自分の意見が言える希有な政治家、亀井氏(右、2016.12.8筆者撮影)
元記事http://blog.livedoor.jp/donnjinngannbohnn/archives/1917491.html
亀井静香衆院議員は8日、東京・千代田区の憲政記念会館で開いた自身主宰の勉強会「日本をどうする!」で、米国大統領選でのトランプ氏当選や靖国合祀(ごうし)、天皇の譲位問題などについて語った。
勉強会は石原慎太郎氏との対談形式で行われた。トランプ氏の当選を予見して大統領選中の11月上旬に面会を求めて渡米した亀井氏は、トランプタワー14階でトランプ陣営の最高幹部らと会談したことを報告した。
選挙結果について「クリントン氏より、トランプ氏の方が日本にとって交渉相手としてやりやすい。安倍総理にも言ったが、日本が強いネゴシエーターを持っていれば」と歓迎した。
幹部と論点整理をし、日本に対し安保ただ乗り論や核武装容認論を言わないことで同意を得たことを明かし、「(3日間)選対本部と一緒にいたことは、いろんな意味でプラスになったと思う」と意義を強調した。
その上で、亀井氏は日本のマスコミ報道について「富裕層が自分たちの金でローアー(下層)の面倒を見るのは嫌だというエネルギーが働いたという解説は間違っている。ローアーの連中が現状打開できる男を担いで当選させたのが実態」と否定した。
トランプ氏の経済政策について「評価できるのは、金融資本主義が行き過ぎてマネーゲームになっていて、それによって雇用が失われていると捉えていること。金融資本主義を是正して、産業資本主義、物作りを中心にやっていく国に変えようというのは正しい。日本も同じ」と共感を示した。
トランプ氏の安全保障政策については「米国が世界の警察官をやめようと言うのは正しい」と評価。在日米軍は日本を守るためでなく、極東軍事戦略上必要な所に置かれた経緯を指摘する一方、ミサイル防衛の時代に入り、グアムに迎撃基地を置いていることを挙げ、「ミサイル防衛をやる上で日米はどういう協力をしていくべきかという観点で日本の防衛も考え直すべきとき。トランプ氏の登場は、それを考えていくいいチャンス」と提起した。
石原氏が憲法の全面書き直しを主張したのに対し、亀井氏は「私を含め、日本人らしさを失っている今の日本人が、子々孫々に『これが日本の基本法だ』なんてものを作っていいのか。まず、われわれがちゃんとすべき。世界が分裂しながら個々に相争いながら進んでいるとき、日本が同じことをやっていくのか」と冷ややかに応じた。
参議院で審議が続く環太平洋連携協定(TPP)については「米国が都合のいいように商売するために国を売る話。日本がばかげたことに『もっと、もっと』とのぼせているとき、当の言い出しっぺである米国のクリントンもトランプも『やめた』と言っている。日本ってどういう国か」と嘆いた。
靖国神社の戊辰戦争の犠牲者に対する扱いに触れ、「死者を差別している。権力に従って死んでいった者は靖国に祭られ、それと戦った者は逆賊として靖国に祭られない。こんなばかなことがあるか」と改善を主張。自身が呼び掛けた合祀運動に首相経験者や議長経験者など、国会議員百十数人が賛同していることを報告した。
天皇の譲位については慎重な考えを示した。「政治権力とは別な所にいらっしゃるのが日本の皇室。ところが、権威を自分たちの政治的権力の道具に使うのが日本の歴史で、江戸時代はじめ豊臣、北条もそうだった。国民を従わせるために。そういうことをやれないようにと、皇室典範ができた」と経緯を説明。
「天皇陛下がそうおっしゃるなら、そうさせてあげなさいという意見が国民の8割以上だが、それでいいのか。天皇陛下や皇族が引かれるのをお決めになることができるようになったらどうなるのか。日本の歴史を見れば、権力者が恣意的に皇位を使っていく可能性が出てくる」と指摘。
その上で、譲位について「これは大きな問題。特措法だけでやったらどうなるのか。今の皇太子が天皇陛下になって、『やっぱり俺は務まらない』とか『弟の秋篠宮の方がいい』とか。そういうことがどんどん起き出して、皇室は存続し得るか。非常に難しくなる」と述べた。
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