯逮捕された。

 https://www.huffingtonpost.jp/entry/taguchi-taima-drug_jp_5ce798dee4b0a2f9f28cab00

 このニュースに対して、大麻使用で執行猶予中である高樹沙耶は、以下のように書いている。
 https://hochi.news/articles/20190524-OHT1T50076.html

 また、国家権力に迎合する右翼思想の持ち主として知られる松本人志は、「大麻合法化論を言う人は自分で大麻をやっている人だけだ」と語っている。 https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2019/05/26/kiji/20190526s00041000101000c.html

 私も大麻合法化論者だが、残念ながら、私は1970年頃、ベトナム戦争の最中に立川基地の米兵から、大麻をもらって吸った経験が一度あるだけで、あとは合法麻薬も含めて、一切経験がなく、松本人志の勝手な思い込みはウソである。
 しかし、合法化されたなら、一度は経験してみたいと願っている。

 すでに私は、大麻使用取締問題について、社会的にみて、タバコや酒と比較して毒性や依存性が低く、無意味なものであることを何度も書いている。
 羽鳥モーニングショーの玉川徹も、田口逮捕に関係して、タバコと比べて耽溺性・依存性・有害性が低い大麻だけを悪者にするメディアはおかしいと批判している。
 
 元KAT-TUN田口淳之介・小嶺麗奈の大麻逮捕報道で玉川徹も疑問! 酒やタバコも依存性あるのに“大麻だけ悪”はフェアじゃない
 https://www.excite.co.jp/news/article/Litera_kat-tun/

 私も、すでに玉川と同じ視点で、何回も大麻問題を書いている。

 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-391.html

 これを書いてから、見知らぬ人物が、私の土地の周囲をうろうろするのを見たので、おそらく私が大麻を栽培吸引していると思い込んだ警察か麻取関係者だろう。

 大麻取締に賛成する人たちの主張は、「大麻に手を出せば、次々に毒性の強い麻薬使用がエスカレートしてゆき、最終的に人格破壊を引き起こす」というものだが、実際には、それは権力側の主張を調べずに鵜呑みにしてオウム返ししているにすぎず、事実認識を完全に見誤っている。

 厚労省による「大麻が身を滅ぼす」というような告白・宣伝も、官僚の頭のなかで描かれた妄想作文にすぎない。
 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000180755.html

 むしろ、こんなウソを書いているから、自分でやりたくなるのだ。
 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45230130U9A520C1CC1000/

 私の経験からいうと、薬物濫用は社会の常識である。
 大手タクシー会社の周囲にある喫茶店に行くと、昼間から勤務時間中に運転手がたむろしていることがあるが、これはシャブの取引であることが多い。タクシー運転手のような深夜業務は、眠気覚ましに覚醒剤に手を出す者が多い。
 客にも暴力団関係者がいて、走行中に隠語で販売を示唆されることもある。

 これは1970年代の経験だが、この頃、私は大型免許を取得し長距離トラックを運行したことがある。眠くなって浜名湖や足柄のような大型パーキングに入ると、決まって誰かが忍び寄ってきて「眠気覚ましがあるよ」とか持ちかけてくる。
 もちろんシャブ売りだが、本当のターゲットは、むしろ観光バスの運転手であった。

 トラックは適当にパーキングに入って眠れるが、観光バスは、客がいるため、それが許されない。ところが、眠気覚ましの本当に効く妙薬がないのだ。
 あられを食べたり、ガムを噛んだり、コーヒーを飲んだりで醒ませる眠気は一時的なもので、最悪、運転しながら眠っている自分に、ハッと気づくことさえある。
 そこで、違法行為だと知りつつ、事故を起こして身を破滅させるより、確実に眠気を覚ませるシャブに手を出すのである。どちらが罪が重いかといえば、事故を起こした方だからだ。
 
 「眠気覚ましの妙薬がない」このことは「絶対に寝てはならない」いくつかの職種にとって、非合法と知りつつもシャブに手を出さざるをえない喫緊の理由になっている。
 航空機パイロット、列車運転手、バス運転手、タクシー運転手などである。
 実は、シャブ=ヒロポンというのは、日本軍の研究機関によって、零戦などのパイロットが眠気を催さない薬として開発したものだった。
 https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/17/040500003/041100003/

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E4%BA%95%E9%95%B7%E7%BE%A9

 私などは、長距離運行中に、どうしても眠気を覚ませないとき、最後の手段として、タバコの火を腕に押しつけて火傷させるという方法を用いた。これはめちゃくちゃに効いた。一発で、眠気が完全に覚めたが、精神的な後遺症が残る。
 トラック運転手のなかには、手の甲が火傷だらけという人も珍しくないが、それは、こうした事情なのだ。
 これに比べればシャブ=ヒロポンの方がはるかにマシだが、これも寝たいときに眠れないという後遺症が残る。

 そこで、シャブのお得意様であるパイロットたちは、次のフライトに備えて無理矢理眠るため大量の酒を飲むのが普通で、この1・2年、パイロットがアルコール検出で罪に問われることがある本当の事情は、実はパイロットが日常的にシャブを常用しているため、睡眠コントロールがきかなくなっているのである。

 これも公然たる秘密だが、実は、自衛隊も米軍も、世界の多くの空軍が、パイロットに覚醒剤を供与しているのである。あるいは航空会社もそうかもしれない。
 これも観光バスと同じで、事故を起こすより薬物の方がマシという切羽詰まった事情からなのだが、世間に知られると困るので、もちろん秘密裏に配布しているのである。 「パイロットはシャブ中患者、睡眠のためにアルコール依存症になる」と考えておいた方がよいいかもしれない。

 http://untiwar.jugem.cc/?eid=243
 
 以上のような事情で、日本における薬物濫用の真の姿は、メディアの報道とはかけ離れたものである。
 観光バスなど運転手・パイロットからシャブを取り上げたら、もの凄い数の深刻な事故が起きるだろう。バスや旅客機は禁煙なので、手を火傷させることができないからだ。
 その意味では、運転手やパイロットの薬物は、耽溺目的では決してなく、乗客を守ろうとする意思でもあることを知っておいた方がよい。
 シャブを禁止させる前に、「間違いなく効く眠気覚まし」を開発してから文句を言えということだ。

 つまり、薬物濫用は、決して、人間の堕落的意思、耽溺性要求ばかりでなく、実用上の要求があるわけだ。
 また大麻については、現在カンナビノイドの重要な薬効が論議されていて、外国ではパーキンソン氏病などの治療に欠くべからざる地位があり、日本だけが、世界のカンナビ治療ブームから取り残されているのである。

 https://www.youtube.com/watch?v=PwBnogYTdZw

  マリファナの合法化進む、薬効研究が盛んに
 https://style.nikkei.com/article/DGXMZO87342950X20C15A5000000/

 大麻の薬効と規制・・・騙され続けてきた70年間
 http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=317076

 なぜ、これほど優れた医薬品が「人を破滅させる麻薬」として認定され、不可解な取締の対象になってきたか?
 私のブログでも何度も説明した。
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-391.html

 それは、1920年にアメリカで成立した禁酒法時代に、大麻がアルコール耽溺の代替品として用いられたことに対し、当時のアメリカ政府高官の大半が、ユダヤ人・モルモン教徒など禁欲主義者で占められていたため、大麻に対する憎悪が感情的に累積し、何が何でもアルコールや大麻のような快楽薬物を社会から排除するという強い意志を抱いたことである。

 また、大麻は、あらゆる病気に対し強い薬効を示したため、当時勃興中だったアメリカ医療薬品産業が、商売敵である大麻の排除を狙った。
 https://www.youtube.com/watch?v=HpE3ouEdeJQ

 https://www.youtube.com/watch?v=ftK8cJ_O8YM

 日本政府は、主体性を失い徹底的にアメリカに隷属している事情から、大麻問題も深く考えることなく、アメリカ=モルモン教徒・ユダヤ教徒に盲従したといってもよい。

 本来、大麻の薬害というなら、タバコや酒よりも、はるかに低いものであって、取締の対象にするならば、先にタバコも酒も排除されなければならないのである。
 https://togetter.com/li/51054

 大麻は、数千年の大昔から神道など日本文化と切り離せない本質的な要素を築いてきた。
 https://matome.naver.jp/odai/2151632859100820201

 衣類だけでなく、あらゆる繊維や、民間薬としても利用されてきた長く深い歴史があった。
 ところが、戦後、自民党のアメリカ盲従勢力が、アメリカ官僚の嫌悪感をそのまま日本に持ち込んで禁止してしまったのである。
 そこには、科学的・合理的な意味はほとんどなく、モルモン教倫理観への盲従だけがある。この価値観は、日本の伝統的文化を破壊するものであり、アメリカに盲従すべき必然性など、まったく存在しないのである。

 薬物依存性問題の解決は、まずは眠れない職種について対策を考えることと、有効な睡眠阻止薬を開発することなどが先だろうと私は思う。

 薬物に耽溺しなくとも、人生を楽しめる趣味を若者に拡大することも大切だ。
 私の若い頃は、年間50回以上の登山で、薬物どころではなかったのだから。
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-755.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/307.html#c16

[昼休み52] 何も知らない普通の人をドラッグの世界に引きずり込む手口 中川隆
80. 中川隆[-10123] koaQ7Jey 2019年5月26日 20:26:04 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2226]

 再び大麻問題 2019年05月26日
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-755.html


 KAT-TUNの元メンバー・田口淳之介容疑者と女優の小嶺麗奈容疑者は22日、東京・世田谷区の自宅マンションで乾燥大麻数グラムを所持していたとして、厚生労働省の麻薬取締部に現行犯逮捕された。

 https://www.huffingtonpost.jp/entry/taguchi-taima-drug_jp_5ce798dee4b0a2f9f28cab00

 このニュースに対して、大麻使用で執行猶予中である高樹沙耶は、以下のように書いている。
 https://hochi.news/articles/20190524-OHT1T50076.html

 また、国家権力に迎合する右翼思想の持ち主として知られる松本人志は、「大麻合法化論を言う人は自分で大麻をやっている人だけだ」と語っている。 https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2019/05/26/kiji/20190526s00041000101000c.html

 私も大麻合法化論者だが、残念ながら、私は1970年頃、ベトナム戦争の最中に立川基地の米兵から、大麻をもらって吸った経験が一度あるだけで、あとは合法麻薬も含めて、一切経験がなく、松本人志の勝手な思い込みはウソである。
 しかし、合法化されたなら、一度は経験してみたいと願っている。

 すでに私は、大麻使用取締問題について、社会的にみて、タバコや酒と比較して毒性や依存性が低く、無意味なものであることを何度も書いている。
 羽鳥モーニングショーの玉川徹も、田口逮捕に関係して、タバコと比べて耽溺性・依存性・有害性が低い大麻だけを悪者にするメディアはおかしいと批判している。
 
 元KAT-TUN田口淳之介・小嶺麗奈の大麻逮捕報道で玉川徹も疑問! 酒やタバコも依存性あるのに“大麻だけ悪”はフェアじゃない
 https://www.excite.co.jp/news/article/Litera_kat-tun/

 私も、すでに玉川と同じ視点で、何回も大麻問題を書いている。

 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-391.html

 これを書いてから、見知らぬ人物が、私の土地の周囲をうろうろするのを見たので、おそらく私が大麻を栽培吸引していると思い込んだ警察か麻取関係者だろう。

 大麻取締に賛成する人たちの主張は、「大麻に手を出せば、次々に毒性の強い麻薬使用がエスカレートしてゆき、最終的に人格破壊を引き起こす」というものだが、実際には、それは権力側の主張を調べずに鵜呑みにしてオウム返ししているにすぎず、事実認識を完全に見誤っている。

 厚労省による「大麻が身を滅ぼす」というような告白・宣伝も、官僚の頭のなかで描かれた妄想作文にすぎない。
 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000180755.html

 むしろ、こんなウソを書いているから、自分でやりたくなるのだ。
 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45230130U9A520C1CC1000/

 私の経験からいうと、薬物濫用は社会の常識である。
 大手タクシー会社の周囲にある喫茶店に行くと、昼間から勤務時間中に運転手がたむろしていることがあるが、これはシャブの取引であることが多い。タクシー運転手のような深夜業務は、眠気覚ましに覚醒剤に手を出す者が多い。
 客にも暴力団関係者がいて、走行中に隠語で販売を示唆されることもある。

 これは1970年代の経験だが、この頃、私は大型免許を取得し長距離トラックを運行したことがある。眠くなって浜名湖や足柄のような大型パーキングに入ると、決まって誰かが忍び寄ってきて「眠気覚ましがあるよ」とか持ちかけてくる。
 もちろんシャブ売りだが、本当のターゲットは、むしろ観光バスの運転手であった。

 トラックは適当にパーキングに入って眠れるが、観光バスは、客がいるため、それが許されない。ところが、眠気覚ましの本当に効く妙薬がないのだ。
 あられを食べたり、ガムを噛んだり、コーヒーを飲んだりで醒ませる眠気は一時的なもので、最悪、運転しながら眠っている自分に、ハッと気づくことさえある。
 そこで、違法行為だと知りつつ、事故を起こして身を破滅させるより、確実に眠気を覚ませるシャブに手を出すのである。どちらが罪が重いかといえば、事故を起こした方だからだ。
 
 「眠気覚ましの妙薬がない」このことは「絶対に寝てはならない」いくつかの職種にとって、非合法と知りつつもシャブに手を出さざるをえない喫緊の理由になっている。
 航空機パイロット、列車運転手、バス運転手、タクシー運転手などである。
 実は、シャブ=ヒロポンというのは、日本軍の研究機関によって、零戦などのパイロットが眠気を催さない薬として開発したものだった。
 https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/17/040500003/041100003/

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E4%BA%95%E9%95%B7%E7%BE%A9

 私などは、長距離運行中に、どうしても眠気を覚ませないとき、最後の手段として、タバコの火を腕に押しつけて火傷させるという方法を用いた。これはめちゃくちゃに効いた。一発で、眠気が完全に覚めたが、精神的な後遺症が残る。
 トラック運転手のなかには、手の甲が火傷だらけという人も珍しくないが、それは、こうした事情なのだ。
 これに比べればシャブ=ヒロポンの方がはるかにマシだが、これも寝たいときに眠れないという後遺症が残る。

 そこで、シャブのお得意様であるパイロットたちは、次のフライトに備えて無理矢理眠るため大量の酒を飲むのが普通で、この1・2年、パイロットがアルコール検出で罪に問われることがある本当の事情は、実はパイロットが日常的にシャブを常用しているため、睡眠コントロールがきかなくなっているのである。

 これも公然たる秘密だが、実は、自衛隊も米軍も、世界の多くの空軍が、パイロットに覚醒剤を供与しているのである。あるいは航空会社もそうかもしれない。
 これも観光バスと同じで、事故を起こすより薬物の方がマシという切羽詰まった事情からなのだが、世間に知られると困るので、もちろん秘密裏に配布しているのである。 「パイロットはシャブ中患者、睡眠のためにアルコール依存症になる」と考えておいた方がよいいかもしれない。

 http://untiwar.jugem.cc/?eid=243
 
 以上のような事情で、日本における薬物濫用の真の姿は、メディアの報道とはかけ離れたものである。
 観光バスなど運転手・パイロットからシャブを取り上げたら、もの凄い数の深刻な事故が起きるだろう。バスや旅客機は禁煙なので、手を火傷させることができないからだ。
 その意味では、運転手やパイロットの薬物は、耽溺目的では決してなく、乗客を守ろうとする意思でもあることを知っておいた方がよい。
 シャブを禁止させる前に、「間違いなく効く眠気覚まし」を開発してから文句を言えということだ。

 つまり、薬物濫用は、決して、人間の堕落的意思、耽溺性要求ばかりでなく、実用上の要求があるわけだ。
 また大麻については、現在カンナビノイドの重要な薬効が論議されていて、外国ではパーキンソン氏病などの治療に欠くべからざる地位があり、日本だけが、世界のカンナビ治療ブームから取り残されているのである。

 https://www.youtube.com/watch?v=PwBnogYTdZw

  マリファナの合法化進む、薬効研究が盛んに
 https://style.nikkei.com/article/DGXMZO87342950X20C15A5000000/

 大麻の薬効と規制・・・騙され続けてきた70年間
 http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=317076

 なぜ、これほど優れた医薬品が「人を破滅させる麻薬」として認定され、不可解な取締の対象になってきたか?
 私のブログでも何度も説明した。
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-391.html

 それは、1920年にアメリカで成立した禁酒法時代に、大麻がアルコール耽溺の代替品として用いられたことに対し、当時のアメリカ政府高官の大半が、ユダヤ人・モルモン教徒など禁欲主義者で占められていたため、大麻に対する憎悪が感情的に累積し、何が何でもアルコールや大麻のような快楽薬物を社会から排除するという強い意志を抱いたことである。

 また、大麻は、あらゆる病気に対し強い薬効を示したため、当時勃興中だったアメリカ医療薬品産業が、商売敵である大麻の排除を狙った。
 https://www.youtube.com/watch?v=HpE3ouEdeJQ

 https://www.youtube.com/watch?v=ftK8cJ_O8YM

 日本政府は、主体性を失い徹底的にアメリカに隷属している事情から、大麻問題も深く考えることなく、アメリカ=モルモン教徒・ユダヤ教徒に盲従したといってもよい。

 本来、大麻の薬害というなら、タバコや酒よりも、はるかに低いものであって、取締の対象にするならば、先にタバコも酒も排除されなければならないのである。
 https://togetter.com/li/51054

 大麻は、数千年の大昔から神道など日本文化と切り離せない本質的な要素を築いてきた。
 https://matome.naver.jp/odai/2151632859100820201

 衣類だけでなく、あらゆる繊維や、民間薬としても利用されてきた長く深い歴史があった。
 ところが、戦後、自民党のアメリカ盲従勢力が、アメリカ官僚の嫌悪感をそのまま日本に持ち込んで禁止してしまったのである。
 そこには、科学的・合理的な意味はほとんどなく、モルモン教倫理観への盲従だけがある。この価値観は、日本の伝統的文化を破壊するものであり、アメリカに盲従すべき必然性など、まったく存在しないのである。

 薬物依存性問題の解決は、まずは眠れない職種について対策を考えることと、有効な睡眠阻止薬を開発することなどが先だろうと私は思う。
 薬物に耽溺しなくとも、人生を楽しめる趣味を若者に拡大することも大切だ。
 私の若い頃は、年間50回以上の登山で、薬物どころではなかったのだから。
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-755.html
http://www.asyura2.com/12/lunchbreak52/msg/902.html#c80

[近代史02] 戦争に行ったら こんな事もしてみたい あんな事もやってみたい__わくわく どきどき 中川隆
53. 中川隆[-10122] koaQ7Jey 2019年5月26日 20:27:48 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2227]

 再び大麻問題 2019年05月26日
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-755.html


 KAT-TUNの元メンバー・田口淳之介容疑者と女優の小嶺麗奈容疑者は22日、東京・世田谷区の自宅マンションで乾燥大麻数グラムを所持していたとして、厚生労働省の麻薬取締部に現行犯逮捕された。

 https://www.huffingtonpost.jp/entry/taguchi-taima-drug_jp_5ce798dee4b0a2f9f28cab00

 このニュースに対して、大麻使用で執行猶予中である高樹沙耶は、以下のように書いている。
 https://hochi.news/articles/20190524-OHT1T50076.html

 また、国家権力に迎合する右翼思想の持ち主として知られる松本人志は、「大麻合法化論を言う人は自分で大麻をやっている人だけだ」と語っている。 https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2019/05/26/kiji/20190526s00041000101000c.html

 私も大麻合法化論者だが、残念ながら、私は1970年頃、ベトナム戦争の最中に立川基地の米兵から、大麻をもらって吸った経験が一度あるだけで、あとは合法麻薬も含めて、一切経験がなく、松本人志の勝手な思い込みはウソである。
 しかし、合法化されたなら、一度は経験してみたいと願っている。

 すでに私は、大麻使用取締問題について、社会的にみて、タバコや酒と比較して毒性や依存性が低く、無意味なものであることを何度も書いている。
 羽鳥モーニングショーの玉川徹も、田口逮捕に関係して、タバコと比べて耽溺性・依存性・有害性が低い大麻だけを悪者にするメディアはおかしいと批判している。
 
 元KAT-TUN田口淳之介・小嶺麗奈の大麻逮捕報道で玉川徹も疑問! 酒やタバコも依存性あるのに“大麻だけ悪”はフェアじゃない
 https://www.excite.co.jp/news/article/Litera_kat-tun/

 私も、すでに玉川と同じ視点で、何回も大麻問題を書いている。

 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-391.html

 これを書いてから、見知らぬ人物が、私の土地の周囲をうろうろするのを見たので、おそらく私が大麻を栽培吸引していると思い込んだ警察か麻取関係者だろう。

 大麻取締に賛成する人たちの主張は、「大麻に手を出せば、次々に毒性の強い麻薬使用がエスカレートしてゆき、最終的に人格破壊を引き起こす」というものだが、実際には、それは権力側の主張を調べずに鵜呑みにしてオウム返ししているにすぎず、事実認識を完全に見誤っている。

 厚労省による「大麻が身を滅ぼす」というような告白・宣伝も、官僚の頭のなかで描かれた妄想作文にすぎない。
 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000180755.html

 むしろ、こんなウソを書いているから、自分でやりたくなるのだ。
 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45230130U9A520C1CC1000/

 私の経験からいうと、薬物濫用は社会の常識である。
 大手タクシー会社の周囲にある喫茶店に行くと、昼間から勤務時間中に運転手がたむろしていることがあるが、これはシャブの取引であることが多い。タクシー運転手のような深夜業務は、眠気覚ましに覚醒剤に手を出す者が多い。
 客にも暴力団関係者がいて、走行中に隠語で販売を示唆されることもある。

 これは1970年代の経験だが、この頃、私は大型免許を取得し長距離トラックを運行したことがある。眠くなって浜名湖や足柄のような大型パーキングに入ると、決まって誰かが忍び寄ってきて「眠気覚ましがあるよ」とか持ちかけてくる。
 もちろんシャブ売りだが、本当のターゲットは、むしろ観光バスの運転手であった。

 トラックは適当にパーキングに入って眠れるが、観光バスは、客がいるため、それが許されない。ところが、眠気覚ましの本当に効く妙薬がないのだ。
 あられを食べたり、ガムを噛んだり、コーヒーを飲んだりで醒ませる眠気は一時的なもので、最悪、運転しながら眠っている自分に、ハッと気づくことさえある。
 そこで、違法行為だと知りつつ、事故を起こして身を破滅させるより、確実に眠気を覚ませるシャブに手を出すのである。どちらが罪が重いかといえば、事故を起こした方だからだ。
 
 「眠気覚ましの妙薬がない」このことは「絶対に寝てはならない」いくつかの職種にとって、非合法と知りつつもシャブに手を出さざるをえない喫緊の理由になっている。
 航空機パイロット、列車運転手、バス運転手、タクシー運転手などである。
 実は、シャブ=ヒロポンというのは、日本軍の研究機関によって、零戦などのパイロットが眠気を催さない薬として開発したものだった。
 https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/17/040500003/041100003/

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E4%BA%95%E9%95%B7%E7%BE%A9

 私などは、長距離運行中に、どうしても眠気を覚ませないとき、最後の手段として、タバコの火を腕に押しつけて火傷させるという方法を用いた。これはめちゃくちゃに効いた。一発で、眠気が完全に覚めたが、精神的な後遺症が残る。
 トラック運転手のなかには、手の甲が火傷だらけという人も珍しくないが、それは、こうした事情なのだ。
 これに比べればシャブ=ヒロポンの方がはるかにマシだが、これも寝たいときに眠れないという後遺症が残る。

 そこで、シャブのお得意様であるパイロットたちは、次のフライトに備えて無理矢理眠るため大量の酒を飲むのが普通で、この1・2年、パイロットがアルコール検出で罪に問われることがある本当の事情は、実はパイロットが日常的にシャブを常用しているため、睡眠コントロールがきかなくなっているのである。

 これも公然たる秘密だが、実は、自衛隊も米軍も、世界の多くの空軍が、パイロットに覚醒剤を供与しているのである。あるいは航空会社もそうかもしれない。
 これも観光バスと同じで、事故を起こすより薬物の方がマシという切羽詰まった事情からなのだが、世間に知られると困るので、もちろん秘密裏に配布しているのである。 「パイロットはシャブ中患者、睡眠のためにアルコール依存症になる」と考えておいた方がよいいかもしれない。

 http://untiwar.jugem.cc/?eid=243
 
 以上のような事情で、日本における薬物濫用の真の姿は、メディアの報道とはかけ離れたものである。
 観光バスなど運転手・パイロットからシャブを取り上げたら、もの凄い数の深刻な事故が起きるだろう。バスや旅客機は禁煙なので、手を火傷させることができないからだ。
 その意味では、運転手やパイロットの薬物は、耽溺目的では決してなく、乗客を守ろうとする意思でもあることを知っておいた方がよい。
 シャブを禁止させる前に、「間違いなく効く眠気覚まし」を開発してから文句を言えということだ。

 つまり、薬物濫用は、決して、人間の堕落的意思、耽溺性要求ばかりでなく、実用上の要求があるわけだ。
 また大麻については、現在カンナビノイドの重要な薬効が論議されていて、外国ではパーキンソン氏病などの治療に欠くべからざる地位があり、日本だけが、世界のカンナビ治療ブームから取り残されているのである。

 https://www.youtube.com/watch?v=PwBnogYTdZw

  マリファナの合法化進む、薬効研究が盛んに
 https://style.nikkei.com/article/DGXMZO87342950X20C15A5000000/

 大麻の薬効と規制・・・騙され続けてきた70年間
 http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=317076

 なぜ、これほど優れた医薬品が「人を破滅させる麻薬」として認定され、不可解な取締の対象になってきたか?
 私のブログでも何度も説明した。
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-391.html

 それは、1920年にアメリカで成立した禁酒法時代に、大麻がアルコール耽溺の代替品として用いられたことに対し、当時のアメリカ政府高官の大半が、ユダヤ人・モルモン教徒など禁欲主義者で占められていたため、大麻に対する憎悪が感情的に累積し、何が何でもアルコールや大麻のような快楽薬物を社会から排除するという強い意志を抱いたことである。

 また、大麻は、あらゆる病気に対し強い薬効を示したため、当時勃興中だったアメリカ医療薬品産業が、商売敵である大麻の排除を狙った。
 https://www.youtube.com/watch?v=HpE3ouEdeJQ

 https://www.youtube.com/watch?v=ftK8cJ_O8YM

 日本政府は、主体性を失い徹底的にアメリカに隷属している事情から、大麻問題も深く考えることなく、アメリカ=モルモン教徒・ユダヤ教徒に盲従したといってもよい。

 本来、大麻の薬害というなら、タバコや酒よりも、はるかに低いものであって、取締の対象にするならば、先にタバコも酒も排除されなければならないのである。
 https://togetter.com/li/51054

 大麻は、数千年の大昔から神道など日本文化と切り離せない本質的な要素を築いてきた。
 https://matome.naver.jp/odai/2151632859100820201

 衣類だけでなく、あらゆる繊維や、民間薬としても利用されてきた長く深い歴史があった。
 ところが、戦後、自民党のアメリカ盲従勢力が、アメリカ官僚の嫌悪感をそのまま日本に持ち込んで禁止してしまったのである。
 そこには、科学的・合理的な意味はほとんどなく、モルモン教倫理観への盲従だけがある。この価値観は、日本の伝統的文化を破壊するものであり、アメリカに盲従すべき必然性など、まったく存在しないのである。

 薬物依存性問題の解決は、まずは眠れない職種について対策を考えることと、有効な睡眠阻止薬を開発することなどが先だろうと私は思う。
 薬物に耽溺しなくとも、人生を楽しめる趣味を若者に拡大することも大切だ。
 私の若い頃は、年間50回以上の登山で、薬物どころではなかったのだから。
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-755.html
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/313.html#c53

[近代史3] 天才ヒトラーは薬物中毒で破滅した 中川隆
3. 中川隆[-10121] koaQ7Jey 2019年5月26日 20:28:38 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2228]

 再び大麻問題 2019年05月26日
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-755.html


 KAT-TUNの元メンバー・田口淳之介容疑者と女優の小嶺麗奈容疑者は22日、東京・世田谷区の自宅マンションで乾燥大麻数グラムを所持していたとして、厚生労働省の麻薬取締部に現行犯逮捕された。

 https://www.huffingtonpost.jp/entry/taguchi-taima-drug_jp_5ce798dee4b0a2f9f28cab00

 このニュースに対して、大麻使用で執行猶予中である高樹沙耶は、以下のように書いている。
 https://hochi.news/articles/20190524-OHT1T50076.html

 また、国家権力に迎合する右翼思想の持ち主として知られる松本人志は、「大麻合法化論を言う人は自分で大麻をやっている人だけだ」と語っている。 https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2019/05/26/kiji/20190526s00041000101000c.html

 私も大麻合法化論者だが、残念ながら、私は1970年頃、ベトナム戦争の最中に立川基地の米兵から、大麻をもらって吸った経験が一度あるだけで、あとは合法麻薬も含めて、一切経験がなく、松本人志の勝手な思い込みはウソである。
 しかし、合法化されたなら、一度は経験してみたいと願っている。

 すでに私は、大麻使用取締問題について、社会的にみて、タバコや酒と比較して毒性や依存性が低く、無意味なものであることを何度も書いている。
 羽鳥モーニングショーの玉川徹も、田口逮捕に関係して、タバコと比べて耽溺性・依存性・有害性が低い大麻だけを悪者にするメディアはおかしいと批判している。
 
 元KAT-TUN田口淳之介・小嶺麗奈の大麻逮捕報道で玉川徹も疑問! 酒やタバコも依存性あるのに“大麻だけ悪”はフェアじゃない
 https://www.excite.co.jp/news/article/Litera_kat-tun/

 私も、すでに玉川と同じ視点で、何回も大麻問題を書いている。

 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-391.html

 これを書いてから、見知らぬ人物が、私の土地の周囲をうろうろするのを見たので、おそらく私が大麻を栽培吸引していると思い込んだ警察か麻取関係者だろう。

 大麻取締に賛成する人たちの主張は、「大麻に手を出せば、次々に毒性の強い麻薬使用がエスカレートしてゆき、最終的に人格破壊を引き起こす」というものだが、実際には、それは権力側の主張を調べずに鵜呑みにしてオウム返ししているにすぎず、事実認識を完全に見誤っている。

 厚労省による「大麻が身を滅ぼす」というような告白・宣伝も、官僚の頭のなかで描かれた妄想作文にすぎない。
 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000180755.html

 むしろ、こんなウソを書いているから、自分でやりたくなるのだ。
 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45230130U9A520C1CC1000/

 私の経験からいうと、薬物濫用は社会の常識である。
 大手タクシー会社の周囲にある喫茶店に行くと、昼間から勤務時間中に運転手がたむろしていることがあるが、これはシャブの取引であることが多い。タクシー運転手のような深夜業務は、眠気覚ましに覚醒剤に手を出す者が多い。
 客にも暴力団関係者がいて、走行中に隠語で販売を示唆されることもある。

 これは1970年代の経験だが、この頃、私は大型免許を取得し長距離トラックを運行したことがある。眠くなって浜名湖や足柄のような大型パーキングに入ると、決まって誰かが忍び寄ってきて「眠気覚ましがあるよ」とか持ちかけてくる。
 もちろんシャブ売りだが、本当のターゲットは、むしろ観光バスの運転手であった。

 トラックは適当にパーキングに入って眠れるが、観光バスは、客がいるため、それが許されない。ところが、眠気覚ましの本当に効く妙薬がないのだ。
 あられを食べたり、ガムを噛んだり、コーヒーを飲んだりで醒ませる眠気は一時的なもので、最悪、運転しながら眠っている自分に、ハッと気づくことさえある。
 そこで、違法行為だと知りつつ、事故を起こして身を破滅させるより、確実に眠気を覚ませるシャブに手を出すのである。どちらが罪が重いかといえば、事故を起こした方だからだ。
 
 「眠気覚ましの妙薬がない」このことは「絶対に寝てはならない」いくつかの職種にとって、非合法と知りつつもシャブに手を出さざるをえない喫緊の理由になっている。
 航空機パイロット、列車運転手、バス運転手、タクシー運転手などである。
 実は、シャブ=ヒロポンというのは、日本軍の研究機関によって、零戦などのパイロットが眠気を催さない薬として開発したものだった。
 https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/17/040500003/041100003/

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E4%BA%95%E9%95%B7%E7%BE%A9

 私などは、長距離運行中に、どうしても眠気を覚ませないとき、最後の手段として、タバコの火を腕に押しつけて火傷させるという方法を用いた。これはめちゃくちゃに効いた。一発で、眠気が完全に覚めたが、精神的な後遺症が残る。
 トラック運転手のなかには、手の甲が火傷だらけという人も珍しくないが、それは、こうした事情なのだ。
 これに比べればシャブ=ヒロポンの方がはるかにマシだが、これも寝たいときに眠れないという後遺症が残る。

 そこで、シャブのお得意様であるパイロットたちは、次のフライトに備えて無理矢理眠るため大量の酒を飲むのが普通で、この1・2年、パイロットがアルコール検出で罪に問われることがある本当の事情は、実はパイロットが日常的にシャブを常用しているため、睡眠コントロールがきかなくなっているのである。

 これも公然たる秘密だが、実は、自衛隊も米軍も、世界の多くの空軍が、パイロットに覚醒剤を供与しているのである。あるいは航空会社もそうかもしれない。
 これも観光バスと同じで、事故を起こすより薬物の方がマシという切羽詰まった事情からなのだが、世間に知られると困るので、もちろん秘密裏に配布しているのである。 「パイロットはシャブ中患者、睡眠のためにアルコール依存症になる」と考えておいた方がよいいかもしれない。

 http://untiwar.jugem.cc/?eid=243
 
 以上のような事情で、日本における薬物濫用の真の姿は、メディアの報道とはかけ離れたものである。
 観光バスなど運転手・パイロットからシャブを取り上げたら、もの凄い数の深刻な事故が起きるだろう。バスや旅客機は禁煙なので、手を火傷させることができないからだ。
 その意味では、運転手やパイロットの薬物は、耽溺目的では決してなく、乗客を守ろうとする意思でもあることを知っておいた方がよい。
 シャブを禁止させる前に、「間違いなく効く眠気覚まし」を開発してから文句を言えということだ。

 つまり、薬物濫用は、決して、人間の堕落的意思、耽溺性要求ばかりでなく、実用上の要求があるわけだ。
 また大麻については、現在カンナビノイドの重要な薬効が論議されていて、外国ではパーキンソン氏病などの治療に欠くべからざる地位があり、日本だけが、世界のカンナビ治療ブームから取り残されているのである。

 https://www.youtube.com/watch?v=PwBnogYTdZw

  マリファナの合法化進む、薬効研究が盛んに
 https://style.nikkei.com/article/DGXMZO87342950X20C15A5000000/

 大麻の薬効と規制・・・騙され続けてきた70年間
 http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=317076

 なぜ、これほど優れた医薬品が「人を破滅させる麻薬」として認定され、不可解な取締の対象になってきたか?
 私のブログでも何度も説明した。
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-391.html

 それは、1920年にアメリカで成立した禁酒法時代に、大麻がアルコール耽溺の代替品として用いられたことに対し、当時のアメリカ政府高官の大半が、ユダヤ人・モルモン教徒など禁欲主義者で占められていたため、大麻に対する憎悪が感情的に累積し、何が何でもアルコールや大麻のような快楽薬物を社会から排除するという強い意志を抱いたことである。

 また、大麻は、あらゆる病気に対し強い薬効を示したため、当時勃興中だったアメリカ医療薬品産業が、商売敵である大麻の排除を狙った。
 https://www.youtube.com/watch?v=HpE3ouEdeJQ

 https://www.youtube.com/watch?v=ftK8cJ_O8YM

 日本政府は、主体性を失い徹底的にアメリカに隷属している事情から、大麻問題も深く考えることなく、アメリカ=モルモン教徒・ユダヤ教徒に盲従したといってもよい。

 本来、大麻の薬害というなら、タバコや酒よりも、はるかに低いものであって、取締の対象にするならば、先にタバコも酒も排除されなければならないのである。
 https://togetter.com/li/51054

 大麻は、数千年の大昔から神道など日本文化と切り離せない本質的な要素を築いてきた。
 https://matome.naver.jp/odai/2151632859100820201

 衣類だけでなく、あらゆる繊維や、民間薬としても利用されてきた長く深い歴史があった。
 ところが、戦後、自民党のアメリカ盲従勢力が、アメリカ官僚の嫌悪感をそのまま日本に持ち込んで禁止してしまったのである。
 そこには、科学的・合理的な意味はほとんどなく、モルモン教倫理観への盲従だけがある。この価値観は、日本の伝統的文化を破壊するものであり、アメリカに盲従すべき必然性など、まったく存在しないのである。

 薬物依存性問題の解決は、まずは眠れない職種について対策を考えることと、有効な睡眠阻止薬を開発することなどが先だろうと私は思う。
 薬物に耽溺しなくとも、人生を楽しめる趣味を若者に拡大することも大切だ。
 私の若い頃は、年間50回以上の登山で、薬物どころではなかったのだから。
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-755.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/361.html#c3

[リバイバル3] アメリカ人には食べ物の味がわからない 中川隆
32. 中川隆[-10123] koaQ7Jey 2019年5月26日 20:33:42 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2226]

2019年5月24日
「食」から見たアメリカ社会、分断を克服できるか
『食の実験場アメリカ』鈴木透教授インタビュー
本多カツヒロ (ライター)  
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/16217


「アメリカの食=ファーストフード」というイメージがある一方、さまざまな国からの移民の流入により、新しい独自の食文化が生まれている。食を切り口として見ると、アメリカとは一体どんな社会なのか。

『食の実験場アメリカ ファーストフード帝国のゆくえ』(中公新書)
https://www.amazon.co.jp/%E9%A3%9F%E3%81%AE%E5%AE%9F%E9%A8%93%E5%A0%B4%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB-%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%89%E5%B8%9D%E5%9B%BD%E3%81%AE%E3%82%86%E3%81%8F%E3%81%88-%E9%88%B4%E6%9C%A8-%E9%80%8F/dp/4121025407


を上梓した慶應義塾大学法学部、鈴木透教授に、現在のアメリカでの食の潮流やその背景、食から見たアメリカ社会などについて話を聞いた。


(bhofack2 / iStock / Getty Images Plus)

――アメリカの全州で食事をしたことがあるとのことですが、最近のアメリカで流行っている食とは何でしょうか?

鈴木:近年アメリカではラーメンが流行しています。日本的なラーメンだけでなく、麺にほうれん草などの野菜を練り込み、野菜をふんだんにトッピングした、ビーガンのラーメンも登場しているほどです。日本では、ラーメンにヘルシーなイメージはあまりないかもしれませんが、アメリカではおしゃれでヘルシーな食といった認識です。かれらにとってラーメンはヌードルスープという感覚なのです。

 こうした傾向から読み取れるのは、国境の外のエスニック料理がアメリカでさらに別の形に進化しつつある姿です。エスニックとヘルシーのクロスオーバーはその一例です。ビーガンの人たちの間では、ブッダボウルというものも登場してきました。ボウルは日本語で言えば丼を意味し、玄米などの全粒粉穀物をベースに、豆類などの植物性蛋白質、野菜や果物を加えたものがブッダボウル。玄米、豆腐、アボカドといった組み合わせの奇想天外な丼も登場しているのです。

 エスニックからヘルシーへという展開と並んで注目されるのは、いくつかのエスニック料理の要素を国境横断的に融合したフュージョン料理の登場です。フュージョン系レストランは決して安くありませんが、庶民向けにフードトラックなどで提供されるラップは比較的安価です。ラップは、メキシコ料理のトルティーヤのなかに西洋料理やアジア系の食材などさまざまな具材を自由に組み合わせて包んだものです。

 所得階層を問わずアメリカの食全般に、国境の外の食文化への接近が見られ、従来の画一化されたファーストフードを超えた、新たな食の実験が始まっているのです。

――アメリカは各地にチャイナ・タウンがありますが、そこでの中華料理とは違う文脈でラーメンが流行っているのでしょうか?

鈴木:チャイナ・タウンで提供される中華料理は、基本的にアメリカへ渡ってきた中国系の人たちを主な顧客としてきました。もちろん、それ以外の人たちが来るようになって、アメリカ人向けにアレンジされてはきましたが、基本的に中国系の人たちのなかで消費されてきた。だから、中華料理が一般的なアメリカの家庭料理に入り込んだかと言えば、必ずしもそうではないのです。

 現在のアジア食やフュージョン系料理の流行の最も重要なヒントになっているのは、むしろ、スシをはじめとする日本食です。他にパクチーを使ったタイ料理など東南アジア料理の影響が見られますが、中華料理以外のアジア料理の存在感がアメリカでは増しています。

――エスニックフードや中南米の食文化の流行は、ヒスパニック系移民の増大など人口構成の変化と関係があるのでしょうか?


鈴木:中南米系の食文化の影響が強く表れているのは、ヒスパニック系移民の増大と関係があると考えられます。アジア系はヒスパニック系ほどの増加を見せていませんので、アジア系料理の流行に関しては、そうとは言い切れません。むしろ、ヘルシー志向が和食への関心の増大につながったことが大きいと思います。

 こうしたフュージョン料理の流行で大事なことは、アメリカの食文化が、国境の外の食文化に対してより寛容になっていることです。これは、トランプ政権のアメリカ第一主義や移民排斥とは正反対の流れで、食という文化の次元を見れば政治とは明らかに異なる現象が起きています。

――現在のアメリカで食に関する新しい試みはありますか?

鈴木:新たな試みとしては、CSAや屋上有機農園ですね。CSAは、地域支援型農業と言われ、地域住民がお金を出し合い、農民を雇い有機野菜を生産してもらうという取り組みです。まだまだ一部の人たちだけが参加している状況ですが、長期的に見ると未来を大きく可能性を秘めています。

 こうした試みに参加している人たちの根底には、ファーストフードによって農業の形が歪められてしまったという危機意識がある。巨大な食糧購入業者となったファーストフードが、低価格での大量生産を農家につきつけることで、アメリカの農業には、親工場と下請け工場の関係に似た、あたかも工業生産のような傾向が見られるようになった。小規模農家の経営が苦しくなり、効率的生産のために遺伝子組み換えの品種の単作がますます普及しています。生態系や環境が損なわれることへの懸念が、新たな農業の模索の背景にはあるのです。

 とりわけCSAは、安全な食糧の生産・流通・消費を競争的市場万能主義から守り、収益性よりも住民の暮らしと環境保全を重視した、効率から公益へという新たな社会的潮流を生み出しつつあります。しかし、有機農業はまだコストがかかるため、その恩恵は低所得層にまで届いているとは言えません。さまざまな所得層の人々を地域社会として束ねた形でCSAが発展できるかどうかに注目しています。

――有機農業でつくられた作物には、低所得層はまだアクセスできないと。低所得層の子どもには、ファーストフードなどの食事が多いために肥満などの問題が起きていると聞きます。所得により、食が分断されているのでしょうか?

鈴木:食の形態としては、所得に関係なくフュージョン的傾向が強まっているといえます。ただし、その食材に注目するとその傾向はあると思います。そもそも所得格差の原因は何かを考えると教育格差に突き当たります。貧しいマイノリティは、教育へのアクセスが十分ではなく、結果的に高収入をなかなか得られません。一方、富裕層は、高等教育を受ける機会に恵まれ、教育を受けたることで食や環境に対する問題意識も芽生え、購入できるだけの所得もある。

 貧しい人たちが、オーガニックな食材を買うことができなくても、学校教育での食育を行うことで、食への問題意識を持つことはできます。かれらの将来のためにも、食育は非常に重要です。

――公立学校では給食にファーストフードを食べる学校がありますね。

鈴木:レーガン政権以降、基本的にアメリカはさまざまな分野で予算が削減されています。教育分野も例外ではなく、公立学校の教師たちの給与も非常に低く、生活に困窮し、ストライキを起こす事態にまで発展しています。一方で、先進国のなかでは珍しく移民の流入で人口は減っていない。そうした状況で、学校も給食に割ける予算が非常に限られている。そうなると低コストなファーストフードになってしまうのです。

 また、一部の学校では朝食も提供しています。保護者が十分な養育ができない、朝早く出勤してしまう、貧しいために仕事を掛け持ちしている家庭の子どもたちは朝食を食べずに登校するケースも珍しくはありません。朝食と給食の2食を提供することになれば、ただでさえ予算がない学校ではファーストフードしか選択肢がありません。


――ステレオタイプなアメリカの食のイメージと言えば、少し古いかもしれませんが1950年代のようなコーラにハンバーガーという方もいるかもしれません。しかし、実際には、フュージョン系料理やエスニックフードが流行っていると。こうした脱ファーストフードの動きの背景には何があるのでしょうか?

鈴木:効率的ではあるが画一化されたライフスタイルは1950年代に本格的に誕生した。それに対し60年代にヒッピーたちのカウンターカルチャーが登場した。ヒッピーたちの反抗はさまざまな分野に及びましたが、カウンターカルチャーがもっとも発展できた領域の一つは、実は食だったのです。企業の営利第一主義が、環境や生命の安全を脅かしていると考えたヒッピーたちは、環境保護や消費者保護の思想を吸収しながら、まずは自分たちが口にする食べ物から健全なものにしようと有機農業や協同組合を立ち上げた。食に安全性と多様性を取り戻そうとしたヒッピーたちは、画一化されたファーストフードに代わる食生活のあり方を提示し、それは結果的にヘルシー志向とエスニック志向となってその後のアメリカに受け継がれたのです。

 現在のCSAや有機野菜に興味を持っている人たちの問題意識は根本的にはこうしたヒッピーたちと同じなのです。ヒッピーたちの有機農業は、農民でもビジネスマンでもなかったので失敗に終わりましたが、CSAの場合、プロの農民が生産するなどよりシステマティックになっています。

――カウンターカルチャーの影響は、いまだに食や環境問題に関して大きいんですね。

鈴木:ヒッピーたちのカウンターカルチャーのなかでロック音楽やファッションなどは消費されましたし、政治闘争でも勝利したとは言えません。しかし、食や環境への問題意識は、産業社会のあり方に疑問を持つ、より多くの人々を結集させる新たな受け皿となった。

 現在の効率優先の産業社会に対し、多かれ少なかれ違和感を持つ人は少なくないでしょう。そうした問題意識は、実はヒッピーたちのカウターカルチャーとつながっているのです。

――今回、食という切り口からアメリカ社会に迫ったわけですが、現在のアメリカ社会とはどんな社会であると考えていますか?

鈴木:食は、外国に興味を持つ時の重要なチャンネルの一つであるのに、本格的な外国研究としてはまだ十分掘り下げられていない。今回、食というテーマからアメリカ論を構築するにあたり、日常的すぎて普段はあまり深く考えることのない食べ物が、実はその集団の軌跡をタイムカプセルのように刻み込んだ記憶媒体というべき存在であるという観点を中心に据えました。食べ物が伝える忘れられた記憶を解読することによって、その社会の特徴、創造力、ポテンシャルがみえてくると同時に、歴史の中で現在がどのような位置にあるのか、そして、未来に向けてどのような変革がなされるべきかの糸口が見えてくると考えていました。

 アメリカでは差別がまかり通って来た歴史があり、人種隔離社会の傷跡は今でも消えていません。しかし、食に刻まれているのは、この国の食文化が、非西洋や多くの移民の知恵を組み込んで異種混交的に成り立っているということです。

 現在アメリカでは、ヒスパニック系人口の増加など人口構成の変化が急激に進んでいます。今世紀半ばには、WASPが過半数を割り、絶対多数だった民族集団が史上初めてアメリカから消えます。これは、典型的なアメリカ人なる概念を根底から揺さぶる可能性がある。特定の集団の地位を格上げすることなく、アメリカが自らのアイデンティティを再構築し、いかに社会の融和を図っていくかを考えるとき、食に刻まれた異種混交性は、自分たちの正体を考え直すヒントになるのではないか。食べ物が刻んできた記憶と向き合い、異種混交性こそ自分たちの財産と気が付くことができれば、現在でさえ分裂含みの深刻な格差社会の状況をアメリカが克服していく道筋が開ける可能性はあると思う。

――本書をどんな人に薦めたいでしょうか?

鈴木:アメリカ食文化史が本書の軸なのですが、フードビジネス、食育、農業や地域社会の再生などに関心のある人にも読んでほしいですね。

 食はあまりに日常的過ぎる題材かもしれませんが、アメリカという国の正体をより深く理解する手助けになると思います。しかも、アメリカ発のファーストフードは、日本も含めて世界を席巻しました。アメリカの食をめぐる動向を自分たちの食生活ともつながっている話として捉える当事者感覚を持ちながら読み進めてもらえると嬉しいですね。

 私たちは、何らかの形で食の生産・流通・消費に関わっている。だからこそ食は、世の中を変える糸口にもなる。一人ひとりが、食をめぐってできることはたくさんあるのだと思ってほしい。食べ物に刻まれた記憶ともっと真剣に向き合うことで未来は変えられるかもしれない、というメッセージをアメリカの事例から取り出そうとしているのが本書なのです。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/16217
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/765.html#c32

[リバイバル3] 音は凶器 中川隆
36. 中川隆[-10122] koaQ7Jey 2019年5月26日 20:59:41 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2227]

甦れ(4回)8X コンデンサースピーカー成功!発音ユニットの分解 [甦れSTAX ELS-8X コンデンサースピーカ]
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-11-20


今日の日記は、8Xの発音ユニットの構造を、文字通り「開」「示」します。

STAX ELS-8X 修復の基礎データーとなる核心部分です。

魚ではあるまいし、ですが、本当に「二枚おろし」に開いてしまいました。
発音ユニットの修復作業には、さらに「三枚おろし」にしなければなりません。
三枚の話は後日として、私、釣りはやらないし、魚、もちろんさばけないです・・。


すみません、またちょっと脇道・迷い道ですが、8Xに関連ありなので・・・

射程70m、8Xで那須与一が今に甦る
吉祥寺駅前の大道芸
10年ほど前の吉祥寺の駅前。

買い物をしての帰り道であった。
人だかりの輪の中から、ペンペン、ジャランジャランと三味線のような音が聞こえてきた。
けっこう激しく演っている。

輪の隙間から潜り込んで少し近づく。
芸人風の三味線弾きが、津軽三味線ぽい演奏を演っている。
ちょうど佳境に入ったのか、強烈な音と激しいリズムが盛り上がり、そして万華鏡のような音色の変化に続く。

足がすくんで動けない。
一挺の三味線の、大オーケストラを凌ぐダイナミズム。
まさに圧巻の「音」と「音楽」であった。

「道端の芸」でさえ、これほどまでに人を感動させる。


最初に「音」ありき。
まず「音」。

そしてその「音色」や「響き」があり、「拍子」、「旋律」、「和声」などは、そのあとの話。

昨今、音楽とは、どうやらそういうものではないかと思うようになった。

続く話は今日の日記の後半で・・。


左右裏アップ
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/E5B7A6E58FB3E8A38FE382A2E38383E38397EFBC88E7B8AEE5B08FE38388E6B888EFBC89.jpg


<写真1:向かって右側の本体から高域発音ユニットを取り外したところ>

**不完全ながら、鳴らしながら修復作業を行ったので、ダミーの板をはめてある。修復したユニットが、一つ、また一つと増えるごとに、加速度的に音がよくなっていった**

8Xの発音ユニットの取り外し

8Xの発音ユニットを本体から取り外そう。

それぞれの発音ユニットは、その両脇をアルミチャンネルの棒で押さえられている。

アルミチャンネルとは、断面が「コ」の字形のアルミの棒であり、8Xに使われているものは、「コ」の字の中にピッタリと木材の角棒が埋め込まれている。

発音ユニットを取り外すには、該当するアルミチャンネルを固定している木ネジを外すだけでよい。

STAXカタログ原理
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/STAXE382ABE382BFE383ADE382B0E58E9FE79086EFBC88E7B8AEE5B08FE38388E6B888EFBC89.jpg


<写真2:STAXのカタログに載っている発音ユニットの電極端子の状況>

**3つの小丸が端子。甦れ8X(2)で紹介したカタログの絵を拡大したもの。**

元ユニット電極部
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/E58583E383A6E3838BE38383E38388E99BBBE6A5B5E983A8EFBC88E7B8AEE5B08FE38388E6B888EFBC89DSC_6067.jpg


<写真3:高域発音ユニットの電極端子部分>

**中央上のポリカーボネイト製のビスで留めてある端子と、その真裏の同端子が固定極の端子。ユニット右端の上に突き出た端子が振動膜の端子**


発音ユニットの電極端子

再三お知らせしていますが、STAX ELS-8Xは、電源ケーブルを外しても、場合によっては数日間、高電圧がチャージされている場合があります。
4000V(4KV)近くの高い電圧ですので、感電した場合は人命にかかわります。
この方面の知識と経験がない方は、けっして裏ぶたを開けないよう、お願いいたします。

さて、アルミチャンネルを外したら、発音ユニットの電極端子にハンダ付けされている3本のリード線を取り外す(2本は、アルミチャンネルを外す前に取り外しておくほうがよい)。

各端子の状況は写真1、2、のとおり。

ハンダの融けた雫が、発音ユニットにかからないよう、細心の注意で作業する。

3つの端子のリード線を外せば、発音ユニットを本体外に取り出すことができる。
発音ユニットの側面全部(四面)は、軟らかな蝋でコーティングされているが、この蝋は後で取り除くことになる。

実はこの蝋、極めて重要な役目を果たしている。
その話は最重要事項の一つでもあり、後日の日記に改めて綴りたい。

発音ユニットの構造を推理する

STAX ELS-8Xは受注生産品であり、同じ形の各部品を、何千・何万個と作って組み立てたものではない。

なので、ロットにより時期により、構造や寸法が少々異なるかもしれない。
まずこのことが前提であることをご理解いただきたい。


STAXカタログのユニット内部構造
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/STAXE382ABE382BFE383ADE382B0E381AEE383A6E3838BE38383E38388E58685E983A8E6A78BE980A0EFBC88E38388E6B888EFBC89.jpg


<写真4:STAXのカタログに載っている発音ユニットの構造>

**甦れ8X(2)で紹介したカタログの絵を拡大したもの。**

カタログのこの絵、概略図としては分かりやすく描けている。
私もこの絵から、発音ユニットを分解するための重要なヒントを得た。

まずはこの絵をよーくご覧いただき、基本的な構造の成り立ちを頭に入れておく。
そして続く写真を詳細に観察すると、まあだいたい「こんなことだろう」というイメージが湧いてくると思う。


元ユニット端側面
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/E58583E383A6E3838BE38383E38388E7ABAFE581B4E99DA2EFBC88E7B8AEE5B08FE38388E6B888EFBC89DSC_6671W.jpg


<写真:5高域発音ユニットの上部の側面>


この側面をよく観察すると、全部で6層あるように見える。

茶色のベークライトが2層+白い塩ビ(実は透明)が2層+茶色のベークライトが2層である。

右手に見える、貼り付けてあるようなチップは、たぶん各層が剥がれないように補強するためのものか。

このチップは側面の数個所に接着されている。
側面の蝋のコーティングを除去すれば分かりやすくなるのだが、残念ながらその写真を撮ってない。


元ユニット角の2面
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/E58583E383A6E3838BE38383E38388E8A792E381AEEFBC92E99DA2EFBC88E7B8AEE5B08FE38388E6B888EFBC89DSC_6102T.jpg


<写真6:高域発音ユニットの下部の角付近>

**この写真は、各層が鮮明ではないが、全体の状況を観察していただきたい**


発音ユニットを魚のごとく「二枚おろし」にする

さて、発音ユニットの基本構造がおぼろげに見えてきたとしよう。
真ん中から2つに割っても大丈夫そうだ。

次の目標は、このユニットを「二枚おろし」のように、真半分に割りたい。
見た目では、各層がしっかり接着されていて、いずれの層も分割できそうにない。
いろいろと苦慮した。

真ん中の透明な層(白く見えるが)は、アクリルか何かだろう。
そこを「発泡スチロール・カッター」のような電熱線で、鋸を挽くように融かしていったらどうだろう。

ベークライトは熱に強いから、透明層だけ融けるはずだ。
最悪、電動工具で切断か。
などなど1・2日悩んだ。


元ユニット二枚おろし
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/E58583E383A6E3838BE38383E38388E4BA8CE69E9AE3818AE3828DE38197EFBC88E7B8AEE5B08FE38388E6B888EFBC89DSC_6533.jpg


<写真7:真半分に「二枚おろし」した発音ユニット>

**上側に元の振動膜が付いている**


あっけないほど簡単だった「二枚おろし」

「二枚おろし」は超簡単だった。
まず、「補強チップ」は削り取っておく。

透明の層は、ベークライトとの接着面も、透明同士の接着面も、カッターナイフの刃をうまく入れると、パリパリと接着面に沿ってきれいに剥がれた。
魚をおろすのにコツがいるのと同様、カッターナイフの刃をうまく入れるのもコツがいる。

また、刃を深く入れすぎると、パンチングメタルを傷つけるので注意が必要である。

この思ってもいなかった「幸運」は、たぶん、20数年経たことによる接着剤の劣化ではないかと思う。

接着剤は、見た目や、硬さの感じから推測すると、おそらくエポキシ系だろう。
そして透明の部分は、硬さからアクリルではなく塩ビ(塩化ビニール)だろう。
ベークライトと塩ビとの、接着剤の親和性があまりよくなかったのかもしれない。
その一方、ベークライトのベースと、同じベークライトのバーとは、完全に一体になったように強固に接着されており、カッターの刃など、まったく受け付けない。
たぶん同じ接着剤であるが、材質によって接着力に大きな違いがあるようだ。

いずれにしろ発音ユニットは、みごとに、本当にみごとに「二枚おろし」になった。

やった、ヤッター!。
この時点で、この先も「やれそうだ!」と明るい目標が定まった気がした。
人の人生に、そう多くはないであろう「大きな喜び」の一つに数えてもいいほどのうれしさであった(他愛もないものに・・であるが)。


元ユニット内面フィルム付
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/E58583E383A6E3838BE38383E38388E58685E99DA2E38395E382A3E383ABE383A0E4BB98EFBC88E7B8AEE5B08FEFBC89DSC_6546.jpg


<写真8:高域発音ユニットを「二枚におろした」片側の内面>


元の振動膜が残っている側。透明なのでよく判別できないが、ななめのに走る反射光でかろうじてフィルムの存在が分かる。

ベークライトの基盤(ベース)、ベークライトのバー、塩ビのバー、パンチングメタルなどの位置と相互の関係をよーく観察していただきたい。
外枠の上下の穴は、分解前にあけたもの。

この穴は再組み立て時に必要となるが、今回は触れない。


核心!発音ユニットの基本構造

写真3〜6をよく観察すれば、おおよその構造は推測できる。
実際の発音ユニットの基本構造と、各部の「アバウトな寸法」は、図1のようになっていた。

図のイメージは、全域および低域の発音ユニットのものであるが、高域ユニットも基本は同じである。

ただし高域ユニットのパンチングメタルは、両端の形が半円ではなく、角を丸めた「角」である(ベースの開口部は半円形)。

なお、パンチングメタルの厚さは、U字アームを持ったマイクロメーターのようなものを持っていないので測定できていない。
が、甦れ8Xの初回で指摘した、「ギャップが狭いという他のESLとの大きな違い」が、この図で分かると思う。


発音ユニット図面
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/E799BAE99FB3E383A6E3838BE38383E38388E59BB3E99DA2EFBC88B5jpegEFBC89.jpg


<図1:発音ユニットの基本構造図>

さてさて構造が判明したまでは、うますぎる展開でした。
あとは工夫次第、アイデア次第、やる気次第ですが、この後のアイデアを搾り出すには、かなりの体力を消耗することになりました。

本通りから、再び脇道に入りますが、お付き合い願えれば幸甚です。

那須与一CD

<写真9:CD「琵琶 中村鶴城 平家物語をうたふ」>
**私の愛聴盤50選(があるとすれば)のなかの一枚**


和楽器の再生も大得意の8X

8Xで聴く平家物語。

那須与一の緊迫のシーンが、目の前でリアルに展開される。
終わった後、しばらく動けない。
こんなもの、爺様しか聴かない、と思っていたが、とんでもなく現代的であった。
この演奏家の琵琶、超現代的だと思う。

CD、「琵琶 中村鶴城 平家物語をうたふ」。

地下鉄神谷町駅から虎ノ門へ向かって、大通りを少し行って右に折れたあたりに、琵琶の製作工房がある。

そう、和楽器の本物の琵琶、非常にめずらしいが都心にある。
以前、会社の別館が近くにあったので、ときどき覗いて見学した。

理由は聞かなかったが、その工房に中村鶴城のCDが何種類か置いてあった。
売り物だというので、数枚求めた。
10数年前のことである。

那須与一の扇までの射程距離70m
このCDの中の「那須与一」、だれもが知っている物語。

源平合戦のさなか、一艘の小船の上に、うら若き乙女が扇をかざした竿を持って立つ。

この扇、みごと射てみよ、という挑発というか、誘いである。

周りの者から射手に推薦された「下野国の住人、那須太郎資高が子にて、那須与一宗高」が、義経の命を受け、命を懸けて挑む感動の物語である。

馬上、距離を縮めるために海に入っても、扇までの距離が「7段」(約77m)あるように見えたという。

物語の脚色を勘案して50mとしても、揺れる船、自分は海中で足掻く駒の上、風もあったというから、どだい無茶な話である。

オリンピックのメダリスト、「中年の星」といわれた山本博選手の現代の弓矢でも、100に1つもダメなのでは、と思う。


琵琶の強音でスピーカーのボイスコイルが飛ぶ

この物語を、薩摩琵琶の名手、中村鶴城が演じている。
圧巻である。

それまでは平家物語の琵琶、総じて私には聴いていられなかった。
ひどくつまらない。

それを中村鶴城の演奏が、琵琶という楽器の印象を180度ひっくり返してしまった。
この楽器から出る音の、あらゆる可能性を「使い倒す」ような奏法である。
この楽器、凄まじくダイナミックな楽器である。

撥弦楽器でこれに匹敵するものはおそらくないだろう。

弦を撥(ばち)で強打するフルパワーの一撃は、スピーカーのボイスコイルが飛び(焼け切れること)、コンデンサースピーカーの振動膜が裂ける。

その恐怖が伴うほどの衝撃音が鼓膜を刺す。

この楽器、出せる音の幅(音程のことではない)がとても広く多彩である。
演奏法も「多芸」である。

こういったパルス的な大衝撃音も、8Xは易々と平気でこなす。

ついでにいえば、8Xによる篠笛もたまらなくいい。
篠笛の、歌口を切る空気流の雑音を伴った音色の魅力など、苦もなく再現する。
篠笛は日本独自の「庶民の笛」であり、何の付属物もない竹筒1本の簡素な横笛である。

そこに篠笛の、単純のようで深みのある音色の妙があるのだろう。

修復した8Xで繰り広げられる源平絵巻。

与一が、騒ぐ海が、足掻く駒が、折れんばかりに引き絞られた弓弦(ゆんづる)が<このシーン、琵琶の弦を撥で強くしごいてその効果音を出す>、唸りを曳いて扇に吸い込まれる鏑矢(かぶらや)が、超現実映像のように目の前に広がる。

8Xはそういう世界に連れて行ってくれる音のリプロデューサなのです。


(甦れ8X(第4話)成功!発音ユニット「二枚おろし」 おわり)が

コメント 5


升金 勲

貴ブログ拝見しました。8Xという私には初めての情報。分からないながら最後まで読みましたが、全然わからない。凄いことをやっているんですね。音が録音され、それがCDになり、再生プロセスを経て耳に入る。「生」の音が諸々のキカイを通してニンゲンの耳に入るのに、絶対に「生」は再現されないものだと、以前から信じていました。だから、よく言われる「CDを10枚買うなら1回でもライブに行きなさい」という言葉に同調していました。8Xというのは、それほどに再現性がいいんですね。

話は変わりますが、15,6年前、タイガーウッズが鹿児島に来て「カシオワールド」に出場した際、大枚1万円を払って見に行ったことがありました。彼のドライバーショットの「音」のすごさに強いインパクトを受けました。あの音はテレビ中継などでは絶対に再現できませんね。なんというか、空気を切り裂くような「ソニックフォーン」とでもいうのでしょうか。「ピシュッ」というか、とても文字では表現できません。勿論中継のマイクでは集音できないし、諸々のキカイを通り、電波に乗せて家庭まで届けることなど不可能です。それほど彼のドライバーの「初速」は桁外れだったのだと感じました。1万円で体験できたことはまさに僥倖でした。
貴兄の音に対する博学で解説して教えてください。
by 升金 勲 (2013-11-21 10:59)

AudioSpatial
升金さま。ご訪問ありがとうございます。
すみません。内容が今流にいう「コアなもの」なので(マニアックすぎるものなので)、申し訳ないです。

「8X」というのは、過去、スタックス工業株式会社(同名の株式会社は今はない)が製作販売したESL-8Xという「コンデンサー型」のスピーカーです。

今現在、オーディオ愛好家が使っているスピーカーの、音を発生させる原理の違いによる種類には、つぎのようなものがあります。

@ボイスコイルによるフレミング右手の法則型(一般的なSPがこれ。コーン型とホーン型がある)

Aリボンによるフレミング右手の法則型(RCAのマイク、美空ひばり伝説の「77DX」の逆の原理です)

Bマグネプレーナー型(フレミング右手の法則型ではあるが、振動板は平面フィルムです)


Cコンデンサー型(磁石の力を使わない。文具の下敷きなどをこすると、ちぎった紙片がくっつく、あの静電気の力の応用です)

Dイオン型(こんなのも実際にあります。空気をイオン化して、そのイオンをクーロン力で直接駆動します)

とまあ、代表的にはこんなところです。

8XはCに当たります。

CとDは、空気を動かす仕掛けの重さが飛びぬけて軽い、ところがミソです。

Dなどはその極端な例で、「動かす物」がなく、空気を直接動かします。

CDの力はクーロン力なので、@〜Bの磁石の力に比べて段違いに小さい、という問題があります。

8Xなどは、そこをいろいろ工夫して、「琵琶の強音」も再生できるようになっています。

Dは高音専用のツイターしか実用機はありません。

どの世界にも、目的のためには、いろんな仕掛けを考え出しますね。
ゴルフのクラブの作りなど、スピーカーの比ではないですよね。たぶん。
by AudioSpatial (2013-11-22 03:17)

AudioSpatial
升金さま。先ほどの私の返信、ちょっと訂正です。

総体的な意味で「フレミング右手の法則」と書きましたが、より正確には、「左手」の法則、の方が適切です。

「右手」:導体が動いて、電気が発生する。
「左手」:導体に電気が流れて、力が発生する。

といった違いです。
by AudioSpatial (2013-11-22 09:45)

人形町

張り替え成功だけではなく
できれば測定をしていただきたいです。
STAXが認めてくれる性能が確保されているか。
by 人形町 (2014-06-30 13:13)

AudioSpatial
人形町さん、ご訪問ありがとうございます。

申し訳ありませんが、おっしゃっておられる趣旨が、よく理解できません。この8Xを製造した「STAX工業株式会社」は、すでにこの世になく、残念ながら聴いてもらいたくても、その望みは叶いません。できることなら、ぜひとも当時お世話になったSTAXの方々に聴いていただきたいところです。

また、メーカーが認める/認めないは、私の道楽には何の関係もありません。蛇足ですが、8X完全オリジナルの完動品が、隣の部屋で鳴っております(ブログにその記事あり)。

さらに測定の件ですが、その必要性を私は感じておりません。訓練された耳は、測定器以上の性能を持っていると思っております。音響のハイエンド付近の領域に、一般的な測定器は役に立たないとも思っています。あくまで、ただのオーディオ道楽のことですから、そこのご理解を、よろしくお願いいたします。
by AudioSpatial (2014-06-30 14:40)

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-11-20
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/205.html#c36

[リバイバル3] 音は凶器 中川隆
37. 中川隆[-10121] koaQ7Jey 2019年5月26日 21:14:23 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2228]
甦れ(5回)8X コンデンサースピーカー構造の詳細と修復手順 [甦れSTAX ELS-8X コンデンサースピーカ]
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-12-11


比類ない再生音が2つ

STAX ELS-8Xの比類のない再生音。

その秘密は、世界に類のない精緻な作りの発音ユニットと、分厚い木材でがっしりと作られた、広い面積の平面バッフルとの組み合わせにあります。

当時の経営者の、コンデンサースピーカーに懸けた情熱を一身に受けて成長した、本当にすばらしい、まるで嘘のような「作品」です。

当時から8Xは、そのような稀有な存在であったのではないかと思います。


その8Xが2式。

このような事態になろうとは、昨年の今頃は夢にも思わなかったことでした。

製造から30年近く経た今も、まったく健全そのものの姿で朗々と鳴り響く1台と、ほとんどの発音ユニットがダメになり、当ブログに綴っている修復を受けて甦り、オリジナルを凌ぐほどの音を響かせるようになった1台。

それが我が家にあるなど、本当に何が起こったのか不思議な気持ちです。

家内の認可を受けた唯一の機器8X

今年も、はや師走。
昨年の今頃、「瀕死の8X」は狭い納戸に捨て置かれたまま、その存在すら忘れられていました。

家内と一緒に、池袋のサンシャイン60ビルの向かいのマンションの一室にあった、STAXのショールームに出向き、8Xその他を試聴させてもらった思い出のスピーカーです。

後にも先にもオーディオ機器の中で、家内の認可を受けたものは、この時の8Xただ一つです。

そんな思い入れの8Xであり、「いつかは修理して・・」と思いつつも、現実的には無理だろうな、と、ほとんど諦めていました。

それがどうなって、いま現在のような「8Xが2台」の奇跡が起こったのか、私自身も理解できないほどの急展開の1年でした。

02)オ部屋の8X_DSC_7855
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<写真1:私の8Xの対ニャン子ディフェンス網>

**家庭の諸般の事情により、だいたい19時から24時頃にかけて、重要機器類が収められている我がオーディオ部屋のセキュリティーは、5匹のニャン子の侵入を阻止できない状況にある。とりわけニャン子の攻撃に弱いのは、トーンアーム系とスピーカー系である。これらがやられては国家の存亡にかかわる。

そこで8Xは、少しゆるいが、多少の効果はあるディフェンス「網」を構築した。写真のように、下半分を「虫除けアミ戸」用の、目の粗いネットで、うまく覆った。いくらかは音に影響があると思うが、やむなし**


今日の日記

さて、今日の日記は前回に続き、分解して明らかになった8Xの発音ユニットの構造に、もう一歩迫ります。

さらにはその構造を基礎にして、発音ユニットを修復する工程の大筋を、図面と写真で公開します。

内外の各種のESL(コンデンサースピーカー)の修復や、ESLの研究、また、興味を持たれている方などに、何かの参考の一つにでもなれば幸いです。

8Xを超えるには

8Xの発音ユニットを分解すると、その「作り」が、他のESL(コンデンサースピーカー)と比べて突出して精巧・精密・入念であることが見て取れる。

この「入念な作り」は、かつてのスタックス工業株式会社が、長年にわたってコンデンサースピーカーの音を研究し尽くした「結果」が、形になったものだと思う。
発音ユニットは「こうしなければいい音は出ない」。

材質、形、構造、パンチングメタルの形状と加工、成極電圧、絶縁材と絶縁法、ダイアフラムの材質と導電剤の処理、その他諸々。

私は当時の経営者が「コンデンサー型」製品に懸けた情熱の「結論」を信じたい。

8Xを超えるものを作るには、その人以上の「情熱と年月」が必要である。
そうあるべきだと思う。

戻れない

久し振りに2台の8Xが同時に鳴った。

週末に帰った「かえる息子」が、バッハの教会カンタータなどを聴いている。
その全集のCD Boxの中古を安く買ってきたらしい。

めずらしくボリュームを上げているので、非防音のドアの外に、透き通ったテノールの響きが伝わってくる。

その声に誘われ部屋の中に入ると、そこには豊かな響きの教会の大きな空間が広がっていた。

思わず「いいな」、と声をかける。
「これ聴いたらもう戻れないよ」、と返す。

余談であるが、私がバッハの教会カンタータの魅力に目覚めたきっかけは、今もよく覚えている。

第199番、BWV199「わが心は血の海に泳ぐ」をFM放送で聴いたときである。
まだ学生の頃かもしれない。
ソプラノもオーボエも、旋律が美しい。
まるでオーボエ協奏曲のような部分もある。
それ以降、このジャンルでどれか一つ、といわれれば、今も即答でBWV199をあげる。

8X_
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<写真2:もう1台の8X>

**「甦れSTAX ELS-8X」でしばしば登場する別の8X。「かえるの息子」が入手した完璧な状態のオリジナル8X。母親は「じゃまだから早く持っていけ」というが、彼のアパートには、もはや置けるスペースはない**


1週間ぶりの私の8X

鳴っていたもう一台は私の8Xである。

PCオーディオ用のパソコンを、新マシン、新OS(といってもWindows7)に移行作業中であったため、ここしばらく、機器に灯が入らなかった。

それがこの週末、まだ不安定ながらも、ようやくPCのライブラリーや、ブルーレイ・ドライブによるCDが再生できるようになった。

Windowsは、VistaやWindows7以降、PCオーディオには問題が多かった従来のMME(オーディオやサウンドのカーネルミキサー)部分に変更が加えられたようである。

しかし周辺の諸々が、その変更に追いついてくるまで、今しばらく時間が必要であり、私の場合、従来のXPでのやり方を、7でも取り敢えず踏襲せざるを得なかった。

私のPCオーディオについては当ブログ「オーディオルームのコンポーネントたち」第2回の「私のPCオーディオと・・」をご訪問いただきたい。


8X修復の留意点

STAX ELS-8Xの発音ユニットは、そもそも修理できるようには作られていない。

その構造を知れば、故障したら修理するなどの考えが、設計当初からまったくなかったことがよく分かる。

なので他社のESLのように、ネジを外して分解し、不具合箇所を修理して、再び組み立てネジ止めして修理完了、といったことができない。

つまり8Xの発音ユニットに「修理マニュアル」は存在しない。

あるとすれば「修理」ではなく「製造マニュアル」であるが、それもないだろう。

製造には手工業的な部分が多く、それを文字にしたマニュアルの記述は困難であり、おそらく職人の口伝・直伝の世界に近かったのではなかったかと思われる。


といった状況なので、もし修復を試みる方がおられたら、まず手始めに1つの発音ユニットを分解し、それの各部の採寸から始めて、詳細な構造を徹底的に調べ上げることからスタートする必要がある。

とにかく、まずは分解だけを目的に、あれこれ試みることである。

修復の各工程には、それぞれ各自が工夫して解決しなければならない問題点が次々と出てくる。

ある問題をクリアするのに、何日も悩むことが何度もあった。
修理不可能なものを強引に修理するのであるから、とにかく一にも二にも「工夫」するしか手はない。

発音ユニットの構造の詳細

さて前回(第4回)の続きとして、発音ユニットの構造図を公開したい。

前回の図を含めてこれらの図から、発音ユニットの基本構造をよく読みとっていただきたい。


完璧二枚おろし
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/02_1EFBC89E5AE8CE792A7E4BA8CE69E9AE3818AE3828DE38197DSC_6712EFBC88E7B8AEE38388EFBC89.jpg

<写真3:「二枚おろし」にした発音ユニット(写真は全域・低域ユニット)>
**この写真は、たまたま完璧に半分に分割できた例**

この例では、運良く写真左側のように振動膜が破れずそのまま残った。

フィルムを指先で押してみると、想像を超えた大変強い張力で張られていることが分かった。

周辺のフレームにあけられた穴(2.5mmφ)は、表裏の位置がズレないように分割前にあけておく。

パンチングメタルの放電の痕に黒いサビ等が発生している。

振動膜の電極(銅箔)が左端手前に見える。

また、写真11・12・13で見られる「導通ガイドライン(黒い線)」のオリジナル(フレーム上の白い線)を確認することができる。

背面側1/2分解図
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/03EFBC89E8838CE99DA2E581B4EFBC91EFBC8FEFBC92E58886E8A7A3E59BB3B5.jpg

<図1:背面側1/2の分解図>

**前回(第4回)の「二枚おろし」の片側。振動膜の面で真半分に分割した背面側。写真3の右側にあたる。私の場合、水色のバー(1mm厚の塩ビ。色は透明)のみ、図のように剥離できた。これは使い回しせず、塩ビ板から切り出して新しいバーを作る。私は数が多かったので業者に作ってもらった**

前面側1/2分解図
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<図2:前面側1/2の分解図>
**写真3の左側にあたる。**

表裏合わせた状態
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<図3:表裏両面を合わせた状態。>
**元のユニットは、このような状態で各層が接着され、一体になっている。接着剤はたぶんエポキシ系**


表裏合わせて固定する要領
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<図4:発音ユニットの修復が完了した後の完成ユニット>

**元のユニットのように接着剤で固定すると、やり直しができないため、図のようにビス止めをする。表裏にあらかじめ2.5mmmの穴をあけてあるので、図のようにそれぞれバカ穴とタッピングを施す。金属のビスは厳禁。ポリカ・ネジを使う。**

さて、これらの図から、発音ユニットの基本構造を読み取ることができたとして、次はユニット修復の作業工程の話に移りたい。

使用した材料や消耗品、使い方、入手法などは、後日の日記で綴ろうと思う。

なお、ユニットの穴あけにはボール盤が必要である。
私はホビー・模型用の卓上ボール盤を使って、すべての作業を行った。
精度不足であるが、そこは技(?)で補い、まあ十分役に立った。


作業工程(大工程)

工程1:二枚おろし

ユニット側面の蝋は除去。
分割前に図4の位置に2.5mmのガイド穴をあけておく。
透明な塩ビのバーの面での剥離を試みて、写真3の状態に分割する。
塩ビのバーは再使用しないので破損してもよい。
パンチングメタルは、その後の作業の前に、マスキングテープで養生しておく。
接着剤等の残留物は、ていねいに取り除き、接着面に凸凹がないように処理をする。


工程2:新しい塩ビ・バーの接着
分割されたユニットはソリが出るので、写真10・12・13にあるような治具(私の場合はアルミチャンネルを利用
)を用意しておく(ユニット両端を治具にビス止めしてソリを防ぐ)。
そのあと、あらかじめ寸法に合わせて作っておいた塩ビ・バーを元のように接着する。


工程3:枠にあけた穴の処理
ユニットの分割前にあけた穴を、片側は3.2mmのバカ穴をあけてサグリ。
もう一方はM3のタップを切る。


ザグリ
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-12-11

<写真4:3.2mmのバカ穴とザグリ>

**本体の表側に当たる1/2ユニットの穴の処理。パンチングメタルやその周囲の蝋コーティングを保護するために、マスキングテープでしっかり養生しておく(重要)。高電圧がかかるので、ゴミ、埃、異物などの混入はあってはならない**


タッピング

<写真5:裏側ユニットのM3タッピング>
**穴の数が多く、大変しんどい作業になるが、がんばるしかない**


工程4:ダイアフラムを大枠に張る

私の場合は3ミクロン厚のポリエステルフィルムを使った。

写真のように木枠を作り、布テープでコーティングしておく(フィルムとの馴染みがよい)。
適当にフィルムを張った後、張力が全方向に均等にかかるよう、セロハンテープで徐々に張り締めていく。
この張り締めを十分な張力に達するまで数回繰り返す。

振動膜フレーム準備

<写真6:大きめの木枠の準備>

**しっかりした木材で、がっちりとしたフレームを作る。角は金具で補強する。フレームは布テープでコーティングしておくと、フィルム張りの作業に都合がよい**

振動膜ロール置始

<写真7:あまりシワが寄らないようにフィルムをそーっと置いていく>
**写真のように、マスキングテープをうまく活用する**

振動膜張始

<写真8:フィルムを張り締めていく最初の状態>
**まだ張力はかかっていない**

振動膜張完

<写真9:フィルム張り締め完了>

**全方向均等に張り締めていく。数cmに切ったセロハンテープで、マスキングテープ上を次々と引っ張って張り締めていく。感覚としては、破断1.5歩手前でよい。最初に一度、破断するまで実地検証することをお勧めします**

工程5:フィルムへの導電剤コーティング

この工程がもっとも神経を使う緊張の場面となる。
すばやく、ていねいに、むらなく、確実に作業しなければならない。
極力埃の少ない部屋での作業が望まれる。
本来はクリーンルームで行う作業である。
私は風呂場で行った。
写真の撮影どころではないので写真なし。
すみません。
材料や手順の詳細は後日の日記で。


工程6:木枠フィルムをユニット枠へ接着

ユニット側をかさ上げして、木枠が「宙ぶらりん」になるように準備をしておいてから接着する。
鋭利な突起物でもないかぎり、木枠の重みでフィルムが破れることはない。
切り離しはカッターナイフか半田ごてで行う。


振動膜貼付全景

<写真10:ユニットの枠に木枠のフィルムを接着>

**不織布ワイパーをたたみ、接着面を押さえて確実に接着させる。その後は木枠の重みで自然に圧着させておき、乾燥を待つ。不織布ワイパーは、入手が容易な写真6にある「BEMCOT M-3U」を使った(フィルムへの導電剤コーティングの作業にも、これを使う)**

振動膜貼付接写

<写真11:ユニットの枠に木枠のフィルムを接着のアップ>
**フィルム全面の電荷が均等になるように、導電塗料で導通ガイドラインをフレームに描いた(黒い線)。セロハンテープで張り締めの様子も見える**


工程7:導通ガイドラインをフレームに描き、端子を接着

フィルム全面の電荷が均等になるように、導電塗料を枠の四辺に「井桁」状に書き、振動膜の端子を付ける(習字の筆を使った)。
端子は導通性粘着剤の銅箔テープを使った。


膜切り取り

<写真12:振動膜フィルムの貼り付け作業完了>
**フィルムで塞がれたフレームの穴の部分は、半田ごての先端であけておく**

振動膜の電極

<写真13:振動膜の端子を付ける>
**このユニットを本体のどこに取り付けるか決めてなかったので、端子を両端に出したが、無駄な放電可能性の存在は好ましくない。片側のみに設けるべきである。**

工程8:表裏1/2のユニットを合わせ、ポリカ・ビスで固定

ユニット表面にビスの突起があると、本体への固定の際の障害になる(短辺のビスとナットは問題ない)。
組み立て後、防塵用のネット(洗剤で洗った後、使いまわし)を接着する。


元と修後のユニット
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/17EFBC89E58583E381A8E4BFAEE5BE8CE381AEE383A6E3838BE38383E38388DSC_6805EFBC88E7B8AEEFBC89.jpg

<写真14:組み立て終わったユニット(上)と、次に修復を受けるユニット(下)>
**修復後の外観はこのようになる**


工程9:四辺の側面に絶縁テープを巻く

オリジナルのユニットのその部分は、蝋でコーティングされている。
最終的には蝋で処理したいが、当面は絶縁テープで代用して、しばらく(1年間ほどか)様子をみる。

調べてみたが、蝋の種類やその入手法が分からない。
このあとは本体に取り付けて、音出しテストとなる。


手作業品の修復は、一にも二にも「工夫」あるのみ
これらの写真を見るだけでも、8Xの元の発音ユニットが、いかに手工業的に作られていたかが分かると思います。

さらに修復には、新品の組み立て作業にはないような、厄介な問題があちこちに発生します。
それらを「工夫」によって一つひとつ解決していかねばなりません。

でもまあ、ユニットの修復も、3つ目か4つ目になると、工程や手順もいろいろ修正され、あとはもう「その道の職人」になったような調子で作業できるようになるものです。
そこまで行けば、手間と、やたらと時間のかかる作業を、ルーチンワーク的にやるだけになりますが、それほど根気が続くものでもありません。


そしてやってみて分かった大事なことを一つ。

たとえば10個ほどのユニットを修復するには、マスキングテープ(幅は各種)、セロハンテープ、不織布ワイパー、絶縁テープ(布製、ゴム系各種)、接着剤、アルコール(無水エタノール)、ティッシュペーパーなどを、大量に消費します。
これらを惜しみなく、湯水のごとく使わなければ、いい仕上がりになりません。
またこれらを含めて、一切の材料や消耗品は、必ず一流メーカー品を使うことをお勧めします。

接着剤を使うために時間に追われ、また息を止めて一発勝負でやる作業もあり、粗悪品でモタモタしている場合ではありません。


オーディオ道楽だから、また深い想い入れのある8Xだからこそやれた、そうでなければやってられない、面倒この上もない、しんどくも楽しい作業でした。

次回の日記は、振動膜への導電剤の塗布を中心に綴ろうかと思います。
ドキドキしてスリル満点の作業です。


(甦れ8X(5)構造と修復の核心部公開 おわり)


コメント 4


kroyagi
 始めましてkroyagiと申します。

 私も永年8xの前身であるELS-6Aを愛用してまいりましたがご他聞に漏れずユニットの能率低下のため使用できなくなってしまいました、どうしたものかと途方にくれていたところこちらのブログに出会い勇気づけられました記事を参考に再生に取り組みたいと思います、

よろしければ使用したフィルム、塗料、接着剤などが知りたいので続きをupしていただけないでしょうか、1台でも多くstaxのスピーカーを生きながらえせるために。

 宜しくお願いします。                 
by kroyagi (2014-07-29 20:25)

AudioSpatial
kroyagiさん、ご訪問ありがとうございます。返信が遅くなって申し訳ございません。

ELS-6Aですか。あの時代に、ここまで精緻なコンデンサースピーカーを作った日本のメーカーがあったことが、まず、日本の誇りであり、日本のオーディオ史の金字塔ですね。8Xを分解し、レストアしてみて、初めて、あまたの海外製コンデンサースピーカーとは一線を画した精密・精緻、そして、こうでなければならない、という作りの素晴らしさを発見することができました。

kroyagiさんご指摘の、フィルムや、それに塗布する導電剤その他について、できるだけ早く、ブログを更新したいと思います。フィルムと塗布する導電剤は、スウェーデン在住のコンデンサースピーカー・ファンで、ボランティア的に、小分け通販をしてくれている方から取り寄せました。今もまだ、材料があるのかどうか、ちょっと、問い合わせをしてみます。
by AudioSpatial (2014-08-02 13:39)

AudioSpatial
kroyagiさん、先日おたずねのフィルム等の入手先について、別の方からも問い合わせがありました。

そこで、入手先のURL等を取り急ぎ、お知らせいたします。

私が、発音ユニットのフィルムと、導電剤、およびフィルムの接着剤を取り寄せたMT Audio Design のホームページのURLです。
ESLのリペアについて、とても参考になりますのでご覧ください。

http://user.tninet.se/~vhw129w/mt_audio_design/


上のMT Audio Designのホームページの「Quad ESL-63 Element Repair」のページの本文冒頭部に、「MT Audio Design ESL Repair Shop」のタグがありますので、それをクリックするとESL Repair Shopのページ(下記URL)が開きます。このショップに、フィルムと導電剤およびフィルムの接着剤の在庫を問い合わせてみてください。

http://user.tninet.se/~wea635n/mt_audio_design/mt_audio_archives/esl_repair_shop.htm

ではよろしくお願いいたします。
by AudioSpatial (2014-08-15 02:49)


kroyagi
お返事有難うございます、まさか私と同じ6Aを所有の方がいらっしゃり再生に取り組もうとしているとは、また私もサブとしてJBL S-101改を使用しているので偶然とはいえ縁を感じます。
早速MT Audio Designに問い合わせてみますありがとうございました。
今後も問い合わせる事が有るかもしれませんが宜しくお願いします。
by kroyagi (2014-08-17 17:37)

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-12-11
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/205.html#c37

[リバイバル3] 最近のオーディオ業界の状況 中川隆
94. 中川隆[-10120] koaQ7Jey 2019年5月26日 21:16:49 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2229]

昭和の日本のスピーカー・ユニットの音質はイギリスやドイツの名器に劣らなかった

Pioneer PAX-12B - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=Pioneer+PAX-12B


オーディオの足跡 Pioneer PAX-30B/PAX-12B
¥9,750(1960年代後半頃?)
https://audio-heritage.jp/PIONEER-EXCLUSIVE/unit/pax-30b.html

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私のオーディオ人生 第15回忘れられた昭和の名品 by Y下 
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-015


今回のコラムは(6月17日)の店主日記でご紹介されたパイオニアのユニット、昭和の名品を題材にしました。じっくりと読んで楽しんでいただければ幸いです。

昭和のレトロスピーカー


 ヴィンテージと言う言葉を聞きますと何となく高貴な古い高級品のイメージが湧きます、古い物がすべてヴィテージと表現するのはおかしいような気がしますが、オーディオの世界でもすぐに海外の古いものをヴィンテージと言いますがガラクタで粗大ごみのような物でもヴィンテージにしてしまうのは如何なものか、

 日本の昭和30年代の時代と言えば最近よく聞くレトロと言う言葉は大変懐かしい響きに聞こえます。このレトロを題材にした日本映画(ALWAYS三丁目の夕日)が大ヒットしています。この映画を見ますと古き良き昭和の時代を反映した大変良い映画で携帯もパソコン、CD、テレビもない時代なのに人と人との繋がりと絆は今の時代とは随分違う気がするのは私だけではないはず、この時代はまだ高度成長の前になりオーディオも電気蓄音機からLPレコード再生の高忠実度とかHi−Fiと呼ばれる時代に入っていきますがこの当時の音楽再生装置は私達の時代でなく我々の親の時代になります。

 私達の世代は最初から海外のスピーカー(アルテック、JBL、タンノイ)等からスタートした人は極少数で海外のスピーカーの音などはほとんどの方は聴いたことも見たこともない時代を過ごしてきました、

当時のステレオマニアが自作するのは皆さんが記憶にある

パイオニアのPAX−A20,20F,PIM−16,20、
ナショナルの8PW−1、
三菱のP−610、
コーラルの8CX−50


ぐらいでこれでもこの時代でも贅沢なスピーカーで小型のレコードプレーヤーに安いクリスタルカートリッジで自作の真空管アンプから流れる柔らかい響きを一人静かにパーシーフェースの「シンシアのワルツ」やフランクチャックスフィールドの「星に願いを」の音楽を夜更けまで楽しんでいた時代ではなかったのではないか、

少ないアルバイト代を注ぎ込んでスピーカーユニットのスペックを穴のあくほど見ては予算との兼ね合いを考えたあげく大事そうにユニットを2個買ってみかん箱のような自作箱に入れて「これがステレオか」と一人悦に入っていた記憶は皆さんにもあるはずです。(勿論この当時は親から高級なセパレートステレオなど買ってくれるはずはない)


 当時のスピーカーは高域が「シャリン・シャリン」低域は「ドン・ドン」の今で言うドンシャリが流行していましたが、これこそステレオの音で友達に聴かせては自慢していた方も身に覚えがあるはず、また友達から高級なセパレートステレオを聴かされて自慢された方も昔を懐かしみながら悔しい思いを経験した方もきっと沢山いるはずです。

 それより以前の1950年代の中頃の音は私を含めて団塊世代の皆さんも経験どころか記憶にはないはずですが今の年齢が70代から80代の方たちは記憶の片隅に残っているかもしれません。この時代は私達の親達の時代です。

想像ですが当時はダンスホール、音楽カフェなどに行ってはジャズやクラッシック音楽をカフェのマスターや仲間たちと音楽談義を楽しみながらコーヒーやアルコールを飲んで青春を謳歌していたと思う、おそらく此処で聴くレコードの音は自分の家の電蓄とはかけ離れたHiFiの世界だったのかも知れません。


50数年の時を超えて今宿るPAX−12B

 今回ご紹介しますスピーカーユニットは1954年(昭和29年)にパイオニア(当時の福音電機)から発売された複合型スピーカーです。このユニットのスペックを少しご紹介します。(パイオニアの歴史からお借りした抜粋)


発売年 1954年(昭和29年)

形式 30p複合型スピーカー(ツィーターはコーンタイプ)

マグネット ウーファ、ツィーター共アルニコマグネット

ネットワーク オイルコンデンサーだけによるツィーターのローカット

クロスオーバー約3000Hzぐらいと思われる
※クロスオーバー用のコンデンサーが完全にパンクしていて計算不能

インピーダンス16Ω

許容入力10W

重量4.5Kg

出力音圧レベル102dB/W周波数特性35Hz〜16KHz


※初代の福音電機の複合型スピーカーは1952年(昭和27年)発売のPAX−12Aになり、この12Bは2年後の1954年の発売になります。

昭和30年代後半に型番がインチからセンチに変わりPAX−30Bと変更されました。

このユニットのフレームを見ますと左右に取手が付いています。

多分このユニットは民生用ではなく業務用に使われたのではないか、
当時の業務用なら小ホール、学校の音楽室、音楽カフェ、ダンスホールなどで活躍していたのではないだろうか、

マグネットカバーのエンブレムを見ますと

「FUKUIN ELECTRIC WORKS,LTD,TOKYO」

の名前が入っています、今のパイオニアは当時では「福音電機」と言われていました、

昭和29年の発売ですが当時としては塗装の仕上げとフレームの作りが「日本の工業技術ここにあり」と感心させられます。


ユニットを2本並べた状態ですが50数年の年輪を感じさない昭和のレトロスピーカーですが音も現代のスピーカーには負けないぐらい良い音で鳴ります。

マグネットカバーを外しますと大型のヨークを使っています、手前に見えるネットワーク用のオイルコンデンサーで合格の検印のスタンプが押してあるのを見ると当時も品質管理には厳しかったと思われます。

このユニットの製作に携わった方がこのコラムをお読みになれば懐かしさが込み上げてくるのではないでしょうか、


昭和のレトロスピーカーを鳴らす、

 当時はおそらく使用するアンプもスピーカーボックスも現代とはかけ離れた粗末なもので音楽を楽しんでいたのかも知れませんからこのスピーカーの能力等ははっきり言ってわかりません。

当時の日本の技術力と欧米の技術力とは相当な隔たりがあったのではないか、

現代のオーディオマニアは海外志向になりスピーカーはアルテック、JBL、タンノイ等の海外製しか興味を示さないマニアばかりになってしまったきらいがある。

国産品はバカにされ片隅に追いやられてしまったのは否めないのと日本の気候条件の変化による保存状態が悪いのでほとんどが処分されてしまったと考えられる。


パイオニアPAX−12Bを鳴らす使用機器

CDプレーヤー CEC製TL−51X

DACはサンバレーで購入した真空管式 MODEL2

プリアンプは私がレストアしたマランツ#7

メインアンプはサンバレーのSV−2(2007)300Bドライブの845シングルアンプでの試聴です。

ボックスは店主日記でご紹介されたタンノイ風のコーナー型でボックスの材質はフィンランドバーチ

ネットワークはヴァイタボックスに合わせた自作品を供用

使用のソースはいつも聴いているコジェナのヘンデルアリア集

このラインナップで上手く鳴らなかったら即粗大ゴミかお蔵入りだ、


早速ヴァイタボックスのDU−120コアキシャルユニットをボックスから外してパイオニアのPAX−12Bを取り付けた、果たしてどんな音で鳴るのか今まで以上に興味が湧いて来るのが自分でもわかる、

今までは英国のGOODMANS、VITAVOX、ステントリアン、ワーフェデールのオール英国の伝統あるスピーカーを使ってきたけれど日本製だけはイメージすら湧かない、

ひょっとして昔聴いたドンシャリのような音なのか、分解能も悪く特性だけを追っかけた音楽性のかけらもない酷い音となれば「所詮国産か!」とバカにして諦めが付く、これまで英国ヴィンテージスピーカーやウェスタンの音を自分の耳と肌で感じ取ってきたから十分比較もでき理解もできるはずだ、


SV−2(2007)で鳴らすパイオニアPAX−12Bの音

 SV−2(2007)でスタートだが50年の歳月を経て出てきた音に正直に言って言葉が出ない、

コジェナのチェロから始まる独奏を聴いた瞬間、これが本当に国産のスピーカーなのか?自分の耳を疑った、

「素晴らしい音で陰影を伴った渋く味のある音だ、」

今まで鳴らしてきた英国ヴィンテージスピーカーと何ら遜色はない非常に落ち着いた響きで音の出方と傾向を一言で言えばタンノイのレッドとシルバーの音にヴァイタボックスを混ぜ合わせたような響きで私が所有しているグッドマンの音色に近い感じがしないでもない、

じっくり聴くと英国スピーカーもPAX−12BもY下トーンになってしまっている、どんなにスピーカーを変えても自分の感性が全面に出てきているからガラリとは変わらない気がしてきた、

まだユニットを実装してエージングも無の状態でのスタートのため多少音抜けが悪い感じだがエージングすればもっと良くなるはずだ、

 今回の試聴用のSV−2(2007)は見事に昭和のレトロスピーカーを鳴らしきった凄いポテンシャルを秘めた文句なしの第一級のアンプで私はこのアンプには改めて感服した、是非このSV−2(2007)のアンプを導入して色んなスピーカーを鳴らして頂きたい、

お叱りを受けるかも知れないがマッキン、マランツ等のメインアンプで鳴らして満足しているマニアは私に言わせればまだまだ「ヒヨコ」だ!


 50数年間の眠りから覚めて即良い音を望むのはお門違いである。
おそらくこの時代のレコードの聴き方は現代のマニアックな虫眼鏡で覗いた聴き方とは方向性が違う、端的に言わせてもらうとスピーカーの存在感と機器を忘れて音楽をさりげなく聴く方法が適していると思う、

多分設計者はアメリカンサウンドを意識して研究開発されたと思うが私の印象ではアメリカンサウンドとは多少ニアンスが違う地味な音に聴こえてくる、

  
 このスピーカーの名前を教えずに聴かせたのなら100人が100人とも国産とは見抜けないと思うぐらい素晴らしいユニットだ、

事実このユニットを実装してヴィンテージスピーカーの大先生でもある西山氏に試聴して頂いたら「これが国産?」と驚いていた、

今までの国産スピーカーは個性がなく特性だけを追っかけたスピーカーのイメージで正直言って私も見向きしなかったがこのスピーカーを聴くと当時のスピーカーの技術者の凄腕と努力が伝わってくるような気がする。


昭和のレトロスピーカーをバカにするな!

 オーディオのハイエンドマニア達がスピーカーはウェスタン、アルテック、JBL、タンノイでないと駄目だとかスピーカーは外国製に限ると主張する方が沢山いるが(私もその一人だった)本当に良い条件での国産スピーカーを聴いたことがあるのだろうか

一度も聴かずに風の便りや人の噂だけを鵜呑みにして評価するのはオーディオマニアとしては恥ずかしいのではないか、

 日本の伝統ある工業製品であるパイオニアの半世紀前のスピーカーがこれだけ素晴らしい音で鳴るとは聴いて見るまではわからなかった、正直に言って私は脱帽である。

 このユニットの開発に携わった多くの技術者とユニットを組み上げた職工さんや個々のパーツなど苦労に苦労を重ねて作り上げた下請けの町工場の工員さん、「戦後の日本の工業技術ここにありき」で奮闘された気持がひしひしと伝わってくる、

当時のエンジニア達は欧米のスピーカーを徹底的に研究されたのではないか、
しかも外観がジェンセンのG−610Bに良く似ているのも頷ける、

スピーカーのフレームの検印に個人名のスタンプが押してありますがこれを見ますと当時も高レベルな品質管理をされていた製品だと思う、

多分このスピーカーの設計者や製作に携わった多くの方達はこの世にいない人もいるかも知れませんがこの方達のお陰で今日の日本のオーディオ文化がありパイオニアの70年の伝統と歴史があるような気がしてならない、
 
 このように書きますと日本人である以上海外のスピーカーよりもっと身近に感じてきます。タンノイやJBL、アルテック等の海外スピーカーも良いがもう一度昭和のレトロスピーカーを見直す時が来るような気がする、その時に是非国産のレトロスピーカーを加えて頂きたい、

 今回の比較試聴で英国ヴィンテージスピーカーがドレスの似合う素敵な「貴婦人」的な音ならこのPAX−12Bは和服の似合う「京美人」の音に例えられるぐらい上品な音で音楽を聴かせてくれた。

また50数年の時を超えてエージングもこれからですが時間が経てばもっと素晴らしいサウンドで音楽を楽しませてくれると思う、


 今回ご紹介しました半世紀以上前のパイオニアPAX−12Bは欧米のヴィンテージスピーカーと比較しても何ら見劣りがしないぐらい素晴らしい音楽を奏でてくれたが鳴らし方次第で石ころにもなりダイヤモンドにもなるのではないかと痛切に感じた、

 ヴィンテージショップ等では国産のスピーカーは価値がないと決めつけてバカにする、

名前は伏せたいがお粗末なブリキ板で作ったようなフレームに亜鉛メッキで仕上げてフェライトマグネットを装備しただけの海外のコアキシャルタイプのヴィンテージスピーカーが高値で取引されているがこんなのにどこに価値観があるのか音以前の問題だと思うのだが、


 国産のスピーカーのすべてが良いとは思わないが隠れた名品もあるはずだ、それを探し出して上手く鳴らす、これも一つのオーディオの醍醐味ではないだろうか、

「舶来のブランド」も良いがこんな立派な「Made in Japan」の存在があるのを忘れてはならないと思う、

私は声を大にして言いたい「昭和のレトロスピーカーをバカにするな!」と、


一度は言ってみたいセリフ

 ウェスタンマニア、最新の舶来のブランド志向で固めたスーパーマニアの天狗達のスピーカーシステムにこの部分の音が悪いとケチを付けたら相手はきっと「あんたのスピーカーは何処のスピーカーだ!名前を教えろ!」と目を吊り上げて怒るだろう、

その時胸を張って「僕のスピーカーは昔のパイオニアです!」と言ったら「何んだ!国産か!」とバカにされお叱りを受けるか鉄拳が下るだろうなぁ、

こんな連中に「一度は言ってみたいセリフ」だが怖くて言えないかも、
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-015


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Pioneer PAX-12B - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=Pioneer+PAX-12B

オーディオの足跡 Pioneer PAX-30B/PAX-12B
¥9,750(1960年代後半頃?)
https://audio-heritage.jp/PIONEER-EXCLUSIVE/unit/pax-30b.html


コーン型トゥイーターを搭載した30cm2ウェイ同軸型スピーカーユニット。

機種の定格

型式 30cm2ウェイ同軸型スピーカー

インピーダンス 16Ω

最低共振周波数(fo) 40Hz〜50Hz
再生周波数特性 35Hz〜16kHz

最大許容入力 10W
出力音圧レベル 102dB/W

総磁束 ウーファー:123,000maxwell トゥイーター:15,500maxwell
磁束密度 ウーファー:10,000gauss トゥイーター:10,000gauss

等価質量 25.0g

バッフル開口 270φmm
取付穴位置 290φmm

外形寸法 直径306x奥行170mm
重量 4.5kg
https://audio-heritage.jp/PIONEER-EXCLUSIVE/unit/pax-30b.html
 




  拍手はせず、拍手一覧を見る



コメント


1. 中川隆[-10184] koaQ7Jey 2019年5月24日 09:39:38: b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2161] 報告
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EAS-20PW55 (ゲンコツ) - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=EAS-20PW55


オーディオの足跡 Technics EAS-20PW55  
¥6,800(1台、1966年頃)
https://audio-heritage.jp/TECHNICS/unit/eas-20pw55.html


スピーカー製品情報 真空管アンプ「カトレア」
http://www.cattlea.jp/product/speaker.php

Technics - スピーカー製品情報 真空管アンプ「カトレア」

ゲンコツ型の最終型で最強のゲンコツです。別名スーパーゲンコツ。
アルニコ磁気回路。
95db 1.6kg
http://www.cattlea.jp/product/speaker.php?no=26

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私のオーディオ人生 第41回 懐かしのスピーカー VOL.1 by Y下 
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-041


西方より二人の強者来たる!


 7月の23日私のコラムをお読みになった方が一度お会いして音を聴かせてほしいと連絡がありました。倉敷にお住まいのK原氏と兵庫県はたつの市のM田氏のお二人が新幹線に乗らず外来線を乗り継いでわざわざ電車でお越しになりました、

 K原氏、M田氏とも百戦錬磨のオーディオ歴をお持ちでK原氏の現在はアメリカのボザークを使いクラシックがメインで聴いておられます。

昔は五味氏と同じタンノイのオートグラフのモニターレッド、マッキントッシュC−22とMC275を使ってこられたオーディオに関しての西方の強者である。

 もう一人の強者は兵庫県たつの市にお住まいのM田氏でK原氏とは大変仲が良くお互いオーディオ理論をお持ちでこの方もオーディオに関しては恐ろしいほどの感性とスキルがありスピーカーはアルテック、JBLのダブルウーファ―と蜂の巣ホーン、アメリカタンノイを使っている歴戦の強者でリスニングルームは50畳の部屋とのこと、

 私のシステムはお二人の方に比較して大変お粗末なシステムでお聴かせするには恥ずかしいですがわざわざ遠方より来られる以上がっかりされないように大切なお客様用に再度システムの変更をしました、

PCオーディオは昇圧トランスWE−618Cを使いアンプは最近製作したウェスタンのパーツを使ったアンプと前回紹介したWEの真空管でVT52刻印武蔵アンプ、

 スピーカーは来客用のヴァイタボックス、DU−120コアキシャルをゲンコツから外してユニット交換した、(DU−120はお客様用)

早速、自宅に招いてシステムのラインナップを説明した後に音出し開始である。こちらとしては遠路遥々来ていただいて聴いて頂く以上戦々恐々だがCDをトレーに入れてPCオーディオの開始である。

 最初にバイオリンとチェロをお聴かせすると百戦錬磨の耳で一言「こんな音」は聴いた事がない、CDが奥行を伴って空気感のあるサウンド、その後バッハのピアノでG線上のアリア、バッハのチェロを聴いて頂いた、

音を聴いている間はお二人の方は終始無言であったが曲が終わると一言「参った!奥行を伴った空気感のあるサウンド」は初めて聴いた、このような音なら生の演奏会に行かなくても自宅で味わえる素晴らしいとお褒めの言葉を頂いた、

 最後にキースジャレットのケルンコンサートのPCオーディオとアナログレコードの比較試聴はキースジャレットではアナログに軍配が上がったが私が聴いてほしかったのは一般的なCDPで聴くデジタルとは違いWE−618Cを介したPCオーディオはアナログに負けない素晴らしさを納得して頂けたと思う、

 帰りがけにK原氏が今まで有名なマニア宅を沢山聴いてきたがこの音は日本でもトップクラスと絶賛して頂いたのとこの音を聴いていたら演奏会にお金を払って足を運ぶ必要がないとも言って頂いたが社交辞令かも?遠方からわざわざ名古屋まで来ていただき有難うございました。私も秋になったらご訪問させて頂く予定です。


前回紹介しましたプロ用ヤマハフォノモーターを集成材を使いプレーヤーケースを製作、縞黒檀の突板を貼りました、アームはグレースのG−565と米国の放送局で使われていたマイクロトラックのウッドアーム、このアームは管球王国の評論家で篠田先生が使用しているものと同じです。

ナショナル EAS−20PW55


このゲンコツスピーカーは昔からのクラフトマニアなら知らない方はいないと云われているナショナルのEAS−20PW55の試聴を兼ねてご報告します。ゲンコツは私も使った経験もあり日本の名器の一つに挙げられています。

ゲンコツの初期モデルは8PW1で1954年に発売されたユニットでインチからセンチに型番がEAS−20PW09に変わった、

その後ゲンコツシリーズはアルニコからフェライトタイプに変わり1980年代に生産中止になりました。

ゲンコツの中で一番人気は大型のアルニコマグネットを採用したEAS−20PW55が最上位機種でこのユニットは状態が良ければ7万〜8万ぐらいで取引されている。
EAS−20PW55はGOODMANSのAXIOM80やAXIOM22などのユニットとよく似た真っ赤なアルニコマグネットが印象的です。

果たして本当にこのユニットは日本の名器なのか以前にGOODMANSのAXIOM80やワーフェデールのスーパー8RS/DDなど試聴した経験もありますが多少自分の好みからは外れていた、今回は記憶をもとに比較検証してみますがこれが絶対評価ではないことをご了承して頂きたい、

松下電器のEAS−20PW55(ゲンコツ)の正面と真っ赤なアルニコマグネットが魅力的なユニットで重量は結構あります。


当時の思い出

このユニットを使ったのはかれこれ52年前になります。当時はまだステレオに関して超が付く初心者ですから本当に良い音がしていたのかは覚えていない、当時のマニアは高いスピーカーシステムなど買えずもっぱらユニットのみ購入して楽しんだものですがユニットを買ったのはよいがこれを入れるボックスがなくみかん箱やリンゴ箱に丸い穴を開けて鳴らしていたと思う、

当時人気のあるユニットはパイオニアのPAX−20F、コーラルの8CX−50がありましたがこのユニットは確か1本5千円ぐらいした記憶があります。私の様な貧乏人にはとても手が出なかったがこの2機種はツィーターにホーンタイプが採用されて大変カッコよかった、

買えてもコーラルの6CX−50ぐらいですが16cmでは物足りなくもないがやはり20cmクラスだと低域も出てくるような気がした、

今では38cmクラスが当たり前だが当時は部屋の事情や金銭面の問題で買えなかった、

スピーカーユニットをなけなしのお金で買ったのはよいがこれを入れるボックスを作らなくてはなりません。

当時のボックスはユニットを買ったときに付いていた段ボールに穴を開けて聴いていたがこの時の音は感動ものであった、

5球スーパーや電蓄の音しか知らないので段ボール箱でもHi−Fiサウンドが楽しめたがその後ラワンの単板で指定箱を作り楽しんだ、その時の音は低音がずっしり来てメリハリの利いた音だった、

当時ナショナルの8PW1の価格は1本3200円でぺアだと6400円私は貧乏人ですからこれでも上等だと思った、

オーディオは感性とノウハウと叩き上げのスキルだ!


 今まで沢山のユニットを使ってきました、フルレンジで特に印象が残るのはGOODMANSのAxiom80、ヴァイタボックスDU−120、パイオニアPAX−30B、ワーフェデールのスーパー8RS/DD、コーラルのべーター10と大変個性のあるユニットばかりだがその中でAxiom80は超が付く名器ですが私の好みとは多少違っていた記憶が残っている、

オーディオで一番難しいのはスピーカーです。これが上手く鳴らなければいくらWE−300Bアンプを繋いでも良い音は望めない、

今までスピーカー遊びをしてきてわかったのはスピーカーこそボックスとボックスに使われる木の材質が決め手と痛切に感じた、

スピーカーボックスはユニット以上にコストがかかるから安く済ませるには平面バッフルが一般的、私も色々やってきたが平面バッフルの場合は16〜20cmクラスのユニットだと効果があるが30cm以上を平面バッフルで使う場合は相当大きな板が必要になる。最低でも2m×2mぐらいのバッフル板を使わないとユニットの裏側から音が前に回り込んで低域が減少して中高域が喧しくなる。低音が出ているように聞こえるだけで本当に出ているならピラミッドバランスになるはずだが残念ながら本当の低音は出ていない、平面バッフルで聴くのなら16〜20cmクラスだと大きなバッフル板も必要なく楽しめるはずだ、勿論バッフルも振動していますから良い素材の板を使いたいものだ、

ネットのユーチューブでスピーカーを検索してみると色んな方が見える。例えばユニットをボックスに入れずに単体で鳴らしているがこんなのまったくもって意味を持たない、裸で鳴らして何を聴かせたいのかこんな鳴らし方なら5球スーパーのスピーカーのが良い音で鳴る。

日本の名器ゲンコツを上手く鳴らすには「感性とノウハウと叩き上げのスキル」ドクターXのセリフで「私失敗しないので」こんなセリフが自作オーディオで言えたらなぁ
たかが20cmされど20cm


JBLやアルテック、タンノイが今のスピーカーの主流でメインに使っている方が沢山いるがアルテック党やJBL党は国産のスピーカーには見向きもしない、スピーカーは海外製に限ると自負しているマニアは日本製のスピーカーと聞いただけで見下げて相手にもされない、

私は20cmクラスのユニットで聴いていると云うと頭からバカにした態度と上から目線で相手にもしない、

国産のユニットを真剣に聴いた事もないくせにスピーカーに関しては師匠や博士になったつもりだろうが私に言わせるなら有名な外国スピーカーすらまともに鳴らせないくせにと声を大にして言いたい、

このような連中に国産の20cmクラスのフルレンジを真剣に試聴したことがあるのだろうか、海外製ユニットでもこのクラスはコンパクトで大変人気がある。アルテックの755EパンケーキやJBLのLE8T、ラウザのPM−6辺りは人気の的だがこのレベルに匹敵するのが「マネシタデンキ」の8PW1である。このユニットもアメリカへ沢山輸出され好評だったらしい、アメリカには755EやLE8Tなど有名なユニットがあるのにゲンコツスピーカーが沢山売れたとはひょっとしてアメリカのユニットよりゲンコツのが音が良かったのかも知れない、

果たしてゲンコツスピーカーの実力はどの程度なのか大変興味が出てくるのだがゲンコツクラスだとボックスは適当、アンプは何でもよい考えで聴いているはず、例えは悪いが美人にボロボロの服を着せるのと同じでゲンコツは哀れだ、

アルテック、JBL、タンノイ、ハーベスなら拘りを持って楽しんでいるがましてや国産の20cmのゲンコツスピーカーなどメインスピーカーにはなれずサブシステムのスピーカーでしかないから多分出番は回ってこないのではなかろうか、

今回テスト的に現在使用している300リッターのボックスに入れたらどんな音の変化が出てくるのだろうか、ネットで検索するとゲンコツスピーカーを沢山の方が評価をしていますがほとんど50〜60リッターのボックスが多いが評価としてはどれも正しいと思う、大型ボックスに入れたゲンコツスピーカーは面白くなりそうだ、

たかが20cmされど20cmを300リッターのボックスに入れ材質はフィンランドバーチと真空管アンプで奏でた音、これは楽しみだ、


ゲンコツスピーカーを鳴らすシステム


デジタル

PCオーディオでの試聴
ノートパソコン
音楽ソフト Foobar 2000
昇圧トランス ウェスタンエレクトリック 618C 
DAC ラステーム UDAC32R


アナログ 

プレーヤー フォノモーターはプロ用ヤマハアイドラータイプ
トーンアーム マイクロトラック303ウッドアーム と GraceのG−565ロングアーム
カートリッジ オルトフォン SL−15E、GraceのF7M
昇圧トランス ウェスタンの618C

プリアンプ マランツ#7

メインアンプ ウェスタン VT52刻印シングルアンプ、
整流管はWE−274B刻印 最新作の英国直熱三極管アンプ


ウエスタンの618C昇圧トランス、


今回完成したアンプでゲンコツを鳴らしました、

世界の名器に対抗できるのだろうか


以前のコラムでご紹介したワーフェデールのスーパー8RS/DDも20cmユニット、コーラルのベーター10、GOODMANSのAXIOM80は25cmどちらもフルレンジユニットだったが国産の名器と謳われるナショナルゲンコツスピーカーはこれらの名器に対抗できるのだろうか、

ゲンコツスピーカーは過去に鳴らした記憶しかないからほとんど未知数な音、皆さんもゲンコツスピーカーは知ってはいるが聴かれた方は少ないはず、
今回使用するのは真っ赤なアルニコマグネットを使ったEAS−20PW55である。
このユニットに関して詳しくはオーディオの足跡に詳しく紹介されていますから参考にしてください。 試聴開始


いくら日本の名器と云えども所詮20cmのフルレンジだが300リッターのボックスだと今までの評価を覆す音が出るのか、早速バッフルを外して予めサブバッフルに取り付けたゲンコツを実装したが大変な作業でもあった、

最初にCDを使いPCオーディオでの試聴になる。リファレンスCDは一番のお気に入りの豊田裕子が弾く癒し系の「スローバッハ」ピアノとバイオリン、小鳥のさえずり、川のせせらぎが入っている癒し系のCDだ、

聴く曲目はバッハのG線上のアリア、CDをトレーに入れて出てきた音はピアノの響きが素晴らしいサウンドだ、ピアノの音には余分な付帯音もなく切れ込みの良い響きでどちらかと云えばGOODMASのAXIOM80に近い鳴り方でしっとり感と押し出しの良さが何とも心地よく聞こえる。特にピアノは絶品だ

CDをPCオーディオで鳴らすと今までのCDPで聴いてきた音とは全く異りマスターテープに近い鳴り方には驚いたがDACの後に付けたWE−618Cの実力は大変素晴らしくアナログを超えたようなサウンドになり何時までも聴いていたい癒し系のサウンド、耳障りのない上手く纏めた鳴り方である。

バイオリンに関しては多少音痩せしたように聞こえるがこれが20cmとは思えない量感とスケール感のあるサウンドには参った!

AXIOM80の時は低音不足であったがゲンコツは20cmなのに十分出ているのには凄い、1960年代の時に使ったゲンコツとはまったく違うサウンド、やはり300リッターのボックスと材質はフィンランドバーチが威力を発揮しているように思える。
またゲンコツスピーカーをマランツ#7、ウェスタンのVT52で鳴らされている方は多分いないと思うのでこのような評価になった、

ゲンコツスピーカーをトランジスターアンプで鳴らすと5球スーパーや並4ラジオのスピーカーの音になってしまう、ここは是非良質な真空管アンプで聴かないとゲンコツが可哀想だ、

このサウンドを聴くとゲンコツスピーカーは十分世界に通用できる名ユニットの一つに加えてもおかしくないがゲンコツに限らずフルレンジはどうしても高域がやや不足する部分があるがそこはフルレンジの良さで音楽を聴かせるのが魅力だ、

次に聴いたのは流行歌で春日八郎の別れの一本杉、春日八郎は以前千葉県に所要で行ったときブログで有名なこばさん宅に寄って聴かされた名曲中の名曲だ、GOODMANSのAXIOM22とWE−101アンプも素晴らしかったが、ゲンコツの場合は違った意味での良さもある。ゲンコツで昭和の歌謡曲を聴くと時代の雰囲気が良く出てレトロなサウンドになるが最近雑誌に載っている名ばかりの海外スピーカーではHi−Fi調になってこの哀愁に満ちた春日八郎の歌声はなかなか出てこない、

ゲンコツスピーカーを使っている方は多分50〜60リッターのボックスでサブスピーカーやセカンドスピーカーとして聴いていると思うがマランツ#7やWEのVT52、WE−618Cを使って300リッターで聴くゲンコツは一般的なゲンコツとは違う評価になる。
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-041


 

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EAS-20PW55 (ゲンコツ) - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=EAS-20PW55


オーディオの足跡 Technics EAS-20PW55  
¥6,800(1台、1966年頃)
https://audio-heritage.jp/TECHNICS/unit/eas-20pw55.html


20cmのダブルコーン型スピーカーユニット。

高域用コーンの前面に独自のイコライザー球(立相等化器)を装備しており、音波の回折を利用することで波面を揃え、高域特性を平坦にしています。

エッジには独自のULエッジを採用しており、ハイコンプライアンス化を図っています。

ボイスコイルに高純度のアルミ線を採用することで、高域再生限界を拡張しています。


周波数特性
https://audio-heritage.jp/TECHNICS/unit/eas-20pw55.html


機種の定格

型式 20cmダブルコーン型スピーカーユニット

許容入力 10W
V.Cインピーダンス 8Ω

再生周波数 20Hz〜20kHz
最低共振周波数 25Hz〜40Hz

出力音圧レベル 100dB
Qo 0.48(30Hzにおいて)

磁束密度 12,200gauss
総磁束 96,000maxwell
コーン有効直径 160mm

実効質量 15.5g
概算体積 1,200cm3
重量 2.6kg
https://audio-heritage.jp/TECHNICS/unit/eas-20pw55.html




2. 中川隆[-10183] koaQ7Jey 2019年5月24日 09:43:55: b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2162] 報告
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CORAL BETA 10 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=CORAL+BETA+10


CORAL BETA-10
¥18,500(1台、1970年代前半頃)
¥22,500(1台、1980年頃)
https://audio-heritage.jp/CORAL/unit/beta-10.html


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私のオーディオ人生 第24回伝説の名ユニットと男たちのロマン by Y下 
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-024

 今回は伝説の名ユニットと男たちのロマンを題材にします。

 オーディオ(ステレオ)が華々しい頃、国産品でも大変素晴らしいスピーカーユニットが販売されていました。

ナショナルの8P−W1ゲンコツ。三菱のP−610 パイオニアのPAXシリーズ等クラフトマニアなら一度は使った経験をお持ちの方も沢山いるのではないだろうか、


 デジタルオーディオになってからオーディオを始められた方や既製品のスピーカーシステムしか使ったことのない方は興味が薄いかも知れませんがクラフトが趣味の方ならこのようなユニットは見覚えがあるはずです。今回は日本の伝説の名ユニットの紹介になりますから海外のスピーカーしか興味がない方も楽しく読んで頂けるコラムにしました。

 後半はオーディオを離れて誰もが経験したことのあるキットでの初心者に帰ってもの作りの楽しさを一読して下さい。(多分こちらのが面白いかも)


伝説の名ユニット、コーラル BETA−10


 このスピーカーは昭和40年代に発売されたユニットでコーラルと言えば必ずBETA−8 BETA−10を思い浮かべます。それ以外にもコアキシャルタイプやフルレンジのフラットシリーズが発売されていましたがこのBETAシリーズは特別に高価だった記憶があります。GOODMANSのAXIOM−80、ローサのPM−6辺りに対抗すべき国産初の超が付く高級ユニットになります。まずは写真を見て下さい。


肌色のコーン紙は大変綺麗な状態でほとんど無傷です。今時珍しい
BETA−10の超が付く極上品でボイスコイルの断線もコスレもまったくない、


フレーム仕上げは赤色に塗装を施したダイキャストと思われるがマグネットカバーは高級感溢れるクロームメッキ仕上げ

 このユニットを見ますとスピーカーの工芸品に相応しい佇まいを持っていていかにも良い音で音楽を楽しませてくれそうなスピーカーユニットでこれこそヴィンテージの称号を与えてもおかしくはない一つではないだろうか、BETA−8,10は40年以上の前のユニットですからコーン紙はボロボロの状態かエッジが破れて廃棄処分にされた運命にあるか状態が良ければ今でも大切に使っているマニアもいると思う、この伝説のユニットで音楽を楽しんでいる方は絶対手放すことはないから巷ではほとんど見かけない、

 コーラルのBETAシリーズこそ歴代の国産ユニットの中では名器中の名器でマニアの間では伝説のユニットと言われているがこのユニットをじっくり眺めるとフレームの仕上げの良さとマグネット部分をクロームメッキで施し磁束密度は15500ガウスを搭載した強力なマグネット、高域の指向性を考慮した星型の特徴あるディフューザーを採用、これこそはスピーカーの工芸品と思えてくるのは私だけではないと思うのだが果たしてどんな音を奏でてくれるのか、このコラムを読まれるマニアの方は懐かしさと面白さで興味深々ではなかろうか、


星型のディフューザーが印象的なスピーカー


いま愛用しているヴァイタボックスと比較すると音を聴くより飾っておいた方のが楽しそうだ、


信じられない体験


 このユニットを入手出来たのは自分でも信じられないと思っている。

 1月の後半に知り合いの方からアパートの部屋の廃材すべてを処分するから手伝ってほしいと依頼があり休みの日にお手伝いをさせて頂いた時に押入れの奥から一つのスピーカーユニットが出てきた、そのユニットがコーラルのBETA−10である、コーン紙は汚れも日焼けも無く大事なエッジ部分も痛みはほとんどない美品である。

 どうしてこんなのが有るのか理解できなかったが戦利品として勿論私が貰うことにしたが前に住んでいる方は何方か存じ上げませんが相当なステレオマニアであったと想像します。オーディオマニアでも過去のスピーカーユニットを知らない人は多分ゴミ扱いにしてごみ袋に入れて捨てたと思う、

 本当に信じられない体験で粗大ゴミの中からダイヤモンドを見つけたような嘘のような本当の話である。


名器の音とはどんな音?

 当時からこのユニットはクラフトマニアの間では評判が高く1本の価格がサラリーマンの初任給と同じぐらいであるから実際に購入して使われた方はごく少数だと思う、巷の話を総合するとアルテックやJBL、タンノイなどのユニット以上に良い音で鳴るとしか答えが返って来ないが私もこのスピーカーは一度も聴いた経験はない、

 今愛用している英国のワーフェデール、グッドマン、ヴァイタボックス等のヴィンテージスピーカーを使用しているから大変面白い比較になるのではないだろうか、また当時のステレオマニアは予算がないのでSPボックスは適当な箱に入れ音の悪い真空管アンプか半導体アンプで聴いていたのでは・・・・・

 ステレオ好きなマニアでも高級なスピーカーを買ってしまったらもう他の物は簡単に買えない金銭的に余裕などなかった時代です。

 また当時は真空管でもWE−300Bなどは聞いたこともなければ見たこともない、このような球で鳴らしている方は皆無に等しかったと思われる。そう思うとこのユニットの評価はまったく当てにならない、あまり期待するとがっかりする場合が往々にしてあるのがオーディオの世界ですから期待半分にしましょう、

 今回もスピーカーユニットの実装はいつもコラム等でご紹介しているフィンランドバーチで製作して頂いたタンノイGRF似のボックスにリングアダプターを自作してこのユニットを取り付けて聴くことにします。本来はこのユニットはバックロードタイプがメーカー指定になっていますがバスレフ仕様でも内部の吸音材やバスレフポートの調整を上手くすれば十分と考えているのと同じ名器でもあるサンパレーのSV−91Bを使えば力でねじ伏せて鳴るのではないか、伝説の名器コーラルのBETA−10にマランツ#7、SV−91Bを使った組み合わせで試聴します。試聴結果は次回のコラムで乞うご期待!


男たちのロマン

 もの作りでの趣味の世界では真空管アンプを始めプラモデル等のキットで組み立てる商品を扱った物は沢山あります。テレビで放映されていた蒸気機関車D51、トヨタ2000GT、スカイライン2000GTRなどを作るコマーシャルが流れていましたがあのCMを見ますと男なら一度は作りたい気持ちになるのではないか、

 遠い昔プラモデルに興味を抱いて飛行機、戦車、軍艦等を作った経験をお持ちの方は沢山いるはずで(その一人が私でもある)上手く出来ずに最終的に粗大ゴミになってしまった方、上手く出来ても埃まみれになり邪魔になって処分をされた方、このように書くと「俺の事を言っているのか」と思い当たる方が沢山いるはずだ、

 真空管の自作アンプとプラモデルとは同じ土俵での「もの作り」は多少方向性が異なる。プラモデルは製作の過程を楽しむのと飾って眺めるだけで終わりの趣味であるが真空管アンプの製作は作りながらどんな音が出るのか想像する楽しみが残っている。また上手く鳴れば苦労をして作ったアンプには愛着が出てきて手放さないはずだ、そこが自作アンプとプラモデルの違いかも?でも一度は作って見たい「男たちのロマン」がプラモデルだ、

 最近のプラモデルは大変精巧かつ精密でリアル感があります。勿論それなりに価格が高くなっているが、模型雑誌などでの製作記や作られた写真を見ますと本当にこれがプラモデルなのか本物に近い感じには驚かされてしまいます。

 「Y下のオーディオ人生」からは外れますがオーディオはちょっと一休みしてリラックスして「男たちのロマンをお読みください。


大日本帝国海軍の戦艦の写真


 何となく大げさな表題になってしまったが私が中学生の頃、同級生の友人の父親が元海軍の水兵で駆逐艦に乗艦していたと言っていた、当時のアルバムを見せて貰った時一枚の写真が目に飛び込んできた、その一枚が大日本帝国海軍の雄姿ある戦艦の写真だった、

 雑誌等では当時の艦船写真は良く掲載されていたが本物のプリントされた写真は初めてで感激したのを覚えるのと水兵さんの軍服の写真もカッコよかった、後ほどこの写真の戦艦を調べたところ「戦艦日向」とわかった、

 この戦艦の写真を無理を言って頂いたが残念ながら紛失してしまったのが心残りである。あれから50年近くの歳月が流れ記憶が薄れていたが今を持っても大日本帝国海軍の戦艦は迫力があり興味がある。


スクリーンにも登場した日本の戦艦

 1970年代に皆さんもご記憶にある映画「トラ・トラ・トラ」をご存じだと思う、確か帝国海軍の戦艦長門が映し出されていた、山本五十六に扮する山村聡が聯合艦隊司令長官として戦艦長門に乗艦するシーンがあったがあれはカッコ良かった、また「男たちの大和」これも見ごたえのある戦争映画の一つでしたね、


帝国海軍 1/350の戦艦金剛を作る。


 ハードオフ巡りをしていたらプラモコーナーにフジミ模型の戦艦金剛が目に飛び込んできたが価格が10,395円だが高いのか安いのか、まぁ上手く作れば楽しく安い買い物だが失敗すれば高い物に付くから悩むところだ、

 購入したのは良いが家族からは上手く作れるはずはないからそのまま開封せずにオークションに出品して転売するのが利口だと馬鹿にされたがそんな事言われると不安が先に来る。


フジミ模型の戦艦金剛、サイズは1/350になります。


プレーヤー台に乗せて完成した戦艦金剛


プラモデルは難しい

 付属のプラだけのキットパーツだけで組み上げるのはそう難しくはないがオプションの真鍮製エッチングパーツや甲板セットを使うとパーツが細かいので神経衰弱になりそう、特にエッチングパーツは細か過ぎて目が見えないし部品をすぐに紛失してしまう、ラッタル、手すり、窓枠の取り付け及び機銃の接着は拡大鏡を使わないと見えない辛さがあったがどうにかまとめることが出来たのだがもうプラモデルは作りたくない、はっきり言って俺には無理だったのと最初から完璧を求めて作るのが間違っていた、これはキットの真空管アンプにも言えるから最初は簡単な物から作らないといけないと言う鉄則がある。良く聞くことわざで「失敗は成功の元」と言うが失敗したら「使った費用」は誰が面倒を見てくれるのかなぁ、

 老後はボケ防止にプラモデルでも作って余生を楽しむは理解できるが年を取ると目が見えなくなりイライラが先に来るからはっきり言ってやめた方が利口だ!

写真をモノトーンにしますと大変リアルに見えます。


金剛型戦艦の活躍

 日本の戦艦で一番活躍したのは金剛と榛名の2隻でガタルカナル島のヘンダーソン飛行場に初めて36p砲の艦砲射撃を行ったのは有名であり金剛はフィリピンのサマール島沖で米艦隊の空母ガンビア・ベイ、駆逐艦ロバーツを砲撃で撃沈した功績がある。また日本の戦艦で潜水艦に沈められたのは金剛だけで有名な戦艦大和、武蔵は大した功績を残すことも無く大和は東シナ海で武蔵はフィリピンのシブヤン海で米軍に沈められた、金剛型戦艦の功績により今でも海上自衛隊でもこのネーミングが引き継がれている。「こんごう」と「きりしま」はイージス護衛艦、「ひえい」、「はるな」はヘリコプター搭載護衛艦の名称で活躍している。


次回予告

 次回はコーラルのBETA−10の試聴記をお届けします。憎き米英スピーカー対日本スピーカーの対決は期待して下さい。そう言えば戦争ドラマで鬼畜米英と言っていたセリフを聞いたことがありましたね、
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-024

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私のオーディオ人生 第25回名器コーラルのBETA−10の試聴 by Y下
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-025


BEAT−10の試聴

 今回はコーラルのBETA−10の試聴になります。

前回でも書きましたがこのユニットは伝説の名器と言われているが名器とは何を基準にして評価しているのだろうか、

スピーカーのユニットの名器は巷には沢山ありましたが名器の称号が付くものは鳴らしづらくまともに鳴らすのは相当のテクニックと苦労を伴うものと言われているが今回のBETA−10はどんな音を奏でてくれるのか、

このユニットを使った経験のあるマニアに聞くと大変明るくパンチ力のあるドンドン攻めて来る豪快な音と評価していたのだが、やはり自分の耳で聴かないと・・・・・


 まぁ気に入らなければヤオフクにワンオーナー極上品で出品すればそれなりの価格になるから興味半分で聴けば腹も立たないし国産のスピーカーのレベルは海外のスピーカーより低いと評価されているらしいのとただで手に入れたユニットですから期待度30%いや10%で聴けば良い、


BETA−10の仕様

 コーラルのBETA−10を試聴する前にこのユニットの仕様がわからなければ先には進まない、ネットで検索しましたら以下のような仕様になっているのがわかった、


再生周波数25〜20,000HZ
最低共振周波数25HZ〜40HZ

インピーダンス8Ω
出力音圧レベル97dB
マグネット密度15,500ガウス

重量4,6Kg
ユニット構造 ダブルコーン

発売時期1968年ごろ    


以上が概略の詳細になります。

 当時の国産のユニットは海外のユニットと比較して大変丁重に作られているのとユニット単体での販売の場合は高級感も重要なポイントと思われる。

今回のコーラルBETA−10は15,500ガウスの強力なマグネットと97dBの音圧レベルを持った国産最高のフルレンジと評価が高くマニアは喉から手が出るほど欲しかったのだが価格が高くて手が出せないユニットの一つでもあった、


BETA−10を鳴らすシステム


アナログ系 

フォノモーターケンウッド KP−880のモーターのみ
使用トンアーム グレース G−565F ロングアーム
カートリッジ エラック EMC−1 MCタイプ、DENON DL−103GL


デジタル系 

CDトランスポート CEC TL51X
D/Aコンバータ Model2

プリアンプ 私が改造したマランツ#7

メインアンプ 英国マツダ PP5/400シングルアンプ


 今回はヨーロッパの直熱三極管で名球と言われている英国マツダのPP5/400で試聴します。

米国球のWE−300Bも良いのですが私が試聴した限りイギリスの直熱三極管はアメリカ球には無いイギリス・サウンドの音がします。

スピーカーは現在愛用中のワーフェデールとの比較も面白いのではないか、


今回のリファレンスアンプである91Bを予定していましたが解体後に組み上げて悪戦苦闘中ですから今回は間に合いませんでしたが完成後には再度報告させていただきたい、


はやる気持ちで早く鳴らしたい


 25cmのリングアダプターが必要のためホームセンターで合板を購入してユニットを前面から取り付けようとしてジグソーで加工したが上手く円形カットにできず最初は失敗、再度合板を購入して仕方なくバッフルの後方から取り付けることにしたのだが早く鳴らしたい気持ちと焦りは私も皆さんも同じではなかろうか、

 大橋氏の店主日記やK藤氏のブログでも紹介されたワーフェデールのスーパー8との違いを確かめたいのとBETA−10は名器と言っても国産のラッパですからマニアが使っているアルテック、JBL、タンノイには足元には及ばない気がするが・・・・・・・

 試聴には私のリファレンスCDでアンヌ・ケフェレックの「バッハの瞑想」とアナログディスクを使っての試聴になりますからこの曲を聴けばスピーカーの全貌が手に取るようにわかります。

 音を聴く前にこのユニットは多分長い年月押入れに放置してあったので完璧な状態ではないのとエージングまでは時間がかかる事をご了承して頂きたい、又ボックスとユニットとのDNAが一致するまでは時間がかかりますので絶対的な評価ではない事をご理解して頂きたい、


BETA−10をワーフェデールから外して取り付け、ボックスの上には戦艦金剛のプラモが展示してある。


30pユニット用のためアダプターリングを取り付けた、


これがコーラルBETA−10の音だ!

 コーラルを聴く前にワーフェデールを十分聴き込んでユニット交換後に早速アンヌ・ケフェレック「バッハの瞑想」のCDをトレーに入れて音出しを開始した、

 最初に出てきた音は話で聞いた音とは正反対でこれは一言では表現できない、

確かにワーフェデールとは音質、音色はまったく違う鳴り方だがこの音は今迄イギリス、アメリカ、ドイツのスピーカーを沢山聴いてきた音とはBETA−10だけは異質、というのか言葉では表せない音でこう言う音の世界も有りとつくづく感じたのだがこれが国産の音とは思えない、

 この音を聴くと国産の音ではなく又英国サウンドとも違う、勿論アルテックやJBLに代表されるアメリカンサウンドとは異なる。

私自身どう評価すればいいのか答えが出ないがピアノやボーカルに関してはずばりワーフェデールよりも渋くて繊細かつコクと味がある。

勿論ワーフェデールも素晴らしい良いユニットだがBETA−10もそれ以上のユニットと捉えた、

勿論スピード感はワーフェデールには負けてはいないと思う、
明るくパンチ力のある豪快な音は影を潜めていぶし銀サウンドだ、

例えを言えば言葉は悪いが「荒馬がロバ」になったような感じになるが半導体アンプで鳴らせばDF値が高いので多分高域のアバレのあるサウンドとなり聞こえは良いが賑やかな喧しい音になるのではないか、このようなサウンドなら名器とは言い難い魅力ないスピーカーになってしまう、


 次に試聴したのはヨー・ヨー・マのバッハ無伴奏ソナタのアナログ盤だ、このレコードはSUNVALLEY AUDIOさんの大阪の試聴会や真空管オーディオフェアにお貸ししたレコードで多分皆さんも聴かれているはずだ、

これも大変心地よく大きな音量を上げても疲れないのと大音量にもかかわらず人との会話が出来るのには素晴らしい、

この独特な音色が心を燻ぶるのは魅力的でアナログの暖かさが大変心地よく改めてアナログの良さを再認識した、


 デジタルCDだけで音作りされているマニアの方も是非アナログに挑戦して頂きたい、自分の好みに合った良い音を出すにはCDだけではなくレコードの良さも引き出してデジタルとアナログとの融合を計りながら音を構築するのも面白いのではないだろうか、レコードの良さがわかればCDの良さもわかるから新しいオーディオが開けるはずだ、


 最後は日本の伝統で以前のコラムでご紹介した坂田美子の琵琶ものがたりの「祇園精舎」

尺八、琵琶、語りは暗く寂しい響きが十分感じ取れ静寂の中から聞こえる鳴り方は今迄沢山の海外のスピーカーを聴いてきたがこの雰囲気感だけは出ない、

答えは簡単で琵琶と言う楽器や小唄のような節回しや演歌等は海外のスピーカー開発者は多分知らないのではないか、

 コーラルBETA−10は期待度10〜30%であったがメーカーの広告では外国スピーカーを超えると書いてあったが正直な話事実かも?

私が聴いてきた英国グッドマンのAxiom−80、ワーフェデールのスーパー8、ローサのPM−6Aより良い音と捉えたのと大変鳴らしやすいユニットでもある。

もうこのスピーカーは手放さずに末長く大切に愛用したいのだがスピーカーが国産品だと言うだけで見下げるマニアが沢山いるのには腹が立つ、

アルテック、JBL、タンノイしか興味がないマニアにコーラルのBETA−10を聴いてもらえば国産スピーカーの良さを再認識するのではないか、

また最近の新しい海外のスピーカーはどれも優等生的な音で魅力に欠けるがBETA−10のような個性のある不良っぽい音の方がスピーカーとしては面白いし飽きが来ない、

 スピーカーに関してはいつも思うのだがユニットはオーケストラでありボックスはコンサートホールであるからどんな良いオーケストラ(ユニット)でもホール(ボックス)が悪ければ良さが出てこない、

 今回は皆さんに試聴評価を伝えたかったですが私のような無知なレベルでは正確に文章では書けなかったのは残念に思いますが、まだ実装直後の音出しですからこれが絶対とは言えませんがこのユニットこそ後世に残る名器の称号を与えてもおかしくは無い素晴らしいスピーカーユニットです。


※名器とはどんなジャンルでもそのような雰囲気感で鳴らなければ名器といえない、


このアナログ盤を聴くとCDにはないアナログの暖かさが聞こえる


BETA−10で聴く琵琶ものがたりはせつなくも悲しい表情が出ている。


大橋氏も愛用の私のリファレンスの定番でこのピアノをいかに上手く鳴らすかがポイントと思う、


コーラルに想う

 私が21歳の頃(40数年前)に25pのコアキシャルを初めて買ったのは確かコーラルの10TX−70でこれを大型の自作箱に入れ自作の半導体アンプで鳴らしていたが良くも無ければ悪くも無い音であったが多分トランジスターアンプでは上手く鳴らなかったのではないかと今にして思うのだが・・・・・

 この時代にWE−300B、DA−30クラスの直熱三極管アンプで鳴らせばオーディオの方向性が今とは違った道を歩んでいたかも知れないが当時は国産より海外のスピーカーが魅力であったけれども今にして手放したのが少し心残りだ、


 このBETA−10を聴くと当時のコーラルの技術者は相当レベルが高かったと思う又スタッフの中に凄い耳の持ち主がいて海外の名器「グッドマンのAxiom80,ローサのPM−6,JBLのLE8T」当たりを十分聴き込んで開発されたユニットではないだろうか、

残念ながらコーラルという会社が今は存続していないのは非常に寂しい気がする。


追記 2軒のオーディオショップ

 所要で神奈川県の川崎に行く機会がありこちらのオーディオショップを覗いてみましたので報告します。こちらの2軒は中部地区には無いヴィンテージの専門店です。大変好感が持てましたのでご紹介させて頂きます。


横浜市内にあります「ホールトーンシティ横浜」は沢山のヴィンテージオーディオがありここの店主も大変良いお方で音も素晴らしいサウンドを聴かせてくれた、


ホールトーンシティ横浜|ヴィンテージオーディオ専門店
http://www.halltone.com/


 確かスピーカーはアルテックとローサのPM−6アルニコタイプ、メインアンプはアンペックスの807プッシュで業務用アンプ、プリアンプはオーディオリサーチのSP−3でしたがここで聴いたローサもアルテックも大変良くクラシックも見事に鳴っているのにはびっくりした、

特にアルテックで鳴らすクラシックは相当のテクニックを駆使しないと中々上手くは鳴らない、コーヒーまで出してくれた店の雰囲気と店主の対応は気持ちよかったのが印象に残る。


 2軒目は横須賀にあります「マツシタハィファイ」です。


ヴィンテージオーディオの店:マツシタハイファイ
http://www.mat-hifi.co.jp/


ここで聴くエレクトロボイスのパトリシアン800は実に芳醇な鳴り方でいつまでも聴いていたい音の一つです。

現在使用中のBETA−10の音を思い出しながら比較しますとどちらも良く好みの差ぐらいにしか感じない、そう思うと名器BETA−10は凄いユニットと痛感したのと私が求める音の方向性は間違っていなかった、


 エレクトロボイスのユニットは私が使用していた物と同じですがやはりアメリカから直輸入されたオリジナルは作りも素晴らしい、

ここの店主も話の分かる方で意気投合、オーディオに対しての共通点は同じですから話は弾みますね、最後にご夫婦で店の外までお見送りして頂くとは、お伺いして良かったと感じました、中部地区にはこのようなアットホーム的な良いオーディオショップがないのが悔やまれる。関東の方は是非この2軒のヴィンテージショップに行って下さい。自分が望む音の参考になるかも?


あとがき

 BETA−10の試聴は上手く表現できないのと言葉では言い表せないのが残念でなりません。私1人の評価では結論が出せませんでした。ここはSUNVALLEY AUDIOの大橋さんや四日市のK藤様に聴きに来て頂き前回聴いて頂いたワーフェデールとコーラルの比較を一刀両断で評価して頂きたい、

またこのコラムを読まれた方でBETA−10を一度聴いてみたいとおっしゃる方がお見えでしたらご遠慮なく聴きに来て下さい。
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-025


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CORAL BETA 10 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=CORAL+BETA+10


CORAL BETA-10
¥18,500(1台、1970年代前半頃)
¥22,500(1台、1980年頃)
https://audio-heritage.jp/CORAL/unit/beta-10.html


BETAシリーズの25cmダブルコーン型フルレンジスピーカーユニット。

振動板には主原料のパルプに化学繊維を混入したものを使用しており、従来のスピーカーにみられる厚さや密度の不均一を抑えています。さらに、厳選したものを着色をさけて白色のまま使用しています。

高域用のサブコーンには強靭で高密度のパルプを特殊処理を施して使用しています。

ボイスコイルには銅線とアルミニウム線の長所を併せ持つ銅被膜アルミニウム線を使用しています。

コーラル独自のスカイバーエッジや、指向性を広げる星型ディフューザーを採用しています。

プロミネントフレームを採用しており、バッフル面にフラット・マウントが可能です。

機種の定格

型式 25cmダブルコーン型フルレンジユニット

公称インピーダンス 8Ω

プログラムソース入力
20W(1970年台前半頃)
40W(1980年頃)

最低共振周波数 32Hz
再生周波数帯域 fo〜20kHz

出力音圧レベル 97dB/W/m
磁束密度 15,500gauss

有効振動半径(a) 10.7cm
振動系等価質量(mo) 16g
Qo 0.5
メカニカルクロスオーバー 6kHz

最大外形寸法 直径285x奥行133mm

バッフル穴寸法 240mm
272mm(プロミネントフレームによるフラットマウント時)

取付穴寸法 228mm
258mm(プロミネントフレームによるフラットマウント時)

重量 4.6kg
https://audio-heritage.jp/CORAL/unit/beta-10.html




3. 中川隆[-10182] koaQ7Jey 2019年5月24日 09:45:29: b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2163] 報告
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多摩音響研究所 16センチユニット L16A

多摩音響のスピーカーユニット L16A の広告
(オーディオアクセサリー 21号掲載)

ko_genki 2014年5月3日 at 12:26
僕の愛用スピーカーですね 貴重な情報です
昭和56年購入
http://audiosharing.com/review/?p=14581


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横浜のMさんと北関東の遠足 GRFのある部屋 2019年 05月 19日
https://tannoy.exblog.jp/30602341/


駅では、K.Oさんが待っていてくれました。昼食をいただいてから、まずはお嫁に出したDecolaに逢いに行きました。現地では、近くに住む大山君も合流です。


一年半ぶりに見たDecolaはすっかりこの家の住人になり、一回り大きくなった気もして、マダムの風格も出てきました。大山君も今更のようにDecolaの大きさに驚いていました。音を聴いたMさんは、しきりに感心されて、私の家にいたときより幸せだと言われました。私は、ちょっぴり複雑な気持ちですが、その通りだとうなずいていました。遠い英国の古い街から来た彼女を、二年がかりでOさんとレストアーして、いまこのように大輪の花を咲かせている彼女を見て安堵しました。


家の前に広く拡がる悠久の景色に、クレスパンの歌声が消えていきます。忘れていたオーディオの落ち着いた音を聴かせて貰い、里親として、満ち足りた時間でした。


K.Oさんは、Decolaばかりではなく、ご自宅の装置もDECCAのカートリッジをメインにしておられます。長野のLogeさんの手になる、Quad22のプリと、同じくQuad II の組み合わせで、鳴らす英デッカの盤は、とても切れ味も良く、弦楽器の広がり、ピアノのタッチの良さ、そして何よりも魅力的な声に、ここまで音をまとめているK.Oさんの音作りにも大変感心しました。


SPはユニークで、Lawtherの日本版を作っていた多摩音響の16センチユニットを、英国の AudioVector の箱に入れて鳴らされています。


多摩音響の16センチユニット + 英国のAudioVectorの箱
https://tannoy.exblog.jp/iv/detail/?s=30602341&i=201905%2F19%2F99%2Ff0108399_12392836.jpg


その音はローサーのイメージとは違った、極めて上品な音で、それと比べると、家のユニコーンは、今少し謙虚にならなければと反省しました。


場所を変えて、K.Oさん行きつけのお店に。ブルゴーニュの白と同じブルゴーニュのNuits-Saint-Georges をごちそうになりました。私の好きなワインです。お気遣いいただきありがとうございました。それから三時間近く帰りの電車を忘れて歓談しました。K.Oさんの趣味の深さ、歴史の長さを感じました。それが今の音をつくり、そして、Decolaの置いてある家に結実されているのだと、徐々にK.Oさんのスケールの大きさがわかってきました。
https://tannoy.exblog.jp/30602341/


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チューブ オーディオ ラボ 多摩音響研究所スピーカー + 後面開放箱

スピーカーコーナー   ☆2015/09/12 
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2015/Speaker4/Speaker4.html


Part.1
 モノラルをフルレンジでお楽しみの皆さん
是で良いと言うユニットに巡り合えたでしょうか・・・
   ついつい未だ聴いた事の無い他のユニットに・・・
   憧れるのは私だけでは無いと思います。


そんな訳で・・・
今回ご紹介するのは、後面開放のスピーカーボックス・・・
(ボックスとは言わないか・・・)に色んなユニットを取り付けて聴ける様に致しました。

Part.2
 音楽聴くにはフルレンジのSP1本有れば良い・・・と・・・お考えの皆様・・・
 モノラルでぶ厚い再生音を楽しんでいらっしゃいますか?
 後面開放ボックスに取り付けるべく・・・
 SPのサブバッフルが出来上がりましたので・・・ご覧ください。

Part.3
 しばらく時間が空いてしまいましたが・・・
 多摩音響研究所スピーカーを後面開放型の箱に取付けまして・・・
 無事 納品となりました。


Part.1 ◇ ユニット

是から出番を待っているユニットたちです・・・米国が多いです。 後・・・3点ほどバッフルの穴加工に出ています・・・


◇ ジェンセン

スピーカーボックスは・・・こんな感じです。 後は・・・ローサー16Cm サブバッフルに名器ジェンセンのP8P・・・20Cmフルレンジ・・・センターキャップはフェノール・・・ 4本の蝶ネジで固定します。


◇ 後面開放

裏側はこんな感じです・・・ 裏蓋が無いのでユニットの取り換えが容易に出来ます。

◇ 多摩音響研究所1

ご存じの方は・・・いらっしゃいますか? 当時・・・とてもとても高額なユニットでした。 黒のチジミ塗装です・・・採算等・・・考えて無かったと思います・・・ヨ


http://shinkuukan2.web.fc2.com/2015/Speaker4/Speaker4.html


◇ 多摩音響研究所2

実測で・・・13cm位のフルレンジです。 此のたたずまいから・・・ローサー・・・エクザクト等を連想するのは・・・私だけでしょうか・・・

http://shinkuukan2.web.fc2.com/2015/Speaker4/Speaker4.html


◇ 多摩音響研究所3

ご覧ください・・・此のフレーム・・・ ぶ厚いアルミダイキャスト・・・開発した技術者の心意気が伝わって来ます。 出てくる音・・・悪かろうはず有りません・・・ネ

http://shinkuukan2.web.fc2.com/2015/Speaker4/Speaker4.html


Part.3 ◇ 出来上がり

箱が出来上がってきましたので・・・早速にユニットを取付け・・・


◇ 50

万全を期して・・・使用アンプは50シングル・・・(フェアに出品します)


◇ 音だし

はやる心を抑えて・・・音出し確認です・・・ 此のユニットは初めての体験・・・ ターミナルの配線が・・・モドカシイ ボーカルでチェック・・・ びっくりです・・・ 素晴らしいです・・・ 皆さんに・・・聴いてもらいたい・・・ナ〜


◇ セッティング

良い感じで・・・収まりました・・・ 16センチで後面開放・・・実にのびのびと音が出ます。 絶品の美空ひばり・・・


◇ アルテック

隣の名機・・・アルテック・・・色が褪せてしまいそうです・・・(失礼) とても良い感じに仕上がり、喜んで頂きました。

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 SPボックスについての詳細はお問い合わせください。
 ご希望に応じ製作、調整致します。

チューブオーディオラボ 025-775-7383
今すぐメールを!E-Mail:tubeaudiolabo@rouge.plala.or.jp -----------------------------------------------------


http://shinkuukan2.web.fc2.com/2015/Speaker4/Speaker4.html



4. 中川隆[-10181] koaQ7Jey 2019年5月24日 09:48:35: b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2164] 報告
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DIATONE 2S-305 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=DIATONE+2S-305


オーディオの足跡 DIATONE 2S-305
https://audio-heritage.jp/DIATONE/professional/2s-305.html

¥47,000(1台、1958年発売時)
¥56,000(1台、1968年頃)
¥78,500(1台、1969年頃)
¥120,000(1台、1971年頃)
¥200,000(1台、1975年頃)
¥250,000(1台、1977年10月1日改定)
¥350,000(1台、1984年頃)

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私のオーディオ人生 第3回懐かしきオーディオ仲間、コンコルド訪問記
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-003


三菱2S−305の音

タンノイを聴かせて頂いて感服している後に今度は三菱のモニタースピーカーの音出しとなった。

タンノイの余韻が残っている後の三菱の2S−305モニタースピーカーはどんな響きで鳴り出すのだろう?

レコードはクラッシックから一転して流行歌に変わった、私個人としては、はっきり言って興味がない。しかも美空ひばりと青江三奈だ。戦前派のK藤氏はこんなのが好きなのか、しかもオーディオ装置でこんな歌謡曲を聴くなんて、オーディオマニアはクラッシックかジャズが通り相場なのだが。

三菱のスピーカーからどんな音が聴けるのか、目を閉じてスピーカーに一点を集中しながら美空ひばりの歌が聞こえてくるまで固唾を呑んで鳴り出すのを待った。

最初のイントロから始まり美空ひばりの歌が流れ始めたとき、こんな切ない美空ひばりの歌は聴いたことがない。

低音がどうの高音がどうのと言う次元ではない。歌謡曲なんかバカにしていたけれど感動してしまう。

次は青江三奈の伊勢崎町ブルースだ。

イントロから始まり(あなた知ってる〜港ヨコハマ〜)この歌声を聴くと青江三奈はすごく魅力のある女性と感じた。

お色気ムンムンである。

「俺も青江三奈のファンになっておっかけでもやろうかなぁ」
それぐらい魅力のある歌声だ

良い音で聴く流行歌には本当に感動した。音が良いと歌まで上手く聞こえてくる。今まで色んなスピーカーを聴いてきたがこの三菱の2S−305は、さすがに日本が誇るスピーカーの名機だ、歌謡曲を鳴らしたらこのスピーカーの右に出るものはないぐらい素晴らしい。

この雰囲気はタンノイやエレクトロボイスでは出ない。K藤氏の音には魂がこもっている。

こんな音を聴いてしまうとオーディオとはいったい何だろうと考えさせられた。

(追記)テレビやラジオで青江三奈の伊勢崎町ブルースが流れると、K藤氏のことを思い出して昔を懐かしんでいます。
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-003


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伝説の MItsubishi「2S-305」を手に入れる 2013年04月03日
https://blog.goo.ne.jp/cuckoo-cuckoo8/e/c755568f7139f37e553711afbab70288


 前回、Kripton KX-1000P について書きました。

 うん、このスピーカーあたりが、私のレベルではひとつのゴールかなあ・・・
 と思っていたところに、オーディオ関連本「これだ!オーディオ術」(村井裕弥著)を読んでいて件名のスピーカー「2S-305」に関する記事が目に止まったのでした。

「江川三郎実験室の記録」(P43~)より一部を抜粋します;

 珍しく、イベント開始時から良い音が出ている!

 ほとんどの場合、最初は「なんてひでえ音だ。何とかしようぜ。」で始まり、対策を重ねたあげく、ハッピーな世界にたどり着くというのが常で、それがこのイベントの趣旨なのだからそれはそれで良いのだけれど、今日は例外のようだ。

 「何が鳴っているの?」と人垣をかき分けてみると、写真では何度も見ているが実物を見るのは初めての、大型スピーカーが姿を現す。三菱の2S-305じゃないか。伝説のNHKモニター!!

 この2S-305の、それも保存状態がいい個体の音を聞いたことがある人はほとんどいないのではないだろうか。

 かかっているのはチェチーリア・バルトリの「ゆかしい月よ〜イタリア歌曲集」(DECCA)で、軽い振動板の大型ウーファーが鼻歌気分で奏でる音は、昨今の小型スピーカーが逆立ちをしても表現できない世界だ。念のためにいっとくが、「低音がよく出る」とかいう低レベルの話じゃないよ。

 こんな風に書かれたら、聞いてみたくなりますよね(笑)。

 ネットで2S-305を検索してみますと、NHKの現場で使うために開発された伝説のプロ用モニタースピーカーであることが判明しました。

 最初に発売されたのが1958年(私が生まれる前)、生産が終了したのが2001年という驚異のロングセラーを記録し、「スピーカーのダイヤトーン」という名声を得るに至った記念碑的作品です。

 数年ごとにモデルチェンジをしなければ売れない日本のスピーカーの中にあって、奇跡的なシーラカンス的存在という見方もできるかと。


 オーディオ評論家、菅野沖彦氏のコメント:

 「満開の桜を見るように、端正で、淡泊でいて豪華な響きの音は「はんなり」とでも形容したい上品な佇まいのバランスと音色」

 ただ、大きいんですよねえ。

 ・・・W(幅) : 650.00mm  H(高さ) : 880.00mm  D(奥行) : 445.00mm 重量50kg弱。

 ちょっとした「家具」です。 


★ 参考になるHP/ブログ;

□ ステレオの産業史|ダイヤトーン
□ DIATONE 2S-305の仕様 ・・・価格がどんどん上がっていく不思議
□ audiosharing「過去のReview」(菅野沖彦氏、瀬川冬樹氏、井上卓也氏、岩崎千明氏のコメント)
□ ダイヤトーン 2S-305 (BTS R-305) モニタースピーカー
□ オーディオ・音の傾向「diatone 2s-305」


★ YouTubeより;

□ 廿日市のコーヒーハウス・イシイへ名機R305(2S-305)がやって来た
□ スタジオモニター定番スピーカ 三菱 DIATONE 2S-305D(R-305)
□ スッと出る音My Audio test (2S-305,LHH1000,2A3-Z Amp & Preamp was made
□ Diatone Mitsubishi-R305
□ 音楽喫茶「アヒルのジミー」開店 因幡晃のフランス語「わかって下さい」
https://blog.goo.ne.jp/cuckoo-cuckoo8/e/c755568f7139f37e553711afbab70288


 そ、そして、中古の2S-305をボチッ(パソコンのキーボードを押す音)と買ってしまった私。

 アフターケアも可能なショップ「ハイファイ堂」から購入しました。
 何せ古い品物であり、格安のオークション出品物ではキチンと稼働するかどうか不安が残りますので。

 そこで実働するようメインテナンスされ、かつ使いやすいように一部改造した品です。

《メインテナンス内容》

 外装研磨・全塗装 サランネット張替え コンデンサー交換(JRCオイルコンデンサー計4ヶ)

《改造内容》
 スピーカーターミナル背面バッフル加工取付け

 このスピーカーは本来「キャノンコネクター」というプロ用ターミナルしかないのですが、一般のバナナプラグも使用できるようにターミナルを増設してあるのです。
 なお、キャノンコネクターも従来通り使用可能であり、専用ケーブルも付属しています。


 側面にあるキャノンコネクターの形状(↓)


 本来は背面には何もないのですが(↓)


 バナナプラグ対応のターミナルが増設してあります(↓)


 年度末セールで「送料無料」「2年保証付き」というタイミングでゲットしました。

 相談したら、なんと2Fまで運び上げてくれるとのこと(よかった〜)。
 4月中旬に届く予定で、どの位置に設置しようか、スピーカースタンドはどうしようか、と嬉しい悩みを味わっているところです。
 ああ、部屋中に広がるオーケストラの響きを早く味わいたい・・・。

 どうもピカピカの最新式よりも、いぶし銀のヴィンテージものに惹かれてしまう私。
 気がつくと周囲には古いものばかりが増えています。
 腕時計も50年前の機械式のものばかり。
 自分自身もそろそろ骨董品と化してきたかな・・・。
https://blog.goo.ne.jp/cuckoo-cuckoo8/e/c755568f7139f37e553711afbab70288

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DIATONE 2S-305 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=DIATONE+2S-305


オーディオの足跡 DIATONE 2S-305
https://audio-heritage.jp/DIATONE/professional/2s-305.html

¥47,000(1台、1958年発売時)
¥56,000(1台、1968年頃)
¥78,500(1台、1969年頃)
¥120,000(1台、1971年頃)
¥200,000(1台、1975年頃)
¥250,000(1台、1977年10月1日改定)
¥350,000(1台、1984年頃)


1955年に発表された2S-660から3年を費やし改良されて誕生したスピーカーシステム。
NHK技術研究所との共同研究によって開発されました。

2S-305は何十年もの間、BTS-6131に規定された音質監視用R305の指定名称で、国内の放送局をはじめ海外の放送局や、音響専門メーカー、音響研究所で標準再生用として採用されました。

また、高い技術精度で作られる一つ一つのパーツをシステムとして完成させるため、エンクロージャーの製作、部品の組立て、取付けにいたる過程すべてが熟練した職人による手作業により行われていました。

低域には20cmコーン型ウーファーであるPW-125を搭載しています。
PW-125の振動系はクロスオーバー周波数1500Hz以上で高域が減衰するメカニカル・フィルターになっており、ネットワークを使用しなくても不要な高音の放射がありません。

高域には5cmコーン型トゥイーターであるTW-25を搭載しています。
このユニットの振動板は有効振動半径2cmとなっており、磁気回路には磁性材料の中でも高い方の飽和磁束をもつとされている鉄・コバルト合金を使用して、高能率化を実現しています。

エンクロージャーにはバスレフ方式を採用しています。また、カバとラワンの薄板を1枚1枚接着し外角に丸みを持たせることで、回折現象による中・高域への影響を防止するとともに、機械的強度も高めています。

1台1台に無響室での実測データが添付されていました。

壁掛け用の2S-305C(灰色)や600Ωのマッチングトランス付もありました。

別売りオプションとして専用キャスターがありました。

機種の定格

方式 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・フロア型

ユニット等構成
低域用:30cmコーン型(PW-125)
高域用:5cmコーン型(TW-25)

ネットワーク:HP-170

再生周波数帯域 50Hz〜15kHz 40Hz〜16kHz ±5dB

入力インピーダンス 8Ω

クロスオーバー周波数 1.5kHz

定格入力 20W
最大入力 60W

出力音圧レベル 96dB/W 102dB/VA

ネットワーク 高域:12dB/oct

外形寸法 幅650x高さ880x奥行445mm

重量
45kg(1975年以降のカタログ記載)
50kg(1969年〜71年のカタログ記載)

別売 専用キャスターMC-1380A(¥30,000)
https://audio-heritage.jp/DIATONE/professional/2s-305.html



http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/845.html#c94

[リバイバル3] 最近のオーディオ業界の状況 中川隆
95. 中川隆[-10119] koaQ7Jey 2019年5月26日 21:21:09 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2230]

特に、日本の静電型スピーカーの音質は今の何千万円もする欧米のスピーカーに遜色有りませんでした:


まるで細密画を思わせる奇跡の描写力 _ スタックスの静電型スピーカー ELS-8X
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/954.html

ソニー SS-R10 _ 史上最高の静電型スピーカーだったんだけど…
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/950.html

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/845.html#c95

[リバイバル3] まるで細密画を思わせる奇跡の描写力 _ スタックスの静電型スピーカー ELS-8X 中川隆
1. 中川隆[-10118] koaQ7Jey 2019年5月26日 21:36:57 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2231]

甦れSTAX ELS-8Xコンデンサースピーカー
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2014-04-05


かつて、日本のオーディオ業界が盛んであった時代、世界に類を見ない精緻な作りの、大型コンデンサースピーカーがありました。

STAX社のELS-8Xです。

ダメになった発音ユニットの3ミクロン厚の振動膜の張替え・修復に成功したELS-8Xから、思いも寄らない音響空間が出現しました。

眼前にぱあっと広がるリアルな音場。

あそこで鳴ってる、こちらで歌う、そこにいる。今まで経験したことがない明確な定位。

低音のさらに低域の、震える空気の粗密波が頬に触れ体を包む。

なによりも「そこで演(や)ってる感」がすばらしい。

おそらく世界最高の精緻な発音ユニットと音質を備えた STAX ELS-8X を中心に、コンデンサースピーカーについて綴ります。
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2014-04-05


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甦れ(1回)STAX ELS-8X コンデンサースピーカー [甦れSTAX ELS-8X コンデンサースピーカ]
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-17

甦った8X

■序

8Xふたたび

眼前にぱあっと広がるリアルな音場。
あそこで鳴ってる、こちらで歌う、そこにいる。
今まで経験したことがない明確な定位。

低音のさらに低域の、震える空気の粗密波が頬に触れ体を包む。
なによりも「そこで演(や)ってる感」がすばらしい。

修復成ったSTAX ELS-8Xから、思いも寄らない音響空間が出現した。


オーディオルームの8X
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-17


<写真1:修復がほぼ終わったSTAX ELS-8Xを、オーディオ部屋に運んで試聴>

**8Xの後ろの黒い箱は、8Xがダメになっていた期間の代替機として使っていたALTECのMODEL 19。

これはこれで大した器である。

右端の真空管アンプは、当ブログの別テーマ『原器を目指した「最終アンプ」』の主人公**


ELS-8Xとは

かつて、日本のオーディオ業界が盛んであった時代、世界に類を見ない精緻な作りの、コンデンサースピーカーがあった。

STAX社のコンデンサースピーカー ELS-8Xである。

ELSすなわち「Electrostatic Loud Speaker」。

英国QUADなど海外では、この方式のものをESL「ElectroStatic Loudspeaker」と呼んでいる。

8Xは左右それぞれのスピーカーに8つの発音ユニットが付いているので「8」、
そしてほぼ改良し尽くした最終・最高のモデルなので(これは勝手な推測)「X」。

スタックス工業株式会社のフラグシップ機であり、コンデンサー型の各種オーディオ製品に最後までこだわり続けた同社の誇りと象徴、ELS-8X。

思い切り人手をかけた「熱意」が伝わってくる作り。

音響の基盤となる物量投入の分厚い木製バッフルと、よき時代の「ものづくり日本」でしかできない精緻かつ堅牢な発音ユニット。

8Xはその無比・無上の再生音とともに、日本のオーディオ界の文化財的な「宝」に値するだろう。

この8Xをバラし、発音ユニットを分解し、洗いざらい調べ尽くした私は、「こんなものを作っていては事業は成り立たない」と呆れたものだ。

昔のスタックス工業株式会社が今もあって、世界第1級のELS(ESL)を作り続けてほしかった、という願望の裏返しである。

私の感覚では、当時、たとえ2倍の価格で同数の売り上げがあったとしても採算はおぼつかない。
それほど入念な作りである。

8Xの発音ユニットを分解した結果、海外のESLのそれと、大きな相違点があることに気が付いた。

ダイアフラム(振動膜)と固定電極とのギャップ(距離)、それと成極電圧(数千ボルトのバイアス電圧)との配分関係が大きく違うのである。

ギャップが狭い!。

この相違点には、なにかとても重要な意味があるに違いない。

なぜなら、8Xが選択した配分関係の発音ユニットを製造するには、大幅なコストアップが不可避だからである。

つまり必然的に精緻・精密な作りをせざるを得ない構造となる。

なにか特別にいいことがないかぎり、そのような選択をする筈はない。

推測であるが、8Xの発音ユニットの比類ない音質は、この相違点に一つの秘密があるのではないだろうか。

8Xはこのような素性の、今や誰も作れない(事業性がない)スピーカーである。
もし、今も健全で完動している8Xのオーナーがおられたら、いい環境の中で大切に大切に使い続けていただきたいと切にお願いしたい。

ちなみに私の8Xより数年古く、30年近く使われていた8Xでも、いい環境の中にあれば、まったく健全で音質の劣化も認められない状態を保つことが実証された。

そのことについては当ブログ内の別テーマ、「i氏山荘訪遊記(第2話)」で触れているので、よろしければ訪ねていただきたい。

この見事な加工のパンチングメタルを見よ_全域ユニット

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-17


<写真2:全域ユニットの固定電極のパンチングメタル。低域ユニットとも共通>

**この精緻な加工を見てほしい。孔の細かさ、開孔率の高さ、孔のエッジの丸め加工(裏・表とも)など、これを見ただけで8Xが内外ともに突き抜けた存在であることが分かる。高域ユニットのものはさらに細かい。


この見事な加工のパンチングメタルを見よ_全域ユニット

**固定電極の表面電界は、均一で平らで滑らかであることが求められる。そのためには、パンチングメタルの孔を可能な限り小さくする必要がある。また、音が抵抗なく通るよう、開孔率はできるだけ高くしなければならない。それらを満たしてなおかつ、機械的強度や、振動対策を考えねばならない。これらのことから、パンチングメタルとその周辺構造は、ESL製品のクオリティーを知る上での重要なチェックポイントになる**


瀕死の8X

8Xが我が家に来たのは1987年であった。

それから10数年愛聴してきた8Xを、私は知らず知らずの間にダメにしていた。
周囲の環境に問題があった。

左右で都合16個ある発音ユニットの半数以上が、能率の低下で鳴らなくなった。

不調に気づいた時、すでに製造元のスタックス工業株式会社はなく、別の組織に様変わりして、8X修復の望みは完全に失われていた。

問題の箇所が発音ユニットにあることは見当がついた。
しかし8Xの発音ユニットは、もともと修理ができる構造ではない。

組み立てにネジなどは使われておらず、接着剤で完全に一体化され、分解できるようにはなっていない。

故障すればユニットをまるごとそっくり交換する。

その当時、荒技でも裏技でも、なんとか修復の手立てはないかと足掻いてみたが、結局どうにもならないことが、はっきりしただけであった。

それでも「いつの日にか」と、一種のライフワーク的な思いで納戸に押し込んだ。
瀕死の8Xは古シーツに包まれ、いつ覚めるともしれない眠りに就いたのである。


放電によりフィルムに空いた穴

<写真4:固定電極と振動膜との間で高圧がスパークして開いた穴。その周囲が損傷している>

**フォーカスが外れているが、ついでにパンチングメタルの加工のアップも見ていただきたい。高い電圧は尖った先に電界が集中して放電を引き起こす。だから打ち抜いた孔のバリなどはあってはならず、さらに角も丸く磨くかなければならない**


緊急決起ボタン

瀕死の8Xは納戸の隅で、10年近くの長い年月を過ごした。
ところが2013年の早春、「いつの日にか」は突然やってきた。

あるきっかけで、私の心の中の「緊急決起ボタン」が押されたのだ。
8Xは狭い納戸から明るい部屋に運ばれ、裏蓋を外された。

高圧プローブで電圧が測られ、2現象オシロスコープでオーディオ信号を観測され、試料として1つのユニットが取り外された。

高域発音ユニットの成極電圧1.8KV正常、全域および低域の成極電圧3.5KV正常。
発音ユニットへのオーディオ入力信号は、高域入力正常、全域入力正常、低域入力正常。

まず最初の行動は、不具合が確かに発音ユニットにあることの再確認だった。
それからが五里霧中、暗中模索。

蘇生へ向けての下準備を開始した。

インターネットに張り付いて「ElectroStatic Loudspeaker」、「Repair」などを検索キーワードに、内外の関連情報を収集する日々が続いた。

いろいろ試みて、やはり修理は不可能な場合、同形、同寸法の発音ユニットを自分で作ることも検討し、部材の見積もりも取った。

目の前に現物見本があるので、選択肢として「あり」だろう。
修復に必要な振動膜や導電コート材等の主要な材料は海外に求めた。

日本は優秀な材料を多種生産しているが、残念ながら個人が僅かばかりの量を入手することができない。


クーロン力

さて、基本中の基本であるが、コンデンサースピーカーの振動膜を駆動する力はクーロン力である。

電荷の+と−が引き合い、+と+、−と−が反発し合う電気の根元的な力である。
電極板の面積、間隙の距離、印加する成極電圧。

それらと、振動膜を駆動する力との関係は?(前出の話と関係する)
まずそのあたりの基本原理のお勉強から必要となった。

早稲田大学では古くから、研究室やクラブ活動などにおいて、コンデンサースピーカーの研究を伝統的に行っており、その論文を何本もインターネットで公開していた。

早稲田大学大学院平成15年度修士論文「スイッチングアンプ駆動コンデンサスピーカに関する研究」など、コンデンサースピーカーを語る上で極めて重要かつ貴重な情報が満載である。

なおこの論文は、初歩的な基本原理のお勉強から書き出しているので、興味のある方はぜひとも検索されたい。

ちなみに、薄いフィルムの平面を全面駆動するコンデンサースピーカーといえど、振動膜はピストン運動をしていない。

「コーン型スピーカーは分割振動するが、コンデンサースピーカーはピストン運動であるため平面波が出る」、というのは誤りである。

レーザーでドップラー効果を利用したスキャニング振動計を使って、各種のモデルを実測した写真を見ることができる。

そして春も浅くまだ寒い日が続く頃から、初夏の暑さが感じられる頃まで、なにかに憑かれたようにがんばった。
その結果、驚くことが起こった。


甦った8X

瀕死の白鳥が奇跡的に甦った。

軽くしなやかな新しい羽にはえかわり、大空に舞い上がったような感動。
このようなことが自分の手で、これほどうまくいくとは思ってもいなかった。

発音ユニットの振動膜を、極薄・極軽、元の半分の厚みの3ミクロン・ポリエステルフルムで張り替えることに成功した。

その結果が冒頭の音響空間の出現である。
なんという幸運か。

優れた基本設計と入念な工作、長年にわたる改良の積み重ねにより到達した、STAXの頂点であり最終モデルであった8X。

それを一人のSTAXファンのアマチュアが、なんの裏付けもないまま「3ミクロンの修復」を試み、一発で成功してしまった。

世の中全般、普通はそれほど甘くはないので、多分、コンデンサースピーカーのダイアフラムには、「けっこういいかげん」なところがあるに違いない。

振動膜の張力や、導電コートの電気伝導に関する各種パラメータの値(つまり導電コート剤の種類やその塗布のしかた)などには、ある程度の許容範囲があるように思える。

薄いフィルムの張力を測る計器も、導電コーティングの非常に高い抵抗を測るメグオーム計や絶縁抵抗計もなく(普通のテスターでは測定不可能)、すべて素人の手作業による「勘」を頼りにフィルムを張り、導電剤を塗布している。

もちろん失敗してやり直したユニットもあったが、うまくいったユニットは、それぞれのユニット間の音の違いは聞き分けられない。

だからたぶん、限定された誤差範囲内で、ある程度の「ファジーさ」があるのだろう。

甦った音響は、8Xの新たな頂が、まだ先に聳えている可能性を示唆しているように思える。

スタックス工業株式会社が今にあれば、きっとさらなる高峰に到達しているに違いない。


外枠ヘフィルムを張る手順の最初の工程

<写真5:発音ユニットの振動膜を張る手順の最初の工程>


**まず、発音ユニットより大きなフレームに、3ミクロン厚のポリエステルフルムを、破断一二歩手前ほどの強い張力で張り締めていく。この作業が終わった後、おもて面に導電コーティングを施す**


高域ユニットのフィルムを2つを同時に張る

<写真6:発音ユニットの外枠に導電コーティング済のフィルムを接着する作業>

**いくつかのユニットの張り替えに成功していたので、調子に乗って高域ユニットを2つ並べて同時に作業してみた。これもうまくいった。接着剤が乾いたら、周囲のフィルムを切り落とせば振動膜を張る作業は終了**


この「甦れSTAX ELS-8X」では、8X修復の顛末を中心に、それらにまつわる話などを綴ろうと思います。

なお当ブログ内の別テーマ、

「i氏山荘訪遊記(第2話)」
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14-1


で、この8Xとi氏のスピーカーシステムとの関連についての記事が少しあります。
そちらもお訪ねください。


厳重注意!

コンデンサースピーカーの修理は、生命の危険が伴います。

8Xでは4000V(4KV)、他の機種では6000Vを超えるものもあり、通電中の内部にはそのような電圧が「そこら中に」かかっています。

電流は微小ですが、触れた場合の電撃ショックは大きく、どのような結果を引き起こすか分かりません。

また電源を切っても、数日間は完全に放電しきらない場合もあります。
身の安全を守るため、家電製品の注意書きにある「サービスマン以外は裏ぶたを開けたり、分解したりしないでください」、のお約束をよろしくお願いいたします。

(第1話 おわり)
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-17



▲△▽▼

i氏山荘オーディオ訪遊記(第2話) [i氏山荘オーディオ訪遊記]
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14-1


平面バッフルの音空間とSTAX ELS-8Xの音空間

■竹集成材平面バッフル

i氏山荘の現状のスピーカーシステムの基本構成は「竹集成材の平面バッフル3Way+大容量密閉箱ウーハー」である。

氏の描く基本形は、この平面バッフルを主放射源とするものである。

低域を補完するウーハーの最終形態は今後の課題としている。

これらは氏のオリジナルな自作であり、特に平面バッフルに竹集成材を採用したことや、その工作の巧みさは、今まで他に製作例がないと思われる。

またそのセッティングには、日常の家庭生活を考慮する必要のない山荘の「自分だけスペース」ならではの豪快さがある。

スピーカーの背壁は、急勾配の2階屋根に沿って傾斜した板張り。

その最奥に大容量密閉箱型ウーハが置かれ、その1mほど手前に平面バッフル型3Wayスピーカーシステムが、床と天井の梁との間に設けた強固な支柱に取り付けられている

(第1話の写真1)
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14


この「1mほど手前」の間隔が問題を起こしているのであるが、その解決はのちほど。

上下が固定された丈夫な太い支柱に、バッフルをがっちりと取り付けた構造が、このスピーカーシステム全体の音響を左右する大きな要素の一つになっているのだろう。

いずれにしてもこのスピーカーシステムが感動的な音場を形成する要因は、音の主放射源の平面バッフル方式にあると思われる。

平面バッフル方式のよさを評価する先達は大勢おられるが、ここの場合はそれが顕著に現れた好例だろう。


この平面バッフルスピーカーにはつぎの特徴がある。

・バッフルの材料に竹の集成材を採用た3Way方式。構成はツイーター1、16cmフルレンジ1、16cmウーハー2。

・スピーカー開口部のエッジに滑らかなR付け加工。

・表側全面のニス塗装。


穴あけ加工等、すべて自作である。
木工の腕は本職跣(はだし)であり、プロの指物師(さしものし)や大工の見習いとして即決採用かもしれない。
オーディオ道楽だけでなく、年中次々と発生する山荘の補修等の大工仕事を、各種の電動工具を揃えてやっているらしい。


i氏山荘SP平面バッフルのアップ

<写真1:竹集成材平面バッフル3Wayシステム>

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14-1


**構成は上からツイーター1、16cmフルレンジ1、16cmウーハー2。この写真の16cmフルレンジはDS-16Fが付いている。SPの穴の周囲のみごとなR加工**


■「箱」では得難いこの感動はなにか

山荘訪問初日、ああだのこうだの、CDをとっかえひっかえしながら配置を工夫した。

どうも位相的な微妙な違和感が付きまとうように聞こえる。

ウーハーと平面バッフルとの前後の間隔が1m強ある。

どうやらウーハーの直接音が、平面バッフルの背面放射と干渉しているのではないかと見当をつけ、とりあえずの荒仕事で位置を変える。

平面バッフルを上下逆さまにして、ウーハーの箱の天板の高さに持ち上げる。
そしてウーハーを平面バッフルと同じ面まで前に出す。

フルレンジユニットはDS-16Fから三菱ダイヤトーンP-610DBに取り替えた。
さて、この取って付けの仮配置で音を出す。

この時の感激は、当訪遊記(第1話)の冒頭「序」のとおりである。
このような音の空間に入った時が、音楽好きオーディオファイルの至福の瞬間である。

聴き慣れた音源から発見される新たな音響的感動、それによって初めて感じ取ることができた音楽的感動が次々と出現し、涙腺を刺激する。

ああ、このステージはこうだったのか。
この演奏はこういう響きだったのか。
この楽器はそこで鳴っていたのか。
この歌手は、この演奏家は、ここまで微妙・精妙な表現をしていたのか。


その時、氏もこの境地にいたと思う。
あれはどうか、これはどうだろうと、次々とCDを取り替えては聴いている。

いやー、すばらしい。
これほどの音場感が出るシステムは本当に稀である。
お金を掛ければ実現できるものでもない。
この音響はどこから、どういう理屈で出てくるのだろう。
やはり平面バッフルに何らかの要因があるのだろう。


i氏山荘SP全景 after

<写真2:第1話の写真1の配置では微妙な違和感があったので、このような応急処置をして音を出してみる>

**さてbefore→afterの結果は・・。竹集成材平面バッフルのフルレンジユニットは、三菱ダイヤトーンP-610DBに取り替えてある**


■STAX ELS-8Xとの共通点

今回の山荘訪問は、都合で氏に送り迎えしてもらった。

山荘に向かう前に、拙宅の修復成ったSTAXの大型コンデンサースピーカーELS-8Xの試聴をしてもらう目的もあった。

20数年ほど前から、氏はこの8Xを何度か聴いているのであるが、オーディオ道楽に染まってからは聴いていない。

8Xは片側に8個の発音ユニットがあるが(写真2)、ここ10年来、その半数近くの能率が下がり、使用できなくなった。

いつの日にか、なんとかしようと、納戸の小部屋に押し込めてあった。
8Xの代替機はALTECのMODEL 19を選んだ。

大型であるが、家庭に設置するタイプとして音響的に最高の器の一つだろう。

8Xとの音の質感の違いは当然ながら大きいが、これはこれで「大したものだ」と思う。

8Xを製造したSTAX工業株式会社はその後会社の形態が変わり、今後とも8Xが修理を受けられる可能性は完全に断たれている。
でもいつの日か、耳の聞こえるうちに、目がなんとか利くうちに、手先が自由に動くうちに、そして気力があるうちに修復したいと思っていた。

そうこうしているうちに自適生活に入り、怠惰な日々を2年も送っていたが、今年になってあるスピーカーを聴くにおよび、8X修復への「緊急決起ボタン」が押された。

この話は当ブログの別テーマ、「甦れSTAX ELS-8X」で綴ろうと思うが、かなりオーバーに言えば4・5ヶ月の寝食を忘れた苦楽の結果、3ミクロン厚のポリエステルフィルムを使った振動膜の張り替えに成功した。

オリジナル8Xは、ツイータ4ミクロン厚、フルレンジとウーハーは6ミクロン厚である。
それをすべて3ミクロン厚で張替えた。

その3ミクロン厚の超軽量振動膜の威力だと思うが、長年の8Xオーナーである自分が腰を抜かすほどの音響空間が再現されるようになった。

これを氏に聴いてもらった。

さて、氏は8Xの前に立つや、「これ平面バッフルですよね」、と一言。

「あっ!」。
迂闊であった。

発音原理や形がまったく異なるため、コーン型SPユニットを取り付けた平面バッフルと同一であることの意識が希薄であった。

氏の言うとおりである。
8Xは畳1畳ほどの木材の分厚いバッフルに、8個のSPを取り付けた平面バッフル型スピーカーそのものだ。

私は修復成った8Xから、今まで体験したことがないすばらしい音場の広がりと明確な定位が再現されることを知ったが、氏の山荘の音場も、これと類似の効果なのだと思っている。

「逆相になるが背面からも前面と同じ音が放射される」。

「背圧がかからないため、ダイアフラム(振動板)がもっとも自由に動く形態」。


事実としてこの平面バッフルの効果を、どのように理論づければいいのか分からないが、音場の再現や音響の品質に極めて有効に働いているに違いない。

余談であるが修復成った8Xを聴いた「蛙の子」の息子が、その音に驚いて、すぐさま同じ8Xを手に入れた。

ちょうどその時期、奇跡的タイミングで売りに出たらしく、二度とない幸運にめぐり合ったといえる。

片側の音が小さいという不具合がある出物だったが、私の8Xと比べられないほどの美品であり、不具合の原因だった高電圧発生部を修理して完動している。
よほど環境のよい部屋で、大切に使われていたのであろう。

この8Xも氏に聴いてもらった。
すべての発音ユニットが、これもまた奇跡的に健全な状態を保っており、オリジナル8Xの音が聴ける。

氏は一言、「これはこれでアリですね。少し力強いかな」。

部屋も置き方もアンプも異なるが、確かに3ミクロン厚の音と少し違う。


新旧2組の8XDSC_6847

<写真3:修復作業がほぼ終わった8Xの裏側と(左寄り)、息子が入手した同じ8X(右寄り)>

**左右それぞれ8個の発音ユニットから成る平面バッフル型であることが分かる。上下シンメトリー。内側から外側に向かって高域ユニット×2、全域ユニット×2、低域ユニット×4の3Way構成**


8X振動膜張りDSC_6769

<写真4:8Xの発音ユニットの振動膜の張替え作業>

**3ミクロン厚のポリエステルフィルムを、かなり強い張力をかけた状態で、ユニットのフレームに貼り付ける工程**


■山荘SPシステムの次のステ―ジ余談が長くなったが、山荘2日目の朝は早起きし、朝食も早々に音を出した。

昨日と同じく、本当にすばらしい音響と音場感である。
音楽に深く入り込める至福の再生音だと思う。

しかし少し気になる。

ウーハーの箱の天板が音を反射し、どうもその悪影響があるような感じがする。

天板の上に布団などを重ねて置くと、かなり改善されるので多分そうだろう。
ほんの僅かな違和感であるが、これがなくなれば良い方向の相乗効果で、格段の向上があるかもしれない。

とりあえずの実験としてウーハーの箱を分解し、前面パネルだけの平面バッフルの形で音を出してみよう、ということになった。

電動ドライバーを片手に、氏は箱と格闘を始めた。
しかし「大工見習いもどき」の氏の手に成る箱は、頑丈に作りすぎて簡単には分解できないことが分かった。

薄手の長袖の上着が必要な山荘の朝であるが、30分ほど汗をかいて、とりあえずの実験は諦めた。

さてこの課題を氏はどう解決するだろうか。
来年の春頃かな。
冬の氷点下で冷凍庫と化した山荘でも厭わない。
そのときは次のステージにグレードアップされた、さらにすばらしい音響空間に浸ることができるだろう。

(第2話 おわり)u

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14-1

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甦れ(2回)8X コンデンサースピーカー(2)SR-1との出会い [甦れSTAX ELS-8X コンデンサースピーカ]


今日の日記は、瀕死の8Xを「いつの日にか」、と思い続けたこだわりの源泉と、今後綴っていく修復日記の伏線になるようなエピソードについて記します。


■SR-1との出会い

若者の足なら、STAX本社の館、現在の東京都有形文化財「雑司が谷旧宣教師館」まで歩くのは、わけもない距離である。
JR池袋駅から南東に、徒歩で10分もかからない。

しかし微かな記憶には、国電池袋駅から路面電車に乗ったような情景が浮かぶ。
多分そうだったのだろう。
田舎から出てきて日も浅く、地理に不案内な学生である。
都電(路面電車)で行けば迷わない、と誰かに言われてそうしたのかもしれない。


STAX本社を訪問した目的は、イヤースピーカーSR-1と、イヤースピーカー用アダプターSRD-3の購入であった。

自分が請うたのか、あるいはご好意だったのか覚えていないが、そのとき試聴ルームに案内され、フルレンジ・コンデンサースピーカーESS-6A(であったはず)を聞かせていただいた。

これが当ブログ表紙冒頭の「私はこの館で音の洗礼を受けた・・・」のシーンである。


ESS-6Aが奏でる音楽。

その未体験の音響は、一生忘れることのない感動を残した。
そしてそのとき購入したSR-1。
これがその後、私の耳に「オーディオを聴く際の音の基準」を形づくることになる。

つまり私が歩いてきた「オーディオの道」を遡れば、源流は池袋の雑司が谷にある旧宣教師館に行き着く。


学生時代のオーディオシステム


<写真1:これ1枚しかない学生時代のオーディオ装置>
**古くなれば本当にセピア色になるんですね**

写真は、機器の揃い具合から、学生時代の終わり頃のものだろう。
STAX SR-1はスネかじりであったが、レコードプレーヤーなどは自前である。
(SR-1はトリオのアンプ類の下の戸棚の中に見える)。

当時、春休みや夏休みなどに帰省して、浜松の日本楽器(YAMAHA)で高額報酬のバイトをやらせていただいた。

あの頃、浜松の日本楽器は、オーディオ評論などで高名な青木周三氏を招いて、レコードコンサートなどを定期的に催し、地方のオーディオ文化の発展や啓蒙に貢献していた。

浜松城公園に近い公会堂(?)で催された夜のレコードコンサートに、担当の綺麗なお姉さんに誘われてついて行ったことなど、とてもリアルに甦ってくる。

大通りの四つ角に面した店舗には、高級オーディオのフロアもあり、写真のレコードプレーヤーはそこで調達した。

アームはSTAX UA-7、ターンテーブルはSONY TTS-3000、カートリッジはFidelity-ResearchのFR-1とそのヘッドアンプFTR-2。

スピーカーは三菱ダイヤトーンP-610xx(続くサフィックスは覚えていない)を、その標準箱もどきに入れている。

ツイーターは当時のボクらの大定番、大ベストセラー、驚異の価格/性能比、Technics 5HH17。
この1枚の写真だけで、一冊の物語になるほどの思い出が湧いてくる。

バイトに通っていた時、浜松駅近くの新幹線ガード下あたりに「ナルダン」という喫茶店があり、そこのご主人に、いろいろとお世話になった。
ありがとうございました。

様々な思い出が甦る「これ1枚だけ」の写真である。


SR-1をめぐる高城重躬先生とSTAX社員との逸話

イヤースピーカーSR-1にはいろいろなエピソードがある。

ある日、高城重躬先生宅にSTAXの技術者ら数人が訪れた。

先生は悪戯に、氏のマルチチャンネル・システムの各帯域のアッテネータを少しズラして、「君たち、これを調整してバランスのいい音にしてごらん」と促した。

結局彼らは悪戦苦闘の末、僅かの違いを残して、元に近い状態に戻してしまった。
先生はこのことの講評に、「普段、イヤースピーカーを聴いている彼らの耳が、よく訓練されているからだろう」とおっしゃったという。

古いオーディオファイル諸兄の間では、伝説の逸話である。

私のオーディオは、形あるものも、ないものも、すべてにこの話のエッセンスが溶け込んでいるように思う。

さて、私のイヤースピーカーSR-1と、イヤースピーカー用アダプターSRD-3は、今どこにあるのだろう。

私自身が育て親を捨てることなどあり得ないので、屋根裏のダンボール箱のどこかに眠っているはずである。
発見できたら、その音を聴いてみたい。
耳パッドは元々ダメになっていたが、たぶん鳴ると思う。
「私の基準」を育んだ音をもう一度聴きたい。


■STAXもう一つの傑作はSR-001

SR-1はその後、改良された新モデルが次々と出て今日に至っている。

私もその間、Lambda Nova Signatureなど2種類ほどのイヤースピーカーを買い替え、ドライバーユニットSRM-T1とともに所持している。

SR-1を原型として、現在の最新鋭モデルまでの変遷は、時代とともに進化を重ねてきたものであり、当然の流れである。

しかしSR-001は、その流れとちょっと違う。
コンセプトが全然違う、と言ってもいい。

従来のAC電源が必要なイヤースピーカー用アダプターを、乾電池で動作するポータブルにした。

従来のイヤースピーカーを何十分の一程度に小型化した。

STAX工業株式会社から今日の有限会社STAXに至るまで、世に送り出した製品で、他社が追従できない画期的な傑作が3つある。

他にも評価すべき意欲作はいくつかあるが、代表すればこの3つだろう。

1.コンデンサー型イヤースピーカー
2.フルレンジ・コンデンサースピーカー
3.コンデンサー型の超小型イン・ザ・イヤースピーカー・システム


私はこの「3.」の初代機SR-001を手にしたとき、本当に凄いものを開発したと感嘆した。

これ、嘘ではなく本当にコンデンサー型ですよ。

その当時私は、ウォークマンのたぐいのヘッドフォン・ステレオに、SONYのNT-1とNT-2を使っていた。
iPodが出現する前の話である。

NT-1/2は、切手大のデジタル・マイクロカセットを記録メディアとするデジタルレコーダーである。

サンプリング周波数32KHz、量子化ビット数 12bit折線(17bit相当)、圧縮方式 ADPCMのデジタル信号を、幅僅か2.5mmのテープにヘリカルスキャンで記録・再生する。

もっともSONYらしい、宝石のような、輝けるSONY製品の一つである。
当時、このNT-1やNT-2のすばらしい音質に応えられるヘッドフォンは皆無であった。

SR-001を使ってみた。
感激!。

音全体はイヤースピーカーを踏襲しているが、まず低音に驚かされる。
SR-001の低音は、他社の如何なるヘッドフォンより深くて生々しい。
この音を外に持っていける!。

私は写真2の「お出かけセット」を、通勤や出張、旅行などに離さず持ち歩いた。
そしてウォークマン型の終焉。

本来ならばSONYが出して然るべき、また出せる可能性があったにもかかわらず、iPodは門外漢のAppleから出た。

それから通常タイプのイヤフォンの高音質化競争が始まった。
私の「お出かけセット」もiPodになった。

しかしSR-001を原型とする、携帯できるイン・ザ・イヤースピーカー・システムは、イヤースピーカーとともに、世界に誇る傑作であると確信している。

(アダプターの側面に付いているライン入力ジャックは、その取り付け場所が悪く、じゃまになって使いにくい。しょうがないので、その脇に穴を開け、ラインケーブルを直付けした)


SR-001DSC_7091
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/SR-001EFBC88E7B8AEE5B08FEFBC89DSC_7091.jpg


<写真2:SR-001とNT-2。iPod出現前の私の携帯オーディオシステム>

■8X修復の手掛かりなし

さて8X修復の話であるが、情報はまったくない。

英国QUADのESLやESL-63系に関するrepair記事は、具体的かつ詳細なものが山ほど出てくる。

しかしSTAXのコンデンサースピーカーの内部構造や、修理に関する情報はネット上のどこを探しても出てこない。

ただ1つ、8Xの高圧電源部の修理を、絶縁ワックスをドライヤーで融かして行ったという国内記事があった。

高電圧発生回路は、4段のコッククロフト回路、とある。

具体的記述はそれのみであるが、確かにそのとおりであった。

当ブログの「i氏山荘訪遊記(第2話)」の「かえるの息子」が入手した8Xの修理の際、目視できるダイオードの結線状況から推測し、彼が回路図を書き起こした。
この話は次の日記で綴りたい。


新8X高圧電源部全景
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/E696B08XE9AB98E59CA7E99BBBE6BA90E983A8E585A8E699AFEFBC88E6B888EFBC89.jpg


<写真3:「かえるの息子」の8Xの高圧電源部(修理前)>

**電源トランスと4個のコンデンサーが入った小部屋が、絶縁ワックスで充填されている。それらの一部が透けて見える。不良コンデンサーを交換するには、この大量の蝋をかき出さねばならない。さてどうすれば・・。左上の基板上の抵抗素子のアレイは、私の8Xより一つほど古いバージョンの仕様を示す**

STAXカタログ内部構造
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/STAXE382ABE382BFE383ADE382B0E58685E983A8E6A78BE980A0EFBC88E7B8AEE5B08FE38388E6B888EFBC89.jpg


<写真4:STAXのコンデンサースピーカーのカタログの一部分>
**発音ユニットの基本構造が描かれている**


発音ユニットの構造はカタログの模式図のみ

発音ユニットを分解する前に、その構造を知る必要がある。
構造が分からないまま、手荒なことはできない。
致命的なダメージを与えたら、はいそれまでよ、になる。

しかし、喉から手が出るほど欲しかった発音ユニットに関する具体的情報は皆無であった。

唯一、STAXのコンデンサースピーカーのカタログに、発音ユニットの内部構造の簡略スケッチがあった。

基本構造は正しく描かれているが、修復工作に最も重要な部分が省略されている。
でもこの図が、構造を推理するための大きな手掛かりとなった。

これらは次回以降の日記に順次綴っていこうと思います。

(第2話 おわり)

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-25



▲△▽▼

甦れ(3回)8X コンデンサースピーカーもう一つの8X電源修復 [甦れSTAX ELS-8X コンデンサースピーカ]
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-11-09


今日の日記は、私の8Xの修復ではなく、もう一つの8X、「かえるの8X」の高圧発生電源部の修理について綴ってみます。

「かえるの8X」を修理してみて、同時期のロット(同じ時期に作られた8X)には、高圧発生電源部のコンデンサーの不具合が発生する恐れがあったのでは、と心配になったからです。

また、8Xとは直接関係のない、わき道にもけっこう深く迷いこみますが、すみません。


おやじの耳はいい?

芸術作品などに向かい合う際の審美感覚。

「鑑賞眼」とはちょっと違う気もするが、「心に沁み込む度合い」のようなもの。
映画、演劇、音楽、文学、絵画・・、といったものを味わう能力のようなものは、年を重ねるに従い、深まるのではないかと思う。

オーディオの音を聴く力も然りである。
聴力はどんどん衰えるのに、「コクや妙味を味わう」能力は向上するように感じられる。


8Xの健康管理

「かえるの息子」が入手したELS-8X(委細は「i氏山荘」第2話)。

自分のアパートに収容するスペースがないので、我が家に置いてある。
その8Xの健康維持のため、ときどき聴いている。

置いてある部屋は防音施工ではないが、家中に響く大音量も出してやる。
GECのKT88が挿してあるAIR TIGHTのATM-2は、太くてずっしりした音が出る。

大編成のオーケストラなど、床の振動が体に伝わって、実に豪快に楽しめる。

8Xから、ALTECの416-8B 38cmウーハー(「いとし子」第3回の写真1)を凌ぐほどの、床が震える低音が出る。

これって、プッシュプル方式独特の音なのだろうか。
今まで経験したP-Pの音は、どうも雰囲気が似ている。


新8X全景
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/E696B08XE585A8E699AFEFBC88E7B8AEE5B08FE38388E6B888EFBC89DSC_7442.jpg


<写真1:「かえるの8X」は別室に置いてある>

**私の8Xとは比較にならないほどきれい。どのような環境で使われていたのか不思議である。左右合計16個の発音ユニットがすべて健全なのも信じがたい。購入して間もない頃の私の8Xが帰ってきたような錯覚に陥る**

新8Xアンプ類

<写真2:「かえるの8X」を鳴らすために急きょ集めた機器類>

**木の穴から顔を出しているリスだか、モモンガだかの後ろがAIR TIGHT ATM-2**


わき道談 AIR TIGHT ATM-2

余談であるが、このATM-2は、AIR TIGHTブランドのA&M社が創立間もない頃に購入した。

取り扱い説明書らしいものはなく、案内状は手書きであり、回路図も手書きであった。
内部のはんだ付けも下手で、重い本体を送り返すのも面倒なので自分で何箇所も補修した。
そのことを電話で伝えると、社長さんが「職人がまだ熟練してなくて・・」と、えらく恐縮しておられた。
しかしこの器の作りと、基本コンセプトは、とても共感できる。

回路はP-P増幅器の基本中の基本形、教科書どおりであり、妙な細工は一切なし。
あとはシャシー、トランス、各種の電子部品、それらの配置などなど、部品の品質・性能と、全体設計の良否で勝負、である。
私の「最終アンプ」のコンセプトと通じている。


このATM-2は、GECのKT88のゲッターがほとんどなくなるまで愛用し、今のGEC KT88は2代目である。
驚くべきことに、ゲッターがほとんどなくなったGECのKT88のip(プレート電流)は、新品のものと大きな差はなかった。
つまり交換の必要はなかったことになる。

そんな状況のATM-2、面白いことがいっぱいあった。
それらの話は別のタイトルで綴った方がいいとは思うが、楽しい思い出がいっぱいで、筆が止まらない。

初段の12AX7と、位相反転の12AU7、ドライバーの12BH7Aの銘柄やロットの違いで、出てくる音や、音の性質がコロコロ変わる。
NF(ネガティブフィードバック)も外した。

その話をしたら、「そんなことされたら音になりませんがな」とAIR TIGHTの方に言われた(本社は大阪)。

NFを外し、初段の12AX7を12AU7に替え、元のX7周りの定数をU7に合わせて少し変更することにより、明らかに、明確に「音が活きる」。
それによる他の聴感上の問題は特に出ない。
(こんなこと、やってはいけません。もはや時効の昔の話ですし、これは私が所持するATM-2だけに限ったことですから。P-PのNFを外すなど、もってのほかの愚行はおやめください。私、今は元通りにしてますから・・(~_~;) )


ごく初期に作られた私のATM-2。

バイアス・チェックメータのロータリーSWのガリには、ずーと悩まされ続けてはいるが、この器、全体的にはとても信頼できる、すこぶる良品だと思っている。


オリジナル8Xの音

すみません、話を元にもどします。
この8X、すべての発音ユニットが、完璧に良好な状態を保っている。

半数以上がダメになった私の8Xとは雲泥の差であるが、前オーナーはどのような環境で使っておられたのだろう。
本当にありがたいことである。

鳴らしてみる。
はて、こんなによかったのかな、と首をかしげる。
ハッとする。
またハッとする。

100%オリジナルのSTAX ELS-8Xの音が、これほど聴く人の心を、音楽の中に引き込むとは。
私の8Xが健全であった10年ほど前の状況と、今、鳴らしている環境に大きな違いはないはずである。
部屋は違うが、あの頃の私の8Xも、このように鳴っていたのだろうか。
ハッとだらけの、体が緊張するほどの臨場感を聴いていたのだろうか。
あの頃の音を忘れているだけなのか。

私の8Xの製造シリアルナンバーは400番台、かえるの8Xはそれより50番ほど古い。
見た目では、発音ユニットもバッフルも同一であり違いはない。

ただ、裏ぶたの内側に、へんな吸音材がしっかりと貼り付けてあった(それが正規仕様)。
誰かに指摘されてそうしたのか、それとも自分たちが考えたのか、背面放射を少しでも減らそうとしたためと思うが、音響抵抗になるようなものは、百害あって一利なし。
一苦労して完全撤去した。

私の8Xの頃には、吸音材の愚行は「改善」されていて付いていない。

つまり2つの8Xは、まったく同一である。
間違いなく私の8Xからも、同じ音が出ていたはずである。

とすると、当時の私の聴く力が浅かったことになる。
やはり、私が年をとったおかげで、音楽オーディオを味わう力が深くなったせいだろう。
そうに違いない。


「コンデンサースピーカー」の呼称は?

わが国ではこの方式のスピーカーを、一般的に「コンデンサースピーカー」と呼んでいる。

この方式による全帯域スピーカーの製品化は、1957年、英国Quad社の「Quad ESL」が最初である。
優美な曲面を描く「あれ」である。
すばらしい造形、私の「永遠のあこがれ」である。

これらはESL、すなわち「ElectroStatic Loudspeaker」。
「コンデンサー型」ではなく「静電型スピーカー」と呼ばれている。

昔、STAX社の製品に、コンデンサー型カートリッジがあった。
ご年配のターンテーブル愛好家諸兄には、そのカートリッジに特別の思いを持っておられる方も多い。

針先の動きをコンデンサーの容量の変化として取り出し、FM変調、検波の処理を経て、オーディオ信号を作り出す仕掛けである。

エンコーダー/デコーダーを含め、現代の技術で再開発すれば、どのような音が出るのだろうか。
さて、このカートリッジは、「コンデンサー型」と呼ぶに相応しい。
そのものズバリ、「コンデンサーの容量の変化」がキーポイントだからである。

しかしQuad ESLやSTAX ELS-8Xなどのスピーカーは、「静電型スピーカー」と呼ぶ方が実態を表している。

発音の原理にコンデンサー、つまり「蓄電」の有意性はない。
あくまで「静電」によるクーロン力こそが、音を出す源であり、この方式のスピーカーの本質である。

まあ呼び方など、この発音ユニットから飛び散る比類ない音を浴びればどうでもよくなるが・・。


かえるの8Xの高圧発生電源の修理

重要なご注意

STAX ELS-8Xの高圧発生電源部は、4000V近くの電圧が発生します。
感電した場合、人命にかかわります。

発音ユニットに供給される高圧は、高抵抗を介するため電流は微小ですが、感電した場合の電撃(ショック)は大きく、やはり人命にかかわります。

高圧発生電源部は、その供給元であるため、感電した場合はかなりの電流が流れると思われます。
それには生命の危険があります。

この高圧発生電源部を修理・修復・稼動させるには、4〜5000Vの高電圧と、その取り扱いに関する知識と経験が必要です。
この点のご配慮を、くれぐれもよろしくお願いいたします。


なおこの日記の、修理についての記述は、あくまで「かえるの8X」単体に関するものであり、他の8Xが同一の作りや仕様であるか否かは分かりません。

また、ここの記述や写真や図も、修理の「参考の一つ」や「ヒントの一つ」にしていただくためのものです。
修理に際しては、あくまで、それぞれの修理対象の現物を実地に調査・解明して、その上で適切な対応を検討されるようお願いいたします。


訳あり

承知の上であったが、かえるの8Xは、右側完動、左側音圧低下、の「訳あり」として彼が手に入れた。

訳あり側の発音ユニット各部の電圧を測ると、すべての発音ユニットの成極電圧(バイアス電圧)が、正規の1/3以下であることが分かった。
このことから、不具合箇所は高圧発生電源部だろう、と推測できる。

左右の高圧発生電源部のボックスを引き出し、裏ぶたを外すと、意外なことが分かった。
完動している右側の高圧発生電源部に、メーカーで(多分)修理を受けた形跡がある。

充填されている蝋に、手を加えた跡があり、コンデンサーが取り替えられている。
左側とはメーカーが異なるものに交換されていた。
要するに、右側にもコンデンサーのトラブルがあったことになる。

左側の高圧発生電源部は、工場出荷時のままであることは見れば分かる。
つまり、このシリアル番号の近辺のものは、高圧発生電源部の、たぶんコンデンサーが「弱い」ことが推測できる。

不具合の左側の高圧発生電源部も、右側と同様に、いずれかのコンデンサーがダメになっているのだろう。

整流用ダイオードは蝋漬けになっていないので、テスターで良否をチェックした。
すべて健全であった。


高圧発生電源部修理前
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/E9AB98E59CA7E799BAE7949FE99BBBE6BA90E983A8E4BFAEE79086E5898DEFBC88E7B8AEE5B08FE38388E6B888EFBC89DSC_6875.jpg


<写真3:修理を受ける前の高圧発生電源部>

**電源トランスと4つのコンデンサーが入っている小部屋は、蝋で充填されている**


高圧発生電源部ダイオード側
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/E9AB98E59CA7E799BAE7949FE99BBBE6BA90E983A8E38380E382A4E382AAE383BCE38389E581B4EFBC88E7B8AEE5B08FE38388E6B888EFBC89DSC_6866.jpg


<写真4:蝋の小部屋の壁裏のダイオード類>

**写真上部に蝋の小部屋とコンデンサーが見える。見えているコンデンサーの下にも、さらに3つのコンデンサーが埋められているとして、このダイオード類の配置などを、よーく観察していると、回路図が見えてくるようになる、かな**


高圧発生電源部の回路推測

充填されている蝋の中に、電源トランスとコンデンサーが複数個、漬けられているとする。
その上で、写真4:のダイオードなどの結線状況から推理して、4段のコッククロフト・ウォルトン回路と仮定した。

かえるの息子が予想回路図を描いてみた。
多分正解だろう。

使われていたコンデンサーは、チューブラー型(リード型)の0.01μF、耐圧3000Vが4個。
ここでは手持ちの都合で、0.047μF、耐圧2000Vのものを使った(耐圧は3000Vが安心)。


高圧発生電源部回路図
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<写真5:高圧発生電源部の整流&昇圧回路の推測回路図>

**雑な絵ですみません。かえるの彼が、その場にあった紙に描いたスケッチ。4段のコッククロフト・ウォルトン回路と推定された。赤字の電圧が修理後の数値。ただし成極電圧調整VRが最小のときの電圧であり、VR最大時は、これの約140%に上昇する。通常はVR最大で使う>

大量の蝋を取り除く

缶ビールを輪切りにして蝋の容器を作る。
ドライヤーで充填されている蝋を熱し、柔らかくして小さなスプーン状のものでかき出す。

その前に、ダイオードを熱風から守るために、何らかの工夫をしておく必要がある。

熱してはかき出し、また熱してはかき出す。
いやというほど繰り返す。

この作業はコンデンサーの周りだけでよい。
トランス周りはそのままでかまわない。


コンデンサーの交換

底につくまで蝋をかき出すと、4つのコンデンサーが現れる。
それを全点、交換する。

狭い空間の中、順にコンデンサーを取り外して、新しいものを順に取り付ける。
かなりアクロバット的な技が要求される。
この作業、よほど器用な方でないと難しいかもしれない。

交換が終わった段階で十分な目視チェックをして、誤りなしを確認する。


高圧電源コンデンサー交換
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<写真6:コンデンサーの周りの蝋を取り除き、全部のコンデンサーを交換する>

**手持ちの0.047μF、耐圧2000Vのコンデンサーの寸法は少し大きすぎた。最上部のコンデンサーは裏ぶたに接触する恐れがあるため、絶縁チューブを被せた**

電源を投入して動作試験

発音ユニットへの接続はつながったままであり、外さないでおく。
各部、要所要所の電圧をチェックする。

かえるの8Xの修理後の場合、発音ユニットの成極電圧端子(高域)1.9KV、全域および低域3.7KVであった。
いずれも高圧発生電源部の成極電圧調整VR最大時。

この状態で音を出してみたり、電源のON/OFFを繰り返したり、電圧可変VRを回したりして実働試験を行い、確信が得られれば再び蝋で充填する。


再び蝋で充填

缶ビールの蝋を電熱器などで温める。
蝋って、断熱材のように熱が伝わりにくく、なかなか融けてくれない。
アルミホイルで覆うなどの工夫をして、完全に融けたら(融けると透明になる)、空気を排除しながら完全に充填されるように、少しずつ慎重に注入していく。
完了したら、十分に冷えるまで待って実働試験を行い、問題がなければ元通り本体に収め、めでたく修理完了となる。

高圧電源蝋充填
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<写真7:ひととおりの動作確認後、「小部屋」を融かした蝋で再び充填する>

**蝋が茶色の部分は、まだ冷えていない半透明の状態。冷えるとクリーム色になる**

かえるの息子が帰ってきたときは、夜通し8Xを聴いている。
8Xの前のソファーで横になって朝まで聴いている、たぶん寝ている。

自分のアパートにも「けっこうそこそこ」のシステムがあるが、音の出方が根本的に違って聞こえるらしい。

この違い、おおまかには、一般的なヘッドフォンやイヤフォンと、STAXのイヤースピーカーとの違い、と思っていただければ近いと思います。


オリジナル8Xの音。

昔は気付かなかった深い味わい。

8X本来の素晴らしさを、「もう一つの8X」が教え示してくれた。
この歳になってようやく気付く、なさけない感性である。

(甦れ8X(第3話)もう一つの8X電源修復 おわり)�

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-11-09



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甦れ(4回)8X コンデンサースピーカー成功!発音ユニットの分解 [甦れSTAX ELS-8X コンデンサースピーカ]
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-11-20


今日の日記は、8Xの発音ユニットの構造を、文字通り「開」「示」します。

STAX ELS-8X 修復の基礎データーとなる核心部分です。

魚ではあるまいし、ですが、本当に「二枚おろし」に開いてしまいました。
発音ユニットの修復作業には、さらに「三枚おろし」にしなければなりません。
三枚の話は後日として、私、釣りはやらないし、魚、もちろんさばけないです・・。


すみません、またちょっと脇道・迷い道ですが、8Xに関連ありなので・・・

射程70m、8Xで那須与一が今に甦る
吉祥寺駅前の大道芸
10年ほど前の吉祥寺の駅前。

買い物をしての帰り道であった。
人だかりの輪の中から、ペンペン、ジャランジャランと三味線のような音が聞こえてきた。
けっこう激しく演っている。

輪の隙間から潜り込んで少し近づく。
芸人風の三味線弾きが、津軽三味線ぽい演奏を演っている。
ちょうど佳境に入ったのか、強烈な音と激しいリズムが盛り上がり、そして万華鏡のような音色の変化に続く。

足がすくんで動けない。
一挺の三味線の、大オーケストラを凌ぐダイナミズム。
まさに圧巻の「音」と「音楽」であった。

「道端の芸」でさえ、これほどまでに人を感動させる。


最初に「音」ありき。
まず「音」。

そしてその「音色」や「響き」があり、「拍子」、「旋律」、「和声」などは、そのあとの話。

昨今、音楽とは、どうやらそういうものではないかと思うようになった。

続く話は今日の日記の後半で・・。

左右裏アップ
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<写真1:向かって右側の本体から高域発音ユニットを取り外したところ>

**不完全ながら、鳴らしながら修復作業を行ったので、ダミーの板をはめてある。修復したユニットが、一つ、また一つと増えるごとに、加速度的に音がよくなっていった**


8Xの発音ユニットの取り外し

8Xの発音ユニットを本体から取り外そう。

それぞれの発音ユニットは、その両脇をアルミチャンネルの棒で押さえられている。

アルミチャンネルとは、断面が「コ」の字形のアルミの棒であり、8Xに使われているものは、「コ」の字の中にピッタリと木材の角棒が埋め込まれている。

発音ユニットを取り外すには、該当するアルミチャンネルを固定している木ネジを外すだけでよい。


STAXカタログ原理
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<写真2:STAXのカタログに載っている発音ユニットの電極端子の状況>

**3つの小丸が端子。甦れ8X(2)で紹介したカタログの絵を拡大したもの。**

元ユニット電極部
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<写真3:高域発音ユニットの電極端子部分>

**中央上のポリカーボネイト製のビスで留めてある端子と、その真裏の同端子が固定極の端子。ユニット右端の上に突き出た端子が振動膜の端子**


発音ユニットの電極端子

再三お知らせしていますが、STAX ELS-8Xは、電源ケーブルを外しても、場合によっては数日間、高電圧がチャージされている場合があります。
4000V(4KV)近くの高い電圧ですので、感電した場合は人命にかかわります。
この方面の知識と経験がない方は、けっして裏ぶたを開けないよう、お願いいたします。

さて、アルミチャンネルを外したら、発音ユニットの電極端子にハンダ付けされている3本のリード線を取り外す(2本は、アルミチャンネルを外す前に取り外しておくほうがよい)。

各端子の状況は写真1、2、のとおり。

ハンダの融けた雫が、発音ユニットにかからないよう、細心の注意で作業する。

3つの端子のリード線を外せば、発音ユニットを本体外に取り出すことができる。
発音ユニットの側面全部(四面)は、軟らかな蝋でコーティングされているが、この蝋は後で取り除くことになる。

実はこの蝋、極めて重要な役目を果たしている。
その話は最重要事項の一つでもあり、後日の日記に改めて綴りたい。


発音ユニットの構造を推理する

STAX ELS-8Xは受注生産品であり、同じ形の各部品を、何千・何万個と作って組み立てたものではない。

なので、ロットにより時期により、構造や寸法が少々異なるかもしれない。
まずこのことが前提であることをご理解いただきたい。


STAXカタログのユニット内部構造
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<写真4:STAXのカタログに載っている発音ユニットの構造>

**甦れ8X(2)で紹介したカタログの絵を拡大したもの。**


カタログのこの絵、概略図としては分かりやすく描けている。
私もこの絵から、発音ユニットを分解するための重要なヒントを得た。

まずはこの絵をよーくご覧いただき、基本的な構造の成り立ちを頭に入れておく。
そして続く写真を詳細に観察すると、まあだいたい「こんなことだろう」というイメージが湧いてくると思う。


元ユニット端側面
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<写真:5高域発音ユニットの上部の側面>

この側面をよく観察すると、全部で6層あるように見える。

茶色のベークライトが2層+白い塩ビ(実は透明)が2層+茶色のベークライトが2層である。

右手に見える、貼り付けてあるようなチップは、たぶん各層が剥がれないように補強するためのものか。

このチップは側面の数個所に接着されている。
側面の蝋のコーティングを除去すれば分かりやすくなるのだが、残念ながらその写真を撮ってない。


元ユニット角の2面
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<写真6:高域発音ユニットの下部の角付近>

**この写真は、各層が鮮明ではないが、全体の状況を観察していただきたい**

発音ユニットを魚のごとく「二枚おろし」にする

さて、発音ユニットの基本構造がおぼろげに見えてきたとしよう。
真ん中から2つに割っても大丈夫そうだ。

次の目標は、このユニットを「二枚おろし」のように、真半分に割りたい。
見た目では、各層がしっかり接着されていて、いずれの層も分割できそうにない。
いろいろと苦慮した。

真ん中の透明な層(白く見えるが)は、アクリルか何かだろう。
そこを「発泡スチロール・カッター」のような電熱線で、鋸を挽くように融かしていったらどうだろう。

ベークライトは熱に強いから、透明層だけ融けるはずだ。
最悪、電動工具で切断か。
などなど1・2日悩んだ。


元ユニット二枚おろし
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<写真7:真半分に「二枚おろし」した発音ユニット>

**上側に元の振動膜が付いている**


あっけないほど簡単だった「二枚おろし」

「二枚おろし」は超簡単だった。
まず、「補強チップ」は削り取っておく。

透明の層は、ベークライトとの接着面も、透明同士の接着面も、カッターナイフの刃をうまく入れると、パリパリと接着面に沿ってきれいに剥がれた。
魚をおろすのにコツがいるのと同様、カッターナイフの刃をうまく入れるのもコツがいる。

また、刃を深く入れすぎると、パンチングメタルを傷つけるので注意が必要である。

この思ってもいなかった「幸運」は、たぶん、20数年経たことによる接着剤の劣化ではないかと思う。

接着剤は、見た目や、硬さの感じから推測すると、おそらくエポキシ系だろう。
そして透明の部分は、硬さからアクリルではなく塩ビ(塩化ビニール)だろう。
ベークライトと塩ビとの、接着剤の親和性があまりよくなかったのかもしれない。
その一方、ベークライトのベースと、同じベークライトのバーとは、完全に一体になったように強固に接着されており、カッターの刃など、まったく受け付けない。
たぶん同じ接着剤であるが、材質によって接着力に大きな違いがあるようだ。

いずれにしろ発音ユニットは、みごとに、本当にみごとに「二枚おろし」になった。

やった、ヤッター!。
この時点で、この先も「やれそうだ!」と明るい目標が定まった気がした。
人の人生に、そう多くはないであろう「大きな喜び」の一つに数えてもいいほどのうれしさであった(他愛もないものに・・であるが)。


元ユニット内面フィルム付
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<写真8:高域発音ユニットを「二枚におろした」片側の内面>


元の振動膜が残っている側。透明なのでよく判別できないが、ななめのに走る反射光でかろうじてフィルムの存在が分かる。

ベークライトの基盤(ベース)、ベークライトのバー、塩ビのバー、パンチングメタルなどの位置と相互の関係をよーく観察していただきたい。
外枠の上下の穴は、分解前にあけたもの。

この穴は再組み立て時に必要となるが、今回は触れない。


核心!発音ユニットの基本構造

写真3〜6をよく観察すれば、おおよその構造は推測できる。
実際の発音ユニットの基本構造と、各部の「アバウトな寸法」は、図1のようになっていた。

図のイメージは、全域および低域の発音ユニットのものであるが、高域ユニットも基本は同じである。

ただし高域ユニットのパンチングメタルは、両端の形が半円ではなく、角を丸めた「角」である(ベースの開口部は半円形)。

なお、パンチングメタルの厚さは、U字アームを持ったマイクロメーターのようなものを持っていないので測定できていない。
が、甦れ8Xの初回で指摘した、「ギャップが狭いという他のESLとの大きな違い」が、この図で分かると思う。


発音ユニット図面
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<図1:発音ユニットの基本構造図>


さてさて構造が判明したまでは、うますぎる展開でした。
あとは工夫次第、アイデア次第、やる気次第ですが、この後のアイデアを搾り出すには、かなりの体力を消耗することになりました。


本通りから、再び脇道に入りますが、お付き合い願えれば幸甚です。

那須与一CD

<写真9:CD「琵琶 中村鶴城 平家物語をうたふ」>
**私の愛聴盤50選(があるとすれば)のなかの一枚**

和楽器の再生も大得意の8X

8Xで聴く平家物語。

那須与一の緊迫のシーンが、目の前でリアルに展開される。
終わった後、しばらく動けない。
こんなもの、爺様しか聴かない、と思っていたが、とんでもなく現代的であった。
この演奏家の琵琶、超現代的だと思う。

CD、「琵琶 中村鶴城 平家物語をうたふ」。

地下鉄神谷町駅から虎ノ門へ向かって、大通りを少し行って右に折れたあたりに、琵琶の製作工房がある。

そう、和楽器の本物の琵琶、非常にめずらしいが都心にある。
以前、会社の別館が近くにあったので、ときどき覗いて見学した。

理由は聞かなかったが、その工房に中村鶴城のCDが何種類か置いてあった。
売り物だというので、数枚求めた。
10数年前のことである。

那須与一の扇までの射程距離70m
このCDの中の「那須与一」、だれもが知っている物語。

源平合戦のさなか、一艘の小船の上に、うら若き乙女が扇をかざした竿を持って立つ。

この扇、みごと射てみよ、という挑発というか、誘いである。

周りの者から射手に推薦された「下野国の住人、那須太郎資高が子にて、那須与一宗高」が、義経の命を受け、命を懸けて挑む感動の物語である。

馬上、距離を縮めるために海に入っても、扇までの距離が「7段」(約77m)あるように見えたという。

物語の脚色を勘案して50mとしても、揺れる船、自分は海中で足掻く駒の上、風もあったというから、どだい無茶な話である。

オリンピックのメダリスト、「中年の星」といわれた山本博選手の現代の弓矢でも、100に1つもダメなのでは、と思う。


琵琶の強音でスピーカーのボイスコイルが飛ぶ

この物語を、薩摩琵琶の名手、中村鶴城が演じている。
圧巻である。

それまでは平家物語の琵琶、総じて私には聴いていられなかった。
ひどくつまらない。

それを中村鶴城の演奏が、琵琶という楽器の印象を180度ひっくり返してしまった。
この楽器から出る音の、あらゆる可能性を「使い倒す」ような奏法である。
この楽器、凄まじくダイナミックな楽器である。

撥弦楽器でこれに匹敵するものはおそらくないだろう。

弦を撥(ばち)で強打するフルパワーの一撃は、スピーカーのボイスコイルが飛び(焼け切れること)、コンデンサースピーカーの振動膜が裂ける。

その恐怖が伴うほどの衝撃音が鼓膜を刺す。

この楽器、出せる音の幅(音程のことではない)がとても広く多彩である。
演奏法も「多芸」である。

こういったパルス的な大衝撃音も、8Xは易々と平気でこなす。

ついでにいえば、8Xによる篠笛もたまらなくいい。
篠笛の、歌口を切る空気流の雑音を伴った音色の魅力など、苦もなく再現する。
篠笛は日本独自の「庶民の笛」であり、何の付属物もない竹筒1本の簡素な横笛である。

そこに篠笛の、単純のようで深みのある音色の妙があるのだろう。


修復した8Xで繰り広げられる源平絵巻。

与一が、騒ぐ海が、足掻く駒が、折れんばかりに引き絞られた弓弦(ゆんづる)が<このシーン、琵琶の弦を撥で強くしごいてその効果音を出す>、唸りを曳いて扇に吸い込まれる鏑矢(かぶらや)が、超現実映像のように目の前に広がる。

8Xはそういう世界に連れて行ってくれる音のリプロデューサなのです。


(甦れ8X(第4話)成功!発音ユニット「二枚おろし」 おわり)が


コメント 5


升金 勲

貴ブログ拝見しました。8Xという私には初めての情報。分からないながら最後まで読みましたが、全然わからない。凄いことをやっているんですね。音が録音され、それがCDになり、再生プロセスを経て耳に入る。「生」の音が諸々のキカイを通してニンゲンの耳に入るのに、絶対に「生」は再現されないものだと、以前から信じていました。だから、よく言われる「CDを10枚買うなら1回でもライブに行きなさい」という言葉に同調していました。8Xというのは、それほどに再現性がいいんですね。

話は変わりますが、15,6年前、タイガーウッズが鹿児島に来て「カシオワールド」に出場した際、大枚1万円を払って見に行ったことがありました。彼のドライバーショットの「音」のすごさに強いインパクトを受けました。あの音はテレビ中継などでは絶対に再現できませんね。なんというか、空気を切り裂くような「ソニックフォーン」とでもいうのでしょうか。「ピシュッ」というか、とても文字では表現できません。勿論中継のマイクでは集音できないし、諸々のキカイを通り、電波に乗せて家庭まで届けることなど不可能です。それほど彼のドライバーの「初速」は桁外れだったのだと感じました。1万円で体験できたことはまさに僥倖でした。
貴兄の音に対する博学で解説して教えてください。
by 升金 勲 (2013-11-21 10:59)


AudioSpatial
升金さま。ご訪問ありがとうございます。
すみません。内容が今流にいう「コアなもの」なので(マニアックすぎるものなので)、申し訳ないです。

「8X」というのは、過去、スタックス工業株式会社(同名の株式会社は今はない)が製作販売したESL-8Xという「コンデンサー型」のスピーカーです。

今現在、オーディオ愛好家が使っているスピーカーの、音を発生させる原理の違いによる種類には、つぎのようなものがあります。

@ボイスコイルによるフレミング右手の法則型(一般的なSPがこれ。コーン型とホーン型がある)

Aリボンによるフレミング右手の法則型(RCAのマイク、美空ひばり伝説の「77DX」の逆の原理です)

Bマグネプレーナー型(フレミング右手の法則型ではあるが、振動板は平面フィルムです)


Cコンデンサー型(磁石の力を使わない。文具の下敷きなどをこすると、ちぎった紙片がくっつく、あの静電気の力の応用です)

Dイオン型(こんなのも実際にあります。空気をイオン化して、そのイオンをクーロン力で直接駆動します)

とまあ、代表的にはこんなところです。

8XはCに当たります。

CとDは、空気を動かす仕掛けの重さが飛びぬけて軽い、ところがミソです。

Dなどはその極端な例で、「動かす物」がなく、空気を直接動かします。

CDの力はクーロン力なので、@〜Bの磁石の力に比べて段違いに小さい、という問題があります。

8Xなどは、そこをいろいろ工夫して、「琵琶の強音」も再生できるようになっています。

Dは高音専用のツイターしか実用機はありません。

どの世界にも、目的のためには、いろんな仕掛けを考え出しますね。
ゴルフのクラブの作りなど、スピーカーの比ではないですよね。たぶん。
by AudioSpatial (2013-11-22 03:17)


AudioSpatial
升金さま。先ほどの私の返信、ちょっと訂正です。

総体的な意味で「フレミング右手の法則」と書きましたが、より正確には、「左手」の法則、の方が適切です。

「右手」:導体が動いて、電気が発生する。
「左手」:導体に電気が流れて、力が発生する。

といった違いです。
by AudioSpatial (2013-11-22 09:45)


人形町

張り替え成功だけではなく
できれば測定をしていただきたいです。
STAXが認めてくれる性能が確保されているか。
by 人形町 (2014-06-30 13:13)


AudioSpatial
人形町さん、ご訪問ありがとうございます。

申し訳ありませんが、おっしゃっておられる趣旨が、よく理解できません。この8Xを製造した「STAX工業株式会社」は、すでにこの世になく、残念ながら聴いてもらいたくても、その望みは叶いません。できることなら、ぜひとも当時お世話になったSTAXの方々に聴いていただきたいところです。

また、メーカーが認める/認めないは、私の道楽には何の関係もありません。蛇足ですが、8X完全オリジナルの完動品が、隣の部屋で鳴っております(ブログにその記事あり)。

さらに測定の件ですが、その必要性を私は感じておりません。訓練された耳は、測定器以上の性能を持っていると思っております。音響のハイエンド付近の領域に、一般的な測定器は役に立たないとも思っています。あくまで、ただのオーディオ道楽のことですから、そこのご理解を、よろしくお願いいたします。
by AudioSpatial (2014-06-30 14:40)

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-11-20



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甦れ(5回)8X コンデンサースピーカー構造の詳細と修復手順 [甦れSTAX ELS-8X コンデンサースピーカ]
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-12-11

比類ない再生音が2つ

STAX ELS-8Xの比類のない再生音。

その秘密は、世界に類のない精緻な作りの発音ユニットと、分厚い木材でがっしりと作られた、広い面積の平面バッフルとの組み合わせにあります。

当時の経営者の、コンデンサースピーカーに懸けた情熱を一身に受けて成長した、本当にすばらしい、まるで嘘のような「作品」です。

当時から8Xは、そのような稀有な存在であったのではないかと思います。


その8Xが2式。

このような事態になろうとは、昨年の今頃は夢にも思わなかったことでした。

製造から30年近く経た今も、まったく健全そのものの姿で朗々と鳴り響く1台と、ほとんどの発音ユニットがダメになり、当ブログに綴っている修復を受けて甦り、オリジナルを凌ぐほどの音を響かせるようになった1台。

それが我が家にあるなど、本当に何が起こったのか不思議な気持ちです。


家内の認可を受けた唯一の機器8X

今年も、はや師走。
昨年の今頃、「瀕死の8X」は狭い納戸に捨て置かれたまま、その存在すら忘れられていました。

家内と一緒に、池袋のサンシャイン60ビルの向かいのマンションの一室にあった、STAXのショールームに出向き、8Xその他を試聴させてもらった思い出のスピーカーです。

後にも先にもオーディオ機器の中で、家内の認可を受けたものは、この時の8Xただ一つです。

そんな思い入れの8Xであり、「いつかは修理して・・」と思いつつも、現実的には無理だろうな、と、ほとんど諦めていました。

それがどうなって、いま現在のような「8Xが2台」の奇跡が起こったのか、私自身も理解できないほどの急展開の1年でした。


02)オ部屋の8X_DSC_7855
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<写真1:私の8Xの対ニャン子ディフェンス網>

**家庭の諸般の事情により、だいたい19時から24時頃にかけて、重要機器類が収められている我がオーディオ部屋のセキュリティーは、5匹のニャン子の侵入を阻止できない状況にある。とりわけニャン子の攻撃に弱いのは、トーンアーム系とスピーカー系である。これらがやられては国家の存亡にかかわる。

そこで8Xは、少しゆるいが、多少の効果はあるディフェンス「網」を構築した。写真のように、下半分を「虫除けアミ戸」用の、目の粗いネットで、うまく覆った。いくらかは音に影響があると思うが、やむなし**


今日の日記

さて、今日の日記は前回に続き、分解して明らかになった8Xの発音ユニットの構造に、もう一歩迫ります。

さらにはその構造を基礎にして、発音ユニットを修復する工程の大筋を、図面と写真で公開します。

内外の各種のESL(コンデンサースピーカー)の修復や、ESLの研究、また、興味を持たれている方などに、何かの参考の一つにでもなれば幸いです。


8Xを超えるには

8Xの発音ユニットを分解すると、その「作り」が、他のESL(コンデンサースピーカー)と比べて突出して精巧・精密・入念であることが見て取れる。

この「入念な作り」は、かつてのスタックス工業株式会社が、長年にわたってコンデンサースピーカーの音を研究し尽くした「結果」が、形になったものだと思う。
発音ユニットは「こうしなければいい音は出ない」。

材質、形、構造、パンチングメタルの形状と加工、成極電圧、絶縁材と絶縁法、ダイアフラムの材質と導電剤の処理、その他諸々。

私は当時の経営者が「コンデンサー型」製品に懸けた情熱の「結論」を信じたい。

8Xを超えるものを作るには、その人以上の「情熱と年月」が必要である。
そうあるべきだと思う。


戻れない

久し振りに2台の8Xが同時に鳴った。

週末に帰った「かえる息子」が、バッハの教会カンタータなどを聴いている。
その全集のCD Boxの中古を安く買ってきたらしい。

めずらしくボリュームを上げているので、非防音のドアの外に、透き通ったテノールの響きが伝わってくる。

その声に誘われ部屋の中に入ると、そこには豊かな響きの教会の大きな空間が広がっていた。

思わず「いいな」、と声をかける。
「これ聴いたらもう戻れないよ」、と返す。

余談であるが、私がバッハの教会カンタータの魅力に目覚めたきっかけは、今もよく覚えている。

第199番、BWV199「わが心は血の海に泳ぐ」をFM放送で聴いたときである。
まだ学生の頃かもしれない。
ソプラノもオーボエも、旋律が美しい。
まるでオーボエ協奏曲のような部分もある。
それ以降、このジャンルでどれか一つ、といわれれば、今も即答でBWV199をあげる。


8X_
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/01EFBC89E3818BE383BBE381AEEFBC98X_DSC_7449EFBC88E7B8AEEFBC89.jpg


<写真2:もう1台の8X>

**「甦れSTAX ELS-8X」でしばしば登場する別の8X。「かえるの息子」が入手した完璧な状態のオリジナル8X。母親は「じゃまだから早く持っていけ」というが、彼のアパートには、もはや置けるスペースはない**

1週間ぶりの私の8X

鳴っていたもう一台は私の8Xである。

PCオーディオ用のパソコンを、新マシン、新OS(といってもWindows7)に移行作業中であったため、ここしばらく、機器に灯が入らなかった。

それがこの週末、まだ不安定ながらも、ようやくPCのライブラリーや、ブルーレイ・ドライブによるCDが再生できるようになった。

Windowsは、VistaやWindows7以降、PCオーディオには問題が多かった従来のMME(オーディオやサウンドのカーネルミキサー)部分に変更が加えられたようである。

しかし周辺の諸々が、その変更に追いついてくるまで、今しばらく時間が必要であり、私の場合、従来のXPでのやり方を、7でも取り敢えず踏襲せざるを得なかった。

私のPCオーディオについては当ブログ「オーディオルームのコンポーネントたち」第2回の「私のPCオーディオと・・」をご訪問いただきたい。

8X修復の留意点

STAX ELS-8Xの発音ユニットは、そもそも修理できるようには作られていない。

その構造を知れば、故障したら修理するなどの考えが、設計当初からまったくなかったことがよく分かる。

なので他社のESLのように、ネジを外して分解し、不具合箇所を修理して、再び組み立てネジ止めして修理完了、といったことができない。

つまり8Xの発音ユニットに「修理マニュアル」は存在しない。

あるとすれば「修理」ではなく「製造マニュアル」であるが、それもないだろう。

製造には手工業的な部分が多く、それを文字にしたマニュアルの記述は困難であり、おそらく職人の口伝・直伝の世界に近かったのではなかったかと思われる。


といった状況なので、もし修復を試みる方がおられたら、まず手始めに1つの発音ユニットを分解し、それの各部の採寸から始めて、詳細な構造を徹底的に調べ上げることからスタートする必要がある。

とにかく、まずは分解だけを目的に、あれこれ試みることである。

修復の各工程には、それぞれ各自が工夫して解決しなければならない問題点が次々と出てくる。

ある問題をクリアするのに、何日も悩むことが何度もあった。
修理不可能なものを強引に修理するのであるから、とにかく一にも二にも「工夫」するしか手はない。


発音ユニットの構造の詳細

さて前回(第4回)の続きとして、発音ユニットの構造図を公開したい。

前回の図を含めてこれらの図から、発音ユニットの基本構造をよく読みとっていただきたい。


完璧二枚おろし
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/02_1EFBC89E5AE8CE792A7E4BA8CE69E9AE3818AE3828DE38197DSC_6712EFBC88E7B8AEE38388EFBC89.jpg


<写真3:「二枚おろし」にした発音ユニット(写真は全域・低域ユニット)>
**この写真は、たまたま完璧に半分に分割できた例**


この例では、運良く写真左側のように振動膜が破れずそのまま残った。

フィルムを指先で押してみると、想像を超えた大変強い張力で張られていることが分かった。

周辺のフレームにあけられた穴(2.5mmφ)は、表裏の位置がズレないように分割前にあけておく。

パンチングメタルの放電の痕に黒いサビ等が発生している。

振動膜の電極(銅箔)が左端手前に見える。

また、写真11・12・13で見られる「導通ガイドライン(黒い線)」のオリジナル(フレーム上の白い線)を確認することができる。


背面側1/2分解図
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/03EFBC89E8838CE99DA2E581B4EFBC91EFBC8FEFBC92E58886E8A7A3E59BB3B5.jpg


<図1:背面側1/2の分解図>

**前回(第4回)の「二枚おろし」の片側。振動膜の面で真半分に分割した背面側。写真3の右側にあたる。私の場合、水色のバー(1mm厚の塩ビ。色は透明)のみ、図のように剥離できた。これは使い回しせず、塩ビ板から切り出して新しいバーを作る。私は数が多かったので業者に作ってもらった**

前面側1/2分解図
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/04EFBC89E5898DE99DA2E581B4EFBC91EFBC8FEFBC92E58886E8A7A3E59BB3B5.jpg


<図2:前面側1/2の分解図>
**写真3の左側にあたる。**


表裏合わせた状態
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/05EFBC89E8A1A8E8A38FE59088E3828FE3819BE3819FE78AB6E6858BB5.jpg


<図3:表裏両面を合わせた状態。>
**元のユニットは、このような状態で各層が接着され、一体になっている。接着剤はたぶんエポキシ系**


表裏合わせて固定する要領
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<図4:発音ユニットの修復が完了した後の完成ユニット>

**元のユニットのように接着剤で固定すると、やり直しができないため、図のようにビス止めをする。表裏にあらかじめ2.5mmmの穴をあけてあるので、図のようにそれぞれバカ穴とタッピングを施す。金属のビスは厳禁。ポリカ・ネジを使う。**

さて、これらの図から、発音ユニットの基本構造を読み取ることができたとして、次はユニット修復の作業工程の話に移りたい。

使用した材料や消耗品、使い方、入手法などは、後日の日記で綴ろうと思う。

なお、ユニットの穴あけにはボール盤が必要である。
私はホビー・模型用の卓上ボール盤を使って、すべての作業を行った。
精度不足であるが、そこは技(?)で補い、まあ十分役に立った。

作業工程(大工程)

工程1:二枚おろし

ユニット側面の蝋は除去。
分割前に図4の位置に2.5mmのガイド穴をあけておく。
透明な塩ビのバーの面での剥離を試みて、写真3の状態に分割する。
塩ビのバーは再使用しないので破損してもよい。
パンチングメタルは、その後の作業の前に、マスキングテープで養生しておく。
接着剤等の残留物は、ていねいに取り除き、接着面に凸凹がないように処理をする。


工程2:新しい塩ビ・バーの接着
分割されたユニットはソリが出るので、写真10・12・13にあるような治具(私の場合はアルミチャンネルを利用
)を用意しておく(ユニット両端を治具にビス止めしてソリを防ぐ)。
そのあと、あらかじめ寸法に合わせて作っておいた塩ビ・バーを元のように接着する。


工程3:枠にあけた穴の処理
ユニットの分割前にあけた穴を、片側は3.2mmのバカ穴をあけてサグリ。
もう一方はM3のタップを切る。


ザグリ
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-12-11

<写真4:3.2mmのバカ穴とザグリ>

**本体の表側に当たる1/2ユニットの穴の処理。パンチングメタルやその周囲の蝋コーティングを保護するために、マスキングテープでしっかり養生しておく(重要)。高電圧がかかるので、ゴミ、埃、異物などの混入はあってはならない**


タッピング

<写真5:裏側ユニットのM3タッピング>
**穴の数が多く、大変しんどい作業になるが、がんばるしかない**


工程4:ダイアフラムを大枠に張る

私の場合は3ミクロン厚のポリエステルフィルムを使った。

写真のように木枠を作り、布テープでコーティングしておく(フィルムとの馴染みがよい)。
適当にフィルムを張った後、張力が全方向に均等にかかるよう、セロハンテープで徐々に張り締めていく。
この張り締めを十分な張力に達するまで数回繰り返す。


振動膜フレーム準備

<写真6:大きめの木枠の準備>

**しっかりした木材で、がっちりとしたフレームを作る。角は金具で補強する。フレームは布テープでコーティングしておくと、フィルム張りの作業に都合がよい**


振動膜ロール置始

<写真7:あまりシワが寄らないようにフィルムをそーっと置いていく>
**写真のように、マスキングテープをうまく活用する**

振動膜張始

<写真8:フィルムを張り締めていく最初の状態>
**まだ張力はかかっていない**

振動膜張完

<写真9:フィルム張り締め完了>

**全方向均等に張り締めていく。数cmに切ったセロハンテープで、マスキングテープ上を次々と引っ張って張り締めていく。感覚としては、破断1.5歩手前でよい。最初に一度、破断するまで実地検証することをお勧めします**


工程5:フィルムへの導電剤コーティング

この工程がもっとも神経を使う緊張の場面となる。
すばやく、ていねいに、むらなく、確実に作業しなければならない。
極力埃の少ない部屋での作業が望まれる。
本来はクリーンルームで行う作業である。
私は風呂場で行った。
写真の撮影どころではないので写真なし。
すみません。
材料や手順の詳細は後日の日記で。

工程6:木枠フィルムをユニット枠へ接着

ユニット側をかさ上げして、木枠が「宙ぶらりん」になるように準備をしておいてから接着する。
鋭利な突起物でもないかぎり、木枠の重みでフィルムが破れることはない。
切り離しはカッターナイフか半田ごてで行う。


振動膜貼付全景

<写真10:ユニットの枠に木枠のフィルムを接着>

**不織布ワイパーをたたみ、接着面を押さえて確実に接着させる。その後は木枠の重みで自然に圧着させておき、乾燥を待つ。不織布ワイパーは、入手が容易な写真6にある「BEMCOT M-3U」を使った(フィルムへの導電剤コーティングの作業にも、これを使う)**


振動膜貼付接写

<写真11:ユニットの枠に木枠のフィルムを接着のアップ>
**フィルム全面の電荷が均等になるように、導電塗料で導通ガイドラインをフレームに描いた(黒い線)。セロハンテープで張り締めの様子も見える**


工程7:導通ガイドラインをフレームに描き、端子を接着

フィルム全面の電荷が均等になるように、導電塗料を枠の四辺に「井桁」状に書き、振動膜の端子を付ける(習字の筆を使った)。
端子は導通性粘着剤の銅箔テープを使った。


膜切り取り

<写真12:振動膜フィルムの貼り付け作業完了>
**フィルムで塞がれたフレームの穴の部分は、半田ごての先端であけておく**


振動膜の電極

<写真13:振動膜の端子を付ける>
**このユニットを本体のどこに取り付けるか決めてなかったので、端子を両端に出したが、無駄な放電可能性の存在は好ましくない。片側のみに設けるべきである。**


工程8:表裏1/2のユニットを合わせ、ポリカ・ビスで固定

ユニット表面にビスの突起があると、本体への固定の際の障害になる(短辺のビスとナットは問題ない)。
組み立て後、防塵用のネット(洗剤で洗った後、使いまわし)を接着する。

元と修後のユニット
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/17EFBC89E58583E381A8E4BFAEE5BE8CE381AEE383A6E3838BE38383E38388DSC_6805EFBC88E7B8AEEFBC89.jpg

<写真14:組み立て終わったユニット(上)と、次に修復を受けるユニット(下)>
**修復後の外観はこのようになる**


工程9:四辺の側面に絶縁テープを巻く

オリジナルのユニットのその部分は、蝋でコーティングされている。
最終的には蝋で処理したいが、当面は絶縁テープで代用して、しばらく(1年間ほどか)様子をみる。

調べてみたが、蝋の種類やその入手法が分からない。
このあとは本体に取り付けて、音出しテストとなる。


手作業品の修復は、一にも二にも「工夫」あるのみ
これらの写真を見るだけでも、8Xの元の発音ユニットが、いかに手工業的に作られていたかが分かると思います。

さらに修復には、新品の組み立て作業にはないような、厄介な問題があちこちに発生します。
それらを「工夫」によって一つひとつ解決していかねばなりません。

でもまあ、ユニットの修復も、3つ目か4つ目になると、工程や手順もいろいろ修正され、あとはもう「その道の職人」になったような調子で作業できるようになるものです。
そこまで行けば、手間と、やたらと時間のかかる作業を、ルーチンワーク的にやるだけになりますが、それほど根気が続くものでもありません。


そしてやってみて分かった大事なことを一つ。

たとえば10個ほどのユニットを修復するには、マスキングテープ(幅は各種)、セロハンテープ、不織布ワイパー、絶縁テープ(布製、ゴム系各種)、接着剤、アルコール(無水エタノール)、ティッシュペーパーなどを、大量に消費します。
これらを惜しみなく、湯水のごとく使わなければ、いい仕上がりになりません。
またこれらを含めて、一切の材料や消耗品は、必ず一流メーカー品を使うことをお勧めします。

接着剤を使うために時間に追われ、また息を止めて一発勝負でやる作業もあり、粗悪品でモタモタしている場合ではありません。


オーディオ道楽だから、また深い想い入れのある8Xだからこそやれた、そうでなければやってられない、面倒この上もない、しんどくも楽しい作業でした。

次回の日記は、振動膜への導電剤の塗布を中心に綴ろうかと思います。
ドキドキしてスリル満点の作業です。


(甦れ8X(5)構造と修復の核心部公開 おわり)

コメント 4


kroyagi
 始めましてkroyagiと申します。

 私も永年8xの前身であるELS-6Aを愛用してまいりましたがご他聞に漏れずユニットの能率低下のため使用できなくなってしまいました、どうしたものかと途方にくれていたところこちらのブログに出会い勇気づけられました記事を参考に再生に取り組みたいと思います、

よろしければ使用したフィルム、塗料、接着剤などが知りたいので続きをupしていただけないでしょうか、1台でも多くstaxのスピーカーを生きながらえせるために。

 宜しくお願いします。                 
by kroyagi (2014-07-29 20:25)


AudioSpatial
kroyagiさん、ご訪問ありがとうございます。返信が遅くなって申し訳ございません。

ELS-6Aですか。あの時代に、ここまで精緻なコンデンサースピーカーを作った日本のメーカーがあったことが、まず、日本の誇りであり、日本のオーディオ史の金字塔ですね。8Xを分解し、レストアしてみて、初めて、あまたの海外製コンデンサースピーカーとは一線を画した精密・精緻、そして、こうでなければならない、という作りの素晴らしさを発見することができました。

kroyagiさんご指摘の、フィルムや、それに塗布する導電剤その他について、できるだけ早く、ブログを更新したいと思います。フィルムと塗布する導電剤は、スウェーデン在住のコンデンサースピーカー・ファンで、ボランティア的に、小分け通販をしてくれている方から取り寄せました。今もまだ、材料があるのかどうか、ちょっと、問い合わせをしてみます。
by AudioSpatial (2014-08-02 13:39)


AudioSpatial
kroyagiさん、先日おたずねのフィルム等の入手先について、別の方からも問い合わせがありました。

そこで、入手先のURL等を取り急ぎ、お知らせいたします。

私が、発音ユニットのフィルムと、導電剤、およびフィルムの接着剤を取り寄せたMT Audio Design のホームページのURLです。
ESLのリペアについて、とても参考になりますのでご覧ください。

http://user.tninet.se/~vhw129w/mt_audio_design/


上のMT Audio Designのホームページの「Quad ESL-63 Element Repair」のページの本文冒頭部に、「MT Audio Design ESL Repair Shop」のタグがありますので、それをクリックするとESL Repair Shopのページ(下記URL)が開きます。このショップに、フィルムと導電剤およびフィルムの接着剤の在庫を問い合わせてみてください。

http://user.tninet.se/~wea635n/mt_audio_design/mt_audio_archives/esl_repair_shop.htm

ではよろしくお願いいたします。
by AudioSpatial (2014-08-15 02:49)


kroyagi
お返事有難うございます、まさか私と同じ6Aを所有の方がいらっしゃり再生に取り組もうとしているとは、また私もサブとしてJBL S-101改を使用しているので偶然とはいえ縁を感じます。
早速MT Audio Designに問い合わせてみますありがとうございました。
今後も問い合わせる事が有るかもしれませんが宜しくお願いします。
by kroyagi (2014-08-17 17:37)

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-12-11



http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/954.html#c1

[近代史3] 日本製のスピーカーは どんな名作でもすぐに消えてしまう理由 中川隆
33. 中川隆[-10117] koaQ7Jey 2019年5月26日 21:39:14 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2232]

>>7 STAX 静電型スピーカーシステム

に追記


甦れ STAX ELS-8X コンデンサースピーカー
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2014-04-05


かつて、日本のオーディオ業界が盛んであった時代、世界に類を見ない精緻な作りの、大型コンデンサースピーカーがありました。

STAX社のELS-8Xです。

ダメになった発音ユニットの3ミクロン厚の振動膜の張替え・修復に成功したELS-8Xから、思いも寄らない音響空間が出現しました。

眼前にぱあっと広がるリアルな音場。

あそこで鳴ってる、こちらで歌う、そこにいる。今まで経験したことがない明確な定位。

低音のさらに低域の、震える空気の粗密波が頬に触れ体を包む。

なによりも「そこで演(や)ってる感」がすばらしい。

おそらく世界最高の精緻な発音ユニットと音質を備えた STAX ELS-8X を中心に、コンデンサースピーカーについて綴ります。
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2014-04-05


▲△▽▼

甦れ(1回)STAX ELS-8X コンデンサースピーカー [甦れSTAX ELS-8X コンデンサースピーカ]
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-17

甦った8X

■序

8Xふたたび

眼前にぱあっと広がるリアルな音場。
あそこで鳴ってる、こちらで歌う、そこにいる。
今まで経験したことがない明確な定位。

低音のさらに低域の、震える空気の粗密波が頬に触れ体を包む。
なによりも「そこで演(や)ってる感」がすばらしい。

修復成ったSTAX ELS-8Xから、思いも寄らない音響空間が出現した。


オーディオルームの8X
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-17


<写真1:修復がほぼ終わったSTAX ELS-8Xを、オーディオ部屋に運んで試聴>

**8Xの後ろの黒い箱は、8Xがダメになっていた期間の代替機として使っていたALTECのMODEL 19。

これはこれで大した器である。

右端の真空管アンプは、当ブログの別テーマ『原器を目指した「最終アンプ」』の主人公**


ELS-8Xとは

かつて、日本のオーディオ業界が盛んであった時代、世界に類を見ない精緻な作りの、コンデンサースピーカーがあった。

STAX社のコンデンサースピーカー ELS-8Xである。

ELSすなわち「Electrostatic Loud Speaker」。

英国QUADなど海外では、この方式のものをESL「ElectroStatic Loudspeaker」と呼んでいる。

8Xは左右それぞれのスピーカーに8つの発音ユニットが付いているので「8」、
そしてほぼ改良し尽くした最終・最高のモデルなので(これは勝手な推測)「X」。

スタックス工業株式会社のフラグシップ機であり、コンデンサー型の各種オーディオ製品に最後までこだわり続けた同社の誇りと象徴、ELS-8X。

思い切り人手をかけた「熱意」が伝わってくる作り。

音響の基盤となる物量投入の分厚い木製バッフルと、よき時代の「ものづくり日本」でしかできない精緻かつ堅牢な発音ユニット。

8Xはその無比・無上の再生音とともに、日本のオーディオ界の文化財的な「宝」に値するだろう。

この8Xをバラし、発音ユニットを分解し、洗いざらい調べ尽くした私は、「こんなものを作っていては事業は成り立たない」と呆れたものだ。

昔のスタックス工業株式会社が今もあって、世界第1級のELS(ESL)を作り続けてほしかった、という願望の裏返しである。

私の感覚では、当時、たとえ2倍の価格で同数の売り上げがあったとしても採算はおぼつかない。
それほど入念な作りである。

8Xの発音ユニットを分解した結果、海外のESLのそれと、大きな相違点があることに気が付いた。

ダイアフラム(振動膜)と固定電極とのギャップ(距離)、それと成極電圧(数千ボルトのバイアス電圧)との配分関係が大きく違うのである。

ギャップが狭い!。

この相違点には、なにかとても重要な意味があるに違いない。

なぜなら、8Xが選択した配分関係の発音ユニットを製造するには、大幅なコストアップが不可避だからである。

つまり必然的に精緻・精密な作りをせざるを得ない構造となる。

なにか特別にいいことがないかぎり、そのような選択をする筈はない。

推測であるが、8Xの発音ユニットの比類ない音質は、この相違点に一つの秘密があるのではないだろうか。

8Xはこのような素性の、今や誰も作れない(事業性がない)スピーカーである。
もし、今も健全で完動している8Xのオーナーがおられたら、いい環境の中で大切に大切に使い続けていただきたいと切にお願いしたい。

ちなみに私の8Xより数年古く、30年近く使われていた8Xでも、いい環境の中にあれば、まったく健全で音質の劣化も認められない状態を保つことが実証された。

そのことについては当ブログ内の別テーマ、「i氏山荘訪遊記(第2話)」で触れているので、よろしければ訪ねていただきたい。

この見事な加工のパンチングメタルを見よ_全域ユニット

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-17


<写真2:全域ユニットの固定電極のパンチングメタル。低域ユニットとも共通>

**この精緻な加工を見てほしい。孔の細かさ、開孔率の高さ、孔のエッジの丸め加工(裏・表とも)など、これを見ただけで8Xが内外ともに突き抜けた存在であることが分かる。高域ユニットのものはさらに細かい。


この見事な加工のパンチングメタルを見よ_全域ユニット

**固定電極の表面電界は、均一で平らで滑らかであることが求められる。そのためには、パンチングメタルの孔を可能な限り小さくする必要がある。また、音が抵抗なく通るよう、開孔率はできるだけ高くしなければならない。それらを満たしてなおかつ、機械的強度や、振動対策を考えねばならない。これらのことから、パンチングメタルとその周辺構造は、ESL製品のクオリティーを知る上での重要なチェックポイントになる**


瀕死の8X

8Xが我が家に来たのは1987年であった。

それから10数年愛聴してきた8Xを、私は知らず知らずの間にダメにしていた。
周囲の環境に問題があった。

左右で都合16個ある発音ユニットの半数以上が、能率の低下で鳴らなくなった。

不調に気づいた時、すでに製造元のスタックス工業株式会社はなく、別の組織に様変わりして、8X修復の望みは完全に失われていた。

問題の箇所が発音ユニットにあることは見当がついた。
しかし8Xの発音ユニットは、もともと修理ができる構造ではない。

組み立てにネジなどは使われておらず、接着剤で完全に一体化され、分解できるようにはなっていない。

故障すればユニットをまるごとそっくり交換する。

その当時、荒技でも裏技でも、なんとか修復の手立てはないかと足掻いてみたが、結局どうにもならないことが、はっきりしただけであった。

それでも「いつの日にか」と、一種のライフワーク的な思いで納戸に押し込んだ。
瀕死の8Xは古シーツに包まれ、いつ覚めるともしれない眠りに就いたのである。


放電によりフィルムに空いた穴

<写真4:固定電極と振動膜との間で高圧がスパークして開いた穴。その周囲が損傷している>

**フォーカスが外れているが、ついでにパンチングメタルの加工のアップも見ていただきたい。高い電圧は尖った先に電界が集中して放電を引き起こす。だから打ち抜いた孔のバリなどはあってはならず、さらに角も丸く磨くかなければならない**


緊急決起ボタン

瀕死の8Xは納戸の隅で、10年近くの長い年月を過ごした。
ところが2013年の早春、「いつの日にか」は突然やってきた。

あるきっかけで、私の心の中の「緊急決起ボタン」が押されたのだ。
8Xは狭い納戸から明るい部屋に運ばれ、裏蓋を外された。

高圧プローブで電圧が測られ、2現象オシロスコープでオーディオ信号を観測され、試料として1つのユニットが取り外された。

高域発音ユニットの成極電圧1.8KV正常、全域および低域の成極電圧3.5KV正常。
発音ユニットへのオーディオ入力信号は、高域入力正常、全域入力正常、低域入力正常。

まず最初の行動は、不具合が確かに発音ユニットにあることの再確認だった。
それからが五里霧中、暗中模索。

蘇生へ向けての下準備を開始した。

インターネットに張り付いて「ElectroStatic Loudspeaker」、「Repair」などを検索キーワードに、内外の関連情報を収集する日々が続いた。

いろいろ試みて、やはり修理は不可能な場合、同形、同寸法の発音ユニットを自分で作ることも検討し、部材の見積もりも取った。

目の前に現物見本があるので、選択肢として「あり」だろう。
修復に必要な振動膜や導電コート材等の主要な材料は海外に求めた。

日本は優秀な材料を多種生産しているが、残念ながら個人が僅かばかりの量を入手することができない。


クーロン力

さて、基本中の基本であるが、コンデンサースピーカーの振動膜を駆動する力はクーロン力である。

電荷の+と−が引き合い、+と+、−と−が反発し合う電気の根元的な力である。
電極板の面積、間隙の距離、印加する成極電圧。

それらと、振動膜を駆動する力との関係は?(前出の話と関係する)
まずそのあたりの基本原理のお勉強から必要となった。

早稲田大学では古くから、研究室やクラブ活動などにおいて、コンデンサースピーカーの研究を伝統的に行っており、その論文を何本もインターネットで公開していた。

早稲田大学大学院平成15年度修士論文「スイッチングアンプ駆動コンデンサスピーカに関する研究」など、コンデンサースピーカーを語る上で極めて重要かつ貴重な情報が満載である。

なおこの論文は、初歩的な基本原理のお勉強から書き出しているので、興味のある方はぜひとも検索されたい。

ちなみに、薄いフィルムの平面を全面駆動するコンデンサースピーカーといえど、振動膜はピストン運動をしていない。

「コーン型スピーカーは分割振動するが、コンデンサースピーカーはピストン運動であるため平面波が出る」、というのは誤りである。

レーザーでドップラー効果を利用したスキャニング振動計を使って、各種のモデルを実測した写真を見ることができる。

そして春も浅くまだ寒い日が続く頃から、初夏の暑さが感じられる頃まで、なにかに憑かれたようにがんばった。
その結果、驚くことが起こった。


甦った8X

瀕死の白鳥が奇跡的に甦った。

軽くしなやかな新しい羽にはえかわり、大空に舞い上がったような感動。
このようなことが自分の手で、これほどうまくいくとは思ってもいなかった。

発音ユニットの振動膜を、極薄・極軽、元の半分の厚みの3ミクロン・ポリエステルフルムで張り替えることに成功した。

その結果が冒頭の音響空間の出現である。
なんという幸運か。

優れた基本設計と入念な工作、長年にわたる改良の積み重ねにより到達した、STAXの頂点であり最終モデルであった8X。

それを一人のSTAXファンのアマチュアが、なんの裏付けもないまま「3ミクロンの修復」を試み、一発で成功してしまった。

世の中全般、普通はそれほど甘くはないので、多分、コンデンサースピーカーのダイアフラムには、「けっこういいかげん」なところがあるに違いない。

振動膜の張力や、導電コートの電気伝導に関する各種パラメータの値(つまり導電コート剤の種類やその塗布のしかた)などには、ある程度の許容範囲があるように思える。

薄いフィルムの張力を測る計器も、導電コーティングの非常に高い抵抗を測るメグオーム計や絶縁抵抗計もなく(普通のテスターでは測定不可能)、すべて素人の手作業による「勘」を頼りにフィルムを張り、導電剤を塗布している。

もちろん失敗してやり直したユニットもあったが、うまくいったユニットは、それぞれのユニット間の音の違いは聞き分けられない。

だからたぶん、限定された誤差範囲内で、ある程度の「ファジーさ」があるのだろう。

甦った音響は、8Xの新たな頂が、まだ先に聳えている可能性を示唆しているように思える。

スタックス工業株式会社が今にあれば、きっとさらなる高峰に到達しているに違いない。


外枠ヘフィルムを張る手順の最初の工程

<写真5:発音ユニットの振動膜を張る手順の最初の工程>


**まず、発音ユニットより大きなフレームに、3ミクロン厚のポリエステルフルムを、破断一二歩手前ほどの強い張力で張り締めていく。この作業が終わった後、おもて面に導電コーティングを施す**


高域ユニットのフィルムを2つを同時に張る

<写真6:発音ユニットの外枠に導電コーティング済のフィルムを接着する作業>

**いくつかのユニットの張り替えに成功していたので、調子に乗って高域ユニットを2つ並べて同時に作業してみた。これもうまくいった。接着剤が乾いたら、周囲のフィルムを切り落とせば振動膜を張る作業は終了**


この「甦れSTAX ELS-8X」では、8X修復の顛末を中心に、それらにまつわる話などを綴ろうと思います。

なお当ブログ内の別テーマ、

「i氏山荘訪遊記(第2話)」
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14-1


で、この8Xとi氏のスピーカーシステムとの関連についての記事が少しあります。
そちらもお訪ねください。


厳重注意!

コンデンサースピーカーの修理は、生命の危険が伴います。

8Xでは4000V(4KV)、他の機種では6000Vを超えるものもあり、通電中の内部にはそのような電圧が「そこら中に」かかっています。

電流は微小ですが、触れた場合の電撃ショックは大きく、どのような結果を引き起こすか分かりません。

また電源を切っても、数日間は完全に放電しきらない場合もあります。
身の安全を守るため、家電製品の注意書きにある「サービスマン以外は裏ぶたを開けたり、分解したりしないでください」、のお約束をよろしくお願いいたします。

(第1話 おわり)
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-17



▲△▽▼

i氏山荘オーディオ訪遊記(第2話) [i氏山荘オーディオ訪遊記]
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14-1


平面バッフルの音空間とSTAX ELS-8Xの音空間

■竹集成材平面バッフル

i氏山荘の現状のスピーカーシステムの基本構成は「竹集成材の平面バッフル3Way+大容量密閉箱ウーハー」である。

氏の描く基本形は、この平面バッフルを主放射源とするものである。

低域を補完するウーハーの最終形態は今後の課題としている。

これらは氏のオリジナルな自作であり、特に平面バッフルに竹集成材を採用したことや、その工作の巧みさは、今まで他に製作例がないと思われる。

またそのセッティングには、日常の家庭生活を考慮する必要のない山荘の「自分だけスペース」ならではの豪快さがある。

スピーカーの背壁は、急勾配の2階屋根に沿って傾斜した板張り。

その最奥に大容量密閉箱型ウーハが置かれ、その1mほど手前に平面バッフル型3Wayスピーカーシステムが、床と天井の梁との間に設けた強固な支柱に取り付けられている

(第1話の写真1)
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14


この「1mほど手前」の間隔が問題を起こしているのであるが、その解決はのちほど。

上下が固定された丈夫な太い支柱に、バッフルをがっちりと取り付けた構造が、このスピーカーシステム全体の音響を左右する大きな要素の一つになっているのだろう。

いずれにしてもこのスピーカーシステムが感動的な音場を形成する要因は、音の主放射源の平面バッフル方式にあると思われる。

平面バッフル方式のよさを評価する先達は大勢おられるが、ここの場合はそれが顕著に現れた好例だろう。


この平面バッフルスピーカーにはつぎの特徴がある。

・バッフルの材料に竹の集成材を採用た3Way方式。構成はツイーター1、16cmフルレンジ1、16cmウーハー2。

・スピーカー開口部のエッジに滑らかなR付け加工。

・表側全面のニス塗装。


穴あけ加工等、すべて自作である。
木工の腕は本職跣(はだし)であり、プロの指物師(さしものし)や大工の見習いとして即決採用かもしれない。
オーディオ道楽だけでなく、年中次々と発生する山荘の補修等の大工仕事を、各種の電動工具を揃えてやっているらしい。


i氏山荘SP平面バッフルのアップ

<写真1:竹集成材平面バッフル3Wayシステム>

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14-1


**構成は上からツイーター1、16cmフルレンジ1、16cmウーハー2。この写真の16cmフルレンジはDS-16Fが付いている。SPの穴の周囲のみごとなR加工**


■「箱」では得難いこの感動はなにか

山荘訪問初日、ああだのこうだの、CDをとっかえひっかえしながら配置を工夫した。

どうも位相的な微妙な違和感が付きまとうように聞こえる。

ウーハーと平面バッフルとの前後の間隔が1m強ある。

どうやらウーハーの直接音が、平面バッフルの背面放射と干渉しているのではないかと見当をつけ、とりあえずの荒仕事で位置を変える。

平面バッフルを上下逆さまにして、ウーハーの箱の天板の高さに持ち上げる。
そしてウーハーを平面バッフルと同じ面まで前に出す。

フルレンジユニットはDS-16Fから三菱ダイヤトーンP-610DBに取り替えた。
さて、この取って付けの仮配置で音を出す。

この時の感激は、当訪遊記(第1話)の冒頭「序」のとおりである。
このような音の空間に入った時が、音楽好きオーディオファイルの至福の瞬間である。

聴き慣れた音源から発見される新たな音響的感動、それによって初めて感じ取ることができた音楽的感動が次々と出現し、涙腺を刺激する。

ああ、このステージはこうだったのか。
この演奏はこういう響きだったのか。
この楽器はそこで鳴っていたのか。
この歌手は、この演奏家は、ここまで微妙・精妙な表現をしていたのか。


その時、氏もこの境地にいたと思う。
あれはどうか、これはどうだろうと、次々とCDを取り替えては聴いている。

いやー、すばらしい。
これほどの音場感が出るシステムは本当に稀である。
お金を掛ければ実現できるものでもない。
この音響はどこから、どういう理屈で出てくるのだろう。
やはり平面バッフルに何らかの要因があるのだろう。


i氏山荘SP全景 after

<写真2:第1話の写真1の配置では微妙な違和感があったので、このような応急処置をして音を出してみる>

**さてbefore→afterの結果は・・。竹集成材平面バッフルのフルレンジユニットは、三菱ダイヤトーンP-610DBに取り替えてある**


■STAX ELS-8Xとの共通点

今回の山荘訪問は、都合で氏に送り迎えしてもらった。

山荘に向かう前に、拙宅の修復成ったSTAXの大型コンデンサースピーカーELS-8Xの試聴をしてもらう目的もあった。

20数年ほど前から、氏はこの8Xを何度か聴いているのであるが、オーディオ道楽に染まってからは聴いていない。

8Xは片側に8個の発音ユニットがあるが(写真2)、ここ10年来、その半数近くの能率が下がり、使用できなくなった。

いつの日にか、なんとかしようと、納戸の小部屋に押し込めてあった。
8Xの代替機はALTECのMODEL 19を選んだ。

大型であるが、家庭に設置するタイプとして音響的に最高の器の一つだろう。

8Xとの音の質感の違いは当然ながら大きいが、これはこれで「大したものだ」と思う。

8Xを製造したSTAX工業株式会社はその後会社の形態が変わり、今後とも8Xが修理を受けられる可能性は完全に断たれている。
でもいつの日か、耳の聞こえるうちに、目がなんとか利くうちに、手先が自由に動くうちに、そして気力があるうちに修復したいと思っていた。

そうこうしているうちに自適生活に入り、怠惰な日々を2年も送っていたが、今年になってあるスピーカーを聴くにおよび、8X修復への「緊急決起ボタン」が押された。

この話は当ブログの別テーマ、「甦れSTAX ELS-8X」で綴ろうと思うが、かなりオーバーに言えば4・5ヶ月の寝食を忘れた苦楽の結果、3ミクロン厚のポリエステルフィルムを使った振動膜の張り替えに成功した。

オリジナル8Xは、ツイータ4ミクロン厚、フルレンジとウーハーは6ミクロン厚である。
それをすべて3ミクロン厚で張替えた。

その3ミクロン厚の超軽量振動膜の威力だと思うが、長年の8Xオーナーである自分が腰を抜かすほどの音響空間が再現されるようになった。

これを氏に聴いてもらった。

さて、氏は8Xの前に立つや、「これ平面バッフルですよね」、と一言。

「あっ!」。
迂闊であった。

発音原理や形がまったく異なるため、コーン型SPユニットを取り付けた平面バッフルと同一であることの意識が希薄であった。

氏の言うとおりである。
8Xは畳1畳ほどの木材の分厚いバッフルに、8個のSPを取り付けた平面バッフル型スピーカーそのものだ。

私は修復成った8Xから、今まで体験したことがないすばらしい音場の広がりと明確な定位が再現されることを知ったが、氏の山荘の音場も、これと類似の効果なのだと思っている。

「逆相になるが背面からも前面と同じ音が放射される」。

「背圧がかからないため、ダイアフラム(振動板)がもっとも自由に動く形態」。


事実としてこの平面バッフルの効果を、どのように理論づければいいのか分からないが、音場の再現や音響の品質に極めて有効に働いているに違いない。

余談であるが修復成った8Xを聴いた「蛙の子」の息子が、その音に驚いて、すぐさま同じ8Xを手に入れた。

ちょうどその時期、奇跡的タイミングで売りに出たらしく、二度とない幸運にめぐり合ったといえる。

片側の音が小さいという不具合がある出物だったが、私の8Xと比べられないほどの美品であり、不具合の原因だった高電圧発生部を修理して完動している。
よほど環境のよい部屋で、大切に使われていたのであろう。

この8Xも氏に聴いてもらった。
すべての発音ユニットが、これもまた奇跡的に健全な状態を保っており、オリジナル8Xの音が聴ける。

氏は一言、「これはこれでアリですね。少し力強いかな」。

部屋も置き方もアンプも異なるが、確かに3ミクロン厚の音と少し違う。


新旧2組の8XDSC_6847

<写真3:修復作業がほぼ終わった8Xの裏側と(左寄り)、息子が入手した同じ8X(右寄り)>

**左右それぞれ8個の発音ユニットから成る平面バッフル型であることが分かる。上下シンメトリー。内側から外側に向かって高域ユニット×2、全域ユニット×2、低域ユニット×4の3Way構成**


8X振動膜張りDSC_6769

<写真4:8Xの発音ユニットの振動膜の張替え作業>

**3ミクロン厚のポリエステルフィルムを、かなり強い張力をかけた状態で、ユニットのフレームに貼り付ける工程**


■山荘SPシステムの次のステ―ジ余談が長くなったが、山荘2日目の朝は早起きし、朝食も早々に音を出した。

昨日と同じく、本当にすばらしい音響と音場感である。
音楽に深く入り込める至福の再生音だと思う。

しかし少し気になる。

ウーハーの箱の天板が音を反射し、どうもその悪影響があるような感じがする。

天板の上に布団などを重ねて置くと、かなり改善されるので多分そうだろう。
ほんの僅かな違和感であるが、これがなくなれば良い方向の相乗効果で、格段の向上があるかもしれない。

とりあえずの実験としてウーハーの箱を分解し、前面パネルだけの平面バッフルの形で音を出してみよう、ということになった。

電動ドライバーを片手に、氏は箱と格闘を始めた。
しかし「大工見習いもどき」の氏の手に成る箱は、頑丈に作りすぎて簡単には分解できないことが分かった。

薄手の長袖の上着が必要な山荘の朝であるが、30分ほど汗をかいて、とりあえずの実験は諦めた。

さてこの課題を氏はどう解決するだろうか。
来年の春頃かな。
冬の氷点下で冷凍庫と化した山荘でも厭わない。
そのときは次のステージにグレードアップされた、さらにすばらしい音響空間に浸ることができるだろう。

(第2話 おわり)u

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甦れ(2回)8X コンデンサースピーカー(2)SR-1との出会い [甦れSTAX ELS-8X コンデンサースピーカ]


今日の日記は、瀕死の8Xを「いつの日にか」、と思い続けたこだわりの源泉と、今後綴っていく修復日記の伏線になるようなエピソードについて記します。


■SR-1との出会い

若者の足なら、STAX本社の館、現在の東京都有形文化財「雑司が谷旧宣教師館」まで歩くのは、わけもない距離である。
JR池袋駅から南東に、徒歩で10分もかからない。

しかし微かな記憶には、国電池袋駅から路面電車に乗ったような情景が浮かぶ。
多分そうだったのだろう。
田舎から出てきて日も浅く、地理に不案内な学生である。
都電(路面電車)で行けば迷わない、と誰かに言われてそうしたのかもしれない。


STAX本社を訪問した目的は、イヤースピーカーSR-1と、イヤースピーカー用アダプターSRD-3の購入であった。

自分が請うたのか、あるいはご好意だったのか覚えていないが、そのとき試聴ルームに案内され、フルレンジ・コンデンサースピーカーESS-6A(であったはず)を聞かせていただいた。

これが当ブログ表紙冒頭の「私はこの館で音の洗礼を受けた・・・」のシーンである。


ESS-6Aが奏でる音楽。

その未体験の音響は、一生忘れることのない感動を残した。
そしてそのとき購入したSR-1。
これがその後、私の耳に「オーディオを聴く際の音の基準」を形づくることになる。

つまり私が歩いてきた「オーディオの道」を遡れば、源流は池袋の雑司が谷にある旧宣教師館に行き着く。


学生時代のオーディオシステム


<写真1:これ1枚しかない学生時代のオーディオ装置>
**古くなれば本当にセピア色になるんですね**

写真は、機器の揃い具合から、学生時代の終わり頃のものだろう。
STAX SR-1はスネかじりであったが、レコードプレーヤーなどは自前である。
(SR-1はトリオのアンプ類の下の戸棚の中に見える)。

当時、春休みや夏休みなどに帰省して、浜松の日本楽器(YAMAHA)で高額報酬のバイトをやらせていただいた。

あの頃、浜松の日本楽器は、オーディオ評論などで高名な青木周三氏を招いて、レコードコンサートなどを定期的に催し、地方のオーディオ文化の発展や啓蒙に貢献していた。

浜松城公園に近い公会堂(?)で催された夜のレコードコンサートに、担当の綺麗なお姉さんに誘われてついて行ったことなど、とてもリアルに甦ってくる。

大通りの四つ角に面した店舗には、高級オーディオのフロアもあり、写真のレコードプレーヤーはそこで調達した。

アームはSTAX UA-7、ターンテーブルはSONY TTS-3000、カートリッジはFidelity-ResearchのFR-1とそのヘッドアンプFTR-2。

スピーカーは三菱ダイヤトーンP-610xx(続くサフィックスは覚えていない)を、その標準箱もどきに入れている。

ツイーターは当時のボクらの大定番、大ベストセラー、驚異の価格/性能比、Technics 5HH17。
この1枚の写真だけで、一冊の物語になるほどの思い出が湧いてくる。

バイトに通っていた時、浜松駅近くの新幹線ガード下あたりに「ナルダン」という喫茶店があり、そこのご主人に、いろいろとお世話になった。
ありがとうございました。

様々な思い出が甦る「これ1枚だけ」の写真である。


SR-1をめぐる高城重躬先生とSTAX社員との逸話

イヤースピーカーSR-1にはいろいろなエピソードがある。

ある日、高城重躬先生宅にSTAXの技術者ら数人が訪れた。

先生は悪戯に、氏のマルチチャンネル・システムの各帯域のアッテネータを少しズラして、「君たち、これを調整してバランスのいい音にしてごらん」と促した。

結局彼らは悪戦苦闘の末、僅かの違いを残して、元に近い状態に戻してしまった。
先生はこのことの講評に、「普段、イヤースピーカーを聴いている彼らの耳が、よく訓練されているからだろう」とおっしゃったという。

古いオーディオファイル諸兄の間では、伝説の逸話である。

私のオーディオは、形あるものも、ないものも、すべてにこの話のエッセンスが溶け込んでいるように思う。

さて、私のイヤースピーカーSR-1と、イヤースピーカー用アダプターSRD-3は、今どこにあるのだろう。

私自身が育て親を捨てることなどあり得ないので、屋根裏のダンボール箱のどこかに眠っているはずである。
発見できたら、その音を聴いてみたい。
耳パッドは元々ダメになっていたが、たぶん鳴ると思う。
「私の基準」を育んだ音をもう一度聴きたい。


■STAXもう一つの傑作はSR-001

SR-1はその後、改良された新モデルが次々と出て今日に至っている。

私もその間、Lambda Nova Signatureなど2種類ほどのイヤースピーカーを買い替え、ドライバーユニットSRM-T1とともに所持している。

SR-1を原型として、現在の最新鋭モデルまでの変遷は、時代とともに進化を重ねてきたものであり、当然の流れである。

しかしSR-001は、その流れとちょっと違う。
コンセプトが全然違う、と言ってもいい。

従来のAC電源が必要なイヤースピーカー用アダプターを、乾電池で動作するポータブルにした。

従来のイヤースピーカーを何十分の一程度に小型化した。

STAX工業株式会社から今日の有限会社STAXに至るまで、世に送り出した製品で、他社が追従できない画期的な傑作が3つある。

他にも評価すべき意欲作はいくつかあるが、代表すればこの3つだろう。

1.コンデンサー型イヤースピーカー
2.フルレンジ・コンデンサースピーカー
3.コンデンサー型の超小型イン・ザ・イヤースピーカー・システム


私はこの「3.」の初代機SR-001を手にしたとき、本当に凄いものを開発したと感嘆した。

これ、嘘ではなく本当にコンデンサー型ですよ。

その当時私は、ウォークマンのたぐいのヘッドフォン・ステレオに、SONYのNT-1とNT-2を使っていた。
iPodが出現する前の話である。

NT-1/2は、切手大のデジタル・マイクロカセットを記録メディアとするデジタルレコーダーである。

サンプリング周波数32KHz、量子化ビット数 12bit折線(17bit相当)、圧縮方式 ADPCMのデジタル信号を、幅僅か2.5mmのテープにヘリカルスキャンで記録・再生する。

もっともSONYらしい、宝石のような、輝けるSONY製品の一つである。
当時、このNT-1やNT-2のすばらしい音質に応えられるヘッドフォンは皆無であった。

SR-001を使ってみた。
感激!。

音全体はイヤースピーカーを踏襲しているが、まず低音に驚かされる。
SR-001の低音は、他社の如何なるヘッドフォンより深くて生々しい。
この音を外に持っていける!。

私は写真2の「お出かけセット」を、通勤や出張、旅行などに離さず持ち歩いた。
そしてウォークマン型の終焉。

本来ならばSONYが出して然るべき、また出せる可能性があったにもかかわらず、iPodは門外漢のAppleから出た。

それから通常タイプのイヤフォンの高音質化競争が始まった。
私の「お出かけセット」もiPodになった。

しかしSR-001を原型とする、携帯できるイン・ザ・イヤースピーカー・システムは、イヤースピーカーとともに、世界に誇る傑作であると確信している。

(アダプターの側面に付いているライン入力ジャックは、その取り付け場所が悪く、じゃまになって使いにくい。しょうがないので、その脇に穴を開け、ラインケーブルを直付けした)


SR-001DSC_7091
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/SR-001EFBC88E7B8AEE5B08FEFBC89DSC_7091.jpg


<写真2:SR-001とNT-2。iPod出現前の私の携帯オーディオシステム>

■8X修復の手掛かりなし

さて8X修復の話であるが、情報はまったくない。

英国QUADのESLやESL-63系に関するrepair記事は、具体的かつ詳細なものが山ほど出てくる。

しかしSTAXのコンデンサースピーカーの内部構造や、修理に関する情報はネット上のどこを探しても出てこない。

ただ1つ、8Xの高圧電源部の修理を、絶縁ワックスをドライヤーで融かして行ったという国内記事があった。

高電圧発生回路は、4段のコッククロフト回路、とある。

具体的記述はそれのみであるが、確かにそのとおりであった。

当ブログの「i氏山荘訪遊記(第2話)」の「かえるの息子」が入手した8Xの修理の際、目視できるダイオードの結線状況から推測し、彼が回路図を書き起こした。
この話は次の日記で綴りたい。


新8X高圧電源部全景
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/E696B08XE9AB98E59CA7E99BBBE6BA90E983A8E585A8E699AFEFBC88E6B888EFBC89.jpg


<写真3:「かえるの息子」の8Xの高圧電源部(修理前)>

**電源トランスと4個のコンデンサーが入った小部屋が、絶縁ワックスで充填されている。それらの一部が透けて見える。不良コンデンサーを交換するには、この大量の蝋をかき出さねばならない。さてどうすれば・・。左上の基板上の抵抗素子のアレイは、私の8Xより一つほど古いバージョンの仕様を示す**

STAXカタログ内部構造
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/STAXE382ABE382BFE383ADE382B0E58685E983A8E6A78BE980A0EFBC88E7B8AEE5B08FE38388E6B888EFBC89.jpg


<写真4:STAXのコンデンサースピーカーのカタログの一部分>
**発音ユニットの基本構造が描かれている**


発音ユニットの構造はカタログの模式図のみ

発音ユニットを分解する前に、その構造を知る必要がある。
構造が分からないまま、手荒なことはできない。
致命的なダメージを与えたら、はいそれまでよ、になる。

しかし、喉から手が出るほど欲しかった発音ユニットに関する具体的情報は皆無であった。

唯一、STAXのコンデンサースピーカーのカタログに、発音ユニットの内部構造の簡略スケッチがあった。

基本構造は正しく描かれているが、修復工作に最も重要な部分が省略されている。
でもこの図が、構造を推理するための大きな手掛かりとなった。

これらは次回以降の日記に順次綴っていこうと思います。

(第2話 おわり)

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-25



▲△▽▼

甦れ(3回)8X コンデンサースピーカーもう一つの8X電源修復 [甦れSTAX ELS-8X コンデンサースピーカ]
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-11-09


今日の日記は、私の8Xの修復ではなく、もう一つの8X、「かえるの8X」の高圧発生電源部の修理について綴ってみます。

「かえるの8X」を修理してみて、同時期のロット(同じ時期に作られた8X)には、高圧発生電源部のコンデンサーの不具合が発生する恐れがあったのでは、と心配になったからです。

また、8Xとは直接関係のない、わき道にもけっこう深く迷いこみますが、すみません。


おやじの耳はいい?

芸術作品などに向かい合う際の審美感覚。

「鑑賞眼」とはちょっと違う気もするが、「心に沁み込む度合い」のようなもの。
映画、演劇、音楽、文学、絵画・・、といったものを味わう能力のようなものは、年を重ねるに従い、深まるのではないかと思う。

オーディオの音を聴く力も然りである。
聴力はどんどん衰えるのに、「コクや妙味を味わう」能力は向上するように感じられる。


8Xの健康管理

「かえるの息子」が入手したELS-8X(委細は「i氏山荘」第2話)。

自分のアパートに収容するスペースがないので、我が家に置いてある。
その8Xの健康維持のため、ときどき聴いている。

置いてある部屋は防音施工ではないが、家中に響く大音量も出してやる。
GECのKT88が挿してあるAIR TIGHTのATM-2は、太くてずっしりした音が出る。

大編成のオーケストラなど、床の振動が体に伝わって、実に豪快に楽しめる。

8Xから、ALTECの416-8B 38cmウーハー(「いとし子」第3回の写真1)を凌ぐほどの、床が震える低音が出る。

これって、プッシュプル方式独特の音なのだろうか。
今まで経験したP-Pの音は、どうも雰囲気が似ている。


新8X全景
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/E696B08XE585A8E699AFEFBC88E7B8AEE5B08FE38388E6B888EFBC89DSC_7442.jpg


<写真1:「かえるの8X」は別室に置いてある>

**私の8Xとは比較にならないほどきれい。どのような環境で使われていたのか不思議である。左右合計16個の発音ユニットがすべて健全なのも信じがたい。購入して間もない頃の私の8Xが帰ってきたような錯覚に陥る**

新8Xアンプ類

<写真2:「かえるの8X」を鳴らすために急きょ集めた機器類>

**木の穴から顔を出しているリスだか、モモンガだかの後ろがAIR TIGHT ATM-2**


わき道談 AIR TIGHT ATM-2

余談であるが、このATM-2は、AIR TIGHTブランドのA&M社が創立間もない頃に購入した。

取り扱い説明書らしいものはなく、案内状は手書きであり、回路図も手書きであった。
内部のはんだ付けも下手で、重い本体を送り返すのも面倒なので自分で何箇所も補修した。
そのことを電話で伝えると、社長さんが「職人がまだ熟練してなくて・・」と、えらく恐縮しておられた。
しかしこの器の作りと、基本コンセプトは、とても共感できる。

回路はP-P増幅器の基本中の基本形、教科書どおりであり、妙な細工は一切なし。
あとはシャシー、トランス、各種の電子部品、それらの配置などなど、部品の品質・性能と、全体設計の良否で勝負、である。
私の「最終アンプ」のコンセプトと通じている。


このATM-2は、GECのKT88のゲッターがほとんどなくなるまで愛用し、今のGEC KT88は2代目である。
驚くべきことに、ゲッターがほとんどなくなったGECのKT88のip(プレート電流)は、新品のものと大きな差はなかった。
つまり交換の必要はなかったことになる。

そんな状況のATM-2、面白いことがいっぱいあった。
それらの話は別のタイトルで綴った方がいいとは思うが、楽しい思い出がいっぱいで、筆が止まらない。

初段の12AX7と、位相反転の12AU7、ドライバーの12BH7Aの銘柄やロットの違いで、出てくる音や、音の性質がコロコロ変わる。
NF(ネガティブフィードバック)も外した。

その話をしたら、「そんなことされたら音になりませんがな」とAIR TIGHTの方に言われた(本社は大阪)。

NFを外し、初段の12AX7を12AU7に替え、元のX7周りの定数をU7に合わせて少し変更することにより、明らかに、明確に「音が活きる」。
それによる他の聴感上の問題は特に出ない。
(こんなこと、やってはいけません。もはや時効の昔の話ですし、これは私が所持するATM-2だけに限ったことですから。P-PのNFを外すなど、もってのほかの愚行はおやめください。私、今は元通りにしてますから・・(~_~;) )


ごく初期に作られた私のATM-2。

バイアス・チェックメータのロータリーSWのガリには、ずーと悩まされ続けてはいるが、この器、全体的にはとても信頼できる、すこぶる良品だと思っている。


オリジナル8Xの音

すみません、話を元にもどします。
この8X、すべての発音ユニットが、完璧に良好な状態を保っている。

半数以上がダメになった私の8Xとは雲泥の差であるが、前オーナーはどのような環境で使っておられたのだろう。
本当にありがたいことである。

鳴らしてみる。
はて、こんなによかったのかな、と首をかしげる。
ハッとする。
またハッとする。

100%オリジナルのSTAX ELS-8Xの音が、これほど聴く人の心を、音楽の中に引き込むとは。
私の8Xが健全であった10年ほど前の状況と、今、鳴らしている環境に大きな違いはないはずである。
部屋は違うが、あの頃の私の8Xも、このように鳴っていたのだろうか。
ハッとだらけの、体が緊張するほどの臨場感を聴いていたのだろうか。
あの頃の音を忘れているだけなのか。

私の8Xの製造シリアルナンバーは400番台、かえるの8Xはそれより50番ほど古い。
見た目では、発音ユニットもバッフルも同一であり違いはない。

ただ、裏ぶたの内側に、へんな吸音材がしっかりと貼り付けてあった(それが正規仕様)。
誰かに指摘されてそうしたのか、それとも自分たちが考えたのか、背面放射を少しでも減らそうとしたためと思うが、音響抵抗になるようなものは、百害あって一利なし。
一苦労して完全撤去した。

私の8Xの頃には、吸音材の愚行は「改善」されていて付いていない。

つまり2つの8Xは、まったく同一である。
間違いなく私の8Xからも、同じ音が出ていたはずである。

とすると、当時の私の聴く力が浅かったことになる。
やはり、私が年をとったおかげで、音楽オーディオを味わう力が深くなったせいだろう。
そうに違いない。


「コンデンサースピーカー」の呼称は?

わが国ではこの方式のスピーカーを、一般的に「コンデンサースピーカー」と呼んでいる。

この方式による全帯域スピーカーの製品化は、1957年、英国Quad社の「Quad ESL」が最初である。
優美な曲面を描く「あれ」である。
すばらしい造形、私の「永遠のあこがれ」である。

これらはESL、すなわち「ElectroStatic Loudspeaker」。
「コンデンサー型」ではなく「静電型スピーカー」と呼ばれている。

昔、STAX社の製品に、コンデンサー型カートリッジがあった。
ご年配のターンテーブル愛好家諸兄には、そのカートリッジに特別の思いを持っておられる方も多い。

針先の動きをコンデンサーの容量の変化として取り出し、FM変調、検波の処理を経て、オーディオ信号を作り出す仕掛けである。

エンコーダー/デコーダーを含め、現代の技術で再開発すれば、どのような音が出るのだろうか。
さて、このカートリッジは、「コンデンサー型」と呼ぶに相応しい。
そのものズバリ、「コンデンサーの容量の変化」がキーポイントだからである。

しかしQuad ESLやSTAX ELS-8Xなどのスピーカーは、「静電型スピーカー」と呼ぶ方が実態を表している。

発音の原理にコンデンサー、つまり「蓄電」の有意性はない。
あくまで「静電」によるクーロン力こそが、音を出す源であり、この方式のスピーカーの本質である。

まあ呼び方など、この発音ユニットから飛び散る比類ない音を浴びればどうでもよくなるが・・。


かえるの8Xの高圧発生電源の修理

重要なご注意

STAX ELS-8Xの高圧発生電源部は、4000V近くの電圧が発生します。
感電した場合、人命にかかわります。

発音ユニットに供給される高圧は、高抵抗を介するため電流は微小ですが、感電した場合の電撃(ショック)は大きく、やはり人命にかかわります。

高圧発生電源部は、その供給元であるため、感電した場合はかなりの電流が流れると思われます。
それには生命の危険があります。

この高圧発生電源部を修理・修復・稼動させるには、4〜5000Vの高電圧と、その取り扱いに関する知識と経験が必要です。
この点のご配慮を、くれぐれもよろしくお願いいたします。


なおこの日記の、修理についての記述は、あくまで「かえるの8X」単体に関するものであり、他の8Xが同一の作りや仕様であるか否かは分かりません。

また、ここの記述や写真や図も、修理の「参考の一つ」や「ヒントの一つ」にしていただくためのものです。
修理に際しては、あくまで、それぞれの修理対象の現物を実地に調査・解明して、その上で適切な対応を検討されるようお願いいたします。


訳あり

承知の上であったが、かえるの8Xは、右側完動、左側音圧低下、の「訳あり」として彼が手に入れた。

訳あり側の発音ユニット各部の電圧を測ると、すべての発音ユニットの成極電圧(バイアス電圧)が、正規の1/3以下であることが分かった。
このことから、不具合箇所は高圧発生電源部だろう、と推測できる。

左右の高圧発生電源部のボックスを引き出し、裏ぶたを外すと、意外なことが分かった。
完動している右側の高圧発生電源部に、メーカーで(多分)修理を受けた形跡がある。

充填されている蝋に、手を加えた跡があり、コンデンサーが取り替えられている。
左側とはメーカーが異なるものに交換されていた。
要するに、右側にもコンデンサーのトラブルがあったことになる。

左側の高圧発生電源部は、工場出荷時のままであることは見れば分かる。
つまり、このシリアル番号の近辺のものは、高圧発生電源部の、たぶんコンデンサーが「弱い」ことが推測できる。

不具合の左側の高圧発生電源部も、右側と同様に、いずれかのコンデンサーがダメになっているのだろう。

整流用ダイオードは蝋漬けになっていないので、テスターで良否をチェックした。
すべて健全であった。


高圧発生電源部修理前
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<写真3:修理を受ける前の高圧発生電源部>

**電源トランスと4つのコンデンサーが入っている小部屋は、蝋で充填されている**


高圧発生電源部ダイオード側
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<写真4:蝋の小部屋の壁裏のダイオード類>

**写真上部に蝋の小部屋とコンデンサーが見える。見えているコンデンサーの下にも、さらに3つのコンデンサーが埋められているとして、このダイオード類の配置などを、よーく観察していると、回路図が見えてくるようになる、かな**


高圧発生電源部の回路推測

充填されている蝋の中に、電源トランスとコンデンサーが複数個、漬けられているとする。
その上で、写真4:のダイオードなどの結線状況から推理して、4段のコッククロフト・ウォルトン回路と仮定した。

かえるの息子が予想回路図を描いてみた。
多分正解だろう。

使われていたコンデンサーは、チューブラー型(リード型)の0.01μF、耐圧3000Vが4個。
ここでは手持ちの都合で、0.047μF、耐圧2000Vのものを使った(耐圧は3000Vが安心)。


高圧発生電源部回路図
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<写真5:高圧発生電源部の整流&昇圧回路の推測回路図>

**雑な絵ですみません。かえるの彼が、その場にあった紙に描いたスケッチ。4段のコッククロフト・ウォルトン回路と推定された。赤字の電圧が修理後の数値。ただし成極電圧調整VRが最小のときの電圧であり、VR最大時は、これの約140%に上昇する。通常はVR最大で使う>

大量の蝋を取り除く

缶ビールを輪切りにして蝋の容器を作る。
ドライヤーで充填されている蝋を熱し、柔らかくして小さなスプーン状のものでかき出す。

その前に、ダイオードを熱風から守るために、何らかの工夫をしておく必要がある。

熱してはかき出し、また熱してはかき出す。
いやというほど繰り返す。

この作業はコンデンサーの周りだけでよい。
トランス周りはそのままでかまわない。


コンデンサーの交換

底につくまで蝋をかき出すと、4つのコンデンサーが現れる。
それを全点、交換する。

狭い空間の中、順にコンデンサーを取り外して、新しいものを順に取り付ける。
かなりアクロバット的な技が要求される。
この作業、よほど器用な方でないと難しいかもしれない。

交換が終わった段階で十分な目視チェックをして、誤りなしを確認する。


高圧電源コンデンサー交換
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<写真6:コンデンサーの周りの蝋を取り除き、全部のコンデンサーを交換する>

**手持ちの0.047μF、耐圧2000Vのコンデンサーの寸法は少し大きすぎた。最上部のコンデンサーは裏ぶたに接触する恐れがあるため、絶縁チューブを被せた**

電源を投入して動作試験

発音ユニットへの接続はつながったままであり、外さないでおく。
各部、要所要所の電圧をチェックする。

かえるの8Xの修理後の場合、発音ユニットの成極電圧端子(高域)1.9KV、全域および低域3.7KVであった。
いずれも高圧発生電源部の成極電圧調整VR最大時。

この状態で音を出してみたり、電源のON/OFFを繰り返したり、電圧可変VRを回したりして実働試験を行い、確信が得られれば再び蝋で充填する。


再び蝋で充填

缶ビールの蝋を電熱器などで温める。
蝋って、断熱材のように熱が伝わりにくく、なかなか融けてくれない。
アルミホイルで覆うなどの工夫をして、完全に融けたら(融けると透明になる)、空気を排除しながら完全に充填されるように、少しずつ慎重に注入していく。
完了したら、十分に冷えるまで待って実働試験を行い、問題がなければ元通り本体に収め、めでたく修理完了となる。

高圧電源蝋充填
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<写真7:ひととおりの動作確認後、「小部屋」を融かした蝋で再び充填する>

**蝋が茶色の部分は、まだ冷えていない半透明の状態。冷えるとクリーム色になる**

かえるの息子が帰ってきたときは、夜通し8Xを聴いている。
8Xの前のソファーで横になって朝まで聴いている、たぶん寝ている。

自分のアパートにも「けっこうそこそこ」のシステムがあるが、音の出方が根本的に違って聞こえるらしい。

この違い、おおまかには、一般的なヘッドフォンやイヤフォンと、STAXのイヤースピーカーとの違い、と思っていただければ近いと思います。


オリジナル8Xの音。

昔は気付かなかった深い味わい。

8X本来の素晴らしさを、「もう一つの8X」が教え示してくれた。
この歳になってようやく気付く、なさけない感性である。

(甦れ8X(第3話)もう一つの8X電源修復 おわり)�

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-11-09



▲△▽▼

甦れ(4回)8X コンデンサースピーカー成功!発音ユニットの分解 [甦れSTAX ELS-8X コンデンサースピーカ]
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-11-20


今日の日記は、8Xの発音ユニットの構造を、文字通り「開」「示」します。

STAX ELS-8X 修復の基礎データーとなる核心部分です。

魚ではあるまいし、ですが、本当に「二枚おろし」に開いてしまいました。
発音ユニットの修復作業には、さらに「三枚おろし」にしなければなりません。
三枚の話は後日として、私、釣りはやらないし、魚、もちろんさばけないです・・。


すみません、またちょっと脇道・迷い道ですが、8Xに関連ありなので・・・

射程70m、8Xで那須与一が今に甦る
吉祥寺駅前の大道芸
10年ほど前の吉祥寺の駅前。

買い物をしての帰り道であった。
人だかりの輪の中から、ペンペン、ジャランジャランと三味線のような音が聞こえてきた。
けっこう激しく演っている。

輪の隙間から潜り込んで少し近づく。
芸人風の三味線弾きが、津軽三味線ぽい演奏を演っている。
ちょうど佳境に入ったのか、強烈な音と激しいリズムが盛り上がり、そして万華鏡のような音色の変化に続く。

足がすくんで動けない。
一挺の三味線の、大オーケストラを凌ぐダイナミズム。
まさに圧巻の「音」と「音楽」であった。

「道端の芸」でさえ、これほどまでに人を感動させる。


最初に「音」ありき。
まず「音」。

そしてその「音色」や「響き」があり、「拍子」、「旋律」、「和声」などは、そのあとの話。

昨今、音楽とは、どうやらそういうものではないかと思うようになった。

続く話は今日の日記の後半で・・。

左右裏アップ
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<写真1:向かって右側の本体から高域発音ユニットを取り外したところ>

**不完全ながら、鳴らしながら修復作業を行ったので、ダミーの板をはめてある。修復したユニットが、一つ、また一つと増えるごとに、加速度的に音がよくなっていった**


8Xの発音ユニットの取り外し

8Xの発音ユニットを本体から取り外そう。

それぞれの発音ユニットは、その両脇をアルミチャンネルの棒で押さえられている。

アルミチャンネルとは、断面が「コ」の字形のアルミの棒であり、8Xに使われているものは、「コ」の字の中にピッタリと木材の角棒が埋め込まれている。

発音ユニットを取り外すには、該当するアルミチャンネルを固定している木ネジを外すだけでよい。


STAXカタログ原理
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<写真2:STAXのカタログに載っている発音ユニットの電極端子の状況>

**3つの小丸が端子。甦れ8X(2)で紹介したカタログの絵を拡大したもの。**

元ユニット電極部
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<写真3:高域発音ユニットの電極端子部分>

**中央上のポリカーボネイト製のビスで留めてある端子と、その真裏の同端子が固定極の端子。ユニット右端の上に突き出た端子が振動膜の端子**


発音ユニットの電極端子

再三お知らせしていますが、STAX ELS-8Xは、電源ケーブルを外しても、場合によっては数日間、高電圧がチャージされている場合があります。
4000V(4KV)近くの高い電圧ですので、感電した場合は人命にかかわります。
この方面の知識と経験がない方は、けっして裏ぶたを開けないよう、お願いいたします。

さて、アルミチャンネルを外したら、発音ユニットの電極端子にハンダ付けされている3本のリード線を取り外す(2本は、アルミチャンネルを外す前に取り外しておくほうがよい)。

各端子の状況は写真1、2、のとおり。

ハンダの融けた雫が、発音ユニットにかからないよう、細心の注意で作業する。

3つの端子のリード線を外せば、発音ユニットを本体外に取り出すことができる。
発音ユニットの側面全部(四面)は、軟らかな蝋でコーティングされているが、この蝋は後で取り除くことになる。

実はこの蝋、極めて重要な役目を果たしている。
その話は最重要事項の一つでもあり、後日の日記に改めて綴りたい。


発音ユニットの構造を推理する

STAX ELS-8Xは受注生産品であり、同じ形の各部品を、何千・何万個と作って組み立てたものではない。

なので、ロットにより時期により、構造や寸法が少々異なるかもしれない。
まずこのことが前提であることをご理解いただきたい。


STAXカタログのユニット内部構造
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<写真4:STAXのカタログに載っている発音ユニットの構造>

**甦れ8X(2)で紹介したカタログの絵を拡大したもの。**


カタログのこの絵、概略図としては分かりやすく描けている。
私もこの絵から、発音ユニットを分解するための重要なヒントを得た。

まずはこの絵をよーくご覧いただき、基本的な構造の成り立ちを頭に入れておく。
そして続く写真を詳細に観察すると、まあだいたい「こんなことだろう」というイメージが湧いてくると思う。


元ユニット端側面
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<写真:5高域発音ユニットの上部の側面>

この側面をよく観察すると、全部で6層あるように見える。

茶色のベークライトが2層+白い塩ビ(実は透明)が2層+茶色のベークライトが2層である。

右手に見える、貼り付けてあるようなチップは、たぶん各層が剥がれないように補強するためのものか。

このチップは側面の数個所に接着されている。
側面の蝋のコーティングを除去すれば分かりやすくなるのだが、残念ながらその写真を撮ってない。


元ユニット角の2面
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<写真6:高域発音ユニットの下部の角付近>

**この写真は、各層が鮮明ではないが、全体の状況を観察していただきたい**

発音ユニットを魚のごとく「二枚おろし」にする

さて、発音ユニットの基本構造がおぼろげに見えてきたとしよう。
真ん中から2つに割っても大丈夫そうだ。

次の目標は、このユニットを「二枚おろし」のように、真半分に割りたい。
見た目では、各層がしっかり接着されていて、いずれの層も分割できそうにない。
いろいろと苦慮した。

真ん中の透明な層(白く見えるが)は、アクリルか何かだろう。
そこを「発泡スチロール・カッター」のような電熱線で、鋸を挽くように融かしていったらどうだろう。

ベークライトは熱に強いから、透明層だけ融けるはずだ。
最悪、電動工具で切断か。
などなど1・2日悩んだ。


元ユニット二枚おろし
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<写真7:真半分に「二枚おろし」した発音ユニット>

**上側に元の振動膜が付いている**


あっけないほど簡単だった「二枚おろし」

「二枚おろし」は超簡単だった。
まず、「補強チップ」は削り取っておく。

透明の層は、ベークライトとの接着面も、透明同士の接着面も、カッターナイフの刃をうまく入れると、パリパリと接着面に沿ってきれいに剥がれた。
魚をおろすのにコツがいるのと同様、カッターナイフの刃をうまく入れるのもコツがいる。

また、刃を深く入れすぎると、パンチングメタルを傷つけるので注意が必要である。

この思ってもいなかった「幸運」は、たぶん、20数年経たことによる接着剤の劣化ではないかと思う。

接着剤は、見た目や、硬さの感じから推測すると、おそらくエポキシ系だろう。
そして透明の部分は、硬さからアクリルではなく塩ビ(塩化ビニール)だろう。
ベークライトと塩ビとの、接着剤の親和性があまりよくなかったのかもしれない。
その一方、ベークライトのベースと、同じベークライトのバーとは、完全に一体になったように強固に接着されており、カッターの刃など、まったく受け付けない。
たぶん同じ接着剤であるが、材質によって接着力に大きな違いがあるようだ。

いずれにしろ発音ユニットは、みごとに、本当にみごとに「二枚おろし」になった。

やった、ヤッター!。
この時点で、この先も「やれそうだ!」と明るい目標が定まった気がした。
人の人生に、そう多くはないであろう「大きな喜び」の一つに数えてもいいほどのうれしさであった(他愛もないものに・・であるが)。


元ユニット内面フィルム付
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<写真8:高域発音ユニットを「二枚におろした」片側の内面>


元の振動膜が残っている側。透明なのでよく判別できないが、ななめのに走る反射光でかろうじてフィルムの存在が分かる。

ベークライトの基盤(ベース)、ベークライトのバー、塩ビのバー、パンチングメタルなどの位置と相互の関係をよーく観察していただきたい。
外枠の上下の穴は、分解前にあけたもの。

この穴は再組み立て時に必要となるが、今回は触れない。


核心!発音ユニットの基本構造

写真3〜6をよく観察すれば、おおよその構造は推測できる。
実際の発音ユニットの基本構造と、各部の「アバウトな寸法」は、図1のようになっていた。

図のイメージは、全域および低域の発音ユニットのものであるが、高域ユニットも基本は同じである。

ただし高域ユニットのパンチングメタルは、両端の形が半円ではなく、角を丸めた「角」である(ベースの開口部は半円形)。

なお、パンチングメタルの厚さは、U字アームを持ったマイクロメーターのようなものを持っていないので測定できていない。
が、甦れ8Xの初回で指摘した、「ギャップが狭いという他のESLとの大きな違い」が、この図で分かると思う。


発音ユニット図面
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<図1:発音ユニットの基本構造図>


さてさて構造が判明したまでは、うますぎる展開でした。
あとは工夫次第、アイデア次第、やる気次第ですが、この後のアイデアを搾り出すには、かなりの体力を消耗することになりました。


本通りから、再び脇道に入りますが、お付き合い願えれば幸甚です。

那須与一CD

<写真9:CD「琵琶 中村鶴城 平家物語をうたふ」>
**私の愛聴盤50選(があるとすれば)のなかの一枚**

和楽器の再生も大得意の8X

8Xで聴く平家物語。

那須与一の緊迫のシーンが、目の前でリアルに展開される。
終わった後、しばらく動けない。
こんなもの、爺様しか聴かない、と思っていたが、とんでもなく現代的であった。
この演奏家の琵琶、超現代的だと思う。

CD、「琵琶 中村鶴城 平家物語をうたふ」。

地下鉄神谷町駅から虎ノ門へ向かって、大通りを少し行って右に折れたあたりに、琵琶の製作工房がある。

そう、和楽器の本物の琵琶、非常にめずらしいが都心にある。
以前、会社の別館が近くにあったので、ときどき覗いて見学した。

理由は聞かなかったが、その工房に中村鶴城のCDが何種類か置いてあった。
売り物だというので、数枚求めた。
10数年前のことである。

那須与一の扇までの射程距離70m
このCDの中の「那須与一」、だれもが知っている物語。

源平合戦のさなか、一艘の小船の上に、うら若き乙女が扇をかざした竿を持って立つ。

この扇、みごと射てみよ、という挑発というか、誘いである。

周りの者から射手に推薦された「下野国の住人、那須太郎資高が子にて、那須与一宗高」が、義経の命を受け、命を懸けて挑む感動の物語である。

馬上、距離を縮めるために海に入っても、扇までの距離が「7段」(約77m)あるように見えたという。

物語の脚色を勘案して50mとしても、揺れる船、自分は海中で足掻く駒の上、風もあったというから、どだい無茶な話である。

オリンピックのメダリスト、「中年の星」といわれた山本博選手の現代の弓矢でも、100に1つもダメなのでは、と思う。


琵琶の強音でスピーカーのボイスコイルが飛ぶ

この物語を、薩摩琵琶の名手、中村鶴城が演じている。
圧巻である。

それまでは平家物語の琵琶、総じて私には聴いていられなかった。
ひどくつまらない。

それを中村鶴城の演奏が、琵琶という楽器の印象を180度ひっくり返してしまった。
この楽器から出る音の、あらゆる可能性を「使い倒す」ような奏法である。
この楽器、凄まじくダイナミックな楽器である。

撥弦楽器でこれに匹敵するものはおそらくないだろう。

弦を撥(ばち)で強打するフルパワーの一撃は、スピーカーのボイスコイルが飛び(焼け切れること)、コンデンサースピーカーの振動膜が裂ける。

その恐怖が伴うほどの衝撃音が鼓膜を刺す。

この楽器、出せる音の幅(音程のことではない)がとても広く多彩である。
演奏法も「多芸」である。

こういったパルス的な大衝撃音も、8Xは易々と平気でこなす。

ついでにいえば、8Xによる篠笛もたまらなくいい。
篠笛の、歌口を切る空気流の雑音を伴った音色の魅力など、苦もなく再現する。
篠笛は日本独自の「庶民の笛」であり、何の付属物もない竹筒1本の簡素な横笛である。

そこに篠笛の、単純のようで深みのある音色の妙があるのだろう。


修復した8Xで繰り広げられる源平絵巻。

与一が、騒ぐ海が、足掻く駒が、折れんばかりに引き絞られた弓弦(ゆんづる)が<このシーン、琵琶の弦を撥で強くしごいてその効果音を出す>、唸りを曳いて扇に吸い込まれる鏑矢(かぶらや)が、超現実映像のように目の前に広がる。

8Xはそういう世界に連れて行ってくれる音のリプロデューサなのです。


(甦れ8X(第4話)成功!発音ユニット「二枚おろし」 おわり)が


コメント 5


升金 勲

貴ブログ拝見しました。8Xという私には初めての情報。分からないながら最後まで読みましたが、全然わからない。凄いことをやっているんですね。音が録音され、それがCDになり、再生プロセスを経て耳に入る。「生」の音が諸々のキカイを通してニンゲンの耳に入るのに、絶対に「生」は再現されないものだと、以前から信じていました。だから、よく言われる「CDを10枚買うなら1回でもライブに行きなさい」という言葉に同調していました。8Xというのは、それほどに再現性がいいんですね。

話は変わりますが、15,6年前、タイガーウッズが鹿児島に来て「カシオワールド」に出場した際、大枚1万円を払って見に行ったことがありました。彼のドライバーショットの「音」のすごさに強いインパクトを受けました。あの音はテレビ中継などでは絶対に再現できませんね。なんというか、空気を切り裂くような「ソニックフォーン」とでもいうのでしょうか。「ピシュッ」というか、とても文字では表現できません。勿論中継のマイクでは集音できないし、諸々のキカイを通り、電波に乗せて家庭まで届けることなど不可能です。それほど彼のドライバーの「初速」は桁外れだったのだと感じました。1万円で体験できたことはまさに僥倖でした。
貴兄の音に対する博学で解説して教えてください。
by 升金 勲 (2013-11-21 10:59)


AudioSpatial
升金さま。ご訪問ありがとうございます。
すみません。内容が今流にいう「コアなもの」なので(マニアックすぎるものなので)、申し訳ないです。

「8X」というのは、過去、スタックス工業株式会社(同名の株式会社は今はない)が製作販売したESL-8Xという「コンデンサー型」のスピーカーです。

今現在、オーディオ愛好家が使っているスピーカーの、音を発生させる原理の違いによる種類には、つぎのようなものがあります。

@ボイスコイルによるフレミング右手の法則型(一般的なSPがこれ。コーン型とホーン型がある)

Aリボンによるフレミング右手の法則型(RCAのマイク、美空ひばり伝説の「77DX」の逆の原理です)

Bマグネプレーナー型(フレミング右手の法則型ではあるが、振動板は平面フィルムです)


Cコンデンサー型(磁石の力を使わない。文具の下敷きなどをこすると、ちぎった紙片がくっつく、あの静電気の力の応用です)

Dイオン型(こんなのも実際にあります。空気をイオン化して、そのイオンをクーロン力で直接駆動します)

とまあ、代表的にはこんなところです。

8XはCに当たります。

CとDは、空気を動かす仕掛けの重さが飛びぬけて軽い、ところがミソです。

Dなどはその極端な例で、「動かす物」がなく、空気を直接動かします。

CDの力はクーロン力なので、@〜Bの磁石の力に比べて段違いに小さい、という問題があります。

8Xなどは、そこをいろいろ工夫して、「琵琶の強音」も再生できるようになっています。

Dは高音専用のツイターしか実用機はありません。

どの世界にも、目的のためには、いろんな仕掛けを考え出しますね。
ゴルフのクラブの作りなど、スピーカーの比ではないですよね。たぶん。
by AudioSpatial (2013-11-22 03:17)


AudioSpatial
升金さま。先ほどの私の返信、ちょっと訂正です。

総体的な意味で「フレミング右手の法則」と書きましたが、より正確には、「左手」の法則、の方が適切です。

「右手」:導体が動いて、電気が発生する。
「左手」:導体に電気が流れて、力が発生する。

といった違いです。
by AudioSpatial (2013-11-22 09:45)


人形町

張り替え成功だけではなく
できれば測定をしていただきたいです。
STAXが認めてくれる性能が確保されているか。
by 人形町 (2014-06-30 13:13)


AudioSpatial
人形町さん、ご訪問ありがとうございます。

申し訳ありませんが、おっしゃっておられる趣旨が、よく理解できません。この8Xを製造した「STAX工業株式会社」は、すでにこの世になく、残念ながら聴いてもらいたくても、その望みは叶いません。できることなら、ぜひとも当時お世話になったSTAXの方々に聴いていただきたいところです。

また、メーカーが認める/認めないは、私の道楽には何の関係もありません。蛇足ですが、8X完全オリジナルの完動品が、隣の部屋で鳴っております(ブログにその記事あり)。

さらに測定の件ですが、その必要性を私は感じておりません。訓練された耳は、測定器以上の性能を持っていると思っております。音響のハイエンド付近の領域に、一般的な測定器は役に立たないとも思っています。あくまで、ただのオーディオ道楽のことですから、そこのご理解を、よろしくお願いいたします。
by AudioSpatial (2014-06-30 14:40)

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-11-20



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甦れ(5回)8X コンデンサースピーカー構造の詳細と修復手順 [甦れSTAX ELS-8X コンデンサースピーカ]
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-12-11

比類ない再生音が2つ

STAX ELS-8Xの比類のない再生音。

その秘密は、世界に類のない精緻な作りの発音ユニットと、分厚い木材でがっしりと作られた、広い面積の平面バッフルとの組み合わせにあります。

当時の経営者の、コンデンサースピーカーに懸けた情熱を一身に受けて成長した、本当にすばらしい、まるで嘘のような「作品」です。

当時から8Xは、そのような稀有な存在であったのではないかと思います。


その8Xが2式。

このような事態になろうとは、昨年の今頃は夢にも思わなかったことでした。

製造から30年近く経た今も、まったく健全そのものの姿で朗々と鳴り響く1台と、ほとんどの発音ユニットがダメになり、当ブログに綴っている修復を受けて甦り、オリジナルを凌ぐほどの音を響かせるようになった1台。

それが我が家にあるなど、本当に何が起こったのか不思議な気持ちです。


家内の認可を受けた唯一の機器8X

今年も、はや師走。
昨年の今頃、「瀕死の8X」は狭い納戸に捨て置かれたまま、その存在すら忘れられていました。

家内と一緒に、池袋のサンシャイン60ビルの向かいのマンションの一室にあった、STAXのショールームに出向き、8Xその他を試聴させてもらった思い出のスピーカーです。

後にも先にもオーディオ機器の中で、家内の認可を受けたものは、この時の8Xただ一つです。

そんな思い入れの8Xであり、「いつかは修理して・・」と思いつつも、現実的には無理だろうな、と、ほとんど諦めていました。

それがどうなって、いま現在のような「8Xが2台」の奇跡が起こったのか、私自身も理解できないほどの急展開の1年でした。


02)オ部屋の8X_DSC_7855
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/02EFBC89E382AAE983A8E5B18BE381AEEFBC98X_DSC_7855EFBC88E7B8AEEFBC89.jpg


<写真1:私の8Xの対ニャン子ディフェンス網>

**家庭の諸般の事情により、だいたい19時から24時頃にかけて、重要機器類が収められている我がオーディオ部屋のセキュリティーは、5匹のニャン子の侵入を阻止できない状況にある。とりわけニャン子の攻撃に弱いのは、トーンアーム系とスピーカー系である。これらがやられては国家の存亡にかかわる。

そこで8Xは、少しゆるいが、多少の効果はあるディフェンス「網」を構築した。写真のように、下半分を「虫除けアミ戸」用の、目の粗いネットで、うまく覆った。いくらかは音に影響があると思うが、やむなし**


今日の日記

さて、今日の日記は前回に続き、分解して明らかになった8Xの発音ユニットの構造に、もう一歩迫ります。

さらにはその構造を基礎にして、発音ユニットを修復する工程の大筋を、図面と写真で公開します。

内外の各種のESL(コンデンサースピーカー)の修復や、ESLの研究、また、興味を持たれている方などに、何かの参考の一つにでもなれば幸いです。


8Xを超えるには

8Xの発音ユニットを分解すると、その「作り」が、他のESL(コンデンサースピーカー)と比べて突出して精巧・精密・入念であることが見て取れる。

この「入念な作り」は、かつてのスタックス工業株式会社が、長年にわたってコンデンサースピーカーの音を研究し尽くした「結果」が、形になったものだと思う。
発音ユニットは「こうしなければいい音は出ない」。

材質、形、構造、パンチングメタルの形状と加工、成極電圧、絶縁材と絶縁法、ダイアフラムの材質と導電剤の処理、その他諸々。

私は当時の経営者が「コンデンサー型」製品に懸けた情熱の「結論」を信じたい。

8Xを超えるものを作るには、その人以上の「情熱と年月」が必要である。
そうあるべきだと思う。


戻れない

久し振りに2台の8Xが同時に鳴った。

週末に帰った「かえる息子」が、バッハの教会カンタータなどを聴いている。
その全集のCD Boxの中古を安く買ってきたらしい。

めずらしくボリュームを上げているので、非防音のドアの外に、透き通ったテノールの響きが伝わってくる。

その声に誘われ部屋の中に入ると、そこには豊かな響きの教会の大きな空間が広がっていた。

思わず「いいな」、と声をかける。
「これ聴いたらもう戻れないよ」、と返す。

余談であるが、私がバッハの教会カンタータの魅力に目覚めたきっかけは、今もよく覚えている。

第199番、BWV199「わが心は血の海に泳ぐ」をFM放送で聴いたときである。
まだ学生の頃かもしれない。
ソプラノもオーボエも、旋律が美しい。
まるでオーボエ協奏曲のような部分もある。
それ以降、このジャンルでどれか一つ、といわれれば、今も即答でBWV199をあげる。


8X_
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/01EFBC89E3818BE383BBE381AEEFBC98X_DSC_7449EFBC88E7B8AEEFBC89.jpg


<写真2:もう1台の8X>

**「甦れSTAX ELS-8X」でしばしば登場する別の8X。「かえるの息子」が入手した完璧な状態のオリジナル8X。母親は「じゃまだから早く持っていけ」というが、彼のアパートには、もはや置けるスペースはない**

1週間ぶりの私の8X

鳴っていたもう一台は私の8Xである。

PCオーディオ用のパソコンを、新マシン、新OS(といってもWindows7)に移行作業中であったため、ここしばらく、機器に灯が入らなかった。

それがこの週末、まだ不安定ながらも、ようやくPCのライブラリーや、ブルーレイ・ドライブによるCDが再生できるようになった。

Windowsは、VistaやWindows7以降、PCオーディオには問題が多かった従来のMME(オーディオやサウンドのカーネルミキサー)部分に変更が加えられたようである。

しかし周辺の諸々が、その変更に追いついてくるまで、今しばらく時間が必要であり、私の場合、従来のXPでのやり方を、7でも取り敢えず踏襲せざるを得なかった。

私のPCオーディオについては当ブログ「オーディオルームのコンポーネントたち」第2回の「私のPCオーディオと・・」をご訪問いただきたい。

8X修復の留意点

STAX ELS-8Xの発音ユニットは、そもそも修理できるようには作られていない。

その構造を知れば、故障したら修理するなどの考えが、設計当初からまったくなかったことがよく分かる。

なので他社のESLのように、ネジを外して分解し、不具合箇所を修理して、再び組み立てネジ止めして修理完了、といったことができない。

つまり8Xの発音ユニットに「修理マニュアル」は存在しない。

あるとすれば「修理」ではなく「製造マニュアル」であるが、それもないだろう。

製造には手工業的な部分が多く、それを文字にしたマニュアルの記述は困難であり、おそらく職人の口伝・直伝の世界に近かったのではなかったかと思われる。


といった状況なので、もし修復を試みる方がおられたら、まず手始めに1つの発音ユニットを分解し、それの各部の採寸から始めて、詳細な構造を徹底的に調べ上げることからスタートする必要がある。

とにかく、まずは分解だけを目的に、あれこれ試みることである。

修復の各工程には、それぞれ各自が工夫して解決しなければならない問題点が次々と出てくる。

ある問題をクリアするのに、何日も悩むことが何度もあった。
修理不可能なものを強引に修理するのであるから、とにかく一にも二にも「工夫」するしか手はない。


発音ユニットの構造の詳細

さて前回(第4回)の続きとして、発音ユニットの構造図を公開したい。

前回の図を含めてこれらの図から、発音ユニットの基本構造をよく読みとっていただきたい。


完璧二枚おろし
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/02_1EFBC89E5AE8CE792A7E4BA8CE69E9AE3818AE3828DE38197DSC_6712EFBC88E7B8AEE38388EFBC89.jpg


<写真3:「二枚おろし」にした発音ユニット(写真は全域・低域ユニット)>
**この写真は、たまたま完璧に半分に分割できた例**


この例では、運良く写真左側のように振動膜が破れずそのまま残った。

フィルムを指先で押してみると、想像を超えた大変強い張力で張られていることが分かった。

周辺のフレームにあけられた穴(2.5mmφ)は、表裏の位置がズレないように分割前にあけておく。

パンチングメタルの放電の痕に黒いサビ等が発生している。

振動膜の電極(銅箔)が左端手前に見える。

また、写真11・12・13で見られる「導通ガイドライン(黒い線)」のオリジナル(フレーム上の白い線)を確認することができる。


背面側1/2分解図
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/03EFBC89E8838CE99DA2E581B4EFBC91EFBC8FEFBC92E58886E8A7A3E59BB3B5.jpg


<図1:背面側1/2の分解図>

**前回(第4回)の「二枚おろし」の片側。振動膜の面で真半分に分割した背面側。写真3の右側にあたる。私の場合、水色のバー(1mm厚の塩ビ。色は透明)のみ、図のように剥離できた。これは使い回しせず、塩ビ板から切り出して新しいバーを作る。私は数が多かったので業者に作ってもらった**

前面側1/2分解図
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/04EFBC89E5898DE99DA2E581B4EFBC91EFBC8FEFBC92E58886E8A7A3E59BB3B5.jpg


<図2:前面側1/2の分解図>
**写真3の左側にあたる。**


表裏合わせた状態
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/05EFBC89E8A1A8E8A38FE59088E3828FE3819BE3819FE78AB6E6858BB5.jpg


<図3:表裏両面を合わせた状態。>
**元のユニットは、このような状態で各層が接着され、一体になっている。接着剤はたぶんエポキシ系**


表裏合わせて固定する要領
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<図4:発音ユニットの修復が完了した後の完成ユニット>

**元のユニットのように接着剤で固定すると、やり直しができないため、図のようにビス止めをする。表裏にあらかじめ2.5mmmの穴をあけてあるので、図のようにそれぞれバカ穴とタッピングを施す。金属のビスは厳禁。ポリカ・ネジを使う。**

さて、これらの図から、発音ユニットの基本構造を読み取ることができたとして、次はユニット修復の作業工程の話に移りたい。

使用した材料や消耗品、使い方、入手法などは、後日の日記で綴ろうと思う。

なお、ユニットの穴あけにはボール盤が必要である。
私はホビー・模型用の卓上ボール盤を使って、すべての作業を行った。
精度不足であるが、そこは技(?)で補い、まあ十分役に立った。

作業工程(大工程)

工程1:二枚おろし

ユニット側面の蝋は除去。
分割前に図4の位置に2.5mmのガイド穴をあけておく。
透明な塩ビのバーの面での剥離を試みて、写真3の状態に分割する。
塩ビのバーは再使用しないので破損してもよい。
パンチングメタルは、その後の作業の前に、マスキングテープで養生しておく。
接着剤等の残留物は、ていねいに取り除き、接着面に凸凹がないように処理をする。


工程2:新しい塩ビ・バーの接着
分割されたユニットはソリが出るので、写真10・12・13にあるような治具(私の場合はアルミチャンネルを利用
)を用意しておく(ユニット両端を治具にビス止めしてソリを防ぐ)。
そのあと、あらかじめ寸法に合わせて作っておいた塩ビ・バーを元のように接着する。


工程3:枠にあけた穴の処理
ユニットの分割前にあけた穴を、片側は3.2mmのバカ穴をあけてサグリ。
もう一方はM3のタップを切る。


ザグリ
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-12-11

<写真4:3.2mmのバカ穴とザグリ>

**本体の表側に当たる1/2ユニットの穴の処理。パンチングメタルやその周囲の蝋コーティングを保護するために、マスキングテープでしっかり養生しておく(重要)。高電圧がかかるので、ゴミ、埃、異物などの混入はあってはならない**


タッピング

<写真5:裏側ユニットのM3タッピング>
**穴の数が多く、大変しんどい作業になるが、がんばるしかない**


工程4:ダイアフラムを大枠に張る

私の場合は3ミクロン厚のポリエステルフィルムを使った。

写真のように木枠を作り、布テープでコーティングしておく(フィルムとの馴染みがよい)。
適当にフィルムを張った後、張力が全方向に均等にかかるよう、セロハンテープで徐々に張り締めていく。
この張り締めを十分な張力に達するまで数回繰り返す。


振動膜フレーム準備

<写真6:大きめの木枠の準備>

**しっかりした木材で、がっちりとしたフレームを作る。角は金具で補強する。フレームは布テープでコーティングしておくと、フィルム張りの作業に都合がよい**


振動膜ロール置始

<写真7:あまりシワが寄らないようにフィルムをそーっと置いていく>
**写真のように、マスキングテープをうまく活用する**

振動膜張始

<写真8:フィルムを張り締めていく最初の状態>
**まだ張力はかかっていない**

振動膜張完

<写真9:フィルム張り締め完了>

**全方向均等に張り締めていく。数cmに切ったセロハンテープで、マスキングテープ上を次々と引っ張って張り締めていく。感覚としては、破断1.5歩手前でよい。最初に一度、破断するまで実地検証することをお勧めします**


工程5:フィルムへの導電剤コーティング

この工程がもっとも神経を使う緊張の場面となる。
すばやく、ていねいに、むらなく、確実に作業しなければならない。
極力埃の少ない部屋での作業が望まれる。
本来はクリーンルームで行う作業である。
私は風呂場で行った。
写真の撮影どころではないので写真なし。
すみません。
材料や手順の詳細は後日の日記で。

工程6:木枠フィルムをユニット枠へ接着

ユニット側をかさ上げして、木枠が「宙ぶらりん」になるように準備をしておいてから接着する。
鋭利な突起物でもないかぎり、木枠の重みでフィルムが破れることはない。
切り離しはカッターナイフか半田ごてで行う。


振動膜貼付全景

<写真10:ユニットの枠に木枠のフィルムを接着>

**不織布ワイパーをたたみ、接着面を押さえて確実に接着させる。その後は木枠の重みで自然に圧着させておき、乾燥を待つ。不織布ワイパーは、入手が容易な写真6にある「BEMCOT M-3U」を使った(フィルムへの導電剤コーティングの作業にも、これを使う)**


振動膜貼付接写

<写真11:ユニットの枠に木枠のフィルムを接着のアップ>
**フィルム全面の電荷が均等になるように、導電塗料で導通ガイドラインをフレームに描いた(黒い線)。セロハンテープで張り締めの様子も見える**


工程7:導通ガイドラインをフレームに描き、端子を接着

フィルム全面の電荷が均等になるように、導電塗料を枠の四辺に「井桁」状に書き、振動膜の端子を付ける(習字の筆を使った)。
端子は導通性粘着剤の銅箔テープを使った。


膜切り取り

<写真12:振動膜フィルムの貼り付け作業完了>
**フィルムで塞がれたフレームの穴の部分は、半田ごての先端であけておく**


振動膜の電極

<写真13:振動膜の端子を付ける>
**このユニットを本体のどこに取り付けるか決めてなかったので、端子を両端に出したが、無駄な放電可能性の存在は好ましくない。片側のみに設けるべきである。**


工程8:表裏1/2のユニットを合わせ、ポリカ・ビスで固定

ユニット表面にビスの突起があると、本体への固定の際の障害になる(短辺のビスとナットは問題ない)。
組み立て後、防塵用のネット(洗剤で洗った後、使いまわし)を接着する。

元と修後のユニット
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/17EFBC89E58583E381A8E4BFAEE5BE8CE381AEE383A6E3838BE38383E38388DSC_6805EFBC88E7B8AEEFBC89.jpg

<写真14:組み立て終わったユニット(上)と、次に修復を受けるユニット(下)>
**修復後の外観はこのようになる**


工程9:四辺の側面に絶縁テープを巻く

オリジナルのユニットのその部分は、蝋でコーティングされている。
最終的には蝋で処理したいが、当面は絶縁テープで代用して、しばらく(1年間ほどか)様子をみる。

調べてみたが、蝋の種類やその入手法が分からない。
このあとは本体に取り付けて、音出しテストとなる。


手作業品の修復は、一にも二にも「工夫」あるのみ
これらの写真を見るだけでも、8Xの元の発音ユニットが、いかに手工業的に作られていたかが分かると思います。

さらに修復には、新品の組み立て作業にはないような、厄介な問題があちこちに発生します。
それらを「工夫」によって一つひとつ解決していかねばなりません。

でもまあ、ユニットの修復も、3つ目か4つ目になると、工程や手順もいろいろ修正され、あとはもう「その道の職人」になったような調子で作業できるようになるものです。
そこまで行けば、手間と、やたらと時間のかかる作業を、ルーチンワーク的にやるだけになりますが、それほど根気が続くものでもありません。


そしてやってみて分かった大事なことを一つ。

たとえば10個ほどのユニットを修復するには、マスキングテープ(幅は各種)、セロハンテープ、不織布ワイパー、絶縁テープ(布製、ゴム系各種)、接着剤、アルコール(無水エタノール)、ティッシュペーパーなどを、大量に消費します。
これらを惜しみなく、湯水のごとく使わなければ、いい仕上がりになりません。
またこれらを含めて、一切の材料や消耗品は、必ず一流メーカー品を使うことをお勧めします。

接着剤を使うために時間に追われ、また息を止めて一発勝負でやる作業もあり、粗悪品でモタモタしている場合ではありません。


オーディオ道楽だから、また深い想い入れのある8Xだからこそやれた、そうでなければやってられない、面倒この上もない、しんどくも楽しい作業でした。

次回の日記は、振動膜への導電剤の塗布を中心に綴ろうかと思います。
ドキドキしてスリル満点の作業です。


(甦れ8X(5)構造と修復の核心部公開 おわり)

コメント 4


kroyagi
 始めましてkroyagiと申します。

 私も永年8xの前身であるELS-6Aを愛用してまいりましたがご他聞に漏れずユニットの能率低下のため使用できなくなってしまいました、どうしたものかと途方にくれていたところこちらのブログに出会い勇気づけられました記事を参考に再生に取り組みたいと思います、

よろしければ使用したフィルム、塗料、接着剤などが知りたいので続きをupしていただけないでしょうか、1台でも多くstaxのスピーカーを生きながらえせるために。

 宜しくお願いします。                 
by kroyagi (2014-07-29 20:25)


AudioSpatial
kroyagiさん、ご訪問ありがとうございます。返信が遅くなって申し訳ございません。

ELS-6Aですか。あの時代に、ここまで精緻なコンデンサースピーカーを作った日本のメーカーがあったことが、まず、日本の誇りであり、日本のオーディオ史の金字塔ですね。8Xを分解し、レストアしてみて、初めて、あまたの海外製コンデンサースピーカーとは一線を画した精密・精緻、そして、こうでなければならない、という作りの素晴らしさを発見することができました。

kroyagiさんご指摘の、フィルムや、それに塗布する導電剤その他について、できるだけ早く、ブログを更新したいと思います。フィルムと塗布する導電剤は、スウェーデン在住のコンデンサースピーカー・ファンで、ボランティア的に、小分け通販をしてくれている方から取り寄せました。今もまだ、材料があるのかどうか、ちょっと、問い合わせをしてみます。
by AudioSpatial (2014-08-02 13:39)


AudioSpatial
kroyagiさん、先日おたずねのフィルム等の入手先について、別の方からも問い合わせがありました。

そこで、入手先のURL等を取り急ぎ、お知らせいたします。

私が、発音ユニットのフィルムと、導電剤、およびフィルムの接着剤を取り寄せたMT Audio Design のホームページのURLです。
ESLのリペアについて、とても参考になりますのでご覧ください。

http://user.tninet.se/~vhw129w/mt_audio_design/


上のMT Audio Designのホームページの「Quad ESL-63 Element Repair」のページの本文冒頭部に、「MT Audio Design ESL Repair Shop」のタグがありますので、それをクリックするとESL Repair Shopのページ(下記URL)が開きます。このショップに、フィルムと導電剤およびフィルムの接着剤の在庫を問い合わせてみてください。

http://user.tninet.se/~wea635n/mt_audio_design/mt_audio_archives/esl_repair_shop.htm

ではよろしくお願いいたします。
by AudioSpatial (2014-08-15 02:49)


kroyagi
お返事有難うございます、まさか私と同じ6Aを所有の方がいらっしゃり再生に取り組もうとしているとは、また私もサブとしてJBL S-101改を使用しているので偶然とはいえ縁を感じます。
早速MT Audio Designに問い合わせてみますありがとうございました。
今後も問い合わせる事が有るかもしれませんが宜しくお願いします。
by kroyagi (2014-08-17 17:37)

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-12-11



http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/450.html#c33

[リバイバル3] ハイエンド・スピーカーの世界 中川隆
104. 中川隆[-10116] koaQ7Jey 2019年5月26日 21:58:58 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2233]

日本の静電型スピーカーの音質は今の何千万円もする欧米のスピーカーに遜色無かった:

まるで細密画を思わせる奇跡の描写力 _ スタックスの静電型スピーカー ELS-8X


日本製スピーカーの中で唯一つだけ飛び抜けて欧米での評価が高かった STAX 静電型スピーカーですが、いつの間にか中国資本のヘッドフォン・メーカーに変わってしまいました。

オーディオの足跡 STAX スピーカーシステム一覧
https://audio-heritage.jp/STAX/speaker/index.html

オーディオの足跡 STAX セパレートアンプ一覧
https://audio-heritage.jp/STAX/amp/index.html

STAX 創業80周年の歩み 会社概要
https://stax.co.jp/company/history/

音は凶器 _ 僕が STAX の静電型ヘッドフォンを薦めない理由
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/205.html

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STAX ELS-8X
¥500,000(1台、1985年頃)
¥684,000(1台、1990年頃)
https://audio-heritage.jp/STAX/speaker/els-8x.html

1964年に発売されたESS-6Aに数々の改良を加えて開発されたコンデンサー型スピーカーシステム。

振動板にはコンデンサー型を採用しています。

コンデンサー型は振動膜とそれをドライブする固定極で構成されており、振動膜にあらかじめ直流電圧を加え、両側の固定極に片側が+、片側が−になるように高い信号電圧を加えることで反発(+と+)と引き合い(+と−)を起こして振動を生み出しています。

振動膜には極めて薄いポリエステルフィルムが採用されています。

ELS-8Xでは、低域用に4枚、全帯域用に2枚、高域用に2枚の発音ユニットを搭載しています。

コンデンサー型に必要な高電圧の信号はカットコアトランスによって作り出しています。

ここにはELSシリーズ共通の800VAのカットコア・シグナルトランスを採用しています。このトランスはPC-OCCの巻線を使用しており、特性のポリカーボネート製ボビンに丁寧に巻いて仕上げられています。

内部配線にもPC-OCCが採用されています。

ネットワーク回路のハイカット抵抗には大型の高音質特注品を使用しています。また、ドイツ製ポリプロピレン・コンデンサーなどを採用することで、高音質かを図っています。

周波数特性
https://audio-heritage.jp/STAX/speaker/els-8x.html


機種の定格

方式 3ウェイ・8ユニット・コンデンサー型・フロア型

使用ユニット
低域用:コンデンサー型x4
全帯域用:コンデンサー型x2
高域用:コンデンサー型x2

インピーダンス 4Ω以上

再生周波数帯域 35Hz〜25kHz
最大入力レベル 200W

出力音圧レベル 79dB(400Hz/2W/1m)、76dB(400Hz/2W/2m)

クロスオーバー周波数 300Hz

消費電力 3.5W(バイアス電源)

外形寸法 幅770x高さ1,900x奥行86mm
脚部奥行:250mm
重量 53kg
https://audio-heritage.jp/STAX/speaker/els-8x.html


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STAX ELS-8X・BB
¥850,000(1台、1990年頃)
https://audio-heritage.jp/STAX/speaker/els-8x-bb.html

ELS-8Xにバッテリーボックスを追加したコンデンサー型スピーカーシステム。

ELS-8X・BBではバイアス回路にバッテリーを採用しています。
このバッテリーは約350Vの乾電池を12本直列につなぐことで約4,400Vを作り出しています。(トゥイーターは2,200V)
電池は約3年間の使用が可能です。


振動板にはコンデンサー型を採用しています。

コンデンサー型は振動膜とそれをドライブする固定極で構成されており、振動膜にあらかじめ直流電圧を加え、両側の固定極に片側が+、片側が−になるように高い信号電圧を加えることで反発(+と+)と引き合い(+と−)を起こして振動を生み出しています。
振動膜には極めて薄いポリエステルフィルムが採用されています。

ELS-8Xでは、低域用に4枚、全帯域用に2枚、高域用に2枚の発音ユニットを搭載しています。

コンデンサー型に必要な高電圧の信号はカットコアトランスによって作り出しています。

ここにはELSシリーズ共通の800VAのカットコア・シグナルトランスを採用しています。このトランスはPC-OCCの巻線を使用しており、特性のポリカーボネート製ボビンに丁寧に巻いて仕上げられています。

内部配線にもPC-OCCが採用されています。

ネットワーク回路のハイカット抵抗には大型の高音質特注品を使用しています。また、ドイツ製ポリプロピレン・コンデンサーなどを採用することで、高音質かを図っています。

機種の定格

方式 3ウェイ・8ユニット・コンデンサー型・フロア型

使用ユニット
低域用:コンデンサー型x4
全帯域用:コンデンサー型x2
高域用:コンデンサー型x2

インピーダンス 4Ω以上

再生周波数帯域 35Hz〜25kHz

最大入力レベル 200W

出力音圧レベル
81dB(400Hz/2W/1m)
78dB(400Hz/2W/2m)

クロスオーバー周波数 300Hz

外形寸法 幅770x高さ1,900x奥行86mm
脚部奥行:250mm

重量 53kg(本体)
7.7kg(バッテリーボックス)
https://audio-heritage.jp/STAX/speaker/els-8x-bb.html

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甦れSTAX ELS-8Xコンデンサースピーカー
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2014-04-05


かつて、日本のオーディオ業界が盛んであった時代、世界に類を見ない精緻な作りの、大型コンデンサースピーカーがありました。

STAX社のELS-8Xです。

ダメになった発音ユニットの3ミクロン厚の振動膜の張替え・修復に成功したELS-8Xから、思いも寄らない音響空間が出現しました。

眼前にぱあっと広がるリアルな音場。

あそこで鳴ってる、こちらで歌う、そこにいる。今まで経験したことがない明確な定位。

低音のさらに低域の、震える空気の粗密波が頬に触れ体を包む。

なによりも「そこで演(や)ってる感」がすばらしい。

おそらく世界最高の精緻な発音ユニットと音質を備えた STAX ELS-8X を中心に、コンデンサースピーカーについて綴ります。
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2014-04-05


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甦れ(1回)STAX ELS-8X コンデンサースピーカー [甦れSTAX ELS-8X コンデンサースピーカ]
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-17

甦った8X

■序

8Xふたたび

眼前にぱあっと広がるリアルな音場。
あそこで鳴ってる、こちらで歌う、そこにいる。
今まで経験したことがない明確な定位。

低音のさらに低域の、震える空気の粗密波が頬に触れ体を包む。
なによりも「そこで演(や)ってる感」がすばらしい。

修復成ったSTAX ELS-8Xから、思いも寄らない音響空間が出現した。


オーディオルームの8X
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-17


<写真1:修復がほぼ終わったSTAX ELS-8Xを、オーディオ部屋に運んで試聴>

**8Xの後ろの黒い箱は、8Xがダメになっていた期間の代替機として使っていたALTECのMODEL 19。

これはこれで大した器である。

右端の真空管アンプは、当ブログの別テーマ『原器を目指した「最終アンプ」』の主人公**


ELS-8Xとは

かつて、日本のオーディオ業界が盛んであった時代、世界に類を見ない精緻な作りの、コンデンサースピーカーがあった。

STAX社のコンデンサースピーカー ELS-8Xである。

ELSすなわち「Electrostatic Loud Speaker」。

英国QUADなど海外では、この方式のものをESL「ElectroStatic Loudspeaker」と呼んでいる。

8Xは左右それぞれのスピーカーに8つの発音ユニットが付いているので「8」、
そしてほぼ改良し尽くした最終・最高のモデルなので(これは勝手な推測)「X」。

スタックス工業株式会社のフラグシップ機であり、コンデンサー型の各種オーディオ製品に最後までこだわり続けた同社の誇りと象徴、ELS-8X。

思い切り人手をかけた「熱意」が伝わってくる作り。

音響の基盤となる物量投入の分厚い木製バッフルと、よき時代の「ものづくり日本」でしかできない精緻かつ堅牢な発音ユニット。

8Xはその無比・無上の再生音とともに、日本のオーディオ界の文化財的な「宝」に値するだろう。

この8Xをバラし、発音ユニットを分解し、洗いざらい調べ尽くした私は、「こんなものを作っていては事業は成り立たない」と呆れたものだ。

昔のスタックス工業株式会社が今もあって、世界第1級のELS(ESL)を作り続けてほしかった、という願望の裏返しである。

私の感覚では、当時、たとえ2倍の価格で同数の売り上げがあったとしても採算はおぼつかない。
それほど入念な作りである。

8Xの発音ユニットを分解した結果、海外のESLのそれと、大きな相違点があることに気が付いた。

ダイアフラム(振動膜)と固定電極とのギャップ(距離)、それと成極電圧(数千ボルトのバイアス電圧)との配分関係が大きく違うのである。

ギャップが狭い!。

この相違点には、なにかとても重要な意味があるに違いない。

なぜなら、8Xが選択した配分関係の発音ユニットを製造するには、大幅なコストアップが不可避だからである。

つまり必然的に精緻・精密な作りをせざるを得ない構造となる。

なにか特別にいいことがないかぎり、そのような選択をする筈はない。

推測であるが、8Xの発音ユニットの比類ない音質は、この相違点に一つの秘密があるのではないだろうか。

8Xはこのような素性の、今や誰も作れない(事業性がない)スピーカーである。
もし、今も健全で完動している8Xのオーナーがおられたら、いい環境の中で大切に大切に使い続けていただきたいと切にお願いしたい。

ちなみに私の8Xより数年古く、30年近く使われていた8Xでも、いい環境の中にあれば、まったく健全で音質の劣化も認められない状態を保つことが実証された。

そのことについては当ブログ内の別テーマ、「i氏山荘訪遊記(第2話)」で触れているので、よろしければ訪ねていただきたい。

この見事な加工のパンチングメタルを見よ_全域ユニット

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-17


<写真2:全域ユニットの固定電極のパンチングメタル。低域ユニットとも共通>

**この精緻な加工を見てほしい。孔の細かさ、開孔率の高さ、孔のエッジの丸め加工(裏・表とも)など、これを見ただけで8Xが内外ともに突き抜けた存在であることが分かる。高域ユニットのものはさらに細かい。


この見事な加工のパンチングメタルを見よ_全域ユニット

**固定電極の表面電界は、均一で平らで滑らかであることが求められる。そのためには、パンチングメタルの孔を可能な限り小さくする必要がある。また、音が抵抗なく通るよう、開孔率はできるだけ高くしなければならない。それらを満たしてなおかつ、機械的強度や、振動対策を考えねばならない。これらのことから、パンチングメタルとその周辺構造は、ESL製品のクオリティーを知る上での重要なチェックポイントになる**


瀕死の8X

8Xが我が家に来たのは1987年であった。

それから10数年愛聴してきた8Xを、私は知らず知らずの間にダメにしていた。
周囲の環境に問題があった。

左右で都合16個ある発音ユニットの半数以上が、能率の低下で鳴らなくなった。

不調に気づいた時、すでに製造元のスタックス工業株式会社はなく、別の組織に様変わりして、8X修復の望みは完全に失われていた。

問題の箇所が発音ユニットにあることは見当がついた。
しかし8Xの発音ユニットは、もともと修理ができる構造ではない。

組み立てにネジなどは使われておらず、接着剤で完全に一体化され、分解できるようにはなっていない。

故障すればユニットをまるごとそっくり交換する。

その当時、荒技でも裏技でも、なんとか修復の手立てはないかと足掻いてみたが、結局どうにもならないことが、はっきりしただけであった。

それでも「いつの日にか」と、一種のライフワーク的な思いで納戸に押し込んだ。
瀕死の8Xは古シーツに包まれ、いつ覚めるともしれない眠りに就いたのである。


放電によりフィルムに空いた穴

<写真4:固定電極と振動膜との間で高圧がスパークして開いた穴。その周囲が損傷している>

**フォーカスが外れているが、ついでにパンチングメタルの加工のアップも見ていただきたい。高い電圧は尖った先に電界が集中して放電を引き起こす。だから打ち抜いた孔のバリなどはあってはならず、さらに角も丸く磨くかなければならない**


緊急決起ボタン

瀕死の8Xは納戸の隅で、10年近くの長い年月を過ごした。
ところが2013年の早春、「いつの日にか」は突然やってきた。

あるきっかけで、私の心の中の「緊急決起ボタン」が押されたのだ。
8Xは狭い納戸から明るい部屋に運ばれ、裏蓋を外された。

高圧プローブで電圧が測られ、2現象オシロスコープでオーディオ信号を観測され、試料として1つのユニットが取り外された。

高域発音ユニットの成極電圧1.8KV正常、全域および低域の成極電圧3.5KV正常。
発音ユニットへのオーディオ入力信号は、高域入力正常、全域入力正常、低域入力正常。

まず最初の行動は、不具合が確かに発音ユニットにあることの再確認だった。
それからが五里霧中、暗中模索。

蘇生へ向けての下準備を開始した。

インターネットに張り付いて「ElectroStatic Loudspeaker」、「Repair」などを検索キーワードに、内外の関連情報を収集する日々が続いた。

いろいろ試みて、やはり修理は不可能な場合、同形、同寸法の発音ユニットを自分で作ることも検討し、部材の見積もりも取った。

目の前に現物見本があるので、選択肢として「あり」だろう。
修復に必要な振動膜や導電コート材等の主要な材料は海外に求めた。

日本は優秀な材料を多種生産しているが、残念ながら個人が僅かばかりの量を入手することができない。


クーロン力

さて、基本中の基本であるが、コンデンサースピーカーの振動膜を駆動する力はクーロン力である。

電荷の+と−が引き合い、+と+、−と−が反発し合う電気の根元的な力である。
電極板の面積、間隙の距離、印加する成極電圧。

それらと、振動膜を駆動する力との関係は?(前出の話と関係する)
まずそのあたりの基本原理のお勉強から必要となった。

早稲田大学では古くから、研究室やクラブ活動などにおいて、コンデンサースピーカーの研究を伝統的に行っており、その論文を何本もインターネットで公開していた。

早稲田大学大学院平成15年度修士論文「スイッチングアンプ駆動コンデンサスピーカに関する研究」など、コンデンサースピーカーを語る上で極めて重要かつ貴重な情報が満載である。

なおこの論文は、初歩的な基本原理のお勉強から書き出しているので、興味のある方はぜひとも検索されたい。

ちなみに、薄いフィルムの平面を全面駆動するコンデンサースピーカーといえど、振動膜はピストン運動をしていない。

「コーン型スピーカーは分割振動するが、コンデンサースピーカーはピストン運動であるため平面波が出る」、というのは誤りである。

レーザーでドップラー効果を利用したスキャニング振動計を使って、各種のモデルを実測した写真を見ることができる。

そして春も浅くまだ寒い日が続く頃から、初夏の暑さが感じられる頃まで、なにかに憑かれたようにがんばった。
その結果、驚くことが起こった。


甦った8X

瀕死の白鳥が奇跡的に甦った。

軽くしなやかな新しい羽にはえかわり、大空に舞い上がったような感動。
このようなことが自分の手で、これほどうまくいくとは思ってもいなかった。

発音ユニットの振動膜を、極薄・極軽、元の半分の厚みの3ミクロン・ポリエステルフルムで張り替えることに成功した。

その結果が冒頭の音響空間の出現である。
なんという幸運か。

優れた基本設計と入念な工作、長年にわたる改良の積み重ねにより到達した、STAXの頂点であり最終モデルであった8X。

それを一人のSTAXファンのアマチュアが、なんの裏付けもないまま「3ミクロンの修復」を試み、一発で成功してしまった。

世の中全般、普通はそれほど甘くはないので、多分、コンデンサースピーカーのダイアフラムには、「けっこういいかげん」なところがあるに違いない。

振動膜の張力や、導電コートの電気伝導に関する各種パラメータの値(つまり導電コート剤の種類やその塗布のしかた)などには、ある程度の許容範囲があるように思える。

薄いフィルムの張力を測る計器も、導電コーティングの非常に高い抵抗を測るメグオーム計や絶縁抵抗計もなく(普通のテスターでは測定不可能)、すべて素人の手作業による「勘」を頼りにフィルムを張り、導電剤を塗布している。

もちろん失敗してやり直したユニットもあったが、うまくいったユニットは、それぞれのユニット間の音の違いは聞き分けられない。

だからたぶん、限定された誤差範囲内で、ある程度の「ファジーさ」があるのだろう。

甦った音響は、8Xの新たな頂が、まだ先に聳えている可能性を示唆しているように思える。

スタックス工業株式会社が今にあれば、きっとさらなる高峰に到達しているに違いない。


外枠ヘフィルムを張る手順の最初の工程

<写真5:発音ユニットの振動膜を張る手順の最初の工程>


**まず、発音ユニットより大きなフレームに、3ミクロン厚のポリエステルフルムを、破断一二歩手前ほどの強い張力で張り締めていく。この作業が終わった後、おもて面に導電コーティングを施す**


高域ユニットのフィルムを2つを同時に張る

<写真6:発音ユニットの外枠に導電コーティング済のフィルムを接着する作業>

**いくつかのユニットの張り替えに成功していたので、調子に乗って高域ユニットを2つ並べて同時に作業してみた。これもうまくいった。接着剤が乾いたら、周囲のフィルムを切り落とせば振動膜を張る作業は終了**


この「甦れSTAX ELS-8X」では、8X修復の顛末を中心に、それらにまつわる話などを綴ろうと思います。

なお当ブログ内の別テーマ、

「i氏山荘訪遊記(第2話)」
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14-1


で、この8Xとi氏のスピーカーシステムとの関連についての記事が少しあります。
そちらもお訪ねください。


厳重注意!

コンデンサースピーカーの修理は、生命の危険が伴います。

8Xでは4000V(4KV)、他の機種では6000Vを超えるものもあり、通電中の内部にはそのような電圧が「そこら中に」かかっています。

電流は微小ですが、触れた場合の電撃ショックは大きく、どのような結果を引き起こすか分かりません。

また電源を切っても、数日間は完全に放電しきらない場合もあります。
身の安全を守るため、家電製品の注意書きにある「サービスマン以外は裏ぶたを開けたり、分解したりしないでください」、のお約束をよろしくお願いいたします。

(第1話 おわり)
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-17

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i氏山荘オーディオ訪遊記(第2話) [i氏山荘オーディオ訪遊記]
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14-1


平面バッフルの音空間とSTAX ELS-8Xの音空間

■竹集成材平面バッフル

i氏山荘の現状のスピーカーシステムの基本構成は「竹集成材の平面バッフル3Way+大容量密閉箱ウーハー」である。

氏の描く基本形は、この平面バッフルを主放射源とするものである。

低域を補完するウーハーの最終形態は今後の課題としている。

これらは氏のオリジナルな自作であり、特に平面バッフルに竹集成材を採用したことや、その工作の巧みさは、今まで他に製作例がないと思われる。

またそのセッティングには、日常の家庭生活を考慮する必要のない山荘の「自分だけスペース」ならではの豪快さがある。

スピーカーの背壁は、急勾配の2階屋根に沿って傾斜した板張り。

その最奥に大容量密閉箱型ウーハが置かれ、その1mほど手前に平面バッフル型3Wayスピーカーシステムが、床と天井の梁との間に設けた強固な支柱に取り付けられている

(第1話の写真1)
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14


この「1mほど手前」の間隔が問題を起こしているのであるが、その解決はのちほど。

上下が固定された丈夫な太い支柱に、バッフルをがっちりと取り付けた構造が、このスピーカーシステム全体の音響を左右する大きな要素の一つになっているのだろう。

いずれにしてもこのスピーカーシステムが感動的な音場を形成する要因は、音の主放射源の平面バッフル方式にあると思われる。

平面バッフル方式のよさを評価する先達は大勢おられるが、ここの場合はそれが顕著に現れた好例だろう。


この平面バッフルスピーカーにはつぎの特徴がある。

・バッフルの材料に竹の集成材を採用た3Way方式。構成はツイーター1、16cmフルレンジ1、16cmウーハー2。

・スピーカー開口部のエッジに滑らかなR付け加工。

・表側全面のニス塗装。


穴あけ加工等、すべて自作である。
木工の腕は本職跣(はだし)であり、プロの指物師(さしものし)や大工の見習いとして即決採用かもしれない。
オーディオ道楽だけでなく、年中次々と発生する山荘の補修等の大工仕事を、各種の電動工具を揃えてやっているらしい。


i氏山荘SP平面バッフルのアップ

<写真1:竹集成材平面バッフル3Wayシステム>

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14-1


**構成は上からツイーター1、16cmフルレンジ1、16cmウーハー2。この写真の16cmフルレンジはDS-16Fが付いている。SPの穴の周囲のみごとなR加工**


■「箱」では得難いこの感動はなにか

山荘訪問初日、ああだのこうだの、CDをとっかえひっかえしながら配置を工夫した。

どうも位相的な微妙な違和感が付きまとうように聞こえる。

ウーハーと平面バッフルとの前後の間隔が1m強ある。

どうやらウーハーの直接音が、平面バッフルの背面放射と干渉しているのではないかと見当をつけ、とりあえずの荒仕事で位置を変える。

平面バッフルを上下逆さまにして、ウーハーの箱の天板の高さに持ち上げる。
そしてウーハーを平面バッフルと同じ面まで前に出す。

フルレンジユニットはDS-16Fから三菱ダイヤトーンP-610DBに取り替えた。
さて、この取って付けの仮配置で音を出す。

この時の感激は、当訪遊記(第1話)の冒頭「序」のとおりである。
このような音の空間に入った時が、音楽好きオーディオファイルの至福の瞬間である。

聴き慣れた音源から発見される新たな音響的感動、それによって初めて感じ取ることができた音楽的感動が次々と出現し、涙腺を刺激する。

ああ、このステージはこうだったのか。
この演奏はこういう響きだったのか。
この楽器はそこで鳴っていたのか。
この歌手は、この演奏家は、ここまで微妙・精妙な表現をしていたのか。


その時、氏もこの境地にいたと思う。
あれはどうか、これはどうだろうと、次々とCDを取り替えては聴いている。

いやー、すばらしい。
これほどの音場感が出るシステムは本当に稀である。
お金を掛ければ実現できるものでもない。
この音響はどこから、どういう理屈で出てくるのだろう。
やはり平面バッフルに何らかの要因があるのだろう。


i氏山荘SP全景 after

<写真2:第1話の写真1の配置では微妙な違和感があったので、このような応急処置をして音を出してみる>

**さてbefore→afterの結果は・・。竹集成材平面バッフルのフルレンジユニットは、三菱ダイヤトーンP-610DBに取り替えてある**


■STAX ELS-8Xとの共通点

今回の山荘訪問は、都合で氏に送り迎えしてもらった。

山荘に向かう前に、拙宅の修復成ったSTAXの大型コンデンサースピーカーELS-8Xの試聴をしてもらう目的もあった。

20数年ほど前から、氏はこの8Xを何度か聴いているのであるが、オーディオ道楽に染まってからは聴いていない。

8Xは片側に8個の発音ユニットがあるが(写真2)、ここ10年来、その半数近くの能率が下がり、使用できなくなった。

いつの日にか、なんとかしようと、納戸の小部屋に押し込めてあった。
8Xの代替機はALTECのMODEL 19を選んだ。

大型であるが、家庭に設置するタイプとして音響的に最高の器の一つだろう。

8Xとの音の質感の違いは当然ながら大きいが、これはこれで「大したものだ」と思う。

8Xを製造したSTAX工業株式会社はその後会社の形態が変わり、今後とも8Xが修理を受けられる可能性は完全に断たれている。
でもいつの日か、耳の聞こえるうちに、目がなんとか利くうちに、手先が自由に動くうちに、そして気力があるうちに修復したいと思っていた。

そうこうしているうちに自適生活に入り、怠惰な日々を2年も送っていたが、今年になってあるスピーカーを聴くにおよび、8X修復への「緊急決起ボタン」が押された。

この話は当ブログの別テーマ、「甦れSTAX ELS-8X」で綴ろうと思うが、かなりオーバーに言えば4・5ヶ月の寝食を忘れた苦楽の結果、3ミクロン厚のポリエステルフィルムを使った振動膜の張り替えに成功した。

オリジナル8Xは、ツイータ4ミクロン厚、フルレンジとウーハーは6ミクロン厚である。
それをすべて3ミクロン厚で張替えた。

その3ミクロン厚の超軽量振動膜の威力だと思うが、長年の8Xオーナーである自分が腰を抜かすほどの音響空間が再現されるようになった。

これを氏に聴いてもらった。

さて、氏は8Xの前に立つや、「これ平面バッフルですよね」、と一言。

「あっ!」。
迂闊であった。

発音原理や形がまったく異なるため、コーン型SPユニットを取り付けた平面バッフルと同一であることの意識が希薄であった。

氏の言うとおりである。
8Xは畳1畳ほどの木材の分厚いバッフルに、8個のSPを取り付けた平面バッフル型スピーカーそのものだ。

私は修復成った8Xから、今まで体験したことがないすばらしい音場の広がりと明確な定位が再現されることを知ったが、氏の山荘の音場も、これと類似の効果なのだと思っている。

「逆相になるが背面からも前面と同じ音が放射される」。

「背圧がかからないため、ダイアフラム(振動板)がもっとも自由に動く形態」。


事実としてこの平面バッフルの効果を、どのように理論づければいいのか分からないが、音場の再現や音響の品質に極めて有効に働いているに違いない。

余談であるが修復成った8Xを聴いた「蛙の子」の息子が、その音に驚いて、すぐさま同じ8Xを手に入れた。

ちょうどその時期、奇跡的タイミングで売りに出たらしく、二度とない幸運にめぐり合ったといえる。

片側の音が小さいという不具合がある出物だったが、私の8Xと比べられないほどの美品であり、不具合の原因だった高電圧発生部を修理して完動している。
よほど環境のよい部屋で、大切に使われていたのであろう。

この8Xも氏に聴いてもらった。
すべての発音ユニットが、これもまた奇跡的に健全な状態を保っており、オリジナル8Xの音が聴ける。

氏は一言、「これはこれでアリですね。少し力強いかな」。

部屋も置き方もアンプも異なるが、確かに3ミクロン厚の音と少し違う。


新旧2組の8XDSC_6847

<写真3:修復作業がほぼ終わった8Xの裏側と(左寄り)、息子が入手した同じ8X(右寄り)>

**左右それぞれ8個の発音ユニットから成る平面バッフル型であることが分かる。上下シンメトリー。内側から外側に向かって高域ユニット×2、全域ユニット×2、低域ユニット×4の3Way構成**


8X振動膜張りDSC_6769

<写真4:8Xの発音ユニットの振動膜の張替え作業>

**3ミクロン厚のポリエステルフィルムを、かなり強い張力をかけた状態で、ユニットのフレームに貼り付ける工程**


■山荘SPシステムの次のステ―ジ余談が長くなったが、山荘2日目の朝は早起きし、朝食も早々に音を出した。

昨日と同じく、本当にすばらしい音響と音場感である。
音楽に深く入り込める至福の再生音だと思う。

しかし少し気になる。

ウーハーの箱の天板が音を反射し、どうもその悪影響があるような感じがする。

天板の上に布団などを重ねて置くと、かなり改善されるので多分そうだろう。
ほんの僅かな違和感であるが、これがなくなれば良い方向の相乗効果で、格段の向上があるかもしれない。

とりあえずの実験としてウーハーの箱を分解し、前面パネルだけの平面バッフルの形で音を出してみよう、ということになった。

電動ドライバーを片手に、氏は箱と格闘を始めた。
しかし「大工見習いもどき」の氏の手に成る箱は、頑丈に作りすぎて簡単には分解できないことが分かった。

薄手の長袖の上着が必要な山荘の朝であるが、30分ほど汗をかいて、とりあえずの実験は諦めた。

さてこの課題を氏はどう解決するだろうか。
来年の春頃かな。
冬の氷点下で冷凍庫と化した山荘でも厭わない。
そのときは次のステージにグレードアップされた、さらにすばらしい音響空間に浸ることができるだろう。

(第2話 おわり)u

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14-1


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甦れ(2回)8X コンデンサースピーカー(2)SR-1との出会い [甦れSTAX ELS-8X コンデンサースピーカ]


今日の日記は、瀕死の8Xを「いつの日にか」、と思い続けたこだわりの源泉と、今後綴っていく修復日記の伏線になるようなエピソードについて記します。


■SR-1との出会い

若者の足なら、STAX本社の館、現在の東京都有形文化財「雑司が谷旧宣教師館」まで歩くのは、わけもない距離である。
JR池袋駅から南東に、徒歩で10分もかからない。

しかし微かな記憶には、国電池袋駅から路面電車に乗ったような情景が浮かぶ。
多分そうだったのだろう。
田舎から出てきて日も浅く、地理に不案内な学生である。
都電(路面電車)で行けば迷わない、と誰かに言われてそうしたのかもしれない。


STAX本社を訪問した目的は、イヤースピーカーSR-1と、イヤースピーカー用アダプターSRD-3の購入であった。

自分が請うたのか、あるいはご好意だったのか覚えていないが、そのとき試聴ルームに案内され、フルレンジ・コンデンサースピーカーESS-6A(であったはず)を聞かせていただいた。

これが当ブログ表紙冒頭の「私はこの館で音の洗礼を受けた・・・」のシーンである。


ESS-6Aが奏でる音楽。

その未体験の音響は、一生忘れることのない感動を残した。
そしてそのとき購入したSR-1。
これがその後、私の耳に「オーディオを聴く際の音の基準」を形づくることになる。

つまり私が歩いてきた「オーディオの道」を遡れば、源流は池袋の雑司が谷にある旧宣教師館に行き着く。


学生時代のオーディオシステム


<写真1:これ1枚しかない学生時代のオーディオ装置>
**古くなれば本当にセピア色になるんですね**


写真は、機器の揃い具合から、学生時代の終わり頃のものだろう。
STAX SR-1はスネかじりであったが、レコードプレーヤーなどは自前である。
(SR-1はトリオのアンプ類の下の戸棚の中に見える)。

当時、春休みや夏休みなどに帰省して、浜松の日本楽器(YAMAHA)で高額報酬のバイトをやらせていただいた。

あの頃、浜松の日本楽器は、オーディオ評論などで高名な青木周三氏を招いて、レコードコンサートなどを定期的に催し、地方のオーディオ文化の発展や啓蒙に貢献していた。

浜松城公園に近い公会堂(?)で催された夜のレコードコンサートに、担当の綺麗なお姉さんに誘われてついて行ったことなど、とてもリアルに甦ってくる。

大通りの四つ角に面した店舗には、高級オーディオのフロアもあり、写真のレコードプレーヤーはそこで調達した。

アームはSTAX UA-7、ターンテーブルはSONY TTS-3000、カートリッジはFidelity-ResearchのFR-1とそのヘッドアンプFTR-2。

スピーカーは三菱ダイヤトーンP-610xx(続くサフィックスは覚えていない)を、その標準箱もどきに入れている。

ツイーターは当時のボクらの大定番、大ベストセラー、驚異の価格/性能比、Technics 5HH17。
この1枚の写真だけで、一冊の物語になるほどの思い出が湧いてくる。

バイトに通っていた時、浜松駅近くの新幹線ガード下あたりに「ナルダン」という喫茶店があり、そこのご主人に、いろいろとお世話になった。
ありがとうございました。

様々な思い出が甦る「これ1枚だけ」の写真である。


SR-1をめぐる高城重躬先生とSTAX社員との逸話

イヤースピーカーSR-1にはいろいろなエピソードがある。

ある日、高城重躬先生宅にSTAXの技術者ら数人が訪れた。

先生は悪戯に、氏のマルチチャンネル・システムの各帯域のアッテネータを少しズラして、「君たち、これを調整してバランスのいい音にしてごらん」と促した。

結局彼らは悪戦苦闘の末、僅かの違いを残して、元に近い状態に戻してしまった。
先生はこのことの講評に、「普段、イヤースピーカーを聴いている彼らの耳が、よく訓練されているからだろう」とおっしゃったという。

古いオーディオファイル諸兄の間では、伝説の逸話である。

私のオーディオは、形あるものも、ないものも、すべてにこの話のエッセンスが溶け込んでいるように思う。

さて、私のイヤースピーカーSR-1と、イヤースピーカー用アダプターSRD-3は、今どこにあるのだろう。

私自身が育て親を捨てることなどあり得ないので、屋根裏のダンボール箱のどこかに眠っているはずである。
発見できたら、その音を聴いてみたい。
耳パッドは元々ダメになっていたが、たぶん鳴ると思う。
「私の基準」を育んだ音をもう一度聴きたい。


■STAXもう一つの傑作はSR-001

SR-1はその後、改良された新モデルが次々と出て今日に至っている。

私もその間、Lambda Nova Signatureなど2種類ほどのイヤースピーカーを買い替え、ドライバーユニットSRM-T1とともに所持している。

SR-1を原型として、現在の最新鋭モデルまでの変遷は、時代とともに進化を重ねてきたものであり、当然の流れである。

しかしSR-001は、その流れとちょっと違う。
コンセプトが全然違う、と言ってもいい。

従来のAC電源が必要なイヤースピーカー用アダプターを、乾電池で動作するポータブルにした。

従来のイヤースピーカーを何十分の一程度に小型化した。

STAX工業株式会社から今日の有限会社STAXに至るまで、世に送り出した製品で、他社が追従できない画期的な傑作が3つある。

他にも評価すべき意欲作はいくつかあるが、代表すればこの3つだろう。

1.コンデンサー型イヤースピーカー
2.フルレンジ・コンデンサースピーカー
3.コンデンサー型の超小型イン・ザ・イヤースピーカー・システム


私はこの「3.」の初代機SR-001を手にしたとき、本当に凄いものを開発したと感嘆した。

これ、嘘ではなく本当にコンデンサー型ですよ。

その当時私は、ウォークマンのたぐいのヘッドフォン・ステレオに、SONYのNT-1とNT-2を使っていた。
iPodが出現する前の話である。

NT-1/2は、切手大のデジタル・マイクロカセットを記録メディアとするデジタルレコーダーである。

サンプリング周波数32KHz、量子化ビット数 12bit折線(17bit相当)、圧縮方式 ADPCMのデジタル信号を、幅僅か2.5mmのテープにヘリカルスキャンで記録・再生する。

もっともSONYらしい、宝石のような、輝けるSONY製品の一つである。
当時、このNT-1やNT-2のすばらしい音質に応えられるヘッドフォンは皆無であった。

SR-001を使ってみた。
感激!。

音全体はイヤースピーカーを踏襲しているが、まず低音に驚かされる。
SR-001の低音は、他社の如何なるヘッドフォンより深くて生々しい。
この音を外に持っていける!。

私は写真2の「お出かけセット」を、通勤や出張、旅行などに離さず持ち歩いた。
そしてウォークマン型の終焉。

本来ならばSONYが出して然るべき、また出せる可能性があったにもかかわらず、iPodは門外漢のAppleから出た。

それから通常タイプのイヤフォンの高音質化競争が始まった。
私の「お出かけセット」もiPodになった。

しかしSR-001を原型とする、携帯できるイン・ザ・イヤースピーカー・システムは、イヤースピーカーとともに、世界に誇る傑作であると確信している。

(アダプターの側面に付いているライン入力ジャックは、その取り付け場所が悪く、じゃまになって使いにくい。しょうがないので、その脇に穴を開け、ラインケーブルを直付けした)


SR-001DSC_7091
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/SR-001EFBC88E7B8AEE5B08FEFBC89DSC_7091.jpg


<写真2:SR-001とNT-2。iPod出現前の私の携帯オーディオシステム>


■8X修復の手掛かりなし

さて8X修復の話であるが、情報はまったくない。

英国QUADのESLやESL-63系に関するrepair記事は、具体的かつ詳細なものが山ほど出てくる。

しかしSTAXのコンデンサースピーカーの内部構造や、修理に関する情報はネット上のどこを探しても出てこない。

ただ1つ、8Xの高圧電源部の修理を、絶縁ワックスをドライヤーで融かして行ったという国内記事があった。

高電圧発生回路は、4段のコッククロフト回路、とある。

具体的記述はそれのみであるが、確かにそのとおりであった。

当ブログの「i氏山荘訪遊記(第2話)」の「かえるの息子」が入手した8Xの修理の際、目視できるダイオードの結線状況から推測し、彼が回路図を書き起こした。
この話は次の日記で綴りたい。


新8X高圧電源部全景
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/E696B08XE9AB98E59CA7E99BBBE6BA90E983A8E585A8E699AFEFBC88E6B888EFBC89.jpg


<写真3:「かえるの息子」の8Xの高圧電源部(修理前)>

**電源トランスと4個のコンデンサーが入った小部屋が、絶縁ワックスで充填されている。それらの一部が透けて見える。不良コンデンサーを交換するには、この大量の蝋をかき出さねばならない。さてどうすれば・・。左上の基板上の抵抗素子のアレイは、私の8Xより一つほど古いバージョンの仕様を示す**


STAXカタログ内部構造
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/STAXE382ABE382BFE383ADE382B0E58685E983A8E6A78BE980A0EFBC88E7B8AEE5B08FE38388E6B888EFBC89.jpg


<写真4:STAXのコンデンサースピーカーのカタログの一部分>
**発音ユニットの基本構造が描かれている**

発音ユニットの構造はカタログの模式図のみ

発音ユニットを分解する前に、その構造を知る必要がある。
構造が分からないまま、手荒なことはできない。
致命的なダメージを与えたら、はいそれまでよ、になる。

しかし、喉から手が出るほど欲しかった発音ユニットに関する具体的情報は皆無であった。

唯一、STAXのコンデンサースピーカーのカタログに、発音ユニットの内部構造の簡略スケッチがあった。

基本構造は正しく描かれているが、修復工作に最も重要な部分が省略されている。
でもこの図が、構造を推理するための大きな手掛かりとなった。

これらは次回以降の日記に順次綴っていこうと思います。

(第2話 おわり)

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-25


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甦れ(3回)8X コンデンサースピーカーもう一つの8X電源修復 [甦れSTAX ELS-8X コンデンサースピーカ]
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-11-09


今日の日記は、私の8Xの修復ではなく、もう一つの8X、「かえるの8X」の高圧発生電源部の修理について綴ってみます。

「かえるの8X」を修理してみて、同時期のロット(同じ時期に作られた8X)には、高圧発生電源部のコンデンサーの不具合が発生する恐れがあったのでは、と心配になったからです。

また、8Xとは直接関係のない、わき道にもけっこう深く迷いこみますが、すみません。


おやじの耳はいい?

芸術作品などに向かい合う際の審美感覚。

「鑑賞眼」とはちょっと違う気もするが、「心に沁み込む度合い」のようなもの。
映画、演劇、音楽、文学、絵画・・、といったものを味わう能力のようなものは、年を重ねるに従い、深まるのではないかと思う。

オーディオの音を聴く力も然りである。
聴力はどんどん衰えるのに、「コクや妙味を味わう」能力は向上するように感じられる。


8Xの健康管理

「かえるの息子」が入手したELS-8X(委細は「i氏山荘」第2話)。

自分のアパートに収容するスペースがないので、我が家に置いてある。
その8Xの健康維持のため、ときどき聴いている。

置いてある部屋は防音施工ではないが、家中に響く大音量も出してやる。
GECのKT88が挿してあるAIR TIGHTのATM-2は、太くてずっしりした音が出る。

大編成のオーケストラなど、床の振動が体に伝わって、実に豪快に楽しめる。

8Xから、ALTECの416-8B 38cmウーハー(「いとし子」第3回の写真1)を凌ぐほどの、床が震える低音が出る。

これって、プッシュプル方式独特の音なのだろうか。
今まで経験したP-Pの音は、どうも雰囲気が似ている。


新8X全景
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/E696B08XE585A8E699AFEFBC88E7B8AEE5B08FE38388E6B888EFBC89DSC_7442.jpg


<写真1:「かえるの8X」は別室に置いてある>

**私の8Xとは比較にならないほどきれい。どのような環境で使われていたのか不思議である。左右合計16個の発音ユニットがすべて健全なのも信じがたい。購入して間もない頃の私の8Xが帰ってきたような錯覚に陥る**


新8Xアンプ類

<写真2:「かえるの8X」を鳴らすために急きょ集めた機器類>

**木の穴から顔を出しているリスだか、モモンガだかの後ろがAIR TIGHT ATM-2**

わき道談 AIR TIGHT ATM-2

余談であるが、このATM-2は、AIR TIGHTブランドのA&M社が創立間もない頃に購入した。

取り扱い説明書らしいものはなく、案内状は手書きであり、回路図も手書きであった。
内部のはんだ付けも下手で、重い本体を送り返すのも面倒なので自分で何箇所も補修した。
そのことを電話で伝えると、社長さんが「職人がまだ熟練してなくて・・」と、えらく恐縮しておられた。
しかしこの器の作りと、基本コンセプトは、とても共感できる。

回路はP-P増幅器の基本中の基本形、教科書どおりであり、妙な細工は一切なし。
あとはシャシー、トランス、各種の電子部品、それらの配置などなど、部品の品質・性能と、全体設計の良否で勝負、である。
私の「最終アンプ」のコンセプトと通じている。


このATM-2は、GECのKT88のゲッターがほとんどなくなるまで愛用し、今のGEC KT88は2代目である。
驚くべきことに、ゲッターがほとんどなくなったGECのKT88のip(プレート電流)は、新品のものと大きな差はなかった。
つまり交換の必要はなかったことになる。

そんな状況のATM-2、面白いことがいっぱいあった。
それらの話は別のタイトルで綴った方がいいとは思うが、楽しい思い出がいっぱいで、筆が止まらない。

初段の12AX7と、位相反転の12AU7、ドライバーの12BH7Aの銘柄やロットの違いで、出てくる音や、音の性質がコロコロ変わる。
NF(ネガティブフィードバック)も外した。

その話をしたら、「そんなことされたら音になりませんがな」とAIR TIGHTの方に言われた(本社は大阪)。

NFを外し、初段の12AX7を12AU7に替え、元のX7周りの定数をU7に合わせて少し変更することにより、明らかに、明確に「音が活きる」。
それによる他の聴感上の問題は特に出ない。
(こんなこと、やってはいけません。もはや時効の昔の話ですし、これは私が所持するATM-2だけに限ったことですから。P-PのNFを外すなど、もってのほかの愚行はおやめください。私、今は元通りにしてますから・・(~_~;) )


ごく初期に作られた私のATM-2。

バイアス・チェックメータのロータリーSWのガリには、ずーと悩まされ続けてはいるが、この器、全体的にはとても信頼できる、すこぶる良品だと思っている。


オリジナル8Xの音

すみません、話を元にもどします。
この8X、すべての発音ユニットが、完璧に良好な状態を保っている。

半数以上がダメになった私の8Xとは雲泥の差であるが、前オーナーはどのような環境で使っておられたのだろう。
本当にありがたいことである。

鳴らしてみる。
はて、こんなによかったのかな、と首をかしげる。
ハッとする。
またハッとする。

100%オリジナルのSTAX ELS-8Xの音が、これほど聴く人の心を、音楽の中に引き込むとは。
私の8Xが健全であった10年ほど前の状況と、今、鳴らしている環境に大きな違いはないはずである。
部屋は違うが、あの頃の私の8Xも、このように鳴っていたのだろうか。
ハッとだらけの、体が緊張するほどの臨場感を聴いていたのだろうか。
あの頃の音を忘れているだけなのか。

私の8Xの製造シリアルナンバーは400番台、かえるの8Xはそれより50番ほど古い。
見た目では、発音ユニットもバッフルも同一であり違いはない。

ただ、裏ぶたの内側に、へんな吸音材がしっかりと貼り付けてあった(それが正規仕様)。
誰かに指摘されてそうしたのか、それとも自分たちが考えたのか、背面放射を少しでも減らそうとしたためと思うが、音響抵抗になるようなものは、百害あって一利なし。
一苦労して完全撤去した。

私の8Xの頃には、吸音材の愚行は「改善」されていて付いていない。

つまり2つの8Xは、まったく同一である。
間違いなく私の8Xからも、同じ音が出ていたはずである。

とすると、当時の私の聴く力が浅かったことになる。
やはり、私が年をとったおかげで、音楽オーディオを味わう力が深くなったせいだろう。
そうに違いない。


「コンデンサースピーカー」の呼称は?

わが国ではこの方式のスピーカーを、一般的に「コンデンサースピーカー」と呼んでいる。

この方式による全帯域スピーカーの製品化は、1957年、英国Quad社の「Quad ESL」が最初である。
優美な曲面を描く「あれ」である。
すばらしい造形、私の「永遠のあこがれ」である。

これらはESL、すなわち「ElectroStatic Loudspeaker」。
「コンデンサー型」ではなく「静電型スピーカー」と呼ばれている。

昔、STAX社の製品に、コンデンサー型カートリッジがあった。
ご年配のターンテーブル愛好家諸兄には、そのカートリッジに特別の思いを持っておられる方も多い。

針先の動きをコンデンサーの容量の変化として取り出し、FM変調、検波の処理を経て、オーディオ信号を作り出す仕掛けである。

エンコーダー/デコーダーを含め、現代の技術で再開発すれば、どのような音が出るのだろうか。
さて、このカートリッジは、「コンデンサー型」と呼ぶに相応しい。
そのものズバリ、「コンデンサーの容量の変化」がキーポイントだからである。

しかしQuad ESLやSTAX ELS-8Xなどのスピーカーは、「静電型スピーカー」と呼ぶ方が実態を表している。

発音の原理にコンデンサー、つまり「蓄電」の有意性はない。
あくまで「静電」によるクーロン力こそが、音を出す源であり、この方式のスピーカーの本質である。

まあ呼び方など、この発音ユニットから飛び散る比類ない音を浴びればどうでもよくなるが・・。


かえるの8Xの高圧発生電源の修理

重要なご注意

STAX ELS-8Xの高圧発生電源部は、4000V近くの電圧が発生します。
感電した場合、人命にかかわります。

発音ユニットに供給される高圧は、高抵抗を介するため電流は微小ですが、感電した場合の電撃(ショック)は大きく、やはり人命にかかわります。

高圧発生電源部は、その供給元であるため、感電した場合はかなりの電流が流れると思われます。
それには生命の危険があります。

この高圧発生電源部を修理・修復・稼動させるには、4〜5000Vの高電圧と、その取り扱いに関する知識と経験が必要です。
この点のご配慮を、くれぐれもよろしくお願いいたします。


なおこの日記の、修理についての記述は、あくまで「かえるの8X」単体に関するものであり、他の8Xが同一の作りや仕様であるか否かは分かりません。

また、ここの記述や写真や図も、修理の「参考の一つ」や「ヒントの一つ」にしていただくためのものです。
修理に際しては、あくまで、それぞれの修理対象の現物を実地に調査・解明して、その上で適切な対応を検討されるようお願いいたします。


訳あり

承知の上であったが、かえるの8Xは、右側完動、左側音圧低下、の「訳あり」として彼が手に入れた。

訳あり側の発音ユニット各部の電圧を測ると、すべての発音ユニットの成極電圧(バイアス電圧)が、正規の1/3以下であることが分かった。
このことから、不具合箇所は高圧発生電源部だろう、と推測できる。

左右の高圧発生電源部のボックスを引き出し、裏ぶたを外すと、意外なことが分かった。
完動している右側の高圧発生電源部に、メーカーで(多分)修理を受けた形跡がある。

充填されている蝋に、手を加えた跡があり、コンデンサーが取り替えられている。
左側とはメーカーが異なるものに交換されていた。
要するに、右側にもコンデンサーのトラブルがあったことになる。

左側の高圧発生電源部は、工場出荷時のままであることは見れば分かる。
つまり、このシリアル番号の近辺のものは、高圧発生電源部の、たぶんコンデンサーが「弱い」ことが推測できる。

不具合の左側の高圧発生電源部も、右側と同様に、いずれかのコンデンサーがダメになっているのだろう。

整流用ダイオードは蝋漬けになっていないので、テスターで良否をチェックした。
すべて健全であった。


高圧発生電源部修理前
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<写真3:修理を受ける前の高圧発生電源部>

**電源トランスと4つのコンデンサーが入っている小部屋は、蝋で充填されている**


高圧発生電源部ダイオード側
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<写真4:蝋の小部屋の壁裏のダイオード類>

**写真上部に蝋の小部屋とコンデンサーが見える。見えているコンデンサーの下にも、さらに3つのコンデンサーが埋められているとして、このダイオード類の配置などを、よーく観察していると、回路図が見えてくるようになる、かな**

高圧発生電源部の回路推測

充填されている蝋の中に、電源トランスとコンデンサーが複数個、漬けられているとする。
その上で、写真4:のダイオードなどの結線状況から推理して、4段のコッククロフト・ウォルトン回路と仮定した。

かえるの息子が予想回路図を描いてみた。
多分正解だろう。

使われていたコンデンサーは、チューブラー型(リード型)の0.01μF、耐圧3000Vが4個。
ここでは手持ちの都合で、0.047μF、耐圧2000Vのものを使った(耐圧は3000Vが安心)。


高圧発生電源部回路図
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<写真5:高圧発生電源部の整流&昇圧回路の推測回路図>

**雑な絵ですみません。かえるの彼が、その場にあった紙に描いたスケッチ。4段のコッククロフト・ウォルトン回路と推定された。赤字の電圧が修理後の数値。ただし成極電圧調整VRが最小のときの電圧であり、VR最大時は、これの約140%に上昇する。通常はVR最大で使う>


大量の蝋を取り除く

缶ビールを輪切りにして蝋の容器を作る。
ドライヤーで充填されている蝋を熱し、柔らかくして小さなスプーン状のものでかき出す。

その前に、ダイオードを熱風から守るために、何らかの工夫をしておく必要がある。

熱してはかき出し、また熱してはかき出す。
いやというほど繰り返す。

この作業はコンデンサーの周りだけでよい。
トランス周りはそのままでかまわない。


コンデンサーの交換

底につくまで蝋をかき出すと、4つのコンデンサーが現れる。
それを全点、交換する。

狭い空間の中、順にコンデンサーを取り外して、新しいものを順に取り付ける。
かなりアクロバット的な技が要求される。
この作業、よほど器用な方でないと難しいかもしれない。

交換が終わった段階で十分な目視チェックをして、誤りなしを確認する。


高圧電源コンデンサー交換
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<写真6:コンデンサーの周りの蝋を取り除き、全部のコンデンサーを交換する>

**手持ちの0.047μF、耐圧2000Vのコンデンサーの寸法は少し大きすぎた。最上部のコンデンサーは裏ぶたに接触する恐れがあるため、絶縁チューブを被せた**


電源を投入して動作試験

発音ユニットへの接続はつながったままであり、外さないでおく。
各部、要所要所の電圧をチェックする。

かえるの8Xの修理後の場合、発音ユニットの成極電圧端子(高域)1.9KV、全域および低域3.7KVであった。
いずれも高圧発生電源部の成極電圧調整VR最大時。

この状態で音を出してみたり、電源のON/OFFを繰り返したり、電圧可変VRを回したりして実働試験を行い、確信が得られれば再び蝋で充填する。


再び蝋で充填

缶ビールの蝋を電熱器などで温める。
蝋って、断熱材のように熱が伝わりにくく、なかなか融けてくれない。
アルミホイルで覆うなどの工夫をして、完全に融けたら(融けると透明になる)、空気を排除しながら完全に充填されるように、少しずつ慎重に注入していく。
完了したら、十分に冷えるまで待って実働試験を行い、問題がなければ元通り本体に収め、めでたく修理完了となる。

高圧電源蝋充填
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<写真7:ひととおりの動作確認後、「小部屋」を融かした蝋で再び充填する>

**蝋が茶色の部分は、まだ冷えていない半透明の状態。冷えるとクリーム色になる**


かえるの息子が帰ってきたときは、夜通し8Xを聴いている。
8Xの前のソファーで横になって朝まで聴いている、たぶん寝ている。

自分のアパートにも「けっこうそこそこ」のシステムがあるが、音の出方が根本的に違って聞こえるらしい。

この違い、おおまかには、一般的なヘッドフォンやイヤフォンと、STAXのイヤースピーカーとの違い、と思っていただければ近いと思います。


オリジナル8Xの音。

昔は気付かなかった深い味わい。

8X本来の素晴らしさを、「もう一つの8X」が教え示してくれた。
この歳になってようやく気付く、なさけない感性である。

(甦れ8X(第3話)もう一つの8X電源修復 おわり)�

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-11-09

▲△▽▼


甦れ(4回)8X コンデンサースピーカー成功!発音ユニットの分解 [甦れSTAX ELS-8X コンデンサースピーカ]
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-11-20


今日の日記は、8Xの発音ユニットの構造を、文字通り「開」「示」します。

STAX ELS-8X 修復の基礎データーとなる核心部分です。

魚ではあるまいし、ですが、本当に「二枚おろし」に開いてしまいました。
発音ユニットの修復作業には、さらに「三枚おろし」にしなければなりません。
三枚の話は後日として、私、釣りはやらないし、魚、もちろんさばけないです・・。


すみません、またちょっと脇道・迷い道ですが、8Xに関連ありなので・・・

射程70m、8Xで那須与一が今に甦る
吉祥寺駅前の大道芸
10年ほど前の吉祥寺の駅前。

買い物をしての帰り道であった。
人だかりの輪の中から、ペンペン、ジャランジャランと三味線のような音が聞こえてきた。
けっこう激しく演っている。

輪の隙間から潜り込んで少し近づく。
芸人風の三味線弾きが、津軽三味線ぽい演奏を演っている。
ちょうど佳境に入ったのか、強烈な音と激しいリズムが盛り上がり、そして万華鏡のような音色の変化に続く。

足がすくんで動けない。
一挺の三味線の、大オーケストラを凌ぐダイナミズム。
まさに圧巻の「音」と「音楽」であった。

「道端の芸」でさえ、これほどまでに人を感動させる。


最初に「音」ありき。
まず「音」。

そしてその「音色」や「響き」があり、「拍子」、「旋律」、「和声」などは、そのあとの話。

昨今、音楽とは、どうやらそういうものではないかと思うようになった。

続く話は今日の日記の後半で・・。


左右裏アップ
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<写真1:向かって右側の本体から高域発音ユニットを取り外したところ>

**不完全ながら、鳴らしながら修復作業を行ったので、ダミーの板をはめてある。修復したユニットが、一つ、また一つと増えるごとに、加速度的に音がよくなっていった**

8Xの発音ユニットの取り外し

8Xの発音ユニットを本体から取り外そう。

それぞれの発音ユニットは、その両脇をアルミチャンネルの棒で押さえられている。

アルミチャンネルとは、断面が「コ」の字形のアルミの棒であり、8Xに使われているものは、「コ」の字の中にピッタリと木材の角棒が埋め込まれている。

発音ユニットを取り外すには、該当するアルミチャンネルを固定している木ネジを外すだけでよい。


STAXカタログ原理
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<写真2:STAXのカタログに載っている発音ユニットの電極端子の状況>

**3つの小丸が端子。甦れ8X(2)で紹介したカタログの絵を拡大したもの。**


元ユニット電極部
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<写真3:高域発音ユニットの電極端子部分>

**中央上のポリカーボネイト製のビスで留めてある端子と、その真裏の同端子が固定極の端子。ユニット右端の上に突き出た端子が振動膜の端子**

発音ユニットの電極端子

再三お知らせしていますが、STAX ELS-8Xは、電源ケーブルを外しても、場合によっては数日間、高電圧がチャージされている場合があります。
4000V(4KV)近くの高い電圧ですので、感電した場合は人命にかかわります。
この方面の知識と経験がない方は、けっして裏ぶたを開けないよう、お願いいたします。

さて、アルミチャンネルを外したら、発音ユニットの電極端子にハンダ付けされている3本のリード線を取り外す(2本は、アルミチャンネルを外す前に取り外しておくほうがよい)。

各端子の状況は写真1、2、のとおり。

ハンダの融けた雫が、発音ユニットにかからないよう、細心の注意で作業する。

3つの端子のリード線を外せば、発音ユニットを本体外に取り出すことができる。
発音ユニットの側面全部(四面)は、軟らかな蝋でコーティングされているが、この蝋は後で取り除くことになる。

実はこの蝋、極めて重要な役目を果たしている。
その話は最重要事項の一つでもあり、後日の日記に改めて綴りたい。


発音ユニットの構造を推理する

STAX ELS-8Xは受注生産品であり、同じ形の各部品を、何千・何万個と作って組み立てたものではない。

なので、ロットにより時期により、構造や寸法が少々異なるかもしれない。
まずこのことが前提であることをご理解いただきたい。


STAXカタログのユニット内部構造
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/STAXE382ABE382BFE383ADE382B0E381AEE383A6E3838BE38383E38388E58685E983A8E6A78BE980A0EFBC88E38388E6B888EFBC89.jpg


<写真4:STAXのカタログに載っている発音ユニットの構造>

**甦れ8X(2)で紹介したカタログの絵を拡大したもの。**


カタログのこの絵、概略図としては分かりやすく描けている。
私もこの絵から、発音ユニットを分解するための重要なヒントを得た。

まずはこの絵をよーくご覧いただき、基本的な構造の成り立ちを頭に入れておく。
そして続く写真を詳細に観察すると、まあだいたい「こんなことだろう」というイメージが湧いてくると思う。


元ユニット端側面
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/E58583E383A6E3838BE38383E38388E7ABAFE581B4E99DA2EFBC88E7B8AEE5B08FE38388E6B888EFBC89DSC_6671W.jpg


<写真:5高域発音ユニットの上部の側面>


この側面をよく観察すると、全部で6層あるように見える。

茶色のベークライトが2層+白い塩ビ(実は透明)が2層+茶色のベークライトが2層である。

右手に見える、貼り付けてあるようなチップは、たぶん各層が剥がれないように補強するためのものか。

このチップは側面の数個所に接着されている。
側面の蝋のコーティングを除去すれば分かりやすくなるのだが、残念ながらその写真を撮ってない。


元ユニット角の2面
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<写真6:高域発音ユニットの下部の角付近>

**この写真は、各層が鮮明ではないが、全体の状況を観察していただきたい**

発音ユニットを魚のごとく「二枚おろし」にする

さて、発音ユニットの基本構造がおぼろげに見えてきたとしよう。
真ん中から2つに割っても大丈夫そうだ。

次の目標は、このユニットを「二枚おろし」のように、真半分に割りたい。
見た目では、各層がしっかり接着されていて、いずれの層も分割できそうにない。
いろいろと苦慮した。

真ん中の透明な層(白く見えるが)は、アクリルか何かだろう。
そこを「発泡スチロール・カッター」のような電熱線で、鋸を挽くように融かしていったらどうだろう。

ベークライトは熱に強いから、透明層だけ融けるはずだ。
最悪、電動工具で切断か。
などなど1・2日悩んだ。


元ユニット二枚おろし
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<写真7:真半分に「二枚おろし」した発音ユニット>

**上側に元の振動膜が付いている**

あっけないほど簡単だった「二枚おろし」

「二枚おろし」は超簡単だった。
まず、「補強チップ」は削り取っておく。

透明の層は、ベークライトとの接着面も、透明同士の接着面も、カッターナイフの刃をうまく入れると、パリパリと接着面に沿ってきれいに剥がれた。
魚をおろすのにコツがいるのと同様、カッターナイフの刃をうまく入れるのもコツがいる。

また、刃を深く入れすぎると、パンチングメタルを傷つけるので注意が必要である。

この思ってもいなかった「幸運」は、たぶん、20数年経たことによる接着剤の劣化ではないかと思う。

接着剤は、見た目や、硬さの感じから推測すると、おそらくエポキシ系だろう。
そして透明の部分は、硬さからアクリルではなく塩ビ(塩化ビニール)だろう。
ベークライトと塩ビとの、接着剤の親和性があまりよくなかったのかもしれない。
その一方、ベークライトのベースと、同じベークライトのバーとは、完全に一体になったように強固に接着されており、カッターの刃など、まったく受け付けない。
たぶん同じ接着剤であるが、材質によって接着力に大きな違いがあるようだ。

いずれにしろ発音ユニットは、みごとに、本当にみごとに「二枚おろし」になった。

やった、ヤッター!。
この時点で、この先も「やれそうだ!」と明るい目標が定まった気がした。
人の人生に、そう多くはないであろう「大きな喜び」の一つに数えてもいいほどのうれしさであった(他愛もないものに・・であるが)。


元ユニット内面フィルム付
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<写真8:高域発音ユニットを「二枚におろした」片側の内面>

元の振動膜が残っている側。透明なのでよく判別できないが、ななめのに走る反射光でかろうじてフィルムの存在が分かる。

ベークライトの基盤(ベース)、ベークライトのバー、塩ビのバー、パンチングメタルなどの位置と相互の関係をよーく観察していただきたい。
外枠の上下の穴は、分解前にあけたもの。

この穴は再組み立て時に必要となるが、今回は触れない。


核心!発音ユニットの基本構造

写真3〜6をよく観察すれば、おおよその構造は推測できる。
実際の発音ユニットの基本構造と、各部の「アバウトな寸法」は、図1のようになっていた。

図のイメージは、全域および低域の発音ユニットのものであるが、高域ユニットも基本は同じである。

ただし高域ユニットのパンチングメタルは、両端の形が半円ではなく、角を丸めた「角」である(ベースの開口部は半円形)。

なお、パンチングメタルの厚さは、U字アームを持ったマイクロメーターのようなものを持っていないので測定できていない。
が、甦れ8Xの初回で指摘した、「ギャップが狭いという他のESLとの大きな違い」が、この図で分かると思う。


発音ユニット図面
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<図1:発音ユニットの基本構造図>

さてさて構造が判明したまでは、うますぎる展開でした。
あとは工夫次第、アイデア次第、やる気次第ですが、この後のアイデアを搾り出すには、かなりの体力を消耗することになりました。


本通りから、再び脇道に入りますが、お付き合い願えれば幸甚です。

那須与一CD

<写真9:CD「琵琶 中村鶴城 平家物語をうたふ」>
**私の愛聴盤50選(があるとすれば)のなかの一枚**


和楽器の再生も大得意の8X

8Xで聴く平家物語。

那須与一の緊迫のシーンが、目の前でリアルに展開される。
終わった後、しばらく動けない。
こんなもの、爺様しか聴かない、と思っていたが、とんでもなく現代的であった。
この演奏家の琵琶、超現代的だと思う。

CD、「琵琶 中村鶴城 平家物語をうたふ」。

地下鉄神谷町駅から虎ノ門へ向かって、大通りを少し行って右に折れたあたりに、琵琶の製作工房がある。

そう、和楽器の本物の琵琶、非常にめずらしいが都心にある。
以前、会社の別館が近くにあったので、ときどき覗いて見学した。

理由は聞かなかったが、その工房に中村鶴城のCDが何種類か置いてあった。
売り物だというので、数枚求めた。
10数年前のことである。

那須与一の扇までの射程距離70m
このCDの中の「那須与一」、だれもが知っている物語。

源平合戦のさなか、一艘の小船の上に、うら若き乙女が扇をかざした竿を持って立つ。

この扇、みごと射てみよ、という挑発というか、誘いである。

周りの者から射手に推薦された「下野国の住人、那須太郎資高が子にて、那須与一宗高」が、義経の命を受け、命を懸けて挑む感動の物語である。

馬上、距離を縮めるために海に入っても、扇までの距離が「7段」(約77m)あるように見えたという。

物語の脚色を勘案して50mとしても、揺れる船、自分は海中で足掻く駒の上、風もあったというから、どだい無茶な話である。

オリンピックのメダリスト、「中年の星」といわれた山本博選手の現代の弓矢でも、100に1つもダメなのでは、と思う。


琵琶の強音でスピーカーのボイスコイルが飛ぶ

この物語を、薩摩琵琶の名手、中村鶴城が演じている。
圧巻である。

それまでは平家物語の琵琶、総じて私には聴いていられなかった。
ひどくつまらない。

それを中村鶴城の演奏が、琵琶という楽器の印象を180度ひっくり返してしまった。
この楽器から出る音の、あらゆる可能性を「使い倒す」ような奏法である。
この楽器、凄まじくダイナミックな楽器である。

撥弦楽器でこれに匹敵するものはおそらくないだろう。

弦を撥(ばち)で強打するフルパワーの一撃は、スピーカーのボイスコイルが飛び(焼け切れること)、コンデンサースピーカーの振動膜が裂ける。

その恐怖が伴うほどの衝撃音が鼓膜を刺す。

この楽器、出せる音の幅(音程のことではない)がとても広く多彩である。
演奏法も「多芸」である。

こういったパルス的な大衝撃音も、8Xは易々と平気でこなす。

ついでにいえば、8Xによる篠笛もたまらなくいい。
篠笛の、歌口を切る空気流の雑音を伴った音色の魅力など、苦もなく再現する。
篠笛は日本独自の「庶民の笛」であり、何の付属物もない竹筒1本の簡素な横笛である。

そこに篠笛の、単純のようで深みのある音色の妙があるのだろう。


修復した8Xで繰り広げられる源平絵巻。

与一が、騒ぐ海が、足掻く駒が、折れんばかりに引き絞られた弓弦(ゆんづる)が<このシーン、琵琶の弦を撥で強くしごいてその効果音を出す>、唸りを曳いて扇に吸い込まれる鏑矢(かぶらや)が、超現実映像のように目の前に広がる。

8Xはそういう世界に連れて行ってくれる音のリプロデューサなのです。


(甦れ8X(第4話)成功!発音ユニット「二枚おろし」 おわり)が


コメント 5


升金 勲

貴ブログ拝見しました。8Xという私には初めての情報。分からないながら最後まで読みましたが、全然わからない。凄いことをやっているんですね。音が録音され、それがCDになり、再生プロセスを経て耳に入る。「生」の音が諸々のキカイを通してニンゲンの耳に入るのに、絶対に「生」は再現されないものだと、以前から信じていました。だから、よく言われる「CDを10枚買うなら1回でもライブに行きなさい」という言葉に同調していました。8Xというのは、それほどに再現性がいいんですね。

話は変わりますが、15,6年前、タイガーウッズが鹿児島に来て「カシオワールド」に出場した際、大枚1万円を払って見に行ったことがありました。彼のドライバーショットの「音」のすごさに強いインパクトを受けました。あの音はテレビ中継などでは絶対に再現できませんね。なんというか、空気を切り裂くような「ソニックフォーン」とでもいうのでしょうか。「ピシュッ」というか、とても文字では表現できません。勿論中継のマイクでは集音できないし、諸々のキカイを通り、電波に乗せて家庭まで届けることなど不可能です。それほど彼のドライバーの「初速」は桁外れだったのだと感じました。1万円で体験できたことはまさに僥倖でした。
貴兄の音に対する博学で解説して教えてください。
by 升金 勲 (2013-11-21 10:59)


AudioSpatial
升金さま。ご訪問ありがとうございます。
すみません。内容が今流にいう「コアなもの」なので(マニアックすぎるものなので)、申し訳ないです。

「8X」というのは、過去、スタックス工業株式会社(同名の株式会社は今はない)が製作販売したESL-8Xという「コンデンサー型」のスピーカーです。

今現在、オーディオ愛好家が使っているスピーカーの、音を発生させる原理の違いによる種類には、つぎのようなものがあります。

@ボイスコイルによるフレミング右手の法則型(一般的なSPがこれ。コーン型とホーン型がある)

Aリボンによるフレミング右手の法則型(RCAのマイク、美空ひばり伝説の「77DX」の逆の原理です)

Bマグネプレーナー型(フレミング右手の法則型ではあるが、振動板は平面フィルムです)


Cコンデンサー型(磁石の力を使わない。文具の下敷きなどをこすると、ちぎった紙片がくっつく、あの静電気の力の応用です)

Dイオン型(こんなのも実際にあります。空気をイオン化して、そのイオンをクーロン力で直接駆動します)

とまあ、代表的にはこんなところです。

8XはCに当たります。

CとDは、空気を動かす仕掛けの重さが飛びぬけて軽い、ところがミソです。

Dなどはその極端な例で、「動かす物」がなく、空気を直接動かします。

CDの力はクーロン力なので、@〜Bの磁石の力に比べて段違いに小さい、という問題があります。

8Xなどは、そこをいろいろ工夫して、「琵琶の強音」も再生できるようになっています。

Dは高音専用のツイターしか実用機はありません。

どの世界にも、目的のためには、いろんな仕掛けを考え出しますね。
ゴルフのクラブの作りなど、スピーカーの比ではないですよね。たぶん。
by AudioSpatial (2013-11-22 03:17)


AudioSpatial
升金さま。先ほどの私の返信、ちょっと訂正です。

総体的な意味で「フレミング右手の法則」と書きましたが、より正確には、「左手」の法則、の方が適切です。

「右手」:導体が動いて、電気が発生する。
「左手」:導体に電気が流れて、力が発生する。

といった違いです。
by AudioSpatial (2013-11-22 09:45)


人形町

張り替え成功だけではなく
できれば測定をしていただきたいです。
STAXが認めてくれる性能が確保されているか。
by 人形町 (2014-06-30 13:13)


AudioSpatial
人形町さん、ご訪問ありがとうございます。

申し訳ありませんが、おっしゃっておられる趣旨が、よく理解できません。この8Xを製造した「STAX工業株式会社」は、すでにこの世になく、残念ながら聴いてもらいたくても、その望みは叶いません。できることなら、ぜひとも当時お世話になったSTAXの方々に聴いていただきたいところです。

また、メーカーが認める/認めないは、私の道楽には何の関係もありません。蛇足ですが、8X完全オリジナルの完動品が、隣の部屋で鳴っております(ブログにその記事あり)。

さらに測定の件ですが、その必要性を私は感じておりません。訓練された耳は、測定器以上の性能を持っていると思っております。音響のハイエンド付近の領域に、一般的な測定器は役に立たないとも思っています。あくまで、ただのオーディオ道楽のことですから、そこのご理解を、よろしくお願いいたします。
by AudioSpatial (2014-06-30 14:40)

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-11-20

▲△▽▼

甦れ(5回)8X コンデンサースピーカー構造の詳細と修復手順 [甦れSTAX ELS-8X コンデンサースピーカ]
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-12-11

比類ない再生音が2つ

STAX ELS-8Xの比類のない再生音。

その秘密は、世界に類のない精緻な作りの発音ユニットと、分厚い木材でがっしりと作られた、広い面積の平面バッフルとの組み合わせにあります。

当時の経営者の、コンデンサースピーカーに懸けた情熱を一身に受けて成長した、本当にすばらしい、まるで嘘のような「作品」です。

当時から8Xは、そのような稀有な存在であったのではないかと思います。


その8Xが2式。

このような事態になろうとは、昨年の今頃は夢にも思わなかったことでした。

製造から30年近く経た今も、まったく健全そのものの姿で朗々と鳴り響く1台と、ほとんどの発音ユニットがダメになり、当ブログに綴っている修復を受けて甦り、オリジナルを凌ぐほどの音を響かせるようになった1台。

それが我が家にあるなど、本当に何が起こったのか不思議な気持ちです。


家内の認可を受けた唯一の機器8X

今年も、はや師走。
昨年の今頃、「瀕死の8X」は狭い納戸に捨て置かれたまま、その存在すら忘れられていました。

家内と一緒に、池袋のサンシャイン60ビルの向かいのマンションの一室にあった、STAXのショールームに出向き、8Xその他を試聴させてもらった思い出のスピーカーです。

後にも先にもオーディオ機器の中で、家内の認可を受けたものは、この時の8Xただ一つです。

そんな思い入れの8Xであり、「いつかは修理して・・」と思いつつも、現実的には無理だろうな、と、ほとんど諦めていました。

それがどうなって、いま現在のような「8Xが2台」の奇跡が起こったのか、私自身も理解できないほどの急展開の1年でした。


02)オ部屋の8X_DSC_7855
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/02EFBC89E382AAE983A8E5B18BE381AEEFBC98X_DSC_7855EFBC88E7B8AEEFBC89.jpg


<写真1:私の8Xの対ニャン子ディフェンス網>

**家庭の諸般の事情により、だいたい19時から24時頃にかけて、重要機器類が収められている我がオーディオ部屋のセキュリティーは、5匹のニャン子の侵入を阻止できない状況にある。とりわけニャン子の攻撃に弱いのは、トーンアーム系とスピーカー系である。これらがやられては国家の存亡にかかわる。

そこで8Xは、少しゆるいが、多少の効果はあるディフェンス「網」を構築した。写真のように、下半分を「虫除けアミ戸」用の、目の粗いネットで、うまく覆った。いくらかは音に影響があると思うが、やむなし**

今日の日記

さて、今日の日記は前回に続き、分解して明らかになった8Xの発音ユニットの構造に、もう一歩迫ります。

さらにはその構造を基礎にして、発音ユニットを修復する工程の大筋を、図面と写真で公開します。

内外の各種のESL(コンデンサースピーカー)の修復や、ESLの研究、また、興味を持たれている方などに、何かの参考の一つにでもなれば幸いです。


8Xを超えるには

8Xの発音ユニットを分解すると、その「作り」が、他のESL(コンデンサースピーカー)と比べて突出して精巧・精密・入念であることが見て取れる。

この「入念な作り」は、かつてのスタックス工業株式会社が、長年にわたってコンデンサースピーカーの音を研究し尽くした「結果」が、形になったものだと思う。
発音ユニットは「こうしなければいい音は出ない」。

材質、形、構造、パンチングメタルの形状と加工、成極電圧、絶縁材と絶縁法、ダイアフラムの材質と導電剤の処理、その他諸々。

私は当時の経営者が「コンデンサー型」製品に懸けた情熱の「結論」を信じたい。

8Xを超えるものを作るには、その人以上の「情熱と年月」が必要である。
そうあるべきだと思う。


戻れない

久し振りに2台の8Xが同時に鳴った。

週末に帰った「かえる息子」が、バッハの教会カンタータなどを聴いている。
その全集のCD Boxの中古を安く買ってきたらしい。

めずらしくボリュームを上げているので、非防音のドアの外に、透き通ったテノールの響きが伝わってくる。

その声に誘われ部屋の中に入ると、そこには豊かな響きの教会の大きな空間が広がっていた。

思わず「いいな」、と声をかける。
「これ聴いたらもう戻れないよ」、と返す。

余談であるが、私がバッハの教会カンタータの魅力に目覚めたきっかけは、今もよく覚えている。

第199番、BWV199「わが心は血の海に泳ぐ」をFM放送で聴いたときである。
まだ学生の頃かもしれない。
ソプラノもオーボエも、旋律が美しい。
まるでオーボエ協奏曲のような部分もある。
それ以降、このジャンルでどれか一つ、といわれれば、今も即答でBWV199をあげる。


8X_
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<写真2:もう1台の8X>

**「甦れSTAX ELS-8X」でしばしば登場する別の8X。「かえるの息子」が入手した完璧な状態のオリジナル8X。母親は「じゃまだから早く持っていけ」というが、彼のアパートには、もはや置けるスペースはない**


1週間ぶりの私の8X

鳴っていたもう一台は私の8Xである。

PCオーディオ用のパソコンを、新マシン、新OS(といってもWindows7)に移行作業中であったため、ここしばらく、機器に灯が入らなかった。

それがこの週末、まだ不安定ながらも、ようやくPCのライブラリーや、ブルーレイ・ドライブによるCDが再生できるようになった。

Windowsは、VistaやWindows7以降、PCオーディオには問題が多かった従来のMME(オーディオやサウンドのカーネルミキサー)部分に変更が加えられたようである。

しかし周辺の諸々が、その変更に追いついてくるまで、今しばらく時間が必要であり、私の場合、従来のXPでのやり方を、7でも取り敢えず踏襲せざるを得なかった。

私のPCオーディオについては当ブログ「オーディオルームのコンポーネントたち」第2回の「私のPCオーディオと・・」をご訪問いただきたい。


8X修復の留意点

STAX ELS-8Xの発音ユニットは、そもそも修理できるようには作られていない。

その構造を知れば、故障したら修理するなどの考えが、設計当初からまったくなかったことがよく分かる。

なので他社のESLのように、ネジを外して分解し、不具合箇所を修理して、再び組み立てネジ止めして修理完了、といったことができない。

つまり8Xの発音ユニットに「修理マニュアル」は存在しない。

あるとすれば「修理」ではなく「製造マニュアル」であるが、それもないだろう。

製造には手工業的な部分が多く、それを文字にしたマニュアルの記述は困難であり、おそらく職人の口伝・直伝の世界に近かったのではなかったかと思われる。


といった状況なので、もし修復を試みる方がおられたら、まず手始めに1つの発音ユニットを分解し、それの各部の採寸から始めて、詳細な構造を徹底的に調べ上げることからスタートする必要がある。

とにかく、まずは分解だけを目的に、あれこれ試みることである。

修復の各工程には、それぞれ各自が工夫して解決しなければならない問題点が次々と出てくる。

ある問題をクリアするのに、何日も悩むことが何度もあった。
修理不可能なものを強引に修理するのであるから、とにかく一にも二にも「工夫」するしか手はない。


発音ユニットの構造の詳細

さて前回(第4回)の続きとして、発音ユニットの構造図を公開したい。

前回の図を含めてこれらの図から、発音ユニットの基本構造をよく読みとっていただきたい。


完璧二枚おろし
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<写真3:「二枚おろし」にした発音ユニット(写真は全域・低域ユニット)>
**この写真は、たまたま完璧に半分に分割できた例**

この例では、運良く写真左側のように振動膜が破れずそのまま残った。

フィルムを指先で押してみると、想像を超えた大変強い張力で張られていることが分かった。

周辺のフレームにあけられた穴(2.5mmφ)は、表裏の位置がズレないように分割前にあけておく。

パンチングメタルの放電の痕に黒いサビ等が発生している。

振動膜の電極(銅箔)が左端手前に見える。

また、写真11・12・13で見られる「導通ガイドライン(黒い線)」のオリジナル(フレーム上の白い線)を確認することができる。


背面側1/2分解図
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<図1:背面側1/2の分解図>

**前回(第4回)の「二枚おろし」の片側。振動膜の面で真半分に分割した背面側。写真3の右側にあたる。私の場合、水色のバー(1mm厚の塩ビ。色は透明)のみ、図のように剥離できた。これは使い回しせず、塩ビ板から切り出して新しいバーを作る。私は数が多かったので業者に作ってもらった**


前面側1/2分解図
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<図2:前面側1/2の分解図>
**写真3の左側にあたる。**

表裏合わせた状態
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<図3:表裏両面を合わせた状態。>
**元のユニットは、このような状態で各層が接着され、一体になっている。接着剤はたぶんエポキシ系**

表裏合わせて固定する要領
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<図4:発音ユニットの修復が完了した後の完成ユニット>

**元のユニットのように接着剤で固定すると、やり直しができないため、図のようにビス止めをする。表裏にあらかじめ2.5mmmの穴をあけてあるので、図のようにそれぞれバカ穴とタッピングを施す。金属のビスは厳禁。ポリカ・ネジを使う。**


さて、これらの図から、発音ユニットの基本構造を読み取ることができたとして、次はユニット修復の作業工程の話に移りたい。

使用した材料や消耗品、使い方、入手法などは、後日の日記で綴ろうと思う。

なお、ユニットの穴あけにはボール盤が必要である。
私はホビー・模型用の卓上ボール盤を使って、すべての作業を行った。
精度不足であるが、そこは技(?)で補い、まあ十分役に立った。


作業工程(大工程)

工程1:二枚おろし

ユニット側面の蝋は除去。
分割前に図4の位置に2.5mmのガイド穴をあけておく。
透明な塩ビのバーの面での剥離を試みて、写真3の状態に分割する。
塩ビのバーは再使用しないので破損してもよい。
パンチングメタルは、その後の作業の前に、マスキングテープで養生しておく。
接着剤等の残留物は、ていねいに取り除き、接着面に凸凹がないように処理をする。


工程2:新しい塩ビ・バーの接着
分割されたユニットはソリが出るので、写真10・12・13にあるような治具(私の場合はアルミチャンネルを利用
)を用意しておく(ユニット両端を治具にビス止めしてソリを防ぐ)。
そのあと、あらかじめ寸法に合わせて作っておいた塩ビ・バーを元のように接着する。


工程3:枠にあけた穴の処理
ユニットの分割前にあけた穴を、片側は3.2mmのバカ穴をあけてサグリ。
もう一方はM3のタップを切る。


ザグリ
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-12-11

<写真4:3.2mmのバカ穴とザグリ>

**本体の表側に当たる1/2ユニットの穴の処理。パンチングメタルやその周囲の蝋コーティングを保護するために、マスキングテープでしっかり養生しておく(重要)。高電圧がかかるので、ゴミ、埃、異物などの混入はあってはならない**


タッピング

<写真5:裏側ユニットのM3タッピング>
**穴の数が多く、大変しんどい作業になるが、がんばるしかない**

工程4:ダイアフラムを大枠に張る

私の場合は3ミクロン厚のポリエステルフィルムを使った。

写真のように木枠を作り、布テープでコーティングしておく(フィルムとの馴染みがよい)。
適当にフィルムを張った後、張力が全方向に均等にかかるよう、セロハンテープで徐々に張り締めていく。
この張り締めを十分な張力に達するまで数回繰り返す。


振動膜フレーム準備

<写真6:大きめの木枠の準備>

**しっかりした木材で、がっちりとしたフレームを作る。角は金具で補強する。フレームは布テープでコーティングしておくと、フィルム張りの作業に都合がよい**

振動膜ロール置始

<写真7:あまりシワが寄らないようにフィルムをそーっと置いていく>
**写真のように、マスキングテープをうまく活用する**


振動膜張始

<写真8:フィルムを張り締めていく最初の状態>
**まだ張力はかかっていない**


振動膜張完

<写真9:フィルム張り締め完了>

**全方向均等に張り締めていく。数cmに切ったセロハンテープで、マスキングテープ上を次々と引っ張って張り締めていく。感覚としては、破断1.5歩手前でよい。最初に一度、破断するまで実地検証することをお勧めします**

工程5:フィルムへの導電剤コーティング

この工程がもっとも神経を使う緊張の場面となる。
すばやく、ていねいに、むらなく、確実に作業しなければならない。
極力埃の少ない部屋での作業が望まれる。
本来はクリーンルームで行う作業である。
私は風呂場で行った。
写真の撮影どころではないので写真なし。
すみません。
材料や手順の詳細は後日の日記で。


工程6:木枠フィルムをユニット枠へ接着

ユニット側をかさ上げして、木枠が「宙ぶらりん」になるように準備をしておいてから接着する。
鋭利な突起物でもないかぎり、木枠の重みでフィルムが破れることはない。
切り離しはカッターナイフか半田ごてで行う。


振動膜貼付全景

<写真10:ユニットの枠に木枠のフィルムを接着>

**不織布ワイパーをたたみ、接着面を押さえて確実に接着させる。その後は木枠の重みで自然に圧着させておき、乾燥を待つ。不織布ワイパーは、入手が容易な写真6にある「BEMCOT M-3U」を使った(フィルムへの導電剤コーティングの作業にも、これを使う)**

振動膜貼付接写

<写真11:ユニットの枠に木枠のフィルムを接着のアップ>
**フィルム全面の電荷が均等になるように、導電塗料で導通ガイドラインをフレームに描いた(黒い線)。セロハンテープで張り締めの様子も見える**

工程7:導通ガイドラインをフレームに描き、端子を接着

フィルム全面の電荷が均等になるように、導電塗料を枠の四辺に「井桁」状に書き、振動膜の端子を付ける(習字の筆を使った)。
端子は導通性粘着剤の銅箔テープを使った。


膜切り取り

<写真12:振動膜フィルムの貼り付け作業完了>
**フィルムで塞がれたフレームの穴の部分は、半田ごての先端であけておく**

振動膜の電極

<写真13:振動膜の端子を付ける>
**このユニットを本体のどこに取り付けるか決めてなかったので、端子を両端に出したが、無駄な放電可能性の存在は好ましくない。片側のみに設けるべきである。**

工程8:表裏1/2のユニットを合わせ、ポリカ・ビスで固定

ユニット表面にビスの突起があると、本体への固定の際の障害になる(短辺のビスとナットは問題ない)。
組み立て後、防塵用のネット(洗剤で洗った後、使いまわし)を接着する。


元と修後のユニット
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/17EFBC89E58583E381A8E4BFAEE5BE8CE381AEE383A6E3838BE38383E38388DSC_6805EFBC88E7B8AEEFBC89.jpg

<写真14:組み立て終わったユニット(上)と、次に修復を受けるユニット(下)>
**修復後の外観はこのようになる**

工程9:四辺の側面に絶縁テープを巻く

オリジナルのユニットのその部分は、蝋でコーティングされている。
最終的には蝋で処理したいが、当面は絶縁テープで代用して、しばらく(1年間ほどか)様子をみる。

調べてみたが、蝋の種類やその入手法が分からない。
このあとは本体に取り付けて、音出しテストとなる。


手作業品の修復は、一にも二にも「工夫」あるのみ
これらの写真を見るだけでも、8Xの元の発音ユニットが、いかに手工業的に作られていたかが分かると思います。

さらに修復には、新品の組み立て作業にはないような、厄介な問題があちこちに発生します。
それらを「工夫」によって一つひとつ解決していかねばなりません。

でもまあ、ユニットの修復も、3つ目か4つ目になると、工程や手順もいろいろ修正され、あとはもう「その道の職人」になったような調子で作業できるようになるものです。
そこまで行けば、手間と、やたらと時間のかかる作業を、ルーチンワーク的にやるだけになりますが、それほど根気が続くものでもありません。


そしてやってみて分かった大事なことを一つ。

たとえば10個ほどのユニットを修復するには、マスキングテープ(幅は各種)、セロハンテープ、不織布ワイパー、絶縁テープ(布製、ゴム系各種)、接着剤、アルコール(無水エタノール)、ティッシュペーパーなどを、大量に消費します。
これらを惜しみなく、湯水のごとく使わなければ、いい仕上がりになりません。
またこれらを含めて、一切の材料や消耗品は、必ず一流メーカー品を使うことをお勧めします。

接着剤を使うために時間に追われ、また息を止めて一発勝負でやる作業もあり、粗悪品でモタモタしている場合ではありません。


オーディオ道楽だから、また深い想い入れのある8Xだからこそやれた、そうでなければやってられない、面倒この上もない、しんどくも楽しい作業でした。

次回の日記は、振動膜への導電剤の塗布を中心に綴ろうかと思います。
ドキドキしてスリル満点の作業です。


(甦れ8X(5)構造と修復の核心部公開 おわり)


コメント 4


kroyagi
 始めましてkroyagiと申します。

 私も永年8xの前身であるELS-6Aを愛用してまいりましたがご他聞に漏れずユニットの能率低下のため使用できなくなってしまいました、どうしたものかと途方にくれていたところこちらのブログに出会い勇気づけられました記事を参考に再生に取り組みたいと思います、

よろしければ使用したフィルム、塗料、接着剤などが知りたいので続きをupしていただけないでしょうか、1台でも多くstaxのスピーカーを生きながらえせるために。

 宜しくお願いします。                 
by kroyagi (2014-07-29 20:25)


AudioSpatial
kroyagiさん、ご訪問ありがとうございます。返信が遅くなって申し訳ございません。

ELS-6Aですか。あの時代に、ここまで精緻なコンデンサースピーカーを作った日本のメーカーがあったことが、まず、日本の誇りであり、日本のオーディオ史の金字塔ですね。8Xを分解し、レストアしてみて、初めて、あまたの海外製コンデンサースピーカーとは一線を画した精密・精緻、そして、こうでなければならない、という作りの素晴らしさを発見することができました。

kroyagiさんご指摘の、フィルムや、それに塗布する導電剤その他について、できるだけ早く、ブログを更新したいと思います。フィルムと塗布する導電剤は、スウェーデン在住のコンデンサースピーカー・ファンで、ボランティア的に、小分け通販をしてくれている方から取り寄せました。今もまだ、材料があるのかどうか、ちょっと、問い合わせをしてみます。
by AudioSpatial (2014-08-02 13:39)


AudioSpatial
kroyagiさん、先日おたずねのフィルム等の入手先について、別の方からも問い合わせがありました。

そこで、入手先のURL等を取り急ぎ、お知らせいたします。

私が、発音ユニットのフィルムと、導電剤、およびフィルムの接着剤を取り寄せたMT Audio Design のホームページのURLです。
ESLのリペアについて、とても参考になりますのでご覧ください。

http://user.tninet.se/~vhw129w/mt_audio_design/


上のMT Audio Designのホームページの「Quad ESL-63 Element Repair」のページの本文冒頭部に、「MT Audio Design ESL Repair Shop」のタグがありますので、それをクリックするとESL Repair Shopのページ(下記URL)が開きます。このショップに、フィルムと導電剤およびフィルムの接着剤の在庫を問い合わせてみてください。

http://user.tninet.se/~wea635n/mt_audio_design/mt_audio_archives/esl_repair_shop.htm

ではよろしくお願いいたします。
by AudioSpatial (2014-08-15 02:49)


kroyagi
お返事有難うございます、まさか私と同じ6Aを所有の方がいらっしゃり再生に取り組もうとしているとは、また私もサブとしてJBL S-101改を使用しているので偶然とはいえ縁を感じます。
早速MT Audio Designに問い合わせてみますありがとうございました。
今後も問い合わせる事が有るかもしれませんが宜しくお願いします。
by kroyagi (2014-08-17 17:37)

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-12-11


http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/697.html#c104

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