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4月 30, 2019 日々雑感(My impressions daily)
<26日におこなわれた、安倍首相とトランプ大統領の10回目となる日米首脳会談。メラニア夫人の誕生日会に馳せ参じ、いつものゴルフで親密ぶりをアピールした安倍首相だが、いまネット上では、「親密どころか完全に馬鹿にされている」とする動画が話題を集めている。
その動画とは、日米首脳会談後の夕食会の直前、トランプ大統領とメラニア夫人が安倍首相・昭恵夫人と写真撮影したときのもの。トランプ夫妻と安倍夫妻のあいだに距離があったため、記者団から「もう少し近づいて」とリクエストを受けた際、安倍夫妻が近づくものの、レッドカーペットの上に立つトランプ大統領から「ストップ」と制止され、結局、安倍首相はレッドカーペットに片足しか乗せられなかった……というものだ。
まあ、この動画ではトランプ大統領のセリフが聞こえないため、本当に安倍首相がトランプに「ストップ」と言われ、制止されたかどうかはわからないが、しかし、この日米首脳会談ではそんなエピソードなんかよりも、安倍首相が“トランプの奴隷”であることを示す、もっととんでもないことが起きていた。
当のトランプ大統領が、安倍首相との会談後の27日におこなわれた集会で、安倍首相と交わした“約束”について、こう述べたのだ。
「安倍首相は、日本企業が400億ドル(約4兆4600億円)を米国の自動車工場に投資すると話した」
「日本は大量の防衛装備品を買うことに合意した」
庶民には消費増税でさらなる“痛み”を強要しようとしながら、一方で安倍首相は法人税率を引き下げて大企業を優遇し、企業の内部留保は6年連続で過去最高を更新しつづけている。こうした庶民の犠牲の上に成り立った大金が、またもトランプ大統領の顔色伺いのために貢がれる──。しかも、これまでもさんざん買わされてきた武器を、日本政府はまた大量購入するというのだから、開いた口が塞がらない。
これを“犬外交”“奴隷外交”と言わずして何と言うかと思うが、しかも、国民にとって許しがたいのは、この巨額の貢ぎ物、血税投入が安倍政権にとっての選挙対策でしかない、という点だ。
鍵を握るのは日米首脳会談の冒頭、記者団がいる前でトランプ大統領が語った言葉だ。「首相がここにいるのは主に貿易交渉のためだ」「農産物について強力に交渉していく」「日本は重い関税を課している。我々は撤廃させたいと思っている」と、なんと農産物の関税撤廃を要求したのである。
そして、米メディアの記者に日本との貿易交渉の合意時期を尋ねられると、こう答えた。
「かなり早く進められると思う。たぶん(5月末に)訪日するまでか、訪日の際に日本でサインするかもしれない」
アメリカ抜きの環太平洋経済連携協定(TPP)の発効によって、アメリカの農業界ではいま、日本の農産物関税への不満がこれまで以上に高まっている。来年11月に大統領選を控えるトランプはこの問題で点数を稼ごうと、早急な関税引き下げの圧力をかけてきたのだ。
実は、トランプ大統領のこうした姿勢は官邸も事前に予測済みだった。しかし、もしトランプの言うとおり、日本政府が5月までに農産物の関税大幅引き下げなどの交渉に応じたら、日本国内の農業関係者から猛反発を受け、7月の参院選で安倍自民党は地方票を大幅に失いかねない。
そこで、農産物の関税問題についての具体的な交渉を参院選が終わるまで待ってもらおうと、5月のトランプ大統領来日を間近に控えたこんなタイミングでわざわざ安倍首相がアメリカまで出向き、前述したような“巨額の手土産”まで用意したのだ>(以上「LITERA」より引用)
上記のような記事を何人の日本国民が読んでいるのだろうか。全国紙やテレビなどのマスメディアに登場したトランプ夫妻と安倍夫妻の並んだ映像は上半身で切られて足元が確認できなかった。しかし引いた写真で見れば明らかに安倍夫妻はレッドカーペットの外に立っている。まるで罰を受けた生徒のようだ。
安倍外交は完全に破綻している。トランプ氏に対してはポンコツ兵器の爆買いに次ぐ爆買いでご機嫌を取り持つという国民の税金の無駄遣いをしている。そのため自衛隊員にポンコツ兵器に慣れる訓練が加わり、過重な負担がかかってF35Aの墜落殉職事故まで起きている。
農産物に対する関税引き下げと輸入拡大に対して、なぜ安倍氏は敢然と「ノー」といえないのだろうか。もしもトランプ氏が報復関税を自動車にかけると脅したら、それは筋違いでWTOに提訴すべきだ。たとえ米国相手であろうと、独立国家の首相として胸を張った外交をしないから、揉み手をしつつ卑屈な外交を展開してきたため、彼の腹の底まで見透かされている。
アベは脅せば何とでもなる、とトランプ氏はバカにしきっている。だからレッドカーペットの外に立たされたのだ。「日米同盟が最優先」などと馬鹿なことを、たとえリップ・サービスでも言うべきではない。日本は独立国家として、誇りある歴史を有する国家として、毅然とした態度で常に接すべきだ。
横柄な態度をせよ、というのではない。「なぜだ」とトランプ氏の理解しがたい挙動に対しては疑問を呈すことだ。彼の傍若無人なふるまいを黙認してはならない。疑問を呈し、それが理解しがたいものならば彼に意見をすべきだ。
凛とした振舞こそ、人は尊敬される。馴れ馴れしくデレデレとゴルフをしたからといって日米FTAを締結すれば韓国のように国家利益を毟り取られるのは火を見るよりも明らかだ。なぜ米韓FTAの実態を日本のマスメディアは一切報道しないのだろうか。
マスメディアの報道が常に正しいわけではないし、時としてマスメディアは嘘をつく。日米関係が「良好」だと思わせる映像ばかり映し出すテレビは明らかに「嘘」をついている。レッドカーペットの外に立たせるなどといった、トランプ氏の無礼な振る舞いをスルーして日本国民に見せなかったマスメディアは大きな「嘘」をついている。