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[国際17] トランプ氏のホテル、首都に開業後2カ月で120万ドル近い損失〜憲法違反も トランプの地方都市労働者の保護策、農家置き去り
トランプ氏のホテル、首都に開業後2カ月で120万ドル近い損失

Ben Brody、Caleb Melby
2017年1月25日 10:17 JST
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「トランプフィーバー」終了、円は対ドル100円突破も−榊原元財務官
日本生命社長:米利上げで外債妙味増す、トランプ政権の円高警戒
利益相反を指摘する民主党下院議員4人が書簡公開で財務状況明かす
一般調達局からの情報を引用、連邦政府とのリース契約に違反と主張
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ドナルド・トランプ氏が米大統領当選前に首都ワシントンに開業したトランプ・インターナショナル・ホテルは、当初2カ月に120万ドル(約1億3700万円)近い損失を出した。民主党下院議員4人が23日公開した書簡で明らかになった。議員らはトランプ氏が連邦政府とのリース契約に違反していると主張している。
  同日付の書簡によると、トランプ氏の企業は昨年9月と10月について、純利益39万7000ドルを予想していた。議員らは米一般調達局(GSA)からの情報を、追加情報を求めてGSAに宛てた書簡の中で引用した。同年11月8日の米大統領選前には、トランプ氏が民主党候補ヒラリー・クリントン氏に後れを取っていたことから同ホテルの営業は苦しいとの見方をアナリストらは示していた。
  トランプ・オーガニゼーションの法務顧問、アラン・ガーテン氏はコメントを求める要請に返答しなかった。 ホテル側の広報担当者ジェニファー・ロッドストロム氏とスパイサー大統領報道官もコメントしなかった。
  トランプ・インターナショナル・ホテルは、GSAからリースした歴史的建造物「オールド・ポスト・オフィス」を改装して開業した。書簡にはトランプ氏当選後の財務データは含まれていないが、ホテル稼働率は高めとなっている。
  書簡を公開した民主党議員らは「トランプ氏が当選したことで大幅に増えるホテル収入から利益を得る可能性は、われわれが数カ月前から示している利益相反の深刻な懸念を浮き彫りにするものだ」としたほか、外交官らがイベントでホテルを利用することにも触れ、米当局者に外国政府からの金銭受け取りを禁止する米憲法条項に違反する可能性も指摘した。
原題:Trump Lost $1.2 Million at Hotel He Should Sell, Democrats Say(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-25/OK9Z356TTDS001


 

トランプ米大統領が推進する地方都市労働者の保護策、農家は置き去り
Shannon Pettypiece、Alan Bjerga
2017年1月25日 11:49 JST 
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TPP離脱で農業界の貿易推進派支持者が失望
農業界は依然、規制緩和と新たな貿易協定を望んでいる

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/i_NVQM5sxmCI/v2/-1x-1.png

トランプ米大統領は米国の地方都市の労働者に打撃を与えるとして通商協定に反対する政策を推進しているが、こうした政策は、地方のもう一つの支持層を失望させている。それは規制緩和と関税引き下げを期待し、同大統領を熱心に支持してきた農家や牧場経営者たちだ。
  トランプ大統領は23日、環太平洋連携協定(TPP)からの離脱を決定した。TPPが発効すれば関税が引き下げられ、米国と他の11カ国との経済連携が強まる可能性があった。米国最大の農業団体、米国農業連合会によれば、TPP離脱に伴って米農業界が被る潜在的な売上高の損失は年間で最大44億ドル(約5000億円)に達する見通しだ。
  トランプ大統領が「災難」と呼んだ北米自由貿易協定(NAFTA)に関する協議の再開と、月内に予定されているメキシコ大統領との会談で提案される計画は、米国の貿易の中で純黒字となっている数少ないセクターの一つである農業にさらに大きな打撃を与えるリスクがある。
  アイオワ州中部の4000エーカーの農地で大豆とトウモロコシを栽培するロン・ヘック氏は「次の展開について不安で心配している。トランプ大統領は製造業に懸念を抱いており、軽率に今回の動きに出たわけではないことは分かっているが、今はより良い合意に向けた交渉が可能か成り行きを見守る必要がある」と述べた。

  米農務省の昨年11月の発表によれば、米国のトウモロコシや綿花、大豆などの農産物の2016年10月−17年9月の輸出額は推計1340億ドル。米国の農産物の輸出先上位3カ国は中国、カナダ、メキシコとなっている。米国の農業所得は既に3年連続で減少しており、1977年以降で最長の落ち込みを示している。
原題:Trump’s Push to Protect Small-Town Workers Leaves Farmers Behind(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-25/OKBB9W6S972E01
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/526.html

[経世済民118] 「トランプフィーバー」終了、円は対ドル100円突破も−榊原元財務官  さよなら緩和期待、こんにちは利上、当面無風−日銀
「トランプフィーバー」終了、円は対ドル100円突破も−榊原元財務官
野沢茂樹、Kevin Buckland
2017年1月25日 00:00 JST 更新日時 2017年1月25日 11:15 JST

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トランプ政権はドル安志向、雇用・輸出に好都合
ムニューチン氏の強いドル発言は「補足的」な位置づけ

「トランプフィーバー」は終わる−。榊原英資元財務官は、ドナルド・トランプ米大統領が約束した景気刺激策の効果は高過ぎる期待に届かず、政権のドル安志向や米欧政治の不透明感を背景に、円高・ドル安基調が再び強まるとみている。
  ミスター円の異名を取る榊原氏(75)は23日のインタビューで、「米国内の雇用を重視するトランプ政権の立場から言えば輸出促進が重要になってくるし、輸出を促すにはドル安の方が好都合だ」と指摘。それでも新政権が目指す年4%の経済成長は「とても無理」で、2−2.5%に落ち着くと予想している。利上げも年内「せいぜい2回程度」にとどまり、米国債利回りの上昇も限られることがドル安要因になると言う。
  トランプフィーバーをめぐっての円の対ドル相場は、米大統領選直後の高値101円台から昨年12月半ばに118円66銭と約10カ月半ぶりの水準に下げた。だが、今年に入ってからの相場は徐々に円高基調を強めている。今週24日には112円53銭まで反発した。榊原氏は昨年6月に100円突破した時を含め、年初からの円高進行も予想していた。9月下旬にはトランプ氏勝利の確率が「50%近くある」と述べ、当選を受けた11月のインタビューではトランプ政権は「恐らくドル安政策だ」との見方を示していた。
https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/ikryJahCtTN8/v2/-1x-1.png

  円相場の見通しについて、榊原氏は「すでに1ドル=110円を目指す展開になっている。105−110円のレンジへ移り、105円、100円の方向に行く」と読む。「やや極端かもしれないが、今年末から来年にかけて100円を切ることがあり得る」と予想。足元の円高がトランプ政権の減税やインフラ投資、米企業の国内回帰などを織り込んだドル高局面の調整にすぎないという市場予想とは対照的に、緩やかな円高・ドル安基調を見込んでいる。
  トランプ大統領は就任演説で「アメリカファースト」(米国第一主義)を掲げ、「米国製品を買い、米国人を雇う」のがルールだと言明した。今週は自由貿易を推進する環太平洋連携協定(TPP)から離脱するための大統領令に署名。メキシコ、カナダとの北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉に向けても作業中だ。実業界首脳に対しては、雇用を米国外に移転する企業には「極めて大型」の国境税を課すと警告した。
  榊原氏は、トランプ氏の保護主義的な発言を受けてドル相場が下げる中で次期米財務長官のスティーブン・ムニューチン氏が「強いドル」政策に言及したのは「新政権は短期的には輸出や雇用に有利なドル安志向だが、あまりにもドル安になり過ぎるのは困るということだ」と分析。「ルービン氏以来の『強いドルは国益』という基本方針はそれほど変わっていないと補足的に言及した」にすぎないと解釈している。
  トランプ氏は先週、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、強いドルが米企業の競争力に「致命的」になっていると指摘した。ムニューチン氏は直後に米議会公聴会で、強いドルは長期的に重要だが、現時点で「とても、とても強い」と発言。米上院議員への書簡では「過度に強いドル」が米経済に短期的にマイナスの影響を与える恐れがあるとの見解を示した。
  榊原氏は、「クリントン政権の発足時は異常な状況で、みなアーカンソー州から来た田舎者の政権だった」と振り返る。一方、トランプ政権では「市場をよく知る人材が最初から枢要なポストを占めており、米ゴールドマン・サックス・グループの幹部と軍人の政権だ」と指摘。「経済政策が大きく乱高下することはないだろう。保護貿易的な動きはあっても、米国自身への悪影響を考慮し、それほど極端なことはやらない」とみる。

  為替政策に関しては、オバマ政権からトランプ政権になっても為替介入は難しく、可能となるのは「85円−95円の間」で変わらないというのが榊原氏の見方だ。「介入は対ドルなら米国の合意が必要だ。無理矢理やっても効果がない。米国が過度のドル安を受け、日本とある種の危機感を共有しないとできない」と説明。「90円を上回る可能性が出てきた時」がそのタイミングだと読む。自身は1995年から「かなり介入したが、当時は日本が円高に、米国はドル安に危機感を抱いていた」と振り返った。
  榊原氏は、安倍晋三首相とトランプ大統領の相性について、「個人的な関係ができており、二人ともやや右寄りなので方向性が合う」と分析。米国第一主義のトランプ大統領に対し、「首相も『ジャパンファースト』を訴えれば良い。国内の経済成長を重視するので過度な円高は困ると言えるだろう。どの水準で両国が一致するか。首脳同士でも、財務省同士でも話し合うことが望ましい」と話した。
  トランプ氏の米大統領選勝利以降の世界的な株高・金利上昇・ドル高は、「そろそろ頭打ちになる」ため、ダウ工業株30種平均の2万ドルと日経平均株価の2万円は「結局、達成できず、抜くことは当面ないだろう」と榊原氏はみる。ただ、トランプ政権は「日本にとっては必ずしもマイナスではない。95年ごろと異なり、日米間で経済摩擦などは起こらない。中国に厳しく対処する分、同盟国としての日本の地位は上がってくる」と予想している。
  榊原氏は「世界的な傾向として、グローバル化の時代は終わった。欧州ではBrexit(英国の欧州連合離脱)だけでなく、他国でも政党単位では『統合から分離へ』と歯車が逆転し始めた」と指摘。米国も同じで、世界が大きく変わってきた現象の一つがトランプ氏の登場だとし、各国とも「自国第一主義」でBrexitやイタリアの五つ星運動とトランプ氏の米大統領選勝利は「ほぼ平仄(ひょうそく)が合っている。戦後のグローバル化の時代から再び主権国家の時代に回帰してきている大きな転換期だ」との見方を示した。
  榊原氏が大蔵省の国際金融局長に就任した前の月の1995年4月には、円は対ドルで当時の戦後最高値となる79円75銭を付けていた。同年9月に大蔵省は、米欧との協調介入や米利上げと日銀の利下げなどで100円の大台を回復させている。同氏はアジア経済危機が発生した97年7月からは財務官を務め、国内金融危機を背景に巨額の円買い介入も実施。政府・日銀は75円35銭と最高値を更新した11年10月末の直後に過去最大の円売り・ドル買いを実施したが、それ以降は介入していない。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-24/OK9WOG6S972801

 

 

さよなら緩和期待、こんにちは利上げ観測、当面は無風−日銀サーベイ
日高正裕、ジェームズ・メーガ
2017年1月25日 10:00 JST

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「トランプフィーバー」終了、円は対ドル100円突破も−榊原元財務官
日本生命社長:米利上げで外債妙味増す、トランプ政権の円高警戒
A man passes a puddle reflecting Elizabeth Tower, commonly referred to as Big Ben, and Houses of Parliament in London, U.K. on Tuesday Jan. 17, 2017. The U.K. is likely to pull out of the European Union's single market for goods and services and seek a completely new trading relationship with the bloc, Prime Minister Theresa May will say Tuesday as she sets out her plan for Brexit. Photographer: Luke MacGregor/Bloomberg
英のEU離脱、議会の関与で何が変わるか−交渉結果めぐり国民投票も

黒田総裁任期中に緩和縮小の見方じわり−国債購入や長期金利目標
米欧に不透明さ増し当面は情勢を静観−伊藤忠経済研・武田氏

日本銀行が来週開く金融政策決定会合は、ブルームバーグの事前調査で全員が現状維持を予想した。緩和予想が1人もいなかったのは昨年12月会合に続き2回連続。一方で、今年末から来年初めにかけて物価上昇率が1%に達するとの予想を背景に、長期金利ターゲットの早期引き上げ観測も一部に出始めている。

  30、31両日の決定会合についてエコノミスト42人を対象に18−23日に調査した。追加緩和期待は引き続き後退しており、黒田東彦総裁の任期の2018年4月まで追加緩和はないとの見方が37人(88%)と前回調査(64%)を上回った。

  一方で、黒田総裁の任期中に、長期国債買い入れ増加ペースの年「80兆円」のめどを減額、ないし、めどの公表自体を取りやめると予想したのは24人、長短金利操作の下でターゲットである長期金利(10年物国債金利がゼロ%程度)を引き上げるとの予想は15人と、引き締め方向の見方が徐々に増えている。
  伊藤忠経済研究所の武田淳主席研究員は「トランプ米新政権の始動や英国の欧州連合(EU)離脱など海外情勢の不透明さが増しているため、当面は政策変更を行わず情勢を静観する」とみる。
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  BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「日銀執行部は、長期金利を操作目標に掲げながら長期国債の年間買い入れ額についても指針を示している現在の矛盾を秘めた状態を、いずれ変更したいと考えている」と指摘。「市場環境が落ち着いた状況が続けば、4月にも年間買い入れ額のめど(80兆円程度)を声明文から削除する可能性がある」という。
  一部で浮上している指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れの減額観測については「景気情勢や市場環境が改善していることや、株式市場の価格形成を歪(ゆが)めていることをなどを考えると減額が望ましいが、政治的にセンシティブであることや、市場に出口を意識させて長期金利のコントロールが難しくなるリスクなどを考えると、ETFの減額のみが先行して実施されることはない」と河野氏はみる。

年末から年初にかけ物価1%へ

  長短金利操作について、もう1つのターゲットである短期金利(日銀当座預金のうち政策金利残高に0.1%のマイナス金利を適用)が黒田総裁の任期中に引き上げられるとの見方はごく少数だが、長期金利については引き上げ観測が徐々に強まりつつある。背景には、今年後半から来年初にかけて消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)前年比が1%に達するとの見方が出始めていることがある。

  富士通総研の早川英男エグゼクティブ・フェローは13日、都内で開かれたナウキャスト社の講演会で、「1ドル=110円台が維持され、原油も1バレル=50ドル程度が維持されると、17年度後半の物価上昇率は1%くらいまで上がってくる可能性はある」と指摘した。昨年11月のコアCPIは前年比0.4%低下した。27日に発表される12月分はブルームバーグ調査で0.3%低下とマイナス幅の縮小が予想されている。

  バークレイズ証券の山川哲史チーフエコノミストは「日銀はインフレ率に対する追い風を奇貨として17年度年央にかけ金融緩和を一部修正、実質的に『引き締め』へと転換する」と予想。市場における国債不足など技術的な要因もあり、7−9月にかけて「意図せざる減額を余儀なくされる」一方、長期金利は「市場における金利上昇圧力を『追認』する形で目標金利水準を限界的に引き上げる可能性が高い」という。

黒田総裁は腰が重いか

  みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケットエコノミストは「過度な円高や円安が進んでいなければ、コアCPIの1%乗せが見えてくる秋口に長期金利の『ゼロ%』ペッグを引き上げる可能性はある」とみる。一方で、「仮に、米通貨政策によるドル高けん制が強まり、過度な円高が進んでいれば、これを引き上げるチャンスは到来しないだろう」と予想する。
  SMBCフレンド証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストは「トランプノミクスの具体化を踏まえ、米連邦準備制度理事会(FRB)があと2回利上げを実施、米10年債の3.0%超え、かつ日本のコアCPIが1%台に定着した場合には長短金利操作の変更を検討か」という。
  東短リサーチの加藤出チーフエコノミストは「黒田総裁は基本的に円安誘導を重視し続けると思われ、10年金利引き上げにはなかなか腰が重いのでないか」という。それでも、「FRBが国債とMBS(モーゲージ担保証券)の再投資を減額し始め、米国の長期金利上昇が日本に波及、かつコアCPIが1%台に乗るようになれば、ビハインド・ザ・カーブ的に10年金利を引き上げる可能性が出てくる」とみる。

為替次第では再び追加緩和も

  追加緩和観測は遠のいているが、為替相場の展開次第で再び頭をもたげてくる可能性もある。ドル円相場はトランプ米大統領や新閣僚の発言などで振れており、24日朝方に一時1ドル=112円53銭と昨年11月30日以来のドル安円高水準を付けた。
  信州大学の真壁昭夫経済学部教授は「企業がドル高に耐え切れなくなった段階で、トランプ大統領の政策が行き詰まると、市場は失望し、リスク資産には調整圧力がかかるだろう。これがリスクオフにつながり円高圧力を高める可能性がある」と指摘。その場合は「国内の景気減速懸念から長期金利のペッグ水準の引き下げなど、何らかの緩和措置が必要になる可能性がある」とみている。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-25/OK9KRT6TTDS201

 


次期米財務長官はFRBの独立性支持−改革優先ではないと示唆
Craig Torres、Saleha Mohsin
2017年1月25日 06:05 JST 更新日時 2017年1月25日 09:34 JST

ムニューチン氏は近年のFRBの透明性拡大を支持
下院共和党はFRBの政策行動の監視強化を目指している

ムニューチン次期米財務長官は連邦準備制度理事会(FRB)への監査を求める共和党の動きには加わらないようだ。
  ムニューチン氏は19日の指名承認公聴会の後に上院議員から「FRB決定の政治化と独立した中央銀行の利益」に関して書面で質問を受けた。
  同氏は「FRBは十分な独立性を持って金融政策と公開市場操作を遂行するように組織されている。私は近年のFRBの透明性拡大を支持する」と回答した。
  同氏はこの回答で、2015年に下院共和党が提出したものの法制化されなかった「連邦準備制度に対する監督改革および近代化法」と銘打った法案などの支持に傾かない姿勢をにじませた。同法案は金融政策決定について議会の監視を強める内容だった。
  トランプ大統領は選挙戦で、FRBが政治的な役割を演じていると批判し、独立機関としての正当性に異議を唱えたほか、オバマ政権のために低金利政策を維持していると指摘していた。
  ライトソンICAPのチーフエコノミスト、ルー・クランドール氏はムニューチン氏の発言について、「FRBの独立性に関する現時点の詳細全てではないとしても、原則を支持していることは確かだ」と述べ、「ムニューチン氏は現段階で波風を立てたくはないようだ」との見方を示した。
  
原題:Mnuchin Backs Fed Independence and Signals Reform Isn’t Priority(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-24/OKAYLI6JIJUO01


 

 


豪州:10−12月のコアインフレ、前期比0.4%上昇−予想下回る
Michael Heath
2017年1月25日 10:10 JST 更新日時 2017年1月25日 11:06 JST

統計発表後に豪ドルは下落
たばこや燃料価格が上昇、旅行コストや飲料は下げる

オーストラリアの昨年10ー12月(第4四半期)の消費者物価指数(CPI)は、コアインフレを示すトリム平均の伸びが市場予想を下回った。豪ドルは下落した。
  25日の発表によれば、10ー12月期のトリム平均は前期比0.4%上昇と、伸び率は市場予想の0.5%を下回った。全体のCPIは0.5%上昇(予想0.7%上昇)。もう一つのコアインフレ指標であるCPI加重中央値は0.4%上昇(同0.5%上昇)。
  前年同期比では、全体のCPIは1.5%上昇(同1.6%上昇)。CPIトリム平均は1.6%上昇と、予想と一致した。CPI加重中央値は1.5%上昇(同1.4%上昇)。
  豪ドルはシドニー時間午前11時55分(日本時間同9時55分)現在、1豪ドル=0.7562米ドル。統計発表前は0.7591米ドルだった。
  前年同期比の消費者物価上昇率はオーストラリア準備銀行(中央銀行)が目標とする2ー3%を下回っているものの、ロウ総裁は東海岸の住宅価格のさらなる高騰を回避するため、物価の伸び鈍化を容認する可能性を示唆している。同総裁の追加利下げを避けたいとの考えを後押ししているのは、失業率が1年近く6%未満で推移し、主要商品価格が予想外に上昇していることだ。
  たばこ価格は前期比7.4%上昇し、自動車燃料コストは6.7%上昇。一方、海外旅行・宿泊コストは2.6%低下し、清涼飲料やジュースの価格は3.2%下げた。
原題:Australian Consumer Prices Rise Less Than Forecast; Aussie Drops(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-25/OKB98T6JIJUO01

 


韓国経済、昨年10−12月は約1年ぶり低成長−政治的混乱響く 16年の成長率は2.7%
Jiyeun Lee、Kanga Kong
2017年1月25日 08:37 JST 更新日時 2017年1月25日 09:41 JST
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「トランプフィーバー」終了、円は対ドル100円突破も−榊原元財務官
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10−12月GDPは前期比0.4%増、市場予想上回る
前年同期比の伸び率は2.3%、16年の成長率は2.7%

韓国の2016年10−12月(第4四半期)の経済成長率は過去1年余りで最も低い水準となった。弾劾訴追案が可決され職務停止となった朴槿恵大統領やサムスン・グループなどの財閥をめぐる政治スキャンダルが消費者の信頼感と支出に悪影響を与えた。政府が家計債務と一部地域で過熱している不動産市場に対する抑制措置を講じたことで、建設投資が減少した。
  韓国銀行(中央銀行)が25日発表した10−12月期の国内総生産(GDP)速報値は前期比0.4%増加。7−9月(第3四半期)は0.6%増だった。市場予想では0.3%増が見込まれていた。前年同期比の伸び率は2.3%(市場予想は2.2%)。 

  16年の成長率は2.7%と、韓国銀行(中央銀行)の見通しと一致した。

  韓国の経済成長は圧迫されている。朴大統領の先行きは依然不透明で、米トランプ政権の登場で世界的な貿易障壁が高くなりそうだ。韓国中銀は今月に入り17年の成長率見通しを従来の2.8%から2.5%に下方修正した。李柱烈総裁は消費が鈍化する見通しだとしている。1月の消費者信頼感指数は3カ月連続で低下し、約8年ぶりの低水準。ただ、債務の対GDP比率が40%程度にとどまっていることや、さらなる財政出動の余地があることは韓国にとって明るい兆しだ。韓国中銀も、必要なら現在1.25%の政策金利をさらに引き下げることが可能だ。
  10−12月期の個人消費は前期比0.2%増。政府支出は0.5%増えた。一方、建設投資は1.7%減少し、GDPに0.3ポイントのマイナス寄与となった。インフラ投資は6.3%増加し、GDPへの寄与度は0.5ポイントと、成長押し上げに最も大きく貢献した。 
原題:Korea’s Growth Slows in Fourth Quarter Amid Political Turmoil(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-24/OKB4QR6JTSEA01
http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/292.html

[国際17] 米国に麻薬密売人を流入させているメキシコ、大統領が壁ではなく懸け橋を求める AU資本流出懸念 債務長期サイクルはまだ生き
米国に麻薬密売人を流入させているメキシコ、大統領が壁ではなく懸け橋を求める
2017年1月24日



1月20日にドナルド・トランプ氏がアメリカ大統領に就任し、今後周辺国に対してどのような姿勢で外交に臨んでゆくのかが注目されているが、もっとも厳しい立場に立たされているのがメキシコである。
アメリカとメキシコの貿易摩擦
トランプ大統領のメキシコ批判には複数の側面がある。先ず第一に挙げられるのは貿易摩擦である。アメリカとメキシコの二国間経常収支は500億ドルでメキシコの貿易黒字となっており、これはメキシコのGDPの4%程度を占めている。メキシコ経済はかなりの程度アメリカの消費に依存しているのである。
この状況はメキシコに工場を作って製品を生産し、それを隣のアメリカに輸出しようとするグローバル企業によって加速している。トランプ大統領はGeneral Motorsなどアメリカの自動車産業のこうした動きを、アメリカから雇用を流出させるものとして選挙中から批判してきた。一方でFordなどはトランプ氏の発言に反応してアメリカに生産拠点を戻すと表明し、トランプ大統領は感謝の言葉を送っている。
トランプ大統領はこの貿易摩擦を解消しようとしている。これはメキシコ側からすれば大問題である。貿易摩擦が消えてしまえば、メキシコのGDPがそれだけで4%も下がってしまうことになる。メキシコの通貨であるペソは、こうしたアメリカからの資金流入が停滞する恐れを受け、大統領選挙後に20%ほど暴落している。以下はドルペソのチャート(上方向がドル高ペソ安)である。

著名投資家のジム・ロジャーズ氏などは保護貿易はすべての国にとってマイナスとなると繰り返し警告している。優れた事業家であるトランプ大統領はそれを当然理解しているだろう。それでもトランプ氏が強気でいられる根拠は、アメリカの貿易赤字である。
アメリカはメキシコ、日本、中国などの国に対して貿易赤字を抱えている。保護貿易は相手国のみならずアメリカにもダメージを与えるだろうが、しかし損害が大きいのは輸出して資金を得ている側、つまり貿易黒字となっている側である。
したがって保護貿易を回避するインセンティブは、アメリカよりもメキシコ、日本、中国の側の方に大きいということになる。だから交渉の場にさえ引き込んでしまえば、その結果がどうなろうとも、アメリカの方に有利な交渉結果になるとトランプ氏は踏んでいるのである。
投資家はトランプ氏が優れた不動産投資家であるという事実を忘れてはならない。高い収益を生むホテルやビルを買収するためには既存のオーナーと話を付けなければならず、彼はそうした交渉を何十年も日常としてきたのである。彼は交渉のプロであり、メディアが言うようなただの馬鹿ではない。投資家はその事実を忘れるべきではないだろう。
一方で、いまだに「トランプ大統領にTPPの重要性を訴えかけていく」と的外れの主張をしている安倍首相や、「メキシコに工場を作る計画は見直さない」とわざわざメディアの前で不要な発言をしたトヨタ自動車の豊田章男社長は、ただの馬鹿である。日本人の交渉能力は致命的である。以下の記事で取り上げた通り、日本政府はBrexitの際にも馬鹿なことを言っていた。
• ソフトバンクのARM買収は日本がイギリス人に的確に恩を売った稀有な外交例
彼らはこうした発言が一体何をどのように前進させるのか、考えてみると良いのである。
メキシコの対応
さて、矢面に立たされているメキシコだが、メキシコ大統領のペニャ・ニエト大統領はトランプ政権のこうした姿勢に対し、「対立も服従もしない、解決策は対話と交渉にある」(AFP)として、理性的な対応を継続してゆく姿勢を表明した。
メキシコ政府はアメリカ大統領選挙の頃からトランプ氏に批判されており、難しい対応を迫られてきたが、一貫して理性的な解決を目指すとの我慢強い姿勢を示している。何しろ対応を間違えれば自国のGDPが4%分飛ぶのだから、メキシコ政府も必死である。
しかしトランプ大統領が問題としているのは貿易赤字だけではない。トランプ氏は選挙時より、アメリカと国境を接するメキシコから麻薬密売人を含む犯罪者が流入してきていると指摘しており、アメリカとメキシコの間に壁を作ると発言して話題となった。しかもトランプ氏はこの壁の建設費用をメキシコ政府に負担させると公約している。
一部の(あるいは大半の)リベラルメディアはこの問題を人種差別の問題と混同しているが、これは純粋に国家の安全保障の話である。犯罪者の流入を止めることが国家の役割でないと言うのであれば、一体安全保障とは何の事だと言うのだろうか。
しかし、この問題に対してメキシコ大統領は「メキシコはいかなる主権国家に対しても自国の安全保障の権利を認めるとはいえ、わが国が信じるのは壁ではなく、懸け橋だ」とピントのずれた発言をしている。
この問題を日本人の読者にも分かりやすい例えで言うならば、仮に例えば近隣国である中国か朝鮮半島から大量の犯罪者が船で日本列島に押し寄せてきたと仮定しよう。日本政府はそうした現状に対し向こうの政府に抗議するが、向こうは「では壁ではなく懸け橋を作りましょう」と提案してきたとする。
彼らは言葉を理解出来ないのだろうか? アメリカとメキシコの国境の現状とはそういうものである。もはや日本人には意味が分からないが、現在の欧米ではこのような意味の分からない理屈が当たり前のものとして跋扈している。
• 大晦日に移民が集団でヨーロッパ人女性に性的暴行、ドイツ、スイス、フィンランドで
• パリ同時多発テロの犠牲者130人はドイツが殺した
そしてこうした風潮に反対しようものならば、以下の記事で引用したように、ヒラリー・クリントン氏のような人間に屑呼ばわりされるわけである。
• ジョージ・ソロス氏、支配階級の集まるダボスでトランプ大統領を独裁と批判
一般的に言って、トランプ支持者の半分は屑の集まりだと呼べる人々だろう。人種差別主義者、性差別主義者、同性愛嫌悪、外国人嫌悪、イスラム嫌悪など何とでも呼べる。
しかし人々は着実にこの偽善に気付きつつある。イギリスがEUを離脱し、アメリカはトランプ氏を大統領に選んだ。次に注目されるのはフランスとイタリアの総選挙である。この二国のどちらかでもEUかユーロ圏から離脱することがあれば、統一ヨーロッパは終わりである。
• イタリア改憲国民投票否決はユーロ圏離脱の始まり
欧米の政治情勢については今後も報じてゆく。
関連記事:
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3. 12月FOMC会合結果速報: 米国は利上げを決定、金利正常化へ
4. 3月の米国FOMCは利上げなし、結果発表後の世界の金融市場チャートを見る
5. ガントラック氏: ドルは下落する、金利上昇は限界、金価格は短期的に上昇する

http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/5311

 

トランプ減税でオーストラリアが米国への資本流出を懸念
2017年1月23日



世界最大のヘッジファンド、Bridgewater創業者のレイ・ダリオ氏は、トランプ政権による減税や規制緩和で世界中の資金がアメリカに向かうとしている。
• 世界最大のヘッジファンド: トランプ相場で株価上昇は完全に論理的
これは減税を理由にアメリカで事業を立ち上げようと思う人口の少ない日本人には分かりづらい感覚かもしれない。しかし、同じ英語圏でアメリカへの移住が現実的な選択肢となるオーストラリアでは、実際に資本と人材の流出懸念が議論されている。
オーストラリアとトランプ政権
ダリオ氏の言う世界からのアメリカへの資金流入というシナリオをより具体的に理解するためには、アメリカへの資本逃避が実際に現実となりつつある国の状況を知ることが一番だろう。オーストラリアの新聞であるThe Australianの記事(原文英語)はこう語っている。

トランプは法人税を35%から15%に下げようとしている。所得税の上限は25%となり、一人あたり25,000ドルまでの収入は税控除される。これが実現する時、すぐにそうなるだろうが、多くのオーストラリア人は資本を向こうに持ち出すだろう。
オーストラリアには中小企業を経営し、あるいは資産を持っている人々が大勢おり、彼らは雇用を創出し、住宅価格を押し上げ、オーストラリア経済を支えているわけだが、彼らにはオーストラリアに留まる必要はないのだ。

因みにオーストラリアの法人税は30%であり、これは他の先進国と比べても高い水準である。
考えてみてもらいたいのだが、英語を母国語とするオーストラリア人がキャンベラからシドニーへと移るのと、あるいはニューヨークへと移るのとでは、日本人が考える住所変更と海外移住ほどの差はないのである。
ある程度の文化の違いは当然あるのだが、しかし言語は問題なく通じる環境であり、生活するために不自由するほどの差ではない。それでも母国である程度生活したいと思う企業家には、The Australianは以下のような提案をしている。

あるいは、彼らは年に半年ほどはオーストラリアで生活するかもしれないが、ビジネスは向こうで行うだろう。オーストラリア国内のビジネスは、精々彼らのアメリカでのビジネスの子会社となる。

これが事業を行う国を自由に選べる企業家に可能な選択なのである。この感覚が分からなければ、ダリオ氏の言うアメリカへの資本逃避の本質は具体的には理解出来ないだろう。
グローバルな企業家が事業を行う国をどのように選んでゆくのかという点については、以下の記事で解説した。
• グローバルビジネスにおけるタックスヘイブンの使い方
多くの日本人はある意味で日本国内に閉じ込められているのであり、国内しか選択肢がないゆえに税制や規制の面で自分勝手な日本の政治家の言いなりにならなければならないのである。しかしより多くの選択肢を持った日本人は、政治の欺瞞に対抗することが出来るだろう。財務省やOECDの言いなりになる必要はないのである。
• イギリスのEU離脱でOECDと財務省が化けの皮を剥がされる
日本の法人税
ちなみに、トランプ政権の大幅な法人減税にもかかわらず、米国への資本逃避懸念が一切議論されていない日本では、その状況そのものが経団連の言う法人減税の必要性、つまり他国の低い税率に合わせて法人税を下げなければ事業が海外に流出するという主張が自分勝手な欺瞞であることを示している。
低い法人税を理由に海外で事業を行える日本のビジネスマンなどほとんど存在しない。法人減税は単に、社内政治の他にほとんど取り柄のない役員連中の集まりである経団連が、より高い役員報酬を得るためだけに自民党と結託しているだけの話なのである。
以下の記事で書いた通り、日本の経済政策はマクロ経済学とは一切関係がなく、法人減税を望む経団連と消費増税を望む財務省の談合によって決まっている。自民党とは談合のためのシステムである。
• 日本経済はこうすれば復活する: 自民党が絶対に実行しない経済政策
日本は法人増税と消費税撤廃を行うべきであり、上記の記事で書いた論理を否定出来る日本の政治家など誰一人としていないだろう。しかし、日本の政治が日本国民のために行われることはない。それはもう何十年も変わっていないのである。
関連記事:
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http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/5298


 

世界最大のヘッジファンド: 債務の長期サイクルはまだ生きている、金融政策と財政政策は大して効かない
2017年1月20日



• 世界最大のヘッジファンド: トランプ相場で株価上昇は完全に論理的
前回に引き続き、世界経済フォーラム(通称ダボス会議)におけるBridgewater創業者レイ・ダリオ氏の発言を追ってゆく。恐らく今回のものが一番重要な発言だろう。
債務の長期サイクルは生きている
2016年、トランプ氏が大統領選挙で勝利する前まで、著名ファンドマネージャーらは先進国経済が恒常的な低成長トレンドに陥っているという認識で一致していた。経済学者ラリー・サマーズ氏はこれを長期停滞と呼び、ダリオ氏は債務の長期サイクルが終焉を迎えつつあると表現した。
• 元米国財務長官ラリー・サマーズ氏が長期停滞論とは何かを語る
• 世界最大のヘッジファンド運用者による経済入門: レイ・ダリオ氏の「30分で判る経済の仕組み」
しかしトランプ氏が勝利して減税と公共事業を約束すると、投資家達は途端に経済成長を予想し始めた。
• ドラッケンミラー氏が金売却、世界経済に「非常に、非常に強気」
• マクロ経済学の最先端を行くドナルド・トランプ大統領の経済政策
これは何を意味しているのか? 世界経済の長期停滞は終わったのか? これまで経済を支えてきた債務の長期サイクルは限界を迎えつつあったが、それが急に力を取り戻したのか? ダリオ氏はそうではないと主張する。

債務の長期サイクルは支配的なトレンドだ。それは今でもそうだ。だからトランプ氏が出来ることは限られている。しかし、彼は少なくとも消費者や企業のアニマルスピリットを喚起する手段があることに気付いた。これは想定されていたよりも明るい未来だ。しかし実行には絶妙な工夫が必要となる。
アニマルスピリットとは、合理性の観点からでは説明の出来ない経済主体の不合理な心理、行動のことである。ダリオ氏はトランプ氏が大統領に選ばれてからこの単語を好んで使っている。ダリオ氏はこう続ける。
アニマルスピリットを喚起することは可能だ。それは何処から来るか? それは金融政策からではない。金融政策はこれ以上緩和的にはなれない。財政政策からそれを得ることはある程度は可能だろう。税率を変え、支出を増やす。しかし財政収支の問題はあり、大した規模にはならないだろう。
しかし規制緩和は興味深い。アメリカという場所を、金を儲けて資産を築き、事業を行い生産性を向上させるような環境へと変え、人々の関心を得ることが出来れば、海外から資金を呼び寄せることが出来るかもしれない。

これは前回の記事でダリオ氏が予測したような保護主義の結末とも一致している。保護主義の結果、企業はアメリカか中国かの選択を迫られ、ダリオ氏によれば企業はアメリカを選び、結果資金がアメリカに流入するというのである。
アニマルスピリット喚起の限界
しかし同時に、ダリオ氏はトランプ政権に出来ることはそれだけだと言う。トランプ政権はあくまでこれまで経済を支えてきた債務拡大の長期サイクルが限界に達しつつあるなかで出来る限りのことをしなければならないのである。

アニマルスピリットを喚起しても債務の長期サイクルを元に戻すことは出来ない。状況は1930年代に酷似している。1929年から32年まで経済恐慌があり、中央銀行は紙幣を印刷することで対応した。1932年から37年に経済は回復したが、貧富の差は広がり、ポピュリズムが台頭した。

ダリオ氏の言うポピュリズムとは、右派と左派両方のポピュリズムのことである。ダリオ氏は右ならばファシズム、左ならば共産主義のポピュリズムが想定され、極端に走る民衆の傾向は拡大しつつあると言う。
トランプ政権はこうした状況を上手く解決することが出来るだろうか? それはトランプ氏の振る舞い次第だとダリオ氏は言う。

トランプ政権はどういうものになるだろうか? 賢明で思慮深く、計算の出来る政権になるだろうか? 例えば関税の問題はどうなるか? 賢明な形で実行することが出来るだろうか?

ダリオ氏は政権の要職に選ばれているメンバーを見る限り、物事を理解している人々が選ばれている傾向があるとした上で、しかしトランプ政権が「賢明」であることが出来るかどうかを判断するのは時期尚早だとしている。
また、現在の米国株の水準については「程々に魅力的だ、しかし非常に魅力的であるわけではない」とし、「非常に魅力的な資産クラスが他にあるわけでもない」とした。米国株の適正水準については以下の記事で少し触れているので、そちらも参考にしてほしい。
• 実は2012年から全く伸びていない米国企業の純利益
関連記事:
1. 米国利上げ後の相場への影響: 株価、為替、金価格、原油価格はどうなるか? 市場が暴落するのはいつか?
2. 2016年アメリカ経済は減速する: 利上げとドル高の影響、エネルギー価格の推移、賃金の上昇
3. ジム・ロジャーズ氏: 2016年世界同時株安はリーマン・ショックがいまだ続いていることを示している
4. 2016年、日経平均の下落に影響している世界金融市場のチャートの一覧
5. 3月の米国FOMCは利上げなし、結果発表後の世界の金融市場チャートを見る

http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/5273


 
世界最大のヘッジファンド: トランプ相場で株価上昇は完全に論理的
2017年1月20日



2017年の世界経済フォーラム(通称ダボス会議)はぱっとしないイベントとなった。普段ならば世界中の富豪たちがプライベートジェットで集い、シャンパンを片手に「世界の中心にいる自分達が今後どう世界を良くしてゆくか」を語らう豪奢な社交の場だったはずなのだが、イギリスのEU離脱やトランプ大統領の誕生で面目を潰された今年のダボスのエリート達の心象には何処か困惑と気まずさが見受けられた。
そしてエリート達の困惑を作り出した当のトランプ氏はダボスに来ていない。イギリスのGuardian誌はそのような今年のダボスを「ハムレット王子のいない劇ハムレット」(原文英語)と呼んだ。目玉とされた中国の習近平主席の講演も、グローバリズムと中国というトランプ氏に批判された者同士の擦り寄り合い以上のものにはならなかった。中国がグローバリズムに心から共感するはずがないので、それは当然の結果である。
今回の世界経済フォーラムから価値ある発言を拾うとすれば、世界最大のヘッジファンドBridgewater創業者のレイ・ダリオ氏が2017年の相場について述べた発言くらいのものだろう。ということで、前置きが長くなったが、本題に入ってゆきたい。
「株高と金利上昇は完全に論理的」
2017年は非常に難しい相場である。著名投資家の間でも意見が割れている。トランプ相場前の2016年もある意味では難しいものだったが、しかし著名投資家らの意見は方向性としては一致していた。
そのような環境においても世界最大のヘッジファンドを率いるダリオ氏の意見は最も参考になるものの一つであり、今年に入ってからも度々紹介してきたが、ダボス会議でダリオ氏が述べた相場観を紹介してゆきたい。
先ず、トランプ相場で経済成長とインフレを期待して株価が上がり、金利が上昇していることについて、この動きは論理的かと聞かれたダリオ氏は、以下の様に答えた。
完全に論理的、完全に論理的だ。トランプ政権は基本的に既知の政策を行おうとしているだけだ。彼らは税率を変えると言っており、市場はそれを織り込もうとしているのだから、その動きは論理的だ。
トランプ政権は法人税を下げると公約しており、法人税が下がればその分純利益(税引き後)が増えるので、株式にとっては当然プラスである。以前説明した通り、アメリカの企業利益は実は2012年から伸びておらず、米国株が上昇してきたのは別の要因によるものなのだが、そこに利益の増加という正当な要因が加わろうとしているのである。
• 実は2012年から全く伸びていない米国企業の純利益
保護主義の行方
ただ、ダリオ氏は財政政策という古典的な要因だけではなく、よりトランプ政権に固有な側面も指摘する。保護主義である。
トランプ氏は海外に奪われた雇用をアメリカに取り戻すと言っている。矢面に立たされているのは輸出で成長してきた中国と、安い人件費を武器にアメリカの労働者と競争しているメキシコである。
多くの米国企業が賃金の安いメキシコに工場を作って製品をアメリカに輸出しており、トランプ氏はアメリカから雇用が奪われたとしてそうした動きを批判している。
こうした保護主義についてもトランプ氏が何処まで本気なのかと投資家は注意深く見守っているのだが、ダリオ氏はこの保護主義についてやや興味深いことを言っている。
企業家が「何処で事業を行おうか? 中国か、それともアメリカか?」と考えたとする。今や、アメリカの国境はより保護主義的であり、国境の中にはビジネスに友好的な環境がある。トランプ政権が低くすると言っている法人税、そしてアメリカは金儲けをしてもいい環境(訳注:中国の共産主義的な雰囲気と比較しているのだろう)だ。適切な法のルールもあり、財産権もしっかりしている。結果、アメリカは企業家にとって好ましい場所となる。
ダリオ氏はやや言葉を選びながら話していたが、要約すれば、アメリカは中国よりも事業を行う環境として魅力的であり、保護主義の結果ビジネスの誘致で競争することになればアメリカが勝つだろう、ということを言いたいようである。
トランプ相場における中国元安
ダリオ氏の主張が正しければ、その結果は恐らく、ドル高中国元安となるだろう。ドルの金利上昇は既に大量の資金を中国元から米ドルへと流出させたが、アメリカに投資が集まるということは、資金がドルへと吸い寄せられるということである。
以下はドル元(オフショア人民元)のチャートだが、トランプ氏が大統領選で勝利してからドル元相場はドル高に推移しており、その後ややリバウンドしているが、その後の推移が注目されている。

中国経済については著名投資家のジム・ロジャーズ氏がトランプ政権の政策を理由に弱気転換しているが、それは正しいのだろう。ただ、その結果が中国株に出るのか、あるいは為替レートに出るのかという点には考察が必要だろう。
• ジム・ロジャーズ氏: 中国株は忘れてロシア株を買え
ダボス会議で習近平氏がグローバリスト達に擦り寄ろうとしたのも頷ける。アメリカがロシアと和解しようとしている以上、中国としては縋れるものが他にないからである。別に中国とロシアは価値観にそれほどの一致はないのだが、アメリカに敵視された者同士、ある程度協力してきた経緯がある。中国には歴史的に真の友好国がなく、ある程度利害の一致したものと一緒にやってきたのである。
そして今回、中国はダボスで友人探しを試みたということである。グローバリストと中国が奇妙な利害の一致を見出し、そしてアメリカに背を向けられたダボスというのもなかなか見ものである。
ダリオ氏はスター不在のダボスで特に人気の参加者となっていた。彼は他にも現在の株価水準について発言をしていたが、既に長くなったので別の記事で取り上げたい。
関連記事:
1. レイ・ダリオ氏: 年内利上げは深刻な誤りに、そして米国は量的緩和を再開する
2. 2016年半ば、著名ヘッジファンドマネージャーらの相場予想を採点する
3. 世界最大のヘッジファンド運用者による経済入門: レイ・ダリオ氏の「30分で判る経済の仕組み」
4. レイ・ダリオ氏: トランプ政権は消費者や企業のアニマル・スピリットを喚起する
5. トランプ減税でオーストラリアが米国への資本流出を懸念

http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/5261

 
2017年はロシア市場こそがレーガノミクス上げ相場の再来となる
2017年1月18日



2017年、トランプ相場でアメリカの利上げの行方が話題になっており、利上げは資産価格に悪影響を及ぼすため、投資家は警戒しながら米国株の行方を見守っている。利上げは一般的に資産を買う状況として最適ではないが、しかし世界にはその逆を行おうとしている国がある。ロシアである。
トランプ相場はしばしばレーガノミクスと比べられているが、しかし2017年はロシア株の方がレーガノミクスの上げ相場に似ていると言えるだろう。
スタグフレーション後の経済回復
1981年にレーガン大統領が就任した頃のアメリカは、インフレと景気後退が同時に起こるスタグフレーションに悩まされていた。レーガン政権最初の1年はインフレ退治のために政策金利が17%まで上がるほどの状況で、レーガノミクスの減税と投資も高金利の悪影響に対抗出来ず、株価は下落していったが、インフレが収まり金利が下がり始めた瞬間、米国株は長期の上げ相場へと突入してゆく。以下の記事でチャートを添えながら説明した通りである。
• レーガノミクスで減税と公共事業は高金利の悪影響に勝てなかった
そして2017年のロシア経済はまさにそういう状況なのである。ロシア経済はここ数年、原油安と経済制裁の二重苦に苦しんでいた。産油国であるロシアは原油暴落で輸出が減少、しかもクリミア併合後にはアメリカとその同盟国が経済制裁を課したことで、ロシア連邦中央銀行がルーブルを支えきれないとの観測が広まり、ルーブルは暴落した。以下はUSDRUBのチャートで、上方向がドル高ルーブル安である。

ルーブル暴落はロシア経済にとって大打撃となった。輸出物価が高騰したことでロシア内のインフレ率は17%近くまで急上昇し、経済は疲弊した。レーガン政権開始時のアメリカと同じ状況である。
原油反発から始まるロシア経済の回復
しかしながら、原因となった原油暴落は底値から反発した。以下はアメリカのWTI原油価格のチャートである。

原油暴落の原因となった米国シェール産業による供給は死んでいないものの、サウジアラビアを始めとするOPECがある程度結託しているため、2016年始めのような暴落は起こりにくくなったと言えるだろう。
そしてもう一つの原因である経済制裁は、トランプ政権が解除を仄めかしている。
• トランプ氏が対ロシア経済制裁解除を示唆、実現ならルーブル急上昇か
特に原油の反発はロシア経済にプラスの影響を及ぼしており、ルーブルの反発は国内のインフレ率を5%台にまで下落させている。インフレ率が落ち着けば、インフレ退治のために金利を上げていた中央銀行は金利を戻すことが出来る。利下げが始まっているのである。
ロシア連邦中央銀行の動き
ロシア連邦中央銀行の動向を知るためには、政策決定における声明文を引用するのが早いだろう。以下は12月に金利を据え置いた時の声明である。
ロシア連邦銀行は政策金利を10%に維持することを決定した。物価上昇の動向や経済活動は概ね予想通りであり、インフレへの懸念はいくらか和らいだ。消費者物価の上昇は短期的要因の影響もあり緩やかになっているが、インフレ期待の減少はいまだ不安定である。
今回の決定と、やや引き締め的な金融政策が維持されていることを考慮すれば、インフレ率は2017年の後半には目標の4%まで下がるものと思われる。消費者物価上昇率の下落トレンドが定着するにつれて、ロシア連邦中央銀行は2017年の前半に政策金利を切り下げることを考えるだろう。
ちなみに10%がどういう水準かと言えば、先ずはインフレ率と比べてみるのが早いだろう。インフレ率が5-6%程度にまで下落している今、インフレ率を差し引いた実質金利は4-5%ということになる。
しかしロシアの実質経済成長は現在0%であり、実質金利は現状のロシア経済に対してかなり引き締め的であると言えるだろう。
ただ、金利を高く保たなければならなかった理由は物価高騰であり、原油安とルーブル安さえ収まってしまえば、中央銀行は利下げを開始出来る。原油安が再発しなければという想定のもとで考えると、金利は最終的に名目成長率(実質成長率プラスインフレ率)よりやや高い6%程度まで下落すると想定しても行き過ぎではないだろう。
ロシア株の水準は?
そうなればロシア株はどうなるだろうか? 先ず、ロシアの株価指数MICEXは現在2170前後で推移しているが、MICEXの一株あたり利益は220程度であり、これは投資額に対する利回りが10%程度であることを意味する。
その国の株式は一般に他の資産との比較で買われるものである。例えばアメリカでは政策金利が0.5%-0.75%、10年物国債の金利が2.4%、S&P 500の利回りが5%となっている。
ロシアでは短期的なインフレ退治のために政策金利が10%となっているが、10年物国債は利下げを見越して8%となっており、対してMICEXが10%である。
ただ、10年物国債の8%という水準も、インフレ率が5%、経済成長率がほぼゼロという水準に対して高いと言える。物価高騰が収まるという前提に経てば、10年物国債の金利は6%程度まで下落する余地があり、そうなれば株価の水準も切り上がってくると言えるだろう。
ルーブル建て資産の買い
そこで先ず買いとなるのはロシアの10年物国債である。金利低下は債券にとって価格上昇であるので、金利が6%程度にまで落ちてくるまではロシア国債は買いで良いだろう。価格上昇だけでなく、金利も十分に期待できる。
一方でロシア株も魅力的なのだが、長期国債利回りが8%の段階で株式の利回り10%はやや買われすぎの感もある。ロシア株はアメリカ大統領選挙後に上昇しているので、MICEXが1800-1900程度まで下落して価格に対する利回りが上昇するのを待つか、あるいはまだ買われていない個別株を選別して買っていくのが良いだろう。ロシア株には配当が10%を超える優良株がまだごろごろしており、配当を受け取りながら長期で待てる投資家は、短期的な下落を気にする必要もないだろう。
また、ロシアの資産を購入する場合には為替ヘッジを付けずにルーブル建てで購入するのが良いだろう。ルーブルは既に十分に下落しており、利下げによる下落圧力を差し引いても、ロシア経済回復のシナリオが正しければ、上昇に向かうと予想している。
リスク要因
リスクとしては原油が再び下落する可能性と、トランプ政権がアメリカ政府内の反ロシア勢力に押され、親ロシア的政策が取れなくなる可能性が上げられる。
先ず、アメリカのシェール産業がまだ生きている以上、供給が増加して原油価格が再び下落するのは有り得ることである。しかしOPECがある程度は結託している今、また大きく暴落するということは考えづらい。
したがって、投資家は可能ならば原油価格のコールオプションの売り(ある水準より上昇しなければ利益が出る取引)や、あるいはシェール企業の発行するようなジャンク債の空売りなど、市場の状況を見ながら原油下落で利益が出る取引と組み合わせてゆくのが良いだろう。
• オプション取引入門1: プット・オプション、コール・オプションとは何か?
• トランプ政権が超長期債発行でジャンク債は暴落する
トランプ政権のロシア政策については現状では楽観しているが、反ロシア政策を主導するCIAの抵抗次第では暗礁に乗り上げる可能性もなくはない。このテーマについては今後も報じてゆく。暗礁に乗り上げそうならば撤退である。
• トランプ次期大統領: CIAを縮小する
プーチン大統領の国内政策
しかし、もしトランプ政権によってアメリカが親ロシア的政策を取り始めるならば、それは外交というだけでなく、プーチン大統領の国内政策を考えてもロシア株にとってはプラスになるだろう。
プーチン大統領の高い支持率は、クリミア併合後に反ロシア政策を取った西側諸国に対し、断固たる対応を行なったことで得られたものである。しかし西側諸国の反ロシア政策が無くなれば、ロシア国民は決して良好とは言えない国内経済の方に目を向け、プーチン大統領は経済対策を行わざるを得なくなるだろう。
取り留めもなく書いたが、現状のロシア市場に対する見方は以上である。原油市場に関するヘッジはやはり必要であり、またロシア国債を持つ方が良い場合もあれば、ロシア株を持つ方が良い場合もあり、それは市場の短期的な状況変化によって変わってくる。為替ヘッジも完全に外すべきか、そうすべきでないかは状況次第だろう。
日々変わるポートフォリオをすべて詳細に書いてゆくことは出来ないが、大まかな方向性についてはここでも報告してゆく。ジム・ロジャーズ氏の長期見通しはやはり当たるものだと感嘆しているところである。
• ジム・ロジャーズ氏: 中国株は忘れてロシア株を買え
関連記事:
1. ジム・ロジャーズ氏: 中国株は忘れてロシア株を買え
2. トランプ氏が対ロシア経済制裁解除を示唆、実現ならルーブル急上昇か
3. ECBが利下げと量的緩和延長を決定、市場の鈍い反応は量的緩和相場の終焉を物語る
4. 量的緩和バブルを崩壊させるポートフォリオ・リバランスの逆流
5. ラリー・サマーズ氏: 米国の利上げは困難、ドル高で米国の需要は海外に流出する
http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/5249


http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/528.html

[政治・選挙・NHK219] 米国抜きのTPP考えず、今後の通商交渉へ新組織も検討 離脱に農業団体反発 貿易収支6年ぶり黒字 潜在成長率05年来の高さ
焦点:米国抜きのTPP考えず、今後の通商交渉へ新組織も検討

[東京 25日 ロイター] - トランプ米大統領が環太平洋連携協定(TPP)からの離脱を決めたが、安倍政権は米国抜きのTPPは戦略的にもあり得ないとの立場を維持、豪州などが言及する中国の参加には消極的だ。東アジア地域包括的経済連携(RCEP)などもTPPをモデルに交渉していく方針で、中国に対しては為替や資本規制の改善を迫る必要性も指摘される。一方、政府は今後の通商交渉にあたる組織の新設も検討する構えで、対米2国間交渉も含め、通商戦略が新たな局面を迎えつつある。

<米抜きのTPPは「あり得ず」>

「TPPの狙いは中国主導でなく日米主導の経済圏を確立すること。戦略的に米国抜きはあり得ない」──政府関係者の一人はこう述べ、安倍政権としてはあくまでも米国が参加するTPPの発効を目指してトランプ大統領を説得していく考えを示した。

安倍首相も25日の国会で「TPP協定の戦略的・経済的意義について、腰をすえて(米新政権の)理解を求めていきたい」と繰り返し、「この成果を基礎として、日EUのEPA(経済連携協定)のできる限り早期の大枠合意を目指すとともにRCEP、日中韓FTA(自由貿易協定)などの交渉において質の高い協定をめざしていく」と強調。TPPをモデルに他の貿易協定を締結していく姿勢をみせた。

実際、TPPは米国抜きには発効しない。2年以内にTPP域内の国内総生産(GDP)の合計の85%以上を占める6カ国以上の批准が条件で、米国抜きでは発効できない仕組みだ。また、米国抜きでのTPPの合意には再交渉が必要となり、相当な時間がかかる。

アジア開発銀行研究所・吉野直行所長(慶応大学名誉教授)によると、米国抜きのTPPによる各産品への影響や自由化までの猶予期間の試算を各国ごとにやり直す必要があり、「そう簡単にできる話ではない」という。

<中国参加の協定には消極的>

このため、豪州やニュージーランドは、米国抜き、もしくは中国などアジア諸国の参加を促したかたちでTPPを実現する考えや、RCEPを推進する方向を示している。

しかし、日本政府の中にはTPPへの中国参加や、中国主導となる可能性のある貿易協定には、反対意見も根強い。

ある政府関係者は「TPPに中国が加入してその価値を薄めるのなら、その発効にエネルギーを費やすには値しないだろう」と指摘する。

また、「TPPがとん挫しても日本がRCEP参加に傾斜するという話にはならない。参加国が増えてRCEPが拡大しても中国の都合の良い形にしかならないだろう。トランプ大統領にそれを理解してもらうしかない」と指摘する政府関係者もいる。

経済交渉を担当する政府筋の一人は「(中国も含む)RCEPの交渉は淡々と進めている最中。具体的な条件は言えないが、中国との関係は極めて重要ファクター」と見ている。

アジア開銀研究所の吉野所長は「TPPが実現しないならRCEPを進めればよい」との考えだ。ただ「既にアジアの中で中国のプレゼンスは 日本が思っている以上に大きい。貿易量もODAもとっくに中国に抜かれており、日本のアジアでのプレゼンスは中国と比べて既に低い」として、「日本にとって大事なのは、アジア諸国に対して中国が満たすべき条件をきちんと伝えること」だと指摘。自由貿易圏を発展させるためには、中国が為替レートを市場メカニズムで動くようにすること、資本移動を自由化することを条件として挙げている。

<新組織を検討、日米協議も視野>

トランプ大統領は、TPPよりも2国間貿易提携に力を入れる方針を示している。安倍首相は、この点についてスタンスを明確にはしてないが、否定はしていない。25日の国会でも「(米側の)閣僚人事の承認が進み、態勢が整うにしたがい具体化されてくると思われる。それまで米国の方針を予断することは差し控えたい」と述べた。

萩生田光一官房副長官は25日午前の会見で、日米交渉について「自動車の部分だけ2国間でということにはならないと思う」との見通しを示した。一方で、政府が日米協議を念頭に通商交渉の新組織を発足させるという一部報道に関して、現段階で新組織を作るとは決定してないが、「検討のひとつ」と述べ、新組織の発足を視野に入れていることを明らかにしている。

ただ、キヤノングローバル戦略研究所の山下一仁研究主幹は「2国間FTAの乱立が複数のルールや規則につながり、世界貿易の障害となることは自明の理だ。こうした筋論や自由貿易主義の理想を、日本はAPECやTPP参加国を味方につけて、米国側に諭すべきである」と主張している(ロイター日本語サイト:2017年の視点より)。

(中川泉 編集:石田仁志)

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アングル:
TPP離脱に米農業団体が反発、輸出の先行きを懸念

 1月24日、トランプ米大統領が環太平洋連携協定(TPP)からの正式離脱に関する大統領令に署名したことに国内農業団体が反発し、アジア諸国への農産物輸出押し上げに向けた代替策を示すよう新政権に求めている。写真はアイオワ州コーン畑。2012年7月撮影(2017年 ロイター/Adress Latif)
[シカゴ 24日 ロイター] - トランプ米大統領が環太平洋連携協定(TPP)からの正式離脱に関する大統領令に署名したことに国内農業団体が反発し、アジア諸国への農産物輸出押し上げに向けた代替策を示すよう新政権に求めている。

不振が続く米国の農業セクターはこのところ輸出への依存度を高めていたが、TPPからの離脱を受けて先行きを懸念する声が強まっている。

米大豆協会のロン・ムーア代表は「TPPはわれわれにとって非常に有望で、ここ数年の優先課題だった。離脱には大いに失望している」と語った。

農業全般の不調が続く中、大豆は好調ぶりが際立っており、経済成長に対してもプラスに寄与している。ただ、堅調な大豆相場を支えているのは主に海外需要だ。農務省は2016─17年の大豆輸出が過去最高の20億5000万ブッシェルに達すると予想している。

米国は農産物の純輸出国で、TPPに参加する11カ国への輸出は15年に617億3500万ドルに上った。オバマ政権はTPPの発効によってさらに輸出が増えると見込んでいた。

チャールズ・グラスリー上院議員(共和党)は、トランプ氏がTPPの代わりに諸外国と個別に貿易協定を結ぶ意向を示唆していると明らかにした。ただ、2国間協定の交渉は何年もかかる可能性があると指摘。「簡単ではない。日本が最優先だ」と述べた。

<中国めぐる懸念>

国内農家や業界団体は、米国のTPP離脱によって諸外国の中国へのアクセスが拡大することを懸念している。

米飼料産業協会のジョエル・ニューマン最高経営責任者(CEO)は「(アジア太平洋)地域の競争激化と、米国を除外した新たな貿易協定によって米飼料業界は輸出の機会を失っている」と強調した。

米食肉輸出協会は、トランプ政権に貿易改善に向けた方策の具体案を示すよう求めた。

同協会のフィリップ・セングCEOは「われわれの業界が国外の顧客の需要に引き続き応じ、輸出機会をさらに拡大できるよう、新政権にはあらゆる可能な手段を使って米国を競争力のある地位に復活させることを求める」とした。

同協会の報道官は、TPPが発効していれば米国の食肉輸出は日本とベトナムで最も伸びた可能性があると指摘。「アジア太平洋地域へのアクセスは牛・豚肉業界双方にとって極めて重要」とした。

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貿易収支、2016年は6年ぶり黒字 12月は対中輸出が過去最大に

[東京 25日 ロイター] - 財務省が25日に発表した2016年貿易統計速報によると、1─12月の通年の貿易収支は4兆0741億円で、6年ぶりの黒字となった。輸出、輸入ともに減少する中で、原油安による輸入減がより大きく影響した。同時に発表した12月分は、中国向け輸出が過去最大となったことなどを背景に、輸出全体で15か月ぶりの増加に転じた。

通年での輸出は70兆0392億円と前年比7.4%減。輸入も原油や液化天然ガスが減少し、65兆9651億円と同15.9%減となった。

国別では米国向け輸出が14兆1430億円とトップとなり、対米貿易黒字は同4.6%減となったものの6兆8346億円だった。

一方、12月の輸出は前年比5.4%増の6兆6790億円で15か月ぶりの増加。増加に寄与した品目は自動車の部分品(16.5%増)、半導体等電子部品(14.9%増)、電気回路等の機器(17.9%増)など。

同月の輸入は同2.6%減の6兆0376億円で24カ月連続の減少。減少品目は液化天然ガス(25.5%減)、医薬品(17.7%減)、衣類・同付属品(10.8%減)などだった。

昨年11月の米大統領選の結果を受けた円安が反映されたが、前年比では依然として円高水準で、「輸出入の金額を押し下げる効果が弱まった」(財務省)という。

地域別では、中国向け輸出が同12.5%増の1兆3013億円と過去最大を記録。同国の小型車販売の減税措置が12月末に切れるのを前にした駆け込み需要が背景にあるとみられるが、中国当局がその後、減税幅を半分にした上で措置を延長すると発表しており、今後の基調は読み切れない。

米国向け輸出は自動車などが好調で同1.3%増と10カ月ぶりの増加に転じた。

トランプ米大統領が環太平洋連携協定(TPP)から離脱する大統領令に署名するなど、自由貿易体制にきしみが生じかねない中、財務省幹部は「自由貿易を通じて世界経済全体が底上げされてきた」とし、今後貿易が縮小する場合は「世界経済の停滞につながるかどうか注視していく必要がある」と指摘した。

*内容を追加します。

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http://jp.reuters.com/article/japan-trade-idJPKBN15900G
 

 

12年4─6月以降の潜在成長率0.8%に、05年度以来の水準=内閣府

[東京 25日 ロイター] - 内閣府は、16年7─9月期国内総生産(GDP)2次速報での基準改定などを踏まえて潜在成長率を推計し直し、過去3年間ほど年率0.4%成長で推移してきた潜在成長率を、0.8%成長に上方改訂した。

改定後は12年4─6月期から直近16年7─9月期まで0.8%成長が続いており、日本経済の実力が05年度の0.9%成長以来の実力に回復していることがわかった。

また同じく基準改定などを反映した供給力と需要の差を表すGDPギャップは16年7─9月にマイナス0.5%となり、これまでのマイナス0.7%から改善した。

*見出しを修正しました。

(中川泉 編集:吉瀬邦彦)

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http://jp.reuters.com/article/gdp-japan-idJPKBN1590J2
 

http://www.asyura2.com/17/senkyo219/msg/632.html

[経世済民118] トランプ相場を襲うブレグジット第2波 日銀緩和縮小 中国、軍事経済へ 共和党インフラ再建案拒否 ドル高 日経平均大幅反発
コラム:トランプ相場を襲うブレグジット第2波

田中理第一生命経済研究所 主席エコノミスト
[東京 25日] - 年明け以降、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)をめぐって、ポンド相場が荒っぽい動きを続けている。昨年6月の国民投票後に広がった不安が比較的早期に沈静化したことで、多くの市場参加者にとって、もはやブレグジットは最大の関心事ではなくなっていた。

なにしろ、実際に離脱するのは2年以上も先のことで、離脱後の英国経済や進出企業を取り巻く環境がどうなるかは、まだ始まってすらいない協議の行方を見守る以外にない。残留派が多数を占める議会やスコットランドの反対で離脱が阻止されることや、EU側の厳しい態度に後悔した国民が離脱を思いとどまるとの淡い期待も一部にあった。

しかも、政府関係者の発言には一貫性がなく、政府が離脱に向けた確たるプランを持っているのかすら疑わしい。現時点で相場に織り込むにはあまりにも不確定要素が多すぎる。

その上、英国では懸念された離脱の悪影響が出るどころか、投票後に進んだポンド安によって、輸出企業の業績が上向き、海外からの観光客増加で消費も潤っている。投票後に英国株は大幅に上昇し、英国景気は予想以上の底堅さを保っている。トランプ相場による市場のリスクセンチメントの回復もあり、多くの人々はブレグジットについて軽い思考停止状態に陥っていたのではないか。恥を忍んで打ち明ければ、筆者もそうした1人だった。

<最高裁判決でも議会のブレグジット阻止は困難>

そんな矢先、メイ英首相は8日のテレビインタビューで、EU離脱後の英国がどういった国を目指すか、離脱協議にどう臨むか、近く政府の戦略を発表することを明かした。17日の首相演説に先立ち、英国政府がハードブレグジット(強硬なEU離脱)の方針を発表するとの報道が相次ぎ、市場参加者の間に不安が広がった。

20日のトランプ米大統領の就任式を控え、市場のリスクセンチメントが後退していたことも、こうした不安を増幅した。単一市場からの完全撤退を表明した首相演説、議会関与を必要とする最高裁判決に一喜一憂し、単一市場へのアクセスが阻害されるハードブレグジットならばポンド売り、単一市場へのアクセスを重視するソフトブレグジット(穏健なEU離脱)ならばポンド買いの反応を繰り返している。

17日の演説でメイ首相は、移民制限やEU予算の拠出回避を優先し、「ヒト・モノ・カネ・サービス」の移動の自由を保証するEUの単一市場から完全に抜けることや、EU以外の国・地域とも自由貿易協定(FTA)を結ぶため、域外共通関税を課す関税同盟から部分的に抜ける方針を明らかにした。

それと同時に、1)EUと包括的なFTAを結ぶことで、離脱後も単一市場へのアクセスを最大限確保する、2)自動車や金融サービスなどの戦略産業については、従来通りの事業環境が保たれるように例外適用を求めていく、3)必要なEUの政策に部分参加するため、限定的な予算拠出の可能性を排除しない、4)新たな関税協定を結ぶなどして、関税・非関税障壁・通関手続きが極力ない貿易関係を維持する、との意向を表明している。

このことは、EU離脱後の英国が表向きはハードブレグジットを選択するとしているが、実際にはソフトブレグジットを目指していることを意味する。

英国の最高裁判所は24日、正式な離脱手続きを開始するには、英国議会の採決が必要とする一方、スコットランドなど自治政府議会の採決は必要ないとの判決を下し、議会が離脱を阻止できるかについての法廷闘争は結審した。

国民投票で残留を支持した議員の多くは投票結果を尊重する方針で、議会が離脱を阻止することは困難とみられている。残留派が多数を占めるスコットランドや北アイルランド議会が離脱を阻止する可能性もあったが、今回の判決でその望みは絶たれた。政府は近く、ごく短い法案を議会に提出する方針で、上下両院での審議と採決を経て、3月末までの離脱手続きの開始を目指す。

議会審議の争点は離脱阻止の是非ではなく、1)政府の離脱方針をより明確にする、2)協議の進捗状況を議会に報告する、3)英国とEUの合意案を議会が否決した場合にEUと再交渉する、となろう。

<ポンドと英国株の逆相関が崩れるときが危険>

このように政府の方針が明らかになり、法廷闘争が決着したわけだが、EU離脱後の英国をめぐる不透明感は半年前から何一つ変わっていない。2年間の期限内に合意できるのか、EUや他国とのFTA締結にどの程度の時間がかかるのか、自動車や金融業の特例が認められる可能性はあるのか、どういった形で段階的な移行期間が設定されるのか、合意案を議会が覆すことができるのかなど結局のところ分からないことだらけだ。

しかも、表向きは単一市場へのアクセスを断念した形を採っているが、関税の極力かからない貿易関係を維持し、戦略産業や重要政策での特例を求める英国の要求を、EU側は「いいとこ取り」と受け止める可能性が高い。実際に離脱協議が始まれば、両者の対決姿勢が鮮明となり、再び金融市場の動揺を誘う局面がやって来そうだ。

ブレグジットの負の側面は英国経済や英国企業に徐々に影を差し始めている。メイ首相の演説後、単一免許を失う恐れが高まったとし、大手金融機関は大陸欧州諸国に事業や人員の一部を移転する可能性を相次いで示唆している。政府が単一市場からの完全撤退を表明したことで、英国進出を思いとどまる企業が増え、英国から他国に事業拠点を移転する動きが本格化しよう。

実体経済面でも、昨年12月に英国の消費者物価が2014年以来の上昇率に加速し、同月の小売売上高が2012年以来となる大幅な減少を記録したことは、ユーロ安による輸入インフレが家計の実質購買力をむしばみ始めている可能性を示唆している。

年明け後、ブレグジット不安が再燃してからも、英国の為替相場と株式市場の逆相関関係は崩れていない。これは、英国の代表的な株価指数の構成銘柄に多国籍企業が多く、ポンド安による業績改善が期待されるためだ。

だが、離脱後の英国企業を取り巻く事業環境の悪化を考えれば、いつまでもポンド安による株高を正当化することは難しい。つまり、金融市場はまだブレグジットを本気で織り込んでいない。ポンドと英国株の逆相関が崩れ始めたときこそが、真の離脱ショックに注意が必要となる。

*田中理氏は第一生命経済研究所の主席エコノミスト。1997年慶應義塾大学卒。日本総合研究所、モルガン・スタンレー証券(現在はモルガン・スタンレーMUFG証券)などで日米欧のマクロ経済調査業務に従事。2009年11月より現職。欧米経済担当。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。

(編集:麻生祐司)

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http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-osamu-tanaka-idJPKBN1590GH

 


 

日銀オペめぐり「テーパリングの可能性」との声、 債券一時急落
船曳三郎、三浦和美
2017年1月25日 12:18 JST 更新日時 2017年1月25日 16:02 JST

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「何もしなかったということで超長期が売られた」−バークレイズ証
中期オペ頻度が減る、いわゆるテーパリングの可能性−三菱モルガン
 
この日の日本銀行による長期国債買い入れオペをめぐり、債券市場が揺れた。中期ゾーンの国債買い入れオペの回数が減らされるとの見方や、超長期国債利回りを抑制する措置が講じられていないことを嫌気した売りが相場の下げを急拡大させたためだ。一部の市場関係者からは、テーパリングの可能性が高まったとの声が出ている。
  日銀は午前10時10分の定例金融調節で、残存期間10年超と物価連動債の長期国債買い入れオペ実施を通知した。金融緩和の一環として進めている国債買い入れは原則的に金利の下げ圧力となるはずだが、この日は1年超5年以下が通知されなかったことに加えて、10年超の金額が前回と据え置きとなったことが分かると、債券市場では直後から売り圧力が一気に強まり、利回りが上昇した。
債券市場に浮上したダブル懸念
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  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「残存1−5年の国債買いオが今日通知されず、このペースなら今月は5回に減る計算なので売られている」と説明。「1−5年は日銀の買い入れが巨額で売り物がない状況だったので、今回のタイミグは予想外だったが、いずれ買い入れが減るとみていた。4月以降は発行も減る。オペが札割れするよりはここで減らしておいた方が良いとの判断ではないか」と述べた。
  長期国債先物の中心限月3月物は一時、前日比54銭安の149円85銭まで下落。日中取引ベースの下げ幅は昨年12月13日以来の大きさとなった。新発5年債利回りは5ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.095%と約1カ月ぶり高水準を付けた。超長期債利回りも軒並み大幅上昇となり、新発20年債、30年債、40年債の各利回りは11カ月ぶり水準まで売られた。
  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「今日は二つ側面がある。短いところが大きく売られている要因としては、1ー5年の買いオペが入らなかった。従来月6回だったところが5回になることを事実上意味している。オーバーナイトで米債や為替もリスクオンのセンチメントの中で、債券売り材料がある中で、超長期のオペは据え置き。一部期待感を持っている人がいたと思われる。何もしなかったということで超長期が売られた」と指摘した。
  日銀は昨年12月14日に、急激な超長期ゾーンの利回り上昇に対応するため、同年9月に長短金利操作を導入して以降、初めて長期国債買い入れを一時的に増額した経緯がある。国債入札の対象となる年限を前日のオペに行ったことや、次回のオペを予告するなど異例尽くしの措置となった。
日本銀行本店
日本銀行本店 Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
国債買い入れ運営方針

  日銀金融市場局は昨年12月末、1月の国債買い入れの運営方針について、残存1年超5年以下のオペのオファー回数の表記をこれまでの6回程度から5−7回程度に変更するなど各年限をレンジ表記にした。金融市場局では、月間のオファー回数はこれまでも固定的なものではなかったが、 今回こうした運営方針をより明確に表記したと説明していた。
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https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-25/OKBEBQ6JIJUO01


 


習近平主導「軍民融合」が示す軍事経済の始まり

中国新聞趣聞〜チャイナ・ゴシップス

市民のバブル待望が、戦争待望に変わる事態に備えよ
2017年1月25日(水)
福島 香織

習近平にまた新たな肩書が増えた。中央軍民融合発展委員会主任。その狙いは?(写真:AP/アフロ)
 肩書マニアと揶揄されるくらい、組織トップの肩書を自分のものにしたがる中国の国家主席・習近平に、また一つ肩書が増えた。新たに設置される中央軍民融合発展委員会の主任である。そもそも、軍民融合とは何なのか。なぜ党中央の委員会まで作って、その指揮を習近平自身がとりたがるのかを考えてみたい。

軍需産業の民営化?

 1月22日に政治局会議が招集され、中央軍民融合発展委員会の設置が正式決定し、習近平が主任となった。軍民融合が統一的な党中央の指導によって進められることになる。ところで軍民融合とは何なのだろう。ここ数年、習近平は軍民融合の掛け声の下、2016年8月には、中国航天科技集団など中央軍産企業、大手金融機関など13企業による初の軍民融合産業発展基金を設立している。基金規模は302億元にのぼる。

 一見すればこれは軍産企業の民営化であり、軍事技術の民生利用促進かと思うのだが、報道の詳細を読むと、そう単純なものでもないようだ。

 フェニックステレビの軍事チャンネルが比較的明解に説明していたので、それをもとに考えてみる。

 フェニックステレビはこう言っている。

 「軍民融合とは、国家の運命の大事に影響するものである。軍民融合がうまくできなければ、軍備が落ちぶれるだけでなく、国家経済が破たんする。世界上の軍事強国は、早々に軍民融合を果たしている。例えば米国陸軍の未来の戦士システムでは、兵士一人ひとりが携帯電話端末を持たなくてはならないが、この端末はサムスン製だ。いわゆる軍内の専門工場で生産された軍用携帯電話ではない」

 「日本も同じで、日本には軍産企業は表向きない。しかし、日本の軍需産業は極めて強大だ。そうりゅう型潜水艦、10式タンク、いずも型護衛艦、これらの武器をだれが作っているのか。中国人の多くは知らないだろうが、日本の大企業には、いずれも軍工部門があるのだ。三菱、富士、東芝、住友、ダイキン、リコー…。これらはすべて民営企業であり、武器を生産する、日本の特色ある軍民融合である」

 「世界の軍事強国で唯一、軍民融合を行ってこなかったのは旧ソ連だ。国家が重工業を担い、採算を考えずに軍事産業を発展させたがために、軍事強国にはなったが、長期的に支えきれず、最終的に国家経済は軍事工業によって破たんさせられたのだ」

 「中国の軍事産業は、ずっと旧ソ連モデルで建設されてきた。それが唯一の選択肢だった。だが、旧ソ連の解体が中国の軍事産業発展の在り方に警鐘を鳴らしている。このままでは、国民経済が支えきれないのだ」

 「昨年末、珠海航空展示会と同じ時期に軍民融合展示会も開催され、政治局常務委員は全員参観した。これは対外開放されていなかったのだが、参観した軍事専門家の王雲飛(元海軍装備部門のエンジニア)によれば、展示品は非常に先進的で想像を超えていたという」

国民経済のスロットル

 「軍民融合は中国国防発展の正確な選択である。ではこの軍民融合委員会設立にはどういう意味があるのか。まず、軍民融合は中央政治局、政治局常務委員会が直接責任を負うということであり、次にその指揮は習近平がとるということである。これで、軍民融合の難易度に説明がつくであろう」

 「李克強首相はかつてこう言った。改革が利益を触発するが、利益の触発は、魂の触発よりも難しい。軍民融合とはつまり改革であり、それには一部の人たちを触発し、軍産企業の利益を生み出さねばならない。軍民融合の難易度は、既得権益者の妨害からくるものだ」

 「軍民融合の例を挙げれば、陸軍の05式装甲車。これは中国が国内用と輸出用に開発したものだ。タジキスタンの内政部長の車列が襲撃にあったとき、部長はこの装甲車の性能によって命を助けられた。実は、この装甲車は陝西の民営企業が生産したものだった。この民営企業の会長によると、この装甲車は某大型国営企業が研究開発したのだが、この民営企業の活力、効率、品質がすでにその国営大企業を超えていたので、生産はその民営企業に任せたのだ」

 「結論を言えば、未来の中国において、軍民融合は国民経済のスロットルであり、軍隊装備をパワーアップさせ、同時に国有企業改革の道を模索するものである。だからこそ、習近平主席自らが主任になったのだ」

 長い引用だが、中国の現状と狙いがわかりやすく書いてある。

 端的にいえば、軍民融合発展委員会というハイレベルの機構を新設した目的は、軍事建設によって国家経済を支えるという習近平政権の方針を明確にしたということではないだろうか。軍事建設と経済建設の一体化、軍事ケインズ主義、あるいは、共産党中央を独占体とした戦時国家独占資本主義経済を目指している、といってもいいかもしれない。中国の現状として、軍事・治安維持予算が、けっこう国内経済を圧迫しているようだが、それを解消するのが党中央主導の軍民融合ということだろう。

 興味深いのは、旧ソ連を引き合いに出していることだ。中国が現在直面する最大のリスクの一つは経済崩壊の危機だが、習近平政権としての政策のプライオリティの一番は強軍化だ。このプライオリティを守るために、中国はどうやらトランプ政権には経済上の譲歩はする心づもりでいた。ジャック・マーがとトランプに会いに行き、米国で100万人の雇用を創出すると約束したのは、民間ビジネスマンとしての判断だけではない。

 トランプの方針はまだはっきりとは見定められていないが、対中強硬姿勢を強く打ち出し、台湾問題や南シナ海をめぐって軍事的対立の先鋭化は避けられない状況となった。強軍化を最上位に掲げる中国は米国に対抗するために、軍拡競争に突入せざるを得ない。

旧ソ連の轍は踏まない

 ここで習近平政権が一番懸念しているのは、おそらくかつてのレーガン政権がぶち上げたSDI構想(スターウォーズ構想)によって軍拡競争に引きずり込まれた旧ソ連が、国内経済を疲弊させ財政バランスの矛盾を表面化させてしまったことで政権の足元がゆらぎ、崩壊に追い込まれた歴史の轍を踏むことだろう。

 トランプが、政権発足前から中国に対して挑発的な言動を繰り返していることの真の狙いが、中国から譲歩を引き出すことなのか、それとも中国共産党体制の崩壊をもくろんでいるのか、実のところ中国もはかりかねている。経済貿易上だけの譲歩が目的なら対応の余地はあるが、軍事上の譲歩、特に「一つの中国(一中)」原則放棄をカードに出されて、中国が譲歩するようなことがあれば、共産党の執政党としての地位自体がひっくり返りかねない。軍部の不満やウイグル、チベットの独立派の動きを誘発し、国内の分裂や動乱を招きかねない。「一中」カードを米国が本当に切るのであれば、目的は譲歩ではなく、中国共産党体制を崩壊に追い込むことではないか、という疑いが中国側に起き始めた。

 つまり、トランプの挑発目的は、中国を軍拡競争、あるいは紛争に引きずり込み、軍事予算を拡大させることで、経済を破たんさせることかもしれない。そういう懸念に対して、中国は軍民融合で対応し、「中国は旧ソ連の轍を踏まない」ということを喧伝しているのだ。これは、トランプ政権に対するメッセージでもあり、中国の軍拡路線が本気であることの宣言でもあろう。

 もう一つ興味深い点は、国有企業改革の処方箋として、軍民融合を説明していることだ。国有企業改革の処方箋について、実は、首相の李克強と国家主席の習近平の間には微妙な路線対立がある。

 李克強路線は、国有企業のスリム化、民営化による改革で、政府の関与をできるだけ小さくする方針だ。2014年に国務院系コングロマリット・中信集団に民営資本と外資を注入して香港で上場させたやり方は、まさしく李克強路線の好例といえる。

 一方、習近平の目指す国有企業改革は、中小国有企業を大手国有企業に併合していき、その超大手国有企業を党中央が直接指導していき、市場に対する党中央のコントロールを強化させていく方向にある。市場の自由化とは逆方向だ。

次のバブル分野に

 この路線の対立によって中国の国有企業改革は混乱が生じており、なかなか進まないのだが、面白いのは、記事中で、李克強の軍民融合について「既得権益問題」の発言を引用しつつ、しつこいほど、なぜ軍民融合発展委員会の主任を習近平が担うかを説明している。これは李克強が当初考えていた軍民融合の方向性や、国有企業改革が、その主導権を習近平に移されることで、その本質が変わってきているということを示唆するものではないだろうか。李克強は、主に軍事技術の民生利用促進を強調していた。だが、この記事からは、優れた民営企業の技術・サービス、資産を軍事利用することで、民営企業に対する党中央の指導も強化される面が強調されている。

 例えば中国で一番サービスのよい物流企業・順豊エクスプレスは、アジアで最初の民営貨物集散センターを湖北・鄂州市に建設する計画だが、これも軍民融合空港建設プロジェクトの一つだ。国防功能を備えた民営空港を建設し、順豊の物流能力を軍事利用していくということである。もちろん順豊にも利便のよい土地を与えてもらえるといったメリットはあるが、これはまるで民営企業の国防動員である。

 ちなみに軍民融合企業株が、この委員会設立を受けて軒並みストップ高となった。軍民融合企業は基礎インフラ分野、科学技術・宇宙開発・電信分野、インターネット分野と多岐にわたるが、これら軍民融合関連株が、次のバブル分野、という見方もある。中国において国防動員は、人民、社会に対する強制義務であるが、株式市場で利益をもたらせば、より積極的に広く軍事費、技術、資源を調達できるようになる。国防動員法が2010年にできた当時から、こうした考え方は主張されてきた。環球時報によれば、米国は軍民融合によって毎年、軍備購入費の2割にあたる300億ドルを節約できているという。

 さて、習近平主導の軍民融合は成功するのかどうか。

 個人的感想をいえば、民営企業に優れた技術をもつものが多く、経営上も成功するのは、国有企業と違って党の干渉が比較的小さく、利益優先、市場原理にのっとった経済活動に専念できるからだ。多くの国有企業の経営がうまくいかない主要な原因は、党の干渉がきつく、経済活動よりも政治的要因で人事やプロジェクト、経営方針が決定されがちだからだ。

 とすると、もともと優秀な技術やサービス資源をもつ民営企業を軍事産業に参与させ、あるいは国有軍産企業に融合させ、しかもその指揮を党中央、習近平直属の機関がとるとなると、むしろ民営企業本来の競争力が発揮できなくなるかもしれない。権力闘争が激しく利権派閥が複雑な共産党が指導する限り、米国式の軍産複合体が実現できるとは、私には思えない。

人民の戦争期待ムードに不安

 しかし、隣国の日本にとって、より重要なのは、中国の軍民融合がうまくいくのかどうかということではなく、習近平政権が軍拡を本格化させ、軍事主導型経済を方針として掲げた、という点である。国家を挙げての軍民融合の掛け声は、来る戦時を想定した国家動員スキーム始動の合図ではないか。しかも、そこに新たなバブルを期待する人民が集まれば、それが国内の戦争期待ムードにつながるのではと、まったく不安にさせられる。

 いや、不安がることはない、日本にはすでに優れた“軍民融合企業”があるじゃないか、と中国人たちはいうのだが、日本には、今のところはそれを使いこなせるだけの法整備もなければ、心構えもできていないのだ。

【新刊】中国が抱えるアキレス腱に迫る
『赤い帝国・中国が滅びる日』

 「赤い帝国・中国」は今、南シナ海の軍事拠点化を着々と進め、人民元を国際通貨入りさせることに成功した。さらに文化面でも習近平政権の庇護を受けた万達集団の映画文化産業買収戦略はハリウッドを乗っ取る勢いだ。だが、一方で赤い帝国にもいくつものアキレス腱、リスクが存在する。党内部の権力闘争、暗殺、クーデターの可能性、経済崩壊、大衆の不満…。こうしたリスクは、日本を含む国際社会にも大いなるリスクである。そして、その現実を知ることは、日本の取るべき道を知ることにつながる。
KKベストセラーズ刊/2016年10月26日発行

このコラムについて

中国新聞趣聞〜チャイナ・ゴシップス
 新聞とは新しい話、ニュース。趣聞とは、中国語で興味深い話、噂話といった意味。
 中国において公式の新聞メディアが流す情報は「新聞」だが、中国の公式メディアとは宣伝機関であり、その第一の目的は党の宣伝だ。当局の都合の良いように編集されたり、美化されていたりしていることもある。そこで人々は口コミ情報、つまり知人から聞いた興味深い「趣聞」も重視する。
 特に北京のように古く歴史ある政治の街においては、その知人がしばしば中南海に出入りできるほどの人物であったり、軍関係者であったり、ということもあるので、根も葉もない話ばかりではない。時に公式メディアの流す新聞よりも早く正確であることも。特に昨今はインターネットのおかげでこの趣聞の伝播力はばかにできなくなった。新聞趣聞の両面から中国の事象を読み解いてゆくニュースコラム。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/218009/012400085/


 


ドル113円半ばにじり高、米長期金利が持ち直し

[東京 25日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ややドル安/円高の113.61/63円だった。午前に113円前半まで下押しされたが、米長期金利の持ち直しを横目に底堅さも意識され、午後は113円半ばにじりじりと上昇した。

午後のドル/円は、正午あたりから113円半ばを軸にしたもみ合いが続いたが、午前中にやや低下した米10年債利回りが2.46%付近に持ち直すのを眺め、ドル/円もじりじりと水準を戻した。

ただ、上昇の勢いは出ず「明確な方向感は出ていない」(国内金融機関)と見られた。中国などでの春節休暇を控えたポジション調整の動きも紛れ込んでいたもよう。

みずほ銀行の国際為替部次長、田中誠一氏は、目先はトランプ政権の動向を見極める展開が続くとみているが「(3月利上げの可能性を測る材料として)米雇用統計などの数字がなければ、トレンドは出にくそうだ」と指摘している。

午前のドル/円は、午前8時台と9時台に114円を試したものの乗せきれず、短期筋のロングの投げを誘発して反落した。

その後は、前日反発した米長期金利の反落や、日経平均の上げ幅縮小などを受けて改めて売りに押され、113.37円まで下押しした。

市場では「目先の動きはよくわからない。ただ、トランプ大統領の内向き政策に対する不安があるのは確かで、腰の入ったドル買いが出にくい」(証券会社)との声が聞かれた。

財務省が発表した12月の貿易統計速報によると、貿易収支(原数値)は6414億円の黒字となった。この結果、2016年通年の貿易黒字は4兆0741億円となり、通年では6年ぶりの貿易黒字。

対米国の商品別輸出では、12月の日本からの自動車輸出は対前年比9.7%増の4704億円と、2007年12月以来9年ぶりの高水準となった。

ドル/円JPY=  ユーロ/ドルEUR=  ユーロ/円EURJPY=

午後3時現在 113.61/63 1.0724/28 121.84/88

午前9時現在 113.86/88 1.0726/30 122.13/17

NY午後5時 113.78/80 1.0730/32 122.08/12

(為替マーケットチーム)

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ドル100円半ば、イベント前に「煮詰まり感」広がる
正午のドルは100円半ばでイベント待ち、実需の買い一巡後は停滞
正午のドルは100円前半でもみ合い、イベントにらみ方向感出ず
東京マーケット・サマリー(24日)
http://jp.reuters.com/article/tokyo-forex-idJPKBN1590HH

 

日経平均は大幅反発、米国株高・円安好感し1万9000円回復

[東京 25日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は大幅反発。前日の米国株高やドル高/円安方向に振れた為替相場が買い手掛かりとなった。

寄り付き後に上げ幅は345円まで拡大、その後は戻り待ちの売りで伸び悩んだが、押し目買いで持ち直した。終値は3営業日ぶりに節目の1万9000円を回復した。

TOPIXも反発。だが上昇率は1.01%と日経平均(1.43%)を下回った。ソフトバンクグループ(9984.T)は、出資先の中国の電子商取引大手、アリババ・グループ・ホールディング(BABA.N)の好決算が材料視され堅調。ファーストリテイリング(9983.T)やファナック(6954.T)を含めた3銘柄の上昇が、日経平均を約74円押し上げた。

業種別では鉄鋼、機械など景気敏感セクターの一角が上昇率上位にランクイン。その他金融、食料品、建設を除く30業種が値上がりした。大型株ではトヨタ(7203.T)、ホンダ(7267.T)、日立(6501.T)などが日経平均を上回る上昇率となったが、取引時間中はドル/円JPY=が113円台で弱含んだことが重しとなり、上げ幅を縮小した。

東証1部売買代金は2兆円を上回ったものの、全体相場に対しては、これから本格化する国内企業の決算発表を見極めたいとの姿勢も広がった。「日経平均で25日移動平均線(1万9241円10銭=25日終値)に迫ると、戻り待ちの売りが出やすい。一方で1万9000円を割れた局面では押し目買いが入るようなレンジ内の動きが当面、続きそうだ」(証券ジャパン・調査情報部長の大谷正之氏)との声があった。

個別銘柄では タカタ(7312.T)がストップ高。同社は24日、再建に関する一部報道に対してのコメントを発表。法的整理を前提に進められるような誤解を招きかねない報道で混乱をきたしたことは「誠に遺憾」とし、「かかる法的手段による再建を選択することは当社として想定していない」とした。

半面、日本電産(6594.T)が反落。24日、2017年3月期(国際会計基準)の利益予想を上方修正すると発表した。市場予想をやや上回る内容となったほか、自社株買いも発表されたが、好材料出尽くしと受け止めた売りに押された。

東証1部騰落数は、値上がり1529銘柄に対し、値下がりが385銘柄、変わらずが88銘柄だった。

日経平均.N225

終値      19057.50 +269.51

寄り付き    19091.23

安値/高値   18987.45─19133.18

TOPIX.TOPX

終値       1521.58 +15.25

寄り付き     1526.59

安値/高値    1516.90─1528.93

東証出来高(万株) 193434

東証売買代金(億円) 22344.87

(長田善行)

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東京マーケット・サマリー(25日)
寄り付きの日経平均は小反落、米株安が重し
前場の日経平均は反発、一時150円高 自動車関連が堅調
http://jp.reuters.com/article/nikkei-jump-idJPKBN1590FY


 

日本株は3日ぶり反発、米景気刺激策と円安−輸出、素材中心買われる
佐野七緒
2017年1月25日 08:04 JST 更新日時 2017年1月25日 15:38 JST
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トランプ米大統領、パイプラインの建設プロジェクトに署名
為替は一時1ドル=113円90銭台、日経平均上げ幅は大発会以来
 
25日の東京株式相場は3営業日ぶりに反発。トランプ米大統領の景気刺激策が始動、スピーディーな政策運営に加え、為替の円安も好感された。海外の景気動向に敏感な輸送用機器や機械、電機など輸出株、鉄鋼や非鉄金属、ガラス、化学といった素材株中心に高い。

  TOPIXの終値は前日比15.25ポイント(1%)高の1521.58、日経平均株価は269円51銭(1.4%)高の1万9057円50銭。
  りそな銀行アセットマネジメント部の黒瀬浩一チーフ・マーケット・ストラテジストは、トランプ大統領の政策で「米景気が良くなれば、日本に好影響との見方がある」と指摘。一方で、米景気の好転が「メキシコのように、日本をたたいた上で成り立つ可能性もある」とし、当面は米新政権の発言に日本株も揺さぶられるとの認識を示した。
東証
東証 Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
  トランプ米大統領は24日、キーストーンXL、ダコタ・アクセス両パイプラインの建設プロジェクトを推進させる2つの大統領令に署名。米政府にとってより良い取引を求め、再交渉する方針も示した。
  同日の米国株は、素材やエンジニアリング関連が買われ、S&P500種株価指数は0.7%高の2280.07と過去最高値を更新。今後の景気刺激を見込む格好で国際商品市況も上げ、ニューヨーク原油先物は反発、ロンドン金属取引所のアルミニウムは1年8カ月ぶりの高値を付けた。
  24日の米長期金利の上昇を受け、きょうのドル・円相場は午前に一時1ドル=113円90銭台と、前日の日本株終値時点112円89銭からドル高・円安方向に振れた。カブドットコム証券の河合達憲投資ストラテジストは、「パイプラインやTPPの大統領令署名などトランプ氏の行動力の高さが見える」とし、減税や財政政策が実行されれば、「米国の債券需給は悪くなる。米金利上昇、ドル高の第2幕が始まった可能性がある」と言う。
  この日の日本株は米景気に対する楽観的な見方や米国株高、円安推移を好感する買いが幅広い業種に先行、日経平均は朝方に345円(1.8%)高まで大きく上げ、上げ幅と上昇率は大発会の4日以来、3週間ぶりの大きさを記録した。ただ、その後は円安の勢いが一服、米新政権の保護主義傾斜に対する不透明感もあり、伸び悩んだ。
  ニューヨークタイムズ紙は、トランプ氏が米国の南部国境に壁を建設するため、連邦資金を充てる大統領令に25日に署名する計画と伝えた。シリア難民の入国を阻止することやテロ傾向の国家からの難民の入国を削減する計画も検討する、という。フィリップ証券の庵原浩樹リサーチ部長は、「米国外にはショッキングでネガティブなニュースも多い。不安定な状況で、投資家は為替の動きに神経質」と話す。
  東証1部33業種は鉄鋼、機械、非鉄金属、ガラス・土石製品、輸送用機器、化学、電機、証券・商品先物取引、精密機器など30業種が上昇。その他金融、食料品、建設の3業種は下落。東証1部の売買高は19億3434万株、売買代金は2兆2345億円。上昇銘柄数は1529、下落は385。
  売買代金上位では、中国アリババ・グループ・ホールディングの好決算を材料にソフトバンクグループが上げ、SMCやファナック、JFEホールディングス、TDKも高い。クレディ・スイス証券が目標株価を上げたアルプス電気は大幅高。これに対し、東芝や日本電産、大東建託、エムスリーは安い。日電産についてカブコム証の河合氏は、「業績修正期待で上昇してきたため、好材料出尽くしで売られた」とみていた。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-24/OKB2YC6KLVR401

http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/296.html

[国際17] 米国抜きTPP、トランプ政権の目を覚ますか FBI長官を留任させるトランプ政権 留めることで痛い目に
【社説】
米国抜きTPP、トランプ政権の目を覚ますか
TPPに残る11カ国は、協定の枠組みを簡単には諦めない
日豪首脳会談後に握手を交わす安倍首相(左)とターンブル首相
2017 年 1 月 25 日 14:10 JST

 ドナルド・トランプ米大統領は12カ国が参加する環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱を正式に決定したが、オーストラリアのマルコム・ターンブル首相はこの枠組みを前進させようとしている。

 ターンブル首相は24日、米国を除く11カ国で協議を進める可能性を示唆し、中国を迎え入れる可能性さえ排除しなかった。中国の習近平国家主席が国際貿易の新たな盟主になろうとする姿勢を見せるなか、こうした動きは米政府も無視できないだろう。

 TPP参加の必要条件を中国が受け入れるとは考えにくいが、協定自体は一部の調整を加えれば米国抜きで発効できるかもしれない。ターンブル氏はそのことを日本、ニュージーランド、シンガポールの首相たちと話し合っているという。

 安倍晋三首相はアジア太平洋地域への歴訪を「12マイナス1」構想の呼び掛けに使っている。14日にシドニーで会談した安倍氏とターンブル氏は、TPPが「欠くことのできない優先事項」であるとし、「TPPの早期発効に向けて協力を続ける」とした。日本は昨年12月にTPP批准の国内手続きを完了している。

 米企業が取り残されるような見通しになれば、トランプ政権も戦略変更を迫られるだろう。あるいは7年の交渉を経て作られたTPPの一部が残ればトランプ氏の次の大統領とってメリットがあるかもしれず、米国民の感情に変化が生じるかもしれない。ターンブル首相が24日語ったように、「他の貿易協定の時にそうだったように、この件での米国の政策が時間とともに変化する可能性はある」。米国が新たなメンバーとして参加するシナリオもありえるだろう。

 とはいえ、TPPを救う道のりは容易ではない。オーストラリアの野党・労働党を率いるビル・ショーテン党首は「左派のドナルド・トランプ」として知られ、これまで自由貿易を支持してきた同党の政策を覆そうとしている。ショーテン氏は最近、ターンブル氏に「目を覚まして先に進み、現実的な経済計画を作るべきだ」と忠告した。

 米国の目を覚ますという点では、日豪両首脳は正しい考えを持っていると言えるだろう。TPP交渉参加国は協定が経済的にも戦略的にも実質的な利益をもたらすとして多くの政治資本を投入した。トランプ氏がアジアで先導的役割を担わない場合、誰かが保護主義のうねりに立ち向かう役を買って出なければならないのだ。

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https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjmqoKKgd3RAhUJ0mMKHdhND6wQqOcBCBwwAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11177354273695693774104582580060932879168&usg=AFQjCNGbttPSxss9F-lXMkP-8tIxvvBghg

 


【社説】
FBI長官を留任させるトランプ政権
コミー氏を留めることで痛い目にあう可能性も
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コミー長官の留任について政府行動監視団体ジュディシアル・ウォッチの代表を務めるトム・フィットン氏が解説する(英語音声のみ)Photo credit: AFP/ Getty.
2017 年 1 月 25 日 17:21 JST

 連邦捜査局(FBI)のジェームズ・コミー長官にトランプ政権が続投を依頼したと報道されている。政権は今後この決断を後悔することになるだろう。

 ラインス・プリーバス大統領首席補佐官は今月放送されたテレビインタビューで、コミー氏を「並外れた能力を持った」人物であると評価した。また捜査官らをたたえるために週末に開かれたイベントで、コミー氏とドナルド・トランプ大統領は抱擁を交わすような素振りを見せた。

 これまでの経緯からすれば、コミー氏が政治的に見て慎重に対応すべき相手であることは明らかだ。同氏は昨年夏、ヒラリー・クリントン氏が機密情報を不用意に扱ったことを「重大な過失」としつつも「極めて軽率」だったと述べ、この二つの言葉が法的に違う意味を持つかのような説明をして同氏を不問に付した。民主党は喜んだ。しかし大統領選の11日前にFBIがメール問題を再捜査していると議会に伝えたため、トランプ氏を選挙で有利にしたとして今は民主党から批判されている。

 一方の共和党もコミー氏には苦い思いをさせられてきた。クリントン氏を巡る問題だけではない。ブッシュ政権時代に司法副長官を務めていたコミー氏は、当時の対テロ政策を弱体化させようとしたことがある。そのような人物が、今後はトランプ氏側近とロシア政府との関係について捜査を仕切る責任者になる。

 FBI長官は政治的背景に関係なく犯罪を追及できなければならない。問題はコミー長官が極めて政治的であることだ。リベラル層の怒りを買っている人物を追及することで自らの名声を高められるときには、特にその傾向が強い。

 エンロン事件後にコミー氏によって不当に追及された著名インベストメントバンカーのフランク・クアトローン氏も被害者だ。「プレイムゲート」(中央情報局=CIA=工作員の名前漏えい事件)では、コミー氏の友人であるパトリック・フィッツジェラルド氏がスクーター・リビー氏を不当に捜査した。

 トランプ政権は、コミー氏の退任を求める民主党への嫌がらせとして留任を決めた可能性もある。あるいは議会承認を巡る戦いを避けたかったのかもしれない(もっとも、ニューヨーク市警本部長を務めたレイ・ケリー氏なら簡単に承認されただろう)。もしかすると留任させることでコミー長官が政権に恩義を感じ、より柔軟な姿勢を取ることを期待しているのかもしれない。

 もしそうならば、これは間違った賭けだ。コミー氏は政治家の機嫌を取るために何度も自らの権力を乱用してきた。トランプ政権も痛い目にあうかもしれない。いずれにせよ、このような人物はFBIのトップにふさわしくない。

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トランプ大統領、コミーFBI長官解任せず=関係者
ジェームズ・コミーFBI長官(10日)
By DEVLIN BARRETT
2017 年 1 月 25 日 17:26 JST

 ドナルド・トランプ米大統領は連邦捜査局(FBI)のジェームズ・コミー長官を解任する意向はない。事情を知る複数の関係者が明らかにした。

 コミー長官は米司法省が23日配布した新政権の法執行機関の担当者名簿にも載っていた。またホワイトハウスから退陣要求しない旨の連絡を受けたことをコミー長官自身がFBI関係者に非公式に伝えていた。大統領選中に民主党候補のヒラリー・クリントン氏を巡る捜査を実施した判断を巡り、民主党に加え共和党の一部からも激しい非難を浴びていたが、長官はFBI関係者に辞任の意向はないと語っていた。

 トランプ氏がコミー長官の留任を決めたことは米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)が先に報じていた。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjXn_-Dgt3RAhWMJpQKHdNAAosQFgghMAE&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10852398588237353609804582580712515499758&usg=AFQjCNGRZ3wx-1B9eT9gUIs97Uxfwj9nvQ
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/535.html

[国際17] 米国の後釜狙う中国、国際貿易のリーダーに遠い道のり もし中国が米国の役割を担うなら TPP離脱より難しいNAFTA再交渉

米国の後釜狙う中国、国際貿易のリーダーに遠い道のり

中国は国際貿易で米国の後釜を狙っているが、先行きには暗雲が漂う
By MARK MAGNIER AND JOSH CHIN
2017 年 1 月 25 日 15:02 JST

 【北京】中国はアジア地域で影響力を拡大しようとしている。だが、市場開放における中国のまだら模様の実績は、米国が環太平洋経済連携協定(TPP)から撤退したことで空いた世界経済における指導的地位の獲得に向けた中国の取り組みの足かせになるだろう。

 ドナルド・トランプ米大統領は、数十年にわたり維持されてきた国際秩序を大急ぎで覆そうとしている。こうした中、中国の習近平国家主席が先週、スイス・ダボスで開催された世界経済フォーラム年次総会での演説で経済統合を強く擁護したことは、中国が米国の後釜に座ろうとしていることを示すものだ。

 しかし国際貿易の枠組みをつくり、中国経済と世界経済の統合を進める中国の試みは、言葉を現実に変える過程で挫折する恐れがある。

 貿易専門家らによると、中国の国家主導型経済は、国際貿易交渉で真っ先に対象となる投資・サービス分野を中心にいまだに貿易障壁だらけだ。また、政策が曖昧なケースが多く、知的財産権の保護も不十分だ。

 オーストラリアの貿易交渉担当者だったアラン・オックスレイ氏は「中国は今も自由貿易体制には程遠いにもかかわらず、習主席がダボスで自由貿易の旗を振ったことにぼうぜんとした」とし、「中国市場を理解している経営者の大半は、中国が市場開放で次の段階に進んだとは言わないだろう」と述べた。

 在中米国商工会議所が今月発表した調査結果によると、中国を投資対象の上位3位に位置付けている企業の割合は56%に低下し、少なくとも2009年以降で最低となった。また、米国企業5社のうち4社が、中国で以前よりも歓迎されていないと感じると回答し、その割合は3年前の2倍近くに達した。欧州と日本の企業も同様の懸念を表明している。

 中国は先週、20以上の業界へのアクセスを改善し、海外からの投資をさらに呼び込む計画を発表したが、それをどのように実行するかについてはほとんど詳細を明らかにしていない。

 それでも、アジアに対する米国の関与度は低いため、中国は米国よりもアジアの経済発展に大きな影響を与えることができる、とアナリストらは言う。

 南京大学の国際関係専門家、朱鋒氏はTTPについて、中国政府は「『やっとこの問題から逃れることができる』と考えている」と語った。

 アジア太平洋諸国は、中国への経済的依存度が高まれば、軍事・安全保障問題でも中国に追随する可能性が高い。安全保障の専門家らは、米国が内向き志向を強めた場合、中国の影響力拡大に対する抑止力が弱まり、小規模な国々は軌道修正を余儀なくされると指摘する。

 シンガポールの南洋理工大学の李明江・教授は「経済成長と投資を中国に頼るアジア諸国が増えるにつれて、各国と米国の安全保障関係は大幅に弱まり、中国に歯向かう意欲や政治的意志も弱まるだろう」と語った。

 中国外務省の報道官は24日、中国は自由貿易を支持しており、米国の政策が世界の安定に寄与することを期待していると述べた。

 中国がTPPに対抗して提唱している自由貿易圏構想の東アジア地域包括的経済連携(RCEP)は、東南アジア諸国の貿易圏が土台になる。世界銀行による貿易加重ベースの試算によると、RCEPの交渉参加国の関税は、過去20年間で80%下がっている。しかしRCEPの関税の減免規模はTPPより小さい。

 貿易専門家らは、脆弱な執行メカニズムも貿易における中国のリーダーシップを損なう恐れがあると話す。RCEP参加国は、規定に従わなくてもほとんど制裁を受けずに済むとみられ、実効性が弱い。

 米当局者は、RCEPは他の面でもTPPに比べ見劣りすると述べている。RCEPには、労働・環境基準を引き上げることも、国営産業に規律を課すことも、知的財産権の保護を強化することも盛り込まれていない。

 米大統領候補らが昨年、TPPを激しく非難した時から、中国は米国寄りの国々に対する経済的影響力の拡大に努めている。TPP参加国のマレーシアと貿易・防衛関連の契約を結んだほか、フィリピンとの関係を深めた。さらに、メキシコとの経済関係の強化も目指している。

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寄稿】
もし中国が米国の役割を担うなら
欧州が分断し、米国の役割があいまいになる中、主導権握ろうとする中国
世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)に出席した中国の習近平国家主席(17日)

By RICHARD FONTAINE AND MIRA RAPP-HOOPER
2017 年 1 月 25 日 11:42 JST

――共同執筆者のリチャード・フォンテーヌ氏は米ワシントンのシンクタンク「新アメリカ安全保障センター(CNAS)」の会長、ミラ・ラップ・フーパー氏はCNASのアジア太平洋安全保障担当シニアフェロー

***

 ほんの数カ月前まで、中国が国際秩序の救世主になるなどという考えは多くの人にとって非現実的であり、ばかげたものだっただろう。しかし、中国の習近平国家主席が先週、世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)でデビューを果たしたことは、少なくともその責任の一端を担おうとしていることを意味した。
http://jp.wsj.com/articles/SB10504433381807684657504582565700159076034

 習氏は保護主義を非難し、グローバル化を擁護することで、世界経済を主導する上で中国がより重要な役割を果たせることを論証した。同氏の発言はエリートの聴衆たちに、おおむね好意的に受け止められた。彼らエリートの多くは今、世界秩序を特徴づける重要な点に関して、ポピュリスト(大衆迎合主義者)からの抵抗に悩まされている。

 国際政治は権力の空白を許さない。そして習氏は今、米国が残した「穴」を埋めることに力を注いでいる。オバマ時代の縮小的外交政策への認識や環太平洋経済連携協定(TPP)のとん挫、トランプ政権の諸問題への関与の度合いを巡る不透明さを追い風に、中国は今、米国の世界からの後退に付け入る構えだ。

 中国政府は国際社会で台頭するにあたり、世界のルールと制度を一部受け入れてきた。国際通貨基金(IMF)と世界銀行の創設メンバーであり、国連安全保障理事会ではますます積極的な役割を果たすようになっている。核不拡散条約に加盟し、気候変動やイランの核開発計画に対処する多国間の取り組みにも参加している。

中国の皮肉な現実

 しかし、中国を経済開放のよりどころ、ましてやリベラルな秩序の非経済的要素の柱として印象づけようとしていることに、少なからぬ皮肉を感じる。自国の周辺では、既存のルールを支持するよりも覆そうとしているからだ。

 中国の南シナ海での領有権の主張や人工島の造成は、中国も加盟する国連海洋法条約を損なうものだ。また、中国とロシア、中央アジア4カ国で構成する上海協力機構(SCO)などの機関は、アジアの安全保障構造を変化させる恐れがある。中国はまた、普遍的な人権基準を拒否し、インターネットガバナンス(統治)に関する規則を国家中心主義的なモデルに書き換えようとしている。

 中国は自由貿易と投資の流れを促す世界の経済秩序の下で繁栄を謳歌(おうか)する一方で、最近になっても物事を自分たちの都合のいいようにゆがめようとしている。中国は依然、海外からの投資や知的財産に厳しい環境であり、国有企業は世界貿易機関(WTO)の規制構造の隙間に乗じている。また、過去には人民元安を誘導した上、現在でさえ人民元は完全に交換可能な通貨になっていない。

 こうした実績を踏まえれば、世界のテーブルで上座に着こうとする習氏の試みが熱烈な歓迎を受けるとは思えない。また、欧州の分断が進み、米国の世界での役割があいまいになる中、ダボスに集まったエリートたちが何かにつけて主導権を握ろうとしても不思議ではない。欠陥がない訳ではないが、少なくとも中国はグローバル化のメリットを台無しにすることはなさそうだ。

習氏が発した警告

 しかしながら、米国には依然、リーダーシップと大半の国への関与が強く求められており、それ故、米国が従来の責任を放棄しつつあることに懸念が高まっている。大統領選がこの懸念を深めることになったが、それははるか前から生じていた。

 その好例がアジアだ。米政府は中国の南シナ海での活動には相対的に消極的な対応を取り、貿易政策ではよろめき、外交の焦点を中東問題に当ててきた。こうした姿勢は、外交の軸足をアジア太平洋地域に移す米国の「リバランス(再均衡)」政策を弱体化させることになった。

 環太平洋経済連携協定(TPP)が絶望的となり、代わりに東アジア地域包括的経済連携(RCEP)に注目が集まっている。フィリピンやマレーシア、タイは米国から中国に傾倒し始めている。オーストラリアと北東アジアでは米国の持続力に対する疑念が高まっている。

 今の現実はこうだ。米国の政治家がダボスであったような出来事に目を向け、空白を目の当たりにする一方で、他の諸国はそれを実感している。そして、各国首脳はそれ相応の行動を取っている。

 こうした結果、習氏は意図せず米国に手を貸すことになったのかもしれない。米国の不安定なリーダーシップが生む空白を中国がいかに熱心に埋めたがっているかを示すことで、警告を発したのだ。トランプ政権と米議会はその警告を真剣に受け止めるべきだろう。

 米国と同盟国が作り上げた国際秩序は、欠点もあるものの、世界中で先例のない平和と繁栄、自由を醸成してきた。それは自ずと順守されるものではなく、米国の力はそうした秩序の維持に不可欠だ。

 最終的に中国が、第二次大戦後に英国から役割を引き継いだ米国のようなリーダーシップを発揮することはないだろう。中国が世界を主導すればむしろ、現在ほど繁栄した世界でなくなる可能性が高く、自由は確実に失われるだろう。オバマ時代が終結し、トランプ政権が幕を開けるにあたり、米国の持続力に疑問が生じている。そこに世界のリーダーシップの別の未来を提示し始めているが中国だ。世界の大半の国にとっても、そして米国自身にとっても、米国版のリーダーシップを堅持した方が得策だ。

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https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjDoevggN3RAhVS7WMKHa1WB1kQqOcBCBwwAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10852398588237353609804582580042307594500&usg=AFQjCNGEnYdDNNfQPovkeWcsBLVfdPU-Cg

 

 

 

米TPP離脱より難しいNAFTA再交渉

ホワイトハウスの大統領執務室で大統領令に署名したトランプ米大統領 PHOTO: RON SACHS/PRESS POOL
By
JOHN LYONS AND WILLIAM MAULDIN
2017 年 1 月 25 日 12:20 JST 更新
 米国のドナルド・トランプ大統領にとって、既に消滅寸前になっていた環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱は、国際貿易関係の見直しと雇用維持という公約の中では最も手のつけやすいものだったかもしれない。中国との対決や北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉といった公約は、それほど簡単には実現できないだろう。
 NAFTAなど既存の貿易ルールの大転換は、米国の製品・サービスの3大輸出先であるカナダ、中国、メキシコへの輸出に依存している米国企業に打撃を与える恐れがある。しかも世界の貿易は、第2次世界大戦後に積み重ねられてきた規則に縛られており、ドミノ効果で予期せぬ結果をもたらすことなく、条件を変更するのは難しい。そのため、既存の貿易相手国から経済的譲歩を引き出そうとするトランプ政権の取り組みは込み入ったものになりそうだ。
 米国の貿易政策の歴史に詳しいダートマス大学のダグラス・アーウィン教授はトランプ政権の当局者について、「必要なことを現実的にみているとは思えない」と述べ、貿易ルールの変更には「非常に複雑で時間が掛かる。米経済に大きな混乱を招かないことを確認する必要がある」との見方を示した。
 トランプ氏が23日、TPPから正式に離脱するための大統領令に署名したことから、オバマ前政権が既に議会承認を断念していた同協定は葬り去られた。トランプ氏は大統領選でTPPについて、米国がまとめた各種貿易協定が自国の製造業を犠牲にして低賃金の途上国に利益をもたらしていることを示す象徴だと批判していた。
‘トランプ氏は地雷原の真ん中に立っているようなものだ。どの方向に足を踏み出しても連鎖反応を引き起こす。’
—元USTR次席代表補マット・ゴールド氏
 大統領に就任したトランプ氏にとって次のステップは、カナダとメキシコの首脳と会談し、NAFTAの再交渉を開始することのようだ。自由貿易を支持するピーターソン国際経済研究所(PIIE)のゲリー・ハフバウアー上級研究員(通商問題担当)は「NAFTAがトランプ政権の優先事項であることは明らかで、同政権の試金石になりそうだ」とし、「ひな型を得るにはしばらく時間が掛かるだろう。トランプ政権はその後に、他国との貿易交渉にそれを当てはめていくのだろう」と予想した。
 トランプ氏と同氏の顧問らは、NAFTAの再交渉では、自動車などの原産地規則の強化や、為替操作国への制裁導入を求める意向を示唆している。また、メキシコの付加価値税など、米国の製造業に不利となっている輸入品への課税の見直しも望んでいる。
 しかしいずれも、米国内だけでなく北米各国で議論を呼ぶ可能性がある。自動車の原産地規則はTPP交渉でメキシコと日本が激しく対立した問題だった。為替操作国への制裁は、米議会内で意見が分かれている。また法律専門家によれば、輸入品への課税見直しは、世界貿易機関(WTO)との衝突を招く恐れがある。
 仮にNAFTA再交渉がすんなり進んだとしても、2018年の米中間選挙前に新NAFTAの全容が明らかになることはないだろう。

米国のTPP参加11カ国との貿易額(2016年)
https://si.wsj.net/public/resources/images/WO-BC749_TPPNEX_9U_20170124173614.jpg

 法律専門家らによれば、トランプ氏は新NAFTAをひな型にして、既存の韓国との2国間貿易協定の再交渉や、日本、ベトナムなどアジア諸国、さらには英国などとの間で新たな2国間交渉を働き掛ける可能性がある。
 トランプ氏は、国際貿易政策や中国の経済問題に精通したチームを編成しつつある。ウィルバー・ロス次期商務長官は、24日に上院商業科学運輸委員会から指名承認を受けた。米通商代表部(USTR)代表に指名された著名弁護士ロバート・ライトハイザー氏は、共和、民主両党から歓迎されている。
日本や韓国など米国の同盟国にも打撃
 一部のアナリストは、トランプ政権の強硬姿勢により、中国など主要対米輸出国との交渉で相応の経済的譲歩が得られ、新協定の締結に結びつく可能性があると指摘する。しかし、米大統領選で貿易協定への反発が強かったことを考えれば、トランプ新政権が目指す協定も政治的な反発に見舞われるかもしれない。
 トランプ氏は、米国の雇用を維持するために、NAFTAなど既存の貿易協定を破棄して貿易障壁を築き、多国間の貿易協定ではなく2国間協定を優先する戦略を打ち出している。トランプ氏が米国の雇用を奪っていると非難してきた中国とメキシコとの貿易交渉が、新政権の貿易政策転換が実効性のあるものかどうかを占う試金石となるだろう。両国と米国との貿易は合わせて1兆ドルを超え、米国の輸出入に占める比率は30%に達する。
 トランプ氏は、中国が鉄鋼に対する輸出補助金などの慣行をやめなければ、中国製品に45%の関税を課すと警告している。そうした関税の一律引き上げはWTO違反になる恐れがあり、中国などからの報復措置を招く可能性がある。トランプ氏はまた、中国を為替操作国に認定すると公約している。しかし中国は最近、人民元の行き過ぎた下落を阻止しようと努めており、米国は中国が自国通貨安を誘導しているとの主張を正当化しづらくなるかもしれない。
 トランプ政権が中国製品に対する関税を引き上げれば、中国との貿易戦争を引き起こしかねない。そうなれば、中国で事業を展開している米国企業に影響を及ぼし、中国の輸出製品に多くの部品を供給している日本や韓国など米国の同盟国にも打撃を与えるだろう。
 また米国がNAFTAを解体してしまえば、メキシコおよびカナダとの貿易はWTOのルールに戻る。その場合、NAFTAの下で0%だった自動車の関税は2.5%にすることが許されるだけだ。
 元USTR次席代表補で、フォーダム大学法学部非常勤教授のマット・ゴールド氏は、「トランプ氏は地雷原の真ん中に立っているようなものだ」とし、「どの方向に足を踏み出しても連鎖反応を引き起こす」と述べた。 
トランプ新大統領特集
• 【社説】トランプ氏TPP離脱、中国の勝利と日本の敗北
• トランプ氏の貿易政策:力を通じた平和
• TPP支持の共和党議員、次のステップ練る
• 「トランポノミクス」 投資家はどこに注目すべきか
• トランプ氏、さっそく戦闘モードに

http://jp.wsj.com/articles/SB10852398588237353609804582580013946944278

http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/536.html

[国際17] 「帝国の慰安婦」朴教授に無罪判決 ソウル東部地裁  
「帝国の慰安婦」朴教授に無罪判決 ソウル東部地裁
ソウル=東岡徹2017年1月25日16時37分
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著書「帝国の慰安婦」で名誉毀損(きそん)の罪に問われ、無罪判決を受けた韓国の朴裕河・世宗大教授(中央)。公判終了後、記者団に感想を語った=25日午後4時33分、ソウル東部地裁、東岡徹撮影
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 著書「帝国の慰安婦」で元慰安婦の名誉を傷つけたとして在宅起訴された韓国の朴裕河(パクユハ)・世宗(セジョン)大教授(59)に対し、ソウル東部地裁は25日、無罪判決を言い渡した。求刑は懲役3年だった。

韓国検察、「帝国の慰安婦」著者に懲役3年求刑
「帝国の慰安婦」朴教授の公判 検察「名誉を傷つけた」
 公判では、朴氏が著書で慰安婦について「自発的に行った売春婦」「朝鮮人慰安婦と日本軍の関係が基本的には同志的な関係」などとした表現が、元慰安婦に対する名誉毀損(きそん)に当たるかどうかが争われた。

 朴氏側は公判で、著書は慰安婦問題を解決するために書いており、元慰安婦の名誉を傷つける意図はなく、出版後は韓国でも高く評価されていたと訴えた。慰安婦についても「自発的な売春婦」とは断定しておらず、日本の否定論者の主張を引用したと反論していた。

 今回の刑事裁判は、検察や裁判所が歴史的な事実を評価し、それに基づいて刑事罰を科すのは言論や学問の自由を脅かすという指摘が日韓の有識者から出ていた。検察側は、朴氏の表現を歴史的な事実とは異なる「虚偽」だと断定し、「学問や表現の自由を逸脱した」と主張していた。

 「帝国の慰安婦」は2013年8月に韓国で出版された。慰安婦の実態や日本軍や業者の関与などを説明。問題解決をめぐる支援団体や日韓両政府の取り組みを検証し、解決策を模索した。

 しかし、一部の表現で名誉を傷つけられたとの元慰安婦らの訴えによって、ソウル東部地裁は2015年2月、34カ所を削除しなければ出版を認めないとの仮処分を決定した。16年1月には、元慰安婦9人が損害賠償を求めた民事訴訟で、朴教授に対し、1人当たり1千万ウォン(約97万円)の慰謝料を払うよう命じる判決を出した。

 日本語版は朴氏が日本語で書き下ろし、朝日新聞出版から14年11月に刊行された。構成や表現は韓国語版と同一ではない。(ソウル=東岡徹)

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http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/537.html

[政治・選挙・NHK219] 小池カラーで新規事業は過去最多 東京都の新年度予算案 
小池カラーで新規事業は過去最多 東京都の新年度予算案
2017年1月25日15時27分
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予算案の会見を終え、退出する東京都の小池百合子知事=25日午後、都庁、川村直子撮影
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 東京都の小池百合子知事が25日、2017年度の都当初予算案を発表した。知事就任後、初めて編成した予算案となる。一般会計の規模は総額6兆9540億円で5年ぶりに減少したが、過去最多となる382件の新規事業を盛り込むなど「小池カラー」を打ち出した。小池氏は記者会見で「メリハリをつけた予算」と説明した。

特集:小池都政
 都によると、総額の減少は、都税収入が前年度比2・3%減の5兆911億円を見込むことや、事業見直しによる効率化を進めたことなどが要因。歳出のうち、政策的分野を指す一般歳出も前年度比0・6%減の5兆642億円にとどまったが、既存事業の見直しを進め、前年度の2・4倍の720億円の財源を捻出した。

 主な事業では、待機児童対策として1381億円(前年度比403億円増)を計上し、保育士の待遇改善などを図る。私立高校生向けの給付型奨学金を前年度比2倍超の138億円に増やし、年収760万円未満の世帯に対して都の平均授業料を支援、「実質無償化」を進める。LED電球を普及させるため、白熱電球2個をもってくればLED電球1個に無償交換する事業に18億円を充てた。

 予算編成過程では、これまで慣例となっていた「政党復活予算」を廃止し、自ら業界団体にヒアリングするなど、知事主導に変えた。

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http://www.asahi.com/articles/ASK1T4RT8K1TUTIL020.html
http://www.asyura2.com/17/senkyo219/msg/635.html

[戦争b19] アングル:南シナ海で高まる米中対立、「軍事衝突」の可能性は 
アングル:南シナ海で高まる米中対立、「軍事衝突」の可能性は

http://s2.reutersmedia.net/resources/r/?m=02&d=20170125&t=2&i=1170063721&

[北京/ワシントン 24日 ロイター] - 中国は24日、南シナ海の南沙諸島(スプラトリー諸島)において同国は「反論の余地のない」主権を有すると述べ、トランプ米政権が「国際水域」を守ると表明したことに対して強く反発した。

アジアにおける領有権の主張を強める中国に対して、これまで慎重対応を維持してきた米国だが、スパイサー米大統領報道官は23日、そのような方針から決別する姿勢を明確にした。

米国務長官に指名されたレックス・ティラーソン氏が11日の指名承認公聴会で、中国に対して南シナ海の人工島へのアクセスを認めない姿勢を明確にすべきだと発言したことについて、トランプ大統領も同じ意見かと聞かれたスパイサー報道官は、「米国は(南シナ海での)自国の国益を確実に守る」と明言。

「これらの人工島が実際に、中国の領海ではなく国際水域にあるかどうかが問題で、もしそうならば一国が国際水域を奪取する行為を阻止する」と同報道官は語った。

中国外務省の華春瑩報道官は24日の定例会見で、南シナ海の領有権紛争において「米国は当事国ではない」と述べた。南沙諸島の主権は「反論の余地なく」中国にあると語り、南シナ海について慎重に発言し、行動するよう米国に求めた。

また、中国は同海域における航海の自由を守ることに尽力しており、当事国間で話し合い、平和的解決を望むとの考えを示した。「われわれは米国に対し、南シナ海の平和と安定を損なわないよう、事実を尊重し、言動を慎むことを求める」と、同報道官は語った。

<人工島へのアクセス禁止>

指名承認公聴会においてティラーソン氏が南シナ海について発言した翌日、中国の国営メディアは、米国が「開戦」を迫られることになると報じている。

公聴会で米国が中国に対しより攻撃的な姿勢を取ることを支持するかと問われたティラーソン氏は、「米国は中国に対し、まずは人工島建設を中止すべきであり、次に人工島へのアクセスは認められないとする明確なシグナルを送る必要がある」と語った。

米石油大手エクソンモービル(XOM.N)前会長であるティラーソン氏は、南シナ海の人工島に中国がアクセスできないようにするための具体策には触れなかった。

だが、スパイサー報道官の発言同様、ティラーソン氏のこうしたコメントは、海上封鎖も含めた米国による軍事行動の可能性を示唆するものだと専門家はみている。そうなれば、手強さを増す核軍事大国の中国と軍事衝突するリスクを招く。

世界第2の経済大国でもある中国は、米国民の職を奪っているとして、すでにトランプ大統領の非難の的となっている。

スパイサー報道官は中国に対する具体的な措置への言及を避け、「今後より多くの情報が手に入るだろう」と述べるにとどめた。

<危険なエスカレーション>

軍事専門家は、米海軍にはアジアにおいて艦船や潜水艦、航空機による封鎖作戦を遂行する能力があるが、増大する中国軍の艦隊に対してそのような行動に出れば、危険なエスカレーションを招くと指摘する。

中国の台頭に対抗すべく、トランプ大統領は東アジアで大規模な海軍増強を計画していると、側近は語っている。

中国外務省はティラーソン発言の意図は不明だとしていた。これは大統領就任前、トランプ氏が米紙とのインタビューで行った、「一つの中国」原則は交渉の対象になりうるとの挑発的発言に続くものだ。

新アメリカ安全保障センターの南シナ海専門家であるミラ・ラップホッパー氏は、中国のアクセスを認めないとの米国の脅しは「信じがたい」と述べ、国際法において根拠がないとの見方を示した。

「実際にアクセスさせないようにするには封鎖しなければならないが、そうなればもう戦争行為だ」と同氏は警鐘を鳴らす。

「トランプ政権は、アジアにおいて越えてはならない一線を引き始めた。だがそれは、守ることがほとんど不可能でありながら、中国との関係を非常に不安定化させ、危機を招き、米国が信頼できないパートナーであると世界に確信させることになるものだ」と付け加えた。

また、米戦略国際問題研究所(CSIS)のボニー・グレーザー氏は、スパイサー報道官の発言は「憂慮すべき」と述べ、トランプ政権が「混乱させるような、矛盾するメッセージを送っている」と語る。

ヘリテージ財団のディーン・チェン氏は、スパイサー報道官の発言はトランプ政権が南シナ海を重要な問題とみなしていることを示すものだと説明。

スパイサー、ティラーソン両氏とも、具体策に触れていないことは注目すべきであり、軍事的措置ではなく、経済的措置を中国と人工島建設に関わる同国企業に対して講じる可能性が残されている、とチェン氏は指摘した。

(Ben Blanchard記者、David Brunnstrom記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)

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http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/304.html

[政治・選挙・NHK219] アベノミクス、成長力の強化が急務 32年度PB赤字幅拡大 2020年8.3兆円に拡大、18年度目安は事実上撤回=内閣府
2017.1.25 20:30

アベノミクス、成長力の強化が急務 32年度PB赤字幅拡大 
 
経済財政諮問会議に臨む(左から)石原伸晃経済再生担当相、安倍晋三首相、麻生太郎副総理兼財務相ら=25日午後、首相官邸(斎藤良雄撮影)

 中長期試算で平成32年度のPBの赤字幅が拡大したのは、円高や消費低迷で税収の見積もりが想定より落ち込んだためだ。経済成長による税収増を財政再建に充てるとしてきたアベノミクスは、歳出改革や働き方改革、技術革新を通じた成長力の強化が急務となる。

 石原伸晃経済再生担当相は経済財政諮問会議後の記者会見で、財政健全化に向けて「経済再生を最優先に、社会保障改革を含めた歳出の効率化、重点化が非常に重要だ」と強調した。

 28年度は、新興国経済の減速不安から円高が進んで企業収益が悪化し、法人税収の見通しは当初見積もりの57兆6千億円から55兆9千億円へ下落、消費税収も個人の消費意欲の低迷で伸び悩む見通しだ。

 安倍晋三首相は23日の衆院本会議で、32年度の財政健全化目標を堅持する考えを示した。ただ、トランプ米大統領の保護主義的な通商政策など世界経済の不確実性は高まっており、税収は不安定となりかねない。

 今回、GDPの算出方法見直しを受けて計算し直した潜在成長率は、28年7〜9月期で0.8%にとどまった。民間議員は成長率を高めるため、今年前半は重点的に、格差を固定化しないための人材投資や中間層の活性化を検討すべきだとした。

 高齢化という問題も横たわる。内閣府の有識者会議は25日、42年に向け、超スマート社会の構築や人材投資の一層の拡充などを進めるべきだとする報告書を諮問会議に提出した。(山口暢彦)
http://www.sankei.com/economy/news/170125/ecn1701250038-n1.html


 

PB赤字20年度8.3兆円に拡大、18年度目安は事実上撤回=内閣府

[東京 25日 ロイター] - 内閣府は25日開催された政府の経済財政諮問会議に、国と地方を合わせた基礎的財政収支(プライマリーバランス・PB)の今後の見通しを提出した。

税収の伸び悩みなどを背景に、2020年度の赤字幅は前回昨年7月試算から8.3兆円に拡大。18年度の目安「GDP比1%の赤字」も10%への消費増税延期の影響を踏まえるとして、事実上撤回する方向をにじませた。前回盛り込まれていた「20年度黒字化実現」の記述は「財政再建目標」に置き換えられた。

内閣府が提出したのは、年2回行う「中長期の経済財政に関する試算」。今回は2025年度までの見通しを示した。中長期的に実質2%・名目3%以上という高い成長率を前提とした「経済再生ケース」と、実質1%弱、名目1%半ば程度を前提にした「ベースラインケース」の両方で試算している。

20年度については、昨年7月の前回試算における「経済再生ケース」では、赤字幅は5.5兆円程度の見通しだったが、今回8.3兆円程度に拡大。「ベースラインケース」では前回の9.2兆円程度から11.3兆円程度に拡大となった。

また18年度については、「経済・財政再生計画」において「中間評価」を行い、PB赤字の対GDP比1%程度を目安とすることとされてきたが、今回はこれについて、「消費税率の再引き上げを19年10月に延期するとされたことから、中間評価にあたっては、こうした影響を踏まえる必要がある」との説明をつけ、消費増税を前提としていた目安を見直すことをにじませた。

単年度における基礎的財政収支が悪化しても、「経済再生ケース」において公債等残高の対GDP比率は17年度から25年度にかけて低下していく。日銀のイールドカーブコントロールにより利払い費が削減されるため、国債費の増加ペースが緩やかになることなどが背景とみられる。

しかし、23年度以降は長期金利が名目GDP成長率を上回り、低金利で発行した既発債のより高い金利による借り換えが進んでいくため「留意が必要」だとしており、いずれまた公債等残高の比率は上昇傾向に転じていく可能性がありそうだ。

(中川泉 編集:田中志保)

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http://jp.reuters.com/article/fiscal-balance-plan-idJPKBN1590TH

http://www.asyura2.com/17/senkyo219/msg/645.html

[経世済民118] 1月日銀国債買入、12月比減額の公算 金利重視で柔軟化鮮明 ECB政策、従来より伝達が遅行しながらも機能 金↓ ダウ2万
焦点:1月日銀国債買入、12月比減額の公算 金利重視で柔軟化鮮明

[東京 25日 ロイター] - 日銀による1月中の国債買い入れ量が、昨年12月よりも減額となる可能性が高まっている。日銀は昨年9月に金融緩和の軸を「量」から「金利」に変更する一方、運営上の国債買い入れ額は従来ペースを維持してきたが、イールドカーブ重視の下での国債買い入れ柔軟化路線が鮮明になってきた。

日銀は25日の金融市場調節で、市場が予想していた「残存1年超5年以下」の国債買い入れを見送った。これまで同ゾーンの国債買い入れは月間6回行われていたが、買い入れを行わないとしている国債入札日などを考慮すると、1月はあと1回の5回にとどまる可能性が大きい。月間のフローベースの買い入れ額は従来の9兆円程度から8兆円強に減る計算だ。

日銀は昨年9月、従来の80兆円の国債を買い入れる「量的質的緩和(QQE)」から「長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)」に政策を転換。短期金利をマイナス0.1%、長期金利(10年債利回り)をゼロ%とすることを政策の目標に据えた。

巨額の国債買い入れの限界が市場で意識される中、市場ではどこかの時点で買い入れ量が減額されるのではないかとの観測がくすぶっていたが、現実にはYCC導入後も毎月9兆円程度と従来通りの巨額買い入れを続けてきた。

昨年12月末に日銀が公表した「当面の長期国債の買い入れの運営について」では、1カ月間の年限ごとの国債買い入れ回数を5−7回、4−6回など従来の6回程度、5回程度などから幅を持たせた表現に変更。債券市場では国債買い入れ減額への布石との思惑も出ていた。

日銀幹部は、25日の国債買い入れについて「最近のオペの結果や国債市場の需給環境を勘案して決めた」と説明。「国債買い入れオペの金額・タイミング・回数は、金融市場調節方針と整合的なイールドカーブの形成を促すために適切に対応する」とし、日銀が適切と考えるイールドカーブを前提に、柔軟なオペ運営を行っていく考えをあらためて示した。

国債買い入れ見送りを受けた市場では「買い入れ回数減少(テーパリング)の可能性が高まった」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券・シニア債券ストラテジストの稲留克俊氏)ことが意識され、中期ゾーンを中心に金利が上昇。

米金利上昇を背景に国内金利にも上昇圧力がかかりやすい中で、減額方向にシフトした今回の調節に対し、市場の一部では驚きの声も出ている。

米長期金利の動向に影響を与えるトランプ政権のマクロ経済政策の基本的な方針は、未だに不透明な状況が続いている。

このため米長期金利の動向を通じた日本のイールドカーブ全般の落ち着きどころをめぐって思惑が交錯しそうで、日銀は引き続き、難しい「市場との対話」を強いられそうだ。

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http://jp.reuters.com/article/boj-operation-idJPKBN1591CI

 

 
Business | 2017年 01月 25日 20:45 JST 関連トピックス: ビジネス, トップニュース

ECBの政策、従来より伝達が遅行しながらも機能=調査報告 

[フランクフルト 25日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は調査報告で、インフレの基本的要素は変わっておらず、現在の経済状況下で金融政策は通常よりも遅行しながらも機能しているとの見解を示した。

低インフレが長期に続いているが、グローバル化、急速な高齢化、技術発展により人々の貯蓄や支出傾向が変化して低インフレにつながり、従来型金融政策は機能しないとの見方がエコノミストの一部から出ている。

調査報告では、このような結論は間違っており、経済の新たな現実というよりもECB予想の誤りや非伝統的金融政策の不透明性などで増幅された一連のショックから、低インフレは引き起こされるとの見方を示した。

「インフレがないのは、どちらかというと国内外の循環要因によるもの」とし、いわゆるフィリップス曲線は引き続き有効だと指摘した。

金利が実質的な最低水準に達すると、企業や家計が非伝統的金融政策という新たな現実への負のショックや調整に時間がかかることから、政策の伝達遅延につながるという。ただ長期インフレ期待の安定から、金融政策は目標達成のために引き続き有効と結論づけている。

*ECB報告
https://www.ecb.europa.eu/pub/pdf/scpops/ecbop181.en.pdf

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http://jp.reuters.com/article/ecb-policy-research-idJPKBN1591A7


 

金は下げて始まる 4月限が中心限月に=NY金オープン

配信日時 2017年1月25日(水)23:13:00 掲載日時 2017年1月25日(水)23:23:00
NY金先物4月限(COMEX)(NY時間09:01)
1オンス=1204.80(-8.80 -0.73%)
https://jp.investing.com/commodities/gold-streaming-chart

 

ダウ平均が寄付きから2万ドル達成=米国株序盤

配信日時 2017年1月25日(水)23:39:00 掲載日時 2017年1月25日(水)23:49:00
NY株式25日(NY時間09:35)
ダウ平均   20015.90(+103.19 +0.52%)
ナスダック   5636.52(+35.56 +0.64%)
CME日経平均先物 19245(大証終比:+175 +0.91%)

 きょうのNY株式市場でダウ平均は2万ドルを達成して始まっている。前日はS&P500やナスダックが最高値を更新するなど、このところ一服していたトランプ相場が復活しつつある傾向も見られている。まだ、トランプ大統領の具体的な経済政策の詳細は明らかではないものの、前日は二つのパイプラインの建設再開の大統領令に署名したことや、自動車産業トップとの会合で減税や規制緩和に触れるなど、選挙中の公約実施への方向に傾いており期待が高まっている。また、前日引け後から寄り付き前までに発表になった決算が良好な内容が多かったこともフォローとなっているようだ。

 決算が目白押しの週でその動向を見極めたいとの雰囲気が強い一方で、引続きトランプ政権の保護主義や財政拡大策の動向を市場は注視している。

 ナスダックも上昇。半導体やストレージなどハードウェア中心にIT・ハイテク株も堅調に推移。
 
 決算関連ではボーイングが上昇。1株利益が2.47ドルと予想(2.32ドル)を上回った。

 ハードディスク・ドライブ製造のシーゲイトが大幅高。前日引け後に第2四半期決算を発表しており、1株利益が1.38ドルと予想(1.08ドル)を上回った。また、第3四半期についても、予想を上回る見通しを発表している。この決算を受け同業のウエスタン・デジタルも上昇。引け後に決算が予定されている。

 アルコアが上昇。第4四半期の決算を発表しており、1株利益は0.14ドルと予想(0.20ドル)を下回ったものの、アルミ価格の上昇で売上高が予想を上回っていることが好感されている。アナリストの投資判断引き上げも伝わっていた。

 このあとは、日本時間0時半に米週間石油在庫、日本時間3時に5年債入札などが予定。引け後の決算では、AT&T、クアルコム、ザイリンクス、ラスベガス・サンズ、ウエスタン・デジタル、イーベイなどが予定されている。主な要人発言は予定されていない。

ボーイング 164.80(+4.25 +2.65%)
シーゲイト 44.65(+7.21 +19.26%)
ウエスタン・デジタル 80.19(+4.18 +5.50%)
アルコア 38.47(+0.97 +2.59%)

アルファベット(C) 826.16(+2.29 +0.28%)
フェイスブック 130.18(+0.81 +0.63%)
ツイッター 16.69(+0.17 +1.01%)
テスラ 257.37(+2.76 +1.08%)
アマゾン 827.06(+4.62 +0.56%)
エヌビディア 108.87(+1.54 +1.43%)

ダウ採用銘柄
J&J       111.19(-0.57 -0.50%)
P&G       87.48(-0.39 -0.44%)
デュポン     76.07(+0.02 +0.03%)
ボーイング    164.76(+4.21 +2.67%) 
キャタピラー   97.73(+1.49 +1.58%) 
ユナイテッド   110.20(-1.41 -1.28%) 
ビザ     83.86(+0.63 +0.77%) 
ナイキ        53.94(+0.49 +0.92%)
GE        30.22(+0.22 +0.74%) 
3M        177.60(+1.63 +0.91%) 
エクソンモビル  85.36(+0.27 +0.32%) 
シェブロン    116.49(+0.12 +0.10%) 
コカコーラ    41.97(+0.07 +0.16%) 
ディズニー    108.13(+0.23 +0.21%) 
マクドナルド   121.27(+0.22 +0.18%) 
ウォルマート  67.64(+0.24 +0.36%)
ホームデポ   138.41(+0.35 +0.25%)
JPモルガン   85.78(+1.06 +1.27%)
トラベラーズ     117.76(+0.92 +0.78%)
ゴールドマン     235.68(+2.00 +0.86%)
アメックス    77.99(+0.56 +0.74%) 
Uヘルス     160.83(+0.40 +0.25%)
IBM      177.70(+1.80 +1.05%)
アップル      120.86(+0.89 +0.74%)
ベライゾン   49.14(-0.98 -1.87%)
マイクロソフト  63.87(+0.35 +0.56%)
インテル     37.83(+0.21 +0.57%)
ファイザー   31.19(+0.04 +0.13%)
メルク      60.82(-0.39 -0.63%)
シスコ      30.74(+0.14 +0.46%)

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
http://klug-fx.jp/fxnews/detail.php?id=352383

http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/306.html

[経世済民118] AIが決算記事を完全自動配信、日経が開始 AI記者の登場で人間の業務が変わっていく アマゾンが目指すソフトの覇権 
AIが決算記事を完全自動配信、日経が開始

ニュースを斬る

“AI記者”の登場で人間の業務が変わっていく
2017年1月26日(木)
井上 理
 1月25日午後3時30分、東京・渋谷の複合ビル「ヒカリエ」27階のLINE本社で出澤剛社長らが出席する決算説明会が始まろうとしていた。「ちょうど決算短信が開示されたようなので、皆さんにもお配りします」。広報担当がそう言って紙を配る。

 その3分前の午後3時27分。日本経済新聞の電子版には既に、「LINEの16年12月期、最終損益75億円の黒字」と題された記事が公開されていた。上場会社が適時開示に使う「TDネット」でLINEの決算短信が配信されたのは記事配信のわずか2分前。記事を“書き”、“投稿”したのは人間ではなく、「AI(人工知能)」である。


AIによるLINE決算の記事は、TDネットの開示から2分後に公開された
 ついに、“AI記者”が活躍する時代が訪れた。日本経済新聞社は25日、企業決算の要点を完全自動配信するサービス「決算サマリー」を開始した。TDネットでの決算公表後、売上高や利益などの情報とその背景をまとめ、記事の体裁にし、数分で日経電子版や会員制情報サービス「日経テレコン」に配信するまでを、AIを備えたシステムが担当する。

 決算の数字だけではなく要因までもを記述し、人の手を介さず完全自動で配信する恒常的なサービスとしては、国内初の試み。海外では既に米AP通信やロスアンゼルス・タイムス紙、ワシントン・ポスト紙などがAIによる一部記事の自動配信を実現している。

「本来やるべき仕事に集中してもらう」

 今回のAIによる決算サマリーが対象とするのは、約3600社ある上場企業が年4回公表する決算短信。TDネットに公表するデータ形式によってはAIが処理できないものもあり、現状のシステムでは約3000社ほどに対応できる見込みという。

 日経は今回、徳島大学発のベンチャー、言語理解研究所と東京大学松尾豊研究室と共同でAI記事のシステムを開発。ともにAI技術や研究で実績があり、元文章の日本語分析や記事生成などに役立てている。今後は、記事の質の向上に務め、本格的な「AI記事」への進化も視野にプロジェクトを進めていくとしている。

 人間の記者が決算短信の公表後、2分で記事を書き、公開することは不可能。AIの活用で効率性や即時性が高まる一方、記者を生業とする者として、「AIに仕事を奪われるのでは」との思いも頭をもたげる。


1月25日、LINEの出澤剛社長は決算説明会に登場。その10分以上前に、AI記者の記事は公開されていた
 「記者の仕事がなくなる」というイノベーションのジレンマを前に、あえて一歩先へと踏み出した理由や狙いとは何か。プロジェクトを担当したデジタル編成局編成部の関根晋作氏は、こう語る。

 「本プロジェクトの真の狙いは、人間の記者に、本来やるべき仕事に集中してもらうという点にあります。対象が約3600社もある上場企業の決算記事をすべて人手でやっていては、カバーしきれません。同時に電子版の普及で記者の負担は増大しており、付加価値の高い記事の質を高めるためにも、一部作業をAI化することが不可欠と考えました」

 これまで日経では、主に証券部や子会社の日経QUICKニュース社(NQN)の記者が決算の速報記事を担当していた。決算サマリーのサービスがまだベータ版(試用版)ということもあり、現状は記者の既存業務に変更はないというが、今後、編集の現場を中心に検討を進めていくという。

「進化の過程を見ていただきたい」

 関根氏が「出来上がった記事をご覧になってもらえば分かりますが、AI記者による記事品質は、まだまだ人間にとって代わるとは言いがたい」と話すように、日本語表現の違和感など多少の粗も残る。

 例えば、冒頭に紹介したLINE決算の記事中にある要因部分は、「純利益は、MixRadio事業の終了に伴う解雇費用などから構成される非継続事業に係る純損失の計上が影響した」とあり、よく読めば分かるが、頭に入りにくい文章だ。

 それでもサービスの公開に踏み切ったのは、「お客様に進化の過程を見ていただきたい」(日経幹部)との思いからという。AIがどう日経記者の働き方を変えていくのか。壮大な実験が始まった。


このコラムについて

ニュースを斬る
日々、生み出される膨大なニュース。その本質と意味するところは何か。そこから何を学び取るべきなのか――。本コラムでは、日経ビジネス編集部が選んだ注目のニュースを、その道のプロフェッショナルである執筆陣が独自の視点で鋭く解説。ニュースの裏側に潜む意外な事実、一歩踏み込んだ読み筋を引き出します。
http://busine ss.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/012500553


 

アマゾンが目指すソフトの覇権

The Economist

2017年1月26日(木)
The Economist


米フォードはアマゾンのAlexaを採用すると決めた。提携を発表するフォードのマーク・フィールズCEO(写真:ロイター/アフロ)
 出足こそ覚束なかったが、米アマゾンの音声認識技術「Alexa」がテクノロジーの世界で大きな成功を収めようとしている。

 米電子商取引大手のアマゾンが人工知能に基づく音声アシスタント「Alexa」を市場投入したのは、同社が大きな躓きを経験した直後のことだった。同社は「Fire」を引っ提げてスマートフォン市場での成功を目指した。だが、その目論見は外れ、2014年末には1億7000万ドル(約194億6000万円)に上る損失処理 を強いられた。アナリストはFireを史上最悪のスマホだと酷評した。

 Fireの失敗は、自社のモバイル・プラットフォームを開発するとのアマゾンの夢を打ち砕くかに見えた。アップルがiPhoneを世に送り出し、アルファベット(旧グーグル)が検索エンジンGoogleで世間を席巻するのを見て、アマゾンは、ライバル企業の技術を介すことなくユーザーと直接つながる方法を必死に探した。

 アマゾンはFireでやろうとしていたことをまさにAlexaで実現した。Fireと異なるのは形態だけ。これは、Alexa が発表された時にはほとんど誰も予想しなかったことだ。画面で操作する必要はない。Alexaは完全に音声で操作できる。

 Alexaを採用した初めての製品「Echo」をアマゾンが市場投入したのは、Fireの損失を処理した2週間後のことだ。Echoは音声で制御でき、一般大衆に広く訴求する力を持つスピーカーの第1号となった。発売後2年の間に、Alexaは山火事のごとく猛烈な勢いで普及した。今やこの音声技術は冷蔵庫をはじめとする何十もの家電製品に組み入れられている。自動車に搭載される日も近い。

 アマゾンの願いは、Alexaの背後で稼働するデジタルマインド「Alexa Voice Services(AVS)」が、音声による操作が必要とされるあらゆる領域で活躍することだ。

Alexa普及のためには損失もいとわない

 アマゾンはこれまでも、以前には考えられなかったビジネス分野で成功してきた。その最たるものが、クラウドコンピューティング・サービスのAWS(Amazon Web Services)だ。10年前に同サービスを導入して以降、アマゾンは先行者利益を余すところなく活用し、今やクラウドコンピューティングを提供する世界最大の企業にのし上がった。

 Alexaでこれと同様の成功を収めるのはさほど容易ではない。だが、アマゾンはすでに莫大な経営資源をこのプロジェクトに投入している。米投資銀行エバコアによれば、アマゾンはAlexaの普及を促すため、Alexaが稼働する端末の価格を損益分岐点を下回る水準――ハードウエアのコストを1〜2割下回る水準――に設定している。同社はAlexa端末がどのくらい売れたのか、明らかにしていない。

 アマゾンはまた、AVSの無償利用を許可している。開発者は、スピーカーやマイクを内蔵するさまざまな機器にAlexaを組み込むことができるわけだ。Alexa Fundを設立し、Alexaを利用する新しいアプリの開発を進める開発者に資金まで提供している。

 さらに、アマゾンはAlexaに膨大な経営資源を注ぎ込んでいる。再びエバコアの推定によれば、アマゾンは2016年にAlexa関連で3億3000万ドル(約377億8000万円)の損失を計上した。この額には、端末に関わる純損失や、人件費などが含まれる。さらに2017年には、損失額はほぼ2倍の6億ドル(約687億円)超に膨らむと、エバコアはみている。

音声OS分野のウィンドウズ目指す

 アマゾンは現在、事業の拡大に伴い、Alexaチームの新たなメンバーを500人以上募集している(同社は2018年年央までに米国内で新たに10万人の雇用を創出すると約束している。その多くは倉庫要員などだ)。アマゾンにとって、Alexaが持つ戦略的な意義は明白だ――Alexaによってアマゾンは、音声という新たな手段を使う基本ソフト(OS)を手にすることができる可能性がある。

 「アマゾンの狙いは、音声操作の世界でグーグルやウィンドウズのような存在となることにあるようだ」。RBC(カナダロイヤル銀行) のアナリスト、マーク・マヘイニー氏はこう語る。「アマゾンは市場の覇者となりつつある」(同氏)。

 マヘイニー氏の指摘によれば、音声サービスが最も役に立つ分野が2つある。一つは家庭、もう一つはクルマだ。家庭において、アマゾンはユーザーとのつながりを強めることが可能だ。そして当然ながら、ユーザーはより容易にアマゾンのサイトで買い物をし、Amazon Musicで音楽を聴けるようになる。

 家庭への一段の浸透を目指すアマゾンの試みは、生鮮食料品の宅配サービスAmazon Fresh の最近の拡大と軌を一にしている。「冷蔵庫の中にトロイの馬がいるようなものだ」とマヘイニー氏は言う。

 マヘイニー氏は直近の四半期――クリスマス・シーズンを含む――にAlexa端末の販売が1000万台に達したとみている。だが、個人にAlexa端末を直接販売してその勢力を拡大する取り組みは、アマゾンが思い描く全体像の一部に過ぎない。音声OSを手中に収めることで、アマゾンは強力な立ち位置を手に入れる。ゲートキーパーとしてサードパーティー・アプリと顧客データにアクセスすることが可能になるのだ。

中立ゆえに力を持つ

 これまでのところ、アマゾンはサードパーティー・アプリや、それを開発するスキルを持つ技術者に対してオープンな姿勢を示している。例えば音楽サービスの分野では、アマゾンのライバルであるSpotifyやPandoraにAlexaを通じてアクセスすることができる。またAlexaを使って、Domino’s Pizzaに注文することもできる。Domino’s Pizzaはアマゾンのレストラン・デリバリー・サービスと競合するにもかかわらずだ。

 このアプローチは、Alexaとの提携を考えている企業に安心感を与える。自動車メーカーの米フォードは、大きなテクノロジー企業と提携する際のシンプルな基準を決めた。直接的なライバルとなる可能性の小さい企業を選ぶというものだ。

 フォードは1月、今年後半には車内でAlexaを操作できるようにすると発表した。この発表も、「直接的なライバルとなる可能性の小さい企業を選ぶ」との考えに基づく。この発表はAlexaにとって突破口となるものだ。クルマのダッシュボード上がAlexaの居場所となるにとどまらない。音声インテリジェント・エージェントの覇権争いで、グーグルやマイクロソフトを出し抜いて、まず先頭に立ったことを意味する。

 より重要なのは恐らく、将来の競争において、フォードとの提携が示唆するものだ。つまり、シリコンバレーの野心的な企業が(本誌注:自動運転などをはじめとする)様々な業界に進出し脅威を与えているまさにその時に、アマゾンはニュートラルなパートナーとして、ハードメーカーに受け入れられることだろう。

 他の自動車メーカーも、フォードと同様の思いを抱いている。日産自動車および仏ルノーで社長やCEO(最高経営責任者)を務めるカルロス・ゴーン氏は、アップルおよびアルファベットに言及し「目的が理解できない相手と協力するのは困難だ」と述べた。

 これに対してアマゾンは、その意図を明白にしている。ゴーン氏は「アマゾンやウーバーなど一部の企業はすでにその目標を定めている――自身が目指すところを理解している。彼らとは協力したいと思う」と語った。「そして彼らが目指すところは、自分たちの脅威とはならない」(同氏)。

 アマゾンはまた、エコシステムを拡大するための重要な技を学んだ――開発者がAlexaを容易に組み込めるようにすることだ。このことはテクノロジーのプラットフォーム企業にとって極めて重要な意味を持つ。

 人間型ロボット・メーカーのUBTechで北米部門のゼネラルマネージャーを務めるジョン・リー氏は「Alexaのエコシステムは、2年前と比べて一段と強靭なものになった」と語る。UBTechは、Alexaを搭載するロボットを1月5日にお披露目 した。

アマゾンを追うサムスン

 しかしながら、アマゾンがAlexaを携えてリードを奪ったと言っても、より幅広いラインナップを持つAWSサービスを広める機会を得たと判断するのは時期尚早だ。さらに、アマゾンがAlexaで勝ち取った緩やかな提携は、いつまでも続くとは限らない。独占契約でもない。ハードメーカーはライバルの音声アシスタントにいつでも乗り替えることができる。

 Alexaの成功を受けて、同様のネットワーク構築を目指すサムスンなどの企業が、開発に改めて拍車をかけている。同社のファンド、ネクストベンチャーズを率いるブレンドン・キム氏は、アマゾンは「新たな会話型音声インターフェースが持つ潜在力を人々に知らしめることに貢献している」と述べた。ネクストベンチャーズはシリコンバレーを拠点としており、1億5000万ドル(約172億ドル)規模の資金力を持つ。


このコラムについて

The Economist
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http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/224217/012500117


 


アマゾンが目指すソフトの覇権

FINANCIAL TIMES

2017年1月26日(木)
FINANCIAL TIMES


米フォードはアマゾンのAlexaを採用すると決めた。提携を発表するフォードのマーク・フィールズCEO(写真:ロイター/アフロ)
 出足こそ覚束なかったが、米アマゾンの音声認識技術「Alexa」がテクノロジーの世界で大きな成功を収めようとしている。

 米電子商取引大手のアマゾンが人工知能に基づく音声アシスタント「Alexa」を市場投入したのは、同社が大きな躓きを経験した直後のことだった。同社は「Fire」を引っ提げてスマートフォン市場での成功を目指した。だが、その目論見は外れ、2014年末には1億7000万ドル(約194億6000万円)に上る損失処理 を強いられた。アナリストはFireを史上最悪のスマホだと酷評した。

 Fireの失敗は、自社のモバイル・プラットフォームを開発するとのアマゾンの夢を打ち砕くかに見えた。アップルがiPhoneを世に送り出し、アルファベット(旧グーグル)が検索エンジンGoogleで世間を席巻するのを見て、アマゾンは、ライバル企業の技術を介すことなくユーザーと直接つながる方法を必死に探した。

 アマゾンはFireでやろうとしていたことをまさにAlexaで実現した。Fireと異なるのは形態だけ。これは、Alexa が発表された時にはほとんど誰も予想しなかったことだ。画面で操作する必要はない。Alexaは完全に音声で操作できる。

 Alexaを採用した初めての製品「Echo」をアマゾンが市場投入したのは、Fireの損失を処理した2週間後のことだ。Echoは音声で制御でき、一般大衆に広く訴求する力を持つスピーカーの第1号となった。発売後2年の間に、Alexaは山火事のごとく猛烈な勢いで普及した。今やこの音声技術は冷蔵庫をはじめとする何十もの家電製品に組み入れられている。自動車に搭載される日も近い。

 アマゾンの願いは、Alexaの背後で稼働するデジタルマインド「Alexa Voice Services(AVS)」が、音声による操作が必要とされるあらゆる領域で活躍することだ。

Alexa普及のためには損失もいとわない

 アマゾンはこれまでも、以前には考えられなかったビジネス分野で成功してきた。その最たるものが、クラウドコンピューティング・サービスのAWS(Amazon Web Services)だ。10年前に同サービスを導入して以降、アマゾンは先行者利益を余すところなく活用し、今やクラウドコンピューティングを提供する世界最大の企業にのし上がった。

 Alexaでこれと同様の成功を収めるのはさほど容易ではない。だが、アマゾンはすでに莫大な経営資源をこのプロジェクトに投入している。米投資銀行エバコアによれば、アマゾンはAlexaの普及を促すため、Alexaが稼働する端末の価格を損益分岐点を下回る水準――ハードウエアのコストを1〜2割下回る水準――に設定している。同社はAlexa端末がどのくらい売れたのか、明らかにしていない。

 アマゾンはまた、AVSの無償利用を許可している。開発者は、スピーカーやマイクを内蔵するさまざまな機器にAlexaを組み込むことができるわけだ。Alexa Fundを設立し、Alexaを利用する新しいアプリの開発を進める開発者に資金まで提供している。

 さらに、アマゾンはAlexaに膨大な経営資源を注ぎ込んでいる。再びエバコアの推定によれば、アマゾンは2016年にAlexa関連で3億3000万ドル(約377億8000万円)の損失を計上した。この額には、端末に関わる純損失や、人件費などが含まれる。さらに2017年には、損失額はほぼ2倍の6億ドル(約687億円)超に膨らむと、エバコアはみている。

音声OS分野のウィンドウズ目指す

 アマゾンは現在、事業の拡大に伴い、Alexaチームの新たなメンバーを500人以上募集している(同社は2018年年央までに米国内で新たに10万人の雇用を創出すると約束している。その多くは倉庫要員などだ)。アマゾンにとって、Alexaが持つ戦略的な意義は明白だ――Alexaによってアマゾンは、音声という新たな手段を使う基本ソフト(OS)を手にすることができる可能性がある。

 「アマゾンの狙いは、音声操作の世界でグーグルやウィンドウズのような存在となることにあるようだ」。RBC(カナダロイヤル銀行) のアナリスト、マーク・マヘイニー氏はこう語る。「アマゾンは市場の覇者となりつつある」(同氏)。

 マヘイニー氏の指摘によれば、音声サービスが最も役に立つ分野が2つある。一つは家庭、もう一つはクルマだ。家庭において、アマゾンはユーザーとのつながりを強めることが可能だ。そして当然ながら、ユーザーはより容易にアマゾンのサイトで買い物をし、Amazon Musicで音楽を聴けるようになる。

 家庭への一段の浸透を目指すアマゾンの試みは、生鮮食料品の宅配サービスAmazon Fresh の最近の拡大と軌を一にしている。「冷蔵庫の中にトロイの馬がいるようなものだ」とマヘイニー氏は言う。

 マヘイニー氏は直近の四半期――クリスマス・シーズンを含む――にAlexa端末の販売が1000万台に達したとみている。だが、個人にAlexa端末を直接販売してその勢力を拡大する取り組みは、アマゾンが思い描く全体像の一部に過ぎない。音声OSを手中に収めることで、アマゾンは強力な立ち位置を手に入れる。ゲートキーパーとしてサードパーティー・アプリと顧客データにアクセスすることが可能になるのだ。

中立ゆえに力を持つ

 これまでのところ、アマゾンはサードパーティー・アプリや、それを開発するスキルを持つ技術者に対してオープンな姿勢を示している。例えば音楽サービスの分野では、アマゾンのライバルであるSpotifyやPandoraにAlexaを通じてアクセスすることができる。またAlexaを使って、Domino’s Pizzaに注文することもできる。Domino’s Pizzaはアマゾンのレストラン・デリバリー・サービスと競合するにもかかわらずだ。

 このアプローチは、Alexaとの提携を考えている企業に安心感を与える。自動車メーカーの米フォードは、大きなテクノロジー企業と提携する際のシンプルな基準を決めた。直接的なライバルとなる可能性の小さい企業を選ぶというものだ。

 フォードは1月、今年後半には車内でAlexaを操作できるようにすると発表した。この発表も、「直接的なライバルとなる可能性の小さい企業を選ぶ」との考えに基づく。この発表はAlexaにとって突破口となるものだ。クルマのダッシュボード上がAlexaの居場所となるにとどまらない。音声インテリジェント・エージェントの覇権争いで、グーグルやマイクロソフトを出し抜いて、まず先頭に立ったことを意味する。

 より重要なのは恐らく、将来の競争において、フォードとの提携が示唆するものだ。つまり、シリコンバレーの野心的な企業が(本誌注:自動運転などをはじめとする)様々な業界に進出し脅威を与えているまさにその時に、アマゾンはニュートラルなパートナーとして、ハードメーカーに受け入れられることだろう。

 他の自動車メーカーも、フォードと同様の思いを抱いている。日産自動車および仏ルノーで社長やCEO(最高経営責任者)を務めるカルロス・ゴーン氏は、アップルおよびアルファベットに言及し「目的が理解できない相手と協力するのは困難だ」と述べた。

 これに対してアマゾンは、その意図を明白にしている。ゴーン氏は「アマゾンやウーバーなど一部の企業はすでにその目標を定めている――自身が目指すところを理解している。彼らとは協力したいと思う」と語った。「そして彼らが目指すところは、自分たちの脅威とはならない」(同氏)。

 アマゾンはまた、エコシステムを拡大するための重要な技を学んだ――開発者がAlexaを容易に組み込めるようにすることだ。このことはテクノロジーのプラットフォーム企業にとって極めて重要な意味を持つ。

 人間型ロボット・メーカーのUBTechで北米部門のゼネラルマネージャーを務めるジョン・リー氏は「Alexaのエコシステムは、2年前と比べて一段と強靭なものになった」と語る。UBTechは、Alexaを搭載するロボットを1月5日にお披露目 した。

アマゾンを追うサムスン

 しかしながら、アマゾンがAlexaを携えてリードを奪ったと言っても、より幅広いラインナップを持つAWSサービスを広める機会を得たと判断するのは時期尚早だ。さらに、アマゾンがAlexaで勝ち取った緩やかな提携は、いつまでも続くとは限らない。独占契約でもない。ハードメーカーはライバルの音声アシスタントにいつでも乗り替えることができる。

 Alexaの成功を受けて、同様のネットワーク構築を目指すサムスンなどの企業が、開発に改めて拍車をかけている。同社のファンド、ネクストベンチャーズを率いるブレンドン・キム氏は、アマゾンは「新たな会話型音声インターフェースが持つ潜在力を人々に知らしめることに貢献している」と述べた。ネクストベンチャーズはシリコンバレーを拠点としており、1億5000万ドル(約172億ドル)規模の資金力を持つ。

Leslie Hook, Richard Waters and Tim Bradshaw — San Francisco
( ©Financial Times, Ltd. Jan. 18, 2017)

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このコラムについて

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http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/310.html

[日本の事件31] パトロール「意味ない」署長に「うるさい」警官処分=分限免職=退職金付 所持金10円、ヤクザじゃ食われん 31歳副町長逮捕
パトロール「意味ない」、署長に「うるさい」 警官処分
2017年1月25日18時17分
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 パトロールに行かなかったり、だらしない服装のままで勤務を続け、注意されても従わなかったりしたとして、大阪府警は25日、港署地域課の男性巡査長(38)を、民間の解雇にあたる分限免職とし、発表した。素行不良による分限免職は大阪府警初という。

 警務課によると、巡査長は2015〜16年、制服のボタンを外したまま勤務したり、「意味がない」と交番でのパトロールに行かなかったりしたという。署長らが指導しても「うるさいんじゃ、お前は」などと発言。15年10月に所属長注意、16年12月に停職1カ月の処分を受けているが、その後も改善がみられなかったとしている。

 分限免職は、懲戒免職と違って退職金が出る。府警では、記録が残る1966年以降、22件の分限免職があったが、いずれも病気や失踪が理由だった。

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所持金10円「ヤクザじゃ食われん」 職求め社長に直訴
稲垣千駿2017年1月25日05時00分
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暴力団組員の離脱・就労対策を検討する会議で、福岡県警の鈴木敏夫・暴力団対策部長(中央)は組員の社会復帰支援の大切さを訴えた=24日午後、福岡市博多区、稲垣千駿撮影
写真・図版
 警察の支援による暴力団離脱者が昨年、過去最多の131人にのぼった福岡県。県内のある建設会社に男性が突然現れたのは、昨年6月だった。「社長、明日から雇ってくれんか」。50代の暴力団組員だった。

暴力団離脱、過去最多の131人 就労支援進む 福岡
 40代の社長は男性を地元のヤクザと知っていた。だが体はやせ細り、所持金はわずか10円。断っても翌日また来た。「もうヤクザじゃ食われん。何日も食べとらん」。20人ほどの従業員を抱える社長は「ヤクザ辞めんね。更生したら雇ったる」と伝えた。

 数日後、男性は最寄りの警察署で離脱を表明した。社長も県警に相談。離脱組員を雇う協賛企業になれば警察がトラブル対応の後ろ盾になり、県の給付金も得られると聞かされた。怖さはあったが「放っておけない」「俺が助けんと」と雇うことにした。

 ログイン前の続き心配をよそに男性はよく働いた。週6日、夕方まで大型車の運転や資材の積み込みに励む。「無断欠勤も遅刻もトラブルもない。びっくりするぐらい頑張っている」

 会社への給付金は、最初の6カ月間は月8万円。そのうち半分ほどを本来の給料に上乗せし、賞与も2回渡せた。「評価してもらったと思えるから余計頑張ってくれていると思う」。給付金の一部は会社の運転資金にも充てているという。

 一度だけ、やっかいなことはあった。男性を捜す組員らしき2人組が「ここにおろうが。出せ」と乗り込んできた。雇ったことへの後悔が頭をよぎったが、県警に相談すると、2人組の側から「(男性を)よろしくお願いします」と連絡があり、丸く収まった。

 逆にうれしい出来事も。「家族とはもう一生会えない」と言っていた男性のもとに、暴力団を辞めて働いていると知った子どもたちが会いに来たという。

 「うちにも本人にもプラスだし、ヤクザが減れば街も良くなる。一石何鳥にもなっている」と社長。働きたい離脱者がいれば、雇用を前向きに検討したいと話す。(稲垣千駿)

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http://digital.asahi.com/articles/ASK1S7HTJK1STIPE01.html

31歳副町長、酒気帯びで公用車運転疑い 福岡県警逮捕
2017年1月25日18時47分
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 福岡県警は25日、熊本県小国町の副町長桑名真也容疑者(31)を道路交通法違反(酒気帯び運転)の疑いで現行犯逮捕し、発表した。乗っていた車は小国町の公用車で、「前夜に酒を飲んだが、アルコールが抜けていると思い運転した」と容疑を認めているという。

 中央署によると、桑名容疑者は同日午前3時15分ごろ、福岡市中央区薬院1丁目の市道で、酒気帯び状態で乗用車を運転した疑いがある。県警が職務質問をして検査したところ、基準値を上回る呼気1リットルあたり0・18ミリグラムのアルコールが検出された。

 町によると、桑名容疑者は総務省からの出向しているキャリア官僚で2016年4月から現職。24日は、やはり総務省から出向している福岡県の総務部長と意見交換するため福岡に出張していたという。

 小国町の北里耕亮町長は25日午後、記者会見し「職員の模範となる立場であり、誠に遺憾。町民に謝罪します。事実関係を確認したうえで厳正に対処したい」と話した。
http://www.asahi.com/articles/ASK1T31CZK1TTIPE001.html
http://www.asyura2.com/13/nihon31/msg/890.html

[国際17] 中国の生産年齢人口は5年連続で減少、 2人目は産みたくない「国の老い」急激に進む (日本式介護の輸出:1)有望国は中国 
中国の生産年齢人口は5年連続で減少、「一人っ子政策」撤廃の効果は

サーチナ 2017年1月24日 07時42分 (2017年1月26日 00時00分 更新)

中国は長年にわたって一人っ子政策を実施してきたが、その結果として人口の男女比が大きく歪み、少子高齢化が進むという弊害も抱えることになった。そのため、中国政府は2016年1月に「一人っ子政策」を撤廃し、すべての夫婦が2人目の子どもを生むことができるようになった。(イメージ写真提供:123RF)(サーチナ)

 中国は長年にわたって一人っ子政策を実施してきたが、その結果として人口の男女比が大きく歪み、少子高齢化が進むという弊害も抱えることになった。そのため、中国政府は2016年1月に「一人っ子政策」を撤廃し、すべての夫婦が2人目の子どもを生むことができるようになった。

 「一人っ子政策」の撤廃から約1年が経過した中国だが、撤廃によって何か変化が起きたのだろうか。中国メディアの21世紀経済網は21日、中国国家統計局の発表を引用し、中国の2016年末の人口は前年比809万人増となり、出生数も同131万人増となったと伝えた。

 記事は、16年末における中国の人口のうち、男性は7億815万人、女性は6億7456万人となり、男性は女性に比べて3359万人も多かったことを紹介。中国のすべての男女が結婚すると仮定した場合、結婚できない男性が3359万人も発生してしまうことを意味するが、15年末に比べて男女の人口差は7万人も縮小したと紹介し、男女比の歪みが若干なりとも改善に向かっているのは良い傾向であると論じた。

 一方、「一人っ子政策」の撤廃前には「撤廃によって出生数が数百万から最大で1000万人は増える」との見通しもあったと伝えつつ、撤廃によってすべての夫婦が2人目の子どもを生むことが認められるようになったにもかかわらず、出生数が前年に比べて131万人しか増えなかったのは「予想外」だったと指摘した。

 また記事は、16年における中国の生産年齢人口は前年に比べて349万人減の9億747万人だったと紹介。生産年齢人口は12年から5年連続で減少し続けており、高齢者の増加によって中国の社会的負担は増加しているとしたほか、歪んだ男女比が是正されないなか、結婚しない人が増えていけば中国の社会保障は困難に直面する可能性が高まると伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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>>次の記事:やはり日本人の発想は奇抜・・・日本の企業が「香りも...
http://www.excite.co.jp/News/chn_soc/20170124/Searchina_20170124004.html


 

【日本式介護の輸出:1】有望国は中国! タイ、マレーシアも注目!海外進出 2017.1.25(Wed) 14:43

海外では富裕層を中心に利用が進む日本の介護サービス。特に、高齢化が進む中国やタイでその傾向が見られる

交流会や展示会、商談会は定期的に開催している。海外進出に興味があれば、足を運ぶべきだろう
ジェトロでは「日中高齢者産業交流会セミナー」を主催するなど、海外進出を支援している

セミナー後の商談会。「情報収集や現地パートナー探しなどに役立てていただきたいですね」と佐藤氏
日本貿易振興機構(ジェトロ)サービス産業部・ヘルスケア産業課長の佐藤拓氏

日本式介護の輸出 特別編集

編集部にメッセージを送る
【記事のポイント】
▼高齢化が加速する中国、続いてタイやマレーシアも輸出対象国に
▼その国における介護保険の有無が、進出時の事情を大きく左右する
▼各国の富裕層をまずターゲットに、そこから中間層を狙う
▼介護関連のE-ラーニング、コンサルティングにも商機あり


■介護事業者が進出先として、高齢化真っ只中の中国に注目

 中国をはじめとするアジア諸国で高齢化が問題となっている。国連は人口に占める65歳以上の比率が7%を超えると高齢化社会、14%を超えると高齢社会、21%を超えると超高齢社会と定義した。日本では高齢化社会から超高齢社会への移行に40年ほどかかったが、中国をはじめ、韓国、シンガポール、タイなどではそれを上回るペースで進むと予測されている。

 急速に高齢化が進む一方で、これらの国では介護インフラが追い付いていないのが現状だ。そこで注目を集めているのが、超高齢社会の先行国であり、ホスピタリティマインドに定評のある日本の介護サービスである。日本貿易振興機構(ジェトロ)サービス産業部・ヘルスケア産業課長の佐藤拓氏によると、アジア諸国のなかでも、特に高齢化問題が切実なのが中国だという。

「60歳以上の人口は2億5000万人を超え、介護を必要とする高齢者は4000万人を超えました。その対策は急務です」

 中国政府や各自治体も高齢化問題に向けて動き始めている。第13次5か年計画(2016〜2020)に『長期介護保険制度の構築を模索する』という文言が盛り込まれたことを受けて、上海や広州、青島など、国内主要15都市では今後1〜2年間にわたり『長期介護保険制度の導入に向けた試行』が行われる予定だ。

 このような状況を背景に今、日本の介護事業者が中国へと進出している。介護事業は主に「在宅(訪問)介護」「通所介護(デイサービス)」「介護施設」の3つに分類されるが、中国政府が目下掲げているのが「9064モデル」(北京市)、「9073モデル」(上海市などの他地域)という目標値。これは在宅介護が90%、デイケアが6〜7%、介護施設が4〜3%を目指すというものだ。

■超えるべきハードルは意識改革と人材確保

 中国の在宅介護に進出している株式会社ニチイ学館では、北京、瀋陽、大連、広州などの主要都市で現地の家政婦会社などに出資し、訪問介護を行っている。一方で、自治体の受託を受け、公民館のような既存の施設を利用しデイサービスを行っているのが、株式会社ウイズネットだ。この形態は自治体としても既存の施設を使用するため誘致しやすく、日本企業側も大規模な設備投資が不要なので進出が容易というメリットがある。

 2012年に株式会社リエイが北京で設立した介護施設は、マーケティングショールーム兼情報発信、介護士養成OJTの役割も兼ねた施設ということで、行政やメディアからも注目を集めている。その後も中国国内での展開を加速中だ。現状では利用者は一部の富裕層に限定されるが、「長期介護保険制度の試行後は未知数ですが、もし保険制度が整備されれば利用拡大に向け追い風になるでしょう」と佐藤氏は分析する。

海外進出 2017.1.25(Wed) 14:43
海外では富裕層を中心に利用が進む日本の介護サービス。特に、高齢化が進む中国やタイでその傾向が見られる
海外では富裕層を中心に利用が進む日本の介護サービス。特に、高齢化が進む中国やタイでその傾向が見られる
交流会や展示会、商談会は定期的に開催している。海外進出に興味があれば、足を運ぶべきだろう
交流会や展示会、商談会は定期的に開催している。海外進出に興味があれば、足を運ぶべきだろう
ジェトロでは「日中高齢者産業交流会セミナー」を主催するなど、海外進出を支援している
ジェトロでは「日中高齢者産業交流会セミナー」を主催するなど、海外進出を支援している
セミナー後の商談会。「情報収集や現地パートナー探しなどに役立てていただきたいですね」と佐藤氏
セミナー後の商談会。「情報収集や現地パートナー探しなどに役立てていただきたいですね」と佐藤氏
日本貿易振興機構(ジェトロ)サービス産業部・ヘルスケア産業課長の佐藤拓氏
日本貿易振興機構(ジェトロ)サービス産業部・ヘルスケア産業課長の佐藤拓氏
日本式介護の輸出 特別編集

編集部にメッセージを送る
 ちなみに、海外進出先を考える際、判断材料のひとつになるのが介護保険の有無だろう。介護保険が整備されていない国では、人的・設備的にもコストのかかる介護サービスを利用できるのは一部の富裕層のみとなる。もちろんターゲットを富裕層に絞りハイエンドな介護施設運営で利益を上げるという選択肢もあるが、その判断は国やエリアの特性、高齢化率など諸事情によっても変わってくるだろう。

 また、介護保険がないということは、介護インフラが未整備ということでもある。それゆえ日本の介護サービスへのニーズが発生するわけだが、超えるべきハードルはいくつかある。まずは介護への意識。かつての日本がそうであったように、“親の面倒は自宅で子がみるもの”という意識が強い国や地域は、アジア諸国ではまだ多い。

「まずは富裕層に日本の介護サービスを体感してもらうのが有効でしょう。各国の富裕層の方々は日本を旅行したことがある人も多く、日本のホスピタリティや高品質なものを知っています。そうした人に利用してもらうことで、徐々に浸透していくのではないでしょうか」

 次に問題になるのが人材の確保だが、これについては日本と同様、現地の介護士養成学校などで募集するケースが多いという。難しいのは日本水準の介護サービスを現地スタッフに教育することで、「日本人が現地に出向きマンツーマンで指導、または日本の施設で研修を行う企業もあります」と佐藤氏は話す。

 諸々の状況を鑑みると、介護サービスについては中国に次いで高齢化が深刻化しつつあるタイ、少し遅れてベトナムといった国が有力な進出先として挙げられるだろう。前述のリエイは中国に先駆けてタイに進出し、2016年にはバンコクに介護施設を開設している。タイとマレーシアについては日本人のロングステイ先としても人気があり、日本人高齢者の需要も、今後一定数見込めることも視野に入れてよいかもしれない。

■日本の介護ノウハウを伝える、E-ラーニングやコンサルティングにも商機あり

 では、介護に付随するビジネスについても商機はあるのだろうか? 佐藤氏によると、日本的な介護サービスのコンテンツについては、ニーズが高い状況にあるという。

「医療や介護現場の人間が、日本のノウハウを学びたいと思っています。今後はそういった現場へのコンサルティングや、E-ラーニングなどのビジネスも考えられるのではないでしょうか」

 また、今後の介護施設の増加に伴い、介護ベッドや入浴装置、バリアフリーの設計建築などにおいても信頼のある日本製品への需要が増すことも予想される。細かなところでは「中国の郊外にある介護施設で日本の家庭料理を提供したら大好評だった」というエピソードに象徴されるように、介護現場への食のアプローチにおいても成すべきことは大いにありそうだ。

 日本の高齢者ケアビジネス市場は2040年台にピークを迎え(国立社会保障・人口問題研究所によると日本の将来推計人口は2042年が最多)、その後に人口の減少に伴い頭打ちになるといわれている。その未来を考えるならば、現在大きなニーズのある中国への進出は、まさに今がそのタイミングかもしれない。もしくはその次を見てタイやマレーシア、その先を見据えてベトナムに先行的に進出という道もある。そこを足場に周辺諸国に事業を拡大することも、現場で培った人脈から新たなビジネスを育てることも考えるならば、今のうちから海外進出を視野に入れておく必要がありそうだ。

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2人目は産みたくない 「国の老い」急激に進む中国
山根祐作2017年1月19日19時02分
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北京の天安門に掲げられた毛沢東の肖像画の前で、子どもたちを抱いて写真を撮る男性=ロイター
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■老いる巨龍――事件で見る中国の少子高齢化:2(マンスリーコラム)

 「ぼくのお父さんとお母さんは2人目の子はいらない。もう小さな息子がいるからだ――携帯電話」

「空巣老人が行方不明に」 中国、消える高齢者たち
介護とわたしたち
 昨夏、江蘇省で開催された子どもの詩のコンクールで一等賞を獲得した、同省常州市に住む小学6年生、費東(フェイトン)君の「携帯電話」と題した詩に、こんな一節があった。

 地元紙のインタビューに対し、費君は、両親が朝も夜も携帯電話で忙しそうに話してばかりで、自分が話しかけてもろくろく返事をしてくれない、と不満を訴えた。

 余裕のない大人たちの心を映したかのような費君の詩は、さらに「このままでいけば、やがて僕の地位も危うくなる。どうしたらいい?」と続く。コンクールの審査員の一人は、「大人の世界への切実な訴えであり、深く考えさせられる」と評した。

 日常生活のプレッシャー、将来への安心感のなさ、多忙な仕事……。今の中国を生きる家族が抱える不安や葛藤が、その子どもたちの心情だけでなく、大国の「歴史的転換」の行方にも影を落としている。

■「皮算用」の甘さが露呈

 中国で、「国の老い」が急速に進む。高齢化の裏にあるのは少子化だ。介護を家族だけに負わせず、社会全体で支える「介護の社会化」が進まない一方で、根強かったはずの「多子多福」(子どもが多いほど幸せ)という伝統的な観念は色あせている。労働力人口が減少して、増える高齢者を支え切れなくなれば、社会不安につながりかねない。

 中国では、すべての夫婦が2人の子どもを持つことを認める人口・計画出産法の改正法が昨年1月に施行され、1979年以来続いてきた一人っ子政策が廃止された。

 急激な高齢化への強い危機感が大きな政策転換を促した。国連は、高齢化率(65歳以上が人口に占める割合)が7%を超えた社会を「高齢化社会」、14%超を「高齢社会」と定義し、7%から14%に達するまでの期間を「倍加年数」と呼ぶ。中国の倍加年数は23年(2002年から25年)と予測され、日本の24年(1970年から94年)よりも速いペースで高齢化が進む。

 一人っ子政策の廃止で、9千万組の夫婦が2人目の子どもを持つことが可能になり、従来の予測に比べて、2050年には労働人口が3千万〜4千万人増えるとの試算も出た。

 ところが、この「皮算用」の甘さが早々に露呈している。

 ログイン前の続き昨年10月に明らかになった、15年の合計特殊出生率(女性が一生に産む子どもの平均数)は「1.047」だった。

 この年は、14年から両親のどちらかが一人っ子なら2人産めるようになるなど規制緩和されて2年目。「1.6前後に回復している」と分析していた専門家もいるなど、出生率のアップが期待されていた。

 しかし、実際は2010年の「1.18」をも下回る低い値で、関係者に衝撃を与えた。日本で最低の東京都よりも低いことを指摘しつつ、政府は警戒を強めるべきだと訴える声も出た。

■「一人っ子父母光栄証」求め大行列

 背景には、「子どもは1人でもう十分、2人目は産みたくない」と考える人たちが多いという事情がある。中華全国婦女連合会の調査によると、1人の子どもを持つ夫婦のうち、半数以上が2人目の子どもは欲しくないと答え、都市部や高学歴層になると、その割合は6割を超える。

 2人目より生活の安定が欲しい……。そんな人々の心情をうかがわせる騒動が、中国西部、陝西省の省都西安市であった。

 内陸に位置し、冬の最低気温は零下まで下がる街。昨年12月、市内各所の行政機関の前に早朝から長蛇の行列ができたと報じられた。「持久戦」を覚悟した人たちは、折りたたみイスや食料を準備して列に並んだという。

 市民たちが求めていたのは、「一人っ子父母光栄証」だ。一人っ子政策の下、「子どもを1人しか産まない」と宣言した夫婦に交付されてきたもので、子どもが一定の年齢になるまで奨励金をもらえるなどの優遇措置がある。

 ただ、長年にわたる奨励金の額据え置きや、交付申請手続きの煩雑さなどから、光栄証の交付を受けていない夫婦も少なくなかった。

 突如現れた行列の原因は、中国版LINEの「微信(ウィーチャット)」などで、奨励金が近く大幅に増額されるなどといったうわさが広まったからだ。

 一人っ子政策廃止に伴い、西安市では今年1月以降は光栄証を交付しないとしていたため、駆け込みの申請者が殺到。当局がうわさを打ち消すと共に受付期間延長を通知して、騒動は収まった。

■行政が2人目を強制?

 行政の旗振りが裏目に出るケースも報じられている。中国紙によると、昨年9月、湖北省宜昌市の当局が、市内の公務員に対し、率先して2人目の子どもを産むことを求める通知を出した。

 通知は、同市の出生率が非常に低いことを指摘したうえで、「このような現象が続くなら、我が市の経済、社会の発展と家庭の幸福に大きなリスクと危害を及ぼす」と訴え、「公務員が先頭に立って2人目の子どもを産み、模範となる」よう求めた。

 これを市の関係機関の公式サイトで公開したところ、ネットユーザーの間で「出産は強制するべきではない」「経済的に産みやすい環境をつくるべきだ」などといった批判の声が続出。わずか4日で撤回に追い込まれた。

 どうして多くの夫婦が2人目の子どもを望まないのか。河南省鄭州市の地元メディアは、市民の声を紹介している。

 「(2人目の子どもは)いらない。1人の子どもにすべての愛を注ぎたい」

 「今は自分を養うので精いっぱいです」

 街ゆく人たちは、インタビューにこう答える。日々の生活の経済的、精神的プレッシャーや仕事の忙しさ、医療や教育の負担の重さ……多くの人が「もう1人子どもを育てる気力はない」と考えている。

 ネット上で寄せられたコメントも、賛同するものが大半だ。かつて違反者は罰金を科せられ、解雇されることもあった一人っ子政策から、一転しての二人っ子推奨。当局の出産管理に振り回されることについて、こんな率直な声を見かけた。

 「みんな未来に対して安心感がない。当時の(一人っ子政策の)スローガンや標語を誰もが覚えている。今になってたくさん産めと言うのは、都合のいい搾取だ。人民はノーと言う!」

 (次回は2月23日に配信の予定です)(山根祐作)

     ◇

 山根 祐作(やまね・ゆうさく) 1994年に朝日新聞社入社。岐阜支局、富山支局、大阪社会部などを経て、2005年に北京特派員。中国の政治・社会、日中関係、メディアなどを主に取材した。生活、労働、経済の各部を経て、13年にAERA副編集長。現在、国際発信部で中国語ニュースサイト「朝日新聞中文網(http://asahichinese.com/別ウインドウで開きます)」副編集長。

     ◇

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http://digital.asahi.com/articles/ASK1K3WM1K1KUEHF003.html?rm=979

 


 

高齢化する日本から、中国にやがてやって来る大きな経済危機を考える=中国メディア
2017-01-11 10:12


 日本では人口の高齢化が進むにつれて、経済や社会の体制の再構築が求められている。これまでの制度や仕組みを、高齢化社会に適した形に変えていく作業は決して簡単なものではない。そして、同じようなことが中国や韓国など同じ東アジアの国でも起きているのだ。中国メディア・今日頭条は9日、「日本の高齢化から、間もなくやって来るより大きな経済危機について考える」とする記事を掲載した。

 記事は、1980−90年代の中国において日本は最先端の代名詞だったが、現在では自動車分野を除く、携帯電話や家電など優位性を持っていた分野において中国市場から追い出されてしまったと紹介。

 世界的にも人口が密集し、資源に乏しく、しかも、地震などの自然災害が頻発する日本では、イノベーションに対するモチベーションが自然と高くなり、苦労に苦労を重ね、他人よりも努力をすることで世界最先端の成果を挙げてきたことを説明した。その一方、「しかし、今は中国人や韓国人が同じようなモノを作るようになり、日本と同じ速度で進むようになった」としている。

 そのうえで、日本の凋落が「日本人が怠惰になったため」という見方を否定。高齢化がその大きな原因であり、「疲れ知らずで走ってきた日本人は今、何とか生きながらえることで精一杯であり、下の世代を育てる余力がないのである」と解説した。

 翻って中国では、多くの技術者を国内に呼び込んだうえで、低廉な労働力と豊富な資源を頼りに製品を生産、時間をかけて技術を自分たちのものとし、最終的に海外の専門家を追い出して大量の技術コストを省くとともに利潤の最大化を実現してきたと紹介。また、特許の保護権がないようなものであり、他人が自分のやり方を自由にコピーできてしまう状況であるとした。こんな状況では技術者は全く育たず、高齢化の波が押し寄せれば日本よりも深刻な状態になる可能性があることを指摘している。

 記事は、今の日本では「下の世代を育てる余裕がない」としたが、中国では次の世代に「何も教えられることがない」状態になる恐れを示唆した。資本を蓄え、世界有数の企業の買収に明け暮れることが必ずしも悪いことではない。しかし、自前の技術の蓄積を怠っていては、また新たな時代の波がやってきたときに完全に呑み込まれることになるのだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

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http://news.searchina.net/id/1626828?page=1


 


http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/543.html

[国際17] 飼い犬をマイナス30度の空港に置き去り死 Narinari.com  
飼い犬をマイナス30度の空港に置き去り死 Narinari.com 2017年1月25日 15時12分 (2017年1月26日 00時30分 更新)

http://cdn.narinari.com/site_img/photo3/2017-01-25-150511.jpg
http://cdn.narinari.com/site_img/photo3/2017-01-25-150521.jpg
[拡大写真]

犬と一緒に旅行へ行くつもりだった家族が、書類の不備で搭乗できず、マイナス30度の地に置き去りにした結果、3日後に犬が死んでしまったという痛ましい一件に、怒りの声が上がっている。

その他の大きな画像はこちら


ロシアに住むウルソフ家族は、休暇を利用してドイツへ行く予定にしていたが、愛犬を搭乗させるための多くの書類を用意することができず、空港の外へ犬を置き、旅行に出かけてしまった。ドイツに着いた時、ウルソフ家の子どもたちは愛犬がいないことに気がついたが、両親は「逃げ出してしまった」と嘘をつくことに。

3日後、空港の人気のない場所で凍死した犬が発見されると、空港の広報担当官が「およそ人間のすることではない」と厳しくコメント。地元紙が取り上げたことをきっかけに、世界でも報じられることになった。

ネットでは「とんでもないことだ。悲しさと怒りがこみ上げてくる」「犬と一緒に撮った家族写真もある。それを見返す度にこの犬を殺したと思う子供もかわいそうだ」「文句をいった子供も始末されてしまうのでは…」「おもちゃじゃないんだ、生き物、家族なんだよ」と怒りのコメントがあふれている。


元記事はこちら:http://www.narinari.com/Nd/20170141947.html
>>次の記事:日ハム大谷翔平イメージの数量限定ウオッチ
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コメント 22件
ノラ猫さん 2017/01/25 18:40 通報
2度と生き物と暮らそうなんて考えるなよ‼︎
27
ノラ猫さん 2017/01/25 18:34 通報
こんな親を持った子供は悲惨だな。
25
ノラ猫さん 2017/01/25 18:44 通報
どういう神経してんだ??
22
ノラ猫さん 2017/01/25 18:44 通報
お金はあるけど とにかくバカなんだろう。
18
ノラ猫さん 2017/01/25 18:38 通報
きっと日頃から大切にされてなかったんだよ‼︎ 最低の奴らだ‼️
http://www.narinari.com/Nd/20170141947.html
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/544.html

[経世済民118] トランプ米大統領の壁建設計画、最大の勝者はセメックスか、1兆7000億 自動車政策誤る 2国間協定は日本から 米国債続落
トランプ米大統領の壁建設計画、最大の勝者はセメックスか
Andrea Navarro、Oliver Sachgau、Thomas Black
2017年1月26日 01:47 JST 更新日時 2017年1月26日 07:31 JST

米州セメント最大手のセメックスは米国とメキシコで事業を展開
メキシコ国境沿い壁建設には1兆7000億円以上のコストかかる見通し

メキシコとの国境沿いに壁を建設する米トランプ政権の計画は、建設業者や建設資材メーカーの見通しを明るくしているが、最大の勝者は米州最大のセメントメーカーであるメキシコのセメックスかもしれない。
  壁の建設には150億ドル(約1兆7000億円)以上のコストがかかる見通しで、米・メキシコ国境の両側で事業を展開するセメックスは、最も恩恵を受ける位置に付けている企業の一つだ。同社の株価は25日の取引で一時2.6%上昇。年初から24日まで18%上げ、ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、ソニア・バルデイラ氏によれば、業界トップのパフォーマンスという。トランプ政権が道路や橋、トンネル、空港などのインフラ整備に最大5000億ドルを投じる計画もセメックスの米国事業への追い風となっている。
  セメックスにとって米国は最大の市場で、前四半期の売上高の5分の1を占めた。広報担当のホルヘ・ペレス氏は、同社が壁建設にかかわるのかとの問いに対しコメントを控えた。
  建設資材株の値動きは、トランプ政権が建設ブームをもたらすとの楽観ムードを反映している。米バルカン・マテリアルズは1.74%上昇。セメントメーカーのマーチン・マリエッタ・マテリアルズとイーグル・マテリアルズも高く、トランプ氏当選後の上昇幅をさらに広げた。ドイツのハイデルベルクセメントはここ2カ月で最大の上げ。同社はこれまでに、壁建設で恩恵を受けると説明している。ワーナー・エンタープライジズも勝ち組かもしれない。メキシコの対米国境沿いのシウダーフアレスで昨年8月から業務を開始した同社の株価は23日以降4.4%上昇。
原題:Mexican Cement Maker Poised to Profit From Trump’s Wall (2)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-25/OKCFTDSYF01U01


TPP離脱のトランプ政権、2国間協定は日本から始めるべきだ−社説
論説委員室
2017年1月25日 15:03 JST

トランプ米大統領は、オバマ前政権が日本など11カ国と取りまとめた野心的な環太平洋連携協定(TPP)にとどめを刺した。大統領はそれでも、アジア太平洋地域の各国との2国間自由貿易協定を目指す意向を示唆した。その第一弾は日本を相手国とすべきだ。
  誤解のないように言えば、どのような2国間協定であってもTPPにははるかに及ばない。TPPでは貿易障壁の削減だけでなく、労働や環境の基準引き上げ、国内経済改革の推進、世界で最も急速に成長している地域と米国を結ぶ新たなサプライチェーン構築の後押しなどにつながるはずだった。
  しかし、世界最大と同3位の経済大国である日米両国は、TPP全参加国の国内総生産(GDP)の75%余りを占め、日米のモノとサービスの貿易額が年間で計2000億ドル(約22兆7000億円)近くに上ることを踏まえれると、両国の2国間協定は世界が保護主義に傾斜しつつあるとの懸念を少なくとも和らげることができる。

  さらに、日本は米国にとって揺るぎない同盟国であり、米国の繁栄を何十年も支えてきた自由秩序の擁護者だ。米国への好意が一定しないフィリピンなども含め、日本はアジア太平洋地域の国々との良好な関係と、こうした国々への影響力を維持している。これら諸国は少なくとも中国からと同じくらい、日本から投資や専門知識、機器類を得たいと望んでいる。トランプ政権の下で米国がアジア関与を後退させれば、今度は日本がインド、オーストラリアと共に、自由でルールに基づいた秩序の擁護で頼りにされる存在になる必要が出てくる。

  TPPは日本経済を強化するはずだった。安倍晋三首相は、農業を含む日本の最も硬直したセクターの一部を開放するのにTPPが役立つとの期待もあって、幾つかの苦痛に満ちた譲歩をした。こうした改革は経済成長を回復させ、アジアにおける安全保障環境を日本が確保するための資源を確実に保持するのに不可欠だ。

  安倍政権との難しい交渉の多くはTPPのために既に行われており、新たな協定の詳細を解決するのは比較的容易だろう。TPPのうち国有企業や労働・環境基準などに関する一定の側面は削除ないし簡素化も可能だ。オリジナルの取り決め内容が2国間協定でもおおむね温存されれば、TPPの利益の多くを双方が享受することになり、将来的にTPPを全面復活させる可能性も残せることになる。他の参加国は現段階でも米国抜きでTPPを進めることも依然可能だ。
  上記に代わる選択肢は日本を見捨てて安倍首相の立場を弱くし、米国のためにリスクを取るのは割に合わないとのメッセージを他の同盟国に送ることだろう。トランプ大統領は大統領令への署名一つで既に米国とアジアとの通商関係に大いなるダメージをもたらした。大統領は今こそ修復可能な部分で行動を起こすべきだ。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-25/OKBK8U6K50XS01

 

トランプ大統領の自動車政策、タイミングを誤る−業界はガス欠寸前
Jamie Butters、David Welch、Keith Naughton
2017年1月26日 05:02 JST
−ホイットマン教授

トランプ米大統領は自動車メーカーに国内製造への投資を要請したが、タイミングを誤った。
  米自動車産業は700億ドル(約8兆円)を超える政府救済を受ける前後、痛みを我慢して多数の生産設備を閉鎖せざるを得なかった。これを克服した業界は7年連続で業績を伸ばしているが、そろそろガス欠に陥る時期であり、この先は困難が待ち受けていると考えられる。

  ゼネラル・モーターズとフォード・モーター、フィアット・クライスラー・オートモービルズの3社は、合計で約10億ドルを工場新設に費やす計画となった。マーケットが天井にあるとき、このような投資は敬遠される。工場新設が雇用を増やしても、経済的利益は、オートメーション化やメキシコなど低賃金の諸国との競争圧力により押し下げられる。
  トヨタは24日、ペンス副大統領の地元であるインディアナ州の工場に6億ドルを投じ、400人を追加雇用すると発表した。ここで増産されるのはスポーツタイプ多目的車(SUV)「ハイランダー」であって、一般乗用車ではない。米国での乗用車生産は、労組が組織されていない南部に集中している。トヨタはミシシッピ州での「カローラ」生産を補完するためにメキシコに工場を新設する計画だったが、これをトランプ大統領に批判された後、今回の投資・雇用計画を発表した。
  自動車産業全体でオートメーション化が進み、生産設備ではかつてのような雇用は起きないと、ミシガン大学のマリーナ・ホイットマン教授は指摘する。
  「昨年の米自動車生産は業界全体で過去最高だったが、数十年前の3分の1、あるいは半分の労働者でそれを成し遂げた」とホイットマン教授。ニクソン大統領の顧問を務めた経験のある同教授は、1978年から1992年にかけてGMのチーフエコノミストだった。
  「自動車産業にとって生産能力の引き上げは最も不要なものだ」と同教授は述べた。
原題:Trump Picks Unfortunate Time to Push New U.S. Auto Factories (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-25/OKCGZ9SYF02201

ドイツ:1月のIfo景況感指数、109.8−予想外の低下
Piotr Skolimowski
2017年1月25日 18:54 JST

1月の景況感指数、予想は111.3だった
現況指数は改善、期待指数は低下

ドイツのIfo経済研究所がまとめた1月の独企業景況感指数は予想に反して前月から低下した。昨年12月は約3年ぶりの高水準だったが、今年に入りドイツ経済の勢いが弱まった可能性がある。
  Ifo経済研が25日発表した1月の独企業景況感指数は109.8と、昨年12月の111から低下。ブルームバーグが集計したエコノミスト予想中央値は111.3だった。
  2016年の独経済は5年ぶりの高成長となったが、今後は政治的な不透明感が影を落とす恐れもある。今年9月に総選挙を控えたドイツは波乱含みの1年となりそうで、英国の欧州連合(EU)離脱交渉やトランプ米政権の通商政策もリスク要因だ。
  ウニクレディト銀行のエコノミスト、アンドレアス・リース氏(フランフルト在勤)は「製造業の弱気が目立った。恐らくトランプ米大統領とドイツの輸出企業をめぐる懸念が影響しているのだろう」とした上で、「ファンダメンタルズ(基礎的諸条件)を見るとドイツ経済は極めて健全だが、心理的な環境が悪化した。より基調的なものに変わっていくかどうかはまだ分からない」と話した。
  1月の現況指数は116.9と、12月の116.7(改定値)から小幅改善。期待指数は103.2と、前月の105.5(同)から低下した。
原題:German Business Confidence Unexpectedly Weakened in January (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-25/OKBWR56TTDS201


米国債:続落、10年債利回りは2.5%を突破−ダウ最高値更新を受け
Elizabeth Stanton
2017年1月26日 06:16 JST

25日の米国債相場は続落。10年債利回りは2.5%を突破し、4週間ぶり高水準を付けた。世界的な株高となり、ダウ工業株30種平均は節目の2万ドルを初めて超えた。
  利回りは5年債入札(規模340億ドル)を受けてこの日の最高水準に上昇した。最高落札利回りは1.988%。応札締め切りの午後1時時点で、入札前取引の5年債利回りを約1.2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上回った。
  ニューヨーク時間午後3時48分現在、10年債利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.52%。
原題:Treasuries Fall on Dow Record, Pushing 10-Year Yield Above 2.5%(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-25/OKCSMHSYF01T01

米国株:続伸、ダウ平均は初の2万ドル突破−経済成長への楽観で
Oliver Renick
2017年1月26日 06:22 JST

25日の米株式相場は続伸。ダウ工業株30種平均は初めて2万ドルの大台に乗せた。企業決算が好感されたほか、トランプ政権下での経済成長加速や歳出拡大への期待が広がった。
  ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株価指数は前日比0.9%高の2298.72と過去最高値。ダウ工業株30種平均は155.80ドル(0.8%)上昇して20068.51ドルと、終値ベースで初の2万ドル超えとなった。
  プルデンシャル・ファイナンシャルの市場ストラテジスト、クインシー・クロスビー氏は「大統領令署名への迅速な動きのほか、明るい経済データを受けて、状況が明確さを増してきた。米国の全指数が前向きに反応している」とし、「明確さは市場に必要な酸素だ」と続けた。
原題:U.S. Stocks Climb With Dow Above 20,000 After Rally in Europe(抜粋)
原題:Dow Tops 20,000 as Earnings Feed Rally, Bonds Fall: Markets Wrap(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-25/OKCTH8SYF01S01


米ブラックロック:顧客資産1兆ドルをJPモルガンに移管へ
Sabrina Willmer
2017年1月25日 23:49 JST

世界最大の資産運用会社、米ブラックロックは、顧客資産1兆ドル(約113兆7000億円)をステート・ストリートからJPモルガン・チェースに移管する予定だと明らかにした。
  ブラックロックは25日、電子メールでの発表資料で、この資産移管は顧客のコスト引き下げが目的だと説明した。
  ブラックロックのシニアマネジングディレクターで事業運営・テクノロジー担当責任者のデレク・スタイン氏は「ファンドレベルでの経費削減を通じ、多くのブラックロックの顧客のコストが節減される」と記した。
原題:BlackRock to Move $1 Trillion to JPMorgan From State Street(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-25/OKCB61SYF01S01

http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/315.html

[経世済民118] ウォール街からフロリダ州へ−銀行と従業員にウィンウィンの異動 ドル下落−トランプ相場一巡 トランプよりアップル意外な勝組
ウォール街からフロリダ州へ−銀行と従業員にウィンウィンの異動
Jonathan Levin
2017年1月26日 07:03 JST

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ドイツ銀行がウォール街で働く幹部レスリー・スローバー氏をフロリダ州ジャクソンビルに拡大中の拠点の責任者にした時、同氏はライフスタイルの違いに戸惑った。高層ビルと地下鉄の代わりに、池と広大な駐車場を備えた敷地内に職場がある。会社の隣には新しいタウンハウスが並び、そこに住んでいる従業員もいる。同氏は久しぶりに車の運転もしなければならなくなった。

  「難しい。マンハッタンとは違う」と米北東部でのキャリアが長かった同氏は言う。フロリダ州北部のこの街へニューヨークから異動してきた人たちは最初、異世界からやって来たように感じる。しかしこうした人の数は増えている。ドイツ銀行やオーストラリアのマッコーリー銀行など国際的な金融機関が幹部らをここに異動させつつある。

  ニューヨークなどコストの高い金融センターから、海外(オフショア)に人を移すのではなく近場(ニアショア)に移すこうした傾向がウォール街で広がっている。ジャクソンビルにはバンク・オブ・アメリカ(BofA)とシティグループ、JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴの従業員も1万9000人余りいる。ゴールドマン・サックス・グループはソルトレークシティ(ユタ州)、スイスのUBSはナッシュビル(テネシー州)に同様の拠点を持つ。海外に雇用を移転せずに収益率を上げる手段だ。幸いなことにトランプ新大統領の要請とも合致する。

  こうした地方都市の拠点にまず配属されたのは主に会計士やテクノロジースタッフ、弁護士などの後方支援部隊だった。だがドイツ銀の場合、今ではジャクソンビルの人員が約2000人と2013年の1400人から増え、米国内で2番目に大きい拠点へと成長。人員は今年も増える見込みだ。
  この拠点は銀行の米国業務の縮図となりつつある。人口池の横のビルの中では若手トレーダーがニューヨークの同僚と一緒に売買をしている。セールス要員はウォール街から生中継される映像を見ながら顧客の注文をニューヨークに取り次ぐ。ジャクソンビルとニューヨークの職場が同じフロアでつながっているようだと話すスローバー氏は、フロリダの生活を楽しむようになった。

  不動産仲介のジョーンズ・ラング・ラサールによると、ジャクソンビルの高級オフィスの賃貸料は1平方フィート当たり22ドル前後。これはニューヨークのほぼ4分の1だという。また、地元商工会議所の一部門であるジャックスUSA・パートナーシップのシニア・バイスプレジデント、キャシー・チェンバース氏は、ジャクソンビルの金融機関従業員の報酬はニューヨークよりも平均30%程度低いと話す。

  マッコーリーが昨年開いたジャクソンビル拠点で責任者を務めるアンソニー・グレン氏にとっては、報酬は相対的に少ないとしても、午後に近くのビーチでサーフィンができることや車で15分の通勤という利点がある。「ライフスタイルの選択だ。報酬減と生活の質の大幅な向上との比較の問題になる」と同氏は語った。結論として、ウォール街からの移民たちはジャクソンビルに適応しつつある。
原題:Wall Street Banks Are Hiring Across U.S., Not So Much in New York(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-25/OKC2V56K50Y901

 

 


 
NY外為:ドル下落−トランプ相場一巡、株・金利高も支援ならず
Dennis Pettit
2017年1月26日 06:29 JST 更新日時 2017年1月26日 07:31 JST

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https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/igOwxUC7thhY/v2/-1x-1.png

25日のニューヨーク外国為替市場ではドルが下落。米国株が急伸し米10年債利回りが月初来の最高に達したにもかかわらず、ドルの支援材料とならなかった。為替市場ではトランプ相場が一巡した可能性が示唆された。
  ドルは主要10カ国(G10)通貨の大半に対して下げた。特にカナダ・ドルと英ポンドに対して大きく下げた。メキシコ・ペソは対ドルで大幅上昇。トランプ大統領はメキシコ国境の壁の建設
に向けて行動を開始した。

  G10通貨のうち対ドルで最も上昇したのはポンド。100日移動平均値の1ポンド=1.2513ドルを上回った。同平均値を上回るのは欧州連合(EU)離脱をめぐる英国民投票が行われた6月24日以降で初めてとなる。
  メイ英首相は議会の要求を受け入れ、EU離脱交渉の計画を文書で公表すると言明した。トレーダーによれば、この後不透明感が緩和されたとしてポンドが買われた。
  ニューヨーク時間午後5時現在、ポンドは対ドルで0.9%高の1ポンド=1.2634ドル。ドルは対円で0.5%下げて1ドル=113円28銭。対ユーロでは0.2%下げて1ユーロ=1.0748ドル。
原題:Dollar Losing Traction May Signal Reflation Trade Pause(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-25/OKCSY7SYF01S01

 

 


 
トランプ氏よりアップル−意外なアジア通貨勝ち組は台湾ドル
Justina Lee、Argin Chang
2017年1月26日 07:15 JST

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台湾株の加権指数は1年半ぶり高値−台湾ドルも昨年10月以来の高値
台湾ドルは下落しても他のアジア通貨を上回る成績に−DBS馬氏

昨年11月の米大統領選挙以降、米ドルに対し上昇している唯一のアジア通貨は、意外にも台湾ドルだ。
  就任したばかりのトランプ米大統領は公約してきた保護主義的な貿易政策の実行に着手。台湾と中国との難しい関係をリスクにさらすこともいとわない構えを示しているが、アナリストらは依然として、2017年の台湾株への資金流入を見込んでいる。


  海外投資家は今月に入り台湾株を約15億米ドル(約1700億円)買い越し、指標である加権指数を1年半ぶりの高値に押し上げた。台湾ドルも昨年10月以来の高値水準にある。
  スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」が発売10周年で新製品「8」を投入すると臆測されている米アップルへの投資家の大きな期待が台湾の追い風だ。これに関連した受注で、加権指数を構成する企業の1株当たり利益は今後1年で20%増えると予想されている。時価総額で台湾1、2位の企業、台湾積体電路製造(TSMC)と鴻海精密工業はいずれもアップルのサプライヤーだ。
  統一投信の資金運用担当者、林世彬氏(台北在勤)は「ホットマネーがあり、利益見通しがポジティブな限りは、引き続き資金が台湾に流れ込むだろう。サプライチェーンからのフィードバックに基づけば、今年の新型アイフォーンはより大きなアップグレードとなる」と述べる。
  DBSグループ・ホールディングスの馬鉄英エコノミスト(シンガポール在勤)は「見込まれる米ドル上昇は、台湾ドルに対する一定の下落圧力になるだろうが、経済・貿易要因や経常黒字を踏まえると台湾ドルは他のアジア通貨を上回るパフォーマンスになるだろう」と分析する。
  ただブルームバーグ調査の中央値では、台湾ドルは米ドルに対し年末までに5.3%下げ、アジアで最も大きな下落になるとの予想が示されている。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iIY1bvxxtf6w/v2/-1x-1.png


原題:Apple Trumps Trump in Taiwan With Asia’s Only Currency Gain (2)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-25/OKBVEE6JIJUO01

 


ドイツ銀などのCoCo債クーポン支払いに疑問−クレジットサイツ
John Glover
2017年1月26日 01:30 JST 
ドイツ銀行とイタリアのウニクレディト、スペイン・ポプラール銀行、独ブレマー州立銀行は、最もリスクの高い社債のクーポンを支払えない可能性があると、クレジットサイツが指摘した。
  アナリストのサイモン・アダムソン、プジャ・ポージャラ両氏は4行について、昨年の損失によって資本比率がクーポン支払いの認められる条件である最低要件を下回る可能性があると分析した。4行は恐らくクーポン支払いができるものの、こうした懸念があることは偶発転換社債(CoCo債)を保有するリスクを浮き彫りにするとアナリストらは電話インタビューで指摘した。
原題:Deutsche Bank, UniCredit CoCo Coupons at Risk, CreditSights Says(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-25/OKCFCWSYF01S01
http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/318.html

[経世済民118] 日本株は続伸へ、米経済成長期待で世界株高の流れ−金融や半導体上げ  日本経済に試練、迎え撃てるか物価上昇、鈍る賃上げ期待
日本株は続伸へ、米経済成長期待で世界株高の流れ−金融や半導体上げ
佐野七緒
2017年1月26日 08:05 JST
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26日の東京株式相場は続伸する見通し。トランプ米大統領が米国の経済成長を加速させるとの期待や良好な企業決算を背景として、米ダウ工業株30種平均が初めて2万ドル台に乗せるなど世界株高の流れを好感する。銀行など金融株のほか、東京エレクトロンなど半導体関連、出遅れ感のある内需株などにも買いが入りそうだ。
  いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は「トランプ氏は一つ一つ公約を実行しており、それならば減税もインフラ投資もあるだろうと投資家は期待感を強めている」と指摘。「米景気は良好で、企業業績も良く、トランプ氏の政策でさらに米景気が良くなることは間違いない。米国株はさらに上値を目指すだろう」とし、「金利上昇で債券からリスク資産への資金移行は徐々に進んでいる」とみる。
  
  米シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物(円建て)の25日清算値は1万9210円と、大阪取引所の通常取引終値(1万9070円)に比べて140円高だった。
東証内
東証内 Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
  トランプ米大統領は25日、メキシコ国境に壁を建設するとともに、米国への移民流入規制を強化する大統領令に署名した。選挙戦で掲げた最も抜本的で物議を醸した2つの公約の実行に動き出した。
  トランプ氏の経済政策が一段と景気を加速させるとの見方から、リスク資産への資金流入が強まっている。25日の米国株市場ではダウ工業株30種平均が0.8%高の20068.51ドルと、終値ベースで初の2万ドル超えとなった。S&P500種株価指数は0.8%高の2298.37。決算を受けてボーイングが大きく上げたほか、金融やテクノロジー関連も買われた。米投資家の恐怖心理を示すシカゴ・ボラティリティ指数(VIX)は2.2%低下し、10.83と2014年7月以来の低水準。12月中旬から高値圏でもみ合っていたダウ平均が心理的な節目を突破したことで、日本株にも楽観ムードが波及しそうだ。
  業種別では金融株や半導体関連株がけん引する可能性がある。25日の米国債市場では10年債利回りが5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し2.51%と4週間ぶりの高水準を付け、金利上昇も追い風となってS&P500種の業種別11指数で金融は上昇率トップだった。また、半導体主要企業で構成されるフィラデルフィア半導体株指数が1.5%高となったほか、ゴールドマン・サックス証券では東京エレクトロンの投資判断を「買い」に引き上げており、半導体製造装置や半導体シリコン素材を含めた半導体関連には買いが増加しそう。
  一方、為替の円高傾向は買い一巡後の上値を抑える可能性がある。けさのドル・円相場は1ドル=113円20銭台で推移する。前日の日本株の終値時点では113円61銭だった。「壁を作ることの意味は、発言してきたことを実行するということであり、保護主義政策が日本に与える影響は不透明。メキシコ以上に米国の対日赤字は大きく、たたかれやすい」といちよしAMの秋野氏は指摘。「主力株は買いにくく、中小型株に資金は流れやすい」とみる。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-25/OKCXPG6S973J01


 

迎え撃てるか物価上昇、鈍る賃上げ期待−日本経済はインフレに試練も
野原良明
2017年1月26日 06:00 JST

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/i_0mC7UUCJ5I/v3/-1x-1.png

春闘交渉でもの言う過去の物価−先行き見通しは重視されず
海外でもばらつく賃上げ見通し−米独は期待高まる

世界的インフレ基調が高まる中、日本にも物価上昇が2017年中に戻ってくる可能性がある。しかし、経済の好循環に結び付くとは限らず、家計はインフレを迎え撃つほどの賃上げが期待できないかもしれない。
  インフレと賃金の関係は国によって異なる様相を呈している。米国やドイツでは物価上昇を背景に賃金上昇への期待も高まっているが、日本やオーストラリア、スペインでは賃金の伸び悩みが消費の足かせになるリスクが顕在化している。
  JPモルガン証券の足立正道シニアエコノミストは、インフレ自体は家計や消費にマイナスと指摘した上で、欧米では賃上げが物価上昇の影響を打ち消す可能性があるが、賃金が上がりにくい日本では相対的に悪影響が大きいと話す。
  欧州でも、スペインはドイツとは違って失業率が約19%と高く、労働市場がひっ迫して賃上げを促す状況にはなっていない。オーストラリアは失業率は6%以下だが、もっと下がらないと賃上げ圧力の増加にはつながらないだろうとオーストラリア・コモンウェルス銀行のシニアエコノミスト、ギャレス・エアード氏は指摘する。緩やかな賃上げはインフレの「大きなブレーキになっている」とエアード氏は言う。
  日本の失業率は3.1%と20数年ぶりの低水準で、賃上げが加速してもおかしくない状況だ。しかし、増え続ける非正規雇用、企業と戦うのではなく協調を重んじる労働組合、低生産性分野に人手不足が集中するミスマッチといった要因が全体の賃上げを鈍化させている。

  さらに賃上げの足かせになっているのが物価との関係だ。原油価格上昇が物価を今年押し上げていくとエコノミストは予想し、昨年末からのドル高・円安が続けば物価にはさらに追い風となる。日本銀行の現在の物価見通しは16年度は0.1%の下落、17年度は1.5%上昇。
期待よりも実績
  しかし日本の賃金交渉で物を言うのは、物価の見通しではなく実績だ。この点については日銀も総括的政策検証で言及している。これに対し、欧米では中央銀行のインフレ目標が賃金決定の重要な要素になっていると言う。
  連合の神津里季生会長は24日のグループインタビューで過年度物価上昇を注視する従来構造からの脱却が必要だとしながらも、期待物価上昇率に基づいて労使交渉を進めるかどうかは慎重に判断する必要があると述べた。
  連合は今年の春闘で定期昇給を除いた月額の賃上げ(ベア)で2%程度を要求する方針だ。同様の要求をした昨年は、ベアが明確だった組合員の集計で0.44%の上昇だったという。全トヨタ労働組合連合会は今年3000円以上のベアを求めている。昨年も同じレベルの要求を出し、平均994円の上昇を得たという。
  足立氏は16年度の物価状況に加え、企業収益も同年度前半の円高もあってそれほどでもない中、引き上げは「ちょっと厳しい」とし、連合発表のベアで今年は0.3%−0.4%を予想。大和証券の永井靖敏チーフエコノミストは0.2%を予想し、社会保障負担も増す中で、賃上げに基づいた「景気の好循環は出ようがない」という。
  毎月勤労統計調査によると、実質賃金は15年まで4年連続で減少しており、16年も11月時点では前年を上回っているものの、その幅は1%に満たない。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-25/OK7GBS6TTDS001


 


債券は下落か、米株高・債券安受け売り先行−日銀買い入れ姿勢見極め
三浦和美
2017年1月26日 08:03 JST

日銀の姿勢めぐる思惑で右往左往せざるを得ない−東海東京証
先物夜間取引は149円88銭で引け、前日の日中終値比20銭安

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iLAfZdEsOpxs/v2/-1x-1.png

債券相場は下落が予想されている。前日の米国市場でダウ工業株30種平均が史上初の2万ドル台乗せとなり、長期金利が上昇した流れを引き継ぎ、売りが先行する見通し。この日は流動性供給入札を控えるほか、利回りの急上昇局面では日本銀行の動向が警戒されるとの指摘もある。
  26日の長期国債先物市場で中心限月3月物は149円台後半から150円台前半での取引が見込まれている。夜間取引は149円88銭と、前日の日中終値比20銭安で引けた。

  東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジストは、「NYダウが2万ドル台に乗せ、米長期金利は上昇し、夜間取引の反応は過剰とみられるが、今日の相場はまず下落しよう」と予想。「その後は超長期ゾーンが持ち直した地合いと、今日以降の日銀の買い入れ姿勢をめぐる思惑で右往左往せざるを得ない」と付け加えた。
  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値0.065%を上回る水準での推移が見込まれている。佐野氏はこの日の予想レンジを0.07%〜0.08%としている。
  25日の米株式相場は続伸。ダウ平均は前日比0.8%高の20068.51ドルと、終値ベースで初の2万ドル超えとなった。トランプ政権下での経済成長加速や歳出拡大への期待が広がった。一方、米国債相場は下落し、10年債利回りは5ベーシスポイント(bp)上昇の2.51%と4週間ぶりの高水準となった。
  
  財務省はこの日、投資家需要の強い既発国債を追加発行する流動性供給入札を実施する。対象は残存期間5年超15.5年以下の銘柄で、発行予定額は5000億円程度となる。
  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、「米国債続落・株高という外部環境の他にも逆風材料が多い」とし、「昨日の日銀オペについて説明を期待している債券市場では、国債買い入れ減額(テーパリング)に対する懸念がくすぶり続けよう」と指摘。その上で、「こうした状況では流動性供給入札の消化も楽観視できなくなる」としている。
日銀の姿勢見極め  
日本銀行本店
日本銀行本店 Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg
  日銀は25日午前10時10分に、今月9回目となる国債買い入れオペを通知した。対象は残存期間10年超と物価連動債で、残存期間1年超5年以下は含まれなかった。10年超の買い入れ額は前回から据え置かれた。
  債券市場では、中期ゾーンのオペ回数が減らされるとの見方や、超長期国債利回りを抑制する措置が講じられていないことを嫌気した売りが優勢となり、長期金利は一時0.08%と昨年12月19日以来の水準まで上昇。20年物の159回債利回りは0.655%、30年物53回債利回りは0.83%、40年物の9回債利回りは0.995%と、いずれも新発として約11カ月ぶりの高水準を付けた。
  三菱モルガン証の稲留氏は、「12月に日銀が超長期金利抑制に動いた時のレベルは既に上回った」とし、「混乱気味の市場ムードの下で、日銀が指し値オペやシグナルオペを発動して金利上昇をけん制すれば、相場は下げ止まるだろう」と予想。「日銀のアクションが仮にあれば、強力な下げ止まりの契機になる」と読む。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-25/OKCWYH6TTDS001

http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/320.html

[不安と不健康18] 30過ぎたら間食はナッツにすべし 食べて体重が減る理由 
30過ぎたら間食はナッツにすべし 食べて体重が減る理由
2017年1月26日
30〜40代で身に付けたい健康習慣



この連載では、健康・医療専門サイト「日経Gooday」編集部の取材から、元気になる最新のカラダの話をお届けします。
 30代は健康の曲がり角だ。徐々に代謝が下がり、20代と同じ生活を続けていてもなぜか太りやすくなったりする。50代、60代になってから病気になるリスクを減らすには、30〜40代のうちにどんな生活習慣を身に付ければいいのか。東海大学医学部内科学系血液・腫瘍内科学の川田浩志教授が食生活にぜひ加えてほしいとおすすめするのが、今回紹介する「ナッツ」「ヨーグルト」だ。
一握りのナッツが動脈硬化の予防につながる

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ナッツは「脂肪分が多くて太りやすそう」というイメージがあるかもしれないが、それは大きな誤解。ナッツをとることによって、むしろ体重が減る効果が期待できるという(©Ian Allenden-123rf)
 地中海風の食事スタイルでよく食べられるナッツ(カシューナッツ、クルミ、アーモンド、ヘーゼルナッツなど)は、死亡リスクを減らす効果があると証明されている。
 「ハーバード大学の研究者らが、10万人以上の米国人男女を対象に20年以上追跡調査した結果、1日に28g以上のナッツを週2回以上食べている人は、まったく食べていない人よりも死亡リスクが約15%も減少することがわかりました(*1)」と川田教授は言う。
 死因別に解析した結果によると、がん、心臓病、呼吸器疾患による死亡リスクが明らかに低下していることもわかったという。結果が日本人にそのまま当てはまるかどうかはわからないが、ナッツの健康効果は間違いなくあると考えてよいだろう。
 ナッツには、ビタミン、ミネラルだけでなく、野菜・フルーツと同じくファイトケミカルが含まれているのがポイント。また、木の実である本来のナッツだけでなく、ピーナッツでも同様の結果が得られている。
 ナッツ28gというと、ほんの一握り程度の量。小柄な女性の手のひらに十分に載るくらいだ。これを週に2回以上食べればよいのだから、そう難しくないだろう。
(*1)Bao Yほか. The New England Journal of Medicine 2013年

次ページ 体重が減る効果も期待できる!
 ナッツと聞くと、「脂肪分が多くて太りやすそう」というイメージがあるかもしれないが、それは大きな誤解だ。ナッツをとることによって、むしろ体重が減る効果が期待できるという。
 「ナッツに含まれる脂肪分は、肉などに含まれている飽和脂肪酸と違って、健康効果の高い不飽和脂肪酸です。また、ナッツには熱産生を上げる──つまり、食事をすることによる消費エネルギーを上げる効果があるのです」と川田さん。
 それを裏付ける研究がある。次のグラフは、米国12万人の男女を対象にして、さまざまな食品を1日1食の割合で4年間食べ続けた場合に、どのくらい体重が変化するか調べたものだ。

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棒グラフが左に向いている食品が体重の減ったもの。右に向いている食品は体重が増えたもの。ナッツは、野菜・フルーツや全粒粉穀物などとともに、ダイエット効果のある食品であることがわかった(Mozaffarian Dほか. The New England Journal of Medicine 2011年より改変して表示)
http://wol.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/121800040/010600056/ph02.jpg

 このグラフを見れば、ナッツは肥満をもたらす食べ物どころか、ダイエット効果の高い食品であることがわかるだろう。
 「また、動脈硬化を促進するLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪の血中濃度が、正常値(それぞれ70-119mg/dl、50-149mg/dl)より高めの人が、1日当たり平均67gのナッツを最低3週間毎日摂取すると、それぞれ平均で9.9mg/dl、20.6mg/dl減少したという研究もあります(*2)」(川田さん)
 「間食のケーキの代わりに、ナッツを食べる習慣をつければ、間違いなく健康的になります。1日のうちで、いつ食べても効果に違いはありませんが、私は昼を中心に食べています。夕方、小腹が空いたときにもおすすめです。そうしておけば、夜になってからの空腹感を和らげることができ、夜のドカ食いを防ぐことができます」(川田さん)
 もちろん、ナッツにアレルギーのある人は別だが、そうでなければ毎日でもとってほしいと川田教授。また、塩分のとりすぎが心配な人は、無塩のミックスナッツを選ぶのがいいとのこと。会社で禁止されていなければ、職場の机の引き出しにナッツを常備しておくといいだろう。
(*2)Sabate Jほか、Archives of Internal Medicine 2010年

次ページ 毎日のヨーグルトが健康を守る
先に紹介したグラフを見ると、ナッツと同じかそれ以上に、ヨーグルトも体重減少効果が高いことがわかる。だが、乳製品であるヨーグルトは、カロリーが高いというイメージを持っている人がいるかもしれない。
 「ヨーグルトの健康効果のメカニズムについては、まだ研究が進んでいる途中ですが、ヨーグルトが腸内細菌によい効果を及ぼすために肥満が抑えられるのだと考えられています。また、ヨーグルトを食べることでカルシウムの摂取量が増えるために、その結果として脂肪分解が促進されたり脂肪吸収が抑えられたことも関係しているでしょう 」と川田さんは説明する。
 腸内細菌は、最近話題になっているので耳にした人も多いだろう。人間の腸にはさまざまな菌がすみついており、乳酸菌やビフィズス菌のような善玉菌と、大腸菌やウェルシュ菌のような悪玉菌の割合が変化することで、免疫機能や健康状態が左右されることが知られている。最近では、腸内細菌の状態によって、がん治療に使用する化学療法の効果が異なってくるともいわれている。
 「腸内細菌のことを考えると、善玉菌を腸に直接送り込むだけでなく、善玉菌のエサになるオリゴ糖や食物繊維をとることも大切です。私は、オリゴ糖やはちみつをかけてヨーグルトを食べています」と川田教授。
 一方、人によって腸内細菌の種類や分布が違っているために、ヨーグルトに含まれる菌の種類によって、効果に差があるという。
 「さまざまなブランドのヨーグルトを試してみて、自分に合うものを探してみるのがいいと思います。合っているかどうかを見極めるには1〜2週間は同じものを食べ続けたほうがいいでしょう。また、ヨーグルトのほかにも、納豆や漬け物などの発酵食品にも乳酸菌が含まれているので、それぞれどれが自分に合うのかを試してみてください」(川田教授)
この人に聞きました


川田浩志(かわだ・ひろし)さん
東海大学医学部内科教授(血液腫瘍内科)、医学博士
最先端の血液内科診療に日々従事しつつ、アンチエイジング・ドックの面談医も務めるなどアンチエイジング医学の普及にも力を入れている。自らがアンチエイジング実践派で、人生を楽しみ、健康的に生きることを信条としている。その生活指導には定評があり、講演依頼やTV・ラジオ・雑誌の取材も多い。受賞歴:東海大学総長賞(松前重義賞学術部門)など。著書:「医学データが教える 人生を楽しんでいる人は歳をとらない」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。
文/二村高史=フリーライター
日経Gooday「30過ぎたら間食にナッツ 一握りで動脈硬化予防も」を転載
■日経Goodayの関連記事
・朝食に「バター入りコーヒー」こそ最強ダイエットの基本
・お酒を飲んで顔が赤くなる人、ならない人は何で決まるのか
・“いい脂肪”なら、かなりの量を食べても太らない!
・ウォーキングの新常識は「ただ歩くだけではダメ!」
http://wol.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/121800040/010600056/?P=3


http://www.asyura2.com/16/health18/msg/335.html

[政治・選挙・NHK219] 中国、アパホテルのボイコット指示 南京大虐殺の否定本巡り 謝罪すべきでない3つの理由 国主導で営業妨害」韓国もイチャモン
中国、アパホテルのボイコット指示 南京大虐殺の否定本巡り
2017.01.25 Wed posted at 10:38 JST

中国当局がアパホテルのボイコットを呼びかけ
(CNN) 日本のアパホテルが客室に南京大虐殺を否定する本を置いたことを受け、中国国家観光局は旅行会社や予約サイトに対してアパホテルのボイコットを指示した。
中国国家観光局の報道官は、「中国人観光客を公然と挑発する行為」として同ホテルを展開するアパグループを非難。「すべての国際観光業者やインターネット業者に対し、このホテルとの協力関係を完全に打ち切るよう要求する」と述べ、日本に滞在中の中国人観光客にもボイコットを呼びかけた。
客室に置かれているのはアパグループの元谷外志雄最高経営責任者(CEO)の著書で、同グループは先に発表した見解の中で、日本では言論の自由が保障されていると強調していた。
旧日本軍は1937年から38年にかけて南京を占領。南京大虐殺では大量殺人や強姦、略奪が行われ、1週間で推定30万人が死亡したといわれる。
元谷氏の著書ではこの数字について「あり得ない」と一蹴し、この事件は「中国側のでっちあげであり、存在しなかった」と主張している。


ホテルに滞在した中国人観光客が客室で本を見つけたことが騒ぎの発端に

南京大虐殺を扱った文書は豊富にある。第2次世界大戦後の東京裁判でも議論され、2015年にはユネスコの世界記憶遺産に登録された。
この本の内容についてアパグループにコメントを求めたが返答はなかった。同グループは24日の時点で、中国人観光客からの予約は引き続き受け付けると述べている。
今回の問題は、中国人観光客2人が宿泊先の客室で本を見付けたことが発端となり、中国のソーシャルメディアで非難が殺到。アパに対して謝罪を要求する声や、ボイコットを呼びかける声が噴出していた。
中国国営新華社通信は24日、「日本の極右勢力が同国の戦争の歴史を塗り替えようとする運動の氷山の一角にすぎない」と形容した。
中国外務省の華春瑩報道官は23日、「日本の少数の個人が歴史的犯罪を消し去ろうと躍起になっている」と述べ、「彼らが躍起になればなるほど、過去についての記憶を呼び覚ます。そうした行為は既に中国の人たちの強い憤りをかき立てている」と語った。
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http://www.cnn.co.jp/world/35095497.html


 

 
中国政府の狂気的行動、国主導でアパホテル「営業妨害」 韓国もイチャモンの「異常」反応
1.26

 中国が日本の一企業の営業を妨害するという「狂気的行動」に打って出た。アパグループが運営するアパホテルの客室に「南京大虐殺」や「慰安婦の強制連行」を否定する書籍が置かれている問題で、中国国家観光局の張利忠報道官が中国人訪日客に、アパホテルの利用をボイコットするよう呼びかけたのだ。

 「中国の観光客に対する公然とした挑発であり、旅行業の基本的なモラルに反する」。張氏は24日、そう表明し、旅行会社やインターネットの予約サイトに対し、アパホテルのサービスと広告を取り扱わないよう求めたことも明らかにした。

 国家観光局の措置について、中国外務省の華春瑩報道官は同日の記者会見で「中国側は日本との友好交流を望んでいるが、歴史を歪曲(わいきょく)し中国人民の感情を傷つける挑発行為は絶対に許さない」と正当化。「誰であろうとでたらめなことをやれば、必ず代償を支払うことになる」と述べた。

 「異常」な反応は韓国でも見られる。聯合ニュースは24日、来月19日に開幕する冬季アジア札幌大会に出場する韓国選手100人以上がアパホテルに宿泊する予定であることが分かったと報じた。記事では「韓国政府や選手団も抗議せざるを得ない状況だ」として、「政治的な差別行為ともいえる」とイチャモンをつけている。

 アパグループは24日、「政府が一民間企業の活動を個別に批判することに対しては疑問を感じる。書籍を撤去しない方針に変更はない」とのコメントを発表した。

 まったくもって迷惑な“隣人”たち…。
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/print/20170126/frn1701260830001-c.htm


 

 

情報戦の裏側
【第9回】 2017年1月26日 窪田順生 [ノンフィクションライター]
アパホテル炎上騒動、謝罪すべきでない3つの理由(上)
アパホテルの客室に置いてある元谷外志雄会長の南京事件否定本が、中国で大炎上している。内容からして炎上は当然、と考えるのは早計だ。今回の出来事は中国政府も絡んだ、南京事件を巡る「国際情報戦」に利用された可能性があるのだ。(ノンフィクションライター 窪田順生)

中国共産党のお墨付き!
アパホテル叩きが始まった

 頭を下げるべきか、下げざるべきか、それが問題だ――。

 ご存じ、アパホテルが中国のネットユーザーたちから「右翼ホテル」だと批判されて大炎上している騒動で、アパ会長に対する「謝罪圧力」がさらに強くなっている。


日本の企業広報の常識がまったく通じない国・中国。過去、炎上した外資系企業はことごとく謝罪に追い込まれてきた。しかしそれでも今回、アパホテルが謝罪すべきでない理由とは? Photo:Reuters/AFLO
 中国国家旅遊局が、自国内の旅行業者や宿泊予約サイトに対し、アパホテルの利用中止や広告の撤去を要求したのだ。

 これは中国共産党が「徹底的に叩いてよろしい」とお墨付きを与えたに等しい。

 これを受けて、中国事情に詳しい専門家からも、アパに謝罪を促す声がちょこちょこでている。たとえば、「歌舞伎町案内人」として知られる李小牧氏は1月23日のニューズウィーク日本版に、アパ側が突っぱねても他の日本企業が槍玉に上がる恐れや、東京オリンピックへの悪影響から、「謝罪しなければ終わらない」と予想している。

 おっしゃりたいことは非常によくわかる。

 中国進出企業ならば骨身に沁みていることだが、あちらの愛国主義者が行う企業攻撃は、日本のいわゆる「ネトウヨ」のみなさんが行う不買運動やら抗議デモが生ぬるく感じてしまうほど凄まじい破壊力がある。2012年に中国全土に吹き荒れた「反日デモ」でも、暴徒化した人々が、日系企業が入ったビルに押し寄せて、ガラスを割るは壁を壊すは、あげくの果てにその辺に止まっていた日本車までひっくり返したことも記憶に新しい。

アップルやマクドナルドも撃沈
中国の恐るべき外資叩き

 そういう荒々しさに加えて、基本的に日本企業が考えているような「リスクコミュニケーション」が通用しないことも大きい。

 李氏は先ほどの記事中で、13年にアップルがiPhoneの修理サービスに関して、消費者から受けた理不尽なクレームに屈したケースを紹介している。実は、これは毎年3月15日に中国で指定されている「世界消費者権利デー」に中国中央電視台(CCTV)で放送されるドキュメンタリー番組が発端となった一件だ。

 この番組に取り上げられた企業は、一も二もなく「謝罪」をしなければ、消費者から壮絶な吊るし上げに遭う。もちろん、企業側にも言い分はあるのだが、口を開けば開くほど攻撃がエスカレートしていくということもあって、とにかく頭を下げるのが最善の道となっており、アップルだけではなく、フォルクスワーゲン、ニコンなど錚々たる外資系企業がすべて「撃沈」している。事実、マクドナルドなどは番組のオンエアが終了した30分後に謝罪コメントを出したほどだ。

 こうした、徹底的に外資系企業を叩くカルチャーがあることに加えて、今回アパに対しては中国共産党が「愛国無罪」というお墨付きを与えている。客室から撤去するなりの「落とし所」をつくって頭を下げないと、12年の「反日デモ」の悪夢のように、「アパのせいで反日デモが起きた」なんてことになる、というわけだ。

 確かに、中国におけるリスクコミュニケーションの常識からすれば、それが最も妥当な対応だろう。ただ、それを踏まえても個人的には今回、アパは「謝罪をすべきではない」と考えている。

 といっても、「中国の言論弾圧を許してはいけない」なんていうイデオロギッシュな見地からではなく、ごくシンプルにアパという企業のメリットとデメリットを天秤にかけた結論である。

これまでもアパの右翼ぶりは
かなり目立っていたが…

 中国ではまったく通用しないが、企業のリスクコミュニケーションにおける「謝罪」というものは、豊臣秀吉に逆らって罪に問われた千利休が述べた以下の言葉に集約される。

「頭を下げて守れるものもあれば、頭を下げる故に守れないものもございます」

 たしかに、頭を下げれば株価の落ち込みにもブレーキがかかる。謝罪会見を見た取引先もホッと胸をなでおろす。しかし、その対症療法と引きかえに、その企業が成長をしていく上で大切にしてきたものを失う「副作用」もあるのだ。

 では、アパが今回の騒動で頭を下げることで「失うもの」はなにか。

 それを説明していく前に、まずは今回の騒動の本質的なところに目を向けなくてはいけない。

 そもそも、多くの人が指摘しているように、アパが「右翼ホテル」になったのは昨日今日の話ではない。これまで元谷外志雄会長はかなりダイナミックな言論活動をしてきた。

 08年には、産経新聞出版から核政策の必要性を説いた「報道されない近現代史」を出しているし、11年には創業40周年を機に、指導者養成を目的として「勝兵塾」を創設し、田母神俊雄氏にアパグループの懸賞論文「真の近現代史観」の優秀賞を与えている。

 安倍晋三首相と近しいというがそれも最近の話ではなく、遡れば官房副長官時代からで、03年の段階で既に私的後援会「安晋会」の副会長になっている。中国共産党が「安倍首相に近しい人物が右翼ホテルを経営している」なんて叩こうと思えばいくらでも叩けた。

 にもかかわらず、なぜこのタイミングで「火」を吹いたのか。

なぜこのタイミングで
アパが炎上したのか?

 その謎は、「火元」をみるとさらに深まる。「Kat&Sid」を名乗る、ニューヨーク在住のアメリカ人女性と中国人男性のカップルなのだが、彼らが過去にアップした動画を見ても、ピンポンをしたり中国語会話をしたりという平和的なものばかりで、活動家臭はまったくしないのである。

 このことから分かるのは、今回の騒動の本質は、アパ側になにかアクションを起こしたとか、「火元」になにかしらの意図があったというころではなく、「タイミング」にこそ大きな意味があるということだ。

 そのあたりを先ほど登場した李氏が端的に考察している。実は「ニューズウィーク」記事のなかで、李氏も昨年2月の段階で、自身も微博(中国版Twitter)にアパ会長の著書問題を投稿したことを告白している。しかし、その反応は意外なものだったという。

《中国ナンバーワンの人気トーク番組「鏘鏘三人行」の準レギュラー格であり、中国では空港でも街中でも盗撮されるほどの著名人である私が怒りとともに意見を表明したのに、まったく話題にならなかった》というのだ。

 この理由を李氏は、当時の日中関係が冷え込んでいたからだと考察している。あまりにも険悪ムードの場合は中国共産党も暴徒化しないようにブレーキをかける。しかし、現在の日中関係はやや回復基調にあるので、中国共産党も手綱を緩めている。そこで、名もない素人カップルの投稿でも「大炎上」となったというのだ。

 中国事情に明るい李氏がおっしゃることなのだから、まさしくその通りなのだろう。ただ、広報コミュニケーション的な視点でいうと、その背景にある3つの要素をつけくわえることができる。

>>(下)に続く
http://diamond.jp/articles/-/115576

アパホテル炎上騒動、謝罪すべきでない3つの理由(下)
>>(上)より続く

ホットなタイミングだった
南京事件

 まず、ひとつは中国ネットユーザーたちが、「Kat&Sid」が投稿をするおよそ2ヵ月前、海外企業を相手どって大きな「戦果」を得た、という自信だ。

 アメリカの高級百貨店ノードストロームの直営店で、「ハピネス」という商品名のTシャツが売られていた。そこには、中国映画「南京!南京!」から切り出したと思しき、旧日本軍の軍人が中国の一般市民を殺害している様子がプリントされ、横にはベンチに座る白人女性の姿も加えられ、「なぜ無関心のままなのか?」というメッセージが添えられていた。

 日本人からもいろいろ言いたいことがあるだろうが、現地の中国系住民がこれに猛烈な抗議をして、中国のネットユーザーはSNSでノードストロームを攻撃。「反戦や反無関心を訴えたかった」というデザイナー側の釈明も虚しく、謝罪と商品取り下げとなった。

 この「戦果」が、南京事件に関する「誤った認識」を糾していくと意気込む中国ネットユーザーたちを大いに勢いづかせたというのは容易に想像できよう。

 そして2つ目が、「Kat&Sid」が南京ネタをアップしたのが「節目」だということである。

 日本人にはあまり知られていないが、実は中国では12月13日が南京事件の国家追悼日とされている。「南京大虐殺記念館」で国家追悼式が開かれるのはもちろんのこと、全国の小中学校では、日本兵たちに無残に殺された30万人を悼み、30本のロウソクを灯したり、いかに日本が憎いかというスピーチコンクールが開かれる。つまり、12月は中国が「日本への憎しみ」に染まるタイミングなのだ。

 さらに言えば、17年は南京事件から80年という節目の年ということで、安倍首相に「南京大虐殺記念館」で、30万人の被害者を前に頭を垂れさせる、と意気込んでいる中国人は少なくない。中国からすれば、アメリカの大統領が広島に訪れて献花したのをそんなに喜んでいるのなら、お前らも南京にきて詫びろ、というロジックなのだ。

 そんなタイミングだったら、アパ会長の本が炎上するのもしょうがないかと思うかもしれないが、実はこの2つだけなら、今のような大騒ぎになったかは疑問である。

 それが3つ目の要素である。告発映像を投稿した「Kat」がアメリカ人女性ということだ。

南京事件の欧米人証言者が
中国のプロパガンダの中心に

 実は南京事件から80年という節目に、中国政府はいろいろな仕掛けをしている。一昨年にユネスコの記憶遺産に登録したのはその代表だが、実は昨年秋から、この記憶遺産の関連資料を展示する「海外ツアー」を始めているのだ。

 第一弾はフランス北西部カン。昨年10月23日から12月15日まで「1937南京大虐殺 南京の6週間」という企画展が催された。

 そう聞くと、愛国心溢れる方たちは「どうせ百人斬りの捏造写真とかでしょ」と思うかもしれないが、そうではない。実はこの企画展で大きなスペースを裂かれたのは、「欧米人の証言」なのだ。記憶遺産に登録されたという16ミリフィルム映像を撮影した米国人宣教師ジョン・マギーや、同じく「虐殺」の証言をおこなった米国人教授マイナー・ベイツ、シーメンス社南京支社長だったドイツ人ジョン・ラーベなどにスポットが当たっているのだ。

 もうお分かりだろう。こういう「欧米人の証言」を広める広報戦略を進めているなかで、アメリカ人女性が日本の「右翼ホテル」の告発映像をアップした。それが「仕込み」か否かはさておき、中国として、これをフル活用しない手はないではないか。

 このような3つの要素を踏まえると、アパの「右翼ホテル」批判は、中国で企業に向けられている愛国主義バッシングの次元を超えた、「南京大虐殺から80年」という節目に向け仕掛けられた「国際広報戦略」の一環である可能性が高いと考えられる。

 そんな大掛かりな話だったらアパのような一民間企業じゃ太刀打ちできないんじゃないの、という声が聞こえてきそうだが、その通りだ。だからこそ「謝罪すべきではない」のである。

カリスマ創業会長の謝罪は
アパにとって大ダメージ

 理由も3つある。

 まず、ひとつはここで頭を下げることで、「中国に屈したアパホテル」というイメージがついて、別の「敵」が生まれる恐れがあるのだ。

「右翼ホテル」というのがまったくアパ側の意図ではなく、中国側に誤解を与えたというのなら、アメリカの百貨店のように速攻で頭を下げればいい。しかし、客観的にみてもアパは「右翼ホテル」と呼んで差し支えない。ホームページを見ても、その政治信条を隠すことなく、ホテルビジネスを続けてきたのである。

 そういう「姿勢」を支持する人々もいることを忘れてはいけない。謝罪をすることで中国人団体客のキャンセルを阻むことができたとしても、これまで味方だった人々、支持者が離れていってしまう。目先の利益のために、それまで胸を張って訴えていた主義主張を曲げるというのは、「変節」と捉えられる。

 ましてや、アパがここまで成長してきたのは、帽子の奥さんではなく、元谷会長の類稀なる経営手腕によるところが大きい。このようなサラリーマン社長ではないカリスマ創業社長にとって、「変節」は、その人間的魅力を失墜させる大きなリスクだ。つまり今回の騒動で頭を下げることで、アパは成長を支えてきた経営者の「カリスマ性」という、何ものにも代えがたい大きな代償を払うことになるのだ。

 そんなことを言っても、中国進出している日系企業や東京オリンピックに影響があるのなら、カリスマだなんだと言っても頭を下げなくてはいけないだろう、という見方もあるだろうが、筆者は逆だ。

 それが2つめの理由である「悪しき前例」になる恐れがあるからだ。

アパが謝罪すれば
トヨタに飛び火も!?

 企業として客を差別したり、特定の歴史認識を押し付けようとしたのならまだわかるが、経営者の個人的な思想や言論が批判され、企業全体が「謝罪」に発展するというモデルケースができれば、冒頭に紹介した「世界消費者権利デー」のように、その企業にかかわる社員や関係者が少しでも「南京タブー」に触れただけで、企業が責任を負うというのが「常識」となってしまう。

 また、中国進出企業の安全のために、そことは直接関係のない「公人」が頭を下げるというスタイルが前例化すると、中国の国際広報戦略のバリエーションを一気に広げ、それが逆に日本企業のリスクになる。

 たとえば、今回の騒動を受けて河村たかし名古屋市長が南京大虐殺を否定するような発言をした。私はかつて、あの人の著書づくりに協力したし、戦時中に南京郊外で終戦を迎えた父上の戦友にも取材をしたこともあるので擁護すると、河村氏はいっちょ噛みで発言をしているわけではなく、国会議員時代から幾度となく南京市に足を運び、自分なりに調査をしたうえで、ああいう発言をしている。

 こういう政治信条を持つ「公人」はアパが陥落した場合、次の標的になる可能性が高い。たとえば、もしも筆者が中国共産党幹部だったら、欧米人を用いて、こんな情報戦をSNSで仕掛けるだろう。

「南京大虐殺はなかったという右翼市長のお膝元にあるのは、トヨタだ。もしトヨタの車を買おうという人はその事実を知った方がいい」

 日本人からすれば支離滅裂かもしれないが、「反日広報」というのはそういうものだ。

 そして、3つ目の理由が「ホテル事業へのダメージ」だ。専門家はこのままアパが謝らないと、中国人団体観光客が来なくなって、アパの成長に歯止めがかかるという。たしかに、しばらくは中国人がアパを訪れることはないかもしれないが、それが長期化するとは考えにくい。

 根拠は、12年の尖閣諸島沖の中国船籍事件が引き金になった「反日デモ」だ。あの時、中国からの団体旅行は1万人規模のキャンセルなどがあって、日本のマスコミも「観光地悲鳴」「消えた中国人」と、まるでこの世の終わりのように大騒ぎをした。

 13年は中国観光客がマイナス7.8%と落ち込んだが、翌年はすぐに持ち直してプラス83%の伸びを見せている。さらに13年も中国の落ち込みをカバーするように、香港、台湾、タイからの観光客がプラス50〜74%で伸びたのだ。

12月の「記念日」に向けて
情報戦は活発になる

 アパが謝罪をしなくても業績に与えるダメージは限定的だろう。一方、先ほど触れたように、ここで頭を下げれば大きなデメリットがある。これを天秤にかければ、どちらが合理的な判断かは言うまでもないだろう。

 ただ、リスクコミュニケーションというものは、どこにゴールを設定するかで大きく変わる。今回は、あくまでアパグループという企業視点での対応を考えたが、「日本」の国際広報をゴールにすると、また違った対応となる。

 斜に構えた見方をすれば、このように頭を下げるメリットがないアパを意図的に狙って、攻撃をしているということも考えられるからだ。

 安倍首相に近しい経済人が南京事件は捏造だという本を書き、歴史を修正しようとしているというメッセージは、「欧米人の証言」戦略と相性がいい。国際広報的には、アパ側が頑なな姿勢をとればとるほど、「日本人は国際社会の声に耳を貸さず、必死に歴史を修正しようとしている」というイメージを広める格好の材料になる。

 いずれにせよ、今年12月13日の「南京大虐殺80周年」に向けて、今回のようなさまざまな情報戦が仕掛けられていくのは間違いない。アパのような覚悟がない企業は、足元をすくわれないような用心をしていただきたい。
http://diamond.jp/articles/-/115625
http://www.asyura2.com/17/senkyo219/msg/662.html

[経世済民118] 「引きこもり」本人・両親とも高齢化で困窮、届かぬ救いの手 支援で 変化は4割  シナプス萎縮  中国:日本自滅はいいこと
「引きこもり」するオトナたち 【第272回】 2017年1月26日 池上正樹 [ジャーナリスト]

「引きこもり」本人・両親とも高齢化で困窮、届かぬ救いの手


「引きこもり」の高齢家族が悲鳴
「80・50問題」待ったなしの実態

「引きもこり」の当事者と両親が高齢化し、経済的に困窮する家庭の実態が、調査報告で明らかになった。行政の救いの手は彼らに届いているのか
 自治体窓口が対応した「引きこもり」本人に関する相談で最も多かったのは40代の62%で、「経済的に余裕がない」などと、本人の兄弟姉妹から相談を受けるケースも30%に上っていた。

 そんな経済的に困窮した高齢化家族が助けを求めている実態が、「KHJ全国ひきこもり家族会連合会」の調査報告で明らかになり、朝日新聞を除く主要新聞やNHKなどでも報じられている。

「引きこもり」本人の平均年齢は「45.3歳」。80歳代の父が8%、母が12%と、如実に待ったなしの「80・50問題」が浮き彫りになったと言える。

 報告した調査チームの愛知教育大学・川北稔准教授(社会学)によると、自治体の「引きこもり」実態調査で、40代以上の割合は4割〜5割を占める例が続出。2015年に施行された生活困窮者自立支援法に基づく自治体の相談窓口でも、高齢化した親子の「引きこもり」相談において、年金や介護、暴力など複合化した生活維持のための対応に迫られている実態が判明したとして、40代以上の事例に注目して調査を行った。

 調査は、昨年11月、相談窓口が設置されている215の自治体に質問用紙を送付。今回は、今年1月上旬までに回答のあった150窓口のデータを中間報告的に分析した。

 報告によると、相談に対応したことがある「引きこもり」本人の年齢について最も多かったのは、「40代」の62%(93窓口)。以下、「30代」、「20代」と続き、「50代」も45%(67窓口)に上っている。

 また、相談者で最も多かったのは、「父母」の73%(109窓口)だが、「本人」は46%(69窓口)。とりわけ、本人の年齢が40代以上になると、地域包括支援センターや民生委員といった「関係機関・関係者からの紹介」や「本人の兄弟姉妹」からの相談の割合が高くなった。

「引きこもり」本人の課題は、「人間関係・コミュニケーションに関する問題がある」が80%。「就職活動や、仕事への定着が難しい」が77%と続くが、40代以上になると順位が逆転していて、雇用環境の問題であることが浮き彫りになる。


KHJ家族会の報告会は、約150人の参加者を集め、関心の高さを伺わせた
 一方、家族が抱える課題では、「経済的に余裕がない、または困窮している」と回答した窓口が、それぞれ突出して高い。

 本人や家族がこれまで利用した相談機関や窓口については、「福祉事務所(生活保護担当部署)」「医療機関」「保健所・保健センター・精神保健福祉センター」が多く挙がった。

 実際の相談ケースに応じて、連携を行った相談機関や窓口は、「ハローワークなど就労関係窓口」(49%)、「福祉事務所(生活保護担当部署)」(46%)、「行政の障害担当部署」(37%)、「保健所・保健センター・精神保健福祉センター」(36%)が多かった。

「引きこもり」家族の支援で
変化が見られたのは4割どまり

 支援によって見られた変化としては、「就労開始」「自立意欲の向上・改善」「就職活動開始」「社会参加機会の増加」など。40代以上についても、「家計の改善」などの項目は、全年齢に対する比率が高くなっている。

 しかし、最も多く回答があった項目でも4割にとどまり、「支援の結果、変化を見るに至っていない窓口も多い」と報告する。

「ひきこもり事例への対応について感じていること」などの自由回答を見ても、「支援を拒む」「居場所や地域でのキーパーソンが不在」「対象者に合わせたゴール設定が難しい」「ひきこもりに関する支援の実績がない」といった現場での課題が挙げられた。

 興味深いのは、「ひきこもり支援において、現在は実施していないが、必要性を感じている支援内容」を聞いたところ、「本人の居場所」が57%と最も多く、「家族会・家族教室」(33%)、「ピアサポート」(29%)と続いていたことだ。

 一方、「宿泊型施設」はわずか6%にとどまった。

 ちなみに、読売新聞が<「大人のひきこもり」平均22年>と報じていたが、特に平均期間の報告はなく、「本人年齢(平均)」45歳から「ひきこもり開始年齢(平均)」23歳を差し引いたものと思われるため、厳密に言えば正確ではない。

 今回の報告は、引きこもる本人や家族に対する行政の対応がこれまで上手くいっていなかった現実を、初めてエビデンスとして示したものであり、「引きこもり支援」のあり方について、行政も支援団体も見て見ぬふりをしないで舵を切らないといけない転換点を迎えた調査結果だと言える。

40歳未満を重視、治療対象者扱い
行政の対応が上手くいかない原因

 これまでの行政の対応が上手くいかなかったのには、大きく2つの理由が考えられる。

(1)「引きこもり支援」が不登校の延長や青少年の問題だとして「就労」をゴールとする認識で捉えられ、対象者がおおむね「40歳」未満で線引きされてきたこと。

(2)いまだに個人を治療対象者とみなす間違った厚労省研究班の概念が、自治体の精神保健部署で使われ続けていること。10年以上前の「引きこもり分類」では、「精神疾患群」「発達障害群」「パーソナリティ群」の3分類とされていた。

 しかし、厚労省の現在の「引きこもり施策」では、従来の「医療対応」中心の反省から「社会的要因」の比重が大きくなっていることを前提に、社会援護局が「生き方丸ごと支援」として「本人支援」「家族支援」や、「我が事・丸ごと」の地域づくりの取り組みに力を入れている。

 愛知教育大の川北准教授の調査報告は、「支援機関、窓口の対応への失望」「子育てへの罪責感、本人の暴力などに由来する家族の委縮」「支援機関、窓口の“ひきこもり”理解の不足」などの経験を積み重ねてきて、社会との壁が構築されていると指摘する。しかし、壁があったとしても、違う関係をつくり出すことはできると指摘する。

 日本福祉大学の竹中哲夫教授は、親の高齢化、親亡き後の「ライフプラン支援」として、生活上の困り事を一緒に解決するボランティアとしての支援者と連携して向き合う「交流支援者方式」を提案する。

 竹中教授によれば、「ライフプラン支援」には、引きこもる人の協力に加え、資産が残される場合でも本人が有効に使えなければ活かされないことなどから、経済生活以外の課題の支援も必要だと指摘。こうした「ライフプラン支援者」とともに、福祉、心理、医療、就労などのピアサポーターを含む「ひきこもり支援者」、引きこもる人の困り事や心配事を頼りになる友人知人のように解決する「交流支援者」が連携していく、3者の関係づくりによる新たな段階に入ったと報告した。

 これこそ、地域で孤立しがちな本人や家族が違う関係性をつくり出すきっかけにもなる、コミュニティの発想である。

(ジャーナリスト 池上正樹)
http://diamond.jp/articles/print/115574

 
「引きこもり回復テキスト」に学ぶ人生やり直しの教訓
「引きもこり」から回復する
ための12のステップとは?


初めて出版された引きこもり版回復テキストは、引きこもる人々に光を与えるだろうか
 昨年末、依存症の12ステッププログラムを活用した引きこもり版回復テキスト『ひきこもりアノニマスの12ステップ』が初めて出版された。

 同テキストは、もともとアルコール依存症回復の12ステップとして、世界中で回復者を生み出してきた実績のあるプログラムをアメリカから輸入し、「引きこもり」に当てはめた四六版176ページの回復テキストだ。実際に翻訳したものが日本のミーティングにも使われていて、「引きこもり」状態からの回復者も出ているという。

「引きこもり」状態の人が増えていることは、おおむね日本特有の現象であり、世界にも例がない。米国でも「引きこもり12ステップ」のグループや本がないことから、日本で制作することになったという「世界でも初めて」のテキストだ。

 原作者は、摂食障害カウンセラーも務める会社員のhideさん(ペンネーム/39歳)で、自助グループ「ひきこもりアノニマス」(以下、HA)の作成委員会スタッフが編集協力して出版した。

 HAとは、「引きこもりからよくなりたい」「抜け出したい」「社会生活を再開したい」という人たちのための相互援助・支援グループ。ミーティングではそれぞれの日々の悩みやステップワークの経験などが自由に分かち合われる。

 hideさん自身、不仲な両親のもとで育ち、中学生のときに20人くらいから集団暴行を受けて、不登校になった。家でも摂食障害になり、引きこもる状態を繰り返した。

 しかし、摂食障害の自助グループで「12ステップ」に出合い、回復と共にプログラムを勉強。今では、米国から同プログラムを手渡すプロバイダーの資格を取得した。

 hideさんによると、プログラムは2つのポイントからできているという。人格形成と共同体のプログラムだ。

「自分の自我を育成していく道筋を示すことと、今まで孤独だった仲間に共感を得てもらって新たな力を出してもらうという目的です。これまでHAの仲間たちは、他の依存症の本を読んで実践して、勉強にはなったけど、引きこもりという実態に合わせた本が欲しかったのです。また、他の引きこもる仲間たちにも普及していきたいと考えました」

 プログラムの出版化は、長年引きこもり状態にあって1人苦しんできた当事者や回復を目指して勉強する経験者たちのニーズから生まれたものと言える。

 なじみのなかった一般の人たちにもわかりやすいよう、ステップ1から3では、「すべてのひきこもりが依存性を持つわけではないが、私たちの多くに、その特徴がある」と指摘。「ひきこもりの囚われから解放されて生きたいと思うのなら、問題を起こす原因から解決していかなければならない」として、「自分を超えた大きな力」を見つけて向き合い、「生き方を変える必要がある」と説明する。

「自分を超えた大きな力」とは、1人では打開できなかったことが、仲間の中に身を置いていることによって、見えなかった違う力を得ることができるということだ。

「自分の気持ちが強すぎると、すべてが見えない。人は1つのことに偏ると、それに支配されてしまって、その他の多くを忘れてしまう。深呼吸して、違う面の自分を見てみると力が抜ける。こうして新しい考え方を得るのが、ステップ1〜3です」(hideさん)

ネガティブな生き方を打破するため
「神」という表現を使っている


依存症の12ステッププログラムを活用した、引きこもり版回復テキスト『ひきこもりアノニマスの12ステップ』
 また、テキストに頻繁に出てくる「神」という表現は、宗教の意味ではなく、宗派や信仰の有無にかかわらず、勉強できるという。

「引きこもりだったメンバーにも多いんですが、自分自身の自我が育っていないんです。親が不安定な家庭では、子どものときから自分の気持ちを出したくても、常に親の行動をうかがってピエロになってきた。親に影響された自分を超える力は何かというと、他の言葉がない。自分のネガティブな生き方を打破するために、神という表現を使っていると考えてもらえればと思います」(hideさん)

 hideさんも他人とは話したくないし、誰も信用できなかったが、違う視点でミーティングに行ってみようと思って続けていったら、気持ちが楽になった。

「ミーティングの会場で人の中にいると、温泉に浸かるような感覚を得られた。苦しい自分から立ち直ろうと真剣に学んでいる人たちであれば、裏切りや他人を傷つける行為を自分のためにしないだろうと思って、人を信じられるようになったんです」

自我を出し仲間の共感を得る
一般にも役に立ちそうなテキスト

 ステップ4〜7では、自分の内面にある恨みや恐れを出していく。hideさんは、依存症の回復者に、お金を取られることもなく自分の過去の話をずっと聞いてもらって、なぜ他人を恨んでなぜ恐れたのか、一緒に分析して考えてもらった。

 そして、ステップ8になると、「自分の人間関係に目を向けて、傷つける結果になったパターンを見つけ出す」ことを目指す。4〜7で自分自身の特徴を見つめ、8〜9では人との関係において実際に行動していく。

「身近なところでイザコザがあっても、プログラムがあるのですぐに謝れる。心に決めてあることがあれば、声をかけて相談してみるといった本音の付き合いができるようになっていきました。8〜9で、いろいろな人間関係が回復するようです」(hideさん)

 ステップ10以降では、囚われた感情を認識して取り除くことを根気強く実践していく。このプログラムは、「引きこもり関係」以外にも広く応用できる。

「周囲が“引きこもりをやめろ”と否定してしまうのはつらい。むしろ、アルコール依存症でもそうだが、家族自身が12ステップに取り組んでいます。

 引きこもりから回復するための支援方法はいろいろあると思いますが、同じ苦しみの仲間たちと集まる共同体と、自分自身を成長させるテキストのような道筋も、参考の1つに取り入れてもらえればと思います」(hideさん)

 同テキストは、定価1200円。購入するには、HAミーティングに参加するか、下記のホームページから申し込む。なお、売上はすべて、ひきこもりアノニマスグループによる引きこもり支援活動に使われる。

 また、HA発起人の森のくまさん(ペンネーム)が、福岡で「HA福岡グループミーティング」を発足させる予定で、HAミーティングに行ってみたいという参加者を募集している。

問い合わせ先
http://hikikomorianonymous.org
http://diamond.jp/articles/-/113883
 


 

 
引きこもり相談「40代に対応」62% 自治体の窓口
2017/1/22 22:17
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 引きこもりの相談を受け付けている全国の自治体窓口のうち、家族会が150カ所を調べたところ、40代のケースに対応した経験があるとの回答が62%に上ることが22日分かった。50代も多く、高年齢化の深刻な状況が明らかになった。

 引きこもりが長期に及び40代〜50代になると、親も高齢になり、介護が必要になったり経済的に困窮したりして、親子で「共倒れ」になるリスクがある。国が昨年公表した引きこもりの実態調査では40代以上は対象外で、不登校や若者の就労など、主に青少年の問題と捉えられてきた。対策の見直しが迫られそうだ。

 調査は「KHJ全国ひきこもり家族会連合会」が昨年11月〜今年1月に実施。2015年施行の生活困窮者自立支援法に基づく自治体の相談窓口(全国約1300カ所)のうち、地域や人口規模などに応じて選んだ215カ所に質問票を送付。150カ所から有効回答を得た。

 引きこもりへの対応経験があったのは129カ所(86%)。本人の年齢(複数回答)は40代が93カ所(62%)と最も多く、続いて30代が78カ所(52%)、20代が69カ所(46%)で、50代も67カ所(45%)あった。

 40代以上の場合、父母から相談を受けた窓口が46%と最多で、本人は28%。課題は「就職活動や仕事への定着」「人間関係やコミュニケーション」「経済的な困窮」が目立った。支援の連携先として挙がったのはハローワークや生活保護を担当する福祉事務所、介護施設などで、高年齢の引きこもり家庭特有の多様なニーズがうかがえる。

 一方、すべての年代を対象にした自由回答では、「過疎地のため居場所などの社会資源がない」「対象者に合わせた(問題解決の)ゴール設定が難しい」などの悩みもあった。

 家族会は主に「40歳以上、期間10年以上」の引きこもりの人がいる61世帯の実態も調査。約半数は支援を受けたものの、中断したことがあった。

 調査チームの川北稔愛知教育大准教授(社会学)は「本人や家族の年齢が高くなると問題は複合化する。多様な支援メニューを充実させるとともに、息の長い取り組みが必要だ」と話している。〔共同〕

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54万人の引きこもりが日本で社会問題に=「中国の未来も同じようなもの」「こういう生活をしてみたい」―中国ネット レコードチャイナ 2017年1月16日 00時00分 (2017年1月18日 00時00分 更新)


15日、中国中央テレビが、日本の引きこもり問題について紹介する番組を放送した。これに対し、中国のネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。資料写真。(Record China)
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2017年1月15日、中国中央テレビが、日本の引きこもり問題について紹介する番組を放送した。

番組では、日本には数年から十数年と長期間にわたって外出もせず、家族以外の人とは何の交流ももたない「引きこもり」と呼ばれる人たちがいると紹介。統計によれば、14歳から40歳の引きこもりが全国で54万人いるという。番組では、日本社会は労働力不足であり、しかも少子化となっているため、引きこもりの人たちが労働力となれず、結婚して子供を産むこともしないため、大きな社会問題となっていると伝えた。

これに対し、中国のネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。

「日本が自滅するのはいいことだ」
「この人たちはどうやって食べていっているんだ?」
「出かけないなんてあり得ないだろ?買い物に行って食事は作らないとだろ?」

「毎日家でアニメを見て暮らしているんだろうな」
「俺もお金さえあれば引きこもりになるのだが」
「俺も親戚とは誰とも会いたくない」

「中国の引きこもりは54万人どころの話ではないと思う」
「中国も同じような状態になりつつある」
「中国の未来も同じようなものだと思う」

「俺もこういう生活をしてみたい」
「俺はすでに5年引きこもっている」
「俺も似たようなものだな。知らない大都会で仕事以外に社会交流などない」(翻訳・編集/山中)
>>次の記事:世界で最も幸福なのが中国人?独メディアの報道に中国...
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http://www.excite.co.jp/News/chn_soc/20170116/Recordchina_20170116000.html


 


「引きこもり」が長引くと社会復帰が難しくなる... 原因はシナプスの委縮にあった?

http://www.agingstyle.com/images/2016/12/as_20161227114553.jpg
社会が不安で離れているとより不安が増すという悪循環に(画像は京都大学プレスリリースより)

京都大学大学院・医学研究科の成宮周教授と、長崎大学の出口雄一准教授らの研究チームは、社会から隔離されると不安が増強されるのは、脳の神経回路が機能不全に陥るためだったとする研究結果を発表した。

2016年に実施された内閣府の調査では、さまざまな要因で就学や就労を回避して自宅に留まる、いわゆる「引きこもり」状態の人は、15〜39 歳で推計54万1000人にのぼるとされている。

そのうち約35%は引きこもり期間が7年以上と長期化している。いったん社会から隔絶すると不安がより増強され、社会復帰が困難になるという。成宮教授らは、不安が増強される原因は、脳機能メカニズムになんらかの問題が生じているためと推測。

他のマウスから隔離して、一匹のみで長期間飼育した、社会隔離モデルマウスを作成し、通常飼育されたマウスとの違いを調査した。マウスの不安感の有無や強弱は、高所に設置された壁のない細い通路を渡る試験によって判断している。

その結果、社会隔離マウスは、大脳の前部に存在する神経細胞の塊「側坐核」から、脳の中心部にある「腹側被蓋野」への神経伝達が機能不全を起こし、不安感が増強されていることが判明。

詳しく分析したところ、側坐核から腹側被蓋野へと続くシナプスの前部が、「mDia」というたんぱく質が作り出す線維に締めつけられ収縮し、神経伝達不全を起こしていることもわかった。また、社会隔離マウスにmDiaの作用を阻害する薬物を投与したところ、不安感が解消され、通常マウスに近い行動をとるようになったという。

成宮教授らは、社会隔離による不安増強のメカニズムを発見したことで、このメカニズムを標的とした抗不安薬の開発が期待できるとし、「今後はメカニズムが精神疾患やアルツハイマー病などにも影響しているか検討し、新しい治療法の開発に繋げたい」とコメントしている。

発表は、2016年11月22日、オープンアクセスの生命科学分野誌「Cell Reports」に掲載された。

医師・専門家が監修「Aging Style」
参考論文
mDia and ROCK Mediate Actin-Dependent Presynaptic Remodeling Regulating Synaptic Efficacy and Anxiety.
DOI: 10.1016/j.celrep.2016.10.088 PMID:27880913
http://www.agingstyle.com/print_window.html
http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/326.html

[国際17] 台湾経済が成長したのは、日本による大々的な投資があった・・・中国ネット民「われわれだって日本に助けられた」  世界で最も
国際総合 中国・韓国・アジア国際コラム

台湾経済が成長したのは、日本による大々的な投資があった・・・中国ネット民「われわれだって日本に助けられた」
サーチナ 2017年1月26日 07時12分 (2017年1月26日 11時50分 更新)

日本と台湾、そして大陸を巡る関係は複雑だ。日台間の関係接近に対して大陸の政府は常に目を光らせている。一方で、その評価はさておき、日本がこれまでに台湾に対して与えてきた影響について無視したり軽んじたりすることは、不可能だろう。(イメージ写真提供:123RF)(サーチナ)

 日本と台湾、そして大陸を巡る関係は複雑だ。日台間の関係接近に対して大陸の政府は常に目を光らせている。一方で、その評価はさておき、日本がこれまでに台湾に対して与えてきた影響について無視したり軽んじたりすることは、不可能だろう。

 中国メディア・今日頭条は24日、台湾経済成長の背後には1960年代に日本で起きた台湾投資ラッシュがあるとする記事を掲載した。記事は、台湾の行政院経済合作発展委員会(現在の行政院経済建設委員会)の調査で、1953年から66年の13年間で日本企業が行った対台湾投資件数が88件、投資総額が1270万米ドルにのぼり、外国からの投資の半分を占めたとされていることを紹介。とくに65年以降に日本企業による台湾投資が顕著に増えたとした。

 またこの時期には日本と台湾企業との間で医薬品、電気機器、通信機器を中心とした「技術協力」が盛んに行われ、台湾は技術力を高めるとともに製品の輸出競争力を高めていったと説明。日本企業にとっては日本国内よりも労働コストが低廉で、電力コストも低いというメリットがあったほか、その後の台湾製品市場を掌握するうえでの足掛かりになったと解説している。

 記事を見た中国のネットユーザーからは日本の投資によって台湾の経済発展が後押しされたことを認める意見が見られた。また、「だから一部の台湾人は日本を養母のような存在と言うのか」、「だから台湾には近代においても現代においても親日家がいるのか」、「そのころ大陸は何をやっていたか。本当に心が痛む」といったコメントも寄せられた。

 それ以上に多く見られたのは「日本は中国にも大量に投資し、お金がないときに助けてくれた」とする意見だ。「記事は、中国大陸の発展は日本の投資に頼っていない、と言っているようだ」、「戦後、日本の資本は大陸をたくさん助けてくれもした。君たちは知らないだろう、なんて言わせない」といった感想が残されている。

 愛国教育によって日本に対して嫌悪感を持ったり、軍国主義化や右傾化の危機などと煽ったりする人がいる一方で、中国には改革開放直後の苦しい時期に日本企業が積極的に投資を行ったり、日本政府が資金援助を実施したりしてきたことに恩義を感じている人が確かに存在するのである。そして同時に、親日的なイメージを抱きがちな台湾にも、日本に対していいイメージを持っていない人たちが多少なりともいることを忘れてはいけない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


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コメント 1件
ノラ猫さん 2017/01/26 11:41 通報
江沢民が自分の独裁と人民弾圧を隠蔽するために、それまでの日本の中国投資の恩恵をないがしろにして、反日戦略政策を開始した。30年以上も前のことで今の中国人民は何も知らない。台湾も中国も日本は育てた。
http://www.excite.co.jp/News/chn_soc/20170126/Searchina_20170126001.html


 


世界で最も幸福なのが中国人?独メディアの報道に中国ネット「じゃあ国籍交換してくれ」 レコードチャイナ 2017年1月22日 02時00分 (2017年1月24日 00時00分 更新)


20日、中国メディアの参考消息が、ドイツメディアの報道を引用し、中国人は世界で最も幸福だと伝えた。これに対し、中国のネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。写真は中国人の親子。(Record China)
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2017年1月20日、中国メディアの参考消息が、ドイツメディアの報道を引用し、中国人は世界で最も幸福だと伝えた。

記事によれば、中国人の生活の質は発展どころか飛躍しており、日干しれんが造りの家からトイレ付きの家となり、自転車から高速鉄道になり、固定電話もなかったのがスマホでSNSを楽しむようになったと指摘。わずか数年でこれだけの変化があったため、各国の国民の満足度を研究している学者は、数年前から最も幸福なのは中国人だとしていると伝えた。

また、5分の4の中国人が自分の子供の世代には生活がもっと良くなると考えており、子供の世代には生活がもっと悪くなると考えている人が多い欧米とは対照的だという。

これに対し、中国のネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。

「客観的に言って中国人の生活は確かに向上した。もちろん先進国とはまだ差があるから引き続き努力しないと。良い生活は自分の努力で切り開く」

「中国経済は、改革開放からの数十年で急速な発展を成し遂げてドイツを超えたから、ドイツ人は不思議なのだろう。中国人の長所から学んで国を発展させることがドイツ人にとって賢明な道だ」

「中国人の精神的な幸福は80年代だったと思う」
「牛馬のような生活で幸福とか言っているのか」
「あまりに幸福すぎて早く中国を出たいのだが…」

「われわれの『幸福な生活』は専門家が作り出したデータの上にある」
「ドイツ人も中国中央テレビ(CCTV)のニュースを見ているんだな」
「だったらドイツ国籍と交換しようぜ」(翻訳・編集/山中)
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http://www.excite.co.jp/News/chn_soc/20170122/Recordchina_20170122002.html

 


日本人は世界で最も不幸な民族の1つ?=「中国人こそ最も不幸な民族だと思うが」「日本はどんなに不幸でも先進国」―中国ネット
Record china配信日時:2016年11月17日(木) 8時20分
日本人は世界で最も不幸な民族の1つ?―中国ネット画像ID 533869
15日、中国のポータルサイト・今日頭条が、日本人は世界で最も不幸な民族の一つだと主張する記事を掲載した。これに対し、中国のネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。資料写真。


2016年11月15日、中国のポータルサイト・今日頭条が、日本人は世界で最も不幸な民族の一つだと主張する記事を掲載した。

記事によると、日本人が世界で最も不幸な民族と言えるのは、資源が極端に不足しているという資源環境と、周りを海に囲まれた島国という地理的条件のためで、地球上から最初に消えかねない状況にあると主張した。

これに対し、中国のネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。

「でも日本人のことがかわいそうだとは思わない」
「日本は中国の省の一つとなることだけが生き残る道だな」

「中国人こそ最も不幸な民族だと思うが」
「日本人は中国人よりもいい生活を送っている」

「民度が高くて高度に文明が発達しているのだから幸福だ」
「言っていることが逆だろう。日本は最も幸福な民族の一つだ。四方を海に囲まれ海運や航空輸送に便利で、世界との交流に都合がいい。水が豊富で気候も良く、人口も多い」

「このような国がアジア全体を攻撃したというのだから、むしろ敬服すべきなのではないか?」
「日本がどんなに不幸でも、中国ほどの災難はない。日本はどんなに不幸でも先進国だ」

「中国は地理的に有利なのに外国から侵略された。だから国の強さと国土は関係がないことを証明している。国が強大になるかそれとも滅びるかは、政策決定者の手にある」(翻訳・編集/山中)
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http://www.recordchina.co.jp/a155226.html
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/551.html

[国際17] トランプ氏、CIAの「秘密収容施設」復活の検討指示 メキシコ国境の壁建設と移民規制の大統領令に署名 強硬姿勢で共倒れも 
トランプ氏、CIAの「秘密収容施設」復活の検討指示

[ワシントン 25日 ロイター] - トランプ米大統領は、オバマ前政権によって廃止された外国人テロ容疑者収容のための中央情報局(CIA)の海外「秘密施設」について、復活させる必要があるかどうかを検討するための大統領令に近く署名する見通し。2人の政府関係者が25日、明らかにした。

秘密収容施設は2001年9月11日の米同時多発攻撃後に拘束した容疑者を収容するためポーランド、リトアニア、ルーマニア、タイ、アフガニスタンで開設。拷問を用いた厳しい尋問を行ったとして非難されてきた。

関係者によると、トランプ氏は大統領令に数日内に署名する見通し。ワシントン・ポスト紙が伝えたところによると、大統領令の原案は、「米国外で重要度の高い外国人テロリストを尋問する制度を復活させるかどうか」、あるいは、施設をCIAの管轄下に置くかどうかについて、高官レベルの見直しを行うよう指示している。

この原案に対しては共和党内からも批判の声が上がった。共和党のマケイン上院議員は声明で、「大統領はいかなる大統領令に署名しようと自由だが、法律は自由にできない。米国で拷問を復活させるつもりはない」と表明した。

複数の関係者などによると、情報機関の職員や軍人の多くも過酷な尋問を再開することに反対している。

スパイサー大統領報道官は、報じられた大統領令の原案はホワイトハウスが管理している文書ではないと述べた。

トランプ氏はABCニュースのインタビューで、「水責め」と呼ばれる過酷な尋問を認めるか聞かれ、「ポンペオ(CIA長官)やマティス(国防長官)、わたしのチームに判断は任せる。彼らが望まないならばそれで結構だ。彼らが望むならば実施に向けて取り組む」と述べた。

議会筋によると、マティス氏とポンペオ氏は秘密収容施設再開に向けた動きについて知らされていないという。

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http://jp.reuters.com/article/secretecia-blacksite-idJPKBN15A052


 


 
トランプ氏、メキシコ国境の壁建設と移民規制の大統領令に署名
Margaret Talev、Nafeesa Syeed
2017年1月25日 14:53 JST 更新日時 2017年1月26日 12:02 JST

トランプ氏、大統領選で物議を醸した公約の実行に動き出す
難民受け入れの120日間停止や受け入れ総数削減計画を26日にも発表

トランプ米大統領は25日、メキシコ国境に壁を建設するとともに、米国への移民流入規制を強化する大統領令に署名した。選挙戦で掲げた最も根本的かつ物議を醸した2つの公約の実行に動き出した。
  トランプ大統領が署名した2つの大統領令は、メキシコとの国境1989マイル(約3200キロ)での「物理的な壁」の建設開始と米国内での移民法執行の強化を命じるもの。2番目の大統領令には、連邦移民法を地元警察に執行させることを拒否する「聖域都市」への厳格な対応も含む。
  国土安全保障省での大統領令署名に当たって演説したトランプ大統領は、「きょうから米国は国境の管理を取り戻し、国境を取り戻す」と言明した。同省は国境の管理とトランプ氏が求める移民規制の多くを実施する主要な権限を持つ。
  トランプ大統領は不法移民に殺害された市民の遺族を演説会場に招待。遺族らに目を向け、壁とより積極的な移民法執行が「多数の命を救うことになる」と述べた。
国土安全保障省で署名した大統領令を掲げるトランプ氏 (25日)
国土安全保障省で署名した大統領令を掲げるトランプ氏 (25日) Photographer: Chip Somodevilla/Pool via Bloomberg
  新政権は難民受け入れを120日間停止することも検討しており、米国で今年度受け入れる総数を11万人から5万人に減らす。計画に詳しい関係者1人によると、この措置は26日にも発表される可能性がある。
  トランプ大統領はABCニュースとのインタビューで、壁建設は「数カ月以内」に開始され、メキシコがそのコストを米国に支払うと説明。「こうした交渉を比較的早期に始めるつもりだ」と述べた。
原題:Trump Advances Border Wall to Start Broad Immigration Crackdown抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-25/OKBM1E6S972801


 


コラム:トランプ米大統領、対メキシコ強硬姿勢で「共倒れ」も
 1月25日、トランプ米大統領が、NAFTAを巡る交渉のためメキシコの高官が訪米するというタイミングで、メキシコ国境に壁を建設すると表明したのはいささか無粋な対応だ。こうしたトランプ氏のメキシコに対する強硬姿勢は「共倒れ」を招きかねない。写真はメキシコ国境沿いに新たに建設されたフェンス。メキシコ側のシウダーフアレスから撮影(2017年 ロイター/Jose Luis Gonzalez)
 1月25日、トランプ米大統領が、NAFTAを巡る交渉のためメキシコの高官が訪米するというタイミングで、メキシコ国境に壁を建設すると表明したのはいささか無粋な対応だ。こうしたトランプ氏のメキシコに対する強硬姿勢は「共倒れ」を招きかねない。写真はメキシコ国境沿いに新たに建設されたフェンス。メキシコ側のシウダーフアレスから撮影(2017年 ロイター/Jose Luis Gonzalez)
Martin Langfield

[ニューヨーク 25日 ロイター BREAKINGVIEWS] - トランプ米大統領が、北米自由貿易協定(NAFTA)を巡る交渉のためメキシコの高官が訪米するというタイミングで、メキシコ国境に壁を建設すると表明したのはいささか無粋な対応だ。こうしたトランプ氏のメキシコに対する強硬姿勢は「共倒れ」を招きかねない。それだけに両国が双方の顔が立つ方策を探る可能性もある。

トランプ氏はカナダ、メキシコとのNAFTAを最悪とこき下ろし、米国にとって良い条件を交渉で勝ち取れないならば出ていくと息巻いている。一方のメキシコも話し合いが不調となればNAFTAからすっぱり足を洗うこともあり得るとしている。

交渉のスタート時に極端な立場を取るのはよくあることだ。米国とメキシコの貿易額は年間で計5000億ドルにも達しており、両国の関係が改善する可能性はある。逆に関係が決定的に悪化する事態になってもおかしくない。

メキシコのグアハルド経済相とビデガライ外相は、麻薬王が使う交渉術「銀か鉛か(カネか弾丸か)」で理論武装してワシントンに乗り込む。

ロイターの報道によると、メキシコ側はNAFTAの原産地規則の厳格化を土台にトランプ氏と合意にこぎ着けることを期待している。例えば、現在メキシコで生産された自動車を無関税で米国に輸出する場合の北米地域における調達比率は62.5%に設定されているが、再交渉でこの比率を引き上げるかもしれない。そうなれば米国の産業が低コストのアジア勢と戦う上で追い風になる。

一方でメキシコの一行は、貿易問題とともに移民や社会保障といった案件についても話し合う予定となっている。ざっくりと言えば、中南米諸国から米国への移民流入の阻止や、麻薬組織の元最高幹部ホアキン・グスマン受刑者の米国への身柄引き渡しのような麻薬犯罪対策で、メキシコの協力を当然と思ってはいけないということだ。メキシコが態度を硬化させたならば、国境沿いの壁建設にたいした益はないだろう。

トランプ氏の対メキシコ強硬姿勢は、うまく行けば両国の面目が立つ形に落ち着くかもしれない。最終的にNAFTA廃止が宣告されるなら、トランプ氏を支持する排外主義者は称賛を送るだろう。その代わりに米国はカナダ、メキシコと二国間協定を結ぶのではないか。メキシコとの協定は「米・メキシコ繁栄協定(Treaty for U.S.-Mexican Prosperity=TRUMP)」と呼ばれるかもしれない。ホワイトハウスで好評を博すだろう。

●背景となるニュース

*メキシコのペニャニエト大統領が31日にトランプ米大統領と首脳会談を行うのに先立ち、メキシコのグアハルド経済相とビデガライ外相が25─26日にワシントンを訪れてトランプ政権の高官と貿易、安全保障、移民などの問題について協議する予定だった。

*トランプ氏は25日、メキシコとの国境沿いに壁を建設する大統領令に署名した。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイターのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

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By ZEKE TURNE
2017 年 1 月 26 日 11:28 JST

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 米国や英国、ドイツ、日本が高レベル核燃料棒の処分場を作ろうとしているが、政治的な障害にぶつかったり、有害廃棄物が持ち込まれるのを望まない地元住民の反発に遭ったりしている。

 そんな中、フィンランドは地下深くで静かに歩を進めている。

 バルト海に浮かぶオルキルオト島では、同国の主要原子力発電会社2社が主要貯蔵室となる地下トンネルの掘削に着手した。2020年までに完成が予定されているこのトンネル「オンカロ」は、今後10万年にわたって6500トンの使用済みウランを安全に保管するために使われる。

バルト海に浮かぶオルキルオト島の地下トンネル「オンカロ」
バルト海に浮かぶオルキルオト島の地下トンネル「オンカロ」 PHOTO: JUUSO WESTERLUND MOMENT/INSTITUTE FOR THE WALL STREET JOURNAL
「オンカロ」では10万年にわたって使用済みウランが保管される
「オンカロ」では10万年にわたって使用済みウランが保管される PHOTO: JUUSO WESTERLUND MOMENT/INSTITUTE FOR THE WALL STREET JOURNAL
 地下最終処分場の建設は、エンジニアや科学者にとって挑戦しがいのある仕事というだけではない。フィンランドは財政的な優遇措置を使い、処分場の受け入れは地元住民にとって脅威ではなく利益であると提示し、計画をめぐる難しい局面を切り抜けたという点でも際立っている。

 米サンディア国立研究所の上級科学者ピーター・スウィフト氏は「ここまでたどり着いたフィンランドに祝辞を贈りたい」と話す。「フィンランドはどの国より先に進んでいる」


 世界では、数千年にわたって放射能を持ち続ける使用済み核燃料のほとんどが原子炉施設の冷却用プールで貯蔵されるか、いったん冷却された後に鉄製容器に入れられ、さらにコンクリートで覆われて保管されている。しかし専門家や環境保護団体は、いずれも長期的な解決法ではないと主張している。冷却用プールはいっぱいになりつつあり、数十年使用するうちに故障する可能性がある。しかもいずれの方法についても、災害や起こり得る攻撃から守るコストが高いことや安全性について懸念が示されている。

 科学者らは高レベル放射性廃棄物を処分するには、地下深部への埋設が最も安全との考えでおおむね一致している。ただ、適切な地質を探すのは費用がかさみ、多大な時間も必要になると考えている。使用済み燃料棒を慎重に埋設した後は、フィンランドで建設されているようなハイテク地下トンネルは埋められ、そして封鎖される。

 しかし掘削が始まる前に政治的に計画が頓挫することも多い。

‘難しいのは人間の信頼を得ることだ。’
—スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社のハンス・フォルストローム氏
 例えば米国では、ネバダ州ラスベガスから約145キロ離れたユッカマウンテンに最終処分場を建設する計画があったが、2010年にストップした。同州選出で上院民主党の指導者だったハリー・リード氏が歳出法案に含まれた計画の予算を握りつぶした結果だ。リード氏は当時、使用済み燃料棒を「あらゆる物質の中で最も有害な物質」だと述べていた。

 ドイツでも、ゴアレーベン岩塩鉱を貯蔵施設として活用する案があったが、連邦議員が地元住民の理解を得られずに頓挫した。日本では政府が何年もかけて地方自治体に処分場の受け入れを要請してきたが断念、有識者に候補地の選定を依頼した。

 英国ではイングランド北西部に位置するカンブリアの州議会が2013年に高レベル放射性廃棄物の埋設受け入れを拒否すると、政府は仕切り直しを余儀なくされ、ウェールズ、イングランド、北アイルランドの13の地域に受け入れを要請して回っている。英放射性廃棄物管理(RWM)の報道担当者はこの状況について、「コミュニティー主導のプロセス」と述べた。

 スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB)のコンサルティング部門、SKBインターナショナルで上級顧問を務めるハンス・フォルストローム氏はフィンランドの計画について、「地上の人間に影響しないように」注意深く設計されていると話す。「難しいのは人間の信頼を得ることだ」

「オンカロ」内の壁に書かれた図
「オンカロ」内の壁に書かれた図 PHOTO: JUUSO WESTERLUND MOMENT/INSTITUTE FOR THE WALL STREET JOURNAL
「オンカロ」内の送風パイプ
「オンカロ」内の送風パイプ PHOTO: JUUSO WESTERLUND MOMENT/INSTITUTE FOR THE WALL STREET JOURNAL
 フィンランドでは1987年に成立した原子力法に基づいて、原発を受け入れている郡には処分場プロジェクトに対する拒否権が与えられた。これによって、いかなる自治体も最終処分場の受け入れを強制されることはないという明確なメッセージが送られた。

 その後、1992年に同国の核廃棄物会社が5つの候補地を検討していると発表。タンペレ大学の原子力政策専門家マッティ・コヨ氏によると、各候補地の政治家は最終処分場の受け入れと廃棄物会社からの固定資産税の徴収をめぐって争った。

 原発2基があるオルキルオト島を管轄するエウラヨキ市は、ほとんどの土地を廃棄物会社に提供し、フィンランドの放射性廃棄物のほとんどが既にこの地に中間貯蔵されていると説明して受け入れ地に選ばれた。最終処分場の建設は2004年に始まった。

 フィンランドの環境活動家の中には、最終処分場の建設を進める前にさらに研究を行うべきだとして懸念を示す人もいる。

 環境保護団体グリーンピースのフィンランド支部で広報を務めるユハ・アロマー氏は「フィンランドには地球上で最も硬い岩盤がある」が、今後10万年の間に予想される氷河期には「それもひび割れるだろう」と話す。この間に「廃棄物が地下水といっしょにバルト海に漏れ出さないとは言い切れない」という。

 一方、フィンランド自然保護協会でオルキルオト島があるサタクンタ県の支部責任者を務めるカリ・ユリコスキ氏によると、一部の反原発派は原子炉の新設阻止に力を注いでいる。ユリコスキ氏は処分場について「われわれが解決しなければならない問題への最良の解決策」と語った。

日本からは数えきれないほどの訪問団

 エウラヨキ市は原発と最終処分場の固定資産税として原子力業界から年間1600万ユーロ(約19億5000万円)を受け取っている。年間予算が6500万ユーロの自治体にとっては大金だ。

 9300人の地元住民は最終処分場の受け入れに懸念を抱いていたかもしれないが、この税収がその多くを和らげた格好だ。タンペレ大のコヨ氏の調査によると、核燃料棒を地下で安全に保管することはできないと考える住民の割合は1984年には60%だったが、2008年には34%にまで低下した。

 原子力業界からの税収で新しい図書館や高齢者用施設、2つのデイケアセンター、ハイキングコース、ホッケーの競技場、野球場が整備され、学校や自治体所有の歴史的な邸宅が改修された。さらにエウラヨキ市は所得税率をフィンランドで3番目に低い18%にまで引き下げた。

 海外の政治家や原発企業はエウラヨキ市にヒントを見いだそうとしている。フィンランド経済省の首席エンジニア、ヨルマ・アウレラ氏は「日本からは数えきれないほどの訪問団を迎えた。おそらく数百になるのではないか」と話す。

使用済みウラン燃料は26万6000トン

 ただ、フィンランドの当局者らは、地元の承諾を金で買ったというだけの話ではないと強調する。原子力安全規制当局(STUK)のユッシ・ヘイノネン廃棄物・物質規制局長は、原子力業界の専門家や政府に対する国民の信頼度が高いという点でフィンランドは他国と一線を画すと語る。

 フィンランドでは、ドイツを悩ませ続けているような原発への政治的反発が起きたことはない。ドイツでは1970年代の反原発運動から環境保護を掲げる「緑の党」が誕生した。2011年には東日本大震災による福島第一原発の事故を受け、アンゲラ・メルケル首相が2022年までの原発の段階的廃止を決定した。

 フィンランド産業電力(TVO)の広報担当者、パシ・トゥオヒマー氏は「フィンランド国民はおそらく気候のせいだと思うが、非常に現実的だ」と語った。

 ドイツ議会は2031年までに最終処分場を選定することになっている。米国では、トランプ政権がユッカマウンテン計画の復活と新しい調査のどちらを選ぶのか、科学者たちが判断を見守っている。

 そうこうしている間にも、世界では使用済み核燃料が増え続けている。国際原子力機関(IAEA)によると、2015年末の段階で中間貯蔵されている使用済みウラン燃料は26万6000トンに上った。最終処分場が建設されるまで、納税者も企業も多額のコストを負担するリスクを抱える。

 スイス放射性廃棄物管理共同組合の調査開発担当ディレクター、イリーナ・ガウス氏は「技術的な解決策はおおむね整っている。フィンランドがそれを示している」と指摘した。「社会は放射性廃棄物をどう扱うかを決めなければならない」

原子力発電所の所在地を示す地図
原子力発電所の所在地を示す地図 PHOTO: JUUSO WESTERLUND MOMENT/INSTITUTE FOR THE WALL STREET JOURNAL
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https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwj9xsuG897RAhWLTrwKHc_0BM0QFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11177354273695693774104582582193774954080&usg=AFQjCNFiM4-Xc2m9MLC8YY66H7NOKBjiDw
http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/370.html

[経世済民118] 「イカロス」のドル高に備え必要か ドル120円当然 ダウ史上初2万は割高 トヨタ試される 独車業界反論 中国工業利益最低
コラム:
「イカロス」のドル高に備え必要か

山田修輔バンクオブアメリカ・メリルリンチ チーフ日本FX株式ストラテジスト
[東京 26日] - ドル円相場は12月中旬と1月初旬に118円台を達成した後、調整局面に入っており、トランプ相場は終了、円高に反転するとの見方が増えている。非常に難しい局面に突入したが、筆者の見通しは違う。

昨年11月の米選挙で大統領ポストに加えて、上下両院の過半まで獲得するという共和党完勝を受けて、1ドル120円シナリオの現実味が高まったと前回のコラムで書いたが、ドル円は引き続き中期的な上昇トレンドにあり、春にも日銀マイナス金利導入直後(昨年1月29日)の121円台を回復する公算が大きいと考える。

この見方に対する最大のリスクは、ドル安を目指す新たな通貨協定の締結だろう。こればかりは、予測不可能な面があるが、現段階ではトランプ新政権のドル高けん制は、貿易赤字是正に向けて各国との協議への道を開き、譲歩を引き出すためのツールとみる。

以下、筆者のドル高円安見通しの根拠を述べよう。

<円ショート積み増しの余地あり>

まず、足元のドル円相場を確認しておきたい。ここ数週間の調整で、ドル円は水準を切り下げた。米国の金利や株価と比べても、ドル円の調整は目立っている。

ただ、これはあくまで調整局面と考える。米商品先物取引委員会(CFTC)の国際通貨先物市場(IMM)統計を見ると、非商業部門の円ショートは確かに高い水準にあるが、歴史的水準に照らせばショート積み増しの余地はまだある。

オプション市場では、ドル円が下落する中でもドルコール(買い)需要は増加している。米国債券市場では、ヘッジファンドのショート積み増しと、長期投資家のロング積み増しが進んでおり、ポジション戦争の様相を呈しているが、今回はヘッジファンドに分がありそうだ。

実は、ドル円は1月下旬から4月上旬に強い季節性を有している。背景には複合的な要因があるのだろうが、2月前後は世界的に株が上がりリスクオンの円安となりやすく、3月下旬から4月上旬にかけての年度初めには日本人投資家の外債投資が出やすい。また、過去7人の大統領就任後の1カ月間で見ると、5回はドル高となっている。

<トランプ政策への警戒は行き過ぎ>

とはいえ、トランプ新政権の政策をめぐる不確実性は高く、ドル安の進行を招くのではないかとの見方は根強い。本当にそうなのだろうか。

確かに、そうした不確実性は直近のドル円調整を招いたファンダメンタルズ面の主因と言えるが、以下の通り、警戒は行き過ぎとなった可能性がある。

まず、米中貿易摩擦シナリオはトランプ・トレードに対する主要なリスクであるが、短期的なリスクはいくぶん後退している。トランプ大統領は就任初日に中国を「為替操作国」に認定せず、措置を講じる前に「まずは中国側と協議する」とした。

中国の習近平国家主席も17日にダボス会議で行った講演でグローバル化を支持し、融和的な印象を与えることに成功している。中国が「効率性と公平性のバランスをとり、全ての国家、社会階層、人々が経済のグローバル化のメリットを享受できるようにしていく」重要性を認めたことは、米新政権の対中強硬策が今後制約される可能性を暗示していそうだ。

また、一部には、医療保険制度改革法(オバマケア)撤廃問題をめぐる混乱から、トランプノミクスの柱として期待される財政改革が頓挫する可能性を懸念する声があったが、果たしてそうだろうか。

報道などを追うと、共和党議員は当初こそ内紛に陥ったが、代替制度の同時導入なしにオバマケアを撤廃することは政治的にリスクが高いとの認識に至ったように思える。

実際、共和党のポール・ライアン下院議長は「われわれの目標は全てを同時に実現することだ」と述べている。オバマケアに対してより現実的なアプローチがとられれば、財政改革が頓挫するリスクは後退する。

加えて、市場は、米国議会が意外と早く財政改革を実行に移す可能性を見落としている。延長されている債務上限凍結期間は3月15日に期限を迎える。臨時措置を講じても8月の夏季休会前に債務上限に達する見込みだ。

財政改革前の債務上限引き上げは政治的に困難とみられ、議会は財政改革と債務上限引き上げの同時可決に強い意欲を示す可能性が残っている。そうなれば、財政改革法案は7月までに可決される可能性がある。

一方、注目の国境税については、17日のトランプ大統領発言(国境税調整は「複雑すぎる」)に対し、市場はネガティブな反応を示した。しかし、スティーブ・バノン氏やラインス・プリーバス氏らトランプ大統領側近の一部は前向きであると報じられている。

下院歳入委員会のケビン・ブレイディ委員長も18日、米系メディアのインタビューで、「この規定を前に進められると確信している」と述べている。最終的には国境税調整も何らかの形で合意に至る可能性がある。国境税調整は、トランプ大統領の公約である法人税減税の主要財源だ。また、貿易収支と財政収支の改善、購買力平価の観点からドル高要因と考えられる。

このように、不確実性は確かに大きいが、米新政権の政策が短期的にドル円に与えるリスクは上向きと言えるだろう。ただ、トランプ新政権は、保護主義の観点からはドル安志向とも受け止められやすく、為替市場のボラティリティー上昇にはつながる。中期的には、ドル高の進行が「強いドル」政策の変更を政権側に迫るシナリオには警戒が必要だろう。

<日米金融政策の「かい離」再認識へ>

さて、より確実性が高いと言えそうなのは、日米金融政策の方向性のかい離である。今月30―31日の日銀金融政策決定会合では、出口論の封じ込めが予想される。株式市場では上場投資信託(ETF)買い入れ減額、債券市場では10年金利目標の引き上げなど、年内の緩和縮小シナリオがささやかれ始めている。

出口政策を徐々に論じ始めることは必要であると感じるが、これまでの黒田東彦総裁の出口論封じ込めの経緯と、目下の低インフレ率を考慮すると、緩和縮小シナリオについて「時期尚早」と一蹴する可能性は高い。

他方、1月31日―2月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)は、逆の方向性で注目される。そこで利上げに前向きな姿勢が示されれば(かつ経済指標が引き続き堅調ならば)、次々回(3月14―15日)のFOMCでの利上げが意識され、長期投資家により構築されてきた債券ロングポジションの巻き戻しにつながる可能性が高い。

市場は3月利上げの可能性を3割程度しか織り込んでおらず、金利上昇リスクは非対称的に大きい。来週の日米における金融政策決定会合を通して、政策かい離と金利差拡大方向が再認識される可能性が高い。

以上まとめると、ドル円が上昇サイクルを再開する公算は大きいと言えるだろう。米新政権が早晩、「弱いドル」政策に舵を切らない限り、1ドル121円を春先に達成する可能性は高い。

しかし、ドル高が急速に進めば、米新政権の反感を買う可能性も高まる。ギリシャ神話の「イカロス」のように、高く飛びすぎると墜落する危険をはらんでいる。今度の潜在的な円安は「危ない円安」と言えるだろう。

*山田修輔氏はバンクオブアメリカ・メリルリンチのチーフ日本FX株式ストラテジスト。PIMCOをはじめとして米国の金融機関でマクロ経済、市場分析に従事し、2013年より現職。2005年マサチューセッツ工科大学(MIT)学士課程卒、2008年スタンフォード大学修士課程卒。CFA協会認定証券アナリスト。石川県小松市出身。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。

(編集:麻生祐司)

*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

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本田悦朗氏:今年1ドル120円当然あり得る−金利差拡大でドル円相場
氏兼敬子、藤岡徹
2017年1月26日 10:30 JST

日本の金利は金融政策で低位安定へ−本田氏
デフレ脱却には17年度も補正予算必要、5兆円なら追い風−本田氏

前内閣官房参与で安倍晋三首相に経済政策を助言した本田悦朗駐スイス大使は、トランプ米政権下でのドル円相場について、今年を展望すれば1ドル=120円を超える円安もあり得るとの見方を示し、その理由として日米の金利差を挙げた。

  本田氏は25日、ブルームバーグの電話取材に応じ、為替相場はいろいろな要素で動くため短期的には予断を許さないと前置きした上で、「少し長い目でみれば方向としては円安方向にいくだろうと思う」と述べ、年内を展望した場合には「120円超えるのは驚きではない。当然あり得るだろうと思う」と語った。

  トランプ米大統領は就任に先立って米紙ウォールストリート・ジャーナルとのインタビューで、ドルは「強過ぎる」と表明。次期米財務長官の承認を待つムニューチン氏も「過度に強いドル」が同国経済に短期的にマイナスの影響を与える可能性があるとの考えを、米上院議員に書簡で回答した。これらを受けて、昨年12月に一時118円台まで上昇したドル円相場は足元では113円台で推移している。

  本田氏は円安方向を予想する理由として日米金利差に言及。米国金利が上がる方向である一方、日本銀行は短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%に誘導しているため、日本の金利は「当面低位安定すると思う」と述べた。米国は産業育成などから「短期的にドル高になり過ぎるのは困ると思う」としながらも、長期的には強い米国の象徴であるドルがそう弱くなっても困るとみている。

  本田氏は日本の経済政策について財政出動が足りないとの見方を示し、財政赤字を増やしてでも名目国内総生産(GDP)を拡大して税収を増やすことが「先決問題」と指摘。デフレ完全脱却には2017年度に「大規模な本格的な補正予算が必要ではないか」と語った。具体的な規模は状況次第としながらも、「5兆円ぐらいの補正予算は日本にとっては非常に追い風」と述べ、公共投資以外に子育て、教育、科学技術など「所得再分配的な使い方も非常に重要だと思う」と語った。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-26/OKD1XG6KLVR401


 


 

 
前場の日経平均は大幅続伸、ダウ2万ドル突破好感し2週ぶり高値

[東京 26日 ロイター] - 前場の東京株式市場で日経平均株価は前営業日比275円34銭高の1万9332円84銭となり、大幅続伸した。米国市場でダウ.DJIが史上初めて2万ドルの大台を突破。良好な外部環境を好感した買いが優勢となり、取引時間中では1月11日以来、2週ぶりの高値を付けた。金融、景気敏感セクターの上昇が目立ち、「トランプ相場」の再来を意識させる展開となった。

TOPIXも大幅続伸した。朝方にドル/円JPY=が113円台で弱含む動きをみせたことで、日本株は買い一巡後、戻り売りに押される場面もあったが、次第に持ち直しの動きをみせ、前場後半に一段高となった。ドル建ての日経平均は170ドル台を回復。取引時間中では2000年5月以来、16年8カ月ぶり高値を付けた。

業種別では鉱業を除く32業種が上昇。証券、保険、銀行など金融セクターが上昇率上位に並んだ。外需関連もしっかり。午前中の東証1部売買代金は1兆2689億円と、商いは膨らんだ。

藍沢証券投資顧問室ファンドマネージャーの三井郁男氏は「ドル/円に対してはトランプ米新大統領による『口先介入』の警戒感があるが、日本企業は上期決算の段階で、円高の割に堅調な業績だったところも多い」と指摘。世界的に良好なファンダメンタルズに加え「国内企業の収益力強化が相場の下支え要因にもなっている」とみる。

東証1部騰落数は、値上がり1472銘柄に対し、値下がりが399銘柄、変わらずが130銘柄だった。

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http://jp.reuters.com/article/nikkei-mid-idJPKBN15A0AQ


 

ダウ初の2万ドル突破、株価は割高に 
By JUSTIN LAHART
2017 年 1 月 26 日 07:47 JST

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

***

 株式を評価する上で最も重要なのは価格だ。25日の米株式市場でダウ工業株30種平均が史上初めて2万ドルを突破したことで、米国株は割高感を増している。

 ダウ平均が大台に乗ったことの重要性についてはさまざまな意見があるだろうが、慌ただしくこの水準に達した事実は否めない。ダウ平均は米大統領選挙後に9%上昇したが、通常こうした激しい値動きはすでに過去最高値をつけている局面ではなく、大幅下落した後の反発相場で見られるものだ。

 より幅広い銘柄を網羅するS&P500種指数もダウ平均に並んで上昇しており、株価はどこから見ても割高になっている。

 ファクトセットによると、S&P500種はいまや来年の予想利益の17.13倍で取引されており、予想PER(株価収益率)は選挙当日の16.5倍から上昇して、ここ10年余りで最も割高な水準に近づいている。S&P500種の実績PERもプロフォーマベースの前年利益(再編費用などの特別項目を除く利益)の19.2倍と、同様に高くなっている。エール大学で経済学を教えるロバート・シラー教授が広めた景気循環調整後PER(一般的に認められた会計原則を用いた過去10年の平均利益に基づくPER)は2000年代序盤以来の高水準に上っており、IT(情報技術)バブル期や1920年代末以外には踏み込んでいなかった領域に入っている。

 バリュエーション指標はどれも完璧ではない。だがすべてが割高な株式市場を示唆していることは、投資家をためらわせる根拠となるだろう。また、金利は低く、債券に対する株式の妙味を高めてはいるものの、以前ほど低水準ではなくなっている。米10年債利回りは2.5%と、約2年ぶりの高水準に達している。

 株価指数はこれまで政治的に重要な節目で下落する傾向を示してきた。だがドナルド・トランプ大統領が就任1週目に引き継いだ株式市場のバリュエーションは、80年代序盤のロナルド・レーガン元大統領や、金融危機下のバラク・オバマ前大統領が直面した極端に低いバリュエーションとは全く異なる。株価がさらに上昇する可能性がないわけではないが、市場に投じる資金を増やそうとしている投資家はそれに見合うだけのものを得ているか考えてみるべきかもしれない。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwiu6JSo8t7RAhUHybwKHRrUDlkQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10852398588237353609804582581913485269388&usg=AFQjCNFUU-hRThNFC9QmmbnFUpYkyEqvhg


 


NYダウ、史上初の2万ドル突破:識者はこうみる

[25日 ロイター] - 米国株式市場では主要株価指数が続伸し、ダウ工業株30種は史上初めて2万ドルの大台を突破。ナスダック総合指数とS&P総合500種も共に過去最高値を更新した。

市場関係者のコメントは以下の通り。

●トランプ氏は行動の人、ダウ上昇へ

<パフォーマンス・トラスト・キャピタル・パートナーズ(シカゴ)のトレーディング・ディレクター、ブライアン・バトル氏>

トランプ米大統領は行動の人だ。税や貿易、規制という景気により重要な事柄を断行すると、皆が自信を持つだろう。

(ダウ平均株価が)10%上昇する可能性があると言わないが、公言した内容を実行し、その内容が企業を支援し、国内総生産(GDP)を後押しするなら、年内のダウ平均株価の伸びが5、6、7、8%となる可能性を考えるのが理にかなわないとは思わない。

●長期視点維持を、米国ようやく成長優先に

<マトソン・マネーのマーク・マトソン最高経営責任者(CEO)>

トランプ氏の大統領就任は市場には支援材料だが、投資家はこのニュース(ダウ2万ドル乗せ)に無条件反射するのではなく、引き続き長期的視野に立つべきだ。

米国の政策はようやく成長優先、低税率へと向かいつつある。企業への減税や規制緩和は、成長と雇用を促進する。強固で革新的、創造性豊かな米国を実現すれば、繁栄や経済成長に最適な環境を生み出し、すべての米国民に恩恵を与えるだろう。

●企業収益の改善が相場上昇けん引

<UBSウエルスマネジメント(チューリヒ)のマクシミリアン・クンケ氏>

ダウ2万台乗せは心理的なもので、企業収益の改善こそが相場の上昇をけん引しているという点が重要だ。投資家はトランプ大統領の動向に注目し過ぎている。

S&P500企業の2017年の収益は最低11%増加するとみており、S&P500.SPXは年末時点で2400ポイントになると予想する。トランプ大統領の政策も一部下支えとなるほか、法人税改革が進展すれば企業収益見通しの上振れもあり得る。

●公約実行で「トランプ・ラリー」再燃

<ワンダーリッヒ証券(ニューヨーク)の首席市場ストラテジスト、アート・ホーガン氏>

ダウ工業株30種の急上昇の主な要因は金融株の上昇だ。S&P総合500種とナスダック総合も最高値をつけており、大台乗せは注目を集める。

「トランプ・ラリー」が再び見られたのは、トランプ大統領が就任直後から公約を実行に移し始めたからだ。

ただダウが1万ドル台に乗せてから1万1000ドル台に乗せるまで何度も上下した。今回の2万ドル台乗せもゴールではなく、経過であると認識することが重要だ。

●ファンダメンタルズ改善が一因

<キー・プライベート・バンクの首席投資ストラテジスト、ブルース・マケイン氏>

(ダウの2万ドル突破を)2つの要因が後押しした。まず一つ目は全般的な企業業績の伸びや米成長率が第4・四半期に6%近辺に達した可能性で、ファンダメンタルズの改善を示している。

2つ目の要因は減税や規制緩和、財政支出の可能性への期待だ。こうした政府の政策への期待は幾分先走りしている感もあり、今後の政策をめぐり失望が広がる一定の余地は存在することから、相場が現在の高値から下げに転じる可能性はある。

長期的な動向はファンダメンタルズに左右されることになるが、明らかにファンダメンタルズは改善しつつある。

●海外で稼ぐ構成銘柄の好調は株高浸透示唆

<ウィーデンの首席グローバルストラテジスト兼デリバティブ分析部門責任者、マイケル・パーベス氏>

ダウの2万ドル乗せが重要なデータだとは思わないが、株高の裾野が極めて広いことを示唆しているのは確かだ。トランプ相場というだけではないだろう。なぜならダウ構成銘柄は海外へのエクスポージャーの大きい大手企業だからだ。

今後2万1000ドルに上昇、または1万9500ドルに押し戻されても重要ではない。トランプ政権下でより閉ざされた経済にさらされるであろう大型株が株高をけん引していることは素晴らしい。

*見出しを修正しました。

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http://jp.reuters.com/article/instantview-dow-over-idJPKBN15921R


 

 


NY市場 ダウ平均株価が初の2万ドル台 最高値更新
1月26日 6時31分

25日のニューヨーク株式市場は、トランプ大統領が掲げるインフラ投資など企業をあと押しする政策への期待感から買い注文が広がり、ダウ平均株価は初めて2万ドルの大台を突破して最高値を更新し、終値でも2万ドルを上回りました。
25日のニューヨーク株式市場は、前日、トランプ大統領が原油のパイプラインの建設計画を推進する文書に署名し、今後、空港や道路といったインフラへの投資をはじめ企業をあと押しする政策が公約どおりに行われるという期待感が高まって、取り引き開始直後から買い注文が広がりました。
このためダウ平均株価は初めて2万ドルを突破して最高値を更新し、その後も大手航空機メーカーの決算がよかったことが好感されて上げ幅を広げました。結局、ダウ平均株価は、前日より155ドル80セント高い2万68ドル51セントで取り引きを終え、終値でも2万ドルを上回りました。

市場関係者は「トランプ大統領の保護主義的な通商政策が景気に悪影響を及ぼす懸念はあるが、就任してから次々と指示を出す行動力への期待のほうが今は上回っている。主要な企業の決算がよかったこともあり、先行きに楽観的な見方が広がった」と話しています。
トランプ大統領「すばらしい!」
ダウ平均株価が初めて2万ドルの大台を突破したことについて、トランプ大統領の公式ツイッターは「すばらしい!」とひと言だけ配信しました。
ダウ平均株価の推移
ダウ平均株価は、金融機関のゴールドマン・サックスや、IT企業のアップル、エネルギー企業のエクソンモービルなどニューヨーク市場に上場するアメリカの優良な企業30社の株価を平均して算出されています。

ダウ平均株価はリーマンショックの後、2009年3月に6547ドルまで落ち込みましたが景気の回復とともに上昇を続け、2014年には1万8000ドルを超えました。その後は中国経済の減速への懸念などから1万5000ドル台まで値下がりした時期もありましたが堅調な個人消費などが支えとなり上昇傾向が続いていました。
去年11月の大統領選挙の投票日におよそ1万8300ドルだったダウ平均株価は、トランプ氏勝利の後、急上昇が始まります。インフラへの大規模な投資や大幅な減税、規制緩和といった景気を刺激する政策に焦点が当たり、関連銘柄に買い注文が膨らみました。政策が実現するのか、その道筋が見えていないにもかかわらず、期待が先行して株価は連日のように最高値を更新し、11月22日には1万9000ドルの大台を突破しました。

ことしに入ってもダウ平均株価は最高値の水準で推移し、今月6日には2万ドルまであとわずかの1万9999ドルまで迫る場面もありました。
エコノミストは
ダウ平均株価が初めて2万ドルを突破したことについて、格付けなどを行うS&Pグローバルのポール・シェアードチーフエコノミストは、「新政権は多くの点で型破りだが経済成長を望む観点ではとても高い基準を設けている。市場参加者は実際どうなるかよくわからないながらも、『アメリカをもう一度偉大にする』というメッセージを好意的に受け止めている」と話しています。

その一方で、シェアード氏は「新政権が保護主義的な政策を進めて貿易戦争や外国から報復を受けるような事態になれば、経済成長や市場にとって明らかにマイナスだ」と述べ、通商政策の行方が景気の動向や株式市場の値動きなどに大きな影響を及ぼすという認識を示しました。
トランプ相場 業種で明暗分かれる
25日に2万ドルの大台に達したダウ平均株価は、去年11月にトランプ氏が大統領選挙で勝利してからのおよそ2か月半で、1700ドル以上、率にして9.5%と急上昇しました。

トランプ大統領が訴えてきた、金融分野などの規制緩和やインフラ投資の拡大、それに大幅な減税といった政策の恩恵を受けると見込まれる業種の株式が期待感から買い進められました。これは個別の銘柄の値動きに明確に表れています。

大統領選挙の当日と25日の終値を比べると、金融機関では新政権の要職に幹部を送り出している「ゴールドマン・サックス」が30.8%の上昇と際立っているほか、「JPモルガン・チェース」も23.5%上昇しています。また、インフラ投資拡大への期待から建設機械大手の「キャタピラー」が16.9%、原油やガス開発の環境規制が緩和されるとしてエネルギー企業の「シェブロン」が10.4%、それぞれ上昇しました。

一方、トランプ大統領が輸入品に『国境税』をかけると主張している影響で、中国などから大量に商品を輸入している「ウォルマート・ストアーズ」は3.5%下落しているほか、医薬品を値下げする意向を示してきたことで製薬大手の「ジョンソン・エンド・ジョンソン」が3%下落しています。

ダウと並ぶ代表的な株価指数のS&P500を構成する企業の株価の上昇率を見ても、「金融」が13.8%と最も大きく、次いでインフラ投資の恩恵を受ける「素材」が9.8%だった一方、医薬品などを含む「ヘルスケア」は1.4%の下落となっていて、株価はトランプ大統領が訴える政策の影響を先取りして売買され明暗が分かれています。
注目・関連ワード
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170125/k10010853231000.html


 

トヨタ、試される米国での現地生産化策ートランプ氏は一層の貢献迫る
John Lippert
2017年1月26日 11:27 JST

トヨタは保守色の強い共和党支持州に相次ぎ工場を建設してきた
カローラを製造するミシシッピ工場に新たなライン設ける可能性も

トランプ米大統領が商務長官への起用を決めたウィルバー・ロス氏が上院の指名承認公聴会に先週臨んだ際、たびたび取り上げられた企業があった。それはトヨタ自動車だ。ペンス副大統領の地元インディアナ州選出の上院議員は貿易関係見直しで州内の雇用が損なわれないかと尋ねたほか、ミシシッピ州選出議員は「カローラ」が同州で生産されていることに満足感を示した。

  これら共和党支持州はトヨタが進出してきた一帯だ。トヨタは約30年前、日米の通商関係が冷え込んだ時代に米政権への歩み寄りの一環として、ケンタッキー州ジョージタウンに最初の組み立て工場を建設した。それ以降、アラバマやテキサス、ウェストバージニアなど政治的に保守的な州に相次いで工場を新設した。

  トヨタに関して9冊の著書があるミシガン大学のジェフ・ライカー教授は、「長年にわたりトヨタは外国企業であることや関税が課される可能性に極めて敏感だった」と分析。同社は反発を受けるリスクへの防衛手段として完璧な企業市民であることを目指していると話す。
  トヨタは昨年、米国内で138万台余りの乗用車・トラックを生産。これはゼネラル・モーターズ(GM)、フォード・モーター、フィアット・クライスラー・オートモービルズのビッグスリーに次ぐ規模だ。それでもトヨタの現地生産台数は、米国内での販売台数を約100万台下回っており、日本、カナダ、メキシコで生産する輸入車で補っている。
  トヨタは9日、今後5年間で米国に総額100億ドル(約1兆1300億円)を投資する方針を明らかにした。問題は米国へのこうした定着でトランプ大統領の姿勢を和らげることができるかどうかだ。
  トランプ氏は24日、GMとフォード、フィアット・クライスラー幹部との会合を前にツイッターで、「ここで自動車を売るならここで新たな工場を建設してほしい」とつぶやいた。

高まる緊急性

  事情に詳しい2人の関係者によると、トヨタは9日発表した計画以外にトランプ大統領に追加提案できるものを急ぎ探している。トランプ氏がこの日、フォードとフィアット・クライスラーの対米投資について公に感謝する一方、トヨタが打ち出した計画への言及がなかったことで緊急性が増したという。関係者は内容が非公開であることを理由に匿名を条件に話した。
  トランプ大統領が米自動車メーカーの最高経営責任者(CEO)と24日に面談した直後、トヨタはインディアナ工場で400人を追加雇用し、6億ドルを投資すると表明した。

  トヨタにとって米国外から米国への輸入を減らす一つの選択肢は、2011年に開設したミシシッピ州ブルースプリングス工場に組み立てラインを新たに設けることかもしれない。同工場の生産車種はカローラだ。トランプ大統領が批判したメキシコでトヨタが計画しているカローラ工場の代わりに同車種をそこで増産する可能性がある。北米トヨタのジム・レンツCEOは今月のインタビューで、ブルースプリングス工場の拡張を他の選択肢と共に積極的に検討していると明かした。

  トヨタは近年、工場の稼働率が落ちても労働者をレイオフせず、ハリケーン「カトリーナ」で被災したニューオーリンズの復興を支援したりするなど、米国との親睦を深めようとしてきた。しかし、トヨタが急加速をめぐる懸念から数百万台のリコール(無料の回収・修理)に踏み切った10年以降、同社が米国内でどのように受け止められているのかに関して幹部がこれほど敏感になったことはないとライカー教授は話す。
  同教授は「米国で工場を建て始めてからトヨタ幹部の安心感は増したが、警戒感はなお相当強い」と指摘した。
原題:Toyota’s Red Wall Tested as Trump Demands Even More U.S. Plants(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-26/OKBVJX6K50XS01


 

 

ドイツ自動車業界、トランプ氏の「不公正」発言に反論
独自動車業界は自動車貿易が不公正にドイツに有利とのトランプ氏の主張に反論している
独自動車業界は自動車貿易が不公正にドイツに有利とのトランプ氏の主張に反論している PHOTO: FOCKE STRANGMANN/EUROPEAN PRESSPHOTO AGENCY
By WILLIAM BOSTON
2017 年 1 月 26 日 11:41 JST 更新

 【ベルリン】ドイツの自動車業界は、ドイツと米国との間の自動車貿易が不公正にドイツに有利になっているとのドナルド・トランプ米大統領の主張に反論している。

 かつてドイツの閣僚を務め現在ドイツ自動車工業会(VDA)会長のマティアス・ビスマン氏は、独米自動車貿易についてのトランプ氏の発言をはねつけるとともに、北米自由貿易協定(NAFTA)を弱体化させるような障壁を設ける動きをけん制した。独自動車メーカーはNAFTAの恩恵を受けるメキシコに工場を保有している。

 ビスマン会長は25日、VDAが当地で開いた年頭の会合で「保護主義は世界のどのような経済問題も解決していない」とし、「NAFTAの域内で制約が設けられれば、米経済は最初に著しい打撃を被る」と述べた。

 同氏はまた、英国が欧州連合(EU)とEU単一市場からの離脱を決めたことは独自動車メーカーにとって大きなリスクだと述べた。英国は最大の輸出相手国で、昨年は80万台を輸出した。ビスマン氏は、英国・EU間のモノとサービスの自由貿易を継続するためにあらゆることをするようEUに求めた。

 トランプ氏は最近、BMW、ダイムラー、フォルクスワーゲン(VW)を名指しし、これら各社がメキシコから米国に自動車を輸出すれば、35%の国境税を課して、生産拠点を米国に移すよう迫るとしている。

 トランプ氏はこれまでに、ダイムラーの高級車「メルセデス・ベンツ」は米国でよく見られるが、米ゼネラル・モーターズ(GM)の「シボレー」はドイツでほとんど見かけないと話している。

 だが米フォード・モーターとGMは今もドイツおよび欧州で最大の自動車メーカーだ。GMは事業再構築の一環として最近、欧州でのシボレー販売をやめ、子会社オペルの自動車を投入している。

 ビスマン氏は、米国は独自動車メーカーにとって2番目に大きな輸出先だとしたが、ドイツの自動車メーカーと部品メーカーは数年前から米国での生産を大幅に拡大しており、米国で生産した自動車の半分余りを欧州などに輸出していると述べた。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwiY3O7k9N7RAhUCf7wKHYd9BhYQFggaMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10852398588237353609804582582240302722070&usg=AFQjCNHecrTDnIsd-leV9rOgriyVNAF-Hw&bvm=bv.145063293,d.dGc

中国:昨年12月の工業利益、過去1年で最低の伸び−需要鈍化が響く
Bloomberg News
2017年1月26日 12:03 JST」
12月の工業利益は前年同月比2.3%増、11月は14.5%増
16年全体の工業利益は前年比8.5%増の6兆8800億元」

中国工業セクターの企業利益は昨年12月、価格上昇にもかかわらずここ1年で最低の伸びにとどまり、需要鈍化が景気拡大の重しとなる恐れがあることが浮き彫りとなった。
  国家統計局が26日発表した12月の工業利益は前年同月比2.3%増の8444億元(約13兆9100億円)。11月は14.5%増だった。2016年全体の工業利益は前年比8.5%増の6兆8800億元。15年は2.3%減少していた。 
  オーバーシー・チャイニーズ銀行(OCBC、華僑銀行)の謝棟銘エコノミストは、「原材料価格は上昇しつつあるが、生産者はその分を消費者に転嫁できず、やや圧迫されている」と指摘。「景気の安定化が続けば利益が伸びる余地はなおあるものの、一段と保護色を強めているトランプ政権下の米国といった世界的な状況も不確実性につながっている」と述べた。
  財政省のウェブサイトに掲載された発表文によると、昨年の国有企業の利益は1.7%増の2兆3200億元だった。
原題:China Industrial Profits Increase at Slowest Pace in a Year (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-26/OKD8YG6JTSEA01
http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/328.html

[政治・選挙・NHK219] 韓国政府、少女像問題で初の合同対策会議 像設置団体の正体「キョレハナ」の裏の顔 「首相ら、怒り募らせている」外務省関係者
韓国政府、少女像問題で初の合同対策会議
2017/1/26 12:00 
 【ソウル=峯岸博】釜山の日本総領事館前に昨年末に設置された従軍慰安婦を象徴する少女像への対応をめぐり韓国政府が25日に合同対策会議を開いたことが26日分かった。関係者によると、少女像設置に対抗し日本政府が今月9日に長嶺安政駐韓大使を一時帰国させるなどぎくしゃくした日韓関係の打開策や、少女像を設置した市民団体との話し合いの方法などを協議した。具体的な結論は出なかったという。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM26H2W_W7A120C1EAF000/

 

WEDGE REPORT
釜山日本総領事館前に少女像を設置した団体の正体
日本でも活動する団体「キョレハナ」の裏の顔
2017/01/26
崔 碩栄 (ジャーナリスト)
 韓国のある市民団体が釜山日本総領事館前に慰安婦少女像(以下、少女像)を設置したことに端を発した日韓の対立が長期化している。日韓がここまで悪化したのは2012年の李明博大統領の独島訪問以来ではないだろうか。

 日本政府は強い姿勢を崩さないまま韓国側の「変化」を待っているが、韓国では「世論」を恐れ、政府も移転・撤去について具体的な行動ができない状態だ。加えて一部の慰安婦が慰安婦問題日韓合意に従って韓国政府が設立した「和解・治癒財団」から受け取った1億ウォン(約970万円)を返金すると表明するなど、むしろ「日本バッシング」が起きている。
 
 日韓両国のマスコミは、少女像が巻き起こした「混乱」と「軋轢」に注目しているが、ここではマスコミにあまり紹介されていない「少女像を設置した市民団体」について紹介したい。

未来の世代が建てる平和の少女像推進委員会

(iStock)
 少女像建立を推進したのは「未来の世代が建てる平和の少女像推進委員会」という市民団体連合だ。ここにはいくつかの市民団体が参加しているが、その核心といえるのが「キョレハナ」という市民団体である。釜山日本領事館前の少女像を設置するための募金活動もキョレハナの口座がその窓口になっている。

 キョレハナはソウルの日本大使館前の少女像を取り囲み、座り込みデモをしていた団体であるが、ここには釜山支部大学生組織「釜山大学生キョレハナ」も参加していた。ソウルまで「遠征」していた彼らが地元釜山にも少女像を作ることを目指して募金活動を開始、ついに実現したのが今回話題になった少女像である。

 キョレハナとは「キョレ=民族、同胞」と「ハナ=一つ」の合成語で「民族、同胞は一つ」という意味だ。組織の名前から分かるように、この団体を語るときに外すことができないのが「北朝鮮」というキーワードである。キョレハナとは別の言葉で言えば「統一」という意味なのである。

組織の「本業」は「北朝鮮支援」
それは北の住民のための事業か、政権のための事業か?

 キョレハナはソウル、仁川、釜山等、全国8カ所に支部が、そして中央組織には11の事業本部が存在する。ところで、この事業本部の「事業内容」をみるとこの団体の性格が見えてくる。11の事業本部の中に慰安婦に関わる活動はなく、北朝鮮を支援するための事業に集中している。次表は11の事業本部の名称とその活動内容である。

【事業本部名称 事業内容】
南北教育協力推進委員会:北朝鮮教育施設現代化事業
北朝鮮子ども栄養パン工場事業本部:パン生産設備および原料支援
北朝鮮子ども豆乳事業本部:平壌近郊100箇所幼稚園に豆乳支援
北朝鮮麺工場事業本部:平壌モランボン麺工場建立、原料供給
ウリギョレ緑林:平壌市養苗場建設推進、設備支援
北朝鮮抗生剤工場事業本部:金日成総合大学内抗生剤工場支援
キョレハナ大学生本部:南北青年学生交流事業支援
統一豚農場事業本部 :平壌市に豚農場建立、農場物資支援
平壌歯科病院事業本部 :平壌第1人民病院口腔病棟再建築支援
農食品現代化事業本部 :平壌にカムジャラーメン工場建立推進
教育文化センター HUE :労働者統一教科書制作、平和統一教育への道
 2003年に準備委員会を結成、2004年に発足したキョレハナは、北朝鮮の「支援」を理由に毎年幾度となく北朝鮮を訪問、北朝鮮に財政的支援を行ってきた。2008年には挺対協と共に北朝鮮を訪問し北朝鮮の団体と接触するなど「対北事業」が「本業」といっていいだろう。ホームページによると2003年から2011年までの9年間に支援した物資だけで総額259億ウォン(約25億円)に相当するという。

 もちろん北朝鮮住民を助けるための人道主義的活動を非難するつもりはない。ただ、気になるのは北朝鮮の住民を助けると、北朝鮮でいくつもの事業を行っているような団体が、脱北者や北朝鮮住民の人権、核問題について無関心、あるいは北の政権に賛同しているようにすら見受けられるという点だ。

 例えば2016年9月9日、北朝鮮が第5次核実験を実施した時、キョレハナは北朝鮮政府を批判するのではなく、断固とした措置を取るとした韓国政府を非難する声明をホームページに掲載した。

 また、北朝鮮の人権問題については、「アメリカの人権基準だけで評価してはだめだ」、「北朝鮮の人権を脅かすのはアメリカによる孤立政策」だとして、北朝鮮を批判するアメリカを批判しているのである。

日本の左翼系市民団体とも連携し
大阪の政権反対集会や沖縄の辺野古も訪問

 彼らの「韓国外」活動は北朝鮮だけに留まらない。彼らは日本の団体とも連携し活動している。日本では「同胞一つ」という団体名に翻訳、紹介されているキョレハナは、日本国内のいくつもの団体と交流を持ち、集会などにもしばしば顔を出している。

 例えば、キョレハナの大学生組織「大学生キョレハナ」の会員たちは、2016年10月には安倍政権打倒、辺野古基地反対を掲げる大阪の「団結まつり」に日本の市民団体会員たちとともに参加している。この時交流した日本国内の団体にZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)がある。彼らの活動内容は日本の左翼組織、民主主義的社会主義運動 (Movement for Democratic Socialism、MDS)のホームページにも詳しく紹介されている。

 また、2016年3月にキョレハナが企画した沖縄ツアーでは、在日韓国人2世の徐勝教授(立命館大学特任教授)が参加者たちを連れて沖縄を訪問し、辺野古基地反対運動の現場を訪れている。京都出身の徐勝教授は韓国に留学していた1971年、国家保安法違反容疑で逮捕され、懲役19年の実刑判決を受けた「学園浸透スパイ団事件」で知られる人物である。

 実は韓国マスコミも今回の少女像設置を主導した市民団体については具体的な報道をしていない。このため、一般的な国民はただ「慰安婦を支援する団体」と認識するだけで、その団体の設立目的や主要活動が「北朝鮮支援」だということには気づいていない。これは日本も同じ状況だと思われるが、両国のマスコミは彼らの「副業=慰安婦像設置」だけではなく、「本業=北朝鮮支援」、そして連携している日本の団体についてもちゃんと国民に事実を伝えるべきだろう。

 現在、韓国は政治、経済、文化等、全般的政局運営に影響を与えたという疑惑が持たれている「崔順実スキャンダル」で大混乱に陥っている状況だ。マスコミの報道だけ見ていると、まるで崔順実が韓国のすべての物事を操っていた全知全能の存在であったかのようにすら思えてくる。だが、実際のところいくら崔順実の権力が莫大なものだったとしても「外交」においてはどうだろうか。

 少なくとも私には、影の実力者と言われている崔氏より日韓両国の外交関係を険悪な状況に陥れ、両国民間の心理的距離を広げたこの「市民団体」の影響力の方が恐ろしく思えてならない。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/8749


 


少女像問題「首相ら、怒り募らせている」 外務省関係者
武田肇 ソウル=東岡徹2017年1月19日21時26分
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 韓国・釜山の日本総領事館前に慰安婦を象徴する「少女像」が設置された問題で、安倍晋三首相は19日、首相官邸で岸田文雄外相と対応を協議した。対抗措置として一時帰国中の長嶺安政・駐韓大使らの帰任は当面見送ると確認。日本側が求めている像の撤去について韓国政府の動きが鈍いまま、事態は長期化の様相を強めている。

従軍慰安婦問題
 日本政府関係者によると、首相と岸田氏は「韓国側の姿勢に変化はなく、日本側がいま動く必然性はない」との意見で一致した。菅義偉官房長官は19日の記者会見で「(大使の帰任時期は)諸般の状況などを見ながら判断していきたい」と述べた。

 日本政府は、韓国政府が釜山の少女像撤去に取り組まないのは、2015年末の慰安婦問題に関する日韓合意の精神に反するとの立場。外交関係に関するウィーン条約で守られている領事機関の威厳も侵害されているとしている。

 事態に変化が見られず、日本側は「首相を含め、怒りを募らせている」(外務省関係者)。さらに韓国の地方議員が竹島(韓国名・独島〈トクト〉)への少女像設置に向けた募金運動を始め、状況は厳しさを増している。

 9日に一時帰国した大使らの帰任時期は、12年8月に李明博(イミョンバク)大統領(当時)の竹島上陸への対抗措置として当時の駐韓大使が一時帰国した13日間を超える可能性も出てきた。外務省によると、次席公使が大使の臨時代理を務めており、邦人保護を含む実務的な業務に影響はないとしている。だが事態打開の見通しは立たず、政府関係者は「いいアイデアがあったら教えてほしい」と漏らす。(武田肇)


http://www.asahi.com/articles/ASK1M5695K1MUTFK00M.html
http://www.asyura2.com/17/senkyo219/msg/676.html

[経世済民118] ひたすら勝ち続けた幸運な女性、世界最大のカジノ会社の利益に打撃 ブラックロック113兆円顧客資産JPモルガンに移管 市況
ひたすら勝ち続けた幸運な女性、世界最大のカジノ会社の利益に打撃
Christopher Palmeri
2017年1月26日 12:49 JST
 
世界最大のカジノ運営会社、米ラスベガス・サンズが昨秋マカオにオープンした最新施設は不運なスタートを切った。非常に運の強い1人の女性がその一因だ。
  この女性はサンズの新リゾート施設「パリジャン」でのギャンブルで見事なまでの勝負運を示し、サンズの利益を1500万−2000万ドル(約17億−22億7000万円)落ち込ませた。同社が25日発表した2016年10−12月(第4四半期)利益は一部項目を除いて1株当たり62セントと、ブルームバーグがまとめたアナリスト予想平均の66セントを下回った。同社幹部が投資家向けに同日行った電話会議によれば、この女性はひたすら勝ち続けたという。

  サンズのロブ・ゴールドスタイン社長は同会議で、この女性のおかげでEBITDA(利払い・ 税金・減価償却・償却控除前利益)が最大2000万ドル減少したと説明した。女性が幾ら稼いだか詳しいことは明らかにしなかったが、大きな額だったと発言。「彼女は毎日勝ち、非常に良い結果を残した。その女性が決算数字に影響を与えた」と語った。
原題:Lucky Lady at Sands New Macau Casino Sinks Quarterly Profit (3)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-26/OKD9UM6JTSE801


 


ブラックロック113兆円顧客資産JPモルガンに移管−コスト削減
Sabrina Willmer、Charles Stein、Hugh Son
2017年1月25日 23:49 JST 更新日時 2017年1月26日 14:06 JST 
ブラックロックはカストディアンとしてJPモルガンを選ぶ
カストディー契約を失ったステート・ストリートの株価は急落 
世界最大の資産運用会社である米ブラックロックは、カストディー(資産管理)サービス業務の委託先を米ステート・ストリートから米銀JPモルガン・チェースに変更し、顧客資産1兆ドル(約113兆3400億円)余りを同行に移管する。
  事情に詳しい関係者の1人によれば、今回の資産の移管は、手数料の引き下げを目指すブラックロックの戦略の一環。JPモルガンは発表文で、カストディー資産の移管契約としては過去最大級だと説明した。
  事情に詳しい別の関係者によると、カストディー業務の拡大を通じて、現在では約20兆5000億ドル相当の資産を管理するJPモルガンは、より安いサービス提供につながる自動化技術への投資も推進している。今回の契約に伴い年間数千万ドルの手数料収入が期待できるという。
  ブラックロックの幹部は、これまでも業者への圧力を強める方針を公言しており、同社のシニアマネジングディレクターで、業務運営・テクノロジー責任者を務めるデレク・スタイン氏は「ブラックロックの多くの顧客がファンドレベルでの経費圧縮を通じて、コスト削減を実現できる」と電子メールで25日に配布した発表文で指摘した。
  今回の契約解除が打撃と受け止められたステート・ストリートの株価は、25日のニューヨーク株式市場で急落し、3.4%安で終了した。
原題:BlackRock’s $1 Trillion JPMorgan Move Shows Cost Strategy (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-25/OKCB61SYF01S01

 

ハーバードの新基金責任者、大半の運用を外部委託へ−エール大に倣う
Michael McDonald
2017年1月26日 15:43 JST 
数十年続けてきた投資戦略を転換−230人のスタッフを半減へ
ここ数年は運用成績で他のアイビーリーグ校に後れを取る 
米ハーバード大学寄付基金の新責任者ニルマル・ナーベカー氏は、エール大など運用成績がより良好な他大学を手本に、同基金の刷新に迅速に動いた。同氏は230人のスタッフを半分に削減し、大半の資金の運用を外部の運用者に委託する方針を表明した。
  これは1990年代から続けてきた投資戦略を撤回するという異例の動き。ハーバードは従来の方法の下では自前の資産運用者を採用し、成績トップの運用者には数百万ドルの報酬を支給していた。
ハーバード大学
ハーバード大学 Photographer: Victor J. Blue/Bloomberg
  ハーバードはかつてはこの戦略で成功していたものの、最近では外部の投資会社に運用を委託するエール大などの成績を下回っていた。ハーバードはナーベカー氏を起用し、運用資産357億ドル(約4兆円)と大学最大の寄付基金の立て直しを託した。同氏は昨年12月に現職に就任。以前在籍していたコロンビア大では外部委託を活用し、わずか20人のスタッフでハーバードを上回る運用成績を達成していた。
  ナーベカー氏(54)は25日のハーバード宛ての書簡で、「われわれは現行ポートフォリオの投資活動を支えるための組織の複雑さと資源をもはや正当化できない」と指摘し、「そのため、われわれは幾つかの重要だか困難な決定を行った」と説明した。
  ハーバードの15年7月ー16年6月の運用成績はマイナス2%。大半の大学も小幅損失を被った。同大の過去5年間の平均年間リターンはプラス5.9%と、「アイビーリーグ」と呼ばれる東部名門私立大で最悪級となり、エールなどを下回った。エールのリターンはプラス10.3%と、大学の中で最高クラスだった。
原題:Harvard’s New Fund Manager, Copying Yale, Will Farm Out Money(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-26/OKDH216S972I01


 

きょうの国内市況(1月26日):株式、債券、為替市場
Bloomberg News
2017年1月26日 16:41 JST
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本田悦朗氏:今年1ドル120円当然あり得る−金利差拡大でドル円相場
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ハーバードの新基金責任者、大半の運用を外部委託へ−エール大に倣う
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●日本株連騰、米成長期待でリスクオン−金融、半導体関連中心買われる
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  東京株式相場は連騰。トランプ大統領による米国経済の押し上げ期待が高まる中、米企業決算も良好で米国株が最高値を更新し、投資家のリスク許容度が増した。銀行や証券、保険株など金融セクターが業種別上昇率上位を占有、東京エレクトロンなど半導体関連株の上げも目立った。
  TOPIXの午前終値は前日比23.43ポイント(1.5%)高の1545.01、日経平均株価は344円89銭(1.8%)高の1万9402円39銭。日経平均は13日以来、ほぼ2週間ぶりに投資家の短期売買コストである25日移動平均線を上回った。海外投資家が重視するドル建ての日経平均は170ドルを超え、ITバブルに沸いた2000年4月以来の水準に到達。
  三井住友アセットマネジメントの吉川雅幸チーフマクロストラテジストは、「米景気は好調。FRBが利上げ姿勢の中、トランプ大統領が規制緩和などの景気刺激策を示し、米金利は上昇方向で、ドルが下がるリスクは少ない」と指摘。為替が1ドル=110円を超すレンジで安定推移するなら、「17年度は前の年に比べかなりの増益になる。日本株に再評価の余地がある」と言う。
  東証1部33業種は証券・商品先物取引、保険、銀行、海運、化学、電機など32業種が上昇。鉱業1業種のみが下落。東証1部の売買高は23億株。売買代金は2兆7424億円。代金は昨年12月16日以来の多さ。上昇銘柄数は1599、下落は309。金融セクターの上げは、前日の米10年債利回りが2.51%と4週ぶりの高水準を付けたことが要因の1つ。また銀行株は、ドイツ証券が米大統領選後のドル建ての株価上昇率で邦銀の強さが目立ち、世界的な邦銀株の持たざるリスクの顕在化を指摘した。
  売買代金上位では、ゴールドマン・サックス証券が投資判断を「買い」に上げた東エレクのほか、クレディ・スイス証券が18年度の最高益更新を予想した信越化学工業が初の1万円乗せ。ジャパンディスプレイ、SUMCOなど半導体関連銘柄が強く、三菱UFJフィナンシャル・グループやファナック、野村ホールディングスも高い。半面、決算が市場予想を下回ったLINE、野村証券が投資判断を下げた富士通ゼネラルは急落。
●債券続落、日銀オペ運営に不透明感−40年金利は11カ月ぶり1%乗せ
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  債券相場は続落。前日の米株高・債券安の流れを引き継いだほか、日本銀行の長期国債買い入れオペをめぐる不透明感を背景に、この日も売り優勢の展開となった。
  現物債市場では、新発40年物の9回債利回りが日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値と比べ4.5ベーシスポイント(bp)高い1.0%と、新発債として昨年2月24日以来の大台に乗った。20年物の159回債利回りは0.66%と同2月以来、新発30年物53回債利回りは0.84%と同3月以来の高水準をそれぞれ付けた。長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債利回りは、2bp高い0.085%と、同12月16日以来の水準まで売られた。
  長期国債先物市場で中心限月3月物は前日比17銭安の149円91銭で取引を開始。午後にかけても売り優勢の展開が続き、一時は149円79銭と、日中ベースで昨年12月27日以来の安値を付けた。結局、24銭安の149円84銭で引けた。
  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「昨日、予定されていたオペが入らなかったということで、全体的に様子見ムードがある」とし、「超長期に関しては日銀がどこら辺で抑えに来るか分からない部分がある」と指摘。「超長期に限らず、全体的に買いたい感じではない」と話した。
  財務省はこの日、残存期間5年超15.5年以下の銘柄を対象に流動性供給入札を実施。応札倍率は3.75倍と、前回同年限の3.61倍から上昇した。無難な入札結果を受けて、後場の相場はやや下げ渋る展開となった。
●ドル・円が上昇、米金利上昇や株高が支え−米保護主義警戒が重しに
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  東京外国為替市場のドル・円相場は上昇。トランプ米政権の財政政策への期待などを背景とした米金利上昇や株高が支えとなった。半面、保護主義的な通商政策に対する警戒感が重しとなった。
  午後3時42分現在のドル・円相場は前日比0.3%高の1ドル=113円60銭。朝方に付けた113円05銭を下値に113円台前半でもみ合った後、欧州時間にかけて113円69銭まで上昇する場面があった。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.1%高の1240.00。
  オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)マーケッツ本部外国為替・コモディティー営業部長の吉利重毅氏は、「米株高となったが、基本的にはパイプライン建設や規制緩和といったミクロ部分を好感している印象。ドルはその点は織り込み済みで、その上で財政出動やインフラ投資についての具体的な規模感などを待っている状況でレンジになりやすい」と指摘。一方で、「財政出動の裏側では債務上限問題も付きまとう」と語った。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-26/OKDELX6TTDS001

http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/333.html

[国際17] トランプ氏のホテル、売却どころか事業拡大へ−利益相反懸念強まる トランプ公約の国境税、ドル急伸のきっかけとなるか疑問も 
トランプ氏のホテル、売却どころか事業拡大へ−利益相反懸念強まる
Hui-yong Yu、Caleb Melby
2017年1月26日 12:46 JST

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ハーバードの新基金責任者、大半の運用を外部委託へ−エール大に倣う
倫理問題の専門家は大統領が事業の所有権を保持することを疑問視
トランプ・ホテルズCEO、全米26の大都市圏で最終的に運営と発言

トランプ米大統領の就任からまだ数日しかたっていないが、同氏のホテル運営会社の首脳は全米で事業を積極的に拡大していく方針を示した。トランプ大統領に利益相反の新たな懸念が持ち上がっている。
  トランプ・ホテルズのエリック・ダンジガー最高経営責任者(CEO)は24日、ロサンゼルスで開かれた会議でのパネル討論会後に、「全米には主要な大都市圏が26あるのに、われわれが営業しているのは5つにすぎない」と発言。「最終的にこれら全ての地域で営業できない理由は見当たらない」と述べた。一方で、トランプ大統領の発言で早くも外交関係がぎくしゃくしている中国での拡大計画は棚上げするともパネル討論会で話した。

  トランプ氏の名前を冠したホテルは全米に8つあり、26の大都市圏で運営となれば単純計算で約3倍になる。就任2カ月前に首都ワシントンに開業したホテルは既に議論の的となっている。外国政府が利用して支払いが発生した場合に米憲法条項に違反する可能性があるほか、ホテルの建物が米連邦政府のリース物件であるためだ。
  また、フロリダ州パームビーチに持つ会員制リゾート、マール・ア・ラーゴの新規会員権は20万ドル(約2270万円)に倍増したと、同リゾートのマネジングディレクター、バーンド・レムキー氏が25日に電子メールで明らかにし、CNBCが最初に伝えた内容を確認した。同リゾートでトランプ氏は年末年始を家族や支持者と過ごしたほか、先週には就任演説の原稿準備も進めた。
  大半の倫理問題専門家はこれまでに、トランプ氏は自身の所有権を完全に手放すべきだと主張。ホテル事業がこのまま拡張すれば、大統領という「ブランド」効果でトランプ氏に利益をもたらす公算が大きく、利益相反をめぐってさらなる議論を呼ぶ可能性がある。民主党議員らも事業売却を呼び掛けているが、トランプ氏は拒んでいる。
  同氏は所有権を手放さずに、トランプ・オーガニゼーションの経営を息子2人に引き継ぎ、任期中に外国との新規取引は一切しないと約束した。トランプ・ホテルズの広報担当、ジェニファー・ロッドストロム氏に電話と電子メールでコメントを求めたが、これまでのところ返答はない。
原題:Trump Hotels, Amid Calls to Divest, Instead Plans Expansion (1) (抜粋)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-26/OKD9RH6JTSEJ01


 


トランプ大統領が公約の国境税、ドル急伸のきっかけとなるか疑問も
Lananh Nguyen、Liz Capo McCormick
2017年1月26日 15:44 JST 

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他国も同様の措置に踏み切れば効果は相殺される可能性
各国が保護主義的に転換するリスクを市場は過小評価−コール氏
 
米企業が海外で生産した製品を米国に輸出しようとする場合、国境税を課すとトランプ大統領が公約したことを受け、そうした措置が歯止めなきドル急伸をあおり、世界経済に大きな被害をもたらすとの懸念が広がっている。だが実態は違うのではないか。
  トランプ大統領は就任間もない23日、企業幹部に対し、「もしあなた方が別の国に移転」して米国の雇用を削減するなら、そうした製品に「極めて大型の国境税を課すつもりだ」と語った。国境税の賦課は短期的にドル高を招く可能性があるものの、米国民の購買力向上は他国の報復の動きによって恐らく打ち消されるだろうと、シティグループやバンク・オブ・アメリカ(BofA)の通貨アナリストはみる。
  トレーダーや投資家が国境税についてさらに明確な情報を待ち望む中、トランプ大統領の脅しが外国為替市場にどのような意味を持つか、幾つかの見方を紹介しよう。
トランプ氏提案、これまでの政策とどう異なるか
  トランプ大統領は海外に工場を持つ米企業を狙い撃ちしたい考えで、低賃金の国々で生産し、製品を米国に逆輸入することで企業が得る利益を帳消しにする意向だ。
  米国は過去70年の大半の時期を通じ、関税引き下げによって自由貿易への障壁を低くしようと努めてきた。米国に輸入される工業製品の約半分は無関税で、関税が課されるのは総じて衣料品や履物、自動車だ。
  トランプ大統領が打ち出した中国やメキシコなどの国々からの輸入品への関税賦課は、当初こそこうした国々に対する米国の貿易赤字削減に寄与するかもしれないが、米企業の輸入コストや米消費者物価の押し上げにつながりかねない。
国境税はドルにどう影響するか
  モントリオール銀行の外為戦略グローバル責任者、グレッグ・アンダーソン氏(ニューヨーク在勤)は、法人税制の緩やかな改革が推し進められた場合、ドル相場は今年、貿易加重ベースで恐らく2−4%上昇すると予想。抜本的な改革が実施されれば、ドルの上昇率ははたやすく10−20%に達する可能性もあるとする。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iUgTz_nYlHns/v2/-1x-1.png

  シティグループのG10通貨戦略グローバル責任者、スティーブン・イングランダー氏によれば、重要なのは時間枠だ。同氏はリポートで、「税プランに盛り込まれるインセンティブによってドルが急激に上昇する可能性がある」とした上で、「そうした当初のインセンティブの効果が薄れれば、反転は荒々しいものとなるだろう」との分析を示した。
他国が報復したらどうなるか
  国境税導入に伴うプラス面があっても、他の国々が米国の輸出品に関税を課せば帳消しとなると、BofAメリルリンチの世界経済責任者イーサン・ハリス氏(ニューヨーク在勤)は話す。同氏は「輸出を促進し、輸入を抑制する政策を実施すれば、ドルにはとても大きな上昇圧力がかかるだろう」とする一方、「外国政府が同様に自国の輸出奨励、米国からの輸入抑制に動けば、通貨市場の不均衡を相殺することになる」と説明した。
トランプ氏にそれができるか
  米国の三権分立はいかなる分野でも強い抑制と均衡が作用するようになっているが、大統領は関税を通じて通商政策に強力な一方的な権限を持つ。憲法では議会に外国との通商を規制する権限を付与しているものの、議会側は過去何年間もそうした権限の多くを行政府に移譲してきた。
  それと同時に、下院共和党が法人税制の見直しのためにまとめた改革案には、実質的に輸出を補助して輸入に課税する内容の国境税調整措置が含まれている。
相場はどうなるか
  ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)の世界為替戦略責任者、アダム・コール氏(ロンドン在勤)は、世界の貿易を鈍化させる保護主義的政策に米国や他の国々が転換するリスクを金融市場は過小評価していると語る。
  同氏は「保護主義や法人課税について考えてみれば、ドルは特にユーロやポンド、スイス・フランといった欧州通貨に対して値上がりするだろう」と予想。一方で「日本経済は米国のように比較的閉鎖的」であるため、そうしたケースで円相場は、より隔離された状態となるだろうとコメントした。
原題:Trump Border Tax Seen as Questionable Catalyst for Dollar Gains(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-26/OKDIMC6JTSF701
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/560.html

[戦争b19] 中国、新型の長距離空対空ミサイル開発か  世界情勢の先行きは不透明、中国は安定・成長の基盤に=李克強首相
中国、新型の長距離空対空ミサイル開発か
[北京 26日 ロイター] - 中国が、早期警戒機や空中給油機を撃ち落せるとみられる新型の長距離空対空ミサイルの実験をしている可能性がある。チャイナデーリー紙が26日、報じた。

同紙によると、人民解放軍の空軍が最近、J11戦闘機が大型のミサイルを昨年の演習中に搭載している写真をオンライン上に投稿した。ミサイルの詳細については不明。

空軍の研究者によると、ミサイルは、通常は戦闘地域の外にいる早期警戒機などのターゲットを撃ち落すために設計されたとみられるという。

中国が、射程距離100キロ以内とされる既存のミサイルの能力を向上させたことを示している。

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世界情勢の先行きは不透明、中国は安定・成長の基盤に=李克強首相

[北京 26日 ロイター] - 中国の李克強首相は、ブルームバーグ・ビジネスウィーク誌への寄稿で、世界情勢の先行きが不透明な中、中国は改革や開放、自由貿易を支持し、安定と成長のためのしっかりとした基盤になる、との考えを示した。

さらに、中国は、経済の新たな分野を投資のために開放するとともに、国内で登録されている全ての事業が平等に扱われることを保証する、と表明した。

「世界は運命を共有するコミュニティーだ」とし「辛辣な言葉を浴びせたり障壁を築くよりも、物やサービスの貿易を行い、投資のパートナーとして結びつく方がはるかに好ましい」と主張した。

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http://www.asyura2.com/16/warb19/msg/571.html

[経世済民118] トランプ流保護主義に「ドル安」は不可欠 円高予想縮小、出遅れドル円先高期待 日産自A2格上、見通し安定的=ムーディーズ

コラム:
トランプ流保護主義に「ドル安」は不可欠

亀岡裕次大和証券 チーフ為替アナリスト
[東京 26日] - 米大統領選挙後のドル高・円安が反転している。これは一時的調整なのか、それともトランプ相場が曲がり角を迎えたのか。ドル円に影響を与える4つの点(米国金利、リスク許容度、米保護主義、日銀政策)から、相場展開を考えてみたい。

まず、ドル安に作用した一因は、米国金利の低下だ。米連邦準備理事会(FRB)の利上げ期待は、昨年12月の利上げ直後をピークに後退し始めた。2年物などの国債金利は日本も低下したために日米金利差はほとんど縮小しなかったが、10年物などの国債金利は米国の低下が寄与して日米金利差が明らかに縮小した。

一転して1月後半は、米株価の上昇に伴い米金利が反発した。ただ、日米10年金利差は拡大に転じたものの、ドル円はほとんど反発していない。

これは、米国の期待インフレ率が上昇する一方で、実質金利が低下していることが一因か。期待インフレ率上昇の背景には、原油価格の高止まりや米インフレ率の上昇もあるが、完全雇用の米国経済に財政刺激が加わることでインフレ率が高まりやすいとの見方もあるだろう。財政刺激がインフレにつながりやすい一方で景気加速にはつながりにくいとの見方から、実質金利が低下したのではないか。

実質金利は為替相場との連動性が高い。インフレ期待により米国の名目金利が示すほどには実質金利が上昇しないとなると、米金利はドル円の上昇に作用しにくい。

<リスクオンの円安は持続性に欠ける>

クロス円が1月半ばにかけて下落したことから分かるように、ドル円の下落にはドル安だけでなく円高も寄与した。円高は、海外金利とリスク許容度の低下に原因があるとみられる。だが、1月後半は米株価が最高値を更新するなど、リスク許容度の上昇がクロス円の反発(円安)を招いている。

米株高は、米企業決算やトランプ政権の財政・規制緩和策よりも、保護主義政策によるドル安が米成長期待を高めているためではないか。ドル安がリスクオンの円安要因になっている。リスクオンはドル実効為替を下落させやすく、ドル安でリスクオンになり、ドル安がさらに進むという循環も生まれやすい。

ただし、ドル安は、米インフレ期待を高めて金利を上昇させることで株価を割高にし、株高の進行を難しくする。また、ドル安の一方で通貨高が進む国々の中には、景気悪化懸念でリスクオフに傾く国も出てくるだろう。

では、ドル安が米経済成長期待を支え、米株高とリスクオンの円安を招く動きは続くだろうか。鍵を握る要因の1つは経済指標だ。11、12月と連続して大幅に改善した米ミシガン大学消費者信頼感指数が、1月はわずかに悪化した。米企業景況感にも同様の傾向が表れる可能性がある。

為替変動が経済指標に影響を及ぼすまでに、発表に要する期間を含めて2―3カ月のタイムラグを持つケースが多い。1月のドル安の好影響よりも12月にかけてのドル高の悪影響が、今後発表される米経済指標に表れやすいだろう。

また、中国における年初からの自動車減税縮小が同国の経済指標に悪影響を及ぼしやすいだろう。主要国の経済指標が市場予想を下回ることを受けて経済成長期待が後退し、リスクオフの円高に転じる可能性がある。

<米保護主義政策の推進にはドル安が必要>

最近のドル安を生んでいる大きな要因が、トランプ大統領の保護主義政策だ。大統領が掲げた「米国製品を買い、米国人を雇う」という2つの単純なルールを、国民向けの呼び掛けや企業へのけん制だけで実現することは難しい。

大統領は、環太平洋連携協定(TPP)離脱や北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉を表明した。通商交渉により米国の輸入関税引き上げや相手国の輸入関税引き下げを図り、米国の輸入を減らし輸出や国内生産を増やそうとしているが、それは可能なのだろうか。

米国が輸入関税を引き上げるなら、相手国も輸入関税を引き下げるどころか引き上げようとするだろうし、米国に有利となるように通商交渉を進めることは難しい。米国がある国からの輸入関税を引き上げても、米国製品に価格競争力がなければ国内生産で輸入を代替できず、他国からの輸入で代替されるケースも出てくるだろう。あるいは、輸入価格が上昇しても輸入数量が減らずに輸入金額が増えるだけかもしれない。

関税引き上げという貿易障壁を高める施策は確実に米国のコストを高めるわけで、同時に米国製品を売りやすく(他国が買いやすく)する状況にしなければ、国内生産誘発のメリットよりもコストアップのデメリットが大きくなる。

また、企業が米国内で投資・生産・雇用を拡大しても、海外生産に比べてコストが上昇するだけで、製品の売れ行きが伸びずに在庫が増えるようなら、米国回帰は続かないだろう。結局、米国が保護主義政策を推し進めるためには、ドル安にしてこれまでよりも国内生産と輸出を有利に、輸入を不利にするしかないはずだ。

トランプ大統領が17日付の米紙インタビュー記事で、「われわれの通貨は強すぎる」「価値を引き下げる必要があるかもしれない」と述べていたのは、ドル安にしたいと考えている証しにほかならない。別の米系メディアによれば、ムニューチン次期米財務長官も上院議員宛ての書簡で、「時折、過度に強いドルは経済に短期的に悪影響を与える可能性がある」との考えを示したという。もはや、トランプ政権の通貨戦略は明確だ。

減税やインフラ投資をしても米国景気が減速するようなら、米金利低下のドル安、リスクオフの円高とともに、米保護主義のドル安圧力が強まりやすい。トランプ政権の通貨政策は「ドル高抑制」から「ドル高是正(ドル安志向)」にシフトし、主要な貿易相手国に通貨高圧力をかけるだろう。その筆頭は、対米貿易黒字が巨額な中国であり、人民元安を「為替操作」と批判している。

ただし、直近1年間の米国の2国間貿易赤字の大きさは、中国、日本、ドイツ、メキシコの順であり、日本も対米貿易黒字が大きい。そのうえ、主要通貨の実質実効為替を比較した場合、長期的な平均水準に比べて近年の通貨安が目立つ通貨の1つが円だ。選挙中に「円安誘導」と批判したトランプ大統領は、対日貿易赤字の大きさに不満を表している。日本が通貨高圧力を受けるターゲットとなる可能性は十分にあるだろう。

<日銀政策調整による円高にも注意>

日銀の中曽宏副総裁は20日の講演で、為替スワップ市場における非米系銀行のドル調達プレミアムが拡大している背景に、米国と日欧の金融政策の方向性の違いがあることを指摘した。そして、国際金融システムの不安定化を招くことがないようにするのも中央銀行の責務とし、邦銀の外貨資金繰りの状況を注視すると述べた。量的緩和とマイナス金利を続けている日欧の金融政策が招く問題点の一端を指摘したとも言える。

欧州中銀(ECB)はすでに資産買い入れペースの減額を決定したが、日銀の年間約80兆円ペースの資産買い入れが永続的でない以上、遠くないうちに日銀も減額する可能性がある。日銀が、金利が上昇している超長期国債の買い入れを増額せず、金利が低下している中期国債の買い入れを減額(回数減)したのは、その布石ではないか。

トランプ政権が日本に円高圧力をかける中で、日銀の金融緩和政策を批判することも十分にあり得る。日銀の政策調整(資産買い入れ減額や金利操作目標引き上げ)により円高が進む可能性にも注意すべきだろう。

*亀岡裕次氏は、大和証券の金融市場調査部部長・チーフ為替アナリスト。東京工業大学大学院修士課程修了後、大和証券に入社し、大和総研や大和証券キャピタル・マーケッツを経て、2012年4月より現職。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。(こちら)

(編集:麻生祐司)

*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。 
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コラム:中国の米企業へ、トランプ氏のメッセージは「くたばれ」 2016年 12月 07日
コラム:トランプ政策は本当に非現実的か=鈴木敏之氏 2017年 01月 24日
再送-為替こうみる:早くも期待外れの米国、対米戦略にいそしむ中国=三井住友銀 宇野氏 2017年 01月 06日
http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-yuji-kameoka-idJPKBN15A0UE


 

焦点:オプションで円高予想が縮小、出遅れのドル/円に先高期待
 1月26日、通貨オプション市場で、円高予想がじわりと縮小している。写真はドルと円の紙幣、2013年2月撮影(2017年 ロイター/Shohei Miyano)
 1月26日、通貨オプション市場で、円高予想がじわりと縮小している。写真はドルと円の紙幣、2013年2月撮影(2017年 ロイター/Shohei Miyano)
[東京 26日 ロイター] - 通貨オプション市場で、円高予想がじわりと縮小している。米ダウ.DJIが2万ドルを突破するなか、出遅れ気味のドル/円JPY=だが、財政拡張によって一時的にせよ米経済が改善するとの期待は根強い。まだ限定的な動きとはいえ、投機筋などがドル高の再開をにらみ始めているとの見方も出ている。

<保護主義警戒がドル圧迫>

「前日は、米株・金利上昇ならドル買いというセオリーが通じない非常に難しい相場だった」と、国内金融機関のディーラーは振り返る。

25日の海外市場は株高・米金利上昇・ドル高がセットだった昨年までの「トランプ相場」の第1ステージとは様相が異なる動きとなった。ダウが史上初めて2万ドルを突破、10年米長期金利も節目の2.5%に乗せたにもかかわらず、ドル/円は上値重く、113円台に沈んだままだった。

米株式市場は財政出動・規制緩和、債券市場はインフレ期待・米連邦準備理事会(FRB)利上げの思惑がそれぞれ出て上昇したが、為替市場ではトランプ大統領がメキシコとの国境に壁を建設する大統領令に署名するなか、保護主義への懸念が強まったという。「米国サイドからのドル高けん制発言が重しとなっている」と、バークレイズ証券のシニア為替・債券ストラテジスト、門田真一郎氏は指摘する。

もっとも、通貨オプションの動向に目を移せば、スポット市場とはやや異なる様相が見て取れる。長めの期間を軸に、円高予想がじわりと後退してきているのだ。

ドル/円のリスク・リバーサル(RR)1年物は、円高予想を映すドル・プット・オーバーの傾きが0.57%付近に縮小。まだ円高予想のサイドに傾いているものの、その傾きは2016年1月以来の小ささとなった。

あおぞら銀行の市場商品部部長、諸我晃氏は、これからインフラ投資や減税といった政策が示されれば、インフレ期待が高まって長期的な米利上げへの思惑が強まり得るとして「ドルはファンダメンタル的に買い戻されるとの読みが背景にあるのだろう」と見ている。

<ヘッジ解消の影響も>

米商品先物取引委員会(CFTC)が20日発表したIMM通貨先物の非商業(投機)部門の取組(1月17日までの1週間)によると、円の売り越しは7万7830枚(前の週は7万9839枚)と依然、高水準だ。

ただ、スポットのドル/円が年明け後、118円台から一時112円台に下落した間に、RRのドル・プット・オーバーの傾き拡大は限定的にとどまった。

この動きについて、みずほ銀行の国際為替部次長、田中誠一氏は「円ショートのうち、オプションで円高リスクをヘッジしていた投機色の強いポジションが減ったことで、ヘッジの解消が進んだ可能性もある」と指摘する。

「トランプ相場」の第1ステージの円安局面では、円高方向へのリスクに備えるためのオプションでヘッジする動きがあったが、実際に円高に進んだため、ヘッジの必要がなくなった。円高が進めば利益が出るオプションの解消は、RRではドル・プット・オーバーの拡大を抑制する方向に働く。

投機筋による円ショートの積み残し分は、リスクに対してニュートラルになっている可能性があり、目先のイベントでは「投機主導の過度な反応が出るリスクは和らいでいると見ていいのではないか」と田中氏はみる。

<米経済の改善期待>

より短い期間では「トランプ大統領の不規則発言への警戒は怠れない」(別の国内金融機関)との声も根強い。

1カ月物のRRはドル・プット・オーバーが16年11月以来の小ささとなる0.31%付近に、1週間物RRも16年11月以来の小ささとなる0.45%付近に、それぞれ縮小し、昨年末から続いたもみ合いから抜け出しつつあるが、トランプ相場を通じて縮小基調が続いてきた1年物に比べれば、まだ方向感が出ているとまではいえない。

それでもじわりと1カ月物や1週間物でもドル・プット・オーバーが縮んでいるのは、来週以降に米国で米連邦公開市場委員会(FOMC)やISM製造業指数、米雇用統計など、重要イベントが続くことが背景にありそうだ。

米経済指標はこのところ、良好な数字が続いている上、FRB高官らからはタカ派寄りの発言が目立つ。「この期間をカバーする1週間物のオプションでは、ドル買いサイドのポジションをつくる動きが出てもおかしくない」(あおぞら銀行の諸我氏)とみられている。

(平田紀之 編集:伊賀大記)

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日産自をA3からA2に格上げ、見通しは安定的=ムーディーズ

[東京 26日 ロイター] - 格付け会社ムーディーズ・ジャパンは26日、日産自動車 (7201.T)の長期格付けをA3からA2に格上げしたと発表した。格付けの見通しは「安定的」。

ムーディーズは、A2への格上げは、過去数年にわたる継続的な収益性改善と持続的なブランド力の回復、さらに仏ルノー(RENA.PA)との戦略的提携を通じて同社が得ている恩恵を考慮したと説明している。

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http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/335.html

[政治・選挙・NHK219] トランプ氏が日銀に感謝すべき理由とは 安倍首相はポピュリスト台頭の犠牲とならずに済むか 中国国債利回り急伸MLF金利引上
トランプ氏が日銀に感謝すべき理由とは 安倍首相はポピュリスト台頭の犠牲とならずに済むか
By WILLIAM PESEK
2017 年 1 月 26 日 17:33 JST
 ドナルド・トランプ米大統領が仕掛ける「口撃」の中でも、中銀に対するものが最も的外れかもしれない。同氏が当選できたのは、むしろ中銀のおかげだ。

 トランプ支持派は、女性や公民権運動指導者、中国政府、気障りな企業トップに対する口撃を好むかもしれない。だが、米連邦準備制度理事会(FRB)に対する痛烈な批判は、ユーロ圏と英国、日本、米国で行われた量的緩和がトランプ大統領を誕生させる上で中心的な役割を果たしたことを見過ごしている。量的緩和こそが、世界的なポピュリスト(大衆迎合主義者)の台頭を招くことになった状況を悪化させたと言えるだろう。

 当初から罪深いとされている日銀について考えてみたい。確かに、日本は英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を促したような機運を今のところ回避している数少ない先進国だ。日本人は非常に礼儀正しく、政治的な憎しみより調和を重んじる傾向がある。相対的に見て平等主義であることも、社会的反発を和らげる役目を果たしている。だが日本でさえ、アベノミクスの成果が4年たっても出ない中、緊張が高まっていることが世論調査からうかがえる。

 日本の問題は何だろうか。超緩和的な金融政策に依存しすぎで、政策当局が雇用創出や生産性向上、経済価値を生み出す新たな原動力の育成で十分な成果を上げていないことだ。これらはポール・クルーグマン氏やケネス・ロゴフ氏といった著名経済学者が何年も前から警告してきた。だが最も痛烈だったのは、著書「21世紀の資本」で知られるフランスの経済学者、トマ・ピケティ氏かもしれない。

 日銀がデフレ対策として「量的・質的金融緩和」を導入した2013年以降、ピケティ氏は追加的な量的緩和は裏目に出ると警告してきた。この批判はユーロ圏や英国、米国の中銀当局にも言えることだが、ピケティ氏は日銀が債券や不動産、株式などの資産を大量に購入しても富裕層しか豊かにならないことを特に疑問視しているようだ。その一方、アベノミクスの円安誘導で円相場は一時30%余り下落した。これで日本はエネルギーや食料品を通じてインフレを輸入しているも同然となった。こうした政策で持てる者と持たざる者の格差は拡大した。

 何よりもこの現実を見れば、さまつな要因から生じたポピュリストの怒りがなぜ英国や欧州、米国の選挙で最重要の問題となったのか説明がつく。オランダ中央銀行のエコノミストらは14年に発表した論文「非従来型の金融政策は格差にどう影響するか」で、「日銀の非従来型政策は所得格差の拡大につながった」と結論付けた。金融政策にできない所得格差の解消は、構造改革で可能だという。

 日本は一種の実験として量的緩和を考え出した。08年のリーマン・ショック以降に大量の金融緩和を実施し、構造改革をないがしろにすることで、自ら次なる「ポピュリスト・ショック」のお膳立てをしている可能性がある。日本国内では、ツイッター愛好家でトランプ支持派として知られる橋下徹・前大阪市長なら、日本がこれまで回避してきたブレグジット機運を盛り上げ、安倍政権を打倒できるのではないかとみる向きが多い。

 責めるべき点は多々ある。選挙で選ばれた政治家が務めを果たし、経済の活力や競争力、公正さを高める改革を行っていれば、中央銀行が主導権を握ることはなかったかもしれない。だがその一方、中銀は金利をゼロやそれ以下へ引き下げることで、金融システム再編の緊急性を薄れさせてしまったのではないか、という正当な反論もある。

 こうした疑問にエコノミストらはいら立つ。例えば、日銀がむしろ利上げという形で先行きへの自信を示し、金融環境をもう少し平等なものにしていたらどうなのか。超低金利の恩恵が最も及ぶのは紙の資産を持つ人(資本家)であって、労働者ではないのは確かだ。英中銀イングランド銀行のカーニー総裁は昨年10月、「あらゆる金融政策行動には分配上の影響がある。それに対処するのは中銀ではない。包括的な成長政策の一環としてそうした行動を選択する場合、影響を相殺するのは政府の役割だ」と語った。

 こうした分配上の影響を政府が相殺できなかったことこそ、ブレグジットやトランプ大統領誕生、イタリアのレンツィ前首相辞任に道を開いた。中間層が取り残されている、というこれらの場面での基本的な主張は次第に勢いを増している。中銀当局者、特に日銀の黒田東彦総裁はこれを反面教師にしなければならない。

 繰り返すが、弱腰の政府にも責任はある。政府は緊縮財政にこだわり、ハンドルを金融政策当局に委ねたことを反省すべきだ。だが、あり得ないことが当たり前になった16年の衝撃的な出来事は、幻滅した有権者がいかにして08年以来の繁栄を取り戻そうとしているかを物語っている。また、トランプ氏の当選につながった政策を強化するよう安倍首相が日銀に求めるべきではないことも示唆している。安倍首相もポピュリスト台頭の犠牲にならないよう願うばかりだ。

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中国国債利回りが急伸−中銀MLF金利引き上げで

人民銀行は市場の流動性調節手段の一つである中期貸出制度(MLF)の金利を引き上げた。一部のアナリストはこの動きを事実上の利上げと受け止めている PHOTO: REUTERS FILE PHOTO/REUTERS
By
RACHEL ROSENTHAL
2017 年 1 月 26 日 18:46 JST
 中国人民銀行(中央銀行)が24日に金融機関に対する主要貸出金利を引き上げたことを受け、中国の国債利回りが急伸している。
 指標となる10年物国債利回りは25日、前日の3.296%から3.336%に上昇し、12月半ばにつけた直近の高水準である3.387%に近づいた。
 人民銀行は24日夕、市場の流動性調節手段の一つである中期貸出制度(MLF)の金利を引き上げた。一部のアナリストはこの動きを事実上の利上げと受け止めている。中国が最後に利上げしたのは2011年。
 すさまじい勢いの信用の伸びを抑えるため、中国は金融政策を調節しながら同時に銀行の資金需要を満たして市場にパニックが起きないようにするため金融システム内の流動性を十分維持するよう努めている。24日の金利引き上げはこうした動きの一環だ。
 HSBCホールディングスのアジア太平洋地域金利戦略部門ディレクター、ピン・ルー・タン氏は「これが引き締めの合図であることは間違いない」とし、「中国政府の今年の最優先事項の一つは、金融レバレッジを縮小して資産バブルや金融システムの危機を回避することだ」と語った。
 人民銀行は先週、春節(旧正月、今年は1月28日)の連休を前に、週ベースで過去最高となる1兆1300億元(約18兆6200億円)の資金を短期金融市場に供給した。現金需要が急増する例年この時期は流動性が引き締まる傾向がある。特に金融市場が1月27日から2月2日まで休場となることが大きく影響している。

中国の10年物国債利回り
https://si.wsj.net/public/resources/images/OJ-AU673_CBOND_16U_20170125040306.jpg

 中国政府はレバレッジの引き下げを17年の最重要課題に挙げている。金融危機後、不動産から社債、鉄鉱石および大豆先物に至るまで金融資産市場では、割安な資金の大量流入によって価格が押し上げられた。中国のマネーサプライ(通貨供給量)は07年以降4倍以上に膨らみ、魅力的な投資先を求める資金が拡大の一途をたどってきた。当局が資本統制を敷いているため、資金は海外資産ではなく国内資産に流れ込んでいる。
 経済成長てこ入れを目的に人民銀行が短期貸出金利を非常に低い水準に抑え始めた15年以降、債券市場の資金は増加傾向にある。16年の夏までに銀行間市場における借り入れのうち翌日物が約90%を占めるようになった。
 多くの投資家は安く調達した資金で債券などの金融商品を買い入れ、それを担保にさらに投資を拡大した。こうした借り入れの大半はバランスシートに載らない形で行われたため、規制当局の目の届かないところでレバレッジや金融リスクが膨らんだ。
 政府当局は16年8月、これらの取引に対する厳しい取り締まりに着手した。当局の要請で長期の借り入れへのシフトが進む中、短期資金の調達コストは押し上げられた。国内でこうした緩やかな引き締めが進む一方で米連邦準備制度理事会(FRB)がタカ派姿勢を強めた上、デフォルト(債務不履行)懸念が広がった影響で、12月半ばに中国本土の債券市場は大きく売り込まれた。昨年12月15日、債券売りの急増に伴い10年物と5年物の国債先物価格がそれぞれ2%、1.2%下落すると、中国当局は一部の国債先物取引を停止した。史上初めてのことだ。
 レバレッジ解消に向けた当局の努力が実を結び始めた兆候は見受けられる。BNPパリバによると、銀行間市場における翌日物の1日の取引量は1兆9600億元で、昨年夏のピーク(約4兆元)を大きく下回る。現在、銀行間取引全体に占める翌日物の割合は約70%だ。
 MLFの6カ月物金利と1年物金利をそれぞれ2.95%、3.1%へ0.1%ずつ引き上げるという人民銀行の決定は、驚くほど劇的なものでもない。市場ウォッチャーにとってより重要なのは、当局の引き締め姿勢が当面は変わらないことが確認されたことだ。
 ゴールドマン・サックスのエコノミストはリポートで、「金利の引き上げ幅は小さいが、人民銀行が引き締めバイアスを強めたことを示すシグナルであることは明確だ」と指摘した。
 中国債券市場は一時的に大荒れとなったものの、同市場の長期見通しが明るいことを示す兆候は幾つかある。
 ブルームバーグは25日、中国本土市場で取引されている国債と政策銀行債券などに連動する二つの新しい指標を3月1日付で導入すると発表した。
 スタンダード・チャータードの中国マクロストラテジスト、ベッキー・リュウ氏によると、こうした動きを受け、JPモルガン新興国市場国債インデックスなど、ベンチマークとして広く使われているその他の国際的な債券相場の指標の間でも、中国国債を組み込む動きが加速するかもしれず、中国本土の債券市場への海外投資家の参入に拍車が掛かる可能性もある。本土市場で発行された債券の海外投資家による保有率は現在2%に満たない。
 市場の指標を提供している企業は、中国金融市場における自由化の前進が中国の国債などを指標に採用する条件の一つと考えてきた。ドイツ銀行の推計によると、中国が指標に組み込まれれば、中国市場には今後5年間で海外から7000億〜8000億ドルの投資資金が流れ込む可能性がある。


https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwiExbiw0N_RAhWIVbwKHbb1DJ4QqOcBCBwwAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10852398588237353609804582582831324728966&usg=AFQjCNFLj_FOrvJapYwwm0OO8FCjs4TgdQ

http://www.asyura2.com/17/senkyo219/msg/679.html

[経世済民118] ダウ2万ドル、裏付けの弱さに要注意 実は既に3万ドル突破 浮かれは禁物 立役者はゴールドマン・サックス

ダウ2万ドル、裏付けの弱さに要注意
25日の米株式市場でダウ工業株30種平均が史上初めて2万ドルを突破したが、経済のファンダメンタルズに裏付けられたものではない  
By GREG IP
2017 年 1 月 26 日 16:26 JST

――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター

***

 英国が欧州連合(EU)から離脱しようとしており、ホワイトハウスには保護主義者がいる。フランス大統領選の最有力候補はユーロ圏からの離脱を望んでいる。だがおかしなことに、投資家は世界のリスクは高まっているのではなく、低下しているとの結論を下した。その結果、株に買いが集まり、25日の米株式市場でダウ工業株30種平均が史上初めて2万ドルを突破した。

 経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)でこれを説明するのは難しい。ドナルド・トランプ氏が昨年11月に大統領選でまさかの勝利を収めてから、経済のファンダメンタルズは改善しているが、それほど大きい改善ではない。ウォール・ストリート・ジャーナルが大統領選後にエコノミストを対象に実施した調査によると、今後2年間の米経済成長率見通しは0.3ポイント引き上げられただけだった。米連邦準備制度理事会(FRB)当局者らは昨年12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で、自身の経済成長率予想にはほとんど言及しなかった。アナリストらの企業利益予想もほとんど変わっていない。

 変わったのは、アップサイドリスクとダウンサイドリスクのバランスに対する投資家の評価だ。投資家はトランプ氏の保護主義的な政策や、ユーロに対する欧州のポピュリストたちの脅威が高まっていることを懸念している。だが、「トランプ政権の企業寄りの姿勢」や「インフラ投資の拡大と減税が見込まれること」、「債券利回りの上昇と、中央銀行によるマイナス金利深掘りの可能性の低下によって銀行の利益が改善していること」、「石油輸出国機構(OPEC)とその他の主要産油国の減産合意が米石油会社の追い風になっていること」などを重視している。

 リスク選好度の上昇を示す確かな証拠の1つは、株式市場と債券市場の動きの乖離(かいり)だ。昨年6月に英国で行われた国民投票でEU離脱が決まった後、10年物米国債は価格が急上昇した一方で、利回りは1.4%を割り込み過去最低となった。これは、物価上昇に向けた、いかなる説得力のある道筋をもってしても、つじつまが合わなかった。むしろ、ユーロ圏の分裂やマイナス金利の深掘りなどの脅威からの保護を必死で求める様子を反映したものだった。

 米大統領選の投票日直前に、10年物米国債利回りは1.9%前後に回復し、その後、2.5%を突破した。FRBが引き締めペースを加速するという観測は、その背景のごく一部で、大半は単に世界のリスクが低下していることから、極めて安全な資産が物色されていないというだけだ。株式市場が債券市場と逆の動きをしているのは、同じようにリスク選好度が変化したためだ。

 ニューヨーク大学のアスワス・ダモダラン教授によると、昨年11月時点で株式投資の期待リターンは債券投資を6.3ポイント上回っていた。その差は今月25日までに5.7ポイントに縮小した。

 それでも歴史的には高水準にあり、従来の価値判断では株式が割高に見える中で、緩衝材としての役割を果たしている。過去12カ月の利益に基づく米国株のPER(株価収益率)は現在21倍と、ダウ工業株30種平均が2013年に1万5000ドルの大台を突破した時の15倍を上回る。ただ、1999年のドットコム・バブル期に1万ドルを超えた時の24倍には及ばない。

 投資家は我を忘れているのだろうか。おそらくそうだ。米議会とトランプ氏はともに減税を目指しているが、その方法については合意しておらず、赤字で身動きがとれなくなるだろう。議会はトランプ氏のインフラ投資計画にもあまりいい顔をしていない。オバマ政権時代の金融・医療関連の法律は大半が存続する可能性がある。

 だが重要なのは方向性だ。たとえ規制や税制がさほど緩和されなくても、オバマ政権の規制強化路線とは大きく異なる。同様に、先の経済見通しの引き上げは小幅ではあったものの、これまで引き下げが相次いでいたことを考えると、胸のすくような変わり様だ。

 こうした状況を踏まえれば、FRBが先月、政策金利を引き上げ、今年の利上げ回数予想を9月時点の2回から3回に引き上げた後に、株価の下落がごく一時的なものにとどまったのもうなずける。投資顧問会社のビアンコ・リサーチによると、FRB当局者らの利上げ回数予想の中央値が引き上げられたのは2年ぶりだ。これはまさにFRBが、米経済に対するリスクがもはや景気を押し下げることはないという市場と同じ結論に達したことを示す。

 米経済が過去7年にわたる低成長から抜け出したことを示す兆候はまだほとんど見られないが、これも変わる可能性がある。企業のアニマルスピリット(将来に対する主観的期待)が株式市場のそれと同じようになれば、設備投資とリスクテーキングが回復し、生産性を高めるかもしれない。

 とはいえ、株式市場は現実を把握する必要がある。米国の景気拡大は7年余りに及び、リセッション(景気後退)時の余剰生産能力を使い果たして勢いが乏しい。4.7%という失業率は、FRBが完全雇用状態にあると見なす水準だ。

 8年にわたる超金融緩和政策は、資産価格の上昇と金融工学を駆使した取引という厄介な遺産を残した。ニューヨークの経済コンサルタント、ゲイル・フォスラー氏によると、企業利益の伸びは鈍化しており、企業のキャッシュフローは設備投資資金と配当金を何とか賄っている状態だ。また、債券市場はFRBが利上げペースを加速せざるを得ないことを示唆している。同氏は、これらは企業が財政難に陥る要因で、18年にリセッションを引き起こすとの見通しを示した。

 もしフォスラー氏が正しかったら、ダウ工業株30種平均が、1999年に1万ドルを突破した後のように、再び2万ドルをつけるにはかなりの時間がかかるかもしれない。

 投資家は、トランプ氏は企業に干渉することや海外の貿易相手国を痛めつけることが好きなため、企業に有利な税制改正によって生まれる同氏への好意がほぼ消えうせる可能性があることを忘れてはならない。

 貿易障壁の増加がリセッションを引き起こすことはない。投資調査サービス会社のバンク・クレジット・アナリストのピーター・ベレジン氏によると、過去にそうした前例はほとんどない。企業が海外から米国に生産を回帰させれば、投資と雇用は一時的に増えるだろう。だが本当の問題は、保護主義とは海外製品がすぐに入手できずに国内の旺盛な需要を満たせず、インフレ圧力と金利の上昇を招くことを意味することだ。それだけでなく、国際協力をむしばみ、地政学的関係を不安定にするという。

 これは、優良企業の利益にとって次の10年間は今までの10年間よりも厳しいものになることを示唆する。そのため、投資家は過大な期待を抱かないようにした方がいい。

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ダウ2万ドル突破、浮かれは禁物
株保有のリスクが報われるには長期間かかる
「Dow 20000(ダウ2万ドル)」と書かれた野球帽をかぶったニューヨーク証券取引所のトレーダー(25日)
「Dow 20000(ダウ2万ドル)」と書かれた野球帽をかぶったニューヨーク証券取引所のトレーダー(25日) PHOTO: BRENDAN MCDERMID/REUTERS
By JASON ZWEIG
2017 年 1 月 26 日 13:05 JST

――筆者のジェイソン・ツヴァイクはWSJパーソナル・ファイナンス担当コラムニスト

***

 私が以前もらった「Dow 10000(ダウ1万ドル)」と書かれた記念の野球帽は、どうなったのだろう。

 ニューヨーク証券取引所(NYSE)のフロアにいた株式ブローカーがこの帽子をくれたのは、1999年3月のことだった。ダウ工業株30種平均株価が初めて1万ドルの大台に乗せて取引を終了した時だ。

 私は自宅の庭で、この帽子をかぶってよく作業したものだ。しかし、そのうちに泥だらけになり、どこにあるのか何年間も見ていない。

 ダウが初めて2万ドルを突破したなかで、消えたあの帽子は重要なメッセージを思い起こさせる。前に進むために、投資家たちは過去を振り返る必要がある。

 統計会社S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズの上級アナリスト、ハワード・シルバーブラット氏によれば、ダウは1999年初めに1万ドル台に乗せたが、その後この1万ドル水準の上下を実に33回も行ったり来たりした。最終的に1万ドル台にしっかり定着したのは、約10年後の2010年8月27日のことだった。

 確かに、投資家たちはその間ずっと配当を得てきた。そして、ダウは2007年7月、1万4000ドル強でピークとなった。

 しかし、1999年に1万ドルをつけてから2010年に元の水準の1万ドルに再び戻るまでの間、われわれは2009年3月に6547.05ドルへの下落を経験し、それを乗り越えねばならなかった。高値の1万4000ドルからわずか1年半あまりの間にダウは半分以上値を下げた。

 そして、この大変動は(1万ドルに初めて乗せた翌年の)2000年1月から02年10月までの間で38%下落した数年も後の出来事だった。

 さらに歴史をさかのぼると、ダウは1954年末まで、1929年の終値ベースの最高値を超えることはなかった。実に四半世紀以上も後のことだ。

 これは配当を計算していないが、当時、大半の投資家は配当を再投資していなかった。たとえ再投資していたとしても、それは1929年の株価大暴落に伴う巨額の損失をほとんど緩和しなかっただろう。

見えざるインクで描かれる軌道

 つまり、株式を保有するリスクが報われるためには、腹立たしいほど長い期間待たねばならない可能性があるのだ。もう一つの教訓はもっと捉えがたい。それは、金融の歴史は実際以上に予測可能に見える、あるいは見えたというものだ。

 市場というものは、長期的で広範なサイクル(循環)の中で変動するのがしばしばだ。それは何年間ないし何十年間も上昇気流に乗り、その後、何年間も続けて停滞ないし下降する。

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25日の米株式市場でダウ工業株30種平均が初めて2万ドルの大台に乗った。ダウの歴史を政治的・経済的出来事と共に振り返る(英語音声、英語字幕あり)Photo: Associated Press
 1966年から1982年を考えてみよう。当時、株価はどこにも行かず、大きく変動しなかった。その後、1982年から2000年初頭まで歴史上で最大級の強気市場になった。さらに2000年から2009年までの時期を考えると、2度の急落があり、09年から今年に至るまでは上昇に転じて株価は一気に3倍になった。

 こうした本格的なサイクルは、歴史的なパフォーマンスのチャートを振り返れば、ほとんど明々白々だったように見える。子どもでさえ予想できたのではと感じられるほどだ。

 しかし市場はいつもその将来の軌道を見えざるインクで描いてきた。過去のサイクルの明晰(めいせき)さは幻想であり、後知恵の贅沢(ぜいたく)なのだ。

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初めて2万ドルを突破したダウはさらに上昇するのか。WSJのコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」のケン・ブラウン編集長に聞く(英語音声、英語字幕あり)Photo: Getty
 とすれば、学者やアナリスト、投資家たちが長い間、予測ツールを求めてきたのも不思議ではない。株式市場が何年間も連続して高リターンになったり、低リターンになったりする時点がいつなのかを特定できるツールだ。

 そうしたツールを手に入れ、それが役に立つと分かれば、株式市場の上昇に乗ったり、下落を回避したりできるだろう。

 CFA協会研究財団から委託された金融市場史に関する新研究で、AQRキャピタル・マネジメントのプリンシパルのアンティ・イルマネン氏は、この分野の包括的な研究結果をまとめている。

あてにならない指標

 同氏によれば、配当利回りがその長期平均を下回っている時、将来の株式リターンも平均を下回る傾向がある。

 同様に、株式が長期的な利益(インフレ調整済み)と比較して高価格で取引されている時、将来の株価パフォーマンスは低い傾向がある。

 配当利回りは現在、ダウについては約2.5%、S&Pについては2%で、歴史的低水準からかけ離れていない。また株価は、インフレ調整済みの多年度利益のほぼ29倍と、長期的な平均の約16倍を大幅に上回った水準で取引されている。このため、リターンは今後数年間にわたって精彩に欠ける(たぶん劣化しさえする)と予想するのが賢明なようだ。

 残念ながら、配当利回りないし長期的な株価収益率(PER)を使って、正確あるいは実用的な予測を出すことは誰にもできないようだ。イルマネン氏は、この種の予測指標は「どちらかといえば粗雑なシグナルを出すだけで、一つのサイクルにおいてあまりにも早い時期に買いや売りを推奨することになっている」と書いている。

 株式がこの種の指標からみて過大評価されているように見え始めたのは遅くとも1992年ごろだ。だが株式はそれ以降、2008年と09年の数カ月間を例外として、ほぼ四半世紀全体にわたって割高に取引されてきた。

 イルマネン氏によれば、こうしたシグナルを駆使することは「極めて難しく、それを試してみたという誘惑に駆られても、大半の投資家はやめておいた方が良い」という。

 2万ドルといった概念的な節目に達したとしても、それは売りを推奨する魔法のようなシグナルではない。つまり、ダウが今後ここから漂流したり、下落したりすることを示す指標ではないのだ。

 しかしダウ指数自体の歴史は、良い時代が永遠に続かないことをわれわれ全員に思い起こさせるはずだ。したがって、ダウ2万ドル突破によって、われわれは警戒感を持つべきであって、浮かれ騒ぐべきではない。

 株式の保有は長期的な取り組みであり、必要なのは忍耐だけではない。多くの投資家が認識している以上に、苦痛と不透明さへの高い寛容さをも必要とするのだ。

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ダウ平均は25日に初めて2万ドルを突破した(写真はウォール街の「チャージング・ブル」のブロンズ像) 
By JAMES MACKINTOSH
2017 年 1 月 26 日 15:03 JST

 ダウ平均に見切りをつけるときがやってきた。導入から120年が経過した今、ダウは情けないほど時代おくれの代物となった。プロからは見放され、愛着を感じているのはその多くが頭が回らないメディアだけだ。ダウ平均は今の時代に合うように改定する必要がある。いや、いっそのこと退場したほうがいい。

 ダウ平均を発明したのは本紙(ウォール・ストリート・ジャーナル紙)の創刊者の1人だ。筆者の直属の上司とそのまた上司はダウ平均を構成する30銘柄を決定する委員会のメンバーだ。テレビのニュースも米国株式市場の動きを示す指標としてダウ平均の数字を伝えてきた。

 しかしコラムニストの仕事はお世辞を言うことではなく、事実を提示することである。そしてこの場合の事実とは、ダウ平均には大きな欠陥があるということだ。ダウ平均は市場全体の物差しとしてふさわしくない。実のところそのように設計されてもいない。投資の目安としても優れているとも言えない。その計算方法も理にかなっているわけではない。その上、正しくもない。

 まず最後に触れた正確さの点から議論しよう。ビリーニ・アソシエイツの計算によると、紙と計算尺が使われていた時代の間違いを修正すると、ダウ平均は先月、史上初めて3万ドルの大台に乗った。

 最大の間違いは構成銘柄が12銘柄から20銘柄に増えたときの単純な再計算によるものだ。米国の株式市場は第1次世界大戦開戦を受けて4カ月にわたって閉鎖されたが、公式記録によると、1914年に市場が再開された当日のダウ平均は1日の下落率としては最大の24%も下げたことになっている。実際にはこの日、市場もダウ平均も上昇したのだが、2年後にダウ平均の構成銘柄が12銘柄から20銘柄に増えたとき、記録は一切調整されることなく再計算された。新しく加わった銘柄のうち一部の銘柄の株価が低かったせいで、ダウ平均の水準が下がったというわけだ。だから実のところ、ダウ平均が2万ドルを超えたといって大騒ぎする理由はないのである。

 その水準以上に重要なのは計算方法だ。ダウ平均は株価の平均値なので、機械式の計算機が統計処理の最新技術だった時代には早くて簡単に計算することができた。しかし株価は発行済み株式数に左右されるため、どんな数字にもなりうる。一部の企業の株価が極端に高ければ、時価総額がそれほど大きくなくてもその企業はダウ平均に大きな影響力を持つ。今どきの指数は時価総額を加味した加重平均で、購入可能な浮動株が考慮されているものも多く、市場全体や購入可能な株式の動きをより正確に表している。

 そのせいで、ダウ平均は市場全体とは大きく異なった動きを見せることがある。この3カ月がまさにそうだった。昨年11月の初めからの上昇率はダウ平均が10%、より広い銘柄をカバーするS&P500種株価指数は7%だった。

 その大きな理由はゴールドマン・サックス・グループだ。ダウ平均が奇妙なまでに株価を重視しているため、ゴールドマンはダウ平均に対して時価総額以上の影響力を持っている。ゴールドマンの現在の株価は1株当たり236.59ドルで、ダウ平均構成銘柄の中でも最も高い。これはダウ平均に対して、ゴールドマンがアップルの2倍の影響力があることを意味する。アップルの時価総額はゴールドマンの6倍を超えているにもかかわらずだ。

 取引が活発ではない公益事業会社や不動産会社が除外されていることも最近のダウ平均にとっては追い風だ。公益事業企業と輸送企業はダウが工業株平均であることを理由に除外されている。しかし、1924年に小売業のシアーズ・ローバックが加わった時点で、ダウ平均は純粋な工業株平均ではなくなった。

 まさに同じ理由でダウ平均は2009年3月以降、鈍い動きを繰り返し、市場に後れを取っている。ダウ平均とS&P500の動きが大まかに一致する傾向にあるのは事実で、この20年では2つの指数のリターンはさほど変わらない。

 ただ動きが大きく異なる時期もあった。例えばリーマンショック以降の上昇率はS&P500は234%だが、ダウ平均はそれより30ポイント以上も低い。

 こうした理由から、ダウ平均は投資家の動きを示す物差しとしては不十分なものとなっている。そのことが、ダウ指数に退場を求める大きな理由の1つだ。

 市場の指数――平均値であっても――のもう1つの意義は資金を働かせることにある。ウォール街はダウ平均の欠点を認識しており、この点でもダウ平均には落第点がつく。S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスのハワード・シルバーブラット氏によると、ダウ平均に連動したファンドの総額は359億ドル(約4兆円)にすぎないが、S&P500種指数に連動したファンドは総額2兆1000億ドルに上る。

 ダウ平均の唯一のとりえは、歴史が長く、構成銘柄に有名企業が選ばれ、知名度が高いことだ。ダウ平均は紛れもなく1つの象徴だ。しかし名前が知られていること自体も欠点になっている。メディアはダウ平均が100ドル動けば大騒ぎするが、100ドルが指数に占める割合は20年前の2%からたった0.5%に下がっている。

 実のところ、ダウ平均は2012年にS&PグローバルとCMEグループの合弁会社に売却されており、ダウ・ジョーンズはもはや所有者ではない。しかし葬り去るにしては惜しいブランドではある。ダウ・ジョーンズ米国トータル・ストック・マーケット・インデックスのような不格好な名前の指数にダウ平均の名前を付ければ、適切な物差しになるかもしれない。ダウ・ジョーンズ米国トータル・ストック・マーケット・インデックスは市場の動きを示す素晴らしい指標だが、ないがしろにされている。ただしその場合、ダウ平均がカバーする銘柄数は30銘柄から、実に3850銘柄に激増することになる。

 導入から1世紀以上経った今、ダウ平均は更新する必要がある。

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ダウ2万ドル、立役者はゴールドマン・サックス
ダウ2万ドル突破の立役者はゴールドマン・サックスだった

By JOHN CARNEY
2017 年 1 月 26 日 13:20 JST

 ダウ工業株30種平均の2万ドル達成では、米金融大手ゴールドマン・サックス・グループがゴール寸前まで持ち込んだ。ただ、最後の一押しを加えたのは米IBMと米航空機大手ボーイングだった。

 ゴールドマン・サックスは米大統領選挙直後、ダウ平均の上昇を大幅に後押ししてきた。昨年11月8日以来のダウの上昇は1735.77ドルだが、ゴールドマンはこのうち378.91ドル分(21.9%)に貢献し、2万ドル乗せ最大の立役者となった。

 トランプ政権が銀行規制を緩め、減税を実施し、成長志向の政策を推進するとの期待から金融株全体が急上昇するなか、ゴールドマン株も大統領選挙以来30.4%もの急騰を示した。ここで重要なのは、トランプ政権による一連の措置は、銀行の収益性改善を支える金利上昇につながるということである。実際、KBWナスダック銀行指数は大統領選挙以来、ダウ平均の2倍以上の上げ幅を記録している。

 投資家の楽観的見方を反映するように、バンク・オブ・アメリカのブライアン・モイニハン最高経営責任者(CEO)は25日、米国経済の「足場は非常に強固」であり、大統領選挙以来、消費者や企業の信頼感は大幅に改善していると指摘した。

 同氏はニューヨークに本部を置くシンクタンク、外交問題評議会(CFR)に対し、トランプ大統領の政策に言及しながら、「就任1週間にも満たない中、事態は動いている」とした。また、「今後の実行を見極めなければならない」ものの、消費者と企業の信頼感を高める可能性は高いと付け加えた。

 モイニハンCEOが上機嫌なのも当然だ。バンク・オブ・アメリカの株式はゴールドマン株以上に急伸したのだ。大統領選挙以来35%という上げ幅は、大手銀行株でも最大である。

 ただ、バンク・オブ・アメリカ株はダウ平均の構成銘柄ではない。また、1月半ばの2016年10-12月期(第4四半期)決算発表を受けて同社株がさらに上昇したのに対し、ゴールドマン株は勢いを失った。ゴールドマンの第4四半期収益はアナリスト予想を上回っていたが、金融株については2017年に期待されている好材料の多くがすでに織り込み済みとなっているようだ。

 この時点で、ダウ平均のモメンタムを支えたのはIBMとボーイングだった。両銘柄はそれぞれ、大統領選挙以来のダウ平均上昇に2番目と3番目の貢献を果たした。

 ただし、その上げ幅の大半は今月に入ってからのものである。この二つの銘柄は、300ドル近い年初からのダウ平均の上げ幅のうち、80ドル以上の貢献をしている。

 ボーイングの決算がアナリスト予想を上回ったため、同社株は25日だけで4.2%も上昇した。一方、クラウドコンピューティングや人工知能(AI)関連事業の大転換に取り組むIBMは、年初から7%以上も急騰している。

 ダウ2万ドル目前で失速したゴールドマン株だが、ダウ構成銘柄のうち、大統領選挙以来の上昇への貢献度が10%を超えるのは同社株だけである。

 ゴールドマン株の上昇は、株価に基づく経営幹部の報酬計画にとっても支えだ。同社株は、2007年10月に記録した終値ベースの過去最高値247.92ドルに肉薄している。

 ただ、ゴールドマンがダウ平均大台突破の余韻に浸っている様子はない。今月初め、決算発表後の電話会議でハービー・シュワルツ最高財務責任者(CFO)は「自社の株価を常に見守っている」としつつも、そのためにゴールドマンが「経営方針の変更を検討する」ことはないと付け加えた。

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ストラテジーレポート
配信日:2017年1月26日

チーフ・ストラテジスト 広木 隆が、実践的な株式投資戦略をご提供します。
広木 隆が投資戦略の考え方となる礎を執筆しているコラム広木隆の「新潮流」はこちらでお読みいただけます。
 プロフィール Twitter(@TakashiHiroki)
NYダウ平均、史上初の2万ドルの大台へ 広木 隆

ダウ平均が2万ドルの大台に到達した。トランプ大統領も、Great!とつぶやいた。

昨年11/25付の僕のブログで述べたように、 19,000ドルの大台更新まで 483日を要した。18,000ドル越えから約2年かかった。それが今回は42営業日。ITバブル期以来、史上2番目に速い大台替りである。

いま、ブログの日付を見て思った。ブログの日付は11/25、そしてダウが2万ドルに乗せた昨日が1/25。ちょうど2カ月である(ダウ平均が 19,000ドルを付けたのは11/22)。この2カ月の間には、感謝祭、年末商戦、FRBによる利上げ、クリスマス、大納会、大発会、そしてトランプ大統領就任式といろいろなことがあったが、2016年が終わり2017年という新しい年が始まるその前後1カ月という期間で、NYダウ平均は大台替りを果たした。トランプ氏が大統領選で勝利した2週間後にダウは19000ドルに乗せ、トランプ氏が大統領に就任した5日(3営業日)後に2万ドルに乗せた。この躍動感、このダイナミズム。まさに新しい時代の到来を予感させるような動きではないか。

僕はトランプ大統領就任から「トランプラリー第2幕のスタート」と主張してきた。ダウ平均2万ドル達成は、その号砲である。

トランプ新政権の政策が不透明だ、などという、とってつけた理由でこのところの相場低迷を説明する解説が多かったが、前回のレポートで述べた通り的外れであろう。政権がまだ本格稼働していないにもかかわらず、トランプ大統領は積極的にメッセージを発し続け、米国経済を活性化させようとしている。外交や通商政策は確かに不透明だが、減税や規制緩和の方針は変わっていないことが読み取れる。それに企業も米国市場も鼓舞されている感がある。

折しも米国は決算発表が佳境に入ってきている。トムソンロイターの調べでは、S&P500の利益の伸びは2016年Q4が6.3%となる見込み。以降、四半期ごとに13.6% 11.9% 10.2%と2ケタ増が続く。米国企業の業績回復が株高の背景にある。

もっとも、それら2ケタ増益の向こう4四半期の業績を織り込んでPERは17倍だ。このバリュエーションの高さをどうこなすか。特に金利見合いのバリュエーションは割高感が強い。米国の10年債利回りがボトム(1.3579%)をつけた昨年7月8日のS&P500は2129.9で4四半期先の予想PERは16.5倍だった。益利回りは6%以上あり、金利とのスプレッドは4.7%あった。現在10年債利回りは2.5%にまで上昇する一方、PERはさらに上昇して17倍、益利回りは6%を下回り、金利とのスプレッドは3.36%に低下している。

金利見合いのバリュエーション、すなわちイールドスプレッドの適正な水準をどこに求めるかについては正解がない。単純に過去平均を当てはめるわけにはいかないだろう。過去35年にわたった金利低下の時代が終わった可能性があるからだ。2015年5月11日に書いたストラテジーレポート「米国金利は上昇するか」ではこう述べている。

<イールドスプレッドの1985年から現在まで過去30年の平均は1.5%であるのに対して、現在は3.8%である。つまり、金利見合いのバリュエーションという観点では株はまだ割高ではなく、歴史的にプレミアムがたっぷり上乗せされた状態であり、むしろ割安と見ることさえできるかもしれない。(中略)
https://info.monex.co.jp/report/strategy/20150511_01.html

株式が割高でないのか、あるいは金利が低すぎるのか?われわれはこの議論をさんざん繰り返してきた。ざっくりとした感覚で言えば、株はバブルの入り口、債券は既に超バブル - そんなところだろう。株式は「かなり割高」ではないが、明らかに「割安」ではない。一方、債券は異常に買われ過ぎているため、現在の超低金利を基準に物事を評価するのは大変危険である。>

いずれにせよ、新たな時代、新たな局面に突入したことは間違いない。前掲したブログのタイトル・バックに使ったWSJの見出しをもう一度ここで引用しよう。

"Blue-Chip Stocks Power Through New Milestone"

日本語にすれば、「優良株(ダウ平均のこと) 新たなマイルストーンに」ということだが、実は"Power Through"という言葉がミソである。"Power Through"には、「困難であってもやり遂げる」という意味がある。史上初の2万ドルに乗せたNYダウ平均。ここから先は、タフな相場を乗り切っていかなければならない。

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[国際17] メキシコ国境だけじゃない:世界各地の「壁」 トランプ氏の「壁」に救いはあるか 大統領の移民政策、選挙中より軟化の兆し
メキシコ国境だけじゃない:世界各地の「壁」

高い壁は朝鮮半島や欧州などにも存在する
米国とメキシコの国境 
By THE WALL STREET JOURNAL
2017 年 1 月 26 日 18:02 JST

 ドナルド・トランプ米大統領が25日、メキシコとの国境沿いに壁を建設することを命じる大統領令に署名した。世界各地には同様の「壁」が数多く立っている。

インドとパキスタンの国境


PHOTO: IMAGO/ZUMA PRESS

PHOTO: ZUMAPRESS.COM
 インドとパキスタンの国境には数百キロにもわたってフェンスと投光器が設置されており、その光は宇宙からでも確認できる。両国は1947年に英国から独立して以降、複数回の紛争を経験した。昨年9月にはインド軍の兵士19人が武装勢力に殺害され、緊張が高まった。

ベルリンの壁


PHOTO: WIECZOREK/ULLSTEIN BILD/GETTY IMAGES
 旧東ドイツ政権が1961年、市民が西側に逃亡するのを阻止する目的で建設した。壁の全長はは約160キロで、1980年代初頭までに一部は高さ3.7メートルに達し、内側にも低い壁が建設され、有刺鉄線や障害物も設置された。ベルリンの壁記念館によれば、少なくとも139人が壁で命を落とした。ベルリンの壁は1989年に崩壊した。

欧州の難民フェンス


PHOTO: DIMITAR DILKOFF/AFP/GETTY IMAGES

PHOTO: DANIEL MIHAILESCU/AFP/GETTY IMAGES

PHOTO: VLADIMIR SIMICEK/AFP/GETTY IMAGES

PHOTO: DIMITAR DILKOFF/AFP/GETTY IMAGES
 マケドニア、ハンガリー、オーストリア、そしてブルガリアなどは、中東やアフリカからの難民が殺到したのを受け、2014年に国境沿いにフェンスを設置し始めた。オーストリアはスロベニアとの国境沿いに、高さ約2.4メートルから4.6メートルのフェンスを約4キロにわたって建設している。

朝鮮半島の非武装地帯


PHOTO: ED JONES/AFP/GETTY IMAGES

PHOTO: KIM HONG-JI/AFP/GETTY IMAGES
 韓国と北朝鮮の国境にある非武装地帯(DMZ)は、長さ約240キロ、幅約4キロに及ぶ。両国は合わせて150万人の地上軍兵士をDMZに配置しており、多くの対戦車地雷や対人地雷も埋設している。

モロッコ内にあるスペインの飛び領土


PHOTO: DAVID RAMOS/GETTY IMAGES
 セウタとメリリャは、北アフリカにあるスペインの飛領地。1993年にはモロッコとの国境線を引くため、セウタに約8.4キロ、メリリャには約11キロのフェンスが設置された。フェンスは三重で、約90センチの間隔が開いている。外側のフェンスの高さは約6メートルで、それより少し低い内側の壁には有刺鉄線もある。ロッククライミング用の道具などを使ってフェンスをよじ登る移民もいる。

イスラエルのパレスチナ自治区


PHOTO: AHMAD GHARABLI/AFP/GETTY IMAGES

PHOTO: THOMAS COEX/AFP/GETTY IMAGES
 イスラエルはガザ地区とヨルダン川西岸地区を囲むように壁を建設。パレスチナ人からの攻撃に対処するためのものだとしているが、パレスチナの指導者や国際社会からは批判も受けている。ガザの分離壁は1990年代から存在する。コンクリートの壁やワイヤフェンスからなる西岸地区の壁は2002年から建設が始まり、今も作業が続く。全長約700キロの計画のうち約450キロが完成している。

キプロスの緩衝地帯


PHOTO: IAKOVOS HATZISTAVROU/AFP/GETTY IMAGES
 南部のキプロス共和国と北部の北キプロス・トルコ共和国(トルコのみが承認)の間の緩衝地帯では、国連軍がパトロールを続ける。緩衝地帯は1964年に設置され、1974年には面積が拡大した。現在は長さ160キロ以上で、幅は18メートルから6キロに至る。フェンスや監視塔に囲まれる緩衝地帯には今も約1万人が暮らし、農地などで働いている。

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【社説】トランプ氏の「壁」に救いはあるか
大統領の移民政策、選挙中より軟化の兆し

メキシコのシウダーフアレスと米国の国境(25日)
2017 年 1 月 26 日 17:25 JST

 米国とメキシコの国境に壁の建設を命じたドナルド・トランプ氏の大統領令が、米国の輝かしい瞬間として記憶に残ることはないだろう。だがトランプ氏が着手している移民政策は少なくとも、選挙中の発言に比べて過激さが薄れ、移民の現実に対する譲歩がみられる。

 トランプ氏は不法移民の大量送還と「大きな、大きな壁」の建設を掲げて選挙を戦い、当選した。同氏が何も知らない有権者に対して唐突に、「堅固で、切れ目のない、通行不能な物理的障壁」(大統領令)を持ち出したなどと主張できる者はいない。ただ、トランプ氏は昨年、大統領に就任したらこうした姿勢を「軟化」させることをたびたび示唆していた。ある意味でそれを実行している。

 「壁」――恐らくは二重のフェンス――が象徴する考えは、米国の最高の伝統に相反する。自由を重んじ、歴史的に移民を吸収してきた国が、常に米国を一段と偉大にしてきた新参者に対する強力なシグナルを送っている。壁は友好的な隣人の反感を買う。メキシコでの米国に対する政治的反発は左派ナショナリストを勢いづかせかねない。

不法移民の実態

 壁を建ててもトランプ氏が主張している問題は解決されない。1954マイル(約3150キロ)にわたるメキシコ国境のうち652マイルでは既に、車両と歩行者に対するフェンスが最も重要な区域を守っている。メキシコはガザ地区ではなく、境界を軍事化する必要はない。

 トランプ氏は大げさに話しているが、メキシコの犯罪者が国境に殺到しているわけではない。16年には19万2000人が国境で逮捕されたものの、10年前の98万1000人に比べれば減少している。ピュー・リサーチ・センターの推計によると、米国に住む不法移民は約1110万人(人口の3.5%)、その52%がメキシコ人だ。この比率は年々低下し、アジア、中米、サハラ以南のアフリカ出身の不法滞在者が増えている。その大半は、合法的に入国したが査証の期間が切れた後も滞在しているケースだ。

 壁を増やせば不法入国をいくらか防げるだろうが、高くつく。政府監査院(GAO)は、国境フェンスのコストがマイル当たり1600万ドル(約18億円)、プロジェクト全体では150億〜250億ドルと試算している。不成立に終わった13年の移民法案では400億ドルとしていた。貴重な税金にはもっとましな使い道があるはずだ。

 トランプ氏は大統領令で、国内での移民取り締まり強化も命じた。特に、連邦当局の移民法執行に協力することを拒んでいる「聖域都市」に対しては、連邦資金の拠出を拒否すると言明した。聖域都市には、ニューヨーク、シカゴ、フィラデルフィアのほか、民主党が強い都市がほぼ全て含まれる。

 憲法は、連邦政府が州や市に何かを強要することを禁じているため、実際の効果はトランプ氏が資金拒否をやり通すかどうかにかかっている。これは基本的に政治的な戦いであり、トランプ派の有権者は市長や警察署が法の執行を拒否する光景などごめんだと思っている。

トランプ氏の自制

 希望が持てるのは、12年のバラク・オバマ氏の大統領令を無効にすると約束していたトランプ氏に軟化の兆しがあることだ。この大統領令により、子供の時に米国に連れてこられた「ドリーマー」と呼ばれる若者は国外退去の対象外となり、通学しているか卒業して身辺調査に合格している場合は更新可能な2年間の労働許可を申請できるようになった。

 ホワイトハウス内外の特に強硬な制限主義者たちは、トランプ氏が自制していることに不満げだ。だがその自制は人道的であり政治的にも優れている。この救済措置の資格がある75万人の若者は自ら法を破ったわけではなく、多くは自分が送還されることになる祖国を知らない。米国が祖国なのだ。ここに数年住んだり従軍したりした末に大学から連れ出され、何が待ち受けているかわからない国に送還される。そんな物語は何にも増してトランプ氏の移民政策をむしばむだろう。

***

 トランプ氏の措置の利点について私たちが言えるのはせいぜい、移民を巡る議論の不快な部分がいずれ取り除かれる可能性があることくらいだ。大半の国民は移民の制限を政治的に優先すべき事項だとみなしておらず、共和党議員の大半に至っては既に国内にいる不法移民に市民権を付与する道のほうを支持している。法の執行だけでは不法移民は止まらず、食肉工場の立ち入り検査をしたからといって移民でない労働者の賃金が上がるわけでもない。

 しかし、半数には満たないものの多くの共和党議員が国境管理を重視しており、改革を阻止できることを示してきた。当然のことながら、それより多くの共和党議員が、国境を越えて入国するテロリストについて懸念している(たとえ9・11同時多発テロの首謀者や、ボストン・マラソン爆弾テロ事件の実行犯とされるツァルナエフ兄弟など国内テロ実行犯は合法的に入国していたとしてもだ)。

 政府に不法入国を減らせる力があることをトランプ氏が証明できれば、激情は冷め、議会はより優れた移民政策を成立させられるかもしれない。ゲストワーカー・プログラムによって市場原理で労働力需要を満たすような政策だ。そうなることを期待している。

トランプ新大統領特集

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http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/563.html

[経世済民118] トランプの票田「錆びた工業地帯」、実は目覚ましく復活 壁建設の米国境沿いの町、懸念と期待交錯 国境の壁 米国民の支持低く

野口悠紀雄 新しい経済成長の経路を探る
【第19回】 2017年1月26日 野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
トランプの票田「錆びた工業地帯」、実は目覚ましく復活

※写真はイメージです
トランプ大統領は、ラストベルトの労働者に支持されたといわれる。「ラストベルト」とは、「さびついた工業地帯」という意味だ。そこは、本当にさびついて、どうしようもない地域なのだろうか?

グーグル・ストリートビューで見ると、意外な実態が浮かび上がる。

「アメリカで最も惨めな都市」だった
クリーブランドは復活した

ラストベルトの典型は、クリーブランド、ピッツバーグ、デトロイトなどだ。まず、クリーブランドを見よう。

ここは、五大湖上を運ばれてきたミネソタ産の鉄鉱石と、鉄道で運ばれてきたアパラチア産の石炭が積み下ろされる地で、鉄鋼産業や自動車産業が発達した。1920年には人口が約80万人となり、全米第5の都市になった。

しかし、60年代以降、重工業は衰退し、市も貧しくなった。78年には、債務不履行に陥った。

市は衰退の一途をたどり、60年代から70年代にかけては、Mistake on the Lake(湖岸の過ち)と呼ばれた。一時は、「アメリカで最も惨めな都市」とされた。確かにさびついてしまったのだ。

では、現在はどうか?

これはグーグル・ストリートビューで見るクリーブランドの中心街だ。

https://www.google.co.jp/maps/@41.5026911,-81.6889693,3a,75y,342.33h,93.71t/data=!3m6!1e1!3m4!1st6K0if8W8xFWYUyhptow9A!2e0!7i13312!8i6656hl=ja

つぎに、こちらは郊外の住宅地だ。

https://www.google.co.jp/maps/@41.410323,-81.6716248,3a,75y,351.67h,77.95t/data=!3m6!1e1!3m4!1sxwMM9jCzvY6G88Tno0lGdg!2e0!7i13312!8i6656hl=ja

どちらも、「さびついた」という言葉からはまったくかけ離れた風景だ(画面を操作すれば、四方を見まわしたり、進んだりすることが簡単にできる)。

都心部は、人口が同程度の日本の地方都市(高松、岐阜など)より洗練されている。日本の駅前商店街や中心街の寂れようと比べると、ずっと生き生きしている。

住宅地は、日本なら超高級住宅地だ。広い敷地で、日当たりもよいだろう。都心までも簡単に通えそうだ。

これらは、決して特殊な地点を選んだわけではない。それぞれ、都心部と郊外の住宅地から適当に選んだだけだ。

これらが特殊な場所でないことは、上空から見れば納得できるだろう。都心部には、新しいビルが多いのが分かる。

https://www.google.co.jp/maps/@41.4959695,-81.689205,601a,20y,349h,54.97t/data=!3m1!1e3hl=ja

もちろん、荒廃した地域はある。いま見た画像からさらに上空に上って都心の南を見ると、カヤホガ川に沿って広大な工場地帯があるのが分かる。ここには、廃棄されているように見える工場もある。

しかし、そのさらに外に行くと、環境のよい住宅地が広がっているのだ。

クリーブランドで、確かに製造業は衰退した。しかし、それに代わって、金融、保険、医療産業など、高度なサービス業が発展したのだ。

クリーブランドは、もともと医療産業が強かったのだが、有力な医療機関が集まり、さらに、医療機器のサプライヤーやヘルスケア産業関連の企業が多数集積し、医療産業都市を形成している。

いまでは、クリーブランドはComeback City(復活の街)と言われるようになっている。フォーブス紙は、「同市は、いまやアメリカで最も熱い町になった」としている。

鉄鋼都市だったピッツバーグも
ハイテク産業で復活

クリーブランドは特別だろうか?そこで、ラストベルトを南西に進んで見よう。そこには、ピッツバーグがある。

1875年、アンドリュー・カーネギーが近郊に鉄工所を創設し、鋼の生産が始まった。この鉄工所は、後にカーネギー・スチール・カンパニーとなった。

1901年には、他の鉄鋼2社と統合され、アメリカ最大の鉄鋼会社USスチールが設立され、同市に本社が置かれた。10年代には、全米で生産される鉄鋼の3分の1から2分の1がピッツバーグで生産された。

しかし、70年代から80年代に、鉄鋼業は衰退した。工場は相次いで閉鎖に追い込まれ、町には大量の失業者が溢れた。製鉄工場の廃墟と公害が残り、アメリカで最も住みにくい都市の一つに転落した。この都市も確かにさびたのだ。

では、ピッツバークの現在の姿はどうか?

これは、ダウンタウンのスティールプラザの近くだ。

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これを見ると、ピッツバークが蘇ったことがはっきり分かる。

ピッツバークは、ハイテク産業をはじめ、保健、教育、金融を中心とした産業構造に転換したのだ。

とりわけ、健康医療産業の成長が著しい。

同市は、全米2位の医療研究都市となった。世界中から企業や民間研究機関がピッツバーグに集まり、巨大な医療産業集積が形成された。医療産業を核に地域再生繁栄の成功例として注目されている。

鉄鋼工場の廃墟が医療施設群にとって代わったことから、ピッツバーグはいまでは全米で最も住みやすい都市になった。

山の中の鉄鋼町
ジョンズタウンにも復活の兆し

クリーブランドやピッツバークは、大都市だから復活したのだろうか?実は、そうではない。

ピッツバークからさらに東に進むと、アレゲニー山脈が連なる山岳地帯に、山奥の町ジョンズタウンがある。

ここは、19世紀から運河沿いの重要な積み替え港だった。ペンシルバニア鉄道が開通すると、市は成長した。

1860年までに、ここにあるカンブリア製鉄会社が国内で最大級の鉄鋼生産者となり、ピッツバーグやクリーブランドを凌ぐまでになった。19世紀の後半を通じて、国内の有刺鉄線の大半を生産した。

20世紀初期には人口は7万5000人に達し、中心街には5つの大きな百貨店があった。この町は数度の洪水に襲われたが、その都度復活した。

しかし、70年代、80年代にアメリカの鉄鋼業の衰退とともに、町も衰退したのである。いまでも町の東側コンモー川に沿って工場はあるが、古びている。現在の人口は2万人に減少している。

とはいえ、町が寂れきってしまったのかと言えば、そうではない。現在の町の中心部は、このような具合だ。

https://www.google.co.jp/maps/@40.3257928,-78.9194614,3a,90y,169.13h,79.59t/data=!3m6!1e1!3m4!1sTR642A5v5ipCf9rPuQCZKw!2e0!7i13312!8i6656hl=ja

日本で、山の中にある人口2万人の町(例えば、北海道士別市)と比べれば、ずっと活気があるように見える。

この町には、バイオサイエンスや防衛産業などの先進的企業が立地し始めており、医療産業は市内の雇用機会のかなりの比率を占めている。この地域は、中西部からニューイングランドに至る「ヘルスベルト」医療産業地域の一部になろうとしているのだ。

日本の地方都市と比較すれば
アメリカは約1.7倍豊か

ラストベルトの都市を日本の地方都市と比較するには、本来は地域所得のデータを用いて比較すべきだ。しかし、地域の所得を国際比較するのは、さまざまな技術的問題がある。

そこで、まず国平均を比較してみよう。

2015年における1人当たりのGDPは、日本は3万2479ドル、アメリカは5万6084ドルである。つまり、アメリカは日本の約1.7倍だ。

アメリカは全体としてこれだけ豊かなのだから、国の中で同じような位置にある都市を比較すれば、「アメリカの都市は、日本の都市より1.7倍程度豊かだ」と言ってよいだろう。

では、クリーブランドやピッツバークと比較すべき日本の都市はどこだろうか?

クリーブランドの人口は約40万人で、全米で第45位だ。ピッツバーグの人口は約30万人で、全米で第59位である。

日本では、高松、岐阜などが全国で45位程度だ(人口の絶対数もクリーブランドとほぼ同じで、40万人程度)。

また、いわき市、前橋市などの順位が60位近くだ(これらの都市の人口は30万を若干超える)。

したがって、国の中での都市間所得分布が日米で同じだとすれば、クリーブランドの地域所得は高松、岐阜などの1.7倍程度であり、ピッツバーグのそれは、いわき市、前橋市などの1.7倍程度ということになるだろう。

上で見た都市の景観は、この数字と整合的なものと言えるだろう。

ラストベルトは医療産業が中心
「新しい産業の発展」で復活した

以上で述べたことで重要な点は、2つある。

第1に、アメリカは、ダメになってしまったわけではない。

「アメリカはうまくいっていない」「グローバル化によって痛めつけられた白人層がトランプを支持した」と言われる。

そうした人たちがいることは、事実だ。しかし、それがアメリカの平均かと言えば、決してそうではないのだ。ラストベルトですら、全体としては目覚ましく復活している。

「アメリカはダメになった。だから、日本は、いまのままでよい」という考えが広まったら、きわめて危険だ。

第2に、アメリカの復活は、製造業の復活によってもたらされたものではないことだ。新しい産業が生まれることで実現した。ラストベルトの場合には、すでに述べたように、医療産業が中心である。

トランプ大統領はそれを理解せず、1980年代までの主要産業であった製造業を復活させようとしている。

その半面で、オバマケア(国民皆保険制度)を見直す。これは医療産業にとっては打撃だから、アメリカの経済を弱くするだろう。

しかし、日本はそれを笑うことができない。日本では、製造業の復活が必要だとする意見が依然として強いのだ。

(早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問野口悠紀雄)

http://diamond.jp/articles/-/115463

 


壁建設の米国境沿いの町、懸念と期待が交錯
米テキサス州ラレドに架かる「ワールド・トレード・ブリッジ」
By DAN FROSCH AND DUDLEY ALTHAUS
2017 年 1 月 26 日 11:20 JST 更新

【ダラス】ドナルド・トランプ米大統領がメキシコ国境への壁建設方針を発表したことを受け、メキシコとの経済関係の緊密化により恩恵を受けているテキサス州の国境の町や郡の当局者の間では、期待もある半面、懸念の声が出ている。

 テキサス州の国境地域にあるエルパソ郡の首長である民主党のベロニカ・エスコバー氏は、「壁を建設し隣国と疎遠になれば、米経済に打撃を与え、雇用は失われるだろう。それは、トランプ氏の選挙公約に完全に反することだ」と訴える。

 一方で、国境警備は穴だらけで、移民が不法に米国に入国するのは容易になっていると、しきりに不安を口にする者もいる。中でも共和党支持者は、連邦政府による国境警備の強化を求め、州の負担が余りに大き過ぎると主張する。

 共和党のテキサス州下院議員デニス・ボネン氏は先週出した声明で、「新政権が発足したことから、流れは変わると期待している。連邦政府が任務を遂行し、テキサス州の負担がなくなるよう望む」と、トランプ政権への期待を明らかにした。

 テキサス州の国境の町や郡の当局者は、国境警部の強化を歓迎しながらも、すでにフェンスが建設されている地域もあれば、リオグランデ川のように自然の障壁が設けられている地域もあり、壁の建設は非現実的かつ不必要だと指摘する。その上で、フェンスを拡張するのに加え、国境監視員を増強し最新の監視技術を導入すれば、国境警備の強化は実現されるはずだとの見方を示す。

 「我々は、トランプ氏が態度を和らげるのを期待していた」。こう話すのは、メキシコとの交易で活況を呈している国境沿いラレド市のピート・サエンズ市長だ。無党派の市長によれば、ラレドの住民は国境警備の強化は支持しているが、壁を建設すればメキシコとの関係が疎遠になるのではないか、と深刻な懸念を抱いているという。

 港湾都市ブランズビルのジョン・ビラレアル市長は、壁の建設によってメキシコ側の近隣都市で重要な交易相手であるマタモロスとの関係が後退するのではないかと恐れる。同市長は「壁の建設には反対というのがブランズビルの市民の一般的な受け止め方だ」とし、「ブランズビルの経済はメキシコに依存しており、我々はメキシコとの関係を強化しようとしてきた。しかし壁の建設は、それと反対のメッセージを送ることになる」と語る。

 テキサス州の国境の都市は、トランプ氏が同州に恩恵を与えている北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を公約していることにも懸念を持っている。連邦政府の統計では、テキサス州はメキシコへの物品輸出で米最大の州。メキシコとの交易は同州経済にとって不可欠のものとなっている。ダラス連銀が最近発表した報告書によると、2015年のテキサス州の対メキシコ輸出は、NAFTAが発効した1994年比で236%の大幅増加を記録した。

 ラレドの人口は1990年代半ば以降急増し、現在では27万人に達している。通関統計によれば、ラレド港の貨物取扱高はドル建てでロサンゼルス、ニューヨークに次ぐ全米第3位の地位を占めている。

 報道によれば、国境警備の強化を提唱しているテキサス州のグレッグ・アボット知事は、壁はリオグランデ川などの自然の国境にも建設されるとは思わないと述べている。

トランプ新大統領特集

トランプ氏、メキシコ国境に壁建設へ 大統領令に署名
国境の壁を急ぐトランプ氏、米国民の支持低く
トランプ氏の大統領令連発、議会権限の侵害懸念も
米TPP離脱より難しいNAFTA再交渉
トランプ氏の一挙手一投足を注視 米自動車業界
http://jp.wsj.com/articles/SB10852398588237353609804582582144070309970


 

国境の壁を急ぐトランプ氏、米国民の支持低く
共和党員以外では支持わずか
メキシコ国境のフェンス沿いに騎乗してパトロールする米国境警備隊員
By AARON ZITNER
2017 年 1 月 26 日 10:12 JST

 ドナルド・トランプ米大統領の政策目標の中には、国民に幅広く支持されるものもあるが、メキシコ国境に建設する「壁」はそうではないようだ。

 国境沿いの壁建設を強く訴えるトランプ氏の姿勢は、同氏の支持基盤層には受けが良い。昨年の大統領選の出口調査では、トランプ氏に投票した人の約75%がこの看板公約を支持すると答えた。しかし投票者全員を対象にすると、反対意見が54%を占めた。

 同様に、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とNBCニュースが今月実施した世論調査でも、大半の人々が壁建設の考えに否定的だった。

 この調査ではトランプ氏や米議会が着手する可能性がある政策目標17項目を列挙し、今年最優先すべき課題はどれか、来年まで先送りできるのはどれか、全く取り組むべきでないのはどれかを質問した。

 国境の壁建設を「今年最優先すべき課題」だとする回答は、下から2番目の21%にとどまった。「全く取り組むべきでない」と答えたのは約55%で、17の政策目標のうち最大の割合となった。

 回答結果は支持政党別で偏りがあった。壁建設を今年必ず優先すべきだと答えたのは民主党支持者のわずか3%、無党派では19%だったが、共和党支持者では42%だった。

 ただ、共和党支持者の示す優先度では、壁建設は他の政策目標より低かった。共和党支持者の約26%は壁を全く建設すべきではないと答えた。

 今回の調査は、選挙登録した有権者や昨年11月の大統領選で実際に投票した有権者よりも幅広く、成人全体を対象にしている。

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トランプ氏、大統領令で移民規制を強化か
メキシコ大統領、31日トランプ氏と会談へ
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwiau7uA4N_RAhUIgbwKHVqyCHQQqUMIHDAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11177354273695693774104582582094212361550&usg=AFQjCNEDa3WHLvmgrBUX5wQLMszo2VgPdw


http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/342.html

[経世済民118] 米国の問題は製造業と金融業の内部対立だ 統計ねつ造を認めた遼寧省マイナス成長に それでも政府への信頼度は中国が世界一か 
米国の問題は製造業と金融業の内部対立だ

田原総一朗の政財界「ここだけの話」

2017年1月27日(金)
田原 総一朗

(写真:ロイター/アフロ)
 1月20日、ドナルド・トランプ氏が大統領に就任した。大統領就任演説を聞いて僕がまず感じたのは、彼は被害者意識の塊だということだ。

 例えば、演説の中にこんな箇所がある。1月21日付の朝日新聞に掲載されたトランプ大統領就任演説全文から抜粋する。

 「何十年もの間、私たちは米国の産業を犠牲にして外国の産業を豊かにしてきました。自国の軍隊の悲しむべき疲弊を許しておきながら、他国の軍を援助してきました。私たち自身の国境を守ることを拒否しながら、他国の国境を防衛してきました。そして、米国のインフラが荒廃し、劣化する一方で、何兆ドルも海外につぎ込んできました」。

 トランプ大統領は「アメリカは被害者だ」と強く訴えているのだ。

 さらに、こんなふうにも言っている。

 「私たちは、首都ワシントンから権力を移し、国民の皆さんに戻すのです。あまりに長い間、この国の首都の小さな集団が政府からの恩恵にあずかる一方、国民はそのつけを背負わされてきました。ワシントンは栄えましたが、国民はその富を共有しませんでした」

 つまり、グローバリズムによって、一部の企業やエスタブリッシュメントたちが非常に豊かな生活を営むようになったが、そのために多くのアメリカ人が貧しい生活に苦しんでいるということだ。工場が閉鎖され、雇用が失われ、賃金は安くなり、たくさんのアメリカ人が大きな格差による苦しみに耐えられなくなったことを示している。

 トランプ大統領は、こうも言っている。

 「私たちが守るのは2つの単純なルールです。米国製品を購入し、米国人を雇用するということです」

 中国や日本、メキシコなどから安価な製品が輸出されてきて、アメリカは「モノを買わされてきた」というのだ。アメリカ人が働く工場がどんどん海外へ出て行ってしまった。だから、工場をアメリカに取り戻し、アメリカで作られた製品をアメリカ人が買うことで、雇用を創出していこうというのだ。

 それに賛同するアメリカ人たち、主にプアホワイトと呼ばれる白人の低所得者層がトランプ氏を大統領にした。

 しかし、本当にそんなことはできるのだろうか。

 そもそも、アメリカから工場が出て行ったのはなぜなのか。答えは単純だ。アメリカ人の給料が他国より高いからだ。ワーカーレベルであれば、メキシコ人の給料はアメリカ人の8分の1程度だという。中国人の給料も、アメリカ人よりはるかに安い。

 中国やメキシコの人件費が安いから、アメリカの工場は海外に出て行って、安いコストで製品を作ることができた。これがアメリカに輸出されていたのだ。

 こういった背景があるにも関わらず、「アメリカの工場を取り戻す」とはどういうことなのだろうか。取り戻したところで、給料の高いアメリカ人を雇ったら、製造コストがかさんで価格が高くなり、売れなくなってしまうのではないか。

 サンフランシスコやロサンゼルス、シアトルなどの都市で、段階的に最低賃金を時給15ドル(約1700円)にまで引き上げる条例を可決する自治体が出始めている。企業の規模や業態、あるいは自治体によって適用する企業は異なるが、いずれにせよコストの上昇分は製品やサービスの価格に上乗せせざるを得ないだろう。そうなると、海外からの輸入品との価格差はさらに大きくなる。トランプ大統領の目指す「理想の米国像」は分かるが、実現できるとは到底思えない。

アメリカの問題は、「製造業」と「金融業」の内部対立だ

 アメリカには2つの大きな産業がある。1つは製造業。こちらは工場がどんどん海外に出て行ってしまって失業者が増え、大きな問題になっている。

 もう1つは金融業だ。ウォールストリートを中心にした金融は、非常に好調である。しかし、金融業で儲かっているのは一部のアメリカ人だ。まさにそれは、トランプ大統領の言うニューヨークだろう。

 つまり、根本的な問題は中国や日本、メキシコといった外国との貿易というよりも、米国内の製造業と金融業の内部対立だということだ。

 保護主義にすればどちらも好調になるというものではない。金融はグローバリズムによって発展してきたものだからだ。

 こういった矛盾もある。製造業はドル安であるほど輸出には好都合で、利益が増える。ところが金融業はドル高の方が株や債券などの資産価格を押し上げるメリットがある。トランプ氏が製造業を優先することで、米国の金融業にマイナスの影響を与えるとすると、これが世界全体に広がっていくだろう。

 トランプ大統領はこの内部対立について、きちんと分析できているのだろうか。

アメリカの歴代大統領は、製造業復活に失敗し続けてきた

 実はこの内部対立は、アメリカが長年抱えていた問題でもある。

 例えば、ロナルド・レーガン大統領の時代も、イギリスのマーガレット・サッチャー首相、日本の中曽根康弘首相とともに、製造業を伸ばそうとしていた。しかし、結局失敗して金融を優先してしまった。

 この失敗はレーガン大統領だけに留まらない。その後の大統領も製造業の復活を試みたが、最終的に失敗して金融中心になってしまった。この積み重ねによって金融市場が過熱してしまい、2008年にはリーマン・ショックが起こってしまった。アメリカ人の不満はこうしたところから蓄積している。だからこそ、製造業の復活に賭けたい気持ちも理解できる。

 長年失敗し続けてきた製造業の回復を、トランプ大統領は本当に実現できるのか。これは非常に難しい問題だ。

 23日、トランプ大統領は「日本は、アメリカの車の販売を難しくさせているのは問題だ」と批判していたが、これも筋が違う。アメリカは、日本から輸出される自動車には2.5%の関税をかけているが、日本がアメリカ車を輸入する場合の関税はゼロなのだ。つまり、アメリカの方が日本に輸出しやすいはずだ。

 菅義偉官房長官も、「アメリカは関税をかけているが、日本はかけていない。それなのになぜ日本を批判するのか」と反論していた。

 では、なぜアメリカ車は日本に入ってこないのかというと、大きな理由はサイズが大きく、日本の道路に合わないからだ。燃費などの性能も、日本のクルマの方がはるかに良い。関税の問題などではない。

 トランプ大統領は、このようにまだ分析の甘いところがたくさんある。

パリ協定を形骸化させてはならない

 もう一つ、大きな問題がある。トランプ大統領は24日、オバマ政権が地球温暖化対策として導入した「気候行動計画」を覆し、化石燃料の使用を増やすと発言した。

 オバマ政権時代、すべての国に温暖化対策を義務付けた「パリ協定」に基づいて、アメリカは「2025年に温室効果ガスを05年比で26〜28%削減する」という目標を決めた。この実現には大変な努力が必要だ。

 ところが、トランプ大統領は、パリ協定を無視しようとしている。オバマ政権時代に中止していた2つのパイプラインの建設再開を即断した。カナダからテキサス州に原油を輸送する「キーストーンXL・パイプライン」と、ノースダコタ州からイリノイ州までつなぐ「ダコタ・アクセス・パイプライン」の建設だ。これによって鉄鋼業の再興や関連産業で雇用が増えると自慢げに語っている。

 だが、石油や石炭の使用増加は二酸化炭素の排出を増やすことにつながるわけで、時代の流れに逆行している。国際的な取り決めを反故にするような決断は、世界のリーダーたる存在のアメリカが取ってはいけない選択だ。アメリカが無視するようになれば、他国も環境対策を軽視する可能性がある。そうなると、パリ協定自体が形骸化しかねない。

 このように、トランプ大統領の発言には様々な矛盾や問題が見える。実際のところ、それらをどのようにしていくのか。「独りよがり」の政策では、切り抜けられるものではない。


このコラムについて

田原総一朗の政財界「ここだけの話」
ジャーナリストの田原総一朗が、首相、政府高官、官僚、財界トップから取材した政財界の情報、裏話をお届けする。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/16/122000032/012600005/?ST=print

 

「統計ねつ造」を認めた遼寧省、マイナス成長に

世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」

それでも「政府に対する信頼度」は中国が世界一?
2017年1月27日(金)
北村 豊

 1月16日、米国のPR会社「エデルマン(Edelman)」は2017年の「エデルマン信頼度バロメーター( Edelman Trust Barometer)」(以下「信頼度指標」)を発表した。エデルマン社は、毎年年初の1〜2月にスイスの保養地「ダボス(Davos)」で開催される世界経済フォーラムの年次総会「ダボス会議(World Economic Forum Annual Meeting)」に合わせて信頼度指標を発表し、ダボス会議初日の朝に行われるエデルマン社主催の朝食会で同社CEOが当該指標について報告を行うのが慣例となっている。今年のダボス会議は1月17日から20日までの4日間開催されたが、初日の17日朝にエデルマン社CEOによる信頼度指標に関する報告が行われた。

「政府に対する信頼度」中国が第1位?

 2017年の信頼度指標は、2016年10月13日から11月16日までの期間に世界28か国の約3万300人を対象に各人が居住する国の政府、企業、メディア、NGOに対する信頼度について評価してもらった結果を取りまとめたものである。4項目を総合した信頼度(28か国平均:47%)は、第1位:インド(72%)、第2位:インドネシア(69%)、第3位:中国(67%)であった。中国は2016年の信頼度指標では73%で第1位であったから、2017年は信頼度が前年に比べて6%低下したことになる。<注1>

<注1>2017年信頼度指標で日本は4項目総合では28か国中の第25位(35%)であったが、後述する政府に対する信頼度では37%で第14位であった。

 さて、上述の通り、中国は2017年信頼度指標の4項目総合では第3位であったが、そのうちの政府に対する信頼度(28か国平均:41%)では76%で第1位であった。中国の政府に対する信頼度指標を過去に遡って調べると、2010年:74%、2011年:88%、2012年:75%、2013年:81%、2014年:76%、2015年:82%、2016年:79%であり、基本的に第1位から第3位の間に位置していて、政府に対する信頼度は非常に高く、盤石という結果になっている。

 
 今年のダボス会議には中国“国家主席”の“習近平”が初参加し、会議初日の1月17日に基調講演を行い、3日後に迫るトランプ次期米大統領の就任を念頭に、欧米諸国に蔓延する保守主義的傾向に懸念を表明し、経済グローバル化の重要性を強調した。エデルマン社が発表した2017年信頼度指標のうちの「政府に対する信頼度」で中国が世界28か国中の第1位であったことを習近平が知っていたかどうかは分からないが、国民の中国政府に対する信頼度の高さが習近平の発言に重みを持たせる役割を幾ばくか果たした可能性は否定できない。

 ところで、多少なりとも中国の国情を知っている者なら、「政府に対する信頼度」で中国が世界28か国中の第1位(76%)であるとするエデルマン社の2017年信頼度指標に疑問を抱かざるを得ないし、上述した過去の信頼度指標の数字も到底信じられないだろう。エデルマン社の中国における信頼度調査の対象者は一体どのような基準で選定されているのか。選定されて調査対象者となった人々がいかなる圧力も受けることなく、自分の考えを素直に表明していれば、政府の対する信頼度が上述したような高い数字を示すはずはないと思うのだが、これは間違っているだろうか。

 さて、話は本題に入る。2017年1月17日、遼寧省の第12期人民代表大会第8回会議が省都“瀋陽市”の“遼寧人民会堂”で人民代表571人出席の下で開幕した。開幕直後に“遼寧省党委員会副書記”兼“遼寧省長”の“陳求発”が遼寧省政府を代表して「“省政府工作報告(業務報告)”」を行い、「2016年に遼寧省は多大な困難を克服し、財政収入は前年比3.4%増の2199億元(約3兆6720億円)を実現し、予算超過で目標を達成した」と述べた。

遼寧省、データねつ造を公式に発表

 2016年の財政収入は前年比3.4%増であったが、2014年の財政収入は前年比23%増であったから、両者を比較すれば財政収入の伸びは20%も減少したことになる。この点について、陳求発は「このような差異が生じたのは、過去に出現した問題による数字の食い違いを回避することができなかった」と述べた後に、2016年に“国家審計署(会計検査院)”が発行した報告書を引用して、「遼寧省の管轄下にある“市”および“県”には、2011年から2014年まで財政データのねつ造が普遍的に存在した。それは長期間にわたって継続し、関係する範囲も大きく、多種多様な手法が用いられていたなどの特色があった」と言明した。すなわち、陳求発は、2011年から2014年の4年間に“官出数字, 数字出官(役人が数字を作り、数字が役人を出世させる)”問題が存在し、経済データに“水分(水増し)”が加えられたことを遼寧省として初めて公式に確認したのだった。

 今から10年以上前の2005年8月28日付でニュースサイト「人民網(ネット)」が報じた「人民日報」編集員“夏長勇”の『人民時評:“官出数字, 数字出官”はいつ終わるのか』という記事には次のような記載がある。

【1】少し前にメディアが報じたところによれば、関係部門はすでに統計法改正指導グループを組織しており、統計法の改正作業は具体的な実施段階に入っている。統計法を改正したとしても、現在統計数字の水増し現象は絶えず深刻さを増している。

【2】“政績不够, 数字来凑, 官出数字, 数字出官(政務上の業績が不足なら、数字をかき集めれば良い。役人が数字を作り、数字が役人を出世させる)”。この有名な“順口溜(早口言葉)”は何年も前に流行したものだが、悲しいことに今日でもまだ時代遅れになっておらず、役人は数字をねつ造してさらに大きな官職を盗み取る。こうした事件は常に報じられるが、古い話であっても蒸し返して十分分析することが必要である。

【3】数字の水増しは個別の現象だろうか。そうは言えまい。今年(2005年)の年初、メディアが報じたニュースには驚かされた。2004年の各省・自治区・直轄市が中央政府に報告した通年のGDP(国民総生産)<注2>を取りまとめた数字は、“国家統計局”が発表したGDPの伸び率に比べて3.9%も高かった。この差は2兆6582億元(約44兆1260億円)だった。今年はすでに半分以上を経過したが、この方面の状況は改善されたのか。私は楽観していない。それは目下、“数字出官(数字が役人を出世させる)”という奥義を熟知している人は少数ではないからである。少なからぬ地方では、役人の上から下までが数字のねつ造に狂奔しており、それが出世への通行手形となっている。これは非公開の事実であり、多くの幹部たちはそれを見慣れてしまっている。

<注2>中国では一級行政区(省・自治区・直轄市)のGRP(域内総生産)をGDP(国内総生産)と呼び、それらを取りまとめたものを国家のGDPとして発表している。

 上記の記事からも分かるように、“官出数字, 数字出官”は長年にわたって培われた役人が出世するための奥義であり、非公開のものだったが、陳求発はこの事実を白日の下に晒したのだった。遼寧省の経済専門家によれば、遼寧省の一部の“県”や“区”は過去に経済データを少なくとも20〜30%水増ししていた。瀋陽市周辺のある県では、2013年の財政収入は24億元(約400億円)であったが、“国家審計署”の検査後に修正した金額は11億元(約180億円)に満たなかった。また、2015年に“国家審計署”が発表した資料によれば、2013年に遼寧省“鞍山市”に属する“岫岩満族自治県”の財政収入は8.47億元(約140億円)であったが、これは大幅な水増しによるもので、実際の財政収入を127%も上回っていた。

順繰りの水増しで膨れ上がる

 この点について、腐敗に取り組む国際NGO「トランスペアレンシー・インターナショナル(Transparency International)」アジア太平洋地区責任者の“寥然(Liao Ran)”は、次のように述べている。すなわち、中国大陸では、役人による統計データのねつ造は、中国共産党が政権を打ち立てた時から今日までずっと存続している。高い成長を示す経済データは政務上の業績である。要するに、役人は上部機関から与えられた目標値の達成を義務付けられ、目標値をどれだけ上回ることができるかで業績を評価され、昇進が促される仕組みになっている。

 そうであれば、「馬鹿正直に正確な数字を提出するより、適当に水増しした数字を上部組織に提出して、出世コースに乗るに越したことはない」と考えるのは世の常で、水増しが露見したら露見した時のことと腹をくくり、誰もがやっているから皆で渡れば怖くないと、各地・各階級の役人が数字の水増し競争に現(うつつ)を抜かすことになる。GDPや財政収入などの業績として考慮される数字が、末端の“鎮”・“郷”から“県”、“市”を経て“省”へ報告されるまでには、順繰りに水増しされて膨れ上がり、最終的なねつ造数字が形成されるのである。

 機密情報公開サイト「ウィキリークス」は、2010年に李克強にまつわる米国務省のメモを公開した。それは、まだ李克強が遼寧省のNo.1である“遼寧省党委員会書記”であった2007年3月12日に、当時北京市で開催中であった“両会(全国人民代表大会と中国人民政治協商会議)”に参加していた李克強は米国駐中国大使館の招待を受けて、同大使館内でランド大使(Clark. T. Randt, Jr.)と会食したというものであった。

「李克強指数」以外は参考まで

 この会食の席上で、遼寧省の経済状況に言及した李克強は、「中国のGDPは人為的に作られたもので、信憑性が低い。遼寧省の経済状況を把握するには、〔1〕電力消費量、〔2〕鉄道運輸量、〔3〕銀行融資総額の3項目に重点を置いて分析すれば、比較的正確な経済成長速度を算定することができる」と述べた上で、笑いながら「その他の数字、とりわけGDPのような統計データは参考でしかない」と言明したという。これを受けて、2012年12月9日付の英誌「エコノミスト」は、上記の内容を報じ、李克強が提起した3項目の数字を中国経済分析のための「李克強指数(Keqiang Index)」<注3>と命名した。

<注3>李克強のローマ字表記は“Li Keqiang”。

 一方、“中国共産党中央委員会”の機関紙「人民日報」は2016年12月8日付で国家統計局長の“寧吉普hが寄稿した『法に基づき統計し、法に基づき統計を管理することを堅持し、統計データの真の正確性を確保する』と題する文章を掲載した。寧吉浮ヘこの文章の中で、統計データのねつ造について次のように述べている。

 『“中国共産党紀律処分条例”』は、“弄虚作假(ねつ造)”行為に対しては、直接責任者と指導責任者をその情状の程度に応じて、“警告”あるいは“留党察看(党籍保留のまま謹慎)”の処分を与えると規定している。総書記の習近平、国務院総理の李克強、同じく副総理の“張高麗”は、基礎データの質を高め、統計のねつ造を厳罰に処さねばならないと、幾度も指示を出している。それにもかかわらず、現在も一部の地方では統計のねつ造が時々発生している。これは統計法規違反の行為であり、党の思想路線に背き、最低限守るべき党規約に抵触している。

 中国の統計をつかさどる国家統計局の最高責任者が、地方政府による統計データねつ造の存在を公式に認めたのは前代未聞のことであり、「一部の地方」と言葉を濁しているが、実際は統計データのねつ造が全国的に蔓延している可能性を伺わせたのだった。

 上述した遼寧省長の陳求発による遼寧省内の一部の県や区で過去に数字の水増しによる統計データのねつ造が行われていたとの発言は、1か月前に統計データのねつ造が存在することに言及した国家統計局長の寄稿文に誘発されたものと言えるのかもしれない。

監視下ではマイナス成長に

 2016年第1四半期(1〜3月)のGDPは、遼寧省が全国31省・自治区・直轄市の中で唯一マイナス成長となり、GDP成長率はマイナス1.3%となった。なお、遼寧省の2015年通年のGDP成長率は3.0%であったが、これも全国31省・自治区・直轄市の中で最低の成長率であった。実は、2014年に“中央巡視組(中央巡視チーム)”<注4>が遼寧省を巡視した際に、すでに遼寧省の経済データに虚偽があることを確認していた。遼寧省に対する中央巡視チームによる再検査は2年後の2016年2月27日から4月28日までの2か月間行われたが、経済データに水増しのねつ造が存在することを改めて確認する結果となり、過去2年間に遼寧省が水増し分を絞り出してねつ造問題の徹底的な解決を図った形跡が全くないことが判明した。

<注4>中国共産党の“中央紀律検査委員会(党の監督機関)”と“中央委員会組織部(人事の担当機関)”が連合して設立した中央政府や地方政府による党紀違反や法律違反を査察する組織。

 上述した2016年第1四半期のGDPは同年5月26日までに遼寧省と黒龍江省を除く29の一級行政区が数字を公表していたが、当該第1四半期に中央巡視チームの検査を受けていた遼寧省と黒龍江省はGDP数字の発表時期を大きく後ろにずらさざるを得なかった。遼寧省は中央巡視チームが検査する中では、経済データをねつ造することができず、最終的には実際に近い数字を出したため、GDPはマイナス成長に転落したのだった。ちなみに、遼寧省のGDP成長率は、2016年上半期がマイナス1.0%、第3四半期がマイナス2.2%であった。2017年1月24日時点では2016年通年の各一級行政区のGDPは公表されておらず、遼寧省のGDP成長率がどうなったかは分からないが、恐らくマイナス成長からの脱却は不可能だろう。

 遼寧省では2015年に財政収入が二桁の落ち込みを示した。遼寧省長の陳求発は、2016年1月に行った「省政府工作報告」でその原因に言及した後、「我々は面子上みっともないという圧力を受けつつ、真剣に水増し分の除去に努め、2015年の財政データを確固たるものとし、2016年以降はその他の経済データも確かなものとするよう努力する」と述べていた。

 しかし、遼寧省は水増し分の除去努力を怠ったばかりか、旧態依然の“官出数字, 数字出官”の発想から脱却できなかったために、全国最下位のGDP成長率、しかもマイナスの成長率で呻吟(しんぎん)している。中国経済が下降線をたどる中、遼寧省に危機が迫っている。


このコラムについて

世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」
日中両国が本当の意味で交流するには、両国民が相互理解を深めることが先決である。ところが、日本のメディアの中国に関する報道は、「陰陽」の「陽」ばかりが強調され、「陰」がほとんど報道されない。真の中国を理解するために、「褒めるべきは褒め、批判すべきは批判す」という視点に立って、中国国内の実態をリポートする。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/101059/012500082/



http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/349.html

[経世済民118] フォードが赤字転落、メキシコ工場建設中止など響く 米新規失業保険4週ぶり高水準 米新築住宅10.4%減 英銀ロンドン離脱
フォードが赤字転落、メキシコ工場建設中止など響く
By CHRISTINA ROGERS
2017 年 1 月 26 日 22:42 JST

 米自動車大手フォード・モーターが26日発表した2016年10-12月期(第4四半期)決算は、純損益が8億ドルの赤字となった。北米事業は好調で欧州でも利益率が改善したものの、年金会計変更やメキシコ工場建設計画の中止に関連した特別損失が響いた。

 売上高は前年同期比4%減の387億ドル。世界的な卸売販売台数の減少が一因だった。

 米国単独では2%の減収だった。

 営業利益は20%減の21億ドル。調整後1株利益は0.30ドルとなり、市場予想(0.31ドル)をわずかに下回った。

 2016年通期では営業利益が104億ドルで予想をやや上回り、同社史上2番目となった。

 通期の純利益は46億ドルで前年に比べ60%減少。年金・退職者給付会計の時価会計方式への移行に関連し30億ドルの特別費用を10-12月期に計上した。また着工したばかりだったメキシコ組立工場の建設を中止したことに伴う2億ドルの費用も響いた。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjt6Zfs4ODRAhVINpQKHXScAmsQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10852398588237353609804582583163599418128&usg=AFQjCNGs_bxH0HXyq9sifpwvgMGpsVyJ9Q

 


米労働市場の力強さ変わらず、失業保険申請25.9万件

[ワシントン 26日 ロイター] - 米労働省が26日発表した21日までの週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比2万2000件増の25万9000件だった。市場予想の24万7000件を上回ったが、基調は引き締まる労働市場の状況と一致する形で推移している。

新規申請件数は、労働市場の健全性を判断する目安である30万件を99週連続で下回っている。労働市場が今よりもずっと小さかった1970年以来の連続記録だ。

今回の統計期間には「キング牧師の日」の祝日が含まれており、結果に影響した可能性がある。この時期は、それぞれの祝日がどこに入るかが毎年異なり、数字が乱高下する傾向がある。

ハイフリクエンシー・エコノミクス(ニューヨーク)の米国担当チーフエコノミスト、ジム・オサリバン氏は「数字の乱高下からは、申請件数の増加傾向は見受けられない」と指摘。「われわれは雇用拡大の流れは、引き続きかなり力強いと考えている。失業率を低く抑え込むには十分な強さだ」と話している。

週ごとの変動をならし、労働市場の実態をより正確に反映するとされる申請件数の4週移動平均は2000件減の24万5500件と、1973年11月以来の低い水準となった。

集計が1週遅れる失業保険の受給者総数は4万1000件増の210万件ちょうどだった。総数の4週移動平均は1250件減の209万2000件だった。対象週は1月の雇用統計の調査期間に含まれる。昨年12月から今年1月にかけての雇用統計の調査期間に、総数の4週移動平均は4万9000件増加したが、雇用統計の失業率の数字に大きな変化はないとみられる。

失業率が4.7%と約9年ぶりの水準まで改善していることなどから、労働史上は最大雇用状態か、それに近い状態にあるとみられる。労働市場が引き締まり、賃金が上昇しつつあることは、力強い消費者支出や住宅市場の回復継続を通じて米経済を押し上げるはずだ。

米商務省が26日に発表した昨年12月のモノの貿易赤字(速報値)は季節調整済みで前月比0.5%減少の650億ドルだった。 モノの輸出は36億78000万ドル増の1255億2400万ドルだった。輸入も33億7400万ドル増えたが、輸出の伸びはこれを上回った。

エコノミストらは貿易が昨年第4・四半期の国内総生産(GDP)を最大1.5%ポイント押し下げたとみている。第3・四半期は0.85ポイントの押し上げ要因となっていた。第3・四半期は大豆の輸出が急増し、GDPを大きく押し上げたが、第4・四半期は大豆輸出が減少して、GDPの重しになると考えられている。

エコノミストらを対象にしたロイター通信の調査によると、第4・四半期のGDPは年率換算で2.2%増と予想されている。第3・四半期は3.5%増だった。第4・四半期のGDP速報値は1月27日に発表される。

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http://jp.reuters.com/article/us-jobless-claim-idJPKBN15A29X


 

米新規失業保険申請件数:4週ぶり高水準、祝日の変動要因も影響か
Patricia Laya
2017年1月27日 00:19 JST

先週の米週間新規失業保険申請件数は前週比で増加。市場予想を上回った。先週分はキング牧師生誕記念日の祝日に伴う変動が見られた。
  米労働省によると、1月21日終了週の失業保険申請件数は前週比で2万2000件増加して25万9000件と、4週ぶりの高水準となった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は24万7000件だった。
  より変動の少ない4週移動平均は24万5500件。前週は24万7500件だった。
  失業保険の継続受給者数は14日までの1週間に4万1000人増加して210万人だった。
  統計の詳細は表をご覧下さい。  
原題:Jobless Claims in U.S. Rise to Four-Week High Amid Holiday(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-26/OKE5DBSYF01S01


 


米新築住宅販売:12月は10.4%減の53.6万戸−10カ月ぶり低水準
Patricia Laya
2017年1月27日 01:35 JST

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昨年12月の米新築住宅販売は減少し、10カ月ぶり低水準となった。大統領選後の住宅ローン金利上昇が見込み客を遠ざけたことが示唆された。
  米商務省の26日発表によると、12月の新築一戸建て住宅販売(季節調整済み、年率換算)は前月比10.4%減の53万6000戸。減少率は2013年7月以降で最大。ブルームバーグがまとめた市場予想の中央値は58万8000戸だった。前月は59万8000戸に修正された(速報値59万2000戸)。
  フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)のデータによると、30年物住宅ローン固定金利は12月最終週に平均4.32%と、2014年4月以来の高水準に達した。11月8日の大統領選の直前は3.54%だった。1月19日終了週は4.09%。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iHFysPUnKoKA/v2/-1x-1.png

  販売に対する在庫比率は5.8カ月と、前月の5カ月から上昇し、15年9月以来の高水準。新築住宅在庫は12月末時点で25万9000戸と、09年以来の高水準。
  新築住宅販売価格の中央値は前年同月比7.9%上昇して32万2500ドル。  
  12月の販売を地域別に見ると、中西部が41%減、最大市場の南部は12.6%減った。西部は1.3%減。一方で北東部は48%増加した。
  統計の詳細は表をご覧ください。
原題:Sales of New U.S. Homes at 10-Month Low as Mortgage Rates Jump(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-26/OKE9JXSYF01V01


 


英銀バークレイズ、離脱後のEU本部にダブリンを選択−関係者
Stephen Morris、Neil Callanan
2017年1月27日 01:42 JST
上級管理職を含め150人をアイルランドに異動の可能性
ダブリンでオフィススペース探しを開始−今月から

英銀バークレイズは英国が欧州連合(EU)を離脱した後のEU事業の本拠地としてダブリンを選んだと、事情に詳しい関係者が明らかにした。英国を本拠とする金融機関がEU市場への簡便なアクセスを失うならば約150人をダブリンに移す計画だという。
  関係者が匿名を条件に述べたところによると、バークレイズは今月、ダブリンでオフィススペースを探し始めた。また、アイルランドでの業務拡大について同国当局と協議したという。メイ英首相が2年間の離脱交渉で、ロンドンからEU市場へのアクセスを可能にする一時的または恒久的な合意を得られない場合に備え、バークレイズは緊急計画を進展させている。
  同行は発表文で「EU離脱に関してさまざまな緊急事態に備えるとかねて明言している。ダブリンの既存事業を拡大することも含まれる」と説明。「利用可能なオフィススペースを確認することはこうした緊急計画の必要かつ当然の一部だ」と付け加えた。
  メイ首相が先週、EU単一市場から撤退する方針を表明した後、国際的な銀行は人の移動やEU内の拠点構築についての計画を明らかにしつつある。
メイ英首相:単一市場から撤退、最終案は議会採決−ビジョン説明
原題:Barclays Said to Pick Dublin as EU Headquarters After Brexit(抜粋)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-26/OKE83B6VDKHS01
http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/361.html

[経世済民118] 中国国債利回りが急伸−中銀MLF金利引き上げで 資金流出の監督強化 市場は困惑 春節で中国人の買物がコロコロ変わる理由

中国国債利回りが急伸−中銀MLF金利引き上げで

人民銀行は市場の流動性調節手段の一つである中期貸出制度(MLF)の金利を引き上げた。一部のアナリストはこの動きを事実上の利上げと受け止めている PHOTO: REUTERS FILE PHOTO/REUTERS
By
RACHEL ROSENTHAL
2017 年 1 月 26 日 18:46 JST
 中国人民銀行(中央銀行)が24日に金融機関に対する主要貸出金利を引き上げたことを受け、中国の国債利回りが急伸している。
 指標となる10年物国債利回りは25日、前日の3.296%から3.336%に上昇し、12月半ばにつけた直近の高水準である3.387%に近づいた。
 人民銀行は24日夕、市場の流動性調節手段の一つである中期貸出制度(MLF)の金利を引き上げた。一部のアナリストはこの動きを事実上の利上げと受け止めている。中国が最後に利上げしたのは2011年。
 すさまじい勢いの信用の伸びを抑えるため、中国は金融政策を調節しながら同時に銀行の資金需要を満たして市場にパニックが起きないようにするため金融システム内の流動性を十分維持するよう努めている。24日の金利引き上げはこうした動きの一環だ。
 HSBCホールディングスのアジア太平洋地域金利戦略部門ディレクター、ピン・ルー・タン氏は「これが引き締めの合図であることは間違いない」とし、「中国政府の今年の最優先事項の一つは、金融レバレッジを縮小して資産バブルや金融システムの危機を回避することだ」と語った。
 人民銀行は先週、春節(旧正月、今年は1月28日)の連休を前に、週ベースで過去最高となる1兆1300億元(約18兆6200億円)の資金を短期金融市場に供給した。現金需要が急増する例年この時期は流動性が引き締まる傾向がある。特に金融市場が1月27日から2月2日まで休場となることが大きく影響している。

中国の10年物国債利回り
https://si.wsj.net/public/resources/images/OJ-AU673_CBOND_16U_20170125040306.jpg

 中国政府はレバレッジの引き下げを17年の最重要課題に挙げている。金融危機後、不動産から社債、鉄鉱石および大豆先物に至るまで金融資産市場では、割安な資金の大量流入によって価格が押し上げられた。中国のマネーサプライ(通貨供給量)は07年以降4倍以上に膨らみ、魅力的な投資先を求める資金が拡大の一途をたどってきた。当局が資本統制を敷いているため、資金は海外資産ではなく国内資産に流れ込んでいる。
 経済成長てこ入れを目的に人民銀行が短期貸出金利を非常に低い水準に抑え始めた15年以降、債券市場の資金は増加傾向にある。16年の夏までに銀行間市場における借り入れのうち翌日物が約90%を占めるようになった。

 多くの投資家は安く調達した資金で債券などの金融商品を買い入れ、それを担保にさらに投資を拡大した。こうした借り入れの大半はバランスシートに載らない形で行われたため、規制当局の目の届かないところでレバレッジや金融リスクが膨らんだ。

 政府当局は16年8月、これらの取引に対する厳しい取り締まりに着手した。当局の要請で長期の借り入れへのシフトが進む中、短期資金の調達コストは押し上げられた。国内でこうした緩やかな引き締めが進む一方で米連邦準備制度理事会(FRB)がタカ派姿勢を強めた上、デフォルト(債務不履行)懸念が広がった影響で、12月半ばに中国本土の債券市場は大きく売り込まれた。昨年12月15日、債券売りの急増に伴い10年物と5年物の国債先物価格がそれぞれ2%、1.2%下落すると、中国当局は一部の国債先物取引を停止した。史上初めてのことだ。

 レバレッジ解消に向けた当局の努力が実を結び始めた兆候は見受けられる。BNPパリバによると、銀行間市場における翌日物の1日の取引量は1兆9600億元で、昨年夏のピーク(約4兆元)を大きく下回る。現在、銀行間取引全体に占める翌日物の割合は約70%だ。

 MLFの6カ月物金利と1年物金利をそれぞれ2.95%、3.1%へ0.1%ずつ引き上げるという人民銀行の決定は、驚くほど劇的なものでもない。市場ウォッチャーにとってより重要なのは、当局の引き締め姿勢が当面は変わらないことが確認されたことだ。

 ゴールドマン・サックスのエコノミストはリポートで、「金利の引き上げ幅は小さいが、人民銀行が引き締めバイアスを強めたことを示すシグナルであることは明確だ」と指摘した。

 中国債券市場は一時的に大荒れとなったものの、同市場の長期見通しが明るいことを示す兆候は幾つかある。
 ブルームバーグは25日、中国本土市場で取引されている国債と政策銀行債券などに連動する二つの新しい指標を3月1日付で導入すると発表した。
 スタンダード・チャータードの中国マクロストラテジスト、ベッキー・リュウ氏によると、こうした動きを受け、JPモルガン新興国市場国債インデックスなど、ベンチマークとして広く使われているその他の国際的な債券相場の指標の間でも、中国国債を組み込む動きが加速するかもしれず、中国本土の債券市場への海外投資家の参入に拍車が掛かる可能性もある。本土市場で発行された債券の海外投資家による保有率は現在2%に満たない。
 市場の指標を提供している企業は、中国金融市場における自由化の前進が中国の国債などを指標に採用する条件の一つと考えてきた。ドイツ銀行の推計によると、中国が指標に組み込まれれば、中国市場には今後5年間で海外から7000億〜8000億ドルの投資資金が流れ込む可能性がある。

https://www.google.co.jp/urlsa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwiJu7aE4eDRAhUDJpQKHXF3Co8QFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10852398588237353609804582582831324728966&usg=AFQjCNFLj_FOrvJapYwwm0OO8FCjs4TgdQ

 


中国が資金流出の監督強化、外為取引管理ガイドライン公表

[北京 26日 ロイター] - 中国国家外為管理局(SAFE)は26日、外為取引の管理において、リスク管理に加え取引や投資の政策を改善するための新しいガイドラインを示した。

同局は、外為市場の健全な発展を促すとともに、国境を超えた資金流出に対する監視強化の意向を示した。

企業が5万ドル以上の為替差益を海外に送金する際、1)利益配当に関する取締役会の決議書、2)税務書類、3)監査済み財務諸表━━の提出が義務付けられる。

貿易関連の外国為替業務管理を標準化するとした上で、輸出業者に対し時宜に適う方法で外国為替の支払いを徴収するよう求める。新規則は即時発効となる。

ウエブサイト上に掲載された声明では「資本フロー管理制度の下、健全なマクロプルデンシャル(金融市場全体の安定性を維持する)管理の枠組みを確立するとともに、既存の外国為替規制を順守するよう銀行や企業に求める」と述べた。実体のある合法的な海外支払いや送金への影響はないとも述べた。

*内容とカテゴリーを追加して再送します。

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空売りしてからの公表、倫理的に疑問=伊藤忠リポートで日本取引所CEO
http://jp.reuters.com/article/china-forex-outflows-idJPKBN15A15S


 


中国が発する複雑なシグナルに金融市場は困惑−大型連休控え
西沢加奈
2017年1月26日 13:19 JST更新日時 2017年1月26日 13:41 JST

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• 人民銀は24日のMLFを介した流動性供給で利率を引き上げ
• 「政策意図の誤解」につながり得ると北京高華証券の宋氏

中国が金融政策を頻繁に微調整し、市場ウオッチャーを困惑させている。
  中国人民銀行(中央銀行)は最近、貸し出し手段を使って流動性の引き締めと拡大の両方を行った。春節(旧正月)の連休で27日から本土市場が休場入りするのを控え、レバレッジを抑制しつつ、資金の逼迫(ひっぱく)を回避しようと図っているためだ。
  フィデリティ・インターナショナルの日本を除くアジア太平洋担当最高投資責任者(CIO)、ティム・オーチャード氏は香港での記者説明会で、「非常に混乱している。中国側は常にメッセージを送ろうとし、経済の微細管理を図っている。外から見れば、少し支離滅裂のように見える場合もある」と述べ、中国の金融政策は「綱渡り」だと指摘した。
https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/icg8mZC.TVDI/v2/-1x-1.png

  人民銀は24日実施した中期貸出制度(MLF)を通じた流動性供給で、前回から利率を引き上げ、市場関係者を驚かせた。
  三菱東京UFJ銀行の市場アナリスト、李劉陽氏(上海在勤)は、人民銀がそれまで数週間にわたり市場センチメントの安定化を試みてきたことを踏まえると、利率引き上げの決定に「かなり驚いた」と話した。
  北京高華証券の中国担当チーフエコノミスト、宋宇氏は、人民銀が発するまちまちなシグナルは短期金融市場のボラティリティー(変動性)を高めており、「政策意図の誤解」につながり得ると分析。中国経済指標予測の正確さでトップクラスの宋氏は中国当局に対し、あいまいさを減らし景気過熱を回避するため、金融政策を引き締めるよう促した。
  中国本土の金融市場は2月2日まで休場となる。
原題:China Policy Signals Perplex Market as Fidelity Says ‘Confused’(抜粋)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-26/OKDBSK6JTSEC01


 


 


2017年1月27日 中島 恵 [フリージャーナリスト]
春節で中国人観光客の買う物が毎年コロコロ変わる理由

中国の大型連休、春節の休暇が始まった。かつては多くの中国人観光客が来日し、「爆買い」を行ったが、昨今の中国人観光客のニーズは多様化しており、もう以前ほどの活況は見られない。なぜ中国人観光客の趣向は、かくも移り変わりが激しいのだろうか。そもそも中国人の生き方は、日本人とはスピード感がまったく異なるのだ。(ジャーナリスト中島 恵)

爆買いは終わった
速すぎる中国人の変化

今年も春節(中国の旧正月)がやってきた。数日前から街中で中国人観光客を頻繁に見かける、という人も多いだろう。10月の国慶節(中国の建国記念日)と同様、中国では約1週間の大型連休になるからだ。

先日発表された最新の統計によると、2016年は637万人もの中国人観光客が来日。2年連続で全外国人中トップだった。しかも、「爆買い」と騒がれた15年よりも27%も上回った。昨今、「爆買いは終わった」との報道が多く見られるが、中国人観光客数自体は増えている。

彼らの興味は買い物だけでなく、星つきレストランでの食事や文化体験など幅広い分野に広がり、急速に訪日期間中の行動の中身が変化していることは、1年以上も前から指摘してきた通りだ。

だが、こうした「あまりにも速すぎる中国人の変化」はなぜ起こるのだろうか?日本人にはめまぐるしくて、なかなか理解できない。日本人と中国人では、そもそも「生きているスピード」がまったく異なるからだ。

「中国人の生き方はジェットコースター並みに激しく、日本人の生き方はぬるめの温泉のように穏やか」――。

私は中国にいる間、いつもそんなふうに感じてきたが、それをまったく生活環境の異なる日本人に言葉で伝えることは難しかった。

だが、「爆買い終了」というひとつの現象の中に、日中のスピードの違いが端的に表れているように感じている。

閑古鳥が鳴いている
都内の空港型免税店

例えば、中国人観光客が目に見えて増え始めた14年後半ごろから、日本の小売業では爆買い対応策を綿密に練り始め、何度も会議を重ね、Wi-Fiの設置や中国人店員の増員、商品の中国語表示といった「中国人シフト」に取り組んできた。中でも話題となったのは16年1月、東京・銀座の三越銀座店内にオープンした空港型免税店「Japan Duty Free GINZA」をはじめとする免税店のオープンラッシュだ。

これらは関税や酒税などが免除になる免税店で、買った商品は空港の出国手続き後に受け取るため、旅の途中で商品を持って歩かなくてもいいという便利な商業施設。高級品をたくさん買いたい人にとっては魅力的な場所だ。

ところが、都内の空港型免税店は昨年後半から早くも売上高が軒並み減少、銀座ではビルの高層階という立地の悪さなどもあって閑古鳥が鳴いている。

私も年始に一度訪れてみたが、客よりも店員のほうが多い場所もあるほど閑散としていた。春節の期間中は団体ツアー客が多少入るので若干は盛り返すだろうが、今後、これだけの箱物を維持し、売上高をアップさせていくのはかなり難しいのではないか、と素人目にも感じてしまった。

増加した外国人のインバウンド対応として免税店を増やすという考えは、必ずしも間違った方向とはいえない。だが、中国人に関していえば、残念ながら、ハードを建てたときには「すでに時遅し」の状態だった。日本人と中国人の間の「時差」が大きすぎるからで、それに日本人が気づかないで、日本人なりに「よかれ」と思って対応してしまい大失敗するからだ。

中国人の目から見れば、日本人が周到に準備した免税店は大して魅力のないものと映ってしまっていた。厳しい中国人の容赦ない言葉を借りれば、「なんで今ごろ、そんなもの(免税店)を作ったの?」ということになってしまうかもしれない。

その裏には、「私たちの興味はもうそんなところにはないのに……」という続きが隠されている。

もう時代遅れの「12の神薬」
コロコロ変わる興味

1年前の春節の時期、ドラッグストアの店先には中国語のPOPが立てられ、「12の神薬」という表示があったのを覚えている人もいるだろう。中国のSNS、微信(ウィーチャット)を介して中国で大量に出回った言葉で、「日本で買うべき薬」として、まさしく爆買いされた商品だ。

しかし、それも今は昔――。来日した中国人はそれらの薬はすでに手に入れていて(あるいは、帰国後にネットで定期的に購入していて)、来日時にわざわざありがたがって買うという“流行遅れの人”は少なくなってしまった。

日本人からすれば、やっと予算を取って、綿密に計画を立てて「やっと立派なものを作ったのに、なぜ?」と思うが、中国人の興味の移り変わり方は日本人の5倍速か6倍速といっても過言ではない。

日本人が「さあ、どうぞ」といったときには、彼らはもう次の段階へと進んでしまっていて、後ろを振り返らない。

中国人の興味がコロコロ変わる理由のひとつとして挙げられるのは、経済力が増してきたここ数年、何もかも初めての体験が多く好奇心が全開になったからだ。中国人が海外旅行に行けるようになってわずか20年。個人旅行が自由にできるようになったのは09年以降のことで、見るもの聞くものがすべて新鮮であり、貪欲になっていることがある。

また、母国ではあまりにも激し過ぎる他人との競争が日常だからだ。人口が日本の14倍もある中国では、受験でも就職でも買い物でも、何であっても、常に人との競争を強いられる。優秀であればあるほど有利になるが、そうではない一般人の場合、他人に勝つには、まずスピードが求められる。航空券や電車のチケット購入もそうだ。ネットの「購入」ボタンのクリックがたった1秒遅かっただけで、春節に帰省するときの航空券が手に入らない、などということは珍しくない。

さらに、「群衆心理」というのか、ひとつ売れているものがあれば、「私も欲しい」「みんなが持っているものが絶対欲しい」となり、短期間のうちに殺到する。他人と違うものを持って目立ちたいという気持ちもあるが、一方で「○○さんが持っているなら、自分も持たなくちゃ。しかも一刻も早く」という横並び意識やライバル意識が強いのも中国人の特徴だ。ところが、いったん手に入れてしまったら興味を失い、急速に飽きてしまう面もある。ネット上で沸騰した「12の神薬」などはその典型だろう。

ネットの発達が激しい性格を後押し
情報後れは「命取り」

そうした激しい性格を後押ししているのがネットの発達だ。中国でのネット人口は16年末の段階で人口の半分以上の約7億3000万人。そのほとんどの人がスマホを利用して、日々買い物したり決済したり、まるで何かにとりつかれたかのように1分1秒を争って、激しく情報交換をしている。

都市部でのネット決済は日常化しており、もはや、出勤するときに現金を持たないという中国人ビジネスマンも多い。すべてスマホで事が足りてしまうからだが、このような変化はすべてこの1年以内に起きている。

情報に後れることは他人に後れを取ることもでもあり、大げさな言い方をするならば「命取り」。だから、中国人は常にスマホを使って最先端の情報を仕入れなければいけない。それがどんどん加速度を増しており、、中国人でも追いつけないほどスピードアップしてしまっているのだ。


中島恵さんの『中国人エリートは日本をめざす なぜ東大は中国人だらけなのか?』(中公新書ラクレ)が好評発売中。238ページ、842円(税込み)
私はいつも日中を対比するときの比喩として「日本人は石橋を叩いても渡らない。慎重に石橋を何度も叩くので、最後は石橋を壊してしまう(その結果、投資時期を外してビジネスチャンスを失ってしまう)」、その一方で、「中国人は石橋を見たら、まず興味を持って渡ってしまう。たとえ途中で石橋が崩れても構わない(自己責任)。這い上がって、また別の石橋を渡ればいいんだから」と表現している。

お隣の国といえども、それくらい両国の人々の性格は異なる。

「爆買い」というお祭り騒ぎから1年。今年の春節の様子を見て、このスピード感や感覚の違いに早く気づき、フレキシブルに対応しなければ、閑古鳥が鳴くどころか、中国人の心を掴むことはもっと難しくなるのではないかと思うが、いかがだろうか。
http://diamond.jp/articles/-/115709

http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/362.html

[経世済民118] 流動性の罠を逃れるノルウェー政府系ファンド−「待つ余裕」が秘訣か 米国株過去最高値付近 LINE上場来安値に急落、決算↓
流動性の罠を逃れるノルウェー政府系ファンド−「待つ余裕」が秘訣か
Mikael Holter
2017年1月27日 07:03 JST 
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政府年金基金グローバルは世界の上場株式の約1.3%を保有
規模でトレードを行う場合、自然な買い手や売り手は少ないとCIO

ノルウェーの政府系ファンド (SWF)、政府年金基金グローバル(運用資産額8900億ドル=約101兆円)には、あなたよりも長い時間を待つ余裕がある。
  基金を管理・運営するノルウェー銀行(中央銀行)の投資運用部門(NBIM)で資産戦略の最高投資責任者(CIO)を務めるゲイル・オイビン・ニーガード氏によれば、同基金が行うトレードは1時間かかることもあれば、最長で6カ月を要する場合もある。
  ニーガード氏は25日のインタビューで、「われわれは長期ファンドであり、取引コストを可能な限り引き下げるために時間をかける。支払いをいとわないのであれば、流動性は常に見いだせるが、われわれは自然な買い手や売り手を見つけるために引き延ばしたいと考えている」と発言。トレーディングを最小限に抑える努力も行っていることを明らかにした。
  政府年金基金グローバルの運用資産は、世界的な金融危機以降で3倍以上に拡大し、現在では世界の上場株式の約1.3%を保有する。その規模に加えて、特に長期的な視点で投資を行うことが基金の強みといえる。ニーガード氏によると、過去数年で平均トレーディングコストの圧縮に成功したとはいえ、株式と債券の両方で大口取引が複雑化し、コストも上昇しており、規模の大きさは同時に困難も伴う。
  ニーガード氏は「規模でトレードを行う場合、取引に応じる自然な買い手や売り手は極めて少ない」と述べ、特に債券トレーディングで困難が増しており、流動性は「10年前に比べて低下している」と指摘した。
 
原題:World’s Biggest Wealth Fund Sits Out Liquidity Trap Others Fear(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-26/OKDJJP6KLVRQ01


 


米国株:S&P500種はほぼ変わらず−過去最高値付近で推移
Oliver Renick
2017年1月27日 06:27 JST 更新日時 2017年1月27日 07:16 JST

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26日の米株式市場ではS&P500種株価指数がほぼ変わらず。過去最高値付近で推移した。市場は、最近の上昇が正当化されるか見極めようと企業決算や経済指標に注目している。
  eベイやバイオジェンが高い。決算で利益がアナリスト予想を上回った。一方で玩具メーカーは下落。マテルの決算を受けて失望感が広がった。また医薬品卸売りなどを手掛けるマケッソンが医薬品の値下がりを指摘したことに反応し、関連株に売りが広がった。
  S&P500種株価指数は前日比0.1%未満下げて2296.68。ダウ工業株30種平均は0.2%上昇し20100.91ドル。 

  S&P500種の業種別11指数では金融や資本財・サービスの指数が高い。素材も上昇。不動産は一時0.6%高まで上げる場面があったが、結局下げて終了した。
  ヘルスケアの指数は0.7%安。ここ8営業日で7回目の下げとなった。
  シカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティ指数(VIX)は午後4時時点で0.7%低下の10.73と、14年7月以来の低水準。
  個別銘柄の動きでは建設・鉱業機械メーカーのキャタピラーが1%安。同社が示した2017年通期の売上高と利益の予想はアナリスト予想を下回った。サウスウエスト航空は9%上昇。
原題:U.S. Equities Hover Near Record as Financial Shares Advance(抜粋)
原題:U.S. Stocks Mixed Amid Earnings as Dollar Rebounds: Market Wrap(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-26/OKEOA9SYF01S01


 

LINE:上場来安値に急落、予想下回る決算で−目標株価下げも
中川寛之
2017年1月26日 10:02 JST
無料通信アプリを運営するLINE(ライン)の株価が急落、上場以来の安値となった。前期(2016年12月期)の業績が市場予想を下回った。
  26日のライン株は一時、前日比16%安の3530円となり、上場来安値となった。午前10時1分現在は同11%安の3735円。
  ラインは25日の決算発表で前期の純利益が76億円だったと発表、市場予想の85億円を下回った。営業利益も199億円と、市場予想(232億円)に届かなかった。広告が好調だった半面、ゲームの売り上げが減少したほか、事業規模拡大に伴い営業費用が増加した。今期(17年12月期)業績予想は示さなかったが、1−3月期は営業黒字を確保できるとしている。
  SMBC日興証券シニアアナリストの前田栄二氏は25日付のリポートで、今期もマーケティング費用の増加などが見込まれ、以降の業績にも「ネガティブな影響」があると分析。目標株価を5200円から4400円に引き下げた。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-26/OKD2OP6K50XT01
http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/363.html

[国際17] トランプ政権、メキシコからの輸入に20%課税検討−壁建設費を捻出へ メキシコ大統領、会談中止 ユーロ崩壊発言に欧州委反論
トランプ政権、メキシコからの輸入に20%課税検討−壁建設費を捻出へ
Justin Sink
2017年1月27日 07:00 JST
 
スパイサー米大統領報道官は26日、トランプ政権がメキシコ国境の壁建設費用を捻出するため、同国からの輸入品に20%の税金を課すことを検討していると述べた。
  トランプ大統領のフィラデルフィア訪問に同行した同報道官は記者団に対し、「米国が貿易赤字を抱えるメキシコのような国々からの輸入品に課税する手段として、包括的な税制改革を活用するという、現在具体化しつつある計画に基づくと、500億ドル(約5兆7000億円)に対して20%課税すれば、年間100億ドルを徴税でき、この仕組みだけで容易に壁建設費用を確保できる」と説明した。
原題:Trump May Fund Border Wall With 20 Percent Tax on Mexico Imports(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-26/OKEO7P6JTSE801


 


メキシコ大統領:トランプ米大統領との会談中止、壁費用発言受け
Nacha Cattan
2017年1月27日 04:22 JST 更新日時 2017年1月27日 06:52 JST

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トランプ大統領:メキシコが公平に対応しなければ会談は無益
国境の壁をめぐる論争、貿易交渉もつれさせる恐れ

メキシコのペニャニエト大統領は26日、来週予定されていたトランプ米大統領との会談を中止した。トランプ氏が25日に大統領令に署名したメキシコ国境の壁建設計画をめぐって米国とメキシコは対立しており、世界屈指の規模の二国間貿易を行う両国の関係を脅かしている。
  ペニャニエト大統領が25日の演説で、メキシコが米国南部国境での壁建設費用を支払わないと述べたのを受け、トランプ大統領は26日午前、「切望されている壁の費用をメキシコが払うつもりがないのなら、予定されている会談は中止した方が良さそうだ」と、ツイッターに投稿した。
  ペニャニエト大統領はトランプ大統領の投稿を受けて、「今朝、ホワイトハウスに対して31日に予定されている会議には出席しないと伝えた」と、ツイッターで返した。
  トランプ大統領はその数時間後、フィラデルフィアでの共和党議員との会合で、会談中止について両国間での相互の決定だと説明。「メキシコが米国に敬意をもって公平に対応しない限り、そのような会談を持っても無益だ。私は別の道を取ろうと思う」と述べた。
  トランプ氏は大統領選中からメキシコと論争していたが、25日に国境の壁建設を命じる大統領令への署名で対立は鮮明となった。壁や貿易をめぐる論争は米国とメキシコの関係をさらに緊張させ、1月20日に就任したトランプ米大統領の外交政策で最初の大きな試練となっており、その行方は両国の国内政治と経済に影響を及ぼしそうだ。
  スパイサー米大統領報道官はペニャニエト大統領の訪米を依然として望んでいると述べ、「将来的に何か予定を組むだろう」と記者団に語り、「今後も調整を図っていく」と続けた。
  その後のツイッターでペニャニエト大統領は扉が閉ざされたわけではないと述べ、「メキシコは両国に利益がもたらされる協力には積極的だとあらためて強調する」と言明した。
原題:Mexico’s President Cancels U.S. Visit as Trump Feud Deepens (3)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-26/OKEG4HSYF01T01


 

 
ユーロ崩壊発言に欧州委員が反論、「EU分断の試み無駄」

[ブリュッセル 26日 ロイター] - 欧州委員会のモスコビシ委員(経済・財務・税制担当)は26日、ユーロは現時点でも20年先でも崩壊することはないと述べた。

ユーロについては、米国の駐欧州連合(EU)大使候補として名前が挙がっているテッド・マロック氏が英BBCに対し、ユーロは向こう1年半で「崩壊する」可能性があるためユーロはショートにすると発言。

これを受けモスコビシ委員は記者団に対し、「こうした見解は確かな情報に基づいているとは思えない。ユーロは1年半先でも、10年先でも、20年先でも崩壊することはない」と述べた。

そのうえで、「単一通貨ユーロはわれわれの統合の主要な要素となっている。EUを分断しようとする試みは無駄だ」と述べた。

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http://jp.reuters.com/article/euro-collapse-mos-idJPKBN15A2AK

http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/568.html

[経世済民118] 生産性革命こそ日本の変わらぬ課題 メキシコ壁建設ツケは米消費者 米CBO利上に一石 英首相貿易問題で厄介な綱渡 希債務X
視点:
生産性革命こそ日本の変わらぬ課題

 1月27日、米ハーバード大学のデール・ジョルゲンソン教授は、日本の課題として、効率性向上を目指す働き方改革の遂行、投資から消費への税負担シフトを柱とする持続可能な財政政策の採用、そして生産性革命をもたらす新たな産業政策の実行の3つに言及。写真は2014年5月に都内で撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

デール・ジョルゲンソン ハーバード大学教授

[東京 27日] - 日本経済の問題点は引き続き、1990年代以降低迷傾向にある生産性と減少を続ける労働力人口、そして急速な高齢化に伴う社会保障費の増大だと、ハーバード大学のデール・ジョルゲンソン教授は指摘する。

解決策としては、生産性革命をもたらす新たな産業政策の実行、効率性向上を目指す働き方改革の遂行、投資から消費への税負担シフトを柱とする持続可能な財政政策の採用の3つだと説く。

同氏の見解は以下の通り。

<自由貿易協定停滞なら自力での競争促進が先決>

アベノミクスについて、私は次の3つの目標を完遂することを求めたい。

まず、生産性革命を起こし、頑強な経済をつくること。次に、出生率を(現在の1.4台から)1.8まで引き上げ、1億人の総人口を長期にわたって維持すること。最後に、社会保障の責務を果たすため、政府歳入を対国内総生産(GDP)比で増やすなど持続可能な財政政策を採用することである。

1点目について言えば、一段の競争促進が(1991年以降低迷する)生産性上昇率を引き上げる上で、大きな鍵を握る。成長政策における日本の伝統的なアプローチは、重点産業分野に補助金を与えることだ。だが、優遇された産業は、成熟化すれば、規制を盾(たて)に競争を阻害しようとする。新たな産業政策は、彼らが頼る岩盤規制に風穴を開けることで、競争を促進することに主眼を置くべきだ。

具体的には、多国間自由貿易協定を促進し、農協の影響力を削ぐなどして、農業改革を進めることだ。トランプ米大統領誕生がもたらした一番大きな課題は貿易政策だが、環太平洋連携協定(TPP)から米国が離脱するからといって、果たして中国などを含む東アジア地域包括的経済連携(RCEP)がこれを代替できるのか、あるいはTPPは別の形で蘇生されるのか、判断を下すまでにはまだかなりの時間が必要だ。

まずは、流通、金融・保険、建設、不動産、その他サービス分野における岩盤規制を排除したり、全国統合の送電網(National grid)構築などによって電力の生産(発電)・小売り分野での一層の自由化を図ったりするなどの新たな産業政策の実行が急務だ。

<生産性が反映されない賃金システムと決別を>

次に、日本は働き方改革の遂行によって出生率の改善と労働効率の向上を目指し、(1998年をピークに減少傾向にある)労働力人口問題の解決に取り組む必要がある。

日本の雇用・賃金システムはいまだ年功序列・終身雇用の考えに基づいており、労働市場の流動性は凍りついてしまっている。日本はせっかく高いクオリティーの労働力を持っているのだから、生産性を反映しない給与体系を変革して、そうした労働力の有効活用を目指すべきだ。

また、今の日本の雇用システムには、仕事上のキャリアを追求する女性が結婚を遅らせたり、家族が子供を持つことを先延ばししたりするように促す誘因が多いため、出生率の低迷を招いてしまっている。(働き方改革によって)この部分は変えていかなければいけない。

最後に財政政策について言えば、高齢者のために設計された社会保険システムを維持するためには、前述した通り、政府歳入をGDP対比で増やしていく必要がある。

そのためには、税負担の投資から消費へのシフトが不可欠だ。そうすることで、民間投資は刺激され、より高い生産性上昇がもたらされるだろう。もちろん、総需要を維持するために、歳入増加は、経済成長率が上昇していく中で、段階的に図られていく必要がある。

*デール・ジョルゲンソン氏は米国の経済学者で、ハーバード大学名誉教授。計量経済学会会長、米国経済学会会長、米国学術研究会議経済政策部門(STEP)委員長などを歴任。スウェーデン王立科学アカデミー、全米科学アカデミーなどの名誉会員。

*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。

(編集:麻生祐司)

コラム:トランプ米大統領、対メキシコ強硬姿勢で「共倒れ」も 2017年 01月 26日
コラム:トランプ相場でドル125円へ=田中泰輔氏 2017年 01月 10日
再送-為替こうみる:早くも期待外れの米国、対米戦略にいそしむ中国=三井住友銀 宇野氏 2017年 01月 06日

http://jp.reuters.com/article/view-dale-jorgenson-idJPKBN15A0RB?sp=true



コラム:メキシコ国境の壁建設費、ツケは米消費者に

Gina Chon

[ワシントン 26日 ロイター BREAKINGVIEWS] - トランプ米大統領の「米国第一」主義が壁にぶち当たっている。新政権は、メキシコとの国境に壁を建設する費用を負担させるため、同国からの輸入品に課税する方針を示した。資金をたっぷり捻出できそうだが、ツケを払うのは米国の消費者かもしれない。

トランプ氏は不法移民を防ぐために壁を建設し、メキシコに建設費を負担させると繰り返し述べてきた。就任後第1週目にして壁建設の大統領令に署名。ペニャニエト・メキシコ大統領は26日、トランプ氏との会談を中止すると発表した。

スパイサー大統領報道官はその数時間後、メキシコからの輸入品に20%課税して壁の建設費に充てる方針を表明し、年間100億ドルを調達できると述べた。これは議会下院の共和党議員が提唱している法人税の「国境調整」に似ているようだ。トランプ氏は先に、国境調整は複雑過ぎると述べている。

下院案では、法人税率を現行の35%から20%に引き下げる。同時に輸入コストを税控除の対象から外し、輸出で得た収入について所得税を免除する。これにより10年間で税収が1兆ドル増えるとしているが、輸入品への依存度が高い産業は税負担が重くなる可能性がある。

企業はそのコストを消費者に転嫁するかもしれない。米国は昨年1─11月にメキシコ製品を2700億ドル相当輸入した。最大品目は自動車だが、果物や野菜、ビールも数十億ドル規模で輸入している。全米小売連盟は、国境調整が導入されればメンバー企業は小売り価格を最大15%引き上げざるを得なくなると表明した。

トランプ氏は貿易協定のほごや移民制限に関する大ざっぱな大統領令に次々と署名し、「米国第一」の約束を果たそうとしている。しかし実際に政策を実施するのはもっと複雑である。壁建設費の請求書は結局、米国の消費者に回ってくるかもしれない。

●背景となるニュース

*スパイサー大統領報道官は26日、メキシコからの輸入品に20%課税し、その税収を壁の建設費に充てる方針を表明した。ホワイトハウスはその後、検討している多くの案の1つに過ぎないと述べ、この構想についてトーンダウンした。

*輸入課税の構想は、下院共和党が法人税改革の一環として提案している国境調整税に似ている。輸入コストを税控除の対象から外し、輸出で得た収入について所得税を免除するもの。法人税率の35%から20%への引き下げも提案している。トランプ氏はさらに大幅な15%への引き下げを示唆したことがある。

*メキシコのペニャニエト大統領は26日、トランプ氏が壁建設の大統領令に署名したのを受け、来週予定していたワシントン訪問を中止したと発表した。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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http://jp.reuters.com/article/column-mexico-wall-us-consumer-idJPKBN15B076


 

コラム:メキシコ国境の壁建設費、ツケは米消費者に

Gina Chon

[ワシントン 26日 ロイター BREAKINGVIEWS] - トランプ米大統領の「米国第一」主義が壁にぶち当たっている。新政権は、メキシコとの国境に壁を建設する費用を負担させるため、同国からの輸入品に課税する方針を示した。資金をたっぷり捻出できそうだが、ツケを払うのは米国の消費者かもしれない。

トランプ氏は不法移民を防ぐために壁を建設し、メキシコに建設費を負担させると繰り返し述べてきた。就任後第1週目にして壁建設の大統領令に署名。ペニャニエト・メキシコ大統領は26日、トランプ氏との会談を中止すると発表した。

スパイサー大統領報道官はその数時間後、メキシコからの輸入品に20%課税して壁の建設費に充てる方針を表明し、年間100億ドルを調達できると述べた。これは議会下院の共和党議員が提唱している法人税の「国境調整」に似ているようだ。トランプ氏は先に、国境調整は複雑過ぎると述べている。

下院案では、法人税率を現行の35%から20%に引き下げる。同時に輸入コストを税控除の対象から外し、輸出で得た収入について所得税を免除する。これにより10年間で税収が1兆ドル増えるとしているが、輸入品への依存度が高い産業は税負担が重くなる可能性がある。

企業はそのコストを消費者に転嫁するかもしれない。米国は昨年1─11月にメキシコ製品を2700億ドル相当輸入した。最大品目は自動車だが、果物や野菜、ビールも数十億ドル規模で輸入している。全米小売連盟は、国境調整が導入されればメンバー企業は小売り価格を最大15%引き上げざるを得なくなると表明した。

トランプ氏は貿易協定のほごや移民制限に関する大ざっぱな大統領令に次々と署名し、「米国第一」の約束を果たそうとしている。しかし実際に政策を実施するのはもっと複雑である。壁建設費の請求書は結局、米国の消費者に回ってくるかもしれない。

●背景となるニュース

*スパイサー大統領報道官は26日、メキシコからの輸入品に20%課税し、その税収を壁の建設費に充てる方針を表明した。ホワイトハウスはその後、検討している多くの案の1つに過ぎないと述べ、この構想についてトーンダウンした。

*輸入課税の構想は、下院共和党が法人税改革の一環として提案している国境調整税に似ている。輸入コストを税控除の対象から外し、輸出で得た収入について所得税を免除するもの。法人税率の35%から20%への引き下げも提案している。トランプ氏はさらに大幅な15%への引き下げを示唆したことがある。

*メキシコのペニャニエト大統領は26日、トランプ氏が壁建設の大統領令に署名したのを受け、来週予定していたワシントン訪問を中止したと発表した。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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http://jp.reuters.com/article/column-mexico-wall-us-consumer-idJPKBN15B076


 


 

米CBOの金利見通し、利上げ観測に一石
米議会予算局の金利見通し引き下げは、FRBの利上げ観測に一石を投じた
By DAVID HARRISON
2017 年 1 月 27 日 12:36 JST

 米連邦準備制度理事会(FRB)は昨年12月に発表した最新の見通しで、9月時点の見通しよりも利上げペースが若干速まるとの予想を示した。これに対し、米議会予算局(CBO)は24日発表した最新の経済見通しで、想定される利上げペースを8月時点の予想からやや下方修正した。

 FRBが想定するフェデラルファンド(FF)金利誘導目標(中央値)は2017年が1.4%、18年は2.1%だったが、CBOは17年が1.1%にとどまり、18年は1.6%(8月時点の予想は1.8%)になると見込む。

 ただ長期の見通しについては、CBOは3.1%程度と予想し、FRBが想定する3%をわずかに上回る程度だった。

 両者の今後2年間の予想に差が生じた理由はいくつかある。まず、CBOの長期見通しは現行法を前提にしている。つまり、財政政策が変更され経済や金利に影響が及ぶ可能性は想定していないということだ。

 一方、FRB当局者の一部は財政政策が見直される可能性を考慮しつつ予想を立てていると、FRBのジャネット・イエレン議長は12月の記者会見で語った。だとすれば、ドナルド・トランプ米大統領の減税案や歳出拡大案が実現した場合、経済成長は加速し、失業率は低下すると織り込んでいる当局者がいることになる。

 CBOは今回の報告で、生産性に関する新たな予想を踏まえて、17年と18年の経済成長見通しも下方修正した。このところ生産性の伸びが鈍っているのは、構造変化が一因というわけではなく、リセッション(景気後退)がもたらした面もあるようだと指摘した。このため、生産性が上向くのはしばらく先になると考えられる。

 確かに、FRBとCBOの金利見通しにそれほど大きな差があるわけではない。ただ今回のCBOの報告は、FRBの利上げ観測に一石を投じるものだ。労働市場は堅調を保ち、足元でインフレ率や賃金上昇率に加速の兆候が見られるため、FRBの利上げペース加速を当たり前のことと考えるのはたやすい。CBOの報告は警鐘を鳴らしている。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwiWisCWv-HRAhVKFJQKHbJICzEQFggaMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10852398588237353609804582584322839010892&usg=AFQjCNFgbqEjpr215vo39YZmkW0PmPvblw&bvm=bv.145063293,d.dGo


 


 

ギリシャと債権団、救済策巡る交渉で折り合いつかず
ギリシャのチプラス首相(右)とツァカロトス財務相
By VIKTORIA DENDRINOU AND NEKTARIA STAMOULI
2017 年 1 月 27 日 10:02 JST

 【ブリュッセル】ギリシャとその債権団は26日、行き詰まりを見せるギリシャ救済の解決策を巡る交渉での折り合いがつかなかった。

 ブリュッセルで開かれたユーロ圏財務相会合(ユーログループ)では、ギリシャに対する最大860億ユーロの金融支援策の第2次審査に関する交渉妥結への道を開く進展が見られなかった。だが今年はオランダ、フランス、ドイツ(おそらくイタリアも)で選挙が予定されており、ギリシャへの不本意な譲歩に対する各国の関心が薄れる可能性があるため、2月までの合意を迫られている。

 ユーログループのイェルン・ダイセルブルーム議長(オランダ財務相)は「第2次審査を早く終わらせることが全員の利益になることは十分理解されている」と述べた。

 ギリシャは、巨額の債務の返済期限を迎える7月までに、数十億ドルの新たな救済融資を必要としている。だが、国際通貨基金(IMF)はギリシャにさらなる緊縮財政を求め、ドイツは大規模な債務免除の検討を拒否している。ギリシャ政府は債務負担が大幅に減ることなく、痛みを伴う支援策をのまざるを得なくなることを恐れている。

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英首相、貿易問題で厄介な綱渡り トランプ氏と会談へ

トランプ氏と会談では貿易問題で厄介な綱渡り的対応を求められるメイ首相 PHOTO: SIMON DAWSON/BLOOMBERG NEWS
By
JASON DOUGLAS AND JENNY GROSS
2017 年 1 月 27 日 10:44 JST 更新
 【ロンドン】訪米中の英国のテリーザ・メイ首相が27日、ホワイトハイスでトランプ米大統領と会談する。会談では綱渡り的な対応を迫られるだろう。この会談で米国との新貿易協定合意の土台作りに努める必要がある一方で、欧州指導者たちの反感を買わないようにしなければならない。同首相は欧州指導者たちとの間で、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)で合意しなければならないからだ。
 メイ氏とトランプ氏は意見の異なるさまざまなテーマを話し合う見通しだ。その中にはトランプ氏が拒否しているイラン核合意と、同じく同氏が時代遅れと呼んだ北大西洋条約機構(NATO)も含まれている。
 しかし貿易に関する意見の相違は際立っている。トランプ氏は保護貿易主義の「アメリカ・ファースト(米国第一)」を掲げ、多国間貿易協定を非難してきた。メイ氏は英国を自由貿易の最大の提唱者とするビジョンを打ち出した。
 米国入りしたメイ首相は26日、フィラデルフィアで共和党議員を前に演説し、英国は「世界中のどこでも、ビジネス、自由市場、自由貿易の最大かつ最強の提唱国の一つとして行動し続けるだろう」と語った。
 メイ首相は25日、訪米に先立ち英下院で、「米国の大統領に率直に話すのを恐れていない」と述べた。またフィラデルフィア行きの飛行機の中で、「トランプ氏と1対1で話す機会になるだろう」と記者団に語り、会談のテーマは「われわれが共有している利益、(英米両国の)特別の関係、両国が直面している課題」になるだろうと述べた。
 トランプ氏とうまくやっていけると考えるかとの記者団の質問に対して、通常控えめなメイ氏は「(ことわざにあるように)時には正反対の者が引き合う」と述べた。
 トランプ氏は、海外での米国の経済同盟再編の一環として、昨年世界5位の経済大国である英国との貿易協定の可能性を強調した。
 メイ首相は貿易協定への一層のコミットメントを求めている。同首相は、自らのEU単一市場からの離脱プランが、英国に打撃にならないばかりか、英国の繁栄を逆に促進する可能性すらあることを示そうと努力している。EU単一市場からの離脱は、英国とEUとの新たな貿易障壁を意味する可能性があるからだ。
 ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)のトニー・トレーバー教授(政治学)は、「メイ氏は自分のブレグジット政策がうまく機能するという信頼を醸成するために早い段階での勝利を必要としている」と述べた。

ホワイトハウス執務室のトランプ大統領(中央) PHOTO: EVAN VUCCI/ASSOCIATED PRESS
 しかし、メイ首相がトランプ氏に取り入ろうとしているようにみえれば、同首相はEU指導者たちを一層怒らせるリスクを冒すことになる。トランプ氏は、EUの利点を否定し、昨年6月の英国民投票によるEU離脱を称賛しているからだ。EU指導者の中には、自らに対するポピュリスト的な反発に直面している指導者もいる。
 また、協定について協議するメイ首相の裁量余地は、EUの規則によって制約されたままだ。同規則はEU加盟国が2国間協定で正式に交渉合意ないし批准するのを禁止しているからだ。それは、EUから正式に離脱するまで英国が順守しなければならない禁止条項だ。現在のところ、EU離脱は、通告2年後の2019年3月が目標とされている。
 英国は過去数カ月間、貿易協定に関するEUの規則の限界を試してきた。メイ政権の貿易政策責任者のリアム・フォックス国際貿易担当相は、世界中を回り、将来の協定の可能性を「精査」してきた。オーストラリアなど旧来の同盟国のほか、急速に成長するアジアや中東の新興市場諸国との協定が可能かどうかだ。

米英間の項目別貿易収支
What the U.K. trades with the U.S.
The relationship represents $231 billion in total trade.

U.K. imports from the U.S., 2015

U.K. exports to the U.S., 2015

Goods


Services
Height of bar reflects total trade in billions of dollars
The U.K. imports $111.3 billion in total from the U.S. and exports $119.8 billion to the U.S.

What the U.K. trades with the U.S.
The relationship represents $231 billion in total trade.

U.K. imports from the U.S., 2015

U.K. exports to the U.S., 2015

Goods


Services
Height of bar reflects total trade in billions of dollars
The U.K. imports $111.3 billion in total from the U.S. and exports $119.8 billion to the U.S.
Trade Balance


 これに対し、ブリュッセルのEU当局者は不快感を表明した。EUスポークスマンは23日、ジャンクロード・ユンケルEU委員長が昨年9月に表明した不満に改めて言及した。EU加盟国が独自に自由貿易協定で交渉しようとすることへの不満だ。
 一部エコノミストによれば、英国が抱えるリスクは、他の協定をEU域外国とまとめようとする英政府に対する欧州側のいら立ちだ。それは英国のEU離脱と将来のEUとの関係をめぐる将来の交渉をまずくしかねないだろうという。
 例えば、ロンドンのシンクタンク「欧州改革センター(CER)」の研究ディレクター、ジョン・スプリングフォード氏は「メイ氏がこの道(貿易協定模索)を行き過ぎれば、それは有害な雰囲気を生み出すだけだ」と述べた。CERは親EUだがEUの抜本的改革を提唱している。
 一方、トランプ大統領にとっては、英国との協定は意義があるかもしれない。ロンドンのシンクタンク、レガタム・インスティチュートのシャンカー・シンガム氏が指摘するように協定で合意できれば、オバマ前大統領が推進した多国間貿易アプローチから脱却するというトランプ氏の戦略が成果を上げていることを示せるからだ。
 トランプ大統領は23日、オバマ前政権が交渉し合意していた環太平洋連携協定(TPP)からの離脱を正式に表明した。
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http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/368.html

[国際17] トランプ政権の「事実」と「代替的事実」 「不正投票」捜査の大統領令を準備 トランプ氏のアジア戦略、進むべき道は
トランプ政権の「事実」と「代替的事実」
新政権が生んだバズワードはSNSでも話題に

https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-RU360_ZIMMER_M_20170125134311.jpg

トランプ大統領の上級顧問を務めるケリーアン・コンウェイ氏(写真)は「代替的事実」という表現を使った PHOTO: MARK WILSON/GETTY IMAGES

By BEN ZIMMER
2017 年 1 月 27 日 12:59 JST

 ドナルド・トランプ米大統領の上級顧問を務めるケリーアン・コンウェイ氏は22日に米NBCテレビ「ミート・ザ・プレス」に出演した際、「代替的事実(alternative facts)」という表現を使った。この言葉は米政治が事実を重視しない「脱真実」の新時代にあることを象徴するとの見方もある。

 コンウェイ氏はホワイトハウスのショーン・スパイサー報道官による一連の誤った発言に関して番組内でコメント。報道官がトランプ氏の就任式に集まった人数について事実より多く話した点について、コンウェイ氏は番組司会者のチャック・トッド氏に「あなたはそれをうそだと言うが、われわれの報道官であるショーン・スパイサー氏は代替的事実を述べたにすぎない」と釈明。トッド氏はそれに対し、「代替的事実は事実ではない。誤っている事実だ」と応じた。

 コンウェイ氏は翌日、FOXニュースの番組にも出演。司会のショーン・ハニティ氏は、代替的事実とは単純に「異なる視点」を提供しているだけだと語り、より寛容な受け止め方を示した。だが、時すでに遅し。「代替的事実」はソーシャルメディア(SNS)上で瞬く間に広まり、ツイッターでは「おまわりさん、私は酔っていません。代替的にはしらふです#alternativefacts」といったハッシュタグがつく投稿も見られるなど、冷やかしも拡散している状況だ。

 事実が代替的であるとはどういう意味か。そもそも代替的という言葉は16世紀のフランス語から英語に取り入れられて以降、何度も意味が変化している。語源はラテン語の「alternare」で、「ひとつのことを行ったあとに次のことをする」という意味だ。これは英語の「alternate」という単語に引き継がれた。しかし時の流れと共に「alternative」は「alternate」とは異なる使い方をされるようになり、今では「選択肢や可能性として置き換え可能なもの」という意味になった。語源に近い意味で使われるべきだとする厳格な意見もあるが、現代ではどちらの意味でも使われている。

 20世紀初期には多くのSF作家が自身の描く空想世界を「代替的現実」と呼ぶようになった。作家キャサリン・ルシール・ムーアの1939年の作品「Greater Than Gods」では、登場人物が「代替的未来が存在していた」と悟る場面もある。

 1960年代にカウンターカルチャー運動が徐々に広まると、「alternative」は既存文化に挑戦する型破りなものを指すようになる。オクスフォード英語辞典には「オルタナティブ社会」、「オルタナティブ・ライフスタイル」、そして「オルタナティブ・プレス」といった言葉は1960年代後期に誕生したものだと書かれている。そして1980年代になると、「オルタナティブ医療」や「オルタナティブ・コメディー」、そして「オルタナティブ・ミュージック」といった表現も使われるようになっていった。オルタナティブ系と呼ばれる音楽ジャンルは、オルタナ系ロック(alt-rock)やオルタナ系カントリー(alt-country)など「オルタナ系」として分類されることもある。

 やがて接頭辞の「alt-」は音楽以外の分野でも既存体制に挑む非主流派を指す際に利用されることになる。例えば白人至上主義者や単に共和主義の主流派に抵抗する人が集まった極右勢力は「オルタナ右翼」と呼ばれることもある。

 コンウェイ氏が使った「代替的事実」は、SNS上で「alt-facts」と省略されるケースも見られる。ニューヨークを拠点とするジャーナリストのアンドレア・チャルパ氏は揚げ物など不健康な食事の写真を撮影し、「この代替サラダを今から楽しむところだ」とツイッター上に投稿している。

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http://jp.wsj.com/articles/SB11177354273695693774104582583860579310238


 


  

 

トランプ氏、「不正投票」捜査の大統領令を準備
By CAROL E. LEE
2017 年 1 月 27 日 05:42 JST

 

トランプ氏は26日、昨年の米大統領選における有権者登録および不正投票について「より理解を深めるため」に大統領令に署名する構えだ
【ワシントン】米国のドナルド・トランプ大統領は26日、同氏の主張する「昨年の大統領選での不正投票」に対する大掛かりな捜査に着手する大統領令を発令する構えだ。この選挙で大規模な不正があったとするトランプ氏の主張は、根拠がなく信ぴょう性に欠けると疑問視されている。

 トランプ氏はペンシルバニア州フィラデルフィアで上下両院の共和党議員に対し、「われわれは投票箱の整合性を保護し、米国市民の投票を守る」とし、「不正投票から投票箱を安全に守らなくてはいけない」と語った。

 ショーン・スパイサー大統領報道官は、トランプ氏が不正投票および有権者登録について「より理解を深めるため」に大統領令に署名する構えだと述べた。

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https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjaq-X5vOHRAhUGk5QKHRziC8cQqOcBCBwwAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11177354273695693774104582583744019870950&usg=AFQjCNGX5a9LdNd_RDa-kcWihMX_-NeGvg
  

 


  

【社説】トランプ氏のアジア戦略、進むべき道は
同盟国を安心させることが米国の利益につながる
トランプ次期米大統領は台頭する中国を前に、アジアの同盟諸国に自立の道を歩ませるのだろうか(写真は韓国ソウルのテレビ画面、10日)

2016 年 11 月 11 日 13:33 JST

 ドナルド・トランプ次期米大統領は台頭する中国を前に、アジアの同盟諸国に自立の道を歩ませるのだろうか。それとも、中国の野心を同盟諸国と一緒に抑えようとするのだろうか。トランプ氏と陣営アドバイザーは選挙活動中、一貫性のないメッセージを発信してきた。次期大統領としてトランプ氏は、米国の決意をあらためて伝えるために迅速に動く必要がある

 今年4月、トランプ氏は日本と韓国が独自に核武装したほうが「北朝鮮から身を守る上で得策」だと述べた。両国はすでに、北朝鮮から核攻撃を受けた場合に米国が本気で反撃に出るのか懸念を抱いていた。トランプ氏の発言に同盟諸国の懸念は強まり、恐らく北朝鮮は勇気づけられたことだろう。

トランプ大統領誕生で問われる日米同盟の意義
 とりわけ韓国は今年、中国からの外交的・経済的圧力をはねつけ、米国のミサイル防衛システムの配備を決めただけに、憤りを感じたとしても不思議ではない。朴槿恵(パク・クネ)大統領は米国からの求めに応じ、かつての植民地支配者である日本と軍事機密情報の共有を始めるという政治的にリスキーな決断を下した。韓国は近年、国防費を著しく増やしている。選挙中のトランプ氏の発言とは異なり、韓国は米軍駐留経費を年間9億ドルも負担している。

 日本もまた国防費を増額している。長期的には、現在の対国内総生産(GDP)比1%を大幅に超える水準に拡大する必要がある。だが、それは国内や周辺地域からの反発により、段階を踏んだプロセスとなろう。安倍晋三首相は防衛費の増額と、日米同盟をより対等なものにすることの両方を目指しており、トランプ氏の批判は的外れだ。

 手短に言えば、北東アジア地域の安全保障の現状は欧州とはかなり異なっている。欧州では、北大西洋条約機構(NATO)加盟国が米国の安全保障の傘の下で「ただ乗り」しているとの主張も出来るだろう。トランプ氏の名誉のために言っておくと、選挙後は友好姿勢を打ち出しているようにも見える。10日に韓国の朴大統領と電話会談したトランプ氏は、両国間の条約義務を引き続き果たすと伝えた。1週間後には安倍首相と会談予定だが、トランプ氏は同様の姿勢を示す公算が大きい。米国はアジアの安全保障体制を維持もしくは強化すると公式に表明すればなお賢明だ。

ドナルド・トランプ次期米大統領
ドナルド・トランプ次期米大統領 PHOTO: BLOOMBERG NEWS
 トランプ氏のアドバイザーを務めるアレクサンダー・グレイ氏とピーター・ナバロ氏は7日発行の外交専門誌「フォーリン・ポリシー」で、アジア政策に関する前向きな展望図を描いている。オバマ政権のアジア軸足政策について、「大声で話して、小さなこん棒しか持たない」と切り捨てた(訳注:ことわざの「静かに話して、大きなこん棒を持つ」から、ルーズベルト元大統領は「こん棒外交」という言葉を用いた)。両氏によれば、中国が南シナ海のスカボロー礁を2012年に実効支配した際の米政府の無策が原因で、フィリピンのドゥテルテ大統領は中国にすり寄ることになった。

 トランプ政権は中国による周辺諸国への圧力に対抗すると両氏は論じる。台湾の孤立を図った中国に手を貸したビル・クリントン氏のようなやり方も認めないとしている。最も重要な点は、中国がほぼその全域の領有権を主張する南シナ海で自由航行権を守ると明言したことだ。

 アジアの同盟諸国を支援するため、米国はレーガン政権時代の「力による平和」構想に回帰すべきだと両氏は主張。そのためには防衛予算の強制削減措置を廃止し、米海軍の保有艦船数を350隻に拡大する必要があると唱えている。

 これは賢明な案だが、トランプ氏と助言者らは、地域の繁栄を促進する政策なしにパックスアメリカーナ(米国主導の世界秩序)を維持することの難しさを過小評価している。中国は東アジア諸国にとって最大の貿易相手国になっており、その影響力を利用するのにためらいなどない。

 トランプ氏が大統領就任初日に破棄すると約束している環太平洋経済連携協定(TPP)は米企業に新たな市場を開くものであり、国内での雇用創出にもつながる。同じく重要なことはTPPが、中国による縁故主義や札束外交に対抗する開かれたシステムであり、米国の同盟諸国と将来同盟関係になるかもしれない国を結束させる仕組みだということだ。

 トランプ氏は不公平な中国の貿易慣行を罰するとも約束している。そうした一方的な動きは中国との対立を激化させかねず、報復を受けたり、世界をリセッション(景気後退)に陥れたりするリスクをはらんでもいる。

 オバマ政権は外交政策で数多くの失敗を犯した。だが、21世紀の米国の安全保障がアジアへの強い関与に大きく依存していることを理解していた。友好諸国を守り、貿易関係を強化し、地域の覇者を目指す中国の野心を阻止することだ。トランプ次期大統領が進むべき正しい道は、これまでの流れを覆すことではなく、より強い信念と速いペースで同じ道を進むことだ。

米大統領選特集

トランプ氏勝利のカギ、不法移民より貿易問題
トランプ氏の外交政策、真意見えず世界に動揺
トランプ新大統領、中国には脅威と好機
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjJ1pO7veHRAhUGUZQKHdXzDDsQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11842517604067003472604582429323616593042&usg=AFQjCNHt3q25ZgemhyP8XiqpGQlYkM-jWw


トランプ大統領誕生で問われる日米同盟の意義=WSJイベント
パネルディスカッションを行う(左から)WSJ日本版の西山誠慈編集長、自民党の山本一太参議院議員、民進党の長島昭久衆議院議員、WSJのピーター・ランダース東京支局長
パネルディスカッションを行う(左から)WSJ日本版の西山誠慈編集長、自民党の山本一太参議院議員、民進党の長島昭久衆議院議員、WSJのピーター・ランダース東京支局長 PHOTO: NOBUAKI MIYAI/THE WALL STREET JOURNAL
By RYUJI SAKANO
2016 年 11 月 10 日 18:15 JST
 米大統領選の結果が判明した直後の9日夜、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が都内で開いたパネルディスカッションに登壇した自民党の山本一太参議院議員と民進党の長島昭久衆議院議員は、共和党候補ドナルド・トランプ氏の勝利にそろって驚いた様子を示した。司会はWSJ日本版の西山誠慈編集長が務めた。

ここまで予想外となった理由

民進党の長島昭久衆議院議員
民進党の長島昭久衆議院議員 PHOTO: NOBUAKI MIYAI/THE WALL STREET JOURNAL
 これほどの驚きがもたらされたことについて、長島氏は敗れた民主党のヒラリー・クリントン前国務長官の不人気、そしてトランプ陣営の声が全くメディアに吸い上げられなかった点を指摘。ディスカッションに参加したWSJのピーター・ランダース東京支局長もマスコミが反省する部分は大きいと述べた。一方、長島氏は人工知能(AI)まで使われたさまざまな事前分析が行われていたにもかかわらず、「こんなことがあってはいけない」という人間のバイアスが今回の選挙結果を予想外のものにしたのではないかとも付け加えた。

 山本氏は「あらゆるメディアがトランプ氏を批判したにもかかわらず」トランプ氏が勝利したことは知的階層の歴史的な敗北だと指摘。ポピュリズム(大衆迎合主義)の台頭から特権階級と非エリート層が対立するようになり、米国社会の分断が深刻化していると懸念を表明した。一方、長島氏は「トランプ氏がぶち壊してしまったものがあまりにも大きい」とした上で、同氏が自ら招いた分断をどう統合していくのかが見ものになると述べた。

日米同盟の転機

 トランプ氏が大統領に就任することで日米同盟に転機が訪れるとの見方が出ているが、ランダース支局長は「何のために日米関係があるのか考え直す」機会になると発言。長島氏は党の立場を離れた意見だと念を押した上で、有事の際に米国は日本を守るのに日本は米国を守らないということが所与の条件ではなくなってくるだろうと述べた。

「トランプ大統領」誕生を伝えるWSJの一面
「トランプ大統領」誕生を伝えるWSJの一面 PHOTO: NOBUAKI MIYAI/THE WALL STREET JOURNAL
 長島氏は「相互に守り合うのが同盟の基本」であり、そのために「ノーマルな同盟に近づいていく」と見通し、日本と米国がお互いにとってフェアになるような均衡点を見いだす作業を、日本側が主体的に行うべきだとの考えを示した。

 米軍駐留経費の日本の負担率は75%に上っているが、長島氏は日本として財政的に負担できるギリギリのところでやっており、これ以上を負担すれば「駐兵というよりは傭兵」になってしまうと述べた。トランプ氏の日本観が80〜90年代で止まっているのではという意見に対し、山本氏は安倍首相が早期にトランプ氏と面会して誤解を解く必要があると述べた。

米ロ関係が日ロ関係に与える影響

 トランプ氏が大統領になれば米ロ関係が改善に向かうとの観測が浮上しているが、ディスカッション終了後の質疑応答では日本が日ロ関係を修復する際にこうした流れをどのように利用できるのかとの質問が出た。

自民党の山本一太参議院議員
自民党の山本一太参議院議員 PHOTO: NOBUAKI MIYAI/THE WALL STREET JOURNAL
 山本氏は「何の証拠もない想像だ」と前置きした上で、クリントン政権であれば(領土交渉は別にして)米国務省は日ロ関係の進展を懸念するだろうと発言。トランプ政権下で米ロ関係が表面的にでも良くなれば、安倍政権のロシア政策に有利になる可能性があり、さらに首相がプーチン氏と向き合う際の選択肢を広げるかもしれないと述べた。

 一方、長島氏は日ロ関係の改善は望ましいものの厳しいだろうと指摘。よほどプーチン氏を追い詰める戦略関係ができない限り、日本の経済協力だけでロシアが北方領土で妥協するとは思えないと分析した。

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http://jp.wsj.com/articles/SB10192246251775523818204582427863002488078

http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/573.html

[経世済民118] 中国と世界:新たなダボスマン   中国が「日本に学べ」の大号令しかし日本企業の協力を得るには強力な施策が必要    
中国と世界:新たなダボスマン
2017.1.27(金) The Economist


(英エコノミスト誌2017年1月21日号)

習主席、保護主義に警鐘 トランプ新政権にらみ、ダボス会議で講演
スイス・ダボスで開幕した世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で講演する中国の習近平国家主席(2017年1月17日撮影)。(c)AFP/FABRICE COFFRINI〔AFPBB News〕
習近平国家主席は、中国は安定の礎だと主張したが、本当に世界のリーダーになるつもりがあるのかは疑問だ。

スイスのリゾート地ダボスで開催される世界経済フォーラム(WEF、通称「ダボス会議」)の参加者は、政治家をロックスターのようにもてはやすことが多い。だが、中国の習近平氏を崇めるように出迎えた1月17日の様子はまさに異例だった。

国際的な企業や政界のエリートが一堂に会するWEF年次総会に、中国の国家主席が参加するのは初めてだった。文学作品への言及をアクセントにする演説を習氏がいつもの陰鬱な調子で始めた(かさばるヘッドホンを介して提供された翻訳も同じくらい単調だった)ときには、オーバーフロー・ルーム*1さえもが満員になった。

新しい話はほとんどなかったものの、観衆はとにかく喜んで聴いていた。何しろ、世界が不確実性に覆われ、資本主義者が不安を抱いているこの時期に、世界最強の共産主義者が壇上に立ち、自分はグローバル化と開かれた市場の擁護者だと明言したのだ。

習氏はドナルド・トランプ氏の名前を出さず、米国という国名さえも口にしなかったが、メッセージは明快だった。「貿易戦争をしたところで誰も勝者にならない」。中国製品に重い関税を課すなど様々な重商主義的行動をちらつかせて脅しをかけているトランプ氏への口撃だ。習氏はさらに、保護主義を「暗い部屋に閉じこもる」ことになぞらえた。聴衆は喜びながらこの言葉を繰り返していた。

この1年、とりわけ米国と英国で政治が意外な展開を見せていただけに、聴衆の多くは習氏の言葉にほっとしているように見受けられた。

習氏はまた、「矛盾に満ちた世界」を表現するためにディケンズの作品の一節を引用した。「それは最良の時代であり、最悪の時代でもあった」という『二都物語』の冒頭だ。

*1=講演会などで、会場に入りきれない人が中継画面で中の様子を見られる部屋のこと

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今年の重点施策で、中国が「日本に学べ」の大号令
しかし日本企業の協力を得るには強力な施策が必要
2017.1.27(金) 瀬口 清之
訪仏中の中国首相、温室効果ガス排出削減目標を発表
2015年、フランスを訪問した中国の李克強首相。右はフランスのフランソワ・オランド大統領と〔AFPBB News〕
1.本年の経済政策運営の基本方針

中国の李克強総理は2016年12月16日、中央経済工作会議において翌2017年の経済政策運営の基本方針を発表した。

昨年は成長率目標達成重視か構造改革推進重視かで政府内部の意思統一が徹底できておらず、2016年5月に共産党上層部から国務院(行政府)および全国の地方政府に対して、改革推進への注力を促す意見が人民日報に掲載されるなど、習近平政権内部の不協和音が表面化した。

それだけに、今年の経済政策運営の基本方針がどのような形で発表されるか注目されていた。発表された基本方針は構想改革推進を重視する内容となっている。

3大方針の第1は「新常態」だ。これは2014年8月に人民日報に掲載されて有名になった言葉であるが、2012年11月に習近平政権が発足した当初から現在に至るまで、同政権の経済政策運営は一貫してこの方針に基づいていると言っていい。

その中身を簡潔に表現すれば、経済成長速度の適正化と経済構造の筋肉質化である。この大方針の下で2012年以降、中国経済は雇用と物価の安定を保持し、マクロ経済政策面では良好なパフォーマンスを持続している。

一方、経済構造改革面では前政権が先送りした問題が山積している。特に重工業を中心とする過剰設備の問題と中小都市における不動産過剰在庫問題は深刻だ。

それらの削減を加速して、肥満体質の非効率な経済構造をスリムで効率的なものに改善するというのが「新常態」が目指すゴールである。

第2は「サプライサイド改革」である。これは「新常態」という大方針の中核をなす政策方針であり、構造改革により経済の質向上、効率改善、経済社会の公平化、持続的発展などの実現を目指す概念である。

第3は中国語で「穏中求進」と表現されている方針である。経済の安定を保持しながら前進を目指すという意味である。これは「新常態」の下でのマクロ経済政策運営の基本的な考え方を表現したものである。

以上の基本方針を見る限り、本年の経済政策運営方針は基本的に昨年の方針を継承する姿勢が示されたと言える。ここまでの内容に関する限り、特に目新しいサプライズはなく、昨年1年間の政策運営を踏まえた穏当な中身であると感じられた。

2.重要方針となった「日本企業に学べ」の大号令

ところが、この基本方針の次に掲げられた4つの重点施策の中にサプライズがあった。前述の3つの基本方針の下、政策運営の中身について4つの重点施策が掲げられている。

1つ目は昨年の重点施策と同じで、過剰設備の削減と不動産過剰在庫の削減を主とするリストラの推進とそれを補完する政策の推進である。2つ目は農業構造改革の推進、3つ目は実体経済の振興、4つ目は不動産市場の健全な発展促進である。

このうち、サプライズがあったのは3つ目に掲げられた実体経済振興の中身である。

その実現のためには品質向上が何よりも重要であると強調し、その実現のために「匠の精神」の発揚、ブランド構築の強化、「百年老舗」の育成、製品競争力の強化を目指すと述べている。

「匠の精神」と「百年老舗」はまさに日本企業の代名詞であり、「日本企業に学べ」を確実に想起させる表現である。

この表現について、中国政府の産業政策担当の関係者に直接尋ねてみると、この部分は日本とドイツをイメージしていると解説してくれた。確かにドイツも日本と並んで職人気質が国民の間に広く共有されており、創業100年を超える企業も約8000社と日本(約3万社)と米国(約1.2万社)に次いで多い。

しかもドイツはアンゲラ・メルケル首相が2005年11月の就任以来、9回も訪中し中国重視の姿勢を貫いており、様々な分野で国を挙げて中独経済交流を推進してきた。そうした関係から見て中国がドイツに学べという方針を掲げるのは当然とも言える。

一方、日本については、2012年9月の尖閣問題の発生により、日中関係は戦後最悪の状況に陥った。

2015年4月に行われた安倍晋三首相−習近平主席の日中首脳会談以降、徐々に改善の方向に向かい、2016年9月のAPEC閉幕後の首脳会談では双方とも融和的な姿勢を示した。

その後も10月に経済界の訪中団が張高麗副総理と会見した際に予想以上に融和的な長時間の歓迎を受けた。さらに翌11月には4年ぶりに閣僚級での日中省エネ・環境総合フォーラムを開催するなど、日中関係は一歩ずつ改善に向かっている。

とは言え、2008年に胡錦濤主席が訪日し福田首相と会談を行った頃に比べれば、両国の関係は依然不安定である。ましてや1992年10月の天皇皇后両陛下のご訪中時の蜜月関係には遠く及ばない。

それにもかかわらず、中国人の有識者が見れば誰もが日本を示していると分かる表現で「日本企業に学べ」という大号令を今年の経済政策運営の重点施策としたのは大きなサプライズである。

3.日本企業重視方針の背景

なぜこのタイミングで「日本企業に学べ」という方針が掲げられたのか。

それは中国政府にとって背に腹は代えられない事情が生じているからであると推察される。

昨年の中国経済を振り返ると、経済成長率は6%台後半で安定を保持したが、年初から大きな不安材料を抱えていた。それは民間設備投資の伸びが大幅に鈍化して回復の目処が立たないことである。

中国の民間設備投資の伸びは近年、緩やかな低下傾向を辿りながらも一貫して政府・国有企業・住宅などを含む固定資産投資全体の伸びを大幅に上回る高い伸びを示していた。

ところが、2015年は固定資産投資全体と同じ10%程度の伸びにとどまり、2016年は全体の伸びも8%台前半に低下したが、民間設備投資はそれを大きく下回り2%台半ばにまで下落した。

その下落の原因は、第1に輸出の伸びが毎年20%を上回る高い伸びを続けていた以前に比べて大幅に低下し、今後は高くて数%程度の伸びにとどまると見られているため、輸出関連企業の投資が伸び悩んでいること。

第2に、過剰設備削減の促進に伴い、投資削減対象企業と関連する企業の設備投資が抑制されていること。

第3に、金融機関の民間企業に対する融資姿勢が厳しくなり、資金調達難に陥っていること。

その背景には、金融自由化の進展に伴って預金金利と貸出金利の利ザヤが縮小し、金融機関の収益が伸び悩み、融資姿勢が慎重化しているという事情がある。金融機関は政府が債務を保証すると期待される国有企業向け融資を優先させ、相対的に貸し倒れリスクの高い民間企業向け融資を絞っている。

以上の3つの要因はいずれもすぐには解決できないことから、民間設備投資が回復する見通しは立っていない。

一方、大半の国有企業は経営効率が低いことから、その業績は成長率の低下とともに徐々に悪化していくと予想される。このため、民間企業の産業競争力が改善しなければ、民間設備投資が回復せず、中国経済は国有企業の業績悪化とともに停滞に向かう可能性が高い。

そうした将来リスクを緩和する1つの方法として、中国政府は2015年以降、製造業の競争力強化を目指して「中国製造2025」という方針の下に、イノベーションの促進を重視し、重点産業分野の強化を図っている。

しかし、これを中国地場企業の力だけで実現することは難しい。

1980年以降の中国の目覚ましい経済発展の原動力は「改革開放」であり、その重要な部分は外資企業の投資拡大による技術移転だった。

特に日米韓3国の果たした役割が大きかったが、最近は中国の技術水準が向上し、米国および韓国企業とは競合関係が強まっている。一方、日本およびドイツ企業とはまだ技術力の格差があり、その2国から技術を学ぶニーズは依然強い。

特に日本は従来から対中投資金額が大きく、技術移転にも協力的である。日本企業も中国地場企業に技術を移転し、協力関係を強化し、ともに発展を目指す経営方針をとる企業が多かった。こうした日本企業の経営方針は沿海部を中心に中国各地で高く評価されている。

民間設備投資伸び悩みの解決の糸口がつかめず、国有企業の業績が徐々に低下していく見通しの中、中国企業の品質向上、競争力強化を図るには「改革開放」の原点に回帰し、日本企業とともに発展を目指すことへの期待が大きくなるのは当然である。

以上のような背景から、今年の経済政策方針の重点施策として「日本企業に学べ」という大号令が掲げられたと推測される。

4.日本企業との協調発展のための条件

中国政府が「日本企業に学べ」という重点施策を本格的に実践に移すためには、日本企業の対中直接投資の回復が不可欠である。

ちょうど昨秋以降、自動車、小売関連を中心に日本企業の対中投資が数年ぶりに積極化する兆しが見られ始めている。

この日本企業の姿勢の変化に合わせて中国政府が明確かつ具体的な日本企業重視方針を打ち出せば、多くの日本企業が中国ビジネスに対する過度な慎重姿勢を見直す可能性も出てくる。

しかし、そのためにはそれにふさわしい注目を集める政策が必要である。知的財産権の保護、資金回収リスクの軽減、政府の突然の政策変更によって生じる損失に対する一定の救済措置などが従来から期待されている中国政府への要望である。

それらに加え、今後日本企業の進出が大いに期待される、自動車、ロボット・合理化機械、小売、環境、医療・介護、食品関連等の分野において、日本企業が注目する政策を打ち出すことが有効である。

昨年11月の本稿でも提案した、ハイブリッド車の環境保護車指定、環境基準の日本並みへの引き上げなどがその一例である。

日本企業は今も横並び意識が強いため、いったん中国投資積極化の流れができれば、多くの企業が再び中国に向かう可能性が十分ある。

しかし、2012年以降の対中感情の悪化を考慮すれば、かなり強力な施策が実施されなければ、大きな流れが生まれにくいのも事実である。

今年は日中国交正常化45周年にあたることから、政治面から日中関係改善によって後押しし、経済面で日中両国企業による協調発展プロジェクトを立ち上げて日本企業の対中投資を拡大させることができれば大きな成果が得られる可能性も高まる。

「日本企業に学べ」という大号令が現実のものとなり、中国経済に明るさを取り戻す土台形成に寄与することを期待したい。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48932
http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/369.html

[戦争b19] 世界がまもなく直面する史上最大のリスク  トランプの「防衛費増額」要求はこうして突っぱねよ 米軍も日本駐留で莫大な利益 
世界がまもなく直面する史上最大のリスク
情報コミュニティを敵に回し、第2のウォーターゲート事件懸念も
2017.1.20(金) 渡部 悦和
米大統領就任式リハーサル、トランプ氏代役が「宣誓」
米首都ワシントンで、大統領就任式のリハーサル中の米連邦議会議事堂(2017年1月15日撮影)〔AFPBB News〕
ツイッターでの不適切な情報発信

ジョー・バイデン米国副大統領は、2016年11月8日の大統領選挙の勝利以降もツイッターを使い問題の多い情報発信を繰り返すドナルド・トランプ次期大統領に対して「ドナルド、大人になりなさい」と諌めた。世界中の多くの人たちも同じ思いであろう。

トランプ氏が米国の内政問題に関して何をツイートしようと「お好きなように」であるが、日本企業のトヨタ自動車に対して「メキシコでの新工場建設は問題だ」と突然ツイートすることは異常である。

1月20日の大統領就任式の直前になってもツイッターで不適切な情報発信をするトランプ氏は、世界における最大の不安定要因、最大のリスクになっている。

「トランプ氏はツイッター依存症である」と指摘する人は多く、1月20日の大統領就任後、トランプ氏がツイッターを封印することを望む人は多い。

トランプ氏が最大のリスクであるという評価は、イアン・ブレマー*1氏の評価でもある。彼が社長を務めるユーラシア・グループ(eurasia group)が、2017年の世界におけるトップリスク「TOP RISKS 2017」*2を1月3日に発表した。

2017年における最大のリスクはトランプ次期大統領の米国であり、第2のリスクが中国であると喝破している。経済的にも軍事的にも世界第1位と第2位の国がリスクと予想される2017年は大変な年になりそうである。

パクスアメリカーナの終了

パクスアメリカーナ(大国アメリカによる平和)について、多くの識者が第2次世界大戦直後から続いてきたパクスアメリカーナは終焉を迎えたと述べている。

例えば、イアン・ブレマー氏は、自らのツイッターで「パクスアメリカーナは1945年から2016年11月8日(注:米国大統領選挙でトランプ氏が勝利した日)までの間で、11月9日以降はG-Zero(ジー・ゼロ)の世界となった」と書いている。

G-Zeroの世界は、ブレマー氏のベストセラー本*3で紹介された語句で、「世界の諸問題を解決しようとする国も組織もない世界」を意味する。

アメリカ・ファースト(America First)を主張し、「米国はもはや世界の警察官にはならない」「世界の諸問題には関与しない」という意思を明確にしたトランプ氏の大統領選挙の勝利により、明らかにG-Zeroの世界に入った、というのがブレマー氏の主張である。

中西輝政氏は、その著書*4においてトランプ氏の米国を「普通の国」と呼び、米国は特別な国や例外的な国(American Exceptionalism)でなくなったと書いている。別な言い方をすれば、米国は大国であることの責任(ノブレス・オブリージュ)を放棄した国になったということであろう。

G-Zeroの世界は特別な世界ではなく、国際政治で言うところの「アナーキーな世界」(主権国家の行動を制限したり、強制する世界政府がない世界)そのものである。

アナーキーな世界における国家の最大の責務は生き残ること(サバイバル)だ。アメリカ・ファーストは、露骨な米国中心主義の表明であり、他国もまた「チャイナ・ファースト」や「ロシア・ファースト」と露骨な自己中心主義を主張するのであろう。

2017年以降は、今まで以上に各国が生き残りをかけた自己中心の戦いの時代になったことを認識しなければいけない。

アナーキーな世界において日本もまた生き残りを追求しなければいけない。その際に不安定なトランプ氏の言動は、日本にとってプラスの場合もあるし、マイナスの場合もある。トランプ氏に対しては日本の国益を中心として是々非々で対処すべきであろう。

ユーラシア・グループが予測する2017年10大リスク

●10大リスク

ユーラシア・グループが予想する2017年の10大リスクは影響力の大きさの順番に次の通りである。

(1)独立した米国(Independent America)
(2)中国の過剰反応(China overreacts)
(3)弱いメルケル(A weaker Merkel)
(4)改革なし(No Reform)
(5)技術と中東(Technology and the Middle East)
(6)中央銀行の政治化(Central banks get political)
(7)ホワイトハウス対シリコンバレー(The White House versus Silicon Valley)
(8)トルコ
(9)北朝鮮
(10)南アフリカである。

以下、最大のリスクである「独立した米国」について説明する。

*1=イアン・ブレマーは、地政学的リスク分析を専門とする世界最大のコンサルティング会社ユーラシア・グループの社長(President)

*2=“TOP RISKS 2017: The Geopolitical Recession”, eurasia group

*3=“EVERY NATION FOR ITSELF Winners and Losers in a G-Zero World”

*4=日本人と知っておきたい「世界激変」の行方、PHP新書

●「独立した米国(Independent America)」について

トランプ氏の「米国第一(America first)」や「再び米国を偉大にする(make America great again)」は、「独立(independence)」にその根拠を置いている。

つまり、トランプ政権下の「独立した米国」とは、世界の諸問題における米国が果たすべき不可欠な役割や責任からの独立であり、国連などの組織や同盟国によって米国に課せられる重荷からの独立を意味する。

ユーラシア・グループの分析によると、トランプ氏の「アメリカ・ファースト」の主張は、孤立主義の表明ではなく、単独主義の表明であるという。

この単独主義は、孤立主義が示唆する「孤立して引きこもる米国」という弱いイメージではなく、世界で最も力のある米国として、国益を擁護するためにより直接的にそのパワー(軍事力、経済力など)を使用することだという。

「独立した米国」は、軍事力の使用を厭わない。米国の中核的な国益を擁護するために、他国に与える結果を考慮することなく、米国単独でも軍事力を断固として使用する。

この点は、軍事力の活用に極めて消極的で弱い大統領と批判されたバラク・オバマ氏との大きな違いである。トランプ氏の外交政策は、オバマ氏の外交政策よりもずっとタカ派である。

このタカ派の対外政策を成立させるために発表したのが大軍拡計画である「力による平和(Peace through Strength)」であり、陸軍の現役兵員数約49万人から54万人への増加、海軍の主要艦艇276隻を350隻に増加、海兵隊の23個大隊を36個大隊に増強、空軍の戦闘機数1113機を1200機に増強するという提案である。

増強した軍事力を使い、世界の諸問題の解決ではなく、米国の利益のためにのみ使用するというのが国家通商会議代表に指名されたピーター・ナヴァロ氏などのトランプ氏側近の考えである。

米国第一と中国第一の衝突

トランプ氏がツイッターなどで発信する中国批判は注目に値する。

彼は、過去のしがらみにとらわれることなく、台湾の蔡英文総統と直接電話連絡したり、中国が長年主張し歴代米国大統領も認めてきた「1つの中国政策(One China Policy)」にとらわれないと発言した。

「1つの中国政策」を認めない一連の言動は、中国の面目を丸つぶれにする強烈なものであり、オバマ氏の中国への寛容すぎる政策とは一線を画すものである。

トランプ氏の対外政策の中で、この厳しい対中姿勢を肯定的に評価したいが、米中軍事衝突の可能性を秘めていることも指摘しなければいけない。

●中国ファースト

一方、トランプ氏の厳しい対中政策は、秋に予定されている中国の共産党第19回全国大会を控えた習近平主席にとって頭痛の種になる。

第19回党大会は、今後10年以上にわたり中国の政治および経済の方向性を決定する非常に重要なイベントである。習主席は、党大会に向けて自らの権力基盤の強化に集中している。

習主席の中国も「中国ファースト」である。中国の国益特に核心的利益に対する国外からの挑戦特にトランプ氏による反中国的な言動には断固として対応せざるを得ない。結果として米中の緊張は高まるであろう。

●中国の対トランプ報復シナリオ

ロイターは、12月13日の記事で以下のような対米シナリオを予想しているが*5、興味深いシナリオである。

いずれにしろ、トランプ氏の一連の対中批判に対して習近平政権がおとなしく屈服する可能性は低く、トランプ氏が中国を刺激すればするほど、米中の関係は悪化することになる。

・米国との断交
・台湾近辺での軍事的挑発
・南シナ海における対決姿勢
・台湾向け武器輸出に関与する米国企業への制裁
・保有する米国債の大量売却
・北朝鮮への圧力緩和
・米企業に対する圧力
・農産物調達先の乗り換え
・市場アクセス推進の停止
・サイバー問題に関する合意の見直し(2015年秋のオバマ・習近平合意の見直し)

*5=「焦点:トランプ時代の米中対立、想定される中国の報復シナリオ」、ロイター

ロシアによる2016年米国大統領選挙介入問題

●トランプ氏の常軌を逸したロシア擁護

トランプ氏は、米国大統領選挙におけるロシアによるサイバー情報活動(ハッキング)について、ロシアを批判するのではなく、米国の情報機関(CIAなど)を批判する発言を繰り返してきた。

彼は、米国の情報機関がロシアの仕業だと断定しているにもかかわらず、ハッキングに関するロシアの関与について、「馬鹿げている。信じない」、「犯人はほかの誰かかもしれない」と根拠なく一貫してロシアの関与を否定し続けてきた。

オバマ大統領は、米大統領選挙へのロシアの前代未聞の干渉に対する報復措置として、昨年12月29日、ロシア軍参謀本部情報局(GRU)の要員やロシア外交官35人を追放し、米国内にある2つのロシア情報機関関連施設の閉鎖を命じた。

この措置は当然の報復措置であるが、この措置にトランプ氏は批判的であった。

●トランプ氏による米国の情報コミュニティ批判

ジェームズ・クラッパー国家情報長官は、トランプ氏による度重なる情報コミュニティに対する批判に対し、「健全な懐疑心と誹謗中傷は違う」と指摘し、トランプ氏の米国情報機関に対する批判が単なる誹謗中傷であると不快感を示した。

共和党の議員さえ、「情報機関の重要性を理解してくれることを望む」(ジョン・マケイン上院軍事委員長)、「必要不可欠な場合を除き情報機関を批判すべきでない」(リンゼー・グラハム上院議員)とトランプ氏を批判している。

トランプ氏と情報コミュニティの間の亀裂は米国および世界の将来にとって悲劇である。指揮官の状況判断にとって良質な情報は不可欠である。正確な情報を無視するとトランプ次期大統領の状況判断は高い確率で間違うことになろう。

●ロシアの米国大統領選挙介入に関する米国情報コミュニティの報告書

クラッパー国家情報長官が1月6日に発表した「米国大統領選挙におけるロシアの活動と意図」に関する報告書*6は、ロシアの関与を否定し続けてきたトランプ氏の主張を完全に否定するもので、トランプ氏もしぶしぶロシアの介入を認めざるを得なかった。

米国の情報コミュニティの報告書の主要点は以下の通りであり、トランプ氏の過去の主張がいかに間違っていたかを証明している。

・ロシアの選挙への介入の意図は、米国主導の民主主義的秩序を傷つけることである。
・ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が米大統領選挙に介入し影響を与える作戦を指示したと判断する。

・ロシアによる米大統領選挙への介入は規模や多様な手段(筆者注:ハッキングや虚偽ニュースの拡散など)で前例のないものであった。
・攻撃の狙いについては、米国の民主的プロセスの信用を貶め、ヒラリー・クリントン氏を中傷し、大統領に当選する可能性を小さくすることだった。

・トランプ氏の当選する確率を高めようとした。
・ロシア軍参謀本部情報局(GRU)がハッキングで民主党全国委員会や民主党幹部らの文書等を入手し、ウィキリークスに与えた。
・同盟国(筆者注:特に今年重要な選挙が多い欧州諸国)も同様の危険にさらされる危険性がある

この報告を受けたトランプ氏は、「大統領選挙期間中のサイバー攻撃は選挙結果に全く何の影響も及ぼさなかった」と事実に反する内容をツイートした。

しかし、報告書は単に、選挙結果に及ぼした影響に関しての分析を避けただけであり、「サイバー攻撃は、選挙結果に全く何の影響も及ぼさなかった」というのはトランプ氏の捏造である。

●トランプ氏に関する不名誉情報の流出

ロシアがトランプ氏の不名誉な個人情報や財務情報を入手した疑いが出てきた。この情報の出典は、英国の情報局秘密情報部(MI6)の元情報員が書いたとされる報告書だ。

この報告書をニュースメディアのバズフィード(BuzzFeed)が公開している。そこには次のような記述がある。

「ロシアが西側同盟の弱化を狙って、プーチン大統領の承認のもと、5年以上トランプ氏を支援してきた」

「トランプ氏は、クレムリンから民主党やその他の政治的ライバルたちの情報をもらっていた」

「ロシア連邦保安庁(FSB)がトランプ氏を脅迫できる情報を持っていた。その情報にはトランプ氏のロシア滞在中における女性とのセックス情報も含まれている」

このBuzzFeedの報告書についてトランプ氏は、「情報は虚偽ニュースであり、政治的な魔女狩りだ」だと激しく反論し、「米国の情報機関がこの情報を漏えいした」と批判の矛先を米国の情報コミュニティにも向けたが、クラッパー長官は否定している。

さらにトランプ氏は記者会見において、CNNなどのマスコミにも怒りをぶつけ、マスコミとの関係も悪化させてしまった。

*6= Intelligence Community、“Assessing Russian Activities and Intentions in Recent US Elections”

●第2のウォーターゲート事件になる可能性も

ブルッキング研究所のシニア・フェローであるダニエル・ベンジャミン氏は、「いかなる大統領であろうと、情報コミュニティとの良好な関係なくして外交政策は成功しない」と指摘し、情報コミュニティを批判し続けるトランプ氏を諌めている*7。

両者の関係をさらに悪化させると、情報コミュニティの士気を低下させ、最も優秀な者は去り、大統領のために働きたいと思う者がいなくなり、情報を漏洩し不正を告発する者(whistleblower)が出てくるだろう。

情報コミュニティに対する過剰な批判は、トランプ氏自身を傷つけ、後々まで大きな悪影響を与える可能性がある。

トランプ氏のロシアとの不適切な関係は、第2のウォーターゲート事件に発展する可能性がある。ウォーターゲート事件は、1972年の民主党本部への盗聴侵入事件に端を発し、情報コミュニティとマスコミの両方を敵に回したリチャード・ニクソン大統領が退任せざるを得なかった事件である。

トランプ氏のロシアとの密接な関係や情報コミュニティとマスコミとの対立関係は、当時と同じ様な構図であるとも言える。

長官候補の上院公聴会などでの発言

トランプ氏が問題のツイートを連発している間に、彼が指名した国防長官候補や国務長官候補、CIA長官候補は、議会の公聴会で極めて適切な主張(トランプ氏の主張とは真逆な主張)を展開した。

国家の最高司令官(Commander in Chief)としての資質のなさを露呈する次期大統領と優秀な参謀の違いが明確になってきている。

トランプ政権内における意見の不一致が1月20日以降の政権運営にいかなる影響を及ぼすかが注目される。以下は、主要な候補の主張の要約である。

●国防長官候補ジェームス・マティス元中央軍司令官

国防長官に指名されたジェームス・マティス元大将は、米上院と下院の軍事委員会の公聴会で議員の質問に適切に答えた。

共和党議員はマティス氏の44年間の軍歴を高く評価し、民主党議員もマティス氏にトランプ次期大統領に対するチェック役を期待するなど評判は良く、上院は81対17の圧倒的多数でマティスを支持した。以下は彼の発言の要点である。

・我々は、プーチン対処の現実を認識することが最も重要である。プーチンは、NATO(北大西洋条約機構)を破壊しようとしている。
・ロシアは米国の戦略的な競争者であることを選び、鍵となる重要な分野で敵である。

・ロシア人とはつき合うが、ロシアと対決しなければいけない分野が増えている。
・NATOにおける米国の役割を擁護し、ロシアに対する抑止力としてバルト3国への永久的な米軍の配置を支持する。

・中国は、アジア諸国との信頼をずたずたにしている。中国は、米国の国益に反する行動をする可能性がある。
・イラン核合意は不完全ではあるが、その放棄を求めない。

●国務長官候補レックス・ティラーソン元エクソンモービルCEO

・日本、韓国、サウジアラビアが核兵器を保有することを望まない。
・南シナ海の人工島に中国がアクセスできないようにする必要がある。

・南シナ海における中国の行動はロシアのクリミアでの行動と似ている。事態に適切に対処してこなかったから、南シナ海で中国が許容範囲外の行動をとる結果になった。

・ウクライナの同意がない限り、ロシアのクリミア併合を認めない。
・TPP、イラン核合意、気候変動に関する合意を支持する。

●CIA長官候補マイク・ポンペオ共和党下院議員(元陸軍将校)

・情報コミュニティの報告書を受け入れ、プーチン大統領が米国大統領選挙に介入したことを認める。
・トランプ氏のロシアとの関係に関する調査において、事実を追求する。
・ロシアは、世界中で攻撃的に自己主張を再開している。澄んだ目でモスクワを見てきたし、今後も同じだ。

結言

多くの人が主張するようにトランプ氏のツイッターによる情報発信は、米国にとっても世界にとっても大きな不安定要因になっている。彼が次に何をツイートするかは多くの人を不安にさせているが、彼は大統領就任後もツイッターを使い続けるであろう。

また、彼のプーチン大統領とロシアに対する異常な支持は彼の主要なスタッフや米国の情報コミュニティの認識とは真逆である。トランプ政権が本格的に始動すると、政権内の意見の不一致が表面化するであろう。

最も影響力のある国家の最高司令官が米国のみならず世界の安定にとっての最大のリスクになっている現実にはため息が出る。

トランプ氏のカウンターバランスとしての議会、司法、優秀な閣僚、マスコミに期待せざるを得ないが、2017年以降の世界が2016年以上に不安定になることを覚悟せざるを得ないであろう。

*7=Daniel Benjamin、“How Trump’s Attacks on U.S. Intelligence Will Come Bak to Haunt Him”、Brookings FP
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48943


 

トランプの「防衛費増額」要求はこうして突っぱねよ
アメリカ軍も日本駐留で莫大な利益を得ている
2017.1.26(木) 北村 淳

嘉手納基地からネパールに向かう米海兵隊員ら
沖縄県の米軍嘉手納基地から大地震に見舞われたネパールに向かうため米軍の小型ジェット機セスナ・サイテーションウルトラに乗り込む米海兵隊員たち。米海兵隊提供(資料写真、2015年5月4日撮影・提供)。(c)AFP/HANDOUT/US MARINE CORPS/Lance Cpl. Makenzie Fallon〔AFPBB News〕

 トランプ新大統領は就任演説で「私たちは古くからの同盟を強化し、新たな同盟を構築する」と述べた。そして、安倍首相はトランプ大統領への祝辞メッセージの中で、「日本とアメリカの同盟の絆をいっそう強化していきたい」と伝えた。

 トランプ大統領も安倍首相も「同盟を強化する」と述べている。だが、両者が口にした「同盟を強化する」という表現の内容が果たして似通ったものなのか、それとも似て非なるものなのかは大きな問題である。

同盟はギブ・アンド・テイクの契約

 いかなる国家間の軍事同盟においても、当事国は同盟を結ぶことが自国の国益、とりわけ国防戦略上の利益になることを期待して同盟関係を構築する。

 それぞれの同盟国は、自国の国防戦略に必要な国防システムの弱点あるいは強化したい点を補強するために、同盟相手国が提供する条件を期待するのである。この事情は相手国にとっても変わらない。その意味で、それぞれの同盟国は相手国とギブ・アンド・テイクの関係に立脚しているわけである。

 日米同盟に即していうならば、日本は世界最大の軍事大国であるアメリカから核抑止力の提供を受けるとともに、有事の際には、敵地を攻撃したり遠洋でのシーレーンを防衛したり水陸両用作戦を実施したりするといった自衛隊に不足している各種戦闘力を提供してもらう権利を有している。そして、その対価として在日米軍に土地やインフラサービスそれに諸必要経費などを提供する義務を負う。

 反対にアメリカは、日本から在日米軍に対する土地やインフラサービスそれに諸必要経費などの提供を受ける権利を有し、その対価として核抑止力ならびに各種戦闘力を提供する義務を負っている。

 日本もアメリカも、そのような同盟条約という契約上のギブ・アンド・テイクから互いになんらかの国益を手にしているのである。

日米同盟の構造
水陸両用戦力の配備、日米にとってのメリットは

 具体的な例を挙げよう。

 日本にアメリカの水陸両用戦力(アメリカ海兵隊第3海兵遠征軍ならびにアメリカ海軍第11水陸両用戦隊)が配備されていることによって、日本は自衛隊が保持していない本格的な水陸両用戦能力を有事の際には提供してもらえることを期待できる。その見返りとして、日本は沖縄や岩国の基地や沖縄や富士山麓の演習場などを海兵隊に提供し、佐世保軍港や沖縄ホワイトビーチなどを米海軍に提供している。

 一方のアメリカは、有事の際にそれらの戦力を日本に展開し、各種防衛作戦に従事したり、大規模災害の際にはトモダチ作戦に見られるように水陸両用戦力を展開して日本を支援する。その見返りとして、アメリカ側は水陸両用戦力をアメリカ本土から太平洋を隔てた日本各地に安心して前方展開させておくことができるのである。

 アメリカはこうして水陸両用戦力の前方展開態勢を確保することにより、東北アジア、東南アジア、南アジアから中東地域での戦闘から人道支援・災害救援活動まで、幅広い各種軍事行動に迅速に対応することができる。ひいてはこれらの地域に対するアメリカの国益の維持・伸長を図ることができるというわけだ。

損得勘定を弾くビジネスマンのトランプ氏

 ここで問題となるのが、「アメリカが水陸両用戦力を日本に常駐させていることは日米どちらにとってメリットが大きいのか?」という条約上の損得勘定である。

(もちろん、日米安保条約によって日本に展開しているのは水陸両用戦力だけではなく、空母打撃群やその他の艦艇それに空軍戦闘機部隊や各種補給航空部隊など枚挙にいとまがない。したがって、水陸両用戦力だけで条約上の損得勘定はできず、以下はきわめて部分的な比較に過ぎない。)

 大統領選挙期間中、トランプ大統領は「日本は米軍駐留費を全額負担すべきだ」と口にした。その論理は、アメリカが提供している水陸両用戦力の評価額に比べると、日本が提供している基地・訓練場をはじめとする土地、電気ガスなどのインフラ設備やその費用、基地内の従業員の人件費をはじめとする各種経費などを総合した評価額のほうが安い、という判断に基づいている。

 日米同盟における基地問題に関して、ビジネスマンのトランプ大統領にペンタゴン側がブリーフィングする際、最も説得力があるのはこの種の同盟上のバランスシートの論法であろう。

http://jbpress.ismedia.jp/mwimgs/9/1/420/img_9123a3f1d54b51b34003bd0b641a24e156622.jpg


莫大な金銭的利益を得ているアメリカ

 アメリカから「我々(アメリカ側)の負担の方がはるかに大きい」という主張が飛び出してくるのも、うなずけなくはない。

 少なからぬ米海軍や海兵隊関係者たちから、「もし日本が自分たちで第3海兵遠征軍ならびに第11水陸両用戦隊に相当する水陸両用戦力を自ら保持することになった場合、どれほどの国防予算が必要になるのか日本側は認識しているのだろうか?」という声をしばしば聞くことがある。

 確かにその場合、主要な装備だけを考えても、自衛隊は最低でも強襲揚陸艦1隻、揚陸輸送艦2隻、揚陸指揮艦1隻、強襲揚陸艦に搭載する各種戦闘攻撃機60機以上、オスプレイ20機以上、重輸送ヘリコプター20機以上、攻撃ヘリコプター20機以上、水陸両用強襲車60輛以上、軽装甲車両60輛以上・・・と莫大な国防予算を投じる必要が生じる。それらの維持修理にも、やはり巨額の国防予算が必要になる。加えて、2万名以上にのぼる海兵隊員と海軍将兵も必要になる。このように、アメリカは水陸両用戦力の構築と維持に莫大な費用をかけているのだ。

 ただし、アメリカにとってのメリットも巨大と言ってよい。水陸両用戦力(海軍・海兵隊)に限らず、空母打撃群(海軍)や戦略輸送軍(空軍)などにとっては、アメリカ西海岸から8000〜10000キロメートルも隔たった日本各地に前方展開拠点を確保できる戦略価値は莫大である。

 また、多くの海兵隊や海軍将校たちが「文化水準が高い日本への駐留は、軍人にとっても家族にとっても最高」と語っているように、アメリカ軍が日本駐留によって得られる恩恵を金銭価値に評価すると、極めて巨額にのぼるものと考えられる。

 軍事戦略面からみても、アメリカは日本に各種基地を確保することで莫大な金銭的利益を得ている。もし、日本に海兵隊基地、空軍基地、軍港を確保できない場合、アメリカ軍が東アジアから南アジアに前方展開態勢を維持するには、空母打撃群を少なくとも2セットは増加させなければならない。強襲揚陸艦を中心とする水陸両用即応部隊も2セットは増加させる必要がある。また、大型輸送機や爆撃機の運用にも深刻な支障が生ずることになる。日米同盟のおかげで、アメリカは空母打撃群や水陸両用即応部隊の建造費・維持費を節約することができているのだ。

日本からもバランスシートを提示せよ

 トランプ政権は「日米同盟強化」の施策として、上記の強襲揚陸艦や戦闘攻撃機など金銭価値で評価しやすいアメリカ軍の戦力が日本の提供している“負担”よりも高額であると言い立てて、日本側にさらなる資金提供を迫るであろう。

 日本政府は、そのような要求に唯々諾々と従う必要はない。アメリカ側が日本駐留から得ている戦略的価値を金銭的に見積もり、双方のバランスシートをトランプ大統領に示すところから、日米同盟強化に関する交渉をスタートさせるべきである。そうでないと、「日米同盟の強化」の名の下に日本国民の血税をアメリカに吸い上げられてしまうことになりかねない。

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[経世済民118] 60年を経て明らかにされた砂糖業界の陰謀 研究操作で「脂肪」が諸悪の根源にされていた いつまで続く「研究操作」 新潮社フ
60年を経て明らかにされた砂糖業界の陰謀
研究操作で「脂肪」が諸悪の根源にされていた
2017.1.26(木) 新潮社フォーサイト
新潮社の会員制国際情報サイト「新潮社フォーサイト」から選りすぐりの記事をお届けします。

1960年代、米国の砂糖業界の働きかけによって砂糖と心臓病を因果づける議論はぱったり消えたという(写真はイメージ)
(文:大西 睦子)

 昨年、プロ野球「横浜ベイスターズ」の親会社でもある大手IT企業「DeNA(ディー・エヌ・エー)」が運営する医療系キュレーションサイト『WELQ(ウェルク)』で、他のメディアから無断で記事を転用したり、多くの記事が科学的根拠の検証がまったくなされていないものであったことなどが問題となりました。結果、DeNAは11月末、同サイトを含めて運営する10のキュレーションサイトのサービス停止に追い込まれました。

 このWELQというサイトは非常に人気だったそうですが、それだけに、科学的、医学的に誤った情報を氾濫させていたわけで、社会的にも大きな問題であり、責任も重いと思います。

 これはメディアの質と責任が問われる問題ですが、実は同時期、米国では同じように「健康」に関することで社会的な騒動に発展している問題が起きています。問題の構造はより単純です。そしてそれは、私たち日本人にとっても非常に重大な影響がある問題です。

ハーバード大を抱き込んだ砂糖業界

本コラムは新潮社の会員制国際情報サイト「新潮社フォーサイト」の提供記事です。フォーサイトの会員登録はこちら
 約60年も前から米国で始まり、今や世界中で大流行している「低脂肪ダイエット」。日本でも、ヘルシーなダイエットとして、あたかも新興宗教のようにのめり込んでいる人も少なくないようです。しかし実際のところ、健康への効果はどうなのでしょう? そもそも、ダイエットのためになぜ脂肪の摂取だけを制限しなければならないのでしょうか?

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・60年後にばれた米「砂糖業界」の大陰謀(下)いつまで続く「研究操作」
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・クリントンVS.トランプ「ヘルスケア政策」の格差

 実は1960年代、米国の砂糖業界は、ハーバード大学の研究者らに資金を提供し、「砂糖と脂肪の心臓病への影響」について調査を依頼しました。そして研究者らは、あろうことか、砂糖業界にとって都合の良いように結果を操作し、心臓病の責任を脂肪だけに押し付けるような結論を導き出したのです。その結果、脂肪は心臓病にとっての悪者となり、そればかりか肥満についても諸悪の根源のごとく見なされ、以来、低脂肪ダイエットが大流行したのです。

 この衝撃的な事実は、60年を経た2016年9月12日、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)のクリスティン・カーンズ博士らが『米国医師会雑誌』(JAMA Internal Medicine)に発表した調査論文によって初めて明らかになりました。

 この論文を中心に、半世紀以上も前にゆがめられてしまった栄養学と、いまも混乱しているダイエット事情について検証してみます。

http://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/2548255 Sugar Industry and Coronary Heart Disease Research, JAMA Intern Med, Nov 2016】

「市場拡大」のための4カ条

 1950年代、米国では心臓病による男性の死亡率が増加しました。当時のドワイト・アイゼンハワー大統領も深刻な心臓発作に苦しんでおり、米国民は、大統領の回復を願いつつ、闘病の様子をじっと見守っていました。こうした時代背景もあり、米社会では、心臓病を予防するための「健康的な食生活と運動」が新たなスローガンとなりました。

 そんな中、1954年、甘味資源作物の生産者団体や製糖メーカーなどが設立した「砂糖研究財団(The Sugar Research Foundation)」(現「米国砂糖協会」=The Sugar Association)のヘンリー・ハース会長(当時)が、アメリカ甜菜(てんさい=砂糖の原料作物)研究会(ASSBT)で、砂糖業界関係者向けに「砂糖の研究における最新情報」と題した講演を行いました。その際ハース会長は、以下の4点を世間一般に強調していくべきであり、そうすることで米国人が「低脂肪ダイエット」をどしどし採り入れるようになれば、それがひいては砂糖業界の市場拡大のチャンスになるのだ、ということを熱弁したそうです。

(1)一流の栄養士らが、高脂肪の摂取によってコレステロールの形成が促進される化学的因果関係を指摘している。これをさらに強調し、コレステロールが多量に形成されると動脈や毛細血管を塞いで血流が悪くなり、高血圧や心臓病を引き起こすと喧伝する。

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(2)中年男性が低脂肪ダイエットを実行すれば、たった5日で血液中のコレステロールが正常値に戻ると喧伝する。

(3)米国人の食生活では、脂質から摂取するカロリーが40%だと言われている。しかし、かつてはこの半分の20%は、炭水化物から摂取していたのだから、この20%を取り戻すべく炭水化物食品にかかわる業界は努力すべき。これを実現でき、なおかつ砂糖が炭水化物市場での現在のシェアを維持できれば、1人当たりの砂糖消費量が3割増える計算になる。そして、そうすれば健康が著しく改善するのだと喧伝する。

【筆者注:炭水化物とは「糖質」と「食物繊維」からなる化合物のこと。このうち「糖質」には、「多糖類」(オリゴ糖、でんぷん、デキストリン)、「二糖類」(麦芽糖、ショ糖、乳糖)、「単糖類」(ぶとう糖、果糖)などが含まれる。「砂糖」はこの「二糖類」に含まれる】

(4)砂糖業界として、生化学の知識がない一般の人に、「砂糖は人間の生命を保ち、日々直面する問題への活力になる」というイメージを喧伝するために、年間60万ドル(2016年の貨幣価値では530万ドル)費やす。

http://edition.cnn.com/2016/09/12/health/sugar-industry-heart-disease-research/ How the sugar industry sweetened research in its favor, CNN, Sep 12. 2016】

https://www.sugar.org/the-sugar-association-statement-on-kearns-jama-study/ Eisenhower's 1955 Heart Attack, JSTOR, Mar. 2008】

黙殺された「砂糖の問題点」

 同じ頃、生理学や栄養学の研究者らが、コレステロール、過剰なカロリー、アミノ酸、脂肪、炭水化物、ビタミンなどの食事因子が心臓病に与える影響について、それぞれ調査・研究を始めていました。そして1960年代までに、2人の著名な生理学者が、冠動脈性心疾患の原因について、それぞれの説を発表しました。

 1人は、英国クイーン・エリザベス大学栄養学教授のジョン・ユドキン博士。ユドキン博士は、過剰な糖の摂取こそが冠動脈性心疾患の原因と指摘しました。後に『純白、この恐ろしきもの――砂糖の問題点』という著書も書いています。

 そしてもう1人は、米ミネソタ大学のアンセル・キーズ博士。キーズ博士は、飽和脂肪酸やコレステロールの摂取が、冠動脈性心疾患の原因と指摘しました。

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 ところがその後、ユドキン博士の説は学会や業界からまったく無視され、キーズ博士の理論が受け入れられるようになります。冒頭で紹介したJAMAの論文の共著者、カリフォルニア大学サンフランシスコ校保健政策教授ローラ・シュミット博士は、CNNの取材にこういう趣旨で答えています。

「もし私たちが1965年に戻ってシナリオを書き直すことができれば、心臓病のリスクは脂肪だけではなく、炭水化物、特に砂糖にもあるのだと、社会全体に注意を促します。そうしていれば、その後の状況は全く違っていたでしょう」「炭水化物が心臓病において深刻な影響を及ぼすというユドキン博士の説を無視していなければ、今日のように心臓病や肥満が蔓延している状況は異なっていたでしょう」

 それではなぜ、あの当時、ユドキン博士の説は無視されたのでしょうか?

「5万ドル」で研究結果を操作

 カーンズ博士やシュミット博士らは、1959 年から1971年までさかのぼり、砂糖研究財団(当時)の幹部と様々な科学者との手紙のやりとりを収集しました。その過程で、1967年にハーバード大学公衆衛生大学院栄養学科マーク・ヘグステッド博士らにより『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)』誌に発表された「炭水化物、脂肪とアテローム性動脈硬化症」と題する論文の総説に関して、衝撃的な証拠書類を発見しました。

 それによると、砂糖研究財団は、ハーバード大学の3人の研究者らに、今日の貨幣価値で約5万ドルを支払い、砂糖業界に都合の良いように結果を操作するよう依頼していたというのです。

 総説では、「食事中の飽和脂肪酸とコレステロールの割合を減らし、多価飽和脂肪酸の割合を増やすことが心臓の健康のためになる。一方、炭水化物の関与はわずかである」と結論づけました。つまり、心臓病に対する悪影響という点で、砂糖に“甘い”評価をつけていたのです。

 医学会のトップジャーナルであるNEJM誌で発表されたその論文は、その後の科学的な議論に決定的な影響を及ぼしました。そして実際に、この論文の発表後、砂糖と心臓病を因果づける議論はぱったりと消えていったのです。その因果関係をいち早く指摘したユドキン博士の説が無視され、闇に埋もれてしまったのも、そうしたことが原因だったのです。

◎新潮社フォーサイトの関連記事
・60年後にばれた米「砂糖業界」の大陰謀(下)いつまで続く「研究操作」
・米誌で読む「STAP細胞」真相(下)「発見した瞬間」の話も「盗用」だった
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公開されなかった「利益相反」情報

 しかし、問題のNEJM誌の論文には、砂糖研究財団から金銭的支援を受けていた事実が開示されていません。現在では信じ難いことですが、実は1984年まで、NEJM誌は、論文発表者に「金銭上的な利益相反」に関する事実開示を要求していませんでした。

 今回、JAMA誌の調査論文が明らかになった直後、米国砂糖協会は次のような声明を発表しています。

「我々は、すべての研究において、透明性が必要であることを認めます。ただし、この研究が発表された時代は、金銭的支援の開示と透明性の基準は、今日と異なっていました。さらに、60年前に起こった、私たちが1度も見たことがない(証拠書類とされる)文書に関する問題に私たちが応じることは難題です」

 こうした対応に対して、ニューヨーク大学の栄養学と公衆衛生学の教授マリオン・ネスレ博士はこう強く非難しています。

「1967年の総説のように、砂糖ではなく飽和脂肪酸だけを問題視したことで、その後数十年の間、心臓の健康について医療関係者が一般の人々に行う食事のアドバイスに、極めて深刻な影響を及ぼしてきたのです」

 実際、ネスレ博士のコメントの通り、1967年のNEJM誌の総説は、後年、米連邦政府が策定する『アメリカ人のための食生活ガイドライン(DGAs)』に大きな影響を及ぼすことになるのです。

(「60年後にばれた米『砂糖業界』の大陰謀(下)いつまで続く『研究操作』」につづく)

https://www.sugar.org/the-sugar-association-statement-on-kearns-jama-study/ The Sugar Association Statement on Kearns JAMA Study, Sep 12. 2016】

https://www.bloomberg.com/news/articles/2016-09-12/how-big-sugar-enlisted-harvard-scientists-to-influence-how-we-eat-in-1965 How Big Sugar Enlisted Harvard Scientists to Influence How We Eat─in 1965, Bloomberg, Sep 13. 2016】


大西 睦子
内科医師、米国ボストン在住、医学博士。1970年、愛知県生まれ。東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部附属病院血液・腫瘍内科にて造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月からボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。2008年4月から2013年12月末まで、ハーバード大学で、肥満や老化などに関する研究に従事。ハーバード大学学部長賞を2度受賞。現在、星槎グループ医療・教育未来創生研究所ボストン支部の研究員として、日米共同研究を進めている。著書に『カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側』(ダイヤモンド社)。『「カロリーゼロ」はかえって太る!』(講談社+α新書)。『健康でいたければ「それ」は食べるな』(朝日新聞出版)などがある。

◎新潮社フォーサイトの関連記事
・60年後にばれた米「砂糖業界」の大陰謀(下)いつまで続く「研究操作」
・米誌で読む「STAP細胞」真相(下)「発見した瞬間」の話も「盗用」だった
・クリントンVS.トランプ「ヘルスケア政策」の格差
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49001


 
60年後にばれた米「砂糖業界」の大陰謀(下)いつまで続く「研究操作」
執筆者:大西睦子2017年1月23日

洋の東西を問わず、メタボに対する関心度は高いが……(C)時事

 米連邦政府が策定した『アメリカ人のための食生活ガイドライン(DGAs)』は、さまざまな疾患や生活習慣病の元となる肥満や動脈硬化症などを防ぐための「食生活」の指針として政府が定め、米国保健福祉省(HHS)と米国農務省(USDA)が5年ごとに改定・公表しています。「食生活」による健康管理で疾病を防ぎ、高騰する医療費の削減を狙ったものですが、食品メーカーや小売店などは、この指針によって商品に含まれる栄養素の構成や商品のラインナップを変えるなど、米国人の食生活に大きな影響力を持っています。

 策定にあたっては、医師や科学者など医療・栄養・公衆衛生学の専門家によって構成される諮問委員会が、「食」に関連するさまざまな研究成果を吟味します。

 今回問題となった1967年のNEJM誌の総説の著者らは、すでに他界しています。しかし実は、共著者の1人であるマーク・ヘグステッド氏は、論文発表後、米国農務省栄養部門長官を務めていました。それどころか、1977年、初めてこのガイドラインが作成されるにあたり、その草案作りに重大な責任を負う立場でかかわったのです。
http://www.fsight.jp/articles/print/41935
http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/370.html

[経世済民118] トランプ政権とメキシコの対立エスカレート−貿易戦争の足音 メキシコ恩恵 科学者ら警告 浮かび上がったトランプ経済政策手法
トランプ政権とメキシコの対立エスカレート−貿易戦争の足音
Austin Weinstein、Eric Martin、Justin Sink
2017年1月27日 14:04 JST

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メキシコのペニャニエト大統領はトランプ氏との首脳会談を中止
ホワイトハウスはメキシコからの輸入品への20%課税案で応酬


米国とメキシコの関係は26日、新たな混乱状態に陥った。数十年にわたる友好と経済協力を台無しにしかねない貿易戦争に両国は近づいている。
  トランプ米大統領が北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉とメキシコ国境への壁建設という選挙公約の実行に動き出したことから、メキシコのペニャニエト大統領はこの日、訪米中止を発表した。これに対しトランプ政権は、メキシコからの輸入品に20%課税する案で応酬した。

  米国のシンクタンク、インターアメリカン・ダイアログのマイケル・シフター会長は、「米国とメキシコの関係にとっては極めて悪い日であり、記憶の限りにおいては最悪の日だ」と述べ、「手に負えない状況に陥る本当の危険がある」と指摘した。

  世界屈指の貿易関係が破綻に向かっているとの懸念が強まり、メキシコ・ペソは急落。米株式相場は伸び悩んだ。
  トランプ大統領がメキシコに不満を持つにせよ、両国経済は深く結び付いており、国境沿いの州では特にその傾向が強い。それだけに深刻な政治・経済の動揺を招かずに両国を引き離すことはほぼ不可能に近い。自動車や同部品、農作物、繊維、食品は全て両国間を自由に行き来しており、それに支障が生じた場合、双方の国に経済的な悪影響が及ぶ恐れがある。その打撃はトランプ氏を大統領に押し上げたラストベルト(脱工業化の中西部から北東部にかけての地域)も受ける。

  最大の打撃を受けるのは自動車産業だろう。フォード・モーターとゼネラル・モーターズ(GM)、フィアット・クライスラー・オートモービルズはいずれもメキシコに組立工場を構えている。ホンダや独フォルクスワーゲン、マツダなどの外国メーカーもメキシコ工場から米国に自動車を輸出している。北米自由貿易協定(NAFTA)で恩恵を受けている米国企業にはワールプールやゼネラル・エレクトリック(GE)などもある。
  首脳会談の中止前には、ペニャニエト大統領はNAFTAに関して来週ワシントンで交渉を開始すると見込まれていた。トランプ大統領は米国の労働者にとってより良い取引をまとめられない場合は見捨てることも辞さない姿勢を取っており、NAFTAは「最初から一方的な取り決めだった」と26日にツイッターに投稿した。

原題:U.S. Edges Toward Trade War as Trump Clash With Mexico Escalates(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-27/OKF4V06JTSE801

 

メキシコ、トランプ氏の保護主義策で恩恵の公算−米シティCFO
Dakin Campbell
2017年1月27日 14:44 JST

メキシコは労働力で非常に大きな強み−ガースパッチ氏
ペソ安がメキシコの競争力を一段と高める可能性−同氏

米銀シティグループのジョン・ガースパッチ最高財務責任者(CFO)は26日、トランプ米大統領の保護主義的な通商政策でメキシコが恩恵を受ける可能性があると指摘した。ペソ安でメキシコ経済の競争力が一段と高まる見込みであることを理由に挙げた。
  ガースパッチCFOは債券投資家向けの四半期電話会議でアナリストから質問を受け、「メキシコは強みを多く持っており、米国との貿易で何が起ころうとも、こうした強みは一国の経済として続くだろう」と分析。「メキシコ国内には労働力で非常に大きな強みがなお存在し、これは世界で競争する機会をもたらすと考えている」と述べた。
  トランプ氏が昨年11月8日の米大統領選で勝利して以降、メキシコ・ペソは対ドルで13%超下げた。メキシコはシティにとって米国外で最も大きい市場となっており、メキシコ部門のシティバナメックスは約1500支店を有する同国2位の銀行。
  ガースパッチ氏は「ペソ安はメキシコの競争力をさらに高める可能性があり、われわれはメキシコに関して選好する材料は数多いと考えている」と話した。
原題:Mexico Could Benefit From Trump’s Protectionism, Citi CFO Says(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-27/OKF86H6JTSEB01

 


 
トランプ大統領の壁、地球にとって良くない−科学者らが警告
Anna Hirtenstein、Joe Ryan
2017年1月27日 13:27 JST

メキシコ国境沿いの壁に必要なコンクリートはフーバーダムの倍以上
コンクリートの主な材料であるセメント生産の際にCO2排出

トランプ米大統領のメキシコとの国境沿いに壁を建設する計画は巨額費用がかかるほか、メキシコとの外交関係に既に亀裂を生じさせた。だが、それだけではなく、地球にとって良くないと科学者らは言う。
  ニューヨーク大学とユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)のエンジニアによると、コンクリート利用で温室効果ガスが排出される可能性があるが、今回の壁に使用するコンクリートの量は米フーバーダム の倍以上を必要とする。
  全長1000マイル(約1600キロメートル)の壁建設には2億7500万立方フィートのコンクリートが必要と見積もられ、それによって排出される二酸化炭素(CO2)は最大190万トンとの試算をコロンビア大学地球研究所の科学者、クリストフ・メインレンケン氏が出した。これは、米ピッツバーグの全ての住宅から1年間に排出される量を上回るという。
  米環境保護団体シエラクラブのアリゾナ支部でコーディネーターを務めるダン・ミリス氏はインタビューで、「あれだけの規模の壁のCO2排出量は巨大になる」と語った。
  コンクリートによるCO2排出の大半は主原料のセメントによるもの。セメントは石灰石を分解して生産するが、その際にCO2が発生するほか、セメント1トンを生産するのに約181キロ相当の石炭が必要になる。地球研究所によると、セメント業界からのCO2排出量は世界全体の約5%を占める。
原題:Scientists Warn Trump’s Border Wall Will Be Bad for the Planet(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-27/OKF5OI6TTDS001

 


【コラム】浮かび上がったトランプ米政権の経済政策手法−エラリアン
コラムニスト:Mohamed El-Erian
2017年1月27日 15:46 JST

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トランプ米政権発足からまだ日が浅いが、大統領が志向する経済政策の手法が徐々に明確になってきた。誕生1週間の政権の言動で浮かび上がった主な特徴を幾つか列挙する。

「輸入代替プラス」とも言うべき政策立案手法と共に産業政策の諸要素を活用し、高成長と雇用創出加速を目指す

  トランプ政権は従来型の輸入代替型戦略をほうふつとさせるやり方で、海外から米国内市場に出荷している米企業の生産施設を本国に引き寄せようとしている。そして、それに「プラス」する形で、海外市場向けの国外生産拠点も米国に移転させるよう目指す。雇用や賃金への望ましい効果を増幅させるため、政権は自動車など特定のセクターとのやり取りで産業政策の諸要素を追加している。

マクロとミクロの両面での取り組み

  こうした重点の置き方は、政権が追求するマクロとミクロの介入の組み合わせを浮き彫りにする。マクロレベルの中心は規制緩和、税制改革、インフラ、インセンティブの変更を通じた国内生産と米製品・サービスの消費の優遇という4点だ。ミクロでは、セクターごとの重点と道義的説得の選択的適用をリンクさせ、特定プロジェクトを結び付けるケースもある。

経済政策手段としてのシグナルと語り掛けの積極活用

  普通のエコノミストはこうしたミクロ措置の全般的な影響を否定しがちだろう。だが、語り掛けや期待、行動をもっと一般的なレベルで変えていくというインパクトによって、シグナル効果は極めて大きなものとなると指摘するエコノミストもいるだろう。トランプ大統領が雇用について何度も強調するとともに、ツイッター投稿も含む多様なコミュニケーション手段を積極的に活用していることで、このような効果は増強される。


アメとムチの哲学が支え


  アメとムチに支えられながら、政権と産業界との間で展開する暗黙の契約によって、メッセージは増幅される。とりわけ、規制緩和や減税のインセンティブと、「米国第一」の警告に十分反応しない企業に恥辱を与えたり罰したりするという脅しが挙げられる。

国境を越える関係については、米経済政策の立案における何十年もの常識をひっくり返すことも辞さない政権

  この手法は、国境を越える関係を支配してきたずっと前からのルールや慣行から逸脱する用意がある点にも及ぶと受け止められる。ドル高けん制発言や環太平洋連携協定(TPP)からの離脱、北米自由貿易協定(NAFTA)解体の脅し、世界貿易機関(WTO)の下でのコミットメントに合致しない関税の賦課といった形を取っている。その過程で、他国との交渉戦略の一環として、トランプ政権は必要と判断すれば、深くしっかりと根付いた国際的な経済運営の原則に疑問を呈し、ひっくり返す用意があるとの立場を示唆している。

  政策的な意図の多くが、発表の段階から詳細な立案や継続的な実行の段階にまだなかなか移行できずにいる現状を特に考えれば、事態がどう収束するかは依然として分からない。さらに、議会にもこのプロセスの中で発言権がある。それでもエコノミストの一部は既に、展開されつつある米国の経済政策手法を中南米でポピュリスト政権が追求したものになぞらえている。開発経済学に精通した人々は特に、アルゼンチンやブラジルなどの国々が一度ならず追求した輸入代替型成長モデルを想起させられている。

  しかし、そのような比較は時期尚早で、誤解を招くものでもあるかもしれない。その理由は米国で支配的な経済、金融の初期状態が極めて異なっている点に限られない。
  トランプ大統領の手法が今後も続けば、世界経済との相互作用の在り方の取捨選択を含め、米経済の内部の動きや方向性の変化を大きく超えて、その影響は拡大するだろう。米国が国際金融システムの中心にある点を踏まえれば、米国で起きることは一国だけの問題にとどまらない。それは他の国々からの反応も誘発する可能性が最も大きく、ルールに基づく世界システムの従来の機能を揺るがす可能性もある。

  各国の国内および世界における責任のバランスを図る協力的な方法で、うまく運営できれば、その帰結は高水準で一層包括的な成長の持続と、真の金融の安定性の実現に不可欠な全般的な政策の改革といった類いのものとなる可能性がある。だが、国際的なまとまりや協調を欠いた形で進められれば、世界経済は分裂が増す方向に傾斜するだろう。そうなれば、現在と将来の成長と繁栄を減じ、金融の不安定性を招くリスクが増大することになる。
(このコラムの内容は必ずしもブルームバーグ・エル・ピー編集部の意見を反映するものではありません)
原題:Trump’s Economic Approach Is Taking Shape: Mohamed A. El-Erian(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-27/OKF8KT6JTSE801
http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/374.html

[経世済民118] VIXにだまされるな、2017年は不安定な1年になる気配 日銀、金利曲線スティープ化放置  長期金利上昇圧力 株小幅続伸
VIXにだまされるな、2017年は不安定な1年になる気配
Eric Lam、Will Davies
2017年1月27日 15:55 JST

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エジプト・ポンドや人民元など新興国通貨の変動性は群を抜く
過去2年と同様にボラティリティーは高まっている

金融市場のボラティリティー(変動性)を測る指標で最も有名な指数が、世界金融危機前の水準付近に低迷し、退屈させるようなシグナルを送っている。
  ただ問題は、このシカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティー指数(VIX)がS&P500種株価指数に基づく指数である点だ。一歩下がって世界を見渡せば、今年初めも過去2年間に見られたのと同様にボラティリティーが高まっていることが示されている。
  新興国通貨の変動性は群を抜いており、エジプト・ポンドや中国人民元といった資産に投資する危険性と収益性を物語っている。ブルームバーグが過去20年間の金融市場の価格変動を調査した結果では、過去2年間の初めの時期は、リーマン・ショックや短期金融市場の機能停止で世界が大きく揺れた2009年以降でボラティリティーが最高だった。
  市場関係者によると、今年はとりわけトランプ大統領の政策課題の影響などさまざまな未知の要素に市場が反応して、ボラティリティーが上昇傾向になる公算が大きい。JPモルガン・チェースのストラテジストらは、経済政策の体系が恐らく第二次世界大戦以降見たことのない方法で作り直されつつあると指摘する。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/izTFy5Phef2o/v1/-1x-1.png

  フィデリティ・インターナショナルのマルチアセット・シームの運用ディレクター、スチュアート・ランブル氏は「ボラティリティーがここ数年に比べて低下していると投資家が本当に感じているとは私は思わない」と述べ、「市場ではここ数カ月に支配的なトレンドが見られ、投資家は米大統領選後、経済成長やインフレ高進に備えている」と指摘した。
原題:Don’t Be Fooled by the VIX: 2017 Is Shaping Up as Volatile Year(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-27/OKFDMJ6TTDS201


 

 

日銀、金利曲線スティープ化放置−オペ増額で低金利維持の範囲は示唆
三浦和美、山中英典
2017年1月27日 15:45 JST
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一応0.1%を意識している姿勢を示した−岡三証
超長期ゾーンは放置かもしれない−T&D

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日本銀行によるテーパリング(国債買い入れの減額)が始まるかもしれない、あるいは昨年暮れ以来の金利抑制策が講じられる可能性があると、市場関係者が注目していたこの日の金融調節。

  実際は、残存期間が10年以下の長期ゾーンの国債買い入れが増え、長短金利を低位に維持する姿勢を読み取ることができる内容だった。ただ、11カ月ぶり高水準まで達した超長期債利回りへの対策は講じておらず、イールドカーブ(金利曲線)のスティープ(傾斜)化は当面放置されるという見方を後押ししている。

  日銀は午前の金融調節で今月10回目となる長期国債買い入れオペを通知。残存期間5年超10年以下の買い入れを4500億円と前回から400億円増額した一方、1年超3年以下は4000億円、3年超5年以下は4200億円と、いずれも前回と同じ額にとどめた。
  SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは、「買い入れ増額を受けて、10年金利が下がったことから市場はこれを好感した形。ひょっとしたら長期はあるかもしれないと思ってはいたが、メーンにはおいていなかった」と言い、この日の金融調節で日銀に期待していたオペとは少しずれがあったと説明した。

  市場関係者から異口同音に聞かれたこの日の日銀オペの注目点は、中期ゾーンや超長期債への対応。25日の金融調節では1年超5年以下のオペがなく、月間ベースで初めて5回に減少される可能性が高まっていたためだ。超長期ゾーンについては、同利回りは昨年12月にオペが増額された水準をすでに上回っており、何かしらの金利抑制策が講じられるとの見方が出ていた。

  今回のオペ増額を受けて、この日の新発10年物の345回債利回りは低下。オペ通知前に0.08%と日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値を0.5ベーシスポイント(bp)下回って推移していた同利回りは0.07%を付けた。前日午後遅くには超長期債利回り上昇につられて、0.09%と約1カ月以来の高水準を付ける場面があった。岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、日銀による金融調節の対応について、「一応0.1%を意識している姿勢を示した」と述べた。

  午後の取引では、新発20年債利回りが0.665%、新発30年債利回りが0.85%と前日に付けた11カ月ぶりの水準を更新するなど、超長期債に対する売り圧力が根強く残っており、利回り曲線の超長期ゾーンは上振れている。

  T&Dアセットマネジメント債券運用部の泉功二ファンドマネージャーは、「日銀が5年超10年以下のオペを増額したのは長短金利操作の下であくまで『10年ゼ%程度』を守りたい、守りたいのは誘導目標として明記した『10年ゼロ%程度』だといことだ」と指摘。「10年ゾーンを守りたいというのは、逆に言うと超長期ゾーンは放置かもしれない」と言う。

  もっとも、日銀のイールドカーブ操作が機能する限り、過度な金利上昇は見込みにくい。岡三証の鈴木氏は、「スティープ化に歯止めをかけていないので、超長期債利回りの上昇基調は残るが、10年金利がある程度落ち着いてくれば、全体に落ち着くのではないか」とみている。  
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-27/OKFAPW6KLVR501


 


 
【債券週間展望】長期金利上昇圧力くすぶる、米金利やオペ方針見極め
三浦和美
2017年1月27日 17:05 JST

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長期金利、一時的に0.1%超えることもあり得る−T&DAM
オペ変則的で読みづらく、市場がまだ慣れない−パインブリッジ

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iFMXLOwNa02I/v2/-1x-1.png


来週の債券市場では長期金利に上昇圧力がかかりやすいと予想されている。トランプ米政権の動向や米連邦公開市場委員会(FOMC)に対する警戒感を背景とした米長期金利上昇につれて、売りが優勢になるとの見方が出ている。日本銀行の国債買い入れオペをめぐる不透明感から、金融政策決定会合や当面のオペ運営方針を見極めようとする姿勢も強まる見通し。
  T&Dアセットマネジメント債券運用部の泉功二ファンドマネージャーは、「トランプ政権下の米金利が上昇に向かう中で、国内金利も市場関係者が意識する上限に張り付きやすい」とし、「長期金利が一時的に0.1%を超えることもあり得る」と予想。「日銀が長短金利操作の下で守りたいのはあくまで10年金利で、超長期ゾーンは放置かもしれない」とし、超長期債はスティープ化しやすいとみる。
  今週の新発10年物国債345回債利回りは序盤に0.045%まで低下したが、25日の日銀オペで残存期間1年超5年以下が買い入れ対象とならなかったことで、月間の回数が減らされるとの懸念から売り優勢に転じた。26日には一時0.09%と1カ月ぶりの水準に上昇。一方、27日には5年超10年以下のオペが増額されたことで、0.07%まで買い戻された。

  超長期債は軟調推移となり、新発20年債利回りは0.665%、新発30年債利回りは0.85%、新発40年債利回りは1%台と、いずれも11カ月ぶりの高水準を付けた。
  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、「残存5年超10年以下が増額されたが需給的には力不足」とし、「イールドカーブコントロールの意思表示はできたものの、増額されたオペの金額がまた元に戻るのではないかとの警戒感があり、上値を抜け切れていない」と説明。「40年債が1%に到達するなど超長期債が安くなった」とし、「やはり絶対水準が問題。下落局面で最終投資家の買いがどれだけ入るかが重要になる」と述べた。

日銀決定会合や10年債入札 

  来週は日銀が30、31日の日程で金融政策決定会合を開く。ブルームバーグがエコノミスト42人を対象に18−23日に実施した調査によると、全員が現状維持を予想した。緩和予想が1人もいなかったのは昨年12月会合に続き2回連続。結果発表時に経済・物価情勢の展望(展望リポート)を公表する。

  31日に日銀が当面の長期国債買い入れの運営方針を発表するほか、2月2日に財務省が10年利付国債入札を実施する。
  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「日銀は展望リポートで、経済成長率と物価見通しを小幅に上方修正する可能性がある」と言い、「債券相場の上値を抑える要因になるだろう」と予想。10年債入札については、「日銀の金融緩和姿勢に支えられて無難に消化される」と読む。

  米国では31日、2月1日にFOMCが開かれるほか、3日には1月の雇用統計が発表される。三菱UFJ信託銀行資金為替部の鈴木秀雄課長は、「FOMCや雇用統計の発表を控え、米金利の動向に注目」だとし、「足元では海外金利の上昇が目立っており、欧州金利の上昇も警戒される」と指摘。日銀の2月の国債買い入れ方針も注目だとし、「基本的にはオペをめぐる思惑でボックス相場になりやすい」とみる。

市場関係者の見方
*T
◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト

*日銀オペ、10年債利回りの上昇には歯止めをかける姿勢を示し、目先の下値不安は後退
*投資家の慎重な姿勢が続き、国債利回りの低下余地は限られよう
*長期金利の予想レンジは0.05%〜0.10%

◎T&Dアセットマネジメント債券運用部の泉功二ファンドマネージャー

*2月の日銀買い入れ、回数・金額とも変えてこないとみる
*日銀としては札割れは避けたい、金利低下気味で減額できる時に減らしておきたいのではないか
*長期金利の予想レンジは0.03%〜0.09%

*パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長

*10年債入札、2月のオペ方針で5−10年が増額された金額で維持されれば買いやすい
*日銀声明文から年80兆円の数字がなくなると買い入れ減額の布石に、10年入札の命運決める
*長期金利の予想レンジは0.05%〜0.10%

*三菱UFJ信託銀行資金為替部の鈴木秀雄課長

*買い入れ方針、5年超10年以下は1月当初の4100億円、中期債の回数レンジ据え置き想定
*40年債利回りが1%に到達した中、25年超の買い入れを増額するか否かも注目
*長期金利の予想レンジは0.02%〜0.09%
*T
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-27/OKFG8C6JIJV201

 
【日本株週間展望】小幅続伸、米利上げ観測と決算評価−保護主義重し
赤間信行
2017年1月27日 17:07 JST

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米国でISM統計や雇用統計が公表予定、為替動向に影響も
国内主要企業の決算発表が本格化、来期の増益鮮明に期待感

2月1週(1月30日ー2月3日)の日本株は小幅に続伸する見通し。良好な経済情勢を背景に米国の追加利上げと為替のドル高・円安観測が根強い上、国内企業業績の底打ち、反転を見込む買いが先行しそうだ。一方、トランプ米大統領の保護主義的な発言は上値の抑制要因になり得る。
  米国では31日ー2月1日の日程で連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。今回は政策変更なしとの見方が有力だが、消費や住宅関連統計で強めの内容が続くほか、連邦準備制度理事会(FRB)要人のタカ派的な発言で追加の利上げ観測が市場関係者の間に根強くある。1日の供給管理協会(ISM)による製造業景況指数、3日の雇用統計で1月も米経済の堅調が確認されれば、3月利上げの確率が高まり、米長期金利の上昇やドル高・円安を通じ日本株の押し上げ要因となりそうだ。

  国内では主要企業の決算発表が本格化する。11月以降の急激な円安で製造業中心に利益計画が上方修正されるケースが目立ち、第1週は31日に任天堂や村田製作所、1日に日立製作所やキーエンス、2日はパナソニックやソニー、3日にホンダが公表予定だ。みずほ証券リサーチ&コンサルティングによると、発表率4.1%の時点で東証1部3月期企業(金融除く)の今期経常利益予想は6%減、事前の8.9%減からマイナス幅は縮小方向にある。来期は7.8%増の見込み。また、30ー31日には日本銀行が金融政策決定会合を開く。ブルームバーグの調査では、エコノミスト42人全員が金融政策の現状維持を予想している。
  一方、米国の保護主義的政策は日米間、世界貿易にマイナスの影響を及ぼすとの懸念につながりやすく、トランプ政権の発言には注意が必要だ。25日にはメキシコ国境に壁を建設し、米国への移民流入規制を強化する大統領令に署名。壁建設費の捻出のため、メキシコからの輸入品に20%課税する意向も示し、米国とメキシコの首脳会談は中止になった。1月4週(23ー27日)の日経平均株価は週間で1.7%高の1万9467円40銭と3週ぶりに反発。米新政権によるパイプライン建設の推進など、政策実行スピードの速さを評価する買いが入った。

≪市場関係者の見方≫

アセットマネジメントOneの浅岡均ストラテジスト

  「日米企業の決算発表が進む中、業績改善が引き続き投資家に安心感を与える。日米の株価堅調は米政権の政策期待が根底にあるが、足元では企業決算が株価押し上げの大きな要因。米企業の昨年10−12月期決算はドル高によるマイナスの影響が一巡、強い着地となっており、国内企業も業績の底入れを確認しよう。ISM製造業景況指数や雇用統計など米国の経済指標が強い内容なら、3月の利上げ観測が浮上し、米金利上昇やドル高は米国株に不利でも日本株にはプラス」

アムンディ・ジャパンの浜崎優市場経済調査部長

  「株価指数は年初の高値を上回る場面がありそうだ。足元の相場はトランプ米大統領の保護主義的な発言に目をつぶり、米国の実体経済や企業業績の良さがフォーカスされやすい。今回のFOMCで利上げはないとみるが、声明文がタカ派的なトーンになれば、3月利上げが視野に入る。米長短金利の上昇が再びドル高・円安に作用し、日本株の買い材料になる。日本企業の決算も円安で10−12月期に潮目が変化、来期の増益期待が高まることで買い安心感も広がる」

三井住友信託銀行の瀬良礼子マーケット・ストラテジスト

  「2月の米予算教書で財政規模が明らかになるまで、日米とも上値を買い上げるのは難しい。トランプ大統領の就任に伴うユーフォリアは続くが、来年度予算に関する具体的な数字が出るのを待ちたい。FOMCで3月の利上げ期待が強まっても、直近の市場動向からはドル高・円安に日本株が素直に反応しないことも考えられる。むしろ、トランプ大統領から保護主義的な発言が出てくると、ドル安・円高、日経平均は1万9000円を割り込む場面もありそう」
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-27/OKFEB16TTDSD01
http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/375.html

[経世済民118] トランプ氏とメキシコの小戦争 真の問題は通貨 メキシコ対米貿易優位膨大 NAFTA影響小 米企業人質 ホテル犠牲    

【社説】
トランプ氏とメキシコの小戦争
対立候補や企業経営者とは違い、外国政府をいじめで屈服させることはできない
メキシコのエンリケ・ペニャニエト大統領

2017 年 1 月 27 日 18:12 JST

 ドナルド・トランプ氏は政界の「部外者」として大統領選を勝ち抜いたため、就任後は実務を通して学んでいくとみられていた。その新大統領が今週新たに学んだことがある。外交は共和党の予備選のようにはいかない、ということだ。

 トランプ氏のメキシコに対するツイッター攻撃の反動で、米国は友好的な隣国との外交危機に陥っている。同氏は交渉の魔術師を気取っているが、今回の件では自らを追い込んでしまった。

 ホワイトハウスは先週末、トランプ氏がメキシコのエンリケ・ペニャニエト大統領に対し、貿易や移民や国境問題を協議するためワシントンを訪れるよう要請したと発表した。トランプ氏は選挙期間中メキシコに対して侮辱的な発言を繰り返していたが、ペニャニエト氏はこの招きを受け入れた。

 しかしトランプ氏はレッドカーペットを敷いて歓迎するどころか、メキシコとの国境に「壁」を作ると発表した。メキシコ人が党派にかかわらず侮辱とみなす行為だ。25日にはショーン・スパイサー大統領報道官が壁の建設費について「大統領が以前述べた通り、メキシコが何らかの方法で支払うことになる」と断言した。

 トランプ氏の反メキシコ発言への対抗心で自国民が団結する中、ペニャニエト氏は追い詰められた。同氏は25日夜に短いテレビ演説を行い、メキシコは壁の建設費を支払うつもりはないと改めて表明した。メキシコ政府は首脳会談をキャンセルする可能性もほのめかした。

「壁」をめぐるトランプ政権の素人劇

 トランプ氏は26日朝、ツイッターに「何としても必要な壁の費用をメキシコが支払う気がないなら、首脳会談をキャンセルしたほういい」と投稿した。ペニャニエト氏は訪米を中止した。さらに米国では同日、スパイサー報道官が税制改革の一環として輸入課税に言及し、さらなる混乱を招いた。ラインス・プリーバス首席補佐官はその火消しに努めたが、ここまでくると素人劇だ。

 「アート・オブ・ザ・ディール」(「取引の技術」を意味するトランプ氏の著書、邦題「トランプ自伝―不動産王にビジネスを学ぶ」)には、相手に妥協の余地を残す手法が含まれていないのだろうか。今回のトランプ氏はペニャニエト氏に交渉の余地すら与えなかった。ペニャニエト氏が昨年8月、わざわざトランプ氏をメキシコに招いたことを踏まえると、なおさら妥協はできない。当時のトランプ氏は選挙運動中で、外国首脳と対等に話し合えることを示せた。だが帰国したトランプ氏が再びメキシコたたきを始めると、ペニャニエト氏は国内で強く批判された。 

 トランプ氏が2015年11月にウォール・ストリート・ジャーナルを訪問した際、われわれはメキシコの政局安定や経済成長を米政府が後押しすべきかと尋ねた。トランプ氏はこう答えた。「正直に言うと、メキシコはどうでもいい、本当にメキシコについては気にしていない」

 気にしていないことは明らかだが、気にすべきだ。仮にメキシコが1980年代の改革以前の体制に逆戻りするようなことがあれば、気にせざるを得なくなるだろう。メキシコはそれまで数十年にわたり一党独裁体制で、反米主義を掲げ、ハイパーインフレに悩まされ、政治的混乱が続いていた。

 しかし米国の後押しを受け、国家統制的な経済モデルの改革に着手し、世界的な市場競争に参加し始めた。1993年に北米自由貿易協定(NAFTA)を締結する以前に数千もの国営企業を民営化し、大幅な規制緩和を実施した。NAFTA締結後は関税を引き下げ、国外からの投資も受け入れた。農業は米国との競争で特に痛手を受けたが、企業はより効率的になった。NAFTAは1994年のペソ危機からメキシコが立ち直る支えとなった。

ペソ安の原因は米国大統領

 その後メキシコの主要政党は交互に政権を担い、制度的革命党(PRI)も国民行動党(PAN)も経済改革を推し進め、国民の生活水準を向上させてきた。これはリオグランデ川を越えて米国に不法入国せずに済む理由にもなっている。

 ペソは24時間取引が可能な唯一の新興国通貨であり、新興市場のリスクに対するヘッジ手段として広く利用されている。トランプ氏はメキシコ政府がペソ安に誘導しようとしていると批判するが、メキシコ銀行(中央銀行)はインフレを警戒し続けている。1年弱で1ドル=17ペソから21ペソにまで値下がりしたのは、トランプ氏がNAFTAを解体し、貿易戦争を始めかねないからだ。本人の希望とは裏腹に、メキシコの通貨の価値を下げているのは米国大統領自身である。

 1億2800万人の人口を抱えるメキシコは、米国にとって2番目に大きな輸出市場だ。米国内の約600万人の雇用はメキシコとの貿易によって成り立っている。それより大きなリスクは、自由市場を掲げる民主主義国家として米国と歩調を合わせることにメキシコ人が幻滅することである。それこそメキシコの左派勢力が期待する展開だ。左派勢力は休眠状態だが息絶えてはいない。2018年の大統領選には、反米を掲げるアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール氏が出馬する構えを見せている。

 トランプ氏は外交の新参者だが、外国政府をいじめで屈服させることはできないと早くも学び始めている。大統領選予備選の共和党対立候補や企業の経営者とは違うのだ。それぞれの国には国家主義的な政治力学があり、押されれば押し返す力が働く。トランプ氏は選挙期間中、バラク・オバマ元大統領よりも友好国を大切に扱うと話していた。しかし外交の手始めとして、ちょうどオバマ氏がイスラエルを扱ったようにトランプ氏はメキシコを扱っている。このままでは得られる成果もオバマ氏と同等か、それ以下になるかもしれない。

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【寄稿】
トランプ氏の通商政策、真の問題は「通貨」
保護主義では貿易収支を改善できない

途方もなく重い準備通貨としてのドルの役割を終わらせ、「金」にその役割を譲るべきだPHOTO: ISTOCK
By
JOHN D. MUELLER
2017 年 1 月 27 日 14:06 JST
――筆者のジョン・ミューラー氏は倫理・公共政策センターで経済・倫理プログラムを運営している
***

 米国のドナルド・トランプ新大統領も、同氏の経済顧問も誰一人として耳にしたことがない、まして気に掛けたことすらないと思われるのが「トリフィンのジレンマ」だ。このジレンマに対する解決策を見いだせなければ、トランプ氏の経済・通商政策は失敗するだろう。トリフィンのジレンマとは基軸通貨国に固有の、国内政策と国際金融秩序との間の矛盾である。

 金(または他の貴金属)本位制の下では、金融システムを通じて財政赤字を賄うことができない。米国が金または銀本位制を採用していた時代、連邦予算は国内総生産(GDP)に対して年平均0.4%の黒字で運営されていたが、そうでない時代は同2.7%の赤字を記録してきた。同様に、1979年から2015年における各州政府(紙幣を刷ることはできない)の財政赤字は対GDPで平均0.3%だったが、同じ経済でも連邦政府は平均3.3%の赤字だった。金または銀本位制の下では、米国史上、長期にわたるインフレを経験してこなかった。本格的なインフレ(またはデフレ)は紙幣によってのみ引き起こされてきた。

 貴金属からの離脱は1世紀以上前から始まった。ジョン・メイナード・ケインズは1913年、通貨当局が金準備または外貨準備を保有しているかどうかは「相対的に重要でない問題」だと主張した。ケインズによると、植民地下のインドにおける「金為替本位制」は「全く変則的ではなく」、「未来の理想的な通貨」に向けた「金融上の進展の最前線」にあった。英国の専門家たちは1922年のジェノア会議で、第1次世界大戦中の債務を金で償還するのを未然に防ぐため、外国為替準備を勧奨することに成功した。ここで、百年戦争を経て1440年代にジェノアで生まれた国際金本位制に終止符が打たれた。

 フランスの経済学者ジャック・リュエフは1932年、例えばドル準備が生み出されることで、購買力が「単純に複製され、このため米国市場は欧州と同時に米国でも買う立場に置かれる」。従って、自国通貨が準備通貨と結びついている国にとって、ドル準備の購入がインフレ(売却がデフレ)を引き起こすことになる。さらに、信用の複製が準備通貨国の物価上昇ペースを速め、財の競争力低下を招き、世界の債権国から債務国への転落につながる。

 第2次世界大戦後のブレトン・ウッズ体制(金ドル本位制)は1968〜71年に崩壊した。その理由は、戦間期に金・ポンド・ドル本位制の崩壊をもたらしたものと本質的に同じだ。71年以降、国際決済は主にドル紙幣で行われてきた。

他国の純輸出と米貿易赤字の関係

 この結果、トリフィンのジレンマが生まれた。ベルギーで生まれ、米国で活躍した経済学者ロバート・トリフィンが指摘した矛盾だ。国民所得(または生産)は民間消費、民間投資、政府支出、政府投資、純輸出(輸出と輸入の差額)の合計だ。経済学者の多くは全世界の純輸出額の合計がゼロになると誤って仮定している。実際には国際金本位制に参加する国々の純輸出額の合計は、世界の金準備の増加額の合計に等しかった(その額は世界の金輸出額に近かった)。このため、世界の金融政策は景気に対して反循環的だった。つまり、他の財の価格が下落すれば、金採掘から得られる利益が増大したのだ。

 トリフィンは、外国で(例えば)ドル準備が獲得されると、それが財で返済されなければならないため、準備通貨に基づく金融システムが持続不可能であることを示した。言い方を変えると、ドル準備の増加額は世界の他の国々の純輸出額と等しくなり、米国の貿易赤字とも等しくならねばならない。これは持続不可能な状況だ。

 添付のチャートが示しているように、ドイツ製品にかかる費用は1955年から約3倍になったが、米国製品の費用は6倍以上に膨れ上がった。このため、米国の貿易赤字と財政赤字は、金融改革よりも貿易に焦点を当てたトランプ政権のいかなる「取引」からも影響を受けることはないだろう。
準備通貨にかかるコスト

左軸:赤はM0、緑はドル準備高、青は世界のドルベース(単位は10億ドル)、右軸:黒はドイツのPPI、オレンジは米国のPPI(1955年を1とする)
https://si.wsj.net/public/resources/images/ED-AW025_muelle_16U_20170124171805.jpg

 トリフィンのジレンマの解決策として、主に三つの案がある。
 一つ目は現在の「ドル本位制」の下で何とかやっていくことで、これは忍従する外国人と郷愁にふける一部の米国民によって支持されている。こうした米国民の中にはヘリテージ財団のブライアン・ライリー氏とウィリアム・ウィルソン氏、アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)のジェームズ・ペトコーキス氏、ナショナル・レビュー誌のラメシュ・ポヌール氏などが含まれる。

 二つ目は国際通貨基金(IMF)を、準備資産(例えば特別引き出し権=SDR)を発行する世界の中央銀行にすることだ。これは1943年にケインズによって、60年代以降はロバート・A・マンデル氏、2009年には中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁によって提案された。欠点は、IMFが財を生産していないため、こうしたタイプの基準が非常に政治色の濃いものとなり、SDRの分配がどうしても恣意(しい)的になることだ。

金本位制の現代版

 三つ目は、近代化された国際金本位制を採用することだ。これは1960年代にリュエフによって提案され、84年には同氏の弟子に当たるルイス・E・レアーマン氏とジャック・ケンプ米下院議員によって支持された。

 トリフィンのジレンマを放置することのリスクは大きい。世界恐慌は1929〜32年に戦間期の金融システムが崩壊したことから始まり、米国のスムート・ホーリー法に基づく関税が引き金となった貿易戦争によって悪化した。皮肉なことに、もしトランプ氏がトリフィンのジレンマを無視すれば、クリントン財団が米国の従属国家から得た巨額の資金をため込むのに使った世界的な「クローニー・キャピタリズム(縁故資本主義)」を必然的に後押しすることになるだろう。

 トランプ氏お気に入りの保護貿易主義は、分かりやすいが簡単に論破される誤った考え方だ。経常収支(広義の貿易収支)は国民貯蓄と投資の差額に等しい。このため、関税で輸入を抑制できるにしても、貯蓄と投資のバランスには影響しないため、貿易収支を改善させることはできない。それどころか自国通貨の価値が高くなり輸出が減少する。

 1971年から2015年まで、米国の経常赤字の累計は対GDPで93%となった。原因はトリフィンのジレンマだ。ドル準備高の増加は他国の貿易黒字(米国の赤字)と等しくなる。途方もなく重い準備通貨としてのドルの役割を終わらせ、米国と世界の歴史で機能してきた唯一の通貨基準である「金」にその役割を譲るには、恐らく米国建国の父、アレクサンダー・ハミルトン級の交渉人が必要になるのかもしれない。
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トランプ大統領は実は正しい、メキシコ対米貿易優位は膨大−チャート
Phil Kuntz、Vince Golle
2017年1月27日 18:05 JST

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iB4MVA3h8heI/v2/1200x-1.png

  米国の対メキシコの貿易赤字は全世界に対する赤字の12%を占める。トランプ米大統領の26日のツイッター攻撃はある意味で根拠があった。実際、赤字額は同大統領が挙げた600億ドル(約6兆9100億円)より大きい。ブルームバーグの計算によると、2015年は890億ドルで08年から73%増えていた。
原題:Trump’s Got a Point: Mexico Trade Edge Over U.S. Is Huge: Chart(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-27/OKFKED6TTDS601


 


【オピニオン】トランプ大統領の人質となった米企業
貿易戦争回避の交換条件は雇用創出
トランプ米新大統領は雇用創出で手柄を立ていようとしている

By HOLMAN W. JENKINS, JR.
2017 年 1 月 27 日 15:55 JST

――筆者のホルマン・ジェンキンス・ジュニアはWSJ論説委員で「ビジネスワールド」欄担当コラムニスト

***

 ドナルド・トランプ米新大統領は就任演説で多くの公約を掲げた。どの大統領でも果たせないほどたくさんだ。トランプ氏にも果たせないだろう。だが同氏はやり手のビジネスマンだ。

 トランプ氏は大統領選を「圧勝」と表現している。同氏は自分でも当てはまらないと分かっていながら、大げさな表現を使うことが多い。米政治専門サイト「ポリティコ」で詳しく報じられた通り、トランプ氏はレースがいかに接戦だったかを実は正確に理解している。ヒラリー・クリントン氏の選挙戦が自滅だったのだ。トランプ氏は選挙人の数では辛うじてクリントン氏を上回ったが、総得票数では負けた。

 トランプ氏は、自らの正当性がメディアやデモ隊、就任式をボイコットした民主党員の攻撃にさらされていることを分かっている。有権者がトランプ氏による統治を一様には支持していないため、同氏はその穴を埋めるために何かしらの勝利が必要だ。そして、米国企業の皆さんは既にお気づきだろうが、あなた方が標的にされている理由がここにある。

功績作りに必死

 「金づちを持つ人には、全てがくぎに見える」(訳注:限られた道具しかないと、それを見境なく使ってしまう、という意味のことわざ)。トランプ氏はこれまで数々の企業と交渉してきた経験を持つ。そうした交渉では自らのイメージとブランドを活用し、利益を得てきた。そのやり方を大統領職にも持ち込んでいる。同氏には、脱工業化した地方の社会的「大虐殺」を止めることはできない。しかし、同氏の言う「忘れられた男女」が中間層の安定への道とみなす雇用――特に工場職――を生み出すことで、手柄を立てることはできる。

 自動車業界はトランプ氏の意図を理解している。フォード、ゼネラル・モーターズ(GM)、フィアット・クライスラー、トヨタは大規模な雇用創出を大々的に打ち出した。彼らはホワイトハウスでのトランプ氏との会談にも喜んで出席した。メディアだけが、そうした計画は以前から決定されていたもので、新大統領に花を持たせるために大げさに宣伝しているにすぎないと難癖をつけている。

 いくつかのケースでは、CEOもまた見返りを期待していることを明確にしている。トランプ氏は税制改革と規制緩和を実施し、米経済を投資しがいのある有益性の高い経済にする意向だ。

 幸運が重なれば、トランプ氏と共和党議会は公約を果たせるだろう。ついに十分な成長がもたらされ、近年の控え目だが着実な雇用の改善に見合った賃金の上昇が始まる。トランプ氏の任期は、仰々しい功績作りが実践される4年間となる。

諸外国も標的に

 ただし、トランプ氏は、国内で事態が悪い方向に進み始めた場合、諸外国をスケープゴートにすることにためらいは見せないだろう。

 トランプ経済が壁にぶち当たった場合、メキシコとの国境の壁がこれ見よがしの優先事項になるだろう。そして自ら現場でブルドーザーに指示を出し、ヘルメットをかぶって闊歩(かっぽ)し、設計図に目を凝らすだろう。

 トランプ氏には米国の貿易相手国にいつでもすぐに苦情を言える用意がある。現在それら国々に貼られたレッテルは為替操作国、雇用の強奪者、ハッカー、企業秘密の窃盗団などだ。

 「我々はこの国で使われる製品を作り、この国の企業を乗っ取り、職を奪う外国の略奪から国を守らなくてはいけない」。この就任演説の邪悪な側面はいずれ明らかになるだろう。

 一部で耳にする意見とは異なり、輸入品や移民との競争を緩和することで未熟練労働者の賃金を下支えしようとすることは人種差別ではない。

 しかし、経済には無益だ。低賃金生産の最大の受益者は未熟練労働者だ。低賃金生産によって価格が安くなっている商品を主に購入しているのは未熟練労働者なのだ。

 仕事の奪い合いを軽減し、未熟練労働者の賃金を引き上げようとする措置には他にも予期せぬ影響がある。そうした労働者に未熟練のままで構わないと考えさせるようになることだ。一方で、企業が未熟練労働を自動化で置き換えようとする動機は強まる。

国際貿易の秩序を守るには

 もっと悪いのは、関税障壁による保護と国際競争からの断絶によって、国内製造業の進化が減速することだ。10〜20年後には、世界市場で競争にもまれる企業と比較して米企業は技術的に時代遅れで非効率になるだろう。

 皮肉なのは、テクノロジーによって工場がより少ない労働者でより多くを生産できるようになるにつれ、特定の工場労働者を農家のような保護階級として扱おうとする政治的動機が高まることだ。こうした現象は米国に限ったことではない。ドイツのフォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題の根本原因もこれだ。

 今日のおおむね開放的な国際貿易の秩序は多くが考えるよりも堅固だとは思うが、トランプ政策の脅威を無視すべきではない。

 欧州の人たちは思い出すべきだ。北大西洋条約機構(NATO)が最近、テロ対策を拡大する決定を下した際、トランプ氏が自らの功績だと大げさに騒ぎたてたことを。今後もそのような決定をするのが賢明だろう。中国にとっては、米ボーイングに旅客機を発注し、知的財産の窃盗で国内の著名な財界人数人を起訴するのが得策だろう。

 他の諸国は、自分たちが多大な利益を享受してきた貿易秩序を重視するのであれば、その維持に一役買って出る必要がある。

 トランプ氏がどのような大統領になるかはいろいろな道がある。閣僚メンバーは優れている。株式市場に反映された楽観的だが不安定なアニマルスピリットを軽視するわけではない。しかし、トランプ氏が何らかの解決策になるのか、単なる新たな災難にすぎないのかは依然、大きな疑問だ。

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トランプ氏の対中強硬姿勢、ホテル計画が犠牲に
再開発が進んでいる上海の外灘(バンド)地区

By JAMES T. AREDDY
2017 年 1 月 27 日 14:25 JST

 【上海】ドナルド・トランプ氏は米大統領の座を目指すうえで、中国に対する強硬姿勢をとってきた。その結果、中国の不動産市場に足場を築く機会を失うという代償を払うことになった。

 トランプ・オーガニゼーションで中国部門を率いていた元幹部によると、同社は上海で進められていた再開発プロジェクトで、ホテルに「トランプ」のブランドを付ける計画だった。このプロジェクトは俳優のロバート・デニーロ氏も名を連ねる米投資グループの構想で、外灘(バンド)地区の川沿いでホテルの修復工事が行われる。デニーロ氏とそのパートナーはすでに外灘の再開発に関与していない。

 最近までトランプ・オーガナイゼーションで中国ホスピタリティー部門の責任者を務めていたロビー・キュー氏によると、トランプ氏の事業が担う役割について公式発表は一切ないが、参加は「99%」確実だった。だが、それは現地当局によって拒否された。当局には「政治的リスクを冒す余裕などない」とキュー氏は言う。

 外灘プロジェクトの関係者によると、トランプ・オーガニゼーションとの交渉は現在行われていない。

 トランプ氏は中国に敵対的態度を示しており、今後の米中関係には波風が立つことが予想される。同氏は中国のビジネスや貿易が公正ではないと批判しているほか、台湾を孤立させる「一つの中国」政策をけん制している。また、国務長官に指名されているレックス・ティラーソン氏は、中国による南シナ海へのアクセスを認めない姿勢を示している。

 中国は少なくともこの10年間、不動産王としてのトランプ氏の気を引きつつ、進出を拒んできた。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が確認したところ、少なくとも4件の不動産取引が頓挫している。

 トランプ氏の顧問弁護士シェリ・ディロン氏によると、同氏は大統領就任以前、任期中は海外で新たな事業を行わないと言明した。トランプ・オーガニゼーションはこの記事についてコメントしていない。

 トランプ氏は中国の不動産市場に自分のブランドを導入する野望をしばしば口にしてきたが、当局への開示資料など公開されている情報によれば、同氏の不動産事業は中国でほとんど収益を上げていない。会社法人やウェブサイト、商標は登録しているが、実質的な事業は行われていない。

 これはトランプ氏が他のアジア諸国で手がける不動産事業とは対照的だ。2015年から16年5月までの開示資料によると、インドネシア、インド、フィリピンのプロジェクトでは500万ドル程度のロイヤルティー収入を稼いでいる。

 キュー氏によると、トランプ・オーガニゼーションは外灘地区のブランド計画に関し、現地パートナーの上海外灘投資集団と交渉を行った。

 ただ、上海外灘は国有企業で、トランプ氏の政治的スタンスが明確になるにつれてブランド構想への興味を失ったという。同社にとって「ホテルに米国大統領の名前がつく」などとは想像できなかった、とキュー氏は語った。

トランプ新大統領特集

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それほど大きくなかったNAFTAの米国経済への影響

メキシコから米国に向かうトラック(メキシコ北部ティファナ近郊) PHOTO: GUILLERMO ARIAS/AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES
By
JACOB M. SCHLESINGER, ANDREW TANGEL AND VALERIE BAUERLEIN
2017 年 1 月 27 日 18:09 JST
 北米自由貿易協定(NAFTA)がさまざまな議論を呼んでいるが、エコノミストの多くは、その米国経済への具体的な影響について――成長や生産性にとっては小さなプラス、雇用や一部の工場労働者の賃金にとっては小さなマイナスになるなど――にとどまり、さほど大きくなかったと述べている。
 とはいえ、ほとんどの自由貿易協定がそうであるように、過去23年間でプラス効果は薄まり、痛みがより凝縮されたことで激しい政治的反発が起き、ドナルド・トランプ氏の選挙運動にも力を与えた。今やトランプ政権はこの協定を破棄する方向で動いている。
 米議会調査局(CRS)は貿易協定とその効果を分析したさまざまな研究に関する2015年の詳細な報告書で、「実際のところNAFTAは批判的な人々が恐れていたような大量の雇用喪失も、支持者たちが予想していたような大きな経済的恩恵も、もたらさなかった」と述べている。「正味でみると、米国経済に対するNAFTAの効果は比較的軽微だったようだ」。CRSが引用した研究によると、NAFTAが完全実施された場合、貿易の拡大、安価な輸入品の流入、生産性の改善を通じた米国の国内総生産(GDP)のプラス効果がおそらく0.5%未満(約800億ドル)となる。
 NAFTAの発効と米国メキシコ間の経済活動の大幅な増加が同時だったことは誰も否定していない。貿易や直接投資が増え、特に自動車業界にとってこの地域の製造システムの統合が進んだ。しかし、どの数字が重要かでは意見が分かれている。


Donald J. Trump
✔@realDonaldTrump
The U.S. has a 60 billion dollar trade deficit with Mexico. It has been a one-sided deal from the beginning of NAFTA with massive numbers...
10:51 PM - 26 Jan 2017



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Donald J. Trump
✔@realDonaldTrump
of jobs and companies lost. If Mexico is unwilling to pay for the badly needed wall, then it would be better to cancel the upcoming meeting.
10:55 PM - 26 Jan 2017



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 トランプ大統領は26日午前、ツイッターへの投稿で米国の対メキシコ貿易赤字に焦点を当てた。「米国はメキシコに対して600億ドルの貿易赤字を抱えている」とし、「最初から不公平な協定だった(略)大量の雇用、多くの企業が失われた」と述べた。
 NAFTAをきっかけに米国とメキシコの貿易が大きく転換したというのは正しい。NAFTAが発効する前年の1993年、米国の対メキシコ貿易黒字は17億ドルだったが、昨年は対メキシコ貿易赤字が610億ドルとなっている。
 とはいえ、そのすべての原因がNAFTAに基づく関税撤廃にあるわけではない。NAFTA発効の翌年、メキシコの通貨ペソが急落したため、メキシコの輸出品が大幅に安くなり、多くの米国製品がメキシコ市場で売れなくなってしまった。
 さらに言えば、その貿易赤字額の背後にある数字やトレンドはより複雑な実態を表している。メキシコはより多くの製品を米国へ輸出している一方で、米国製品に対して国境を閉ざしていたわけではない。NAFTAが発効してからの最初の20年間に、米国からメキシコへの輸出額は1993年の416億ドルから2014年の2403億ドルにまで急増した。ところが、同期間のメキシコからの輸入額はそれ以上の急増を示し、399億ドルから2942億ドルになった。
 3国に張り巡らされたネットワークで部品が行き来しているので、こうした貿易額の本当の影響を整理するのもまた難しい。ピーターソン国際経済研究所は発効20周年を迎えたNAFTAの評価に関する2014年の報告書で、「米国、カナダ、メキシコの相互依存関係には目を見張るものがある」と述べている。「たとえば、カナダから輸入された製品とメキシコから輸入された製品に含まれている米国の材料はそれぞれ25%と40%にもなると見積もられている」

米国の対メキシコ輸出入と貿易収支
https://si.wsj.net/public/resources/images/NA-CN518_USNAFT_16U_20170126180006.jpg

 そうした相互依存関係は米国からメキシコへの直接投資の大幅な増加――1993年の152億ドルから2013年の1010億ドルにまで――に由来している。直接投資は米国の製造業者――部品と自動車のような完成品の両方――のメキシコへの工場移転という形を取ってきた。
 激論を呼ぶ問題となっているのは、雇用の喪失、生産が低賃金の労働者に移ったことによる賃金の減少などで測定した場合、NAFTAが米国の労働者にどれほどの影響を与えたのかである。
 NAFTAの支持者たちもそれに批判的な人々も米国の雇用の減少につながったという点では概ね一致しているが、その人数は約10万人から70万人までと大きくばらつきがある。ただ、NAFTAの擁護者たちは、批判的な人々がこの数十年間の米国製造業労働者数の減少のすべてをNAFTAと結び付け、NAFTA発効前から見られた長期的で根強い減少傾向や自動化の急拡大、中国が世界貿易機関(WTO)に加盟してからの中国製品の輸入急増など、その他の要因を軽視しているとみている。
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http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/379.html

[経世済民118] 日銀次回会合で成長率・物価上方修正へ、目標達成時期は据え置き 日銀CCCPI3年ぶり低 ドル高抑える亡霊 新興市場通貨売
日銀次回会合で成長率・物価上方修正へ、目標達成時期は据え置き

[東京 27日 ロイター] - 日銀は30、31日に開く次回の金融政策決定会合で、2017年度の経済成長率と物価上昇率の見通しを上方修正する公算が大きい。ただ、2%の物価目標実現までの道のりは遠く、「18年度ごろ」との達成時期は据え置く見通し。「長短金利操作(イールドカーブコントロール、YCC)」政策による短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%とする目標も維持する。

今回は日銀が3カ月に1回、先行き2−3年の経済・物価見通しを示す「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を公表する。前回の昨年10月と比べて、1)世界経済の減速一服が明確化、2)国内総生産(GDP)の基準改定を反映し、経済成長率は16年度(現行1.0%増)、17年度(同1.3%増)を同1%台半ばにそれぞれ上方修正する見通し。

黒田東彦総裁は18日、訪問先のスイス・ダボスでの米CNBCテレビのインタビューで、米トランプ新政権が掲げる「インフラ投資による財政政策は、全体としては米・世界経済の成長にポジティブ」とし、米経済や世界経済の成長が「いくぶん加速する可能性がある」と指摘。日銀の物価目標達成も「少し難しくなくなるかもしれない」と述べている。

日銀内では、世界経済の減速一服とトランプ相場が重なり合い「潮目が変わった」との見方もある。

このため民間より強気の物価見通しも、小幅ながら引き上げる公算が大きい。従来は17年度が前年比1.5%上昇、18年度が同1.7%上昇だった。

物価については、1)17年度の春闘結果が不透明、2)足元の物価回復ピッチがやや弱め──といった懸念要因があるものの、前回展望リポートを公表した11月初旬に103円程度だったドル/円JPY=EBSが約10円、10%程度ドル高/円安方向に進んでおり、「年間0.2ポイント程度の物価押し上げになる」との見方も、日銀内にある。

また、物価の下押し要因だった消費の低迷も、エコポイント制度などによる需要の先食いが響いていた家電などで需要回復が続くとの見方が増えつつあり、物価を下支えするとの論拠となっている。

日銀は11月の決定会合で17年度物価見通しを7月時点の1.7%から1.5%に引き下げるとともに、2%の目標達成時期を17年度から18年度に先送りしたが、今回は達成時期を据え置く見込みだ。

金融政策運営はYCC政策が機能しているとの認識の下で、現行の長短金利操作目標を維持する見通し。昨年9月の枠組み変更で政策の軸足を「量」から「金利」にシフトしており、イールドカーブに基づいて国債買い入れオペの金額や回数を調整するなど国債買い入れは、柔軟化路線が鮮明になっている。

もっとも、長期金利をゼロ%に誘導するには大規模な国債買い入れが不可欠とされており、年間80兆円をめどに保有国債残高を増加させるペースも据え置く可能性が大きい。

会合では3月末に受付期限を迎える貸出増加支援と成長基盤強化支援のための貸出支援制度について、1年間の延長を決める可能性がある。

(竹本能文 伊藤純夫 編集:田巻一彦)

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日銀版コアコアCPI、12月は+0.1%に鈍化 約3年ぶり低水準

[東京 27日 ロイター] - 日銀は27日、生鮮食品とエネルギーを除いた消費者物価(日銀版コアコアCPI)の前年比上昇率が昨年12月にプラス0.1%になったと発表した。下落は2カ月連続で、2013年9月の同ゼロ%以来の低水準となる。

日銀版コアコアCPIは、総務省が公表している消費者物価指数をもとに、変動の激しい生鮮食品とエネルギーを除いた指数を日銀が独自に試算したもの。物価の基調を反映する指標として重視している。

2015年12月に同1.3%上昇の直近ピークを付けて以降、下落基調をたどり、昨年11月は同0.2%上昇に鈍化していた。

総務省が公表した昨年12月の全国消費者物価指数 (除く生鮮、コアCPI)は前年比0.2%低下した。10カ月連続のマイナスだが、ガソリンなどエネルギー価格が上昇し、マイナス幅は11月の同0.4%下落から縮小した。

(伊藤純夫)

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来週のドル/円は神経質、日米中銀と米政権動向にらみ

[東京 27日 ロイター] - 来週の外為市場でドル/円は、神経質な展開が続くとみられる。日米の中銀イベントや、米国の重要指標の発表が予定されており、日米の景況感や金融政策の格差が意識されて底堅さが見込まれる一方、トランプ米大統領の保護主義姿勢への警戒感が重しになりやすい。

予想レンジはドル/円が113.00―116.00円、ユーロ/ドルが1.0550―1.0850ドル。

トランプ政権の政策を巡って、財政出動・減税による景気押し上げへの期待感と、保護主義的な側面への警戒感が交錯し、ドル/円が振らされる展開が続いた。

もっとも、日銀の金融政策決定会合(30─31日)と米連邦公開市場委員会(FOMC、1月31日─2月1日)が近づくことで「日米の景況感や金融政策の方向性の違いが、相場の意識に戻ってくるのではないか」(外為どっとコム総研の調査部長、神田卓也氏)とみられている。

このところの米指標は良好な数字が続き、FRB高官らのタカ派寄りの発言も目立っている。FOMC声明では「利上げに前向きな内容となれば、ドル買いが促されそうだ」(神田氏)という。

米国では、10─12月GDP速報値(27日)、PCEコアデフレータ(30日)、ADP全米雇用報告(1日)、ISM製造業指数(1日)、雇用統計(3日)など、重要指標が相次いで発表される予定だ。

これらの指標が良好で米金利が上昇すればドル/円は底堅いとみられる一方、米国サイドからのドル高けん制への警戒感も根強く「上げ幅は限られそうだ」(国内金融機関)という。

目先のドル/円はレンジ入りしたとの見方が多く、112円半ば─115円半ばが軸になるとみられている。

日本サイドでは、国債の中期ゾーン買い入れ見送りがあった日銀の真意について、金融政策決定会合後の会見で黒田東彦総裁がどのように説明するか関心を集める。市場ではテーパリングの思惑がくすぶるが、まだ距離があるとの受け止めが広がれば「ドル/円の重しが和らぎ得る」(別の国内金融機関)という。

日本ではこのほか、鉱工業生産などの指標発表のほか、企業決算が本格化する。

ユーロとポンドは反発基調にあったが、ショートカバーの範囲内とされ「上昇モメンタムは長続きしそうにない」(同)とみられている。

(為替マーケットチーム)

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原子力事業、最注力領域との位置づけを変えていく=東芝社長
[東京 27日 ロイター] - 東芝(6502.T)の綱川智社長は27日の会見で、原子力事業について「エネルギー事業の中で最注力領域としてきたが、その位置づけを変えていく」と語った。

また、原発の海外事業について、今後のあり方を見直していくとした。

(石田仁志)
http://jp.reuters.com/article/toshiba-energy-idJPKBN15B0L0


 


ドルの一段高抑える「亡霊」−利回り格差と必ずしも連動しない前例あり
Christopher Anstey、Kevin Buckland
2017年1月27日 17:46 JST

ドルのさらなる上昇を抑えているのは1990年代の米政権の亡霊かもしれない。最近の外国為替市場ではドル相場が必ずしも米国債利回りの上昇と連動しない傾向が出てきた。
  その理由の一つは、クリントン政権時代の一時期、日米の利回り格差拡大がドル高につながらなかったことをトレーダーらが思い出しているためだと、メリルリンチ日本証券の山田修輔チーフFX株式ストラテジストは指摘する。
  根底にあるのはトランプ米大統領の保護主義的政策がドル安を志向し、外国人の米資産投資意欲をそぐシナリオへの懸念だ。クリントン政権の初期にも同じことが起こった。米国は通商問題で日本に対して厳しい行動を取り、当時の財務長官は一段の円高が望ましいと表明した。
  日米利回り格差が拡大しているのにドル・円相場が下落した時期もあったという認識が市場参加者の間で共有されていると山田氏は27日話した。大統領の行動を予想しにくい時にドルを買うのは難しいとも指摘した。
原題:Ghost of 1990s Is Haunting Dollar and Slowing Further Gains (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-27/OKFJ2X6JIJUO01

 


 

新興市場通貨売られる、リラ大幅安−貿易戦争がペソに重し
Alex Nicholson
2017年1月27日 18:31 JST

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/i3PWDVSIjjsI/v2/-1x-1.png

27日の外国為替市場ではトルコ・リラが新興市場通貨の下げを主導した。エルドアン大統領が利上げはリラにマイナスと発言した。
  大統領の発言が報じられ、リラは2週間ぶり大幅安。米国との対立が貿易戦争に向かう様相を呈し始めたメキシコのペソは続落。
  MSCI新興市場通貨指数は0.4%安。リラは0.9%安でブルームバーグが継続調査する24の新興市場通貨中で最悪。ペソは0.4%安。南アフリカ・ランドも0.8%下落した。

原題:Lira Leads Emerging-Currency Slide as Trade Spat Weighs on Peso(抜粋)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-27/OKFLGL6K50XS01

http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/380.html

[国際17] 北朝鮮の体制崩壊、少ない犠牲で促す方法 英ポンドの行方 トランプとブレグジットが好機 米国務省高官の辞任相次ぐ、政権要請

【社説】北朝鮮の体制崩壊、少ない犠牲で促す方法
民間市場が台頭し、国家に対する国民の態度に変化
ソウルで外国メディア向けに会見を行う太永浩(テ・ヨンホ)北朝鮮前駐英公使(25日)
2017 年 1 月 27 日 16:41 JST

 韓国に亡命した元北朝鮮公使の太永浩(テ・ヨンホ)氏は25日に開かれた記者会見で、北朝鮮政府のエリート内に不満が高まっており、金正恩朝鮮労働党委員長の支配は長くは続かないだろうとの見方を示した。

 これは、同国の核兵器開発計画への対処で選択肢が限られるトランプ政権にとって朗報だ。

 昨夏まで在英北朝鮮大使館で公使を務めていた太氏は、経済制裁によって北朝鮮は弱体化していると指摘。核兵器開発を凍結するとのお決まりの空約束と引き換えに制裁を解除しないよう忠告した。同氏は以前、北朝鮮が核弾頭を搭載できる大陸間弾道ミサイル(ICBM)の年内開発に向けた取り組みを加速していると警告していた。

 だからと言って、経済制裁だけで体制変更を引き起こせるというわけではない。国連は2013年と昨年の2度にわたって制裁を強化したが、北朝鮮の経済は成長を続けている。その一因は、中国が金政権との通商関係断絶を拒んでいることにある。しかし、もう1つの理由は、北朝鮮国内で制裁を受けていない民間市場が台頭していることにある。

 「カネの達人」と呼ばれる業者が資本を蓄え、地下銀行システムを形成し、建設や採鉱などの大型プロジェクトに資金を提供している。平壌で進行中の住宅建設や小売りプロジェクトは、そうした業者から資金提供を受けている。多くの民間企業が国有企業内で運営されており、それら国有企業は政治的保護を与える見返りに分け前を受け取っている。

 民間企業の成功は国家に対する国民の姿勢に変化をもたらした。国家は無力で残酷とみなされている。国の仕事では生きていけるだけの賃金が得られないため、北朝鮮国民のほとんどが今は民間に頼っている。生活必需品を購入するのも、価格が大幅に安定している民間市場だ。

 こうした状況が国民の間に自立心や体制のルールをかいくぐろうとする意欲を生んでいる。警察はトレーダーからの賄賂に頼っている。黙認されている闇市場では、韓国の最新映画やテレビ番組を収録したDVDやUSBドライブも売られている。資本主義社会である韓国の生活水準を目にするようになった今、国民の間では政権のプロパガンダに対する皮肉な見方が広がっている。

 太氏は北朝鮮を崩壊前のソ連と比較し、韓国と米国に情報拡散を支援するよう促した。「北朝鮮にガソリンをまき散らし、国民に火をつけさせる必要がある」

 こうした努力が、人命の犠牲を最小限に抑えて北朝鮮崩壊を加速するチャンスを生む。韓国統一相は先週、高位職者の亡命が急増していることを認めた。生活向上と過去の犯罪の免責を約束することで、政権エリートの脱北を促すのが有望な策だ。重労働や処刑に対する恐怖心が依然脅しとなって人民の蜂起を防いでいるが、政権幹部を分裂させれば体制交代への道が開ける可能性がある。

 トランプ政権は、体制変更を北朝鮮に関する明確な政策目標に掲げるのが賢明だろう。恐らくカリスマ性のある太氏を亡命政府のスポークスマンとして招き、北朝鮮の奴隷体制を終わらせるという同氏のメッセージを拡散する手段を与えるべきだろう。自身が25日に話した通り、太氏は金体制転覆に新たな使命感を持っている。「私は人生の最初の50年を無駄にした。今は行動を取るべきときだ。私は行動する」

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FRBのバランスシート、大幅な含み損抱えどうなるか
債券投資家はトランプ氏の大統領選勝利の犠牲者となったが、FRBの被害は特に大きい
債券投資家はトランプ氏の大統領選勝利の犠牲者となったが、FRBの被害は特に大きい PHOTO: REUTERS
By ADAM CREIGHTON
2016 年 11 月 24 日 17:22 JST

 債券投資家は、米大統領選におけるドナルド・トランプ氏の勝利で予想外の犠牲者となった。中でも米連邦準備制度理事会(FRB)は、少なくとも1150億ドルの含み損を抱え被害は突出している。

 中央銀行の会計規則により、FRBは通常の銀行のように資産を時価に修正する必要がない。最終的には、自分で資金を作り出せるこの機関にとって、損失はそれほど問題にならない。

 だが、トランプ次期大統領の経済顧問を務めるデービッド・マルパス氏をはじめとする一部の共和党員は、FRBの巨大なバランスシートの縮小を求めている。保有資産を売却すれば損失が現実のものとなり、米財務省への巨額の納付は打ち切りとなるだろう。FRBの財務省への納付金は金融危機以降、年間900億ドル前後と約3倍に増加している。

 シンクタンクのケイトー研究所で金融政策を専門とするジョージ・セルギン氏は、FRBは損失を計上したくないがために、保有資産の売却は望まないと指摘した。

 同氏はインタビューで、「FRBはリスクを冒してはいけないことになっているが、危機以降はこのルールを見事に破っている。目下、少なくとも時価基準では損失が出ている。国民がそれを負担しており、損失はうやむやにされている」と語った。

 一方、FRBのエコノミストらは型通りの見方を強調している。売却すれば巨額の損失が生じ、財務省への納付は数年にわたり「ゼロ」となる恐れがあるが、そうした懸念は「経済の仕組みの不合理な(中略)誤解」を反映するものだという。

 10年物の米国債利回りは大統領選投開票日以来、財政出動がインフレや債務増加につながるとの見方を背景に大きく上昇(価格は下落)している。その結果、3回にわたる量的緩和の遺産としてニューヨーク連銀が保有する4兆2000億ドルの米国債と住宅ローン担保証券(MBS)の時価に打撃が及んでいる。

 グッゲンハイム・パートナーズは、選挙前日から18日の時点でFRBの損失が1150億ドル前後、バランスシートの約2.7%に達したとみている。ルーズベルト・インベストメント・グループのジェーソン・ベノウィッツ氏は、損失を1200億ドルと見積もっている。同氏はインタビューで「FRBのバランスシートの価値が2週間でこれほど大幅に減少したことはない」と語った。

 FRBが保有する1兆7500億ドルのMBSには50%以上の含み損が出ている。セルギン氏は「FRBは現金を疑わしい資産と交換した結果、巨大なバッドバンクへ変わってしまった。通常の銀行であれば、ストレステスト(健全性審査)の基準やバーゼル規則を満たせず、管財人の管理下に置かれるだろう」と話した。

 前FRB議長のベン・バーナンキ氏は2011年2月の議会証言で、FRBは資産買入を解消しなければ「政府債務を肩代わりすることになる」と述べた。FRBが11年6月に示した出口戦略では、「経済全般の信用配分」のゆがみを最小限にとどめるため、政策金利の引き上げ後「3〜5年以内」にMBSの持ち高を「なくす」とされた。

 ただ、FRBはひそかにここから逸脱している。昨年12月以降は「正常化が十分進む」までバランスシートを縮小せず、「金融政策を効率的かつ効果的に実施するため必要以上の証券」は保有しないと公約している。

 ゴールドマン・サックスは今でも、FRBが満期を迎える保有証券の買い換えを2018年からやめ、バランスシートは20年までに国内総生産(GDP)比24%から13%相当に縮小すると予想している。ただ、選挙結果を踏まえると、FRBのバランスシートが「早期に縮小する」可能性は「長期的に拡大する」可能性を上回っているように思われる。

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英ポンドの行方、手掛かりはこれだ
メイ英首相(写真)とトランプ米大統領の27日の会談を前に投資家はポンドに対して弱気な見方をしている
メイ英首相(写真)とトランプ米大統領の27日の会談を前に投資家はポンドに対して弱気な見方をしている PHOTO: BLOOMBERG NEWS
By CHRISTOPHER WHITTALL
2017 年 1 月 27 日 15:30 JST

 英ポンドは、26日の外国為替市場でドルに対し昨年12月半ば以来の高値をつけた。ポンドにとってとりわけ不安定な時期が続く中、この展開は意外だった。

 その後、欧州時間午後にドルは幅広い通貨に対して上昇し、ポンドは下げに転じた。米東部時間の午後までにポンドは前日比0.3%安の1.2590ドルとなった。

 テリーザ・メイ英首相は27日にホワイトハウスでドナルド・トランプ米大統領と会談する。両国間の貿易協定に向けた地ならしをする見通しだ。

 多くの投資家はポンド相場について引き続き弱気な見方をしている。ポンドは今月初めの安値から約5%上昇したものの、昨年6月の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を巡る国民投票時点に比べると約16%安の水準にとどまっている。

 ただ、一部のデータによると、数カ月前から積み上がっていたポンド安に賭けるポジションがこのところやや縮小してきた。このことは、ポンド相場の変動が短期的には収まるかもしれないことを示している。だが、ブレグジット交渉が正式に始まればこの見通しは容易に変化する可能性がある。英最高裁判所は24日、ブレグジットの手続き開始には議会の承認が必要との判断を下した。

 アナリストは、投資家のポジションが偏っていると市場は特に不安定になり変動幅が拡大すると指摘している。ポンド相場が上昇した場合、下落に賭けている空売りポジションが損切りで買い戻されることになる。一方、ポンド相場が下落した場合、昨年10月の「フラッシュクラッシュ(急落)」時に見られたように、市場心理が過度に弱気になれば直ちに暴落する可能性がある。

 ただ、外国為替市場についての確実な情報はほんのわずかしかない。以下は、誰がポンドを売っていて、それが今後の動向について何を意味するのかが分かる入手可能な手掛かりの一部だ。

−入手できる公表データは

 あまり多くない。国際決済銀行(BIS)によると、外国為替市場で毎日取引される5兆1000億ドル相当のうちポンドが占める割合は13%。だがこの大半は大手投資銀行による不透明な相対取引によるものだ。最もよく知られているデータは米商品先物取引委員会(CFTC)が発表するもので、さまざまな投資家による週間のポンド先物のポジションをまとめている。

−この情報は何を示すか

 「投機筋はポンド下落に賭けている」ということを示している。CFTCがスペキュレーター(非当業者)と呼ぶ投資家のポジションは6万6242枚の売り越しだ。それでも、昨年10月にメイ首相がブレグジット交渉の正式な手続きを3月末までに始めると表明した時点で9万7572枚売り越しだったのに比べると縮小している。

−CFTCのデータは役に立つか

 ある程度は役に立つ。トレーダーは市場の動向をつかむための手掛かりを求めてこのデータに注目している。だがさまざまな欠陥もある。このデータは火曜日時点のポジションを示す数字だが、発表は金曜日だ。日々のニュースに基づいて取引する市場にとって、この時間差は大きい。また、データの対象になるのは市場全体のごく一部だ。

−では他に注目すべきなのは

 一部の銀行は、為替先物のポジションを推定する独自のモデルを開発している。HSBCホールディングスは、ヘッジファンドのポジション動向を再現する指数を開発した。このHSBCの指数によると、このところポンドのショートポジションは今年これまでに比べて縮小している。

−それ以外のデータが意味することは

 少なくとも現時点では、ポンドの変動はそれほど大きくならないと見込まれる。ポジションの縮小は、上昇・下落いずれの動きも変動幅が小さくなることを意味する。だが、ブレグジット交渉の正式な開始が近づくにつれ状況が変わることを念頭に置く必要がある。

−ポンドの買い手はいるのか

 いる。データによると、買い手には世界最大級の投資家である中央銀行が含まれる。国際通貨基金(IMF)が発表した直近のデータによると、昨年7-9月期に中銀の外貨準備のうちポンドが約20億ドル分増加した。

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【社説】ブレグジット、英議会の試練
英EU離脱特集
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【社説】トランプ氏とブレグジットが開くチャンス
米英の貿易協定、結ぶなら今
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メイ英首相とトランプ米大統領の会談で注目すべき点について、WSJのジョセフ・スターンバーグ欧州論説委員長に聞く(英語音声、英語字幕あり)Photo credit: Getty Images.
2017 年 1 月 27 日 17:53 JST

 ドナルド・トランプ米大統領は27日、ワシントンでテリーザ・メイ英首相と会談する。最優先の議題は米英間の新たな貿易協定だろう。メイ氏は欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット)によって英国が経済的に孤立しないことを証明する必要がある。トランプ氏は「公平な取引」という選挙公約を果たせると示すメリットが得られる可能性がある。両者は早期に貿易協定を結ぶべきだ。

 貿易協定には細則と同じくらい政治的な勢いも重要だが、今回のケースがまさにそれだ。ポール・ライアン米下院議長を含む議会共和党の自由貿易推進派は、米国のモノとサービスの市場を拡大し、トランプ氏と共同戦線を張りたいと考えている。

トランプ氏の主要顧問はブレグジットの成功に力を貸すことに意欲的なようだ。これも協定を早く結ぶべき理由の1つだ。

 メイ氏はEUと「離婚」条件を話し合う上でEUの意のままにはならないことを示し、離脱協議を何としても有利に進めたいと考えている。トランプ氏はEUに対して次の2点を主張することでメイ氏を後押しできる。1つは英国に妥当な離脱条件を提示すること、もう1つは英国が世界貿易機関(WTO)加盟国として与えられた柔軟に交渉する権利を享受できるようにすることだ。

 貿易協定には経済的チャンスもかかっている。米英両国の相手国に対する輸出額は既に毎年1000億ドル(約11兆5000億円)を超えている。英国は80億ドルの貿易黒字だが、その要因は主に製造業ではなく金融サービスでの競争的な優位にある。EUの過剰な規制によって英国市場へのアクセスが制限されている米国の製造業と農家にとっては、貿易協定で新たなチャンスの扉が開く可能性がある。

 協定はまた、両国の規制を緩和する動機を高める可能性がある。英国の保険会社は長年、海外投資を阻む米国の州レベルの保険規制に不満をもらしている。しかしトランプ氏は、オバマケア(米医療保険制度改革法)撤廃の一環として州をまたいだ医療保険の購入を認めるという公約を果たせば、その不満に対処できる可能性がある。

 メイ氏も、EUの独仏式の製品安全や金融規制を大幅に軽減することで、同様の効果を得られる可能性がある。そうした規制は英国経済に全く適合せず、過去の環大西洋貿易に関する協議でも障害となっていた。

 こうしたメリットがあるとはいえ、貿易協定の締結は簡単ではない。英国はEUの傘から外れ、EUから独立した独自の金融規制を再度構築しなければならず、WTO協定をめぐって再交渉しなくてはならない。次期米通商代表部(USTR)代表に指名されたロバート・ライトハイザー氏は、開放的な貿易の一般的ルールよりも国家的な市場シェアの交渉を好む保守的な重商主義者だ。そのライトハイザー氏と取引することはメイ氏にとってリスクであり、トランプ氏に同氏の顧問らが交渉を妨害しないよう保証してもらうべきだ。

 有り難いことに、貿易協定の質の高いひな形は既にたくさんある。トランプ氏が23日に離脱を正式に決めた環太平洋経済連携協定(TPP)の一部もそうだ。米英担当者はサービスの自由化、規制の調和、農業の開放、外国人投資家保護の整備に関して、該当する文言を借りることができる。

 二国間協定が依然として遠い夢だというのは通説であり、貿易を専門とする弁護士が主張するところでもある。しかし、ブレグジットとトランプ氏の大統領就任は多くの通説を覆している。メイ氏とトランプ氏は強固な協力関係を確立することで自らの国を助うことができる。二国間の貿易協定締結を最優先すべきだ。

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https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwiAg_OGheLRAhXDi5QKHUpECHoQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10852398588237353609804582584624056946562&usg=AFQjCNF-nXF1Z9doDkEIa2J4hukq2sy6NA



米国務省高官の辞任相次ぐ、トランプ政権の要請が大半
指揮系統に空白の懸念も
25日に辞任したパトリック・ケネディ国務次官
25日に辞任したパトリック・ケネディ国務次官 PHOTO: CHIP SOMODEVILLA/GETTY IMAGES
By FELICIA SCHWARTZ
2017 年 1 月 27 日 16:06 JST

 【ワシントン】米国務省で膨大な業務を指揮するキャリア幹部がここ数日の間に相次いで辞任している。同省関係者が明らかにした。次期長官に指名されているレックス・ティラーソン氏が承認されるまで、指揮系統に空白が生じる可能性がある。

 25日には管理担当のパトリック・ケネディ次官、領事担当のミシェル・ボンド次官補、ジョイス・バー次官補、そして外交使節室長を務めていたジェントリー・スミス大使が辞任。いずれも民主、共和両党の政権下で職務経験を積んだキャリア官僚たちだ。関係者によると、過半数がトランプ政権から辞任を求められた。

 ケネディ氏は1973年から外交職員として勤務し、10年前に国務省の管理次官に就任。今回の辞任が自発的なものか、あるいはトランプ政権からの要請だったのかは不明だ。一方、移民や領事業務を担当していたボンド氏はトランプ政権から辞任を求められたと、事情に詳しい関係者は話す。同氏は40年に及ぶ外交キャリアを持つ。

 また20日には外交安全問題を担当したグレゴリー・スター次官補も辞任している。

 今回辞任した幹部はいずれもバラク・オバマ政権によって選ばれ、上院の承認を経て職に就いた。新政権が自らの政策に沿って省庁幹部の顔ぶれを一新させることは珍しくないが、国務省のキャリア官僚は新たな体制が整うまではポストに残留する場合が多い。

 ジョージ・W・ブッシュ政権で政治担当の国務次官を務めたニコラス・バーンズ氏は、新政権は「当然、次官や次官補を好きなように入れ替える権利がある」と話す。その一方で幹部不在の空白期間が生じることを避けるため、「通常は後任者が承認を受けるまで職務を続ける」ケースが多いとも言う。

 国務省のマーク・トナー報道官はこの件に関し、前政権に任命された職員は辞表を提出するのが通例であり、その辞表を受理するかどうかは新政権が決めることだと述べている。またトナー氏は「国務省は上級職員が省内の高官に就くことを奨励し、かつ支持している」とした上で、「どの幹部も無期限で政府からの任命を受けているとは考えていない。大統領によっていつでも交代させられる可能性があることも承知している」と話す。トナー氏によれば、今回トランプ氏が辞表を受理した幹部の中には引退する人や他の外交関連の職務に就く人もいる。

 上院外交委員会は今週、次期国務長官に指名されているレックス・ティラーソン氏を承認した。来週には上院本会議で承認が得られる予定。

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英ポンドの行方、手掛かりはこれだ
メイ英首相(写真)とトランプ米大統領の27日の会談を前に投資家はポンドに対して弱気な見方をしている

By CHRISTOPHER WHITTALL
2017 年 1 月 27 日 15:30 JST

 英ポンドは、26日の外国為替市場でドルに対し昨年12月半ば以来の高値をつけた。ポンドにとってとりわけ不安定な時期が続く中、この展開は意外だった。

 その後、欧州時間午後にドルは幅広い通貨に対して上昇し、ポンドは下げに転じた。米東部時間の午後までにポンドは前日比0.3%安の1.2590ドルとなった。

 テリーザ・メイ英首相は27日にホワイトハウスでドナルド・トランプ米大統領と会談する。両国間の貿易協定に向けた地ならしをする見通しだ。

 多くの投資家はポンド相場について引き続き弱気な見方をしている。ポンドは今月初めの安値から約5%上昇したものの、昨年6月の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を巡る国民投票時点に比べると約16%安の水準にとどまっている。

 ただ、一部のデータによると、数カ月前から積み上がっていたポンド安に賭けるポジションがこのところやや縮小してきた。このことは、ポンド相場の変動が短期的には収まるかもしれないことを示している。だが、ブレグジット交渉が正式に始まればこの見通しは容易に変化する可能性がある。英最高裁判所は24日、ブレグジットの手続き開始には議会の承認が必要との判断を下した。

 アナリストは、投資家のポジションが偏っていると市場は特に不安定になり変動幅が拡大すると指摘している。ポンド相場が上昇した場合、下落に賭けている空売りポジションが損切りで買い戻されることになる。一方、ポンド相場が下落した場合、昨年10月の「フラッシュクラッシュ(急落)」時に見られたように、市場心理が過度に弱気になれば直ちに暴落する可能性がある。

 ただ、外国為替市場についての確実な情報はほんのわずかしかない。以下は、誰がポンドを売っていて、それが今後の動向について何を意味するのかが分かる入手可能な手掛かりの一部だ。

−入手できる公表データは

 あまり多くない。国際決済銀行(BIS)によると、外国為替市場で毎日取引される5兆1000億ドル相当のうちポンドが占める割合は13%。だがこの大半は大手投資銀行による不透明な相対取引によるものだ。最もよく知られているデータは米商品先物取引委員会(CFTC)が発表するもので、さまざまな投資家による週間のポンド先物のポジションをまとめている。

−この情報は何を示すか

 「投機筋はポンド下落に賭けている」ということを示している。CFTCがスペキュレーター(非当業者)と呼ぶ投資家のポジションは6万6242枚の売り越しだ。それでも、昨年10月にメイ首相がブレグジット交渉の正式な手続きを3月末までに始めると表明した時点で9万7572枚売り越しだったのに比べると縮小している。

−CFTCのデータは役に立つか

 ある程度は役に立つ。トレーダーは市場の動向をつかむための手掛かりを求めてこのデータに注目している。だがさまざまな欠陥もある。このデータは火曜日時点のポジションを示す数字だが、発表は金曜日だ。日々のニュースに基づいて取引する市場にとって、この時間差は大きい。また、データの対象になるのは市場全体のごく一部だ。

−では他に注目すべきなのは

 一部の銀行は、為替先物のポジションを推定する独自のモデルを開発している。HSBCホールディングスは、ヘッジファンドのポジション動向を再現する指数を開発した。このHSBCの指数によると、このところポンドのショートポジションは今年これまでに比べて縮小している。

−それ以外のデータが意味することは

 少なくとも現時点では、ポンドの変動はそれほど大きくならないと見込まれる。ポジションの縮小は、上昇・下落いずれの動きも変動幅が小さくなることを意味する。だが、ブレグジット交渉の正式な開始が近づくにつれ状況が変わることを念頭に置く必要がある。

−ポンドの買い手はいるのか

 いる。データによると、買い手には世界最大級の投資家である中央銀行が含まれる。国際通貨基金(IMF)が発表した直近のデータによると、昨年7-9月期に中銀の外貨準備のうちポンドが約20億ドル分増加した。

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【社説】ブレグジット、英議会の試練
英EU離脱特集
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【社説】トランプ氏とブレグジットが開くチャンス
米英の貿易協定、結ぶなら今
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メイ英首相とトランプ米大統領の会談で注目すべき点について、WSJのジョセフ・スターンバーグ欧州論説委員長に聞く(英語音声、英語字幕あり)Photo credit: Getty Images.
2017 年 1 月 27 日 17:53 JST

 ドナルド・トランプ米大統領は27日、ワシントンでテリーザ・メイ英首相と会談する。最優先の議題は米英間の新たな貿易協定だろう。メイ氏は欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット)によって英国が経済的に孤立しないことを証明する必要がある。トランプ氏は「公平な取引」という選挙公約を果たせると示すメリットが得られる可能性がある。両者は早期に貿易協定を結ぶべきだ。

 貿易協定には細則と同じくらい政治的な勢いも重要だが、今回のケースがまさにそれだ。ポール・ライアン米下院議長を含む議会共和党の自由貿易推進派は、米国のモノとサービスの市場を拡大し、トランプ氏と共同戦線を張りたいと考えている。

トランプ氏の主要顧問はブレグジットの成功に力を貸すことに意欲的なようだ。これも協定を早く結ぶべき理由の1つだ。

 メイ氏はEUと「離婚」条件を話し合う上でEUの意のままにはならないことを示し、離脱協議を何としても有利に進めたいと考えている。トランプ氏はEUに対して次の2点を主張することでメイ氏を後押しできる。1つは英国に妥当な離脱条件を提示すること、もう1つは英国が世界貿易機関(WTO)加盟国として与えられた柔軟に交渉する権利を享受できるようにすることだ。

 貿易協定には経済的チャンスもかかっている。米英両国の相手国に対する輸出額は既に毎年1000億ドル(約11兆5000億円)を超えている。英国は80億ドルの貿易黒字だが、その要因は主に製造業ではなく金融サービスでの競争的な優位にある。EUの過剰な規制によって英国市場へのアクセスが制限されている米国の製造業と農家にとっては、貿易協定で新たなチャンスの扉が開く可能性がある。

 協定はまた、両国の規制を緩和する動機を高める可能性がある。英国の保険会社は長年、海外投資を阻む米国の州レベルの保険規制に不満をもらしている。しかしトランプ氏は、オバマケア(米医療保険制度改革法)撤廃の一環として州をまたいだ医療保険の購入を認めるという公約を果たせば、その不満に対処できる可能性がある。

 メイ氏も、EUの独仏式の製品安全や金融規制を大幅に軽減することで、同様の効果を得られる可能性がある。そうした規制は英国経済に全く適合せず、過去の環大西洋貿易に関する協議でも障害となっていた。

 こうしたメリットがあるとはいえ、貿易協定の締結は簡単ではない。英国はEUの傘から外れ、EUから独立した独自の金融規制を再度構築しなければならず、WTO協定をめぐって再交渉しなくてはならない。次期米通商代表部(USTR)代表に指名されたロバート・ライトハイザー氏は、開放的な貿易の一般的ルールよりも国家的な市場シェアの交渉を好む保守的な重商主義者だ。そのライトハイザー氏と取引することはメイ氏にとってリスクであり、トランプ氏に同氏の顧問らが交渉を妨害しないよう保証してもらうべきだ。

 有り難いことに、貿易協定の質の高いひな形は既にたくさんある。トランプ氏が23日に離脱を正式に決めた環太平洋経済連携協定(TPP)の一部もそうだ。米英担当者はサービスの自由化、規制の調和、農業の開放、外国人投資家保護の整備に関して、該当する文言を借りることができる。

 二国間協定が依然として遠い夢だというのは通説であり、貿易を専門とする弁護士が主張するところでもある。しかし、ブレグジットとトランプ氏の大統領就任は多くの通説を覆している。メイ氏とトランプ氏は強固な協力関係を確立することで自らの国を助うことができる。二国間の貿易協定締結を最優先すべきだ。

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米国務省高官の辞任相次ぐ、トランプ政権の要請が大半
指揮系統に空白の懸念も
25日に辞任したパトリック・ケネディ国務次官 
By FELICIA SCHWARTZ
2017 年 1 月 27 日 16:06 JST

 【ワシントン】米国務省で膨大な業務を指揮するキャリア幹部がここ数日の間に相次いで辞任している。同省関係者が明らかにした。次期長官に指名されているレックス・ティラーソン氏が承認されるまで、指揮系統に空白が生じる可能性がある。

 25日には管理担当のパトリック・ケネディ次官、領事担当のミシェル・ボンド次官補、ジョイス・バー次官補、そして外交使節室長を務めていたジェントリー・スミス大使が辞任。いずれも民主、共和両党の政権下で職務経験を積んだキャリア官僚たちだ。関係者によると、過半数がトランプ政権から辞任を求められた。

 ケネディ氏は1973年から外交職員として勤務し、10年前に国務省の管理次官に就任。今回の辞任が自発的なものか、あるいはトランプ政権からの要請だったのかは不明だ。一方、移民や領事業務を担当していたボンド氏はトランプ政権から辞任を求められたと、事情に詳しい関係者は話す。同氏は40年に及ぶ外交キャリアを持つ。

 また20日には外交安全問題を担当したグレゴリー・スター次官補も辞任している。

 今回辞任した幹部はいずれもバラク・オバマ政権によって選ばれ、上院の承認を経て職に就いた。新政権が自らの政策に沿って省庁幹部の顔ぶれを一新させることは珍しくないが、国務省のキャリア官僚は新たな体制が整うまではポストに残留する場合が多い。

 ジョージ・W・ブッシュ政権で政治担当の国務次官を務めたニコラス・バーンズ氏は、新政権は「当然、次官や次官補を好きなように入れ替える権利がある」と話す。その一方で幹部不在の空白期間が生じることを避けるため、「通常は後任者が承認を受けるまで職務を続ける」ケースが多いとも言う。

 国務省のマーク・トナー報道官はこの件に関し、前政権に任命された職員は辞表を提出するのが通例であり、その辞表を受理するかどうかは新政権が決めることだと述べている。またトナー氏は「国務省は上級職員が省内の高官に就くことを奨励し、かつ支持している」とした上で、「どの幹部も無期限で政府からの任命を受けているとは考えていない。大統領によっていつでも交代させられる可能性があることも承知している」と話す。トナー氏によれば、今回トランプ氏が辞表を受理した幹部の中には引退する人や他の外交関連の職務に就く人もいる。

 上院外交委員会は今週、次期国務長官に指名されているレックス・ティラーソン氏を承認した。来週には上院本会議で承認が得られる予定。

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米国務長官指名のティラーソン氏、承認ほぼ確実に
ティラーソン氏公聴会 5つの重要ポイント
ティラーソン氏の交渉術から占う米外交の行方
トランプ氏の対ロ関係、最初の試金石とは
米国の後釜狙う中国、国際貿易のリーダーに遠い道のり
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwij2ufshuLRAhUMkJQKHavgDwwQqOcBCBwwAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11177354273695693774104582584092046729070&usg=AFQjCNGGsqEATYkf0vHmZOe5ERO1clsFKA
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/580.html

[国際17] トランプ米政権、対ロシア制裁緩和を「検討中」−コンウェイ氏 トランプ氏の自由貿易破壊度、ドルの行方左右 
トランプ米政権、対ロシア制裁緩和を「検討中」−コンウェイ氏
Jennifer Epstein、Stepan Kravchenko
2017年1月28日 00:10 JST

トランプ大統領、プーチン大統領に対テロで協力要請−コンウェイ氏
米ロ首脳は28日、初の電話会談を開催

トランプ米大統領は28日に電話でロシアのプーチン大統領と初の公式協議を行うに際し、米国の対ロシア制裁解除を検討することに前向きだ。大統領のシニアアドバイザー、ケリーアン・コンウェイ氏が語った。
  コンウェイ氏は27日にフォックスニュースが放映したインタビューで、電話会議のスタートから制裁解除が議題に上るかと問われ、「そのすべてが検討されている」と発言。「プーチン氏がイスラム過激派テロを打倒する方法について米国と真剣に話し合いたいというなら、われわれは耳を傾ける」と述べた。
  さらに、トランプ大統領はまずロシアにシリアなど国外での行動を改めるよう求めるだろうかとの質問に、コンウェイ氏は「米国第一だ。これは外交政策や安全保障上の動きにも反映される」と答えた。
原題:Trump Aide Says Easing Russia Sanctions ‘Under Consideration’(抜粋)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-27/OKG0U06JTSE801


 

コラム:トランプ氏の自由貿易破壊度、ドルの行方左右
 

田巻 一彦

[東京 27日 ロイター] - トランプ米大統領は、メキシコからの輸入品に20%の関税をかける案を検討している。これは世界貿易機関(WTO)違反の疑いがある。今後、WTO違反の嫌疑が濃い対応が続出すれば、世界の市場はリスクオフと判断して、ドル下落圧力が高まるかもしれない。

一方、財政拡張はドル高要因となる。どちらの力が勝るのか。「自由貿易」秩序の破壊を市場が認識した時、ドル下落圧力が優位になる局面になると予想する。

<20%課税案、WTO違反の懸念>

ホワイトハウスのスパイサー報道官は26日、記者団に対し「輸入品に対し、新たに20%の税を課す。これは160カ国で現在、行われていることだ」「米国の政策では、輸出に課税し、輸入に課税しておらず、不合理だが、この新たな枠組みを導入すれば、壁の建設費を簡単にねん出できる」と述べた。

詳細がはっきりしないので、正確な結論を導き出すのは難しいが、もし、メキシコからの輸入品にだけ新たな課税を実施するなら、それはWTO原則に違反する可能性が高そうだ。

また、トランプ大統領は昨年の大統領選の中で、中国からの輸入品に45%、メキシコからの輸入品に35%の国境税を課す方針を示していたが、特定の国からの輸入を狙い撃ちし、高い関税を課すこともWTO原則に反することになる。

米国内のメディアの論調をみていると、米国の経済にとって明確に打撃となるような対応策は、「口先介入」的な存在で、ブラフとして使っても、現実には実行しないだろうとの見方が多かった。

しかし、メキシコ国境に壁を造る大統領令に署名し、トランプ大統領の本気度は、かなり高いのではないかとの観測が浮上している。

そこに出てきた「20%の新関税」案である。このままWTO原則を無視した対応を継続するなら、自由貿易の原則は、米国自らが破壊することになるのではないか、との懸念が、市場関係者の一部でささやかれ始めた。

まだ、こうした「心配」はごく少数で、27日のドル/円JPY=EBSは115円台までドル高が進んでいる。

ただ、トランプ大統領は就任演説で「保護こそが繁栄と強さにつながる」と強調。自由貿易のもたらす恩恵には、ひとことも触れなかった。

米国のマクロ経済政策に詳しい三菱東京UFJ銀行・シニアマーケットエコノミストの鈴木敏之氏は、このまま保護主義的な政策が幅広く展開されれば、市場に自由貿易主義の後退が印象づけられるという展開も、ゼロではないと述べる。

仮にそのシナリオの実現性が高まった場合、類似性を求めるのはレーガン元大統領の政策ではなく、ニクソン元大統領の政策だと指摘する。

鈴木氏は「1971年のニクソンショックは、ブレトン・ウッズ体制を崩壊させ、輸入課徴金を導入した。その後の展開は、多くの方々が認識されているとおり、変動相場制への移行と市場の混乱だった」と述べる。

<自由貿易の大幅後退なら、世界経済に大打撃>

私も、このままトランプ大統領が保護貿易をまん延させるような政策を継続するなら、第2次世界大戦後に構築された自由貿易主義は、大きな脅威にさらされると考える。

なぜなら、WTOの前身の関税と貿易に関する一般協定(GATT)は米国主導で設けられ、米国が一貫して自由貿易を主導。最も大きな恩恵を受けていたのも米国だからだ。

現在でも世界最大の経済大国である米国が、自由貿易の原則から離れる対応をするなら、世界経済がいずれ、縮小均衡のトレンドに入るのは明らかだ。

そういうことが、多くの市場関係者の中で認識されるようになった場合、先行きの景気後退や混乱を大きな要因として、市場はリスクオフ心理が優勢となり、ドル安ムードが広がるだろう。

しかし、多くの市場関係者は「いくら何でも、そんなことまで米国がするとは思えない」と思っている。

また、今は口をつぐんでいるインフラ投資や1兆ドル規模の減税について、いずれ詳細なプランが示されると市場関係者は期待している。

タイトな雇用環境の下での財政拡張は、ドル高を促進する要因となる。あいまってインフレ期待が高まり、現実の物価上昇率も加速の気配をみせれば、米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースも自ずと速まっていくだろう。そのことが、さらにドルを押し上げる要因となる。

さて、ここで問題になるのは、ドル安の圧力とドル高の圧力のどちらが強いのか、という点だ。

今のところ、トランプ大統領が現在の「自由貿易」の基盤を根こそぎ破壊すると見ている市場参加者は、極めて少数にとどまっている。

したがってこの心理が維持されているうちは、ジリジリとドルが上昇し、対円では円安が進みやすくなると考える。

しかし、トランプノミクスがうまくいかず、停滞を示す経済指標が多くなれば、「不都合な現実」から米国民の目をそらすため、海外に攻撃の「標的」を造る展開もあると予想する。

その標的の1つに日本が浮上し、円安がやり玉に上がれば、円高が一気に進むシナリオが現実味を帯びる。

また、関税の壁で米国を囲い込むような政策対応が、これから数カ月間に続出していけば、市場は「自由貿易主義の放棄」とみなす局面が来るかもしれない。

そのケースでは、より劇的にドル安が進展する可能性があると予想する。

自由貿易の原則を「ちゃぶ台返し」のように放擲(ほうてき)することだけは、止めてほしいと願うばかりである。

●背景となるニュース

・米大統領、メキシコに20%輸入課税検討 壁の費用捻出

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http://jp.reuters.com/article/tamaki-column-trump-idJPKBN15B0P9
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/584.html

[経世済民118] 米耐久財受注:12月はコア資本財が予想上回る伸び−全体は0.4%減 IMF専務理事:トランプの財政計画、米経済を押上げへ
米耐久財受注:12月はコア資本財が予想上回る伸び−全体は0.4%減
Michelle Jamrisko
2017年1月28日 00:36 JST

12月の米耐久財受注統計では、航空機を除 く非国防資本財(コア資本財)の受注が市場予想を上回る伸びとなっ た。
米商務省の27日発表によると、設備投資の先行指標となるコア資本 財の受注額は前月比0.8%増。ブルームバーグがまとめた市場予想中央 値(0.2%増)を上回った。前月は1.5%増と速報値の0.9%増から上方 修正された。
12月の全耐久財受注額は0.4%減。変動の大きい国防航空機の落ち 込みが影響した。
国内総生産(GDP)の算出に使用されるコア資本財の出荷は1% 増加、2015年7月以来の高い伸びとなった。前月は0.6%増と、速報値 の0.2%増から修正された。
統計の詳細は表をご覧下さい。
原題:U.S. Capital Goods Orders Rose More Than Forecast in December(抜粋)
--取材協力:Kristy Scheuble.
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-27/OKG1IZSYF01T01


 


IMF専務理事:トランプ大統領の財政計画、米経済を押し上げへ
Andrew Mayeda
2017年1月27日 23:04 JST

トランプ米大統領が計画している税制改革およびインフラ投資拡大は今後2年間の米経済成長を加速させるだろうと、国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事が述べた。
  ラガルド専務理事は27日、ウガンダの首都カンパラでインタビューに応じ、「今後2年間でそうなる可能性は高いと考える」と発言。ラガルド専務理事は同国のムセベニ大統領と会談した。
  IMFは先週発表した世界成長率見通しで、今年の米成長率予想を0.1ポイント引き上げ2.3%に、来年の同予想を0.4ポイント引き上げ2.5%とした。
原題:Lagarde Says Trump’s Fiscal Plans Likely to Boost U.S. Economy(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-27/OKFXDYSYF01W01

http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/394.html

[国際17] 仏大統領選、極右ルペン氏は海外から資金調達か ロシアなどの影響が及ぶ可能性懸念 ハーバード大基金、運用人員規模を半減へ 
仏大統領選、極右ルペン氏は海外から資金調達か
反対勢力はロシアなどの影響が及ぶ可能性に懸念

By NOEMIE BISSERBE
2017 年 1 月 27 日 19:01 JST

 【パリ】フランスの極右政党、国民戦線(FN)は、5月に行われる大統領選に向けたマリーヌ・ルペン党首の資金集めに苦戦しており、海外銀行への融資要請を検討している。同党の財務担当が明らかにした。反対勢力からは、外国の影響が及ぶ余地が生じるとの批判も出ている。

 フランスでは、政党の選挙費用の多くは政府の資金で賄われるが、党が資金を受け取るまでに数カ月かかるケースもある。その場合、候補者は銀行からの融資に頼らざるを得ない。

 国民戦線の財務担当者ワルラン・サンジュスト氏は、国内の銀行が方針を変えるか支持者からの献金が増えなければ、同党は他の欧州の国や米国、ロシアなど海外の銀行に融資を求める必要がでてくると述べた。「今のところ、本当の解決策は見つかっていない」という。

 国民戦線は2014年、モスクワを拠点とするファースト・チェコ・ロシアン銀行(FCRB)から欧州議会選挙の資金として約900万ユーロ(約11億円)の融資を受けた。同融資に対しては当時、ロシア政府から過度の影響が及ぶ兆しだとして批判が集まった。

 その後FCRBは経営破たんし、昨年にロシアの貯蓄保険機関に吸収された。

 国民戦線とルペン氏はかねて親ロシア的な見解を支持しており、ウラジーミル・プーチン大統領に対する称賛の念を表明してきた。今年に入り、ルペン氏はクリミア併合が違法ではないと述べ、西側の対ロシア経済制裁を批判した。

 世論調査会社イプソス・ソプラ・ステリアが実施した調査によると、ルペン氏は有権者の25〜26%から支持されている。共和党のフランソワ・フィヨン元首相の支持率は24〜25%、オランド政権の経済閣僚を辞任して新党を立ち上げたエマニュエル・マクロン氏は19〜21%だ。

 フランスの政党は、選挙資金の詳細を全て公表することは義務付けられていない。ただ、大統領選第1回投票での費用は約1700万ユーロが上限だ。第2回投票に進んだ候補者の上限は合計2250万ユーロとなる。

 フランスではいくつかの銀行が最近、政党やその候補者に対する融資の停止を決めた。12年の大統領選ではルペン氏に400万ユーロを融資したソシエテ・ジェネラルも同様だ。

 同行の広報担当者は政党への融資を認めない方針について、「経済的な理由だけでなく、政治的中立性を確保するため」だとしている。

 国民戦線は、他の銀行はルペン氏の融資申請の検討を拒否していると述べた。

 それについて、社会党の財務担当者ジャンフランソワ・ドゥバ氏は、「本当かどうか怪しい」とし、「彼らは嘆いてみせているだけだ」と述べた。ドゥバ氏によると、社会党は国内銀行からの融資を取り付けている。

 急進左派・左翼党の関係者の話では、同党のジャン・リュック・メランション党首も銀行からの融資を確保したという。

 また、フィヨン氏とマクロン氏の陣営も、国内銀行からの融資を受ける方向で進んでいるとしている。

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ハーバード大基金、重視すべきはコスト抑制と長期投資
ハーバード大は大学基金運用会社の人員規模を半分に縮小する

By SPENCER JAKAB
2017 年 1 月 27 日 18:54 JST

 米ハーバード大学は25日、大学基金の大半の資産の運用を外部に委託し、基金運用会社ハーバード・マネジメント(HMC)の人員規模を半分に縮小すると明らかにした。運用に関して学生や卒業生、教授陣から長年不満が募っていたとは言え、この件で大学側は何らかの教訓を得ただろうかという疑問が浮かぶ。

 ハーバード・マネジメントが357億ドル(約4兆円)規模の基金の運用で信頼を失うのは驚くほど速かった。過去5年度の投資リターンは年間プラス5.9%に過ぎず、2016年の運用成績はマイナスだった。

 パッシブ運用で米株式インデックスに6割、債券インデックスに4割投資していたとしたら、同じ5年間の年間リターンはプラス8.9%だったはずだ。同基金はハーバード大の予算の3分の1強を拠出しており、リターンが3ポイント違えば2倍の奨学金を提供できたはずだ。

 ハーバード・マネジメントの幹部6人は2014年に約4500万ドルの報酬を手にした。これは世界で最も優れたハーバード大の教授陣と学長の報酬を上回る。卒業生のグループは公開書簡で、これは「運用実績に極めて不釣り合い」と不満を表明した。

 それほどの報酬を受け取るに値するだろうか。あるいは、パッシブ運用のリターンを数ポイントでも上回っていれば、もっと受け取って当然だろうか。そんなはずはない。ほんの数年の成績に基づいて実力だったのか幸運だったのかを統計的に証明することはできないだろう。

 長年、プリンストン大学の教授を勤めるバートン・マルキール教授が数十年前に、「目隠しされたサルが新聞の金融面にダーツを投げても」専門家に勝てることがある、と書き記したことはよく知られている。

 サルと違い、ハーバード・マネジメントの資金運用者らはちょっとした褒美のために仕事をしたのとはほど遠い。一方、巨額の基金を学内で運用することで、ハーバード大は10年間で手数料15億ドルを節約できると見積もっていた。

 つまり、同大は実際、コントロールできる唯一の項目であるコストについては非常に高い成果を上げたことになる。もちろん、インデックスに投資していればもっと手数料を節約できたはずだが、それもまた誤ったやり方だったということになっただろう。20年間でみれば、ハーバード・マネジメントの年間リターンはプラス10.4%と、株式インデックス6割・債券インデックス4割の単純配分投資でのリターンを3ポイント上回ったからだ。

 また、単にインデックスに投資していれば、ハーバード・マネジメントは基金に共通する一つの利点を逃してしまったことだろう。それは投資期間が非常に長いということだ。この長い投資期間のために、運用者はより多くのリスクを取り、即座に売れないような不動産や木材、未公開株などの資産に投資することが可能になる。

 いやが応でも、こうした利点を生かすには投資専門家の長年のかじ取りが必要だが、そうした専門家を雇う場合の「相場」は大学教授よりも高い。人生は公平でないとは言え、コストを抑える方法はある。

 ハーバードは今回の経験から、コスト抑制と長期投資の利点を生かすことに照準を絞るべきだ。アイビーリーグの名門校を卒業していなくても、そのことは容易に理解できる。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjE8c3P2eLRAhUHW5QKHXB6AhsQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11177354273695693774104582584852574949664&usg=AFQjCNEvurBxz6ktSdE3292afzTTe5ZP-g
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/585.html

[経世済民118] NY円、一時下げ渋り 米GDPが予想下回る、円買いは続かず ポルトガル財務相:年内の資金計画に問題ない−国債利回り上昇で
NY円、一時下げ渋り 米GDPが予想下回る、円買いは続かず
2017/1/27 23:00
【NQNニューヨーク=滝口朋史】27日朝方のニューヨーク外国為替市場で、円がドルに対して下げ幅を縮小する場面があった。一時は1ドル=114円75銭近辺まで下げ渋った。朝方発表の2016年10〜12月の米実質国内総生産(GDP)で、前期比の伸び率が市場予想を下回ったのを受けて米長期金利が上昇幅を縮めると日米金利差の縮小を見込んだ円買いが入った。ただ、米景気の増勢は続いているとの見方は根強く、買い一巡後は115円台前半に下げ幅を拡大している。

 16年10〜12月期の米実質GDP速報値は、前期比年率換算で1.9%増となった。7〜9月期の3.5%増から減速し、市場予想の2.2%も下回った。もっとも、7〜9月期に天候要因で大豆の輸出が大幅に増えた反動が主因で、設備投資は3四半期連続で増加。住宅投資は3四半期ぶりにプラスに転じるなど、潜在成長率並みの成長は続いているとの見方が次第に優勢になった。

 円は米GDP発表直前に前日比60銭円安・ドル高の115円10〜20銭で推移していた。

 米東部時間午前8時50分時点で、円相場は前日比80銭円安・ドル高の1ドル=115円30〜40銭で推移している。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL27HO1_X20C17A1000000/

米GDP年率1.9%増 16年10〜12月期速報値
2017/1/27 22:37
 【ワシントン=河浪武史】米商務省が27日発表した2016年10〜12月期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、前期比年率換算で1.9%増となった。特殊要因による輸出減で7〜9月期(3.5%増)から減速したが、経済の巡航速度である潜在成長率(2%程度)をほぼ維持した。設備投資や住宅投資も上向いており、米景気は緩やかな増勢を保っている。

 米景気の拡大局面は7年半に達し、トランプ新政権は底堅い経済環境を引き継いだ。もっとも16年通年の成長率は1.6%と3年ぶりの1%台。同政権が公約とする4%成長とは開きが大きく、減税やインフラ投資など成長戦略づくりを急ぐ。

 10〜12月期の実質成長率は市場予想(2.2%程度)をやや下回った。GDPの7割を占める個人消費は2.5%増と、前期(3.0%増)から伸びがやや鈍った。サービス部門の減速が原因で、モノの消費は5.2%増と好調だった。

 輸出は4.3%減と3四半期ぶりのマイナスとなった。7〜9月期は気候要因で大豆出荷が大幅に増えて、輸出全体の伸び率が10%に達していた。10〜12月期はその反動で落ち込んだが、一部は大統領選後のドル高の影響もありそうだ。

 設備投資は2.4%増と3四半期連続で増加した。原油価格の下げ止まりで資源関連投資が増えたほか、企業の研究開発投資も伸びた。住宅投資は10.2%増と3四半期ぶりにプラスに転じた。

 米連邦準備理事会(FRB)は31日〜2月1日に金融政策を決める米連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。昨年12月に利上げしたばかりで、今回は引き締めを見送る方向だ。ただ、景気の緩やかな拡大を確認したことで、先行きの利上げ加速を視野に議論する。

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経済動向、政府統計、GDP、米国商務省、GDP年率、FRB、米国連邦公開市場委員会

円、一時下げ渋り 米GDPが予想下回る (2017/1/27 23:00)

トランプ政権の年4%成長目標、具体策乏しく (2017/1/22 2:30) [有料会員限定]

米GDP3.2%増、消費上振れ 7〜9月改定値 (2016/11/29 23:27)

トランプ氏「ドル強すぎる」 通貨安誘導の可能性 (2017/1/18 19:30) [有料会員限定]

FRB、金融引き締めに前向き発言相次ぐ (2017/1/24 2:00) [有料会員限定]
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM27H8A_X20C17A1000000/


 

ポルトガル財務相:年内の資金計画に問題ない−国債利回り上昇でも
Caroline Connan
2017年1月27日 21:00 JST

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ポルトガルのセンテーノ財務相は政府債務が減少しており、年内の資金計画に問題はないとの見方を示した。同国をめぐっては借り入れコストの上昇を受け、欧州連合(EU)関係者から改革を求める声が相次いでいる。
  センテーノ財務相は26日にブリュッセルでブルームバーグテレビジョンのインタビューに応じ、「ポルトガルには安心して今年を乗り切れるだけの大規模な資金バッファーがある」と発言。市場から資金調達できず、この資金バッファーに依存しなければならなくなる状況も想定していないとし、「資金調達に関して今年はほぼめどが立っている」と述べた。
  (後段から)ポルトガル10年債利回りは26日の欧州債市場で一時、昨年2月以来の高水準に達した。27日も4.1%前後で取引されている。ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のデイセルブルム議長は26日、記者団に対し「一定のボラティリティがあり、それはいま一度ポルトガルに改革推進の必要性を突きつけているという事実をわれわれは認識している。ポルトガルは改革の意欲があり、銀行強化にさらなる措置を打ち出すと言っている」と語っていた。
原題:Portugal’s Centeno Says Funding Under Control as Yields Rise (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-27/OKFS5U6JTSEM01

http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/395.html

[政治・選挙・NHK219] 米国防長官、日韓と同盟強化優先 駐留経費増の議論先送り トランプ、通貨安誘導制限 米2国間交渉要求、あらゆる想定対応=菅
米国防長官、日韓と同盟強化優先 駐留経費増の議論先送り
2017/1/27 20:25
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 【ワシントン=吉野直也】マティス米国防長官は2月1〜4日の日韓両国の訪問に際し、駐留米軍経費の負担増を求めない方針だ。南シナ海で国際法を無視して海洋進出する中国や核・ミサイルの開発を進める北朝鮮を見据え、同盟強化を話し合うのが主目的だからだ。トランプ米大統領が主張する負担増の議論を優先すると論点が拡散すると判断した。

 米国防総省のデービス報道部長は26日、マティス氏の日韓訪問の目的について「両国の指導者との面会や関係強化だ」と説明した。同時に「要求リストを携えて行くわけではない」と指摘した。ツイッターなどを通じたトランプ氏の事実誤認に基づく日系企業への「恫喝(どうかつ)」などに関して日本側には不信と不満がある。

 アジア政策の中心となるマティス氏まで、初めての訪問からトランプ流の「恫喝」を展開すれば、同盟国の落胆と失望を招きかねない。

 防衛省によると、日本は2015年度に米軍駐留経費の86%(1900億円)を負担している。こうした事実をトランプ氏が認識している可能性は低い。日本側にはマティス氏を通じて日本の主張などをトランプ氏に訴えたい考えもある。

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米との2国間経済交渉、排除せず 首相表明 (2017/1/26 15:30) [有料会員限定]
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS27H4J_X20C17A1PP8000/?dg=1


 


 

 


日米2国間交渉「あらゆる想定に対応」 官房長官
2017/1/27 12:36 
 菅義偉官房長官は27日の閣議後の記者会見で、日米首脳会談でトランプ米大統領が2国間の貿易交渉を求めてきた場合について「ありとあらゆる想定に対応できるように取り組む」と述べた。メキシコ国境沿いに壁を建設するために課税強化の方針を示したことには「日本企業への影響を注視する」と語った。

 米国との貿易交渉を巡っては麻生太郎財務相が「現状を話すことが大事だ。その上できちんとした環境をつくり上げる」と指摘。世耕弘成経済産業相は「環太平洋経済連携協定(TPP)に腰を落ち着けて取り組んでいくことが何より重要だ。トランプ政権にもTPPの戦略的、経済的意義をしっかり伝えていく」と強調した。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS27H0S_X20C17A1EAF000/

 


 

米、日本と2国間交渉 首脳会談で要求へ
2017/1/27 13:25
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 【ワシントン=河浪武史】トランプ米大統領は2月上旬で調整している日米首脳会談で、環太平洋経済連携協定(TPP)に代わる2国間の通商協定交渉を求める方針だ。ロイター通信が26日、トランプ政権高官の発言として伝えた。菅義偉官房長官は27日の閣議後の記者会見で、日米首脳会談の対応について「ありとあらゆる想定に対応できるように取り組む」と述べ、2国間協定の交渉も排除しない姿勢を示した。

 トランプ政権高官は「(米国が離脱を決めた)TPPの代替措置を議論する」と述べた。そのうえで「正式な自由貿易協定(FTA)交渉の前に、いくつかの準備段階があるかもしれない」とも指摘した。日米貿易には「明白な問題がある」と述べて、自動車などの貿易不均衡が議題になる可能性を示唆した。

 日本政府は日米首脳会談で米国が貿易交渉を求めてきた場合、交渉には応じる構えだが、FTAなど2国間協定の締結にはなお慎重な姿勢を崩していない。

 安倍晋三首相は27日午前の衆院予算委員会で、TPPをなお追求するとしたうえで、TPPの追求と2国間協定の交渉は「矛盾するものではない」との認識を示し、2国間協定の交渉に含みを残した。一方で2国間協定に関して「こちらが一方的に収奪されるような協定は成り立たない」とも指摘し、米側がTPP交渉よりも農産物分野などで強硬に出てくることに警戒感を示した。

 これに関連して閣議後の記者会見では菅氏が「日米同盟、日米経済はきわめて重要だ。どのように発展・深化させていくのか、新政権と様々なレベルで議論していきたい」と強調。麻生太郎財務相も「現状を話すことが大事だ。その上できちんとした環境をつくり上げる」と述べた。世耕弘成経済産業相は「TPPに腰を落ち着けて取り組んでいくことが何より重要だ。トランプ政権にもTPPの戦略的、経済的意義をしっかり伝えていく」と強調した。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM27H3L_X20C17A1MM0000/

 


 

トランプ氏「通貨安誘導を制限」 通商協定に為替条項
2017/1/27 11:43 (2017/1/27 13:06更新)
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 【ワシントン=河浪武史】トランプ米大統領は26日、米フィラデルフィアでの共和党上下両院の集会で演説し、今後の通商交渉には「通貨安誘導に対し極めて極めて強い制限を導入していく」と表明した。日本など環太平洋経済連携協定(TPP)参加国との貿易協定は「一対一の取引になる」と2国間協議に軸足を移す姿勢を改めて強調。こうした協定の中に通貨安誘導を監視する為替条項を盛り込む考えとみられる。通貨政策を制限する国際協定は異例だ。

26日、共和党の集会に出席したトランプ米大統領(フィラデルフィア)=ロイター
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26日、共和党の集会に出席したトランプ米大統領(フィラデルフィア)=ロイター
 トランプ政権は20日の就任直後にTPPからの離脱を表明した。米自動車業界などは「通貨安誘導の対策が不十分」としてTPPに反対してきた経緯がある。トランプ氏は新たな通商交渉でこうした米製造業の主張を取り入れる。米製造業は足元で進むドル高に警戒感を示しており、一段の通貨高をけん制する狙いもある。

 TPP離脱後の通商交渉で米政権は、牛肉関税などが高止まりしている日本との自由貿易協定(FTA)交渉を視野に入れている。2月10日で調整している日米首脳会談でも通商問題が議題になりそうだ。トランプ氏は自動車分野の貿易不均衡を問題視しているが、足元で進む円安・ドル高に言及する可能性もある。

 主要国間で結ぶFTAは、関税の引き下げや輸入規制の撤廃などが目的で、通貨安誘導を監視する為替条項は通常盛り込まない。TPPには協定の枠外で参加12カ国の通貨当局が定期協議する枠組みがあったが、通貨安誘導への制裁措置などはなく、米議会のTPP反対論につながっていた。

 トランプ氏が想定するのは、為替介入などの通貨安誘導に対し、関税引き上げなどの制裁措置がとれる仕組みの導入だ。選挙戦では中国の通貨安誘導を批判して「45%の関税をかける」と主張してきた。日本にも「通貨安誘導が上手だ」などと言及したことがある。

 もっとも、通貨水準は各国の金融政策に影響されやすく、足元で進むドル高は、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ加速観測が原因だ。「米国第一」を掲げるトランプ氏が、貿易不均衡の解消のために通貨相場へのけん制を強めれば、市場が混乱する要因になる。

 菅義偉官房長官は27日の閣議後の記者会見で「そうしたことがあっても(通貨政策を制限していない)TPPのようにまとめる」と述べ、通貨政策を制限する協定には応じられないとの認識を示した。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM27H29_X20C17A1MM0000/
http://www.asyura2.com/17/senkyo219/msg/732.html

[経世済民118] トランプ米大統領:ロシア制裁解除、まだまだ協議する時期ではない 米消費者マインド指数1月98.5に上昇−13年ぶり高水準
トランプ米大統領:ロシア制裁解除、まだまだ協議する時期ではない
Justin Sink
2017年1月28日 04:11 JST 
トランプ米大統領はロシアに対する米国の制裁解除について、「まだまだ協議する時期ではない」と述べた。
  28日にプーチン大統領との電話会談を控えているトランプ大統領は、この日は英国のメイ首相とホワイトハウスで会談。会談後の記者会見でロシア制裁について、「どうなるか展開を見守る」と発言。プーチン大統領と「非常に良好な関係」を望むと続けた。
原題:Trump Says ‘Very Early’ to Discuss Ending U.S. Russia Sanctions(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-27/OKGCCT6VDKHV01


 

米消費者マインド指数:1月は98.5に上昇−13年ぶり高水準
Patricia Laya
2017年1月28日 01:59 JST 
1月の米消費者マインド指数は上昇し、13年 ぶり高水準となった。大統領選後に示された財政政策やその経済効果に 対する楽観が継続していること示された。
ミシガン大学消費者マインド指数(確定値)は98.5と、前月の98.2 から上昇した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は 速報値と同じ98.1だった。
ミシガン大の消費者調査ディレクター、リチャード・カーティン氏 は発表資料で、「重要なのは、所得と家計資産の増加により消費者が現 在の財務状況について前向きな認識を強めていることや、自らのパーソ ナルファイナンスについてここ10年余りで最も明るい先行きを期待して いることだ」と指摘した。
6カ月後の先行き景況感を示す期待指数は90.3と、前月の89.5から 上昇。速報値は88.9。
現況指数は111.3と、前月の111.9から低下。速報値は112.5だっ た。
1年先のインフレ期待値は2.6%と、7月以来の高水準。前月 は2.2%だった。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:Consumer Sentiment in U.S. Increased in January to 13-Year High(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-27/OKG5RBSYF01S01
http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/399.html

[国際17] 英首相、対ロ制裁緩和にクギ トランプ氏に継続を トランプ米国第一主張せず米英特別 NATO重要 国連拠出金削減 活動支障
英首相、対ロ制裁緩和にクギ トランプ氏に継続を
2017/1/28 10:49日本経済新聞 電子版
 【ワシントン=川合智之】メイ英首相は27日のトランプ米大統領との共同記者会見で、対ロシア制裁について「『ミンスク合意』(ウクライナ東部の停戦に関する和平合意)が完全に履行されるまで制裁を続けるべきだ」と注文を付けた。トランプ氏は28日にロシアのプーチン大統領と電話協議を予定しており、メイ氏はウクライナ危機が解決しないまま制裁緩和に動かないよう、トランプ氏にクギを刺したとみられる。

 ロシアが2014年にウクライナのクリミア半島を編入した後、米欧は経済制裁を続けているが、トランプ氏は制裁解除について「話すのは時期尚早だ」と指摘。「ロシアや中国など、すべての国と良い関係を築けるなら大賛成だ」と述べるなど、ロシアに融和的な姿勢を貫いた。

 英国は米国との「特別な関係」を背景に、ウクライナ危機では対ロ強硬派の米国と歩調を合わせた。停戦合意が実施されないまま米が制裁緩和に動けば、はしごを外される形になる。

 トランプ氏は28日、ロシアのほかフランス、ドイツの首脳とそれぞれ電話協議する。英国はロシアと経済的なつながりがあるEU諸国に制裁を促す役割を果たしてきただけに、危機感は強い。メイ氏は記者会見で、制裁継続に向けて「欧州連合(EU)内でも協議を続けている」と述べた。

 議会も対ロ制裁緩和には批判的だ。共和党重鎮のマケイン上院議員は27日の声明で「(プーチン氏は)人殺しで凶悪犯であることを忘れてはならない」と厳しく非難。対ロ制裁緩和は国家安全保障を損なうと警告した。マコネル上院院内総務も米紙のインタビューで「対ロ制裁解除には反対だ」と述べた。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM28H1N_Y7A120C1NNE000/


 

 
米、国連拠出金を削減へ 国際機関の活動に支障も
2017/1/27 0:55 (2017/1/27 2:30更新)日本経済新聞 電子版
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 【ワシントン=川合智之】トランプ米大統領は国連や国際機関への拠出金削減や、一部条約からの離脱を検討する大統領令の準備を始めた。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が25日報じた。実現すれば規模縮小の形で国連平和維持活動(PKO)などの活動に支障を来しかねない。世界の秩序維持に関与してきた国際社会での米国の役割が大きく変わる可能性もある。

国際社会での米国の役割が大きく変わる可能性がある(ニューヨークの国連本部)=ロイター
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国際社会での米国の役割が大きく変わる可能性がある(ニューヨークの国連本部)=ロイター
 報道によると、一定の条件を満たした国連・国際機関への拠出金をゼロにする。大統領令の草案では(1)パレスチナを加盟させている(2)妊娠中絶を支援(3)イランや北朝鮮への制裁回避を支援――などが条件。その他の団体についても、拠出金総額を4割減らす。

 PKOのほか国際刑事裁判所(ICC)、国連人口基金などへの適用を検討する。米国の重要政策に反対する国に対する開発援助も見直すとしている。

 米は国連の年間予算の22%を分担する最大の拠出国。このほかアフリカなど16カ所で展開するPKO予算の28%も負担しており、年間では78億ドル(約9千億円)にのぼる。削減されれば国連や国際機関の活動に大きな支障が出る。


http://www.nikkei.com/content/pic/20170127/96958A9E9381959FE0E49AE5968DE0E4E2E3E0E2E3E59494E3E2E2E2-DSXMZO1219078027012017FF1001-PB1-6.jpg

 別の大統領令では、米国が離脱すべき多国間条約の検討を指示する。安全保障や犯罪者引き渡し、国際貿易に関する条約は除くとしており、女性差別撤廃条約や子どもの権利条約などが検討対象という。トランプ氏は選挙戦で、温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱にも言及しており、対象となる可能性がある。

 ただ草案には不透明な内容も多い。同紙によると、拠出金の削減対象に挙げたICCには、米国は現在資金を出していない。パレスチナを加盟させている国連機関への拠出金停止は、すでに法制化されている。

 トランプ氏が指名したヘイリー国連大使は18日の上院の指名承認公聴会で、国連への拠出金に対して「応分の見返りがあるのか」と述べ、拠出見直しの可能性に言及した。トランプ氏自身も選挙戦で国連を批判しており、こうした意向を受けた形だ。

 オバマ前大統領は2013年に「米国は世界の警察官ではない」と発言し、国連や同盟国との多国間協調を重視してきた。一方、トランプ氏は「米国第一」を掲げ、北大西洋条約機構(NATO)や日本などの同盟国が負担金を増やさなければ駐留米軍撤退も辞さないと言及している。

 トランプ氏が多国間協調に否定的なのは、不動産業者として1対1の取引を重視してきたためとの見方もある。国際社会でビジネス界の交渉術を絶対視し、孤立主義を強めれば、内戦や貧困などの課題が置き去りになる懸念もある。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM26H7D_W7A120C1FF1000/

 

トランプ氏、米国第一主張せず 「米英は特別」
首脳会談
2017/1/28 19:04日本経済新聞 電子版
 【ワシントン=河浪武史】トランプ米大統領とメイ英首相は27日の首脳会談で、2国間通商協定の交渉開始に向けて協議することで一致した。トランプ氏は記者会見で「米英は特別な関係だ」と強調し、メキシコや日本に向ける「米国第一」の通商政策とは異なる姿勢だ。貿易不均衡がない英国とは、相互利益を生み出す通商交渉を進めていくとみられる。

会談後、記者会見する英国のメイ首相(左)とトランプ大統領(27日、ワシントン)=ロイター


 米国にとって英国は5番目の輸出先で、通商協議の意味は大きい。もっともモノの対英貿易赤字は約20億ドル(約2300億円、2015年)にとどまり、金融などのサービス貿易も含めれば米国は120億ドルの黒字を計上している。700億ドルものモノの貿易赤字がある日本などには「不公平だ」と厳しくかみつくが、対英交渉ではその必要がない。

 英国は欧州連合(EU)離脱後でなければ正式に米国と自由貿易協定(FTA)などの交渉には入れない。当面は「共同研究」などの非公式協議で貿易自由化の道を探ることになる。メイ氏は27日の記者会見でも「短期間に高官協議に進み、米英貿易協定の基盤づくりができるか協議している」と述べるにとどめ、交渉プロセスなどは明示しなかった。

 米国が対英協議で狙うのは農産品輸出の拡大だ。EUには食肉や穀物などの厳しい安全基準があり、米国の農畜産品の輸出拡大の道を閉ざしてきた。EUとして課す10%の自動車関税の引き下げも焦点だ。

 英国は米国の金融市場をもう一段開拓したい考えだ。保険分野を中心に許認可などの緩和が議題となる。EU離脱で孤立を恐れる英国にとって、対米交渉は「英国は最強、最大の自由貿易の提唱者だ」(メイ首相)との姿勢をアピールし、インドや中国など新興国とのFTA交渉に弾みをつけることもできる。

 トランプ氏は26日の共和党の会合で「心配するな、たくさんの通商協定を結んでみせるから」と居並ぶ議会指導部に話しかけた。新政権の現実路線が問われている。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF28H09_Y7A120C1NN1000/

 

米英首脳、NATO重要性確認 貿易協定巡り協議
2017/1/28 6:48 (2017/1/28 9:02更新)日本経済新聞 電子版

会談したトランプ米大統領とメイ英首相(27日、ワシントン)=ロイター

 【ワシントン=鳳山太成】トランプ米大統領は27日、訪米した英国のメイ首相とホワイトハウスで会談した。米欧の安保協力の枠組みである北大西洋条約機構(NATO)の重要性を確認。2国間の貿易協定は今後協議を進める。対ロシアを巡ってはメイ氏が制裁継続を訴える一方、トランプ氏は継続を明言せずに関係改善に意欲を示し、意見の隔たりが目立った。

 トランプ氏が20日の大統領就任後、外国首脳と会談するのは初めて。会談後の記者会見でトランプ氏は「最も『特別な関係』を支え続ける」と述べ、経済やテロ対策で米英の協力を深める意向を示した。エリザベス英女王の招待でトランプ氏が今年後半に英国を公式訪問することで合意した。

 メイ氏は記者会見で「両国はNATOへの確固たる関与を再確認した」と述べた。これまでトランプ氏はNATOを「時代遅れ」と批判し、東欧におけるロシアの勢力拡大を懸念する欧州各国に波紋が広がっていた。メイ氏によると、トランプ氏は会談で「NATOを100%支持する」と語ったという。

 メイ氏は会見で「より公平な負担に向けて国内総生産(GDP)の2%を防衛費に回す加盟国の目標を達成するよう欧州各国に働きかける」と表明した。トランプ氏は予算の約7割を米国が拠出する現状を不公平だと不満を漏らしてきた。

 メイ氏は米英の貿易協定に触れ「貿易交渉の開始で合意できるか、迅速なハイレベル協議に進めるか(米国と)議論している」と説明した。トランプ氏は多国間協定を敬遠し、2国間の貿易協定を重視する。英国も欧州連合(EU)離脱後、早期に新たな貿易協定の交渉に乗り出したい考え。

 対ロ関係では温度差が目立った。トランプ氏は対ロ制裁を続けるかどうか「議論するのは時期尚早」と明言を避ける一方、「ロシアと素晴らしい関係を築ければ好ましい」と強調した。ロシアが2014年にウクライナのクリミア半島を編入した後、米欧は経済制裁を続けている。トランプ氏は28日、プーチン大統領と電話で協議する。

 一方、メイ氏は「『ミンスク合意』(ウクライナ東部の停戦に関する和平合意)が完全に履行されるまで制裁を続けるべきだ」とけん制した。ロシアが支援する武装勢力とウクライナ政府軍の停戦で交わした和平合意をロシアが守っていないとの認識に立っている。

 トランプ氏は英国がEUを離脱すれば他国に干渉されずに自由貿易協定を結べるようになるとして「英国にとって素晴らしいものになる」と英国の決断を支持した。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGN28H0Q_Y7A120C1000000/

 

米、通貨と通商で二重の圧力 2国間協定に為替条項
2017/1/28 0:43
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 トランプ米大統領は26日、日本などと想定する2国間の通商協議で「通貨安誘導に極めて強い制限を導入する」と表明した。国際的な通商協議の対象に通貨を含めるのは極めて異例で、無理強いすれば2国間の自由貿易協定(FTA)が進まなくなる。日銀の超低金利政策でドル高が進みやすい構図だけに、トランプ氏の発言がエスカレートするとの懸念も出ている。

 「大きな衝撃だった」。日本の通商担当者は27日、トランプ氏の為替条項発言に肝をつぶした。通商交渉は関税引き下げや貿易ルールが中心で、「極めて強い」通貨安誘導の制限措置を盛り込むのは前例がない。

 環太平洋経済連携協定(TPP)交渉でも米連邦議会の意向をくむ米政府が協定に為替に関する条項を盛り込むよう提起した。だが日本のほか、為替介入を実施するマレーシアやシンガポールの猛反発で頓挫。妥協案としてTPP参加国の担当者が定期的に会合を開き、為替政策に関し対話する仕組みを導入することにした経緯がある。

 菅義偉官房長官は27日の記者会見で米国と2国間協定の交渉になった場合「(TPP交渉のときと)同じ主張をする」と述べ、為替操作防止規定に慎重姿勢を示した。米政府内では「中国を操作国に指定し、通貨安分の報復関税をかける」といった案が取り沙汰されるが内容は不明。「為替操作」の定義も定かでない。

 トランプ氏がTPPから「永久離脱」した大きな理由も為替だ。ここまで牙をむくのは「ドル高は米雇用にマイナス」という理屈が世論受けしやすいためだ。日本車にシェアを奪われる米自動車大手もTPPを「通貨安政策への十分な対応が盛り込まれていない」(米自動車政策評議会のブラント代表)と批判。さらなるドル高を阻止する点でトランプ氏と米製造業の足並みがそろう。

 だが、相手国の為替政策を無理に縛ろうとすれば、特にシンガポールのように為替介入を恒常的にしている国は米と交渉のテーブルにつけない。日本など先進国も為替条項の明文化に応じる可能性は低いため2国間の通商協議は暗礁に乗り上げ、トランプ氏は自らの首を絞めるかたちになる。

 米が独自の為替ルールを設ければ20カ国・地域(G20)や国際通貨基金(IMF)の合意などとも矛盾が生じる。「急速な為替変動は経済に悪影響」という原則に沿ってIMFなどは各国に一定の条件下で為替介入を容認している。2011年の東日本大震災後に急速な円高が進んだ局面では米も含むG7(主要7カ国)が円売り・ドル買いの協調介入をした。

 世界で唯一の基軸通貨国が国際合意と整合性の取れないルールを押しつければ、為替安定策がダブルスタンダードとなり市場が大混乱するばかりか、自国通貨をドルに連動させる「ペッグ」が崩れてドル離れが加速するリスクがある。

 日米は2月10日にも首脳会談を開く方向で調整中だ。11年秋から為替介入を避け「通貨安誘導はしていない」とする日本に対し、トランプ氏が為替でどこまで踏み込んでくるかが焦点だ。

 「金融政策にまで口出ししてくると面倒なことになる」。政府関係者は27日、米側が日銀の緩和策を「円安誘導」と批判してくるリスクを否定しきれないと漏らした。

 日銀は長期金利を0%程度に固定する一方、米連邦準備理事会(FRB)は追加利上げを探っており方向性は逆だ。このため日米の金利差が開き、ドル高が進みやすい。

 国内経済を浮揚させる金融緩和はG20も容認するものの、市場では米のドル高抑止が先鋭化してくれば、政府・日銀の為替政策が縛られることもありうるとの観測が出ている。

 為替監視国リストを作成したオバマ政権以上にトランプ氏が厳しい態度で臨んでくるのは確実で、日本は通商と通貨の二正面で経済政策の防戦を迫られる。

(ワシントン=河浪武史、中村亮)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF27H0E_X20C17A1EA2000/
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/618.html

[国際17] トランプ氏と米英の特別な関係  トランプ、移民審査と軍備増強の大統領令に署名 ロシア大統領と電話会談 対ロ制裁に影響か 
【社説】トランプ氏と米英の特別な関係

https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-RV498_2VWA5_M_20170127164158.jpg?width=860&height=573

会談後、記者会見場に向かうトランプ(左)大統領とメイ首相 PHOTO: ANDREW PARSONS/ZUMA PRESS
2017 年 1 月 28 日 14:01 JST

 米国の大統領が英国の首相と手を組むと、米国の大統領が得をすることが多い。ドナルド・トランプ大統領とテリーザ・メイ首相はレーガン元大統領とマーガレット・サッチャー元首相のような関係を築くかもしれない。米英首脳は27日、ホワイトハウスで会談、トランプ氏は対ロシア制裁についてこれまでより慎重な姿勢を示した。

 米政府は、クリミア半島併合や米大統領選期間中のサイバー攻撃に対して、ロシアに科した制裁の緩和または解除を検討している。その見返りとして過激派組織イスラム国(IS)との戦いへの協力を仰ぐ可能性がある。メイ氏はトランプ氏と臨んだ共同記者会見で、「ミンスク合意(ウクライナ紛争の停戦合意)が完全に履行されるまで制裁を継続すべき」と述べた。ロシアはこの合意に違反し続けている。トランプ氏は「制裁については状況を見守る。制裁について話すのは時期尚早」と述べ、以前ほど断定的な発言はしなかった。

 トランプ氏は28日に大統領就任後初めて、ウラジーミル・プーチン大統領と電話会談を行うことになっているが、英米と協力関係にある欧州各国との連帯について、メイ首相の話に耳を傾けたのは賢明だろう。制裁の原因となった問題が解決される前に制裁を解除すれば、トランプ氏は外交政策を巡り、自身の信頼性を損なうことにもなる。制裁解除を急げば、将来的にプーチン氏をさらに強気にさせるだけだ。

 メイ氏は慎重かつ控えめで、そのスタイルはトランプ氏とは正反対だ。しかし2人は互いを補い合えるかもしれない。メイ氏はフィラデルフィアの会合で共和党議員に対し、「プーチン大統領について私のアドバイスは、関与はしても警戒せよということだ。ロシアと西側の対立に関して防げないものはない」が、「われわれは強い立場からロシアに関与すべきだ」と述べた。

 トランプ氏がロシア政府との関係改善を望んでいることは誰でも知っている。しかし、トランプ氏は英国との関係をないがしろにするべきではない。英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)に向けた貿易協定の早期締結をはじめとして、英国との特別な関係を強化することはトランプ氏のためにもなるし、米国の国益にもかなう。
http://jp.wsj.com/articles/SB11177354273695693774104582586451464931184

 

トランプ氏、英国との緊密な関係強調 米英首脳が共同会見 
トランプ米大統領とメイ英首相は27日、首脳会談後に共同会見を開き、両国の緊密な関係を強調した
By DAMIAN PALETTA AND JENNY GROSS
2017 年 1 月 28 日 06:29 JST

 【ワシントン】ドナルド・トランプ米大統領は27日、テリーザ・メイ英首相との会談後に共同会見し、両国の緊密な関係を強調した。

 トランプ氏は「両国の特別な関係は、正義と平和を目指す歴史の中で大きな力の1つとなっている」と述べた。また、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を決定した国民投票について、米国は「英国の国民主権に敬意を払う」とし、「自由かつ独立国家の英国は世界にとって素晴らしい」と付け加えた。

 さらに、EU離脱が英国の貿易と安全保障に寄与すると語った。離脱を巡る国民投票では英国内で大きく意見が分かれたほか、オバマ前政権も離脱に反対していた。一方、トランプ氏は離脱決定を歓迎し、今後もその姿勢に変わりはないと述べた。

 トランプ氏は「ブレグジットは英国に素晴らしい結果をもたらすと考えている」と述べ、英国が「他国から行動を監視されることなく、自由貿易協定を締結できる」との見解を示した。

 米国と英国の最優先課題は貿易で、英国がブレグジットの準備を進める中、両首脳は両国関係のかじ取りに努めている。メイ首相は、今後の貿易協定について、トランプ大統領と建設的な協議を行ったと述べた。

 「今こそわれわれは、より強力で特別な関係を築き上げる時に立たされている」とメイ首相は語った。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjzldS8uefRAhVIXbwKHcL0B3UQqOcBCBwwAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11177354273695693774104582585830612263456&usg=AFQjCNHgddPHXilUGba9fCu91w3nvXdsMg


 

 


トランプ氏、ロシア大統領と28日に電話会談 対ロ制裁に影響か
トランプ米大統領は28日、ロシア大統領との就任後初の電話会談に臨む

By CAROL E. LEE AND MICHAEL C. BENDER
2017 年 1 月 28 日 08:37 JST

 【ワシントン】米国のドナルド・トランプ大統領は、ロシアに対する制裁措置の行方について問われ、28日に予定されているロシアのウラジーミル・プーチン大統領との電話会談の成り行きを見極める考えを示した。

 トランプ大統領は27日の記者会見で、昨年の米大統領選中にロシアが仕掛けたサイバー攻撃に対する制裁や、ロシアのウクライナ侵攻を受けて欧米が発動した制裁に関し、「それについて話すには時期が早い」と述べた。

 その上で大統領は「われわれは全ての国と良い関係を持つことを目指している」と語った。

 28日の電話会議は、トランプ氏の就任以来プーチン大統領と言葉を交わす初めての機会となる。バラク・オバマ前大統領は1カ月前、米情報機関の調査で2016年米大統領選に干渉するためにプーチン大統領がサイバー攻撃を指示したことが明らかになった後、ロシアに対する新たな制裁措置を発表していた。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjRhon3uOfRAhWDyrwKHbqwD5AQqOcBCBwwAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11177354273695693774104582586003705186744&usg=AFQjCNGGbTiwSWYfr8Ts-5nvIDXyT-gE-Q


 

 
トランプ氏、移民審査と軍備増強の大統領令に署名
米国防総省で大統領令に署名するトランプ大統領 
By DAMIAN PALETTA AND PAUL SONNE
2017 年 1 月 28 日 08:16 JST

 【ワシントン】米国のドナルド・トランプ大統領は27日、移民対策と軍備増強に関する2つの大統領令に署名した。トランプ氏は新たな移民対策を命じた大統領令について、「イスラム過激派のテロリスト」を米国に入国させないためだと言明した。

 ホワイトハウス関係者は移民対策の計画を巡り、米国への入国者に対する新しい「審査」制度を作るものだと語っていたが、こうした計画は議論を巻き起こしそうだ。大統領令に署名したトランプ氏は、「外国のテロリストから」米国を守ることにつながると語った。

 ホワイトハウスはこれら大統領令の内容をまだ公表していない。

 トランプ氏は国防総省で、軍備増強へ向けた大統領令は「新たな航空機、船舶、資源、ツール」についての計画を策定するためだと述べた。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwi_orqauefRAhWCfLwKHeAeCd8QqOcBCBwwAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11177354273695693774104582585980384620766&usg=AFQjCNGSKzOuV2f1Ns0PP1-kOZ0hSbSoxA


http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/627.html

[経世済民118] 高騰した都心のマンション価格がそれでも下がりそうにない本当の理由 米新政権下で物価上昇加速せず 夏以降に米長期金利低下へ
ビッグデータで解明!「物件選び」の新常識
【第24回】 2016年6月23日 沖有人 [スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタント]
高騰した都心のマンション価格がそれでも下がりそうにない本当の理由
値上がり幅が大きい都心ほど
不動産価格は本当に下がりやすいのか?


足もとで世間の不動産価格は横ばいとなっているが、今後下げ相場に転じると、値上がり幅が大きかった都心ほど下げ幅が大きいように思える。果たして、それは本当だろうか
 首都圏のマンション価格はこの3年で23%上昇した。都心3区では37%と都心で高騰を見せ、周辺3県では15%ほどと値上がり幅に乖離が生じた。今後、物件価格が下がるとすると、値上がり幅の大きな都心ほど下がりやすいと考えがちだが、本当にそうなのだろうか。都心に物件を持っている人も、これから都心で物件を買おうとしている人も、気になるところだ。

 価格形成の根拠を明らかにしておかないと、今後の予想すらできなくなる。以前の予測結果の検証を兼ねて、今後の価格を占うことにしよう。その見通しは、購入判断を明るくすることになるであろう。

 都心3区の成約m2単価は、この半年横ばい傾向になっている。これに伴って、売り出されて成約に到っていない在庫の単価も横ばいになり始めた。相場は「上昇」から「横ばい」に変化している。これが、現状認識である。

◆都心3区の成約と在庫のm2単価


(出典)東日本流通機構からスタイルアクト作成 拡大画像表示
 これを在庫の急増から予測したのが、2015年10月に掲載した連載第16回「マンション価格がいよいよ頭打ち!今ここで決めたい自宅の売買」だった。予測において、上がる要因としてはマイナス金利まで踏み込むに到った金融緩和がある。緩和された資金は担保の取れる不動産に積極的に流れて行き、ローン金額である負債が増える。貸借対照表がバランスするがゆえに、負債が増えれば資産はインフレするので予想はしやすい。

 また、建築費の高騰は東京オリンピック前まで落ち着きそうにないので、新築価格が下がることは当面ない。逆に下がる要因として、中古の在庫急増による需給バランスの緩和、杭の問題を端緒とする需要減退で新築の売れ行きが悪化したことを挙げられる。プラス要因とマイナス要因では、金融緩和の要因の方が強く、需給バランスは市況に合わせて調整可能なので、相場が高止まりの高原状態になるであろうと予測している。

 その後、2016年2月に連載第14回「徹底検証!マンション価格の潮目はこう変わった」において、潮目が明らかに変わったことを報告した。在庫の急増が顕在化し、中古価格が頭打ちになった。こうして予測結果通りに価格は推移し、この半年横ばいとなるに到っている。

高騰は想定の範囲内?
都心が買われる明白な理由

 少し遡って、マンション価格の推移を理解しておこう。21世紀に入ってから、エリアごとのマンション価格は大きく変動した。2002年にスタイルアクトが発表した駅別表面利回りは、2〜9%と大きな格差があった。その後、マンションデベロッパーだけでなく、REITをはじめとするファンドの物件購入行動は、利回りの高いエリアを盛んに高く買うというものになった。

 その結果、2007年頃には、たいてい首都圏のどの駅でも分譲マンションの表面利回りは4〜5%で一定となった。情報公開から5年で価格の調整、金融用語で言うならば「裁定取引」(アービトラージ)が終了したことになる。この利回りの安定は、アベノミクス以前の2012年まで続くことになる。

 リーマンショック後の調整を経て不動産投資も一般的になり、利回りだけでなく出口(売却)戦略が重視されるようになった。そんな折、マンション価格はエリア別に下落スピードが異なることが明らかになった。これは、拙著『マンションは10年で買い替えなさい』がベストセラーとなったことが端緒だったと思われる。

 著書では、「専有面積70平方メートルのマンション価格の下がり方はどこでも毎年100万円程度である」と書いた。5000万円の物件にとって100万円は2%だが、1億円ならば1%しか下がらないことを意味している。都心で物件を買った方が値下がりしにくいことが明らかになると、都心の表面利回りは3%に近づいていく。

 冒頭の37%の値上がりは、利回りが4%から3%になること(4%÷3%=1.33に上昇)とほぼ同義である。つまり、都心ほど値上がりするのは、郊外よりもキャピタルゲインを得やすいことを反映しての「市場原理」であり、この意味で相対的な都心の高騰は「行き過ぎ」「過剰」には当たらず、想定通りということになる。

 具体的な数字で表すと、都心で利回り3%、年間下落率1%の物件の年間実質利回り(3−1=2%)と、郊外で利回り4%、年間下落率2%の物件の年間実質利回り(4−2=2%)は、購入から売却までの一連の収支を考えると一緒であることがわかる。都心の高騰は起こるべくして起こったと言える。

都心に生まれる
旺盛な「新しい買い手」とは?

 こうした利回りが低くても値下がりしにくい物件は、特定の需要を喚起することになる。それは相続税対策である。時を同じくして、2015年1月に相続税改正があり、基礎控除の4割削減と最高税率のアップが行われる。相続で都心の収益不動産を購入すると相続税評価が8割下がることは、「タワーマンション節税」(連載第7回「タワーマンション節税を賢く行う 不動産投資の新方程式」という名で有名になった。

 こうした対策をとりたい人の購入目的は、自分の所得になる賃料や利回りではなく、相続後に移転される資産の額がなるべく大きくなることである。こうした人も物件購入の際に、最終的にはローンを組む。この元利返済額は物件購入額の約3%/年の場合が多い。購入した物件の利回りは3%あれば心地よく、これを下回るとキャッシュアウトを伴うので買い控えられる。こうして、購入物件の利回りの目線は3%を下回ることはあまりなく、天井を迎えることになる。

 ここで重要なことは、都心は実需(自宅購入ニーズ)以外の買い手が市場を支えており、そのニーズは節税や投資になるということだ。この三者(自宅・節税・投資)で最も強い買い手は、税制の優遇と金利の低さで、「節税>自宅>投資」の順番になる。節税が市場を牽引できれば、市場の価格は安定して下がる要因がなくなる。

 その相続税市場の規模は類推することができる。個人の金融資産は60歳以上の高齢者で1000兆円以上存在する。90歳を平均寿命とすると、30年の間に「1000兆円/30年=33兆円」の金融資産移転が行われることになる。首都圏の新築マンション市場が年間約2.1兆円(5600万円×3.8万戸)なので、これを大きく上回るのだ。都心の優良な中古タワーマンションは年間500億円ほどと少なく、需給が将来30年にわたって安定しても不思議ではない状況にある。

 また、この節税目的の市場では購入額の40〜50%の節税を実現できる人も多い。強いインセンティブを持つ需要はまだ充分に顕在化したとは言い難く、この市場はもっと大きくなる余地がある。都心と郊外・地方を比較すると、市場において需要が自宅購入しかない郊外・地方物件の価格は所得水準が足踏みするなか、表面利回りが4%を割り込むことは考えにくい。

 利回りが低いということは分譲価格が高く、住宅ローン返済額が今の賃料を上回るため、「賃貸に住んだ方が得」と判断されるからである。こうして、都心で年間1%資産価値が下落するのに対して、郊外は2%以上という原理原則に戻っていくことになり、今の価格水準が適正であり、都心ほど下がりやすいとは言えなくなる。

変えられない新築マンション価格を
維持する「奥の手」とは?

 ところで、新築マンションと中古マンションの価格構成要素は異なる。新築は「土地代+建築費+販売管理費+利益」の足し算によって価格が決定される。土地の仕入れは1年以上前から行われているので、価格が上昇しなくなったとしても急には仕入れの方針転換ができない。建築費も建築需要が旺盛な市場で下げる手立てはない。事業予算上の販売価格は確定している。しかし、需給バランスが悪化すると既存物件が売れなくなり、在庫が増えることに変わりはない。


拡大画像表示
 しかし、新築価格が下げられない場合、供給者側には最後の一手がある。供給戸数を絞るのである。新築供給を減らせば需給バランスは改善し、価格は下げなくてもよくなる。これは過去何度となく起きていることである。たとえば、リーマンショック後の1年間は価格が下がったものの、デベロッパーが多数倒産したため供給戸数が以前の3分の1に減少し、その後価格は下がらなくなった。

 それ以外にも、価格の下落期にあった1996年には消費税の改定で需要が急増し、供給をすぐには増やせず、価格が横ばいになったこともある。このように、新築マンションは売れ行きに合わせて供給戸数をコントロールすることができ、市場が悪くても価格はすぐには下がらないのである。毎月発表されるマンション市況に関するプレス発表で、売れ行きを見るにあたって最も注目すべきは、在庫数の変化や契約率ではなく供給戸数である。デベロッパーは売れ行きが良ければ供給戸数を増やすし、悪ければ減らす。2016年に入ってから前年比で20%以上供給戸数は減っているので、売れ行きは悪いものの、供給戸数を減らした分だけ価格の安定が図られているのが現状認識である。

「売る相手」を想定せよ
今考えるべき賢い物件の選び方

 それでは、物件の売れ行きが悪いときにとるべき賢い物件選びの方法を指南しておこう。そのキーワードは、「稀少性」である。在庫が多く選択肢が多いときには、稀少な住戸が出てくるケースが多い。稀少な住戸は常に買い手が多く、高く売れやすいので買っておいても損はしにくい。稀少な立地、稀少な人気マンション、稀少なプラン(例:ルーフバルコニー付き)などに着目しよう。こうした選択は売れ行きが良くて在庫が少ないときにはできないものだ。

 もう少し具体的に話をしよう。稀少な立地というのは、著名なアドレスで新築の供給戸数の少ないエリアである(例:青山など)。この稀少な人気マンションについて、スタイルアクトは過去から取り続けてきた不動産ビッグデータを基に分析を続けている。物件ごとの売出戸数と成約戸数で比較するのだ。同じ総戸数200戸のマンションであっても、A物件が年間の売出戸数10戸、成約戸数5戸(成約率50%)なのに対し、B物件が年間の売出戸数15戸、成約戸数3戸(成約率20%)であれば、A物件は稀少で成約率も高いと判断できる。この成約率は自分が売るときに「楽に高く売れる」ことを表している。

 顧客が物件を購入する際に筆者がよく注意を促すのは、「買うことは誰でも簡単にできるが、売るのは難しい」ということだ。次に買う人はどんな人か、つまり「売ること」を想定することが必要となる。都心のタワーマンションならば、相続税率が高い人が最大の買い手になるので、売る際は空き室にする必要はない。それよりも高額の賃料で長く住んでもらえる入居者を確保した方がいい。

 こうしたことを丹念に考えながらやっていくと、資産価値が落ちない、つまり代々の所有者が損をしない市場が都心にだけでき上がっていくかもしれない。そうした価格の高原状態は、シンガポール、香港、ニューヨーク、ロンドンで起こっている現象と同じである。

 そう考えると、結論としては、災害リスクが高く稀少性が生まれない湾岸エリアは、そうした投資先としては向いていないことがわかるだろう。買い手のニーズを深く読み込むことが最大のリスクヘッジになるので、常に自分が「売る相手」を想定しなければ、不動産を購入してはいけない。
http://diamond.jp/articles/-/93546 

 


金利市場透視眼鏡
2017年1月30日 野地 慎[SMBC日興証券為替・外債ストラテジスト]
米新政権下で物価上昇加速せず
今夏以降に米長期金利低下へ

http://diamond.jp/mwimgs/3/4/-/img_34887f43005e9f837923b02db5cc4010139083.jpg
 ドナルド・トランプ氏は1月20日の就任式で宣誓し、第45代米国大統領に就任した。就任演説においては米国第一主義が強調され、「保護主義こそが偉大な繁栄と強さにつながる」「米国のものを買い、米国人を雇用する」とした。2016年11月の大統領選挙後の勝利宣言で、トランプ氏は「米国を世界最強の経済国にする」と発言し、インフラ再構築などを強調した。

 8年間のオバマ政権の末期に漂っていた閉塞感を打ち破り、強い米国経済をつくり上げる新大統領への期待がトランプ相場となって顕現化し、長期金利上昇とドル高、株高が進んでいたが、年明け以降、その勢いに陰りが見え始めた。

 米国を世界最強の経済国にするために同国が保護主義化するとの思惑から、中国などの米国の貿易相手国の利益が損なわれるとの懸念が生じたためとみる。

 世界経済における米国のプレゼンスが年々低下する一方、中国や新興国の影響力は強まっている。米国の保護主義化によって中国などに強い逆風が吹けば世界経済は拡大せず、米国や世界の株価の下落要因となりかねない。

 年明け以降の株価の頭打ちや米国長期金利の低下が、トランプ氏の保護主義的な発言を背景としていると考えれば、就任演説は株式市場にとっては好ましくない内容であろう。他方で、売られ過ぎた債券の買い戻し材料となりそうだ。ただ、トランプ相場一服の中でも米国長期金利がなかなか下がらない可能性は高い。インフレ懸念からFRB(米連邦準備制度理事会)の利上げペースが加速するとの思惑が払拭されないためだ。

 米国の景気拡大局面は80カ月を超えており、そろそろ末期に差し掛かる。一般的には景気拡大末期には労働市場逼迫化とインフレ率上昇が観測されるが、それを示すようなデータが多々出ている。

 16年1月に原油価格は大幅に下がったが、その分17年1月の原油価格は前年比で大きく上昇しており、一時的にではあるが、物価上昇率がかなり高めに出やすい。

 つまり、トランプ新政権による景気刺激策がなくとも利上げ期待から米国長期金利が上昇しやすかったのがこの1〜3月であるといえ、株式市場や為替市場において多少の失望が生じても長期金利が下がりづらいのである。

 保護主義的政策が世界経済拡大を抑制し、他方、労働生産性の伸びが低迷する中でのトランプ政権の景気対策も米国のインフレを加速させるには至らないだろう。

 結局、米国長期金利は低下し、ドル円もまた円高に向かう可能性が高いが、当面はインフレが意識されやすい時期だ。米国長期金利が明確に下がっていくのは夏以降であろうか。

(SMBC日興証券為替・外債ストラテジスト 野地 慎)
http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/473.html

[原発・フッ素47] 新潟県知事:事故の収束見えず、原発推進から「意見変えるのは当然」  
新潟県知事:事故の収束見えず、原発推進から「意見変えるのは当然」
占部絵美、Stephen Stapczynski
2017年1月30日 12:00 JST

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事故起こしたら「インバウンドは夢」「日本人すら脱出しかねない」
地域経済への影響を過大評価、原発の稼働不稼働は「選択の問題」

新潟県の米山隆一知事はブルームバーグのインタビューで、2016年10月の知事選で東京電力ホールディングスの柏崎刈羽原子力発電所(新潟県柏崎市、刈羽村)の再稼働に慎重な立場に転じた理由について、「いつまでも原発事故は収束しないということが分かった時点で、意見を変えるのは当然」と話した。同氏は過去に国政選挙に出馬した際には原発推進の立場をとっていた。

  医師免許と弁護士資格を持つ上に、外資系金融機関ではクオンツ分析のプログラミングを経験。さらに、後方宙返りをニュートン力学を使って理論的に分析して40代で習得するという異色の経歴を持つ同氏。知事選では再稼働に慎重な姿勢を示した結果、与党優勢の状況から逆転し当選した。
  福島第一原発の事故から間もなく6年。東電HDによる調査ロボットを使った炉内調査の成果はまだ上がっておらず、同1−3号機内で溶け落ちた燃料が炉内のどこに堆積しているかなど判明していないことはいまだに多い。事故収束に向けた道筋の険しさが明らかになるにつれ、再稼働に対する意見は「段階的」に変わったという。
  「もう一度日本で事故を起こしたら、世界中から人は来なくなり、インバウンドとか夢のまた夢。日本人すら脱出しかねない」と危機感を示した。新潟県では約20年間にわたり人口が減少しており、同氏は首都圏からのアクセスが良いスキーリゾートや温泉を核とした外国人観光客の誘致や人口減少対策を検討している。

検証終了は19年度以降

  再稼働に向けては「きちっとした検証をして、相当事故の確率が低いということを示すべきだ」と指摘。17年度から事故の原因と健康生活への影響という二つの検証を同時に進行させる予定。その結果を避難計画に織り込んでいく手順を踏むと「2−3年かかる」とし、検証が終わるのは早くとも19年度以降になるとの見方を示した。
  柏崎刈羽原発は原子炉7基を合わせた発電出力が800万キロワットを超える世界最大規模の原発。22兆円にのぼる福島第一原発の廃炉や事故の損害賠償費用の大半を捻出しなければならない東電HDにとって、最大で年2400億円の収益改善効果をもたらす柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働が大きな鍵を握る。
  しかし、これまでに原子力規制委員会の安全審査に合格した10基の原子炉は全て加圧水型。柏崎刈羽原発では事故が発生した福島第一原発と同じ沸騰水型の原子炉を採用しており、これまで規制委の審査に合格した前例はない。
  東電HDが検討している原発事業の分社化が、新潟県の検証にどう影響を与えるかについては、他社との共同事業化で人材や技術が共有され「ある種の安全装置となるなら、プラス評価できるかもしれない」と述べた。事業再編によって過去の検証を踏まえた安全性向上の体制整備が進むのであれば、「真剣に検討してほしい」と述べた。

地域経済への影響

  原発1基が再稼働することは電力会社の経営に大きな影響を及ぼす。市町村単位で見ると、柏崎市や刈羽村の経済や雇用への影響は「多々ある」としながらも、「地方経済に与える影響は過大評価されているところがある」と指摘。原発を立地していることによる新潟県への交付金総額は年100億円に満たず、原発の稼働停止による歳入減は11億円にとどまる。1兆数千億円規模の同県の予算と比較すると大きくないとの見方を示した。
  政府として原発を推進するか否かは「基本的に選択の問題だ」とし、「エネルギー安全保障にこだわるあまり、安全を無視するのは自己矛盾。その逆もしかり」との考えを示した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-30/OK9T866JTSEK01
http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/404.html

[国際17] マティス米国防長官:F35とエアフォースワンの計画見直しを命令 米入国禁止に反発−ドイツ、カナダ両首相ら非難 GEやグー
マティス米国防長官:F35とエアフォースワンの計画見直しを命令
Nafeesa Syeed、Tony Capaccio、Richard Clough
2017年1月30日 13:35 JST

マティス米国防長官はロッキード・マーチンの最新鋭ステルス戦闘機F35と、ボーイングが建造する新たな大統領専用機「エアフォースワン」の調達計画を見直すよう命じた。この2つの政府契約については、トランプ大統領がコストが高過ぎるとして批判していた。
  国防総省のジェフ・デービス報道官は27日の声明で、国防長官の命令は「国防のため可能な限り強力かつ効率的な軍にするよう求める大統領の指示に沿った行動」だと説明した。同日の米株式市場で、ロッキード、ボーイング両社の株価は下落した。
原題:Trump’s Pentagon Chief Orders F-35 Jet, Air Force One Review (2)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-30/OKKR4S6JIJUP01

 


米入国禁止に反発広がる−ドイツ、カナダ両首相らが非難や懸念表明
Shannon Pettypiece、Steve Geimann
2017年1月30日 06:38 JST

トルドー加首相:何を信仰しようとカナダは迎え入れる
独首相:特定の出身国や信仰を理由に疑いをかけるのは正当化できず

トランプ米大統領が27日署名したイスラム圏7カ国の市民の入国を禁止する大統領令に対し、世界的に反発が広がっており、カナダのトルドー首相やドイツのメルケル首相ら主要国首脳も非難や懸念を表明した。
  トルドー首相はツイッターで、「迫害やテロ、戦争」から逃れてきた人々を「カナダは迎え入れるし、何を信仰しようとカナダ人は快く受け入れる」と述べた。一方、メルケル首相は28日のトランプ大統領との電話会談で、この入国一時停止について懸念を表明したと、同首相のザイベルト首席報道官が明らかにした。
  同報道官はツイッターで、メルケル首相は「テロとの闘いは必要であり、断固として推し進めなければならないが、だからといって特定の出身国や信仰を理由に全員に疑いをかけることは正当化されないと確信している」と説明。またメルケル首相が電話会談でトランプ大統領に対し、各国は国際法により「人道的理由から戦争難民の受け入れ」を義務付けられていると指摘したことも明らかにした。
  こうした主要国首脳の発言は、トランプ大統領の外交政策の方向性と、それが中東の安定性や気候変動、世界貿易などの重要問題に及ぼす影響について、米国の一部同盟国の間で懸念が強まりつつあることを示唆する。 
原題:Global Criticism of Trump Ban Builds From Germany to Google (3)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-29/OKK6PY6TTDS601

 

トランプ政権、入国制限でGEやグーグルに「踏み絵」−異議か沈黙か
Matthew Campbell
2017年1月30日 11:17 JST

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日本はすでに「ギャンブル大国」、パチンコは23兆円超の巨大市場
企業経営者は苦渋の選択迫られる
異議唱えて政権から非難されるか、沈黙して従業員から批判されるか

トランプ米大統領が公約に掲げる政界の慣習一掃が何を指すのか、世界の主要企業に明らかになりつつある。
  トランプ氏は貿易をめぐるメキシコとの騒動後、27日にイスラム圏7カ国の市民の入国を一時停止する大統領令に署名。ゼネラル・エレクトリック(GE)やグーグル、マイクロソフトなど巨大企業の経営者らは警戒心を募らせている。週末には大統領への抗議活動に加え、複数の連邦地裁の大統領令の執行差し止め判断やホワイトハウスの反論が伝えられた。これを受け、企業経営者らは意見を表明して大統領から非難される危険を冒すか、それとも沈黙を保ち従業員らからの批判に直面するか、苦渋の選択を迫られている。
  大統領就任前からツイッターを通じてトヨタ自動車などに米国内の雇用を維持するよう圧力を加えていたトランプ氏は、21世紀の商業の根幹を成す人とモノの国境を越えた移動の維持を目指す実業界首脳らに、態度を決するよう迫った形だ。
GEのイメルトCEO
GEのイメルトCEO Photographer: Goh Seng Chong/Bloomberg *** Local Caption *** Jeff Immelt
  GEのイメルト最高経営責任者(CEO)は電子メールで「当社には名指しされた国の従業員が多く在籍しており、地域全体に事業を展開している」と説明。同CEOは「当社の成功には」従業員が「不可欠」だと言明したが、大統領の政策を直接批判することは控え、GEは「今後も自分たちの声が新政権と議会に届くように努め、この問題の重要性を繰り返し表明していく」と述べるにとどまった。イメルトCEOのこの声明は実業界が今後微妙なバランスを強いられることを如実に示した。
原題:GE to Google Face Uneasy Test of Doing Business Under Trump (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-30/OKKI0V6K50XT01
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/642.html

[政治・選挙・NHK219] 日本はすでに「ギャンブル大国」、パチンコは23兆円超の巨大市場 依存症者を苦しめる「自己責任の風潮」「マスコミの矛盾」 
日本はすでに「ギャンブル大国」、パチンコは23兆円超の巨大市場
延広絵美
2017年1月30日 06:00 JST

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カジノ含むIR推進法成立で政府は閣僚会議などで依存症対策に本腰
公営ギャンブルは苦境−船橋オートは廃止、千葉競輪も存廃議論

カジノを含めた統合型リゾート施設(IR)整備推進法が国会で成立したことで、政府はパチンコや競馬などを含めた依存症対策に本腰を入れようとしている。昨年末には関係閣僚会議も設置したが、23兆円超の巨大市場であるパチンコの存在などを考えると日本はすでに世界的な「ギャンブル大国」であることが分かる。

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  日本生産性本部が発行している「レジャー白書2016」によると、15年のパチンコ・パチスロの市場規模は約23.2兆円。これは日本の国内総生産(GDP)の約4%に達する規模だ。さらに約3.5兆円と世界一の規模を誇るマカオのカジノ産業の6倍以上。ラスベガスを含む米ネバダ州の約1.3兆円などと比べてもはるかに巨大な市場だ。

  それでもパチンコの店舗数は1995年をピークに年々減少している。全日本遊技事業協同組合連合会(全日遊連)のウェブサイトによると、パチンコ、パチスロなどの遊戯場店舗数は2015年末で1万1310店。前年よりも300店以上減った。減少傾向は20年以上続いているが、ここ数年は年間250店超のペースで閉店している。
 
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  パチンコだけではない。いわゆる公営ギャンブルと呼ばれる競馬、競輪、競艇、オートレースの収益は近年若干持ち直しの傾向がみられるものの、娯楽の多様化や客の高齢化などでピーク時と比べればそれぞれ大きく市場規模は縮小している。

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  そもそも公営ギャンブルは、地方自治体が施行者になることで収益金を地方財政に組み入れ、健全化させるというのが運営目的の一つとなっているが、これを果たせず廃止となる動きも続いている。レジャー白書によると、オートレース発祥の地である「船橋オートレース」が15年度末で廃止となったほか、千葉競輪も赤字転落が予測されていることや大規模修繕に伴う財源確保が困難なことから、存廃が議論されている状況だ。
  三菱UFJリサーチ&コンサルティングの山本将利主任研究員は、公営ギャンブルについて「戦災復興の目的で広がり、中でも競輪や競艇は日本独自」であり、日本人の暮らしに浸透していると指摘。夜間のレース開催やインターネット投票の広がりなどで、売り上げに若干持ち直しが見られるものの、客単価は減少しており、今後の売り上げは「現状維持か微増で推移するのではないか」との見通しを示す。
  山本氏はカジノ解禁に当たっては、現在は「娯楽」と位置付けられているパチンコのあり方を整理するほか、公営ギャンブルで実施してきた犯罪防止策や地域社会との関係構築などのノウハウを生かした制度設計をするべきだとの認識を示している。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-29/OK7IFL6K50XS01


 

2017-01-28 09:07 27
ギャンブル依存症者を苦しめる「自己責任の風潮」「マスコミの矛盾」<カジノ解禁>

「ギャンブル依存症問題を考える会」の代表、田中紀子さん
カジノ解禁を含む「IR推進法」が昨年12月、成立した。だが、「ギャンブル依存症の人」が増えるのではないかという懸念は根強い。厚生労働省研究班の調査によると、「ギャンブル依存症」の疑いがある人は約536万人と推計されている。パチンコ・パチスロや公営競技(競馬、競輪、競艇)など、日本は事実上「ギャンブル大国」であることが背景にある。

一般社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」の代表、田中紀子さんは「ギャンブル依存症で苦しんでいる人はたくさんいる。カジノができようができまいが、今こそ対策に取り組むべきだ」と主張する。自身もギャンブル依存症に悩んだ田中さんに、対策のあり方を聞いた。

●「借金をつくってまでギャンブルをやるようになる」

――ギャンブル依存症とはそもそも、どういうものなのか?

要するに、「病気」です。だから、誰が、いつ、どこで発症するかわかりません。私自身も、自分がどの時点で発症したか、わかりません。いつの間にか発症していて、気がついたら問題が山積みになっていたんです。風邪にせよ、ガンにせよ、どんな病気もいつの間にか発症して、だんだん進行していくものですよね。普通の病気として考えてもらうと一番わかりやすいです。

――どんな症状があるのか?

たとえば、虫に刺されたとき、ものすごく痒くなって、かきたくて、かきたくてたまらなくなることがありますよね。その欲求を我慢したら、痒みを感じなくなるとわかっていても、なかなか我慢できるものではありません。ギャンブル依存も同じです。とにかく、ギャンブルをやらないとイライラ、そわそわして、居ても立ってもいられなくなるんです。

――生活にはどんな影響があるのか?

人によって程度差がありますが、お金と時間に影響があります。依存症の人は、借金をつくってまでギャンブルをするようになるので、中には、会社の経費を水増し請求したり、預かっていた売上金をちょろまかしたりする人もいます。

また、時間のほとんどをギャンブルに費やすようになるので、まともな日常生活を送れなくなります。仕事をサボったり、夜に寝れなくて会社を休んだり、仕事中も落ち着かず、トイレに行ってスマホでレース結果を見たり。

●ギャンブル依存症は「自己責任」なのか

――家族や周囲はどう接するべきか?

ギャンブルに対して「自己責任」という風潮があるため、周囲も依存症について理解せず、「だらしのない人」とバカにしがちです。だから、理屈っぽく「勝てる奴はいないぞ」などと説教してしまう。しかし、本人も「勝てないこと」くらいわかっています。そんな言葉を投げかけられると、「この人にはわかってもらえない」と、悪循環にはまりやすい。家族や周囲は、正しい知識をもつことが大事です。

もちろん、「みんながみんな、ギャンブル依存症になるわけでない」という批判もあるかもしれませんが、病気とはそういうものです。そこを責められてもつらいですよ。健康に気をつけて、バランスのいい食事を心がけても、生活習慣病になる人はいます。ギャンブル依存症も同じなんです。

――どうすれば乗り越えることができるのか?

ギャンブル依存症は、なかなか1人で乗り越えられません。ただ、周囲が無理解のまま中途半端に手助けすることも逆効果です。同じ症状に苦しむ人たちと自助グループなどでつながって、自分の身の上でおきたことを言語化し、他者に共感してもらうことで、少しずつ自分と向き合うことができるようになります。

依存症の人はもともと、「自分でなんとかしなきゃ」と考える責任感の強い人が多いと思います。弱音を吐けない性格だから、ストレスが溜まる。人はストレスに向き合う中で、酒を飲みに行ったり、映画を観に行ったりしますよね。その息抜きの一つにギャンブルがあり、そのギャンブルで発症してしまっただけなんですよね。

ギャンブル依存症を乗り越える方法の一つとして、ストレスとの向き合い方を学ぶことは非常に有効です。人間関係のあつれきがあったときや、ストレスがたまったときに誰かに話したり、助けを求めて良いんだと学ぶことで、健康的なストレスの解消方法を学んでいきます。

●「マスコミはカジノは叩くけれど、競馬の広告は掲載している」

――カジノができると「ギャンブル依存症」の人が増えると懸念されている。どういうことが課題になるのか?

実際にカジノができるのは、早くても4〜5年くらい先のことでしょう。それまでに、どれだけ既存のギャンブル依存症対策ができるかどうかにかかってくると思います。私たちは、パチンコ・パチスロ、公営競技を事実上のギャンブルと捉えています。

カジノについては、これだけギャンブル依存症について厳しく言われているので、私たちからみれば、逆に安心感があります。決められた区域にしかないし、入場制限などの規制が入るでしょう。

一方で、今でも、パチンコ・パチスロ、公営競技、オンラインカジノが身近にあります。公営競技にはいくつも外郭団体があって、天下りの温床になっています。だから、既存のギャンブル産業をきちんと規制しようということになっていません。

手軽なギャンブルはたくさんあるのに、どうしてそのことについて騒がないのか。現在起きている問題に対してまず対策を打ち出すべきです。カジノができるまでに、どれだけ既存のギャンブル産業に対してどれだけ切り込めるか、どれだけ大鉈がふるえるかが、すごく重要になると思います。

――どんな法整備を考えていくべきか?

既存のギャンブルに関する依存症対策法をつくってほしいと思います。啓発や予防教育、回復施設の支援のほかに、射幸性を高くしないとか、年齢制限もきっちりしてほしいと思います。

たとえば、パチンコ・パチスロについては、事実上、中学生も高校生も入場しています。法律があったとしても、きちんと運用されていません。タバコを購入するときに使用する「taspo(タスポ)」のようなカードをつくって、年齢制限をチェックして、入場させるなどの対策が考えられます。

また、広告にも規制を入れるべきです。競馬などはテレビCMをやりすぎです。マスコミはカジノは叩くけれど、広告主のギャンブル業界をまったく叩きません。ある大手新聞社は、カジノのネガティブキャンペーンをはりながらも、競馬の広告を大々的に出しました。そんな矛盾が私たちを苦しめているんです。

あと、現在は、同じ省庁が規制と振興をやっていますが、規制分野を切り離して、一元化する省庁をつくってほしい。そうじゃないと規制なんか進まないですよ。繰り返しになりますが、既得権益に本格的に切り込むことができるなら、むしろIRは画期的です。ギャンブル政策の大きな転換点になると思います。

ギャンブル依存症の問題は、思い込みや偏見がものすごく強い。依存症の人が回復しやすい社会にすることで、結局は、社会負担が減ると思います。私たちは、ギャンブルやギャンブル産業、カジノそのものは否定していません。だけど、既存のギャンブルが原因で苦しんでいる人がいます。そのままでいいのかと、ぜひ思い至ってほしいです。

(弁護士ドットコムニュース)

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提供元:弁護士ドットコムニュース
(最終更新:2017-01-28 09:07)
http://www.oricon.co.jp/article/102532/
http://www.asyura2.com/17/senkyo219/msg/835.html

[経世済民118] 突然の変調、中国の不動産買いあさりにブレーキ−世界の市場揺らす ギリシャ債務「爆発的に膨らむ」恐れ、ユーロ圏の対応不十分
突然の変調、中国の不動産買いあさりにブレーキ−世界の市場揺らす
Bloomberg News
2017年1月30日 09:44 JST
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ロンドンやシドニーなど各地の不動産販売に影響が生じている
「全てが変わってしまった」−不動産ブローカー
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中国が資本流出規制を強化していることで、世界の不動産市場が揺れている。
  ロンドンでは3カ月前に市内の最高層タワーマンションの部屋の購入を強く求めた中国人が、今では頭金の口座振替に苦労している。不動産会社ケラー・ウィリアムズ・リアルティーによると、米シリコンバレーでは物件に関する中国からの問い合わせが年明けから急減。オーストラリアのシドニーでも中国の買い手が撤退して開発業者が「大きな問題」に直面していると、コンサルティング会社ベーシス・ポイントが報告している。
ロンドンの最高層タワーマンション購買促進イベント(2016年11月 北京)
ロンドンの最高層タワーマンション購買促進イベント(2016年11月 北京) Photographer: Bloomberg
  ケラー・ウィリアムズのブローカーアソシエート、ココ・タン氏(カリフォルニア州クパチーノ在勤)は、中国の本土外への送金が一段と困難になったとし、「全てが変わってしまった」と話す。
  中国が資本流出抑制のための新たな措置を発表して1カ月足らずで不動産会社や住宅所有者、開発業者からこうした報告が相次いでいることは、規制が中国勢の不動産購入熱に既に影響を及ぼしつつあることを示唆する。中国の需要が近いうちに消えると予想する声は聞かれないが、締め付け強化によって、本土外に資産を持たず資本規制回避の専門知識に欠ける住宅一次取得者による購入は抑えられている。
  中国の国家外為管理局は昨年12月31日、人民元を外貨に両替する全ての国民に対し、年間両替枠の5万ドル(約570万円)を本土外での不動産投資に使わないとの誓約書に署名することなどを義務付けた。違反者については当局の監視リストに追加し、外貨両替を3年間禁止するほか、マネーロンダリング(資金洗浄)調査の対象にするとした。
原題:China’s Army of Global Homebuyers Is Suddenly Short on Cash (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-30/OKKF566KLVRA01


 


ギリシャ債務「爆発的に膨らむ」恐れ、ユーロ圏の対応不十分−IMF
Eleni Chrepa、Andrew Mayeda
2017年1月30日 12:32 JST
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救済プログラムの修正と債務負担軽減の具体策必要とIMF
このままでは債務の対GDP比率は60年までに275%に達する公算
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ギリシャの公的債務と資金ニーズは欧州諸国が救済プログラムを刷新して負担を和らげない限り、向こう数十年の間に「爆発的に膨らむ」との見方を国際通貨基金(IMF)がリポートの草案で示した。
  ブルームバーグ・ニュースが入手した同リポートによると、IMFの基本シナリオではギリシャの政府債務は2060年までに国内総生産(GDP)の275%に達し、資金ニーズは同62%になる。政府は公的債務の現在の対GDP比率を180%前後と試算している。
  欧州連合(EU)のギリシャ債務見通しは「楽観度がかなり高い前提」に基づき、「より明るい」内容になっていると、IMFは指摘した。また、同国債務をめぐるユーロ圏財務相らの一部提案について、「具体性に欠ける」ため、持続可能性にどう影響するのかを「完全に評価することができない」とも批判した。
  IMF理事会は2月6日、ギリシャの債務返済能力について討議する予定。ドイツやオランダなどはIMFにギリシャ救済プログラムへの参加を求めてきたが、ギリシャ側の支出抑制ないしユーロ圏各国政府による債務軽減措置が必要だと主張し、これまでのところ抵抗している。
原題:IMF Warns Eurogroup Loan Measures Not Enough for Greek Debt (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-30/OKKOID6S972801
http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/475.html

[国際17] 直ちに帰国せよ−米グーグルが海外出張中の社員に 米国土安全保障長官永住ビザ保有者は制限対象外 米政府:空港での混乱に対応
直ちに帰国せよ−米グーグルが海外出張中の社員に
Mark Bergen
2017年1月30日 11:44 JST
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大統領令により従業員100人余りが影響を受ける
ピチャイCEOの社内向け文書をブルームバーグが確認

トランプ米大統領が難民受け入れ停止の大統領令に署名した直後、米アルファベット傘下のグーグルは影響の及ぶ海外出張中の社員に対し直ちに帰国せよとの強いメッセージを送った。
  グーグルのサンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は27日の従業員向け文書で、同日署名された難民や一部の国の国民の入国を一時的に停止させるなどとする大統領令を批判、この大統領令により100人余りの従業員が影響を受けることを明らかにした。
ピチャイCEO
ピチャイCEO Photographer: Simon Dawson/Bloomberg
  ブルームバーグ・ニュースが入手した文書の写しによれば、同CEOは「この大統領令が同僚に与える個人的な犠牲を目にするのは心が痛む」とコメント。「われわれは移民問題に関する見解を常に公に表明しててきたが、これからもそうし続ける」と指摘した。
原題:Google Recalls Staff to U.S. After Trump Immigration Order (3)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-30/OKKL206JIJUO01


 


ケリー米国土安全保障長官:永住ビザ保有者は入国制限の対象外
Justin Sink、Ben Brody
2017年1月30日 09:15 JST 更新日時 2017年1月30日 13:19 JST
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トランプ大統領は入国制限の大統領令の正当性を主張
共和党議員:入国制限の対象が広過ぎる

米国土安全保障省のケリー長官は29日、イスラム圏7カ国からの入国を一時停止する大統領令について、グリーンカード(永住権)保有者の米国への入国が阻止されることはないと述べた。同大統領令に対して国内外で批判が強まっている。
  同大統領令をめぐっては複数の米連邦地裁判事が一部執行を差し止めたほか、世界の主要企業経営者や米議員、各国指導者も非難や懸念を表明。これに対し、トランプ米大統領は大統領令の正当性を主張した。
  ジョン・マケイン、リンゼー・グラム両議員が厳しい表現を用いた共同声明を公表したのをはじめ、他の共和党上院議員も入国制限の対象が広過ぎて米国にとって打撃となる恐れがあると示唆した。
  ケリー長官は発表資料で、「大統領令の条項適用の際、合法的な永住権保有者の入国は米国の利益になるとここに判断する」とした上で、「公安と公益への重大な脅威を示唆する好ましくない重要情報の入手がない限り、合法的な永住権保有者の地位はわれわれの個々のケースの決定において決着をつける要因になるだろう」と説明した。
原題:Kelly Says Green Card Holders Won’t Be Stopped by Travel Ban(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-30/OKKGQ06JIJUO01


 


米政府:秩序回復させるための措置講じている−空港での混乱に対応
Lucas Shaw、Mary Schlangenstein、Michael Sasso
2017年1月30日 15:56 JST

米政府は、世界の航空輸送業界に秩序を回復させるための措置を講じていると表明した。トランプ大統領が27日署名したイスラム圏7カ国からの入国を一時禁止する大統領令を受け、週末に混乱が起きていた。

  米国土安全保障省は29日遅く、大統領令の対象となる諸国出身の永住権保有者の米空港での拘留をやめるように、また入国制限の対象者に海外で米国行き航空機に搭乗しないように勧告する声明を出した。
  同省の声明は、旅行者や航空会社の搭乗口係員、入国審査官らが2つの矛盾する指示に直面したことに対して是正を図るもの。大統領令でシリアとイラク、スーダン、ソマリア、イエメン、リビアからの入国が制限される一方で、米国の複数の裁判所では大統領令の一部執行を差し止める判断が下された。
  29日にはニューヨークやアトランタ、デトロイトなどで数千人が集まり、入国制限に抗議した。ロサンゼルス国際空港ではデモ隊が海外便のターミナルに押し寄せたほか、外部の交通をまひさせた。
原題:After Chaos at Airports, Homeland Security Says Order to Return(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-30/OKKYEB6S972801
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/647.html

[国際17] 米スターバックス、難民1万人採用を計画−トランプ氏の移民規制受け メキシコ投資続ける−「われわれは前代未聞の時代を生きて
米スターバックス、難民1万人採用を計画−トランプ氏の移民規制受け
Nick Turner、Brian Louis
2017年1月30日 11:23 JST

入国禁止措置の影響受ける従業員と連絡取り合う−シュルツCEO
メキシコ投資続ける−「われわれは前代未聞の時代を生きている」

コーヒー店チェーン世界最大手、米スターバックスのハワード・シュルツ最高経営責任者(CEO)は難民1万人を向こう5年かけて世界で採用する計画を明らかにした。同氏はトランプ米大統領の移民規制について「心が痛む」とも記した。大統領は27日、難民受け入れを停止しイスラム圏7カ国の市民の入国を禁止する大統領令に署名している。
  シュルツ氏は従業員に宛てた書簡で、スターバックスは入国禁止措置の影響を受ける従業員と直接連絡を取り合っているほか、「混乱期を乗りきるためにできる限りの支援とサポートを行う」と言明した。また、今年CEO職を引き継ぐケビン・ジョンソン最高執行責任者(COO)とともに、従業員ともっと頻繁にコミュニケーションをとる意向も示した。
スターバックスのロゴ
スターバックスのロゴ Photographer: Victor J. Blue/Bloomberg
  シュルツ氏は同社ウェブサイトに掲載した書簡で「長い間、当然と思われてきた礼節や人権が傷つけられているとの警戒の声が皆さんから聞こえ、仲間同士であるわれわれを懸念させる問題に共に取り組むため、より迅速かつ直接的な形のコミュニケーション方法を使っていきたい」と記した。
  同氏はメキシコとの国境沿いに壁を建設するトランプ大統領の計画にも触れ、スターバックスはメキシコ「投資を続ける」と言明。「提案される貿易制裁や移民制限、税措置がメキシコ人の顧客や仲間、家族の事業や米国人への信頼に影響を与える中で、彼らを助け支えていく」と記した。
  さらに、「この国の良心を見守る証人となり、アメリカンドリームの約束が問われるという、そんな前代未聞の時代をわれわれは生きている」とも表明した。
原題:Starbucks Plans to Hire 10,000 Refugees After Trump Action(抜粋)
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/648.html

[国際17] 米財務省、長期国債の発行規模据え置きへ−次期長官の指名承認待ち 難民・移民制限の米大統領令、NYなど主要都市で数万人が抗
米財務省、長期国債の発行規模据え置きへ−次期長官の指名承認待ち
Saleha Mohsin、Liz Capo McCormick
2017年1月30日 15:33 JST
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政治任用でない職員が2月1日の四半期定例入札の発表を担当
市場関係者は安定した国債発行政策を見込む
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トランプ米大統領が次期財務長官への起用を決めたスティーブン・ムニューチン氏の上院での指名承認が待たれる中、米財務省は今四半期の長期国債の発行規模を据え置く見通しで、市場の安定化に寄与しそうだ。
  米財務省では国債管理を監督する3人の主要当局者を含め約300人の政治任用者が職を辞した後、職業公務員が2月1日の定例国債入札の発表を担当する。発足から1週間を経たトランプ政権への移行が進む中、同大統領の財政ビジョンをめぐる疑念もあり、市場関係者は安定した国債発行政策を見込んでいる。
  アマースト・ピアポイント・セキュリティーズのチーフエコノミスト、スティーブン・スタンリー氏は財務省について「移行のさなかにあり、残る職員は前政権からの職業公務員が大部分と推定される。何らかの大きなイニシアチブが見えてくるとは思わない」と述べた。
  債券市場はトランプ大統領が打ち出した減税や規制緩和、歳出拡大の計画に関する手掛かりを待っている。トランプ政権のチームは一連の計画が景気を加速させ財政赤字抑制に寄与すると説明。ムニューチン氏は財務長官に指名された後すぐに、年限が現行で最長の30年を超える長期国債の発行を検討する考えを示している。
  上院財政委員会は1月30日にムニューチン氏の指名承認について採決し、最終承認は上院本会議で行われる。それまでの間、10年以上同省に勤務した経歴のあるズービン氏が長官職を代行する。
  

  https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iwxhqIJsw.E0/v2/-1x-1.png
原題:Treasury in Flux to Maintain Bond Auction Sizes as Mnuchin Waits(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-30/OKKX9C6JTSE901

 

難民・移民制限の米大統領令、NYなど主要都市で数万人が抗議

[ニューヨーク/ワシントン 29日 ロイター] - トランプ米大統領が署名した難民やイスラム教徒の多い中東・アフリカ諸国からの市民の入国を禁止する大統領令を巡り、ニューヨークやワシントン、ボストンなどの都市や空港で29日、数万人が抗議活動を行った。

この日のデモは、税関国境警備局が大統領令を実行に移し始めた28日に空港で起きた抗議活動に続くもの。

ニューヨークのバッテリー・パークでは推定約1万人が集まり、この日最大規模の抗議活動が行われた。ニューヨーク州選出のチャールズ・シューマー上院議員(民主党)は参加者らを前に、トランプ氏の大統領令は米国の本質的価値に反すると主張し、「この恐ろしい命令が撤回されるまで戦い続ける」と宣言した。

ワシントンでは、警察の推定によると8000人がホワイトハウスから国会議事堂に向かってデモ行進。トランプ大統領が経営に関わる高級ホテル「トランプ・インターナショナル・ホテル」の前で「恥を知れ」と連呼したほか、カナダ大使館を通る際には「私たちのリーダーが、トルドー首相だったら良かったのに」と声をそろえた。カナダのトルドー首相は28日、難民を受け入れる方針をツイッターで示した。

トランプ氏は29日、今後90日間に適切な政策を導入した全ての国に査証(ビザ)の発給を再開すると発表し、声明で「メディアが間違った報道をしているが、(入国管理令は)イスラム教徒の入国禁止ではないことを明確にしておく。宗教ではなく、テロに対応し、わが国を安全にすること」が目的だと強調した。

スライドショー:米入国を制限するトランプ大統領令に抗議広がる


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People gather to pray in baggage claim during a protest against the travel ban imposed by U.S. President Donald Trump's executive order, at Dallas/Fort Worth International Airport in Dallas, Texas, January 29, 2017./Laura Buckman
REUTERS/LAURA BUCKMAN
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〔焦点〕米国の「分断」、トランプ大統領就任で加速も
http://jp.reuters.com/article/usa-trump-immigration-protests-idJPKBN15E0DT
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/649.html

[経世済民118] ヤマト 宅配便急増で人件費増加 業績下方修正 ヤマトHD芝崎専務、「コスト増、自助努力は限界」  宅配の未来はどうなる?
ヤマト 宅配便急増で人件費増加 業績下方修正
1月30日 17時54分
ヤマト 宅配便急増で人件費増加 業績下方修正
宅配最大手のヤマトホールディングスは、人手不足が続く中で宅配便の量が急増した結果、人件費が想定を超えて増える見込みになったとして、今年度1年間を通じた業績の見通しを10%以上、下方修正しました。
ヤマトホールディングスの発表によりますと、去年4月から12月末までの間に扱った宅配便は14億3700万個に上り、前の年の同じ時期より1億900万個、率にして8.3%増え、過去最高を記録しました。

これは、ネット通販の拡大で宅配便の扱いが急増したためで、会社では人手不足が続く中、人件費が想定を超えて増える見込みになったとしました。その結果、本業のもうけを示す営業利益をこれまでの650億円の見通しから580億円に10.8%下方修正し、最終利益も390億円から340億円に12.8%下方修正しました。

このため、会社では、今後、宅配便について、価格の引き上げや宅配ロッカーを利用するなどした配送の効率化を検討するとしています。

会見したヤマトホールディングスの芝崎健一専務は「発送の量に応じて割引を求める通販事業者の荷物が増えて、全体として単価が下落傾向にあるうえ、人手不足で人件費が増え、利益率が落ちてきている。われわれの努力でなんとかしていくには限界が来ている」と述べました。

関連リンク
宅配の未来はどうなる?ビジネス特集 7月27日
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170130/k10010858031000.html

 
ヤマトHD芝崎専務、「コスト増、自助努力は限界」
2017/1/30 16:59日本経済新聞 電子版
保存その他
 ヤマトホールディングス(HD)が30日発表した2016年4〜12月期の連結決算は営業利益が前年同期比7%減の580億円だった。4〜9月までの増益基調から一転、減益になった。お歳暮やクリスマス商戦で宅配便の取扱量が増える12月にかけて、想定を上回る物量が集中。外部業者への委託コストが膨らんだ。17年3月期通期の業績予想は純利益を前期比14%減の340億円(従来予想は1%減の390億円)に下方修正し…
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO12297620Q7A130C1000000/


 

 

 
ヤマトHDが17年3月期業績予想を下方修正、530万株を上限とする自社株取得枠も設定


2017年01月30日 15時55分 minkabuニュース
ヤマトHDが17年3月期業績予想を下方修正、530万株を上限とする自社株取得枠も設定

 ヤマトホールディングス<9064.T>がこの日の取引終了後、17年3月期の連結業績予想について、営業利益を650億円から580億円(前期比15.4%減)へ、純利益を390億円から340億円(同13.8%減)へ下方修正した。

 売上高は従来予想の1兆4600億円(同3.1%増)を据え置いているものの、労働力が不足するなか、外部委託コストなどが増えていることなどが利益を押し下げるとしている。

 第3四半期累計(16年4〜12月)決算は、売上高1兆1181億4300万円(前年同期比3.1%増)、営業利益580億6300万円(同6.5%減)、純利益357億1900万円(同6.3%減)だった。「宅急便コンパクト」や「ネコポス」など小さな荷物をリーズナブルな料金で手軽に遅れるサービスが好調で、宅急便の取扱個数は前年同期比8.3%増の14億3700万個と拡大した。一方、外部への配達委託などのコストが増加し、減益を余儀なくされた。

 また同時に、自社株取得枠の設定を発表した。上限を530万株(発行済み株数の1.33%)、または100億円を上限としており、取得期間は1月31日から4月30日まで。株主価値向上のため、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策として実施するとしている。

出所:株経ONLINE(株式会社みんかぶ)

minkabuニュース
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東京株式(大引け)=98円安、日米金融政策会合前で利益確定売り優勢
<個人投資家の予想>01月30日15時
明日の主なマーケットイベント
https://news.nifty.com/article/economy/stock/12217-1223247/

 

宅配の未来はどうなる?
7月27日 18時55分
私たちがよく利用する宅配便。仕事が忙しくてなかなか受け取れなかったり、なかには寝起きで出るのが面倒だから居留守を使ってしまったという方もいらっしゃるのでは?宅配業界はネット通販の利用が拡大するなかで、人手不足と再配達の増加で、厳しい状況に追い込まれています。
このままでは、希望の時間に配達ができなくなってしまうか、価格を引き上げることになってしまわないか。そこで、「自動化」をキーワードにさまざまな実験が始まっています。未来の宅配、どこまで来ているのでしょうか。(経済部・野口恭平)
急増ネット通販、 “スピード強化”も

メーカーの工場や石油精製所などが並ぶ川崎市の工業地域の一画に、巨大なイベント会場かと見間違う施設があります。家電量販大手ヨドバシカメラの物流センターです。敷地面積5万平方メートル、扱う品物は450万品目というこの物流センター、さらにこの4倍の物流センターを隣に建設中です。ネット通販の拡大で、この配送センターからは毎日大量の商品が発送されていきます。都内の一部では最速6時間で商品が届く「スピード」が売りです。

ネット通販会社など多くの企業が配送のスピードアップをうたい、私たちの暮らしはどんどん便利になっていきます。しかし、もともと人手不足に苦しむ宅配業にとっては大きな負担がのしかかることになります。

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宅配業界にのしかかる負担

宅配業界がさらに頭を悩ましているのは再配達の多さです。共働き世帯が増えていることもあり、1度配達しても不在の家が多く、再配達率は年々増加する傾向にあります。

街ゆく人にインタビューすると、「すっぴんだから宅配業者が来ても居留守を使う」(女性)、「ズボンをはいていなかったので、また来てくださいという感じで出ない」(男性)という、苦笑いするしかないような回答も数多く聞かれました。

私は東京都八王子市で、業界最大手ヤマト運輸の宅配の現場に同行取材しました。八王子市は都内でも比較的在宅率の高い地域だそうですが、取材した日は午前中90件程度訪問したうち、約20件は不在。配達員の人は雨が降るなか走り、不在票を記入し、また走りと繰り返していました。

国が2年前に行った調査では、業界で20%が再配達になっているということです。再配達が増えると、荷物を届けるのに何度も客先へ訪問しなければならず、その分、コストがかかることになります。

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新たな試み(1)自動運転で宅配を

このままではいずれ限界が来てしまうのではないか。宅配業界には強い危機感が漂っています。そこで、ヤマト運輸が7月に打ち出したのは自動運転の車を使って荷物を自動で配達しようというものです。

自動運転の分野に積極的に挑戦している大手IT企業のディー・エヌ・エーと提携しました。両社は来年3月から1年間かけて国家戦略特区で実験を行います。

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両社が打ち出したのはどのようなサービスなのか。自動運転の車は、決められたルートを走り、配送先の家の前までたどり着きます。車の中には荷物を保管する箱を備え、利用者は事前にメールで通知されるパスワードを入力するなどしてカギを開け、荷物を取り出すことがでます。「夜9時」「駅前」など、時間や受け取り場所を自由に設定できるようにして利便性を上げ、再配達を少なくしたいとしています。

構想の第一段階では運転席に人が乗ったうえでのサービスを考えていますが、最終的には無人でのサービスも目指します。第一段階でも、運転は自動。配達員は重い荷物を持ったり、走ったりする必要がないため、女性や高齢者をもっと積極的に採用することが可能になります。

両社では、2つの異なる届け方を提案したいと考えています。つまり、今までとおりの配達も残しつつ、全自動で利用者が車のところまで取りに行くタイプの新しい配達方法を導入し、利便性を高めようというわけです。

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この取り組みについて、ディー・エヌ・エーの守安功社長は「自動運転の車は個人が使うというより、旅客や物流など企業のサービスへの活用のほうが実用化が早いと思います。物流業界にとっては需要が増える一方で、ドライバーのなり手が不足する問題を解決する手段になるし、利用者にとっては、いつでもどこでも好きなときに受け取ることができる革命的なサービスになるのではないか」と話していました。

また、ヤマト運輸の長尾裕社長は「技術や制度のハードルがあるため、まずは運転席に乗る形で自動運転の活用は始める。今回の取り組みは地域の配送拠点から個別のお客さんまでの『ラストワンマイル』の配送だが、高速道路などの長距離輸送では、先頭の車両は人が運転して、後続車両は自動運転でついていく『隊列走行』方式も検討している。こちらは4〜5年先には実用化できるのではないか。また、10年20年というスパンで見れば当然、運転手が乗らない完全な自動運転も検討してるが、そのときに小さなロボットが車から玄関まで荷物を運ぶことも可能になっているかもしれない」と将来像を話してくれました。

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新たな試み(2)ドローン

一方、自動運転ではなくドローンを使って新たな物流サービスを実現しようとしているのが大手IT企業の楽天です。楽天では、ことし5月の1か月、千葉県内のゴルフ場で、食べ物や飲み物、ゴルフボールなどをドローンがホールまで届けてくれるサービスを実施しました。反応は上々で、多い日にはゴルフ場を訪れたグループの2割ほどがドローン配送サービスを利用したこともあったといいます。

楽天はドローン配送を進めるために、ことし、千葉大学から出たベンチャー企業に出資。構想としては注文を受けたあと、物流センター内でドローンが自動で荷物を積んで、目的地まで自動制御で飛行。都心の高層ビルのほか、山間部や離島などに無人で届けることを検討しています。

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気になる安全面ですが、今回ゴルフ場では万が一故障して墜落した場合に備えて林の上など人がいないルートを飛行させましたが、今後は機体にパラシュートを備えるなど、安全性を高める改良を検討しています。

規制緩和も必要になります。今の制度ではドローンを飛ばす場合は基本的に操作する人が「目視」で行うことを求めていて、「目視外飛行」には別途手続きが必要なため、楽天では国に規制緩和を求めています。

便利な宅配を続けるために

自宅でくつろぎながら、欲しいものはなんでもネットで注文し、好きな時間に、正確に届けてくれる。私たちは日頃、宅配のシステムを当たり前の存在として認識し、深く考える機会はあまりないかもしれません。

しかし、その舞台裏では、業務量が急増し、再配達率が上昇。そして何より、このシステムを支えてきた働き手が今後は減少することが見込まれているのです。「ネットで注文するのは1人1か月に1品目だけ」とか、「送料が2000円もするサービス」、「1度配達して受け取れなかった商品は返品される」といった世界は消費者としては到底受け入れられないでしょうから、いずれ抜本的に何かを変えなければならなくなると思います。

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自動運転やドローンには確かにまだ乗り越えなければならないハードルがいくつもありますが、日本の宅配システムを維持、発展させるためには、実用化しなければならない技術の1つだと取材を通じて感じました。かつて、大きな携帯電話がどんどん小さくなり、スマートフォンへと進化して、誰もがポケットやカバンに入れて持つ時代となったように、「自動化」の技術が実用化するのはそう遠いことではないかもしれません。

野口恭平
経済部
野口 恭平 記者
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http://www3.nhk.or.jp/news/business_tokushu/2016_0727.html? 


http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/484.html

[経世済民118] 転職白書 経験者8割が満足 年収や働き方、人間関係改善 最初の転職26歳 2年おき転機 女性の7割希望「時間と勇気なく
転職白書 経験者8割が満足 年収や働き方、人間関係改善
2017年1月30日
【働く女性の転職白書】最初の転職年齢は26歳 2年おきに転機
日経ウーマンオンラインと働く女性のための転職サイト「日経WOMANキャリア」は、転職についてのアンケートを実施しました。働く女性704人から得た回答を基に、日経ウーマンオンラインでは「働く女性の転職白書」を発表! 第4回の今回は、転職経験者の転職回数や年齢、転職してよかったことなど、本音に迫ります。
働く女性の転職白書
第1回 転職白書 女性の7割が転職希望「時間と勇気なく我慢」
第2回 転職白書 一番人気は事務系 憧れ業種は意外なあの業界
第3回 転職白書 女性の転職の決め手 福利厚生より「未経験可」
第4回 転職白書  経験者8割が満足 年収や働き方、人間関係改善(今回はここ)
第5回以降は順次公開予定


【調査概要】
2016年11月7日〜12月4日、日経ウーマンオンラインと日経WOMANキャリアのサイト上で調査を実施。日経ウーマンオンラインを通じて回答した回答者389人、日経WOMANキャリアを通じて回答した回答者315人、計704人の回答を得た。属性は、独身59.4%、既婚(子どもあり)19.3%、既婚(子どもなし)15.3%。年齢は25〜39歳が62.1%。居住地は、東京都28.1%、神奈川県12.9%、大阪府7.8%。会社員(一般職)61.8%。

 「働く女性の転職白書」レポートではこれまで、「転職したい」と思う人が約7割に上ることをはじめ、転職活動をためらう理由、転職先として人気の業種や職種、転職の決め手などを紹介してきました。第4弾となる今回は、転職経験者の転職回数や年齢、転職してよかったことなどをお伝えします。

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「転職して本当によかった!」と思う人の共通点は? (C)PIXTA
転職経験者が6割以上、転職回数は1・2回が約半数!
 今回の調査では、働く女性の7割が転職を希望していました。実際に「これまでに転職をしたことはありますか」という質問に対しては、「ある」という人が6割を超えました。
これまでに転職をしたことはありますか?

 「転職回数」は「1回」(29.8%)と「2回」(24.2%)が全体の半数を占め、「3回」が18.6%、「5回以上」という人も15.2%います。一度転職をした人は、さらに転職を繰り返しやすいのかもしれません。
転職回数を教えてください。

(小数点第二位以下を四捨五入しているため合計が100.1%になります)
次ページ 最初に転職した平均年齢は「26歳」だった!
最初に転職した平均年齢は「26歳」だった!
 では、働く女性は何歳のときに転職しているのでしょうか。「転職時の年齢を教えてください」という質問への回答を平均したところ、「1回目」は26歳で「2回目」は29歳、「3回目」32歳、「4回目」34歳、「5回目」は36歳という結果になりました。20代半ばに初めての転職を経験して、その後も転職をする人は2〜3年ごとに転機が訪れているようです。
転職時の年齢を、転職をした順にそれぞれ教えてください。(※5回以上ある方は5回目まで)

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転職した人のおよそ8割が満足、「非常にそう思う」が4割以上も!
 転職に踏み切った人は、転職したことに満足しているのでしょうか。
 「転職をしてよかったと思いますか」と尋ねてみると、「非常にそう思う」(45.2%)と「ややそう思う」(34.0%)があわせて8割近くを占めました。「あまりそう思っていない」(4.9%)、「全くそう思っていない」(2.7%)は1割をはるかに下回り、満足している人が圧倒的に多いことが分かりました。
転職をしてよかったと思いますか?

次ページ 転職してよかった理由は「年収」「人間関係」など複...
転職してよかった理由は「年収」「人間関係」など複数
 「転職をしてよかったと思う理由」を具体的に聞いてみました。ほとんどの人が年収アップに加えて、よかったことをいくつも挙げるという特徴がありました。
■ 「年収アップ。人間関係改善」(35歳、総務・人事、卸売・小売業・商業)
■ 「年収アップ。やりたい仕事をできている。プライベートも充実した」(34歳、営業・販売、食品・医薬・化粧品)
■ 「年収が100万円以上増えた。休みが年間20日以上増えた。同じ職種での転職でしたが、前職で経験したことを存分に発揮しつつも、新たな分野にも挑戦できている」(33歳、法務、エンタテインメント)
■ 「前職が長時間労働で身体がもたなかった。時間的にも体力的にも余裕ができ、かつ年収もかなり上がった」(26歳、広報・宣伝、人材サービス)
■ 「キャリアアップと年収アップができた」(34歳、経理・財務・会計、金融・証券・保険)
■ 「年収が格段に増えた。今の夫と出会えた。この仕事をしなければ、出会えなかったような方々と沢山出会えた」(35歳、法務、公務員)
 また、ストレスから解放されたり、自分の生活スタイルに合った職場に出会えたという声も。
■ 「自分の時間が増えた。心身ともにストレスがたまっていたが、解消された」(28歳、総務・人事、放送・広告・出版・マスコミ)
■ 「非常勤の職で不安定で将来が不安だったが、正社員になり安定した生活、精神状態が得られた」(30歳、総務・人事、医療)
■ 「結婚・出産しても続けられると思える職場だから」(35歳、経理・財務・会計、サービス)
■ 「残業代が一切出なかったが、新しい職場はきちんと残業代をつけてくれる。また、残業代がきちんとつくので、社風的にも無駄な残業代がかからないようにするため、早く退社することを推奨してくれる」(29歳、一般事務・営業事務・医療事務、通信サービス・情報処理・SI・ソフトウエア)
 そのほか、転職自体が自分の成長につながっていると実感している人もいました。
■ 「それぞれの企業に属すことによって様々な社風、考え方を身を持って知ることができた。考え方が柔軟になった」(39歳、総務・人事、レジャー)
■ 「経験値が増えた。人脈が広がった」(30歳、接客・サービス、飲食店・宿泊)
 「働く女性の転職白書」では、次回以降もアラサー世代の女性の転職にまつわる本音を紹介していきます。
文/佐々木恵美 写真/PIXTA
働く女性の転職白書
第1回 転職白書 女性の7割が転職希望「時間と勇気なく我慢」
第2回 転職白書 一番人気は事務系 憧れ業種は意外なあの業界
第3回 転職白書 女性の転職の決め手 福利厚生より「未経験可」
第4回 転職白書  経験者8割が満足 年収や働き方、人間関係改善(今回はここ)
第5回以降は順次公開予定


【調査概要】
2016年11月7日〜12月4日、日経ウーマンオンラインと日経WOMANキャリアのサイト上で調査を実施。日経ウーマンオンラインを通じて回答した回答者389人、日経WOMANキャリアを通じて回答した回答者315人、計704人の回答を得た。属性は、独身59.4%、既婚(子どもあり)19.3%、既婚(子どもなし)15.3%。年齢は25〜39歳が62.1%。居住地は、東京都28.1%、神奈川県12.9%、大阪府7.8%。会社員(一般職)61.8%。
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http://wol.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/031400060/012300044/?P=3

 

転職白書 女性の7割が転職希望「時間と勇気なく我慢」
2017年1月23日
【働く女性の転職白書】転職をためらう理由も女性ならでは

日経ウーマンオンラインと日経HRが共同で運営する働く女性のための転職サイト「日経WOMANキャリア」は、両サイトの読者を対象に転職についての調査を実施しました。「日経ウーマンオンライン」では、この調査で働く女性704人から得た回答を基に、「働く女性の転職白書」を発表します。
働く女性の転職白書
第1回 転職白書 女性の7割が転職希望「時間と勇気なく我慢」(今回はここ)
第2回 転職白書 一番人気は事務系 憧れ業種は意外なあの業界
第3回 転職白書 女性の転職の決め手 福利厚生より「未経験可」
第4回以降も順次公開予定

【調査概要】
2016年11月7日〜12月4日、日経ウーマンオンラインと日経WOMANキャリアのサイト上で調査を実施。日経ウーマンオンラインを通じて回答した回答者389人、日経WOMANキャリアを通じて回答した回答者315人、計704人の回答を得た。属性は、独身59.4%、既婚(子どもあり)19.3%、既婚(子どもなし)15.3%。年齢は25〜39歳が62.1%。居住地は、東京都28.1%、神奈川県12.9%、大阪府7.8%。会社員(一般職)61.8%。

働く女性の7割以上が「転職したい」と思っている!
 まずは、「現在、転職をしたいと思っていますか」という質問に対して、「ややそう思う」(36.1%)、「非常にそう思う」(32.8%)という回答がそれぞれ3割を超え、転職を希望している働く女性は約7割にも上りました。

画像のクリックで拡大表示
実は7割もの女性が「転職したい」と思っている (C)PIXTA
 反対に「全くそう思っていない」はわずか9.4%で、「あまりそう思っていない」11.1%と合わせても、転職を考えていない人は2割程度にとどまっています。
現在、転職をしたいと思っていますか?(全回答者)

(小数点第二位以下四捨五入のため、合計は100.1%になります)
 「日経WOMANキャリア」での回答を見ると、約9割(89.8%)が転職を希望しており、明確な動機のもとに転職サイトを訪れていることが分かります。また、「日経ウーマンオンライン」での回答を見ても、52%の人が転職を希望。20〜30代を中心とした働く女性は、転職への関心が高いことが明らかになりました。
現在、転職をしたいと思っていますか?(日経WOMANキャリア回答者)

現在、転職をしたいと思っていますか?(ウーマンオンライン回答者)

(小数点第二位以下四捨五入のため、合計は100.1%になります)
次ページ 「時間」と「勇気」がなくて、転職を「我慢」
「時間」と「勇気」がなくて、転職を「我慢」
 それでは「現在、転職活動をしていますか」と聞いたところ、「転職に興味はあるが、転職活動をしていない」人が半数以上(51.7%)もいました。
現在、転職活動をしていますか?(全回答者)

 その理由で最も多かったのが「今の仕事内容や職場環境に満足していないけれど、我慢できるから」(33%)。
 さらに「転職活動をする時間がないから」(25.3%)、「転職する勇気がないから」(23.6%)と続きます。日々、忙しく働く女性は、「時間」と「勇気」がないために、転職への思いを「我慢」しているというわけです。
転職に興味はあるが、転職活動をしていない理由を教えてください。(複数回答/全回答者)

画像のクリックで拡大表示
 また、「何から始めていいか分からないから」「どんなところを受けていいか分からないから」と、転職活動の進め方が分からないことを挙げる人もそれぞれ2割を超えました。さらに「新しい環境で一から始めるのが億劫だから」(19.5%)、「なんとなく面倒くさいから」(9.9%)というように、面倒で気が進まないという回答もありました。
次ページ 転職をためらう背景には、女性ならではの理由も!
転職をためらう背景には、女性ならではの理由も!
 「転職に興味はあるが、転職活動をしていない」理由として「その他」を選んだ人の中には、女性ならではの回答も多く見られました。
■「すぐに子どもが欲しいから」(32歳、人材サービス、営業・販売)
■ 「現在、妊娠中のため、復職後しばらくしてから転職を予定」(30歳、食品・医薬・化粧品、総務・人事)
■ 「子育てと両立するには現状維持をしたほうが良さそうだから」(40歳、食品・医薬・化粧品、コンサルタント・研究職)
 というように、「妊娠を希望」「妊娠中」「子育てとの両立」を理由に、転職活動をしない、もしくは先送りする人も少なからずいるようです。
転職エージェントを利用したことがある人は半数以下!
 転職のノウハウが分からない人にとって、強い味方になってくれる存在の一つが転職エージェントです。転職に興味がある女性が多いものの、「転職エージェントを利用したことがありますか」という質問に対して、利用したことがある人は半数を割っています(44.7%)。
転職エージェントを利用したことがありますか?(全回答者)

 ただ、「エージェントに登録することに抵抗がある」人はわずか6.9%にとどまっています。エージェントをうまく活用し、第三者のサポートがあれば、転職への一歩を踏み出せる女性が多いことがうかがえます。
 次回からは、転職で人気の職種をはじめ、転職したい理由、実際に転職した人の決め手となったものなど、転職に関する女性のリアルな意識と行動をさらに掘り下げてお伝えします。
文/佐々木恵美 写真/PIXTA
働く女性の転職白書
第1回 転職白書 女性の7割が転職希望「時間と勇気なく我慢」(今回はここ)
第2回 転職白書 一番人気は事務系 憧れ業種は意外なあの業界
第3回 転職白書 女性の転職の決め手 福利厚生より「未経験可」
第4回以降も順次公開予定

【調査概要】
2016年11月7日〜12月4日、日経ウーマンオンラインと日経WOMANキャリアのサイト上で調査を実施。日経ウーマンオンラインを通じて回答した回答者389人、日経WOMANキャリアを通じて回答した回答者315人、計704人の回答を得た。属性は、独身59.4%、既婚(子どもあり)19.3%、既婚(子どもなし)15.3%。年齢は25〜39歳が62.1%。居住地は、東京都28.1%、神奈川県12.9%、大阪府7.8%。会社員(一般職)61.8%。
この連載は、毎週月曜日に公開しています。下記の記事一覧ページに新しい記事がアップされますので、ぜひ、ブックマークして、お楽しみください!
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http://wol.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/031400060/011900041/

http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/485.html

[経世済民118] ソニー第3四半期に映画部門で減損1121億円計上 ユーロ景況6年ぶり高水準−景気拡大と物価加速 移民制限に沈黙、米産業界

 

ソニー第3四半期に映画部門で減損1121億円計上

[東京 30日 ロイター] - ソニー(6758.T)は30日、2016年度第3・四半期決算で、映画分野の営業権について減損1121億円を営業損失として計上したと発表した。映画製作事業の収益見通しを下方修正したことが理由。通期の連結業績見通しへの影響については現在精査中で、2月2日の決算発表で公表するとしている。

同社によると、この損失は現金支出をともなうものではなく、減損の対象となった営業権の過半は1989年にコロンビア・ピクチャーズ・エンタテインメント社の株式を公開買付けした際に計上している。

映画製作収益の下方修正は、ホーム・エンタテインメント(BD/DVDなどのパッケージメディアやデジタル販売)事業の収益見通しを引き下げたため。ただ、同社は収益性の改善に向けた施策やテレビ番組制作、メディアネットワーク事業の拡大に取り組んでおり、映画分野は将来の利益成長を見込める重要な事業である、としている。


米クアルコム売上高予想に届かず、制裁金負担で大幅減益
東芝が米社の出資受け入れへ交渉、メモリー分社化で=業界筋
東芝、27日に取締役会 半導体事業の分社化決議へ=関係筋
東芝、米原発損失額を2月14日に公表 原因・再発防止策も 
難民・移民制限の大統領令、米ハイテク企業首脳らが反発

http://jp.reuters.com/article/sony-bd-dvd-idJPKBN15E0O9


 

 
ユーロ圏景況感:1月は6年ぶり高水準に−景気拡大と物価加速の兆し
Maria Tadeo
2017年1月30日 19:45 JST
景況感指数は108.2、前月は107.8
1月インフレ率と10−12月GDPは31日発表

ユーロ圏の景況感指数は1月に上昇し、2011年以降で最高に達した。景気拡大とインフレ加速の兆候が強まり、欧州中央銀行(ECB)の刺激策をめぐる議論が活発化しそうだ。
  欧州連合(EU)の欧州委員会が30日発表した1月のユーロ圏景況感指数は108.2と、昨年12月の107.8を上回り、2011年3月以来の高水準となった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査の中央値では107.8が見込まれていた。
  昨年末の物価上昇圧力が強まったことで量的緩和(QE)縮小を呼び掛ける声が一部で上がったが、この日の発表で議論はさらに高まりそうだ。当初から大規模なQEに批判的だったドイツの忍耐力が限界に近づきつつある様相を呈す一方、ドラギ総裁らECB要人は基調的な物価圧力がまだ弱いことから出口戦略を協議する時期には至っていないと主張している。
  ブルームバーグがまとめたエコノミスト52人を対象にした別の調査によれば、1月のユーロ圏インフレ率は1.5%と、前月の1.1%から加速したとみられている。これは2013年半ば以来の高水準で、ECBによる今年の見通しを上回ることになる。EU統計局(ユーロスタット)は31日にインフレ率と共に、12月の失業率と10ー12月(第4四半期)の域内総生産(GDP)速報値も発表する。
  第4四半期GDPは前期比0.4%増となる見通し。ドイツとスペインの景気拡大が後押しし、伸びが加速したと見込まれている。
原題:Euro-Area Economic Confidence Surges to Highest Level Since 2011(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-30/OKL8O96KLVR401

 


アングル:移民制限に沈黙守る米産業界、新政権との対立回避へ

 1月30日、米国の移民入国制限に対して、多くの企業は沈黙を守っており、問題の取り扱いの難しさを物語っている。アップルなど、ハイテク企業トップは反発を強める一方、多様性へのコミットメントをあらためて表明するなどの対応にとどまる企業が多い。写真はトランプ氏と会談するアップルのクック最高経営責任者などの企業幹部。2016年12月撮影(2017年 ロイター/Shannon Stapleton)

[ニューヨーク/ボストン 30日 ロイター] - トランプ米大統領が導入した移民の入国制限に対して、多くの米国企業は沈黙を守っており、この問題の取り扱いの難しさを物語っている。

アップル(AAPL.O)やグーグル、フェイスブック(FB.O)など、移民の貢献によって発展してきたハイテク企業のトップがこの措置への反発を強める中、他の産業界ではコメントを控えたり、多様性へのコミットメントをあらためて表明するなどの対応にとどまる企業が多い。

こうした反応の差は、新政権と公に対立することを避けようとするコーポレートアメリカ(米産業界)の姿を浮き彫りにしている。

航空機大手ボーイング(BA.N)や自動車大手フォード・モーター(F.N)、ゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N)などはすでにトランプ氏と他の問題で対立しており、税制や貿易、規制に関して新政権が下す政策判断から受ける影響は大きい。

これら3社の関係者は、トランプ氏の移民入国制限についてコメントを控えた。

また米金融業界は、新政権が2007─08年の金融危機を受けて導入された規制の一部を緩和することに期待を寄せる。

ボストン大学のコーネリアス・ハーリー氏は「(銀行やヘルスケア、自動車メーカーなどの業界は)規制緩和の新時代の先端にいると感じており、新しい皇帝を怒らせることはしたくない」と指摘した。

ゴールドマン・サックス(GS.N)、シティグループ(C.N)、バンク・オブ・アメリカ(BAC.N)、モルガン・スタンレー(MS.N)の関係者はトランプ氏の移民制限措置についてコメントを控えた。

ウェルズ・ファーゴ(WFC.N)は、移民を制限する大統領令を精査しているところだとし、従業員や事業への影響を見極めているとした。

<良き企業市民>

一部の社会問題に対してより保守的なスタンスを取り、反グローバル化政策を掲げる新政権とどう向き合うか、多くの米国企業はまだ対策を練っている最中とみられ、ハイテク産業以外の企業が週末に出した声明は、トランプ氏の政策を公然と批判するのではなく、良き企業市民としての自社の役割を強調する内容が目立った。

コーヒーチェーン大手スターバックス(SBUX.O)のハワード・シュルツ最高経営責任者(CEO)は従業員への書簡で、向こう5年間に75カ国で難民1万人を雇用する計画を明らかにした。トランプ氏の大統領令への直接的な批判は控えた。

ゼネラル・エレクトリック(GE)(GE.N)のジェフ・イメルトCEOは声明で従業員に対し、米国政府に関わっていく方針を示した。

移民制限に関して米企業幹部がトランプ氏とコミュニケーションを取る手段としては、直近では来週行われるトランプ政権の諮問委員会の初会合がある。

トランプ氏は雇用創出に向けた政策を助言する諮問委員会を設立すると発表しており、ブラックストーン・グループ(BX.N)のスティーブ・シュワルツマンCEOが委員長を務め、米主要企業のトップが委員として参加する。

これまで委員会の中でトランプ氏の移民制限に反対を表明しているのは、企業トップ19人のうち、スペースX、テスラ・モーターズ(TSLA.O)の創業者イーロン・マスク氏とウーバー・テクノロジーズのトラビス・カラニックCEOの2人のみだ。

(Devika Krishna Kumar記者、Ross Kerber記者 翻訳:佐藤久仁子 編集:山川薫)

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http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/486.html

[国際17] イエメンで米兵4人死傷、トランプ政権初の軍事作戦  メキシコ、イスラエル首相の「壁」称賛ツイートを非難 
イエメンで米兵4人死傷、トランプ政権初の軍事作戦で
[サヌア/ワシントン 29日 ロイター] - 米軍は29日、イエメンを拠点とするイスラム過激派組織「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」を標的とした空爆をイエメン南部で実施し、米兵1人が死亡、3人が負傷したと明らかにした。トランプ米大統領が承認した軍事作戦が行われたのは今回が初めて。

米軍によると、この空爆作戦によりアルカイダの戦闘員14人が死亡した。一方、現場の医療関係者らは、女性や子供10人を含む約30人の市民が死亡したと述べた。

米国防総省によると、負傷者を避難させるために派遣された米軍機が砲撃に遭い、さらに2人の米兵が負傷したという。

トランプ大統領は、作戦は成功したとした上で、作戦中に収集された情報は米国のテロとの闘いにおいて役立つとの見方を示した。

国防総省は市民の犠牲については言及しなかったが、米軍当局者は、匿名を条件に、その可能性は除外できないと語った。

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http://jp.reuters.com/article/usa-yemen-qaeda-idJPKBN15E0L4


 

メキシコ、イスラエル首相の「壁」称賛ツイートを非難

[メキシコ市 28日 ロイター] - イスラエルのネタニヤフ首相が28日に、不法移民の侵入を阻止するためにメキシコ国境に壁を建設するとのトランプ米大統領の計画を称賛するようなツイートを投稿したことを受けて、メキシコ政府が強く抗議した。

ネタニヤフ氏は、「トランプ大統領は正しい。私はイスラエルの南部国境沿いに壁を建設し、全ての不法移民の阻止に成功した。すばらしい考えだ」と投稿した。

このコメントは、署名なユダヤ系メキシコ人の怒りをツイッターで買ったほか、メキシコ外務省は「深い驚きと拒絶、失望」を表明。「メキシコはイスラエルの友人であり、ネタニヤフ首相からもそのように処遇されるべきだ」と非難した。

イスラエルのハーレツ紙によると、首相府はその後、ネタニヤフ氏が米国とメキシコ間の問題に立ち入る意図はなかったとする声明を出したという。

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http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/655.html

[国際17] トランプ氏支持地域、貿易戦争の打撃大きい 難民入国禁止令への抗議、トランプ政権に大打撃 「衝撃と畏怖」作戦対処は後回
トランプ氏支持地域、貿易戦争の打撃大きい

米国が貿易戦争に巻き込まれた場合、大統領選でトランプ氏に投票した地域はより大きな打撃を受ける可能性が高いという

By BOB DAVIS
2017 年 1 月 30 日 18:17 JST

 【ワシントン】米国が貿易戦争に巻き込まれることになれば、大統領選でドナルド・トランプ氏に投票した地域は、ヒラリー・クリントン氏に投票した地域より大きな打撃を受ける公算が大きい。ブルッキングス研究所の調査で明らかになった。

 同研究所は輸出への依存度が最も高い地域を割り出すため、全米都市部の輸出度合い(各地域の2015年の総生産に占めるモノやサービス輸出の割合)を調査した。その結果、輸出度合いが最も高い地域は、圧倒的にクリントン氏を支持した大都市圏よりも、トランプ氏支持が強かった中西部と南東部の中小都市に集中していた。

 ブルッキングス研究所の大都市政策部門責任者、マーク・ムロ氏は「トランプ氏支持の地域は貿易への依存度が比較的高い」と指摘。貿易の中断に適応する上での「柔軟性が低い、小規模な地域社会だ」と述べた。

 さらに、貿易が「中断すれば、こうした地域は特に悪影響を受ける可能性がある」と続けた。同研究所はモノやサービスの出荷場所ではなく、生産によって価値が付加される地点にさかのぼって輸出調査を行ったと説明。出荷場所で見てしまうと大きな港に比重がかかりすぎるからだという。

 ブルッキングスによると、機械製造の中心地であるインディアナ州コロンバスは米国内で最も輸出依存度の高い都市だと判明した。人口4万6000人のこの都市では、総生産の輸出への依存度が50.6%、トランプ氏とクリントン氏の得票率は2対1の割合だった。他にも同州の3都市(エルクハート、ココモ、ラファイエット)が輸出依存度の高い上位10都市に含まれていた。

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トランプ新大統領特集

https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjVoNr-_-nRAhXCerwKHe5qCW0QFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11303642310634324165204582590841692281350&usg=AFQjCNEQk-1lGsN9ozERy-hopMHxdDe5Zw

 

【社説】難民入国禁止令への抗議、トランプ政権に大打撃
「衝撃と畏怖」作戦、結果への対処は後回しか 
米国に入国する渡航者の審査を厳格化するよう命じる大統領令に署名するトランプ氏(27日) PHOTO: CARLOS BARRIA/REUTERS
2017 年 1 月 30 日 17:15 JST

 ドナルド・トランプ米大統領はできるだけ早く公約を果たすため、とりあえず「衝撃と畏怖」作戦に出た。その結果への対処は後回しにすることを決めたようだ(訳注:衝撃と畏怖は米軍がイラク戦争で使った作戦名)。この作戦は石油パイプライン建設推進ではうまくいくかもしれない。だが、難民に対する大統領令を巡って燃え上がる抗議の火の手を見れば、意図的に分裂を招くような政権は今後、大きな打撃を受ける方向に進むかもしれない。

 トランプ氏はテロに関与した過去を持つ国からの難民を「徹底的に審査する」と公約したほか、米国民を守るという同氏の訴えは有権者から広く支持された。だが、難民の入国禁止措置はあまりに不手際かつ広範で、説明に乏しいばかりか準備も万端ではなかった。そのため空港には混乱と恐怖が生まれ、裁判所は直ちに措置の一部を無効にする判断を下し、国内外で政治的な怒りが噴出した。統治は選挙集会よりもはるかに複雑なのだ。

 まず27日夜遅くに発令された大統領令をみてみよう。一般国民はもちろん、明らかに国境警備や税関当局にさえ説明はなかったこの大統領令は、列記した中東・アフリカ7カ国からの入国を、国務省もしくは国土安全保障省から許可されている場合を除き、90日間禁止するものだった。また、シリアからの難民の入国は無期限に禁止された。

 すると世の中はたちまち空港で科学者やビジネス関係の渡航者、さらには正当なビザ(査証)を持っている人でさえ拘束されたり、入国を拒否されたりした話でもちきりになった。IT(情報技術)企業はすぐに従業員を呼び戻した。米国に再入国できない恐れが出てきたためだ。

 米国のグリーンカード(永住権)を持っている人の中にも混乱の中で影響を受けた人がいる。あわてたホワイトハウスは29日に、グリーンカード保持者は入国禁止命令から除外されると発表した。だが、これは最初から明確にすべきことだった。

 大統領令に関する法的な検証もずさんだった。大統領は難民政策に関して広い裁量を持っており、大統領令は全体として合法であるのは疑いの余地がない。しかし米国に足を踏み入れた人は誰であれ、略式審査で送還されてしまう前に、適正な手続きを受ける権利があることを知っていた人は政権内にいたはずだ。

 トランプ氏の政策に反対する勢力はすぐに訴訟に打って出た。複数の管轄地域で訴えが起こされ、少なくとも4人の判事が何かしらの理由で大統領令を非難した。ホワイトハウスの立場を擁護しなければならなかった弁護士の1人は、拘束された人たちがなぜ米国の安全保障上への脅威だったのかや、出身国に送還された場合に本人が危険にさらされない理由を説明することができなかった。

 より大きな問題は大統領令のその広範さだ。報道の仕方がよくないのだが、この命令は「イスラム教徒の入国禁止」ではない。イスラム教徒が大多数を占める7カ国からのすべての人の入国を禁止することで、この大統領令がイスラム教徒全員に適用されるものではないのに、まるで全員に適用されるかのように、「ジハーディスト(聖戦主義者)」たちに思わせることになった。全体に適用するブランケット型の禁止令ではなく、一段と入念なスクリーニングを単に命ずるものであれば、より賢明だった。

 米政府は「その難民の宗教が(当該国では)少数派の宗教であることを条件に、宗教に基づく迫害による難民を優先」すべきだと、この大統領令は言っているのだ。

 中東の大半の地域で迫害されていたにもかかわらず、バラク・オバマ前政権が難民問題で無視してきたキリスト教徒に、これが適用される可能性はある。だが同時に、イラクで米国とともに戦ってきたスンニ派のイスラム教徒にもあてはまる。これに関して政府による説明があったわけではないが、キリスト教徒向けの放送局でのインタビューでトランプ氏は、キリスト教徒の難民を優先することを強調した。

 大統領令はまた、イラクやアフガニスタンの戦争で米国側について一緒に戦った人々の入国を明確に除外もしていない。米国人の命を救うために手助けしてくれた通訳などだ。彼らの命は今、米軍兵士を助けたことで危険にさらされているかもしれない。米国は今後も外国の地で戦うだろう。現地では味方が必要だ。米国に力を貸したイラク人やクルド人を米国がどう扱うのか、世界は注視している。

 米国はジハーディストとの長い戦いのさなかにいる。この戦いは軍事的であると同じくらい宗教的でもある。米国はイスラム教徒の仲間を必要としている。一方、ジハーディストは米国人をイスラム教徒全員の敵として描きたがる。広範すぎる命令はジハーディストではない大勢のイスラム教徒に誤ったメッセージを送ることになる。彼らが米国は過激派ではなくイスラム教徒全般を敵に回していると結論づければ、ジハーディストからの勧誘に影響されやすくなるかもしれない。

 難民の入国禁止令への世論の反応は、議論を呼ぶような政策の方針転換を、まるで手投げ弾のように単に一般市民に向けて投げつけることはできないという警告でもある。政策変更は、国民の誰もが理解できるよう、それ自体に徹底的な精査が必要だ。また、国民に対して何度も繰り返し説明し、政策を売り込むのが大事だ。

 行政府は変化を必要としているというトランプ氏の考えは正しい。しかし入念な準備や優れた実践方法を伴わずにことを急いてしまえば、政界に相当な規模の反対勢力を作り出す危険が生じる。

 超党派による反対によって一つの変革が一掃されてしまうというより、成功のために必要な国内外の友人や仲間から孤立することが危険なのだ。政治的な分断が奏功する場合もある。だが、それによって大統領職を失うことになっては元も子もない。

トランプ新大統領特集

トランプ大統領の入国拒否、何が狙いか?
米のテロ犯、入国禁止の7カ国より国内出身者多し
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwilv5uogOrRAhUDxbwKHU4cCC4QqOcBCBwwAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12107231265257393585504582590621956122752&usg=AFQjCNEgADJRmMw8gRTc1Mk5N9l7iCq8pw

http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/656.html

[国際17] イラン出身グーグル幹部、米大統領令の衝撃  米国の永住権を持つサナーズ・アハリさんは次にいつ両親に会えるか分からない 
イラン出身グーグル幹部、米大統領令の衝撃
米国の永住権を持つサナーズ・アハリさんは次にいつ両親に会えるか分からない

グーグル幹部のサナーズ・アハリさんは、トランプ大統領の大統領令によって自らの生活に大きな支障をきたしていると話す PHOTO: MARCIO JOSE SANCHEZ/ASSOCIATED PRESS
By
JAY GREENE
2017 年 1 月 30 日 17:48 JST
 イラン出身で米国の永住権を持つグーグル幹部サナーズ・アハリさん(34)は現在、妊娠37週で、近く両親に孫の誕生に立ち会ってもらうことになっていた。
 しかし、それはもう無理なようだ。
 ドナルド・トランプ米大統領は27日、イラン、イラク、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエメンのイスラム圏7カ国の市民の入国を少なくとも90日間禁止する大統領令に署名した。連邦判事は28日、大統領令の一部執行を差し止める判断を下したが、事態は依然、不透明だ。

グーグルの製品管理担当ディレクターを務めるサナーズ・アハリさん PHOTO: SANAZ AHARI
https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-RV733_0128te_E_20170128232252.jpg

 米アルファベット傘下グーグルの製品管理担当ディレクターを務めるアハリさんは、イランの首都テヘランで生まれた。グーグルが今回の大統領令を受けて連絡を取った従業員187人の1人だ。米国から出国しないよう会社から助言されたという。
 シアトル在住だが、国境を越えて両親に会いに行くことはできない。米国に再入国できなくなる可能性があるためだ。車で2時間の場所にあるカナダのブリティッシュコロンビア州バンクーバーに住む両親も、自分に会いに来ることができなくなることをアハリさんは心配している。「私の人生は一晩で知らないうちに一変してしまった」
 アハリさんは1996年、家族と共にカナダに移住し、市民権を得た。8年後、ビクトリア大学でコンピューター科学の学位を修め、特殊技能職に認められる米国の就労ビザ「H-1B」を取得。その後、米国で恒久的に生活して働くためにグリーンカードを取得した。
 米国人と結婚しており、2人には1歳半になる娘がいる。しかしアハリさんはイラン出身のため、大統領令によって渡航が制限されるもようだ。大統領令が出されたとき、国外にいなくてよかったと思ったという。出国していれば家族の元に戻れなくなっていた可能性があった。
 「ここが私の家。ここが私の家族のいる場所」と言う。
 アハリさんは穏やかな口調で自らの運命に関する衝撃について語った。グーグルの幹部の1人として、世界的な広告効果測定事業の一部を率いている。「私はこの国に意義ある形で貢献している」と言う。
 年に1、2回外国に出張するほか、両親を訪ねたり、ブリティッシュコロンビアのウィスラーにスキーに行ったりするなど休暇で頻繁に外国を訪れている。今年の夏は家族で欧州旅行に行こうと考えていた。
 だが今は次に何が起こるか分からない。米国とイランの関係は緊張状態にあることから、アハリさんは大統領令が恒久化することを恐れている。
 そうなれば両親が長い間、2人の孫に会えなくなる可能性がある。「トンネルの向こうにたくさん光があるようには見えない。無力に感じる。とてもつらい」
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http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/657.html

[経世済民118] 中国オンライン融資市場で起きたデフォルトの衝撃 中国企業の海外買収が減速−投資の規制強化 アップルの圧倒的な利益率に陰り
中国オンライン融資市場で起きたデフォルトの衝撃

コスンのデフォルトは中国のオンライン金融サービス業界にさまざまな形で打撃を与えたPHOTO: QILAI SHEN/BLOOMBERG NEWS
By
JAMES T. AREDDY
2017 年 1 月 30 日 17:48 JST
 【上海】携帯電話機などの生産を手掛ける中国の僑興集団(コスン・グループ)が約1億6600万ドル(約190億円)相当の債券でデフォルト(債務不履行)を起こしたことの影響は、世界最大の中国オンライン投資市場全体に波及し、同社の債券を購入したことのない投資家にまで打撃を与えている。
 無秩序に拡大する中国のオンライン金融会社ネットワークだが、コスンほど名を知られた会社のデフォルトは、過去にほとんど例がなかった。
 また、中国の電子商取引大手アリババ・グループ・ホールディングも、このデフォルトによって面目を失った。この債券が売られた市場を関連会社のマ蟻金融服務集団(アント・フィナンシャル・サービシズ・グループ)が運営しているためだ。中国では数億人の人々が預貯金からより多くのリターンを得ようと、携帯電話を使って高リスクで規制が緩い投資商品を購入しており、リスクが高まっている。
 投資資金を突然取り戻すことができなくなった投資家の1人、公務員のリュー・ビンさん(29)は、コスンの債券を買ったわけではなかった。アントのサイトでピアツーピア(個人間)の融資をしたのだが、借り手が担保にしたのがコスンの債券だったのだ。
 リューさんは、アントのサイトで提案された融資に自分の資金を振り込んだ。この時利用したのは、アントの最もよく知られたサービスであるオンライン決済システムの支付宝(アリペイ)だった。リューさんは「アリペイのブランドを信頼した」と述べた。リューさんの投資契約を調べたところ、コスンの債券が融資の担保になるとは明記されていなかった。

オンライン金融会社は複雑なネットワークを構成しており、デフォルトの影響の波及の仕方も一筋縄ではいかない
 アントのコメントは得られていない。ただコスンが最初にデフォルトを起こした後、アントの広報担当者は、同社はユーザーがアントを信頼するのが当然とは考えておらず、顧客の投資資金を守るために尽力したと述べた。また、これはサードパーティーのデフォルトだとの認識を示した。
 ネットバンキング、資産運用、その他の金融サービスを扱うアントは、業界の支配的な地位にある。一部のアナリストは同社の価値を約700億ドルと見積もっており、近いうちに1000億ドルを超える可能性があると予想している。これはゴールドマン・サックス・グループの現在の時価総額約950億ドルを上回る水準だ。
 アリババの共同創業者である馬雲(ジャック・マー)氏はアントの経営権を握っている。両社は厳密には別会社だが、アントのアリペイを通じて結びついている。アリババのネット通販サイト、淘宝網(タオバオ)での売り手と買い手は、資金のやり取りにアリペイを利用している。
 コスンの債券デフォルトの数週間後、リューさんをはじめ痛手を受けた一部の投資家は、債券を保証していた保険会社から投資資金を全額取り戻した。この保険会社は「社会的責任」を果たすために投資家に資金を返還したと述べた。この発言は、この出来事による政治的な副作用を食い止めたいとの考えの表れとみられる。
 だが、これでは問題の最終的な責任がどこにあるのかという本質的な問いの答えにはならない。規制が実態に追いついていないため、こうした問題がオンライン金融サービス業界でさらに増えるだろうと警鐘を鳴らす政府関係者もいる。
 コスンの創業者、ウー・ルイリン氏が保有する他の事業は、米国と香港の証券当局から会計処理が疑わしいと指摘され、そのうち3社が米国と香港の証券取引所で上場廃止になっている。

https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwiZsY35gerRAhWIy7wKHTuqAlUQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12107231265257393585504582590790977974590&usg=AFQjCNFwrHi6MSTuXphcEeWSmSJrGrgJaA

中国企業の海外買収が減速−対外投資の規制強化で
中国化工集団によるシンジェンタの買収計画は棚上げ状態にある(写真は上海で開催された展示会の同社ブース)

By KANE WU AND JULIE STEINBERG
2017 年 1 月 30 日 17:10 JST

 中国企業による海外企業の買収が減速している。中国政府が資金流出規制や海外買収への監視を強めていることに加え、他国政府も中国からの投資に一段と目を光らせていることが背景にある。

 複数の銀行関係者によると、中国企業が2016年に発表した買収計画は過去最高の2250億ドル(約25兆7300億円)相当に達したが、その多くが現在、資金や規制の面で障害にぶつかり棚上げ状態にある。中国化工集団(ケムチャイナ)によるスイスの種子・農薬大手シンジェンタの買収計画(430億ドル相当)もその一つだ。欧州連合(EU)の独占禁止法当局の役割を担う欧州委員会は今月4日、同計画の承認の是非を巡る判断期限を再び延長し、4月までとした。

 中国企業の買収計画は次々に暗礁に乗り上げている。ディールロジックによると、中国企業が16年に発表した海外買収計画の総額は前年の2倍を超えたが、中止案件は前年の約7倍に増え、383億9000万ドル相当に上った。同じくディールロジックによれば、中国企業が海外企業の買収を完了するまでに要した平均日数は昨年1年間を通して少しずつ増え続け、11月と12月は140日超と過去最長となった。

 買収ペースが鈍化している大きな要因の一つは、海外への資金流出を抑えるために中国規制当局が国内企業による海外企業買収への監視を強めていることだ。

 規制当局の承認が得られるかがはっきりしないため、海外買収案件を冷めた目で見始めた投資家もいる。プライベートエクイティ会社の春華資本集団(プリマベーラ・キャピタル)の創業者兼董事長(会長)、胡祖六氏は「不確実性の高まりに伴い中国の投資家が警戒感を大幅に強めていることは間違いない」と語った。春華資本集団は、取りやめとなった中国の安邦保険集団による米スターウッドホテル&リゾートワールドワイドの買収案件に関わっていた。140億ドルという同案件の提示額は、16年の中止案件の中で最大だ。

 世界のM&A(企業の合併・買収)にはサイクルがあり、中国企業の規模や資金力、野心などを考えると、海外企業買収は恐らく小休止しているだけで、このまま消えてしまうことはなさそうだと投資家らは言う。

 一部の中国企業は依然、小型の買収計画を発表している。電子商取引大手、阿里巴巴里集団(アリババグループ)傘下のマ蟻金融服務集団(アント・フィナンシャル・サービシズ・グループ)は26日、国際送金サービス大手の米マネーグラム・インターナショナルを8億8000万ドルで買収することで合意した。また、カナダの製薬会社バリアント・ファーマシューティカルズ・インターナショナルは今月初め、傘下のデンドレオンが手掛けるがん治療薬事業を中国の複合企業、三胞集団(サンパワー・グループ)に8億2000ドルで売却することで合意した。

 国有の中国建設銀行の王洪章会長は今月、香港でのイベントで、「長期的には、中国企業の海外買収の流れは(現在実施されている外貨統制の)影響を受けないはずだ」と述べた。同行は安邦保険集団のスターウッドホテル買収案など、多くの海外買収案件に融資を行っている。

 とはいえ、今のところ中国企業は海外買収に慎重姿勢を強めている。特に当局の監視が最も厳しい大型案件には及び腰だ。

 事情を知る複数の関係者やウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が確認した文書によれば、中国企業による海外企業の買収は、100億ドルを超える全取引と10億ドル超の取引の一部について、商務省や国家発展改革委員会(NDRC)などから事前に承認を得る必要がある。また、複数の関係者によると、当初承認されたにもかかわらず当局の審査のやり直しで保留となり、買収完了が遅れる案件も多い。

 一方、中国企業の買収案件には引き続き海外の規制当局から監視の目が注がれている。オーストラリア政府は今月、港湾や電力などインフラ基盤に対する中国企業の投資が急増していることを受け、海外からの投資に伴う安全保障上のリスクを評価するための新たな機関を設立すると発表した。また、事情を知る複数の関係者によると、安邦保険集団による米中堅生保フィデリティ・アンド・ギャランティー・ライフ(アイオワ州)の買収計画(15億7000万ドル相当)は、同州当局が求める情報開示に応じていないとして1年余り棚上げされている。

 銀行関係者や弁護士らによると、確実に資金を受け取れるよう海外のエスクロー勘定に買収案が流れた場合の違約金を払い込むよう求める売り手が多い。こうした取り決めはこの1年で一般的になったという。中国の複合企業、海航集団(HNAグループ)は昨年10月、米ヒルトン・ワールドワイド・ホールディングスの株式25%を米投資会社ブラックストーン・グループから65億ドルで取得する計画を明らかにしたが、合意に伴い違約金5億ドルを米国の銀行口座に預けた。

 中国化工集団はシンジェンタの買収で合意する前にすでに多額の負債を抱えていた。複数の関係者によると、こうした重債務への懸念から、国有銀行1行が買収資金の融資を見送った。中国化工はHSBCホールディングスや中信銀行などから330億ドルの融資を取り付けた。大手国有銀行からの強い後押しがなかったため、投資家の間では中国政府がこの案件を全面支援しているのか疑問が浮上した。

 この買収計画は16年8月、ここ数年で中国企業による買収案件を幾つも阻止してきた対米外国投資委員会(CFIUS)から承認を得た。一方、欧州委員会は同計画の承認判断期限を2回延期し、売却すべき資産があるかどうか審査中だ。 

 ある関係者によると、中国商務省のゴーサインもまだ出ていない。NDRCが現在この案件を審査しているかは不明だ。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjyxPSCgurRAhUMabwKHUfXAgAQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11303642310634324165204582590743175402590&usg=AFQjCNE35CPm1S3fsP7YnAxMLUBGz_Tpow


 


アップルの圧倒的な利益率に陰り 31日決算発表
アップルのスマホ事業は巨大な上に成熟しているため、同社がかつて経験したような急成長を今後も達成することは難しくなっている
アップルのスマホ事業は巨大な上に成熟しているため、同社がかつて経験したような急成長を今後も達成することは難しくなっている PHOTO: NG HAN GUAN/ASSOCIATED PRESS
By DAN GALLAGHER
2017 年 1 月 30 日 16:23 JST

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

***

 米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の次の機種がどんなものになるかを推測するには時期尚早だが、アップルにとってもユーザーにとってもコスト面について考えるのに早すぎることはない。

 初代機種発売から10年が経ち、その間にアップルは何度か大幅な機能の更新を行ってきた。アイフォーンは6500億ドル以上の売り上げを稼ぎ出し、アップルを時価総額世界一の企業に押し上げた。しゃれたデザインや使いやすさによって、アイフォーンは高価でその上利益率の高い電子機器として業界他社の羨望(せんぼう)の的になっている。

 この利益率が、投資家にとってのアップルの魅力だ。だが、アイフォーンの売上げの伸びが鈍り、スマホ市場での競争力を維持するために必要なコストが高止まりしているため、利益率には下押し圧力がかかっている。バーンスタイン・リサーチのアナリスト、トニー・サコナッチ氏は、アイフォーンの粗利益率は過去5年間で15ポイント落ち込み、2016年度は40.8%と推計している。

 この水準は依然として競合各社を大きく上回っているが、アップルのスマホ事業は巨大な上に成熟しているため、同社がかつて経験したような急成長を今後も達成することは難しくなっている。

 このため、アップルが第4四半期(2016年7-9月期)決算を発表した後、株価は数日間で8%以上下落した。第1四半期(10-12月期)の粗利益見通しが期待はずれだったためだ。同社のルカ・マエストリ最高財務責任者(CFO)は、理由の1つとして、同社の新製品の「コスト構造」を指摘した。

アップルの粗利益率の推移

 10-12月期決算は31日に発表される。同社の1-3月期の粗利益率見通しは、前年同期の39.4%から38.7%に低下すると予想されている。

 アップルは、アイフォーン発売10周年となる今年、大幅な機種更新を準備していると観測されている。うわさでは、OLED(有機発光ダイオード)ディスプレーを採用し、本体はオールガラスにすると言われている。

 アップルは口が固く、新機種についての詳細な情報を得るのは難しい。だが、新機種の製造コストは決して安価ではなさそうだ。アップルは今年すでに、前年度比25%増となる160億ドルの資本投資計画を決定している。これら資本のほとんどは、製造を担当するパートナー企業の生産設備などに利用される見通しだ。

 アップルは利益拡大に向け、ほかの施策も推し進めている。米半導体大手クアルコムやフィンランドの通信機器大手ノキアに対する訴訟は、明らかに重要部品メーカーに払う特許料の減額を狙ったものだ。また、同社はコンテンツやアプリ販売といったサービス部門の構築も引き続き模索中だ。マッコーリーのベン・シャクター氏は、サービス事業の平均粗利益率は約73%と見積もっている。

 そうは言ってもアップルはやはりデバイス・メーカーだ。デザインと機能を融合させる同社の能力は図抜けている。だが、そのために必要なコストは高くなりつつある。

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http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/487.html

[経世済民118] 黒田総裁悩ます「トヨタとトランプ大統領」 消費増税、物価目標達成後が望ましいシムズ FRB巨大バランスシートへの対応検討
黒田総裁悩ます「トヨタとトランプ大統領」

By WILLIAM PESEK
2017 年 1 月 30 日 17:15 JST
 日本銀行の黒田東彦総裁にとって、30?31日に開催する金融政策決定会合は形だけのものだ。出席者を見渡し、そのインフレと経済成長に関する評価を聞いた上で、超金融緩和政策を維持するだろう。

 なぜなら、黒田総裁が目を向けているのは、日銀のはるか西にあるトヨタ自動車の本社だからだ。その理由の1つは賃金だ。日本中の企業幹部は慣例をこよなく愛しており、トヨタが160億ドル(約1兆8300億円)以上に上るとみられる利益を社員と分け合うことほど、日銀を含め多くの企業に感動を与えることはないだろう。黒田総裁がいまいち浮かない顔をしているのは、歴史的な金融緩和の恩恵を受けているトヨタをはじめとする大手企業が利益の分配を渋っているためだ。

 黒田総裁の胸算用でトヨタが中心となっているもう1つの理由は、ドナルド・トランプ米大統領の存在だ。

 メキシコを巡るドタバタ劇は、東京や大阪、そして(トヨタの本社所在地である)豊田市では見過ごされることはなかった。トランプ政権はメキシコからの輸入品に20%の関税を課す方針を示したかと思ったら、心配する必要はないと述べた。トランプ氏が貿易戦争をちらつかせているもう1つの経済大国が権勢を振るうアジア地域はどうなるだろう。たとえ貿易摩擦が起きなくても、中国の先行き不透明感は黒田総裁にとって懸念材料の1つだ。だがトランプ氏はツイッターでたたくブラックリストにトヨタを加えるなど、個別攻撃の色彩を強めている。

 トヨタはすぐに白旗をあげ、トランプタワーにはせ参じた安倍晋三首相を見習った。同社は(マイク・ペンス副大統領の地元である)インディアナ州の工場に6億ドルを投じ、新たに400人を雇用すると発表した。しかし、トヨタの品質と価値に対する定評は今年と来年、「日本株式会社」を危険にさらす可能性がある。日本は米国車に関税をかけていない。だがトランプ氏は、日本は「われわれが日本で車を販売するのを不可能にする行動を取っているにもかかわらず、私がこれまでに見た中で最も大きな船に数十万台の車を乗せて米国で販売しているのは不公平だ」と述べた。

 日本政府はこのような「代替的事実(alternative facts)」にどのように対処するのだろう。安倍首相はどんなに頑張っても、日本国民に米国車を購入するよう説得することなどできない。たとえトランプ氏がドルを積極的に切り下げても、米国車は「フォルクスワーゲン」や「ミニクーパー」「フィアット」に負けるだろう。正直言って、米自動車メーカーの2015年の日本での販売台数が1万9000台近くだったと知ってちょっと驚いた。実は、もっと少ないと思っていたからだ。

 安倍首相がその数字にすぐに0を1つ加えることができないことをトランプ氏が知ったら、腹を立てるだろう。日本に対する大統領の見方は昔のままだ。トランプ氏は、1980年代の日本企業による米国企業の買収や市場進出などを描いたマイケル・クライトン氏の小説「ライジング・サン」をノンフィクションとして読んだようだ。

 当然のことながら、トランプ氏が中国政策をどのように展開するか考えている投資家は、過去の日米貿易摩擦について学んでいる。1990年代にはビル・クリントン大統領が、十数種類の日本車に100%の関税を課すと脅しをかけたこともあった。

 黒田総裁が今週取るべき行動はバランスをとることだ。たとえ総裁が追加刺激策を打ち出さなくても、日銀はそれが円高につながらないよう気を付けなければならない。トランプ氏が大統領選で当選してからの円安は、日本の量的緩和政策の狙いの1つだ。さらに市場では、日銀が大規模な債券購入プログラムを縮小するのではないかとの臆測が広がっている。10年物国債利回りが急上昇し、円相場を押し上げ、すでに弱気に傾いている銀行関係者をろうばいさせる恐れもある。

[訂正]第4段落の「豊田市ではほとんど注目されなかった」を「豊田市では見過ごされることはなかった」に訂正します。

原文(英語): Bank of Japan Has a Toyota Problem

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消費増税、物価目標達成後が望ましい=シムズ米プリンストン大教授

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 1月30日、金融政策の限界論を提唱し、注目されている米プリンストン大のクリストファー・シムズ教授(写真)は都内でロイターの取材に応じ、財政・金融政策の一体運営の重要性を強調し、消費増税は財政再建のために必要であっても、2%の物価目標達成後に実施するのが望ましいと主張した。写真は30日、都内で撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)
 
[東京 30日 ロイター] - 金融政策の限界論を提唱し、注目されている米プリンストン大のクリストファー・シムズ教授は30日、都内でロイターの取材に応じ、財政・金融政策の一体運営の重要性を強調し、消費増税は財政再建のために必要であっても、2%の物価目標達成後に実施するのが望ましいと主張した。

日銀も当面、現在の低金利継続が必要と強調した。今回の来日中に安倍晋三首相と会う可能性は否定しなかったが、現時点で予定はないという。

シムズ教授は、2011年にノーベル経済学賞を受賞した米経済学者。昨年夏に米ジャクソンホールで、ゼロ金利制約下では金融政策のみでは物価を十分にコントロールできず、財政政策が重要な機能を果たすという趣旨の講演を行い、世界的に注目を集めた。

同教授は「ゼロ金利制約下では金融政策が機能しないため、財政政策と金融政策が連携するのが望ましい」とし、「2%の物価目標を達成するまで、消費税率引き上げのような財政緊縮策は取るべきでない」と提言した。

このためアベノミクスは「2014年の消費増税がなければ、もっとうまくいっていた」と述べた。

20年間続くデフレから脱却するためには「財政政策を物価目標の達成と連関付けるべきだ」とした。「財政拡大とは、単に支出を増やすということではなく、人々に債務の一部は物価上昇で相殺されるとの期待を認識させることだ」と指摘した。

物価目標達成までに日本がとるべき財政刺激策の具体策については「専門ではない」として明言しなかった。

ただ、「物価目標との関連から消費税(増税延期)の方が所得減税より説明は難しくないだろう」と指摘した。

<PB黒字化より物価目標達成を>

日本政府が2020年度の達成を掲げる基礎的財政収支(PB)の黒字化は「大切だが、2%インフレ目標の達成を優先すべき」と主張。デフレが経済的に悪であるか「理論的に説明するのは難しい」とする一方、「歴史的にデフレが経済成長に望ましくないことは知られている」とし、デフレ脱却の必要性を強調した。

日銀の金融政策運営をめぐっては「2%の物価目標達成まで利上げは望ましくない」と指摘した。消費増税が遅れることなどで、急激なインフレが起こる可能性については「日本ではこの質問が多いが、米国ではボルカー議長時代のFRB(米連邦準備理事会)による利上げの経験から、中銀の物価コントロール力が知られており、急激なインフレは起こらないだろう」との見方を示し、「むしろ物価上昇が、なかなか実現しないことが問題」との認識を示した。

今回の来日でシムズ教授は、現時点で安倍首相と会談することは決まっていないとしたが、首相の経済アドバイザーである内閣官房参与の浜田宏一米イエール大名誉教授とは意見交換する機会があると述べた。

*写真を追加して再送します。

(竹本能文、スタンレー・ホワイト、麻生祐司 編集:田巻一彦)

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http://jp.reuters.com/article/interview-sims-idJPKBN15E135?sp=true


 

FRB、巨大バランスシートへの対応を検討
FRBのイエレン議長は、利上げが「軌道に乗れば」保有債券を減らす方針を示している


By MICHAEL S. DERBY
2017 年 1 月 30 日 16:05 JST

 米連邦準備制度理事会(FRB)当局者らは追加利上げをいつ行うべきか熟考しつつ、別の重大な政策判断について検討し始めている。その判断とは、FRBが大量に保有する住宅ローン担保証券(MBS)と米国債の規模縮小を2017年中に始めるかどうかだ。

 FRBが保有する長期債などの資産規模は、金融危機直前の07年には1兆ドルを下回っていたが、現在は4兆4500億ドル(約510兆円)まで膨れ上がった。これら資産を大量に買い入れたことで、長期金利の抑制を通じて経済成長を後押しできた、というのがFRBの考えだ。

 米経済が金融危機やリセッション(景気後退)の後遺症を克服しつつあることを受け、FRBは既に利上げを開始している。FRBのジャネット・イエレン議長は、利上げが「軌道に乗れば」保有債券を減らす方針を示している。FRBの資産規模を危機前の正常とされる状態に戻したいと考える当局者は多い。

 この決断には大きなリスクが伴う。保有債券を減らせば、金融市場に動揺が広がり、米国債やMBSの利回りは上昇しかねない。そうなれば、経済全体に影響が拡大する。

 FRB当局者はバランスシートを縮小した経験がないため、それに市場がどう反応するかは知る由もない。だが、投資家の変わり身の早さはよく知っている。FRBが13年に債券買い入れの終了を示唆した際、金利は上昇し、新興国市場が打撃を受けた。これは今「テーパリングかんしゃく」として知られる出来事だ。

 FRBは1月31日?2月1日に開く次回の連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を据え置き、債券買い入れも現状維持とすると予想されている。

 FRBのバランスシートを巡る議論はまだ初期段階だが、イエレン議長はこれを念頭に置いている。議長は19日のスタンフォード大学での講演で、FRBの債券保有による景気刺激効果は、保有債券の規模を縮小する時期が近づくにつれて薄くなっていくと指摘した。議長はこの講演原稿の脚注で、FRBが保有債券の規模縮小を始めるとの期待が高まれば、長期金利は上昇する可能性があると述べている。それこそが慎重に事を進めなければならない理由だ。

 ニューヨーク連銀が昨年12月に行ったプライマリーディーラー(米政府公認証券ディーラー)調査では、FRBがあと1年半はバランスシートの規模を維持するとの見方が示された。

 だがこのところ、バランスシートの縮小を始めるのは17年中が妥当との発言が一部のFRB当局者から出ている。セントルイス地区連銀のジェームズ・ブラード総裁は12月に行われたウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のインタビューで、17年はバランスシートの縮小を開始する時期として「ふさわしいかもしれない」と述べた。

 フィラデルフィア地区連銀のパトリック・ハーカー総裁は20日、FRBは「年内に」政策金利を1%超まで引き上げるべきだと述べた。そこまで利上げすれば、バランスシートの縮小開始を容認することが「次の措置」になるだろうと述べた。

 ボストン地区連銀のエリック・ローゼングレン総裁もバランスシート縮小に前向きな考えを示している。

 イエレン議長は12月、バランスシートの縮小を始める時期について「われわれはまだ明確な決定を下していない」と述べた。

 FRB当局者は、政策手段として最も慣れ親しんだ政策金利の引き上げを当面は優先する考えを示している。また、景気が再び悪化した際に、景気刺激のため必要に応じて利下げする余地を十分残しておきたいとも考えている。

 当局者らがバランスシートに関する計画について議論を始めた理由はいくつかある。

 一つは、バランスシートをこれ以上拡大することに政治的な支持は得られないと考えているためだ。政策金利に関する理屈と同じように、バランスシートを縮小しておけば、将来的に景気浮揚のためバランスシートを拡大する必要が生じた時点でそれを実行する余地が生まれる。

 利上げはドル相場の押し上げを通じて、輸出を抑制したり、足元でFRBが目標とする2%を下回っているインフレ率を圧迫したりすると懸念する声もある。利上げする代わりにバランスシートを縮小すれば、通貨高という代償を負わずに金融環境を引き締めることができる。

 どのような手法でバランスシートを縮小するかについては多くの疑問が残る。FRB当局者は以前から、保有債券を売却すれば市場が混乱しかねないため、売却はしない考えを示している。当局者はむしろバランスシートを縮小する上で、満期債券の償還金を新発債に投じる「再投資」の取り組みを見直すだろう。

 その具体的な方法は限られている。「再投資を全てやめる」とか「再投資額を徐々に減らす」といった方法が考えられるが、まずは長期債の償還金を短期債に再投資することから始めるかもしれない。

 バランスシートをどこまで縮小すれば良いかも決まっていない。ハーカー総裁は「この問題に関する話し合いと調査を積極的に行っている」と述べた。

 FRBのエコノミストであるエリン・サイロン、キム・スジョン、バーンド・シュルシュの3氏は、FRBのバランスシートが25年までに2兆7000億ドルへ縮小するとの予想を示した。

 前FRB議長のベン・バーナンキ氏は、FRBは巨大なバランスシートを維持すべきで、縮小するとしても緩やかなペースにとどめるべきだと主張した。

 バーナンキ氏は26日付のブログで、FRBの金融政策の運営方法が変わったことや市場および経済のその他の変化を考えれば、バランスシートの「最適な規模」は現時点で2兆5000億ドル超、今後10年では4兆ドル以上に達する可能性があると述べた。

 「ある意味、米経済は4兆5000億ドルというFRBのバランスシート規模に見合う姿へと『成長』しつつあり、従って向こう数年間でバランスシートを急いで縮小させる必要性は低下している」と同氏は述べた。

関連記事

FRBのバランスシート、大幅な縮小は不要かも=前議長
米FRB特集

https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjzhrqFgurRAhWMVLwKHQ7eAjcQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11303642310634324165204582590653337833654&usg=AFQjCNFgVgNho8E4CEwu-tDmHOMyt7Rx5A
http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/490.html

[国際17] コラム:TPP撤退でトランプ大統領が語らなかったこと  中国政府にとっては好都合
コラム:TPP撤退でトランプ大統領が語らなかったこと


Robert Boxwell

[26日 ロイター] - トランプ米大統領は23日、彼の主要な選挙公約の1つを守った。それは環太平洋経済連携協定(TPP)からの撤退だ。

この決断による予期せぬ影響が懸念されており、TPP撤退が米国労働者を救うかどうかはさておき、大統領が何をやろうとしているのか、より多くの人々に、もっと丁寧に説明できていれば、この地域における米国の立場という点でプラスになるだろう。

筆者は25年にわたってアジアで生活し、働いている。現在見受けられる米国への不安感はよく分かる。人々は、何が起きようとしているのか知りたがっているのだ。

大統領就任後、初めての月曜日を迎えたトランプ氏は執務室のデスクに座っていた。後ろにはペンス副大統領をはじめ、バノン首席戦略官、プリーバス大統領首席補佐官、今回新設した「国家通商会議」を率いるピーター・ナバロ氏らが控えている。

ナバロ氏がここにいるのは、ちぐはぐに見える。というのも、カリフォルニア大学の経済学者だったナバロ氏が高名を得たのは、中国政府が米国に与える脅威について米国民に警告を発したことによるものだ。TPPには知的財産権の保護、環境や労働条件が定められており、中国は実質的にこの協定から排除されている。

TPPに参加すれば、中国の製造企業はTPP加盟国が払っている費用と同じ負担を強いられることになり、これは中国政府が望んでいない状況だからだ(中国のTPP参加は常に歓迎されているが)。トランプ大統領はもちろん承知しているだろうが、米国が離脱すればTPPは成立せず、したがってTPPがもたらす公平な競争条件も失われることになり、中国政府にとっては好都合となる。

革製の書類フォルダーを手にしたプリーバス氏が前に出た。「ではさっそく、3件の覚書に署名しよう。最初は、TPPからの米国の撤退に関するものだ」

トランプ氏はペンに手を伸ばし、プリーバス氏からフォルダーを受け取った。最高責任者らしく文面にざっと目を通すと、首を傾げ、前にいる記者たちを眺め、顎をわずかに突き出して言った。「これが何を意味するかは皆分かるだろう。以前からずっと話していたことだ」

署名を終えた大統領は、「オーケー」と言い、カメラに映るように書類をかざした。トランプ氏のように目立つサインをするのであれば、筆者だってそれを見せようとするだろう。最後に大統領は、「米国の労働者にとって素晴らしいことだ、今私たちがやったのは」と結んだ。

事の顛末は以上だ。

問題は、これが何を意味するのか、実はだれも知らないということだ。トランプ氏はTPPについて「米国の製造業にとっての致命傷」と表現していたが、では米国が撤退した今、それに代わる何を用意しているのか、彼は多くを語っていない。

米国の変化について中国政府を悩ませるのがトランプ氏の狙いのようで、それには多くのメリットがあるだろうが、TPP交渉に参加していた他の11カ国を同じように悩ませても、これといって得るものはない。TPP交渉には米国にとって最も親しい同盟国でもある、オーストラリア、カナダ、日本やニュージーランドが参加していたし、それ以外の交渉参加国もすべて友好国である。

米国がTPP撤退というトランプ氏の決断に賛同するとしても、「素晴らしいこと」を実現するまでには、これから多大な努力が必要になる。エコノミストとメディアは、海外に流出した雇用は国内には戻ってこないし、戻ってくるとしても、そのほとんどはロボットが担うだろう、と主張している。この主張には幾分かの真実が含まれている。とはいえ筆者は、米国企業が負けた方がいいとは決して思わない。

先日、プライベートエクイティファンドに勤めていた友人は筆者に対し、彼の同業者が国内企業を買収して人件費の安い海外に生産拠点を移転させたことに文句を言い、「国内でモノを作るべきだ」と語った。彼はあらゆるモノをすべて国内で作るべきだとは言わなかった。だが、プライベートエクイティ業界やその同類である投資銀行関係者を富ませるために、米製造基盤の空洞化を招くことは、この国にとって決してよいことではない。

たとえば、中国は世界一低いコストで鉄鋼を製造できるかもしれない。だが、どこの政府がこの戦略的に重要な産業を中国政府に譲り渡すだろうか。

トランプ政権が貿易関連政策を具体化するなかで、単にライバルの競争力を弱めるために関税を引き上げるだけではなく、適切な政策が政府から打ち出されるのであれば、米国企業はきっと課題に立ち向かうだろう。しかし米国企業は、新政権の通商政策がどのようなものになるのかを知る必要がある。不確実性があれば企業は動きにくい。もちろん、世界中の同盟国や友好国にとっても同じことだ。

トランプ氏が言うべきだったこと、あるいは、実際には彼のデスクに存在しなかった文書のなかに書かれるべきだったこと、それをここに記しておこう。なぜなら、彼が語りかけるべきは、敵意を抱いた記者たちではなく、世界全体だからである。

「これに署名する前に、いくつか言っておきたいことがある。前政権とともにこの協定の交渉に参加していた同盟国や友好国が、私たちのTPP撤退に落胆することは認識している。TPPのような国際条約には政府による批准が必要だが、私たちは批准に向かおうとしていない。それは少なからず、米国の人々がTPPに好意的でないからであり、私たちは、そして私は、これを進めるわけにはいかない。私の対立候補もTPPに反対していたことを思い出していただきたい」

「私たちは太平洋地域を捨てるわけではない。日本からオーストラリア、チリ、カナダに至るまで、またその途中の各国も含め、TPP交渉参加国すべてとの関係を重視し、これら諸国との貿易を拡大し続けていく。『米国を再び偉大に』というのは、いかなる意味においても友人たちを犠牲にするものではなく、長期的なコミットメントや友好関係が後退することを意味しない。TPPはもう存在しないが、貿易は今日と同じように明日も行われるだろう」

「何度も言ってきたように、私たちは、たとえ中国が相手であっても、貿易が好きだし、喜んでやっている。私たちはただ、貿易が公正なものであることを望んでいるだけだ。

リチャード・ニクソンが中国に対して友好の手をさしのべ、それとともに貿易を通じた経済支援を提供して以来、私たちは一貫して、公正と互恵を旨としてきた。だが、中国の政権はこれまで一度もそれに報いてくれなかった。今や変化のときが来た。

中国政府はルールに従っておらず、それが、中国の富裕層が国内外の他者を犠牲にして莫大な個人資産を築くことを容易にしてきた。私たちもその一部として犠牲になってきた。わが国からの輸出には関税を課し、わが国の企業の一部に参入を禁じ、ある部門全体から外国企業を締め出し、国内で外国人が事業を経営することをますます難しくしている、そういう体制だ。

彼らは、特にテクノロジー部門や、最近ではハリウッドにおけるわが国の成功企業を買収したがるが、自国では多くの産業において、外国人による100%の出資どころか過半数株式の保有すら認めない。そのほか数十もの産業においても、直接投資を制限ないし禁止している」

「米国とその同盟国・友好国は、戦後の世界における貿易、そして数十億の人々に恩恵をもたらしてきた国際機関の設立を主導してきた。米国はそうした役割を放棄する、あるいは国際貿易を阻害する意図はまったく持っていない。わが国の貿易のあらゆる側面を精査しており、私たちのあらゆる同盟国・友好国との相互に益ある貿易と安全保障を拡大していくことを期待している」

これはツイッターへの投稿ではない。米国の同盟国・友好国が、トランプ大統領自身の口から直接聞きたがっているメッセージだ。彼は現実には、国際貿易にとって悪いことをまだ何もやっていない。ただ、大きな不安を生み出しているだけである。トランプ氏から上記のようなメッセージの発信があれば、誰にとっても有益だろう。そしてそれは、早ければ早いほど望ましいのだ。

*筆者は経営コンサルタント会社オペラ・アドバイザーズ(クアラルンプール)取締役。

*本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。(翻訳:エァクレーレン)
 

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http://jp.reuters.com/article/us-tpp-trump-commentary-idJPKBN15E0IC?sp=true
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/658.html

[経世済民118] 日経平均の下げ幅が300円を超える 日銀、経済物価とも下振れリスク大 円買い優勢 麻生:間違いなく円安 勝組はFrとDb
日経平均の下げ幅が300円を超える

配信日時 2017年1月31日(火)12:37:01 掲載日時 2017年1月31日(火)12:47:01

 日経平均株価の下げ幅が300円を超えた。12時36分現在、302.40円安の1万9066.45円まで下落している。

市場ではトランプ大統領の入国制限に関する政治不安に関心が向かっており、欧米株一段安を警戒する声が多くなっている。


日銀展望レポート 中長期的な物価上昇率総じて下げ止まり

配信日時 2017年1月31日(火)12:23:00 掲載日時 2017年1月31日(火)12:33:00
経済・物価の中心的な見通し
経済
国内需要、企業・家計両部門において所得から支出への前向きな循環メカニズム持続し、増加基調
設備投資、緩やかな増加基調を維持
公共投資、経済対策効果から17年度にかけて増加、その後も高め水準維持
海外経済、先進国着実な成長、新興国経済回復
物価
中長期的な物価上昇率、適合的な期待形成の要素から弱含み続くも、各種調査から総じて下げ止まりの動き、上昇も見られる。
エネルギー価格が物価に対して押し上げに寄与
円安の動きの影響が物価上昇率に影響
マクロ的な需給バランスは労働需給の引き締まりからゼロ%程度で横ばい圏内も、足元では改善。
先行きは設備稼働率の改善に加え、経済政策の効果もあって16年度末にかけてプラスに転じ、その後はプラス幅拡大。
輸入物価、これまで下押し方向であった国際商品市場の下落の影響は16年度末に向けて剥落。その後はプラス方向に作用と予想。
既往の円高の効果が徐々に減衰、17年度入り後はこのところの円安の効果で物価上昇圧力。
http://klug-fx.jp/fxnews/detail.php?id=353177


日銀展望レポート1 18年度まで潜在成長率上回る成長続ける

配信日時 2017年1月31日(火)12:04:00 掲載日時 2017年1月31日(火)12:14:00
基本的見解 
海外経済成長率が緩やかに高まるもとで、極めて緩和的な金融環境と政府の大型経済対策の効果を背景に、18年度までの見通し期間を通じて、潜在成長率を上回る成長を続ける。
消費者物価(除く生鮮食品)はエネルギー価格の動きを反映して0%程度からプラスに転じたあと、マクロ需給バランスが改善、中長期的な予想上昇率も高まり、2%に向けて上昇。
渋滞見通しに比べて成長率については海外経済の上振れや為替相場の円安方向への動きを背景に幾分上振れ、物価については概ね不変。

日銀展望レポート2 経済物価とも下振れリスク大きい

配信日時 2017年1月31日(火)12:08:00 掲載日時 2017年1月31日(火)12:18:00
基本的見解続き
リスクバランスを見ると経済・物価とも下振れリスクのほうが大きい。2%目標に向けたモメンタムは維持されているが、なお力強さに欠け、引き続き注意深く点検必要。
金融政策運営については目標実現を目指し、安定的に持続するために必要な時点まで「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続。消費者物価指数が安定的に2%を超えるまでマネタリーベースの拡大方針を継続。物価安定目標に向けたモメンタムを維持するため、必要な制作の調整を行う。

円買い優勢、ドル円は113円台半ば

配信日時 2017年1月31日(火)11:35:00 掲載日時 2017年1月31日(火)11:45:00
中盤の東京外為市場では、円買いが優勢となっている。ドル円は、仲値に向けて、買い優勢となり、113円台後半まで上昇した。だが、仲値決定後は地合いを緩め、113円台半ばに水準を引き下げている。

USDJPY 113.57
http://klug-fx.jp/fxnews/detail.php?id=353177

麻生財務相:「間違いなく前半、円安・ドル高に振れていく傾向」
広川高史
2017年1月31日 11:08 JST

経済は生き物、トランプ政権という不確定要素も−麻生財務相
公明党の山本香苗氏が「いつまで続くか分からない」と指摘−円安

麻生太郎財務相は31日午前の参院予算委員会で、為替相場の動向について今年前半は円安・ドル高の傾向がしばらく続くとの見通しを示した。
  公明党の山本香苗氏が質疑で、2017年度税収の政府見積もりに関連し、「昨年の11月以降、円安と株高が続いており、そういう状況の中で税収を見込まれるという話だが、いつまでいわゆる状況というのは続くか分からない」と指摘した。
  これに対し、麻生氏は「経済は生き物でもあり、トランプという不確定要素が新しく入ってきている」と指摘。その上で、「今の状況でいけば間違いなく前半、円安・ドル高に振れていく傾向はしばらく続くであろうかなという感じは大方の予想と同じだ」と語った。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-31/OKMEAP6S972O01

 

勝ち組はフランクフルトとダブリンか−ロンドンからの金融業務移転で
Gavin Finch
2017年1月31日 12:52 JST

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• ゴールドマンとシティはフランクフルトを検討−関係者
• ザシティーUKによれば、全体で最大3万5000人の雇用が移転

英国の欧州連合(EU)離脱でロンドンが犠牲になり、フランクフルトとダブリンが最大の勝ち組となりそうだ。銀行各行はロンドンに代わる金融センターとして業務の移転先を探している。
  英国のスタンダードチャータードとバークレイズは隣国アイルランドの首都ダブリンをEUの中心拠点として選びそうだ。事情に詳しい関係者が明らかにした。
  米ゴールドマン・サックス・グループと米シティグループ、英ロイズ・バンキング・グループは、フランクフルトを検討していると別の関係者が語った。
  メイ英首相は1月、EU単一市場を2019年に撤退する方針を表明。英国がEU域内で自由に金融商品やサービスを提供できる「パスポート制度」の権利を失えば、ロンドンでの金融業務が狭められることになる。
  フランクフルトには欧州中央銀行(ECB)やドイツ連邦金融監督庁(BaFin)があるほか、ドイツ銀行が本店を置く。アイルランドは税率の低さや英語が通じること、英国と似た法規制を持つことが強みだ。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/ipa4.aVX4qHQ/v3/-1x-1.png

  ロビー活動団体ザシティーUKによれば、全体で最大3万5000人の雇用が移転となる可能性がある。
  英HSBCホールディングスのスチュアート・ガリバー最高経営責任者 (CEO)は1月、ロンドン投資銀行収入の約20%に相当するトレーディング業務をパリに移す可能性があると語った。
  米モルガン・スタンレーの幹部は、英EU離脱で最大の恩恵にあずかるのはニューヨークだろうと指摘。米金融機関は恐らく欧州から従業員を移すだろうと話した。
  日本勢では、大和証券グループ本社の日比野隆司社長が30日の記者会見で、英EU離脱に対応するための新拠点の候補地としてフランクフルトやダブリンを挙げた。
  クレディ・スイス・グループはダブリンでの事業拡大を検討している。事情に詳しい関係者が先週話した。同行のノレーン・ドイル取締役は24日にダブリンで記者会見し、ロンドン代替地の検証は「初期段階」だと説明した。
原題:What the World’s Biggest Banks Say About Fleeing Brexit-Britain(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-31/OKMHLR6JTSE801

 

日銀:金融政策は現状維持、長期国債買い入れ80兆円めども据え置き
日高正裕、藤岡徹
2017年1月31日 12:07 JST

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長期金利「0%程度」、短期金利「マイナス0.1%」をいずれも維持
事前のエコノミスト調査でも全員が現状維持を予想

日本銀行は金融政策決定会合で、昨年9月に導入した長短金利操作付き量的・質的金融緩和の枠組みによる金融調節方針の維持を決定した。四半期に1度の経済・物価見通しは、海外経済の改善や為替円安などを背景に実質成長率を上方修正する一方、物価はほぼ据え置いた。世界経済の改善を受けて、日銀は当面様子見を続けるとの見方が市場では強い。

  金融調節方針は、誘導目標である長期金利(10年物国債金利)を「0%程度」、短期金利(日銀当座預金の一部に適用する政策金利)を「マイナス0.1%」といずれも据え置いたほか、長期国債買い入れ(保有残高の年間増加額)のめどである「約80兆円」も維持した。指数連動型上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(J−REIT)の買い入れ方針も据え置いた。

  3月に期限が来る「貸出増加を支援するための資金供給」と「成長基盤強化を支援するための資金供給」などを1年間延長することを決定した。

  前会合に続き、木内登英、佐藤健裕両審議委員が長短金利操作等の金融調節方針に反対した。ブルームバーグがエコノミスト42人を対象に18−23日に実施した調査では、全員が現状維持を予想した。追加緩和期待は大きく後退しており、黒田東彦総裁の任期の2018年4月まで追加緩和はないとの見方が37人(88%)と圧倒的多数を占めた。

展望リポート

  経済・物価情勢の展望(展望リポート)では、世界経済の改善や昨年12月の政府の国内総生産(GDP)統計見直しを受けて、17年度の実質GDP成長率の見通し(政策委員の中央値)を1.5%増と昨年11月の前回見通し(1.3%増)から上方修正した。足元の景気は「緩やかな回復基調を続けている」、先行きは「緩やかな拡大に転じていく」との見通しを維持した。

  消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)前年比の見通し(同)は17年度が1.5%上昇、18年度が1.7%上昇といずれも前回見通しを据え置いた。物価が2%程度に達する時期は「見通し期間の終盤(18年度ごろ)になる可能性が高い」との見通しを据え置いた。

  政策委員見通しの中央値(単位%、カッコ内は昨年11月の見通し)
 16年度  17年度  18年度
CPI(除く生鮮)  -0.2(-0.1)  1.5(1.5)  1.7(1.7)
GDP(実質)  1.4(1.0)  1.5(1.3)  1.1(0.9)
 
  総務省が27日発表した昨年12月のコアCPIは前年比0.2%低下と10カ月連続減となったものの、原油高を背景にマイナス幅は前月(0.4%低下)から縮小した。
  昨年11月の米大統領選でのトランプ氏勝利以降、大規模な財政出動への期待から米長期金利が上昇、為替相場のドル高円安が進行していたが、足元では新大統領や新閣僚の発言により為替相場が振れる展開が続いている。ドル円相場は会合結果の発表前は1ドル=113円半ば近辺で取引されていたが、発表後はやや円高に振れている。
緩和観測は沈静化、利上げ観測が浮上
  世界経済の改善や円高修正を受けて追加緩和期待がしぼむ一方、コアCPI前年比が今年末から来年初にかけて1%に達するとの見方から、引き締め方向の見方が徐々に増えている。ブルームバーグ調査では、黒田総裁の任期中に長期国債買い入れ増加ペースのめどを減額、ないしめどの公表自体を取りやめると予想したのが24人、長短金利操作の下でターゲットである長期金利を引き上げるとの予想は15人に達した。
  しかし、事情に詳しい複数の関係者によると、日銀は物価上昇率がたとえ1%に達しても、長期金利の誘導目標引き上げには慎重なスタンスで臨む構えだ。2000年のゼロ金利政策の解除や、06年の量的緩和政策の解除とそれに続く2度の利上げが時期尚早だったと批判を浴びた経験から、日銀内では金融引き締めを急ぎ過ぎるリスクが強く意識されているためだ。
  明治安田生命保険の小玉祐一チーフエコノミストはブルームバーグ調査で、「いずれは長期金利の操作目標を柔軟化する」としながらも、「黒田総裁の任期中はない」とみている。
  黒田総裁は午後3時半に定例記者会見を行う。決定会合の「主な意見」は2月8日、「議事要旨」は3月22日に公表する。決定会合や金融経済月報などの予定は日銀がウェブサイトで公表している。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-31/OKD6B16S972901


http://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor1701a.pdf



http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/503.html

[経世済民118] バフェット氏の朝食は2.95ドル、マクドナルドで 今後10兆円超、既に2。5兆円寄付 米大統領選後1.36兆円株買
バフェット氏の朝食は2.95ドル


人柄が垣間見えるHBOのドキュメンタリー番組
https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-RW133_B_J_20170130025220.jpg
ウォーレン・バフェット氏 PHOTO: JAMIE MCCARTHY/GETTY IMAGES
By ANDREW BARY
2017 年 1 月 31 日 09:22 JST
? バフェット氏を特集したドキュメンタリー番組

 大統領選以降、市場はウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイを代表的なトランプ銘柄とみなしたようだ。クラスA株(BRK.A)は昨年11月8日以降で11%上昇しているが、まだ上値余地がある。株価純資産倍率(PBR)は昨年9月末時点の簿価に対して1.5倍だが、本誌が予想する3月末時点の自己資本に基づくと、保有する株式ポートフォリオの価値上昇を反映して1.4倍となる。

 最高経営責任者(CEO)であるバフェット氏の功績は、言うまでもなくビジネス史上最高の偉業である。1965年に経営難に苦しんでいた小さな紡績企業の経営権を握り、今やアップル(AAPL)、アルファベット(GOOGL)、マイクロソフト(MSFT)に次ぐ、時価総額4000億ドルを超える複合企業に発展させた。この間に株価は1万2000倍以上に上昇している。

 1月30日、投資の世界では伝説となった86歳のバフェット氏を特集した90分のドキュメンタリー番組「Becoming Warren Buffett」がケーブルテレビ局のHBOで放送される。驚くような新事実が明らかにされることはなく、バフェット氏本人は投資について真面目に話しているが、3人の子供たち、バークシャーで長年パートナーを務めるチャーリー・マンガー氏、マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツ氏などが、バフェット氏の思慮深くユーモアのある人柄について語っている。

 例えば、バフェット氏は毎朝、自ら運転する車(2014年型キャディラックXTS)での通勤途中にマクドナルドに寄って朝食を買っていくのだが、ダッシュボードに置いたカップの中に妻が2.61ドル、2.95ドル、3.17ドルのいずれかを入れておいてくれる。その金額によってその日の注文が決まる。取材の日は2.95ドルで、ソーセージマフィンに卵とチーズを追加した。「今日の市場はあまり良くないようだ。3.17ドルのベーコンエッグマフィンとチーズビスケットはお預けだ」そうだ。そして、オフィスに着くと大好きなコカコーラと一緒に流し込む。

 また、ゲイツ氏の父親が息子とその友人であるバフェット氏に成功の秘訣を一言で表すと何か尋ねた時、2人とも「集中」と答えたという。バフェット氏は誠実であることについて、「名声を築くには20年もかかるが、わずか5分で失ってしまう」と語る。

 バフェット氏は、師と仰ぐ経済学者ベンジャミン・グレアム氏の二つの投資ルールを常に心掛けている。「一つ目は決して損をしないこと、二つ目は一番目のルールを決して忘れないこと」だそうだ。

 1日に5〜6時間の読書を欠かさず、オフィスでは面倒な事務仕事や委員会はなく、ミーティングも最低限しかしない。確実に歳を取ってきており、肉体的には「減価償却はかなり進んでいて、残存価額に近い」と言うが、大好きな仕事を辞める気はさらさらなく、「仕事は競争するゲームのようで、楽しくて仕方がない」と語る。

 バフェット氏はこれまでに総額243億ドルを慈善事業(大半はビル&メリンダ・ゲイツ財団)に寄付している。保有するバークシャー株の価値は720億ドルに上るが、いずれは全額を寄付すると思われる。バークシャーの株価上昇を考えると、寄付総額は1000億ドルを超えることだろう。

? 大学基金は株価指数に投資すべき

 ハーバード大学基金は先週、内部と外部を組み合わせた運用体制をやめ、運用資産の350億ドルの大半を外部に委託することを決めた。過去10年間の運用成績の低さと、優秀な運用マネジャーを確保できないことを考えれば予想外のことではない。

 ハーバードは運用を外部委託するよりも、むしろ大学基金の一般的な手法にこだわらず、株価指数の比重を高めることを考えるべきではなかろうか。ハーバードのような大手大学基金は株式の比重が低く、プライベート・エクイティやヘッジファンドといった代替投資の比重が高い。多くの投資家がひしめく代替投資では、数十億ドルもの資金を確実に運用できる優秀なマネジャーを探すのは困難だろう。

 ハーバード大学基金の2016年6月までの1年、5年、10年の運用成績は、米国株式と債券の比率を60対40とした場合の市場のパフォーマンスを下回る。10年のリターンは、後者の6.9%に対してハーバードは5.7%、そしてS&P500指数のリターンは7.4%である。

 バフェット氏は、長期投資家には手数料の低いS&P500指数ファンドが良いと語る。大学基金も同様だ。あるいは、S&P500指数や運用実績の高いことで知られるエール大学基金を上回り、昨年6月までの10年間で年平均9%のリターンを上げたバークシャー株に投資するという手もある。今のところ、バークシャー株を多く保有する大手大学基金は一つもない。

原文(英語): Warren Buffett’s $2.95 Breakfast
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjuj6SQzevRAhVCkpQKHR6EDW4QFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12107231265257393585504582590610879464498&usg=AFQjCNFbAmjxa4UqG8w0kxTaYGmtQ8VGzw


バフェット氏、純額1兆3600億円相当の株式を購入−米大統領選後
Noah Buhayar
2017年1月31日 14:03 JST

27日放送されたチャーリー・ローズ氏とのインタビューで語った
バフェット氏は米経済の4%成長の達成には疑念を示した

昨年11月8日の米大統領選挙後、著名投資家ウォーレン・バフェット氏は自身が率いる米投資・保険会社バークシャー・ハサウェイの株式ポートフォリオを大きく増やした。
  バフェット氏は27日放送されたチャーリー・ローズ氏とのインタビューで、「われわれは大統領選以降、普通株をネットベースで120億ドル(約1兆3600億円)買い入れた」と述べた。具体的な銘柄には触れなかった。
  当局への届け出によれば、バークシャーは昨年1−9月期に52億ドル相当の株式を買い、約200億ドル相当を売却もしくは換金。大統領選後の純額ベースでの株式購入の大きさが浮き彫りとなる。
  トランプ大統領が米国の年間成長率を4%に押し上げることを目指すと表明する中で、バフェット氏はこの水準は「かなり高い」と指摘し、4%成長の達成には疑念を示した。バークシャーの株式ポートフォリオは昨年9月末時点で1025億ドル相当だった。
原題:Buffett Bought $12 Billion of Stock From Election Through Friday(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-31/OKMMSY6KLVR401

http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/512.html

[経世済民118] ダウ、次の節目は3万ドル ダウの欠陥 VIX株高観測の中で上昇の理由 マクロファンド苦戦、巻き返しのカギは? 金相場上昇
ダウ、次の節目は3万ドル
2万ドルを超えても続く強気相場
By GENE EPSTEIN AND JACK HOUGH
2017 年 1 月 31 日 09:41 JST
? 3万ドルを目指すには

 ダウ工業株30種平均(NYダウ)は、まぐれで2万ドルを付けたわけではない。今の株価は、企業業績や経済成長に対する確かな見通しによって、しっかり裏付けられているのだ。それどころか、もしもトランプ大統領が、貿易戦争(あるいは本物の戦争)に巻き込まれる事態を防ぐことができれば、2025年までの3万ドル超えを不可能とする理由はない。

 明らかなのは、トランプ政権とその相次ぐビジネス寄りの大統領令が、株価の推進力の一端を担っていることだ。トランプ大統領が規制緩和と法人減税に成功した場合にはNYダウのさらなる上昇が予想され、今年あと5%、あるいは10%上昇しても意外ではない。

 2025年までに3万ドルという本誌の推測は、ウィズダムツリーのリサーチ責任者、ジェレミー・シュワルツ氏から提供された過去データを独自に分析した結果に基づくものだ。このデータは、株式市場のリターン(5年移動平均)を1871年までさかのぼって調べたもので、今後5年間の市場のリターンはインフレ調整後で年率6%という一般的な水準を下回るが、その後、加速して平均を上回ることを示している。

 トランプ政権は、NYダウの2万ドル乗せに対して一定の貢献は認められるものの、新政権による政策の一部は経済や株式市場に深刻な脅威を及ぼしている。最も明白だったのは最近のメキシコとの貿易論争で、これは、米国に入ってくるメキシコ製品に20%の国境税を課すという案をホワイトハウスが示したことによる。もしもこのようなトランプ流の先制攻撃が貿易戦争の引き金を引くことになれば、世界経済は痛手を被るだろう。NYダウが2025年までに3万ドルを目指すのは困難な状況となりそうだ。


? 期待と警戒

 一つ警戒すべきことは、バンクオブアメリカ・メリルリンチ(BofA)が「イカロス・トレード」、モルガン・スタンレーが「スパークル・アンド・フェード」と呼ぶところの事態だ。いずれも、始まりは素晴らしいが、失敗に終わるというものだ。BofAの予想によると、今年の夏には、S&P500指数がここから9%の急騰を見せて2500ポイントに達し、投資家が株式市場にさらに資金を投入する一方で、金利、石油、ドルが上昇するなど、相場がピークを打つ兆候が見られるという。明るい面を挙げると、先週BofAのストラテジストは、トランプ大統領は、かつてのルーズベルト大統領とは違い、貿易に関しては「大声で主張するが実力行使には出ない」ため、貿易戦争は避けられるだろうと予想している。一方、モルガン・スタンレーのチームは、相場に織り込まれていない「予期せぬ影響」を警戒している。法人税の全面的な見直しにより、支払利息の税控除が廃止されることで、負債の管理が難しくなる。輸出企業を優遇し、輸入企業に負担を強いる法人税の国境調整の仕組みは失敗に終わる可能性があり、価格の上昇やダンピングの増加につながる恐れもある。また、ドル高は、米国の利益成長を低下させ、新興国市場にストレスをもたらす可能性がある。

 トランプ政権がもたらす経済政策のプラスの変化には多くのチャンスがあり、本誌は慎重さを維持しながらも楽観的な見方をしている。しかし、「実行できるかどうか」のリスクは高い。本誌としては、当面は落ち着いた株価上昇の方が、もう一つの状況、つまり「一瞬にしてドスンと落ちる」よりも望ましいと考える。

原文(英語): Next Stop, Dow 30,000

https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=2&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjfttuNzuvRAhXGmZQKHZpKBdsQFgghMAE&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12107231265257393585504582590222327267222&usg=AFQjCNGCMjkS04DccUsxI0A2QHCPbGWQGQ

 


2万ドル突破したNYダウの欠陥
FRBは昨年示唆した通り、2017年に3回の利上げを実施するのか
トランプ米大統領は予想通り、新政権が発足して5日目にNYダウが大台に達したことを自分の手柄にしようとした

By RANDALL W. FORSYTH
2017 年 1 月 31 日 09:26 JST
? 大きかったゴールドマン株上昇の影響

 ダウ工業株30種平均(NYダウ)が2万ドルの大台を突破した。万歳三唱といきたいところだが、二唱にとどめておこう。

 というのも、NYダウの大事な節目の到達に水を差す人が多いからだ。プロは米大型株の指標としてS&P500指数を利用しているし、ハイテク業界での指導力で米国を偉大にしてきた一流企業が名を連ねるのはナスダック総合指数である。

 それでもNYダウは一般庶民が米株式市場の騰落を知るための指標となっているが、フィナンシャル・タイムズのあるコラムニストは先週のNYダウ2万ドル達成を高慢にも「偽ニュース」と呼んだ。時価総額で構成比重が決まる加重平均ではなく、株価の単純平均であるというNYダウの欠陥はよく知られているが、20世紀の変わり目前にそれを考案したチャールズ・ダウ氏にとっては最善の算出方法だった。資産運用会社グラスキン・シェフのチーフエコノミストでストラテジストのデービッド・ローゼンバーグ氏は、その算出方法のせいで、金融大手ゴールドマン・サックス・グループ(GS)株の値動きがNYダウに与える影響は、ゼネラル・エレクトリック(GE)株の8倍にもなると指摘する。

 いわゆる生存バイアス(生き残ったものだけを計算に入れることで、実態がより良く見えること)もNYダウに有利に働いてきた。2004年4月以降の8回の銘柄入れ替えで除外された銘柄が残っていれば、NYダウは現在、1万2885ドルにしかなっていない。アップル(AAPL)は与える影響が大きくなり過ぎないように株式分割(1株を7株に分割)を実施した後、2015年にNYダウに組み入れられた。ローゼンバーグ氏によると、今やNYダウに占めるハイテク株の割合は4分の1と、ドットコム・ブームのピークだった1999年当時の2%から大幅に拡大しており、巨大ネット銘柄群「FANG」株――ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)大手のフェイスブック(FB)、ネット通販大手アマゾン・ドット・コム(AMZN)、動画配信のネットフリックス(NFLX)、インターネット検索大手グーグルの親会社アルファベット(GOOGL)――もNYダウに組み入れられるのを待っているという。

 トランプ大統領は予想通り、新政権が発足して5日目にNYダウが大台に達したことを自分の手柄にしようとした(オバマ元大統領が2009年、就任何カ月もたってからノーベル平和賞を受賞した時よりは説得力がある)が、昨年9月には米株式市場について「バブルが膨らんだ状態」にあると主張していた。

 トランプ大統領は就任1週間で選挙期間中の公約の多くの実現に向けて動き出した。特に規制関連ではカナダの原油をテキサス州の製油施設に運ぶ「キーストーンXL」と米中西部の「ダコタ・アクセス」の両パイプラインを承認し、恐らくはメキシコからの輸入品に課す20%の国境税を財源として同国との国境に壁を建設するとも約束した。

 トランプ大統領の経済政策の柱である減税や税制改革に関しては、大統領令では実施できず、議会の承認が必要になる。ところが、ホライズン・インベストメンツのチーフストラテジストで40年にわたって米国の政界を見つめてきたグレッグ・バリエール氏は、ホワイトハウスと共和党指導部の亀裂は大きくなりつつあり、「ポール・ライアン下院議長とミッチ・マコーネル上院多数党院内総務はトランプ大統領のことを苦々しく思っており、トランプ大統領の両氏に対する感情も同じだ」と書いている。

? 次の利上げは3月か、それとも6月か

 1月31日〜2月1日には今年初の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合が開かれるが、今回の利上げはほぼあり得ないので、メンバーの発言に注目が集まるだろう。彼らは昨年12月の会合で示唆した2017年にフェデラルファンド(FF)金利誘導目標の引き上げを0.25%ポイントずつ、3回にわたって実施するという予想を再確認するはずだ。とはいえ、FOMCは1年前にも2016年の利上げを4回と予想していたが、実際には、現行の0.5〜0.75%に引き上げた12月の1回のみだった。

 NYダウが2万ドルの大台に乗り、S&P500指数は一時的に2300に達し、ナスダック総合指数も先週に過去最高値を更新するなど、今日の金融環境は1年前から180度転換しているように思える。2016年初め、世界の株式市場は過去最悪のスタートを切り、原油・コモディティー価格は恐ろしいほどの急落を示し、中国市場も危機一歩手前という状態に見えた。時は変わり、今や米連邦準備制度理事会(FRB)の公式な使命である「最大限の雇用」と「物価の安定」を示す指標は既に目標に届いている。5%未満の失業率は完全雇用を意味しており、ほとんどのインフレ指標もFRBの目標値である2%を上回っている。

 こうした全てのデータを踏まえると、FOMCはFF金利の誘導目標を3月14〜15日の会合で引き上げる用意があることを示唆する可能性がある。ところが、ブルームバーグの分析によると、FF金利の先物市場が織り込んでいる3月の利上げの確率はわずか34.6%となっている。そして次の利上げを6月、さらに9月にもう1回行い、12月の利上げはないと考えている。FRBが示唆してきたように実際に3回の利上げを実施したら、市場はかなりのショックを受けることになるだろう。

原文(英語): 20,000 Reasons to Be Wary of the Market


https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwj_uLaNzevRAhVMGZQKHXfbA0wQqOcBCBwwAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11303642310634324165204582590403170571214&usg=AFQjCNFUkZsQO9Xs0X1NVZPxfI_RCnOk-w


MONEYBEAT
VIX指数、株高観測の中で上昇の理由とは
By INYOUNG HWANG
2017 年 1 月 31 日 13:57 JST

 「恐怖指数」とも呼ばれるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー指数(VIX指数)はここ4日間低下を続けていたが、30日に12%台まで急上昇した。一日の値動きとしては昨年11月3日以来の大幅上昇となった。

 30日の米国市場では、ドナルド・トランプ米大統領が入国制限の大統領令を出したことを受け市場が神経質になる中、米国株が下落した。

 米国株は、20日に発足した新政権の政策が米国経済の成長をけん引するとの楽観的見方から上昇していたが、わずか数日で下落に転じた。先週はS&P500種指数が過去最高値を付け、VIX指数も2007年以来の低水準近くまで低下していた。

 クレディ・スイスのエクイティデリバディブ・ストラテジスト、マンディ・シュー氏は30日付のリポートで、「市場は、法人税減税などの好材料を完全に織り込む一方で、貿易摩擦のリスクはあまりないとみているようだ」と指摘し、「大統領就任後100日間で政策がより明確になるため、税制改革やインフラ投資、移民政策、貿易などの政策について失望が広がるリスクがある」と述べた。

 このため、トレーダーらは、S&P500がさらに上昇するとの見方を維持する一方、VIX指数を購入してリスクヘッジを行っている。S&P500とVIX指数は通常、逆方向に動く。

 シュー氏によると、S&P500が上昇した場合に利益が出るコール(買う権利)のオプションは、過去1年間でプット(売る権利)オプションと比較して最も割高となった。同時に、VIX指数が上昇した場合に利益が出るコールオプションも過去1年で同プットに対し最も割高になったと指摘している。

 これは、何を意味しているのだろう。シュー氏はこの矛盾した動きについて、「株式市場の参加者心理が引き続き前向き」である一方、「テールリスク(確率は低いが、発生すると大きな影響が生じるリスク)に対するヘッジ意欲が高まっている」という事実を浮き彫りにしていると説明する。

 また、このようにオプション市場で相反する動きが見られるもう一つの理由としては、株式相場が独立して動いているという可能性もある。シュー氏は、インフレ上昇に伴う恩恵を受けた堅調な企業決算や企業に対する楽観的見方のため、個別株の下落が抑えられていると指摘する。

 同氏は投資家に対し、今後のボラティリティーの変動に備えるためVIX指数のコール・スプレッドの買いを推奨している。これは、特定の行使価格でコールを買い、期限は同じだがより高い権利行使価格で同数のコールを売る戦略だ。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwikwMvH9-vRAhUJkJQKHUFRBrIQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11303642310634324165204582592492777989530&usg=AFQjCNF7HyOfLiu2Ac56aX0kR_TvYLvx4A

 
マクロファンド苦戦、巻き返しのカギは?マクロ戦略ヘッジファンド、パフォーマンスは数年間低迷

マクロ戦略のヘッジファンドのパフォーマンスは数年間低迷が続いている PHOTO: PIXABAY
By
LAWRENCE C. STRAUSS
2017 年 1 月 31 日 09:28 JST
• ボラティリティ低下で不利な環境
 グローバルマクロ戦略を取るヘッジファンドが苦戦している。そのベンチマークである米ヘッジファンド調査会社ヘッジファンド・リサーチ(HFR)のHFRIマクロ・インデックスの昨年のリターンは1.29%と、HFRのヘッジファンド指数の平均リターン5.51%を大きく下回った。
 これは昨年に限った傾向ではない。HFRによると、昨年末時点における過去5年の年率リターンはヘッジファンド全体で4.52%だったのに対し、マクロファンドでは0.99%だった。
 それでも、ヘッジファンドの運用資産3兆ドルのうち、20%近くにあたる約6000億ドルをマクロファンドが運用している。金融危機のあった2008年と2009年に比較的高いパフォーマンスを上げたことで資金が流入したのは間違いないが、それはもう過去の話だ。金融危機後、中央銀行の流動性供給によって金利上昇が抑えられ、ボラティリティが低下したことで、マクロ運用のマネジャーが活用できる投資機会も限られるようになった。
 投資商品の調査を行うシンプリファイの最高経営責任者(CEO)を務めるブライアン・シャピロ氏は、2種類のマクロファンドを区別する必要があると言う。
 コンピューターによるシステマティックな運用モデルのマクロファンドは比較的好調で、HFRIマクロ・アクティブ・トレーディング・インデックスの昨年のリターンは4%と、マクロファンド全体を上回った。シャピロ氏によると、このようなファンドはわずかな価格差を活用しており、他のマクロファンドよりもはるかに反応が早い。
 一方、苦戦しているのは金利などの多様なテーマに基づいて投資判断を行うファンドだと言う。HFRIマクロ・ディスクレショナリー・シーマティック・インデックスの昨年のリターンは0.86%にとどまった。
 HFRのケネス・ハインツ社長は、マクロファンドにも好調な時期があり、特に市場にストレスが発生する局面でアウトパフォームしてきたと指摘する。同氏はさらに、「洗練された投資家の多くは、株式市場が15%上昇する局面では、マクロ戦略はアンダーパフォームする可能性が高いことを理解している」と言う。S&P500指数の昨年のリターンは11.76%だった。
 一方、株式市場が15%下落した時、マクロ戦略は良いヘッジになり得る。ハインツ氏によると、今年春のフランスの大統領選挙を巡る不確実性は、世界市場にボラティリティをもたらす可能性がある。
 ハインツ氏は米連邦準備制度理事会(FRB)のより緊縮的な金融政策と「金融政策の正常化」を根拠に、2017年はマクロファンドにとって良い環境になると主張する。また、ダウ工業株30種平均が長期にわたって2万ドル台を維持するとは限らない。「米国株には多くの楽観的な見方が織り込まれている。正当化できるものもあるが、時と共に楽観主義が調整される可能性がある」と同氏は述べる。
• マクロ戦略の難しさ
 最近の顧客向けのレポートの中で、オークツリー・キャピタル・マネジメントの共同会長を務めるハワード・マークス氏は、将来予想を通してマクロファンドを効果的に運用することの難しさを指摘した。同氏の会社はマクロ戦略を採用していない。
 本誌によるインタビューの中で、マークス氏はジョージ・ソロスと長年同氏の右腕を務めたスタンリー・ドラッケンミラーが、マクロファンドのマネジャーにとって非常に高いハードルを設定したと述べた。2人は1992年に英ポンドの空売りを仕掛け、約10億ドルの利益を上げたことで知られている。
 「もうけるには他の人に見えていないものが見えなければならない。そして何かの価格を見て、それが間違っていることを見抜き、その理由も理解しなければならない。私の経験から言うと、マクロ投資においてそれができる人の数は非常に少ない」とベテラン投資家のマークス氏は言う。

https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-RW130_ONBZ29_NS_20170130024554.png
原文(英語): Can Macro Funds Rediscover Their Inner Soros?

https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjE_OiKzevRAhXEG5QKHUdEDhcQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11303642310634324165204582590382851924956&usg=AFQjCNEw6AaN6OD1ogvE3_xP_ATPpmf3dw


 

金相場が上昇、米大統領の政策受け安全資産求める動き

[31日 ロイター] - 31日の取引で金相場が上昇している。トランプ米大統領の移民に対する厳しいスタンスを背景に、安全資産に対する需要が高まっている。米ドルが軟調に推移していることも金相場を支援している。

0307GMT(日本時間午後0時07分)時点で、金現物XAU=は0.4%高の1オンス=1200.00ドル。米金先物GCcv1は0.5%高の1199.6ドル。

ドル指数.DXYは0.1%安の100.34で推移している。

ロイターのテクニカルアナリスト、ワン・タオ氏は、金現物が1197ドルの抵抗線を突破したとし、1205ドルまで上昇する可能性があるとの見方を示した。

トレーダーはまた、米利上げに関する手掛かりを得ようと、31日から始まる米連邦公開市場委員会(FOMC)にも注目している。

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アングル:金相場の動向、カギは地政学要因よりも米金利上昇
トランプ氏の不動産会社、ジョージアの開発計画を撤回
http://jp.reuters.com/article/global-precious-idJPKBN15F0AG

http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/513.html

[国際17] トランプ氏の入国禁止令、米金融業界から批判 米フォード反旗翻す 欧州にトランプ型衝撃 ISの正当化材料 サウジ板挟み
トランプ氏の入国禁止令、米金融業界から批判

米金融業界の幹部はトランプ大統領の難民入国禁止令を批判した。写真は補佐官らが見守るなか大統領令に署名するトランプ氏 PHOTO: EVAN VUCCI/ASSOCIATED PRESS
By LIZ HOFFMAN
2017 年 1 月 31 日 13:07 JST

 米金融業界の幹部らはドナルド・トランプ大統領の難民入国禁止令について、世界から集まっている自社従業員に悪影響が及ぶうえ、自社の理念に反すると批判している。

 今回の大統領令は、イスラム教徒が多い7カ国の人々の米国入国を制限している。ニューヨークの連邦裁判所は米国の空港で拘束されているこうした国々の市民の強制送還を一時差し止める判断を下した。

 ゴールドマン・サックス・グループとモルガン・スタンレーといった銀行の幹部は今回の大統領令を批判することで、減税や銀行規制緩和など業界に有利な計画を打ち出しているトランプ政権の怒りを買うリスクを冒している。

 民主党支持者として知られ、大統領選でヒラリー・クリントン氏を支持したゴールドマン・サックスのロイド・ブランクファイン最高経営責任者(CEO)は、最も強い反応を示し、従業員あてのボイスメールで、今回の措置が「当社、特に一部の従業員とその家族を混乱させている」と述べている。ゴールドマンは米国を中心に約3万2000人の従業員を擁する。

 同CEOは「多様化は選択肢ではなく、われわれのあるべき姿である」とする自社の経営理念を引用し、「今はこの言葉とその根底にある理念について熟考するのにふさわしい時間だ」と述べた。

 ゴールドマン出身者は、ナンバー2の地位にあったゲーリー・コーン氏など数人がトランプ政権の要職に就いている。

 一方、自身がオーストラリアから移民したモルガン・スタンレーのジェームズ・ゴーマンCEOは30日、同社が状況を「注視している」と述べ、自社従業員5万5000人に影響は出ていないと述べた。全従業員あての電子メールに、「世界中から人材を集め続けることはモルガン・スタンレーの文化の重要な要素だ」と記している。

 シティグループのマイケル・コルバットCEOは従業員あてのメールで、「大統領令が発しているメッセージについて懸念している」と述べ、政治家に対し、自国を守ることと移民を歓迎する開かれた社会という長年の役割の間で適切なバランスを見つけるよう呼びかけている。

 JPモルガン・チェースのジェームズ・ダイモンCEOなど首脳陣は29日に従業員あての文書で、「揺るぎない取り組み」を表明。さらに同社が労働ビザを提供し、入国制限の影響を受ける恐れのある従業員に対して、「私たちの国、経済、幸福は、周りの世界の豊かな多様性によって強まる」との認識を示した。

 資産運用大手ブラックロックでは、ローレンス・フィンクCEOとロブ・カピト社長、世界の人事を統括するジェフ・スミス氏が30日、連名で送った従業員あてのメールで、米国の安全保障および対テロ政策は「適正な手続き、個人の権利、多様性受け入れの原則にのっとって」なされるべきだと書いている。

 それらの幹部によると、同社は大統領令が自社従業員に及ぼす影響を調査しており、影響を受ける人数は「比較的少ない」とみている。

 マスターカードのアジャイ・バンガCEOは30日、従業員あてのメールで、過去数日に国内外で起きた大規模なデモや懸念の声に言及し、米国社会の分断に対する懸念を表明。自身が移民であることに触れたうえで、「多様な労働力が当社最大の強み」だとし、従業員に対する「大統領令の影響は限定的かもしれないが、私たちの誰か1人に影響があれば、全員に影響する」と述べた。

 バンク・オブ・アメリカのブライアン・モイニハンCEOは30日に従業員あてのメールで、ウェルズ・ファーゴは同日に社内ウェブサイトで、それぞれ多様性を重視する姿勢を示した。

トランプ新大統領特集

難民入国禁止令への抗議、トランプ政権に大打撃も
トランプ大統領の入国拒否、何が狙いか?
黒田総裁悩ます「トヨタとトランプ大統領」
http://www.scoopnest.com/ja/out/?url=https://t.co/lJbn25oyft&id=826286396738568198

 

トランプ氏、入国禁止に反旗翻した司法長官代理を解任
サリー・イエーツ米司法長官代理
サリー・イエーツ米司法長官代理 PHOTO: J. DAVID AKE/ASSOCIATED PRESS
By DEVLIN BARRETT AND DAMIAN PALETTA
2017 年 1 月 31 日 12:34 JST

 

米ホワイトハウスは30日、サリー・イエーツ米司法長官代理を解任した。ドナルド・トランプ米大統領が発したイスラム圏7カ国の市民の入国を一時禁止する大統領令について、同氏が司法省の弁護士らに対し擁護しないよう指示したことを受けた処置。

 事情を知る関係者によると、イエーツ氏はホワイトハウスの人事局から手渡しで受け取った書簡で解任を知った。

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スパイサー米大統領報道官はイスラム圏7カ国の市民の入国を一時禁止する大統領令について、「米国民の大半が大統領と同意見だ」と述べた(英語音声のみ) Photo: AP
 

 ホワイトハウスは声明で、イエーツ氏は「米国民を保護するための法令の施行を拒否することで司法省を裏切った」としている。

 イエーツ氏の後任はバージニア州東部地区連邦検事のダナ・ボエンテ氏。トランプ大統領が司法長官に指名したジェフ・セッションズ上院議員(共和党、アラバマ州)が上院で承認されるまでの暫定措置。セッションズ氏の指名は来週にも上院本会議の採決で承認されるもよう。

 ホワイトハウスは声明で、イエーツ氏は「国境についての知識が浅く、移民についても非常に知識が乏しい」として厳しく批判した。そして、「米国を保護することを本気で考えるべき時が来た。危険な7カ国から渡航してくる人たちに対する監視の強化を求めることは極端なことではない。米国を保護する上で合理的かつ必要なことだ」と指摘した。

 ホワイトハウスはボエンテ氏の声明も発表した。ボエンテ氏は「セッションズ上院議員の指名が承認されるまでトランプ大統領の下でこの役割を担えることを光栄に思う。米国民と米国を確実に保護するための法律を擁護し施行していくつもりだ」としている。

 ロレッタ・リンチ前司法長官の辞任に伴い1月20日付で司法長官代理に就いたイエーツ氏の指示は、難民や移民の入国を停止・制限する大統領令の施行に伴い、同令署名からの24時間で訴訟が相次いだことを受けたもの。

 トランプ大統領は30日夜、「民主党議員らが全くの政治的な理由で、私の組閣を遅らせている。彼らは妨害するよりほかないのだ。それなら(バラク・)オバマ氏を司法長官にすればいい」とツイートした。

 ショーン・スパイサー大統領報道官は「大半の米国民が大統領と同意見だ。大統領が取った措置がこの国の安全を維持するためのもの、そして振り返って『ああしておけば良かった』と言うことがないようにするためのものであることを国民は分かっている」と述べた。

トランプ新大統領特集

米の入国禁止、イスラム過激派の正当化材料に
トランプ氏の入国禁止令、米金融業界から批判
【社説】難民入国禁止令への抗議、トランプ政権に大打撃も
全米各地で移民規制抗議デモ
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https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjf3OeOzOvRAhWDj5QKHc4pApcQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11303642310634324165204582592372564092972&usg=AFQjCNHKkBZ7VXHNQFQGhH1Ng-a7FMnINQ


 

 

米フォード、トランプ氏に反旗翻す−入国禁止策を支持しないと表明
Craig Trudell、Jeff Green、David Welch
2017年1月31日 13:45 JST

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週末に沈黙を守ったフォードが30日、会長とCEOの連名で声明発表
トランプ氏の政策に抗議も示すべきだ−中東難民出身の弁護士

マジェド・モウグニ氏はアメリカンドリームを体現している。中東出身の貧しい難民だった同氏は、ホテルでの皿洗いや当時の米フォード・モーター最高経営責任者(CEO)の車の駐車係などを経て成功への階段を上り、弁護士登録した。同CEOが退任後に使っていたオフィスを現在、事務所としている。

  モウグニ氏は自動車メーカー各社のメキシコ生産を数カ月にわたって批判してきたトランプ米大統領の歓心をフォードの上級幹部らが買おうとしている背景には、今後の事業計画などの問題があるとみている。だが、大統領が中東7カ国の国民の入国を一定期間禁止する大統領令を発表したことは別問題であり、モウグニ氏はフォード幹部が先週末、沈黙を守ったことに失望を隠さない。

  「私はトランプ氏が禁止しようとしている製品だ」。モウグニ氏はこう語り、「軽率だ。この国は移民の国だ」と続けた。

  自動車メーカー各社は綱渡りをしている。トランプ大統領が打ち出す大気汚染防止基準や法人税、貿易に関する政策が各社の将来を左右する中で、トランプ氏の顔色をうかがっている。考慮すべき他の問題とのバランスも必要だ。米自動車大手3社はいずれもミシガン州に本社を置く。トランプ氏の予想外の大統領選勝利に貢献した州だが、同氏の入国禁止令の影響を受ける中東出身者が数多く暮らす場所でもある。

  フォードのビル・フォード会長とマーク・フィールズCEOは30日、トランプ大統領の入国禁止策、「および当社の価値に反するいかなる措置」をも支持しないとの声明を連名で発表した。ゼネラル・モーターズ(GM)は29日、米国に戻ろうとして困難に直面しているビザ保有の社員を支援するとの通知を社内向けに出した。

  フォード本社があるミシガン州ディアボーンは、人口の30%余りがアラブ系。同州は2005−15年にイラクとシリアから1万9545人の難民を受け入れた。共にトランプ大統領が入国を禁止した7カ国の一角だ。

  自動車メーカーの大半は入国禁止令に先週末の段階で声を上げなかった。フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)やトヨタ自動車、日産自動車、現代自動車、ホンダはコメントを控えた。

  モウグニ氏はレバノン内戦から逃れるため1977年に家族で米国に移住。当時6歳だった。同氏は「フォード社とフィールズ、フォード両氏がトランプ大統領と親しくなろうとするのは、その範囲であれば同社にとって悪いことと思わない」とした上で、そうであっても「彼らは今回の政策が世界各地に徐々に広がる恐れがあることについて抗議も示すべきだ」と述べた。
原題:Ford Breaks From Trump Over Ban as Detroit Muslims Protest (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-31/OKMGNB6TTDS201


 

 
欧州にトランプ型衝撃も−年収243万円仏労働者はフィヨン氏支持せず
Helene Fouquet、Mark Deen
2017年1月31日 07:13 JST

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フィヨン氏は壁にぶつかることが予想されるとダチ元法相
国民戦線のルペン党首は労働者の擁護者として攻勢を強める可能性

ワーキングクラス(労働者階級)は昨年、トランプ米大統領のホワイトハウス入りと、英国民投票での欧州連合(EU)離脱の選択を促す原動力となった。4月と5月に行われるフランス大統領選で有力候補と目される最大野党・共和党のフィヨン元首相は、妻への給与支給に関係する検察の予備捜査で窮地に立たされており、ワーキングクラスの反応が最大の脅威となる恐れがある。

  支配者層に属するフィヨン氏が掲げる経済政策は、多くの経営幹部トップや国際機関が長年求めてきた種類の処方箋だ。同氏のライフスタイルをめぐる報道に怒りを覚える多くの低所得層にとって、それは自分たちの生活水準を脅かす危険と映りかねない。

  フランスの検察当局は、共和党など中道・右派陣営の統一候補であるフィヨン氏の妻に対し、議会スタッフの給与として約50万ユーロ(現在の為替レートで約6085万円)の不適切な支給が行われた疑惑をめぐり予備捜査を開始。同氏の支持者の一部では、日々の暮らしに追われる庶民に無関心な候補という印象が、選挙のリスクになると懸念する声が高まっている。

  世論調査によれば、フランス有権者に占める割合が単独で最も大きいワーキングクラスは、圧倒的にフィヨン氏を支持していない。「トランプ大統領型の衝撃」を自ら再現するチャンスを高めるため、極右政党・国民戦線(FN)のルペン党首は、そうしたフィヨン氏の弱みにつけ込もうとすることが予想される。

  フィヨン内閣で閣僚経験のあるダチ元法相は20日のラジオインタビューで、「このような状況が続けば、ミドルクラス(中間層)全体が国民戦線に身を委ねることを後押しするだろう。ルペン氏が実質賃金と雇用、労働者、減税を擁護する候補者になるなら、警戒すべきだ。われわれは壁にぶつかることになろう」と指摘した。

  仏国立統計経済研究所(INSEE)によれば、同国の登録有権者4480万人のうち、年間所得が2万ユーロ(約243万円)を下回るワーキングクラスは全体の3分の1近くを占める。
原題:French Favorite Imperiled by Same Anger That Fired Trump Win (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-30/OKKXLL6K50YL01


 

 


米の入国禁止、イスラム過激派の正当化材料に
過激派がオンラインで指摘

イスラム過激派は米国の移民・難民入国禁止措置をとらえて、「米国がイスラムと戦争状態にある」という言い分を正当化しようとしている。写真はネットに投稿された、モスルとバグダッドを結ぶ幹線道路の検問所に立つイスラム国(IS)戦闘員とされる画像 PHOTO: REUTERS
By MARIA ABI-HABIB
2017 年 1 月 31 日 12:54 JST 更新

 【ベイルート】イスラム過激派は30日、ドナルド・トランプ米大統領による移民・難民の入国禁止措置をとらえて、「米国がイスラムと戦争状態にある」という自分たちの言い分を正当化する材料として利用しようと努めた。米国と他国の一部議員や外交官の間では、米国の入国禁止令が過激派の暴力を防止するよりもむしろ拍車を掛けるとの懸念があるが、イスラム過激派の反応は、こうした懸念を裏付けるものだ。

 あるジハーディスト(イスラム聖戦主義者)は、過激主義者が互いのやりとりに使っている携帯電話の暗号化メッセージングサービス「テレグラム」で、「トランプがしたことは、米国政府のイスラム教徒への憎悪の背後に潜む真実と過酷な現実を浮き彫りにした」と書いた。

 別のジハーディスト支持者も「テレグラム」上で、「米大統領ドナルド・トランプが『ここ米国では彼らの存在を望まない』と言って、イスラム教国からのイスラム教移民を禁止する時、われわれの心に浮かぶことが一つある」と述べた。そして、米国生まれのアルカイダ指導者だった故アンワル・アル・アウラキの写真を添付した。かつて「欧米は最終的に自国のイスラム市民に刃を向ける」と語った人物だ。

 トランプ氏が27日に発表した大統領令は、テロが頻発しているイスラム教国7カ国の市民の米国入国を一時的に禁止した。米政府内や同盟諸国の批判者は、入国禁止が国防総省と中央情報局(CIA)の構築している同盟ネットワークを損なう恐れがあると述べている。同ネットワークは対テロ戦争遂行に極めて重要だ。

 パキスタンのチョードリー・カーン内相は30日、トランプ氏の命令は意図した効果とは逆の効果をもたらすと述べ、ジハーディストのプロパガンダ(宣伝)の標的になることで米国の安全はさらに脅かされると語った。

 同内相はまた「この種の行為はテロ撲滅に向けた世界的な連携にとって打撃となるだけでなく、プロパガンダで世界を分断したいと願うテロリストたちを利するだけだ」と話した。

 米国では、上院議員と下院議員数十人が、共和党、民主党を問わず、同様の思いを表明した。ジョン・マケイン上院議員(共和、アリゾナ州)やリンゼー・グラム上院議員(共和、サウスカロライナ州)などだ。

 両上院議員は29日、「この大統領令が最終的にテロとの戦いで自らを傷付けることにならないか懸念している」と語った。

 米国務省では、移民・難民の入国禁止令に対する正式抗議文の草案に職員100人以上が署名した。同省当局者によれば、抗議文の内容は、トランプ氏の政策が米国のテロ撲滅の取り組みにとって逆効果であり、米国の利益に潜在的に有害になるというもの。

 ジハーディストらは、オンラインのチャットフォーラム上で、29日夜にカナダ・ケベック州のモスク(イスラム教寺院)で6人のイスラム教礼拝者が殺害された事件に言及した。そのなかで、この事件がイスラム教徒が欧米で安全でないことを示す証拠だとし、イスラム教徒は自分たちの大義に加わるべきだと述べている。

 一方、ある「自称」ジハーディストはテレグラム上で、「十字軍戦士たちがこうした(モスク)攻撃行動を続け、イスラム教徒に対する自らの敵意を示し続け、神とその預言者に対する戦争の火を米国と欧州で燃やし続けるよう願う」という皮肉なメッセージを送っている。

 トランプ大統領の入国禁止令では、禁止対象は7カ国で、米国が遂行するテロ撲滅戦争の最重要なパートナーであるサウジアラビアやヨルダンは除外されている。両国は過激派組織「イスラム国(IS)」に対する戦いに戦闘機を提供したり、国際テロ組織「アルカイダ」などに浸透する工作員を提供したりしている。一部専門家は、こうした国々は除外されているとはいえ、トランプ氏の今回の措置がパートナー諸国と米政府の軍事的なつながりを混乱させかねないと言う。こうした諸国の国民はすでに、米国が中東に軍事介入していることに憤っているからだ。

 米シンクタンク「センター・フォー・アメリカン・プログレス(CAP)」のブライアン・カトリス氏は「トランプ氏の入国禁止導入の仕方は、サウジなどの国々を難しい立場に置くものだ。それはISやアルカイダなどの過激主義者らにとって決起のきっかけになるからだ」と述べた。そして「ブッシュとオバマの時代には、メッセージは『われわれはイスラムと戦争状態にない』というものだった。トランプが送ったメッセージは『われわれは実際に、イスラムと戦争状態にあるかもしれない』というものだ」と語った。

 2001年のアフガニスタン進攻と03年のイラク進攻以降、米国の軍事行動とともに非戦闘員の市民の犠牲者が増えてきたことも、ジハーディストの機運を高めてきた。

 地元当局者によれば、イエメンでは29日、米特殊部隊の攻撃の結果、女性と子ども少なくとも10人が死亡した。この作戦はトランプ氏が直接承認したものだった。

 アルカイダのイエメン支部「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」は、市民に犠牲者が出たとの報道に直ちに反応し、トランプ氏を非難するとともに、AQAPの支持者に決起を呼びかけた。

 インターネット上でイスラム過激派の監視と追跡を行う米SITEインテリジェンス・グループが提供したAQAP声明の翻訳文によれば、「米新大統領のトランプが就任してわずか数日間で発生した罪深い奇襲は、米国がイスラム教徒を標的にして、最も邪悪な方法で女性と子どもを執拗かつ不当に攻撃することを証明している」と述べている。

 トランプ氏の演説の一部もまた、中東における陰謀論者やジハーディストらの間で物議を醸した。それは中東における米国のプレゼンスは、テロと戦うためではなく、石油を略奪するためにあるという見方だ。

 トランプ氏は今月、中央情報局(CIA)の本部を訪問した際にイラクについて「われわれは石油をキープしておくべきだった。たぶん次の機会がある」と述べた。この発言は、ジハーディストやアラビア語メディアによって広く流布された。

トランプ新大統領特集

トランプ大統領の入国拒否、何が狙いか?
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【社説】難民入国禁止令への抗議、トランプ政権に大打撃も
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjz08WRzOvRAhWMlZQKHWz2CrYQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11303642310634324165204582592134086032326&usg=AFQjCNGP0CNVIH-Vga7RJPOio90uSSSrSw


 


 


サウジ、米の入国禁止で中東盟主として板挟み

By MARGHERITA STANCATI IN DUBAI AND AHMED AL OMRAN IN RIYADH, SAUDI ARABIA
2017 年 1 月 31 日 11:30 JST 更新

 イスラム教発祥の地でイスラム教の聖地2カ所があるサウジアラビアは、宗教的な影響力を活用して、中東地域の指導者としての役割を誇示してきた。だが今では、その宗教的な影響力のせいで、同国は厄介な板挟み状態に置かれている。

 サウジはドナルド・トランプ米政権との関係を、バラク・オバマ前政権時代よりも改善させたいと望んでいる。だが、そのことがイスラム教の同盟国を擁護するのに二の足を踏んでいるとの批判を招いている。特にイスラム圏7カ国が、米国入国を一時禁止する大統領令の対象になったことで、サウジへの風当たりは強まりそうだ。

 ドーハ大学院研究所のイブラヒム・フライハト教授(紛争解決)は、「米政府の入国禁止措置はサウジを苦しい立場に追いやっている」と指摘。「サウジは、入国禁止の対象にスーダンやイエメンなどの重要な同盟国が含まれていることや、自らをイスラム世界のリーダーとアピールしていることから、入国禁止に反対の立場をとることになろう」と予想する。

 トランプ大統領は29日にサウジのサルマン国王と電話で会談し、中東の難民問題や、欧米などとイランとの間の核合意、米・サウジ間の安全保障関係の強化について話し合った。

 ホワイトハウスによれば、「大統領は、シリアやイエメンに安全地帯を創設する構想など、紛争地域の難民支援策への支持を要請し、国王は同意した」。また、両国は「イランとの核合意を厳格に履行する重要性でも一致した」という。トランプ氏もサウジもこれまで、核合意を繰り返し批判してきた。

 トランプ氏がイランに対し強硬路線をとり、サウジの戦略的目標と合致するとの期待から、サウジは同氏の大統領選勝利を歓迎した。米政府の入国禁止対象の7カ国にはイランが含まれているが、サウジの同盟国であるスーダンとイエメンも入っている。スーダンは、サウジが主導するテロとの戦いのための有志連合の一員である。またイエメン内戦では、サウジはイランが支援するシーア派系武装組織「フーシ派」の駆逐を目指して軍事介入し、ハディ大統領の復権を図っている。

 一方米国本土でテロを企て実行した過激派の出身国をみると、サウジは入国禁止対象となったどの国よりも多い。2001年9月11日の米同時多発テロの首謀者のウサマ・ビンラディン容疑者は、サウジの名門一族の出身者だった。

 ラインス・プリーバス大統領首席補佐官は29日NBCテレビに出演し、入国禁止対象国リストに米国の同盟国であるエジプトやパキスタンとともにサウジアラビアも加えられる可能性があることを明らかにした。しかし入国禁止の大統領令の草案づくりを手伝ったルディ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長は28日FOXテレビで、「サウジは大変革を進めており、昔のサウジではない」と指摘し、同国はリストには含まれないと明言した。

 サウジがリストに入れば、広範囲にわたる影響をもたらし、米・サウジ間の経済的・軍事的な同盟関係を崩壊させるだろう。サウジ政府当局者はこれまでのところ、米国の7カ国に対する入国禁止措置に沈黙を保っている。アデル・アルジェベイル外相は、トランプ氏がイスラム教徒の入国禁止案を最初に示した際には、異教徒間の亀裂を深める「極めて危険な考え」と批判していた。しかし同外相は24日の記者会見では、「トランプ政権に対し非常に楽観的になっている」と述べた。

 しかし外交アナリストの間では、「トランプ大統領の中東政策についてほとんど分かっていないのに、トランプ氏が中東地域にとって頼りになると思い込むのはあまりに楽観的過ぎる」と懸念する向きもある。

 米シンクタンクの「センター・フォー・アメリカン・プログレス」のブライアン・カトリス上級研究員は、「サウジは反イスラムの偏見について直視せず目をつぶろうとしている。希望的観測と現実逃避が混じり合っている」と警告する。

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https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjIw8qhzuvRAhWIupQKHd26B1YQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12107231265257393585504582592123475338342&usg=AFQjCNGhMCxz2r8u8clycmLQUlMuBmd-vA
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/668.html

[経世済民118] 「雇用環境」の消費者意識に過労死事件が影響? 現金決済やめるべき理由 環境に優しいから高価格のウソ 社員を食事で底上げ 
「雇用環境」の消費者意識に過労死事件が影響?
上野泰也のエコノミック・ソナー
経済指標では見えない実情
2017年1月31日(火)
上野 泰也

2016年12月の消費者心理は上向いたが、「雇用」を取り巻く環境についての消費者意識の数値だけは伸び悩んだ。(写真:PIXTA)
 日本の雇用環境について、人々はこのところ一定の不安感をぬぐい去れないでいるように見える。

消費者心理を表す12月の指数は、3年3か月ぶりの高水準
 1月10日に発表された昨年12月の消費動向調査で、一般世帯の消費者態度指数(季節調整値)は43.1に上昇した(前月比+2.2ポイント)。3か月ぶりの上昇で2013年9月以来の水準である。ただし、基調判断は据え置かれ、長期的に見れば横ばい圏内の動きだと内閣府は説明した。
 この調査は毎月15日が調査時点とされており、10日前後に調査対象世帯に調査票が届くように郵送した上で、20日頃までに返送されてきた調査票を集計。「暮らし向き」「収入の増え方」「雇用環境」「耐久消費財の買い時判断J」「資産価値」の5項目について、今後半年間の見通しを5段階評価で回答してもらい、決められたルールにしたがって5つの指数(消費者意識指標)を作成する。そして、「資産価値」を除く4つの消費者意識指標を単純平均して、消費者態度指数が作成されている。こうして出来上がった指数は、季節ごとに特有の振れを調整する前の原数値である。内閣府はさらに、そうした季節パターンを調整した季節調整済みの消費者態度指数を作成しており、上記の12月分の数字はそれである。

トランプラリーによる「漠とした高揚感」が上昇の原動力か
 消費者態度指数を構成している消費者意識指標4つは、10月・11月にはすべてが低下していたが、12月は上昇に転じた。「トランプラリー」の下で急速に展開された円安・株高とそのことによる漠とした高揚感を最大の原動力にして上昇したと考えられる。上記のほうに消費者態度指数の構成要素にはなっていないものの、「資産価値」は株高を素直に反映して12月分で43.1に上昇した(前月比+3.0ポイント)になった。2015年11月以来の水準である。
 このほか、天候不順による生鮮野菜の価格高騰という、各家庭の台所事情を強く圧迫していた要因が一巡したことも、消費者のマインド改善を支援した可能性が高い。

にもかかわらず「雇用環境」の数値の伸び悩みはなぜか
 ただし、消費者態度指数を構成する意識指標4つのリバウンド度合いを見ると、2か月連続で低下する前の9月の水準を超えたのが、「収入の増え方」と「耐久消費財の買い時判断」の2つ。9月の水準と横並びになったのが、「暮らし向き」。残る「雇用環境」は45.7(前月比+3.2ポイント)で、上昇はしたものの、9月の水準である46.2には唯一届かなかった<図1>。これはなぜだろうか。

■図1:消費者意識指標(季節調整値) 「雇用環境」「収入の増え方」

(出所)内閣府
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/248790/012600079/zu01.jpg

 景気のベクトルは足元で上向いており、多くの消費者が自分の置かれた雇用環境についてにわかに不安を強めるようなことは考えにくい。完全失業率は3%前後まで水準を切り下げている。有効求人倍率は昨年11月まで3か月連続上昇し、1.41倍という1991年7月以来の記録的な高水準である。

自分の雇用環境についての不安はわずかに薄れた
 また、日銀が四半期ごとに行っている、生活者の意識や行動を大まかに聴取する一種の世論調査である「生活意識に関するアンケート調査」の2016年12月分(調査期間:11月10日〜12月6日)が1月13日に発表されたので、内容をチェックすると、「これから1年後を見たとき、あなた(またはご家族)は、勤め先での雇用・処遇(給与、ポスト、福利厚生など)に不安を感じますか」という設問がある。回答分布は、「あまり感じない」(19.4%)、「少し感じる」(48.5%)、「かなり感じる」(29.8%)だった。9月に実施された前回調査結果(それぞれ17.5%、49.0%、31.4%)と比べると、雇用・処遇への不安を「あまり感じない」人が3か月前から1.9%ポイント増える一方、感じる人は2.1%ポイント減少した。回答者を勤労者のみ、すなわち会社員・公務員(会社役員を含む)およびパート・アルバイトなどだけに絞ったデータを見ても、傾向は同じである(感じない人が2.6%ポイント増加、感じる人が2.5%ポイント減少)。

大手広告代理店における過労自殺事件の影響か
 「自分(あるいは自分の家族)」が置かれた雇用環境について足元で不安が薄れているとすれば、消費者意識指標「雇用環境」の上がり方が鈍い原因は、「他人」が置かれた雇用環境に求めることになる。筆者の考えでは、原因である可能性が最も高いのは、大手広告代理店における違法長時間労働・女性社員の過労自殺事件が2016年10月からテレビ・新聞・雑誌で大きく報じられ、日本の雇用環境の厳しい実情への関心が人々の間で高まったことである<図2>。

■図2:全国紙5紙(日経・朝日・読売・毎日・産経)に掲載された「過労死」という言葉を含む記事数

(出所)日経テレコンで検索した全国紙5紙掲載記事数から筆者作成
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/248790/012600079/zu02.jpg

 全国紙5紙に掲載された「過労死」という言葉を含む記事数を検索すると、2016年10月に急増したことがわかる。次の11月はさらに多い件数になった。12月になると件数は減少したものの、それでも100件を超え、9月の水準よりも多かった。
 こうした動きと消費者意識指標「雇用環境」の戻りの鈍さには関連があるのではないだろうか。実際、昨年10月に消費者意識指標が悪化した際の内閣府記者レク(報道機関の記者向け説明)では、この過労死事件が引き合いに出されていたという。

職場環境の厳しい実情が、消費者心理の重石に
 要するに、マクロの経済統計ではとらえられていない、(一部の)日本企業における職場環境の厳しい実情が、消費者心理の重石になったということである。
 ちなみに、こうした日本の労働環境の厳しい方向への変容を取り上げた1年程前に発売された経済小説に、相場英雄『ガラパゴス』がある。実は、相場氏が大手通信社の経済担当記者だった時代に筆者とは長く接点があり、脱サラして小説家になると知った時は大変驚いた。その後、山本周五郎賞に2度ノミネートされるなどしており、今や売れっ子作家の1人として活躍中である。「ガラパゴス」では、フィクションの形を取りながらも、記者時代の人脈を生かした取材経験を元にしたとみられる、ノンフィクションではないかと錯覚するような文章も見出される。書評にはそうした観点からのものもあった。印象に残ったセリフを少しだけ引用したい。
 「正社員やパートなど顧客企業が直接雇用する人たちは人事部が把握しています。しかし、我々は部品や備品と同じ扱いで、足りなくなった分を補うという意味で外注の加工費としてカウントされているのです。部品以下かもしれませんね」
 「普通に働き、普通にメシが食えて、普通に家族と過ごす。こんな当たり前のことが難しくなった世の中って、どこか狂っていないか?」

シンプルで楽観的なシナリオが、現実に当てはまるとは限らない
 いま安倍首相が力を入れようとしている働き方改革はどこまで実効性の伴うものになるかは現状未知数だが、少なくとも1つ言えるのは、「マクロ経済統計で雇用需給のひっ迫が続けば、賃金の増加と消費マインドの改善を期待することができ、それらに沿って個人消費は顕著に増加して、景気は良くなるはずだ」というような、シンプルで楽観的なシナリオが妥当するわけではどうやらなさそうだということである。消費者態度指数の内訳である消費者意識指標の動きをつぶさに見ることを通じて、そうした見方が浮かび上がってくる。


このコラムについて
上野泰也のエコノミック・ソナー
景気の流れが今後、どう変わっていくのか?先行きを占うのはなかなか難しい。だが、予兆はどこかに必ず現れてくるもの。その小さな変化を見逃さず、確かな情報をキャッチし、いかに分析して将来に備えるか?著名エコノミストの上野泰也氏が独自の視点と勘所を披露しながら、経済の行く末を読み解いていく。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/248790/012600079/

 

 
企業が現金決済をやめるべき理由
テクノロジーの発達と犯罪の予防目的で急速に進むキャッシュレス化

米メリーランド州ボルティモアのパークカフェ&コーヒーバーでは、強盗被害にたびたび遭ったことから、現金決済を一切やめる決断をした PHOTO: CHRISTOPHER MIMS/THE WALL STREET JOURNAL
By
CHRISTOPHER MIMS
2017 年 1 月 31 日 07:28 JST
――筆者のクリストファー・ミムズはWSJハイテク担当コラムニスト
***
 米メリーランド州ボルティモアのパークカフェ&コーヒーバーでは、わずか3カ月で5回も強盗被害に遭った。これを受けてオーナーのデービッド・ハート氏は、地元客相手の小さなコーヒー店としては数年前であれば過激に見えた措置に踏み切った。現金の受け取りを一切やめたのだ。ハート氏にとっては捨て身の決断だったが、意外なことに売り上げは落ちなかった。
 米両海岸合わせて66カ所に店舗を構えるサラダチェーンのスイートグリーンでは、もっと大きな規模で実験を行い、同様の結果を得た。同社の広報担当者によると、1年の試験運用を経て、2017年に完全キャッシュレス化することを決定した。その決断に至った要因はレジ処理の迅速化から現金の不衛生さへの懸念まで多々ある。しかし、広報担当者が真っ先に挙げた理由はハート氏と同じく、強盗に襲われるチャンスを減らすことで従業員の安全を確保するためだった。
 米国では1950年代に初めて汎用(はんよう)クレジットカードが導入されて以来、ゆっくりとキャッシュレス社会に移行してきた。しかしここへきて、現金を完全になくすなら今だと多くの企業が判断し始めている。
 多数の要因を受け、米国人の多くが日々の生活で現金の使用をやめるに至っている。また、信用に値する多数のテクノロジーも登場している。モバイル端末とスクエアなどの決済システムを組み合わせることで、食料品市場の販売店から住宅検査員などの個人経営のサービス業者に至るまで、誰もがクレジットカードで決済できるようになった。米スクエア、米クローバー・ゴー、スウェーデンのアイゼトル、米スパークペイなどの新興の決済システム会社は、大小を問わず企業の決済処理の支援も始めており、クレジットカード払いの導入に伴う手数料の節約に一役買っている。
 さらに、友人に借りた20ドルを返す際も、現金を手渡す代わりに米決済大手ペイパル傘下の個人間送金サービス「ベンモ」を使用して返金できるようになった。駐車場でも今は硬貨の代わりにクレジットカードやアプリで支払うことができ、現金支払いの料金所も減っている。アップルペイをはじめとするモバイル決済アプリの台頭は言うまでもなく、タクシーの手配から食べ物の出前まであらゆるサービスをアプリで発注し、決済することも可能だ。

2016年は世界で初めてクレジットカード決済額が現金決済額を上回った。青:カード決済額/緑:現金決済額(単位:1兆ドル)
https://si.wsj.net/public/resources/images/BF-AN844_KEYWOR_16U_20170127144505.jpg

 こうした小さな変化が積み重なり、米国の特定層の人たちは単純に現金を習慣的に使用しなくなってきている。調査会社ユーロモニターのアナリスト、ケンドリック・サンズ氏によると、昨年は世界で初めてクレジットカード決済額が現金決済額を上回った。米国では2004年にすでにその節目を迎えており、2016年の全取引に占める現金決済の割合はわずか22%にとどまっている。スイートグリーンがオープンした2008年当時は現金決済が40%を占めていたが、その割合は2016年までには10〜15%に減った。
 こうした現状からは、明白だが重要な事態が予想される。現金利用の減少と代替決済手段の台頭は今や加速する一方であり、合法的なビジネスで現金に終わりが来る日は予期していたよりも早く訪れるだろう。
 だが、現金の消滅を嘆くべきではない。その理由は、現金がおおむね怪しい用途に使用されることにある。米国における現金と犯罪の関係という問題に対処するための包括的な調査で、現金の扱い量を減らした地域では窃盗だけでなく暴力犯罪も大幅に減少したことが明らかになった。

パークカフェ&コーヒーバーに貼られた現金決済をやめることを顧客に告げる貼り紙 PHOTO:CHRISTOPHER MIMS/THE WALL STREET
 その調査とは、連邦政府が社会福祉給付の支給方法を強制的に変更した影響を調べたものだ。1990年代、各州では給付金を容易に換金可能な小切手で支給するのをやめ、代わりにデビットカードに振り替えた。ミズーリ州では、この移行を1年かけて郡単位で行った。全米経済研究所の2014年の報告書によると、エコノミストと犯罪学者で構成される研究チームは、過去のデータを使用し、犯罪率が9.8%低下した原因が福祉給付の電子振り込み化にあることを突き止めた。
 ジョージア州立大学で犯罪学を教えるチームの筆頭研究者のリチャード・ライト氏によると、この結果はキャッシュレス社会への世界的なシフトにも広く当てはまる可能性が高い。犯罪者が必要とする乏しいリソースを排除することで、サイバー犯罪は無理でも、路上犯罪は制御できる可能性がある。
 キャッシュレス化がおおむね有機的に発生している米国や中国とは対照的に、デンマークやスウェーデン、韓国などの国々はトップダウンでキャッシュレス化を推進している。その動機は多くの場合、闇市場活動の撲滅や税収拡大にある。インドは現在、政府主導で独自のキャッシュレス社会化を進めている最中だが、その理由について政権幹部は数百万人の貧困層が金融サービスを広く利用できるようにするためだと主張している。政府はその主張を後押しするため、貧困層に無料で銀行口座や借越金に対する保険を提供している。

スイートグリーンでは2017年に完全キャッシュレス化に踏み切った。写真は昼食時でにぎわうニューヨーク・マンハッタン店 PHOTO: DAVID KASNIC FOR THE WALL STREET JOURNAL
 現金輸送費など現金はコストがかかるが、キャッシュレス化にも代償がないわけではない。このシフトでかなりの利益を得られる立場にあるのが銀行だ。消費者金融保護局(CFPB)は当座貸越手数料を通じて消費者を巧みに利用している銀行を訴えているが、そうした手数料は増える一方だ。米国人が路上犯罪で失う金額は年間5億ドル(約570億円)だが、現金自動預払機(ATM)の手数料で失う金額は年間80億ドルに上る。
 また、決済テクノロジーが発達するにつれ、他にも手数料が取られるようになっている。アップル、サムスン電子、スクエア、ペイパル、ストライプをはじめとするテクノロジーと金融を融合したフィンテック事業を手掛ける無数の新興企業が、われわれがカードやスマートフォン、スマートウオッチで決済するたびに、少額を稼いでいる。
 利ざやの低い小企業の多くが、一部帳簿外のビジネスを行うことで存続している。現金割引を提示するのには理由があり、クレジットカード手数料はそのごく一部にすぎにない。内国歳入庁(IRS)の推定では、IRSの請求額と納税額の年間差額4580億ドルのうち4分の1以上を小企業が占めている。
 現金が何らかの形で今後も使用される可能性はかなり高い。米国では、いまだに7%の人たちが銀行口座を持っていない。また、危機の際には現金が有用だ。
 しかし、われわれは現金への文化的愛着を失いつつある。ハート氏は、カフェのスタッフに現金の使用をやめることを告げた際、慎重に事を進めたという。
 ハート氏は「私はとても心配していた。顧客が拒否した場合、どう答えるべきかをかなり気を遣って彼らに説明しようとした」とした上で、「だが、誰も拒否しなかった」と述べた。
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https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjAwPKSzevRAhVCFZQKHfAtCeoQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11303642310634324165204582590323636870012&usg=AFQjCNGrK1Xo4wP-rKbjCDbNqKZle6EomQ


 


イケアが問う「環境に優しいから高価格」のウソ

トランプに勝つ!「サステナブル経営」の極意

温暖化対策の仕掛け人、イケアのハワードCSOに聞く
2017年1月30日(月)
蛯谷 敏

 本誌1月23日号の特集「トランプに負けるな! トヨタ、GE、ダノンの動じない経営」では、トランプ氏の大統領就任が象徴するグローバリゼーションの修正が始まる時代に必要なのは、企業と社会が共に価値を共有し続ける「サステナブル経営」であると位置づけた。
 特集で取り上げた欧米企業の中でも、家具の世界大手スウェーデンのイケアは、気候変動対策に積極的な企業として特に有名だ。「2020年に店舗を再生エネルギーで100%賄う」「世界全店舗から白熱電球の販売を中止し、LED電球に切り替え」など、スケールの大きな取り組みが注目を集めている。
 近年は自社での活動にとどまらず、社外とも積極的に協力して、気候変動対策を世界的に強化する活動をけん引している。自社のファンドを組成して、環境ベンチャーに10社以上投資。大企業とは「RE100」など、再生可能エネルギーの利用を普及させるイニシアティブも主導する。国連とも連携し、SDGs(持続可能な開発目標)の推進にも貢献している。
 イケアがこれほど経営のサステナビリティー(持続可能性)を重視するのは理由はなぜか。同社のCSO(チーフ・サステナビリティー・オフィサー)のスティーブ・ハワード氏に聞いた。

【記事のポイント】

●このままでは地球の資源は枯渇する
●サステナブル経営は企業の責務
●目標は「100%」でなければ実効性がない

(写真:永川智子、以下同)
スティーブ・ハワード(Steve Howard)氏

1990年ロンドン・メトロポリタン大学卒業。96年、ノッティンガム大学で環境物理学の博士号を取得。CSR(企業の社会的責任)コンサルタントとして働いた後、2003年に環境NPO(非営利組織)のザ・クライメートグループを立ち上げ、CEO(最高経営責任者)に就任。政府や企業と連携し、低炭素社会の実現に向けた活動を展開した。2011年、イケアがCSO(チーフ・サステナビリティー・オフィサー)のポジションを新設したことに伴い、イケア入社。イケア全社のサステナビリティーの戦略を統括するほか、世界経済フォーラムの気候変動対策グループ議長なども務める。

イケアはサステナビリティーを重視する企業として世界的に有名です。なぜ、サステナビリティーを重視するのですか。

スティーブ・ハワードCSO(以下、ハワード):残念なことですが、地球の未来を考えると、企業がサステナビリティーを考えることは、もはや「やる」「やらない」の問題ではなくなりました。このままでは、地球資源が枯渇するのは明らかです。企業がサステナビリティーを経営の根幹に位置付けるのは当然です。しかも、それにどれだけ、コミットできるかが問われています。

 20世紀の初頭、世界の人口がまだ15億人ほどの時代なら、何も問題はありませんでした。資源は潤沢で、海はどこまでも続き、食料は無限にある時代でした。

 しかし、100年後の現在は違います。世界人口は75億人に膨れ上がりました。先進国の人々は豊かさを享受し、新興国の人々の生活もこれに続いています。その結果、地球の資源は枯渇に近づいています。そして深刻な環境破壊が地球全体を蝕んでいます。

 国際シンクタンクのグローバル・フットプリント・ネットワークの試算によれば、我々が消費している資源は、毎年、地球1.6個分にのぼります。1年間で、我々は地球まるごと1つ以上の資源を消費しているのです。そして、この“負債”は年々蓄積されています。恐ろしいことに、その消費量は今後さらに拡大すると見られています。このままでは、地球の資源は持続できません。

 地球規模で考えなければならない社会課題はいくつもあります。その中で、イケアが特に関心を持っているのが、気候変動問題です。昨今、世界で起きている異常気象も、この動きと無縁ではないでしょう。

 問題が大きすぎて、消費者には実感がわかないかも知れません。しかし、気候変動に関して言えば、もはや猶予はあまりありません。次の世代に先送りできる問題ではないのです。

 イケアはこうした問題意識を、CEO(最高経営責任者)のペーテル・アグネフィエルを始めとした経営陣が共有しています。そして、経営の中心に据えて取り組む方針を掲げてきました。

「人にも地球にもポジティブ」な影響を与える

サステナブルな経営の重要性は理解できます。一方で、日本では具体的にどう実践すればいいのか、分からないという企業も少なくありません。

ハワード:イケアも1990年代から、サステナビリティーをどのように経営戦略に位置づけるか、試行錯誤してきました。

 経験的に、まず取るべきステップは、社内にサステナビリティーを推進する責任者を置くことです。それも、経営に携わる役員クラスが望ましい。その理由は、サステナビリティーを経営戦略と一体で考えなければ、社会に大きなインパクトを与えることができないからです。

 イケア自身もそうでした。90年代から環境対策やサプライチェーンの見直しなど、サステナビリティーに積極的に取り組んできました。一方で、当時はどの活動も単発的で、部分的な活動にとどまっていました。

 イケアはCSO(チーフ・サステナビリティー・オフィサー)のポストを設けた後、その体制をがらりと変えました。経営の中で、サステナビリティーに取り組むことを宣言し、戦略と一体化しました。「People&Planet Positive」という戦略を掲げ、イケアのあらゆるビジネスが「人と環境にポジティブな影響を与える」という方針に沿ったものとすることを明確にしたのです。

 この方針の下に、イケアの個々の事業について、取るべき方策を具体化していきました。

 現在では、イケアの事業展開の基準は、すべてこの戦略に沿っているかどうかで判断しています。例えば、イケアには環境ベンチャーに投資するファンドがありますが、投資判断は、人と地球にポジティブな影響を与えるかという基幹戦略に沿っているかどうかを重視します。商品も同様で、この戦略に沿って開発されます。

 責任者を設け、経営戦略と一体化することに加えて、もう一つ大切なことは、サステナビリティーの活動を定量的に測定することです。サステナビリティーに取り組んだ結果、どれだけのインパクトを与えるのかを、可視化するのです。

 その方法は、いくつもあります。分かりやすいのは、二酸化炭素をどれだけ排出したかという点ですが、それ以外にも、再生可能エネルギーの利用率など、いくつもあります。測定方法を示すツールを提供するNPO(非営利組織)などもあります。

目標は100%でなければ実効性がない

数字で示すことは大切だということですね。

ハワード:はい。私はよく100%という言葉を好みます。100%リニューアブル、100%認定魚、100%リサイクルプラスチックなど、イケアには100%を掲げた活動がいくつもあります。

 理由は簡単で、目的がとてもクリアになります。例えば、60%にすると、それはどこかに言い訳できる余地を残してしまうのです。当初は、それほど意識はしていなかったのですが、社内での動き方も変わります。経営に良い緊張感も生まれます。決意の固さと同時に、徹底的に進めることにつながります。

確かに、100%という数字はインパクトがありますね。

ハワード:もちろん、すべて100%である必要はありませんが、数字を示すことはサステナブルを考える上ではとても大切です。世の中にポジティブなインパクトを与えているかどうかが、明確になりますから。

 さらに数字が、どのような意味を持つかを見せていくことも、経営にとっては大切だと思います。仮に何かの目標を50%達成したとき、それを、もう半分なのか、まだ半分なのか。捉え方次第で、組織のモチベーションは大きく変わります。フレームワークを前向きに設定することも、経営の大切な役目だと思います。

 インタビュー全文は、スマートフォンやタブレット端末などでも日経ビジネス本誌が読める「日経ビジネスDIGITAL」の有料会員限定となります。「日経ビジネスオンライン」の無料会員ポイントでもご覧いただけます。

【インタビュー後半のポイント】
●「サステナブル経営」はイノベーションを加速する
●サステナブルだから値段は高い、という発想は間違い
●「目的志向」の人々が増えている

「日経ビジネスDIGITAL」でインタビューの全文を読む

このコラムについて

トランプに勝つ!「サステナブル経営」の極意
日経ビジネス1月23日号の特集「トランプに負けるな!〜トヨタ、GE、ダノンの動じない経営」では、グローバリゼーションの修正が始まる時代に企業はどうあるべきか。編集部が導き出した解は、ビジネスが生み出す価値を社会と共有し続ける「サステナブル(持続可能な)経営」。日経ビジネスオンラインでは、本誌の登場した、米ハーバード大学のマイケル・ポーター教授、仏ダノンのエマニュエル・ファベールCEO、花王の澤田道隆社長、コマツの大橋徹二社長などのインタビューを掲載する。日経ビジネスDIGITALの有料会員向けには全文を公開している。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/16/011700014/011700002


 


社員の能力を100%引き出す 食事マネジメント
【第7回】 2017年1月31日 笠井奈津子 [栄養士、食事カウンセラー]
心の病で休職中・復帰直後の社員を「食事で底上げ」する方法

メンタルヘルスで休職すると、外出に罪悪感を感じる人も少なくありません
?脳も肝臓と同じように臓器のひとつである、という事実を実感する場面はほとんどありませんが、暴飲暴食が体には悪いけれど脳には良い、とは考えにくいものです。体にとって負担になる食べ方は、当然、メンタルにも影響を及ぼしてきます。皆さんは、休職による生活の変化を想像したことはありますか?今回は、メンタルヘルスで休職中・復職後の社員の食事について取り上げます。

心の病に糖質過多・タンパク質不足が追い打ちをかける

「いやー、ちょっと大変な部署なんですよね。食生活も関係していると思うんですけど…」

?研修担当者がそう紹介した部署は、締め切りが頻繁に生じる環境かつ、大きな判断を任されることが多く、仕事においても人間関係においても強いストレスを感じやすい組織でした。私が担当する企業の中では、情報システムや営業の部署が多いように感じます。

?業務や人間関係など様々な原因が考えられますが、メンタルヘルスに問題を抱えたとき、やる気、集中力、睡眠の質が低下することがあります。これらは疲れている時に起きることもありますが、栄養の面からいうと、糖質過多でタンパク質が不足しているときにも起こり得ます。

?ただ、メンタルに負担がかかるとき=仕事が忙しいときでもあるので、そんな時は限られた時間で食事を済ますために、簡単に食べられるメニューを選びがちです。菓子パンやサンドイッチ、おにぎりなど片手でつまめるもの、もしくはカップ麺のように流し込んで食べられものを選ぶ人もいるのではないでしょうか。食べ方を変えれば解決する問題ではないにしても、今の食べ方が弱ったメンタルに追い打ちをかけている可能性は拭えません。

休職しても不安は尽きない

?では、メンタルヘルスに課題を抱えて休職することになったとき、どのような生活を送ることになるでしょうか。たとえ職場でストレスが引き金になっていたとしても、休職したからといってストレスから完全に解放されて家でリラックスして過ごす、ということはほとんどないでしょう。

「職場に復帰できるか」、「今後の生活はどうなるのか」、そして、症状が改善して復職への準備が始まっても、「本当にやっていけるのか」「また同じことにならないか」など不安は尽きないものです。

?また、家にいる時間が多くなっても、キッチンに立って料理を作ろうという気持ちにはなかなかなれないもので、仕事が忙しかったときとあまり変わらない食生活をしている人が多いのも現状です。食材の買い出しで外に出るのも億劫、キッチンに立つのも億劫。冷蔵庫には飲み物だけでスナック菓子やカップ麺、冷凍食品が買い置きされているかもしれません。また、先の見通しに不安があるので、どうしても食費を切り詰めがちになります。金銭的に不安がない場合でも、メニューを考えることや選ぶことが億劫になるので、毎日同じ食事の繰り返しになることもあります。

?それでも「仕方ない」で流すわけにはいきません。なぜならば、私たちは、ストレスを感じると、タンパク質、ビタミン、ミネラルを大量に消費してしまうからです。健康に配慮した食生活を送る気持ちの余裕がないにもかかわらず、体はいつも以上に栄養を必要としているのです。

まずは食事で現状の底上げから

?メンタルヘルスに問題がある時は、いろいろなことを考えるのも作るのも億劫な状態でもあるため、まずは現状の底上げから始めましょう。

?ストレスによって消耗する栄養は食事で補うことができます。コンビニで売られている食材で言うと、タンパク質は、卵、納豆、豆腐、しらす干し、鮭の塩焼きを、野菜は便利なもやしやカット野菜、トマト缶などが挙げられます。あまり調理の手間をかけずに食べられるものをストックしておきたいものです。

?ただ、コンビニと聞くと、“添加物”を気にする人が少なくありません。もちろん、添加物を積極的に摂りましょう、とは言えません。でも、それ以上に問題なのは、「糖質過剰、タンパク質不足」になりやすい栄養の偏りです。タンパク質を毎日補給しなければ、心身の健康は保てません。気持ちの浮き沈みに影響を与える自律神経を正常な状態に保つためには、コレステロールを極端に避けるのはおすすめできません。コレステロールの過多は肥満の原因だと考えられがちですが、ホルモンや細胞膜の材料として、健全な精神状態を保つためにも必要なものです。

?極端な食生活を送ることなく、大豆・卵・魚・肉などのタンパク質をバランスよくしっかり摂ることが大切です。こだわりすぎて何もできないよりも、不足を補うことが大事だと思います。

休職中に改善したい2つの「習慣」

?食事で心と身体を建て直しながら、復職後を見据えて休職中に改善しておきたい習慣が2つあります。

?ひとつは、ストレスを和らげる目的で飲むお酒を控えることです。飲酒によって失われる栄養素の中には、ストレスへの抵抗力を強めてくれるセロトニンの合成に必要な葉酸も含まれるからです。

?また、休職中のうちに、朝食を食べる習慣も身につけたいものです。職場に戻れば、また以前のような働き方になるときもあるはずです。そうした状況で左右されない栄養の補給源は朝食しかありません。ストレス時には栄養素の必要量が増えるということを認識して、その分を補充しようとする癖をつけておくことが大切です。日々の生活から、コツコツと積み重ねるように心身のバランスを整えていきましょう。

?メンタルヘルスの問題について、もちろん食が全てとは言えません。ただ、選択肢のひとつとして食という切り口があることを知っておくことは、大きな助けになります。毎日のことですし、物理的に見える形で、ひとりでも取り組めるものだからです。

人事・総務・管理職がメンタルヘルスで休職中・復職後の社員の食事をサポートするには
?食がメンタルヘルスを改善する選択肢であることを広く知ってもらうために、人事・総務・管理職が「研修」を開催するのも良いでしょう。参加のハードルを低くするために、フィジカルな健康セミナー(座学中心ではなく体を動かすもの)を主軸に置きつつも、講師の人にメンタルと食の関係についても少し含んでもらうと良いと思います。

?研修とまではいかなくとも、すぐできることでいえば、メンタルヘルスと食との関係が書かれた本を、オフィスの共有スペースに置くのもひとつです。その本だけを置くと露骨ですから、いろいろな系統の本や雑誌に混ぜておくと良いでしょう。自身の健康状態に不安があるときは、アンテナが高く立っているので、少しの知識でも良いきっかけになることがあります。

?ただ、一般的には、予備知識がないままにメンタルヘルスで休職することになるケースもたくさんあります。休職中の接点がほとんどない中で、企業側はどのようなフォローができるか、思案するところですよね。

?そんな時には、休職中に面談する機会がある人事の担当者、産業医や産業カウンセラーと食の重要性について考え、共有するのが効果的です。食事の中身をあれこれと指導するのではなく、ちゃんと食べているか、一日何食になることが多いか、食事の準備はどうしているか、など生活の様子が想像できることをヒアリングするのです。

?メンタルヘルスに問題を抱えると食に興味がなくなる人もいます。そのようなときに、無理に食べるのはつらいものです。そんなときには、外に出て活動量を増やすことで自然と食欲を取り戻すことができれば良いですよね。

?休職中の人にとっては、休職中の外出、特に昼間のお出かけに関して罪悪感を感じてしまうケースが少なくありません。しかし、心身の健康のためにも適度な活動量が大事ですし、外出によって、ずっと家で過ごすよりも食事のリズムが整いやすくなります。家にいると過食に走りがちな人には、外出は予防の一手にもなります。ぜひ会社の方から、散歩などのちょっとした外出を提案し、罪悪感を軽減してあげましょう。

?職場復帰できた人の話を聞くと、外に出られる気持ちになったあと、ファストフード店やカフェ、地域のスポーツセンターや図書館など、自分にとって出かけるハードルが低い場所を上手に活用しているように感じます。

?人事・総務・管理職は、こうした事情も想像して、休職中の社員が少しでも心を休められるよう、サポートしてさしあげてください。

(栄養士、食事カウンセラー?笠井奈津子)
http://diamond.jp/articles/-/116029
http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/514.html

[不安と不健康18] 健康的な食生活、うつ病に効果も  地中海型の食事が患者の助けになる可能性 
健康的な食生活、うつ病に効果も
地中海型の食事が患者の助けになる可能性
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健康的な食事は、うつ病治療の助けになるのか。地中海型の食事には精神医学上のメリットがあることを示した新たな研究結果について、WSJのスマティ・レディー記者に聞く(英語音声のみ)
By SUMATHI REDDY
2017 年 1 月 31 日 14:17 JST

 うつ病の治療に関する新たな研究で、興味深い結果が示された。健康的な食事がうつ病患者の助けになる可能性があるというのだ。

 この研究は、栄養精神医学という新しい分野に属す。食事を変えることで、うつ病などの「気分障害」の治療を促す精神医学だ。研究者たちは常に、うつ病をはじめとする精神疾患の新たな治療法を探求している。なぜなら、抗うつ剤や心理療法に反応しない人が少なくないからだ。

 今回の研究論文は30日に医学誌「BMCメディシン」に掲載された。これによると、「地中海型の食事」群に割り振られた被験者のうち、12週間で寛解(病気の症状が軽減またはほぼ消失した状態)の基準に達した人は全体の3分の1に達した。一方、比較対照群では、わずか8%にとどまった。寛解は、診断質問票の患者のスコアによって評価され、精神科医はこれを使ってうつ病の重症度を判断する。

 この論文の主任研究者である豪ディーキン大学のフェリス・ジャッカ教授(精神保健疫学・栄養精神医学)によると、うつ病の発現および罹患(りかん)のリスクと食事とを関連づける証拠は、観察研究でも動物実験でも多く存在する。ジャッカ博士は、国際栄養精神医学研究学会の会長でもある。

 精神科医らはこの研究結果について、食事の変更がうつ病の従来の治療法に代わり得ることを示す証拠は一切ないと警告した上で、追加的な治療法として有効である可能性はあると指摘した。

地中海型の食事は、うつ病の追加的な治療法として有効な可能性がある
地中海型の食事は、うつ病の追加的な治療法として有効な可能性がある PHOTO: GETTY IMAGES/ISTOCKPHOTO
 この処方箋は、非実用的な可能性もある。健康的な食事を作るには意欲や計画性が必要だが、それはうつ病患者にとって大きな負担だ。専門家は、うつ病患者は計画を行動に移すのが困難であるため、支援が必要になる公算が大きいと述べている。

軽度のうつ病に有効か

 この研究は初のランダム化比較試験で、うつ病と診断されて既に治療を受けていた67人が参加した。被験者の年齢の中央値は40歳で、大半は体重過多だった。

 実験では、およそ半数の被験者が食事介入群に割り振られた。被験者は以下のような食事計画を立てる支援を受けた。果物、野菜、豆、魚、全粒穀物、赤身肉、オリーブオイルとナッツを大量に含む食事を取る一方で、菓子、加工食品、ソフトドリンクやその他の非健康的な食品の摂取は控えるというものだ。被験者は食事日誌をつけ、栄養士との面談を毎週受けた。

 残りの半数は比較対照群で、1対1のやり取りなど栄養士から通常受けられるような社会的支援を受けたが、食事は一切変更しなかった。これは、どんな変化があったとしても、その原因が栄養士とのやり取りではなく、食事そのものであることを判断するのに役立つ。この群の体重は減らなかったが、ジャッカ博士はそれが研究の焦点ではないと指摘した。

 米ラッシュ大学医療センター精神医学部のロバート・シュルマン博士は、この研究にはいくらかの制限があったため、さらなる研究が必要だと述べる。同博士は、一部の被験者が受けていた投薬治療やその他の要因が、食事変更に対する被験者の反応に影響をもたらした可能性があるか否かが不明だと指摘した。

 バージニア州マクレーンの精神科医、ジョシュア・ウェイナー氏は、食事の変更が、軽度のうつ病で投薬治療を望まない患者にとって、とりわけ有効である可能性があると述べる。「もし、意欲のある患者がいるのなら、これをすることに大賛成だ。問題は、多くの患者にその意欲がないということだ」

 そもそも食習慣がお粗末な人だと、より良い結果が出る可能性がある、と同氏は指摘する。

 メルボルン在住の専業主婦、サラ・キーブルさん(44)は、食事介入群に割り振られた被験者の1人だった。

 キーブルさんはおよそ10年前にうつ病と診断されて以降、断続的に投薬治療を受けていた。彼女によると、今回の食事介入法は、ソフトドリンク、アルコール、チョコレートや加工食品を絶つのに役立った。また、魚、オリーブオイル、豆類や種子類の摂取量も増えたという。

 キーブルさんは「2週間後には、気分がかなり落ち着き、集中力が高まって、何かをしようという意欲が沸いてきた」と話した。

 キーブルさんは18カ月前に12週間の実験を終えて以降、食事介入法について程度を抑えて継続しようと試みている。ただし、今も抗うつ剤を継続しなければならない状態にある。

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http://jp.wsj.com/articles/SB11303642310634324165204582592511685207318


http://www.asyura2.com/16/health18/msg/355.html

[IT12] フェイスブック、新たなパスワード復元ツール発表へ 他サイトのパスワードリセット「デレゲーテッド・アカウント・リカバリー」
フェイスブック、新たなパスワード復元ツール発表へ 
By ROBERT MCMILLAN
2017 年 1 月 31 日 16:00 JST

 米フェイスブックは、そのプラットフォームを利用して17億9000万人のユーザーが他のウェブサイトのパスワードをリセットできる新技術を公表する。人々のデジタル生活にソーシャルネットワークをさらに定着させようとする取り組みの一環だ。

 「デレゲーテッド・アカウント・リカバリー」と名付けられたその技術は、サイトのパスワードを忘れてしまったり、携帯電話の機種変更後にログインできなくなったりしたユーザーがパスワードで守られているサイトにログインできるよう、本人確認の新しい方法を提供する。

 現在、ウェブサイトの多くは、パスワードを忘れた人々をサポートするため電子メールアドレスや携帯電話番号の入力を要求している。ところが、こうしたパスワード・リセット・システムを悪用してオンラインアカウントに侵入する犯罪者たちもいる。たとえば、セキュリティーソフト大手シマンテックの研究者たちが昨年詳細を報告したある詐欺事件では、犯罪者がGメールのユーザーらをだまし、携帯メールで送られてきた認証コードを入手していた。

 かねて人々のインターネット利用の中心的存在になろうとしてきたフェイスブックは、すでにユーザーが多くのサイトにフェイスブックのアカウントでログインすることを可能にしてきたが、他のサイトのパスワードのリセットには関与してこなかった。

 この新技術ではまず、ユーザーがサイトのパスワード復元サービスとフェイスブックのアカウントをリンクさせる。パスワードを忘れたら、ユーザーは他のサイトのアカウントをリセットするために、フェイスブックのIDの再認証を行った後、フェイスブック内にある「このアカウントを回復する」というボタンをクリックすればいい。

 フェイスブックのセキュリティエンジニアでこの新技術の開発に携わったブラッド・ヒル氏はこの新しいツールに関して、既存のパスワード復元手段よりも安全(たとえば電子メールなどは、フェイスブックのシステムのようなエンドツーエンド暗号化を提供していない)になり得るとしたうえで、フェイスブックのユーザーのアカウント回復に役立つよう最終的には他のサイトにそれを利用してもらいたいと同社は考えていると明かした。

 「この業界はパスワードの問題に多くの時間を費やしてきたが、アカウントのより安全な回復ではあまり前進してこなかった」とヒル氏は言う。その技術は当初、ウェブサイトでしか機能しないが、フェイスブックはいずれそれをアプリにも適応させるかもしれないという。

 フェイスブックは1月30日、他のウェブサイトがテストを行ってユーザーのためこのオプションを追加するか決められるよう、システムの機能を説明した仕様書を発表した。フェイスブックはソフトウエア開発者向けソースコード共有サービスの米ギットハブと協力し、ギットハブのユーザーにアカウントをリセットさせるシステムの初期段階の実験を行ったという。

 ギットハブの広報担当者はそのシステムの運用開始を1月31日に予定していると述べた。

 フェイスブックがこの1週間でセキュリティ強化に関する発表をしたのは今回で2度目。同社は1月26日、ユーザーがフェイスブックのアカウントを保護するのに暗号化キーを含むハードウエア「ドングル」を利用できるようにすると発表した。セキュリティの専門家らによると、そうしたキーは、たとえば携帯メールで送られてくる暗証コードよりも安全にアカウントに鍵をかける方法となり得る。

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http://www.asyura2.com/14/it12/msg/226.html

[国際17] 米国土安保長官、ホワイトハウスとの間に亀裂 米入国禁止、空港で5時間拘束 多くは永住権保持者、乳児も オバマ難民レガシー
米国土安保長官、ホワイトハウスとの間に亀裂
ケリー長官はトランプ政権の入国禁止令や人事案に不満を示している

https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-RW500_DHS013_P_20170130184512.jpg
ジョン・ケリー国土安全保障省長官 PHOTO: JOSHUA ROBERTS/REUTERS
By DAMIAN PALETTA AND ARUNA VISWANATHA
2017 年 1 月 31 日 17:07 JST

 【ワシントン】米国土安全保障省(DHS)の人事や一部地域からの入国を禁止する大統領令などをめぐり、ジョン・ケリー長官とホワイトハウスの間に亀裂が生じている。関係者が明らかにした。入国禁止令によって各地空港が混乱する中、DHSでは副長官の座が空席のままの状況が続いている。

 ドナルド・トランプ大統領がケリー氏を長官へ指名したことは、共和党だけでなく民主党からも幅広く支持を受けた。退役海兵隊大将である同氏ならば、意見の相違が生じてもトランプ氏に反論できるだろうと期待されたからだ。

 しかしそのような事態が実際に発生するまで、時間はかからなかった。関係者によれば、ケリー氏は自らが望む人物を副長官に起用できない一方で、ホワイトハウス側はカンザス州の州務長官を務めたクリス・コバック氏を推薦し続けた。ケリー氏は、移民規制強硬派として知られるコバック氏の就任を阻止するために動き続けたという。

 ケリー氏は中東・アフリカ7カ国の人々の米国入国を禁止する大統領令に関しても、その詳細をより早く知ることができなかったことに憤慨している。内容を把握していれば、DHSの体制も整えることができたためだ。

 トランプ氏は27日の午後に大統領令に署名したが、ケリー氏がその内容を知らされたのは当日ワシントンに移動中のことだった。関係者によれば、ケリー氏は大統領令の最終的な内容を事前に伝えるようホワイトハウス側に何日も前から要請していたという。

 ホワイトハウスは30日、トランプ氏がエレイン・デューク氏をDHSの副長官に指名する予定だと発表した。デューク氏はジョージ・W・ブッシュ政権時にDHSに勤務した経歴を持つ。

 ホワイトハウスは大統領令に関してケリー長官が事前にブリーフィングを受けたかについては、コメントを差し控えるとした。ホワイトハウスのショーン・スパイサー報道官は大統領令について「知らなければいけない立場の人は輪の中に入っていた」としている。

 この件についてDHSの広報官はコメントを控えるとしている。

 また、トランプ政権は30日の夜にDHSの移民税関捜査局(ICE)のダニエル・ラグスデール局長代理を更迭。ラグスデール氏は省内でもバラク・オバマ政権の移民政策を支持していると見られており、大統領令が署名される以前から更迭は予測されていた。トランプ氏はICEの高官であるトーマス・ホーマン氏を暫定的な局長に指名している。

 DHSは国境内の国民の安全を守る機関だが、ホワイトハウスとの間に不和が生じたことで上層部に先行き不透明感が強まっている。大統領令を受けて各地空港では抗議運動が展開されたが、この事態への対応に関しても苦慮する場面が見られていた。

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【社説】オバマ氏が残した「難民」というレガシー
トランプ氏の批判までに要した日数はわずか10日

https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-RW504_2obama_J_20170130185721.jpg
在任中最後の記者会見に臨んだオバマ前大統領(18日)
2017 年 1 月 31 日 16:03 JST

 もしあなたが11日間に賭けていたとすれば、あなたの負けだ。何の賭けかといえば、バラク・オバマ前大統領が後任のドナルド・トランプ氏を批判するまでに要する日数のことだ。ちなみに、われわれの賭けは30日間だった。だが、オバマ氏がわれわれの期待を裏切るのは今に始まったことではない。

 オバマ氏は退任後のバケーションを終えるのも待てなかった。難民・移民の入国を制限するトランプ氏の大統領令について、オバマ氏は30日午後に報道担当者を通して声明を発表。「全米各地で起こっている(抗議活動)に勇気づけられている」と述べた。

 報道担当のケビン・ルイス氏はさらに、「一般市民は集会や結社の自由、選挙で選ばれた人に自分たちの声を聞いてもらうという憲法で保証された権利を行使している。これはまさに米国の価値観が危機にさらされている時にわれわれが期待することだ」とし、こう続けた。「オバマ(前)大統領の外交政策との比較で言えば、以前にも耳にしているように、(オバマ)大統領の考えは信条や宗教を理由に個人を差別するという見解とは根本的に相いれない」

 これを疑うものは誰もいない。しかしそもそもシリア難民が世界的な危機となったのは、オバマ氏が5年間、大統領としてシリアの内戦を終わらせるためにほとんど何もしなかったのが大きな理由だ。難民対策は言うに及ばずだ。オバマ政権が受け入れたシリア人の数を列記してみる。2011会計年度29人、12年度31人、13年度36人、14年度105人、15年度1682人。そして16年度になって初めて受け入れ目標を1万3000人と大幅に引き上げた。ただし同年度の実際の数字はまだ公表されていない。オバマ氏はイラクやアフガニスタンで米軍のために仕事をした通訳などが再定住先を見つける手助けもほとんどしなかった。

 われわれは難民に関してトランプ氏が発した大統領令には反対している。しかし、オバマ氏やスーザン・ライス前大統領補佐官のような側近が「米国の価値観」や中東のカオスが生んだ難民について誰かに講義するのは、厚かましいと言わざるを得ない。

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米の入国禁止、空港で5時間拘束された体験は
多くは永住権保持者、1歳に満たない赤ん坊も
シカゴのオヘア空港で旅行者の相談を受けるボランティアの弁護士たち
By IAN LOVETT
2017 年 1 月 31 日 16:14 JST

 アビール・ヘマイダンさん(46)がアムステルダムからの長いフライトを経てシカゴのオヘア国際空港に着陸したのは、28日午後12時42分のことだった。しかし米国のグリーンカード(永住権)を保持しているにもかかわらず、着陸後は空港で5時間以上拘束され、複数の入国管理官から質問を受け続けたという。彼女が空港から出られたのは9時間後のことだ。

 シリア生まれのヘマイダンさんは5年にわたり米国に住み続けているが、質問の内容は日常生活の詳細や収入、手持ちの現金の額、子供や夫について、そしてシリア情勢についてなど多岐にわたった。

 ドナルド・トランプ米大統領が27日に署名した大統領令を受け、シリアなど中東・アフリカ7カ国の人々は米国への入国を禁止された。突然の大統領令を巡っては混乱が生じ、ホワイトハウス側も後に修正を追加。さらには違憲論争も起こる状態が続く。

 全米各地の空港には大統領令に抗議する人たちが数千人も集まったが、ヘマイダンさんのように空港内で拘束されていた人々は事態を全く把握していなかったと話す。

 ヘマイダンさんは携帯電話の所持は許可されたが、利用すれば没収すると入国管理官に伝えられた。不安で状況が分からないままほとんどの時間を過ごし、そのうち5時間は同じ境遇の旅行者数十人とともに窓のない部屋に閉じ込められたという。いつ解放されるのかは分からず、解放されるのか否かも不明のまま過ごした。

 「そこでは誰もがつらい思いをしていた。家族と連絡を取ることは許されなかった。何が起きているのかを聞いても、誰も知らなかった。ただただ、待つようにと伝えられた」

 拘束された部屋は人が多く不快で、25人ほどが木製のベンチに詰めて座っていた。車いすに乗った高齢者が4人いて、子供も数名含まれた。1歳にも満たない赤ん坊が泣き続け、「そのことで空気が張り詰めた」とヘマイダンさんは振り返る。

 拘束されたほとんどの人は、ヘマイダンさんと同じようにグリーンカードを所有していた。法的にも認められた永住者で、何年にもわたり米国に住んでいた人たちだ。当初の大統領令にはこうしたグリーンカード所有者も入国禁止リストに含まれていたが、29日の夜には国土安全保障省が除外の対象に当たると発表をしている。

 オヘア空港の入国管理官は旅行者たちを拘束した理由を明かさなかったが、トイレのゴミ箱を掃除し、子供たちにクッキーを配るなど丁寧に接していたとヘマイダンさんは話す。ただし大人向けの食料はなく、水が与えられるのみだった。

 その中でもヘマイダンさんは空腹を感じることはなく、「何が起きているのかだけを知りたかった」と言う。税関・国境警備局には取材を要請したが、直ちに返答は得られなかった。

 ヘマイダンさんが拘束される中、家族も事態を把握するために必死だった。ヘマイダンさんはシリアに住む夫や子供に会うために2カ月ほど出国していたが、普段はフロリダ州デイトナビーチで暮らし、診療所を運営している。

 「みんなとても心配した」とヘマイダンさんの兄、アマールさん(51)は話す。「彼女がどこにいるのか、そして何が起こっているのかも分からなかった」

 拘束中には、酸素ボンベを利用する車いすの高齢者が、泣きながら入国管理官に向かって部屋を出してくれるように懇願する場面もあった。しかしその高齢者は毛布こそ渡されたものの、部屋を出ることは許可されなかった。

 拘束されてから5時間後、拘束された人たちはひとりずつ呼ばれ、パスポートの返却が始まった。ヘマイダンさんが呼ばれたのは一番最後だった。入国を許可されても、管理官たちは何も説明をしてくれなかった。

 空港に集まった抗議者の数に驚いていたヘマイダンさんだが、一家の試練は終わったわけではない。ヘマイダンさんの夫は米国入国のためのビザを申請中の身で、今の状況では発給が可能なのかどうか、全く予測がつかない。

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http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/671.html

[経世済民118] 強気相場の終焉か、大統領令で大幅安の米国株 トランプ次の標的は日本 トヨタ世界最大変わりなし ロボットバリスタ珈琲の味
コラム:
強気相場の終焉か、大統領令で大幅安の米国株

Richard Beales

[ニューヨーク 30日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 30日の米国株は、米国への入国を制限する大統領令への懸念で売りが膨らんだが、それでも昨年11月の大統領選以降、トランプ氏の政策への期待で上昇した分は維持している。ただ、投資家はそろそろ現実に目を向けるべきかもしれない。

トランプ氏が掲げる減税や規制緩和が今後スムーズに導入され、貿易低迷や移民制限につながる措置が実際に行われないことを願うだけだ。さもなければ今回のような大混乱が再び生じるだろう。

トランプ米大統領は27日、イスラム圏7カ国の市民の入国禁止や、難民受け入れの一時凍結などを盛り込んだ大統領令に署名した。これを受け、国内外で大規模な抗議活動が相次いだ。大統領令の合憲性を問う訴訟など、大統領令の是非が司法の場で争われる可能性も出ている。

米大統領選以降、米国株は過去最高値を相次いで更新してきたが、今回の混乱で2つの問題が浮き彫りになった。まずひとつは、トランプ大統領が選挙公約で掲げていた政策のなかで、企業にとりプラスとなる政策だけでなく、全てを実行に移すとみられる点だ。通商協定の見直しや輸入品への関税は選挙公約の柱だったが、これらは多国籍企業に打撃となり、恐らく米経済全般にも影響を及ぼす。さらに、移民制限がもたらすビジネスへのリスクは、今回の入国制限を受けたグーグルの親会社アルファベット(GOOGL.O)など、企業による反発で明らかだ。

意図的であるにせよ、ないにせよ、今回の大統領令の発令の仕方により、大混乱が生じたという点も問題だ。トランプ大統領と専門知識をさほど持たない側近は大統領令の草案を単独でまとめ、関連機関にほとんど事前通達をしなかったと報じられている。仮に減税や規制緩和の導入だったとしても、今回のような混乱を招けばビジネスにとりプラスとならないのは明白だ。

S&P500社は、株価収益率が20倍を超えると割高とされる。イェール大学のエコノミスト、ロバート・シラー教授の試算では、景気循環調整後の株価収益は現在28倍以上。一方、約140年間の平均は17倍以下。現在の株価収益率をみると、市場は完璧といえるような状態を織り込んでいるように見受けられるが、一方でトランプ大統領の政策は、ビジネスの観点では、概念と実施の仕方という両方で完璧ではない。

世界最大級のファンド、ブリッジウォーター・アソシエイツを率いるレイ・ダリオ氏は昨年12月、トランプ大統領が掲げる税制や財政政策が投資を活性化し、投資とリターンの好循環を生む、と指摘した。問題は、新政権が「積極的かつ思慮深く」なるか、あるいは「積極的で向こう見ず」になるかだ。投資家には間もなくその答えが明らかになるだろう。

●背景となるニュース

*30日の米国株式市場は米国への入国を制限する大統領令を巡って投資家の懸念が強まり、S&P総合500種とダウ工業株30種の両指数が年初来で最大の下落となった。

*トランプ大統領は27日、中東・アフリカ7カ国から市民入国を禁止する大統領令に署名した。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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コラム:
トランプ政権「次の標的」は日本か

佐々木融JPモルガン・チェース銀行 市場調査本部長
[東京 31日] - 先週、出張で米国の東・西海岸それぞれ2都市を訪問した。1週間4都市を訪問した程度で分かるようなものではないだろうが、筆者なりにトランプ政権下の米国で何が起きているのか、日本はどう対処すべきなのか、感じたことを記したい。

一言で言えば、米国は大騒ぎになっている。ニュース番組はいつ何を見ても、ドナルド・トランプ米大統領の話題一色だ。局によって内容が相対的に好意的か批判的かの違いはあるが、新大統領に関する話題ばかりを追っている。

トランプ大統領は、大統領選の一般投票で300―500万人程度が違法に投票し、それがなければ自分は一般投票でも民主党のヒラリー・クリントン候補よりも多くの票を得ていたはずだと主張し続けている。

また、日本でも報じられている通り、就任式の観客は史上最多だったと繰り返し、「スタンディング・オベーションが止まず、アメフトの試合のようだった」とまで言い放っている。

ちなみに、筆者が話した米国人のほとんどは、「トランプ大統領の任期が早く終わって欲しい」などとあきれていた。ある同僚は、「ここまでの強気相場はトランプ相場などではなく、共和党が上下両院で過半数を取ったことによる、共和党相場だ」と語っていた。

ただ、最も強く印象に残ったのは、30代前半くらいの白人女性の発言だ。「自分の友人には黒人、アラブ系、アジア系が多くいて、これまでそのことを何とも思わず、自分の世代は差別とは無縁だと思っていたが、トランプ大統領の誕生でこうした人種の違う友人と話すときに意識してしまう自分を感じるようになってしまった」。

また、40代くらいの白人男性は、トランプ大統領の誕生は「白人が感じた脅威から生じた結果で、それが逆にメキシコ人、イスラム教徒、その他の人たちの脅威を生んでしまっている」と語っていた。何か大きな社会的な変化が生じ始めているのは事実だろう。

<矢継ぎ早の大統領令で広がる混乱>

それにしても、トランプ大統領の政策は矢継ぎ早に出てくる。ホワイトハウスのホームページを見ると、就任後最初の1週間で15の大統領令を発し、11人の外国首脳と会談したという。また、新政権チームとしては、75人の下院議員とそのスタッフ、35人の上院議員とそのスタッフと法案について議論したと書かれてある。

ただ、あまりの動きの速さに混乱が生じているのも確かだ。トランプ大統領は難民の受け入れを120日間停止したほか、イスラム教徒が多いイラク、シリア、イランなど7カ国からの市民入国を90日間停止するとの大統領令に署名した。

これにより、多くの人が米国の空港で入国を拒否されたり、米国へ向かう飛行機に搭乗する前に止められたりしており、それに対してニューヨークの連邦地裁が大統領令の効力を部分的に停止する判断を示すに至っている。

ところで、メキシコなどの国からの輸入品に関税をかけるという国境税の議論は、法人税制改革と一緒に語られているが、出張中に聞いた話によると、実質的には法人減税にならない可能性が高いとの見方もあるらしい。米国は法人所得から控除できる項目が非常にたくさんあるが、こうした控除項目がなくなる可能性があるためだという。

また、メキシコ国境の壁については、私の同僚や、ニュース番組のコメンテーターも、「結局、壁の費用を払うのは米国人じゃないか」と批判していた。トランプ大統領がメキシコ大統領と電話会談し、費用の問題をひとまず棚上げにしたのは、そうした批判に気付いたからかもしれない。風見鶏のポピュリストなのか、朝令暮改型のリーダーなのか。いずれにせよ、トランプ大統領は意外に頑固ではない可能性もある。

<メキシコとは休戦状態へ、中国批判も鎮静化>

ただ、以下の件については、今回の出張を経て、かなり心配になった。それは、中国に関する発言がトランプ政権からあまり聞かれないことと、意外に日本に対して厳しい目が向けられていると感じたことだ。

米国の貿易赤字の半分は対中赤字である。したがって、米国の批判は中国に対して最も強く示されるべきだ。それでも、今のところ中国に対する動きはほとんど見られない。まさか、春節の間は控えておこうということなのか。

一方、日本に対しては予想以上に手厳しいと感じる。米国の貿易赤字に占める、対日本、対メキシコ、対ドイツはそれぞれおおむね10%程度で大差がない。なのに、対ドイツの貿易赤字はそれほど言及されず、またメキシコとの間ではとりあえず一戦交えた後の休戦状態といった感じになっており、むしろ友好ムードまで感じる。

だが対日関係については、トランプ大統領は、環太平洋連携協定(TPP)交渉から脱退し、2国間での協議を行い、交渉の中で「通貨安誘導に対し極めて極めて強い制限を導入していく」と表明するなど、かなり厳しい姿勢を明確に示している。

トランプ大統領は、メキシコに関して実は米国経済にとって非常に重要な国だと気付いたのかもしれない。実際、ほとんどの米国人はメキシコからの移民が米国経済を支えていることは分かっている。また、中国との交渉は一筋縄では行かないことも分かっている。仮に中国製品が急に米国に入ってこなくなったりしたら、米国経済は潤うどころか大混乱に陥るだろう。

そう考えると、実際にたたきやすいのは日本だとトランプ大統領が気付き、日本がスケープゴートにされはしないかと心配になる。通関統計によれば、2016年の日本の貿易黒字は4.1兆円だが、このうち米国に対する貿易黒字は6.8兆円だ。つまり日本の貿易黒字はほとんど米国から稼いでいる。そして、対米貿易黒字6.8兆円のうち4.3兆円が自動車の貿易黒字である。米国の自動車業界から文句を言われやすい状況にあることは確かだ。

さらに、日本は安全保障上、米国の庇護の下にあるため、あまり強気に出ることができない。特に日本は、メキシコやドイツと異なり、安全保障上、比較的差し迫った危機にさらされている。

トランプ大統領は今後、矢継ぎ早に出した政策に対して、メディアや民主党から詳細を詰められたりして、順調に政策を進めることができない可能性が高い。おそらく、ほとんどの政策が何らかの障害にぶち当たると予想される。そのとき、最もスケープゴートにされやすく、国民の目をそらすのに使われるのは日本なのではないだろうか。

筆者は、米中貿易摩擦の過熱を背景に、米政権がドル安政策を採用してくるリスクが高いと考え、全般的なドル安によるドル円相場の下落(円高・ドル安)を予想してきた。だが、現実には日米貿易摩擦の再燃でもっと大きな円高圧力が起きやしまいか心配だ。トランプ政権誕生から1週間強が過ぎた今、1990年代前半と同様に、米政権がドル円相場を直接的なターゲットにしてくるリスクも排除できないのではないかと考え始めている。

トランプ大統領のエネルギッシュな動きを見ていると、為替相場に関する圧力くらいで済めばまだ良いほうで、もしかしたら、安全保障や外交面で日本は大きな転換点を迎え、ごく短期間での決断を迫られるときが来るのではないか。

筆者は典型的な無党派層ではあるが、2月10日に予定されている日米首脳会談では1人の日本人として安倍首相を応援したいと思う。メキシコでは、壁建設問題での米国に対するペニャニエト大統領の対応に野党も賛辞を贈ったそうだ。今回は日本も「オールジャパン」で臨む必要があるような気がする。

*佐々木融氏は、JPモルガン・チェース銀行の市場調査本部長で、マネジング・ディレクター。1992年上智大学卒業後、日本銀行入行。調査統計局、国際局為替課、ニューヨーク事務所などを経て、2003年4月にJPモルガン・チェース銀行に入行。著書に「インフレで私たちの収入は本当に増えるのか?」「弱い日本の強い円」など。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。

(編集:麻生祐司)

*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。

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トヨタ、世界最大に変わりなし
イングランド・ブリストルの販売店に並ぶトヨタ車

2017 年 1 月 31 日 13:28 JST

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

***

 カーマニアやジャーナリスト、エコノミストは自動車の販売台数を重視する。だが投資家は、ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が世界の販売台数ランキングで首位に立ったことだけにとらわれない方がいい。

 トヨタ自動車が30日に発表した2016年の生産台数は1021万台で、VWが今月上旬に発表した同年の販売店への販売台数は1031万台だった。販売台数を生産台数で代用できるとすれば、VWはトヨタを抜いて初めて世界最大の自動車メーカーとなったということだ。

 その重要な鍵を握ったのは中国市場だ。VWと米ゼネラル・モーターズ(GM)は同市場でシェアの大半を占め、いずれも現地での生産台数はトヨタの3倍以上に上る。中国市場は他を大きく引き離す世界最大の自動車市場で、16年は15%拡大した。

 だが、生産台数によるランク付けは、自動車メーカーの自慢の種の一つにすぎない。商業的成功を示す指標としては、生産台数よりも販売台数の方が優れている。ただし、自動車業界が不正操作された販売データだらけでなければだが。

 生産台数には曖昧な部分がある。ブロガーのベルテル・シュミットさんが見つけたデータによると、トヨタは他社の代わりに数十万台の車を生産している。同社傘下のダイハツ工業が昨年、マレーシアの業界最大手プロドゥア向けに生産した21万2846台を加えると、トヨタはこれまで通り世界最大の自動車メーカーとなる。

 自動車業界は台数のデータを完全に無視するべきだ。そうすれば、データを不正操作する意欲をそぐことができるかもしれないし、何よりも収益性がより浮き彫りになる。車の販売といっても全てが同じというわけではない。高級車ブランドの1台当たりの利益は通常、数千ドルだが、普通の車は数百ドルにすぎない。ほとんどの統計に含まれているトラックの場合は1万ドルを超えることもある。

 VWは昔から販売台数を優先し、利益率を犠牲にしている。16年1?9月の中国以外の市場での利益率はわずか1.6%だった。販売台数の追求が、15年の排ガス不正問題を引き起こした社風を作り出したのかもしれない。この問題に絡む費用は200億ドルを超える見込みだ。

 投資家にとってもっと重要なのは、トヨタの時価総額がVWの2倍以上に達することだ。業界の統計を気にすることはない。トヨタが世界最大の自動車メーカーであることに変わりはない。

https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=2&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjHxNemy-vRAhXMHZQKHbv2COsQFgghMAE&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12107231265257393585504582592444131052370&usg=AFQjCNH1PKbDWk8eXyzS0HjTNxTcwG8ptw

 

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自動化の波は工場労働者やウーバー運転手だけでなく、朝の一杯にも
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自動化は工場労働者やウーバーの運転手の雇用を奪うだけではなく、あなたの朝のコーヒーを精密機械が差し出す時代に(英語音声のみ)
By GEOFFREY A. FOWLER
2017 年 1 月 31 日 14:20 JST

――筆者のジェフリー・ファウラーはWSJパーソナルテクノロジー担当コラムニスト

***

 サンフランシスコのショッピングモールに開業した「カフェX」。ここではバリスタが客と雑談を交わしたり、小粋な口ひげをたくわえたりはしない。工業用の強度を備えた「爪」がエスプレッソの入れ方を心得ている。

 カフェXは調理・サービスの両面でオートメーションの限界に挑戦する新種のコーヒーショップだ。

 その効率的なスタイルに目を奪われる。スマートフォンや自動販売機の画面でお好みの飲料やフレーバー、豆の種類をタップすると、ロボットに注文が送信される。三菱電機製6軸アームがカップをつかみ、少量のシロップを注ぎ、コーヒー抽出機の1つの前に置く。ここで豆をひき、ミルクを泡立て、エスプレッソの完成品に仕上げる。注文内容に応じて22〜55秒でアームが油圧式テーブルにカップを乗せ、まるでバットマンの愛車「バットモービル」が秘密基地から発進するように目の前にコーヒーが登場する。

カフェXのロボット型バリスタは、6軸アームでカップをつかみ、エスプレッソ抽出機で中身を満たし、注文客に差し出す

 ロボットが入れた容量8オンス(240ml)のカフェラテは2.95ドル(約330円)。すぐ近くのスターバックスでショートサイズ(240ml)のラテを買うより40セント安い。

 味はどうか? 筆者は「A−」の合格点を与えよう。米国に初出店したカフェXによると、この技術の長所はばらつきの無さだという。地元の焙煎業者が微調整したレシピと原料を使い、ロボットが毎回全く同じ方法でコーヒーを入れる(5、6種類の選択肢しかないのも助かる)。経験を数値化するアルゴリズムはないが、人間のバリスタ同様、気温や湿度に合わせて臨機応変にレシピを調整できる。

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 「コーヒーの職人技に必要なのは美味しく入れるための経験で、どれだけ繰り返せるかではない」と、カフェXの創業者ヘンリー・フー氏は話す。「ロボットが得意なのは繰り返すということだ」

 ロボットが苦手なのは何か? あの愛すべきラテアートだ。少なくとも今はできない。

 人間とは異なり、注文の聞き間違いや作りすぎる無駄もない。6軸アームは別々の注文を2分ペースでさばき、スターバックスの売上高を妨げている通勤時間帯の長い行列を減らすことができる。また、ロボットは注文者の名前を混同したりしない。

 カフェXは香港で1号店がオープン。ベンチャー資金500万ドルを調達した。ショッピングモールや空港だけでなく、企業や大学キャンパスへの設置が目標だと同社は話す。

「カフェX」でラテを注文したWSJのコラムニスト、ジェフリー・ファウラー

 ロボットと対話し、コーヒーが出来上がるのを眺めるのがエンターテインメントの一部であり、街角のコーヒーショップとは必ずしも競合しない。スターバックスが世界的な成功を収めたのは商品力だけでなく、家庭やオフィス以外にくつろげる「第三の場所」を提供したのが大きかった。

 カフェXのコンセプトが真価を発揮するのはこれからだ。ロボットには高い固定費がかかり、最も忙しい時間帯だけ増員することはできない。カフェXには人間のコンシェルジェが1人常駐する。システムの作動状況を確認し、困った顧客に手を差し伸べるためだ。

 「クリーニングや充てんなどロボットが覚えるべき仕事はまだまだある」とフー氏は話す。「もっと楽しい仕事もロボットにやってもらいたい」

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