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[政治・選挙・NHK294] 「次の選挙で鉄槌」と手ぐすね 世にもおぞましい国会風景 国民は絶対に忘れない(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
60. 秘密のアッコちゃん[375] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年6月08日 05:44:38 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[488]
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岐路に立つネット選挙 動画配信主流、警告後も犯行 つばさの党代表ら再逮捕
2024/6/7 21:19
https://www.sankei.com/article/20240607-L4PX2ULW3RPCVF6XD2YP4PBLJI/
衆院東京15区補欠選挙を巡る選挙妨害事件で、立憲民主党の酒井菜摘氏陣営の選挙カーを追尾するなど選挙活動を妨害したとして、警視庁捜査2課は2024年6月7日、公選法違反(自由妨害)の疑いで、「つばさの党」代表の黒川敦彦容疑者らを再逮捕した。
事件では、各陣営が突然の妨害に混乱し、警察側が警告を出した後も犯行が続いた。
インターネット選挙解禁から11年。
専門家は
「動画配信が主流になっている」
として、実情に合わせた制度改正の必要性に言及している。
「逃げないでくださーい」「質問に答えるまで追いかけますよー」
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で、つばさの党から出馬していた根本良輔容疑者(29)らは、前を走る酒井菜摘氏=立憲民主党=の陣営の選挙カーを車で追いかけながら長時間に渡って質問を浴びせた。
更に酒井氏陣営が街頭演説を始めようとした場所で大音量で演説したり、質問を投げ掛けたりし続けた。
陣営は追跡を受け、近くの警察署に避難。
街頭演説の中止を余儀なくされるなど、選挙活動に大きな影響を受けた。
■候補者立件の前例なし
「公選法に抵触しているか、現場では見極めが難しい事案だ」。
ある警察関係者は選挙期間中の対応について打ち明ける。
ポスター損壊や直接的な暴力の摘発例はあるが、候補者本人が直接罵声や質問で演説を妨害して立件された例はほぼない。
警視庁は2024年4月16日の妨害行為について警告を出したが、その後も犯行は止まらなかった。
ただ、警告を受けた後もつばさの党が同様の行為を繰り返したことが立件に繋がった。
捜査2課は党代表の黒川敦彦容疑者(45)ら3人を逮捕すると同時に、特別捜査本部を設置。
異例の態勢で証拠の収集、分析を続ける。
■動画配信、想定せず
黒川容疑者らは一連の妨害行為を動画に撮影し、ユーチューブのチャンネル上で配信。
そこから収入を得ていた。
「つばさの党に関しては、そもそも当選するためにやっている活動なのかという疑問がある」
東北大情報科学研究科の河村和徳准教授(政治学)は、こう話す。
平成25年の公選法改正でネット選挙が解禁され、11年が経過し、
「当初は想定していなかった動画配信が主流になった」
「選挙を金儲けや、知名度を上げる道具として利用したい人たちが、ネットを使うことでより出馬しやすくなった」
と分析する。
解禁された当初は
「動画の撮影や公開も難しく、有権者が気軽に見られるような環境もなかった」
と指摘。
現在は動画配信はどの陣営も行っているとして、
「表現の自由を規制することはできないが、お互いの権利を尊重するという観点に立った制度を議論する場が必要」
と話した。

「つばさの党」幹部ら逮捕で、妨害抑止へ公選法改正目指す動きも
2024/6/7 19:52
https://www.sankei.com/article/20240607-FXGK7Y2IXRNOPJQRZAPF5HUXBI/
衆院東京15区補欠選挙を巡る選挙妨害事件に関し、与野党は民主主義の根幹を脅かす問題だとみて、公職選挙法違反容疑で再逮捕された政治団体「つばさの党」幹部らの妨害行為を批判している。
再発の抑止と発生時の迅速な対応を可能にするための法改正を目指す動きも出ている。
林芳正官房長官は7日の記者会見で
「選挙は国民が主権者として政治参加する最も重要かつ基本的な機会で、選挙が公正に行われるためには、選挙運動は自由に行われなければならない」
と強調した。
法改正の必要性については政党間の議論に委ねる考えを示した。
与野党では、日本維新の会と国民民主党が議員立法に動いている。
公選法を改正して妨害の法定刑を引き上げると共に、妨害行為を
「著しく粗野・乱暴な言動」
「多数の者による押しかけ」
「演説聴取を困難にする行為」
などと具体的に例示して要件を明確化。
捜査機関は取り締まりを
「迅速に」
執行しなければならないと定める。
維新の音喜多駿政調会長は取材に
「幹部が逮捕されたとはいえ、まだ予断は許さない」
「逮捕されても立候補はできる」
「再発防止のための法改正の必要性は消えていない」
と語った。
法案は今国会中に提出する見通しだ。
自民党の茂木敏充幹事長も2024年5月の記者会見で罰則強化に言及した。
ただ、現行法の枠内で3幹部の立件が実現したこともあり、機運がトーンダウンした面は否めない。
立憲民主党の泉健太代表は2024年6月7日の会見で
「法の策定作業は続けているが、現行法での再逮捕ということもある」
「当面、捜査の状況を見守りたい」
と述べるにとどめた。

「つばさの党」代表の黒川敦彦容疑者ら3人を起訴 衆院東京15区補選、選挙妨害罪で
2024/6/7 16:39
https://www.sankei.com/article/20240607-Y7LC3WVTHBL2HPMLHOKVG4VKM4/
衆院東京15区補欠選挙で他党の候補者の陣営に対して妨害行為をしたとして、東京地検は2024年6月7日、公選法違反(自由妨害)の罪で、政治団体「つばさの党」代表の黒川敦彦容疑者(45)、幹事長の根本良輔容疑者(29)、運動員の杉田勇人容疑者(39)を起訴した。
起訴状などによると、3人は2024年4月16日、補選に出馬していた乙武洋匡氏=無所属=陣営の演説場所に押し掛け、拡声器を乗せた車を乙武陣営の選挙カーに接近させた上、拡声器を使って大音量で質問したり、クラクションを鳴らしたりして選挙の自由を妨げたとしている。
黒川被告ら3人は2024年6月7日、他の陣営に対する妨害容疑で、警視庁捜査2課に再逮捕された。

「つばさの党」3容疑者を再逮捕 衆院15区補選、酒井氏陣営妨害容疑
2024/6/7 14:32
https://www.sankei.com/article/20240607-LQ5344FIYBN2XPXG7XD36E3OXA/
衆院東京15区補欠選挙を巡る選挙妨害事件で、別の候補者に対しても妨害行為をしたとして、警視庁捜査2課は2024年6月7日、公選法違反(自由妨害)の疑いで、政治団体「つばさの党」代表の黒川敦彦容疑者(45)ら3人を再逮捕した。
捜査2課は認否を明らかにしていない。
再逮捕したのは黒川容疑者の他に、同団体幹事長の根本良輔容疑者(29)、運動員の杉田勇人容疑者(39)。
逮捕容疑は、共謀して2024年4月17日、立憲民主党から立候補していた酒井菜摘氏の陣営の選挙カーを自陣営の選挙カーで20分以上、約3キロに渡り追跡。
スピーカーで怒号を浴びせるなどし、交通の便を妨げたとしている。
また、黒川容疑者と根本容疑者は2024年4月23日、酒井陣営の演説場所で、拡声器で怒号するなどしながらその場にとどまって演説を中止させ、選挙の自由を妨害したという。

「つばさの党」黒川敦彦容疑者ら3人再逮捕へ 衆院東京15区補選、酒井菜摘氏陣営妨害容疑
2024/6/7 5:00
https://www.sankei.com/article/20240607-KFX6TX6M6FPKTHGZACMAZYIGKY/
衆院東京15区補欠選挙を巡る選挙妨害事件で、別の候補者に対しても妨害行為をした疑いが強まったとして、警視庁捜査2課が2024年6月7日にも、公選法違反容疑で、政治団体「つばさの党」代表の黒川敦彦容疑者(45)ら3人を再逮捕する方針を固めたことが2024年6月6日、捜査関係者への取材で分かった。
捜査関係者によると、再逮捕するのは黒川容疑者の他に、同団体幹事長の根本良輔容疑者(29)、運動員の杉田勇人容疑者(39)。
黒川容疑者らは補選期間中の2024年4月17日、立憲民主党から立候補していた酒井菜摘氏の陣営が江東区の選挙区内を選挙カーで走行中、自陣営の選挙カーで数十分に渡り追跡。
スピーカーで罵声を浴びせるなどして活動を妨害した疑いが持たれている。
また、2024年4月23日には、酒井陣営が演説を予定していた場所に、黒川容疑者らが選挙カーで乗り付けて妨害したという。
黒川容疑者らは車で追いかけ回す行為を
「カーチェイス」
などと称していた。
酒井陣営は演説が中止に追い込まれた他、執拗な追跡で警察署に避難せざるを得なくなるなどしたとして、被害届を提出していた。
警視庁捜査2課は、公選法違反の疑いで2024年5月13日、千代田区のつばさの党の党本部や関係先を捜索。
2024年5月17日には、補選告示日にJR亀戸駅前で選挙演説していた乙武洋匡氏=無所属=の陣営に近付き、拡声器を使って罵声を浴びせ、乙武陣営の演説を聴衆に聞こえなくするなどしたとして、3容疑者を逮捕した。

日本保守党初陣の舞台裏を明かす
Hanada2024年7月号
日本保守党代表 百田尚樹
日本保守党事務総長 有本香
(前略)
■小池はアメリカ大統領か!
★百田
創価学会の女性部が、乙武さんの女性問題に嫌悪感を示して投票しなかったと言われていますね。
しかし、小池さんと言えば、最終盤に入った日の動画をネットで見たんですが、まあ凄まじかった。
とんでもない数の警察官、SPを動員しての厳重警戒!
3車線の道路を何百メートルにも渡って警視庁がバリケードで封鎖する等、
「アメリカ大統領か!」
というぐらいの警備でした。
我が党だけでなく、維新の会も立憲民主党も参政党も
「選挙妨害」
を受け警察に何とかしてくれとお願いしても見て見ぬ振りに近い対応でした。
そんな無法地帯の中、乙武さん陣営だけは言わば特別扱いでした。
小池さんが警視総監に
「何とかして」
と頼んだとか。
★有本
今回の選挙戦で、私たちも大きく目算を狂わされたのが、あの
「妨害」
ですね。
選挙戦の後半、告知しての街宣ができなくなったばかりか、我が党ならではの多士済々の応援弁士をお願いする予定だったのですが、断念せざるを得ませんでした。
警備についてですが、もちろんSPなど要人警護の対象ではあります。
しかし、まさにアメリカ大統領でも来るのかという異常なまでの厳重警備に、違和感を覚えた地元住民の方も多かったと思います。
この様子を見て、都議会議員の上田令子さんがXにこう投稿しています。
「都知事ならば、自分と乙武氏だけではなく全ての候補者の安全を守るべき 可哀そうなのはアテクシだけでいい」
まさにその通りで、警視庁を指揮する立場にある都知事ならば、全陣営に対して警備を要請すべきところを、自分の関係する陣営だけ厚く警護してもらうというのは如何なものかと思います。
自分ファーストを超えて、自分オンリーですからね。
■安倍総理の地元でも被害に
★百田
今回は一部を除く大半の陣営が被害を受け、予定していた街宣活動ができませんでした。
このことが選挙戦に大きな影響を及ぼしたことは間違いありません。
特に、組織票のない日本保守党は街宣活動が東京15区の人たちに直接訴えかけることのできる最大の手段でした。
しかも9人の候補者の中で、我々が最も聴衆を集めていた。
言わば唯一のアドバンテージを奪われてしまったことは、大変な痛手でした。
★有本
今回のような酷い妨害が罷り通ってしまうのは、民主主義の危機です。
公職選挙法の明らかな欠陥であり、早急に法改正が求められます。
ただ、この件に関して私自身、迂闊だったことがあります。
それは、2017年秋に行われた衆議院選挙の時に、同じような妨害活動を目の当たりにしていたのを忘れてしまっていたことです。
前年の2016年に東京都知事に当選した小池さんは、2017年に希望の党を立ち上げ、人気を博していました。
選挙で自民党は大幅に議席を減らすのではないかと見られていた時です。
★百田
あの時は、朝日新聞をはじめメディアが連日のように
「モリカケ報道」
で安倍政権叩きを行っていました。
その結果、安倍政権の支持率は下落していた。
結果的に、小池さんの
「排除宣言」
によって希望の党は失速しましたが、一歩間違えば安倍政権は総選挙に敗北して退陣の危機すらあった。
★有本
まさにあの時の総選挙で、私は安倍さんの地元、山口4区に行きました。
もちろん、安倍さんは現職の総理ですから自身の地元に入ってはおらず、昭恵夫人と支援者の方が選挙戦を闘っておられました。
その最中、安倍陣営の選挙カーを尾け回し、個人演説会の会場付近で拡声器を使い、安倍陣営の演説が聞こえないほどの大音量で
「アベの友達を優遇する政治は許せん!」
などと叫んでいたのが、今回の”つばさの党”の黒川敦彦氏です。
あの時も、黒川氏は山口4区から立候補していました。
★百田
7年前(2017年)から、今回と同じような活動を行っていたのですね。
■山本太郎と繋がっていた
★有本
そして、その時(2017年秋に行われた衆議院選挙)、黒川氏と行動を共にしていたのが、れいわ新選組の山本太郎氏です。
産経新聞が当時のことをこう報じています。

首相夫人を「囲め」 ツイッターに非常識な書き込み、荒れる山口4区
2017/10/13 11:40
https://www.sankei.com/article/20171013-ZEGCSJCOHRIEBAO4BFGEYC4ZFM/
<安倍晋三首相(自民党総裁)のおひざ元、山口4区の選挙が、荒れている>
<安倍氏をはじめ5人が立候補したが、一部候補によるネットへの非常識な書き込みなど、安倍首相の落選運動の様相を呈している>
<「10月10日のボランティア急募 初日一人でも多く山口4区に来て、安倍あきえを取り囲みましょう!」>
<公示前の7日、無所属新人の政治団体代表、黒川敦彦氏(39)は、ツイッターにこう書き込んだ>
<黒川氏は、加計学園の獣医学部開設を問題視し、同区からの出馬を決めた>
<安倍氏の陣営は、首相夫人の昭恵氏に危険が及びかねないと心配し、警察に警備について相談した>
<その黒川氏は公示日、安倍首相の出陣式の会場に、参院議員の山本太郎氏(42)とともに姿を見せた>
<黒川氏らは、昭恵氏に近寄ると、「申入書」と題した紙を手渡した>
<安倍首相との合同演説会の開催を要請したものだという>
<この様子を山本氏は、ネット中継した>
<集まった報道陣も黒川氏らに群がった>
<安倍首相の後援会幹部は「実質的な妨害だ」と憤った>

★百田
2017年当時、山本太郎氏と黒川氏は繋がっていわわけですか。
そう言えば、今回の東京15区補選では、山本太郎氏が応援した須藤元気氏に対してだけは、妨害活動が行われませんでした。
少し見えてきましたね。
選挙活動を通常通り行うことのできた須藤氏は、事前予測を大きく上回る2位と大健闘しました。
★有本
無所属の須藤氏が今後どのような政治活動をするのかは分かりませんが、山本太郎氏の応援を得たことを見れば、れいわ新選組と密接な関係を築く可能性はありますね。
(後略)

憲法21条は、選挙演説に対するヤジを保障などしていない。
表現の自由であっても、公共の福祉に反する場合は許されない。
つばさの党などの活動家がやっている行動は、【国民の聴く権利・知る権利】や【候補者が演説で行う言論の自由】を妨害して【公共の福祉】を侵害する公職選挙法225条「選挙の自由妨害罪」に当たる【犯罪行為】だ。
法治国家においては絶対に許されないし、許すべきではない。

前代未聞 選挙妨害を擁護 裁判官と朝日が日本を滅ぼす!
”民主主義の敵”と化した高学歴エリートたちの「驕り」と「自惚れ」
WiLL2027年7月号
作家・ジャーナリスト 門田隆将
政治学者 岩田温
■前代未聞の選挙妨害
★門田
民主主義が危機に晒されています。
衆院補選では、前代未聞の事態が起こりました。
東京15区における”選挙妨害”です。
政治団体「つばさの党」の黒川敦彦代表と根本良輔氏が、他候補の街頭演説を妨害する卑劣な行為を繰り返した。
根本氏は自らの手法を”カーチェイス街宣”と称している。
★岩田
「つばさの党」は他候補の選挙カーを追い回した挙げ句、演説会場ではスピーカーを用いて大声でがなり立てていた。
醜悪な光景です。
選挙においては、たとえ主張や立場が異なっていても互いに健闘を祈るものです。
選挙カーがすれ違ったら、本当は思っていなくても
「頑張りましょう!」
と声を掛ける慣習があります。
法律やルールでは定められていない紳士協定=暗黙の了解ですが、「つばさの党」はそれを破った。
超えてはならない一線を越えてしまった。
★門田
2017年の東京都議選の選挙妨害が始まりです。
投開票の前日、当時の安倍総理は秋葉原駅前で最後の演説に臨んだ。
その時、左翼活動家らが1時間以上に渡り
「安倍やめろ!」
「帰れ! 帰れ!」
と連呼。
演説を聴きに集まった有権者は全く演説を聴けなくなった。
安倍氏は活動家らに向かって、
「演説を邪魔するような行為を自民党は絶対にしない」
「こんな人たちに私たちは負けるわけにはいかない」
と反論した。
★岩田
朝日新聞などのマスコミは、安倍元総理の
「こんな人たち」
という部分だけを切り取って批判し続けた。
<異論に不寛容で、批判を敵視する姿勢は安倍政権の特徴の1つだった>
<自らに厳しい世論に向き合わない姿勢が批判された>
<自らに批判的な聴衆に向けられた言葉は「友と敵」を分ける安倍首相の政治手法の象徴>
選挙妨害を擁護した朝日新聞は”民主主義の敵”に他ならない。
■裁判官が日本を滅ぼす
★門田
マスコミと共に、民主主義破壊の元凶となったのが札幌”ヤジ連呼”訴訟です。
2019年の参院選前、安倍元総理が札幌で演説していました。
その時、
「安倍辞めろ!安倍辞めろ!」
などと大声でヤジを連呼していた活動家を北海道警が排除。
彼らは”表現の自由”を侵害されたとして、北海道に損害倍書を求めた。
札幌地裁では道警側が全面敗訴しました(2022年3月)。
裁判長は廣瀬孝氏(現・東京高裁判事)です。
★岩田
札幌高裁は男性の訴えは退けましたが、道警による女性の排除は違法と判断している(2023年6月)。
”表現の自由”を守ることは重要ですが、あくまで常識の範囲内という注釈が付く。
有権者の”聴く権利”を侵害してまで認められるものではない。
狂っています。
★門田
選挙というのは民主主義の根幹です。
有権者は政治家の演説に耳を傾け、投票の判断材料にする。
活動家がやっていることは、国民の”聴く権利”を侵害しているだけでなく、民主主義の根幹をも揺るがす犯罪なのです。
裁判官が守るべきは社会の「安全」と「秩序」と「正義」なのに、廣瀬孝裁判官(2022年3月当時札幌地裁、現・東京高裁判事)は真逆の事をした。
つまり、国家や秩序を崩壊させる側を助ける
「左翼裁判官」
なのです。
愚かな判決を下した廣瀬孝裁判官(2022年3月当時札幌地裁、現・東京高裁判事)に尋ねてみたい。
「あなたは一体、何をするために裁判官になったのですか?」
と。
★岩田
警察による”ヤジ排除”が違法という判例が出たことにより、現場の警察官は動きにくくなった。
今回の補選で言えば、警視庁が「つばさの党」を排除したら、東京都が賠償請求されかねない。
訴えられるだけならまだしも、裁判に負ける可能性が高い。
活動家には判例という巨大な後ろ盾がありますから。
■警察幹部は責任を取れ
★門田
公職選挙法には
「選挙の自由妨害罪」
が規定されている(225条)。
「つばさの党」による行動は当然、公選法に違反している。
本来であれば、羽交い絞めにしても排除すべきです。
でも、下手に手を出せば訴訟沙汰になり、負ける可能性もあるのです。
現場の警察官は悔しいでしょうね。
目の前で明らかな”犯罪”が行われているのに、何も出来ないわけですから。
これは、警視総監が
「摘発せよ。オレが責任を取る!」
とだけ言えば済む話です。
しかし、保身だけの警察首脳にそんな勇気があるはずがない。
民主主義が滅びるか滅びないかの瀬戸際にあるのに、
「訴訟になると面倒臭いから手を出すな!」
と現場に命じているわけです。
★岩田
選挙の2週間後、警視庁は「つばさの党」本部などを家宅捜索。
その数日後、代表の黒川氏や根本氏ら3人が逮捕されました。
★門田
秋葉原”安倍辞めろ”事件や札幌”ヤジ連呼”合法判決などの悪しき流れは変わるかもしれない。
とはいえ、警察の動きは遅過ぎる。
警察幹部は
「公正な選挙に反するもので看過できない」
と述べていましたが、今更何を言っているのか。
選挙はとうに終わっている。
”覚悟なき警察幹部”に怒りを覚えます。
★岩田
選挙妨害を放置したままでは、国民が怒りの矛先を「つばさの党」や札幌地裁だけでなく、警察に向けかねない。
警視庁は”選挙妨害は絶対に許すまじ”という世論に突き動かされたのかもしれない。
★門田
警察官僚というのはエリート中のエリート。
東大法学部在学中にキャリア試験に受かり、狭き門を突破した選ばれし者たちです。
繰り返しになりますが、言わせてほしい。
「あなたは一体、何を守るために警察官になったのですか?」
と。
★岩田
常識が失われつつある。
日本ではエリートになればなるほど左傾化が強まり、無責任体質となり、常識を忘れてしまう。
■「暗殺が成功して良かった」
★門田
その延長線上に、安倍元総理の暗殺がある。
安倍元総理の「こんな人たち」発言を叩きまくったメディアと、札幌ヤジ合法判決を出した裁判官【廣瀬孝裁判官(2022年3月当時札幌地裁)】。
彼らが安倍元総理暗殺の土壌を作り上げた。
★岩田
安倍政権を批判するためなら”何でもアリ”という空気が醸成されてしまった。
極め付きが山上達也によるテロであり、テロリストを礼賛する風潮に他ならない。
法政大学教授の島田雅彦氏はその典型です。
島田氏は安倍元総理の死を念頭にこう言い放った。
「今まで何ら一矢報いることができなかったリベラル市民として言えば暗殺が成功して良かった」
自分たちがいくら安倍政権を批判しても、自民党は選挙で勝ち続ける。
積年の鬱憤を晴らすために、暴力という禁断の最終手段に打って出たわけです。
★門田
社会学者の宮台真司氏も暗殺を”世直し”と表現しましたね。
「安倍というのは、ある種の日本の切り口であってね、日本全国どこを切っても安倍の顔なんですよ」
「上を忖度するヒラメ、横をキョロキョロ見るキョロ目の空っぽな人間たちが無様に蠢いている」
「(今回の事件は)機能としては世直しとして機能している」
安倍元総理の国葬儀が執り行われた当日、山上徹也をモデルにした映画が公開されました。
監督を務めたのは足立正生氏。
重信房子が率いた日本赤軍に合流して、手配された経歴もある。
宮台の”世直し”発言は、この映画の試写会で飛び出した。
「気に食わない人間は、殺されても構わない」
という考えは、左翼の本質をよく表している。
全体主義とは、要するに思想の統一です。
それを実現するためには、どんな手段を使ってでも異論を排除しなければなりませんから。
★岩田
レーニン主義者を自称する白井聡氏も、国葬儀に反対する集会でテロを肯定しています。
「暴力でなければ変えられないような状況を私たちが作ってしまった」
「テロが起きる前、我々の日本社会は腐り切り敗北していた」
「国葬は私たちの敗北していた社会を有耶無耶にし、否認することになる」
「許してはならない」
被害者は安倍元総理で、加害者はテロリストの山上徹也。
何があっても、この構図は変わりません。
ところが、マスコミの手にかかれば被害者と加害者が逆転する。
「山上という純朴な青年を苦しめた統一教会、安倍元総理こそが加害者である」
という風に。
マスコミこそが、安倍元総理が殺された原因を作った張本人です。
にもかかわらず、何も反省していない。
★門田
反省するどころか、彼らは”してやったり”とでも思っているでしょうね。
思い出されるのが重信房子が出所した時のことです。
”出所祝い”には、ジャーナリストたちが嬉々として駆け付けました。
TBS「報道特集」メインキャスターだった金平茂紀氏、同じくTBS「サンデーモーニング」コメンテーターの青木理氏らです。
その週の「報道特集」では、重信房子の出所が大々的に報じられました。
金平氏が
「外へ出て一番感じることは?」
と尋ねると、重信は
「政治が一方向に流れている」
と答えた。
”政治の方向”を変えるために、再びテロを起こすつもりなのかー。
嫌な予感がしたものです。
そして、現実のものとなった。
この番組が放送された1か月半後の2022年7月8日、安倍元総理が暗殺されました。
★岩田
維新の会は「つばさの党」騒動を受け、公職選挙法の改正案を示しました。
選挙妨害の具体的な行為として、
「著しく粗野又は乱暴な言動」
などを明記。
演説妨害を
「聴衆が演説を聴取することを困難にする行為」
具体化した。
維新の会は「つばさの党」の被害者でもある。
★門田
維新案に反対したのが社民党の福島瑞穂氏です。
「憲法21条が保障しているヤジとの関連が不明確」
「表現の自由が侵害されるのではないか」
と。
民主主義を破壊したい”革命勢力”の正体をまさに見せましたね。
★岩田
マスコミもその一味です。
連日のように選挙妨害を取り上げますが、ワイドショーではタレントが「つばさの党」を擁護する場面があった。
その一方で、選挙妨害を批判するコメンテーターもいる。
いずれにせよ、マスコミはクズの集まりです。
彼らに論評する資格などありません。

ヤジなどの演説妨害や他の選挙妨害は迷惑行為であり、言語道断の犯罪行為だ。
ちなみに拡声器によるヤジも肉声によるヤジもどちらも犯罪行為だ。
犯罪者にはそれ相応の罰を与えなければならない。
現在の公職選挙法で適正に取り締まれないのであれば、公職選挙法の改正が必要だ。

反安倍メディアこそ演説妨害問題の元凶
Hanada2027年7月号 ブロガー 藤原かずえ
■遂に家宅捜索まで進展
2024年4月28日投票の衆議院補欠選挙東京15区では、9人の候補者が乱立し、開票の結果、酒井菜摘氏(立憲民主党・新)が当選しました。
この東京15区の選挙戦は、社会で大きな話題となりました。
それというのも、つばさの党の公認候補の根本良輔氏と党代表の黒川敦彦氏をはじめとする党員数名が、他候補の遊説場所に連日乗り込んで、演説に重ねて大音量で質問を行うことで、演説の聴き取りを困難にしたからです。
これらの行為の一部始終については、つばさの党自身の手によって動画が撮影され、X・YouTubeといったSNSを通して逐次配信されました。
2024年4月18日に、警視庁は亀戸駅前における乙武陣営の街頭演説中、約50分間に渡って近くで大音量の演説を行った行為や車のクラクションを鳴らした行為などに選挙の自由妨害の疑いがあるとして、根本氏・黒川氏ら3人に対して警告を出し、2024年5月13日、警視庁はつばさの党を家宅捜索するに至りました(その後、2024年5月18日、幹事長で選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)と、代表の黒川敦彦容疑者(45)、それに運動員の杉田勇人容疑者(39)が他の陣営の演説を妨害したとして、公職選挙法違反の疑いで逮捕された)。
一連のつばさの党の党の行為について、他候補やその陣営はもとより、多くのメディアも
「選挙妨害だ」
と訴えました。
NHKは、開票後の2024年4月30日に他候補の声を報じています。

★酒井菜摘氏
危険を感じるような場面もあり、本当に怖かった。
演説の日時を公表できず、区民に届けられなかったことが申し訳ない。
★乙武洋匡氏
各候補の主張を聞く有権者の権利が奪われてしまったことは、非常に残念で許し難い。
今の法律上、あのような行為を是認せざるを得ないなら、何らかの法改正をしていくべきだ。

乙武候補の応援に駆け付けた小池百合子東京都知事は、2024年4月19日の定例会見で次のように述べています。
★小池百合子氏
これまでに経験したことがない選挙妨害が発生している。
非常に憤りを感じている。
選挙の在り方について、法律上見直して頂きたい。

また、立憲民主党の蓮舫議員は、Xで次のように述べています。
★蓮舫氏
私たちは昨日、地元の警察署前で街宣車を止め、スタッフが警察署に駆け込み相談をしている間にこの人たちに車の窓を叩かれ暴言を浴びせられ、動画を撮られていました。
警察の対応が遅くて怖かったです。
でも、負けない。

■確信的な妨害行為
一方、つばさの党側は、SNSや動画サイトを通して次のように主張しています。
★黒川敦彦氏
警告は、小池たちの亀戸の演説に対して僕らが演説を被せたということが違法だと。
私たちは調べたが、判例はない。
だって我々も選挙に出ているから。
あくまで小池陣営の演説と我々の演説は法律的は等しい。
かつ、我々の演説を聴いている人もそこにいるので、これは絶対に間違っていると思う。
(2024年4月23日)

★根本良輔氏
なぜ、こういう活動をしているか、まず説明していきたい。
シンプルに合法だからですね。
警察署・総務省としっかり確認を取って、合法の範囲でこういう活動をしています。
過去の判例もしっかり洗った上でやっています。
しっかり合法の範囲でやっているというのは、皆さん理解して頂きたい。
たくさんの皆さんに興味を持って頂いたので大成功に終わった、と思うところです。
(2024年4月27日)

★黒川敦彦氏
僕らは選挙に出ているので、例えば小池百合子氏や乙武氏の演説会と僕らの演説会がバッティングして、僕らも基本的に質問に行っているのです。
政治家が答えづらいことを僕らは聴きに行ったのです。
それに対して、『もっとやれ』という声は明確にあります。
(中略)
犯罪行為ではない。
質問に行っているだけなので答えればいいのです。
ちゃんと反論すればいいのです。
(2024年4月27日)

つばさの党は、明らかに確信的な意図を持って当該行為を行っています。
彼らは、行為の合法性についての理論武装を固めると共に、法の下の平等を主張し、あくまでも自らは質問をしているという外形上の体裁を整えています。
ただ、この行為はたとえ合法であっても、民主主義を根幹とする憲法の精神には反しています。
演説を聴くことができない社会では民意を反映できないため、民主主義が成立しないからです。
ここで、演説妨害に関する法的背景について簡単に紹介したいと思います。
■演説妨害の法的背景
議員等を公選する選挙について定めた【公職選挙法】の目的は、憲法の精神に則り、選挙人(有権者)の自由な意思によって選挙が公明かつ適正に行われることを確保し、これをもって民主政治の健全な発達を期することです。
選挙妨害行為については、225条(選挙の自由妨害罪)に定められており、今回の事案に関係するのは次の2項です。

一 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人に対し暴行若しくは威力を加え又はこれをかどわかしたとき。
二 交通若しくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、又は文書図画を毀き棄し、その他偽計詐術等不正の方法をもつて選挙の自由を妨害したとき。

また、226条(職権濫用による選挙の自由妨害罪)では、警察を含めた公務員等が故意にその職務の執行を怠る、又は正当な理由がなくて公職の候補者若しくは選挙運動者に追随し、その職権を濫用して選挙の自由を妨害する行為を罪としています。
選挙妨害に関連した裁判所の判例も存在してます。

★最高裁判所
「仮に所論のように演説自体が継続させられたとしても、挙示の証拠によつて明かなように、聴衆が聴き取ることを不可能又は困難ならしめるような所為があつた以上、これはやはり演説の妨害である」(1948年)

★大阪高等裁判所
「選挙演説に際しその演説の遂行に支障を来さない程度に多少の弥次(やじ)を飛ばし質問をなす等は許容」
「他の弥次発言者と相呼応し一般聴衆がその演説内容を聴取り難くなるほど執拗に自らも弥次発言或いは質問等をなし一時演説を中止するの止むなきに至らしめるが如き行為に至らなければ公職選挙法上の演説妨害罪は成立しない」(1954年)

聴衆が演説を聴き取ることを不可能または困難にする行為は
「演説妨害」(最高裁)
ですが、演説を中止せざるを得ない限り
「選挙妨害罪」
は成立しない(大阪高裁)とするものです。
この法的判断には、論理的な問題があります。
■大阪高裁が知る権利侵害を容認
【表現の自由freedom of expression】
の名の下に何者かが演説に被せて大声を出せば、少なくともその周辺の聴衆は演説を聴き取るのが困難になります。
選挙演説の内容は公選に資する公的情報であるので、周辺の聴衆は公的情報へのアクセス権である
【知る権利right to know】
を侵害されたことになり、これによって演説者も
【言論の自由freedom of speech】
を侵害されたことになります。
演説妨害は、自らの表現の自由を行使するために他者の言論の自由あるいは知る権利を侵害するという
【公共の福祉public welfare】
に反する行為であり、演説妨害を合理的に制限することは、憲法の精神に適うものです。
しかしながら、妨害の可否を定性的な判断に委ねる大阪高裁の曖昧な文言は、知る権利を侵害することを事実上容認しています。
というのも、実際の現場において、妨害の有無という極めてデリケートな判断を公権力が行うことは事実上困難であるからです。
演説者が妨害を根拠に演説を中止した場合、その妨害の立証責任は演説者に求められます。
そのような労力を要する可否の不明な権利を求めて演説を中止するインセンティブは、少しでも多くの有権者にアピールしたい選挙期間中の陣営には存在しません。
また、今回のケースのように、妨害者が私人ではなく選挙の候補である場合には、更に問題は複雑です。
妨害者の主張も、外形的には公選に資する公的情報であり、これを公権力が制限することは、職権濫用による選挙の自由妨害罪に当たる可能性があるからです。
警察が職権職務を遂行するに当たっては、警察官職務執行法(警職法)に従う必要があります。
この法律の中で、演説妨害者を移動させる根拠となるのは、第4条(避難等の措置)と第5条(犯罪の予防及び制止)しかありません。
即ち警察官ができることは、演説妨害者が周辺の聴衆から危害を受ける恐れがある場合に演説妨害者を避難させる(第4条)、あるいは演説妨害者の自由演説妨害行為により演説者側に危険が及ぶ恐れがある場合にその行為を制止する(第5条)という2つしかありません。
しかしながら、今回のケースのように、暴力行為を受けた場合の証拠を残すために動画撮影している演説妨害者に対し、周辺が危害を与える可能性は低く、また暴力を振るわないことを確信的に宣言している演説妨害者を予防で排除することも不可能です。
以上のように、日本の司法(裁判所)と行政(警察)は演説妨害者の【表現の自由】に寛容であり、演説者の【言論の自由】及び有権者の【知る権利】には冷淡です。
また、立法(議員)はこの問題の解決に消極的であり、時に都合よく政治利用しています。
また、一部マスメディアは、特定政治家に対する演説妨害行為を正当化してきました。
その象徴的な事例が、安倍晋三氏の街頭応援演説に対する2件の妨害事案です。
■演説妨害者を正当化
2017年7月2日投開票の東京都議選における安倍晋三自民党総裁の秋葉原演説では、組織的な呼び掛けに集まった大群衆が
「安倍やめろ」
「帰れ」
と大合唱し、執拗に安倍氏の演説を掻き消しました。
安倍氏はこの組織的な妨害者に対して、演説で次のように講義しました。

★安倍晋三
皆さん、あのように人が主張を訴える場所に来て、演説を邪魔するような行為を私たち自民党は絶対にしません。
私たちはしっかりと政策を真面目に訴えていきたいのです。
憎悪からは何も生まれない。
相手を誹謗中傷したって、皆さん、何も生まれないのです。
こんな人たちに、皆さん、私たちは負けるわけにはいかない。
都政を任せるわけにはいかないじゃありませんか。

この一連の発言を素直に解釈すれば分かるように、安倍氏の抗議は、演説に重ねて大合唱することで演説の聴き取りを困難にした演説妨害者に対して向けられたものでしたが、一部マスメディアは安倍氏の発言から
「こんな人たちに負けるわけにはいかない」
という部分だけを切り取って認知操作することで、安倍氏を徹底的に非難すると同時に、演説妨害者の行為を正当化したのです。

★朝日新聞
東京都議選最終日の秋葉原駅前。
自身に抗議する人たちを指差し、
『こんな人たちに負けるわけにはいかない』
と叫ぶ安倍晋三首相の姿に溜息が出た。
またか。
(中略)
大体、批判を連呼しても主権者じゃないか。
この剥き出しの敵意、何なのか」
(2017年7月10日)

★毎日新聞
安倍晋三首相は学校法人森友学園や家計学園の問題で不信を招いたとして、国民への丁寧な説明を約束している。
ところが(2017年7月)1日の東京都議選遊説では聴衆の「辞めろ」コールを
『こんな人たちに負けるわけにはいかない』
と激高した。
国会で今後、丁寧な説明を期待できるのか」
(2017年7月3日)

★テレビ朝日・玉川徹氏
『こんな人たち』
というのも問題だけど、その後に
『負けるわけにはいかない』
と言っている。
負けるというのは勝ち・負けだ。
勝ち・負けということは敵・味方だ。
だから
『こんな人たち』
は敵だ。
少なくとも、敵と思っている人も国民だ。
その国民の意見を自分たちの方に向かわせる力量がなかったから、政治家としてダメだ。
選挙は勝ち負けというが、総理なんだから。
(2017年7月4日)

この演説会において、大群衆が大合唱した表現である
「安倍やめろ」
「帰れ」
というヤジは政治的な意見表明ではなく、演説者に対する恫喝的な命令です。
論理的に言えば、演説を最後まで聴くことなく
「安倍やめろ」
「帰れ」
と命令するのは、言論に対する評価を根拠とする行為ではなく、論者に対する嫌悪を根拠とする言語道断の迷惑行為です。
■「こんな人たち」の真意
【表現expression】は、【言論argument】の要素と、【非言論non-argument】の要素で構成されていますが(芦部信喜:あしべのぶよし『憲法』)、
「安倍やめろ」
「帰れ」
は、上述の理由から、「非言論」の要素です。
つまり、大群衆は「表現の自由」の名の下に、「非言論」で「言論」を掻き消すことで、公選の投票判断に資する政治家の「言論の自由」と聴衆の「知る権利」を侵害したのです。
これは、公共性のない私的な承認欲求を優先して公共の利益を毀損する「公共の福祉」に反する行為です。
一部マスメディアの極めて大きな勘違いは、「非言論」による演説妨害を「言論」と混同している点です。
安倍氏の言う
「こんな人たち」
は、安倍氏と政治的意見の異なる主権者・国民を指したものではなく、迷惑行為を働く演説妨害者を指したものであり、民主主義国家の政治家として
「負けるわけにはいかない」
と宣言することは、憲法の精神に合致するものです。
一部マスメディアは、安倍氏が総理大臣という権力者であったことをもって発言を非難していますが、それならば、つばさの党の
「選挙妨害」

「憤りを感じている」
と述べた東京都知事の小池百合子氏に対しても、
「つばさの党の党員も都民じゃないか」
「この剥き出しの敵意、何なのか」
「演説を邪魔する行為と激高した」
「少なくとも敵と思っている人も都民だ」
などと非難しなければ、公平ではありません。
警視庁は、東京都知事が所轄する東京都公安委員会によって管理されています。
むしろ東京都では、安倍氏よりも小池氏の権力の方が大きいのです。
一部マスメディアの態度は、ダブルスタンダードに溢れています。
特に欺瞞に溢れているのは、テレビ朝日『羽鳥慎一モーニングショー』の玉川徹氏です。

★玉川徹氏
法律に違反していないなら何をやってもいいという考え方を良識ある有権者が受け入れると思うか、という話だ。
紳士協定が慣例になっているが、それは色々な候補の声が届くようにしようと。
どんな政党だってどんな候補だって、そういう風にしてやっている。
法律に違反していなければ他人にどんな迷惑を掛けてもいいんだというそういう風な人たちは、国民の中で大きな支持を得られるとは僕は思わない。
(2024年4月29日)

玉川氏の言う
「そういう風な人たち」
は、安倍氏の言う
「こんな人たち」
と同じで、他人にどんな迷惑を掛けてもいいと思っている迷惑千万な演説妨害者です。
こんな白々しい欺瞞に溢れるダブル・スタンダードはありません。
■蓮舫のダブスタ発言
野党政治家も、マスメディアに同調しました。
当時、民進党代表だった蓮舫氏は安倍氏を徹底的に非難し、安倍氏が演説妨害者に謝罪するよう求めました。

★民進党・蓮舫代表
国民をレッテル貼りして、自分に良い人は味方、自分に悪い人は敵で常に戦う。
それを総理大臣がやるということは
『1億総活躍』
『皆が活躍できるチャンス』
と言っていることは実は建前で、本音は敵・味方。
自分に良い人だけを支援すると受け止められかねない発言なので看過し難いし、これこそ訂正あるいは謝罪を求めていく。
私は暴言・批判・ヤジを含めて、様々なコールを受けたことは何度もある。
でも、私は双方向で政治をしたい。
色々な意見を持っている人に向き合うのは政治家の仕事だ」
(2017年7月6日)

安倍氏は、蓮舫氏のように
「自分に良い人は味方、自分に悪い人は敵」
などと宣言していません。
安倍氏は、民主主義の破壊者である演説妨害者に
「負けるわけにはいかない」
と宣言しただけです。
党利党略のために国民を感情的に煽動して二分する
【ストローマン論証strawman argument:ストローマン論法とは議論が平行線を辿る卑怯戦法の対処法】
https://hamwrite.com/strawman-argument
に他なりません。
尚、蓮舫氏はこの時の主張に従えば、つばさの党も
「色々な意見を持っている人」
であるはずです。
蓮舫氏は、そのつばさの党の行為を
「選挙妨害」
と断じ、その質問を受けることなく警察に通報し、
「警察の対応が遅くて怖かった」
と守ってくれた警察に文句を言った上で、最後には
「でも、負けない」
とつばさの党を敵認定しました。
蓮舫氏は、自分の過去の発言に責任を持って、つばさの党に謝罪すべきです。
いずれにしても、安倍氏秋葉原演説の件は日本における過去最大の演説妨害と言えます。
この妨害行為が問題視されないどころか、むしろ正当化されてきたのですから、日本の現行制度で演説妨害を止めることは実際上不可能です。
このような悪質な演説妨害を無責任に正当化してきたマスメディアや政治家こそ、今回のつばさの党の行動を可能にした元凶に他なりません。
これらの論調に多くのマスメディアが同調した結果、安倍氏は演説妨害者との接触を避けることを強いられ、遊説場所を告知しない
「ステルス遊説」
と揶揄された選挙運動を展開するに至りました。
■ヤジの2人を英雄視
2019年参院選における安倍氏の札幌演説(2019年7月15日)では、
「安倍やめろ」
「帰れ」
という大声を演説に被せた男女2人を北海道警察が移動させるという事案がありました。
2人のうち男性は、その後も演説車両に詰め寄って大声を上げるなど演説者を執拗に威嚇しました。
秋葉原の演説妨害に比べて小規模ではあるものの、この騒動によって、周辺の人々の
「知る権利」
は明らかに侵害されました。
この事案に対しても、一部マスメディアは徹底的に警察を非難し、ヤジを正当化したのです。

★朝日新聞
政治家による街頭演説は、支持者だけではなく、様々な考えを持った幅広い聴衆に向けられるものだ。
ヤジも意思表示の1つの方法であり、これが力ずくで排除されるようになれば、市民は街頭で自由に声を上げることができなくなる。
(2019年8月29日)
政治家の仕事は、街頭でヤジを浴びることだろう。
浴びる機会を警察が奪ってどうする。
(2020年2月16日)

★毎日新聞
仮に今回、北海道警が政権への忖度を理由に聴衆を排除したとすれば、警察の政治的中立性に疑問符が付くことになる。
(2019年7月20日)

2020年2月2日には、HBC北海道放送が、警察に移動させられた2人を一方的に英雄視して警察を悪魔化するようなドキュメンタリー番組
『ヤジと民主主義〜警察が排除するもの』
を放映しました。
日本のメディアは、この番組に対して、ギャラクシー賞、日本ジャーナリスト会議JCJ賞、JNNネットワーク協議会賞などを授賞するなど、この作品を絶賛しました。
また、警察に移動させられた2人は
「表現の自由などが違法に侵害された」
として、北海道に対して慰謝料を求める裁判を起こしました。
その結果、2022年3月25日に札幌地裁は、北海道に対して計88万円の支払いを命じました。
これらのマスメディアの報道圧力と司法の判決は、警察を委縮させ、演説者の安全のための警備措置を事実上無力化したものと考えられます。
極めて理不尽なことに、聴衆が演説車両に詰め寄って大声を出す行為が正当化され、それを移動させた北海道警察が罰金刑に処されたのです。
そして、起こるべくして悲劇が起こりました。
■東京新聞の非論理的主張
札幌地裁の判決から間もない2022年7月8日に、参院選の街頭演説中の安倍氏が銃撃されたのです。
警察は、テロリストが安倍氏に近寄って至近距離から2発を発砲するまで何もすることができませんでした。
ここに、一部マスメディアと活動家から弾圧されてきた安倍氏の言論の自由は、永遠に閉ざされたのです。
2023年4月15日には、衆議院補選(和歌山1区)における街頭応援演説を控えた岸田文雄自民党総裁に対してパイプ爆弾が投げ込まれました。
これらテロ行為の頻発に影響を受けたか否かは不明ですが、2審の札幌高裁は、原告の男性に対して、警職法に則った根拠で1審判決を取り消す逆転敗訴の判決を言い渡しました。

★札幌高等裁判所
ヤジを飛ばして隣にいた聴衆といさかいになった他、その後も演説車両に詰め寄って大声を上げるなどした。
警察官が、直ちに阻止しなければ物を投げるなどの危害が加えられてしまうと判断したことには客観的合理性が認められる。
(2023年6月22日)

この判決に対して、東京新聞は札幌高裁を強く非難しました。

★東京新聞
ヤジも言論だ。
市民から政権批判の自由を奪ってはならない。
今回の判決が政治的言論の自由の委縮を招くのではと危惧する。
(2023年6月24日)

東京新聞の主張は非論理的です。
先述したように、
「安倍やめろ」
「帰れ」
というヤジは、
「表現の自由」
の名の下に非言論によって言論を掻き消すという
「言論の自由」

「知る権利」
に対する挑戦行為です。
まさにサイレント・マジョリティを愚弄し、ノイジー・マイノリティに都合が良い社会に誘導するものです。
1人の身勝手なヤジを認めれば、法の下の平等の原則から、他の全ての人の身勝手なヤジも認められなければなりません。
これは間接民主主義の破壊行為です。
特に、抵抗力が弱い小政党や無所属の政治家は、ノイジー・マイノリティによって簡単に捻り潰されてしまうことでしょう。
実際、今回の東京15区では、つばさの党の演説妨害行動によっていくつかの陣営が委縮し、
「ステルス遊説」
を展開するに至りました。
■言論機関による言論弾圧
2023年12月、北海道放送
『ヤジと民主主義〜警察が排除するもの』
の劇場版が、センセーショナルな宣伝文句を掲げて公開されました。

2019年7月15日、それが全ての始まり。
政権に批判の声を上げたら、大勢の警察官に排除された。
「ヤジ排除」
の裏で何が起こっているのか?
1460日の記録。

更に、元北海道警察幹部の原田宏二氏(故人)の発言が、次のように添えられています。

★原田宏二氏
警察が法的根拠がないのに好き勝手なことをやっている。
それをメディア・マスコミの前で平然とやった。
あんたたち(マスコミは)無視されたんですよ。

警察が原告を移動させた措置に対する法的根拠については、2審判決でその合理性が認められていますが、この発言はその存在を真っ向から否定しています。
つまり、この映画は、故人の見解を権威論証として使うことで、演説妨害を無理矢理正当化しているのです。
また、警察がメディアを無視することが許されないかのような認知操作は傲慢極まりありません。
以上、安倍氏の秋葉原演説と札幌演説に対する演説妨害行為は、一部マスメディアによる強力な報道圧力によって正当化されてきました。
その結果、日本は演説妨害者の「表現の自由」が尊重され、演説者の「言論の自由」と有権者の「知る権利」が軽視されるという本末転倒な社会となってしまいました。
これは、言論機関による言論弾圧に他なりません。
このような状況において、秋葉原の事例と比較して甚だ小規模な集団であり、候補が他候補に質問する体裁を取るつばさの党の演説妨害者を、札幌の事例で違法性を問われて委縮した警察が、極めてデリケートな判断を必要とする警職法を根拠にしてリアルタイムに排除することは、法の下の平等から不可能でした。
事実、警察が選挙の自由妨害罪の疑いで家宅捜索に踏み切ったのは、投開票から2週間が経過した2024年5月13日です。
もちろん、この段階でも選挙の自由妨害罪が立証されているわけではありません。
何よりも、マスメディアによる身勝手な
「表現の自由」
の肯定による最大の被害者は、候補者の政治的主張についての
「知る権利」
を侵食された有権者です。
「言論の自由」
を守り、国民の
「知る権利」
に資する使命を持つ言論機関の一部が、
「表現の自由」
という美辞麗句で非言論による演説妨害を堂々と正当化してきたことは、民主主義の破壊行為に他なりません。
今回のような問題が発生するのは、明らかに公職選挙法の欠陥によるものです。
近年、演説妨害者が次々と公職選挙法のセキュリティホールを突いてくる中、党利党略を最優先とする立法機関の議員は何も対策を議論してきませんでした。
誰が考えても分かることですが、候補者がその政治的主張を有権者に音声で説明する街頭演説を行うには、音声が伝わる特定の時間を特定の空間に渡って占有する必要があります。
この占有の調整を候補者の自主性に任せていることが、トラブルの原因なのです。
■選挙システムの再構築を
公平な選挙を行うためには、選挙管理委員会がこの時間と空間を管理して候補者に公平に配分することが必要です。
例えば、選挙区内に複数の演説拠点を予め設定しておいて、各候補にその拠点を占有できる時間帯を最初から決めておけば、候補者間で演説に支障を来すことはありません。
有権者にとっても、確実に演説を聞くことができるので至便です。
また、その時間の枠内で市民が自由にヤジを言える時間を5分程度設定すれば、インタラクティブ(お互いに作用し合う様。相互作用の)な要素も加味できます。
何より、演説途中での身勝手なヤジを発する必要がなくなります。
もちろん、拠点以外の場所での演説は、従来通り自由にするのが憲法に適っています。
ただし、同一地区に1日2時間以上留まって演説してはならないというような、場所の目的外使用を防止する合理的規制は必要であると考えられます。
特定の候補者間で相手に質問し合う機会を設定することも必要です。
今回、つばさの党は、質問を根拠にして他候補の演説を妨害しましたが、予め十分な討論の機会を設定しておけば、その必要もなくなります。
有権者が議員の実力を把握する上でも討論会の開催は有益であり、議員の質の向上に大きく貢献するものと考えられます。
公職選挙法で、インターネットをベースにした複数回の公開討論会の開催を義務化するのが望ましいと考えます。
このような表現に関する
【時 time】
【所 plece】
【方法 manner】
の規制は
【表現内容中立規制】(特定の時・場所・手段における表現の規制)
https://foetimes.com/2670/
と呼ばれ、公共の福祉の必要がある場合の合理的制限として、最高裁(1955)が認めています。
その理由としては、これを無制限にしておくと選挙運動に不当な競争を招き、選挙の自由公正を害する虞があるからです。
また、相手を威嚇したり、侮蔑したりする発言など表現の
【内容 content】
の規制である
【表現内容規制】(ある表現について、それが伝達するメッセージを根拠に行う規制)
https://foetimes.com/2670/
も最低限必要と考えます。
インターネットが普及した時代に、好意の返報性を求めて、街頭で握手をしたり、手を振ったり、名前を連呼したり、自転車に乗ったり、ビラを配ったりする選挙はもうやめましょう。
感情・人格・権威に訴えるという選挙テクニックではなく、政策のスペックで代表を選ぶ選挙システムの構築が必要不可欠であると考える次第です。

偽善者に騙されるな 選挙活動の自由を濫用する偽善者たち
Hanada2024年7月号 イスラム思想研究者 飯山陽
「おい飯山! カメラ撮ってんじゃねーよ」
「質問に答えろよ飯山!」
2024年4月21日午前10時半過ぎ、東京都江東区にある警視庁深川警察署前で、選挙用の街宣車から拡声器を使用し、私にこう暴言を吐いて挑発したのは
「つばさの党」
という団体の根本良輔なる人物だ。
私は2024年4月28日投開票の衆議院東京15区補欠選挙に立候補していた。
街宣車での選挙活動中、根本某の街宣車に追い回され、散々逃げた挙げ句、警視庁深川警察署前に車を付けた。
警察署の前ならば言動を慎むだろうと想定してのことだ。
しかし某はこう続けた。
「警察、何も動いてくんないよ! 事故にならないように気を付けてねってことを電話で貰ってるんで、お前らが街宣をやめた以上は、オレら喋る権利ある!」
「だから出て来いよ! お前、目パキってんぞ。アハハハ!憎くて仕方ないだろ、オレのことが。目パキってんぞ飯山! オレのことがムカつくなら、ぶつけてこいよ! 討論しようぜ! 東大の博士号取ったんだろ! イスラエルについて話そうぜ飯山! 出てこいって! ほら出て来いよ! 何やってんだよ、意味ねえからそれ! おい、東大の博士、出て来いよ! 出て来いよ、お前!」
某も同補選の立候補者である。
だから自分には選挙活動の自由があり、こうした暴言もその範疇内だというのが某の主張だ。
産経新聞の取材に対し、
「どこで街宣しても合法だ」
と自身の言動を正当化している。
某が選挙妨害を始めたのは、選挙告示日の20024年4月16日だ。
私自身も2024年4月21日以前から、既に何度も極めて悪質な選挙妨害を受けてきた。
街頭演説にマイクで音を被せる、街宣車を追いかけ回し私を罵倒する文句を拡声器でがなり立てる、私に接近して大声で侮辱し嘲笑する、選挙事務所前に乗り付けて扉をドンドン叩き
「出てこい」
と挑発する。
この繰り返しだ。
2024年4月19日には、豊洲にてジャーナリストの長谷川幸洋氏を応援弁士としてお迎えし、街宣活動をする予定だったが、我々の街宣車の後ろに某の街宣車が乗り付け、とてつもない爆音を当方に被せ、長谷川氏らの声はほぼ完全に掻き消された。
私はそれ以来、頭痛、耳鳴り、不眠、フラッシュバック、動悸といった症状に悩まされている。
■私は絶望した
自由主義社会においても、あらゆる自由が許されるわけではない。
他者に危害を与える自由は許容されないと考えるのが一般的だ。
「殺人の自由」

「強盗の自由」
「誹謗中傷の自由」
といったものが認められないのはそれ故である。
しかし某は、選挙活動の自由の中には、私の選挙活動を妨害する自由も、私の心身に危害を与える自由も、公然と私の名誉を毀損し尊厳を奪う自由も含まれていると認識しているらしい。
某は産経新聞に対し、妨害活動により
「皆に政治に参加してもらい、事実を知ってもらうという目的は達成できた」
と主張している。
とんだ偽善者である。
2024年4月21日の警視庁深川警察署前では私に対し、
「おい飯山! せっかくお前のこと推してくれるジジイ、泣いちゃうぜ! こんな29歳の若造1人も論破できない、中東の研究家、東大博士か知らんけど、イスラエルついて話そうぜ!」
と、
「若い弱者」
ポジションを取って煽ってきた。
若さなど所詮、相対的なものだ。
小中学生から見れば29歳は立派なジジイであるが、80歳から見れば48歳の私も十分に若い。
贅肉でだぶついた腹を抱える中年太りの男である某が、小柄な女である私に対して拡声器を使用して大声で威圧しながら、オラつきつつ
「若い弱者」
ポジションでマウントを取るなど、笑止千万だ。
某はいわゆる
「無敵の人」
である。
選挙活動中の自由を掲げれば、どのような誹謗中傷、罵詈雑言、名誉棄損、威嚇行動も許されるし、警察も手出しできないと公言して憚らない。
実際、警察は、私が警視庁深川警察署前で壮絶なセクハラ、モラハラ、脅迫、選挙妨害を受けているにもかかわらず、私を守ってはくれなかった。
これは公開リンチに等しい。
私は絶望した。
「おれ飯山本人だよ、あのオバハン! キチガイみたいな顔して! 終わってんだろアレ。ほら飯山! 飯山! 飯山本人、何やってんの! 出て来いって! 皆見てるよ! 飯山本人だろ! 動画を撮ることしかできねえんだよ、こいつら! これ、やばいぜ! おいおいおい、飯山出て来いって!」
何が面白いのか、私には全く分からない。
図体の大きな男に、拡声器を使って繰り返し名前を呼び捨てにされ、出てこい、出てこいと煽られ恐怖と闘いながら、証拠を押さえねばならないという一心で動画を撮り続けた。
■諦めたらそこで終わりだ
「何なのお前! マジでお前、東大の博士取ったのか?! 小池と一緒で、経歴詐称疑惑か! え、何それ、チューしたいの?! え、何それお前、チューしたいの?! 責められて興奮するタチ? もしかして?!」
表情を変えず、挑発にも動じない私に痺れを切らした某は、私が経歴詐称をしていると中傷した上、煽り続けるうちに自分で勝手に興奮しだし、卑猥な言葉を口にする。
「飯山あかり! 今、もう1700人がライブで見てるぞ! これ、切り抜いて絶対拡散されるぞ! これ、飯山あかり本人だぞ! 飯山! お前、イスラエルの犬じゃん。イスラエルの犬だよね! イスラエル戦争屋国家だぞ! そのお前、戦争屋国家を擁護しているお前、戦争屋の手先だぞ! イスラエルとアメリカが、中東を火の海にしたんだぞ! 何だ、オレともチューしたいのか?! 飯山! 48歳飯山あかり! ヘイヘイヘイ! オレとチューしたいのかヘイヘイヘイ!飯山! 何だよお前、欲求不満かよ! チューするか飯山! どうした飯山! 何だよお前、欲求不満かよ! チューするか飯山! どうした飯山! 論戦しようぜ! お前がイスラエルの擁護をしているのはやめろって言ってんだよ! イスラエルは戦争屋国家なの! やっぱチューしたいのか!」
これが某の
「合法」
な選挙活動らしい。
拡声器を使って私を罵倒し、卑猥で淫らな言葉を浴びせ掛け続けることの、どこが合法な選挙活動なのか。
これでどうやって、
「皆に政治に参加してもらい、事実を知ってもらうという目的は達成できた」
というのか。
通りすがりの有権者は、某の罵声を聞くと足早にその場を立ち去る。
中には恐る恐る携帯を取り出し、写真や動画を撮っていく人もいる。
誰もが顔を強張らせる。
政治参加どころの話ではない。
こんな現場を目の当たりにすれば、多くの人が選挙や政治そのものに対し、恐怖感や嫌悪感を抱く。
政治というのは関わってはならない、近付くと害にしかならないと思うようになる。
そして益々政治への関心を失い、投票率は下がる。
実際に、今回の東京15区補選の投票率は40.70%に過ぎなかった。
有権者の過半数が選挙に行かなかったのだ。
哀れなことに、某にはこの現実も見えないらしい。
某はこうも言った。
「おい飯山! ちょっと都合が悪いこと言われたら逃げるんだったら、お前、政治改革なんてできねーよ!」
「しかも、保守党なんて仰々しい名前付けやがって!」
「何だよ保守党って!」
「保守党ってのは逃げること?!」
保守の基本は
「大切なものを守る」
という信念だ。
我々が守るべきは自由民主主義社会であり、その礎となる選挙である。
他者の選挙活動の自由を侵害し、有権者の聞く権利、知る権利を侵害する某のような行動が選挙活動の自由の名の下に許容されるならば、日本の民主主義の存立は確実に脅かされる。
某は選挙妨害をビジネス化すると言っている。
某にカネを払えば、対立候補の選挙活動を妨害し、選挙戦を有利に進められるというわけだ。
なるほど、実に賢いと、某の
「信者」
たちは喝采を送る。
「誰1人取り残さないインクルーシブな社会を体現する人物」
として乙武洋匡(おとたけひろただ)氏を同選挙で擁立した小池百合子都知事は、自分と乙武氏の街宣の警備は強化したものの、私を守ってはくれなかった。
メディアが妨害の被害者として手厚く報じたのは乙武氏だった。
しかし選挙では、私の得票数は乙武氏のそれを大きく上回った。
2024年4月19日の妨害現場では某の罵声に対し、小学生の男の子が
「あかり、がんばれ?!」
と高い声をあげた。
正義はここにある。
日本を諦めてはならない。
諦めたらそこで終わりだ。

「愚劣」「低能」つばさの党
Hanada2024年7月号 門田隆将
「飯山、出てこい」
「チューしたいの? チューしたいの、お前」
「責められて興奮するタチ? チューしたいの? 別に悪くないけど」
「いいよチューしたって」
「お前、イスラエルの犬じゃん」
「俺ともチューしたいのか? 飯山! なんだお前、欲求不満か。飯山」
「48歳、飯山あかり! ヘイ、ヘイ、ヘイ! 飯山あかり、ヘイ、ヘイ、ヘイ! 俺とチューしたいのか、ヘイ、ヘイ、ヘイ!」
「飯山〜なんだ、お前! 欲求不満かよ」
「どうしたんだ飯山、やっぱり選挙だから高ぶってんのか!」
・・・警察も舐められたもの。
これらの常軌を逸した
「つばさの党」
の卑猥、卑劣な言動による演説妨害行為は、警視庁深川警察署(東京都江東区)の前で行われたものだ。
一方、参政党の吉川りな候補には、
「党首の神谷は、党員の女とやり放題! ヘイ、ヘイ、ヘイ!」
「あんたも神谷とやってんだろ? ヘイ、ヘイ、ヘイ!」
既婚者である女性候補へのあり得ない言葉である。
聴衆もさすがに下品な言葉の連続に唖然となった。
また、小池百合子都知事が全面支援した乙武洋匡(おとたけひろただ)氏の演説にも彼らは”突入”。
電話ボックスの上から演説に被せるように大声で叫び、乙武氏の演説を搔き消した。
更に、立憲の蓮舫議員が乗った選挙カーを追いかけ、すぐ後ろに止めて車を降りた根本良輔候補が、
「立憲偽善者 ヘイ、ヘイ、ヘイ! 立憲偽善者 ヘイ、ヘイ、ヘイ! おい、お前、何か答えろよ」
駆け付けた警察官が動画を撮りながら、注意すると、
「お前、選挙妨害だぞ、今やっていること、おい」
「選挙妨害だ! 邪魔すんな」
と、逆に警察官をどやしつけた。
これが
「つばさの党」
の黒川敦彦、根本良輔両氏らが東京15区補選で演説中の候補者たちに繰り返した行状のごく一部である。
これらを見ながら、吉野家で紅ショウガを直食いしたり、スシローで醤油さしから醤油を直飲みしたりした迷惑系ユーチューバーを思い出した向きは少なくないだろう。
「愚劣」

「低能」
という言葉しか思い浮かばない、人に迷惑をかけることで喜ぶ子供みたいな大人たちである。
各陣営が受けた被害をいちいち書き出すとキリがないが、完全に民主主義の根幹である選挙を破壊することを目的とした行動だった。
彼らは選挙運動が終わるその瞬間まで手を緩めなかった。
日本保守党の飯山あかり氏は、選挙戦を終えて、不眠や耳鳴りの症状に悩まされ、加療が必要との診断を受け、日本保守党の東京15区支部長を退任した。
公職選挙法第225条には、はっきり
「選挙の自由妨害罪」
が規定されており、
「4年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する」
と明記されている。
本来、この明白な公職選挙法違反行為には、
「私が責任を取るから摘発せよ」
と、警視総監たる緒方禎己(おがたよしみ)氏が号令を下すべきだったのは当然である。
だが、ハラが据わらないこの警察トップのお陰で、選挙戦中は完全に野放し、民主主義の根幹である選挙は、こうして”蹂躙(じゅうりん)”され続けたのである。
しかし、国民の怒りは収まらない。
それを受けて警視庁捜査2課は選挙後2週間以上が経過した2024年5月13日、やっと
「つばさの党」
の本部や黒川氏、根本氏の自宅にも家宅捜索を敢行した。
政治部デスクによれば、
「遅きに失しましたね」
「選挙中になぜ踏み込まなかったのか、との怒りの声は強い」
「2017年の都議選最終日、秋葉原で”安倍やめろ!”という大コールの演説妨害に対して安倍首相が”こんな人たちに負けるわけにはいかない”と言ったことを捉えて、左翼マスコミは演説を妨害した側ではなく安倍批判を繰り広げた」
「また2019年の参院選では、札幌に応援演説に来た安倍首相に対して、”安倍やめろ!”とヤジを連呼した活動家が道警に排除された」
「その活動家は北海道を提訴し、札幌地裁の廣瀬孝裁判官は、これは表現の自由の範囲内である、と道側に88万円の損害賠償を命じた」
「秩序破壊の左翼の言い分が認められている有り様です」
「取り締まる側が完全に委縮する原因になっていたのも確かです」
左翼司法をマスコミが後押しし、選挙妨害をする側が讃えられる本末転倒の日本。
安倍暗殺事件では、犠牲者が貶められ、犯人が讃えられるという”反日亡国勢力”のやり放題が続く日本。
最早末期的である。

公職選挙法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC1000000100
(選挙の自由妨害罪)
第二百二十五条 選挙に関し、次の各号に掲げる行為をした者は、四年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。
一 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人に対し暴行若しくは威力を加え又はこれをかどわかしたとき。
二 交通若しくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、又は文書図画を毀き棄し、その他偽計詐術等不正の方法をもつて選挙の自由を妨害したとき。
三 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者若しくは当選人又はその関係のある社寺、学校、会社、組合、市町村等に対する用水、小作、債権、寄附その他特殊の利害関係を利用して選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人を威迫したとき。

2022年3月25日
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/statement/79884.html
■“安倍元首相にヤジで排除は違法” 北海道に賠償命じる判決
3年前の2019年、札幌市で当時の安倍総理大臣の街頭演説にヤジを飛ばし警察官によって離れた場所に移動させられた男女2人が、排除は違法だとして道に賠償を求めた裁判で、札幌地方裁判所は
「警察官らの行為は違法で、原告らの表現の自由が侵害された」
として原告側の訴えを認め、道にあわせて88万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
3年前の2019年、札幌市内で街頭演説をしていた当時の安倍総理大臣に向けて複数の人がヤジを飛ばすなどし、警察官によって離れた場所に移動させられました。
このうち札幌市に住む大杉雅栄さん(34)と桃井希生さん(26)の2人は排除は違法で精神的苦痛を受けたとして、北海道にあわせて600万円余りの賠償を求めていました。
2022年3月25日の判決で札幌地方裁判所の廣瀬孝裁判長は、
「被告側は
『当時、生命や身体に危険を及ぼす恐れのある危険な事態にあったとか、犯罪がまさに行われようとしていた』
などと主張するが、それは認められない」
「警察官らの行為は違法で原告らの表現の自由が侵害された」
と指摘し、原告側の訴えを認め、道にあわせて88万円の賠償を命じました。
■原告「期待以上の判決だった」
判決後の会見で、原告の大杉雅栄さんは
「筋の通らないことはおかしいと、真っ当なことを明記した期待以上の判決だった」
と述べました。
一方、
「問題となった排除行為を巡り、北海道警の組織的な責任や関与が争点にならなかった」
と指摘しました。
また、原告の桃井希生さんは、ヤジを飛ばして移動させられた後も警察官につきまとわれたことに恐怖や混乱を覚えたなどと、当時を振り返り
「世の中のおかしいことに対して『おかしい』と言うための力になる判決だったと思う」
と述べました。
原告側の代理人を務めた小野寺信勝弁護士は
「道警の排除行為が違法であることを認めた今回の判決を評価したい」
と述べた上で、被告の道に対し、控訴せず、今回の判決を踏まえて再発防止などの対策を取るよう求めました。
■北海道警察本部監察官室「判決内容を精査し対応を検討」
判決を受けて北海道警察本部監察官室は
「判決内容を精査し、対応を検討して参ります」
とコメントしています。

やじ排除訴訟で北海道控訴 警察官職務の是非高裁へ
2022/4/1 12:11
https://www.sankei.com/article/20220401-DRV2M3JQRJP2XEC67GT6BUILZA/
令和元年の参院選期間中に安倍晋三首相(当時)の街頭演説にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女2人が損害賠償を求めた訴訟で、道は2022年4月1日、排除の違法性を認めて計88万円の支払いを命じた札幌地裁判決を不服として控訴した。
政治家にヤジを飛ばした聴衆を、その場から排除した警察官による職務執行の是非は、札幌高裁で改めて審理される。
道警監察官室は
「控訴審で当方の考えを主張していく」
とのコメントを出した。
2022年3月25日の地裁判決は、現場で撮影された動画などから、当時犯罪が行われようとしていたとは認められず、警察官の行為は違法と指摘。
憲法21条で保障されている
「表現の自由」
が警察官に侵害されたと認定した。
ヤジについても、公共的、政治的事項に関する表現行為と位置付け、特に重要な憲法上の権利として尊重されるべきだとの判断を示した。
地裁判決によると、原告らは令和元年7月15日、札幌市内で街頭演説中だった安倍首相に
「安倍辞めろ」
「増税反対」
と声を上げたところ、警察官らに肩や腕などを掴まれて移動させられたり、長時間に渡って付きまとわれたりした。

「安倍氏に危害の恐れ」 やじ男性排除は適法 札幌高裁
2023/6/22 16:27
https://www.sankei.com/article/20230622-HKB5YON4XZLTZGXXRKN7QG6BBQ/
令和元年の参院選で札幌市で演説中の安倍晋三首相(当時)にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女2人が道に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で札幌高裁は2023年6月22日、男性に対する道警の排除行為について、男性が周囲から暴行を受けたり、男性が安倍氏らに危害を加えたりする恐れが迫っており、適法だったと判断した。
一方、女性に対する排除行為については1審判決と同様、表現の自由の侵害に当たると判断。
女性への賠償命令に対する道警側の控訴を棄却した。
高裁は2人への賠償を命じた1審判決のうち、男性への支払いを命じた部分を取り消した。

原告2人判断分かれる 安倍首相やじ排除訴訟で札幌高裁
2023/6/22 19:53
https://www.sankei.com/article/20230622-OIW6EPFLJBK5VGUXTEIGEL2HWU/
令和元年の参院選で安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女が道に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、札幌高裁は2023年6月22日、計88万円の賠償を道に命じた札幌地裁判決のうち、男性(35)への賠償命令を取り消した。
女性(27)については道の控訴を棄却し、1審の55万円の賠償命令を維持した。
大竹優子裁判長は、男性本人が周囲から暴行を受ける危険や安倍氏に危害を加える恐れがあったとして警察官の行為は妥当と認定した。
女性については1審判決と同様、排除は憲法で保障された表現の自由の侵害に当たるとした。
離れた場所にいた2人の状況は異なっており判断が分かれた。
2022年3月の1審判決後の2022年7月、安倍氏が街頭演説中に銃撃され死亡する事件が発生したが、控訴審の審理や判決で言及はなかった。
男性は上告を検討するとし
「銃撃事件がなかったら、裁判所の判断は変わらなかったのではないか」
と話した。
道警は
「判決内容を精査し、対応を検討する」
とコメントした。

北海道警やじ訴訟で上告 札幌高裁で逆転敗訴の男性
2023/7/5 15:59
https://www.sankei.com/article/20230705-6WEYQJN5URPFHPBECT7W5DDB5U/
令和元年の参院選で安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女が道に損害賠償を求めた訴訟で、原告の男性は2023年7月5日、逆転敗訴とした札幌高裁判決を不服として上告した。
男性は大杉雅栄さん(35)。
2023年6月22日の高裁判決は、大杉さん本人が周囲から暴行を受ける危険や、安倍氏に危害を加える恐れがあったとして、警察官の行為は妥当と認定し、1審札幌地裁の賠償命令を取り消した。
一方、桃井希生さん(27)については、排除は憲法で保障された表現の自由の侵害に当たるとして55万円の賠償命令を維持しており、桃井さんは上告できない。
高裁判決によると、2人は令和元年7月15日、JR札幌駅近くで街頭演説をしていた安倍氏に
「安倍辞めろ」
などとヤジを飛ばし、警察官らに取り囲まれ、後方に移動させられるなどした。

札幌やじ訴訟の原告男性 「拡声器で妨害とは別」「つばさの党での引き合いは迷惑」
2024/5/21 13:36
https://www.sankei.com/article/20240521-LZSJFXB5K5DJRJWHMNSKNQDZIM/
令和元年、札幌市で演説中の安倍晋三首相(当時)に
「辞めろ」
「帰れ」
などヤジを飛ばした男女が北海道警の警察官に排除された問題を巡り、札幌地裁は
「表現の自由などが違法に侵害された」
として、道に賠償支払いを命じた。
2審の札幌高裁は1審判決の一部を取り消したが、1審の司法判断が演説妨害の正当化に利用されたとの指摘がある。
原告男性の大杉雅栄氏(36)が産経新聞の取材に応じ、
「肉声でヤジを飛ばしただけで演説が不成立になったわけではない」
「拡声器などを用いた選挙妨害と一緒にしてほしくない」
と述べた。
■「札幌はあくまで肉声」
ーー2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で、政治団体「つばさの党」陣営による他の候補への妨害行為をどう見ている
★大杉雅栄氏
人の演説会場で拡声器を使って罵詈雑言を浴びせるなどして、演説を成り立たせなくしている。
演説妨害で立件されても仕方ないレベルだろう。
(つばさの党陣営が主張している)相手の候補者の考えを知りたいなら公開質問状でも公開討論でも方法があるはずだ。
ーーつばさの党幹部はX(旧ツイッター)に
「候補者以外の安倍へのヤジが合法な時点で、候補者である俺らが違法なわけがない。北海道のヤジも、俺らがやったヤジも全く同じ」
と投稿し、大杉氏らのヤジを念頭に行為を正当化している
★大杉雅栄氏
札幌での事案はあくまで肉声のヤジで、表現の自由の範囲内と裁判所も判断している。
実際、被告である北海道警でさえ、ヤジは演説妨害との主張をしていない。
つばさの党の事案とは大きく異なり、引き合いに出されるのは迷惑だ。
ーー肉声でもヤジを飛ばせば、平穏に演説を聞きたい人の権利を邪魔しているのでは
★大杉雅栄氏
静かに演説を聞く権利というものはあるのだろうか。
閉ざされたプライベート空間ならともかく(当時ヤジを飛ばした)札幌駅前は公共空間だ。
そこには安倍氏の主張に対し、賛成の人も反対の人もいる。
多少のノイズはあり得るし、異論を口に出せるのが民主主義社会というものだ。
■「従前通り選挙違反取り締まりを」
ーー平成29年5月に東京・秋葉原で応援演説した安倍氏に対する「帰れ」の大合唱はどう思うか
★大杉雅栄氏
うるさいのはそうだろう。
ただ、上品かどうかは別にしても、そうしたやじは許容されてきた面がある。
民主党政権の野田佳彦首相(当時)が演説する際に『売国奴』とコールが上がっている場面を動画で確認したことがあるが、かといって警察が介入するものでもない。
安倍氏は国会論議を軽視し、疑惑の追及にも詭弁や誤魔化しに終始してきた。
主権者を代弁する国会議員の言葉さえ受け止めない人間に市民が直接声を届けるには、やじのような粗野なスタイルにならざるを得ない面がある。
ーー札幌地裁の判決がその後、警備の萎縮を招いたとの見方がある
★大杉雅栄氏
道警は警護警備を厳格に行ったことで一線を越えたわけではなく、警護警備に名を借りて不当な言論弾圧をしていた。
それが違法と認定されるのは法治国家として当然だ。
ヤジ裁判で全く新しい判例が確立した事実はないので、警察の適法な活動が制約される理由はない。
選挙違反の取り締まりも、判例などを参考に従前通りやれば良いのではないか。

つばさの党、複数陣営に15回以上の選挙妨害行為 逮捕の3人に協力者の存在も浮上
2024/5/19 18:41
https://www.sankei.com/article/20240519-GFGZFLV42NJFNNHX7OHRDNPYOI/
衆院東京15区補欠選挙を巡る政治団体
「つばさの党」
による選挙妨害事件で、公選法違反(自由妨害)容疑で逮捕された党代表、黒川敦彦容疑者(45)ら3人が、複数の陣営に対して少なくとも15回以上に渡り妨害行為を繰り返していたことが2024年5月19日、捜査関係者への取材で分かった。
3人の行為に複数の協力者がいることも判明した。
黒川容疑者やつばさの党から出馬して落選した幹事長、根本良輔容疑者(29)ら3人は、補選に出馬していた他の候補の演説場所に近付いて、拡声器を使って大音量を流して演説を妨害。
「カーチェイス」
と称して、他候補の選挙カーを追尾し、拡声器で罵声を浴びせるなどしていた。
特別捜査本部は選挙期間中、黒川容疑者らが演説を聞きにくくするなどの行為を5回以上、選挙カーを追尾して交通の便を妨げた行為を10回以上確認。
自由妨害に当たると見ている。
補選には、根本容疑者を含め、立憲民主党や日本維新の会、参政党などが擁立した候補や小池百合子都知事が支援した乙武洋匡氏(48)ら計9人が出馬していた。
黒川容疑者は、そのうち特定の複数の陣営に狙いを定め、妨害行為を繰り返していたとみられる。
こうした行為について、追尾する際の車両を運転したり、動画を配信するための撮影をしたりなど、逮捕された3人以外にも協力していた人物が複数いるとみて特別捜査本部が調べている。

広告収入狙い動画配信か つばさの党、根本容疑者「落選運動をビジネスにしたい」
2024/5/19 18:37
https://www.sankei.com/article/20240519-76DDHOIGNFPQZH45RQWUABBR2Y/
衆院東京15区補欠選挙を巡り公選法違反(自由妨害)の疑いで政治団体
「つばさの党」
の代表ら3人が逮捕された事件で、落選した幹事長、根本良輔容疑者(29)が補選中、妨害行為の様子を配信した動画の中で
「広告収入が増えている」
「落選運動をビジネスにしたい」
と話していたことが2024年5月19日、分かった。
警視庁捜査2課は過激な行為を繰り返して再生回数を増やし広告収入を得る狙いがあったと見て調べている。
補選期間中、つばさの党のユーチューブチャンネルには妨害などの様子を伝えるライブ動画約40本が投稿された。
2024年5月19日時点の再生回数は計約250万回、チャンネル登録者数は約25万人に上る。
根本容疑者は動画で
「選挙にさえ出れば合法的にやれる」
「ぜひみんなもやってほしい」
「再生回数半端じゃない」
「これが究極の落選運動だと思うので、はやらせたい」
と語っていた。
同課は2024年5月19日、党代表の黒川敦彦容疑者(45)や根本容疑者ら3人を送検した。

つばさの党 複数の支援者も妨害行為に関与か 警察が特定進める
2024年5月19日 11時03分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240519/k10014454091000.html
先月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の代表ら3人が、他の陣営の演説を妨害したとして逮捕された事件で、団体の複数の支援者が車の運転役や動画の撮影役などを担っていたことが捜査関係者への取材で分かりました。
警視庁は選挙の妨害行為に関わった人物の特定を進めています。
政治団体「つばさの党」の
▽幹事長で、選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)や
▽代表の黒川敦彦容疑者(45)
それに
▽運動員の杉田勇人容疑者(39)の3人は、
衆議院東京15区の補欠選挙で、他の候補者が演説する前で拡声機を使って怒鳴るなど、演説が聴き取れないように妨害したとして、公職選挙法違反の疑いで逮捕され2024年5月19日、検察庁に送られました。
これまでの捜査で、根本幹事長らは演説を妨害する同様の行為や他の陣営の選挙カーを追い回すなどの行為を繰り返し、その様子をYouTubeなどで配信していたことが分かっています。
団体には確認されているだけでもおよそ10人の支援者がいて、このうち複数のメンバーが、車の運転役や動画の撮影役などを担っていたことが、捜査関係者への取材で分かりました。
こうした支援者の一部は、根本幹事長の住む住宅で集団生活をしていたということで、警視庁は他の陣営への妨害行為をこの住宅を拠点に計画していた可能性もあるとみて、関わった人物の特定や活動の実態を調べています。

選挙後も小池都知事らの自宅前で「街宣」 SNSで住所情報募る つばさの党選挙妨害事件
2024/5/18 18:30
https://www.sankei.com/article/20240518-OHRZMXULAJMPDMO42PWABPK3VA/
衆院東京15区補欠選挙を巡る政治団体
「つばさの党」
による選挙妨害事件で、公職選挙法違反(自由妨害)容疑で逮捕された党代表、黒川敦彦容疑者(45)らが、選挙後も小池百合子都知事ら複数の個人宅周辺で拡声器を使って大音量で怒鳴るなどの行為を繰り返していたことが2024年5月18日、捜査関係者への取材で分かった。
警視庁捜査2課は特別捜査本部を立ち上げ、実態解明を進めている。
黒川容疑者や同党から出馬して落選した幹事長、根本良輔容疑者(29)ら3人は、補選の投開票がされた2024年4月28日以降も
「抗議街宣」
と称して、小池氏や同党に批判的な発信をした著名人らの自宅周辺に押し掛け、大音量で怒鳴るなどの行為を繰り返した。
自宅住所は交流サイト(SNS)で情報を募って特定していたとみられる。
2024年5月13日に警視庁が事務所などの家宅捜索を行った後は、警視庁本部庁舎前にも押し掛け、大音量で怒鳴り続けた。
選挙後も続いたこうした行為について警視庁には複数の相談が寄せられており、恐怖心を与える狙いもあったと見て、
「悪質性が極めて高い」
と判断。
自由妨害の疑いと合わせて、事実確認などを進めている。
小池氏は3人が逮捕された2024年5月17日の記者会見で、
「多くの方が一連の行動に憤りを感じておられると思う」
「候補者が命の危険を感じる選挙はあり得ない」
と述べた。
3人は共謀して補選告示日の2024年4月16日、無所属新人の乙武洋匡氏(48)陣営の街頭演説中、演説に重ねるように大音量で主張を訴えるなどして選挙活動を妨害した疑いで2024年5月17日に逮捕された。

補選中の都知事選立候補表明はネット視聴と逮捕回避狙いか 「つばさの党」黒川容疑者ら
2024/5/18 17:57
https://www.sankei.com/article/20240518-S2HOKQ2OINMZZEZMDCDQCCFX7A/
公職選挙法違反(自由妨害)容疑で逮捕された政治団体
「つばさの党」
代表、黒川敦彦(45)と同団体幹事長、根本良輔(29)両容疑者は衆院東京15区補選の最中に2024年7月の東京都知事選への出馬表明を行っていた。
補選同様、都知事選でも過激な活動のインターネット配信を行って世間の注目を浴びるだけでなく、候補予定者となることで警察の捜査・逮捕を回避しようとした可能性がある。
補選期間中の2024年4月25日、街頭活動の合間に江東区内で会見を行った両容疑者は都知事選に出馬する考えを明らかにした。
「(都知事選出馬で)凄い事になる」
会見でこう語った根本容疑者。
つばさの党として両容疑者を含む50人を擁立して都内のあらゆる場所に選挙カーを走らせ、小池百合子都知事のネガティブキャンペーンを展開すると宣言した。
出馬表明の背景にはインターネットで動画の再生数を稼ぎ収益化に繋げる考えがあったとみられる。
交流サイト(SNS)などで自身の活動を積極的に発信していることについて、黒川容疑者は
「広告収入を得ることが狙いではない」
と反論。
だが、活動の中では、ネットの反応を常に気にする姿があった。
警視庁が関係先を家宅捜索した2024年5月13日夕、両容疑者らはSNSで予告した上で小池氏の自宅周辺に出向き抗議活動を行った。
その際のネット中継では同団体運動員の杉田勇人容疑者(39)が
「8万1千(人)見てますから」
などと喜びを隠せない様子だった。
黒川容疑者は、補選の選挙期間中、逮捕容疑となった妨害活動に対して警視庁による警告にとどまったことから、
「選挙運動に対する妨害になるから、警察は候補者を逮捕できない」
と独自の主張を展開。
その上で、都知事選への立候補表明について、産経新聞の取材に
「逮捕を回避するため」
「候補予定者になれば警察は手出しをできない」
と明かしていた。

つばさの党 演説妨害5件以上 選挙カー追い回し10件以上確認
2024年5月18日 14時34分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240518/k10014453371000.html
2024年4月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の代表ら3人が、他の陣営の演説を妨害したとして逮捕された事件で、警視庁がこれまでに同じような演説妨害を5件以上、更に選挙カーを追い回す行為も10件以上確認し、調べを進めていることが捜査関係者への取材で分かりました。
政治団体
「つばさの党」
の幹事長で選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)や代表の黒川敦彦容疑者(45)ら3人は、衆議院東京15区の補欠選挙の告示日に、他の候補者が演説する前で拡声機を使って怒鳴るなど、演説が聴き取れないように妨害したとして公職選挙法違反の疑いが持たれています。
警視庁は各陣営から被害届を受理するなどして、選挙期間中の状況について調べていますが、これまでに同じような演説妨害を5件以上確認していることが、捜査関係者への取材で分かりました。
更に、他の陣営の選挙カーを追い回す行為も、10件以上確認していて、今後、増える可能性もあるとしています。
追い回された陣営が予定していたルートの変更を余儀なくされるなど、実際にそれぞれの選挙運動に影響が出たということです。
警視庁は容疑者らの活動の実態をさらに調べると共に、公職選挙法に規定された交通を妨害した疑いでの立件も視野に捜査を進めています。

つばさの党 著名人自宅押しかけ街宣活動 SNSで募り住所特定か
2024年5月18日 11時24分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240518/k10014453171000.html
先月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の代表ら3人が、他の陣営の演説を妨害したとして逮捕された事件で3人は、他の候補者や団体を批判した著名人の自宅に押しかけて街宣活動を行っていたことが、捜査関係者への取材で分かりました。
自宅の住所は、SNSで情報を募るなどして特定していたとみられ、警視庁が活動の実態を調べています。
政治団体
「つばさの党」
の幹事長で選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)や代表の黒川敦彦容疑者(45)ら3人は、衆議院東京15区の補欠選挙で、他の候補者が演説する前で拡声機を使って怒鳴るなど、演説が聞き取れないように妨害したとして公職選挙法違反の疑いが持たれています。
根本幹事長らは同じような妨害行為を繰り返していましたが、更に、他の候補者や団体を批判した著名人などの自宅に押しかけて街宣活動を行っていたことが、捜査関係者への取材でわかりました。
2024年5月13日に捜索を受けた後には、東京都の小池知事の自宅前で演説を行っていました。
こうした活動について、捜査幹部は
「非常に卑劣な行為で、当事者が被害を申告できなくなる恐れもあった」
としています。
相手の自宅の住所はSNSで情報を募るなどして特定していたとみられ、警視庁は恐怖心を与える狙いがあった可能性もあるとみて活動の実態を更に調べています。

“つばさの党の妨害で演説中断など” 警視庁 複数の証言確認
2024年5月18日 6時14分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240518/k10014452891000.html
2024年4月に行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の代表ら3人が、他の陣営の演説を妨害したとして、公職選挙法違反の疑いで逮捕されました。
一連の妨害行為によって、他の候補者が演説の中断や場所の変更を余儀なくされたケースが複数確認されているということで、警視庁は選挙期間中の活動の実態を更に調べています。
政治団体
「つばさの党」
の幹事長で、選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)と、代表の黒川敦彦容疑者(45)、それに運動員の杉田勇人容疑者(39)は、衆議院東京15区の補欠選挙の告示日に、他の候補者が演説する前で、拡声機を使って怒鳴ったり、車のクラクションを鳴らしたりして、演説が聴き取れないように妨害したとして、公職選挙法違反の疑いが持たれています。
警視庁によりますと、こうした行為によって
「演説を聴くことができなかった」
という有権者の複数の証言を得ているということです。
更に、根本幹事長らが同様の行為を選挙期間中に繰り返したことで、他の候補者が演説を中断したり場所や予定の変更を余儀なくされたりしたケースが複数確認されていることが、捜査関係者への取材で分かりました。
他の陣営の選挙カーを追い回すなどの妨害行為も繰り返していたということで、警視庁は
「特別捜査本部」
を設置し、活動の実態を更に調べています。

つばさの党代表ら逮捕 立民・泉健太代表「ずいぶん私も追い回された」 
2024/5/18 12:37
https://www.sankei.com/article/20240518-FSE5SZILLZO7NP7MWHJHLTTPSU/
■異常な行動
立憲民主党・泉健太代表
異常な行動であったと言わざるを得ない。
そういった(逮捕容疑の「自由妨害」に該当する)行為であったと感じる。
ずいぶん私も選挙カーを追い回された。
今後の捜査の推移を見守っていきたい。
法律の改正については、
「妨害」
をどう規定するかという所を我々も考えている。
(2024年5月17日の記者会見、衆院東京15区補欠選挙で街頭演説を妨害したとして、公職選挙法違反容疑で政治団体「つばさの党」の代表らが逮捕されたことに関して)

つばさの党、スタッフ複数も関与か 警視庁捜査 選挙活動妨害疑い
2024/5/18 8:43
https://www.sankei.com/article/20240518-CGZ52FNVQBJ3BLC7SWNQAE2OHA/
衆院東京15区補欠選挙を巡り公選法違反(自由妨害)の疑いで政治団体
「つばさの党」
の代表ら3人が逮捕された事件で、他にも党の複数のスタッフが他陣営の選挙活動の妨害に関与した疑いがあることが2024年5月18日、捜査関係者への取材で分かった。
警視庁捜査2課はこれらのスタッフも同法違反容疑で捜査する方針。
逮捕された党代表、黒川敦彦容疑者(45)や党から出馬して落選した幹事長、根本良輔容疑者(29)ら3人は、選挙期間中に他陣営への妨害行為を動画投稿サイトのユーチューブなどで配信していた。
複数の陣営から被害相談を受けている捜査2課は、これらの行為に複数のスタッフが動画の撮影役や運転手などとして関与したとみて調べている。
警視庁は3人の認否を明らかにしていないが、いずれも逮捕前の取材に違法性の認識を否定していた。
3人の逮捕を受け、党の関係者らは17日夜、ユーチューブの配信で
「不当逮捕だ」
「東京都知事選へ向けた弾圧」
などと主張した。

つばさの党の選挙妨害「表現の自由超えた」 維新・吉村共同代表、国会での議論求める
2024/5/17 21:49
https://www.sankei.com/article/20240517-NAJFQCUBZZNA5EXGRYINZIOQOY/
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で他候補の街頭演説を妨害したとして政治団体
「つばさの党」
代表ら3人が公選法違反(自由妨害)の疑いで逮捕されたことについて、日本維新の会の吉村洋文共同代表(大阪府知事)は2024年5月17日、
「つばさの党にも意見があると思うが、表現の自由の限界を超えた」
と述べた。府庁で記者団の取材に答えた。
逮捕された3人は、他候補の演説場所近くで拡声器を使って大音量で演説し、他候補の演説を聴衆に聞こえなくするなど、選挙活動を妨害する行為を繰り返した疑いが持たれている。
維新は東京15区補選に公認候補を擁立し、吉村氏も応援演説で同様の被害を受けた。
吉村氏は一連の行為について
「(つばさの党の)やり方が罷り通るのであれば、候補者が政策を訴えるという行為が成り立たなくなる」
と指摘。
捜査当局の判断については
「裁判所が逮捕令状を出したのは犯罪の疑いがあったから」
「選挙妨害には厳しく対応すべきだ」
と述べた。
維新は選挙妨害の規制強化を目指す公選法改正案をまとめ、今国会での成立を目指し与野党に協力を呼び掛けており、吉村氏は
「今回の事例を基に立法を行うのは国会のあるべき姿の1つ」
「深く議論してもらいたい」
とした。

つばさの党代表ら3人を逮捕「選挙の自由妨害」の疑い 警視庁
2024年5月17日 18時27分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240517/k10014452011000.html
2024年4月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の陣営が拡声機などを使って他の陣営の演説が聞き取れないようにして、選挙活動を妨害したとして、警視庁は、選挙に立候補した団体の幹事長や代表ら3人を公職選挙法違反の疑いで逮捕しました。
逮捕されたのは政治団体
「つばさの党」
の幹事長で、選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)と代表の黒川敦彦容疑者(45)、それに、運動員の杉田勇人容疑者(39)の3人です。
警視庁によりますと、衆議院東京15区の補欠選挙で、告示日の2024年4月16日に、他の陣営の候補者が演説をしていたJR亀戸駅前で、電話ボックスの上に座るなどして拡声機で怒鳴ったり、車のクラクションを鳴らしたりして、候補者の演説が聞き取れないようにしたとして、公職選挙法の
「選挙の自由妨害」
の疑いが持たれています。
警視庁は2024年5月13日に、団体の事務所や容疑者らの自宅を一斉に捜索すると共に、他の陣営からの被害届を受理して聞き取りを行うなどして捜査してきました。
根本幹事長らは、他の陣営の選挙カーを追い回すなどの妨害行為も繰り返していたということで、警視庁は
「特別捜査本部」
を設置し、全容の解明を進めることにしています。
警視庁によりますと、選挙に立候補していた陣営が他の陣営の選挙活動を妨害したとして候補者らが逮捕されるのは極めて異例だということです。
警視庁は認否を明らかにしていませんが、黒川代表は捜索を受けた際、
「我々の行動が選挙妨害になった判例及び法的事実はないので、表現の自由の中で適法なことをやっていると理解している」
などと反論していました。
■黒川敦彦代表 根本良輔幹事長とは
政治団体
「つばさの党」
の代表の黒川代表は、大学を卒業後、医療系のベンチャー企業を立ち上げるなどした後、出身地の愛媛県今治市で、加計学園を巡る問題を追及する市民団体の共同代表を務めました。
選挙には、2017年に衆議院山口4区に初めて立候補した後、これまでに、参議院選挙や東京・町田市の市長選挙に立候補し、いずれも落選しています。
2019年に政治団体
「オリーブの木」
を設立して代表に就任し、2021年に名称を
「つばさの党」
に変更してからも代表を務めています。
幹事長の根本幹事長はIT関連会社を経営しています。
3年前の2021年に東京都議会選挙の葛飾区選挙区に
「つばさの党」
から立候補し、落選しました。
その後、幹事長に就任し、今回の衆議院東京15区補欠選挙では1110票を得ましたが、最下位で落選していました。
■「選挙の自由妨害罪」とは
公職選挙法では選挙の公正や候補者間の平等を確保するため、225条で
「選挙の自由妨害罪」
を定め、演説の妨害行為などを禁止しています。
条文では
「交通もしくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、選挙の自由を妨害したとき」
などと規定されていて、違反すると4年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金が科されることになっています。
「演説の妨害」
について、昭和23年の最高裁判所の判例では
「聴衆が聴き取ることを不可能または困難になる場合は演説の妨害である」
などとしています。
また、昭和29年の大阪高等裁判所の判例では
「演説の妨害を認識しながら、聴衆が演説内容を聴き取り難くなるほど、執拗に質問などをして演説を一時、中止させることは妨害に当たる」
などという判断を示しています。
警視庁は、2024年5月13日に
「演説の妨害」
と、他の陣営の選挙カーを追い回した
「交通の妨害」
の疑いで団体の事務所などを捜索していて、今回は
「演説の妨害」
の容疑での逮捕となりました。
■難しい対応迫られた警視庁 どう判断したか
「つばさの党」
の陣営が選挙期間中
「選挙妨害だ」
という他の陣営からの指摘に対して
「国民に与えられた表現の自由の範囲内だ」
などと主張して行為を繰り返す中、警視庁は難しい対応を迫られていました。
公職選挙法は、選挙の自由妨害罪について
「演説を妨害し、選挙の自由を妨害したとき」
などと定めていますが、ヤジを飛ばす行為そのものを規制しているわけではなく、拡声機の音量などの規定もありません。
警視庁は拡声機を使って演説したり、車のクラクションを鳴らしたりして選挙の自由を妨害したとして、告示日から2日後の2024年4月18日
「つばさの党」
の陣営に対し
「警告」
を出しましたが、他の陣営への妨害行為はその後も繰り返されました。
警視庁には
「なぜ取り締まれないのか」
といった意見や苦情が多く寄せられていたということです。
捜査幹部の1人は取材に対し
「表現の自由や選挙の自由が絡むため、より慎重な事実認定や法的評価が求められた」
「ともすれば『公権力の恣意的な行使』と指摘されるリスクもあるため、緻密に違反の事実を裏付けていく必要があり、当時は警告がギリギリだった」
と振り返ります。
警視庁は、陣営が危険な行為に及んだ場合には、警察官職務執行法に基づき
「暴行罪や器物損壊罪で摘発する」
と注意を行う対応も取りましたが、陣営は、現場で警察官から注意を受けると、妨害行為を一旦止めたため、実際に摘発されることはありませんでした。
警視庁は2024年5月に入ってから他の陣営からの被害届の提出を受け、詳しい状況についての聞き取りを進めてきました。
その結果、他陣営の候補者の演説の内容が搔き消されるほどの大音量で騒ぎ立てたり、追いかけられた他陣営の関係者が警察署に逃げ込んだりしたケースもあるなど、実際に選挙活動に影響が出ていたことが確認されたということです。
警視庁は、こうした妨害行為が幅広い陣営に対し、長期間、反復継続して行われたことを重く見て2024年5月13日、強制捜査に踏み切り、2024年5月17日、3人を逮捕しました。
捜査幹部は
「選挙の後も他陣営の候補者や関係者、団体に批判的な意見を述べるタレントなどの自宅に押し掛け、街宣活動を行っていることを確認し、任意の捜査では限界があると判断した」
としています。
警視庁は今回の逮捕容疑となった演説の妨害の他、他陣営の選挙カーを追い回し、交通を妨害した疑いでも捜査しています。
■再生回数稼ぐ狙いもあったか
「つばさの党」
は選挙期間中、他の陣営の演説を拡声機などを使って妨害したり、選挙カーで追い回したりする様子を毎日のようにYouTubeで配信していて、再生回数が10万回を超えたものもあります。
陣営は
「他の候補者に、疑惑について質問することが目的で、国民の不満の声を代弁し、政治家の嘘を暴いている」
などと話していました。
その一方、配信の中で根本幹事長は
「下世話な話をすれば、広告収入が増えている」
「再生数が半端ではない」
「爆音でカーチェイスしまくるのが究極の落選運動で、これをビジネスにして広めたい」
などとも発言していました。
警視庁は、動画の再生回数を稼いだり広告収入を得たりする狙いもあったとみて目的などを捜査しています。
■林官房長官「公正・適切に選挙運動を展開する必要」
林官房長官は閣議のあとの記者会見で
「選挙は国民が主権者として政治に参加する最も重要かつ基本的な機会で、公正に行われるためには選挙運動は自由に行われなければならない」
「妨害することはあってはならず、候補者や選挙運動関係者はルールを順守し、公正・適切に選挙運動を展開する必要がある」
と述べました。
その上で、公職選挙法の改正の必要性について問われ
「選挙運動に関する事柄であり、各党・各会派で議論するべきものだ」
と述べました。
■松本総務相「極めて重大な問題」
松本総務大臣は閣議の後の記者会見で
「選挙が公正に行われるためには、有権者に考え方や政見が伝わることが大事で、そのような環境がもし妨害されているとすれば極めて重大な問題であると考えている」
「報道などの映像を見る限りは、本当に深刻な状況だと感じざるを得ない」
と述べました。
その上で
「公職選挙法の制度の改変については、選挙の自由という極めて重要な案件であり、立法府での政党間の議論を注視したい」
と述べました。
■自民 森山総務会長「必要があれば各党で議論」
自民党の森山総務会長は記者会見で
「選挙は国民が政治に参加する最も重要な機会なので、運動が自由に行われなければならないのは当然だ」
「今回の逮捕は一線を越えた悪質なものだと判断されたと理解している」
と述べました。
その上で
「公職選挙法の改正については、必要があれば各党で選挙の自由妨害罪の適用の明確化や罰則強化などが議論されるべきものではないか」
と述べました。
■立民 泉代表「異常な行動と言わざるをえず」
立憲民主党の泉代表は記者会見で
「異常な行動であったと言わざるをえず、選挙の自由を妨害した行為であったと感じている」
「私も選挙カーを追い回され、残念ながら、こちらがマイクを下ろさざるを得ないこともあった」
「大きな声でひたすら他党の候補者を悪く言っていたので、捜査当局も努力したのではないか」
「捜査の推移を見守っていきたい」
と述べました。
また、選挙運動の公正を確保するための法改正について
「党内で、法定刑の引き上げやどのような行為が妨害にあたるのかの例示について考えているところだ」
と述べました。
■公明 石井幹事長「適切な対応がなされた」
公明党の石井幹事長は記者会見で
「有権者が十分に候補者の訴えを聴取できなかったのは極めて由々しき事態であり、適切な対応がなされた」
「表現や言論の自由が最大限尊重されるべきなのは言うまでもないが、候補者の主張が有権者に届かないような妨害行為は一定の制約を受けるべきだ」
「まずは現行法を引き続き適切に運用していくことが重要だが、更なる必要性があれば法改正も含めて与野党で議論していくべきだ」
と述べました。
■乙武洋匡氏「有権者の“聞く権利”奪う悪質な行為」
根本幹事長らは、衆議院東京15区の補欠選挙が告示された2024年4月16日にJR亀戸駅前で行われた乙武洋匡 氏の陣営の演説を妨害した疑いが持たれています。
乙武氏は2024年4月17日、根本幹事長らの逮捕を受けて旧ツイッターのXに
「法律ギリギリの範囲を狙って選挙を荒らしまくり、有権者の“聞く権利”を奪う悪質な行為が、今後二度と繰り返されないよう切に願っています」
などと投稿しました。
■東京都 小池知事「模倣する人たちが出てくる懸念」
乙武洋匡 氏の応援演説を行った東京都の小池知事は記者会見で
「都民も憤りを感じている人は多いと思う」
「候補者も身の危険を感じながらやる選挙は、他の国では聞くが日本ではあり得ない事態だ」
「公職選挙法では今回のような事態は想定していないと思う」
と述べました。
その上で
「模倣するような人たちが出てくる懸念も残る」
「民主主義の基本である選挙で、候補者が怯え、他の候補者を貶めるというようなことが続くと、政治に対しての無関心どころか嫌悪感を深めてしまうのではないかと心配している」
と述べました。
■東京都選管 リーフレットを作成
東京都選挙管理委員会は、街頭演説の妨害行為は法律で禁止されていることを周知するリーフレットを作成しました。
都の選挙管理委員会によりますとリーフレットは2024年4月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、つばさの党の陣営によって他の陣営の演説を聞き取れないようにする妨害行為があったいう訴えが相次いだことなどから作成したということです。
この中では、暴行による妨害や、演説の継続を困難とするような妨害は、法律に違反することが説明されています。
都の選挙管理委員会は、2024年7月の都知事選挙の立候補予定者説明会などで配付し、演説の際に有権者や候補者の安全が確保されるよう協力を呼び掛けることにしています。

与野党、選挙妨害での逮捕「適切な対応」「見守りたい」 法改正の議論も
2024/5/17 19:28
https://www.sankei.com/article/20240517-PRHDJULZ7VJTVDY5C54K3LWEBM/
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の演説を妨害したとして、警視庁が公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで政治団体
「つばさの党」
代表、黒川敦彦容疑者ら3人を逮捕したことに関し、与野党からは
「適切な対応だ」
などと評価する声が上がった。
妨害の要件明確化など、法改正を目指す動きも出ている。
自民党の森山裕総務会長は記者会見で、3容疑者の逮捕について
「警告を発していたにも関わらず妨害行為が繰り返されたことが、一線を越えた悪質なものだと判断された」
との見解を示した。
公明党の石井啓一幹事長は
「適切な対応がなされた」
と評価した。
立憲民主党の泉健太代表は
「捜査当局も努力をされた」
「今後の推移を見守りたい」
と述べた。
日本維新の会の藤田文武幹事長は
「選挙が終わった後、家宅捜索、逮捕と進んでいった」
「冷静にどう進むかを見守りたい」
と語った。
国民民主の玉木雄一郎代表は、自身も妨害の被害者だとして
「厳正な捜査を期待したい」
「全面的に協力し、事情聴取などがあればしっかり受けたい」
と語った。
共産党の小池晃書記局長は
「現行法の公選法などを厳格に適用して対処すべきだ」
と述べつつ、
「逮捕要件を詳細に確認しているわけではないので、そのこと自体についてのコメントは避けたい」
と述べた。
法改正を巡っては、妨害の要件明確化や、捜査機関の対応迅速化を目指す公選法改正案の共同提出に向け、維新と国民民主が協議に入っている。
自民も茂木敏充幹事長が法改正に意欲を示し、立民も党内議論を進めている。
一方で今回の逮捕を含め、現行法の枠内で対応できれば改正は不要だとの見方もある。
維新の藤田氏は会見で
「(改正は)必要ないねという議論もあり得るが、一方で(改正で要件などを)明記して分かり易くする方法もある」
と指摘。
国民の玉木氏は
「折り合える所で折り合い、今国会で法案を成立させたい」
と意欲を示した。
立民の泉氏は法定刑の引き上げや妨害行為の例示など、引き続き党内で検討を進める考えを示した。

N党、ガーシー氏との活動通じ先鋭化か 逮捕のつばさの党代表、黒川敦彦容疑者
2024/5/17 16:53
https://www.sankei.com/article/20240517-4ZI2MUZIQNN5NNHOPKYKERWEZM/
衆院東京15区補選を巡り、警視庁捜査2課に公職選挙法違反容疑で逮捕された政治団体
「つばさの党」
代表の黒川敦彦容疑者(45)は、同党前身の政治団体
「オリーブの木」
を結成して政治活動を本格化させた経歴を持つ。
その後、立花孝志党首率いる政治団体
「NHK党」
で幹事長に就任。
ガーシーこと東谷義和元参院議員の選挙活動に関わるなどして、活動を先鋭化させていったとみられる。
■ガーシー氏出馬関与から変化
「真面目に選挙活動を展開していて、今のような過激な行為はなかったんですが…」。
オリーブ時代から数年間、選挙活動に関する相談を受けていたという行政書士の男性はこう明かす。
黒川容疑者からの相談は、選挙ポスターの表記や選挙カーが都県境を跨ぐ際の警察への届け出方法などに関するもので、
「法を守る方向に意識が向いていた」
という。
男性によると、変化があったのは新型コロナウイルス禍の頃。
「陰謀論めいた方向に傾注し、NHK党でガーシー氏の出馬などに関わった頃からおかしくなっていったように見える」
と話す。
令和4年、NHK党で携わったのが暴露系ユーチューバーとして活動していたガーシー氏が出馬した参院選だ。
黒川容疑者は選挙戦を通し、インターネットなどで目に留まりやすい発信方法を習得していったとみられる。
黒川容疑者自身も、逮捕前の取材に
「立花氏から学んだ事はある」
と明かしていた。
■立花氏は「僕が切り捨てたから先鋭化」
ただ、黒川容疑者はその後、党の運営などを巡って立花氏らと対立し、袂を分かつ。
立花氏はそうした経緯について産経新聞の取材に、
「先鋭化したのは僕が切り捨てたからだと思う」
と分析。
「経済的にも厳しくなったからじゃないか」
と話している。
黒川容疑者本人は、産経新聞の取材に、
「(妨害音を鳴らす)『かぶせ』はしなかったが、オリーブの時も安倍晋三首相(当時)の街宣に突撃しました」
と、方針の変化を否定。
交流サイト(SNS)などで過激な行動を発信している手法については、
「世の中を良くするため」
「広告収入を得ることが狙いではない」
としていた。

警告後も続いた妨害、公選法違反と判断 つばさの党代表、異例の逮捕 18年ぶり特捜本部
2024/5/17 16:52
https://www.sankei.com/article/20240517-3INDHE3NQRJC3NRFV6WK5YRY2I/
民主主義の根幹である選挙活動を揺るがした妨害行為は、元候補者らの逮捕という異例の事態に発展した。
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で複数の陣営に対し、妨害行為を繰り返した政治団体
「つばさの党」。
警視庁捜査2課は、関係機関とも綿密な調整を重ね、警告後も続いた活動を
「自由妨害」
と認定し、強制捜査から4日後に逮捕に踏み切った。
「表現の自由、言論の自由は尊重しなければならないが、今回は度を越している」
「極めて悪質」。
つばさの党から立候補した根本良輔容疑者(29)や党代表、黒川敦彦容疑者(45)らの行為について、警視庁はそう判断した。
補選中、つばさの党は、他陣営の演説を拡声器やクラクションで妨害する行為を繰り返した。
公選法225条の
「自由妨害」
は、候補者や運動員に対し
@暴行、威力を加えること
A交通の便や集会の便を妨げる、演説の妨害、ポスター損壊などをすること
B学校や会社など特殊な利害関係を利用して威迫すること
と規定する。
演説の妨害は条文上、明確に違反行為とされているが、実際に摘発されているのは、運動員を殴ったり、ポスターを破ったりしたというような個人がほとんど。
陣営を挙げて組織的に他陣営の街頭演説に乗り込み、大音量で妨害する行為は想定されていなかったというのが実情だ。
黒川容疑者は逮捕前、産経新聞の取材に、
「両陣営の演説が重なっただけ」
などと主張。
選挙中も、
「過去の判例を見ても有罪になったことはない」
などとして妨害行為を止めなかった。
警視庁は補選告示日の2024年4月16日、乙武洋匡(ひろただ)氏(48)の街頭演説に対し、電話ボックスの上に座りながら拡声器を使って大音量で話したり、車のクラクションを鳴らしたりした行為が妨害に当たる可能性があるとして2024年4月18日に警告を発出。
前例がない中で、捜査2課は
「言論の自由」
の侵害に当たらないよう慎重に捜査を進め、根本容疑者らの言動を蓄積すると共に、公選法の解釈や運用について検察庁などとも協議を重ねた。
根本容疑者らは反復的に同様の行為を続けた他、他陣営にも矛先を向けていったことを重要視。
乙武氏の演説の際、聴衆の間に割って入り、聴衆に背を向けて質問などを捲し立てていたことが、選挙活動の演説とは異なる
「妨害」
に当たることも併せて、逮捕に踏み切った。
警視庁は今回、刑事部長を本部長とする
「特別捜査本部」
を設置。
妨害の立証と共に、組織の実態解明を進める。
捜査2課が特捜本部を設置するのは異例で、巨額詐欺事件として知られる
「近未来通信事件」
以来18年ぶりという。

「選挙への影響取り返せない」 つばさの党代表ら逮捕、各陣営評価も影響深刻
2024/5/17 16:26
https://www.sankei.com/article/20240517-QNMUGWYGKVLZDPWV7SJY5TWG4Y/
衆院東京15区補欠選挙に絡み公選法違反容疑で逮捕された政治団体
「つばさの党」
代表らは、無所属、乙武洋匡氏(48)の陣営だけでなく、複数の陣営の街頭演説で妨害行為を繰り返していた。
各陣営関係者からは2024年5月17日、
「民主主義が破壊された」
などと批判する声が上がった。
立憲民主党から立候補して当選した酒井菜摘氏(37)の陣営関係者は
「平穏で議論の深まった選挙戦であるべきなのに、有権者との対話という選挙の重要な要素が妨げられたのは残念だ」
と振り返った。
飯山陽氏(48)を擁立した政治団体
「日本保守党」
の有本香事務総長も
「まともに選挙活動ができなかっただけでなく、有権者が候補者の訴えを聞けなかったのは大きな損失」
「民主主義を破壊したことを深刻に受け止めるべきだ」
と批判した。
乙武氏陣営で選対本部長を務めた尾島紘平都議は
「民主主義の根幹たる選挙の自由と安全が脅かされた」
「逮捕は評価したいが、選挙への影響は取り返せない」
と残念がった。

小池百合子都知事「政治に対する嫌悪感を深める」と批判 つばさの党代表ら逮捕
2024/5/17 14:56
https://www.sankei.com/article/20240517-ZKMNI4QN45NI3ALK6IWEOZZHJQ/
東京都の小池百合子知事は2024年5月17日の定例記者会見で、衆院東京15区補選で別陣営の演説を妨害した公選法違反(自由妨害)容疑で、警視庁が政治団体
「つばさの党」
代表、黒川敦彦容疑者(45)ら3人を逮捕したことに
「候補者が怯え、有権者に話すのではなく他の候補者を貶めることは、政治に対する嫌悪感を深めてしまう」
と容疑者らの手法を批判した。
先の補選で小池氏は、乙武洋匡(ひろただ)氏(48)=無所属=を支援。
告示前から選挙期間中にかけて、小池氏は乙武氏と共に街頭演説を行ったが、黒川容疑者らが度々会場近くまで近付いて大音量でヤジを飛ばすなどしていた。
また選挙期間中には黒川容疑者らが選挙区とは関係ない小池氏の自宅前で大音量で演説し、騒音に対して住民が苦言。
警視庁がつばさの党関係先の家宅捜索を行った2024年5月13日夕にも、黒川容疑者らが小池氏の自宅前で抗議行動を行っている。
小池氏はこの日の会見で
「多くの方が一連の行動に憤りを感じておられると思う」
「候補者が命の危険を感じる選挙はあり得ない」
と振り返った。
その上で、
「(これまでの選挙で各陣営が守ってきた)紳士協定がない、何でも有りの状況で今日の逮捕に至った」
とし、
「(今後の選挙で)模倣する人が出てくる懸念が残る」
と指摘した。

つばさの党代表ら逮捕 立民・泉健太代表「異常な行動」「ずいぶん私も追い回された」
2024/5/17 14:46
https://www.sankei.com/article/20240517-K4RLRZ2CDVONNOWBSS7OAWHV5I/
衆院東京15区補欠選挙で街頭演説を大音量で妨害したとして、公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで政治団体
「つばさの党」
代表らが逮捕されたことを受け、15区に公認候補を擁立した立憲民主党の泉健太代表は2024年5月17日の記者会見で
「私が見ていてもそういった(自由妨害に該当する)行為であったと感じる」
と語った。
泉氏は
「異常な行動であったと言わざるを得ない」
と指摘した上で
「随分私も選挙カーを追い回された」
と振り返った。
法改正の必要性にも言及し
「『妨害』をどう規定するか、我々も考えている」
と述べた。

つばさの党の根本容疑者、都知事選出馬表明の石丸氏に「徹底的に質問に行くよ」逮捕前予告
2024/5/17 14:19
https://www.sankei.com/article/20240517-TOLVZ2RUANCCFBIFN42Z2LKLQQ/
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙を巡り公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで逮捕された政治団体
「つばさの党」
幹事長の根本良輔容疑者は2024年5月16日、都知事選に出馬意向の広島県安芸高田市の石丸伸二市長について、X(旧ツイッター)で
「徹底質問」
を予告していた。
「一説によると維新から出るそうだが、そうなったら徹底的に質問しに行くよ 彼との対談とか、めっちゃ盛り上がると思う」
と書き込んだ。
投稿は2024年5月17日に逮捕される前。
都知事選については根本氏も立候補を表明していた。
石丸氏は本会議中に居眠りする議員に対し、
「恥を知れ」
と批判したことなどで知られる。
根本氏はXで
「寝てるクソ議員に恥を知れ!と言うぐらいだから質問には答えてくれるだろう」
と投稿した。

黒川敦彦容疑者が設立「つばさの党」、矛先はワクチンや宗教団体の政治活動も 
2024/5/17 13:00
https://www.sankei.com/article/20240517-5K7ILGFZ3VGC7ABSKKUVMY6RBY/
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の演説を妨害したとして、警視庁は2024年5月17日、政治団体
「つばさの党」
代表の黒川敦彦、幹事長の根本良輔、組織運動本部長の杉田勇人の各容疑者を公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで逮捕した。
前身団体は令和元年に設立された政治団体
「オリーブの木」。
政権与党に対峙する緩やかな諸派連合を目指し対米自立、護憲を掲げたが、近年は反ワクチンや宗教団体の政治活動に矛先を向けて抗議活動を展開してきた。
「エセ保守 媚び米 媚びイスラエルで 安倍政治万歳! 統一教会、日本会議とべったり」
黒川容疑者は2024年5月17日午前、X(旧ツイッター)にこう書き込み、一部保守系オピニオン誌に対する批判を展開した。
この投稿直後に逮捕されたとみられる。
黒川容疑者は愛媛県今治市で市民団体
「今治加計獣医学部問題を考える会」
の共同代表を務め、令和元年5月、元衆院議員の小林興起氏、元外交官の天木直人氏、千葉県議の西尾憲一氏とオリーブの木を設立した。
4人が主宰する政治団体の集合体として、令和元年7月の参院選で議席獲得を目指した。
当時のホームページには
「安倍自公政権はもとより、野党共闘も国民のための政治を実現することができず、何とかならないかという声」
の受け皿になると紹介されているが、参院選で候補者は全員落選した。
その前後にオリーブの木内部で、役員人事や政治手法、歴史観、共通政策の違いが露呈したという。
令和元7月に小林氏が離党、令和元9月に天木氏が離党、翌令和2年2月には西尾氏が離党。
これによって、オリーブの木は黒川派が主導権を握った形となる。
令和3年1月、黒川容疑者は動画投稿サイトで党名を
「つばさの党」
に変更すると発表。
令和3年6月には党名変更を繰り返すNHK党と次期衆院選に向けた連携も決定した。
黒川容疑者が率いるつばさの党は、新型コロナウイルス禍でワクチンリスクに警鐘を鳴らす街宣活動を地方で行うと共に、宗教団体に対する抗議活動も先鋭化。
公明党の支持母体である創価学会や幸福の科学に対するデモ活動を行っていく。
令和4年9月には世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する抗議集会の開催を呼び掛け、JR渋谷駅前で
「統一教会、CIA」
などと叫んだり、旧統一教会本部前で歌を歌ったり音楽を鳴らしたりするパフォーマンスを行った。
選挙活動を巡っても黒川容疑者らは東京15区補選(2024年4月28日投開票)以前から、他の候補の演説会場に乗り込んで声を上げ、その様子を動画配信する手法を取っていた。
黒川容疑者と根本容疑者は2024年7月の都知事選にも立候補する考えを表明していた。

公明党の石井幹事長、選挙妨害「由々しき事態」 つばさの党代表ら逮捕は「適切」
2024/5/17 11:52
https://www.sankei.com/article/20240517-UJNYABKDUVIBNDAIKXCVQTW22U/
公明党の石井啓一幹事長は2024年5月17日の記者会見で、衆院東京15区補欠選挙(2024年4月28日投開票)で別陣営の演説を妨害したとして、警視庁が公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで政治団体
「つばさの党」
代表、黒川敦彦容疑者ら3人を逮捕したことについて
「適切な対応がなされた」
と評価した。
「選挙は民主主義の根幹だ」
「有権者が十分に候補者の訴えを聴取できなかったことは極めて由々しき事態だ」
と述べた。

「つばさの党」黒川敦彦容疑者が逮捕前日の取材に語る「若者の声を代弁」「尾崎豊みたいな」
2024/5/17 11:36
https://www.sankei.com/article/20240517-MCSPWXPKUZJ3BIDDRAIFSADK3I/
2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙を巡り、他候補の街頭演説を妨害したとして、警視庁捜査2課は2024年5月17日、公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで、政治団体
「つばさの党」
代表の黒川敦彦容疑者(45)を逮捕した。
逮捕前日の2024年5月16日、産経新聞は黒川容疑者に取材した。
一問一答は次の通り。
ーーなぜ選挙活動で過激な手法を行うのか
政治家の噓を暴きたいからだ。
街頭演説で半ば噓みたいなキレイ事だけを言っている。
僕たちが実際は『どうなっているの』という質問に行き、政治家の噓を可視化するために行っている」
ーー演説の中で「当選するつもりもない」と言っていたが、出馬の目的は。
国政政党になるために活動しているので選挙には勝つために出ている。
現実的には組織票がない中で衆院選の小選挙区で勝つのは難しい。
1回で勝てなくても積み重ねて今のつばさの党になっている。
仲間は確実に増えている。
批判はあるし、やり過ぎだと思うかもしれないが、共感する人も思った以上に多い。
我々の言論や行動に関しては、一定の国民の支持があるので、一方的に選挙妨害というのは民主国家のロジックとして成り立たない。
ーーどの点が共感を呼んでいると感じているのか
若者たちの声が政治に届かず不満をためているが、持って行き先も分からない。
僕らが代弁している。
権力に挑んでいる。
クソ政治家に僕らは『お前らクソだよね』と言ったことに面白いという声がある。
尾崎豊みたいな。
ーーつばさの党の選挙活動が選挙妨害、自由妨害に当たるという疑いが持たれている点についてどう捉えているか
自由妨害だという法的根拠が1つもない。
陣営同士の演説が重なってはいけないという法律はない。
総務省にこれから聞きに行くが、違法だとは答えられないと思う。
ーー活動をユーチューブなどで動画配信している目的は
世の中を良くするためだ。
ユーチューブの売り上げも活動資金にはなっているが、足りてはいない。
圧倒的に赤字。
事業が成功し、その売り上げを使って活動資金にしている。
ーー活動資金は
皆で稼いでいる。
事業を17個くらいやっている。
ーー2024年6月20日告示、2024年7月7日投開票の東京都知事選にも出馬する
出馬表明しているので、もちろん出る。
根本(良輔容疑者)も出る。
杉田(勇人容疑者)も出たいと言っている。
妨害や人を困らせるためにやっているわけではない。
政治と社会がクソだからクソだって盛大に言っている。
次の次の参議院選挙で国政政党になるために活動している。
10億円貯めて、選挙で使う。

林官房長官「選挙運動の妨害あってはならない」 つばさの党代表ら逮捕
2024/5/17 11:08
https://www.sankei.com/article/20240517-X7LR3XJ2R5LLFL2UZQ7HHC5DLE/
林芳正官房長官は2024年5月17日の記者会見で、警視庁捜査2課が2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の演説を妨害したとして、公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで、政治団体
「つばさの党」
代表、黒川敦彦容疑者ら3人を逮捕したことについて
「選挙運動を妨害することはあってはならず、候補者、選挙運動関係者は選挙のルールを順守し、公正適切に選挙運動を展開する必要がある」
と述べた。

つばさの党代表ら3人を逮捕 公選法違反容疑 衆院東京15区補選で妨害
2024/5/17 9:28
https://www.sankei.com/article/20240517-XXBSATQP65M2VMM2TAJGGZ6WIA/
2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の演説を妨害したとして、警視庁捜査2課は2024年5月17日、公選法違反(自由妨害)の疑いで、政治団体
「つばさの党」
代表、黒川敦彦容疑者ら3人を逮捕した。
捜査関係者への取材で分かった。

つばさの党 代表ら3人を逮捕「選挙の自由妨害」の疑い 警視庁
2024年5月17日 9時18分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240517/k10014452011000.html
2024年4月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の陣営が拡声機などを使って他の陣営の演説が聞き取れないようにして、選挙活動を妨害したとして、警視庁が選挙に立候補した幹事長や代表ら3人を公職選挙法の
「選挙の自由妨害」
の疑いで逮捕したことが捜査関係者への取材で分かりました。
逮捕されたのは政治団体
「つばさの党」
の幹事長で、選挙に立候補した根本良輔 容疑者(29)と、代表の黒川敦彦 容疑者(45)、それに、運動員の杉田勇人 容疑者(39)の3人です。
捜査関係者によりますと、3人は2024年4月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、拡声機などを使って他の陣営の演説が聞き取れないようにして選挙活動を妨害したとして、公職選挙法の
「選挙の自由妨害」
の疑いが持たれています。
警視庁は2024年5月13日に、団体の事務所や容疑者らの自宅を一斉に捜索すると共に、他の陣営からの被害届を受理して聞き取りを行うなどして捜査を進めてきました。
容疑者らは選挙期間中に他の陣営の選挙カーを追い回すなどの妨害行為も繰り返していて、警視庁は妨害の目的や詳しい経緯を更に調べることにしています。
警視庁によりますと、選挙に立候補していた陣営が他の陣営の選挙活動を妨害したとして候補者らが逮捕されるのは極めて異例だということです。
一方、黒川代表は捜索を受けた際、
「我々の行動が選挙妨害になった判例及び法的事実はないので、表現の自由の中で適法なことをやっていると理解している」
などと反論していました。

選挙妨害容疑のつばさの党・黒川敦彦代表、過去に加計学園問題巡り民進党で講師役も
2024/5/16 15:25
https://www.sankei.com/article/20240516-WLEPCTCSMRH3BELUFPVV5SQITU/
2024年4月に投開票された衆院東京15区補欠選挙を巡り、警視庁は他候補の街頭演説を妨害した疑いが強まったなどとして、公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで、政治団体
「つばさの党」
の本部などを家宅捜索した。
同党の黒川敦彦代表は、過去にNHK党(当時)などから国政選挙に出馬し、落選を繰り返した。
学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設を巡る問題を追及して注目を集め、民進党の会合に講師として出席したこともある。
■小池百合子知事への批判強化
「今日も朝から街宣車出します 小池ゆりこ(=百合子東京都知事)にヘイヘイ言ってるので、見かけたら声かけたり、拡散お願いします! 街宣車さらにどんどん手配中です 日々、増やしていく予定です」
黒川氏は2024年5月16日、X(旧ツイッター)にこう書き込み、小池氏を批判する街頭活動を強化していく考えを示した。
つばさの党の陣営は、東京15区補選で他の候補が演説する際、近くの電話ボックスによじ登ってヤジを飛ばしたり、車でクラクションを鳴らしたりした。
その代表を務める黒川氏は、かつて
「産学連携ベンチャーの申し子」
と呼ばれることもある起業家だった。
■起業家から市民活動家
黒川氏は平成13年に大阪大工学部を卒業、独立行政法人
「新エネルギー・産業技術総合開発機構」)NEDO)
で企業と大学の研究の橋渡し役をする研究などに取り組んだ後、愛媛県今治市に帰郷した。
平成29年には、愛媛県今治市市内に建設を予定する加計学園の獣医学部を巡り、安倍晋三元首相の関与を追及する市民団体
「今治加計獣医学部問題を考える会」
を立ち上げ、共同代表としてメディアに頻繁に取り上げられるようになった。
平成29年5月には同市内の獣医学部建設現場を訪れた民進党の
「加計学園疑惑調査チーム」
のメンバーを案内し、平成29年8月に同チームの会合に講師として出席した。
平成29年年10月の衆院選では、安倍氏の地元・山口4区に無所属で出馬。
獣医学部開設を取り上げた。
この選挙でも、他候補の会合に乗り込み、接触を図るような行為を目立たせていた。
公示前にはツイッター(現X)で
「初日一人でも多く山口4区に来て、安倍あきえ(=夫人・昭恵氏)を取り囲みましょう!」
と投稿。
公示日に安倍氏の出陣式に、山本太郎参院議員と駆け付け、昭恵氏に近寄ると、安倍氏との合同演説会の開催を要請するという
「申入書」
と題した紙を手渡した。
山本氏がこの様子をインターネット中継しており、安倍氏の後援会幹部は
「実質的な妨害だ」
と憤ったという。
■国政選に落選繰り返す
令和元年7月の参院選には、元外交官の天木直人氏らと設立した政治団体
「オリーブの木」(現・つばさの党)
の代表として、令和3年10月の衆院選では
「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」(当時)
の公認として、令和4年7月の参院選はNHK党(当時)の公認でそれぞれ出馬し、落選している。
令和4年6月にはNHK党幹部としてNHK番組
「日曜討論」
に出演した。
司会者の制止を振り切りながら、
「テーマに沿わない」
という発言を繰り返した後、
「あべのせいだー、あべのせいだー」
などと歌い出し、ひんしゅくを買っていた。
先の東京15区補選最終日の2024年4月27日、黒川氏は街頭演説に臨み、金融資産を投資に回す必要性について20分近くマイクを握った。
「金融経済が正常に働かない限り国が豊かにならないと思い、政治を始めた」
「最も必要なことは国民を稼げる状態にすることだ」
と強調。
「つばさの党が『政治を変えたい』と言っているのは、皆で生活を良くしたいということだ」
「『ヘイヘイヘイ』とお騒がせしてきた」
「なぜこんな変な選挙戦を戦い、奇抜なことをやったか」
「そうでもしないと一般の皆さんが選挙に興味を持ってくれないからだ」
などと持論を展開した。

維新 音喜多政調会長 つばさの党捜索 “早期に法改正を”
2024年5月14日 17時29分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240514/k10014448771000.html
日本維新の会の音喜多政務調査会長は、先の衆議院の補欠選挙で政治団体
「つばさの党」
の陣営が選挙活動を妨害したとして、警察の捜索を受けたことを踏まえ、対策の強化に必要な法改正に向けて各党に協力を求める考えを重ねて示しました。
今回の捜索について日本維新の会の音喜多政務調査会長は記者団に対し
「本来、選挙期間中に速やかに取り締まるべきだった」
と指摘しました。
そして、党として選挙の自由妨害罪に該当する行為の明確化や、罰則の強化を盛り込んだ、公職選挙法改正案の叩き台をまとめたことを踏まえ
「現行法で対応できるという意見もあるが、具体的な例を法律に書き込み、捜査機関が対応しやすくする意味がある」
「主要野党は大きな方向性でまとまれると思っており、与党にも投げかけていきたい」
と述べました。
一方、音喜多氏は、党の共同代表を務める大阪府の吉村知事から、次の衆議院選挙の公約に0歳から投票権を与え、親が投票を代行する制度の導入を盛り込むよう提案があったことを明らかにし
「結党以来、世代間格差の是正を掲げており公約に載せる方向で検討する」
「憲法改正が必要か否かの論点もあり、早期に結論を出したい」
と述べました。
■松本総務相「各党の議論内容を注視していきたい」
松本総務大臣は閣議の後の記者会見で
「私自身、選挙に携わっているが、報道を見ている限り、少なくとも体験したことがないようなことが起こっていると感じた」
「公職選挙法に新たなルールをどのように設けるかについて総務大臣としてのコメントは控えるが、各党の議論の内容を注視していきたい」
と述べました。
■立民 岡田幹事長「捜査も含め状況を見極める時期」
立憲民主党の岡田幹事長は記者会見で
「日本維新の会の法案の叩き台がどこまで法的に意味があるのか党内で議論を尽くしたい」
「法改正をすることによって有権者の権利を阻害する部分もあるし、選挙の自由妨害に該当する具体的な事例を法律に書くことで
『それ以外のことはやってもいい』
ということにもなりかねない」
「捜査も含め状況を見極める時期だ」
と述べました。
■共産 穀田国対委員長「現行法の範囲内でできることをやるべき」
共産党の穀田国会対策委員長は記者会見で
「公正な議論が保障されなければならない選挙において、妨害は許されないが、選挙管理委員会などがしっかり対処すべき問題だ」
「現行法の範囲内で、できることをきちんとやるべきだ」
と述べました。
■国民 玉木代表「多くの賛同募って成立させたい」
国民民主党の玉木代表は記者会見で
「今回の行為は選挙の自由妨害罪にあたると思うので、当局には厳しく対処してもらいたい」
「同時に、法改正も必要であり、日本維新の会の叩き台は、我が党と考えがかなり重なる所がある」
「できるだけ多くの賛同を募って成立させたい」
「東京都知事選挙に加え、衆議院選挙もあるかもしれないので早めに処理する必要がある」
と述べました。

<主張>「選挙の自由」妨害 悪質行為の摘発は当然だ
社説社説
2024/5/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20240516-MLNXQW6XCRI63FLOP4WXQFEJNI/
憲法21条は言論や表現の自由を保障している。
この前段となる12条では憲法が保障する
「自由及び権利」
は、
「国民は、これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ」
と規定している。
憲法は
「自由」
を無制限に保障しているのではなく、その濫用を明確に戒めている。
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で対立陣営の街頭演説を妨害したなどとして、警視庁は公選法違反(選挙の自由妨害)容疑で政治団体
「つばさの党」
の関係先を家宅捜索した。
同党は警視庁の強制捜査に対して
「表現の自由の中で適法にやっている」
「心外だ」
などと主張し、今後も同様の政治活動を続けると述べている。
これこそ
「公共の福祉」
とは相容れない
「自由の濫用」
であろう。
同党は他候補の演説中に大音量で罵声を浴びせ、クラクションを鳴らすなどの妨害を繰り返し、選挙カーを執拗に追い回すなどの危険行為もあった。
極めて悪質である。
「選挙の自由」
は対立陣営にもあり、これは明らかに侵害された。
異常な環境下で候補者の演説を聞くことが出来なかった有権者もまた、直接の被害者である。
国民の常識や良識に照らして悪質な行為が、合憲や適法であるはずがない。
警視庁の捜査は妥当である。
類似した事案に、令和元年の参院選で安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばした男女を北海道警が排除し、2人が道に損害賠償を求めた訴訟で札幌地裁が排除の違法性を認めた判決がある。
多くのメディアが北海道警を非難したが、札幌高裁は男性について、警告を無視して大声での連呼をやめず、演説車両に向かって突然走り出すなどの行為があり警察官の判断は
「客観的合理性を有する」
と認定し、賠償命令を取り消した。
「つばさの党」
への強制捜査には
「言論の萎縮を招く」
といった懸念の声もある。
だが、選挙妨害の数々が、守るべき言論や選挙の自由の名に値するか。
しないだろう。
憲法12条はまた、
「国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」
とも謳っている。
「自由」
の履き違えを許してはならない。

日本国憲法
第十二条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。
第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
A 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

<産経抄>民主主義を脅かし、「つばさの党」に捜査の手
2024/5/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20240516-HKUKNISSYZJUZIZGRAEJKCIU7E/
海軍増強の是非を議論した大正9年の衆院本会議に、今も語り草の一幕がある。
時勢に照らして
「艦隊の充実」
を説いたのは蔵相、高橋是清だった。
「陸海軍とも難儀を忍んで長期の計画といたし、陸軍10年、海軍8年の…」
▼言葉を継ごうとしたその時、
「ダルマは9年」
と野党の席から声が飛んできた。
9年の座禅で悟りを開いた達磨大師。
いかめしくも愛嬌のある風貌から
「ダルマ」
とあだ名された高橋。
双方に掛けた即妙のヤジだった。
声の主は、後に
「ヤジ将軍」
と呼ばれる三木武吉である。
▼議場は爆笑に包まれたと聞く。
機知に富み、いたずらに人を辱めるわけでもない。
「議場の華」
と言われるヤジの、会心の一打だろう。
当時の三木は30代半ば、やり取りの老熟ぶりが際立つ。
それに引きかえ、現代の政治模様の幼さはどうだろう。
▼先日の衆院東京15区補選で他陣営の選挙運動を妨げたとして、政治団体
「つばさの党」
本部などが警視庁の家宅捜索を受けた。
投稿動画を見ると、よその選挙カーを追い回し、拡声器で声を張り上げては街頭演説を遮るなど実に酷いやり口だった。
▼陣営は
「表現の自由」
と称し、自らを正当化しているという。
憲法も公職選挙法も侮られたものである。
各候補者の主張に耳を傾けたい有権者の権利は、思慮の外ということだろう。
おのが正義を軸に世界が回っている―と勘違いした人々に、ヤジ将軍の挿話は説くだけ無駄か。
▼「かしましくものいふ」
「人のものいひきらぬ中ニものいふ」
は良寛が嫌った言動の所作である。
思えば亡き安倍晋三元首相も、度を越したヤジに幾度となく街頭演説を妨げられてきた。
民主主義の足元を脅かす挑発の危うさを、我々は看過してはならない。

安倍元首相暗殺の陰にも演説妨害 
阿比留琉比の極言御免
2024/5/16 1:00
https://www.sankei.com/article/20240516-FHEBVTYUZFIJ7OC24VDB4MAXUQ/
政治団体
「つばさの党」
幹部の根本良輔氏らが先の衆院東京15区補欠選挙に出馬し、他の候補の演説場所で大声を上げつきまとうなどの妨害行為を繰り返した問題は、同団体本部が警視庁に公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで家宅捜索される事態となった。
やっとかというのが、率直な感想である。
選挙演説への妨害行為を巡って、警察がようやく重い腰を上げたことは歓迎したい。
ただ、これまで
「表現の自由」
を錦の御旗に、警察による取り締まりや排除を批判し続けたマスコミや野党議員、またそれにお墨付きを与えた裁判所には憤りを禁じえない。
選挙演説への過激な妨害行為は参院選最中の令和4年7月8日、安倍晋三元首相が暗殺されるきっかけの1つになったからである。
筆者がその前日夜の電話で、長野県に応援演説に行く予定が取り消され、奈良県に入ることになった件を聞くと、安倍氏は答えた。
「あそこは、私が行くと暴れる人がいるから」
「実際、麻生さん(太郎自民党副総裁)が入った時には、変な地方議員らがマイクを持って週刊誌の自民候補のスキャンダル記事を読み上げたんだって」
「他の選挙区に影響しかねないと心配する人がいるから」
長野では演説妨害を受けることが予想され、それをマスコミが面白おかしく報道することを避けた結果、奈良で凶弾に倒れる悲劇に繋がったのだった。
安倍氏が受けてきた演説妨害と、それを擁護し、安倍氏の攻撃材料として利用してきたマスコミの姿勢に関しては2024年4月25日の当欄で取り上げたのだ繰り返さない。
だが、性質の悪い
「こんな人たち」
は確かに存在するのである。
■壊れる民主主義社会
令和元年の参院選で、札幌市で演説中の安倍氏に
「辞めろ」
「帰れ」
などと大声でヤジを飛ばした男女が、北海道警の警察官に排除された件では、札幌地裁が
「表現の自由などが違法に侵害された」
として、道に賠償支払いを命じた(札幌高裁が一部取り消し)。
これも演説妨害の正当化に利用されてきた。
現につばさの党の根本氏は、2024年5月13日のX(旧ツイッター)にこう投稿している。
「候補者以外の安倍へのヤジが合法な時点で、候補者である俺らが違法なわけがない 北海道のヤジも、俺らがやったヤジも全く同じ なぜならヤジの定義が曖昧だから」
多くのマスコミも、司法も
「こんな人たち」
の見方をした結果、警察は委縮し、警備に力を入れられなくなる。
その延長線上に安倍氏の暗殺があり、その最悪の行為の容疑者ですら英雄視する論調が、2023年4月の衆院補欠選挙時に和歌山県での岸田文雄首相暗殺未遂事件を生んだ。
こうして民主主義の根幹と言える街頭での選挙演説が困難となり、民主主義社会は壊れていく。
ちなみに、つばさの党の黒川敦彦代表は平成29年の衆院選で安倍氏の地元の山口4区から出馬しており、当時、ツイッターにこんな異例の投稿をしている。
「(平成29年)10月10日のボランティア急募 初日1人でも多く山口4区に来て、安倍あきえを取り囲みましょう!」
安倍氏の昭恵夫人への迷惑行為、つきまといへの参加を呼び掛けたのだった。
安倍氏陣営は選挙妨害だと憤ったが、今回の東京15区でのやり方は、既にこの時から始まっていたのである。
言葉を用いた
「表現の自由」
を偽装した事実上の実力行使を、これ以上許してはならない。

北海道警やじ訴訟で上告 札幌高裁で逆転敗訴の男性
2023/7/5 15:59
https://www.sankei.com/article/20230705-6WEYQJN5URPFHPBECT7W5DDB5U/
令和元年の参院選で安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女が道に損害賠償を求めた訴訟で、原告の男性は2023年7月5日、逆転敗訴とした札幌高裁判決を不服として上告した。
男性は大杉雅栄さん(35)。
2023年6月22日の高裁判決は、大杉さん本人が周囲から暴行を受ける危険や、安倍氏に危害を加える恐れがあったとして、警察官の行為は妥当と認定し、1審札幌地裁の賠償命令を取り消した。
一方、桃井希生さん(27)については、排除は憲法で保障された表現の自由の侵害に当たるとして55万円の賠償命令を維持しており、桃井さんは上告できない。
高裁判決によると、2人は令和元年7月15日、JR札幌駅近くで街頭演説をしていた安倍氏に
「安倍辞めろ」
などとヤジを飛ばし、警察官らに取り囲まれ、後方に移動させられるなどした。

原告2人判断分かれる 安倍首相やじ排除訴訟で札幌高裁
2023/6/22 19:53
https://www.sankei.com/article/20230622-OIW6EPFLJBK5VGUXTEIGEL2HWU/
令和元年の参院選で安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女が道に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、札幌高裁は2023年6月22日、計88万円の賠償を道に命じた札幌地裁判決のうち、男性(35)への賠償命令を取り消した。
女性(27)については道の控訴を棄却し、1審の55万円の賠償命令を維持した。
大竹優子裁判長は、男性本人が周囲から暴行を受ける危険や安倍氏に危害を加える恐れがあったとして警察官の行為は妥当と認定した。
女性については1審判決と同様、排除は憲法で保障された表現の自由の侵害に当たるとした。
離れた場所にいた2人の状況は異なっており判断が分かれた。
2022年3月の1審判決後の2022年7月、安倍氏が街頭演説中に銃撃され死亡する事件が発生したが、控訴審の審理や判決で言及はなかった。
男性は上告を検討するとし
「銃撃事件がなかったら、裁判所の判断は変わらなかったのではないか」
と話した。
道警は
「判決内容を精査し、対応を検討する」
とコメントした。

「安倍氏に危害の恐れ」 やじ男性排除は適法 札幌高裁
2023/6/22 16:27
https://www.sankei.com/article/20230622-HKB5YON4XZLTZGXXRKN7QG6BBQ/
令和元年の参院選で札幌市で演説中の安倍晋三首相(当時)にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女2人が道に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で札幌高裁は2023年6月22日、男性に対する道警の排除行為について、男性が周囲から暴行を受けたり、男性が安倍氏らに危害を加えたりする恐れが迫っており、適法だったと判断した。
一方、女性に対する排除行為については1審判決と同様、表現の自由の侵害に当たると判断。
女性への賠償命令に対する道警側の控訴を棄却した。
高裁は2人への賠償を命じた1審判決のうち、男性への支払いを命じた部分を取り消した。

やじ排除訴訟で北海道控訴 警察官職務の是非高裁へ
2022/4/1 12:11
https://www.sankei.com/article/20220401-DRV2M3JQRJP2XEC67GT6BUILZA/
令和元年の参院選期間中に安倍晋三首相(当時)の街頭演説にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女2人が損害賠償を求めた訴訟で、道は2022年4月1日、排除の違法性を認めて計88万円の支払いを命じた札幌地裁判決を不服として控訴した。
政治家にヤジを飛ばした聴衆を、その場から排除した警察官による職務執行の是非は、札幌高裁で改めて審理される。
道警監察官室は
「控訴審で当方の考えを主張していく」
とのコメントを出した。
2022年3月25日の地裁判決は、現場で撮影された動画などから、当時犯罪が行われようとしていたとは認められず、警察官の行為は違法と指摘。
憲法21条で保障されている
「表現の自由」
が警察官に侵害されたと認定した。
ヤジについても、公共的、政治的事項に関する表現行為と位置付け、特に重要な憲法上の権利として尊重されるべきだとの判断を示した。
地裁判決によると、原告らは令和元年7月15日、札幌市内で街頭演説中だった安倍首相に
「安倍辞めろ」
「増税反対」
と声を上げたところ、警察官らに肩や腕などを掴まれて移動させられたり、長時間に渡って付きまとわれたりした。

2022年3月25日
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/statement/79884.html
■“安倍元首相にヤジで排除は違法” 北海道に賠償命じる判決
3年前の2019年、札幌市で当時の安倍総理大臣の街頭演説にヤジを飛ばし警察官によって離れた場所に移動させられた男女2人が、排除は違法だとして道に賠償を求めた裁判で、札幌地方裁判所は
「警察官らの行為は違法で、原告らの表現の自由が侵害された」
として原告側の訴えを認め、道にあわせて88万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
3年前の2019年、札幌市内で街頭演説をしていた当時の安倍総理大臣に向けて複数の人がヤジを飛ばすなどし、警察官によって離れた場所に移動させられました。
このうち札幌市に住む大杉雅栄さん(34)と桃井希生さん(26)の2人は排除は違法で精神的苦痛を受けたとして、北海道にあわせて600万円余りの賠償を求めていました。
2022年3月25日の判決で札幌地方裁判所の廣瀬孝裁判長は、
「被告側は
『当時、生命や身体に危険を及ぼす恐れのある危険な事態にあったとか、犯罪がまさに行われようとしていた』
などと主張するが、それは認められない」
「警察官らの行為は違法で原告らの表現の自由が侵害された」
と指摘し、原告側の訴えを認め、道にあわせて88万円の賠償を命じました。
■原告「期待以上の判決だった」
判決後の会見で、原告の大杉雅栄さんは
「筋の通らないことはおかしいと、真っ当なことを明記した期待以上の判決だった」
と述べました。
一方、
「問題となった排除行為を巡り、北海道警の組織的な責任や関与が争点にならなかった」
と指摘しました。
また、原告の桃井希生さんは、ヤジを飛ばして移動させられた後も警察官につきまとわれたことに恐怖や混乱を覚えたなどと、当時を振り返り
「世の中のおかしいことに対して『おかしい』と言うための力になる判決だったと思う」
と述べました。
原告側の代理人を務めた小野寺信勝弁護士は
「道警の排除行為が違法であることを認めた今回の判決を評価したい」
と述べた上で、被告の道に対し、控訴せず、今回の判決を踏まえて再発防止などの対策を取るよう求めました。
■北海道警察本部監察官室「判決内容を精査し対応を検討」
判決を受けて北海道警察本部監察官室は
「判決内容を精査し、対応を検討して参ります」
とコメントしています。

つばさの党、選挙カー追跡 「交通の便妨げる行為」適用も視野に捜査 警視庁
2024/5/15 5:00
https://www.sankei.com/article/20240515-2U5ND6S2PZIUXGCP7G754VREBM/
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙を巡る自由妨害疑惑を巡り、出馬していた複数の陣営の選挙カーが、政治団体
「つばさの党」
の選挙カーから執拗な追跡を受け、警察署に避難する事態となっていたことが2024年4月14日、捜査関係者への取材で分かった。
各陣営は選挙活動の予定変更を余儀なくされており、警視庁捜査2課は、追跡が、公職選挙法で自由妨害と規定する交通の便を妨げる行為に当たると見て、立件を視野に裏付けを進めている。
捜査関係者によると、つばさの党の黒川敦彦代表(45)と党幹部の根本良輔氏(29)ら3人は、立憲民主党など他陣営の選挙カーを自陣営の選挙カーで付け回し、拡声器を使って
「売国奴」
と罵声を浴びせるなどの行為を繰り返した。
追跡を受けた陣営の中には110番通報をしたり、選挙区内にある城東署や深川署に避難したりした例もあった。
捜査2課は、街頭演説に対する
「妨害」
だけではなく、追跡行為も有権者に各候補者の主張を届ける機会を妨げたと見ている。
同課は2024年4月13日、党本部と黒川氏、根本氏の自宅を家宅捜索し、パソコンなど数十点を押収。
ただ、選挙カーの追跡による自由妨害での摘発は前例が乏しいことから、関係機関と調整するなどして、裏付けを進めている。

「つばさの党」が捜索の東京15区補選を受け選挙妨害の禁止を周知 都選管がリーフレット
2024/5/14 16:20
https://www.sankei.com/article/20240514-R4VVUBCRFBNLPF5FZLJBLETK7M/
東京都選挙管理委員会が新たに作成したリーフレット
https://www.sankei.com/article/20240514-R4VVUBCRFBNLPF5FZLJBLETK7M/photo/X4RDZFBGEZKT5DEYJQE6HZXQIU/
2024年4月28日に投開票された衆院東京15区補欠選挙で、候補者の街頭演説の妨害を疑われる行為が目立ったとして、東京都選挙管理委員会は2024年5月14日、公職選挙法に定められた選挙運動で禁止されている妨害行為を周知するリーフレットを作成した。
有権者に周知すると共に、選挙事務の説明会などで候補者に説明する。
同選挙を巡っては、政治団体
「つばさの党」
が他候補の街頭演説を妨害するなどした公選法違反(自由妨害)の疑いで、2024年5月13日に警視庁の家宅捜索を受けた。
同党代表の黒川敦彦氏は、
「合法だと思っている」
「理由は表現の自由を守る行為であるという認識だからだ」
と主張している。
リーフレットでは、
「選挙運動の妨害は禁止されています」
と明記。
@暴行や不法な威力による妨害
A演説の継続や聴取を困難とする妨害
などが同法225条に抵触する恐れのある事例として紹介されている。
都選管は
「今回の選挙の執行状況から周知・啓発が必要と判断した」
「有権者や候補者にとって安全な・安心な演説の場を確保する」
とした。

つばさの党・根本良輔氏「安倍氏へのヤジが合法で俺らが違法なわけがない」 選挙妨害疑い
2024/5/14 10:29
https://www.sankei.com/article/20240514-MEYMGQ723FF3ZIBV7ZBVDTKSJI/
2024年4月28日に投開票された衆院東京15区補欠選挙に出馬した政治団体
「つばさの党」
幹事長の根本良輔氏が2024年5月13日、警視庁に公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで同団体本部などを家宅捜索されたことについて、X(旧ツイッター)で
「候補者以外の安倍(晋三氏)へのヤジが合法な時点で、候補者である俺らが違法なわけがない」
と書き込み、自身の行為を正当化した。
札幌高裁は令和5年6月、元年7月参院選で札幌市の街頭で応援演説中の安倍氏にヤジを飛ばして北海道警に排除された女性を巡って、排除は憲法に保障された
「表現の自由」
の侵害に当たると判断し、道に女性への賠償を命じた1審判決を維持した。
根本氏はXに
「北海道のヤジも、俺らがやったヤジも全く同じ」
と指摘。
「なぜならヤジの定義が曖昧だから」
「音量がデカかろうが何だろうが定義が曖昧な以上、ヤジであると一括りにされる」
「だから警察は、小池(百合子都知事)に圧力掛けられて警告を出したりガサ入れするぐらいしかできない」
と投稿した。
2024年5月14日の投稿では
「俺らは今の国政政党はおかしい、噓を付いているということを周知するという主義主張の元立候補し、質問をしに行ったりおかしいと思うところを指摘したに過ぎない」
とも書き込んだ。

つばさの党事務所など捜索 押収したパソコンなどの分析進める
2024年5月14日 5時00分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240514/k10014448211000.html
先月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の陣営が他の陣営の選挙活動を妨害したとして、警視庁は2024年5月13日、公職選挙法違反の疑いで、団体の事務所などを捜索しました。
警視庁は押収したパソコンや携帯電話の分析を進め、一連の活動の目的や計画性などを詳しく調べる方針です。
2024年5月13日、公職選挙法違反の疑いで捜索を受けたのは、政治団体
「つばさの党」
の千代田区にある事務所と、根本良輔幹事長(29)、黒川敦彦代表(45)の自宅です。
「つばさの党」
の陣営は、根本幹事長が立候補した先月の衆議院東京15区の補欠選挙の期間中、拡声機などを使って他の陣営の候補者の演説が聞き取れないようにしたり、選挙カーを追い回したりして、選挙活動を妨害した疑いが持たれています。
捜査関係者によりますと、
「つばさの党」
の陣営から追い回されるなどの妨害を受けた他の陣営の選挙カーの中には、予定していたルートの変更を余儀なくされたり、一時、警察署への避難を余儀なくされたりしたケースもあったということです。
陣営が演説を妨害した疑いで強制捜査を受けるのは異例です。
一連の行為をめぐっては、国会で対策が議論される事態にも発展していますが、
「つばさの党」
の黒川代表は2024年5月13日取材に対し、
「我々は表現の自由の中で、適法な事をやっていると理解している」
などと述べています。
警視庁は2024年5月13日の捜索で押収したパソコンや携帯電話の分析を行うなどして、一連の活動の目的や、計画性などを詳しく調べる方針です。

つばさの党事務所など捜索 衆院東京15区補選 演説妨害など疑い
2024年5月13日 19時18分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240513/k10014447441000.html
2024年4月に行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の陣営が拡声機などを使って他の陣営の演説が聞き取れないようにしたり、選挙カーを追い回したりして選挙活動を妨害したとして、警視庁が公職選挙法違反の疑いで東京 千代田区にある団体の事務所などに一斉に捜索に入りました。
捜索を受けたのは、政治団体
「つばさの党」
の根本良輔幹事長(29)と黒川敦彦代表(45)のそれぞれの自宅と、千代田区にある団体の事務所の3か所です。
捜査関係者によりますと、2024年4月28日に投票が行われた衆議院東京15区の補欠選挙の期間中、立候補した根本幹事長の陣営が、長時間に渡り拡声機などを使って他の陣営の演説が聞き取れないようにしたり、選挙カーを追い回したりして、他の陣営の選挙活動を妨害した公職選挙法違反の疑いが持たれています。
「つばさの党」
を巡ってはは、告示日の2024年4月16日、東京 江東区のJR亀戸駅前で他の候補者が行っていた演説を車のクラクションを鳴らすなどして演説を聞き取れないようにしたことが選挙の妨害に当たるとして、警視庁から警告を受けていました。
警視庁には他の複数の陣営からも選挙の妨害を受けたという申告があり、被害届が受理されているものもあるということです。
陣営が演説を妨害した疑いで強制捜査を受けるのは異例だということです。
■機動隊員が警戒する中 約2時間半の捜索
東京 千代田区にあるつばさの党の事務所が入る建物の前では、午前11時頃盾を持った警視庁の機動隊員が建物の入り口に立って警戒する中、捜査員が捜索に入りました。
捜索は、およそ2時間半行われ、午後1時半頃、捜査員が複数の段ボール箱などを捜査車両に積み込んでいました。
■黒川代表「暴力振るっているわけではなく言論の行為」
自宅が捜索を受けた政治団体
「つばさの党」
の黒川敦彦代表は、取材に対し
「我々は表現の自由の中で、適法なことをやっていると理解している」
「別に暴力を振るっているわけではなく、持っている権利を行使している」
「私たちがやっていることは、言論の行為で、多少、乱暴だという認識はあるが、権力者が言論行為を止めることは絶対にあってはならないことだ」
などと話しました。
■林官房長官「妨害はあってはならず公正・適切に選挙運動を」
林官房長官は午後の記者会見で
「選挙は国民が主権者として政治に参加する最も重要かつ基本的な機会であり、公正に行われるためには選挙運動は自由に行われなければならない」
「妨害はあってはならず、候補者や関係者にはルールを順守し、公正・適切に選挙運動を展開してもらう必要がある」
と述べました。
その上で、公職選挙法を改正する必要性を問われたのに対し
「選挙運動に関する事柄であり、各党・各会派で議論すべきものだ」
と述べました。
■自民 茂木幹事長「極めて遺憾 必要な法改正を」
自民党の茂木幹事長は、記者会見で
「電話ボックスの上で大声を出したり、選挙カーのすぐ傍で太鼓を叩いたり、明らかに異常だ」
「これまで見たことがないような妨害行為が行われたことは極めて遺憾で、捜査当局には、法と証拠に基づいて厳正に対処してもらいたい」
と述べました。
その上で
「今後、公正な選挙運動の機会を確保するために、我が党としても罰則強化など実効性のある対応をしっかり検討し、必要な法改正を行っていきたい」
と述べました。
■自民 梶山幹事長代行「街頭演説は重要な機会 党として議論」
自民党の梶山幹事長代行は記者会見で
「街頭演説は国民に候補者の主張を直接伝えることができる大変重要な機会だ」
「選挙の公正さを守り、自由な選挙活動を確保するためにも、仮に選挙妨害を目的とした悪意を持った街頭演説が行われたのであれば、罰則強化を含め今後党として議論したい」
「党として問題意識は持っている」
と述べました。
■立民 泉代表「選挙妨害と言わざるをえない」
立憲民主党の泉代表は記者団に対し
「私も選挙活動のマイクの音が周囲に聞き取れなくなるくらいの大声を浴びせられ、執ように追いかけられた」
「これは選挙妨害と言わざるを得ない」
と述べました。
その上で
「党内で担当する議員が公職選挙法改正の法制化の作業を進めている」
「表現や選挙活動の自由の中で、例えば選挙妨害が具体的にどういうものなのかという例示は法文化していいのではないかという意見や、刑罰の度合いを改めて検討する話も出ている」
「現行法で出来ることを見定めながら、他党ともやり取りしたい」
と述べました。
■公明 山口代表「物理的な妨害は許されない」
公明党の山口代表は記者団に対し
「候補者と聴衆がコミュニケーションを取れないほど物理的な妨害を行うことは許されず、選挙活動の自由を主張したとしても限界がある」
「公職選挙法で何が選挙の自由の妨害にあたるのかを明確にしていくことが重要だ」
と述べました。
その上で、公職選挙法を改正する必要性について見解を問われ
「いきなり法改正というよりも、まず現行法について議論し足らざる所があれば改正なり新しい制度の検討が語られるべきだ」
と述べました。
■共産 小池書記局長「現行の公職選挙法で厳格に対応を」
共産党の小池書記局長は記者会見で
「今回の行為は、選挙活動や言論の自由を脅かす行動だと言わざるを得ず、物理的な妨害は絶対に許されない」
「日本維新の会が提案している法改正に向けた叩き台は、却って選挙の自由を脅かす恐れがあり、我々は反対だ」
「現行の公職選挙法で厳格に対応していけばよい」
と述べました。
■小池都知事「異常な雰囲気で選挙にならなかった」
衆議院東京15区の補欠選挙で候補者の応援に入っていた東京都の小池知事は、都庁で報道陣の取材に応じ、
「応援に入った時は異常な雰囲気で選挙にならなかった」
「選挙というのは有権者の方々に政策を届けて判断を得るというもので、他の候補者を標的にして追い掛け回したり、音声を被せたりというのが本来の選挙や立候補の目的に適っているのかは大いに疑問だ」
「有権者の皆さんもこの点について違うのではないかと思っている方は多いのではないか」
と述べました。
■地元有権者「演説の機会はきちんと平等にあるべき」
衆議院東京15区の江東区に住む30代の女性は
「捜索のことはさっき知った」
「妨害するのではなくてしっかりと政策で勝負をしてほしいと思う」
「選挙期間中はとてもうるさくて迷惑だったので、演説する機会はきちんと平等にあるべきだと思う」
と話していました。
また、40代の男性は
「今回の一連のことは有権者として残念に思う」
「選挙妨害があると有権者が演説を聞くことが出来なくなる」
「気持ちよく投票できるようなルールを作ってほしい」
と話していました。
■専門家「選挙の妨害に当たるという判断はあり得る」
憲法が専門で
「表現の自由」
に詳しい、慶應義塾大学大学院法務研究科の横大道聡教授は
「公職選挙法が認めているのは、公正な選挙が確保される範囲内での『表現の自由』であって、聴衆が演説を聴くことを妨げたり、他の候補者の意見を知る機会を奪ったりすることまでは認められない」
とした上で、
「今回のようなケースが、選挙の妨害に当たるという判断は、映像を見る限り、あり得ると思う」
「選挙期間中は警告に留め、終了後に捜索に入るという対応も慎重であり、今回の警察の捜査が、表現の自由を萎縮させるような結果には繋がらないのではないか」
と話しています。
■これまでの経緯
根本幹事長や黒川代表ら
「つばさの党」
の陣営は、補欠選挙が告示された2024年4月16日、他の陣営の候補者が演説をしていたJR亀戸駅前で、相手の候補者や、応援に駆け付けた政党の幹部らが聴衆に向けて政策などを訴える中、拡声機を使って発言したり車のクラクションを鳴らしたりした他、電話ボックスの上に登って声を上げる一幕もありました。
2024年4月26日にも東京メトロの東陽町駅前で、他の陣営の候補が演説をしている傍で、拡声機や選挙カーのスピーカーを使って批判するなど、各地で同様の行為を繰り返しました。
また
「つばさの党」
の車が、スピーカーを使って批判などを繰り返しながら他の陣営の候補者の選挙カーの後を長時間、追い掛けるなどの行為もあり、各陣営は、街頭演説の日程をSNS上で公表することを控えたり、演説会場を急遽変更したりするなど対応に追われました。
■つばさの党とは
今回、事務所が捜索を受けたつばさの党は2020年11月、総務省に政治団体設立の届け出が出されました。
代表を務めているのは黒川敦彦氏で、幹事長を務めているのは根本良輔氏です。
このうち根本幹事長は、衆議院東京15区の補欠選挙に立候補し、得票数は1110票で立候補した9人のうち、9番目でした。
また、選挙の期間中、黒川代表は2024年7月に投票が行われる東京都知事選挙への立候補を表明し、根本幹事長も
「立候補を予定している」
と述べていました。

選挙の根幹揺るがす つばさの党の悪質「妨害」にメス 警察幹部「看過できない」
2024/5/13 20:12
https://www.sankei.com/article/20240513-DPQBC7XFLZJRPITARDGYSLODEU/
民主主義を支える選挙制度を根幹から揺るがしかねない活動を展開した
「つばさの党」
の関係先に2024年5月13日、捜査のメスが入った。
衆院東京15区補欠選挙を巡り、つばさの党関係者に追いかけ回されるなどして演説場所を変更するなど、対応を迫られた陣営もあった。
警察幹部は
「公正な選挙に反するもので、看過できない」
と話している。
警視庁捜査2課が家宅捜索に踏み切った2024年5月13日、東京都千代田区の党本部前では機動隊が警戒に当たっていた。
ものものしい雰囲気に包まれる中、捜索は約2時間半に渡って行われた。
捜査関係者によると、本部などから選挙カーや携帯電話、パソコンなど数十点を押収したという。
捜索を受け党代表の黒川敦彦氏は2024年5月13日、報道陣の取材に対し、
「合法だと思っている」
「理由は表現の自由を守る行為であるという認識だからだ」
と主張した。
今回の家宅捜索の発端となった出来事は補選告示日の2024年4月16日、東京都江東区のJR亀戸駅前で起こった。
乙武洋匡(ひろただ)氏=無所属=の陣営に近付き、大音量で演説をかき消したなどとして、警視庁が2024年4月18日、自由妨害で警告を出した。
しかし
「妨害行為」
は収まらなかった。
矛先は飯山陽(あかり)氏=日本保守党=や金沢結衣氏=日本維新の会、酒井菜摘氏=立憲民主党=ら他の候補の陣営にも向かった。
選挙カーを追い回し、拡声器で
「売国奴」
などと罵ったり、卑猥な言葉を浴びせたりなどした。
選挙区外にもかかわらず、乙武氏を支援していた小池百合子都知事の自宅前で、大音量で演説し、騒音に対して住民が苦言を呈す場面もあった。
党幹部で補選の候補者だった根本良輔氏らは言論の自由、選挙の自由を盾にこうした行為を続けた。
「法の範囲を超えない、ここまでは大丈夫という範囲内でしっかりやることができた」。
補選の活動最終日に当たる2024年4月27日夜、根本氏は産経新聞の取材に、達成感を滲ませながら自信を覗かせていた。
しかし、複数の陣営からは既に被害届が提出されており、警視庁は悪質な妨害行為であることの立証に向けて、慎重に捜査を進めるとみられる。
■つばさの党「選挙妨害」を巡る動き
・2024年4月16日
衆院東京15区補欠選挙告示、つばさの党・根本良輔氏を含む計9人が立候補届け出。
JR亀戸駅前で乙武洋匡(ひろただ)氏=無所属=の演説の近くで拡声器を使い演説して、乙武陣営の演説を聞こえなくするなどの行為。
・2024年4月18日
警視庁が公職選挙法違反(自由妨害)で黒川敦彦代表、根本氏ら3人に警告。
小池百合子都知事の自宅周辺の住宅街で午後7時過ぎから街頭演説
・2024年4月19日
小池知事が定例記者会見で、つばさの党の行為について「命の危険を感じた」。
・2024年4月20日
飯山陽氏=日本保守党=の事務所前で演説。
金沢結衣=日本維新の会=と、応援に訪れた同党の吉村洋文共同代表の演説会場に現れ、練り歩きに付きまとうなどする
・2024年4月21日
酒井菜摘氏=立憲民主党=の演説に参院議員の蓮舫氏が駆け付ける中、陣営の車の窓を叩いたり、暴言を浴びせたりする。
・2024年4月28日
投開票(根本氏は得票1110票で最下位落選)
■選挙の自由妨害罪
公選法の225条で規定する。
選挙に関する集会や演説を妨害した場合、4年以下の懲役もしくは禁錮か、100万円以下の罰金が科せられる。
昭和23年の最高裁判決は
「聴衆がこれを聴き取ることを不可能または困難ならしめるような所為」
を演説の妨害と認定した。
衆院東京15区補選では、無所属新人、乙武洋匡氏の街頭演説会で陣営スタッフを付き飛ばしたとして、暴力容疑で現行犯逮捕された男が公選法違反(自由妨害)の疑いに切り替えて送検され、起訴された。

つばさの党本部などを家宅捜索 衆院東京15区補選巡り選挙妨害の疑い 警視庁捜査2課
2024/5/13 11:12
https://www.sankei.com/article/20240513-OYKERXOG5FPNRGGC54IYKHP5GQ/
2024年4月28日に投開票された衆院東京15区補欠選挙を巡り、他候補の街頭演説を妨害するなどした疑いが強まったとして、警視庁捜査2課は2024年5月13日、公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで、東京都千代田区隼町にある政治団体
「つばさの党」
本部など関係先数カ所に家宅捜索に入った。
捜査関係者への取材で分かった。
つばさの党を巡っては、2024年4月16日の告示日に他候補が演説する近くで約50分間に渡って大音量で演説したり、車のクラクションを鳴らしたりするなどして選挙を妨害。
警視庁は2024年4月18日、つばさの党の黒川敦彦代表(45)と、つばさの党幹部で、衆院東京15区補選に出馬していた根本良輔氏(29)ら3人に公職選挙法違反(自由妨害)で警告を出した。
つばさの党は他にも、他候補の選挙カーをつけ回すなどしていた。
警視庁捜査2課によると、衆院東京15区補選に出馬していた他の陣営からも同様の行為に関する相談が寄せられている他、複数の被害届も出されており、一部は既に受理されている。

つばさの党選挙妨害容疑「やりすぎだった」 維新・吉村共同代表、国会での議論求める
2024/5/13 19:10
https://www.sankei.com/article/20240513-PJAKLD3IF5JDDHHSPK2Z7IRIJ4/
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の街頭演説を妨害したとして2024年5月13日、警視庁から公選法違反(自由妨害)の疑いで家宅捜索を受けた政治団体
「つばさの党」
について、日本維新の会の吉村洋文共同代表(大阪府知事)は2024年5月13日、
「つばさの党が考える正義はあると思うが少しやり過ぎだった」
と述べた。
府庁で記者団の取材に答えた。
衆院東京15区補選では維新も新人候補を擁立。
吉村氏が選挙期間中の2024年4月20日、都内で応援演説などに駆け付けた際、補選に出馬したつばさの党の根本良輔幹事長らから妨害を受けた。
吉村氏は
「現場にいて思ったが、街頭演説をしている陣営にマイクを重ねたりすると演説にならない」
と指摘。
警視庁の家宅捜索については
「捜査は選挙妨害の意思も含め、個別の証拠に基づき行われると思う」
と述べた。
また、維新は選挙妨害の規制強化を目指す公選法改正案をまとめ、今国会での成立に向け与野党に協力を呼び掛けており、吉村氏は
「刑事司法とは別に国会でも現行法で運用するか、または立法措置を取るかを深く議論するべきだ」
とした。

自民・茂木敏充幹事長、公選法改正に意欲 補選の自由妨害でつばさの党家宅捜索を巡り
2024/5/13 18:13
https://www.sankei.com/article/20240513-A3EBXJVLBRK5ZDBCOCILQG3MK4/
自民党の茂木敏充幹事長は2024年5月13日の記者会見で、衆院東京15区補欠選挙で別陣営の街頭演説を妨害したとして、警視庁が公選法違反(自由妨害)の疑いで政治団体
「つばさの党」
の事務所などを家宅捜索したことについて
「これまで見たことがないような妨害行為が行われ、極めて遺憾だ」
「議論を進め必要な法改正を進めたい」
「罰則強化など実効性のある対応をしっかりと検討していきたい」
と述べた。
その上で
「捜査当局には法と証拠に基づいて厳正に対処してもらいたい」
と訴えた。

東京都の小池百合子知事、つばさの党家宅捜索に「本来の選挙の目的にかなっているのか」
2024/5/13 16:54
https://www.sankei.com/article/20240513-B7SOY7BZMBPPFAOIPMSFSO4P64/
公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで警視庁の家宅捜索を受けた政治団体
「つばさの党」
について、東京都の小池百合子知事は2024年5月13日、都庁で記者団に対し、
「他の候補者を追い掛け回したり、音声を被せたり本来の選挙の目的に適っているのか」
「公選法の見直しも必要ではないか」
と述べた。
つばさの党は、2024年4月28日に投開票された衆院東京15区補欠選挙で、他候補の街頭演説を妨害するなどした疑いが持たれている。
また、小池氏は、つばさの党が選挙期間中に自宅前でも街頭演説を実施したとし、
「こんなに身の危険を感じながら選挙をするのか」
と改めて当時の心境を吐露。
「候補者も身の危険を感じながら選挙を行う」
「ここは日本ですよね」
「非常に疑問というかおかしい」
とした。

林官房長官「選挙妨害はあってはならない」 つばさの党家宅捜索 東京15区補選
2024/5/13 16:43
https://www.sankei.com/article/20240513-SYVCDC3D4VNIXAWH4RDIXNXOY4/
林芳正官房長官は2024年5月13日の記者会見で、警視庁捜査2課が2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の街頭演説を妨害したとして、公選法違反(自由妨害)の疑いで東京都千代田区にある政治団体
「つばさの党」
の事務所などを家宅捜索したことについて
「選挙運動妨害はあってはならず、候補者や選挙運動関係者は選挙ルールを順守し、公正かつ適切に選挙運動を展開する必要がある」
と述べた。

つばさの党の根本良輔氏「証拠はユーチューブに残っており無意味」 選挙妨害疑い家宅捜索
2024/5/13 15:40
https://www.sankei.com/article/20240513-MQ5AAM2P5NAWRLBIG76A7R2WCM/
2024年4月28日に投開票された衆院東京15区補欠選挙に出馬した政治団体
「つばさの党」
幹事長の根本良輔氏は2024年5月13日、警視庁捜査2課が公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで同団体本部などを家宅捜索したことについて、X(旧ツイッター)で
「家宅捜索されたけど無事です」
「そもそもYouTubeのライブに全部残っており、そこに証拠はあるわけなので、それで逮捕できないなら家宅捜索しても無意味」
と書き込んだ。
根本氏ら陣営は他候補の近くで大音量で演説したり、選挙カーを付け回したりするなど選挙妨害と問題視される選挙期間中の行為について、動画投稿サイト
「ユーチューブ」
などに配信していた。
根本氏は家宅捜索について
「メインの携帯とパソコン押収されただけ」
「携帯パソコンに何も情報がないので逮捕に繋がる証拠は何も出ない」
とも書き込んだ。

自民党の梶山弘志幹事長代行が公選法の罰則強化に言及 つばさの党の家宅捜索受け
2024/5/13 14:39
https://www.sankei.com/article/20240513-HL2ZSGIWRFKBTOSDFTXITPZXVE/
自民党の梶山弘志幹事長代行は2024年5月13日の記者会見で、衆院東京15区補欠選挙(2024年4月28日投開票)で別陣営の街頭演説を妨害した政治団体
「つばさの党」
の事務所などに警視庁が公選法違反の疑いで家宅捜索に入ったことを受け、
「仮に選挙妨害を目的とした悪意ある街頭演説が行われたのであれば、(同法の)罰則強化を含め、党として議論をしてまいりたい」
と述べた。

「ヤジ正当化」で民主主義の根幹を破壊 朝日など一部メディアは過去を総括せよ 藤原かずえ
新聞に喝! ブロガー・藤原かずえ
2024/5/12 10:00
https://www.sankei.com/article/20240512-IS3ALI2II5LQDFNVA6H6GWY4DA/
衆院東京15区補欠選挙で政治団体
「つばさの党」
の候補者と党員が他の候補者の遊説場所に乗り込み、大音量で質問を行うことで、演説の聞き取りを困難にしました。
これは民主主義の根幹である選挙を妨害する行為【昭和23年(1948年)最高裁判断】ですが、近年、一部のマスメディアは政権与党に対する同様の行為を強い論調で正当化してきました。
平成29(2017)年に東京・秋葉原で行われた安倍晋三首相(当時)の都議選応援演説では、組織的な呼び掛けに集まった一部聴衆が
「安倍やめろ」
「帰れ」
と大合唱し、執拗に演説をかき消しました。
安倍氏はこの妨害者に対し
「こんな人たちに負けるわけにはいかない」
と抗議しましたが、一部新聞は
「批判を連呼しても主権者じゃないか。このむき出しの敵意、なんなのか」(朝日)、
「首相、聴衆にまで激高」(毎日)、
「敵と味方に分断」(東京)
などと安倍氏を徹底的に非難し、ヤジを正当化しました。
また、令和元(2019)年の参院選での安倍氏の札幌演説で
「安倍やめろ」
「帰れ」
という大声を演説に被せた人物を北海道警が移動させた事案に対しては
「市民を排除。ヤジも意思表示のひとつの方法」(朝日)、
「警察の政治的中立性に疑問符」(毎日)、
「市民から言論を奪うな」(東京)
などと非難しました。
これらの論調に多くのテレビメディアも同調した結果、安倍氏は選挙妨害者との接触を避けることを強いられ、遊説場所を告知しない
「ステルス遊説」
と揶揄された選挙運動を展開するに至りました。
また、警察の萎縮も窺えます。
例えば安倍氏暗殺事件では、テロリストが安倍氏に近寄って2発を発砲するまで取り押さえることもできませんでした。
そもそも
「安倍やめろ」
「帰れ」
というヤジは
「意見表明」
でなく、演説者に対する
「恫喝的な命令」
であり、非言論で言論をかき消す
「言論の自由」
への挑戦行為です。
1人のヤジを認めれば、他の全ての人のヤジも認めなければなりません。
秋葉原の事例と比較して甚だ小規模で、候補者が他の候補者に質問する体裁を取る
「つばさの党」
の妨害者を警察が警職法で排除することは、法の下の平等の原則から不可能です。
何よりも、このような時・場所・方法を選ばない身勝手な
「表現の自由」
による最大の被害者は、候補者の政治的主張についての
「知る権利」
を侵害された一般聴衆です。
今回の事案で多くの国民がヤジ正当化の欺瞞を強く認識するに至ったと推察します。
「言論の自由」
を守る使命を持つ言論機関の一部が非言論による選挙妨害を堂々と正当化してきたことは、民主主義の破壊行為に他なりません。

“選挙妨害”か?表現の自由か?東京15区 広がる波紋 専門家は
2024年4月30日 19時00分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240430/k10014434831000.html
過去最多の9人による混戦となった衆議院・東京15区の補欠選挙。
候補者の1人がほかの候補者たちの演説場所で、大音量で批判などを繰り返し、各陣営からは“選挙妨害だ”との声が相次ぎました。
警視庁が候補者に警告を出す“異例”の事態にも。
一方で、候補者側は
「表現の自由の範囲内だ」
と主張しています。
選挙妨害か?表現の自由か?専門家の見方は…
目次
“極めて異例” 候補者に警視庁が警告
何が起きていた?
■“極めて異例” 候補者に警視庁が警告
警視庁は衆議院東京15区の補欠選挙で、公職選挙法違反に当たるとして併せて6件の警告を出し、このうち演説の自由を妨害した
「自由妨害」
の警告が1件ありました。
捜査関係者によりますと、
「自由妨害」
の警告を受けたのは、政治団体
「つばさの党」
の新人・根本良輔氏やこの団体の黒川敦彦代表など3人です。
告示日の2024年4月16日、JR亀戸駅前でほかの陣営の演説に被せるようにおよそ50分間に渡って拡声機を使って演説したり、車のクラクションを鳴らしたりして演説を聞き取れないようにしたことが選挙の
「自由妨害」
に当たると判断されたということです。
捜査関係者によりますと、候補者が
「自由妨害」
で警告を受けるのは極めて異例だということです。
■何が起きていた?
その2024年4月16日、JR亀戸駅前に姿を見せた根本良輔氏(29)らは、無所属で立候補した乙武洋匡氏や応援に駆け付けた政党の幹部らが聴衆に向けて政策などを訴える中、拡声機を使って発言を続けました。
電話ボックスの上に登って声を上げる一幕もあり、周辺は一時、騒然となりました。
その後も連日、他の候補者たちの演説会場を訪れては、大きな音量で発言を繰り返しました。
2024年4月26日には立憲民主党から立候補した酒井菜摘氏の陣営が街頭で演説をしているのを見付けると、同じ場所で拡声機や選挙カーのスピーカーを使って批判などを繰り広げました。
居合わせた有権者からは…
30代の女性
「家の中まで大きな声が聞こえてきたので何事かと思いました」
「率直に、どうしてこのようなことをするのかと思います」
「もう一方の候補者の声が聞こえないので、投票の判断材料にはならず、残念です」
64歳の男性
「本来なら政策を議論すべきですが、こういった行為は選挙を冒瀆していますし、本来の選挙戦ではなくなってしまっていると思います」
■ほかの候補者 “選挙妨害だ”
根本氏らはこうした様子をインターネット上でライブ配信し、他の候補者の演説予定をSNSを使って把握していることなども明らかにしていました。
こうした行為を受けて、各陣営は街頭演説の日程をSNS上で公表することを控えたり、演説会場を急遽変更したりするなど対応に追われました。
ほかの候補者たちからは“選挙妨害だ”とする声があがりました。
・立憲民主党 酒井菜摘氏
「危険を感じるような場面もあり本当に怖かった」
「演説の日時を公表できず区民に訴えを届けられなかったことが申し訳ない」
・日本維新の会 金澤結衣氏
「前代未聞の状況で民主主義の根幹が覆される許しがたい状況だった」
「公職選挙法の見直しや地域の皆様に迷惑がかからない選挙のやり方を議論したい」
・無所属 乙武洋匡氏
「各候補者の主張を聞く有権者の権利が奪われてしまったことは非常に残念で許しがたい」
「今の法律上、あのような行為を是認せざるを得ないなら何らかの法改正をしていくべきだ」
■つばさの党「表現の自由の範囲内だ」
根本氏は2024年4月25日に会見し、他の候補者に対する行動について
「国政政党が信用できないから政治活動を始めた」
「このままでいいのかと問いかけるために質問をしに行っているだけで、暴力的なことをするつもりはない」
と説明しました。
また、政治団体
「つばさの党」
の黒川敦彦代表は
「国民に与えられた権利である表現の自由の範囲内で正々堂々と批判している」
「それを派手にやっているだけだ」
と主張し、警視庁による警告は権力の乱用だとして東京都に賠償を求める訴えを起こしたと述べました。
今回の事態をどう見たらよいのか。
複数の専門家に意見を聞きました。
■憲法学者 “街頭演説は民主主義の根幹”
憲法学が専門の北星学園大学経済学部の岩本一郎教授は、街頭演説は民主主義の根幹をなす
「言論の場」
であり、その場を壊す行為は表現の自由の範囲を超えていると指摘します。
・岩本教授
「お互いに意見を交換し議論するという意味で、街頭演説は民主主義にとって極めて重要な活動でヤジも含めて政治的な発言として尊重されるべきです」
「ただ街宣車などを使って通行を妨げたり、他の候補者の発言を聞き取りにくくさせたりする行為は悪質性が強く、表現の自由として保障されるかどうか疑問です」
今回の選挙では候補者が演説日程を事前に告知にしなかったり、演説を中止したりするケースも出ていて、岩本教授は次のように指摘します。
「候補者に大きな萎縮効果をもたらす行為です」
「有権者が候補者や政党の声を聞きたくても聞けないとなれば国民の知る権利や、表現の自由を制約する要因になります」
その上で、規制についてはこう話していました。
「候補者の発言内容に国が規制をかけるのは適切ではないですが、行き過ぎた妨害行為については線引きの基準を設け規制が必要になると思われます」
「参加と討議が行われる場を守れるかどうかが、民主主義を維持できるかどうかの鍵になります」
■公職選挙法 専門家 “時代に合った改革必要”
公職選挙法に詳しい日本大学法学部の安野修右専任講師は、今の法律の規定は紳士的に選挙運動を行うことを前提にしていて時代に合った改革が必要だと指摘しています。
安野専任講師は、候補者が他の候補者の街頭演説の場に出向いて大音量で発言する行為について、次のように指摘します。
「どこまでが表現の自由でどこまで選挙妨害かは個々の事例によって判断するしかなく、その線引きは本当に難しい」
「ただ、これまでも偶然、演説場所が被ることはあったが、故意にやるケースが出てきた」
選挙の自由を妨害する行為について罰則を定めた公職選挙法の規定については、
「暴行や傷害などはそもそも犯罪行為だが、それを選挙に関して行った場合更に厳しい罰則を科すものと理解できる」
「一方、演説が被っているからといって直ちに排除をすることは取り締まり機関もなかなかできない」
その上で、公職選挙法のあり方についてこう話していました。
「紳士的に選挙運動をやっていくという、公職選挙法の前提そのものが、現実的にかなり難しくなっている」
「取り締まりを強化しても、この法律を運用している限り同様の行為は恐らく起こり続けると思うので、様々な法規を再点検し、時代に合うような抜本的な改革が必要だ」
■ネット選挙 専門家 “背景に選挙活動の変化”
議会のデジタル化や選挙に詳しい東北大学大学院の河村和徳准教授は、“選挙妨害”を巡り議論になっている背景にインターネットを通じた選挙活動の変化を挙げています。
河村准教授は
「2013年にネット選挙が解禁された時にはホームページやSNSへの投稿が中心だったが近年は動画が容易に配信できるようになった」
といいます。
そして
「インターネット選挙に反応しやすい都市部の選挙では、過剰や過激な発言など、他者と差別化したいために強めの言葉を使って動画に撮って拡散させるスタイルが強くなる」
と指摘しています。
一方で、表現の自由の観点から活動の線引きは難しいとした上で、次のように話していました。
・河村和徳准教授
「ネット選挙の解禁から10年以上経って見直す時期に来ていると思う」
「どうすればより良いことができるのか、誹謗中傷を含めて監視できるのか」
「本格的に考えなければならない」
「プラットフォームに対しても選挙の動画の視聴回数を収益に還元させないなどの取り組みが必要だ」
■「選挙の自由妨害罪」とは?
公職選挙法では選挙の公正や候補者間の平等を確保するため、選挙運動の在り方などについて一定の制限を設けています。
このうち、候補者への暴行や演説の妨害行為などについては、公職選挙法225条で
「選挙の自由妨害罪」
が定められていて、違反すると、4年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金が科されることになっています。
公職選挙法225条
一 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人に対し暴行若しくは威力を加え又はこれをかどわかしたとき
二 交通若しくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、又は文書図画を毀き棄し、その他偽計詐術等不正の方法をもつて選挙の自由を妨害したとき
三 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者若しくは当選人又はその関係のある社寺、学校、会社、組合、市町村等に対する用水、小作、債権、寄附その他特殊の利害関係を利用して選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人を威迫したとき
総務省選挙課によりますと、具体的にどのような行為に違法性があるのかについては、個別のケースごとに警察が対応していくということです。
1954(昭和29)年の大阪高等裁判所の判例では、聴衆が内容を聞き取り難くなるほど執ように発言や質問を行い、一時、演説を中止せざるを得なくした行為について選挙妨害に当たると判断しています。
候補者の場合、選挙違反で有罪が確定すると、当選が無効になり、選挙に立候補する権利が停止されることもあります。

選挙妨害をしているのは、
「つばさの党」
新人、根本良輔(29)らだ。

★つばさの党
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%A4%E3%81%B0%E3%81%95%E3%81%AE%E5%85%9A#%E5%85%9A%E5%8B%A2
つばさの党は、日本の政治団体。
2020年12月31日までの党名はオリーブの木(オリーブのき)。
■党史
「オリーブの木」時代は、反安倍政権・既存の対米政策反対の立場で、既存野党に対して選挙における「政治団体」の単一化・合流を呼掛けた連合政治団体である。
後述のように反安倍政権反米派の中でも左派系と非反ワクチン系右派が離脱し、反ワクチン系反安倍反米右派の政党と化した。
更に2021年8月以降に、ノーマスク選挙運動で黒川党首の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染後対応を巡って、残存の中で彼が
「売名のために反ワクチン活動を利用した」
と見なすか否かで内紛が起きた。
■街頭演説・デモ活動
2024年、東京15区補選に党幹事長の根本良輔を擁立した。
根本は選挙期間中に他党の選挙演説への乱入、他党候補支援者への暴行など妨害活動を行なったことが報道されている。
黒川・根本派らは立候補者の演説に乗り込んで大声を出して選挙妨害し、その様子をSNSでリアルタイム配信するスタイルを取っている。
他の候補者の演説会場に乗り込んで声を上げ、その様子をリアルタイムで配信するスタイルを取っている。
「つばさの党」
の根本良輔幹事長は、
「最近、中国人が凄く増えているわけですが、彼らがいつ武装してもおかしくない」
「習近平が攻撃しろと言ったら日本にいる中国人がいつ攻撃してくるか分からない」
「それを後押ししているのが山口那津男(公明党代表)であり創価学会です」
などと演説した。
また、ラップグループ
「韻暴論者(いんぼうろんじゃ)」
は各種の陰謀論を含んだラップを披露した。
この抗議活動に、西東京市議選で黒川の応援演説を受けた長井秀和も参加を表明していたが、参加を見送った。
■党員
幹事長の根本良輔(中星一番)は、芝浦工大卒。
東大大学院中退、元AV男優、ナンパ師、ナンパ術「中星マインド」の情報商材の販売や情報配信を行う。
つばさの党から2021年7月の都議選に出馬して落選し、2021年11月の葛飾区議選では次点で落選した。
選挙活動ではコロナワクチンの危険性を強調し、少子化対策としてAV規制、医療政策として筋トレで免疫力を上げることなどを訴えた。
Twitterでは自然派育児アカウントを運営し、子供に対する全てのワクチンやマスクに反対している。
2023年1月15日、信濃町の公明党本部前で行った街宣活動では、在日中国人について
「いつ武装してもおかしくない」
「習近平が攻撃しろと言ったらいつ攻撃してくるか分からない」
などと演説した。

★根本良輔
https://www.bing.com/images/search?q=%e6%a0%b9%e6%9c%ac%e8%89%af%e8%bc%94&qpvt=%e6%a0%b9%e6%9c%ac%e8%89%af%e8%bc%94&form=IGRE&first=1

他陣営の演説に横付けして大音量、「選挙妨害」批判相次ぐ 衆院3補選28日投開票
2024/4/27 19:47
https://www.sankei.com/article/20240427-4X6TJRZJWZJXNO255SZA4DEUV4/
衆院3補選が2024年4月28日、投開票される。
公選法違反事件で前職が辞職したのに伴う東京15区では、諸派新人陣営が遊説中の他陣営の横で大音量で演説するなどし、
「選挙妨害に当たる」
との批判が飛び交った。
警視庁は一部行為に同法違反(選挙の自由妨害)の疑いがあるとして警告を出したものの、同様の行為は選挙戦を通じて続いた。
諸派新人側は
「法律内の選挙活動だ」
と主張しており、選挙活動の在り方が問われる事態となっている。
選挙戦最終日の2024年4月27日午前10時、東京都江東区内で街頭演説の準備をしていた他候補の場所を奪う形で演説を始めた諸派新人陣営。
過激な言葉で他の候補者を名指しする場面もあった。
午後3時、国会議員らが応援に駆け付けた無所属新人陣営の街頭演説では多くの警察官が警戒に当たり、周囲に幾重にも柵が設置されるなど最後まで緊張感が漂った。
異様な光景は告示前から始まった。
諸派新人陣営が無所属新人の選挙カーに近づき、相手の声を遮るように
「答えろよ」
「おい」
などと大音量でまくし立てた。
2024年4月16日の告示日も同じ無所属新人の演説中、横付けした選挙カーから大音量の主張。
無所属新人側の声がしばしばかき消された。
各陣営などへの取材によると、この諸派新人陣営の行為として、
▽他陣営の選挙事務所前で大音量で演説する
▽他陣営の選挙カーを追い回す
▽無所属新人を支援する政治家の自宅付近(東京15区外)で街頭活動する
などがあったとされる。
「こんなことは想定していなかった」。
ある新人を支援する国政政党幹部はこう語る。
公選法の規定の他、選挙戦は陣営同士の信義則≠ナ成立してきた。
▽他陣営の遊説の邪魔にならないようにする
▽遊説場所が重なりそうな場合は調整を行う
▽選挙カーがすれ違う際には音量を下げたり、エールを送りあったりする
といったものだ。
一連の行為は、他陣営の選挙活動の萎縮に繋がった。
遊説日程などを交流サイト(SNS)などで拡散することが重視される中、
「妨害の対象になる」
として、多くの陣営はSNSでの予定公開を控えた。
また、演説会場に大量の警察官が投入されたことで、重苦しい雰囲気に包まれた。
一方、批判対象の諸派新人陣営は
「選挙妨害には当たらない」
「法律で認められた範囲内で活動している」
と主張。
「他の候補者に聞きたいことがあるから直接問いかけている」
「答えてくれれば終えている」
としている。
問題は国会にも波及した。
岸田文雄首相は2024年4月22日の衆院予算委員会で、一般論としつつ
「選挙制度の根幹に関わる事柄として、各党会派で議論するべき課題だと認識している」
とした。
拓殖大政経学部の岡田陽介准教授は
「街頭演説は候補者と有権者が直接触れ合える場で、重要な選挙活動だ」
「偶然通りかかって足を止める場合も想定され、選挙啓発に繋がってきた」
「今回の手法はその機会を奪うことに繋がり、更なる選挙離れを招きかねない」
と危惧。
一方、現行の公選法での規制には限界があるとして
「法改正を求める声が出ており、実害があれば何らかの対策が必要だろう」
「一方で特定の存在を排除することは民主主義に反する」
「政治家や有権者が望ましい選挙の在り方を考えることも必要だ」
としている。
■衆院補選立候補者(届け出順)
▽東京15区 (9人)
福永活也43 弁護士 諸 新
乙武洋匡48 作家 無 新 【国】
吉川里奈36 看護師 参 新
秋元司52 元環境副大臣 無 元
金沢結衣33 元食品会社員 維 新 【教】
根本良輔29 IT会社経営 諸 新
酒井菜摘37 元区議 立 新
飯山陽48 大学客員教授 諸 新
須藤元気46 前参院議員 無 新
▽島根1区 (2人)
錦織功政55 元財務省職員 自 新 【公】
亀井亜紀子58 党県代表 立 元
▽長崎3区 (2人)
山田勝彦44 党県副代表 立 前 【社】
井上翔一朗40 学習塾経営 維 新 【教】

東京15区補選、トラブル避けて各陣営が苦肉の「ゲリラ街宣」 大半はフェアプレーも
2024/4/22 17:23
https://www.sankei.com/article/20240422-FAJLOKD5YBDBXGAPINO3VPP2SU/
東京都江東区で繰り広げられている衆院東京15区補欠選挙(2024年4月28日投開票)の選挙戦では、各陣営がSNSなどで遊説日程の事前告知を控える傾向にある。
告知すれば一部陣営が押し掛けて大声で候補者に質問≠浴びせるなど、円滑な選挙活動が妨げられる恐れがあるためだ。
同補選を巡っては、演説会場で陣営関係者が暴行され逮捕者が出る事件も起きているが、大半の候補は選挙カーが別の候補者の演説会場近くを通り過ぎる際は音声を控えるなど、フェアプレーに徹している。
■「なにビビってんだよ」
「出てこいよー。おーい。居るんだろ。議論しよーぜ。なにビビってんだよ」
2024年4月20日午後7時前、東京メトロ門前仲町駅近くの商店街。
同補選に新人の飯山陽氏(48)を擁立した政治団体
「日本保守党」
の選挙事務所前で、政治団体
「つばさの党」
新人、根本良輔氏(29)らが声を張り上げていた。
日本保守党の百田尚樹代表らとの議論を求めているという。
周囲は日本保守党の支援者とみられる数十人が囲んでいる。
根本氏は支援者らにも矛先を向けた。
「保守党信者の皆さんがお願いしてくださいよ」
「こんな奴ら論破してくださいと」
「本当に応援しているんだったら、言えよ」
根本氏は選挙を通じて他陣営の政策の矛盾やスキャンダルの有無を徹底的に明らかにしたい思惑があるようだが、大声が飛び交う異様な光景に通行人らはぎょっとした表情を浮かべていた。
根本氏は告示された2024年4月16日に無所属新人の乙武洋匡氏(48)=国民民主推薦=が行った演説会場に押し掛けるなど、ほとんど全ての候補者の前に現れて大声を上げている。
立憲民主党新人の酒井菜摘氏(37)が同日、東京メトロ清澄白河駅近くの交差点で実施を告知していた街頭演説は行われなかった。
駅前でビラを配っていた国民民主党関係者は
「根本氏が現場にやってきたので、急遽取りやめたようだ」
と語った。
■空手有段者に元警察官
こうした事態を受け、各陣営はSNSで街頭活動の告知を取りやめるなど、選挙活動の修正を余儀なくされている。
どの候補者も選挙期間中には1人でも多くの聴衆に政策や人柄を知ってもらいたいはずで、苦肉の策と言える。
通常、国政選挙の候補に警備は付かないが、警察も対応に乗り出している。
日本保守党の事務所前には2024年4月21日、警察車両が待機していた。
妨害活動に対する警備のためだという。
事務所のドアには
「アンチが皆さんへのアピール目当てに寄ってきますので事務所前の滞留はご遠慮ください」
と書かれた紙が貼られていた。
参政党新人、吉川里奈氏(36)の陣営は空手の有段者や元警察官のスタッフが胸元に
「警護」
と書いたマークを付けているという。
陣営関係者は、警備係が待機していることを聴衆に知らせ、安心感を与える狙いがあると説明する。
2024年4月21日夕にはある陣営の演説会場で酔っ払いとみられる通行人が
「政治には金がかかるんだよ」
と叫び、止めに入った陣営関係者を押し倒す場面もあった。
■選挙が終わっても暮らしは続く
一方で多くの陣営は、互いの選挙活動に敬意を払った行動を心がけている。
2024年4月21日夕、日本維新の会新人の金沢結衣氏(33)=教育推薦=が門前仲町駅前の交差点で行った演説会。
参政党の選挙カーが吉川氏への支援をマイクで訴えながら近付いて来ると、維新の演説に気が付いたようで、交差点の数十メートル前で音を消した。
維新の陣営スタッフも参政党の選挙カーに近付いて頭を下げていた。
立憲民主党の選挙カーも同駅近くで演説していた無所属元職の秋元司氏(52)が通り過ぎる際、マイクで
「失礼しました」
と発言し、音声を切っていた。
同駅近くの交差点でビラを配っていた候補者は地面に拡声器を置いたままだった。
理由は約50メートル先で別の候補が選挙活動を行っているからだという。
この候補は周囲に
「選挙には互いの演説機会を確保する紳士協定がある」
と述べ、
「選挙が終わっても自分たちはこの町で暮らしていく」
「暴れて住民に迷惑を掛けることなんて考えられない」
と語った。
無所属新人の須藤元気氏(46)は告示前から他の候補の迷惑になりかねない行動はやめようと陣営で意思統一していたという。
このため、辻立ちなどを予定していた場所で他の候補が選挙活動を行っていた場合、中止することは当然、選挙カーのマイクの音量も須藤氏の指示で低めに設定している。
衆院東京15区補選は他に諸派新人の福永活也氏(43)も出馬している。

東京15区補選注目の「選挙妨害」に苦しんだ安倍氏 ヤジ排除は「表現の自由侵害」判決も
2024/4/23 16:42
https://www.sankei.com/article/20240423-QFEAQSVJ3NE5BOXRNG3NMD7YC4/
衆院東京15区補欠選挙(2024年4月28日投開票)で、他の候補者が演説する会場などに諸派新人の根本良輔氏(29)が押し掛けて大声を挙げるといった行為を巡り、
「選挙が成り立たない」(日本維新の会陣営)
と与野党が問題視する事態になっている。
近年の選挙を振り返ると執拗なヤジや罵声など妨害行為に悩まされ続けたのが安倍晋三元首相だった。
■岸田首相も問題視
「政策を訴えるのではなく、とにかく候補者の演説を大音量で妨害、威嚇、恫喝する行為が続いている」
「演説を聞く有権者の権利を奪うことになる」
「首相の演説でもこんなことがあってはならない」
国民民主党の田中健衆院議員は2024年4月22日の衆院予算委員会で、衆院東京15区で妨害行為が問題となっているとして、こう訴えた。
田中氏は
「妨害行為をユーチューブやSNSで拡散して炎上させて、大きな利益としている」
とも指摘した。
岸田文雄首相も
「問題意識を共有する」
と述べ、対策を立てる必要性に言及した。
近年選挙活動に対する妨害活動は過激化する傾向にある。
■「こんな人たち」に負けない
平成29年7月1日、東京都議選を巡りJR秋葉原駅前で行われた自民党の最終演説会場には、安倍政権に批判的なプラカードなどを掲げた人々も集まって巨大な横断幕を掲げた。
安倍氏が登壇すると
「帰れ」
コールが始まり、演説の声をかき消すようにトーンをあげていく。
「安倍ヤメロ」「安倍ヤメロ」「安倍ヤメロ」「安倍ヤメロ」
安倍氏は
「あのように主張を訴える場所に来て、演説の邪魔をするような行為を私たち自民党は絶対にしない」
と演説し、
「相手を誹謗中傷しても何も生まれない」
「こんな人たちに私たちは負けるわけにはいかない」
「都政を任せるわけにはいかない」
と声を張った。
当時自民党は選挙妨害を警戒し、都議選に関して計4回行った安倍氏の演説で、3回は会場の統制が比較的効きやすい小学校体育館を選んだ。
街頭の会場は秋葉原の1回だった。
この安倍氏の演説は
「異論に不寛容で批判を敵視する姿勢」(朝日新聞)
などと報じられた。
■警察官の行為は「妥当」認定
令和元年7月の参院選。
自民党は演説を妨害する人々への対策で、安倍氏の遊説日程の公表を控える傾向にあった。
それでも最終日の秋葉原での演説会場には
「安倍ヤメロ」
と大書された横断幕を掲げて騒ぐ集団がまたしても現れた。
「安倍ヤメロ」
と騒ぎ出し、警察官が止めに入ると
「暴力反対」
コールが起きた。
「表現の自由を守れ」
といった叫び声もあった。
また、札幌市で行った街頭演説では
「安倍ヤメロ」
とヤジを飛ばした聴衆が北海道警の警察官によって現場から引き離された。
当時、警察の行為は問題視された。
旧国民民主党の玉木雄一郎代表は
「文句を言う人を権力を使って排除することが当たり前になれば怖くて声を上げられなくなる」
と批判した。
警察官らに後方に移動させられた男女2人は、その後、道に慰謝料など損害賠償を求め、訴訟を起こした。
札幌地裁は令和4年3月、判決で排除行為は憲法で保障される表現の自由を侵害したと指摘し、排除の違法性を認め、道に賠償を命じた。
札幌高裁は男性が周囲から暴行を受ける危険や、安倍氏に危害を加える恐れがあったとして、警察官の行為は妥当と認定。
1審札幌地裁の賠償命令を取り消した。
原告の男性は判決を不服として上告している。
■2度の襲撃事件が発生
令和4年7月8日、安倍氏は奈良市で参院選の応援演説中、山上徹也被告=殺人罪などで起訴=に銃撃され、死去した。
一方、山上被告は公職選挙法違反罪での起訴が見送られた。
選挙妨害の意図の立証が困難と判断されたとみられる。
令和5年4月、岸田首相も和歌山市で衆院補選の応援に駆け付けた際、木村隆二被告=殺人未遂罪などで起訴=に襲撃された。
木村被告は不特定多数への被害が想定されるパイプ爆弾を使ったことから選挙妨害の意図が推認できると判断され、公選法違反罪でも起訴されている。
平成29年10月の衆院選を巡って、安倍氏が立候補した山口4区では一部候補がツイッター(当時)にこう投稿し、波紋を広げた。
「1人でも多く山口4区に来て、安倍あきえを取り囲みましょう! 盛り上がれば本当に安倍のクビが取れます!」
自民党総裁として全国を駆け回る安倍氏に代わって、地元・山口で安倍氏への投票を呼び掛けるのが妻、昭恵氏。
安倍氏の陣営は昭恵氏に危険が及びかねないとして警察に警備を相談する事態となった。
このツイッターを投稿した政治団体代表、黒川敦彦氏は加計学園の獣医学部開設を問題視し、山口4区に出馬した。
安倍氏との合同演説会の開催も要請した。
黒川氏は今回、衆院東京15区補選に出馬した根本氏の陣営に加わっている。
衆院東京15区補選は他に諸派新人の福永活也氏(43)▽無所属新人の乙武洋匡氏(48)=国民民主推薦=▽参政党新人の吉川里奈氏(36)▽無所属元職の秋元司氏(52)▽日本維新の会新人の金沢結衣氏(33)=教育推薦=▽立憲民主党新人の酒井菜摘氏(37)▽諸派新人の飯山陽氏(48)▽無所属新人の須藤元気氏(46)─が出馬している。

選挙妨害と「こんな人たち」
阿比留瑠比の極言御免
2024/4/25 1:00
https://www.sankei.com/article/20240425-YSEBWF3T35P6NLUP2V35ADC4D4/
2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙戦では、特定の候補者が他の候補者の演説場所で大声を上げるなどの妨害行為を繰り返し、街頭演説の事前告知ができない異常事態が生じている。
有権者にとっては、候補者の主張に耳を傾ける機会を奪われることになり、民主主義の根幹を揺るがす大問題だとも言える。
だが、
「こんな事態」
を招いたのは誰か。
安倍晋三元首相の演説を組織的、継続的に妨害していた集団を
「表現の自由だ」
と無理やり庇い、正当化し、逆に彼らを
「こんな人たち」
と呼んだ安倍氏を一方的に批判してきたマスコミや野党だったのではないか。
■安倍氏につきまとい
安倍氏は平成29(2017)年7月の東京都議選の街頭演説で、毎回のように演説会場に来ては
「安倍辞めろ」
と連呼する同じ顔ぶれの集団について訴えた。
「あのように人の主張の訴える場所に来て、演説を邪魔するような行為を私たち自民党は絶対にしない」
「私たちはしっかりと政策を真面目に訴えていきたい」
「憎悪からは何も生まれない」
「相手を誹謗中傷したって、何も生まれない」
「こんな人たちに、私たちは負けるわけにはいかない」
何もおかしな事は言っていない。
力ずくで演説を妨げようとするヘイト的な言動には負けずに、政策を説いていくと主張しているだけではないか。
ところが、朝日新聞などは
「こんな人たち」
と述べた部分を切り取り、以後、何年経っても延々と安倍氏の批判を続けていく。
例えば令和元(2019)年7月の社説では
「自らに厳しい世論に向き合わない姿勢が批判された」
と記し、令和3(2021)年3月の記事ではこう強調した。
「自らに批判的な聴衆に向けられた言葉は『友と敵』を分ける安倍首相の政治手法の象徴と受け止められた」
とはいえ、執拗に
「安倍辞めろ」
と叫び続けた連中はそもそも
「聴衆」
とは言えないし、
「受け止められた」
のではなく朝日新聞がそう決め付けただけだろう。
朝日新聞は、安倍氏が暗殺された1年後、令和5(2023)年7月8日の社説でも安倍氏批判を続けた。
「『こんな人たち』『悪夢のような民主党政権』」
「敵対を煽り、そこから権力行為のエネルギーを汲み上げる手法である」
安倍氏の演説の言葉からは、そんな意図は汲み取れない。
むしろ朝日新聞が、安倍氏の死去後も安倍氏への反感や憎悪を煽り続けていることが窺える。
■警察の委縮
安倍氏の街頭演説を巡っては令和元(2019)年7月、東京都中野区でこんな事もあった。
「安倍辞めろ」
などと騒いでいた集団がうるさく、演説が聞こえないのである女性が集団に注意し、その場にいた警官にも対処を要請した。
ところが双方が聞き入れないので実態を記録しようと集団にスマートフォンを向けて撮影しようとしたところ、集団がスマホを取り上げ、地面に叩き付けて破壊したのである。
後に警察は女性にこう釈明した。
「注意すると人権問題だとか差別だとか言われるから」
「強力には排除できない」
演説を妨害する暴力をマスコミや野党、裁判所が擁護してきた結果、警察が委縮し、取り締まるべき行為を目こぼしする。
野党も矛先が安倍氏や自民党に向いている間は、人権派ぶって彼らを排除するのはおかしいと擁護する。
その行き着いた先が、安倍氏が街頭演説中に凶弾に倒れるという悲劇だったのではないか。
「こんな人たち」
は、厳しく排除して当然である。

東京15区補選で波紋広げる選挙妨害 公選法改正の動きも 告示後、公然と行為は異例
2024/4/25 18:54
https://www.sankei.com/article/20240425-5GR7WOENBZGOTIKXMQA7GWZTRM/
衆院東京15区補欠選挙(2024年4月28日投開票)で一部の陣営が他候補の演説会場に駆け付け、大きな声で政策やスキャンダルについて質問≠キる行為を繰り返し、円滑な選挙活動が妨害されている。
こうした動きを受け、与野党からは公職選挙法を改正し、妨害への規制強化を検討するよう求める声も出始めた。
■活動中止するスタッフも
「まだまだ妨害行為は止まらない」
「何らかの法規制が必要ではないか」
日本維新の会の若手議員は、こう問題意識を投げかける。
同区補選には維新の候補も出馬しており、一部の陣営は維新が成功を目指す2025年大阪・関西万博の開催の是非などについて維新陣営に執拗に質問を浴びせている。
選挙会場は罵声とも取れる大声が飛び交う事態となっている。
若手議員は
「暴行罪で訴えられるレベルで、少なくとも威力業務妨害罪には該当するのではないか」
と語る。
実際、ある陣営のボランティアスタッフの女性は妨害活動に直面し、恐怖のため選挙活動が継続できなくなったという。
維新や国民民主党からは、公選法の選挙の自由妨害罪の適用がしやすくなるような法改正や罰則の強化などの検討を求める声が上がっている。
■多くの議員が類似の被害経験
選挙ポスターを剝がされるといった妨害は、過去に多くの与野党議員が被害に遭っている。
自民のベテラン議員は
「街頭演説中に
『お前の演説など聞きたくないんだ』
と怒鳴られた」
と振り返った。
別の自民の若手議員は、東京電力福島第1原発事故を巡って街頭演説中に批判されたという。
「『お前ら自民党が原発政策を進めたんだろう』
と怒鳴られ、持っていたのぼり旗を蹴られ、地面に転がった旗も再び蹴られた」
と語る。
令和4年7月に死去した安倍晋三元首相も街頭演説中、
「安倍辞めろ」
などと連呼する集団に妨害された。
一方、選挙が告示された後の妨害行為は、これまで今回のように公然と行われるケースは少なかった。
立憲民主党の辻元清美参院議員の場合は、演説の際に辻元氏のマイクが奪われ、事務所関係者が暴行されたことがあった。
刃物が事務所に届けられた経験もあるというが、こうした嫌がらせは選挙の告示前だったという。
立民関係者は
「選挙が始まってから辻元氏に対する妨害は記憶にない」
「告示後に妨害すれば捕まる可能性が高まるからだろう」
「今回の東京15区の件は確信的な行為だと言える」
と語る。
■玉木氏は妨害候補と対話
東京15区補欠選挙を巡っては、国民民主の玉木雄一郎代表が2024年4月23日、同党が推薦する候補の応援に駆け付けた際も、一部陣営の候補が駆け付け、玉木氏に向かっていった。
国民民主の関係者は候補を制しながら、
「あなたにも選挙の自由がある」
「こちらにも選挙の自由がある」
と訴え続けたが、候補は目を合わそうとしなかったという。
この関係者は産経新聞の取材に
「(一部陣営が)『選挙妨害ではない』と言っても、選挙の自由と自由が衝突すれば、残るのは妨害行為だ」
「有権者が見ている前で恥ずかしくないのか」
と憤った。
一方、玉木氏は一部陣営が求める質問≠ノ約20分応じていた。
一部陣営の候補も玉木氏の姿勢に満足したのか、玉木氏にグーサインを向けてその場を去っていった。
国民民主の伊藤孝恵参院議員も2024年4月25日、東京15区補選で応援に駆け付けた際、一部陣営に遭遇した。
伊藤氏はその様子についてX(旧ツイッター)にこう書き込んだ。
「質問に答えろよ! 質問に答えたら静かにしてやるよ! と絶叫されていたので、私が答えます!と名刺を渡したら
『なんだ国民民主か、国民民主は昨日“たまちゃん”(=玉木氏)に答えてもらったからもう用はない』
と言われました」

選挙妨害、処罰の可能性 総務相「妨害はあってはならない」適切な運動求める
2024/4/23 17:03
https://www.sankei.com/article/20240423-QDT3T7KMMZPZ5BJDFTOSIJD6SU/
松本剛明総務相は2024年4月23日の記者会見で、2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で、候補者が街頭活動中に妨害を受けているとの指摘に関し、公選法の自由妨害罪や刑法の暴行罪などの処罰対象になり得ると述べた。
選挙運動の関係者に対し
「妨害はあってはならない」
「法を犯すことなく公正、適切に選挙運動を展開して頂きたい」
と求めた。
日本維新の会の音喜多駿政調会長は2024年4月23日、自由妨害罪の罰則強化などの公選法改正案について、今国会提出を目指す考えを記者団に明らかにした。
「選挙妨害は許さないとの強い意思を示すべきだ」
「各会派の協力を仰ぎたい」
と語った。
国民民主党の玉木雄一郎代表も会見で罰則強化の改正が必要との認識を示した。
東京15区補選では、街頭演説会で陣営関係者とみられる男性を突き飛ばしたとして逮捕者が出ている。
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/546.html#c60

[政治・選挙・NHK294] 蓮舫氏、連合や国民民主の「共産と連携する人は応援できない」批判にどう答えた? 東京都知事選(東京新聞) 蒲田の富士山
20. 秘密のアッコちゃん[376] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年6月08日 06:08:09 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[489]
<■396行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
<主張>改正民法成立 共同親権で子の最善図れ
社説
2024/6/8 5:00
https://www.sankei.com/article/20240608-KVP6HSAP4BK5HBSL53BUHTP7ZI/
離婚後の親権を父母の双方に認める
「共同親権」
を盛り込んだ改正民法などが可決・成立した。
令和8年までに施行される。
これまで離婚後の親権は一方の親が持つこと(単独親権)になっていたが、父母が合意すれば共同親権を選べる。
離婚後の親権が見直されるのは77年ぶりだ。
子供の
「最善の利益」
を実現することが狙いである。
単独親権では、親権を持たない親が我が子と面会すらできないケースがあり、それが子供の利益も損なっていると指摘されていた。
法改正により、離婚後も父母の双方が子育ての務めを果たせるようにしたのは妥当だ。
ただ、単独親権か共同親権かで父母が合意できない場合は家庭裁判所が判断する。
その責任は重大だ。
家裁は施行までに、的確に判断できる体制を整えてもらいたい。
政府も家裁調査官らの増員など、必要な施策を講じるべきである。
共同親権では、子供の進学先や医療行為などには父母の双方が関与するが、習い事など
「日常の行為」
や緊急手術など
「急迫の事情」
については同居の親が単独で決めることができるとした。
しかし線引きは曖昧だ。
政府は、単独で決められるケースを具体的に、分かり易く示す必要がある。
既に離婚している場合でも、施行後に単独親権から共同親権への変更を家裁に申し立てることができる。
家裁が扱う案件が急増することも予想され、準備を急がねばなるまい。
懸念されるのは、虐待やドメスティックバイオレンス(DV)の【恐れ】があるケースだ。
今回の法改正で、虐待やDVなどの【恐れ】があれば家裁は単独親権にしなければならないと定めたのは当然だろう。
離婚後の養育費も大きな課題だ。
共同親権でも単独親権でも最低限支払うべき金額を
「法定養育費」
として設定したことは評価できる。
近年は国際結婚が破綻した際、日本人の親が子供を連れて帰国したり、外国人の親が母国に連れ去ったりするトラブルが相次いでいた。
このため共同親権を認める法整備が海外からも求められていた。
夫婦関係が終わっても、父母の双方が子供の幸せに努める。
それを当たり前にする環境を整えたい。

骨抜きにされた共同親権…DV、女性救済は本当か
弁護士・北村晴男
2024/3/24 8:00
https://www.sankei.com/article/20240324-O5WWCDANGNMIFP3GA2PR627G2Y/
離婚後の親権を父母の一方にしか認めない民法は稀に見る悪法である。
離婚により、子は愛する親の一方と祖父母を失う。
子にとって、両親や、多くの大人から愛され、見守られて成長することがとてつもなく重要である。
他方で子や孫を失う者の悲しみも計り知れない。
そのため、親権を争う者は互いにドメスティックバイオレンス(DV)を捏造してまで誹謗中傷を行い、
「長期間子の面倒を見た」
との実績を作るため、突然子を連れて家を出る。
それが当たり前と考える日本人は、国際結婚でも突然子を連れて帰国し、拉致誘拐犯として指名手配を受ける。
ハーグ条約に加盟しながら、子を本国に返さない日本は
「拉致を助長する国」
として国際的非難を浴びる。
これではまずいと考えた政府は法務省の法制審議会に、共同親権の検討を促した。
ところが、法務省に出向する裁判官は、共同親権を骨抜きにすべく企む。
欧米型の共同親権導入には裁判官の大幅増員が必要になると考える彼らは、少数の超エリートたるステータスを失う恐怖感からか、複数の活動家を法制審の委員に送り込む。
離婚を
「男性支配の組織である家族からの女性の解放運動」
と定義する活動家は
「父親と子の絆など不要」
「家族は悪」
と考えるのだろう。
「DV被害からの女性救済」
を過度に強調することで、共同親権反対の論陣を張る。
超保守的な裁判所が、活動家を利用して共同親権を骨抜きにするという前代未聞の事態となった。
その結果、
「選択的共同親権」
という巧妙な骨抜き法案が作られ、政府案となった。
骨抜きの1例は、
「例えば、共同親権を嫌う母親が、『元夫から自身がDVを受ける【恐れ】がある』と裁判所に訴えることで、単独親権を勝ち取れる」
という抜け道である。
子に暴力を振るう親は親権を失って当然だが、母親に対する父親からのDVの【恐れ】(・・・)を理由とするのはナンセンスである。
私は仲間と共に、
「原則共同親権」
こそが家族の絆を守り、子を幸せにする道であると信じ、海外の専門家も招いて民間法制審議会を作り、制度案と条文案を示して議員たちを説得してきた。
その過程で明確になったのは自民党議員たちの体たらくだった。
特に以前から共同親権を推進してきたはずの共同養育議連の中心メンバーは、
「原則共同親権は理想だがハードルが高い」
「まずは法務省案で一歩を踏み出すべきだ」
と述べ、その実、法務省に恩を売るために奔走する。
役所のイエスマンとなり、国益を全く考えない姿勢だ。
そんな中、野党実力者が述べた一言は衝撃だった。
「今の国会議員で、国益を考えて仕事をする人は1人もいませんよ」。
さもありなん、と思う。

共同親権、対立激しく「共同養育スムーズに」「DV見抜けない」
2024/5/17 19:07
https://www.sankei.com/article/20240517-VLILXFHHAFOBHBTO4FAJMIML6M/
離婚後も父母双方に
「共同親権」
を認める改正民法などが2024年5月17日、成立した。
共同親権導入を巡っては、改正民法の要綱案を答申した法制審議会(法相の諮問機関)や国会だけでなく、交流サイト(SNS)などでも、積極派と消極派との間で激しい意見対立が見られた。
国会審議に参考人として出席した当事者の間でも意見は分かれており、成立後も丁寧な運用が求められそうだ。
「共同養育がスムーズに実践されるきっかけになる」。
共同親権導入を盛り込んだ民法の改正案の審議で2024年4月3日、衆院法務委員会に出席した柴橋聡子さんはそう訴えた。
柴橋さんは、離婚後の父母による共同での子育て支援活動をする団体「りむすび」の代表を務める。
自身も離婚当初は
「別れた夫と関わりたくない」
と、父親と息子を面会させることに後ろ向きだったが、息子が精神的に不安定になり、考えを改めたという。
「子供にとって父母であることは離婚しても変わらず、親子関係は続く」
「(共同親権導入で)離婚した後も親は2人、ということが浸透する」
とし、共同親権導入を求めた。
一方、法務委にはドメスティックバイオレンス(DV)の経験から共同親権導入に反対する女性も衝立を立てた上で、参考人として出席した。
夫から暴言や物を壊されるなどのDVを受け、子を連れて夫と別居。
子と夫の面会交流に関する裁判だけでも5年を要し、離婚はまだ成立していない。
改正民法ではDVなどの【恐れ】がある場合は家裁が単独親権と判断するよう定めているが、女性は
「今でさえ裁判所はDV、虐待を見抜けていない」
とし、家裁の判断に不信感を表明した。
衆院法務委は、DVなどを見極める能力を向上させるために裁判官の研修を求める付帯決議も採択しており、政府は改正民法施行後も様々な対策を求められそうだ。

共同親権導入、虐待やDV防ぐ最後の砦=@負担増の家裁の機能強化急務
2024/5/17 17:12
https://www.sankei.com/article/20240517-5LOKXDSAIVP2FANHKWD3WRCCSM/
離婚後も父母双方に親権を認める
「共同親権」
を導入する改正民法などが2024年5月17日、成立した。
父母に合意がない場合は父母一方の単独親権にするか共同親権にするか家庭裁判所が判断することになる。
家裁の負担が大幅に増すことは必至で、離婚後の子育てに関する家事審判などが高止まりする中、家裁の大幅な機能強化が早急に求められる。
「家庭裁判所の人的、物的整備、充実が必要だ」。
東京家裁の調停委員の犬伏由子・慶応大名誉教授は2024年4月、衆院法務委員会で参考人として民法改正後の課題を挙げた。
改正民法では、親権者について父母の合意がなければ、家裁が共同親権か単独親権か判断する。
子の進学先や居住地などについて父母が対立した場合に、どちらに決定権があるかの判断も家裁に委ねられる。
ただ、家裁の負担は、現行法下でも既に増しているのが現状だ。
犬伏氏によると、家裁が判断するための下調べを担当する調査官の人数は限られている他、家事調停の部屋の数が足りないことから審理の日程が先延ばしされたケースもあり、負担増で審理に支障が生じ始めている。
最高裁によると、令和4年に子の養育費や面会交流、子の身の回りの世話をする親の指定などに関する家事審判や調停の新規受理件数は約4万4000件。
前年からは減少したものの、平成25年からは約1割増加して高止まり状態となっている。
平均審理期間は近年は毎年上昇しており、平成25年に5.6カ月だったのが令和4年には8.5カ月に。
半年以内に審理が終わる割合は5割を切っており、中には3年を超える審理もあった。
改正民法では親権の判断の際にドメスティックバイオレンス(DV)や虐待の【恐れ】を考慮することが明記されているが、父母の意見が真っ向から対立して審議の見極めが困難なことも多い。
児童虐待防止に取り組むNPO「シンクキッズ」代表理事の後藤啓二弁護士は虐待の【恐れ】などを裁判官が
「正確に判断できるか心許ない」
と指摘。
児童相談所と警察が虐待情報を共有して家裁に提供できる仕組みの導入を求める要望書を2024年3月、法務省に提出した。
最高裁の戸倉三郎長官は2024年5月3日の憲法記念日に合わせた記者会見で改正民法について
「裁判官の知見を深めていく努力が不可欠」
と指摘。
「的確に判断できる態勢を作っていかなければならない」
としている。
■「親権」呼称見直しなど宿題
法相が法制審議会(法相の諮問機関)に諮問してから法制審、国会での3年以上に渡る議論を経て、共同親権導入が実現した。
一方、当初議題に上っていた
「親権」
の呼称そのものの見直しや、離婚後の子育ての
「養育計画」
策定の義務化などは見送られた。
運用基準に関する不明点も残っており、政府が取り組まなければいけない
「宿題」
は少なくない。
「親権は親の権利ではなく義務である」。
令和3年3月、共同親権の導入などについて法相から諮問を受けた法制審の部会の初会合では委員からそんな声が相次いだ。
法制審に先立つ令和3年2月、民法の専門家らが離婚後の子育てに関する課題をまとめた報告書では
「親権」
の用語が実態を反映していないとして、
「親責任」

「親責務」
などへの変更を提言。
離婚後の子育てに関する養育計画の策定促進なども盛り込まれた。
だが、その後の法制審でも国会でも、共同親権導入の是非に議論が集中。
用語の変更や養育計画化は見送られた。
改正民法などに盛り込まれた条文でも、曖昧さが残った。
条文では、共同親権となっても
「日常の行為」

「急迫の事情」
がある場合は父母の一方の単独で親権を行使できる場合が規定されたが、具体的にどんなケースが該当するかについては野党側からは
「分からない所がたくさん出ている」
との指摘が相次いだ。
こうした懸念を受け、衆参法務委員会の付帯決議では、養育計画促進事業への支援を求め、
「日常」

「急迫」
の定義をガイドラインで明示することが盛り込まれた。

「共同親権」認める改正民法が成立 77年ぶり規定変更 2年以内に施行
2024/5/17 13:44
https://www.sankei.com/article/20240517-D6RKDQ4SZJO2DDQDIRGSOPLPUY/
離婚後も父母双方に
「共同親権」
を認める改正民法などが2024年5月17日、参院本会議で自民・公明両党や日本維新の会などの賛成多数により可決、成立した。
令和8年までに施行する。
離婚後の親権に関する改正は原則、父親の単独親権としていた規定を父母のいずれかに改めた昭和22年以来、77年ぶり。
離婚後の家族の在り方の転換点となる。
厚生労働省によると、未成年の子がいる両親の離婚は年間約10万件。
子と別居する親から同居親への養育費の支払い率や、子と別居親の面会などの交流実施率も低調で、離婚後も父母双方が子育てに関わる制度への転換が求められていた。
改正民法では、婚姻状態に関わらず、子の養育を両親の
「責務」
とし、親権は子の利益のために行使すると明記した。
父母の合意で共同親権を認め、合意がなければ裁判所が判断。
ドメスティックバイオレンス(DV)や虐待の【恐れ】があれば単独親権とする。
施行前に離婚した父母も共同親権を申し立てられる。
同居親には、他の債権者に優先して養育費の支払いを得られる
「先取特権」
を付与。
合意がなくても最低限支払うべき金額を
「法定養育費」
として設定する。
子と別居親との面会などの交流は、申し立てを受けた裁判所の判断で、早い段階で試行するよう促せる仕組みも創設。
これまで認められていなかった交流申し立ての権利を祖父母らにも認める。
審議で親権に関して父母の不適切な合意が生じる懸念が示されたことを受け、真意を確認する措置の検討を求める付則を設け、政府や最高裁に配慮を求める付帯決議を衆参法務委が採択した。

共同親権法案、衆院通過 離婚後養育、民法改正 虐待・DV防止になお懸念
2024/4/16 14:02
https://www.sankei.com/article/20240416-LXRHNCJIQFNINCGC7VRI5NQFYU/
離婚後は父母どちらかの単独親権とする規定を見直し、共同親権を選べるようにする民法改正案が2024年4月16日、衆院本会議で与党などの賛成多数により可決された。
参院に送られる。
衆院審議では、父母が親権の在り方を決める際に
「真意を確認する措置を検討する」
と付則に盛り込むなどの修正がされたが、虐待やドメスティックバイオレンス(DV)の被害継続防止に尚懸念の声がある。
参院の審議も注目される。
改正案は、家族関係の多様化に対応し、離婚後も父母双方が養育に関われるようにすることが狙い。
父母が協議で親権の在り方を決め、折り合えなければ家裁が判断する。
成立すれば令和8年までに施行。
既に離婚した父母も、共同親権への変更を申し立てられる。
家裁は虐待・DVの【恐れ】があれば父母どちらかの単独親権と定め、加害者との共同親権は認めないとする。

離婚後の共同親権で4党が修正合意、衆院法務委で採決へ 付則で「父母の真意確認」
2024/4/11 18:17
https://www.sankei.com/article/20240411-NBHTMQ7AIBPJLPLID7ZB6EZNGI/
離婚後の共同親権を導入する民法改正案に関し、自民、公明、立憲民主、日本維新の会の4党の実務者は2024年4月11日、改正案の一部修正に合意した。
衆院法務委員会の理事懇談会後、複数の理事が明らかにした。
親権の在り方を決める際、父母の力関係の差で不適切な合意とならないよう
「真意を確認する措置を検討する」
などと付則に盛り込む。
2024年4月12日にも法務委で採決される見通し。
立民は、党として修正部分以外の改正案への賛否を明らかにしておらず、2024年4月11日夕の党会合で決めるとみられる。
関係者によると、修正は、ドメスティックバイオレンス(DV)があるケースで、父母が親権について対等な立場で合意できない【恐れ】があるとの懸念を踏まえた。
付帯決議で、共同親権下でも一方の親が単独で親権を行使可能な
「急迫の事情」
がある場合や
「日常の行為」
について
「具体的な類型をガイドラインなどで明らかにする」
と求める。

離婚後の共同親権可能に、民法改正案が衆院法務委員会で審議へ 小泉龍司法相が趣旨説明
2024/3/27 11:27
https://www.sankei.com/article/20240327-U3CCTYUF7NPRPOOU5NBW6F4EPM/
衆院法務委員会が2024年3月27日、開かれた。
離婚後の共同親権を選べるようにする民法などの改正案について小泉龍司法相が趣旨説明し、実質審議入りする見通し。
父母が別れた後も一緒に養育に関わるなど、家族関係の多様化に対応する狙いがある。
虐待やドメスティックバイオレンス(DV)の被害継続をどう防ぐかが焦点だ。
改正案は、離婚後は父母どちらかの単独親権を義務付ける規定を見直す。
施行前の離婚も、家裁への申し立てで共同親権に変更することが可能。
父母が協議で折り合えない場合、家裁が親権の在り方を判断する。
虐待・DV被害者らは、共同親権で加害者の元パートナーの関与が続くことを懸念する。
このため改正案は、虐待・DVの【恐れ】など
「子の利益を害する」
場合、父母どちらかの単独親権に定めるとし、被害防止を図る。

共同親権導入の民法など法案、14日に審議入り
2024/3/12 11:50
https://www.sankei.com/article/20240312-XWSIEULQQVOMRIKAVTPDLERTAA/
与野党は2024年3月12日の衆院議院運営委員会理事会で、現行では認めていない離婚後の共同親権を可能とする民法などの改正案を2024年3月14日の衆院本会議で趣旨説明し、質疑を行う日程で合意した。
改正案は、離婚後も父母双方が養育に関わりたいとの声が出るなど、家族関係の多様化に対応。
親権の在り方は父母が協議で決め、折り合えなければ家裁が判断する。

共同親権導入の政府案「実質『単独』維持ではないか」 櫻井よしこ氏寄稿
2024/3/8 19:32
https://www.sankei.com/article/20240308-KTVDNDRF5VLLVJRBXEQBNE3HBA/
政府が2024年3月8日、離婚後も父母双方に親権を認める
「共同親権」
導入を柱とする民法などの改正案を閣議決定した。
ジャーナリストの櫻井よしこ氏は産経新聞への寄稿で
「事実上、単独親権制度の維持を図る結果になるのではないか」
として改正案の問題点を指摘した。

たとえ両親が離婚しても、子供は二親の愛を受けて育つべきだ。
両親は自分が親権を取ろうが取るまいが、子供に愛を注ぎ養育に責任を持つ義務がある。
これは世界の先進国の常識である。
しかし、政府が2024年3月8日閣議決定した
「共同親権」
導入を柱とする民法などの改正案は共同親権とは名ばかりの実質単独親権制(離婚時に父母の一方のみを親権者とする制度)を温存するものだ。
政府案の欠陥の
第1は、選択的共同親権制(父母の合意によって父母の一方が親権を放棄できる仕組み)を採用したことだ。
親権は父母の権利でもあるが前述のように子供への義務、責任である。
子供を産んだ以上、その子が成人するまで養育の責任は父と母にある。
しかし、政府案は父母の責務を定めているものの、父母の合意で一方の親に親権放棄を認めている。
子供にとってこれがどれほそ残酷か。
選択的共同親権は父母の一方が
「子を捨てる」
選択になるからだ。
自分が親から捨てられたと知った子供の悲しみを想像してほしい。
このような政府案は
「親とは何か」
が分かっていない血の通っていない法案だと思う。
第2に、一方または双方の親を監護権者に指定でき、子の監護権と居所指定権を付与する点だ。
監護権とは聞き慣れない言葉だが、子を養育する権利のことだ。
居所指定権は子供をどこに住まわせるかを決める権利で、この2つが親権の中核的要素である。
離婚時に親権者となったとしても監護者に指定されなければ、その親は子育てから排除されたり突然子を連れ去られたりしても、抵抗できない。
監護者になれなかった親は親権を奪われたに等しい。
第3に、
「子の利益のため、父母が共同して親権を行うことが困難」
だと裁判所が判断すれば、一方の親から親権を剥奪してもよいとしている点だ。
離婚する夫婦の間には強い葛藤があり制度で強制しない限り、力を合わせて親権を全うすることができない事例が多く、裁判になりがちだ。
政府案に従えばこれら大半の事例に関して裁判官の裁量で父母の一方から親権を剥奪できることになる。
単独親権制を取っている今の裁判所の運用と何も変わらない。
政府案は先進国の全てが採用している共同親権制度を表向き導入するかのように装い、事実上単独親権制度の維持を図る結果になる。
狡猾な騙しではないか。
共同親権制度の大前提は
「夫婦の縁の切れ目を親子の縁の切れ目にしてはならない」
ということだ。
児童虐待などがある場合を除き、親は婚姻中であろうとなかろうと、子供との絆を断つことは認められない。
子供は両親の愛と保護を受ける権利があり、共同親権は子供にとっての権利であることを忘れてはならない。
子供から親の1人を奪う政府案は子供、親、祖父母など家族全員にとっての悲劇であると共に、日本を国際社会の異常な国に据え置くものだ。

養育費、親子の交流… 民法改正案、共同親権以外にも制度変更 離婚後子育て環境に転換点
2024/3/8 17:32
https://www.sankei.com/article/20240308-TARLT6D5A5LQDIIH6W72SBUJ6Q/
2024年3月8日に閣議決定された民法などの改正案。共同親権の導入ばかりがクローズアップされているが、婚姻関係にかかわらず両親が子を育てる責務を明記し、養育費の支払いや親子の交流を促す制度の創設などにも踏み込んでおり、離婚後の子育て環境の大きな転換点となりそうだ。
厚生労働省が令和3年度に実施した調査によると、子と別居中の親が同居中の親に支払う養育費が実際に支払われるのは母子世帯で28.1%、父子家庭では8.7%。
親子の交流が実施されるのは母子家庭が30.2%、父子家庭は48.0%と、いずれも不十分だ。
改正案では婚姻関係にかかわらず、両親には子を養育する責務があると明記。
離婚後でも子の利益のために、互いの人格を尊重して協力することも求めた。
養育費については両親の合意がなくても最低限の金額を請求できる
「法定養育費」
を設けた。
他の債権者に優先して支払いを受けられる
「先取特権」
を付与し実効性を担保する他、裁判所が相手の収入開示を命令できる制度も整備する。
別居中の親と子の交流については家裁の審判中でも早期の段階で家裁が交流を試行的に促せる制度も新設。
離婚前に別居中の親子が交流するための規律も整えた。
また、これまで両親しか申し立てできなかった親子の交流について祖父母らも家裁に直接、申し立てられるようにする。

「共同親権」含む民法改正案が閣議決定、国会審議の焦点は? 親権の判断基準や家裁機能
2024/3/8 17:08
https://www.sankei.com/article/20240308-PCRFA6434JIPBGQFCVOBILDHHM/
離婚後も父母双方に親権を認める
「共同親権」
導入を柱とする民法などの改正案が2024年3月8日、閣議決定された。
共同親権を巡っては、改正案の元となる要綱案を策定した法制審議会(法相の諮問機関)でも議論が白熱。
部会では積極派と慎重派の間の溝が埋まり切らず、要綱案取りまとめで一部が反対に回るなどしており、国会でも、共同親権を認める際の判断基準などが論点になりそうだ。
■DV懸念で慎重論も
法制審の家族法制部会は令和3年3月に初会合を開き、令和6年1月に要綱案を取りまとめた。
約3年がかりの議論の大半が費やされたのが、共同親権導入の是非だった。
現行の民法は婚姻中は両親共に親権を認めるが、離婚後は一方にのみ認めており、離婚後の共同親権導入の是非が法制審に諮問されていた。
部会では、導入積極派が大勢を占めたものの、ドメスティック・バイオレンス(DV)や児童虐待を懸念する一部委員は慎重論を展開。
導入されれば、別居中の親が子育てに関わるのと並行し、相手へのDVや子供への虐待が続く恐れがあるとの懸念が表明された。
■同意なければ「単独親権」明記
議論を受け、改正案では、両親の同意で共同親権が導入できるとする一方、同意がなく、DVや虐待などの恐れがある場合は単独親権とするよう明記した。
今回の法案では、共同親権の場合でも、DVからの避難などに関しては単独での親権行使を認める条項も設けられたが、一部委員は定義が曖昧として要綱案の段階で反対。
同意がない場合に単独親権か共同親権かを判断する家庭裁判所の機能拡充を求める提案も含め、要綱案では
「異例」(大村敦志部会長)
の付帯決議が付けられた。
■与野党の重鎮交え勉強会も
部会で焦点となった家裁が共同親権を判断する際の基準や、家裁の体制の整備は、国会でも議論の対象となりそうだ。
国会では野党だけでなく、与党にも慎重な議論を求める声があり、与野党の重鎮を交えた勉強会も開かれている。
勉強会に参加した自民党議員は
「勉強会での議論を国会などにも生かしたい」
としている。
小泉龍司法相は2024年3月8日の閣議後記者会見で
「国民に立法趣旨と中身を理解してもらい、必要な議論を重ねたい」
と述べた。

離婚後の「共同親権」を導入、民法など改正案を閣議決定 離婚家族の支援策も拡充へ
2024/3/8 9:06
https://www.sankei.com/article/20240308-BK2OLJE6B5IPBDZI7ZXLRFIMSU/
政府は2024年3月8日、離婚後も父母双方に親権を認める
「共同親権」
を原則とする民法などの改正案を閣議決定した。
ドメスティックバイオレンス(DV)対策など離婚後の家族に対する支援策も拡充する。
成立すれば、離婚後の親権に関する家族法制改正は77年ぶり。
令和8年までに施行される。
政府によると、両親が離婚した未成年の子は昭和35年に約7万人だったが、令和3年には約18万人に増加。
一方、別居親から養育費が支払われない事例や別居親と子の面会が実現しない事例が後を絶たず、対策を求める声が高まっていた。
改正案では養育を両親の
「責務」
と定め、親権は子の利益のために行使するものと明記する。
離婚後は父母どちらかの単独親権を義務付けてきた現行規定は改め、父母の同意があれば原則、共同親権を認める。
同意がない場合は家庭裁判所に決定を委ね、DVや虐待などの恐れがある場合は単独親権とする。
法施行前に離婚した父母にも共同親権を認める。
共同親権の場合でも、DVからの避難など単独で親権を行使できる要件を明確化。
親権に関する父母の対立を調整する裁判手続きも新設する。
養育費は他の債権者よりも優先して支払いを受けられる特権を付与し、最低限、支払うべき金額も設定。
家裁が早い段階で別居親と子の面会を促せる規定も整備する。

共同親権
親権は、未成年の子の身の回りの世話・教育といった身上監護や、財産を管理する権利の総称で、義務の性質もあるとされる。
現行民法は、婚姻中は父母の共同親権を認める一方、離婚後は父母の一方のみを親権者とする単独親権しか認めていない。
離婚後の共同親権は米国や中国、欧州各国などで認められる一方、インドやトルコでは認めていない。
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/543.html#c20

[政治・選挙・NHK294] 選挙のプロが読み間違える「小池250万票、蓮舫200万票」(田中龍作ジャーナル) 赤かぶ
24. 秘密のアッコちゃん[377] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年6月08日 14:35:02 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[490]
<■259行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
米高官 中朝露の核の脅威拡大で「数年内に戦略核の増強も」可能性示唆で牽制
2024/6/8 13:51
https://www.sankei.com/article/20240608-XSDDFSBVTVNVDBUNWNLKVSM6XM/
米国家安全保障会議(NSC)のバディ上級部長(軍縮・核不拡散担当)は2024年6月7日、中露などによる核戦力の増強を巡り
「敵対国の軍備(増強)に変化がない場合、数年内に米国による戦略核兵器の配備拡充が必要となる局面が来るかもしれない」
と述べた。
核軍縮に取り組む一方で、脅威が高まり続ければ核戦力の態勢変更に踏み切る可能性を示唆し中露などを牽制した。
バディ氏は米シンクタンク
「軍備管理協会」
の会合で、中国やロシア、北朝鮮が
「猛烈な速度で核兵器を拡大、多様化している」
と指摘。
深刻化する米国や同盟国への脅威を強調した。
軍備管理に向けた米国の働き掛けに中朝露が
「ほとんど、あるいは全く関心を示していない」
とし、対話による軍縮が難しい実態を説明した。
こうした状況を踏まえ、敵対国が核兵器の増強を一方的に進めた場合には、
「抑止力と安定の維持に向けて米国の態勢と能力を適応させるしかない」
と指摘。
抑止力が機能するよう戦略核の配備拡充を米大統領が決断する場合に備えて準備する必要性も語った。
また、核を含む戦力で同盟国を守る
「拡大抑止」
の取り組みを強化していく考えも示した。
米国防総省は2023年10月、中国の運用可能な核弾頭数が前年(2022年)の400発超から500発超に増加したとの推計を発表。
2030年までに1000発超に達するとの見通しを示している。
米露間で唯一残った核軍縮合意の
「新戦略兵器削減条約(新START)」
も2023年2月にロシアが履行停止を発表するなど、北朝鮮を含め核の脅威が高まっている。

<正論>日本は核抑止戦略の構築を急げ 
麗澤大学特別教授、元空将・織田邦男
2024/5/7 8:00
https://www.sankei.com/article/20240507-FSLKWJRLEJJ3PA3BJCT5ZQUM5M/?578363
■対北「専門家パネル」廃止で
対北朝鮮制裁の履行状況を監視する国連安全保障理事会の専門家パネルの任期が2024年4月末で切れた。
任期を2024年5月以降も延長する決議案に対し、北朝鮮と友好関係を結ぶロシアが拒否権を行使し、専門家パネルは廃止に追い込まれた。
これまで北朝鮮は、安保理決議を無視する形で弾道ミサイルを発射し、軍事挑発を続けてきた。
2022年には約60発、2023年は25発以上の弾道ミサイル等を発射した。
2024年に入ってから既に約10発の弾道ミサイル、巡航ミサイルを発射している(2024年4月22日時点)。
2024年4月2日に発射したミサイルは極超音速滑空体搭載の新型中距離弾道ミサイル
「火星16B」
と発表された。
日本の弾道ミサイル防衛システムでは迎撃が難しいミサイルである。
北朝鮮は6回の核実験を実施し、既に小型化、弾頭化を実現している(防衛白書)。
2023年3月には
「戦術核弾頭」
を初公開し、2023年9月には初の
「戦術核攻撃潜水艦」
を進水させた。
2023年9月の最高人民会議では憲法に核戦力強化の明記を決め、核弾頭の大量生産を示唆した。
2027年までに最大242発の核弾頭を保有するとの見積もりもある(米国ランド研究所と韓国峨山政策研究院の共同研究)。
脅威は
「意図」

「能力」
の掛け算である。
北朝鮮は両者を有し脅威は明白だ。
2017年8月、金正恩総書記は
「日本列島如きは、一瞬で焦土化できる能力を備えて久しい」
と述べた。
2017年9月には
「朝鮮アジア太平洋平和委員会」

「日本列島は核爆弾により海に沈められなければならない」

「意図」
を明らかにしている(2017年9月14日、朝鮮中央通信)。
日本の国家安全保障戦略には
「北朝鮮は、核戦力を質的・量的に最大限のスピードで強化する方針であり、ミサイル関連技術等の急速な発展と合わせて考えれば、北朝鮮の軍事動向は、我が国の安全保障にとって、従前よりも一層重大かつ差し迫った脅威となっている」
とある。
専門家パネルがなくなれば、対北朝鮮制裁は更に無効化される。
■脅威に政府の動き鈍い
ロシアに弾薬提供した見返りの先端軍事技術支援もあり、北朝鮮の核・ミサイル整備はますます加速するだろう。
日本にとって北朝鮮の非核化は譲れない。
だが、
「重大かつ差し迫った脅威」
の割には、日本政府の動きは鈍い。
バイデン政権の北朝鮮に対する危機意識は希薄である。
米国家安全保障戦略には、
「拡大抑止を強化しつつ、朝鮮半島の完全な非核化に向けて具体的な進展に向けた外交を模索する」
とある。
これは事実上、何もしない宣言に等しい。
トランプ政権が目指した
CVID「完全で検証可能かつ不可逆的廃棄」
の目標は消滅した。
2017年8月、オバマ政権で大統領補佐官を務めたスーザン・ライス氏が
「核なき世界」
という論考を発表した。
「北朝鮮が核を放棄する見込みはない(略)必要であれば、我々は北朝鮮の核兵器を容認できる」
という核容認論である。
バイデン政権はこの延長上にあるように見える。
2024年4月10日の日米首脳共同声明
「未来のためのグローバル・パートナー」
では、
「国連安保理決議に従った北朝鮮の完全な非核化に対するコミットメントを改めて確認する」
とある。
だが
「次回の日米『2+2』の機会に、拡大抑止に関する突っ込んだ議論を行うよう、日米それぞれの外務・防衛担当閣僚に求める」
とあり、非核化への当事者意識も意欲も感じられない。
日本は米国の脅威認識に引きずられてはならない。
■怯えるだけでは御し易し
北朝鮮のICBMが、米国本土に届くようになれば、米国の
「核の傘」

「破れ傘」
と化す。
2023年12月、米国本土に届く固体燃料の
「火星18号」(射程1万3000キロ)
が初発射された。
米国の拡大抑止が機能不全に陥れば、日本は北朝鮮の核の前に為す術を持たなくなる。
脅威に怯え、右往左往して妥協を繰り返すだけでは、主権国家とは言えない。
「独裁国家が強力な破壊力を持つ軍事技術を有した場合、それを使わなかった歴史的事実を見つけることができない」
と歴史家は語る。
北朝鮮を決して侮ってはならない。
ウクライナ戦争で、核大国ロシアは非核保有国ウクライナを核で威嚇、恫喝した。
その結果、核不拡散体制は瓦解寸前にある。
北朝鮮が核放棄しないだけでなく、核保有を目指す覇権主義国家が続々と現れるだろう。
専門家パネルの消滅は、
「核拡散」
の引き金となるかもしれない。
破れつつある
「核の傘」
に執着し、脅威から目を背け、
「非核3原則」
を壊れたレコードのように繰り返すだけでは平和と安定は保てない。
紙幅の関係上、中国の核については触れなかったが、問題は同じである。
核の脅威にただ怯えているだけでは、それを保有している国から見れば、最も御し易い国に違いない。
降りかかる
「核の脅威」
をどう撥ねのけるか。
核抑止戦略の構築は待ったなしだ。
タブーなき議論を直ちに開始し、早急に核抑止戦略を構築しなければならない。

<正論>日本だけ非核国で本当によいか 
龍谷大学教授・李相哲
2024/3/8 8:00
https://www.sankei.com/article/20240308-UTKHF5L3BFKKRHCDAE7575VOBM/?437518
最近、ある韓国国策研究所の研究員から驚くべき話を聞いた。
韓国が核武装をするのは時間の問題だという。
その理由は北朝鮮の非核化が絶望的になっており、米国に頼るだけでは不安だから韓国人の10人に6人は独自の核保有は必要と考えているためという。
韓国サンド研究所が2022年7月に実施した調査では74%の韓国人が
「独自の核開発に賛成」
だった。
同研究員によれば、それまで独自の核開発は
「自殺行為」
と否定的だった安保分野の専門家の多くが今は賛成に転じている。
■韓国の核保有は時間の問題
韓国独自の核保有を主唱する研究者の1人、韓国核自強戦略フォーラム代表で世宗研究所韓半島戦略センター長の鄭成長博士は、近著で核武装への具体的なロードマップまで提示した。
北朝鮮が7回目の核実験を行えば、韓国は核拡散防止条約(NPT)から脱退、6カ月以内に北朝鮮が非核化交渉に応じなければ核開発に着手するというものだ。
今や核保有に必要なのは強力なリーダーの出現のみという。
事実、韓国は1960年代終わり頃から朴正熙大統領の強力なリーダーシップの下で核開発を進めた歴史がある。
1969年7月、ニクソン米大統領は、アジアの安全はアジアの国々が自主的に責任をもつべきという
「ニクソン・ドクトリン」
を発表し、駐韓米軍撤収に言及した。
韓国が秘密裏に核開発を始めたのはこの時期と重なる。
今、韓国は再び独自の核保有を真剣に考えているようだ。
背景としては3つの要因が考えられる。
まず北朝鮮核への唯一の対抗手段だからだ。
北朝鮮はこれまで、核開発は米国に対抗する手段だと言ってきたが、最近では露骨に韓国を核で攻撃すると恫喝するようになった。
今のところ米国は、北朝鮮が核で韓国を攻撃した場合、金正恩政権は終末を迎えるだろうと警告はしたが、どの段階で具体的にどのような形の報復をするのかについては、明らかにしていない。
■ウクライナ戦争が示した教訓
第2に地域の平和のためだ。
第2次大戦後、核保有国の間で全面戦争が勃発した例はない。
韓国が核武装をすれば、北朝鮮の恫喝は通用しなくなるという論理だ。
2023年4月、クリントン元米大統領は、アイルランド・メディアとのインタビューで、ウクライナが旧ソ連解体時に保有していた核弾頭、長距離弾道ミサイル(ICBM)、戦略爆撃機をロシアに引き渡していなかったら、ロシアは簡単にウクライナを侵略することはなかっただろうと述べた。
第3に長期的には避けられない選択だ。
韓国が核を開発するためには、NPTから脱退しなければならない。
そうなれば、貿易立国の韓国は国際社会から孤立する。
貿易の20%以上を頼っている中国の制裁はもとより、米国も制裁措置を取る可能性がある。
更に、核燃料の100%を外国に依存している韓国は原子力発電ができなくなり経済は大きく後退するだろう。
それでも韓国の核自強論者たちは、核保有は国益に適うと主張する。
韓国は1960年代の韓国ではなく、経済規模においても軍事力においても
「大国」
だ。
米国は経済的、軍事的に韓国を必要とする。
米国の考えも変わりつつある。
トランプ前大統領は大統領選期間中の2016年3月、ニューヨーク・タイムズ紙とのインタビューで
「日本と韓国について、北朝鮮や中国から自国を防衛するために、米国に依存するのではなく独自で核兵器を製造することを容認する」
考えを示した。
■核保有なら日韓同時に
米政府の強力な反対がなければ、韓国の核武装は時間の問題かもしれない。
韓国が核武装すれば、東アジアの主要国の中、日本だけが非核国となる。
中国は、表向きでは北朝鮮の核保有に反対する姿勢を見せているが、その理由は日本の核武装に口実を与えるのが怖いからだ。
日本が核保有について真剣に議論を始めるだけで、中国は本気で北朝鮮の核を放棄させようとするかもしれない。
非核3原則を貫いてきた日本では核兵器に関する議論すらタブー視されている。
ただし、日本が置かれている安保環境は、韓国と大いに異なるわけでもない。
米国の反対を押し切り独自の核武装をしたフランスのドゴール大統領は回顧録『希望の回想』で、
「米国は西ヨーロッパがソ連の手中に落ちるのを見過ごすことはない」
「核で阻止する」
として説得しようとするケネディ米大統領に対し、
「ソ連の侵略がどこまで及んだら、いつの段階で、どの目標物を攻撃するつもりか」
と反問した。
するとケネディ氏は返事できなかったと記す。
今の日本が置かれている安保環境は、かつてのフランスよりはるかに安全とは言えない。
米国の対アジア政策が永遠に不変とも言えない。
東アジアのパワーバランスのために日本は韓国と協力して必要なだけ、必要な時期までにのみ核を保有するとすれば、実現の可能性は高くなるのではないか。

核の傍観者になるな 戦争を仕掛けさせない国防努力と米による抑止力
美しき勁き国へ 櫻井よしこ
2024/3/4 8:00
https://www.sankei.com/article/20240304-UHM6ZTJCVZML3HHOKNIBOGR5K4/
ロシアのプーチン大統領が2024年2月29日、上下両院議員を前に年次教書演説を行い、
「ロシアの戦略核戦力は臨戦態勢にある」
「それらを使用する能力は保証されている」
と語った。
ロシア領土を攻撃する国には幾層倍の報復をする、ロシアには十分な攻撃武器があるとも述べた。
核の恫喝を繰り返すプーチン氏の本音は2024年2月28日、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じた
「流出したロシア軍事資料が示す核攻撃の基準」
にも明らかだ。
FTによれば、同資料は2008年から2014年の間に作成された29の秘密資料からなり、中国の侵攻に備えた訓練の詳細も含まれている。
注目されたのは、ロシア軍が大国との紛争の初期段階で戦術核兵器の使用に踏み切る訓練を施されていることだった。
核投入のきっかけとなる具体例も明記されている。
敵のロシア領内への進入や、ロシアの弾道ミサイル潜水艦の20%が破壊された時などだ。
FTは専門家の見方として、これらの基準はロシアが従来、公式に認めていたものよりも低いと伝えた。
核使用に関して中国とロシアは同類だ。
人民解放軍の台湾作戦を前提とした野戦教範には
「放射能汚染の環境下での作戦」
という項目があり、中国が台湾攻略で核使用を前提にしているのが見て取れる。
台湾は今、一番危険な状況に置かれているのである。
中国は長年、自分たちの核兵器は抑止目的であり、先制使用はしないとの建前を掲げてきた。
だが彼らは、高精度のミサイルに載せる小型の戦術核を急増させるなど核軍拡を加速させている。
核を実際に先制使用するケースを想定しているとしか思えない。
防衛研究所防衛政策研究室長の高橋杉雄氏は『現代戦略論』(並木書房)で台湾有事のもう1つの側面を指摘する。
台湾有事は中国共産党にとって負けられない戦争になる。
敗北は共産党の支配体制の動揺・崩壊に繋がりかねないからだ。
中国と対峙する米国にも民主主義国のリーダーとしての地位があり、負けられない戦争となる。
戦いは必然的に大規模なものになり、核の使用もあり得る。
核を含む軍事力で恫喝する中露に我が国はどう対処するか。
岸田文雄首相は2024年4月の訪米でバイデン大統領と米議会に日本周辺の状況の厳しさを踏まえた上で日米連携の新たな地平を開く覚悟を語らなければならない。
第1に核にきちんと向き合うこと、第2に世界で最も危険な地域となった東アジアで、当事者だという自覚を伝えることだ。
日本の安全は日米同盟に大きく依拠している。
私たちが目にしているのは米国がロシアの核の恫喝に屈し続けている姿だ。
その結果、窮地に立っているウクライナを、他人事として傍観することは日本には許されない。
岸田文雄首相には、ウクライナへの武器装備の支援に踏み込むべく、反対する公明党の山口那津男代表を説得する政治決断が欠かせない。
他方、核兵器の使用まで視野に入れた安全保障を考えなければならない今、日本は米中2大国のせめぎ合いの中で、当事者としての責任を引き受け、具体的に行動するのが国益だ。
尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の海域には中国の公船はほぼ毎日侵入する。
尖閣を巡るせめぎ合いは勝つか負けるかのゼロサムゲームで、奪われれば我が国はほぼ永久に島を失う。
尖閣の先にある台湾を中国に占拠される場合もその傷は永久に日本を苦しめるだろう。
原油やLNG(液化天然ガス)を我が国に運ぶタンカーは台湾海峡もバシー海峡も通れなくなり、大回りして遥か南のロンボク、オンバイ、ウェタルといった海峡を使わざるを得ない。
航程は最大で25%ほども長くなり、その分、エネルギー価格は高騰し、経済に大きな負荷がかかる。
日本の力は減殺されていくだろう。
このような事態を招来してはならない。
中国共産党が台湾を諦めないのであれば、私たちも、台湾を守り通し日本を守り通す方策を考えるのが正解だ。
防衛研究所防衛政策研究室長の高橋杉雄氏は先述の書で台湾を巡る攻防で、日米の戦略目標は現状維持でよいのに対して、中国は現状変更しなければならず、この2つの戦略の違いに注目せよと説く。
一般論として
「攻者3倍の法則」
があるという。
現状打破の攻勢作戦には、攻める側は守る側よりも3倍多い兵力が必要だ。
となれば、台湾の現状維持を目指す日米の喫緊の課題は攻めてくる中国の少なくとも3分の1の軍事力を確保することだ。
これはまず日本自身が目指すべき水準であろう。
戦闘機、主要戦闘水上艦、潜水艦などで我が国は台湾有事を真に我が事として捉え、必死の努力を重ねるのが真っ当な道で、増額する防衛費が役に立つはずだ。
日本が具体的に軍事力構築の事例を示し、実績を上げることを明確にした後で、私たちは改めて米国に拡大抑止の担保を求めることができるだろう。
ロシアのもならず、中国および北朝鮮の核の脅威に晒されている我が国の現状はこれ以上ない程に厳しいのであるから、米国に拡大抑止について明確な誓約を示してもらう、あるいは日本としての核共有の話し合いに応じてもらう、更にはその先の可能性についても意思の疎通を図るよう要望することだ。
専制主義の隣接諸国の核の危険性に直面している我が国の厳しい安全保障環境はいくら強調しても、し足りない。
そうした専制主義の国々に、決して、戦争を仕掛けさせない、核を使わなせないために、我が国の国防努力に加えて、米国による強い核の抑止力が欠かせない。
岸田首相の訪米における最重要の使命はこうした事情を踏まえて、日米間での現実に即した深い議論を、日本側から提唱することだと思う。
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/555.html#c24

[政治・選挙・NHK294] デーブ氏のダジャレ「ソビエト蓮舫」が大バズり 米山議員「国際都市東京の顔に相応しい人」とフォロー(東スポ WEB) 達人が世直し
23. 秘密のアッコちゃん[378] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年6月10日 07:17:23 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[491]
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<主張>プーチン氏の暴言 北方領土に固執許されぬ
社説
2024/6/9 5:00
https://www.sankei.com/article/20240609-XUOW6TV7S5JY7P4QKLJZWNMI3U/
日本固有の領土である北方領土の不法占拠とウクライナ侵略を正当化する暴言だ。
到底容認できない。
ロシアのプーチン大統領が北方四島について
「これらの島々はロシアが主権を持つ領土で、(自分が)訪問しない理由はない」
「今は忙しくて計画はないが」
などと発言した。
サンクトペテルブルクでの国際会議に合わせた各国通信社との会見だ。
2024年1月、プーチン氏が
「将来必ず訪れてみる」
と北方領土初訪問という暴挙を示唆したことに関する質問への答えだ。
北方四島は1945年夏の終戦時、独裁者スターリンが日ソ中立条約を一方的に破って日本に侵攻し、不法占拠した。
プーチン氏は日露平和条約交渉についても
「対話を継続するための条件が整っていない」
「再開を拒否しないが、再開のためには日本側がまず政策を変更すべきだ」
と発言した。
平和条約交渉はウクライナ侵略開始直後の2022年3月、日本が対露制裁を科した報復としてロシア側が一方的に中断を表明した。
「対話継続の条件」
を取り払ったのは国際秩序を破壊したプーチン氏自身だ。
林芳正官房長官が
「日本側に責任を転嫁しようとするロシア側の対応は極めて不当であり、断じて受け入れられない」
と反論したのは妥当である。
平和条約締結について日本側の大前提は
「北方領土問題の解決」
だ。
ところが、プーチン氏は
「南クリール(北方四島))はロシアの領土で、国際法で確定している」
と一貫して虚説を唱えて日本を欺き、領土返還を話し合う意図など全くない。
4年前の2020年には
「領土割譲」
を禁止する憲法改正を強行した。
プーチン氏を領土交渉の真っ当な相手とは見做せない。
プーチン氏は、米欧がウクライナに供与した兵器でロシア領土の攻撃を認めた点にも言及した。
「西側諸国は、ロシアが核兵器を絶対に使わないと信じている」
とし、国家主権と領土の一体性が脅かされた場合、ロシアは
「あらゆる手段が使用可能になる」
と威嚇した。
日本はロシアの今後の不測の事態に備え、北方領土不法占拠と同様の非道な侵略を受けるウクライナと連携し、
「四島返還」
の正当性を粘り強く世界に発信し続けるべきだ。

ウクライナ軍、最前線で反撃か 東部2都市で露軍後退との分析
2024/6/8 9:10
https://www.sankei.com/article/20240608-ZFALATC2GNPJBK3LMSINKVLMIM/
ロシアによるウクライナ侵略で、ドイツ紙ビルトの軍事専門家は2024年6月7日、ウクライナ軍が東部ドネツク州の小都市チャソフヤルに隣接する集落カリニナの大部分を奪還したとする分析をX(旧ツイッター)で公表した。
この専門家はまた、ウクライナ軍が東部ハリコフ州の国境地帯の小都市ボフチャンスクでも露軍を後退させているとした。
ウクライナ軍は過去半年間以上、欧米の軍事支援の鈍化により劣勢を強いられてきたが、最近は支援が再び活発化したことなどを背景に、戦線の安定化に成功して一部で反撃しているとされる。
チャソフヤルは高台に位置する要衝で、過去数カ月間に渡って激戦が続いてきた。
露軍はチャソフヤルを制圧し、全域の掌握を目指すドネツク州の中心部方面への進軍ルートを確保する思惑だとみられている。
一方、ボフチャンスクは、2024年5月上旬に露軍が着手したハリコフ州への越境攻撃で攻防が焦点化。
一時は露軍が市内の約5割を制圧したが、最近はウクライナ軍が市内の8割近くの支配権を回復したと伝えられている。

プーチン氏「必要ない」 ウクライナでの核使用を否定 通常戦力での勝利に自信
2024/6/8 7:55
https://www.sankei.com/article/20240608-4I6A2WKUQJK5HNPFZNJX3GBD7U/
ロシアのプーチン大統領は2024年6月7日、ロシアが侵略を続けるウクライナ情勢について、通常兵器による戦闘で勝利を得られるとの見通しを示した上で
「核兵器を使うような状況でなく、その必要もない」
と述べた。
現時点で核兵器を使用する可能性を否定した形。
露北西部サンクトペテルブルクで開かれた露主催の国際経済フォーラムの全体会合の質疑応答で発言した。
プーチン氏は
「あらゆる紛争は勝敗に基づく和平合意で終わる」
「ロシアは当然、勝利を求める」
と指摘。
「核兵器を背景として欧米諸国にウクライナへの軍事支援を停止させ、戦闘を早期終結させるべきでないか」
との趣旨の質問をした司会者に対し、
「ロシアの核ドクトリンは、国家主権と領土保全が脅かされた例外的な場合にのみ核兵器を使用できると定めている」
「そうした状況にはなっておらず、そうした(核兵器を使用する)必要があるとは思わない」
などと述べた。
プーチン氏はまた、2024年初め以降に露軍がウクライナの集落47カ所を制圧し、同国領880平方キロメートルを支配下に置いたと主張。
その上で
「露国防省や参謀本部には目標完遂に向けた計画があり、それは必ず達成される」
「ロシアは砲弾の生産量を20倍超に増やし、航空機や戦闘車両の性能でも敵を大きく上回っている」
などと述べ、露軍の勝利に自信を示した。

北方四島の元島民らによる洋上慰霊、今年も8月中旬から実施 鈴木直道北海道知事が表明
2024/6/7 17:01
https://www.sankei.com/article/20240607-PCEU27NZJJI65C6K656PBRLKAA/
北海道の鈴木直道知事は2024年6月7日、北方領土の元島民らが北方四島付近の海上で先祖を供養する
「洋上慰霊」
を2024年8月中旬から2024年9月中旬にかけて実施することを明らかにした。
令和4年度に始まり、今回で3回目。
同日の定例記者会見で鈴木知事は、ロシアのウクライナ侵攻の影響で日露関係が厳しい状況にある中、北方四島交流事業再開の見通しが立たないことを踏まえ、
「墓参再開が第一との考えに変わりはないが、せめて島の近くで慰霊したいという元島民の思いに応えるための苦渋の決断をした」
と述べた。
過去2回の洋上慰霊は、北方四島交流等事業で使う船舶「えとぴりか」で根室市の根室港を出発。
国後島と歯舞群島の2コースに分かれ、日露中間ラインの手前で停泊して船上で慰霊祭を執り行った後、同港に戻る行程で実施された。
道の北方領土対策によると、募集時期などは現在調整中としている。
鈴木知事は2024年5月14日、千島歯舞諸島居住者連盟や北方領土復帰期成同盟の関係者らとともに岸田文雄首相と面会し、墓参の早期再開などを要請している。

林芳正官房長官、プーチン露大統領の発言は「極めて不当」
2024/6/6 12:05
https://www.sankei.com/article/20240606-YXFSXCJWQNLQPDEXEGSKJ4AMJY/
林芳正官房長官は2024年6月6日の記者会見で、ロシアのプーチン大統領が日本との平和条約締結交渉を続ける条件が整わないと発言したことについて、
「日本側に責任転嫁しようとするロシア側の対応は極めて不当であり、断じて受け入れられない」
と非難した。
林氏はロシアによるウクライナ侵略や、それに伴う日本の対露制裁を踏まえ
「日露関係は厳しい状況であり、平和条約交渉に関し具体的に申し上げられる状況ではないが、政府としては北方領土問題を解決し平和条約交渉を締結する方針を堅持する」
と語った。

プーチン氏「ロシア兵器で攻撃される可能性」 ウクライナ情勢で欧米に警告 日露関係にも言及
2024/6/6 8:33
https://www.sankei.com/article/20240606-3KNFD26MTBJKHLZJHCZ5PUSVJE/
ウクライナ侵略を続けるロシアのプーチン大統領は2024年6月5日、露国内を攻撃できる兵器をウクライナに供与する国があれば、その国と敵対する国や地域にロシアも兵器を供給することを
「検討している」
と述べた。
また、ウクライナに兵器を供与した国の
「重要目標が露製兵器で攻撃される可能性がある」
と警告した。
露北西部サンクトペテルブルクで2024年6月5日に開幕した経済フォーラムに合わせて行われた各国の通信社幹部らとの会見で発言した。
供与兵器による露国内攻撃を許可した欧米諸国が露製兵器で攻撃される可能性を示唆することで、欧米に対ウクライナ軍事支援の停止や露国内攻撃の許可の取り消しを迫った形だ。
プーチン氏はまた、欧米が兵器供与を停止すればウクライナでの戦闘は2〜3カ月で停止すると主張。
「欧米はロシアが核兵器を絶対に使用しないと考えている」
「ロシアの核ドクトリンに何と書いてあるか読んでほしい」
とし、国家主権や領土的一体性が脅かされた場合、ロシアは
「あらゆる手段が使用可能になる」
とも述べた。
一方で、ロシアが北大西洋条約機構(NATO)を攻撃する恐れがあるとする欧米側の観測は
「馬鹿げている」
と一蹴した。
プーチン氏は、ウクライナ侵略での露軍の損失に関し、
「ウクライナ軍より何倍も少ない」
と主張。
露軍の将兵1348人がウクライナ軍の捕虜となっている一方、ウクライナ軍将兵6465人が捕虜となっていると述べた。
プーチン氏はウクライナ侵略で過去最悪水準となった日露関係にも言及。
「ロシアは平和条約の締結交渉の再開を拒否しない」
としつつ、そのためには日本が対露姿勢を見直すことが必要だと主張した。
また、ロシアが不法占拠する北方領土を将来、訪問する可能性を排除しなかった。

<産経抄>「北方領土」から目をそらすな
2024/2/8 5:00
https://www.sankei.com/article/20240208-E3RIS6H4WZONNDNUATYOVTZCZY/
パリで1867(慶応3)年に開かれた万博には、幕府の使節団が派遣されている。
次の1万円札の顔となる渋沢栄一はその一員だった。
現地に着いた一行は、欧州の要人らにお土産を配っている。
「官板実測日本地図」
である。 
▼伊能忠敬の日本地図を基に、幕府の洋学教育機関である開成所が作製したものだという。
そこには北方四島が正確に書き込まれている。
その40数年前にできた伊能図には、国後島しか載っていなかった。
領土の歴史にピンときた人は多いだろう。 
▼日露間の国境を択捉島とウルップ島の間に定めた日露通好条約は、1855年の2月7日に調印された。
伊能図は日本で初めての実測地図だが、我が国の版図を外国人が誤認する恐れは拭えない。
それゆえ
「領土」
に正確を期した新たな地図を作製し、パリで配ったわけである。 
▼これらの経緯は、東京・虎ノ門の
「領土・主権展示館」
で開かれている企画展『日本の「かたち」を描く』(2024年4月14日まで)に教わった。
1945(昭和20)年の終戦時、日ソ中立条約を破って侵攻したソ連が北方四島を不法占拠してから、2024年夏で79年になる。 
▼終戦時に1万7291人いた元島民は、5208人に減った。
平均年齢は88歳、返還の願いは時間との戦いである。
きのうは
「北方領土の日」
だった。
「北方領土」
の言葉を聞いたことはあっても現状は知らない―。
内閣府の2023年秋の調査で、18〜29歳の47%がそう答えたという。 
▼「我々は日本人の『北方領土に対する感情』など何とも思わない」。
ロシアのメドベージェフ前大統領は、人を人とも思わぬ暴言をSNSに残している。
国土を荒らされ、唾を吐きかけられ、それでも
「現状は知らない」
と若者は目を逸らすのだろうか。

北方領土「返還がロシアの利益と思わせることが不可欠」鶴岡路人・慶応大准教授
2024/2/7 19:38
https://www.sankei.com/article/20240207-OZ5GHAAE25MYDFIJJURQWLR5XY/
2024年2月7日に
「北方領土の日」
を迎えるに当たり、『欧州戦争としてのウクライナ侵攻』などの著書がある慶応大の鶴岡路人准教授に話を聞いた。
■露のプロパガンダ信じるな
現状の日露関係は冷戦後最悪のレベルにまで冷え込み、北方領土交渉も進展の見通しはない。
関係悪化の原因はロシアによるウクライナ侵略だ。
ロシアは
「日本が対露制裁に参加した結果、日露関係が悪化した」
とのプロパガンダを流布しているが、これを信じてはならない。
日本が安倍晋三政権下で平和条約締結を目指した背景には、中国とロシアが徒党を組んで日本と対立する事態を回避する戦略的な狙いがあった。
しかし、日本は中露に楔を打つことはできなかった。
ロシアにとって中国との関係が悪化するリスクは極めて高く、対中関係を犠牲にしてまで日本との交渉を進展させる選択肢はない。
ロシアの対中依存は更に高まっている。
北方領土問題は日米同盟が続く限り、米国が最終的にカギを握る。
安倍政権下での交渉でロシアは返還後の北方領土への米軍駐留を認めない条件を突き付けたと言われる。
岸田文雄首相が領土問題の解決を掲げ続けるのは当然だが、日露だけでは最終的に完結しない。
そもそも、領土問題はロシアに返還の意思がなければ何も進展しない。
返還がロシアの利益と思わせることが不可欠だ。
ただし、ウクライナ侵略が終わり、対露制裁が解除されるような状況になるまでは交渉自体が成立し得ない。

首相「交流事業再開は最優先事項」 東京で北方領土返還要求全国大会
動画
2024/2/7 20:16
https://www.sankei.com/article/20240207-42HQ7BRO5ZIOPICD7B7Y56XLHI/
「北方領土の日」
の2024年2月7日、政府や関係団体は
「北方領土返還要求全国大会」
を東京都内で開いた。
大会アピールは、ロシアとの平和条約締結交渉が一方的に中断され
「領土問題は非常に厳しい状況に置かれている」
と指摘。
岸田文雄首相は元島民の高齢化に触れ、北方墓参を含む交流事業再開は
「最優先事項だ」
と訴えた。
ただロシアのウクライナ侵攻により日露関係は悪化しており、交渉再開の兆しは見えていない。
日本は2022年2月に始まったウクライナ侵攻を
「暴挙」
と非難し、制裁を発動。
反発したロシアは2022年3月に領土問題を含む平和条約締結交渉の中断を表明した。
日本は先進7カ国(G7)などと連携し、対露制裁を継続する構えだ。

ウクライナのコルスンスキー駐日大使「北方領土はロシアに占領された日本の主権領土だ」
2024/2/7 18:25
https://www.sankei.com/article/20240207-34ZJV7BOBNPBPNVRIEZDNODQVA/
ウクライナのコルスンスキー駐日大使は2024年2月7日、日本が同日に
「北方領土の日」
を迎えたのに合わせ、北方領土はロシアに占領された日本の領土だと、自身のX(旧ツイッター)に投稿した。
コルスンスキー氏は、
「今日改めて申し上げたいのは、北方領土はロシアに占領された日本の主権領土であるということだ」
と強調した。
その上で、
「私たちは、ロシアが再び敗北し、占領された全ての土地が虜囚の地から解放されるその日まで、共に歩んでいかなければなりません」
と訴えた。

「不法占拠、許されない」北方領土の日、露非難アピールを採択 首相「墓参事業に重点」
2024/2/7 18:02
https://www.sankei.com/article/20240207-OEOSISI5ZBN3FLXG634DV6CDII/
「北方領土の日」
の2024年2月7日、政府や関係団体は
「北方領土返還要求全国大会」
を東京都内で開き、北方四島について
「不法占拠されたまま今日に至っている」
「決して許されることではない」
とロシアを非難するアピールを採択した。
2023年と同じく
「不法占拠」
という表現を使用し、ロシアに対する厳しい姿勢を示した形だ。
大会に出席した岸田文雄首相は
「日露関係は厳しい状況にあるが、領土問題を解決し、平和条約を締結するという方針を堅持していく」
と語った。
北方墓参を含む交流事業の再開に関しては
「日露関係の最優先事項の1つだ」
「高齢になった元島民の切実な気持ちに応えるという強い思いで、特に北方墓参に重点を置き事業再開を引き続き求める」
と強調した。
採択されたアピールでは2022年2月24日以降のウクライナ侵略を踏まえ
「混迷を深める国際情勢の影響を受け、様々な取り組みが一方的に中断され、外交交渉再開の兆しすらも見えない」
「非常に厳しい状況に置かれている」
とした。
北方四島を巡っては、1945年8月、旧ソ連が日ソ中立条約を一方的に破棄して対日参戦し、不法占拠されて以降、日本人が自由に行き来できない状態が続いている。
ウクライナ侵略の影響で、北方墓参を含むビザなし訪問の再開の目処も立っていない。

<主張>北方領土の日 ウクライナと連帯強化を
2024/2/7 5:00
https://www.sankei.com/article/20240207-7TWVF6RAJNIRBAFTR47T6YJATY/
ロシアのプーチン大統領がウクライナ侵略を始めてから2度目の
「北方領土の日」
を迎えた。
択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島からなる北方四島は日本固有の領土である。
だが、1945(昭和20)年夏の終戦時、ソ連が日ソ中立条約を破って侵攻し、火事場泥棒的に占領した。
今もロシアが不法占拠している。
ウクライナはロシア軍に侵攻され、領土を占領されている。
北方領土とウクライナは同じ構図の問題と言える。
領土を取り戻すために日本とウクライナは連帯を強め、侵略者ロシアに立ち向かいたい。
岸田文雄首相は国会の施政方針演説で
「対露制裁、対ウクライナ支援は今後とも強力に推し進める」
「日露関係は厳しい状況にあるが、我が国としては、領土問題を解決し、平和条約を締結する方針を堅持する」
などと述べた。
「厳しい状況」
の中で岸田政権が取り組むべきことは制裁と支援にとどまらない。
日本はウクライナと同様に、ロシアに領土を不法に奪われている被侵略国だ―という事実を内外に強く発信することである。
2022年10月、ウクライナのゼレンスキー大統領は
「ロシアは北方領土には何の権利もない」
「我々はもはや行動すべきだ」
とする大統領令に署名した。
日本への心強いエールだったが、岸田政権は反応しなかった。
日本外交には北方領土問題の国際化戦略が欠けている。
プーチン氏は2024年1月、
「クリール諸島(北方領土と千島列島)」
について
「必ず訪れてみる」
と将来の北方領土上陸を示唆した。
メドベージェフ露国家安全保障会議副議長は岸田首相の施政方針演説を受け、SNSへの投稿で
「我々にとって日本国民の北方領土への感情などどうでもよい」
「それを悲しむサムライは日本の伝統的な方法で自決すればよい」
「そう、切腹だ」
と言い放った。
どちらも日本を愚弄する発言で到底容認できない。
北方領土に関する内閣府の直近の世論調査では、ロシアが不法占拠している現状について
「知らない」
と答えた若者(18〜29歳)が47%もいた。
北方領土の日を契機に、日本の主権が侵害された問題を改めて思い起こし、4島返還の実現へ結び付けねばならない。
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/558.html#c23

[政治・選挙・NHK294] たぶん、金子恵美さんだけがわかってないんだと思うよ。 室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
35. 秘密のアッコちゃん[379] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年6月10日 11:41:31 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[492]
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「アバレルヨー」本当に帰せるか 難民申請繰り返すクルド人ら改正法10日施行でどうなる
「移民」と日本人
2024/6/9 11:00
https://www.sankei.com/article/20240609-F3C6KZ33Y5PI5HP7RSBMWJ3BDY/
不法滞在者らが難民認定申請を繰り返して国内に在留する問題の根本的解決を目指す改正入管難民法が、2024年6月10日施行される。
難民申請中で入管施設への収容を一時的に解かれた
「仮放免者」
は今後どうなるのか。
強制送還に至ったとしても、帰国便で暴れるなど深刻なケースが後を絶たない中、本当に帰国させられるかなど注目される。
■2回以上申請1600人
「何度も難民申請している『古参』のクルド人男性が、今回の法改正と強制送還の動きに動揺している」
関係者はそう話す。
男性は出入国在留管理局(入管)で今回の法改正について説明を受けたという。
埼玉県川口市ではトルコの少数民族クルド人と地域住民の軋轢が表面化している。
仮放免者は、難民申請中などのため入管施設への収容を一時的に解かれた立場で不法滞在の状態だ。
出入国在留管理庁のまとめによると、市内には仮放免者が2024年4月時点で700人程度おり、大半はクルド人とみられる。
改正法施行により、2回目の難民申請まではこれまで通り母国への強制送還が停止されるが、3回目以降は新たに難民と認定すべき
「相当な理由がある資料」
を示さない限り、送還できるようになる。
入管庁の2024年3月のまとめによると、2回目以上の複数回申請者は全国に1661人。
トルコ国籍が402人と4分の1を占める。
全体の8割は2回目の申請だが、3〜6回目も計348人いた。
仮放免者が送還対象となった場合、一旦各地の入管にある施設に収容されることになるが、入管関係者は
「理由なく出頭に応じない場合は、入国警備官を自宅に派遣するなどして所在を確認することになる」
と説明する。
■「アバレルヨー」は罰則
強制送還はどのように行われるのか。
これまでの例から、大多数は自発的に帰国することが求められるが、多くは渋々ながらで、中には最後まで送還を拒否する者もいるという。
入管関係者によると、あるトルコ国籍の男性の場合、航空機の搭乗時に突然叫んで暴れ、放尿して抵抗、機長が搭乗を拒否した。
1週間後に再度試みたが、
「アバレルヨー」
と大声で宣言して再び暴れ、警備官らが両手足を押さえてようやく帰国便に乗せたという。
改正法では、収容施設から空港への移送中や航空機内で送還妨害行為に及ぶなど、送還が特に困難な場合は1年以下の懲役か20万円以下の罰金、もしくは両方が科される罰則付きの退去命令を出せるようになった。
一方で、自発的に帰国する場合は、再び日本へ入国できるようになるまでの期間を5年から1年に短縮して帰国を促す。
ただ、その際は強制送還の時点で、将来の再入国に必要な在留資格の要件を満たしていることを本人が立証しなければならないなど、厳しい条件を課す。
入管関係者は
「送還忌避者を帰国便に乗せるのは本当に難しいが、法律上は帰せることになった以上、しっかりと運用していく」
と話す。
■400人で1万人以上を調査
不法滞在者の迅速な送還に向け、鍵を握るのは難民審査の期間短縮だ。
入管庁は難民審査の標準的な処理期間として
「6カ月」
を掲げるが、2023年のデータでは、実際の審査期間は平均2年2カ月余り。
申請中の送還停止が2回までに制限されても、不法滞在状態が平均4年4カ月以上続くことになる。
2023年の難民申請者数は、新型コロナ明けもあり1万3823人と2022年の3倍超に激増。
これに対して難民調査官と呼ばれる実際に審査にあたる専門職は、兼任を合わせても全国で約400人しかいない。
入管庁は膨大な申請の中から、難民の可能性が高いと考えられる案件を優先的に処理して迅速化を図るが、通訳の確保が難しかったり、大量の提出資料の翻訳や精査に時間がかかることが多いという。
申請者は、難民の可能性が高い人が
「A案件」
とされ、
「B」
は明らかに該当しない場合、
「C」
は正当な理由なく申請を繰り返している場合、
「D」
はその他の場合に分けられる。
ただ、信憑性を判断するため何度も話を聞くケースもあり、マンパワーが追いついていないのが実情だ。
今国会で
「不法滞在者の帰国までの期間はどう短縮されるのか」
と問われた入管庁幹部は
「平均処理期間が標準処理期間の6カ月に近付くよう努める」
「その上で、強制送還についても速やかな実施に努める」
と答弁した。

「移民」と日本人
「アバレルヨー」絶叫、放尿、脱糞も 不法滞在者、強制送還の実態 チャーター機代2億円超
2023/9/16 14:03
https://www.sankei.com/article/20230916-PR4AF3L73RJ5JNWQ52KCTW5QLQ/
不法滞在の外国人を集団で強制送還するチャーター機代が8年間で2億円以上かかっていることが2023年9月16日、出入国在留管理庁への取材で分かった。
本来は自己負担が原則だが、送還を拒否している場合は国が負担せざるを得ず、暴れるなどした場合にはチャーター機を用意するという。
不法滞在者は素早く祖国に帰すべきという意見は多いが、諸外国と海を隔てた島国日本では容易ではない。
入管庁によると、不法滞在や犯罪などで法務省が
「退去強制令書」
を発付した外国人は過去10年間で約6万9000人。
9割ほどは自ら帰国するが、拒否した場合は
「送還忌避者」
として強制的に帰国させるケースがある。
ただ、島国である日本は移動手段として高額な航空機代が発生する。
本人が拒否している場合は国費を使わざるを得ず、付き添いの入国警備官らの旅費も必要になる。
また、一般客も乗る民間機の場合、送還忌避者があえて暴れたり、暴言を吐くなどして機長判断で搭乗を拒否されるケースも多発。
法務省は平成25年度から同じ国同士の送還忌避者をチャーター機に乗せる集団送還を8年間で計8回実施した。
これまでにフィリピン、タイ、ベトナムなど6カ国の計339人が対象となったが、埼玉県川口市などで住民との軋轢が表面化したクルド人が多く住むトルコやイランは含まれていない。
費用は8年間の累計で2億2500万円に上り、個別に送還したケースも含めると10億円を超える。
令和3年以降はコロナ禍などもあり集団送還は行われていないが、令和3年は送還された約4100人のうち約1300人が国費でその割合は高くなっている。
送還忌避者を巡っては、深刻な事例が後を絶たない。
入管庁関係者によると、トルコ国籍の男の場合、搭乗時に突然、
「アー、アー」
と叫んで暴れ、放尿して抵抗、機長が搭乗を拒否した。
1週間後に再度試みたが、男は
「アバレルヨー」
と大声で宣言して再び暴れ、警備官らが両手足を押さえてようやく帰国便に乗せたという。
モロッコ国籍の男は搭乗前に警備官を殴り、別の警備官らが頭を押さえるなどして送還した。
こうした様子は全てビデオに収められている。
搭乗後に放尿や脱糞したり騒ぎ続けるケースでも、警備官は隣の座席で帰国先まで付き添うという。
入管庁幹部は
「一般機では暴れてもチャーター機では諦める場合が多い」
「個別送還よりコストが抑えられる面もある」
と話す。
令和4年末に送還忌避者として国内に残っている人は前年より約1000人増え、累計で4233人。
最多はトルコ国籍の約600人で、多くはクルド人とみられる。
全体の9割以上は入管施設への収容を一時的に解かれた
「仮放免」
の立場で、半数程度は難民認定申請中という。
2023年6月成立の改正入管難民法では、難民申請中に送還が停止される回数を2回に制限、機内で暴れるなどした場合、1年以下の懲役などの罰則を設けた。
ただ、仮放免者の中には、行方が分からなくなっている者も約1400人おり、強制送還そのものが困難な状態が続いている。


http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/563.html#c35

[政治・選挙・NHK294] 小池百合子知事、190万の低所得世帯に商品券1万円支給/ネット「えげつない」「想像を絶するあざとさ」(Total News World) 赤かぶ
40. 秘密のアッコちゃん[380] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年6月10日 14:38:53 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[493]
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ウクライナ軍機が初のロシア国内攻撃 英メディア報道「直撃を確認」
2024/6/10 9:47
https://www.sankei.com/article/20240610-QL7GGYK3NZN3BNZ2YG2UITWJVM/
英スカイニューズ・テレビ(電子版)は2024年6月9日、ウクライナの軍事消息筋の話として、ドローン(無人機)以外のウクライナ軍機がロシアによる侵略後初めて露国内の標的を攻撃したと伝えた。
欧米諸国は2024年6月上旬までにミサイルなどの供与兵器による露国内への攻撃をウクライナに容認したが、スカイニューズは
「攻撃に使われた兵器は欧米製かどうかも含めて明らかにならなかった」
とした。
スカイニューズが伝えた消息筋の話によると、攻撃は2024年6月9日、ウクライナ東部ハリコフ州に接する露西部ベルゴロド州の露軍司令施設を標的として実施。
消息筋は
「被害状況は確認中だが、直撃を確認した」
と述べた。
欧米諸国は従来、ロシアとの直接衝突に発展する事態を警戒し、自国領内で使用するとの条件でウクライナに兵器を供与。
このためウクライナは、露国内の目標を攻撃する際に自国製のドローンや地対地ミサイルなどを使用してきた。
しかし2024年5月上旬に露軍がハリコフ州への越境攻撃に着手したことを受け、欧米は供与兵器による露国内攻撃を容認。
米国はハリコフ州周辺など国境地域に限定して露国内攻撃を認めた。

ロシア最新鋭ステルス機「スホイ57」、ウクライナ軍の攻撃で初めて損傷か
2024/6/9 20:00
https://www.sankei.com/article/20240609-VONVIBY4QRNCPEQ2S5UJNN6W3E/
攻撃を受けたロシアの空軍基地とスホイ57を2024年6月7日(左側の半分)と2024年6月8日(右側)に撮影したとする衛星写真。2024年6月8日の写真では、スホイ57の周囲で爆発や火災が起きたことが示唆されている(ウクライナ国防省情報総局のサイトから)
https://www.sankei.com/article/20240609-VONVIBY4QRNCPEQ2S5UJNN6W3E/photo/AIOA6LTCDVMZ3OOUVSHY644DYA/
ロシアによるウクライナ侵略で、ウクライナ国防省情報総局は2024年6月9日、前線から約590キロ離れた露南西部アストラハン州のアフトゥビンスク空軍基地に駐機していた露軍の最新鋭ステルス戦闘機
「スホイ57」
が攻撃により損傷したことが確認されたと報告した。
証拠とする衛星写真も公開した。
情報総局は
「こうした形(攻撃)でのスホイ57の損傷は史上初だ」
とした。
情報総局によると、同空軍基地を撮影した2024年6月7日の衛星写真では、スホイ57は無傷だった。
しかし、2024年6月8日の衛星写真では、スホイ57の周辺に攻撃による複数の爆発と火災が起きた様子が撮影されていた。
情報総局は
「スホイ57は(ウクライナ国内を標的とした)ミサイルを発射できる露軍の最新鋭戦闘機だ」
とした。
情報総局はウクライナ軍が同空軍基地への攻撃を実施したかどうかには言及しなかった。
ただ、ウクライナメディアは2024年6月8日、ウクライナ軍が同日に
「特別作戦」
としてアストラハン州に近い露南西部・北オセチア共和国の空軍基地を標的としたドローン(無人機)攻撃を行ったと報道。
この作戦の一環としてアフトゥビンスク空軍基地への攻撃も行われた可能性がある。
スホイ57は米ステルス戦闘機
「F22」

「F35」
に対抗するためロシアが開発。
2010年に初飛行した。
シリア内戦に実験投入された後、2020年末に正式に実戦配備されたとされる。
英国防省は2023年1月、アフトゥビンスク空軍基地に5機のスホイ57が駐機していることが衛星写真で確認され、露軍がスホイ57をウクライナで実戦投入しているのは
「ほぼ確実だ」
と分析。
英国防省はまた、露軍が撃墜や機密流出などを恐れ、スホイ57を露領空から長距離ミサイルを発射するために使用している模様だとも指摘していた。

ウクライナ軍、最前線で反撃か 東部2都市で露軍後退との分析
2024/6/8 9:10
https://www.sankei.com/article/20240608-ZFALATC2GNPJBK3LMSINKVLMIM/
ロシアによるウクライナ侵略で、ドイツ紙ビルトの軍事専門家は2024年6月7日、ウクライナ軍が東部ドネツク州の小都市チャソフヤルに隣接する集落カリニナの大部分を奪還したとする分析をX(旧ツイッター)で公表した。
この専門家はまた、ウクライナ軍が東部ハリコフ州の国境地帯の小都市ボフチャンスクでも露軍を後退させているとした。
ウクライナ軍は過去半年間以上、欧米の軍事支援の鈍化により劣勢を強いられてきたが、最近は支援が再び活発化したことなどを背景に、戦線の安定化に成功して一部で反撃しているとされる。
チャソフヤルは高台に位置する要衝で、過去数カ月間に渡って激戦が続いてきた。
露軍はチャソフヤルを制圧し、全域の掌握を目指すドネツク州の中心部方面への進軍ルートを確保する思惑だとみられている。
一方、ボフチャンスクは、2024年5月上旬に露軍が着手したハリコフ州への越境攻撃で攻防が焦点化。
一時は露軍が市内の約5割を制圧したが、最近はウクライナ軍が市内の8割近くの支配権を回復したと伝えられている。

バイデン氏、米兵器でウクライナのモスクワ攻撃は認めず プーチン氏は「まともでなく、独裁者」
2024/6/7 8:41
https://www.sankei.com/article/20240607-AHNDOIRIERM43FD5G4JIS7WCEQ/
バイデン米大統領は2024年6月6日、ABCテレビのインタビューで、米国が供与する兵器でウクライナがモスクワを攻撃することを容認しない考えを示した。
「モスクワやクレムリンへの攻撃は許可していない」
と述べた。
米国は侵攻を受けるウクライナに対し、国境付近に限定してロシア領内への兵器使用を認めている。
バイデン氏はプーチン大統領について
「40年間懸念している」
「まともな男ではなく、独裁者だ」
と批判した。
プーチン氏は、欧米が供与した兵器によるロシア領内への攻撃を容認したことに反発。
供与国への反撃を警告している。
オースティン国防長官はCNNテレビのインタビューで、欧米の兵器によるロシア領内への攻撃容認について
「ウクライナが前進するために非常に役に立つ」
と話した。(共同)

ウクライナがロシアのタグボートを破壊 クリミア沖、水上ドローンで
2024/6/7 8:03
https://www.sankei.com/article/20240607-PXVZXHLB5FPS3MJRHIZFWUH2II/
ウクライナ国防省情報総局は2024年6月6日、ロシアが実効支配するウクライナ南部クリミア半島沖で2024年6月6日、ロシアのタグボートを攻撃し、破壊したと発表した。
水上ドローンで攻撃したとみられる動画を公表した。
クリミア半島はロシア軍の侵攻拠点となっており、ウクライナ軍が攻撃を継続している。
ウクライナメディアによると、ゼレンスキー大統領は2024年6月6日、インドのモディ首相と電話会談し、2024年6月15〜16日にスイスで開かれる
「世界平和サミット」
について協議した。
ゼレンスキー氏は、モディ氏のサミット出席への期待を伝えた。
ウクライナは、ゼレンスキー氏が提唱する和平案への賛同を広げるため、多くの国の首脳がサミットに参加するよう働きかけを強めている。(共同)

空の守りは高コスト 反撃能力が不可欠
正論2024年7月号 元航空自衛官・作家 数多久遠
2024年4月13日、イラン・イスラム革命防衛隊が300発を超えるミサイル攻撃をイスラエルに対して行いました。
しかし、これはほぼ完璧に防がれています。
イスラエルの迎撃確率は99%以上だったと報じられています。
その一方でウクライナは、同じような弾道ミサイル、巡航ミサイル、それにドローンによるロシアの攻撃に苦しめられています。
この差異の理由を、アローミサイルやアイアンドームなどのイスラエル製防空兵器の優秀さであると見る人もいます。
しかし、現実は札の強さで勝敗が決まるカードゲームのように単純ではありません。
本稿では、同じような攻撃を受けたイスラエルとウクライナの事例を分析しつつ、我が国の防衛をどう確実にしていくべきかを考えてみます。
■ウクライナ苦戦の背景
ウクライナは、前線付近が滑空爆弾やFPV(操縦者視点)ドローンによる攻撃も受けていますが、それ以外はイスラエルに対する攻撃と同様に、弾道ミサイルや巡航ミサイル、そして自爆ドローンによる攻撃を受けています。
同じような攻撃態勢を受けながら、被害には大きな差異がある原因を分析します。
▼弾道ミサイル
イランがイスラエルに向けて発射した弾道ミサイルは、少数と見られていますが、種別としては中距離弾道ミサイルであり、ロシアがウクライナに撃ち込んでいるイスカンデルよりは射程が長く、迎撃は困難なものです。
それにも関わらず、ほぼ完璧に迎撃できた理由は、米軍艦艇などが支援したことなども関係しますが、最大の理由はイスラエルの国土が狭いためです。
中距離弾道ミサイルを迎撃可能なミサイルの開発、配備は技術的にもコスト的にも困難ですが、守るべき国土が狭ければ十分に可能です。
イスラエルの面積は2万2000平方キロ、関東平野よりも少し広い程度の面積しかありません。
この狭い国土であれば、イスラエルが保有するアローなどの迎撃ミサイルで十分に防衛できるのです。
それに対して、ウクライナの国土は、ロシアに占領されている地域を除いても約50万平方キロで、イスラエルの22倍もあります。
ウクライナが現在保有しているパトリオットよりも強力な弾道ミサイル迎撃能力を持つアローがあったとしても、到底防衛できるものではありません。
もちろん全域を守る必要はないとしても、主要都市を守るだけであっても、非現実的な数の迎撃ミサイルが必要となってしまいます。
ゼレンシキー大統領(表記はウクライナ語準拠)は、イスカンデルの迎撃が可能なパトリオットの追加を要望していますが、彼の発言で言及された28個ユニットは、26個高射砲隊を擁する自衛隊の総数よりも多い数です。
それだけあれば、確かにイスカンデルで狙われている主要都市は守れるかもしれません。
しかし、やはり非現実的な数だと言わざるを得ません。
▼巡航ミサイル、自爆ドローン
イランが発射したミサイル総数は300発以上と言われていますが、内訳については相反する情報があり、正確なところは分かりません。
しかしながら、弾道ミサイルや巡航ミサイルは高価であり、大半はウクライナでも多様されているシャヘドなどの自爆ドローンだったと見られています。
ドローンと巡航ミサイルの迎撃において困難な点は、これらが低高度を飛行していることです。
そのため、何よりも発見することが困難です。
レーダーは、基本的に地平線より下を見ることができません。
地表ゼロメートルから見た場合、上空1万メートルを飛ぶ飛行機が地平線の上に現れるのは、約400kmまで接近してきた場合です。
高度100メートルを飛行するドローンを発見できるのは、半径40kmの範囲だけです。
しかもこれはあくまで計算上の数値に過ぎません。
実際には山やビル、森などがあり、この40kmよりもかなり狭くなります。
AWACSなどの早期警戒能力のある航空機が常時監視を行えば発見も可能ですが、そんな事が出来るのは世界でも米軍だけです。
それにも関わらず、イスラエルがイランが発射した巡航ミサイルやドローンを迎撃できた理由は、イランとイスラエルの間に横たわる国や駐留軍が迎撃に協力したためです。
イランとイスラエルは、約1000km離れています。
この間に存在するヨルダンやサウジは、イスラエルに通報するのみならず、イランが発射した巡航ミサイルなどを自ら迎撃しています。
シリアやイラクを含めた中東各国に駐留する米軍部隊、ペルシャ湾や紅海の米軍艦艇部隊も迎撃を行っています。
そして、イランはミサイルをそうした国々の上空を飛行させるため、ミサイルの飛行経路、発射日程をサウジなどに通告していました。
その情報も、米軍やイスラエルに共有されています。
発見が困難という巡航ミサイルやドローンの利点を、イランはそもそも捨て去っていたのです。
このイスラエルの事例と、2年以上に渡りミサイルを撃ち込まれ、それによって防空システムの配備地をロシアに把握されているウクライナでは余りにも状況が違います。
ウクライナの場合、Tu-22Mなどの爆撃機が反射する空中発射巡航ミサイルは、爆撃機の離陸状況から、大まかな飛来経路が分かるのみで、陸上発射の巡航ミサイルやドローンは、いきなり国土上空に飛来します。
それらは、前線付近の防空システムの配備されていない場所から進入し、防空システムの配備された場所を避け、ウクライナの奥地まで進入します。
これを完璧に防ぐためには、前線に大量の監視・防空システムを配備し、黒海には対空ミサイルを搭載した艦艇を遊弋させなければなりません。
広大な国土を持つウクライナに可能なことではないのです。
■ロシアでも防空は難しい
イスラエルによる完璧とも言える防空は、周辺各国とそこに展開するアメリカをはじめとした各国軍の協力によって達成されたものでした。
それが、1000km以上にも渡るバッファーエリアで機能したことによって、初めて99%の迎撃率が達成されています。
それだけ、防空は困難なものなのです。
そして、これはウクライナに侵略を行っているロシアにも同じ事が言えます。
2022年の全面侵攻が始まった後、アメリカをはじめとした欧米各国は、ウクライナを支援する条件として、クリミアを含めたロシア領域内への攻撃に供与する兵器の使用を禁じました。
そのためウクライナによるロシア領域内攻撃は、ウクライナが開発したドローンに限られています。
この条件は徐々に緩和されています。
クリミアへの攻撃にイギリスが供与したストームシャドウが使われるようになった他、2024年4月に止まっていたアメリカによる武器供与再開と同時に、長距離ミサイル(ATACMS)でのロシア支配地域深部攻撃が行われました。
当然、供与したアメリカが条件を緩和したからです。
しかし、まだかなりの制限があるようで、ロシア国内への攻撃は、ウクライナが開発したドローンによるものがほんとです。
ロシアの巡洋艦「モスクワ」を撃沈した対艦ミサイルのネプチューンが、射程1000kmの巡航ミサイルに改造されているとの情報もあります。
今後はドローンに加え、この改造ネプチューンによる攻撃が増えるかもしれませんが、現状はドローンがほとんどです。
そうであっても、このドローン攻撃はかなりの戦果を上げています。
首都モスクワを含む、ウクライナ国境から数百km以上離れたロシア各地が、それらドローンによる攻撃を受けています。
当初は空港などの軍事目標だけでしたが、2023年から石油精製施設やガスパイプラインなど、ロシアの経済を支える主要産業であるエネルギー産業にも攻撃が行われるようになっています。
最近になって報じられた情報として、ロシアのエネルギー産業大手であるガスプロムの2023年の業績は、1999年以来の赤字に転落しています。
市況などが主たる原因であると言われていますが、設備投資額が大幅に増えたことも影響していたでしょう。
これには、被害を受けた設備の復旧費用が含まれていると見られています。
こうしたロシア領内の被害は、低空を飛行するドローンが、前線付近に配備されたロシアの防空網を突破しているためです。
前線の防空網さえ突破してしまえば、国土の広さは逆にデメリットともなります。
前線を突破するドローンの存在が確認されたとしても、見失ってしまえば、その後の進路の把握は極めて困難だからです。
■航空作戦における攻撃と防御
このウクライナとロシア、双方が防空に苦慮している現実から導かれる結論は、完璧な防空はあり得ず、空の戦いにおいては攻撃しなければ、国家の防衛が成り立たないということです。
これには、ミサイルや自爆ドローンのようなスタンドオフ(敵の射程圏外から攻撃できる)兵器の発展が関係しています。
かつて、ミサイルが歴史に登場するまでは、防空が効果的であれば、高価な航空戦力を効率的に撃墜することで、防空側が敵の航空戦力を破壊することが可能でした。
これは、防勢対航空(DCA:defensive counter air)作戦と呼ばれます。
防御によって敵の航空作戦能力を破壊する作戦です。
このDCAの逆は攻勢対航空(OCA:offensive counter air)作戦になります。
分かり易い例は、航空機による敵基地空爆です。
攻撃により敵の航空作戦能力を破壊します。
第二次世界大戦におけるバトル・オブ・ブリテンは、このDCAとOCAの分かり易いぶつかり合いでした。
バトル・オブ・ブリテンは、ドイツがイギリス上空の制空権を獲得するために行われた戦いです。
この時、ドイツがOCA、警戒管制レーダーを発達させたイギリスがDCAを行っています。
当時は、DCAとOCAの有効性が拮抗していたと言えるでしょう。
しかし、バトル・オブ・ブリテンに勝利したイギリスでも、ドイツのV1、V2ミサイルへの対応に苦慮したように、スタンドオフ兵器の発達で、徐々にOCAの有効性がDCAの有効性を上回っていきます。
対地ミサイルの長射程化により、例えそれが100%迎撃されてしまったとしても、攻撃側の損失は発射した対地ミサイルのコストだけになりました。
一般に迎撃用ミサイルが高価なこともあり、対する防御側はその場合でも攻撃側と大差ないどころかそれ以上の損失(コスト)がかかることになりました。
その上、既に述べたように完璧な防空は不可能です。
スタンドオフ兵器が多用される現代の航空戦では、軍事面では攻撃側が圧倒的に有利なのです。
このことが、アメリカをはじめとしたウクライナを支援する各国が、ロシア支配地域内への攻撃を緩和してきた背景でもあります。
攻撃には防御側の3倍の兵力が必要であるとする
「攻撃3倍の法則」
が言われることがありますが、あれは陣地によって防御側が有利になる陸戦での話です。
航空では、そして海戦でも、既に攻撃側が有利になっています。
しかし、攻撃側が有利であっても、防御力整備を攻撃能力に全て振ってしまうことは不適切です。
先制攻撃してしまえば政治的な非難を浴びますし、軍事面だけを考えても、逆に先制された場合に壊滅的な被害を被ります。
攻撃と防御、ベストミックスが必要なのです。
■F-16到着で戦況は
原理原則的な事を書きましたが、翻って現実を見てみます。
攻撃側が有利だとしたら、間もなくウクライナに到着すると言われるF-16は、大丈夫でしょうか。
活躍する前に破壊されてしまわないでしょうか。
F-16が地上で破壊されてしまう可能性はゼロではありませんが、心配は無用です。
供与の話が具体化してから1年以上が経過しています。
その間に、配備予定の基地には堅固な航空機用掩体(航空機などを敵の攻撃から護るための大型の覆い状施設や横穴などについては「掩体壕」とも言う)が構築されていると思われます。
もしかすると、地下格納庫が建設されているかもしれません。
これが、余りに前線に近い場合は、滑空爆弾の直撃で破壊される可能性はありますが当然、前線からある程度下がった基地が選択されているでしょう。
シャヘドのようなドローンでは、炸薬量が足りず、たとえ直撃しても堅固な掩体なら内部の航空機を防護できます。
弾道ミサイルや大型の巡航ミサイルの場合、直撃すれば掩体ごと破壊される可能性がありますが、全面侵攻の始まった2年前と比較すると、調達される部品の精度が低下しているのか、ウクライナの最近の巡航ミサイル被害報告を見ると命中精度が低下しているようです。
掩体への直撃を狙うことは困難でしょう。
また、当然ながらF-16を配備する基地近傍には迎撃システムを配備するはずです。
それによって迎撃できますし、ウクライナは現在も防空警報を出せるだけのミサイル監視体制は構築できているため、警報を受けて迎撃システムを起動すると同時に、暴露した状態の機体があれば、離陸させてしまうなり、掩体に入れるなりが可能です。
むしろ、F-16が活躍できるかどうか否かを考える上で重要なのは、F-16に搭載すべき弾薬、特にスタンドオフ能力のあるミサイル、滑空爆弾が十分に供与されるのかどうかということです。
F-16があっても、搭載する弾薬が通常爆弾のみであれば、撃墜されるだけで終わります。
F-16と併せ、2023年夏から供与されている対レーダーミサイルのHARMや滑空爆弾のJDAMがどの程度追加供与されるかによって、F-16が活躍できるかどうかが決まると思われます。
■我が国防衛の決定打
最後に、このイスラエルとウクライナの実例から我が国が何を学ぶべきなのか考えてみます。
我が国は、長らく専守防衛を標榜してきました。
その看板こそ外してはおりませんが、安保3文書に敵基地攻撃能力(反撃能力)を明記し、トマホークを含む長射程のスタンドオフ兵器導入に踏み出しています。
しかしながら、まだ緒に就いたと言えるレベルであり、長年掲げ続けてきた看板の弊害により、我が国の能力は防空に偏重しています。
攻勢対航空(OCA:offensive counter air)の能力は乏しく、防勢対航空(DCA:defensive counter air)に偏っているのです。
この状態が続けば、中国や北朝鮮は高価な防空システムを整備することなく、能力を攻勢対航空(OCA:offensive counter air)用の攻撃兵器に全て投じることができます。
我が国が相応の敵基地攻撃能力を整備すれば、敵はそれに応じた防空兵器を整備せざるを得ません。
敵基地攻撃能力を保持するだけで、それを1発も発射しなくとも、敵の攻撃能力を削ぎ、我が国の防衛に寄与できるのです。
だからこそ、これらの国や影響を受ける勢力が必死に我が国の敵基地攻撃能力に反対しています。
これは、極超音速滑空弾のような高度な敵基地攻撃能力において、特に顕著に言えることです。
その整備が極少数に留まったとしても、敵の中枢を攻撃できる能力を保持することで、敵にそれに対する高度な備えを強要できます。
敵が権威主義的な独裁国家であれば尚更です。
独裁者は、遥か彼方から殺害されるかもしれないとなれば、それに備えなければなりませんし、攻撃を躊躇します。
つまり高度な敵基地攻撃能力は、彼らに対する抑止力が高いのです。
加えて、できれば、技術的にはもう少し多く製造・配備が容易な弾道ミサイルも保有しておくべきです。
イージスSM-3やパトリオットPAC-3で迎撃できるとは言え、北朝鮮が保有するノドンが200発もあることは、我が国にとって非常な脅威です。
アメリカが、我が国への弾道ミサイル配備を見送ったと伝えられていますが、性質の違う敵基地攻撃能力を保有しておくことで、敵に対処能力の保有を強要できるため、安価な弾道ミサイルの保持も、非常に有効な手段なのです。
いずれにしても、敵にとって、我が国の専守防衛は、非常に有り難いものです。
十分な敵基地攻撃能力を保持するだけでなく、それを政治的にも有効に機能させるため、もう専守防衛の看板は下ろすべきでしょう。

ウクライナはF16で露領攻撃可能 オランダ国防相が表明 今年後半に24機を順次供与
2024/6/4 19:45
https://www.sankei.com/article/20240604-T4O5ETXHS5JEJBM4H3MIHRWQXI/
オランダのオロングレン国防相は2024年6月4日までに、ウクライナに供与予定のF166戦闘機を使ったロシア領内への攻撃は可能との考えを示した。
ニュースサイト、ポリティコのインタビューに答えた。
オランダは2024年後半以降、計24機を順次供与する見通し。
報道によると、デンマークのラスムセン外相もウクライナに供与予定の計19機のF16でロシア領内の軍事施設を攻撃可能との考えを表明している。
米国もウクライナに対し、米国供与の兵器を使った限定的なロシア領攻撃を容認したばかり。
ウクライナ軍がロシア軍の攻勢に直面する中、欧米はウクライナ支援のレベルを上げている。
アジア安全保障会議を開催したシンガポールでインタビューに応じたオロングレン氏は
「我々はウクライナに国際法を守ることだけを求める」
「つまり自衛のための使用だ」
と述べた。(共同)

ウクライナ前国防相、露領内攻撃「許可を得た」と歓迎 敗北は「独裁国連合の支配構造を生む」と警告
2024/6/1 9:41
https://www.sankei.com/article/20240601-NSLKXCNEWBN5JD56BH3WTMKJR4/
ロシアの侵略が続くウクライナのレズニコフ前国防相が2024年5月31日、ワシントンで講演し、米国や欧州が供与した兵器でウクライナの露占領地だけでなく露領内の軍事的標的を攻撃する重要性を指摘した上で、
「我々はその許可を得た」
と述べ、ウクライナ支援を巡る一大転換となる米欧諸国の判断を歓迎した。
米メディアは米国が供与兵器による露領土の軍事拠点への限定的攻撃を容認したと伝え、北大西洋条約機構(NATO)の加盟国もウクライナの越境攻撃容認に続々と支持を表明した。
レズニコフ氏は、露軍が北方から国境を越えてウクライナ東部主要都市ハリコフ方面へ攻勢を強めていると指摘。
露側の軍事拠点を攻撃対象にできれば、民間人の犠牲を減らす有効な手段になると強調した。
同氏は2023年9月に辞任するまで米欧と軍事支援を巡る交渉に従事した。
ロシアの軍事行動のエスカレートを警戒し米国の供与する兵器は歩兵携行式ミサイルから155ミリ榴弾砲、高機動ロケット砲システム、戦車と段階的に進化したが、同氏は
「我々は常に戦果を示した」
「今日不可能なことが明日には可能になるとの信念がある」
と強調した。
露軍が制空権を握る中で民間人を守るため防空態勢強化が急務とし、
「F166戦闘機は防空システムの主要部分をなす」
と早急な配備を求めた。
米欧の支援意思喪失を狙うロシアの
「認知戦」
にも警戒を促した。
レズニコフ氏は、イランや北朝鮮と結託するロシアの勝利を許せば
「独裁国家連合の新たな(支配)構造が世界中で形成される」
と予測。
別の紛争に発展し米国の軍事・経済負担が増える事態を抑止する意味でもウクライナ支援は
「現実的だ」
と強調し
「我々は疑いなくこの戦争に勝つ」
と結束に自信を示した。

米独、ウクライナによるロシアへの越境攻撃を容認 露国境地帯での苦戦受けて方針転換
2024/5/31 22:24
https://www.sankei.com/article/20240531-EWUSCA7EBBLBFNWPLIISE7HPJE/
ブリンケン米国務長官は2024年5月31日、チェコのプラハで記者会見し、バイデン政権がロシアに侵略されたウクライナが米国から供与された兵器を使いロシア領内に越境攻撃することを認めたと明らかにした。
ドイツ政府報道官も同日、ウクライナがドイツから供与された兵器による露領内への攻撃を許可したと発表した。
米メディアによると米国は、越境攻撃の目標をウクライナ東部の都市ハリコフ周辺に限定するよう要請。
また、米国が供与した地対地ミサイル「ATACMS」などを使い国境地帯より遠方にある露国内の施設や拠点を攻撃することは従来通り認めないとしている。
米独はこれまで、戦術核の使用に言及するプーチン露政権との対立激化を避けるため、ウクライナに越境攻撃をしないよう制約を課してきたが、戦局が同国に決定的に不利になる恐れが出始めた他、英仏などが攻撃を認める姿勢を相次ぎ打ち出したのを受けて攻撃容認に転換した。

NATO非公式外相会合、ウクライナの越境攻撃を大多数が支持 ハリコフの戦局転換に期待
2024/5/31 18:21
https://www.sankei.com/article/20240531-JPP2MY4EPRKR3CIWT2FYY23JNY/
チェコのプラハで開かれていた北大西洋条約機構(NATO)非公式外相会合は最終日の2024年5月31日、ウクライナが欧米から供与された兵器でロシア領内を攻撃することに大多数の加盟国が支持を表明し、ウクライナの勝利に向けた後押しを一層強めることを確認した。
ウクライナによる越境攻撃を巡っては、これまで米独など加盟国の多くが自国製の兵器でロシア領内を攻撃しないようウクライナに制約を課してきた。
ところがロシアが最近になって露国境に近い東部に新たな戦線を開いてウクライナ領内に越境攻撃を仕掛けているのに対し、ウクライナは有効な反撃ができずに守勢に立たされ、欧米諸国に兵器使用の制約を解除するよう要請していた。
NATOのストルテンベルグ事務総長は会合後の記者会見で
「私たちは新たな戦局に対応する必要がある」
と述べ、この日の協議で多数の加盟国が制約の緩和に踏み切ったことに
「歓迎の意」
を表明した。
ストルテンベルグ氏はまた
「ウクライナには自衛権がある」
と指摘。
プーチン露政権がNATO加盟国によるウクライナの越境攻撃容認を非難していることに関しては
「侵略戦争を始めたのはロシアだ」
「私たちは屈しない」
と強調した。
NATOは組織としてはウクライナに兵器を供与しておらず、越境攻撃の容認の是非は供与した各国の判断となる。
イタリアのタヤーニ外相は2024年5月31日、
「伊製兵器を越境攻撃に使わせることは憲法の制約上できない」
としたものの、加盟国の大勢が容認を打ち出したことで、ウクライナがロシアの攻勢を押し戻す転機となることが期待される。
また、スウェーデンは会合に合わせ、ウクライナ空軍によるF16戦闘機の将来的な運用を視野に、効果的な戦闘を可能にする早期警戒機サーブ340の供与を表明。
チェコも弾薬50万発分に相当する16億ユーロ(約2710億円)の拠出を明らかにした。
ロイター通信によると、ストルテンベルグ氏は現状の軍事支援の水準を維持するため、加盟国全体で毎年少なくとも計400億ユーロ(約6兆8000億円)を拠出するよう求めた。

ロシア領攻撃「国際法に従っていれば問題ない」 フィンランド大統領
2024/5/31 10:56
https://www.sankei.com/article/20240531-Q6ZR7GJHRROHJDJX6YH576SVR4/
フィンランドのストゥブ大統領は2024年5月30日、首都ヘルシンキで共同通信などの取材に応じ、ウクライナが欧米から供与された兵器でロシア領内を攻撃することは
「国際法に従っていれば問題ない」
と語った。
ウクライナへの兵器の供与国が相次いでロシア領への攻撃に前向きな発言をしている。
ストゥブ氏は供与した兵器は
「ウクライナが自分たちを守るためにある」
「(用途を)制限する考えは支持できない」
と話した。
ロシアと国境を接するフィンランドは、ウクライナに侵攻したロシアに強硬な姿勢を取っている。
侵攻について
「あらゆる国際法に反する」
「女性や子供を殺害し、病院や学校を攻撃している」
と非難。
「ウクライナが勝利するように支援するのは私たちの責務だ」
と強調した。
フィンランドはウクライナ侵攻を背景に、2023年4月に北大西洋条約機構(NATO)に加盟した。(共同)

米、供与兵器の露攻撃容認か ウクライナ守勢で姿勢転換
2024/5/31 9:13
https://www.sankei.com/article/20240531-RVJHNWPENVMSPLPV4YYVSJ3PKU/
米主要メディアは2024年5月30日、バイデン政権がウクライナに対し、米国が供与した兵器をロシア領内の軍事拠点への攻撃に使うことを非公式に承認したと報じた。
ウクライナ軍が東部ハリコフ州で守勢に立っており、従来の方針を転換した。
米政府当局者の話としている。
英国やフランスの首脳らが最近、欧米供与の兵器をロシア領内への攻撃に使うことに前向きな発言をしており、バイデン政権の対応が焦点となっていた。
米メディアによると、バイデン大統領が最近、反撃のために米国供与の兵器を使ってもいいとウクライナ側に伝達するよう部下に指示した。
標的はハリコフ州の周辺地域に限定し、ロシア領内でウクライナへの攻撃やその準備を進める部隊を想定している。
ロシア領内の民間施設を狙うことや、米国供与の地対地ミサイル「ATACMS(エイタクムス)」などで国境から遠く離れた軍事拠点を攻撃することは承認されていないという。(共同)
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/571.html#c40

[政治・選挙・NHK294] 石原都政で“懐刀”と呼ばれた元副知事が明かす 小池都知事の父親は「大ボラを吹く人でした」 小池百合子と学歴詐称(日刊ゲン… 赤かぶ
19. 秘密のアッコちゃん[381] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年6月11日 12:08:11 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[494]
<■532行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
東欧で相次ぐ放火は「ロシアの破壊工作」とチェコ首相 外国人雇い指示か
2024/6/11 10:15
https://www.sankei.com/article/20240611-Z2WGXZMF65GDFHKRF6XLJK3BTI/
チェコのフィアラ首相は2024年6月10日、首都プラハで2024年6月6日に起きた放火事件を巡り
「ロシアが組織、資金調達した可能性が強い」
と述べた。
その上で、東欧各地で最近放火が相次いでいることに触れ、
「ロシア情報当局が関与した破壊工作」
という見方を示した。
チェコ紙によると、プラハでは、バス会社の車庫が放火された。
職員がすぐに消火し、大きな被害はなかったが、警察は2024年6月8日、この事件を巡って南米人の男をテロ関与容疑で逮捕した。
事件の数日前にチェコに入国したとみられている。
相次ぐ放火には、ポーランドも警戒を強めている。
同国のトゥスク首相は2024年5月20日に地元テレビで、ロシアの指示で破壊工作に加担した疑いで9人を当局が逮捕したと明かし、
「暴行や放火、放火未遂を行った]
と非難した。
ポーランド西部のペンキ工場が放火された他、バルト3国のうちリトアニア、ラトビアも標的になったとしている。
容疑者9人の国籍はウクライナ、ベラルーシ、ポーランドの3カ国だった。
リトアニアでは2024年5月初め、首都ビリニュスの大型家具店の倉庫が放火された。
その数日後、ポーランド・ワルシャワのショッピングセンターが炎上する事件が起き、トゥスク氏はこの件でもロシアが関与した可能性があるとしている。

オースティン米国防長官、13日にウクライナ支援会合を開催
2024/6/11 9:30
https://www.sankei.com/article/20240611-DF54DYCKBFJXZKD5WJPHW7XGQE/
米国防総省は2024年6月10日、オースティン長官が2024年6月13日にブリュッセルでウクライナ防衛支援を巡る関係国会合を主催すると発表した。
米軍制服組トップのブラウン統合参謀本部議長も参加する。
オースティン氏は2024年6月14日、北大西洋条約機構(NATO)国防相会合に出席する。(共同)

ウクライナ軍の動員、5月に大幅増加 過去数か月の合計を上回る 新法影響
2024/6/11 8:38
https://www.sankei.com/article/20240611-DSMRM7P3V5NC5HWCK6JBM33KWU/
ウクライナ軍に動員された兵士らの人数が2024年5月に大幅に増加した。
過去数カ月の合計を上回り、2023年初め以降で最も多かった。
2024年5月18日施行の動員強化法が影響したとみられる。
最高会議(議会)議員の話としてウクライナメディアが2024年6月10日報じた。
侵攻が長期化する中、ウクライナでは兵士不足が深刻になっている。
動員強化法は、徴兵対象の最低年齢を27歳から25歳に引き下げるなどした。
議員は志願兵も増えたとの見方を示した。
シュミハリ首相とウメロフ国防相は2024年6月10日、首都キーウ(キエフ)でオランダのオロングレン国防相と会談した。
F16戦闘機の供与や、軍事産業支援などについて話し合った。

ウクライナ、ロシア石油精製工場を攻撃 「ドローン専門部隊」の司令官任命
2024/6/11 8:27
https://www.sankei.com/article/20240611-KDB2V4SXRBKCDAJ56HKJ5JXYOI/
ウクライナ軍参謀本部は2024年6月10日、ウクライナと国境を接するロシア南西部ロストフ州の石油精製工場を2024年6月5日に自国製兵器で攻撃したと発表した。
参謀本部は、攻撃で発生した火災によりロシアが5億4000万ドル(約850億円)相当の石油と石油製品を失ったと指摘。
「石油精製施設への攻撃は露軍の目標達成を困難にしている」
と強調した。
これに先立ち、ロストフ州のゴルベフ知事は2024年6月6日未明、この石油精製工場がドローン(無人機)攻撃を受け、火災が起きたと交流サイト(SNS)で報告していた。
死傷者はないとした。
両国は過去数カ月間、互いのインフラ施設などをミサイルやドローンで攻撃。
相手の継戦能力を低下させる狙いだとみられている。
一方、ウクライナのウメロフ国防相は2024年6月10日、同国軍に新設された
「ドローン専門部隊」
の司令官にスハレフスキー大佐を任命した。
同国メディアが伝えた。
スハレフスキー氏はこれまで、シルスキー総司令官の副官としてドローンの開発と運用を担当していたという。
ドローン専門部隊を巡ってはゼレンスキー大統領が2024年2月上旬、創設を定める大統領令に署名。
戦場で重要性を増すドローンの運用を高度化する狙いがあり、国防省と参謀本部が具体化作業を進めていた。

ウクライナ軍機が初のロシア国内攻撃 英メディア報道「直撃を確認」
2024/6/10 9:47
https://www.sankei.com/article/20240610-QL7GGYK3NZN3BNZ2YG2UITWJVM/
英スカイニューズ・テレビ(電子版)は2024年6月9日、ウクライナの軍事消息筋の話として、ドローン(無人機)以外のウクライナ軍機がロシアによる侵略後初めて露国内の標的を攻撃したと伝えた。
欧米諸国は2024年6月上旬までにミサイルなどの供与兵器による露国内への攻撃をウクライナに容認したが、スカイニューズは
「攻撃に使われた兵器は欧米製かどうかも含めて明らかにならなかった」
とした。
スカイニューズが伝えた消息筋の話によると、攻撃は2024年6月9日、ウクライナ東部ハリコフ州に接する露西部ベルゴロド州の露軍司令施設を標的として実施。
消息筋は
「被害状況は確認中だが、直撃を確認した」
と述べた。
欧米諸国は従来、ロシアとの直接衝突に発展する事態を警戒し、自国領内で使用するとの条件でウクライナに兵器を供与。
このためウクライナは、露国内の目標を攻撃する際に自国製のドローンや地対地ミサイルなどを使用してきた。
しかし2024年5月上旬に露軍がハリコフ州への越境攻撃に着手したことを受け、欧米は供与兵器による露国内攻撃を容認。
米国はハリコフ州周辺など国境地域に限定して露国内攻撃を認めた。

ロシア最新鋭ステルス機「スホイ57」、ウクライナ軍の攻撃で初めて損傷か
2024/6/9 20:00
https://www.sankei.com/article/20240609-VONVIBY4QRNCPEQ2S5UJNN6W3E/
攻撃を受けたロシアの空軍基地とスホイ57を2024年6月7日(左側の半分)と2024年6月8日(右側)に撮影したとする衛星写真。2024年6月8日の写真では、スホイ57の周囲で爆発や火災が起きたことが示唆されている(ウクライナ国防省情報総局のサイトから)
https://www.sankei.com/article/20240609-VONVIBY4QRNCPEQ2S5UJNN6W3E/photo/AIOA6LTCDVMZ3OOUVSHY644DYA/
ロシアによるウクライナ侵略で、ウクライナ国防省情報総局は2024年6月9日、前線から約590キロ離れた露南西部アストラハン州のアフトゥビンスク空軍基地に駐機していた露軍の最新鋭ステルス戦闘機
「スホイ57」
が攻撃により損傷したことが確認されたと報告した。
証拠とする衛星写真も公開した。
情報総局は
「こうした形(攻撃)でのスホイ57の損傷は史上初だ」
とした。
情報総局によると、同空軍基地を撮影した2024年6月7日の衛星写真では、スホイ57は無傷だった。
しかし、2024年6月8日の衛星写真では、スホイ57の周辺に攻撃による複数の爆発と火災が起きた様子が撮影されていた。
情報総局は
「スホイ57は(ウクライナ国内を標的とした)ミサイルを発射できる露軍の最新鋭戦闘機だ」
とした。
情報総局はウクライナ軍が同空軍基地への攻撃を実施したかどうかには言及しなかった。
ただ、ウクライナメディアは2024年6月8日、ウクライナ軍が同日に
「特別作戦」
としてアストラハン州に近い露南西部・北オセチア共和国の空軍基地を標的としたドローン(無人機)攻撃を行ったと報道。
この作戦の一環としてアフトゥビンスク空軍基地への攻撃も行われた可能性がある。
スホイ57は米ステルス戦闘機
「F22」

「F35」
に対抗するためロシアが開発。
2010年に初飛行した。
シリア内戦に実験投入された後、2020年末に正式に実戦配備されたとされる。
英国防省は2023年1月、アフトゥビンスク空軍基地に5機のスホイ57が駐機していることが衛星写真で確認され、露軍がスホイ57をウクライナで実戦投入しているのは
「ほぼ確実だ」
と分析。
英国防省はまた、露軍が撃墜や機密流出などを恐れ、スホイ57を露領空から長距離ミサイルを発射するために使用している模様だとも指摘していた。

ウクライナ軍、最前線で反撃か 東部2都市で露軍後退との分析
2024/6/8 9:10
https://www.sankei.com/article/20240608-ZFALATC2GNPJBK3LMSINKVLMIM/
ロシアによるウクライナ侵略で、ドイツ紙ビルトの軍事専門家は2024年6月7日、ウクライナ軍が東部ドネツク州の小都市チャソフヤルに隣接する集落カリニナの大部分を奪還したとする分析をX(旧ツイッター)で公表した。
この専門家はまた、ウクライナ軍が東部ハリコフ州の国境地帯の小都市ボフチャンスクでも露軍を後退させているとした。
ウクライナ軍は過去半年間以上、欧米の軍事支援の鈍化により劣勢を強いられてきたが、最近は支援が再び活発化したことなどを背景に、戦線の安定化に成功して一部で反撃しているとされる。
チャソフヤルは高台に位置する要衝で、過去数カ月間に渡って激戦が続いてきた。
露軍はチャソフヤルを制圧し、全域の掌握を目指すドネツク州の中心部方面への進軍ルートを確保する思惑だとみられている。
一方、ボフチャンスクは、2024年5月上旬に露軍が着手したハリコフ州への越境攻撃で攻防が焦点化。
一時は露軍が市内の約5割を制圧したが、最近はウクライナ軍が市内の8割近くの支配権を回復したと伝えられている。

バイデン氏、米兵器でウクライナのモスクワ攻撃は認めず プーチン氏は「まともでなく、独裁者」
2024/6/7 8:41
https://www.sankei.com/article/20240607-AHNDOIRIERM43FD5G4JIS7WCEQ/
バイデン米大統領は2024年6月6日、ABCテレビのインタビューで、米国が供与する兵器でウクライナがモスクワを攻撃することを容認しない考えを示した。
「モスクワやクレムリンへの攻撃は許可していない」
と述べた。
米国は侵攻を受けるウクライナに対し、国境付近に限定してロシア領内への兵器使用を認めている。
バイデン氏はプーチン大統領について
「40年間懸念している」
「まともな男ではなく、独裁者だ」
と批判した。
プーチン氏は、欧米が供与した兵器によるロシア領内への攻撃を容認したことに反発。
供与国への反撃を警告している。
オースティン国防長官はCNNテレビのインタビューで、欧米の兵器によるロシア領内への攻撃容認について
「ウクライナが前進するために非常に役に立つ」
と話した。(共同)

ウクライナがロシアのタグボートを破壊 クリミア沖、水上ドローンで
2024/6/7 8:03
https://www.sankei.com/article/20240607-PXVZXHLB5FPS3MJRHIZFWUH2II/
ウクライナ国防省情報総局は2024年6月6日、ロシアが実効支配するウクライナ南部クリミア半島沖で2024年6月6日、ロシアのタグボートを攻撃し、破壊したと発表した。
水上ドローンで攻撃したとみられる動画を公表した。
クリミア半島はロシア軍の侵攻拠点となっており、ウクライナ軍が攻撃を継続している。
ウクライナメディアによると、ゼレンスキー大統領は2024年6月6日、インドのモディ首相と電話会談し、2024年6月15〜16日にスイスで開かれる
「世界平和サミット」
について協議した。
ゼレンスキー氏は、モディ氏のサミット出席への期待を伝えた。
ウクライナは、ゼレンスキー氏が提唱する和平案への賛同を広げるため、多くの国の首脳がサミットに参加するよう働きかけを強めている。(共同)

空の守りは高コスト 反撃能力が不可欠
正論2024年7月号 元航空自衛官・作家 数多久遠
2024年4月13日、イラン・イスラム革命防衛隊が300発を超えるミサイル攻撃をイスラエルに対して行いました。
しかし、これはほぼ完璧に防がれています。
イスラエルの迎撃確率は99%以上だったと報じられています。
その一方でウクライナは、同じような弾道ミサイル、巡航ミサイル、それにドローンによるロシアの攻撃に苦しめられています。
この差異の理由を、アローミサイルやアイアンドームなどのイスラエル製防空兵器の優秀さであると見る人もいます。
しかし、現実は札の強さで勝敗が決まるカードゲームのように単純ではありません。
本稿では、同じような攻撃を受けたイスラエルとウクライナの事例を分析しつつ、我が国の防衛をどう確実にしていくべきかを考えてみます。
■ウクライナ苦戦の背景
ウクライナは、前線付近が滑空爆弾やFPV(操縦者視点)ドローンによる攻撃も受けていますが、それ以外はイスラエルに対する攻撃と同様に、弾道ミサイルや巡航ミサイル、そして自爆ドローンによる攻撃を受けています。
同じような攻撃態勢を受けながら、被害には大きな差異がある原因を分析します。
▼弾道ミサイル
イランがイスラエルに向けて発射した弾道ミサイルは、少数と見られていますが、種別としては中距離弾道ミサイルであり、ロシアがウクライナに撃ち込んでいるイスカンデルよりは射程が長く、迎撃は困難なものです。
それにも関わらず、ほぼ完璧に迎撃できた理由は、米軍艦艇などが支援したことなども関係しますが、最大の理由はイスラエルの国土が狭いためです。
中距離弾道ミサイルを迎撃可能なミサイルの開発、配備は技術的にもコスト的にも困難ですが、守るべき国土が狭ければ十分に可能です。
イスラエルの面積は2万2000平方キロ、関東平野よりも少し広い程度の面積しかありません。
この狭い国土であれば、イスラエルが保有するアローなどの迎撃ミサイルで十分に防衛できるのです。
それに対して、ウクライナの国土は、ロシアに占領されている地域を除いても約50万平方キロで、イスラエルの22倍もあります。
ウクライナが現在保有しているパトリオットよりも強力な弾道ミサイル迎撃能力を持つアローがあったとしても、到底防衛できるものではありません。
もちろん全域を守る必要はないとしても、主要都市を守るだけであっても、非現実的な数の迎撃ミサイルが必要となってしまいます。
ゼレンシキー大統領(表記はウクライナ語準拠)は、イスカンデルの迎撃が可能なパトリオットの追加を要望していますが、彼の発言で言及された28個ユニットは、26個高射砲隊を擁する自衛隊の総数よりも多い数です。
それだけあれば、確かにイスカンデルで狙われている主要都市は守れるかもしれません。
しかし、やはり非現実的な数だと言わざるを得ません。
▼巡航ミサイル、自爆ドローン
イランが発射したミサイル総数は300発以上と言われていますが、内訳については相反する情報があり、正確なところは分かりません。
しかしながら、弾道ミサイルや巡航ミサイルは高価であり、大半はウクライナでも多様されているシャヘドなどの自爆ドローンだったと見られています。
ドローンと巡航ミサイルの迎撃において困難な点は、これらが低高度を飛行していることです。
そのため、何よりも発見することが困難です。
レーダーは、基本的に地平線より下を見ることができません。
地表ゼロメートルから見た場合、上空1万メートルを飛ぶ飛行機が地平線の上に現れるのは、約400kmまで接近してきた場合です。
高度100メートルを飛行するドローンを発見できるのは、半径40kmの範囲だけです。
しかもこれはあくまで計算上の数値に過ぎません。
実際には山やビル、森などがあり、この40kmよりもかなり狭くなります。
AWACSなどの早期警戒能力のある航空機が常時監視を行えば発見も可能ですが、そんな事が出来るのは世界でも米軍だけです。
それにも関わらず、イスラエルがイランが発射した巡航ミサイルやドローンを迎撃できた理由は、イランとイスラエルの間に横たわる国や駐留軍が迎撃に協力したためです。
イランとイスラエルは、約1000km離れています。
この間に存在するヨルダンやサウジは、イスラエルに通報するのみならず、イランが発射した巡航ミサイルなどを自ら迎撃しています。
シリアやイラクを含めた中東各国に駐留する米軍部隊、ペルシャ湾や紅海の米軍艦艇部隊も迎撃を行っています。
そして、イランはミサイルをそうした国々の上空を飛行させるため、ミサイルの飛行経路、発射日程をサウジなどに通告していました。
その情報も、米軍やイスラエルに共有されています。
発見が困難という巡航ミサイルやドローンの利点を、イランはそもそも捨て去っていたのです。
このイスラエルの事例と、2年以上に渡りミサイルを撃ち込まれ、それによって防空システムの配備地をロシアに把握されているウクライナでは余りにも状況が違います。
ウクライナの場合、Tu-22Mなどの爆撃機が反射する空中発射巡航ミサイルは、爆撃機の離陸状況から、大まかな飛来経路が分かるのみで、陸上発射の巡航ミサイルやドローンは、いきなり国土上空に飛来します。
それらは、前線付近の防空システムの配備されていない場所から進入し、防空システムの配備された場所を避け、ウクライナの奥地まで進入します。
これを完璧に防ぐためには、前線に大量の監視・防空システムを配備し、黒海には対空ミサイルを搭載した艦艇を遊弋させなければなりません。
広大な国土を持つウクライナに可能なことではないのです。
■ロシアでも防空は難しい
イスラエルによる完璧とも言える防空は、周辺各国とそこに展開するアメリカをはじめとした各国軍の協力によって達成されたものでした。
それが、1000km以上にも渡るバッファーエリアで機能したことによって、初めて99%の迎撃率が達成されています。
それだけ、防空は困難なものなのです。
そして、これはウクライナに侵略を行っているロシアにも同じ事が言えます。
2022年の全面侵攻が始まった後、アメリカをはじめとした欧米各国は、ウクライナを支援する条件として、クリミアを含めたロシア領域内への攻撃に供与する兵器の使用を禁じました。
そのためウクライナによるロシア領域内攻撃は、ウクライナが開発したドローンに限られています。
この条件は徐々に緩和されています。
クリミアへの攻撃にイギリスが供与したストームシャドウが使われるようになった他、2024年4月に止まっていたアメリカによる武器供与再開と同時に、長距離ミサイル(ATACMS)でのロシア支配地域深部攻撃が行われました。
当然、供与したアメリカが条件を緩和したからです。
しかし、まだかなりの制限があるようで、ロシア国内への攻撃は、ウクライナが開発したドローンによるものがほんとです。
ロシアの巡洋艦「モスクワ」を撃沈した対艦ミサイルのネプチューンが、射程1000kmの巡航ミサイルに改造されているとの情報もあります。
今後はドローンに加え、この改造ネプチューンによる攻撃が増えるかもしれませんが、現状はドローンがほとんどです。
そうであっても、このドローン攻撃はかなりの戦果を上げています。
首都モスクワを含む、ウクライナ国境から数百km以上離れたロシア各地が、それらドローンによる攻撃を受けています。
当初は空港などの軍事目標だけでしたが、2023年から石油精製施設やガスパイプラインなど、ロシアの経済を支える主要産業であるエネルギー産業にも攻撃が行われるようになっています。
最近になって報じられた情報として、ロシアのエネルギー産業大手であるガスプロムの2023年の業績は、1999年以来の赤字に転落しています。
市況などが主たる原因であると言われていますが、設備投資額が大幅に増えたことも影響していたでしょう。
これには、被害を受けた設備の復旧費用が含まれていると見られています。
こうしたロシア領内の被害は、低空を飛行するドローンが、前線付近に配備されたロシアの防空網を突破しているためです。
前線の防空網さえ突破してしまえば、国土の広さは逆にデメリットともなります。
前線を突破するドローンの存在が確認されたとしても、見失ってしまえば、その後の進路の把握は極めて困難だからです。
■航空作戦における攻撃と防御
このウクライナとロシア、双方が防空に苦慮している現実から導かれる結論は、完璧な防空はあり得ず、空の戦いにおいては攻撃しなければ、国家の防衛が成り立たないということです。
これには、ミサイルや自爆ドローンのようなスタンドオフ(敵の射程圏外から攻撃できる)兵器の発展が関係しています。
かつて、ミサイルが歴史に登場するまでは、防空が効果的であれば、高価な航空戦力を効率的に撃墜することで、防空側が敵の航空戦力を破壊することが可能でした。
これは、防勢対航空(DCA:defensive counter air)作戦と呼ばれます。
防御によって敵の航空作戦能力を破壊する作戦です。
このDCAの逆は攻勢対航空(OCA:offensive counter air)作戦になります。
分かり易い例は、航空機による敵基地空爆です。
攻撃により敵の航空作戦能力を破壊します。
第二次世界大戦におけるバトル・オブ・ブリテンは、このDCAとOCAの分かり易いぶつかり合いでした。
バトル・オブ・ブリテンは、ドイツがイギリス上空の制空権を獲得するために行われた戦いです。
この時、ドイツがOCA、警戒管制レーダーを発達させたイギリスがDCAを行っています。
当時は、DCAとOCAの有効性が拮抗していたと言えるでしょう。
しかし、バトル・オブ・ブリテンに勝利したイギリスでも、ドイツのV1、V2ミサイルへの対応に苦慮したように、スタンドオフ兵器の発達で、徐々にOCAの有効性がDCAの有効性を上回っていきます。
対地ミサイルの長射程化により、例えそれが100%迎撃されてしまったとしても、攻撃側の損失は発射した対地ミサイルのコストだけになりました。
一般に迎撃用ミサイルが高価なこともあり、対する防御側はその場合でも攻撃側と大差ないどころかそれ以上の損失(コスト)がかかることになりました。
その上、既に述べたように完璧な防空は不可能です。
スタンドオフ兵器が多用される現代の航空戦では、軍事面では攻撃側が圧倒的に有利なのです。
このことが、アメリカをはじめとしたウクライナを支援する各国が、ロシア支配地域内への攻撃を緩和してきた背景でもあります。
攻撃には防御側の3倍の兵力が必要であるとする
「攻撃3倍の法則」
が言われることがありますが、あれは陣地によって防御側が有利になる陸戦での話です。
航空では、そして海戦でも、既に攻撃側が有利になっています。
しかし、攻撃側が有利であっても、防御力整備を攻撃能力に全て振ってしまうことは不適切です。
先制攻撃してしまえば政治的な非難を浴びますし、軍事面だけを考えても、逆に先制された場合に壊滅的な被害を被ります。
攻撃と防御、ベストミックスが必要なのです。
■F-16到着で戦況は
原理原則的な事を書きましたが、翻って現実を見てみます。
攻撃側が有利だとしたら、間もなくウクライナに到着すると言われるF-16は、大丈夫でしょうか。
活躍する前に破壊されてしまわないでしょうか。
F-16が地上で破壊されてしまう可能性はゼロではありませんが、心配は無用です。
供与の話が具体化してから1年以上が経過しています。
その間に、配備予定の基地には堅固な航空機用掩体(航空機などを敵の攻撃から護るための大型の覆い状施設や横穴などについては「掩体壕」とも言う)が構築されていると思われます。
もしかすると、地下格納庫が建設されているかもしれません。
これが、余りに前線に近い場合は、滑空爆弾の直撃で破壊される可能性はありますが当然、前線からある程度下がった基地が選択されているでしょう。
シャヘドのようなドローンでは、炸薬量が足りず、たとえ直撃しても堅固な掩体なら内部の航空機を防護できます。
弾道ミサイルや大型の巡航ミサイルの場合、直撃すれば掩体ごと破壊される可能性がありますが、全面侵攻の始まった2年前と比較すると、調達される部品の精度が低下しているのか、ウクライナの最近の巡航ミサイル被害報告を見ると命中精度が低下しているようです。
掩体への直撃を狙うことは困難でしょう。
また、当然ながらF-16を配備する基地近傍には迎撃システムを配備するはずです。
それによって迎撃できますし、ウクライナは現在も防空警報を出せるだけのミサイル監視体制は構築できているため、警報を受けて迎撃システムを起動すると同時に、暴露した状態の機体があれば、離陸させてしまうなり、掩体に入れるなりが可能です。
むしろ、F-16が活躍できるかどうか否かを考える上で重要なのは、F-16に搭載すべき弾薬、特にスタンドオフ能力のあるミサイル、滑空爆弾が十分に供与されるのかどうかということです。
F-16があっても、搭載する弾薬が通常爆弾のみであれば、撃墜されるだけで終わります。
F-16と併せ、2023年夏から供与されている対レーダーミサイルのHARMや滑空爆弾のJDAMがどの程度追加供与されるかによって、F-16が活躍できるかどうかが決まると思われます。
■我が国防衛の決定打
最後に、このイスラエルとウクライナの実例から我が国が何を学ぶべきなのか考えてみます。
我が国は、長らく専守防衛を標榜してきました。
その看板こそ外してはおりませんが、安保3文書に敵基地攻撃能力(反撃能力)を明記し、トマホークを含む長射程のスタンドオフ兵器導入に踏み出しています。
しかしながら、まだ緒に就いたと言えるレベルであり、長年掲げ続けてきた看板の弊害により、我が国の能力は防空に偏重しています。
攻勢対航空(OCA:offensive counter air)の能力は乏しく、防勢対航空(DCA:defensive counter air)に偏っているのです。
この状態が続けば、中国や北朝鮮は高価な防空システムを整備することなく、能力を攻勢対航空(OCA:offensive counter air)用の攻撃兵器に全て投じることができます。
我が国が相応の敵基地攻撃能力を整備すれば、敵はそれに応じた防空兵器を整備せざるを得ません。
敵基地攻撃能力を保持するだけで、それを1発も発射しなくとも、敵の攻撃能力を削ぎ、我が国の防衛に寄与できるのです。
だからこそ、これらの国や影響を受ける勢力が必死に我が国の敵基地攻撃能力に反対しています。
これは、極超音速滑空弾のような高度な敵基地攻撃能力において、特に顕著に言えることです。
その整備が極少数に留まったとしても、敵の中枢を攻撃できる能力を保持することで、敵にそれに対する高度な備えを強要できます。
敵が権威主義的な独裁国家であれば尚更です。
独裁者は、遥か彼方から殺害されるかもしれないとなれば、それに備えなければなりませんし、攻撃を躊躇します。
つまり高度な敵基地攻撃能力は、彼らに対する抑止力が高いのです。
加えて、できれば、技術的にはもう少し多く製造・配備が容易な弾道ミサイルも保有しておくべきです。
イージスSM-3やパトリオットPAC-3で迎撃できるとは言え、北朝鮮が保有するノドンが200発もあることは、我が国にとって非常な脅威です。
アメリカが、我が国への弾道ミサイル配備を見送ったと伝えられていますが、性質の違う敵基地攻撃能力を保有しておくことで、敵に対処能力の保有を強要できるため、安価な弾道ミサイルの保持も、非常に有効な手段なのです。
いずれにしても、敵にとって、我が国の専守防衛は、非常に有り難いものです。
十分な敵基地攻撃能力を保持するだけでなく、それを政治的にも有効に機能させるため、もう専守防衛の看板は下ろすべきでしょう。

ウクライナはF16で露領攻撃可能 オランダ国防相が表明 今年後半に24機を順次供与
2024/6/4 19:45
https://www.sankei.com/article/20240604-T4O5ETXHS5JEJBM4H3MIHRWQXI/
オランダのオロングレン国防相は2024年6月4日までに、ウクライナに供与予定のF166戦闘機を使ったロシア領内への攻撃は可能との考えを示した。
ニュースサイト、ポリティコのインタビューに答えた。
オランダは2024年後半以降、計24機を順次供与する見通し。
報道によると、デンマークのラスムセン外相もウクライナに供与予定の計19機のF16でロシア領内の軍事施設を攻撃可能との考えを表明している。
米国もウクライナに対し、米国供与の兵器を使った限定的なロシア領攻撃を容認したばかり。
ウクライナ軍がロシア軍の攻勢に直面する中、欧米はウクライナ支援のレベルを上げている。
アジア安全保障会議を開催したシンガポールでインタビューに応じたオロングレン氏は
「我々はウクライナに国際法を守ることだけを求める」
「つまり自衛のための使用だ」
と述べた。(共同)

ウクライナ前国防相、露領内攻撃「許可を得た」と歓迎 敗北は「独裁国連合の支配構造を生む」と警告
2024/6/1 9:41
https://www.sankei.com/article/20240601-NSLKXCNEWBN5JD56BH3WTMKJR4/
ロシアの侵略が続くウクライナのレズニコフ前国防相が2024年5月31日、ワシントンで講演し、米国や欧州が供与した兵器でウクライナの露占領地だけでなく露領内の軍事的標的を攻撃する重要性を指摘した上で、
「我々はその許可を得た」
と述べ、ウクライナ支援を巡る一大転換となる米欧諸国の判断を歓迎した。
米メディアは米国が供与兵器による露領土の軍事拠点への限定的攻撃を容認したと伝え、北大西洋条約機構(NATO)の加盟国もウクライナの越境攻撃容認に続々と支持を表明した。
レズニコフ氏は、露軍が北方から国境を越えてウクライナ東部主要都市ハリコフ方面へ攻勢を強めていると指摘。
露側の軍事拠点を攻撃対象にできれば、民間人の犠牲を減らす有効な手段になると強調した。
同氏は2023年9月に辞任するまで米欧と軍事支援を巡る交渉に従事した。
ロシアの軍事行動のエスカレートを警戒し米国の供与する兵器は歩兵携行式ミサイルから155ミリ榴弾砲、高機動ロケット砲システム、戦車と段階的に進化したが、同氏は
「我々は常に戦果を示した」
「今日不可能なことが明日には可能になるとの信念がある」
と強調した。
露軍が制空権を握る中で民間人を守るため防空態勢強化が急務とし、
「F166戦闘機は防空システムの主要部分をなす」
と早急な配備を求めた。
米欧の支援意思喪失を狙うロシアの
「認知戦」
にも警戒を促した。
レズニコフ氏は、イランや北朝鮮と結託するロシアの勝利を許せば
「独裁国家連合の新たな(支配)構造が世界中で形成される」
と予測。
別の紛争に発展し米国の軍事・経済負担が増える事態を抑止する意味でもウクライナ支援は
「現実的だ」
と強調し
「我々は疑いなくこの戦争に勝つ」
と結束に自信を示した。

米独、ウクライナによるロシアへの越境攻撃を容認 露国境地帯での苦戦受けて方針転換
2024/5/31 22:24
https://www.sankei.com/article/20240531-EWUSCA7EBBLBFNWPLIISE7HPJE/
ブリンケン米国務長官は2024年5月31日、チェコのプラハで記者会見し、バイデン政権がロシアに侵略されたウクライナが米国から供与された兵器を使いロシア領内に越境攻撃することを認めたと明らかにした。
ドイツ政府報道官も同日、ウクライナがドイツから供与された兵器による露領内への攻撃を許可したと発表した。
米メディアによると米国は、越境攻撃の目標をウクライナ東部の都市ハリコフ周辺に限定するよう要請。
また、米国が供与した地対地ミサイル「ATACMS」などを使い国境地帯より遠方にある露国内の施設や拠点を攻撃することは従来通り認めないとしている。
米独はこれまで、戦術核の使用に言及するプーチン露政権との対立激化を避けるため、ウクライナに越境攻撃をしないよう制約を課してきたが、戦局が同国に決定的に不利になる恐れが出始めた他、英仏などが攻撃を認める姿勢を相次ぎ打ち出したのを受けて攻撃容認に転換した。

NATO非公式外相会合、ウクライナの越境攻撃を大多数が支持 ハリコフの戦局転換に期待
2024/5/31 18:21
https://www.sankei.com/article/20240531-JPP2MY4EPRKR3CIWT2FYY23JNY/
チェコのプラハで開かれていた北大西洋条約機構(NATO)非公式外相会合は最終日の2024年5月31日、ウクライナが欧米から供与された兵器でロシア領内を攻撃することに大多数の加盟国が支持を表明し、ウクライナの勝利に向けた後押しを一層強めることを確認した。
ウクライナによる越境攻撃を巡っては、これまで米独など加盟国の多くが自国製の兵器でロシア領内を攻撃しないようウクライナに制約を課してきた。
ところがロシアが最近になって露国境に近い東部に新たな戦線を開いてウクライナ領内に越境攻撃を仕掛けているのに対し、ウクライナは有効な反撃ができずに守勢に立たされ、欧米諸国に兵器使用の制約を解除するよう要請していた。
NATOのストルテンベルグ事務総長は会合後の記者会見で
「私たちは新たな戦局に対応する必要がある」
と述べ、この日の協議で多数の加盟国が制約の緩和に踏み切ったことに
「歓迎の意」
を表明した。
ストルテンベルグ氏はまた
「ウクライナには自衛権がある」
と指摘。
プーチン露政権がNATO加盟国によるウクライナの越境攻撃容認を非難していることに関しては
「侵略戦争を始めたのはロシアだ」
「私たちは屈しない」
と強調した。
NATOは組織としてはウクライナに兵器を供与しておらず、越境攻撃の容認の是非は供与した各国の判断となる。
イタリアのタヤーニ外相は2024年5月31日、
「伊製兵器を越境攻撃に使わせることは憲法の制約上できない」
としたものの、加盟国の大勢が容認を打ち出したことで、ウクライナがロシアの攻勢を押し戻す転機となることが期待される。
また、スウェーデンは会合に合わせ、ウクライナ空軍によるF16戦闘機の将来的な運用を視野に、効果的な戦闘を可能にする早期警戒機サーブ340の供与を表明。
チェコも弾薬50万発分に相当する16億ユーロ(約2710億円)の拠出を明らかにした。
ロイター通信によると、ストルテンベルグ氏は現状の軍事支援の水準を維持するため、加盟国全体で毎年少なくとも計400億ユーロ(約6兆8000億円)を拠出するよう求めた。

ロシア領攻撃「国際法に従っていれば問題ない」 フィンランド大統領
2024/5/31 10:56
https://www.sankei.com/article/20240531-Q6ZR7GJHRROHJDJX6YH576SVR4/
フィンランドのストゥブ大統領は2024年5月30日、首都ヘルシンキで共同通信などの取材に応じ、ウクライナが欧米から供与された兵器でロシア領内を攻撃することは
「国際法に従っていれば問題ない」
と語った。
ウクライナへの兵器の供与国が相次いでロシア領への攻撃に前向きな発言をしている。
ストゥブ氏は供与した兵器は
「ウクライナが自分たちを守るためにある」
「(用途を)制限する考えは支持できない」
と話した。
ロシアと国境を接するフィンランドは、ウクライナに侵攻したロシアに強硬な姿勢を取っている。
侵攻について
「あらゆる国際法に反する」
「女性や子供を殺害し、病院や学校を攻撃している」
と非難。
「ウクライナが勝利するように支援するのは私たちの責務だ」
と強調した。
フィンランドはウクライナ侵攻を背景に、2023年4月に北大西洋条約機構(NATO)に加盟した。(共同)

米、供与兵器の露攻撃容認か ウクライナ守勢で姿勢転換
2024/5/31 9:13
https://www.sankei.com/article/20240531-RVJHNWPENVMSPLPV4YYVSJ3PKU/
米主要メディアは2024年5月30日、バイデン政権がウクライナに対し、米国が供与した兵器をロシア領内の軍事拠点への攻撃に使うことを非公式に承認したと報じた。
ウクライナ軍が東部ハリコフ州で守勢に立っており、従来の方針を転換した。
米政府当局者の話としている。
英国やフランスの首脳らが最近、欧米供与の兵器をロシア領内への攻撃に使うことに前向きな発言をしており、バイデン政権の対応が焦点となっていた。
米メディアによると、バイデン大統領が最近、反撃のために米国供与の兵器を使ってもいいとウクライナ側に伝達するよう部下に指示した。
標的はハリコフ州の周辺地域に限定し、ロシア領内でウクライナへの攻撃やその準備を進める部隊を想定している。
ロシア領内の民間施設を狙うことや、米国供与の地対地ミサイル「ATACMS(エイタクムス)」などで国境から遠く離れた軍事拠点を攻撃することは承認されていないという。(共同)
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/569.html#c19

[政治・選挙・NHK294] 懲りない自民に国民は「決起」を 東京都知事選は格好の前哨戦(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
46. 秘密のアッコちゃん[382] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年6月12日 11:16:29 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[495]
<■668行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
<主張>玄海町で文献調査 国民の関心拡大へ一石だ
社説
2024/6/12 5:00
https://www.sankei.com/article/20240612-TVW7KYSKOVNLDOWAKZXUPY7HZU/
原発の使用済み燃料に由来する高レベル放射性廃棄物(HLW)の最終処分地探しの第1段階である
「文献調査」
が新たに佐賀県玄海町で始まった。
調査には原子力発電環境整備機構(NUMO)が当たる。
北海道の寿都町と神恵内村に続く3番目の文献調査である。
日本のエネルギー問題の懸案解決に資する展開だ。
地下300メートル以深の岩盤にトンネル網を掘削し、約4万本のガラス固化体に加工したHLWを埋設するのが最終処分施設である。
2024年4月、玄海町の商工団体から文献調査受け入れを求める動きが起き、2024年5月10日に脇山伸太郎町長が受諾を表明した。
それを受けてNUMOが斎藤健経済産業相に申請していた調査計画が2024年6月10日に認可され、文献調査の開始となった。
速やかな進捗を評価したい。
文献調査では約2年間でNUMOが地域の地質などに関する既存の研究論文などを収集し、第2段階の概要調査への可能性を検討する。
同時に地元住民との対話活動にも力を入れる。
令和2年に文献調査が始まった北海道の2町村は、概要調査への移行が焦点になっている段階にある。
寿都町の片岡春雄町長は、概要調査に進むかどうかの決定前に住民投票を実施する意向を示してきた。
それには第3の文献調査地点の出現が条件だったので、玄海町での文献調査開始の意義は大きい。
経産省が平成29年に公表した
「科学的特性マップ」
で、玄海町は地下資源(石炭)との関係で
「好ましくない特性があると推定される地域」
に区分されている。
そのことを理由に文献調査を疑問視する声もあるが、同マップは概略図である。
沿岸海底下を含め、より精細な情報が集まれば石炭の埋蔵がない数キロ四方のエリアは十分に期待されよう。
それを確認するのが文献調査の目的だ。
「核のごみ」
とも呼ばれるHLWは、万年単位で放射能を持ち続けるので地上に保管するのは非現実的だ。
原発利用国は地下処分施設の立地と建設に向けて取り組んでいる。
海外の例に照らすと10前後の候補地から最適の地質条件を備えた1地点に絞り込まれるのが理想的だ。
北海道と九州の3町村に続く市町村からの文献調査受け入れ表明を期待したい。

経産省が佐賀・玄海町から文書受領 高レベル放射性廃棄物最終処分場の文献調査開始へ
2024/5/20 17:14
https://www.sankei.com/article/20240520-6KW47BNGZNIBRCDLVYNGD7M53A/
経済産業省は2024年5月20日、佐賀県玄海町から、高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に必要な文献調査に応じるとの文書を受け取ったと明らかにした。
処分事業を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)は調査計画を作成し、事業計画の変更を国に申請する。
経産相の認可後、調査を始める。
経産省が2024年5月1日、玄海町に調査実施を申し入れていた。
先行する北海道神恵内(かもえない)村では、経産省の申し入れに文書で回答してから約1カ月で調査が始まっている。
処分場選定の第1段階となる文献調査は北海道寿都(すっつ)町と神恵内村で終盤を迎えている。
玄海町は全国で3例目、原発が立地する自治体では初めて。
2024年5月10日に同町の脇山伸太郎町長が受け入れを表明、経産省に電話で報告していた。

玄海町の核最終処分調査受け入れ表明で北海道寿都町の片岡春雄町長が「議論の広がり期待」
2024/5/14 13:48
https://www.sankei.com/article/20240514-G4PBJX6PH5OBBKPCFTJWAOXFYE/
原子力発電で生じる高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査が行われている北海道寿都(すっつ)町の片岡春雄町長は、佐賀県玄海町が同調査の受け入れを表明したことを受けて
「議論の輪が全国に広がり、更に新たな調査地区が出てくることを期待している」
などとするコメントを発表した。
片岡町長は、鈴木直道北海道知事が
「最終処分地の選定は日本全体で考えるべき問題」
と説明していることを挙げ、
「特定の地域だけの問題ではなく、日本社会にとって欠かせない最終処分事業の推進に向け、玄海町での取り組みが国民的議論を喚起する一石となればとの思いから決断されたとお察しする」
と強調。
「私もこの約3年半、同じ思いの首長が早く出てきてほしいと期待していた」
とし、今後は町民向け勉強会など理解を深める取り組みを進めていく考えを示した。
また、最終処分場の選定に向けて
「先行する諸外国では10地区程度の関心地域から徐々に絞り込んでいるが、国家プロジェクトとして推進している我が国ではそれに至っていない」
と指摘。
「国民1人1人が自分事として受け止めて考えることが重要」
とした。
北海道では令和2年から後志(しりべし)地域の寿都町と神恵内(かもえない)村で文献調査が行われており、片岡町長はこの2町村以外で新たな候補地が出た場合、次の段階に当たる
「概要調査」
の賛否を問う住民投票に向け、町民参加型の勉強会を行う考えを示していた。

核最終処分調査は「国と事業者の責任で」 福島県の内堀雅雄知事
2024/5/13 12:51
https://www.sankei.com/article/20240513-L3BZPXRDFBIOJPWMQ7DZNNF3J4/
佐賀県玄海町が原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査の受け入れを表明したことを巡り、福島県の内堀雅雄知事は2024年5月13日の定例記者会見で
「原子力政策は、住民の安全や安心の確保を最優先に、国と事業者の責任で対応すべきだ」
と述べた。
一方、東京電力福島第1、第2原発の使用済み核燃料が玄海町に持ち込まれる可能性について問われると
「仮定の質問だ」
として回答を避けた。

<主張>玄海町も文献調査 核廃棄物の処分へ前進だ
社説
2024/5/11 5:00
https://www.sankei.com/article/20240511-2NAVS7FGUFLC5H3STVEXKD3PMY/
日本が抱える未解決のエネルギー問題へ国民の関心を向けるのに貢献する対応だ。
佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長が、原子力発電で生じる高レベル放射性廃棄物(HLW)の最終処分場選定に向けた第1段階
「文献調査」
の受け入れを表明した。
経済産業省からの申し入れを脇山氏が受諾した。
令和2年11月から文献調査が始まった北海道の寿都町と神恵内村に続く第3の自治体の出現である。
深地底の最終処分場建設で先行するフィンランドなど海外の事例に照らすと、理想的な地質条件を備えた地点選定には10前後の自治体での文献調査から始めるのが望ましいとされる。
寿都町と神恵内村では文献調査結果がほぼまとまり、ボーリングなどで地下の構造を調べる
「概要調査」
移行が焦点となっている。
そうした状況で2024年4月下旬、玄海町の商工3団体が文献調査を受諾するよう求めた請願が町議会で採択された。
あとは脇山氏の決断のみとなり、経産省が調査を受け入れるよう申し入れていた。
これが、当初の反対姿勢を転換するかどうかで迷っていた脇山氏の受諾判断を後押しした面はあろう。
何よりも民意を尊重した脇山氏の見識を高く評価したい。
玄海町が受諾したことで、HLWの問題が北海道だけのものとなりかねない事態は避けられた。
この意義も大きい。
寿都町の片岡春雄町長は、第3の文献調査自治体の出現を条件に、概要調査への住民投票を行う考えを示していたので、北海道では更に議論が活発化するだろう。
「核のごみ」
とも言われるHLWは万年単位の長期間、放射能を持ち続ける。
これを人間の生活圏から隔離するには地下300メートル以深の岩盤中にトンネル網状の施設を建設し、そこに埋設するのが最も確実な方法だ。
これは世界の共通認識だ。
だが、原子力に関する世論調査でもこの問題の国民理解は進んでいない。
一方、玄海町には九州電力の玄海原子力発電所が立地している関係で、原子力エネルギーの利用とその後始末であるHLW問題の重要性を知悉(ちしつ:ある物事について、細かい点まで知りつくす)する町民が多いという。
玄海町の前向きの対応はHLW問題の解決に向けての心強い動きだ。
第4、第5の文献調査地が現れるよう期待する。

「請願採択は大変重い」「適地が見つかる呼び水に」 佐賀県玄海町長の一問一答
2024/5/10 20:35
https://www.sankei.com/article/20240510-TMQNKXHGVBJDJCQHEEWVQ5JQGA/
原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた第1段階の文献調査を受け入れると10日表明した佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長の記者会見での主なやりとりは以下の通り。
「原発事業に長年携わり、国に貢献してきた立地自治体が、更に文献調査に協力することは非常に重い決断だ」
「お金目的で受け入れるものではない」
「日本のどこかに最終処分場の適地が見つかる呼び水となったら有難い」
―判断の経緯は。
「住民の代表である議会の請願採択は大変重い」
「最終処分場に直結するわけではないとの言質も経済産業相から直接もらった」
―町民周知は十分か。
「どこまで理解が進んでいるかまでは、私が言及することはちょっと難しい」
―原発立地自治体の責務を考えているか。
「責務はない」
「原発立地町で使用済み核燃料は出るが、電気を作って安定供給できる場として貢献したい考えだ」
―文献調査受け入れに伴う交付金は申請しないのか。
「国と相談していない」
「交付金を貰わない形を取ると、次に手を挙げる自治体が貰えない流れを作ってしまったらいけないとちょっと感じている」

「日本全体で解決を」北海道の首長ら、議論広がりに期待 佐賀県玄海町の表明受け
2024/5/10 20:14
https://www.sankei.com/article/20240510-JC5JWDFYLZM7FEBTSJLSSUXHMQ/
原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査が全国に先駆けて進んでいる北海道の首長らからは2024年5月10日、佐賀県玄海町の文献調査受け入れ表明を受け、
「日本全体で解決すべきだ」
などと、議論が全国に広がることを期待する声が上がった。
道内では神恵内村と寿都町で文献調査が進む。
神恵内村の高橋昌幸村長は
「更に新たな調査地区が出てくることに加え、全国の皆様が自分事として捉えて関心が高まることを期待する」
と、玄海町以外にも対象が広がることに期待を表明。
核のごみ問題は
「原子力発電の賛否にかかわらず、日本全体で必ず解決しなければならない重要課題だ」
と強調した。
寿都町の片岡春雄町長はこれまで、新たな候補地が出れば、次段階となる
「概要調査」
への賛否を問う住民投票に向け、町民参加型の勉強会を開くとしてきた。
今後の動向が注目されるが、2024年5月10日は取材に応じなかった。

最長20年の核最終処分地選定プロセス、国は歓迎ムードも自治体側は負担 民意変化の恐れも
2024/5/10 19:57
https://www.sankei.com/article/20240510-KCDXF3BQOJI7FEA5BOYNJ4AGXE/
最終処分地の選定は、北海道寿都町と神恵内村で令和2年に第1段階の文献調査が始まって以降、目立った動きはなかった。
国は3例目となる佐賀県玄海町の表明に歓迎ムードだが、受け入れ自治体には最長20年に及ぶとされる選定プロセスが重くのしかかる。
高レベル放射性廃棄物(核のごみ)を地下300メートルより深くに埋める最終処分は国が定めた最終処分法に基づき3段階のプロセスがある。
第1段階の文献調査は2年程度行われ、続く概要調査はボーリングを使った調査を4年程度実施。
最後の精密調査では実際に地下トンネルを建設、14年程度かけて最適地を探す。
各段階への移行前には首長の同意が必要で、この間に核のごみが持ち込まれることはない。
平成19年に高知県東洋町が全国で初めて名乗りを上げたが、住民の反発で白紙撤回となり、2023年9月には長崎県対馬市でも市長の反対で誘致の動きが止まった。
政府は2023年2月に決定した脱炭素化の基本方針で、調査拡大に向け自治体への
「主体的な働き掛けの抜本強化」
を明記。
応募を検討する自治体の負担軽減策として地元商工会など行政の外側に働きかけて機運を高め、首長の決断を後押しする方針を掲げた。
今回の受け入れ表明に影響した可能性は高い。
ただ、長期に及ぶ調査の過程で受け入れ自治体側の民意が変化する恐れもあり、経済産業省の担当者は
「住民の理解が得られるよう引き続き努めたい」
としている。

核最終処分場、全国議論に弾み 異例のスピード決定で先行自治体への影響必至
2024/5/10 19:54
https://www.sankei.com/article/20240510-WYVBSWWK4JLFTKCLRDFBIM3SUE/
原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場の選定を巡り、佐賀県玄海町が2024年5月10日、文献調査の受け入れを表明した。
議論の浮上から1カ月弱で進展した背景には、原発活用に舵を切った現政権の異例とも言える後押しがあった。
既に文献調査が進む北海道の2町村に影響を与えるのは必至で、長年停滞した議論にも大きな弾みが付きそうだ。
「全国で議論が高まり、日本のどこかに最終処分場の適地が見つかる呼び水となれば」。
2024年5月10日、原発立地自治体として初めて受け入れを表明した同町の脇山伸太郎町長は、報道陣にこう語った。
調査の受け入れを求める地元商工3団体の請願が提出され、議論が表面化したのは2024年4月15日。
2024年4月26日には町議会で請願が採択され、脇山町長も
「議会で採択されたことは大変重い」
と述べ、熟慮した上での決断だったことを滲ませた。
調査を申し入れる国側の動きも早かった。
請願提出の2日後の2024年4月28日には、原子力政策を所管する経済産業省の担当者が特別委員会に出席し、処分地選定までの流れなどを説明。
2024年5月1日には同省幹部が町役場を訪れ、2024年5月7日には斎藤健経産相が脇山町長と面談した。
資源エネルギー庁の幹部は
「受け入れの表明前に大臣が首長と面会するのは異例だが、裏を返せば国民的議論に繋げたい強い意志の表れだ」
と話す。
2023年11月には、最終処分の事業主体を担う国の認可法人、原子力発電環境整備機構(NUMO)が主催する地元住民向けの説明会も開かれ、担当者によれば
「会場の反応は悪くなかった」
という。
スピード決定の背景には、水面下の折衝も奏功した可能性が高い。
令和2年に受け入れを表明し、文献調査が進む北海道寿都町と神恵内村は、かねて議論が北海道以外の他地域に広がることを望んでおり、3例目となる自治体が名乗りを上げたことで、今後の動きにも影響するのは確実とみられる。
最終処分が先行するフィンランドやスウェーデンでは、選定までに5〜8つの自治体が候補地となった経緯がある。
エネ庁幹部も
「日本でも6〜8つの候補地が望ましい」
としており、議論の広がりを更に後押ししたい考えだ。

岸田首相「心から敬意と感謝」 佐賀県玄海町の核最終処分場選定に向けた文献調査受け入れ
2024/5/10 19:39
https://www.sankei.com/article/20240510-BNABOX4EIFJRTAYLZAZ463GKZQ/
岸田文雄首相は2024年5月10日、佐賀県玄海町長による核のごみ最終処分場選定に向けた文献調査受け入れ表明に関し
「政府としては心から敬意と感謝を表したい」
と官邸で記者団に述べた。
最終処分地選定について
「半世紀に渡り原子力発電を活用していた我が国にとって必ず解決しなければならない課題だ」
とした上で、
「今後とも最終処分に関する理解や議論が全国で深まっていくよう国として前面に立って取り組みを進めていきたい」
と強調した。

青森知事「少しずつ前進」と歓迎 佐賀県玄海町の文献調査受け入れ表明で
2024/5/10 19:36
https://www.sankei.com/article/20240510-RQBH4ICBHBPFFASWXUGJSHUJFY/
高レベル放射性廃棄物(核のごみ)を一時保管している青森県の宮下宗一郎知事は2024年5月10日、佐賀県玄海町による最終処分場選定に向けた文献調査の受け入れ表明を歓迎した。
青森県庁で記者団に
「少しずつ前進している印象だ」
「国と事業者が責任を持って立地点を決めてほしい」
と述べた。
併せて、電気は全国で使われるとして
「(原発の)立地地域だけが大きい負担を強いられる構造は是正しなければいけない」
「全国の自治体が自分事として取り組むのが重要だ」
と強調した。
青森県六ケ所村には日本原燃の貯蔵管理センターがあり、50年間を期限として核のごみが保管されている。

「こんなに早く」 核最終処分受け入れ、憤る町民 賛成派は全国的議論に期待
2024/5/10 18:36
https://www.sankei.com/article/20240510-WUFQAXKE45N65D2TZCCYWLYXEU/
請願書の議会提出が明らかになってから、僅か1カ月足らず。
佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長が2024年5月10日、原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査受け入れを表明した。
賛成派の町議が全国的な議論を期待するのに対し、役場前に集まった町民らは
「こんなに早く決定を出すのはおかしい」
と憤った。
脇山町長は記者会見の冒頭、用意した紙に目を落とし、淡々とした口調で表明した。
記者会見前に開かれた町議会の全員協議会は、10分ほどで終えていた。
町長の会見後、賛成派の岩下孝嗣町議は
「全国的な議論の俎上に載って良かった」
と評価。
一方で反対派の前川和民町議は
「やり方が余りにも強引」
「十分な審議が尽くされたとは思えない」
と肩を落とした。
この日、役場前に集まった町民らは
「社会的合意不可欠」
などと書かれた10本以上の幟を掲げた。
同町の仲秋喜道さん(94)は
「時間がかかっても町民の意見を聞いて進めるべきだった」
「言葉を失う」
と怒りの声を上げた。

「協力ありがたい」 最終処分担うNUMO、佐賀県玄海町の文献調査受け入れで
2024/5/10 15:01
https://www.sankei.com/article/20240510-2TM7VTKZRBJERMXVU4T2AZZCVY/
原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分事業を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)の近藤駿介理事長は2024年5月10日、佐賀県玄海町による、処分場選定に向けた文献調査の受け入れ表明について、
「文献調査に協力頂けることは大変有難い」
「地域の皆さまの関心や疑問、不安に応え、議論を深めて頂けるよう玄海町に全面的に協力し、情報提供を丁寧に進める」
とのコメントを公表した。

電事連会長「大変意義がある」 佐賀県玄海町による文献調査の受け入れ表明受け
2024/5/10 14:54
https://www.sankei.com/article/20240510-HKTOGI4RG5IKBE37BPBFNKAQ5A/
電気事業連合会の林欣吾会長(中部電力社長)は2024年5月10日、佐賀県玄海町による、原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査の受け入れ表明について、
「全国的な議論を喚起する上でも大変意義がある」
「原子力事業者は廃棄物の発生者としての責任を有する立場から、多くの皆様の関心や理解が深まるよう引き続き取り組む」
とするコメントを公表した。

玄海町長「お金目的ではない」 核最終処分場選定に向けた文献調査受け入れで会見
2024/5/10 12:10
https://www.sankei.com/article/20240510-NF6RAJGBERKK5NEIJKMDS5OVQE/
佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長は2024年5月10日、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査を受け入れると表明した。
同町には九州電力玄海原発があり、原発立地自治体としては初めて。
全国では既に文献調査が進む北海道の2町村に続き3例目。
脇山町長は2024年5月10日午前、町議会全員協議会で自身の考えを説明した後、記者会見した。
脇山町長は受諾理由について
「議会の請願採択は大変重い」
と強調。
「なし崩し的に最終処分場になることはないと思っている」
と述べた。
「国民的議論を喚起するきっかけになればいい」
「(交付金の)お金目的ではない」
とも語った。
町議会は2024年4月26日、飲食業組合や旅館組合など地元3団体がそれぞれ出した請願を賛成多数で採択。
これに伴い経済産業省は2024年5月1、玄海町に調査実施を申し入れた。
調査は市町村の応募か国からの申し入れ受諾で始まり、脇山町長は2024年5月中に自身の態度を明らかにする意向を示していた。

原発立地の佐賀・玄海町長が核最終処分場選定に向けた文献調査受け入れを表明
2024/5/10 11:39
https://www.sankei.com/article/20240510-JBK32G6HDVNGHJS7OMFIU7KIJQ/
佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長は2024年5月10日、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査について受け入れることを表明した。
国が調査実施を申し入れていた。
文献調査は北海道の寿都町(すっつちょう)と神恵内村(かもえないむら)以来3例目。
九州電力玄海原発がある玄海町が原発立地自治体として初めて調査に応じるかどうか注目が集まっていた。
町議会は2024年4月26日、飲食業組合や旅館組合など地元3団体がそれぞれ出した請願を賛成多数で採択。
これに伴い経済産業省は2024年5月1日、玄海町に調査実施を申し入れた。
調査は市町村の応募か国からの申し入れ受諾で始まり、脇山町長は2024年5月中に自身の態度を明らかにする意向を示し、2024年5月10日に町議会全員協議会が開かれた。
文献調査を受け入れると国から最大20億円が交付される。
原発関連の収入が多く、玄海町は佐賀県で唯一、地方交付税を受け取っていない。
一部町議が交付金目当てを否定している。

「核のごみ」文献調査受け入れ表明 玄海町長 原発立地では初
2024年5月10日 19時18分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240510/k10014445071000.html
原子力発電で出るいわゆる
「核のごみ」
の処分地選定を巡って、佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長は10日、第1段階となる
「文献調査」
を受け入れる考えを表明しました。
文献調査の受け入れは全国で3例目で、原発が立地する自治体としては初めてとなります。
目次
「文献調査」巡る動き 浮上から1か月弱で大きく進展
「文献調査」受け入れ表明まで 町長の発言は
高レベル放射性廃棄物いわゆる
「核のごみ」
は、長期間強い放射線を出し続けることから、地下300メートルより深くに埋めて最終処分することが法律で決まっていて、処分地の選定に向けた調査は3段階で行われます。
玄海町では第1段階に当たる
「文献調査」
を巡って4月、調査の受け入れを求める請願が町議会で採択され、今月1日には国が調査の実施を町に申し入れていました。
こうした中、玄海町の脇山町長は先ほど記者会見を開き
「町議会での議論や国からの申し入れを受け熟考した結果、文献調査を受け入れる決断をした」
と述べ、調査を受け入れる考えを表明しました。
その上で
「全国で議論が高まり、取り組みが進む一石となればと思っている」
「なし崩し的に最終処分場になることはないと考えていて、お金目的で調査を受け入れるものではない」
と自らの考えを説明しました。
文献調査の受け入れは北海道の寿都町と神恵内村に続いて全国で3例目です。
玄海町には九州電力の玄海原発が立地していますが、原発が立地する自治体が調査を受け入れるのは初めてとなります。
■「文献調査」巡る動き 浮上から1か月弱で大きく進展
玄海町で核のごみの処分地選定に向けた
「文献調査」
を巡る動きが浮上したのは2024年4月15日でした。
町内の旅館組合、飲食業組合、防災対策協議会が町議会に提出していた、
「文献調査」
への応募を働き掛けるよう求める請願がこの日、町議会の原子力特別委員会に付託され、調査を求める動きが明るみに出ました。
2日後の2024年4月17日には原子力政策を所管する経済産業省の担当者らが特別委員会に出席し、
「核のごみ」
の処分地選定について説明。
そして2024年4月25日には特別委員会で採決が行われ、請願を賛成6人、反対3人の賛成多数で可決しました。
この翌日2024年4月26日に開かれた本会議の採決でもやはり賛成6人、反対3人となり請願は正式に採択されました。
議会での採択を受けて脇山町長は2024年5月中にも判断を示す考えを明らかにしました。
そして、2024年5月1日には経済産業省の幹部が町役場を訪れ
「『文献調査』の実施を求める」
とする経済産業大臣からの文書を脇山町長に手渡しました。
その後、大型連休が明けた2024年5月7日には脇山町長が上京して齋藤経済産業大臣と面会していました。
この間、一部の議員や住民からは住民説明会を求める声も挙がりましたが、町長は開催に否定的な考えを示していました。
「文献調査」
を求める動きが明るみになってから町長が判断を示すまで、1か月も経っておらず、短期間で事態が大きく進展した形となりました。
■「文献調査」受け入れ表明まで 町長の発言は
玄海町ではこれまでも議会の一般質問などで、
「核のごみ」
の処分地選定を巡る
「文献調査」
の受け入れが、度々取り上げられてきました。
ただ、調査対象になる可能性がある地域を示した国の
「科学的特性マップ」
で玄海町は将来、資源の掘削が行われる可能性があるとして
「好ましくない特性があると推定される」
地域となっており、脇山町長は
「文献調査をするという考えはない」
と述べていました。
しかし2024年4月、町内の3つの団体から
「文献調査」
の受け入れを求める請願が提出され、本会議で賛成多数で採択されたことを受け、町長の発言は変化していきます。
本会議での採択を受けて町長は
「町民から請願が出されたことや、議会で採択された6対3というダブルスコアの数字には民意が反映されていて、重く受け止めている」
と述べて、検討を進める考えを示していました。
そして、今月1日に経済産業省の幹部が調査の実施を申し入れるため町を訪れた際には
「国から申し入れに来ているので大事にしなければならない」
と述べていました。
一方、7日に齋藤経済産業大臣と面会した際には
「私はこれまで議会で自分から手を上げることはないと発言していて、議会と自分の考え方とで板挟みになり悩んでいる」
と心境を打ち明けていました。
■「文献調査」今後1か月ほどで始まる見通し
佐賀県玄海町の脇山町長が受け入れを表明したことを受けて、
「文献調査」
は今後1か月ほどで始まる見通しです。
玄海町には、2024年5月1日、経済産業省が調査の実施を文書で申し入れていて、今後、町側が文書で受け入れる旨を回答することになります。
その後、経済産業省の指示のもと、調査を行うNUMO=原子力発電環境整備機構が、玄海町を対象にした
「文献調査」
の計画を作成し、経済産業大臣の認可を受けると正式に調査が始まることになります。
玄海町は、政府が2017年に調査対象の有望地を示そうと全国を色分けした
「科学的特性マップ」
では、そのほとんどが将来、資源の掘削が行われる可能性がある
「好ましくない特性があると推定される」
地域となっています。
これについて、経済産業省は、地下に資源がある可能性を示すもので、安全性に問題があるわけではなく、マップ自体は地質の状態を確定的に示したものでもないとして、調査を行うことは可能だとしています。
《玄海町での受け止めは》
■玄海町議会 上田利治議長 ”ほっとした”
脇山町長が
「文献調査」
を受け入れる考えを表明したことについて、玄海町議会の上田利治議長は記者団に対して
「ほっとしました」
と述べ、車に乗り込んで町議会をあとにしました。
■請願に賛成した玄海町議 ”重く大変な決断”
受け入れを求める請願の採択に賛成した玄海町議会の松本栄一議員は記者団に対して
「重く、大変な決断だったと思います」
「よく決断されて、日本のエネルギー政策に対して脇山町長がどれだけ向き合っているのか分かりました」
と述べました。
■請願に反対した玄海町議 ”あまりにも強引なやり方”
受け入れを求める請願の採択に反対した、玄海町議会の前川和民議員は記者団に対して
「議論が進んでいないし、あまりにも強引なやり方で、なぜこんなに急に決める必要があったのか、理解できないところがある」
「十分に審議が尽くされたとは思っていないので、これから住民に広く知ってもらうことも必要ではないかと思っている」
と述べました。
■原発反対運動続ける町民 ”言葉を失う”
50年以上佐賀県玄海町で原発への反対運動を続けてきた町内に住む元住職の仲秋喜道さん(94)は
「単純には言えないが受け入れは嫌だし、けしからんと思う」
「きちんと真面目に考えて町民の意見も聞くべきだ」
「私たちは住民投票のことも文書で申し入れているのに、それをしないで町民の意見を聞かないで決めるのは許されないことで言葉を失う」
と話していました。
■“期間が短かった” “急に持ち上がった話”
脇山町長が文献調査の受け入れを表明したことについて玄海町の大工の70代男性は、賛成でも反対でもないとした上で、
「請願から受け入れまでの期間が短かった」
「もうちょっと調査した方が良かったと思う」
と述べて受け入れ表明までの期間が短かったことに懸念を示しました。
そして
「地下300メートルに埋めたら絶対放射能が出てこないという保証があるならいいけど、安全面はどうしているのかとか分からない所が多い」
「未来の子供たちに関係することだからやっぱり心配がある」
と話しました。
一方、玄海町の20代女性は、
「核のゴミの話は急に持ち上がった話で、町民も知らない感じで詳細はわからないですが、最終的に強行突破して作ると思っていたので、今日ニュースで知りやっぱり受けるんだと思った」
と話していました。
■佐賀県 山口知事 ”新たな負担受け入れる考えなし”
玄海町の脇山町長が
「文献調査」
の受け入れを表明したことについて、佐賀県の山口知事は
「かねてから一貫して申し上げている通り、佐賀県として新たな負担を受け入れる考えはありません」
「最終処分場は国全体として必要ですが、佐賀県はエネルギー政策に十分に貢献していると考えています」
とのコメントを発表しました。
■岸田首相 ”国として前面に立ち取り組み進めたい”
岸田総理大臣は総理大臣官邸で記者団に対し
「玄海町で文献調査受け入れの判断を頂いたことに、政府としては、心から敬意と感謝を表したい」
と述べました。
その上で
「最終処分地の選定は、半世紀に渡り原子力発電を活用してきた我が国にとって、必ず解決しなければならない課題だ」
「2023年4月に特定放射性廃棄物の最終処分の基本方針を閣議決定して取り組んでいるところだが、今後とも最終処分に関する理解や議論が全国で深まっていくよう、国として前面に立って取り組みを進めていきたい」
と述べました。
■齋藤経産相 ”情報提供に取り組みたい”
原子力発電で出るいわゆる
「核のごみ」
の処分地選定を巡って、佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長が第1段階となる
「文献調査」
を受け入れる考えを表明したことについて、齋藤経済産業大臣は記者団に対して、
「受け入れの判断を頂いたことに心から敬意と感謝を申し上げたい」
「最終処分という国家的な課題について社会全体で議論を深めていく上で、非常に重要な一石を投じるものだ」
「文献調査の実施地域の拡大は重要で、全国で議論が深まるよう必要な情報提供に取り組みたい」
などと述べ、高レベル放射性廃棄物の最終処分への理解が深まるよう、努めていく考えを示しました。
■全国初「文献調査」開始の北海道寿都町と神恵内村では
2020年に、全国で初めて
「文献調査」
が始まった北海道の寿都町と神恵内村について、NUMOは、2024年2月、次の段階の
「概要調査」
に進めるとする報告書案を示しています。
経済産業省の審議会で、専門家が報告書の内容について議論を続けていて、経済産業省は、今後、最終的な報告書を取りまとめる段階に入りたいとしています。
報告書が取りまとまれば、自治体に提出された後、住民に周知する期間が1か月以上設けられ、説明会などが行われます。
そのうえで、NUMOが、ボーリングなどを行う第2段階の
「概要調査」
の計画を作成することになります。
「概要調査」
を行うためには対象の2町村の首長と北海道知事に意見を聞いて同意を得る必要があります。
寿都町の片岡春雄町長は、
「概要調査」
に進むかどうかを住民投票で問うとしていますが、他の調査地域が現れるまでは実施しない方針を示していました。
神恵内村の高橋昌幸村長は、何らかの形で住民の意思を確認する機会を設けたいとしています。
一方、鈴木知事は、処分場を受け入れないとする道の条例などを理由に、
「概要調査」
に進むことに反対する意向を示しています。
■寿都町と神恵内村の住民 調査地点の拡大を歓迎する声も
佐賀県玄海町の町長が
「文献調査」
を受け入れる考えを表明したことについて、北海道の寿都町と神恵内村の住民からは、調査地点の拡大を歓迎する声が聞かれました。
このうち、寿都町の82歳の男性は、
「今回の玄海町長の判断は大変喜ばしいことだが、核のごみの処分場についての全国的な関心はまだ低いと思うので、できれば他の自治体でも調査が行われて、皆で考えることが国民の責任だと思います」
と話していました。
神恵内村の86歳の男性は、
「核のごみはいずれどこかで処分をしないといけないものだと思う」
「原子力発電所は全国に立地しているので、文献調査が各地で行われるのは良いことではないか」
と話していました。
また神恵内村の39歳の男性は、
「核のごみについての議論が色々な所で活発に行われ、選択肢が増えると問題の解決が進むと思うので、調査が全国に広がることを歓迎します」
と話していました。
一方、寿都町では、現在行われている文献調査の進め方に課題があるという指摘も聞かれました。
このうち、72歳の男性は、
「寿都町では文献調査について住民に伝えられる情報が少なくどんな調査が行われているか分からなかった」
「玄海町で調査を行うのであれば住民により丁寧な説明をしてほしい」
と話していました。
■北海道 神恵内村長 ”心から敬意と感謝”
佐賀県玄海町の町長が
「文献調査」
を受け入れる考えを表明したことを受けて、2020年から文献調査が行われている北海道神恵内村の高橋昌幸村長はコメントを発表しました。
この中で、高橋村長は、
「文献調査の受け入れを決断されたことに心から敬意と感謝を申し上げたい」
と述べた上で、
「高レベル放射性廃棄物の最終処分は、原子力発電の賛否にかかわらず日本社会全体で必ず解決しなければならない重要な課題だ」
「神恵内村はもとより、文献調査が行われている北海道の寿都町や玄海町での議論の輪が全国に広がり、更に新たな調査地区が出てくることに加え、高レベル放射性廃棄物の最終処分について、全国の皆様が自分事として捉えて頂き、その関心が高まることを期待しております」
とコメントしています。
■北海道 鈴木知事 ”国民的な議論が必要”
佐賀県玄海町の町長が
「文献調査」
を受け入れる考えを表明したことについて、北海道の鈴木知事は、記者会見で、
「個別の自治体の判断にコメントすることは控えたい」
とした上で、
「最終処分の問題は、原発の所在に関わらず、国民的な議論が必要な問題だが今の時点では、そのような状況にはなっていない」
「小さな町や1つの自治体が手を挙げて背負うものではなく国が前面に立って、役割を果たす必要がある」
と述べ、核のごみが北海道だけの問題になることを強く懸念しているというこれまでの認識に変化はないと強調しました。
また、文献調査がまとめの段階に入っている北海道の寿都町や神恵内村が、次の
「概要調査」
に進むことについても、
「これまでの考えに変わりはない」
と述べ反対する考えを重ねて示しました。
【QAで】「核のごみ」とは? 処分地選定は?
Q.「核のごみ」って何ですか?
青森県六ヶ所村 保管されている「核のごみ」
A.いわゆる
「核のごみ」
は、政府の資料などでは高レベル放射性廃棄物と呼ばれ原子力発電に伴って発生する放射線を出す廃棄物のうち放射能レベルが最も高い部類のものを指します。
原発の使用済み核燃料から再び燃料として使えるウランやプルトニウムを取り出す際に残る廃液を、溶かしたガラスと混ぜ合わせて固めて作られ、
「ガラス固化体」
とも呼ばれます。
なお、使用済み核燃料を直接処分する国では、使用済み核燃料そのものが
「核のごみ」
となります。
青森県にある再処理工場で作られる
「ガラス固化体」
は、直径がおよそ40センチ、高さおよそ1.3メートルの筒型で、重さは500キロほどあります。
2024年3月現在、青森県と茨城県にあわせて2530体が保管されています。
作られた直後は表面の温度が200度以上あり、放射線量は1時間あたり1500シーベルトと、人が防護なしに近付けば10数秒で死に至る極めて高いレベルです。
このため、まず30年から50年ほど地上の施設で貯蔵され、放射線量が減衰するのを待ちます。
放射線量は、50年後には10分の1程度になり、厚さおよそ20センチの金属製の容器で密封すると、容器の表面では1時間あたり2.7ミリシーベルト程度に下がります。
1000年経つと容器の表面で1時間あたり0.15ミリシーベルト程度まで低下し、この段階では、1時間傍に居ると医療機関で胸のエックス線検診を2、3回受けたのと同じ程度の被曝量になります。
最終的な処分では、更に自然界に存在する天然の
「ウラン鉱石」
と同じレベルの0.06ミリシーベルト程度に下がるまで人間の生活環境から隔離することにしていて、これには数万年程度の時間がかかります。
Q.「地層処分」って何ですか?安全なのですか?
A.2000年にできた
「最終処分法」
では、地下300メートルより深くに処分場を設け、
「核のごみ」
の放射能レベルが自然界のレベルに下がるまで、数万年に渡って閉じ込める処分方法が定められています。
これは
「地層処分」
と呼ばれ、原子力を利用する世界各国でも最終処分の方法として採用されています。
地下深くに埋める理由としては、人間の活動や自然災害の影響を受けにくいことや、酸素が少なく、物が錆びるなどの化学変化が起こりにくいこと、一般的に地下水の動きが年間に数ミリ程度と遅いため、万が一、放射性物質が漏れても影響が広がりにくいことなどが挙げられています。
日本で
「地層処分」
が可能かどうかについては、法律の制定に先立って、旧
「動力炉・核燃料開発事業団」
などが、1980年からおよそ20年を掛けて行った調査結果を基に、国の原子力委員会が、技術的に信頼性があることが示されたと評価しています。
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の翌年の2012年には、日本学術会議が
「最新の科学的知見により成立性を見直すべき」
などとした提言を取りまとめましたが、経済産業省が設置した専門家会議は、2014年に
「最新の地球科学的知見に基づいても、好ましい地質環境と長期安定性を確保できる場所を我が国において選定できる」
とする報告書をまとめています。
ただ、2023年10月にも、一部の地質学者などが、
「地層処分」
は安定した岩盤が多いヨーロッパなどを前提とした考え方であり、プレートの活動が活発で地震や火山活動が多い日本には
「適地」
はないなどとする声明を発表するなど、依然として日本での実施を疑問視する声もあります。
Q.他に処分の方法はないの?
A.「核のごみ」
を巡っては、原子力発電が始まった1950年代から、国際機関や世界各国で
「地層処分」
以外の処分方法も検討されてきました。
検討された主な方法としては、深い海底や海溝部に捨てる
「海洋投棄」、
南極などの氷の下に処分する
「氷床処分」、
宇宙にロケットなどで打ち上げる
「宇宙処分」
があります。
しかし、このうち
「氷床処分」
については、1961年に発効した南極条約で、
「海洋投棄」
については1975年に発効したロンドン条約により、それぞれ認められないことになりました。
残る
「宇宙処分」
は打ち上げの信頼性やコスト面などの課題から、採用している国はありません。
また、廃棄物処分の
「発生者責任」

「公平負担」
といった考え方が広がる中、2001年に発効し、2003年に日本が締結した放射性廃棄物等安全条約で、
「発生した国で処分されるべき」
という原則が規定され、海外に処分を委託することも難しくなっています。
このほか、放射性物質に中性子などを当てて性質を変える
「核種変換」
によって、
「核のごみ」
に含まれる寿命の長い放射性物質を寿命の短いものに変えることで処分しやすくする方法も検討されていて、基礎的な研究が進められています。
Q.原発の利用を始めた時点で処分方法を決めていなかったの?
A.日本では1966年から商業用の原子力発電が始まりましたが、その4年前の1962年から
「核のごみ」
の処分の検討が始まっていました。
当初は海に捨てる
「海洋投棄」
が可能と考えられていて、1962年には、国の原子力委員会の専門部会が
「国土が狭く、地震のある我が国では最も可能性のある方式」
だとする報告書をまとめています。
しかしその後、国際的に環境保全の機運が高まり、1975年に発効したロンドン条約で
「海洋投棄」
が禁止されました。
これを受けて原子力委員会の専門部会は海外での対策を調べ、1976年、
「地層処分」
に重点を置いて調査研究と技術開発を図るとする報告書をまとめました。
この報告書では、2000年頃までに実証試験を行うことなどを通して処分方法の見通しを得ることを
「努力目標」
としました。
しかし、1980年代に入り、試験を行う土地を決めるために各地でボーリング調査などを計画していることが明らかになると、
「将来の処分場の立地を想起させる」
などとして地域から懸念の声が上がり、十分な調査はできませんでした。
日本で処分地の選定が始まったのは、2000年に
「最終処分法」
が制定された後でした。
一方、海外では、特に北欧のフィンランドやスウェーデンで処分地の選定が先行し、1980年代前半までに地層処分を前提に実施体制を決め、1990年代にかけて処分地の選定を始めていました。
フィンランドでは2001年、スウェーデンは2009年にそれぞれ処分地を決めています。
Q.処分地はどうやって決めるの?
A.2000年に成立した
「最終処分法」
では、
「地層処分」
を行う処分地の選定に向けて3段階の調査を行うことが決められました。
調査は国の認可法人・原子力発電環境整備機構=NUMOが行います。
第1段階として、文献を基に火山や断層の活動状況などを調べる
「文献調査」
で2年程度、次に、ボーリングなどを行い地質や地下水の状況を調べる
「概要調査」
で4年程度かかる見通しで、その後、地下に調査用の施設を作って、岩盤や地下水などの特性が処分場に適しているか調べる
「精密調査」
を14年程度で行う想定です。
対象の自治体には段階に応じた交付金が用意され、初めの
「文献調査」
では最大20億円、次の
「概要調査」
では最大70億円が支払われます。
このうち、
「文献調査」は、地元の自治体が応募するか国の申し入れを受諾すれば始めることができますが、
「概要調査」
に進むには、地元の市町村長だけでなく都道府県知事の同意も必要になります。
制度上
「地域の意見に反して先へ進まない」
と定められていますが、調査の受け入れが議論された自治体では、
「実際の処分場の建設に繋がる」
という懸念から、受け入れを拒まれるケースもありました。
Q.処分地の選定は今どうなっているの?
A.2000年に
「最終処分法」
が作られた後、処分地の選定に向けた第1段階の文献調査を行う候補地の公募が始まりました。
ただ、調査への応募を巡っては、自治体の議会で勉強会を開くなど検討の動きが表面化する度に住民や周辺自治体などから反発を招き、断念するケースが相次ぎました。
2007年には、高知県の東洋町が全国で初めて調査に応募しましたが、賛成派と反対派の対立の末、選挙で町長が落選し調査が始まる前に応募は撤回されました。
更に、2011年の東京電力福島第1原発の事故の後は、調査の受け入れが表立って議論される機会はなくなっていきました。
このため政府は2017年に、文献などを基に火山や活断層の有無などを確認し、調査地点として好ましい、好ましくないといった特性で全国を色分けした
「科学的特性マップ」
を公表し、各地で説明会を開くなどして改めて理解を求めてきました。
こうした中、2020年に北海道の寿都町と神恵内村が調査への応募や受け入れを決め、全国で初めてとなる
「文献調査」
が行われた結果、2024年2月、次の
「概要調査」
に進めるとする報告書案がまとめられました。
ただ、地元からは、処分地の選定が
「北海道だけの問題」
とならないよう、調査地域の拡大を求める声が上がっています。
政府は去年、最終処分の実現に向けた基本方針を8年ぶりに改定し、NUMOや電力会社と合同で、全国の自治体を訪問するなどして働き掛けを強めています。
ただ、2023年9月には、長崎県対馬市の市議会が調査の受け入れを求める請願を採択したものの、市長が調査を受け入れない意向を表明するなど、調査地域の拡大は具体化してきませんでした。
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/580.html#c46

[政治・選挙・NHK294] 小池都知事あす出馬表明も女帝3選に暗雲漂う…自民党都連「支援決定」も現場はヤル気なし(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
19. 秘密のアッコちゃん[383] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年6月12日 12:02:11 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[496]
<■3264行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
注目が利益に…「アテンションエコノミー」の弊害か つばさの党、動画は次第に過激化
2024/6/11 21:51
https://www.sankei.com/article/20240611-WG3APXIVCFJ55FWLAKXBWYYEQI/
衆院東京15区補欠選挙を巡る選挙妨害事件で、公選法違反容疑で再逮捕された政治団体「つばさの党」代表の黒川敦彦容疑者(45)らは、動画配信をしながら、他陣営の選挙カーの現在地情報を視聴者にリアルタイムで募り、追跡していた。
黒川容疑者らが公開した動画は補選期間中の12日間だけでも約40本に上った。
内容も次第に過激化しており、これを歓迎して
「投げ銭」
と呼ばれる送金をする視聴者もいた。
専門家は、人々の注目や関心を集めて経済的な利益に繋げる
「アテンションエコノミー」
が引き起こす弊害が出ていると指摘する。
■「ヘイヘイヘイ」「売国奴、売国奴…」
テンポの良いリズミカルな口調で、他の候補者らを罵倒する音声が、つばさの党の選挙カーから繰り返し流される。
黒川容疑者らはその一部始終を動画で撮影し、視聴者にリアルタイムで配信。
主なプラットフォームは、ユーチューブだ。
選挙期間(2024年4月16日から投開票前日の2024年4月27日)のライブ配信動画は1日平均3本以上にも上り、10時間を超す長時間の動画もあった。
■「ビジネスに」
「選挙期間中に行動をエスカレートさせていったのは間違いない」
捜査関係者は、黒川容疑者の妨害行為の変遷について、こう分析する。
黒川容疑者らが、他陣営の選挙カーを追跡する
「カーチェイス」
と称する行動を最初に取ったのは、2024年4月17日だ。
その際はつばさの党から出馬した根本良輔容疑者(29)が、マイクを使った肉声で罵声を浴びせていた。
一方、2024年4月20日には音声を録音で流し、リズミカルな語調にしたり、より過激な内容にしたりと手法を洗練させていった。
動画の中では、
「(その時点の視聴者数が)5000人を超えています!」
などと興奮した様子も。
根本容疑者は
「広告収入が増えているので配信をビジネス化したい」
と意気込んでいた。
■「収益化制限を」
「アテンション(注目)」
という言葉を冠して使われるアテンションエコノミーと呼ばれる概念では、情報の優劣ではなく、関心を集めるかどうかが経済的な価値を持つとされる。
ユーチューブやX(旧ツイッター)など、動画の再生数や投稿のインプレッション数(表示回数)などに応じて現金が支払われる仕組みがこれに当たる。
2024年6月20日告示、2024年7月7日投開票の東京都知事選では、出馬に必要な資料を都選挙管理委員会に受け取りに来た陣営が60以上に上っている。
そのため、今回は過去最多の立候補者数となった令和2年の22人を大幅に上回る乱立選挙となる恐れがある。
多くは知名度向上や、注目を集めて収益に繋げる狙いがあるとみられている。
「人々のアテンションを換算してお金を貰える仕組みが出来たことで、選挙を通じて自らの活動資金を獲得しようとする動きが出てきた」。
慶応大法学部の大屋雄裕教授(法哲学)は、こう警鐘を鳴らす。
アクセスを稼ぐために動画が過激化するのは、
「迷惑系ユーチューバー」
と同じ構図だ。
大屋教授は
「迷惑系ユーチューバーの活動が終息したのは、運営側が動画の収益化を止めたから」
と指摘。
「選挙運動に関する動画を収益化させない仕組みが必要になるのではないか」
と提言している。

つばさの党、動画配信中に他陣営の現在地情報募る 視聴者に「書き込みを」 選挙妨害事件
2024/6/11 20:33
https://www.sankei.com/article/20240611-SVEPSFPDLNOV5DC6KLNFJRFRJU/
衆院東京15区補欠選挙を巡る選挙妨害事件で、公選法違反容疑で再逮捕された政治団体「つばさの党」代表の黒川敦彦容疑者(45)らが、ユーチューブの動画配信をしながら、他陣営の選挙カーの現在地情報を視聴者にリアルタイムで募り、追跡していたことが2024年6月11日、分かった。
交流サイト(SNS)を駆使し、視聴者と双方向でやり取りしながら活動していたとみられる。
黒川容疑者らは、補選告示日翌日の2024年4月17日、他陣営の選挙カーを自陣営の車で追跡。
その様子を
「カーチェイスしてみた」
というタイトルでユーチューブにアップした。
その中で、視聴者に対し
「情報あったら(チャットへの)書き込みお願いします」
などと求めていた。
他陣営の選挙カーを追い回す行為はこの日が初めてだったとみられる。
また、この日以降も複数回にわたって、追跡相手の場所に関する情報を募集。
ユーチューブ以外にもX(旧ツイッター)、LINE(ライン)のオープンチャットも使っていた。
黒川容疑者らのアカウントには、視聴者らから
「投げ銭」
と呼ばれる送金も行われていた。
事件を巡っては、選挙中や選挙後、黒川容疑者らが、小池百合子都知事や著名人の自宅住所をXなどで情報提供するよう求めた上、実際に自宅前に赴いて演説することもあった。

埼玉・朝霞市議会が他人に恐怖与える言動を禁じる条例を可決 「つばさの党」念頭
2024/6/11 0:46
https://www.sankei.com/article/20240611-KLMGURL3A5MSDO5Z5OWAGHG7YE/
埼玉県朝霞市議会は2024年6月10日、公職者や候補者が、他人の名誉を毀損したり他人に恐怖を与えたりすることを禁じる政治倫理条例案を賛成多数で可決した。
提出した市議は取材に、政治団体「つばさの党」所属の市議が他の議員の自宅を訪問して動画撮影するなどの行為があったと主張。
こうしたことを念頭に置き
「歯止めを掛けたい」
と説明した。
条例は、公職者や候補者としての発言や情報発信で、嫌がらせや不当に圧力を掛ける行為なども禁止した。
罰則はない。
市議会は2024年6月10日、つばさの党の代表が逮捕された2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で関与を示す動画が確認できるとして、党所属の外山麻貴市議の問責決議案も賛成多数で可決した。

つばさの党、演説妨害「追尾」1日で3回 執拗な行為エスカレート 公選法違反事件
2024/6/8 18:17
https://www.sankei.com/article/20240608-VACOG4ROAVNPNIZGKVT63Z5E7Y/
衆院東京15区補欠選挙の告示翌日、当選した立憲民主党の酒井菜摘氏(37)陣営の選挙カーを追尾したとして、警視庁捜査2課が公選法違反容疑で再逮捕した政治団体「つばさの党」代表らが、別の日にも酒井氏陣営の選挙カーの追尾行為を1日で3回行っていたことが2024年6月8日、捜査関係者への取材で分かった。
捜査2課は妨害行為を繰り返す中で悪質性を高めていったとみている。
代表の黒川敦彦容疑者(45)と落選した幹事長、根本良輔容疑者(29)、運動員の杉田勇人容疑者(399は2024年4月17日に酒井氏陣営の選挙カーを追尾し、交通を妨げたとして2024年6月7日に再逮捕された。
捜査関係者によると、黒川容疑者と根本容疑者らは2024年4月23日にも
「カーチェイス」
と称して自陣営の選挙カーに据え付けた拡声器で罵声を浴びせながら酒井氏陣営の選挙カーを追尾するといった妨害行為を午前1回、午後2回の計3回行ったとみられる。
酒井氏陣営は告示日以降、追尾行為を繰り返し受けていたが、特に2024年4月23日は執拗だったという。
酒井氏陣営以外にも複数の陣営が同様の妨害行為を受けており、選挙演説を中断せざるを得なくなった例も確認されている。
有権者に演説場所を事前に告知できない状態に陥っていた。
捜査2課は被害の状況や活動の実態について解明を進めている。

酒井陣営の選挙カー偶然見つけ追尾 再逮捕のつばさの党代表ら 複数陣営へ妨害10回以上
2024/6/8 6:52
https://www.sankei.com/article/20240608-ZJERM3K7ZRJRJOWO2O5NTZCN6A/
衆院東京15区補欠選挙の告示翌日、当選した立憲民主党の酒井菜摘氏(37)陣営の選挙カーを追尾したとして、警視庁捜査2課が公選法違反容疑で再逮捕した政治団体「つばさの党」代表らが、選挙カーを偶然見つけて追尾を始めていたことが2024年6月8日、分かった。
捜査関係者によると、複数陣営への同様の交通妨害は10回以上確認されており、酒井氏陣営への妨害が最初だったとみている。
再逮捕されたのは代表黒川敦彦容疑者(45)と落選した幹事長根本良輔容疑者(29)、幹部杉田勇人容疑者(39)。
つばさの党は酒井氏陣営への追尾の様子をユーチューブでライブ配信した。
動画の中で、3人は別の陣営関係者を追尾しようとした後、酒井氏陣営の選挙カーに遭遇して接近。
「選挙カーでのカーチェイス初めて」
「普通こんなこと絶対やっちゃいけないよね」
「若者は一定、面白いと思う人が出てくるからそれでいいんだよ」
などと発言していた。

岐路に立つネット選挙 動画配信主流、警告後も犯行 つばさの党代表ら再逮捕
2024/6/7 21:19
https://www.sankei.com/article/20240607-L4PX2ULW3RPCVF6XD2YP4PBLJI/
衆院東京15区補欠選挙を巡る選挙妨害事件で、立憲民主党の酒井菜摘氏陣営の選挙カーを追尾するなど選挙活動を妨害したとして、警視庁捜査2課は2024年6月7日、公選法違反(自由妨害)の疑いで、「つばさの党」代表の黒川敦彦容疑者らを再逮捕した。
事件では、各陣営が突然の妨害に混乱し、警察側が警告を出した後も犯行が続いた。
インターネット選挙解禁から11年。
専門家は
「動画配信が主流になっている」
として、実情に合わせた制度改正の必要性に言及している。
「逃げないでくださーい」「質問に答えるまで追いかけますよー」
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で、つばさの党から出馬していた根本良輔容疑者(29)らは、前を走る酒井菜摘氏=立憲民主党=の陣営の選挙カーを車で追いかけながら長時間に渡って質問を浴びせた。
更に酒井氏陣営が街頭演説を始めようとした場所で大音量で演説したり、質問を投げ掛けたりし続けた。
陣営は追跡を受け、近くの警察署に避難。
街頭演説の中止を余儀なくされるなど、選挙活動に大きな影響を受けた。
■候補者立件の前例なし
「公選法に抵触しているか、現場では見極めが難しい事案だ」。
ある警察関係者は選挙期間中の対応について打ち明ける。
ポスター損壊や直接的な暴力の摘発例はあるが、候補者本人が直接罵声や質問で演説を妨害して立件された例はほぼない。
警視庁は2024年4月16日の妨害行為について警告を出したが、その後も犯行は止まらなかった。
ただ、警告を受けた後もつばさの党が同様の行為を繰り返したことが立件に繋がった。
捜査2課は党代表の黒川敦彦容疑者(45)ら3人を逮捕すると同時に、特別捜査本部を設置。
異例の態勢で証拠の収集、分析を続ける。
■動画配信、想定せず
黒川容疑者らは一連の妨害行為を動画に撮影し、ユーチューブのチャンネル上で配信。
そこから収入を得ていた。
「つばさの党に関しては、そもそも当選するためにやっている活動なのかという疑問がある」
東北大情報科学研究科の河村和徳准教授(政治学)は、こう話す。
平成25年の公選法改正でネット選挙が解禁され、11年が経過し、
「当初は想定していなかった動画配信が主流になった」
「選挙を金儲けや、知名度を上げる道具として利用したい人たちが、ネットを使うことでより出馬しやすくなった」
と分析する。
解禁された当初は
「動画の撮影や公開も難しく、有権者が気軽に見られるような環境もなかった」
と指摘。
現在は動画配信はどの陣営も行っているとして、
「表現の自由を規制することはできないが、お互いの権利を尊重するという観点に立った制度を議論する場が必要」
と話した。

「つばさの党」幹部ら逮捕で、妨害抑止へ公選法改正目指す動きも
2024/6/7 19:52
https://www.sankei.com/article/20240607-FXGK7Y2IXRNOPJQRZAPF5HUXBI/
衆院東京15区補欠選挙を巡る選挙妨害事件に関し、与野党は民主主義の根幹を脅かす問題だとみて、公職選挙法違反容疑で再逮捕された政治団体「つばさの党」幹部らの妨害行為を批判している。
再発の抑止と発生時の迅速な対応を可能にするための法改正を目指す動きも出ている。
林芳正官房長官は7日の記者会見で
「選挙は国民が主権者として政治参加する最も重要かつ基本的な機会で、選挙が公正に行われるためには、選挙運動は自由に行われなければならない」
と強調した。
法改正の必要性については政党間の議論に委ねる考えを示した。
与野党では、日本維新の会と国民民主党が議員立法に動いている。
公選法を改正して妨害の法定刑を引き上げると共に、妨害行為を
「著しく粗野・乱暴な言動」
「多数の者による押しかけ」
「演説聴取を困難にする行為」
などと具体的に例示して要件を明確化。
捜査機関は取り締まりを
「迅速に」
執行しなければならないと定める。
維新の音喜多駿政調会長は取材に
「幹部が逮捕されたとはいえ、まだ予断は許さない」
「逮捕されても立候補はできる」
「再発防止のための法改正の必要性は消えていない」
と語った。
法案は今国会中に提出する見通しだ。
自民党の茂木敏充幹事長も2024年5月の記者会見で罰則強化に言及した。
ただ、現行法の枠内で3幹部の立件が実現したこともあり、機運がトーンダウンした面は否めない。
立憲民主党の泉健太代表は2024年6月7日の会見で
「法の策定作業は続けているが、現行法での再逮捕ということもある」
「当面、捜査の状況を見守りたい」
と述べるにとどめた。

「つばさの党」代表の黒川敦彦容疑者ら3人を起訴 衆院東京15区補選、選挙妨害罪で
2024/6/7 16:39
https://www.sankei.com/article/20240607-Y7LC3WVTHBL2HPMLHOKVG4VKM4/
衆院東京15区補欠選挙で他党の候補者の陣営に対して妨害行為をしたとして、東京地検は2024年6月7日、公選法違反(自由妨害)の罪で、政治団体「つばさの党」代表の黒川敦彦容疑者(45)、幹事長の根本良輔容疑者(29)、運動員の杉田勇人容疑者(39)を起訴した。
起訴状などによると、3人は2024年4月16日、補選に出馬していた乙武洋匡氏=無所属=陣営の演説場所に押し掛け、拡声器を乗せた車を乙武陣営の選挙カーに接近させた上、拡声器を使って大音量で質問したり、クラクションを鳴らしたりして選挙の自由を妨げたとしている。
黒川被告ら3人は2024年6月7日、他の陣営に対する妨害容疑で、警視庁捜査2課に再逮捕された。

「つばさの党」3容疑者を再逮捕 衆院15区補選、酒井氏陣営妨害容疑
2024/6/7 14:32
https://www.sankei.com/article/20240607-LQ5344FIYBN2XPXG7XD36E3OXA/
衆院東京15区補欠選挙を巡る選挙妨害事件で、別の候補者に対しても妨害行為をしたとして、警視庁捜査2課は2024年6月7日、公選法違反(自由妨害)の疑いで、政治団体「つばさの党」代表の黒川敦彦容疑者(45)ら3人を再逮捕した。
捜査2課は認否を明らかにしていない。
再逮捕したのは黒川容疑者の他に、同団体幹事長の根本良輔容疑者(29)、運動員の杉田勇人容疑者(39)。
逮捕容疑は、共謀して2024年4月17日、立憲民主党から立候補していた酒井菜摘氏の陣営の選挙カーを自陣営の選挙カーで20分以上、約3キロに渡り追跡。
スピーカーで怒号を浴びせるなどし、交通の便を妨げたとしている。
また、黒川容疑者と根本容疑者は2024年4月23日、酒井陣営の演説場所で、拡声器で怒号するなどしながらその場にとどまって演説を中止させ、選挙の自由を妨害したという。

「つばさの党」黒川敦彦容疑者ら3人再逮捕へ 衆院東京15区補選、酒井菜摘氏陣営妨害容疑
2024/6/7 5:00
https://www.sankei.com/article/20240607-KFX6TX6M6FPKTHGZACMAZYIGKY/
衆院東京15区補欠選挙を巡る選挙妨害事件で、別の候補者に対しても妨害行為をした疑いが強まったとして、警視庁捜査2課が2024年6月7日にも、公選法違反容疑で、政治団体「つばさの党」代表の黒川敦彦容疑者(45)ら3人を再逮捕する方針を固めたことが2024年6月6日、捜査関係者への取材で分かった。
捜査関係者によると、再逮捕するのは黒川容疑者の他に、同団体幹事長の根本良輔容疑者(29)、運動員の杉田勇人容疑者(39)。
黒川容疑者らは補選期間中の2024年4月17日、立憲民主党から立候補していた酒井菜摘氏の陣営が江東区の選挙区内を選挙カーで走行中、自陣営の選挙カーで数十分に渡り追跡。
スピーカーで罵声を浴びせるなどして活動を妨害した疑いが持たれている。
また、2024年4月23日には、酒井陣営が演説を予定していた場所に、黒川容疑者らが選挙カーで乗り付けて妨害したという。
黒川容疑者らは車で追いかけ回す行為を
「カーチェイス」
などと称していた。
酒井陣営は演説が中止に追い込まれた他、執拗な追跡で警察署に避難せざるを得なくなるなどしたとして、被害届を提出していた。
警視庁捜査2課は、公選法違反の疑いで2024年5月13日、千代田区のつばさの党の党本部や関係先を捜索。
2024年5月17日には、補選告示日にJR亀戸駅前で選挙演説していた乙武洋匡氏=無所属=の陣営に近付き、拡声器を使って罵声を浴びせ、乙武陣営の演説を聴衆に聞こえなくするなどしたとして、3容疑者を逮捕した。

日本保守党初陣の舞台裏を明かす
Hanada2024年7月号
日本保守党代表 百田尚樹
日本保守党事務総長 有本香
(前略)
■小池はアメリカ大統領か!
★百田
創価学会の女性部が、乙武さんの女性問題に嫌悪感を示して投票しなかったと言われていますね。
しかし、小池さんと言えば、最終盤に入った日の動画をネットで見たんですが、まあ凄まじかった。
とんでもない数の警察官、SPを動員しての厳重警戒!
3車線の道路を何百メートルにも渡って警視庁がバリケードで封鎖する等、
「アメリカ大統領か!」
というぐらいの警備でした。
我が党だけでなく、維新の会も立憲民主党も参政党も
「選挙妨害」
を受け警察に何とかしてくれとお願いしても見て見ぬ振りに近い対応でした。
そんな無法地帯の中、乙武さん陣営だけは言わば特別扱いでした。
小池さんが警視総監に
「何とかして」
と頼んだとか。
★有本
今回の選挙戦で、私たちも大きく目算を狂わされたのが、あの
「妨害」
ですね。
選挙戦の後半、告知しての街宣ができなくなったばかりか、我が党ならではの多士済々の応援弁士をお願いする予定だったのですが、断念せざるを得ませんでした。
警備についてですが、もちろんSPなど要人警護の対象ではあります。
しかし、まさにアメリカ大統領でも来るのかという異常なまでの厳重警備に、違和感を覚えた地元住民の方も多かったと思います。
この様子を見て、都議会議員の上田令子さんがXにこう投稿しています。
「都知事ならば、自分と乙武氏だけではなく全ての候補者の安全を守るべき 可哀そうなのはアテクシだけでいい」
まさにその通りで、警視庁を指揮する立場にある都知事ならば、全陣営に対して警備を要請すべきところを、自分の関係する陣営だけ厚く警護してもらうというのは如何なものかと思います。
自分ファーストを超えて、自分オンリーですからね。
■安倍総理の地元でも被害に
★百田
今回は一部を除く大半の陣営が被害を受け、予定していた街宣活動ができませんでした。
このことが選挙戦に大きな影響を及ぼしたことは間違いありません。
特に、組織票のない日本保守党は街宣活動が東京15区の人たちに直接訴えかけることのできる最大の手段でした。
しかも9人の候補者の中で、我々が最も聴衆を集めていた。
言わば唯一のアドバンテージを奪われてしまったことは、大変な痛手でした。
★有本
今回のような酷い妨害が罷り通ってしまうのは、民主主義の危機です。
公職選挙法の明らかな欠陥であり、早急に法改正が求められます。
ただ、この件に関して私自身、迂闊だったことがあります。
それは、2017年秋に行われた衆議院選挙の時に、同じような妨害活動を目の当たりにしていたのを忘れてしまっていたことです。
前年の2016年に東京都知事に当選した小池さんは、2017年に希望の党を立ち上げ、人気を博していました。
選挙で自民党は大幅に議席を減らすのではないかと見られていた時です。
★百田
あの時は、朝日新聞をはじめメディアが連日のように
「モリカケ報道」
で安倍政権叩きを行っていました。
その結果、安倍政権の支持率は下落していた。
結果的に、小池さんの
「排除宣言」
によって希望の党は失速しましたが、一歩間違えば安倍政権は総選挙に敗北して退陣の危機すらあった。
★有本
まさにあの時の総選挙で、私は安倍さんの地元、山口4区に行きました。
もちろん、安倍さんは現職の総理ですから自身の地元に入ってはおらず、昭恵夫人と支援者の方が選挙戦を闘っておられました。
その最中、安倍陣営の選挙カーを尾け回し、個人演説会の会場付近で拡声器を使い、安倍陣営の演説が聞こえないほどの大音量で
「アベの友達を優遇する政治は許せん!」
などと叫んでいたのが、今回の”つばさの党”の黒川敦彦氏です。
あの時も、黒川氏は山口4区から立候補していました。
★百田
7年前(2017年)から、今回と同じような活動を行っていたのですね。
■山本太郎と繋がっていた
★有本
そして、その時(2017年秋に行われた衆議院選挙)、黒川氏と行動を共にしていたのが、れいわ新選組の山本太郎氏です。
産経新聞が当時のことをこう報じています。

首相夫人を「囲め」 ツイッターに非常識な書き込み、荒れる山口4区
2017/10/13 11:40
https://www.sankei.com/article/20171013-ZEGCSJCOHRIEBAO4BFGEYC4ZFM/
<安倍晋三首相(自民党総裁)のおひざ元、山口4区の選挙が、荒れている>
<安倍氏をはじめ5人が立候補したが、一部候補によるネットへの非常識な書き込みなど、安倍首相の落選運動の様相を呈している>
<「10月10日のボランティア急募 初日一人でも多く山口4区に来て、安倍あきえを取り囲みましょう!」>
<公示前の7日、無所属新人の政治団体代表、黒川敦彦氏(39)は、ツイッターにこう書き込んだ>
<黒川氏は、加計学園の獣医学部開設を問題視し、同区からの出馬を決めた>
<安倍氏の陣営は、首相夫人の昭恵氏に危険が及びかねないと心配し、警察に警備について相談した>
<その黒川氏は公示日、安倍首相の出陣式の会場に、参院議員の山本太郎氏(42)とともに姿を見せた>
<黒川氏らは、昭恵氏に近寄ると、「申入書」と題した紙を手渡した>
<安倍首相との合同演説会の開催を要請したものだという>
<この様子を山本氏は、ネット中継した>
<集まった報道陣も黒川氏らに群がった>
<安倍首相の後援会幹部は「実質的な妨害だ」と憤った>

★百田
2017年当時、山本太郎氏と黒川氏は繋がっていわわけですか。
そう言えば、今回の東京15区補選では、山本太郎氏が応援した須藤元気氏に対してだけは、妨害活動が行われませんでした。
少し見えてきましたね。
選挙活動を通常通り行うことのできた須藤氏は、事前予測を大きく上回る2位と大健闘しました。
★有本
無所属の須藤氏が今後どのような政治活動をするのかは分かりませんが、山本太郎氏の応援を得たことを見れば、れいわ新選組と密接な関係を築く可能性はありますね。
(後略)

憲法21条は、選挙演説に対するヤジを保障などしていない。
表現の自由であっても、公共の福祉に反する場合は許されない。
つばさの党などの活動家がやっている行動は、【国民の聴く権利・知る権利】や【候補者が演説で行う言論の自由】を妨害して【公共の福祉】を侵害する公職選挙法225条「選挙の自由妨害罪」に当たる【犯罪行為】だ。
法治国家においては絶対に許されないし、許すべきではない。

前代未聞 選挙妨害を擁護 裁判官と朝日が日本を滅ぼす!
”民主主義の敵”と化した高学歴エリートたちの「驕り」と「自惚れ」
WiLL2027年7月号
作家・ジャーナリスト 門田隆将
政治学者 岩田温
■前代未聞の選挙妨害
★門田
民主主義が危機に晒されています。
衆院補選では、前代未聞の事態が起こりました。
東京15区における”選挙妨害”です。
政治団体「つばさの党」の黒川敦彦代表と根本良輔氏が、他候補の街頭演説を妨害する卑劣な行為を繰り返した。
根本氏は自らの手法を”カーチェイス街宣”と称している。
★岩田
「つばさの党」は他候補の選挙カーを追い回した挙げ句、演説会場ではスピーカーを用いて大声でがなり立てていた。
醜悪な光景です。
選挙においては、たとえ主張や立場が異なっていても互いに健闘を祈るものです。
選挙カーがすれ違ったら、本当は思っていなくても
「頑張りましょう!」
と声を掛ける慣習があります。
法律やルールでは定められていない紳士協定=暗黙の了解ですが、「つばさの党」はそれを破った。
超えてはならない一線を越えてしまった。
★門田
2017年の東京都議選の選挙妨害が始まりです。
投開票の前日、当時の安倍総理は秋葉原駅前で最後の演説に臨んだ。
その時、左翼活動家らが1時間以上に渡り
「安倍やめろ!」
「帰れ! 帰れ!」
と連呼。
演説を聴きに集まった有権者は全く演説を聴けなくなった。
安倍氏は活動家らに向かって、
「演説を邪魔するような行為を自民党は絶対にしない」
「こんな人たちに私たちは負けるわけにはいかない」
と反論した。
★岩田
朝日新聞などのマスコミは、安倍元総理の
「こんな人たち」
という部分だけを切り取って批判し続けた。
<異論に不寛容で、批判を敵視する姿勢は安倍政権の特徴の1つだった>
<自らに厳しい世論に向き合わない姿勢が批判された>
<自らに批判的な聴衆に向けられた言葉は「友と敵」を分ける安倍首相の政治手法の象徴>
選挙妨害を擁護した朝日新聞は”民主主義の敵”に他ならない。
■裁判官が日本を滅ぼす
★門田
マスコミと共に、民主主義破壊の元凶となったのが札幌”ヤジ連呼”訴訟です。
2019年の参院選前、安倍元総理が札幌で演説していました。
その時、
「安倍辞めろ!安倍辞めろ!」
などと大声でヤジを連呼していた活動家を北海道警が排除。
彼らは”表現の自由”を侵害されたとして、北海道に損害倍書を求めた。
札幌地裁では道警側が全面敗訴しました(2022年3月)。
裁判長は廣瀬孝氏(現・東京高裁判事)です。
★岩田
札幌高裁は男性の訴えは退けましたが、道警による女性の排除は違法と判断している(2023年6月)。
”表現の自由”を守ることは重要ですが、あくまで常識の範囲内という注釈が付く。
有権者の”聴く権利”を侵害してまで認められるものではない。
狂っています。
★門田
選挙というのは民主主義の根幹です。
有権者は政治家の演説に耳を傾け、投票の判断材料にする。
活動家がやっていることは、国民の”聴く権利”を侵害しているだけでなく、民主主義の根幹をも揺るがす犯罪なのです。
裁判官が守るべきは社会の「安全」と「秩序」と「正義」なのに、廣瀬孝裁判官(2022年3月当時札幌地裁、現・東京高裁判事)は真逆の事をした。
つまり、国家や秩序を崩壊させる側を助ける
「左翼裁判官」
なのです。
愚かな判決を下した廣瀬孝裁判官(2022年3月当時札幌地裁、現・東京高裁判事)に尋ねてみたい。
「あなたは一体、何をするために裁判官になったのですか?」
と。
★岩田
警察による”ヤジ排除”が違法という判例が出たことにより、現場の警察官は動きにくくなった。
今回の補選で言えば、警視庁が「つばさの党」を排除したら、東京都が賠償請求されかねない。
訴えられるだけならまだしも、裁判に負ける可能性が高い。
活動家には判例という巨大な後ろ盾がありますから。
■警察幹部は責任を取れ
★門田
公職選挙法には
「選挙の自由妨害罪」
が規定されている(225条)。
「つばさの党」による行動は当然、公選法に違反している。
本来であれば、羽交い絞めにしても排除すべきです。
でも、下手に手を出せば訴訟沙汰になり、負ける可能性もあるのです。
現場の警察官は悔しいでしょうね。
目の前で明らかな”犯罪”が行われているのに、何も出来ないわけですから。
これは、警視総監が
「摘発せよ。オレが責任を取る!」
とだけ言えば済む話です。
しかし、保身だけの警察首脳にそんな勇気があるはずがない。
民主主義が滅びるか滅びないかの瀬戸際にあるのに、
「訴訟になると面倒臭いから手を出すな!」
と現場に命じているわけです。
★岩田
選挙の2週間後、警視庁は「つばさの党」本部などを家宅捜索。
その数日後、代表の黒川氏や根本氏ら3人が逮捕されました。
★門田
秋葉原”安倍辞めろ”事件や札幌”ヤジ連呼”合法判決などの悪しき流れは変わるかもしれない。
とはいえ、警察の動きは遅過ぎる。
警察幹部は
「公正な選挙に反するもので看過できない」
と述べていましたが、今更何を言っているのか。
選挙はとうに終わっている。
”覚悟なき警察幹部”に怒りを覚えます。
★岩田
選挙妨害を放置したままでは、国民が怒りの矛先を「つばさの党」や札幌地裁だけでなく、警察に向けかねない。
警視庁は”選挙妨害は絶対に許すまじ”という世論に突き動かされたのかもしれない。
★門田
警察官僚というのはエリート中のエリート。
東大法学部在学中にキャリア試験に受かり、狭き門を突破した選ばれし者たちです。
繰り返しになりますが、言わせてほしい。
「あなたは一体、何を守るために警察官になったのですか?」
と。
★岩田
常識が失われつつある。
日本ではエリートになればなるほど左傾化が強まり、無責任体質となり、常識を忘れてしまう。
■「暗殺が成功して良かった」
★門田
その延長線上に、安倍元総理の暗殺がある。
安倍元総理の「こんな人たち」発言を叩きまくったメディアと、札幌ヤジ合法判決を出した裁判官【廣瀬孝裁判官(2022年3月当時札幌地裁)】。
彼らが安倍元総理暗殺の土壌を作り上げた。
★岩田
安倍政権を批判するためなら”何でもアリ”という空気が醸成されてしまった。
極め付きが山上達也によるテロであり、テロリストを礼賛する風潮に他ならない。
法政大学教授の島田雅彦氏はその典型です。
島田氏は安倍元総理の死を念頭にこう言い放った。
「今まで何ら一矢報いることができなかったリベラル市民として言えば暗殺が成功して良かった」
自分たちがいくら安倍政権を批判しても、自民党は選挙で勝ち続ける。
積年の鬱憤を晴らすために、暴力という禁断の最終手段に打って出たわけです。
★門田
社会学者の宮台真司氏も暗殺を”世直し”と表現しましたね。
「安倍というのは、ある種の日本の切り口であってね、日本全国どこを切っても安倍の顔なんですよ」
「上を忖度するヒラメ、横をキョロキョロ見るキョロ目の空っぽな人間たちが無様に蠢いている」
「(今回の事件は)機能としては世直しとして機能している」
安倍元総理の国葬儀が執り行われた当日、山上徹也をモデルにした映画が公開されました。
監督を務めたのは足立正生氏。
重信房子が率いた日本赤軍に合流して、手配された経歴もある。
宮台の”世直し”発言は、この映画の試写会で飛び出した。
「気に食わない人間は、殺されても構わない」
という考えは、左翼の本質をよく表している。
全体主義とは、要するに思想の統一です。
それを実現するためには、どんな手段を使ってでも異論を排除しなければなりませんから。
★岩田
レーニン主義者を自称する白井聡氏も、国葬儀に反対する集会でテロを肯定しています。
「暴力でなければ変えられないような状況を私たちが作ってしまった」
「テロが起きる前、我々の日本社会は腐り切り敗北していた」
「国葬は私たちの敗北していた社会を有耶無耶にし、否認することになる」
「許してはならない」
被害者は安倍元総理で、加害者はテロリストの山上徹也。
何があっても、この構図は変わりません。
ところが、マスコミの手にかかれば被害者と加害者が逆転する。
「山上という純朴な青年を苦しめた統一教会、安倍元総理こそが加害者である」
という風に。
マスコミこそが、安倍元総理が殺された原因を作った張本人です。
にもかかわらず、何も反省していない。
★門田
反省するどころか、彼らは”してやったり”とでも思っているでしょうね。
思い出されるのが重信房子が出所した時のことです。
”出所祝い”には、ジャーナリストたちが嬉々として駆け付けました。
TBS「報道特集」メインキャスターだった金平茂紀氏、同じくTBS「サンデーモーニング」コメンテーターの青木理氏らです。
その週の「報道特集」では、重信房子の出所が大々的に報じられました。
金平氏が
「外へ出て一番感じることは?」
と尋ねると、重信は
「政治が一方向に流れている」
と答えた。
”政治の方向”を変えるために、再びテロを起こすつもりなのかー。
嫌な予感がしたものです。
そして、現実のものとなった。
この番組が放送された1か月半後の2022年7月8日、安倍元総理が暗殺されました。
★岩田
維新の会は「つばさの党」騒動を受け、公職選挙法の改正案を示しました。
選挙妨害の具体的な行為として、
「著しく粗野又は乱暴な言動」
などを明記。
演説妨害を
「聴衆が演説を聴取することを困難にする行為」
具体化した。
維新の会は「つばさの党」の被害者でもある。
★門田
維新案に反対したのが社民党の福島瑞穂氏です。
「憲法21条が保障しているヤジとの関連が不明確」
「表現の自由が侵害されるのではないか」
と。
民主主義を破壊したい”革命勢力”の正体をまさに見せましたね。
★岩田
マスコミもその一味です。
連日のように選挙妨害を取り上げますが、ワイドショーではタレントが「つばさの党」を擁護する場面があった。
その一方で、選挙妨害を批判するコメンテーターもいる。
いずれにせよ、マスコミはクズの集まりです。
彼らに論評する資格などありません。

ヤジなどの演説妨害や他の選挙妨害は迷惑行為であり、言語道断の犯罪行為だ。
ちなみに拡声器によるヤジも肉声によるヤジもどちらも犯罪行為だ。
犯罪者にはそれ相応の罰を与えなければならない。
現在の公職選挙法で適正に取り締まれないのであれば、公職選挙法の改正が必要だ。

反安倍メディアこそ演説妨害問題の元凶
Hanada2027年7月号 ブロガー 藤原かずえ
■遂に家宅捜索まで進展
2024年4月28日投票の衆議院補欠選挙東京15区では、9人の候補者が乱立し、開票の結果、酒井菜摘氏(立憲民主党・新)が当選しました。
この東京15区の選挙戦は、社会で大きな話題となりました。
それというのも、つばさの党の公認候補の根本良輔氏と党代表の黒川敦彦氏をはじめとする党員数名が、他候補の遊説場所に連日乗り込んで、演説に重ねて大音量で質問を行うことで、演説の聴き取りを困難にしたからです。
これらの行為の一部始終については、つばさの党自身の手によって動画が撮影され、X・YouTubeといったSNSを通して逐次配信されました。
2024年4月18日に、警視庁は亀戸駅前における乙武陣営の街頭演説中、約50分間に渡って近くで大音量の演説を行った行為や車のクラクションを鳴らした行為などに選挙の自由妨害の疑いがあるとして、根本氏・黒川氏ら3人に対して警告を出し、2024年5月13日、警視庁はつばさの党を家宅捜索するに至りました(その後、2024年5月18日、幹事長で選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)と、代表の黒川敦彦容疑者(45)、それに運動員の杉田勇人容疑者(39)が他の陣営の演説を妨害したとして、公職選挙法違反の疑いで逮捕された)。
一連のつばさの党の党の行為について、他候補やその陣営はもとより、多くのメディアも
「選挙妨害だ」
と訴えました。
NHKは、開票後の2024年4月30日に他候補の声を報じています。

★酒井菜摘氏
危険を感じるような場面もあり、本当に怖かった。
演説の日時を公表できず、区民に届けられなかったことが申し訳ない。
★乙武洋匡氏
各候補の主張を聞く有権者の権利が奪われてしまったことは、非常に残念で許し難い。
今の法律上、あのような行為を是認せざるを得ないなら、何らかの法改正をしていくべきだ。

乙武候補の応援に駆け付けた小池百合子東京都知事は、2024年4月19日の定例会見で次のように述べています。
★小池百合子氏
これまでに経験したことがない選挙妨害が発生している。
非常に憤りを感じている。
選挙の在り方について、法律上見直して頂きたい。

また、立憲民主党の蓮舫議員は、Xで次のように述べています。
★蓮舫氏
私たちは昨日、地元の警察署前で街宣車を止め、スタッフが警察署に駆け込み相談をしている間にこの人たちに車の窓を叩かれ暴言を浴びせられ、動画を撮られていました。
警察の対応が遅くて怖かったです。
でも、負けない。

■確信的な妨害行為
一方、つばさの党側は、SNSや動画サイトを通して次のように主張しています。
★黒川敦彦氏
警告は、小池たちの亀戸の演説に対して僕らが演説を被せたということが違法だと。
私たちは調べたが、判例はない。
だって我々も選挙に出ているから。
あくまで小池陣営の演説と我々の演説は法律的は等しい。
かつ、我々の演説を聴いている人もそこにいるので、これは絶対に間違っていると思う。
(2024年4月23日)

★根本良輔氏
なぜ、こういう活動をしているか、まず説明していきたい。
シンプルに合法だからですね。
警察署・総務省としっかり確認を取って、合法の範囲でこういう活動をしています。
過去の判例もしっかり洗った上でやっています。
しっかり合法の範囲でやっているというのは、皆さん理解して頂きたい。
たくさんの皆さんに興味を持って頂いたので大成功に終わった、と思うところです。
(2024年4月27日)

★黒川敦彦氏
僕らは選挙に出ているので、例えば小池百合子氏や乙武氏の演説会と僕らの演説会がバッティングして、僕らも基本的に質問に行っているのです。
政治家が答えづらいことを僕らは聴きに行ったのです。
それに対して、『もっとやれ』という声は明確にあります。
(中略)
犯罪行為ではない。
質問に行っているだけなので答えればいいのです。
ちゃんと反論すればいいのです。
(2024年4月27日)

つばさの党は、明らかに確信的な意図を持って当該行為を行っています。
彼らは、行為の合法性についての理論武装を固めると共に、法の下の平等を主張し、あくまでも自らは質問をしているという外形上の体裁を整えています。
ただ、この行為はたとえ合法であっても、民主主義を根幹とする憲法の精神には反しています。
演説を聴くことができない社会では民意を反映できないため、民主主義が成立しないからです。
ここで、演説妨害に関する法的背景について簡単に紹介したいと思います。
■演説妨害の法的背景
議員等を公選する選挙について定めた【公職選挙法】の目的は、憲法の精神に則り、選挙人(有権者)の自由な意思によって選挙が公明かつ適正に行われることを確保し、これをもって民主政治の健全な発達を期することです。
選挙妨害行為については、225条(選挙の自由妨害罪)に定められており、今回の事案に関係するのは次の2項です。

一 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人に対し暴行若しくは威力を加え又はこれをかどわかしたとき。
二 交通若しくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、又は文書図画を毀き棄し、その他偽計詐術等不正の方法をもつて選挙の自由を妨害したとき。

また、226条(職権濫用による選挙の自由妨害罪)では、警察を含めた公務員等が故意にその職務の執行を怠る、又は正当な理由がなくて公職の候補者若しくは選挙運動者に追随し、その職権を濫用して選挙の自由を妨害する行為を罪としています。
選挙妨害に関連した裁判所の判例も存在してます。

★最高裁判所
「仮に所論のように演説自体が継続させられたとしても、挙示の証拠によつて明かなように、聴衆が聴き取ることを不可能又は困難ならしめるような所為があつた以上、これはやはり演説の妨害である」(1948年)

★大阪高等裁判所
「選挙演説に際しその演説の遂行に支障を来さない程度に多少の弥次(やじ)を飛ばし質問をなす等は許容」
「他の弥次発言者と相呼応し一般聴衆がその演説内容を聴取り難くなるほど執拗に自らも弥次発言或いは質問等をなし一時演説を中止するの止むなきに至らしめるが如き行為に至らなければ公職選挙法上の演説妨害罪は成立しない」(1954年)

聴衆が演説を聴き取ることを不可能または困難にする行為は
「演説妨害」(最高裁)
ですが、演説を中止せざるを得ない限り
「選挙妨害罪」
は成立しない(大阪高裁)とするものです。
この法的判断には、論理的な問題があります。
■大阪高裁が知る権利侵害を容認
【表現の自由freedom of expression】
の名の下に何者かが演説に被せて大声を出せば、少なくともその周辺の聴衆は演説を聴き取るのが困難になります。
選挙演説の内容は公選に資する公的情報であるので、周辺の聴衆は公的情報へのアクセス権である
【知る権利right to know】
を侵害されたことになり、これによって演説者も
【言論の自由freedom of speech】
を侵害されたことになります。
演説妨害は、自らの表現の自由を行使するために他者の言論の自由あるいは知る権利を侵害するという
【公共の福祉public welfare】
に反する行為であり、演説妨害を合理的に制限することは、憲法の精神に適うものです。
しかしながら、妨害の可否を定性的な判断に委ねる大阪高裁の曖昧な文言は、知る権利を侵害することを事実上容認しています。
というのも、実際の現場において、妨害の有無という極めてデリケートな判断を公権力が行うことは事実上困難であるからです。
演説者が妨害を根拠に演説を中止した場合、その妨害の立証責任は演説者に求められます。
そのような労力を要する可否の不明な権利を求めて演説を中止するインセンティブは、少しでも多くの有権者にアピールしたい選挙期間中の陣営には存在しません。
また、今回のケースのように、妨害者が私人ではなく選挙の候補である場合には、更に問題は複雑です。
妨害者の主張も、外形的には公選に資する公的情報であり、これを公権力が制限することは、職権濫用による選挙の自由妨害罪に当たる可能性があるからです。
警察が職権職務を遂行するに当たっては、警察官職務執行法(警職法)に従う必要があります。
この法律の中で、演説妨害者を移動させる根拠となるのは、第4条(避難等の措置)と第5条(犯罪の予防及び制止)しかありません。
即ち警察官ができることは、演説妨害者が周辺の聴衆から危害を受ける恐れがある場合に演説妨害者を避難させる(第4条)、あるいは演説妨害者の自由演説妨害行為により演説者側に危険が及ぶ恐れがある場合にその行為を制止する(第5条)という2つしかありません。
しかしながら、今回のケースのように、暴力行為を受けた場合の証拠を残すために動画撮影している演説妨害者に対し、周辺が危害を与える可能性は低く、また暴力を振るわないことを確信的に宣言している演説妨害者を予防で排除することも不可能です。
以上のように、日本の司法(裁判所)と行政(警察)は演説妨害者の【表現の自由】に寛容であり、演説者の【言論の自由】及び有権者の【知る権利】には冷淡です。
また、立法(議員)はこの問題の解決に消極的であり、時に都合よく政治利用しています。
また、一部マスメディアは、特定政治家に対する演説妨害行為を正当化してきました。
その象徴的な事例が、安倍晋三氏の街頭応援演説に対する2件の妨害事案です。
■演説妨害者を正当化
2017年7月2日投開票の東京都議選における安倍晋三自民党総裁の秋葉原演説では、組織的な呼び掛けに集まった大群衆が
「安倍やめろ」
「帰れ」
と大合唱し、執拗に安倍氏の演説を掻き消しました。
安倍氏はこの組織的な妨害者に対して、演説で次のように講義しました。

★安倍晋三
皆さん、あのように人が主張を訴える場所に来て、演説を邪魔するような行為を私たち自民党は絶対にしません。
私たちはしっかりと政策を真面目に訴えていきたいのです。
憎悪からは何も生まれない。
相手を誹謗中傷したって、皆さん、何も生まれないのです。
こんな人たちに、皆さん、私たちは負けるわけにはいかない。
都政を任せるわけにはいかないじゃありませんか。

この一連の発言を素直に解釈すれば分かるように、安倍氏の抗議は、演説に重ねて大合唱することで演説の聴き取りを困難にした演説妨害者に対して向けられたものでしたが、一部マスメディアは安倍氏の発言から
「こんな人たちに負けるわけにはいかない」
という部分だけを切り取って認知操作することで、安倍氏を徹底的に非難すると同時に、演説妨害者の行為を正当化したのです。

★朝日新聞
東京都議選最終日の秋葉原駅前。
自身に抗議する人たちを指差し、
『こんな人たちに負けるわけにはいかない』
と叫ぶ安倍晋三首相の姿に溜息が出た。
またか。
(中略)
大体、批判を連呼しても主権者じゃないか。
この剥き出しの敵意、何なのか」
(2017年7月10日)

★毎日新聞
安倍晋三首相は学校法人森友学園や家計学園の問題で不信を招いたとして、国民への丁寧な説明を約束している。
ところが(2017年7月)1日の東京都議選遊説では聴衆の「辞めろ」コールを
『こんな人たちに負けるわけにはいかない』
と激高した。
国会で今後、丁寧な説明を期待できるのか」
(2017年7月3日)

★テレビ朝日・玉川徹氏
『こんな人たち』
というのも問題だけど、その後に
『負けるわけにはいかない』
と言っている。
負けるというのは勝ち・負けだ。
勝ち・負けということは敵・味方だ。
だから
『こんな人たち』
は敵だ。
少なくとも、敵と思っている人も国民だ。
その国民の意見を自分たちの方に向かわせる力量がなかったから、政治家としてダメだ。
選挙は勝ち負けというが、総理なんだから。
(2017年7月4日)

この演説会において、大群衆が大合唱した表現である
「安倍やめろ」
「帰れ」
というヤジは政治的な意見表明ではなく、演説者に対する恫喝的な命令です。
論理的に言えば、演説を最後まで聴くことなく
「安倍やめろ」
「帰れ」
と命令するのは、言論に対する評価を根拠とする行為ではなく、論者に対する嫌悪を根拠とする言語道断の迷惑行為です。
■「こんな人たち」の真意
【表現expression】は、【言論argument】の要素と、【非言論non-argument】の要素で構成されていますが(芦部信喜:あしべのぶよし『憲法』)、
「安倍やめろ」
「帰れ」
は、上述の理由から、「非言論」の要素です。
つまり、大群衆は「表現の自由」の名の下に、「非言論」で「言論」を掻き消すことで、公選の投票判断に資する政治家の「言論の自由」と聴衆の「知る権利」を侵害したのです。
これは、公共性のない私的な承認欲求を優先して公共の利益を毀損する「公共の福祉」に反する行為です。
一部マスメディアの極めて大きな勘違いは、「非言論」による演説妨害を「言論」と混同している点です。
安倍氏の言う
「こんな人たち」
は、安倍氏と政治的意見の異なる主権者・国民を指したものではなく、迷惑行為を働く演説妨害者を指したものであり、民主主義国家の政治家として
「負けるわけにはいかない」
と宣言することは、憲法の精神に合致するものです。
一部マスメディアは、安倍氏が総理大臣という権力者であったことをもって発言を非難していますが、それならば、つばさの党の
「選挙妨害」

「憤りを感じている」
と述べた東京都知事の小池百合子氏に対しても、
「つばさの党の党員も都民じゃないか」
「この剥き出しの敵意、何なのか」
「演説を邪魔する行為と激高した」
「少なくとも敵と思っている人も都民だ」
などと非難しなければ、公平ではありません。
警視庁は、東京都知事が所轄する東京都公安委員会によって管理されています。
むしろ東京都では、安倍氏よりも小池氏の権力の方が大きいのです。
一部マスメディアの態度は、ダブルスタンダードに溢れています。
特に欺瞞に溢れているのは、テレビ朝日『羽鳥慎一モーニングショー』の玉川徹氏です。

★玉川徹氏
法律に違反していないなら何をやってもいいという考え方を良識ある有権者が受け入れると思うか、という話だ。
紳士協定が慣例になっているが、それは色々な候補の声が届くようにしようと。
どんな政党だってどんな候補だって、そういう風にしてやっている。
法律に違反していなければ他人にどんな迷惑を掛けてもいいんだというそういう風な人たちは、国民の中で大きな支持を得られるとは僕は思わない。
(2024年4月29日)

玉川氏の言う
「そういう風な人たち」
は、安倍氏の言う
「こんな人たち」
と同じで、他人にどんな迷惑を掛けてもいいと思っている迷惑千万な演説妨害者です。
こんな白々しい欺瞞に溢れるダブル・スタンダードはありません。
■蓮舫のダブスタ発言
野党政治家も、マスメディアに同調しました。
当時、民進党代表だった蓮舫氏は安倍氏を徹底的に非難し、安倍氏が演説妨害者に謝罪するよう求めました。

★民進党・蓮舫代表
国民をレッテル貼りして、自分に良い人は味方、自分に悪い人は敵で常に戦う。
それを総理大臣がやるということは
『1億総活躍』
『皆が活躍できるチャンス』
と言っていることは実は建前で、本音は敵・味方。
自分に良い人だけを支援すると受け止められかねない発言なので看過し難いし、これこそ訂正あるいは謝罪を求めていく。
私は暴言・批判・ヤジを含めて、様々なコールを受けたことは何度もある。
でも、私は双方向で政治をしたい。
色々な意見を持っている人に向き合うのは政治家の仕事だ」
(2017年7月6日)

安倍氏は、蓮舫氏のように
「自分に良い人は味方、自分に悪い人は敵」
などと宣言していません。
安倍氏は、民主主義の破壊者である演説妨害者に
「負けるわけにはいかない」
と宣言しただけです。
党利党略のために国民を感情的に煽動して二分する
【ストローマン論証strawman argument:ストローマン論法とは議論が平行線を辿る卑怯戦法の対処法】
https://hamwrite.com/strawman-argument
に他なりません。
尚、蓮舫氏はこの時の主張に従えば、つばさの党も
「色々な意見を持っている人」
であるはずです。
蓮舫氏は、そのつばさの党の行為を
「選挙妨害」
と断じ、その質問を受けることなく警察に通報し、
「警察の対応が遅くて怖かった」
と守ってくれた警察に文句を言った上で、最後には
「でも、負けない」
とつばさの党を敵認定しました。
蓮舫氏は、自分の過去の発言に責任を持って、つばさの党に謝罪すべきです。
いずれにしても、安倍氏秋葉原演説の件は日本における過去最大の演説妨害と言えます。
この妨害行為が問題視されないどころか、むしろ正当化されてきたのですから、日本の現行制度で演説妨害を止めることは実際上不可能です。
このような悪質な演説妨害を無責任に正当化してきたマスメディアや政治家こそ、今回のつばさの党の行動を可能にした元凶に他なりません。
これらの論調に多くのマスメディアが同調した結果、安倍氏は演説妨害者との接触を避けることを強いられ、遊説場所を告知しない
「ステルス遊説」
と揶揄された選挙運動を展開するに至りました。
■ヤジの2人を英雄視
2019年参院選における安倍氏の札幌演説(2019年7月15日)では、
「安倍やめろ」
「帰れ」
という大声を演説に被せた男女2人を北海道警察が移動させるという事案がありました。
2人のうち男性は、その後も演説車両に詰め寄って大声を上げるなど演説者を執拗に威嚇しました。
秋葉原の演説妨害に比べて小規模ではあるものの、この騒動によって、周辺の人々の
「知る権利」
は明らかに侵害されました。
この事案に対しても、一部マスメディアは徹底的に警察を非難し、ヤジを正当化したのです。

★朝日新聞
政治家による街頭演説は、支持者だけではなく、様々な考えを持った幅広い聴衆に向けられるものだ。
ヤジも意思表示の1つの方法であり、これが力ずくで排除されるようになれば、市民は街頭で自由に声を上げることができなくなる。
(2019年8月29日)
政治家の仕事は、街頭でヤジを浴びることだろう。
浴びる機会を警察が奪ってどうする。
(2020年2月16日)

★毎日新聞
仮に今回、北海道警が政権への忖度を理由に聴衆を排除したとすれば、警察の政治的中立性に疑問符が付くことになる。
(2019年7月20日)

2020年2月2日には、HBC北海道放送が、警察に移動させられた2人を一方的に英雄視して警察を悪魔化するようなドキュメンタリー番組
『ヤジと民主主義〜警察が排除するもの』
を放映しました。
日本のメディアは、この番組に対して、ギャラクシー賞、日本ジャーナリスト会議JCJ賞、JNNネットワーク協議会賞などを授賞するなど、この作品を絶賛しました。
また、警察に移動させられた2人は
「表現の自由などが違法に侵害された」
として、北海道に対して慰謝料を求める裁判を起こしました。
その結果、2022年3月25日に札幌地裁は、北海道に対して計88万円の支払いを命じました。
これらのマスメディアの報道圧力と司法の判決は、警察を委縮させ、演説者の安全のための警備措置を事実上無力化したものと考えられます。
極めて理不尽なことに、聴衆が演説車両に詰め寄って大声を出す行為が正当化され、それを移動させた北海道警察が罰金刑に処されたのです。
そして、起こるべくして悲劇が起こりました。
■東京新聞の非論理的主張
札幌地裁の判決から間もない2022年7月8日に、参院選の街頭演説中の安倍氏が銃撃されたのです。
警察は、テロリストが安倍氏に近寄って至近距離から2発を発砲するまで何もすることができませんでした。
ここに、一部マスメディアと活動家から弾圧されてきた安倍氏の言論の自由は、永遠に閉ざされたのです。
2023年4月15日には、衆議院補選(和歌山1区)における街頭応援演説を控えた岸田文雄自民党総裁に対してパイプ爆弾が投げ込まれました。
これらテロ行為の頻発に影響を受けたか否かは不明ですが、2審の札幌高裁は、原告の男性に対して、警職法に則った根拠で1審判決を取り消す逆転敗訴の判決を言い渡しました。

★札幌高等裁判所
ヤジを飛ばして隣にいた聴衆といさかいになった他、その後も演説車両に詰め寄って大声を上げるなどした。
警察官が、直ちに阻止しなければ物を投げるなどの危害が加えられてしまうと判断したことには客観的合理性が認められる。
(2023年6月22日)

この判決に対して、東京新聞は札幌高裁を強く非難しました。

★東京新聞
ヤジも言論だ。
市民から政権批判の自由を奪ってはならない。
今回の判決が政治的言論の自由の委縮を招くのではと危惧する。
(2023年6月24日)

東京新聞の主張は非論理的です。
先述したように、
「安倍やめろ」
「帰れ」
というヤジは、
「表現の自由」
の名の下に非言論によって言論を掻き消すという
「言論の自由」

「知る権利」
に対する挑戦行為です。
まさにサイレント・マジョリティを愚弄し、ノイジー・マイノリティに都合が良い社会に誘導するものです。
1人の身勝手なヤジを認めれば、法の下の平等の原則から、他の全ての人の身勝手なヤジも認められなければなりません。
これは間接民主主義の破壊行為です。
特に、抵抗力が弱い小政党や無所属の政治家は、ノイジー・マイノリティによって簡単に捻り潰されてしまうことでしょう。
実際、今回の東京15区では、つばさの党の演説妨害行動によっていくつかの陣営が委縮し、
「ステルス遊説」
を展開するに至りました。
■言論機関による言論弾圧
2023年12月、北海道放送
『ヤジと民主主義〜警察が排除するもの』
の劇場版が、センセーショナルな宣伝文句を掲げて公開されました。

2019年7月15日、それが全ての始まり。
政権に批判の声を上げたら、大勢の警察官に排除された。
「ヤジ排除」
の裏で何が起こっているのか?
1460日の記録。

更に、元北海道警察幹部の原田宏二氏(故人)の発言が、次のように添えられています。

★原田宏二氏
警察が法的根拠がないのに好き勝手なことをやっている。
それをメディア・マスコミの前で平然とやった。
あんたたち(マスコミは)無視されたんですよ。

警察が原告を移動させた措置に対する法的根拠については、2審判決でその合理性が認められていますが、この発言はその存在を真っ向から否定しています。
つまり、この映画は、故人の見解を権威論証として使うことで、演説妨害を無理矢理正当化しているのです。
また、警察がメディアを無視することが許されないかのような認知操作は傲慢極まりありません。
以上、安倍氏の秋葉原演説と札幌演説に対する演説妨害行為は、一部マスメディアによる強力な報道圧力によって正当化されてきました。
その結果、日本は演説妨害者の「表現の自由」が尊重され、演説者の「言論の自由」と有権者の「知る権利」が軽視されるという本末転倒な社会となってしまいました。
これは、言論機関による言論弾圧に他なりません。
このような状況において、秋葉原の事例と比較して甚だ小規模な集団であり、候補が他候補に質問する体裁を取るつばさの党の演説妨害者を、札幌の事例で違法性を問われて委縮した警察が、極めてデリケートな判断を必要とする警職法を根拠にしてリアルタイムに排除することは、法の下の平等から不可能でした。
事実、警察が選挙の自由妨害罪の疑いで家宅捜索に踏み切ったのは、投開票から2週間が経過した2024年5月13日です。
もちろん、この段階でも選挙の自由妨害罪が立証されているわけではありません。
何よりも、マスメディアによる身勝手な
「表現の自由」
の肯定による最大の被害者は、候補者の政治的主張についての
「知る権利」
を侵食された有権者です。
「言論の自由」
を守り、国民の
「知る権利」
に資する使命を持つ言論機関の一部が、
「表現の自由」
という美辞麗句で非言論による演説妨害を堂々と正当化してきたことは、民主主義の破壊行為に他なりません。
今回のような問題が発生するのは、明らかに公職選挙法の欠陥によるものです。
近年、演説妨害者が次々と公職選挙法のセキュリティホールを突いてくる中、党利党略を最優先とする立法機関の議員は何も対策を議論してきませんでした。
誰が考えても分かることですが、候補者がその政治的主張を有権者に音声で説明する街頭演説を行うには、音声が伝わる特定の時間を特定の空間に渡って占有する必要があります。
この占有の調整を候補者の自主性に任せていることが、トラブルの原因なのです。
■選挙システムの再構築を
公平な選挙を行うためには、選挙管理委員会がこの時間と空間を管理して候補者に公平に配分することが必要です。
例えば、選挙区内に複数の演説拠点を予め設定しておいて、各候補にその拠点を占有できる時間帯を最初から決めておけば、候補者間で演説に支障を来すことはありません。
有権者にとっても、確実に演説を聞くことができるので至便です。
また、その時間の枠内で市民が自由にヤジを言える時間を5分程度設定すれば、インタラクティブ(お互いに作用し合う様。相互作用の)な要素も加味できます。
何より、演説途中での身勝手なヤジを発する必要がなくなります。
もちろん、拠点以外の場所での演説は、従来通り自由にするのが憲法に適っています。
ただし、同一地区に1日2時間以上留まって演説してはならないというような、場所の目的外使用を防止する合理的規制は必要であると考えられます。
特定の候補者間で相手に質問し合う機会を設定することも必要です。
今回、つばさの党は、質問を根拠にして他候補の演説を妨害しましたが、予め十分な討論の機会を設定しておけば、その必要もなくなります。
有権者が議員の実力を把握する上でも討論会の開催は有益であり、議員の質の向上に大きく貢献するものと考えられます。
公職選挙法で、インターネットをベースにした複数回の公開討論会の開催を義務化するのが望ましいと考えます。
このような表現に関する
【時 time】
【所 plece】
【方法 manner】
の規制は
【表現内容中立規制】(特定の時・場所・手段における表現の規制)
https://foetimes.com/2670/
と呼ばれ、公共の福祉の必要がある場合の合理的制限として、最高裁(1955)が認めています。
その理由としては、これを無制限にしておくと選挙運動に不当な競争を招き、選挙の自由公正を害する虞があるからです。
また、相手を威嚇したり、侮蔑したりする発言など表現の
【内容 content】
の規制である
【表現内容規制】(ある表現について、それが伝達するメッセージを根拠に行う規制)
https://foetimes.com/2670/
も最低限必要と考えます。
インターネットが普及した時代に、好意の返報性を求めて、街頭で握手をしたり、手を振ったり、名前を連呼したり、自転車に乗ったり、ビラを配ったりする選挙はもうやめましょう。
感情・人格・権威に訴えるという選挙テクニックではなく、政策のスペックで代表を選ぶ選挙システムの構築が必要不可欠であると考える次第です。

偽善者に騙されるな 選挙活動の自由を濫用する偽善者たち
Hanada2024年7月号 イスラム思想研究者 飯山陽
「おい飯山! カメラ撮ってんじゃねーよ」
「質問に答えろよ飯山!」
2024年4月21日午前10時半過ぎ、東京都江東区にある警視庁深川警察署前で、選挙用の街宣車から拡声器を使用し、私にこう暴言を吐いて挑発したのは
「つばさの党」
という団体の根本良輔なる人物だ。
私は2024年4月28日投開票の衆議院東京15区補欠選挙に立候補していた。
街宣車での選挙活動中、根本某の街宣車に追い回され、散々逃げた挙げ句、警視庁深川警察署前に車を付けた。
警察署の前ならば言動を慎むだろうと想定してのことだ。
しかし某はこう続けた。
「警察、何も動いてくんないよ! 事故にならないように気を付けてねってことを電話で貰ってるんで、お前らが街宣をやめた以上は、オレら喋る権利ある!」
「だから出て来いよ! お前、目パキってんぞ。アハハハ!憎くて仕方ないだろ、オレのことが。目パキってんぞ飯山! オレのことがムカつくなら、ぶつけてこいよ! 討論しようぜ! 東大の博士号取ったんだろ! イスラエルについて話そうぜ飯山! 出てこいって! ほら出て来いよ! 何やってんだよ、意味ねえからそれ! おい、東大の博士、出て来いよ! 出て来いよ、お前!」
某も同補選の立候補者である。
だから自分には選挙活動の自由があり、こうした暴言もその範疇内だというのが某の主張だ。
産経新聞の取材に対し、
「どこで街宣しても合法だ」
と自身の言動を正当化している。
某が選挙妨害を始めたのは、選挙告示日の20024年4月16日だ。
私自身も2024年4月21日以前から、既に何度も極めて悪質な選挙妨害を受けてきた。
街頭演説にマイクで音を被せる、街宣車を追いかけ回し私を罵倒する文句を拡声器でがなり立てる、私に接近して大声で侮辱し嘲笑する、選挙事務所前に乗り付けて扉をドンドン叩き
「出てこい」
と挑発する。
この繰り返しだ。
2024年4月19日には、豊洲にてジャーナリストの長谷川幸洋氏を応援弁士としてお迎えし、街宣活動をする予定だったが、我々の街宣車の後ろに某の街宣車が乗り付け、とてつもない爆音を当方に被せ、長谷川氏らの声はほぼ完全に掻き消された。
私はそれ以来、頭痛、耳鳴り、不眠、フラッシュバック、動悸といった症状に悩まされている。
■私は絶望した
自由主義社会においても、あらゆる自由が許されるわけではない。
他者に危害を与える自由は許容されないと考えるのが一般的だ。
「殺人の自由」

「強盗の自由」
「誹謗中傷の自由」
といったものが認められないのはそれ故である。
しかし某は、選挙活動の自由の中には、私の選挙活動を妨害する自由も、私の心身に危害を与える自由も、公然と私の名誉を毀損し尊厳を奪う自由も含まれていると認識しているらしい。
某は産経新聞に対し、妨害活動により
「皆に政治に参加してもらい、事実を知ってもらうという目的は達成できた」
と主張している。
とんだ偽善者である。
2024年4月21日の警視庁深川警察署前では私に対し、
「おい飯山! せっかくお前のこと推してくれるジジイ、泣いちゃうぜ! こんな29歳の若造1人も論破できない、中東の研究家、東大博士か知らんけど、イスラエルついて話そうぜ!」
と、
「若い弱者」
ポジションを取って煽ってきた。
若さなど所詮、相対的なものだ。
小中学生から見れば29歳は立派なジジイであるが、80歳から見れば48歳の私も十分に若い。
贅肉でだぶついた腹を抱える中年太りの男である某が、小柄な女である私に対して拡声器を使用して大声で威圧しながら、オラつきつつ
「若い弱者」
ポジションでマウントを取るなど、笑止千万だ。
某はいわゆる
「無敵の人」
である。
選挙活動中の自由を掲げれば、どのような誹謗中傷、罵詈雑言、名誉棄損、威嚇行動も許されるし、警察も手出しできないと公言して憚らない。
実際、警察は、私が警視庁深川警察署前で壮絶なセクハラ、モラハラ、脅迫、選挙妨害を受けているにもかかわらず、私を守ってはくれなかった。
これは公開リンチに等しい。
私は絶望した。
「おれ飯山本人だよ、あのオバハン! キチガイみたいな顔して! 終わってんだろアレ。ほら飯山! 飯山! 飯山本人、何やってんの! 出て来いって! 皆見てるよ! 飯山本人だろ! 動画を撮ることしかできねえんだよ、こいつら! これ、やばいぜ! おいおいおい、飯山出て来いって!」
何が面白いのか、私には全く分からない。
図体の大きな男に、拡声器を使って繰り返し名前を呼び捨てにされ、出てこい、出てこいと煽られ恐怖と闘いながら、証拠を押さえねばならないという一心で動画を撮り続けた。
■諦めたらそこで終わりだ
「何なのお前! マジでお前、東大の博士取ったのか?! 小池と一緒で、経歴詐称疑惑か! え、何それ、チューしたいの?! え、何それお前、チューしたいの?! 責められて興奮するタチ? もしかして?!」
表情を変えず、挑発にも動じない私に痺れを切らした某は、私が経歴詐称をしていると中傷した上、煽り続けるうちに自分で勝手に興奮しだし、卑猥な言葉を口にする。
「飯山あかり! 今、もう1700人がライブで見てるぞ! これ、切り抜いて絶対拡散されるぞ! これ、飯山あかり本人だぞ! 飯山! お前、イスラエルの犬じゃん。イスラエルの犬だよね! イスラエル戦争屋国家だぞ! そのお前、戦争屋国家を擁護しているお前、戦争屋の手先だぞ! イスラエルとアメリカが、中東を火の海にしたんだぞ! 何だ、オレともチューしたいのか?! 飯山! 48歳飯山あかり! ヘイヘイヘイ! オレとチューしたいのかヘイヘイヘイ!飯山! 何だよお前、欲求不満かよ! チューするか飯山! どうした飯山! 何だよお前、欲求不満かよ! チューするか飯山! どうした飯山! 論戦しようぜ! お前がイスラエルの擁護をしているのはやめろって言ってんだよ! イスラエルは戦争屋国家なの! やっぱチューしたいのか!」
これが某の
「合法」
な選挙活動らしい。
拡声器を使って私を罵倒し、卑猥で淫らな言葉を浴びせ掛け続けることの、どこが合法な選挙活動なのか。
これでどうやって、
「皆に政治に参加してもらい、事実を知ってもらうという目的は達成できた」
というのか。
通りすがりの有権者は、某の罵声を聞くと足早にその場を立ち去る。
中には恐る恐る携帯を取り出し、写真や動画を撮っていく人もいる。
誰もが顔を強張らせる。
政治参加どころの話ではない。
こんな現場を目の当たりにすれば、多くの人が選挙や政治そのものに対し、恐怖感や嫌悪感を抱く。
政治というのは関わってはならない、近付くと害にしかならないと思うようになる。
そして益々政治への関心を失い、投票率は下がる。
実際に、今回の東京15区補選の投票率は40.70%に過ぎなかった。
有権者の過半数が選挙に行かなかったのだ。
哀れなことに、某にはこの現実も見えないらしい。
某はこうも言った。
「おい飯山! ちょっと都合が悪いこと言われたら逃げるんだったら、お前、政治改革なんてできねーよ!」
「しかも、保守党なんて仰々しい名前付けやがって!」
「何だよ保守党って!」
「保守党ってのは逃げること?!」
保守の基本は
「大切なものを守る」
という信念だ。
我々が守るべきは自由民主主義社会であり、その礎となる選挙である。
他者の選挙活動の自由を侵害し、有権者の聞く権利、知る権利を侵害する某のような行動が選挙活動の自由の名の下に許容されるならば、日本の民主主義の存立は確実に脅かされる。
某は選挙妨害をビジネス化すると言っている。
某にカネを払えば、対立候補の選挙活動を妨害し、選挙戦を有利に進められるというわけだ。
なるほど、実に賢いと、某の
「信者」
たちは喝采を送る。
「誰1人取り残さないインクルーシブな社会を体現する人物」
として乙武洋匡(おとたけひろただ)氏を同選挙で擁立した小池百合子都知事は、自分と乙武氏の街宣の警備は強化したものの、私を守ってはくれなかった。
メディアが妨害の被害者として手厚く報じたのは乙武氏だった。
しかし選挙では、私の得票数は乙武氏のそれを大きく上回った。
2024年4月19日の妨害現場では某の罵声に対し、小学生の男の子が
「あかり、がんばれ?!」
と高い声をあげた。
正義はここにある。
日本を諦めてはならない。
諦めたらそこで終わりだ。

「愚劣」「低能」つばさの党
Hanada2024年7月号 門田隆将
「飯山、出てこい」
「チューしたいの? チューしたいの、お前」
「責められて興奮するタチ? チューしたいの? 別に悪くないけど」
「いいよチューしたって」
「お前、イスラエルの犬じゃん」
「俺ともチューしたいのか? 飯山! なんだお前、欲求不満か。飯山」
「48歳、飯山あかり! ヘイ、ヘイ、ヘイ! 飯山あかり、ヘイ、ヘイ、ヘイ! 俺とチューしたいのか、ヘイ、ヘイ、ヘイ!」
「飯山〜なんだ、お前! 欲求不満かよ」
「どうしたんだ飯山、やっぱり選挙だから高ぶってんのか!」
・・・警察も舐められたもの。
これらの常軌を逸した
「つばさの党」
の卑猥、卑劣な言動による演説妨害行為は、警視庁深川警察署(東京都江東区)の前で行われたものだ。
一方、参政党の吉川りな候補には、
「党首の神谷は、党員の女とやり放題! ヘイ、ヘイ、ヘイ!」
「あんたも神谷とやってんだろ? ヘイ、ヘイ、ヘイ!」
既婚者である女性候補へのあり得ない言葉である。
聴衆もさすがに下品な言葉の連続に唖然となった。
また、小池百合子都知事が全面支援した乙武洋匡(おとたけひろただ)氏の演説にも彼らは”突入”。
電話ボックスの上から演説に被せるように大声で叫び、乙武氏の演説を搔き消した。
更に、立憲の蓮舫議員が乗った選挙カーを追いかけ、すぐ後ろに止めて車を降りた根本良輔候補が、
「立憲偽善者 ヘイ、ヘイ、ヘイ! 立憲偽善者 ヘイ、ヘイ、ヘイ! おい、お前、何か答えろよ」
駆け付けた警察官が動画を撮りながら、注意すると、
「お前、選挙妨害だぞ、今やっていること、おい」
「選挙妨害だ! 邪魔すんな」
と、逆に警察官をどやしつけた。
これが
「つばさの党」
の黒川敦彦、根本良輔両氏らが東京15区補選で演説中の候補者たちに繰り返した行状のごく一部である。
これらを見ながら、吉野家で紅ショウガを直食いしたり、スシローで醤油さしから醤油を直飲みしたりした迷惑系ユーチューバーを思い出した向きは少なくないだろう。
「愚劣」

「低能」
という言葉しか思い浮かばない、人に迷惑をかけることで喜ぶ子供みたいな大人たちである。
各陣営が受けた被害をいちいち書き出すとキリがないが、完全に民主主義の根幹である選挙を破壊することを目的とした行動だった。
彼らは選挙運動が終わるその瞬間まで手を緩めなかった。
日本保守党の飯山あかり氏は、選挙戦を終えて、不眠や耳鳴りの症状に悩まされ、加療が必要との診断を受け、日本保守党の東京15区支部長を退任した。
公職選挙法第225条には、はっきり
「選挙の自由妨害罪」
が規定されており、
「4年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する」
と明記されている。
本来、この明白な公職選挙法違反行為には、
「私が責任を取るから摘発せよ」
と、警視総監たる緒方禎己(おがたよしみ)氏が号令を下すべきだったのは当然である。
だが、ハラが据わらないこの警察トップのお陰で、選挙戦中は完全に野放し、民主主義の根幹である選挙は、こうして”蹂躙(じゅうりん)”され続けたのである。
しかし、国民の怒りは収まらない。
それを受けて警視庁捜査2課は選挙後2週間以上が経過した2024年5月13日、やっと
「つばさの党」
の本部や黒川氏、根本氏の自宅にも家宅捜索を敢行した。
政治部デスクによれば、
「遅きに失しましたね」
「選挙中になぜ踏み込まなかったのか、との怒りの声は強い」
「2017年の都議選最終日、秋葉原で”安倍やめろ!”という大コールの演説妨害に対して安倍首相が”こんな人たちに負けるわけにはいかない”と言ったことを捉えて、左翼マスコミは演説を妨害した側ではなく安倍批判を繰り広げた」
「また2019年の参院選では、札幌に応援演説に来た安倍首相に対して、”安倍やめろ!”とヤジを連呼した活動家が道警に排除された」
「その活動家は北海道を提訴し、札幌地裁の廣瀬孝裁判官は、これは表現の自由の範囲内である、と道側に88万円の損害賠償を命じた」
「秩序破壊の左翼の言い分が認められている有り様です」
「取り締まる側が完全に委縮する原因になっていたのも確かです」
左翼司法をマスコミが後押しし、選挙妨害をする側が讃えられる本末転倒の日本。
安倍暗殺事件では、犠牲者が貶められ、犯人が讃えられるという”反日亡国勢力”のやり放題が続く日本。
最早末期的である。

公職選挙法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC1000000100
(選挙の自由妨害罪)
第二百二十五条 選挙に関し、次の各号に掲げる行為をした者は、四年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。
一 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人に対し暴行若しくは威力を加え又はこれをかどわかしたとき。
二 交通若しくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、又は文書図画を毀き棄し、その他偽計詐術等不正の方法をもつて選挙の自由を妨害したとき。
三 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者若しくは当選人又はその関係のある社寺、学校、会社、組合、市町村等に対する用水、小作、債権、寄附その他特殊の利害関係を利用して選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人を威迫したとき。

2022年3月25日
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/statement/79884.html
■“安倍元首相にヤジで排除は違法” 北海道に賠償命じる判決
3年前の2019年、札幌市で当時の安倍総理大臣の街頭演説にヤジを飛ばし警察官によって離れた場所に移動させられた男女2人が、排除は違法だとして道に賠償を求めた裁判で、札幌地方裁判所は
「警察官らの行為は違法で、原告らの表現の自由が侵害された」
として原告側の訴えを認め、道にあわせて88万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
3年前の2019年、札幌市内で街頭演説をしていた当時の安倍総理大臣に向けて複数の人がヤジを飛ばすなどし、警察官によって離れた場所に移動させられました。
このうち札幌市に住む大杉雅栄さん(34)と桃井希生さん(26)の2人は排除は違法で精神的苦痛を受けたとして、北海道にあわせて600万円余りの賠償を求めていました。
2022年3月25日の判決で札幌地方裁判所の廣瀬孝裁判長は、
「被告側は
『当時、生命や身体に危険を及ぼす恐れのある危険な事態にあったとか、犯罪がまさに行われようとしていた』
などと主張するが、それは認められない」
「警察官らの行為は違法で原告らの表現の自由が侵害された」
と指摘し、原告側の訴えを認め、道にあわせて88万円の賠償を命じました。
■原告「期待以上の判決だった」
判決後の会見で、原告の大杉雅栄さんは
「筋の通らないことはおかしいと、真っ当なことを明記した期待以上の判決だった」
と述べました。
一方、
「問題となった排除行為を巡り、北海道警の組織的な責任や関与が争点にならなかった」
と指摘しました。
また、原告の桃井希生さんは、ヤジを飛ばして移動させられた後も警察官につきまとわれたことに恐怖や混乱を覚えたなどと、当時を振り返り
「世の中のおかしいことに対して『おかしい』と言うための力になる判決だったと思う」
と述べました。
原告側の代理人を務めた小野寺信勝弁護士は
「道警の排除行為が違法であることを認めた今回の判決を評価したい」
と述べた上で、被告の道に対し、控訴せず、今回の判決を踏まえて再発防止などの対策を取るよう求めました。
■北海道警察本部監察官室「判決内容を精査し対応を検討」
判決を受けて北海道警察本部監察官室は
「判決内容を精査し、対応を検討して参ります」
とコメントしています。

やじ排除訴訟で北海道控訴 警察官職務の是非高裁へ
2022/4/1 12:11
https://www.sankei.com/article/20220401-DRV2M3JQRJP2XEC67GT6BUILZA/
令和元年の参院選期間中に安倍晋三首相(当時)の街頭演説にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女2人が損害賠償を求めた訴訟で、道は2022年4月1日、排除の違法性を認めて計88万円の支払いを命じた札幌地裁判決を不服として控訴した。
政治家にヤジを飛ばした聴衆を、その場から排除した警察官による職務執行の是非は、札幌高裁で改めて審理される。
道警監察官室は
「控訴審で当方の考えを主張していく」
とのコメントを出した。
2022年3月25日の地裁判決は、現場で撮影された動画などから、当時犯罪が行われようとしていたとは認められず、警察官の行為は違法と指摘。
憲法21条で保障されている
「表現の自由」
が警察官に侵害されたと認定した。
ヤジについても、公共的、政治的事項に関する表現行為と位置付け、特に重要な憲法上の権利として尊重されるべきだとの判断を示した。
地裁判決によると、原告らは令和元年7月15日、札幌市内で街頭演説中だった安倍首相に
「安倍辞めろ」
「増税反対」
と声を上げたところ、警察官らに肩や腕などを掴まれて移動させられたり、長時間に渡って付きまとわれたりした。

「安倍氏に危害の恐れ」 やじ男性排除は適法 札幌高裁
2023/6/22 16:27
https://www.sankei.com/article/20230622-HKB5YON4XZLTZGXXRKN7QG6BBQ/
令和元年の参院選で札幌市で演説中の安倍晋三首相(当時)にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女2人が道に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で札幌高裁は2023年6月22日、男性に対する道警の排除行為について、男性が周囲から暴行を受けたり、男性が安倍氏らに危害を加えたりする恐れが迫っており、適法だったと判断した。
一方、女性に対する排除行為については1審判決と同様、表現の自由の侵害に当たると判断。
女性への賠償命令に対する道警側の控訴を棄却した。
高裁は2人への賠償を命じた1審判決のうち、男性への支払いを命じた部分を取り消した。

原告2人判断分かれる 安倍首相やじ排除訴訟で札幌高裁
2023/6/22 19:53
https://www.sankei.com/article/20230622-OIW6EPFLJBK5VGUXTEIGEL2HWU/
令和元年の参院選で安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女が道に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、札幌高裁は2023年6月22日、計88万円の賠償を道に命じた札幌地裁判決のうち、男性(35)への賠償命令を取り消した。
女性(27)については道の控訴を棄却し、1審の55万円の賠償命令を維持した。
大竹優子裁判長は、男性本人が周囲から暴行を受ける危険や安倍氏に危害を加える恐れがあったとして警察官の行為は妥当と認定した。
女性については1審判決と同様、排除は憲法で保障された表現の自由の侵害に当たるとした。
離れた場所にいた2人の状況は異なっており判断が分かれた。
2022年3月の1審判決後の2022年7月、安倍氏が街頭演説中に銃撃され死亡する事件が発生したが、控訴審の審理や判決で言及はなかった。
男性は上告を検討するとし
「銃撃事件がなかったら、裁判所の判断は変わらなかったのではないか」
と話した。
道警は
「判決内容を精査し、対応を検討する」
とコメントした。

北海道警やじ訴訟で上告 札幌高裁で逆転敗訴の男性
2023/7/5 15:59
https://www.sankei.com/article/20230705-6WEYQJN5URPFHPBECT7W5DDB5U/
令和元年の参院選で安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女が道に損害賠償を求めた訴訟で、原告の男性は2023年7月5日、逆転敗訴とした札幌高裁判決を不服として上告した。
男性は大杉雅栄さん(35)。
2023年6月22日の高裁判決は、大杉さん本人が周囲から暴行を受ける危険や、安倍氏に危害を加える恐れがあったとして、警察官の行為は妥当と認定し、1審札幌地裁の賠償命令を取り消した。
一方、桃井希生さん(27)については、排除は憲法で保障された表現の自由の侵害に当たるとして55万円の賠償命令を維持しており、桃井さんは上告できない。
高裁判決によると、2人は令和元年7月15日、JR札幌駅近くで街頭演説をしていた安倍氏に
「安倍辞めろ」
などとヤジを飛ばし、警察官らに取り囲まれ、後方に移動させられるなどした。

札幌やじ訴訟の原告男性 「拡声器で妨害とは別」「つばさの党での引き合いは迷惑」
2024/5/21 13:36
https://www.sankei.com/article/20240521-LZSJFXB5K5DJRJWHMNSKNQDZIM/
令和元年、札幌市で演説中の安倍晋三首相(当時)に
「辞めろ」
「帰れ」
などヤジを飛ばした男女が北海道警の警察官に排除された問題を巡り、札幌地裁は
「表現の自由などが違法に侵害された」
として、道に賠償支払いを命じた。
2審の札幌高裁は1審判決の一部を取り消したが、1審の司法判断が演説妨害の正当化に利用されたとの指摘がある。
原告男性の大杉雅栄氏(36)が産経新聞の取材に応じ、
「肉声でヤジを飛ばしただけで演説が不成立になったわけではない」
「拡声器などを用いた選挙妨害と一緒にしてほしくない」
と述べた。
■「札幌はあくまで肉声」
ーー2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で、政治団体「つばさの党」陣営による他の候補への妨害行為をどう見ている
★大杉雅栄氏
人の演説会場で拡声器を使って罵詈雑言を浴びせるなどして、演説を成り立たせなくしている。
演説妨害で立件されても仕方ないレベルだろう。
(つばさの党陣営が主張している)相手の候補者の考えを知りたいなら公開質問状でも公開討論でも方法があるはずだ。
ーーつばさの党幹部はX(旧ツイッター)に
「候補者以外の安倍へのヤジが合法な時点で、候補者である俺らが違法なわけがない。北海道のヤジも、俺らがやったヤジも全く同じ」
と投稿し、大杉氏らのヤジを念頭に行為を正当化している
★大杉雅栄氏
札幌での事案はあくまで肉声のヤジで、表現の自由の範囲内と裁判所も判断している。
実際、被告である北海道警でさえ、ヤジは演説妨害との主張をしていない。
つばさの党の事案とは大きく異なり、引き合いに出されるのは迷惑だ。
ーー肉声でもヤジを飛ばせば、平穏に演説を聞きたい人の権利を邪魔しているのでは
★大杉雅栄氏
静かに演説を聞く権利というものはあるのだろうか。
閉ざされたプライベート空間ならともかく(当時ヤジを飛ばした)札幌駅前は公共空間だ。
そこには安倍氏の主張に対し、賛成の人も反対の人もいる。
多少のノイズはあり得るし、異論を口に出せるのが民主主義社会というものだ。
■「従前通り選挙違反取り締まりを」
ーー平成29年5月に東京・秋葉原で応援演説した安倍氏に対する「帰れ」の大合唱はどう思うか
★大杉雅栄氏
うるさいのはそうだろう。
ただ、上品かどうかは別にしても、そうしたやじは許容されてきた面がある。
民主党政権の野田佳彦首相(当時)が演説する際に『売国奴』とコールが上がっている場面を動画で確認したことがあるが、かといって警察が介入するものでもない。
安倍氏は国会論議を軽視し、疑惑の追及にも詭弁や誤魔化しに終始してきた。
主権者を代弁する国会議員の言葉さえ受け止めない人間に市民が直接声を届けるには、やじのような粗野なスタイルにならざるを得ない面がある。
ーー札幌地裁の判決がその後、警備の萎縮を招いたとの見方がある
★大杉雅栄氏
道警は警護警備を厳格に行ったことで一線を越えたわけではなく、警護警備に名を借りて不当な言論弾圧をしていた。
それが違法と認定されるのは法治国家として当然だ。
ヤジ裁判で全く新しい判例が確立した事実はないので、警察の適法な活動が制約される理由はない。
選挙違反の取り締まりも、判例などを参考に従前通りやれば良いのではないか。

つばさの党、複数陣営に15回以上の選挙妨害行為 逮捕の3人に協力者の存在も浮上
2024/5/19 18:41
https://www.sankei.com/article/20240519-GFGZFLV42NJFNNHX7OHRDNPYOI/
衆院東京15区補欠選挙を巡る政治団体
「つばさの党」
による選挙妨害事件で、公選法違反(自由妨害)容疑で逮捕された党代表、黒川敦彦容疑者(45)ら3人が、複数の陣営に対して少なくとも15回以上に渡り妨害行為を繰り返していたことが2024年5月19日、捜査関係者への取材で分かった。
3人の行為に複数の協力者がいることも判明した。
黒川容疑者やつばさの党から出馬して落選した幹事長、根本良輔容疑者(29)ら3人は、補選に出馬していた他の候補の演説場所に近付いて、拡声器を使って大音量を流して演説を妨害。
「カーチェイス」
と称して、他候補の選挙カーを追尾し、拡声器で罵声を浴びせるなどしていた。
特別捜査本部は選挙期間中、黒川容疑者らが演説を聞きにくくするなどの行為を5回以上、選挙カーを追尾して交通の便を妨げた行為を10回以上確認。
自由妨害に当たると見ている。
補選には、根本容疑者を含め、立憲民主党や日本維新の会、参政党などが擁立した候補や小池百合子都知事が支援した乙武洋匡氏(48)ら計9人が出馬していた。
黒川容疑者は、そのうち特定の複数の陣営に狙いを定め、妨害行為を繰り返していたとみられる。
こうした行為について、追尾する際の車両を運転したり、動画を配信するための撮影をしたりなど、逮捕された3人以外にも協力していた人物が複数いるとみて特別捜査本部が調べている。

広告収入狙い動画配信か つばさの党、根本容疑者「落選運動をビジネスにしたい」
2024/5/19 18:37
https://www.sankei.com/article/20240519-76DDHOIGNFPQZH45RQWUABBR2Y/
衆院東京15区補欠選挙を巡り公選法違反(自由妨害)の疑いで政治団体
「つばさの党」
の代表ら3人が逮捕された事件で、落選した幹事長、根本良輔容疑者(29)が補選中、妨害行為の様子を配信した動画の中で
「広告収入が増えている」
「落選運動をビジネスにしたい」
と話していたことが2024年5月19日、分かった。
警視庁捜査2課は過激な行為を繰り返して再生回数を増やし広告収入を得る狙いがあったと見て調べている。
補選期間中、つばさの党のユーチューブチャンネルには妨害などの様子を伝えるライブ動画約40本が投稿された。
2024年5月19日時点の再生回数は計約250万回、チャンネル登録者数は約25万人に上る。
根本容疑者は動画で
「選挙にさえ出れば合法的にやれる」
「ぜひみんなもやってほしい」
「再生回数半端じゃない」
「これが究極の落選運動だと思うので、はやらせたい」
と語っていた。
同課は2024年5月19日、党代表の黒川敦彦容疑者(45)や根本容疑者ら3人を送検した。

つばさの党 複数の支援者も妨害行為に関与か 警察が特定進める
2024年5月19日 11時03分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240519/k10014454091000.html
先月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の代表ら3人が、他の陣営の演説を妨害したとして逮捕された事件で、団体の複数の支援者が車の運転役や動画の撮影役などを担っていたことが捜査関係者への取材で分かりました。
警視庁は選挙の妨害行為に関わった人物の特定を進めています。
政治団体「つばさの党」の
▽幹事長で、選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)や
▽代表の黒川敦彦容疑者(45)
それに
▽運動員の杉田勇人容疑者(39)の3人は、
衆議院東京15区の補欠選挙で、他の候補者が演説する前で拡声機を使って怒鳴るなど、演説が聴き取れないように妨害したとして、公職選挙法違反の疑いで逮捕され2024年5月19日、検察庁に送られました。
これまでの捜査で、根本幹事長らは演説を妨害する同様の行為や他の陣営の選挙カーを追い回すなどの行為を繰り返し、その様子をYouTubeなどで配信していたことが分かっています。
団体には確認されているだけでもおよそ10人の支援者がいて、このうち複数のメンバーが、車の運転役や動画の撮影役などを担っていたことが、捜査関係者への取材で分かりました。
こうした支援者の一部は、根本幹事長の住む住宅で集団生活をしていたということで、警視庁は他の陣営への妨害行為をこの住宅を拠点に計画していた可能性もあるとみて、関わった人物の特定や活動の実態を調べています。

選挙後も小池都知事らの自宅前で「街宣」 SNSで住所情報募る つばさの党選挙妨害事件
2024/5/18 18:30
https://www.sankei.com/article/20240518-OHRZMXULAJMPDMO42PWABPK3VA/
衆院東京15区補欠選挙を巡る政治団体
「つばさの党」
による選挙妨害事件で、公職選挙法違反(自由妨害)容疑で逮捕された党代表、黒川敦彦容疑者(45)らが、選挙後も小池百合子都知事ら複数の個人宅周辺で拡声器を使って大音量で怒鳴るなどの行為を繰り返していたことが2024年5月18日、捜査関係者への取材で分かった。
警視庁捜査2課は特別捜査本部を立ち上げ、実態解明を進めている。
黒川容疑者や同党から出馬して落選した幹事長、根本良輔容疑者(29)ら3人は、補選の投開票がされた2024年4月28日以降も
「抗議街宣」
と称して、小池氏や同党に批判的な発信をした著名人らの自宅周辺に押し掛け、大音量で怒鳴るなどの行為を繰り返した。
自宅住所は交流サイト(SNS)で情報を募って特定していたとみられる。
2024年5月13日に警視庁が事務所などの家宅捜索を行った後は、警視庁本部庁舎前にも押し掛け、大音量で怒鳴り続けた。
選挙後も続いたこうした行為について警視庁には複数の相談が寄せられており、恐怖心を与える狙いもあったと見て、
「悪質性が極めて高い」
と判断。
自由妨害の疑いと合わせて、事実確認などを進めている。
小池氏は3人が逮捕された2024年5月17日の記者会見で、
「多くの方が一連の行動に憤りを感じておられると思う」
「候補者が命の危険を感じる選挙はあり得ない」
と述べた。
3人は共謀して補選告示日の2024年4月16日、無所属新人の乙武洋匡氏(48)陣営の街頭演説中、演説に重ねるように大音量で主張を訴えるなどして選挙活動を妨害した疑いで2024年5月17日に逮捕された。

補選中の都知事選立候補表明はネット視聴と逮捕回避狙いか 「つばさの党」黒川容疑者ら
2024/5/18 17:57
https://www.sankei.com/article/20240518-S2HOKQ2OINMZZEZMDCDQCCFX7A/
公職選挙法違反(自由妨害)容疑で逮捕された政治団体
「つばさの党」
代表、黒川敦彦(45)と同団体幹事長、根本良輔(29)両容疑者は衆院東京15区補選の最中に2024年7月の東京都知事選への出馬表明を行っていた。
補選同様、都知事選でも過激な活動のインターネット配信を行って世間の注目を浴びるだけでなく、候補予定者となることで警察の捜査・逮捕を回避しようとした可能性がある。
補選期間中の2024年4月25日、街頭活動の合間に江東区内で会見を行った両容疑者は都知事選に出馬する考えを明らかにした。
「(都知事選出馬で)凄い事になる」
会見でこう語った根本容疑者。
つばさの党として両容疑者を含む50人を擁立して都内のあらゆる場所に選挙カーを走らせ、小池百合子都知事のネガティブキャンペーンを展開すると宣言した。
出馬表明の背景にはインターネットで動画の再生数を稼ぎ収益化に繋げる考えがあったとみられる。
交流サイト(SNS)などで自身の活動を積極的に発信していることについて、黒川容疑者は
「広告収入を得ることが狙いではない」
と反論。
だが、活動の中では、ネットの反応を常に気にする姿があった。
警視庁が関係先を家宅捜索した2024年5月13日夕、両容疑者らはSNSで予告した上で小池氏の自宅周辺に出向き抗議活動を行った。
その際のネット中継では同団体運動員の杉田勇人容疑者(39)が
「8万1千(人)見てますから」
などと喜びを隠せない様子だった。
黒川容疑者は、補選の選挙期間中、逮捕容疑となった妨害活動に対して警視庁による警告にとどまったことから、
「選挙運動に対する妨害になるから、警察は候補者を逮捕できない」
と独自の主張を展開。
その上で、都知事選への立候補表明について、産経新聞の取材に
「逮捕を回避するため」
「候補予定者になれば警察は手出しをできない」
と明かしていた。

つばさの党 演説妨害5件以上 選挙カー追い回し10件以上確認
2024年5月18日 14時34分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240518/k10014453371000.html
2024年4月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の代表ら3人が、他の陣営の演説を妨害したとして逮捕された事件で、警視庁がこれまでに同じような演説妨害を5件以上、更に選挙カーを追い回す行為も10件以上確認し、調べを進めていることが捜査関係者への取材で分かりました。
政治団体
「つばさの党」
の幹事長で選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)や代表の黒川敦彦容疑者(45)ら3人は、衆議院東京15区の補欠選挙の告示日に、他の候補者が演説する前で拡声機を使って怒鳴るなど、演説が聴き取れないように妨害したとして公職選挙法違反の疑いが持たれています。
警視庁は各陣営から被害届を受理するなどして、選挙期間中の状況について調べていますが、これまでに同じような演説妨害を5件以上確認していることが、捜査関係者への取材で分かりました。
更に、他の陣営の選挙カーを追い回す行為も、10件以上確認していて、今後、増える可能性もあるとしています。
追い回された陣営が予定していたルートの変更を余儀なくされるなど、実際にそれぞれの選挙運動に影響が出たということです。
警視庁は容疑者らの活動の実態をさらに調べると共に、公職選挙法に規定された交通を妨害した疑いでの立件も視野に捜査を進めています。

つばさの党 著名人自宅押しかけ街宣活動 SNSで募り住所特定か
2024年5月18日 11時24分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240518/k10014453171000.html
先月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の代表ら3人が、他の陣営の演説を妨害したとして逮捕された事件で3人は、他の候補者や団体を批判した著名人の自宅に押しかけて街宣活動を行っていたことが、捜査関係者への取材で分かりました。
自宅の住所は、SNSで情報を募るなどして特定していたとみられ、警視庁が活動の実態を調べています。
政治団体
「つばさの党」
の幹事長で選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)や代表の黒川敦彦容疑者(45)ら3人は、衆議院東京15区の補欠選挙で、他の候補者が演説する前で拡声機を使って怒鳴るなど、演説が聞き取れないように妨害したとして公職選挙法違反の疑いが持たれています。
根本幹事長らは同じような妨害行為を繰り返していましたが、更に、他の候補者や団体を批判した著名人などの自宅に押しかけて街宣活動を行っていたことが、捜査関係者への取材でわかりました。
2024年5月13日に捜索を受けた後には、東京都の小池知事の自宅前で演説を行っていました。
こうした活動について、捜査幹部は
「非常に卑劣な行為で、当事者が被害を申告できなくなる恐れもあった」
としています。
相手の自宅の住所はSNSで情報を募るなどして特定していたとみられ、警視庁は恐怖心を与える狙いがあった可能性もあるとみて活動の実態を更に調べています。

“つばさの党の妨害で演説中断など” 警視庁 複数の証言確認
2024年5月18日 6時14分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240518/k10014452891000.html
2024年4月に行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の代表ら3人が、他の陣営の演説を妨害したとして、公職選挙法違反の疑いで逮捕されました。
一連の妨害行為によって、他の候補者が演説の中断や場所の変更を余儀なくされたケースが複数確認されているということで、警視庁は選挙期間中の活動の実態を更に調べています。
政治団体
「つばさの党」
の幹事長で、選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)と、代表の黒川敦彦容疑者(45)、それに運動員の杉田勇人容疑者(39)は、衆議院東京15区の補欠選挙の告示日に、他の候補者が演説する前で、拡声機を使って怒鳴ったり、車のクラクションを鳴らしたりして、演説が聴き取れないように妨害したとして、公職選挙法違反の疑いが持たれています。
警視庁によりますと、こうした行為によって
「演説を聴くことができなかった」
という有権者の複数の証言を得ているということです。
更に、根本幹事長らが同様の行為を選挙期間中に繰り返したことで、他の候補者が演説を中断したり場所や予定の変更を余儀なくされたりしたケースが複数確認されていることが、捜査関係者への取材で分かりました。
他の陣営の選挙カーを追い回すなどの妨害行為も繰り返していたということで、警視庁は
「特別捜査本部」
を設置し、活動の実態を更に調べています。

つばさの党代表ら逮捕 立民・泉健太代表「ずいぶん私も追い回された」 
2024/5/18 12:37
https://www.sankei.com/article/20240518-FSE5SZILLZO7NP7MWHJHLTTPSU/
■異常な行動
立憲民主党・泉健太代表
異常な行動であったと言わざるを得ない。
そういった(逮捕容疑の「自由妨害」に該当する)行為であったと感じる。
ずいぶん私も選挙カーを追い回された。
今後の捜査の推移を見守っていきたい。
法律の改正については、
「妨害」
をどう規定するかという所を我々も考えている。
(2024年5月17日の記者会見、衆院東京15区補欠選挙で街頭演説を妨害したとして、公職選挙法違反容疑で政治団体「つばさの党」の代表らが逮捕されたことに関して)

つばさの党、スタッフ複数も関与か 警視庁捜査 選挙活動妨害疑い
2024/5/18 8:43
https://www.sankei.com/article/20240518-CGZ52FNVQBJ3BLC7SWNQAE2OHA/
衆院東京15区補欠選挙を巡り公選法違反(自由妨害)の疑いで政治団体
「つばさの党」
の代表ら3人が逮捕された事件で、他にも党の複数のスタッフが他陣営の選挙活動の妨害に関与した疑いがあることが2024年5月18日、捜査関係者への取材で分かった。
警視庁捜査2課はこれらのスタッフも同法違反容疑で捜査する方針。
逮捕された党代表、黒川敦彦容疑者(45)や党から出馬して落選した幹事長、根本良輔容疑者(29)ら3人は、選挙期間中に他陣営への妨害行為を動画投稿サイトのユーチューブなどで配信していた。
複数の陣営から被害相談を受けている捜査2課は、これらの行為に複数のスタッフが動画の撮影役や運転手などとして関与したとみて調べている。
警視庁は3人の認否を明らかにしていないが、いずれも逮捕前の取材に違法性の認識を否定していた。
3人の逮捕を受け、党の関係者らは17日夜、ユーチューブの配信で
「不当逮捕だ」
「東京都知事選へ向けた弾圧」
などと主張した。

つばさの党の選挙妨害「表現の自由超えた」 維新・吉村共同代表、国会での議論求める
2024/5/17 21:49
https://www.sankei.com/article/20240517-NAJFQCUBZZNA5EXGRYINZIOQOY/
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で他候補の街頭演説を妨害したとして政治団体
「つばさの党」
代表ら3人が公選法違反(自由妨害)の疑いで逮捕されたことについて、日本維新の会の吉村洋文共同代表(大阪府知事)は2024年5月17日、
「つばさの党にも意見があると思うが、表現の自由の限界を超えた」
と述べた。府庁で記者団の取材に答えた。
逮捕された3人は、他候補の演説場所近くで拡声器を使って大音量で演説し、他候補の演説を聴衆に聞こえなくするなど、選挙活動を妨害する行為を繰り返した疑いが持たれている。
維新は東京15区補選に公認候補を擁立し、吉村氏も応援演説で同様の被害を受けた。
吉村氏は一連の行為について
「(つばさの党の)やり方が罷り通るのであれば、候補者が政策を訴えるという行為が成り立たなくなる」
と指摘。
捜査当局の判断については
「裁判所が逮捕令状を出したのは犯罪の疑いがあったから」
「選挙妨害には厳しく対応すべきだ」
と述べた。
維新は選挙妨害の規制強化を目指す公選法改正案をまとめ、今国会での成立を目指し与野党に協力を呼び掛けており、吉村氏は
「今回の事例を基に立法を行うのは国会のあるべき姿の1つ」
「深く議論してもらいたい」
とした。

つばさの党代表ら3人を逮捕「選挙の自由妨害」の疑い 警視庁
2024年5月17日 18時27分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240517/k10014452011000.html
2024年4月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の陣営が拡声機などを使って他の陣営の演説が聞き取れないようにして、選挙活動を妨害したとして、警視庁は、選挙に立候補した団体の幹事長や代表ら3人を公職選挙法違反の疑いで逮捕しました。
逮捕されたのは政治団体
「つばさの党」
の幹事長で、選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)と代表の黒川敦彦容疑者(45)、それに、運動員の杉田勇人容疑者(39)の3人です。
警視庁によりますと、衆議院東京15区の補欠選挙で、告示日の2024年4月16日に、他の陣営の候補者が演説をしていたJR亀戸駅前で、電話ボックスの上に座るなどして拡声機で怒鳴ったり、車のクラクションを鳴らしたりして、候補者の演説が聞き取れないようにしたとして、公職選挙法の
「選挙の自由妨害」
の疑いが持たれています。
警視庁は2024年5月13日に、団体の事務所や容疑者らの自宅を一斉に捜索すると共に、他の陣営からの被害届を受理して聞き取りを行うなどして捜査してきました。
根本幹事長らは、他の陣営の選挙カーを追い回すなどの妨害行為も繰り返していたということで、警視庁は
「特別捜査本部」
を設置し、全容の解明を進めることにしています。
警視庁によりますと、選挙に立候補していた陣営が他の陣営の選挙活動を妨害したとして候補者らが逮捕されるのは極めて異例だということです。
警視庁は認否を明らかにしていませんが、黒川代表は捜索を受けた際、
「我々の行動が選挙妨害になった判例及び法的事実はないので、表現の自由の中で適法なことをやっていると理解している」
などと反論していました。
■黒川敦彦代表 根本良輔幹事長とは
政治団体
「つばさの党」
の代表の黒川代表は、大学を卒業後、医療系のベンチャー企業を立ち上げるなどした後、出身地の愛媛県今治市で、加計学園を巡る問題を追及する市民団体の共同代表を務めました。
選挙には、2017年に衆議院山口4区に初めて立候補した後、これまでに、参議院選挙や東京・町田市の市長選挙に立候補し、いずれも落選しています。
2019年に政治団体
「オリーブの木」
を設立して代表に就任し、2021年に名称を
「つばさの党」
に変更してからも代表を務めています。
幹事長の根本幹事長はIT関連会社を経営しています。
3年前の2021年に東京都議会選挙の葛飾区選挙区に
「つばさの党」
から立候補し、落選しました。
その後、幹事長に就任し、今回の衆議院東京15区補欠選挙では1110票を得ましたが、最下位で落選していました。
■「選挙の自由妨害罪」とは
公職選挙法では選挙の公正や候補者間の平等を確保するため、225条で
「選挙の自由妨害罪」
を定め、演説の妨害行為などを禁止しています。
条文では
「交通もしくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、選挙の自由を妨害したとき」
などと規定されていて、違反すると4年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金が科されることになっています。
「演説の妨害」
について、昭和23年の最高裁判所の判例では
「聴衆が聴き取ることを不可能または困難になる場合は演説の妨害である」
などとしています。
また、昭和29年の大阪高等裁判所の判例では
「演説の妨害を認識しながら、聴衆が演説内容を聴き取り難くなるほど、執拗に質問などをして演説を一時、中止させることは妨害に当たる」
などという判断を示しています。
警視庁は、2024年5月13日に
「演説の妨害」
と、他の陣営の選挙カーを追い回した
「交通の妨害」
の疑いで団体の事務所などを捜索していて、今回は
「演説の妨害」
の容疑での逮捕となりました。
■難しい対応迫られた警視庁 どう判断したか
「つばさの党」
の陣営が選挙期間中
「選挙妨害だ」
という他の陣営からの指摘に対して
「国民に与えられた表現の自由の範囲内だ」
などと主張して行為を繰り返す中、警視庁は難しい対応を迫られていました。
公職選挙法は、選挙の自由妨害罪について
「演説を妨害し、選挙の自由を妨害したとき」
などと定めていますが、ヤジを飛ばす行為そのものを規制しているわけではなく、拡声機の音量などの規定もありません。
警視庁は拡声機を使って演説したり、車のクラクションを鳴らしたりして選挙の自由を妨害したとして、告示日から2日後の2024年4月18日
「つばさの党」
の陣営に対し
「警告」
を出しましたが、他の陣営への妨害行為はその後も繰り返されました。
警視庁には
「なぜ取り締まれないのか」
といった意見や苦情が多く寄せられていたということです。
捜査幹部の1人は取材に対し
「表現の自由や選挙の自由が絡むため、より慎重な事実認定や法的評価が求められた」
「ともすれば『公権力の恣意的な行使』と指摘されるリスクもあるため、緻密に違反の事実を裏付けていく必要があり、当時は警告がギリギリだった」
と振り返ります。
警視庁は、陣営が危険な行為に及んだ場合には、警察官職務執行法に基づき
「暴行罪や器物損壊罪で摘発する」
と注意を行う対応も取りましたが、陣営は、現場で警察官から注意を受けると、妨害行為を一旦止めたため、実際に摘発されることはありませんでした。
警視庁は2024年5月に入ってから他の陣営からの被害届の提出を受け、詳しい状況についての聞き取りを進めてきました。
その結果、他陣営の候補者の演説の内容が搔き消されるほどの大音量で騒ぎ立てたり、追いかけられた他陣営の関係者が警察署に逃げ込んだりしたケースもあるなど、実際に選挙活動に影響が出ていたことが確認されたということです。
警視庁は、こうした妨害行為が幅広い陣営に対し、長期間、反復継続して行われたことを重く見て2024年5月13日、強制捜査に踏み切り、2024年5月17日、3人を逮捕しました。
捜査幹部は
「選挙の後も他陣営の候補者や関係者、団体に批判的な意見を述べるタレントなどの自宅に押し掛け、街宣活動を行っていることを確認し、任意の捜査では限界があると判断した」
としています。
警視庁は今回の逮捕容疑となった演説の妨害の他、他陣営の選挙カーを追い回し、交通を妨害した疑いでも捜査しています。
■再生回数稼ぐ狙いもあったか
「つばさの党」
は選挙期間中、他の陣営の演説を拡声機などを使って妨害したり、選挙カーで追い回したりする様子を毎日のようにYouTubeで配信していて、再生回数が10万回を超えたものもあります。
陣営は
「他の候補者に、疑惑について質問することが目的で、国民の不満の声を代弁し、政治家の嘘を暴いている」
などと話していました。
その一方、配信の中で根本幹事長は
「下世話な話をすれば、広告収入が増えている」
「再生数が半端ではない」
「爆音でカーチェイスしまくるのが究極の落選運動で、これをビジネスにして広めたい」
などとも発言していました。
警視庁は、動画の再生回数を稼いだり広告収入を得たりする狙いもあったとみて目的などを捜査しています。
■林官房長官「公正・適切に選挙運動を展開する必要」
林官房長官は閣議のあとの記者会見で
「選挙は国民が主権者として政治に参加する最も重要かつ基本的な機会で、公正に行われるためには選挙運動は自由に行われなければならない」
「妨害することはあってはならず、候補者や選挙運動関係者はルールを順守し、公正・適切に選挙運動を展開する必要がある」
と述べました。
その上で、公職選挙法の改正の必要性について問われ
「選挙運動に関する事柄であり、各党・各会派で議論するべきものだ」
と述べました。
■松本総務相「極めて重大な問題」
松本総務大臣は閣議の後の記者会見で
「選挙が公正に行われるためには、有権者に考え方や政見が伝わることが大事で、そのような環境がもし妨害されているとすれば極めて重大な問題であると考えている」
「報道などの映像を見る限りは、本当に深刻な状況だと感じざるを得ない」
と述べました。
その上で
「公職選挙法の制度の改変については、選挙の自由という極めて重要な案件であり、立法府での政党間の議論を注視したい」
と述べました。
■自民 森山総務会長「必要があれば各党で議論」
自民党の森山総務会長は記者会見で
「選挙は国民が政治に参加する最も重要な機会なので、運動が自由に行われなければならないのは当然だ」
「今回の逮捕は一線を越えた悪質なものだと判断されたと理解している」
と述べました。
その上で
「公職選挙法の改正については、必要があれば各党で選挙の自由妨害罪の適用の明確化や罰則強化などが議論されるべきものではないか」
と述べました。
■立民 泉代表「異常な行動と言わざるをえず」
立憲民主党の泉代表は記者会見で
「異常な行動であったと言わざるをえず、選挙の自由を妨害した行為であったと感じている」
「私も選挙カーを追い回され、残念ながら、こちらがマイクを下ろさざるを得ないこともあった」
「大きな声でひたすら他党の候補者を悪く言っていたので、捜査当局も努力したのではないか」
「捜査の推移を見守っていきたい」
と述べました。
また、選挙運動の公正を確保するための法改正について
「党内で、法定刑の引き上げやどのような行為が妨害にあたるのかの例示について考えているところだ」
と述べました。
■公明 石井幹事長「適切な対応がなされた」
公明党の石井幹事長は記者会見で
「有権者が十分に候補者の訴えを聴取できなかったのは極めて由々しき事態であり、適切な対応がなされた」
「表現や言論の自由が最大限尊重されるべきなのは言うまでもないが、候補者の主張が有権者に届かないような妨害行為は一定の制約を受けるべきだ」
「まずは現行法を引き続き適切に運用していくことが重要だが、更なる必要性があれば法改正も含めて与野党で議論していくべきだ」
と述べました。
■乙武洋匡氏「有権者の“聞く権利”奪う悪質な行為」
根本幹事長らは、衆議院東京15区の補欠選挙が告示された2024年4月16日にJR亀戸駅前で行われた乙武洋匡 氏の陣営の演説を妨害した疑いが持たれています。
乙武氏は2024年4月17日、根本幹事長らの逮捕を受けて旧ツイッターのXに
「法律ギリギリの範囲を狙って選挙を荒らしまくり、有権者の“聞く権利”を奪う悪質な行為が、今後二度と繰り返されないよう切に願っています」
などと投稿しました。
■東京都 小池知事「模倣する人たちが出てくる懸念」
乙武洋匡 氏の応援演説を行った東京都の小池知事は記者会見で
「都民も憤りを感じている人は多いと思う」
「候補者も身の危険を感じながらやる選挙は、他の国では聞くが日本ではあり得ない事態だ」
「公職選挙法では今回のような事態は想定していないと思う」
と述べました。
その上で
「模倣するような人たちが出てくる懸念も残る」
「民主主義の基本である選挙で、候補者が怯え、他の候補者を貶めるというようなことが続くと、政治に対しての無関心どころか嫌悪感を深めてしまうのではないかと心配している」
と述べました。
■東京都選管 リーフレットを作成
東京都選挙管理委員会は、街頭演説の妨害行為は法律で禁止されていることを周知するリーフレットを作成しました。
都の選挙管理委員会によりますとリーフレットは2024年4月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、つばさの党の陣営によって他の陣営の演説を聞き取れないようにする妨害行為があったいう訴えが相次いだことなどから作成したということです。
この中では、暴行による妨害や、演説の継続を困難とするような妨害は、法律に違反することが説明されています。
都の選挙管理委員会は、2024年7月の都知事選挙の立候補予定者説明会などで配付し、演説の際に有権者や候補者の安全が確保されるよう協力を呼び掛けることにしています。

与野党、選挙妨害での逮捕「適切な対応」「見守りたい」 法改正の議論も
2024/5/17 19:28
https://www.sankei.com/article/20240517-PRHDJULZ7VJTVDY5C54K3LWEBM/
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の演説を妨害したとして、警視庁が公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで政治団体
「つばさの党」
代表、黒川敦彦容疑者ら3人を逮捕したことに関し、与野党からは
「適切な対応だ」
などと評価する声が上がった。
妨害の要件明確化など、法改正を目指す動きも出ている。
自民党の森山裕総務会長は記者会見で、3容疑者の逮捕について
「警告を発していたにも関わらず妨害行為が繰り返されたことが、一線を越えた悪質なものだと判断された」
との見解を示した。
公明党の石井啓一幹事長は
「適切な対応がなされた」
と評価した。
立憲民主党の泉健太代表は
「捜査当局も努力をされた」
「今後の推移を見守りたい」
と述べた。
日本維新の会の藤田文武幹事長は
「選挙が終わった後、家宅捜索、逮捕と進んでいった」
「冷静にどう進むかを見守りたい」
と語った。
国民民主の玉木雄一郎代表は、自身も妨害の被害者だとして
「厳正な捜査を期待したい」
「全面的に協力し、事情聴取などがあればしっかり受けたい」
と語った。
共産党の小池晃書記局長は
「現行法の公選法などを厳格に適用して対処すべきだ」
と述べつつ、
「逮捕要件を詳細に確認しているわけではないので、そのこと自体についてのコメントは避けたい」
と述べた。
法改正を巡っては、妨害の要件明確化や、捜査機関の対応迅速化を目指す公選法改正案の共同提出に向け、維新と国民民主が協議に入っている。
自民も茂木敏充幹事長が法改正に意欲を示し、立民も党内議論を進めている。
一方で今回の逮捕を含め、現行法の枠内で対応できれば改正は不要だとの見方もある。
維新の藤田氏は会見で
「(改正は)必要ないねという議論もあり得るが、一方で(改正で要件などを)明記して分かり易くする方法もある」
と指摘。
国民の玉木氏は
「折り合える所で折り合い、今国会で法案を成立させたい」
と意欲を示した。
立民の泉氏は法定刑の引き上げや妨害行為の例示など、引き続き党内で検討を進める考えを示した。

N党、ガーシー氏との活動通じ先鋭化か 逮捕のつばさの党代表、黒川敦彦容疑者
2024/5/17 16:53
https://www.sankei.com/article/20240517-4ZI2MUZIQNN5NNHOPKYKERWEZM/
衆院東京15区補選を巡り、警視庁捜査2課に公職選挙法違反容疑で逮捕された政治団体
「つばさの党」
代表の黒川敦彦容疑者(45)は、同党前身の政治団体
「オリーブの木」
を結成して政治活動を本格化させた経歴を持つ。
その後、立花孝志党首率いる政治団体
「NHK党」
で幹事長に就任。
ガーシーこと東谷義和元参院議員の選挙活動に関わるなどして、活動を先鋭化させていったとみられる。
■ガーシー氏出馬関与から変化
「真面目に選挙活動を展開していて、今のような過激な行為はなかったんですが…」。
オリーブ時代から数年間、選挙活動に関する相談を受けていたという行政書士の男性はこう明かす。
黒川容疑者からの相談は、選挙ポスターの表記や選挙カーが都県境を跨ぐ際の警察への届け出方法などに関するもので、
「法を守る方向に意識が向いていた」
という。
男性によると、変化があったのは新型コロナウイルス禍の頃。
「陰謀論めいた方向に傾注し、NHK党でガーシー氏の出馬などに関わった頃からおかしくなっていったように見える」
と話す。
令和4年、NHK党で携わったのが暴露系ユーチューバーとして活動していたガーシー氏が出馬した参院選だ。
黒川容疑者は選挙戦を通し、インターネットなどで目に留まりやすい発信方法を習得していったとみられる。
黒川容疑者自身も、逮捕前の取材に
「立花氏から学んだ事はある」
と明かしていた。
■立花氏は「僕が切り捨てたから先鋭化」
ただ、黒川容疑者はその後、党の運営などを巡って立花氏らと対立し、袂を分かつ。
立花氏はそうした経緯について産経新聞の取材に、
「先鋭化したのは僕が切り捨てたからだと思う」
と分析。
「経済的にも厳しくなったからじゃないか」
と話している。
黒川容疑者本人は、産経新聞の取材に、
「(妨害音を鳴らす)『かぶせ』はしなかったが、オリーブの時も安倍晋三首相(当時)の街宣に突撃しました」
と、方針の変化を否定。
交流サイト(SNS)などで過激な行動を発信している手法については、
「世の中を良くするため」
「広告収入を得ることが狙いではない」
としていた。

警告後も続いた妨害、公選法違反と判断 つばさの党代表、異例の逮捕 18年ぶり特捜本部
2024/5/17 16:52
https://www.sankei.com/article/20240517-3INDHE3NQRJC3NRFV6WK5YRY2I/
民主主義の根幹である選挙活動を揺るがした妨害行為は、元候補者らの逮捕という異例の事態に発展した。
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で複数の陣営に対し、妨害行為を繰り返した政治団体
「つばさの党」。
警視庁捜査2課は、関係機関とも綿密な調整を重ね、警告後も続いた活動を
「自由妨害」
と認定し、強制捜査から4日後に逮捕に踏み切った。
「表現の自由、言論の自由は尊重しなければならないが、今回は度を越している」
「極めて悪質」。
つばさの党から立候補した根本良輔容疑者(29)や党代表、黒川敦彦容疑者(45)らの行為について、警視庁はそう判断した。
補選中、つばさの党は、他陣営の演説を拡声器やクラクションで妨害する行為を繰り返した。
公選法225条の
「自由妨害」
は、候補者や運動員に対し
@暴行、威力を加えること
A交通の便や集会の便を妨げる、演説の妨害、ポスター損壊などをすること
B学校や会社など特殊な利害関係を利用して威迫すること
と規定する。
演説の妨害は条文上、明確に違反行為とされているが、実際に摘発されているのは、運動員を殴ったり、ポスターを破ったりしたというような個人がほとんど。
陣営を挙げて組織的に他陣営の街頭演説に乗り込み、大音量で妨害する行為は想定されていなかったというのが実情だ。
黒川容疑者は逮捕前、産経新聞の取材に、
「両陣営の演説が重なっただけ」
などと主張。
選挙中も、
「過去の判例を見ても有罪になったことはない」
などとして妨害行為を止めなかった。
警視庁は補選告示日の2024年4月16日、乙武洋匡(ひろただ)氏(48)の街頭演説に対し、電話ボックスの上に座りながら拡声器を使って大音量で話したり、車のクラクションを鳴らしたりした行為が妨害に当たる可能性があるとして2024年4月18日に警告を発出。
前例がない中で、捜査2課は
「言論の自由」
の侵害に当たらないよう慎重に捜査を進め、根本容疑者らの言動を蓄積すると共に、公選法の解釈や運用について検察庁などとも協議を重ねた。
根本容疑者らは反復的に同様の行為を続けた他、他陣営にも矛先を向けていったことを重要視。
乙武氏の演説の際、聴衆の間に割って入り、聴衆に背を向けて質問などを捲し立てていたことが、選挙活動の演説とは異なる
「妨害」
に当たることも併せて、逮捕に踏み切った。
警視庁は今回、刑事部長を本部長とする
「特別捜査本部」
を設置。
妨害の立証と共に、組織の実態解明を進める。
捜査2課が特捜本部を設置するのは異例で、巨額詐欺事件として知られる
「近未来通信事件」
以来18年ぶりという。

「選挙への影響取り返せない」 つばさの党代表ら逮捕、各陣営評価も影響深刻
2024/5/17 16:26
https://www.sankei.com/article/20240517-QNMUGWYGKVLZDPWV7SJY5TWG4Y/
衆院東京15区補欠選挙に絡み公選法違反容疑で逮捕された政治団体
「つばさの党」
代表らは、無所属、乙武洋匡氏(48)の陣営だけでなく、複数の陣営の街頭演説で妨害行為を繰り返していた。
各陣営関係者からは2024年5月17日、
「民主主義が破壊された」
などと批判する声が上がった。
立憲民主党から立候補して当選した酒井菜摘氏(37)の陣営関係者は
「平穏で議論の深まった選挙戦であるべきなのに、有権者との対話という選挙の重要な要素が妨げられたのは残念だ」
と振り返った。
飯山陽氏(48)を擁立した政治団体
「日本保守党」
の有本香事務総長も
「まともに選挙活動ができなかっただけでなく、有権者が候補者の訴えを聞けなかったのは大きな損失」
「民主主義を破壊したことを深刻に受け止めるべきだ」
と批判した。
乙武氏陣営で選対本部長を務めた尾島紘平都議は
「民主主義の根幹たる選挙の自由と安全が脅かされた」
「逮捕は評価したいが、選挙への影響は取り返せない」
と残念がった。

小池百合子都知事「政治に対する嫌悪感を深める」と批判 つばさの党代表ら逮捕
2024/5/17 14:56
https://www.sankei.com/article/20240517-ZKMNI4QN45NI3ALK6IWEOZZHJQ/
東京都の小池百合子知事は2024年5月17日の定例記者会見で、衆院東京15区補選で別陣営の演説を妨害した公選法違反(自由妨害)容疑で、警視庁が政治団体
「つばさの党」
代表、黒川敦彦容疑者(45)ら3人を逮捕したことに
「候補者が怯え、有権者に話すのではなく他の候補者を貶めることは、政治に対する嫌悪感を深めてしまう」
と容疑者らの手法を批判した。
先の補選で小池氏は、乙武洋匡(ひろただ)氏(48)=無所属=を支援。
告示前から選挙期間中にかけて、小池氏は乙武氏と共に街頭演説を行ったが、黒川容疑者らが度々会場近くまで近付いて大音量でヤジを飛ばすなどしていた。
また選挙期間中には黒川容疑者らが選挙区とは関係ない小池氏の自宅前で大音量で演説し、騒音に対して住民が苦言。
警視庁がつばさの党関係先の家宅捜索を行った2024年5月13日夕にも、黒川容疑者らが小池氏の自宅前で抗議行動を行っている。
小池氏はこの日の会見で
「多くの方が一連の行動に憤りを感じておられると思う」
「候補者が命の危険を感じる選挙はあり得ない」
と振り返った。
その上で、
「(これまでの選挙で各陣営が守ってきた)紳士協定がない、何でも有りの状況で今日の逮捕に至った」
とし、
「(今後の選挙で)模倣する人が出てくる懸念が残る」
と指摘した。

つばさの党代表ら逮捕 立民・泉健太代表「異常な行動」「ずいぶん私も追い回された」
2024/5/17 14:46
https://www.sankei.com/article/20240517-K4RLRZ2CDVONNOWBSS7OAWHV5I/
衆院東京15区補欠選挙で街頭演説を大音量で妨害したとして、公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで政治団体
「つばさの党」
代表らが逮捕されたことを受け、15区に公認候補を擁立した立憲民主党の泉健太代表は2024年5月17日の記者会見で
「私が見ていてもそういった(自由妨害に該当する)行為であったと感じる」
と語った。
泉氏は
「異常な行動であったと言わざるを得ない」
と指摘した上で
「随分私も選挙カーを追い回された」
と振り返った。
法改正の必要性にも言及し
「『妨害』をどう規定するか、我々も考えている」
と述べた。

つばさの党の根本容疑者、都知事選出馬表明の石丸氏に「徹底的に質問に行くよ」逮捕前予告
2024/5/17 14:19
https://www.sankei.com/article/20240517-TOLVZ2RUANCCFBIFN42Z2LKLQQ/
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙を巡り公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで逮捕された政治団体
「つばさの党」
幹事長の根本良輔容疑者は2024年5月16日、都知事選に出馬意向の広島県安芸高田市の石丸伸二市長について、X(旧ツイッター)で
「徹底質問」
を予告していた。
「一説によると維新から出るそうだが、そうなったら徹底的に質問しに行くよ 彼との対談とか、めっちゃ盛り上がると思う」
と書き込んだ。
投稿は2024年5月17日に逮捕される前。
都知事選については根本氏も立候補を表明していた。
石丸氏は本会議中に居眠りする議員に対し、
「恥を知れ」
と批判したことなどで知られる。
根本氏はXで
「寝てるクソ議員に恥を知れ!と言うぐらいだから質問には答えてくれるだろう」
と投稿した。

黒川敦彦容疑者が設立「つばさの党」、矛先はワクチンや宗教団体の政治活動も 
2024/5/17 13:00
https://www.sankei.com/article/20240517-5K7ILGFZ3VGC7ABSKKUVMY6RBY/
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の演説を妨害したとして、警視庁は2024年5月17日、政治団体
「つばさの党」
代表の黒川敦彦、幹事長の根本良輔、組織運動本部長の杉田勇人の各容疑者を公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで逮捕した。
前身団体は令和元年に設立された政治団体
「オリーブの木」。
政権与党に対峙する緩やかな諸派連合を目指し対米自立、護憲を掲げたが、近年は反ワクチンや宗教団体の政治活動に矛先を向けて抗議活動を展開してきた。
「エセ保守 媚び米 媚びイスラエルで 安倍政治万歳! 統一教会、日本会議とべったり」
黒川容疑者は2024年5月17日午前、X(旧ツイッター)にこう書き込み、一部保守系オピニオン誌に対する批判を展開した。
この投稿直後に逮捕されたとみられる。
黒川容疑者は愛媛県今治市で市民団体
「今治加計獣医学部問題を考える会」
の共同代表を務め、令和元年5月、元衆院議員の小林興起氏、元外交官の天木直人氏、千葉県議の西尾憲一氏とオリーブの木を設立した。
4人が主宰する政治団体の集合体として、令和元年7月の参院選で議席獲得を目指した。
当時のホームページには
「安倍自公政権はもとより、野党共闘も国民のための政治を実現することができず、何とかならないかという声」
の受け皿になると紹介されているが、参院選で候補者は全員落選した。
その前後にオリーブの木内部で、役員人事や政治手法、歴史観、共通政策の違いが露呈したという。
令和元7月に小林氏が離党、令和元9月に天木氏が離党、翌令和2年2月には西尾氏が離党。
これによって、オリーブの木は黒川派が主導権を握った形となる。
令和3年1月、黒川容疑者は動画投稿サイトで党名を
「つばさの党」
に変更すると発表。
令和3年6月には党名変更を繰り返すNHK党と次期衆院選に向けた連携も決定した。
黒川容疑者が率いるつばさの党は、新型コロナウイルス禍でワクチンリスクに警鐘を鳴らす街宣活動を地方で行うと共に、宗教団体に対する抗議活動も先鋭化。
公明党の支持母体である創価学会や幸福の科学に対するデモ活動を行っていく。
令和4年9月には世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する抗議集会の開催を呼び掛け、JR渋谷駅前で
「統一教会、CIA」
などと叫んだり、旧統一教会本部前で歌を歌ったり音楽を鳴らしたりするパフォーマンスを行った。
選挙活動を巡っても黒川容疑者らは東京15区補選(2024年4月28日投開票)以前から、他の候補の演説会場に乗り込んで声を上げ、その様子を動画配信する手法を取っていた。
黒川容疑者と根本容疑者は2024年7月の都知事選にも立候補する考えを表明していた。

公明党の石井幹事長、選挙妨害「由々しき事態」 つばさの党代表ら逮捕は「適切」
2024/5/17 11:52
https://www.sankei.com/article/20240517-UJNYABKDUVIBNDAIKXCVQTW22U/
公明党の石井啓一幹事長は2024年5月17日の記者会見で、衆院東京15区補欠選挙(2024年4月28日投開票)で別陣営の演説を妨害したとして、警視庁が公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで政治団体
「つばさの党」
代表、黒川敦彦容疑者ら3人を逮捕したことについて
「適切な対応がなされた」
と評価した。
「選挙は民主主義の根幹だ」
「有権者が十分に候補者の訴えを聴取できなかったことは極めて由々しき事態だ」
と述べた。

「つばさの党」黒川敦彦容疑者が逮捕前日の取材に語る「若者の声を代弁」「尾崎豊みたいな」
2024/5/17 11:36
https://www.sankei.com/article/20240517-MCSPWXPKUZJ3BIDDRAIFSADK3I/
2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙を巡り、他候補の街頭演説を妨害したとして、警視庁捜査2課は2024年5月17日、公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで、政治団体
「つばさの党」
代表の黒川敦彦容疑者(45)を逮捕した。
逮捕前日の2024年5月16日、産経新聞は黒川容疑者に取材した。
一問一答は次の通り。
ーーなぜ選挙活動で過激な手法を行うのか
政治家の噓を暴きたいからだ。
街頭演説で半ば噓みたいなキレイ事だけを言っている。
僕たちが実際は『どうなっているの』という質問に行き、政治家の噓を可視化するために行っている」
ーー演説の中で「当選するつもりもない」と言っていたが、出馬の目的は。
国政政党になるために活動しているので選挙には勝つために出ている。
現実的には組織票がない中で衆院選の小選挙区で勝つのは難しい。
1回で勝てなくても積み重ねて今のつばさの党になっている。
仲間は確実に増えている。
批判はあるし、やり過ぎだと思うかもしれないが、共感する人も思った以上に多い。
我々の言論や行動に関しては、一定の国民の支持があるので、一方的に選挙妨害というのは民主国家のロジックとして成り立たない。
ーーどの点が共感を呼んでいると感じているのか
若者たちの声が政治に届かず不満をためているが、持って行き先も分からない。
僕らが代弁している。
権力に挑んでいる。
クソ政治家に僕らは『お前らクソだよね』と言ったことに面白いという声がある。
尾崎豊みたいな。
ーーつばさの党の選挙活動が選挙妨害、自由妨害に当たるという疑いが持たれている点についてどう捉えているか
自由妨害だという法的根拠が1つもない。
陣営同士の演説が重なってはいけないという法律はない。
総務省にこれから聞きに行くが、違法だとは答えられないと思う。
ーー活動をユーチューブなどで動画配信している目的は
世の中を良くするためだ。
ユーチューブの売り上げも活動資金にはなっているが、足りてはいない。
圧倒的に赤字。
事業が成功し、その売り上げを使って活動資金にしている。
ーー活動資金は
皆で稼いでいる。
事業を17個くらいやっている。
ーー2024年6月20日告示、2024年7月7日投開票の東京都知事選にも出馬する
出馬表明しているので、もちろん出る。
根本(良輔容疑者)も出る。
杉田(勇人容疑者)も出たいと言っている。
妨害や人を困らせるためにやっているわけではない。
政治と社会がクソだからクソだって盛大に言っている。
次の次の参議院選挙で国政政党になるために活動している。
10億円貯めて、選挙で使う。

林官房長官「選挙運動の妨害あってはならない」 つばさの党代表ら逮捕
2024/5/17 11:08
https://www.sankei.com/article/20240517-X7LR3XJ2R5LLFL2UZQ7HHC5DLE/
林芳正官房長官は2024年5月17日の記者会見で、警視庁捜査2課が2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の演説を妨害したとして、公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで、政治団体
「つばさの党」
代表、黒川敦彦容疑者ら3人を逮捕したことについて
「選挙運動を妨害することはあってはならず、候補者、選挙運動関係者は選挙のルールを順守し、公正適切に選挙運動を展開する必要がある」
と述べた。

つばさの党代表ら3人を逮捕 公選法違反容疑 衆院東京15区補選で妨害
2024/5/17 9:28
https://www.sankei.com/article/20240517-XXBSATQP65M2VMM2TAJGGZ6WIA/
2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の演説を妨害したとして、警視庁捜査2課は2024年5月17日、公選法違反(自由妨害)の疑いで、政治団体
「つばさの党」
代表、黒川敦彦容疑者ら3人を逮捕した。
捜査関係者への取材で分かった。

つばさの党 代表ら3人を逮捕「選挙の自由妨害」の疑い 警視庁
2024年5月17日 9時18分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240517/k10014452011000.html
2024年4月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の陣営が拡声機などを使って他の陣営の演説が聞き取れないようにして、選挙活動を妨害したとして、警視庁が選挙に立候補した幹事長や代表ら3人を公職選挙法の
「選挙の自由妨害」
の疑いで逮捕したことが捜査関係者への取材で分かりました。
逮捕されたのは政治団体
「つばさの党」
の幹事長で、選挙に立候補した根本良輔 容疑者(29)と、代表の黒川敦彦 容疑者(45)、それに、運動員の杉田勇人 容疑者(39)の3人です。
捜査関係者によりますと、3人は2024年4月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、拡声機などを使って他の陣営の演説が聞き取れないようにして選挙活動を妨害したとして、公職選挙法の
「選挙の自由妨害」
の疑いが持たれています。
警視庁は2024年5月13日に、団体の事務所や容疑者らの自宅を一斉に捜索すると共に、他の陣営からの被害届を受理して聞き取りを行うなどして捜査を進めてきました。
容疑者らは選挙期間中に他の陣営の選挙カーを追い回すなどの妨害行為も繰り返していて、警視庁は妨害の目的や詳しい経緯を更に調べることにしています。
警視庁によりますと、選挙に立候補していた陣営が他の陣営の選挙活動を妨害したとして候補者らが逮捕されるのは極めて異例だということです。
一方、黒川代表は捜索を受けた際、
「我々の行動が選挙妨害になった判例及び法的事実はないので、表現の自由の中で適法なことをやっていると理解している」
などと反論していました。

選挙妨害容疑のつばさの党・黒川敦彦代表、過去に加計学園問題巡り民進党で講師役も
2024/5/16 15:25
https://www.sankei.com/article/20240516-WLEPCTCSMRH3BELUFPVV5SQITU/
2024年4月に投開票された衆院東京15区補欠選挙を巡り、警視庁は他候補の街頭演説を妨害した疑いが強まったなどとして、公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで、政治団体
「つばさの党」
の本部などを家宅捜索した。
同党の黒川敦彦代表は、過去にNHK党(当時)などから国政選挙に出馬し、落選を繰り返した。
学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設を巡る問題を追及して注目を集め、民進党の会合に講師として出席したこともある。
■小池百合子知事への批判強化
「今日も朝から街宣車出します 小池ゆりこ(=百合子東京都知事)にヘイヘイ言ってるので、見かけたら声かけたり、拡散お願いします! 街宣車さらにどんどん手配中です 日々、増やしていく予定です」
黒川氏は2024年5月16日、X(旧ツイッター)にこう書き込み、小池氏を批判する街頭活動を強化していく考えを示した。
つばさの党の陣営は、東京15区補選で他の候補が演説する際、近くの電話ボックスによじ登ってヤジを飛ばしたり、車でクラクションを鳴らしたりした。
その代表を務める黒川氏は、かつて
「産学連携ベンチャーの申し子」
と呼ばれることもある起業家だった。
■起業家から市民活動家
黒川氏は平成13年に大阪大工学部を卒業、独立行政法人
「新エネルギー・産業技術総合開発機構」)NEDO)
で企業と大学の研究の橋渡し役をする研究などに取り組んだ後、愛媛県今治市に帰郷した。
平成29年には、愛媛県今治市市内に建設を予定する加計学園の獣医学部を巡り、安倍晋三元首相の関与を追及する市民団体
「今治加計獣医学部問題を考える会」
を立ち上げ、共同代表としてメディアに頻繁に取り上げられるようになった。
平成29年5月には同市内の獣医学部建設現場を訪れた民進党の
「加計学園疑惑調査チーム」
のメンバーを案内し、平成29年8月に同チームの会合に講師として出席した。
平成29年年10月の衆院選では、安倍氏の地元・山口4区に無所属で出馬。
獣医学部開設を取り上げた。
この選挙でも、他候補の会合に乗り込み、接触を図るような行為を目立たせていた。
公示前にはツイッター(現X)で
「初日一人でも多く山口4区に来て、安倍あきえ(=夫人・昭恵氏)を取り囲みましょう!」
と投稿。
公示日に安倍氏の出陣式に、山本太郎参院議員と駆け付け、昭恵氏に近寄ると、安倍氏との合同演説会の開催を要請するという
「申入書」
と題した紙を手渡した。
山本氏がこの様子をインターネット中継しており、安倍氏の後援会幹部は
「実質的な妨害だ」
と憤ったという。
■国政選に落選繰り返す
令和元年7月の参院選には、元外交官の天木直人氏らと設立した政治団体
「オリーブの木」(現・つばさの党)
の代表として、令和3年10月の衆院選では
「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」(当時)
の公認として、令和4年7月の参院選はNHK党(当時)の公認でそれぞれ出馬し、落選している。
令和4年6月にはNHK党幹部としてNHK番組
「日曜討論」
に出演した。
司会者の制止を振り切りながら、
「テーマに沿わない」
という発言を繰り返した後、
「あべのせいだー、あべのせいだー」
などと歌い出し、ひんしゅくを買っていた。
先の東京15区補選最終日の2024年4月27日、黒川氏は街頭演説に臨み、金融資産を投資に回す必要性について20分近くマイクを握った。
「金融経済が正常に働かない限り国が豊かにならないと思い、政治を始めた」
「最も必要なことは国民を稼げる状態にすることだ」
と強調。
「つばさの党が『政治を変えたい』と言っているのは、皆で生活を良くしたいということだ」
「『ヘイヘイヘイ』とお騒がせしてきた」
「なぜこんな変な選挙戦を戦い、奇抜なことをやったか」
「そうでもしないと一般の皆さんが選挙に興味を持ってくれないからだ」
などと持論を展開した。

維新 音喜多政調会長 つばさの党捜索 “早期に法改正を”
2024年5月14日 17時29分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240514/k10014448771000.html
日本維新の会の音喜多政務調査会長は、先の衆議院の補欠選挙で政治団体
「つばさの党」
の陣営が選挙活動を妨害したとして、警察の捜索を受けたことを踏まえ、対策の強化に必要な法改正に向けて各党に協力を求める考えを重ねて示しました。
今回の捜索について日本維新の会の音喜多政務調査会長は記者団に対し
「本来、選挙期間中に速やかに取り締まるべきだった」
と指摘しました。
そして、党として選挙の自由妨害罪に該当する行為の明確化や、罰則の強化を盛り込んだ、公職選挙法改正案の叩き台をまとめたことを踏まえ
「現行法で対応できるという意見もあるが、具体的な例を法律に書き込み、捜査機関が対応しやすくする意味がある」
「主要野党は大きな方向性でまとまれると思っており、与党にも投げかけていきたい」
と述べました。
一方、音喜多氏は、党の共同代表を務める大阪府の吉村知事から、次の衆議院選挙の公約に0歳から投票権を与え、親が投票を代行する制度の導入を盛り込むよう提案があったことを明らかにし
「結党以来、世代間格差の是正を掲げており公約に載せる方向で検討する」
「憲法改正が必要か否かの論点もあり、早期に結論を出したい」
と述べました。
■松本総務相「各党の議論内容を注視していきたい」
松本総務大臣は閣議の後の記者会見で
「私自身、選挙に携わっているが、報道を見ている限り、少なくとも体験したことがないようなことが起こっていると感じた」
「公職選挙法に新たなルールをどのように設けるかについて総務大臣としてのコメントは控えるが、各党の議論の内容を注視していきたい」
と述べました。
■立民 岡田幹事長「捜査も含め状況を見極める時期」
立憲民主党の岡田幹事長は記者会見で
「日本維新の会の法案の叩き台がどこまで法的に意味があるのか党内で議論を尽くしたい」
「法改正をすることによって有権者の権利を阻害する部分もあるし、選挙の自由妨害に該当する具体的な事例を法律に書くことで
『それ以外のことはやってもいい』
ということにもなりかねない」
「捜査も含め状況を見極める時期だ」
と述べました。
■共産 穀田国対委員長「現行法の範囲内でできることをやるべき」
共産党の穀田国会対策委員長は記者会見で
「公正な議論が保障されなければならない選挙において、妨害は許されないが、選挙管理委員会などがしっかり対処すべき問題だ」
「現行法の範囲内で、できることをきちんとやるべきだ」
と述べました。
■国民 玉木代表「多くの賛同募って成立させたい」
国民民主党の玉木代表は記者会見で
「今回の行為は選挙の自由妨害罪にあたると思うので、当局には厳しく対処してもらいたい」
「同時に、法改正も必要であり、日本維新の会の叩き台は、我が党と考えがかなり重なる所がある」
「できるだけ多くの賛同を募って成立させたい」
「東京都知事選挙に加え、衆議院選挙もあるかもしれないので早めに処理する必要がある」
と述べました。

<主張>「選挙の自由」妨害 悪質行為の摘発は当然だ
社説社説
2024/5/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20240516-MLNXQW6XCRI63FLOP4WXQFEJNI/
憲法21条は言論や表現の自由を保障している。
この前段となる12条では憲法が保障する
「自由及び権利」
は、
「国民は、これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ」
と規定している。
憲法は
「自由」
を無制限に保障しているのではなく、その濫用を明確に戒めている。
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で対立陣営の街頭演説を妨害したなどとして、警視庁は公選法違反(選挙の自由妨害)容疑で政治団体
「つばさの党」
の関係先を家宅捜索した。
同党は警視庁の強制捜査に対して
「表現の自由の中で適法にやっている」
「心外だ」
などと主張し、今後も同様の政治活動を続けると述べている。
これこそ
「公共の福祉」
とは相容れない
「自由の濫用」
であろう。
同党は他候補の演説中に大音量で罵声を浴びせ、クラクションを鳴らすなどの妨害を繰り返し、選挙カーを執拗に追い回すなどの危険行為もあった。
極めて悪質である。
「選挙の自由」
は対立陣営にもあり、これは明らかに侵害された。
異常な環境下で候補者の演説を聞くことが出来なかった有権者もまた、直接の被害者である。
国民の常識や良識に照らして悪質な行為が、合憲や適法であるはずがない。
警視庁の捜査は妥当である。
類似した事案に、令和元年の参院選で安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばした男女を北海道警が排除し、2人が道に損害賠償を求めた訴訟で札幌地裁が排除の違法性を認めた判決がある。
多くのメディアが北海道警を非難したが、札幌高裁は男性について、警告を無視して大声での連呼をやめず、演説車両に向かって突然走り出すなどの行為があり警察官の判断は
「客観的合理性を有する」
と認定し、賠償命令を取り消した。
「つばさの党」
への強制捜査には
「言論の萎縮を招く」
といった懸念の声もある。
だが、選挙妨害の数々が、守るべき言論や選挙の自由の名に値するか。
しないだろう。
憲法12条はまた、
「国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」
とも謳っている。
「自由」
の履き違えを許してはならない。

日本国憲法
第十二条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。
第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
A 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

<産経抄>民主主義を脅かし、「つばさの党」に捜査の手
2024/5/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20240516-HKUKNISSYZJUZIZGRAEJKCIU7E/
海軍増強の是非を議論した大正9年の衆院本会議に、今も語り草の一幕がある。
時勢に照らして
「艦隊の充実」
を説いたのは蔵相、高橋是清だった。
「陸海軍とも難儀を忍んで長期の計画といたし、陸軍10年、海軍8年の…」
▼言葉を継ごうとしたその時、
「ダルマは9年」
と野党の席から声が飛んできた。
9年の座禅で悟りを開いた達磨大師。
いかめしくも愛嬌のある風貌から
「ダルマ」
とあだ名された高橋。
双方に掛けた即妙のヤジだった。
声の主は、後に
「ヤジ将軍」
と呼ばれる三木武吉である。
▼議場は爆笑に包まれたと聞く。
機知に富み、いたずらに人を辱めるわけでもない。
「議場の華」
と言われるヤジの、会心の一打だろう。
当時の三木は30代半ば、やり取りの老熟ぶりが際立つ。
それに引きかえ、現代の政治模様の幼さはどうだろう。
▼先日の衆院東京15区補選で他陣営の選挙運動を妨げたとして、政治団体
「つばさの党」
本部などが警視庁の家宅捜索を受けた。
投稿動画を見ると、よその選挙カーを追い回し、拡声器で声を張り上げては街頭演説を遮るなど実に酷いやり口だった。
▼陣営は
「表現の自由」
と称し、自らを正当化しているという。
憲法も公職選挙法も侮られたものである。
各候補者の主張に耳を傾けたい有権者の権利は、思慮の外ということだろう。
おのが正義を軸に世界が回っている―と勘違いした人々に、ヤジ将軍の挿話は説くだけ無駄か。
▼「かしましくものいふ」
「人のものいひきらぬ中ニものいふ」
は良寛が嫌った言動の所作である。
思えば亡き安倍晋三元首相も、度を越したヤジに幾度となく街頭演説を妨げられてきた。
民主主義の足元を脅かす挑発の危うさを、我々は看過してはならない。

安倍元首相暗殺の陰にも演説妨害 
阿比留琉比の極言御免
2024/5/16 1:00
https://www.sankei.com/article/20240516-FHEBVTYUZFIJ7OC24VDB4MAXUQ/
政治団体
「つばさの党」
幹部の根本良輔氏らが先の衆院東京15区補欠選挙に出馬し、他の候補の演説場所で大声を上げつきまとうなどの妨害行為を繰り返した問題は、同団体本部が警視庁に公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで家宅捜索される事態となった。
やっとかというのが、率直な感想である。
選挙演説への妨害行為を巡って、警察がようやく重い腰を上げたことは歓迎したい。
ただ、これまで
「表現の自由」
を錦の御旗に、警察による取り締まりや排除を批判し続けたマスコミや野党議員、またそれにお墨付きを与えた裁判所には憤りを禁じえない。
選挙演説への過激な妨害行為は参院選最中の令和4年7月8日、安倍晋三元首相が暗殺されるきっかけの1つになったからである。
筆者がその前日夜の電話で、長野県に応援演説に行く予定が取り消され、奈良県に入ることになった件を聞くと、安倍氏は答えた。
「あそこは、私が行くと暴れる人がいるから」
「実際、麻生さん(太郎自民党副総裁)が入った時には、変な地方議員らがマイクを持って週刊誌の自民候補のスキャンダル記事を読み上げたんだって」
「他の選挙区に影響しかねないと心配する人がいるから」
長野では演説妨害を受けることが予想され、それをマスコミが面白おかしく報道することを避けた結果、奈良で凶弾に倒れる悲劇に繋がったのだった。
安倍氏が受けてきた演説妨害と、それを擁護し、安倍氏の攻撃材料として利用してきたマスコミの姿勢に関しては2024年4月25日の当欄で取り上げたのだ繰り返さない。
だが、性質の悪い
「こんな人たち」
は確かに存在するのである。
■壊れる民主主義社会
令和元年の参院選で、札幌市で演説中の安倍氏に
「辞めろ」
「帰れ」
などと大声でヤジを飛ばした男女が、北海道警の警察官に排除された件では、札幌地裁が
「表現の自由などが違法に侵害された」
として、道に賠償支払いを命じた(札幌高裁が一部取り消し)。
これも演説妨害の正当化に利用されてきた。
現につばさの党の根本氏は、2024年5月13日のX(旧ツイッター)にこう投稿している。
「候補者以外の安倍へのヤジが合法な時点で、候補者である俺らが違法なわけがない 北海道のヤジも、俺らがやったヤジも全く同じ なぜならヤジの定義が曖昧だから」
多くのマスコミも、司法も
「こんな人たち」
の見方をした結果、警察は委縮し、警備に力を入れられなくなる。
その延長線上に安倍氏の暗殺があり、その最悪の行為の容疑者ですら英雄視する論調が、2023年4月の衆院補欠選挙時に和歌山県での岸田文雄首相暗殺未遂事件を生んだ。
こうして民主主義の根幹と言える街頭での選挙演説が困難となり、民主主義社会は壊れていく。
ちなみに、つばさの党の黒川敦彦代表は平成29年の衆院選で安倍氏の地元の山口4区から出馬しており、当時、ツイッターにこんな異例の投稿をしている。
「(平成29年)10月10日のボランティア急募 初日1人でも多く山口4区に来て、安倍あきえを取り囲みましょう!」
安倍氏の昭恵夫人への迷惑行為、つきまといへの参加を呼び掛けたのだった。
安倍氏陣営は選挙妨害だと憤ったが、今回の東京15区でのやり方は、既にこの時から始まっていたのである。
言葉を用いた
「表現の自由」
を偽装した事実上の実力行使を、これ以上許してはならない。

北海道警やじ訴訟で上告 札幌高裁で逆転敗訴の男性
2023/7/5 15:59
https://www.sankei.com/article/20230705-6WEYQJN5URPFHPBECT7W5DDB5U/
令和元年の参院選で安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女が道に損害賠償を求めた訴訟で、原告の男性は2023年7月5日、逆転敗訴とした札幌高裁判決を不服として上告した。
男性は大杉雅栄さん(35)。
2023年6月22日の高裁判決は、大杉さん本人が周囲から暴行を受ける危険や、安倍氏に危害を加える恐れがあったとして、警察官の行為は妥当と認定し、1審札幌地裁の賠償命令を取り消した。
一方、桃井希生さん(27)については、排除は憲法で保障された表現の自由の侵害に当たるとして55万円の賠償命令を維持しており、桃井さんは上告できない。
高裁判決によると、2人は令和元年7月15日、JR札幌駅近くで街頭演説をしていた安倍氏に
「安倍辞めろ」
などとヤジを飛ばし、警察官らに取り囲まれ、後方に移動させられるなどした。

原告2人判断分かれる 安倍首相やじ排除訴訟で札幌高裁
2023/6/22 19:53
https://www.sankei.com/article/20230622-OIW6EPFLJBK5VGUXTEIGEL2HWU/
令和元年の参院選で安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女が道に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、札幌高裁は2023年6月22日、計88万円の賠償を道に命じた札幌地裁判決のうち、男性(35)への賠償命令を取り消した。
女性(27)については道の控訴を棄却し、1審の55万円の賠償命令を維持した。
大竹優子裁判長は、男性本人が周囲から暴行を受ける危険や安倍氏に危害を加える恐れがあったとして警察官の行為は妥当と認定した。
女性については1審判決と同様、排除は憲法で保障された表現の自由の侵害に当たるとした。
離れた場所にいた2人の状況は異なっており判断が分かれた。
2022年3月の1審判決後の2022年7月、安倍氏が街頭演説中に銃撃され死亡する事件が発生したが、控訴審の審理や判決で言及はなかった。
男性は上告を検討するとし
「銃撃事件がなかったら、裁判所の判断は変わらなかったのではないか」
と話した。
道警は
「判決内容を精査し、対応を検討する」
とコメントした。

「安倍氏に危害の恐れ」 やじ男性排除は適法 札幌高裁
2023/6/22 16:27
https://www.sankei.com/article/20230622-HKB5YON4XZLTZGXXRKN7QG6BBQ/
令和元年の参院選で札幌市で演説中の安倍晋三首相(当時)にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女2人が道に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で札幌高裁は2023年6月22日、男性に対する道警の排除行為について、男性が周囲から暴行を受けたり、男性が安倍氏らに危害を加えたりする恐れが迫っており、適法だったと判断した。
一方、女性に対する排除行為については1審判決と同様、表現の自由の侵害に当たると判断。
女性への賠償命令に対する道警側の控訴を棄却した。
高裁は2人への賠償を命じた1審判決のうち、男性への支払いを命じた部分を取り消した。

やじ排除訴訟で北海道控訴 警察官職務の是非高裁へ
2022/4/1 12:11
https://www.sankei.com/article/20220401-DRV2M3JQRJP2XEC67GT6BUILZA/
令和元年の参院選期間中に安倍晋三首相(当時)の街頭演説にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女2人が損害賠償を求めた訴訟で、道は2022年4月1日、排除の違法性を認めて計88万円の支払いを命じた札幌地裁判決を不服として控訴した。
政治家にヤジを飛ばした聴衆を、その場から排除した警察官による職務執行の是非は、札幌高裁で改めて審理される。
道警監察官室は
「控訴審で当方の考えを主張していく」
とのコメントを出した。
2022年3月25日の地裁判決は、現場で撮影された動画などから、当時犯罪が行われようとしていたとは認められず、警察官の行為は違法と指摘。
憲法21条で保障されている
「表現の自由」
が警察官に侵害されたと認定した。
ヤジについても、公共的、政治的事項に関する表現行為と位置付け、特に重要な憲法上の権利として尊重されるべきだとの判断を示した。
地裁判決によると、原告らは令和元年7月15日、札幌市内で街頭演説中だった安倍首相に
「安倍辞めろ」
「増税反対」
と声を上げたところ、警察官らに肩や腕などを掴まれて移動させられたり、長時間に渡って付きまとわれたりした。

2022年3月25日
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/statement/79884.html
■“安倍元首相にヤジで排除は違法” 北海道に賠償命じる判決
3年前の2019年、札幌市で当時の安倍総理大臣の街頭演説にヤジを飛ばし警察官によって離れた場所に移動させられた男女2人が、排除は違法だとして道に賠償を求めた裁判で、札幌地方裁判所は
「警察官らの行為は違法で、原告らの表現の自由が侵害された」
として原告側の訴えを認め、道にあわせて88万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
3年前の2019年、札幌市内で街頭演説をしていた当時の安倍総理大臣に向けて複数の人がヤジを飛ばすなどし、警察官によって離れた場所に移動させられました。
このうち札幌市に住む大杉雅栄さん(34)と桃井希生さん(26)の2人は排除は違法で精神的苦痛を受けたとして、北海道にあわせて600万円余りの賠償を求めていました。
2022年3月25日の判決で札幌地方裁判所の廣瀬孝裁判長は、
「被告側は
『当時、生命や身体に危険を及ぼす恐れのある危険な事態にあったとか、犯罪がまさに行われようとしていた』
などと主張するが、それは認められない」
「警察官らの行為は違法で原告らの表現の自由が侵害された」
と指摘し、原告側の訴えを認め、道にあわせて88万円の賠償を命じました。
■原告「期待以上の判決だった」
判決後の会見で、原告の大杉雅栄さんは
「筋の通らないことはおかしいと、真っ当なことを明記した期待以上の判決だった」
と述べました。
一方、
「問題となった排除行為を巡り、北海道警の組織的な責任や関与が争点にならなかった」
と指摘しました。
また、原告の桃井希生さんは、ヤジを飛ばして移動させられた後も警察官につきまとわれたことに恐怖や混乱を覚えたなどと、当時を振り返り
「世の中のおかしいことに対して『おかしい』と言うための力になる判決だったと思う」
と述べました。
原告側の代理人を務めた小野寺信勝弁護士は
「道警の排除行為が違法であることを認めた今回の判決を評価したい」
と述べた上で、被告の道に対し、控訴せず、今回の判決を踏まえて再発防止などの対策を取るよう求めました。
■北海道警察本部監察官室「判決内容を精査し対応を検討」
判決を受けて北海道警察本部監察官室は
「判決内容を精査し、対応を検討して参ります」
とコメントしています。

つばさの党、選挙カー追跡 「交通の便妨げる行為」適用も視野に捜査 警視庁
2024/5/15 5:00
https://www.sankei.com/article/20240515-2U5ND6S2PZIUXGCP7G754VREBM/
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙を巡る自由妨害疑惑を巡り、出馬していた複数の陣営の選挙カーが、政治団体
「つばさの党」
の選挙カーから執拗な追跡を受け、警察署に避難する事態となっていたことが2024年4月14日、捜査関係者への取材で分かった。
各陣営は選挙活動の予定変更を余儀なくされており、警視庁捜査2課は、追跡が、公職選挙法で自由妨害と規定する交通の便を妨げる行為に当たると見て、立件を視野に裏付けを進めている。
捜査関係者によると、つばさの党の黒川敦彦代表(45)と党幹部の根本良輔氏(29)ら3人は、立憲民主党など他陣営の選挙カーを自陣営の選挙カーで付け回し、拡声器を使って
「売国奴」
と罵声を浴びせるなどの行為を繰り返した。
追跡を受けた陣営の中には110番通報をしたり、選挙区内にある城東署や深川署に避難したりした例もあった。
捜査2課は、街頭演説に対する
「妨害」
だけではなく、追跡行為も有権者に各候補者の主張を届ける機会を妨げたと見ている。
同課は2024年4月13日、党本部と黒川氏、根本氏の自宅を家宅捜索し、パソコンなど数十点を押収。
ただ、選挙カーの追跡による自由妨害での摘発は前例が乏しいことから、関係機関と調整するなどして、裏付けを進めている。

「つばさの党」が捜索の東京15区補選を受け選挙妨害の禁止を周知 都選管がリーフレット
2024/5/14 16:20
https://www.sankei.com/article/20240514-R4VVUBCRFBNLPF5FZLJBLETK7M/
東京都選挙管理委員会が新たに作成したリーフレット
https://www.sankei.com/article/20240514-R4VVUBCRFBNLPF5FZLJBLETK7M/photo/X4RDZFBGEZKT5DEYJQE6HZXQIU/
2024年4月28日に投開票された衆院東京15区補欠選挙で、候補者の街頭演説の妨害を疑われる行為が目立ったとして、東京都選挙管理委員会は2024年5月14日、公職選挙法に定められた選挙運動で禁止されている妨害行為を周知するリーフレットを作成した。
有権者に周知すると共に、選挙事務の説明会などで候補者に説明する。
同選挙を巡っては、政治団体
「つばさの党」
が他候補の街頭演説を妨害するなどした公選法違反(自由妨害)の疑いで、2024年5月13日に警視庁の家宅捜索を受けた。
同党代表の黒川敦彦氏は、
「合法だと思っている」
「理由は表現の自由を守る行為であるという認識だからだ」
と主張している。
リーフレットでは、
「選挙運動の妨害は禁止されています」
と明記。
@暴行や不法な威力による妨害
A演説の継続や聴取を困難とする妨害
などが同法225条に抵触する恐れのある事例として紹介されている。
都選管は
「今回の選挙の執行状況から周知・啓発が必要と判断した」
「有権者や候補者にとって安全な・安心な演説の場を確保する」
とした。

つばさの党・根本良輔氏「安倍氏へのヤジが合法で俺らが違法なわけがない」 選挙妨害疑い
2024/5/14 10:29
https://www.sankei.com/article/20240514-MEYMGQ723FF3ZIBV7ZBVDTKSJI/
2024年4月28日に投開票された衆院東京15区補欠選挙に出馬した政治団体
「つばさの党」
幹事長の根本良輔氏が2024年5月13日、警視庁に公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで同団体本部などを家宅捜索されたことについて、X(旧ツイッター)で
「候補者以外の安倍(晋三氏)へのヤジが合法な時点で、候補者である俺らが違法なわけがない」
と書き込み、自身の行為を正当化した。
札幌高裁は令和5年6月、元年7月参院選で札幌市の街頭で応援演説中の安倍氏にヤジを飛ばして北海道警に排除された女性を巡って、排除は憲法に保障された
「表現の自由」
の侵害に当たると判断し、道に女性への賠償を命じた1審判決を維持した。
根本氏はXに
「北海道のヤジも、俺らがやったヤジも全く同じ」
と指摘。
「なぜならヤジの定義が曖昧だから」
「音量がデカかろうが何だろうが定義が曖昧な以上、ヤジであると一括りにされる」
「だから警察は、小池(百合子都知事)に圧力掛けられて警告を出したりガサ入れするぐらいしかできない」
と投稿した。
2024年5月14日の投稿では
「俺らは今の国政政党はおかしい、噓を付いているということを周知するという主義主張の元立候補し、質問をしに行ったりおかしいと思うところを指摘したに過ぎない」
とも書き込んだ。

つばさの党事務所など捜索 押収したパソコンなどの分析進める
2024年5月14日 5時00分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240514/k10014448211000.html
先月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の陣営が他の陣営の選挙活動を妨害したとして、警視庁は2024年5月13日、公職選挙法違反の疑いで、団体の事務所などを捜索しました。
警視庁は押収したパソコンや携帯電話の分析を進め、一連の活動の目的や計画性などを詳しく調べる方針です。
2024年5月13日、公職選挙法違反の疑いで捜索を受けたのは、政治団体
「つばさの党」
の千代田区にある事務所と、根本良輔幹事長(29)、黒川敦彦代表(45)の自宅です。
「つばさの党」
の陣営は、根本幹事長が立候補した先月の衆議院東京15区の補欠選挙の期間中、拡声機などを使って他の陣営の候補者の演説が聞き取れないようにしたり、選挙カーを追い回したりして、選挙活動を妨害した疑いが持たれています。
捜査関係者によりますと、
「つばさの党」
の陣営から追い回されるなどの妨害を受けた他の陣営の選挙カーの中には、予定していたルートの変更を余儀なくされたり、一時、警察署への避難を余儀なくされたりしたケースもあったということです。
陣営が演説を妨害した疑いで強制捜査を受けるのは異例です。
一連の行為をめぐっては、国会で対策が議論される事態にも発展していますが、
「つばさの党」
の黒川代表は2024年5月13日取材に対し、
「我々は表現の自由の中で、適法な事をやっていると理解している」
などと述べています。
警視庁は2024年5月13日の捜索で押収したパソコンや携帯電話の分析を行うなどして、一連の活動の目的や、計画性などを詳しく調べる方針です。

つばさの党事務所など捜索 衆院東京15区補選 演説妨害など疑い
2024年5月13日 19時18分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240513/k10014447441000.html
2024年4月に行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の陣営が拡声機などを使って他の陣営の演説が聞き取れないようにしたり、選挙カーを追い回したりして選挙活動を妨害したとして、警視庁が公職選挙法違反の疑いで東京 千代田区にある団体の事務所などに一斉に捜索に入りました。
捜索を受けたのは、政治団体
「つばさの党」
の根本良輔幹事長(29)と黒川敦彦代表(45)のそれぞれの自宅と、千代田区にある団体の事務所の3か所です。
捜査関係者によりますと、2024年4月28日に投票が行われた衆議院東京15区の補欠選挙の期間中、立候補した根本幹事長の陣営が、長時間に渡り拡声機などを使って他の陣営の演説が聞き取れないようにしたり、選挙カーを追い回したりして、他の陣営の選挙活動を妨害した公職選挙法違反の疑いが持たれています。
「つばさの党」
を巡ってはは、告示日の2024年4月16日、東京 江東区のJR亀戸駅前で他の候補者が行っていた演説を車のクラクションを鳴らすなどして演説を聞き取れないようにしたことが選挙の妨害に当たるとして、警視庁から警告を受けていました。
警視庁には他の複数の陣営からも選挙の妨害を受けたという申告があり、被害届が受理されているものもあるということです。
陣営が演説を妨害した疑いで強制捜査を受けるのは異例だということです。
■機動隊員が警戒する中 約2時間半の捜索
東京 千代田区にあるつばさの党の事務所が入る建物の前では、午前11時頃盾を持った警視庁の機動隊員が建物の入り口に立って警戒する中、捜査員が捜索に入りました。
捜索は、およそ2時間半行われ、午後1時半頃、捜査員が複数の段ボール箱などを捜査車両に積み込んでいました。
■黒川代表「暴力振るっているわけではなく言論の行為」
自宅が捜索を受けた政治団体
「つばさの党」
の黒川敦彦代表は、取材に対し
「我々は表現の自由の中で、適法なことをやっていると理解している」
「別に暴力を振るっているわけではなく、持っている権利を行使している」
「私たちがやっていることは、言論の行為で、多少、乱暴だという認識はあるが、権力者が言論行為を止めることは絶対にあってはならないことだ」
などと話しました。
■林官房長官「妨害はあってはならず公正・適切に選挙運動を」
林官房長官は午後の記者会見で
「選挙は国民が主権者として政治に参加する最も重要かつ基本的な機会であり、公正に行われるためには選挙運動は自由に行われなければならない」
「妨害はあってはならず、候補者や関係者にはルールを順守し、公正・適切に選挙運動を展開してもらう必要がある」
と述べました。
その上で、公職選挙法を改正する必要性を問われたのに対し
「選挙運動に関する事柄であり、各党・各会派で議論すべきものだ」
と述べました。
■自民 茂木幹事長「極めて遺憾 必要な法改正を」
自民党の茂木幹事長は、記者会見で
「電話ボックスの上で大声を出したり、選挙カーのすぐ傍で太鼓を叩いたり、明らかに異常だ」
「これまで見たことがないような妨害行為が行われたことは極めて遺憾で、捜査当局には、法と証拠に基づいて厳正に対処してもらいたい」
と述べました。
その上で
「今後、公正な選挙運動の機会を確保するために、我が党としても罰則強化など実効性のある対応をしっかり検討し、必要な法改正を行っていきたい」
と述べました。
■自民 梶山幹事長代行「街頭演説は重要な機会 党として議論」
自民党の梶山幹事長代行は記者会見で
「街頭演説は国民に候補者の主張を直接伝えることができる大変重要な機会だ」
「選挙の公正さを守り、自由な選挙活動を確保するためにも、仮に選挙妨害を目的とした悪意を持った街頭演説が行われたのであれば、罰則強化を含め今後党として議論したい」
「党として問題意識は持っている」
と述べました。
■立民 泉代表「選挙妨害と言わざるをえない」
立憲民主党の泉代表は記者団に対し
「私も選挙活動のマイクの音が周囲に聞き取れなくなるくらいの大声を浴びせられ、執ように追いかけられた」
「これは選挙妨害と言わざるを得ない」
と述べました。
その上で
「党内で担当する議員が公職選挙法改正の法制化の作業を進めている」
「表現や選挙活動の自由の中で、例えば選挙妨害が具体的にどういうものなのかという例示は法文化していいのではないかという意見や、刑罰の度合いを改めて検討する話も出ている」
「現行法で出来ることを見定めながら、他党ともやり取りしたい」
と述べました。
■公明 山口代表「物理的な妨害は許されない」
公明党の山口代表は記者団に対し
「候補者と聴衆がコミュニケーションを取れないほど物理的な妨害を行うことは許されず、選挙活動の自由を主張したとしても限界がある」
「公職選挙法で何が選挙の自由の妨害にあたるのかを明確にしていくことが重要だ」
と述べました。
その上で、公職選挙法を改正する必要性について見解を問われ
「いきなり法改正というよりも、まず現行法について議論し足らざる所があれば改正なり新しい制度の検討が語られるべきだ」
と述べました。
■共産 小池書記局長「現行の公職選挙法で厳格に対応を」
共産党の小池書記局長は記者会見で
「今回の行為は、選挙活動や言論の自由を脅かす行動だと言わざるを得ず、物理的な妨害は絶対に許されない」
「日本維新の会が提案している法改正に向けた叩き台は、却って選挙の自由を脅かす恐れがあり、我々は反対だ」
「現行の公職選挙法で厳格に対応していけばよい」
と述べました。
■小池都知事「異常な雰囲気で選挙にならなかった」
衆議院東京15区の補欠選挙で候補者の応援に入っていた東京都の小池知事は、都庁で報道陣の取材に応じ、
「応援に入った時は異常な雰囲気で選挙にならなかった」
「選挙というのは有権者の方々に政策を届けて判断を得るというもので、他の候補者を標的にして追い掛け回したり、音声を被せたりというのが本来の選挙や立候補の目的に適っているのかは大いに疑問だ」
「有権者の皆さんもこの点について違うのではないかと思っている方は多いのではないか」
と述べました。
■地元有権者「演説の機会はきちんと平等にあるべき」
衆議院東京15区の江東区に住む30代の女性は
「捜索のことはさっき知った」
「妨害するのではなくてしっかりと政策で勝負をしてほしいと思う」
「選挙期間中はとてもうるさくて迷惑だったので、演説する機会はきちんと平等にあるべきだと思う」
と話していました。
また、40代の男性は
「今回の一連のことは有権者として残念に思う」
「選挙妨害があると有権者が演説を聞くことが出来なくなる」
「気持ちよく投票できるようなルールを作ってほしい」
と話していました。
■専門家「選挙の妨害に当たるという判断はあり得る」
憲法が専門で
「表現の自由」
に詳しい、慶應義塾大学大学院法務研究科の横大道聡教授は
「公職選挙法が認めているのは、公正な選挙が確保される範囲内での『表現の自由』であって、聴衆が演説を聴くことを妨げたり、他の候補者の意見を知る機会を奪ったりすることまでは認められない」
とした上で、
「今回のようなケースが、選挙の妨害に当たるという判断は、映像を見る限り、あり得ると思う」
「選挙期間中は警告に留め、終了後に捜索に入るという対応も慎重であり、今回の警察の捜査が、表現の自由を萎縮させるような結果には繋がらないのではないか」
と話しています。
■これまでの経緯
根本幹事長や黒川代表ら
「つばさの党」
の陣営は、補欠選挙が告示された2024年4月16日、他の陣営の候補者が演説をしていたJR亀戸駅前で、相手の候補者や、応援に駆け付けた政党の幹部らが聴衆に向けて政策などを訴える中、拡声機を使って発言したり車のクラクションを鳴らしたりした他、電話ボックスの上に登って声を上げる一幕もありました。
2024年4月26日にも東京メトロの東陽町駅前で、他の陣営の候補が演説をしている傍で、拡声機や選挙カーのスピーカーを使って批判するなど、各地で同様の行為を繰り返しました。
また
「つばさの党」
の車が、スピーカーを使って批判などを繰り返しながら他の陣営の候補者の選挙カーの後を長時間、追い掛けるなどの行為もあり、各陣営は、街頭演説の日程をSNS上で公表することを控えたり、演説会場を急遽変更したりするなど対応に追われました。
■つばさの党とは
今回、事務所が捜索を受けたつばさの党は2020年11月、総務省に政治団体設立の届け出が出されました。
代表を務めているのは黒川敦彦氏で、幹事長を務めているのは根本良輔氏です。
このうち根本幹事長は、衆議院東京15区の補欠選挙に立候補し、得票数は1110票で立候補した9人のうち、9番目でした。
また、選挙の期間中、黒川代表は2024年7月に投票が行われる東京都知事選挙への立候補を表明し、根本幹事長も
「立候補を予定している」
と述べていました。

選挙の根幹揺るがす つばさの党の悪質「妨害」にメス 警察幹部「看過できない」
2024/5/13 20:12
https://www.sankei.com/article/20240513-DPQBC7XFLZJRPITARDGYSLODEU/
民主主義を支える選挙制度を根幹から揺るがしかねない活動を展開した
「つばさの党」
の関係先に2024年5月13日、捜査のメスが入った。
衆院東京15区補欠選挙を巡り、つばさの党関係者に追いかけ回されるなどして演説場所を変更するなど、対応を迫られた陣営もあった。
警察幹部は
「公正な選挙に反するもので、看過できない」
と話している。
警視庁捜査2課が家宅捜索に踏み切った2024年5月13日、東京都千代田区の党本部前では機動隊が警戒に当たっていた。
ものものしい雰囲気に包まれる中、捜索は約2時間半に渡って行われた。
捜査関係者によると、本部などから選挙カーや携帯電話、パソコンなど数十点を押収したという。
捜索を受け党代表の黒川敦彦氏は2024年5月13日、報道陣の取材に対し、
「合法だと思っている」
「理由は表現の自由を守る行為であるという認識だからだ」
と主張した。
今回の家宅捜索の発端となった出来事は補選告示日の2024年4月16日、東京都江東区のJR亀戸駅前で起こった。
乙武洋匡(ひろただ)氏=無所属=の陣営に近付き、大音量で演説をかき消したなどとして、警視庁が2024年4月18日、自由妨害で警告を出した。
しかし
「妨害行為」
は収まらなかった。
矛先は飯山陽(あかり)氏=日本保守党=や金沢結衣氏=日本維新の会、酒井菜摘氏=立憲民主党=ら他の候補の陣営にも向かった。
選挙カーを追い回し、拡声器で
「売国奴」
などと罵ったり、卑猥な言葉を浴びせたりなどした。
選挙区外にもかかわらず、乙武氏を支援していた小池百合子都知事の自宅前で、大音量で演説し、騒音に対して住民が苦言を呈す場面もあった。
党幹部で補選の候補者だった根本良輔氏らは言論の自由、選挙の自由を盾にこうした行為を続けた。
「法の範囲を超えない、ここまでは大丈夫という範囲内でしっかりやることができた」。
補選の活動最終日に当たる2024年4月27日夜、根本氏は産経新聞の取材に、達成感を滲ませながら自信を覗かせていた。
しかし、複数の陣営からは既に被害届が提出されており、警視庁は悪質な妨害行為であることの立証に向けて、慎重に捜査を進めるとみられる。
■つばさの党「選挙妨害」を巡る動き
・2024年4月16日
衆院東京15区補欠選挙告示、つばさの党・根本良輔氏を含む計9人が立候補届け出。
JR亀戸駅前で乙武洋匡(ひろただ)氏=無所属=の演説の近くで拡声器を使い演説して、乙武陣営の演説を聞こえなくするなどの行為。
・2024年4月18日
警視庁が公職選挙法違反(自由妨害)で黒川敦彦代表、根本氏ら3人に警告。
小池百合子都知事の自宅周辺の住宅街で午後7時過ぎから街頭演説
・2024年4月19日
小池知事が定例記者会見で、つばさの党の行為について「命の危険を感じた」。
・2024年4月20日
飯山陽氏=日本保守党=の事務所前で演説。
金沢結衣=日本維新の会=と、応援に訪れた同党の吉村洋文共同代表の演説会場に現れ、練り歩きに付きまとうなどする
・2024年4月21日
酒井菜摘氏=立憲民主党=の演説に参院議員の蓮舫氏が駆け付ける中、陣営の車の窓を叩いたり、暴言を浴びせたりする。
・2024年4月28日
投開票(根本氏は得票1110票で最下位落選)
■選挙の自由妨害罪
公選法の225条で規定する。
選挙に関する集会や演説を妨害した場合、4年以下の懲役もしくは禁錮か、100万円以下の罰金が科せられる。
昭和23年の最高裁判決は
「聴衆がこれを聴き取ることを不可能または困難ならしめるような所為」
を演説の妨害と認定した。
衆院東京15区補選では、無所属新人、乙武洋匡氏の街頭演説会で陣営スタッフを付き飛ばしたとして、暴力容疑で現行犯逮捕された男が公選法違反(自由妨害)の疑いに切り替えて送検され、起訴された。

つばさの党本部などを家宅捜索 衆院東京15区補選巡り選挙妨害の疑い 警視庁捜査2課
2024/5/13 11:12
https://www.sankei.com/article/20240513-OYKERXOG5FPNRGGC54IYKHP5GQ/
2024年4月28日に投開票された衆院東京15区補欠選挙を巡り、他候補の街頭演説を妨害するなどした疑いが強まったとして、警視庁捜査2課は2024年5月13日、公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで、東京都千代田区隼町にある政治団体
「つばさの党」
本部など関係先数カ所に家宅捜索に入った。
捜査関係者への取材で分かった。
つばさの党を巡っては、2024年4月16日の告示日に他候補が演説する近くで約50分間に渡って大音量で演説したり、車のクラクションを鳴らしたりするなどして選挙を妨害。
警視庁は2024年4月18日、つばさの党の黒川敦彦代表(45)と、つばさの党幹部で、衆院東京15区補選に出馬していた根本良輔氏(29)ら3人に公職選挙法違反(自由妨害)で警告を出した。
つばさの党は他にも、他候補の選挙カーをつけ回すなどしていた。
警視庁捜査2課によると、衆院東京15区補選に出馬していた他の陣営からも同様の行為に関する相談が寄せられている他、複数の被害届も出されており、一部は既に受理されている。

つばさの党選挙妨害容疑「やりすぎだった」 維新・吉村共同代表、国会での議論求める
2024/5/13 19:10
https://www.sankei.com/article/20240513-PJAKLD3IF5JDDHHSPK2Z7IRIJ4/
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の街頭演説を妨害したとして2024年5月13日、警視庁から公選法違反(自由妨害)の疑いで家宅捜索を受けた政治団体
「つばさの党」
について、日本維新の会の吉村洋文共同代表(大阪府知事)は2024年5月13日、
「つばさの党が考える正義はあると思うが少しやり過ぎだった」
と述べた。
府庁で記者団の取材に答えた。
衆院東京15区補選では維新も新人候補を擁立。
吉村氏が選挙期間中の2024年4月20日、都内で応援演説などに駆け付けた際、補選に出馬したつばさの党の根本良輔幹事長らから妨害を受けた。
吉村氏は
「現場にいて思ったが、街頭演説をしている陣営にマイクを重ねたりすると演説にならない」
と指摘。
警視庁の家宅捜索については
「捜査は選挙妨害の意思も含め、個別の証拠に基づき行われると思う」
と述べた。
また、維新は選挙妨害の規制強化を目指す公選法改正案をまとめ、今国会での成立に向け与野党に協力を呼び掛けており、吉村氏は
「刑事司法とは別に国会でも現行法で運用するか、または立法措置を取るかを深く議論するべきだ」
とした。

自民・茂木敏充幹事長、公選法改正に意欲 補選の自由妨害でつばさの党家宅捜索を巡り
2024/5/13 18:13
https://www.sankei.com/article/20240513-A3EBXJVLBRK5ZDBCOCILQG3MK4/
自民党の茂木敏充幹事長は2024年5月13日の記者会見で、衆院東京15区補欠選挙で別陣営の街頭演説を妨害したとして、警視庁が公選法違反(自由妨害)の疑いで政治団体
「つばさの党」
の事務所などを家宅捜索したことについて
「これまで見たことがないような妨害行為が行われ、極めて遺憾だ」
「議論を進め必要な法改正を進めたい」
「罰則強化など実効性のある対応をしっかりと検討していきたい」
と述べた。
その上で
「捜査当局には法と証拠に基づいて厳正に対処してもらいたい」
と訴えた。

東京都の小池百合子知事、つばさの党家宅捜索に「本来の選挙の目的にかなっているのか」
2024/5/13 16:54
https://www.sankei.com/article/20240513-B7SOY7BZMBPPFAOIPMSFSO4P64/
公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで警視庁の家宅捜索を受けた政治団体
「つばさの党」
について、東京都の小池百合子知事は2024年5月13日、都庁で記者団に対し、
「他の候補者を追い掛け回したり、音声を被せたり本来の選挙の目的に適っているのか」
「公選法の見直しも必要ではないか」
と述べた。
つばさの党は、2024年4月28日に投開票された衆院東京15区補欠選挙で、他候補の街頭演説を妨害するなどした疑いが持たれている。
また、小池氏は、つばさの党が選挙期間中に自宅前でも街頭演説を実施したとし、
「こんなに身の危険を感じながら選挙をするのか」
と改めて当時の心境を吐露。
「候補者も身の危険を感じながら選挙を行う」
「ここは日本ですよね」
「非常に疑問というかおかしい」
とした。

林官房長官「選挙妨害はあってはならない」 つばさの党家宅捜索 東京15区補選
2024/5/13 16:43
https://www.sankei.com/article/20240513-SYVCDC3D4VNIXAWH4RDIXNXOY4/
林芳正官房長官は2024年5月13日の記者会見で、警視庁捜査2課が2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の街頭演説を妨害したとして、公選法違反(自由妨害)の疑いで東京都千代田区にある政治団体
「つばさの党」
の事務所などを家宅捜索したことについて
「選挙運動妨害はあってはならず、候補者や選挙運動関係者は選挙ルールを順守し、公正かつ適切に選挙運動を展開する必要がある」
と述べた。

つばさの党の根本良輔氏「証拠はユーチューブに残っており無意味」 選挙妨害疑い家宅捜索
2024/5/13 15:40
https://www.sankei.com/article/20240513-MQ5AAM2P5NAWRLBIG76A7R2WCM/
2024年4月28日に投開票された衆院東京15区補欠選挙に出馬した政治団体
「つばさの党」
幹事長の根本良輔氏は2024年5月13日、警視庁捜査2課が公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで同団体本部などを家宅捜索したことについて、X(旧ツイッター)で
「家宅捜索されたけど無事です」
「そもそもYouTubeのライブに全部残っており、そこに証拠はあるわけなので、それで逮捕できないなら家宅捜索しても無意味」
と書き込んだ。
根本氏ら陣営は他候補の近くで大音量で演説したり、選挙カーを付け回したりするなど選挙妨害と問題視される選挙期間中の行為について、動画投稿サイト
「ユーチューブ」
などに配信していた。
根本氏は家宅捜索について
「メインの携帯とパソコン押収されただけ」
「携帯パソコンに何も情報がないので逮捕に繋がる証拠は何も出ない」
とも書き込んだ。

自民党の梶山弘志幹事長代行が公選法の罰則強化に言及 つばさの党の家宅捜索受け
2024/5/13 14:39
https://www.sankei.com/article/20240513-HL2ZSGIWRFKBTOSDFTXITPZXVE/
自民党の梶山弘志幹事長代行は2024年5月13日の記者会見で、衆院東京15区補欠選挙(2024年4月28日投開票)で別陣営の街頭演説を妨害した政治団体
「つばさの党」
の事務所などに警視庁が公選法違反の疑いで家宅捜索に入ったことを受け、
「仮に選挙妨害を目的とした悪意ある街頭演説が行われたのであれば、(同法の)罰則強化を含め、党として議論をしてまいりたい」
と述べた。

「ヤジ正当化」で民主主義の根幹を破壊 朝日など一部メディアは過去を総括せよ 藤原かずえ
新聞に喝! ブロガー・藤原かずえ
2024/5/12 10:00
https://www.sankei.com/article/20240512-IS3ALI2II5LQDFNVA6H6GWY4DA/
衆院東京15区補欠選挙で政治団体
「つばさの党」
の候補者と党員が他の候補者の遊説場所に乗り込み、大音量で質問を行うことで、演説の聞き取りを困難にしました。
これは民主主義の根幹である選挙を妨害する行為【昭和23年(1948年)最高裁判断】ですが、近年、一部のマスメディアは政権与党に対する同様の行為を強い論調で正当化してきました。
平成29(2017)年に東京・秋葉原で行われた安倍晋三首相(当時)の都議選応援演説では、組織的な呼び掛けに集まった一部聴衆が
「安倍やめろ」
「帰れ」
と大合唱し、執拗に演説をかき消しました。
安倍氏はこの妨害者に対し
「こんな人たちに負けるわけにはいかない」
と抗議しましたが、一部新聞は
「批判を連呼しても主権者じゃないか。このむき出しの敵意、なんなのか」(朝日)、
「首相、聴衆にまで激高」(毎日)、
「敵と味方に分断」(東京)
などと安倍氏を徹底的に非難し、ヤジを正当化しました。
また、令和元(2019)年の参院選での安倍氏の札幌演説で
「安倍やめろ」
「帰れ」
という大声を演説に被せた人物を北海道警が移動させた事案に対しては
「市民を排除。ヤジも意思表示のひとつの方法」(朝日)、
「警察の政治的中立性に疑問符」(毎日)、
「市民から言論を奪うな」(東京)
などと非難しました。
これらの論調に多くのテレビメディアも同調した結果、安倍氏は選挙妨害者との接触を避けることを強いられ、遊説場所を告知しない
「ステルス遊説」
と揶揄された選挙運動を展開するに至りました。
また、警察の萎縮も窺えます。
例えば安倍氏暗殺事件では、テロリストが安倍氏に近寄って2発を発砲するまで取り押さえることもできませんでした。
そもそも
「安倍やめろ」
「帰れ」
というヤジは
「意見表明」
でなく、演説者に対する
「恫喝的な命令」
であり、非言論で言論をかき消す
「言論の自由」
への挑戦行為です。
1人のヤジを認めれば、他の全ての人のヤジも認めなければなりません。
秋葉原の事例と比較して甚だ小規模で、候補者が他の候補者に質問する体裁を取る
「つばさの党」
の妨害者を警察が警職法で排除することは、法の下の平等の原則から不可能です。
何よりも、このような時・場所・方法を選ばない身勝手な
「表現の自由」
による最大の被害者は、候補者の政治的主張についての
「知る権利」
を侵害された一般聴衆です。
今回の事案で多くの国民がヤジ正当化の欺瞞を強く認識するに至ったと推察します。
「言論の自由」
を守る使命を持つ言論機関の一部が非言論による選挙妨害を堂々と正当化してきたことは、民主主義の破壊行為に他なりません。

“選挙妨害”か?表現の自由か?東京15区 広がる波紋 専門家は
2024年4月30日 19時00分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240430/k10014434831000.html
過去最多の9人による混戦となった衆議院・東京15区の補欠選挙。
候補者の1人がほかの候補者たちの演説場所で、大音量で批判などを繰り返し、各陣営からは“選挙妨害だ”との声が相次ぎました。
警視庁が候補者に警告を出す“異例”の事態にも。
一方で、候補者側は
「表現の自由の範囲内だ」
と主張しています。
選挙妨害か?表現の自由か?専門家の見方は…
目次
“極めて異例” 候補者に警視庁が警告
何が起きていた?
■“極めて異例” 候補者に警視庁が警告
警視庁は衆議院東京15区の補欠選挙で、公職選挙法違反に当たるとして併せて6件の警告を出し、このうち演説の自由を妨害した
「自由妨害」
の警告が1件ありました。
捜査関係者によりますと、
「自由妨害」
の警告を受けたのは、政治団体
「つばさの党」
の新人・根本良輔氏やこの団体の黒川敦彦代表など3人です。
告示日の2024年4月16日、JR亀戸駅前でほかの陣営の演説に被せるようにおよそ50分間に渡って拡声機を使って演説したり、車のクラクションを鳴らしたりして演説を聞き取れないようにしたことが選挙の
「自由妨害」
に当たると判断されたということです。
捜査関係者によりますと、候補者が
「自由妨害」
で警告を受けるのは極めて異例だということです。
■何が起きていた?
その2024年4月16日、JR亀戸駅前に姿を見せた根本良輔氏(29)らは、無所属で立候補した乙武洋匡氏や応援に駆け付けた政党の幹部らが聴衆に向けて政策などを訴える中、拡声機を使って発言を続けました。
電話ボックスの上に登って声を上げる一幕もあり、周辺は一時、騒然となりました。
その後も連日、他の候補者たちの演説会場を訪れては、大きな音量で発言を繰り返しました。
2024年4月26日には立憲民主党から立候補した酒井菜摘氏の陣営が街頭で演説をしているのを見付けると、同じ場所で拡声機や選挙カーのスピーカーを使って批判などを繰り広げました。
居合わせた有権者からは…
30代の女性
「家の中まで大きな声が聞こえてきたので何事かと思いました」
「率直に、どうしてこのようなことをするのかと思います」
「もう一方の候補者の声が聞こえないので、投票の判断材料にはならず、残念です」
64歳の男性
「本来なら政策を議論すべきですが、こういった行為は選挙を冒瀆していますし、本来の選挙戦ではなくなってしまっていると思います」
■ほかの候補者 “選挙妨害だ”
根本氏らはこうした様子をインターネット上でライブ配信し、他の候補者の演説予定をSNSを使って把握していることなども明らかにしていました。
こうした行為を受けて、各陣営は街頭演説の日程をSNS上で公表することを控えたり、演説会場を急遽変更したりするなど対応に追われました。
ほかの候補者たちからは“選挙妨害だ”とする声があがりました。
・立憲民主党 酒井菜摘氏
「危険を感じるような場面もあり本当に怖かった」
「演説の日時を公表できず区民に訴えを届けられなかったことが申し訳ない」
・日本維新の会 金澤結衣氏
「前代未聞の状況で民主主義の根幹が覆される許しがたい状況だった」
「公職選挙法の見直しや地域の皆様に迷惑がかからない選挙のやり方を議論したい」
・無所属 乙武洋匡氏
「各候補者の主張を聞く有権者の権利が奪われてしまったことは非常に残念で許しがたい」
「今の法律上、あのような行為を是認せざるを得ないなら何らかの法改正をしていくべきだ」
■つばさの党「表現の自由の範囲内だ」
根本氏は2024年4月25日に会見し、他の候補者に対する行動について
「国政政党が信用できないから政治活動を始めた」
「このままでいいのかと問いかけるために質問をしに行っているだけで、暴力的なことをするつもりはない」
と説明しました。
また、政治団体
「つばさの党」
の黒川敦彦代表は
「国民に与えられた権利である表現の自由の範囲内で正々堂々と批判している」
「それを派手にやっているだけだ」
と主張し、警視庁による警告は権力の乱用だとして東京都に賠償を求める訴えを起こしたと述べました。
今回の事態をどう見たらよいのか。
複数の専門家に意見を聞きました。
■憲法学者 “街頭演説は民主主義の根幹”
憲法学が専門の北星学園大学経済学部の岩本一郎教授は、街頭演説は民主主義の根幹をなす
「言論の場」
であり、その場を壊す行為は表現の自由の範囲を超えていると指摘します。
・岩本教授
「お互いに意見を交換し議論するという意味で、街頭演説は民主主義にとって極めて重要な活動でヤジも含めて政治的な発言として尊重されるべきです」
「ただ街宣車などを使って通行を妨げたり、他の候補者の発言を聞き取りにくくさせたりする行為は悪質性が強く、表現の自由として保障されるかどうか疑問です」
今回の選挙では候補者が演説日程を事前に告知にしなかったり、演説を中止したりするケースも出ていて、岩本教授は次のように指摘します。
「候補者に大きな萎縮効果をもたらす行為です」
「有権者が候補者や政党の声を聞きたくても聞けないとなれば国民の知る権利や、表現の自由を制約する要因になります」
その上で、規制についてはこう話していました。
「候補者の発言内容に国が規制をかけるのは適切ではないですが、行き過ぎた妨害行為については線引きの基準を設け規制が必要になると思われます」
「参加と討議が行われる場を守れるかどうかが、民主主義を維持できるかどうかの鍵になります」
■公職選挙法 専門家 “時代に合った改革必要”
公職選挙法に詳しい日本大学法学部の安野修右専任講師は、今の法律の規定は紳士的に選挙運動を行うことを前提にしていて時代に合った改革が必要だと指摘しています。
安野専任講師は、候補者が他の候補者の街頭演説の場に出向いて大音量で発言する行為について、次のように指摘します。
「どこまでが表現の自由でどこまで選挙妨害かは個々の事例によって判断するしかなく、その線引きは本当に難しい」
「ただ、これまでも偶然、演説場所が被ることはあったが、故意にやるケースが出てきた」
選挙の自由を妨害する行為について罰則を定めた公職選挙法の規定については、
「暴行や傷害などはそもそも犯罪行為だが、それを選挙に関して行った場合更に厳しい罰則を科すものと理解できる」
「一方、演説が被っているからといって直ちに排除をすることは取り締まり機関もなかなかできない」
その上で、公職選挙法のあり方についてこう話していました。
「紳士的に選挙運動をやっていくという、公職選挙法の前提そのものが、現実的にかなり難しくなっている」
「取り締まりを強化しても、この法律を運用している限り同様の行為は恐らく起こり続けると思うので、様々な法規を再点検し、時代に合うような抜本的な改革が必要だ」
■ネット選挙 専門家 “背景に選挙活動の変化”
議会のデジタル化や選挙に詳しい東北大学大学院の河村和徳准教授は、“選挙妨害”を巡り議論になっている背景にインターネットを通じた選挙活動の変化を挙げています。
河村准教授は
「2013年にネット選挙が解禁された時にはホームページやSNSへの投稿が中心だったが近年は動画が容易に配信できるようになった」
といいます。
そして
「インターネット選挙に反応しやすい都市部の選挙では、過剰や過激な発言など、他者と差別化したいために強めの言葉を使って動画に撮って拡散させるスタイルが強くなる」
と指摘しています。
一方で、表現の自由の観点から活動の線引きは難しいとした上で、次のように話していました。
・河村和徳准教授
「ネット選挙の解禁から10年以上経って見直す時期に来ていると思う」
「どうすればより良いことができるのか、誹謗中傷を含めて監視できるのか」
「本格的に考えなければならない」
「プラットフォームに対しても選挙の動画の視聴回数を収益に還元させないなどの取り組みが必要だ」
■「選挙の自由妨害罪」とは?
公職選挙法では選挙の公正や候補者間の平等を確保するため、選挙運動の在り方などについて一定の制限を設けています。
このうち、候補者への暴行や演説の妨害行為などについては、公職選挙法225条で
「選挙の自由妨害罪」
が定められていて、違反すると、4年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金が科されることになっています。
公職選挙法225条
一 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人に対し暴行若しくは威力を加え又はこれをかどわかしたとき
二 交通若しくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、又は文書図画を毀き棄し、その他偽計詐術等不正の方法をもつて選挙の自由を妨害したとき
三 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者若しくは当選人又はその関係のある社寺、学校、会社、組合、市町村等に対する用水、小作、債権、寄附その他特殊の利害関係を利用して選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人を威迫したとき
総務省選挙課によりますと、具体的にどのような行為に違法性があるのかについては、個別のケースごとに警察が対応していくということです。
1954(昭和29)年の大阪高等裁判所の判例では、聴衆が内容を聞き取り難くなるほど執ように発言や質問を行い、一時、演説を中止せざるを得なくした行為について選挙妨害に当たると判断しています。
候補者の場合、選挙違反で有罪が確定すると、当選が無効になり、選挙に立候補する権利が停止されることもあります。

選挙妨害をしているのは、
「つばさの党」
新人、根本良輔(29)らだ。

★つばさの党
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%A4%E3%81%B0%E3%81%95%E3%81%AE%E5%85%9A#%E5%85%9A%E5%8B%A2
つばさの党は、日本の政治団体。
2020年12月31日までの党名はオリーブの木(オリーブのき)。
■党史
「オリーブの木」時代は、反安倍政権・既存の対米政策反対の立場で、既存野党に対して選挙における「政治団体」の単一化・合流を呼掛けた連合政治団体である。
後述のように反安倍政権反米派の中でも左派系と非反ワクチン系右派が離脱し、反ワクチン系反安倍反米右派の政党と化した。
更に2021年8月以降に、ノーマスク選挙運動で黒川党首の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染後対応を巡って、残存の中で彼が
「売名のために反ワクチン活動を利用した」
と見なすか否かで内紛が起きた。
■街頭演説・デモ活動
2024年、東京15区補選に党幹事長の根本良輔を擁立した。
根本は選挙期間中に他党の選挙演説への乱入、他党候補支援者への暴行など妨害活動を行なったことが報道されている。
黒川・根本派らは立候補者の演説に乗り込んで大声を出して選挙妨害し、その様子をSNSでリアルタイム配信するスタイルを取っている。
他の候補者の演説会場に乗り込んで声を上げ、その様子をリアルタイムで配信するスタイルを取っている。
「つばさの党」
の根本良輔幹事長は、
「最近、中国人が凄く増えているわけですが、彼らがいつ武装してもおかしくない」
「習近平が攻撃しろと言ったら日本にいる中国人がいつ攻撃してくるか分からない」
「それを後押ししているのが山口那津男(公明党代表)であり創価学会です」
などと演説した。
また、ラップグループ
「韻暴論者(いんぼうろんじゃ)」
は各種の陰謀論を含んだラップを披露した。
この抗議活動に、西東京市議選で黒川の応援演説を受けた長井秀和も参加を表明していたが、参加を見送った。
■党員
幹事長の根本良輔(中星一番)は、芝浦工大卒。
東大大学院中退、元AV男優、ナンパ師、ナンパ術「中星マインド」の情報商材の販売や情報配信を行う。
つばさの党から2021年7月の都議選に出馬して落選し、2021年11月の葛飾区議選では次点で落選した。
選挙活動ではコロナワクチンの危険性を強調し、少子化対策としてAV規制、医療政策として筋トレで免疫力を上げることなどを訴えた。
Twitterでは自然派育児アカウントを運営し、子供に対する全てのワクチンやマスクに反対している。
2023年1月15日、信濃町の公明党本部前で行った街宣活動では、在日中国人について
「いつ武装してもおかしくない」
「習近平が攻撃しろと言ったらいつ攻撃してくるか分からない」
などと演説した。

★根本良輔
https://www.bing.com/images/search?q=%e6%a0%b9%e6%9c%ac%e8%89%af%e8%bc%94&qpvt=%e6%a0%b9%e6%9c%ac%e8%89%af%e8%bc%94&form=IGRE&first=1

他陣営の演説に横付けして大音量、「選挙妨害」批判相次ぐ 衆院3補選28日投開票
2024/4/27 19:47
https://www.sankei.com/article/20240427-4X6TJRZJWZJXNO255SZA4DEUV4/
衆院3補選が2024年4月28日、投開票される。
公選法違反事件で前職が辞職したのに伴う東京15区では、諸派新人陣営が遊説中の他陣営の横で大音量で演説するなどし、
「選挙妨害に当たる」
との批判が飛び交った。
警視庁は一部行為に同法違反(選挙の自由妨害)の疑いがあるとして警告を出したものの、同様の行為は選挙戦を通じて続いた。
諸派新人側は
「法律内の選挙活動だ」
と主張しており、選挙活動の在り方が問われる事態となっている。
選挙戦最終日の2024年4月27日午前10時、東京都江東区内で街頭演説の準備をしていた他候補の場所を奪う形で演説を始めた諸派新人陣営。
過激な言葉で他の候補者を名指しする場面もあった。
午後3時、国会議員らが応援に駆け付けた無所属新人陣営の街頭演説では多くの警察官が警戒に当たり、周囲に幾重にも柵が設置されるなど最後まで緊張感が漂った。
異様な光景は告示前から始まった。
諸派新人陣営が無所属新人の選挙カーに近づき、相手の声を遮るように
「答えろよ」
「おい」
などと大音量でまくし立てた。
2024年4月16日の告示日も同じ無所属新人の演説中、横付けした選挙カーから大音量の主張。
無所属新人側の声がしばしばかき消された。
各陣営などへの取材によると、この諸派新人陣営の行為として、
▽他陣営の選挙事務所前で大音量で演説する
▽他陣営の選挙カーを追い回す
▽無所属新人を支援する政治家の自宅付近(東京15区外)で街頭活動する
などがあったとされる。
「こんなことは想定していなかった」。
ある新人を支援する国政政党幹部はこう語る。
公選法の規定の他、選挙戦は陣営同士の信義則≠ナ成立してきた。
▽他陣営の遊説の邪魔にならないようにする
▽遊説場所が重なりそうな場合は調整を行う
▽選挙カーがすれ違う際には音量を下げたり、エールを送りあったりする
といったものだ。
一連の行為は、他陣営の選挙活動の萎縮に繋がった。
遊説日程などを交流サイト(SNS)などで拡散することが重視される中、
「妨害の対象になる」
として、多くの陣営はSNSでの予定公開を控えた。
また、演説会場に大量の警察官が投入されたことで、重苦しい雰囲気に包まれた。
一方、批判対象の諸派新人陣営は
「選挙妨害には当たらない」
「法律で認められた範囲内で活動している」
と主張。
「他の候補者に聞きたいことがあるから直接問いかけている」
「答えてくれれば終えている」
としている。
問題は国会にも波及した。
岸田文雄首相は2024年4月22日の衆院予算委員会で、一般論としつつ
「選挙制度の根幹に関わる事柄として、各党会派で議論するべき課題だと認識している」
とした。
拓殖大政経学部の岡田陽介准教授は
「街頭演説は候補者と有権者が直接触れ合える場で、重要な選挙活動だ」
「偶然通りかかって足を止める場合も想定され、選挙啓発に繋がってきた」
「今回の手法はその機会を奪うことに繋がり、更なる選挙離れを招きかねない」
と危惧。
一方、現行の公選法での規制には限界があるとして
「法改正を求める声が出ており、実害があれば何らかの対策が必要だろう」
「一方で特定の存在を排除することは民主主義に反する」
「政治家や有権者が望ましい選挙の在り方を考えることも必要だ」
としている。
■衆院補選立候補者(届け出順)
▽東京15区 (9人)
福永活也43 弁護士 諸 新
乙武洋匡48 作家 無 新 【国】
吉川里奈36 看護師 参 新
秋元司52 元環境副大臣 無 元
金沢結衣33 元食品会社員 維 新 【教】
根本良輔29 IT会社経営 諸 新
酒井菜摘37 元区議 立 新
飯山陽48 大学客員教授 諸 新
須藤元気46 前参院議員 無 新
▽島根1区 (2人)
錦織功政55 元財務省職員 自 新 【公】
亀井亜紀子58 党県代表 立 元
▽長崎3区 (2人)
山田勝彦44 党県副代表 立 前 【社】
井上翔一朗40 学習塾経営 維 新 【教】

東京15区補選、トラブル避けて各陣営が苦肉の「ゲリラ街宣」 大半はフェアプレーも
2024/4/22 17:23
https://www.sankei.com/article/20240422-FAJLOKD5YBDBXGAPINO3VPP2SU/
東京都江東区で繰り広げられている衆院東京15区補欠選挙(2024年4月28日投開票)の選挙戦では、各陣営がSNSなどで遊説日程の事前告知を控える傾向にある。
告知すれば一部陣営が押し掛けて大声で候補者に質問≠浴びせるなど、円滑な選挙活動が妨げられる恐れがあるためだ。
同補選を巡っては、演説会場で陣営関係者が暴行され逮捕者が出る事件も起きているが、大半の候補は選挙カーが別の候補者の演説会場近くを通り過ぎる際は音声を控えるなど、フェアプレーに徹している。
■「なにビビってんだよ」
「出てこいよー。おーい。居るんだろ。議論しよーぜ。なにビビってんだよ」
2024年4月20日午後7時前、東京メトロ門前仲町駅近くの商店街。
同補選に新人の飯山陽氏(48)を擁立した政治団体
「日本保守党」
の選挙事務所前で、政治団体
「つばさの党」
新人、根本良輔氏(29)らが声を張り上げていた。
日本保守党の百田尚樹代表らとの議論を求めているという。
周囲は日本保守党の支援者とみられる数十人が囲んでいる。
根本氏は支援者らにも矛先を向けた。
「保守党信者の皆さんがお願いしてくださいよ」
「こんな奴ら論破してくださいと」
「本当に応援しているんだったら、言えよ」
根本氏は選挙を通じて他陣営の政策の矛盾やスキャンダルの有無を徹底的に明らかにしたい思惑があるようだが、大声が飛び交う異様な光景に通行人らはぎょっとした表情を浮かべていた。
根本氏は告示された2024年4月16日に無所属新人の乙武洋匡氏(48)=国民民主推薦=が行った演説会場に押し掛けるなど、ほとんど全ての候補者の前に現れて大声を上げている。
立憲民主党新人の酒井菜摘氏(37)が同日、東京メトロ清澄白河駅近くの交差点で実施を告知していた街頭演説は行われなかった。
駅前でビラを配っていた国民民主党関係者は
「根本氏が現場にやってきたので、急遽取りやめたようだ」
と語った。
■空手有段者に元警察官
こうした事態を受け、各陣営はSNSで街頭活動の告知を取りやめるなど、選挙活動の修正を余儀なくされている。
どの候補者も選挙期間中には1人でも多くの聴衆に政策や人柄を知ってもらいたいはずで、苦肉の策と言える。
通常、国政選挙の候補に警備は付かないが、警察も対応に乗り出している。
日本保守党の事務所前には2024年4月21日、警察車両が待機していた。
妨害活動に対する警備のためだという。
事務所のドアには
「アンチが皆さんへのアピール目当てに寄ってきますので事務所前の滞留はご遠慮ください」
と書かれた紙が貼られていた。
参政党新人、吉川里奈氏(36)の陣営は空手の有段者や元警察官のスタッフが胸元に
「警護」
と書いたマークを付けているという。
陣営関係者は、警備係が待機していることを聴衆に知らせ、安心感を与える狙いがあると説明する。
2024年4月21日夕にはある陣営の演説会場で酔っ払いとみられる通行人が
「政治には金がかかるんだよ」
と叫び、止めに入った陣営関係者を押し倒す場面もあった。
■選挙が終わっても暮らしは続く
一方で多くの陣営は、互いの選挙活動に敬意を払った行動を心がけている。
2024年4月21日夕、日本維新の会新人の金沢結衣氏(33)=教育推薦=が門前仲町駅前の交差点で行った演説会。
参政党の選挙カーが吉川氏への支援をマイクで訴えながら近付いて来ると、維新の演説に気が付いたようで、交差点の数十メートル前で音を消した。
維新の陣営スタッフも参政党の選挙カーに近付いて頭を下げていた。
立憲民主党の選挙カーも同駅近くで演説していた無所属元職の秋元司氏(52)が通り過ぎる際、マイクで
「失礼しました」
と発言し、音声を切っていた。
同駅近くの交差点でビラを配っていた候補者は地面に拡声器を置いたままだった。
理由は約50メートル先で別の候補が選挙活動を行っているからだという。
この候補は周囲に
「選挙には互いの演説機会を確保する紳士協定がある」
と述べ、
「選挙が終わっても自分たちはこの町で暮らしていく」
「暴れて住民に迷惑を掛けることなんて考えられない」
と語った。
無所属新人の須藤元気氏(46)は告示前から他の候補の迷惑になりかねない行動はやめようと陣営で意思統一していたという。
このため、辻立ちなどを予定していた場所で他の候補が選挙活動を行っていた場合、中止することは当然、選挙カーのマイクの音量も須藤氏の指示で低めに設定している。
衆院東京15区補選は他に諸派新人の福永活也氏(43)も出馬している。

東京15区補選注目の「選挙妨害」に苦しんだ安倍氏 ヤジ排除は「表現の自由侵害」判決も
2024/4/23 16:42
https://www.sankei.com/article/20240423-QFEAQSVJ3NE5BOXRNG3NMD7YC4/
衆院東京15区補欠選挙(2024年4月28日投開票)で、他の候補者が演説する会場などに諸派新人の根本良輔氏(29)が押し掛けて大声を挙げるといった行為を巡り、
「選挙が成り立たない」(日本維新の会陣営)
と与野党が問題視する事態になっている。
近年の選挙を振り返ると執拗なヤジや罵声など妨害行為に悩まされ続けたのが安倍晋三元首相だった。
■岸田首相も問題視
「政策を訴えるのではなく、とにかく候補者の演説を大音量で妨害、威嚇、恫喝する行為が続いている」
「演説を聞く有権者の権利を奪うことになる」
「首相の演説でもこんなことがあってはならない」
国民民主党の田中健衆院議員は2024年4月22日の衆院予算委員会で、衆院東京15区で妨害行為が問題となっているとして、こう訴えた。
田中氏は
「妨害行為をユーチューブやSNSで拡散して炎上させて、大きな利益としている」
とも指摘した。
岸田文雄首相も
「問題意識を共有する」
と述べ、対策を立てる必要性に言及した。
近年選挙活動に対する妨害活動は過激化する傾向にある。
■「こんな人たち」に負けない
平成29年7月1日、東京都議選を巡りJR秋葉原駅前で行われた自民党の最終演説会場には、安倍政権に批判的なプラカードなどを掲げた人々も集まって巨大な横断幕を掲げた。
安倍氏が登壇すると
「帰れ」
コールが始まり、演説の声をかき消すようにトーンをあげていく。
「安倍ヤメロ」「安倍ヤメロ」「安倍ヤメロ」「安倍ヤメロ」
安倍氏は
「あのように主張を訴える場所に来て、演説の邪魔をするような行為を私たち自民党は絶対にしない」
と演説し、
「相手を誹謗中傷しても何も生まれない」
「こんな人たちに私たちは負けるわけにはいかない」
「都政を任せるわけにはいかない」
と声を張った。
当時自民党は選挙妨害を警戒し、都議選に関して計4回行った安倍氏の演説で、3回は会場の統制が比較的効きやすい小学校体育館を選んだ。
街頭の会場は秋葉原の1回だった。
この安倍氏の演説は
「異論に不寛容で批判を敵視する姿勢」(朝日新聞)
などと報じられた。
■警察官の行為は「妥当」認定
令和元年7月の参院選。
自民党は演説を妨害する人々への対策で、安倍氏の遊説日程の公表を控える傾向にあった。
それでも最終日の秋葉原での演説会場には
「安倍ヤメロ」
と大書された横断幕を掲げて騒ぐ集団がまたしても現れた。
「安倍ヤメロ」
と騒ぎ出し、警察官が止めに入ると
「暴力反対」
コールが起きた。
「表現の自由を守れ」
といった叫び声もあった。
また、札幌市で行った街頭演説では
「安倍ヤメロ」
とヤジを飛ばした聴衆が北海道警の警察官によって現場から引き離された。
当時、警察の行為は問題視された。
旧国民民主党の玉木雄一郎代表は
「文句を言う人を権力を使って排除することが当たり前になれば怖くて声を上げられなくなる」
と批判した。
警察官らに後方に移動させられた男女2人は、その後、道に慰謝料など損害賠償を求め、訴訟を起こした。
札幌地裁は令和4年3月、判決で排除行為は憲法で保障される表現の自由を侵害したと指摘し、排除の違法性を認め、道に賠償を命じた。
札幌高裁は男性が周囲から暴行を受ける危険や、安倍氏に危害を加える恐れがあったとして、警察官の行為は妥当と認定。
1審札幌地裁の賠償命令を取り消した。
原告の男性は判決を不服として上告している。
■2度の襲撃事件が発生
令和4年7月8日、安倍氏は奈良市で参院選の応援演説中、山上徹也被告=殺人罪などで起訴=に銃撃され、死去した。
一方、山上被告は公職選挙法違反罪での起訴が見送られた。
選挙妨害の意図の立証が困難と判断されたとみられる。
令和5年4月、岸田首相も和歌山市で衆院補選の応援に駆け付けた際、木村隆二被告=殺人未遂罪などで起訴=に襲撃された。
木村被告は不特定多数への被害が想定されるパイプ爆弾を使ったことから選挙妨害の意図が推認できると判断され、公選法違反罪でも起訴されている。
平成29年10月の衆院選を巡って、安倍氏が立候補した山口4区では一部候補がツイッター(当時)にこう投稿し、波紋を広げた。
「1人でも多く山口4区に来て、安倍あきえを取り囲みましょう! 盛り上がれば本当に安倍のクビが取れます!」
自民党総裁として全国を駆け回る安倍氏に代わって、地元・山口で安倍氏への投票を呼び掛けるのが妻、昭恵氏。
安倍氏の陣営は昭恵氏に危険が及びかねないとして警察に警備を相談する事態となった。
このツイッターを投稿した政治団体代表、黒川敦彦氏は加計学園の獣医学部開設を問題視し、山口4区に出馬した。
安倍氏との合同演説会の開催も要請した。
黒川氏は今回、衆院東京15区補選に出馬した根本氏の陣営に加わっている。
衆院東京15区補選は他に諸派新人の福永活也氏(43)▽無所属新人の乙武洋匡氏(48)=国民民主推薦=▽参政党新人の吉川里奈氏(36)▽無所属元職の秋元司氏(52)▽日本維新の会新人の金沢結衣氏(33)=教育推薦=▽立憲民主党新人の酒井菜摘氏(37)▽諸派新人の飯山陽氏(48)▽無所属新人の須藤元気氏(46)─が出馬している。

選挙妨害と「こんな人たち」
阿比留瑠比の極言御免
2024/4/25 1:00
https://www.sankei.com/article/20240425-YSEBWF3T35P6NLUP2V35ADC4D4/
2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙戦では、特定の候補者が他の候補者の演説場所で大声を上げるなどの妨害行為を繰り返し、街頭演説の事前告知ができない異常事態が生じている。
有権者にとっては、候補者の主張に耳を傾ける機会を奪われることになり、民主主義の根幹を揺るがす大問題だとも言える。
だが、
「こんな事態」
を招いたのは誰か。
安倍晋三元首相の演説を組織的、継続的に妨害していた集団を
「表現の自由だ」
と無理やり庇い、正当化し、逆に彼らを
「こんな人たち」
と呼んだ安倍氏を一方的に批判してきたマスコミや野党だったのではないか。
■安倍氏につきまとい
安倍氏は平成29(2017)年7月の東京都議選の街頭演説で、毎回のように演説会場に来ては
「安倍辞めろ」
と連呼する同じ顔ぶれの集団について訴えた。
「あのように人の主張の訴える場所に来て、演説を邪魔するような行為を私たち自民党は絶対にしない」
「私たちはしっかりと政策を真面目に訴えていきたい」
「憎悪からは何も生まれない」
「相手を誹謗中傷したって、何も生まれない」
「こんな人たちに、私たちは負けるわけにはいかない」
何もおかしな事は言っていない。
力ずくで演説を妨げようとするヘイト的な言動には負けずに、政策を説いていくと主張しているだけではないか。
ところが、朝日新聞などは
「こんな人たち」
と述べた部分を切り取り、以後、何年経っても延々と安倍氏の批判を続けていく。
例えば令和元(2019)年7月の社説では
「自らに厳しい世論に向き合わない姿勢が批判された」
と記し、令和3(2021)年3月の記事ではこう強調した。
「自らに批判的な聴衆に向けられた言葉は『友と敵』を分ける安倍首相の政治手法の象徴と受け止められた」
とはいえ、執拗に
「安倍辞めろ」
と叫び続けた連中はそもそも
「聴衆」
とは言えないし、
「受け止められた」
のではなく朝日新聞がそう決め付けただけだろう。
朝日新聞は、安倍氏が暗殺された1年後、令和5(2023)年7月8日の社説でも安倍氏批判を続けた。
「『こんな人たち』『悪夢のような民主党政権』」
「敵対を煽り、そこから権力行為のエネルギーを汲み上げる手法である」
安倍氏の演説の言葉からは、そんな意図は汲み取れない。
むしろ朝日新聞が、安倍氏の死去後も安倍氏への反感や憎悪を煽り続けていることが窺える。
■警察の委縮
安倍氏の街頭演説を巡っては令和元(2019)年7月、東京都中野区でこんな事もあった。
「安倍辞めろ」
などと騒いでいた集団がうるさく、演説が聞こえないのである女性が集団に注意し、その場にいた警官にも対処を要請した。
ところが双方が聞き入れないので実態を記録しようと集団にスマートフォンを向けて撮影しようとしたところ、集団がスマホを取り上げ、地面に叩き付けて破壊したのである。
後に警察は女性にこう釈明した。
「注意すると人権問題だとか差別だとか言われるから」
「強力には排除できない」
演説を妨害する暴力をマスコミや野党、裁判所が擁護してきた結果、警察が委縮し、取り締まるべき行為を目こぼしする。
野党も矛先が安倍氏や自民党に向いている間は、人権派ぶって彼らを排除するのはおかしいと擁護する。
その行き着いた先が、安倍氏が街頭演説中に凶弾に倒れるという悲劇だったのではないか。
「こんな人たち」
は、厳しく排除して当然である。

東京15区補選で波紋広げる選挙妨害 公選法改正の動きも 告示後、公然と行為は異例
2024/4/25 18:54
https://www.sankei.com/article/20240425-5GR7WOENBZGOTIKXMQA7GWZTRM/
衆院東京15区補欠選挙(2024年4月28日投開票)で一部の陣営が他候補の演説会場に駆け付け、大きな声で政策やスキャンダルについて質問≠キる行為を繰り返し、円滑な選挙活動が妨害されている。
こうした動きを受け、与野党からは公職選挙法を改正し、妨害への規制強化を検討するよう求める声も出始めた。
■活動中止するスタッフも
「まだまだ妨害行為は止まらない」
「何らかの法規制が必要ではないか」
日本維新の会の若手議員は、こう問題意識を投げかける。
同区補選には維新の候補も出馬しており、一部の陣営は維新が成功を目指す2025年大阪・関西万博の開催の是非などについて維新陣営に執拗に質問を浴びせている。
選挙会場は罵声とも取れる大声が飛び交う事態となっている。
若手議員は
「暴行罪で訴えられるレベルで、少なくとも威力業務妨害罪には該当するのではないか」
と語る。
実際、ある陣営のボランティアスタッフの女性は妨害活動に直面し、恐怖のため選挙活動が継続できなくなったという。
維新や国民民主党からは、公選法の選挙の自由妨害罪の適用がしやすくなるような法改正や罰則の強化などの検討を求める声が上がっている。
■多くの議員が類似の被害経験
選挙ポスターを剝がされるといった妨害は、過去に多くの与野党議員が被害に遭っている。
自民のベテラン議員は
「街頭演説中に
『お前の演説など聞きたくないんだ』
と怒鳴られた」
と振り返った。
別の自民の若手議員は、東京電力福島第1原発事故を巡って街頭演説中に批判されたという。
「『お前ら自民党が原発政策を進めたんだろう』
と怒鳴られ、持っていたのぼり旗を蹴られ、地面に転がった旗も再び蹴られた」
と語る。
令和4年7月に死去した安倍晋三元首相も街頭演説中、
「安倍辞めろ」
などと連呼する集団に妨害された。
一方、選挙が告示された後の妨害行為は、これまで今回のように公然と行われるケースは少なかった。
立憲民主党の辻元清美参院議員の場合は、演説の際に辻元氏のマイクが奪われ、事務所関係者が暴行されたことがあった。
刃物が事務所に届けられた経験もあるというが、こうした嫌がらせは選挙の告示前だったという。
立民関係者は
「選挙が始まってから辻元氏に対する妨害は記憶にない」
「告示後に妨害すれば捕まる可能性が高まるからだろう」
「今回の東京15区の件は確信的な行為だと言える」
と語る。
■玉木氏は妨害候補と対話
東京15区補欠選挙を巡っては、国民民主の玉木雄一郎代表が2024年4月23日、同党が推薦する候補の応援に駆け付けた際も、一部陣営の候補が駆け付け、玉木氏に向かっていった。
国民民主の関係者は候補を制しながら、
「あなたにも選挙の自由がある」
「こちらにも選挙の自由がある」
と訴え続けたが、候補は目を合わそうとしなかったという。
この関係者は産経新聞の取材に
「(一部陣営が)『選挙妨害ではない』と言っても、選挙の自由と自由が衝突すれば、残るのは妨害行為だ」
「有権者が見ている前で恥ずかしくないのか」
と憤った。
一方、玉木氏は一部陣営が求める質問≠ノ約20分応じていた。
一部陣営の候補も玉木氏の姿勢に満足したのか、玉木氏にグーサインを向けてその場を去っていった。
国民民主の伊藤孝恵参院議員も2024年4月25日、東京15区補選で応援に駆け付けた際、一部陣営に遭遇した。
伊藤氏はその様子についてX(旧ツイッター)にこう書き込んだ。
「質問に答えろよ! 質問に答えたら静かにしてやるよ! と絶叫されていたので、私が答えます!と名刺を渡したら
『なんだ国民民主か、国民民主は昨日“たまちゃん”(=玉木氏)に答えてもらったからもう用はない』
と言われました」

選挙妨害、処罰の可能性 総務相「妨害はあってはならない」適切な運動求める
2024/4/23 17:03
https://www.sankei.com/article/20240423-QDT3T7KMMZPZ5BJDFTOSIJD6SU/
松本剛明総務相は2024年4月23日の記者会見で、2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で、候補者が街頭活動中に妨害を受けているとの指摘に関し、公選法の自由妨害罪や刑法の暴行罪などの処罰対象になり得ると述べた。
選挙運動の関係者に対し
「妨害はあってはならない」
「法を犯すことなく公正、適切に選挙運動を展開して頂きたい」
と求めた。
日本維新の会の音喜多駿政調会長は2024年4月23日、自由妨害罪の罰則強化などの公選法改正案について、今国会提出を目指す考えを記者団に明らかにした。
「選挙妨害は許さないとの強い意思を示すべきだ」
「各会派の協力を仰ぎたい」
と語った。
国民民主党の玉木雄一郎代表も会見で罰則強化の改正が必要との認識を示した。
東京15区補選では、街頭演説会で陣営関係者とみられる男性を突き飛ばしたとして逮捕者が出ている。
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/583.html#c19

[政治・選挙・NHK294] <佐藤 章氏>小池百合子、前代未聞の立候補会見!「朝堂院大覚氏」の名前を出した途端に表情が凍りつき、その場から逃亡!  赤かぶ
57. 秘密のアッコちゃん[384] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年6月14日 10:58:39 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[497]
<■2218行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
<主張>再エネ会議 廃止でうやむやにするな
社説
2024/6/14 5:00
https://www.sankei.com/article/20240614-MKV22RDT2BMNHOS45VHZ4GJAMU/
中国国営企業のロゴマークの透かしが入っていた問題に関する内閣府の説明資料
https://www.sankei.com/article/20240614-MKV22RDT2BMNHOS45VHZ4GJAMU/photo/63WDNIPI4NI4FEEQOI5YU7FGMM/
再生可能エネルギーの規制緩和に関する内閣府のタスクフォース(TF)の関連資料に中国国営電力会社のロゴマークが入っていた問題で、内閣府は調査報告書をまとめた。
TF委員が権限もないのに各省庁に政策対応を求めたことを問題視した一方、ロゴの混入は
「事務的な誤り」
と認定し、中国の影響力行使を否定した。
資料にあったのは中国の
「国家電網公司」
のロゴマークの透かしで、委員だった自然エネルギー財団の大林ミカ事業局長が作成、提出した。
河野太郎規制改革担当相は記者会見で
「(TFの)議論の内容そのものには問題はなかったが、一定の成果を挙げた」
としてTFの廃止を表明した。
反省が不十分だ。
林芳正官房長官は
「政府の指針に照らして不適切な点があったため(河野氏を)注意した」
と明らかにしている。
廃止で問題を有耶無耶にしてはならない。
TF委員が権限を越えて行政に介入した件をもっと解明すべきだ。
中国との関わりも調査が足りない。
報告書は
「大林氏や財団が中国政府等から不当な影響力を行使され得る関係性を有していた事実は確認されなかった」
としたが、根拠が十分示されたとは言えない。
中国国営企業は中国共産党政権と表裏一体であり、中国は日本にとって安全保障上の脅威だ。
調査は内閣府が外部弁護士らを交えて実施したが、内閣府の外に第3者の調査組織を作るるべきである。
警察などの協力も得て、中国の工作が及んでいないか徹底的に調べなければならない。
他の全ての省庁でも、中国など外国勢力の影響を受けていないか、点検する必要がある。
同財団は、国家電網公司の呼び掛けで設立された国際的な送電網構築を目指す非営利団体に参加していた過去があり、国際送電網構想のアジア版とも言える
「アジアスーパーグリッド構想」
を掲げている。
自然エネルギー資源を活用するため日本と中国、ロシア、モンゴルなどの送電網を連結するという構想だ。
中露両国によって日本の電力供給が左右されかねない安保上極めて危うい構想を掲げた団体から人選したこと自体、大きな間違いだった。
河野氏が推進したTFの問題は厳しく問われねばならない。

チャンネル正論
河野太郎氏 自身の責任は不問ですか?
2024/6/10 16:07
https://www.sankei.com/article/20240610-G7W66CR3SJAGRB7AEIO4K7ANGY/?outputType=theme_monthly-seiron
河野太郎規制改革担当相の肝煎りで設置された再生可能エネルギーの規制緩和を議論する内閣府のタスクフォース(TF)が廃止となった。
再エネTFの関係資料に中国の国営電力会社のロゴマークが入っていた問題で、内閣府は2024年6月3日に公表した調査結果(報告)で、中国の影響力行使を否定する一方で、再エネTFは本来の権限を越えた運用が行われてきたと指摘した。
林芳正官房長官から
「不適切な点があった」
と注意されるなど、閣僚としての責任は重大である。
河野氏は
「一定の成果をあげた」
と述べ、あたかも問題がなかったかのような言い方をしたが、政府内に混乱を招いた自らの責任は不問にするのか。
月刊「正論」発行人の有元隆志と編集委員の安藤慶太が解説する。

林官房長官、河野太郎担当相を注意 中国ロゴ問題の再エネTF「運営に不適切な点あった」
2024/6/4 16:44
https://www.sankei.com/article/20240604-732YDZ7I5NLSNNFCNOSPWCU6JA/
林芳正官房長官は2024年6月4日の記者会見で、再生可能エネルギーの規制緩和を議論する内閣府のタスクフォース(TF)に関し、他省庁に具体的な政策対応を要求するなど権限を越える運用が行われていたとして、TFを所管する河野太郎規制改革担当相を注意したと明らかにした。
「懇談会等の運営に関する政府の指針に照らして不適切な点があったため、今後、そのようなことがないよう注意した」
と述べた。
TFを巡っては、元民間構成員の提出資料に中国の国営電力会社のロゴマークが入っていた問題が発覚。
内閣府が2024年6月3日に公表した調査結果では、中国の影響力行使を否定する一方、TFが
「行政運営上の意見交換、懇談の場」
であるにも関わらず、構成員が具体的な論点を挙げて各省庁に政策対応を求める運営が行われていたと指摘していた。
これを受け、河野氏は2024年6月4日の会見でTFの廃止を表明した。

自民・甘利氏、再エネTFの運営を批判 「とんでもない大臣来たら暴走する」
2024/6/4 16:42
https://www.sankei.com/article/20240604-IZ7VGQJF5FID7H2CCE6FD2K244/
自民党の経済安全保障推進本部長を務める甘利明前幹事長は2024年6月4日、再生可能エネルギーの規制緩和を議論する内閣府のタスクフォース(TF)の関係資料に中国の国営電力会社のロゴマークが入っていた問題を巡り、TFの過去の運営実態を批判した。
「TFは大臣(河野太郎規制改革担当相)の私的な懇談会だが、あたかも公的審議会と同等の権限を持たされ、エネルギー担当省庁を呼んで糾弾する」
「そんなことが許されていいのか」
と述べた。
経済安全保障推進本部などの会合の後、記者団に語った。
甘利氏は
「経済安全保障上、基幹インフラで最も重要なのはエネルギー、情報通信だ」
「その政策を何の公的権限もオーソライズされない人が決め、関係省庁に指示を出すことはおよそ考えられない」
と強調。
他国の工作を受けた人物が政策決定に関与するリスクを指摘し
「緊張関係にある国が、その国のエネルギー政策を間接的に支配できることになる」
と述べた。
「とんでもない大臣が来たら暴走する」
とも語った。
甘利氏は、この問題に関する内閣府の調査結果について
「中国との関係はまだ調べが甘いのではないか」
「もっとしっかり確認してほしい」
とも述べ、政府に引き続き対応を求める考えも示した。
内閣府が2024年6月3日に公表した報告書では、ロゴ混入を巡り中国の影響力行使を否定する一方、再エネTFは構成員が具体的な論点を挙げて各省庁に対応を求めるなど、本来の権限を越えた運用が行われてきたと指摘。
これを受け、河野氏は2024年6月4日の記者会見でTF廃止を表明した。

河野担当相、再エネのタスクフォースを廃止「議論の内容に問題はなかった」
2024/6/4 12:28
https://www.sankei.com/article/20240604-JSGWRYW2FVPJ7MS65ZATII4XHU/
河野太郎規制改革担当相は2024年6月4日の記者会見で、再生可能エネルギーの規制緩和を議論する内閣府のタスクフォース(TF)の関係資料に中国の国営電力会社のロゴマークが入っていた問題を巡り、同TFを廃止する方針を表明した。
この問題に関する内閣府の調査結果を受けた措置で、
「TFは議論の内容そのものに問題はなかったが、一定の成果を挙げたこともあり廃止する」
と述べた。
河野氏は今後、再エネの規制緩和は首相の諮問機関である規制改革推進会議で議論していく方針も示し、
「2050年のカーボンニュートラルの実現に向け、議論していく態勢を構築すべく検討したい」
と述べた。
内閣府は2024年6月3日に公表した調査結果で、ロゴ入り資料を提出した元民間構成員が所属する
「自然エネルギー財団」
について
「中国政府等から不当な影響力を行使され得る関係性を有していた事実は確認されなかった」
とし、ロゴ混入も事務的ミスだと認定した。
一方でTFについては、
「行政運営上の意見交換、懇談の場」
であるにも関わらず、構成員が具体的な論点をあげて各省庁に対応を求めるなど、本来の権限を越えた運用が行われてきたことを指摘し、河野氏に対応を求めていた。

中国ロゴ問題、「財団に不当な影響力行使の関係確認されず」 内閣府が報告書
2024/6/3 21:31
https://www.sankei.com/article/20240603-R7TCLWPE6RJ4LOWUI6W6PX6R3I/
中国国営企業のロゴマークの透かしが入っていた問題に関する内閣府の説明資料
https://www.sankei.com/article/20240603-R7TCLWPE6RJ4LOWUI6W6PX6R3I/photo/63WDNIPI4NI4FEEQOI5YU7FGMM/
内閣府は2024年6月3日、再生可能エネルギーの規制緩和を議論するタスクフォース(TF)の関係資料に中国の国営電力会社
「国家電網公司」
のロゴマークが入っていた問題に関する調査結果を公表した。
資料を提出したTFの元民間構成員、大林ミカ氏が所属する公益財団法人
「自然エネルギー財団」
について
「中国政府等から不当な影響力を行使され得る関係性を有していた事実は確認されなかった」
と結論付けた。
調査結果ではロゴが混入した経緯に関し、財団の説明に基づき
「事務的な誤りだった」
と認定。
大林氏や財団が中国側から資金提供を受けるなどの事実も確認されなかったとした。
また、大林氏のTFメンバーへの起用は事務方の起案が発端で、河野太郎規制改革担当相から
「特定の者についての指示や示唆はなかった」
とした。
一方、消費者庁や外務省の有識者会議では、河野氏から大林氏の起用について
「示唆があった」
とした。
調査は内閣府が2024年4〜5月、外部弁護士らを交えて実施。
河野氏ら歴代担当相や財団関係者に対し、ヒアリングや文書での照会を行った。
この問題の発覚後、経済産業省や環境省は自然エネルギー財団からの意見聴取を停止している。
調査結果を受け、財団は
「当然の事実が公式に確認されたことを歓迎する」
「懸念に根拠がないことが明らかになったことを踏まえ、両省との議論を再開していく」
とする談話を発表した。

日本の電力 見えてきた河野太郎・孫正義 売国の悪巧み ”電力版一帯一路”を何としても阻止しなければならない
WiLL2024年7月号 YouTuber元NTT社員 ささやん
■河野大臣の影で暗躍する官僚
河野太郎デジタル担当大臣が立ち上げた内閣府の
「再生可能エネルギー導入に向けた規制の見直しを目指すタスクフォース」(以下、再エネTF)
に、中国企業
「国家電網公司」(こっかでんもうこうし)
のロゴの透かしが入った資料が提出された問題。
この資料を提出した自然エネルギー財団事務局長の大林ミカ氏の人選に関わった河野太郎氏の責任が追及されましたが、この問題はまだまだここで終わらせてはいけません。
河野太郎(規制改革担当相)は2024年5月10日の記者会見で、この問題に関する調査の現状を問われ、
「調査に私は携わっていないので、内閣府か何かに聞いて頂きたい」
と発言しました。
2024年4月2日の会見では、
「海外から不当な影響力を行使される可能性があったかどうか、しっかり調査をしたい」
と述べていたのに、無責任極まりない!
これで次期首相候補というなら、冗談にも程があります。
大林ミカ氏を再エネTFのメンバーにした理由について河野太郎氏は
「下から上がって来たのを承認したからだ」
と言っています。
では、大林ミカ氏を上げた人間は誰なのか。
実は裏で忍者のように暗躍したのが、内閣府規制改革推進室規制改革・行政改革大臣直轄チームの
「山田正人参事官」
です。
山田正人氏も根っからの反原発推進者で、河野太郎氏との関係について経済産業省の元官僚・古賀茂明氏が週プレNEWS(「週刊プレイボーイ」のニュースサイト・2021年1月8日付)で、次のように書いています。
<私(古賀茂明)が注目している河野大臣絡みの人事がある>
<それは彼(河野太郎)が補佐官に抜擢した山田正人氏だ>
<経産省出身の同氏(山田正人)は資源エネルギー庁勤務の頃、核燃料再処理工場のコストが19兆円にもなるという文書「19兆円の請求書」を作成して同プロジェクトの中止を訴えたことで、閑職に追いやられていた>
<今は、TFと大臣の間で全てを調整する役回りだ>
山田正人氏と同じ経産官僚の古賀茂明氏の証言ですから、何よりの裏取りでしょう。
更にこの人事にはソフトバンクグループの影がチラつきます。
大林ミカ氏が所属する自然エネルギー財団は、ソフトバンクグループの孫正義氏(会長兼社長)が設立し、ソフトバンクが100%出資している財団です。
再エネTFの民間委員は4名ですが、そのうちの2名が自然エネルギー財団から選ばれており、孫正義氏の意向が半分入っているのと同じです。
仮に再エネを強力に推進していく2名、中立の立場の2名でTFを組織し、甲乙付け難い議論になった際は、最終決定を河野太郎氏が持つという既定路線が出来ているわけです。
河野太郎氏、孫正義氏の意思によってコントロール出来る仕組みとなっています。
河野太郎氏は原発の管轄である経産省の官僚を突破するため、再エネTFで自分に都合の良い資料を作らせているのでしょう。
人選の横暴さが何よりの証拠です。
再エネTFで作られた資料を基に官僚からの意見を跳ね除け、内閣府の権限で突っぱねてしまう。
官僚を怒鳴り付けるようなパワハラ体質ですから、
「俺の言うことが聞けないのか」
と権力を振りかざしている姿が容易に想像出来ます。
■”電力版一帯一路”の実態
なぜ河野太郎氏、孫正義氏はここまで深く再エネを推進するのかー。
その理由は、彼ら(河野太郎氏と孫正義氏)の狙いが日本の政府開発援助(発展途上国の経済発展や福祉向上のために先進国の政府機関が行う援助や出資。以下、ODA)を利用しての”電力版一帯一路”の実現にあるからです。
そのための機関が、中国国家電網(SGCC)会長の劉振亜(りゅうしんあ)氏が会長を務めるグローバル・エネルギー・インターコネクション発展協力機構(GEIDCO:Global Energy Interconnection Development and Cooperation Organization、世界的な送電網構築を目指す非営利団体・以下、GEIDCO)です。
GEIDCOは、中国国家電網の呼び掛けにより設立され、
「自然エネルギーの活用のための世界的な送電ネットワークの実現を目指す」
という目標を掲げていますが、GEIDCOが明示している
「北東エネルギー・インターコネクション計画」
に関する調査報告書の中身を確認してみると、3ページ目に驚くべき資料(画像1)があります。
見出しは
「地域の協力強化は各国共同の要求」
と書いてあり、その下には
「各国が地域協力を目標とした発展戦略を策定」
とあります。
国旗が6つ並んでいますが、時計回りに、ロシア、韓国、北朝鮮、日本、モンゴル、最後に中国となっています。
中国の国旗部分には分かり易くそのまま
「一帯一路」
と記載されており、まさにGEIDCOの狙いが
「電力版一帯一路」
だということの証拠です。
では、日本国旗の横の部分は何と記載されているのか。
記載された中国語を翻訳アプリで変換すると
「政府開発援助プロジェクトの資金と技術面での支援を強化し、アジアのインフラ建設過程を推進する」
となります。
驚くべきことに、ODAを意味していると思われる
「政府開発援助」
という文字が謳われており、これを素直に解釈すれば、日本の役割は
「資金面と技術面」
とはっきり明示されているのです。
電力版一帯一路に日本のODAが使用されるとは、まさに”世界規模での公金チューチュー”ではないですか。
しかし、不思議なのはODAの使用ということであれば、孫正義氏の一存で決めることはできず、外務大臣の許可が必要です。
一体誰がこんなバカげた計画にゴーサインを出したのか。
調べてみると、何と資料が作られた2018年時の外務大臣は河野太郎氏(2017〜2019年)ではありませんか。
これで完全に繋がったわけです。
河野太郎氏は外務省で気候変動対策のための有識者会議を開き、そこを突破口にして自然エネルギー財団のスタッフをバンバン省庁に送り込み、ロビー活動をして終わりかと思いきや、ODAの予算を使い、アジア諸国の電力網を電力の一帯一路に組み込もうと画策していたー恐ろしい話です。
もし電力版一帯一路が実現すれば、国家のインフラが牛耳られ、中国の一存でコントロールされてしまう。
電気が止まれば、日本の通信インフラは壊滅し、セキュリティ破壊、経済破綻は免れません。
国家の安危に関わる重大な危険を孕んでいます。
こうした危うい電力の投資計画を推進する河野太郎氏と孫正義氏の悪しき野望を何としても阻止しなければなりません!
私が孫正義氏についておかしいと思ったきっかけは、東日本大震災(2011年3月)の時でした。
被災地のインフラがズタズタになった当時、私の同僚であるNTT社員が休みなしで現地に向かい、復旧作業をしていました。
日本が一丸となって国難に立ち向かい、NTTも総力を上げて、
「必ずインフラを復旧させる」
という思いの中での作業でした。
ところが、2011年5月、ソフトバンクが太陽光発電に参入すると言い出したのです。
「孫正義は正気なのか」
と耳を疑いました。
同僚たちが同じ通信会社のよしみとして、ソフトバンクやKDDIから社員を派遣してもらえるのではないかと期待していた時に、まさかの電力事業参入の表明ー。
インフラも落ち着き、仮復旧したタイミングでの表明ならまだ分かりますが、仮復旧も困難な状況下で、ライバル企業が勝手な事を言い出したので、
「この人の国家観は大丈夫なのか」
という不信感を持ちました。
もちろん原発の問題も背景にはありましたが、タイミングとしてはそこじゃないでしょうという思いが強くあり、あの衝撃は未だに忘れられません。
孫正義氏は
「電力事業で利益は出さない」
と言っていましたが、一体その言葉のどこを信用すればいいのか。
国よりも個人的な利益に走ったようにしか見えませんでした。
国を思うのであれば、今起きている問題を議論すべきなのに、それを蔑ろにした孫正義氏を許すことは出来ません。
■再生”不可能エネルギー
このような危険人物が推し進める”電力版一帯一路”を阻止するために我々が出来る事は、まず日本国内から再エネについて疑問を呈することです。
例えば、再生可能エネルギーの代名詞とも言えるメガソーラーについて、推進派は地震や災害の際に威力を発揮すると主張しますが、2024年元日に発生した能登半島地震を見ても明らかなように、実態は真逆です。
読売新聞によれば
「斜面に数百万平方メートルに渡って敷き詰められていた太陽光パネルが、地盤と共に崩落」
「町道を塞ぎ、撤去された(2024年)2月中旬まで、車両が通れなくなった」
(2024年4月11日付)
とあります。
パネルは千葉県の業者が設置したようですがその後転売し、撤去したパネルを保管している町も今の事業者と連絡が取れていないそうです。
災害時に自活出来るだけの電力が賄えるのであれば、今こそ復興に役立てて宣伝すべきですが、活用どころか復興の妨げになっているのですから、バカバカしくて話になりません。
これではまるで再生”不可能”エネルギーと言う方が正解です。
しかも、再エネ議連(再生可能エネルギー普及拡大議員連盟)は一体何をやっているのでしょうか。
顧問を務める河野太郎氏は能書きばかりこいてないで能登の現地でパネルの1つでも回収してきたらどうでしょうか。
それをやってこその
「再エネ”助け”フォース」
です(笑)。
そして、パネル撤去の請求書は全て再エネ議連に回せばいいのです。
事務局長を務めていた秋本真利議員は風力発電の会社から賄賂を受け取り、馬主となれるくらいお金を持っているのですから。
こうした能登の現状を見ても、メガソーラーの使用には限界があります。
その理由を3つ上げます。
1つ目は、読売新聞の記事にもあるように、
「いざとなったら発電業者がトンズラする」
可能性が非常に高いことです。
これは随分前から言われてきたことで、全部の業者がそうとは言いませんが、多くがFIT(再生可能エネルギーから作られた電気を電力会社が一定価格で、一定期間買い取ることを国が保証する制度)の高価買い取り制度を狙い、お金に目が眩んで参入してきた業者たちです。
環境に良いというのは表向きの理由で、裏ではいつ転売して売り抜けようか、と考えています。
ですから、いざとなれば、さっさとトンズラし、パネル設備をポイ捨てし、放置した方が損害が少なくなる。
太陽光でサスティナビリティ(持続可能性)などと言っている人間など信用してはいけません。
2つ目は、国内において太陽光の設置は既に限界に来ている点です。
資源エネルギー庁の資料でも、日本の平地面積当たりのメガソーラーの設置は、世界と比べて群を抜いて高い密度であることが分かります。
ドイツのおよそ2.3倍、米国の40倍となっており、日本の国土は既に太陽光パネルの過密地帯なのです。
そこに災害が起これば、崩落したパネルの処理に手こずるのは自明の理。
現時点でパネルのリサイクルが出来ていない状況ですから、地震が起きて、まとまった数のパネルの廃棄が出てしまったら対処出来ません。
そして3つ目が火災の多さです。
2024年3月27日、鹿児島で起こったメガソーラーの火災は、鎮火まで20時間を要しました。
更に、2024年4月15日には、仙台でもメガソーラーの火災があり、これは鎮火に22時間かかっています。
なぜ、こんなに燃えやすいのでしょうか。
しかも1回燃え出したら、水ではなく、科学的な消火剤を撒かないと鎮火しません。
これでは環境の
「か」
の字もない。
再エネを進めたい方々は、まず能登の現場や鹿児島・仙台の火災現場を見てからもう1度判断すべきです。
再生可能エネルギーが本当に安いのかどうかもしっかり検証すべきです。
推進派は再エネを導入することによってやがて電気代は下がると主張し、孫正義氏も太陽光事業を始めた2011年、
「コーヒー1杯分を負担して下さい」
とキャッチコピーのように言っていました。
しかし、世界的に見て再エネを導入した結果、電気代が下がるというデータは出ていません。
むしろ、電気代は高くなるばかりで、2024年の再エネ賦課金は、経産省の試算で月平均、1396円になります(一般家庭)。
いつの間にかコーヒー3〜4杯分に膨れ上がっています。
しかも、2035年から2040年くらいにかけて、大量にパネルが廃棄される見込み(2035年問題)ですが、どう処理するのか全く見通しが立っていない。
部分的に分解し、ガラスやプラスチック部分は再生利用出来るかもしれませんが、シリコンやメカの部分は今のところ再生出来ないので、埋め立てるしかない。
オーストラリアやカリフォルニア州は実際にパネルの処理に困っているという事例もあり、カリフォルニア州は隣の州に持って行って処分しているという有り様です。
カリフォルニア州で作っておきながら、隣の州に持って行ったのでは、運ばれた方も迷惑でしょう。
このようにメガソーラーは世界的に見ても、矛盾ばかりです。
パネルの設置で動植物にも影響が出て、むしろ自然が破壊されています。
「再エネ=地球に優しい」
という言葉のレトリックに騙されてはいけません。
再エネは、むしろ地球に負荷を与えています。
一緒に利権まみれの安易な再エネに反対の声を上げていきましょう!

能登地震で太陽光発電施設19か所が破損や崩落、感電・発火の恐れ…被害の全容不明
2024/4/11 15:00
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240411-OYT1T50097/
能登半島地震で、太陽光発電施設が破損、崩落する事故が少なくとも19か所で起きていたことが分かった。
国に報告があったのは16か所だが、読売新聞が航空写真を分析した結果、他3か所でも確認できた。
破損したパネルは感電や発火の危険性がある。
事業者が報告していないケースが他にもあるとみられ、国は発生から3か月以上経った今も被害の全容を把握できていない。
斜面から土砂と共に崩落し、町道を塞いだ太陽光パネル(2024年1月4日、石川県穴水町で)=上万俊弥撮影
「『ドーン』という音と共に揺れを感じ、家の外に出ると大量のパネルが住宅の前まで迫っていた」。
2024年元日、震度6強を観測した石川県穴水町由比ヶ丘地区。
実家に帰省中だった女性(44)は振り返る。
斜面に数百平方メートルに渡って敷き詰められていた太陽光パネルが、地盤と共に崩落。
町道を塞ぎ、撤去された2024年2月中旬まで、車両が通れなくなった。
経済産業省などによると、このパネルは千葉県内の事業者が設置し、2022年に運転を開始した。
しかし、事業者は取材に
「直後に転売したので、今は分からない」
「当時は土砂崩れのリスクは考えていなかった」
とし、今の事業者は連絡が取れなかった。
町が撤去したパネルを保管しているが、町も事業者とはまだ連絡が取れていないという。
太陽光発電施設の事業者は、電気事業法に基づき、パネルの損壊や敷地外への流出、火災などがあれば、把握から30日以内に経産省に詳細を報告する義務があり、違反すれば罰則もある。
同省の資料によると、石川県内の能登地域(12市町)には、太陽光発電施設が小規模なものも含めて約1200か所ある。
2024年3月21日時点で七尾、能登、穴水、志賀、宝達志水の5市町の計16か所の事業者から被害の詳細な報告があったという。
読売新聞は、金沢工業大の徳永光晴教授(地理空間情報工学)の監修を受け、国土地理院が公表している地震発生後の被災地の航空写真を分析した。
その結果、他に少なくとも3か所の施設で被害が確認できた。
道路を塞いだ穴水町の施設の他、珠洲、七尾両市でそれぞれ1か所あった。
軽微で報告義務がないとみられる被害を含めると、更に数か所確認できた。
珠洲市宝立町では、スーパーの屋根に設置されていた200平方メートルほどのパネルが建物ごと倒壊。
今もそのまま残されている。
太陽光パネルは破損後も光が当たれば発電し、感電や発火の恐れがある。
2019年には、千葉県内で台風によりパネルなどが破損し、火災になったケースがあった。
珠洲市で倒壊したスーパーを経営する男性(62)は
「発火の恐れがあるとは知らなかった」
「市に建物の解体を申請しているが、いつになるかは分からない」
と困惑した様子で話した。
経産省によると、地震による太陽光発電施設の被害報告は、2016年の熊本地震で1か所、2018年の北海道 胆振いぶり 東部地震で3か所あった。
今回は、広範囲に地盤の亀裂や隆起が起こり、被害が拡大したとみられる。
経産省は2024年3月、事業者が被害を確認できなかったり、報告義務を認識していなかったりするケースがあるとみて、事業者に被害の確認を求める書面を郵送した。
太陽光発電施設を巡っては、2018年の西日本豪雨でも崩落し、神戸市で新幹線が運休。
その後も豪雨や台風による事故が相次いだ。
経産省は2022年度、大雨で土砂崩れなどの恐れがある
「土砂災害警戒区域」
にある280施設に立ち入り検査を実施。
うち25施設で敷地外への土砂流出を確認し、事業者に対策を指導していた。
しかし、土砂災害警戒区域は地震を想定していない。
今回、19か所のうち、少なくとも2か所で敷地外への流出が確認されたが、いずれも警戒区域外にあった。
徳永教授は
「太陽光発電施設は斜面に設置されているケースが多く、地震による崩落リスクがあることが改めて明らかになった」
「自治体は国への届け出情報などを基に施設の設置状況を把握し、崩落して住宅や道路に被害が及ぶ可能性がある場所については対策を促すことを検討してもいいのではないか」
としている。

くつざわ亮治氏「『河野一族は中国共産党の犬』などとブログに書いたら河野太郎大臣に訴えられました…」
2023/12/28
https://sn-jp.com/archives/149645

2024/4/13
【解説】「中共の犬国防の敵」河野太郎問題とズブズブの紀藤弁護士
https://aichinahn.hatenablog.com/entry/2024/04/13/001935

<中共の犬>よばわりしたら河野太郎に告訴された
河野太郎デジタル担当大臣と”徹底抗戦”します
WiLL2024年6月号 日本改革党代表 元豊島区議会議員 くつざわ亮治
■前代未聞のの訴訟
この度、河野太郎デジタル担当大臣に訴えられました!
現役の国務大臣が私人を名誉棄損で訴えたという事例は聞いたことがなく、被告となった私自身も驚いています。
事の発端は、自民党総裁選の最中である2021年9月20日、私がブログで
「河野太郎は一族ぐるみで中国共産党に飼われていました、はい試合終了」
と題し、河野太郎氏のファミリー企業
「日本端子」(本社・神奈川県平塚市)
について書いたことです。
ブログの内容は次の通りです。

河野太郎は一族ぐるみ中国共産党に飼われてました、はい試合終了 20210920
2021/9/20
https://go2senkyo.com/seijika/165194/posts/303109
<河野一族は中共の犬でした!お疲れ様でした!
洋平が実質オーナーで太郎の実弟の二郎が社長を務める日本端子株式会社(年商120億円)の中国子会社、北京日端有限公司は日本端子60%、京東方科技集団股分有限公司40%出資の合資会社
京東の責任者の陳炎順は今年(2021年)6月に全国優秀党員に選ばれたエリート共産党員だった
つまり中共4割と>

今から2年以上も前の事なので、書いた私自身もすっかり忘れていましたが、この内容について、突如、2023年11月2日に代理人弁護士を通じて
「通知書」
が届きました。
河野太郎氏側は
「ブログの削除」

「謝罪要求」
をしてきましたが、一般人ならばこの時点で怖がって要求を呑んでしまう。
ところが、私が代理人弁護士を通じて拒否したところ、訴訟に発展しました。
河野太郎氏側は加えて220万円の支払いを要求しています。
「今更なぜ?」
と首を傾げましたが、来る2024年9月の自民党総裁選を意識し、都合の悪い批判記事を削除しておきたい意向があるのではないか。
つまり、私への訴訟は
「批判に対しては容赦なく訴訟を起こしていく」
という。
一種の”見せしめ”なのでしょう。
■”中共の犬”仲間
しかも、現役大臣が訴訟を起こすという稀な案件にもかかわらず、テレビや新聞は無視を決め込んでいます。
メディアも野党も追及しないのは、”中共の犬”仲間だからでしょう。
小西洋之参議院議員も一般人を名誉棄損で訴えましたが、権力のない野党議員なら話題にならないのも理解できます。
しかし、与党の、しかも総裁候補に名前が挙がる現職大臣が一般人を名誉棄損で訴えた事実を、なぜ、どこも取り上げないのか。
非常に不可解です。
テレビも新聞も支局を人質にされ、結局は中国に逆らえないのです。
大きな権力に配慮するのは裁判所も同じです。
当初、この訴訟は裁判官が1人で進める単独部に回されたのですが、途中から3人の裁判官が付く合議部に回されました。
私の代理人弁護士に聞いても、民事の名誉棄損の裁判で合議制は聞いたことがないとのこと。
恐らく裁判所は訴状を受け付けた段階で、
「原告 河野太郎」
を見た時に、まさか現役の大臣であるとは思わず、通常通り単独部の裁判に回した。
ところが、ある時点で大臣本人ということに気付き、慌てて合議部に回したのでしょう。
裁判所も原告が国務大臣の裁判を1人の裁判官に任せるのは、まずいと判断したのではないか。
裁判の状況ですが、今年(2024年)1月を皮切りに、口頭弁論(原告・被告双方の代理人が、互いに意見や主張を述べること)が2回行われました。
しかし、公開の法廷で原告・被告本人を呼んでの争いは行われていません。
公開の法廷を開くと、傍聴席は埋め尽くされ、”河野太郎糾弾集会”のようになってしまうことを裁判所が懸念しているからでしょう。
裁判所が訴えの取り下げを原告側(河野太郎氏)に遠回りに示唆している可能性もあります。
裁判所が大臣という権力者にここまで配慮するとは、果たして公正な裁判になるのでしょうか。
ちなみに、かつて
「ゴキブリ」
と誹謗中傷された政治家が訴訟を起こそうとしたところ、裁判所から
「政治家は批判されるのが仕事でしょう」
と門前払いされた例があります。
なぜ
「ゴキブリ」
は良くて、
「犬」
はダメなのでしょうか(笑)。
■中共の犬である根拠
もちろん、私が書いた”河野一族は中共の犬”という内容に事実誤認があるとは到底思えません。
河野太郎氏の実父である洋平氏が官房長官として発表した
「河野談話」(1993年)
の後、日本端子は北京で子会社を作ることが許されました(同年の1993年、河野太郎氏は日本端子の常務に就任。現在は辞めている)。
河野談話を読んだ中国から
「河野洋平は使いやすい」
と判断され、見込まれたのでしょう。
中国でビジネスをするには、中国共産党の資本を入れて合資会社にし、株の比率も五分五分にしなければならないという条件があります。
ところが日本端子の子会社は、自身の持ち株比率が多いという有利な条件で、北京、香港、蘇州に立て続けに設立しました。
聞くところによると、神奈川県平塚市にある本社ではなく、中国本土にある3つの会社が事業のメインになっているそうです。
世界最大級のEC(電子商取引)事業を手掛ける
「アリババグループ」
を創業したジャック・マー氏が中国共産党を批判し、習近平政権に目を付けられ、ここ数年で公の場から姿を消しましたが、あれほど巨大な会社ですら中国共産党に逆らうと粛清される。
言い換えれば、中国でこれだけ有利な条件で商売が出来ている日本端子が中国共産党の言いなり(犬)なのは間違いないでしょう。
ちなみに日本端子の株主は11人ですが、全員が河野一族です。
筆頭株主は洋平氏で30%を所持。
20%は弟の次郎氏(社長)が持っており、河野太郎氏自身も3%ほど所持しています。
最新の政治資金収支報告書によると、日本端子は400万円を河野太郎氏が代表を務める自民党神奈川県第15選挙区支部に献金として寄付しており、河野太郎氏は未だに親から”お小遣い”を貰っているのです。
普通の会社なら、400万円も支部に寄付することに関して株主から文句が出ますが、株主は全員河野一族なので、当然文句も出ません。
■”徹底抗戦”します
河野太郎氏がお金に困っているとは到底思えませんので、支払い要求されている220万円という金額からも、原告が被告からお金を取ろうと考えている裁判でないことは明らかです。
河野太郎氏側は
「訴えた」
という事実を作りたかったのでしょう。
勝敗はさておき、私は全面的に戦う覚悟で”徹底抗戦”します。
ブログを削除したり、表現を変えるつもりは一切ありません。
裁判が長引けば長引くほど、
「河野一族は中共の犬と書いたら訴えられました」
と言い続けられるので、私としてはむしろ好都合です。
もちろん勝訴したら
「裁判所が河野太郎は中共の犬と認めた」
と騒ぎ立てます(笑)。
負けたら
「裁判所が大臣に配慮した」
と大騒ぎするので、いずれにしても、
「河野一族は中共の犬」
という事実が広まるわけですから、目的は達成できそうです。
仮に220万円の要求が22万円に変われば、こちらとしては勝ったも同然です。
今回の件で分かったことは、河野太郎氏の政治家としてのセンスの無さです。
安倍晋三元首相も山口二郎氏(北海道大学名誉教授・法政大学法学部教授)から
「安倍は人間じゃない」
「叩き斬ってやる」
と公然と侮辱されました。
しかし、安倍晋三元首相は眉一つ動かさず、訴えたりはしなかった。
それに比べて、河野太郎氏は何と器の小さいことか。
政治家、ましてや現役の大臣であるならば、政策や言論で勝負すべきです。
私は言論を持って、書いたブログ記事は事実であると確信していますので、河野太郎氏の理不尽な
「言論弾圧」
には屈せず、戦っていきます!
■エネルギー分野に中国の介入
河野太郎氏の問題はこれだけにとどまりません。
再生可能エネルギーに関する規制見直しを目指す内閣府のタスクフォース(以下、再エネTF)に、中国の国営電力会社
「国家電網公司(でんもうこうし)]
のロゴマークが入った資料が提出されました。
この資料を提出した民間構成員(現在は辞任)の大林ミカ氏(自然エネルギー財団事業局長)は、何と河野太郎氏が推薦した人物です。
河野太郎氏は記者会見で大林ミカ氏の起用について
「特に問題があったということではない」
と述べましたが、国家の根幹に関わるエネルギー分野に中国の干渉(侵略)を許しているのですから、問題だらけでしょう。
仮に問題がないなら、なぜ大林ミカ氏は有識者メンバーを辞任したのでしょうか。
後ろめたいことがないなら、辞める必要はないはずです。
河野太郎氏はこの件について
「ネトウヨが騒いでいるだけだろ」
と吐き捨てたそうですが、ネットを見下すポーズを取っておきながら、私の
「河野一族は中共の犬」
というブログはスルーできなかったようです(笑)。
自然エネルギー財団はソフトバンクの孫正義氏が設立し、会長に就任していますが、タスクフォースの民間委員4人のうち、2人が自然エネルギー財団の人間です。
4人全員が自然エネルギー財団の関係者という時もあったようで、まさに”ズブズブ”の関係であることが分かります。
■”大儲け”の太陽光ビジネス
しかも、再エネ賦課金制度を作ったのが河野太郎氏と孫正義氏です。
2024年4月から再エネ賦課金が年間6000円台から1万6000円台に値上がりしましたが、値上がりした賦課金のほとんどがメガソーラーを設置できる事業者に回されます。
日本端子の主要ビジネスが太陽光パネル事業なので、さぞかし儲かることでしょう。
日本端子は太陽光パネル周辺部品の特許をいくつか持っているので、他社が作った部品でも儲かる仕組みになっています。
つまり、河野太郎氏はこの制度を都合よく利用し、立派な”公金チューチュービジネス”をしているのです。
河野太郎氏があれほど
「脱原発」
を訴えていたのも納得でしょう。
しかも太陽光パネルの生産は中国が8割なので、実質中国にカネが流れます。
日本人の税金を中国企業に流す手引きをしているのですから、
「売国奴」
と言われてもやむを得ない。
おっと、こんなことを言ったら追加訴訟されてしまうかもしれません。
日本のソーラーパネルの敷設面積は世界で1位になってしまいましたが、山を切り開き、景観を壊して敷き詰められる太陽光パネルにはおぞましさを感じます。
日本の政治家ならば食い止めるべき自然破壊が行われているにもかかわらず、河野太郎氏は再エネ賦課金制度を廃止せずに、むしろ活用する。
このような人物を首相どころか、国会議員にしておくこと自体、危険です。
その危険さがどこまで国民の間に広がるかが重要です。
次の衆議院選挙でどのくらい票を減らすのか。
神奈川15区の有権者さん、国益のために良識ある御判断をお願いします!

中国企業ロゴ問題「内容には問題なし」 内閣府「不当な影響力受けたなら問題」 再エネタスクフォース資料
https://www.sankei.com/article/20240325-CWZ57KOKKRMF3IC7Q5BWVEJBWI/
再生可能エネルギー導入促進を目指すタスクフォースで中国国営企業のロゴマークの透かしが入っていた問題に関する内閣府の説明資料
https://www.sankei.com/article/20240325-CWZ57KOKKRMF3IC7Q5BWVEJBWI/photo/LLOZEZYSXBCVNBK4XJPIA5F4RA/

活動家「大林ミカ」があぶり出した河野太郎の危険な政治手法
Hanada2024年6月号 経済学者 池田信夫
■内閣府資料に中国企業ロゴ
2024年3月23日(土)の朝、X(旧ツイッター)にこんな呟きが出た。
<内閣府の「再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース」(再エネTF)の構成員提出資料に、なぜか中国の「国家電網公司」の透かしが入っていました>
これを見付けたのは電力会社の社員だが、内閣府のホームページで公開された再エネTFのスライドには、右上に白地に白で
「国家電網公司」
という図のようなロゴマークがあった。
国家電網公司は中国の国営電力会社だが、このロゴは大林ミカ氏(自然エネルギー財団事業局長)の資料のほとんどの図に付いていた。
白地に白で描かれているのでパソコンでは見えないが、携帯のアプリでは見える場合がある。
なぜ、自然エネ財団の資料に中国の国営電力会社のロゴが付いているのか。
これは大林氏が中国の工作員だという暗号かーこれを私が紹介したところネット上で拡散され、数百万回表示された。
それを受けて同日2024年3月23日(土)14時30分に、内閣府はホームページから大林氏の提出した資料を削除した。
マスコミは(産経新聞を除いて)報道しなかったが、2024年3月25日に内閣府は説明資料を公開した。
ここに至って他の新聞も報じ、他の新聞も報じ、
「中国国家電網公司」
というロゴマークについて色々な推測が行われた。
当初は、無断複製を防ぐ
「電子透かし」
ではないかと言われたが、内閣府によれば、国家電網公司が2016年のシンポジウムの資料で使ったスライドの定型(テンプレート:「フォーマット」は「ビジネスでは文書を作成する上での形式や構成のこと」。「テンプレート」は「ビジネスでは元からあるレイアウトや定型部分に合わせて文章を入れていくひな形のこと」)に青地で白で入ったロゴだという。
それが何かの手違いでコピーされたと言うが、こんな現象はシンポジウムの資料のような印刷用ファイルをコピーしても起こらない。
テンプレートは、プレゼンテーションソフト(マッキントッシュのKeynote)に入っている機能で、同じ背景やロゴなどをコピーして使うものだ。
大林氏はシンポジウムの資料をコピーしたのではなく、国家電網公司の内部資料を入手して、そのテンプレートを使い回していたと思われる。
大林ミカ氏は自然エネルギー財団で
「アジアスーパーグリッド」【英語: Asian Super Grid、略称:ASGは日本、中華人民共和国、韓国、台湾、モンゴルおよびロシアなどを接続する電力網<スーパーグリッド(英語版)>の構想である】
という広域電力網の担当者だった。
その組織、GEIDCOの会長は、国家電網公司の劉振亜会長(中国共産党委員会書記)だった。
自然エネ財団は、中国の影響下にあるのではないか。
自然エネ財団は
「国家電網公司との間には人的・資金的関係はない」
と説明したが、これは嘘である。
自然エネ財団の孫正義会長はGEIDCOの副会長だった。
今回の騒ぎで自然エネ財団はGEIDCOから脱退したが、今後も関係は続けていくとしている。
■大林ミカとは何者か
今回の事件で一躍有名になったのが大林ミカ氏だが、財団のホームページの経歴には
「大分県中津市生まれ、北九州市小倉出身」
としか書いていない。
職歴も原子力資料情報室など活動家の経歴ばかりで、学問的業績は何もない。
エネルギー産業の実務経験もない。
再エネTFは内閣府の有識者会議である。
そこにこんな怪しげな活動家が入ったのは何故か。
しかも、再エネTFのメンバー4人のうち2人(大林氏と高橋洋氏)は自然エネ財団のメンバーであり、河野太郎規制改革担当相と山田正人参事官は再エネ推進派だから、再エネTFは再エネ業界のロビー団体ではないかーこのような疑問がネット上で多く寄せられ、大林氏は2024年3月27日に再エネTFを辞任したが、今に至るも学歴については説明していない。
自然エネ財団がホームページに掲載した追加説明によれば、大林氏は
「語学学校を卒業後、子育て等を経て、1992年に原子力資料情報室に参加」
と書いてあるが、どこの語学学校かは書いていない。
本人も原子力資料情報室にアルバイトとして入った時、
「何の専門家でもない私ができる事は何なのか」
と自問している。
このように大林ミカ氏はエネルギー問題の素人だが、活動家としての経歴は華やかである。
原子力資料情報室は高木仁三郎(じんざぶろう:物理学者)の作った反原発団体で、三里塚(さんりづか)闘争で1坪地主になるなどの過激な活動で知られる。
大林氏は原子力資料情報室を辞めた後、飯田哲也氏(再エネ活動家)と共に
「環境エネルギー政策研究所」
を設立し、2011年の福島第1原発事故の後、孫正義氏の設立した自然エネ財団に移った。
社民党党首、福島みずほ氏の
「応援団」
と自称し、グリーンピース日本支部の理事でもある。
そんな活動家が、なぜ内閣府の有識者会議に入ったのか。
本人は記者会見で
「河野太郎大臣の推薦と聞いている」
と語ったが、内閣府は国会で
「事務方が人選して河野太郎大臣が了承した」
と答弁した。
この事務方とは山田正人参事官である。
山田正人参事官はかつて経済産業省の反原発派で、核燃料サイクルに反対して左遷された。
その時、河野太郎氏と接点があり、それ以来、ずっと河野太郎氏と一緒に霞が関の傍流を歩んで来た。
■孫正義氏と自然エネ財団
そんな日陰者の反原発派が一挙に脚光を浴びたのが、2011年の福島第1原発事故だった。
飯田哲也氏と民主党政権に食い込み、ちょうどその時出来た再エネの固定価格買取制度(FIT)を最大限に利用した。
これは電力会社に再エネ電気の全量買い取りを義務付け、その価格を原価より高く設定して利潤を保証する欧州の制度だった。
この時、孫正義氏は
「太陽光発電は原発より安い」
と言う一方で、
「単価がキロワット時40円以上でないと採算が取れない」
という要望を政府に出した。
孫正義氏は国会などで次のような図を見せて、
「EU(欧州連合)の平均買い取り価格は58円だ」
と主張した。
しかしこれは、実は【2009年の買い取り価格】だった。
欧州では2000年代に再エネバブルが起こり、買取価格が上がったが、リーマン・ショックでバブルが崩壊して価格が大幅に下がったのだ。
これは孫正義氏も知っていたはずだが、菅直人首相に直訴し、2012年12月に菅直人首相がトップダウンで事業用40円、住宅用42円という買い取り価格を決めた。
調達価格等算定委員会の委員長だった植田和弘氏(京大教授)は、
「諸外国との比較を行い、【施行後3年間は例外的に利潤を高める】」
と説明したが、その調達価格等算定委員会の資料には、2012年の買い取り価格はドイツの事業用(平地設置)で18.76ユーロセント(約20円)と書かれていた。
「諸外国との比較」
では、日本の買い取り価格は当時、世界一だったのだ。
日本でもメガソーラーなら当時でも20円以下だったが、それが2倍以上の価格で20年間全量買い取り保障され、リスクゼロなのだから、外資が大量に参入して数兆円の投資が行われた。
この時、書類審査による事業認定だけで買い取り価格が決まったため、認定されたが稼働できない物件が大量に発生し、それが今も平均36円の価格で買い取られている。
この買い取り価格と火力の価格の差が【再エネ賦課金】である。
バカ高い買い取り価格が付けられた結果、2030年までに累計44兆円の再エネ賦課金(=再エネ業者の超過利潤)を電力利用者は払わなければならない。
更に重大な問題は、自然エネ財団の孫正義会長が社長を務めるソフトバンクグループ(SBエナジー)が、再エネに数兆円の投資をして数千億円の利益を上げたことだ。
公益財団法人の認定基準として、
「社員、評議員、理事、監事、使用人その他の政令で定める当該法人の関係者に対し【特別の利益を与えない】ものであること」
という規定がある(公益法人認定法第5条の2)。
自然エネ財団のロビー活動はこれに違反する利益相反であり、公益法人認定を取り消すべきだ。

★利益相反(りえきそうはん)とは、信任を得て職務を行う地位にある人物(政治家、企業経営者、弁護士、医療関係者、研究者など)が立場上追求すべき利益・目的(利害関心)と、その人物が他にも有している立場や個人としての利益(利害関心)とが、競合ないしは相反している状態を言う。
このように利益が衝突している場合、地位が要求する義務を果たすのは難しくなる。
利益相反は、そこから非倫理的もしくは不適切な行為が行われなくても存在する。
利益相反は、本人やその地位に対する信頼を損なう不適切な様相を引き起こすことがある。
一定の利益相反行為は違法なものとして扱われ、法令上、規制対象となる。
また、法令上は規制対象となっていない場合でも、倫理上の問題となる場合があり得る。

■「河野の威を借る狐」
自然エネルギー財団(大林ミカ他)は2023年10月11日に、私の3つのX投稿(ツイート)が名誉棄損だとして、東京地裁に損害賠償訴訟を起こした。
これは
「再エネ詐欺の総本山が、この自然エネルギー財団」
「大林ミカは、政府の再エネタスクフォースで、激しく利益誘導をやっている」
「ここにも特捜のガサが入るだろう」
などと書いたものだ。
2022年には、私は秋本真利(まさとし)衆議院議員からも名誉棄損で訴訟を起こされた。
これも
「検察が捜査してるんじゃないか」
というツイートだったが、秋本真利氏は私の予言通り、2023年9月に東京地検特捜部に収賄の容疑で逮捕された。
ここで私が問題にしたのは、自然エネルギー財団だけではなく再エネTFの利益誘導である。
これは2020年10月に、菅義偉首相が
「2050年カーボンニュートラル」(温室効果ガス排出実質ゼロ)
を宣言した後、内閣府の規制改革担当大臣だった河野太郎氏が集めた
「私兵」
である。
根拠法もなく、人選は山田正人参事官(河野太郎の腹心)が友人を集めたものだ。
もちろん資格審査もしていないから、大林ミカのような活動家も紛れ込んでしまう。
しかも、再エネTFの4人の構成員(大林ミカ・高橋洋・川本明・原英史)のうち2人(大林ミカ・高橋洋)は自然エネ財団のメンバーという利害関係者であり、これは有識者会議というより再エネ業界のロビー団体である。
これは、国家を巻き込んで再エネ業者に数十兆円の利益を与えた。
再エネTFは所管外の経産省の有識者会議などに殴り込み、支離滅裂な利益誘導を繰り返した。
特に、2021年の総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会のエピソードは有名である。
再エネTFは、非化石証書について提言にこう書いた。
<現状では「非化石」価格にプラスの価格を付けて取引する一方で、化石燃料については、何らペナルティ(炭素排出等に対するマイナスの価値)が課せられていないため、【積極的に普及すべき再生可能エネルギーの利用が、逆に割高になってしまう】という弊害が生まれている>
これには総合資源エネルギー調査会のメンバーが驚いた。
非化石価値というのは、再エネで発電した
「グリーン電力」
に通常より高いプレミアムを付けて売る制度である。
企業はこの証明書を買えば
「当社の電力は再エネ100%です」
などと宣伝でき、再エネ業者も利益を得る。
ところが、再エネTFはこれを逆に理解して
「再エネが割高になってしまう」
と言うのだ。
これには総合資源エネルギー調査会の委員が激怒し、
「このような最低限の知識もない委員で構成されたような組織(再エネTF)が内閣府に存在していること自体がどうかと思う」
「行政改革の対象じゃないか」
とコメントした。
こんな素人集団が、経産省だけでなく総務省や農水省などの有識者会議で暴れ回り、露骨な利益誘導を繰り返し、電力業界は彼ら(再エネTF)を
「虎の威を借る狐」
と呼んで恐れた。
虎とは、もちろん河野太郎大臣である。
■停電寸前でも再稼働反対
2022年3月22日、東京電力の管内は大停電(ブッラクアウト)の一歩手前だった。
その最大の原因は、2022年3月17日の地震で東電と東北電力の火力発電所が停止し、出力が335万キロワット低下したことだが、もう1つの原因は2022年の【3月という時期】に地震が起こった起こったことだった。
冬の電力消費のピークの1月から2月には火力はフル稼働するが、3月は停止して補修点検する。
おまけに季節外れの大寒波で、130万キロワットの供給不足になる見通しだった。
このままでは大停電になるため
「電力逼迫情報」
が出され、揚水発電をフル稼働して連携線で電力を融通し、供給電圧の低め調整という危険な対策まで動員して電力需要を抑制し、大停電を免れた。
ところがこれについて、再エネTFは
「電力は足りているから原発再稼働は必要ない」
という提言を出して、電力関係者を驚かせた。
それによると、
「冬の最大需要は5380万キロワットだったので、3月の最大需要4840万キロワットを満たす供給力は存在していた」
から、原発再稼働や火力の増設は必要ないという。
これに対して、資源エネルギー庁が詳しく反論した。
2022年の3月は約1000万キロワットが定期補修に入っており、最大に稼働しても4500万キロワット程度が限度だった。
合計270万キロワットの柏崎刈羽6・7号機が動いていれば予備率は5%以上あり、大停電のリスクはなかった。
なぜ、再エネTFは原発再稼働に反対し、ギリギリの電力運用を求めるのか。
その最大の理由は、原発が動くと再エネが送電線に【タダ乗り】できなくなるからだ。
送電線は大手電力(旧一般電気事業者)が建設した私有財産だが、今は原発が動かせない大手電力の送電線を再エネ業者が借りて使っている。
しかし、原発が再稼働すると大手電力の送電が優先になるので、再エネ業者は自前の送電線を建設しないといけない。
だから原発再稼働に反対するのだ。
こういう再エネ業者のエゴイズムを提言と称して役所で発表し、マスコミに売り込んで
「電力は足りている」
などとデマを流す利益誘導が再エネTFの仕事である。
■河野氏のヒトラー的手法
3・11(2011年3月11日の東日本大震災)以降、民主党政権が国際相場の2倍で買い取らせたFIT(固定価格買取制度)と、違法に止めた原発によって日本経済は数十兆円のダメージを受け、今尚立ち直れない。
その原因は、民主党政権のエネルギー政策を経済産業省が利用し、電力自由化の懸案だった【発送電分離】を強行したからだ。
発送電分離は、電力会社の発電部門と送電部門を分離して競争させる改革で、英米では1990年代に行われたが、日本では東電の政治力が強いため分離できなかった。
ところが、原発事故の処理で経営破綻した東電が原子力損害賠償支援機構の傘下に入って、実質的に国有化された。
これは
「親会社」
になった経産省にとって千載一遇のチャンスだった。
原発が全て止まり、再エネの価格が世界最高になった状況で、エネ庁は無知な民主党政権を利用して火事場泥棒的に電力自由化を強行したのだ。
これは反原発・再エネ派にとっても大勝利だった。
発送電分離の下では、発電会社は供給責任を負わない。
燃料費のかからない再エネ業者は安い限界費用で卸電力市場(JEPX)に卸し、固定費を負担しない新電力はそれを仕入れて高い小売値で売って大儲けした。
河野太郎氏は
「再エネは原発より安くなった」
と主張して、発送電分離を進めた。
その結果、何が起こったか。
1日の内、太陽光発電が使えるのは3時間程度である。
残りの21時間は火力や原子力でバックアップしないといけないが、原子力は出力を変えられないので、火力が
「負荷追従」
して再エネの不足を補う。
条件の良い昼間には再エネの電力を全量買い取るので、火力は止めないといけない。
これによって火力の稼働率が落ちるので採算が悪化し、古い石炭火力が廃止される。
その結果、毎年のように電力不足が繰り返さるようになったのだ。
このような電力不足を防ぐために経産省が導入したのが、【容量市場】である。
これは簡単に言うと、古い火力が採算に合わなくなっても、それを廃止しないで温存する制度である。
具体的には、電力広域的運営推進機関(広域機関)が4年後に必要な発電容量を公募し、オークションで発電会社から買い取る。
ところが、再エネTFはこの容量市場に反対し、総合資源エネルギー調査会で執拗に反対意見を繰り返した。
これをけしかけたのは河野太郎氏で、2021年の第6次エネルギー基本計画が決まる時、エネ庁の責任者を内閣府に呼び付けて
「容量市場を凍結しろ」
と怒鳴り上げた。
この音声データが『週刊文春』に取り上げられて話題を呼んだ。
これほど河野太郎氏が容量市場に拘るのは、新電力が競争で不利になるからだ。
容量市場は古い火力の発電容量を買う制度だから、大手電力は自社の発電所の容量を売り、広域機関からそれを買うので、ほとんど純負債が発生しない。
それに対して、発電設備を持っていない新電力は広域機関に拠出金を払うので、1〜2割コスト増になる。
このため、大手電力との競争に負けるというのだ。
これは身勝手な理屈である。
容量市場は再エネのバックアップなのだから、そのコスト負担が嫌なら自前で発電設備を持てばいいのだ。
政府の方針が気に入ら似ないと、再エネTFのような
「突撃隊」
を使い、所管外の役所に法を超えて介入する河野太郎氏の手法は、ヒトラーが私的な軍事組織でワイマール共和国を破壊したのと同じである。
■中国の国益に奉仕する
私は、規制改革に反対しているのではない。
内閣府の規制改革推進会議にも協力したことがある。
しかし河野太郎氏と再エネTFがやっているのは、規制改革の私物化である。
例えば、2023年12月に規制改革推進会議の出した中間答申には、なぜか(参考)として再エネタスクフォース(TF)の実績が書かれている。
規制改革推進会議は内閣府が正式に設置した会議だが、再エネTFは法的根拠のない河野太郎氏の私兵である。
その報告が、なぜ規制改革推進会議の答申の中に紛れ込んでいるのか。
これについて国会で追及された内閣府は答えられなかった。
恐らく河野太郎が押し込んだのだろう。
中国との関係についても、自然エネ財団の説明は不自然である。
大林ミカ氏の資料に入っていたロゴは、大林ミカ氏が国家電網公司の内部文書を使って資料を書いたことを示している。
国家電網公司は自然エネ財団を使って情報操作すると同時に、内閣府の機密情報を入手していたのではないか。
特に、アジアスーパーグリッドは危険である。
ウクライナ戦争でロシアと欧州を結ぶ天然ガスのパイプライン
「ノルドストリーム」
が遮断され、ドイツ経済が危機に陥った。
これは、ドイツのメルケル首相が
「ロシアとの相互依存で欧州の平和を守る」
という構想で実現したものだが、相互依存はリスクの原因ともなる。
もし中国と日本の電力網が一体化したら、台湾有事の際に中国が日本への送電を止め、大停電に追い込むこともできる。
不安定な再エネを増やし、火力や原子力を廃止すると、有事の際には電力供給ができなくなる。
そういう状況に日本を追い込もうとしている再エネTFの活動は、中国の国益に沿っている。
再エネTFが理想とするドイツは、パイプラインの遮断でエネルギー価格が暴騰し、経済が破綻して成長率がマイナスになった。
日本の太陽光パネルの70%以上は中国製であり、40兆円以上の再エネ賦課金は中国への資金援助のようなものだ。
新電力にも上海電力など多くの中国資本が入っており、有事の際には中国共産党が日本国内の中国系新電力に電力供給を止めるよう指令できる。
エネルギーは経済安全保障のコアである。
河野太郎氏と孫正義氏(自然エネ財団)と再エネTFは、再エネを全国に拡大して火力を廃止に追い込み、日本のエネルギーを脆弱化して中国の支配下に置くことに貢献している。
河野太郎氏と孫正義氏(自然エネ財団)と再エネTFが中国の工作員かどうかは分からないが、結果的に中国の国益に奉仕していることは間違いない。
この問題について内閣府は調査中だが、その調査を行うのが疑惑の張本人の河野太郎大臣では、調査結果は信用できない。
電取委(電力・ガス取引監視等委員会)などの第3者が、この4年間の再エネTFと自然エネ財団の活動家である大林ミカ氏の身辺調査については、公安警察などの協力も必要である。

★負荷追従運転
需要家による電力消費量(発電システム側にとっての負荷)は常に変動しつつあるため、短時間での負荷変動に対応した出力調整運転を特定の発電所において行うことをいう。
1日の負荷変動を表す日負荷曲線は季節、曜日、気象条件等に応じて一定のパターンを持ち、どの負荷水準まではどの発電所で対応するか、また負荷の変化に対してどの発電所がどの程度対応するかは予め決められている。
我が国では原子力発電は負荷の変動に関係なく一定の出力で運転されており、負荷変動に追従するためには短時間での出力制御が容易な火力発電が用いられている。
ただし、原子力発電でも技術的に負荷追従運転は可能であり、原子力発電比率が発電全体の80%近くを占めるフランスでは、実際に多数の原子力発電所において日常的に負荷追従運転が行われている。

河野太郎 日本の電力が中国に握られる
”将来の総理候補”を取り巻く「再エネ推進ネットワーク」の闇を暴く
WiLL2024年6月号
ジャーナリスト 櫻井よしこ
産業遺産情報センター・センター長 加藤康子
■説明責任を果たせ
★櫻井
中国の浸透がここまで進んでいたのかと驚愕しました。
”中国企業ロゴ問題”です。
再生可能エネルギーを巡る内閣府のタスクフォース(TF)に、中国の国営電力会社
「国家電網公司」
のロゴマークが入った資料が提出されていました。
TFを主導したのは河野太郎デジタル担当相、資料を提出したのは
「自然エネルギー財団」
事務局長の大林ミカ氏です。
大林ミカ氏は河野太郎氏の推薦により、TFのメンバーになった。
国家の根幹に関わるエネルギー政策を議論する政府中枢にも、中国は影響を及ぼしていたわけです。
★加藤
大林ミカ氏は会見を開き、
「パソコンの操作ミス」
と釈明。
TFメンバーを辞任しました。
★櫻井
「パソコンの操作ミス」
で終わる問題でも、大林ミカ氏辞任という”トカゲの尻尾切り”で済む問題でもないと思います。
★加藤
河野太郎氏は国会で、
「(ロゴは)現時点でウイルスであったり、何か有害な要素があったりするということではない」
と弁明した。
しかし、これは論点の掏(す)り替えです。
大林ミカ氏とは一体どんな人物なのか。
中国とはどんな関係なのか。
河野太郎氏はなぜ大林ミカ氏をTF入りさせたのか。
河野太郎大臣と自然エネルギー財団の目的は何なのか。
説明責任を果たしていません。
★櫻井
自然エネルギー財団は2011年、孫正義氏によって創設されたと、財団のホームページなどに書かれています。
同財団が目指しているのが、
「アジアスーパーグリッド(ASG)」
に他ならない。
ASGとは何か。
中国、韓国、台湾、インド、モンゴル、東南アジア、ロシア・・・。
アジアのほぼ全域に、3万6000kmの送電網を張り巡らせ、各国間で太陽光や風力などの再生可能エネルギー(以下、再エネ)の相互運用を進めるというものです。
■首根っこを押さえられる
★加藤
ASGを更に発展させた国際送電網の構築を目指しているのが、中国の非営利団体
「グローバル・エネルギー・インターコネクション発展協力機構(GEIDCO)」。
”電力版一帯一路”と考えてもらって構わない。
2016年に設立された際、自然エネルギー財団は理事会に加わりました。
GEIDCOの会長には中国国家電網公司の劉振亜会長(当時)が、副会長には孫正義氏が就任している。
★櫻井
ASGを主導しているのは、紛れもなく中国です。
そこに日本が参加すれば、エネルギー供給の安定を中国に依存することになる。
国家の首根っこを押さえられるに等しい。
★加藤
生殺与奪の権を中国に握らせることになります。
電気や水などのインフラは絶対に自前で賄わなければならない。
★櫻井
欧州でも、国境を越えて電気をシェアする動きが見られます。
しかし、その範囲は価値観を共有する国に限定しなければならない。
北方領土を不法に奪い取ったままのロシア、尖閣諸島を奪おうとしている中国などあり得ません。
★加藤
脱原発と再エネ導入を進めたドイツは、
「ノルドストリーム」
から輸送されるロシアの天然ガスに依存していました。
そんな中、ロシアが天然ガス供給を止めると、ドイツの経済と国民生活はたちまち大混乱に陥りました。
ドイツは電力が足りない時はフランスから原子力を輸入していますが、ロシアのウクライナ侵攻以降、家庭用電気料金は日本の2倍にもなりました。
エネルギー政策の転換を迫られています。
★櫻井
軍事の専門家たちは口を揃えて、台湾有事がいつ起こってもおかしくないと語っています。
ASGは
「再エネ版ノルドストリーム」
のようなものです。
台湾侵攻に踏み切ると同時に、中国が日本への電力供給を止めるー。
そんなシナリオも考えられます。
■”所管外”に口を出す
★櫻井
問題となったTFは4人のメンバーから構成されています。
大林ミカ氏の他に、高橋洋氏も自然エネルギー財団の特任研究員という肩書を持っています。
★加藤
河野太郎氏は外相時代の2018年、外務省に
「気候変動に関する有識者会議」
を設置しました。
9人いた有識者のうち、3人が自然エネルギー財団の関係者でした。
大林ミカ氏、高橋洋氏、同財団副理事長の末吉竹二郎氏です。
有識者会議では、化石燃料の中止や再エネの推進が議論されていました。
★櫻井
人選が明らかに偏っています。
有識者会議が提出する報告書に法的拘束力はない。
しかし、著名な政治家が主宰する会議の結論は自ずと大きな影響力を有します。
河野太郎氏はなぜ自然エネルギー財団の関係者を重用するのか。
再エネをなぜ異様に推進しているのか。
化石燃料の否定は日本の国益にどう合致するのか。
様々な疑念が残ります。
★加藤
GEIDCOの総会資料には、日本の役割として
「アジアのインフラ開発を促進するために、政府開発援助(ODA)による財政的・技術的支援を強化する」
という文言が記されている。
資料が作成されたのは2018年、当時の外相は河野太郎氏です。
総会には孫正義氏もビデオメッセージを送っている。
★櫻井
”電力版一帯一路”を実現するために、日本からODAを引き出そうと企んでいるのでしょうか。
★加藤
外務省に確認したところ、モンゴルの風力発電にはODAが使われているそうです。
外務省としては、それが”電力版一帯一路”に組み込まれているかどうかは認識していない。
★櫻井
外務省にそのつもりがなくても、結果的に中国の野望を助けることになる可能性があります。
★加藤
北海道や九州には再エネ発電施設が多い。
日本政府は今、電力の生産地と東京などの消費地を結ぶ送電網を強化しようとしている。
北海道と東京を繋ぐルートには、1兆5000億円もの予算が充てられる予定です。
九州と中国地方を繋ぐ送電網も、4000億円ほどで増強される。
事業者の選定は入札により行われるので、外国企業が参入する恐れがあります。
日本国内にとどまらず、大陸にも送電網を伸ばすなどと言い出しかねない。
自然エネルギー財団のホームページによると、東京電力も中国国家電網と毎年、人的交流を行っているそうです。
■神奈川グループの暗躍
★櫻井
河野太郎氏は防衛相時代、自衛隊施設の電力を再エネで賄うという方針を決めました。
全国にある969施設のうち、50施設で再エネの調達が可能となっている。
電力調達の再エネ比率が100%の施設も36あります。
★加藤
山口県の防府北基地はタイのエネルギー企業
「バンプーグループ」
の子会社と電力供給契約を結んでいる。
バンプーグループは中国とのビジネス契約が強い。
電力使用量を把握することで、自衛隊の動きも推測できます。
国防の要となる自衛隊基地の電力供給を不安定な再エネ、しかも外資に頼るのは安全保障上の問題がある。
★櫻井
防衛相、外相、デジタル担当相・・・。
河野太郎氏はどのポジションに就いても、常に再エネ推進の立場から影響力を行使しようとする。
”所管外”なのに口を出したがりますね。
★加藤
河野太郎氏にとっては反原発と再エネ推進が1丁目1番地。
政治家としての絶対的な使命なのかもしれない。
★櫻井
河野太郎氏の他に、菅義偉元総理、小泉進次郎氏らも再エネ推進に熱心です。
菅義偉元総理は神奈川県を地盤とする河野太郎氏、小泉進次郎氏を将来の首相候補に育てようとしているのでしょう。
★加藤
菅義偉政権時代、河野太郎氏(規制改革担当相)と小泉進次郎氏(環境相)が再エネ推進の実働部隊となりました。
菅義偉総理は首相就任後の所信表明演説において、2050年までに
「カーボン・ニュートラル」、
つまりCO2排出ゼロを目指すと表明した(2020年10月)。
政府はその目標を達成するための
「グリーン成長戦略」
を公表(2020年12月)。
その後、小泉進次郎氏が
「おぼろげながら浮かんできた」
という”迷言”と共に、2030年までにCO2排出量を46%削減すると言い放った(2021年4月)。
間もなくして、菅義偉政権は
「規制改革実施計画」
を閣議決定(2021年6月)。
自然公園や砂防指定地にも再エネ発電施設の建設を認める方針などは、河野太郎氏が設置したTFの主張を丸呑みしたものです。
大林ミカ氏は当時もTFのメンバーでした。
★櫻井
最終的に、第6次エネルギー基本計画(エネ基)が公表されました(2021年10月)。
第5次エネ基では、2030年の総発電量に占める再エネの割合は22〜24%でした。
第6次エネ基では、その数字が36〜38%と大幅に引き上げられました。
■そもそも日本に向いていない
★櫻井
再エネには発電量のコントロールなど弱点があります。
それを補うために研究開発を続けるのは構いません。
しかし、原発を稼働させなければ日本の産業は衰退の一途を辿ること、国民生活に重い負担を掛けることも同時に認識すべきです。
「カーボンニュートラル」
を達成したいのであれば、CO2を排出しない原子力を活用しなければならない。
★加藤
太陽光が災害に弱いことも指摘しておきたい。
能登半島地震では、19カ所の太陽光パネルが破損、崩壊していることが発覚しました。
太陽光パネルは壊れても尚、発電を続けるので危険です。
ここ最近でも、鹿児島県伊佐市のメガソーラーで火災が発生しました(2024年3月27日)。
その際は消防隊員4人が負傷、鎮火に20時間以上を要した。
宮城県仙台市青葉区でもメガソーラーが発火。
鎮火に35台の消防車が出動した(2024年4月15日)。
日本は現在、国土面積当たりの太陽光発電量で世界一ですが、自然災害の多い日本はそもそも再エネ導入に不向きなのです。
事業者の責任問題も曖昧になっています。
能登半島においても、事業者が被災したメガソーラーに責任を取らない事態が起こっている。
ソーラーパネルによっては鉛、ヒ素、カドミウム、セレンなどの有害物質が検出されています。
環境破壊に繋がるだけでなく、産業廃棄物となり、壊れても発電する上に、人体に悪影響を及ぼしかねない危険も孕んでいる。
■元凶は菅直人と孫正義
★櫻井
福島第1原発の事故後、民主党政権は原発停止に踏み切りました。
不足した電力供給を補うために、海外から天然ガスなどを輸入。
火力発電で穴埋めしましたが、燃料の調達コストは数十兆円にも上ります。
ウクライナ戦争によるエネルギー価格高騰で、我が国の電気料金は更に上昇している。
★加藤
再エネ賦課金も国民生活に重くのしかかっています。
元凶は民主党政権。
菅直人元総理が2011年、再エネの固定価格買取制度(FIT)を導入した。
★櫻井
風力発電や太陽光発電の事業者がFITの認可を得られれば、生み出した電気を20年に渡り固定価格で買い取ってもらえます。
買い取るのは電力会社ですが、そのコストは各家庭の電気料金に上乗せされる。
国民がツケを支払わせられる一方、再エネ事業者は高収益が保証される仕組みです。
★加藤
再エネ賦課金は今年2024年5月、1.4円から3.49円/キロワット時に引き上げられます。
1カ月の電力使用量が1世帯当たり月400キロワット時だとすれば、1年間で1万円から1万7000円の再エネ賦課金の値上げとなり、電気料金に加算されます。
これは今年2024年に限ったことではない。
毎年、再エネにどんどん認可が下りているので、国民の負担は今後更に増えていくでしょう。
国民がこの負担に耐えられるのかは疑問です。
★櫻井
FITがスタートした2012年、再エネの売電単価は事業用が40円、住宅用が42円でした。
この数字は他国と比べても2倍、一時は3倍ほど高かった。
菅直人総理の決定を称賛していたのが孫正義氏です。
FITの枠組みを決める際、孫正義氏が暗躍していたとも言われている。
その後、孫正義氏は再エネビジネスでも大儲けしています。
利益誘導を疑われても仕方がありません。
★加藤
経済産業省に置かれた
「調達価格等算定委員会」
が、FITの売電単価や再エネ賦課金の価格を議論しています。
2012年3月、経済学者の植田和弘氏(京都大学名誉教授)が委員長に就任。
植田和弘氏は2017年まで委員長を務めた。
注目すべきは、植田和弘氏が2013年8月に自然エネルギー財団の理事になっていること。
★櫻井
冒頭の”中国企業ロゴ問題”に繋がりましたね。
■絶対に総理にしてはならない
★加藤
植田和弘氏がいた京都大学では、
「再生可能エネルギー経済学」
という日本風力開発の子会社の寄附講座が設置されていた。
担当の特任教授は山家公雄氏。
山家公雄氏は日本風力開発の子会社役員でもあった。
★櫻井
日本風力開発と言えば、衆院議員の秋本真利氏との”贈収賄”が思い出されます。
秋本真利氏は洋上風力を巡り、日本風力開発の創業者から賄賂を受け取っていた。
秋本真利氏は逮捕され、自民党を離党しています。
★加藤
秋本真利氏が国会議員になったきっかけは河野太郎氏との出会いです。
秋本真利氏は地方議員時代、大学院に通っていた。
大学院に特別講師としてやってきたのが河野太郎氏。
その時、河野太郎氏から国会議員になるように勧められたと自ら語っています。
国政進出を果たした後、秋本真利氏は自民党内における反原発の急先鋒として名を馳せた。
河野太郎氏も
「自民党一番の脱原発男」
と称賛しています。
★櫻井
再エネを巡る怪しい動きや人物について調べると、なぜか河野太郎氏に辿り着くことが多い。
★加藤
真野秀太氏という人物がいます。
真野秀太氏は
「日本気候リーダーズ・パートナーシップ」
なる組織の副代表を務めている。
真野秀太氏のプロフィールを調べると、
「自然エネルギー財団を経て、SBエナジー株式会社にて再生可能エネルギー発電事業に携わる」
とある。
SBエナジーは現在
「テラスエナジー」
に改称していますが、かつてはソフトバンクグループの完全子会社でした。
驚くべきは、真野秀太氏には
「河野太郎代議士秘書」
という肩書もあったことです。
一体全体、河野太郎氏の周辺では何が起きているのか。
★櫻井
河野太郎氏についてはファミリー企業
「日本端子」
を巡る問題も燻っています。
★加藤
日本端子の大株主は父・洋平氏で、太郎氏も株を所有している。
1995年の北京事務所開設を皮切りに、中国各地に事業所を展開しています。
★櫻井
河野太郎氏の危うさをいち早く見抜いていた人物がいます。
安倍晋三元総理に他なりません。
2021年の自民党総裁選において、安倍晋三元総理は高市早苗氏を推しました。
その背景には”河野太郎だけは絶対に総理にしてはならない”という危機感があったはずです。
★加藤
安倍晋三元総理は、党員に人気がある河野太郎氏を警戒していた。
反原発の急先鋒である河野太郎氏が総理に就任すると、偏ったエネルギー政策を推進する恐れがあります。
日本経済を危うくするのではないかと危惧されていました。
保守派の支持を高市早苗氏に集め、決選投票で高市早苗票と岸田文雄票を合算すれば、河野太郎氏に勝てるのではないかという戦略です。
その読みは見事に的中。
河野太郎氏は総理・総裁の座を逃した。
日本が救われた瞬間です。
■自動車産業を追い出すのか
★加藤
小泉進次郎氏の言動にも注意が必要です。
小泉進次郎氏も河野太郎氏と同様、再エネに熱心な政治家の1人。
小泉進次郎氏は電気自動車(EV)推進の発言も目立ちますね。
★櫻井
菅義偉政権の
「カーボンニュートラル宣言」
により、日本政府は2035年までにガソリン車の販売終了を目指しています。
★加藤
今年2024年2月、
「ゼロエミッションフォーラム」
というイベントが開催されました。
小泉進次郎氏はそこで、
「全国1700の自治体にEVを配ろう」
などと提案していた。
★櫻井
ウクライナ戦争などを契機に、欧米は再エネの限界に気付きました。
補助金を付けてもEVは消費者から敬遠されています。
各国が掲げたEV普及率の目標達成は程遠い。
欧米ではエネルギー政策、EV普及政策の見直しが進められています。
★加藤
ドイツの国営放送DWが先日、
「EV時代の終焉」
という番組を流しました。
再エネEVを牽引してきたあのドイツでもEVは凋落傾向にある。
隔世の感(変化が激しく、まるで世代が変わってしまったような感じ)を禁じ得ません。
★櫻井
ドイツ政府はEVへの補助金を前倒しで停止しました。
中国はEVで最先端を走っていましたが、大手の非亜油(BYD)さえも方向転換。
ハイブリッド車などに注力しています。
そんな中、なぜか日本政府には補助金を止める気配さえありません。
ひたすらEV推進の道を突き進んでいる。
世界で起きていることを理解しているのかと疑います。
世界の潮流に取り残されようとしているのです。
★加藤
EV開発に力を入れるのは構いません。
しかし、今の政策はやり過ぎです。
世界はEVの購入補助金を廃止する方向に動いている。
これだけ補助金を投じても、世界の自動車市場の9割が内燃機関(エンジン車)。
欧州におけるEVの普及率は15%ですが、日本がお得意とする北米では6%弱、日本では2%に及びません。
世界の新車販売台数は8600万台。
その約3割に当たる2600万台強が日本メーカーの車で、そのほとんどがエンジン車です。
エンジン車を後10年で廃止するとなれば、倒産を余儀なくされる企業が出てきます。
メーカー各社は製造ラインの設計やエンジン開発に10年単位の時間をかけている。
政治家の一言が、技術者のモノ作りに懸ける情熱を台無しにしてしまうのです。
★櫻井
日本はモノ作りの国です。
製造業なくして日本経済の繁栄はあり得なかった。
自動車産業を潰した後、一体誰が経済を支えていくのか。
★加藤
製造業はGDP(国内総生産)の2割に当たる。
製造業における設備投資の26%、研究開発費の30%は自動車産業が占めています。
日本の基幹産業であり、外貨の稼ぎ頭でもあるのです。
自動車産業なくして、日本経済は立ちゆきません。
その産業構造を破壊して国外に追いやるという発想が理解出来ない。
”経済弱体化政策”に他ならない。
★櫻井
雇用にも影響するでしょうね。
日本国内において、自動車産業に従事するのは約550万人、
労働人口の約10%を占めている。
そのうち、製造に関わるのは約90万人です。
★加藤
その多くは大手メーカーではなく、協力会社の部品工場などで働き、地域経済を支えている人たちです。
日経平均株価がバブル期を超え、一部の投資家たちは浮かれています。
しかし、日本経済を支えているのは投資家ではない。
生産設備なのです。
エンジン車は3万点の部品を必要としますが、EVはエンジン車よりも構造が単純なので部品数も少ない。
EVの製造コストの4割を占めるのは電池ですが、電池は原材料と精製過程における圧倒的なシェアを中国が握っている。
EVが普及すれば、中国が自動車覇権を握る仕掛けになっているのです。
急速なEV化を進めれば、内燃機関やトランスミッションなどの日本が得意とする部品を供給する会社は経営が厳しくなる。
100万人が路頭に迷う可能性すらあります。
■怪しい知事たち
★加藤
政治家は製造業を軽視する傾向があるのでしょうか。
静岡県知事の川勝平太氏による、新入職員入庁式での”職業差別”発言です(2024年4月1日)。
「県庁というのは別の言葉でいうとシンクタンクです」
「毎日、毎日、野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたりとか、あるいはモノを作ったりとかということと違って、基本的に皆様方は頭脳・知性の高い方たちです」
「ですから、それを磨く必要がありますね。」
食卓を支える農業、経済の根幹たる生産者を完全に見下しています。
しかし、川勝平太氏や県庁職員の給料は、農家や製造業従事者が納めた税金から払われている。
一体何様のつもりか。
★櫻井
失言がメディアに報じられると、川勝平太氏は辞意を表明しました(2024年4月2日)。
川勝平太氏は辞任の理由について、
「一番大きかった理由はリニア」
と説明した。
JR東海がリニア中央新幹線の2027年開業を断念したから、もう目的を達成したと言わんばかりです。
★加藤
川勝平太氏は静岡工区の南アルプストンネル工事を頑なに認めなかった。
その結果、リニア開業は2034年以降に遅れるとも報じられています。
★櫻井
川勝平太氏が国家的プロジェクトを止めたことによる損失は何十兆円、何百兆円にも達するでしょう。
日本は世界に先駆けてリニアを開通させる予定でした。
ところが、川勝平太氏が大井川の”命の水”云々と言って、理由にもならない理由で工事を許さなかった。
リニア開業が遅れることで利益を得るのは中国です。
中国が日本より先にリニアを開業させれば、中国がリニア技術を世界各国に売り込むことができます。
私は学者としての川勝平太氏を尊敬していました。
『文明の海洋史観』
も名著です。
しかし、静岡県知事になってからは国益を見失ってしまったように思います。
日本ではなく、中国共産党のために働いていたとしか考えられない。
日本国民への裏切りに他なりません。
★加藤
”国益を蔑ろにする知事”と言えば、東京都知事の小池百合子氏です。
小池百合子氏はカイロ大学卒業を巡り、かねて”学歴詐称”が疑われている。
『文藝春秋』(2024年5月号)では、小池百合子氏の元側近が新たな告発を行いました。
★櫻井
4年前の2020年、石井妙子氏の『女帝小池百合子』が文藝春秋から刊行されました。
その時も小池百合子氏の”学歴詐称”疑惑が騒がれました。
当時は何とか切り抜けましたが、今回は疑惑を打ち消す工作をした人の告白です。
告白が真実なら、小池百合子氏は学歴を詐称しただけにとどまらず、偽文書を作ったことになります。
★加藤
小池百合子氏も河野太郎氏と同様、再エネやEVを推進していますね。
小池百合子都政の下、新築戸建て住宅などに太陽光パネルの設置を義務付ける条例が制定された。
その背景にも自然エネルギー財団の影が見え隠れします。
東京都参与に、元東京都環境局の大野輝之氏という人物がいますが、大野輝之氏は自然エネルギー財団の常務理事でもある。
大野輝之氏は小池百合子都政が掲げる”ゼロエミッション東京”というメッセージを絶賛。
太陽光パネル義務化やディーゼル車規制のブレーンとも言われています。
■”外圧”でしか変わらない
★櫻井
再エネを巡り、国際社会は大きな揺り戻しの只中にあります。
2050年までにCO2排出ゼロを達成することで、気温上昇を1.5℃までに抑えるとしたパリ協定への姿勢が変化している。
その趨勢を決定付けるのが、2024年11月に控えるアメリカ大統領選挙です。
トランプ政権はかつてパリ協定から離脱しました。
トランプ氏が復活すれば、アメリカはバイデン政権の環境重視政策から脱却するのではないか。
★加藤
トランプ氏が大統領に就任したら、最初に手を付けるだろうとされているのが、バイデン政権のEV振興策の廃止です。
環境エネルギー部門ではビベック・ラマスワミ氏の閣僚起用を検討している。
ラマスワミ氏はインド系の実業家で、共和党の大統領候補者指名争いにも参加していました。
ラマスワミ氏が環境・エネルギー政策を担当すれば、アメリカは劇的に変わるでしょう。
ラマスワミ氏は民主党が重視する
「WOKE資本主義」
からの離脱を主張しています。
WOKEとは、LGBTの権利保護、ジェンダー平等や昆虫食などの”意識高い系”を指す。
ラマスワミ氏はESG(「Environmental(環境)」「Social(社会)」「Governance(ガバナンス)」の頭文字を取ったもので、これらの要素を考慮した企業経営や投資活動)、SDGs(持続可能な開発目標、『英語: Sustainable Development Goals、略称: SDGs(エスディージーズ)』)は、2015年9月25日に国連総会で採択された、持続可能な開発のための17の国際目標)、EVの欺瞞も著書で鋭く批判している。
アメリカではロシアのウクライナ侵攻以降、数多くのESGファンドが破綻したことから、”反ESG”旋風が巻き起こっている。
それまでは環境や社会に配慮する企業への投資が推奨されていましたが、その流れが変わりつつあります。
気候変動の国際的枠組みにはウォール街の主要機関が参画、企業活動を監視していました。
23州の司法長官がそれを反トラスト法に違反していると判断したのです。
更に18の州では、ESG投資による年金運用が禁止となりました。
その結果、ウォール街の投資家たちはESG銘柄を売り払う方向に舵を切っています。
★櫻井
日本は良くも悪くも”外圧”で変わる国です。
アメリカの政策転換は日本にも変化をもたらす可能性が高い。
★加藤
アメリカ大統領選は激戦州の動向が鍵となります。
例えばミシガン州は前回、バイデン氏が勝利した。
しかし、メディアの支持率調査では、今のところトランプ氏が10ポイントほどリードしている。
ミシガン州は自動車部品メーカーが多い。
自動車部品メーカーの多くはこれまで民主党を支持してきましたが、今回はトランプ氏に票を入れるでしょうね。
エンジン車の産業構造を破壊するバイデン氏に嫌気が差しているのです。
★櫻井
パリ協定は既に破綻しています。
世界の潮流を見誤り、国力を衰退させるような事態は絶対に避けなければなりません。
再エネへの巨額投資は産業界と国民に大きな負担をかけます。
ひいては主要産業の海外流出を招き、経済成長を止めてしまう。
★加藤
エネルギー安全保障という国益のためにも、再エネ推進派の行き過ぎた政策に目を光らせておく必要があります。
再エネ議連は自民党内で大きな政治力がある。
特に河野太郎氏や小泉進次郎氏らはその中心にあり、後ろ盾となっているのが菅義偉元総理です。
★櫻井
まずは”中国企業ロゴ問題”について、説明責任を果たしてもらいましょう。
”再エネの闇”に切り込むための第一歩です。

岸田政権が”しれっと”進めるステルス増税の山
こっそり、分かりづらく国民を苦しめている
WiLL2024年6月号 シンガーソングキャスター saya
■再エネ賦課金の闇
2024年4月使用分から
「再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)」
が1.40円/kWhから、3.49円/kWhに値上がりします。
月400キロワット使用する標準的な家庭で計算すると、これまで1家当たり年間6000円程度だったのが、一気に倍以上の1万6000円程度値上がりします。
5、6月は比較的過ごしやすい気候のため、エアコンを使うことは、ほぼありませんが、本格的な暑さが襲う7、8、9月の電気料金には注意が必要です。
そもそも、
「再エネ賦課金」
とは、再生可能エネルギー普及のため、電気代に上乗せして徴収されている課金のことであり、
「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)」
に基づいて誕生しました。
電力会社が、再生可能エネルギー電気の買い取りに要した費用を我々利用者に転嫁させる制度で、2012年に当時の菅直人政権で導入されました。
なぜ、こんな事になるのか。
分かり易く言えば、再生可能エネルギー(主に太陽光発電事業者)の利益、売上のために全国民が高い電気料金(再エネ賦課金)を負担させられているわけです。
再エネ賦課金は岸田政権で成立した制度ではないので、岸田総理のみを責めるのは酷ですが、再エネ賦課金の廃止や見直しを検討するならまだしも、更に引き上げたことは批判されて当然です。
これは税金ではありませんが、賦課金という形で国民から徴収されており、庶民からすれば税金と何ら変わりはありません。
加えて電気を使わない家庭など、ほぼありませんから、全国民が強制的に太陽光発電事業者の”養分”になっているのです。
太陽光発電事業者側に立てば、発電した電気を固定価格で100%買い取ってくれる制度なので、売り上げが100%保証される何ともオイシイ仕組みであり、その売り上げの負担を全国民が負うという悪魔じみたものです。
この制度がある限り、震災や原発事故を理由に綺麗事で参入してくる事業者が増えるでしょう。
また、太陽光パネルの製造業者は、ほとんどが中国であり、国内業者は淘汰され、中国企業が幅を利かせています。
例えば、トリナ・ソーラー(中国企業)は業務実績として、日本各地に設置した太陽光パネルの航空写真を堂々とホームページに掲げています。
再エネ賦課金制度とは、極端に言えば、中国に”貢ぐ”システムなのです。
また、太陽光発電用の多結晶シリコンの80%は中国製で、その半分以上が強制労働を強いられているウイグル人の住む新疆ウイグル自治区で生産されており、ジェノサイド(集団殺害)に加担することにもなります。
環境省が当初試算したデータによると再エネ賦課金の推移は2030年にようやく一番高値の2.95円/kWhになる想定であったにもかかわらず、2019年時点で既に2.95円/kWhとなり、2022年には3.45円/kWhにもなり、平気で嘘を付き、値上げラッシュ。
再エネ賦課金は今や、政府の試算データや報告書ですら嘘を付く何でもありの状態です。
少子化対策用の健康保険料の上乗せ分も月平均500円、ワンコインだっただと試算を出し、その僅か2週間後には年収によって倍以上の金額に。
しかも毎年増額されるなどと掌返しする政府です。
最初は国民負担が少額だから問題ないといった説明をしていても、あれよあれよと値上がりし、気が付けば恐ろしい金額になり、あっという間に重税国家になってしまうことは目に見えています。

河野太郎を「精密検査」する
Hanada2024年6月号 福井県立大学名誉教授 島田洋一
■「河野グレタ郎」でブロック
「政治家河野太郎」
の最大の問題点は、その頑なな脱炭素・反原発イデオロギーによって、日本のエネルギー基盤を破壊し、日本社会を滅亡に追い込みかねない所にある。
河野太郎氏が野党の議員なら実害は小さい。
ところが、LGBTイデオロギーの稲田朋美議員同様、政府与党の中にいて、政策を動かし得る立場にあるため、非常に危険な存在となっている。
ところで御多分に洩れず、私も河野太郎氏のX(旧ツイッター)からブロックされている。
エネルギー問題を中心に河野太郎氏の政治姿勢を批判しつつ、
「河野グレタ郎」
と呼んだのが理由らしい。
河野太郎氏自身、著書『日本を前に進める』(2021年)で、
「グレタ・トゥーンベリさんの登場等によって気候危機に多くの関心が集まっている」
と反炭素活動家グレタさんへの尊崇の念を記しているので、このニックネームを喜んでも不思議はないと思うのだが。
一般人ならともかく、大臣を歴任し、首相を狙おうかという政治家が、
「グレタ郎」
程度の揶揄に我慢できずブロックするとは狭量に過ぎるだろう。
私は少なからぬ政治家のXを批判的に引用リポストしているが、河野太郎氏ほど神経過敏な反応を示した例はない。
さて河野太郎氏は前記著書におて、外相時代に国際再生可能エネルギー機関(IRENA)総会で(2018年1月)行ったという演説を数ページに渡って紹介している。
官僚が用意した原稿を全面的に書き直させたという。
よほど胸を張りたい内容なのだろう。
河野太郎氏の認識、基本姿勢がよく分かる。
長いので部分的にカットしつつ、引いておく。
「今、私たちは新しい時代を迎えています」
「再生可能エネルギーの時代です」
「・・・皆さんは、再生可能エネルギーの導入では世界から大きく遅れている日本の外務大臣が何を言うか、とお思いかも知れません」
「私も、日本国内の再生可能エネルギーを巡る現在の状況は嘆かわしいと思います」
「再生可能エネルギーの劇的な価格下落や気候変動問題が脱炭素化を不可避にしている世界の趨勢から目を背け、変化を恐れて現状維持を優先した結果、日本の再生可能エネルギーの電源割合目標は2030年で22〜24%という大変低い数字にとどまっています」
「・・・これまでの日本の失敗は、世界の動きを正しく理解せず、短期的なその場しのぎの対応を続けてきた結果です」
「・・・かように現在の日本の現状は嘆かわしいものですが、しかし、私は今日、このIRENA総会の場で、今後、日本は新しい思考で再生可能エネルギー外交を展開し、世界の動きを正しく理解し、長期的視野に立った一貫した対応を取っていくことを宣言したいと思います」
脱炭素化運動を
「世界の趨勢」
と信じ込み、異論を一顧だにせず、
「バスに乗り遅れるな」
とのめり込む姿勢が顕著である。
この演説が行われた当時(2018年1月)、自由世界の中心をなすアメリカの有権者は、脱炭素原理主義を排する共和党トランプ政権を選んでいたが、それは
「趨勢」
に入らないらしい。
「人間活動による地球温暖化」
を所与とする前民主党オバマ政権の立場は非科学的で、米企業の競争力を不必要に弱めるとして退け、テクノロジー開発を通じたエネルギーの効率利用を無理なく進めるのが正解との立場を採っていた(ちなみに国際エネルギー機関によれば、トランプ時代のアメリカは炭素の排出削減量で世界1位。「トランプは炭素を撒き散らした」はファクトではない)。
河野演説が言う
「世界の趨勢」
は、当時も今も
「リベラル・インテリ世界の趨勢」
に過ぎない。
アメリカはじめ、現に展開されている複雑な動きを素直に見据えたものではなかった。
今やヨーロッパ諸国でも、脱炭素への行き過ぎた傾斜への反省が語られ、
「電気自動車(EV)への移行」
等にも急速にブレーキが掛かっている。
2025年以降、アメリカが再びトランプ政権となれば、一層はっきりとした
「趨勢」
となるだろう。
原子力発電が再評価され、アメリカは、ウイグル人の強制労働を用いていることを理由に、中国製太陽光パネルの全面禁止を決めた。
河野太郎理論は到底、
「世界の動きを正しく理解し、長期的視野に立った」
ものではない。
非常に視野の狭い独善と言えるだろう。
政府が河野路線を撮り続けるなら(河野太郎氏を「軍師」とした菅義偉政権以来そうなっている)、日本は潮が引く中、岸辺に取り残された魚のように、1人干上がることになろう。
■一族会社と中国共産党
河野太郎氏は上記演説と並行して、外相の諮問機関
「気候変動に関する有識者会合」
を立ち上げている。
そのメンバーの1人が、脱炭素・反原発を掲げる自然エネルギー財団の大林ミカ氏だった。
その後、大林ミカ氏は、やはり河野太郎氏が行革担当相として主導する内閣府の
「再エネ規制総点検タスクフォース(特別部隊)」
の委員にも選ばれた。
中国の国家電網公司との余りに密接な関係が問題となり、2024年3月、辞任に追い込まれたことは記憶に新しい。
ちなみに、同タスクフォースを事務方で仕切る内閣府規制改革推進室の山田正人参事官は、極端な脱炭素・反原発姿勢のため、経産省で厄介者扱いされていたという。
まさにそれが故に河野太郎氏の目に留まり、一本釣りされた。
この
「大林ミカ事件」
で、岸田首相がタスクフォースと中国の不透明な関係を調整するよう河野太郎氏に指示したのは論外という他ない。
「ネトウヨが騒いでいるだけだろ」
と周囲に嘯くなど、河野太郎氏には何の反省も見られない。
まさに調査される側の中心に位置付けられるべき存在である。
河野太郎氏一族会社
「日本端子」
と中国共産党との関係など、太陽光利権を巡る疑惑も放置されてよい問題ではない。
「再エネ・反原発信仰」
に与しない関係者に対する河野太郎氏の、権力を笠に着た恫喝も見過ごせない。
私は最近、SNSで使う河野太郎氏の愛称を、やや可愛すぎる
「河野グレタ郎」
から
「サイコパス河野」
に変えたが、以下のやり取りを見れば、頷く人も多いだろう。
2021年8月24日に、河野太郎氏が資源エネルギー庁幹部を怒鳴りつける様子の録音記録である。
『週刊文春』が入手して公開した(説明語句を加えた文字起こしも同編集部)。
議論のテーマは、3年毎に見直される「エネルギー基本計画」。
<エネ庁:いや、(原案の再生可能エネルギー比率は政策的な裏付けを)積み上げて36〜38%程度>
<河野:積み上げて36〜38になるんだったら、(「程度」を「以上」に変えても)以上は36〜38を含む(からいい)じゃないか。日本語分かる奴出せよ、じゃあ。それから何か知らねえけどさ、日本が再エネ入れるのに不利だ、みてえな記載が(基本計画原案に)いっぱいあっただろ。あれ全部落としたんだろな>
<エネ庁:日本が置かれた自然状況につきましては(略)事実関係を書いたものでございますので・・・>
<河野:じゃあ、北朝鮮のミサイル攻撃に無防備だと原子力(発電所)は。日本は核燃料、使用済み燃料を捨てる場所も狭くてありませんと、(事実を)全部書けよ。使用済み核燃料が危ねえのは、もう自明の理じゃねえか。おめえ、北朝鮮がミサイル撃ってきたらどうすんだい。テロリストの攻撃受けたらどうすんだい、今の原発>
チンピラ顔負けだが、特に最後の部分など
「おめえ」
が言うかの典型である。
河野太郎氏は防衛相時代、北朝鮮ミサイルから国土(当然原発も含む)を守る地上配備型迎撃システム
「イージス・アショア」
の設置計画を突然破棄する決定をした。
その責任者が北朝鮮のミサイルの脅威を反原発の理由にするとは、控えめに言っても身勝手だろう。
■普通なら即大臣解任
河野防衛相が
「アショア」
配備を中止したのは、迎撃ミサイル発射後の燃焼済みブースターの空タンク(長さ24メートル弱)が民家に落下する可能性がゼロとは言えないからとの理由だった。
しかし、その可能性は限りなくゼロに近い上、核弾頭が着弾した場合の破滅的被害とは全く比較にならない。
河野太郎氏は、
「アショア」
の代替は
「イージス艦でやってもらう」
と語った。
だが、そもそも
「アショア」
導入案は、イージス艦の常時洋上展開は隊員の疲労等に鑑みても困難で、また日本近海を離れた遠洋任務に就く場合もある等の事情から出てきたものである。
話をいきなり振り出しに戻す以上、より合理的かつ現実的な説明が必要だろう。
迎撃態勢の整備に真面目に取り組まなかったのみならず、河野太郎氏は、敵基地攻撃能力の保持にも一貫して反対してきた。
攻めと守りの両面において、無責任な議論に終始してきたと言える。
2020年春、東北や九州で中国の偵察バルーン(気球)が発見された際も、河野防衛相は
「(行方は)気球に聞いて下さい」
と、国民をコケにした応答をして批判を浴びた。
気球によって自衛隊が用いる電波情報を収集できれば、敵対国は妨害電波の精度を上げられる。
普通の国なら、この発言1つで防衛相解任だろう。
河野太郎氏を総理総裁にと動く自民党議員らはよく、
「河野さんは脱原発を封印した」
「安心していい」
と言う。
しかし
「封印した」
とは、権力の座に就いた暁には
「封を解く」
という意味だ。
しかも、河野太郎氏は何ら原発潰しを封印していない。
搦め手を用いているだけである。
「(プルトニウムを燃料に使う)高速増殖炉『もんじゅ』が廃炉になり、使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出す必要がなくなった」
「(青森県六ヶ所村の)再処理施設は要らなくなったから(運転開始を)やめる」
との主張がそれに当たる。
現在、使用済み核燃料は各地の原発内で保管されているが、再処理施設に移送できないとなれば、貯蔵プールはそのうち満杯になる。
燃料交換ができなくなれば、原発は運転停止の他ない。
再処理施設を潰せば原発全体を潰せる。
これが河野太郎氏のみならず反原発派の狙いである。
■極めて危険な歴史認識
河野太郎氏の歴史認識も大いに疑問符が付く。
2019年1月14日、モスクワ。
日露外相会談後、内外の記者を集めた公式会見で、ロシアのラブロフ外相は
「重要な文書」
として国連憲章第107条を上げ、
「第2次大戦の結果を認めるよう書かれている」
「本日もう1度、詳細に日本側に伝えた」
「日本側から反論はなかった」
と述べた。
これに対し河野太郎外相は、日本人記者のみを集めた
「臨時会見」
を開いたものの、
「ラブロフ外相の発言にいちちコメントは致しません」
「内容については対外的に公表しないことにしております」
と無回答に近い発言に終始した。
前日(2019年1月13日)、ロシア外務省の報道官が
「共同記者会見を準備していたのに日本側が逃げた」
と揶揄したが、それが実態だったと思わざるを得ない。
国連憲章で
「敵国条項」
とされるのは第53条、77条、107条の3項である。
このうち、ラブロフ外相が言及した第107条は
「この憲章のいかなる規定も、第二次世界大戦中にこの憲章の署名国の敵であった国に関する行動でその行動について責任を有する政府がこの戦争の結果としてとり又は許可したものを無効にし、又は排除するものではない」
と規定する。
ソ連軍による樺太・千島列島奪取はこの枠内の行動で、日本も国連に加盟した時点で承認したというのがロシア側の主張である。
日本政府はこの解釈を受け入れていない。
例えば
「北方領土に関し敵国条項をソ連側は如何に解釈しているのか」
との中川昭一衆院議員の質問に、外務省欧亜局長が次のように答えている(1990年6月11日、衆院安保特別委)。
「ソ連側は、北方4島の占拠の根拠としてヤルタ協定を挙げ、同協定が、国連憲章第107条により、戦後秩序の一部として日本を拘束すると主張しております」
「これに対し私どもは、ヤルタ協定はこれに参加した首脳たちが共通の目的を述べた文書に過ぎず、領土移転の如何なる法的根拠も持ち得るものではない、その当然の帰結として、国連憲章第107条はソ連側の北方領土占拠に如何なる根拠を与えるものでもないし、全く関係のない規定である、そう反論しておる次第でございます」
この日本政府の立場を、河野太郎外相はラブロフに対し、即座にぶつけねばならなかった。
ラブロフは、明確に日本世論を揺さぶる意図で発言している。
一方、河野太郎氏には、世論戦を戦うとの気概が全く見られなかった。
尚、ロシア側は、(1945年)8月15日でなく(1945年)9月2日(日本の降伏文書調印の日)を
「大戦終結記念日」
と定め、北方領土を含む樺太・千島占領は大戦中の行為だと強弁している。
ここも、日ソ中立条約違反と並んで日本の外相が強く反論せねばならぬポイントだった。
ちなみに、ソ連軍による北海道北方地域侵攻は1945年8月16日にカムチャッカ方面から開始され、1945年8月18日に占守島上陸、1945年8月28日に択捉島上陸、1945年9月1日に国後島・色丹島上陸、1945年9月3日に歯舞島上陸と続き、1945年9月5日までに全域を占領した。
明らかに終戦後の侵略である。
話を戻せば、カメラの前で言いたい放題のラブロフに対し、河野太郎氏は借りてきた猫の風であった。
当日(2019年1月14日)のNHKニュースはラブロフの一方的発言のみを伝えたが、河野太郎外相が何も発言しなかった以上、必ずしも放送局の不見識とは言い切れない。
かつて、双方国連大使の立場でラブロフとやり合った経験を持つボルトン元大統領補佐官は、
「終始細かく条件闘争を仕掛けてくる男で予測困難」
「土壇場での大芝居(見方によってはヒステリー)に走りがち」
「ラブロフは国連大使を務めつつ、この特技を完成させていた」
と回顧している。
ラブロフの
「大芝居」
を捌くだけの技量と度量が河野太郎外相には欠けていた。
日本国内では木で鼻を括ったような
「次の質問どうぞ」
「所管外でございます」
で逃げ、
日本国外では難しい相手との共同記者会見に出ないのが
「特技」
では、話にならないだろう。
■「カモネギ外交」の象徴
中東問題でも、河野太郎外相は日本の
「カモネギ外交」
を象徴する存在だった。
著書に次の1節がある。
「外交は国と国との交渉ではありますが、最後は外務大臣同士の人と人との関係がものを言うことも少なくありません」
「例えばアメリカが資金拠出を中止したUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)を支援するための会合の共同議長を私に頼んできたのは、それまでに会議で顔を合わせていただけでなく、私邸にまで招かれたりしていたヨルダンのサファディ外相とEUのモゲリーニ外相の2人でした」
「外務大臣のフットワークが軽くないと国の外交は成り立たない、と言えるでしょう」
自慢げに書いているが、要するに、トランプ政権がUNRWAはテロ組織ハマスの物資調達部門に堕しているとの認識から資金拠出を停止したのを受け、
「日本にもっと出させよう」
という国際リベラル勢力に英語力や
「フットワーク(というより腰)
の軽さをおだてられ、カモにされたに過ぎない。
原資は日本国民の税金である。
とても外交を任せられるような人材ではない。
慰安婦問題にも触れておこう。
強制連行・性奴隷化虚偽を今も世界に拡散する河野洋平官房長官談話(河野談話、1993年8月4日)について聞かれる度、洋平氏の長男・太郎氏は
「それは別の河野さんでしょ」
とはぐらかすのが常だった。
しかし、河野家のブランド力に助けられて政界入りした以上、
「自分は無関係」
では済まない。
2018年3月28日、衆議院外務委員会で杉田水脈議員(自民党)が、河野太郎外相に改めて河野談話に対する見解を尋ねた。
ところが、雄弁が自慢のはずの河野太郎氏は机上に目を落としたまま動かず、代わって立った外務省参事官の
「過去に安倍首相が、河野洋平官房が何を考えて発言したのか承知しないと答弁している」
云々の発言を無表情に聞くのみであった。
およそ責任ある態度とは言えないだろう。
関係者によると、河野太郎氏は1度河野洋平氏に
「修正談話」
を出すつもりはないのかとそれとなく対応を促したという。
しかしそのつもりはないと河野洋平氏に撥ねつけられ、それ以上何も言わずに引き下がったらしい。
本来なら、
「修正しないならここで刺し違える」
くらいの気合で迫るべきだったろう。
親が親なら子も子と言う他ない。
■「性格」という最大の問題
リーダーには心の余裕とバランス感覚が欠かせない。
しかし河野太郎氏には、このいずれも見事なまでに欠いている。
性格こそが最大の問題と言ってもいい。
「英語はうまいし、それなりの存在は出来上がっているが、常識に欠ける」
という所属派閥の長、麻生太郎自民党副総裁の発言は適評だろう。
かつて、議員宿舎で河野太郎氏と隣同士だった平沼赳夫経産相(全拉致議連会長)から聞いた次のような話もある。
ある時、河野太郎氏が大声で誰かを怒鳴りつける声が聞こえてきた。
余りに言葉が荒く、執拗なので、平沼赳夫氏の息女がベランダから耳を澄ませたところ、河野太郎氏が義理の母親を激しく罵倒していたという。
平沼赳夫氏は話を誇張する人ではない。
真実だろう。
一方、河野太郎氏が緩んだ表情を見せる場面もある。
過去に2回、中国外務省の華春瑩報道局長(当時)に顔を寄せ、鼻の下を伸ばした自撮り写真をSNSに上げたのが好例である。
華春瑩報道官は色白、ふくよかな一見
「いい人」
風の中年女性で、日本の政界にも隠れファンが多い。
しかし人権蹂躙、軍事恐喝を続ける中国共産党の準幹部である事実に変わりはない。
アメリカの国務長官が同じ事をすれば、即刻辞任に追い込まれるだろう。
日本の政界で何ら問題にならなかったのは、国会全体の意識が低いからに他ならない。

相次ぐ再エネ設備のトラブル、賦課金値上げに「そこまでして進めないといけないのか」
2024/4/21 13:03
https://www.sankei.com/article/20240421-QLQ6GHIV7NJ6NLCTFELLL5YD5Q/
再生可能エネルギーの普及に向けた取り組みは各地で進むが、太陽光パネル設置などを巡ってはトラブルが相次ぐ。
ルール作りや規制に動く自治体もあり、賦課金の値上げには批判的な声も少なくない。
北海道釧路市の国立公園
「釧路湿原」
周辺では太陽光パネルが次々と設置され、特別天然記念物のタンチョウや絶滅危惧種のキタサンショウウオなどへの影響に懸念が広がっている。
北海道釧路市は2023年7月、事業者に届け出などを求めるガイドラインを施行。
2024年度中に条例に格上げする考えだ。
賦課金は、自然環境に影響を及ぼしかねない設備の設置を促すことになり、北海道内の60代の男性は値上げに対し、
「そこまでして太陽光を進めないといけないのか」
と疑問を投げかける。
メガソーラー(大規模太陽光発電所)の設置が進んだ山梨県内では、景観や災害時の土砂崩れなどへの懸念から周辺住民とのトラブルが多発。
県は令和3年10月に太陽光発電施設を規制する条例を施行した。
それでも2023年、甲斐市菖蒲沢でのメガソーラー設置で大規模に樹木が伐採されていたことから、地域住民らが県に対し、周辺を土砂災害特別警戒区域に指定するよう要望する事態となった。
静岡県東伊豆町では、平成15年に町営の風力発電所を稼働させたが、老朽化で故障が相次ぎ、令和3年に閉鎖。
現在、民間企業への事業継承について検証しているが、静岡県内の臨海部では稼働している風力発電所も多く、県民からは
「(騒音や低周波音による)健康被害を訴える声もあるのに、施設の建設促進のために負担が増えるのは納得がいかない」
と不満も漏れる。

米韓より高い日本の電気料金 円安、中東情勢に再エネ賦課金も…上昇に警戒感
2024/4/21 12:04
https://www.sankei.com/article/20240421-N4VMAFDOBFNK5PV4VNZ3SQNDPU/
令和6年度から、太陽光や風力といった再生可能エネルギーの普及のため電気料金に上乗せしている賦課金の負担が標準家庭で年1万円程度増える。
電気料金の上昇は家計を圧迫し、企業活動にも影響を与えそうだ。
特に産業用の電力需要は、人工知能(AI)の普及本格化で拡大する可能性が指摘されている。
日本の電気料金は、先進国の中で中位とみられるが、資源を輸入に頼っているだけに足元の円安進行、中東情勢の緊迫化がエネルギー価格上昇に繋がる打撃となりやすく、警戒感が高まっている。
■エネ価格「不透明さ増す」
電力中央研究所の調べによる国際比較では、2022年の日本の電気代は、英国やドイツよりは低かったが、米国や韓国、フランスよりは高かった。
産業用では、米国や韓国の2倍前後。
一方、再エネ普及が進んでいるデンマークの家庭用料金は日本の2倍近くだった。
資源のない日本にとって、エネルギー価格上昇のリスクは深刻だ。
電力大手で作る電気事業連合会の林欣吾会長(中部電力社長)は
「今後のエネルギー価格の不透明性が、更に増しているのは事実」
と話す。
その上で
「2年前(2022年、ロシアによるウクライナ侵略開始)のような高騰があれば対応が大変だが、学んだこともある」
「調達先を工夫するなど、事業者は価格の乱高下を回避できる対策を講じていくと思う」
と述べた。
■電気料金、価格転嫁進まず
国内では人口減少が進んでいるものの、今後はAIの普及を背景に、電力需要は高まるという見通しがある。
科学技術振興機構の推計では、AIなどの情報処理を行うデータセンターの電力消費量は、平成30年の140億キロワット時に対し、令和12年には6倍以上の900億キロワット時まで拡大。
現在の国内の総需要の1割近くまで伸びる計算だ。
東京商工リサーチが行ったインターネット調査(2857社回答)では、2024年1月時点で本業に係るコストが2023年より
「増加した」
と回答した企業は、73.6%と7割を超えた。
特に多かったのが
「原材料や燃料費、電気代の高騰」
の91.2%(1920社)だ。
このうち、高騰した分を商品の価格に上乗せする価格転嫁が全額できたのは、3.6%の63社にとどまる。
「受注減など取引への影響が懸念される」
「同業他社が転嫁していないため」
などが理由として挙げられた。
東京商工リサーチの担当者は
「価格転嫁はまだ十分ではない」
「再エネ賦課金の値上げは、ようやく出てきた良い流れをとどめてしまう可能性がある」
と指摘する。
政府は電源として再エネの比率を高める計画だが、その分賦課金の必要性も高まってくる。
「再エネ普及と国民負担抑制の両立」
が重い課題として残り続ける。

再エネ賦課金、年1万円負担増 「パネル」高シェアの中国利する? 見直し機運も
2024/4/21 11:19
https://www.sankei.com/article/20240421-5VRUAFM3KFKGLBSPJOAJDHXF2U/
太陽光や風力発電など、再生可能エネルギー普及のため電気料金に上乗せされている
「再エネ賦課金」
が2024年4月から値上がりし、標準家庭(使用量400キロワット時)で電気料金が月額836円上昇した。
年間で1万円程度の負担増となる。
賦課金は平成24年に導入され、再エネの普及に伴い右肩上がりで増えてきた。
ただ、太陽光発電に用いるパネルは中国企業が大きなシェアを持っている。
日本国民の負担が増える一方、中国を利するとの指摘もあり、制度の見直しを訴える声が強まっている。
■再エネ買い取り、国民負担に
政府は賦課金の単価を令和6年度は1キロワット時当たりで前年度比2.09円高い3.49円に引き上げた。
政府は2024年6月使用分から電気代を抑える補助金を終了し、家計の負担は2024年3月使用分に比べ2236円増えることになる。
政府は平成24(2012)年に再エネの固定価格買い取り制度(FIT)を導入し、再エネで発電した電気は電力会社が再エネ事業者から一定価格で高く買い取ることになった。
この費用を消費者が負担するのが賦課金の仕組みだ。
賦課金の単価は電力会社の買い取り総額から事業者の販売収入などを差し引き、販売電力量で割って算出。
利用者は単価と電力使用量に応じ賦課金を一律に徴収される。
再エネ普及に伴い買い取り総額は増加傾向で、賦課金も右肩上がりで上昇している。
賦課金の単価は平成24(2012)年度は0.22円だったが、令和4(2022)年度には3.45円に達した。
令和5(2023)年度はロシアによるウクライナ侵略に伴う資源価格高騰で電力の市場価格自体が高騰、販売収入増加で1.40円に初めて下がった。
令和6(2024)年度は資源価格一服で販売収入減が見込まれ、再び引き上げとなった。
国民が負担する賦課金総額は2.7兆円に上る。
■玉木氏「間接的に富が中国に」
賦課金を巡っては
「2030(令和12)年頃までは上昇を続ける見通し」(政府関係者)
という。
FITの導入当初に高い買い取り価格で認定した事業用太陽光の20年の買い取り期間が重しとなる。
その後は下落する可能性が指摘されるが、負担がすぐに大きく減るかは見通せない。
賦課金には反発も根強い。
国民民主党は2024年3月26日、賦課金の徴収を一時停止し電気代を引き下げる
「再エネ賦課金停止法案」
を国会に提出。
玉木雄一郎代表は賃上げの効果を打ち消すとして
「廃止を含め抜本見直しの時期に来ている」
と話す。
玉木氏は
「所得の低い人も含め、集めたお金をメガソーラー設置事業者に回す『所得の逆再分配』が起きている」
と指摘。
また太陽光発電は
「コストが下がっており、市場原理に任せるべき」
と見直しも訴える。
中国の存在も懸念事項だ。
「太陽光パネルはほとんど中国製で、賦課金で間接的に富が中国に行っている」(玉木氏)。
再エネを巡っては、内閣府のタスクフォースの元民間構成員、大林ミカ氏の提出資料に中国国営電力会社のロゴマークが入っていたことも問題視されている。
賦課金制度について玉木氏は、
「経済安全保障の観点からも検証が必要だ」
と強調した。

電気・ガス代補助5月で終了、家計に1903円の負担増 再エネ賦課金値上げも
2024/4/18 19:19
https://www.sankei.com/article/20240418-35EY4SBKHRJUHJVT3ED74WB6PM/
政府はこれまで行ってきた家庭や企業の電気やガス代の負担を抑制するための補助金の支給を、2024年5月使用分を最後に終了する。
ロシアのウクライナ侵略などで高騰した燃料価格が安定したためだが、令和6年度からは再生可能エネルギー普及のため電気料金に上乗せしている賦課金の単価も引き上げられた。
物価上昇に苦しむ家計にとっては、補助がなくなることで新たな打撃となりそうだ。
■冬が終わり価格も安定
政府は現在、電気は家庭向けで1キロワット時当たり3.5円、ガスは1立方メートル当たり15円を補助。
東京電力や関西電力によると標準家庭(260キロワット時)の月額の電気代の抑制効果は910円、東京ガスによるとガスは450円だ。
2024年5月使用分からはこの補助が半減し、2024年6月からはなくなる。
補助は令和5年1月使用分から始まったが、斎藤健経済産業相は
「液化天然ガス(LNG)や石炭の輸入価格が侵略前と同程度に低下した」
と役目を終えたと話す。
実際に財務省の貿易統計でも、1トン当たり16万円を超え過去最高水準に達したLNGの輸入価格は、令和6年2月には10万円弱に落ち着いている。
「電力需要が多い冬が終わったことも要因」(政府関係者)
だという。
■2024年4月からは賦課金も引き上げ
一方で足元の円相場は1ドル=155円を窺う
「超円安」
の状況が続く。
中東情勢の緊迫化などで価格が高騰する原油のように、不安定な国際情勢により、LNG価格が再び上昇するリスクは常にある。
補助がなくなるだけでなく、政府は2024年4月から再エネ賦課金の単価を1キロワット時当たり2.09円引き上げて3.49円とした。
賦課金の引き上げなどで、4月使用分の電気代は東電の標準家庭で8137円、関電で6754円と、いずれも前月より500円超上がる。
関電の電気代が東電よりも安いのは、発電コストが安い原発が稼働している影響が大きい。
賦課金の引き上げと補助金の消滅により、標準家庭で2024年3月と比較すると家計には計1903円程度の負担増となり、消費意欲が落ち込み、好調な賃上げの効果を打ち消しかねないとの指摘もある。
■新電力への乗り換えも…
こうした中、新電力に期待する向きもある。
エネルギー価格高騰で電力調達コストがかさみ、一時は撤退や新規申し込みの停止が相次ぐなど苦境に立たされたが、調達価格が落ち着くことで経営の安定化が見込まれるためだ。
帝国データバンクによると、令和6年3月時点で撤退や倒産・廃業が判明した新電力は前年同月比43.4%増の119社に上った。
しかし新規契約停止は38.4%減の69社、契約受付再開は51.6%増の47社と、巻き返しの動きも出てきている。
帝国データの担当者は
「値下げに動く新電力も僅かに見られる」
と明かす。
ただ電力不足を防ぐため、発電所設備の維持費を小売り事業者が負う
「容量市場」
制度の拠出金支払いも2024年度から始まる。
新電力にとっては経営上の負担となり、今後、電気料金に転嫁することも想定される。
電力自由化で参入した新電力も料金攻勢は力強さに欠けるのが実情だ。

「国破れてパネルあり」再エネ賦課金廃止も検討を…国民民主・玉木雄一郎代表が警鐘
2024/4/10 20:19
https://www.sankei.com/article/20240410-OTDEOGLDDVLGHF5JUWEFEKVH3U/
国民民主党の玉木雄一郎代表は2024年4月10日、産経新聞の取材に応じ、再生可能エネルギー普及のため電気料金に上乗せされている賦課金について
「廃止を含め、抜本見直しの時期に来ている」
と述べた。
再エネ賦課金は電力会社の販売収入が減ると、逆に上がる算定方式。
2024年度は、ロシアのウクライナ侵攻で高騰した資源価格が一服して販売収入の減少が見込まれるため、値上げとなった。
標準的な家庭(月の使用量400キロワット時)で換算すると、賦課金は令和5年度比836円増の月額1396円。
令和4年度(1380円)の水準に戻る。
■賃上げの流れも帳消しに
玉木氏は賦課金値上げについて
「せっかくの賃上げの良い流れを、帳消しにする」
「賃金が増え、消費が増えるという好循環が断ち切られてしまう」
と指摘した。
国民民主は2024年3月、賦課金の徴収を一時停止し、電気代を引き下げる
「再エネ賦課金停止法案」
を国会に提出している。
賦課金の制度については
「所得の低い人も含めて集めたお金を、メガソーラーを設置できる事業者に回す『所得の逆再分配』が行われている」
として、構造的な問題があると指摘。
特に太陽光発電については
「(発電)コストが下がっており、市場原理に任せるべきではないか」
と述べ、賦課金が支える固定価格買い取り制度(FIT)の見直しを訴えた。
再エネについては今後、洋上風力などメニューが増加し、賦課金を含めた補助的な制度の必要性が高まる可能性もある。
玉木氏は
「電気代、社会保険料、税金をこれ以上上げないことが最優先」
「『国破れてパネルあり』ではいけない」
「優先順位を国益、国民の生活から考えるべきだ」
と述べた。
■中国が生産能力8割
太陽光発電業界は中国勢が台頭しており、国際エネルギー機関(IEA)の2022年の報告によると、太陽光発電に必要な主要要素の世界の生産能力の8割超を中国が占める。
ただ、パネル素材の多結晶シリコンの多くは、新疆ウイグル自治区での
【強制労働】
による製造が疑われている。
これに関連し、玉木氏は
「人権を無視した形で安く製造されたものについては、輸入しない、使わない」
「供給網(サプライチェーン)から排除することを義務付けるための法制化も必要だ」
と主張した。
また玉木氏は、内閣府のタスクフォース(TF)元民間構成員、大林ミカ氏の提出資料に中国の国営電力会社
「国家電網公司」
のロゴマークが入っていた問題にも言及。
「組織や外国からの不当な影響がなかったのかどうか、政府は徹底検証すべき」
と強調した。

東京都の太陽光パネル設置義務化 住宅高騰や人権侵害助長する 杉山大志氏
2024/4/21 9:00
https://www.sankei.com/article/20240421-S3PWT4IHZBJQJEWHJ5UPTDWWHQ/
東京都が都心の温室効果ガスを令和12(2030)年までに50%削減することを目指し、2025年4月から新築住宅などを対象に太陽光パネル設置の義務化に踏み切る。
家庭の電気代削減や停電時の防災力効果も図れるとし、新築時などに補助も行うとする。
ただ、多額の税金を投入するだけの効果が得られるのか疑問視する声もある。
エネルギー政策と環境問題を研究するキヤノングローバル戦略研究所研究主幹の杉山大志氏に話を聞いた。
温室効果ガス削減といった取り組みは、地球全体の問題であり、東京都だけで規制することで得られる効果は少ないと言える。
また、都が行う太陽光パネル設置義務化は、日当たりが良く屋根が大きい住宅に住む人にとっては補助金などで儲かる制度になっているが、東京は人口密度が高く、一軒家でも屋根が北向きなど太陽光発電に不向きな家も多い。
更に、集合住宅などに住む人にとっても経済的恩恵を得られないにもかかわらず、莫大な税金が投入される。
条例で設置義務を負うのは住宅供給事業者で、未達成の場合は、その企業名が公表される。
このため、公表を恐れて、必要ない住宅にも設置することが考えられる。
加えて都民は新築の住宅を購入する際に太陽光パネルの費用も負担することになるため、住宅価格が高騰して都内で購入しづらくなる可能性もある。
太陽光パネルは光が当たれば発電し続けるため、災害時にも問題が生じる。
東京都の江東5区(墨田区・江東区・足立区・葛飾区・江戸川区)と言われる海抜0メートル地帯では、台風や高潮で水害が発生した場合、太陽光パネルが水没することで感電など2次災害が発生する恐れがある。
パネルが損傷して火災が起きることもあり、消火活動も水を直接かけると水を伝って感電するため、鎮火に時間を要する場合もある。
そもそも太陽光発電は日光によって発電されるため、1年の内で、17%程度の時間しか発電できない。
住宅の上にパネルを設置しても発電量が予測しづらく、既存の火力発電設備などをなくすことはできず、2重投資の状態でコストが嵩む。
世界の太陽光パネルの約9割が中国で生産されていて、太陽光発電導入には、中国製の太陽光パネルに頼らざるを得ない現実もある。
中国製の太陽光パネルが台頭している背景には、新疆ウイグル自治区での
【強制労働】
で価格を安く抑えている点が指摘されており、米国などでは中国製の輸入禁止措置が取られている。
東京都の太陽光パネル設置の義務化は、こうした人権侵害を助長することに繋がる。
安定的なエネルギー供給と二酸化炭素(CO2)の削減の両立を目指すのであれば、太陽光発電に頼るよりも、原子力や天然ガスを利用することの方が現実的だと言える。

再生可能エネへの投資は無駄遣い 莫大な国民負担も…見返りはほとんどなし 気まぐれに発電するに過ぎない太陽光パネル
2024.4/11 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20240411-RGOKT76P4VNNTMASJZO7KYOMZY/
日本政府は
「グリーントランスフォーメーション(GX)」、
つまり脱炭素のために、政策によって10年で150兆円の官民投資を引き起こすという。
投資というと聞こえはいいが、原資を負担するのは我々国民だ。
1人当たり120万円、世帯当たり360万円も負担するのだが、見返りはほとんどありそうにない。
なぜなら、最大の投資先が再生可能エネルギーだからだ。
太陽光発電は本質的に2重投資である。
なぜなら、家庭に太陽光パネルを付けても、火力発電所をなくすわけにはいかないからだ。
夜でも曇りの時でも電気は必要だからである。
バックアップのために火力発電所が必要だという言い方をする人もいるが、これでも太陽光パネルを贔屓し過ぎている。
なぜなら、太陽光パネルは年間17%しか稼働しない。
年間83%は火力発電所に頼ることになるわけで、8割以上も発電するのにバックアップという言い方は的外れである。
要は、電力供給のためには火力発電所が必要なのであって、太陽光パネルは気まぐれに発電するに過ぎない。
これは風力発電も同じことである。
日本では洋上のもっとも風況の良い所でも、風力発電の稼働率は35%しかない。
既に太陽光発電は導入し過ぎであり、余った時には電気を捨てている状態である。
政府はこの対策として他地域への送電線を建設するとか、蓄えるためにバッテリーを導入するが、これは3重投資、4重投資になる。
再エネは今や最も安いなどと言う人がいるが、それはコストの一部しか見ない都合の良い話をしているに過ぎない。
現実には再エネを大量導入したドイツやデンマークは電気代が最も高い。
CO2(二酸化炭素)を排出しない火力発電として、CO2を地中に埋めるCCS、それにアンモニア発電や水素発電などにも政府は巨費を投じるとしている。
だが、これも万事予定通り進んだとしても、発電コストはこれまでの火力発電所の2倍、3倍、あるいはそれ以上になると試算されている。
こんな高価な技術を日本でいくらか導入したところで、世界で売れるはずもない。
これに何千億円、何兆円と費やすというのは、まるきり無駄遣いである。
既存の火力発電と競合できるコスト水準になる技術を目指して、研究所で基礎的な技術開発をするにとどめるべきだ。
全てが予定通りに進んでも、確実なのは、莫大な国民負担だけである。
喜ぶのは利権に預かる一部の政治家、行政官、企業ばかりである。
こんな愚かな政策で
「グリーン経済成長する」
とのたまう経産省は、経済も産業も全く分からないようだ。
■杉山大志(すぎやま・たいし)
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。
1969年、北海道生まれ。
東京大学理学部物理学科卒、同大学院物理工学修士。電力中央研究所、国際応用システム解析研究所などを経て現職。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)、産業構造審議会、省エネルギー基準部会、NEDO技術委員などのメンバーを務める。
産経新聞「正論」欄執筆メンバー。
著書・共著に『「脱炭素」は嘘だらけ』(産経新聞出版)、『亡国のエコ』(ワニブックス)、『SDGsの不都合な真実』(宝島社新書)など。

<正論>中国を利するエネ政策を止めよ
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・杉山大志
2024/4/10 8:00
https://www.sankei.com/article/20240410-UFXUMJX2DFLD3PKZRPR22GS6LM/
再生可能エネルギー導入に向け規制見直しを検討する内閣府タスクフォース(特別作業班)の会合に、委員の自然エネルギー財団事業局長、大林ミカ氏(2024年3月27日に委員辞任)が提出した資料に、中国国営企業である国家電網公司の透かしロゴが入っていたことが問題になっている。
日本のエネルギー政策が中国の影響を受け決定されているのではないかとの懸念が出た。
対策としてセキュリティ・クリアランス強化が言われているが、それだけでは到底足りない。
■脱炭素は中国の「超限戦」
というのは、中国は日本に対して直接的な工作をする必要すらないからだ。
日本には
「使える愚か者(useful idiots)」
がいる。
これはレーニンの言葉であり、資本主義国には、本人には特段の自覚すらないままに共産主義国のために働く愚か者がいる、ということである。
中国は世界を共産党独裁対民主主義の体制間の限りない闘争、即ち
「超限戦」
と捉えている。
そこでは脱炭素はまさに天佑である。
日本をはじめ先進国が勝手に経済的自滅をし、中国には莫大な利益をもたらすからだ。
大林ミカ氏も、
「再エネ最優先」
を掲げる河野太郎規制改革担当相も、中国企業の太陽光発電事業や風力発電事業を儲けさせる一方で、日本のエネルギー供給を不安定化し高コスト化している。
これは中国の望む通りだ。
だがここに中国が命令を逐一下す必要はない。
せいぜい、当たり障りのない情報提供をして親中的な気分を盛り上げる程度で足りる。
そうすれば勝手に運動してくれる。
「再エネ最優先」
を強く支持するのは日本の左翼リベラル勢力であるが、彼らは中国に融和的でもある。
中国の太陽光パネルの半分は新疆ウイグル自治区で生産されており、
【強制労働】
の関与の疑いが濃厚で、米国では輸入禁止措置まであるが、日本ではこれは全く不問にされている。
これも中国の望む事そのままである。
■日本を破壊する日本政府
今、日本政府は脱炭素、再エネ最優先を推進することで、日本経済を破壊している。
太陽光発電と風力発電を大量導入しているが、北海道では風力発電が多過ぎて余るので1兆5000億円を投じて新潟までの海底送電線を建設するという。
これだけでも仰け反るが、これは氷山の一角に過ぎない。
政府は脱炭素のために今後10年間で150兆円のグリーントランスフォーメーション(GX)投資を官民で実現するとしている。
投資と言えば聞こえは良いがその原資は国民が負担する。
GDPの3%であり、3人世帯で360万円もの負担になる。
これでは日本経済はガタガタになる。
目玉となる再エネ事業のお金の多くは中国企業に流れる。
一方で脱炭素は日本の防災には全く役立たない。
国連のモデルを信じたとしても、日本が2050年にCO2をゼロにした時の地球の気温の低下はせいぜい0.006度しかない。
日本の安全保障も危険に晒されている。
河野氏が防衛相を務めた時、自衛隊の施設は100%再エネを目指すこととされ、今では多くの施設が再エネ電力を購入するようになった。
電気事業者の中には近年に設立された企業もあり、中国系の企業がどのぐらいあるのかも分からない。
これら企業は電力消費量を監視することで、自衛隊の活動状態を把握できてしまう。
のみならず有事には、本国の命令があれば電力供給網を遮断・攪乱するかもしれない。
いつから日本政府はこのような、日本を滅ぼすような事ばかりするようになったのか。
2021年に策定された第6次エネルギー基本計画で2050年CO2ゼロが目標とされた。
河野氏は
「再エネ最優先」
を掲げ、2030年の発電に占める再エネの数値目標を36%から38%
「以上」
にするよう、経産省の官僚を怒鳴り上げた音声がリークされている。
日本の官僚は、時の政治権力には滅法弱くなった。
昇進するか左遷されるか、彼らにとっての生殺与奪の権を握られているからだ。
かつては脱炭素という経済自滅的な政策には抵抗していた経産省が、すっかり宗旨変えしてしまった。
■「愚か者」を排除せよ
今では経産省こそが巨大な予算と権限を持った最も強力な脱炭素利権と化し、日本経済を破壊している。
彼らは最早内から自らを変える能力はない。
政治が変わるしかない。
左翼リベラル化した自民党こそが脱炭素推進の本丸である。
日本の国益を損なう
「使える愚か者」
を退場させ、それに代えて、日本の安全保障と国民経済を第1に考える人々にエネルギー政策を任せるべきである。
政治が変われば、経産省の幹部人事も刷新できる。
経産省が脱炭素利権にまみれてしまったのはここ数年のことに過ぎない。
まだ以前のことをよく覚えており、現状に違和感を覚えている優秀な官僚はたくさんいる。
愚か者を排除し、政治的な路線転換さえすれば、彼らは日本国民の安全と経済のために良い仕事をしてくれるはずだ。

<主張>再エネ資料にロゴ 中国の影響力工作を疑え 河野担当相の責任は重大だ
社説
2024/4/1 5:00
https://www.sankei.com/article/20240401-OK3BL3MXVFNBDKYMXUGDBPMHLQ/
政府のエネルギー関連の会議に提出された資料に、中国の国営電力会社
「国家電網公司」
のロゴマークの透かしが入っていたことが発覚した。
再生可能エネルギー導入に向けて規制見直しを目指す内閣府のタスクフォース(TF、特別作業班)に対し、委員を務めていた大林ミカ・自然エネルギー財団事業局長が提出した資料の件である。
大林氏が経済産業省や金融庁の有識者会議などのヒアリングに呼ばれた際や、国連、欧州連合(EU)の関連機関の会議への出席時に提出した資料にも同様のロゴがあった。
■全省庁で実態を調べよ
中国は共産党支配の全体主義国家で、日本から尖閣諸島(沖縄県石垣市)を奪おうと狙っている。
台湾問題では軍事力行使を辞さない姿勢を崩さず軍備を増強中で、日本にとって安全保障上の脅威だ。
中国国営企業は共産党政権と一体である。
大林氏は
「誤解を受け、不安にさせた」
として委員を辞任した。
財団主催の会合に中国国家電網公司が提出した資料を自身が改編した際にロゴが残ったと説明した。
財団は
「資料の内容は中国国家電網とは一切関係のないもの」
と釈明した。
鵜吞みにはできず、辞任で幕引きにはできない。
政策形成への中国の影響力工作はなかったのか。
中国共産党政権の意向が浸透して日本の政策が歪むことは決してあってはならない。
調査すべきは再エネTFに限らない。
岸田文雄政権はこれを機に、政策決定へ影響力工作が及んでいないか全省庁で点検に乗り出してもらいたい。
今回の問題で再エネTFは信頼できなくなった。
解散または活動停止が必要で、従来の提言は棚上げしたらどうか。
所管閣僚である河野太郎規制改革担当相は問題が発覚した当初、X(旧ツイッター)に
「チェック体制の不備でお騒がせしたことについて、今後は対策を強化し同じようなことが起きないよう徹底していきます」
と投稿した。
ロゴ入りの点だけを問題視していたのか。
内閣府規制改革推進室の山田正人参事官も
「事務ミスかもしれない」
と述べていた。
国政担当者として視野が狭すぎる。
中国による影響力工作をなぜ一番に懸念しなかったのか。
高市早苗経済安全保障担当相は当初から
「エネルギー安全保障は、国民の生活や経済活動にも大きな影響を及ぼす安全保障の中核的な課題の1つだ」
「他国から干渉されるようなことがあってはならない」
と指摘していた。
斎藤健経済産業相も
「当該団体(同財団)が特定企業の強い影響を受けているとの懸念が払拭されるまで、ヒアリングを控える」
と語った。
河野氏が会見で
「自然エネルギー財団と中国の特定の企業の間にどんな繋がりがあったのか調査を始めている」
「事実関係を調べた上で対処方針を決めたい」
と表明したのは、問題への批判が高まってからだ。
河野氏は閣僚として高市氏や斎藤氏を見習うべきである。
■ASG構想ありえない
大林氏のTF委員起用について林芳正官房長官は
「内閣府の事務方が提案した案を河野氏が了承した」
と語った。
人選に関わった河野氏と内閣府の責任は重い。
河野氏が外相当時の
「気候変動に関する有識者会合」
では委員9人のうち3人が自然エネルギー財団のメンバーだった。
河野氏は同財団との関係についても説明すべきだ。
同財団は太陽光、風力、水力などの自然エネルギー資源を相互に活用するため日本と中国、ロシア、インド、タイなどの送電網を連結するアジアスーパーグリッド(ASG)構想の実現を唱えている。
中国国家電網公司の呼び掛けで設立された国際的な送電網構築を目指す非営利団体にも参加していた。
ASG構想も国際的な送電網も専制国家の中露両国などに日本の電力供給を左右される余地を与えかねない。
国家安全保障、エネルギー安保の両面から到底受け入れられない構想だ。
日本国民の安全と国益を損なう構想を掲げるような財団のメンバーを政府の会議体の委員にすることは極めて危うい。
国民民主党の玉木雄一郎代表は、政府の審議会などの委員選定にも、経済安保上の機密情報へのアクセスを官民の有資格者に限る
「セキュリティー・クリアランス(適格性評価)」
が必要との見解を示した。
その通りである。

再エネ人選 河野氏に疑念
美しき勁き国へ 櫻井よしこ
2024/4/1 8:00
https://www.sankei.com/article/20240401-4K7S5A2ICRLVNI2KSIZNGCO4YE/
河野太郎デジタル相が内閣府で主導した再生可能エネルギーに関するタスクフォース(TF)の会議で事件が起きた。
河野氏の推薦でTFに加わった
「自然エネルギー財団」
事業局長の大林ミカ氏が中国の国営電力会社
「国家電網公司」
のロゴ入り資料を正式に提出していた。
我が国のエネルギー政策を議論する政府中枢で中国の資料が使われていた。
ここまで浸透されていたかと驚愕したのは私だけではないだろう。
河野氏肝煎りのTFは構成員4人のうち、大林氏と高橋洋氏の2人が自然エネルギー財団関係者で大林氏がすぐに辞任した。
が、トカゲの尻尾切りのような終わり方で済む問題なのか。
2011年に孫正義氏が創設した同財団は中国を中心に広くアジア諸国にまたがるエネルギー供給網
「アジアスーパーグリッド(ASG)」
の実現を目指す。
ASGに組み込まれる国は民生、産業、国防、全分野でエネルギー供給の安定を必然的に中国に頼ることになる。
国家の首根っこを中国に押さえられるに等しいASGを孫氏らが目指すのは自由だ。
しかしなぜ、河野氏はそうした人々を重用するのだろうか。
気になることを国民民主党幹事長の榛葉賀津也(しんば かづや)参院議員が指摘した。
「河野氏が外相当時、気候変動の有識者会合を設置しました」
「その異常な人選と内容を我が党議員が国会で質した」
「有識者各氏は意見書で化石燃料由来の発電は中止、石炭火力発電の段階的廃止計画を明示せよなどと再生可能エネルギーを強く推していました」
2018年3月23日、参院経済産業委員会で同党の浜野喜史議員が質した。
「今年(2018年)2月、外務省は気候変動に関する有識者会合で、エネルギーに関する提言を取りまとめています」
「これは外務省の見解を示したものですか」
外務省側は
「あくまでも有識者の現状に対する危機感の表明」
で、それが
「外相(河野氏)に対して提出された(だけ)」
と答えた。
外務省見解ではないということだ。
浜野氏は更に、有識者9人の内3人が孫氏の財団の執行メンバーだと指摘した。
前述のように今回のTFでは4人中2人が財団関係者だった。
この人選の偏りは何を示すのか。
著明な政治家が主催する会議の結論は自ずと大きな影響力を発揮する。
河野氏が再エネ推進で影響を及ぼそうとしているのは明らかだ。
動機は何か。
河野氏の自然再生エネルギーへの肩入れ、化石燃料の否定は我が国の国益にどう合致するのか。
この疑念に関して河野氏はきちんと説明すべきだ。
政府は、温暖化対策の国際枠組み
「パリ協定」
に基づく温室効果ガスの削減目標の達成に向け、脱炭素化に10年で150兆円超の投資が必要だと想定し、うち20兆円を支援する方針だ。
専門家らは我が国のエネルギーを再エネで賄おうとすると、この額はやがて何倍にも膨らんでいき、日本経済を押し潰すと危惧する。
今、甚大な資金を風力発電などに注入することが正しいとは思えないのだ。
それが我が国の産業を下支えし、国民生活を豊かにするとも思えないのである。
加えて風力発電に関しては設備のほとんどが中国からの輸入だ。
利益は中国に吸い取られる。
更なる再エネ賦課金で、ただでさえ国際的に高額な我が国の電気料金はより高騰する。
国民負担も国内産業への負担も尋常ではない。
河野太郎氏や自民党の小泉進次郎衆院議員は再エネに莫大な資金を投入し電気自動車(EV)を増やすという。
しかし、日米欧のどこでも政府が補助金を出してもEVは消費者から敬遠され始めた。
EVに熱心だったドイツ政府はEVへの補助金を前倒しで停止した。
中国はEVで最先端を走っていたが、今や中国のEV大手、比亜油(BYD)さえも方向転換してハイブリッド車などに傾いている。
にもかかわらず、我が国はまだEVへの補助金をやめない。
再生エネルギー全体に関して国際社会は大きな揺り戻しの中にある。
2050年までに二酸化炭素(CO2)排出ゼロを目指し、気温の上昇を1.5℃までに抑えるとしたパリ協定への各国政府の姿勢が変化しているのである。
パリ協定の目標数値に縛られているのは主に先進国であり、ロシアやグローバルサウスの国々には有利な条件が与えられている。
先進国が年間5兆ドル(約750兆円)を温暖化対策費用として途上国に払う時、初めて彼らも先進国同様のCO2削減の努力をするという条件だ。
中国がインドと共に途上国に分類されているのは周知の通りだ。
そうした中で日本がCO2ゼロに向けて、巨額を支出するのは愚策である。
ドイツは2030年までに石炭から脱却する方針を延期する可能性が出てきた。
英国はCO2ゼロの実現よりもエネルギー安全保障の方が重要だとして、化石燃料の段階的廃止に距離を置いた。
キャノングローバル研究所の杉山大志研究主幹が紹介する
「脱炭素からの撤退が始まった」(ロス・クラーク著)
には、パリ協定崩壊を示す事例が満載だ。
例えば2023年12月にドバイで開催した国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)では、議長を務めたアブダビ国営石油公社の会長が3年で石油生産量を約50%増やすと発表した。
ブラジルとカナダが石油生産量の拡大を決定した。
インドは2030年までに化石燃料を60%拡大する。
そして中国だ。
2021年までの2年間に新規石炭発電所127基の建設を承認し、その後の2年で承認数は182基まで増えた。
繰り返す。
パリ協定は破綻した。
再エネへの巨額の支援、投資はやめるのが国益だ。
広く世界を見つめて、日本だけが世界の潮流に取り残され、国力を衰退させる事態は防がなければならない。
エネルギー分野で我が国が中国の影響下に置かれることも回避しなければならない。
一般常識から見れば奇々怪々の動きを見せてきた河野氏だからこそ、その行動の意味と意図を国民に説明する責任がある。

フィリピンの先例警戒、中国が電力支配 40%株式保有、送電止める危険 米軍基地抱える日本も脅威″トエネに中国の影・第5弾
2024.3/30 10:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20240330-FTIF36STYBK5PFZIIJYHBZMBKY/
■峯村健司氏緊急リポート
再生可能エネルギーに関する規制見直しを検討する内閣府のタスクフォース(TF)に、中国の国営電力会社
「国家電網公司」
のロゴマークが入った資料が提出された問題が収まらない。
エネルギー戦略は国家の存立に直結する最重要政策であり、
「他国の干渉があってはならない」(高市早苗経済安保相)
からだ。
林芳正官房長官は2024年3月28日の記者会見で
「河野太郎規制改革担当相の下、内閣府において中国政府から不当な影響を受けていなかったかなどの調査を行う」
と語ったが、議会や第3者機関も調査すべきではないのか。
キヤノングローバル戦略研究所主任研究員、峯村健司氏は、国家電網公司がフィリピンの送電企業の40%の株式を保有し、同国議会が
「安全保障上のリスク」
を懸念した前例に迫った。
再エネ導入に向けた規制の見直しを検討する内閣府のTFの資料の一部に、中国の
「国家電網公司」
のロゴマークの透かしが入っていたことが明らかになった。
資料は、民間構成員である財団法人
「自然エネルギー財団」
事業局長、大林ミカ氏が提出したものだった。
大林氏は2024年3月27日の記者会見で民間構成員を辞任したと発表した。
大林氏がTFに入った経緯について、林長官は2024年3月28日の記者会見で
「内閣府事務方が提案した案を、河野規制改革担当相が了承した」
と説明した(=大林氏は2024年3月27日の記者会見で、河野氏の推薦だったと説明)。
■「パワーポイント」による事務ミス…内閣府の説明に疑問と矛盾
問題発覚後の2024年3月25日に記者会見した内閣府規制改革推進室の山田正人参事官によると、同財団が2016〜2019年にかけて開いたシンポジウムに中国企業の関係者が登壇した。
その際の資料を大林氏が提供され、別の機会に編集ソフト
「パワーポイント」
を用いて引用した際、文書のテンプレートにロゴが残ったという。
山田氏は
「内容に問題はなく、事務ミスかもしれない」
と説明した。
この説明には早速、いくつかの矛盾や疑問が浮上している。
同財団が翌2024年3月26日、ホームページ上で発表した経緯説明では、大林氏は編集では
「パワーポイント」
ではなく、
「キーノート(Keynote)」
を使っていた。
金融庁の有識者会議や経産省の小委員会に大林氏が提出した資料にも同じロゴが確認されている。
内閣府の調査は不十分と言わざるを得ない。
そして、筆者が最も注目しているのが、中国政府における
「国家電網公司」
の役割である。
2002年に設立された中国最大の電力配送会社で、オーストラリアやブラジル、チリなどの発電・送電会社に積極的に出資をしている。
■40%株式保有、送電止める危険
その中で
「国家電網公司」
が積極的に進出をしてきたのが、フィリピンだ。
親中政策をとったアロヨ政権時代、フィリピン国家送電会社(NGCP)に40%出資し、2009年から全国の発電所から配電施設までの送電を受託した。
ところが、2019年11月、議員向けの内部報告書で、
「フィリピンの電力網が現在、中国政府の『完全な支配下』に置かれており、我が国の電力網に混乱を引き起こす能力を持っている」
と警告されていることが発覚した。
NGCPを監督する送電公社の責任者が議会の証言で、フィリピン人技術者が施設への立ち入りを制限されており、中国によって送電を止めることができる可能性があることを認めた。
中国が
「国家の悲願」
と位置付ける台湾併合に乗り出した場合、米国の同盟国でありバシー海峡を挟んで位置するフィリピンの存在は極めて重要だ。
その際、中国がフィリピンの関与を阻止するために、全土を停電にする可能性はあるだろう。
同じく、米国の同盟国であり米軍基地を抱える日本に対して、中国がフィリピンに対して実施したようなアプローチをするリスクを考慮するのは当然のことと言える。
今回の問題を
「事務的ミス」
で片付けるべきではない、と筆者は考える。
電力事業は2022年5月に成立した経済安全保障推進法で
「特定社会基盤事業」
と指定されている。
その所管官庁である内閣府は、地政学リスクも含めた徹底した原因究明をすべきだろう。

再エネ政策は中国の影響下?
阿比留瑠比の極言御免
2024/3/28 1:00
https://www.sankei.com/article/20240328-WDBBYQTYVVOUVE4YDID7CB4L2I/
中国国営企業のロゴマークの透かしが入っていた問題に関する内閣府の説明資料
https://www.sankei.com/article/20240328-WDBBYQTYVVOUVE4YDID7CB4L2I/photo/BL5EXY7Y2FJVBNWPL7F6BG6P7I/
国のエネルギー関連の有識者会議などで利用された資料に、中国の国営電力会社
「国家電網公司」
のロゴマークの透かしが入っていた問題は、我が国の再生エネルギー戦略は中国製の資料を基にし、中国の意図に沿って進められてきたのではないかとの深刻な疑念を生んでいる。
高市早苗経済安全保障担当相は2024年3月26日の記者会見で、ロゴ入り資料を提出した再エネ導入に向けた規制の見直しを目指す内閣府のタスクフォースの民間構成員を務めていた大林ミカ氏についてこう指摘した。
「該当構成員が所属する自然エネルギー財団は中国国家電網の会長が、会長を務めている団体に理事会メンバーとして参加している」
「エネルギー安全保障の関連政策の検討に当たっては、他国から干渉されることがあってはならない」
■中露と送電網目指す
自然エネルギー財団はソフトバンクグループ(SBG)の会長兼社長の孫正義氏が、自然エネルギーを基盤とした社会構築を目的に設立した。
一方、国家電網公司の会長が会長を務める団体とは、中国、ロシア、韓国などの国際送電網の構築を目指す非営利団体
「グローバル・エネルギー・インターコネクション発展協力機構(GEIDCO)」
のことである。
大林氏が事業局長を務める自然エネルギー財団は2024年3月26日、
「無用な誤解を避けるため」
としてGEIDCOからの脱退を表明したが、財団もそのアジア版とも言える
「アジアスーパーグリッド(ASG)構想」
を掲げてきた。
国民民主党の玉木雄一郎代表は2024年3月26日の記者会見で、これに対する懸念を次のように表明した。
「この財団が言っていることは、出来るだけ日本は原子力発電をやめろ、火力発電もやめろと」
「仮に電力不足になった時に、中国やロシアから電力を送電網を使って輸入していくことになると、エネルギーの中露依存が高まっていく」
「生殺与奪の権を握られてしまうということになる」
この安全保障上の観点を巡っては、自民党の小林鷹之前経済安保担当相も2021年2月、衆院予算委員会でこう指摘していた。
「(ASG構想で)日本は安全保障上、大陸と繋ぐわけにはいかない」
「日本はエネルギーミックスを、日本1国だけで実現していかなくてはいけない」
■ロゴの問題ではない
自然エネルギー財団の大林氏をタスクフォース構成員に選んだのは河野太郎規制改革担当相である。
河野氏に関しては、外相時代の2018年3月の参院経済産業委員会でも、国民民主党の浜野喜史氏が外務省の気候変動に関する有識者会合の在り方を巡りこんな疑問を呈していた。
「メンバーを見ると非常に偏った構成だ」
「9人中3人が孫正義氏が会長を務める自然エネルギー財団の執行メンバーだ」
規制改革担当相としてタスクフォースを作った河野氏は2024年3月25日の衆院予算委では、政府資料に中国企業のロゴが入っていたことについてこう述べていた。
「ロゴにはウイルスのような有害な要素はないと判明した」
「ロゴのないものに差し替えることを考えている」
誰がコンピューターウイルスの心配をしているというのか。
余りに国民をバカにした答弁ではないか。
玉木氏が2024年3月26日の記者会見で
「ロゴが入っているかどうかの問題ではない」
「我が国の大切なエネルギー政策を決める際に、外国企業や外国政府の影響が及んでいるのではないか」
と語った通り、中国との関係こそが問われている。

中国企業ロゴ問題「内容には問題なし」 内閣府「不当な影響力受けたなら問題」 再エネタスクフォース資料
2024/3/25 13:58
https://www.sankei.com/article/20240325-CWZ57KOKKRMF3IC7Q5BWVEJBWI/
再生可能エネルギー導入促進を目指すタスクフォースで中国国営企業のロゴマークの透かしが入っていた問題に関する内閣府の説明資料
https://www.sankei.com/article/20240325-CWZ57KOKKRMF3IC7Q5BWVEJBWI/photo/LLOZEZYSXBCVNBK4XJPIA5F4RA/
再生可能エネルギー導入に向けた規制の見直しを目指す内閣府のタスクフォースで提出された資料に中国国営企業のロゴマークの透かしが入っていた問題で、内閣府規制改革推進室は2024年3月25日、緊急の記者会見を行った。
資料自体には中国企業に由来する内容はなく、内容に問題はないと説明した上で、更に経緯を調査するとした。
問題の資料はタスクフォース民間構成員の財団法人
「自然エネルギー財団」
事業局長、大林ミカ氏が作成し、2023年末などの会合向けに提出した。
一部のページに、中国の国営電力会社
「国家電網公司」
のロゴが入っていた。
記者会見した規制改革推進室の山田正人参事官によると、同財団が2016〜2019年にかけて開いたシンポジウムに中国企業の関係者が登壇。
大林氏がその資料の提供を受け、別の機会に編集ソフト
「パワーポイント」
を用いて引用したところ、文書のテンプレート(ひな型)にロゴが残り、提出資料を作成した際にも反映された結果という。
ブラウザーの環境によっては表示されないため、同室も気付かなかったとした。
山田氏は大林氏の提出資料について
「内容には問題がない」
として、ロゴを抹消した上で再度、公開する方針を示した。
再発防止のため、事実関係を更に究明するとした上で
「何か不当な影響力の行使を受けたということであれば問題だが、単なる事務ミスかもしれない」
とも語った。
同財団と中国企業の関係については
「人的・資本的関係はないと聞いている」
と説明。
大林氏の身分に関しては
「まずは事実関係を調べてからだ」
と述べるにとどめた。
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/598.html#c57

[政治・選挙・NHK294] ウソつき都知事は是か非か(植草一秀の『知られざる真実』) 赤かぶ
28. 秘密のアッコちゃん[385] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年6月15日 05:48:55 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[498]
<■2564行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
なし崩しの移民℃け入れ
2024/6/4 10:34
https://www.sankei.com/article/20240604-45HQCI4XTZHH7MGBX6KHFZZMRI/?outputType=theme_monthly-seiron
国会では出入国管理及び難民認定法の改正と、技能実習制度を廃止し、特定技能や育成就労などに改変する法案が審議されている。
外国人の門戸を開放し、人手不足を補うという目標はあるが、国として外国人とどう向き合うのか、国民生活にどのような影響があるのか、など肝心の点がしっかり論じられているとはいえず、なし崩しで進められようとしている。
月刊正論編集長、田北真樹子と同編集委員、安藤慶太が解説する。

ゴミ散乱、騒音…「仲良く共生、難しい」 群馬・大泉町、2割が外国人「先駆例」の現実
2024/6/14 18:20
https://www.sankei.com/article/20240614-67LPJVPXP5I5NJ4JMQCULAVUXU/
外国人住民向けにポルトガル語の案内を付けたごみ集積所=2024年6月3日午後、群馬県大泉町
https://www.sankei.com/article/20240614-67LPJVPXP5I5NJ4JMQCULAVUXU/photo/A64KN4ZI7ZMONNZT4P5TR37LMM/
外国人が多く住むアパートのごみ集積所の外にはごみ袋や生ごみが放置され、悪臭を放っていた=2024年6月4日午後、群馬県大泉町
https://www.sankei.com/article/20240614-67LPJVPXP5I5NJ4JMQCULAVUXU/photo/PZLVMRJGGBJD3LVMHNHUFT3ZKU/
技能実習制度に代わって外国人を受け入れる
「育成就労制度」
を創設する改正技能実習適正化法などが2024年6月14日成立し、外国人労働者は更に増える見込みだ。
外国人を大量に受け入れることで社会はどう変わるのか。
30年超に渡って積極的に受け入れ、人口の2割を外国人が占めて
「共生社会の先駆例」
とされる群馬県大泉町で教訓を探った。
2024年6月初旬の夕方、大泉町のアパートから出てきた外国籍とみられる男性がごみの入った白いポリ袋を持ち、ごみ集積所の外に捨てて立ち去っていった。
英語だけでなくベトナム語、インドネシア語、ネパール語でごみの分類が明示されているが、集積所周辺には生ごみが散乱している。
「迷惑にならないようルールは守ってほしい」
近くに住む60代女性は悲しそうに呟いた。
アパートの住民は多くが外国人。
住民が昼や夜に室内で窓を開けてカラオケをすることもあり、騒音も悩みの種だ。
女性は
「外国人と触れ合い、文化を知るチャンスはある」
と言って、こう続けた。
「同じ土台には立てていない」
「なし崩しで『仲良く共生』と言われても難しい」
■日系人の受け入れ急拡大
製造業が盛んな大泉町は大手電機メーカーや自動車などの工場を擁する。
日系人の就労を認めた平成2年の制度改正を機に、工場労働者として日系人らの受け入れが急拡大。
技能実習生などの受け入れも進んだ。
平成元年12月に623人だった在留外国人数は右肩上がりに推移し、2024年6月4月末時点で53カ国8452人が住む。
大泉町の総人口4万1491人の約2割に当たる。
町は平成7年に国際交流課(現多文化協働課)を新設し、役場に通訳を配置。
医療機関に多言語の問診票を配布し、各学校に日本語学級を設けてきた。
民間の支援団体なども日本語教育などに力を入れてきた。
■月謝の未納膨らみ休校も
だが、支援が息切れする事例も出てきている。
平成3年から日系ブラジル人の子らの教育に力を入れてきたブラジル人学校「日伯学園」は2023年1月に休校を余儀なくされた。
月謝の未納額が膨らんだからだ。
日伯学園の高野祥子理事長は
「教育熱心な外国人家庭と熱心でない家庭の差は大きい」
とする。
所得の差も根強い。
高崎健康福祉大学などが令和元年に住民に実施したアンケートでは、日本人家庭では年収250万円未満が7.7%だったのに対し、外国人家庭では33.2%を占めた。
外国人に占める65歳以上の割合は令和4年で5.1%で平成26年から倍増。
今後は高齢化に伴う年金や医療、介護の問題も待ち受ける。
大泉国際交流協会の糸井昌信会長は
「外国人を受け入れれば衝突は起きるが、解決策もぶつかることでしか見つからない」
と語る。
言葉や文化の違いは解決するものではなく、付き合っていくもの−。
外国人との共生には、そんな覚悟が必要だと大泉町の経験は教えている。

「歓迎すべき」「失踪助長の可能性」、増える関西の外国人材 受け入れ新制度に期待と疑問の声 
2024/6/14 20:35
https://www.sankei.com/article/20240614-XHXFP5XHUFNCZPN2TP36YTTWMY/
技能実習に代わる外国人材受け入れの新制度
「育成就労」
を創設する技能実習適正化法などの改正案が2024年6月14日、参院本会議で可決、成立した。
外国人材の長期就労に舵を切る今回の法改正。
労働力不足に悩む関西の製造業者からは歓迎の声が上がる一方、相次いだ実習生の失踪といった課題の解消に繋がるか疑問視する声もある。
厚生労働省によると、技能実習の全国在留者数は、令和元年10月末に38万3978人だったが、令和5年10月末には41万2501人と4年間で7%増加。
関西2府4県でみると、同時期に4万6502人から5万3267人へと15%増えた。
「日本の若い世代がやりたがらない仕事が多い業種にとっては歓迎すべきだ」
「外国人にとっても継続して働くことができれば安心できるだろう」。
技能実習から切り替わる新制度について、大阪市生野区の金属加工会社「三栄金属製作所」の文敬作社長(65)はそう評価する。
同社は平成19年に実習生2人を採用して以降、ベトナム人の受け入れを継続。
平成31年には在留期間の長い
「特定技能」
が創設されたこともあり、現在は従業員約100人の半数が同国出身者だ。
現場トップの工場長も2人がベトナム人という。
新制度によって長期就労の機会が広がれば、同じ国の出身者が来日しても馴染みやすく、外国人材の育成には大きなメリットだ。
文氏は
「結婚したい、家を買いたいという彼らの夢に応えられればいい」
とし、
「(外国人材がいないと)大阪だけでなく、日本の製造業はもたない」
と強調した。
今回の法改正では、同じ職場で1年以上働き、一定の技能や日本語能力があれば転籍(職場変更)できる。
従来は転籍が3年間認められず、劣悪な就労環境から実習生が失踪するケースが相次いだためだが、
「(改正が)むしろ失踪を助長する可能性もある」
と指摘する関係者もいる。
ベトナム人実習生の相談などに応じるNPO法人「日越ともいき支援会」の吉水慈豊(じほう)代表理事(54)によると、実習生の失踪は年間約9000人。
契約通りに賃金が支払われないことやパワハラが原因で、耐えきれずに失踪するケースが多いという。
このため、吉水氏は
「転籍希望者への支援態勢はまだ整備されていない」
「1年で転籍できれば、悪質ブローカーの甘言に乗って失踪する人も増えるのでは」
と指摘。
「本質的な問題を解決するには、一部雇用側の姿勢を正す制度を国が設計すべきだ」
と強調した。

外国人材の受け入れ「日本語教育の支援カギ」 東海大の万城目正雄教授
2024/6/14 21:28
https://www.sankei.com/article/20240614-XVJ7VYPLHFMP5E7OR3ZTLH5IXM/
技能実習に代わる
「育成就労制度」
を創設する入管難民法などの改正案が成立し、地方で働き手となる外国人材の活用が広がりそうだ。
受け入れ拡大に向けた課題について、東海大学の万城目正雄教授(国際労働移動)に聞いた。
外国人の受け入れをスムーズにするカギは日本語能力の向上にある。
技能実習生や特定技能の外国人を対象にしたアンケートでは、仕事や生活の満足度が日本語能力と比例する傾向があることが判明している。
仕事にとても満足しているとした外国人で、日本語が「全くできない」と答えた人は25%だったのに対し、日本語が「ほぼ完全」と「わりとできる」と答えたのは約4割に上った。
技能実習生は地方で働いている人が多い。
地方は日本語の教室が少ない
「空白地域」
が多く、日本語を習いたくてもなかなか出来ない状況にあり、こうした地域でも日本語教育をどう届けるかが課題だ。
海外で孤立してまで長く生活したいと考える外国人はあまりいない。
孤立を放置すれば、職場や地域でのトラブルにも繋がりかねない。
外国人に選ばれるためにも、受け入れる際の摩擦を小さくするためにも、日本語教育や、易しい日本語の使用の徹底などの取り組みが大事になる。
国と地域が一体となって財政・人的支援をする必要がある。

外国人受け入れで試行錯誤の群馬・大泉町 日本語教育やイベントで支援、「育成就労」法成立
2024/6/14 18:23
https://www.sankei.com/article/20240614-KVZ7XZ5LZ5IVNCCKXJBOW35S5I/
約30年に渡って外国人の受け入れを続けてきた群馬県大泉町は官民で試行錯誤を続けてきた。
日本語教育、多言語対応、地域と外国人の交流会、国際色豊かなスーパーや多国籍な町柄を生かした観光誘致…。
多様な取り組みが、着実に外国人の定着を促してきたのも事実だ。
「これは?」
「お!」
2024年6月初旬の夜、大泉町公民館南別館で開かれた外国人向けの勉強会で、ベトナム国籍のファム・ヴァン・ヒェウさん(34)が息子と友人のブラジル人の娘に、ひらがなが書かれたカードで日本語を教えていた。
愛知県から引っ越してきたファムさんは
「愛知では仕事が終わるとアパートで過ごしていたが、大泉ではみんなと話せて楽しい」
と笑う。
町では外国人住民のニーズに応え、スーパーも充実している。
肉などの生鮮食品には多言語で説明書きがある他、ブラジルやベトナムなどの保存食や菓子、洗剤などが所狭しと並んでいる。
多国籍な国柄を生かし、町内では2カ月に1度程度、各国のグルメや音楽を楽しむイベントを開いている。
料理はブラジルの焼き肉料理「シュラスコ」、ベトナムの生春巻きから日本の焼きそばまで。
ステージも多彩で、居合術にフラダンス、サンバと、国際色豊かだ。
主催する大泉町観光協会の中山正樹事務局長は
「海外に行かずに色んな国の文化を感じられる」
とメリットを強調する。
5歳のときにブラジルから来た日系人のヤマカワ・レイコさん(34)は
「大泉町は日本語教育などの支援があり、安心できる」
と話した。

「育成就労」創設 技能実習廃止 改正法が成立 外国人材確保、実態に即した制度に転換
2024/6/14 11:25
https://www.sankei.com/article/20240614-CO6ELKFKFNLTVAHIRDZTSUW43Y/
技能実習制度の代わりに外国人を受け入れる
「育成就労制度」
創設を柱とする技能実習適正化法と入管難民法の改正法が2024年6月14日、参院本会議で賛成多数により可決、成立した。
令和9年までに施行される。
人材育成による国際貢献を名目に劣悪な労働条件による人権侵害が相次いでいた技能実習制度は導入から約30年で廃止。
人手不足解消のため、外国人材の確保を正面から掲げて実態に即した制度に転換する。
実習生は令和5年末で40万人おり、改正法施行前に来日した実習生は一定期間、在留を認める。
新制度は育成期間を3年とし、特定分野で外国人の就労を認める
「特定技能1号」
の水準に育てる。
日本語と技能試験に合格すれば特定技能1号に移行する。
更に技能を磨けば、家族が帯同でき、在留期間更新に上限がなく、永住も視野に入る
「特定技能2号」
に移行できる。
政府は特定技能1号を受け入れる分野を16分野に拡大。
令和6年度から5年間で、最大82万人を受け入れ、深刻な人手不足解消を狙う。
技能実習制度では受け入れ先の労働環境が悪化しても原則、転籍(転職)できなかったが、新制度では1〜2年の育成期間と試験合格などを条件に転籍を認める。
都市部に人材が集中しないよう、付則では必要な措置を講じることを求めた。
改正に伴って増加が見込まれる永住者の不正対策も強化。
税金や社会保険料を故意に滞納するなどした場合は永住資格を取り消す。
無資格の外国人を雇うことを禁じる不法就労助長罪の罰則も懲役5年以下の懲役もしくは500万年以下の罰金に引き上げる。

日本は「移民」否定も外国人受け入れ拡大 2070年に人口1割超の推計も G7で議題に
2024/6/13 17:34
https://www.sankei.com/article/20240613-UTPISCNXBBLBZKLNDNUBVMERFI/
先進7カ国首脳会議(G7サミット)での主要課題となる移民問題を巡っては、日本は、移民政策を取っていないとの立場を維持するが、労働者確保策として外国人の受け入れを拡大している。
岸田文雄首相は2024年6月6日の参院法務委員会で
「いわゆる移民政策を取る考えはない」
と改めて発言。
移民について、岸田首相は
「一定規模の外国人や家族を期限なく受け入れる(政策)」
などと捉えているとし、現状の外国人労働者受け入れ拡大などの政策とは別物だと強調した。
政府は、平成5年に技能実習生の受け入れを開始。
平成31年には特定分野で労働者を受け入れる特定技能制度も創設し、能力が高い
「特定技能2号」
については家族帯同や実質的な永住ができる道を開いた。
出入国在留管理庁によると、令和5年末に国内にいた外国人は過去最多の341万992人。
うち外国人労働者も最多の204万8675人で技能実習生が40万人を占める。
また、令和6年度からの5年間に特定技能1号で受け入れる外国人の枠をそれまでの5年間の約2.4倍の最大82万人に拡大する方針だ。
2024年6月13日の参院法務委員会では、技能実習制度を変え、就労と育成を目的とする
「育成就労」
制度を創設する入管難民法などの改正案が可決。
2024年6月14日にも本会議で成立する見通しとなった。
特定技能の前段階と位置づけ、3年間で特定技能1号に育成することを目指す。
国立社会保障・人口問題研究所が公表したシナリオの1つでは、2070(令和52)年に人口8700万人の1割超が外国人になるとされ、外国人の割合は更に高まりそうだ。

メディアがダメだから国会議論もダメ
正論2024年7月号 政策シンクタンク代表 原英史
10年後、20年後に、
「あの法改正がその後の日本社会の破壊に繋がった」
と振り返ることになるのではなかろうか。
この通常国会で成立に向けて審議が進む、技能実習制度の見直しなどに関する法案のことだ。
■国会での意見陳述
技能実習制度は、劣悪な労働環境や失踪などが生じ、外国政府からも人権侵害との批判を受け、見直しの検討がなされてきた。
法務省の有識者会議での検討(2023年11月に最終報告)を経て、2024年の通常国会に法案が提出された。
2024年4月16日に審議入りし、2024年4月26日には衆議院法務委員会で参考人質疑が行われ、私も参考人として意見陳述を行った。
概略こんな事を述べた。
第1に、
「外国人に選ばれる国に」
という標語は再考すべきだ。
政府やマスコミは最近揃って、
「このままでは日本は外国人に選ばれなくなってしまう」
「外国人に選ばれる国にならないといけない」
などと唱えているが、違和感を感じる。
外国人の中には、日本文化を愛し、地域に溶け込み、経済成長に貢献する
「居て欲しい外国人」
もいれば、一方で、経済社会に貢献せず、犯罪を起こし、脱税や社会保障制度の悪用などを行う
「居て欲しくない外国人」
もいる。
まず、
「日本国が外国人を選ぶ」
ことが決定的に重要だ。
これを欠いたまま
「外国人に選ばれる国」
を目指しても、
「居て欲しくない外国人」
ばかりが日本を選ぶことになりかねず、これは害悪でしかない。
第2に、これまで日本政府が行ってきた事は、
「なし崩しの移民受け入れ」
だ。
政府は建前では
「移民政策は採らない」
と言い続けてきた。
第2次安倍政権の初期に
「年20万人の移民受け入れ」
の試算を示して猛反発を受けて以降、決まり文句として唱えることになり、菅内閣・岸田内閣にも引き継がれた。
しかし、現実には外国人労働者の数は、2012年に68万人から2023年には205万人になった。
この10年ほどの間、毎年12万人の移民受け入れを行ってきたのが実態だ。
また、政府のもう1つの建前は、
「高度な人材は積極的に受け入れるが、単純労働は受け入れない」
だが、これも現実と乖離している。
この10年ほどの移民受け入れの相当部分は、技能実習と資格外活動(主に留学生のアルバイト)だった。
言うまでもなく、どちらも技能水準のごく低い労働者だ。
一方で、
「積極的」
に受けれいているはずの高度人材は、2012年に高度人材ポイント制を創設したものの、技能実習などとは桁が異なり、外国人労働者総数の1%程度に留まって来た。

★表 外国人労働者データ(@2012年A2023年)、単位:人
・外国人労働者総数*1:@682,450A2,048,675
・技能実習*1:@134,228A412,501
・資格外活動*1:@108,492A352,581
・高度人材*2:@313A23,958
(出典)
*1:厚生労働省「外国人雇用状況」(各年10月末)
*2:出入国在留管理庁「在留外国人数」(各年末)

(【表】)要するに、日本政府が行ってきたことは、建前とは全く裏腹に、単純労働に重きを置く移民の受け入れだ。
これは、安価な労働力を求める一部産業界に引きずられた結果として生じて来た。
第3に、技能実習制度の問題の根源は、
「安価な労働力」
を求める一部産業界による悪用だ。
もちろん全てが悪用ではなく、好事例もある。
しかし、生産性の低い業界や企業が、高い賃金を払えないため人手不足に陥り、生産性を高めて賃金を上げる努力をする代わりに
「安価な労働力としての外国人」
に頼るケースが少なからずあった。
政府はこうした一部業界の要望に応えて対象業種を追加し、悪用を黙認してきた。
結果として、以下の問題が生じた。
@安価な労働力を求める企業が利用するので、自ずと劣悪な労働環境など人権侵害が生じがちになり、失踪などの事案も生じた。
A安価な労働力を受け入れるので、犯罪や社会的トラブルなど、社会への悪影響も生じがちになった。
B受け入れた企業は、生産性を高めて賃金を上げる代わりに、外国人労働力を受け入れて生き延びる道が与えられ、このため、賃金は低迷し、経済成長が阻害された。
日本は今、相対的に賃金の低い、貧しい国へと転落しつつあるが、大きな要因の1つが技能実習制度の悪用だった。
こうした経過を考えれば、問題解決には外国人政策を根本から見直す必要がある。
審議中の改正案のような小手先の手直し(技能実習の名称を改める、転籍を認めるなど)ではなく、何のためにどのような外国人を受け入れるのか、基本戦略を定めなければならない。
個別制度見直しの前にまず
「外国人基本法」
を制定すべきだ。
こういった事を国会で述べた。
実は、私は直前に骨折して入院中だったが、何としても国会議員の方々に問題を認識して、本来あるべき議論をして頂きたいと考えたので、無理に外出許可を貰って車椅子で出席した。
だが、残念ながら、徒労だったようだ。
私の提起した課題はほぼ議論されることなく、法案審議は粛々と進み、2024年5月17日に衆議院法務委員会で可決された。
参議院での審議が残されているものの、恐らくこのまま成立に向かう可能性が高そうだ。
■産業界に阿る与党
政府の改正案について、少し詳しく説明しておこう。
全くダメなわけではなく、評価できる部分もある。
技能実習関連以外で
「永住資格の取り消し」(永住者が税や社会保険料の支払いを故意に怠る場合や一定の犯罪を犯した場合に資格を取り消す規定)
の追加も提案されている。
これは望ましい改正だ。
本来そんな外国人には永住資格を与えるべきではなく、取り消し規定がなかったことがおかしかった。
早急に規定を追加し、厳正に執行すべきだ。
一方、
「技能実習制度の見直し」
は全く評価できない。
政府案では、技能実習制度を廃止し、代わりに
「育成就労制度」
を設ける。
報道では、
「育成就労では、技能実習と異なり、転籍が一部認められている」
といった事ばかり強調されているが、そんな事は枝葉の話でしかない。
事の本質は、従来の
「なし崩しの移民受け入れ」
を正面から制度化するものなのだ。
従来の仕組みは、
▽国際貢献(母国で働く人材を育てる)を目的とする技能実習制度に基づき、脱法的に低技能労働者を受け入れ、
▽更に、2018年改正で創設した特定技能制度と事実上接続して、長期在留を可能にし(ただし、あくまで事実上の接続であり、本来の制度趣旨には反するので、政府の説明資料では少し隙間が空いている)、なし崩しで
「低技能労働者を受け入れ、長期在留させる」
ものだった。
今回の改正では、
▽技能実習制度の代わりに、人材育成と人材確保を目的とする育成就労制度を設けて、制度上堂々と低技能労働者を受け入れられるようにし、
▽更に、特定技能制度と正式に接続し(政府の説明資料では、隙間がなくなる)、制度的に
「低技能労働者を受け入れ、長期在留させる」
仕組みにするものだ。
看板の掛け替えに過ぎないという以上にこれまでコソコソと行ってきた事を堂々と看板に書いてしまうような改正と言って良い。
これではもちろん、先に述べた技能実習のもたらしてきた問題(人権侵害、犯罪・社会的トラブル、賃上げと経済成長の阻害)は何ら解消しない。
それどころか、今後は堂々と低技能労働者の受け入れを拡大できることになるから、益々増幅することになるだろう。
こうした改正の方向と軌を一にして、政府は2024年3月末、特定技能の受け入れ見込み数として
「今後5年で82万人」
との方針を決定した。
制度発足時の2018年からこれまでの5年間は34万人だったから、倍増以上だ。
また、対象業種として、バスやトラック運転手などの自動車運送業、鉄道、林業、木材産業の4分野を追加する方針も併せて決定している。
特定技能の入り口である育成就労も、自ずと拡大していくことになろう。
より長期的な見通しも示されている。
2023年4月に国立社会保障・人口問題研究所が示した将来人口推計だ。
「外国人が毎年16万人入って来る」
との前提の下、人口に占める外国人比率が2020年の2%から2070年に11%にまで増えるとの推計を示した。
「移民政策は採らない」
などという空虚の説明をしながら、政府は現実には
「なし崩しの移民受け入れ」
を着実に前進させ、本格的な拡大へと向かっている。
ちなみに私は、外国人雇用協議会という一般社団法人の代表理事も務めている。
この団体には、安価な労働力の受け入れとは一線を画し、
「日本の経済社会で活躍できる質の高い人材の受け入れ」
という理念を共有する外国人材関連企業の業界団体だ。
団体の会員企業にとっては、単に短期的な利益拡大だけを考えれば、今回の法改正で外国人の受け入れ規模が拡大するのはビジネスチャンスかもしれない。
しかし、日本社会には取り返しの付かない損失をもたらしかねない。
結果として、長期的に外国人材ビジネスの基盤も損なわれる。
だから、私個人はこの法案には反対であり、参考人質疑でもそう明言した。
正直なところ、政府・与党がこんな法案を国会に提出したことには甚だ失望した。
欧米諸国の多くでは、移民問題が深刻な社会混乱をもたらしている。
日本の政治家も官僚もその状況は十分認識しているはずだ。
それなのに何故、諸外国の失敗の道を辿るように、
「なし崩しの移民受け入れ」
を平然と制度化しようとするのか。
特に自民党の保守派の議員たちは一体何をしているのか。
結局、政府・与党は、人手不足を訴える一部産業界に阿って、国の未来を危うくする危険性に目を瞑っている。
本当に情けないことだが、これが今の政府・与党の現実だ。
「政治とカネ」
を巡る自民党の対応が問題になっているが、こちらの方が余程深刻だと思う。
■より低レベル人材を求める立憲
立憲民主党は対案として
「外国人労働者安心就労法案」
を提出した。
立憲民主党の説明によれば、政府案では外国人の人権侵害の要因が除去されなていないのに対し、対案は外国人の人権を守る内容だという。
しかし、中身を見ると、
「外国人の人権を守る」
とは逆行している。
まず、技能実習と特殊技能を一本化して
「一般労働」
という制度に改め、受け入れのハードルをこれまでより引き下げる。
技能講習でも政府・与党案の育成就労でも最低限の日本語能力が求められるが、これを不要にするという。
とんでもない話だ。
日本語のできない低技能労働者を受け入れれば、職場でも地域社会でもこれまで以上にトラブルが生じる。
周囲の日本人に迷惑を及ぼすだけでなく、外国人自身にとっても人権侵害や差別を受ける可能性が高まるだろう。
更に
「永住資格の取り消し」(永住者が税や社会保険料の支払いを故意に怠る場合や一定の犯罪を犯した場合に資格を取り消す規定)
には反対し、規定を削除している。
これもおかしなことだ。
ルールを守らない外国人を野放しにすれば、外国人への反感が高まり、ルールを守る外国人までその対象にされかねない。
むしろ外国人への人権侵害を増幅しかねない。
何故こんな逆行した対案を出すのか。
結局、本当に人権を守りたいわけではないのだと思う。
本当に人権を守りたければ、低技能労働者を受け入れるのをやめ、安価な労働力として悪用される道を断てば良い。
「可哀相な外国人」
を作らないよう未然防止するのが最善の解決策だ。
ところが、立憲民主党の対案は、政府・与党案以上にもっとレベルの低い低技能労働者を受け入れ、問題を起こす外国人も在留させ続けようという。
「可哀相な外国人」
をもっとたくさん作って、その上で
「可哀相な外国人」
を守ろうという話だ。
マッチポンプそのものだが、これが
「人権を守る」
と称する人たちの求めていることだ。
参考人質疑の際、共産党の本村伸子議員から、諸外国での移民受け入れの状況について問われ、私はこう答えた。
多くの国には、安価な労働力を求める産業界がある。
一方で、可哀相な外国人を受け入れたい、守りたいという人たちもいる。
これらは全く異質なようだが、実は同じ方性を向いて、一緒になって社会を悪くしてきた。
これが欧米諸国の多くで起きてきたことだ。
現在の国会状況を見れば、日本でも同様に、産業界と人権左翼の結託が起きている。
自民党は、産業界の要望に応えて安価な労働力の受け入れを制度化しようとする。
立憲民主党は、可哀相な外国人を守ると称し、更に低レベル人材を受け入れようとする。
与野党どちらも、安価な労働力を受け入れる方針では合致して、どちらがより社会を悪くできるかを競い合っている状況だ。
そして、基本的な方向は合致しているから、こんな劣悪な政府・与党案に対して、野党は徹底抗戦しようとしない。
粛々と法案は成立に向かっているのだ。
しかも、採決に際しては、
「永住資格の取り消し」(永住者が税や社会保険料の支払いを故意に怠る場合や一定の犯罪を犯した場合に資格を取り消す規定)
に関して立憲民主党の主張を一部受け入れ、
「外国人の状況に配慮して行う」、
即ち資格取り消しは抑制的にしか行わない旨の修正が施された。
せっかく的確な改正がなされようとしていたのに規定の実効性を損なったわけだ。
最早、与野党で手を握って、社会を危機に向かわせようとしているとしか思えない。
■一刻も早く国民的議論を
残念ながら、こうした惨状をマスコミは全く報じない。
私は、これまでも技能実習の見直しについて、マスコミの報道がおよそ的外れであることを繰り返し指摘してきた。
2023年5月に法務省の有識者会議が中間報告を出した段階で本誌2023年7月号に
「弱者を作る朝日 移民を歓迎する産経」、
本誌2023年11月号に最終報告が出た段階で産経新聞にコラム
「『外国人に選ばれる国』という美名の下に…」(2023年12月10日付)
を寄稿し、新聞各紙は
「人権を守れ」
「選ばれる国に」
などと唱えるばかりで、
「安価な労働力」
に偏った外国人受け入れなどの根本問題に触れていないことを指摘してきた。
国会での法案審議の段階になっても状況は全く変わらない。
▼読売新聞は、
「外国人の就労環境を改善せよ」
「『選ばれる日本』にしていくことが大切だ」
と説いている(2024年2月10日付社説)。
▼産経新聞は、
「労働環境の是非を着実に」
と唱え、取って付けたように
「移民に対し安易に道を開くことにならにように」
と付け加えるだけだ(2024年3月21日付主張)。
▼朝日新聞は、
「労働者の権利を重んじる態勢に生まれ変われるのか疑問」
と指摘し、永住資格の取り消しについては
「筋違いで、共生の理念を否定するメッセージ」
と厳しく批判している(2024年5月10日付社説)。
いずれも、これまで本稿で述べてきたような外国人政策の根本問題には全く目を向けていない。
更に、ルールを守らない外国人との
「共生」
を求める朝日新聞に至っては、論外と言う他ない。
マスコミがダメだから、国会でもダメな議論しかなされない。
本来、外国人政策は、国の未来の姿、国民1人1人の生活に重大な影響を与える。
国民が議論に参画し、選挙などを通じ選択すべき課題だ。
一刻も早く、国民的議論の土台を整える必要がある。
そのため、
「移民政策は採らない」
などの意味不明な言葉で誤魔化すのでなく、明確な選択肢を示して議論がなされるべきだ。
第1の道は、従来の延長、即ち
「低技能労働者を中心とした移民受け入れ」
の拡大だ。
これは、欧米の多くが辿って来た道だ。
「深刻な人手不足への対応」
「人口減少する地方の活力維持」
「外国人の人権を守る」
などともっともらしい説明がよくなされるが、行き着く先は大概同じだ。
第2の道は、
「外国人排斥」
だ。
欧米各国では、第1の道で深刻な社会問題が生じ、反作用として極端な排外主義を唱える勢力が力を強めた。
第1と第2の道の対立で、社会の分断も招いた。
日本でも今後、こうした声が高まる可能性は高い。
第3の道は、そのいずれでもなく、冒頭でも触れた
「外国人を選ぶ」
道だ。
経済社会を豊かにすることに貢献する高度人材は積極的に招き、低技能労働者は受け入れない。
表向きの説明としては、日本政府はずっとそう言い続けてきたのだから、本当にその通り実行したらよい。
私は、欧米諸国の失敗を踏まえれば、これが進むべき道だと考えている。
いずれにせよ、このまま漠然と
「なし崩しの移民受け入れ」
を延長・拡大し、社会が大混乱に陥ってからでは手遅れだ。
1度立ち止まって、国の進む道を冷静に議論するには、今が最後のチャンスだ。

育成就労法案、衆院通過へ 労働力不足に外国人材確保 職場変更「転籍」も可能
2024/5/21 7:11
https://www.sankei.com/article/20240521-PBYN6RJRE5MVXCKDP3TIJGYTHM/
技能実習に代わる外国人材受け入れの新制度
「育成就労」
を創設する入管難民法と技能実習適正化法の改正案が2024年5月21日、衆院本会議で可決され、衆院を通過する。
参院に送付され、今国会で成立する見通し。
人手不足の分野で労働力を確保し、即戦力とされる特定技能水準の人材を育て、長期就労を促す。
公布から3年以内に施行する。
育成就労の在留期間は原則3年で、技能実習では原則禁止されていた同じ業務分野で職場を変える
「転籍」
を一定の条件で認める。
転籍手続きなどで悪質なブローカーを排除するため、民間業者の関与を禁じる。
技能実習で受け入れ仲介を担う監理団体は
「監理支援機関」
と名称を変え、外部監査人を設置して中立性を高める。
今後は永住者の増加も見込まれるとして、納税などを故意に怠った場合は永住許可を取り消し、別の在留資格に切り替える規定も盛り込んだ。
衆院審議では与野党が修正を協議し、永住者の生活状況に配慮することなどを付則に追加した。

国貧しくする外国人政策
政策シンクタンク代表 原英史 
2024/4/28 8:00
https://www.sankei.com/article/20240428-7IRYKFFZSFP2TFLRAJTQM47IVE/
外国人の技能実習制度の見直しなどを内容とする出入国管理法等改正案の国会審議が始まった。
2024年4月26日、衆院法務委員会で参考人質疑が行われ、私も参考人の1人として陳述を行った。
私の述べた意見は、技能実習など個別制度の手直しの前に、まず
「外国人基本法」
を制定し、受け入れの戦略を明確にすべきだということだ。
政府は従来、なし崩しで外国人政策を進めてきた。
表向きは
「移民は受け入れない」
と言いつつ、実態は安価な外国人労働力の受け入れが拡大した。
日本人に十分な賃金を払って人材確保できない企業や業界が、安易に外国人労働者に頼り、入管行政も要望に応えた。
「国際協力」
が目的の技能実習制度などの悪用を政府が容認してきたのだ。
この結果、劣悪な労働環境や失踪などの問題が生じ、外国人による犯罪、社会的トラブルなども広がりつつある。
業界・企業が賃上げせず事業継続する道が用意され、賃金水準低迷の一因となった。
今回の改正案はこうした根本問題を解決するものではない。
「技能実習制度の廃止」
を掲げ、実態とかけ離れた国際協力の名目を人材育成などに改めてはいるが、実質大きく変わった点と言えば、転職を認めた程度だ。
看板の掛け替えに近い。
今後、人手不足が拡大する中で外国人受け入れの規模は拡大するから、これまでの戦略なき受け入れの負の側面は、更に大きく広がりかねない。
政府が今、行うべきことは戦略なき状態の解消だ。
国民的な議論も経て、
「外国人基本法」
を制定することが不可欠だ。
基本法ではまず、何のために外国人を受け入れるのかを明確にする必要がある。
「人手不足の解消」
を目的とするのは危うい。
業界要望に安易に応え続けることになり、日本人も含めた賃金引き上げを阻害し、日本をより貧しい国にしかねない。
安易な労働力の受け入れは社会的軋轢も生みやすい。
目的は
「日本を豊かにすること」
とすべきだ。
生産性を高めて経済社会を発展させるため、貢献できる質の高い外国人を戦略的に受け入れていく必要がある。
併せて、外交・安保政策の観点で人的交流を強化すべき国から重点的に受け入れるよう戦略性も求められる。
日本に限らず、移民を巡る議論は、賛否が大きく分かれ、イデオロギー・感情的対立にも陥りがちだ。
解決の道は、安易な受け入れでも全面的排除でもなく、日本国にとって有用な外国人材を選び抜いて受け入れることだと考える。
だが、今回の改正案はなし崩しの延長で、安易な外国人受け入れの道を広げ、社会の混乱を招き、日本をより貧しくしかねない。
必要なのは、なし崩し的な移民から戦略的政策への転換だ。

「外国人に選ばれる国」という美名の下に… 政策シンクタンク代表・原英史
2023/12/10 8:00
https://www.sankei.com/article/20231210-K3VBLS7WBBPVZFO3Y4EMXZC6VA/
外国人が働きながら技能を学ぶ技能実習制度の抜本見直しに向けて、政府の有識者会議の最終報告書がまとまった。
国内外から指摘されてきた劣悪な労働環境などの問題を解消し、日本が
「外国人に選ばれる国」
になって、人手不足への対応を目指そうという。
具体的には
▽技能実習制度は廃止して新たに「育成就労」制度を設ける
▽人権侵害を防ぐべく、働く企業を変える「転籍」を認める
などの内容だ。
だが、欠落しているのは、
「外国人に選ばれる国」
になる前に
「日本国が外国人を選ぶ」
ことの重要性だ。
日本文化を愛し、地域に溶け込み、経済成長に大いに貢献する
「日本にいてほしい外国人」
もいれば、経済社会に貢献せず、犯罪を起こし、社会保障制度を悪用するなど
「いてほしくない外国人」
もいる。
後者が日本を選んでくれても害悪でしかない。
技能実習制度を巡る諸問題の根源は、この視点を欠いていたことだ。
「国際貢献」
という建前のもと、一部産業界の求める
「安価な労働力」
としての外国人受け入れに悪用されてきた。
欲しいのは
「安価な労働力」
だから、技能のない外国人を
「選ぶ」
ことなく受け入れ、余程の事がない限り在留し続けられる仕組みだった。
だから、劣悪な労働環境など人権侵害が生じ、一方、外国人犯罪なども起きがちになった。
本来必要な見直しは
「外国人を選ぶ」
制度への転換だ。
ところが、政府の有識者会議の最終報告書は小手先の見直しばかりで、問題の根源に手を付けていない。
新制度の目的は
「国際貢献」
から
「人材育成と人材確保」
に変えると言うが、
看板の掛け替えどころか、正面玄関から
「安価な労働力」
を受け入れることにも繋がりかねない。
一部産業界の要望に応え続けている限り、人権侵害の問題も解消しない。
結局、
「いてほしい外国人」
ほど日本を避け、選択肢の乏しい
「いてほしくない外国人」
ばかりが日本を選ぶ。
更に外国人受け入れの規模が拡大すれば、欧米諸国以上に深刻な移民問題に直面しかねなない。
これが
「外国人に選ばれる国」
という標語の行き着く先だ。
深刻な状況を前に主要新聞各紙の社説はおよそ的外れだ。
「(外国人に)選んでもらえる社会を作っていきたい」(朝日新聞)
「日本を『選ばれる国』に変えていくことが大切だ」(読売新聞)
「外国人にそっぽを向かれることになりかねない。政府は正念場」(日本経済新聞)
などと声を揃える。
せいぜい産経新聞が
「社会に様々な問題を生みかねない移民に対し、この改革が安易に道を開くことがあってはならない」
と一言指摘しているだけだ。
これでは、外国人政策はおかしな方向に向かうばかりである。

正論2024年2月号 政策シンクタンク代表 原英史
■人権左翼と一部産業界の結託?
政治とカネの騒動の陰で重要な政策転換も進んでいる。
その1つが技能実習制度の見直しだ。
技能実習を巡っては、劣悪な労働環境などの人権侵害、それに伴う失踪などが長らく国内外で指摘されてきた。
法務省の研究会でなされていた検討が2023年11月末にまとまり、2024年通常国会での法改正に向けて準備を進めることになった。
内容は、技能実習制度は廃止し、新たに
「育成就労」
制度を設けるという。
結論から言えば、看板の掛け替えどころか、むしろ更におかしな方向に向かっている。
そもそも技能実習制度の根本問題は、
「国際貢献」(途上国への支援)
という建前の下、
「安価な労働力」
として外国人受け入れの道を開いてきたことだった。
もちろん制度を有効利用する好事例もあり、全てを否定するわけではない。
だが、生産性の低い一部産業界が、賃金引き上げや設備投資の代わりに
「安価な労働力」
を要望し、政府が応えて対象業種を追加してきた面があった。
そんな事業者が利用しているから外国人への人権侵害が起きがちになった。
「安価な労働力」
を求める事業者は外国人を選ばず受け入れるので、犯罪なども起きがちになった。
生産性を高めない事業者を温存し、経済成長の阻害要因にもなった。
今回の報告書は根本問題に全く踏み込んでいない。
それどころか、
「就労育成」
制度は
「人材育成と人材確保」
が目的だという。
つまり、これまでのように
「国際貢献」
と建前を述べるのはやめて、堂々と
「人材育成」
と称する。
つまり、これまで通り、
「安価な労働力を」、
しかも正面玄関から受け入れようということだ。
その上で、人権侵害を防ぐため、別の企業などに移る
「転籍」
を認めるなどと言うが、小手先の見直しでしかない。
今、本当に求められるのは、
「日本国としてこれから、どんな外国人を(高度人材、安価な労働力など)、どのような方式で(短期か長期かなど)、どの程度の規模で受け入れるのか」
という国民的議論だ。
外国人の中には、日本の経済社会の成長や活性化に大いに貢献する
「日本に居て欲しい外国人」
もいれば、経済社会に貢献せず、罪を犯し、社会保険を悪用するなど
「日本に居て欲しくない外国人」
もいる。
これをどう選び、どう受け入れていくかが肝心なのだ。
政府はいつもこうした本来の議論から逃げ、技能実習の見直しなどの各論に突如入り込む。
基本戦略を定めていないので、結局、一部産業界などに引きずられ、なし崩しの移民受け入れに向かってしまうのだ。
これに対し、主要新聞各紙は的外れだ。
いずれも
「安価な労働力」
路線の継続を批判しようとはしない。
朝日新聞も毎日新聞も日経新聞も揃って
「これで外国人に選ばれる国になれるか」
と憂え、
「転籍」
をもっと拡大せよなどと論じている。
メディアがこんな状況では、外国人政策はおかしな方向に向かうばかりだ。
安価な労働力路線を続け、多くの
「日本に居て欲しくない外国人」
から
「選ばれる国」
になったところで、社会にとって害悪でしかないのは明らかだろう。
こんな状況から想起されるのは、欧米諸国でも生じてきた、人権左翼と一部産業界の暗黙の結託だ。
難民申請者などの幅広い受け入れに対し、人権を重視する勢力と、安価な労働力を求める一部産業界は、一見すると水と油のようだが、実は利益が一致している。
暗黙の結託を背景に、過剰な難民受け入れなどがなされてきた面が否めない。
今後、日本でも同様の事態が起きかねない。
事態は深刻だ。

弱者を作る朝日新聞 移民を歓迎する産経新聞
正論2023年7月号 政策シンクタンク代表 原英史
物事を見る時は、個々の事象の表層だけでなく、全体像や背後の構造まで見極めることが肝要だ。
例えば重大事故が生じた時、まず悲惨な被害状況などに向き合うことは欠かせないが、それだけでは不十分だ。
更に踏み込み、事故が何故生じたのか、製品の欠陥がなかったか、法規制や監督体制に問題はなかったかといった検証を行ってこそ、再発防止に繋がる。
報道機関にはそうした姿勢が求められる。
■入管法改正を巡る報道
しかるに2023年国会で焦点になっている入管難民法改正について、残念ながら新聞各紙の報道は実に底が浅い。
目立つのは、
「難民申請3回以降は送還可能」
について、在留外国人らの反対意見を紹介して批判的に報じるものだ。
毎日新聞(電子版)は
「ウィシュマさん妹『外国人の人権無視』入管法改正案の衆院委可決で」
(2023年4月29日)
で、今回の改正は
「不法滞在中の外国人の強制送還を進める狙いがあるが、日本で暮らす外国人の『排除』に繋がりかねないとの懸念も示されている」
とし、2021年に死亡したウィシュマさんの遺族の
「外国人の人権を無視し、尊重していない」
との意見を紹介している。
東京新聞は
「『国を分断する法案を許すな』『国家によるいじめだ』 入管法改正案への抗議デモ、国会前に4千人超」
(2023年5月13日)
で、仮放免中の外国籍の夫と暮らす女性のデモ参加者の声として
「夫は4回目の難民申請中」
「結婚したら収容はあり得ないと思っていたが、理由なく収容されて現実を受け止められず、弟に泣きながら電話したこともある」
「入管は厳正な判断をしているとは思えない」
「国を分断する法案を許してはいけない」
と報じる。
朝日新聞は社説
「入管法改正案 課題に背を向けた国会」(2023年4月28日)
でこう主張している。
「非正規滞在の外国人に対する入管当局の適正な処遇をどう確保するか」
「議論は大きな世論のうねりを生んだ」
「国会が拙速に封じるのは許されない」
(中略)
「入管施設での長期収容を防ぐ対策が問われたにもかかわらず、政府提出の法案は、収容をめぐる手続きに裁判所など第三者のチェックを入れることを避け、入管当局の強い裁量下にとどめる」
「難民申請中でも強制送還できる例外も設けた」
「保護を求めてきた人を迫害のおそれのある国に帰すリスクは高まる」
気になる点は色々ある。
「外国人の人権」
はもちろん尊重しなければならないが、外国人であっても日本にいる時は日本の法令を守らないといけない。
法令に違反したら収容や送還の対象になり得るのは当たり前だ。
東京新聞記事で紹介される女性は
「理由なく収容された」
と言うが、在留資格が切れているのに滞在していたので収容されたはずだ。
収容で引き裂かれて辛いだろうが、決して
「理由なく」
ではない。
だが、そうしたこと以上に根本的な問題は、不法滞在外国人に関わる不幸な事象の表層しか見ていないことだ。
■「弱者の味方」が弱者を作る
なぜ不幸な事象が生じてきたのか。
問題の根源は、不明瞭でどっちつかずで曖昧な入管行政だ。
確かに、難民認定はなかなか受け入れられない。
だが、申請を繰り返して長年日本に居続けることができる。
2010年以降は申請中の就労も法的に認められた。
在留資格が切れれば、収容されることもあるが、収容されないこともあり、何年も経ってから突然収容されることもある。
基準は不明確で運次第のようなものだ。
更に、在留特別許可という制度があり、日本人との結婚や、日本社会に定着しているなどの理由で特別に在留が認められることもある。
特に2000年代半ばには随分と許可がなされた。
こうした曖昧な入管行政が、
「日本にいれば何とかなる」
との期待をもたらしてきた。
難民認定申請者は、2000年頃は200〜300人程度だったが、2010年代後半には年間1万人以上に激増した(2018年に就労が制限されて2000〜4000人程度に減少した)。
政治的迫害など難民要件にはおよそ当てはまらず、経済目的で在留を望む外国人も相当程度含まれていたはずだ。
だが、期待と言っても、不確かな期待に過ぎない。
結果として、首尾よく在留できた人もいれば、収容や家族分断などの不幸な事態に陥る外国人も数多く生じたわけだ。
こうしてみれば、解決策は明らかだ。
認定基準を明確にすることだ。
保護すべき外国人は、何度も申請しなくても、迅速に難民や準難民として受け入れる。
認められない場合は、早期に退去してもらう。
曖昧な行政による不確かな期待を断ち切ることこそ肝要だ。
ところが、これに対し朝日新聞などは、
「申請を何度も繰り返す外国人が在留し続けられるようにせよ」
と唱える。
あやふやな期待を持たせ続けろというのだ。
「弱者の味方」
のつもりなのかもしれないが、実際には不幸な事態を更に引き起こすことになってしまう。
報じている記者らの気持ちは分からないでもない。
在留外国人などを取材するうちについ
「期待を持たせてあげたい」
と思うのだろう。
だが、不確かな期待を持たせてあげることで問題が解決するわけではない。
これも善意でやっていたことだろうが、不確かな助言で曖昧な入管行政が増幅した一部の支援者たちも、結果的には不幸を作り上げた一端だ。
朝日新聞などは自らの報道・主張が結局、新たな弱者を作りかねないことを自覚すべきだ。
■難民受け入れを進めた安倍内閣
外国人政策は全般に、建前と実態の乖離が深刻だ。
技能実習を巡る建前(国際貢献)の乖離はよく指摘されるが、もっと根本的な乖離もある。
まず
「移民は受け入れない」
という建前がある。
これについては、安倍晋三内閣の初期、経済財政諮問会議で
「年20万人の移民受け入れ」
が検討されたことがあった。
当時、諸方面から猛反発を受けて検討は中止され、その後は
「移民政策は採らない」
と言い続けることになった。
菅義偉内閣・岸田文雄内閣にも方針が引き継がれている。
だが、実態としてその間に何が起きたか。
「移民政策を採らない」
はずだった安倍内閣の間、外国人労働者総数は68万人(2012年末)から172万人(2020年末)と2.5倍に急拡大した。
その後コロナ禍で一旦鈍化したが、再び拡大しつつある。
「高度な外国人は受け入れるが、単純労働は受け入れない」
との建前もある。
だが、現実には100万人超の外国人労働者増のうち、半分は技能実習と留学生、即ち最も技能水準の低い労働者だ。
結局、実質的には
「単純労働を中心に毎年10万人以上の移民を受け入れてきた」
というのが現実なのだ。
何故こんなことになっているかというと、
「安価な労働力として外国人を利用したい」
という産業界の一部の要望に引きずられてきたためだ。
古くは1990年代から始まった日系移民の受け入れもそうだった。
その後は、技能実習や留学生アルバイトが広がった。
「移民は受け入れない」
「高度な外国人しか受け入れない」
との建前を守るため、名目上は
「日系だから」
「国際貢献(人材育成)のため」
といった理屈を付けてきたが、実態は
「安価な労働力としての外国人受け入れ」
そのものだった。
産業界の要望に引きずられるのは米国も欧州も同様だ。
メディアが
「日本と桁違いの認定率」
と称する難民受け入れも、実は
「安価な労働力を求める産業界」

「人権左派」
の意図せざる結託で過剰な受け入れがなされてきた面は否めない。
結果として過剰に
「安価な労働力としての外国人」
を受け入れ、移民に関わる深刻な社会問題をもたらした。
日本はこれまで受け入れ規模が小さかったが、今後、国内での人手不足の広がる中で
「安価な労働力受け入れ」
路線を拡大していけば、確実に欧米の轍を踏むのではないか。
■各社とも全体像度外視
技能実習については本来、こうした外国人政策の全体像を踏まえた見直しが求められるはずだ。
ところがメディアの報道では、劣悪な労働環境、失踪トラブル、海外からの「人権侵害」との指摘、といったことばかりが注目されがちだ。
法務省の有識者会議で2023年5月に公表された中間報告では、技能実習の廃止(人材育成を制度目的とする現行制度は廃止し、人材確保と人材育成を目的とする新制度に)、転籍制限の緩和などを柱とする見直しの方向が示された。
これに対しても新聞各紙の報道は、
「外国人の人権を守れるか」
という視点での報道・主張ばかりだ。
朝日新聞は社説
「技能実習制度決別の意思を明確に」(2023年4月1日)
で、
「立場の弱い外国人の労働搾取だと指摘されてきた制度と、本当に決別できるのだろうか」
と危惧を示す。
日経新聞の社説
「技能実習制度の看板掛け替えでは困る」(2023年4月12日)
も、より抜本的な改革を求める内容だが、視点は
「日本が国際的な信用を取り戻すためには、技能実習制度の禍根を断ち、政策の転換を明確に示すことが欠かせない」
ということだ。
確かに
「外国人の人権」
は重要だが、課題はそれに止まらない。
「安価な労働力としての受け入れ」
を今後も維持・拡大するのか。
その場合に人材供給源はどう考えるのか(かつては中国、近年はベトナムだったが、経済水準が上がったので今後は難しい)。
諸外国で起きてきた移民問題にどう対処していくのか。
産経新聞くらいはまともな議論をしていないかと思って見てみたら、更にダメだった。
主張
「技能実習制度の廃止 人権を守る労働環境整えよ」(2023年4月25日)
では、人権問題を解決する観点から以下のように主張している。
「中間報告のたたき台案は、制度の目的を人材育成としたまま実習生を労働者として受け入れるのは『望ましくない』として制度廃止を求めた」
「その上で、人材育成だけでなく人材確保も目的とする新制度創設を提言したのは理に適う」
「ただしこれは移民問題とは別である」
「社会を変質させる恐れのある移民受け入れへと安易に道を開かないようにすべきだ」
率直に言って、これを書いた人は中間報告の意味が分かっていないのだと思う。
精度目的を
「人材育成」
から
「人材確保と人材育成」
に切り替えるとはどういうことか。
これまで表向き
「安価な労働力としての受け入れ」
とは言わずにこそこそとやってきたが、これからは正面から堂々とそう言ってしまおうということだ。
「人材育成」
も目的に残すことで技能水準の低い人材を受け入れ続けられる。
産経新聞はこの方針を
「理に適う」
として歓迎しているわけだ。
一方で
「移民問題は別」
とも言っているが、私の理解では、
「安価な労働力としての受け入れ」

「移民の受け入れ」
に他ならない。
政府の言い分では、
「在留期間の制限などがあるので移民には当たらない」
らしいが、どこの国でも単純労働者に最初から永住資格を与えることはあまりない。
今回の中間報告は、外国人政策の根本の転換だ。
だが、産経新聞までこの体たらくでは、国民の多くが気付かないうちに大転換がなされることになりかねない。
ここまで、私は外国人受け入れに否定的な主張ばかりしているように見えたかもしれないが、実は外国人雇用協議会という推進側の民間団体の代表理事も務めている。
本稿で述べたことはあくまで私個人の見解だが、この協議会も私も、能力水準が高く日本の経済社会に貢献できる外国人はもっと受け入れるべきとの考えだ。
高度人材に占める外国人の割合は、日本は欧米諸国などに比べて圧倒的に低い。
★高度人材に占める外国生まれの割合
OECDの資料を基に2010年11月経済産業省作成
◆15歳以上の高度人材の人口に占める外国生まれの割合
・英国 23%
・米国 16%
・フランス 13%
・ドイツ 13%
・日本 1%
これでは、グローバルな国際競争で日本が取り残され、日本の競争力は下がる一方だ。
日本の相対的な給与水準は急速に低下している。
2022年経済産業省が公表した
「未来人材ビジョン」
では、タイと日本の企業を比較し
「タイの方が部長に昇進する年齢が平均的に10歳若く、しかも年収が高い」
という衝撃的なデータも示された。
それなら能力に自信のあるアジアの若者は日本よりタイに行った方が良いわけだ。
このまま推移すれば、日本にやって来る外国人の水準はどんどん低下する。
経済社会への貢献度合いは小さくなり、半面で犯罪やトラブルは増えかねない。
そうした中で、
「安価な労働力としての外国人受け入れ」
路線を本当に更に進めるのか。
それで日本の競争力は上がるのか。
日本社会はどうなるのか。
産経新聞は
「社会を変質させる恐れ」
を本当に危惧するなら、真面目に考え直してもらいたい。
■「報道の能力」の欠如
毎年のことだが、
「国境なき記者団」
による
「報道の自由度ランキング」
が公表された。
朝日新聞ではこう報じられている。
朝日新聞
「報道の自由、日本は68位 主要7カ国で最下位」(2023年5月4日)
「国際NGO『国境なき記者団』(本部・パリ)は3日、2023年の『報道の自由度ランキング』を発表した」
「調査対象の180カ国・地域のうち日本は68位(昨年71位)で、昨年よりは順位を上げたものの、主要7カ国(G7)の中で依然、最下位だった」
「日本の状況について、『メディアの自由と多元主義の原則を支持している』としたものの、政治的圧力やジェンダー不平等などにより、『ジャーナリストは政府に説明責任を負わせるという役割を十分に発揮できていない』と批判した」
この記事は、重要な部分を報じていない。
本誌の読者ならば知っているだろうが、
「国境なき記者団」
のレポートでは例年、日本に関して
「記者クラブの問題」
「新聞・テレビのクロスオーナーシップ規制がないことにも起因する、メディアの極度の集中」
が指摘されている。
2023年も同様だ。
これらは
「政治的圧力」
などとは異なり、朝日新聞自らの問題だ。
少なくとも、このランキングを報じるならば、これらの点も報じないとおかしいだろう。
同時に、朝日新聞の報道の通り、
「政治的圧力」
などの指摘もある。
「2012年から右翼国家主義者(nationalist right)が政権について、ジャーナリストが敵視されている」
とか
「秘密保護法制で福島原発へのアクセスが制限された」
とか、私から見ると
「一体どこの国の話なのか?」
と思う内容だが、それこそ
「メディアの極度の集中」
の結果、朝日新聞など一部のメディアの特異な世界観や社会認識が世界にも広まっているのだろう。
私が思うに、日本のメディアに欠けているのは
「報道の自由」
ではなく
「報道の能力」
だ。
せっかく自由に報道できる環境があるのに、まともな報道ができていない。
今回取り上げた難民や技能講習に関しても、問題の本質に触れず、政府の方針に対する批判的検証もできていない。
決して政治的圧力で封じられているわけでなく、能力が欠けているからだ。
「政治的圧力」
云々と言うが、もし的確な取材に基づき自信を持って記事を出しているなら、圧力がかかっても、覚悟を持って抗したら良い。
実際には、能力不足で筋違いの記事を出しているためにしばしば抗議を受け、それに対し
「圧力だ」
と逆切れしているだけではないのか。
私自身、以前安倍政権で国家戦略特区ワーキンググループの座長代理を務めていた際、獣医学部の件をはじめ、いくつもの虚偽報道がなされ、その度に抗議していた。
朝日新聞本社に出向いて、そう間違っているのか詳細に説明したこともある。
担当の部長が何の反論もなく
「なるほど、なるほど」
と聞いているが、訂正記事が出ることはなかった。
毎日新聞にはデタラメな誹謗中傷記事まで掲載され、提訴して係争中だが、毎日新聞の言い分は
「そんなことは書いていない」
だった。
ひょっとすると朝日新聞や毎日新聞は、こうした抗議や提訴も
「政権の手先が圧力をかけてきた」
などと思い違いをしているのかもしれないが、まず自らの報道を省み、責任を持てる報道をしてほしい。
「ジェンダー不平等」
も同様だ。
取材対象に差別的な人物がいて、不当な扱いやセクハラを受けたなら、それを記事にして追い詰めれば良い。
能力不足でそれもできず、政治や社会のせいにしている様は、実に見苦しい。

国民を富ませない移民の経済効果
正論2024年7月号 青山学院大学教授 福井義高
政府が進める外国人の受け入れ策は事実上、移民社会へと舵を切ることにならないか。
その是非を巡って推進、制限論者とも自分たちの主張に拘泥し、感情論になりがちで、建設的な議論が進まぬ中、なし崩しに外国人労働者の受け入れは進んでいく。
筆者は2023年の本誌7月号で主にジョージ・ボーハス教授(米ハーバード大)による研究を基に、移民の経済効果を検討した。
建設的議論の一助とすべく移民を
「感情」
でなく
「勘定」
の問題として考えてみたのである。
その結果分かったのが、移民の受け入れは、受け入れ国のGDP(国民総生産)を増加させるけれど、移民の受け取る賃金相当分を除いた自国民に帰属するGDPはほとんど変わらないことである。
2015年の時点で移民労働者が全労働者の16%を占める米国でも、元からいる米国民分のGDPへの効果は全GDPの0.3%しかなかった。
ただし、移民の効果は企業と労働者で大きく異なる。
移民受け入れで賃金は下がり、企業利益(資本所得)は12%増加したのに対し、賃金は5%減少と推計された。
更に、自国労働者のうち移民労働者と競合する職種の賃金が下がる一方、移民と競合しない自国労働者は移民が従事するサービスの価格低下の恩恵を受ける。
こうした移民の経済効果は、米国に限らない。
2003年にオランダ中央計画局(CPB)が公表した報告書
「移民とオランダ経済」(Immigration and the Dutch Economy)
によれば、移民により労働者が5%増えると、資本(投資)財価格が一定で、移民が全て単純労働者だった場合、オランダの自国民全体への効果はほとんどない一方(GDPが0.06%増)、企業利益は4%増、非単純労働者賃金2%増に対し、単純労働者賃金は6%減少する。
米国とオランダの例から明らかなように、移民受け入れは、自国民の所得増を伴わない、格差を拡大する所得再分配政策なのである。
勝者は企業とエリート、敗者は一般国民である。
■不都合な結果
たとえ格差が拡大しても、高齢化が加速する中、外国人労働者に頼ることなしに日本経済は回らないのだから、受け入れざるを得ないという主張もあろう。
しかし、移民推進は、高齢化により益々厳しくなる国の財政状態を多少とも改善するどころか、更に悪化させるのである。
2023年に前述の
「移民とオランダ経済」
のアップデート版とも言うべき移民が財政に与える影響に焦点を当てた報告書
「国境なき福祉国家」(Borderless Welfare State)
の最終版が公表された。
(https://demo-demo.nl/wp-content/uploads/2023/06/Borderless_Welfare_State-2.pdf)
ただし、
「移民とオランダ経済」
が明らかにした移民の経済効果は、多文化共生を是とし移民受け入れを推進する政府にとって都合が悪いものだったこともあり、今回の報告は民間プロジェクトとして行われた。
オランダは2023年現在、人口が1800万人で日本の7分の1程度、65歳以上人口の割合は20%で日本の29%より低いものの高齢化が進んでおり、2021年のGDP比国民負担率(税金と社会保険料の合計がGDPに占める割合)は39%で日本の34%より高い。
日本同様、高齢化が財政に与えるマイナスの影響が深刻な問題と考えられている。
ただし、移民流入により人口は増加している。
例えば2022は前年に比べ、《native》即ち土着のオランダ人の人口は0.1%(2万人)減少したものの、移民とその子供は3.1%(13万人)増加し、全体では0.7%(12万人)増加した。
こうした中、報告書
「国境なき福祉国家」
は、通常アクセスできないオランダ全人口1720万人(2016年初人口+年間出生児数)の個人データを使い、オランダ人と移民、後者は出身地地域別にそれぞれどれだけ財政に貢献し、また支出を伴ったかを推計している。
まず、全人口がオランダ人1340万人と移民385万人に大別される。
移民は他国で出生しオランダにやって来た1世(第1世代)とその子供である2世(第2世代)からなり、全体の22%を占める。
尚、当初から帰国する予定の外国人労働者とその家族も含まれている。
移民は欧米(western)出身と非欧米(non-western)出身に大別され、更に42地域にグループ分けされている。
欧米に含まれるのは、ロシアを含む欧州諸国、北米(米国とカナダ)、大洋州(オーストラリアとカナダ)、インドネシア(旧オランダ領)そして日本である。
調査の基準となる2016年のデータを基に、オランダ人と移民に分けて財政への単年度ベースの影響を示したのが表1だ。
★表1 オランダ人・移民別財政への影響(単年度ベース、2023年価格、1ユーロ=160円換算)
(注)「国境なき福祉国家」に基づき筆者推計/日本は欧米に分類
「@人口(百万人)A人口(全体比)B貢献額(兆円)C支出額(兆円)D純貢献額(兆円)E純貢献額(GDP比)F1人当たり純貢献額(万円)」
・合計:@17.2AーB60.2C60.5D-0.2E-0.2%Fー
・オランダ人:@13.4A78%B49.5C46.3D3.2E2.3%F20
・移民全体:@3.8A22%B10.7C14.2D-3.5E-2.4%F-90
・移民欧米:@1.7A10%B5.9C5.7D0.2E0.1%F10
・移民非欧米:@2.1A12%B4.8C8.5D-3.7E-2.6%F-170
単年度ベースというのは、この1年間の収支に基づく、筆者たちの表現を借りれば
「静的」
な推計である。
尚、
「国境なき福祉国家」
のデータは全て2016年価格のユーロで表示され、その後のインフレが考慮されていない。
ここでは、オランダの2023年消費者物価指数が2016年比26%上昇したことを反映させ1ユーロを160円で換算して、2023年価格で表す。
以下、同様である。
全体の78%を占めるオランダ人の財政への貢献は49兆円5000億円だったのに対し、46兆3000億円が支出されたので、差し引き純貢献額はプラス3兆2000億円、GDP比プラス2.3%の貢献となった。
一方、全体の22%を占める移民は貢献額10兆7000億円に対し支出14兆2000億円で純貢献額マイナス3兆5000億円、GDP比2.4%の負担(-2.4%)をかけたことになる。
ただし、欧米出身と非欧米出身で大きく異なる。
全体の10%を占める欧米出身移民は貢献額5兆9000億円に対し支出額5兆7000億円で純貢献額プラス2000億円、GDP比プラス0.1%でほぼ収支トントンであった。
ところが、全体の12%を占める非欧米出身移民は、貢献額4兆8000億円に対し支出額8兆5000億円でGDP比2.6%の負担(-2.6%)をかけたことになる。
これは、1.6%と推計されているオランダにおける高齢化がもたらすマイナスの影響を上回っている。
1人当たりで見ると、非欧米出身移民は170万円の負担(マイナス170万円)となっている。
欧米出身移民は貢献額と支出額が釣り合っているので、移民の財政負担はほぼ全てオランダ人の肩にのしかかることになる。
■資本ストックで見る重要さ
しかしながら、単年度ベースの数値は、移民受け入れの効果を判断する上で、必ずしも適切な指標とは言えない。
移民受け入れは(マイナス価値のある場合も含め)一種の投資であり、永住せず出国(remigration)する移民もいるけれど、長期に渡って財政に影響を与えることは間違いない。
移民を受け入れることに伴い、学校教育や医療、その他行政サービスを追加的に提供する必要が生じ、財政負担が増す。
従って、将来に渡る移民のストック(複数年度ベース)価値を推計する必要がある。
実際、
「国境なき福祉国家」
では、単年度ベースの静的アプローチでなく、経済学で
「世代会計」
と呼ばれる手法を用いたストックベースの動的アプローチが必須であることは移民に限らない。
政府がある年に長期に渡る支出にコミットしても、その年の支出として計上されるのは実際に支払った額だけである。
例えば、日本政府が10年間毎年1兆円合計10兆円の新規道路建設を決定しても、最初の年には1兆円しか支出計上されない。
しかし、財政への影響を考える場合に重要なのは、長期に渡って必要となる10兆円という金額であることは自明だろう。
さて、投資即ちストックとしての移民を考える場合、移って来た本人のみならず、その子供たちの分も考慮する必要がある。
また、移民全てが永住するわけではないので、受け入れ国にとってのストック価値を推計するには、出国する可能性も考慮し、その分を控除する必要がある。
「国境なき福祉国家」
は、この2点を考慮に入れた推計をメインの数値としてしている。
移民1人当たりの子供の数については、出身地域別で出生率が違うことも考慮されている。
まず、欧米出身移民に関しては、ストック価値はほぼゼロと推計された。
つまりオランダ財政に貢献もしないけれど、負担にもならないということである。
★表2
非欧米出身移民の財政への影響(ストックベース、2023年価格、1ユーロ160円換算)
@2016年A2015〜2019年平均B1995〜2019年平均
・純貢献額(兆円):@-6.4A-5.4B-3.4
・2016年GDP比:@-4.5%A-3.8%B-2.4%
一方、表2に示したように、非欧米出身移民は、1995〜2019年の25年間で見ると、財政への純貢献額は年平均マイナス3兆4000億円、GDP比2.4の負担(-2.4%)であった。
2015〜2019年の直近5年間だと、純貢献額はマイナス5兆4000億円、GDP比3.8%の負担(-3.8%)、2016年は難民が大量に入国したため、純貢献額はマイナス6兆5000億円、GDP比4.5%の負担(-4.5%)であった。
要するに、非欧米出身移民はマイナスの資本ストックであり、オランダ人にとって移民受け入れは、ただでさえ高齢化によって厳しくなる一方の財政状況を更に悪化させる負の投資ということになる。
「今年いくらかかったか」
というフローで見るよりもストックで見た方が、貢献額がプラスの場合は小さく、マイナスの場合は更にマイナス幅が大きくなる。
これは、移民1世は大人になってから入国するので、オランダ人にも共通する、子供時代の財政上のマイナス要因(公教育コストなど)がかからないためである。
■移民1人当たりはどうか
移民全体でなく、移民1人当たりで見た場合、オランダで生まれる子供や出国の可能性を考慮した、ストックとしての財政への影響はどのくらいなのか示したのが表3である。
★表3
出身地別1人当たり移民の財政への影響(ストックベース、2023年価格、1ユーロ=160円換算)
(注)「国境なき福祉国家」に基づき筆者推計
@出国の可能性を考慮した場合(基本推計)A出国の可能性を考慮した場合(最小推計)B出国の可能性を考慮した場合(最大推計)C永住した場合
(単位:億円)
・仮想オランダ人:@プラス0.2AーBーCプラス0.4
・移民平均:@マイナス0.3AーBーCマイナス0.5
・移民欧米:@0.0AーBーCプラス0.1
・移民日本:@プラス0.4Aプラス0.3Bプラス0.5Cプラス1.0
・移民非欧米:@マイナス0.6AーBーCマイナス1.0
・移民中国:@マイナス0.1Aマイナス0.2B0.0Cマイナス0.2
・移民トルコ:@マイナス0.7Aマイナス1.0Bマイナス0.6Cマイナス1.1
・難民平均:@マイナス1.0AーBーCー
・難民欧米:@マイナス0.6AーBーCー
・難民非欧米:@マイナス1.1AーBーCー
・難民トルコ:@1.0AーBーCー
推計に際して、当然ながら多くの仮定が置かれており、仮定を変更すると数値が大きく変動するようでは信頼が置けない。
その懸念に対応し、仮定をもっともらしい範囲内で変えた推計がいくつか試みられている。
結果的に、最小推計と最大推計の差はさほど大きくなく、基本推計の数値はかなり信頼度が高いと思われる。
まず、比較の基準として、オランダ人と同じ属性の人間が移民として訪れた場合を考える。
入国する年齢や出国の可能性も考慮した、この
「仮想オランダ人」
のストック価値はプラス2000万円である。
移民は平均でマイナス3000万円と推計される。
ただし、出身地域別の違いは大きい。
欧米出身移民は全体ではほぼ財政に中立的ながら、日本出身移民はプラス4000万円の
「優良資産」
となっている。
日本以外では北米、大洋州、北欧、そして西欧の一部からの移民のストック価値が高い。
皮肉なことに、途上国の移民が行きたいと願う国からの移民こそ、オランダにとって
「資産」
価値があるということだ。
一方、欧米系でも東欧の一部からの移民のストック価値はマイナスである。
非欧米出身は平均でマイナス6000万円の
「負債」
となる。
ただし、やはり出身地別のバラツキは大きく、中国がマイナス1000万円であるのに対し、トルコはマイナス7000万円となっている。
移民は更に入国理由別に推計されており、オランダに限らず受入国にとって最も負担となる難民の場合、欧米出身(旧ユーゴスラビアなど)がマイナス6000万円、非欧米出身はマイナス1億1000万円だった。
その多くがクルド系と思われるトルコからの難民はマイナス1億円である。
更に、移民が永住した場合の推計も行われている。
財政貢献がプラスにせよマイナスにせよ、永住を仮定しない基本推計よりも、絶対値(プラス幅あるいはマイナス幅)は大きくなる。
とりわけ、例外的に日本出身移民は2世になってもオランダ人より純貢献額が大きいので、ストック価値はプラス1億円となる。
一方、トルコ出身移民はマイナス1億1000万円である。
トルコ出身のうち難民の数値は未公表なものの、恐らく1億5000万円前後と思われる。
日本出身移民が例外的というのは、日本以外でストック価値が高い欧米出身移民の場合、2世になるとほぼ財政に中立的なオランダ人(2016年生まれの場合、ストック価値マイナス60万円」)にほとんど同化するのに対し、日本出身2世はストック価値がプラス2000万円と推計されるからである。
■福祉国家が終わる
オランダ財政に貢献する移民と負担となる移民を分けるものは何か。
学力(教育レベル)と共に重要なのが文化的距離(宗教や慣習などの隔たりの大きさ)である。
学力が高いほど、出身地とオランダの文化的距離が近いほど貢献額は大きく(負担額は小さく)なる。
実は、日本出身移民はオランダ人より学力が高く、日本は米国よりも文化的距離がオランダに近いとされている。
その結果、日本出身移民の財政から見た同化度はオランダ人(定義上100%)を上回る134%となっている。
一方、貢献額がマイナス即ちオランダ財政の負担となっているのが、学力や文化的距離で隔たりがある
「アフリカ・イスラム・クラスター」
である。
推計では2世までしか考慮されていないけれども、こうした地域からの移民は、3世以降もオランダ社会への同化が進んでいないため、財政上の重荷である状態が続くと考えられる。
従って非欧米出身移民による財政への負の影響は、推計値よりもっと大きい可能性が高い。

「アフリカ・イスラム・クラスター」
の移民2世にかかる治安維持コストは他地域の2世の2.3倍と推計されている。
日本同様、オランダでも少子高齢化が進んでいる。
推計時の出生率はオランダ人女性1.7、欧米移民女性1.4、非欧米移民女性2.0であった。
コロナ禍前2019年には更に低下し、オランダ人女性1.6、欧米移民女性1.3、非欧米移民女性1.9だった。
少子高齢化による年金財政悪化、経済成長率低下に対処するには、移民を必要とする意見がある。
しかし、
「国境なき福祉国家」
が示したのは、途上国からの移民流入は、財政を更に悪化させ、そのマイナスの影響は高齢化の影響を上回るという現実である。
途上国出身の場合、難民だけでなく、労働移民であっても財政には負担となる。
「働くならば移民は問題ない」
という主張は正しくないのだ。
財政問題を度外視するとして、オランダが現実の年齢人口バランスを維持するために移民受け入れを進めた結果、21世紀終わりには人口は1億人に達する。
ただしオランダ人は僅か1割の少数派になってしまう。
「国境なき福祉国家」
が指摘するように、移民で少子高齢化を抑制する試みは必ず行き詰まる
「ネズミ講」
のようなものである。
今回の推計に含まれていないけれど、オランダのように既に人口密度が高い国の場合、人口増が社会・自然環境にもたらす非財政的コストや、自国民の心理的コストを無視することができない。
可住地面積当たり人口密度がオランダの倍近く、同質性の高い社会を長年に渡って構築してきた日本の場合、こうしたコストは更に大きなものとなるのは確実である。
オランダ政府は、ほぼ無条件に受け入れている
「難民」
と称する移民の多くが制度を悪用していることを認めている。
にもかかわらず、有効な対策を取ろうとしない。
労働移民についても、選り好みせず途上国から受け入れている。
<報告書は
「政府の移民政策」
が長期的に何を意味するかについて以下のことを疑いなく示した>
<財政への増大するプレッシャー、そして最終的には我々が知る福祉国家の終わりである>
<従って、現在の法的枠組みを続けるという選択は、明示することなく福祉国家に反対する選択なのだ>
■議論に欠けるもの
本稿ではオランダを例に、移民を財政的観点から分析する見方を紹介した。
多文化共生あるいは人権の観点に基づく移民推進論者は、移民の是非を金銭価値のみで判断するのはけしからんと主張するであろう。
しかし、移民を巡って、どのような美辞麗句で飾り立てようと、途上国からの大量移民は、一般国民からエリートへの所得再分配をもたらす上、財政を圧迫し、自国民に対する行政サービス水準を低下させる。
とりわけ弱者に対するセーフティーネットを劣化させる可能性が高い。
如何なる政治信条の持ち主であろうと、政治家が第1に考えねばならないのは、まず自国民、とりわけ弱い立場にある国民の福利であるはず。
ここで指摘した移民の経済財政効果を十分考慮せず、なし崩しに外国人労働者を受け入れることは、自国民への裏切りと言っても過言ではない。
【付記】本稿作成に当たり、「国境なき福祉国家」の筆頭著者ヤン・ファンデベーク博士より貴重な助言を賜った。

人手不足論はまやかしの市場重視
正論2023年7月号 青山学院大学教授 福井義高
海外からの移民を積極的に受け入れるべきという意見には2つのタイプがある。
まず、昨今流行りのダイバーシティ、多文化共生の観点からのもの。
一方、こうした移民による多様化推進論に対しては、日本社会の独自性を保つため、移民は受け入れるにしても限定的にすべきという主張も有力である。
もう1つの移民推進論は、人口が減少する中、経済成長を実現するには、移民による労働力確保が不可欠という、経済的要請によるものである。
実際、様々な分野で、なし崩しに外国人労働者受け入れが進んでいる。
多様性か独自性かという、特定の価値観に基づく主張は、お互い自分が正しいことを前提に相手を非難する感情論になりがちで、言いっ放しに終わってしまう。
それに対し、経済的観点からの是非は、生前、経済倫理学を提唱された竹内靖雄元成蹊大教授に倣って、感情ではなく勘定、つまり損得の問題として、検討することが可能である。
「感情」
ではなく
「勘定」、
つまり損得の問題として、検討することが可能である。
というわけで、ここでは高邁な文化論は避け、対象を移民(外国人労働者)の経済効果に絞って考えてみたい。
■もし国境を撤廃したら
第二大戦後、米国主導で進められた貿易自由化によって経済成長が促進され、日本のみならず各国国民の生活水準は大きく向上した。
貿易自由化とは、モノの移動に関して国境を撤廃するということなので、ヒトの移動に関しても国境を撤廃すれば、更に経済成長が促進されると考えても不思議ではない。
実際、グローバル経済推進論者は、そのように主張している。
もし世界中で移民制限を撤廃し、ヒトの移動を完全自由化すれば、その経済効果は如何ほどなのか。
幸い、移民の経済研究の第一人者であるジョージ・ボーハス教授(ハーバード大)がシミュレーションを行っているので、その結果(一部筆者推計)を紹介しよう。
ここでは、途上国の労働者は祖国を離れることに特別なコストは伴わないケースを取り上げる。
まず、世界銀行の推計に基づき、世界を人口11億人うち労働者6億人の先進国と、人口59億人うち労働者27億人の発展途上国に大別する。
現実のデータに即して、先進国・途上国共に、企業が利益を人件費に回す割合を示す
「労働分配率」
を70%、先進国と途上国の賃金格差を4対1と仮定する。
移民自由化の賃金格差は、労働力の質ではなく、社会の仕組みを反映したもので、先進国の高賃金は、途上国に比べて、より効率的な経済活動を可能とするものになっているからと考える。
従って、移民を完全自由化すれば、自由貿易によって同じモノの値段が世界中で等しくなるように、ヒトの値段即ち賃金も世界中で同じなる。
また、移民を完全自由化すると、先進国と途上国の人口と賃金はそれぞれどうなるのか、2つの場合を考える。
まず、移民を受け入れても、それまで効率的な経済活動を可能にしてきた先進国の社会体制が変わらない場合、そして、途上国からの大量移民で、先進国の社会が半ば途上国化する場合である。
先進国社会不変の場合、世界全体の国内総生産(GDP)は57%増加する。
ただし、先進国経済に対する移民の経済効果を見るには、移民自身が得る経済効果(賃金)を除外し、土着の自国労働者賃金と自国資本に帰属する所得の合計を、移民自由化前後で比較する必要がある。
移民賃金を除外しても先進国のGDPは39%増加するので、モノの自由貿易同様、ヒトの移動自由化は自国民に帰属する経済のパイを大きくする。
しかし、移民自由化がもたらすGDP増加は、大規模な移民と表裏一体である。
国境撤廃によって、労働者の家族も含めて、途上国人口の95%に当たる56億人が先進国に移住することになるのだ。
その結果、国民・移民共通の先進国賃金は39%減少する。
ただし、途上国からの移民から見れば143%の増加である。
一方、先進国の資本所得(企業利益)は、労働者増・賃下げの恩恵で、220%増加する。
大量の移民が流入すれば、受け入れる側の先進国の社会体制が、その経済効率性も含めて、大きく変化すると考える方がもっともらしい。
やって来るのは、働くロボットではなく、人間なのだから。
途上国からの大量移民で先進国社会が半ば途上国化する場合、移民自由化前より低下するとはいえ、それでも途上国より高い生産性が維持される先進国に、途上国人口の84%に当たる50億人がやって来る。
その結果、世界全体のGDPは13%増加するものの、社会の途上国化で、移民に支払われる賃金を除外した先進国のGDPは7%減少すると共に、自国民・移民共通の先進国賃金は56%減少する。
それでも移民から見れば74%の賃上げである。
一方、先進国の資本所得(企業利益)は、社会の途上国化によるマイナス効果にもかかわらず、労働者増・賃下げ効果がそれ以上に
「貢献」
し、108%増加する。
移民自由化の勝ち組は、言うまでもなく、まず先進国で働くことで賃金が大幅に上昇する途上国からの移民である。
そして、途上国から安い労働力を
「輸入」
することで、利益を大幅に増やすことができる企業である。
一方、負け組は、移民労働者による
「賃金ダンピング」
で、大幅な賃下げを余儀なくされる先進国の自国労働者である。
先進国における移民推進とは、グローバル化とか多様性とかいった美辞麗句を取り去って、その経済効果を直視すれば、労働者から資本家・経営者への所得再分配政策である。
ボーハス教授が指摘するように、
「先進国の労働者が、国境撤廃論者に従うことを拒否するのは、人種差別や外国人排斥とはほとんど関係ない」
「単に新世界秩序(New World Order)から恩恵を受けないからなのだ」。
移民推進は、先進国の国民大多数から見ると、勘定の問題として割に合わないのである。
■移民大国、米国の場合
国境完全撤廃によって途上国民の大半が移民するケースなど非現実的過ぎて、今後の日本の移民政策の参考にならないという批判があろう。
確かにそうかもしれない。
そこで、移民大国である米国の実例を、ボーハス教授の推計(一部筆者推計)に依りながら、見てみよう。
結論から先に言ってしまえば、移民推進が所得再分配政策であるという、その本質は変わらない。
2015年のデータによると、全労働者のGDPに対する貢献分は12%を占める。
しかし、移民流入で増加したGDPから移民の取り分を除くと、移民が自国民にもたらす経済効果はGDPの0.3%でしかない。
ただし、GDPの内訳を見ると、自国労働者の取り分が3%減少したのに対し、企業の取り分は3%増えている。
国境完全撤廃でほとんどの途上国民が先進国に殺到する場合と異なり、移民労働者が全体に占める割合が
「僅か」
16%であっても、移民労働者がいない場合に比べ、賃金は5%低下し、企業利益は13%も増加するのである。
更に、移民に対して提供される公的サービスの財政負担増が移民の納税額を上回る、つまり財政純負担増は確実であり、移民流入のネットのGDP貢献分0.3%は、その純負担増で帳消しになるか、マイナスになっている可能性が高い。
ここまでは労働者を一括して扱ってきたけれども、労働者といっても、大企業経営幹部から非正規雇用の単純労働者まで様々である。
実際に、移民労働者との競争を強いられ、賃金低下圧力に晒されるのは、元から低賃金の職種に従事する自国労働者である。
ボーハス教授の推計によれば、移民流入で競合する職種の労働者が10%増えると、その賃金が少なくとも3%、場合によっては10%程度低下する。
一方、移民労働者と競合しないエリートたちは、むしろ移民労働の恩恵を受ける側である。
移民推進は労働から資本への所得移転のみならず、低賃金労働者から高賃金労働者への所得移転をもたらす。
そもそも、アメリカは移民の国とされるけれども、これまで常に大量の移民を受け入れてきたわけではない。
日本では
「排日移民法」
と呼ばれる1924年に成立した改正移民法により、北・西欧系を除く移民が大幅に制限され、1920年代半ば以降、移民が激減する。
それから約40年経った1965年に移民法改正が行われた際、法案を提出した国会議員も政府も、この改正は移民送出国の構成が若干変わるだけで、移民数自体が増加することはないと
「確約」
したにもかかわらず、移民数は激増、しかも、改正前と異なり、欧州ではなく、途上国からの移民が大多数を占めるようになった。
20世紀半ばの移民制限期に所得格差が縮小したのに対し、大量移民が始まった1970年代以降、所得格差が拡がり、今日に至っている。
この間、米国非管理職労働者のインフレ分を除いた実質賃金はほぼ横ばいだったのに対し、大企業社長(CEO)報酬は労働者賃金の20倍程度だったのが、300倍を超える水準となっている。
■誰のための移民推進なのか
まず、移民の経済的メリット・デメリットを検討するに当たり、何を基準とするのか、はっきりさせる必要がある。
移民自身から見れば、日本の移民受け入れはプラスに決まっている。
そうでなければ、そもそも日本にやって来ない。
しかし、デモクラシーにおける政策の判断基準は、まず主権者たる国民の幸福や豊かさであり、今いる日本人にとって新たな移民受け入れがどのような経済効果をもたらすかが、移民政策の是非を巡る判断基準となるべきであろう。
出生率の低下で人口が減少する中、新たな労働力として大量の移民を受け入れれば、日本のGDPが押し上げられることは間違いない。
ただし、経済成長政策として有効か否かを判断するには、移民を受け入れなかった場合のGDPと、受け入れた場合のGDPから移民賃金と移民受け入れに起因する純財政負担を引いた額を比較しなければならない。
米国の実例でも分かる通り、移民推進は自国民の経済成長にはほとんど影響しない、ほぼ純粋な所得再分配政策である。
社会の途上国化による生産性の低下、純財政負担を考慮すれば、経済成長への効果はむしろ全体としてマイナスの可能性が高い。
移民推進は、労働から資本への所得移転に加え、低賃金労働者から高賃金労働者への所得移転を引き起こす、弱肉強食の格差拡大政策なのだ。
企業経営者をはじめ社会のエリートたちに移民推進論者が多いのは、要するに自分にとって得だからである。
多様化推進の観点からの移民推進論も、こうした主張を行う人が概して高学歴エリートであることを鑑みれば、正義感溢れる
「感情」
論でカムフラージュされた
「勘定」
論と見ることもできる。
一方、欧米では弱者の味方のはずの左翼・リベラルが移民受け入れを推進しているけれども、これは比較的最近の現象である。
元々、左翼・リベラルの間では、支持基盤だった労働者の利益を守るため、移民受け入れに慎重な意見が有力であった。
冷戦時代、
「移民の継続は深刻な問題をもたらす」
「合法、不法とも移民をストップせねばならない」
と主張したのは、極右どころか欧州左翼の大立者ジョルジュ・マルシュ仏共産党書記長である。
米国のある有力な大統領候補もこう語っていた。
「不法移民流入を阻止せねばならない」
「この目的を達するため、国境警備要員を増やさねばならない」
「合法移民に関する法律も、合衆国が移民の数と質をもっとコントロールできるよう改正せねばならない」
「移民受け入れに関しては、まず、合衆国は、無責任な他国干渉への干渉ーこうした干渉はほぼ確実に政治難民を生み出すーによって難民が生じることだ」
「もっと用心しなければならない」
「本当に難民かどうか、より確実に難民申請を審査せねばならない」。
発言の主はドナルド・トランプ前大統領ではなく、ベトナム反戦で名を馳せたリベラルの雄、ユージン・マッカシー民主党元上院議員である。
要するに、今日の労働者は左翼・リベラル主流派に見捨てられたのである。
ただし、新たな動きも見られる。
ドイツで急進左翼の代表格とみなされてきた旧東独出身のザーラ・ヴァーゲンクネヒト左派党連邦議会議員が、大量移民は自国労働者の経済的利益を損なうという
「勘定」
論を前面に出した移民反対論を唱え、左翼・リベラル主流派から非難される一方、
「極右」
正統とされるAfD支持者の間で大人気となっている。
■低賃金は企業の敗北宣言
豊かな社会では、必要であったも自国労働者がやりたがらない仕事が増え、移民なしにはやっていけないという主張をよく聞く。
しかし、先進国で移民が従事するのは、自国労働者がやらない仕事ではなく、現在の賃金水準ではやりたくない仕事である。
不法移民を一掃した米国のある地域で現実に起こったように、外国人労働者がいなければ、自国労働者がやりたくなる水準まで賃金は上昇する。
また、企業は技術革新で乗り切ろうとする。
実際、それは高度成長期の日本で起こったことである。
「人手不足」
にもかかわらず、移民を入れなかったことで、製造現場ではロボットが普及して省力化が進み、高学歴エリートと大衆の賃金格差が縮小し、戦前の大企業大卒社員の家庭では当たり前だった
「女中」
が賃金高騰でほとんど姿を消した。
一方、我々がどうしても生活に必要と考える財サービスであれば、十分に生産性を上げることができないため賃金上昇を価格に転嫁せざるを得ず高価格となっても、需要は残る。
一例として、生産性向上が困難な理美容業の料金は、高度成長前に比べ一般物価水準を超えて大きく上昇したけれども、今も需要は健在である。
低賃金でないと事業を継続できないというのは、高い価格を支払ってまで買う価値のある財サービスを提供できないという、企業としての敗北宣言に過ぎない。
低賃金の外国人労働者への依存は企業にとって麻薬のようなものであり、自国民の所得格差を拡げるのみならず、生産性向上努力を妨げ、結果的に、企業の衰退をもたらす。
経済的観点からの移民推進論者は、ほとんどの場合、自称市場重視論者でもある。
しかし、現在、
「人手不足」
が叫ばれている仕事の多くは、財サービス価格が低過ぎて超過需要が生じているのであって、価格を上げて需要を減少させるのが、本来の市場重視であろう。
その典型例が貨物輸送である。
人手不足対策に議論は不要である。
市場のシグナルに耳を傾け、トラック運転手の賃金を上げればよいのだ。
現在の価格で現時点の需要に応じようとする需要充足主義は、計画経済的・社会主義的発想であり、市場重視とは無縁である。
人手不足論者にみられる、こういう財サービスの価格あるいは職種の賃金は低くて当然という発想は、単なる思い込みに過ぎない。
理美容サービス料金に見られるように、社会の変化に伴い、財サービスの相対価格は劇的に変化してきた。
戦後、相対賃金が大きく変化したことは、先に述べた通りである。
人手不足を理由とした移民推進論は、国民経済の観点からは到底正当化できない。
市場のダイナミズムを無視したまやかしの市場重視、その実、反至上主義なのだ。
国境完全撤廃のシミュレーションはともかく、米国の実例は、EBPM(Evidence-based Policy Making:証拠に基づく政策立案)を標榜する日本政府にとって、移民政策を検討する際に、大いに参考になるはずである。
ともあれ、移民問題は感情ではなく、冷静な議論が可能な勘定の問題という認識が求められる。

EBPM(証拠に基づく政策立案)とは?
EBPMとは、Evidence-based Policy Makingの略称であり、日本においては内閣官房が以下のように定義している。
(1)政策目的を明確化させ、
(2)その目的のため本当に効果が上がる行政手段は何かなど、当該政策の拠って立つ論理を明確にし、これに即してデータ等の証拠を可能な限り求め、「政策の基本的な枠組み」を明確にする取組。
つまり、たまたま見聞きした事例や経験(エピソード)のみに基づいて政策を企画するのではなく、データを活用し、合理的根拠(エビデンス)に基づいて企画すること。

人手不足解消のカギは外国人労働者を受け入れないこと
Hanada2024年7月号 小西美術工藝社社長 D・アトキンソン
■衝撃的なアンケート結果
岸田政権は2024年3月29日、人手不足の分野で一定の技能がある外国人労働者を受け入れる在留資格
「特定技能」
について、2024年度から5年間の受け入れ枠を82万人とすることを閣議決定しました。
2023年度までの5年間で設定していた人数の2.4倍となり、外国人労働者の受け入れが加速することになります。
とんでもない話だと憤っていたら、最近、更に衝撃的なニュースが飛び込んできました。
「外国人労働者受け入れ『賛成』62%、高齢層で大幅増 朝日世論調査」(朝日デジタル)
<朝日新聞社が全国世論調査(郵送)のテーマ「人手不足社会」に関連して、人手不足の業種を対象に外国人労働者の受け入れを拡大する政府方針への賛否を尋ねたところ、「賛成」62%が「反対」28%を大きく上回り、賛否が拮抗した5年余り前の調査から大きく変化した>
もちろん、日本のマスコミの世論調査なので、どういう業種の人を対象にしたか、経営者だけにアンケートしたのかなど詳細が出ておらず、留意は必要ですが、6割もの人が外国人労働者受け入れに賛成というのは、驚きました。
人手不足に悩まされているのは、ほとんどが中小企業です。
人口減少の下、中小企業は生産性が低い。
有給休暇の取得率などを見ると、労働環境が大企業より厳しいので、労働者が不足すると、まず中小企業が人手不足になる。
日本の中小企業は社員数が非常に少ないので、すぐに大きなダメージを受けます。
日本企業の平均従業員数は9人。
85%の日本企業は、平均従業員数がたった3.4人。
仮に従業員数3人の職場から1人辞めると、労働力が3分の1減り、たちまち
「人手不足」
に陥ってしまうのです。
■努力したくない中小企業
私から言わせれば、中小企業は人手不足を解消する努力が進んでいません。
私は以前から、中小企業は統合して、次第に規模を大きくしていかなければいけないと主張しています。
合併統合することで、経営陣などの管理職や経理はこれまでの半分で済み、その分、人手不足の部署に人手を回すことができる。
統合まではいかなくても、会社間でお互いに人手が足りない時には融通し合うことができるよう連携はするべきです。
もう1つは、機械化など設備投資による作業の効率化。
ただ、経営者としては、日本人は低賃金でも仕事を真面目にこなしてくれるので、コストを掛けて設備投資を行う動機が生まれません。
機械化などをするより、低賃金で人間に働いてもらう方が安上がりなのです。
ここは肝心なポイントで、人口減少によって生じている人手不足は、本来、企業がそれに合わせてビジネスモデルを変えるチャンスであり、変えなければならないのです。
しかし、連携も合併もしたくない、設備投資で生産性向上もしない・・・中小企業がビジネスモデルを変える何の努力をすることもなく現状維持をするため、唯一残された方法が、減っていく日本人労働者の代わりに外国人労働者を受け入れることなのです。
現時点で、200万人の外国人労働者が日本に来ています。
2060年には生産年齢人口が3000万人減るので、低賃金労働者依存症の中小企業経営者を満足させるためには、1000万人単位で外国人労働者を受け入れなければならないでしょう。
主に最低賃金で働く外国人労働者が大量に入って来ると、日本人の賃金も上がらなくなります。
経営者は楽でしょうが、社会保障の負担が増える一方の日本で、財政も労働者も大きな打撃を受けます。
こんなふざけた話があるでしょうか。
■これまで以上に増える軋轢
2023年、2500万人の外国人観光客が日本を訪れました。
一方、
「オーバーツーリズムだ」
(ある地域を訪れる人が急増したことにより、その地に暮らす人々や自然環境、生態系、景観などに悪影響を及ぼしている状況)
と批判する声もあります。
満員でバスに乗れないとか、ホテルが満室で取れないとか、マスコミなどで
「オーバーツーリズム」
と批判されていることは、日本側の受け入れ体制の未整備によって起こっていることで、
「オーバーツーリズム」
などではありません。
1カ月当たり200万人来ているインバウンドは海外旅行できるレベルの層で、日本におカネを落として、欧米人などの場合、2〜3週間したら国に帰っていきます。
一方、外国人労働者は全く逆です。
中小企業が求めているのは、最低賃金で働いていくれる人材。
日本の最低賃金は世界23位で、ハンガリーやイランよりも低く、後進国レベル。
そんな低賃金であっても働きに来る外国人労働者は、言い方は悪いですが、どういう教育水準の人か分かりません。
そういう外国人が1000万人単位で日本に来て、定住するのです。
しかも最低賃金で働く外国人労働者は、経営者たちが住むようなエリアではなく、一般庶民が住むエリアで生活するようになる。
欧州などでは、低賃金の移民などは大変な問題を引き起こしています。
そもそも、イギリスがBrexit(イギリスが欧州連合 (EU) から離脱すること、離脱したこと)に踏み込んだ最大の原因は、庶民が強いられた移民の問題でした。
インバウンドは一時的にしかいないから、発生するトラブル、軋轢などたかが知れていますが、定住する外国人労働者は違います。
既にして、日本に住むイスラム教徒が
「土葬できる墓を作ってほしい」
と要請していたり、神社の賽銭箱を破壊したりする事態も起こっている。
1000万人単位で外国人が入ってきたら、これまで以上に様々な軋轢が生まれるでしょう。
なぜ経営者が低賃金で人をコキ使いたいがために、日本全体が迷惑を被らなければいけないのか。
「オーバーツーリズムだ!」
と騒いでいる人たちは、今すぐ外国人労働者受け入れに反対した方がいい。
どこの国でもそうですが、教育水準の低い移民を大量に入れれば、犯罪やトラブルが増えます。
移民政策で成功しているのは、高学歴かつポテンシャル(潜在的な力。可能性としての力)の高い人材を受け入れて、イノベーション(新製品の開発、新生産方式の導入、新市場の開拓、新原料・新資源の開発、新組織の形成などによって、経済発展や景気循環がもたらされるとする概念)をどんどん起こしているアメリカくらい。
■中小企業延命という愚策
私が日本に来た1990年代前半は、高学歴・高所得の外国人でないと就労ビザが下りませんでした。
「日本人にできる仕事は外国人にやってもらう必要がない」
という考え方で、よほどの特殊技能を持った外国人でなければ、日本で働くことができなかった。
自分で言うのも何ですが、イギリスでトップの大学であるオックスフォードを卒業していても、なかなか申請が通らなかったほどです。
人手不足が叫ばれたているのは、飲食宿泊や運送業など、労働環境が悪く、生産性も低い業種です。
高学歴の人材などを必要としていません。
少子化によって競争率が下がり、今の若者は名門大学、大企業に入れる確率が昔よりも飛躍的に上がっています。
そんな中で、若者が最低賃金でしか雇えないような会社を選ぶはずがない。
若い優秀な人材を確保したければ、先述したように、合併するなり設備投資するなりして、生産性を向上させ、若者にとっても魅力的な
「中堅企業」
になるしかありません。
ところが、政府は外国人労働者を受け入れて、中小企業を延命させようとしています。
これほどの愚策はありません。
成功例がほとんどないのに、なぜ政府は外国人労働者受け入れを拡大しているのか。
もちろん、中小企業経営者側からの要請もあるでしょうが、一番大きいのは、今の社会保障を維持するためでしょう。
先述したように、ピークから既に1300万人も減っている生産年齢人口は、2060年まで更に3000万人減ります。
そうなれば、今のビジネスモデルを維持して高齢化に伴う負担に応えるために、労働している人間の数を最低でも維持しないと、今の社会保障制度を維持することができなくなる。
だから低賃金の外国人労働者を入れようということなのでしょう。
しかし、この考え方は余りにも短絡的過ぎます。
■日本人労働者は増やせる
政府には、外国人労働者を受け入れる前にやるべき事がたくさんある。
まず、日本人労働者の供給量を増やすべきです。
そのためには、扶養控除の廃止。
これだけ人手不足が騒がれる中で、フルに働かないことで税制優遇するなど、あり得ない制度です。
もう1つは、専業主婦(主夫)への年金制度の廃止。
サラリーマン(第2号被保険者)に扶養されている専業主婦(第3号被保険者)は保険料を自ら負担することなく、将来的に老齢基礎年金が受給できるのです。
自分は払っていないのに年金を受け取れるというのは、社会保障の原則に反しているだけでなく、女性の働く動機を奪っています。
海外によくあるやり方を導入して、既に貰っている人は仕方ないですが、例えば平成何年生まれ以降の人の場合、第3号非被保険者を廃止すると決めればいい。
低賃金の外国人労働者を受け入れる前に、優秀な日本人女性にフルに活躍してもらう仕組みを徹底的に実施するべきです。
女性活躍を訴えるなら、まずこの2つの廃止は必須でしょう。
それに中小企業改革。
これまで何度も書いてきたように、規模が小さいというだけで日本の中小企業は優遇されています。
弱者扱いされて、期待もされません。
商工会議所などの中小企業の団体も、改善を要求されると、すぐに
「中小企業潰し!」
「中小企業淘汰論者!」
「中小企業は下請けいじめを受けている!」
などと煽ります。
それによって、中小企業は成長するインセンティブ( やる気を起こさせるような刺激。動機付け)が削がれています。
そうではなく、きちんと足腰の強い中堅企業に成長した企業をバックアップしていく。
規模が大きくなることで、人手不足にも強くなる。
■逆説的な人手不足解消方法
経済合理性を歪ませる中小企業優遇の最たる例が、
「交際費」
です。
今は日本では中小企業というだけで、取引先との接待などに使う交際費を800万円まで損金扱いできます。
私の経験則でしかありませんが、私の周囲の中小企業経営者で、会社のためにこの800万円を使っている人はほとんどいません。
仕事に関係なく、高級寿司屋で食事をしたり、夜の店に行ったりと
「”社長自身”への接待」
に使われており、全く実態を伴っていない。
要するに、公私混同です。
この制度をフルに使うことができる企業はほぼ小規模事業者です。
成長して中堅企業になろうとすれば、この制度のメリットは次第に減ります。
更に、サラリーマンをやって何の経費も使えないよりは、公私混同が許されている小規模事業者になった方が圧倒的に有利になる。
経済合理性より、経営者優遇を狙って起業するインセンティブが働いていしまうのです。
これは考え過ぎではありません。
日本企業の場合、6割以上の企業が赤字企業です。
この比率は、1960年代から景気と関係なくずっと上がっています。
諸外国の例を分析すると、企業数の赤字比率は2割で、日本では如何に経済合理性の低い小規模事業者が多いか分かります。
実は、中小企業が2017年度に支出した交際費は約3兆円。
もし、この3兆円に法人税(23%)を掛ければ、6900億円もの税金を取ることができます。
政府の肩を持つわけではありませんが、日本は何か物事を動かそうと思えば、とにかく批判・反対の風です。
中小企業はもっと頑張れと言えば
「中小企業いじめだ」
と批判され、扶養控除廃止を言えば
「専業主婦いじめだ」
と批判される。
日本は本当に疲れる国です。
中小企業問題について、商工会議所前会頭の三村明夫氏は、未だに私を批判しています。
日経新聞(2024年4月27日)の
「私の履歴書」
で、三村氏はこう語っていました。
<中小企業はサボっているのではない>
<統計の数字だけを見た
「生産性の低い中小企業は淘汰されるべきだ」
といった極論が罷り通れば、日本経済は本来の強さを失うだろう>
「統計の数字」
以外に、一体何を根拠にすればいいのでしょうか。
教育水準の高い日本人を低賃金で働かせている
「統計的事実」
について、三村氏はどう思っているのか、逆に訊きたいくらいです。
三村氏は、最低賃金を引き上げると大量に中小企業が倒産する、失業者は大量に増えるというような主張をよくしていました。
1990年代に比べて、最低賃金は2倍に上がっています。
安倍政権以降も1.3倍にもなっている。
三村氏の主張と真逆に、企業数は大幅に増えて、就業者数も史上最高水準になっている。
三村氏が主張していた
「大量の倒産」

「大量の失業者」
も、統計に表れていません。
だから、
「統計ではない」
と言うのでしょう。
政府も、強烈な反対に遭うことは目に見えているから、
「じゃあ、現状維持のために外国人労働者を入れるしかない」
と半ば諦めており、場当たり的な対応しか取れないのではないか。
この人手不足を解消するために、政府はどうすればいいか。
逆説的ですが、
「これ以上、外国人労働者を受け入れないこと」
です。
外国人労働者を受け入れないことで、中小企業はにっちもさっちもいかなくなり、自動的に中小企業間の提携・統合、設備投資による生産性向上が進みます。
それは、中小企業改革の前進にもなる。
先述したように、中小企業を延命させるために外国人労働者を受け入れるなど、百害あって一利なしの愚策中の愚策。
冒頭の世論調査で、外国人労働者受け入れに賛成した人には目を覚まして頂きたい。
政府は
「経営努力をしたくない」
「現状維持をしたい」
という経営者の甘え、自己中心的な考えなど一顧だにせず、毅然と対応してほしいと思います。

外国人受け入れ「特定技能制度」に4分野を追加、5年で82万人見込み 政府が閣議決定
2024/3/29 10:10
https://www.sankei.com/article/20240329-QQTAPVAO7JLS3PHI6X4N4G3SQQ/
政府は2024年3月29日、外国人を中長期的に受け入れる
「特定技能制度」
の対象にトラック運転手などの自動車運送業や鉄道、林業、木材産業の4分野を追加し、対象分野を現在の12から16に広げる方針を閣議決定した。
令和6年度から5年間の受け入れ見込み数は最大で82万人とした。
パブリックコメント(意見公募)を経て省令を改正する。
受け入れ見込み数は、国内の雇用拡大や生産性向上だけでは不足する労働力を業界ごとに算出したもの。
5年間で約34万人としていた制度開始時から2倍超となった。
人口減少や時間外労働規制強化によって物流分野での人手不足が深刻化する
「2024年問題」
などが反映された。
追加4分野のうち、利用客と会話の機会が多いタクシーの運転手や鉄道の車掌などは、必要な日本語試験の基準を他の分野よりも高いレベルとする。
既に特定技能の対象となっている製造業分野でも繊維や鉄鋼、印刷業務などを中に加える。
特定技能は平成31年4月に創設。
最長5年間働ける1号と、家族が帯同できて事実上永住できる2号がある。
政府は、外国人の研修を目的とする技能実習制度を廃止し、外国人材の確保と育成を目的として将来的に特定技能制度に移行できる
「育成就労制度」
創設を柱とする関連法案を通常国会に提出している。

祖国にいながら外国人に怯えて暮らすのか 「受け入れろと」と他人の国で暴走する移民たち
WiLL2024年7月号 イスラム思想研究家・麗澤大学客員教授 飯山陽
■クルド人がまた犯罪
先の衆議院東京15区の補欠選挙は、たくさんの応援を頂きましたが力及ばず落選してしまいました。
皆さんのお陰で、最後までマイクを握ることが出来ました。
今回、選挙に出馬した理由の1つが、日本の移民国家への道にストップをかけるためです。
しかし現状は厳しく、またクルド人による犯罪が起きました。
しかも今度の被害者は何と女子中学生です。
産経新聞オンラインの記事(2024年4月5日付)です。
「女子中学生に性的暴行をしたとして埼玉県警川口署は2024年3月7日、不同意性交等の疑いで、トルコ国籍でさいたま市南区大谷口の自称解体工、ハスギュル・アッバス容疑者(20歳)を逮捕した」
「『日本人女性と遊んだが暴行はしていません』と容疑を否認しているという」
再度確認してみると、この記事は削除されており、追加の記事では容疑者は匿名にされていました。
実名は
「デイリー新潮」
やまとめサイトのみで閲覧できます。
容疑者の居住地はさいたま市ですが、川口署が逮捕したということは、川口市で活動するクルド人の居住地が近隣の市にも広がっているということでしょう。
トルコ国籍のクルド人の多くはイスラム教徒ですが、一般的にそれほど信仰に熱心ではありません。
しかし、クルド人文化は、イスラム教文化と共通する所が多く、その1つが女性や性に関する文化です。
イスラム教では、異教徒の女性は二重の意味で卑しい存在とされており、尊厳を持つ人間として扱われません。
更にイスラム教には、性行為や結婚をしても許される最低年齢という概念がありません。
イスラム教徒の男性の中には、本件のような
「異教徒の女子中学生」
というのは、性的に何をしてもいい存在だと思っている人がいる可能性があるのです。
イスラム教徒の移民による、現地の女性たちに対する性暴力事件がヨーロッパで多発している背景には、このようなイスラム教の女性観、異教徒観があります。
イスラム教徒の男性は、異教徒の女性には何をしても構わない、髪や肌を露出させているのは尊厳がないことの証であり、むしろレイプされたがっているのだと、そう理解してしまうことがあるのです。
私はイスラム教の研究者ですから、イスラム教が如何に土着文化を侵食する力を持っているかを知識としてだけでなく、実感としても知っています。
世界にはこうした文化や価値観を当然とする人々が多く存在するため、理想の多文化共生・異文化共生を現実のものにするのは困難です。
実現したいのならば、外国人に対し、
「あなたの常識は日本では受け入れられない」
「日本では日本のルールを守ってもらわねば困る」
と、ハッキリと徹底的に主張するしかありません。
更に、外国人の子供には出来るだけ早いうちから、日本のルール、文化に馴染んでもらう必要があります。
フランスでは、2019年から義務教育が始まる年齢を6歳から3歳に引き下げました。
その背景には、自国の文化や風俗を守るために移民を教育する意図もあります。
一方で日本には、こうした対策は一切なく、多文化共生・異文化共生は素晴らしい、日本人は外国人の文化を理解し、受け入れろと主張するだけです。
このまま何の対策もしなければ、先述のような事件は今後更に増えるでしょう。
■何が、権力の監視役か
にもかかわらず、政府や自治体、企業、そしてメディアも、日本社会に対して影響力(インフルエンシャル)な発言権を持つ”権力者の皆さん”はこぞって、
「活力維持に外国人が必要だ!」
と声高に言います。
読売新聞オンライン版でも
「外国人・高齢者 活力維持へ重要『育成就労』『特定技能』着実に・・・人口減抑制」
と題して、次のような記事が掲載されました。

<人口が減って生産年齢人口(15〜64歳)が先細っていく中、社会の活力を維持するためには、労働力の確保が欠かせない>
<政府は今年(2024年)、外国人技能実習制度に代わる新制度「育成就労」の創設を決めた>
<掲げたのは「人材の確保と育成」>
<帰国を前提としていた技能実習制度から大きな転換を図った>
(中略)
<外国人の受け入れは、主に出入国在留管理庁が担っているが、労働者を巡る政策は多くの省庁にまたがる>
(中略)
<業種ごとに必要な人数や求める人材を呼び込むには、一元的に誘致していく必要がある>
<その司令塔として、政府に「誘致戦略本部」を創設すべきだ>
<制度を着実に進めていくため、自治体や地域住民にも配慮しながら、外国人との共生に向けた戦略を策定する>
(2024年4月26日付)

日本社会が人口減を抑制し、活力を維持するためには、外国人をどんどん日本に受け入れることが必須だとして、読売新聞がわざわざ提言しているわけです。
読売新聞だけでなく、既に国から企業まで皆揃って同じ事を言う有り様です。
外国人が必要だ、というのは、つまり”移民推進”です。
多様性の奨励はそのための地均しです。
多様性のある社会は
「活力を維持する」
と盛んに宣伝し、多様性を促進するために移民を受け入れる必要があるとして事を進める。
そもそも自民党は2016年3月15日の
「労働力の確保に関する特命委員会」
の初会合時に、政調会長の稲田朋美議員が
「日本は移民政策は採らない」
と明言した上で、議論を開始しています。
ところが、その8年後の2024年、岸田政権が在留資格
「特定技能」
について2024年度から5年間の受け入れ枠をこれまでの2倍を超える82万人とすると閣議決定しました。
8年前・2016年の方針を平気で変え、国民に嘘を付く、これが自民党政権です。
そしてこの嘘を嘘だと指摘せず、政府方針に同調しているのがメディアです。
何が
「権力の監視役」
でしょう。
「笑わせるな、愚か者!」
と言いたくもなります。
■7つの大罪である理由
読売新聞が提言した、
「日本社会の人口減を抑制し活力を維持し、成長を続けるためには外国人移民が必要だ」
という主張は完全に間違っています。
理由は7つー。
第1に、人口減の埋め合わせをするために移民を受け入れるなら、考えられないほど多くの移民を受け入れなければならないため、この政策自体が非現実的であることは、国連の調査でも明らかになっています。
第2に、人口減を埋め合わせするために移民を受け入れても、日本人でない人が増えるだけなので、日本で外国人による人口の置き換え(人口が増加も減少もしない均衡した状態になる)が進むだけです。
これを
「人口減の抑制」
だと言う人は、日本が日本でなくなることを積極的に推進する人たちです。
第3に、不足する労働力を補うために移民を受け入れても、移民もいずれ年を取って働けなくなります。
日本は今、永住を認めるという条件で移民を受け入れようとしていますが、労働力だったはずの移民は遠からず、日本の福祉によってその生活を支えなければならなくなります。
■移民と社会の暴走
第4に、不足する労働力を補うために移民を受け入れると言いながら、日本政府は彼らに家族の帯同を認めています。
5人、10人の家族を帯同すれば、移民の安い賃金では家族全員を養えなくなり、その分を補うのは、私たちの福祉、つまり税金です。
労働力が必要だと言って外国人を受け入れたのに、彼らの生活を我々の福祉で支えなければならないという事態が生じます。
労働力として受け入れた移民が、働く意欲を失ったり、病気になったり、失職すれば移民の家族の生活は、私たちの税金、私たちの福祉で支えなければならない。
これは移民を多く受け入れた欧米で実際に発生している問題です。
第5に、労働力として移民を受け入れれば、日本人の賃金が下がります。
政府が推進するインフレを上回る程度まで賃上げをする方針とは、正反対のベクトルに進みます。
サウジアラビアは移民を多く受け入れている国の1つですが、企業に一定数の自国民の雇用を義務付け、給与体系も外国人とは異なる水準を義務付けています。
しかし日本にはこうした規制はありません。
安い移民労働力を受け入れれば、企業と経営者が得をするだけで、日本人の労働者は専ら損をします。
これでは日本社会を弱体化させるばかりで、
「活力の維持」
どころではありません。
第6に、世界の文化の中には、日本の文化、伝統、常識、法律とは相容れない、矛盾するものが大量にあるため、全て受け入れれば、社会が混乱し、秩序が乱れます。
第7に、移民が増えれば間違いなく治安が悪化します。
現在、警察は外国人の犯罪を見逃し、仮に逮捕しても検察が不起訴にして犯罪者を無罪放免にします。
警察を恐れない”無敵の外国人”が、日本社会で暴走し、好き放題に犯罪に手を染めているのは、こうした背景があるからです。
外国人が増えれば、この状況は更に悪化するでしょう。
日本人は祖国にいながら、外国人に怯えて暮らさなければならなくなり、警察に守ってもらえなければ、自衛せざるを得なくなります。
犯罪の被害者となっても、誰も助けてくれない、そんな世の中にしたいですか?
■”聖域”という名の移民都市
2024年5月1日、バイデン大統領はワシントンでの集会で、日本経済が低迷している理由として
「外国人嫌いで移民を望んでいないからだ」
と述べました。
そんなアメリカでは現在、不法移民が急増しています。
米南西部の国境を越えて拘束・保護された不法移民は2023年度(2022年10月〜2023年9月)に247万人と3年連続で過去最多を更新。
かつてはメキシコや南米各国からの流入がほとんどでしたが、今は、中国などから中南米を経由してアメリカを目指す不法移民も増えています。
バイデンの
「外国人好きで移民を望む」
政策が、世界中から不法移民を引き寄せているのです。
アメリカ内で移民に寛容な都市、いわゆるサンクチュアリ・シティ(聖域地域)の代表がニューヨーク市です。
ニューヨーク市では移民を10万人ほど受け入れ、日々増え続ける移民の数に悲鳴を上げ、2022年10月に民主党のエリック・アダムス市長がとうとう非常事態を宣言しました。
「移民はニューヨークのストーリー(歴史)の一部で、アメリカの一部でもある」
「しかし移民政策は崩壊している」
「国家的危機だ」
「もう限界だ」
「市単位の予算には限りがあり、思いやりだけではどうにもならない所まで来ている」
アダムス市長は移民の受け入れの危機的状況を踏まえ、度々このように訴えてきました。
ニューヨーク市の移民関連の予算は2024年度が約42億ドル、2025年度が約49億ドルと巨額です。
その後、アダムス市長は法律違反の疑いのある移民を保護してきた政策を転換する考えを示しています。
つまり不法移民を矢継ぎ早に受け入れる政策を採った結果、市が財政破綻しかかっているのです。
ニューヨーク市に限らず、不法移民を受け入れた州や都市は軒並み財政や治安が悪化し、地元住民の不法移民に対する感情も悪化しています。
今や28%のアメリカ人が不法移民の問題は、アメリカにとって最大の問題だと認識しています。
■”日本”であるために
一方、日本はどうか。
岸田政権は今まさに
「移民を望む」
政策を採りつつあります。
アメリカで不法移民に厳しい共和党が政権を取れば、アメリカに殺到している世界の不法移民が、今度は日本に殺到するでしょう。
今度は日本が不法移民の”サンクチュアリ(聖域)”になろうとしています。
日本が日本であり続けること、日本が国民にとって安心して暮らせる祖国であり続けること、日本人の暮らし、豊かさ、安全が守られることが何より大事です。
移民受け入れ推進は、こうした安心・安全を全て破壊します。
しかし今の日本の国会議員に、日本国民の安全を主張する人はほとんどいません。
彼らは皆、嘘を付き、移民を受け入れることによって起こる問題に言及する人はほとんどいません。
移民によって破壊された欧米社会や、先述のクルド人による性的暴行事件が彼らには見えていないのでしょうか。
文化や価値観の違いによって生じる事件、財政や治安の悪化などが起き得る移民政策を阻止する必要があります。
日本が移民問題で苦しむ欧米のようになるのは、時間の問題です。
私たちにとって大切な日本という国を、守り抜かなければなりません。

女子中学生に性暴行の容疑者、難民申請中のクルド人 トルコ生まれ川口育ちの「移民2世」
「移民」と日本人
2024/3/8 17:25
https://www.sankei.com/article/20240308-LUTLMINZTNOZNGADECZPNB3CGY/
女子中学生に性的暴行をしたとして埼玉県警川口署に逮捕されたトルコ国籍で自称解体工の男(20)が、難民認定申請中で仮放免中だったことが2024年3月8日、同署の調べで分かった。
男はトルコ生まれ日本育ちの在日クルド人で、事実上の
「移民2世」
という。
調べによると、男は2024年1月13日午後10時半頃、川口市内のコンビニ駐車場に止めた乗用車内で、東京都内の10代の女子生徒に性的暴行をしたとして2024年3月7日、不同意性交などの容疑で逮捕された。
同署によると、男は先に来日していた父親を頼って幼少期に来日し、地元の小中学校に通っていた。
卒業後は家業の解体業を手伝っていたと供述している。
男は父親と共に難民認定申請中で、入管施設への収容を一時的に解かれた仮放免中だった。
自宅はさいたま市内だが、川口市北部の隣接地域だった。
男は自身の運転する車で、SNS(交流サイト)を通じて知り合った都内の女子中学生らや、日本人男性らとドライブに行くことになった。
女子生徒らは横浜方面に向かうと考えていたが、車は都内から川口市内へ直行。
女子生徒らは車内でスマホを使ってやり取りして逃げ出そうとしたが、犯行現場のコンビニ近くで降ろされ、被害にあった女子生徒だけが車に残されたという。
男は
「日本人女性と遊んだが暴行はしていません」
と容疑を否認。
同署はトルコ語の通訳を介しながら調べを進めている。
川口市内では近年、一部クルド人と地域住民との軋轢が表面化。
「2世」
とみられる若者らによる車の暴走行為や煽り運転も問題となっている。

中学生に性的暴行したクルド人は難民申請中だった 地元市議は「実態を正しく直視するべき」
2024年4月5日
https://www.dailyshincho.jp/article/2024/04050558/?all=1
埼玉・川口市でクルド人男性が不同意性交容疑で逮捕された。
女子中学生に性的暴行をした疑いである。
実はこの男性、難民申請中だった。
悲劇の主人公のはずの
「難民」
が他人を悲劇に追いやる、その実態とは。
 ***
報道等によると、2024年3月7日に逮捕されたのはさいたま市に住むハスギュル・アッバス容疑者。
トルコ国籍の20歳、解体工だという。
事件があったのは2024年1月13日のことだ。
アッバスは都内の女子中学生とSNSで知り合い、複数人でドライブ。
2人きりになった後、川口市内のコンビニの駐車場に停車し、車内で犯行に及んだ。
行為の時間は約6分。
粗暴極まりない事件である。
川口市とその周辺でクルド系の住民と地元住民との間に軋轢が生じているのは周知の通り。
■市議も「不安に思う市民が増えている」
2023年7月4日は男女の揉め事で怪我をしたクルド人男性が川口市立医療センターに運び込まれ、それを巡ってクルド人が100人ほど病院に集結。
一時、救急搬送の受け入れが停止されるという大騒動が起きた。
「不安に思う市民が増えていると感じます」
とは、川口市議の奥富精一氏。
「これまでも一部のクルド人が改造車で危険運転や違法駐車をしたり、あるいは喧嘩をしたりという事例が見られてきました」
2023年6月には市議会で
「一部外国人による犯罪の取り締まり強化を求める意見書」
が採択されている。
「そこにきて今回の事件ですから、市民の不安が益々増したとしても不思議ではありません」
■クルド人増加の背景事情
クルド人とは、中東のトルコやイラン、イラク、シリアなどの国境地帯に住む「国を持たない民族」。
川口は彼らが集住する地域として知られ、現在、2000人以上が暮らしている。
「彼らは難民申請をしているケースが少なくない」
と言うのは、入管のさる関係者だ。
「トルコと日本は現在、短期滞在ならビザは必要ではありません」
「で、ノービザで入国し、滞在期限が切れるまでの間に難民申請を行うんです」
「すると、その審査期間中は強制送還が止められる」
「川口に来るクルド人の多くは、ある特定の地域の出身です」
「こうした仕組みで入った人たちが地元の親類縁者を呼び寄せ、数が増えていったんです」
今回の事件を起こしたアッバスも、先に日本に来た父を頼って幼少期に来日し、難民申請をした“移民2世”だという。
「実際、彼らが難民認定されることはほとんどありません」
「クルド人が母国で差別されているのは事実でしょう」
「が、難民条約が規定するように、自由が奪われたり、生活が著しく損なわれ、生命の危機が生じているかと言えば、そこまでとは認められないことが多い」
「申請期間中に日本で稼いで帰国するか、或いは子供が小中学校に長期間通うなどすれば、在留特別許可を貰えるかもしれない」
「クルド人増加にはこうした背景事情があります」
しかし、そうした入国経緯の者の中から凶悪犯が出れば、住民との摩擦が生じるのは当然の事だろう。
■グレる2世
この地域で長年、クルド人支援に携わってきた「在日クルド人と共に」理事の松澤秀延氏は、
「彼らも日本の社会に順応したいと思っていますが、日本側の拒否反応が強く、そこで絶望を感じてしまうことも多い」
と分析するが、
「今回の事件もそうですが、2世の中には学校に行かず、いわゆる“グレて”しまうケースも少なくない」
「この問題を指摘するとすぐ差別と言われますが、まずは実態を正しく直視することが重要だと思います」
(奥富市議)
多様性尊重――そんな建前だけでは語れない現実が、この川口には横たわっているのである。
週刊新潮 2024年4月4日号掲載

外国人・高齢者 活力維持へ重要 「育成就労」「特定技能」着実に…人口減抑制[読売新聞社提言<7>]
2024/4/26 5:01
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240425-OYT1T50222/
■労働者に「選ばれる国」
人口が減って生産年齢人口(15〜64歳)が先細っていく中、社会の活力を維持するためには、労働力の確保が欠かせない。
政府は今年、外国人技能実習制度に代わる新制度
「育成就労」
の創設を決めた。
掲げたのは
「人材の確保と育成」。
帰国を前提としていた技能実習制度から大きな転換を図った。
外国人労働者を中期的に受け入れる在留資格
「特定技能1号」
も、自動車運送業や鉄道などの4分野を追加して16分野に広げた。
日本で暮らす外国人は増えており、約340万人に上る。
労働者は2023年10月末時点で約204万人だ。
政府は、育成就労と特定技能を
「車の両輪」
として、労働力を補っていく。
他国も受け入れを進めており、獲得競争を勝ち抜くには
「選ばれる国」
にならなければならない。
外国人の受け入れは、主に出入国在留管理庁が担っているが、労働者を巡る政策は多くの省庁にまたがる。
農業や介護、建設など職種も幅広い。
業種ごとに必要な人数や求める人材を呼び込むには、一元的に誘致していく必要がある。
その司令塔として、政府に
「誘致戦略本部」
を創設すべきだ。
制度を着実に進めていくため、自治体や地域住民にも配慮しながら、外国人との共生に向けた戦略を策定する。
育成就労では3年間働いた後、在留期間が5年の特定技能1号、永住が事実上可能な2号を段階的に取得してもらうことを目指す。
外国人の受け入れ先は主に地方の中小企業で、自力での育成には限界がある。
自治体の支援が欠かせない。
広島県は2023年、2号取得を目指す外国人を雇う企業に、最大300万円を補助する事業を始めた。
尾道市の
「因島鉄工」
はこの事業を使い、造船・舶用工業分野で全国初の合格者を出した。
その一人、ベトナム人のファン・ヴァン・マインさん(35)は
「将来は奥さんを連れてきて、ここでずっと働きたい」
と語る。
同社では試験対策として日本語講師を雇い、技能向上のための模擬試験を実施。
外国人向けの寮も整備した。
人材を繋ぎ止めるには、異国の地で働く外国人が暮らしやすく、文化に馴染める工夫も求められる。
■フレイル対策
国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口によると、2020年に7000万人超だった生産年齢人口は、2100年に3200万人に減る。
人手不足を補うため高齢者の力も必要だ。
内閣府の調査では、仕事で収入を得ている60歳以上の9割が、「いつまでも」を含め、70歳以上になっても働きたいと回答している。
企業は、技術や経験を持つ高齢者を積極的に受け入れるべきだ。
2040年には医療・介護人材が100万人近く不足するとされ、介護が必要な高齢者を少しでも減らしたい。
要介護一歩手前の状態「フレイル」の高齢者が対策を取った場合、5年後に15%が改善し、35%が状態を維持したという調査もある。
予防には食事や運動、就労といった心身の充実がカギを握る。

「共生」ではなく「統合」が必要だ
正論2024年7月号 評論家 三浦小太郎
本稿では、まず戦後の日本における外国人の受け入れ政策の歴史を簡単に辿り、私が実際に接した外国人を巡るいくつかのケースを示した上で日本が今後、受け入れを行う場合に考えるべき
「思想的原則」
を述べる。
尚、本稿で私は
「移民」
という言葉を原則として使わない。
日本政府はこれまで、我が国の外国人労働者の受け入れについて、あくまで一定の期間に限定した、専門的、技術的分野の労働者の受け入れであって、我が国への定住を目指す
「移民政策」
は採っていないと一貫して述べてきた。
しかし現実には、一定期間就労した労働者が長期滞在や定住を継続して求める可能性は極めて高く、こうした線引き自体、外国人受け入れ策について移民政策か否かと議論することと同様余り意味がないと思えるからだ。
大東亜戦争の敗戦後、日本には約200万人に及ぶ朝鮮半島出身者が存在した。
敗戦までは
「日本国民」
だった彼らを単純に外国人問題と捉えることには無理がある。
ただ、歴史的教訓とすべきことは、在日朝鮮人総聯合会(朝鮮総連)という北朝鮮に従属する組織の存在を事実上容認してしまった点で、我が国に禍根をもたらした。
これは後述する。
日本の外国人受け入れの大きな転機となったのは1970年代後半のベトナム難民の受け入れと1979年の国際人権条約、1981年の難民条約の批准である。
戦争と革命の世紀であった20世紀に、国境を越えた難民、移民の権利を守るために打ち立てられた理念の1つが、条約にある内外人平等待遇、即ち自国民に与えるものと同等の待遇を外国人にも保障するという原則である。
この原則に基づき、1948年に国連で採択された世界人権宣言では
「人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治上その他の意見、国民的若しくは社会的出身」
による差別を否定し全ての人が
「社会の一員として、社会保障を受ける権利」(第22条)
を持つと見做した。
更に1966年に採択された国際人権規約には
「社会的及び文化的権利に関する国際規約」
として
「国民若しくは社会的出身による差別」
の撤廃が記されている。
難民条約にも、第23条で公的扶助を難民に対し自国民と平等待遇とするような条文が存在することは外国人受け入れにおいてまず議論の前提にならなければならない。
1989年には出入国管理法が改正される。
この法律は現在に至るまで日本政府の外国人受け入れの基準を定めたもので
@不法就労、不正規滞在の取り締まり
A専門・技術職の受け入れ拡大
B技能実習制度の先駆けとなった「企業研修」制度による在留資格
が特徴だ。
在留に期限と資格を設けて外国人を受け入れるという原則を掲げたものである。
当時の時代背景を説明すると、1985年のプラザ合意以後、円高によって外国人労働者が日本で働くメリットを感じ、出稼ぎ労働者として日本に流入していた。
「3K」
と言われた
「きつい」「汚い」「危険」
な職場に不法就労や資格外活動といった劣悪な労働条件の下で単純労働を課されるという実態が横行していた。
2012年には高度人材ポイント制度が導入された。
これは
「高度」
な学術研究、専門技術、経営管理などに従事している外国人に対し、学歴、職歴、年収などについてそれぞれポイントを設け、合計が70点に達した場合は優遇措置として配偶者の就労、永住許可申請に必要な居住年数の短縮など様々な優遇措置が設けられた。
2023年には更に拡充された特別高度人材制度が導入された。
高度人材として滞在する外国人の数は、2022年度の段階で1万8315人におり、うち63.9%が中国である。
次いでインド5.7%、韓国4.4%、アメリカ4.1%、台湾3.2%と続く。
(出入国在留管理庁資料より http://www.moj.go.jp/isa/content/930003527.pdf)
日本の高度先端技術の分野に迎え入れられている外国人の6割以上が中国人であるという現実は、安全保障上も注意が必要である。
2018年に行われた出入国管理法改正では、更に新たな在留資格として
「特定技能」
が設立された。
日本の産業を支える業種のうち、@介護AビルクリーニングB素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業C建設D造船・舶用工業E自動車整備F航空G宿泊H農業I漁業J飲食料品製造業K外食業など人手不足業界と列挙した上で
「特定技能1号」
「特定技能2号」
の2種類の在留資格を認める制度である。
これまでの在留資格はいずれも国際貢献を目的にしていたが、初めて明確に人手不足の中で業態維持のために外国人を受け入れると掲げた。
2024年3月29日には自動車運送、鉄道、繊維、林業などの業界が追加された。
「特定技能2号」
はより熟練した労働者で日本語にも長け、在留期限は無制限とし、家族の帯同も許可される。
本来日本が公的には認めていないはずの単純労働者の受け入れが横行していたのが、日系ブラジル人など日系人の受け入れと、1993年から始まった技能実習制度、更には不法就労者だった。
技能実習制度は外国人が最長で5年間、働きながら技能を学ぶことで
「技術移転」
を行うことが目的であったが、現実には最低賃金を下回る額で厳しい労働条件下に置かれ、また、実習生が職場から失踪するなどの問題が相次いだ。
結果、政府の有識者会議の決定として、2023年の段階で現行制度を廃止し
「育成就労制度」
に変更、基本的に3年で一定の専門性や技能を持つ水準にまで育成し、受け入れ職種を、介護や建設、農業などの分野に限定することになった。
この技能実習は、外国人受け入れにおける本質的な問題が露呈した例である。
実習生の受け入れ目的が技術移転という国際貢献であっても、実際に受け入れる企業の立場からすれば、現場で作業をする労働者とは本来雇用関係にあり、企業に利益をもたらす存在でなければならない。
国家の方針にどんな理想論が掲げられようと、それが実践されるのはあくまで現場なのだ。
実習生たちを送り出す国側も、的確な制度の下に行っている場合もあれば、国によってはブローカーまがいの組織が高額な借金を課す形で日本へ送り出すケースもある。
私はある外国人が日本における就労ビザのために100万円以上を必要としたと聞いたことがある。
良心的で法に則った受け入れと技能研修を行ってきた企業や組織の名誉のためにも、送り出し国側の諸問題は日本の受け入れの在り方と共に抜本的に解決されなければならない。
更に不法就労者たちの存在は、日本の治安の脅威となるだけでなく、何らの法的保護も設けられない彼ら自身の人権問題として深刻な事態を引き起こしかねない。
以上に見られるように、日本政府は
「移民政策」
という言葉を否定はしてきたが、事実上外国人労働者の受け入れを継続して行ってきた。
そして、ほとんどの決定は閣議決定でなされ、国会においても政府与党内においてもそれ以後、十分な審議が尽くされたとは言い難い。
仮に審議が尽くされたとしても
「少子化の実情から外国人受け入れは日本経済のために必要である」
という、政府や企業の多数派によって疑われることのない命題に沿った結論(及びリベラル側からの多文化共生と差別反対がこれを補強する)しか生まれないのではないだろうか。
私たちはこの命題自体を再検討すべき時に来ている。
そのために参考になる文献の1つは、自身もキューバからの移民である経済学者、ジョージ・ボージャスが著した『移民の政治経済学』(白水社、2017年)である。
■単なる労働力ではなく『人間』
まずボージャスは、移民=外国人労働者は、
「人間」
であって
「労働者」
「労働力」
といった抽象的な存在ではないことを常に強調する。
彼らは自らの意志で行動し、受け入れ国にロボットのように使われ、必要がなくなれば処分されるような存在ではない。
外国人労働者を受け入れることは、彼らの社会福祉や人権を当然守ることを前提とする。
これは先述した国連の規定からも明らかだ。
同時にボージャスは、人類の歴史において、移民受け入れは受け入れ国にとって経済的利益がある場合のみ行われ、そうでない場合には国境は閉ざされたという歴史的事実を確認している。
この両面が外国人受け入れを考える上では必要な姿勢なのだ。
ボージャスは移民のもたらす経済的利益を一概に否定しているのではない。
移民が労働人口に参加すれば、確かに富は移民と競合する立場にある労働者から、移民を使う側の経営者に移転される。
移民が労働市場に入ることで、労働者の賃金は低下するが、この賃金減少分は、人件費を節約できた企業の利益となる。
これを
「移民余剰」
という。
この
「移民余剰」
によって受け入れ国全体の富は確かに増加するが、それは同時に自国の労働者にとっては富を失うことである。
ボージャスの指摘は更に付加すれば、企業が設備投資などの生産性向上よりも、安価な外国人労働者を雇うという安易な選択を行い、本来は社会的に改革すべき低生産性の工程・部門が国内に残存してしまう。
またボージャスは移民余剰の利益は、先進福祉国家では、移民への社会保障費によってほぼ相殺されると述べている。
短期的には移民は経済的のみならず、社会的、政治的、経済的に負の影響をもたらす可能性が高い。
そしてボージャスは現代のアメリカに対し
「1100万人もの書類不所持移民を入国させているような穴だらけの国境」
の現状のままでは、移民政策を論議すること自体が無意味だと断定する。
尚、不法移民の取り締まりのためには、ボージャスは国境封鎖よりも不法就労者を雇用する雇用主への処罰の厳格化を求めている。
更に中東からの難民にも触れ、自身の体験から深い同情を持ちつつ
「我々は現実的でなければならない」
「難民の中には少数だが恨みや争いを持ち込み、それを受け入れ国で晴らそうと思う人々がいる」
「また、受け入れ国の社会と政治の安定を揺るがす恐れのある文化的慣習を持ち込む人もいる」
「移民政策は益々(難民であろうがなかろうが)移民が単なる労働職以上のものを持ち込む存在であることを考慮に入れなければならなくなるだろう」
(『移民の政治経済学』)
と警鐘を鳴らす。
■脱北者の順法意識
ここで私のささやかな体験を述べておきたい。
私はある時期、北朝鮮から脱出して日本に入国した脱北者たちの定着支援に関わっていた。
日本は、1959年に始まった帰還事業により北朝鮮に渡った帰国者とその子孫に関しては、彼らが脱北後、希望した場合は歴史的経緯と人道的配慮で日本国に受け入れてきた。
その中には帰還事業の責任と国内の人権弾圧を告発して北朝鮮国家を訴えている人たちもおり、多くは無事日本社会に適応している。
しかし、私の接した脱北者の中には、日本の法律や制度を軽視する傾向もまた見られた。
脱北者は中国においても難民としての保護は受けられず、警察に見つかれば強制送還の運命が待っていた。
「違法状態」
に置かれ、しばしば中国人のブローカーに匿われてきた脱北者の中に、法律への軽視の意識が生まれてもやむをえまい。
しかしその結果、中国朝鮮族が脱北者に成りすました形で入国したり、脱北者自身がブローカーまがいの振る舞いを行うこともあった。
あるいは麻薬の売買に関与したり、偽パスポートによって偽装難民化したりした事例が、ごく少数とはいえ、散見されたことも事実である。
私は一部の例を持ち出して脱北者を受け入れてきたという人道的意義を否定したいのではない。
ただ、難民の性格を考え得る上で決して無視できない一面である。
今、埼玉県川口市で問題になっているクルド人問題も同様である。
2024年4月13日の産経ニュースの記事
「川口の仮放免者700人、初めて判明 大半はクルド人か 各自治体に情報提供へ運用見直し」
によれば、埼玉県川口市内には、現在、難民認定申請中で入管施設への収容を一時的に解かれた不法滞在状態の
「仮放免者」
が約700人存在している。
これは出入国在留管理庁のまとめた数字であり、大半はトルコ国籍のクルド人とみられる。
記事によれば
「仮放免者の情報はこれまで、本人が希望しない場合は当該自治体へ通知されず、自治体にとって実態把握が困難」
であったが、今後は
「自治体から要請があれば入管庁から仮放免者の情報が提供されるよう、入管難民法の運用を見直した」。
更に2024年6月10日の改正難民法施行以後は
「仮放免許可書」
の携帯を新たに義務付ける。
埼玉県川口市内では近年、クルド人と地元住民らの軋轢が表面化している。
「仮放免者」
の問題は、今の入管の病が凝縮しているとも言えるだろう。
厳正な法執行こそがまず必要であるにもかかわらず、それが出来ずにいる。
一方で外国人への門戸を広げることは際限がないのに、在留管理という我が国の外国人受け入れの原則は貫けずにいる。
本誌令和3年8月号でも論じたが、今回の改正入管法で難民申請中の送還停止は2回までが限界となり、申請3回目(もしくはそれ以上)の場合は送還の対象となる。
これは難民認定が却下された後も、ほとんど同一の資料で、何度も申請要求を繰り返し在留を引き延ばす行為への防止策だ。
私にも国家を持たぬクルド人の歴史に一定の同情はある。
ただ、敢えて言えば国家を持ち得なかったクルド人に、国家秩序や法意識への軽視が見られるならば、それは受け入れ国の保護を自ら放棄したことと同じ事なのだ。
■「国家」の在り方議論を
外国人の受け入れと文化的統合のモデルとしては、これまではアメリカ型の
「メルディング・ポット」(多様な人種、民族による文化が社会で溶け合い、新しい生活文化を形成する)
という概念が存在した。
しかしこの理念は本家アメリカにおいて、1960年代の公民権運動やブラック・パワーをはじめとする様々なマイノリティ運動の中で否定されていく。
人種のるつぼ理念とは、白人多数派の価値観への従属を強いるもので、各民族の文化を否定するものだと批判されたのだ。
次に生まれたのが多文化共生の理念で
「モザイク型」
の受け入れ理念として世界に広がった。
だが、多文化共生には大きな落とし穴がある。
それは現在普遍的な理念として受け入れられている、政教分離、男女平等、自由民主主義、反差別主義、人権擁護、また伝統を尊重した上での自由といった、西欧近代の生み出してきた最良の理念を相対化し、各民族文化の差異を強調することで、BLM(ブッラクライブズマター)に代表されるような激しい分離・対立を社会に招くことに繋がってしまったのだ。
白人の差別意識への批判が行き過ぎたアファーマティブ・アクション(マイノリティ優遇政策)を引き起こし、人権擁護が事実上の言論弾圧であるポリティカル・コレクトネス(社会の特定のグループのメンバーに不快感や不利益を与えないように意図された政策(または対策)などを表す言葉の総称であり、人種、信条、性別、体型などの違いによる偏見や差別を含まない中立的な表現や用語を使用することを指す)として猛威を振るい、表現の自由をも脅かしている。
少数派の文化が時として普遍的な自由や平等の価値観に反する場合にそれは無条件で肯定すべきなのか。
イスラム教における
「名誉殺人」
(婚姻拒否、強姦を含む婚前・婚外交渉、「誤った」男性との結婚・駆け落ちなど自由恋愛をした女性、更には、これを手伝った女性らを「家族の名誉を汚す」ものと見なし、親族がその名誉を守るために私刑として殺害する風習のことである)
(射殺、刺殺、石打ち、焼殺、窒息が多く、現代では人権や倫理的な客観から人道的問題としても議論される)
(一部の文化圏では父や夫以外の男性と同空間滞在(非隔離)した女性や同性愛者が対象となったとされる)
(殺害被害者は多くは女性であり、男性の場合は同性愛者の場合が多いが、異性愛の男性が殺される事件も稀にある)
(「名誉殺人」とも言う)
(イスラム教が盛んな地域で主に行われているため、その宗教や文化と関連付けられて語られることが多い)
(しかし、ヒューマン・ライツ・ウォッチの責任者の1人であるウィドニー・ブラウンは、この犯罪について「文化や宗教を超えて行われる」と警鐘を鳴らしている)
やかつてインドで存在した寡婦が夫を追って焼身自殺する儀式(サティー)を私たちの社会で認めることなどできまい。
そして我が日本では、朝鮮総連の存在が
「在日朝鮮人の人権組織」
と見做され、このことが事実上国内での工作活動や犯罪を看過することに繋がった。
今、新たなモデルとして生まれているのは
「市民的統合」
である。
これは外国人が、受け入れ国の言語、歴史、自由民主主義の価値観について教育によって受け入れ、身に付ける形で統合を目指すやり方である。
これはオランダが最初に打ち出し、1998年、オランダ語習得や市民教育などの
「統合コース」
への参加が移民に義務付けられた。
その後、この統合システムはヨーロッパに拡大している。
私はこのモデルを応用することが日本の今後に最も相応しいと思うが、ここで敢えて
「国民統合」
という言葉を使いたい。
「国民統合」
とは、自由民主主義と政教分離といった現在国際社会で通用する普遍的価値観の許容や日本の文化伝統への一定の理解を外国人受け入れの前提とすることである。
このシステムは難民や準難民に対しても適応される。
受け入れた外国人を外国人と見てその文化を尊重する共生政策とは異なり、
「日本国民」
と同等に扱う同化主義に近いが、それは普遍性への同化と、今後在住する日本国の文化への理解を求めることだ。
もちろん、その原則の上でも各民族文化への尊重は同時に可能なはずであり、そのバランスを取ることこそが、元々寛容な姿勢で多文化を(西欧の近代主義も含めて)受け入れてきた日本の伝統である。
最後に、私は前述した人権規約や難民条約における、内外人平等待遇の原則を、今、国際社会は見直すべき時に来ていると考える。
難民や移民を保護してその権利を守ろうとする精神は何ら間違ってはいない。
だが、特に近年の欧州における難民・移民の現状を見る時、かつての
「迫害する国家から脱出した難民を守る」
という理念と同様に
「難民(及びそれと判別し難い大量難民)から、既存の国家や社会の秩序を守る」
こともまた重要な時代に私たちは生きているのだ。
社会秩序や安全保障の問題、ひいては国家とは何かという理念の問題まで拡大して議論することが、国会でも民間でもまず必要である。

川口の仮放免者700人、初めて判明 大半はクルド人か 各自治体に情報提供へ運用見直し
「移民」と日本人
2024/4/13 19:14
https://www.sankei.com/article/20240413-EBG6TISPPRGJTEK7FDFWV7C2FE/
日本語、トルコ語、クルド語で「公園内で、夜に大きな声や音を出してはいけません」「ごみはきちんと持ち帰りましょう」と呼びかける看板=埼玉県川口市
https://www.sankei.com/article/20240413-EBG6TISPPRGJTEK7FDFWV7C2FE/photo/JESUUVVFENF75H7HMVM5MJDCNY/
難民認定申請中で入管施設への収容を一時的に解かれた不法滞在状態の
「仮放免者」
が、埼玉県川口市内に700人程度いることが2024年4月13日、出入国在留管理庁のまとめで分かった。
大半はトルコの少数民族クルド人とみられる。
仮放免者の情報はこれまで、本人が希望しない場合は当該自治体へ通知されず、自治体にとって実態把握が困難だった。
このため、自治体から要請があれば入管庁から仮放免者の情報が提供されるよう、入管難民法の運用を見直した。
また、2024年6月10日施行の改正入管難民法では、仮放免者に
「仮放免許可書」
の携帯を新たに義務付け、携帯しやすいよう、許可書の大きさを従来のA4判からカード大のサイズに変更するという。
川口市内では近年、クルド人と地元住民らの軋轢が表面化している。
この日、市内で国会議員らが
「一部の外国人による迷惑行為のある地区」
を視察。
その後に市や市議、入管庁との意見交換会が開かれ、終了後に参加者らが報道陣に明らかにした。
入管庁によると、仮放免者数は日々変動するが、直近では川口市内に約700人おり、大半はトルコ国籍という。
同市内にはトルコ国籍の正規の在留者が約1300人おり、トルコ人も含め、合わせて約2000人となる。
強制退去処分が出ながら送還を拒む不法滞在状態の
「送還忌避者」
は、令和3年末時点で3224人。
このうち半数に当たる1629人は難民申請中で送還が停止されていた。
送還忌避者は令和4年末時点では4233人まで増えた。
改正法施行後は、難民認定申請中の強制送還停止が原則2回までに制限され、仮放免者の数も減ることが想定されている。

きっと再燃する外国人参政権問題
正論2024年7月号 日本政策研究センター 岡田邦宏
我が国の外国人政策が大転換しようとしている。
今、国会に提出されている法案(出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案など)は、出身国への技術移転など国際貢献を建前とした現在の
「外国人技能実習」
制度を廃止し、人手不足を補うことを正面に掲げた
「育成就労」
制度、つまり外国人労働者を労働力として位置付け導入する制度へと転換することが眼目となっている。
この
「育成就労」
資格で3年の在留期間を経て技能や日本語能力が育成されたとなると在留資格が
「特定技能1号」
となり、更に次の段階として熟練技能が求められる
「特定技能2号」
の試験に合格すれば永住資格の取得も家族呼び寄せも可能となる。
また、これまでの技能実習制度では原則認められていなかった実習先の転籍が、新制度では1つの職場で1年を超えて働いた場合、条件付きで認められることとなる。
こうして
「育成就労」
資格で3年の在留期間を経て在留資格が
「特定技能」
となった場合も、外国人が働くことのできる職種が従来の14業種に自動車運送業、鉄道、林業、木材産業の4分野が追加されることが決定している。
近い将来、水産加工や製造業、農作業だけでなくバス・タクシーの運転手や鉄道の駅員として外国人が働く姿を見ることとなる。
まさに、外国人政策の大転換と言えるが、この転換がもたらすものは何か。
人手不足が幾分か解消されるというだけの単純な話ではない。
朝日新聞は
「未熟練労働者として入国した人たちに中長期のキャリアパスを示し、将来的な定住への道筋が見えるようにした」(2023年10月20日・社説)
と評価したが、外国人労働者の定住を促進するかのような政策変更と言える。
我が国の外国人政策は在留期限と在留資格を限定して在留を許可する
「在留管理」
が原則で、期限が切れると在留できなくなる制度のはずだったが、今回の政策転換が定住を前提とまで言わないが、定住を促進する、移民政策に転換するかのような内容と読めてしまうことは否定し難い。
■外国人が10%を超える日
問題は定住化だけではない。
既に日本人人口が急激に減少する一方、今回の政策転換以前から在留外国人は着実に増加する時代が始まっている。
2023年6月時点での在留外国人の総数は322万3856人(出入国在留管理庁)で過去最高となった。
そのうち外国人労働者は204万8675人(2023年10月末時点)で、前年から22万人余り増加し、初めて200万人を超えた。
政府は今回の政策転換によって5年間で82万人の外国人労働者の増加を見込んでいるというのだから、今回の法改正が外国人労働者の流入を加速させることは間違いあるまい。
このまま日本人人口が減少し、外国人人口の増加が続けばどうなるか。
国立社会保障・人口問題研究所(以下、社人研と略)による推計(2023年4月公表)では、今から45年後の2070年に日本の総人口は8700万人に減少し(2020年の国勢調査による1億2615万人から31%減)、その一方で在留外国人は939万人へと増加するとの推計を発表している。
つまり、総人口に占める外国人の比率が10.8%となり、現状の比率約2%と比べて約5倍、日本は10人に1人が外国人という人口推計となると予測されている。
しかも、既にその時期が45年後の2070年よりかなり早く前倒しされる可能性すら指摘されている。
入管庁の発表によると外国人の入国者数から出国者数を引いた
「入国超過」、
つまり外国人の増加数は2023年9月までの1年間で24万人と前年同時期を5万人も上回っていた。
実は、先の社人研による外国人人口推計は毎年16.4万人の入超を想定した推計だったが、現実には既にその1.5倍も増加している。
この増加傾向が続けば外国人人口比率10%は2070年より10年、20年早まるのは確実と言える。
ちなみに外国人比率10%と言えば、ヨーロッパではドイツ(19%)には及ばないが、イタリア(11%)とほぼ同率、フランス(13%)やイギリス(14%)に近い数字と言える。
これらの国々では移民問題が国政上の大問題となっているが、外国人労働者を移民とは呼ばない我が国においても、本格的な
「外国人政策」
が論じられねばならない時代がやって来ていることは確かである。
■抜け落ちた地方への視点
外国人政策は、出入国管理が国家の主権に係わり、労働政策を含めて出入国や在留、帰化などの制度も基本的に国政マターであり、今回の政策転換を行った背景となったのも外国人材受け入れ・共生に関する関係閣僚会議の報告書
「外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ」
と言える。
そこで何が掲げられているのかと言うと、
「外国人も社会の一員として包摂する安全・安心な社会」
「外国人を含む全ての人の社会参加」
「個人の尊厳と人権を尊重した社会」
の3つのビジョンを挙げ、外国人との共生社会を目指そうという構想である。
このロードマップに掲げられた共生のビジョンを真っ向から否定しようとは思わないが、その実現性に疑問を持たざるを得ないというのが率直な感想と言える。
というのも、外国人人口の増加、定住化の波に直面するのは
「地方」
なのだが、このロードマップにはその
「地方」
への視点が見当たらないというかすっぽり抜け落ちていると言わざるを得ないからである。
外国人は日本で働くために入国し在留しているが、単なる労働力として位置付けるだけで済む問題ではない。
「我々は労働力を呼んだが、やって来たのは人間だった」
というスイス人の言葉があるように、職場での労働環境、年金・健康保険、子供の保育・学校教育、本人と家族の日本語教育、更には生活保護を含めた生活環境の整備が必要とされることは言うまでもない。
そうした課題や問題に実際に直面するのは中央官庁ではなく地方自治体である市町村だが、自治体財政や人的問題への言及は余りに少ない。
そうした地方との連携が余りに希薄で、
「外国人との共生」
だけが独り歩きしているように読めてしまうというのが筆者の感想である。
■その先に外国人参政権
先に挙げた行政対応など財政的・人的問題はクリア可能だとしても、もっと深刻な問題がある。
ロードマップが外国人を
「日本社会を共に作る一員」
と位置付け、外国人の
「個人の尊厳と人権」
が尊重される社会を目指すことを強調している。
しかし、外国人の
「個人の尊厳と人権」
を強調すれするほど、その先には
「外国人参政権」
という議論が待ち構えていることは間違いない。
そもそも参政権(選挙権・被選挙権)は国民が自国の政治に参加する権利であり、外国人には与えられていない。
少し説明すると、平成7(1995)年の最高裁判決は概略次のように外国人の地方参政権を否定している。
憲法15条1項は公務員の選定罷免権は
「国民固有の権利」
と規定し、その
「国民」
とは憲法が規定する国民主権の原理における国民、つまり我が国の国籍を有する者を意味することは明らかで、そうした性質上、地方選挙であっても在留する外国人には及ばない。
また
「住民」
についても
「憲法第93条2項に言う『住民』とは、地方公共団体の区域内に住所を有する日本国民を意味するものと解するのが相当」
とも判示した。
その意味で外国人の参政権問題はこの最高裁判決で決着が着いていると言えるが、近年、当時とは違う事情が生じてきていることに留意したい。
平成7(1995)年の最高裁判決当時は憲法学者の間でも外国人の参政権は憲法上保障されないとする全面否認説(禁止説)が有力であったが、最近では国政レベルにおいて外国人の参政権は認められないが、地方自治体レベルの参政権は、外国人に認めても憲法違反にはならないとする学説(許容説)が有力となっているからである。
例えば、芦部信喜・高橋和之『憲法』(第7版)は、
「狭義の参政権(選挙権・被選挙権)は外国人には及ばない」
「しかし、地方自治体、特に市町村という住民の生活に最も密接した地方自治体のレベルにおける選挙権は、永住資格を有する定住外国人に認めることもできる、と解すべきであろう」
としており、樋口陽一『憲法』(第4版)も
「(外国人の)地域社会構成員としての性格に着目して、地方自治体の選挙につきそれらを認めることは、一般的に言って、違憲の問題を生じないと解することができよう」
と解釈している。
こうした憲法解釈を読めば、外国人を
「日本社会を共に作る一員」
と位置付けるロードマップのロジックと類似していることが分かる。
外国人の
「個人の尊厳と人権」
が尊重される社会を目指すという方向性は外国人地方参政権許容説と重なると言えよう。
尚、この他に憲法学者の中には憲法が外国人参政権を要請しているとの学説もあるがここでは省略する。
今現在、具体的に外国人参政権要求が叫ばれているわけではない。
しかし、近い将来、新たな参政権要求が提起された場合、最高裁判決当時(平成7年、1995年)とは学説状況が変わっていることを考えれば、従来の最高裁判決が維持できるのかどうか、不安なしとは言えない。
今の政府の閣僚会議が最高裁判決を超えて外国人参政権の議論を報告書に書くことはあり得ないが、関係閣僚会議のロードマップが外国人を
「日本社会を共に作る一員」
とし、外国人の
「個人の尊厳と人権」
の尊重を提言したことが、参政権議論の中で許容説の布石となることは十分にあり得るように思える。
■急増する10%超の市町村
参政権問題では、こうした憲法解釈とは別に外国人人口の増加によって市町村単位で深刻な問題が持ち上がることが予想される。
前提となる解説をさせて頂くと、先に外国人の人口比率が10%を超える時代が到来すると書いたが、この10%はその時の総人口の分母とし全外国人を分子とした比率、言わば全国平均であって、これを個別の市町村で見ると事情が大きく変わってくる。
4年前2020年の国勢調査では、外国人比率が10%を超えている市町村は10自治体程度しかなかったが、外国人人口の増加傾向を踏まえて5年後10年後に10%を超える市町村がどれほど増えるだろうか。
実は将来の市町村ごとの外国人人口は推計されていない。
ただ、社人研は毎年の全国レベルの外国人人口の
「入超」(増加)
分を16.4万人として計算しているので、この増加分を既知の国勢調査(2020年)の市町村別の外国人人口のシェアに基づいて年ごとに市町村に加算する方法で計算してみると、個別の市町村の数字は正確ではないにしても、ある程度のトレンドを知ることができる。
全体の傾向として言えることは、今から6年後の2030年になると、外国人比率が10%を超える市町村の数は40〜50と急増し、しかも分母となる日本人人口が少なくて外国人人口が多い現在の10%越えの市町村とは違って、地方では製造業の大規模工場や工場団地周辺の小都市、都市部では大阪や東京の一部の区に加えて名古屋市や神戸市の一部の区も、埼玉県川口市など特定の国の外国人が集中する自治体も10%を超えるという傾向が読み取れる。
このままの傾向が更に次の10年も続けば、10%超の自治体は100近くになる可能性がある。
また、10%超の予備軍とも言える外国人比率7〜9%の市町村は4年前2020年の国勢調査時には26しかなかったが、2030年の段階で既に倍増するとの傾向が窺える。
■地方政治を左右する勢力に
こうした外国人人口の急増は、仮に外国人に選挙権が与えられたとすれば、地方政治に大きな影響をもたらすこととなる。
人口10万人規模の市では市会議員は1200票程度で当選している(定数25〜30)。
その市の外国人人口比率が10%の場合、有権者数や投票率を考慮しない粗っぽい計算だが、複数の議員を外国人だけで当選させられる。
人口20万人の市と言えば地域の中心的な自治体だが、市議は1400票〜1500票で当選している。
ここでも外国人の人口比率が10%を超えていれば、更に複数の議員が当選可能と言える。
そうなれば外国人の政治集団ができると言えよう。
在留外国人からすれば、人口の一定比率を占めながら(ここでは仮に10%としたがそれ未満でも問題の性質は変わらない)、自分たちの代表を持てないのは、
「個人の尊厳と人権を尊重した社会」
というロードマップの共生ビジョンに反する、まさに人権が損なわれているという問題意識が生まれても何ら不思議ではない。
日本人の側にも、こうした外国人の政治パワーを利用しようと地方参政権の獲得を掲げる政治勢力も出てこよう。
かつて民主党政権は2009年の総選挙での民団(在日本大韓民国民団)の選挙支援と引き換えに外国人地方参政権法案を当時の小沢一郎幹事長が主導して提出しようとしたことがあった。
外国人労働者問題の専門家の中には参政権など当然だと主張する向きもある。
宮島喬(みやじまたかし)お茶の水女子大学名誉教授は
「(外国人労働者は)住民として国や自治体から様々なサービスを受ける権利を持ち、またサービスを受けるだけでなく、参加する権利、つまり地域の諸組織に参加したり、地域政治に参加する権利も認められるべきでしょう(住民投票、地方議員・首長の選挙に参加したり、請求権などを行使したりする権利)」
と主張している(岩波ブックレット『新版外国人労働者受け入れを問う』)。
今後、子弟の教育など外国人の生活に係わるテーマが地方選挙の争点となった場合、選挙権が認められていないことが問題視されることは十分に考えられよう。
こうした状況の背景にあるのは、これまで日本人が経験したことのない外国人の増加であることは間違いない。
にもかかわらず、先のロードマップは、こうした地方に係わる深刻な問題について問題意識がすっぽり抜け落ちていると言わざるを得ない。
■「国益の原則」忘れるな
そもそも外国人政策の原則とは如何なるものなのか。
外国人の政治的自由と在留許可を国が制限できるかが問題となったマクリーン事件において最高裁は、余り注目されなていない論点だが、法務大臣の任務についてこう判示している「昭和53(1978)年10月4日」。
「法務大臣は、在留期間の更新の許否を決するにあたっては、外国人に対する出入国の管理及び在留の規制の目的である国内の治安と善良の風俗の維持、保健・衛生の確保、労働市場の安定などの国益の保持の見地に立って、申請者の申請事由の当否のみならず、当該外国人の在留中の一切の行状、国内の政治・経済・杜会等の諾事情、国際情勢、外交関係、国際礼譲など諸般の事情をしんしやくし、時宜に応じた的確な判断をしなければならない」
この判決で注目すべきは
「出入国の管理及び在留の規制」

「国内の治安と善良の風俗の維持、保健・衛生の確保、労働市場の安定など」

「国益の保持」
を目的としている点にある。
外国人政策は
「国益」
が原則だということである。
外国人労働者を受け入れる究極の目的は我が国経済に寄与してもらうためであることを考えれば、当然とも言える。
現在の外国人政策もこうした
「国益の原則」
に沿って、ここまで取り上げてきた地方の観点だけでなく、様々な観点から外国人政策がデメリットを含めて論じられ捉え直されるべきであろう。
外国人に係わる治安問題は国民の関心事だが、そうした問題指摘はロードマップには余りにも少ない。
経済的観点からは外国人労働者の受け入れの経済効果について、経済界は人手不足だけを強調するが、外国人労働者の受け入れにはどんなデメリットがあるのかも論じられるべきであろう。
また安全保障という観点からも検討が必須である。
中国の国防動員法は中国政府が有事を認定すれば日本在住の中国人も動員対象となる。
我が国に在留する外国人約342万人のうち、中国人は約82万人で最大勢力である。
外国人の4人に1人が中国人という現実を踏まえれば、中国の国防動員法は、それが実際に在留中国人に適用されるかどうかは別として、日本の外国人政策にとって検討されるべき大問題と言える。
こうして見ると、外国人との共生を目指すと言っているだけで問題が解決できるかのように思える、そんな時代では既にないことは確かと言えよう。

郷に入って「郷に従わん」外国人
直球&曲球 宮嶋茂樹
2024/5/9 10:00
https://www.sankei.com/article/20240509-H4LOHB4JIROYBC6FPXFOHBKM7Y/
日本経済が低調なのは
「外国人嫌いで、移民を望んでいないためだ」
やて?
いやいや、バイデン米大統領、言葉は正確に伝えんとアカンわ。
多くの日本人が嫌いなんは、日本に来ても日本の文化や伝統、ルールを尊重せず、皇室を敬愛するどころか敵視するような外国人のことや。
日本人もどないかしとるで。
政・官・財・民、挙げて
「インバウンド」
景気やと歓迎して、いちびっとるけど、日本に来る観光客や定住外国人は、当たり前のことやけど、善意の人≠ホかりやないんやで。
最初から転売目的で爆買い≠オたり、白タクで荒稼ぎしたりしとる外国人も後を絶たん。
オーバーツーリズム
(とある地域を訪れる人が急増したことにより様々な問題が発生し、その地に暮らす人々や自然環境、生態系、景観などに悪影響を及ぼしている状況のこと。日本では「観光公害」とも呼ばれており、県や市といった全体で起きるものではなく、「〇〇市の橋周辺」や「春の〇〇府の寺院」など、特定の場所や季節、時間に起きるものを指す言葉)
の弊害も深刻や。
そこで暮らしとる日本人が多大な不便や迷惑を強いられとる。
東京や大阪じゃ日本人が泊まれるホテルを探すだけで一苦労や。
富士山もゴミだらけやんけ。
これほど外国人観光客が日本に押し寄せる理由は色々ある。
メシがうまいし、安い。
種類も豊富や。
治安もエエし、皆が皆とは言わんけど、まぁ日本人は外国人に親切や。
しかし、一番の原因は昨今の円安やろ。
円安=日本が安う見られとるというこっちゃ。
ハワイやヨーロッパは無理やけど
「円安」
の日本やったらいけるわ、とな。
それでも、ワシは何もやみくもに外国人の観光客や定住者を締め出せ、と言うとるわけやないんや。
困っとるんは、日本に来てまで犯罪まがいのことをやったり、日本の法令に反する自分らの風習を認めろ、と叫んだり、日本を理解しようともしたりせん、外国人なのである。
海外の日本人を見てみい。
皆から嫌われんようにちゃんと努力しとる。
その国の慣習、ルールを尊重して気、遣っとる。
イスラム圏に行ったら、お祈りの時間は静かにしとるし、豚肉は食べんし、公の場では酒も飲まんようにしとる。
「郷に入れば郷に従え」
という、諺を知っとるからや。
その国の交通ルールから公共マナーまで、いくら日本人には理解不能でも尊重するで。
そんな日本人を
「外国人嫌い」
やて?
バイデン大統領、それはないで!

バイデン米大統領が同盟国を「外国人嫌い」と切り捨てた失言の背景
ポトマック通信
2024/5/9 7:00
https://www.sankei.com/article/20240509-MFUGY3GBRVNUJJQMQJDL5YUPEA/
バイデン米大統領は2024年5月1日、アジアや太平洋諸島系の支持者集会でこう述べた。
「米国経済が成長を続けるのはなぜか」
「理由は我々が移民を歓迎するからだ」
「なぜ中国は経済的に行き詰まっているのか」
「なぜ日本は困難な状況なのか」
「ロシア、インドはなぜか」
「理由は彼らが外国人嫌い(xenophobic)で、移民を望まないからだ」
人は異なる人種、言語、宗教、生活習慣の人々の存在に拒否感や嫌悪感を抱くもので、どの国も受容と葛藤の歴史を続けている。
私が驚いたのは、大統領の失言に慣れっこのはずの米メディアの反応だった。
「同盟国に否定的用語を使った意図は?」
との疑問だ。
バイデン氏がなぜ日印中露を一括りに
「外国人嫌い」
としたのか報道官の釈明を聞いても判然としない。
米紙ウォールストリート・ジャーナルは社説で、米国の移民差別の事例を挙げて
「日本の友人たちがバイデン氏のコメントを受け流してくれることを願う」
と述べた。
流せなかったのか、日本政府は
「正確な理解に基づかず残念」
と申し入れをしたと聞く。
日印を軸に中露を牽制する政権のインド太平洋外交への影響を懸念する向きもあるというが、失言には本心や願望が表れることもある。
日本を権威主義陣営との橋渡し役とする新構想があるのかと想像した。

林官房長官、バイデン米大統領の「日本は外国人嫌い」 「正確な理解に基づかない発言」
2024/5/7 12:18
https://www.sankei.com/article/20240507-GHSI6VL6DRNXPNOBYGMUH7TUQU/
林芳正官房長官は2024年5月7日の記者会見で、バイデン米大統領が、日本経済が低調なのは外国人嫌いなためだと発言したことに関し
「日本の政策に対する正確な理解に基づかない発言で残念だ」
「米国には日本の考えや政策を改めて説明した」
と述べた。
2024年4月の岸田文雄首相の国賓待遇での訪米を踏まえ、
「日米関係はかつてなく強固であり、引き続き日米関係の一層の強化に取り組んでいきたい」
とも強調した。

バイデン氏の発言は「残念」 日本政府が米側に伝達
2024/5/4 16:01
https://www.sankei.com/article/20240504-UYFMDSHLXZKMPNKFYEN72HZNLA/
バイデン米大統領が日本経済が低調なのは
「外国人嫌いで、移民を望んでいないためだ」
と発言したことについて、日本政府は2024年5月3日までに
「正確な理解に基づかない発言があったことは残念だ」
と米側に伝達した。
関係者が明らかにした。
ホワイトハウスが公表した発言録によると、バイデン氏は2024年5月1日、ワシントンでの選挙資金集めイベントで、好調な米経済を支えているのは移民だと称賛し
「中国が経済面で停滞し、日本が問題を抱えているのは、ロシアやインドも同じで、外国人嫌いだからだ」
と語った。
ジャンピエール大統領報道官は2024年5月2日、バイデン氏の発言について
「移民が如何に米国を強くしているかについて話した」
と記者団に釈明した。
記者から日本との関係を悪化させるのではないかと問われると
「日本とは力強い関係がある」
とだけ答えた。(共同)

日本や中国の経済不調は「外国人嫌いのせい」 バイデン米大統領が集会で発言、移民を称賛
2024/5/2 18:35
https://www.sankei.com/article/20240502-HXPLHHHEO5LJ5LECJI6HHSVFW4/
バイデン米大統領は2024年5月1日、好調な米経済を支えているのは移民だと称賛した上で、日本や中国などの経済が低調なのは
「彼らが外国人嫌いで、移民を望んでいないためだ」
と発言した。
ワシントンでの選挙資金集めイベントで述べたと、ロイター通信が報じた。
2024年11月の大統領選で対決するトランプ前大統領の移民受け入れに消極的な姿勢を念頭に、バイデン氏は集会で
「移民こそが私たちを強くしてくれている」
と強調。
一方で
「中国が経済面で停滞し、日本が問題を抱えているのは、ロシアやインドも同じで、外国人嫌いだからだ」
との見方を示した。
国際通貨基金(IMF)が2024年4月に発表した2024年の経済成長率の見通しでは、米国は2.7%で日本は0.9%。
一方、中国は4.6%、インドは6.8%となっている。(共同)

育成就労決定 永住資格を厳格化 税金滞納で取り消し
産経新聞2024年2月10日
政府の関係閣僚会議は2024年2月9日、外国人の永住許可制度を適正化する政府方針を決定した。
外国人永住者を巡っては、税金を滞納する事例などが確認されており、悪質な場合は在留資格を取り消せるよう要件を見直す。
政府は2024年2月9日、技能実習制度の代わりに新たに外国人を受け入れる
「育成就労」
制度の方針を決定。
即戦力の外国人労働者を受け入れる在留資格を
「特定技能」
のうち、事実上永住できる特定技能2号への移行を促す同制度下では永住者の更なる増加が見込まれることから、悪質な外国人を排除する仕組みを整備する。
入管難民法は、永住資格の許可要件として素行の善良さなどを規定。
政府のガイドラインでは他に、納税義務の履行などを要件に挙げている。
一方、入管難民法で在留資格を取り消せるのは虚偽の申請で資格を得た場合などに限られ、税金や社会保険料の滞納を重ねても取り消されない。
関係者によると、永住資格取得後、納税などを拒むケースが複数、確認されている。
永住者は在留期限や活動に制限がない。
2023年6月末時点で約88万人で10年前から4割弱増加。
在留外国人の約3割を占める。

政府、外国人の「育成就労」新設方針 転籍1〜2年で可能 技能実習制度は廃止
2024/2/9 10:30
https://www.sankei.com/article/20240209-44RUQO4NEFNRPJT2WJRKPZ2X5Q/
政府の関係閣僚会議は2024年2月9日、技能実習制度の代わりに新たに外国人を受け入れる
「育成就労」
制度創設を柱とする政府方針を決定した。
技能実習制度では原則認められていなかった転籍(転職)を原則1年で認める一方、最長で2年間、転籍を制限できるとした。
政府は2024年3月にも国会に関連法案を提出する。
技能実習制度を巡っては劣悪な労働環境の影響で人権侵害事案などが発覚。
政府の有識者会議が昨年、公表した最終報告書は技能実習制度を廃止し、育成就労制度を創設。
育成就労期間が1年を超えるなどの条件を満たせば原則、転籍を認めるとしていた。
その後、地方から都市部に人材が流出する可能性があるなどの懸念を払拭するため、転籍に一定の制限をかける必要があると自民党の部会が提言。
政府方針は、当面、業界ごとに最長で2年まで転籍を制限できるとした。
転籍時の日本語能力は、最も易しい日本語能力試験「N5」レベルや、基本的な日本語を理解することができる「N4」レベルを設定する。
転籍要件の緩和に伴い、悪質な転籍ブローカーの介入を防ぐため、転籍の仲介状況を透明化するための体制を整備をする他、資格のない外国人を雇うことを禁じる不法就労助長罪の法定刑を引き上げる。
受け入れの仲介を担う監理団体は
「監理支援機関」
とし、外部監査人の設置を義務付ける。
新制度は、人材の育成だけでなく確保も目的とし、受け入れる分野を特定技能制度と揃える。
育成就労期間を終えて日本語と技能の試験に合格すれば、特定技能1号に移行できる。

欧州、難民は「外国に送れ」の新潮流 メローニ伊首相「モデルになる」と意欲満々 
緯度経度 三井美奈
2024/2/9 9:00
https://www.sankei.com/article/20240209-O2HOXT6SKVMYXM4VF7UMMMLY64/
移民流入に悩む欧州で、
「難民を第3国に送る」
という奇策が浮上した。
イタリアと英国が先導している。
イタリアの計画は2023年11月、メローニ首相が発表した。
地中海を渡ってくる不法移民を隣国アルバニアに送るという。
2024年春にもスタートし、年間3万6000人を見込んでいる。
「欧州のモデルになる」
と誇った。
計画によると、アルバニアの沿岸に受け入れ施設を造ってもらい、イタリアに移民船が来たら、上陸させずに施設に直送する。
施設ではイタリアの職員が難民審査を行い、周辺の警備はアルバニアが担う。
難民資格が得られなかった人は、イタリアの責任で送り返すことになっている。
イタリアには2023年、北アフリカから移民船で15万人以上が押し寄せた。
イタリア政府は欧州連合(EU)加盟国に
「分担して受け入れを」
と求めたが、応じてもらえない。
そこで、アルバニアに
「EU加盟を支援する」
と約束し、合意を取り付けた。
地元紙によると、経費は5年間で推計6億5000万ユーロ(約1030億円)。
全てイタリアが負担する。
金と手間をかけて、わざわざ移民を外国に送るのには訳がある。
欧州人権法では、1度入国させると追放は極めて難しい。
難民資格がない人も申請を繰り返し、
「子供や病人がいる」
と法廷で訴えれば、強制退去にブレーキがかかる。
そこで
「とにかく入国させない」
ことが重要になった。
「我が国(イタリア)に来ても外国に送るからムダ」
と示し、密航を諦めさせる狙いもある。
メローニ氏は
「不法移民に危険な旅をさせずに済む」
と、抑止効果を強調した。
欧州研究機関
「国際移民政策開発センター」(ICMPD)
のマルティン・ホフマン顧問は
「よく練られたアイデア」
「EU域外の受け入れ施設でも、イタリア法で運営すれば『人権軽視』の批判をかわせる」
「うまくいけば、追随国が増えるだろう」
と予測する。
英国では今、
「移民のルワンダ移送」
法案が国会で審議されている。
英仏海峡を渡ってくる不法移民を6500km南のルワンダに送り、難民申請から定住まで委任することを目指す。
イタリアと英国は、人権団体や左派野党から
「残酷」
「難民保護の責任逃れ」
と批判された。
英国では2023年、当初法案に最高裁が
「人権侵害の恐れあり」
として違憲判決を示し、政局は大揺れになった。
それでも、第3国移送案への関心は高い。
デンマークの他、ドイツ最大野党の中道右派
「キリスト教民主同盟(CDU)」
が、EUによる取り組みを訴えている。
フォンデアライエン欧州委員長は、イタリア案を
「画期的」
と讃えた。
EUはこれまで、リビアやチュニジアに支援金を出し、移民船の出航を止めてもらおうとした。
EU加盟国で受け入れ枠を作り、負担を分け合うことも定めた。
いずれもあまり成果がない。
どの国も
「何とかしろ」
という世論の圧力に直面している。
注目が集まるのは、欧州人を良心の呵責から救う効果もあるからだろう。
各国政府は本音では不法移民を追い払いたいのだが、
「瀕死で救いを求める人を見捨てるのか」
という人権団体の訴えを無下にできず、常に逡巡している。
苦難の末にやってきた移民を、また外国に送る。
そんな方策に飛びつくほど、事態は切迫している。
2023年、欧州で難民申請件数は100万件を超えた。
地中海を渡る途中で死亡、行方不明になった移民は約3000人に上る。
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/601.html#c28

[政治・選挙・NHK294] <晴海フラッグ>都民の財産を三井不動産に献上したのにゴーストタウン化する街(田中龍作ジャーナル) 赤かぶ
19. 秘密のアッコちゃん[386] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年6月15日 12:55:06 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[499]
<■206行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
G7サミット 首脳声明発表 ロシア資産活用明記、支援の金融機関にアクセス制限も
2024/6/15 6:57
https://www.sankei.com/article/20240615-CUF23H2B7RMC3DSFREXE7A2V3U/
先進7カ国(G7)首脳は2024年6月14日、イタリア南部プーリア州で開かれている首脳会議(サミット)の成果をまとめた首脳声明を採択した。
ロシアによるウクライナ侵略への制裁で凍結した露資産を活用し、ウクライナに500億ドル(約7兆8000億円)を提供する方針を決めたと明記。
「ロシアはウクライナにもたらしている損害を賠償しなければならない」
と表明した。
ロシアの軍事機構を支援する中国などの金融機関に対し、金融システムへのアクセス制限といった措置を取る方針も示した。
G7は声明で、ロシアがウクライナ侵略で生じさせている損害を
「賠償する国際法上の義務は明確」
とした上で
「損害を賠償するか否か、またいつそれを行うかをロシアが決めるのは正しくない」
と主張。
「ロシアに義務を果たさせるための全ての適法な方法を引き続き検討する」
とした。
ロシアが侵略により生じた被害の賠償を行うまで露資産の凍結を続ける方針も確認した。
声明は、中国によるロシアの防衛産業への支援は
「ロシアが違法な戦争を継続することを可能にしている」
とし
「重大で広範な安全保障上の影響がある」
と指摘。
中国に対し、軍民両面で利用可能な物資のロシアへの移転停止を要求。
ロシアが軍事的侵略を停止し、完全に軍隊をウクライナから撤退させるよう圧力を掛けることも求めた。
インド太平洋の安全保障問題では、軍事的圧力を強める中国を念頭に東・南シナ海の状況に深刻な懸念を表明。
武力や威圧による一方的な現状変更の試みに強く反対した。
台湾海峡の平和と安定の維持が
「国際社会の安全と繁栄に不可欠である」
ことも再確認した。
北朝鮮とイランによる核や弾道ミサイル開発への対処にも引き続き取り組むと宣言。
インド太平洋地域の平和と安定が
「世界の繁栄の鍵だ」
と強調した。
過剰生産された電気自動車(EV)などの中国製品が海外に安価で輸出される問題については
「我々の労働者や産業、経済的強靱性、経済安全保障を損なっている」
と非難。
中国に対し、重要鉱物の輸出規制を控えるよう要求した他、対中依存を低減させるため
「多様で強靱」
なサプライチェーン(供給網)を発展させる意思を示した。
パレスチナ自治区ガザ情勢では、バイデン米大統領が2024年5月31日に発表した新停戦案を支持する方針を表明した。
G7サミットは2024年6月13日に開幕し、ウクライナ侵略やインド太平洋の安全保障問題などへの対応について協議。
ウクライナに関する討議には同国のゼレンスキー大統領が参加した。
サミットは2024年6月14日、予定された全ての討議を終えた。

インド太平洋、経済安保で危機感共有 中露連携への対応焦点に G7サミット
2024/6/14 23:14
https://www.sankei.com/article/20240614-MLJEQP63VFPE5DHKKBGD2AWP6E/
岸田文雄首相は2024年6月14日、先進7カ国首脳会議(G7サミット)2日目の討議に臨んだ。
インド太平洋と経済安全保障をテーマとした討議で、首相は
「インド太平洋と欧州の安全保障は不可分一体であり、引き続きG7間で連携を深めたい」
と提起。
中国を巡る諸課題や、核・ミサイルと拉致問題を含む北朝鮮への対応で、引き続き緊密に連携していく方針を確認した。
首相はインド太平洋と経済安全保障について、
「G7が国際社会をリードし続ける上で戦略的に重要だ」
との認識も表明した。
首相は前日の2024年6月13日に行ったウクライナのゼレンスキー大統領との会談でも
「2国間文書の署名により、ウクライナの問題が欧州だけではなく国際社会全体の問題だと改めて示すことになる」
と語った。
発電機や地雷除去機など新たな支援や、来年秋に地雷対策の国際会議を日本で開く方針も表明した。
これに先立つ2024年6月13日の討議でも
「今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない」
と重ねて強調。
中国が軍事転用可能な物資をロシアに輸出していることも踏まえ、中国企業などに初めて制裁を科す方針も説明した。
ウクライナ情勢と東アジアの結び付きは明らかだ。
ロシアは北朝鮮製の砲弾などをウクライナで使用し、日本の安全を脅かす北朝鮮の弾道ミサイル開発には露が技術協力している。
プーチン露大統領が近く訪朝する計画も取り沙汰される。
中国も同様だ。欧州では最近、電気自動車(EV)の過剰生産問題など特に経済分野で対中警戒感が高まっている。
ただ、中国の物資輸出が軍事面でロシアを支えている実態への危機感もG7内で急速に共有されつつある。
G7が結束し、中露連携に対抗できるかも焦点となる。

G7サミット 中国の過剰生産問題・経済的威圧への対抗、供給網強靭化で結束
2024/6/14 23:07
https://www.sankei.com/article/20240614-CFQGM5MHXZJLVA6F6R3FJXVVTA/
イタリア南部プーリア州で開催中の先進7カ国首脳会議(G7サミット)は2024年6月14日、中国による過剰生産や経済的威圧への対処、サプライチェーン(供給網)の強靱化に向け、連携して取り組む方針で一致した。
日本政府が発表した。
中国が東・南シナ海や台湾海峡で軍事的圧力を強めていることを踏まえインド太平洋地域の安全保障についても協議し、G7が結束して中国への圧力を強めた。
G7首脳は2024年6月14日の2日目の討議で、安価な中国製の電気自動車(EV)や太陽光パネルなどが輸出され、各国で価格競争が加速している現状を共有。
中国が巨額の補助金を特定の企業に拠出し、生産能力を過剰に高めている問題について意見を交換した。
ロイター通信によると、G7首脳はウクライナを侵略するロシアの重要物資の調達を支援する中国の金融機関について警告を発する方針で合意。
重要鉱物に関し、中国に輸出規制を控えるよう求める方針も確認した。
日本政府によると、インド太平洋地域を巡る討議では、G7首脳が核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応について引き続き緊密に連携することを確認した。
岸田文雄首相は討議で中国の一方的な海洋進出や北朝鮮の問題を提起し、各国にインド太平洋への関与を改めて促したとみられる。
これに加え、人工知能(AI)がもたらす人権や倫理への影響や、欧米で急増する移民を巡る問題なども協議した。
AIの討議には、AIが生み出すリスクがある差別や不平等などの問題に関心を持つローマ教皇フランシスコも参加した。

中国の過剰生産問題「報復」の不安隠せない国も G7内で温度差
2024/6/14 18:30
https://www.sankei.com/article/20240614-VIGOJNG525OGPIS37O6NZYEJVA/
中国の過剰生産問題を巡っては、国際的な市場競争をゆがめていると日米欧が警戒を強めている。
米国や欧州連合(EU)は中国製電気自動車(EV)に追加関税を課す方針を表明するなど、強硬な姿勢を打ち出した。
一方で中国と経済的な関係の深いドイツは中国による報復への不安を隠せず、先進7カ国(G7)内で温度差が生じている。
G7は2024年5月下旬に開催した財務相・中央銀行総裁会議の共同声明で中国を名指しし、市場ルールにそぐわない政策や貿易慣行は
「我々の労働者、産業、経済的強靱性を損なう」
と懸念を表明した。
過剰生産への危機感は高まっており、2024年6月15日までのG7サミットで採択される首脳声明では、より強い言葉で中国を批判する可能性がある。
EU欧州委員会はサミット開幕前日の2024年6月12日、中国のEVメーカーは
「不当な補助金を受け取っている」
と暫定的に判断したと表明。
中国との協議が不調に終われば、2024年7月4日から中国製EVに最大38.1%の追加関税を課すとした。
バイデン米政権も2024年5月、中国製EVや半導体、太陽光発電の関連品、鉄鋼などに対する関税を2〜4倍に引き上げると発表した。
ただ、米国やEUが過剰生産問題に強気の姿勢を示す一方で、欧州では
「中国との本格的な貿易戦争を避けたい」(EU外交官)
思惑もある。
特に、中国が最大の貿易相手国であるドイツは、中国側が報復としてEU加盟国の製品の関税を引き上げることを恐れている。
事実、中国商務省は追加関税に関するEUの2024年6月12日の発表を受け、対抗措置を示唆した。
ドイツ自動車工業会のミュラー会長は2024年6月12日、
「貿易戦争のリスクを高め、欧州の自動車セクターの競争力強化には繋がらない」
とEUの追加関税を非難した。
ドイツは自動車産業の対中依存が強く、独フォルクスワーゲンは中国市場の販売が全体の半数近くを占めるとされる。
ウィッシング独運輸相も2024年6月12日、
「貿易戦争や市場の分断ではなく、EU域内の競争拡大や市場の開放を通じて自動車は適正な価格になるべきだ」
と指摘。
追加関税に異議を唱えた。

G7サミット、中国の過剰生産問題に懸念表明へ 対中圧力で結束
2024/6/14 18:00
https://www.sankei.com/article/20240614-A2AUYEYC2ZNX3KFT5NASWB6V7Q/
イタリア南部プーリア州で開催中の先進7カ国首脳会議(G7サミット)は2024年6月14日、過剰生産された電気自動車(EV)などの中国製品が海外に安価で輸出される問題を討議する。
過剰生産問題を経済安全保障上の課題と位置付け、懸念を表明する見通しだ。
中国が東・南シナ海や台湾海峡で軍事的圧力を強めていることを踏まえ、インド太平洋地域の安全保障についても協議し、G7が結束して中国への圧力を強める。
G7首脳は2024年6月14日の2日目の討議で、安価な中国製のEVや太陽光パネルなどが世界中に輸出されているため、各国で価格競争が加速している現状を共有。
中国が巨額の補助金を特定の企業に拠出し、生産能力を過剰に高めている問題について対応を打ち出す方針だ。
インド太平洋地域を巡る討議では、岸田文雄首相がアジアで唯一のG7メンバーとして中国の一方的な海洋進出や北朝鮮の問題を提起し、各国にインド太平洋への関与を改めて促す構え。
これに加え、人工知能(AI)がもたらす人権や倫理への影響や、欧米で急増する移民を巡る問題なども協議する。
G7首脳は2024年6月13日、ロシアによるウクライナ侵略を巡る初日の討議で、制裁で凍結した露資産を活用して少なくとも500億ドル(約7兆8000億円)をウクライナへ支援する方針で合意した。
年内にウクライナへ譲渡される見込み。
ロシアが侵略で生じた被害の賠償を行うまで資産凍結を続けることでも一致した。
米高官によると、ウクライナへの支援金は軍事、政府予算、人道支援、復興などに充てられる。

EUが中国製EVに最大38%の追加関税を課すと警告 補助金不当と判断、対立激化へ
2024/6/12 20:03
https://www.sankei.com/article/20240612-TDXRWSBI4RICHAL44UIZLKPM3Q/
欧州連合(EU)欧州委員会は2024年6月12日、中国製の電気自動車(EV)について
「不当な補助金を受け取っている」
と暫定的に判断したと発表した。
中国当局との協議が不調に終われば2024年7月以降、中国から輸入されるEVに最大で38.1%の追加関税を課すと警告した。
中国製EVへの制裁関税強化を2024年5月に発表した米国に続く動きとなる。
中国側は対抗措置を取る構えで、対立激化は必至だ。
欧米に日本などを加えた先進7カ国(G7)は、中国企業が過剰な生産能力を抱え、EVや太陽光発電設備を不当に安い価格で輸出しているとの問題意識を強めている。
2024年6月13日からイタリア南部プーリア州ファサーノで開かれるG7首脳会議(サミット)でも議論する。(共同)

イタリアで13日開幕のG7サミット、岸田首相も出席 対中やAI議論主導へ
2024/6/12 0:39
https://www.sankei.com/article/20240612-YLKCMMWNMZNINDN6FJ3EW4353E/
先進7カ国首脳会議(G7サミット)が2024年6月13〜15日、イタリア南部プーリア州で開かれる。
岸田文雄首相らG7首脳に加え、ロシアによる侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領も参加。
ウクライナ支援をはじめ、中国の過剰生産など国際社会が直面する課題について議論し、結束した対応を打ち出す。
2024年6月15、16両日にはスイスでウクライナ和平案に関する
「世界平和サミット」
も開かれる。
岸田首相は2024年6月12日に日本を出発し、2024年6月13・14両日にG7サミット、2024年6月15日に世界平和サミットに出席する予定だ。
林芳正官房長官は2024年6月11日の記者会見で
「法の支配の堅持やG7を超えたパートナーとの関係強化という視点で臨み、G7が結束して諸課題の対応を主導する姿勢を示す」
と語った。
G7ではロシアによるウクライナ侵略の開始以降、西側諸国が凍結した約3000億ドル(約47兆円)の露中銀資産の活用が大きな議題となる。
既に欧州連合(EU)理事会は2024年5月、凍結資産から生じる収益をウクライナへの軍事支援などに充てる方針を決めている。
中国メーカーによる電気自動車(EV)などの過剰生産問題も議題になる見込み。
2024年5月のG7財務相・中央銀行総裁会議で各国が中国の過剰生産問題に懸念を共有しており、首脳間の議論が注目される。
議長国のイタリアはこの他、パレスチナ自治区ガザなどの中東情勢や、アフリカから欧州に押し寄せる移民の問題、インド太平洋、経済安全保障、兵器転用の危険性が指摘される人工知能(AI)を議題とする方針を示している。
岸田首相は2023年5月のG7広島サミットで議長を務めた。
生成AIの活用や規制に関する
「広島AIプロセス」
を立ち上げて議論を主導し、2023年末には初の国際的政策枠組みの合意を導いた。
また、中国を念頭に経済安全保障を初めて主要議題として取り上げ、協力の枠組みを整備してきた。
今回のサミットでは広島の成果を土台に、引き続き議論をリードしていく考えを示す。
アジア唯一のG7メンバーとして中国の一方的な海洋進出や北朝鮮の問題を提起し、インド太平洋への関与を改めて各国に促す構えだ。
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/611.html#c19

[政治・選挙・NHK294] 投票日前に自滅だろう 凄いことになってきた与ゆ党%熾狽フ罵り合い(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
53. 秘密のアッコちゃん[387] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年6月16日 06:57:03 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[500]
<■539行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
卑怯なパーティー禁止案
産経新聞 2024年6月16日 弁護士 北村晴男
立憲民主党は政治資金パーティー禁止法案を提出する一方で、岡田克也幹事長ら複数幹部がパーティー開催を予定していた。
彼らの心の内は
「政治には金が掛かる」
「政治資金パーティーは、政治家が支持を訴え、これに賛同する有権者から政治資金を集めるという民主主義の根幹を成すもので、これを禁止するのは間違いだ」
「しかし、禁止法案はきっと国民に受ける」
「これは絶対に成立しないから出そう」
というもの。
その証拠に批判を受けてパーティー中止に追い込まれた岡田氏は思わず、記者の前で漏らした。
「政治改革の議論が決着するまで控えた方がいい」。
パーティーを開くつもり満々である。
その心根は実に卑怯で、国民を愚弄するにも程がある。
それにしても立憲民主党の党利党略は目に余る。
国益を図る党なら、政治資金パーティーの必要性、有益性を説明すべきなのに、立憲民主党はむしろ禁止法案を出して政権批判の具に利用する。
戦前、ロンドン海軍軍縮条約に調印した内閣を、野党・立憲政友会の鳩山一郎(鳩山由紀夫元首相の祖父)や犬養毅が
「天皇の統帥権の侵略だ」
と猛烈に批判したのとよく似ている。
統帥権は軍の最高指揮官で、軍政に関わる軍縮条約とは無関係だが、鳩山らはそれを百も承知で軍部の暴論に乗り、批判。
その結果、軍部は限りなく増長を続け、政党政治は死滅し、日本は破滅の淵に追いやられた。
立憲民主党の行動原理もこれと寸分違わない。
彼らには国益のため立法府の義務を果たそうという使命感がない。
国会議員の究極の務めは、国民のため
「憲法を適切な改正により磨き続けること」
だが、その議論さえも避ける。
立憲民主党が提出した同性婚法制化の婚姻平等法もその例だ。
憲法24条は
「婚姻は、両性の合意のみに基いて・・・」
と定め、文言上、明らかに同性婚を想定していないから、法制化を目指すなら国会で憲法改正を発議し、国民投票に問うべきなのだが、それをしない。
先日の札幌高裁判決は憲法24条の文言を無理に解釈して同性婚を認めたが、国民の議論が大きく分かれる問題を、国会議員と国民ではなく裁判官個々の価値判断に丸投げするのは間違いだ。
自衛隊についても全く同じ。
最高裁は自衛権を認め、国民は自衛隊に信頼を寄せるが、多くの憲法学者は憲法9条を根拠に自衛隊を違憲とする。
この条文が放置されることで、憲法の権威は著しく傷付いている。
常に必要な改正をし、条文を磨き上げてこそ、憲法への信頼が保たれる。
だが、立憲民主党は衆参の憲法審査会でもサボタージュを続ける。
「立憲」
と名乗りながら、憲法の権威を傷付け続けるとは、何をか言わんやである。

<主張>パーティー禁止 立民の姿勢はちぐはぐだ
社説
2024/5/29 5:00
https://www.sankei.com/article/20240529-EY3OWUHTL5KXHNCXOO3BPOXJUQ/
初めから与党に否決されることを見越して厳しい内容の法案を出し、世間にいい顔をしたかっただけではないのか。
立憲民主党は政治資金パーティーを全面的に禁止する法案を衆院に提出する一方で、党幹部がパーティーを開催したり、予定したりしていた。
批判されると慌てて取りやめた。
現時点でも党所属議員に全面禁止しているわけでもなく、立民の姿勢は分かりにくい。
安住淳国対委員長は、全面禁止の方針を決めていた2024年4月にパーティーを開いた。
その後も、岡田克也幹事長が2024年5月、大串博志選対委員長が2024年6月に開催を予定していた。
岡田、大串両氏は批判を浴びて中止したが、当初は法案の成立、施行前の段階では、自粛する必要はないとの考えを言い張っていた。
立民は2024年5月27日に協議し、一部役員のパーティー開催を当面自粛することにした。
だが、それ以外の大多数の党所属議員については、開催を容認した。
本当に理解に苦しむ話だ。
パーティーをしたいなら、法案を取り下げたらどうか。
衆院政治改革特別委員会で自民党の山下貴司元法相は、岡田氏が20年以上に渡り総額18億円のパーティー収入を得てきたことを明らかにし、禁止すべき根拠を問いただした。
立民はパーティーの開催が政治を悪くしていると考えて禁止法案を出したのなら、直ちに全議員に開催を自粛させるのが自然である。
全面禁止を訴える以上、率先して範を垂れるべきである。
日本維新の会の馬場伸幸代表が
「国民の信頼を得られるかどうかは、有言実行かどうかだ」
「立派なことを言うが、なかなかやらない」
と立民を批判したのはもっともだ。
やるつもりもなかったことを定めた法案を提出するのは、立民への信頼を失わせるのみならず、国会審議の形骸化に繋がる。
維新は、国会議員に月額100万円が支給される調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)について使途公開を訴えており、関連法案が成立していなくても実行に移している。
共産党は、政党助成金制度の廃止を主張し、受け取っていない。
立民は維新や共産を見習わなければ、国民の信頼を得ることはできまい。

立民が代表や幹事長ら執行役員の政治資金パーティー開催を当面自粛
2024/5/27 19:02
https://www.sankei.com/article/20240529-EY3OWUHTL5KXHNCXOO3BPOXJUQ/
立憲民主党は2024年5月27日、党の執行役員による政治資金パーティー開催を当面自粛する方針を決めた。
同日の執行役員会で確認し、岡田克也幹事長が記者団に明らかにした。
代表や代表代行、幹事長、国対委員長、選対委員長、政調会長らが該当する。
執行役員以外に関しては、各議員に開催の可否の判断を委ねる。
立民は政治資金パーティー開催禁止法案を国会に提出している。
岡田氏ら幹部がパーティーを予定していたことが言行不一致として批判され、開催見送りを決める動きが広がっていた。

泉氏反省「国民に違和感」 立民幹部のパーティー巡り
2024/5/26 18:03
https://www.sankei.com/article/20240526-AOBZS7NARZL3HM7PVOUX2DTF6M/
立憲民主党の泉健太代表は2024年5月26日、岡田克也幹事長ら党幹部による政治資金パーティーの開催と中止を巡る経緯に触れ
「多くの国民に疑問や違和感を覚えさせた」
と反省した。
京都府福知山市で記者団に、自民党派閥のパーティー収入不記載事件を受けて立民が国会提出したパーティー開催禁止法案の審議中であることを考慮し、幹部間で協議したと明かした。
2024年5月27日の党執行役員会で、党幹部のパーティー開催について改めて議論する考えも示した。
岡田氏は2024年5月26日、仙台市で開かれた党会合で中止を決めた理由を説明した。
「仲間に『パーティーを開くべきではない』と言うつもりは毛頭ない」
と述べ、幹事長としての判断だと強調した。
岡田氏と大串博志選対委員長は2024年5月25日、開催を予定していたパーティーの中止を発表した。
泉氏は2024年5月24日の記者会見で
「法案提出時点で『禁止しないと駄目だ』というのは現実的ではない」
と開催を容認していた。

立民・大串博志選対委員長も都内で予定していたパーティーを中止 岡田克也幹事長に続き
2024/5/25 18:30
https://www.sankei.com/article/20240525-VO2EGXJEZRJXRORYTYUE4VUWWU/
立憲民主党の大串博志選対委員長は2024年5月25日、東京都内で2024年6月17日に予定していた自身の政治資金パーティーパーティーを中止すると発表した。
立民議員のパーティーを巡っては、立民が提出しているパーティー開催禁止法案との整合性を疑問視する声が上がっており、岡田克也幹事長も2024年5月25日、大阪市で2024年5月27日に開催予定だった自身のパーティーを中止すると表明した。

立民・岡田克也幹事長が開催2日前にパーティー中止を表明 「政治改革決着するまで」
2024/5/25 14:49
https://www.sankei.com/article/20240525-KRRU7ZPI5NMWZNPXUDZFXIVVAY/
立憲民主党の岡田克也幹事長は2024年5月25日、大阪市で2024年5月27日に開催予定だった自身の政治資金パーティーを中止すると表明した。
青森市で記者団に
「政治改革の議論が決着するまで控えた方がいい」
と述べた。
立民のパーティー開催禁止法案提出に伴う自粛の必要性はないとの考えを2024年5月24日に示していたが、翻意した。
岡田氏や党幹部のパーティー開催を巡っては、立民提出法案との整合性を疑問視する声が上がっている。
岡田氏は
「政治改革に熱心ではないという印象を与えている」
と語った。

<産経抄>政治資金パーティーを禁止は、別の金策手段探るだけ
2024/5/25 5:00
https://www.sankei.com/article/20240525-6HRD2OBYUVP2RF6LJHSTFVGMRM/?929035
法律や条例の必要性や正当性を根拠付けるデータなどを「立法事実」という。
耳慣れない言葉だが、立法府である国会ではよく飛び交う。
2024年5月24日の衆院政治改革特別委員会では自民党の山下貴司氏が、政治資金パーティー開催禁止法案を提出した立憲民主党側に質していた。
▼山下氏は立民の岡田克也幹事長が20年以上に渡り政治資金パーティーを開き、総額18億円以上の収入を得ていることを指摘した上で、こう問うたのだった。
「売り先との癒着や賄賂性など、禁止すべき立法事実があったということか」。
確かにそうした問題がなければ、パーティーを禁止する理由がない。
▼立民では、大串博志選対委員長が2024年6月17日にパーティーを開くことを予定している。
「法律が通ったらやらない」
と述べているが、不成立を前提としているとしか思えない。
山下氏は2024年4月25日に安住淳国対委員長が会費2万円の朝食会を開催し、2024年5月27日には岡田氏がやはり会費2万円の昼食会を催す予定であることも紹介した。
▼朝食会、昼食会も実質的にパーティーと同じ政治資金集めの場である。
一方でパーティー禁止を求めておきながら、なぜこんな矛盾した振る舞いをするのか。
自民の長尾たかし前衆院議員が月刊『Handa』2024年4月号に赤裸々に記していた。
「私的流用するほど事務所経費に余裕はありませんでした」
▼事務所運営費、秘書給与、固定費の補塡、交通費、会合費…など事務所経費は火の車で、長尾氏の持ち出し分は1千数百万円以上だという。
こんな現状を放置してパーティーだけ禁じても、別の金策手段を探るしかない
▼本当に禁止すべきは外国勢力から干渉、影響を受けかねない外国人によるパーティー券購入である。

岡田幹事長パーティー開催認める「自民はやり放題、自分たちの手を縛ると競争にならない」
2024/5/24 20:14
https://www.sankei.com/article/20240524-KN4LV7JR6ZJLVJBSWH7LHLQGYI/
立憲民主党の岡田克也幹事長は2024年5月24日、国会内で記者団の取材に応じ、会費2万円の自身の政治資金パーティーを2024年5月27日に大阪市で開催すると明らかにした。
立民は自民党派閥パーティー収入不記載事件を受けてパーティー開催禁止法案を国会に提出しているが、岡田氏は法案が成立、施行されていない現時点で自粛の必要はないとの認識を示した。
また、自民の山下貴司元法相は2024年5月24日の衆院政治改革特別委員会で、立民の安住淳国対委員長も2024年4月25日に会費2万円の朝食会としてパーティーを開催したと指摘した。
岡田氏は記者団に、パーティーは三重県四日市、津両市と東京、名古屋、大阪で毎年開いていると説明。
「自民がパーティーをやり放題の中で、自分たちの手を縛ると競争にならない」
と述べた。
「我が党でパーティーを実施していない方もいる」
「都会では可能だと思うが、地方では難しい」
とも語った。
2024年5月24日の特別委では、立民の法案提出者の本庄知史衆院議員が
「政治資金や選挙のルールは、各党、各議員、各候補者にとって同一、同等の条件であるべきだ」
などの理由から、現時点で所属議員にパーティー自粛を求めないのが立民の方針だと説明した。
その上で
「パーティーそのものが政治不信の原因だ」
「禁止こそが信頼回復の唯一の方策だ」
と訴えた。
立民では、大串博志選対委員長も2024年6月17日にパーティーを予定していることが明らかになっている。

法案施行前のパーティー禁止せず 立民・泉氏、大串氏を擁護 「現実的ではない」
2024/5/24 13:11
https://www.sankei.com/article/20240524-PD4BE37OKJPCLECMC4LRADVKXA/
立憲民主党の泉健太代表は2024年5月24日の記者会見で、同党が提出した政治資金パーティー開催禁止法案を巡り、施行されるまでは禁止するものではないと説明した。
大串博志選対委員長が2024年6月に開催を予定していることに関しても
「法案を提出した時点で、禁止しないと駄目だというのは現実的ではない」
と擁護した。
泉氏は
「ルールが違う状況で戦うのは公平だとは言えない」
と述べ、各党が同じ条件で禁止する必要があるとの認識を示した。
自身が開催する予定は現時点ではないとした。
立民の政策活動費は
「最後の執行が2年前で、それ以降はない」
と語った。
公明党の石井啓一幹事長は会見で
「禁止を主張するのであれば、自ら実践すべきではないか」
と苦言を呈した。

「パーティーそのものが政治不信」と立民議員 ただし幹部にはパーティー開催の指摘
2024/5/24 11:38
https://www.sankei.com/article/20240524-WLCHLXH3CFKVXGOIWLFMIA6TSM/
立憲民主党の政治資金パーティー開催禁止法案を提出した本庄知史氏は2024年5月24日の衆院政治改革特別委員会で
「パーティーそのものが政治不信の原因だ」
「禁止こそが信頼回復の唯一の方策だ」
と述べた。
ただ、立民では大串博志選対委員長も2024年6月17日にパーティーを予定していることが明らかになった。
この日の政治改革特別委では岡田克也幹事長が2024年5月27日に会費2万円の
「昼食会」
を予定し、安住淳国対委員長は2024年4月25日に会費2万円の
「朝食会」
を開催したことを自民党議員が指摘した。

立民・岡田幹事長と安住国対委員長がパーティー開催 自民議員が政治改革特別委で指摘
2024/5/24 11:29
https://www.sankei.com/article/20240524-BKVP7Q6P3FJZHKQIR6XYHD4AR4/
自民党の山下貴司元法相は2024年5月24日午前の衆院政治改革特別委員会の質疑で、政治資金パーティーに関し、立憲民主党の岡田克也幹事長が2024年5月27日に会費2万円の
「昼食会」
として予定し、安住淳国対委員長は2024年4月25日に会費2万円の
「朝食会」
として開催した、と指摘した。
その上で、自民派閥パーティー収入不記載事件を受けて立民が提出し、特別委で審議中の
「政治資金パーティー開催禁止法案」
について、政治活動を行う上で現実的ではないと主張した。
立民の法案提出者の本庄知史氏は、岡田、安住両氏のパーティー開催を否定せず、
「2つのパーティーは現行法に基づいて適法に行われている」
と応じた。
山下氏は
「責めているつもりは全くない」
「(開催は)当たり前のこと」
と強調。
岡田氏の政治資金収支報告書によれば、パーティー収入は(私設秘書らの)人件費や事務所費など必要経費に使われていると指摘し、
「パーティーを禁止してしまうと、政治活動に大きな制限を加える」
と主張した。
本庄氏は、
「政治資金や選挙に関するルールは、各党、各議員、各候補者にとって同一、同等の条件であるべきだ」
などの理由から、禁止法案の成立・施行前に所属議員にパーティー自粛を求めないのが立民の方針だと説明した。
政治の信頼回復のため、パーティーを禁止すべきだと改めて訴えた。
立民では、大串博志選対委員長も2024年6月17日にパーティーを予定していることが明らかになっている。
禁止法案を提出する一方で党幹部が開催する状況に、与野党から整合性を疑問視する声が上がっている。

パーティー禁止法案提出も開催予定の立民・大串博志氏「法律が通ればやらない」 一問一答
2024/5/23 11:20
https://www.sankei.com/article/20240523-65IRMKRB25EU3FNU6M3JG5QPQM/
立憲民主党の大串博志選対委員長は自身の政治資金パーティーの開催を2024年6月に東京都内で予定していることを巡り、産経新聞の取材に
「法律が通ったらやらない」
と述べ、立民が衆院に提出した政治資金パーティー開催禁止法案が成立するまではパーティーの開催を継続する考えを示した。
主なやり取りは以下の通り。

ーー2024年5月20日に立憲民主党は政治資金パーティー開催禁止法案を衆院に提出したが、大串氏は2024年6月に政治資金パーティーを予定している
★大串博志選対委員長
定期勉強会として計画している。
今のところ、やる計画をしている。
その上で、我々は企業・団体献金、それから政治資金パーティーを禁止する法案を出している。
これがきちんと法律になった場合には、やらない。
ーー党として政治資金パーティーの開催に反対しているにも関わらず、党幹部として率先垂範していないのでは
★大串博志選対委員長
我々は法律を出して、法律が通れば(政治資金パーティーを)やらないというスタンスを明確にしている。
そのことは率先垂範してやっていくつもりだ。
法律が通れば、やらない。
ーー政治資金パーティーを無くそうと旗振る立民の幹部がパーティーを開くことに疑問が生じる
★大串博志選対委員長
企業・団体献金の禁止、政治資金パーティーを禁止する考え方を発表した時に『法律が通る前に(パーティーを)やらないという考え方はあるのか』と私以外の党幹部も尋ねられたことがある。
それに対して我々は『法律が通ったらやらない』という考え方を示している。
ーー法律が通る前はパーティーを続けるということか
★大串博志選対委員長
皆で制度として金のかからない政治を作っていこうというのが我々の提案だ。
これが制度として法律が通った場合にはやらない。

政治資金パーティー禁止法案提出の立民、大串博志選対委員長がパーティー開催へ
2024/5/23 10:19
https://www.sankei.com/article/20240523-WNCZQVCPI5ETXBIGRP2KHNN3SE/
立憲民主党の大串博志選対委員長が政治資金パーティーの開催を予定していることが2024年5月23日、分かった。
パーティーの開催自体は適法とはいえ、立民は自民党の派閥パーティー収入不記載事件を受けて政治資金パーティーの開催を全面的に禁じる法案を衆院に提出した経緯がある。
党で開催禁止を謳った政治資金パーティーを党幹部が開催することについて、整合性が取れるのかどうか疑問視される状況だ。
大串氏の政治資金パーティーは2024年6月17日に東京都内のホテルで開かれる。
案内状には政治資金規正法に基づく政治資金集会と記されており、会費は昼食付で2万円。
「混迷する国内外の情勢について知見を深める機会を頂きたく、定例の勉強会を開催する」
と案内されている。
立民が2024年5月20日に衆院に提出した政治資金パーティー開催を禁じる法案は
「何人も、政治資金パーティーを開催してはならない」
と定めており、開催した場合は1年以下の拘禁刑もしくは50万円以下の罰金などの罰則が科される。
法案の提出に関して立民のホームページ(HP)は
「今回の政治とカネの問題は、自民党の派閥の政治資金パーティーの裏金問題に端を発しており、政治資金パーティーの開催を規制するのは国民感情にかなっています」
と説明している。
大串氏は産経新聞の取材に
「定期の勉強会として計画している」
と述べた上で、
「(与野党議員)皆が制度として、お金のかからない政治を作っていこうというのが今回の我々の提案だ」
「これが制度として法律が通った場合にはやらない」
と語った。
政治資金パーティーを巡っては、大串氏以外にも開催を予定する立民議員がいるとみられる。

林官房長官が同性婚制度について「国民の家族観にかかわる」 立民提出の法案巡り
2024/5/14 17:29
https://www.sankei.com/article/20240514-2JPHJ7Q7EBKZXDIFGM4Y7BMNXM/
林芳正官房長官は2024年5月14日の記者会見で、立憲民主党が国会提出した同性婚を法制化するための民法改正案(婚姻平等法案)について
「(同性婚制度は)国民生活の基本に関わる問題だ」
「国民1人1人の家族観とも密接に関わるものと認識している」
と述べた。
同法案は、異性間の婚姻のみを前提としている文言を修正すると共に、従来の「父母」や「父」「母」を性中立的な「親」などの表記に改めることが柱。
保守層からは
「家族の在り方が崩壊し、バラバラの個人の集合体のような国になりかねない」(ジャーナリストの櫻井よしこ氏)
と慎重な意見が上がっている。
林氏は同性婚に関し
「まずは国民各層の意見、国会における議論の状況、同性婚に関する訴訟の動向、地方自治体におけるパートナーシップ制度の導入や運用の状況などを注視していく必要がある」
と語った。

「基本的に間違っている」 自民・中谷元氏、立民の改憲牽制を批判
2024/6/13 19:23
https://www.sankei.com/article/20240613-WZ4EAHDOTNKNTOP5F6GKHB75L4/
衆院憲法審査会の与党筆頭幹事を務める自民党の中谷元氏は2024年6月13日、憲法改正の条文化作業を強行した場合、立憲民主党が参院側では全ての法案審議に応じられないと自民側に伝えたことに不快感を示した。
「非常にお門違いだ」
「誠心誠意、憲法の議論をしているのにブレーキをかけるのは基本的に間違っている」
と記者団に述べた。
衆院憲法審の閉会中審査に関しては
「前提として立民と共産党も参加し、全党揃った形で議論することが何よりも大切だ」
と語った。

改憲案の条文化作業強行なら法案審議を拒否 参院立民、自民に伝達
2024/6/6 16:48
https://www.sankei.com/article/20240606-2NYGNWUTNZN4JI6TEWGIQK3TKQ/
立憲民主党の斎藤嘉隆参院国対委員長は2024年6月6日、自民党の石井準一参院国対委員長と会談し、自民が改憲案の条文化作業を強行する場合、参院側では政治資金規正法改正案を含め全ての法案審議に応じられないと伝えた。
自民は衆院憲法審査会で条文案作成の協議入りを打診するものの、立民は反対姿勢を堅持。
日本維新の会など改憲勢力は立民を外して議論を前進させるよう要求する。
斎藤氏は会談で
「信頼関係を根底から覆すような乱暴な動きに出れば、参院側としては一切の審議に応じることはできない」
と申し入れた。
今国会の会期末を2024年6月23日に控え、自民の浜田靖一国対委員長や石井氏も、改憲より法案審議を優先する考えを示している。

「立民抜きで起草作業に着手」と自民が言及 憲法改正条文化で賛同得られない場合
2024/5/30 16:37
https://www.sankei.com/article/20240530-THBF7IFK5ZJPHL77HBH2F72WOQ/
与野党は2024年5月30日の衆院憲法審査会で、憲法改正の賛否を問う国民投票の制度整備などについて意見を交わした。
終了後、与党筆頭幹事を務める中谷元氏(自民党)は改憲案の条文化を巡り、立憲民主党や共産党の賛同を得られない場合、自民や公明党、日本維新の会、国民民主党など5会派で今国会中に起草作業に着手する考えを示した。
記者団に
「全ての政党で揃って協議を詰めていくことが望ましいが、出来ない場合は5会派で集まって条文化をしていきたい」
と明言した。
条文化を巡ってはこの日の憲法審でも玉木雄一郎氏(国民民主)が、
「起草委員会を速やかに設置して条文作りに着手しよう」
と呼び掛けていた。
一方、野党筆頭幹事の逢坂誠二氏(立民)は終了後、記者団に
「条文化作業はまだまだ早い」
との認識を示した。
衆院憲法審では5会派が緊急時に国会議員の任期延長を可能にする改憲の必要性などを共有している。

「責任政党」の姿勢を疑問視、改憲後ろ向きの立憲民主へ指摘相次ぐ 衆院憲法審
2024/5/23 22:53
https://www.sankei.com/article/20240523-SFLNNZCAGRKT7KHHK5T7MN2YOQ/
与野党は2024年5月23日の衆院憲法審査会で、大震災などで選挙が困難となる事態への対処を目的とした国会議員の任期延長を可能にする憲法改正について改めて議論した。
この日も後ろ向きな態度に終始した立憲民主党に対し、他党からは責任政党としての姿勢を疑問視する指摘が相次いだ。
「長い友人関係だが、敢えて申し上げるが、もう逃げられないところまで来ている」。
自民党の細野豪志氏は憲法審で、野党筆頭幹事を務める立民の逢坂誠二氏に対し、東日本大震災発生時に衆院が解散されていた場合、政治家としてどのような判断を下していたかと尋ねた。
民主党時代の同僚で、
「現行憲法下で最大限の対策を講ずる」
などと繰り返す逢坂氏に具体策を示すよう迫った形だ。
もっとも逢坂氏は
「危機を煽って、緊急時対応が過大になり過ぎて、悲惨なことを招いた歴史がある」
「緊急時の対応は慎重の上にも慎重さを持ってやるべきだ」
と述べるにとどめた。
2024年4月末の衆院3補欠選挙を制して勢いに乗る立民は政権奪取への自信を深めている。
しかし、この日は任期延長の改憲を支持する自民以外の政党からも野党第1党の認識の甘さを指摘する声が上がった。
公明党の国重徹氏は
「南海トラフ巨大地震が国政選挙と重なった場合、広範な地域で選挙困難事態に陥る蓋然性が極めて高く、選出されない国会議員は15%を大きく上回るであろうことは明白」
と強調した。
これは、前回2024年5月16日の憲法審で立民の本庄知史氏が示した
「繰り延べ投票と(現行憲法に規定されている)『参院の緊急集会』でも対応できないような、選挙困難事態というのは一体如何なる状況なのか」
という疑問への答えだ。
国民民主党の玉木雄一郎氏は
「起草委員会を速やかに設置して条文案作りに着手することを改めて求める」
と強調。
その上で民主党時代の同僚が数多く所属する立民に対し、
「政権与党を目指すのであれば(危機対処の)意思と能力を備えていることを示した方が得策だ」
と足並みを揃えるよう助言した。

<主張>参院憲法審 条文起草へ衆院と協力を
社説
2024/5/10 5:00
https://www.sankei.com/article/20240510-A2OGJGLOR5N4LA36LDSV3YJHWM/
参院憲法審査会で、ようやく実質的な審議が始まった。
国会が2024年1月に召集されたことを考えれば、始動が遅すぎる。
会期末まで約1カ月半しかない。
議論を加速させなければならない。
岸田文雄首相は2024年9月末までの自民党総裁任期中の憲法改正を目指している。
そのためには、改憲原案を完成させることが求められる。
衆院憲法審で自民は、条文化に向け起草委員会の設置を求めている。
緊急事態の際の国会議員の任期延長や自衛隊明記を想定したものだ。
参院では衆院に比べて議論が進んでいないのは明らかである。
怠けていた側に歩調を合わせるわけにはいかない。
衆院の議論に追いつき、協力して起草に動くべきである。
解せないのは、緊急事態条項の創設をめぐり、参院側で慎重論が唱えられていることだ。
衆院憲法審では、自民や公明、日本維新の会などが議員任期延長の必要性を共有している。
だが、例えば参院公明には憲法第54条で定める
「参院の緊急集会」
で対応することが可能との声もある。
第54条は、衆院解散から40日以内の総選挙を経て、投票日から30日以内の国会召集までに限り、内閣が緊急集会の開催を求められる規定だ。
任期満了に伴う衆院選には対応できない。
そもそも緊急集会は、大災害や有事が長期化し解散から70日を超えると存在すらしなくなる。
参院憲法審では立憲民主党の辻元清美氏が自民派閥の政治資金パーティー収入不記載事件に触れ、
「(憲法論議は)選挙で選び直された議員で行うべきだというのが国民の多くの思いではないか」
と述べた。
このおかしな理屈を認めれば国会は重要な事柄を議論できなくなる。
辻元氏はまた、首相が条文化を促したことを
「越権行為」
と批判した。
だが、首相は衆院で単独過半数を制する最大政党の総裁だ。
内閣には、憲法第72条に基づき改憲原案を国会へ提出する権限もある。
この批判も言い掛かりに過ぎない。
衆院憲法審の与党筆頭幹事の中谷元氏は2024年5月9日、起草委に関し
「(立民から)設置できるという返事があれば設置したい」
と語った。
いつまで悠長に構えるつもりか。
改憲を妨げるばかりの一部野党の動きに引きずられてはならない。

「堂々巡り」で早期改憲に暗雲 自民が起草委設置要求も立民折れず
2024/5/9 20:02
https://www.sankei.com/article/20240509-KVT77VYFINIUPOJN4GI53FSXYA/
与野党は2024年5月9日の衆院憲法審査会で、緊急時に国会議員の任期延長を可能にする改憲などについて議論した。
自民党は重ねて改憲原案を協議する起草委員会の設置を呼び掛けたが、党内や支持層に護憲派を抱える立憲民主党を説得するには至らず、
「堂々巡り」
の印象を残した。
護憲勢力が比較的多い参院憲法審では衆院以上に議論が停滞しており、岸田文雄首相や自民が目指す早期の改憲には暗雲が漂ったままだ。
自民や公明党、日本維新の会、国民民主党は緊急事態下で国会機能を維持する観点から議員任期延長が必要との立場だ。
しかし、2024年4月末の衆院3補欠選挙を制して勢いに乗る野党第一党の壁は尚高い。
野党筆頭幹事の逢坂誠二氏(立民)は
「災害に強い選挙の在り方を十分に検討する必要がある」
「安易に議員任期の延長を行うのは順序が逆だ」
と主張。
本庄知史氏(同)も
「『もしかしてあるかもしれない極めて小さな可能性』に殊更に焦点を当てている」
と議員任期延長論を批判した。
「大型連休後に事態は動く」(自民関係者)
との期待も虚しく、起草委設置も見通せていない。
「多くの会派から早急に条文起草作業に入るべきだとの意見がある」
「反対の立場の方も議論に加わって意見を述べていただきたい」
与党筆頭幹事の中谷元氏(自民)は憲法審の冒頭、立民に起草委設置に応じるよう訴えた。
他の改憲政党も賛同。
玉木雄一郎氏(国民民主)は
「来週からは全会派を入れた起草委を設置し、条文案作りに着手することを求めたい」
と念を押した。
憲法審終了後、中谷氏は記者団に
「(立民から)返事があったら設置する」
と説明した。
しかし、逢坂氏は記者団に起草委設置については正式に提案されていないとの認識を示した。
参院憲法審が足踏みを続ける中、自民重鎮は
「衆院が改憲の流れを作るしかない」
「そのためには起草委を早く立ち上げる必要がある」
と語るが、時間だけが徒に過ぎているのが現状だ。

「緊急時の国会機能維持を」 自民、衆院憲法審で条文案作成訴え
2024/5/9 13:53
https://www.sankei.com/article/20240509-H3DIJ5CMX5PLBGRUZODJ2U3MOQ/
衆院憲法審査会が2024年5月9日開かれ、各党が憲法改正を巡り自由討議を行った。
自民党の中谷元氏は
「緊急時に国会機能を維持するため、各党間で起草作業を行い、論点を深く議論すべきだとの意見がある」
「機は熟した」
と述べ、条文案の作成を重ねて訴えた。
立憲民主党の逢坂誠二氏は国会議員の任期延長に反対し、災害時の選挙の在り方を工夫すべきだと主張した。
自由討議は今国会で4回目。
中谷氏は条文案作成に関し
「大事なことは幅広い会派が意見を述べ、賛否を含め国民に論点を明らかにすることだ」
と呼び掛けた。
逢坂氏は災害時の選挙に関し、選挙人名簿の管理や自治体間の選挙事務の応援体制を考える必要があると指摘。
「このような検討なく、安易に議員任期を延長するのは順序が逆だ」
と批判した。

<主張>憲法施行77年 国会は条文案の起草急げ 内閣に改憲専門機関が必要だ
社説
2024/5/3 5:00
https://www.sankei.com/article/20240503-JJ4Y7OVXAZIB3B46FKMZA7SJ7A/
日本国憲法は施行77年を迎えた。
厳しい安全保障環境を踏まえれば、日本の国と国民を守るために憲法改正が今ほど必要な時はない。
にもかかわらず、国会の取り組みが遅々としているのは極めて残念だ。
国会は改正原案の起草委員会を急ぎ設置し、改憲へ進んでもらいたい。
同時に、内閣も憲法改正に関する専門機関を設けるべきである。
憲法改正の
「1丁目1番地」
は、憲法第9条のもたらす弊害を取り除くことだ。
世界の他の民主主義国と同様に、日本も国家国民を守り、国際秩序を擁護する
「軍」
を整えることが改正のゴールの1つと言える。
その前段階として、国防を担う自衛隊の憲法明記も意義がある。
■自衛隊明記は意義ある
戦後の平和を9条が守ってきたと見做すのは間違いだ。
自衛隊と米国との同盟が侵略を抑止し繁栄の土台となってきた。
それが分からない左派勢力は9条を金科玉条として、日本と国民を守る防衛力の充実に反対してきた。
日本を侵略しようとする国を喜ばせる条項は百害あって一利なしである。
改正が急務なのは9条にとどまらない。
平成、令和に入って震災などの大災害が相次いでいる。
平時の統治機構が麻痺する緊急事態に直面しても、政府や国会が国家国民を守り抜く行動を取れるかが問われている。
憲法への緊急事態条項の創設は欠かせない。
憲法を改めるかどうかは国民投票で決まる。
だが、憲法が施行されて77年経っても国民はこの大切な権利を1度も行使できていない。
憲法を改めていけば、国民を守る日本へ生まれ変われるのに国会での論議は足踏みしている。
国会議員は恥ずかしくないのだろうか。
衆院憲法審査会では条文化を巡る各党・会派の姿勢が明らかになった。
自民党は2024年4月11日の憲法審で、改憲原案の条文化に向けて起草委員会の設置を提案した。
緊急事態の際の国会議員の任期延長や自衛隊明記を想定している。
緊急政令と緊急財政処分の導入も必要である。
公明党、日本維新の会、国民民主党、有志の会は起草委設置に賛同している。
一方、立憲民主党、共産党は設置に反対の立場だ。
立民は、派閥の資金パーティー事件を起こした自民には改憲を論じる資格がないとして起草委設置に抵抗している。
立民は今国会の前半で、衆院憲法審の開催にもなかなか応じようとしなかった。
維新の馬場伸幸代表が
「国家の根幹たる憲法を議論する場に関係ない自民派閥の裏金問題を持ち出し、(衆院憲法審)開催にブレーキをかけ続けてきたのは不見識の極み」
と批判したのはもっともだ。
自民など憲法改正に前向きな各党・会派は既に誠意を尽くした。
立民のような抵抗勢力の機嫌をとり続けてはいつまで経っても起草委設置と条文案合意には至るまい。
岸田文雄首相は自民総裁として、連休明けの憲法審で起草委設置を決めるよう指導力を発揮すべきである。
■議員だけに任せられぬ
衆院以上に責務を果たしていないのが参院だ。
参院憲法審査会は衆院以上に議論が進んでいない。
衆参は対等な院だというプライドがあるなら、条文化へ動いてもらいたい。
衆参の憲法審は平成19年8月に設置されたが旧民主党が委員選任に応じず、4年間も休眠した。
平成23年11月にようやく始動したが、それから12年半経った今もこの体たらくである。
最早国会議員だけに憲法改正を任せることは現実的ではない。
内閣も憲法改正問題への取り組みを始めるときだ。
憲法第72条に基づき、内閣には憲法改正原案を国会へ提出する権限がある。
これが内閣の一貫した憲法解釈である。
これに基づき、昭和31年から昭和40年まで内閣には憲法調査会が設けられていた。
世の中の出来事と諸法令の接点に位置し、現憲法の限界、問題点に直面してきたのは内閣だ。
内閣は衆参両院の事務局よりも遥かに多くの実務者、法律の専門家を抱えてもいる。
新たな国造りに繋がる憲法改正に内閣の能力を活用しない手はない。
改憲に関する専門機関を設け、衆参の憲法審からの問いに答える他、場合によっては内閣も改正原案を作ればいい。
憲法に改正条項がある以上、専門機関の設置は憲法擁護の義務に反しない。
岸田首相には設置の決断を求める。
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/619.html#c53

[政治・選挙・NHK294] 「国民の利益より米国のために動いている」、日米合同委員会廃止要求デモで外務官僚らを叱咤(高橋清隆の文書館) ますらお
8. 秘密のアッコちゃん[388] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年6月16日 13:50:52 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[501]
<■389行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
<主張>G7サミット 対中「牽制」を打ち出せた
社説
2024/6/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20240616-6GCC7VZD4JKG7H6Y6ZRZ5RYBWY/
先進7カ国首脳会議(G7サミット)が閉幕した。
ロシアのウクライナ侵略や中東情勢への関心が集まる中での開催だった。
これらの課題への対応に加え、中国の国際秩序を乱す様々な行動を指摘し、牽制した。
世界の平和と秩序の維持に応分の責任を果たすべきG7として当然の表明である。
首脳声明はウクライナへの支援継続を表明し、ロシアに侵略終結とウクライナへの賠償を要求した。
G7各国は制裁で凍結したロシア資産の運用益を活用し、2024年年内にウクライナへ総額500億ドル(約7兆8000億円)を融資することで一致した。
パレスチナ自治区ガザを巡る紛争では、
「残忍なテロ攻撃」
を受けたイスラエルへの連帯を表明しつつ、バイデン米大統領が示した包括的な停戦案を支持した。
G7がウクライナ、中東情勢で結束したのは妥当だ。
アジアからの唯一の参加国である日本は2023年の広島サミットに続いて、G7がインド太平洋および中国問題を重視する姿勢を示すよう働き掛けた。
インド太平洋は独立した議題に位置付けられ、岸田文雄首相は討議の席上、
「インド太平洋地域と欧州の安全保障は不可分一体だ」
と説いた。
首脳声明は
「法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋」
への関与や
「台湾海峡の平和と安定が国際社会の安全と繁栄に不可欠」
であることを改めて明記した。
更に、中国を名指しして
「ロシアへの支援に対し、深刻な懸念」
を表明した。
ロシアのウクライナ侵略継続を可能にしているとして、中国による兵器の部品を含む軍民両用の資材の対露移転の停止を要求した。
中国によるフィリピン船への圧迫を挙げ南・東シナ海の状況にも
「深刻な懸念」
を示した。
中国の過剰生産や「中国に起因する恒常的かつ悪意のあるサイバー活動」、チベット、ウイグルなど中国の人権状況、香港での自由の侵害も問題視した。
首脳声明は中国との建設的かつ安定的な関係の追求やグローバルな課題での協力の必要性を謳った。
それは当然だが、声明を読み通せば、中国ほど広範囲に国際秩序を乱している国はないことが分かる。
日本はG7諸国と協力し、対中抑止を図っていく必要がある。

G7サミット閉幕、メローニ伊首相「ルール基づく秩序守る」 声明に露資産活用明記
2024/6/16 0:57
https://www.sankei.com/article/20240616-N5C3LUHZ7RLZDKL6CDHAVA7NTI/
イタリア南部プーリア州で開かれた先進7カ国首脳会議(G7サミット)は2024年6月15日、閉幕した。
2024年6月14日に採択された首脳声明ではロシアによるウクライナ侵略への経済制裁で凍結した露資産を活用し、ウクライナに500億ドル(約7兆8000億円)を2024年年内に供与すると表明。
「ロシアの軍事機構を実質的に支援」
しているとして中国の金融機関などに制裁を科す方針を示した。
議長国イタリアのメローニ首相は2024年6月15日の記者会見で、声明について
「G7首脳がロシアの侵略で危険に晒されているルールに基づく国際秩序を守るために立ち上がった」
と述べた。
G7は声明で、ロシアはウクライナの損害を
「賠償しなければならない」
と断言。
ロシアが侵略をやめ、賠償を行うまで露資産の凍結を続ける方針を確認した。
また、ロシアを中国が支援しているとして
「深刻な懸念」
を表明すると共に、中国によるロシアの防衛産業への支援は
「ロシアが違法な戦争を継続することを可能にしている」
と非難。
中国に対し、軍民両面で利用可能な物資のロシアへの移転停止を要求した。
北朝鮮によるロシアへの弾道ミサイル輸出も
「可能な限り、最も強い言葉で非難する」
と明記した。
インド太平洋の安全保障を巡り、中国を念頭に東・南シナ海の状況に深刻な懸念を表明。
武力や威圧による一方的な現状変更の試みに強く反対した。
台湾海峡の平和と安定の維持が
「国際社会の安全と繁栄に不可欠である」
ことも再確認した。
過剰生産された中国製品が海外に安価で輸出される問題に関しては、
「非市場的な政策」
と懸念を表明。
中国に重要鉱物の輸出管理を控えるよう要求した。
パレスチナ自治区ガザ情勢では、バイデン米大統領が2024年5月末に発表した新停戦案を完全に支持する方針を示した。
人工知能(AI)を巡っては、軍事利用に関し責任ある開発と利用の枠組みの必要性を指摘。
AIの労働分野での利用に関する行動計画を立ち上げることも明記した。
2025年のG7サミットはカナダで開催される。

G7首脳声明、ウクライナ支援はロシア資産を活用 戦争長期化に加担する中国へ警告
2024/6/15 19:12
https://www.sankei.com/article/20240615-U5ZZ4WKN6RLAXIPQ63JYVFMANA/
2024年6月14日に採択された先進7カ国首脳会議(G7サミット)の首脳声明はウクライナ侵略を続けるロシアと、それを支援する中国を強く意識した内容になった。
凍結した露資産をウクライナ支援に使う正当性を主張すると同時に、中国を戦争長期化の一因と捉え、断固とした態度で対処する姿勢を打ち出した。
声明は、露資産を活用した今回の支援をウクライナへの
「賠償金」
だと説明。
ロシアが侵略でウクライナに生じさせている損害を
「賠償する国際法上の義務は明確だ」
として正当性を強調した。
「損害を賠償するか否か、またいつそれを行うかをロシアが決めるのは正しくない」
とも明記し、ウクライナや西側諸国が賠償金支払いの時期や手法を決める立場にあることを暗に示した。
■欧米で「支援疲れ」が表面化
欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は露資産の活用について
「この侵略戦争の損害を支払うのは欧州の納税者ではなく、プーチン(露大統領)だというメッセージだ」
と指摘。
欧米で
「支援疲れ」
が表面化する中、支援継続に異議を唱える市民の不満を抑制する狙いも窺える。
また、G7は声明で、ロシアの戦争継続能力を減少させるために兵器製造に利用可能な物資の対露輸出を禁止した制裁措置が中国に
「骨抜き」
にされている現状に危機感を示した。
声明は中国がロシアの防衛産業に支援しているとした上で、
「重大で広範な安全保障上の影響がある」
と警戒した。
中国などからロシアに供給される重要物資はウクライナだけでなく、
「欧州の安全保障に長期的な脅威をもたらす恐れ」(米高官)
があるためだ。
更に、ロシアの軍事機構を支援する中国の金融機関などへの制裁に言及した。
欧州政治の専門家は
「G7は声明を通して、ロシアに協力すれば同様に制裁の対象になることを中国などに警告した」
と分析する。
■AIの軍事利用に枠組み必要
一方、声明は人工知能(AI)の軍事利用に関し、責任ある開発と利用の枠組みの必要性を指摘した。
AIを巡っては、台湾海峡で軍事的圧力を強める中国などがAIを利用した自律型致死兵器システム(LAWS)の開発を加速させる可能性が出ている。
LAWSが実用化すれば武力行使の判断が瞬時に下り、一気に紛争化する恐れなどもあるだけに、早期の規制が求められている。

G7サミット、対露勝利へ正念場 「支援に疲れた」は通じない
2024/6/15 17:32
https://www.sankei.com/article/20240615-4K4FZWJ2JFONDEFKWQ255MN5FQ/
イタリア南部ファサーノで開かれた先進7カ国首脳会議(G7サミット)は、過去2回のサミットでも最重要議題となったロシアのウクライナ侵略に関し、同国への支援に向けたG7の決意の程度が最も強く問われる正念場となった。
ウクライナは、最大支援国である米国からの大規模な武器・弾薬供与が米議会での政争によって停滞したせいで戦況が不利に陥り、露軍の攻勢による失地を今も回復できないままだ。
一方、米欧諸国の一部では
「支援が自国を疲弊させている」
として支援継続に異議を呈する声が強まりつつある。
加えて、G7のうち米国や欧州の主要支援国であるフランスでは2024年年内に選挙が予定されている。
2024年11月の米大統領選では、ウクライナ支援に懐疑的な言動が目立つトランプ前大統領の返り咲きが取り沙汰される。
フランスでは2024年6月30日の下院総選挙で、親露的傾向が強い極右・右派政党の躍進が予想され、ウクライナ支援に積極的なマクロン大統領の外交政策を揺さぶる恐れが強い。
そうした状況下でG7が今回、凍結した露金融資産を活用したウクライナへの500億ドル(約7兆8000億円)規模の支援を打ち出したのは、国際社会の結束を蝕む
「支援疲れ」
の空気を一掃しつつ、仮にG7各国で政権交代が起きてもウクライナ支援を途絶させない財政的な枠組みの確立を図る狙いがあった。
融資の形式を取ったのは、従来のウクライナへの無償支援に否定的な米欧の一部世論の理解を得るための苦肉の策だ。
凍結された自国資産の活用に対し、ロシアは
「大きな痛手を伴う」
と警告する。
だが国際社会は、支援停滞でウクライナの敗北を招くリスクの解消こそが進むべき道であると明確に示した。
当然の選択だ。
米政府高官はファサーノで記者団に、ウクライナ戦争は
「大きな転換期にある」
とした上で、
「世界各国の選挙で何が起きても私たちは(ウクライナ支援に)疲れることはない」
と言明した。
G7はまた、ロシアの軍事産業に軍民両用の戦略物資を提供する中国に強い警告を発した。
中国はロシアの後ろ盾としてウクライナ侵略戦争を下支えしている。
ウクライナ支援を続ける米欧、特に米国を疲弊させ、最終的にウクライナを見捨てる方向に誘導することで、米国の国際的な信認を低下させるのが中国の戦略だ。
だからこそG7や欧州諸国は、ロシアへの不当な譲歩を排したウクライナの
「公正な勝利」
に向けた連帯を繰り返し確認していく必要がある。
過去の歴史に照らせば、自由民主主義陣営の真価は危機においてこそ問われる。
中露を筆頭とする専制主義勢力の覇権的行動を挫折させるには
「支援に疲れた」
などといった弱音は通じない。

ロシア凍結資産活用のウクライナ支援 実現までに曲折も G7サミット
2024/6/15 12:21
https://www.sankei.com/article/20240615-RL6LR5BWJ5I3LIK56KPZI2HTIQ/
先進7カ国首脳会議(G7サミット)は、ロシアに侵略されたウクライナへの支援に向け、経済制裁で凍結した露中央銀行の資産を活用してウクライナに500億ドル(約7兆8000億円)規模の支援を2024年中に供与することで合意した。
G7としてはウクライナ支援継続への政治的メッセージを打ち出すことに成功したものの、詳細は今後の財務相や実務者による協議に委ねられ、実現までに曲折もありそうだ。
米国の主導で合意した枠組みは、新たに設立する基金
「ウクライナ臨時歳入促進融資」(ERA)
に各国が融資を実施し、基金がそれらをウクライナに供与するというものだ。
調達した資金の返済には露凍結資産の運用益または利子収入を充て、長期間をかけて返済する。
ウクライナには返済義務は生じないとしている。
米国やウクライナは当初、約3000億ドル(約47兆円)に上る露凍結資産を没収するなどして直接活用することを主張していた。
日本やドイツなどが国際法に抵触する恐れがあるなどとして消極的な姿勢を堅持し最終的に見送られたものの、米国はこの選択肢を放棄したわけではない。
一方、露凍結資産の3分の2を管理下に置く欧州連合(EU)は2024年5月、欧州の国際証券決済機関
「ユーロクリア」
で保管されている同資産から生じる運用益について、ウクライナへの支援に充てることをG7に先行して決定した。
ただ、その供与額は年間30億ドル程度にとどまることから、米国は、新たな枠組みであれば多額の戦費や復興費用を恒常的に必要とするウクライナへの迅速な支援が可能だとして、各国の同意を取り付けた。
米国は、G7にとどまらずEU各国が新枠組みに参画することを期待するが、懸念も残る。
将来的に露資産の凍結が解除された場合、融資返済のための原資が消滅するためで、そうした場合の対応に関する議論は詰められていない。
また、G7やEUが警戒するのが、EUの持ち回り議長国が2024年7月から親露的な姿勢の強いハンガリーとなることだ。
同国のオルバン首相は露凍結資産の活用も含め、EUによるウクライナ支援に否定的だ。
EUは6カ月ごとに資産凍結など対露制裁の継続について是非を判断する手続きをとるため、ハンガリーが制裁継続を拒否する動議を発動する事態も想定される。

G7サミット 首脳声明発表 ロシア資産活用明記、支援の金融機関にアクセス制限も
2024/6/15 6:57
https://www.sankei.com/article/20240615-CUF23H2B7RMC3DSFREXE7A2V3U/
先進7カ国(G7)首脳は2024年6月14日、イタリア南部プーリア州で開かれている首脳会議(サミット)の成果をまとめた首脳声明を採択した。
ロシアによるウクライナ侵略への制裁で凍結した露資産を活用し、ウクライナに500億ドル(約7兆8000億円)を提供する方針を決めたと明記。
「ロシアはウクライナにもたらしている損害を賠償しなければならない」
と表明した。
ロシアの軍事機構を支援する中国などの金融機関に対し、金融システムへのアクセス制限といった措置を取る方針も示した。
G7は声明で、ロシアがウクライナ侵略で生じさせている損害を
「賠償する国際法上の義務は明確」
とした上で
「損害を賠償するか否か、またいつそれを行うかをロシアが決めるのは正しくない」
と主張。
「ロシアに義務を果たさせるための全ての適法な方法を引き続き検討する」
とした。
ロシアが侵略により生じた被害の賠償を行うまで露資産の凍結を続ける方針も確認した。
声明は、中国によるロシアの防衛産業への支援は
「ロシアが違法な戦争を継続することを可能にしている」
とし
「重大で広範な安全保障上の影響がある」
と指摘。
中国に対し、軍民両面で利用可能な物資のロシアへの移転停止を要求。
ロシアが軍事的侵略を停止し、完全に軍隊をウクライナから撤退させるよう圧力を掛けることも求めた。
インド太平洋の安全保障問題では、軍事的圧力を強める中国を念頭に東・南シナ海の状況に深刻な懸念を表明。
武力や威圧による一方的な現状変更の試みに強く反対した。
台湾海峡の平和と安定の維持が
「国際社会の安全と繁栄に不可欠である」
ことも再確認した。
北朝鮮とイランによる核や弾道ミサイル開発への対処にも引き続き取り組むと宣言。
インド太平洋地域の平和と安定が
「世界の繁栄の鍵だ」
と強調した。
過剰生産された電気自動車(EV)などの中国製品が海外に安価で輸出される問題については
「我々の労働者や産業、経済的強靱性、経済安全保障を損なっている」
と非難。
中国に対し、重要鉱物の輸出規制を控えるよう要求した他、対中依存を低減させるため
「多様で強靱」
なサプライチェーン(供給網)を発展させる意思を示した。
パレスチナ自治区ガザ情勢では、バイデン米大統領が2024年5月31日に発表した新停戦案を支持する方針を表明した。
G7サミットは2024年6月13日に開幕し、ウクライナ侵略やインド太平洋の安全保障問題などへの対応について協議。
ウクライナに関する討議には同国のゼレンスキー大統領が参加した。
サミットは2024年6月14日、予定された全ての討議を終えた。

インド太平洋、経済安保で危機感共有 中露連携への対応焦点に G7サミット
2024/6/14 23:14
https://www.sankei.com/article/20240614-MLJEQP63VFPE5DHKKBGD2AWP6E/
岸田文雄首相は2024年6月14日、先進7カ国首脳会議(G7サミット)2日目の討議に臨んだ。
インド太平洋と経済安全保障をテーマとした討議で、首相は
「インド太平洋と欧州の安全保障は不可分一体であり、引き続きG7間で連携を深めたい」
と提起。
中国を巡る諸課題や、核・ミサイルと拉致問題を含む北朝鮮への対応で、引き続き緊密に連携していく方針を確認した。
首相はインド太平洋と経済安全保障について、
「G7が国際社会をリードし続ける上で戦略的に重要だ」
との認識も表明した。
首相は前日の2024年6月13日に行ったウクライナのゼレンスキー大統領との会談でも
「2国間文書の署名により、ウクライナの問題が欧州だけではなく国際社会全体の問題だと改めて示すことになる」
と語った。
発電機や地雷除去機など新たな支援や、来年秋に地雷対策の国際会議を日本で開く方針も表明した。
これに先立つ2024年6月13日の討議でも
「今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない」
と重ねて強調。
中国が軍事転用可能な物資をロシアに輸出していることも踏まえ、中国企業などに初めて制裁を科す方針も説明した。
ウクライナ情勢と東アジアの結び付きは明らかだ。
ロシアは北朝鮮製の砲弾などをウクライナで使用し、日本の安全を脅かす北朝鮮の弾道ミサイル開発には露が技術協力している。
プーチン露大統領が近く訪朝する計画も取り沙汰される。
中国も同様だ。欧州では最近、電気自動車(EV)の過剰生産問題など特に経済分野で対中警戒感が高まっている。
ただ、中国の物資輸出が軍事面でロシアを支えている実態への危機感もG7内で急速に共有されつつある。
G7が結束し、中露連携に対抗できるかも焦点となる。

G7サミット 中国の過剰生産問題・経済的威圧への対抗、供給網強靭化で結束
2024/6/14 23:07
https://www.sankei.com/article/20240614-CFQGM5MHXZJLVA6F6R3FJXVVTA/
イタリア南部プーリア州で開催中の先進7カ国首脳会議(G7サミット)は2024年6月14日、中国による過剰生産や経済的威圧への対処、サプライチェーン(供給網)の強靱化に向け、連携して取り組む方針で一致した。
日本政府が発表した。
中国が東・南シナ海や台湾海峡で軍事的圧力を強めていることを踏まえインド太平洋地域の安全保障についても協議し、G7が結束して中国への圧力を強めた。
G7首脳は2024年6月14日の2日目の討議で、安価な中国製の電気自動車(EV)や太陽光パネルなどが輸出され、各国で価格競争が加速している現状を共有。
中国が巨額の補助金を特定の企業に拠出し、生産能力を過剰に高めている問題について意見を交換した。
ロイター通信によると、G7首脳はウクライナを侵略するロシアの重要物資の調達を支援する中国の金融機関について警告を発する方針で合意。
重要鉱物に関し、中国に輸出規制を控えるよう求める方針も確認した。
日本政府によると、インド太平洋地域を巡る討議では、G7首脳が核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応について引き続き緊密に連携することを確認した。
岸田文雄首相は討議で中国の一方的な海洋進出や北朝鮮の問題を提起し、各国にインド太平洋への関与を改めて促したとみられる。
これに加え、人工知能(AI)がもたらす人権や倫理への影響や、欧米で急増する移民を巡る問題なども協議した。
AIの討議には、AIが生み出すリスクがある差別や不平等などの問題に関心を持つローマ教皇フランシスコも参加した。

中国の過剰生産問題「報復」の不安隠せない国も G7内で温度差
2024/6/14 18:30
https://www.sankei.com/article/20240614-VIGOJNG525OGPIS37O6NZYEJVA/
中国の過剰生産問題を巡っては、国際的な市場競争をゆがめていると日米欧が警戒を強めている。
米国や欧州連合(EU)は中国製電気自動車(EV)に追加関税を課す方針を表明するなど、強硬な姿勢を打ち出した。
一方で中国と経済的な関係の深いドイツは中国による報復への不安を隠せず、先進7カ国(G7)内で温度差が生じている。
G7は2024年5月下旬に開催した財務相・中央銀行総裁会議の共同声明で中国を名指しし、市場ルールにそぐわない政策や貿易慣行は
「我々の労働者、産業、経済的強靱性を損なう」
と懸念を表明した。
過剰生産への危機感は高まっており、2024年6月15日までのG7サミットで採択される首脳声明では、より強い言葉で中国を批判する可能性がある。
EU欧州委員会はサミット開幕前日の2024年6月12日、中国のEVメーカーは
「不当な補助金を受け取っている」
と暫定的に判断したと表明。
中国との協議が不調に終われば、2024年7月4日から中国製EVに最大38.1%の追加関税を課すとした。
バイデン米政権も2024年5月、中国製EVや半導体、太陽光発電の関連品、鉄鋼などに対する関税を2〜4倍に引き上げると発表した。
ただ、米国やEUが過剰生産問題に強気の姿勢を示す一方で、欧州では
「中国との本格的な貿易戦争を避けたい」(EU外交官)
思惑もある。
特に、中国が最大の貿易相手国であるドイツは、中国側が報復としてEU加盟国の製品の関税を引き上げることを恐れている。
事実、中国商務省は追加関税に関するEUの2024年6月12日の発表を受け、対抗措置を示唆した。
ドイツ自動車工業会のミュラー会長は2024年6月12日、
「貿易戦争のリスクを高め、欧州の自動車セクターの競争力強化には繋がらない」
とEUの追加関税を非難した。
ドイツは自動車産業の対中依存が強く、独フォルクスワーゲンは中国市場の販売が全体の半数近くを占めるとされる。
ウィッシング独運輸相も2024年6月12日、
「貿易戦争や市場の分断ではなく、EU域内の競争拡大や市場の開放を通じて自動車は適正な価格になるべきだ」
と指摘。
追加関税に異議を唱えた。

G7サミット、中国の過剰生産問題に懸念表明へ 対中圧力で結束
2024/6/14 18:00
https://www.sankei.com/article/20240614-A2AUYEYC2ZNX3KFT5NASWB6V7Q/
イタリア南部プーリア州で開催中の先進7カ国首脳会議(G7サミット)は2024年6月14日、過剰生産された電気自動車(EV)などの中国製品が海外に安価で輸出される問題を討議する。
過剰生産問題を経済安全保障上の課題と位置付け、懸念を表明する見通しだ。
中国が東・南シナ海や台湾海峡で軍事的圧力を強めていることを踏まえ、インド太平洋地域の安全保障についても協議し、G7が結束して中国への圧力を強める。
G7首脳は2024年6月14日の2日目の討議で、安価な中国製のEVや太陽光パネルなどが世界中に輸出されているため、各国で価格競争が加速している現状を共有。
中国が巨額の補助金を特定の企業に拠出し、生産能力を過剰に高めている問題について対応を打ち出す方針だ。
インド太平洋地域を巡る討議では、岸田文雄首相がアジアで唯一のG7メンバーとして中国の一方的な海洋進出や北朝鮮の問題を提起し、各国にインド太平洋への関与を改めて促す構え。
これに加え、人工知能(AI)がもたらす人権や倫理への影響や、欧米で急増する移民を巡る問題なども協議する。
G7首脳は2024年6月13日、ロシアによるウクライナ侵略を巡る初日の討議で、制裁で凍結した露資産を活用して少なくとも500億ドル(約7兆8000億円)をウクライナへ支援する方針で合意した。
年内にウクライナへ譲渡される見込み。
ロシアが侵略で生じた被害の賠償を行うまで資産凍結を続けることでも一致した。
米高官によると、ウクライナへの支援金は軍事、政府予算、人道支援、復興などに充てられる。

EUが中国製EVに最大38%の追加関税を課すと警告 補助金不当と判断、対立激化へ
2024/6/12 20:03
https://www.sankei.com/article/20240612-TDXRWSBI4RICHAL44UIZLKPM3Q/
欧州連合(EU)欧州委員会は2024年6月12日、中国製の電気自動車(EV)について
「不当な補助金を受け取っている」
と暫定的に判断したと発表した。
中国当局との協議が不調に終われば2024年7月以降、中国から輸入されるEVに最大で38.1%の追加関税を課すと警告した。
中国製EVへの制裁関税強化を2024年5月に発表した米国に続く動きとなる。
中国側は対抗措置を取る構えで、対立激化は必至だ。
欧米に日本などを加えた先進7カ国(G7)は、中国企業が過剰な生産能力を抱え、EVや太陽光発電設備を不当に安い価格で輸出しているとの問題意識を強めている。
2024年6月13日からイタリア南部プーリア州ファサーノで開かれるG7首脳会議(サミット)でも議論する。(共同)

イタリアで13日開幕のG7サミット、岸田首相も出席 対中やAI議論主導へ
2024/6/12 0:39
https://www.sankei.com/article/20240612-YLKCMMWNMZNINDN6FJ3EW4353E/
先進7カ国首脳会議(G7サミット)が2024年6月13〜15日、イタリア南部プーリア州で開かれる。
岸田文雄首相らG7首脳に加え、ロシアによる侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領も参加。
ウクライナ支援をはじめ、中国の過剰生産など国際社会が直面する課題について議論し、結束した対応を打ち出す。
2024年6月15、16両日にはスイスでウクライナ和平案に関する
「世界平和サミット」
も開かれる。
岸田首相は2024年6月12日に日本を出発し、2024年6月13・14両日にG7サミット、2024年6月15日に世界平和サミットに出席する予定だ。
林芳正官房長官は2024年6月11日の記者会見で
「法の支配の堅持やG7を超えたパートナーとの関係強化という視点で臨み、G7が結束して諸課題の対応を主導する姿勢を示す」
と語った。
G7ではロシアによるウクライナ侵略の開始以降、西側諸国が凍結した約3000億ドル(約47兆円)の露中銀資産の活用が大きな議題となる。
既に欧州連合(EU)理事会は2024年5月、凍結資産から生じる収益をウクライナへの軍事支援などに充てる方針を決めている。
中国メーカーによる電気自動車(EV)などの過剰生産問題も議題になる見込み。
2024年5月のG7財務相・中央銀行総裁会議で各国が中国の過剰生産問題に懸念を共有しており、首脳間の議論が注目される。
議長国のイタリアはこの他、パレスチナ自治区ガザなどの中東情勢や、アフリカから欧州に押し寄せる移民の問題、インド太平洋、経済安全保障、兵器転用の危険性が指摘される人工知能(AI)を議題とする方針を示している。
岸田首相は2023年5月のG7広島サミットで議長を務めた。
生成AIの活用や規制に関する
「広島AIプロセス」
を立ち上げて議論を主導し、2023年末には初の国際的政策枠組みの合意を導いた。
また、中国を念頭に経済安全保障を初めて主要議題として取り上げ、協力の枠組みを整備してきた。
今回のサミットでは広島の成果を土台に、引き続き議論をリードしていく考えを示す。
アジア唯一のG7メンバーとして中国の一方的な海洋進出や北朝鮮の問題を提起し、インド太平洋への関与を改めて各国に促す構えだ。
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/620.html#c8

[政治・選挙・NHK294] かなり強烈な内容です🙌真実が明らかになる時がきました(EBS?)/パラス・アテナからのメッセージ🌈 歙歛2
11. 秘密のアッコちゃん[389] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年6月17日 13:11:29 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[502]
<■246行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
米高官、平和サミットへの中国欠席を批判 「露の依頼に応じたように見える」
2024/6/17 10:03
https://www.sankei.com/article/20240617-CI3HH3LQRBOL5PMJBLGQIXPJAI/
サリバン米大統領補佐官は2024年6月16日公開の公共放送(PBS)のインタビューで、ウクライナ提唱の和平案を話し合う
「世界平和サミット」
を欠席した中国を
「参加するべきだった」
と批判した。
「中国はロシアの欠席依頼に応じたように見える」
と述べ、ロシア側に立っていると指摘した。
サミットはスイスで2024年6月15〜16日に開かれ、米国からはハリス副大統領が出席した。(共同)

和平協議に露の関与をと主張 チリ、ケニア首脳ら 独首相も「露なしに平和達成できず」
2024/6/17 8:30
https://www.sankei.com/article/20240617-UPKAWBUKTBLGFCKBJP2C4QY37E/
ウクライナ提唱の和平案
「平和の公式」
を話し合う世界平和サミットが2024年6月16日、スイス中部ビュルゲンシュトックで閉幕した。
新興国などからは招待されなかったロシアを和平協議に関与させるべきだとの意見が相次いだ。
主催国スイスはロシアを交渉に引き出す策を模索したが、道筋は付かなかった。
全体会合では、サウジアラビアのファイサル外相が
「信頼できるプロセスにはロシアの参加が必要だ」
と主張し、ケニアのルト大統領は
「ロシアがテーブルについていなければならない」
と訴えた。
チリのボリッチ大統領は
「今どんなに難しく見えてもロシアをテーブルに連れてこないといけない」
と指摘した。
ドイツのショルツ首相も
「ロシアなしでは平和は達成できないのは事実だ」
と認めた。
サウジやインドなどはサミットの共同声明に支持を表明しなかった。
外交筋によると、ロシア不在を理由に支持を見送った国もあったとみられる。(共同)

<主張>世界平和サミット ウクライナを支え続けよ
社説
2024/6/17 5:00
https://www.sankei.com/article/20240617-UF46EYXTMVNSDNC2HT6HO3OYJQ/
ロシアから侵略されているウクライナが、自国主導の和平案実現へ重要な一歩を踏み出した。
各国はウクライナを支え、国連憲章と国際法を踏みにじるロシアに圧力をかけ続けねばならない。
ウクライナのゼレンスキー大統領が2022年11月に発表した和平案
「平和の公式」
を議論する
「世界平和サミット」
が、スイスのリゾート地、ビュルゲンシュトックで開催された。
イタリアでの先進7カ国首脳会議(G7サミット)を終えた岸田文雄首相ら首脳に加え、新興・途上国のグローバルサウスの代表を含む100の国と国際機関が参加した。
プーチン露大統領は招待されず、ロシアの軍事産業に軍民両用の戦略物資を提供する中国も対露関係に配慮し欠席した。
ゼレンスキー氏は
「世界を対立するブロックに分裂させる最も恐ろしい事態は避けられた」
と会議の意義を力説した。
岸田氏も
「公正で永続的な平和をウクライナで実現することは国際社会全体を分断・対立でなく協調の世界に導くために象徴的に重要だ」
と語った。
「平和の公式」
は露軍の全面撤退と被占領地の回復を最終目標とする10項目から成るが、今回は、
▽ロシアが占拠する原発の安全保障
▽食料安全保障
▽捕虜の解放とロシアに強制連行された子供たちの帰還
の3点に絞って議論した。
グローバルサウスなどからも賛同を得やすいテーマだからだ。
共同声明でこれらの合意が謳われた。
「子供連れ去り」
は国際刑事裁判所(ICC)が2023年3月にプーチン氏に出した逮捕状の戦争犯罪容疑である。
プーチン氏は直ちに、約2万人とされる連行された子供全員をウクライナの家族のもとへ帰すべきだ。
プーチン氏は平和サミットの前日、
「(露軍が占領した)ウクライナ東・南部4州からウクライナ軍が完全撤退することが和平交渉開始の条件だ」
と述べた。
侵略を恥じず、占領地を今よりも広げようという卑劣な言いぐさという他ない。
ハリス米副大統領が
「彼が求めているのは交渉ではなく降伏だ」
と斬って捨てたのは当然である。
ゼレンスキー氏は
「平和サミット」
を今後も開いて合意を積み重ね、
「戦争終結を確定させたい」
としている。
各国の息の長い支援が不可欠だ。

ウクライナ「領土保全の尊重」など採択 和平サミット共同声明、インドや南アは見送り
2024/6/16 23:14
https://www.sankei.com/article/20240616-KXZ4M5EK2ZLAHITJFJDKJACQZI/
ロシアに侵略されたウクライナが提唱する和平案の実現に向けた
「世界平和サミット」
が2024年6月15、16日にスイス中部ビュルゲンシュトックで開かれた。
会合はウクライナの
「領土保全の尊重」
などを謳った共同声明を2024年6月16日に採択して閉幕。
八十数カ国・機関が声明を支持したが、インドや南アフリカなど一部の新興・途上国が加わらなかった。
ロイター通信によると声明の承認を見送ったのは、他にサウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)、タイ、インドネシアなど。
一方、トルコやフィリピン、アルゼンチンなどが加わった。
ウクライナのゼレンスキー大統領は2024年6月16日の閉幕に際し、会合の成果が
「平和に向けた第一歩」
になると述べた。
2024年6月15日の会合冒頭には
「世界が『公正に基づく平和』の実現に近付く」
と演説し、国際社会の結束を訴えていた。
共同声明は、ゼレンスキー氏が2022年11月に発表した10項目の和平案
「平和の公式」
に関し、
「核の安全」
「食料安全保障のための航行の自由」
「捕虜の解放とロシアに連れ去られた子供の返還」
の3項目を盛り込んだ。
「ウクライナへの核使用の威嚇を一切容認しない」
「ウクライナの主管の下でザポロジエ原発の安全な稼働を確保する」
などと明記した
スイス政府によると、会合には計100の国と国際機関が代表を派遣した。
日本からは岸田文雄首相が出席した。
米国からハリス副大統領が出席。
会合前にゼレンスキー氏と会談し、15億ドル(約2360億円)以上の追加人道支援の実施を伝えた。
紛争当事国であるロシアのプーチン大統領は招待されなかった。
主催国スイスのアムヘルト大統領は開幕前の声明で、和平協議の進展にはロシアの関与が必要だと指摘し、国際社会にロシアとウクライナの直接対話に向けた環境整備を進めるよう促した。
一方、ウクライナ外務省は2024年6月14日、プーチン氏が同日発表した、ロシアが一方的に併合した4州からのウクライナ軍の撤兵や北大西洋条約機構(NATO)への加盟断念などを条件とする
「和平案」
について、即座に拒否の意向を表明した。

サミットが目指す「和平」ほど遠く 露とウクライナ応酬「戦場で決着」変わらず
2024/6/16 19:26
https://www.sankei.com/article/20240616-W75KQVTWTFJ2FNXDY7HG6R54VI/
ロシアが2022年2月にウクライナ侵略を開始し、約2年4カ月。
両国はスイスでの世界平和サミットを巡り、国際的な賛同をたぐり寄せようと外交的応酬を繰り広げたが、戦闘が厳しい消耗戦に陥る中、尚、和平がほど遠い現実が鮮明になった。
双方が一切譲歩に応じない姿勢を貫いており、停戦の先行きは
「戦場での決着」
に委ねられる構図が続く見通しだ。
サミットに招待されなかったロシアのプーチン大統領はサミット開幕前日の2024年6月14日、ロシアが一方的に併合を宣言したウクライナ東・南部4州からウクライナ軍が撤退すればロシアは停戦交渉に入る用意があると表明。
停戦にはウクライナが4州と南部クリミア半島を
「ロシア領」
だと認め、北大西洋条約機構(NATO)加盟も断念する必要があると主張した。
プーチン氏が示した停戦条件は、露軍の完全撤退やNATO加盟を掲げるゼレンスキー氏にとって容認できるものではない。
同氏は2024年6月14日、プーチン氏の発言を
「最後通告だ」
と批判。
2024年6月15日の演説で
「プーチン氏は最後通告の論理から平和を望む世界の多数派の論理に転じるべきだ」
と述べた。
プーチン氏の発言を巡っては、米ホワイトハウスのサリバン大統領補佐官やドイツのショルツ首相、NATOのストルテンベルグ事務総長らも
「馬鹿げている」
などと一蹴。
プーチン氏の発言はサミット参加国の結束を乱す意図に基づくものだとする見方も示した。
ゼレンスキー氏はサミットでの演説で、世界の多数派の国々がロシアを支持していないことを示し、ロシアに侵略を断念させる構想を語った。
次回のサミットには、ロシアの主張転換を条件にロシアを招待する可能性も排除しなかった。
ただ、ロシアは従来、ウクライナや欧米側が主導する会合には仮に招待されても出席しないと繰り返し表明。
サミットを欠席した中国など親露的な非欧米諸国との関係を深めて対抗する構えだ。
ロシアかウクライナのどちらかが、戦場での敗勢が鮮明にならない限り停戦は実現しない可能性が高く、激しい戦闘が今後も続くとみられる。

世界平和サミット、対露めぐる「亀裂」浮き彫りに 戦局好転で和平の主導権確保を
2024/6/16 16:55
https://www.sankei.com/article/20240616-B2E5FSBODFLZFBJLQFB47TEHOY/
スイスで閉幕したウクライナ和平のための
「世界平和サミット」
は、和平の実現に向けた国際社会の合意形成で一定の前進を果たす一方、ウクライナ支援に積極的な米欧と、貿易などを通じてロシアに近い
「グローバルサウス」
と称する新興・途上国の間の温度差が浮き彫りとなった。
世界を分かつ
「亀裂」
をどう埋めるのか。
国際社会は大きな課題を突き付けられた。
会合には、参加した約100カ国・国際機関の代表のうち、米欧を中心に57カ国が首脳級を派遣した。
これに対し、ロシアやその後ろ盾である中国に近い新興・途上国は、インドのモディ首相が参加を見送ったのをはじめ、南アフリカやインドネシア、ブラジルなどは高官級や大使級を派遣するにとどまった。
ウクライナのゼレンスキー大統領は会合の決裂を避けるため、自身が提唱する10項目の和平案
「平和の公式」
のうち、和平の根幹に関わる
「領土保全」

「露軍の撤退と敵対的行為の停止」
といったテーマに詳しく立ち入るのを回避せざるを得なかった。
それでも共同声明には、インド、南ア、インドネシア、サウジアラビアなどが加わらなかった。
ドイツのショルツ首相は、今回の会合などを通じ和平追求は
「繊細な手入れを要する小さな植物を育てるようなものだ」
と述べ、和平結実まで長期的取り組みが避けられないとの認識を示した。
最大のジレンマは、和平を実質的に進めるには一方の紛争当事国であるロシアの関与が不可欠であるものの、ロシアにはウクライナが主張する
「公正に基づく平和」
を受け入れる意思が全くないことだ。
ウクライナとしては今回の会合を通じてロシアの侵略を非難する国際世論をまとめ上げ、国際社会の圧力を背景にロシアをウクライナの掲げる条件下で和平に応じさせる構想を描く。
しかし、ロシアは2024年6月14日、一方的に併合した4州からのウクライナ軍の撤収や北大西洋条約機構(NATO)加盟の放棄を条件に和平に応じると表明した他、中国は先に独自の和平案を提示して新興・途上国に支持を呼び掛け、和平の主導権を握る構えを打ち出している。
実際、トルコやサウジなどからは
「実質的な成果を求めるのならば会合にロシアを招待すべきだ」
などとロシアの意向を代弁したかのような声も上がる。
ロシアは今後も中国と連携して新興・途上国の取り込みを図っていくはずだ。
ウクライナがロシアへの譲歩を排した和平を達成するには、戦局を好転させてロシアを追い詰め、ウクライナの唱える
「公正な勝利」
への国際的な支持を更に広げていく必要がある。

ハリス米副大統領、ウクライナへの長期支援決意 2千億円追加拠出表明 世界和平サミット
2024/6/16 6:47
https://www.sankei.com/article/20240616-GBGK6476NNOYTI4ZHDEBO2GOFM/
ハリス米副大統領は2024年6月15日、スイス中部ビュルゲンシュトックでウクライナ提唱の和平案を協議する
「世界平和サミット」
に出席した。
「ウクライナへの支援を続け、ロシアに代償を支払わせ続ける」
と演説し、米国による長期支援の決意を表明。
追加人道支援で15億ドル(約2360億円)以上を拠出することも発表した。
世界平和サミット開幕に先立ち、ハリス氏はウクライナのゼレンスキー大統領と会談。
ウクライナとの連携を一層強化する方針を強調した。
ハリス氏は演説で
「米国はウクライナと戦争終結に向けた構想を共有する」
と述べ、ゼレンスキー氏が提唱する和平案
「平和の公式」
を支持した。
ロシアのプーチン大統領が2024年6月14日に併合4州からのウクライナ軍の撤収を求める独自和平案を発表したことについて
「交渉ではなく、降伏を呼び掛けている」
と非難した。(共同)

和平は原発安全や食料安全保障、市民の帰還で合意可能 ゼレンスキー氏が演説
2024/6/16 6:45
https://www.sankei.com/article/20240616-67VXYSVE4VKJ5BC7CPU7OQ5TJM/
ロシアが侵攻するウクライナのゼレンスキー大統領は2024年6月15日、自らの和平案を協議するスイス中部ビュルゲンシュトックでの
「世界平和サミット」
で演説し
「公正な平和」
を訴えた。
参加した計100の国や国際機関が、ロシアが占拠する原発の安全や食料安全保障、強制連行された市民の帰還の3項目で合意可能だとの見方を示した。
サミットは2024年6月16日に閉幕する。
ウクライナ大統領府高官によると、合意内容を盛り込んだ共同声明の発表に向けて詰めの調整が続いた。
ゼレンスキー氏の和平案
「平和の公式」
はロシア軍の即時全面撤収を含む10項目。
ウクライナは今回、侵攻に中立的な国々の賛同を得やすいウクライナ南部ザポロジエ原発の安全確保など3項目に絞り込んで合意を目指す考えを強調している。
ゼレンスキー氏は3項目に関する行動計画を策定する方針も表明した。
サミットでの結束を共同声明で示してロシアに圧力を掛け、平和の公式をロシアに呑ませたい考えだ。(共同)

ウクライナの「領土保全の尊重」などを発表へ 和平サミット、共同声明調整
2024/6/16 6:15
https://www.sankei.com/article/20240616-OV3TRAGZHJN4FDTH6HLG2O3DTQ/
ロシアに侵略されたウクライナが提唱する和平案の実現に向けた
「世界平和サミット」
が2024年6月15、16日にスイス中部ビュルゲンシュトックで開かれた。
ロイター通信によると参加国首脳らは、ウクライナの
「領土保全の尊重」
などを謳った共同声明を発表する見通しだ。
ゼレンスキー大統領は2024年6月15日、会合の冒頭演説で
「世界は『公正に基づく平和』の実現に近付く」
と述べ、ロシアへの不当な譲歩を排した和平の実現に向けた国際社会の結束を訴えた。
会合ではゼレンスキー氏が2022年11月に発表した10項目の和平案
「平和の公式」
に関し、
「核の安全」
「食料安全保障のための航行の自由」
「捕虜の解放とロシアに連れ去られた子供の返還」
に加え、
「エネルギー安全保障」
に関し大筋合意する見通し。
ロイター通信が入手した共同声明案では一連の項目に関連し
「ウクライナへの核使用の威嚇を一切容認しない」
「ウクライナの主管の下でザポリージャ原発の安全な稼働を確保する」
「商船や民間の港湾施設に対する攻撃を認めない」
などの文言が盛り込まれた。
スイス政府によると、会合には計100の国と国際機関が代表を派遣した。
日本からは岸田文雄首相が出席した。
米国からはハリス副大統領が出席。
ハリス氏は演説で
「ロシアに代償を支払わせ続ける」
と述べ、ウクライナ支援を続けていくと強調した。
ハリス氏はまた、会合前にゼレンスキー氏と会談し、15億ドル(約2360億円)以上の追加人道支援の実施を伝えた。
紛争当事国であるロシアのプーチン大統領は招待されなかった。
主催国スイスのアムヘルト大統領は開幕前の声明で、和平協議の進展にはロシアの関与が必要だと指摘し、国際社会にロシアとウクライナの直接対話に向けた環境整備を進めるよう促した。
一方、ウクライナ外務省は2024年6月14日、プーチン氏が同日発表した、ロシアが一方的に併合した4州からのウクライナ軍の撤兵や北大西洋条約機構(NATO)への加盟断念などを条件とする
「和平案」
について、即座に拒否の意向を表明した。
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/631.html#c11

[政治・選挙・NHK294] <都知事選>小池知事との違い鮮明に街宣 蓮舫氏、朝の下町で駅立ち(田中龍作ジャーナル) 赤かぶ
31. 秘密のアッコちゃん[390] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年6月17日 21:58:09 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[503]
<■338行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
<産経抄>経団連の「夫婦別姓提言」に異議あり       
2024/6/17 5:00
https://www.sankei.com/article/20240617-BKNKSTIQ3FJ2DDKD2AI3HWGCEQ/
夫婦別姓が叶わなくとも、パートナーを守る方法はある
経団連は
「選択的夫婦別姓」
の早期実現を求める提言を発表したが、法制化には国民の合意が必要だ
2024年6月の第3日曜は
「父の日」
だったが、
「母の日」
に比べ影が薄い。
父親の地位低下が指摘され久しい。
▼ゲームに押されて、子供のおままごと遊びはあまり見かけなくなったが、やってみてもパパ役はママに叱られ、オタオタする様子を真似するのだとか。
「正論」
を重んじる同僚も、家では言いたいことを言えず、妻や娘たちに阿る日々だという。
それも平和を守る知恵か。
▼だがこちらは黙って見過ごせない問題だ。
経団連が
「選択的夫婦別姓」
の早期実現を求める提言を先日、発表した。
十倉雅和会長は
「国会でスピーディーに議論してほしい」
と述べたが、拙速に進めては禍根を残す。
▼選択的夫婦別姓は夫婦で同じ姓(氏)にするか、旧姓を名乗るかを選べる制度だ。
民法の改正などが必要となる。
女性の社会進出に伴い、平成8年に法制審議会が導入を求める答申をした。
30年近く経っても法制化に至らないのは、国民の合意が得られないからだ。
財界が
「急げ」
と号令をかける話なのか。
▼最高裁は平成27年と令和3年に、夫婦別姓を認めない民法の規定について
「合憲」
とする判断を示した。
夫婦同一の姓は社会に定着し、家族の呼称として意義があることを認めている。
選べるならいいじゃないか、別姓を希望しない人には関係ない、と考えるのは早計だ。
専門家からは、姓について家族の呼称から個人の呼称へと大きく変質することが指摘されている。
▼同じ戸籍に同じ姓の人を記載する戸籍の編製方法も見直す必要があり、社会全体に関わる。
夫婦同姓は子供も両親と姓を同じくすることで利益を享受しやすい意義もある。
別姓では子の姓をどうするか。
双方の祖父母も絡み、決まらない混乱も予想される。

「国民の意見さまざま」 法相、選択的別姓に慎重
2024/6/11 11:24
https://www.sankei.com/article/20240611-JHRCRF76CFIA3LM3MAVGM7R5GY/
小泉龍司法相は2024年6月11日の閣議後記者会見で、選択的夫婦別姓制度の早期実現を求めた経団連の提言に対し
「国民の間にまださまざまな意見がある」
とした上で
「積極的に動きを見極め、対応を検討していくことが必要だ」
と述べ、慎重な姿勢を示した。
法相の諮問機関の法制審議会は1996年、結婚後もそれぞれ婚姻前の名字を使える選択的別姓制度の導入を含む民法改正案を答申。
だが、保守系議員の反対などで法案は提出されなかった。
小泉氏はこの点にも触れ
「国会議員の方々の間でもしっかりと議論をし、幅広い理解を得ていただくため、法務省として積極的な情報提供をしたい」
とした。

「夫婦別姓制度、早期実現を」経団連が初の提言 通称は海外で理解得られずトラブルも
2024/6/10 18:29
https://www.sankei.com/article/20240610-PLZOKGZSLVKTZKDUTL3OBW74UQ/
経団連は2024年6月10日、選択的夫婦別姓制度の実現を求める提言を発表した。
希望すれば生まれ持った姓を戸籍上の姓として名乗り続けられる制度の早期実現を要求。
政府に対し
「一刻も早く改正法案を提出し、国会で建設的な議論を期待する」
とした。
経団連による同制度に関する提言は初めて。
十倉雅和会長は2024年6月10日の定例記者会見で
「世の中は大きく変わっている」
「国会でスピーディーに議論してほしい」
と述べた。
現在は婚姻時に夫か妻のいずれかの姓を選べるが、妻が改姓することが圧倒的に多い。
提言では
「生活上の不便、不利益といった改姓による負担が女性に偏っているのが現実」
と訴えた。
経団連の調査では、国内の91%の企業は旧姓などを通称として使用することを認めているものの、通称は海外では理解されづらく、トラブルの原因になることがあると指摘。
「企業にとってもビジネス上のリスクとなり得る」
とした。

主張
夫婦同姓は合憲 家族制度の原則を守った
2021/6/24 5:00
https://www.sankei.com/article/20210624-BGWW7J52VRJMJFEQ5FVP7KQAZQ/
最高裁大法廷は、
「夫婦別姓」
を認めない民法の規定を再び
「合憲」
と判断した。
夫婦同一の姓は社会に定着し、家族の呼称として意義があることを認めた平成27(2015)年の最高裁判決を踏襲した。
妥当な判断である。
事実婚の男女3組が、夫婦別姓を希望して婚姻届を提出したが、不受理となり、家事審判を申し立て、最高裁に特別抗告していた。
女性の社会進出や世論など最近の情勢変化を踏まえた判断が注目されたが、最高裁は決定理由で、社会や国民の意識の変化といった諸事情を踏まえても、6年前の判断を変更すべきとは認められない―と判示した。
平成27(2015)年の最高裁の判断を通し、夫婦同一の姓について、男女差別を助長したり、人格を傷付けたりする制度ではないことも明確になっている。
最高裁はこの時と同様、
「制度の在り方は国会で論ぜられ判断されるべき事柄」
と指摘した。
平成8(1996)年に法制審議会が、夫婦で同じ姓にするか、旧姓をそれぞれ名乗るか選べる選択的夫婦別姓の導入を答申して25年経つ。
法制化に至らなかったのは、立法府が問題を放置しているというより、国民の十分な合意が得られないからである。
選択的夫婦別姓について、個人の自由で選択の幅が広がる―などと歓迎するのは考え違いである。
導入されれば夫婦同一姓を原則とした戸籍制度が崩れかねず、全国民に影響が及ぶ。
親子が別々の姓になる事態も起きる。
子供の姓を両親どちらの姓にするかなど、諍いや混乱も予想される。
平成29(2017)年に行われた内閣府の世論調査では、夫婦別姓が子供に与える影響について、6割以上が
「子供にとって好ましくない影響があると思う」
と答えていた。
社会情勢の変化と言うなら、旧姓が通称使用できる企業は増えている。
2年前の2019年には住民票やマイナンバーカードなどで旧姓を併記できるようにするため、政令改正が行われた。
パスポート(旅券)についても旧姓併記の申請が容易になるよう緩和された。
日本の伝統や文化に根差した家族制度の原則を崩す必要はなく、更に働きやすい職場作りなどに知恵を絞る方が現実的だ。
国や社会の基盤である家族の意義に理解を深くしたい。

夫婦別姓認めぬ規定、再び「合憲」 最高裁
2021/6/23 21:54
https://www.sankei.com/article/20210623-WTZ3HHNALJO5RNCEOMMHNPXNAI/
夫婦別姓を認めない民法と戸籍法の規定は違憲として、東京都内に住む事実婚の男女3組が起こした家事審判の特別抗告審で、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)は2021年6月23日、規定は
「合憲」
とする判断を示した。
最高裁は平成27(2015)年にも夫婦同姓を定めた民法の規定を合憲としており、今回は2度目の判断。
15人中4人は違憲とする意見や反対意見を出した。
決定理由で最高裁は、家族が同じ姓を名乗るのは日本社会に定着しており、規定に男女の不平等はないとした平成27(2015)年の判断について
「社会や国民の意識の変化といった諸事情を踏まえても、変更すべきとは認められない」
と指摘。
一方で、夫婦の姓を巡りどのような制度が妥当なのかという問題と、憲法違反かどうかを審査する問題とは
「次元が異なる」
とした上で
「国会で論じられ、判断されるべき事柄だ」
と、前回判断に続き、改めて立法での議論を促した。
合憲とした深山卓也裁判官、岡村和美裁判官、長嶺安政裁判官の3人は
「今回の判断は、国会での選択的夫婦別姓制度を含む法制度の検討を妨げるものではなく、国民の様々な意見や社会の状況変化などを十分に踏まえた真摯な議論がされることを期待する」
と、共同補足意見で述べた。
一方、違憲とした宮崎裕子裁判官と宇賀克也裁判官は
「結婚に対する当事者の意思決定は自由かつ平等であるべきで、規定は不当な国家介入に当たる」
などと述べた。
事実婚の3組は、婚姻届に
「夫は夫の氏、妻は妻の氏を希望します」
と付記して自治体に提出したが不受理となり平成30(2018)年3月、東京家裁などに家事審判を申し立てたが、却下された。
2審東京高裁でも棄却され、最高裁に特別抗告していた。
結婚後の姓を巡っては、平成8(1996)年に法相の諮問機関・法制審議会が、選択的夫婦別姓制度を盛り込んだ民法改正案を答申したが、法案提出には至らなかった。
2021年に入り自民党がワーキングチームを設置し本格的な議論が始まったが、実現への目処は立っていない。

■夫婦同姓の規定
民法750条は、結婚した夫婦は
「夫または妻の氏」
を名乗るよう規定。
戸籍法でも、結婚時に
「夫婦が称する氏」
を提出書類に記載するよう定めている。
昭和22(1947)年に改正される前の明治民法では
「家の姓を名乗る」
とされていた。
厚生労働省の統計では、平成27(2015)年に結婚した夫婦のうち、96%が夫の姓を選択。
改姓による社会的な不便・不利益が指摘されてきたことなどを背景に、夫婦が希望する場合には結婚後に姓を変えない
「選択的夫婦別姓制度」
の導入を求める声が強まっている。

夫婦別姓認めぬ最高裁判断「家族に一体感」安堵の声も
2021/6/23 20:45
https://www.sankei.com/article/20210623-CEFJAVRIAZIRPHCEU6S7ZFUAEI/
最高裁大法廷が2021年6月23日、6年前に続き、
「夫婦別姓」
を認めない民法の規定を
「合憲」
とする判断を示した。
この間の社会情勢や国民の意識の変化を踏まえつつ、国会に議論を委ねた形に。
「違憲」
となれば、新たな対応を迫られる現場からは安堵の声も聞かれた一方、申立人からは決定に不満が漏れた。
「結婚して姓が一緒になることで、家族としての一体感が生まれる」。
結婚生活40年以上になる東京都江東区の男性(71)は、合憲判断に納得の表情を浮かべた。
「子供のことを考えれば、両親が違う姓だと違和感を覚えるのではないか」
とも指摘した。
内閣府の平成29年の調査では、選択的夫婦別姓の導入に向けた法改正42.5%が賛成と答え、反対の29.3%を上回った。
ただ、賛成派に実際に別姓とするかを尋ねたところ、希望するが19.8%、希望しないが47.4%だった。
夫婦別姓が認められれば、子供への心理的影響も懸念される教育現場。
最高裁の決定に注目していた千代田区の幼稚園園長は
「途中で姓が変わった場合に、子供たちの間に動揺が広がらないようにケアするなど、新たな対応が必要になってくるだろうと思っていた」
と打ち明ける。
一方、先祖代々の墓を管理する寺院は、家族観の変化に危機感を抱いていた。
豊川稲荷(愛知県豊川市)によると、旧姓と結婚後の姓の両方を墓石に刻む女性が増えてきているといい、同寺の男性役員(53)は
「夫婦別姓になると、家という概念が失われる可能性がある」
「別姓が認められるのは難しいと思っていた」
と話した。
夫婦別姓には、財産をめぐる問題が持ち上がる可能性もある。
生命保険の受取人は原則戸籍上の配偶者や2親等以内の血縁者に限られており、ライフネット生命保険(東京)の担当者は
「姓が異なる場合、配偶者であることの確認が課題になる」。
同社では事実婚のパートナーらを保険金の受取人にできる仕組みを作っており、
「今後も社会の変化に合わせて検討していきたい」
と話した。

選択的夫婦別姓 社会混乱の引き金に 八木秀次×小島新一・大阪正論室長
ラジオ大阪ぶっちゃけ正論
2021/6/17 8:00
https://www.sankei.com/article/20210617-C2ELAEDPJ5MIHI5KLUORROEF4A/
■家族名が消える
小島
選択的夫婦別姓制度を導入すべきだという議論が昨年から国会で盛んになりました。
八木
選択的夫婦別姓とは、夫婦同姓、親子同姓という民法の考え方をふまえ、同姓にしたい人はこれまで通り同姓だけど、別姓にしたい夫婦は別姓を選んでもいい。
選択ができるという仕組みです。
一見よさそうに思えるんですよ。
小島
自分たち夫婦、家族は同姓でいたいと考えている人たちも、自分たちの同姓が守られるのならと考えてしまいますよね。
八木
ところが選択的であったとしても、その影響は別姓夫婦にとどまりません。
別姓では、1つの戸籍の中に2つの姓が存在することになります。
戸籍から、家族に共通の姓、ファミリーネーム、家族名がなくなるわけです。
小島
家族名がある戸籍とない戸籍、ある人とない人が共存することはないので、全体として家族名はなくなると。
八木
「氏名」の性格が根本的に変わるんです。
氏名とは、家族名に個人の名前を合わせたものです。
家族名がなくなれば、氏名は純粋な個人の名前になる。
すべての家族から家族名が奪われ、戸籍上、姓が同じ夫婦や子供も、各人の名前の上の部分が重なっているにすぎなくなる。
小島
たまたま上の名が同じということですね。
八木
ええ。
たいした問題ではないと思う人がいるかもしれませんが、社会制度や慣行に影響が及びます。
家族単位、世帯単位で主になされてきたものが崩れて個人単位になる。
■3つの姓から選択も
八木
別姓夫婦だと、子供の姓をいつ決めるのかという問題もあります。
兄弟姉妹で姓は統一なのか、バラバラなのか。
子供が1人だけだと、夫婦で子供の姓の取り合い、押し付け合いにならないか。
すでに結婚して同姓の夫婦も、1年あるいは3年の経過措置期間を設けて別姓を選ぶことができるとしています。
妻、あるいは夫が旧姓を名乗りたいとなった場合、夫婦の間に生まれた子供の姓の選び直しも行われることになる。
複数世代にわたる姓の変更を認めるのかという問題も想定されます。
子供のいる夫婦の妻側の母親、おばあちゃんが実家の姓に戻すという選択をした場合、連動して、妻の姓もおばあちゃんの旧姓に変えられるのか。
旧姓に戻す決断をしたおばあちゃんの娘である妻や孫は3つの姓から選ぶということになりかねない。
おばあちゃんの旧姓、夫の姓、妻の旧姓です。
小島
社会が大混乱しますね。
八木
自民党内では一時、選択的夫婦別姓の導入機運が高まりましたが、こうした現実的な問題点への理解が広まり、賛成意見はしぼみつつあります。

櫻井よしこ氏「保守政党らしからぬ提言に危機感」
2021/5/19 16:40
https://www.sankei.com/article/20210519-FRWVDCNTRVN7PLO57QDGPU2CK4/
選択的夫婦別姓制度の導入に慎重な自民党有志議員を中心に作る
「婚姻前の氏の通称使用拡大・周知を促進する議員連盟」
が2021年5月19日、ジャーナリストの櫻井よしこ、麗澤大学教授の八木秀次の両氏を講師に招いて国会内で会合を開いた。
櫻井氏は
「保守政党としての自民党の矜持」
と題して講演。
安倍晋三政権から菅義偉政権に代わったことで党内に変化が生じていると指摘し、
「保守政党らしからぬ政策提言、法案の提出、そしてそれを通そうとする非常に強い動きに大変な危機感を感じている」
と強調した。
「保守は、よりよい社会や国をつくるために変化はするが、その本質は変えず守っていくことだ」
とも語った。
八木氏は、選択的夫婦別姓を導入した場合の課題について
「多くの人は子供の氏が決まらないことや、氏の取り合いが起こることを懸念して結婚や出産を躊躇する」
「逆に少子化が進む可能性がある」
と指摘。
「現在の戸籍制度の下では、旧姓の通称使用を拡充することが最も現実的な解決策だ」
と訴えた。
一方、会合ではLGBTなど性的少数者をめぐる
「理解増進」
法案についても取り上げられた。
法案をめぐっては、稲田朋美元防衛相が委員長を務める
「性的指向・性自認に関する特命委員会」
が中心となり、立憲民主党などと協議して今国会での成立を目指している。
これについて、山谷えり子参院議員は
「もともとの自民党案は国柄に基づいた内容だったが、超党派の議員立法でガラッと哲学がかわってしまった」
「自民党として認めるには大きな議論が必要だ」
と語った。

異論暴論
正論6月号好評販売中 やるべきことは「夫婦別姓」か?
2021/5/3 10:00
https://www.sankei.com/article/20210503-QHTMRK3OE5KWVOEUGDN5FVJWZE/
自民党内で選択的夫婦別姓をめぐる論議が起きている。
推進論者からは結婚に伴う改姓によって生じる生活上の不都合や不便が強調されるのだが、そもそも夫婦が別姓になれば親子は別姓を余儀なくされる。
これまでの家族観や結婚観は変わり、子供に与える影響も無視できないはずだ。
正論2021年6月号では
「やるべきことは『夫婦別姓』か?」
を特集した。
高市早苗衆院議員(自民党)は、自民党のこれまでの選挙公約の実現に向け、自身が起草した
「婚姻前の氏の通称使用に関する法律案」
の成立の必要性を強調する。
高橋史朗・麗澤大学大学院客員教授と池谷和子・長崎大学准教授の論文は、推進者たちの主張の見せ方がいかに一面的で、良い面ばかりが強調されたものかを考えさせられる。
ジャーナリスト、平野まつじ氏は夫婦別姓が現実になると、何がもたらされ、どんな弊害が起こるのか、具体的に考えた。
子供の最善の利益をどうするか、という視点がいかに蔑ろにされ、議論のあり方として極めて危ういかがわかる。
党内で提唱される
「婚前氏続称制度」
「ミドルネーム案(結合氏制度)」
など歯牙にかけるに値しない。
選択的であろうが、夫婦別姓の導入は必要ない。

正論
国民の大多数は夫婦別姓望まず 国士舘大学特任教授 日本大学名誉教授・百地章
2021/7/6 8:00
https://www.sankei.com/article/20210706-2KVYJSZJQNPT3OSBPGFYEMTHXA/
■最高裁は合憲判断を維持
2021年6月23日、最高裁大法廷は予想通り夫婦同姓(氏)制は憲法に違反しないと判断した。
しかも合憲とした裁判官は11人と前回の平成27年判決より1人増えている。
平成27年の最高裁判決は、氏には
「家族の呼称」
としての意義があり、その呼称を一つに定める夫婦同姓制には合理性があるとして現行制度を合憲とした。
その上で、夫婦の姓の在り方は国会で判断すべきだとして、国会の立法政策に委ねた。
今回の最高裁決定は、この平成27年判決の立場を維持し、夫婦同姓を定めた民法750条や戸籍法を合憲とした上で、その後の社会の変化や国民の意識の変化を踏まえても、合憲判断を変更する必要はないとした。
これも妥当といえよう。
ところがマスメディアの中には各種世論調査を引き合いに、別姓支持が国民多数の声であり、夫婦別姓の実現へと誘導するような報道があふれている。
そのため同姓支持を主張することがはばかられるような雰囲気さえある。
確かに内閣府の調査でも別姓支持が平成24年には35.5%だったものが、平成29年には42.5%に増加しており、その傾向は否定できない。
しかし、平成29年の調査でも、
「夫婦は必ず同じ名字(姓)を名乗るべきだ」が29.3%、
「夫婦は必ず同じ名字を名乗るべきだが旧姓を通称として使用するのは構わない」が24.4%
あった。
つまり、同姓支持は計53.7%もあり、別姓支持を上回っている。
■別姓望む国民はわずか8%
さらに、別姓支持者の中で自ら
「別姓を希望する」と答えた者は19.8%
にとどまる。
つまり、別姓希望者は支持者(42.5%)の19.8%だから全体でいえば0.08、つまり国民のわずか8%が別姓を希望しているだけである。
平成24年の調査でも別姓希望者は全体の8%にすぎないから、別姓希望者は全く増えていないことが分かる。
そのようなごく少数の希望者のために、明治以来120年以上の伝統を有し、国民の中に広く定着している夫婦同姓制度を改正してしまうのは乱暴ではないか。
この問題は慎重な上にも慎重に対処すべきだ。
夫婦別姓希望者のために、現在では運転免許証、パスポート、さらにマイナンバーカードまで、旧姓を通称として併記することが認められている。
だから、日常生活における彼らの不便はほぼ解消しているはずだ。
にもかかわらず彼らが別姓にこだわるのはなぜか。
今回の決定において反対意見を述べた裁判官の中には、
「家族」
の定義は不明確であるとして否定的に解し、
「姓」

「個人の呼称」
の一部と考えて、夫婦同姓制度は
「個人の尊厳」
の侵害に当たると主張する者もいる。
■「家族呼称」か「個人呼称」か
確かに、憲法24条2項は家族について
「個人の尊厳と両性の本質的平等」
に立脚して制定するよう定めているが、憲法は
「家族の保護」
を否定するものではない。
それどころか、憲法制定時の議会においては
「従来の良き意味の家族制度はどこまでも尊重していかなければならぬ」
(木村篤太郎司法大臣)
との答弁がある。
わが国が批准している国際人権規約でも
「できる限り広範な保護及び援助が、社会の自然かつ基礎的な単位である家族に対し…与えられるべきである」
としている。
それ故、わが国の家族制度は、
「個人の尊厳」

「家族の保護」
によって支えられていると見なければならない。
だからこそ、平成27年の最高裁大法廷判決も、
「家族は社会の自然的かつ基礎的な集団単位であり、氏には家族の呼称としての意義があり、氏の在り方については国の伝統や国民感情を含め総合的な判断によって定められるべきである」
とした。
それでは、家族制度の基本にかかわる
「姓(名字)」
について、国民はどのように考えているだろうか。
先の内閣府の調査(平成29年)によれば、国民の56.9%は姓を
「先祖から受け継がれてきた名称」
ないし
「夫婦を中心とした家族の名称」
と答えている。
これに対して姓は
「他の人と区別して自分を表す名称の一部」
と考える者は、全体のわずか13.4%にすぎない。
つまり、姓を
「個人の呼称」
の一部と考え、
「個人の尊厳」
を強調する反対意見は、姓を先祖伝来の
「家」

「家族」
の呼称と考える多数国民の意識と相当ズレていることが分かる。
以前、本欄で述べたように夫婦の姓をどう決めるかは、個人個人の問題であると同時に、わが国の家族制度の基本にかかわる公的制度の問題である。
しかも選択的夫婦別姓制は
「ファミリー・ネームの廃止」
につながり
「戸籍解体」
の恐れさえある(「『戸籍の解体』を招く夫婦別姓制」2021年3月29日)。
したがって、自らは希望しないにもかかわらず、
「選択的だから」
「望む人が別姓を名乗るだけだから」
などといった安易な発想で賛成してしまうのは、推進派を利するだけであり、非常に疑問といわざるを得ないであろう。
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/637.html#c31

[政治・選挙・NHK294] 小池知事は首都決戦も「AIゆりこ」任せの仰天…学歴詐称疑惑の追及逃れで街頭に立たず?(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
30. 秘密のアッコちゃん[391] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年6月18日 11:51:50 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[504]
<■182行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
<主張>「オール沖縄」敗北 玉城氏は安保政策協力を
社説
2024/6/18 5:00
https://www.sankei.com/article/20240618-FSP4HPIYIVIL7EQY5YRXNQ7PGQ/
沖縄県議選で玉城デニー知事を支持する共産、立憲民主両党などの県政与党が敗北し過半数を割り込んだ。
政権与党である自民、公明両党は公認候補が全員当選した。
自治体は首長と議会の二元代表制だ。
玉城氏は結果を受け止め、基地問題などで政府への協力姿勢に転じてもらいたい。
県議会は改選前、共産など知事支持派の「オール沖縄」勢力が24議席、自民など不支持派が24議席と拮抗していた。
今回選挙で支持派が20議席、不支持派が28議席となった。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に反対する「オール沖縄」が県議選で過半数割れしたのは翁長雄志前知事が平成26年に同勢力を結集して以来初めてだ。
これを機に、県の国への対決姿勢が改まることを期待したい。
何より大切なのは、県民の生命と財産を守るための方策に取り組むことだ。
外交安全保障は国の専管事項であり、政府は沖縄を含む南西諸島の防衛力整備を進めているが、県の十分な協力が得られていない。
自衛隊や海上保安庁が円滑に利用できる
「特定利用空港・港湾」
の指定・整備もその1つだ。
政府が沖縄で指定できたのは、自衛隊と海保が常駐する那覇空港と石垣港の2カ所のみだ。
県内には下地島空港(宮古島市)などすぐにも活用できる施設があるが、県は頑なに反対している。
中国は沖縄の島である尖閣諸島(石垣市)の領有を唱え、海警局船の領海侵入が相次いでいる。
中国側の主張では尖閣諸島は台湾省の島だ。
彼らからすれば、中台統一は尖閣諸島を日本から奪わないと完成しない。
台湾有事の際に沖縄が攻撃される恐れは高い。玉城氏は有事の住民避難計画策定や地下シェルター(避難施設、防空壕)の整備などで、国に全面協力すべきである。
県議選の結果を受け、玉城氏は
「真摯に受け止めなければならない」
と述べたが、
「辺野古移設への反対は揺るがない」
と語った。
この発言には頷けない。
反対一辺倒で
「真摯」
と言えるのか。
辺野古移設は、普天間飛行場周辺の県民の命を守り、日米同盟の抑止力を保つ方策である。
県議会の自民、公明議員も国と県の協力を促してほしい。

沖縄県議選、不支持派勝利で知事、民意の後ろ盾失う 生活に直結の課題なおざり
2024/6/17 21:24
https://www.sankei.com/article/20240617-PRAJEJSHH5N73IB74O5WN4CL4A/
任期満了に伴う沖縄県議選(定数48)の開票結果が2024年6月17日未明に確定した。
玉城デニー知事を支持する
「オール沖縄」
勢力が大幅に議席を減らす一方、知事を支持しない保守系勢力が16年ぶりに過半数を奪取。
米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対のワンイシュー(単一論点)で国との対決姿勢を強めてきた玉城県政に県民が厳しい評価を下した形だ。
「辺野古に反対の民意は弱まっていない」。
県議選から一夜明けた2024年6月17日、玉城知事はこう強調した。
国との法廷闘争では県の敗訴が確定した後も、
「民意」
を盾に司法判断を拒絶し続けた玉城知事にとって求心力の低下は避けられそうにない。
改選前は知事支持派と不支持派が24議席ずつで拮抗していたが、政治資金問題で逆風を受ける中、自民は今回、公認候補の20人全員が当選。
公明や維新も加え、不支持派は27人となった。
知事支持派は20人で、中立の立場は1人とみられる。
一方、辺野古反対派と容認派で区切れば、24人ずつで同数。
少なくとも
「オール沖縄」
ではなくなり
「民意」
という大きな後ろ盾を失うことになった。
名桜大の志田淳二郎准教授は
「政府の方針にひたすら反対するという対立構図で捉えない政治を県民が望んでいるのでは」
と分析。
支持派の候補は選挙戦で南西諸島地域の防衛体制強化を危惧する主張を展開したものの、
「有事の際に県として何ができるのか」
「不安感や不信感を抱く県民も少なくない」
(志田氏)
という。
■ ■ ■
台湾有事などに備え政府が整備する
「特定利用空港・港湾」
の指定も県は慎重な姿勢を示し、自衛隊の基地整備すら
「攻撃目標になる」(玉城知事)
として否定的だ。
だが、日本周辺の安全保障環境は厳しさを増している。
尖閣諸島(石垣市)では中国海警船が領海侵入を繰り返している。
にもかかわらず、玉城知事は2023年7月に訪中した際、李強首相と会談しながら尖閣諸島の問題に一切触れなかった。
玉城県政が基地問題に精力を傾け国と対立を深める中、足元の地域経済は疲弊。
沖縄振興予算は3年連続で減額が続き、県民所得も全国で最も低い。
子供の貧困の問題も深刻だ。
インフラ整備も進まず、道路の白線や案内標識の劣化も目立つ。
基地問題に重きを置く余り、生活に直結するこれらの問題がなおざりになった。
玉城知事を支持する県政与党が少数の
「捻じれ議会」
となり、厳しい県政運営となるのは必至。
今の民意で選ばれた議会とどう向き合うのか注目される。

沖縄県議選で自民圧勝 辺野古移転に弾み 選挙連敗後の反転につながるか
2024/6/17 19:15
https://www.sankei.com/article/20240617-DSYNHLFA3NOITINYM7BETKEMR4/
自民党は2024年6月16日投開票の沖縄県議選で玉城デニー知事支持派を少数に追い込み、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設に光明を見いだした。
また、派閥パーティー収入不記載事件を受けて全国の選挙で連敗中だっただけに、反転攻勢に繋げられるかも焦点となる。
「地元への丁寧な説明を行い、普天間飛行場の1日も早い全面返還実現のため全力で取り組む」
「辺野古移設が唯一の解決策との方針に基づき、着実に工事を進めることが普天間の危険性除去に繋がる」
林芳正官房長官は2024年6月17日の記者会見で、県議選の結果についてコメントは控えるとした上でこう強調した。
県議会ではこれまで立憲民主党や共産党などの勢力が主導権を握り、辺野古移設阻止に向けた法廷闘争など玉城氏の取り組みを支えてきた。
今回、自民など移設容認派が躍進したことを受け、県連幹部は
「辺野古移設の動きが加速する」
と期待を込める。
2年後の2026年には県知事選が控えており、自民としては県政奪還に向けて攻勢を強めたいところだ。
茂木敏充幹事長は2024年6月17日、東京都内で記者団に
「この勢いを来たるべき知事選にも繋げていきたい」
と意気込んだ。
一方、不記載事件が招いた与党不信の強まりで、自民は2024年4月以降、衆院3補欠選挙や静岡県知事選などを落としていた。
公認候補全員が当選を果たした県議選の結果は久しぶりの朗報となり、2024年6月20日告示の東京都知事選や次期衆院選などに繋げたい考えだ。
小渕優子選対委員長は
「逆風の中、歴史的に党勢が最も厳しい沖縄県において、勝利を挙げた意義は極めて大きく、今後の沖縄県政への影響のみならず、全国各地域の選挙にも大きな弾みになる」
とのコメントを発表した。

沖縄・玉城県政に厳しい審判 県議選で知事支持派が過半数割れ、今後の政策への影響不可避
2024/6/17 10:44
https://www.sankei.com/article/20240617-OVWQSWWSHFIKPKCNIKNX4ZSALY/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り国と県の対立が続く中、2024年6月16日投開票された県議選では自民や公明両党など玉城デニー知事を支持しない勢力の議席が過半数に達した。
玉城知事の政策に有権者が厳しい審判を下した形で、県政の分水嶺となりそうだ。
「オッケー。完勝だ」。
那覇市の自民党沖縄県連に設置された開票センターは2024年6月16日夜、候補者の当確が速報される度に大きな歓声に包まれた。
辺野古移設を巡る法廷闘争では、行政の長でありながら司法判断に抗い、政府との対立が深まっていた。
辺野古反対のワンイシュー(単一論点)で国との対決姿勢を強める玉城県政に否定的な県民も少なくない。
玉城知事を支える共産党などのオール沖縄会議の関係者は
「知事と議会で捻じれたら玉城県政は大変だ」
と危機感を募らせる。
一方、インフラ整備や経済振興は進まず、1人当たりの県民所得は全国最下位。
子供の貧困の問題も依然深刻で、県民の生活に直結する重点課題は多岐に渡る。
選挙結果は、こうした玉城県政に対する評価と言える。
知事支持派は選挙戦で自民党派閥のパーティー収入不記載事件を批判。
南西地域の防衛体制強化を危惧する主張を展開し知事を後押ししたが、浸透しなかった。
これに対し、自民党県連は、うるま市のゴルフ場跡地に陸上自衛隊の訓練場を新設する計画を巡り、防衛相に土地取得を断念するよう要請。
県議選での争点化を避ける狙いがあったとみられる。
不支持派の候補は、物価高騰対策や経済政策など政府とのパイプを生かした政策実現を強調し、支持拡大に繋げた。
選挙結果は、基地問題の情報収集などに当たってきた県の米ワシントン駐在や独自の外交≠進める
「地域外交室」
など県の政策にも大きな影響を及ぼしそうだ。

玉城知事の求心力低下は避けられず 沖縄県議選で自公など知事不支持派が過半数奪取
2024/6/17 9:24
https://www.sankei.com/article/20240617-H7677HNVMVMEVKVQQYDZSLX5RI/
2024年6月16日投開票された沖縄県議選(定数48)で、自民、公明両党などの玉城デニー知事不支持と中立派が28議席を獲得して過半数を奪取した。
共産、社民両党などの支持派は20議席と大幅に減少。
玉城知事の求心力の低下は避けられず、厳しい県政運営を迫られそうだ。
県議選の結果は、2年後2026年の知事選にも大きな影響を及ぼす可能性がある。
争点の1つだった米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡っては、公明党県本部は反対の姿勢のため反対する勢力と容認する勢力が24議席ずつで同数となった。
玉城知事は2024年6月17日未明、知事公舎で報道陣の取材に応じ、
「選挙結果は真摯に受け止めなければならない」
「非常に厳しい県政運営を余儀なくされる」
と語った。
一方、辺野古移設に反対する姿勢は
「揺るがない」
とし、県政運営や政治理念は
「それほど変化することはない」
とも述べた。
玉城県政の
「中間評価」
とも位置付けられた県議選には定数48の13選挙区に75人が立候補した。
このうち石垣市(定数2)無投票となり、支持派の無所属現職、不支持派の自民党現職各1人が当選。
12選挙区で46議席を争っていた。
改選前の勢力は支持派24議席、不支持・中立派24議席で拮抗。
不支持派の議長は採決に加わらないため、議案は県政与党の多数で可決されてきた。
県選管によると、投票率は45.26%で、前回(46.96%)を下回り、過去最低を記録した。

沖縄県議選、自公など知事不支持派が過半数を確保 県政運営への影響必至
2024/6/16 23:58
https://www.sankei.com/article/20240616-WSAUDB4TT5PVDFSS2MQMTUPZCQ/
任期満了に伴う沖縄県議選(定数48)が2024年6月16日、投開票され、自民、公明両党などの玉城デニー知事不支持派が28議席を獲得して過半数を確保した。
共産、社民両党など米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対する支持派は20議席と大幅に議席を減らし、玉城知事は厳しい県政運営を迫られそうだ。
玉城知事は2024年6月17日未明、知事公舎で報道陣の取材に応じ、
「選挙結果は真摯に受け止めなければならない」
「非常に厳しい県政運営を余儀なくされる」
と語った。
一方、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対する姿勢は
「揺るがない」
とし、
「県政運営や政治理念は変化することはない」
と強調した。
玉城県政の
「中間評価」
とも位置付けられた県議選には13選挙区に75人が立候補した。
このうち石垣市選挙区(定数2)は無投票となり、支持派の無所属現職、不支持派の自民党現職各1人が当選。
残る12選挙区で46議席を争っていた。
改選前の勢力は支持派24議席、不支持派24議席で拮抗。
不支持派の議長は採決に加わらないため24案は県政与党の多数で可決されていた。
県選管によると、投票率は45.26%で、前回(46.96%)を下回り、過去最低だった。
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/638.html#c30

[政治・選挙・NHK294] 誤魔化そうとする大メディア報道 都知事選の争点はただ一つ 裏金自民への審判だ(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
27. 秘密のアッコちゃん[392] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年6月19日 06:34:49 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[505]
<■417行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
<主張>経団連「夫婦別姓」 家族の呼称をなくすのか
社説
2024/6/19 5:00
https://www.sankei.com/article/20240619-I4Q7IU7X5FJQTNZ3V4LDQESQHQ/
結婚後に夫婦が同じ姓を名乗るか、旧姓を維持するか選べる
「選択的夫婦別姓」
について経団連が早期実現を提言した。
十倉雅和会長は、女性の社会進出が進む中で
「国会でスピーディーに議論してほしい」
と述べたが、国民の合意を欠いたまま、急ぐ問題ではない。
経団連は従来、夫婦同姓の下で職場での通称使用で対応できるとの立場だった。
別姓推進に転じたのは
「ビジネス上のリスク」
などが理由だ。
経団連が行ったアンケートなどでは職場で旧姓の通称使用が増えている一方、通称では銀行口座などが作れないことや海外渡航、契約で戸籍上の姓と異なることでトラブルが生じていることを指摘した。
だが夫婦が同じ姓を名乗る民法の規定を変えることは、家族や社会の有り様に関わる。
岸田文雄首相が2024年6月17日の衆院決算行政監視委員会で、選択的夫婦別姓の早期導入の提言に慎重な考えを示し、
「家族の一体感や子供の利益に関わる問題であり、国民の理解が重要だ」
と述べたのは、もっともだ。
夫婦別姓を認めない民法の規定を
「違憲」
だとする訴えに対し、最高裁は平成27年と令和3年に合憲の判断を示し、夫婦同一の姓は社会に定着し、家族の呼称として意義があることを認めている。
別姓制が導入されれば、こうした姓の意義が、砂粒のような個人の呼称へと大きく変わる。
専門家によると姓は血縁血統を表すもので、家族の歴史や絆が断ち切られかねない。
同じ姓の人を記載する戸籍の編製方法も見直す必要がある。
「選択」
と言っても別姓を希望しない人も含め社会に関わる問題だ。
別姓推進論は子供からの視点にも欠ける。
夫婦別姓では、どちらかの親と子が別姓になる。
子供の姓をどうするのか。
祖父母らも絡み、いさかいや分断が起きるのは見たくない。
最高裁の判決では、姓の在り方について国の伝統や国民感情を含め総合的な判断によって定められるべきだ、としている。
深く理解すべきだ。
住民票や運転免許証、パスポートなどで旧姓を併記できる制度も広がっている。
経団連は、トラブルを嘆くより、我が国の夫婦同姓の意義を国際的に発信し、問題を解消してほしい。

<産経抄>経団連の「夫婦別姓提言」に異議あり       
2024/6/17 5:00
https://www.sankei.com/article/20240617-BKNKSTIQ3FJ2DDKD2AI3HWGCEQ/
夫婦別姓が叶わなくとも、パートナーを守る方法はある
経団連は
「選択的夫婦別姓」
の早期実現を求める提言を発表したが、法制化には国民の合意が必要だ
2024年6月の第3日曜は
「父の日」
だったが、
「母の日」
に比べ影が薄い。
父親の地位低下が指摘され久しい。
▼ゲームに押されて、子供のおままごと遊びはあまり見かけなくなったが、やってみてもパパ役はママに叱られ、オタオタする様子を真似するのだとか。
「正論」
を重んじる同僚も、家では言いたいことを言えず、妻や娘たちに阿る日々だという。
それも平和を守る知恵か。
▼だがこちらは黙って見過ごせない問題だ。
経団連が
「選択的夫婦別姓」
の早期実現を求める提言を先日、発表した。
十倉雅和会長は
「国会でスピーディーに議論してほしい」
と述べたが、拙速に進めては禍根を残す。
▼選択的夫婦別姓は夫婦で同じ姓(氏)にするか、旧姓を名乗るかを選べる制度だ。
民法の改正などが必要となる。
女性の社会進出に伴い、平成8年に法制審議会が導入を求める答申をした。
30年近く経っても法制化に至らないのは、国民の合意が得られないからだ。
財界が
「急げ」
と号令をかける話なのか。
▼最高裁は平成27年と令和3年に、夫婦別姓を認めない民法の規定について
「合憲」
とする判断を示した。
夫婦同一の姓は社会に定着し、家族の呼称として意義があることを認めている。
選べるならいいじゃないか、別姓を希望しない人には関係ない、と考えるのは早計だ。
専門家からは、姓について家族の呼称から個人の呼称へと大きく変質することが指摘されている。
▼同じ戸籍に同じ姓の人を記載する戸籍の編製方法も見直す必要があり、社会全体に関わる。
夫婦同姓は子供も両親と姓を同じくすることで利益を享受しやすい意義もある。
別姓では子の姓をどうするか。
双方の祖父母も絡み、決まらない混乱も予想される。

「国民の意見さまざま」 法相、選択的別姓に慎重
2024/6/11 11:24
https://www.sankei.com/article/20240611-JHRCRF76CFIA3LM3MAVGM7R5GY/
小泉龍司法相は2024年6月11日の閣議後記者会見で、選択的夫婦別姓制度の早期実現を求めた経団連の提言に対し
「国民の間にまださまざまな意見がある」
とした上で
「積極的に動きを見極め、対応を検討していくことが必要だ」
と述べ、慎重な姿勢を示した。
法相の諮問機関の法制審議会は1996年、結婚後もそれぞれ婚姻前の名字を使える選択的別姓制度の導入を含む民法改正案を答申。
だが、保守系議員の反対などで法案は提出されなかった。
小泉氏はこの点にも触れ
「国会議員の方々の間でもしっかりと議論をし、幅広い理解を得ていただくため、法務省として積極的な情報提供をしたい」
とした。

「夫婦別姓制度、早期実現を」経団連が初の提言 通称は海外で理解得られずトラブルも
2024/6/10 18:29
https://www.sankei.com/article/20240610-PLZOKGZSLVKTZKDUTL3OBW74UQ/
経団連は2024年6月10日、選択的夫婦別姓制度の実現を求める提言を発表した。
希望すれば生まれ持った姓を戸籍上の姓として名乗り続けられる制度の早期実現を要求。
政府に対し
「一刻も早く改正法案を提出し、国会で建設的な議論を期待する」
とした。
経団連による同制度に関する提言は初めて。
十倉雅和会長は2024年6月10日の定例記者会見で
「世の中は大きく変わっている」
「国会でスピーディーに議論してほしい」
と述べた。
現在は婚姻時に夫か妻のいずれかの姓を選べるが、妻が改姓することが圧倒的に多い。
提言では
「生活上の不便、不利益といった改姓による負担が女性に偏っているのが現実」
と訴えた。
経団連の調査では、国内の91%の企業は旧姓などを通称として使用することを認めているものの、通称は海外では理解されづらく、トラブルの原因になることがあると指摘。
「企業にとってもビジネス上のリスクとなり得る」
とした。

主張
夫婦同姓は合憲 家族制度の原則を守った
2021/6/24 5:00
https://www.sankei.com/article/20210624-BGWW7J52VRJMJFEQ5FVP7KQAZQ/
最高裁大法廷は、
「夫婦別姓」
を認めない民法の規定を再び
「合憲」
と判断した。
夫婦同一の姓は社会に定着し、家族の呼称として意義があることを認めた平成27(2015)年の最高裁判決を踏襲した。
妥当な判断である。
事実婚の男女3組が、夫婦別姓を希望して婚姻届を提出したが、不受理となり、家事審判を申し立て、最高裁に特別抗告していた。
女性の社会進出や世論など最近の情勢変化を踏まえた判断が注目されたが、最高裁は決定理由で、社会や国民の意識の変化といった諸事情を踏まえても、6年前の判断を変更すべきとは認められない―と判示した。
平成27(2015)年の最高裁の判断を通し、夫婦同一の姓について、男女差別を助長したり、人格を傷付けたりする制度ではないことも明確になっている。
最高裁はこの時と同様、
「制度の在り方は国会で論ぜられ判断されるべき事柄」
と指摘した。
平成8(1996)年に法制審議会が、夫婦で同じ姓にするか、旧姓をそれぞれ名乗るか選べる選択的夫婦別姓の導入を答申して25年経つ。
法制化に至らなかったのは、立法府が問題を放置しているというより、国民の十分な合意が得られないからである。
選択的夫婦別姓について、個人の自由で選択の幅が広がる―などと歓迎するのは考え違いである。
導入されれば夫婦同一姓を原則とした戸籍制度が崩れかねず、全国民に影響が及ぶ。
親子が別々の姓になる事態も起きる。
子供の姓を両親どちらの姓にするかなど、諍いや混乱も予想される。
平成29(2017)年に行われた内閣府の世論調査では、夫婦別姓が子供に与える影響について、6割以上が
「子供にとって好ましくない影響があると思う」
と答えていた。
社会情勢の変化と言うなら、旧姓が通称使用できる企業は増えている。
2年前の2019年には住民票やマイナンバーカードなどで旧姓を併記できるようにするため、政令改正が行われた。
パスポート(旅券)についても旧姓併記の申請が容易になるよう緩和された。
日本の伝統や文化に根差した家族制度の原則を崩す必要はなく、更に働きやすい職場作りなどに知恵を絞る方が現実的だ。
国や社会の基盤である家族の意義に理解を深くしたい。

夫婦別姓認めぬ規定、再び「合憲」 最高裁
2021/6/23 21:54
https://www.sankei.com/article/20210623-WTZ3HHNALJO5RNCEOMMHNPXNAI/
夫婦別姓を認めない民法と戸籍法の規定は違憲として、東京都内に住む事実婚の男女3組が起こした家事審判の特別抗告審で、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)は2021年6月23日、規定は
「合憲」
とする判断を示した。
最高裁は平成27(2015)年にも夫婦同姓を定めた民法の規定を合憲としており、今回は2度目の判断。
15人中4人は違憲とする意見や反対意見を出した。
決定理由で最高裁は、家族が同じ姓を名乗るのは日本社会に定着しており、規定に男女の不平等はないとした平成27(2015)年の判断について
「社会や国民の意識の変化といった諸事情を踏まえても、変更すべきとは認められない」
と指摘。
一方で、夫婦の姓を巡りどのような制度が妥当なのかという問題と、憲法違反かどうかを審査する問題とは
「次元が異なる」
とした上で
「国会で論じられ、判断されるべき事柄だ」
と、前回判断に続き、改めて立法での議論を促した。
合憲とした深山卓也裁判官、岡村和美裁判官、長嶺安政裁判官の3人は
「今回の判断は、国会での選択的夫婦別姓制度を含む法制度の検討を妨げるものではなく、国民の様々な意見や社会の状況変化などを十分に踏まえた真摯な議論がされることを期待する」
と、共同補足意見で述べた。
一方、違憲とした宮崎裕子裁判官と宇賀克也裁判官は
「結婚に対する当事者の意思決定は自由かつ平等であるべきで、規定は不当な国家介入に当たる」
などと述べた。
事実婚の3組は、婚姻届に
「夫は夫の氏、妻は妻の氏を希望します」
と付記して自治体に提出したが不受理となり平成30(2018)年3月、東京家裁などに家事審判を申し立てたが、却下された。
2審東京高裁でも棄却され、最高裁に特別抗告していた。
結婚後の姓を巡っては、平成8(1996)年に法相の諮問機関・法制審議会が、選択的夫婦別姓制度を盛り込んだ民法改正案を答申したが、法案提出には至らなかった。
2021年に入り自民党がワーキングチームを設置し本格的な議論が始まったが、実現への目処は立っていない。

■夫婦同姓の規定
民法750条は、結婚した夫婦は
「夫または妻の氏」
を名乗るよう規定。
戸籍法でも、結婚時に
「夫婦が称する氏」
を提出書類に記載するよう定めている。
昭和22(1947)年に改正される前の明治民法では
「家の姓を名乗る」
とされていた。
厚生労働省の統計では、平成27(2015)年に結婚した夫婦のうち、96%が夫の姓を選択。
改姓による社会的な不便・不利益が指摘されてきたことなどを背景に、夫婦が希望する場合には結婚後に姓を変えない
「選択的夫婦別姓制度」
の導入を求める声が強まっている。

夫婦別姓認めぬ最高裁判断「家族に一体感」安堵の声も
2021/6/23 20:45
https://www.sankei.com/article/20210623-CEFJAVRIAZIRPHCEU6S7ZFUAEI/
最高裁大法廷が2021年6月23日、6年前に続き、
「夫婦別姓」
を認めない民法の規定を
「合憲」
とする判断を示した。
この間の社会情勢や国民の意識の変化を踏まえつつ、国会に議論を委ねた形に。
「違憲」
となれば、新たな対応を迫られる現場からは安堵の声も聞かれた一方、申立人からは決定に不満が漏れた。
「結婚して姓が一緒になることで、家族としての一体感が生まれる」。
結婚生活40年以上になる東京都江東区の男性(71)は、合憲判断に納得の表情を浮かべた。
「子供のことを考えれば、両親が違う姓だと違和感を覚えるのではないか」
とも指摘した。
内閣府の平成29年の調査では、選択的夫婦別姓の導入に向けた法改正42.5%が賛成と答え、反対の29.3%を上回った。
ただ、賛成派に実際に別姓とするかを尋ねたところ、希望するが19.8%、希望しないが47.4%だった。
夫婦別姓が認められれば、子供への心理的影響も懸念される教育現場。
最高裁の決定に注目していた千代田区の幼稚園園長は
「途中で姓が変わった場合に、子供たちの間に動揺が広がらないようにケアするなど、新たな対応が必要になってくるだろうと思っていた」
と打ち明ける。
一方、先祖代々の墓を管理する寺院は、家族観の変化に危機感を抱いていた。
豊川稲荷(愛知県豊川市)によると、旧姓と結婚後の姓の両方を墓石に刻む女性が増えてきているといい、同寺の男性役員(53)は
「夫婦別姓になると、家という概念が失われる可能性がある」
「別姓が認められるのは難しいと思っていた」
と話した。
夫婦別姓には、財産をめぐる問題が持ち上がる可能性もある。
生命保険の受取人は原則戸籍上の配偶者や2親等以内の血縁者に限られており、ライフネット生命保険(東京)の担当者は
「姓が異なる場合、配偶者であることの確認が課題になる」。
同社では事実婚のパートナーらを保険金の受取人にできる仕組みを作っており、
「今後も社会の変化に合わせて検討していきたい」
と話した。

選択的夫婦別姓 社会混乱の引き金に 八木秀次×小島新一・大阪正論室長
ラジオ大阪ぶっちゃけ正論
2021/6/17 8:00
https://www.sankei.com/article/20210617-C2ELAEDPJ5MIHI5KLUORROEF4A/
■家族名が消える
小島
選択的夫婦別姓制度を導入すべきだという議論が昨年から国会で盛んになりました。
八木
選択的夫婦別姓とは、夫婦同姓、親子同姓という民法の考え方をふまえ、同姓にしたい人はこれまで通り同姓だけど、別姓にしたい夫婦は別姓を選んでもいい。
選択ができるという仕組みです。
一見よさそうに思えるんですよ。
小島
自分たち夫婦、家族は同姓でいたいと考えている人たちも、自分たちの同姓が守られるのならと考えてしまいますよね。
八木
ところが選択的であったとしても、その影響は別姓夫婦にとどまりません。
別姓では、1つの戸籍の中に2つの姓が存在することになります。
戸籍から、家族に共通の姓、ファミリーネーム、家族名がなくなるわけです。
小島
家族名がある戸籍とない戸籍、ある人とない人が共存することはないので、全体として家族名はなくなると。
八木
「氏名」の性格が根本的に変わるんです。
氏名とは、家族名に個人の名前を合わせたものです。
家族名がなくなれば、氏名は純粋な個人の名前になる。
すべての家族から家族名が奪われ、戸籍上、姓が同じ夫婦や子供も、各人の名前の上の部分が重なっているにすぎなくなる。
小島
たまたま上の名が同じということですね。
八木
ええ。
たいした問題ではないと思う人がいるかもしれませんが、社会制度や慣行に影響が及びます。
家族単位、世帯単位で主になされてきたものが崩れて個人単位になる。
■3つの姓から選択も
八木
別姓夫婦だと、子供の姓をいつ決めるのかという問題もあります。
兄弟姉妹で姓は統一なのか、バラバラなのか。
子供が1人だけだと、夫婦で子供の姓の取り合い、押し付け合いにならないか。
すでに結婚して同姓の夫婦も、1年あるいは3年の経過措置期間を設けて別姓を選ぶことができるとしています。
妻、あるいは夫が旧姓を名乗りたいとなった場合、夫婦の間に生まれた子供の姓の選び直しも行われることになる。
複数世代にわたる姓の変更を認めるのかという問題も想定されます。
子供のいる夫婦の妻側の母親、おばあちゃんが実家の姓に戻すという選択をした場合、連動して、妻の姓もおばあちゃんの旧姓に変えられるのか。
旧姓に戻す決断をしたおばあちゃんの娘である妻や孫は3つの姓から選ぶということになりかねない。
おばあちゃんの旧姓、夫の姓、妻の旧姓です。
小島
社会が大混乱しますね。
八木
自民党内では一時、選択的夫婦別姓の導入機運が高まりましたが、こうした現実的な問題点への理解が広まり、賛成意見はしぼみつつあります。

櫻井よしこ氏「保守政党らしからぬ提言に危機感」
2021/5/19 16:40
https://www.sankei.com/article/20210519-FRWVDCNTRVN7PLO57QDGPU2CK4/
選択的夫婦別姓制度の導入に慎重な自民党有志議員を中心に作る
「婚姻前の氏の通称使用拡大・周知を促進する議員連盟」
が2021年5月19日、ジャーナリストの櫻井よしこ、麗澤大学教授の八木秀次の両氏を講師に招いて国会内で会合を開いた。
櫻井氏は
「保守政党としての自民党の矜持」
と題して講演。
安倍晋三政権から菅義偉政権に代わったことで党内に変化が生じていると指摘し、
「保守政党らしからぬ政策提言、法案の提出、そしてそれを通そうとする非常に強い動きに大変な危機感を感じている」
と強調した。
「保守は、よりよい社会や国をつくるために変化はするが、その本質は変えず守っていくことだ」
とも語った。
八木氏は、選択的夫婦別姓を導入した場合の課題について
「多くの人は子供の氏が決まらないことや、氏の取り合いが起こることを懸念して結婚や出産を躊躇する」
「逆に少子化が進む可能性がある」
と指摘。
「現在の戸籍制度の下では、旧姓の通称使用を拡充することが最も現実的な解決策だ」
と訴えた。
一方、会合ではLGBTなど性的少数者をめぐる
「理解増進」
法案についても取り上げられた。
法案をめぐっては、稲田朋美元防衛相が委員長を務める
「性的指向・性自認に関する特命委員会」
が中心となり、立憲民主党などと協議して今国会での成立を目指している。
これについて、山谷えり子参院議員は
「もともとの自民党案は国柄に基づいた内容だったが、超党派の議員立法でガラッと哲学がかわってしまった」
「自民党として認めるには大きな議論が必要だ」
と語った。

異論暴論
正論6月号好評販売中 やるべきことは「夫婦別姓」か?
2021/5/3 10:00
https://www.sankei.com/article/20210503-QHTMRK3OE5KWVOEUGDN5FVJWZE/
自民党内で選択的夫婦別姓をめぐる論議が起きている。
推進論者からは結婚に伴う改姓によって生じる生活上の不都合や不便が強調されるのだが、そもそも夫婦が別姓になれば親子は別姓を余儀なくされる。
これまでの家族観や結婚観は変わり、子供に与える影響も無視できないはずだ。
正論2021年6月号では
「やるべきことは『夫婦別姓』か?」
を特集した。
高市早苗衆院議員(自民党)は、自民党のこれまでの選挙公約の実現に向け、自身が起草した
「婚姻前の氏の通称使用に関する法律案」
の成立の必要性を強調する。
高橋史朗・麗澤大学大学院客員教授と池谷和子・長崎大学准教授の論文は、推進者たちの主張の見せ方がいかに一面的で、良い面ばかりが強調されたものかを考えさせられる。
ジャーナリスト、平野まつじ氏は夫婦別姓が現実になると、何がもたらされ、どんな弊害が起こるのか、具体的に考えた。
子供の最善の利益をどうするか、という視点がいかに蔑ろにされ、議論のあり方として極めて危ういかがわかる。
党内で提唱される
「婚前氏続称制度」
「ミドルネーム案(結合氏制度)」
など歯牙にかけるに値しない。
選択的であろうが、夫婦別姓の導入は必要ない。

正論
国民の大多数は夫婦別姓望まず 国士舘大学特任教授 日本大学名誉教授・百地章
2021/7/6 8:00
https://www.sankei.com/article/20210706-2KVYJSZJQNPT3OSBPGFYEMTHXA/
■最高裁は合憲判断を維持
2021年6月23日、最高裁大法廷は予想通り夫婦同姓(氏)制は憲法に違反しないと判断した。
しかも合憲とした裁判官は11人と前回の平成27年判決より1人増えている。
平成27年の最高裁判決は、氏には
「家族の呼称」
としての意義があり、その呼称を一つに定める夫婦同姓制には合理性があるとして現行制度を合憲とした。
その上で、夫婦の姓の在り方は国会で判断すべきだとして、国会の立法政策に委ねた。
今回の最高裁決定は、この平成27年判決の立場を維持し、夫婦同姓を定めた民法750条や戸籍法を合憲とした上で、その後の社会の変化や国民の意識の変化を踏まえても、合憲判断を変更する必要はないとした。
これも妥当と言えよう。
ところがマスメディアの中には各種世論調査を引き合いに、別姓支持が国民多数の声であり、夫婦別姓の実現へと誘導するような報道があふれている。
そのため同姓支持を主張することがはばかられるような雰囲気さえある。
確かに内閣府の調査でも別姓支持が平成24年には35.5%だったものが、平成29年には42.5%に増加しており、その傾向は否定できない。
しかし、平成29年の調査でも、
「夫婦は必ず同じ名字(姓)を名乗るべきだ」が29.3%、
「夫婦は必ず同じ名字を名乗るべきだが旧姓を通称として使用するのは構わない」が24.4%
あった。
つまり、同姓支持は計53.7%もあり、別姓支持を上回っている。
■別姓望む国民はわずか8%
さらに、別姓支持者の中で自ら
「別姓を希望する」と答えた者は19.8%
にとどまる。
つまり、別姓希望者は支持者(42.5%)の19.8%だから全体でいえば0.08、つまり国民のわずか8%が別姓を希望しているだけである。
平成24年の調査でも別姓希望者は全体の8%にすぎないから、別姓希望者は全く増えていないことが分かる。
そのようなごく少数の希望者のために、明治以来120年以上の伝統を有し、国民の中に広く定着している夫婦同姓制度を改正してしまうのは乱暴ではないか。
この問題は慎重な上にも慎重に対処すべきだ。
夫婦別姓希望者のために、現在では運転免許証、パスポート、さらにマイナンバーカードまで、旧姓を通称として併記することが認められている。
だから、日常生活における彼らの不便はほぼ解消しているはずだ。
にもかかわらず彼らが別姓にこだわるのはなぜか。
今回の決定において反対意見を述べた裁判官の中には、
「家族」
の定義は不明確であるとして否定的に解し、
「姓」

「個人の呼称」
の一部と考えて、夫婦同姓制度は
「個人の尊厳」
の侵害に当たると主張する者もいる。
■「家族呼称」か「個人呼称」か
確かに、憲法24条2項は家族について
「個人の尊厳と両性の本質的平等」
に立脚して制定するよう定めているが、憲法は
「家族の保護」
を否定するものではない。
それどころか、憲法制定時の議会においては
「従来の良き意味の家族制度はどこまでも尊重していかなければならぬ」
(木村篤太郎司法大臣)
との答弁がある。
わが国が批准している国際人権規約でも
「できる限り広範な保護及び援助が、社会の自然かつ基礎的な単位である家族に対し…与えられるべきである」
としている。
それ故、わが国の家族制度は、
「個人の尊厳」

「家族の保護」
によって支えられていると見なければならない。
だからこそ、平成27年の最高裁大法廷判決も、
「家族は社会の自然的かつ基礎的な集団単位であり、氏には家族の呼称としての意義があり、氏の在り方については国の伝統や国民感情を含め総合的な判断によって定められるべきである」
とした。
それでは、家族制度の基本にかかわる
「姓(名字)」
について、国民はどのように考えているだろうか。
先の内閣府の調査(平成29年)によれば、国民の56.9%は姓を
「先祖から受け継がれてきた名称」
ないし
「夫婦を中心とした家族の名称」
と答えている。
これに対して姓は
「他の人と区別して自分を表す名称の一部」
と考える者は、全体のわずか13.4%にすぎない。
つまり、姓を
「個人の呼称」
の一部と考え、
「個人の尊厳」
を強調する反対意見は、姓を先祖伝来の
「家」

「家族」
の呼称と考える多数国民の意識と相当ズレていることが分かる。
以前、本欄で述べたように夫婦の姓をどう決めるかは、個人個人の問題であると同時に、わが国の家族制度の基本にかかわる公的制度の問題である。
しかも選択的夫婦別姓制は
「ファミリー・ネームの廃止」
につながり
「戸籍解体」
の恐れさえある(「『戸籍の解体』を招く夫婦別姓制」2021年3月29日)。
したがって、自らは希望しないにもかかわらず、
「選択的だから」
「望む人が別姓を名乗るだけだから」
などといった安易な発想で賛成してしまうのは、推進派を利するだけであり、非常に疑問といわざるを得ないであろう。

次世代の党、夫婦同姓規定「合憲」判断を「歓迎」
2015/12/16 19:12
https://www.sankei.com/article/20151216-JTCPST5AN5IUNNFTBEMB2AHLCU/
次世代の党は2015年12月16日、最高裁が夫婦別姓を認めない民法の規定を合憲と判断したことについて、中野正志幹事長名で
「判断を歓迎する」
との談話を出した。
談話では
「日本社会においては、夫婦、親子が同じ姓を名乗ることが家族の基本であり、家族の一体感を高めてきた」
「一方、夫婦別姓を求める運動では、家族が同じ姓を名乗ることを子供が望んでいることは省みられていない」
と指摘。
その上で
「日本は、既に職場などでの通称使用(旧姓使用)が否定されない社会になった」
「旧姓に拘りを持つ方は通称を用いることが可能であるし、結婚時に夫が妻の姓を選択することも可能である」
としている。

夫婦同姓規定は合憲 再婚禁止6カ月は違憲 最高裁が初判断
2015/12/16 15:24
https://www.sankei.com/article/20151216-EIZGWR6BTRIYTNB6YH7JAHKFYU/
【産経新聞号外】夫婦同姓「合憲」[PDF]
https://www.sankei.com/module/edit/pdf/2015/12/20151216iken.pdf
民法で定めた
「夫婦別姓を認めない」
とする規定の違憲性が争われた訴訟の上告審判決で最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は2015年12月16日、
「規定は合憲」
とする初めての判断を示した上で、原告側の請求を棄却した。
原告は
「時代の変化に従って選択的夫婦別姓を認めるべきだ」
などと主張したが、
「夫婦や親子など家族の在り方が損なわれる」
との慎重論は多く、世論調査も賛成・反対が拮抗してきた。
一方、
「女性は離婚後6カ月間、再婚できない」
とする規定を巡る訴訟で、大法廷は
「規定は違憲」
と初判断。
100日間を超える部分は違憲だとしたことで、国は法改正を迫られる。
最高裁が法律を違憲と判断したのは戦後10件目。
夫婦の姓について原告側は
「選択的夫婦別姓を認めないことは、婚姻の自由を不合理に制約していて、両性の本質的平等に立脚していない」
と主張。
「規定は違憲で、国会の高度な立法不作為に当たる」
と指摘していた。
国側は
「民法では、結婚後にどちらの姓を名乗るかについて、夫婦の協議による決定に委ねている」
「婚姻の自由や男女の平等を侵害していない」
と反論。
規定に違憲性はなく国会の立法不作為にも当たらないと主張していた。
両規定を巡っては、法相の諮問機関の法制審議会が平成8年、選択的夫婦別姓を導入し、再婚禁止期間も100日に短縮するよう答申した。
しかし、国会や世論の反対が多く、改正は見送られた。
民主党政権時代にも改正の動きがあったが、閣内の反対などで法案提出には至っていない。
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