安倍政権の防衛政策を糾弾し続ける東京新聞を評価する
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2018-11-13 天木直人のブログ
消費税増税に踏み切る安倍首相のどこが問題か。 それは、すべてにおいて問題であるが、やはり何といっても増税が国防費に使われる事だ。 この観点に立って、東京新聞はこのところ毎日のように安倍政権の防衛政策の誤りを一面トップで追及し続けている。 素晴らしい姿勢だ。 そして、きょう11月13日から始まる「税を追う 歯止めなき防衛費」という連載もその一つだ。 官邸主導でどんどんと攻撃的兵器が選定されているという。 専守防衛はなどすっかりかすんでしまったという。 ここまでは私も知っていた。 しかし、私が驚いたのは、そんな重要な政策決定が、自民党の国防部会を無視して、「敵にやられっぱなしで、守るしかないでは良くない。攻撃的な技術をやったほうがいい」という安倍首相の一声で、国家安全保障局と防衛省が決めているという現実だ。 「いくらか分からないのに、われわれが予算承認しなければならないのはおかしい。国民の税金だということを考えろ」 こんな言葉が、野党からではなく、自民党本部で開かれた国防部会の場で口々に出たというから驚きだ。 かつて私は国防予算を決める内閣安全保障会議に外務省から出向していた事がある。 1990年ごろの話だ。 その時は、いや、それまでずっと、防衛予算は各省が協議して決めたものを政府が了承するというセレモニーの場だった。 その内閣安全保障会議が、今国家安全保障局となって、安倍首相の私的機関のごとくなってしまっている。 これはシビリアンコントロールの逸脱だ。 自衛隊のトップである安倍首相自身がシビリアンコントロールを逸脱してるということだ。 安倍首相自身が憲法9条違反をおかしているのである。 本来なら即刻、内閣総辞職ものである。 おりから安倍政権は12月に、防衛力の在り方を示す「防衛計画の大綱(防衛大綱)」を5年ぶりに改定する。 年末には閣議決定される(11月13日朝日新聞)。 国民不在、野党不在で、日本がどんどんと軍事大国になっていくという事である(了) <税を追う>(1)かすむ専守防衛 官邸主導で攻撃兵器選定 http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201811/CK2018111302000149.html 2018年11月13日 東京新聞 安倍晋三首相(右)と国家安全保障局の谷内正太郎局長(コラージュ) 「いくらか分からないのに、われわれが予算承認しなければならないのはおかしい。国民の税金だということを考えろ」 昨年十二月、自民党本部で開かれた国防部会。数日前に小野寺五典(いつのり)防衛相(当時)が導入を発表した、三種類の長距離巡航ミサイルの単価を答えない防衛省幹部に、議員らが口々に怒りをぶちまけた。 戦闘機F15に搭載する米国製の「JASSM(ジャズム)」と「LRASM(ロラズム)」は射程が九百キロと長く、日本海から発射しても北朝鮮に到達する。F35に搭載するノルウェー製の「JSM(ジェイエスエム)」の射程は五百キロで、最新鋭のF35はレーダーに映りにくい。 昨年八月の防衛予算の概算要求には入っていなかったが、同年十一月のトランプ米大統領の来日後、与党議員への説明もそこそこに導入が発表され、国防族の怒りを買った。 戦闘機から発射される巡航ミサイルJASSMのイメージ図=米ロッキード・マーチン社のHPから 荒れる国防部会。「予算を簡単にもらえると思うなよ。NSCとの関係はどうなんだ。説明しろ」。不満の矛先は、安倍政権で発足した国家安全保障会議(NSC)にも向けられた。 NSCは二〇一三年十二月、首相、官房長官、外相、防衛相を中心に組織された。翌年一月、実動部隊の国家安全保障局(NSS)が内閣官房に置かれると、防衛省からの積み上げで決まってきた兵器選定の主導権は事実上官邸に移った。 巡航ミサイルは相手ミサイルの射程圏外から攻撃でき、離れてにらみ合うという意味から「スタンド・オフ・ミサイル」とも呼ばれる。防衛省は「離島やイージス艦などを防衛するため」と強調するが、敵基地攻撃が可能なため、これまでの政権は専守防衛の観点から導入に慎重だった。 元航空自衛隊空将の織田(おりた)邦男氏は「スタンド・オフ・ミサイルの導入は(自民党と旧社会党の)五五年体制なら絶対無理だった。それを軽々と超えてしまうのは、NSSができたメリットだと思う」と語る。 NSSには防衛、外務、警察の各省庁を中心に約七十人が出向する。元外務次官の谷内(やち)正太郎局長を外務、防衛出身の二人の次長が支える。発足後、兵器調達面でも防衛政策が目に見える形で変化してきた。 本年度四十六億円の研究費がついた「高速滑空弾」や来年度にはエンジンの研究に六十四億円を要求している「極(ごく)超音速ミサイル」は、「いずれも攻撃的兵器と見なされる可能性が高いとして、机上の研究にとどまっていた」。防衛省で航空機開発を担当した元空将の山崎剛美(たかよし)氏はそう話す。 政策の転換は米国の望むところだ。米国務省の元高官は「日本は集団的自衛権を行使できるようになり真のパートナーになった。以前は日本が巡航ミサイルを導入するなんて想像できなかった」と喜ぶ。 NSSのある幹部は「総理や官邸の話を聞きながら防衛省が出す選択肢を示して、日本の安保や外交政策の中で、どれがいいかを考えていくだけだ」と官邸主導の兵器選定を否定した。だが、防衛省の幹部が内情を明かした。 「総理は『敵にやられっぱなしで、日本が守るしかないでは良くない。攻撃的な技術をやった方がいい』という考えだと周囲は受け止めている。NSSで『総理の意』をくんだ議論を重ね、防衛省に提示させたんだ」 ◇ 安倍政権で初めて五兆円を突破し、増大し続ける防衛費。官邸主導で米国から高額兵器を次々と輸入、攻撃型ミサイルの導入計画も進める。聖域化する予算の流れを追い、専守防衛を逸脱するかのように、米軍との一体化を急激に進める政権の内実を報告する。 (この連載は鷲野史彦、原昌志、中沢誠、望月衣塑子、藤川大樹が担当します)
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