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[経世済民116] トランプ政権が開く「脱イデオロギー時代」 会見嫌い市場に影響 株押上短期的 女少ないファンド アマゾン、レジなしコンビニ 軽毛
1. 2016年12月06日 13:41:38 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[645]
トランプ氏の会見嫌い、市場に影響する恐れも
米大統領選後に意外にも中国A株市場が上昇した背景
トランプ政権でホワイトハウスの記者会見室は一体どうなるのか
トランプ政権でホワイトハウスの記者会見室は一体どうなるのか PHOTO: PIXABAY
By KOPIN TAN
2016 年 12 月 6 日 08:28 JST
?ホワイトハウスの記者会見室

 このところ、ドナルド・トランプ次期大統領の閣僚人事がニュースを独占しているが、政権移行を取材する記者たちにはより気にかかっていることがあるはずだ。つまり、トランプ政権ではホワイトハウスの記者会見室で一体何が起きるのか疑問に思っているのだ。

 大統領や報道官が報道陣に概要を伝える場所で、座席数49の記者会見室はホワイトハウスの西棟にある。それは皮肉にも、現代の大統領職務に対してジャーナリストたちが果たす役割に感謝の意を表すため、リチャード・ニクソン元大統領によって承認されたものなのだ。トランプ氏の記者会見嫌い――最後に会見を開いたのは7月で、同氏は短文投稿サイトのツイッターや動画投稿サイトのユーチューブで米国民に直接話しかけることを好んできた――を踏まえると、その記者会見室がどうなってしまうのか心配になる。すごく豪華なスパに改装されるのかもしれない。あるいは、座席が取り除かれて米国でブームとなったフィットネスプログラム「ズンバ」専用のスペースになる可能性だってある。

 当然だが、トランプ次期大統領には記者会見が義務付けられていない。また、お気に入りのメディアがある初の大統領になるわけでもない。フランクリン・D・ルーズベルト元大統領はラジオ演説を好み、ジョン・F・ケネディ元大統領はテレビを通じて国民に笑顔を見せた。とはいえ、最近ではトランプ氏ほど大っぴらに報道陣を愚弄する大統領などいなかった。

 マリオ・クオモ元ニューヨーク州知事はかつて、選挙運動は詩で、実際の統治は散文で行うものだと述べた。記者たちを「人間のくず」「いかがわしい連中」「最低の生命体」と呼んだとき、トランプ氏はクオモ元州知事の言葉を肝に銘じていたはずだ。しかし既に、同氏は抗議運動を扇動したとして報道陣を非難していた。CNNのベテラン記者、クリスティアン・アマンプール氏は最近の演説で、「報道陣はまず扇動を、次に抗議者たちへの共感、次に結託を非難された。そして気が付くと、彼らは本格的なテロリストや危険人物とまで呼ばれていたのだ」と警鐘を鳴らした。

 ニューヨークの5番街に建つ豪華なタワーの最上階に住むトランプ氏が報道陣のことを「エリート主義者」と呼ぶのは、チェダーチーズがスイスチーズに対してチーズっぽいと文句を言っているようなものだ。とはいえ、向こう数年間にトランプ政権が報道陣の仕事のやり方にどのような影響を与えるのか、大富豪の最高司令官が採用するメディア戦術を米国企業が取り入れるのかどうかを観察することは興味深く、重要な経験になるだろう。何しろ株式市場では、うそをつく動機もそれで儲かる金額も政界以上に大きいのだから。

 考えてみてほしい。業績が悪かった四半期決算の後に開かれる、アナリストや記者のうるさい質問から逃れられないカンファレンスコールはどんな最高経営責任者(CEO)でも回避したいはずだ。より寛容な会計規則を採用した理由など、ツイッターで説明すれば良いではないか。メッセージの信用を落とすためにメッセンジャーを中傷するというやり方は、企業に公表しなければならない悪材料があるときにも役立つ可能性がある。ロシアが関与するとされる偽ニュースサイトを見てローマ法王がトランプ氏を推薦したと信じた米国人がいたとしたら、新しいハンバーガーパティや有望なハイテク株を売り込むときなど、世論を動かす必要性があるときはいつでも、そうした営利目的の企業が動員されてしまうかもしれない。

?中国の新たな社会統制ツール

 大統領選以降の米株式市場の上昇は先週ついに一服したが、国内成長株への資金の移動はまだ健在である。大統領選以来、銀行株は17%上昇し、米鉄鋼大手USスチール(X)は60%の急騰を示した。失業率は9年ぶりに4.6%まで下がり、石油輸出国機構(OPEC)が供給過剰を緩和するために減産に合意すると、ブレント原油先物価格は16カ月ぶりとなる高値まで急騰した。また、インフレ率上昇への不安は米10年国債の利回りを17カ月ぶりの高水準に引き上げた。

 インフレ率上昇は成長の加速を伴えば好材料となる。トランプ氏の税制改革、規制緩和、金融政策から財政刺激策への転換などで、成長促進への期待が大いに高まっている。しかし、成長を伴わないインフレ率上昇はまったく別物であり、全ての市場関係者は2017年の景気回復の兆しに注目することだろう。

 その一方で、ある市場が密かに米国市場をアウトパフォームしてきた。中国市場である。米大統領選以降、S&P500指数は2.5%上昇しているが、中国A株市場に連動している上場投資信託(ETF)、ドイチェXトラッカーズ・ハーベストCSI 300(ASHR)の上昇率はそれを上回る3.8%だ。世界貿易への不透明感は中国にとって打撃であり、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げで米国への資本逃避に拍車がかかる可能性もある。しかし、米国が内向きになれば勢力拡大に野心的な中国政府にとって好都合。それは次の超大国にとって歓迎すべきニュースなのだ。

 刑務所に入れられているジャーナリストの数が最も多い国の一つである中国は、なお一層の社会統制手段を開発しているという。インターネット上の活動から交通違反、「孝」の評価に至るまで、国民の行動のデジタル記録で個人の社会信用を格付けしようとするものだ。その信用スコアは次に貸出金利、仕事、旅行許可など国民に与えられるあらゆるものの判定に適用されるかもしれない。

 習近平氏は2012年に国家主席に就任して以来、中国の社会統制を強めてきた。外国の報道機関はこうした監視制度のことを盛んに伝えてきているが、中国国有の地元メディアは政府にかなり協力的でおとなしい。 
http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/436.html#c1

[経世済民116] イタリア投資に「ローマの休日」はない 決断迫られるイタリア、規則曲げるか銀行潰すか トランプ相場最大級の受益者バフェット 軽毛
3. 2016年12月07日 10:13:32 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[646]
決断迫られるイタリア、規則曲げるか銀行つぶすか
モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ本店 ENLARGE
モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ本店 PHOTO: AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES
By PAUL J. DAVIES
2016 年 12 月 6 日 16:59 JST

――ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

***

 欧州の銀行にとって、今や政治が全てだ。イタリアでは、5日に実施された憲法改正の是非を問う国民投票が否決され、欧州連合(EU)離脱の可能性も現実味を帯びてきた。

 このドラマが危機に発展しないよう、ユーロ圏はイタリア政府が国内銀行の中で最も危機に瀕しているモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(モンテ・パスキ)に公的資金を投入するのを認めざるを得なくなるかもしれない。

 その場合、極めて厄介なことになるだろう。ユーロ圏諸国が互いの経済力を信用していないことがあらわになりかねないほか、政府が抱える国内銀行システムへのエクスポージャーについて懸念が再燃する恐れがあるからだ。

 こうした懸念は5年前、通貨ユーロに打撃を与えた。今回問題になっているのは、ユーロ圏の銀行の存続が危ぶまれることよりも、銀行が危機以降に引き上げられた自己資本要件を満たすための最後のハードルを越えられるかどうかという点だ。

 欧州銀行株の低迷は、イタリアの銀行最大手ウニクレディトやドイツ銀行など一部の域内大手銀行にとって、必要な株主資本の調達がいかに困難で高くつくものであるかを浮き彫りにしている。

 最初に試練に直面するのはモンテ・パスキだ。イタリアの国民投票で反対が賛成を上回ったことを受け、50億ユーロ(約6100億円)の増資計画は頓挫する可能性が高くなった。レンツィ首相の退任で不確実性が広がったため、イタリアが安定した新政権を速やかに発足できない限り、投資家は増資に応じないだろう。

 5日時点でモンテ・パキスは増資が可能かどうか見極めようとしている。

 同行が民間投資家から資本を調達できなければ、必要な資本の穴埋めのために債券保有者に損失を負担してもらうしかなくなる。そうなれば、ある程度の公的資金が使われるのは避けられない。同行の債券の約半分は個人投資家が保有しており、一般投資家に損失を押しつけるのは政治的にも経済的にも痛みを伴うからだ。

 個人投資家の保護策としては、補償金の支払いや、イタリア政府が予防措置として直接モンテ・パキスに資金を注入するという手が考えられる。ただ、銀行救済に関する欧州連合(EU)のより厳しい新規則では、一定の条件を満たさない限り、後者の策は認められない。中でも特に重要なのは、見込み損失も含めすでに発覚した損失を埋めることに資本を充ててはならないという条件だ。これはモンテ・パキスにとって問題となる。同行が必要な資本の大半は、EU当局が積み増しを要請している不良債権の引当金に充てるためのものだからだ。

 とはいえ、EUの新しい銀行規則の大半では、金融安定性を損なうシステミックリスクが高い場合の適用除外が認められている。このため、域内の銀行セクターや経済に重大な混乱が生じかねない場合、政治家は規定を迂回(うかい)することができる。

 政治が重要なのはこの点だ。イタリアが混乱すれば、レンツィ首相を退陣に追い込んだ反EU感情をさらにあおることになりかねない。一方、イタリアの銀行救済を認めれば、域内諸国が景気てこ入れや国民の満足度維持、EUの厳しい財政規則の順守に苦戦する中、イタリア以外にも公的資金を利用する機会を与えることにつながる恐れがある。

 ウニクレディトは130億ユーロ規模の増資を行う計画だが、欧州銀行の中で新たな株主資本が必要なのはウニクレディトだけではない。

 イタリアで実務家主導の政権が発足し、状況が落ち着けば、モンテ・パキスは増資計画を実行できるかもしれない。だが、そうならなければ、ユーロ圏の指導者らは幾つかの厳しい政治的選択を行う必要に迫られる。しかも行動は迅速でなければならない。

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http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/446.html#c3

[経世済民116] 下村自民幹事長代行「これ以上は円安にならないこと願う」 トランプ長期マイナス反グローバル 世界を変えた2人 南ア格下確実 軽毛
1. 2016年12月07日 10:23:27 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[647]

ダウ2万ドルを予想した男、「安全バブル」を警告=セス・マスターズ氏インタビュー
安全な配当銘柄が引き起こすバブル、相場上昇の足かせに
NYダウの20000ドル到達を予想したセス・マスターズ氏 ENLARGE
NYダウの20000ドル到達を予想したセス・マスターズ氏 PHOTO: CHRIS GOODNEY/BLOOMBERG NEWS
By CHUCK JAFFE
2016 年 12 月 6 日 16:28 JST

 バーンスタイン・グローバル・ウェルス・マネジメントのセス・マスターズ最高投資責任者(CIO)は2012年半ば、ダウ工業株30種平均(NYダウ)が2020年までに2万ドルを超えるだろうと述べた。同氏は愚かな楽観主義者だとして集中砲火を浴びた。

 マスターズ氏がこの見通しを示したとき、NYダウは1万2500ドル辺りで推移し、株価は長期的な強気相場の真っただ中にあり、欧州では債務危機が発生していた。多くの人は世界各国の中央銀行の政策が株価の暴落を引き起こすだろうと感じていた。

 マスターズ氏は「特に米国では、金融システムが見事に立ち直った証拠が多くあると私たちは感じていた。企業セクターが驚くほど健全になってきたため、誤った現実認識につけ込める一世代に一度しかないような(投資)機会が本当に存在していた」と語る。株価が上昇する中、同氏は2018年までにNYダウが2万ドルに到達すると予想の時期を早めた。

 NYダウが1万9000ドルを超え、マスターズ氏の目標まで5%を切る中、読者は彼に対する疑いが晴れたと考えるかもしれない。しかし、同氏は有配銘柄が引き起こした「安全バブル」の崩壊でNYダウの上昇ペースが遅くなる可能性も見込んでいる。

 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が最近行ったインタビューの抜粋は以下の通り。

WSJ:予想の数字を入れるという危険を冒したことを後悔したことはあるか。

マスターズ氏:本当に危険なのは一つの数字と一つの日付を明確にすることだ。最初のリポートを書いたとき、私はあえて予想を中央値という枠組みにはめ、特に下の方向に予想が外れる可能性を明示してきた。確かに間違うだろうと考える時はある。しかし、2012年から14年にかけて私たちが誤っていたのは、十分に楽観的でなかったためだ。このため、私たちは14年にリポートの改訂版を出し、「NYダウが2万ドルに到達する予想時期を前倒しするが、12〜14年ほどのペースで相場が上昇するとは見込んでいない」と書いた。

WSJ:あなたは2015年まで安全バブルについて語ってきた。強気相場の最中に、どのようにして市場でそうした問題が発生してきたのか。

マスターズ氏:本当に再び安全になれるのかについて、ある程度は理にかなった強い恐怖心があったし、現在もある。人々が一段と楽観的になった時でさえ、(2008年の)金融危機以降は安全性を切望していた。しかし、多くの投資家が公益、通信、生活必需品など配当が手厚く、比較的安定した銘柄を買う絶好の時期だと考えるようになれば、それら銘柄の価格は上昇する。そうしたことが起これば、(安全な銘柄の)リスクは高くなる。全て(の価格)が非常に高くなるためリスクが高まるポイントがあるからだ。2015年までに、私たちはこれら安全銘柄の多くで株価が(株価収益率に基づくと)市場を20%から30%上回っており、合理的(な価格形成)でないと見るようになった。

 その結果、人々は自分のポジションにヘッジをかけ、主に自分が安全だと見なす資産にエクスポージャーを抱えるようになった。明らかな安全資産は投資適格級の債券だ。その類似性を株式に求めれば、できる限り債券と性格が似ている銘柄、つまり急成長はしていないが破産の可能性が低い、比較的安定した事業に行き着く。そうした企業は急成長を遂げていないため、手厚い配当を支払う能力があり、債券並みの相当な配当利回りになる。

 利回りという形でリターンの多くを獲得すれば、総じてボラティリティーを低く抑えられる。しかし、市場は歴史的にこうした種類の企業の価値を低く評価してきた。それほど成長しないのなら、将来の潜在性を高く評価すべきでないと考えるのは理にかなっているからだ。このため利回りを重視した安全な銘柄のグループは、歴史的に市場全体を7〜10%下回る価格水準で取引されてきた。

WSJ:安全バブルはどのように生成しているのか。

マスターズ氏:金利が上昇を始めれば、安全銘柄を購入した投資家は二重の苦しみを経験する。まず、これらの銘柄は性格が債券と似ているため金利動向に敏感で、金利上昇は逆風になる。それは予想されていたものでないため、人々はそれら銘柄を投げ売りするようになっている。このように、リスクと分散の両方の観点からすると、安全銘柄はそれほど素晴らしくないことが分かった。向こう数年間、私たちは安全バブルがゆっくりとはじけるのを目にするだろう。

 安全銘柄を買った人々を襲うもう一つの現実は以下のようなものだ。「金利の上昇が実際にこの種類の銘柄のアンダーパフォームにつながるのなら、安全な株式ポートフォリオは分散化されたと思われる債券ポートフォリオと同じ動きになるだろう。なんということだ。どちらにしても良い結果とはならない。分散化されたポートフォリオはそれほど分散化されていないのだ」

WSJ:それは市場への逆風を生み出すが、NYダウがあなたの目標に到達するのを妨げるのか。

マスターズ氏:経済がいくらか成長する限り(私たちは現在、それを経験しているように見える)、市場には安全銘柄以外にかなり魅力的な銘柄が存在する。私たちは市場全体が成長する機会を得ることにかなり楽観的だが、2012年、13年、14年に経験したペースよりは緩やかになるだろう。ある時点での調整は避けられないし、それが2万ドルの手前で起こるのか、それ以降なのかを知るのは困難だ。しかし自信を持って言えるのは、今後はボラティリティーの高まりが予想されるため、最終的にはNYダウが複数回にわたって2万ドルを超えるだろうということだ。

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http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/464.html#c1

[経世済民116] ギリシャ危機再燃か、債権団の譲歩期待薄 ユーロ大幅反落 新興市場株大幅安 金融庁、銀行緊急調査 中国影銀、再び急増、懸念 軽毛
1. 2016年12月15日 18:48:44 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[648]
欧州の銀行、数年内に34兆円発行の必要も−損失吸収債務をEBA試算
Boris Groendahl、John Glover
2016年12月15日 12:38 JST

欧州連合(EU)内の銀行は公的救済回避の域内規定を満たすため、今後数年間に損失を吸収する債務を最大2760億ユーロ(約34兆円)発行する必要がある。欧州銀行監督機構(EBA)が最も厳しい状況を想定して試算を示した。
  EBAは銀行破綻に関するEU規定の影響を分析した研究報告書を公表。こうした対応策は銀行の資金調達コスト上昇を招き、融資が割高となる可能性があるが、危機が深刻化して経済全般に一層のダメージを及ぼすような事態の回避に寄与するとしている。
  損失を吸収するため適格な債務を十分保有するとともに、銀行の資本増強を義務化する措置は、EU銀行破綻法制の基盤となっている。
原題:European Banks May Need $294 Billion of Loss-Absorbing Funds (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-15/OI7G786S972B01


http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/742.html#c1

[経世済民116] 年金カット法成立 「下流老人」1000万人は死ねばいいのか(日刊ゲンダイ) 政治板リンク 赤かぶ
1. 2016年12月16日 11:20:30 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[649]

下流に限らず、老人に限らず、皆、いずれ死ぬ

http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/761.html#c1
[経世済民116] 年金カット法成立 「下流老人」1000万人は死ねばいいのか(日刊ゲンダイ) 政治板リンク 赤かぶ
3. 2016年12月16日 14:57:58 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[650]

個々人から見れば世界は理不尽に溢れ、不安や不満は尽きないように見える。

しかし、その一方で、世界の全ては自然法則に従って動いており、そこに一切の例外もない。


http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/761.html#c3

[経世済民116] 日本が最大の米国債保有国に−中国は元相場下支えで大幅減 米国債続落 米大手行700億ドルの損失吸収能力不足 NAHB好調 軽毛
1. 2016年12月16日 15:00:21 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[651]
英中銀、金利据え置き 世界経済のリスクに言及
米FRBが利上げを決めた翌日、英中銀は政策金利を0.25%に据え置いた
By JASON DOUGLAS AND PAUL HANNON
2016 年 12 月 15 日 22:12 JST

 【ロンドン】英イングランド銀行(中央銀行)は15日、政策金利を0.25%に据え置いた。金利の上昇やドル高が新興国を圧迫する中、世界経済の見通しには暗さが増したと述べた。

 9人から成る金融政策委員会(MPC)は全会一致で金利据え置きを支持した。今年夏に導入した総額700億ポンド(約10兆4000億円)の債券買い入れ策にも変更を加えなかった。議事録によると、今年下半期の英国経済が順調に成長したと評価する半面、2017年の減速を引き続き見込んでいることが明らかになった。

 6月の国民投票で欧州連合(EU)離脱が決まったことによるポンド安が物価を押し上げ、来年の家計消費支出を圧迫する見通しだとした。ここ数週間でポンド相場はやや回復したが、来年のインフレ率が目標の2%を超えるという予測を据え置いた。

 イングランド銀行は米国のドナルド・トランプ次期政権の政策について、世界経済の成長加速につながる可能性があるものの、見通しに対するリスクも増したと述べた。中国からの資本流出やユーロ圏の銀行を巡る問題、一部の新興国での借り入れコストの上昇といった懸念材料も指摘している。

 MPCは議事録で「政策の不透明感」が高まったことを理由に「世界的な先行きが一段と不安定になった」とした。今後の政策金利に関しては、経済動向により引き上げ・引き下げいずれの方向にも対処する用意があるとの説明を踏襲した。成長を支えるため目標の2%を超えるインフレ率を短期的に許容するとしつつも、その程度にも限度はあるとした。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwiOzZeqgPjQAhVEiLwKHeJBBJwQqOcBCBwwAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12639540122206773900404582498632148145386&usg=AFQjCNGiiLqWuJMNHs-xqlFqfq6NIJssvg
http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/763.html#c1

[経世済民117] 日本の賃金が上昇しないカラクリ 17年、利上は最大2回 企業CEO、確実に不確実な年に トランプが沈黙させた「ダウの犬」 軽毛
1. 2016年12月29日 14:40:15 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[652]
株高の陰で膨らむ若者の不安
米州総局 平野麻理子
2016/12/29 7:52日本経済新聞 電子版
 28日の米株式市場で、ダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落した。終値は前日比111ドル36セント安い1万9833ドル68セントで、2万ドルの大台突破から一歩遠のいた。原油高などが好感され上昇して取引が始まったものの、2万ドルを前に利益確定売りの勢いが増し、上値が重かった。

 「米国の消費者信頼感指数は12月に4ポイントほど上昇し、113.7となった。15年以上ぶりの高水準だ! ありがとう、ドナルド!」。トランプ次期米大統領は27日夜、ツイッターでこうつぶやいた。トランプ氏が指摘する通り、米調査会社コンファレンス・ボードが27日に発表した12月の消費者信頼感指数は市場予想を上回り、15年4カ月ぶりの高い水準となった。

 前週に発表されたミシガン大学の12月の消費者態度指数もほぼ13年ぶりの高水準で、米国全体の消費者心理の改善は明らかだ。しかし、気がかりな点もある。55歳以上の消費者信頼感指数が11月の90.7から105.5まで急改善したのに対し、35歳以下では138.5から118.9まで悪化していたのだ。

 コンファレンス・ボードのリン・フランコ氏は「大統領選後の経済や雇用、収入や株式相場に対する楽観的な見方の急増は、特に年配の消費者に顕著だ」と指摘する。

 18〜29歳の間では、55%が民主党候補だったヒラリー・クリントン氏に投票し、トランプ氏への反発はいまだ根強い。トランプ氏がかじ取りする経済の先行きにも悲観的な見方が広がっているようだ。金融サービスのバンクレート社によると、18〜29歳の25%が「トランプ政権が自分自身の財政状況に悪い影響を与える」と答え、「良い影響」の比率(21%)を上回った。一方で、50歳以上の世代では「良い影響」が「悪い影響」を上回っていたという。

 一般に1980年から2000年の間に生まれたと定義されるミレニアル世代は9200万人で、他の世代を数で上回る。コンサルティング会社のアクセンチュアによれば「ミレニアルは2020年には年1.4兆ドルを消費にまわし、小売売上高の30%を占めるようになるだろう」とみる。その世代の消費者心理が悪化しているのは、憂うべき状況といえる。

 トランプ氏の大統領当選以降、若者には金利上昇という逆風も吹き付けている。米国の若者の多くが大学や大学院の学費のために背負う学生ローン。多くは固定金利のためすでにローンを組んだ若者への影響はないが、これから学費を借りる人や借り換えを考えていた人にとっては問題だ。さらに住宅ローン金利も上昇しており、初めての住宅購入には踏み切りにくい環境になりつつある。

 ニューヨーク在住の30代女性は「トランプ氏の当選は人生で最悪の出来事。米国の未来に希望を持てない」と振り返る。性別、人種、出身地、職業、学歴、それに世代――。様々な形で米国の分断を浮き彫りにしたといわれる今回の大統領選。ダウ平均が2万ドルの大台に到達しようとする一方で、米経済を担うはずの若者たちは大きな不安を抱えている。

(ニューヨーク=平野麻理子)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGN29H01_Z21C16A2000000/
http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/305.html#c1

[経世済民117] 30年ぶりに株・債券の相関回帰か-バーンスタインが分散投資に注意喚起 10年債利回りが3%になれば「強気相場おさらば」 軽毛
2. 2017年1月11日 12:58:16 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[653]
ゴールドマンが方針転換か、電子取引事業の再生でクオンツ大幅強化へ
Dakin Campbell、Annie Massa
2017年1月11日 07:03 JST
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クオンツファンド販売で上位3位目指す、かつてはスピードに懐疑的
技術改良で他社との差を埋めた−ゴールドマン幹部

かつて株式市場でのスピードの重要性に懐疑的だったゴールドマン・サックス・グループは、今や自動取引に積極的に力を入れようとしている。
  人間が投資判断を下すファンドの世界では長らく先頭を走ってきたゴールドマンは、売買の判断をコンピューターの戦略に委ねるクオンツマネジャーとの相性がこれまで良くなかった。それがクオンツファンドの販売で3位に入ることを目標に、より多くのクオンツファンドを取り入れたいとの姿勢に変わった。
  この旗振り役を務めるラジ・マハジャン、ジェフ・ネデルマンのパートナー両氏は、ゴールドマンは技術を進化させ、クオンツマネジャーに提供できるパッケージでは他社との差を完全に埋めたと述べた。
  2015年に株式電子取引執行ビジネスの責任者としてゴールドマンに入社したマハジャン氏は、昨年12月、ニューヨークの同社本社でインタビューに応じ、「取引執行の質において、まさに基本的な点が脅かされていたということに気づいた」と発言。「顧客に満足してもらうため、多額の資金を投じてきた」と続けた。
  ゴールドマンがここに至るまでには数年を要した。マハジャン氏が加わった15年には、株式市場への接続強化を狙いスウェーデンのパンター・エンジニアリングを買収。この作業の大半はようやく昨年終えた。一方で、すべてのトレードについてコンプライアンス、リスク、会計などの情報を130以上のシステムが瞬時に消化できるようネットワークも強化した。
  スピードと効率は、Tロウ・プライス・グループやフィデリテ ィ・インベストメンツなど従来型の資産運用会社にとっても重要性を増しつつある。両社は低コストの指数連動型ファンドや上場投資信託(ETF)からの脅威を跳ね返し、コストを削減する必要性が生じているためだ。
  ゴールドマンは傾斜を強めつつあるが、コンピューター戦略が全てうまく行っているわけではない。顧客に送付された月次の資料によると、クオンツ戦略を採用したブラックロックの主力ヘッジファンドは昨年1月ー11月の運用成績がマイナス。レダ・ブラガ氏率いるシステマティカ・インベストメンツの主力クオンツ・ファンドも昨年はマイナス11%だった。
原題:Goldman Makes Play for Quant Funds in Electronic Trading Reboot(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-10/OJKOC86JIJVB01

http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/665.html#c2

[経世済民117] なぜアメリカの下流老人は日本の老人より幸せなのか(ニューズウィーク) 赤かぶ
4. 2017年1月12日 14:18:40 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[654]

あほらしい

隣の芝生は青く見えるというやつだな

麻薬と貧困で苦しむ底辺層の現実を知らないらしい

そして今後、高齢化とトランプのせいで、さらに悪くなるのは確実


http://d.hatena.ne.jp/pyon3/20050523
米国の介護事情は悲惨です。
自己責任の国ですから、「支払い能力により、受けるサービスが違う」のは当たり前。ナーシングホームという日本の特別擁護老人ホーム、老人保険施設に相当するサービスがありますが、「とほうもないほど高額」で、とてもふつうの人は利用できません。そのうえ、施設では機械的に生活時間割をこなすことを求められたり、虐待も珍しくないないとか。サービスの質も悪いので、介護をする人は“最後の手段”と考えています。
悲惨な事態を防ぐはずのオンブズマン制度も十分に機能しているとはいいがたく、インタビュー相手も「制度は整っているはずです……。あとは、人間のすることですから……」と、効力の無さを半ば認めています。
著者が調査したニューヨーク州の場合、高齢の要介護者の8割は、やむを得ず家族が介護しているのが実態です。アメリカといえば、看護スタッフやヘルパーなどの有償のフォーマルケアが中心というイメージがありますが、実は、米国では家族が介護の大きな柱とのこと。
しかも、介護者の7割は女性です。平均年齢は46歳。多くの場合、娘か義理の娘で、アメリカの介護問題は女性問題でもあります。ここでも「アメリカといえば、ジェンダー問題の先進国」という印象は裏切られ、「介護問題に関するかぎり、日本と極端な差はないことがうかがえた」と著者は報告しています。
余談ですが、ヨーロッパ統合の父と呼ばれるクーデンホーフ・カレルギー伯の母「光子」の生涯を描いた1973年放送のNHKドラマがありました。その中に、主人公を演じた吉永小百合さんが現地レポーターとして「光子」の娘オルガにインタビューする場面がありました。オルガは晩年のミツコの元にただ一人残って17年間介護を続け、婚期を逸したといいます。私が介護問題の深刻さを初めて認識したのは、この時でした。
介護を女性が負担する、というのは、ヨーロッパの貴族にも共通する問題なのですね。

アメリカに話を戻すと、最近、政府も少しは介護者の負担を減らそうと重い腰を上げ、クリントン政権時の1993年に「家族介護休暇制度」がスタートしました。しかし、これも「年間12週間の無給休暇がとれる」という「クビにならなくて済む」程度の支えでしかありません。日本が1995年に法制化(努力義務)した介護休業制度が「給与の4割を雇用保険から支給する」という内容と比べると、「介護者を支える」という考え方の違いが際立っています。

この他、「保険がなければ手術はしない」など、深刻な医療無保険の弊害や、最近のアメリカの福祉改革の光と陰、年齢差別法の効果検証もレポートされています。

少子高齢化に伴い、日本は福祉のレベルがアメリカに近づいてくるかも知れません。近未来を想像するには最適のレポートでした。


http://jp.wsj.com/articles/SB10001424052702304827404579106602443496112
米国に迫る財政危機―人口高齢化による財政危機のリスク


http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/693.html#c4

[経世済民117] ゼロからわかる「リフレ派」とは何か 〜そんな派閥は存在しない!? 金融と財政の二項対立を超えて(現代ビジネス) 赤かぶ
2. 2017年1月12日 14:24:43 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[655]

単に、状況と目的に応じて、適切な金融・財政・規制政策があるだけのことなのだが

文系に多い低知能は、すぐにラベル貼りして、非難したり対立しあう

白川叩きや黒田叩き、リフレ・反リフレのラべリングもまた同じ

http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/695.html#c2

[国際17] 政治が混乱なら世界経済停滞のリスク インド花嫁、金不足で結婚できず  ケニア貧困救うモバイルB 英成長鈍化−個人消費低迷 軽毛
1. 2017年1月17日 14:41:25 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[656]

インドの花嫁、現金不足で結婚指輪買えず−金需要落ち込む 指輪がなければ結婚できない
Swansy Afonso、Ranjeetha Pakiam
2017年1月17日 12:41 JST

宝飾品小売業者の大半はクレジットカードを受け付けない
インドでは消費者の支払いの98%がルピー紙幣で行われている

世界有数の金購入国インドでは、政府の高額紙幣廃止政策によって引き起こされた現金不足により、宝飾品小売業者が混乱状態に陥っている。金の売り上げは落ち込んでいる。
  マーケティングコンサルタントのレニタ・フェレイラさんは今年2月24日に結婚式を開くことを1年前から決めていた。しかし、フェレイラさんと婚約者は、インド西部ゴア州の州都パナジで多くの小売店を回ったにもかかわらず、まだ結婚指輪を購入できていない。インドの宝飾業界は大部分が現金で運営されているため、大半の小売業者はクレジットカードを受け付けず、最近は消費者の手持ち現金も大幅に少なくなっている。
インドの金装飾小売り店
インドの金装飾小売り店 Photographer: Dhiraj Singh/Bloomberg
  インド政府は昨年11月、汚職と脱税の撲滅計画の一環として、流通している現金の一部の使用を禁止。この動きにより、自動車やせっけんなどあらゆる物品の購入が落ち込んでいる。同国では消費者の支払いの98%がルピー紙幣で行われている。代替通貨が発行されたものの、小売原価上昇により既に鈍化していた金の需要が一層落ち込んでいる。
  フェレイラさん(28)は「高額紙幣廃止で計画が全て狂ってしまった。現金は選択肢にはならない。指輪がなければ結婚できない」と語った。
原題:Cash Crunch Leaves India Gold Lovers No Way to Buy Wedding Rings(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-17/OJWKBC6JIJUT01

http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/326.html#c1

[国際17] トランプ次期大統領がFDRやJFKを同じような理念と気概を持っていなければ世界は危険な状態に(櫻井ジャーナル) 赤かぶ
2. 2017年1月17日 14:56:59 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[657]

あほらしい

変な気概など無い方が平和だよ

http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/324.html#c2

[戦争b19] 中国の保護主義、外国企業の悲観論に拍車  習主席ダボス演説 国際舞台の「穴」で存在感 混乱するビットコイン管理目論む中国 軽毛
1. 2017年1月18日 20:15:30 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[658]

MONEYBEAT
ビットコイン投資、退職貯蓄に組み込むべき?
ドル建て資産の値動きと連動しないが振れ幅は大きい
ビットコイン投資は米ドル建て資産の損失をカバーできるか

By JASON ZWEIG
2017 年 1 月 18 日 16:42 JST

――筆者のジェイソン・ツヴァイクはWSJパーソナル・ファイナンス担当コラムニスト

***

 人気上昇中の資産である仮想通貨は、最新の退職貯蓄向け投資手段でもある。だが一方で最も古風なリスクも抱えている。すなわち一瞬にして多額のお金を失うことだ。

 米カリフォルニア州シャーマンオークスに拠点を置くビットコインIRAは昨年6月、仮想通貨ビットコインを直接所有できる個人退職口座(IRA)の提供を始めた。これは絶好のタイミングだった。ビットコインの市場価格は2016年に123%上昇し、約2週間前に過去最高値に迫った。仮に11年末に5000ドル(約56万円)をビットコインに投資したとすると、終値が最高値をつけた今月初めには120万ドルをやや下回る額になっていたはずだ。

 ビットコインIRAのチーフストラテジストは米造幣局で06〜11年に局長を務めたエドマンド・C・モイ氏だ。同氏は「ビットコインの変動は米ドルに影響する要因とは連動しない」ため、年金口座を持つ投資家がビットコインの組み入れを検討することを勧める。

 匿名の人物が考案し、分散されたコンピューターネットワークでやり取りされるビットコインは、物理的に存在しない。構造上、その供給量には限界がある。政府や中央銀行が増刷することができないため、価値が下がることもない。

「極端にリスクの高い資産ではない」

 従来の金融システムの一部ではないため、ビットコイン相場が他の投資資産の動きと連動することはない。「そう考えると、極端にリスクの高い資産ではない」と、デューク大学のキャンベル・ハーベイ教授(金融論)は指摘する。「株価が暴落しても、ビットコインがそれに連れて暴落する理由はない。地政学的な危機でビットコイン需要が高まれば、むしろ相関関係は逆になるかもしれない」

 ただ、スタートから10年足らずのビットコインは依然、値動きが激しい。ハッカーによる盗難発生や、規制当局による取引監視強化の動き、売り買いの殺到といった要因で価格が大きく変動する。

 ハーベイ教授によると2012年1月以降、ビットコインが1日に10%以上下落したのは38回。これに対し、米株式市場が1日で10%以上急落したのは1957年以降、(ブラックマンデーと呼ばれる1987年10月19日の)1回だけだ。 

 振れ幅が「度を越す」ビットコインをIRAに組み込むのは問題がある、と年金所得が専門のアメリカン・カレッジ・フォー・フィナンシャル・サービシズのウェード・ファウ教授は指摘する。

 退職後はIRAへの貯蓄から引き出しへと移行するからだ。市場価格が大きく落ち込んだときに引き出せば、損失を確定することになり、年金生活の最後まで資金が続かなくなる。

投機的な「保険」

 ファウ教授がビットコインの過去のデータを用いてシミュレーションしたところ、毎年ポートフォリオ全体の価値の4%以上――持続可能な年金生活を支える一般的基準――を引き出せる確率は約10分の1にとどまったという。

 ただ、ビットコインIRAのモイ氏は「将来的に使用頻度が高まれば、価格が安定してボラティリティーが低下するだろう」と話す。

 当面、ビットコインIRAを始めるのは高くつきそうだ。同社は口座開設手数料に15%の前払い金を徴収する。5000ドルから投資を始める場合、750ドルの初期費用を払うことになる。

 また、税金に足をすくわれる可能性もあるので注意が必要だ。

 モイ氏自身は退職貯蓄の約5%をビットコインで運用し、「ドル建て資産の損失をカバーする保険だと考えている」と話す。

 しかし、そのような保険はそれ自体が「投機」だと言える。大きな利益を生むかもしれないし、全部すってしまうかもしれない。

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SB10504433381807684657504582566493685037650

http://www.asyura2.com/16/warb19/msg/536.html#c1

[経世済民117] 英首相、経営者的手法で「EU離脱」演出 英金融界、最悪の離脱シナリオ受け海外移転加速へ EUは「いいとこ取り」警戒再燃 軽毛
1. 2017年1月18日 20:24:23 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[659]

メイ英首相のEU離脱演説、5つのポイント
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17日、英国のEU離脱について政府方針を説明するメイ首相(英語音声、英語字幕あり) Photo: Getty Images
By NICHOLAS WINNING
2017 年 1 月 18 日 11:42 JST

 英国のテリーザ・メイ首相は17日の演説で、欧州連合(EU)から英国が離脱する道筋と、今後のアプローチの概略を説明した。主要ポイント5つは以下の通り。

1.単一市場からの撤退

 メイ首相は、英国がEUの単一市場から撤退する方針を確認した。EU単一市場はEU加盟28カ国の全域でモノとサービスの無関税の移動を認めている。メイ氏はこれまで、欧州から流入する移民を管理することを望んでおり、欧州司法裁判所の管轄から英国を切り離したいと繰り返し述べてきた。EUはこうした措置が、4億4000万人のEU単一市場への拘束なき自由なアクセスと相いれないと述べている。

2.関税同盟からの撤退

 メイ首相は、英国は欧州の関税同盟の義務項目から解放されるよう望むと述べた。欧州の関税同盟の下では、あらゆる加盟国は自国の二国間貿易協定の交渉が禁止されている。しかしメイ氏は、英国は欧州との関税なき貿易を望んでおり、国境を越えた貿易は可能な限り「摩擦がない」よう望んでいると述べた。メイ氏は「その意味するところが、完全に新しい関税協定に達しなければならないことなのか、何らかの形で関税同盟の準加盟国になることなのか、あるいはその一部の要素に署名国のままとどまることなのか、あらかじめ考えた立場をわたしは持ち合わせていない。それをどのように行っていくか、私は態度を決めていない」と述べた。

3.最終合意に関する議会の表決

 メイ首相の演説には、EUからの「クリーンな(きっぱりとした)離脱」を連想させる要素が少なくなかった。例えば単一市場からの撤退方針だ。しかし、同首相はブレグジットの最終的な合意内容については英議会が表決するだろうとも述べた。それは親EU陣営が要求する主要項目の一つだ。議会が表決することへのコミットメント(約束)は、親EU議員たちが最終合意への発言権を増すかもしれないとの予想を再燃させた。

4.市場の反応

 メイ首相の演説を受けて、英通貨ポンドは上昇した。同首相が欧州と若干の関係を保ちたいと希望し、最終合意で議会表決を計画していると述べたため、ブレグジットは投資家の予想ほど過酷なものにならないかもしれないと判断されたからだ。ポンドはこの日、対ドルで最大2.5%上昇、対ユーロで1.5%上昇した。ポンドは前日の16日、単一市場撤退への不安から31年ぶりの安値に落ち込んでいた。

5.悪い貿易合意なら、ないほうがまし

 メイ首相は、英国とEUが自由貿易協定で合意するのが「経済的にみて理にかなう」と述べ、その理由として、貿易が増えることは英国とEU双方で雇用と富の創出が増えることを意味するからだと語った。しかし、EUが懲罰的なアプローチをとるとすれば、それは「欧州諸国が自ら悲惨な損害をもたらす」行為になると警告した。そして、「英国にとっては、悪い合意よりも、合意無しのほうがましだ」とも述べ、仮に(EUとの間で)貿易合意がなくても、英国は競争的な税率を設定するのも、経済モデルを変更するのも自由なままだからだと語った。同首相は、英国との自由貿易協定で合意がなされなければ、それはEUにとって「世界の経済大国の一つ(英国)との貿易に新たな障壁ができる」ことを意味するとも述べている。

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メイ英首相、EUからの「明確な離脱」表明へ=演説原稿
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英EU離脱特集
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwiyr7bHtsvRAhWMJ5QKHfa5AhAQqOcBCBwwAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10504433381807684657504582566113038395778&usg=AFQjCNEeHeQh30X0CARcIvAjOGvDKPtGcQ


 


http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/902.html#c1

[経世済民117] 調整ムードが色濃いドル円の行方 トランプ強過ぎるドル照準、米国株に脅威、ドル高転換か、変革起こすか、株主と経営幹部板挟み 軽毛
1. 2017年1月18日 21:06:59 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[660]
トランプ氏ドル高けん制 専門家の見方
2017/1/18 11:29日本経済新聞 電子版
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 外国為替市場で円高・ドル安が進んでいる。日本時間18日早朝に円は1ドル=112円57銭近辺と、対ドルで昨年11月30日以来およそ1カ月半ぶりの高値を付けた。トランプ次期米大統領がドル高に警戒感を示すなど、次期政権の経済政策に対する警戒感がドルの買い持ち高を縮小する動きにつながっている。円高進行は輸出企業が多い日本株の重荷になっており、日経平均株価もこのところ調整色が強まってきた。円相場や株価の見通しについて、専門家に聞いた。


「目先の上値メドは1ドル=112円ちょうど」

村田雅志・ブラウン・ブラザーズ・ハリマン・外国為替部通貨ストラテジスト

 次期米政権の経済政策に対する期待の後退で、米金利が低下(債券価格は上昇)し、ドルの買い持ち高の解消が起きている。トランプ氏の記者会見やその後のメディアとのインタビューの内容は外交に重点が置かれ、期待の高かった経済政策への具体的な言及がなかったためだ。20日の就任演説を見極めるまでは、昨秋から続いた円安・ドル高の反動が続きそうで、円は週内に1ドル=112円ちょうど近辺まで上昇する余地があるだろう。

 もっとも米景気は堅調で、中長期的には円安・ドル高が続くと予想する。トランプ氏の掲げる米国第一主義にとって重要なのは米景気の改善だ。市場の一部ではトランプ次期政権によるドル高けん制への警戒感が出ているが、景気回復が続くならトランプ氏は米連邦準備理事会(FRB)の利上げもドル高基調も容認するとみられる。


「株、海外要因に過剰反応」

藤原直樹・しんきんアセットマネジメント投信運用部長

 外国為替市場で円相場は1ドル=112円台とおよそ1カ月半ぶりの円高・ドル安水準を付けた。円高基調に伴い日経平均株価も1万9000円を下回っているが、過剰反応の印象を持っている。英国のメイ首相が欧州連合(EU)単一市場からの離脱方針を表明し「ハードブレグジット(強硬離脱)」への懸念の高まりがリスク回避の円買いを招いているとの見方が多い。ただ、3月までに英国がEUに離脱を通告しても、そこから交渉がスタートし、交渉期間は2年に及ぶとされている。交渉期間中にはなんらかの妥結も出てくると思われ、現時点で「ハードブレグジット」を前提とした売買には違和感がある。短期筋が売り仕掛けの材料としているだけで、現在の流れは短期間で止まるとみている。

 20日にはトランプ次期米大統領の就任式が予定されている。トランプ氏がドル高に警戒感を示していることも以前からわかっており、今後も多少のドル高けん制発言があっても驚きはない。市場参加者が就任式に向けての警戒感からドルを売っているのであれば、就任式後は買い戻しによって再びドル高・円安基調に戻るとみている。円高の動きが止まれば、日経平均も再び1万9000円台を回復するだろう。

〔日経QUICKニュース(NQN) 椎名遥香、張間正義〕
http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/897.html#c1

[経世済民117] 調整ムードが色濃いドル円の行方 トランプ強過ぎるドル照準、米国株に脅威、ドル高転換か、変革起こすか、株主と経営幹部板挟み 軽毛
2. 2017年1月18日 21:08:36 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[661]
ついに為替にも トランプ氏が放った「二の矢」
2017/1/18 12:01
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 トランプ次期米大統領が「二の矢」を放った。国内雇用の重視を訴えるためのメキシコ進出企業への批判が「一の矢」とすると、今度の矢の標的は為替だ。18日にはドル高に警告を発したことが市場に伝わり、円が急騰。東京市場も揺さぶられた。20日の就任式で幕を開ける「トランプ時代」を前に金融市場が翻弄されている。

■「我々を殺している」

トランプ氏は20日に大統領に就任する(17日、ワシントン)=AP
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トランプ氏は20日に大統領に就任する(17日、ワシントン)=AP
 18日午前の東京外国為替市場。円相場が1カ月半ぶり円高・ドル安水準となる1ドル=112円台半ばまで上昇。円は昨年12月につけた118円台後半の円安水準から5%強、円高に戻った。

 このところ和らいでいた円高圧力が再燃し、日本の自動車大手など輸出企業にとって業績の下押し圧力となる――。そんな見方が市場に広がるきっかけは、トランプ氏の為替相場に対する口先介入だ。

 「ドルが強すぎるせいで、米国の企業が競争できない。我々を殺している」。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが17日(現地時間)に掲載したインタビューで、トランプ氏がドル高を強い口調で批判したのだ。中国人民元を念頭にした発言だったが、金融市場では、「あらゆる通貨へのけん制ではないか」という見方が広がった。

■次期政権のメンバー、「ドル安誘導」示唆

 トランプ次期政権のメンバーの発言も拍車をかけた。

 スイスで開かれている世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)。トランプ次期政権で上級顧問に就く予定のアンソニー・スカラムッチ氏は17日(現地時間)、パネルディスカッションの中で、ドル高の進行を警戒する言葉を口にした。

 「通貨の上昇に慎重になる必要がある」

 「(ドル高の)トレンドが続けば、ある時点でドル高を抑えるために介入する必要が出てくるだろう」

 真正面から受け止めれば、トランプ次期政権がドル安誘導に動くかのような発言だった。

 米国は「唯一の超大国」ではなくなったとはいえ、世界経済の四番バッターであることに変わりはない。トランプ氏のツイッターの一言一句、側近らの発言に今の市場は敏感にならざるをえない。

■3点セットへの期待はいつまで

 そもそも、トランプ氏の口先介入、ツイッターを使った「指先介入」は今に始まったことではない。大統領選中から「米国の雇用を守る」とアピールしようと、メキシコへの大型投資を計画する企業への批判を繰り返してきた。こうした企業に対する重圧が、トランプ氏が思い描く米国再生のための「一の矢」といえる。

 標的は、空調機器大手キヤリア、フォード・モーターなど米国企業ばかりではない。年明けには日本のトヨタ自動車に対し、「NO WAY(ありえない)! 米国に工場を建てろ、さもなくば、高い関税を払え」と脅しをかけた。

 それでも、企業はトランプ氏への期待は捨てなかった。「財政出動」「法人減税」「規制緩和」というトランプ氏の3点セットの恩恵も計算していたからだ。回り回って米国や世界経済が上向けば、日本などの海外企業を含めてメリットは大きい。

■就任式で世界に通告

 今回の為替水準への言及は、そんな企業や市場の期待感を打ち消し、今までの流れをも一変させてしまうのか。そして、「三の矢」は何なのか。企業批判、為替批判の次に待つのは、激しい2国間の通商交渉かもしれない。

 「離脱を(他の参加国に)通告する」。トランプ氏は昨年11月下旬、ネット動画を公開し、環太平洋経済連携協定(TPP)について、今月20日の就任初日に離脱することを宣言した。そして、「代わりに、米国に仕事と産業を取り戻す公平な2国間の通商交渉にあたる」と明言している。各国は「トランプのアメリカ」と1対1で向き合うことを迫られるのだ。

 時に脅し、時に褒めちぎる。手練手管のネゴシエーターと対峙する相手は企業の次は市場。その次には、いよいよ国家の番が待っている。

(浜美佐、武類雅典)


 トランプ氏「ドル強すぎる」 通貨安誘導の可能性
米紙インタビューで
2017/1/18 11:05
中国
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 【ニューヨーク=大塚節雄】トランプ次期米大統領は米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが17日付で掲載したインタビューで、対中国人民元を念頭に「我々の通貨(ドル)は強すぎる」と述べた。同日の電子版では、減税による景気刺激でドル高に弾みがついた場合には「ドルを押し下げる」必要が出てくる可能性を示唆した。17日のニューヨーク外国為替市場では「ドル高をけん制した」と受け止められ、円が対ドルで大きく上昇した。


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 インタビューは13日に実施した。米国は伝統的に「強いドルが国益にかなう」とする通貨政策を掲げてきた。近年では歴代大統領や政権幹部らは通貨安競争を明確に否定してきたほか、ドル高を直接的な表現でけん制することも避けてきた。トランプ氏が大統領就任後もドル高をけん制すれば、米通貨政策の大転換につながる可能性がある。

 ドルは昨年11月の大統領選後に急伸した。トランプ氏が掲げる政策でインフレが進むとの見方から、米長期金利に上昇圧力(債券価格には下落圧力)がかかったためだ。2017年の年初には、幅広い通貨に対するドルの総合的な値動きを示すドル指数が14年ぶりの高値を更新していた。

 トランプ氏はインタビューで、中国人民元について「岩が転げ落ちるように急落している」と述べ、「米国の企業は(中国の)企業と競争できない。ドルが強すぎ、我々を傷つけているからだ」と述べた。中国当局が現在、人民元の急落を防ぐために元買い介入を続けていることには「我々を怒らせたくないからだ」との見解を示した。

 「強いドルを持つことは有利な面もあるが、多くの不利な点を抱えることにもなる」とも述べ、伝統的な「強いドル政策」に距離を置く考えを示唆した。

 議会共和党は米企業が輸出で得る利益を免税する一方、輸入に対する課税を強める仕組みを提案しているが、トランプ氏はこれを「複雑すぎる」と評した。共和党と新政権との調整が難航する可能性もある。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM18H4T_Y7A110C1MM0000/?n_cid=NMAIL001
http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/897.html#c2

[経世済民117] ぼったくり「JKビジネス」の正体〜触れず、喋らず、セックスを売る オンナの収支報告書≪7≫(現代ビジネス) 赤かぶ
1. 2017年1月18日 21:15:31 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[662]

つまりAKB商法だなw

http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/903.html#c1
[経世済民118] トランプ新大統領がTPP脱退表明、「米国第一主義」推進へ CEOでなく中間管理職 米株上昇 ドル小幅安 就任演説全文英語 軽毛
1. 2017年1月21日 12:40:53 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[663]
トランプ氏が第45代米大統領に就任−闘争的に「米国第一」掲げる
Margaret Talev
2017年1月21日 03:37 JST 更新日時 2017年1月21日 11:25 JST
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政治的に穏健な内容を期待していた人々に失望を誘う内容
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ドナルド・トランプ氏は20日、第45代米国大統領に就任した。就任演説は同氏の支持者を意識した闘争的でポピュリスト的な内容で、自身の支持基盤以外の人々に寛容さを示したり海外の指導者を安心させるよう努力した跡はほとんど見られなかった。
  トランプ大統領は就任演説で米国の現状を暗く描き出した。自国を「さびついた工場」が「墓石のように散在」し、中流階級の富が「剥ぎ取られて」いる暴力的な「米国民虐殺」の場所と表現した。その上で米国の雇用を守るとしてナショナリズムを示し、外交政策ではイスラム教徒のテロを根絶し自国の利益を最優先にすると表明。「きょうこの日からアメリカファースト(米国第一)あるのみだ」と述べた。
  演説の大半は政治的なエスタブリッシュメント(権力層)への攻撃。トランプ氏は「きょうは、単にある政権から別の政権、またはある政党から別の政党へと権力が移行する日ではない」とし、「権力をワシントンDCから移し、あなたたち国民に戻す」と言明した。
  就任初日に政治的に穏健な言葉が聞かれるのではと期待していた人々は、何も得られなかった。
  トランプ氏は米東部時間正午(日本時間21日午前2時)ごろ、連邦議会議事堂でロバーツ連邦最高裁長官立ち会いの下、宣誓を行った。トランプ氏を大統領就任に導いたポピュリズムのうねりの中、同氏は米国の政治秩序を作り直すと語った。
  トランプ氏は「米国の忘れ去られた人々がもはや忘れ去られることはない」と述べ、「今後は誰もがあなた方に耳を傾ける」と発言。「この米国民大虐殺は今ここで終わる」とし、「中流階級の富は家庭から剥ぎ取られ、世界各地に再配分されてしまった。だがそれはもう過去のことだ。今後は未来にのみ目を向ける」と述べた。
原題:Trump Presidency Opens With Combative ‘America First’ Appeal (1)(抜粋)

http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/177.html#c1
[戦争b19] 米中対立、実際の戦争に発展するリスク トランプ挑発が火種、80年代日米摩擦とは異質 予測不可能なトランプに身構える中国  軽毛
2. 2017年1月21日 14:43:25 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[664]
 


中国の保護主義、外国企業の悲観論に拍車

在中米国商工会議所

[北京 18日 ロイター] - 在中国の米国商工会議所が18日に公表した年次調査によると、中国経済が減速する中、保護主義の高まりを受けて悲観的な見方を示す外国企業が増えた。

同会議所に加盟する米企業や多国籍企業462社を対象にした同調査では、外国企業が歓迎されていないと感じる企業の割合が81%と、前年の77%から上昇。

一方、中国を投資先のトップ3に挙げる企業の割合は56%と、過去最高を記録した2012年の78%から低下した。

商工会議所は「中国への投資を縮小して投資先としての中国の優先順位を下げる企業が増えている。景気減速に加え、市場参入への障壁、規制環境、コスト上昇をめぐる懸念の高まりが要因だ」と指摘。

中国が外国企業に対する「差別的な障壁」や投資規制などの撤廃に動けば、外国企業の投資は「大幅に増加する」だろうと分析した。

中国の習近平国家主席は、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、市場開放を推進する姿勢を示したが、調査では今後3年間に中国政府が一段の市場開放に注力する可能性にほとんど、あるいは全く確信が持てないとの回答が60%を超えた。

良好な米中関係がビジネスに「不可欠」との見方を示す企業は72%だったが、17年に関係改善を見込む企業はわずか17%だった。

調査は米大統領選の期間中とトランプ氏勝利後にまとめられた。

*内容を追加します。

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習主席のダボス演説、識者の目にどう映ったか?
中国の習近平国家主席は世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に同国の国家元首として初めて出席

By STEPHEN FIDLER
2017 年 1 月 18 日 11:24 JST
 【ダボス(スイス)】中国の習近平国家主席は世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に同国の国家元首として初めて出席し、経済のグローバル化を声高に擁護する演説を行った。これには、米国が世界の指導的役割から後退することで生じる空白を埋めようという意図がありそうだ。

 習主席の演説は、世界で強まりつつある懸念を念頭に置いたものとみられる。つまり、世界最大の経済大国である米国がドナルド・トランプ次期政権の下で保護貿易主義にシフトするとの懸念だ。

 1600人の聴衆を前にした1時間に及ぶ演説で習主席は、一層のグローバル化が歴史的な流れだと指摘し、中国の貢献がいかにその他の世界に恩恵をもたらしてきたか説明した。また、経済のグローバル化が世界の富を増大させた一方で、その結果として格差を拡大させつつあることも認めた。

 習主席は、世界経済を導く中国の正式な役割を拡大させるべきだとの主張を展開。だが、聴衆の間には、習主席が主張したほどの指導的役割を担う準備が中国に整っているか疑問視する向きもあった。

 英キングス・カレッジ・ロンドンのローレンス・フリードマン名誉教授(戦争学)は、「ここに集まったグローバルエリートたちは、習氏を反トランプとして受け入れている」と述べた。

 「世界のリーダーシップに空白が生じている。習氏はそれを目にし、つかもうとしているのだ」と語ったのは、スウェーデンのカール・ビルト元首相だ。

 同じく演説を聴いていた国際通貨基金(IMF)のデビッド・リプトン筆頭副専務理事は、「大切なのは中国がグローバル化には重要な恩恵があると言い、解決しなければならない問題も沢山あると認めていることだと思う」と述べた。

 欧州投資銀行(EIB)のウェルナー・ホイヤー総裁は、「とりわけ欧州では最近、リーダーシップが欠如している。それだけに、かなり印象的な演説だった」と評価。ただ、中国に世界経済の指導的役割を担える準備が整っていると思うかと聞くと、同総裁は「まだだ」と答えた。

 一部の聴衆からは、グローバル市場経済を擁護する発言が中国から出たことは皮肉だとの声が聞かれたが、ビルト氏も同じ意見だ。同氏は「世界最大の共産党の指導者がグローバル化を擁護するスピーチをすることになるとは驚きだ」と語った。

 しかし、トランプ次期政権がより保護主義的な立場を取るとすれば、中国は世界貿易を支える上で決定的に重要な国になるだろう。ビルト氏は、「米国が本当にもっと重商主義的な路線を敷くのならば、アジアと欧州が団結して世界的な自由貿易体制を維持する必要が出てくる」と述べた。

ダボス会議2017

民衆の怒りに触れた「貴族」たち
先進国の危険な綱渡り:高齢社会で成長維持
欧米有権者の不満と「成長率4%」の壁
習主席のダボス参加、表向きの顔と裏の意図
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Column | 2017年 01月 18日 12:12 JST 関連トピックス: トップニュース

コラム:中国主席、トランプ氏開けた国際舞台の「穴」で存在感

Quentin Webb

[ダボス(スイス) 17日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国の習近平国家主席は初めて世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)に参加し、グローバル化と国際協力を擁護する講演を行った。

ダボス会議の場では聞き飽きたこの主張も、中国指導者の発言としては随分と国際的で壮大なビジョンだ。それもこれも、トランプ次期米大統領の登場によって米国が国際舞台に「穴」を開けたからこそ。米国が内向き姿勢を強めるなら、中国は気候変動から地域一帯の安全保障に至るまで、より大きな影響力を行使できるようになるかもしれない。

見方によっては、習氏がグローバル化を擁護するのは不思議ではない。国際貿易のおかげで大勢の中国市民が貧困状態から脱した。中国はグローバル派としての地歩を固めようとしている最中でもある。米国が貿易協定に背を向けようとしている一方で、中国は協定を推進し、アジアインフラ投資銀行(AIIB)も設立した。

とはいえ、グローバル化の旗手と呼ぶには習氏には欠陥が多すぎる。第一に、多国間主義や開放性を標ぼうする割に、どう見てもいいとこどりのそしりは免れない。最近では、南シナ海問題を巡る仲裁裁判所の判決を拒否。現在は中国本土での事業環境を外国企業に不利なものにしようとしている上、インターネットへの検閲も強化している。

中国はまた、米国のような専門技能や人材を欠いている。札束攻勢が多少功を奏しているようだが、相変わらずアジア近隣諸国の多くから警戒の目で見られている。米国は富裕層の市場を抱えるが、中国は貿易相手にそうした市場を提供できない。トランプ政権が誕生し、英国が欧州連合(EU)から離脱する時代においては、これまでのような密室外交も通用しにくくなるだろう。

中国は長年、国際世界を主導する役目を引き受けたがらなかった。世界の警察官になるためには、多くの人命と資金を犠牲にする必要がある。中国が本当にそうなりたいのか、あるいはなれるのかはまだ不明だ。しかし、トランプ政権がより包括的な世界観を明示できなければ、グローバル化支持者らの視線は徐々に中国へと転じるだろう。

●背景となるニュース

*中国の習近平国家主席は17日、ダボス会議で、「世界の諸問題を経済のグローバル化のせいにするのは的外れだ」と述べた。また、人民元を切り下げる意図はなく、貿易戦争を起こせば共倒れになると警鐘を鳴らした。中国の国家主席がダボス会議に出席するのは初めて。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
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混乱するビットコインの「管理」目論む中国

中国新聞趣聞〜チャイナ・ゴシップス

暴落危機、偽札横行に苦しむ人民元より期待大?
2017年1月18日(水)
福島 香織
 ビットコインをめぐる混乱が中国を中心に起きている。

 2017年1月5日未明、ビットコインの対人民元相場は1BTC(ビットコイン)9000元に接近するまでに高騰したあと、あっという間に暴落、13日午前までに5100元台に落ち込んだ。ビットコインはボラリティの高いことで知られるが、最近の乱高下は人民元の不安定化と合わせ鏡のようになっている。この機会にビットコインと人民元の関係、そしてその未来について考えてみたい。

大暴落、聞き取り、立ち入り、詐欺報道…

 この大暴落後の1月6日夜、中央銀行(人民銀行)の関係部門が公告を発表、ビットコイン交易プラットフォームの責任者に対してプラットフォーム運営状況について聞き取り調査するとのこと。OKコイン、ビットコイン中国、火幣ネットの3大交易プラットフォームの代表を呼び出して、ビットコイン交易において、無許可の信用貸付、支払い、為替取引などの関連業務を行っていないか、市場操作行為がなかったかどうか、資金洗浄制度に反する行為がなかったかどうか、資金安全に問題がないかどうか、などについて聞き取りを行った。さらに11日には、当局の監督管理部門が前出の3大交易プラットフォームに立ち入り検査を行った。また中央銀行は、「ビットコインは特定の仮想商品であり、法定通貨のような法的な保障性や強制性はない」という見解を再度強調した。

 こうした立ち入り調査に続いて、ビットコイン詐欺事件の報道が続いた。

 1月10日、北京商報によると、交易プラットフォームの一つ、ビットコインアジア閃電交易センターが1月5日までに突如閉鎖し、取引を停止。投資者から集めた1億元相当の資金を持ったまま連絡がつかない状況になった。同センターは9カ月前から、SNSの微信を通じて個人投資者を募り、資金を集めてビットコイン市場で運用し、一日あたり1.4%のリターンを約束していたという。元金はいつでも返金できるということだった。

 同センターに350万元を投資していた男性が1月3日に利子の償還が滞っていることに気づき、元金を取り返そうとしたが、連絡がつかなくなったため、警察に通報した。同様の被害者は440人以上おり、警察は詐欺容疑で捜査を開始。また被害者は集団訴訟の準備をしているという。

 ビットコインがなぜ高騰し暴落したか。

 ビットコインは2017年1月1日から4日までの間、毎日10パーセント前後の上昇率で値上がりし、この3年の間で最高額に達した。

小金持ちが元の暴落を恐れ、元をつぎ込む

 背景には人民元自身の問題もある。トランプ政権の登場で、中国経済の先行きの見通しがさらに悪くなり、人民元の大暴落が噂されていること。その噂によって、キャピタルフライトラッシュが加速し、外貨準備高が3兆ドルを切りそうなまでに急減していること。外貨準備高3兆ドルラインを守るために、中国の外貨管理が一層厳しくなって、庶民の不安をあおっていることなどがある。

 例えば、中国では外貨の持ち出しは年間5万ドルに制限されている。その制限額自体に今のところ変化はないのだが、その持ち出しに対する理由証明が年末年始ごろから格別厳しくなった。持ち出し額が5万ドル以下であっても、個人外貨購入証明書にその用途が何であるか、証明書を添付しなければならない。また、海外の不動産、株式、生命保険といった投機性のあるものの購入には使わないという証明書も添付しなくてはいけないという。

 これは中国人だけが対象ではなく、北京に駐在していた日本人が帰国に際して、中国の銀行に生活費用として預けていた数百万円の日本円ですら、使用目的が不明だ、という理由で送金をさし止められる例も聞いている。

 こういう当局側の厳しすぎる外貨管理に、不穏なものを感じた中国の小金持ちたちは、ますます人民元大暴落は本当に起こり得ると心配になって、資産価値を守るために、人民元を、外貨管理規制対象になっていない仮想のビットコインにつぎ込んだのが、年末以来の高騰の理由だとみられている。

 ここでビットコインについて今一度、簡単に説明しておこう。

博打好きの中国人の好みに合う?

 P2Pのシステム、つまり中央のサーバを介さずに端末と端末のネットワークで取り引きされる仮想通貨で、2009年に誕生した。法定通貨のように中央銀行のような管理者は存在せず、国家的機関も関わらないので法的な補償性や強制性はないが、権力サイドによる為替操作や取引の追跡、偽札の問題もない。

 中央支配機関が存在しない代わりに、ネットワーク参加者がその信用を担保する格好になっており、帳簿の管理は、ブロックチェーンと呼ばれる分散型のデータベースに取引の記録が維持されることで行われるという。ブロックチェーンに取引情報の書き込みと演算を行うマイニングという作業を行うマイニング企業、マイニンググループが存在し、その作業の報酬として新規のビットコインが受け取れる、という仕組みらしい。らしい、という言葉をあえて使うのは、私自身がビットコインを使っていないので、説明をいくら受けても、どういうものか、どうもピンと来ないからである。

 マイニングというのは演算であるから、コンピューター設備と電気消費が必要になる。ビットコインが増え、取引が増えれば演算は複雑になり、マイニングもそれなりの企業・グル―プの規模が必要となる。このマイニングにかける時間は10分となっており、演算能力からの逆算によってビットコイン発行上限数は2100万以下と決まっているそうだ。ちなみにこの上限に達するのは2140年で、現在は1200万くらいが流通しているらしい。

 2009年、ビットコインが登場したとき、1300BTCが1ドルの価値に相当した。ところがあれよあれよという間に急上昇し、2013年には1BTC=1200ドルとなった。

 一方、2013年ごろから中国でもビットコイン交易がさかんになってきた。当初1BTC=110人民元程度だったが同年11月に1BTC=8000元近くにまで高騰した。この異様な高騰に、人民銀行は12月5日、「ビットコインは仮想商品であり、法定通貨のような法的保障性や強制性はもたない」と宣言し、金融機関がビットコインを取り扱うことを禁止。民間決裁機関に対しても利用しないように指導した。このため、1BTC=2700元台にまで暴落した。

 しかしながら、この乱高下の大きさは、博打好きの中国人の好みに合った。しかも、2015年夏に中国の株式市場が大暴落して、その信用性が大失墜。不動産バブルは誰が見ても崩壊寸前。中国一般の小金持ちたちの資金は行き場を失っていたところだった。さらに2015年暮れに、人民元のSDR入りが決まると、誰もが人民元暴落を予想するようになり、資産価値防衛に誰もが頭を悩ませるようになった。こういった流れで、2000元台で比較的安定していたビットコインは2016年半ばごろから再び急騰してきたわけだ。

“地下換金システム”の役割も

 中国の主だった決裁機関では、ビットコインは取り扱っていないものの、ビットコインは2100万BTCという上限がある総量固定の資産という意味で、中国人は金やダイヤのように投機性があると考え始めた。さらに、今のように外貨管理が厳しい状況では、ビットコイン交易は事実上の地下換金システムの役割もある。2013年の大暴落のときは、一部の専門的な投資家たちが主役だったが、今回の高騰の背景には、一般投資家から少額資金を集めて、一定のリターンを約束するビットコイン理財(資産運用)商品の増加もあった。

 こうして、ビットコインが外貨流出の一つのルートになったことに当局が気づいたのと同時に、詐欺事件なども起こり、今回の中央銀行の公告、引き締めとなったわけだ。暴落は当局の動きを事前にキャッチした大手投機筋がビットコインの投げ売りをやったということもあるだろうし、その直前に行われた、人民元基準値の5年ぶりの切り上げを受けての反応という面もあるだろう。

 人民元の切り上げについては、トランプ政権発足前に、少しでも人民元の安定を図ろうという思惑が指摘されている。

 さて、では今後、ビットコインと人民元はどうなっていくのだろうか。

 ビットコイン相場は、6000元台に戻っている。2013年の大暴落に比べると傷は浅いといえるし、中国人のビットコインに対する信頼度は、例えば2016年夏の株価乱高下の時の政府介入で傷つけられた上海株式市場への信頼度に比べればまだましなのかもしれない。

交易の9割、マイニング企業の7割が中国

 目下、中央銀行は、ビットコイン管理を一括して行える第三者機関の設立について、業界関係者と討議しているらしく、おそらくはビットコインをうまく管理して、中国の利益を誘導したい考えかもしれない。

 というのも、ビットコインの交易の9割は中国で行われており、マイニング企業の7割も中国企業が占めているという点では、もはやビットコイン相場を支配しているのは中国当局、人民元相場であるということも言えるのだ。

 中国のマイニング企業の中には、ビル全体を演算用コンピューターと冷却装置に改造した施設をいくつも持っているような大企業も登場、月間1億8000万円相当のビットコインを採掘していた様子などをBBCが報じている。

 ビットコインは特定の管理者がなく、ネットワークでその信用性を担保するというシステムが、「自由な通貨」としての可能性を示す壮大な実験だったが、採掘も交易も中国に集中している現段階では、中国当局の公告や人民元相場がビットコイン相場に連動する、あるいは翻弄される状況になっている。

 仮に中国当局が今後、「第三者的」管理者を設立し、国内のビットコイン管理を一括するようになれば、これはビットコインに対する中国当局の管理、コントロールがさらに強まるということになるのではないだろうか。

 1月16日のフェニックステレビで「ビットコインへの投資は黄金への投資よりも有利」といった市場分析を報じているところを見ると、中国当局としてはビットコインに対してはまだまだ期待を寄せているようでもある。国内の資産が海外の不動産や証券、保険商品に逃げるよりも、そのほとんどが国内で採掘され交易されているビットコインに流れる方が、中国にとってもまだまし、ということかもしれない。

 いまだに偽札がATMから普通に出てくる人民元も、その人民元に翻弄されるビットコインも、その未来は、あんまり期待ができるという風には思えないのではあるが。

【新刊】中国が抱えるアキレス腱に迫る
『赤い帝国・中国が滅びる日』

 「赤い帝国・中国」は今、南シナ海の軍事拠点化を着々と進め、人民元を国際通貨入りさせることに成功した。さらに文化面でも習近平政権の庇護を受けた万達集団の映画文化産業買収戦略はハリウッドを乗っ取る勢いだ。だが、一方で赤い帝国にもいくつものアキレス腱、リスクが存在する。党内部の権力闘争、暗殺、クーデターの可能性、経済崩壊、大衆の不満…。こうしたリスクは、日本を含む国際社会にも大いなるリスクである。そして、その現実を知ることは、日本の取るべき道を知ることにつながる。
KKベストセラーズ刊/2016年10月26日発行

このコラムについて

中国新聞趣聞〜チャイナ・ゴシップス
 新聞とは新しい話、ニュース。趣聞とは、中国語で興味深い話、噂話といった意味。
 中国において公式の新聞メディアが流す情報は「新聞」だが、中国の公式メディアとは宣伝機関であり、その第一の目的は党の宣伝だ。当局の都合の良いように編集されたり、美化されていたりしていることもある。そこで人々は口コミ情報、つまり知人から聞いた興味深い「趣聞」も重視する。
 特に北京のように古く歴史ある政治の街においては、その知人がしばしば中南海に出入りできるほどの人物であったり、軍関係者であったり、ということもあるので、根も葉もない話ばかりではない。時に公式メディアの流す新聞よりも早く正確であることも。特に昨今はインターネットのおかげでこの趣聞の伝播力はばかにできなくなった。新聞趣聞の両面から中国の事象を読み解いてゆくニュースコラム。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/218009/011600084  

MONEYBEAT
ビットコイン投資、退職貯蓄に組み込むべき?
ドル建て資産の値動きと連動しないが振れ幅は大きい
ビットコイン投資は米ドル建て資産の損失をカバーできるか
By JASON ZWEIG
2017 年 1 月 18 日 16:42 JST

――筆者のジェイソン・ツヴァイクはWSJパーソナル・ファイナンス担当コラムニスト

***

 人気上昇中の資産である仮想通貨は、最新の退職貯蓄向け投資手段でもある。だが一方で最も古風なリスクも抱えている。すなわち一瞬にして多額のお金を失うことだ。

 米カリフォルニア州シャーマンオークスに拠点を置くビットコインIRAは昨年6月、仮想通貨ビットコインを直接所有できる個人退職口座(IRA)の提供を始めた。これは絶好のタイミングだった。ビットコインの市場価格は2016年に123%上昇し、約2週間前に過去最高値に迫った。仮に11年末に5000ドル(約56万円)をビットコインに投資したとすると、終値が最高値をつけた今月初めには120万ドルをやや下回る額になっていたはずだ。

 ビットコインIRAのチーフストラテジストは米造幣局で06〜11年に局長を務めたエドマンド・C・モイ氏だ。同氏は「ビットコインの変動は米ドルに影響する要因とは連動しない」ため、年金口座を持つ投資家がビットコインの組み入れを検討することを勧める。

 匿名の人物が考案し、分散されたコンピューターネットワークでやり取りされるビットコインは、物理的に存在しない。構造上、その供給量には限界がある。政府や中央銀行が増刷することができないため、価値が下がることもない。

「極端にリスクの高い資産ではない」

 従来の金融システムの一部ではないため、ビットコイン相場が他の投資資産の動きと連動することはない。「そう考えると、極端にリスクの高い資産ではない」と、デューク大学のキャンベル・ハーベイ教授(金融論)は指摘する。「株価が暴落しても、ビットコインがそれに連れて暴落する理由はない。地政学的な危機でビットコイン需要が高まれば、むしろ相関関係は逆になるかもしれない」

 ただ、スタートから10年足らずのビットコインは依然、値動きが激しい。ハッカーによる盗難発生や、規制当局による取引監視強化の動き、売り買いの殺到といった要因で価格が大きく変動する。

 ハーベイ教授によると2012年1月以降、ビットコインが1日に10%以上下落したのは38回。これに対し、米株式市場が1日で10%以上急落したのは1957年以降、(ブラックマンデーと呼ばれる1987年10月19日の)1回だけだ。 

 振れ幅が「度を越す」ビットコインをIRAに組み込むのは問題がある、と年金所得が専門のアメリカン・カレッジ・フォー・フィナンシャル・サービシズのウェード・ファウ教授は指摘する。

 退職後はIRAへの貯蓄から引き出しへと移行するからだ。市場価格が大きく落ち込んだときに引き出せば、損失を確定することになり、年金生活の最後まで資金が続かなくなる。

投機的な「保険」

 ファウ教授がビットコインの過去のデータを用いてシミュレーションしたところ、毎年ポートフォリオ全体の価値の4%以上――持続可能な年金生活を支える一般的基準――を引き出せる確率は約10分の1にとどまったという。

 ただ、ビットコインIRAのモイ氏は「将来的に使用頻度が高まれば、価格が安定してボラティリティーが低下するだろう」と話す。

 当面、ビットコインIRAを始めるのは高くつきそうだ。同社は口座開設手数料に15%の前払い金を徴収する。5000ドルから投資を始める場合、750ドルの初期費用を払うことになる。

 また、税金に足をすくわれる可能性もあるので注意が必要だ。

 モイ氏自身は退職貯蓄の約5%をビットコインで運用し、「ドル建て資産の損失をカバーする保険だと考えている」と話す。

 しかし、そのような保険はそれ自体が「投機」だと言える。大きな利益を生むかもしれないし、全部すってしまうかもしれない。

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トランプ米大統領、パイプライン建設の大統領令に署名
ドル・円は一時113円90銭台、日経平均は345円高の場面も

25日午前の東京株式相場は3営業日ぶりに反発。トランプ米大統領の景気刺激策が始動、スピーディーな政策運営に加え、為替の円安推移なども好感された。海外の景気動向に敏感な輸送用機器や機械など輸出株、鉄鋼や非鉄金属、ガラス、化学といった素材株中心に高い。
  TOPIXの午前終値は前日比12.03ポイント(0.8%)高の1518.36、日経平均株価は206円34銭(1.1%)高の1万8994円33銭。日経平均は一時345円(1.8%)高まであり、日中上げ幅、上昇率はともに大発会の4日以来、3週間ぶりの大きさを記録。ただし、円安の勢いが鈍った取引後半は伸び悩んだ。
  アセットマネジメントOne調査グループの浅岡均ストラテジストは、「財政出動と減税に対する期待が通商面、個別企業への批判といった不安を上回っている状況は変わらない」と指摘。財政出動や減税は議会を通さなければならないが、「期待が残っている限り、下値は堅い」とみる。

  トランプ米大統領は24日、キーストーンXL、ダコタ・アクセス両パイプラインの建設プロジェクトを推進させる2つの大統領令に署名した。米政府にとってより良い取引を求め、再交渉する方針も示した。
  同日の米国株は、素材やエンジニアリング関連が買われ、S&P500種株価指数は0.7%高の2280.07と過去最高値を更新。今後の景気刺激を見込む格好で国際商品市況も買われ、ニューヨーク原油先物は0.8%高の53.18ドルと反発、ロンドン金属取引所(LME)の銅やアルミニウムも上げた。アルミは1年8カ月ぶりの高値。
  また、きょうの午前のドル・円相場は早朝に一時1ドル=113円90銭台と、前日の日本株終値時点112円89銭からドル高・円安方向に振れた。24日の米10年債利回りは2.47%と、前日比7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇。前の日は、トランプ政権の保護主義的な政策が懸念され、利回りは低下していた。カブドットコム証券の河合達憲投資ストラテジストは、「パイプラインやTPPの大統領令署名などトランプ氏の行動力の高さが見える」と指摘。減税や財政政策が実行されれば、「米国の債券需給は悪くなる。米金利上昇、ドル高の第2幕が始まった可能性がある」と言う。
  このほか、財務省がけさ発表した日本の12月の貿易収支は、前年同月比362%増の6414億円の黒字と4カ月連続の黒字となった。自動車部品や半導体など電子部品が輸出の増加に寄与、中国向けは1兆3013億円と過去最大の輸出額となった。アセットOneの浅岡氏は、「貿易統計は市場にとってプラス。中国の目先の景況感は安定している」との認識を示した。
 
  東証1部33業種は鉄鋼や非鉄金属、機械、ガラス・土石製品、輸送用機器、証券・商品先物取引、金属製品、化学など29業種が上昇。食料品、医薬品、ゴム製品、建設の4業種は下落。東証1部の午前売買高は10億6033万株、売買代金は1兆1183億円。上昇銘柄数は1435、下落は419。
  売買代金上位ではソフトバンクグループ、トヨタ自動車、SMC、ファナックが高く、クレディ・スイス証券が目標株価を上げたアルプス電気は大幅高。東芝や日本電産、大東建託は安い。日電産についてカブコム証の河合氏は、「業績修正期待で上昇してきたため、好材料出尽くしで売られた」とみていた。
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債券相場が日本銀行による長期国債買い入れオペをめぐるダブル懸念で急落している。中期ゾーンの国債買い入れオペの回数が減らされるとの見方や、超長期利回りを抑制する措置が講じられていないことへの失望が背景。
  日銀は午前10時10分の定例金融調節で、残存期間10年超と物価連動債の長期国債買い入れオペ実施を通知した。しかし、1年超5年以下が通知されなかったことに加えて、10年超の金額が前回と据え置きとなったことが分かると、債券市場では直後から売り圧力が一気に強まった。
  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「残存1−5年の国債買いオが今日通知されず、このペースなら今月は5回に減る計算なので売られている」と説明。「1−5年は日銀の買い入れが巨額で売り物がない状況だったので、今回のタイミグは予想外だったが、いずれ買い入れが減るとみていた。4月以降は発行も減る。オペが札割れするよりはここで減らしておいた方が良いとの判断ではないか」と述べた。
  長期国債先物の中心限月3月物は一時、前日比54銭安の149円85銭まで下落。日中取引ベースの下げ幅は昨年12月13日以来の大きさとなった。新発5年債利回りは5ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.095%と約1カ月ぶり高水準を付けた。超長期債利回りも軒並み大幅上昇となり、新発20年債、30年債、40年債の各利回りは11カ月ぶり水準まで売られた。
  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「今日は二つ側面がある。短いところが大きく売られている要因としては、1ー5年の買いオペが入らなかった。従来月6回だったところが5回になることを事実上意味している。オーバーナイトで米債や為替もリスクオンのセンチメントの中で、債券売り材料がある中で、超長期のオペは据え置き。一部期待感を持っている人がいたと思われる。何もしなかったということで超長期が売られた」と指摘した。
  日銀は昨年12月14日に急激な超長期ゾーンの利回り上昇に対応するため、同年9月に長短金利操作を導入して以降、初めて長期国債買い入れを増額した経緯がある。国債入札の対象となる年限を前日のオペに行ったことや、次回のオペ予定を事前に発表するなど異例尽くしの措置となった。このところの超長期債を中心とした利回りの急激な上昇に対応した。 
  日銀金融市場局は昨年12月末、1月の国債買い入れの運営方針について、残存1年超5年以下のオペのオファー回数の表記をこれまでの6回程度から5−7回程度に変更するなど、各年限をレンジ表記にした。金融市場局では、月間のオファー回数はこれまでも固定的なものではなかっが、 今回うこうしたこ営方針をより明確に表記したと説明していた。 
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-25/OKBEBQ6JIJUO01
http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/292.html#c2

[政治・選挙・NHK219] 自民党支持者へ 4月から年金カット開始  赤かぶ
1. 2017年1月26日 11:28:50 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[666]

自民党支持ではないが、年金カットは遅すぎたくらいだ

http://www.asyura2.com/17/senkyo219/msg/664.html#c1
[経世済民118] 日銀次回会合で成長率・物価上方修正へ、目標達成時期は据え置き 日銀CCCPI3年ぶり低 ドル高抑える亡霊 新興市場通貨売 軽毛
1. 2017年1月27日 19:43:37 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[667]
揺れる日銀オペが発するメッセージ
経済部 藤井裕起
2017/1/27 13:17日本経済新聞 電子版
 日銀の国債買い入れオペ(公開市場操作)を巡り市場が揺れている。日銀は25日、市場で予想されていた中期の年限の買い入れを見送った一方、27日には長期の年限の買い入れ額を増額した。買い入れの「量」を減らしたいのか増やしたいのか、一見矛盾した行動とも取れる。ただ25日の見送りの背景を読み解くと、日銀のあるメッセージが浮かび上がる。

 日銀は27日に通知した国債買い入れオペで、「残存期間5年超10年以下」の国債の買い入れ額を従来の4100億円から4500億円に増額した。25日には市場で予想されていた「1年超3年以下」「3年超5年以下」の買い入れを見送ったことで債券需給の緩みが意識され金利が上昇。長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは26日に一時年0.090%と昨年12月16日以来の高水準を付けたため、「さらなる金利上昇を抑えるために長期債の買い入れ額を増額した」(東海東京証券の佐野一彦氏)との見方が多い。実際、27日の10年債利回りは0.080%からオペ通知後には0.070%に低下(価格は上昇)した。

 増額の理由は金利水準だけではない。市場では25日の見送りを受け、日銀が意図的に国債買い入れの量を縮小する「テーパリング」を始めたとの見方が広まっていた。日銀がこのことを気にして「27日に買い入れ額を増額することで、テーパリングの意図はないと示したかった」(SBI証券の道家映二氏)との指摘がある。

 そもそも25日に買い入れを見送ったのは、日銀の買い入れで市中残高が比較的少なくなっている2年債や5年債をこれ以上減らさないためという面が大きかった。2年債は銘柄によっては日銀が発行残高の9割近くを保有しているものもある。ただ市場ではテーパリングが始まったとの受け止めが多く、日銀は27日のオペ増額を通じてそれを否定したようだ。

 もっとも、今後国債の市中残高が一段と少なくなり、段階的に買い入れが難しくなっていくのは事実だ。「日銀は今回は否定したが、テーパリングを認める日は遠からず来る」――。25日にテーパリングと受け取った多くの市場参加者は、27日の買い入れ増額をみても、そうした思いを持ち続けている。
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO12195820X20C17A1000000/?n_cid=NMAIL002



日銀、国債買い入れ一部増額 長期金利は低下
2017/1/27 11:36
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 日銀は27日、金融政策の一環で実施している国債の買い入れを一部増額した。同日の国債買い入れオペ(公開市場操作)で、「残存期間5年超10年以下」の国債の買い入れ額を従来の4100億円から4500億円に増やした。増額で急激な金利上昇(債券価格下落)をけん制し、緩和継続の姿勢を改めて示した。

 債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは前日に一時0.090%と1カ月半ぶりの水準まで上昇していた。27日午前の日銀の増額通知後は一時0.070%まで低下。20年債や40年債などの利回りもそろって低下した。

 日銀は物価2%目標の達成に向けた粘り強い金融緩和を進めるため、昨年9月に長期金利をゼロ%程度に操作する金融緩和の新枠組みを導入している。25日には市場が実施を予想していたオペを日銀が見送り、月間合計の買い入れ額が減るとの観測から市場で売り圧力が高まっていた。


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http://www.nikkei.com/article/DGXLASGF27H02_X20C17A1EAF000/

 

16年の消費者物価0.3%下落 原油安で4年ぶり
2017/1/27 11:58
日本経済新聞 電子版
 総務省が27日発表した2016年平均の全国消費者物価指数(CPI、15年=100)は、値動きの激しい生鮮食品を除く総合指数が前年比0.3%下落の99.7となった。マイナスは4年ぶり。原油安の影響で物価を押し上げる力が弱く、前の年にあった外食や菓子の値上げも一服した。同時発表した12月のCPIは前年同月比0.2%下落の99.8。10カ月連続で前年同月を下回った。

 16年平均の下落は原油安の影響が大きい。電気代は7.9%、ガソリンは12.3%とそれぞれ下がった。菓子類など食品の値上げも落ち着き、上昇した品目数が全体に占める割合は64.8%と15年(79.4%)より減った。総合指数は0.1%の下落、食料(酒類を除く)およびエネルギーを除く総合指数は0.3%の上昇だった。
 12月のCPIは引き続き下落したものの、足元では原油価格に持ち直しの動きが見られ、下落幅は小さかった。分野別にみると、ガソリンは1.6%上昇し、14年11月以来2年1カ月ぶりに前年同月を上回った。テレビが11.4%下落したほか、携帯電話も9.2%の下落だった。
 総合指数は野菜高騰の影響が残り0.3%の上昇、食料およびエネルギーを除く総合指数は横ばいだった。
 先行指標となる東京都区部の1月のCPIは、生鮮食品を除く総合指数で0.3%下落し、11カ月連続で前年同月を下回った。反転しつつある原油価格が物価を押し上げるにはまだ時間がかかりそうだ。
 総務省は同日、3月に公表する17年1月分から「生鮮食品およびエネルギーを除く総合指数」を新たに公表すると発表した。すでに日銀が同様のデータを公表しているが、政府としても物価の基調見極めに必要と判断した。

過去の統計データがご覧いただけます。
https://vdata.nikkei.com/economicdashboard/macro/
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS27H0M_X20C17A1MM0000/?n_cid=NMAIL002 


 

外国人労働者、19%増の108万人 16年10月末時点
2017/1/27 14:15
 厚生労働省が27日発表した2016年10月末時点での外国人雇用の届け出状況によると、外国人労働者数は108万3769人となった。前年と比べ19%増えた。100万人の大台に乗せるのは初めて。アジア諸国を中心に留学生や技能実習生が順調に増えている。

 働く人を国籍別にみると、中国が最多。約34万人と全体の3割を占めた。ベトナムが17万人超で続いた。外国人労働者を雇っていると届け出た事業所数は前年比13.5%増の17万2798カ所だった。

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厚生労働省、外国人労働者

外国人労働者が初の100万人 昨年、留学生など増加 (2017/1/27 2:30更新) [有料会員限定]

就農外国人の滞在「3〜5年」 専門人材を活用 (2016/12/11 2:00) [有料会員限定]

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http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS27H2R_X20C17A1000000/?n_cid=NMAIL002


外国人労働者が初の100万人 昨年、留学生など増加
2017/1/27 1:19 (2017/1/27 2:30更新)日本経済新聞 電子版
 日本で働く外国人の数が2016年に4年連続で増え、初めて100万人を超えたことが分かった。アジアを中心に技能実習制度を通じた人材や留学生、高度人材などが順調に増えている。政府は労働力の確保に加え、先端技術などを取り込むために外国人材の受け入れを重視している。外国人労働者は今後も増え続ける見込みで、働く環境の整備が課題になる。

日本サブウェイではアルバイトにベトナムなどからの留学生を採用(東京都千代田区)

 厚生労働省が16年10月末時点の外国人労働者数を近く公表する。

 外国人労働者は高度人材や技能実習生、働いている留学生、永住者や日本人の配偶者などに分類される。15年10月末時点では90万8千人で、1年間で10万人程度増えたことになる。日本で雇用される人の2%弱が外国人となり、次第に存在感を増しつつある。

 国別では中国やベトナムなどアジア諸国が多くを占める。分類別で増えているのは留学生や技能実習生、高度人材だ。15年10月末までの3年間では全体の2割近くを占める留学生は8割増加。技能実習生も3割弱増えている。研究や医療などの高度人材も3割超伸びており、全体の増加をけん引している。昨年もこの傾向が続いたもようだ。

 外国人材は他の国・地域との獲得競争が激しくなっている。韓国では15年5月時点で93.8万人、台湾では15年末時点で約59万人の外国人が働いている。人口との対比では日本よりも受け入れが進んでいる。

 政府は外国人労働者のさらなる受け入れ拡大を図る。人手不足の分野を特定して、相手国と2国間協定を結ぶ新しい受け入れの枠組みなどについて、今後働き方改革実現会議で議論する見通しだ。建設や介護などが有力な受け入れ分野となる。

 技能実習制度も拡充する。在留資格に「介護」を追加する改正出入国管理・難民認定法と、技能実習制度を拡充する外国人技能実習適正実施法が先の臨時国会で成立した。改正入管法は日本の介護福祉士の資格を取得した外国人を対象に、介護の在留資格を認める内容だ。

 技能実習適正実施法は、実習期間を現在の最長3年から同5年に延ばす。同法の施行とともに、技能実習の対象に介護を加える省令改正をする。外国人労働者は今後も増加を続ける見通しだ。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS26H56_W7A120C1MM8000/?n_cid=NMAIL002
http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/380.html#c1

[経世済民118] 日銀次回会合で成長率・物価上方修正へ、目標達成時期は据え置き 日銀CCCPI3年ぶり低 ドル高抑える亡霊 新興市場通貨売 軽毛
2. 2017年1月27日 20:04:36 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[668]
市場が注目するトランプ大統領の自由貿易破壊度、ドルの行方左右

田巻 一彦

[東京 27日 ロイター] - トランプ米大統領は、メキシコからの輸入品に20%の関税をかける案を検討している。これは世界貿易機関(WTO)違反の疑いがある。今後、WTO違反の嫌疑が濃い対応が続出すれば、世界の市場はリスクオフと判断して、ドル下落圧力が高まるかもしれない。

一方、財政拡張はドル高要因となる。どちらの力が勝るのか。「自由貿易」秩序の破壊を市場が認識した時、ドル下落圧力が優位になる局面になると予想する。

<20%課税案、WTO違反の懸念>

ホワイトハウスのスパイサー報道官は26日、記者団に対し「輸入品に対し、新たに20%の税を課す。これは160カ国で現在、行われていることだ」「米国の政策では、輸出に課税し、輸入に課税しておらず、不合理だが、この新たな枠組みを導入すれば、壁の建設費を簡単にねん出できる」と述べた。

詳細がはっきりしないので、正確な結論を導き出すのは難しいが、もし、メキシコからの輸入品にだけ新たな課税を実施するなら、それはWTO原則に違反する可能性が高そうだ。

また、トランプ大統領は昨年の大統領選の中で、中国からの輸入品に45%、メキシコからの輸入品に35%の国境税を課す方針を示していたが、特定の国からの輸入を狙い撃ちし、高い関税を課すこともWTO原則に反することになる。

米国内のメディアの論調をみていると、米国の経済にとって明確に打撃となるような対応策は、「口先介入」的な存在で、ブラフとして使っても、現実には実行しないだろうとの見方が多かった。

しかし、メキシコ国境に壁を造る大統領令に署名し、トランプ大統領の本気度は、かなり高いのではないかとの観測が浮上している。

そこに出てきた「20%の新関税」案である。このままWTO原則を無視した対応を継続するなら、自由貿易の原則は、米国自らが破壊することになるのではないか、との懸念が、市場関係者の一部でささやかれ始めた。

まだ、こうした「心配」はごく少数で、27日のドル/円JPY=EBSは115円台までドル高が進んでいる。

ただ、トランプ大統領は就任演説で「保護こそが繁栄と強さにつながる」と強調。自由貿易のもたらす恩恵には、ひとことも触れなかった。

米国のマクロ経済政策に詳しい三菱東京UFJ銀行・シニアマーケットエコノミストの鈴木敏之氏は、このまま保護主義的な政策が幅広く展開されれば、市場に自由貿易主義の後退が印象づけられるという展開も、ゼロではないと述べる。

仮にそのシナリオの実現性が高まった場合、類似性を求めるのはレーガン元大統領の政策ではなく、ニクソン元大統領の政策だと指摘する。

鈴木氏は「1971年のニクソンショックは、ブレトン・ウッズ体制を崩壊させ、輸入課徴金を導入した。その後の展開は、多くの方々が認識されているとおり、変動相場制への移行と市場の混乱だった」と述べる。

<自由貿易の大幅後退なら、世界経済に大打撃>

私も、このままトランプ大統領が保護貿易をまん延させるような政策を継続するなら、第2次世界大戦後に構築された自由貿易主義は、大きな脅威にさらされると考える。

なぜなら、WTOの前身の関税と貿易に関する一般協定(GATT)は米国主導で設けられ、米国が一貫して自由貿易を主導。最も大きな恩恵を受けていたのも米国だからだ。

現在でも世界最大の経済大国である米国が、自由貿易の原則から離れる対応をするなら、世界経済がいずれ、縮小均衡のトレンドに入るのは明らかだ。

そういうことが、多くの市場関係者の中で認識されるようになった場合、先行きの景気後退や混乱を大きな要因として、市場はリスクオフ心理が優勢となり、ドル安ムードが広がるだろう。

しかし、多くの市場関係者は「いくら何でも、そんなことまで米国がするとは思えない」と思っている。

また、今は口をつぐんでいるインフラ投資や1兆ドル規模の減税について、いずれ詳細なプランが示されると市場関係者は期待している。

タイトな雇用環境の下での財政拡張は、ドル高を促進する要因となる。あいまってインフレ期待が高まり、現実の物価上昇率も加速の気配をみせれば、米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースも自ずと速まっていくだろう。そのことが、さらにドルを押し上げる要因となる。

さて、ここで問題になるのは、ドル安の圧力とドル高の圧力のどちらが強いのか、という点だ。

今のところ、トランプ大統領が現在の「自由貿易」の基盤を根こそぎ破壊すると見ている市場参加者は、極めて少数にとどまっている。

したがってこの心理が維持されているうちは、ジリジリとドルが上昇し、対円では円安が進みやすくなると考える。

しかし、トランプノミクスがうまくいかず、停滞を示す経済指標が多くなれば、「不都合な現実」から米国民の目をそらすため、海外に攻撃の「標的」を造る展開もあると予想する。

その標的の1つに日本が浮上し、円安がやり玉に上がれば、円高が一気に進むシナリオが現実味を帯びる。

また、関税の壁で米国を囲い込むような政策対応が、これから数カ月間に続出していけば、市場は「自由貿易主義の放棄」とみなす局面が来るかもしれない。

そのケースでは、より劇的にドル安が進展する可能性があると予想する。

自由貿易の原則を「ちゃぶ台返し」のように放擲(ほうてき)することだけは、止めてほしいと願うばかりである。

●背景となるニュース

・米大統領、メキシコに20%輸入課税検討 壁の費用捻出

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コラム:トランプ氏の対中通貨戦争がもたらすリスク 2016年 12月 21日
コラム:「トランプ時代」の勝ち組と負け組、日本はどちらか 2016年 12月 05日
コラム:米原発閉鎖が告げる「採算性メルトダウン」 2017年 01月 11日
http://jp.reuters.com/article/tamaki-column-trump-idJPKBN15B0P9?sp=true


http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/380.html#c2

[経世済民118] 金融関係者が注目するシムズ理論とは 安倍にも? 物価水準の財政理論 シムズの理論の内容と意味するところ 軽毛
1. 2017年1月31日 22:37:00 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[669]
脱デフレ 金融政策では限界だ クリストファー・シムズ氏 米プリンストン大教授
2017/1/29付
 日銀の金融緩和に限界論がささやかれ、財政支出で物価上昇率2%を目指そうという新理論がわき起こっている。壮大な量的緩和を提唱したリフレ派が「財政拡張派」にくら替えする動きもある。いったいどんな考え方なのか。ノーベル経済学賞を受賞し「物価水準の財政理論(FTPL)」を唱える米プリンストン大のクリストファー・シムズ教授に聞いた。
■インフレで債務軽減 宣言を


 ――日銀が「量的質的金融緩和」を始めてまもなく4年。物価上昇率は2%に届かないままです。日本のリフレ政策は失敗ですか。
 「日銀が大量の資金を供給して金利水準を低く保ったことは、正しい施策だったと思う。ただ日本のように政策金利が下がって(利下げの余地がない)ゼロ金利制約に直面すると、金融政策で物価をコントロールすることは、もはやできない。日銀はその事実を認める必要があるだろう。むしろ最大の失敗だったといえるのは、物価上昇率が2%に達する前に消費増税に踏み切ったことだ」
 ――個人消費がしぼんでしまったというとらえられ方をしました。
 「私が主張したいのはそうではない。増税はFTPLの考え方と正反対だということだ。ゼロ金利制約下で物価上昇を実現できるのは、中央銀行ではなく財政をつかさどる政府だ。政府がインフレを起こすには、むしろ増税での財政再建を棚上げしなくてはならない」
 「物価引き上げに必要なのは、日本政府が政府債務の一部を、増税ではなくインフレで帳消しにすると宣言することだ。政府が2%の物価上昇率目標を掲げ、達成するまでは消費税増税を延期する。しぼんでしまった人々のインフレ期待を高める『サプライズ』につながるだろう」
 ――日銀もインフレ期待に働きかけると主張してきました。「人間の期待」にそこまで期待できますか。
 「非常に難しい問題ではある。ただ、日銀の金融緩和でいえば、首尾一貫した財政の後押しがなかったことが問題なのだ。政府のトップが『インフレを起こす準備ができている。それを債務返済に使う』と言えば、人々の予想を十分に変えることができる」
 「実際、1930年代のルーズベルト米政権は、インフレ期待を起こすことに成功している。前政権下で染みついたデフレ環境を転換するために、金本位制を捨ててドルを切り下げ、財政拡張にも転じ、米連邦準備理事会(FRB)には国債を大量に買い上げるよう求めた。インフレを目指して全ての政策を転換したことで、物価予想はデフレからインフレへと一気に跳ね上がった」
 ――日本は国と地方を合わせた政府全体の債務残高が国内総生産(GDP)の2倍強に達します。
 「逆説的だが、今は投資家にとって政府債務の魅力が強すぎる。投資家は安全を欲しており、国債が最大の投資先だ。この資金の流れを民間投資に向けるには、人々が『国債を持ちたくない』と思うように仕向けなければならないのだ。インフレを起こしてそれで政府債務の一部を返済すると宣言すれば、価値が損なわれる国債の魅力は弱まり、民間投資への資金の流れをつくることができる」
 「もっとも歯止めの効かないインフレは恐ろしいものだ。人々は物価が目標の2%に達して以降、3%、4%、5%と上がっていくのではないかと恐れている。しかし今では金融政策の進化で、インフレを制御する手段が多くある。(民間銀行が中央銀行に預ける)準備預金に付ける金利を操作して政策金利を一定の範囲で保つことができる。財政当局者の信頼性も高まっており、いざとなれば緊縮財政に転じることもできる」
 ――それでもインフレによる実質債務の縮小は国債保有者に損失をもたらします。金融不安を招くリスクも否めません。
 「インフレは国債保有者に負担を強いて利益が減ることになり『インフレ税』と言われればその通りだ。日本にとってインフレによる実質債務の削減が簡単ではないことは理解している。たとえば長期国債に大量の投資をしている日本郵政だ。インフレで長期金利が上昇すれば、保有国債の価値が落ちて資本毀損が発生しかねない。民間金融機関などが抱える大量の長期国債が重荷となって、インフレ政策で金融セクターが萎縮するリスクはある」
 「インフレで日本の政府債務がどれだけ軽減されるか、一方で国債保有者への『インフレ税』によって金融システムにどれくらいの悪影響が及ぶのか、吟味して政策判断することが必要だ。ただ、物価が2%に上昇するとしても、金融機関にはバランスシートを調整する時間があるだろう。金融システムの動揺を防ぐ策は講じるべきだが、急激に事態が悪化するとはみていない」
■物価2%まで増税凍結
 ――健全財政の放棄との曲解も目立つようです。
 「この政策は、財政赤字で生み出された政府債務のすべてをインフレで解消するわけではない。一部をインフレで賄うだけで、物価上昇率が2%に達すれば、段階的に連続的に消費税を引き上げていくことが合理的だと思う。日本は巨額の財政赤字を抱えており、減税などの追加策も不要だ。最終的に増税が必要だとしても、経済に悪影響をもたらす低金利・低インフレが続いている間は増税しないと宣言することが重要だ。政府債務への過剰な資金流入を止め、民間需要を高めることが必要だからだ」
 「その上で改めてインフレ目標の重要性を議論したい。さまざまな歴史的な理由があって、一定の物価上昇が経済成長に多くの利点があることは考え方が一致するところだろう。戦前の世界大恐慌をみればはっきりしている。もっともこの政策が保証するのは、2%の物価目標に到達できるということだ。日本は人口問題など構造的な低成長要因を抱えており、それは別の解決手段が必要になる」
 ――トランプ米大統領は財政拡張を掲げています。
 「トランプ氏の主張は減税で財政支出を増やし、ただただ財政赤字を膨らませる政策だ。人々は米国の将来の増税を見込んでおらずインフレ観測が高まるだろう。ただ『物価上昇が一定に達するまで』という条件をつけなければ財政拡張は歯止めの利かないインフレをもたらす危険がある」
 「もっともトランプ政権の政策はきわめて不確実性が大きい。企業減税は高い確率で実行に移されるだろうが、税制改革案を実際に設計する下院共和党指導部には健全財政を好む『財政タカ派』が含まれ、トランプ氏が公約してきた財政拡張策がすべて実行されることにはならない」
 1942年生まれ。計量経済学とマクロ経済学の大家で、2011年にノーベル経済学賞を受賞した。金融政策が経済に短期的・長期的にどのような影響を与えるかを研究し、マクロ経済分析の基礎を築いた。
 16年8月には米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長らが一斉に集う米ジャクソンホール会議に招かれ「ゼロ金利近傍では金融政策の効き目が薄れるため、インフレを目指した財政支出でインフレ期待を引き上げるべきだ」と講演し、注目を浴びた。日本でも安倍晋三首相の経済ブレーンである浜田宏一米エール大名誉教授がシムズ氏の講演を「目からウロコが落ちた」と評して「ポスト・アベノミクス」の政策運営に影響を与えつつある。74歳。
◇     ◇
FTPLとは

http://www.nikkei.com/content/pic/20170129/96958A99889DE3E0E0E3E3E6E2E2E0E5E2E3E0E2E3E5868893E2E2E2-DSXKZO1221154027012017TZA000-PB1-5.jpg

 財政支出で低インフレから脱するというシムズ氏の主張は「物価水準の財政理論(FTPL=Fiscal Theory of the Price Level)」に基づく。
 FTPLの考え方は(1)政府が財政支出を増やす(2)企業や個人が将来の財政悪化を予測する(3)お金の価値が下がる(4)インフレが発生する――という流れにある。減税や公共投資で需要を積み上げるケインズ政策と混同されるが、FTPLの発想は異なる。
 例えば政府の借金が100兆円あるとする。ただ、残念ながら将来は50兆円分の返済原資しか得られそうにない。政府は個人や企業と異なり借金を踏み倒すことはできない。
 どうするか。通常であれば増税で借金を返そうとするだろう。しかし、FTPLでは増税ではなく、インフレで借金を返そうと考える。50兆円の返済原資をインフレによって名目100兆円に膨らませることができれば、増税しなくても借金は帳消しにできる。
 このメカニズムを応用すれば「政府は増税しません。インフレで借金を返済します」と公約すればいい。個人や企業はその場で「将来は物価が上昇する」と考え、実際には財政が野放図に悪化する前に人々のインフレ予測が上向く――。これがFTPLの考え方だ。
 近代経済社会は金融政策で物価を操作してきた。ただ名目金利がゼロに近づくと利下げができず、政策効果が薄れる。シムズ氏は効果を失った金融政策の代わりに財政政策で人々のインフレ予測に働きかけるよう主張する。
〈聞き手から〉「魔法のつえ」はない
 世界の中央銀行関係者や市場参加者にとって、金融政策の限界論を説くシムズ氏は、皮肉にも最も旬な一人である。ただ、その理論は「連立方程式で形作られ、一般に広めるのが簡単ではない」(シムズ氏)。日本でも学識経験者らがシムズ氏の主張をとり入れて「ポスト・アベノミクス」を模索する動きがあるが、理論はいまだ消化不良で賛否を戦わす議論の土壌が育っているとはいいがたい。
 シムズ氏が主張するのは野放図な財政拡張ではない。増税先送りによる財政悪化とインフレを容認しつつ、ハイパーインフレにならないよう政府・中銀のコントロールは保つという矛盾したような狭い道を進む必要がある。政策は極めて実験的といわざるを得ない。
 シムズ氏は「国債の魅力を弱めたい」とも話した。民間事業への資金の流れを取り戻すためだが、金融機関が国債投資に突き進むのは政府の財政再建を見込んでいるためだけではない。国債をリスクゼロの資産とみなす国際金融規制など、マクロ経済理論からやや外れた要因がそこにはある。低インフレからの脱却には「金融政策と財政の協調」(シムズ氏)だけでなく、政府規制や商慣習の見直しなど全面的な改革が必要になる。
 異次元緩和、マイナス金利、イールドカーブ・コントロール――。アベノミクスでは日銀を中心に先駆的な政策をいくつも試したが、「魔法のつえ」があるわけではない。即効薬ばかりを探し求め、人口減など重たい課題の解決がおろそかになれば、それは本末転倒だ。
(ワシントン=河浪武史) 

http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/529.html#c1

[経世済民118] 実質賃金、1年ぶり減少 GSもトランプ政権不安視 トランプに飽VIX低下 トヨタ業績増額 独経済の勢いユーロ最も割安 軽毛
2. 2017年2月06日 19:03:45 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[670]
コラム:ユーロドル「4年連続下落」の現実味

植野大作三菱UFJモルガン・スタンレー証券 チーフ為替ストラテジスト
[東京 6日] - 2017年のユーロドル相場は波乱含みで開幕した。1月2日に1ユーロ=1.0520ドルで寄り付いた後、序盤は下値探査が先行、3日には一時1.0341ドルと2003年1月以来の安値圏に差し込んだ。ただ、この水準を大底に反発、2月2日には一時1.0829ドルと昨年12月8日以来の水準に買い戻される場面もあった。

この間、トランプ米大統領、ナバロ米国家通商会議議長らによるドル高・ユーロ安批判がユーロの下値を支えたほか、1月のユーロ圏消費者物価が前年比1.8%と欧州中銀(ECB)の目標である「2%未満で2%近く」に接近したことが、ユーロドル相場の失地回復に寄与した。

ただ、年初来のユーロドル相場の動きについては、「本格的なユーロ反騰の狼煙(のろし)だ」という強気の見方がある一方、「14年ぶり安値圏から8週間ぶり高値圏に復帰しただけ」という冷めた見方が混在している。

ここで改めてユーロドルの年足チャートを眺めると、2014年から16年にかけて3年連続で陰線(年初より年末がユーロ安ドル高、陽線はその逆)を記録している。過去の年足の連続陰線記録は、ユーロ発足直後の1999年から2001年にかけて達成された「3年」が最長だった。

このため、今年のユーロドル相場は「4年連続の陰線」という新記録に挑むことになる。2月初旬までの段階では、初値に比べて300ポイント程度の「陽線貯金」を稼いだが、この程度の序盤でのリードは安全圏とは言い難い。果たして今年は陰陽どちらで引けるのだろうか。

<ユーロの政治的テールリスク>

結論を先に述べると、現時点で筆者は今年年末の着地点を1ユーロ=1.02ドルと予想している。ローソク足本体の厚みは地味ながら、辛うじて「4年連続の年足陰線」という新記録が達成されるとみている。理由は以下の3点だ。

第1に、今年は欧州連合(EU)主要国で政治リスクが山盛りだ。主な予定を確認すると、3月中旬のオランダ総選挙を皮切りに政治イベントの開催が相次ぎ、恐らく3月末までに英国とEUの離脱協議が正式に始まる。その後も、4月から5月にかけてはフランスで大統領選挙、早ければ6月にもイタリアで総選挙、9月以降にはドイツで総選挙が実施される予定である。

これら全ての選挙結果を読み切るのは専門家でも大変だ。一般的には「ユーロ解体」や「EU崩壊」などの破滅シナリオを想起させる結果に直結する可能性は低いとみられているが、多くの市場参加者は、どんなにその可能性が低くても、炸裂した場合にひどく相場が荒れそうな「テールリスク」を抱えた通貨を敬遠しがちだ。

ユーロ圏は1つの通貨圏に19もの国が含まれるだけに、主要国で選挙が相次ぐ時期には、政治絡みの不透明感が台頭する頻度が一気に上がる。少なくとも、経済規模1位のドイツの選挙結果が判明する秋までは、ユーロの上値が目立って軽くなる姿を想像しにくい。

今春頃から始まる英国とEUの離脱協議に関しても、直接的にはユーロポンド市場でのユーロ高・ポンド安要因になりそうだが、ストレートドル(ポンドドルやユーロドルなどドルが絡んだ通貨ペア)市場やクロス円市場では欧州通貨全般に対する上値追いを妨げる心理的な重しになるとみている。

<実需や金融政策によるユーロ高は期待薄>

第2に、シカゴ通貨先物市場のポジションをみると、2015年春までのユーロドル相場の急落局面で一時27.4万枚と過去最大に膨らんでいたユーロ売り持ち高が、最近では6.0万枚まで縮小している。ユーロ売り持ち高が軽くなった分、域内主要国の選挙結果次第でユーロを再び売り進める余地は広がっている。

近年のユーロ圏では経常収支黒字が増加、2015年から国内総生産(GDP)比3%を超えてきたため、「実需のフローで今年はユーロ高になる」との見方もある。だが、為替需給は経常収支だけでは決まらない。14年から16年にかけてユーロドル相場が「3年連続の陰線」を記録したことに示されるように、国境をまたがる資本の流れが変化する方向次第では、GDP比3%程度の経常黒字の影響は消されてしまう。

ちなみに、ユーロ圏の経常黒字の半分以上は域外のEU諸国やスイスから稼いでいるものだ。対米黒字に限れば全体の2割程度にすぎない。全体の黒字額から受ける見た目の印象ほどには、ユーロ高・ドル安要因になっていないのではなかろうか。

第3に、ユーロ圏と米国の金融政策を比較すると、少なくとも年内は政策金利の方向の違いが緩やかなユーロ安・ドル高圧力発生の温床になりそうだ。昨年12月の理事会でECBは今年3月で期限が切れる月額800億ユーロの資産購入プログラムを更新、4月以降は月額600億ユーロに減額したものの、延長期間を市場予想より長めの9カ月としたことで、少なくとも今年12月までは量的緩和を続ける方針が示された。

理事会後の会見でドラギECB総裁は「(最終的に資産購入額をゼロにすることを目指すという意味での)テーパリングは議論しなかった」と明言しており、常識的に考えて、月額600億ユーロの量的緩和を続けている年内に政策金利を引き上げる可能性は低い。

<米経済失速なら4年ぶり陽線もあり得る>

むろん、今年の秋頃には年末に切れる月額600億ユーロの資産購入の後継策を議論する必要があり、その頃には「テーパリング開始」も視野に入ってきそうだ。ただ、かつて米国が量的緩和を縮小した際には、連邦公開市場委員会(FOMC)の開催ごとに100億ドルずつの減額が実施された。2018年1月以降、ECB理事会のたびに100億ユーロずつの減額が実施された場合でも「ECB版テーパリング」の完了は来年の夏頃になる。

ECBが利上げに踏み切るのは、それから十分な物価情勢の観察を行った後になるはずだ。足元でユーロ圏の消費者物価は前年比1.8%まで上昇しているが、半分ぐらいは原油価格上昇の影響であり、「オイルの前年比効果」が剥げる今年末頃には再び1.0%前後へ低下する可能性が高い。ECBの利上げは、恐らく2019年以降になるだろう。

過去十数年間、ユーロドル相場のすう勢は、満期2年程度までの独米金利差でおおむね決まっている。当面は、「緩やかな利上げ継続期待が漂っている米国」と「近未来の利上げ開始が視野に入ってこないユーロ圏」の間に横たわる金融政策の印象格差は縮まりそうにない。先述の政治的不透明感と併せて、ユーロドル相場を「4年連続の陰線」に誘うとみている。

もっとも、世界で最も流動性が高い「ユーロドル」という通貨ペアは「ユーロ価値の指標銘柄」であると同時に「ドル価値の指標銘柄」という性格も併せ持っている。筆者のユーロ安予想は、「米国経済の回復持続」を大前提にしているため、もしも今年中に米国景気が失速した場合、米国側の事情で発生するドル安圧力の受け皿としてユーロが選ばれ、ユーロドル相場が「4年ぶりの陽線」で引ける可能性は残されている。

本稿で述べたように、今年も欧州側の要因だけを見るとユーロに対して強気になれる理由を見いだしにくい。だが、「片側だけの事情」で決まらないのが為替の難しいところだ。

米国の大統領や政府要人らによる理不尽なユーロ安批判の口先介入だけでドル高・ユーロ安の流れを反転させるのは無理だろうが、米国経済が失速した場合はファンダメンタルズ要因に由来する本腰の入ったドル安・ユーロ高圧力が発生し得る。新記録達成の当否にかかわらず、見どころの多い1年間になりそうだ。

*植野大作氏は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券のチーフ為替ストラテジスト。1988年、野村総合研究所入社。2000年に国際金融研究室長を経て、04年に野村証券に転籍、国際金融調査課長として為替調査を統括、09年に投資調査部長。同年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画、12月より主席研究員兼代表取締役社長。12年4月に三菱UFJモルガン・スタンレー証券入社、13年4月より現職。05年以降、日本経済新聞社主催のアナリスト・ランキングで5年連続為替部門1位を獲得。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。

(編集:麻生祐司)
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視点:強い米国の強いドルが復活へ=武者陵司氏 2017年 01月 11日
しばらくは円安・ドル高に振れる傾向続くだろうという大方の予想と同じ=麻生財務相 2017年 01月 31日
視点:トランプ円安は幻想、進む「米国の日本化」=青木大樹氏 2017年 01月 23日
http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-daisaku-ueno-idJPKBN15L0EC?sp=true
http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/737.html#c2

[国際18] 米中首脳、長時間協議 米公表は「一つの中国」のみ 中国軍機、南シナ海で米軍機急接近  中国内外需要上向、対米貿易黒字縮小 軽毛
1. 2017年2月10日 16:15:25 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[671]
中国:輸出が勢い回復、外需の改善で−輸入も伸び加速
Bloomberg News
2017年2月10日 12:39 JST 更新日時 2017年2月10日 14:09 JST

1月のドル建て輸出は前年比7.9%増、輸入は16.7%増
対米輸出はドル建てベースで9%増加

中国の1月の輸出は外需改善が追い風となり、ドル建てベースで増加に転じた。中国がトランプ政権下の米国との貿易摩擦の可能性に備える中、輸出セクターの足取りが一段としっかりしてきていることが示された。
  税関総署が10日発表した1月のドル建て貿易統計によれば、輸出は前年同月比7.9%増加。輸入は16.7%増えた。この結果、貿易黒字は513億5000万ドル(約5兆8400億円)となった。人民元建てでは輸出が15.9%増、輸入は25.2%増。昨年12月のドル建て輸出は修正後で6.2%減少。元建てでは0.6%の伸びにとどまっていた。 
  中国によれば、対米輸出はドル建てベースで前年同月比9%増加した。二国間貿易をめぐるトランプ政権の懸念が強まる恐れがある。
  みずほセキュリティーズアジアのアジア担当チーフエコノミスト、沈建光氏(香港在勤)は「米欧や新興諸国など世界的な成長加速に関連している」と指摘。「中国政府の刺激策が内需を押し上げており、輸入の力強さは理解できる。米中貿易戦争の可能性を除けば、中国の輸出見通しは良好だ」と述べた。
原題:China Exports Surge Ahead of Potential Challenge From Trump (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-10/OL53286TTDSB01
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/116.html#c1
[経世済民119] トランプ政権が導入へ動く「国境調整」とは何か それでも市場は「トランプ信仰」唱え続ける トランプと電話会議ダメ 軽毛
1. 2017年2月20日 12:35:34 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[672]
http://ryumurakami.com/jmm/
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▼INDEX▼
  
  ■ お知らせ
  
  ■ 『from 911/USAレポート』第735回

    「大混乱の政権周囲、それでも下がらない株価」

    ■ 冷泉彰彦:作家(米国ニュージャージー州在住)

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(冷泉彰彦さんからのお知らせ)

もう一つのメルマガ、「冷泉彰彦のプリンストン通信」(まぐまぐ発行)
http://www.mag2.com/m/0001628903.html
(「プリンストン通信」で検索)が、2016年の「まぐまぐ大賞(ジャーナリズム
部門3位)」に選定されました。2017年は、少しずつリニューアルして充実を図
る計画です。JMMと併せて、この『冷泉彰彦のプリンストン通信』(毎週火曜日朝
発行)もお読みいただければ幸いです。購読料は税込み月額864円で、初月無料で
す。

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 ■ 『from 911/USAレポート』               第735回
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 今から丁度一週間前、2月10日(金)には安倍首相が訪米して日米首脳会談を行
われ、そのまま両首脳はフロリダ州にあるトランプ家の経営するリゾートへ移動した
わけです。そこへ12日(日)の北朝鮮のミサイル発射という事件が飛び込んできて、
改めて両首脳は共同会見を行って同盟関係を確認した格好となりました。

 この一連の日米外交に関しては、様々な見方ができると思いますが、とりあえず
「現状維持をかなり積極的に確認できた」ということで、日米の市場は好意的に反応
しています。また、トランプ大統領にしても、そこまでの「7カ国からの入国禁止」
であるとか「不法移民の抜き打ち強制送還」といった「異常な政策」とは違って、歴
史のある日米関係をキチンと維持しようとしていることで、「真面目にやればできる
じゃないか」的な報じられ方もしていました。

 ある意味で、2月12日の時点では、そんなわけで「何とかここへ来て政権が動き
出した」という感触が出てきたのです。ところが、それは今となっては過去になりま
した。2月13日(月)からの一週間は、怒涛のような一週間であり、この週を通じ
て政権の周囲は大混乱に陥っています。

 混乱の発端は、マイケル・フリン安全保障補佐官が2月13日(月)に辞任したと
いう事件です。この辞任劇ですが、補佐官に就任する前の2016年12月にロシア
大使に電話をして経済制裁の解除問題について相談したという疑惑があり、そしてこ
の件について問い詰めたペンス副大統領に対して虚偽の回答をしていたというのが理
由だとされています。

 この問題に関して、一つ明らかに進行しているのはトランプ政権として「極端な親
ロシア」という外交姿勢に対して突き進むのか、それとも従来、つまり共和党の軍事
タカ派やオバマ政権のように「ロシアと距離を置く」路線を継承するのかという「対
ロ外交路線」について、大きな揺れが出ているという問題です。

 この問題については、明らかにロシアも様々な変化球メッセージを出しており、ア
メリカの外交官に対する批判をしてみたり、あるいは情報収集艦船を米国の潜水艦基
地のあるコネチカット州の沿岸に派遣してみたり、かなりキナ臭い感じになっていま
す。

 ただ、この米ロ関係がどうなるのかという問題については、現時点ではまだ良く見
えていないのも事実です。フリン補佐官の辞任というのはショッキングな事件ですが、
これで「米ロ関係を大幅に改善し、ロシア主導の中東秩序を認める」という路線が完
全に消えたというのは早計な見方なのかもしれません。ですから、本稿の時点ではこ
の米ロ関係に関する「見通し」を述べるのは差し控えます。

 問題は、このフリン補佐官辞任事件を契機に、別の意味でホワイトハウスの中にあ
る「亀裂」が浮かび上がって来たということです。フリン氏が辞任したのが13日の
月曜日ですが、その翌日の14日(火)の定例記者会見でホワイトハウスのスパイサ
ー報道官は、フリン氏の辞任は政権に取っての「信認の問題」だと述べていました。
つまり、ロシア大使との接触についてペンス副大統領に対して虚偽の説明をしていた
ことが原因であり、大統領はそれ故に「辞任を求め、辞任を受け入れた」というので
す。

 一方で、2016年8月以来、選挙参謀としてトランプ当選の司令塔を果たし、ま
た現在はホワイトハウスの顧問として、政権の非公式なスポークスパーソンの役を続
けているキャリアン・コンウェイ氏は、まずフリン補佐官が辞任に追い込まれる直前
の13日(月)の朝の時点で「大統領はフリン氏に対して全幅の信頼を置いている」
と堂々と述べていました。その一方で、実際にフリン氏が辞任した翌日の朝にはNB
Cテレビで「フリン氏の辞任は完全に自発的なもの、大統領は長年の忠臣を裏切るよ
うなことはしない」と言明したのです。

 勿論、このコンウェイ氏というのは、「オルタナティブ・ファクト(もう一つの真
実)」ということを公言して恥じない人物であり、これまでも数々の「事実ではない」
発言を繰り返してきているわけです。ですが、今回の報道官声明との「矛盾」という
のは、かなり深刻な問題で、例えばMSNBCの朝の情報番組『モーニング・ジョー』
の司会をしているミカ・ブレジンスキー氏(カーター政権の外交補佐官のお嬢さんで
す)は、「虚偽を口にして恥じないコンウェイ氏は、今後番組として相手にしない」
と言明して話題になりました。

 この問題ですが、これで終わらなかったのです。一つは、大統領自身がこの問題で
「カッカ」したということのようで、一部の報道によればスパイサー報道官の「大人
しい対応」が気に入らなかったらしいのですが、とにかく16日(木)に急遽大統領
のソロ会見というのが設定されました。報道によれば、その日の朝に大統領から衝動
的な提案があったというのです。

 この会見ですが、正に今週のハイライトというべき大混乱に陥りました。全部で1
時間12分にわたる独演会は、プロンプターなどは一切なしの完全にアドリブの進行
でした。その前半は、この政権は「カオスなどと言われているが、全く違う。順調に
運営されている。よく整備されたマシーンのように政権は動いている」というような
自慢話で終始したのですが、いざメディアからの質問が始まると必要以上に反撃して
大荒れになっていました。

 ここでの大統領の説明ですが、分析すると次のようなストーリーになります。

 まず、大統領によればフリン氏のロシアとの接触は違法ではないというのです。仮
にこれを(1)としましょう。ところが、そのフリン氏とロシア大使の会話を盗聴し
たNSA(またはCIA・FBI)が、その会話に関してメディアにリークをしたの
は犯罪であり、自分はアメリカの諜報機関の違法行為に関して起訴の準備を司法省に
命じたというのです、これを(2)としましょう。更に今度はメディアに矛先を向け
て、そのリークを報じたメディアの報道は「全てフェイク」、だと激しく非難したの
です。これを(3)としましょう。

 一種の三段論法なのですが、「全くロジックが通っていない」のです。仮に(1)
が本当で、フリン氏のロシアとの接触に違法性がないのであれば、盗聴やリーク、そ
して報道の意味は全くないわけです。ですが、接触が事実であるのなら、報道がフェ
イクということにはなりません。何がなんだか、全く意味不明ですし、仮にロシアと
の非合法な接触を行ったことを「かばう」のであれば、大統領の権威を失墜すること
にもなりかねません。

 その一方で、仮に百歩譲って(2)の諜報機関からメディアへのリークが違法だっ
たとしましょう。その場合も、違法になるような重要な情報がリークされたのであれ
ば、その報道は少なくとも「フェイク」ではないはずです。ですから、(2)と(3)
の間にも論理矛盾があります。

 ということで、全く意味不明のストーリーなのですが、そこを指摘したメディアか
らの質問に対しては「お前たちの流しているのは、全部がフェイクニュース」だとい
う決めつけで罵倒してくるのですからコミュニケーションも何もあったものではあり
ません。要するにメディアも、諜報機関も「俺様の敵」だから徹底的に「攻撃」する
という、ワガママなガキ大将のような言動のレベルということです。

 更に衝撃を与えたのは、フリン氏の後任に推したボブ・ハワード中将(海軍、退役)
が「辞退」したという事件です。これも16日(木)に起きた事件で、中将自身は
「指名は名誉に思うが、一身上の理由でお受けしかねる」というコメントを発してい
ますが、「大混乱状態のホワイトハウスに入ってもロクな仕事はできない」と見て辞
退したという印象は消せないわけで、そんなニュアンスと共に衝撃が広がったのでし
た。

 更に一夜明けた17日(金)には、トランプ大統領はサウス・カロライナ州のノー
ス・チャールストンにあるボーイングの工場を訪れ、最新鋭の787−10を背後に
「自分はアメリカの雇用を最優先にすると約束して当選した。だから国内雇用を改善
する。工場を海外に移転したら罰する」などとブチ上げていました。また演説の最後
には「アメリカに神のご加護がありますように」という決まり文句に加えて「ボーイ
ングにも神のご加護を」と述べ、「大統領がそこまで言うのか」という非難とも驚き
ともつかないような印象が広まっています。

 この「ボーイング激励」と「工場の海外移転を罰する」というコメントについては、
依然として日本のメディアとしては、敏感にならざるを得ないようですが、アメリカ
ではそれほど大きく報じられていません。とにかく「フリン辞任問題」で大揺れに揺
れた一週間の最後に、大統領が「十八番」とも言える「国内雇用重視」をアピールす
るために、わざわざボーイングに行ったというニュアンスの報道が多く、かなり「割
り引かれて」伝えられているからです。

 更に、「直接フロリダに行くのは抵抗があるので」何となく仕事らしいことをする
ために、サウス・カロライナに寄ったのだろうという辛口のコメントも出ていました。
(CNN)大統領は、週末をフロリダで過ごすのはこれで3週連続だそうで、それに
よる移動コスト、セキュリティ確保のコストは莫大なものになるそうで、ジワジワと
批判が出始めています。

 ところで、この一連の「ホワイトハウスの混乱」という事態を受けて、一つのTV
番組が脚光を浴びています。それは、NBCが毎週土曜の深夜にやっている「サタデ
ー・ナイト・ライブ(通称SNL)」というお笑い番組で、大昔から政治家のモノマ
ネをやって、パロディ劇に仕立てるというのが定番になっています。特に番組スタッ
フとしては、ハッキリとリベラルな傾向を隠さずにやっていることから、例えばブッ
シュ時代などには色々なモノマネをやって物議を醸していたのでした。

 そのSNLは昨年の選挙戦時代から「トランプとその周辺のパロディ劇」に力を入
れています。色々なパターンがあるのですが、現在人気を博しているのは、まず超有
名俳優のアレック・ボールドウィンが「口をゆがめ、カツラをかぶって」トランプを
演じるものです。「骸骨姿の悪魔のブレーン」として出てくるスチーブン・バノンと
共に、各国首脳に電話をして悪態をつくとか、やりたい放題なのですが、人気があり
ます。

 また、ここ数週間話題になっているのは、女性コメディアンのメリッサ・マーッカ
ーシーによるショーン・スパイサー報道官のパロディで、「憎いメディア」に対して
は水鉄砲で攻撃したり、演台ごとブルドーザーのように突進したり、こちらも毎週の
話題になっています。ちなみに、スパイサー氏自身はそんなに怒っていないようです
が、トランプ大統領は「オレの報道官を、こともあろうに女性にモノマネさせるとい
うのは許せない」と激怒しているということで、NBCとしては「してやったり」と
いうことなのでしょう。

 先週のSNLで問題になったのは、女優のケイト・マッキノンが演ずるキャリアン
・コンウェイ顧問のモノマネです。マッキノンのコンウェイは、昨年から何度か登場
していて、コンウェイ顧問の独特(日本で言うアニメ声+姉御風)の話し方を実に巧
妙にマネていて話題になっていたのですが、先週のはかなり手が込んでいました。

 コンウェイ氏が、CNNのジェイク・タッパー記者と番組の上で「アンタは嘘つき
だ」「いいえ違いますわ」という激しい応酬を何度かやっているのは、有名な話なの
ですが、その延長で、タッパーがコンウェイを「嘘つきだから番組に出さない」とし
たという想定で、「それでもTVに出たい」コンウェイがストーカーになってタッパ
ーを襲うというストーリーです。

 スキッドの全体が、1987年の映画『危険な情事』のパロディになっているとい
う凝った設定なのですが、ネグリジェ姿でタッパーの家に忍び込んだコンウェイが
「私を無視しないで」と激しく詰め寄るシーンには、性的なフレーバーも、暴力的な
描写も入っていて大いに物議を醸したのでした。

 メディアの論調は、「いくら何でも先週のSNLのコンウェイのパロディは『やり
過ぎ』」だという取り上げ方が多く、NBCの番組について批判するという趣旨でC
BSやABCも取り上げているのですが、「やり過ぎだ」という論調であるにも関わ
らず、キャスターや司会者(例えばウーピー・ゴールバークやジョージ・ステファノ
ポロス)など「目は笑っている」中で、ユーチューブの再生数はどんどん増えている
というのが実情です。

 このSNLですが、無責任なお笑いのパロディだとも言えるし、要するにリベラル
なカルチャーを持つエンタメ業界が無反省に政治的な権力を行使しているという見方
もできるかもしれません。ですが、本物のコンウェイやトランプの言動が、特に今週
のような破綻を見せてくると、こうした「お笑い」を使って政権を追い詰めるという
NBCの方法論も、明らかな効果が出てきていると言ってもいいのかもしれません。
SNLの視聴数は、過去6年間の中で最高水準となっていて、ビジネス的にも成功し
ているようです。

 そんなわけで、政権の周囲は混乱状態が明らかであり、その政権を描写したドギツ
いパロディが大受けする、ある意味ではホワイトハウスの危機が進行しているわけで
す。例えば、17日(金)に発表されたギャラップ社の世論調査では、大統領の支持
率は38%、不支持が56%というかなり衝撃的なものとなっています。

 ところが、そんな中でも株価は下がっていません。それどころかNYダウは最高値
を更新して、今週を終えているのです。これは一体何を意味するのでしょうか?

 一つには、トランプ政権は大混乱状態であっても、ビジネスの足を引っ張ることは
していないということがあります。その限りにおいては、株を売る理由はないという
わけです。閣僚人事について言えば、安保補佐官が空席で、労働長官が急遽差し替え
になったりというドタバタはあるものの、ビジネスにフレンドリーな印象の人物が続
々入閣しているわけで、そうした点を市場は好感しているということはあると思いま
す。

 もう一つは、混乱の中で徐々に「共和党主流派」が「オーソドックスな共和党政治」
へと、政権を裏から修正にかかっているというニュアンスです。例えば、大統領が、
「イスラエル、パレスチナ二カ国体制」を否定するような発言をすると、ニッキー・
ヘイリー国連大使が打ち消すとか、これからの話ですが、ペンス副大統領が欧州歴訪
に出てNATOの結束を確認しようとしているとか、その前にもマティス国防長官が
日米関係と米欧関係の「現状維持」に動いていたとか、政権の中で「トランプ氏とそ
の周囲」の求心力が低下して、ペンス副大統領を中心にクラシックな保守政治に回帰
しようとしている、そんな政争と言いますか、ホワイトハウスの中での勢力の変化が
あり、それも市場としては薄々気づきながら歓迎しているということもあるのかもし
れません。

 そんなわけで、従来は「トランプ氏の劇場型政治」と「共和党の本流」が対立しつ
つ微妙にバランスするような政権の性格であったのが、ここへ来て、「トランプ式の
劇場型」はドンドン空回りする中で、「共和党の本流」が台頭しつつあるという流れ
を感じます。

 では、このまま一気に「トランプ辞任でペンス政権へ」という流れができるのかと
いうと、それは分かりません。というのは、2018年11月、今から1年8ヶ月先
には「もう中間選挙」が迫っているからです。共和党としては、2016年の総選挙
同様に「トランプという神輿を担ぐ」のが有利なのか、それとも「アッサリとトラン
プを捨てる」べきなのか、どこかの時点で選択しなくてはなりません。その選択のタ
イミングは、今ではないにしても、そんなに遠くはないように思います。現在の政権
周囲の動揺は、そのぐらい深刻な事態であると思います。

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冷泉彰彦(れいぜい・あきひこ)
作家(米国ニュージャージー州在住)
1959年東京生まれ。東京大学文学部、コロンビア大学大学院(修士)卒。
著書に『911 セプテンバーイレブンス』『メジャーリーグの愛され方』『「関係の空
気」「場の空気」』『アメリカは本当に「貧困大国」なのか?』『チェンジはどこへ
消えたか〜オーラをなくしたオバマの試練』『場違いな人〜「空気」と「目線」に悩
まないコミュニケーション』など多数。訳書に『チャター』がある。
またNHKBS『クールジャパン』の準レギュラーを務める。
http://www.asyura2.com/17/hasan119/msg/345.html#c1

[お知らせ・管理21] 2017年2月 削除依頼・削除報告・投稿制限連絡場所。突然投稿できなくなった方は見てください。2重投稿削除依頼もこちら 管理人さん
58. 2017年2月24日 12:52:34 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[673]

操作ミスで2重投稿になってしまいました。

削除願います
米大統領、核兵器増強を明言「他国に後れ取らず」中国批判「為替操作のグランドチャンピオン」EUは「完全に支持」
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/364.html
投稿者 軽毛 日時 2017 年 2 月 24 日 12:49:58


残す

米大統領、核兵器増強を明言「他国に後れ取らず」中国批判「為替操作グランドチャンピオン」EUは「完全に支持」米中戦7割以上
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/362.html
投稿者 軽毛 日時 2017 年 2 月 24 日 11:49:38:
http://www.asyura2.com/13/kanri21/msg/476.html#c58

[経世済民119] アングル:「働き方改革」で残業代減少、政府部内にも消費減退の懸念(ロイター) 赤かぶ
1. 2017年2月24日 21:22:11 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[674]

>「働き方改革」の結果、残業代の減少による消費減退への懸念

ムダな残業が減り、時間の余裕ができ、ムダな消費も減る

良いことだw

http://www.asyura2.com/17/hasan119/msg/474.html#c1

[経世済民119] 10年後、君に仕事はあるのか?「雇われる力」とは? 明日、機械がヒトに 他人の金で勝負できる社長が一番面白い 準備 相槌 軽毛
1. 2017年2月27日 18:37:15 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[675]

世界のエリートがやっている 最高の休息法

【第26回】 2017年2月27日 久賀谷 亮
「25分単位」で考えると、子どもの集中力は持続する
【イェール対談】斉藤淳×久賀谷亮[後篇]

著書『最高の休息法』が16万部突破のベストセラーになっているアメリカ在住の精神科医・久賀谷亮氏と、中高生向けの英語塾などを経営する斉藤淳氏との対談。まったく異なる分野の第一線で活躍中のお二人だが、じつは米イェール大学で研究に明け暮れていた時代からの旧知の仲だという。

今回の対談テーマは「脳の休息と集中力」。一方はクリニックにやって来る患者さんに、一方は塾に通う10代の生徒さんたちに向き合うなかで、二人はいまこのテーマについてどう考えているのか?2回にわたってお送りするスペシャル対談の完結編!(構成/佐藤智?撮影:宇佐見利明)


※前回の記事はこちら
「ただ休むだけ」だと、脳のパフォーマンスは高まらない
―【イェール対談】斉藤淳×久賀谷亮[前篇]

子どもの集中力を持続させる
適切なタイムキープ


斉藤 淳(さいとう・じゅん)
J PREP斉藤塾代表/元イェール大学助教授/元衆議院議員
1969年山形県生まれ。イェール大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。研究者としての専門分野は比較政治経済学。ウェズリアン大学客員助教授、フランクリン・マーシャル大学助教授、イェール大学助教授、高麗大学客員教授を歴任。
2012年、日本に中高生向け英語塾を起業。「第二言語習得理論」の知見を最大限に活かした効率的カリキュラムを展開。海外名門大や国内難関大の合格者も多数出ているほか、インターナショナルな保育園や学童保育も運営し、時期によっては入塾を待つことも。
著書に『世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法』(KADOKAWA)のほか、『10歳から身につく 問い、考え、表現する力』(NHK出版新書)がある・また、研究者としての著書に、第54回日経・経済図書文化賞などを受賞した『自民党長期政権の政治経済学』(勁草書房)がある。


久賀谷?集中力をうまく維持するためには、ただぼーっとするのではなく、一種の「アクティブ・レスティング」の考え方が必要であり、その一つがマインドフルネスなのではないかというのが前回のお話でした。教育の現場にいる斉藤さんから見て、学習などについても同じことが言えそうだと感じますか?

斉藤?そうですね。たとえば日本でもアメリカでも、大学の授業では「90分学んで10分休む」という区切りになっています。人間の集中力の持続時間を考えると、それがよいスパンだということでしょうね。一方で、最近は「25分区切りがよい」という説も現れています。25分じっくり学び、5分休憩すると、学習の効率が上がる、と。

久賀谷?なるほど。ちなみにJ PREP斉藤塾では、一コマの授業をどのくらいの時間に設定しているのですか?

斉藤?じつは「3時間ぶっ通し」なんです。

久賀谷?えっ!そんなに長くして大丈夫なんですか?

斉藤?3時間の中でも、講師の裁量で25分に1回程度、緊張をほぐすような仕掛けをしています。逆に、明確な休憩時間を挟むと、生徒たちは学習への意識が切れてしまう。そうなると、もう一度学習モードに切り替えないといけなくなるわけなんですが、かえってそのほうが労力がかかるんです。

久賀谷?なるほど。あえて休憩時間を設けていないわけですね。いろいろと工夫が必要になりそうです。

斉藤?たとえば、日本人講師とネイティブ講師の2人が交互に授業を担当しますし、1つのプログラムが30分ほどという学習スタイルを取り入れたりしています。同じメニューにずっと集中できなくても、学習内容をスイッチしていくことで集中を持続させることはできます。


久賀谷 亮(くがや・あきら)
医師(日・米医師免許)/医学博士(PhD/MD)。イェール大学医学部精神神経科卒業。アメリカ神経精神医学会認定医。アメリカ精神医学会会員。日本で臨床および精神薬理の研究に取り組んだあと、イェール大学で先端脳科学研究に携わり、臨床医としてアメリカ屈指の精神医療の現場に8年間にわたり従事する。そのほか、ロングビーチ・メンタルクリニック常勤医、ハーバーUCLA非常勤医など。2010年、ロサンゼルスにて「TransHope Medical」を開業。同院長として、マインドフルネス認知療法やTMS磁気治療など、最先端の治療を取り入れた診療を展開中。臨床医として日米で25年以上のキャリアを持つ。脳科学や薬物療法の研究分野では、2年連続で「Lustman Award」(イェール大学精神医学関連の学術賞)、「NARSAD Young Investigator Grant」(神経生物学の優秀若手研究者向け賞)を受賞。主著・共著合わせて50以上の論文があるほか、学会発表も多数。趣味はトライアスロン。著書に『世界のエリートがやっている最高の休息法』(ダイヤモンド社)がある。

久賀谷?なるほど。また、運動の話になってしまいますが、身体を鍛えるときにも「走る×泳ぐ」などを組み合わせる「クロス・トレーニング」という方法がありますよね。アスリート自身も気分転換になるので効果的だと言われていますが、学習の場面でも効果を発揮していると。それにしても3時間は長いなあという印象ですが……。

斉藤?もう一つ理由があります。端的に言えば、われわれが教えているのが「英語」だからです。語学を確実に習得するうえで大切なのは、一定時間、連続して英語環境に身を置いて、「英語脳」のままでい続けることです。たとえば、イェール大学で語学の授業を履修すると、50分の授業を週5回、つまり毎日ありますよね。

久賀谷?たしかに。あと、カフェテリアに各言語別のテーブル「ランゲージテーブル」が用意されていて、そこで外国語でインフォーマルな会話ができるような仕組みも整っていました。私も一時期、足を運んでいたのでよく覚えています。

斉藤?ええ。つまり、イェールの学生があそこまでスムーズに語学を身につけられる秘訣は、語学学習に費やせる時間が圧倒的に多いからなんです。一方、J PREP斉藤塾の生徒たちは、学校も他の習い事も、そしてもちろん日常生活もあるなかで、週に1回英語を学びにきている。だとすると、3時間通して授業をすることで、「英語漬け」の環境を用意するのがベストだというのが、われわれの考え方なんです。

久賀谷?なるほど、語学習得のメカニズムを踏まえると、3時間授業が現状では最善解ということですね。

斉藤?一方で、練習と練習の間隔が空きすぎないように、毎日少しずつ音声の練習ができるようなアプリを用意したりと工夫しています。


日本では選択する力を育む教育が必要

久賀谷?学習のメカニズムがわかってくるなかで、学習内容を個人に合わせてカスタマイズする「アダプティブ・ラーニング」の流れがありますよね。斉藤さんと私は、よく言えば自分らしく、悪く言えば自分勝手に生きてきたわけですが(笑)、そういう子どもたちからすれば、アダプティブ・ラーニングは歓迎されるのではないかと思います。

斉藤?そう思いますね。一方で、いまの中高生を見ていて思うのは、「自分で選ぶ」ということに慣れていないなということですね。J PREP斉藤塾では、勉強時間が長く進度が早いコースと、無理しないで部活動などと両立しながら通えるコースの2コースを設けています。これだけ単純な選択肢であっても、生徒からは「自分で選べません。」という声が挙がることがありますね。


久賀谷?そうなんですね。その点、アメリカの子どもたちとはまったく違いますよね。ちなみに今後、人工知能が発達したりすることで、アダプティブ・ラーニングがより進化することはあり得ますか?

斉藤?ありえますね。すでにそうした研究開発は進められています。単語を効率的に暗記できるよう、覚えるべき単語をレコメンドしてくれるとか、生徒一人ひとりの弱点を分析して、それを克服するための学習メニューを提供してくれたりといったことは、近い将来に、普及してくると思います。

久賀谷?そうなると、生徒はますます「自分で選ぶ」ことをしなくなりそうですね。

斉藤?まさにそこが重要な点です。人工知能の教育への応用については、効率的な学習の補助的なツールに過ぎないというのが私の立場です。つまり、「何を学ぶか」などの最終的な決定は人間がするしかないわけですね。

久賀谷?アダプティブ・ラーニングにしろ人工知能にしろ、学習をめぐる外的環境がどれだけ整備されていっても、それだけでは解決しない問題があると?

斉藤?ええ。「自分が何を学びたいのか」を自ら理解し、それを選べる子どもを育んでいく努力は欠かせません。「選ぶ力」があるかどうかで、その後の成長は大きく違ってきますからね。


ペーパーテストのみに起因する
日本の選抜テストの課題

久賀谷?イェール時代から斉藤さんの教育に対する問題意識については、いろいろとうかがっていましたが、いまはどんな問題があると思いますか?

斉藤?基本的には当時と変わりません。とにかく根っこは「大学入試」にあります。とくにペーパーテストの点数だけで合否を判断するようなこの仕組みですね。そこに問題があると思います。

久賀谷?たしかに、高校の授業の大部分は「大学入試の問題に答えられるだけの知識」を伝授するようにできているし、中学校や小学校の授業もそこから逆算されて設計されているようなところがありますね。

斉藤?そうなんです。だからこそ、まずは大学入試を変えないといけない。これにはかなり多くの人が気づきはじめています。


久賀谷?そういう教育を受けて大学に入った人たちは、どういう課題にぶつかることになるんでしょうか?

斉藤?これがまさに集中力の話と関係してくると思いますね。たとえば、高校入試であれば1科目の学力テストがだいたい50分ほど、センター試験「英語」の筆記であれば80分などです。これに対して、社会に出てから、ビジネスの場面などでの問題解決となると、ある程度の時間的幅を持ちながらそれに打ち込んで思考していくことが求められます。

久賀谷?アカデミックな領域でもそうですよね?

斉藤?はい、たとえば博士論文を書こうとすれば、何年間もかけて1つのテーマに打ち込んで成果をまとめていく粘り強さが求められます。日本の入試対策のための学びは、実務や高度教育の場面に不可欠な「持続的に学ぶ姿勢」に反している状況なのです。情報を調べる、論理を組み立てるなどは、人間の営みには欠かせません。それなのに、覚えたことを50分で吐き出すだけの試験でよいのか……と思います。

久賀谷?「本当の意味での学力」、つまり、持続的に何かを学ぶ力を測定するのであれば、ペーパーテストによる選抜だけでなく、根気強く学ぶ力や集中力、リーダーシップなども欠かせないですよね。実際、アメリカの大学の入試では、ボランティアをしたり、何かのリーダーになったりした経験も重視されている。

斉藤?まさにそのとおりです。日本がそうならないのは、選抜が面倒だからでしょう。ペーパーテストなら誰でも簡単に合否がつけられる。最近ネットで秀逸な書き込みを見かけました。日本の入試は、「サッカー選手を選抜しているはずなのに、面倒臭いから100メートル走のタイムを競わせているような状況」だというのです。その結果、足だけ速い選手が「優秀なサッカー選手」として世の中に送り出され、サッカー選手になりたい子どもは短距離走の練習だけしている――そんな歪んだ状態が生まれているわけです。

久賀谷?相変わらず斉藤さんは、教育の話をするとき、本当に楽しそうですよね。夢中になれることを仕事にされたのだなあと改めて思いました。

斉藤?楽しいことが一番集中できることですからね!楽しいことを学ぶ、楽しいことを仕事にするということは何よりも大事だと思います。

久賀谷?集中できることがあるからこそ、脳をしっかり休めるべきタイミングも見えてくる。明確なビジョンを持っているアメリカの経営者が、マインドフルネスに傾倒する理由も、そのあたりにあるのかもしれませんね。久しぶりにお話できてうれしかったです。今日は、ありがとうございました!

斉藤?こちらこそ、ありがとうございました!


(対談おわり)
http://diamond.jp/articles/-/118691
http://www.asyura2.com/17/hasan119/msg/555.html#c1

[経世済民119] 日本株は割安、低ROE修正なら5割高も 3日続伸TOPIX昨年来高値 GPIFアクティブ市場平均に見劣 債先上昇超長期安 軽毛
1. 2017年3月02日 17:24:46 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[676]
Column | 2017年 02月 28日 14:23 JST 関連トピックス: トップニュース

 コラム:アップル時価総額1兆ドルへ、バフェット予想に説得力

Robert Cyran

[ニューヨーク 27日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米著名投資家ウォーレン・バフェット氏は、アップル(AAPL.O)の時価総額が1兆ドルに達すると予想した。これは手が届きそうな目標だ。アップルの成長は鈍っているが、株価はなお過小評価されている。

アップルの時価総額は現在7170億ドル程度で、2017年9月に終わる会計年度の予想利益に基づく株価収益率(PER)は約15倍。これに対し、S&P総合500種株価指数の構成企業は、同PERの平均が約19倍だ。その上、アップルは2500億ドル近くものキャッシュおよびキャッシュ相当証券を保有している。あまりにも規模が大きいため、大半は標準的な会計ではキャッシュや純債務のカテゴリーから除外される長期証券に投資されている。

桁外れの手元資金とその取扱いの異例さを踏まえると、アップルの場合は手元資金と事業価値を別々に評価してみる価値がある。同社の基本事業にS&P500社と同じPERを当てはめると評価額は8500億ドルとなる。手元資金を足し戻し、約900億ドルの負債を差し引くと、アップルの潜在的な時価総額は1兆ドルを超える。

投資家は、世界のスマートフォン市場が飽和状態に達したのではないかと懸念している。アナリストによると、本年度のアップルの売上高は6%増と、かなり控えめな伸びにとどまる見通しだ。しかしバフェット氏が27日にCNBCテレビで述べた通り、アップル製品には「粘着性」がある。つまりアップルのほとんどの顧客はスマホの買い替え時に「iPhone(アイフォーン)」から離れない。アプリやオンラインのデータストレージ、決済、音楽といったサービスは着実に伸びている。新製品の開発に多額を投じているため、再びヒット商品を生み出せる可能性も残っている。

市場では、アップルが大型買収に過剰な資金を投じることへの懸念もある。しかしその証拠は見られない。ティム・クック最高経営責任者(CEO)は節約家で、アップルが過去40年間に行った最大の買収は2014年、ビーツ・エレクトロニクスを30億ドルで買収した事例だ。そのくらいの金額ならアップルは毎四半期に配当として支払っており、平均してその3倍の額を自社株買いにも投じている。

投資家はとにかく、1兆ドルなどという大きな数字は受け入れられないのかもしれない。しかしそうだとすれば、サウジアラビアの国営石油会社アラムコが計画している2兆ドル規模の上場はどうなるのだろうか。投資家が少し態度を変えるだけで、アップル株は米国初の1兆ドル企業になるだろう。

●背景となるニュース

*ウォーレン・バフェット氏は27日、CNBCテレビで、自身が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイ(BRKa.N)が今年に入り、アップル株約1億2000万株を購入したことを明らかにした。これで保有株は1億3300万株、約170億ドル相当となった。「アップルは利用者がとても離れがたい製品を持っているという点で、私の心に訴える」とバフェット氏は語った。

*アップルとバークシャーのどちらが米国初の時価総額1兆ドル企業になるか、との問いに対してバフェット氏は、自分ならアップルに賭けると答えた。24日時点でアップルの時価総額は7170億ドル。


ベトナムに新造巡視船6隻を供与 2017年 01月 16日
コラム:米債務上限引き上げ問題、財務長官候補は無力か 2017年 02月 14日
コラム:トランプ氏の「壁」、2.46兆円のまずい投資選択に 2017年 02月 13日
http://jp.reuters.com/article/column-apple-buffett-idJPKBN1670ES?sp=true
http://www.asyura2.com/17/hasan119/msg/642.html#c1

[経世済民119] 量子コンピューターがあなたのパスワードを破る日 パリがロンドンに取って代わる夢ルペンで望み薄 PIMCOアイバシン快進撃 軽毛
1. 2017年3月06日 12:32:52 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[677]
 
パリがロンドンに取って代わる夢、ルペン氏では望み薄−他候補に期待
Fabio Benedetti-Valentini
2017年3月6日 06:18 JST

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英国の欧州連合(EU)離脱後にロンドンから流出する銀行の雇用でパリが受け皿となる−。このフランスの野望の妨げになる大きな障害は、大統領選挙の候補、ルペン国民戦線(FN)党首だ。
  ルペン氏は仏大統領選での有力候補の1人。ユーロ圏やEUからの離脱を掲げるその政策目標は、金融業界幹部が望むものとは相いれない。同氏が敗退してくれれば、企業寄りの政策を打ち出している他の候補が改革を実行し、パリをより競争力の高い都市にしてくれるだろう。

ルペン党首

Photographer: Marlene Awaad/Bloomberg
  グリニッチ・アソシエーツで欧州やアジアの資産運用会社と銀行にアドバイスするマネジングディレクターのマーカス・オーリグ氏は「ルペン氏が選ばれればパリに事業を移転させようと考える外国企業はいなくなるだろう」と話している。世論調査は決選投票でルペン氏が敗れることを示唆している。
  ロンドンから流れる雇用の受け皿候補として、パリはドイツのフランクフルトやアイルランドのダブリンと競合する。仏企業幹部は当初、採用・解雇を容易にする労働法改革や減税などを掲げたフィヨン元首相の政策を評価していたが、公金流用疑惑でフィヨン氏は苦境に立った。幹部らはマクロン前経済相が2日に発表した穏やかな改革案の支持に傾きつつある。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iAFyZrjt9Qi8/v1/-1x-1.png

原題:Paris Hopes for Brexit Bank Jobs Run Up Against Frexit Fears(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-03-05/OM8OGQ6KLVR401 

http://www.asyura2.com/17/hasan119/msg/752.html#c1

[政治・選挙・NHK221] <厚生労働省のデータ>非正規社員の生涯賃金が正社員よりも1億円少ないことが判明! 赤かぶ
2. 2017年3月06日 12:47:40 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[678]

「同一労働同一賃金」の目的は格差是正ではない
ここが間違い、女性の攻め方
処遇差の「合理性」とは? 日本での導入が難しい理由
http://www.asyura2.com/17/hasan119/msg/749.html
http://www.asyura2.com/17/senkyo221/msg/778.html#c2
[経世済民119] 米3月利上げで円安加速は本当か ドル円こう着終焉、下抜けか 中国、経済減速、労働力の流動化必要  東証続落 JQ18日↑ 軽毛
1. 2017年3月07日 17:40:58 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[679]

市場が瀬踏みする「3月米利上げ」の先
編集委員 滝田洋一
2017/3/7 5:30
 米国の株と債券はゴルディロックス(いい湯加減)に浸っている。その前提は米連邦準備理事会(FRB)が慎重に利上げするとの見立てである。そうは問屋が卸してくれるかどうか、3月利上げの先の瀬踏みが始まろうとしている。

http://www.nikkei.com/content/pic/20170307/96958A9F889DE3E1E4E6E0E5EAE2E2E1E2E1E0E2E3E5E2E2E2E2E2E2-DSXMZO1365707003032017000001-PB1-17.jpg

 3月15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で短期の政策金利を引き上げることは織り込んだ。それが市場の雰囲気である。だが今回の会合をめぐる真の関心事は、その後の利上げペースや中立金利の水準である。
 景気を刺激も抑制もしない短期金利の水準(中立金利)を、FOMCのメンバーは3%とみている。ここが今回の利上げ局面のゴール。そのゴールに至るまでに、毎年何回ずつ利上げするかが、長期金利(債券利回り)の水準を決めるカギとなる。
 期間10年の長期金利(10年物国債利回り)を例にとると、向こう10年間の短期金利の予想値の平均に等しくなる。金融の世界ではそんな約束事がある。
 今回3月のFOMCも含め、年2回のペースで利上げを続けると、短期金利がゴールの3%に達するのは2021年3月。中立金利に達した後は、短期金利を3%で動かさないとすると、足元から向こう10年間の短期金利の平均は2.55%となる。
 これが長期金利の理論値。10年債の実際の利回りは足元では2.5%近辺なので、理論値とほとんど変わらない。
 今年末から10年間の短期金利の平均値をみても、2.65%にとどまる。つまり年末時点の長期金利の理論値も、足元の10年債の利回りとあまり変わらない。
 年2回のペースの利上げなら、債券相場にはほとんど影響がない。株式相場も、金利の影響が無視できるとあって、景気と企業業績が好転を織り込んだ買い安心感が漂う。いい湯加減なのだ。
 ならば、イエレンFRB議長がハト派色を薄め、年3回ペースの利上げに踏み切ることになったらどうか。同じ要領で長期金利の理論値をはじくと、足元では2.70%、年末時点では2.83%となる。
 ハトからタカに転じ、年4回ペースの利上げとなると、長期金利は足元では2.78%、年末時点では2.91%が理論値となる。年2回ペースの場合に比べて、長期金利の理論値は高めとなるが、問題はそれだけにとどまらない。
 年3回ペースの利上げとなると、短期金利がゴールの3%に達する時期が早まるのに加え、そもそもゴールを引き上げたらどうかという議論が出てくる。ましてや年4回ペースの利上げともなると、ゴールとなる中立金利の上方修正は必至だ。
 となると、短期金利の平均である長期金利も、水準を切り上げることになる。今の債券市場はこうした舞台回しの変化まで織り込んでいるわけではない。下手をすると、ちゃぶ台返しとなる。

 何事にかけても慎重なイエレン議長としては、いきなり中立金利を上方修正したりはすまい。ただニューヨーク連銀のダドリー総裁がさりげなく、「見通しのリスクは今や上振れ方向に傾き始めている」と語ったのは気になるところ。
 四半期ごとに経済・物価見通しを見直す3月のFOMCでも、中立金利の上方修正を図るメンバーが出てくるかもしれない。その意味で、FOMCメンバーの金利予測(ドット・チャート)の微妙な変化も、重要な意味を持ちかねない。
 もうひとつ、市場の関心を呼びそうなのは、FRBの保有資産の圧縮に向けた議論である。短期金利が着実に3%に向かうメドが立ち始めるなら、保有資産の再投資の見直しに向けた地ならしが課題になってくる。
 保有資産の圧縮のインパクトは、利上げの比ではない。3月利上げの先の課題は次第に難易度を増してくる。
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO13642780T00C17A3000000/?n_cid=DSMMAA10 

http://www.asyura2.com/17/hasan119/msg/796.html#c1

[原発・フッ素47] 福島原発廃炉 ようやく「登山口」にまで来た 避難指示7割解除=進まぬ住民帰還 20k圏内の動物を世話する 実現困難も税投 軽毛
1. 2017年3月07日 18:15:28 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[680]
<原発からの請求書>(1) 福島事故賠償 検針票のどこに?
2017年3月1日 07時02分

 東京電力福島第一原発事故からまもなく六年になります。同原発の処理や核燃料サイクルなど原発の後始末の費用は本紙集計で四十兆円に膨張、家計負担も増えています。しかし、負担の実額は不明確。毎月、電力会社から届く使用量と代金の記載された「検針票」を手掛かりに負担の実態を探ります。お手元の検針票と比較しながら、エネルギー政策を考えてみませんか。 (吉田通夫、池尾伸一)
 Q 電気代に原発の費用は入っていますか。
 A 原発の運営費が含まれるのは当然ですが、さまざまな経費が電気代や、電線で電気を送るための「託送料」に上乗せされています。託送料には核燃料の再利用や自治体への補助金も乗っています。これらは電力会社が送ってくる検針票に記載されています。送らない会社もありますが、ネットではみられます。
 Q これからさらに福島原発の処理費が加わってくるのですか。
 A いいえ。すでに被災者への賠償費については大手電力の利用者は払っています。当初五兆四千億円と推計された賠償費は事故を起こした東電が負担することになっています。
 しかし東電の利益が低迷し、政府は二〇一一年からほかの電力会社も含めて「将来の事故への備え」の名目で年間千六百三十億円を集金、賠償に充てています。仮にこのまま全額を賠償に充てるなら、約三十年かかる計算。大半の電力会社はこれを電気代にそのまま上乗せしており、東電の場合、年間五百六十七億円を上乗せしています。
 Q 家庭の負担は。
 A 販売電力量で計算すると、月三百五十九キロワット時を使った夫婦子供二人の家庭(図のケース)では九十円。月二百六十キロワット時を使う東電の平均家庭は月六十五円で年間七百八十円。賠償金に達する三十年の合計では二万三千四百円払うことになります。
 Q 毎月の負担は少なくみえても累積すれば多額の負担ですね。
 A それだけではありません。政府は昨年末、賠償が二兆四千億円膨らむとして、追加分は託送料に上乗せして二〇二〇年から四十年かけて工面すると決めました。一キロワット時〇・〇七円として、図の世帯では月二十五円。平均家庭は月十八円、年間二百十六円の負担で従来負担と合わせると年九百九十六円になります。三十年分の従来負担と四十年分の追加負担を足した総額は三万二千四十円に達します。
 Q 太陽光の会社に切り替えればよい?
 A 追加分は新電力の利用者も含まれます。
 Q なぜ原発を利用していない人まで払う必要が。
 A 政府は事故に備えたお金は、一九六〇年代から積み立てておくべきだったと主張。国民は格安価格で原発の恩恵を受けていたとして、不足分を全国民に請求すると言っているのです。これから生まれてくる子どもたちも「過去に原発の電気を本来より安く使った」と払わせられるのです。時空を超えた、あり得ない請求書といえます。
 Q 本来のあり方は。
 A ルールに従い東電を破綻させ、株主や貸し手の銀行に負担させるのが筋との意見が根強いです。託送料は国会のチェックもなく、経済産業省の認可だけで引き上げ可能。電力会社と政府が責任を置き去りにして、安易に国民に負担転嫁する姿勢が濃厚です。
 (東京新聞)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017030190070207.html


<原発からの請求書>(2)特例で電気料金高いまま 福島第一廃炉費
2017年3月2日 朝刊

 Q 東京電力福島第一原発の廃炉にはいくらかかるのですか。
 A 当初二兆円のはずでしたが、経済産業省は昨年末、八兆円に膨らむ見通しを公表しました。
 Q なぜそれほど膨らんだのですか。
 A 政府の予想以上に事故がひどかったためです。炉心がメルトダウンしており、核燃料が下に堆積しています。放射線レベルが高く人が近づけば即死するほど危険な物質。それを全て取り出す必要があるのです。東電は二月にロボットで原子炉内を調べようとしましたが失敗。出足からつまずいています。廃炉作業がいつ終わるかや、いくらかかるのかは不明なのが実情です。
 Q だれが払う?
 A 経産省は「東電のリストラで費用捻出する」と言っています。
 Q 国民にツケ回ししないということですか。
 A カラクリが隠れています。電気代には、電力の通り道である送電線の使用料が「託送料」として含まれています。託送料は検針票の裏に記載されています。現在、東電では一キロワット時あたり九・二六円。三百五十九キロワット時使った家庭(図のケース)では三千三百二十四円と、電気代の四割ほども占めます。この託送料に特別ルールが設けられるのです。
 Q どんなルールですか。
 A 送電線は東電のものですが、電力販売に新しく参入したガス会社や通信会社なども電気を家庭や企業に送るのに使っています。東電が託送料を高くすると、東電ばかりもうかり競争が制限されてしまうので、経産省がチェックし、コストが下がったときは下げさせます。例えば電線の原材料価格が下がれば、託送料も下げるルールです。
 ところが、経産省は東電については原材料などが安くなっても「託送料を下げなくてよい」という特例を三年後をめどに導入します。「もうけすぎ」を容認することで、浮いた利益を廃炉に充てるわけです。
 Q それでは電気代はいつも高いままで利用者が負担しているのと同じでは。
 A そうなります。
 Q 東電から別の会社に乗り換えればよい?
 A 確かに消費者も昨春から大手電力以外の電力会社と契約できるようになりました。しかし、説明した通り、電気は大手電力の送電線を通って家庭にきます。電線使用料は託送料として消費者に転嫁されるので結局、関東の人ならだれでも廃炉費を実質負担することになるのです。
 Q 事故の原因は東電の安全対策不備なのにどうも納得できません。
 A この手法では国民がいくら負担しているかも見えにくくなる。廃炉費はさらに膨らむ可能性もあり、識者からはもっと透明で責任が明確になる負担方法が望ましいとの意見は根強いです。 (吉田通夫)
 原発政策と電気代についての疑問、意見をお寄せください。ツイッター上からハッシュタグ #原発からの請求書 をつけて投稿してください。メールは keizai@tokyo-np.co.jp  ファクスは03(3595)6914


http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201703/CK2017030202000129.html

<原発からの請求書>(3)電気代上乗せの税を流用 福島事故除染費
2017年3月3日 朝刊

 Q 福島第一原発事故では廃炉・賠償のほかにも費用がかかりますね。
 A 汚染された土壌を取り除く除染にお金がかかります。広範な地域で土を削ったり側溝の泥をすくったり膨大な作業です。政府は昨年末に、当初の二兆五千億円が四兆円に拡大する見通しを公表しました。
 Q だれが、負担しますか?
 A 環境汚染は汚染物質を出した企業が払う汚染者負担が法律上の大原則。しかし、東電は利益状況が厳しく払えないと主張し、国民負担が増えています。
 Q 例えば。
 A 汚染土をためておく中間貯蔵施設の建設・運営には電気代に上乗せされている電源開発促進税(電促税)を流用しています。本来は原発のある自治体振興に使われる税ですが、政府は毎年三千二百億円入る同税収の約15%を三十五年間流用し、必要な一兆六千億円を工面する算段です。
 Q 家庭の負担は。
 A 電促税相当額として「一キロワット時〇・四〇六円」が徴収されており、約三百六十キロワット時使った家庭(サンプル)は月百四十六円を負担。東電の平均家庭(毎月二百六十キロワット時使用と想定)は月百五円、年間千二百六十六円を払っている計算です。この15%が流用されるとすると消費税分を除き年百七十六円、三十五年で六千百四十二円が貯蔵施設に使われる計算です。そんなに流用できるなら、もともと電促税は取られすぎだったとの批判もあります。
 Q 除染自体の負担は。
 A 政府は住民が帰れない区域に「特定復興拠点」を設け、優先的に除染し五年後をめどに避難解除すると決定。こうした地域は税金で除染すると決め、二〇一七年度予算で三百億円を投入します。税金投入は最終的に数千億円に上る見通しです。
 Q それ以外の除染は。
 A 総額四兆円の経費は政府が一兆円を投入して過半を購入した東電の株式を売って工面すると説明しています。四兆円の売却益を得るには現在四百円程度の東電株が四倍の千五百円超に上がる必要があります。
 Q 非現実的ですね。
 A 経産省は「不足するなら負担のあり方を検討する」といいます。政府の皮算用が外れ、仮に全額を全国から電気代で徴収するなら一世帯当たり一万五千六百円。これが何年かに分け電気代で上乗せ徴収される懸念があります。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201703/CK2017030302000147.html
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<原発からの請求書>(4)新電力利用者にも転嫁 廃炉費
2017年3月4日 朝刊

 Q 福島第一原発以外の原発の廃炉費はいくらかかりますか。
 A 核燃料が溶け落ちた福島第一原発の廃炉は難作業ですが、ほかの原発の廃炉も放射能を帯びた部品や廃材の処理が必要です。東京電力なら一九八五年に1号機が運転開始した新潟県の柏崎刈羽原発などの廃炉が将来必要です。政府試算では一基を解体するのに三十年かかります。部品なども処分場に埋め数百年は管理する必要がある。政府は一基あたり最大七百七十億円、全国で二兆九千億円が必要と試算しています。
 Q だれが払うのですか。
 A 電力各社が各原発ごとに額を見積もり、原則四十年の稼働期間に積み立てます。電気料金に上乗せされ、消費者から徴収してきました。二〇一五年三月末時点で、廃炉決定済みの原発を除き全国四十三基で約一兆二千億円がたまっています。残りの一兆七千億円も電気料金に上乗せして徴収されます。
 Q 費用が膨らむ心配は。
 A そこが問題です。日本で本格解体が始まった原発はまだないのですが、一九九一年から廃炉作業が進む英国のトロースフィニッド原発の場合、時間経過に伴い見込み額が膨らみ最新では日本の試算上限を35%上回る千百五十億円(一ポンド=一四四円換算)に拡大しています。日本でも費用が膨張する可能性はあります。廃材などの処分場所も決まっていません。
 Q 原発を持つ大手の電気料金は上がるかも。太陽光中心などの新電力会社に代えるのも手ですね。
 A その手も通用しにくい。経済産業省は廃炉費が予想以上に膨らむ場合、不足分は新電力会社も使う送電線の利用料である「託送料」に上乗せ徴収してよいと、決めてしまったんです。これで負担は新電力利用者にも転嫁されます。
 Q また託送料上乗せですか。
 A この連載の一、二回目でも触れましたが、福島事故の賠償や廃炉費が膨らむ分も、託送料に上乗せされる仕組みでしたね。大手電力が保有・管理する送電線は全ての利用者が依存する共通インフラのため、少し利用料を上げるだけで巨額のお金が、大手の財布に入ってきます。この仕組みが「安易に使われすぎだ」と批判する識者は少なくありません。
 東日本大震災後の規制変更で早めに廃炉にする原発も、積み立てが済んでいない分は託送料に上乗せしてよいルールに決まりました。前倒し廃炉にする関西電力美浜原発1、2号機(福井県)など六基の、不足額は計約千八百億円です。
 Q 国民から強制的に取るのなら税金と一緒では。
 A 税金は国会論議を経て決定されますが、託送料は経産省が認可するだけです。安易に集金できる分、政府や電力会社の節約意識が緩み廃炉費が膨らむ心配があります。ツケは国民負担に回る仕組みです。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201703/CK2017030402000135.html

<原発からの請求書>(5) 最終処分場建設、運営に3.7兆円 増額の可能性も
2017年3月6日 朝刊

 Q 原発から出る核のごみを受け入れる最終処分場にはいくらかかりますか。
 A 経済産業省の試算では建設・運営費で計三兆七千億円かかります。東京五輪向け新国立競技場(総工費約千五百億円)が二十四個できる金額です。
 Q なぜそんなにかかるのですか。
 A 燃料は再利用しますが、廃液など「高レベル放射性廃棄物」が出るからです。人が近づくとすぐ死亡するほど危険なので、ガラスに混ぜて固め、三百メートル以上の地下に埋めます。日本は地震が多いので耐震性を高め、完全な地下水対策も必要。その状態で最長十万年管理し、やっと放射線が減少するのです。その分、費用はかさみます。東京電力・福島第一原発事故の溶解燃料も受け入れる可能性があり、その場合もっと高くなるでしょう。
 Q お金はだれが払うのですか。
 A わたしたち電気を利用する国民が払っています。大手電力が出資する専門組織が建設・運営するのですが、費用は電気料金に上乗せされ、積み立てられています。東電の上乗せ額は一キロワット時あたり〇・〇四二五円で、約三百六十キロワット時使用した家庭(図のケース)では月十五円。家庭が電力会社を選べるようになった昨春以降は主に大手電力の利用者が負担しています。二〇一六年三月末時点の積立金は約一兆円にとどまっており、本紙試算では最低四十六年上乗せを続けないと必要額に達しません。
 Q 原発を持たない新電力と契約すれば負担をしなくてよいのですか。
 A いいえ、一部は負担を迫られます。経産省は〇五年に最終処分対象の核のごみの種類を増やし、見積総額も約八千億円上積みしました。燃料のリサイクルに必要な費用も膨らんでいたので、まとめて計二兆七千億円分を十五年かけて電線使用料である「託送料」に上乗せして集めると決めたのです。検針票の裏に小さく記されている「使用済燃料再処理等既発電費相当額」という長い名前の項目です。一キロワット時につき〇・一一二円の負担で、図の家庭は約四十円の負担。従来負担と合わせ月五十五円。東電管内の平均家庭(月間使用量二百六十キロワット時)は毎年計千六百七十五円ずつ積み立てに協力している計算です。
 Q 処分場はいつできるのですか。
 A 政府は長年候補地を探してきましたが、人々の抵抗感は強く、みつかりません。経産省は断層の状況などから有望地域を示す地図を昨年末までに示す予定でしたが、先送りにしています。ごみの受け入れ先がないにもかかわらず、政府と電力会社は原発再稼働を急いでおり「無責任」との批判があります。
 日本学術会議も「いまの科学で十万年の安全確保は証明できない」としており、建設計画は難航が必至。資金面でも作業が進めば、三兆七千億円の見積もりを大きく超え、国民は電気代からの積み立て増額などを迫られる可能性があります。 (吉田通夫)
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原発処理費 40兆円に拡大 税金・電気代転嫁、国民の負担に
2017年2月26日 朝刊

 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から間もなく六年。福島第一をはじめとする廃炉や使用済み燃料再利用など原発の後始末にかかる費用が膨張している。本紙が政府推計や予算資料を集計したところ国内の原発処理の経費は最低四十兆円に上ることが判明。原発のある自治体への補助金などの税金投入も一九七〇年代半ばから二〇一五年度までに十七兆円に達した。すでに国民が税などで負担した分を除き、増大する費用は電気代や税で国民が支払わねばならず、家計の重荷も増している。 (原発国民負担取材班)
 四十兆円は国民一人当たり三十二万円に上る。原子炉や核燃料処理費がかさむのは危険な核物質を処理する必要があるため。自治体補助金も「迷惑料」の色彩が強い。原発の建設・運営費も事故後は安全規制強化で世界的に上昇している。
 政府は福島事故処理費を一三年時点で十一兆円と推計したが、被害の深刻さが判明するにつれ、二一・五兆円と倍増。本来は東電が負担すべきものだが政府は原則を曲げ、電気代上乗せなど国民負担の割合を広げている。
 被災者への賠償金は、新電力会社の利用者も含め全国民の電気代に転嫁され、福島原発廃炉費も東電管内では電気代負担となる方向だ。除染も一部地域について一七年度から税金投入(初年度三百億円)する。
 一兆円を投入しながら廃止が決まった高速増殖炉「もんじゅ」についても政府は昨年末に後継機の研究継続を決定。税金投入はさらに膨らむ方向。青森県の再処理工場などもんじゅ以外の核燃料サイクル事業にも本紙集計では税金などで十兆円が費やされた。核燃料全般の最終処分場の建設費も三・七兆円の政府見込みを上回る公算だ。
 自治体への補助金も電気代に上乗せする電源開発促進税が主な財源。多くの原発が非稼働の現在も約千四百億円(一五年度)が予算計上されている。
 大島堅一立命館大教授によると一キロワット時当たりの原発の発電費は安全対策強化で上昇した原発建設費も算入すると一七・四円と、水力(政府試算一一・〇円)を六割、液化天然ガス火力(同一三・七円)を三割上回る。原発を進める理由に費用の安さを挙げてきた政府の説明根拠も問われている。
◆東日本大震災6年 家計の痛みは?連載始めます
 膨らむ原発費用はわたしたちの家計にのしかかっています。しかし、政府の決めた仕組みは複雑で、家庭の負担の実額はなかなかつかめません。手掛かりは、電力会社から毎月届く「検針票」。直前1カ月の使用電気量と代金を家庭に知らせる通知です。
 この小さな紙切れのあちこちに実は原発のための負担もちりばめられています。取材班は検針票を読み解く連載を近く始めます。ご自宅の検針票と見比べながら、一緒にエネルギー政策を考え、ご意見と疑問をぜひお寄せください。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201702/CK2017022602000141.html 

 
原発処理21兆円の大半は電気代 検針票の裏「託送料」に
2016年12月21日 朝刊

 東京電力福島第一原発の廃炉費用などの大半が、家庭や企業が支払う電気料金に上乗せされることになった。経済産業省と財界人らが二十日に開いた「東京電力改革・1F(福島第一原発)問題委員会」で、二十一兆五千億円に膨らむと見込んだ事故処理費用の負担を国民に求める提言をまとめたためだ。負担は電気料金が記載された検針票に反映される。だが、複雑な仕組みに潜り込ませるため、分かりにくい。
 賠償費用は東電の検針票の場合、裏面に記載されている託送料金に盛り込まれる。現在は一キロワット時当たり九・二六円で、〇・〇七円が新たに加わる。
 託送料金は東電や中部電力など、地域ごとに大手電力が独占する送電線の利用料。送電線を利用している新電力の利用者も負担することになる。料金は同省が審査して、認可すれば変更できる。国会での審議は必要ない。
 費用の電気料金への上乗せは二〇二〇年から四十年間続く見込み。同省は、新たな負担額について「料金の明細に明記させる」としている。だが、託送料金を検針票に記載していない会社もあり、自分がいくら負担しているのか分からなくなる恐れもある。
 東電は特例措置で利益を託送料金の引き下げに充てず、廃炉費用として積み立てる。大手電力は通常、送配電部門で一定の利益が出ている場合、託送料金を引き下げなければならない。だが、今回の仕組みができることで、託送料金は簡単に下がらないことになった。
 提言で電気料金に含まれることになった廃炉費用も、負担額は検針票からは読み取れない。また、検針票で「電源開発促進税」と小さく記載された費用には、事故の影響で放射能に汚染された土壌などを一時保管する中間貯蔵施設の建設費が盛り込まれる。
 同省は「増税せず、税収の中でやりくりする」と説明するが、事故がなければ税率が下がる余地があった。


http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201612/CK2016122102000129.html


あり得ぬ理屈に反発 電気料金「過去分」とは
2016年12月15日 朝刊

 経済産業省は、不足する福島第一原発の処理費用を捻出するために、その費用を国民の電気料金に上乗せする。「賠償費用は過去の電気料金に上乗せしておくべきだった」という理屈をつけて、「過去分」と称した費用を「これから請求する」という。通常の企業活動や買い物ではあり得ないやり方に批判は絶えない。経産省の理屈をあらためてまとめた。 (吉田通夫)
 Q 費用の上乗せを経産省はどう説明しているの。
 A 原発事故の賠償のための費用はもっと前から「電気料金に積み立てておくべきだった」と言うのです。この費用を「過去分」と名付けています。積み立ての起算点は、日本で原発の営業運転が始まった一九六六年。いま大手電力会社の契約者が支払っている年間千六百億円の負担金を基に過去の負担を二・四兆円と計算し、二〇二〇年から四十年にわたり新電力の契約者も含めて幅広く請求するつもりです。
 Q 後になって請求するなんてあり得ないのでは。
 A その通りです。例えば、つぶれそうになった食堂が「あなたが過去にうちで食べた定食の価格に使った調味料の費用を反映していなかったので、請求します」と言うようなものです。
 会社が傾くたびに「過去の費用を反映していなかった」と請求できるようになったら、いいかげんな経営で巨額の負債を抱えた企業でも、生き残れてしまいます。だから、企業会計の原則では、過去にさかのぼって費用を変えたり不足分を後から請求することはできないことになっています。
 Q なぜ、ひどいやり方が電気料金ではできてしまうの。
 A 経産省は「原発事業は超長期なので、必要な費用をあらかじめ見込むのが難しい」などと釈明しています。実は、〇五年から使用済み核燃料の処理に足りない費用を「取りはぐれた分」として、私たちの電気料金に上乗せしています。
 今回の「過去分」も政府が制度変更を、数人の有識者や財界人を集めた審議会で決めようとしています。自民党への根回しもほぼ終えて、このまま押し通すつもりです。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201612/CK2016121502000132.html


http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/622.html#c1

[経世済民119] 米3月利上げで円安加速は本当か ドル円こう着終焉、下抜けか 中国、経済減速、労働力の流動化必要  東証続落 JQ18日↑ 軽毛
2. 2017年3月07日 19:07:10 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[681]
中国:2月末の外貨準備高、予想外の3兆ドル台−昨年6月以来の増加
Bloomberg News
2017年3月7日 18:08 JST

中国の2月末の外貨準備高は予想に反して増加した。当局が資本流出への管理を強化する中、8カ月ぶりの拡大となった。
  中国人民銀行(中央銀行)が7日発表した外貨準備高は2月末時点で3兆50億ドル(約342兆円)。1月末から69億ドル増えた。ブルームバーグのエコノミスト調査では2兆9690億ドルが見込まれていた。
  コメルツ銀行の周浩エコノミスト(シンガポール在勤)は、「今回の外貨準備高の持ち直しはサプライズだ」と指摘。「市場のセンチメントが安定していたことやオンショア人民元の売買が通常よりも少なかったことから、人民銀による先月のスポット市場への介入は恐らくそれほど多くはなかったことを外貨準備の増加は示している」と述べた。
原題:China FX Reserves Rise First Time Since June Amid Capital Curbs(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-03-07/OMFT1X6JIJUR01


http://www.asyura2.com/17/hasan119/msg/796.html#c2

[経世済民119] NY原油(8日)大幅続落、12月以来安値−米在庫増に市場は焦燥感 金株も下落 債券弱気相場入 ドル上昇ADP統計の大幅増 軽毛
2. 2017年3月09日 11:41:25 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[682]
新債券王が描く暗い未来
米州総局 大塚節雄
2017/3/9 8:24 
 8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落となった。建機大手キャタピラーの不正会計

報道が相場のムードを重くし、原油価格の下落でエネルギー株にも売りがかさんだ。10日発表の2

月分の米雇用統計、利上げが有力視される来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)。大きな材料

を控え、一段の上値を追う動きは広がりにくい。

ダウ平均は3日続落した(8日、ニューヨーク証券取引所)=ロイター
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ダウ平均は3日続落した(8日、ニューヨーク証券取引所)=ロイター
 手詰まり感が漂う市場で話題となったのが、有力投資家の相次ぐ発言だ。1人は著名ヘッジファ

ンドを率いるデービッド・テッパー氏。トランプ大統領の誕生前には相場の先行きを危惧していた

が、この日の米経済テレビで、今の相場状況を「パンチボールはまだ満杯」と表現。その状況下で

は「売り向かうことは難しい」と語った。

 パンチボールとはパーティーで使うお酒を入れる大きな器のこと。要はトランプ相場という宴が

たけなわのなか、その流れに逆らうのは簡単ではないというわけだ。

 テッパー氏によれば、相場の原動力は新政権で共和党がホワイトハウスと上下両院という「3つ

のハウス」を制し、経済を刺激する規制緩和、減税、インフラ投資という「3つの公約」を掲げた

点にある。著名投資家による新味のない見立てが、逆に強気派の安心材料となったようだ。

 株価はさすがに割高ではないのか。テッパー氏は「割安とはいえない」と認めたほか、フランス

の大統領選といったリスク要因を挙げた。それでも、世界的な経済情勢の改善が米株価の上値余地

につながると主張した。

 もう1人、「新債券王」の異名を持つジェフリー・ガンドラック氏の見方は少し違う。前日に投

資家向けにインターネットで配信された発言内容を米メディアが相次いで報じた。

 ガンドラック氏は早くから大統領選でのトランプ氏の勝利を「予言」し、長期的なインフレの時

代の到来を唱えた。トランプ氏の政策を必ずしも支持しているわけではなく、財政赤字の拡大が債

券相場に逆風になるシナリオを強調してきた。

 今回注目されたのは、米連邦準備理事会(FRB)が継続的な利上げ姿勢に転じたという主張だ

。3月の利上げに向けたイエレン議長らの露骨な「地ならし」の動きと、それを素直に織り込む市

場の反応。ガンドラック氏の目には、それらが大きな転換点に映った。

 「オールドスクール(伝統的・保守的)」という表現で、FRBは今回、インフレ退治を最重視

するかつての中央銀行の姿に戻りつつあるとの見解を披露。刺激的だったのは、その末路だ。伝統

的な中銀は「歴史的に、何かが破裂するまで利上げを継続する」。やがて景気後退などを招くとい

う暗い未来を示唆した。

 ガンドラック氏は米景気指標の堅調ぶりにも言及し、現時点で「米景気後退の兆しはみえない」

と指摘。テッパー氏の見解と真っ向から対立しているわけではない。ただし、足元では安定してい

る米長期金利(10年物国債利回り)がやがて一段の上昇に向かうと予想し、「株価は金利上昇に屈

するだろう」とトランプ相場の終幕に言及した。

 足元でインフレ見通しが急激に高まる気配はみえない。FRBがこの先、経済を冷やすのも構わ

ず利上げにこだわるという主張も説得力が欠けるように思える。それでも、インフレと米債券相場

の先行きが大きな不確定要素なのは確かだ。新債券王が描く米国の暗い未来は現実になるのだろう

か。

(ニューヨーク=大塚節雄) 
http://www.asyura2.com/17/hasan119/msg/842.html#c2

[経世済民119] 日本政府は「国債を返し過ぎ」か 国債を無利子無期限国債に置き換えたら 日銀の「異次元の金融緩和」財政ファイナンス懸念は? 軽毛
2. 2017年3月10日 18:47:00 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[683]

シムズ理論の甘い誘惑 日本国債 描けぬ出口(2)
2017/3/7付

 「デフレ脱却を考えると国債を返し過ぎだ。国債は実質的には日銀が全部引き受けている。いまはマイナス金利だし、実質的に借金は増えない」。昨年秋、安倍晋三首相は複数の与党議員を前にこう漏らしていた。


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 年明け1月20日の施政方針演説。第2次安倍内閣発足以来4年続いた「約束」は消えた。2020年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の黒字化だ。

 PB黒字化とは社会保障費や公共事業費など政策的経費を国債頼みではなくその年の税収で賄うようにすることだ。内閣府の試算では19年10月に消費税率を10%に上げ、名目3%台後半の成長を続けても、20年度で8.3兆円の赤字が残る。

「低金利活用を」
 ではどうするのか。

 「数年は続くとみられる低金利を活用した戦略が必要だ。PBは悪化しているが、20年度の債務残高の名目国内総生産(GDP)比は大きく改善する」。首相演説から5日後の経済財政諮問会議で世耕弘成経済産業相は別の目標を強調した。

 PBも債務残高のGDP比も財政健全化の重要な指標だ。だが後者の場合、長期金利を成長率より低くすれば改善する。日銀が大量に国債を買い、長期金利をゼロ%程度に誘導する「異次元の金融緩和」は都合がいい。

 首相も同指標について「これは下がっていくんだよな」と周囲に話す。政府内では「20年度のPB黒字化は先送りし、債務残高のGDP比を前面に掲げるのではないか」との疑念が広がる。

 こうした主張に拍車をかけるのが米プリンストン大のクリストファー・シムズ教授の理論だ。世耕氏も諮問会議でシムズ氏の名に言及した。

 2月1日、シムズ氏は都内で講演し「ゼロ金利制約の下で金融政策が効きにくいときには財政拡張がその代わりになる」と提言した。「PB黒字化の目標を下げれば人々は国債を持ちたくなくなって消費を増やし、物価は上がる」と説き「消費増税の凍結」も求めた。

 首相の耳にも伝わった。本田悦朗駐スイス大使と藤井聡内閣官房参与は2月6日、米エール大名誉教授の浜田宏一内閣官房参与はそれ以前に、それぞれ個別に首相と会い、3人ともシムズ理論を説いた。出席者は「首相は納得していた」と話すが賛否は示さなかったという。本心はどうか。

「日銀は子会社」
 「政府と日銀は親会社と子会社みたいなもの。連結決算で考えてもいいんじゃないか」。昨年秋、首相は与党議員にこんなアイデアも語った。実はシムズ氏も来日時の講演で「中央銀行が政府と連携すると独立性が失われると恐れる必要はなく、もっと大胆になるべきだ」と強調していた。

 もし政府の負債と日銀の保有国債を相殺すれば、負債は1千兆円程度から500兆円程度に半減するとの試算もある。相殺分は事実上の通貨発行となりインフレを生む要因になる。国債は政府の負債で国民の資産。インフレで負債を軽くすれば資産価値も吹っ飛ぶ。


 
財政出動と国債信認のはざま、国会論戦の狭い道
日本国債 描けぬ出口(2)
2017/3/7 2:0 

 与党内でも、財政拡大や2020年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)黒字化目標の先送り論が目立っている。当面の国政選への影響を考えれば、増税なしに政策経費が増えることをプラスと考える議員は少なくない。だが、財政の信認を確保しながら歳出を増やせるのか。難しい道をどう進むのか、国会では論戦が続く。(政治部 佐藤理)

シムズ教授の理論は財政出動派の後押しにはなるが…
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シムズ教授の理論は財政出動派の後押しにはなるが…
 「プライマリーバランス論が諸悪の根源だ。財務省だけは絶対に大事という。帝国陸軍だ。玉砕して死ぬまでやるという話だ」。1日の参院予算委員会で自民党の西田昌司氏は持論をぶった。

 首相も質問に呼応した。「私はPB至上主義者ではない。人工的にバランスさせても意味がない」と訴えた。

 PBは政策経費を税収で補えるかの指標で、経費が税収より多ければ赤字だ。政府の目標は20年度黒字化。歳入増か歳出減が必要だ。自然に税収が増えて赤字が消えれば楽だが、3%台後半の高成長を続け、さらに19年に消費税率を10%に上げても、試算では20年度で8.3兆円の赤字だ。

 そもそも黒字化はかなり難しい状況になっている。その上、与党内では景気刺激やデフレ脱却、あるいは次の国政選を意識して、財政出動論が広がる。PBの目標があると、財政出動は縛られる。PB悪玉論はそんな環境下で出ている。

 しかし、簡単にPB目標の撤回や先送りは言えない。財政の信認に関わるからだ。首相もPB堅持と先送りの間で揺れているようにみえる。

 「PBには経済の規模が入っていない」。1日の答弁で首相は指摘した。その後に「売り上げが小さい中小企業より、トヨタ自動車の借金額が多いから、トヨタが悪いとはならない」と例えた。

 政府・与党には財政健全化の目標として「債務残高の名目国内総生産(GDP)比を強調すべきだ」との主張がある。

 日本は売り上げ規模が大きいトヨタのような存在。有利子負債が多くても売上高であるGDPとの比率で考えれば大した問題ではない。しかもいまは低金利。借金の実額が問題になるPBと比べて都合がいい――というわけだ。

 ところが首相はこうも付け加えた。「PB黒字化は財政健全化の通過点で絶対的に必要だ」。

 既に「国の借金」の残高は1000兆円を超え、異次元の領域だ。金融政策の「異次元緩和」と合わせると、異次元の上に異次元が重なり、誰も日本国債がどうなるか、よくわからない。健全化目標の変更が想定外の事態を招く懸念もある。

 そんな状況にまた異次元が加わる。米プリンストン大のクリストファー・シムズ教授の理論だ。積極財政や消費増税の延期、PB目標の撤廃を訴え、財政出動派には後押しになる理論だ。だが、財政出動派でさえ、さらなるリスク要因の追加には慎重姿勢だ。

 「税収がないまま、予算だけ膨らむ。これが財政赤字の1番の問題だ」。西田氏は1日の論戦でこう指摘した。「国民負担率は主要7カ国(G7)でも圧倒的に低い。上げれば全く何の問題もない。年金、奨学金の給付、新幹線など長期的投資ができる」と述べ、増税の必要性も訴えた。

 2度も消費増税を先送りした首相だが、この質問には「国民負担率は比較的低い方だ。まだ担税能力がある。社会保障費に恒久的な財源を確保していく必要は当然ある」と答えた。シムズ氏の消費増税延期論を簡単に支持するわけではない。

 歳出増に前向きとされる公明党も慎重さを示す。参院会長の魚住裕一郎氏は参院予算委でシムズ理論についてこう質問した。「この理論、詰まるところ増税よりインフレで(債務を)返済するのか。財政規律がないがしろにされる懸念が指摘されている」

 金融政策の効果が薄い状況で、目先の景気やデフレ脱却、選挙を意識すれば、与党議員は財政出動に頼りたい。だが、それだけでいいのか。それぞれの言葉にはそうした思いもこもる。

 国会での質問や答弁は議事録に残る。日本の財政・金融政策の臨界点がみえないなか、異次元な事態に備えた議論をしていたのか、警鐘を鳴らしていたのか。国会論戦も歴史の検証を意識する時期が近づいているかもしれない。 


 

(ミダス王の誘惑)停滞の処方箋、発想転換を
2017年3月3日10時53分

■小野善康・大阪大特任教授

 日本経済が長期停滞に陥って以来、経済学者が様々な原因の分析や処方箋(せん)を提示している。でも、景気は一向に好転しない。

「ミダス王の誘惑」の記事一覧
 代表的な分析は、生産性が低下したという見方だ。「日本の技術力が落ちた」「日本人は働かなくなった」「政府の無駄遣いが民間活力をそいでいる」などだ。克服するには生産性の回復が必要だ。無駄の排除、競争促進などだ。歴代政権は成長戦略を練り、仕分け、公務員改革、民営化などを試みたが景気は回復していない。

 物価や賃金調整の遅れも問題視される。物価が高すぎれば、物が売れない。賃金が高すぎれば、企業は省力化する。結果、売れ残りや失業が生まれてしまう。だが、長くは続かない。物価や賃金が下がってくれば、需要も雇用も回復するはずだ。つまり、この分析は、不況を短期現象と見ている。

 この考えが正しければ、物価や賃金を下げればいい。物流の合理化、雇用の流動化が重要で、規制緩和による物流改革や非正規雇用の拡大という方法がある。だが、物価や賃金の下落が10年以上続くのに、景気は回復していない。

 物価が下落しなくても、お金を渡せば、たくさんの物が買える。金融緩和や財政出動はこれを狙っている。金利引き下げや融資条件の緩和、増税延期、各種の税金控除、地域振興券などだ。だが消費は増えず、増えても一時的だった。

 日銀の異次元緩和はこの拡張版だ。物価も賃金もすぐには動かない。しかし、景気はいずれ回復する。そのときの大規模な金融緩和を約束しておけば、人々は、将来、物価が高くなると思うはずだ。それなら安いうちに買っておこうと考え、今の需要も伸びるという見立てだ。

 しかし、いくら日銀が金融緩和の継続を叫んでも、今買っておかないと大変だと、お店に飛んでいく人がいるだろうか。現実は、物価も上がらず消費も増えていない。いつ景気が回復するかも見通せない状況だ。

 人々は借金をしてでも物を買いたいのに、信用も担保も不足して借金ができず、需要が伸び悩む、という見方がある。企業がそうなら資金不足で投資できない。消費者ならローンが組めず物が買えない。処方箋(せん)は、信用保証の充実だ。

 だが、実態はこれだけ金利が下がり、これだけお金が出回っても、銀行は貸し先を見つけられない。物が売れず企業が投資しないからだ。貸し渋りより借り渋りというわけだ。

 いずれも、人々の物を買う気は十分だが、生産力不足のせいで物価が高すぎ、あるいは資金不足で買えないという見方だ。だが、これは実態と合わない。

 発想を転換してみよう。物はとりあえずそろっている。お金はあるが、これ以上使わずに残しておきたい、というならどうか。処方箋が逆回転を始める。

 がんばって働いても、売れないから成長しない。それなのに、社員の働きが悪いとしかられる。ブラック企業がはびこり、安い賃金で非正規雇用が増えるのに、生産実績は伸びない。物余りと人余りが広がり、不況は深刻化する。

 お金を貸しても利殖に走る。株価や地価は上がるが、物は売れない。加えて物流の効率化、雇用の流動化で物価や賃金は下がるので、将来はもっと安く買えると買い控えが起きる。

 結果、生産活動は停滞しているのに、金融資産価格は膨れ上がる。資金を持つ者は大金持ちになり、仕事に就けない者は困窮する。これが、今の日本経済の姿ではないか。

 経済学も発想の転換が必要であろう。

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大人のたしなみ経済学――日銀による「質的・量的緩和」の概要【最終回】
日本銀行に利益をもたらす「通貨発行益」とは?
佐々木 浩二2017.3.9日銀金融政策金融緩和

最終回は、日本銀行に利益をもたらす「通貨発行益」について解説します。※本連載では、専修大学経営学部の佐々木浩二准教授による著書『ファイナンス ―資金の流れから経済を読み解く―』(創成社、2016年)の中から一部を抜粋し、2013年に日本銀行が始めた「量的・質的金融緩和」について、その概要を解説します。
日本銀行券の発行と引き換えに有利子の資産を保有
通貨発行益について短く説明します。マネーは日本銀行の負債に計上され,マネーを供給するときに買い入れたモノは日本銀行の資産に計上されます。負債に計上される銀行券と日銀当座預金はほぼ無利子であり,資産に計上される日本国債や貸出金は有利子です。通貨を発行する日本銀行の利益は,無利子の負債の見合いに有利子の資産を持つことから生じます。

マネーの発行量が増えるにしたがい,日本銀行の利益は増える傾向にあります。日本銀行がマネーをどれだけ発行できるかは,金融機関がどれだけの日銀当座預金を保有したいと思うか,私たち,企業,地方公共団体などがどれだけの現金通貨を保有したいと思うかによります(1)。
日本銀行券に対する信認が通貨発行益を生む
有利子の資産を手放して日銀当座預金や現金通貨を保有するのは,これらが支払いを済ませる力と富を保存する力を持つためです(2)。この力の評価額を流動性プレミアムといいます(3)。マネーを保有するために手放す資産につく利子が流動性プレミアムを表すのであれば,次式が成り立ちます。

通貨発行益= 日本銀行の利益= 流動性プレミアム

金融機関,私たち,企業,地方公共団体が安心してマネーを持ち,日本銀行が最大の利益を得るとき,通貨発行益は最大になります。金融機関,私たち,企業,地方公共団体がマネーを持ちたがらず,日本銀行が利益を得られないとき,通貨発行益は0になります。日本銀行が通貨の番人であるのは,通貨発行益を最大にするためです。


(1) 長澤訳(2001,p.71)に「現代の銀行制度の〔集中的〕中央金属準備の大部分は,いまでもなお,一般には,〔その資金を〕公衆の手許にある活動的な銀行券発行〔残高〕によって,提供されているといえるのであるが,しかし静かな発展の趨勢は,政府が銀行券発行を歳入の正当な源泉と見做す方向にあり,そして加盟銀行が,〔集中的〕中央準備の維持のためにその〔資金の〕割当分を提供するように要求される」とある。中央銀行の資産利回りが0になっても負債の利回りをマイナスにすれば通貨発行益が得られるかもしれない。間宮訳(2009)の第23章,Hannoun(2015)を参照。
(2) 小泉・長澤訳(2001,p.3)に「貨幣それ自体は,債務契約および価格契約がその引渡しによって履行され,貯蓄された一般的購買力がその形をとって保持されるものであって,その特質はその計算貨幣との関連に由来する」とある。
(3)長澤訳(2001,p.70)に「銀行に対して,手許現金および手形交換尻決済のための厳密な必要額以上の準備の保有を要求する慣習は,中央銀行の通貨維持のために蒙る費用を,銀行に拠出させるための手段である」とある。

参考文献
・株式会社大阪取引所『国債先物・オプション取引市場の歩み(2005年〜2015年)』2015年。
・黒崎哲夫・熊野雄介・岡部恒多・長野哲平『国債市場の流動性:取引データによる検証』日本銀行ワーキング ペーパーシリーズ,15-J-2,2015年。
・黒田東彦『量的・質的金融緩和―読売国際経済懇話会における講演―』2013年。
・齋藤雅士・法眼吉彦・西口周作『日本銀行の国債買入れに伴うポートフォリオ・リバランス:資金循環統計を用いた事実整理』日銀レビュー,2014-J-4,2014年。
・土川顕・西崎健司・八木智之『国債市場の流動性に関連する諸指標』日銀レビュー,2013-J-6,2013年。
・戸原四郎『ドイツ資本主義戦間期の研究』桜井書店,2006年。
・日本銀行企画局『「成長基盤強化を支援するための資金供給」について』日銀レビュー,2010-J-13,2010年。
・日本銀行企画局『「量的・質的金融緩和」:2年間の効果の検証』日銀レビュー,2015-J-8,2015年。
・日本銀行金融市場局『2008年度の金融市場調節』日本銀行調査論文,2009年。
・日本銀行金融市場局『2013年度の金融市場調節』日本銀行調査論文,2014年。
・日本銀行金融市場局『2014年度の金融市場調節』日本銀行調査論文,2015年。
・速水優『第10回国際コンファランス―「21世紀の国際通貨制度」―開会挨拶』金融研究,21, 4, 33-34,2002年。
・吉野直行・前田実・南部一雄・小巻泰之・坡山奇右『新種預金の導入と預金準備率』フィナンシャル・レビュー,26,1993年。
・Keynes, John Maynard著,小泉明・長澤惟恭訳『貨幣論T 貨幣の純粋理論』ケインズ全集第5巻,東洋経済新報社,2001年。
・Keynes, John Maynard著,長澤惟恭訳『貨幣論U 貨幣の応用理論』ケインズ全集第6巻,東洋経済新報社,2001年。
・Keynes, John Maynard著,間宮陽介訳『雇用,利子および貨幣の一般理論』下巻,岩波書店,2009年。
・Dornbusch, Rudiger, Federico Sturzenegger, and Holger Wolf, 1990, Extreme Inflation: Dynamics and Stabilization, Brookings Papers on Economic Activity, 2, 1-84.
・Hannoun, Hervé, 2015, Ultra-Low or Negative Interest Rates: What They Mean for Financial Stability and Growth, Bank for International Settlements.
・Turner, Adair, 2013, Debt, Money and Mephistopheles: How Do We Get out of This Mess?, Speech at the Cass Business School, City University.
http://gentosha-go.com/articles/-/6487


http://www.asyura2.com/17/hasan119/msg/889.html#c2

[経世済民120] ゾンビ企業がデフレ脱却の足かせに、ロードマップなきアベノミクス イエレン議長の政策は出遅れていないのか−強い雇用が突きつ 軽毛
1. 2017年3月13日 14:15:03 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[684]



利上げの先、見据える市場
NQNニューヨーク 滝口朋史
2017/3/11 7:48日本経済新聞 電子版
保存その他
 10日のダウ工業株30種平均は続伸し、44ドル高の2万0902ドルで終えた。米連邦準備理事会(FRB)が追加利上げを決めるための「最後のハードル」だった2月の米雇用統計は市場予想を大きく上回った。市場参加者は早くも利上げの先を見据え始めている。

 「データはすべてFRBによる来週の0.25%利上げを固めるもの」。LPLフィナンシャルのジョン・カナリー氏を含め多くの市場参加者は、非農業部門の雇用者数…
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGN11H1L_R10C17A3000000/?n_cid=NMAIL003


消えた「マイナス金利」、脱デフレの先に待つ憂鬱
2017/3/11 5:19日本経済新聞 電子版
 【ロンドン=高井宏章】ついに世界から「マイナス金利」が消えた――。10日の欧州市場でスイスの10年物国債利回りが2015年9月以来、1年半ぶりにプラスに浮上。日本、ドイツに続く動きとなり、これで昨年来、日本や欧州各国に広がった長期金利のマイナスがすべて解消した。世界的なデフレリスクの後退を象徴する現象だが、その先には超低金利政策に慣れきった実体経済とマーケットを「平時」に復帰させるという難題が待っている。

「デフレリスクは消えた」。ドラギECB総裁の「勝利宣言」が国債市場を揺らす(9日、フランクフルト)=AP

 トムソンロイターなどによると、10年物スイス国債利回りは10日、0.03%前後と前日の小幅マイナスから上昇(債券価格は下落)した。利回りは2月末のマイナス0.2%程度からほぼ一本調子で上昇している。この間に独10年債も0.2%程度から0.5%程度まで急速に水準を切り上げた。

 背景にあるのは欧州中央銀行(ECB)のスタンスの変化だ。9日の会見でドラギ総裁は「もはや切迫したデフレリスクはない」と明言した。これを受け、市場では年内の緩和縮小への警戒感が一段と上昇。通貨高圧力を和らげるため、ECBに対抗してマイナス金利政策を迫られてきたスイスにも余波が及び、国債売りにつながった格好だ。

 ドイツ国債は昨年10月に一足先にマイナス圏を脱しており、日本の長期金利も12月からプラスが定着している。米国では3月利上げを織り込む形で10年債は2.5%の節目を超えてきた。政策金利や中短期債にはなおマイナス金利が残っているものの、2007〜08年の金融危機から10年弱、各国中銀の異例の緩和策が支えてきた世界的な超低金利は、大きな転換点を迎えている。

 一度は世界を覆ったデフレの恐怖が和らぐのは朗報だが、大盤振る舞いの緩和策の後始末は一筋縄ではいかない。

 「大もうけ(Bonanza)は終わった」。スイスの運用大手ピクテのチーフストラテジスト、クリストフ・ドネ氏は10日のリポートで長期国債市場について「35年に渡った長期金利の低下傾向は終わり、次の10年は金利上昇局面がやってくる」と予想。これは長期的な国債価格の下落を意味する。ドネ氏は「ドイツ、日本、スイス各国の国債は向こう10年、マイナスのリターンしか生まないだろう」として、米国を起点に今後本格化する金利正常化の過程では資金の短期運用に徹する「現金が王様」の時代が来るとみる。

 銀行や保険、年金など多額の国債を抱える投資家にとって、この難局をくぐり抜けるのは容易ではない。すでに米国債の下落が一部金融機関の重荷になりつつあるが、世界中の国債市場に同様の「逆流」が広がれば、投資家には逃げ場がない。

 政策当局にとっても正常化の道も平たんではない。

 欧州市場ではすでにECBの政策変更をにらんで、フランスやイタリア、スペインなどの国々と、ドイツの間で国債利回りの格差が広がっている。ECBは、低金利政策と国債買い取りが覆い隠してきた財政リスクが表面化しないよう、微妙なかじ取りを迫られる。3月15日のオランダを皮切りにフランス、ドイツと選挙ラッシュが続き、政治リスクが意識されやすいなかでは、これはかなりの難事だ。

 そして日本。10年債利回りを「0%程度」に縛り付けようとする現在の日銀の政策枠組みは、世界の金利大転換の潮流に真っ向から逆らう。あくまで「異次元」の緩和を堅持するのか、どこかで軌道修正をはかるのか。欧米と比べても国債発行額と日銀の買い入れの規模が桁違いなだけに、軟着陸は容易ではない。

 1990年代半ばから、日本は30年もの間、デフレと異例の金融緩和が共鳴する世界の先頭を走ってきた。風向きが変わるとき、もっともきつい逆風を最初に受けるのも、先頭ランナーの宿命なのだろう。

 
http://www.asyura2.com/17/hasan120/msg/159.html#c1

[経世済民120] トランプ政権、大型減税の早期実現ほぼ不可能 トランプにインチキ扱い雇用統計 オバマケア撤廃、無保険者2400万 原油 軽毛
1. 2017年3月14日 13:36:15 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[685]
MRFにマイナス金利 残高急増で一部に適用
2017/3/14 0:17日本経済新聞 電子版
保存 印刷その他
 証券口座のなかで現金代わりに使われる低リスクの投資信託、「マネー・リザーブ・ファンド(MRF)」の一部にマイナス金利が適用されていることが分かった。株式や投信などの利益確定売りが膨らみ、売却資金の受け皿であるMRFの残高が急拡大。マイナス金利の対象外とする条件から外れてしまったためだ。三菱UFJ国際投信や日興アセットマネジメントなどの運用会社はマイナス金利によって生じるコストを負担するように証券会社などに要請している。

 日本経済新聞社が金融機関に聞き取り調査をした。12本あるMRFの大半は資産の一部に0.1%のマイナス金利が適用されているもようだ。

 日銀は2016年1月にマイナス金利の導入を決定。その後、期間の短い債券などに投資する投信、MMF(マネー・マネージメント・ファンド)が相次いで運用停止に追い込まれた。投資信託協会や大手運用会社がMRFにまでマイナス金利が適用されると個人の資産運用に大きな悪影響が及ぶとして、対象外とするように要請。3月の日銀決定会合で適用除外が決まった経緯がある。

 実はその際、「15年の受託残高を上限とする」という条件を付けていた。同年の月末残の平均は11兆4000億円強。投信協会が13日発表した今年2月末のMRFの残高は12兆7878億円と大きく上回る。昨年11月以降の「トランプ相場」で内外の株式が大幅に上昇し、個人投資家は手持ちの株式や投信を相次いで売却。この資金がMRFに流れ込んだためだ。

 実際には各社が運用する個別のMRFごとに15年の残高との見合いでどこまでの部分にマイナス金利がかかるかが決まってくる。また、マイナス金利の対象となりうるのは、MRFで保有する現金を信託銀行に預け、それが日銀の当座預金に流れ込んだ部分に限られる。このため債券など現金以外の資産の比率を高めに保っていれば、マイナス金利は適用されにくくなる。

 金融機関の間ではマイナス金利分のコストを誰が負担するのかという議論が巻き起こっている。信託銀行はマイナス金利相当額を「手数料」として運用会社に請求。2月には一部の運用会社が販売にあたる証券会社などにコスト負担を要請する文書を送った。

 現状では販売会社1社あたりの負担額は年間数千万円程度にとどまる。この負担は金融機関で吸収して、顧客には転嫁しない方向だ。ただ、MRFという金融商品が厳しい状況に置かれているのは変わらない。「新たな受け皿商品を業界全体で考えていかないといけない」(楽天証券経済研究所の篠田尚子ファンドアナリスト)との指摘が出ている。a
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO14025100T10C17A3EE9000/


 

企業物価、2カ月連続プラス 2月1.0%上昇
2017/3/13 10:44
 日銀が13日発表した2月の国内企業物価指数(速報値、2015年平均=100)は97.9となり、前年同月から1.0%上昇した。上昇は2カ月連続で、上昇幅は14年12月(1.8%上昇)以来2年2カ月ぶりの大きさとなった。原油価格が持ち直し基調にあることが背景にある。

 企業物価指数は出荷や卸売り段階で取引される製品の価格を調べたもので、消費者物価指数の先行指標とされる。前月は15年3月以来、1年10カ月ぶりにプラスに転じ、17年2月はさらにプラス幅を拡大した。調査対象746品目のうち、前年同月から下落したのは399品目。上昇した品目数(271)を上回ったが、その差は縮小傾向だ。

 品目別の内訳をみると、石油・石炭製品が27.1%上昇した。このほか、非鉄金属が8.2%、鉄鋼も4.0%上昇した。昨年11月、石油輸出国機構(OPEC)総会が減産を合意したことを契機に、原油をはじめとする国際商品市況が上昇基調にあることが主因だ。

 2月は欧州の政治不安が広がったほか、米利上げ観測が一時的に後退していた。投資家がリスク回避に動いたことで金などの価格が上昇した側面もある。

 企業物価は改善傾向にあるが、上昇は力強さに欠けるとの懸念もある。上昇に寄与しているのは、原油やエネルギー価格などの国際商品市況や、為替水準で「国内の需給要因で上がっている品目は少ない」(日銀の調査統計局)ためだ。

 前週には原油先物の指標であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)が一時、節目の1バレル50ドルを割り込む場面もみられた。日銀は企業物価の先行きについて「国際商品市況や為替の動向を注視していく」としている。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDC13H04_T10C17A3EAF000/


1月の第3次産業活動指数、前月比横ばい 基調判断も据え置き
2017/3/13 14:19

 経済産業省が13日発表した1月の第3次産業活動指数(2010年=100、季節調整値)は前月比横ばいの103.9だった。経産省は第3次産業活動の基調判断を「横ばい」に据え置いた。

 業種別でみると、指数を最も押し上げたのは医療、福祉で前月比1.2%上昇した。高齢化が進んだことで市場が拡大し、上昇基調が続いている。土木・建築サービス業が総じて好調だったほか、インターネット広告などが伸び、事業者向け関連サービスも1.8%上昇した。

 指数を最も押し下げたのは卸売業で前月比3.0%低下した。企業間の原材料取引の低調が続いている。全体では11業種中8業種が上昇し、3業種が低下した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL13HHQ_T10C17A3000000/


2月の公募投信、4カ月連続の流入超 テーマ型株投信に資金
2017/3/13 15:40

 投資信託協会が13日発表した2月の投資信託概況によると、設定額から解約・償還額を差し引いた公募投信の資金動向は8432億円の流入超だった。流入超は4カ月連続。公募投信の純資産総額は前月末比1兆2464億円増の98兆6375億円だった。

 株式投信の資金動向は9824億円の流入超となった。流入超は2カ月連続。人工知能(AI)関連株に投資するファンドなどテーマ型投信が人気を集めた。運用成績は4032億円のプラスで、純資産総額は84兆9553億円と過去最高を更新した。

 公社債投信の資金動向は1391億円の流出超だった。待機資金の受け皿であるマネー・リザーブ・ファンド(MRF)は1264億円の流出超だった。公社債投信の純資産総額は13兆6822億円に減少した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL13HJ7_T10C17A3000000/


1月の機械受注3.2%減 市場予測下回る
2017/3/13 8:51

 内閣府が13日発表した1月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標である「船舶、電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)は前月比3.2%減の8379億円だった。QUICKが事前にまとめた民間の予測中央値は0.5%減だった。

 うち製造業は10.8%減、非製造業は0.7%増。内閣府は基調判断を「持ち直しの動きに足踏みがみられる」に据え置いた。前年同月比での「船舶、電力を除く民需」受注額(原数値)は8.2%減だった。

 機械受注が機械メーカー280社が受注した生産設備用機械の金額を集計した統計。受注した機械は6カ月ほど後に納入され、設備投資額に計上されるため、設備投資の先行きを示す指標となる。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL09H5Z_Z00C17A3000000/

 


 
企業物価、2カ月連続プラス 2月1.0%上昇
2017/3/13 10:44
 日銀が13日発表した2月の国内企業物価指数(速報値、2015年平均=100)は97.9となり、前年同月から1.0%上昇した。上昇は2カ月連続で、上昇幅は14年12月(1.8%上昇)以来2年2カ月ぶりの大きさとなった。原油価格が持ち直し基調にあることが背景にある。

 企業物価指数は出荷や卸売り段階で取引される製品の価格を調べたもので、消費者物価指数の先行指標とされる。前月は15年3月以来、1年10カ月ぶりにプラスに転じ、17年2月はさらにプラス幅を拡大した。調査対象746品目のうち、前年同月から下落したのは399品目。上昇した品目数(271)を上回ったが、その差は縮小傾向だ。

 品目別の内訳をみると、石油・石炭製品が27.1%上昇した。このほか、非鉄金属が8.2%、鉄鋼も4.0%上昇した。昨年11月、石油輸出国機構(OPEC)総会が減産を合意したことを契機に、原油をはじめとする国際商品市況が上昇基調にあることが主因だ。

 2月は欧州の政治不安が広がったほか、米利上げ観測が一時的に後退していた。投資家がリスク回避に動いたことで金などの価格が上昇した側面もある。

 企業物価は改善傾向にあるが、上昇は力強さに欠けるとの懸念もある。上昇に寄与しているのは、原油やエネルギー価格などの国際商品市況や、為替水準で「国内の需給要因で上がっている品目は少ない」(日銀の調査統計局)ためだ。

 前週には原油先物の指標であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)が一時、節目の1バレル50ドルを割り込む場面もみられた。日銀は企業物価の先行きについて「国際商品市況や為替の動向を注視していく」としている。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDC13H04_T10C17A3EAF000/


1月の第3次産業活動指数、前月比横ばい 基調判断も据え置き
2017/3/13 14:19

 経済産業省が13日発表した1月の第3次産業活動指数(2010年=100、季節調整値)は前月比横ばいの103.9だった。経産省は第3次産業活動の基調判断を「横ばい」に据え置いた。

 業種別でみると、指数を最も押し上げたのは医療、福祉で前月比1.2%上昇した。高齢化が進んだことで市場が拡大し、上昇基調が続いている。土木・建築サービス業が総じて好調だったほか、インターネット広告などが伸び、事業者向け関連サービスも1.8%上昇した。

 指数を最も押し下げたのは卸売業で前月比3.0%低下した。企業間の原材料取引の低調が続いている。全体では11業種中8業種が上昇し、3業種が低下した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL13HHQ_T10C17A3000000/


2月の公募投信、4カ月連続の流入超 テーマ型株投信に資金
2017/3/13 15:40

 投資信託協会が13日発表した2月の投資信託概況によると、設定額から解約・償還額を差し引いた公募投信の資金動向は8432億円の流入超だった。流入超は4カ月連続。公募投信の純資産総額は前月末比1兆2464億円増の98兆6375億円だった。

 株式投信の資金動向は9824億円の流入超となった。流入超は2カ月連続。人工知能(AI)関連株に投資するファンドなどテーマ型投信が人気を集めた。運用成績は4032億円のプラスで、純資産総額は84兆9553億円と過去最高を更新した。

 公社債投信の資金動向は1391億円の流出超だった。待機資金の受け皿であるマネー・リザーブ・ファンド(MRF)は1264億円の流出超だった。公社債投信の純資産総額は13兆6822億円に減少した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL13HJ7_T10C17A3000000/


1月の機械受注3.2%減 市場予測下回る
2017/3/13 8:51

 内閣府が13日発表した1月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標である「船舶、電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)は前月比3.2%減の8379億円だった。QUICKが事前にまとめた民間の予測中央値は0.5%減だった。

 うち製造業は10.8%減、非製造業は0.7%増。内閣府は基調判断を「持ち直しの動きに足踏みがみられる」に据え置いた。前年同月比での「船舶、電力を除く民需」受注額(原数値)は8.2%減だった。

 機械受注が機械メーカー280社が受注した生産設備用機械の金額を集計した統計。受注した機械は6カ月ほど後に納入され、設備投資額に計上されるため、設備投資の先行きを示す指標となる。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL09H5Z_Z00C17A3000000/

 


 
ビットコイン、分裂の恐れも−ブロックチェーン巡り業界で論争
中村友治、Lulu Yilun Chen
2017年3月13日 16:30 JST

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米金融当局とエコノミスト、投資家が異例の調和−年内利上げ回数予想

• ビットコイン取引の認証を待つ取引量は1年前の5倍余り
• ビットコインの「ジーザス」バー氏は「アンリミテッド」を支持

世界で最も一般的な仮想通貨ビットコインが最近値上がりしていることを目にしても、仮想通貨の認証に欠かせないインフラ技術であるブロックチェーンを巡る危機に気付かないかもしれない。
  ビットコイン取引の認証を待つ取引量は1年前の5倍余りとなっており、一部の利用者は認証を迅速に進めるために高額な手数料支払いを強いられている。ビザやペイパル・ホールディングスよりもビットコインを利用する方が高くつくケースもあるという。
  2年余り続くこの問題を解決するため、最も影響力のあるメンバーの中にはコンセンサスを得ることをあきらめ、論争の的となっている「ビットコイン・アンリミテッド」と呼ばれる解決策を支持する向きも出始めた。この賭けがうまくいけば、認証の渋滞が緩和され、正常化に役立つかもしれない。だが失敗すれば、ビットコインは2つの通貨に事実上分裂する恐れがある。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iTuNir3mDSw0/v1/-1x-1.png

  ビットコインの新規発行に向けた一連の作業をマイニング(発掘)と呼ぶが、世界最大のマイニング団体アントプールを設立したウ・チハン氏は10日のインタビューで、「全体をビットコイン・アンリミテッドにスイッチする」と述べた。同氏のグループは、ブロックチェーン活動の15%を占め、業界で大きな影響力を持つ。同氏を支援しているのはビットコインの「 ジーザス(救世主)」として知られるロジャー・バー氏だ。

ロジャー・バー氏Photographer: Chris Ratcliffe/Bloomberg

  バー氏は9日、東京都内でのインタビューで、「ビットコイン・アンリミテッドをアクティベートさせるためにはマイナー(採掘者)の60%もしくは70%の参画がわれわれには必要だ。他と合わせれば、現時点で既にわれわれのゴールまでの中間地点に近いといえよう」と語った。
  ビットコイン・アンリミテッドは基本的にブロックチェーンに対するソフトウエアアップグレードだ。ビットコイン創成期の開発者は処理可能なデータ量に上限を設けた。ネットワークをスローダウンさせるこのような上限は、システムに負荷をかける攻撃の可能性に備える必要な安全策と捉えられている。アンリミテッドの支持者は今や、ブロックチェーンはいかなる制約も不要な十分強固なシステムだと主張している。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/ilAhmX_LsJ6I/v1/-1x-1.png
原題:Bitcoin Miners Signal Revolt in Push to Fix Sluggish Blockchain(抜粋)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-03-13/OMQQAO6JIJW801


 


商品先物概況・13日
2017/3/13 16:30
保存 印刷その他
 東京のトウモロコシは小幅高。朝方は世界的な需給緩和を意識して前週末のシカゴ相場安の流れを引き継いで売りが先行した。午後に入って値ごろ感から東京市場では買い戻された。

 東京のガソリンは大幅に続落した。米市場の原油先物相場の下落を映して売りが膨らんだ。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDJ13H36_T10C17A3EN1000/

きょうの国内市況(3月13日):株式、債券、為替市場
Bloomberg News
2017年3月13日 16:01 JST

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●日本株は小幅に3日続伸、内需セクター買われる−円安一服で輸出重し
(記事全文はこちらをクリックしてご覧下さい)
  東京株式相場は小幅ながら3営業日続伸。国内景気や企業業績の先行き改善期待が根強い中、電力や陸運、情報・通信、建設株のほか、アナリストが目標株価を上げたリクルートホールディングスを中心にサービス株など内需セクターが買われた。
  一方、米国の雇用統計は期待通りの好内容だったが、為替市場で円安が進まなかったことが嫌気され、機械など輸出株、鉄鋼など素材株の一角はさえず、相場全体の重しとなった。
  TOPIXの終値は前週末比3.39ポイント(0.2%)高の1577.40、日経平均株価は29円14銭(0.1%)高の1万9633円75銭。前週末に引き続き、ともに2015年12月7日以来の高値を更新。
  BNYメロン・アセット・マネジメント・ジャパンの王子田賢史・日本株式運用部長は、「米雇用統計はほどよく強い数字で、3月の利上げは確実」と指摘。きょうの日本株は、これまで軽んじられてきた内需株が上昇し、「循環物色が起こっている。日米とも主要株価指数の居所は変わっておらず、心配していない」と話した。
  東証1部の売買高は14億7180万株、売買代金は1兆7724億円で、代金は活況の目安となる2兆円割れ。
  東証1部33業種は電気・ガス、空運、陸運、情報・通信、建設、サービス、倉庫・運輸、化学など20業種が上昇。証券・商品先物取引や鉄鋼、海運、石油・石炭製品、鉱業、精密機器、機械など13業種は下落。売買代金上位では、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が目標株価を上げたリクルートホールディングスが高く、東芝やNTTドコモ、大和ハウス工業も買われた。半面、ホンダやSUMCO、T&Dホールディングス、gumi、ブイ・テクノロジーは安い。

●債券下落、20年入札やFOMC警戒で売り圧力−米利上げペース見極め
(記事全文はこちらをクリックしてご覧下さい)
  債券相場は下落。米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて利上げペースの加速が示唆される可能性があるとの見方に加えて、20年債入札に対する警戒感から売り圧力がかかった。
  長期国債先物市場で中心限月6月物は前週末終値比4銭安の149円91銭で取引を開始した後、一時150円01銭まで上昇した。午後に入るとマイナスに転じ、結局は5銭安の149円90銭と、この日の安値で引けた。
  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「米国の利上げペースが上がるという警戒感もあるので、上値追いには慎重な姿勢になっている」とし、「20年債入札は利回り水準的にはそれなりに需要はあると思われるが、タイミング的にはいまひとつ」と指摘。「FOMCの結果を確認するまでは上値の重い状況が続く」とみている。
  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の346回債利回りは、日本相互証券が公表した前週末午後3時時点の参照値から横ばいの0.085%で開始し、午後は0.5ベーシスポイント(bp)高い0.09%で推移している。
  日本銀行は午前の金融調節で残存期間「1年以下」と「5年超10年以下」の国債買い入れオペを実施した。買い入れ額は1年以下が700億円、5年超10年以下が4500億円と、ともに前回から据え置かれた。今週は15日に「1年超5年以下」と「10年超」の買いオペが予定されている。

●ドル114円後半、重要イベント控え持ち高調整−ユーロ1カ月ぶり高値
(記事全文はこちらをクリックしてご覧下さい)
  東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=114円台後半で推移。今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げが既に織り込み済みとなり、他の重要イベントも控える中、持ち高調整中心の動きとなった。
  午後3時33分現在のドル・円は前週末比0.2%安の114円61銭。午前に114円95銭までドル高・円安に振れた後は伸び悩み、午後の取引終盤には114円59銭まで水準を切り下げた。
  NBCフィナンシャルマーケッツアジアのデービッド・ルーディレクター(香港在勤)は、「ドル・円はFOMCを控えて動きづらい状況。短期的な市場のポジションはまだドルロング(買い建て)のもようで、利益確定の売りがドル・円の重しになっている」と説明。「115円台は売り意欲で重い。利食いの一巡という点では、114円30−40銭が一つのめどとなりそう」と述べた。
  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.3%高の1ユーロ=1.0703ドル。欧州中央銀行(ECB)当局者らの発言などを受けて追加緩和観測が後退したのを受けて、2月9日以来の1.07ドル台を回復した。ドラギECB総裁は13日、独フランクフルトで講演する予定。今週は14日にメルケル独首相とトランプ米大統領の首脳会談、15日にオランダ下院選挙なども控えている。


 



http://www.asyura2.com/17/hasan120/msg/183.html#c1

[経世済民120] 働き方改革は有名無実か?「労働後進国」日本を直視せよ  トランプ自動車各社に雇用拡大要求 日銀金融政策維持 中国金利引上 軽毛
1. 2017年3月16日 14:52:55 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[686]

【第10回】 2017年3月16日 藤原和博
いつも「思考停止」している人がやっている習慣

AIの台頭や一層のグローバル化、就活の地殻変動などの影響で到来する「仕事が消滅する時代」。本連載では、藤原和博氏の最新刊『10年後、君に仕事はあるのか?』の内容をもとに、「高校生に語りかける形式」で2020年代の近未来の姿や、未来を生き抜くための「雇われる力」の身につけ方などをお伝えしていく。連載第10回、テーマは「思考停止している人」。


思考を投げ出している人たち

?DIY(Do It Yourself)ブームに火をつけた東急ハンズのようなお店で、最近こんな現象が起こっているそうです。

?手作りを楽しむための道具やパーツを提供するはずのDIYの店に、なんと完成品である「正解」を求めてくるお客さんが増えたというのです。

?たとえば、昔は自転車を趣味とする人たちは、フレームやギア、サドル、ハンドル、タイヤ、ブレーキなどのパーツを買ってきて、自分オリジナルの自転車を組み上げようとしました。自分の自転車を世界にたった1つしかないオンリーワンにするためです。そのためにはスーパーで売っているようなママチャリでは無理。数万、数十万円と投資がエスカレートしていって、最高の技術を編集しようとするファンが店に詰め掛けたのです。

?ところが最近は、店主が組み上げた自転車を壁に吊るしておくと、これと同じものをくださいというお客さんが増えてきたんだそうです。完成品を買うという感覚なんですね。これでは、スーパーやディスカウントストアで冷蔵庫や洗濯機を買うのと同じです。

?パーツが増えすぎて選ぶのが面倒になり、カリスマ店主が「これがベスト!」というやつでいいやと、マニアでさえも諦めているのかもしれません。

?たしかに、世の中が成熟するにつれて、思考停止して「その分野のカリスマやブロガー、あるいはテレビの通販番組が薦める完成品を買う」というパターンが多くなってきているようにも感じます。

?時代の流れとしては思考力・判断力が大事になってきているんだけれども、思考するには情報が大量すぎるし、判断プロセスも複雑すぎて、多くの人が投げ出しちゃっているんでしょうか。

?レストラン選びでも、そんなことが起こっています。「食べログ」や『ミシュランガイド』を見てレストランを選んでいる人が最近は多いですよね。彼らは自分の判断でお店を選んでいるように感じているでしょう。ですが、じつは他人の評価で動かされているだけという面がある。つまり、仕掛けられているんです。

?会社選びでも、同じ現象が起こっているようです。

?情報が増えすぎてわからない。社会そのものが複雑になりすぎて判断できない。だから、思考を停止して、少しでも名の知れたところに、自分の大学のレベルだとこのへんの会社だろうなという順に会社回りをしている。うちの大学だったら、この業界の3位か4位くらいが適当だろうと、そこで思考が止まってしまっている。

DIAMOND,Inc. All Rights Reserved.

http://diamond.jp/articles/-/119077
http://www.asyura2.com/17/hasan120/msg/239.html#c1

[経世済民120] 日銀ライブ〜現状維持 HFはしご外されドル予想裏目 ドル↓金油↑ 物価連動債インフレ警戒 低賃金泊まれず西欧の東欧運転手 軽毛
1. 2017年3月16日 18:26:59 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[687]
Column | 2017年 03月 16日 15:46 JST 関連トピックス: トップニュース

 コラム:ITスタートアップ企業のIPO、活発化の気配


Robert Cyran

[ニューヨーク 15日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 写真共有アプリ「スナップチャット」を手掛ける米スナップ(SNAP.N)が上場で34億ドルを調達したことを受け、ユニコーン(未公開の「巨大スタートアップ企業)や小規模ITスタートアップの新規株式公開(IPO)が活発化しそうだ。

企業価値が高いと見込まれるこうした非上場企業はより多くの資金を必要としている一方、投資家は成長銘柄を血眼になって探しており、両者とも相手を利用するのが最善の選択肢だと判断しているようだ。

スナップのIPOから浮かび上がったのは、投資家が求めているのは可能性を秘めた企業ではないという事実だ。スナップ株には議決権がなく、スナップの利用者の伸びは鈍化しているにも関わらず、株価のプレミアムはフェースブック(FB.O)の上場時のバリュエーションに匹敵した。

超低金利を背景に2014、15年には高額な売り出し価格でのIPOが可能だった。CBインサイツによると、その2年間に企業価値が10億ドルを上回った企業は60社を超えた。しかし、投資家の姿勢は厳しくなっており、昨年10億ドルを上回ったのはわずか12社。著名企業も新たな資金調達が難しさを増していると感じている。とはいえ、昨年の大統領選以降の相場の上昇で、投資家はリスクをとる姿勢を強めてもいる。

そうした中、いくつもの企業が新たにIPOに乗り出している。企業が異なるアプリケーションを連携して使用できるようにするソフトウェアを手掛けるミュールソフト(MULE.N)はそうした中のトップ企業だろう。引き受け証券会社は企業価値を20億ドルと見込む。昨年5900万ドルの損失を計上。銀行に1億ドルを保有し、コストの多くを株式報酬関連が占める同社だが、資金があれば使途はまだまだある。

ほかにも、クラウドを使ったセキュリティサービスを提供するオクタや、顧客情報がサードパーティのサイト上に正確に表示されるサービスを手掛けるYextはいずれも損失の拡大に頭を悩ませており、資金調達を待っていられない。

いまや投資家は自信を失い、IT企業にとってもありがたい状況とはいえない。上を見ればきりがなく、彼らは企業価値がうなぎのぼりだった数年前に思いをはせているのだ。スナップのIPOでも、1株当たりの企業価値は、以前の資金調達時の水準と比べそう変わらなかった。

スナップ株価は上場初日の終値と比べ15%近く下落。このスナップ株の不振も、他の企業のIPOの際に、売り出し価格への下押し圧力を強める可能性がある。

●背景となるニュース

*ミュールソフトのIPOが今週後半に予定されている。1300万株を1株14─16ドルで売り出す見通し。時価総額は株式発行高ベースで最大20億ドル超になる計算だ。

*アルテリクスは13日、1株当たり14ドルでのIPOを計画していると発表。時価総額は7億8400万ドル規模の可能性がある。

*オクタとYextはそれぞれ13日、IPOに向けて必要な書類「S1」を証券取引委員会(SEC)に提出。両社とも、売り出し株式数や価格などの詳細は明らかにしなかった。直近の資金調達では、企業価値はそれぞれ10億ドル超と約5億ドルと評価された。


コラム:米国よりも深い欧州「反イスラム」の闇 2017年 02月 13日
コラム:中国GDP、たとえ「嘘」でも不十分 2017年 01月 21日
コラム:トランプ氏の「壁」、2.46兆円のまずい投資選択に 2017年 02月 13日
http://jp.reuters.com/article/tech-unicorns-idJPKBN16N0KG
http://www.asyura2.com/17/hasan120/msg/242.html#c1

[経世済民120] 日米金融政策のギャップ、拡大後も円安進まぬ3つの理由 日銀総裁、世界経済「上振れリスクより下振れリスク大」機械的利上ない 軽毛
1. 2017年3月16日 18:54:55 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[688]
FX Forum | 2016年 08月 23日 08:44 JST 関連トピックス: トップニュース
コラム:黒田緩和検証、20の疑問(上)

河野龍太郎BNPパリバ証券 経済調査本部長

[東京 22日] - 日銀は次回9月20―21日の金融政策決定会合で、2013年4月に開始した量的・質的金融緩和(QQE)、16年1月に開始したマイナス金利政策(マイナス金利付きQQE)の政策効果について総括的な検証を行う。当初、2年程度で2%インフレを達成するとしていたが、3年以上が経過しても、達成のめどがつかないためだ。

現在、日銀は2%インフレの達成時期を「17年度中」としている。この意味するところは、18年3月(黒田東彦総裁の任期満了は18年4月8日)には2%インフレが達成されるということだが、今では金融市場の多くの人が、それは単なる努力目標で、再度の先送りは不可避と考えている。

これには、政策手段はいくらでもあるという黒田総裁発言とは裏腹に、マイナス金利政策を含めQQEは限界に近づいていると多くの人が見なすようになっていることも影響している。

では、9月の検証で日銀はどこまで踏み込むのだろうか。量的ターゲットなどの操作目標の見直しやマイナス金利政策の撤回もあり得るのか。あるいは、2年で2%インフレ達成という政策目標自体に変更が施されるのだろうか。

以下、筆者のもとによく寄せられる質問に答える形で、上下2回に分けて、黒田緩和検証の行方を考察したい。

――関連記事:黒田緩和検証、20の疑問(下)=河野龍太郎氏

<明らかに矛盾する政策思想、操作目標見直しの必要性>

Q1)そもそも、なぜ検証を行うのか。

2015年5月には日銀企画局が「量的・質的金融緩和:2年間の効果の検証」というレポートを公表した。今回、当時と同じように、企画局のレポートだけで済ますことができないのは、金融市場では、黒田総裁の5年間の任期をかけても、目標達成が難しいと強く疑われるようになっているためである。

つまり、「2年程度で2%インフレの達成」という政策目標そのものの実行可能性、妥当性を検討せざるを得ない状況となっている。

Q2)量的ターゲットは限界なのか。

14年10月の追加緩和の直後から、筆者は早ければ16年末には年80兆円の長期国債購入はスムーズにいかなくなり、いずれ年80兆円増のマネタリーベース・ターゲットの達成そのものが難しくなると主張してきた。

16年1月末に追加緩和として日銀が打ち出したのは、予想していた通り、長期国債の購入増ではなく、マイナス金利政策の導入だった。日銀がマイナス金利政策を導入したのは、量的ターゲットが限界に近づいている何よりの証拠である。

Q3)操作目標の見直しが必要なのか。

問題は量的ターゲットが限界に近づいていることだけではない。その象徴であるマネタリーベース・ターゲットは、マイナス金利政策と本質的に矛盾するという問題も抱えている。

前者は、民間金融機関に超過準備の保有を促そうとするものだが、後者は増加した超過準備にペナルティを賦課する政策である。日銀は付利を三層構造とすることで取り繕おうとしているが、政策思想は明らかに矛盾している。

日銀は現在、マネタリーベース・ターゲットという「量」、長期国債・上場投資信託(ETF)・不動産投資信託(REIT)購入という「質」、マイナス金利という「金利」の三次元で対応しているが、操作目標について、整理し直す必要がある。

金融市場では、日銀の政策手段が底を尽きつつあるという懸念が広がっている。まず、マネタリーベース・ターゲットはオペレーション上、国債購入が限界に近づき、かつマイナス金利政策と矛盾するため継続が難しいと考えられ始めている。マイナス金利政策は物理的には深堀り余地はあるが、政治的には困難になったと考えられ始めている。

ETFについては、7月末の購入額の倍増で、市場を大きく歪め、これ以上の追求は難しいと懸念されている。全ての政策が何らかの理由で、限界に近いと考えられているのである。

現在は、経済が完全雇用にあるため、政策発動の必要性は小さいが、将来、総需要ショックが起こった時に、中央銀行が何ら有効な政策カードを有していないと見なされると、深刻な事態に陥る。操作目標を整理し、手立てが残っていることを内外に示す必要がある。

Q4)政府とのアコード(政策協定)も再検討されるのか。

QQEの前提には、13年1月に政府との間で結ばれたアコードがある。そこでは、日銀が2%インフレの達成に向け努力するとともに、政府は財政健全化を進めることが謳われていた。

しかし、現実には14年以降、経済が完全雇用にあるにもかかわらず、毎年、追加財政が打たれ、消費増税は2度も先送りされている。QQE導入段階から筆者が懸念していた通り、アグレッシブな金融緩和によって財政規律はすっかり弛緩している。

本来なら日銀は、アコードに沿って政府に財政健全化の推進を求める必要がある。放漫財政が続いたままでは、将来、出口が必要になった際に、日銀はテーパリング(国債購入の減額)すらできない。

とはいえ、「それぞれの組織が与えられた役割をこなすべき」というのが黒田総裁の信念であり、さらに自らが掲げた目標も達成できていないため、財政健全化が進んでいないことを口にはできない。残念ながら総括ではアコードまで議論が進まないと思われる。

Q5)完全雇用下でアグレッシブな金融緩和を続けることの妥当性は検討されないのか。

日銀も認める通り、14年年初以降、日本経済は完全雇用にある。今や有効求人倍率は1990年代初頭のバブル期並みの高さだ。本来、経済が完全雇用にあれば、財政にしろ、金融政策にしろ、追加的な景気刺激策は不要である。そうした政策を続けると、資源配分や所得分配を歪め、潜在成長率を悪化させる。

消費低迷が続いているのも、単に14年度の消費増税の後遺症が長引いているのではなく、15年は円安進展による家計の実質購買力の抑制、16年はマイナス金利による家計センチメントの悪化など、金融政策の副作用が強く現れているとも言える。しかし、「2年で2%インフレ」を掲げている以上、そうした副作用には目をつむらざるを得ない状況となっている。

本来ならQQEの効果だけでなく、副作用についても幅広く検証すべきだが、そうすると政策目標そのものも否定することになりかねないため、そこまでは踏み込めない可能性がある。

Q6)将来の出口戦略について語る可能性は。

黒田総裁は、出口戦略を語るのは時期尚早と繰り返してきた。もちろん、インフレ上昇が始まっても、結局、財政従属が不可避となるため、実際の出口を規定するのは財政当局で、黒田総裁は主体性を持って出口戦略を語れない可能性は十分あり得る。

しかし、そうした事態を避けるためにも、長期国債の市中発行額のほぼ全てを購入する日銀は、将来、どのような道筋で国債市場から手を引くことができるのか、明確にすべきである。

また、国債発行残高に占める日銀のシェアは3割を超え、QQEの終了時には、大規模な損失が日銀に発生する恐れがある。出口でのコストが莫大なものになるという懸念も、金融政策限界論の根拠の1つであり、日銀はそれらについて明確に述べるべきだ。

とはいえ、2%インフレのめども立たないことから、出口戦略や出口の際の損失については、今回の総括でも、全く触れられないのだろうか。だとすると、大変残念である。

Q7)金融政策限界論の底流にある問題は何か。

政府は約40兆円の財政赤字(=新規国債発行)で財政を運営している。ゼロ金利政策やマイナス金利政策による長期金利の低下を活用し、可能な限り長期の資金調達にシフトしている。

一方、日銀はネットで80兆円という財政赤字の2倍の国債を購入し、代わりに80兆円の超過準備を民間に供給している。民間にとり、当座預金は短期国債と性質が全く変わらない。つまり、統合政府で見ると、40兆円の財政赤字を短期国債で調達しているだけでなく、毎年、40兆円相当額の既発の長期国債についても短期国債と交換していることになる。

統合政府の財務状況は、短期の資金調達に極端に偏ったものとなっている。すなわち、短期金利の上昇に極めて脆弱で、それゆえ、利上げができない構造になっているのだ。

金利が上昇すると政府の利払い費が急増することや民間金融機関に損失が発生する以前の問題として、日銀に大規模なロスが発生する。このため、利上げや国債売却どころか、国債購入の停止にも踏み切れない状況に陥る。少しでも状況を改善するため、国債購入ターゲットやマネタリーベース・ターゲットを修正する必要がある。この点については、後編で触れたい。

Q8)「日銀トレード」の問題点も検討されるのか。

日銀は現在、マネタリーベースの年80兆円増を達成するため、主に長期国債をネットで年率80兆円購入している。そのため、相当に高い値段で(つまり相当に低い金利で)、民間金融機関から国債を購入している。それは、国庫納付金の減少を通じ、つまり国民の税金を元に、民間金融機関に補助金を手渡していることと同じである。

とりわけ、マイナス金利導入後、長期金利は日銀が想定していたよりも、相当な勢いで低下した。日銀が高値でいくらでも買ってくれると見込む投機筋が、国債購入を活発化させているのである。このため、購入する国債の利回りがあまり極端に下がり過ぎることがないように、9月会合では、極端に低い利回りでは購入しないことを決定する可能性がある。あるいは金利上昇を恐れ、この問題には手を付けないのだろうか。

Q9)金融政策の有効性が低下していることは語られないのか。

そもそも金融政策の効果の本質は、金利低下によって、現在の支出を有利にすることで、将来の需要を前倒しすることだ。金利がゼロになれば、需要の前倒しは難しくなる。マイナス金利は、現在の支出を相対的に有利にはするが、資産が目減りするため、負の所得効果を考慮すると、現在の支出を刺激するのは難しい。

また、将来の支出は、所得を稼ぐ能力、つまり潜在成長率に大きく規定されるため、それがゼロ近傍まで低下している日本では、将来の需要を前倒しする効果も小さい。金利がゼロ近傍に達した段階で、金融政策の残る有効なチャネルは通貨安だが、グローバルではゼロサムである。

つまり、金融政策の有効性が大きく低下しているから、十分な効果が現れていないわけだが、そのことが分かった上で非伝統的な金融政策を行っているのであるから、残念ながら9月会合では、金融政策の有効性にかかわる本質的な問題については議論されないと思われる。

Q10)金融緩和は本当に効いているのか。

14年のマイナス成長は消費増税が大きく影響しているが、その影響が解消された15年第1四半期以降も日本経済は全く成長していない。15年第1四半期から16年第2四半期の成長率は年率で0.1%にも満たない状況である。

もちろん、経済が成長しないのは、潜在成長率がゼロ近傍まで低下していること、さらに経済が完全雇用に入っていることが大きく影響している。しかし、金融環境が相当に刺激的であるなら、トレンドを多少でも上回る成長が続き、需給ギャップはプラスの領域で改善しても不思議ではない。それでも、改善が止まっているとすれば、それは金融環境があまり緩和的になっていないからかもしれない。

要するに、確かに実質金利は低下したが、自然利子率もゼロあるいはマイナスの領域まで低下しているため、それほど景気刺激的にはなっていない可能性がある。残念ながら、9月会合ではこの問題についても議論されないと思われる。

*後編はこちらです。

*河野龍太郎氏は、BNPパリバ証券の経済調査本部長・チーフエコノミスト。横浜国立大学経済学部卒業後、住友銀行(現三井住友銀行)に入行し、大和投資顧問(現大和住銀投信投資顧問)や第一生命経済研究所を経て、2000年より現職。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。

(編集:麻生祐司)

http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-ryutaro-kono-idJPKCN10X0EV?rpc=188


コラム:黒田緩和検証、20の疑問(下)=河野龍太郎氏
河野龍太郎
河野龍太郎BNPパリバ証券 経済調査本部長
[東京 22日] - 黒田日銀は次回9月20―21日の金融政策決定会合で、2013年4月以降の政策効果について総括的な検証を行う。以下、前編に続き、疑問に答える形で、検証の行方を考察したい。

――関連記事:黒田緩和検証、20の疑問(上)=河野龍太郎氏

<マネタリーベース目標撤回の可能性>

Q11)「2年で2%」を撤回するのか。

サプライズを狙った金融政策のツケに他ならないが、日銀の政策反応関数をもはや誰も見通すことができない状況にある。それゆえ、景気が良かろうと、悪かろうと、「2年で2%」を撤回しない以上、インフレ達成時期が先送りされるなら、何らかの政策変更に日銀が動くと市場参加者は考えざるを得ないのである。

需給ギャップが悪化していないのなら、インフレ達成時期が先送りされても、必ずしも追加緩和は必要とはならないはずだが、市場にはそれが全く伝わらない。こうした事態を改善するため、コミュニケーション戦略を立て直すと同時に、インフレ目標の達期時期についても、「2年」を完全に撤回し、特定の期間とはリンクさせない形で、「早期に」あるいは「できるだけ早く」という文言にし、本来のフレキシブル・インフレーション・ターゲットに近づける可能性がある。

ただし、日銀にとって、喫緊の課題は、操作目標の軌道修正であると考えられるため、今回、政策目標にまで手を付けるかどうか、筆者は確信が持てない。9月の決定会合で「2年2%」が撤回される可能性は5分5分である。

Q12)サプライズ戦略撤回の可能性は。

ほとんどの日銀関係者が認めているのは、コミュニケーション戦略の再構築の必要性である。14年10月に追加緩和を行った際、直前まで黒田総裁は景気、物価に対して強気の発言を続けていた。15年10月には、14年10月と同じ状況であったにもかかわらず、金融緩和は見送られた。しかし、その3カ月後には、導入しないと繰り返していたはずのマイナス金利の採用に踏み切った。

サプライズを狙った金融政策を繰り返した結果、日銀の政策変更に関する思惑自体が、金融市場を不安定化させる要因になっている。そのことは、実体経済には決して良い効果をもたらさない。予見可能性を高めることで、政策効果を最大化させるというのが本来の金融政策のあり方であり、サプライズ戦略とは真逆である。

執行部批判となるため、具体的には検討課題には上がらないかもしれないが、9月の決定会合を機に、サプライズ戦略は事実上、封印される可能性がある。すでに黒田総裁の発言からは軌道修正の兆しが見られる。

Q13)長期国債購入ターゲットはレンジとするのか。

日銀は今後、総需要ショックが訪れた場合でも、可能な対応策が残存し、金融政策はまだ限界に達したわけではないことを明確に示す必要がある。本来、金融緩和は、長期金利の低下を通じて、貸出金利の低下や円安・株高をもたらし、総需要を刺激する。このため、量的ターゲットの拡大そのものに意味があるわけではない。大量の長期国債を買っているから長期金利が低下しているのは事実だが、現状の長期金利水準を維持するために、現在のように大量の長期国債を購入する必要はない。

一方で、現在、市中発行額のほとんどを日銀が購入しているため、オペレーション上のコスト、出口の際のコストは相当に高まっており、政策の持続性が危ぶまれる状況となっている。9月会合では、長期金利が低位で安定しているのなら、国債購入ターゲットの厳格な達成にこだわる必要がないことを示し、年率80兆円の長期国債の購入ターゲットを、例えば70―90兆円のレンジ(あるいは60―100兆円)とする可能性がある。

Q14)マネタリーベース・ターゲットもレンジとするのか。

操作目標のマネタリーベース・ターゲットの主たる操作手段である長期国債の購入ターゲットに幅を持たせるのなら、本来、マネタリーベース・ターゲットにも幅を持たせることになる。

ただ、中央銀行の負債であるマネタリーベースの拡大にはそもそも理論的な意味がない。金利がゼロになると、経済・物価とマネタリーベースとの間の関係が遮断され、「マネーを増やせば物価が上昇する」という貨幣数量説が成り立たなくなるためだ。

現実に、量的緩和を行っている国で、マネタリーベース目標を掲げるのは日本だけである。他の国では、国債や社債など資産の購入額に目標が設けられている。さらに、マネタリーベース・ターゲットはもう1つの操作目標であるマイナス金利と矛盾する。マネタリーベースの拡大を促すことと、超過準備にマイナス金利のペナルティを賦課することは理屈上、相容れない。

このため、9月会合では、マネタリーベース・ターゲットについては、撤回ないし事実上棚上げされる可能性がある。あるいはマネタリーベース・ターゲットを撤回するものの、量の追求を止めるわけではないことを示すため、メニューの拡大として社債や地方債の購入を決定するのだろうか(マネタリーベース・ターゲットの限界を補うものとはなり得ないが)。

Q15)マネタリーベース・ターゲットの棚上げは、長期国債ターゲットの延命につながるか。

答えはイエスだ。例えば、日銀は保有する短期国債を売却し、同額の長期国債を購入するツイストオペを行えば、長期金利を引き下げることが可能となる。

短期国債の金利は、超過準備預金金利(IOER)に左右されるため、日銀が売却しても、短期金利は上昇しない。一方で、長期国債の購入量を増やせば、タームプレミアム(期間に伴う上乗せ金利)が潰れ、長期金利を引き下げることができる。長期国債ターゲット限界説の根拠の1つは、金融取引の担保として国債が不足するため、金融機関が売却を渋るというものだった。マネタリーベース・ターゲットを止めればツイストオペを行うことで、長期国債購入額を拡大することが可能となる。

なお、マネタリーベース・ターゲットが棚上げされても、象徴的な「量・質・マイナス金利」の3次元という言葉は維持されるだろう。新たな量の象徴として、レンジ化された長期国債購入ターゲットがしばらく用いられると思われる。

Q16)評判の悪いマイナス金利は撤回しないのか。

事実上の銀行課税であるマイナス金利政策は確かに評判が悪い。本来、金融緩和とは、金融機関の資本コストを引き下げ、企業や家計の借入金利が低下することで、消費や設備投資を刺激することである。金融機関の資本コストが引き上げられれば、金融機関はむしろ貸し出しに抑制的になる可能性がある。

ただ、大幅な総需要ショックが訪れた際、マイナス金利を深掘りすることで、円安に誘導できれば、大幅な株安も避けられ、ショックを和らげることが可能となるかもしれない。とりわけ、景気拡大局面が8年目に入った米国が、それほど遠くない将来、不況に陥れば、米連邦準備理事会(FRB)の金融緩和をきっかけに大幅な円高・ドル安が進む可能性がある。

このため、評判は悪いものの、将来の金融緩和の一手段として、マイナス金利が撤回されることはないと思われる。中国人民元の大幅切り下げ観測がくすぶり、それに伴う円高リスクが残ることへの対抗手段ともなり得る。

また、マイナス金利政策を撤回しないのは米大統領選挙も影響している。まず、ドナルド・トランプ大統領が誕生すればドル安政策が採用され、大幅な円高・ドル安が訪れる可能性があるからだ。

16年1月以降、FRBや米財務省の通貨政策のスタンスが変わったのは、米国第一主義を掲げるトランプ氏が大統領選の共和党候補になる可能性が高まったためだろう。オバマ政権にとり、日本に配慮して円安を容認することは、民主党候補のヒラリー・クリントン氏の足を引っ張ることになる。このため、日本の財務省は、いかに円高が進もうとも、実弾での為替介入は難しい。大幅円高に備え、日銀はマイナス金利政策を準備しておく必要がある。

さらに、ヒラリー・クリントン氏が勝利した場合でも、米国の製造業をサポートするため、ビル・クリントン政権の当初のドル安政策にならう可能性がある。民主党候補、共和党候補のいずれが勝利しても、大幅な円高回避のため、日銀はマイナス金利政策を手放すことができない。

Q17)9月会合でマイナス金利政策は深掘りされるか。

日銀が円高回避に敏感になっていたのは、円高が株安をもたらすためだ。完全雇用にあるため、一国の経済厚生を考えれば、家計の実質購買力を引き上げる円高が望ましい。

しかし、輸出企業優遇の円安誘導政策を続けてきた副作用で、日経平均に占める輸出企業のウエイトが実態以上に膨らみ、円高になると株価が大幅に下落し、政治的な金融緩和圧力が高まっていた。7月末の決定会合でETF購入額が倍増され、円高が多少進んでも、株価は以前ほど下落しなくなっている。日々のマーケットでは1ドル100円割れより、日銀の買い出動のタイミングが強く意識されるようになった。フォーカルポイントが為替から日銀にシフトしているのだ。

引き続き円高次第ではあるが、株価が大幅に下がることがなければ、9月会合でマイナス金利の深掘りが行われることはないと思われる。米国の利上げ観測が高まり、ドル高が進んでいれば、マイナス金利政策が深掘りされる可能性はさらに低下する。

むろん、大幅な円高になった時、それを回避するためマイナス金利が一時的に大きく拡大される可能性はあり得るが、継続的には0.5―0.7%がマイナス金利の限界だと考える。9月会合では、マイナス金利政策の限界に関する議論は行われないと思われる。

Q18)マイナス金利以外に有効な政策ツールはないのか。

量的ターゲットが困難になっているとすれば、残る手段はマイナス金利の深掘りと、長期金利ターゲットだ。欧州中銀(ECB)がマイナス金利をスタートするまで、マイナス金利は筆者の選択肢には入っておらず、量的ターゲットが限界に達した後の選択肢は、長期金利ターゲットだと考えていた。

そもそもマイナス金利を深掘りするのも、長期金利を引き下げるためだ。長期金利の低下を通じ、円安や株高、貸出金利の低下が進む。このため、マイナス金利政策の弊害が大きいということになれば、いずれ長期金利ターゲットに移行する可能性がある(インフレの上昇が始まった際には、長期金利の急騰を避けるため、ほぼ間違いなく必要となる)。

あくまで将来の政策ツールであり、9月会合では、議論されないと考える。ただし、9月会合でマネタリーベース・ターゲットを撤回し、長期国債購入ターゲットをレンジ化する際、長期金利の上昇を避けるため、長期金利のキャップを金融市場に対して日銀が暗示し始め、事実上の長期金利ターゲットがスタートする可能性も排除できない。

なお、ETFについては、当面の増額はないと思われるが、将来、大きな総需要ショックが訪れた場合、それを吸収する手段として買い入れを一段と増やすことはあり得る。7月会合で倍増したことで、株式市場のプライシングを大きく歪める問題について、日銀はあまり気にしていないことが明らかになった。ただ、日銀の大量購入によって株価がサポートされても、実体経済とのかい離が広がるばかりで、最後には支えられなくなる。

Q19)マイナス金利での資金供給を開始するか。

日銀は貸出支援基金オペにおいて、マイナス金利で資金供給し、その倍額をゼロ金利で当座預金に受け入れる可能性がある。金融機関にとり、資金調達コストが限界的に低下するため、貸し出しの増加には多少つながる。ただ、そもそも資金需要が低いため、マクロ経済的には大きな効果は期待できない。

Q20)ヘリコプターマネーの可能性は。

財政調整だけではもはや公的債務の圧縮が困難になっているという意味では、ヘリコプターマネーに片足を突っ込んでいると言えるが、もし、言葉の定義通り、政府が公的債務を増税や歳出削減で返済しないことを前提に追加財政を開始すれば、人々は将来の増税や歳出削減を気にせず支出を増やすため、景気刺激効果やインフレ醸成効果はより大きなものとなる。

ただ、ヘリコプターマネー政策は、常習性が強く、高率のインフレのみならず、資源配分の歪みから潜在成長率のさらなる低下をもたらす。そうした問題が認識されているため、財政法、日銀法でも禁じられており、9月会合で検討されることはまずないと思われる。

*前編はこちらです。

*河野龍太郎氏は、BNPパリバ証券の経済調査本部長・チーフエコノミスト。横浜国立大学経済学部卒業後、住友銀行(現三井住友銀行)に入行し、大和投資顧問(現大和住銀投信投資顧問)や第一生命経済研究所を経て、2000年より現職。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。

(編集:麻生祐司)

*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

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2. 2017年3月17日 16:44:21 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[689]
ストラテジーレポート
配信日:2017年3月17日

チーフ・ストラテジスト 広木 隆が、実践的な株式投資戦略をご提供します。
広木 隆が投資戦略の考え方となる礎を執筆しているコラム広木隆の「新潮流」はこちらでお読みいただけます。
広木 隆 プロフィール Twitter(@TakashiHiroki)
宴の後
「人は自分の希望に合致したときだけ未来を予見できる。そして、自分の希望に合致しないときは歴然たる事実でさえ無視できる」(ジョージ・オーウェル)
ファーバーレポート3月号
猫の日(2・22)に書いたレポート「温故知新」で紹介したマーク・ファーバー氏の新しいレポートが届いた。そこからいくつか箴言を引用しよう。
「どこの人も、新聞で読んだこととニュースの区別がつかない」(A・J・リーブリング 米国のジャーナリスト)
「新聞を読まなければ、無知となる。新聞を読めば、誤解する」(マーク・トウェイン 米国の作家)
「ニュースは重要ではない。市場がニュースにどう反応するかが重要なのだ」(ジョセフ・グランビル ウォール街のアナリスト)
先週200日移動平均が上昇が止まった途端に5%超も急落したWTI原油先物などは、「上向きだった移動平均線が、横ばいか下向きになり、価格が移動平均線を下に突き抜けたら売り」という<グランビルの法則>通りの動きである。いかに商品先物相場はテクニカルで売買するひとが多いかという証左であろう。
(出所:Bloomberg)

FOMCとオランダ総選挙を通過して
「ああ、ついてなかったな」
それがFOMCの結果を目にした僕の感想である(こんなことを書くと批判がたくさん来るだろう)。
以前も書いた気がするが、スティーブ・マックィーン主演(共演はフェイ・ダナウェイ)の映画『華麗なる賭け』のラストの台詞(字幕版)は、
「賭けには勝ったが、愛には負けた。」
その伝で言うなら、今回の僕の推奨は、 「読みは当たったが、賭けには負けた」というところであろう。
前回のレポートではFOMCについて以下のように述べた。
<ドットチャートに変化はあっても、あくまで中央値が示唆する今年の利上げ回数は3回にとどまる。これがメインシナリオだろう。4回の利上げを見込む向きも増えているが、コンセンサスを形成するには至っていない。>
それを受けた市場の反応については、 <メインシナリオ通りなら静観が無難だろう。場合によっては失望売りが出かねない。しかし、利上げ加速というシナリオを見込んで相場が動いていないので、そもそも期待が高くないから失望売りも限定的である。>
オランダの議会選についてはこう語った。
<自由党勝利の確率は低いけど、それが起きた時の市場の反応は大きくマイナス、その逆のケースでは相場はほぼ横バイだろう。>
毎週月曜の朝に配信しているメールマガジン「新潮流」の「今週のマーケット展望」でも、FOMCのメインシナリオは政策金利の見通しは維持されるとし、その場合、失望でドルは売られ円高に振れるかもしれないと書いた。オランダ議会選挙のメインシナリオは現連立与党の自由民主党が第一党となり、自由党は野党にとどまるというものとした。そのうえで今週の展望として、「結局、重要イベントが多いが、いずれも穏当に通過し、終わってみれば前週とあまり大きく変わらない水準で週末を迎えることになるのではないか」と書いた。本稿執筆現在(午前10:30)日経平均は1万9500円台を維持している。ほぼ予想通りの結果になったとしてよいだろう。
FOMCやオランダ総選挙の結果については、すでに多くのメディアで既報の通り。その後の市場の反応も含めて僕が提示していたメインシナリオ通りであった。
だがしかし、僕の推奨は、「FOMC前に買いで入って、オランダ選挙の結果が出る前に手仕舞え」というものだった。僕の推奨通りに相場を張った方には、申し訳ない展開になった。一応、「メインシナリオ通りなら儲からない」とお断りはしたが、仮に水曜日の終値で日経平均を買って、木曜日寄り付きで投げれば120円ほど損になった計算だ(終値までもってくれれば小幅高だが)。残念である。それが、「ああ、ついてなかったな」という意味である。
勝つための確率思考
これも以前に何度も紹介しているが、東京大学理学部を卒業し、現在プロのポーカー師として活躍する木原直哉氏はこう述べている。
「運がなくて負けたことについては悔しくありません。残念だ、仕方がないなと思うだけです。」(『運と実力の間』)
「まともなポーカープレーヤーであれば、というか確率に親しんでいる人なら、五分五分の勝負のときに3勝7敗になっても、7勝3敗でも、もちろん5勝5敗でも5勝4敗1引き分けでも、不思議には思いません。五分五分の確率で10回しか試行していないのですから、どれもおかしいことでなく、その場の運・不運に過ぎません。」(『勝つための確率思考』)
木原さんのギャンブルの定義は「期待値がマイナスなことにお金を賭けること」である。多くのプロにとってなぜポーカーがギャンブルではないかと言えば、期待値に従ってプレーしているからだという。プロは基本的に勝てそうにない勝負はしない。リスクが大きい割に、期待できるリターンが少なければ長期的に必ず損をするからだ。一方でリスクの割に期待できるリターンが大きければ決して躊躇しない。
僕の推奨理由がまさにそれだった。FOMCのメインシナリオが実現してもダウンサイドは限定的(例えば50円安程度)で、サブシナリオが実現すれば大幅なアップサイド(例えば400円高して2万円到達)がある。確率×リターンで期待値を合計すれば、「FOMCというイベントの期待値」はプラス(60%×▲50+40%×400=130)とはじいて、買いから入ることを勧めたのであった。
「もちろんその場の勝負が裏目に出ることはあります。しかし長い目で見れば、かならずプラスになることを知っているので、その場その場の結果にはこだわりません。」(前掲書より)
これは前掲のレポート「温故知新」で改めて引用したロバート・ルービンの言葉と異口同音である。
「ときとして間違った判断が成功に結び付くことがあれば、きわめて正しい判断が失敗に終わることもある。しかし、長い目で見れば、より深く考え抜いたうえでの意思決定は、全体としては望ましい結果につながり、結果そのものよりも、いかに検討を加えて意思決定が行われたかが評価されることになる」(ロバート・ルービン「ハーバード大学での講演」)
東大理系卒のプロ・ポーカー師も、敏腕トレーダーとして鳴らしゴールドマン・サックスの会長から米国の財務長官にまで上り詰めた男も、異口同音に同じことを言っている。つまり、確率を考えて勝負しろ、ということであり、期待値に従って勝負した結果が裏目に出ても、それは単に「ついてなかっただけ」と割り切るべきなのである。
詳しくは前回のレポートを参照してほしいが、ポイントをもう一度述べると、
・最も実現可能性の高いシナリオを予想してそれに賭けるのではない。(予想は当たったり外れたりする)
・確率×リターンで期待値を考え、期待値が「プラス」なものにベットする(賭ける)。
・市場のコンセンサスは「真の確率」ではなく、バイアスや歪みが存在している。
ニュースと市場の反応
木原さんはこうも述べている。
「運が良かったと後から振り返って思えるときに、きっちり運をつかみとって結果に結び付けることができるかどうか。そのために必要なのが実力で、これはしっかりトレーニングすることで伸ばすことができる能力です。ポーカーは運と実力が半々のゲームで、負けを運のせいにして逃げることもできます。しかし、半分はやはり実力がものをいうゲームでもあるので、常に実力を鍛えておかないといけないのです。」(前掲書より)
投資について言えば、日ごろからの情報収集、その分析、意思決定のプロセス、そうしたものの鍛錬であろう。あえて言えば、最初に挙げた「情報収集」にそれほどの意味はない。グランビルが言う「ニュースは重要ではない。市場がニュースにどう反応するかが重要なのだ」ということの通りである。その意味でFOMC〜オランダ選挙を終えた後の市場の反応は、株式市場については極めて当然と思うが、為替がこれだけ円高に振れているのは理解に苦しむ。
小幡績・慶應義塾大学准教授は自身のブログで、今回のFOMCの決定を受けて市場が円高で反応したことについて「驚きだ」と述べている。そして、市場というのは、なぜ事実をあえて曲げて解釈するのか、と問いかけ、2つの仮説を挙げている。
仮説1 都合が良いから。
市場が乱高下したほうが取引チャンスが増えて都合が良い
仮説2 あほだから。
(出所:小幡績PhDの行動ファイナンス投資日記)
為替市場は、と条件付きで小幡先生の「仮説2」を支持したい。以前から「ドル円相場だけが間違っている」(2月14日付ストラテジーレポート)と言っている所以だ。
では日本の株式市場は聡明な投資家の集まりか、と言えばそんなことはない。日経新聞の川上穣記者による今日の『スクランブル』。「日米株価 埋まらない溝」と題された記事で川上氏は、日本株の出遅れ感が解消されないとして日本には技術革新が成長を生む大型グロース株が不足していると指摘する。
川上さんは僕のコメントを拾ってくれた。
<時価総額上位企業の年初来の株価騰落率を見ると、上昇が目立つのはサウジアラビアとの10兆円ファンド立ち上げなど攻めの経営を続けるソフトバンクグループぐらい。NTTや日本たばこ産業(JT)、日本郵政など時価総額上位の企業群に、運用大手の幹部は「旧国有企業ばかりじゃないか」と自嘲気味に語る。(中略)
16日は東証第一部の売買高で東芝株が断トツだった。「不祥事企業を巡るマネーゲームに支配される市場は健全とはいえない」。マネックス証券の広木隆チーフ・ストラテジストは日本市場に未熟さを見る。
新年度入りする4月から日本株の出遅れは解消に向かう、との期待が市場では根強い。だが自律的な成長を描きにくい日本の主力株は結局、円相場など外部環境の影響を受けやすい。日本株の楽観シナリオには危うさが潜む。>(3月17日付け日経新聞『スクランブル』) これには諸手を挙げて賛同する。
来週のポイント
「日本の主力株は結局、円相場など外部環境の影響を受けやすい」 今に始まったことではないが、その通り。ではその円相場はどうなるか。来週月曜日は春分の日の祝日でメールマガジン「新潮流」は休刊いたします。「今週のマーケット展望」をお届けできないので、ひとつだけポイントを述べる。
さきほどブールバーグが以下のニュースを報じた。
<ムニューシン米財務長官は16日、ドルの長期的な強さが経済にとって最大の利益であり、ドルへの信頼を反映するとの見解を示した。就任後初の外遊で欧州を訪問中のムニューシン長官はベルリンでショイブレ独財務相と共同記者会見し、「短期的にはドルの強さで特定の問題が生じる可能性があるが、私が注目するのは、ドルの長期的側面や世界の安定した準備通貨としての重要性だ」と説明。「長期的に最大の利益として、ドルの強さは良いことであり、長期的なドルの強さは準備通貨への信頼の表れだと思う」と指摘した。>
G20で日本の金融・通貨政策が名指しで批判され円高になるリスクを懸念する向きが市場の一部にある。しかし、上記の報道をみればその可能性は低いと考える。波乱なくG20を通過すれば買い戻しが入るだろう。ドル円が一時112円台まで突っ込む円高になっても日経平均は19500円台を維持している。これだけのイベントが集中したなかでかえって19500円を固めた感がある。決して楽観視しているわけではないが、重要イベント通過で来週の日本株相場は再度上値を試す場面がありそうだ。
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過去のレポート
2017年3月17日
宴の後
2017年3月15日
3・15ショックは起きるか?この局面を乗り切る相場の張り方
2017年3月10日
相場の潮目が変わる時
2017年3月6日
FOMC前夜のマーケット状況
2017年2月22日
温故知新
https://info.monex.co.jp/report/strategy/index.html 


http://www.asyura2.com/17/hasan120/msg/273.html#c2

[経世済民120] 政策不透明感と保護主義、世界経済に悪影響も=中国財政相 G20と対照的−中国F 豪住宅リスク増 逆境耐えるユーロ FRB 軽毛
1. 2017年3月21日 13:12:39 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[690]
FX Forum | 2017年 03月 21日 12:42 JST 関連トピックス: トップニュース
コラム:「イエレン経済大統領」の所信表明=鈴木敏之氏
鈴木敏之
鈴木敏之三菱東京UFJ銀行 シニアマーケットエコノミスト
[東京 17日] - 米連邦公開市場委員会(FOMC)は15日、2015年12月に始まった今回の利上げサイクルで3度目の政策金利引き上げを行った。フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は25ベーシスポイント(bp)引き上げられて、0.75―1.00%のレンジとなる。

3月FOMCは声明だけでなく、経済見通し(SEP:Summary of Economic Projections)公表、イエレン連邦準備理事会(FRB)議長会見を伴う会合であり、それぞれに多くの情報が含まれていた。随所で、金融政策が米国に良好な経済状態をもたらしている「自信」を感じさせるものとなった。

以下、米金融政策の行方を読み解く上で重要なポイントを押さえておこう。

<年内3回以上の利上げを暗示>

まずFOMC声明は、強気トーンへの変化の羅列だった。景気判断の部分では、設備投資の見方について、前回の「軟調」から、今回は「しっかりしてきた」に文言が変化した。昨年前半に米景気拡大は減速したが、その調整をもたらしたのが設備投資の落ち込みだった。そこから立ち直ったという宣言だ。

インフレについては、上下方向へのぶれを含む「対称的な物価目標」に言及した。これは、インフレ率が目標の2%を突き抜ける事態が起きたときにも、無用の混乱を避ける配慮だろう。

つまり、「2%の物価安定目標=インフレ率の天井が2%」ではないということだ。この点は記者会見でも丁寧に説明された。実際、FRBが重視する個人消費支出(PCE)物価指数は1月には前年同月比1.9%に上昇している。2%超えも想定しなければならない水準にある。

金融政策の進め方についても、前回のFOMCまでは「経済状況はFF金利の緩やかな引き上げしか正当化しない形で進むと予測する」と言っていたが、今回はこの「しか(Only)」の部分が削除された。利上げの進め方の選択余地を広げたと言えよう。

一方、経済見通し(SEP)は、数字に変更をほとんど加えなかったが、変えなかった意味は大きい。まず失業率で見ると、現在のほぼ完全雇用状態が2019年まで続くとしている。インフレ率も目標の2%近辺で2019年まで推移。経済成長率見通しも2018年について前回12月時点の2.0%から2.1%へわずかに引き上げただけで、他は修正なしだ。

つまり、トランプ新政権による景気刺激策を明示的に織り込んでいないことを意味する。逆に言えば、織り込まれた際の上ぶれリスクを見込まなくてはならないということである。

この点、参考にすべきはSEPに含まれているドットチャート(FOMCメンバーのFF金利見通し)だ。2017年末の予想中央値が前回12月と変わらなかったため、ハト派的と解釈されたが、実は予想値の加重平均をとると1.40%であり、前回1.37%より上向いた。年内3回以上の利上げが必要になるかもしれないと暗示している。

<侮れない「経済大統領」の功績>

では、イエレン議長の記者会見では、何が語られたのか。印象に残ったのは、冒頭発言で、利上げを長く待つと不都合が生じるという「ビハインド・ザ・カーブ(金融政策が後手に回る)」問題に言及があったことだ。利上げを見送ってしまう時間が長すぎると、その後の利上げを急ぐことになり、それは市場の動揺を引き起こし、経済を景気後退に陥れるという警告を今回も行なった。

ただ、利上げ継続の意向を伝える一方で、2019年でもFF金利の中立水準は3.0%で良いとしている。すなわち、ブレーキをかける金融引き締めには消極的であることが説明された。

また、注目すべき点は、今回の利上げで消費者に伝えたいことは何かという質問に対し、イエレン議長は良い質問をしてくれたと記者に謝意を示し、「シンプルなメッセージは米国の経済状況が良好であることだ」と答えたことだろう。

インフレ率が2%目標に向けて上昇していることだけでなく、雇用についても、他の転職機会を見込んで離職しやすい環境になっているとし、「経済の力強さとショックに対する回復力に自信を持っている」とはっきり語った。

ちなみに、FRB議長は事実上、経済運営の最高責任者であり、ときに「経済大統領」と言われる。実際、トランプ新政権の経済政策について問われた際には、「成長加速を目指す政策を導入するのならば、生産性を上げ、経済成長の潜在力を高めるという私が議会や政権に促してきた政策が、我々の見たい非常に歓迎すべき変化だ」と述べるなど、まさにその名に恥じない受け答えだった。

2018年の成長見通しをわずか0.1%ポイントしか引き上げなかったことも、生産性を高める財政発動は歓迎だが、単に景気刺激だけの財政発動は不要もしくは有害だというメッセージだろう。

完全雇用の継続とインフレ目標近辺という理想的な経済状態をもたらしている実績を誇るイエレン議長の会見は、まさに「経済大統領」の所信表明とでも呼べるものではなかっただろうか。

*鈴木敏之氏は、三菱東京UFJ銀行市場企画部グローバルマーケットリサーチのシニアマーケットエコノミスト。1979年、三和銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行。バブル崩壊前夜より市場・経済分析に従事。英米駐在通算13年を経て、2012年より現職。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。

(編集:麻生祐司)

コラム:ドル120円予想を支える2つの根拠=鈴木健吾氏 2017年 02月 20日
コラム:トランプ帝国主義が招くドル高と中国衰退=武者陵司氏 2017年 03月 14日
コラム:ドル円こう着終焉へ、上抜けか下抜けか=佐々木融氏 2017年 03月 07日
http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-toshiyuki-suzuki-idJPKBN16O0B5?sp=true
http://www.asyura2.com/17/hasan120/msg/337.html#c1

[経世済民120] 死のスパイラルに陥る「トランプケア」政権不協和音 予算案リスク管理の悪しき見本 米中経済戦争 口先介入で円高は進むか$↑ 軽毛
1. 2017年3月21日 17:04:25 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[691]
トランプ米大統領がビル・ゲイツ氏と会談−対外援助の予算削減提案後
Toluse Olorunnipa
2017年3月21日 13:11 JST
病気発生の阻止を目指す共有のコミットメントを議論−大統領報道官
マイクロソフト共同創業者のゲイツ氏は予算削減を寄稿文で批判

トランプ米大統領は20日、マイクロソフトの共同創業者ビル・ゲイツ氏とホワイトハウスで会談した。大統領は数日前に公表した予算教書で、富豪で慈善事業家のゲイツ氏が支援する分野への予算の大幅削減を提案していた。
  ホワイトハウスのスパイサー報道官は、「世界中で流行する病気の発生を発見し阻止するための共通のコミットメント」について大統領とゲイツ氏が話し合ったと説明した。ゲイツ氏はトランプ氏が提案した対外援助削減によって米国の安全性が低下すると指摘する寄稿文を記していたが、会談後に記者団に話すことは控えた。
  ゲイツ氏は近年、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団を通じて、世界の発展と医療の促進に多く時間を注いでいる。ゲイツ財団はトランプ大統領の予算教書に対外援助予算の削減案が盛り込まれたことに対して公に批判した。同財団のスー・デスモンド・ヘルマン最高経営責任者(CEO)は発表文で、トランプ政権の予算教書は「国内外の貧困層に特に影響する」内容であり財団は「深く困惑している」と述べた。
原題:Trump Meets Bill Gates After President Seeks Cuts in Foreign Aid(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-03-21/ON5BST6JIJUO01
http://www.asyura2.com/17/hasan120/msg/343.html#c1

[経世済民120] 円上昇4カ月ぶりに110円台 2の米中古住宅3.7%減 NYダウ続落ナスダック小反発 日本株トラ相場最大の下げ 軽毛
1. 2017年3月22日 23:52:54 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[692]
田嶋智太郎の外国為替攻略法
2017年03月22日
相場つきが一変したドル/円の当面の下値は?

先週14−15日に行われた米連邦公開市場委員会(FOMC)を境にして、ドル/円の相場つきは一変してしまったとの感があります。3月10日に直近高値の115.51円まで上値を伸ばしたドル/円は、FOMCの結果が判明する直前まで114円台後半の水準で推移していましたが、FOMCの結果を受けて113円台半ばあたりまで下落し、その後もダラダラと下値を切り下げて、昨日は111円台半ばあたりまで大きく下落することとなりました。

今回のFOMCでは、事前の市場予想通りに0.25%ポイントの利上げ実施が決定されたものの、参加メンバーらが見通す年内の利上げペース変更がなかったことなどから、市場の期待が裏切られた格好となり、ドルは失望売りに押されることとなりました。

冷静に考えれば、まだ米政権による経済政策の具体案が何ら示されていない状況下で、米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースの加速を見通すことは難しいわけであり、事前の市場の期待は"先走り過ぎ"であったということになるでしょう。実際、先週16日に米政権が発表した2018会計年度の予算方針においても、まだ景気刺激的な要素を含んだ部分は示されず、予算の全体像を示す予算教書の議会提出は5月ごろになるとのことでした。

昨日(21日)、米大統領は連邦議会に乗り込んで下院共和党に対して医療保険制度改革法(オバマケア)の代替法案を可決するよう迫った模様ですが、いまだ一部の共和党議員の支持を取り付けることができていないと伝わっています。オバマケア代替法案が可決の方向へ向かわなければ、本命であるところの税制改革に着手できず、予算教書をまとめることもできません。

このように、今のところオバマケア撤廃は前へ進まず、移民制限令は差し止め、米大統領選でのロシア政府とのつながり疑惑も浮上し、足下では米政権の政策運営能力に対する不信感が一気に強まりつつある模様で、市場は政治的な混乱を嫌気してドルに見切り売りを出し始めています。その意味で、当面は米政権の面目躍如となるかどうかが相場の行方にとって一つの鍵になると見ておくことも必要でしょう。

市場にとっては、結果的に日米金利差に注目した買いによって支えられていたドル/円の強気モメンタムが足下で急速に萎えてしまっていることが何より大きく響いているものと考えられます。前回更新分の本欄で触れたように、FOMCが行われる前の市場ではドル/円が115円処でヘッド・アンド・ショルダーズ・ボトム(逆三尊)を完成させ、そこから一気に上値余地を拡大する可能性があるとの期待も膨らんでいました。

ともあれ、目下はドル/円が111円台半ばの水準まで下落し、あろうことか直近(2月7日)安値の111.59円をも一時的に下抜ける展開となっています。とりあえず、目先は111.50円処を明確に下抜けるかどうかが焦点になってくると考えられ、仮に同水準を下抜けた場合には、一つに一目均衡表の週足「雲」上限が現在位置している111.36円あたりが当座の下値の目安になってくるものと見られます。

この111.36円処の水準をも下抜ける展開となった場合には、昨年11月安値から12月高値までの上昇に対する50%押し=110円あたりの水準が視野に入ってくるようになる可能性も否定はできず、その点も一応は頭の片隅に置いておく必要があるでしょう。繰り返しになりますが、やはり当面は米政権に対して市場が抱く不信感が払しょくされて行くかどうかに要注目ということになると思われます。

コラム執筆:田嶋 智太郎経済アナリスト・株式会社アルフィナンツ 代表取締役
前の記事:ドル/円は分厚い上値の壁を突破できるか? −2017年03月15日
http://lounge.monex.co.jp/pro/gaikokukawase/2017/03/22.html


2017年03月15日
ドル/円は分厚い上値の壁を突破できるか?

前回更新分の本欄で、ドル/円について「今年1月半ば以降、ヘッド・アンド・ショルダーズ・ボトム(逆三尊)を形成していると見ることもできる」と述べました。ここで、あらためて下図において確認してみますと、たしかに足下のドル/円は89日移動平均線(89日線)に下値を支えられながら底堅く推移するなかで、2月15日高値(=114.96円)あたりの水準をネックラインとする一つのリバーサル(反転)フォーメーションを形成していると見ることができるように思われます。

そうであるとすれば、いずれネックラインを上抜けたところで逆三尊のフォーメーションは「完成した」と見做されることになり、その後は上値余地が拡がり易くなると考えることができます。その場合、上値の一つの目安になり得るのは「ヘッド(この場合は2月7日安値=111.59円)」の水準からネックラインまでの値幅と同じぶんだけネックラインより上方にとった値とするのがセオリーです。

つまり、仮に逆三尊が完成した場合、その後の上値一つの目安は「2月7日安値から2月15日高値までの値幅と同じ分だけ2月15日高値より上方にとった値」と考えることができ、結果的に、それは今年1月3日高値や昨年12月15日高値が位置していた水準をあらためて試すということにもなります。昨年12月15日高値からの調整が2月7日安値で終了したとするならば、再び118円台後半からそれ以上の水準を試す展開となる可能性も大いにあると言えるでしょう。

20170315_tajima_graph01.jpg

それにしても、目下は前記のネックラインが位置する水準が重く、そこに分厚い上値の壁が立ちはだかっているかのようです。そこは、ちょうど「115円」というキリのいい数字に近く、心理的節目とも言われる水準であると同時に、現在は一目均衡表の日足「雲」上限が位置しており、余計にその壁が厚く感じられるような状況となっています。また、ドル/円の115円処というのは、このところ「トランプ・シーリング」などと言われることがままあり、同水準を超えてくると「米政権からの円安誘導批判が強まりやすくなる」などと見る向きもあるようです。

周知のとおり、2月に行われた日米首脳会談で、為替協議などの通商問題については麻生財務相とペンス米副大統領による『日米経済対話』の場で議論することが決められ、いよいよ4月のスタート時期が迫ってくることに対する警戒ムードは足下で拭い切れない状況にあります。まして、今週末にはムニューシン米財務長官のデビュー戦となるG20財務相・中央銀行総裁会議がドイツで行われる予定となっており、その場であらためて米政権側の意向が強く示されるのではないかと警戒する向きも少なくないと見られます。

もちろん、今回のG20会議を比較的"無難に"通過することができれば、むしろ一旦はドル/円の上値余地が拡がり易くなる可能性もあると言えるでしょう。もとより、このところ米国経済の足腰は着実に強さを増してきており、昨日から行われている米連邦公開市場委員会(FOMC)でも追加利上げの決定が下されることは"ほぼ確実視"されています。

そのうえで、さらにFOMCメンバーらによる金利見通しが前回(昨年12月時点)の水準よりも引き上げられたり、イエレンFRB議長の会見でタカ派的な発言が飛び出したりすれば、今週から来週にかけて、いよいよドル/円がリバーサルフォーメーションを完成させる可能性も高まってくるものと思われます。

コラム執筆:田嶋 智太郎経済アナリスト・株式会社アルフィナンツ 代表取締役

前の記事:そろそろドル/円の調整も終盤に!? −2017年03月08日
次の記事:相場つきが一変したドル/円の当面の下値は? −2017年03月22日
http://lounge.monex.co.jp/pro/gaikokukawase/2017/03/15.html

2017年03月08日
そろそろドル/円の調整も終盤に!?

前回更新分の本欄では、先週3日に行われたイエレンFRB議長の講演について「事前に期待が盛り上がり過ぎると、一旦は失望の反応が見られる可能性もある」と述べました。そして実際、イエレン氏の講演と質疑応答の時間を境にドルは一旦売られる展開となり、一時114.74円まで上値を伸ばしていたドル/円も後に114円を割り込む展開となりました。

もはや、市場は来週14-15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)において追加利上げの決定が下されることを"ほぼ確実"と見ている模様であり、すでに関心は「その次」に移りつつあるようです。周知のとおり、その次というのは一つに先送りされてきた予算教書の提出、つまりは米大統領が言う「歴史的な」税制改革案を含めた積極的な財政出動の大まかなスケールや内容であり、また15日を期限とする米債務上限引き上げ協議の行方、そしてFOMCメンバーらによる今後の金利見通しなどであろうと考えられます。

とにもかくにも、まずは米議会に債務上限の引き上げを認めさせ、予算教書を議会に提出しないかぎり、大規模インフラ投資や大型減税を含む米政権の経済政策案は前へ進められません。また、ここにきてFOMCメンバーらの政策方針は「想定していたよりもタカ派的」と見られているようですが、実際には彼らの金利見通しを確認してみないと、その程度がつかめません。逆に言えば、今後それらが一つ一つクリアにされ、先々の見通しが少しずつでも明らかになってくれば、外国為替相場にも一種の"アク抜け感"が出てくるのではないかと思われます。

いずれにしても、足下では米政権の経済政策や米景気拡大に対する期待がなおも引き継がれており、基本的にドルの下値が堅くなっていることも事実です。下図でも確認できる通り、このところ長らくドル/円は一目均衡表の週足「雲」上限の水準に下値をサポートされる格好となっており、言うなれば「昨年11月の米大統領選後の急激な上昇に対する調整の局面」にあると見られます。

この調整を続けるなかで、今年1月半ば以降のドル/円は115円手前の水準をネックラインとするヘッド・アンド・ショルダーズ・ボトム(逆三尊)を形成していると見ることもできると考えられ、目下のところ上値抵抗となっているネックラインの水準をいずれ上抜けてくれば、調整局面は終了したとの感触も得られてくるものと思われます。

同時に注目しておきたいのは、以前からジワジワと水準を切り上げてきている31週移動平均線(31週線)が、じきに62週移動平均線(62週線)を下から上に突き抜ける格好になるという点です。振り返れば、昨年2月半ば頃に31週線が下向きの62週線を上から下に突き抜けるデッドクロスが示現してから、ドル/円の下落は一段と加速しました。

20170308_tajima_graph01.jpg

いまだ62週線は下向きの状態にあるため、単に31週線がそれを上抜けるだけでは確度の高いゴールデンクロスとは言えません。とはいえ、いずれ62週線も上向きになってくると、そこから本格的に上値余地が拡がり始める可能性はあると思われます。また、今後は週足の遅行線が週足「雲」を上抜けるかどうかという点にも要注目です。

前述したように足下で逆三尊を形成している可能性がある点や、31週線と62週線のゴールデンクロス示現、週足の遅行線の動きなどを見て総合的に判断するに、そろそろドル/円の調整も終盤に差し掛かってきていると見ることもできるように思われます。

コラム執筆:田嶋 智太郎経済アナリスト・株式会社アルフィナンツ 代表取締役
前の記事:米3月利上げの期待が市場で俄かに高まっている −2017年03月01日
次の記事:ドル/円は分厚い上値の壁を突破できるか? −2017年03月15日
http://www.asyura2.com/17/hasan120/msg/398.html#c1

[経世済民120] トランプ相場終わりの始まり、どう逃げる? 一部昇格株の先回買 調達業務は真っ先にロボット 華僑は「考えない」クラッシャー 軽毛
1. 2017年3月29日 19:26:27 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[693]
北朝鮮の脅威と日本の不可解な対応  (丹羽宇一郎氏の経営者ブログ)
(1/2ページ)2017/3/29 6:30日本経済新聞 電子版
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 北朝鮮の脅威が再び高まっています。相次ぐ示威的な行動に対し、米国など国際社会も強硬姿勢を示しています。なんともきな臭い空気が漂う中で、どうしても首をかしげたくなる動きがあります。日本政府の一連の対応です。

丹羽宇一郎(にわ・ういちろう) 1939年1月名古屋市生まれ。伊藤忠商事の食糧部門時代に穀物トレーダーとして頭角を現す。98年社長に就任すると翌年には約4000億円の不良債権処理を断行し、V字回復を達成。2010年6月、豊富な中国人脈が注目され、初の民間出身中国大使に起用された。書店経営だった生家で本に囲まれて育ち、財界でも有数の読書家。クラシック音楽鑑賞、書道、俳句と趣味も多彩。
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丹羽宇一郎(にわ・ういちろう) 1939年1月名古屋市生まれ。伊藤忠商事の食糧部門時代に穀物トレーダーとして頭角を現す。98年社長に就任すると翌年には約4000億円の不良債権処理を断行し、V字回復を達成。2010年6月、豊富な中国人脈が注目され、初の民間出身中国大使に起用された。書店経営だった生家で本に囲まれて育ち、財界でも有数の読書家。クラシック音楽鑑賞、書道、俳句と趣味も多彩。
 北朝鮮は2月には日米首脳会談に合わせたかのようにミサイルを発射。3月にも6日に4発の弾道ミサイルを発射し、うち1発については能登半島沖わずか200キロメートルの海上に落下したといいます。北朝鮮の技術力の向上と日本にとっての脅威が、比例するように高まっているといえるでしょう。

 特に2月のミサイル発射は、日米首脳会談に当てつけるようなタイミングだっただけに、両国首脳が会見を開いて非難声明を出しましたが、この声明の出し方がなんとも不可解でした。強い口調で北朝鮮を非難した安倍晋三首相に対し、トランプ米大統領は「米国は偉大な同盟国、日本と100%ともにある」と応じました。

 もちろん、北朝鮮への対応において、日米両国の緊密な連携は必要です。北朝鮮の蛮行は広く国際社会から非難されるべきです。問題は日米両首脳の会見で、日本がリードし、米国がそれに追従する形でメッセージを発信してしまったことです。なぜ日本が矢面に立つような形にしなければならないのでしょうか。

 自国に核やミサイルの脅威が迫っているわけですから、非難するのは当然の行為です。ですが、非難にもやり方というものがあります。このところの日本のやり方は悪い意味で目立ちすぎてはいないでしょうか。中国、韓国の関係者も一連の日本の対応を不思議に思っているようです。

 

安保理「北朝鮮を強く非難」 ミサイル発射などで報道声明
2017/3/24 7:52
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 【ニューヨーク=高橋里奈】国連安全保障理事会は23日、北朝鮮による22日のミサイル発射と19日に報じられた弾道ミサイルの新型高出力エンジンの燃焼実験を「強く非難する」とする報道声明を発表した。22日のミサイル発射は失敗したと推定されるが「安保理決議のもとの北朝鮮の国際的な義務に甚だしく違反する」とし、核実験を含む挑発行為の自制を求めた。

 安保理が北朝鮮のミサイル発射を非難する報道声明を発表するのは今年で3回目。報道声明には原則として全理事国の賛同が必要で、法的拘束力はないが国際社会の結束した意思を示す。

 安保理は北朝鮮の度重なるミサイル発射は「目に余る、挑発的で反抗的な態度」とし、「深刻な懸念」を表明。従来の声明と同様、すべての国連加盟国に北朝鮮に対する制裁を履行する努力を倍増するよう求め、北朝鮮が挑発行為を続けた場合には「さらなる重大な措置をとる」と明記した。

北朝鮮ミサイル最接近 能登沖200キロに落下 (2017/3/10 2:30) [有料会員限定]

北朝鮮が「新型ミサイル」発射 首相「断じて容認できない」 (2017/2/13 15:30) [有料会員限定]

http://www.asyura2.com/17/hasan120/msg/550.html#c1

[政治・選挙・NHK223] 北朝鮮の脅威と日本の不可解な対応 解決に日本モンゴル外相連携 米軍厳戒態勢  ロ仲介 外貨稼ぎ「包囲網」 多重核爆発実験 軽毛
1. 2017年3月29日 19:28:51 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[694]

安保理「北朝鮮を強く非難」 ミサイル発射などで報道声明
http://www.asyura2.com/17/hasan120/msg/550.html?c1#c1
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/277.html#c1
[政治・選挙・NHK223] シリア アサド政権の軍事施設に 米軍が巡航ミサイルで攻撃 自民高村「レッドライン越えた」外務省「対応そう遠くない将来に明 軽毛
4. 2017年4月07日 15:15:37 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[695]

Q緊迫のシリア情勢、米攻撃の影響は 識者に聞く
2017/4/7 14:19日本経済新聞 電子版
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 米軍が6日、シリア空軍基地への攻撃に踏み切った。アサド政権による化学兵器使用を封じ込める効果はあるのか。同政権を支援するロシアと米国の関係はどうなるのか。識者に聞いた。

■「アサド政権を崩壊させる効果はない」 軍事・情報戦略研究所の西村金一所長(元防衛省・自衛隊情報分析官)

 今回の攻撃は化学兵器の利用を許さないという米国の意思表示だ。アサド政権を崩壊に導くほどの効果は無いが、同政権側には米国に報復する軍事能力は無い。反政府勢力への爆撃を強めるようロシアに働きかけるのが限界だ。

 オバマ前政権はアサド氏による化学兵器の使用を認識しながら無策に終わり、結果的にアサド氏の横暴行為を許した。それに対し、トランプ政権は軍事的な行動をとった。今回の攻撃を無視して化学兵器使用を続ければ、さらなる軍事行動も辞さないという警告の意味合いもある。

 米国にとっては過激派組織「イスラム国」(IS)掃討が最優先課題だ。アサド政権を攻撃したところでISの台頭を招くため、バランスの微妙さは常に残る。まずはISの掃討、その後にアサド政権への対応になるだろうが、その間にはアサド政権を支援するロシアとの外交的な交渉も出てくるので、単純には進まないだろう。

■「トランプ氏、その場に応じて判断する人物」 中山俊宏・慶応大教授(米国政治・外交)

 トランプ大統領にとって初めての軍事行動となった今回の攻撃の論理は、ほとんど純粋に人道的な義憤に基づいている。米国の安全にかかわらないことには労力を使わないという「米国ファースト」からは説明できず驚きだ。トランプ氏が保守やリベラルといった従来のイデオロギーでは説明できず、その場の状況に応じて判断する人物だということが改めて分かった。

 トランプ氏の支持者は孤立主義に賛同していたが「強い米国」のイメージ自体は歓迎するだろう。一方、トランプ氏に批判的だった民主党の国際介入派などはどう反応すべきか戸惑っているとみられる。オバマ前大統領は以前の化学兵器使用の際「レッドライン(一線)を越えた」と非難しても軍事行動は取れなかったためだ。

 ただ、シリア情勢がこれで大きく変わるかはまだ分からない。今のところ、ティラーソン国務長官はアサド政権の体制転換が目的ではないと説明している。アサド政権による化学兵器の使用に対する懲罰や、今後の使用抑止という単発のメッセージにとどまる可能性もある。情勢が改善するとは限らない。

■「ロシアやイランの反発必至」 青山弘之・東京外国語大教授(シリア政治)

 米軍による攻撃がロシアやイランの反発を招くのは必至だ。これらの国がアサド政権への支援を強め、同政権の軍事的なバランスを強める恐れすらある。ロシアと連携しない攻撃は明らかにマイナスで、米国が想定した効果は見込めないのではないか。

 攻撃が1回限りか、それとも何度も続くのかは判然としない。だがミサイル攻撃は化学兵器を無力化する手段とはならない。中長期的な視点に立った作戦と言うより、自らの行動力を示したにすぎないと映る。

 攻撃を通じて米国が主導権を握る思惑があったのかもしれない。だがロシアが反発してアサド政権への支援を強めれば、泥沼のように作戦を続ける以外の道は閉ざされる。シリア北部や首都ダマスカス東部で反体制派との激しい戦闘が続いている。アサド政権はロシアやイランなど連携を呼びかけ、この地域で攻勢を強める可能性もある。

 シリア問題を解決に導くには、ロシアを巻き込む以外の道は無い。一方的にロシアとの対立を深めるトランプ政権の戦術は、中東の不安定化を招きかねない。 
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/693.html#c4

[国際19] 米国のシリア攻撃、一番得をするのは中国だ 韓国と米国に共通する「衆愚政治」の危険 韓国大統領「文」でも「安」でも危機的状 軽毛
1. 2017年4月12日 13:39:47 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[696]

2017年4月12日 ロイター
南シナ海の戦略水域、中国は「アメとムチ」で勢力増大


4月10日、南シナ海のスカボロー礁付近の水域に、いかりを下ろした漁船が何マイルにもわたって列をなしている。背後には、中国海警局の小艦隊がにらみをきかせ、アジアで最も激しい領有権争いが起きているこの海域での中国の勢威を誇示している。写真は同礁で5日、中国国旗を掲げた漁船と中国の沿岸警備艇(2017年 ロイター/Erik De Castro)
[スカボロー礁(南シナ海) 10日 ロイター] - 濃紺の深海と淡青の浅瀬が接する南シナ海のスカボロー礁(中国名:黄岩島)付近の水域に、いかりを下ろした漁船が何マイルにもわたって列をなしている。

 背後には、中国海警局の小艦隊がにらみをきかせ、アジアで最も激しい領有権争いが起きているこの海域での中国の勢威を誇示している。

 国際司法の場で、中国がこの環礁を実効支配していることが違法と裁定されてから9ヵ月が経過したが、同国は今もこの豊かな漁場における主権を主張し、船団を増強している。

 南シナ海の大半において主権を有するという中国の主張を無効とした常設仲裁裁判所の裁定の受け入れを、中国政府は拒否している。

 ただし、中国船舶のあいだにフィリピン籍の船舶も点在していることから、この裁定をある程度遵守しているようにも見える。フィリピンのドゥテルテ大統領が、数十億ドル規模の融資や、投資、貿易交渉を中国と進めていることもプラスに働いている可能性がある。


写真はフィリピンの漁船ボートの横を通過する中国の沿岸警備艇。同礁で5日撮影(2017年 ロイター/Erik De Castro)
 中国は10月、フィリピン船舶に対する排除行動を中止し、フィリピンから200キロ離れた海面に露出した岩礁の周縁部における漁船の操業を認めている。制限をさらに緩和しようとする動きも見られる。

 ロイターの記者は先週、スカボロー礁に足を踏み入れた。外国メディアがこの地を訪れるのは、中国が実効支配を開始した2012年以降初めてのことだ。多数の小型漁船が日夜、この岩礁に出入りし、豊かな水産資源を獲得している様子をロイターの記者は目撃した。

 潜水マスクを着け、銛を手にしたビンセント・パラワンさんは、岩礁内の水域で立ち泳ぎしながら、「中に入れてもらえるようになってありがたい。これで家族を養える」と語った。

「中国人にここにいて欲しいとは思わない。何しろ彼らは数が多いから、私たちの漁業に影響が出る。しかし共存しようという気持ちはある。追い出されるのは嫌だ。少なくとも今は、魚を捕ることができる」

 サンゴ礁からなるこの環礁は、南シナ海における勢力争いの象徴的な存在であり、戦略上の「火薬庫」となっている。中国とフィリピンの他、台湾とベトナムもスカボロー礁に対する主権を主張している。

 譲歩する姿勢を見せているとはいえ、この水域での中国のプレゼンスは増大している。海警局の艦艇と漁船で構成される船団の規模は、昨年末の衛星画像によって確認された数からさらに拡大している。

 こうした動きにフィリピン政府は懸念を募らせている。フィリピンの排他的経済水域内にあるスプラトリー(南沙)諸島に人工島を築き、要塞化した中国が、スカボロー礁においても同じような野心を持っているのではないかと疑念を抱いているのだ。

平和的共存

 スカボロー礁は水面にようやく頂点を出している岩からなる、1辺46キロの三角状の環礁で、フィリピン・中国両国の船舶は、そこから100メートルも離れていない場所に並んで投錨しており、両者のあいだには平和的な共存が見られる。

 麦わら帽子をかぶった中国人が漁船のあいだを行き交い、フィリピン人と身振り手振りを交わしつつ、煙草や酒と魚を交換している。

 小型漁船はブーンとエンジン音を響かせ、サンゴ礁が作る天然の消波堤を抜け、環礁内の水域を出入りする。何世紀も前から漁師たちに豊富な漁獲と嵐からの避難所を提供してきた場所である。

 老朽化した手狭な漁船に乗ったフィリピン人漁師たちは、数のうえでは約10倍と優位にある、増強された中国船団との競争に不満を漏らす。

「以前は数日間、漁を行っていたが、今は数週間だ。少なくとも、ある程度は魚を獲れる」と語るのは、20年にわたり漁業を営んでいる漁船の船長ラミル・ロザルさん。

「中国人はもっとたくさん獲っている。フィリピン漁船は彼らと魚を分け合わなければならない。だが、彼らが特に迷惑ということはない。親切な人たちもいる」

 オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所が、すべての国に開かれた伝統的な漁場だと判断したスカボロー礁付近の水域だが、ここでは中国海警局の艦艇数隻が自国ルールを強制している。同裁判所は、環礁の領有権については判断を下していない。

 フィリピンのマナロ外相は、フィリピン漁船にとってのアクセスが改善されたことは「もちろん常設仲裁裁判所の裁定に沿ったもの」だと話している。

厳重な監視体制

 ロイターが漁師たちに取材したところ、中国海警局の艦艇は、大型漁船が環礁内に入ることは禁じているものの、2人乗りの小型漁船であれば環礁内で自由に漁ができるという。

「中国漁船にもフィリピン漁船にも同じルールが適用されている」とロザル船長は言う。

 見慣れぬ船舶がこの水域に近づくと、監視のため強力なエンジンを備えたボートが大型の艦艇から発進することがある。

 昨年のフィリピン政府からの発表によれば、海警局の艦艇のうち3隻は水の底の土砂を取り去る能力を有する艦種だったという。そのうち1隻は環礁内に常駐していたが、その行動内容は明らかではない。

 ロイター取材陣が中国漁船に横付けしてみると、海警局が中国の漁師たちと連携していることが分かった。

 漁船員の1人は急いで携帯無線を手に取り、記者たちの写真を撮影した。まもなく海警局の艦艇が針路を変え、こちらに向かって急速に接近してきたが、短時間追尾しただけで引き返していった。


写真はフィリピンの漁師。同礁で6日撮影(2017年 ロイター/Erik De Castro)
 ロイターは中国外務省にスカボロー礁に関する質問を送ったが、ただちに回答は得られなかった。同省の最近のコメントは曖昧で、スカボロー礁の状況に変化がないことを述べているだけだ。

 フィリピンの漁師たちは、ベトナム漁船もスカボロー礁で漁を行っており、それはベトナム政府が中国政府による新たな措置を試している兆候だと語った。

 とはいえ、ロイター取材陣はベトナム漁船を1隻も目撃しなかった。またベトナムの2つの漁業団体は、自国漁船がスカボロー礁に向かったことを把握していないと述べた。ベトナム政府からの回答は得られなかった。

 スカボロー礁をめぐる状況は改善されているとはいえ、緊張は残っている。

 先月、中国がスカボロー礁に環境測定所を建設することを計画しているとの報道があり、フィリピン側を驚かせた。ドゥテルテ大統領は、中国の行動を止めることはできないが、「両国の友好を尊重するならば」建設はないと確信していると述べた。

 そして、ドゥテルテ大統領はつい先週、南シナ海でフィリピンが占有する9つの環礁・島嶼(とうしょ)上の施設の更新を命じて、中国、ベトナム両国を警戒させている。

 今のところ、フィリピン漁船は中国との緊張緩和を最大限に利用しており、環礁に数ヵ月も留まっている者さえいる。

 日に焼けた肌に傷みの目立つ作業着をまとった男たちは、過積載状態の漁船の舷側を慌ただしく行き交いながら、魚を入れたカゴを、フィリピンに帰港する船へと積み替えている。

 37歳のレナート・エタック船長は、ひっきりなしに煙草を吸いながら、魚の重量を測り、各々の納品分について詳細に記録している。エタック船長によれば、漁獲高は減少傾向にあるとはいえ、スカボロー礁での操業はフィリピン人漁師にとって「お祭り」だという。

 エタック船長は、中国海警局についても肯定的に見ている。

「もし彼らがここにいなければ、スカボロー礁は皆に解放される。違法操業の漁船も含めてだ」と彼は言う。「彼らがここにいることが、ある意味、抑止力になっている」

(Martin Petty 翻訳:エァクレーレン)
http://diamond.jp/articles/-/124177
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/107.html#c1

[国際19] トランプは悪性の人格障害!?米で精神科医らが解任求める 勢いづくトランプ軍複合体 脳が納得する命令 意思決定ノイズ大損失 軽毛
1. 2017年4月17日 13:18:32 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[697]
実体験:文法のない英会話の世界 日本語を活用した英会話習得法 脳が教える究極の会話システム
2017年4月15日(土)
池田 和弘
 英語に対する私の長い間のテーマは、@文法をどこまでシンプルに出来るか、という点と、A日本国内でどこまで英語力を伸ばせるか、という点です。

 今回は、私が文法を全く使用せずに外国語を習得する教材を設計し、自分自身に試して、1か月半で1つの話題について、流暢に話せるようになったケースについてお話しします。

テストには合格したが…

 もうかなり前のことですが、私は英検1級や国連英検特A級(外務省後援)を受けたことがあります。どちらにもリーディングとリスニングテストに加えて面接試験があり、当時の感覚としてはとても先進的なテストでした。英検の面接は、ほぼ現在と同じで、いくつかの題目の中から1つを選んで1分で考えをまとめ2分でスピーチをするというもので、国連英検特A級は15分間、面接官と会話を行うというものでした。

 全体としての感想は、やはり外交官の必須課題となっている後者の方が、語彙のレベルが英検よりもはるかに高く、英文も洗練されていました。面接内容が異なるのはいわずもがなで、私の場合は当時の中東情勢について話しました。

 ふつうの感覚では、この2つの試験に合格していれば、英語についてはエキスパートです。実際、国連特A級には「プロフェッショナルレベル」という但し書きが付けられています。

 ところが、これらの日本屈指のテストに合格しても、私にはとても気がかりになっている点がありました。それは、時事の話題について英語で話せ、サイエンス分野になるとネイティブに教えることさえあったにも関わらず、「ごく何気ない会話」がうまく出来ないということでした。

 「今週末時間ある?」(Are you free this weekend?)とか、「How about a drink tonight?」(今日一杯どう?)など、ほぼ決まり文句と言えるような表現は使えるのですが、唐突に何か言われたり、話す内容がどんどんと変わったりすると、リアルタイムでスムーズに即応ができないということでした。

 ここには、何か得体の知れない「巨大なギャップ」があったのです。

 この点についてはいろいろと考えてみたのですが、結局、答を出せないまま10年近くもの月日が流れました。

コンパクトを追求する

 そんなある日、ふと、日常会話を「コンパクト」にして学習してみたらどうだろうか、と思い至ったのです。大雑把に「日常会話」というと、あまりにもつかみどころがなく多種多様な情報が含まれています。そこで、例えば「映画」という限られた話題について、どのような会話が交わされるかを調べ、それをコンパクトにまとめることで、テンポよくスムーズな会話ができないだろうかと考えたわけです。

 考えて見れば単純なことですね。複雑なことは、なるべく単純化して考える方が良いに決まっています。

 このとき、もう1点、私が考えていた点は「文法」です。スピーチの場合ならともかく、ネイティブスピーカーと差しで戦う、いや話す場合には、文法を考えていては「会話の流れには絶対に乗れない」と経験上分かっていましたので、自分の教材では文法を一切使わないようにしようと思ったのです。

 これには、理論的な根拠がありました。それが、当時まだ出始めで、PDPと言われていた脳の情報処理の考え方でした。PDPによると、文法はルールとして理解するべきものではなく、創発するもの、つまり自然なプロセスで体得されるものなのです(※)。

(※)現在良く耳にする「ディープラーニング」という言葉は、じつは多層からなるPDPのシステムのことです。今では第二言語習得学の分野でもコネクショニズムとして注目を集めています。
 いずれにせよ、@「映画」という話題に絞る、A英文などをすべて短くシンプルにする、B文法を一切学ばない――という方針で、「ペラペラに話せる」ようになるか試してみようと考えたのです。

 あと一点、工夫したのは、「マイクロ会話」という考え方でした。会話というと、普通はA→B→A→B→A→Bといったように長く続くものが多いのですが、単純化していくと最終的には、Aさんが何かを言って、Bさんがそれに答えるという「一対の会話」がたくさん集まったものだと考えることができます。つまり、「マイクロな会話」です。

 つながっている会話は、覚えてもその通りの順序では出て来ませんが、「マイクロ会話」はレゴのブロックのように自在に組み合わせることができます。これが、自由な会話の流れ(つまり流暢さ)につながると考えたのです。

バイリンガルを探せ!

 しかし、さて始めようとしたところで、いきなり問題に直面しました。それは、英語については、私も、そして周囲の人も、すでに文法を知っていて、会話も問題なく出来たということです。これでは、きちんとした実験ができません。

 そこで、「未知の言語」に挑戦することにしました(※)。

(※)まったくもって無茶苦茶な結論ですが、論理的に考えるとこうなってしまったのです。
 さあ、それからが大変。実は、この実験教材は、文法をゼロにする方法として、このコラムのテーマでもある、「日本語を活用する」つもりでいたのです。ですから、外国語と日本語を話せるバイリンガルの人がどうしても必要でした。

 しかし、「文法を使わないのだから英語以外なら何語でもいいはずだ」と考え、方々に当たったところ、台湾の人でほぼパーフェクトな日本語を話せる方が見つかりました。そこで、その方と音声収録のアポを取っておき、大急ぎで原稿を作成しました。教材の基本的な設計については、私の中ですでに具体的なイメージがありましたので、大変な作業だったものの、なんとか原稿を期日までに仕上げ、音声の収録を行いました。

トレーニング開始!

 こうして、ようやく「映画」について、中国語バージョンの教材ができました。そこで、私は早速アシスタントの方と練習を始めました。自分に試してうまく行くかどうか確かめようと考えたのです。

 方法は単純で、少し工夫を加えた音声(※)を、日本語→中国語の順序で丁寧に聞き込み、つぶやくようにリピートするというものでした。音声の確認のためときどき、テキストもチェックしました。ある程度慣れると、日→中の通訳練習を行いました。これを続けているうちに、だんだんと会話がつながるようになっていきました。

(※)記憶に残りやすいように、わざとポーズをたくさん入れたスロー音声を用意しました。これを使ったリスニングを「超スローリスニング」と呼んでいます。
 特筆すべき点として、私たちは中国語の文法を一切学びませんでした。もちろん、テキストにも一行の説明もありません。それでも相手の言う事が分かり、瞬時に応答できるようになっていきました。そして、さらに不思議な事に、練習を続けるうちに、文法的なルールが解説なしに分かるようになっていったのです。つまり、文法が創発的に習得されていったのです。これについては、脳の情報処理の性質から予測していたのですが、予測するのと実際に自分で体験するのとは大違いで、なんだか、言語習得の奥義に触れたような気がしました。

 上で述べたような練習を毎日1か月半続けると、流暢といって良いレベルにまで会話ができるようになりました。

 そこで早速成果を発表する会を開き、私はアシスタントと2人で、この教材で習得した中国語を披露することになりました。聴衆は、そのほとんどが理系の教員や研究員で、中には中国からの留学生もいました。かなり緊張しましたが、大変好評で、とくに発表を主催してくださった物理学の教授からは「これがサイエンスだ」という言葉をいただくことが出来ました。

中国語の先生をアタック!

 ところが、私自身はそれだけではどうも納得できませんでした。なぜなら実際にネイティブと話したわけではなかったからです。そこで、たまたま、非常勤講師としてある大学に教えに出向いていたときに、中国語の先生らしき人を見かけたので、後を追いかけ話しかけたのです。それも、挨拶もせずにいきなり後ろから、「ニー・シー・ファン・チュウフ・ディェイン」(どんな映画が好きですか)とやったわけです。

 彼女は少し驚いて振り返ると、「お上手ですね。どこで学ばれたのですか」と丁寧な日本語で聞いてこられました。そこで、私は「日本です」と答えました。ところがその瞬間、彼女の表情が変わり、すぐさま「どのぐらい勉強されたのですか」と聞いてこられました。私は、「1か月半です」と事実をそのまま伝えました。

 その後どうなったかというと、私は彼女のオフィスに連れていかれ、30分ほど質問攻めに遭うことになりました。「私の学生たちは2年かけても四声(=イントネーションのこと)ができません。いったいどうしたら…」等々。

賞の獲得、そしてパワーアップ!

 その後、私は話題の数を増やし、学習マニュアルも付けて、この方法に基づく英会話教材を作りました。その教材は、瞬く間にユーザーの間で評価を得、イードアワード賞というコンテストで1年目に留学体験者部門で最優秀賞をいただき、2年目には総合で優勝しました。私は、その後、それをさらにパワーアップしたものを制作し、「スピークエッセンス」という名称で発表しています。

 いずれにしても、コンパクトでシンプルとはいえ、たった1か月半で1つの話題について「まったく未知の言語」で流暢に話せるようになったのには、考案した私自身も驚きました。それは、本当に不思議としか言えない体験で、異言語によるコミュニケーションの原点を感じました。今の私の夢は、この教材の「フランス語バージョン」を作って学ぶことです。やはり、フランス語はどこかお洒落ですから…。今回の話を通じて、少しでも英会話に関するヒントを得ていただければと思います。

 英語に関する限り、私たちの能力は30%程度しか引き出されていません。これはとても残念なことです。このコラムでは、どうすれば残りの70%の能力を発揮できるかについて、日本語を活用するという手法を中心にさまざまな観点からお話ししていきます。

 英会話にお困りの方は、ぜひ一度私が開発した最新の会話教材リッスントークをご検討下さい。私の公式サイトはこちらです。

このコラムについて

日本語を活用した英会話習得法
 上司が外人になった、会議が英語で開催される――日本企業にいても、英会話能力が問われる時代になっています。英語のテストを受けるとある程度の点は取れる、でも話せない。試験対策の勉強を頑張ってしている、でも実際の英会話となると、ごく簡単なことさえ言えない。こんなことを感じている読者の方も多いのではないでしょうか。
 このコラムでは、これまでの発想を180度変え、私たちがすでに身に付けている日本語を活用して英会話を学んでいく方法についてお話します。語学というのは、つまるところ語彙力です。“文法”と言われるものも、意味と形の関係に過ぎません。ここでは、文法を一旦忘れてください。そして、英語をとらえ直しましょう。多くの人にとって、ここが新たな始まりになるはずです。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/skillup/15/093000004/041100040/
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/152.html#c1

[経世済民121] 日米経済対話で話し合うべきこと 有事の円買なぜ 予想外コアCPI低下ハト派勢い 日銀総裁 世界経済の潮目変化 ドル安更新 軽毛
1. 2017年4月17日 17:19:58 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[698]
「有事の円売り」が復活する日
日経ヴェリタス編集長 小栗太
2017/4/17 5:30日本経済新聞 電子版
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 いつから円は安全資産になったのだろう。米国によるシリアへのミサイル攻撃を機に北朝鮮情勢が緊迫するなかで「有事の円買い」の連想が働き、円高・ドル安が勢いづいている。

■リーマン危機が転機に

 為替市場を取材して20年余り。最近気になるのがリスク時に安全資産とされる円にマネーが流れ込む「有事の円買い」だ。取材を始めたころは覇権国の米国にマネーが退避する「有事のドル買い」と学んだが、どこかで180度変わっ…
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO15311100U7A410C1000000/

「有事の円売り」が復活する日
日経ヴェリタス編集長 小栗太
2017/4/17 5:30
日本経済新聞 電子版
 いつから円は安全資産になったのだろう。米国によるシリアへのミサイル攻撃を機に北朝鮮情勢が緊迫するなかで「有事の円買い」の連想が働き、円高・ドル安が勢いづいている。
■リーマン危機が転機に
 為替市場を取材して20年余り。最近気になるのがリスク時に安全資産とされる円にマネーが流れ込む「有事の円買い」だ。取材を始めたころは覇権国の米国にマネーが退避する「有事のドル買い」と学んだが、どこかで180度変わってしまった。

(2006年10月11日付日本経済新聞朝刊)
http://www.nikkei.com/content/pic/20170417/96958A9F889DE3E7E1E3E3E3E2E2E3E6E2E6E0E2E3E5E2E2E2E2E2E2-DSXZZO1533094014042017000000-PB1-4.jpg

 過去の日本経済新聞を調べると、10年ほど前の2006年10月の記事が出てきた。見出しは「北朝鮮リスクで円売り」。北朝鮮の核実験を受けて「有事の円売り」が強まったという内容だ。ほんの10年で市場の法則がひっくり返ったことが分かる。
 いったい何があったのか。理由は2つ考えられる。1つは2000年代に入り、米同時テロやリーマン・ショックといった米国史に名を残す大事件が相次いで発生。なかでも08年のリーマン・ショックは米国市場の安全神話を根底から揺るがせ、「有事のドル買い」を弱める最大の要因になった。
 そしてもう1つは、市場を占拠しつつある機械取引の急拡大だ。機械取引は過去の相場材料と値動きの相関性を読み込み、自動で売買を判断する。いったん最近の「リスク増大→円高・ドル安」という相関性を読み込めば、地政学リスクの詳細な情勢分析をすることなく円買い・ドル売りが一気に膨らむ仕組みだ。
 ただ冷静に考えてみると、仮に北朝鮮情勢が緊迫した際は安全資産とされる円にマネーが流入するよりも、地理的に近い日本からマネーが流出するという解釈の方が受け入れやすいのではないか。万が一の武力衝突リスクを想定すれば、日本よりも米国の方が安全に思われるからだ。

■2段階でリスクに反応
 かつて三菱東京UFJ銀行やドイツ証券で「有事の円売り」から「有事の円買い」への転換を目の当たりにしたFPG証券の深谷幸司社長は「リスク発生時の取引行動には段階がある」と指摘する。まず不透明感が浮上した時点で、市場参加者は持ち高を減らす行動に出る。例えば現状ではトランプ相場で買い上げた株式を売り、円安・ドル高を解消しようと円を買い戻す。そしてリスクが顕在化した時点では、どの国の実体経済や金融市場に悪影響が及ぶかを判断する。例えばリーマン・ショックの時は米国市場が痛むため、日本にマネーを移す動きが強まった。
 11年に東日本大震災が起きた後、「有事の円買い」の連想から円高・ドル安が加速し、円の最高値を更新した。市場では当時、保険会社が被災地で発生する保険金を手当てするために海外資産を取り崩す必要に迫られ、膨大な円買いが発生するという後講釈がなされた。だが実際は東京電力福島第1原子力発電所事故が発生し、企業のサプライチェーン(部品供給網)が寸断されるなど、日本経済に深刻な影響が及んだ。結局、日本が貿易赤字に転じる過程で「有事の円買い」は大幅な円安方向に修正されていった。
 FPG証券の深谷社長は北朝鮮で武力衝突が起きるような深刻な事態に進展した場合は「有事の円買い」がひっくり返り、再び「有事の円売り」に転換する可能性が十分あるとみる。
 トランプ米大統領はツイッターに「中国が協力しなければ、我々が中国抜きで問題を解決する」と投稿。北朝鮮の後ろ盾である中国に働きかけ、それでも改善しない場合は単独行動も辞さない姿勢を示す。
 「北朝鮮リスクで円売り」という見出しが再び紙面に載ることはあるだろうか。もっともそれは北朝鮮情勢が想定したくない事態に陥ることを意味するのだが。
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO15311100U7A410C1000000/ 


http://www.asyura2.com/17/hasan121/msg/172.html#c1

[国際19] トランプは悪性の人格障害!?米で精神科医らが解任求める 勢いづくトランプ軍複合体 脳が納得する命令 意思決定ノイズ大損失 軽毛
5. 2017年4月17日 18:26:29 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[699]

    「トランプ政権の性格はどう変わったのか?」

    ■ 冷泉彰彦:作家(米国ニュージャージー州在住)

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(冷泉彰彦さんからのお知らせ)

もう一つのメルマガ、「冷泉彰彦のプリンストン通信」
(まぐまぐ発行、「プリンストン通信」で検索)
http://www.mag2.com/m/0001628903.html
JMMと併せて、お読みいただければ嬉しく思います。購読料は税込み月額864円
で、初月無料です。またこのメルマガを発行している「まぐまぐ」に、私のインタビ
ュー記事が掲載されています。ご覧いただければ幸いです。
http://www.mag2.com/p/news/241285
http://www.mag2.com/p/news/241618

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 ■ 『from 911/USAレポート』               第739回
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 2016年8月、民主・共和両党が党大会を終えて大統領選の「夏の陣」が盛り上
がっていた頃、トランプ陣営では大きな動きがありました。8月19日にポール・マ
ナフォートという選対本部長が辞任に追い込まれたのです。これで選対トップの更迭
は二度目、最初のルワンダスキーというのは暴言癖があって本格候補の選挙運動を牽
引するには不適格だとして、このマナフォートが招聘されたわけです。彼は、レーガ
ンやブッシュ(父)の選対を経験している大物という触れ込みでしたが、結局は「ウ
クライナの親ロシア派」との癒着疑惑で辞任に追い込まれたのでした。

 今から考えると、この時点がトランプ政権の「バノンの日々」がスタートした点で
あったように思います。というのは、ここでマナフォートに代わって選対の責任者に
就任したのが、スチーブ・バノンであり、同時にキャリエン・コンウェイも陣営に加
わっているからです。

 バノンは、軍やメディアなどを渡り歩いた後に、創設者の怪死した保守系のサイト
「ブライトバイト」の主宰者になっていたという一種の保守イデオローグでした。こ
の「ブライトバイト」ですが、この2016年8月以降はトランプ応援メディアとな
って行くのですが、それまでは必ずしもそうではなく、例えばその年の3月には同サ
イトのミシェル・フィールズ記者がトランプに対して「あなたは以前はアファーマテ
ィブ・アクション(雇用や入学におけるマイノリティの優遇措置)を支持していたは
ずです」という「突撃インタビュー」を試みて、選対のルワンダスキーと「もみ合い」
になっているぐらいです。

 つまり、この3月の時点では「ブライトバイト」はトランプに関して「以前は民主
党支持だったニセ保守だろう」という批判的な観点を持っていたわけです。ちなみに、
このフィールズ記者に対する暴力行為(後に不起訴)が、ルワンダスキー失脚の主因
と言われていますから、選挙戦の序盤においては、トランプ陣営と「ブライトバイト
=オルタナ右翼」は必ずしもフレンドリーではなかったわけです。

 ですが、8月にバノンが陣営入りすることによって、この「オルタナ右翼」とトラ
ンプ陣営が結びつくことになりました。そのバノンの思想ですが、バノン自らが簡潔
に説明したところによると、3つの考え方、つまり「経済ナショナリズム」「統治の
解体と奪還」「国家の個性の防衛」から成っているというのです。言い換えれば「保
護主義」「職業政治家支配の破壊」「文化ナショナリズム」であり、更に噛み砕いて
みれば「孤立主義的なナショナリズム」と「ポピュリズム」ということになります。

 では、このバノンが陣営に入って来たことで、トランプ陣営のイデオロギーが大き
く変化したのかというと、必ずしもそうではないわけです。例えば、80年代にタイ
ムスリップしたような「製造業の復権と保護貿易」の主張というのは、トランプ自身
がバノンに言われるまでもなく主張した内容ですし、「NATOや日韓に冷淡」とか
「メキシコ国境の壁」あるいは「イスラム教徒の入国禁止」といった「ネタ」もバノ
ンが加わる以前から口にしていました。いわゆる「中東諸国などへの非介入主義」と
いうのもバノン参加の以前からです。

 そうではあるのですが、バノンが入ってきたことで、そうした「トランプの独自色」
がハッキリした方向性を持ったということはあると思います。例えば、共和党大会の
あった7月には、トランプ自身の「暴言癖」はややトーンダウンしていましたが、8
月以降は再び復活しています。これについて、その時点では「コンウェイなどによる
PR戦略として、コアのファンへのエンターテインメントを提供しているのだろう」
という印象がありましたが、今から考えると違うように思います。

 それは、7月までのトランプが一種の本能的に続けてきた「暴言」に対して、バノ
ンが一種の理論的な裏付け、つまり「感情的な排外」から「確信犯的な孤立主義」へ、
「ノスタルジックな製造業復権論」から「確信犯的な保護主義」へ、という実際は同
じ内容ながら思想的な一貫性が出たことで、同様の発言が「ブレなく反復される」と
いうことになったのだと思います。

 しかし、そんな極端な思想によって一貫性を与えられた「暴言」だけで、選挙に勝
てるわけではありません。そこで出てくるのが、もっと穏健なクラシックな共和党の
勢力です。彼らが、どうやって陣営に食い込んできたのかというと、それは2016
年の10月の中旬、選挙戦の終盤に来て「ヒラリーの第二次メール事件」が出た時で
はないかと思われます。恐らく、この時点で全国の共和党とその支持者には「勝てる
のなら乗るしかない」という雰囲気が醸成され、そして「一旦は棄権を考えたが、や
はり投票所に行こう」ということで、トランプを勝たせたのでした。同時に議会の上
下両院での過半数も取ったわけです。

 このように、元来は(1)「トランプ個人の思いつき」が「一部コア支持層の情念
を吸い取る」形で増幅した運動に、(2)バノンがある種の偏った一貫性を与えてい
た、そこに(3)共和党のクラシックな保守主義が乗ってきたという格好で、良く言
えば3層になった支持層の厚みがでたわけですが、悪く言えば分裂を抱えていたわけ
です。

 私はこの欄でもそうでしたが、(1)と(2)は一体化していると見ており、それ
が(3)と「水と油の関係」になっているという理解をしてきました。ですが、今回
のシリア空爆を経て、バノンの影響力が低下しているという報道を受けて気づいたの
ですが、仮に現在のホワイトハウスで(3)の影響力が増大しており、(2)の勢力
が弱体化しているにしても、元来のトランプとその支持層が持っていた(1)という
特徴はまだ健在であるわけです。

 トランプは大統領として、先週から今週にかけて「バノンの影響力低下」について
否定していないばかりか「彼は選挙戦に後から入ってきた人間だ」というような言い
方をしています。それは、だから軽視するとか、だから更迭に近い処遇をするという
ニュアンスがあるだけでなく、彼は本当に「後から入ってきた」ということを示唆し
ています。それは、「バノン抜きのトランプ政権」は(3)の、つまりクラシックな
共和党的な政権になる「だけ」ではないということです。

 つまり(1)の性格、要するにバノンのように極端な思想化はしていないにしても、
依然として情念としての「孤立主義とその裏返しとしての排外主義」や「アンチ・エ
リート主義」そして「情念的なナショナリズム」は濃厚に残っているわけです。そし
て(3)にしても、例えばジョン・ケーシックとか、往年のパパ・ブッシュやレーガ
ンのブレーンたちのような、知的な中道現実主義ではなく、やはり「軍事タカ派」で
あったり「宗教保守派」であったり、あるいは「反テロ戦争の大義を掲げたい」よう
な部分であったりするわけです。

 今回の唐突なシリア空爆、唐突なアフガン東部での大型爆弾使用、そして北朝鮮を
めぐる性急で駆け引きという一連の行動についても、そのような政権の性格を反映し
ているように思います。

 例えば、4月6日に実行されたシリアのアサド政府軍空軍基地への空爆に関して言
えば、この一件に強く反対したことでスチーブ・バノンの影響力が低下したと言われ
ています。では、賛成し実行した側、つまりマティス国防長官、マクマスター安保補
佐官、そしてティラーソン国務長官などが主導するグループに「確固たる戦略見通し」
があるのかというと、その気配はありません。

 漠然と(3)のクラシックな共和党的なもの、つまり彼らの言う「ポスト911の
厳しい地政学的な状況への一国主義・国連軽視によるアプローチ」そして「人道や理
念というスローガンは余り積極的に掲げない姿勢」に加えて、(1)のコアな「トラ
ンプ支持者」の持っている「強いアメリカへの漠然としたノスタルジー」などが混ざ
り合って、意思決定を後押ししているように見えます。

 まず、このシリア情勢へのアプローチに関しては、「アサド政権の交替を求め、仮
に相手が拒否しても実行する計画と実現能力」は見えません。その裏返しとして「西
側と価値観を共有する自由シリア軍への積極的な支援」の道筋も特に明らかではあり
ません。また、「シリア反体制派におけるアルカイダの影響力の徹底排除」の方法論
も、「仮にアサド除去を直近の目標とした場合に、シリアとクルドにこの作戦への協
調をさせる方略」もないわけです。更に言えば、アサド政権への「懲罰的な空爆」を
行うことが、ISへどのような影響を与えるかの見通しもありません。

 その一方で、本稿の冒頭に指摘した昨年8月のマナフォート辞任劇というのは、ト
ランプ陣営の「ロシアとの癒着疑惑」として、今でもFBIが捜査を続けているなど、
政権に取っては傷になっています。また、ティラーソン国務長官にしても、エクソン
・モービルのCEOとして、ガスプロムなどロシアのエネルギー産業や政界とは密接
な関係があったとされています。下手をすると、この「ロシアゲート」が政治的なダ
メージとなりかねない中で、国内政治力学の帰結として、必要以上にロシアとの対決
姿勢を見せる必要がある、「米露関係は最悪の状態」だと堂々と述べる背景には、こ
の要素も無視できません。

 一方でアフガン情勢に関しても、今回の攻撃が行われたナンガルハル州というのは、
基本的にタリバンの支配地域にISが侵食している部分です。そのナンガルハル州を
中心としたアフガン東部に関する戦略についても、タリバンに内部分裂の見られる中
で「穏健タリバン」と協調してカブールの政権と和解させつつ、ISを孤立化させる
のか、それとも強硬派の残るタリバンとの対決は続けるのかといった基本的な戦略の
見通しは見られません。

 ですから、現在のトランプ政権の軍事外交というのは、(3)の共和党人脈あるい
は軍や国務省といった機関を動員しながらも、基本的な姿勢の中には(1)の「トラ
ンプ固有の整理されていないポピュリスト的な発想法」を色濃く残したものだと言え
ます。その意味で、シリア空爆もアフガン東部での強力爆弾使用についても、大きな
戦略の手段として行われたというよりも、孤立した作戦と見るべきなのでしょう。

 そんなわけで、現時点では、どうやらバノンの影響力は低下しているようですが、
そのことが即座に政権の成熟とか、現実路線にシフトというような基盤確立に直結し
ているのかというと、まだまだ程遠いという評価が必要に思います。そのようなトラ
ンプ政権の現状があるわけですが、当面切迫したように見られる北朝鮮情勢に関して
は、どう見ていったら良いのでしょうか?

 例えば本稿の時点では、4月15日の金日成生誕105年記念日に当たっての軍事
パレードが間もなくスタートしますが、CNNは生中継のカメラと記者を入れていま
す。米朝の間に何らかのチャネルが機能していなくてはあり得ない話です。

 また、中国はこの日に合わせて中国国際航空の平壌便を運行停止にしていますが、
これは広い意味での経済制裁と言ってよく、米中の連携が水面下で機能しているとい
う解釈が可能です。また、現在はペンス副大統領がアジア歴訪に出ており、詳細に関
する調整が関係諸国との間で行われる見通しです。

 シリア、アフガンでの単発的な軍事行動には、戦略性の欠如が心配ですが、一方で
この北朝鮮の問題に関しては、少なくとも中国と日本とは緊密な連携で対処ができて
いるのは安心材料と思います。仮にこれで危機の緩和に成功するようであれば、それ
を機会にトランプ政権の体制が成熟に向かうことを願うばかりです。

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冷泉彰彦(れいぜい・あきひこ)
作家(米国ニュージャージー州在住)
1959年東京生まれ。東京大学文学部、コロンビア大学大学院(修士)卒。
著書に『911 セプテンバーイレブンス』『メジャーリーグの愛され方』『「関係の空
気」「場の空気」』『アメリカは本当に「貧困大国」なのか?』『チェンジはどこへ
消えたか〜オーラをなくしたオバマの試練』『場違いな人〜「空気」と「目線」に悩
まないコミュニケーション』など多数。訳書に『チャター』がある。
またNHKBS『クールジャパン』の準レギュラーを務める。
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/152.html#c5

[国際19] トランプ米大統領、「能力のなさ」鮮明で支持率急降下…石炭産業復活に執着の異常さ 赤かぶ
2. 2017年4月18日 13:56:02 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[698]

>トランプ米大統領、「能力のなさ」鮮明で支持率急降下

いや50%超にジャンプしたそうだよ

ただしbreitbartだがw


http://edition.cnn.com/2017/04/17/politics/trump-approval-rating-rasmussen/
Trump’s Approval Ratings Jump to 50 Percent

http://www.breitbart.com/big-government/2017/04/17/trumps-approval-ratings-jump-to-50-percent/
5
trumpAP/Susan Walsh
by CHARLIE SPIERING17 Apr 20172284
President Donald Trump’s approval ratings have improved to 50 percent according to a new Rasmussen poll.
This is the first time the president’s overall approval rating has been back in the 50s in nearly a month. Just after his inauguration, Trump’s job approval peaked at 59% and remained in the 50s every day until early March. It’s gone as low as 42% since then.

Trump’s ratings have improved despite multiple reports of staff infighting in the White House and after his meeting with Chinese President Xi Jinping. Trump also approved a missile attack in response to Syria’s use of chemical weapons, and the military dropping the “Mother of All Bombs” on Islamic State terrorists in Afghanistan.
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/162.html#c2

[経世済民121] 生産性向上について考える(前編) 不安を感じるミレニアル世代:不確実な世界で安定と機会を求めて  女性社員がイキイキ働く 軽毛
1. 2017年4月18日 15:02:47 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[699]
管理職は女性社員の昇進を見据える長期戦略が必要だ(下)
女性のwhy me?に答えられるか
2017.4.18(火) 玉居子泰子

女性は男性の約3倍「妬みを買いやすい」と感じる
>>。ハ上)より続く
 いざ女性の管理職を増やす、という目標に向けて優秀な女性社員に昇進の意向を尋ねても、当の本人が「昇進のチャンスに消極的」「リーダーになりたがらない」と感じた経験はないだろうか?
 これが第2のトランジション、つまり女性が実務担当者期からリーダー期に移る際に浮き彫りなる課題だと言える。
 リーダーに昇進したての頃に感じる実務的、精神的な戸惑いを中原氏は「リアリティショック」と呼ぶが、実のところこの戸惑いを感じる割合に男女共に統計的な有意差はない。異なるのはその内容だ。

http://jbpress.ismedia.jp/mwimgs/5/1/600/img_510528d79d52f5967e7adcd3c17a3e8c50541.png 

Bリーダーになりたての頃、女性は曖昧な状況・葛藤・板挾みなどでつまずく
 女性は昇進・昇格のチャンスを与えられると同時に、周囲からの無理解=妬みを感じ、精神的に追い込まれることがデータから明らかになっている。

http://jbpress.ismedia.jp/mwimgs/9/1/600/img_916dcc61b103f3f75ee661f9da7c707c61704.png

 「女性特有の悩みは、周囲からの妬みを感じやすいという点にある。実際にリーダーとなれば、女性は人材活用やネットワーク作り、プレマネバランス(※)も巧みで、企業のダイバーシティ化に向けた現代風のしなやかな職場づくりができる。企業が女性リーダーを増やす意義は大いにある。しかし、精神的な障害がそれを阻んでいる」(中原氏)
※プレーヤーとして目標を追う役割と、マネジャーとしてチームを管理する役割との心理的・時間的バランスを取ること
女性のwhy me?に答えられる上司であるか?
 「実務担当者期から昇進を期待され、自身でも希望している男性と違って、女性は、そういう環境に置かれていなかった。そのため、いざ昇進というチャンスをつかむには、「誰かのため」つまり『上司を助けるために役職を引き受ける』という意味づけが必要となる」と中原氏は言う。

http://jbpress.ismedia.jp/mwimgs/f/1/600/img_f19d8ba81d7c198f6486788b812f80ec85140.png

 上記を踏まえ、昇進を進める際に人事や上司が行うべきは女性の「なぜ、私でなければならないか」という繰り返される自問に答えることだ。
 「昇進時の正しい説得として、なぜその人物にリーダーになってもらうのか、上司としての思いを繰り返し細やかに伝えることが必要となってきます」

http://jbpress.ismedia.jp/mwimgs/c/2/600/img_c248dad71359675851d6f5d9841e1e56218458.jpg

 それが、女性側のリーダー職への不安や迷いを消し去り、有能な管理職を生む準備となるのである。
C女性が昇進を受け入れるのは上司の細やかな説得次第

管理職・人事・女性社員の三位一体で職場は必ず変わる
 前ページで述べたように、セミナー前半では、女性の活躍を拒む理由、管理職がするべきサポートについての講演が行われた。
 そしてセミナー後半には、3時間にわたり企業の職場環境改革のきっかけとなる「働き方見直しゼミナール」を実施。このゼミナールは、全24社78名の女性社員、人事部、管理職の3層が集まり、それぞれの立場から職場環境改善へ向けた取り組みを話し合うというものだ。一女性社員だけでなく、企業の人事部、管理職が同時参加することで、具体的な改善策が生まれることが期待される。

 「これまで女性活躍推進のセミナーといえば、リーダーとして活躍している女性が、後に続く女性たちに向けて行う講演、という形が最も多く取られてきた」と中原氏は言う。
 「しかし、それでは、ある1人のアイコンに対する女性側の感想が見られるだけで、具体的な職場環境の改善には繋がらない。女性リーダーの活躍や奮闘のストーリーをシェアしても、結果として得られるのは、『憧れ(自分にはできない)』『嫉妬(自分はこうはなりたくない)』『絶望(そうは言っても仕事だけでなく家庭のこともしなくては)』だけ。そうではなく、管理職や人事など企業側が一緒になって取り組む姿勢を見せることで、職場改革は必ず成功する」
 今回のセミナー後半に行われたのは、まさにその三位一体の職場改革会議だ。

改革の追跡調査発表は5月に実施予定
 管理職・人事・女性社員がそれぞれ別室でディスカッションを行い、各社の女性社員活躍推進における課題や提案を出し合う。最後に3者が再び同じテーブルに集って、変革提案を今後の具体的なアクションプランとする。

 女性社員だけが、実情を変えようと夢想するのではなく、企業上部の人間が関わることで、職場の改革スピードは急速に上がるはずだと中原氏は予測する。
 「もっと言えば、会社を変えるためのキーパーソンは、女性、管理職、人事だけではない。それ以外の職員全員です。それぞれの人材が別々の研修を受けて、それぞれが持ち場で職場の環境改善に取り組むというのでは、大きな改革は望めない。様々な層が同時に改革への取り組みを行い、それを職場に持ち帰るルートを確保することが大切だ」
 今回のゼミナールで掲げた目標が、各企業でどのように実践されるかの追跡調査結果は、5月に開催予定の第2回人材育成イノベーションフォーラムにて発表予定とのこと。
 企業が変わるプロセスがどのように生み出されるのか。今後の報告に期待が高まる。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49759 

http://www.asyura2.com/17/hasan121/msg/186.html#c1

[経世済民121] 収入激減の非正規「GWどうする?」は「どう乗り切るか」(田中龍作ジャーナル) 赤かぶ
1. 2017年5月01日 10:29:09 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[700]
人手不足を背景に正規雇用が増加、日本経済への影響は
野原良明
2017年5月1日 06:00 JST
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二極化した日本の労働市場
賃金増に加え、雇用安定が消費活性化の一助に−第一生命研・柵山氏
国内需要不安で正規雇用の増加ペースは鈍化へ−明治安田・小玉氏
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深刻化する人手不足を背景に、正規雇用の増加が続いている。総務省が28日発表した3月の労働力調査によると、前年同月比で26万人増えた。非正規は17万人の増となり、過去2年連続で正規雇用が非正規を上回るペースで増加した流れは今年に入っても続いている。
  雇用の非正規化は賃金や消費を抑え込んできた要因の1つだった。正規雇用の増加は理論上、日本経済にとってプラスの材料だが、小売り、介護など賃金の安い業界が多いことや人口減による国内需要の拡大が望みにくいため、現実的なインパクトは限定的との見方が出ている。

  第一生命経済研究所の主任エコノミスト、柵山順子氏は正規雇用の増加は単に平均賃金を押し上げるだけでなく、教育機会の充実、雇用の安定や厚生年金への加入といった面で人々の将来不安を和らげ消費活性化の一助となると見ている。ブルームバーグの電話取材で語った。
  労働力調査の詳細集計によると、非正規雇用の労働市場における割合、いわゆる非正規雇用者比率は2016年では37.5%と02年以降で最高となっているが、柵山氏は同比率は今後ピークアウトしていくと見ている。
  柵山氏はその理由として小売り、医療福祉、介護などで女性の正規雇用者数の増加が続いていることを挙げる。ただ、これらの業界はもともと賃金水準が低い上に、生産性が低いので賃上げは限定的になる可能性も指摘。今年予想される物価上昇も実質賃金にはマイナスに働くため、現在の傾向が賃金や消費にもたらす影響については慎重に見る必要があると見ている。
  厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、16年に正社員の月収は非正規に比べて53%高くなっている一方、賃上げ率は非正規の方が近年高くなっている。非正規では人手不足などの需給要因を反映しやすいが、正規では労働組合側が春闘でも雇用の安定を重視する傾向がある。

  明治安田生命保険の小玉祐一チーフエコノミストは、企業は人手不足を受けて仕方なく正規雇用を増やしており、「どんどん景気が良くなって賃金が上がるかというとそれは別問題」と慎重な見方を示す。正規雇用の増加のペースも今後は鈍っていくのではないかと言う。「企業は人手不足で景気が悪いという受け止め方をしている」とし、「日本の人口自体が減っているので。内需がどんどん伸びていくという期待を持つことはできない」と言う。
  有効求人倍率では正社員よりもパートタイム労働者のほうが高く、雇う側からすると非正規雇用への需要の方が高くなっている。

  柵山氏は、正規雇用の増加は良いことだが、正規・非正規という雇用形態の分断が日本の労働市場の流動性を阻害している状況は変わっていないと指摘する。雇用の流動性こそが減少する労働力を効果的に活用するために必要であり、いずれは「非正規比率なんて気にするのが意味がない」という世の中になるのが「正しい理想的な姿」だと言う。
http://www.asyura2.com/17/hasan121/msg/463.html#c1

[経世済民122] アメリカが「世界最強の資源国」になる日 シェールガスが国際政治を変える(現代ビジネス) :国際板リンク 赤かぶ
1. 2017年6月28日 19:45:05 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[701]
 

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-06-28/OS93XL6KLVR501

バフェット氏:米共和党のヘルスケア法案は「富裕層救済法」

Noah Buhayar
2017年6月28日 19:33 JST
米投資・保険会社バークシャー・ハサウェイを率いる著名投資家のウォーレン・バフェット氏は、米共和党が取り組む医療制度改革をあらためて批判し、自らのような富裕層に対する施しのようなものだと酷評した。

  バフェット氏は27日に放映された報道番組「PBSニュースアワー」とのインタビューで、米下院を通過したヘルスケア法案が成立すれば、自らの納税額は17%以上に相当する67万9999ドル(約7620万円)減ることになると指摘。最も恩恵を受けるのは年収25万ドル以上のカップルだろうと述べた。このインタビューは先週、収録された。

  バフェット氏はその上で「このヘルスケア法案を『富裕層救済法』と名付けてもいいだろう。1000万ドル以上節約できる友人もいる」と語った。

  バフェット氏(86)は5月に開かれたバークシャー・ハサウェイの年次会合でも共和党のヘルスケア法案をこき下ろし、他の先進国以上に急速に値上がりしている米国の医療費を競争力を害する「寄生虫」だと呼んでいた。

原題:Buffett Renews Attack on Health Bill as ‘Relief for Rich Act’(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中  
http://www.asyura2.com/17/hasan122/msg/388.html#c1

[経世済民122] 日銀:物価目標2%達成「19年度ごろ」に先送り、政策は現状維持 下振れリスク大きい ドル・円上昇 酢
1. 2017年7月20日 16:26:30 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[702]
日銀、景気重視の「現状維持」 脱デフレは持久戦色濃く
2017/7/20 12:38 (2017/7/20 16:10更新)

黒田日銀総裁記者会見【生中継】


 日銀の黒田東彦総裁は20日午後3時半から金融政策決定会合を受けた記者会見に臨んだ。同日の決定会合で日銀は政策の現状維持を決めた。春先の値上げの鈍さを反映し、物価見通しを引き下げたが、景気回復の広がりに焦点を当て、追加緩和を見送った。必要なら果敢に追加緩和に動く「短期決戦」の色合いは薄れ、「持久戦」のスタンスが一段と明確になっている。

 日銀は政策の現状維持の発表と同時に、「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」も公表した。2017年度の消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く)の上昇率見通しは3カ月前の1.4%から1.1%に下方修正し、18年度も1.7%から1.5%に引き下げた。

 引き下げた理由はこの数カ月、日銀が思い描いていた以上に企業経営者が値上げに慎重だったためだ。値上げすれば売り上げが落ち込むとの懸念は根深く、賃上げ圧力が強まってきても値上げではなくコスト削減で吸収しようとする企業が多い。

 展望リポートでは「価格設定スタンスがなお慎重」と評価し、2%の物価目標達成時期を18年度ごろから19年度ごろに先送りした。

 こうした事態は日銀が転換を狙っている「デフレマインド」そのもの。黒田東彦総裁が就任した当初の2013〜14年ごろなら、追加緩和が検討されてもおかしくなかった事態だ。だが今回は会合時間も短く、追加緩和の必要性が深く議論された形跡はない。

 現状維持としたのは「いずれは物価も上がるはず」との見立てをより強めているからだ。景気は日銀のシナリオに沿って回復の度合いを徐々に強めており、成長率見通しは上方修正した。「企業のコスト削減も長い目で見れば生産性の上昇を通じて物価上昇要因となる」(幹部)。物価上昇への環境は整っており、「モメンタム(推進力)は維持されている」と判断した。

 そもそも追加緩和の手段は限られている。長短金利の深掘りは金融機関の収益圧迫など副作用が大きく、国債購入の増額も難しい。企業や市場からの追加緩和期待もほとんどなく、政策委員のなかでは「サプライズを起こしてまで追加緩和する状況ではない」との思いが共有されていた。

 日銀は昨年秋以降、展望リポートの末尾で「(物価上昇の)モメンタムを維持するため、必要な政策の調整を行う」としてきた。言い換えれば「モメンタムが維持されていれば追加緩和はしない」ということでもある。そして今回の展望リポートをみる限り、そのモメンタムの判断は簡単には崩れそうにない。

 今後も海外経済や金融市場でよほどのショックが起きない限り、追加緩和の選択肢は浮上しない。そう予感させる会合だった。(後藤達也)


http://www.nikkei.com/article/DGXLASGF20H02_Q7A720C1000000/

日銀総裁「企業の賃金・価格設定スタンスなお慎重」 記者会見
2017/7/20 15:39
 日銀の黒田東彦総裁は20日、金融政策決定会合の終了後に記者会見し、2%の物価安定目標を達成する時期の見通しを「18年度ごろ」から「19年度ごろ」に先送りしたことに関し「企業の賃金・価格設定スタンスがなお慎重なため」などと説明した。「携帯電話機や通信料の値下げ」といった一時的な要因も挙げた。

 一方、物価上昇率の先行きについてはマクロ的な需給ギャップの改善や中長期的な予想物価上昇率の高まりなどを背景に「2%に向けて上昇率を高めていく」との見方を示した。企業の賃金・価格設定スタンスも次第に積極的になっていくとの考えを示した。

 日本経済の現状については「緩やかに拡大している」とし、従来の「緩やかな拡大に転じつつある」から前進させた。先行きに関しては「潜在成長率を上回る成長が続く」と説明した。

 日銀は20日の金融政策決定会合で、短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度に誘導する現行の大規模な金融緩和策(長短金利操作)の継続を決めた。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
http://www.nikkei.com/article/DGXLNSE2IEC01_Q7A720C1000000/


黒田総裁、景気認識「一歩前進させた」
2017/7/20 15:40
 日銀の黒田東彦総裁は20日の記者会見で景気の現状について「緩やかに拡大している」と説明した。所得の増加が支出につながる経済の前向きなメカニズムが強まっていると指摘したうえ、前回会合の表現である『緩やかな拡大に転じつつある』から「一歩前進させた」とした。

 ただ、日銀が目標とする安定的な物価上昇に関しては「企業の価格設定スタンスはなお慎重」と述べた。「2%に向けて上昇率を高めていく」との見方を堅持した。

日銀総裁「企業の賃金価格設定は次第に積極化していく」
2017/7/20 15:47
 日銀の黒田東彦総裁は20日の金融政策決定会合後の記者会見で、物価見通しの下方修正に関連し、人手不足のなか「企業は省力化投資などで賃金上昇コストを吸収している」と賃金が上昇しにくい背景を説明した。一方で「こうした状況がいつまでも続くことは想定していない」と指摘。需給ギャップが着実に改善するに伴って「企業の賃金価格設定は次第に積極化していく」との見通しを示した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕

日銀総裁、九州豪雨被害「農林業や観光業への影響少なくない」
2017/7/20 15:49

 日銀の黒田東彦総裁は20日の金融政策決定会合後の記者会見で、九州地方の豪雨被害について「農林業や観光業への影響は少なくない」との見方を示した。黒田総裁は製造業関連では「豪雨による生産設備の被害は免れた」としつつ、「農林業や(観光地に向けた)鉄道インフラの毀損の影響はあり、今後も被害状況を注視したい」と話した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕


黒田総裁、物価上昇「モメンタムは維持」
2017/7/20 15:50
 日銀の黒田東彦総裁は20日の記者会見で、2%の安定的な物価上昇率目標を従来見通しから先送りしたことについて問われ「(物価上昇に向けた)モメンタムは維持されている」と答えた。就任後に導入した大規模金融緩和で「経済物価の情勢は大きく好転した。(こうした状況は)1990年代以降で初めてのことで、現在は物価が持続的に下落する状況ではない」と語った。

 さらなる金融緩和については「現在の方針を維持することが適当だと判断した」と述べた。

日銀総裁「今後さらに金融緩和の効果が高まる」
2017/7/20 15:54
 日銀の黒田東彦総裁は20日の金融政策決定会合後の記者会見で「2%の物価上昇に向けたモメンタムはしっかり維持している」との見方を示し、現在の金融市場調節方針に自信を示した。

 黒田氏は長短金利操作付き量的・質的金融緩和については「フレキシブルに経済物価金融情勢に対応できる、持続可能性の非常に高いフレームワーク」と強調。その上で「これから実際に予想物価上昇率が上がっていくと、実質金利が下がって金融緩和効果が高まる」と語った。〔日経QUICKニュース(NQN)〕


黒田総裁「さらなる総括的検証は必要ない」
2017/7/20 15:58
 日銀の黒田東彦総裁は20日の記者会見で、現行の金融政策について「(環境変化に対応できる)フレキシブルな政策フレームワークになっている」と評価した。今後、実際に予想物価上昇率が上昇すれば、それにつれて実質金利が低下していく仕組みになっていることから、金融緩和の効果が持続できるとの考えだ。「さらなる総括的検証が必要とは考えていない」と述べた。

 2%の目標自体を下方に修正すべきだとの見方については「学者の議論には『もっと上げろ』というものもある」として距離を置く姿勢を示した。

日銀総裁「ある程度の物価上昇率を確保する必要ある」 2%の物価目標堅持を強調
2017/7/20 16:01
 日銀の黒田東彦総裁は20日の金融政策決定会合後の記者会見で、「再びデフレに陥らないためにも、ある程度の物価上昇率を確保する必要がある」と述べ、2%の物価安定目標を維持する方針を強調した。

 黒田総裁は「消費者物価指数は、算出方法の見直しなどで高めに出る傾向がある」と説明し、高い物価目標を設定する必要性を説明した。あわせて2%の目標の数値の根拠については「各国が共通に設定するグローバルスタンダードでもある」と述べた。〔日経QUICKニュース(NQN)〕


黒田総裁、物価上昇の鈍さ「企業や家計に根強いデフレマインド」
2017/7/20 16:07

 日銀の黒田東彦総裁は20日の記者会見で、物価上昇の勢いが鈍い理由について「企業や家計に根強いデフレマインドがある」と指摘した。企業にビジネスプロセスの改善などで賃金上昇を価格に転嫁しない姿勢があるという。

 ただ「こういった状況がずっと続くのはありえない」と強調。失業率が下がり有効求人倍率が上がるなかでは、価格に転嫁して賃金上昇につながる動きが出てくるはずとの認識を示した。物価上昇率が次第に2%に近づくモメンタムは維持しているとの見方を繰り返した。

日銀総裁、佐藤委員・木内委員「経済に知見を持ち活発な議論を評価」
2017/7/20 16:09
 日銀の黒田東彦総裁は20日の金融政策決定会合後の記者会見で、今回の会合を最後に退任する佐藤健裕審議委員と木内登英審議委員の両委員について「経済や金融市場に知見を持ち、独自の意見を持っていた。政策委員会内で活発な議論を生んでおり評価している」と述べた。両委員は現行の異次元緩和に反対の姿勢を示していた。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL20HMR_Q7A720C1000000/


黒田総裁「物価だけ上がればよいわけではない」
2017/7/20 16:12
 日銀の黒田東彦総裁は20日の記者会見で「物価だけ上がればよいということではない」との考えを改めて示した。労働生産性が上がることで、賃金と物価が同時に上がっていくことが経済には望ましいとの見方だ。

 2%の物価上昇に向けて企業に価格設定引き上げを求めないのかとの質問に答えた。2%目標の旗を降ろさないことに市場の一部で疑問の声があがっていることをけん制した格好だ。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGF20H02_Q7A720C1000000/


http://www.asyura2.com/17/hasan122/msg/628.html#c1

[国際20] 「レッドライン」を越えてきた強気の北朝鮮 足元を見られるトランプ大統領は国内でも一層窮地に  トランプ政策の皮肉な副産物 酢
1. 2017年7月25日 14:23:44 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[703]
コラム:しぼむトランプ経済政策への期待感、処方箋は

Tom Buerkle

[ニューヨーク 24日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米国の経済成長を押し上げるというトランプ米大統領の約束は、評価が下がっている。国際通貨基金(IMF)は世界経済の成長率見通しを据え置く半面、米国については(4月の予想から)下方修正した。米国株式市場は2017年、外国株をアンダーパフォームしており、ドルも下落した。現在のところ、「偉大さ」は米国以外のところにあるようだ。

昨年11月にトランプ氏が米大統領選挙で当選したあと、減税や規制改革、インフラ投資により景気や企業収益が押し上げられるという期待感から、米株式市場は急伸した。トランプ米大統領就任から6カ月がたった今、政策措置と影響の両面で成果は小さい。

IMFは24日、今年と来年の米経済成長率を2.1%と予想した。2018年に関しては(4月予想から)0.4%ポイントの大幅な下方修正となった。財政政策がIMFが想定していたほど拡張的にはならない見込みであることが背景だ。IMFは半面、世界経済の成長率については今年が3.5%、来年が3.6%と明るい見方を維持した。

ウォールストリートの大半のアナリストは第2・四半期の米成長率予想を引き下げており、5月には3%強だった予想が今や2.5%近くに下がっている。アトランタ連銀が、経済指標が発表されるたびに改定する米国内総生産(GDP)予想は4月以降2%ポイント近く低下した。

一方、米株は過去最高値を更新し続けており、S&P総合500種指数は2016年末以来およそ10%上昇した。これまでに発表された米企業の第2・四半期決算は前年同期比9%近い増益で、売上高は5%弱増加した。しかし、海外の主要市場は大半が米国を上回っている。メキシコ、韓国の主要株価指数は今年、ドルベースで30%超上昇した。

これは、ドルの軟調さが原因でもある。トランプ政権への期待感から、ドルは2016年末には14年ぶりとなる高値水準を付けたが、そのあとはドルの貿易加重平均でみた価値は6%も下落している。

どんな大統領でも如何ともしがたい要因が働いていることは確かだ。例えば、10年近く前に発生した金融危機の後遺症、長年にわたる生産性の伸び悩みなどがそうだ。しかし、トランプ米大統領はGDPや株価が自身のすべてであるかのように吹聴した。トランプ大統領が持続的な影響力を及ぼしたいのであれば、言葉ではなく行動が必要だ。

●背景となるニュース

*IMFは24日、今年と来年の米経済成長率について2.1%と予想した。4月時点ではそれぞれ2.3%、2.5%と予想していた。

*19日に発表された、米アトランタ地区連銀の経済予測モデル「GDPナウ」によると、第2・四半期の米国のGDP伸び率は、年率2.5%になる見通し。5月1日の発表では4.3%となっていた。

*米商務省は7月28日、第2・四半期GDP速報値を発表する。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

コラム:トランプ氏の景気刺激策、景気後退を先延ばしするだけ

コラム:トランプ政権の現実に目覚めた米株式市場
コラム:米予算教書、空論前提のブードゥー経済政策
コラム:市場を怯えさせる米大統領選の「テールリスク」

http://jp.reuters.com/article/column-us-economy-trump-idJPKBN1AA0A1


 
再投資どうするか−依然明かされない米金融当局のバランスシート計画
Rich Miller
2017年7月25日 13:43 JST
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• 選択次第では長期国債にショート・スクイーズのリスクも
• イエレン氏らは25、26両日のFOMCで再投資の進め方議論か
米金融当局は4兆5000億ドル(約500兆円)規模のバランスシートの縮小に向け、周到に計画を打ち出してきた。保有する米国債や住宅ローン担保証券(MBS)のうち、満期分の再投資の規模を段階的に減らしていく内容だ。だが、再投資を続ける部分についてどのように進めていくかという、重要な詳細が一つ抜け落ちている。
  米金融当局は再投資を行わない資産の規模をゆっくりと増やしていく方針。このため当初は、そのまま償還させるよりもずっと多くの部分が再投資の対象となり、払い戻された資金の再投資をどう行うかが投資家にとって重要な意味を持つ。当局の選択次第では、長期国債にショート・スクイーズとして知られる流動性の問題が生じるリスクもある。
  プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)の一角であるバンク・オブ・アメリカ(BofA)の米短期金利戦略責任者、マーク・カバナ氏(ニューヨーク在勤)は、バランスシート縮小の「仕組みという点で、これが最後に残された疑問と考えられる。金融当局の再投資政策に重要な調整があれば、影響が生じるだろう」と語った。
https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/i5izaxQgeSGw/v2/-1x-1.png
  連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長ら当局者は25、26両日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、こうした問題を議論する公算が大きい。なお、今回の会合については金利据え置きが広く予想されている。
  米金融当局は現在、再投資のデュレーションを能動的に管理していない。米財務省が実施する入札で発行額に比例的に応札を配分しているにすぎない。バランスシート縮小開始に際し、こうした戦略を変更して、償還資金のより多くを期間が短めの国債に割り振るべきかどうかが議論されることになりそうだ。
  その目的は、規模とデュレーションの両面でバランスシートを最終的にもっと正常な水準に戻すペースを速め、債券市場における金融当局の足跡を減らすことにある。しかし問題は、当局のシステム・オープン・マーケット・アカウント(SOMA)から貸し出すことができるような、期間が長めで直近発行の国債の手持ちがなくなり、市場の支えとしての役目を果たすことに支障が生じかねない点だ。
  ライトソンICAPのチーフエコノミスト、ルー・クランドール氏は、レポ市場で「テクニカル・スクイーズが増えるだろう」と述べ、広範に取引されている10年債に特にそうした事態が想定されるとコメントした。
原題:Fed Balance-Sheet Plan Missing Key Detail Tied to Bond Squeezes(抜粋)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-07-25/OTMP9G6S972801

http://www.asyura2.com/17/kokusai20/msg/150.html#c1

[経世済民122] “油断”か“あきらめ”か、失い続ける日本 進む英語力の崩壊、国際化と逆行 各社の改革 生産性を高め時短を実現する工夫 酢
1. 2017年7月25日 14:30:53 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[704]
支持率回復へ、安倍政権が再び経済政策にシフト−鍵は賃金アップ
Enda Curran、高橋舞子、Connor Cislo
2017年7月25日 00:00 JST更新日時 2017年7月25日 12:04 JST

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• 日銀のインフレ目標下で実質賃金の伸び鈍く−5割が収入に「不満」
• 労働者の4割が非正規、秋の臨時国会で同一労働同一賃金の法案提出

支持率が低迷を続ける中、安倍晋三政権は再び経済政策重視の政権運営へとシフトを始めた。支持率回復の鍵とみられているのは国民が実感できる賃金アップだ。秋の臨時国会では非正規労働者の待遇改善につながる「同一労働同一賃金」の実現が焦点となる。
  安倍首相は24日、支持率急落のきっかけとなった学校法人「加計学園」の獣医学部新設問題などめぐる閉会中審査に臨み、景気が良くなったと実感してもらえるような経済の好循環によって結果を出し「国民の信頼を回復していきたい」と答弁。その上で、「国民を豊かにしていくことであり、仕事をつくり、賃金を上げていくことだ」と語った。

  賃金アップは家計収入を増やし、安倍首相の政権運営に懐疑心を深める国民からの信頼回復につながる。みずほ総研の野田彰彦上席主任研究員は電話取材で、「経済を揺るぎないものにしていく。それが支持率回復に必要だ」と語った。
  24日付の毎日新聞の世論調査によると政権支持率は26%となり、第2次安倍政権発足後で初めて3割を切った。来年9月に自民党総裁任期が終わることを踏まえて、「代わった方がよい」との回答は62%にのぼり、「総裁を続けた方がよい」の23%を上回った。

  富士通総研のマルティン・シュルツ上席主任研究員は、支持率の低下は有権者がアベノミクスに納得しておらず、財政や金融政策では不十分だという警告だと指摘する。「日本の有権者は構造改革が不十分であることと、金融政策のリスクに気付いている」と話した。
  経団連の榊原定征会長は21日の会見で、安倍政権の支持率の現状について「深刻な問題だと受け止めている」と表明。「経済最優先の政策をしっかり推進し、デフレ脱却と経済再生を実現すれば、国民の支持も戻ってくる」として経済政策に集中するよう呼び掛けた。

物価と賃金

  国際通貨基金(IMF)は6月に発表した日本経済に関する審査(対日4条協議)終了後の声明で、アベノミクス第3の矢の構造改革の第一優先課題として「労働市場改革による生産性向上と賃上げ」を挙げた。その上で、公定賃金をインフレ目標と整合的に引き上げると同時に、黒字企業に対し毎年最低3%賃金を引き上げるよう奨励することを求めた。
  より高い賃金の実現へ向け機は熟している。企業は大量の現金を抱えており、法人企業統計によると2016年10ー12月期の企業収益は過去最大を記録した。5月の失業率は3.1%とG7諸国の中では最も低く、有効求人倍率は1.49倍と43年ぶりの高水準となった。
  しかし、米国、英国やドイツなどの先進国のように、労働市場のひっ迫が賃金上昇にはつながっていない。厚生労働省によると実質賃金の前年比は12年から15年にかけて低下傾向にあり、16年はわずか0.7%増にとどまっている。
  日本にとって、問題の一部は1990年代の経済危機の遺産にある。内閣府が21日公表した発表した「経済財政白書」では、バブル崩壊後の不景気で、労働者側は雇用を維持するために人件費の抑制を受け入れざるをえない状況が続いていたことを背景に、労働者側は「賃金決定に関する交渉力を弱めている」と分析した。

最低賃金

  政府の経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2017では、具体策として「同一労働同一賃金」と最低賃金の「1000円」への引き上げを掲げている。
  厚労省の5月の毎月勤労統計調査によると現金給与総額は前年比0.6%増となった。ただ、日銀の物価目標2%の達成には不十分で、家計支出も低調だ。16年8月に内閣府が実施した「国民生活に関する世論調査(16年度)」によると、49.6%が現在の収入に「不満」と答えている。
  
  政府は秋の臨時国会に同一賃金同一労働の関連法案の提出を目指す。みずほ総研の野田氏は、非正規の正規への転換を促すことは政府が働きかける余地があるとして、その実現に期待を寄せる。非正規雇用が日本の労働者の4割近くを占める中、「そこに光があたるという認識が広がっていけば政権への評価にもつながっていく」と話した。
  最低賃金に関しては、例年、厚労省の中央最低賃金審議会での議論を経て秋までに都道府県ごとに決定する。16年度の最低賃金の全国加重平均額は823円だった。
https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/ih48ApiEdZ1k/v2/-1x-1.png
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-07-24/OTL3TK6S972801

 
コラム:安倍首相の「弱み」が脅かす日本の改革機運

Quentin Webb

[香港 24日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 日本の改革機運が脅威にさらされている。安倍晋三首相の支持率は急落し、同国では異例となる長期的な政治安定に終止符が打たれようとしている。

安倍政権の対応は、さらに痛みを伴うものの、世界3位の経済大国日本が必要とする構造改革ではなく、国民に向けた財政出動になりそうだ。

有権者は、相次ぐスキャンダルや失言、政府の慢心に対し、安倍首相と与党・自由民主党に制裁を加えた。

今月行われた東京都議会議員選挙で自民党は大敗を喫し、23日投開票の仙台市長選では無所属候補が当選した。最近の各世論調査では、安倍政権の支持率は急落し30%を下回っている。これは安倍首相の後継者争いが勃発してもおかしくはない水準だ。

来年に自民党総裁3選を狙う安倍首相の計画は危うくなってきた。3選を果たして任期をまっとうできれば、安倍氏は日本で最長期間を務めた首相となる。安倍首相は、来月に内閣改造を検討している一方、有権者の支持を取り戻すため、他の方法も模索している。

それはつまり、政治色の薄い財政問題に焦点を当て、長年の目標である憲法改正を棚上げすることを意味するかもしれない。だが残念なことに、非常に硬直的な労働市場の活性化など、最も有効な経済対策も論争を招くことになるだろう。したがって、事実上日本銀行からの資金供給に後押しされる追加財政支出といった短期的政策の方が訴求力がある。

これは残念なことである。アベノミクスはまだ道半ばだ。失業率は低いものの、成長の伸びとインフレ率は依然として弱いままだ。少子高齢化も手ごわい問題である。企業経営や収益の改善に向けた対策も順風満帆とは言えない。東芝(6502.T)のような厄介な問題によって台無しとなっている。キャッシュをため込んでいるにもかかわらず、企業経営者は株主へのリターンを増やすことに乗り気ではない。

安倍首相がこの事態を挽回できなければ、首相の座を追われることになるかもしれない。可能性のある後継者として、岸田文雄外相や石破茂元防衛相の名が挙がっている。だが、誰が首相になろうとも、安倍氏と同じように行政改革や既得権益に取り組むかは定かではない。

最悪の場合、日本は、数カ月ごとに首相が交代する悪しき時代に後戻りする可能性がある。アベノミクスは道半ばで失速するだろう。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

コラム:仏大統領選、極右と極左が火花散らす事態も

コラム:マクロン氏、当選後に訪れる「真の試練」
コラム:危機から程遠いポンド安、カギは投資家の信認存続
コラム:米予算教書、空論前提のブードゥー経済政策
http://jp.reuters.com/article/column-jp-reforms-abe-idJPKBN1AA09F
http://www.asyura2.com/17/hasan122/msg/691.html#c1

[経世済民122] 最低賃金引き上げで「時給1000円」時代へ 安倍首相の求心力低下がリスク 2020年日本超え?韓国最低賃金上げ率がスゴい 酢
1. 2017年7月28日 09:38:44 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[705]
最低賃金1500円デモの批判記事を書いたら主催者から反論が来たので回答してみた。
https://news.yahoo.co.jp/byline/nakajimayoshifumi/20151222-00052686/


連合会長へ 頑張っただけで給料が上がったら企業も国も潰れます。
2017年01月05日 05:00
中嶋よしふみ シェアーズカフェ・オンライン編集長 ファイナンシャルプランナー

カテゴリー  働き方 経済
94831640


年明けに報じられた連合会長の談話が話題になっている。NHKのインタビューに以下のように答えたという。

ことしの春闘について連合の神津会長はNHKのインタビューに「頑張れば賃金が上がるという常識を取り戻すことが極めて大事だ」と話し、基本給を引き上げる「ベースアップ」などを維持することが重要だという考えを示しました。

出典:連合会長「頑張れば賃金上がるという常識取り戻す」 NHK NEWSWEB 2017/01/02

反響は様々なようだが、これはとんでもない勘違いであり、頑張れば給料が上がる状況になれば企業は潰れ、国も潰れる。給料は従業員の頑張りで決まるのではなく、あくまで企業の成果、つまり利益の中から支払われるからだ。

■7年で日本人の給料が2倍に上がった時代。
「頑張れば賃金が上がるという常識」といったものはバブル期に小学生だった自分には全くないのだが、確かにこれが常識だった時代はあったと思う。

前回の東京オリンピックが開催された昭和39年頃、つまり1960年代の日本は高度経済成長期にあった。池田隼人が昭和35年に総理大臣へ就任すると所得倍増計画をブチあげ、10年で国民の実質所得を2倍にすると約束した。今の日本の感覚では到底考えられない政策だろう。

しかし10年も経たずして所得倍増は実現する。昭和40年には名目で2倍を超え、昭和42年には物価上昇を差し引いた実質でも実現し、当時の日本はわずか7年で急激な成長を遂げた。

連合会長の言う「頑張れば」が何を指すのかは分からない。ただ、高度経済成長期と違って労働人口は減り、長時間労働で多くの労働者が疲弊し、過労による自殺者が年間何百人も発生する中で考えるべきことは、頑張って収入を増やすことでは無い。「楽して大儲け」をすることだ。

■バケツで水を汲むか、水道管をつなげるか。
これは以前高度プロフェッショナル制度、別名・残業代ゼロ法案と批判された制度が検討された際に「グーグルはなぜ新入社員に1800万円の給料を払うのか?」という記事で書いたが、「労働時間=給与」という関係は、あくまで「労働時間=成果=給与」という関係を短縮したに過ぎない。給料の源泉は企業の成果、つまり利益だ。

今後の日本は成果を維持・向上しながら労働時間を減らさないといけない。つまり楽して大儲けだ。今風に言えば「生産性を上げる」という表現になるだろう。

そもそも、資本主義の仕組み自体が「楽して儲けるためには苦労をしないといけない」という矛盾した仕組みだ。仕事は苦役であり、額に汗して働くことが正しいと思い込んでいる人には理解できないかもしれないが、そんな人に分かりやすい逸話がある。

これは世界中でベストセラーになった「金持ち父さん 貧乏父さん」の続編、「金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント」の冒頭でも紹介されている話だ。全文を引用すると長くなってしまうので、要約して紹介してみたい。

金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント
金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント [単行本]


水不足に困るある村で、長老は2人の男性に水の調達を依頼した。

エドは早速バケツを二つ買って遠く離れた湖から毎日一生懸命水を汲んできた。
一方、ビルは仕事を受けると姿を消してしまった。数か月後やっと戻ってきたと思ったら投資家から資金を調達し、会社を興して技術者を雇い、村と湖を水道・パイプラインでつなげた。ビルは村人にバケツで水を運ぶエドの1/4の価格で水を売り始めた。しかもエドが組んでくる土の混ざった水より高品質で、土日に仕事を休むエドと違い24時間365日、自由に水を使えた。

エドは何とか対抗しようと、ビルの会社と同じ水準まで価格を引き下げて、子どもにも仕事を手伝わせた。ただ、子どもは大学に進学するために村を出た後は戻ってくることは無かった。ビルは水に困っている村は他にもあるに違いないと、この仕組みを他の村にも売り込んで大儲けした。一方、エドは一生お金に苦労した。おしまい。

出典:「金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント」より筆者要約 ロバート・キヨサキ著 筑摩書房 

この逸話では、「頑張って働く」という意味において、重い水をバケツで運んでいるエドの方が大変な仕事をやっているように見える。ただ、どちらが大儲けが出来るかは説明するまでも無い。日本人が目指すべきは一見すると楽をしているように見える「水道を引く」ような働き方だ。

どうすれば手間をかけずに水を村へ運ぶことが出来るか? そんなしくみを考えることは難しい仕事だが、より良いアイディアを出してそれを実現した人は大きな報酬を得ることができる。つまり楽して大儲けするために苦労をする、という状況だ。努力は報われない、という勘違いで書いたように、努力すべき場所を間違えるな、という事になる。

そして現在、イノベーションという言葉がこれだけ盛んに使われる理由は、頑張るだけでは超えられない壁、到達できない場所にしか大きな成果が無いことをすでに多くの人が理解しているからだ。

■「安定した給料と雇用」が低い給料を生み出す。
さきほどのインタビューで連合会長は以下のようにも答えている。

この中で連合の神津会長はことしの春闘で「ベースアップ」に相当する賃上げを4年連続で要求する方針を掲げていることについて、「デフレの深い闇の中で20年近く物価上昇があまりなかった時代が続き、賃上げができないということが繰り返されてきた。ベースアップできるところは4年目も継続させ、定期昇給などの制度も維持し、頑張れば賃金が上がるという常識を取り戻すことが極めて大事だ」と話しました。

出典:連合会長「頑張れば賃金上がるという常識取り戻す」 NHK NEWSWEB 2017/01/02

真面目に頑張って働けば安定して給料が増える……そんな状況は理想的かもしれないが、決して現実的ではない。

以前、「「安定した雇用」という幻想。〜雇用のリスクは誰が負うべきか?〜」という記事で、以下のように書いた。

企業は「安定した給料」を「不安定な売上・利益」から生み出さなければいけない。

これは荒波を航海する船にたとえることが出来る。経済は調子の良い時と悪い時の差が激しく、海のように荒れ狂ったり天候が良い日を繰り返す。そんな状況で全く舟を揺らさずに航海して下さい、と船長が言われたらどうなるか。そんな事は不可能、沈没しないようには頑張るが、揺らさずに船を動かすなんて無理だ、という回答になるだろう。これは定期昇給を要求される経営者の回答と同じだ。

定期昇給はそれくらい非現実的な理想だと言える。船が沈没する、つまり会社が潰れるリスクを背負っている経営者が、それでも「船は揺らさないで下さいね(=給料は毎年安定して上げて下さいね)」と無茶な要望を押し付けられたらどうするか。答えは簡単で、可能限り給料を低くして昇給のスピードも落とす、という事になる。つまり低い給料は安定した給料、安定した昇給(=定期昇給)、そして安定した雇用の産物だと言えるわけだ。

経営者も連合会長もそんなことはとっくの昔に気づいているはずだが、双方で茶番を繰り広げている。そして両者の主張の落とし所として、一時金(ボーナス)のアップでお茶を濁す(ボーナスならば業績悪化時には減らすことも可能なため、企業にとって負担が小さい)。

では給料を上げるにはどうしたらいいのか? これは次回の記事で書いてみたい。

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中嶋よしふみ
シェアーズカフェ・店長 ファイナンシャルプランナー
シェアーズカフェ・オンライン 編集長
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http://blog.livedoor.jp/sharescafe/archives/49220193.html
http://www.asyura2.com/17/hasan122/msg/742.html#c1

[経世済民122] 今の日本株は嵐の前の静けさか、夏以降に急変動も−楽観市場は要注意 グリーンスパン警告−債券バブル破裂 安倍3つのシナリオ 酢
1. 2017年8月02日 10:13:08 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[706]
消費者物価は今秋にもピーク−増える先行き鈍化予想、2%到達程遠く
藤岡徹
2017年8月2日 06:00 JST
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• 一段と早く物価が頭打ちとの見方−第一生命やシティグループ証など
• エネルギー価格上昇による物価の押し上げ要因が剥落へ

消費者物価指数(CPI)は日本銀行が掲げる2%物価目標に到達することなく、今秋にもピークを迎え、上昇傾向に歯止めがかかるとみるエコノミストが増えている。
  ブルームバーグ調査の予想中央値によると、生鮮食品を除くコアCPIは今年第4四半期に0.8%上昇となった後、減速するとの見通しだ。しかし、エコノミストの中には、エネルギー価格による押し上げ要因が剥げ落ち、一段と早く物価が頭打ちになるとの見方も出ている。

  第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミストは、コアCPIは今秋に前年比0.7%〜0.8%程度まで上昇した後、伸び悩むとみている。新家氏は先月28日付リポートで「2%達成が難しいのはもちろんだ」とした上で、2018年度にコアCPIが伸び率を高めるだけでも相当ハードルが高いとの認識を示した。
  同様の見方は新家氏だけではない。バークレイズ証券は同日付リポートで、コアCPIの前年比プラス幅は9月に0.8%上昇となった後、徐々に減速すると予想。シティグループ証券の村嶋帰一チーフエコノミストは同日付リポートで、全国コアCPIは9月〜11月に0.7%上昇になると試算した上で、「12月以降は、再び伸びがやや鈍化する公算が大きい」と予想している。

  日銀は先月20日公表の展望リポートで、コアCPI前年比の見通し(政策委員の中央値)を17年度は1.4%上昇から1.1%上昇へ、18年度は1.7%上昇から1.5%上昇へ下方修正し、2%達成時期を「18年度ごろ」から「19年度ごろ」に先送りした。
  来春に任期を迎える黒田東彦日銀総裁は同日の記者会見で、現行の長短金利操作付き量的・質的金融緩和の枠組みの下で「2%の実現に向けたモメンタムは維持されている」とし、2%目標の堅持をあらためて強調した。
  日銀は14年4月の展望リポートで16年度のコアCPIを2.1%上昇と想定したが、現実は0.2%下落にとどまった。黒田総裁は会見で、物価見通しが外れたことで信用がなくなるということはないと言明。日本は予想物価上昇率が足元の物価に引きずられる傾向が強いことを十分に勘案していなかったと説明した。
  物価の伸び悩みに頭を悩ませているのは日銀だけではない。米連邦公開市場委員会(FOMC)は先月25、26両日の定例会合後の声明で、低インフレの局面が続いていると強調した上で、「インフレ動向を注視している」との記述を踏襲。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は物価目標に到達していないことから量的緩和政策の変更は急がないとの見方を示した。
  日本の消費者物価は0%近傍で推移しており、物価目標達成の道のりは遠い。金融緩和策が長期化する中、政治家やエコノミストからは出口戦略に向けた丁寧な説明を求める声が上がっている。
  総務省が先月28日発表した6月のコアCPIは0.4%上昇、エネルギーの寄与度は0.35ポイントだった。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-01/OTZW9F6JTSE801

 

【FRBウオッチ】テーラー・ルールが可視化する金融バブルの拡大
山 広恒夫
2017年8月2日 05:00 JST

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• FF金利、利上げ後もなお適正金利を大幅に下回る
• 次期FRB議長、テーラー教授も候補の一人と目される

金融空間では史上最大規模のバブルがなお膨張を続け、実体経済とかけ離れて浮遊しているようにみえる。米連邦準備制度理事会(FRB)を中心に展開する金融市場では、行き過ぎた緩和政策が過去に何度も大波乱を巻き起こしてきた。特にバーナンキ第14代FRB議長が考案した大規模資産購入(LSAP)とゼロ金利政策をセットにした「異例の緩和」は、未曾有(みぞう)の金融バブルをいまだに膨らませている。
  1990年代から今世紀初めにかけて生じたIT株式バブルと、2007年に崩壊が始まる住宅金融バブルはいずれも、連邦公開市場委員会(FOMC)によるフェデラルファンド(FF)金利引き下げで醸成され、その後の引き上げで破裂、景気後退へとつながってきた。今回の景気拡大局面では9年目にしてなお政策金利が極めて低い水準に設定されており、バブルは株式市場はじめ債券、自動車ローン、学資ローンなど広範な領域で先例のない水準まで膨張しているようにみえる。

  FOMCは現在、FF金利の誘導目標を1〜1.25%のレンジと、なお歴史的な低水準に維持している。債券購入で4兆5000億ドル(約496兆円)に拡大したFRBのバランスシートも、まだ手付かずのままだ。今回の金融緩和度を目視するため、次期FRB議長候補の一人と目されるジョン・テーラー教授(スタンフォード大学)が考案した「テーラー・ルール」に基づく適正な政策金利水準を目安にすると、実際のFF金利水準はこの目安を大幅に下回ってきた上、その期間が異常に長くなっていることが明らかになる。

  昨年11月の時点で、FF金利誘導目標上限(0.5%)は、テーラー・ルール値(3.9%)を3.4ポイント下回っていた。この時のテーラー・ルール値に対するFF金利の下方乖離(かいり)は、1970年代以降で最大となった。低い政策金利に量的緩和を加えれば、政策効果は過去最大と言っても過言ではあるまい。
  さらに1970年代は金融空間はまだ小さく、金融緩和効果は実体経済を直撃し、ハイパーインフレションが引き起こされたものの、目立った資産バブルは生じていない。しかし、1982年末から始まる景気拡大の中で、米国経済は金融空間の拡張期に入る。ハイパーインフレを強力な金融引き締め策で終息させたボルカー第12代FRB議長は、米経済の基盤を強化したことで後世に名を残した。しかしこれが史上最大のバブル膨張のお膳立てとなったのは皮肉なことだ。

  ハイパーインフレのトラウマ(心的外傷)に悩まされて80年代から20世紀末にかけては引き締めに傾いた金融政策がとられたが、今世紀に入るとデフレ懸念が頭をもたげ始め、緩和的な政策が優先されるようになる。
  特に2008年9月のリーマン・ショック以降、グレートリセッションとその後遺症の低成長経済を克服する目的で、ゼロ金利やLSAPなど超緩和措置が延々と続けられてきた。今回の景気拡大局面での金融緩和は、テーラー・ルール値とFF金利の下方乖離が70年代と同じ程度に広がっているが、当時の緩和度(下方乖離)は急速に縮小する局面にあった。
  一方、今回は2011年末にテーラー・ルール値と現実のFF金利が一致する0となった後、2016年11月末の3.4ポイントに至るまで5年間にもわたり緩和度を高めてきた。その後、3度利上げが実施されたが、今年7月末の時点で下方乖離幅は2.5ポイントとなお歴史的に極めて高い緩和度を保っている。この前代未聞の緩和は、基軸通貨ドルを操るFRBが主体となっているだけに、その繰り出すバブルが崩壊すれば、リーマン・ショックを凌駕(りょうが)する危機が訪れる恐れがある。 

  1979年8月にFRB議長に就任したボルカー議長は、FF金利を20%まで引き上げる気概を有していた。この強力な引き締めで経済の安定化に成功する。一方、イエレンFRB議長は景気拡大期9年目にして、なお超金融緩和を続けている。もっともそのボルカー議長にしても、その後の金融自由化による金融空間の拡大にはなすすべもなかった。
  
(【FRBウオッチ】の内容は記者個人の見解です)
 
--取材強力:Chris Middleton, Vince Golle, Catarina Saraiva

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-01/OTRRPH6JTSEB01


 

債券トレーダー、コンピューター取引への恐れ薄れる−グリニッチ調査
Matthew Leising
2017年8月2日 06:48 JST

債券トレーダーは年々、社債の電子取引に対する抵抗が薄れている。グリニッチ・アソシエーツの最新調査で明らかになった。
  米欧のトレーダーを対象とした調査によれば、コンピューター取引が自分たちの仕事に対するリスクになるとの回答は、2015年から半減した。グリニッチのリポートをまとめた市場構造調査責任者のケビン・マクパートランド氏は、この変化は外的要因よるものだと指摘。規制によって顧客から大量に債券を買い取ることができなくなった銀行は、業務全体を手放すよりは小規模な取引を電子的に行う方が良いと判断したと説明した。
  調査によると、電子取引を脅威だと感じている債券ディーラーの割合は21%と、15年調査の46%から減少。機会とみなすとの回答は58%と、54%から増えた。グリニッチは4−6月(第2四半期)に債券トレーダー・セールス幹部46人を対象に調査した。

原題:Wall Street’s Fear of the Computer Drops in Bond Market Survey(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-01/OU0EY56VDKHS01


 


 


コラム:米金融政策の視界をさえぎる複合要因=鈴木敏之氏
鈴木敏之
鈴木敏之三菱東京UFJ銀行 シニアマーケットエコノミスト
[東京 31日] - イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の任期満了(2018年2月3日)が刻々と近づいている。FRBは年内、あと1回の0.25%の追加利上げと、量的緩和からの正常化であるバランスシート縮小に着手する意向を示している。だが、本当に実行されるのかと言えば、不確実な情勢だろう。

不確実性の背景には、低過ぎるインフレ率がある。イエレン議長は、需給の緩み(スラック)が小さくなればインフレ率が上がるという関係を諸判断の根幹に据えてきた。だが、失業率は4.4%まで低下しているのに、賃金上昇率は抑制されている。今の賃金上昇率では、一般物価で目標のインフレ率2%にはなかなか届きそうにない。

この問題は、いっそう複雑になっている。FRBは、インフレ率が低下したことについて、携帯電話サービス、処方箋薬の価格下落など一時的要因によるものだとの見方を示しているが、この説明は納得を得られていない。

有効求人倍率が大きく上昇している日本も、失業率が低下している欧州も、米国と同じく、低いインフレ率に直面しているのである。世界同時的とも言えるこの問題を、米国の携帯電話サービス料金で説明するのは無理があるだろう。

さらに、原油価格の上昇が止まり、期待インフレ率が上昇しないという問題が迫ってくる。インフレ率は、スラックと期待インフレ率で決まるとみるのが現実的だが、期待インフレ率に対しては原油価格の影響が大きい。原油価格は、昨年後半こそ、石油輸出国機構(OPEC)の減産合意の動きがあって上昇したが、その上昇は止まっている。もうすぐ、前年比の上昇はなくなってしまう。要するにスラックも期待インフレ率も、目標の2%に到達できていない一般物価のインフレ率を押し上げる動きになっていないのだ。

これでは、物価安定の責務を達成しているとは言えず、バランスシート縮小、追加利上げを確実視することはできない。

ちなみに、次の米連邦公開市場委員会(FOMC)は9月19―20日開催予定であり、長い時間が空く。その間に発表される物価統計が、米金融当局者によるインフレに関する説明への不信を小さくするよりも大きくする可能性の方が高いだろう。

加えて、今の政治情勢では、予算審議の難航は必至であり、債務上限問題の先行きが懸念される。9月19―20日は、その紛糾の最中かもしれない。

このような状況で、やってみないとどういう影響が出るのかわからない面の多いバランスシート縮小に本当に着手できるのか。不確実性の度合いは9月19―20日に向けて大きくなるとみられる。

<FRB人事を巡る視界不良>

また、同時進行でFRBの議長交代、大幅刷新に向けた動きが始まっている。これは、2018年以降の金融政策を一段と見えにくくしている。

第1に、FRB理事は7人が定員だが、来年にかけて5人の新理事が入ってくる。空席が3つあり、イエレン議長とフィッシャー副議長の任期はそれぞれ2018年2月3日、同年6月12日に切れる。

5人の理事交代があれば、政策は不連続になる。中でも、エコノミスト理事が加わることによる影響には注意が必要だ。プリンストン大学教授だったバーナンキ氏が理事になった際の持論は、インフレ目標だったが、その主張は実現した。

そして、バランスシート拡大停止には、非伝統的な金融政策に懸念を示していたスタイン元理事(ハーバード大学教授)の影響があったと思われる。ちなみに、報道で名前が挙がっているカーネギー・メロン大学のグッドフレンド教授が理事に就くのであれば、ゼロ金利になった場合の対応として同氏が主張しているのはマイナス金利政策である。

第2に、コーン国家経済会議(NEC)委員長、スタンフォード大学のテイラー教授、コロンビア大学のハバード教授、ウォルシュ元FRB理事ら、報じられている後継の議長候補者たちは、今の政策決定には関与していない。バーナンキ氏は、グリーンスパン議長時代のFRB理事。イエレン議長は、バーナンキ議長時代にサンフランシスコ地区連銀総裁、副議長だった。両氏とも議長就任前から政策決定に深く関与していたので、ある程度の連続性を見込むことができた。しかし、今回の議長交代は、イエレン議長再任でなければ、大きな不連続があり得る。

第3に、FRB副議長が2人体制になる(1人は金融規制監督を担当)。物価安定と持続可能な雇用の最大化という従来からの責務の傍らで、経済成長に資する金融システムの設計・施工においてFRBへの期待を大きくするものとなるだろうが、2人の副議長に温度差がある事態を市場は経験しておらず、不確実性はこの点でも高まるだろう。

<イエレン議長の主張を否定する後任候補>

さて、米国の景気回復、拡大は2009年6月の底から数えるとすでに8年が過ぎている。歴史的に見れば、あと1年ほどすると、拡大の持続を見込むことに抵抗が感じられる時間帯に入ってくる。

イエレン議長のもとでFOMCが示している経済見通しは、2019年まで景気拡大が続き、3%までフェデラルファンド(FF)金利を上げていくことを描いているが、景気が後退すれば、それは現実的ではない。市場は、その見通しを信じておらず、利上げサイクルは間もなく終わることを見越している。

FRB議長交代は、実現の見込めない空虚な見通しを書き換えるか、あるいは、その理想実現の方策を明示した上での経済見通しに書き換える機会となる。そうした中、新議長候補たちは連名で小論「より高い経済成長への展望」(On The Prospects For Higher Economic Growth, by John F.Cogan,R.Glenn Hubbard,John B.Taylor,Kevin Warsh, July 18,2017)を発表した。金融政策の枠組みを超える内容だが、2%成長で我慢する必要はなく、規制緩和と税制改革で3%成長は実現できるという主張だ。

これは、イエレン議長が先日の議会証言で答弁した「3%成長は難しい」という主張を否定していることになる。仮にこの著者陣の中の誰かが次のFRB議長になるならば、スラックが小さくなってもインフレ率が高まらない理由について説得力をもって説明し、景気拡大が寿命を迎えそうな中でも成長率引き上げが可能との主張を実現できるのかが、問われることになる。

期待はあるが、不確実性は大きい。市場参加者は、米国の金融政策について、9月の次のFOMC、そしてその先の議長交代、FRB理事の大幅刷新後も、視界不良の「雲中飛行」を覚悟しなければならないだろう。

ただ、安心材料を1つ挙げれば、皮肉なことだが、低いインフレ率だ。誰が議長になっても急激な引き締めだけはなさそうである。

*鈴木敏之氏は、三菱東京UFJ銀行市場企画部グローバルマーケットリサーチのシニアマーケットエコノミスト。1979年、三和銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行。バブル崩壊前夜より市場・経済分析に従事。英米駐在通算13年を経て、2012年より現職。


米金融政策の視界をさえぎる複合要因=鈴木敏之氏
イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の任期満了(2018年2月3日)が刻々と近づいている。FRBは年内、あと1回の0.25%の追加利上げと、量的緩和からの正常化であるバランスシート縮小に着手する意向を示している。だが、本当に実行されるのかと言えば、不確実な情勢だろう。 記事の全文

米中蜜月の終焉、経済戦争突入か=斉藤洋二氏
米国も「権威主義的国家」に向かうのか=河野龍太郎氏
米FRB巡る誤解、早晩解消でドル高へ=池田雄之輔氏
ドル安と円安「共存」の賞味期限=亀岡裕次氏
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https://jp.reuters.com/article/column-forexforum-toshiyuki-suzuki-idJPKBN1AG0E5


 


6月の米個人消費失速、所得も横ばい−価格は前年比1.4%上昇に鈍化
Shobhana Chandra
2017年8月1日 23:59 JST

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米個人消費支出(PCE)は6月に勢いが失速した。個人所得も配当支払いの減少を背景に低迷した。国内総生産(GDP)の7割を占める個人消費支出が6月に勢いを失ったことで、第3四半期のスタート地点が低くなり、今期の成長率を抑制する可能性がある。
  米商務省の1日発表によると、6月のPCEは前月比0.1%増加。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値と一致した。前月は0.2%増だった。
  6月の個人所得は前月比ほぼ変わらず。市場予想は0.4%増だった。前月は0.3%増。6月は配当が3%減少(前月は4.8%増)したことが響いた。
  PCE価格指数は2カ月連続で前月比横ばい。米連邦公開市場委員会(FOMC)が年間2%のインフレ目標の基準とする同指数は前年比1.4%上昇と、前月の1.5%上昇から減速した。市場予想は1.3%の上昇だった。これで同インフレ率は4カ月連続マイナスとなった。
  食品とエネルギーを除くコア価格指数は2カ月連続で前月比0.1%上昇。前年比では1.5%上昇(予想1.4%上昇)。

  インフレ調整後の実質ベースのPCEは前月比変わらず。前月は0.2%増だった。実質ベースのPCEのうち、耐久財への支出は前月比0.1%減。サービス支出は0.1%増。
  インフレ調整後の可処分所得は0.1%減と、今年に入って初のマイナスとなった。賃金・給与は0.4%増(前月0.1%増)。
  貯蓄率は3.8%で、前月の3.9%から低下した。
  統計の詳細は表をご覧ください。
原題:Americans’ Spending Barely Grew in June as Incomes Stagnated(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-01/OU0DTN6S972C01


 


コラム:米国も「権威主義的国家」に向かうのか

河野龍太郎BNPパリバ証券 経済調査本部長
[東京 1日] - 1800年以前の人類の長い歴史の中で、長期的な1人当たりの所得増加率はほぼゼロ%だったと考えられている。もちろん、それ以前に経済が全く成長しなかったわけではない。しかし、それは1人当たり所得の増加によるものではなく、主に人口増加による所得の増加が原因だった。つまり、生産性とそれに連動する生活水準の継続的な向上が始まったのは19世紀からだ。

現在の富裕国(1人当たり所得水準の高い国)を見ると、産油国や都市国家以外は、いわゆる先進国と呼ばれる国々だ。富裕国の所得水準が高いのは、高い成長率が続いているからではない。収斂(しゅうれん)の法則も働き、富裕国の成長率は決して高くはないが、それでも所得水準が低所得国に凌駕されることはない。この200年間を見ると、トップ30カ国に新たに加わったのは、産油国や都市国家などを除くと、日本など極めて限られた国だけだ。

富裕国と低所得国の間で、一体、何が異なるのか。富裕国の成長率は拡大局面でも、それほど高くなるわけではないが、後退局面でマイナス成長となる期間が短いことが特徴だ。反対に低所得国は、拡大局面では富裕国を上回るスピードで成長するが、所得収縮が頻繁に生じ、落ち込みも大きいため、貧しいままなのである。

低所得国の政策当局者には、持続的成長という発想が不十分で、景気拡大局面でより高い成長を追求し、「ブーム&バスト」(景気の大きな振幅)が起きやすいのだろうか。もし仮にそうだとしても、それは富裕国も同じだ。高い成長が訪れると、それが永続するかのような錯覚に陥り、政策当局者を含め皆が「ブーム&バスト」に拍車を掛けるのは変わらない。

1800年以前は今の富裕国も1人当たり成長率がゼロだったと述べたが、それはずっとゼロだったことを意味するわけではない。プラスの成長の時代もそれなりにあったが、経済収縮の時代もあったため、均(なら)すとゼロ成長だったということだ。つまり富裕国になれたのは、所得収縮期を減らすことのできる社会制度が19世紀に備わったから、ということだが、それは一体何だったのだろう。

今回は、ノーベル経済学賞を受賞した新制度派経済学の大家、故ダグラス・ノース教授らが、近代的な政治・経済システムの成立を「暴力の制御」というユニークな視点から論じた著書「暴力と社会秩序:制度の歴史学のために」(以下、本書)を参照しつつ、この点を検討してみたい。

<途上国から先進国への移行はなぜ稀か>

人類の歴史は、暴力とその制御の歴史とも言える。暴力回避の成否が、社会の安定と発展を大きく左右してきた。動乱が生じれば、経済成長が止まるどころか、経済収縮を余儀なくされる。近代社会が誕生したのは19世紀だが、今でも国民が政治的自由と経済的自由を享受するのはわずか30カ国足らずで、全人口の15%に満たない。政治学では秘密投票による選挙を民主制の象徴として重んじるが、仮にそれが行われていても、権威主義的国家では、野党勢力は国家による暴力の威嚇を常に意識して行動を取らざるを得ない。

本書は、先進国とそれ以外の国で何が異なるのか、暴力の制御という視点から、理論的、歴史的に分析した野心作だ。有史以来、人類にはこれまで3つのタイプの社会秩序が存在した。1つ目は、狩猟採集時代の社会秩序で、2つ目は、その後長らく社会基盤となった自然国家の社会秩序(アクセス制限型の社会秩序)である。3つ目が、19世紀の西欧に出現し、現在の先進国で見られるアクセス開放型の社会秩序だ。現在も先進国ではない国々では、程度の差はあれ、経済資源や政治組織へのアクセスが制限される自然国家型の社会秩序が続いている。

経済発展が全く望めない狩猟社会においては、暴力の頻度は今よりも相当に高く、武力を持つエリートと持たない非エリートの間で支配関係が生まれ、その後、原始的な自然国家が形成されていった。支配層は非エリートの経済資源へのアクセスを制限することでレント(超過利潤)を得るが、このレントの配分を巡って、支配層内で武力的闘争が生じる。しかし、互いに争うより協力する方が、レントが大きくなるインセンティブ構造を構築することで、支配層は暴力を制御してきた。よく観察すると、こうした社会安定の論理は、今も多くの国家で観察される。

従来の理論は、マックス・ウェーバー流に、暴力を独占する単一主体として国家を扱ってきた。本書は、その論理が当てはまるのは先進国だけで、自然国家においては、国家を単一の主体ではなく、支配連合の均衡、パワーバランスとした点に大きな意義がある。

例えば、大不況、相対価格の変化、技術革新など大きな外的ショックによって、内紛や内乱が生じるのは、国家が単一の主体ではないことの明白な現れだ。外的ショックが分配すべきレントを縮小させたり、デメリットを被るエリートを生じさせ支配連合内のパワーバランスを大きく崩すがゆえに、内紛や内乱が生じる。その後、社会を安定させるべく、インセンティブ適合的なレントの配分構造が再構築される。

私たちは、経済成長を促進すると考え、先進国と同様に、途上国に対しても規制緩和を強く求める。しかし、規制緩和でむしろ途上国経済が混迷することがあるのは、有利になるエリートが現れる一方、不利になるエリートが現れ、支配連合内のパワーバランスが崩れ政治が不安定化するからである。内乱が生じれば、経済収縮が続く。

アジア危機の際、支援条件として、国際通貨基金(IMF)は厳しい経済構造改革を要求し、それがさまざまな社会的亀裂を当該国にもたらしたことはよく知られているが、本書の仮説を当てはめれば、IMFは誤った政策を推進したということになるのだろう。政治的、経済的な競争促進が社会秩序の安定を促すのは、政治的組織や経済的組織の新設が万人に認められている先進国だけなのである。

自然国家では、経済構造が変われば、エリート連合内のパワーバランスが崩れるため、時として暴力の制御も困難になる。アクセス開放型秩序の先進国では、仮に政治的癒着でレントが生み出されても、政治的競争の中で縁故主義的な施策に対し強く批判が生じるため、レントそのものが長続きしない。あるいは無理に押し通そうとすると、政権そのものの存続が難しくなる。それゆえ、法の支配を強く意識した政権運営となるため、政治システムと経済システムが独立して動いて見える。

もちろん、先進国でなくても、法の支配が貫徹しているように見える国もある。しかし、それは、我々がビジネスをする相手が支配連合のエリート層だからだ。成熟した自然国家では、エリート層の間では法の支配が適用されるが、非エリートに対しては、多くの経済資源への自由なアクセスは強く制限されている。また、自然国家と取引を行う我々外国人に対しても、法の支配が適用され、当該国政府からの介入は抑制される。しかし、大半の国民にとっては、エリートや彼らと取引する海外企業だけが法外な特権を得ているということになる。

<19世紀に成長の時代が訪れた理由>

本書では、自然国家からアクセス開放型秩序への移行について、英米仏の歴史的事例を詳細に検討している。従来の学説では、これらの国で19世紀に成長の時代が始まったのは、15世紀や16世紀の地理的発見や科学的発見に続いて、17世紀、18世紀に政治経済思想の発展が訪れたおかげとされてきた。つまり、人々の創意工夫による経済的利益の追求を擁護する自由主義的政治思想が広く普及、その後、蒸気機関などの広範囲な実用化によって、19世紀に成長の時代の到来という形で、それらの理論が花開いたというのが通説だ。

ただ、本書が示す通り、最も先進的だったはずの英国においてさえ、18世紀半ばまで、支配連合内のエリートも、党派的対立の下で、死や追放の恐怖に直面していた。さらにこの段階でもまだほとんどの人には経済資源への自由なアクセスは制限されている。

本書も、17、18世紀の政治経済思想の発展の恩恵は認めてはいるが、19世紀半ばに成長の時代が幕を開けたのは、株式会社など経済組織の自由な設立が可能になったことの影響が大きい点を強調している。それまで個別の案件ごとに、議会が限られた一部の超エリートにのみ認めていた会社設立が、1844年法や1856年法の制定によって、非属人的な行政手続きだけで可能となった。その後、実際に会社設立が急増、分業の利益を可能にする経済組織が自由に作られるようになり、経済が持続的に成長するようになった。現在も、所得水準の高い国の経済組織数(主に企業数)は著しく、一方で所得水準の低い国の経済組織数は少ないままである。

ところで、19世紀半ばの法改正を70年ほどさかのぼる1720年に「南海バブル」が生じている。その際、株価操作による不正根絶を目指してバブル法が制定された。そこでは、企業体をより少数に限定し、そもそも競争を抑制することが国王や特権商人、議会など支配連合の財政的、政治的利益になるとの判断もあって、企業設立は株式会社を含め、強く制限された。

アダム・スミスは1776年に著した「国富論」の中で、自由で開放された競争が望ましく、参入制限でレントを生み出す企業体を強く批判していた。一部企業の有用性を認めつつも、企業体全般へのスミスの評価が低いのは、当時の多くの企業体が、政治的利益を確保するための経済的特権の象徴、つまり縁故主義的政策の象徴だったためである。

<米国が「自然国家」へ後戻りする可能性は>

さて、先進国以外では、今でも政権交代があると、苛烈な政治的報復が繰り広げられる場合がある。政権を失うと暴力的な政治報復を懸念するがゆえに、より強権的な政権運営が追求されるケースもある。民主化が進んでいたはずの国で、いつの間にか権威主義的色彩が強まっているケースも少なくない。

1990年代、2000年代の長い経済成長の後、リーマン・ショックや、欧州債務危機といった先進国発の大きな外的ショックの余波で、支配連合内のパワーバランスが不安定化し、安定化を図るべく権威主義的色彩を強めたということもあるのだろう。もちろん、それが事態を悪化させる可能性もあるのだが。

実は、本書を手にした直接のきっかけは、政敵の投獄をほのめかすトランプ大統領の出現で、米国も権威主義的国家に向かうのではないか、と懸念したためだった。米国では、顧客や株式市場ではなく、ホワイトハウスを向いた企業経営者も増え、縁故資本主義的色彩が見られるのも事実である。自然国家へ後戻りすることはあるのか。

ただ、本書を読み進めて分かったのは、先進国は解決方法を競争的に発見する高い適応能力を備えているということだ。経済・政治のいずれにおいても、問題解決の可能性を最も秘めたグループが新たに市場や投票を通じて選出され、問題解決にチャレンジする。政治的、経済的な競争の存在のおかげで、アクセス制限的社会秩序である自然国家に比べ、新たな環境への適応能力は高い。解決策が直ちに得られない問題についても、新たなグループが現れ、よりましな解決策の模索が可能である。何より米国では、あまりに極端な政策については、三権分立によって、けん制のメカニズムが強く働く。それゆえ、米国が権威主義的国家に向かうのは、何とか避けられるのではないか。

1つ心配されるのは、米国に限らないことだが、多くの先進国で、既存の政党システムがうまく機能しなくなっていることである。本書が提示する19世紀に誕生した先進国のアクセス開放型秩序は、政治面では、政治的競争を可能とする政党システムを前提としていた。人々を包摂(ほうせつ)する新たな政党やそれに代わるシステムが生まれてくれば良いが、それが果たして可能だろうか。政党を通じた政治の競争システムそのものが時代遅れになっているとすれば、事は深刻である。

*参考文献:「暴力と社会秩序:制度の歴史学のために」ダグラス・C・ノース、ジョン・ジョセフ・ウォリス、バリー・R・ワインガスト著 杉之原真子訳 NTT出版

*河野龍太郎氏は、BNPパリバ証券の経済調査本部長・チーフエコノミスト。横浜国立大学経済学部卒業後、住友銀行(現三井住友銀行)に入行し、大和投資顧問(現大和住銀投信投資顧問)や第一生命経済研究所を経て、2000年より現職。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。


ドル安と円安「共存」の賞味期限=亀岡裕次氏
ドル円は4月17日に今年の最安値108.12円をつけた後、114円台半ばを高値として上下動を繰り返してきた。その間の相場は、政治情勢、金融政策、経済指標で、ほぼ説明できる。これらの要因から考えて、今後のドル円相場はどうなりそうか。 記事の全文

米国も「権威主義的国家」に向かうのか=河野龍太郎氏
米FRB巡る誤解、早晩解消でドル高へ=池田雄之輔氏
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http://jp.reuters.com/article/column-ryutaro-kono-idJPKBN1AH2QF?sp=true

http://www.asyura2.com/17/hasan122/msg/818.html#c1

[経世済民122] 今の日本株は嵐の前の静けさか、夏以降に急変動も−楽観市場は要注意 グリーンスパン警告−債券バブル破裂 安倍3つのシナリオ 酢
2. 2017年8月02日 11:07:34 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[707]
著名空売り投資家の「弟子」が新ヘッジファンド−バリアントで成功
Simone Foxman
2017年8月2日 09:25 JST


ファーミ・クアディール氏

Source: Safkhet Capital
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空売り投資家として名高いマーク・コホーズ氏の「弟子」、ファーミ・クアディール氏(26)は、ショート戦略のヘッジファンドに2億ドル(約220億円)を集める計画だ。
  同氏の新会社サフケット・キャピタルは、来年の早い時期に運用を開始する予定。空売り戦略の大規模ヘッジファンドを運営しているのは今や、キニコス・アソシエーツのジム・チャノス氏ら少数にとどまり、環境は厳しい。
  元ヘッジファンド運用者で今は個人として投資するコホーズ氏はクアディール氏について、「容赦がなくて、冷血で、頑固だと思う」とその資質を評価する。
  クアディール氏は過去2年、クレンサベージ・アセット・マネジメントの株式アナリストだった。バリアント・ファーマシューティカルズ・インターナショナルなど製薬会社への空売り投資の成功がコホーズ氏らの目にとまった。バリアント株は2015年8月のピークから90%下落し、7月31日の終値は16.46ドルだった。
  過去10年にはコホーズ氏のカッパー・リバー・マネジメントを含め空売りヘッジファンドが閉鎖に追い込まれ、近年も米株上昇相場の中で空売り戦略は苦戦を強いられている。空売り投資の厳しい現実を生き延びるためには冷酷でなければならないと、コホーズ氏がクアディール氏について述べた。  
原題:Cohodes Protege to Raise $200 Million for a Short Hedge Fund(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-02/OU0KBZ6VDKHS01

 

「ゴルディロックス」の相場上昇はまだ続く公算−野村のゲイナー氏
Sid Verma
2017年8月2日 10:56 JST

野村ホールディングスによれば、「ゴルディロックス」の相場上昇はまだ続きそうだ。
  同社の国際経済責任者ケビン・ゲイナー氏はインタビューで、世界の成長は企業利益を押し上げるのに十分力強く、同時にインフレを抑制する十分な落ち着きを示しており、広範な市場での値上がりを支える完璧な環境が少なくともあと12カ月は続くとの見方を示した。
  同氏は景気循環が頂点に達する中で、欧州の株式や高利回り債、新興市場のクレジットが2008年の金融危機より前の全盛期に見られたバリュエーションに追い付く可能性があると指摘。
  「相場上昇がもっと続く可能性がある。労働市場が逼迫(ひっぱく)し、経済成長がトレンドを上回っている場合、企業の収益性は落ち込み、それが弱気材料となるが、利益率に対するその種のプレッシャーは見受けられない」と述べた。

原題:Goldilocks Rally Has Legs If Nomura Gets Business Cycle Right(抜粋)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-02/OU1BDQ6S972901

http://www.asyura2.com/17/hasan122/msg/818.html#c2

[経世済民122] アベノミクス復活の条件  制御不能のインフレ円安懸念 狂うCPI上昇の筋書、背景に高齢化 実質賃金減少 都合のいい働き方 酢
2. 2017年8月04日 12:34:23 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[708]
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/50654
管理職を早く家に帰せば女性のリーダーも増える「管理職への昇進」と「仕事と家庭の両立」の二律背反

2017.8.4(金) 大嶋 寧子
女性の管理職が増えない原因は何だろうか。
女性管理職の育成に取り組む企業が増加
 女性管理職の育成に取り組む企業が増えている。
 少子化による人材不足への備えや、ダイバーシティ&インクル―ジョンが組織の活性化に寄与するとの認識が広がってきたことに加え、女性活躍推進法(2016年4月1日全面施行)により、常時雇用する労働者が301人以上の企業に数値目標を含む行動計画の策定が義務付けられたことも企業の背中を押している。
 女性活躍推進法に基づく企業の行動計画の多くは、厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」で見ることができる。そこで各社の行動計画を見ると、多くの企業で女性管理職の育成に関わる項目が数値目標として挙げられている。
 数値目標達成のためのアクションとして、各社が女性の育成計画の策定、入社早期からの育成、選抜研修の実施、メンター制度、管理職向け研修、女性間の交流や情報交換機会の提供、働き方の見直し(長時間労働是正、テレワーク導入など)などの取り組みを行うとしている。

女性が昇進に躊躇する理由
 それでは今後、企業の取り組みにより女性管理職が順調に増えていくと考えてよいのだろうか。この点について筆者は、現状のままでは期待されるほどに女性管理職が増えていかない懸念があると考えている。なぜなら、女性が管理職を希望しにくい状況を作りだしている、大きな要因が未だ改善されずにいるためである。
 労働政策研究・研修機構「男女正社員のキャリアと両立支援に関する調査」(2013)では、係長・主任までの一般従業員かつ総合職の女性のうち、課長相当職以上への昇進希望がない人(母集団の83%)に、その理由を複数回答で尋ねている。
 これによると、昇進を希望しない理由として約半数(46%)が「仕事と家庭の両立が困難になる」ことを挙げており、「責任が重くなる」(28%)、「周りに同性の管理職がいない」(26%)、「メリットがない、または少ない」(26%)、「自分には能力がない」(14%)といった他の回答を引き離している。
 このように時間外労働、夜間・休日労働が前提の管理職の働き方は、女性から見た管理職の仕事の魅力を低下させ、女性に昇進をためらわせている。
図表1:総合職女性が課長相当職以上への昇進を希望しない理由
(注)常用労働者300人以上の企業で働く一般労働者かつ総合職の女性。13の回答項目のうち複数回答での回答割合の高い順に5つの項目と回答割合を提示。
(資料)労働政策研究・研修機構「男女正社員のキャリアと両立支援に関する調査」(2013年)
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管理職は「仕事と家庭」を両立できるのか?
 それでは管理職の働き方は、どの程度「仕事と家庭の両立が困難」なのだろうか。仕事と家庭の両立しやすさを左右する要因を考えると、(1)労働時間の長さ、(2)柔軟な働き方の活用可否、の2つであると考えられる。
 労働時間が長ければ仕事と家庭との両立は難しくなるが、働く時間帯を家族の都合に合わせて調整できたり、在宅勤務などで通勤時間を節約できたりすれば、労働時間の長さの一部はカバーできる。管理職の働き方が本当に「両立が困難」なのかどうかは、この2点を検証することで見えてくると考えられる。
 なお、筆者が所属するリクルートワークス研究所では、全国の人の働き方を追跡調査する「全国就業実態パネル調査」を2016年度より実施している。そこで以下では、同調査の2017年度のデータから正規雇用者の働き方に着目し、(1)管理職で仕事と家庭の両立が困難なほど長時間働く人はどの程度いるのか、(2)管理職は柔軟な働き方をどの程度活用できているのかを検証しよう。

<管理職の労働時間>
 まず、正規雇用者のうち週50時間以上働く人の割合を役職別に見たものが図表2だ。
 ここで「週50時間以上」を基準としたのには理由がある。例えば、週所定労働時間が法定労働時間40時間(9時〜18時、休憩1時間)の事業所で平日毎日2時間ほど時間外労働をすれば週50時間労働となるが、そのためには毎晩8時まで業務に従事することになる。
 平均的な通勤時間を考えると、帰宅は9時頃となり、子どもの夕食には到底間に合わない。週50時間以上働く場合、子どものケアと仕事を両立する難易度は相当上がる。
 図表2に戻って、週50時間以上働く人の割合を見てみよう。まず、全体では、役職なしに対して役職ありの人でこの割合が高い。具体的には、役職なしで23%であるのに対し、主任・係長クラスで32%、課長クラスで34%、部長クラスで28%である。
 次に従業員規模別に見ると、同様に役職ありで週50時間以上働く人の割合が高く、特に1000〜4999人および5000人以上の企業の課長クラスでは約4割であった。役職なしと比べて、管理職の働き方は「仕事と家庭の両立が困難」になりやすい状況となっている可能性がある。
図表2:役職別・週50時間以上働く人の割合(正規雇用者、%)
(注)対象は正規雇用者。役職者は各役職と同待遇の専門職を除く。斜体の数字はサンプル数が100未満である。
(出所)リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査2017」
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<管理職の働き方の柔軟性>
 次に、柔軟な働き方の活用状況を確認しよう。
 2016年12月の仕事について、「勤務時間を選ぶことができた」に「あてはまる」または「どちらかといえばあてはまる」と回答した人は、役職なしで11%、係長・主任クラスで12%、課長クラスで13%、部長クラスで18%であった。
 また、2016年12月の仕事について「勤務場所を選ぶことができた」に「あてはまる」と回答した人は役職なしで8%、係長・主任クラスで7%、課長クラスで9%、部長クラスで11%であった。役職の有無にかかわらず、正規雇用者のうち勤務時間や働く場所を選択できる柔軟な働き方をする人は少数派と言える。
図表3:役職別・柔軟な働き方を選ぶことができた人の割合(正規雇用者、%)
(注)1.対象は正規雇用者。役職者は各役職と同待遇の専門職を除く。2.「勤務時間を選ぶことができた」「働く場所を選ぶことができた」とは、質問に「あてはまる」または「どちらかといえばあてはまる」と回答した人の割合。
(出所)リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査2017」
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管理職の働き方改革を急げ
 以上を総合すると、管理職は、仕事と家庭の両立が困難なほどの時間を働く人の割合が、役職なしの人に対して高く、同時に管理職のうち柔軟な働き方をする人は少数である。
 中でも大企業の課長職では仕事と家庭の両立が困難なほどの時間を働く人の割合が高い傾向にあり、とりわけ「仕事と家庭の両立が困難」な状況になっている懸念がある。
 このようなデータを見る限り、「管理職に昇進すると仕事と家庭の両立が困難になる」という懸念には一理がある。企業の女性管理職の育成策が本当に効果を発揮するためには、管理職の働き方を魅力的なものとし、女性が躊躇なく昇進に必要な経験や知識を蓄積できる環境を作る必要があるだろう。

【第10回】 2017年8月4日 沢渡あまね
優秀なプレイヤーは自責で考えるが、優秀なリーダーは「他責」で考える
「自責で考える人は成長する。他責で考える人は成長しない」は本当に正しいのか? 確かに自責思考は本人を成長させるが、組織の成長にはつながらない。スキルを属人化させずに、環境や仕組み自体を更新していくには? ベストセラー『職場の問題地図』の人気業務改善士が生産性向上のコツを教える。新刊『チームの生産性をあげる。』から一部を紹介。
自責主義は危ない!
問題が起きたら「組織の仕組み」を疑う
「自責で考える人は成長する。他責で考える人は成長しない」
 新入社員研修などの若手社員教育の場で、講師が力説するおなじみフレーズ。これ、ダウト! 確かに自責は大事です。人のせいにばかりしている人は成長しません。しかし、自責でしか考えないのもまた問題です。
 たとえば、ある人がデータの入力ミスをしたとしましょう。自責思考が強い人の行動パターンはこうです。
自責思考が強い人の行動
 ミスをしてしまったのは、すべて自分のせいです。入力する場所を間違えましたし、原価の部分は小数点以下を切り捨てするルールに気づかず入力してしまいました。
 次から同じミスをしないよう、フォーマットを紙に印刷して指差し確認します。また、それぞれの数字の入力ルールを指差し確認し、提出前に二重チェックするようにします。この場合、この人のスキルは間違いなくあがるでしょう。
 しかし、他の人についてはどうでしょう? 他の人にこの作業をさせた場合、同じミスを繰り返すかもしれません。過度な自責思考は、個人の成長を促す反面、組織の成長を妨げかねないのです。私は「いったん他責で考える」くらいがちょうどいいと思っています。新入社員研修でもそう伝えています。
いったん他責で考える人の行動
 ミスをしてしまった。自分が確認しなかったのも悪かった。でも、そもそもこの入力フォーマット、おかしくないですか? この配列、どう考えてもわかりづらいでしょ? 説明文もわかりにくいし。小数点の扱いも入力項目ごとに異なるなんてややこしすぎる。だったら小数点以下は自動で切り捨てされるよう設定しておくべきです。
「いままで誰もおかしいと思わなかったのですか? これは、僕でなくてもミスしますって。フォーマット、変えましょうよ」
 ……言い方はさておき、仕組みのムダや改善点を指摘できています。他責にする=環境要因や仕組み、仕事のプロセスの問題点を指摘すること。ここを改善しないことには、
・また同じ失敗をするかもしれません
・他の人が同じ失敗を繰り返すかもしれません
 自責思考は、本人を成長させます。しかし、本人以外の、組織の成長にはつながりません。また、そのスキルは属人化します。属人化させてしまうと、環境や仕組み、仕事のやり方のムダやリスクが顕在化しにくくなります。
 加えて、自責でばかりで考えさせる組織風土は、本人のストレスにもなります。どう考えても環境や仕組みが悪い場合もあるでしょう。時には大いに愚痴を言うのも大事。自責の念にかられ、ストレスを溜めると本人の生産性も組織の生産性も下げます。
 過度の自責思考は、精神衛生上も、組織の生産性を考える上でもよろしくありません。
「優秀なプレイヤーは、自責で考える。優秀なリーダーは、いったん他責で考える」
 他責思考も忘れずに! 以上、ムダに気づくための観点を紹介しました。日頃当たり前と思っている業務を、さまざまな角度から眺めてみる。常識や定説を疑ってみる。そんな自由な発想こそが、ムダ発見の秘訣です。多少の遊び心も交えて、宝探ししてみましょう。
(この原稿は書籍『チームの生産性をあげる。――業務改善士が教える68の具体策』から一部を抜粋・加筆して掲載しています)

http://diamond.jp/articles/-/132777

【第7回】 2017年8月4日 飛田 基
SNS依存の子どもに勉強させる秘訣とは?
ビジネス書の世界的ベストセラー『ザ・ゴール』の著者、エリヤフ・ゴールドラット博士が開発した「3つの思考ツール」で、子どもの考える力を効果的に伸ばせます。飛田基氏の新刊『考える力の育て方』の中から、今回は「SNS依存との上手な付き合い方」をご紹介します。
登場するのは、成績不振の中学生ユウキです。「バカ脱出」という目標を達成するために、「期限を守って宿題ができる」という中間目標を設定しました。しかし、どう行動すればきちんと宿題ができるようになるのか、ユウキには思いつかなかったのです。
「SNS依存」との
上手な付き合い方
 中間目標を決めても、それを達成できる行動が思いつかないことがあります。そんなときは、そもそもなぜ障害が起きているのかを、もう少し掘り下げて調べてみるとよいでしょう。ここでは、第3回で紹介した「ブランチ」という思考ツールを使います。
 まずは図表1をご覧ください。

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 ユウキはクラスメートと、「LINEグループ」という多人数のチャットシステムでメッセージのやり取りをしていました。多くのクラスメートがそのグループに入っているので、宿題に取りかかる夜の時間帯はそのうちの誰かしらがログインしている可能性が高いのです。
 宿題を始めたユウキのスマホに、LINEグループのメッセージが来ます。すると、ユウキはそれに反応してメッセージを返します。また、他のメンバーのやり取りも目に入ってきて、思わず読んでしまいます。
 そうこうしているうちに、自分が書いたメッセージに返信が来たりします。そうやって時間が過ぎてしまい、なかなか宿題に戻れません。
 それがユウキの行動パターンでした。
 つまり、図表2に示した現象が起こります。

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 集中して宿題をやれば40分で終わるとしましょう。では、宿題を5分やり、チャットを5分、また宿題に戻って5分、チャットを5分というように、宿題をやりながらチャットをすると、どうなるでしょうか?
 宿題もチャットも同じくらいの時間を使っていますから、約2倍の時間がかかると考えるかもしれません。午後8時に宿題をスタートすれば、宿題に40分かかり、チャットに40分使ったとしても、9時半くらいには終わるはず、と思うかもしれません。
 しかし、じつは、チャットから宿題に戻ってくるたびに、「あれ、さっきまで何やってたっけ?」となります。すると、前に読んだ文章を読み直す必要が出てきたり、計算をどこまでやったか忘れてしまい、最初からやり直したりします。
 この時間は軽視できません。人間の脳みそというのは、一度に複数の集中作業ができないようにできています。マルチタスク(集中力を必要とする作業を同時進行させること)が苦手なことは、研究により証明されているのです。宿題が午後10時になっても11時になっても終わらないのもうなずけます。
 このように、宿題がなかなか終わらない原因は、LINEと宿題を同時にやろうとすることにありました。でも、この習慣を直すにはさらに考える必要がありました。これを整理したのが図表3です。

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 複雑に見えて答えが簡単には見つからない問題も、掘り下げていくと「つまり、これだよね」と思えるシンプルな構造があるものです。
 しかし、シンプルであることと、解決が簡単ということは別です。LINEグループにメッセージが来ると、それに反応してメッセージを返してしまう。問題解決のためには、この行動をやめなくてはならなかったのです。
 そこで、ユウキとこんな会話をしました。
 私「メッセージが来たら、メッセージを返すのはどうしてかな?」
 ユウキ「友だちだから」
 私「そうだね。友だちは大切にしないといけないよね。じゃあ、その友だちはメッセージの返信をどのくらい待ってくれるのかな?もちろん、『ユウキは付き合いが悪い』なんて、友だちに思われないようにしたいよね」
 ユウキ「数分だったら、問題ないと思う」
 私「そっか、じゃあ、ユウキはメッセージが来たら数分で返信しているんだね?」
 ユウキ「だいたいそう。でも、ごはんを食べているときとか、お風呂に入っているときとか、テレビを見てて気づかなかったときは、30分とか1時間とかレスしないこともあるよ。そんなときは、今お風呂入ってた、ごめんねって言うの」
 私「だとしたら、ごめんねって言わなくてもいい時間はどれくらい?」
 ユウキ「人間だから、それにみんなもいろんなことがあるから、すぐに返せないこともあるけど、20分だったらいいと思う」
 そんな会話のあと、「20分の集中宿題タイム」を作ることにしました。ルールはこうです。
 まず、スマホは勉強部屋に持ち込まず、見えない、聞こえないようにする。次に、タイマーを用意して20分(または区切りのよいところまで)宿題を進める。そうしたら、届いているメッセージをすべて読んでいいし、レスをしてもいい。終わったらまたスマホを置いて、部屋から見えない、聞こえないようにする。そしてタイマーで20分宿題をする。このくり返しです。
 ユウキが言った20分というのは、非常に理にかなっています。20分くらいなら、友だちも待ってくれる。そして、人間の集中力が本当に続くのも15〜20分と言われています。
 友だちから付き合いが悪いと言われることもなく、宿題がきちんと終わるようになりました。その後、ユウキは「社会科」の試験で学年の成績上位者となり、校内で名前が貼りだされるほどの高得点を取ったのです。
(連載終了)
http://diamond.jp/articles/-/137106

 


やる気がない、欲がない若手社員との付き合い方
さとり世代が持つ特徴の背景と対処法
2017.8.4(金) 藤田 耕司
Performers smeared with clay demonstrate during the art action "1000 Gestalten" on July 5, 2017 on a street in Hamburg, northern Germany, where leaders of the world's top economies will gather for a G20 summit./AFP PHOTO/Christof Stache
 私は企業の経営を心理的側面から分析して経営改善を行う経営心理士として、経営コンサルティングを行っている。その中で多くの経営者から、「若手社員は欲がなく、強いやる気が感じられない。どうやって彼らの心に火をつけたらいいのかが分からない」という相談が寄せられる。

 こういったこともあり、私は20代の人たちに会うと、給料や出世についてどのように考えているかについて聞くようにしている。

 また、大学で講演をさせていただくこともあり、講演後は学生との懇親の場を設けてもらうようにしているが、そこでも同様のことを聞いている。

 その答えとして大勢を占めるのが、「そんなに稼ぎたいとも思わないし、出世したいとも思わない」という答えである。

稼ぎたい、出世したい人は少数派に

 もちろん中には「バリバリ稼ぎたいし、出世もしたい」と答える人もいるが、その意見は少数と言わざるを得ない。

 そのため、大学生や20代の社会人に関して言えば、稼ぎたい、出世したいという欲は決して強くはないと感じている。

 この世代の人たちの多くは1990年代生まれとなるが、この世代の人たちのことを「さとり世代」と呼んだりもする。さとり世代の特徴として一般的に「欲がない」や「恋愛に興味がない」といったことが挙げられている。

 では、そのことをもって「彼らは欲がない」と言い切っていいのかというと、私は決してそうは思わない。私は彼らとのやり取りの中で、物欲や出世欲以外の欲を持っていると感じている。

 それは「人や社会の役に立つ仕事をしたい」という欲である。

 こういう言葉を聞くと、「綺麗ごと」のように感じるかもしれないが、この世代の人たちはそれを単なる「綺麗ごと」とは捉えない純粋さのようなものを感じる。

 貢献感という言葉がある。

 これは他者や社会のためになることをすることで得られるものである。人間はこの貢献感を感じることで、自分の存在意義を感じるという性質を持っている。

 いくらお金はあっても、人の役に立っている、社会の役に立っているという感覚が得られなければ自らに価値を感じることは難しくなり、時に精神を病むこともある。

 そのため、人間は人や社会の役に立ちたいという欲求を持っている。これを貢献欲求と呼んでいる。

知名度や給与よりCSR

 自分がいい思いをしたいという私欲よりも、貢献欲求に関心がある。さとり世代の人たちにはそういった傾向があるように思う。知り合いの採用コンサルタントの人からこんな話を聞いた。

 「今の若い人たちを採用しようと思ったら、給料の良さや会社の知名度をアピールするような戦略はもう古い。今はそれだけじゃなくて、自社の仕事がどのように社会の役に立っているか、そういったCSRの要素を入れることは必須です」

 冒頭の「若手社員は欲がなく、強いやる気が感じられない。どうやって彼らの心に火をつけたらいいのかが分からない」という相談に対して、効果的な提案をすることは決して簡単なことではない。

 ただ、1つの切り口としては貢献欲求を満たす関わりをするという方法がある。例えば、今やってもらっている仕事の社会的意義を伝える。

 社会的意義を伝えるというと難しそうに聞こえるかもしれないが、お客様からの感謝の声、喜びの声を伝えるという方法でも社会的意義を感じてもらうことはできる。

 「君が作ってくれた資料をお客様に渡したら、分かりやすいと喜んでいたよ」

 「昨日、お客様と飲みに行ったんだけど、お客様が君の対応はいつも素晴らしいと喜んでいたよ」

 そんなふうにお客様が若手社員の仕事ぶりに対して喜んでくれている事実を知ったならば、そのことを伝える。それは貢献欲求を満たすための重要なコミュニケーションとなる。これは多くのクライアントで効果が出ている方法である。

 勤務態度が悪い、あまりやる気が感じられない。

 そんな若手社員に悩んでいた社長や管理職の方にお客様からの感謝の声、喜びの声を伝えてもらうようにしたところ、「若手社員がとても嬉しそうな反応を示したので驚いた」、「それ以降、勤務態度や仕事ぶりに変化が見られた」。そんな報告をいくつも受けている。

 また、お客様に対して何かをするといった仕事をしていなければ、社内の人間からの感謝の声を伝えるのでもいい。

横並びを好む傾向も顕著に

 「あなたの仕事は誰かの役に立っている」「あなたの仕事で誰かが喜んでいる」

 そんなメッセージを伝えることが若手社員の貢献欲求を満たし、やる気を刺激するきっかけになる。

 また、出る杭になりたくない、皆と横並びでいたいという価値観を持っているのもこの世代の特徴である。

 出世したいと思わないという理由も、出世することによって責任を負わされるのが嫌だという答えと、出る杭になって打たれたくないという答えが多数を占める。

 出る杭になりたくないという意識が強い背景には、学生時代から友人間でSNSを使用してきた経緯があり、出る杭はSNSで叩かれるというリスクを感じてきたことも一因として挙げられている。

 売り上げと給料が比例する完全歩合制のある会社では、各営業パーソンの営業成績が社内に貼り出され、入社2年目の社員が社内でトップの成績を取り続けるようになった。その成績は月に100万円以上の給料を得るほどの成績であった。

 ある時、その営業パーソンが社長に相談があると申し出てきた。

 何の相談かと話を聞くと、「営業の仕事は楽しいんですが、自分は出る杭になりたくないんです。自分は他の人よりもたくさんの給料をもらっていますが、周りからそう見られるのがつらくて仕事がしづらいんです」とのことだった。

 それで社長が「じゃ、君だけ固定給にすれば仕事がしやすくなるか?」と聞いたら、「えっ!いいんですか!?」と喜んでいたという。

 そこで固定給にするとやる気が半減するのではないかと心配しながらも月40万円の固定給にすると、以前にも増して営業を頑張るようになったという。

出世しないため手柄を同僚のものに

 嘘のような本当の話であるが、これに似たような話はほかにも聞く。知り合いの社長の会社では、ある若手社員が出世したくないからと、自分の営業成績を同僚の手柄にしているという不正が発覚したという。

 これを不正というのも違和感があるが、そういった行動を取る背景には、仕事は面白いから頑張るけれども、出る杭にはなりたくないという思いが存在している。

 40代以上の世代の人たちからすると全く理解できないと思われるかもしれないが、彼らにとっては切実な悩みなのである。

 また、物を所有することに対する欲よりも、心を動かす体験や思い出に対する欲の方が強く見受けられる。

 知り合いの大学講師が学生を対象に、「クリスマスに欲しいものは何か?」というアンケートを取ったところ、「彼女の手料理」「彼氏、彼女からの想いのこもったものであれば何でもいい」「彼氏・彼女との楽しい時間」といった答えが多く、具体的な物を書いた答えは少数だったという。

 この世代について書いた書籍や記事を見ていても、こういった記述が見られる。これらのことを総合的に見てみると、「お金よりもハート、出世よりも居心地のよさ」、といった価値観が彼らの中には根づいているように感じる。

 ただ「欲がない、やる気がない」と嘆くだけではなく、彼らのそういった背景と価値観を理解し、ハートを揺さぶる関わり方、居心地のよい職場環境の提供を模索することが、若手世代とうまく付き合うために求められることではないだろうか。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/50702

「会社の夏休みが怖い」心配性の大人たち

ここでひと息 ミドル世代の「キャリアのY字路」

2017年8月4日(金)
山本 直人
「きちんとしてる」は美徳と思っていたのに

 「働く」と「休む」は表裏の関係だ。

 働く時に集中力の高い人は、休む時もきちんと休む。一方で、仕事がダラダラしている人は、休みきれずに疲れも取れない。

 そういう評価が当たり前の時代になってきた。

 そこで今回は夏に合わせて、もう一度「休み方」について考えてみたい。特に、会社で重要な位置にあるミドル世代にとっては、自身の働き方は周囲にも大きな影響を及ぼし、時には評価にもつながってくる。

 単に「仕事ができる」だけではなく、「働き方全体」が問われている。それは、ちょっと大げさだがそれぞれの「生き方の哲学」が問われることでもある。

 まずは、「休み」でつまづいてしまったWさんのケースだ。

 Wさんの勤務先は、インターネットサービスを中心としたいわゆるIT企業だ。大手メーカーの系列だったが、その後に業界再編の影響を受けて経営陣も大きく変わった。

 社員も入れ替わり、雰囲気も若々しくなった。もともとの顧客基盤がしっかりしており、業績も安定しているので転職市場での人気も高い。

 管理職になって数年が経つWさんの特徴は、「きちんとしている」ことだ。

 
 納期と品質をキッチリと維持することが、最大の目的であり、「仕事とはそういうものだ」という環境で育ってきた。

 その一方で、少々心配性なところがある。これは、環境というよりももって生まれた性格なのだろう。少しでも予定がずれそうになったりすると、担当者に細かく聞きたがる。

 ましてや取引先から問い合わせがあったりすると、相当神経質になる。相手がそんなに急いでいなくても、Wさん自らが慌てて担当者を追い掛け回す。

 周囲の人も「まあ、Wさんはそういう人だから」とあまり気にしてはいなかった。実際に彼が管理する仕事は、きちんと成果を上げていたのである。

 ところが、意外なところで彼に逆風が吹いた。きっかけは「夏季休暇制度の変更」だったのだ。

「休めない上司」というマイナス評価

 かつて「メーカーのグループ会社」という位置づけの時の夏季休暇は、いわゆる「お盆休み」の一斉休業だった。親会社に合わせていたのである。

 しかし、経営主体が変わり取引先も増加すると、この方式の問題が目立ってきた。さまざまな業種の動きに合わせて、ビジネスを組み立てるためには、休暇制度も柔軟な方がいい。

 そこで一斉休暇に代わって、「フリー長期休暇」という制度が導入された。

 時期も長さも自由で、あらかじめ申請すればよい。基本は一週間だが、もっと長い人もいるし、お盆などのピークを避けることもできる。

 若い人を中心に好評ではあったものの、古くからの社員はいままでの習慣でお盆の頃に休むものも多かった。

 Wさんは、この制度が苦手だった。自分の休みはともかく、部下がバラバラと休むと、担当しているプロジェクトのことがやたらと気になるのだ。

 進捗をチームで共有して、いざという時には連絡できるようにする。それを徹底することは誰でもやった。とはいえ、それ程緊急のことは滅多に起きない。しかしWさんは心配症だ。

 取引先から問い合わせがあっても、「休みを頂いてます」と言えない。ついつい「連絡させます」と対応してしまう。

 休暇中の部下のスマートフォンにやたらと連絡するから、休んでいる方も落ち着かなくなる。最初は「まあ仕方ないか」と思っていた部下も、段々と苛立つようになってきた。

 ある時は海外まで追いかけれらた部下が慌てて連絡したところ、料金システムを勘違いして莫大な通信費を請求されたこともあった。

 こうなると、さすがに不満が溜まってくる。

 しかもその時は、休暇だけではなく、広く人事システムの見直しをしている頃だった。いわゆる360度評価が導入されていたのだ。

 「きちんと進捗管理をしている」というWさんの評価は、「適切な権限移譲ができていない」と見なされるようになっていく。

 間もなくWさんは現場の一線を外れて、管理部門に異動した。傍から見ると、彼に合ってる「順当な」異動にのようにも見えたが、実は「柔軟な働き方のマネジメント」ができなかったことが原因だったのだ。

大不況の「社内失業」を追い風に

 その一方で、「休み方」を一新したことで新しい仕事の仕方を切り開き評価されるようになった人がいる。

 広告代理店のクリエイティブ部門で、多くの部下を率いるOさんは、ある年の夏に仕事上の転機を経験した。しかし、それは仕事がきっかけではなく「休み」がきっかけだったのだ。

 TVCMを制作する仕事は、多忙で不規則だ。毎日決まった時間だけ、働くわけではない。海外ロケになれば辺鄙なところまで行くことも多く、移動時間だけでも相当なものだ。

 編集になると遅い時間まで粘るし、企画のプレゼンテーションの前にはプレッシャーもかかる。

 当時売れっ子ディレクターだったOさんにとっての夏季休暇は「あってないようなもの」だった。それが当たり前だったし、子どもの夏休み中に近場の海にでも行ければ「上出来」だと思っていたのだ。

 ところが今から数年前の金融不況の後に、入社以来の「恐ろしいほどヒマな夏」がやってきた。

 いわゆる「リーマンショック」が広告業界を直撃したのだ。Oさんの担当していた自動車会社の広告予算は大幅削減になり、他の得意先も広告出稿を手控えた。

 そのため、7月になってもOさんのスケジュールはスカスカだった。

 いわゆる「社内失業」の状態になって、さすがに不安になる。上司に相談しても、「まあ、たまには休めばいいんじゃないか」としか言わない。

 考えてみれば、有給休暇も相当たまっている。「じゃあ、ホントに休みますね」と宣言して、2週間たっぷり休むことにした。

 家族で旅に出て、妻の実家に帰省して、近所のプールでゴロゴロしているうちに2週間はあっという間に経った。

 「何かあったらいつでも連絡してくれよ」と周りには言っておいたが、何の音沙汰もない。そして、出社してみたら意外なことがあった。

 実はOさんの不在中にCM企画の提案があったのだが、部下がきちんと仕事をこなしていたのだ。

 この休みをきっかけにOさんの仕事ぶりは変わった。遅くまで仕事をせずに、部下に任せて帰るようになった。すると、チームに活気が出てくるのが目に見えてわかった。

「休む上司」の下で若手が育つ

 実は、休み明けのOさんは、部下が仕事を進めていたことに一瞬焦ったという。

 「やっぱり休んでいると、自分の居場所がなくなるんじゃないか?」という感覚だ。しかし、思い切って発想を切り替えることができた。

 これだけ休んでも仕事は回るんだから、休んだ方がいいんじゃないか。それに、やっぱり長い休みはリフレッシュできる。その良さを実感できたことが大きかった。

 その年から、Oさんの「長い夏休み」は恒例になった。8月に殆ど出てこない年もあったが、「そういうものだから」とまわりも気にしなくなる。

 そのうちに「あのチームは若手が育つ」という評判になってきた。Oさん自身が働く時間が短くなるのと反比例するように、社内評価が上がりマネジメントを任されるようになった。

 CMづくりの第一線からは離れたけれど、リーダーとしての存在感はさらに強くなっている。

 「いかに働くか」ではなく、「いかに休むか」。あるいは「いかに上手に休ませるか」が、大切になってきた。それが、会社員特にミドル世代の評価につながりつつある。

 夏は、自らの仕事と生活を考え直すいい機会かもしれない。

今週の棚卸し

 「働き方改革」の波の中では、いろいろな試行錯誤がある。ことに「上手に休暇を使えるか」というのは、その人の能力だけで決まるものではない。Wさんのように心配性の性分が治らなかった人もいれば、Oさんのように発想を切り替えられた人もいる。

 うまく休めない人は、一度その原因を自分なりに考えてみてはどうだろうか。「業務が多いから」「自分がいないと仕事が回らないから」という“理由”は、往々にして思い込みであることも多い。

 休暇期間は、自分を知るいい機会でもあるはずだ。

ちょっとしたお薦め

 働き方について考えるのであれば、時短や生産性のような現実的な課題だけではなく、「そもそも働くとは?」という根本的なテーマについて思いを巡らすことも大切ではないだろうか。

 今回は、ちょっとヘビーであるがマックス・ウェーバーの名著『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』をお薦めしたい。

 学生時代にチャンレジした人もいるだろうが、中山元氏による新訳は読みやすく、注釈も豊富だ。

 第2章1節がキリスト教各派についての詳細な考察になっており、ここは少々手こずるかもしれない。ただしこの部分を理解しきれなくても、その後の展開は明快だ。

 腰を据えて読む時間があれば、ぜひ挑戦してみてはどうだろうか。

このコラムについて

ここでひと息 ミドル世代の「キャリアのY字路」
50歳前後は「人生のY字路」である。このくらいの歳になれば、会社における自分の将来については、大方見当がついてくる。場合によっては、どこかで自分のキャリアに見切りをつけなければならない。でも、自分なりのプライドはそれなりにあったりする。ややこしい…。Y字路を迎えたミドルのキャリアとの付き合い方に、正解はない。読者の皆さんと、あれやこれやと考えたい。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/032500025/080100034/


http://www.asyura2.com/17/hasan122/msg/846.html#c2

[経世済民122] アベノミクス復活の条件  制御不能のインフレ円安懸念 狂うCPI上昇の筋書、背景に高齢化 実質賃金減少 都合のいい働き方 酢
3. 2017年8月04日 12:49:15 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[709]
せめて自分を守ろう

宋 文洲

株の経験や知識を持つ人なら誰でも知っている単純なルールがあります。
「高値で買うな、借金して買うな。」しかし、今、この2つのルールを
同時に破って14兆円以上の株を買った人がいます。日銀の黒田さんです。

5回延期しても2%のインフレ目標に到達しなかった黒田さんはとうとう6回目の
延期を発表しました。これはもし企業ならばもう3回目あたりから株主から
退陣を要求されていたでしょう。または、こんないい加減な経営をすること
自体を恥じ、株主に言われる前に自ら目標修正か辞任かの措置をとることに
なったはずです。

株価を国家が買い支え、インフレ率も国家が設定し、達成するまで貴重な税金と
政策を投入し続ける経済体制は計画経済そのものであり、昔のソ連でもなかなか
真似できません。この経済の極端な左寄りになぜ保守勢力が黙っているかが
不思議なんです。

安倍政権は保守政権と言われています。確かに政治的には右寄りかもしれませんが、
経済はまったくの左翼経済であり、極左と言っても過言ではありません。

我々経営者の多くはどちらかといえば、保守に近い考えを持っています。
保守の一番の特徴は社会主義に反対し、市場経済の原理を尊重することです。
政府の在り方についてもなるべく小さな政府を好むのです。

国による借金がGDPの2倍である1000兆円を上回りました。未だに国民の純資産や
貯金を理由にこの借金を軽視する人が多いのですが、これはお金を持っている
親戚から借りたお金を返さなくてもいいという発想です。

しかし、借金は借金です。本当に返さなくなると国家の信用は墜落し、国民が
損するだけではなく、日本経済全体が取り返しのつかない信用危機に陥るのです。
その結末が平気だと言うならば外国人の私は文句を言えませんが、単にお金を
貸してくれた人たちがまだお金を持っていることを理由に借金を返さないと
言うならばとんでもないことです。

確かに財政出動で経済の活性化を促し、その結果、財政収入が増えやがて
財政悪化を食い止めるシナリオはあります。それならば日本経済の根底にある
問題に着眼し、既得権益を打破し、構造改革を断行し、経済成長に投資するならば
分かるのですが、日銀が国民から借金して買ったのは成長性のない日本の
既得権益者である大手企業の株です。

成長力で言えば日本の大手企業は最も成長力の無い部類に属します。日経225を
形成する銘柄をみれば分かるのです。時価総額トップ30社はここ30年の間に
あまり変わっていません。東電に東芝にシャープにソニー、どうですか、
これ以上に羅列する必要があるでしょうか。

フォーブスの企業ランキングでみると、世界トップ500に入った日本の大手企業は
90年代の半分になりました。要は衰退のチャンピオンです。安倍政権の金融政策
によって大手企業がキャッシュリッチになっているのになぜ彼らの株を国民から
の借金でさらに買い上げなくてはならないのでしょうか。株式市場の基礎知識を
持っていないのでしょうか。資金のニーズのないところになぜ無理やり借金して
まで資金を突っ込むのでしょうか。

考えらえることはただ一つ、それは単に株を上げたいからです。もし株価(実は
日経225の上昇ですが)を上昇させ経済好調を演出し、支持率の上昇につなげる
下心があれば、これは国家による株価操作です。個人なら明確な犯罪です。

株価が高止まりの昨年から日銀は株の買い入れ速度を上げて一年で6兆円も投入
したのです。借金して高く買う。もうわざと損するようなものです。
これは何かの末期現象ではありませんか。

また「反日」宋さんの言いたがりと思うのは自由ですが、同じことを薄々
考えている読者がいれば、しばらくは株を持たないことです。
せめて自分を守りましょうよ。

P.S.
前々回の宋メールでは、ファーウェイの初任給に関する日経記事の間違いを
指摘したのですが(http://r31.smp.ne.jp/u/No/4860247/4esWFIi4euKD_42725/170804001.html)、
さっそくそれに対抗する記事が毎日新聞から出ました。
ちゃんとファーウェイの日本人社員を取材した記事です。
http://r31.smp.ne.jp/u/No/4860247/83vCBGi4euKD_42725/170804002.html


今回の論長論短へのご意見はこちらへ↓
http://r31.smp.ne.jp/u/No/4860247/7BM998i4euKD_42725/170804003.html

※いただいたご意見は自動的にコメントに掲載されます。
名前も掲載されますので、問題がある場合はペンネームをご入力ください。
また、次回以降の宋メールでご意見を掲載させていただく可能性がありますので
ご了承お願い致します。

今までの論長論短はこちら↓
http://r31.smp.ne.jp/u/No/4860247/9Chndji4euKD_42725/170804004.html

宋のTwitterはこちら↓
http://r31.smp.ne.jp/u/No/4860247/2kFCF2i4euKD_42725/170804005.html
http://www.asyura2.com/17/hasan122/msg/846.html#c3

[経世済民123] 日銀の「粘り強さ」が想起させる「あの戦争 緩和効果強調、非常に危うい 日銀は再度検証、国債ETF減額必要 ドル100円へ 酢
2. 2017年8月08日 15:27:07 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[710]
コラム:ドルはなぜ下落を続けているのか

佐々木融JPモルガン・チェース銀行 市場調査本部長
[東京 7日] - 主要10(G10)通貨の年初来のパフォーマンスを見ると、米ドルは目下、「最弱通貨」となっている。2番目に弱いスイスフランに対しても5%弱下落、まさに独歩安の状態だ。

また、G10に主な新興国12通貨を加えた主要22通貨で見ても、ドルは最も弱いトルコリラと同程度のパフォーマンスであり、ほぼ最弱通貨と言って良い。

こうした状況下、ドル円相場は年初につけた118円台半ばから一時108円台まで下落、現状でも110円台で推移している(日本時間7日午後6時)。しかし、これも円が強いからではなく、ドル安が主因だ。円は、主要22通貨の中で下から数えて9番目に弱い通貨となっている。

実際、名目実効レートの年初来の動きを見ても、円が上下動し、結局、現在は年初とほぼ同水準に位置している一方、ドルはこの間、ほぼ一貫して下落基調にある。なぜドルは下落基調をたどっているのだろうか。

<投資資金が再び新興国に戻り始めた可能性>

ドル下落の背景としてまず指摘できるのがトランプ米政権を巡る状況だ。当社は、昨年11月のトランプ大統領当選を受け、2017年はその保護主義的な姿勢がドル安につながり、ドル円を下落させる可能性が高いと指摘した。

ただ実際には、トランプ政権はいまだに多くの政治任用ポストが決まっておらず、保護主義的な姿勢を強める以前の問題として、内政にてこずっている感がある。ドルに関しては、むしろロシアとの不透明な関係を巡る疑惑の高まりが下落につながるきっかけとなった局面が複数回あった。

また、ドル下落の2つめの理由として考えられるのが、新興国への資本の流れだ。この点を考察する上で重要なのは、2014―15年の動きである。この2年間、新興国の平均成長率が急速に鈍化した一方で、先進国経済は比較的堅調に推移した。そのため、両者の平均成長率の差は急速に詰まった(当社試算では、2015年には2.1%ポイントと2001年以来14年ぶりの僅差にまで縮小)。

そうした中で、米連邦準備理事会(FRB)は2014年初から量的緩和縮小(テーパリング)を開始、同年10月には債券購入を終了した。その後、利上げ期待が高まり、実際に2015年末には利上げを開始した。2014年、2015年の両年に、ドルが主要22通貨の中で最強通貨となった背景には、こうした流れがあった。

そして、その2年間を通じた主要22通貨のパフォーマンスを見ると、ドルが圧倒的に強かった一方で、新興国通貨は軒並み弱くなった。つまり、新興国から投資資金が米国に回帰し、その結果、ドルが強くなったものと考えられる。

ドルは2016年には最強通貨とはならなかったものの、さらに上昇。FRBが算出する実質実効レートで見ると、2016年12月に1990年以降の平均から10%割高な水準まで上昇し、ピークをつけた。

もっとも、2016年には新興国と先進国の平均成長率の差は再び拡大。2017年には新興国の成長率が回復するとの期待のもと、割高となったドルから一部の新興国へ、投資資金の流れが戻ってきているものと考えられる。実際、当社のデータによれば、今年に入ってから新興国市場に流入しているフローは、2012年以来の大きさを記録している。

<米金利動向だけでは説明できない>

ところで、FRBが利上げを継続できており、まだ利上げ期待が続いているということは、それだけ世界経済が安定しているということである。これは、投資家のリスクテーク志向が強いことを意味している。

通常、このような環境下ではドルや円は資本調達通貨として売られることになる。年初来、円もさほど強い通貨になっていないことも、こうした見方をサポートしている。

リスクテーク志向が強い状況下では、円の方が大抵「弱いドル」よりも弱くなり、ドル円は上昇するケースが多い。だが、今回の場合、これまでの数年間で、ドルは割高な水準まで上昇し、円は逆に割安な水準まで下落していたため、「弱い円」よりドルが弱くなり、ドル円が下落しているものと考えられる。

ちなみに、前回のFRBによる利上げ局面(2004年6月から2006年6月)でも、利上げ開始日から最後の利上げ日までのドルのパフォーマンスは主要22通貨中16位で、名目実効レートベースでは5%程度下落している。

しばしば指摘しているように、ドルが利上げ期待の高まりを背景に上昇するのは利上げ前までの数カ月間であることが多い。前回の利上げ局面でも、ドルは利上げ開始の1カ月半前までの4カ月間、力強く上昇し、主要22通貨中で最強通貨となっていた。

もちろん、当初予想されたほどFRBによる利上げ期待が高まらず、米長期金利が上昇しないこともドルの弱さの1つと考えられる。ただ、ドルと米長期金利の相関は不安定であり、米長期金利の動きをドルの弱さの主な要因として扱うのはやや無理がある。

確かに、過去1カ月間に限って見れば、フェデラルファンド(FF)金利先物市場が織り込む2018年末までの利上げ期待とドル名目実効レートの相関は急速に強まっている。しかし、それ以前の相関が不安定だったことを考えれば、過去1カ月間の動きだけを捉えて、どこまでドル下落の要因として指摘できるかは不透明である。

*佐々木融氏は、JPモルガン・チェース銀行の市場調査本部長で、マネジング・ディレクター。1992年上智大学卒業後、日本銀行入行。調査統計局、国際局為替課、ニューヨーク事務所などを経て、2003年4月にJPモルガン・チェース銀行に入行。著書に「インフレで私たちの収入は本当に増えるのか?」「弱い日本の強い円」など。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。

(編集:麻生祐司)


外国為替フォーラム
Photo
ドル110円割れ定着を阻む2つの防護壁=植野大作氏
2017年度がスタートしてから4カ月が経過。この間のドル円相場は110円を割ると下値が堅い一方、115円の手前では上値が重く、難解なレンジ取引となっている。 記事の全文

改造内閣にアベノミクス「変質」加速の芽=熊野英生氏
米国も「権威主義的国家」に向かうのか=河野龍太郎氏
ドルはなぜ下落を続けているのか=佐々木融氏
アベノミクス復活の条件=フェルドマン氏

コラム:ドルはなぜ年初来「最弱通貨」なのか=佐々木融氏

ドル下落、米金融政策と大統領選めぐる不安で=NY市場
コラム:北朝鮮有事の円相場シミュレーション=佐々木融氏
http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-tohru-sasaki-idJPKBN1AN11N?sp=true

FX Forum | 2017年 08月 7日 16:00 JST 関連トピックス: トップニュース

アングル:高値警戒感漂うアジア市場、「買い」シグナル持続

[シンガポール 7日 ロイター] - アジアの株と通貨は今年急速に上昇し、投資家の間では高値警戒感も広がっている。しかし割高感やリスクが高まった時に警戒信号を灯すはずの指標はいずれも落ち着いており、リスク資産への買いシグナルを発し続けている。

例えば、「恐怖指数」として知られるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ・インデックス(VIX指数).VIXのアジア版の1つで、中国株の変動率を示すVXFXI指数.VXFXIは今年、ほぼ常に18%前後で推移している。これは2014年以来の最低水準だ。

インドネシアルピアの1年物インプライド・ボラティリティ(予想変動率)は2012年以来の最低水準である6%前後。インドルピーの場合は2008年以来の低さとなっている。

これら指標の一部は過去に、相場が急変動する前に警告を発していた。例えば2015年6月に中国株が暴落する数週間前、VXFXI指数は2倍の38%に跳ね上がり、暴落の最中には58%に達した。

また、米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和の縮小(テーパリング)を示唆してアジア通貨などが急落した「テーパータントラム」の数週間前には、インドネシアルピアの予想変動率が18%に急上昇した。

このため、一部の投資家は自分が心配し過ぎなのかと思い始めている。

GAMインベストメント・マネジメント(チューリヒ)のアジア株ポートフォリオマネジャー、ジアン・シー・コーテシ氏は「市場は常に合理的なわけではない」と警戒し、相場変動の影響を受けにくい「ディフェンシブ株」を買っている。その一方で、一部のアジア市場のバリュエーションは相対的に低く、通貨も過大評価とは程遠く、企業収益見通しも改善しているため、楽観すべき理由は多いとも指摘した。

<ドル安>

今年はドル指数が9%下落しており、一段のドル安を期待してアジアの株や債券を買う投資家も出てきている。インド、中国、韓国株の年初来のドル建てリターンは30%前後に達した。

MSCI中国株指数の株価収益率(PER)は13倍と、2015年の暴落後の8倍前後からは上昇しているが、09年の15倍や07年の24倍にはなお距離がある。MSCI日本株指数の場合は14倍前後と、09年水準の半分だ。

ドル安によってアジア輸出企業の収益が損なわれる可能性や、米金利の上昇が世界の成長を損なう恐れは、投資家の視野に入っていない。

投資家はまた、北朝鮮のミサイル・核開発の脅威も気にかけていないようだ。

韓国国債のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は、2016年末からプレミアムが42─57ベーシスポイント(bp)で低迷している。これは15年9月の半分の水準だ。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのアジア通貨ストラテジー共同責任者、クラウディオ・ピロン氏は「次の段階、つまり軍事行動に進めば(米国と北朝鮮の)双方にとって大きな代償を伴うため、進めないと市場は想定している」と説明。ピロン氏自身は、そうした想定は危険だと考え、顧客に韓国ウォンKRW=を売って円JPY=を買う取引を勧めている。

(Vidya Ranganathan記者)

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http://jp.reuters.com/article/asia-market-idJPKBN1AN0MM?sp=true

グローバル化はアジアで前進−輸出の回復が成長を後押し

Enda Curran、Michael Heath
2017年8月7日 09:07 JST

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• 好調な世界経済を背景に貿易量が回復、アジア製品需要を押し上げ
• 米中の通商摩擦は引き続き最大の脅威か、鉄鋼供給過剰などで緊張

トランプ米大統領の保護主義論の中でグローバル化の話題が鳴りを潜めているが、アジアでは極めて異なる物語が展開している。
  輸出は回復し、各国政府は自由貿易協定を目指しており、米国の自動車メーカーは雇用を国内に戻すどころか、中国に新たな生産施設を計画中だ。年初は貿易戦争の恐れが不安視されたが、ここにきて世界各国の経済が7年ぶりに回復基調で足並みがそろい、そうした状況がアジア製品需要を押し上げている。
  だが、この状況は持続し得るのか。知的所有権問題や世界的な鉄鋼供給過剰、北朝鮮の核開発問題を巡る対中非難の高まりで、米中関係は再び緊張してきた。中国経済は減速する見通しで、米欧からの需要が大幅に増加する可能性は低いことから、世界貿易は弱まる兆しが見えていると、オックスフォード・エコノミクスのアジア経済責任者ルイス・クイジス氏(香港在勤)は指摘する。
  ただ物事を楽観的に捉える人々の目には、貿易の先行指標である製造業の輸出受注と運賃は依然高く、向こう数年の世界経済の成長は引き続き堅調な見通しに映る。貿易戦争の脅威はまだ残るが、これまでのところトランプ政権の対中姿勢は大統領選での論調よりもかなり控えめだ。

  シンガポール国立大学リークワンユー公共政策大学院のアジア・グローバリゼーション研究所上級リサーチフェロー、パラグ・カンナ氏は「地理経済学は地政学のようには明らかに見えない」と述べ、「グローバル化は極めて力強く前進しており、アジア域内の貿易は明らかに堅調に成長している」と指摘した。
  これは経済の好循環をもたらしている。台湾の貿易黒字は過去最高を記録し、ベトナムの輸出は急増。日本の輸出は7四半期連続で拡大。韓国の輸出は7月に20%増えた。中国の人民元建て輸出は1−6月期に前年同期比で15%増加した。
  エコノミスト調査によれば、8日発表予定の中国の貿易統計では輸出が7月にドル建てで前年同月比11%増加したと見込まれている。
原題:Globalization Is Thriving in Asia as Export Revival Buoys Growth(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-07/OUADZ86K50XS01

 


バフェット氏が望まない大台に接近、バークシャーの現金1000億ドル弱
Noah Buhayar
2017年8月8日 07:41 JST
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• 相場調整や弱気相場になればバークシャーの投資加速も−スミード氏

資産家ウォーレン・バフェット氏が近づかないでほしいと願うだろう大台が迫っている。
  バフェット氏が50年余りにわたって経営するコングロマリット、バークシャー・ハサウェイは4日、4−6月(第2四半期)末の手元現金が1000億ドル(約11兆円)弱だったことを明らかにした。

  この数字はバフェット氏が長年集めた事業群の圧倒的な収益力を浮き彫りにすると同時に、バークシャーには重荷でもある。同社は配当を支払っておらず、自社株をめったに買い戻さないため、バフェット氏はこれらの資金の投資先探しという困難な課題を抱えている。
  バークシャー株を含めて約60億ドルの運用に携わるウェッジウッド・パートナーズの最高投資責任者、デービッド・ロルフ氏は「この資金を運用に回せれば素晴らしい」が、「バフェット氏が所有したい企業のリストは極めて少ない」と指摘した。
  バフェット氏(86)は5月に行われたバークシャーの年次株主総会で膨らむ手元現金について、しばらく買収に大きく踏み込んでおらず、多額の資金をほとんど利息の付かない形で長期にわたって保有すべきではないとコメント。「問題は、投資に回すことができるだろうかという点だ。過去はわれわれの味方だと言えるが、電話が鳴ればもっと面白いだろうに」とネブラスカ州オマハに集まった株主に語っていた。手元現金には米国債などが含まれている。
  新たな投資先探しが難航する一因は長年にわたる強気相場かもしれない。株価が高値更新を繰り返す中、魅力あるディールを見つけることが一段と難しくなっているとエドワード・ジョーンズのアナリスト、ジム・シャナハン氏は指摘する。手元現金の積み上がりはバフェット氏が適切な機会を待つ姿勢の表れでもあり、相場の調整や弱気相場になればバークシャーの投資は加速する可能性があるとスミード・キャピタル・マネジメントのビル・スミード氏は予想する。
原題:Buffett Nears a Milestone He Doesn’t Want: $100 Billion in Cash(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-07/OUC3DG6S972801


 


2年前と様変わり−中国のレバレッジ解消でも世界から懸念聞こえず
Adam Haigh、Eric Lam
2017年8月8日 11:17 JST

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• ハードランディング予想はほとんどなくなっている
• 投資家は過去6、7年、常に中国を心配していた−ハーベスト

中国指導部は今年、金融リスクや地方当局の大きな支出を抑える最大級の取り組みを断行しているが、世界の投資家は中国に対する大きな懸念を示していない。
  ファンドマネジャーやストラテジストらを対象とする最近の調査では、世界の株式・クレジット市場の好調を脅かす恐れのある中国発のリスクを懸念する声はほとんど聞かれない。中国株バブルの崩壊が始まった数週間後に当局が人民元を突然切り下げ世界の市場が動揺した2年前の8月とは様変わりだ。
  
  中国に対し常に弱気な見方をする市場関係者は別として、今は11兆ドル(約1220兆円)規模の中国経済がハードランディングするとの予想はなくなっている。
  ハーベスト・グローバル・インベストメンツの香港在勤ファンドマネジャー兼アジア株式責任者ジューン・チュア氏は、「過去6、7年を振り返ると、投資家は常に中国について心配していた」と指摘。その上で同氏が運用に携わる国際ポートフォリオの中国株ウエートを最近高めたことを明らかにした。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iYXbOBsjaI3w/v2/-1x-1.png
  運用資産1140億ドルのハーベストは中国資産を最も運用している運用会社の1社だが、中国当局の資本規制もあり、顧客には中国本土外の居住者が多い。
  中国の資金を本土内にとどめておくことを狙ったこうした資本規制は、人民元相場の安定と元安進行観測の抑制に寄与し、対中懸念の解消に一定の役割を果たしている。ドルが広範に最近値下がりしていることもあり、2016年末まで3年連続で下落していた人民元は今年に入り3.3%上昇している。
  JPモルガン・チェースのアジア太平洋部門副会長ジン・アルリッチ氏は「プレッシャーがなくなった。人民元の安定が見受けられる。実際に元は今年ドルに対し上昇している。外貨準備高も安定した」と語った。
https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/igFglcZPjveE/v1/-1x-1.png
原題:China’s Big Leverage Crackdown Gets a Big Shrug From Markets (1)(抜粋)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-08/OUCDKC6KLVR401


 

年初から400%上昇した中国不動産株、一転下落−引き締め懸念じわり
Bloomberg News
2017年8月8日 09:29 JST

中国恒大の株価は7月27日に上場来高値を付けた後、22%下落
融創中国や碧桂園なども下落−下期の販売が打撃受けるとの見方

いつか終わらなければならなかった。年初から7月下旬にかけて株価が400%近く上昇した中国恒大集団の株価がここへきて下落傾向にある。中国の不動産開発株は総じて前例のないほどの値上がりを示し、中国恒大はその中心的存在だった。
  中国恒大はMSCIオールカントリー世界指数の構成銘柄の中で7月27日までの1年間の株価上昇率が首位だった。しかし同日に上場来高値を更新した後は22%下げ、現在は下落率で上位に入る。住宅価格抑制のために中国指導部が進める引き締め策の影響で7−12月(下期)の販売が打撃を受けるとの見方から、これまで上昇が目立っていた他の不動産株と同様、この1週間下げ基調だ。
  同業の融創中国は先月27日以降に11%下落、碧桂園(カントリー・ガーデン)は同期間に5.8%下げた。中国不動産への需要が非常に強い中でこれまで大きく買い上げられてきたことから、こうした下落はごくわずかにすぎない。融創中国はこの1年で237%、碧桂園は約200%それぞれ上昇した。
  Rhb・Oskセキュリティーズ香港の何志忠アナリストはインタビューで、「引き締め策への懸念が不動産開発セクターの全般的なセンチメントを損ないつつある」と指摘。高水準の債務を抱える不動産開発企業の株を投資家が売っていることもあって「碧桂園や中国恒大などが下げの中心になっている」と述べた。
原題:China Developers Sink as World’s Biggest Stock Rally Loses Steam(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-08/OUC9UI6K50XV01

 


FX Forum | 2017年 08月 8日 10:54 JST 関連トピックス: トップニュース
アングル:世界石油市場の支配固める中国、ライバルは戦々恐々
 
[シンガポール/北京 4日 ロイター] - 中国は今年、このペースでいくと、米国を抜いて世界最大の石油輸入国となる。アジアの燃料取引において支配を強めており、地域で最も重要な市場参加者としての地位を強固なものとしている。

政府統計によると、中国は今年上半期に初めて、米国よりも多くの原油を輸入した。中国の輸入量が平均855万バレル/日(bpd)であるのに対し、米国のそれは812万bpdだった。この傾向は、今後も続くと予想されている。

こうした変化は、世界の石油市場の中心が西洋から東洋に移ったことを示している。中国国営の中国石油化工(シノペック)(0386.HK)の商社部門ユニペックは今や、世界最大の石油貿易会社となった。石油輸入量を増やす中国は現在、米国に次いで世界第2位の石油消費国となっており、とりわけ上海の原油先物市場が成長するにつれ、同国は原油の世界価格の決定において、極めて重要な役割を果たすことになるだろう。

中国による石油輸入量急増の背景には精製企業の能力拡大がある。だが、その供給を吸い上げるほど国内需要は伸びておらず、ガソリンと軽油の輸出量は記録的水準にまで増加している。中国から輸出される大量の製品は、アジア諸国のライバル企業にとっては頭痛の種となっており、軽油の利益率は2016年、数年ぶりの低水準に落ち込んだ。

「中国は、東南アジアと豪州でのシェア獲得において、台湾や韓国、シンガポールといった従来の輸出拠点に対し、多くのプレッシャーを与えている」と、コンサルタント会社ウッド・マッケンジーのシニア・リサーチアナリストのジョー・ウィリス氏は指摘した。

石油精製能力の拡大と輸出増加の傾向は今後も続く見通しだ。

シノペックが最近行った説明会によると、中国は2020年までに精製能力を少なくとも250万bpd増やす計画だという。

中国石油天然ガス(ペトロチャイナ)は今年、南部の雲南省で26万bpdの能力をもつ製油所を稼働させる。一方、中国海洋石油(CNOOC)は広東省恵州にある製油所の能力を20万bpd拡大する見通し。双方とも2018年までフル稼働しないものの、これら新規拡大により、中国の精製能力は今年35万bpd増えることになる。

コンサルタント会社FGEとウッド・マッケンジーの推定では、中国からのガソリン輸出は今年、少なくとも前年比1万bpd増加する見通し。今年の海外ガソリン販売を23万5000─24万bpdに押し上げ、2018年は約33万bpdとなると予想している。

ユニペックは新たな海外市場開拓を主導しており、6月は数年ぶりにジェット燃料をシンガポールから欧州北西部に輸送した。一方、中国の対フランス軽油輸出は今年2倍以上に、イタリア向けは4倍以上になる見込み。また、ケニアに初めて軽油を輸出した。

<高品質な燃料>

中国企業の攻勢により最もあおりを受けるのは、シンガポールや韓国、台湾の石油製品を輸出する企業である。

「われわれは現在取引のある国々で顧客数を増やし、新規市場の多様化と開拓をはかっている」と、韓国のある精製企業関係筋は匿名で語った。

「市場にプレーヤーがもう1人増え、韓国企業に影響を及ぼしている」

日本とインドの石油精製企業は、比較的影響は受けないとみられる。

中国とインドは、アジア最大の石油消費国だった日本を上回っている。人口減や電力・輸送部門における代替燃料の使用増加により石油消費量が減少しているため、日本企業は精製能力を整理統合している。

一方、インド企業は急増する国内需要を満たすことに注力している。

中国の新しい現代的な精製企業は、オーストラリアのような厳しい燃料基準を設ける国々に製品を輸出するうえで、アジアの他の輸出国と競い合っている。オーストラリアへの軽油輸出は昨年、前年比7倍となる85万トンに増加。今のペースでいけば、今年も同程度の水準になるという。

電気自動車の使用や自転車・2輪車のシェアリングが増加し、中国国内需要が減速するなか、同国の石油精製企業はガソリン輸出を増やしている。

中国ガソリン需要の伸びは昨年6.5%だったのに比べ、今年は3.5─4%に減速することが見込まれると、FGEのスリ・パラバイッカラス氏は語った。

BMIリサーチによると、主にガソリンを燃料とする自動車の販売は昨年8.7%伸びたが今年上半期は0.7%に減速し、その一方で代替燃料で走る自動車の販売は52.9%上昇した。

(Jessica Jaganathan記者、Tom Daly記者 翻訳:伊藤典子 編集:山口香子)

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英国、南シナ海への軍艦派遣を計画 中国の反発必至

[シドニー 27日 ロイター] - 英国のファロン国防相は27日、南シナ海に来年、軍艦を派遣し、「航行の自由作戦」を実施する計画を明らかにした。同海域で領有権を主張する中国の反発は必至とみられる。また、欧州連合(EU)からの離脱交渉が本格的に始まった英国と、中国の関係が冷え込む可能性がある。

ファロン国防相は、同海域でのプレゼンスを高めると表明。ロイターに対して「この地域に来年、軍艦を派遣したいと考えている。南シナ海を航行するのに、中国に制約されるつもりはない」とし、「われわれは自由に航行する権利を持っており、それを行使する」と強調した。
http://jp.reuters.com/article/southchinasea-britain-idJPKBN1AD05Y


World | 2017年 08月 8日 11:54 JST 関連トピックス: トップニュース
中国が最も大きな代償を払う、国連の対北朝鮮制裁決議で=王外相

[北京 8日 ロイター] - 中国の王毅外相は、国連の新たな対北朝鮮制裁決議を巡り、中国は北朝鮮との経済関係が密接なことから最も大きな代償を払うだろうと述べた。

中国外務省が8日公表した声明によると、王外相は7日、マニラで開かれたフォーラムで、新たな決議は北朝鮮がミサイル発射実験を続けていることに対する中国と国際社会の反対姿勢を示したと指摘。「中国は伝統的に北朝鮮と経済的な結び付きがあるため、決議の実行では中国が主に代償を払うだろう」と述べた。

外相は「しかし、国際的な不拡散システムや地域の平和と安定を守るため、中国はこれまでと同様、関連決議全体の内容を完全かつ厳格・適切に実行する」と述べた。

中国はこれまで、対北朝鮮国連決議の実行にコミットしていると幾度となく主張しているが、一方で「通常の」貿易は影響を受けるべきではないとしてきたほか、一般の北朝鮮国民も影響を受けるべきでないと訴えてきた。

王外相はまた、国連決議は6カ国協議を再開すべきとも明示していると指摘。これは中国、ロシア、米国を含む全ての安全保障理事会メンバーが約束したことであり、約束は実行されるべきだと述べた。

さらに、ティラーソン米国務長官が、北朝鮮の体制転覆は目指しておらずどこかの時点で同国との対話を望むとした発言を完全に評価すると指摘。中国として、北朝鮮が米国からの前向きなシグナルに応じることを望むと付け加えた。

*内容を追加しました。

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http://jp.reuters.com/article/northkorea-missiles-idJPKBN1AO069

 

中国:7月の輸出入、伸び鈍化−エコノミスト予想も下回る
Bloomberg News
2017年8月8日 11:36 JST

中国の輸出は7月に伸びが鈍化した。世界の需要安定で米国との貿易戦争のリスクは緩和された。
  税関総署が8日発表した7月の輸出は人民元ベースで前年同月比11.2%増。輸入は同14.7%増。この結果、貿易収支は3212億元(約5兆3000億円)の黒字となった。輸出入の伸びは共にブルームバーグがまとめたエコノミスト予想に届かなかった。
原題:China Export Growth Pulls Back as Imports Reverse Major Gains(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-08/OUCHPA6K50XS01

 

 


汚職疑惑の南ア・ズマ大統領、無記名で不信任投票
2017/8/8 11:41
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 【ナイロビ=飛田雅則】南アフリカのムベテ国民議会議長は7日、ズマ大統領の不信任投票について無記名で8日に実施すると表明した。8年以上も政権を握るズマ氏には、汚職疑惑が取り沙汰され国民の不満が広がる。野党に加え、ズマ氏が率いる与党の有力者からも辞任要求が出ている。無記名投票により与党から造反者が続出すれば、ズマ氏は辞任に追い込まれる可能性がある。

8日に無記名での不信任投票が実施される南アフリカのズマ大統領(6日、南アで)=ロイター
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8日に無記名での不信任投票が実施される南アフリカのズマ大統領(6日、南アで)=ロイター
 「南アフリカの人々は議会に希望を見いだすことになる」と、ムベテ議長はこう語った。汚職疑惑や経済低迷を批判する野党は、無記名でのズマ氏への不信任投票の実施を求めていた。態度を留保したムベテ議長は憲法裁判所に判断を依頼した。6月に憲法裁はムベテ議長が投票の形式を決定する権限を持つと判断。議長の決断が注目されていた。

 南アの国民議会(下院)は400議席あり、与党のアフリカ民族会議(ANC)が249議席を占める。不信任案が成立するには過半数が必要。ANCの議員から50人以上の造反者が出れば、不信任案が成立し、ズマ氏は任期途中で大統領の座を追われることとなる。

 ここへ来てANCの有力者からも大統領批判が相次ぐ。ラマポーザ副大統領は金銭が重視される党の現状を指摘し、ズマ氏を非難。3月に突如、財務相を解任されたゴーダン氏は「別の人物が大統領になるべきだ」と公然と語る。ただ党内には依然根強い支持者もおり、不信任が成立するかは予断を許さない状況となっている。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGT08H01_Y7A800C1EAF000/
http://www.asyura2.com/17/hasan123/msg/102.html#c2

[経世済民123] 日銀の「粘り強さ」が想起させる「あの戦争 緩和効果強調、非常に危うい 日銀は再度検証、国債ETF減額必要 ドル100円へ 酢
3. 2017年8月08日 15:31:39 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[711]
コラム:ソフトバンク、業績の解読が一段と困難に

Quentin Webb

[香港 7日 ロイター BREAKINGVIEWS] - ソフトバンクグループ(9984.T)が7日発表した4─6月期連結決算は、取得した米半導体エヌビディア株の評価益が利益を大きく押し上げた。今回はテクノロジー分野に投資する「ビジョン・ファンド」を含んだ初の決算であり、グループが一層複雑化し、業績の解読がますます難しくなったことを浮き彫りにした。

ソフトバンクは5月にファンドの初回出資930億ドルを完了し、この際エヌビディア株(NVDA.O)を取得した。同株の急上昇による1070億円の評価益が寄与し、グループの営業利益は予想を上回る4790億円に達した。

もちろん、紙の上の利益も素晴らしいことには違いない。エヌビディア株の急上昇は、孫正義社長が投資について鋭い嗅覚の持ち主であることを証明した。

しかし、ソフトバンクの実態把握が難しさを増したことも明らかになった。利益が予想とかけ離れた数字になったことは、ファンドの設立によって収益が大きく振れやすくなった証拠だ。

しかもソフトバンクは米携帯電話子会社スプリント(S.N)の不振を修復するため、猛烈な勢いで大型買収を検討している。今年は既に米フォートレス・インベストメント(FIG.N)を33億ドルで買収したほか、中国の配車サービス大手、滴滴出行(ディディ・チューシン)に50億ドルを出資。他にも数多くのスタートアップ企業に出資している。

これほど目まぐるしく買収する投資家が、規律を保ち続けるのは珍しい。孫社長はソフトバンクの中核事業に注力する時間をほとんど持てなかったはずだ。

ソフトバンクは今や、大型のプライベートエクイティにしてベンチャーキャピタル投資家であり、同時に通信、電子商取引、ハイテクなど既存の出資先の運営にも関与する企業になった。株主はこうした企業と取っ組み合うことになる。ビジョン・ファンドは大きなリターンをもたらしてくれる可能性があるが、それは何年も先かもしれない。多くを左右するのは投資の量ではなく質だ。ファンドの利益分配、手数料、税金、マネジャーのインセンティブなども重要になってくる。

ソフトバンク株が、個々の事業の合計から推計される値に比べて大幅に割安な水準にとどまっているのは、この複雑さが理由かもしれない。株価は昨年51%上昇したが、ソフトバンクが筆頭株主である中国の電子商取引大手アリババ・グループ・ホールディング株(BABA.N)が81%も上昇したのに比べれば、ぱっとしない。一部の投資家はソフトバンクの実態を把握しきれないのだろう。

●背景となるニュース

*ソフトバンクグループが7日発表した7─9月期決算は、ビジョン・ファンドの評価益に支えられて営業利益が予想外の伸びを示した。今回は同ファンドを連結した初の決算。

*営業利益は50%強増えて4790億円(43億ドル)、売上高は2兆2000億円。トムソン・ロイターがまとめたアナリストの予想平均は営業利益が3260億円、売上高が2兆2000億円だった。

*米半導体会社エヌビディア株の評価益により、ファンドは営業利益に1050億円分寄与した。

*ソフトバンクは5月にファンドの初回出資を完了した際、エヌビディア株を取得したことを明らかにした。ブルームバーグによると、ソフトバンクの取得分は40億ドル相当で、出資比率は4.9%となる。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。


コラム:ソフトバンクのITファンドが描く詳細なきビジョン

コラム:ソフトバンク、フォートレス買収で賢く人材も獲得
ソフトバンクGが10兆円ファンド設立、IT分野の成長後押しへ
コラム:ソフトバンク社長の投資目線、巨大ファンドが影響も
http://jp.reuters.com/article/column-softbank-idJPKBN1AO08I


デリバティブ関連損失の計上に関するお知らせ

2017年5月10日
ソフトバンクグループ株式会社

当社は、2017年3月期の連結決算において、デリバティブ関連損失を計上しましたので、下記のとおりお知らせいたします。

1. デリバティブ関連損失の内容

2017年3月期の連結決算において、デリバティブ関連損失252,815百万円を計上しました。

主に、Alibaba Group Holding Limited(以下「アリババ」)株式先渡売買契約に含まれるカラー取引に関するデリバティブ評価損失を232,729百万円計上したことによるものです。

当該先渡売買契約の詳細は、2016年6月1日付「Alibaba Groupとの協力に基づく当社保有Alibaba株式の一部資金化(79億米ドル以上)に関するお知らせ」をご参照ください。
https://www.softbank.jp/corp/news/press/sb/2016/20160601_02/

なお、当該カラー取引については、毎四半期末の公正価値(主にアリババの株価に連動)に基づき測定します。ただし、当該デリバティブ損益は、当該先渡売買契約の締結時点(2016年6月10日)から決済期日までの3年間累計で9億米ドル(当初認識したデリバティブ資産と同額)の損失となります。

2. 当社の業績に与える影響

上記のデリバティブ関連損失の計上による業績への影響等については、本日(2017年5月10日)公表の「平成29年3月期決算短信〔IFRS〕(連結)」をご参照ください。
https://www.softbank.jp/corp/news/press/sb/2017/20170510_02/


17. デリバティブ取引

当社グループは特定の外貨建資産・負債および外貨建予定取引に係る将来の為替変動リスクを回避する目的で、為替予約取引を利用しています。また特定の金融負債に係る将来の金利変動によるリスクを軽減する目的で、金利スワップ取引を利用しています。

デリバティブ取引は、すべて営業活動に伴う金利変動リスクおよび為替変動リスクを回避するために行い、デリバティブ取引の市場リスクは基本的にはヘッジ対象の資産負債の価値の変動によって相殺されています。

当社のデリバティブ取引の契約先はいずれも信用度の高い金融機関であるため、信用リスクはないと判断しています。

当社はデリバティブ業務に関する社内規程に基づいてデリバティブ取引を行っています。

ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引は次の通りです。
https://www.softbank.jp/annual-reports/2013/ja/financialsection/notestoconsolidatedfinancialstatements/17derivatives.html


Alibaba Groupとの協力に基づく当社保有Alibaba株式の
一部資金化(79億米ドル以上)に関するお知らせ

調達資金を活用した財務体質の改善
「ソフトバンク2.0」に基づく規律ある財務戦略の遂行
Alibabaの筆頭株主かつ戦略的パートナーとしての緊密な関係を継続

2016年6月1日
ソフトバンクグループ株式会社

当社は、100%子会社であるSB CHINA HOLDINGS PTE LTD(以下「SB China」)が保有するAlibaba Group Holding Limited(以下「アリババ」)の普通株式の一部を資金化する一連の資金調達取引(以下「本取引」)を実施することについて、下記のとおりお知らせいたします。

具体的には、本取引は、(@)20億米ドル相当のアリババ普通株式のアリババへの売却、(A)米国証券法4(a)(7)条の届出書提出義務免除に基づく、4億米ドル相当の同社普通株式のアリババのパートナーからなるグループへの売却、および5億米ドル相当の同社普通株式の大手政府系ファンドへの売却、(B)新設されたMandatory Exchangeable Trust(以下「Trust」)による総額50億米ドルの他社株強制転換証券(Mandatory Exchangeable Trust Securities、以下「Trust Securities」)の発行、の3つで構成されています。

Trust Securitiesは、アリババの米国預託株式(以下「アリババADS」)に強制転換される証券であり、米国証券法のRule 144Aに基づく適格機関購入者(QIB)に対して販売されます。発行条件は、市場環境およびその他の条件に基づき最終的に決定されます。Trustは、引受会社であるTrust Securitiesの当初買付人に対して、上記に加え、総額10億米ドルのTrust Securitiesを追加で取得する権利(グリーンシューオプション)を付与することを予定しています。
https://www.softbank.jp/corp/news/press/sb/2016/20160601_02/


Column | 2017年 05月 22日 16:05 JST 関連トピックス: トップニュース
コラム:ソフトバンクのITファンドが描く詳細なきビジョン
Quentin Webb

[香港 22日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 明瞭さを欠いたままビジョンを持つことは可能だろうか。ソフトバンクグループ(9984.T)の孫正義社長にとってその答えはイエスのようだ。孫社長は、テクノロジー分野に投資する1000億ドル規模の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の初回出資が完了したと発表した。7カ月という短期間で、これまでにない規模となる930億ドルを調達した。

この資金を活用して中国の電子商取引大手アリババ・グループ・ホールディング(BABA.N)のような素晴らしい投資先を見つけることができれば、ソフトバンクの投資家にとって大当たりとなる可能性がある。しかし、現在のところ孫氏は重要な詳細について明らかにしていない。

ファンドには、サウジアラビア王国やアラブ首長国連邦アブダビ首長国の政府系ファンドのほか、米アップル(AAPL.O)、台湾のフォクスコン・テクノロジー・グループ(2354.TW)、米通信用半導体大手クアルコム(QCOM.O)、シャープ(6753.T)などが出資する。ソフトバンクは280億ドルを出資する予定。

すべて計画通りに進めば、ソフトバンクの投資家にとって夢のようだろう。通信・テクノロジー業界の複合企業が巨大なベンチャーキャピタルへと変貌を遂げようとしているのだ。

孫氏はソフトバンクのバランスシートを圧迫することなく、あらゆるものをインターネットでつなぐ「モノのインターネット(IoT)」など新興テクノロジーの分野で、より長期的な投資を行うことが可能となる。

見通しは魅力的だ。ソフトバンクは過去18年にわたるアリババやスーパーセル、ヤフーYHOO.O(4689.T)といったインターネット企業への投資で44%という高い内部利益率を誇る。

しかし、こうした状況は再現不可能かもしれない。セクターのバリュエーションは大幅に上昇しており、孫氏はかなり大きな獲物を捕獲する必要があるだろう。

だが仮に孫氏のチームがそれに近い状況をもたらすことができたなら、ファンドの投資家もソフトバンクも満足するだろう。ただどの程度満足できるかは不透明だ。

プライベートエクイティーファンドのような設定であれば、ソフトバンクの分配利益「キャリード・インタレスト」は理論上、数百億ドルに達する可能性がある。年間運用手数料も数億あるいは数十億ドルに上る可能性がある。

しかし、これらはすべて憶測にすぎない。ソフトバンクは手数料の額や利益分配の方法、投資継続期間などについてまだ明らかにしていない。ビジョンはソフトバンクが固める。詳細は決算報告で徐々に明らかになる可能性があるが、現在のところ孫氏が株主に提供しているのは、詳細に欠ける大きなビジョンだ。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
http://jp.reuters.com/article/column-softbank-it-fund-idJPKBN18I0MW


 


 


ソフトバンクの4−6月期純利益は98%減の55億円−投資損失、2571億 ドル100円 米債市場誤り 緩和効果強調危険


ソフトバンクの4−6月期純利益は98%減の55億円−投資損失 
古川有希
2017年8月7日 15:20 JST

ソフトバンクグループの4−6月期の連結純利益は、前年同期比98%減の55億円となり、市場予想の1780億円を大幅に下回った。前年同期に貢献したアリババ株式の売却益がなかった反動に加え、関連でデリバティブ関連損失2571億円を計上したことが響いた。
  7日の開示資料によると、売上高は前年同期比2.8%増の2兆1861億円(市場予想は2兆2010億円)、営業利益は50%増4793億円(同3237億円)だった。営業損益ベースでは、国内通信通信事業が減益となったものの、米携帯電話子会社のスプリント事業の好調が寄与した。
  ソフトバンクは5月、930億ドル超(約10兆円)の出資規模で中東の政府系ファンドや米アップルなどが参画する「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を発足。テクノロジー関連事業の強化に向け国内外の新興企業への投資を進めている。一方、米ケーブルテレビのチャーター・コミュニケーションズへの買収提案も浮上するなど規模拡大に積極的だ。
  
  野村証券の増野大作アナリストは決算発表前の取材で、「ビジョン・ファンドを含め、テクノロジーの事業を今後どのように強化していくのかに注目している」と話した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-07/OU5KOF6JIJUP01


ソフトバンクの4〜6月期、営業利益50%増 米携帯子会社が改善
2017/8/7 15:29

 ソフトバンクグループが7日に発表した2017年4〜6月期の連結決算(国際会計基準)は、営業利益が前年同期比50%増の4792億円だった。米携帯子会社スプリントの利益が改善した。売上高は3%増の2兆1860億円だった。

 スプリントは端末の売り上げが拡大したほか、コスト削減で利益が伸びた。投資先の米半導体大手エヌビディアの株式評価益も利益を押し上げた。

 純利益は98%減の55億円だった。昨年に中国電子商取引(EC)大手のアリババ株の売却益を計上した反動が出た。

 18年3月期の業績見通しは開示していない。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL07HZ5_X00C17A8000000/

Markets | 2017年 05月 10日 15:49 JST
ソフトバンクG、17年3月期営業益は+12.9% 市場予想下回る
[東京 10日 ロイター] - ソフトバンクグループが10日発表した2017年3月期連結決算(国際会計基準)は、営業利益が前年比12.9%増の1兆0259億円となった。米スプリントの回復や堅調な国内通信が利益を押し上げた。

ただ、実績はトムソン・ロイターが集計したアナリスト20人の予測平均値1兆1450億円を下回った。

売上高は前年比0.2%増の8兆9010億円だった。前年同期よりも円高水準にある為替レートがスプリントの売上高を目減りさせたが、ヤフーや国内通信でカバーした。

デリバティブ関連損失で2528億円を計上。さらに個別決算でもインドのインターネット通販大手スナップディール関連で1140億円の特別損失を計上したが、連結決算には影響ないという。

通期予想は業績に影響を与える未確定な要素が多いとして開示していない。

トムソン・ロイター集計によるアナリスト20人の営業利益予想の平均値は1兆2930億円となっている。

 *この記事の詳細はこの後送信します。新しい記事は見出しに「UPDATE」と表示します。 (志田義寧)
http://jp.reuters.com/article/%E3%82%BD%E3%83%95%E3%83%88%E3%83%90%E3%83%B3%E3%82%AF%EF%BC%A7-17%E5%B9%B43%E6%9C%88%E6%9C%9F%E5%96%B6%E6%A5%AD%E7%9B%8A%E3%81%AF%EF%BC%8B12.9%EF%BC%85%E3%80%80%E5%B8%82%E5%A0%B4%E4%BA%88%E6%83%B3%E4%B8%8B%E5%9B%9E%E3%82%8B-idJPT9N1HY036


 

Column | 2017年 08月 8日 11:48 JST 関連トピックス: トップニュース

コラム:一筋縄では行かない女性の就労促進政策

8月4日、トランプ米大統領の長女で大統領補佐官を務めるイバンカさんは、新たな子育て減税を提案しているが、それも予期せぬ結果を生む可能性がある。写真は2日、ホワイトハウスで開かれた軍幹部の配偶者とのミーティングに参加するイバンカさん(左)(2017年 ロイター/Jonathan Ernst)
Anastasia Chacon

[ワシントン 4日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 「女性に優しい」雇用促進政策は、必ずしも看板通りの成果を上げないことが多い。米国の7月失業率は、この16年で最低の4.3%だったが、女性の就労は過去と比べて活発とはいえない。トランプ米大統領の長女で大統領補佐官を務めるイバンカさんは、新たな子育て減税を提案しているが、それも予期せぬ結果を生む可能性がある。

7月の米国全体の労働参加率は62.9%とやや上昇したが、女性では約57%と、60%前後だった1990年代後半から2000年代初めにかけてと比べ低下している。イバンカさんの提案は、年収が25万ドル(約2700万円)未満の場合、課税所得から子育て費用を控除するという内容だ。米国の超党派組織の税政策センターの試算では、この控除の恩恵の70%は世帯所得が10万ドル以上の家庭に行く計算で、中間所得者層の支援としては不十分だ。

日本が教訓を提示している。安倍晋三首相は2013年、労働者の高齢化を補うため、女性の就労促進策を導入した。保育園費用などの補助金を拡大し、有給の出産・育児休暇取得を支援した。2016年には、女性の労働参加率は3ポイント上昇した。だが、文化的なバイアスの変化は遅く、政府は2020年までの管理職の30%を女性にするという当初の目標を、7%に引き下げざるを得なかった。パートタイム雇用や契約社員は、いまだに女性が大半を占めている。

一方チリでは2009年、女性社員が20人以上いる企業に対し、子どもが2歳になるまでの子育て費用を負担するよう義務付けた。2016年までに女性の労働参加率は約6ポイント上昇したが、雇用主側のコスト増が、女性の給与を直撃した。

世界銀行によると、エストニアでは、欧州でも出色の就労プログラムがあるにもかかわらず、女性の労働参加率は2011年以降足踏みしている。

イバンカさんの提案には、雇用主に有給の出産休暇の導入を義務付けることも含まれている。米国は、経済協力開発機構(OECD)加盟国で唯一、そうした義務付けがない国だ。2035年までにベビーブーマー世代の約800万人が労働力人口から「退職」し、一方でトランプ大統領が移民の制限を強化する方針を掲げていることを踏まえれば、より多くの女性に就労を促す方法を検討するのが賢明だ。

外国政府の成功例と失敗例を検討することは、ワシントンの政策担当者が失策を避けるうえで有益だろう。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

コラム:トランプ政権の現実に目覚めた米株式市場

コラム:米予算教書、空論前提のブードゥー経済政策
コラム:マクロン氏、当選後に訪れる「真の試練」
コラム:仏大統領選、極右と極左が火花散らす事態も
http://jp.reuters.com/article/usa-economy-breakingviews-idJPKBN1AO07O

http://www.asyura2.com/17/hasan123/msg/102.html#c3

[経世済民123] お嬢様学校の実態に異論 「金持ち自慢は一番嫌われるタイプ」(マネーポスト) 赤かぶ
1. 2017年8月08日 15:46:10 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[712]

>母親が専業主婦の子が多いので、自分も専業主婦になりたいという子は少なくない
>庶民的な家庭で育った人とは、少し意識は違う

大して変わらん

別に富裕層の子供に限らない

楽して生きたいという専業主婦願望は当然、庶民でも高く、しかも若い女性で増えている


http://www.garbagenews.net/archives/2251949.html
働く女性の想い、「本当は専業主婦になりたい」は3割強(2016年)


http://www.teria.com/~amadeo/050514.htm
内閣府2004年秋 調査 「女性が職業をもつことについて」
20代女性は「ずっと続ける方がよい」が44.9%と最も多かった一方で、「子どもができるまで」、「結婚するまで」と答えた人もそれぞれ10.7%、6.7%と70歳以上を除く他の年齢層より高かった


 

>医者や弁護士になりたいという女性よりも医者の人と結婚したいと考える女性が多い

甘いよ

医者といっても、リッチなのは極一部で

30台では、大部分は、年収1千万にも満たない

そして年収の高い自営の場合は、社会変化の影響をもろに受けるし

地方では休めないなど、いろいろリスクやストレスも多い

http://www.doctor-concierge.jp/nensyuu
医師全体(勤務医)の年齢層別・性別 平均年収
年齢層 医師の平均年収(男性) 医師の平均年収(女性)
30〜34歳 6,834千円 6,926千円
35〜39歳 9,143千円 7,795千円
40〜44歳 12,281千円 9,760千円
45〜49歳 13,966千円 13,382千円
50〜54歳 16,520千円 13,244千円
55〜59歳 17,688千円 12,727千円
60〜64歳 20,895千円 15,618千円
65〜69歳 16,768千円 13,563千円
70歳〜 14,497千円 6,670千円



http://www.asyura2.com/17/hasan123/msg/103.html#c1

[経世済民123] コンビニ「年収300万円社員」は魅力的なのか 正社員になりたくない人が半数もいるワケ(東洋経済) 赤かぶ
1. 2017年8月08日 15:56:59 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[713]

>コンビニ「年収300万円社員」は魅力的なのか

ケースバイケースだろ

結婚して40歳くらいになった時、またデフレ不況に逆戻りして、

しかも解雇されたら、もっと早く正社員になっておけばと後悔するかもね

会社が倒産した時でも、雇用保険があるし、正社員で苦労した人の方が、採用では有利だろう

そういう格差を減らすには、パートやバイトでも源泉徴収で雇用保険や年金税を必須にするしかないが

パート主婦にとっては迷惑以外の何者でもないだろうw



http://www.asyura2.com/17/hasan123/msg/105.html#c1

[政治・選挙・NHK230] あきらめの日本! 1%対99%の超格差社会の現状(simatyan2のブログ) 赤かぶ
5. 2017年8月08日 16:16:26 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[714]

>もちろん、この中にはトヨタの社長や政治家や高級官僚は入ってないでしょうね

無知だな

入ってるよ

政治家で、そういうのを売りにしているのもいるし

子供の送迎で批判されて、わざわざ自力でやっているのもいるが

逆に税金の使い方としては非効率だろうw

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E5%85%AC%E5%8B%99%E5%93%A1%E5%88%B6%E5%BA%A6%E6%94%B9%E9%9D%A9%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E6%B3%95


http://www.asyura2.com/17/senkyo230/msg/399.html#c5

[政治・選挙・NHK230] あきらめの日本! 1%対99%の超格差社会の現状(simatyan2のブログ) 赤かぶ
6. 2017年8月08日 16:22:51 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[715]

この投稿者は、かなり無知だな

>トヨタ 1時間でも残業すれば45時間分の17万円を支給する

違うよ

残業時間とは無関係に出るということだ

つまり45時間余分に働いても給料が変わらない裁量労働制だから

残業せず、きっちり終わらせるのが一番得ということ


ただし、たくさん働きたい(働かせたい)人も当然いるから

45時間以上の場合は、さらに追加で払うということで

基本給+非線形超過手当 というシステムだな


http://www.asyura2.com/17/senkyo230/msg/399.html#c6

[戦争b20] 遠のく「核兵器なき世界」被爆国の重い責任 北朝鮮「地球規模の乱世」を予想し核開発 トランプは中露韓から袋小路に 日本は  酢
1. 2017年8月08日 20:23:42 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[716]

冷泉彰彦
プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
核兵器廃絶のために、日本は理想と現実の両方を主張すればいい
2017年08月08日(火)16時30分

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核兵器廃絶のために、日本は理想と現実の両方を主張すればいい
日本政府は「安全保障上の現実論に立つ」と説明しているが Issei Kato-REUTERS
<現実にはアメリカの「核の傘」に守られているという理由から、日本は国連の核兵器禁止条約に反対しているが、そのような論理的総合性に意味はあるのか?>

7月7日に国連の本会議で核兵器禁止条約が採択されました。これを受けて、核保有国である米英仏の各国は、条約に加盟しない方針を明らかにしています。日本政府の立場も同様で、時事通信の報道によれば別所浩郎国連大使は記者団の取材を受けて、現状で条約に「署名することはない」と強調したそうです。

一方で日本は、過去長い間ずっと国連の本会議に対して「核兵器廃絶決議案」を提出し続けていました。また、「非核三原則」を国是として堅持していることも含めて、日本という国が国是として核戦争に反対していることは明らかです。

そうなのですが、この核禁止条約に関しては、これまで日本は一貫して「反対」して来ました。そのために、日本国内ではまるで現在の政府が核廃絶に消極的であるかのような印象が広がり、そうした政府の姿勢を批判する動きも続いています。どうして日本政府が核禁止条約に反対しているのか、分かりにくいことは確かです。

【参考記事】北朝鮮の核開発を支える中朝貿易の闇

これまでの政府の言い方を総合すると、3つの理由があるようです。まず1つ目には、核禁止条約は「国際的な安全保障環境の現実を無視している」という主張が背景にあると考えられます。具体的には、日本政府としては「核兵器の非人間性を訴える」という点と、「安全保障の上は現実論に立つ」という点の「両方を踏まえてきた」という発言が繰り返されています。

つまり、唯一の被爆国だから、核兵器の恐ろしさを発信する役割を感じているが、同時に核の傘に入って防衛をするという現実も踏まえて考えているというのです。ですが、核禁止条約は後者、つまり安全保障の現実を踏まえていないから反対ということのようです。

2点目として、以前から日本政府が指摘しているのは、日本は「核保有国と、非保有国の双方が協力して取り組めるものしか参加しない」というのを基本方針にしているということです。確かにこれはNPT体制、つまり1970年にスタートした「核拡散防止条約」の原点であり、そのNPT体制の創設に努力した日本とすれば、譲れない点なのだと思います。

この点からすれば、あらゆる核の使用を非合法化して、現在の保有国に廃棄を迫る核禁止条約には参加できないということのようです。

次のページ 日本のホンネは「核の傘」を有効にしておくこと


3点目としては、北朝鮮危機のように現在進行形である核拡散問題については、日本は、理念だけでなく実際に経済制裁や関係諸国の協議を通じて問題の解決に取り組んでいるのに対して、核禁止条約はこうした具体的な拡散防止策には役に立たないという理由です。

以上の3つがいわば外交のタテマエであるならば、その奥のホンネの部分には、現在の日本は、核の傘に入っているのだから、報復核攻撃を合法化しておかないと、核の傘は有効にならないという考え方があると考えられます。

そんなわけで、核禁止条約には入らないというのですが、どうも、この姿勢はバカ正直というもので、そんな論理的整合性に意味があるのかどうか疑わしいように思われます。核の潜在的攻撃目標にされているのは残念ながら事実なのですから、それに対して物理的には傘で備え、法律的には核禁止条約で反対しということを通じて、二重の備えをするという発想法は取れないものでしょうか?

つまり、理想論と現実論の両方が入っている条約しか入らないというのではなく、日本が理想論の条約と現実論の条約や措置などに二重に参加してしまえば、同じように「ダブルの備え」になるのではないかということです。

【参考記事】北の最高指導者が暗殺されない理由

また、核不拡散への取り組みについて、確かに日本は大国つまり核保有国主導の北朝鮮対策などに参加してきています。ですが、この際ですから、これに加えて、同時に「非保有国としての核不拡散の取り組み」のリーダーシップを取ってみてはどうでしょう?

「核保有国と非保有国が一緒に参加できる枠組み」でないと参加しないなどという「潔癖な」考え方ではなく、発想を少し変えて、保有国主導の不拡散の行動にも参加するが、非保有国主導の不拡散の行動もリードするという動きを日本がやってしまうというのは、できないものでしょうか?

これまで日本国内では、政府が核禁止条約に反対し、被爆者をはじめとする被爆地の人々がそれに対して怒るという対立をずっと続けてきたわけですが、このような対立は不毛でしかありません。

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冷泉彰彦

(れいぜい あきひこ)ニュージャージー州在住。作家・ジャーナリスト。プリンストン日本語学校高等部主任。1959年東京生まれ。東京大学文学部卒業。コロンビア大学大学院修士(日本語教授法)。福武書店(現ベネッセコーポレーション)勤務を経て93年に渡米。近著に『アイビーリーグの入り方 アメリカ大学入試の知られざる実態と名門大学の合格基準』(CCCメディアハウス)、『アメリカモデルの終焉』(東洋経済新報社)など。メールマガジンJMM(村上龍編集長)で「FROM911、USAレポート」(www.jmm.co.jp/)を連載中。週刊メルマガ(有料)「冷泉彰彦のプリンストン通信」配信中。
冷泉彰彦のプリンストン通信
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http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2017/08/post-933_2.php


 


 


 

北朝鮮の核開発を支える中朝貿易の闇
Risky Business
2017年8月8日(火)11時30分
ビル・パウエル(本誌シニアライター)

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北朝鮮は核ミサイルの開発を急ピッチで進めている KCNA-REUTERS
<本気になればできるはずなのに中朝貿易を取り締まらない、習近平の胸の内と試されるトランプの本気度>

中国・遼東半島の東の付け根に位置する町、丹東。最近では高速鉄道の駅ができて、高層マンションも立ったが、少し行けば寂れた国営工場と、陰気くさいビルがぽつりぽつりと立つだけの活気のない町だ。

だが丹東は、中国で最も重要な町の1つ。そして鴨緑江の向こう側に位置する北朝鮮にとっても、丹東は生命線と言っていいくらい重要な町だ。北朝鮮の対外貿易の約85%は中国が相手だが、その大部分は丹東経由なのだから。

丹東を経由して北朝鮮に入ってくる物資には、核爆弾とその運搬手段(ミサイル)の開発に必要な原材料や機材が含まれる。さらに重要なことに、こうした核・ミサイル開発に必要な資金の調達や支払いでも、丹東の銀行が窓口の役割を果たしている。いずれもアメリカと国連が制裁の対象としている違法な活動だ。

そんな制裁などあざ笑うかのように、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は、核・ミサイルの開発を進めてきた。アメリカの独立記念日である7月4日には、アラスカに到達可能な射程距離とされるICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射実験を実施。強気な発言を繰り返してきたドナルド・トランプ米大統領を挑発した。7月29日には、2度目のICBM発射に成功するなど緊張を高め続けている。

【参考記事】北朝鮮2度目のICBM発射実験は、アメリカと日韓を分断するワナ
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/08/2icbm.php

トランプはこれに先立つ6月20日、中国の影響力によって北朝鮮の核・ミサイル開発を阻止する戦略がうまくいっていないことを暗に認め、「少なくとも中国が努力したことは分かっている」とツイートした。

だが、中国は本当に北朝鮮に核開発を思いとどまらせるため、十分な努力をしてきたのか。「ノー」というのが、アメリカと一部のアジア諸国の専門家の見解だ。最近ホワイトハウスがまとめた対北朝鮮政策の見直しを受け、トランプ政権の内部では、アメリカと同盟国は北朝鮮に対する圧力をもっと強化できるという声が高まっている。

問題は、その方法が1つしかないことだ。つまり、北朝鮮に核開発に必要な資金とデュアルユース技術(民生用と軍事用の両方に使える技術)をもたらす中国企業を取り締まることだ。

中国政府を怒らせてもいいなら、それを実行するのはさほど難しくないだろう。北朝鮮絡みのビジネスをしている中国企業は5000社以上あるが、貿易自体は一握りの大手企業が独占している。だが、アメリカがこれらの企業を直接取り締まれば、米中関係にヒビが入りかねない。だから米政府は6月、北朝鮮との取引関係が著しく大きいとみられる10社(個人を含む)を取り締まるよう中国政府に要請した。

次のページ 北朝鮮の核保有は中国に都合がいい?

それにしてもなぜ、中国政府はこれらの企業の取り締まりに及び腰なのか。この点について、情報当局者たちの見解は一致しない。一部の企業集団が、中国政府と太いパイプを持つのではないかとみる向きもある。共産党全国大会をこの秋に控え、習近平(シー・チンピン)国家主席ら政府指導部は、有力企業を敵に回したくないのかもしれない。

中国政府の反応が鈍いのは、北朝鮮が核保有国であることが、実のところ中国にとって都合がいいからではないかとの見方もある。なまじ北朝鮮の力が弱くて、韓国によって朝鮮半島が統一されれば、中国にとってはすぐ隣にアメリカの手厚い軍事支援を受ける国が誕生することになる。北朝鮮に核があれば、そのような事態になる可能性は低いから、中国にとってもそのほうが安心だというわけだ。

【参考記事】北朝鮮初のICBMは日本の領海を狙っていた?
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/08/icbm-10.php

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金正恩体制のもと、北朝鮮の核開発は着々と進む KCNA-REUTERS
トランプは手玉に取られた?
中国が問題の10社を秋までに取り締まらなければ、アメリカは一方的に制裁を科すと、米政府は中国側に伝えている。そしてそれは口先だけの脅しではないことを、トランプ政権は行動で示した。米政府は6月30日、北朝鮮の核ミサイル開発のためのマネーロンダリング(資金洗浄)に関わったとして、丹東銀行への制裁を発表した。

7月5日にはニッキー・ヘイリー米国連大使が、「アメリカは(北朝鮮と)貿易を続けるいかなる国も見逃さない」と、明らかに中国を念頭に置いた警告を発した。さらにビンセント・ブルックス在韓米軍司令官は同日、アメリカと同盟国は、北朝鮮における核拡散を阻止するため、必要なら戦争をする用意があると明言した。

トランプ政権の「軌道修正」は、かなり劇的だ。トランプは選挙戦のときから中国の貿易政策や外交政策を厳しく批判していたが、4月の米中首脳会談は友好ムードに終始。習との会談後、中国と北朝鮮の間には長い複雑な歴史があることが分かったと述べ、「北朝鮮を脅して態度を改めさせるのは容易ではない」という中国の主張を暗に受け入れたようだった。

だが、トランプは習の手玉に取られたというのが、中朝貿易を観察してきた情報機関やシンクタンクの見方だ。中国がその気になれば、北朝鮮の核開発をくじくことは可能だというのだ。

中国は長年、北朝鮮と貿易をする中国企業は小規模な「ならず者企業」だという立場を取ってきた。コソコソと闇取引に精を出す民間貿易会社で、当局がしっぽをつかむのは難しいというのだ。ところが6月に、アメリカのシンクタンクC4ADS(先進国防研究センター)がまとめた報告書によると、北朝鮮が大量破壊兵器を獲得するために国外に確立してきた資金と物資の調達システムは「集中的で、限定的で、攻撃に弱い――つまり破壊する機は熟している」という。

次のページ 中国に数社の「窓口企業」

これはCIAと米財務省の分析担当官が長年言ってきたことと一致する。彼らが成功例として挙げるのが、05年のマカオの銀行バンコ・デルタ・アジア(BDA)に対する制裁だ。BDAは北朝鮮の資金洗浄に利用されていると見なされ、BDAと取引関係にある諸外国の銀行も含め、アメリカの金融システムにアクセスできなくなった。

北朝鮮はこの制裁で窮地に陥った。BDAには北朝鮮政府高官の個人資金も預けられていたとみられるが、制裁により2500万ドル以上の資産が凍結されてしまったのだ。「あれはアメリカがやってきたなかで最もうまく標的を絞った措置だった」と、スチュアート・レビー元財務次官は振り返る。

その2年後、北朝鮮は核交渉の再開に応じるから、BDAに対する制裁を解除してほしいと求めてきた。ブッシュ政権はこの取引に応じた。だが、核交渉は何の成果ももたらさなかった。

それから10年、北朝鮮がアメリカを核攻撃する能力を手にする日は近づいている。楽観論者に言わせれば、「その日」は早くて3年後。一方、悲観論者は1年半後とみている。

いずれにしても、その時が来たらアメリカと同盟国は重大な決断を迫られる。金を理性のある核の持ち主として扱い北への攻撃を思いとどまるか。それとも金を「予測不能」と見なし、対北朝鮮先制攻撃とそれに伴うはずの悲惨な戦争を選択するか――。

こうした状況を考えれば、トランプ政権が中国政府の怒りを買うリスクを冒そうとも、北朝鮮を支える中国企業の取り締まりに乗り出そうとしている訳が分かる。北朝鮮をめぐる論議に参加しているホワイトハウス関係者が言うとおり、「それ以外にまともな選択肢はない」からだ。

【参考記事】北朝鮮労働者がロシアW杯会場で「強制労働」? 事実なら大会開催権はく奪も
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/08/w-5.php

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中朝の国旗を売る丹東の行商人 Kevin Frayer/GETTY IMAGES
北朝鮮は「孤立とは程遠い」
制裁を発表した丹東銀行を除けば、トランプ政権は問題の10社について詳細を公表していない。とはいえ複数の米高官によると、今後予定する行動に関しては既に前例がある。

米政府に言わせれば、中国には北朝鮮の対外貿易・金融取引を手助けする数社の「窓口企業」が存在する。オバマ政権時代の昨年9月、米財務省はその1社である丹東鴻祥実業発展、および傘下の遼寧鴻祥集団を制裁対象に追加したと発表。併せて、米司法省が両社を刑事訴追した。

「理解すべき重要な点は、対北朝鮮貿易のより幅広い枠組みにおいて両社が独自の役割を果たしていることだ」と、C4ADSの報告書は指摘する。

米司法省の資料によると、丹東鴻祥は「中朝間の輸出入業務を手掛ける」貿易会社を標榜。グループ企業と共に、北朝鮮の政府組織に物資を調達する一方で、数億ドル相当の北朝鮮製品を買い付けて中国市場に流していた。その売り上げは、北朝鮮の核・ミサイル開発計画に不可欠なデュアルユース部品の購入資金として利用されたと、アメリカ側はみている。

丹東鴻祥は、北朝鮮にとっておそらくはるかに価値が大きい役割も果たしていた。米政府と国連の制裁対象である朝鮮光鮮銀行(KKBC)のフロント企業として、国際金融システムにアクセスすることだ。

KKBCは北朝鮮の核を含む兵器拡散の資金源とされ、09年以降グローバル金融システムから遮断されている。国内の主要銀行であるKKBCが国際市場で取引できなければ、北朝鮮は兵器開発用の部品や製品を提供する外国の業者に代金を支払うことができない。彼らは北朝鮮の通貨ウォンではなく、米ドルでの支払いを求めるからだ。

次のページ 中国企業の取り締まりが唯一の選択肢

窮地の北朝鮮を救ったのが丹東鴻祥だ。米司法省によれば「米ドルの取引制限を逃れる目的の下、丹東鴻祥は北朝鮮を拠点としてKKBCから資金提供を受ける企業と、外国の供給業者の間のドル取引の仲介役を務めた」。同社は2つの時期にわたって、KKBCの代理として総額1100万ドル超の取引を行ったと、米司法省は主張する。

取引の足跡を隠すため、丹東鴻祥は世界4大陸の6カ国に計43社のフロント企業やダミー会社を設立した。アメリカでも、少なくとも22社を通じて7500万ドル近くの金融取引を行ったと、米司法省はみている。

北朝鮮をめぐる定説とは裏腹に、実態は「孤立とは程遠い」と、C4ADSの報告書は指摘する。「幅広いネットワークのおかげで、制裁対象である北朝鮮の団体・個人は英領バージン諸島やセーシェル諸島、イングランドやウェールズや香港の会社の取引と見せ掛けて金融取引を行うことができた」

米政権関係者の考えによれば、丹東鴻祥のような企業を標的とする行動は北朝鮮の金融システムの最も脆弱な箇所、つまり合法的活動と違法な活動が交わる「要衝」への攻撃になる。ならば、なぜオバマ前政権は丹東鴻祥だけでなく、北朝鮮の窓口を務めるほかの中国企業を追い詰めなかったのか。

【参考記事】北朝鮮の「滅びのホテル」がいよいよオープン間近?
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/08/post-8118.php

中国を怒らせる覚悟はあるか
その問いの答えは、別の問いによって見えてきそうだ。すなわち、アメリカはどこまで中国を怒らせる覚悟をしているか――。

単発的な行動として、丹東にある企業に制裁を科すのは大きな問題ではない。実際、米財務省が丹東鴻祥を制裁対象に追加すると発表した際、中国政府が強く反発することはなかったようだ。自国企業の1つを犠牲にしても、北朝鮮に圧力をかける姿勢を示しておく必要があると考えたのだろう。

だがトランプ政権の複数の安全保障担当者は今、北朝鮮の核開発を阻止しなかったとしてオバマ前政権や中国政府を非難する姿勢を強めている。

「北朝鮮が(核搭載可能なICBMの)開発を進めていたなか、米政府や国連が制裁を強化したのは確かだ」と、トランプ政権のある高官は話す。「しかし大きな抜け穴があり、中国(企業)が見逃されていた」。オバマ政権は米中関係において北朝鮮問題ではなく気候変動問題を重視していたと、別の米高官は言う。

「北朝鮮に対して(核合意前の)イランへの制裁と同程度に効果的な措置が発動されたことはない」と、米政権の上級高官は語る。「それは中国が理由だったと言っていい」

その構図は変わると、トランプは宣言している。米政府が期限とする夏の終わりまでに中国が問題の10社に真剣に対処しない場合、アメリカは単独でそれらの企業を追及し、必要に応じて米金融システムから遮断すべきだ――米政府はそう判断している。

そんな事態になれば、もちろん中国は喜ばない。問題は怒りの度合いだ。世界2位の経済大国として力を増す中国には、その気になればアメリカを害する手段がいくつもある。中国市場から米企業を締め出し、アジアでのアメリカの重要な同盟国である日本や韓国に経済的圧力をかけるかもしれない。

それでも米政府がみるところ、北朝鮮とつながる中国企業の取り締まりは唯一の選択肢だ。さもなければ、戦争への道を突き進むしかない。朝鮮半島での戦争を望む者は中国を含めて誰もいない。そしてトランプは中国に最後のチャンスを与えようとしている。

東アジアは朝鮮戦争休戦以来、最悪の緊張状態にある。さらなる悪化も覚悟すべきだ。

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http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/08/post-8154.php

 


 


ロシアが北朝鮮の核を恐れない理由
Why Isn’t Russia Worried About Kim Jong Un’s Nukes?
2017年7月18日(火)18時00分
クリス・ミラー(米イエール大学グランド・ストラテジーコース副所長)

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ロシアのプーチン大統領は北朝鮮問題で中国と歩調を合わせる Alexander Zemlianichenko- REUTERS
<体制保障さえすれば金一族は合理的な考え方ができる人々だとロシアは考えている。安全が保障されれば、あとは北朝鮮とアメリカの間に冷戦時のような核抑止が働く>

アメリカの北朝鮮政策にとって、7月4日の米独立記念日はひどい1日だった。北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験に成功しただけではない。同じ日にロシアのウラジーミル・プーチン大統領と中国の習近平国家主席がモスクワで会談。共同声明で、朝鮮半島の緊張の沈静化に支持を表明し、北朝鮮の核・ミサイル開発凍結を求めると同時にアメリカと韓国にも合同軍事演習を中止するよう求めたのだ。

アメリカは別のアプローチにこだわり続けている。ここ数カ月は中国が北朝鮮を説得して核・ミサイル開発をやめさせるよう、対中圧力を強めてきた。先週ドナルド・トランプ米政権が、中国には単独で北朝鮮の核問題を解決する能力もしくはやる気がないと見限ると、北朝鮮企業と取引をする中国の企業や個人に対して金融制裁を科した。

【参考記事】北朝鮮のICBM、アメリカの対北抑止施策揺るがす=川上・拓大教授

一方トランプ政権は北朝鮮問題の解決に向けて、ロシアの協力も引き出そうとした。5月に北朝鮮がロシア極東のウラジオストク港沖の海域にミサイルを着弾させた時は、こんな声明を発表した。「ミサイルはロシア領土の至近距離まで到達した。実際、日本よりロシアに近かった。ロシアが喜んでいるはずがない」

ミサイル着弾しても定期航路開設
ロシアは朝鮮半島が非核化すれば望ましいと思っているが、実際は北朝鮮のミサイルをそれほど懸念していない。ロシアは北朝鮮問題への唯一の解決策は北朝鮮と交渉し、金正恩政権の存続を保障することだとみている。北朝鮮の核開発に歯止めをかけることは支持するが、経済制裁には慎重で、体制転換には断固として反対する。その点がアメリカの思惑と異なり、国際的な取り組みを根本的に妨げる要因になっている。

【参考記事】半島危機:プーチン静観は、北朝鮮よりトランプのほうが危ないから

ロシアが対北朝鮮で融和政策を好む理由の1つは自国の利益のためだ。5月に北朝鮮がロシア極東のウラジオストク方面へミサイルを発射したのと同じ週、北朝鮮はウラジオストク港との間に定期航路を新設した。

北朝鮮は国家として自給自足を目指す一方、ロシアとの間に驚くほど多くの経済的な結びつきを持っている。2国は石炭や石油製品を調達し合い、とりわけ燃料不足に悩む北朝鮮側に恩恵を与えている。正確な統計はないが、北朝鮮出身の多くの留学生や数千人の単純労働者がロシアに滞在し、特に極東地域に集中している。現状では2国間の経済協力の規模は小さいが、もしアメリカが北朝鮮への経済制裁を解除し北朝鮮が経済開放に舵を切れば、ロシアとの貿易が拡大すると期待する専門家もいる。

【参考記事】英「ロシアに核の先制使用も辞さず」── 欧州にもくすぶる核攻撃の火種

次のページ ロシア「金一族は合理的」

ロシアが対北朝鮮で融和政策を取る最大の理由は、北朝鮮の振る舞いに対し、アメリカやその同盟国と非常に異なった解釈をしているからだ。長年ロシアは、北朝鮮とわずかに国境を接しているにも関わらず、金一族に対してアメリカよりはるかに楽観的な見方をしてきた。冷戦初期、北朝鮮とソ連は共産主義の価値観を共有していたが、そうしたイデオロギー上の連帯感はとうの昔に消え去った。

ロシアは金一族は奇妙だが、合理的だとも考えている。金正恩が核兵器を手にしたのは本当だ。だがロシアのアナリストは、北朝鮮が核兵器で先制攻撃すれば、アメリカによる核の報復を受けて金も北朝鮮も破滅することを、金は承知しているとみる。冷戦時代に米ソに核兵器の使用を思いとどまらせた核抑止の論理が、北朝鮮の攻撃を回避するうえでも役に立つというのだ。そのため多くのロシアのアナリストは、北朝鮮が国家の安全保障に自信をもてて、アメリカによる軍事攻撃を抑止できるという点で、北朝鮮の核開発は朝鮮半島情勢の安定化に役立つと主張する。

脅しがもたらした核開発
ロシア政府が北朝鮮問題でアメリカと一線を画すのには、他にも理由がある。ロシアは中国と同じく、朝鮮半島が統一されて北朝鮮の政権がアメリカの同盟国に取って代わられる事態をまったく望んでいない。ロシア政府は中国に同調し、米軍による韓国への最新鋭迎撃ミサイル「THAAD(終末高高度防衛ミサイル)」配備に強く反発している。アメリカが東アジア地域に重点を置く限り、ロシアが今も最優先に掲げるソ連崩壊後の地域をめぐる争いにアメリカの目は行き届きにくい。そのうえ、金が譲歩しないことでアメリカが怒りの矛先を向けるのは中国だから、ロシアがアメリカに同調しないでいることは簡単だ。

実際ロシアの見方では、朝鮮半島を緊張させた責任は、北朝鮮だけでなく同じくらいアメリカにある。そうした見方からすると、そもそも金一族がミサイルや核を開発するのは自己防衛のためだという。「北朝鮮は通常、自分から仕掛けるよりやられたらやり返すタイプだ」と、ロシアの外交政策分析の第一人者で政治学者のフョードル・ルキヤノフは述べた。

「北朝鮮は、強がるのは賢明でないことをイラクのサダム・フセイン元大統領やリビアのムアマル・カダフィ元大佐の末路から学んだ上で、ミサイルや核を開発してる。ミサイルや核の存在が、他国による介入の代償を許容できないほど押し上げている」。ロシアのアナリストの多くは、アメリカが北朝鮮を体制転換させると言って脅しさえしなければ、そもそも北は核兵器開発の必要性を感じなかっただろうと主張する。

次のページ 経済制裁は効かない

北朝鮮は韓国の首都ソウルを射程に収める大量の通常兵器はもちろん、核兵器も保有するため、トランプが米軍による軍事攻撃をちらつかせる行為は北朝鮮による脅威と同じくらい危険だと、ロシアは考えている。ロシアの見方では、制裁は核実験やさらなる開発の凍結に一定の役割を果たすかもしれないが、北朝鮮が核開発を続ける背景にある論理は変えそうにない。すでに北朝鮮は深刻な食糧不足や経済が壊滅した状況でも存続可能だと証明した。ロシアの。アナリストはアメリカ側に問いかける。なぜ経済制裁を強化すれば、北朝鮮にとってアメリカに対する唯一鉄壁の防衛力である核兵器の開発を手放すよう北を説得できると思うのかと。

その問いかけは、アメリカが行動するうえで重荷になる。アメリカは朝鮮戦争で平和条約を締結しておらず、軍事的に北朝鮮を脅し続けているとロシアは指摘する。先日の北朝鮮によるミサイル発射実験後、プーチンは北朝鮮への批判を避け、北朝鮮とアメリカがともに方針を転換するよう呼び掛けた中国の立場を支持した。

ロシアはアメリカを責め続ける
アメリカは北朝鮮に対して核開発をやめるよう圧力をかける意思も能力もない中国に苛立ち、新たな選択肢を模索している。アメリカとしては、このまま北朝鮮に米本土を射程に収めるミサイルの開発や実験を続けさせる事態は避けたい。トランプが今年1月、北朝鮮が核弾頭を搭載したICBMで米本土を攻撃する能力を持つ可能性はないと約束した手前もある。米軍が北朝鮮の核関連施設を攻撃すれば、韓国や日本を巻き込む大規模な戦争に発展する危険性がある。

もしアメリカが北朝鮮の核開発を容認し体制存続に保障を与えるなど、北朝鮮政策を穏健なものにしていたら、ロシアも他国と足並みを揃え、北朝鮮に核・ミサイルの開発や実験をやめさせるよう圧力をかけたかもしれない。だがアメリカが北朝鮮への軍事攻撃や体制転覆を選択肢として残している限り、ロシアは金正恩だけでなくトランプにも責任を負わせ続けるだろう。

(翻訳:河原里香)

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国連安保理、北朝鮮に追加制裁決議 石炭などの輸出禁止
2017年8月7日(月)08時58分

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8月5日、国連の安全保障理事会は北朝鮮が7月に実施した2回の大陸間弾道ミサイル発射を受けて、新たな制裁決議を全会一致で採択した。国連で7月撮影(2017年 ロイター/Mike Segar)
国連の安全保障理事会は5日、北朝鮮が7月に実施した2回の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を受けて、新たな制裁決議を全会一致で採択した。これにより年間30億ドルに相当する同国の輸出の3分の1を削減できるという。

米国が提出した決議は、石炭や鉄鉱石、海産物などの輸出を禁止するほか、海外で働く北朝鮮労働者を現在の水準から増やすことや北朝鮮との新たな合弁事業などを禁じている。

ヘイリー米国連大使は「さらなる行動が必要だ。米国は自国や同盟国を守るために慎重な防衛手段を今後も取り続ける」と述べた。

中国とロシアは米国のミサイル防衛システムTHAAD(サード)の韓国配備を非難しているが、中国の劉結一国連大使は同システムの配備停止をあらためて要求。北朝鮮に対しては、緊張を高める行動を自重するよう促した。

トランプ米大統領は5日、ツイッターに「国連安保理が北朝鮮への制裁を全会一致で採択した。中国とロシアもわれわれに賛同した。非常に大きな経済的打撃だ」と投稿した。


[国連 5日 ロイター]
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/08/post-8145.php


中国外相「北朝鮮追加制裁は適切な対応、問題解決には対話不可欠」
2017年8月7日(月)09時37分

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8月6日、中国の王毅外相は、国連安全保障理事会が採択した北朝鮮への追加制裁について、一連のミサイル実験に対する適切な対応だとする一方、朝鮮半島問題は「重大な岐路」にあり、解決には対話が不可欠との認識を示した。マニラで行われているASEAN会議で撮影(2017年 ロイター/Aaron Favila)
中国の王毅外相は6日、国連安全保障理事会が採択した北朝鮮への追加制裁について、一連のミサイル実験に対する適切な対応だとする一方、朝鮮半島問題は「重大な岐路」にあり、解決には対話が不可欠との認識を示した。

外相は記者団に対し、危機の悪化を回避するためには外交的で平和的な手段が必要だと強調、「物事を決定し、行動するときには責任ある立場をとるよう全ての関係者に求める」と述べ、「制裁は必要だが、それが最終目標ではない」との見方を示した。

6カ国協議の再開が容易でないことは認識しているが、それが正しい方向だとの考えも表明した。

王外相はこの日、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会議の合間に北朝鮮の李容浩外相と会談。王氏は会談について、「非常に綿密な」協議を行ったとし、北朝鮮に対し、国連決議を冷静に精査し、核実験のような緊張を高めることにしかならない行動は控えるよう助言したことを明らかにした。北朝鮮側の反応については言及を控えた。

王外相はティラーソン米国務長官とも会談した。王氏は、北朝鮮について「具体的で有意義な」協議を行ったとし、新たな制裁決議は対話再開のための手段であるべきとの認識で一致したと述べた。

また、王氏はティラーソン長官に対し、制裁を「盲目的に」利用しても朝鮮半島問題の解決にはならないとの考えを示し、中国が提案している、韓国の軍事演習と北朝鮮のミサイル実験の「双方の停止」を米国が真剣に検討することを望むとの立場を伝えた。

王外相はこの日、韓国の康京和外相とも会談。王氏は会談で、米軍の新型迎撃ミサイルTHAAD(サード)では北朝鮮の大陸間弾道ミサイルを阻止できないと指摘し、「中国の安全が確保されていないという前提では、韓国の安全は構築できない」と言明した。


[マニラ 6日 ロイター]

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北朝鮮「国連の制裁決議は主権侵害、正当な行動とる」
2017年8月7日(月)17時42分

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8月7日、北朝鮮は、国連安全保障理事会が採択した追加制裁決議について同国の主権を侵害するとして非難、「正当な行動」をとると表明した。国営の朝鮮中央通信社(KCNA)が伝えた。提供写真。5月撮影(2017年 ロイター/KCNA)
北朝鮮は、国連安全保障理事会が採択した追加制裁決議について同国の主権を侵害するとして非難、「正当な行動」をとると表明した。国営の朝鮮中央通信社(KCNA)が伝えた。

同国は、米国が北朝鮮への敵対的な政策を維持する限り、核開発プログラムを交渉のテーブルに乗せることはないとのこれまでの姿勢を改めて示した。どのような行動をとるのか具体的には言及しなかった。

KCNAは「米国が自国の領土は海を隔て安全だと信じることほど大きな間違いはない」としている。


[ソウル 7日 ロイター]
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/08/post-8152.php
 


 
米国務長官、北朝鮮との対話示唆 ミサイル発射中止が条件
2017年8月8日(火)08時50分

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8月7日、ティラーソン米国務長官(写真)は、緊張状態が続く朝鮮半島問題を巡って、環境が整えば関係各国は対話を行うことが可能との認識を示した。写真はフィリピンの首都マニラで6日撮影(2017年 ロイター/Erik De Castro)
ティラーソン米国務長官は7日、北朝鮮が一連のミサイル発射実験を中止すれば米国は北朝鮮と話し合いをする用意があると述べ、対話のドアは開かれているとの姿勢を示した。

国連安全保障理事会は5日、北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験を受けて、新たな制裁決議を全会一致で採択。北朝鮮の石炭や鉄鉱石、海産物などの輸出を禁止するほか、海外で働く北朝鮮労働者を現在の水準から増やすことや北朝鮮との新たな合弁事業などを禁じており、これにより年間30億ドルに相当する同国の輸出の3分の1を削減できるという。

長官はマニラで開いた域内の安全保障会議の合間、記者団に対して、新決議の履行状況を注意深く見守ると表明。新決議について、世界が北朝鮮に何を望んでいるのかを示す力強いメッセージだと主張した。

同時に「環境が整えば、われわれは席に着き、北朝鮮の未来について対話することができる」とした上で「ミサイル発射を中止することが、北朝鮮にとって協議への準備が整ったという最善のシグナルになる」ほか、他の意思表示の手段も残されていると語った。

さらに、いかなる対話も、北朝鮮がどのように「安心感を得て経済的に繁栄できるか」が議題になると述べた。

長官は前週、対話再開には、北朝鮮がミサイル発射と核実験の両方を中止する必要があるとの見解を示していた。

米中の協議に詳しい米政府高官は、「ティラーソン長官は無意識にあるいは誤って核実験への言及を怠ったわけではないだろう」と指摘。

核実験への抗議は中国に任せ、それよりも「かなりハードルが低い」ミサイル発射中止を対話再開の条件として米国が要求するのが米国の立場だと説明した。

同長官はまた、ミサイル発射中止を判断する基準を何日間あるいは何週間と設定することはないと述べた。

次のページ 北朝鮮の反応は?

これについて北朝鮮からの直接的な反応はないものの、米国が攻撃を仕掛ければ、北朝鮮は米国を「ひどい目に遭わせる」と表明。北朝鮮は、米国が北朝鮮への敵対的な政策を維持する限り、核開発プログラムを交渉のテーブルに乗せることはないとのこれまでの姿勢を改めて示した。ただどのような行動をとるのか具体的には言及しなかった。

中国の王毅外相は6日、北朝鮮に対し、新たな制裁決議に「冷静に対応」するよう求めるとともに、「核実験など、国際社会に不利益をもたらすいかなる行動も起こすべきではない」と警告している。


[マニラ/ワシントン 7日 ロイター]
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/08/post-8156_2.php

 

北の最高指導者が暗殺されない理由
How (Not) to Kill Kim Jong Un
2017年7月21日(金)18時00分
アダム・ロンズリー(ジャーナリスト)


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北朝鮮が核開発を加速させるなか韓国は金正恩暗殺をにおわせている KCNA-REUTERS
<国内外で標的にされてきた歴史とトラウマが生んだ、「金王朝」と平壌を守る鉄壁の護衛を破れるのか>
1968年、韓国の仁川沖の実尾島(シルミド)で31人の特殊部隊が極秘に訓練を受けていた。使命は北朝鮮に侵入して金日成(キム・イルソン)主席を暗殺すること。しかし、彼らが平壌にたどり着くことはなかった。
暗殺部隊として創設された空軍2325戦隊209派遣隊の訓練は苛酷を極め、貧困者や犯罪者も含む兵士は虐待に等しい扱いを受けた。ゲリラ戦の演習では見張り役に足を撃たれ、上官の意に沿う成果を出さなければ棍棒で殴られた。6人が不服従で処刑され、1人が溺死した。
韓国の軍事政権が北朝鮮の最高指導者の暗殺を計画したのは、68年1月に朝鮮人民軍の部隊が韓国の首都ソウルに侵入し、朴正熙(パク・チョンヒ)大統領の暗殺を試みたことへの報復だ。同年4月には部隊が結成され訓練が始まったが、71年に暗殺計画は撤回された。
しかし、島に取り残された部隊の戦意は失われていなかった。その年の8月に兵士24人が蜂起。鍛え上げられたスキルで18人の見張り役を殺害し、船を盗んで仁川に渡り、バス2台を乗っ取ってソウルに向かった――自分たちを殺人兵器にしろと命じた人物を殺害するために。
だが、彼らは大統領官邸にたどり着くことはできなかった。ソウル市内の路上で銃撃戦となり、手榴弾で自爆する者も。生き残った兵士も死刑に処された。
【参考記事】ロシアが北朝鮮の核を恐れない理由
もっとも、彼らが平壌を目指したとしても、結果は同じだっただろう。暗殺作戦を実行しても生きて帰れる可能性がほとんどないことは、上官たちも分かり切っていた。
北朝鮮が侵入者を寄せ付けないことは周知の事実だった。機密解除されたCIAの文書によると、60年代後半に韓国の情報機関は、北朝鮮領内で諜報活動を行っても「人員を失うだけの可能性が高く、成果はゼロかゼロに等しい」ため「真剣には努力しなかった」。
あれから半世紀近く。今なお北朝鮮に君臨する金一族に対し、再び暗殺計画がうごめいている。北朝鮮の弾道ミサイルと核兵器の開発は加速しており、ジェームズ・マティス米国防長官も、地域の最大の脅威で、アメリカの直接的な脅威だとしている。
北朝鮮の核開発を食い止めるための政治的な選択肢は、あまり希望が持てない。米国防総省は軍事的な選択肢も検討しており、16年の米韓合同軍事演習には、北朝鮮首脳部を襲撃する任務を帯びた部隊が参加したという見方もある。
韓国は、軍事独裁政権の過去も、個人的な報復から敵将の暗殺を試みた過去も忘れようとしている。しかし、核の脅威が高まり、度重なる示威行動にいら立つ韓国政府は、戦争が始まれば直ちに金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長を殺害するとの計画を隠そうとしなくなった。
次のページ さまざまな暗殺計画
命を賭して将軍を守る
もっとも、金一族にとって暗殺の恐怖は、現実でも想像上でも長い歴史がある。弾道ミサイルに点火するはるか前の、日本の植民地下にあった30年代から共産主義圏が崩壊する90年代まで、さまざまな暗殺計画が企てられてきた。
しかし、国内外の勢力から追い詰められても、彼らは生き延びてきた。それは持ち前の生存本能や、不十分な暗殺計画のおかげであり、護衛団と秘密警察と情報機関の緻密なネットワークの成果でもある。
金一族が初めて命を脅かされたのは30年代後半のこと。中国共産党が率いる抗日パルチザン運動に参加した金日成は、満州と朝鮮でのゲリラ活動で名を知られるようになった。日本の憲兵は彼を標的に「特殊活動部隊」を結成し、恩赦を餌にゲリラ兵を寝返らせた。
彼らは日本側と内通していた情報提供者と共に、自分たちの指揮官だった人物を狙った。この裏切りの教訓を、金日成は生涯、忘れることがなかった。
ゲリラ時代に金日成を守った護衛団の中には、後に最初の妻となり、金正日(キム・ジョンイル)総書記を生んだ金正淑(キム・ジョンスク)もいたとされる。彼女は金日成の盾となり、葦の茂みに潜む敵兵をライフルで撃ち殺したという。ほとんど伝説の域だが、命を賭して最高指導者を守るというプロパガンダとして語り継がれている。
第二次大戦後の最初の暗殺計画として確認されているのは、46年3月1日に平壌駅前の広場で起きた未遂事件だ。
朝鮮の独立運動記念日の集会で演壇に立った金日成を目がけて、南朝鮮が送り込んだとされる暗殺犯が手製の手榴弾を投げた。列席する要人の護衛に当たっていたソ連兵のヤコフ・ノビチェンコが身を投げ出して弾を遮り、右手を失った。
事件は、金日成とノビチェンコの間に生涯にわたる友情を生んだ。80年代半ばには、ソ連と北朝鮮の「友情」を描く陳腐な伝記映画の題材にもなった。
ちなみに事件の真相について、ソ連軍特別プロパガンダ部門の副責任者で、北朝鮮指導部と協力関係にあったレオニード・バシンは後に、より懐疑的な見方を記している。その主張によれば、手榴弾は金日成から約30メートル離れた地点に着弾したため、大した脅威ではなかったという。
次のページ 抑圧国家へ変貌
40年代に金日成の身を守った護衛団を基に、北朝鮮は世界で最も抑圧的な警察国家の1つ、金一族の利益のために存在する国家へと変貌していく。抑圧のために構築されたシステムの内部には、幾重もの層から成る警備体制が出来上がった。
その中核は通称「第6局」から選抜される5〜6人のエリートだ。第6局は最高指導者の護衛を担う部署。アメリカのシークレットサービスに相当するが、人員の規模は約20倍に及ぶ。
金一族をはじめとする上層部の身辺警護を担当するのは、兵力約10万の護衛司令部。そのうち、長年にわたって忠誠心を示し続けた高官のみが金一族の身辺を警護する。
この中心層を囲むのが、護衛司令部のほかのメンバーから成る層だ。彼らは金正恩の行事出席や公的訪問の際に周辺を警護するほか、各地にある最高指導者の邸宅の警備を行う。
首都防衛を担うのは、平壌防衛司令部と平壌防空司令部だ。戦争勃発、あるいはクーデター発生時に市内で戦闘などの任に当たる。そして最後にして最も重装備の層を構成するのが、北朝鮮人民軍第3軍団。西部の港湾都市・南浦から平壌に至る地域を警備している。
【参考記事】軍事でも外交でもない、北朝鮮問題「第3の解決策」
体制離反やクーデターの動きを早期に察知すべく、監視機関も設置されている。国家安全保衛部が密告者ネットワークを通じて市民の日常生活を監視する一方、朝鮮労働党幹部の監視は組織指導部が実施。軍内部では、保衛司令部が軍人担当の秘密警察として機能している。
これら対内諜報・治安機関の任務遂行を助けているのが、最高指導者への個人崇拝の徹底だ。この国では、金一族は神に等しい「信仰」の対象。その殺害をもくろむのは、多くの国民にとって単なる裏切りどころか冒瀆行為だ。皇帝支配時代の中国と同様、「逆賊」は一門そろって処罰されるという恐怖が浸透し、暗殺計画の防止に役立っている。
存在を消された第6軍団
最高指導者の護衛体制が最大の試練にさらされたのは90年代、金日成から金正日への世代交代期だ。当時、89年のベルリンの壁崩壊と91年のソ連崩壊で東側諸国がドミノ倒しになり、北朝鮮も後に続くのではないかという声は多かった。
地政学的な変動だけではない。金正日が後継者となることへの不満が国内に漂い、北朝鮮から漏れ聞こえるクーデター計画や暗殺未遂事件の噂が日本や韓国のメディアを騒がせた。
次のページ 過酷な処分
90年代前半にはアン・チャンホ上級大将ら、ソ連のフルンゼ陸軍士官学校への留学経験がある軍人30〜40人による暗殺計画の存在が報じられ始めた。彼らは、92年4月の朝鮮人民軍創建60周年記念軍事パレードの最中に、戦車砲で金父子を殺害する計画だったという。
「アンが解任・逮捕されたこと、ソ連や東欧の軍事大学卒業者が捜査対象になったことは、メディアの報道や脱北者の発言など多くの材料によって裏付けられている」。ジョンズ・ホプキンズ大学米韓研究所の客員研究員で、北朝鮮を専門とするマイケル・マッデンはそう指摘する。「だが、アンが実際に計画に加担したかどうかは別の話だ」
さらに金日成が死去した翌年の95年には、北東部の咸鏡北道を拠点とする北朝鮮人民軍第6軍団がクーデターに向けて動いたとされる。
「クーデター計画は治安機関が察知したのでなく第6軍団内部から漏れた」と、米海軍分析センター国際情勢グループ責任者で、北朝鮮治安機関に詳しいケネス・ゴーズは言う。「第6軍団長(だった大物軍人の金永春〔キム・ヨンチュン〕)が国家安全保衛部長に密告した」
本当にクーデターが企図されたのか、それとも(ゴースが指摘するように)実は資産の獲得争いが起きていたのか、疑問の余地は残る。いずれにしてもこの一件は、「完全な支配」を建前とする体制にとって憂慮すべき出来事だった。
第6軍団は過酷な処分を受けた。「最も信頼できる話によれば、上級指揮官を縛り上げて兵舎に残し、建物に火を放った」と、マッデンは話す。現在、第6軍団の存在は北朝鮮の公的記録から抹消されている。
金正日は激動の90年代を乗り越えて権力基盤を固め、息子の正恩への世襲を確実にした。しかし核開発の進展で北朝鮮による核攻撃の可能性が高まり、先制攻撃における北朝鮮の指揮系統の攪乱が新たな急務となっている。
「これは珍しいことではない。皆が話題にし、大騒ぎしているが、北朝鮮には標的になる指導部の施設がいくらでもある」と元米特殊部隊将校で在韓特殊作戦軍にいたデービッド・マクスウェル陸軍大佐は言う。
「指揮統制施設、平壌からの移転施設、戦争中に金正恩が使用するかもしれない別荘――以上は全て少なくとも監視対象に、極端な場合はその場に居合わせた人々も標的になる可能性がある」
戦争において敵将を倒すというのは目新しい考え方ではないが、韓国軍は近年、北朝鮮トップを暗殺する能力を従来以上に声高にアピールしている。韓国陸軍の特殊戦司令部は昨年、先制攻撃が必要となった場合に金正恩らを暗殺する特殊部隊を創設すると発表。一方、北朝鮮は米韓の新奇な企てを「北朝鮮に対する生物化学兵器を使った国家ぐるみのテロ」と非難した。
【参考記事】ICBMはミサイル防衛システムで迎撃できない
イラク侵攻の二の舞いに?
だが韓国の特殊部隊が標的の金正恩に近づく道のりは険しい。まず北朝鮮に侵入するのに、米空軍特殊作戦司令部か米陸軍の特殊司令部の精鋭ヘリ部隊である第160航空連隊の力が必要になる。黄海にある韓国と北朝鮮の軍事境界線、北方限界線(NLL)を越えたら、北朝鮮人民軍の第3軍団が海からの侵入者を平壌に入れまいと待ち受けている。
「第3軍団と第4軍団の守りが突破されたら、敵は首都を区画ごとに防衛して時間を稼ぎ、その間に金正恩と護衛司令部が指導部を北朝鮮中北部に移す構えだ」と、北朝鮮軍に詳しいジョセフ・バーミューデスは言う。
次のページ 勝算は低い
米軍特殊部隊は9.11同時多発テロ以降、その手の奇襲攻撃をパキスタンやソマリアやリビアで何度も実施し、逃走中のテロ組織幹部を拘束・殺害してきた。だが、重武装の国家を相手に同じことをやろうとしても勝算はかなり低い。「映画の題材にはいいだろうが、現実には一筋縄ではいかない」と、マクスウェルは言う。
最も現実的なのは、アメリカか韓国が集中砲火を浴びせることかもしれない。昨年9月、北朝鮮による核実験を受けて、韓国は「大量反撃報復」計画を発表。核攻撃の兆候があれば金正恩ら指導部に関係のある区域を弾道ミサイルや巡航ミサイルで壊滅させる構えだ。その4年前には巡航ミサイル「玄武3」などの公開試験を実施。平壌の錦繍山記念宮殿を模した標的にミサイルをぶち込んだ。
しかし指導者のいる場所にたどり着くための情報がなければ、ミサイルも特殊部隊も無意味だ。北朝鮮のような手ごわい標的について、その手の機密情報を入手しようとするのは無謀とも思えるが、韓国側は強気だと、ミドルベリー国際大学院東アジア不拡散プログラムのディレクターであるジェフリー・ルイスは言う。
「本当の意味で成功したためしはないのに、軍や政治の指導者は指導者暗殺作戦に引き寄せられる」
似たような例としてルイスは03年のアメリカによるイラク侵攻を挙げる。米軍は当時スパイからの情報を基に、バンカーバスター(地中貫通爆弾)と巡航ミサイルを搭載したステルス機をサダム・フセインが潜伏していると思われる場所に派遣した。しかし実際には独裁者の姿も幹部用の塹壕も見当たらず、フセインが拘束されたのはそれから8カ月後だった。
仮にアメリカか韓国が金正恩に対する先制攻撃に成功したとしても、北朝鮮は通常兵器を使って韓国と在韓米軍(2万5000人)に壊滅的な打撃を与えることができる。金の死後、北朝鮮人民軍が武装解除に応じるかどうかも定かではない。マティス国防長官はアメリカが北朝鮮との戦争に勝ったとしても「人命被害は朝鮮戦争以降最も深刻になる」はずだと語った。
金正恩が死んでも北朝鮮の問題は終わりはしない。金一族が代々受け継いできたのは政権だけではないからだ。北朝鮮の「王家」は数十年に及ぶ暴政と国民の窮乏という形で北朝鮮社会に深く根を下ろしてきた。
国が今後の紛争の痛手からすぐに立ち直り、よりよい社会を築ける見込みは薄い。結局、北朝鮮の人々は金一族の最後の1人が権力の座を追われた後も、長い間、最高指導者たちの亡霊に苦しめられることになるだろう。
金一族最後の1人の抹殺作戦が血なまぐさいものになるのは必至。だが本当に大変なのはそれからかもしれない。
From Foreign Policy Magazine
[2017年7月18日号掲載]

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http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/07/post-8026_5.php

 


北朝鮮の「滅びのホテル」がいよいよオープン間近?
2017年8月2日(水)17時30分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
ピョンヤン市内にそびえ立つ「滅びのホテル」 Bobby Yip-REUTERS
<着工から30年の時を経て、一時は中断されていた北朝鮮の幻の高層ホテルが遂にお披露目へ>
北朝鮮の首都ピョンヤンで建設が中断し、一時は忘れ去られかけていた「柳京ホテル(リュギョンホテル)」のオープンが近づいているようだ。105階建、高さ330メートルの超巨大ホテルに接続する2本の道路が開通し、建物の全貌が明らかになった。AP通信によると、7月27日、ホテルの正面に看板が取り付けられた。
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NK NEWS
✔@nknewsorg
Entrance wall to Pyongyang’s Ryugyong Hotel demolished http://buff.ly/2uECLjQ
17:12 - 2017年7月27日
Twitter広告の情報とプライバシー

工事が始まったのは、およそ30年前。1988年開催のソウルオリンピックに対抗して、社会主義国家の祭典「第13回世界青年学生祭典」の開催に華を添える、国家の威信をかけた一大プロジェクトだった。
初期の建設費だけで国内総生産(GDP)の2%に相当する、この巨大な建設プロジェクトは無謀だった。工事の進捗は予想通りに遅れ、青年学生祭典にも間に合わなかった。このときは急きょ、別のホテルを2つ建てて、やり過ごした。一方この巨大ホテルは、備品はおろか窓も外装すらないまま放置され、メディアからは「滅びのホテル (Hotel of Doom)」と呼ばれていた。
【参考記事】【写真特集】時空を超越した北朝鮮の建築アート
北朝鮮は2008年に工事を再開。それまでに7億5000万ドル以上を費やしていた。さらにロイターの報じた試算では、追加で20億ドルが必要だった。
政府としては、2012年の金日成国家主席の生誕100周年の祝賀行事の一環としてホテルを完工したかったが、またしても叶わずに終わった。アメリカの北朝鮮専門ニュース サイト「NKニュース」によれば、2011年にホテルに窓ガラスが設置されたのを最後に、工事は中断していた。
【参考記事】北朝鮮エリートはSNS大好き 毎日チェックを欠かさない
次のページ 電気供給も確認
滅びのホテルに灯り
事態が動いたのは2016年12月。アメリカが入手した映像から、滅びのホテルの中で動く光が確認された。安定して電気が供給されていることを示している。
もともとの計画では、客室3000、展望エリアに回転レストラン、居住スペース、会議場など盛りだくさんの複合施設になる予定だったが、北朝鮮は計画を縮小し、実際には、客室150、ショッピング施設、オフィス、レストラン、宴会場を備えた施設として開業するとみられる。
【参考記事】世界最恐と化す北朝鮮のハッカー
過去に旅行ツアーも
一時期は、建設現場を観光コースに取り入れた外国人向けのビジネスも展開していたが、建設の中断を機に、それも取り止めになった。
2012年9月、北朝鮮の認可を受けた、中国・北京を拠点にする旅行会社「高麗ツアーズ」は、柳京ホテル訪問を敢行した。高麗ツアーズの担当者によると、内部はまだ建設途中だったが、ロビーや会議室は完成間近だったようだ。ただ、「信じられないほど素晴らしい」ものだったと語っている。
オープンの日程は不明だが、英テレグラフは2016年、ホテルの建設を請け負うエジプト企業の幹部がピョンヤンを訪れたと報じている。今度こそ、「滅びのホテル」は日の目を見るのだろうか。
【参考記事】北の最高指導者が暗殺されない理由
ロシアが北朝鮮の核を恐れない理由
韓国人が「嫌いな国」、中国が日本を抜いて第2位に浮上
「いま米軍が撃てば金正恩たちは全滅するのに」北朝鮮庶民の本音
世界最恐と化す北朝鮮のハッカー
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金正恩氏を「罵倒する動画」を北朝鮮メディアがうっかり宣伝
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http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/08/post-8118.php

http://www.asyura2.com/17/warb20/msg/702.html#c1

[経世済民122] 血縁に見捨てられた認知症の伯母 ある成年後見人の手記 まさか消費者金融に世話になるとは 定年女子より真っ暗、役職定年女子 酢
1. 2017年8月08日 21:38:56 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[717]
あなたが知らない児童労働の過酷すぎる現場
劣悪な環境に置かれる1億6800万人の子供
GARDEN編集部
2017年8月8日

「児童労働の今」について聞きます
児童労働ネットワーク事務局長/認定NPO法人ACE代表である岩附由香さんをお迎えし、堀潤が「児童労働の今」について対談を行いました。
https://www.youtube.com/watch?v=BCltqdxuesU

世界規模で見た、児童労働の定義と現状

本記事はGARDEN Journarism(運営会社:株式会社GARDEN)の提供記事です
堀:断片的に児童労働が各国で問題になっていって、日本も決して関わりがない話ではなくて、日本の産業ともある意味繋がってくる部分もあるぞと。今、分かっているだけで何人くらいの子供たちが児童労働にかかっているんでしょうか?
岩附:今世界には、1億6800万人の子供たちが児童労働員として働いていると言われています。
堀:日本の人口より多いですね。
岩附:そうなんですよ。日本全土が児童労働している子供で埋め尽くされていると考えたら結構ゾッとすると思うんですけど。私たちがたまたま目にしていないだけで、世界の現状としてはそう。農村とかに行った方が多いので、本当に誰の目にも触れられず、問題はそこにあるのに可視化されていない問題の一つなんじゃないかなと思います。
堀:だいたい何歳から何際くらいまでの子供がメインなんですか?

子どもたちが学校にも行けずに働いている
岩附:児童労働というと、子供が働くことなの?と聞かれるんですけど、働くこと自体を禁止しているのではなくて、15歳未満の子供の義務教育を受けないで働いているような仕事と、18歳未満で働いてもいい年齢16歳以上の年齢だけれども危険有害な労働についている場合、この2つが児童労働に当たるんですね。特に途上国で多いんですけど、一番多いのは農業分野で、約6割の子供たちが農業分野で働いています。そういうものの中には実は私たちが使っているようなものの原材料も含まれていて。チョコレートのカカオだったり、Tシャツの原料になるコットンだったり、そういう畑で子供たちが日々汗を流して、学校にも行けずに働いている状況があるというのが現状だと思います。
堀:地域的にはどういう地域が多いんですか?
岩附:最も数が多いのはアジアですね。ただ割合が高いのがアフリカで。世界で見ると5歳から17歳の9人に1人が児童労働者なんですが、アフリカの場合は5人に1人と割合が高くなっています。
堀:そこに従事する子供たち個別個別に見るとどういうバックグラウンドでその労働に従事することになっているんですか。
岩附:その背景に何があるのかなんですけど、貧困の問題もちろんあります。親の収入だけでは食べていけない、あるいは親に仕事がないですとか病気になってしまったりとか。
もう一つは教育の機会自体はあるんだけれどもクオリティが低いとか、遠くていけないとか、あるいは特に女の子の場合は、「女の子だから学校に行かなくていい、何もしないなら働きなさい」という形で働いていたりとか、そういった家庭の事情もあります。
もう一つあるとすると、国の中の子供に対する優先順位がどれだけ高くあるかということですね。途上国の場合、予算が限られていて、どうしても全体に行き渡るような形でプログラムが展開されてないないという課題があります。そういう中でどうしても支援から漏れてしまう子供達がいるというのが現状じゃないでしょうか。
岩附さんが出会ったサディスクマル君の話
堀:実際に児童労働の現場、実態を代表を務めていらっしゃるACEでも色々な現場を見てこられたと思うんですけど、具体的にどのような状況なんですか?
岩附:私が活動を始めた初期に会った男の子の話を紹介します。私が一番初めに参加したグローバルマーチという世界的なマーチのインドで会ったサディスクマルくんという男の子です。元児童労働者で、救出されました。
岩附:「どんなお仕事してたの?」
サディスクマルくん:「糸を作る工場で働いてた」
岩附:「どんな風に働いてたの?」
サディスクマルくん:「6日間働いても5日分しかお給料がもらえなくて。何か失敗するとタバコの火を腕に押し付けられたり。ご飯を食べてても『もう食べるな』とお皿を投げられたり。」
岩附:「そんな辛い状況を親に相談しなかったの?」
サディスクマルくん:「相談しなかった」
岩附:「なんで?」
サディスクマルくん:「同じ場所で働いていた一人の子が、あまりにもその窮状に耐えかねて自分の親に言ったら、親が文句を言いに来た。親が文句を言いに来た次の日にその子がいなくなっちゃって。親が探しに来たけど見つからなくって。あの子は殺されちゃったんだと思う。そういうことがあったから、自分は親には相談しなかったんだ。」
岩附:「将来なりたいものは何?」
サディスクマルくん:「なるものになるよ、来るもの拒まず、だよ。」

児童労働って、その子の「今」「子供時代」を奪っている
岩附:子供って希望や夢を持って生きているものなのかなという風にその時思ってたんですけど。実は児童労働って、その子の「今」「子供時代」を奪うだけじゃなくて、将来どうなりたいとか、こういう夢を持っているんだという夢や希望とかも奪ってしまう、そういうものなんだなというのをその時にすごく感じて。自分自身が価値があって、社会の中で責任がありながらも自分らしく生きていけるんだというようなそういう心持ちを奪ってしまう、そういうものなんだなというのをすごく感じたことがあります。
堀:子供が、選択するための教育も受けられないし、この社会にどういう選択肢があるのかを知らされることもなく、ひたすら目の前の労働に従事させられるわけですよね。
岩附:そうですね。ただ目の前にくるものを受け入れる、「自分にはそれしかないんだ」という諦め感を、まだ本当に小さいのに身についてしまっているということ自体がすごく悲しい。やはり、児童労働というのは、もちろん貧しいから働かなくてはいけないとか、親の事情とかある中でのしょうがない選択肢だけれど、子供にとっては絶対にさせてはいけないことで。子供は教育を受ける権利もあるし、子供として遊ぶ権利もあるし、そういう子供の権利を守れる社会にどうやったらなっていけるのかというのをもっといろんな人が考えるというのが必要だと思います。
混乱に乗じて悪化する児童労働
堀:実はこの間、シリア難民の子供たちの支援をしているNGOの皆さんとお話をして、現場どうですかと聞くと、難民キャンプ入った子、入らない子含めて、児童労働と隣り合わせなんですね。
岩附:そうですよね。そこも本当に児童労働の課題の中で、ちょうどこれから開催される11月の会議の中でも取り上げられると思いますけど、そういう危機が起きた時の反応として難民の子供達ですとか、災害ですとか、そういう時に発生する児童労働にどう対応していくのかというのも重要なテーマだと思います。例えば、自然災害で洪水が起きたりすると、人身売買とか人身取引が増えるんです。その混乱に乗じて、インドの場合だとよく洪水が起きる地域があるので、電車で子供達を連れて行ってしまう。その駅でNGOが待ってそれを止めるということもあったり。本当に何か混乱が生じた時に、それで児童労働に連れて行かれてしまうという子供達もいるので、だんだん最近そういう事案が増えて行っているというのも現状だと思います。
堀:それは親御さんでも本人の意思でもなく、連れ去られて行って労働に従事させられるということですか?
岩附:そうです。あるいは、親御さんが亡くなってしまったとか、離れ離れになってしまったとか、そういう状況の中で「いい仕事があるから」と騙して連れて行くとか、そういう事例がこれまでもあったので。ネパールの地震の時も、人身取引を監視しているNGOがいつも行っているコンタクトポイントで、地震直後の方が介入して救出する子供が増えたそうです。
世代を超えた悪循環を生む、児童労働の現場

貧しさとともに、世代を超えた悪循環が繋がってしまうという現状が生まれている
岩附:児童労働をすることが実は大人になってもdecentな(ちゃんとした)職に就けない、人間らしい働き口を見つけられないでずっと搾取されたまま続いてしまうということもあります。実は、子供たちが働いている親御さんもインタビューをすると、その人たちも子供の時から働いていて。でも40代くらいで体がボロボロになるんです、農作業とかやっていると。腰が痛くて自分はもうできないから子供にやってもらうしかないんだという親御さんもいて。そうするとその児童労働の循環が世代を超えて繋がってしまって。貧しさとともに、世代を超えた悪循環が繋がってしまうという現状が生まれていると思います。
堀:今従事させられている子供たちも、そのまま過酷な低賃金の劣悪な環境での労働がずっと続いていくということですか?
岩附:そうですね。ACEが介入していくと、実は子供を雇うのをやめてきちんと大人を雇うようになったというコットン畑の事例があります。我々ACEとして「インドのコットン畑の児童労働をなくそう」というプロジェクトをやっていて。インタビューすると、やはり子供の方が値段が安いんです。その理由は、子供は交渉をしないで言い値で働いているということ。実は、コットン農場の場合は3ヶ月とか一定期間の間集中的に、タネとタネ、雌しべと雄しべを擦り合わせて人工交配をさせるというのを、遺伝子組み換えのハイブリッド種のコットン畑では行います。その時にはたくさん労働力が必要です。それを雇う側の農場の持ち主もそれほど豊かではないので、なるべく労働コストを抑えたい。子供が雇われる時って、前借りみたいな形で前金を払われている時があって。親に結構大きな金額の前金を払うんです。そうすると、そんな金額を一度に手にすることはなかなか難しいので親は受け入れてしまう。そうすると、働いている間ずっと最後まで働かなければならない契約になってしまうという状況になっていて。そういう借金のかたに働くというのを債務労働というんですけど、そのような形も見受けられるんですね。
ただ、実際にプロジェクトをやっていると子供を雇わないようにしようという習慣が徐々に広まっていって、きちんと大人が正規の値段で働くようになるので、実は児童労働がなくなることは大人にとっても良いことで。子供が働いているのに大人が働けていないという現状もあるわけですよ。なので、子供が働くことで雇用口を奪われることなく賃金がちゃんと上がっていくという構造もあるかなと思います。
命にも関わる問題が潜んだ「危険な」児童労働

農薬の被害もひどい
堀:今聞いていて一つハッと思ったのは、よくニュースでも遺伝子組み換えの話はよく出てきます。特に自由貿易の話では必ず出てくるんですけど、ただ、遺伝子組み換えの作物を作る時ってそういう手作業で?
岩附:コットンの場合はそうなんです。遺伝子組み換えでなければその作業は入らないみたいなんですけど。普通に風に運ばれて花粉が運ばれて普通に受粉するんだと思うんですけど。遺伝子組み換えの場合は、雄しべと雌しべをくっつけるので、雄しべが出るように花の周りをとったり、そこに赤いセロファンをつけて目印をつけて一個ずつやっていくんですね。コットンの木ってそんなに高くないので、骨も折れるし腰も曲げないといけないので結構重労働で。日陰もなくて炎天下なので。もう一つは、農薬の被害も本当にひどくて。
堀:そうなんですか。
岩附:コットンってすごい農薬使うんですよ。口に入れるものじゃないので知らない方多いんですけど、世界の中で多分最も農薬を使う作物なんですね。そうすると、子供たちが摘んでいるすぐ横で農薬をスプレーしてたりするんです。私たちは農薬屋さんに行って実際にどうなるのかなと見た時に、「一応これ危険なので、手袋を配っています」と配ってはいるんですけど、暑くてそんなのしてられないという感じの防具なんですよね。そのために結局蒔く人も使っていなくて、そういう危険有害な農薬を日常茶飯事的に使っている。その中で子供たちも働いている。実際に農薬の被害で皮膚病になってしまったり、白血病みたいな血液のがんになってしまったり、そういう子たちもその地域には実際にいるんです。なので、健康被害も大きくて、水も汚染するし、農薬を間違って飲んでしまって亡くなってしまった子がいたりとかもあるんですね。ACEのプロジェクトで、そういう現状の中で何ができるんだろうと考えて、実は今オーガニックコットンの栽培を企業さんに入ってもらって奨励しています。オーガニックに転向した農家さんが一番言っているのは「健康になった」と言っているんです。自然な形で作る農薬を教えるので、ケミカルではないものを使っていかに作物を育てるかというのをやるんですけど。コットンの場合は、これは人権の問題でもあるし環境の問題でもあるし、本当にいろんな問題が絡んでいる現状がありますね。

健康被害が出た子供たち
堀:その健康被害が出た子供たちっていうのはきちんとした医療的なケアは受けられるんですか?
岩附:受けてはいるんですけど、多分家族にとっては病院に行くというのがすごく負担で。日本みたいにちょっといけば病院があるという地域ではないので、大きな病院行って、お金がかかって、それがまた借金になってみたいな形もあります。ACEで、コットン畑で働いていることが原因で体調が悪くなった子をインタビューしたんですけど、その時は「お父さんを説得してもどうしようもないんだ、働くしかないんだ」と言われて働き続けることになってしまって。結局その子は助けられなかったんです。
堀:というのは?
岩附:亡くなっちゃったんですけど。
堀:何才くらいの子?
岩附:10才、11才くらいの子ですね。
堀:小学生ですね、日本でいうと。
岩附:それはすごく悲しかったことの一つで。そういう意味では、児童労働というのは命に関わる問題でもあって。単に学校に行けないとか遊ぶ時間がないとかだけじゃなくて、本当に命に関わる問題でもあるということですね。
堀:農薬散布の実態以外にも、「危険な」現場って児童労働の場合、他にどんなパターンがあるんですか?
岩附:漁業もありまして。浮きみたいなものを海に置いておいて、そこにずっと何度も潜ったり上がったりしてお魚を取るですとか。
堀:その何回も上がって下がってというのは、圧がかかるということ?
岩附:そうですね。健康的にもよくないですし、そもそも働いちゃいけないですけど、労働環境としても劣悪。あと、インドですと、ガラス細工とかマッチとかの工場とかでも子供が働いていて。ACEが支援しているガーナですと、農作業なんですけど、刃渡り30センチくらいのナタで開墾といって森を切り開いて苗を植えるんですけど。まずその畑まで行くのに結構炎天下を歩いて、開墾して蛇に噛まれたりとか、切り傷があったりとか。切り傷をしてしまっても対応がうまくできていないので、それがすごく悪化して膿んだりとか、そういったこともあります。
堀:他にはどんな例がありますか?
岩附:ガーナで一つ人身売買のケースがあって。遠くから北部から連れてこられて、カカオの農作業と牛追いのような家畜の世話を任されていた二人の子供たちを救出したことがあります。その子達は「学校に行かせてあげる」と連れてこられたけれど、実態はずっと労働で。しかも「仕事をしないとご飯をあげないよ」と言われているので、仕事をしないといけない。体調も悪いけれど、それも聞き入れられない。言葉もちょっと違うし、連れてこられているから自分では帰れないし、どうしようもないという状態で。私たちがインタビューの最後に「何か私たちに聞きたいことある?言いたいことある?」と聞いた時に、「今すぐここを抜け出したい」と言ったんです。それが本当にその時のこの子の気持ちだなと思って、これは何とかしなければならないと、そこからいろんな人に働きかけ、警察も動員し、結局その子達を救出しました。私たちが勝手に連れていくと別の誘拐みたいになってしまうので。そういう風に「誰かに何とかして欲しいんだけど、自分ではどうしようもない」という状況にいる子って多分すごくたくさんいて。そういう声がどこにも届かなくて、だんだんそのうちに本人が「これしかないんだ、しょうがないんだ」と諦めていく、そういう構造なのかなと思います。

産業構造の上に私たちの生活があると思うと、全く無意識でいてはいけません
堀:そういう産業構造の上に私たちの生活が、豊かさを享受する生活があると思うと、全く無意識でいてはいけませんよね。
岩附:そうですね。普段目にしないので、そこまで深く考えられないと思うんですけど、ものをたどって行くとそういう現場があるということは知って欲しいです。しょうがないではなくて、やっぱりそこに何かできることがあると思っていて。今企業も自分たちのサプライチェーンの中にそういう課題があるということに気づいて行動を起こそうとしているので、そういう風に行動を起こしている企業を消費者も評価するということもできますし、そういう商品を選ぶということもできます。全部はできなくても、企業が何か変化を起こしたいと思っても支援がないとなかなか踏み切れないので。みんなが消費者なので、その一人一人ができることっていうのが必ずあると思います。一人一人が現地に行って助けることはできなくても、ACEや児童労働ネットワークに加盟している団体もそれぞれいろんな支援をやっていますから、そういった団体を応援してもらうというのも一つの方法だと思います。
堀:児童労働という言葉が少しずつ社会に認知はされるようになって。フェアトレードとかエシカルとか、ああいう言葉もたびたびメディアで登場するようになりましたけども、実際にそういう中で子供たちが健康被害にも晒されて、人権の問題ももちろんあってということがまだまだ伝わっていないというのも、変えていかなければいけないですよね。
岩附:そうですね。自分の子供にそれをさせたいかどうかを考えたらいいんだと思うんです。自分の子供にさせたくないことは他の子供にもさせたくないと思うんですよね。児童労働の話をするとたまに、「貧しいんだからしょうがないじゃないか、働かなきゃいけないんだから」という風におっしゃる方がいるんですけど、そう言ってしまうと何も解決しなくて。働かされている親御さん自身も働かせたくているわけではなくて他に選択肢がない、もうこれしかないからしょうがないんだという状態なんですよね。
そこをなんとかうまくやっていけるように考えていこうよと話しかけるのが、私たちが現地でやっているプロジェクトです。そういう社会の雰囲気というのが必要だろうなと思っていて。児童労働を他人事ではなくてもう少し身近に感じてもらえるように私たちも努力が必要ですし、自分の子供にさせたくないことは他の世界の子供たちもしてたら「あれなんでかな、どうしてこうなっちゃうんだろな、どうしたらいいんだろな」というのを一緒に考えていってもらえたらいいなと思います。
身近に存在する児童労働が関わっている製品
堀:チョコレートや繊維の話がありましたけど、私たちは知らない間に、児童労働が大本になったものを使っていたりするということでしょうか?
岩附:そうですね。実は今、児童労働によるものが何かっていうのが一つ一つは特定が難しいという状況がありまして。全部は追跡はできないと。アメリカ政府が出しているレポートがあって、「どの国のどういう製品は児童労働とか強制労働がありますよ」というレポートはあるんですね。どの国にどういう課題が大きいのかというのはある程度特定されていて。

なかなか特定しづらいというのが現状です
「この国のどこどこのバナナは児童労働や強制労働があります」といのは公開情報としてあります。ただ、個別の企業のこの商品の原料がどうなのかということまで言われると、なかなかそこまでは特定しづらいというのが現状です。
でも、特定しづらいということは「みんなが関係者」ということなんですね。それは、企業も関係者だし消費者も関係者だし、みんな児童労働があるビジネスのサイクルの中に入っているので。そこに入っているということは、みんなの意識が変われば、その原料を作っている現場にもアプローチしていけるんじゃないかなと思っていて。ACEでは、その消費者や企業へのアプローチというのも重視して、サプライチェーン(供給連鎖)の児童労働がなくなって行くように企業がきちんと取り組むこと、そして消費者が児童労働や強制労働がないと言われる商品、フェアトレードだったり、そういうものを好んで買って行くようになることも活動の中で進めています。
堀:全体の規模感としては、私たちが普段いろんなものを買う時に児童労働が関わっているだろうなというものはどれくらいの規模感になるんでしょうか?
岩附:それは難しいですね。国内で完全に初めから終わりまで作られたものは、その可能性は極端に少ないと言えるとは思うんですが。やはり可能性が高いのは、原料が主に途上国で作られているもの。原料といっても、例えばパーム油とかですと、スナック菓子にも入っているし、洗剤にも入っているし、チョコレートにも入っているし。いろんなものに入っているんですね。そういう意味ではすごく特定はしづらいんですけど。多分1人の人が1日、朝食を食べてタオルで顔を拭いて、コーヒーを飲んでと考えると、1日の中で児童労働が関わっているかもしれないものを使わない日って逆にないんじゃないかって思うような気がします。
堀:先進的な、そういう問題に前向きな企業というのはどのような企業があるんですか?グローバル、国内含めて。
岩附:ACEは森永製菓さんとの連携をやっていて。カカオ産業というのは2000年くらいから問題が指摘されて、世界の名だたるチョコレートを作っているブランドはかなり積極的にいろんな取り組みを始めてはいます。ただそれだけやっても解決ができていないという現状もあるんですけど、意識は持っているなと思います。先ほどいくつか言及したものでいうと、パーム油も認証制度があって、そこから買っている企業も結構多いんですけど、認証制度自体の精度にちょっと問題があったりして、なかなかそれも難しいなあという感じですね。
堀:問題というのは?
岩附:認証を受けている現場で強制労働がありましたというレポートが上がってきたりとか。仕組みを作るだけじゃなくて、その仕組みをいかにきちんと機能させるかというのもすごく問われていると思います。国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」ができたので、SDGsに沿った形で企業さんも取り組みを始めているところもあります。
2025年までに児童労働ゼロを目指して
堀:今度のその会議は具体的にどういう話し合いが行われて、何がポイントになって、重要な点は何なのか?

第4回児童労働世界会議
岩附:(今年)11月に開催される第4回児童労働世界会議なんですけど、これは「2025年までに児童労働をなくす」という目標が、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」の「8.7」に入ってから初めての会議になるんです。2025年という目標が決まってしまっているので、「そこまでにどうやってこれから取り組んでいくのか」、「何が今必要なのか」というのが話し合われる会議だと思っています。児童労働の現状というのも、4年に1度国際的な統計が発表になりますので、9月に新しい数字が発表になり、11月にその会議が行われて。
世界で企業なNGOや政府や労働組合や国際機関、そういう人たちがどのように連携して取り組んでいくといいのか」、「世界でうまくいっていることは何なのか」ということを共有してさらに児童労働がなくなるようにスピードを加速化させていくのがその会議なんですね。
堀:岩附さんは前回も参加されたそうですが、どのような様子でしたか?
岩附:4年前の第3回会議にも参加したんですけど、その時には世界150カ国以上から1300人が参加していたんです。凄い会議で。中でも印象的だったのは、ブラジルが主催国だったんですけど、児童労働をなくすのにすごく積極的な政府だったんです。「キャッシュトランスファープログラム」と言うもので、貧困家庭に現金を支給して、その条件が、「子供が学校に行くこと」と「ワクチンを打つこと」ということ。それで児童労働がかなり減ったという実績があったんです。そのこと自体は知ってはいたんですけど、その会議でルーラ元大統領が来ていて。スピーチで、ルーラ元大統領も児童労働者だったんだというんです。「僕はそれで怪我をして小指がないんです。」と言って見せて、本当に小指がないんです。子供の時に働いていた時に指をなくしたと。「兄弟が多くてみんなでテーブルを囲んでもテーブルの上に食べるものが何もないというのがすごく悲しかったので、大統領になった日に決意したのは飢餓をなくすということです」とおっしゃっていて。ブラジルがそういうことができたのは、もちろんその時に経済発展していて新たな税を課税できたというのもあるんですけど、強い誰かの思い、政治家の大統領のコミットメントがあって、政府としても全力で取り組んでいったというのがあるんだなと思って。そういうことってなかなか報告書を読んでいるだけではわからないんですよね。そういうのを考えると、やっぱりこういう課題を進めて行く上で、政治を司る人たちの中でそういう風にコミットしてくれる人が必要なんだなと思いました。
堀:政府との連携は重要ですよね。
岩附:他のアルゼンチンとかの事例が発表された時も、アルゼンチンは国内の児童労働委員会というのを作って、そこにマルチセクターで参加をしていて、企業もNGOも政府も。しかも企業の人たちだけが入っている児童労働撤廃のためのグループもできていて。その企業の方がプレゼンしていたんですけど、その方が「児童労働がなくなるように政策を推進することで一番恩恵を受けるのは企業です」とおっしゃったんです。それもまた目から鱗で。企業の人は利益が大事なので、安い方がいいみたいなマインドがあるのかなと思うかもしれないですけど、「いや、これは企業にとってもメリットなんです」という風におっしゃっていて。企業として児童労働が自分たちの産業内にあること自体がその産業の持続可能性にも大きな影響を与えるという認識があるのと、やっぱり買う側の人たちの意識が人権とか労働の意識が高まって来たという背景もあるんですね。世界の会議に行くと、こういう取り組み方でこういう風に連携して取り組みが進んでいるんだなというのがよくわかって。
堀:連携でいうと、日本の状況はどうでしょう?
岩附:日本ってまだそれがすごく少ないんですね。「児童労働ネットワーク」も、もともと児童労働は複雑な問題で一つのセクターだけでは解決できないから、企業も政府もみんなで解決でいるような協業を促すことが必要だという認識から始まっているんですけど。なかなかみんなで揃ってというのは難しくて、ただ児童労働ネットワークでの働きかけによって、前回、世界会議が終わった後に日本で外務省と厚生労働省主催で意見交換会というのが開かれて。そこに関係省庁とJICAと国際機関とNGOの代表が集まって、私からも会議の報告をさせていただけて。「世界にそういう動きがあるんだ」ということ自体を政府側の方々も知る機会が少ないので。すごく熱心な政府というのもあるんですけど、例えばオランダ政府とかイギリスとか、比較的熱心なんですけど。なかなか日本はそういう国際会議の場にも、児童労働の分野ではなかなかコミットメント自体がなかなか高くないというのがあって。
でも他の国のNGOと政府の連携の仕方とかを見てみると、本当に協力しあってやっているんですよね。だからもっと協力していけるように日本でもやっていかなくちゃいけないな、オールジャパンで日本としてもやっていきましょうみたいな形を作っていけると本当はいいんだけどなというのはすごく思いますね。
日本企業にも求められるビジネスでの人権意識
堀:日本の国としてそのあたりのコミットメントが弱いというのは、日本の企業が「児童労働には関係がないよ」ということなのか、何が要因なんでしょうか?関係がないことは無いですよね。

日本の国としてそのあたりのコミットメントが弱いのはなぜか
岩附:すごくあると思います。企業の方の方がそういう危機感というのが強いですね。政府の方の方が、まだ日本の企業のビジネスという中での人権分野についてはまだ取り組もうと始めたばかりという感じだと思います。国連の「ビジネスと人権指導原則」というがありまして、2011年にできたんですけど。「国は人権を保護する義務がある、企業は人権を尊重する義務がある、そしてその救済メカニズムが必要」という3本柱になっていて。その人権をビジネスセクターでどういう風に保証していくかということの国内行動計画というのを各国が作ることになっているんですけど、日本はまだできていなくて。昨年の11月に「作ります」という宣言を国際会議でされたので、今取り組みが始まっていて。関係省庁が集まって会議をするということが始まっているみたいなんですけど。そういう会議を経て、(海外では)実はいろんな法律ができていっているんですね。
堀:例えばどんな法律ができたんですか?
岩附:「ビジネスと人権の指導原則」から、「英国現代奴隷法」という法律ができていて。英国現代奴隷法の中の一つに、「企業がサプライチェーン(供給連鎖)の中に人権問題があるかどうかのdue diligence(精査)を行なって、その情報公開をしなければならない」という情報公開が義務付けられている法律があるんです。それを監視するのは誰かというと、「それはNGOセクターがやってくれたらいい」と。政府は情報公開だけを義務付けしますという法律なんですけど、すごくいいなと思っていて。due diligence(精査)をしたかどうかを報告するので、「やってません」という報告をしようと思えばできるんです。でもそしたらNGOから必ず何か言われるので、そういう緊張感をうまく使ったバランスのとれた法律だなと思っていて。そういう仕組みが、実はイギリスだけじゃなくて、今アメリカでもフランスでもオランダでもどんどんできているんですよ。いわゆる先進国の中で。日本はまだそういうのが全くなくて。そういう意味では一つの省庁だけで取り扱える課題じゃないというのも課題で、前に進めづらいのかなと思います。
堀:それはある種、人権をどうするかという話もさることながら、産業としても持続可能な開発、発展を維持するためにもこういう改革が必要なんだという風に目が向いているからですよね。
岩附:そうだと思います。Sustainability(持続可能性)をそういう風に考えていると思いますし、逆にそういうルールをどんどん作っていっているのが欧州だと思いますね。
堀:それに(日本は)無警戒というか。
岩附:そうなんです。困るのは日本の中小企業さんで。なぜかというと、欧州の取引先から日本の大企業に来て、日本の大企業からサプライチェーン(供給連鎖)である日本の中小企業のところに来て、「あなたのところ児童労働ないですよね」と急に言われるという現象が今起きていて。
堀:もう起きている?
岩附:そうなんです。そういう意味では日本もサプライヤー(部品製造業者)でもあるんですよね。買うだけじゃなくて、サプライヤー(部品製造業者)でもあるので、人権を守るということが実はすごくビジネスの中で重要になっていること自体に無自覚、あまりにもというのがありますね。それで今どうしていいかわからなくて困っているというのが現状だと思いますね。
堀:実際、きちんと調査した結果、証拠としてうちは関わっていませんということを出せないと取引というのはできなくなるんですか?
岩附:契約の中にそれを入れているところもあります。それは契約次第だともいますが、契約によってはそれを入れているというのもあると思います。
若者とアルゼンチンでの国際会議へ
堀:今回資金として一番必要としているのは?
岩附:今回アルゼンチンで国際会議があるので、そこへ4人で行きたいと思っています。その渡航費というのが一番クラウドファンディングを必要としている理由です。児童労働ネットワークは実は本当に小さな組織で。
それぞれの団体さんが会員になってくださって運営しているというネットワークなので、もともと財源がなくて。4人も地球の裏側のアルゼンチンに派遣するというお金がないということ。また、これまで1回、2回、3回と一人だけずっと行っていたんですけど、一人だと分科会に別れた時に同時並行で行われるので全部のお話聞けないんです。なので複数人でいきたいということ。さらに、今回行く予定をしているのが、私と児童労働ネットワークの代表の堀内さんと、ACEで児童労働ネットワークの事務局をしている杉山と、もう一人若者。
堀:若者も連れていくんですね。
岩附:こういう国際会議に一緒に若い人を連れて行きたいという気持ちがあって。振り返ってみると、自分自身も20代の若い時にアジア開発銀行の総会でスピーチをすることになって、冷や汗かきながらだったんですけど、機会があったことで、「そういう会議が何なのか」とか、「何が決まるのか」とか、「そこでどういう風に動くことが大切なのか」とか、だんだんとわかってくるんですよね。機会がないと本当にわからないので。今から若い人たちにそういう機会を作らせてもらって、世界の動きに遅れがちな日本をもうちょっと一緒についていけるようにしたいという思いがあります。元児童労働者の子供達とか若い子たちが活躍しているんですよ。
堀:世界で?
岩附:そうなんです、私たち自身も、学生の時に始まって今年で20年で。うちの事務局長の白木とか、「あなたは児童労働者なの?」と間違われながら活動していたので、同じ世代の人たちが今どんな風に頑張っているのかっていうのを見てもらうのもいいんじゃないかな、そしてそういう人たちとつながれるといいなと思っていて。若い人たちと一緒に行って、会議でいろんな人の話を聞いて繋がって、今後の連携を模索していくということと、若い人たちと一緒にその場を体感しながらいろんなものを日本に持ち帰って、日本の会員団体さんを含め共有して行きたいなと思っています。

若者にも広い世界を見てもらえたらいいなと思います
堀:ちなみに、その若者というのはもう決まっているんですか?
岩附:若者は、フリー・ザ・チルドレンジャパンさんから選出していただくんですけど、これからフリー・ザ・チルドレンジャパンさんが合宿をされるのでその中で決まっていくと思います。
堀:何才くらいの子でしょうか?
岩附:中高生かな。10代の子だと思います。
堀:次の世代も育成しながら。
岩附:そうですね、日本にいると若干世界が狭くなってしまうので、広い世界を見てもらえたらいいなと思います。
児童労働ネットワーク(CL-Net)については「GARDEN」当該記事へ
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http://toyokeizai.net/articles/-/182965

http://www.asyura2.com/17/hasan122/msg/899.html#c1

[国際20] 崩壊ベネズエラに迫る内戦の危機(ニューズウィーク) 赤かぶ
1. 2017年8月08日 21:43:08 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[718]

トランプ政権、ベネズエラ当局者への追加制裁準備=米政府筋

[ワシントン 7日 ロイター] - 複数の米政府関係者によると、制憲議会選を強行したベネズエラ

のマドゥロ大統領に近い同国当局者に対して、トランプ米政権は追加制裁を準備している。トランプ政

権は既にベネズエラの当局者13人とマドゥロ大統領に制裁を科しているが、制裁対象をさらに広げる

ことになる。

新たな制裁は、米国に保有する資産の凍結や米国への渡航禁止のほか、米国人が制裁対象の人物とのビ

ジネス上の取引をすることを禁じる内容。米政府筋は、ロイターに、早ければ今週中に発動すると述べ

た。

米政府筋によると、新たな制裁の対象についてはまだ最終決定しておらず、発表の日程も未定。かなり

の数が対象になる見通しだという。

米政府筋によると、新たな制裁でも、ベネズエラの基幹産業である石油セクターは依然、対象外となる

見込み。米政府当局者は先月末、ベネズエラの石油セクターを対象とした制裁を検討していると話して

いた。

関係者の1人は、石油セクターをまだ制裁対象にしない理由として「マドゥロ大統領の行動が続いた場

合に新たな措置を講じる余地を残しておきたい。一度にすべての措置をとるのは賢明ではない」と語っ

た。

私たちの行動規範: トムソン・ロイター「信頼の原則」
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トランプ氏、ベネズエラへの制裁示唆 制憲議会選めぐり
http://jp.reuters.com/article/venezuela-politics-sanctions-idJPKBN1AO0BS


 


ベネズエラで軍が小規模な反乱 制憲議会は検事総長を解任
2017年8月7日(月)17時00分

53
2

8月6日、ベネズエラ当局は、同国バレンシア市近郊にある軍の基地で発生した小規模な反乱を鎮圧し

、マドゥロ政権への「テロ攻撃」を企てたとして7人を拘束した。写真はベネズエラ北部バレンシアで

催涙ガスを使う治安部隊(2017年 ロイター/Andres Martinez Casares)
ベネズエラ当局は6日、同国バレンシア市近郊にある軍の基地で発生した小規模な反乱を鎮圧し、マド

ゥロ政権への「テロ攻撃」を企てたとして7人を拘束した。

ソーシャルメディアには、4日の制憲議会発足に反対して「決起」した旨を軍服の集団が説明する動画

が6日に投稿されている。

国防省の発表では反乱グループの一部は武器を携帯して基地から逃走し、治安部隊が徹底的に捜索して

いるという。

バレンシアの住民の話によると、反乱を支持する数百人の人々が街頭に繰り出した。そのほとんどは催

涙ガスで追い払われたが、マドゥロ大統領の強権的な政治に対する国民の反発が広がっている様子が浮

き彫りになった。

5日には、マドゥロ氏への批判を続けてきたルイサ・オルテガ検事総長を制憲議会が解任し、オルテガ

氏に出廷を命令。制憲議会の権限が反政権勢力の締め出しに使われるのではないかとの懸念が現実化し

つつある。

今後の政治情勢で鍵を握るのは軍部の動向とみられており、野党は軍首脳部に対してマドゥロ政権とた

もとを分かつよう再三呼び掛けている。しかし、軍首脳部は政府への忠誠を維持。多くの軍関係者が政

府との旨味のある契約や汚職、密輸などに関わっており、野党政権になって糾弾される事態を懸念し、

マドゥロ氏が大統領の座にとどまることを望んていると指摘されている。

ただ、デモ鎮圧に実際に駆り出され、薄給に甘んじている軍の下級将校の間では、現状への不満が高ま

りつつある。


[バレンシア/カラカス 6日 ロイター]
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/08/post-8149.php


<ベネズエラ>政情不安で国外脱出増加
8/7(月) 17:32配信 毎日新聞
<ベネズエラ>政情不安で国外脱出増加
早朝からポルトガル領事館の前で開門を待ち、行列をつくる人たち=ベネズエラの首都カラカスで20

17年8月3日午前6時20分、朴鐘珠撮影
 【カラカス朴鐘珠】マドゥロ大統領の専制体制が強まるベネズエラで、政情不安や不況を理由に国外

へ移住、または亡命する国民が増えている。4日には大統領派で固めた制憲議会を招集。「圧政」に不

満を抱く国民の国外脱出の流れが更に進むとみられる。

【動画】大統領退陣要求デモ 弾圧で死者80人以上

 今月3日の夜明け前。首都カラカスの高級住宅街の一角にあるポルトガル領事館前に、老若男女25

人が行列を作っていた。

 先頭は午前5時から待っている外科医の女性、ラニ・フィゲイラさん(33)。ポルトガル国籍と旅

券(パスポート)の取得手続きに来た。勤務先の病院で犯罪者集団に押し入られ、体を縛り上げられる

被害に2度も遭った。犯罪率の高さに嫌気が差し、移住を決意したという。「治安悪化の責任は貧困を

解消できない政府にある。制憲議会ができても不況と犯罪の悪循環が改善されるとは思えない」

 隣でうなずきながら聞いていた2児の父、ジルベルト・デフレイタスさん(38)も「(マドゥロ政

権の)強権政治は個人の自由を次々に奪う。どこの国でもいいから、私も早く移住したい」

 ベネズエラは移民の多い国だ。ポルトガルやスペイン、イタリアといった、祖先の母国との二重国籍

を取得するのは難しくなく、資金さえあれば国外移住のハードルは低い。

 今月に入り、カラカス空港発の航空便は空席がほとんどない。AP通信によると、欧州への移住だけ

でなく、米国への亡命申請も増加傾向にある。今年1〜3月の申請者は8301人で、前年同期350

7人の倍以上だ。

 一方、ベネズエラの隣国ブラジルでは国境の街の病院にベネズエラ人の患者が殺到し、地元住民の診

察が滞る事態が起きている。ベネズエラの不況に伴う医薬品不足が原因だ。

 ベネズエラの現地通貨ボリバルの価値は、市中で取引される闇レートが今年5月に1ドル=5500

ボリバル程度だったが、現在は1万9000ボリバルに迫る勢いで急落。自国通貨の価値が日に日に目

減りする現状を目の当たりにし、できるだけ早く外貨に両替して国外に資産を移そうとする国民の意思

が働き、移住を後押しする結果を招いている。

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【写真】体に火薬を巻き付けた反政府デモ隊の若者
<政府のツイッター宣伝工作>支持発言あふれる
<ベネズエラの「独裁」に怒る群衆>財政は破綻寸前…

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170807-00000051-mai-s_ame



ベネズエラ、軍基地を襲った武装集団を追跡
2017年08月7日

https://ichef-

1.bbci.co.uk/news/660/cpsprodpb/0D5F/production/_97232430_mediaitem97232429.jpg

バレンシア市の上空を警戒のため飛ぶ治安部隊のヘリコプターImage copyrightAFP

南米ベネズエラのニコラス・マドゥーロ大統領は6日、同日朝に軍基地を襲った20人の武装集団のうち

、逃走した10人の行方を追跡していると述べた。
同国北西部のバレンシアの軍基地に対する襲撃では2人が死亡、1人が負傷し、7人が逮捕された。
これに先立ちソーシャルメディアに投稿された動画では、制服姿の男たちが「残虐な独裁」に対して反

乱を起こしたと語っている。
襲撃後もベネズエラ国内は大方鎮静を保っている。
マドゥーロ大統領は国営テレビで演説し、軍が襲撃制圧に「すぐに動いた」と述べ、「称賛の意」を表

明した。
マドゥーロ氏は、「雇い兵」による「テロ攻撃」だったとし、治安部隊が逃亡した襲撃犯を追跡してい

ると述べた。「我々は彼らを捕まえる」。
軍の車両がバレンシア市内や周辺を巡回しており、少なくともヘリコプター1台が出動している。
ベネズエラ政府によると、襲撃時の逮捕者には脱走兵の中尉一人が含まれるが、ほかの逮捕者は制服を

着た民間人だという。
マドゥーロ大統領は、襲撃犯らは米国とコロンビアに拠点を置く反政府グループの指導者の後押しを得

ていると語った。
ベネズエラ国内では、襲撃を支持するデモが複数起きているもようだが、ほかの地域では鎮静が保たれ

ている。

https://ichef.bbci.co.uk/news/624/cpsprodpb/14CB/production/_97232350_1fd7f11f-bd92-45c9-

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バレンシアでは襲撃を受けて反政府デモが起きたImage copyrightAFP


6日に投稿された動画で、フアン・カフアリパーノと名乗る武装集団のリーダーは、男が第41旅団と呼

ぶものが「残虐な独裁者であるニコラス・マドゥーロ大統領」に対抗すると語った。
男は、「これはクーデターではなく、憲法の秩序を回復するための民間と軍の行動だ」と語った。
ベネズエラは豊かな石油資源に恵まれるものの食料品や医薬の深刻な不足に直面し、年率700%を越え

るインフレに苦しんでいる。今年4月から続く激しい反政府デモでは、100人以上が死亡した。
5日には、先月30日の選挙を経て設置された制憲議会が初の会議を開いた。野党勢力は、新議会の設置

は左翼政権を率いるマドゥーロ大統領による政権維持を目指した動きだと批判している。
しかし、マドゥーロ大統領は制憲議会の発足がベネズエラに平和をもたらすと述べている。
制憲議会は憲法改正や、野党が多数を占める国民議会の立法権を剥奪する権限が与えられている。
制憲議会は初会議で、ルイサ・オルテガ司法長官の解任を可決した。オルテガ氏はマドゥーロ大統領の

盟友だったが、後に大統領批判の急先鋒となった。
(英語記事 Venezuela searches for rebels after deadly clash at army base)

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Video ベネズエラ緊迫 首都で市民と警察衝突
2016年05月19日
非常事態宣言下のベネズエラ、野党指導者が軍に選択迫る
2016年05月18日
http://www.bbc.com/japanese/40846904

まるでソ連末期の経済破綻に向かうベネズエラ
A Soviet-Style Collapse
2017年5月11日(木)10時00分
アンダース・アスルンド(大西洋協議会シニアフェロー)

98
28

首都カラカスなど各地で大統領退陣を求めるデモ隊が警察と衝突 Carlos Garcia Rawlins-REUTERS
<独裁に傾くマドゥロ政権下で反政府デモと政治的混乱が続く。経済も破綻寸前の石油大国がたどるの

はソ連と同じ末路>

南米の資源大国として、先進国の仲間入りも夢ではなかったベネズエラの経済が、今や破綻の危機に陥

っている。膨大な石油資源を抱えていながらなぜこんなことになり、一体これからどうなるのか。

原因を分析し、先行きを予測するに当たっては1980年代後半のソ連経済の惨状が参考になりそうだ。む

ろん国民にとっても政権にとっても、決して明るい未来ではない。

14年夏に原油相場の下落が始まってから、ベネズエラ経済は衰退の一途をたどってきた。原油価格はだ

いたい10年ごとに高騰と暴落を繰り返す。だから現在の原油安も当分続くだろう。

ソ連も、81年に始まった原油安で打撃を受けた。だがソ連崩壊後のロシアで改革派政治家として活躍し

た故エゴール・ガイダルの著書『ある帝国の崩壊』によれば、最悪だったのはそれ以前の経済政策だ。

石油の輸出で潤っていた当時のソ連政府は、この調子なら奇跡を起こせる、自分の国には経済学の法則

など当てはまらないと信じた。そして見境なく歳出を膨張させた。先のことなど考えなかった。

【参考記事】経済危機のベネズエラで大規模な反政府デモ、17歳死亡

今のベネズエラ政府はマルクス・レーニン主義を標榜してはいない。しかし愚かしい経済政策を進めて

いるという点では当時のソ連指導部と大差ない。主食のパンや肉など基本物資の価格統制を維持し、そ

のために必要な巨額の補助金も石油収入で賄えると信じ切っていた。

3年前の夏以降、原油価格は半分以下の水準に下がった。そのため収入が減っても政府は手を打たず、

原油の増産もしなかった。石油業界を牛耳る国営のベネズエラ石油公社(PDVSA)に増産能力がなかっ

たからだ。それでも政府は財政赤字を解消する方向へ舵を切らず、80年代末のソ連と同じ愚行を続けて

破滅に向かっている。

ソ連も、末期には財政赤字が急増していた。86年にはGDPの6%を超え、91年にはGDPの3分の1に達した

。輸入品の支払いに充てる外貨準備が減ると紙幣を増刷して国庫の赤字を埋めたものだ。必然的にイン

フレが激しく高進した。

どうやらベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領も、ソ連と同じ財政・金融政策に固執しているようだ

。もはや補助金支給の原資はない。しかも事態は悪化する一方だ。

次のページ 膨らむ対外債務

迫るハイパーインフレ
このまま紙幣の増刷を続ければ、やがてハイパーインフレに襲われる。既にインフレ率は年700%とさ

れ、月間50%以上と定義される公式のハイパーインフレに近づいている。

歴史的には、ハイパーインフレの事例は少ない。ジョンズ・ホプキンズ大学応用経済学教授のスティー

ブ・ハンキーによると、世界史上まだ56例しかなく、その半数が共産主義体制の崩壊に伴う現象だった

。ソ連を構成していた15共和国の全てがソ連崩壊時に経験したという。

ハイパーインフレは国民の士気をくじく。いくら働いても意味はないと感じさせてしまう。稼いだ金額

に見合う買い物ができないから、労働意欲が湧くはずもない。一方で目先の利く商人は、安全資産の商

品や不動産の思惑買いに走る。

結果としてGDPは急激に縮小し、財政の安定が回復しない限り減少の一途をたどる。ソ連ではおそらく

91年にGDPが10%ほど減り、ソ連崩壊にかけての88〜95年に原油生産は半減した。ベネズエラでも似た

ようなことが起きているようだ。

ソ連政府は通貨ルーブルの法定平価を非現実的に高く設定しようとした。闇レートの5倍くらいの高さ

だった。目的は、国民に「豊かさ」の錯覚を抱かせることにあった。だがそのためには食品などと同様

に、外貨の購入に国費をつぎ込む必要があった。だから歳出が増えて財政赤字は膨張し、通貨の闇レー

トは急降下した。

【参考記事】ベネズエラへ旅立つ前に知っておくべき10のリスク
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/03/10-27.php

やがて国民は闇レートこそ現実の相場だと思い知るようになる。91年12月、ついにソ連崩壊という時点

で、ロシア人の月収は米ドル換算で平均6ドルという悲惨な状況だった。今のベネズエラもその方向に

進んでいる。

ソ連では同時に対外債務も急増した。今のマドゥロ政権同様、可能な限り多くを可能な限り長期で借り

た。貸し手は主として外国政府。ベネズエラの場合、最大の貸し手は中国だ。そして借金を返せない現

実を認めず、少しずつ返済を続け、それだけ赤字を増やしている。

もちろんソ連との違いはある。ベネズエラは複数の共和国を抱える連邦国家ではない。愚かな経済政策

を採用してはいるものの、共産主義を掲げてはいない。国内にはまともな野党勢力があり、教育水準の

高いエリート層もいて、ソ連よりずっと開放性が高い。

それでもベネズエラはソ連経済と同じ末路をたどる恐れがある。仮にマドゥロが政策の不備を認めて方

針転換を図ろうとすれば退陣を迫られる。おとなしく辞任はしないだろうから、危機は深まる一方だ。

平穏な政権交代が望めなければ、国民が力でマドゥロ政権を倒すか、大統領が国外へ逃亡する事態もあ

り得る。あるいは外貨準備を使い果たし、対外債務についてデフォルト(債務不履行)に陥る。つまり

何も輸入できなくなり、通貨ボリバルはただの紙くずと化す。

次のページ 救えるのはIMFだけ

紙おむつを買うためにも赤ん坊を抱いて行列に並ぶ Carlos Garcia Rawlins-REUTERS
いずれにせよ、マドゥロ政権は長続きしない。多くの国民が辛酸をなめる事態を回避するための対策を

講じないまま、遠からず権力の座を追われる。

後継政権が登場したところで選択肢は少ない。極端な経済危機に対しては政策の選択肢などほとんどな

いものだ。大事なのは予算の均衡を実現すること。短期的に税収増は望めないから、歳出を削減する。

決め手は物価補助金の撤廃だ。対外援助も切れば、政府の収支は均衡するかもしれない。

為替レートも変動制であれペッグ制であれ、市場に適合させるべきだ。外貨準備も回復させなければな

らない。そのために迅速に対応できる唯一の国際機関はIMFだ。ただしIMFの要請に従ってベネズエラ政

府がマクロ経済改革に応じることが条件となる。加えて国際社会の協力を得て、債務のリストラに取り

組むことも必要だ。

ソ連の状況は、ベネズエラよりずっと困難だった。15の共和国がそれぞれ独立し、独自の通貨を持つ必

要があった。それにしても、財政を安定させるまでに費やした7年の歳月は長過ぎた。新生ロシアが苦

しいときに、西側諸国は支援を出し渋った。だからその後のロシアは西側から離反していった。

ベネズエラ改革は抜本的かつ迅速であるべきだし、欧米諸国は全面的に財政支援をするべきだ。マドゥ

ロ政権の崩壊は決してきれい事では済まない。だが避けられるものでもない。

政治的な見通しはなかなか立てにくいとしても、深刻な経済危機の行く末は火を見るよりも明らかだ。

次の政権が迅速に、正しい政策を実行できるかどうか。時間は限られている。

[2017年5月16日号掲載]
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/05/post-7564.php


「独裁」怒る群衆 財政破綻寸前
2017年6月6日
https://mainichi.jp/graphs/20170606/hpj/00m/030/001000g/2?inb=ys

「国家崩壊」寸前、ベネズエラ国民を苦しめる社会主義の失敗
Venezuelan apocalypse: Some Updates on the Epic Failure of Socialism in Oil-Rich Venezuela
2016年5月19日(木)19時06分
マーク・ペリー(米ミシガン大学教授)

663
68

隣国コロンビアから卵を密輸してきた男(手前)。モノ不足で高く売れる Girish Gupta- REUTERS
 原油の確認埋蔵量で世界一を誇るベネズエラの経済が、長年の社会主義政権のつけで崩壊寸前の危機

にある。「経済的崩壊」が現実味を帯びてきたと言っていい。以下に、ベネズエラの状況を伝えた各メ

ディアのレポートを紹介する。

1. ベネズエラ経済は、風が吹かれるクレーンのようなものだ。いつ倒れてもおかしくない。原因はた

だ一つ、同国の徹底した社会主義体制だ。米大統領選の自称社会主義者、バーニー・サンダースと彼の

支持者が、なぜ身近にある社会主義の末路を気にも留めていないのか不可解だ。

[参考記事]南米の石油大国ベネズエラから国民が大脱走
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2015/12/post-4278.php

 信じられないことだが、原油の埋蔵量で世界一のベネズエラが、今や原油を輸入している。ノーベル

経済学賞を受賞したミルトン・フリードマンはかつて「もし社会主義政権にサハラ砂漠を管理させたら

、すぐに砂が足りなくなる」と語ったが、ベネズエラの状況はその説明にぴったり当てはまる。

 社会主義政権の下、食料やトイレットペーパー、紙おむつ、薬などのあらゆる必需品の不足も深刻を

極めている。すべて政府による計画経済や通貨統制、物価急騰が原因だ。

 IMF(国際通貨基金)によると、社会主義体制下の18年間に政府が浪費を続けたおかげで、ベネズエ

ラのインフレ率は720%に達する。凶悪犯罪の発生率も世界最悪で、メキシコのNGOが発表した「世界で

最も危険な都市ランキング」では首都カラカスがワースト1位になった。(2016年2月5日付「インベス

ターズ・ビジネス・デイリー」)

『肩をすくめるアトラス』の世界
2. 「飢えをしのぐために犬や猫、鳩狩りをする国民:ベネズエラでは経済危機と食料不足で略奪や動

物狩りが横行」。(2016年5月4日付「パンナム・ポスト」見出し)

3. ニコラス・マドゥロ大統領が、操業を停止した工場の差し押さえや経営者の逮捕など、政府による

取締りの強化を表明。(計画経済に移行したアメリカが衰退していく模様を描いた)アイン・ランドの

小説『肩をすくめるアトラス』が現実に。(2016年5月15日付BBCニュース)

[参考記事]政府が商品を差し押さえて勝手に安売りの強引経済政策
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2013/11/post-3099.php

4. 「瀕死の乳児にも投与する薬なし:機能不全に陥ったベネズエラの病院」

 ベネズエラでは経済危機の影響で命を落とす人が後を絶たない。とりわけ医療が危機的状況にある。

ニコラス・マドゥロ大統領はついに経済緊急事態を発令し、国家崩壊の懸念もささやかれ始めた。

 医療現場は経済危機の影響をもろに受けている。治療に必要な手袋や石鹸がなくなる病院も出てきた

。がん治療薬は闇市場でしか手に入らなくなってきている。電力不足も深刻で、政府は節電目的で公務

員の出勤を週2日に制限した。(5月15日付「ニューヨークタイムズ」日曜版)

次のページ 社会主義とは血だまりで治療を待つこと

5. 「社会主義」とは、ベネズエラの惨状を伝える報道写真が象徴するように、衛生状態が最悪な手術

室や壊れた保育器、血だまりの中で横たわって治療を待つ患者、抗生物質が手に入らないために命を落

とす犠牲者など、国民を悲惨な結果へ導く精神的な毒を指す。

 これに対し「民主社会主義」とは、社会の一握りが富を独占していると不公平を訴えることにより、

富を富裕層から合法的に盗むことを指す。社会全体の貧困化させることによって格差是正が達成される

。政府に権力を集中させ、民間企業や個人の権限を抑え込む。(5月16日付「ウォール・ストリート・

ジャーナル」、ブレット・ステファンズのコラム)

6. 過去数十年間でベネズエラから国外へ逃れた医師の数は1万3000人に上ると推計される。医師不足解

消の助け舟としてキューバ政府がベネズエラに医師を派遣したが、派遣されたキューバ人の医師たちは

、ベネズエラからコロンビア経由でアメリカを目指す始末だ。だがそうなるのも無理はない。ベネズエ

ラでは医師も診療報酬を減らされ、料理に使う油や食料品を購入するのもままならない状況なのだ。(

4月26日付「リーズン」)

7. ベネズエラでは急激な物価上昇に対応するため貨幣を増刷しようにも、そのための紙代を支払う資

金すらない。(4月27日付「ブルームバーグ」)

[参考記事]ベネズエラの新聞に紙不足の危機迫る

8. 食料不足で苦しむベネズエラでは、食料品店を狙った略奪が日常茶飯事だ。(ロイター/ビデオ)

9. ベネズエラは原油埋蔵量が世界一であるにも関わらず、政府が国民の生存に必要な食料や医薬品す

ら供給できない事態に陥っている。(CNN)

稼いだ外貨を使いきった指導者
10. ベネズエラの経済危機は、1990年代末から続くウゴ・チャベス前大統領とニコラス・マドゥロ現大

統領による社会主義政権が掲げた約束がイリュージョンだったことを露呈している。

 外貨収入の96%を原油に依存しているベネズエラでは、原油価格が高かった時代には、住宅環境や食

料供給の改善、賃金上昇や福祉の充実によって国民も恩恵を感じることができた。

 だがベネズエラ政府は持続可能な経済への構造転換に失敗した。せめて石油で潤った外貨収入を蓄え

ておけば2014年に始まった不況による影響を多少なりとも抑えられたであろうに、政権はそれすらばら

まき政治に利用した。(5月17日付「ニューヨークタイムズ」社説、ベネズエラの経済危機の元凶は社

会主義体制だと批判して)

──ニューヨークタイムズはさらに、ベネズエラの殺人発生率は一日当たり52.2人、約28分ごとに一人

が殺害される計算だと指摘している。

次のページ 左派の論客は何を考えていたのか

 チャベスとマドゥロによる社会主義政権の終焉が近いことはしばらく前から明らかだった。それにも

関わらず、左派の論客のなかにはつい数年前まで、チャベスとベネズエラの経済政策を全面的に支持す

る意見があった。以下に興味深い例を2つ紹介する。

11. デービッド・シロタは「ウゴ・チャベスによる経済の奇跡」とした記事の中で、チャベスの経済政

策を絶賛した。(2013年3月6日付「サロン」)

12. 左派寄りの経済学者マーク・ウェイスブロットは、ベネズエラの経済政策に対する批判に反論して

「ベネズエラ経済はラテンアメリカ版の(財政破綻の危機にある)ギリシャではない。ベネズエラの経

済的崩壊はあり得ない」と主張した。(2013年11月7日付「ガーディアン」)

Mark J. Perry is concurrently a scholar at AEI and a professor of economics and finance at

the University of Michigan's Flint campus.

Reprinted with permission from the American Enterprise Institute.
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/05/post-5123.php

ベネズエラは100%独裁政権になりました
2016年10月24日(月)17時41分
野田 香奈子

66
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一夜明けた10月21日、マドゥロ批判のデモをする学生たち(REUTERS/Marco Bello)
 10月20日の夜、ベネズエラの選挙管理委員会は大統領罷免の手続きを中止することを決定しました。

 ここ数ヶ月は特に大統領罷免を求める国民投票実施の手続きを中心に与野党の攻防が続いていました

 ベネズエラの憲法では明確に国民が大統領の罷免を求める権利を認めています。

 さらに、野党派内からは「罷免選挙を実施ないことは(大統領罷免を定める憲法を制定した)チャベ

スの遺産に反する」という意見も出ていました。

 この緊張状態が、20日(木)の夜に突然、何の前触れもなく、終わりました。

 というわけで、この日を境にベネズエラのチャベス派政権は正式に独裁政権となりました。


"この17年間、政治学者はウゴ・チャベスがベネズエラで作り出した中間的なシステムを表現する方法

を考えあぐねていた。通常の意味で言えば民主主義とは言いがたく、かといって通常の独裁政治でもな

い。 政府は憲法の規定に厳密に従ってはいなかったが、大きくみれば、人々には結社の自由も、言論

の自由も投票の自由もあった。これを何と呼ぶか?競合的独裁主義?ハイブリッド政権?反自由主義的

民主主義?どの呼び方もしっくりこないように思えた。ただ、完全には独裁政治とはいえないベネズエ

ラの中途半端さの余情だけがしっくりきた。

ベネズエラにいる民主化を求める活動家にとって、「ちょっとだけ独裁」体制を築きあげた政権との戦

いは、心身のすり減るような試練だった。憲法で定められた大統領罷免を求める権利の破壊に対する純

粋な怒りの中に、この明瞭さに対する感謝の念をかすかに感じ取ることができるのはそのせいだ。

我々は形容詞から解放された。これでようやく学問的な回りくどさと縁が切れる。

ハイフンでつないで表現する必要はもうない。ベネズエラはただの独裁政治なのだ。

It's official: Venezuela is a dictatorship

 ちなみに今回の選管の決定には、笑ってしまうほどに、正当性のみじんもありません。

次のページ ベネズエラ的にも、滅茶苦茶な

 争点となっていた罷免を求める20%の署名集めが始まる日まで1週間を切った時点で、チャベス派知

事が治める州の裁判所が「20%の署名集めを実施するための1%の署名は無効である」と次々と(実際に

は数時間の差でほとんど同時に、つまりは裏で示し合わせて)発表しました。

 憲法を扱う最高裁判所ではなく、刑事事件を扱う地方の下級裁判所の判断に基づき、選管は罷免選挙

実施の中止を発表しました。日本に比べればはるかにカオスなベネズエラ的にも、これは滅茶苦茶です

 さらにエンリケ・カプリレスや野党連合MUDのまとめ役チュオ・トレアルバなど野党派指導者の海外

渡航の禁止も発表されました。

 そして当のマドゥロ大統領はいずこに?現在外遊中です。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/10/post-6106.php


ベネズエラで起きていること
意味不明な国ベネズエラを読み解きます

CaracasChroniclesの翻訳
べ日子のカラカス日記
翻訳者メモ
蛮行の記録

Maduro’s Barbarism, documented in granular detail
2014年5月5日 Francisco Toro


2014年3月22日 ベネズエラ、カラカスでの反政府派抗議デモでのAP写真

ベネズエラの出来事を終始見守っている私たちの中には、今年この国で見られた人権侵害のひどさに疑

いをもつ人はいないだろう。そうではなくて、これは後々のため、(いつか、その名前にふさわしいよ

うな)裁判が行われる時のためのものだ。漠然と気をもんでいるだけではダメだ。私たちはこれらの暴

力を事細かに記録する必要がある。

それこそ、この紛れもなく決定的なレポートの中でヒューマン・ライツ・ウォッチがやっていることだ

。103ページにものぼり、特定の45件の虐待の事例について被害者と目撃者から直接得た証言を元に記

録してある。

それは捜査官のようなアプローチの仕方であり、別々の情報源から裏付けをとって織り上げられた一つ

の詳細な物語には、事実を疑う余地はほとんど残されていない。

たとえば、3月20日バレンシアの抗議デモ中に起きた事例のほんの一部をここに記すと;

政府反対抗議デモに参加していたマルティネスは、国家警備隊のオートバイ群が近づいてきた時逃走し

たが、同じくそこにいたメンデスとロドリゲス[59]と共に路上で捕まった。バイクで通りかかった警備

隊員によって地面に叩き付けられ、10数名に囲まれ、無抵抗であったにも関わらず全身を繰り返し蹴ら

れる暴行を受けたと、ヒューマン・ライツ・ウォッチに語った。

暴行が一時静まった時、自力で立ち上がった彼は財布を差し出して今それしか持っていないと言うと、

隊員は「私の頭を掴み地面に叩きつけ、軍靴で顔を踏みつけ、それから私を撃った。」彼は至近距離か

らゴム弾でふと腿を撃たれていた*1。
ポケットに入っていた鍵の金属は粉々に砕け腿の部分に食い込んだ。あまりのショックで始めは痛みを

感じなかったが屈んだとき露出してる骨に触れた。

訳注*1
ゴム弾は一般に警察や軍隊によって暴動鎮圧などに用いられ、ベネズエラでも同様である。ゴム弾はあ

る程度の距離から発砲した場合、撃った相手を死に至らしめることはないが、至近距離で発砲された場

合は死傷することもある。

同じ場所で捕まっていたマルドナドはマルティネスとは知り合いではなかったが、何が起きていたかは

見ていた。彼はマルティネスがどのように殴られ至近距離から撃たれたかについての証言を裏付ける説

明をし、さらなる詳細情報を提供した。[60]

マルドナドの証言によれば、マルティネスを含む計4人が至近距離から軍人に撃たれた。彼は通りを真

ん中辺りまで離れたよく見える場所にいて、国家警備隊の1人が他の隊員に対して一人一人を撃つよう

命令するのを見た。誰も反抗もせず逃げようともしなかったのに、警備隊は「こいつにもくれてやれ」

と命令を下し一人一人が同じように撃たれた、とマルドナドはヒューマン・ライツ・ウオッチに語った

詳しくは全レポートを読んで下さい。*2

訳注*2
国際的なNGOヒューマン・ライツ・ウォッチが5月5日に出したレポート『抗議するために罰せられる

(Punished for Protesting)』のプレスリリースの一部の翻訳を先日の記事<ベネズエラについても

っと知ろう>に掲載済み。

https://www.hrw.org/report/2014/05/05/punished-protesting/rights-violations-venezuelas-

streets-detention-centers-and

2014年6月24日改訂済
https://venezuelainjapanese.com/2014/05/25/madurobarbarism/


 

http://www.asyura2.com/17/kokusai20/msg/257.html#c1

[国際20] 「聖域都市」の米シカゴ、トランプ政権を提訴 補助金停止は違法(AFP) 赤かぶ
1. 2017年8月08日 21:45:26 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[719]


岩本沙弓
現場主義の経済学
アメリカの「国境調整税」導入見送りから日本が学ぶこと
2017年08月04日(金)17時00分

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アメリカの「国境調整税」導入見送りから日本が学ぶこと
アメリカには付加価値税・消費税がないため国内企業が不利益を被っているという議論があった Jorge Duenes-REUTERS
<アメリカ企業が不利益を被っているという理由からトランプ政権で導入が検討されてきた「国境調整税」だが、実質的な消費税としての機能が公平な税制への、そして国内消費減退を招くという懸念から今回の導入は見送られた>

大統領選挙期間中から提案され、トランプ政権発足直後からもめにもめてきた税制改革、中でも下院共和党案として出された国境調整税(Border Adjustment Tax, 通称BAT)の扱いが米国内ではこれまでかなり紛糾してきました。以前の寄稿で、このBATがあっさり立案、可決されると決め打ちするのは危ういと指摘いたしましたが、予想通り7月27日(現地時間)に導入却下が決定的となりました。

背景として、トランプ大統領、ムニューチン財務長官を筆頭にトランプ政権自体がBATに反対していたことはもちろんですが、この約半年間、米小売業界を中心に、実体経済目線のFACT(事実)を基にしたBAT反対の真摯なロビー活動が行われたことも大きかったと言えるでしょう。

この間の議論の推移を日本の主要メディアさんが少しでも伝えてくれれば......加計や森友問題、政治家のスキャンダル報道に費やす時間の百分の1、いや千分の1でも割いてくれれば日本の消費税議論にも深みが増すのにと思っていたのですが、やはり完全無視となりました。残念なことです。

BAT見送りが大々的に発表されたホワイトハウスの共同声明で注視するのは下記の部分でしょう。

「新しい国内消費に基づく税制に移行することなしで、アメリカの雇用と課税ベースを保護しながらアメリカ企業、外国企業、労働者との間の公平を確保する実行可能な方法があると我々は今、自信を持っている。これまで国境調整による成長押し上げ効果について討議してきたが、国境調整には多くの未知数が存在することがわかり、税制改革を進展させるためにもこの税制導入を棚上げする決定に至った。」

【参考記事】迷走するオバマケア代替法案のあまりに不都合な真実
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/07/post-7899_3.php


消費税肯定派には耳の痛い部分かとは思いますが、公平さを維持するためには国内消費に基づく税制は必要ないと米国はこの度、あらためて表明したことになります。同盟国の決定については消費税増税派・反対派を問わず、10%へ消費税増税が規定路線となっている現在だからこそ日本の税制が根本的にどうあるべきなのか、あらためて立ち止まって考えるきっかけとすべきなのではないでしょうか。
 
BATとは何か。税制の専門的なことを言い出すとキリがありませんが、極めて端的に言うと日本の消費税と同じ機能をもたせる税制です。具体的には法人税の課税対象から、輸入に課税・輸出に免税するものです。

消費税は国内消費にかかわる税制であるはずなのに、輸出入といったい何の関係があるのか?と思われるかもしれませんが、日本の消費税(海外ではこのタイプの税制は付加価値税と呼ばれるのが一般的)にも関税(=国境で調整される税)の機能が存在し、輸入品には課税、輸出品には還付(=米公文書は還付とは言わず「リベート」としています)措置があります。

次のページ 行き着くところは消費税

米国は連邦国家として付加価値税・消費税を採用してないため、こうした国境で調整できる制度がなく米国企業が不利を被っている、というのが共和党のライアン下院議長、下院歳入委員会のブラディ議長などの主張であり、その機能を持つBAT導入を目指していたわけです。ただし、法人税として輸出を免税・輸入に課税で調整することがことのほか不評を買い、国内からの強烈なロビー活動もあってBATに著しい修正を加えた代替案を迫られ、最終的には下院共和党案として付加価値税・消費税そのものの導入まで匂わせていました。

今回の共同声明発表と同時に下院歳入委員会のサイトにあったBAT推奨の特設ページが全て削除されましたが、削除以前のQ&Aの中にBAT実現の具体的手段として「米国は現在世界160カ国余りが採用しているのと同じような税制を採用することになる」としていました。そのpdfだけはネット上で今のところ確認できますので添付(最終ページに記載アリ)しておきます。

https://waysandmeans.house.gov/wp-content/uploads/2017/03/MadeinAmericaTax_FAQ3.pdf

ここでは付加価値税・消費税という名称は出していませんが、BATの行きつくところはつまり消費税・付加価値税の機能を求めて、消費税・付加価値税の導入までをも視野に入れていた、というのがおわかりいただけるのではないでしょうか。

BAT導入に反対する米国内ロビー活動を積極的に展開してきた米国際自動車ディーラー協会(American International Automobile Dealers Association, 略名AIADA)はBATが実際には消費税と同じような機能を持つため、国内経済へ悪影響を及ぼすことは当然のことながら承知しています。

https://www.aiada.org/policy/border-adjustment-tax-bat

「国境調整税はすべての商品やサービスへの新しい消費税です」との認識を示した上で、具体的事例として、仮にBATが導入されれば輸入に依存している自動車部品は全て課税対象となるため、米国内で販売される乗用車は直ちに一律5.6%の値段の引き上げ、平均的に購入されている車一台に換算すると約2000ドル(1ドル110円換算で22万円)が値段に上乗せされるという試算を出しています。

【参考記事】トランプ税制改革案、まったく無駄だった100日間の財源論議
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/04/post-7511.php

となれば米国人の車の購入意欲は減退、自動車需要が落ち込む結果「米自動車製造工場も小売業も、消費者と同じように痛みを感じ、雇用を削減せざるをえなくなる」、自動車ディーラーにとっても消費者にとっても「破滅的(devastating)」という言葉まで使っています。増税分は物価が短期的に上昇し、その後に急速な需要減退を伴い実体経済が落ち込むことは、日本で生活していれば皮膚感覚で実感してきたことでもあります。

AIADAの代表であるPaul Richie氏は「この税制計画が大幅な法人税減税をまかなうべく、消費者に負担を求めていることに気付いてからというもの、行動を起こさねばと思った。」とコメントしています。GDPの約7割を国内消費に依存している米国経済にとって消費減退は経済成長の根幹を揺るがす大問題であり、財界人であれば何としても避けたいとの発想に至るのはごくごく当然のことでしょう。それはGDPの約6割が国内消費で占めている日本とて同じはず。

AIADAは米国に進出している各国の自動車メーカーの団体ですが、米自動車業界誌『オートモーティブ・ニュース』はBATに反対するようメーカー各社がディーラーに要請、BATの「本質は隠れた消費税だ」との日本の自動車メーカーの談話を象徴的に紹介しています。

また、AIADAには日本の自動車メーカー14社で構成される日本自動車工業会も関連団体として名を連ねています。その自工会ですが、日本の消費税についてはかねてから引き上げに賛同を表明しつつ、消費税10%引き上げ時には消費者負担を軽減すべく自動車取得税・重量税などの撤廃を訴えていました。

次のページ 予想される陳情合戦

実は消費税制度の大きな問題として、一度導入されると、上記のような特定税制撤廃の他にも、通常の税率よりも低く設定することで対象業界が有利となる軽減税率を要求するなど陳情合戦に陥ることが、既に40年以上前のニクソン政権下での税制改革の際に取り沙汰されていました。だから企業はけしからんといった稚拙で短絡的な企業バッシングをここでするつもりは全くありません。

企業は営利目的で活動している以上、税制であれ他の規制であれ、少しでも優位にとの食指が伸びるのは当然です。だからこそ税制などの制度設計をする場合には公平で自由な競争を阻害しないことが非常に重要で、行政側はそこに留意すべしというのが米国のスタンスでもあります。今回もそうですが、先進各国が全て消費税・付加価値税を採用してもなお、連邦国家として米国だけは頑として導入に踏み切らなかった理由の1つはそこにあります。

【参考記事】大胆不敵なトランプ税制改革案、成否を分ける6つのファクター
http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2017/04/6.php

増税による国内需要の減退、国内市場・消費者への破滅的な影響があると実体経済への悪影響に深い理解を示し、公正な競争の観点から各社・ディーラーが米国での消費税導入反対の強烈なロビー活動に尽力されたのであれば、特定税制撤廃や軽減税率などの対症療法ではなく、日本の消費税についても同じように、消費税制度そのものへ根本的な問題提起をしていただけないだろうかと切に願うわけです。

そして、世界最大の債務国(世界最大の債権国は日本)である米国ではありますが、この度、共和党にBATを諦めさせ、国内経済と税の公平性の観点からトランプ政権が下した今回の判断について、消費税増税ありきで拳を振り上げている日本の政治家の方にも是非、これを機にいったんニュートラルな立場に立ち返って、米国内で取り沙汰された論点などを参考にお考えをいただきたいと思う次第です。

トランプ政権下でのBATあるいは消費税・付加価値税導入はこれで見送りが決定的となりましたが、トランプ政権としてはBATや消費税・付加価値税とはまた別の独自の国境税案を持っています。それをいよいよ持ち出すのか、腰砕けとなるのか。引き続きフォローしたいと思います。

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プロフィール

岩本沙弓

経済評論家。大阪経済大学経営学部客員教授。 為替・国際金融関連の執筆・講演活動の他、国内外の金融機関勤務の経験を生かし、参議院、学術講演会、政党関連の勉強会、新聞社主催の講演会等にて、国際金融市場における日本の立場を中心に解説。 主な著作に『新・マネー敗戦』(文春新書)他。
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http://www.newsweekjapan.jp/iwamoto/2017/08/post-31_3.php


迷走するオバマケア代替法案のあまりに不都合な真実
2017年7月3日(月)16時00分
安井明彦(みずほ総合研究所欧米調査部長)

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オバマケア代替法案の採決延期を発表する米共和上院トップのミッチ・マコネル院内総務(6月27日) Aaron P. Bernstein-REUTERS
<規制が多く保険料が高くなりがちなオバマケアに代えて、市場原理を取り入れた代替法案を通したい米共和党だが、代替のデメリットばかりが目立って法案への国民の支持率は20%を割り込んだ>

オバマケア代替法案の審議が難航している。6月27日には、月内に予定されていた上院での共和党案の採決が、7月10日以降に延期された。決定的な問題は、国民にとっては改悪と感じられる内容となってしまった点にある。

オバマケア代替は共和党の宿願
米国で論争となっているオバマケアの代替法案は、ドナルド・トランプ大統領の重要な公約である以前に、議会における共和党の宿願だった。

オバマケアは、2010年にバラク・オバマ大統領のもとで成立した医療制度改革を指す。補助金などによって個人による保険の購入を支援すると同時に、メディケイド(低所得者医療保険制度)を拡充するなどの措置を講じ、無保険者を減らすことを目指した改革である。

米国は国民皆保険制度を採用していない。公的保険は高齢者と低所得者のみにしか用意されておらず、現役世代は勤務先を通じて民間保険に加入する場合が多い。しかし、こうした手段を利用できない場合には、個人で保険料が年間数十万円もする高価な保険を購入せざるを得ず、医療保険に加入できない「無保険者」が存在してきた。米議会予算局(CBO)の試算によると、その数は全米で2600万人に上るという。

かねてから共和党は、オバマケアを目の敵にしてきた。伝統的に共和党は「小さな政府」を志向してきたが、オバマケアによって政府の役割は格段に大きくなった。医療保険への政府の関与を減らし、市場の競争を促進すべきだというのが共和党の主張だった。実際に共和党は、オバマ前政権の時代から、議会でオバマケアの廃止を何度も議論してきた。

得られない国民の支持
トランプ政権の誕生によって、共和党は宿願をかなえる絶好のチャンスを手に入れた。
成立から7年が経過したオバマケアには、対処すべきいくつかの問題点が浮上していた。力を入れてきた個人保険においては、保険料の高騰が伝えられる。地域によっては、採算が取れなくなった保険会社が撤退してしまい、個人による保険の購入が難しくなるところも出てきた。連邦政府の財政負担が増え続けている点も、大きな問題である。

ところが、いざ議会での審議が始まってみると、共和党による代替案は国民の支持を得られていない。各種の世論調査では、共和党の代替案を支持する割合は20%を割り込んでいる。国民にとっては、改悪と思えるような提案だからである。

次のページ 問題が多い代替案

確かに共和党の代替案では、医療保険に対する政府の関与は小さくなる。オバマケアでは、保障しなければいけない医療サービスの内容や、保険料の設定について、さまざまな規制が設けられていた。共和党は、こうした各種の規制を緩和して、保険会社の競争を促進しようとしている。保障しなければいけない医療サービスの範囲が狭くなったり、リスクに応じて保険料を柔軟に設定できるようになれば、保険会社は採算が取りやすくなる。市場からの撤退は少なくなり、競争によって保険料の低下も期待できる、というのが共和党の目算だ。また、連邦政府による財政負担も、向こう10年間で約3,200億ドル減少するという。

三つの不都合な真実
しかし、国民の観点からは、三つの問題点がある。

第一に、無保険者が増える。CBOによれば、2022年時点の無保険者数は、オバマケアが維持された場合と比較して、2,000万人以上増加する(図1)。共和党の代替案では、オバマケアで実施されたメディケイドの拡充策が見直され、所得などの点で加入条件が厳しくなる。個人保険においても、保険料を補助する税制が縮小されることなどから、保険の購入をあきらめる人が増えそうだ。

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第二に、個人で保険を購入する国民の負担が増加する。前述のように、共和党の代替案では、保険料を補助している税制などが縮小されるからだ。規制緩和によって競争が活性化するというが、それだけで補助の縮小を補えるほど保険料が下がるわけではない

保険料に限定すれば、オバマケアの時代と同じ程度の自己負担で医療保険に加入できないわけではない。ただし、保険の内容は貧弱になる。規制緩和によって、民間保険が保障しなければならない医療サービスの範囲は狭まる。既往症を理由に保険加入を断れない点は変わらなさそうだが、精神科やリハビリ治療などは保険の対象外となりかねない。また、保険料が低い保険では、保険を利用する時に自己負担する免責額が高くなってしまう。

第三に、負担は高齢者と貧しい層に集中する。

高齢者の負担が大きくなるのは、個人保険の分野だ。医療のリスクが高い高齢者は、ただでさえ若年層と比べて保険料が高くなりがちである。そこでオバマケアのもとでは、64歳の加入者に課せられる保険料は、21歳の加入者の3倍までに制限されていた。共和党の代替案では、この差が5倍にまで引き上げられる。保険会社とすれば、リスクに見合った保険料の設定が可能になるわけだが、結果的に、オバマケアの規制で抑えられていた高齢者の保険料は上昇しやすくなる。そのため、オバマケア時代と同程度の内容の保険に加入しようとした場合には、高齢者ほど保険料の自己負担額は増加する(図2)。

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年齢による保険料の格差拡大を容認する背景には、リスクの低い若年層の保険加入を促す狙いもある。個人保険の市場を安定させ、保険会社による撤退の動きを抑制するためだ。しかし代替案には、保険料に対する補助金カットが盛り込まれている。これは個人保険市場への強い逆風になる。CBOでは、共和党の代替案のもとでも、やはり保険会社の参入が見込めない地域は残ると予測している。

次のページ 保険料は下がらず無保険者は増加

貧しい層は、メディケイドの見直しに直撃される。2022年時点の代替案によるメディケイド加入者の減少数は、個人保険加入者の減少数の2倍以上に達する見込みである。

連邦政府による財政負担の減少に伴って、メディケイドがカバーする医療サービスが縮小されるリスクも見逃せない。とくに米国では、大きな社会問題となっている薬物中毒について、その治療がメディケイドから外れる可能性が問題視されている。

それだけではない。審議が見送られた共和党のオバマケア代替案には、富裕層に有利な減税が含まれていた。共和党の代替案では、オバマケアの財源として盛り込まれていた投資収益に対する追加税などが廃止されることになっていた。減税総額は10年間で約5,000億ドルを超えており、その7割近くが所得の高い上位20%の富裕層の懐に入る計算だった。

財政赤字の観点では、減税さえなければ、ここまで補助金などを減らす必要はなかった。何しろ、減税を除けば、代替案による財政赤字の減少は、8,000億ドルを超えていた。貧しい層は、割を食った格好だ。

課題に答えられない共和党
結局のところ、共和党のオバマケア代替案は、オバマケアの問題点に正面から答えていない。保険料は下がらず、保険が提供されない地域も残る。財政赤字こそ減るものの、その一方では、財政を悪化させる富裕層向けの減税が盛り込まれていた。それだけでなく、無保険者が増加する等、新たな問題を生み出してしまう。

オバマ前政権時代の共和党は、議会でオバマケアへの反対を論じてさえいれば良かった。たとえ廃止案が議会で可決されたとしても、オバマ前大統領が拒否権を発動するのは確実であり、共和党が代替案に責任を負う必要はなかった。

トランプ大統領自身は医療保険制度に詳しいわけではなく、さほど代替案の内容にもこだわりはないと伝えられる。政権政党となった今、共和党は責任ある対応を迫られている。


yasui-profile.jpg安井明彦
1991年富士総合研究所(現みずほ総合研究所)入社、在米日本大使館専門調査員、みずほ総合研究所ニューヨーク事務所長、同政策調査部長等を経て、2014年より現職。政策・政治を中心に、一貫して米国を担当。著書に『アメリカ選択肢なき選択』などがある。

貧しい層は、メディケイドの見直しに直撃される。2022年時点の代替案によるメディケイド加入者の減少数は、個人保険加入者の減少数の2倍以上に達する見込みである。

連邦政府による財政負担の減少に伴って、メディケイドがカバーする医療サービスが縮小されるリスクも見逃せない。とくに米国では、大きな社会問題となっている薬物中毒について、その治療がメディケイドから外れる可能性が問題視されている。

それだけではない。審議が見送られた共和党のオバマケア代替案には、富裕層に有利な減税が含まれていた。共和党の代替案では、オバマケアの財源として盛り込まれていた投資収益に対する追加税などが廃止されることになっていた。減税総額は10年間で約5,000億ドルを超えており、その7割近くが所得の高い上位20%の富裕層の懐に入る計算だった。

財政赤字の観点では、減税さえなければ、ここまで補助金などを減らす必要はなかった。何しろ、減税を除けば、代替案による財政赤字の減少は、8,000億ドルを超えていた。貧しい層は、割を食った格好だ。

課題に答えられない共和党
結局のところ、共和党のオバマケア代替案は、オバマケアの問題点に正面から答えていない。保険料は下がらず、保険が提供されない地域も残る。財政赤字こそ減るものの、その一方では、財政を悪化させる富裕層向けの減税が盛り込まれていた。それだけでなく、無保険者が増加する等、新たな問題を生み出してしまう。

オバマ前政権時代の共和党は、議会でオバマケアへの反対を論じてさえいれば良かった。たとえ廃止案が議会で可決されたとしても、オバマ前大統領が拒否権を発動するのは確実であり、共和党が代替案に責任を負う必要はなかった。

トランプ大統領自身は医療保険制度に詳しいわけではなく、さほど代替案の内容にもこだわりはないと伝えられる。政権政党となった今、共和党は責任ある対応を迫られている。


yasui-profile.jpg安井明彦
1991年富士総合研究所(現みずほ総合研究所)入社、在米日本大使館専門調査員、みずほ総合研究所ニューヨーク事務所長、同政策調査部長等を経て、2014年より現職。政策・政治を中心に、一貫して米国を担当。著書に『アメリカ選択肢なき選択』などがある。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/07/post-7899_3.php

 

 

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集
欧州における「トランプの意外な効用」?岡崎研究所
2017/08/08

 米ハーバード大学のジョセフ・ナイ教授が、Project Syndicateのサイトに7月6日付けで掲載された論説において、「トランプにも効用あり」という逆説を欧州に適用して分析しています。論説の要旨は次の通りです。


(iStock.com/leremy/ATINAT_FEI/jericho667)
 最近フランスのある会議で何人もの欧州人が、トランプは結局のところ欧州にとって悪くないかもしれないと言って、米国の参加者を驚かせた。彼らの言い分が正しいかどうかチェックしてみよう。

 ほとんどの点において、トランプ大統領は欧州にとってひどいことになっている。トランプは、EUを嫌っているようであり、メルケル首相よりエルドアン大統領、プーチン大統領との方が馬が合うようであるし、英国のEU離脱を歓迎している。NATOの第5条(集団防衛の義務)についても、なかなか再確認しようとしなかった。欧州では支持する者の多い気候変動に関するパリ協定からは離脱し、いくつかの国連機関への拠出も削減した。トランプ大統領は個人的にも、欧州での支持率が低い。

 しかし、この不人気――反米ではなく反トランプ――が、欧州の価値観に梃入れをする効果を生んでいる。ナショナリズムとポピュリズムの合わさった最近の風潮は、トランプが選ばれた時が最高潮で、以後ポピュリスト政治家はオーストリア、オランダ、フランスで敗退している。EUからの脱退を強硬に主張したメイ首相も、総選挙で多数派を失った。

 欧州の経済成長は未だ弱く、失業率も高く、2008年金融危機以来激化した国内の政治的対立も続いている。それでも、9月のドイツ総選挙で極端なナショナリストが首相になることはないだろう。

 Brexitの交渉は厳しいものになろう。しかし、英国民はEUそのものに反対したのではなく、移民の多さに反対しただけであることに着目するべきだろう。英国がEUに入ったまま移民だけ制限しようとしても、EU側が許さない構えだが、ここには妥協の余地があろう。EUの核となる諸国と英国との間では移民の自由を認め、その外側にある諸国との間では制限するというやり方である。つまりEUを「重層的」なものにするのである。EUは既に、関税同盟、ユーロ(通貨同盟)、シェンゲン協定(域内移動の自由)という、重層的な構造になっている。

 トランプが米国の信頼性を疑わしいものにしていることで、防衛面での欧州独自の協力が脚光を浴びるようになっている。欧州の共同防衛体制を築く努力が開始されているが、その動きは遅い。もともと、英国の他にはフランス程度しか、まともに国外派遣できる兵力を有していない。しかし、ここでも重層的なアプローチができる。ロシアの脅威にはNATOを強化することで対応し、バルカンで武力紛争(最近マケドニアは内戦の瀬戸際にあった)が起きるのを防ぐには欧州諸国がPKOを派遣できる。そして混乱するリビアの安定化、地中海を渡海する難民の救出、北アフリカ及び中東での欧州人人質の救出等においては、フランス、英国、ドイツ等の兵力を用いることができよう。欧州は、簡単には共同防衛体制を構築できないだろう。しかし、その必要性は高まっており、皮肉にも不人気なトランプがそれを促進するかもしれないのである。

出典:Joseph S. Nye Jr.,‘Trump’s Gift to Europe’(Project Syndicate, July 6, 2017)
https://www.project-syndicate.org/commentary/trump-spurs-european-defense-integration-by-joseph-s--nye-2017-07

 ナイ教授はこれまで「ソフト・パワー」などの言葉を駆使して、世界を主導する米国のイデオローグ的存在として振る舞ってきました。同氏は「ソフト・パワー」とは正反対のトランプの登場で意気消沈しているというわけでもないようで、ここでは「トランプという毒の効用」という逆説的アプローチを編み出し、それを欧州に適用しています。「重層的協力」が彼の新たな標語となりました。これは、緊密度の異なる組織が重層的に存在、活動して、全体的には西側の価値観、利益を実現する体制とでも言えるでしょう。一つのヒントにはなる考え方です。

 ナイ教授は、米欧における国家主義的ポピュリズムが引き潮にあり、EU解体の勢いも止まったと述べています。ポピュリズムのマグマは今でもありますが、EU解体の勢いが止まったことは事実であり、投資家のジョージ・ソロスなどは英国で再選挙が行われて、Brexitが否定される可能性すら指摘しています。イタリアの銀行危機は解決され、ECB(欧州中央銀行)は金融緩和からの出口を探る状況で、EU経済は上げ潮にあるとも言えるでしょう。

 欧州独自の防衛体制構築には時間がかかるという点は、その通りでしょう。そのような体制は既に長年存在していますが、各国ともNATOとの二重投資を嫌がって、名ばかりの存在にとどまっています。ナイ教授が指摘している「フランス軍の域外行動」などは、既に何度も行われていることです。そして、トランプは、欧州にもっと軍事的負担を負わせたいと考えているだけで、欧州からの軍事的な撤退を考えているわけではないでしょう。欧州から撤退した米国は「偉大」ではあり得ないでしょう。その点をトランプが理解していることは、今回G20の直前にポーランドを訪問して、NATO第5条にも言及した上で、米国のコミットメントを強調して喝采を得た点を見ても明らかです。

 なお、トランプ政権から「ネオコン」的な発想が消えていることは、歓迎すべきことかと思われます。民主主義を広めるのはいいことですが、それを反政府活動支援や武力介入によって実現しようとすると無用の混乱と人道的悲劇ばかり呼ぶことになります。トランプ政権は麗しいイデオロギーを掲げませんが、逆に、キッシンジャー的な冷徹な利益と力の計算に基づいた取引ができる可能性のある政権であるとも言えます。これもまた「トランプの効用」と言ってよいのでしょう。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/10285



http://www.asyura2.com/17/kokusai20/msg/255.html#c1

[戦争b20] 北朝鮮、米国、いかれたアウトローがもたらす惨劇 核戦争は起き得る 日本領海に撃込 グアムへミサイル攻撃 北朝鮮は炎と怒り 酢
1. 2017年8月09日 11:43:01 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[720]
http://diamond.jp/articles/-/136255
2017年8月9日 佐藤智恵 :作家/コンサルタント
ハーバードで白熱議論「長崎への原爆投下は必要だったのか」
サンドラ・サッチャー教授に聞く(2)

原爆投下を決断したトルーマンは、第二次世界大戦中、日本人のことを「野獣」(Beast)と呼んでいたことはよく知られている。ところが、ハーバードビジネススクールで「トルーマンと原爆」について教えるサンドラ・サッチャー教授は、トルーマンは日本人のことを人間として見ていた、という。トルーマンはどこが人道的で、どこが非人道的だったのか。サッチャー教授インタビュー全3回の第2回。(2017年4月21日、ハーバードビジネススクールにてインタビュー)
>>第1回を読む
「人道的リーダーシップ」とは何か
佐藤 「モラル・リーダー」の授業で、学生は「原爆投下を実行したトルーマンを支持するか、支持しないか」、どちらかに手を上げなくてはならないそうですが、「支持する」という学生はいましたか。
サッチャー それほど多くはありませんでしたが何人かいました。私の授業では毎回、同じ質問をしますが、今の学生は皆、原爆投下がもたらした被害を知っているため、多くが「反対」を表明します。しかし「賛成」を表明する学生は必ずいるので、授業では少数派の意見を聞くことから始めます。「なぜトルーマンが原爆投下を決断したのは正しかったと思うのですか」と。
佐藤 それに対してのコメントで印象深かった発言はありましたか。
サッチャー 中国人の学生のコメントが印象に残っています。彼は、中国人の視点から、この戦争がどんな戦争だったか、中国人が日本人の軍人からどのような扱いを受けたか、を語りました。私の授業には毎回、日本人学生や、広島を訪れたことのある学生がいて、興味深いコメントをしてくれるのですが、中国人の学生がこのような発言をしたのははじめてだったと思います。
佐藤 どのような発言だったのでしょうか。
サッチャー 彼はアメリカで育った中国人でしたが、「戦時中の日本軍の残虐行為について、アメリカの学校の教科書にはきちんと記述されていない」と指摘していました。おそらくアメリカ人学生はこの事実を知らないだろうと思って発言したのだと思いますが、彼の発言に他の学生たちは大変驚いていました。ハーバードの学生はナチスドイツ軍についてはよく知っていますが、日本軍についてはあまりよく知らないからです。彼が語った日本軍の行為は、ナチスドイツ軍の行為ととても似ていました。ただし彼は「自分は日本や日本の国民を非難するつもりはなく、日本の軍人が残虐行為を行った事実を伝えたいだけだ」と言っていました。
 彼が原爆投下を支持したのは、どんな手段を使っても戦争を早く終結させるべきだと思ったからです。彼にとってトルーマンの決断は中国の国民を救う決断であり、原爆投下は正当化されるべき行為でした。
トルーマンにとっての「道徳」は何だったか
佐藤 授業では、「トルーマンの決断は人道的であったか」をテーマに、議論を深めていきます。サッチャー教授は、不正行為を重ねる人の「道徳離脱」についても研究されていますが、トルーマンが原爆投下を決断したとき、脳内で「道徳離脱」を起こしていなかったのでしょうか。
サンドラ・サッチャー(Sandra J. Sucher)教授
サッチャー 道徳離脱とは、「小さな不正行為からひどい残虐行為まで、無意識のうちに人間を悪い行動へと導く精神的なプロセス」(*1)のことです。道徳離脱を起こしている人は、自分が他人に害を与えているとか、悪いことをしているといった意識はありません。
 戦時中に道徳離脱を起こす人は、敵をアウトグループ(外集団)とみなし、「彼らは自分たちと同じ人間ではないのだから人間として扱う価値はない」「人道的かどうかを検討する必要などない」と考える傾向にあります。つまり相手を自分と同じ人間として見ないのです。
 私はトルーマンに関する記録を多数読みましたが、トルーマンは道徳離脱を起こしていなかったと思います。トルーマンは日本人を同じ人間として見ていました。
 トルーマンは、「アメリカ国民を守り、アメリカに有利な条件で戦争を終結させることが自分の責任であり、そのために自分ができることは原爆投下を決断することだ」と認識していました。私が思うに、トルーマン自身は、「この状況下で最も人道的な決断を下した」と信じていたのではないでしょうか。
佐藤智恵氏
佐藤 トルーマンは、日本人を同じ人間として見ていた、とのことですが、彼は、日本人のことを「野獣」(Beast)と呼んでいました。本当に人間として見ていたのでしょうか。
サッチャー その事実を物語る記録があります。トルーマンは、広島への原爆投下後、ジョージア州の上院議員から、「日本にできるだけ多くの原子爆弾を落としてください。アメリカ国民は皆、日本人が完全に降伏するまで日本を攻撃するべきだと考えています」という電報を受け取っています。これに対してトルーマンは次のように返信しています。
「我々の交戦相手である日本はひどく残虐で野蛮な国だが、日本人は野獣なのだから、同じように我々も野獣のようにふるまうべきだ、という考えには同意できない。日本の一部のリーダーが『頑固に』降伏しないがゆえに、日本の全国民を殲滅しなければならないことを残念に思う。念のために言っておくが、絶対的に必要であるという状況でない限り、私はこれ以上の原爆投下を許可しない。ソ連が参戦すれば、日本は早晩、降伏するだろう。私の目的はできるだけ多くのアメリカ人の命を救うことだ。しかしながら私は日本の女性、子どもに対しても人間的な感情を抱いている。」(*2)
佐藤 ということは、トルーマンの良心は麻痺していなかったということですか。
サッチャー そうです。少なくともルールを守ろうとしていたことは確かです。トルーマンの自伝には次のようにも書かれています。
「原爆投下を決断する前に、私は原爆が戦時国際法に定められているルールにのっとって使用されるのかどうかを確認したかった。つまり私は、原爆を軍事施設のみに投下することを望んでいた。そこで私はスティムソン(陸軍長官)に、『原爆投下のターゲットは、日本軍にとって最も重要な軍需生産拠点に限定すべきである』と念を押した」(*3)
 広島と長崎は候補としていくつか上がっていたターゲットのうちの2つでした。京都も候補にあがっていましたが、スティムソンが「京都は日本の文化的、宗教的な中心地だ」(*4)と主張し、候補からはずされました。
 広島と長崎の市民に事前に警告しなかったことは、非道徳的行為だと思います。しかし、トルーマンと周りの助言者は、自分たちなりの論理で原爆投下を正当化し、「原爆投下をすれば早く戦争を終結できるのだから、これは人道的な行為だ」と本気で思っていたのです。またトルーマンは、原爆の威力についてはほとんど何も知らなかったというのが実情で、「これまでの爆弾よりもかなり破壊的な威力があるらしい」ぐらいの知識しかありませんでした。
佐藤 これは授業でも議論されている質問ですが、長崎にも原爆を投下する必要性はあったのでしょうか。
ハーバードビジネススクールの教科書「モラルリーダー」
サッチャー 2つめの長崎への原爆投下は、日本に心理的なダメージを与えるためでした。トルーマンは、「戦争を終わらせるためには、アメリカが無数の原子爆弾を持っていることを日本人に知らしめる必要がある」と考えました。それには、日本が降伏するまで落とし続けるしかない、だから、広島のあとにももう1つ落としておこうという発想です。
 トルーマン自身は「日本政府に終戦の決断を促すためだった」と説明していますが、私が問題だと思っているのは、広島への原爆投下後、2日しか猶予を与えずに、長崎へ原爆を投下したことです。なぜ2日ではなく、1週間ぐらい待つことができなかったのでしょうか。これは人道的な見地からみても説明がつかないと思います。
佐藤 日本の大学生や大学院生に「トルーマンと原爆」をテーマに授業をするとしたら、どのような授業にしたいですか。
サッチャー ハーバードの授業とは少し変えて、2回にわけて教えたいですね。最初のセッションは、日本人の学生がおそらく知らないであろうと思われる内容を含めた第二次世界大戦についての授業。日本の小・中学校では「日本は戦争の犠牲者である」ことは教えているけれども、「日本が加害者であった」ことはそれほど詳しく教えていないと聞いています。この認識だと、「私たち日本人は戦争の犠牲者です。原爆を投下するなんて間違っている」という議論で終わってしまいますから、まずは日本の学生に世界的な視野から戦争を見つめ直してもらいたいと思います。
 2回目のセッションでは、ハーバードと同じ形式で進行していきたいです。学生同士で「トルーマンの決断は是か非か」「昭和天皇はどのような役割を果たしたか」などについて、ハーバードの学生に負けないぐらい活発に議論してほしいですね。
>>第3回は8月15日(火)公開予定です。
*1:Sandra J. Sucher and Celia Moore, “A Note on Moral Disengagement,” Harvard Business Pubishing 612-043, Revised 2012, p. 1.
*2:https://www.trumanlibrary.org/whistlestop/study_collections/bomb/large/documents/fulltext.php?fulltextid=22
*3:Harry S. Truman, Memoirs by Harry S. Truman, Vol. 1: Year of Decisions (Garden City, NY., Doubleday & Company 1955.
*4:Ibid.
サンドラ・サッチャー(Sandra J. Sucher)
ハーバードビジネススクール教授。専門はジェネラル・マネジメント。MBAプログラムにて必修科目「リーダーシップと企業倫理」、選択科目「モラル・リーダー」を教える。現在の研究分野は、世界経済における企業の信用の構築。大手デパート、フィデリティ・インベストメンツ社などで25年間に渡って要職を務めた後、現職。リーダーシップや倫理的ジレンマを主題とした教材を多数執筆。著書に“Teaching The Moral Leader A Literature-based Leadership Course: A Guide for Instructors” (Routledge 2007), “The Moral Leader: Challenges, Tools, and Insights” (Routledge 2008). 現在、「企業と信用」をテーマに著書を執筆中。
佐藤智恵(さとう・ちえ)
1970年兵庫県生まれ。1992年東京大学教養学部卒業後、NHK入局。報道番組や音楽番組のディレクターとして7年間勤務した後、2000年退局。 2001年米コロンビア大学経営大学院修了(MBA)。ボストンコンサルティンググループ、外資系テレビ局などを経て、2012年、作家/コンサルタントとして独立。コロンビア大学経営大学院入学面接官、TBSテレビ番組審議会委員、日本ユニシス株式会社社外取締役。主な著者に『世界のエリートの「失敗力」』(PHPビジネス新書)、『ハーバードでいちばん人気の国・日本』(PHP新書)、「スタンフォードでいちばん人気の授業」(幻冬舎)。佐藤智恵オフィシャルサイトはこちら


http://www.asyura2.com/17/warb20/msg/707.html#c1

[経世済民123] 池上彰氏が語る「AI、ロボット時代の人間の仕事」(NEWS ポストセブン) 赤かぶ
1. 2017年8月09日 12:07:27 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[721]
日本企業の問題に共通する病根は「個人の未分化」にある同志社大学政策学部教授の太田肇氏に聞く
太田 肇:同志社大学政策学部教授
2017年8月9日
企業の不祥事、長時間残業、低い生産性、イノベーションの低迷など、今日の日本企業が抱える課題には、共通する病根として「個人の未分化」がある──近著『なぜ日本企業は勝てなくなったのか: 個を活かす「分化」の組織論』で、こう主張する同志社大学教授の太田肇氏に、その真意と問題の解決策を聞いた。(構成/編集部・大坪亮)

編集部(以下、色文字):本書の大要は、「日本企業が今、抱える多くの諸課題には、共通する『病根』があり、それは個人が組織や集団から『分化』されていないことである」ということだと思いますが、具体的には、どういうことですか。

太田 肇
同志社大学政策学部教授
1954年兵庫県生まれ。同志社大学政策学部教授。同大学院総合政策科学研究科教授。京都大学経済学博士。専門は組織論、人的資源管理論。『個人を幸福にしない日本の組織』(新潮社)、『最強のモチベーション術』(日本実業出版社)、『組織を強くする人材活用戦略』(日本経済新聞出版社)、『承認欲求』(東洋経済新報社)、『公務員革命』(ちくま新書)など著書多数。

太田肇氏(以下略):分化とは、個人が組織や集団から制度的、物理的、あるいは認識的に分別されていることであり、未分化とは逆に個人が組織や集団のなかに溶け込み、埋没してしまっている状態を表します。
 個人の分化には程度の差があり、企業から独立するなどの「強い分化」から、職場での仕事の分担を明確にするなどの「弱い分化」、その中間にあたる社内FAやのれん分けなどがあります。
 こうした個人の分化が日本では弱く、そのことが、最近の企業や役所の不祥事、長時間残業、低い生産性、イノベーションの低迷などの根本原因になっていると私は考えます。
 例えば、東京・豊洲市場の建物が計画通りに汚染防止の盛り土が行われていない問題が発覚しましたが、現状では、誰がそれを決定したかがわかりません。実際は、処理しないことが決定されたから、現時点で未処理な状態なので、誰かがそれを決定しているのです。しかし、誰が決めたか分からない。真相は不明ですが、意思決定機関や役所の雰囲気の中で、なんとなく計画通りに処理しなくてよいということになった可能性があります。こうしたことは、日本の大企業でもしばしば起こっていると思います。
 欧米企業では組織のメンバー一人ひとりの権限や責任、仕事内容などが明確に決められていますが、日本の企業や役所ではこれらの線引きがあいまいで、大事な意思決定も、非公式な話し合いやその場の空気などで実質的に決められていることが多いのです。
 忖度という言葉が注目を集めていますが、部下は直接命じられなくても、上司の立場や意向を忖度して行動することがしばしばあります。自分の所属する事業部に高い利益目標を課されていて、事業部長の将来がその達成にかかっているとき、部下は時にはルールを破ったりしてでも、目標達成に協力したりします。そして、その事実を上司が知ったとしても、知らぬふりをするなど、無責任が連鎖していきます。
 個人が分化していれば、後に問題が起きた時に、誰が決断したのか、責任の所在がはっきりするものです。

 過剰労働とは、どのように関係がありますか。
 従業員の側から考えると、個人が分化されていないので、定時までに自分の仕事を終えて帰りたいと思っても、チームや組織全体の仕事が終わらないと帰りづらいというのが実情です。
 自分が一生懸命、スピーディに仕事をしても、他の人がノロノロと働くようだと、その分のカバーでより多く仕事をすることになり、くたびれ儲けということになります。多くの人がそのように考えると、組織全体の生産性は高まりようがなく、労働時間が長くなるのです。
 これに対して、個人が分化していれば、限られた時間を有効に使おうと考え、効率よく仕事をしようというモチベーションが働きます。仕事のやり方を自分なりに工夫しようとして、生産性が上がります。
 随分前に、企業の競争力を高めようとして、成果主義制度を導入する企業が増えましたが、これも個人が未分化ですと、機能しません。個々人の仕事がきちんと分かれていなければ、個々の成果は測れるはずもないからです。
 分化されると、個人が仕事の仕方やペースを自己管理しやすくなります。フレックスタイム制度やテレワークなども使い勝手がよくなります。育児や介護などと仕事の両立もやりやすくなります。
 働き方改革を推進する上で、課題とされてきたことの多くが、個人の未分化に起因していると思うのです。
 もし未分化の現状のままで、残業時間を制限すると、多くの日本企業は赤字に陥ると思います。現在のアウトプットは、残業が多いインプットで実現しています。つまり、生産性が現状のままで、残業を含めたインプットを制限すると、アウトプットが減ります。日本全体でそうなると、経済全体が立ち行かなくなります。

キャッチアップ経済では、未分化で良かった

 なぜ、分化していないのでしょうか?

 いくつかの要因がありますが、主因は工業社会の産物だと考えます。「日本企業の職場はムラ社会」と言われることがありますが、この表現は誤りです。ムラのある農村地域は、農家という個人事業主の集団で、皆それぞれ自分のペースで仕事をしています。個人が分化しているからです。がんばった分だけ自分の収入になるので、工夫して仕事をしようとか、一生懸命に働こうというモチベーションが生れます。
 これに対して工業社会、特に途上国などのキャッチアップ経済で、個人の未分化は意味があります。その最適なモデルを、日本は戦後の高度経済成長期に作り上げました。
 当時は、少品種大量生産の工業社会です。同じような考え方や教育レベルにある人材を大量に一カ所に集めて、決まった仕事を一斉にさせるのが、効率が良かったのです。この仕事のやり方では、個性は攪乱要因となるので、抑制する圧力が働いたと考えられます。
 日本の社会風土も寄与しているでしょう。他国に比べて単一民族に近く、生活文化が似た人間構成で、同じような考え方をして、集団主義になりやすい。共同体意識が強く、皆がやるならやると考えがちで、異論を唱えることが少ない国民性は、個人の未分化のほうがうまく回るキャッチアップ経済期にはプラスに働いたのです。

 1980年代頃までは良かったのですね。

 そうです。しかし、イノベーションを起こし、自ら事業や商品を開発していく必要がある今日のポスト工業社会には、個人の未分化状態では対応できないのです。

 個人が分化すると、どうなりますか?

 企業の生産性にかかわる部分で言えば、2つの意味で、モチベーションが上がります。
 1つは、自分がやった分だけ、報酬や昇格機会が増えることによるものです。現状の未分化状態では、部課やグループなどの組織で業績評価されるので、前述の通り、個人でいくら頑張っても、評価に「天井」のような上限がありましたが、分化されれば、評価は青天井になります。
 もう1つは、分化されると、自分の裁量で仕事ができるので、内発的モチベーションが上がります。楽しさや面白さなど、内側から湧き出るモチベーションが向上するのです。これは今日の仕事には強く求められているものです。創造的な仕事や革新的な仕事は、内側から湧き出るやる気がないと、うまくはいかないからです。

 多くの経営者が求めるイノベーションの第一歩はここにあるということでしょうか。

 そうです。現状のような企業文化をつくる日本企業の制度では、イノベーションはなかなか生まれません。
 米国企業のように、社員が自ら創造的なことを考えたり発見したりしたら、それを基にいずれ独立するというような風土がないと、創造性はなかなか発揮できません。そういう風土をつくるベースにあるのが、個人の分化だと思います。
 日本企業の場合、画期的なアイデア創出が、大幅な報酬アップにも、将来の夢にもつながらないし、さらには、そのアイデアを誰が出したのかがはっきりしません。この状態ではイノベーションを起こす革新的アイデアが出てこないのは当然です。

分化するために、組織に異分子を投入する

 では、どうすれば分化できるのでしょうか。日常の業務レベルで、各自の仕事を明確に区分していくことなどを心掛けるということでしょうか。

 そうした業務改革を行うと同時に、組織風土というものは強固なので、構成員を継続的に流動化していくことが必要です。本書で、いくつか提案していますが、例えば、「組織に異分子を投入する」「会社から転出する企業文化を醸成する」などが考えられます。
 異分子とは、外国人社員や契約社員、フリーランスの専門家等を指します。男性社員が多い会社では女性社員を意識的に入れるということも有効です。
 未分化の組織は、中にいる人にとっては居心地が良い面もあります。習慣にしたがって仕事をしていれば良いし、中での競争もある程度決まった形で、そう激しくないからです。そのように固まった組織を揺るがすには、異分子を相当大きな比率で入れることです。
 異分子は従来の組織のルールとは異なる形で仕事をしようとするし、競争意識も高いものです。外国人社員も、契約社員も、フリーの専門家も、自らの実績を示して、市場で認められることの重要性がわかっているからです。彼らが、旧来組織の中で、成果を示せば、中の人も変わっていかざるをえません。
 今日においても、プロジェクトベースで仕事をする機会は徐々に増えていますが、そういう機会を通じて、組織内の人たちが組織の“ぬるま湯”に気が付いて少しずつ変わっていっています。その結果、企業の競争力は高まっていきます。流行りの言葉でいえば、ダイバーシティによる競争力の強化ということです。
 働き方改革を推進したり、イノベーションを生む企業風土を培ったりすることを経営者が真に望むのであれば、組織メンバーの多様化を強力に進めるため、それを促す制度やルールをつくるべきです。
 リクルートという企業には昔から40歳くらいまでに会社を出るという企業風土があり、社員もそれを前提に入社してきます。ですから、リクルートに定年まで働き続けるという意識が希薄で、個人が分化しているようです。
 個人の分化を実現するには、これくらいの企業風土を培うという意識を経営者がもつことが必要だと思います。昔から日本には「のれん分け」という制度があります。ある程度仕事を覚えたら独立するのですが、皆、それを前提にその店や企業で勤めるわけで、特別なことではないのです。この制度を導入することで、緊張感を高めて、競争力を高めている企業も多くあります。(了)
http://www.dhbr.net/articles/-/4959

http://www.asyura2.com/17/hasan123/msg/116.html#c1

[経世済民123] 日銀は円安で物価目標を目指す「長期戦」に転じた(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
1. 2017年8月09日 12:31:28 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[722]

インフレ率の上昇で実質成長率は高まるか

2012年12月18日 01:23  小黒 一正

新政権誕生でデフレ脱却に向けた政策に注目が集まる中、「インフレ率の上昇で国民生活が豊かになる」という幻想が一部に漂っているのが少々気になる。
個人的にはデフレは望ましくないと考えているが、かつてのコラム
消費増税法案:「景気条項」設定に「GDP成長率」は適切でない
http://agora-web.jp/archives/1413465.html
でも説明したように、一国の本当の豊かさの向上を表すのは「名目GDP成長率」でなく、「実質GDP成長率」である。
このため、「インフレ率の上昇で国民生活が豊かになる」とは、「インフレ率の上昇で実質GDP成長率が上昇する」ことを意味する。
これは「インフレ率の上昇→実質GDP成長率の上昇」という「因果関係」があることを主張するが、そもそも、「インフレ率」と「実質GDP成長率」という変数の間に「相関関係」は存在するだろうか(注:相関は因果を含意しないものの、相関関係は因果関係の必要条件の1つである)。
以下の図表は、OECD(経済協力開発機構)加盟国等の1951年−2011年のデータに基づき、「インフレ率」と「実質GDP成長率」の関係をプロットしたものである。具体的には、「インフレ率=名目成長率−実質GDP成長率」として、横軸に「インフレ率」、縦軸に「実質GDP成長率」をとっている。
この図表をみれば一目瞭然であるが、同じインフレ率でも、実質GDP成長率の値には「ばらつき」があり、実質GDP成長率がプラスの値をとるケースもあれば、マイナスの値をとるケースもあることが分かる。
すなわち、インフレ率と実質GDP成長率の間に、相関関係は確認できない。なお、この図表には、インフレ率と実質GDP成長率の回帰直線を描いているが、この直線は水平に近く、回帰直線の説明力を表す決定係数(R^2)の値も低い。
これは、「インフレ率の上昇で、実質GDP成長率が上昇する」とは限らないことを意味する。デフレ脱却の重要性を否定するものではないが、一国の本当の豊かさの向上を目指すのであれば、実質GDP成長率を高めるような成長戦略の推進が望まれる。
(一橋大学経済研究所准教授 小黒一正)
タグ: インフレ率, デフレ脱却, 名目成長率, 因果関係, 実質成長率, 相関関係
http://agora-web.jp/archives/1507665.html


消費増税法案:「景気条項」設定に「GDP成長率」は適切でない
2011年12月13日 08:00

社会保障・税一体改革において、消費増税を行う際の「景気条項」が政治の焦点となってきた。今年6月下旬に政府・与党が一体改革案を取りまとめた際には、増税の前提として「経済状況の好転」を明記し、経済動向などを見極めて総合的に判断するとしている。
その際、「景気条項」として、増税慎重派の中には「名目GDP成長率で2%以上」といった高いハードルを設けるべきとの意見もある。

1997年の橋本政権の財政構造改革の教訓もあることから、景気条項を設ける是非については様々な議論があるが、経済成長を一つの指標にする場合、「一人当り実質GDP成長率」を選択するのが望ましい。
というのは、まず、一国の豊かさの向上を表す指標として、「名目」の伸びは適切ではないからである。「名目GDP成長率=実質GDP成長率+インフレ率(正確にはGDPデフレーター)」という関係式から、一国の本当の豊かさの向上を表すのは「実質GDP成長率」である。
なぜなら、名目上の所得の伸び(=名目GDP成長率)が2%であっても、例えばインフレ率が2%ならば、実質的な所得の伸び(=実質GDP成長率)はゼロであり、実際に国全体で購入できる財・サービスの量(=豊かさ)は何も変化しない。また、インフレ率が2%超となれば、実質的な所得の伸び(実質GDP成長率)はマイナスとなり、実際に購入できる財・サービスの量(=豊かさ)は減少し、国民は貧しくなってしまう。このため、名目GDP成長率を景気条項の指標に設定することは望ましくない。
次に、少子高齢化・人口減少が急速にする日本においては、実質GDPを経済成長の指標に設定することも望ましくない。
人口成長率が変化する経済では、一般論として、国全体の経済規模が変わらなくても国民一人当りの豊かさが変化するからである。このため、標準的な経済学では、生活水準の向上は「一人当り実質GDP」の増加で表現するのが適切とされている(『ジョーンズ マクロ経済学TU』等)。
例えば、1995年以降の日本とアメリカの実質GDP成長率の推移をみてみよう(図表1)。

図表1をみると、2007年・2010年を除き、アメリカの成長率は日本を上回っている(注:1997年から1999年における日本の成長率はアメリカを大幅に下回っているが、これは長銀や日債銀等の大手金融機関が経営破綻した金融危機の影響である)。
このため、日本経済は低迷していると思い込んでいる者も多いが、生活水準の向上を示す「一人当り実質GDP成長率」の推移を眺めると、日本経済の違った姿がみえてこよう(図表2)。

図表2をみれば明らかなように、日本の一人当り実質GDP成長率は、大手金融機関が経営破綻した金融危機の期間(1997年−1999年)を除き、概ねアメリカと同じパフォーマンスを示している。
もっとも、一人当り実質GDP成長率がアメリカと似たパフォーマンスを示しているから、これ以上の成長は不要であるという訳ではない。だが、少子高齢化・人口減少が急速に進む日本で、実質GDP成長率を景気条項の指標の一つに設定することは、極めて厳しいハードルを課すことになる。
というのは、経済成長の源泉は基本的に「技術進歩等の全要素生産性(TFP)」「資本投入量」「労働投入量(=労働人口×労働時間)」の3つである。
このうち、社会保障・人口問題研究所の将来推計人口(平成18年度)によると、「労働投入量」に深く関係する「生産年齢人口」は2055年までに毎年1.2%程度のスピードで減少していく。その際、「実質GDP成長率=労働生産性の伸び+労働投入量の伸び」とみることもできるから、実質GDP成長率2%を達成するためには、TFPなどを上昇させることで、3%超の労働生産性上昇が不可欠である。
しかし、経済成長に与えるTFPの寄与は高度成長期(1954年−1973年)で4−5%であったが、その後は2%程度にまで低下し、1990年のバブル崩壊以降は0.5%付近に低下している。
また、2002年から2008年における労働生産性の伸び(平均)は日本1.48%、アメリカ1.5%であり、OECD諸国の平均は1.1%であるから、労働生産性の伸びにも限界があるはずである。このような条件で、消費増税について極めて厳しいハードルを設定すると、もはや指標としての現実味を失い、市場における財政への信認を低下させるリスクもある。
以上から、少子高齢化・人口減少が急速に進む日本において、消費増税法案に「景気条項」を設定するならば、「名目GDP成長率」「実質GDP成長率」は適切でなく、「一人当り実質GDP成長率」を指標の一つにすることが望ましい。
(一橋大学経済研究所准教授 小黒一正)
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タグ: GDP成長率, 一人当たり実質GDP, 名目, 実質, 景気条項, 消費増税
http://agora-web.jp/archives/1413465.html


http://www.asyura2.com/17/hasan123/msg/118.html#c1

[経世済民122] 木内前日銀委員:国債買い入れは「来年中ごろに限界に達する可能性」 米雇用統計:7月は予想上回る 米雇用増えても賃金伸びず 酢
4. 2017年8月09日 12:35:40 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[723]
結局は生産回帰なんてしないのか

目覚めよサプライチェーン

消費者は自国製にそこまでこだわらない
2017年8月9日(水)
坂口 孝則

(写真=AP/アフロ)
 かつて私は自動車メーカーで勤務していた。自動車は為替によって利益が左右されるといわれる。部品調達だけではなく、完成車の生産も為替によって検討しなければならない。また、実際に頻繁に、国ごとに生産する台数が変化していた。いわば、生産変動が当たり前の世界にいた。

 その後、私は調達業務のコンサルタントになったが、「生産回帰」という言葉の使われ方に違和感を抱いた。というのも、生産回帰というくらいなら、普通は生産の大半が日本に戻ってきているイメージだ。しかし、“一部”の機種の“一部”の生産が、日本に戻ってきているという。その程度なら、自動車では日常茶飯事だ。別に生産回帰として騒ぐほどでもない。

 さらに、“一部”の機種の“一部”の生産は日本に戻っても、全体的な傾向としては、海外生産は拡大しているという。それはほんとうに生産回帰と呼ぶべきものなのか、私は不思議に感じている。

 たとえば「2016 年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」を見てみよう。49ページでは、確かに日本にたくさん生産が戻ってきている、と思いきや、51ページを見ると日本に戻ってきているのはその一部にすぎず、むしろ大半は中国など海外に流出しているのがわかる。トータルでは生産は回帰していないと断ずるほうが適切ではないか。もちろん、全体の傾向は不変でも、少しでも日本に戻ったらよしとする見方もあるかもしれないが。

ウォルマートの製造業回帰宣言

 ウォルマートは「製造業刷新のためのロードマップ(Walmart Outlines Policy Roadmap to Renew U.S. Manufacturing)」を発表した。詳細はポリシーをご覧いただくとして、ワッペンまで作成して掲げている「Walmart INVESTING IN AMERICAN JOBS(ウォルマートは米国の製造業に投資する)」という標語が印象的だ。政府や議会にも協力してほしいところと、小売業界で努力せねばならないところをあげて、米国の製造業全体を底上げするのが狙いだ。

 目標は3000億ドル分の生産を増やすことと、雇用もおなじく150万人分を増やすことだ(なお、これは関連業種の雇用も含めてのもので、製造業のみでは25万人ほどの雇用増を目指すとしている)。なおこれは2013年から開始されたプログラムで、開始当初より、目標値を上積みしたかっこうだ。

トランプ大統領の賞賛はすごいが

 トランプ大統領は、米国製を露骨なまでに賞賛し、ホワイトハウスのブログにも掲載している。米国全州の商品と会社名をあげ、下のメッセージ欄には「トランプ大統領は大統領就任の初日から、アメリカの労働者と家族のために闘ってきました(President Trump has been fighting on behalf of American workers and families since the first day of his Presidency)」とある。その他、自画自賛を含めた檄文が並んでいる。

 冒頭で私は、生産回帰の「件数」として、本当に日本へ回帰しているのかと疑問を呈した。そして、ウォルマートは何より雇用を目指している。ところで、そもそも米国に戻ってくる必要があるのだろうか。少なくとも、全業界を総じて語ってもいいのだろうか。

 その点について、面白いことに次のような指摘がある。これはPew Research Centerの情報だが、米国では製造業の雇用は大幅に減って、しかし、生産量は大幅に増えているのだ。1987年から2017年までの推移を見よう。たとえば、雇用は1750万人から1240万人に減少している。確かに事実だ。ただ生産量は倍になっているのだ。この記事では、アンケートに答えたひとのほとんどが、米国製造業の雇用が減少しているのは知っているものの、生産量が増えているとは知らなかったとしている。

 この記事では、もちろん衣料などの商品によっては海外に流れているのは事実としながらも、コンピューターや電気製品等は生産量をむしろ増やしていると指摘している。だから、一般的に生産が海外に移管する、といっても、全業界をまとめて議論するのは危険であり、そもそも全体の生産量が増加している事実を失念してはいけない、というのだ。

ウォルマートは二重離反に陥っているか

 さらに、前述のウォルマートについて、いくつかの疑念が提示されている。ロイターによると、ウォルマートは激しい競争のなかで、オンライン販売では、結局米国製ではなく他国製品のラインナップを増やしていると指摘した。

 中国やイギリス、カナダなどの各企業にオンライン販売を加速するために協力を呼びかけているという。周知の通り、ネット通販では、ライバルのアマゾンが商品ラインナップでは先を行く。ウォルマートは追いつこうと、5000万アイテムを用意する。しかし、アマゾンは3億アイテムを用意しているのだ。もちろん敵はアマゾンだけではない。これからも無数に登場してウォルマートに戦いを挑んでくるだろう。

 これからウォルマートはネット上での闘いを本格化させようとしているが、やはり幅広い品揃えと、なんといっても価格優位性がカギとなる。もちろん、多くを販売することで、(製造業者という意味ではなく)店舗や倉庫管理などで雇用が生まれ、結果として多くの米国人を雇う結果になるかもしれない。ここには、雇用も大切だけれど、競争に勝たなきゃ、そもそも従業員を雇えない、というリアルがある。

 前述の記事にもあるとおり、トランプ大統領の発言とうらはらに、さほど多くの米国人は米国製にこだわりをもっていない。米国製が良い、とは共通した意見だが、多くのお金を払うほどではないと答えている。ウォルマートは、米国製造業者の刷新プログラム、オンライン戦争、米国人消費者の本音、という三者のなかでジレンマを抱えている。

 ところで、私たちは、ふたたび自問する季節に行き着いたのではないかと思う。このコラムで生産回帰について疑問を呈したのは数年も前のことになる。自問とは、すなわち、生産回帰はそもそも必要なのだろうか――と。


このコラムについて

目覚めよサプライチェーン
自動車業界では、トヨタ自動車、本田技研工業、日産自動車。電機メーカーでは、ソニー、パナソニック、シャープ、東芝、三菱電機、日立製作所。これら企業が「The 日系企業」であり、「The ものづくり」の代表だった。それが、現在では、アップルやサムスン、フォックスコンなどが、ネオ製造業として台頭している。また、P&G、ウォルマート、ジョンソン・アンド・ジョンソンが製造業以上にすぐれたサプライチェーンを構築したり、IBM、ヒューレット・パッカードがBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を開始したりと、これまでのパラダイムを外れた事象が次々と出てきている。海外での先端の、「ものづくり」、「サプライチェーン」、そして製造業の将来はどう報じられているのか。本コラムでは、海外のニュースを紹介する。そして、著者が主領域とする調達・購買・サプライチェーン領域の知識も織り込みながら、日本メーカーへのヒントをお渡しする。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/258308/080800093/


 


悩む大手銀行、クオンツ投資家のデータ要求とコンプライアンスの間で

Dani Burger
2017年8月9日 06:48 JST

ほかでは得られない市場データを求める飽くことなき需要が、銀行を難しい立場に立たせている。

  取引を黄金に変身させるシグナルが欲しくてしかたがないクオンツ投資家は、取引先の金融機関が持つ情報へのアクセスを求めて圧力をかける。公開情報は瞬時に解析され、それに基づいて投資家が行動する世界で、投資での優位は一瞬で消滅する。クオンツの言葉で言えば、裁定が働いてアルファが消える。

  このため、一部の投資家は衛星画像やクレジットカード取引記録など変わった情報源の活用を試している。一方、まだ利用されていないウォール街のリソースに目を付ける投資家もいる。以前から存在するが容易には入手できない、例えば調査リポートの読者数のようなデータだ。

  こうした価値ある情報を求める声が強まるにつれて、銀行はバランスを取ろうと苦労する。機密をもらすことなく、役に立つ情報を与えるにはどうしたらいいのか。

  運用会社に助言サービスを提供するアルファ・セオリーでポートフォリオコンサルティング部門プレジデントを務めるベンジャミン・ダン氏は、「バイサイドはずっと前からこのデータを欲しがっていたが、何でもすぐに裁定が働く今はその要求が業界全体でさらに強くなっている」とした上で、セルサイドの銀行では、「調査部門はデータを提供したいと考えるが、コンプライアンスと法務上の責務がこれを阻止している」と話した。

原題:Quants Clamor for Data Causing Soul Searching at Large Banks (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-08/OUDHCF6VDKHU01

 


空売りで知られるオディ氏の欧州株ヘッジファンド、7月に約10%損失
Suzy Waite、Nishant Kumar
2017年8月8日 15:55 JST

空売りで知られるヘッジファンド運用者、クリスピン・オディ氏の欧州株ロング・ショート戦略ファンドが7月に約10%の損失を出した。ブルームバーグ・ニュースが入手した文書で分かった。
  文書によると、オディ氏自身がロンドンから運用するオディ欧州ファンドの7月成績はマイナス9.8%。1−7月ではマイナス12.2%となった。
  7月の成績について米紙ウォールストリート・ジャーナルが先に報じていた。オディ・アセット・マネジメントの広報担当者はコメントを控えた。
  投資家宛ての書簡によれば、7月のパフォーマンスは2016年3月のマイナス22.4%以来で最悪だった。オディ氏は昨年、英国株は欧州連合(EU)離脱決定を受けたリセッション(景気後退)とインフレ加速によって80%下落する可能性があると警告していた。
原題:Crispin Odey’s European Hedge Fund Loses Almost 10% in July(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-08/OUCTI26TTDS201


ドイツ銀とクレディ・スイス、ウェルスマネジメントのランキング低下
Patrick Winters
2017年8月8日 06:18 JST

スコルピオ・パートナーシップがまとめたウェルスマネジメント事業の調査によると、ドイツ銀行とクレディ・スイス・グループは2016年に同事業での運用資産で順位を落とした。
  クレディ・スイスの富裕層事業の運用資産は2016年にドル建てで4.7%増えたが、17%資産を増やしたロイヤル・バンク・オブ・カナダに抜かれて順位は1つ後退し6位となった。
  ドイツ銀は運用資産が28%減り、順位は5段階下の16位となった。上位4位はUBSグループとバンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレー、ウェルズ・ファーゴが維持。スコルピオは200社余りのウェルスマネジメント会社からの公開情報をまとめた。  
  調査によると業界全体では運用資産が4%近く増えたにもかかわらず、収入は横ばいだった。
原題:Deutsche Bank, Credit Suisse Fall in Wealth Management Ranking(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-07/OUBN70SYF01T01


ゴールドマン、デリバティブで資本要件が上昇へ−減らすなら半年以内
Dakin Campbell
2017年8月8日 16:26 JST

米ゴールドマン・サックス・グループは4日の届け出資料で、リスク加重資産に対して保持を義務づけられる資本の最低要件が3%に上昇する見込みだと明らかにした。6月末の資産に基づいて見積もった。
  ゴールドマンは、その主因は「短期デリバティブ(金融派生商品)の想定額」の増加だと説明した。このために、資本の最低要件は現行のリスク加重資産の2.5%から上昇することになる。システム上重要な銀行の資本最低要件はそれぞれの銀行の規模と複雑さによって決まる。
  JPモルガン・チェースはこの比率を下げようと、2015年中に資産を2200億ドル(約24兆3300億円)余り減らした。当局は年末に、2019年1月から適用する資本比率を決定する。ゴールドマンは資産を減らすか高い資本要件を受け入れるかを、年末までに決めなければならない。
原題:Goldman’s Derivative Growth Made It More Systemically Important(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-08/OUCV0Y6JIJUO01

ガンドラック氏、手遅れになるまでしがみつくな−今を犠牲にしても
Erik Schatzker
2017年8月8日 15:43 JST

米ダブルライン・キャピタルの共同創業者で最高経営責任者(CEO)のジェフリー・ガンドラック氏は、金融市場も自身の業界も、「いいことずくめ」であり過ぎると考え、そんな世界から距離を置こうとしている。
  ジャンク債や新興市場債などのリスク資産は過大評価されていると考える同氏は、これらの資産のポジションを縮小、高品質で金利上昇からの影響が小さいクレジット商品への投資を増やしている。それによって当面のパフォーマンスを幾分犠牲にすることは承知の上だ。
  ガンドラック氏(57)はどんな出来事や展開が投資家センチメントを転換させるかは予言できないが、今は慎重になる方が、手遅れになるまでしがみついているより良いと考えている。
  「きっかけが現れるのを待っていれば、安い値段で売ることになる。今は『リスクを心配せずに何を買っても大丈夫』な時期ではない。それをするなら1年半前にすべきだった」と7日の電話インタビューで話した。
  同氏はダブルラインの大きさについても慎重だ。うまく運用できる金額には限度があるとし、運用資産が1500億ドル(約16兆5900億円)に達したら募集をやめようと考えている。現在の規模は1100億ドル。「機関投資家向け事業では実際、投資を断っている。5000億ドルを運用したくない。2000億ドルでも運用したくない」と語った。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iXfOpBL.dMSQ/v5/1200x-1.png
原題:Gundlach, Wary of Pricey Market, Sets Cap on DoubleLine’s Growth(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-08/OUCR9G6JIJUQ01



米カード債務残高、金融危機直前に記録した過去最多を更新
Jenny Surane
2017年8月8日 12:26 JST

米消費者クレジットカード債務残高は今年6月、2008年の金融危機直前に記録した過去最多を更新した。

  米連邦準備制度のデータによれば、カード債務残高は6月に1兆200億ドル(約113兆円)に到達した。シティグループやJPモルガン・チェースなどの銀行は、低金利が長引く中で比較的利幅が大きいことから、残高を繰り越す可能性があるカード保有者との契約で競争を繰り広げている。
  金融危機時と違って、今回はそれほど悪い結果につながらない見通しだ。08年には住宅の値下がりが世界的な金融メルトダウンへの負の連鎖を引き起こし、失業率が10%へと急上昇する中で銀行は2年間でカード債務1000億ドル強を償却した。
  投資家はカード債務残高が2月に1兆ドルを超えて以降、デフォルト(債務不履行)率が上昇するのではないかと神経質になっている。カード発行会社のキャピタル・ワン・ファイナンシャルとシンクロニー・ファイナンシャル、ディスカバー・ファイナンシャル・サービシズの3社は4−6月(第2四半期)の償却率が前四半期から上昇したと明らかにしていた。
原題:U.S. Credit-Card Debt Surpasses Record Set at Brink of Crisis(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-08/OUCIUE6TTDS201

 


1〜3月期の対米経常黒字、前年比8%減 財務省調べ
2017/8/8 17:56

 財務省が8日発表した2017年1〜3月期の地域別国際収支状況によると、米国との間でのモノやサービスなどの取引状況を表す経常収支は3兆6422億円の黒字だった。前年同期から8%減った。知的財産権等使用料の受け取りが減少し、サービス収支の赤字が拡大した。企業が海外子会社から受け取る配当金などを示す第1次所得収支も減少した。

 財務省が同日発表した17年1〜6月の国際収支統計速報では、全世界との間での経常収支は10兆5101億円の黒字だった。上半期としては2年連続で10兆円を超え、リーマン・ショック前の07年以来10年ぶりの高水準となった。

 対アジアの経常黒字額は1〜3月期に2兆6778億円で、前年同期に比べて91%増えた。輸出が好調で貿易収支が黒字転換した影響が大きかった。国・地域別にみると対中国の経常赤字が縮小。香港や台湾、韓国などとの間でも経常黒字が拡大した。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS08H3F_Y7A800C1EE8000/


18年春の大卒内定率、7月末で約8割 マイナビ調べ
2017/8/8 17:03

 就職情報大手のマイナビ(東京・千代田)が8日発表した2018年春卒業予定の大学生・大学院生の7月末時点の内定率(内々定を含む)は78.9%だった。昨年の8月末時点の内定率(77.5%)を既に1.4ポイント上回った。学生優位の「売り手市場」で人材の獲得競争は激しくなっており、採用活動の早期化が進んでいる。

 今年6月末と比較すると5.6ポイント上昇した。5月末から6月末の内定率が20ポイント増加したのに比べると緩やかな上昇にとどまり、企業が内々定を出すピークが今年は6月だったことがうかがえる。今後も就職活動を継続する学生(未内定者も含む)は36.0%だった。

 売り手市場が強まるなか、学生が内定を辞退するケースも増えている。入社予定の企業から、保護者が入社を承諾しているか確認されたことがある学生は30.5%に上った。「親から反対された」という理由で内定を辞退する学生が多く、企業が内定者に「親にも確認したか」を問う「オヤカク」という言葉も定着してきている。

 調査は同社が運営する就活サイトに登録している学生を対象に実施した。内定率については7月24〜31日にインターネットで調査した。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ08H9D_Y7A800C1000000/


4〜6月の長期失業者68万人、19年ぶり低水準に
2017/8/8 20:41日本経済新聞 電子版

 1年以上にわたって仕事を探す「長期失業者」が減っている。総務省が8日発表した4〜6月の労働力調査(詳細集計)によると、長期失業者は68万人とデフレ経済に入った直後の1998年以来、約19年ぶりの少なさだった。景気の回復で人手不足が強まり、失業者が仕事を見つけやすくなった。失業期間が短ければ働くスキルを保ちやすく、労働生産性の向上につながる。

 雇用環境をみると、2017年6月は正社員の有効求人倍率が初めて1倍を超え、求人が求職を上回る状況にある。過去に例のない売り手市場のもとで、企業が失業者の希望に沿う採用を進め、求人と求職の条件が合わない「雇用のミスマッチ」が減っている。

 17年4〜6月期の長期失業者は前年同期より10万人減った。男女の減少幅はほぼ同数だった。35〜44歳の女性が3万人減と、減少幅が最も大きかった。子育てに一区切りがついて職に就いた女性が増えている。

 前職を離れてから1年未満の短期失業者は125万人で、前年同期より5万人減った。短期失業者はすでにバブル経済直後の1992年以来の水準まで下がっており、減少幅も小さくなりつつある。今年4〜6月は1〜3月に続き、長期失業者の方が短期失業者より減少幅が大きかった。

 戦後3番目の長さとなった今の景気回復局面で、企業は前職の経験が残る短期失業者の採用を優先する動きが多かった。失業期間が長くなった人はスキル向上の機会に恵まれず、労働市場で取り残されやすい。ただ人手不足感が強まり、企業は長期失業者にも採用を広げざるを得ない状況だ。

 長期失業者が再び働き始めれば、企業内教育を通じてスキルを高められる。第一生命経済研究所の星野卓也副主任エコノミストは「人手不足の企業は省力化の投資と並んで、社員の教育に力を入れる。巡り巡って企業の稼ぐ力を高める」と語る。

 専業主婦や引退した高齢者層などの職探しをしていない非労働力人口も減少している。4〜6月時点で4350万人おり、このうち372万人が就業を希望している。ただ「職探しを諦めていた」が「すぐにでも働ける」という即戦力は35万人と、5年間で半分近くに減った。

 長期失業者や非労働力人口が減り続け、企業による人材確保の余地は一段と狭まっている。運輸や小売りでは人材をつなぎとめるための賃上げも広がる。クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミストは「収益増に先行した賃上げは、企業の利益のうち労働者の取り分を示す労働分配率を高めているだけで、持続的とは言えない」と指摘する。そのうえで「労働生産性を高めることが、賃金上昇の好循環に欠かせない」と見る。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS08H75_Y7A800C1EE8000/



7月の街角景気、人手不足でマイナスに 内閣府調べ
2017/8/8 17:33

 内閣府が8日発表した7月の景気ウオッチャー調査によると、街角景気の現状を示す指数(季節調整値)は前月より0.3ポイント低下し、49.7となった。企業の景気判断が落ち込んだ影響で、4カ月ぶりに悪化した。建設業やサービス業で広がる人手不足が、企業の業容拡大の足かせとなり、景況感の改善を鈍らせている。

 景気ウオッチャー調査の項目は、家計動向、企業動向、雇用の大きく3つに分けられる。7月は企業動向が落ち込んだ。「人手不足で売り上げ増加に結びつかない」(南関東の警備業)など、人手不足をマイナス要因に挙げる声が広がっている。内閣府は「受注が悪いわけではない。サービスなどでは人手不足による供給側の制約が影響している」と分析する。

 家計動向は横ばいだった。内訳では小売り・飲食が前月から低下した。東北の百貨店で「夏のセールに積極的な購買姿勢がみられない」との声があった。小売り関係でプラスとみられた猛暑は、テーマパークの客足を鈍らせるといったマイナスの側面もあった。

 地域別では豪雨の被害を受けた九州の指数が3.7ポイント悪化した。

 全国の先行き指数は前月比0.2ポイント低下の50.3となった。「価格を安くしないと売れない。個人消費が改善しているとは楽観的に見れない」(北陸のホテル)など、慎重な見方がある。一方、「11月にかけて例年以上の予約数がある」(南関東のゴルフ場)との声もあった。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS08H2T_Y7A800C1EE8000/

街角景気、4カ月ぶり悪化=人手不足が足かせ−7月

 内閣府が8日発表した7月の景気ウオッチャー調査によると、3カ月前と比べた街角の景況感を示す現状判断指数(季節調整値)は前月比0.3ポイント低下の49.7と4カ月ぶりに悪化した。人手不足が企業活動の足かせとなる懸念が広がった。
 ただ、内閣府は「一部に足踏み感はあるが、全体的に指数は高水準にある」と分析。基調判断は「持ち直しが続いている」に据え置いた。
 指数は企業と雇用関連が悪化し、家計は横ばい。サービス業からは「人手不足で(需要があっても)売り上げ増に結び付かない」(南関東の警備会社)といった指摘が出た。消費をめぐってはエアコンや自動車の販売が好調。その半面、住宅販売は「商談客は減少気味」(九州の販売会社)と業種間でばらつきがある。
 2〜3カ月先の見通しを示す先行き判断指数は0.2ポイント低下の50.3。「価格を安くしないと売れない」(北陸のホテル)と個人消費の先行きを懸念する声が出ている。(2017/08/08-17:07) 

関連ニュース
街角景気、2カ月連続改善=基調判断を上方修正−5月 (17/06/08)
街角景気、3カ月連続改善=新車販売など好調−6月 (17/07/10)
消費者心理、2カ月ぶり改善=基調判断据え置き−7月 (17/08/02)
5月機械受注、3.6%減=基調判断、8カ月ぶり下方修正 (17/07/10)
4月機械受注、3.1%減=非製造業が不振−内閣府 (17/06/12)

景況感、1年ぶりマイナス=自動車など低迷−4〜6月期の大企業(2017/06/13-11:22)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017080800890&g=eco


7月の現状判断DI(季節調整値)は、前月差 0.3 ポイント低下の 49.7 とな
った。
家計動向関連DIは、住宅関連等が低下したものの、サービス関連が上昇した
ことから横ばいとなった。企業動向関連DIは、製造業等が低下したことから低
下した。雇用関連DIについては、低下した。
7月の先行き判断DI(季節調整値)は、前月差 0.2 ポイント低下の 50.3 と
なった。
雇用関連DI は上昇したものの、家計動向関連DI及び企業動向関連DIは低
下した。
なお、原数値でみると、現状判断DIは前月差 1.1 ポイント上昇の 51.0 とな
り、先行き判断DIは前月差 0.9 ポイント低下の 50.6 となった。
今回の調査結果に示された景気ウォッチャーの見方は、「持ち直しが続いてい
る。先行きについては、人手不足に対する懸念もある一方、引き続き設備投資等
への期待がみられる」とまとめられる。


I.全国の動向
1.景気の現状判断DI(季節調整値)
3か月前と比較しての景気の現状に対する判断DIは、49.7 となった。家計動向関連の
DIは変わらなかったものの、企業動向関連、雇用関連のDIが低下したことから、前月
を 0.3 ポイント下回り、4か月ぶりの低下となった。


2.景気の先行き判断DI(季節調整値)
2〜3か月先の景気の先行きに対する判断DIは、50.3 となった。雇用関連のDIが上
昇したものの、家計動向関連、企業動向関連のDIが低下したことから、前月を 0.2 ポイ
ント下回った

II.各地域の動向
1.景気の現状判断DI(季節調整値)
前月と比較しての現状判断DI(各分野計)は、全国 11 地域中、6地域で上昇、4地
域で低下、1地域で横ばいであった。最も上昇幅が大きかったのは東北(3.7 ポイント上
昇)で、最も低下幅が大きかったのは九州(3.7 ポイント低下)であった。
図表9 景気の現状判断DI(各分野計)(季節調整値)

2.景気の先行き判断DI(季節調整値)
前月と比較しての先行き判断DI(各分野計)は、全国 11 地域中、6地域で上昇、5
地域で低下した。最も上昇幅が大きかったのは沖縄(9.1 ポイント上昇)で、最も低下幅
が大きかったのは北関東(4.0 ポイント低下)であった。
図表 10 景気の先行き判断DI(各分野計)(季節調整値)


III.景気判断理由の概要
全国
(◎良、○やや良、□不変、▲やや悪、×悪)
分野 判断 特徴的な判断理由
現状
家計
動向
関連
◎ ・気温の上昇に伴い、エアコンを中心とした季節商材の販売が伸びている。また、高付加
価値商品の販売に注力することで利益も確保されている(近畿=家電量販店)。

・大手携帯電話会社の新料金プランの発表によって、金額的にも魅力ある端末が増えて客
は買いやすくなっている。店頭においてもプラス提案がしやすくなったため、販売台数
が増えた(北陸=通信会社)。
・宿泊に関しては、インバウンドは引き続き好調である。中国からの団体客は、個人旅行
に変化しており、欧米からの個人客も好調に推移している。ただし、国内の個人旅行は
相変わらず元気がない。一方、レストラン売上や宴会売上は、このところ順調である(近
畿=都市型ホテル)。

・気温の高い日が続いているが、夏物のクリアランスセールに対して、積極的な購買姿勢
はみられていない。低単価商品と比較しながらの慎重な購入スタイルは依然として顕著
である(東北=百貨店)。
▲ ・展示場の来場者数が減少している。また商談の客も全体的に減少気味である(九州=住
宅販売会社)。
企業
動向
関連
○ ・居住環境に対する設備投資の考え方が以前よりも前向きになっており、学校や特別養護
老人ホームに環境改善機器の納入が増えている(南関東=電気機械器具製造業)。
□ ・人手不足で売上増加に結び付かない(南関東=その他サービス業[警備])。
雇用
関連 □ ・求職者そのものは減ってはいないが、ミスマッチが多い状況が続いている(東北=人材
派遣会社)。
先行き
家計
動向
関連

・メディアで取り上げられた商品は即時完売や問い合わせが相次いだりするので、客の消
費意欲は落ちておらず、天候や流行など何かのきっかけがあれば景気が上向く気配はあ
る(中国=スーパー)。
・11 月にかけて例年以上の予約数があり、すでにスタート枠の 70%を確保できている(南
関東=ゴルフ場)。

・売上の内容をみると、価格を安くしないと売れないことがわかる。全体の売上高はやや
良くなっているが、個人消費が改善しているとは楽観的に見れない(北陸=都市型ホテ
ル)。

・とてつもない猛暑である。夏は暑く冬は寒いというのが家電が売れる条件である。金利
政策や海外の状況があるが、やはり今夏は暑くエアコンが非常に売れている。前年の倍
近く売上が上がっている。ただこれも続かないので今後はやや悪くなる(九州=家電量
販店)。
企業
動向
関連

・製品単価の値上げや工法によるコストアップ、人件費の高騰などによって、工事の見積
額は上昇傾向にある。消費者の所得がそれに追い付くまでは、購入をためらうことにな
る(近畿=建設業)。
・建物建築の関連業者では人手不足の影響で対応できる仕事が少なくなってきている(北
海道=司法書士)。
雇用
関連 ○ ・年末に向けての受注が増え、求職者も増える傾向にある。東京に関してはオリンピック
関連の受注もますます増加し、安定してきている(近畿=民間職業紹介機関)。

7.近畿
(◎良、○やや良、□不変、▲やや悪、×悪)
分野 判断 判断の理由
現状
家計
動向
関連

・客の普段の買物には、大きな変化はみられない。ただし、季節の催事といったイベント
の打ち出しを強化すると、来客数が増えて、活発に買物をするなど、消費意欲は底堅い
(スーパー)。

・宿泊に関しては、インバウンドは引き続き好調である。中国からの団体客は、個人旅行
に変化しており、欧米からの個人客も好調に推移している。ただし、国内の個人旅行は
相変わらず元気がない。一方、レストラン売上や宴会売上は、このところ順調である(都
市型ホテル)。

・食料品の店頭売上は、前年比 2.0%減で推移している。土用の丑の日も、2,000 円を超え
る商品の動きが悪く、1,500 円前後が売れ筋となり、単価のダウンを招いている。常備
商品も同様で、高級志向の商材の動きが悪い(百貨店)。
企業
動向
関連

・国内の動きに大きな変動はなく、自動車業界からの引き合いが多い。海外からの受注は、
現地調達の会社が増加しつつあり、中小企業による獲得が難しくなっているため、今後
の対策を検討する必要がある(輸送用機械器具製造業)。
▲ ・ここ3か月の受注量が極端に減ってきている。毎年、夏の需要は減る傾向にあるが、想
定以上に減少している。周囲からも良い声は聞こえてこない(出版・印刷・同関連産業)。
○ ・建築関係の出荷量が増えてきている(金属製品製造業)。
雇用
関連

・直近では、これまで横ばいで推移していたIT技術者の正社員求人が多く出ている。企
業の間では、生産性向上や省力化につながるシステム開発の需要が増えている(職業安
定所)。
□ ・人手不足の状況が月を追うごとに深刻化し、派遣事務で働く若年層は枯渇している(人
材派遣会社)。
その他の特徴
コメント
◎:気温の上昇に伴い、エアコンを中心とした季節商材の販売が伸びている。また、高付
加価値商品の販売に注力することで利益も確保されている(家電量販店)。
▲:夏に向けた予約の動きが遅い(観光型旅館)。
先行き
分野 判断 判断の理由
家計
動向
関連
□ ・状況に変化はない。インバウンド客次第のところがあり、今後どうなるかが不安である
(観光名所)。
▲ ・分譲マンションの完成在庫が増加しており、契約数は変わらないものの、実態は値引き
の幅が大きくなってきている(住宅販売会社)。
企業
動向
関連
□ ・8月は稼働日が少ないため、出荷量が減少しているものの、9〜10 月は好調な状態を維
持できる(化学工業)。

・製品単価の値上げや工法によるコストアップ、人件費の高騰などによって、工事の見積
額は上昇傾向にある。消費者の所得がそれに追い付くまでは、購入をためらうことにな
る(建設業)。
雇用
関連 □ ・夏休みなどでパートの人数は増えたものの、パート期間が終われば、また常勤のパート
不足となる。求人の募集をかけても応募はない(アウトソーシング企業)。
その他の特徴
コメント
◎:販売量と供給量のバランスが以前よりも改善され、売上、利益共に、より効果的に増
加する(木材木製品製造業)。
○:年末に向けての受注が増え、求職者も増える傾向にある。東京に関してはオリンピッ
ク関連の受注もますます増加し、安定してきている(民間職業紹介機関)。
http://www5.cao.go.jp/keizai3/2017/0808watcher/watcher1.pdf


http://www.asyura2.com/17/hasan122/msg/862.html#c4

[国際20] トランプ大統領、「真実のニュース」配信開始(TBS) 赤かぶ
2. 2017年8月09日 12:39:39 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[724]

トランプ米大統領がアメリカ人を幸せにしている、2つのコト
2017年08月05日 06:00安田 佐和子
ロシアゲートやらホワイトハウスの内紛、メキシコ大統領との電話会談をはじめとしたリークなど、話題に事欠かないトランプ米大統領。支持率はリアルクリア・ポリティクスの支持率平均で8月2日、過去最低を更新してしまいました。
支持率は38.4%へ低下、不支持率は56.9%まで上昇。

(作成:My Big Apple NY)
不満や批判に溢れておりますが、トランプ米大統領の功績を忘れてはいけません。足元で小売売上高は2ヵ月連続で減少し、個人消費支出も伸び悩むとはいえ、ダウは8月3日までで7日連続で最高値を更新して引けています。
ニクソン元大統領時代から遡った歴代大統領別の就任6ヵ月リターンでは、S&P500で3位にランクインし8.9%でした。オバマ前米大統領のようにどん底から這い上がってきたわけではない事情を踏まえれば、上々ではないでしょうか。

(作成:My Big Apple NY)
原動力は様々あれど、税制改革・規制緩和・インフラ投資の期待が剥落する環境下でも米株が堅調な理由として、ドル安が挙げられます。

(作成:My Big Apple NY)
特にダウは、構成銘柄に海外売上比率が高い銘柄が多い。資本財の一角が70%、IT大手は65%、製薬大手は50%など、ドル安の恩恵が見込まれるというわけです。テクノロジー株のウェイトが17%とS&P500の23%を下回るとはいえ、金融株が18%とS&P500の15%を下回る事情もあります。
政治混迷も、ドル安を促しダウを中心とした米株にはプラスに作用しています。例えばスカラムッチ広報部長が更迭された7月31日、ダウは過去最高値を更新した一方でドル指数は2016年5月以来の安値をつけました。
上半期の米成長率は1.9%増となり、2016年の1.5%増に続き今年も2%割れに終わる可能性が浮上中。内需株で占めるラッセル2000種指数は、米景気の鈍化を先取りするかのように7月25日でピークアウトしダウと正反対の動きを示し始めています。
医療保険制度改革(オバマケア)の代替案移行は絶望視され、税制改革が年内成立する目途は立たず、債務上限引き上げ交渉にも暗雲が立ち込め、資産圧縮を発表するであろう9月にかけ市場に波乱が訪れるリスクが立ち込めます。しかし少なくとも現状、トランプ政権が意図せざるドル安誘導に成功し米株高を演出していることに変わりありません。おかげで家計資産は過去最高を更新中で、金融資産に占める株式の割合も35%近くと、少なくとも2年ぶりの水準へ上昇してきました。8月2日に、ホワイトハウスがダウの高値を更新に胸を張り、声明をリリースするはずです。
(カバー写真:Carl Lender/Flickr)
________________________________________
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2017年8月4日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。
http://agora-web.jp/archives/2027605-2.html


 

トランプ大統領が大学に恩恵−選挙番狂わせが寄付基金リターン後押し
Janet Lorin
2017年8月9日 02:36 JST
米国の大学寄付基金はトランプ大統領のおかげで2017年6月期の運用成績が目覚しく回復した。昨年の大統領選挙での番狂わせを受けた株式相場上昇が後押しし、09年のリセッション以降で最悪だった前年度から急回復した。
  ウィルシャー・トラスト・ユニバース・コンパリスン・サービスによると、運用資産5億ドル(約550億円)超の大学基金の6月30日までの1年間のリターンは中央値で13.3%。同期間のS&P500種株価指数は18%上昇で、大半は昨年11月8日の米大統領選挙以降の上げだった。
  合計運用資産3兆6000億ドルの約1300基金をモニターするウィルシャー・アソシエーツのデータベースによれば、基金全体の成績の中央値はプラス11.3%。前年度は0.7%のマイナスだった。
 

原題:Trump Bump Gives College Endowments Big Gains After a Lousy 2016(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-08/OUDDZL6VDKHS01


 
ダイモン氏も債券弱気派を支持−世界のソブリン債は高過ぎる

Jenny Surane
2017年8月9日 10:08 JST
JPモルガンのダイモンCEO:世界のどの10年債であれ買わない
「ロンドンの鯨」事件は乗り越えた、イクシル氏を非難せず

米JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は債券市場の弱気派を支持している。

  ダイモン氏は8日のCNBCとのインタビューで、「債券価格は高いと考えている」と述べ、「バブルと呼ぶつもりはないが、世界のどこの10年物ソブリン債であれ個人的には買うことはないだろう」と語った。

  米国債市場では金融当局による利上げの中で、景気拡大が利回りを押し上げるとの弱気論が広がっている。グリーンスパン元連邦準備制度理事会(FRB)議長も先月、債券相場で実際にバブルが発生していると述べ、実質長期金利があまりに低過ぎて持続不可能だと警告した。欧州の景気拡大の兆候も同地域の債券価格が下落に向かう恐れがあるとの懸念を高めている。

  幅広い内容にわたったインタビューでダイモン氏は、巨額のトレーディング損失が発生した「ロンドンの鯨」事件の影響を同行は乗り越えたとコメント。事件の渦中の人物だったブルーノ・イクシル氏を非難しないと述べた。

原題:Dimon Sides With Bears, Says Sovereign Bonds Are Too Pricey(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-09/OUE5YB6KLVR501

 


 
http://www.asyura2.com/17/kokusai20/msg/259.html#c2

[不安と不健康18] 禁煙ダイエットは「まず運動、1ヵ月後に食事改善」が効く ガムや飴で紛らわすメタボ 「四季を感じる言葉」口にすると心が潤う 軽毛
1. 2017年8月09日 12:54:29 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[725]
コラム:たばこは「不必要な悪」なのか

8月2日、利益の最大化を追求するたばこ企業は「不必要な悪」と言える。写真は北京郊外で6月撮影(2017年 ロイター/Damir Sagolj)

Edward Hadas

[ロンドン 2日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 彼らは、株主価値の信奉者にとっては恥であり、政府にとっては厄介者であり、公衆衛生にとっては軽い脅威であり、さらには、反資本主義体制派にとっては天のたまものである。利益の最大化を追求するたばこ企業は「不必要な悪」と言える。

問題は、米公衆衛生局長官が1964年に初めて公式に喫煙は有害だと宣言してから明らかだ。それから50年以上、たばこ大手各社は、そうした事実に異議を唱えたり、販売が伸びている国で事業を拡大したり、新商品を開発して多様化したり、競合他社と合併したりするなど多くの戦略的対応を試みてきた。最近では、英たばこ大手ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)(BATS.L)による米レイノルズ・アメリカンの完全買収が先週に完了したばかりである。

たばこ業界のアプローチの仕方は2つある。1つは、当局と協力することだ。BATは米食品医薬品局(FDA)が先週発表した、たばこのニコチン含有量の水準を下げる計画に盾突いてはいない。株主の反響をよそに、BATは、FDAが「たばこ製品にとってのリスクの継続性」を認識したことに「勇気づけられた」としている。1日には、アフリカで、喫煙規制を避けるために渡したとされる贈賄容疑を巡る英当局の捜査に、全面協力すると約束した。

2つ目は稼ぎまくることだ。各国政府の消費税を除いたBATの営業利益率は37%という驚異的な数字をたたき出している。これは例外ではない。米国でマルボロを製造する米アルトリア・グループ(MO.N)の営業利益率はそれをさらに上回る47%である。

こうした企業がそれほど資金を必要としていないのは明白だ。たばこ製造は世界的にほとんど伸びておらず、先進国市場でも年間約2.5%減少しており、投資は自然と縮小していくだろう。BATが2016年に投じた6億5200万ポンド(約942億円)の設備投資は、約31億ポンドのキャッシュを出資者にもたらした。そのうち、株主は約26億ポンドを得る資格がある。

したがって、BATと系列会社がばく大な株主価値をもたらしていることは間違いない。だが、たばこ業界では、株主価値は社会的価値と直接対立する。もしたばこ会社が、自社製品の使用により健康が害された年月に対して全面的に補償するのであれば、投資家の手元には何も残らない。たばこ会社の株主に社会的良心があるなら、自身が利益を得ることは避けるだろう。

株式投資家に利益を還元するためだけに企業が存在するというのは、ビジネスのあり方として、どう見ても間違った考え方である。会社が表明する使命が公益と直接ぶつかるという最悪のコンセプトを、たばこ業界は示している。

たばこ業界は長年、株主価値を追求するためには、喫煙を減らそうとする政府の取り組みに抵抗せざるを得ないと考えてきた。今も政府の行く手を阻んでいる。利益を追い求める業界との集中審議がおそらく、喫煙者に現在の習慣をやめさせるには電子たばこが有益な方法だとFDAを説得するうえで、役割を果たしてきたと言えるだろう。喫煙削減に熱心に取り組む業界なら、このようにマイルドで、より安全と思われているタイプのたばこを奨励したりはしないだろう。

このことは、利益に飢えたたばこ業界が、資本主義の悪しき形態をおおざっぱに体現しているということを示しているわけではない。とはいえ、いくつかの見えにくい欠陥を露呈している。つまりそれは、やるべきことはやっていると信じて疑わない企業経営者や株主、業界にとらわれているというよりむしろ流されている規制当局者、そして自らを害する合法的機会にあまりに多く恵まれている一般市民である。

では、どうしたらシステム上のこの汚点をぬぐい去ることができるのだろうか。

国営化は1つの道だろう。多くの国において、過去数十年にわたり民営化されていたたばこ産業を単に国営に戻すというものだ。世界銀行の調査によれば、民営化により、健康を害するたばこの生産量が増加することが多かった。ただ、国家管理による非効率が歓迎されるかもしれない一方で、高い消費税がもたらす歳入の魅力は、たばこ撲滅への取り組みを鈍らせることになるのがオチだ。

もっとましなアイデアは、秩序ある削減という目的にかなう会社組織をつくることだ。企業経営者は、購入意欲をそぐには十分高いが、違法な製品に向かわせない程度には低い価格を設定することで報酬を受ける。収益は準税金として扱われ、政府に回される。企業は徐々に自社製品の供給を減らすことが期待される。また、たばこの代替品に投資するよりも、たばこ農家が代わりの農作物を見つける支援に投資する。

こうした「減産企業」には法的な真新しさがある。資本主義は新たなチャレンジに対処する能力で知られる。しかしながら、そこに至るのは生易しいことではない。こんにちの株主は結果を求めるからだ。

政府は移行を支援することが可能だろう。正当な価格を支払い、たばこ会社の現地子会社を国営化し、新たな形態で会社を再編するのだ。新会社が株主ではなく政府に送るキャッシュは、確実に納税者がツケを払わされることがないようにするだろう。

たばこ減産会社は何十年も前に誕生しているべきだった。そうであれば、喫煙の終わりを加速させていただろう。だが、まだ遅くはない。煙のように立ち消えにしてしまってはいけない。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。


米FDAがニコチン含有量削減を提案、電子たばこに追い風

BAT、加熱式たばこ「glo」の販売地域を東京・大阪・宮城へ拡大
JT、17年12月期業績予想を上方修正 前提為替見直しなどで
アングル:電子たばこ市場の大手支配、レイノルズ買収で加速か
http://jp.reuters.com/article/cigarette-breakingviews-idJPKBN1AK05X?sp=true
http://www.asyura2.com/16/health18/msg/491.html#c1

[戦争b20] 北朝鮮、米国、いかれたアウトローがもたらす惨劇 核戦争は起き得る 日本領海に撃込 グアムへミサイル攻撃 北朝鮮は炎と怒り 酢
2. 2017年8月09日 15:48:33 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[726]
米朝の敵対的関係、今後を占う上で押さえておくべき要点−Q&A
Isabel Reynolds、Enda Curran
2017年8月9日 15:04 JST


北朝鮮の核弾頭搭載ICBM開発を阻止する手だてが急速に失われつつある現在、北朝鮮ウオッチャーはトランプ米大統領が取り得る軍事上の選択肢の分析に取り掛かっている。トランプ大統領は8日、北朝鮮が脅しを続けるなら、「炎と怒り」に見舞われるだろうと発言した。国連安保理でかつてなく厳しい制裁決議が採択されたことを受け、北朝鮮は米国の侵略阻止に核兵器プログラムは不可欠だとの立場を繰り返し示している。トランプ大統領と米国にとって、安易に取り得る選択肢は残っていない。

1.米国は局地的攻撃を試せないか?

  局地的攻撃は恐らく十分な効果を得られないだろう。北朝鮮のミサイル・核施設は山間部に分散し、隠されている。このため、一挙に全ての施設を破壊できなければ、通常兵器ないし核ミサイルでの反撃を招き、ソウルや東京都市圏といった人口密集地域のほか、北東アジアの数万人規模の米軍も生命の危機にさらされる恐れがある。米国が全施設の壊滅に成功したとしても、ソウルが砲撃を受ける可能性がある。

2.金委員長はなぜ核武装するのか?

  米国が「限定的な攻撃」を行った場合でも、「北朝鮮がはるかに大規模な攻撃の始まりだと考えて、核兵器使用を選ぶ可能性がある」と、ミドルベリー国際大学院の東アジア核不拡散プログラムディレクター、ジェフリー・ルイス氏は指摘する。従って、米国は北朝鮮および同国の主要貿易相手国で同盟国でもある中国に対し、局地的攻撃は限定されたものであり、核兵器による報復は避けるべきだと伝達する必要があるという。

3.北朝鮮体制の交代は選択肢の一つか?

  新体制に代えたとしても、北朝鮮指導が必ずしも新しい考え方をするとは限らない。現在の金正恩朝鮮労働党委員長も権力の座に就く前は、スイスへの留学経験や米欧の価値に親しんでいたことから、経済改革や国の開放に乗り出すのではないかとの期待も一部あったが、実際は全く違った。また金委員長が何らかの手段で排除の標的となれば、側近も丸ごと取り除かれ、多数が粛清されることになる。中国は危機的な難民流入や中朝国境の米軍配備を回避するため、現体制を支える可能性が高い。
4.それでは全面戦争が米国にとって最善の選択肢か?
  北朝鮮のミサイル・核施設に加え、砲撃能力を迅速に失わせるためには本格的な侵攻が必要になるだろう。しかし、米軍の火力増強や韓国軍の動員、朝鮮半島からの米国市民の避難など、北朝鮮攻撃が差し迫っている兆候が認められれば、北朝鮮は先制攻撃に踏み切る恐れがある。中国とロシアも説得される可能性がある。

5.攻撃を受けた場合に北朝鮮はどう反撃するか?

  最初の反撃はソウルおよびその周辺への大規模砲撃になる可能性が高い。国境付近に配備されている砲撃能力は、空軍や海軍、そして朝鮮半島や日本や米軍の基地などが標的になり得る大型弾道ミサイルよりも早く攻撃態勢に入れる。北朝鮮が米国本土の都市を核弾頭搭載ICBMで攻撃できるかどうかは不明であり、これらの国はミサイル防衛システムを配備しているが、すべてのミサイルを防げるかどうかも明らかではなく、米国民の不安は高まっている。

6.開戦した場合の経済的損失の規模は?

  韓国は世界全体の国内総生産(GDP)の約1.9%を占め、サムスン電子や現代自動車など世界的企業を有する。朝鮮半島で戦争がぼっぱつし、経済活動が著しく低下すれば、地域と世界に大きな影響が及び得る。世界金融市場も短期的に甚大なショックを受け、金やドル、スイス・フランなどの安全資産への資金逃避の動きが起こるだろう。

7.現在どのような選択肢が残っているか?

  多くのアナリストは、状況が悪化しないよう、今こそ協議を開始するべきだと指摘する。ミドルベリー国際大学院のルイス氏は、北朝鮮が熱核反応兵器ないしさらに高度の固体燃料ミサイルの完成を阻止することが、目指す価値のある目標であり、そのためには、受け入れにくいかもしれないが、北朝鮮に見返りをちらつかせて交渉のテーブルに就ける必要があると指摘する。同氏は北朝鮮を念頭に置いた米国主導の軍事演習の規模を縮小することが見返りの一つになり得ると主張する。ソウルの延世大学のジョン・デラリー准教授は「国民や議会、北朝鮮と議論すべきなのは戦争のシナリオに関する空想事ではなく」、北朝鮮に何を提示できるかという問題だと指摘。「現実的な選択肢は事態進展の速度を落とすという外交的選択肢だ。これには多くの協議が必要になろう」と語った。  

原題:What U.S.-North Korea Hostilities Might Look Like: QuickTake Q&A(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-09/OUEJ356TTDS401w.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-08/OTOOU36JTSE801

 


北朝鮮による米本土攻撃の脅威は本物か

Andray Abrahamian

[2日 ロイター] - 北朝鮮のミサイル実験は大局的な見地から眺める必要がある。憂慮すべき事態には違いないが、米国本土に危険が差し迫っているわけではない。

私は過去2回、緊張の最中に北朝鮮国内にいたことがある。同国が核実験を行って制裁を受けた2013年春と、16年春だ。私は北朝鮮の人々が「やり過ぎだ。もうおしまいにしよう」と言うのを2度耳にした。この悲痛な声から分かるのは、北朝鮮がいかに国民の臨戦モードを維持しているかだ。

過去の「ミニ危機」の際、私は韓国にもいたことがあるが、国民の関心はさほど高くなかった。

韓国人がテレビ画面の前に集まり、北朝鮮によるミサイル・核実験のニュースを見守る写真をご覧になったことがあるだろうか。あれらはほぼ決まってソウル駅で撮られた写真で、人々は画面に食い入ってはおらず、単に電車を待っているだけだ。

ところが米国人はピリピリしている。北朝鮮は7月4日、大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星14」の発射実験を行い、専門家はミサイルがアラスカやハワイに届きかねないと話した。3週間後の再発射実験では米国本土が射程圏内に入るとされた。明らかに、北朝鮮は米国に核攻撃を仕掛ける能力の獲得に近付きつつある。

だから、ロサンゼルスの人に会うたびに「金正恩(あるいは、『ほら、なんとかって言う人』)はLAに核爆弾を落とそうとでもしているのか」と聞かれるのも無理はない。

私は今年、ほとんどの時間をカリフォルニアで過ごしている。ニュースは常に北朝鮮のミサイル実験を報じ、テレビに出る識者はこの問題をとうとうと語り、米大統領はツイッターに投稿している。私が北朝鮮を訪れていると聞いて人々は意見を求めてくるが、私は「心配するな」と答えている。

北朝鮮は実際に戦争を引き起こさないよう、非常にうまく計算して挑発行動を行っている。指導部はこれまでも、衝突が起これば間違いなく体制が崩壊することを重々承知していた。専門家によると、北朝鮮の核兵器保有は主に抑止力を狙ったものだ。2013年に成立した法律、その他の公告では、先制ではなく報復用の兵器を開発していることが明示されている。

実態として、金正恩氏は米国に先制攻撃を仕掛ける能力を持っていない。米国に核攻撃を行って撃破されずに済むほどの軍事力を備えておらず、今後も備えられないであろうことを指導部は自覚している。

とはいえ、北朝鮮の軍事開発によって新たな脅威が頭をもたげているのも事実だ。

北朝鮮は米国が真に受けないよう、もっと慎重な物言いをする必要がある。米国の軍事演習が「危険な頂上決戦」を引き起こすとか、米国が「レッドラインを越えた」などと、正気で言っているのだろうか。正気なら、どんな行動をとる用意があるのか。米国が真意を理解してくれなければ、その代償は高くつく。

私に質問をぶつけてくるロサンゼルスの人々は、北朝鮮の脅し文句にたいてい「もし」あるいは「そうなれば」という但し書きが付いていることも理解すべきだ。例えば先週は、「もし米国が金正恩氏の打倒を試みるなら、北朝鮮は米国本土を攻撃する」と宣言した。米国を「焦土」に化すといった脅しには、通常こうした条件がついている。

国境や陸海において、限定的な小競り合いはこれまでもあり、全面戦争に発展する可能性も常に存在した。しかし現在が過去と違うのは、ミサイル攻撃が米本土に及ぶ可能性が出てきたことだ。怖いのは、米国が先手を打とうと従来より素早く行動を起こし、北朝鮮は全面戦争や体制転覆に発展し始めたと考え、「(核兵器を)使わなければ負けるまで」だと追い詰められる可能性だ。

もう1つ心配なのは、緊張が高まった時に惨劇につながるような技術的、あるいは人的エラーが起こる恐れである。旧ソ連では1983年9月26日、米国がミサイルを発射したとする早期警戒システムの誤警報を軍将校が見抜いたが、形式通り指導部に報告していれば報復攻撃は避けられないところだった。今日、似たようなシステムの間違いが起こった場合、北朝鮮の兵士らはこの将校ほど柔軟に考えられず、違った行動をとるだろう。

朗報もある。64年間対立し続けてきた北朝鮮と米国は、全面戦争を避けることが上手になっている。しかも米国には他に選択肢がある。この地域に適切な軍事力を維持することもその1つだが、そうした防衛姿勢を北朝鮮のほか、同盟国の韓国と日本に対してきちんと伝えることも重要だ。同盟諸国との良好な政治・経済関係を維持することも必要になる。

どの対応にもある程度のリスクはつきまとう。米国が北朝鮮の軍事開発を遅らせるために二次的な制裁を強化する場合、北朝鮮軍との関係が疑われる中国の企業や銀行を調査することになり、中国との摩擦が起こりかねない。米国が軍事演習で譲歩する代わりに北朝鮮が開発を中止するという合意を結べば、政治的にも戦略的にもリスクが生じる。

米国はまた、北朝鮮の経済と社会の改善を支えることにより、長い目で見て同国の行動が改善するよう働きかけることもできる。しかしこれは北朝鮮との交流や結び付きを強めることになり、制裁との両立が難しい。

どの選択肢にも手っ取り早い解決策はないだろう。しかし少なくとも当面カリフォルニア市民は、今にも北朝鮮のミサイルが飛んでくるのではないかと脅える必要はない。

*筆者は豪マコーリー大学の名誉フェローで、北朝鮮の人々に経済政策や企業家精神について訓練を施す非営利組織、チョソン・エクスチェンジに協力してきました。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。


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http://www.asyura2.com/17/warb20/msg/707.html#c2

[経世済民123] 奨学金400万円超を返済するため…風俗で働く貧困女子25歳のリアル(日刊SPA!) 赤かぶ
1. 2017年8月09日 16:56:27 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[727]

ネタか

>月8万円の貸与奨学金と入学一時金を合わせた計440万円を借りました
>社会人になるときに、返済計画書を見せられたんですが、月2万6000円を20年間返済し続けることになっていた。結婚もできないじゃんって……愕然
>就活して実感したんですが、駒大卒じゃ高給取りにはなれない。そこでとりあえず就職し、風俗嬢

駒大卒だからではないのだろうが

あまりにバカ過ぎるな


http://www.asyura2.com/17/hasan123/msg/124.html#c1

[経世済民123] 日銀の「粘り強さ」が想起させる「あの戦争 緩和効果強調、非常に危うい 日銀は再度検証、国債ETF減額必要 ドル100円へ 酢
4. 2017年8月09日 17:01:10 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[728]

コラム:「ポスト安倍」時代の日銀金融政策

上野泰也 みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト

[東京 9日] - 安倍晋三首相が8月3日に行った内閣改造・自民党役員人事について筆者は、リベラル色が濃い岸田派への十分な配慮、出身派閥である細田派の閣僚数減少(これにより身内びいき批判を回避できる)、自らの政策に批判的な野田聖子氏の閣内取り込みなど、党内で求心力を維持する狙いから相当考え抜かれたもので、手堅い布陣だと受け止めた。

改造内閣発足直後の記者会見で安倍首相は、「結果本位の仕事人内閣」だと形容した。実務能力が高い人を優先した組閣を行っているので、実績を少しずつ積み重ねていくうちに内閣支持率は自然に回復していくはずだという期待感が込められているのだろう。

1つの試みとして、第2次・第3次安倍内閣(改造内閣を含む)の閣僚について、新聞で報道されたベースで出身校(大学・大学院といった最終学歴)別の人数を集計してみた。すると興味深いことに、今回の改造内閣では米ハーバード大学院を出身校としている閣僚が4人もおり、東京大学の4人と同数である。米国の大学・大学院全体に広げると5人で、東大を上回る。

むろん、学歴イコール実務能力ということでは全くないわけだが、米国で視野を広げた人が多数登用された点は大きな特徴だ。また、政治家の二世・三世が入ることが多いとされる慶應義塾大学の出身者が今回はゼロというのも目立つ点である。

マスコミ各社の世論調査を見ると、手堅い布陣が奏功しており、安倍内閣の支持率には下げ止まり感がある。ただし、不支持率の方が支持率よりもなお高い調査結果がほとんどであり、改憲案国会発議のタイミングや年内解散の可能性も含め、政治的に緊張感の高い時間帯がまだ続きそうである。

そうした中、筆者が先回り的に注目しているのが、「ポスト安倍」は誰かというテーマだ。為替市場で円売り圧力が根強く、市場全体がドル安地合いであっても対円でドル安がなかなか進まないのは、日銀が掲げる「物価安定の目標」2%が日本経済の実力や国民の物価観からするとあまりにも高すぎて達成のめどが全く立たず、金融政策のベクトルを考えた場合、日本はこの先もずっと緩和方向で決まりだと見なされているからである。

だが、そうした日銀のスタンスを規定しているのは、政治的現実に即して言えば、安倍首相による日銀の金融政策運営へのグリップだ。名目国内総生産(GDP)600兆円目標や財政健全化プランにも物価2%は前提として組み込まれており、「アベノミクス」の下では2%の物価目標は動かない。とすれば、安倍氏の次の首相がどのような経済政策を打ち出すのか、なかんずく2%の物価目標や日銀の大規模緩和をその弊害や副作用も含めてどのようにとらえるかが、重要になってくる。

<2%物価目標撤回はあり得るのか>

日本経済新聞社が今回の内閣改造直後に実施した世論調査をみると、「ポスト安倍」に最もふさわしい人は、石破茂元地方創生相が22%で首位。次点が現職の安倍首相で17%。3位は自民党筆頭副幹事長の小泉進次郎氏で11%。4位は小池百合子東京都知事と、外相から自民党政調会長に回った岸田文雄氏でともに9%だった。

上記のうち、最有力とされた石破氏は6月下旬に米系通信社が配信したインタビューの中で日銀の金融政策について、「金融政策は何のためにやるのか、物価を上げることが自己目的みたいになっているのは変ではないか」「人々の賃金が上がり、設備投資が増えることが目的であって、物価が上がることが目的ではない」と発言し、その修正に含みを持たせた。

だが、記事の文章中にさらりと書かれていた「2%目標は維持すべきとしながらも」という部分に、筆者は強い関心を抱いた。2%の目標が動かないならば、日銀の金融緩和路線自体を大きく動かすことはかなり難しいからである。欧米と協調せずに物価目標2%を日本が一方的に引き下げる場合の円高急進行リスク、実現の可否はともかく財政健全化の絵図を一応描く上では2%の物価上昇がないと都合が悪いといった現実がおそらく、石破氏の頭の中にはあるのだろう。

また、4位に入った岸田氏は安倍首相から禅譲を受けるシナリオを念頭に動いているとされており、実際に禅譲がある(安倍氏の後継指名を得て自民党総裁選に臨んで勝利する)場合には、「アベノミクス」の継承を経済政策面での公約として掲げる可能性が高い。

このように考えると、「ポスト安倍」の下でも、日銀の金融政策のベクトルが「緩和方向」で固定されている現実が大きく変わる可能性はあまりないことが浮かび上がってくる。

したがって、ドル円相場については、今後も米国側の動き、すなわち米連邦準備理事会(FRB)の金融政策のベクトルが引き締め路線のままか、それとも物価・賃金の上がりにくさなどから利上げが停止して中立になり、その先の利下げ観測が市場で浮上してくるかどうかが、大きな鍵を握ることになる。

筆者は引き続き、米利上げ停止と中国リスク再燃を受けて、晩秋から年末年始あたりに100円前後まで円高ドル安が進むのではないかと予想している。

*上野泰也氏は、みずほ証券のチーフマーケットエコノミスト。会計検査院を経て、1988年富士銀行に入行。為替ディーラーとして勤務した後、為替、資金、債券各セクションにてマーケットエコノミストを歴任。2000年から現職。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。

(編集:麻生祐司)

*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。

ドルはなぜ下落を続けているのか=佐々木融氏
主要10(G10)通貨の年初来のパフォーマンスを見ると、米ドルは目下、「最弱通貨」となっている。2番目に弱いスイスフランに対しても5%弱下落、まさに独歩安の状態だ。 記事の全文

米国も「権威主義的国家」に向かうのか=河野龍太郎氏
「ポスト安倍」時代の日銀金融政策=上野泰也氏
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上野泰也
米利上げ停止 中国リスク再燃
晩秋から年末年始 100円前後

植野大作三菱UFJモルガン・スタンレー
日銀緩和 米金融政策の正常化 10―12月期はドル需要
年末に向けて1ドル115円突破


佐々木融JPモルガン・チェース
ドル下落の背景 トランプ 新興国へ資本流入 円売られすぎの反動


 


円全面高、北朝鮮情勢への警戒でリスク回避−ドル・円は110円割れ
池田 祐美
2017年8月9日 10:49 JST 更新日時 2017年8月9日 11:47 JST

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ドル・円は一時109円74銭と6月15日以来のドル安・円高水準
北朝鮮懸念高まりリスクオフの円買いという流れ−バークレイズ証


東京外国為替市場で、円は主要通貨に対して全面高。ドル・円相場は1ドル=110円を割り込み、一時約8週間ぶり安値を付けた。北朝鮮情勢への警戒感を背景にリスク回避の円買いが優勢となっている。
  9日午前11時35分現在のドル・円は前日比0.4%安の109円88銭。朝方に付けた110円36銭から、一時109円74銭と6月15日以来の水準までドル安・円高が進んだ。

  バークレイズ証券の門田真一郎シニア為替・債券ストラテジストは、ドル・円の下落について、「北朝鮮情勢への懸念が高まり、米国株が下落し、米金利が下げた形となり、リスクオフで円買いという流れ」と説明した。また、「今週は米消費者物価指数(CPI)に注目。非常に弱い状態が続いていたが、物価動向が改善するのかが焦点」と語った。
  
  トランプ米大統領は8日、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)級のミサイルに搭載可能な小型核弾頭の生産に成功しているとの米当局の分析を米紙が伝えたことを受け、北朝鮮が米国を脅し続けるなら、同国は「火と怒り、そして単刀直入に言えば、世界がこれまでに目にしたことがないような力に見舞われることになるだろう」と発言した。

  一方、朝鮮人民軍戦略軍報道官はこの日、朝鮮中央通信(KCNA)を通じて声明を発表し、北朝鮮が米領グアム島への中長距離弾道ミサイル「火星12」の発射の作戦計画を検討していることを明らかにした。

  みずほ銀行の日野景介トレーダー(ニューヨーク在勤)は、トランプ大統領の北朝鮮に関する発言を受けて、「これでもうひともんちゃくあると、ドル・円はもう1回下値を試しにいく」と指摘。「それでも109円台を止められると、その場合マーケットは多分ショート(売り建て)に傾いていると思われるため、戻しも相応に大きくなるのではないか」との見方を示していた。
  この日のアジア時間外取引で米10年債利回りは一時2ベーシスポイント(bp)低下の2.24%程度まで低下した。

  クロス円(ドル以外の通貨の対円相場)が下落。ユーロ・円相場は一時0.7%安の1ユーロ=128円72銭と7月19日以来のユーロ安・円高水準を付けた。豪ドル・円相場も一時1.2%安の1豪ドル=86円29銭と7月7日以来の豪ドル安・円高水準を付けた。

  豪ドルは対米ドルでも一時0.8%安の1豪ドル=0.7855米ドルと、7月18日以来の水準まで下落。8月の豪ウエストパック消費者信頼感指数が前月比1.2%低下したほか、中国の7月の消費者物価指数と生産者物価指数がいずれも市場予想を下回ったことが重しとなった。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-09/OUE8YV6S972I01
 


 


 


ドル/円上値重い、北朝鮮リスク警戒 クロスで円買い戻し

[東京 9日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル安/円高の109.97/99円だった。早朝に伝わった一連の北朝鮮関連の報道を受け、リスク回避のセンチメントが広がり、クロス円での円ショートの巻き戻しが活発化。ドル/円は一時109円後半に下押しした。

午後のドル/円は、日経平均が下げ幅を縮めるのを眺めて、一時110.07円に持ち直す場面があった。「地政学リスクの東京市場での織り込みは、午前で一巡した印象」(国内金融機関)との声が聞かれた。

市場では、北朝鮮を巡る地政学リスクへの警戒ムードが欧米時間に引き継がれるかどうかに関心が寄せられている。

前日は、普段は相場反応が大きくない米求人労働移動調査の強い結果を受けて、ドル買いが強まった場面があった。市場では「北朝鮮関連で相場にネガティブな続報などがなく、米株が反転し欧州株が底堅いようなら、ドル/円はポジティブな経済指標に反応するかもしれない」(国内金融機関)との声が聞かれる。

きょうは米国で、住宅ローン・借換え申請指数や、労働生産性・単位労働コスト速報値、卸売在庫といった指標発表が予定されている。

午前のドル/円は、北朝鮮を巡る地政学リスクを警戒しながら、109円後半へとじりじり水準を切り下げた。

「短期筋は、これまでクロス円で、円ショートさえ持っていれば儲かるという環境に甘んじて、ドル/円以上に大規模な円ショートを持っていたが、けさはその一部が巻き戻された」(国内銀)という。

ユーロ/円EURJPY=EBSは一時128.71円まで下落し、朝方の高値129.71円から1円安。英ポンド/円GBPJPY=は一時142円半ばまで下落し、朝方の高値143円半ばから約1円安。豪ドル/円AUDJPY=は一時86円前半まで下落し、朝方の高値87円前半から1円超の下げ幅となった。

早朝の北朝鮮を巡る報道を受けて安全資産への買いが入った米国債市場では、米10年国債利回りUS10YT=RRは一時2.24%半ばに低下。前日のニューヨーク市場終盤の取引で同利回りは2.27%前半だった。

        ドル/円JPY=  ユーロ/ドルEUR=  ユーロ/円EURJPY=

午後3時現在 109.97/99 1.1739/43 129.12/16

午前9時現在 110.09/11 1.1752/56 129.41/45

NY午後5時 110.30/32 1.1749/51 129.64/68

(為替マーケットチーム)

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http://jp.reuters.com/article/tokyo-forex-idJPKBN1AP0JV
 


 


 
アジアで高まる需要、脱ドル依存へ円の国際化再び−通貨危機から20年
高橋舞子、Connor Cislo
2017年8月9日 06:00 JST

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米利上げによる資金流出への懸念、円調達しやすくし金融安定に一役
日本企業の投資が急増、ドル介さない直接取引で資金調達割安に

米利上げによる資金流出への懸念や日本企業による直接投資の急増を背景に、アジア域内で円の需要が高まっている。通貨危機から20年。政府は脱ドル依存による金融安定化の流れの中で、過去2回失敗に終わった円の国際化につながる具体策を着々と進めている。
  政府は5月、インドネシア、タイ、シンガポール、フィリピンの4カ国と計約4.5兆円のドルを融通する既存の「2国間通貨スワップ」について、円での引き出しも可能にすることで合意。東南アジア諸国連合(ASEAN)各国と、円とドルの選択が可能な最大4兆円の通貨スワップも新設する。6月には円とアジア通貨を直接交換する市場の創設を目指し、タイと協議を始めると発表した。
  国際通貨研究所の武田紀久子主任研究員は、過去の「ドルに比肩する通貨に育てようというお題ありきの国際化」とは違い、「企業や相手国の需要の高まりを受けたボトムアップの国際化」とみる。進出日本企業にとって円と現地通貨の直接交換が促進されることで利便性が高まり、東南アジア各国にとってはドルへの依存度を引き下げることで米国の経済政策の影響を受けにくくする利点があるという。
  日本は1988年に円、ドル、マルクの「3極通貨」を提唱。2001年には通貨危機を回避するため、「アジア通貨バスケット」構想を打ち上げたが、いずれも実現には至らなかった。国際銀行間通信協会(SWIFT)によると、国際決済総額に占める円の割合(4月)は1位の米ドル(42%)や2位のユーロ(31%)に大きく引き離され、3.5%の4位にとどまっている。
中国からASEANへ
  アジア域内で円の存在感が強まっている理由の一つは米国の利上げに伴う資金流出の可能性だ。米連邦準備理事会(FRB)は今年に入りすでに2回利上げを実施。アジアの新興国の多くは通貨危機を教訓に外貨準備を積み上げるとともに、ドル離れの動きを加速化させている。インドネシアやマレーシアは国内決済における自国通貨を義務化。ベトナムも15年にドル預金金利をゼロ化した。
  5月に開かれた日ASEAN財務相・中央銀行総裁会議の共同文書では、ASEANの金融統合や日本企業の進出で経済の結びつきが強まる中、現地通貨の利用促進を図り、域内で円の調達をしやすくすることは「一層の金融安定に貢献」すると明記。麻生太郎財務相は、共同議長国会見で、資金が他国へ一斉に移動する「キャピタルフライトが新興国の中から起き得る可能性は常にある」と述べた。
  1997年に起こったアジア通貨危機は、ヘッジファンドの通貨売りにさらされたタイの変動相場制への移行がきっかけだった。バーツは急落し、経済を支えていた外国資本が急速に流出。インドネシアやフィリピンなどアジア各国の通貨も連鎖して暴落した。米国が利上げの方針を掲げている現在も、資金が逃避する懸念はくすぶる。
  中国における人件費の高まりや政治的な緊張関係を背景に、東南アジアへとシフトしている日本企業の直接投資を後押しする狙いもある。日本貿易振興機構(JETRO)によると、2015年の日本からASEANへのフローベースの直接投資額は2兆245億ドルで、中国・香港向けの2倍近くに上り、現地通貨での取引が増えている。
  金融庁の委託を受けたみずほ総研の調査(14年)によると、アジアに複数の拠点を持つ日本企業の4割弱がアジア圏の通貨の決済額の割合が過去5年間で上昇したと回答。JETROの小林寛アジア太平洋州課長は4日の電話取材で、「ドルを介さず直接取引ができるようになれば、手数料もかからない。割安に資金調達できるようになれば進出日系企業にとってもいいことだ」という。
人民元
  国際通貨研究所の武田氏は、東南アジアへのインフラ投資を進める中国を横目に、 アジアへの質の高いインフラ輸出の拡大を目指す安倍晋三政権にとって、円の流通拡大は「ビジネスと金融が両輪で回っていく話だ」との見方を示した。
  政府のこうした動きは、人民元の国際化が足踏みしている中で、円の影響力を広げる狙いもある。中国は16年10月から国際通貨基金(IMF)による特別引き出し権(SDR)の構成通貨に組み入れられるなど、存在感を高めてきた。しかしその後、人民元の海外流出を防ぐために資本規制を導入するなど、国際通貨としての信認が問われる動きを取っている。
  SWIFTによると、昨年12月、日本に次いで5位だった人民元建て決済の割合は7位まで順位を落とした。PGIMでチーフエコノミストを務めるネイサン・シーツ前米国際担当財務次官は7月25日の電話取材で、人民元の信頼性が落ち、足踏みをしていることから円の需要は拡大していると語った。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-08/OU5LO06JTSE901


 

 


 


 


 
コラム:中国に資本規制緩和の好機、経済好調やドル安で

Pete Sweeney

[香港 8日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国は外貨準備高が安定して資本流出に歯止めが掛かり、人民元相場が上昇している。トランプ政権の迷走もあってドル安が進む一方、国内経済が好調なおかげだ。中国政府が外国から本土の株式・債券市場に資金を呼び込みたいと思うなら、資本規制の部分的な緩和に乗り出す好機かもしれない。

中国政府は警戒を解いていない。当局は銀行や企業による外為管理規則の違反を追い回しており、報道によると民間企業が行った大型オフショア投資への捜査が進行中。観光支出などを装った資本の持ち出しが続いている証拠もある。人民元の自由化は対ドルの変動幅拡大という無意味な策が講じられたのみで、実効性は皆無だろう。

しかし守りに徹すれば代償を払わずに済むというものではない。中国は海外からもっと多くの資金を債券市場に引き寄せて国内銀行に掛かっている圧力を取り除き、市場原理の導入を進め、人民元の国際化を図りたいと望んでいる。資本規制は海外の熱意ある投資家の妨げになっている。資本規制を解除すれば、中国政府には改革再開の用意があるとの受け止め方が浸透する一助となるだろう。

もちろん、警戒心を持つのに無理からぬ面もある。米経済が回復を続けて米連邦準備理事会(FRB)が積極的に利上げすれば、ドルが再度上昇するかもしれない。北朝鮮と戦争状態に入るといった惨事が発生すれば、ドルが逃避的な通貨として買われる可能性もある。

ただ、たとえ再びドル高に振れたとしても、中国でまたパニック的な資本流出が起きるとは限らない。2016年に流出を悪化させた懸念の多くは、その後事態が改善した。生産者物価、企業収益、民間投資、市場金利は軒並み上向いている。株式市場も力強く、主要指数の年初来の上昇率は12%を超えている。トランプ政権の発足で、資産の安全な逃避先としてのドル立場は揺らいでいる。今年に入って上昇している通貨はユーロだ。

中国政府が今の景気改善は底堅いと信じるなら、資本規制を緩めるチャンスだ。

●背景となるニュース

*中国の7月末の外貨準備高は前月比240億ドル増の3兆0810億ドルとなり、市場予想を上回った。

*ドルが幅広い通貨に対して弱含んだため、人民元の対米ドル相場は年初来で3%強上昇している。

*中国の外為当局は7日、ドル安が進んでドル以外の通貨の外貨準備の評価額が押し上げられたと説明した。

*当局のデータによると、商業銀行が上半期中に売却した外貨は差し引き938億ドルで、前年同期比46%減少。中国企業による外貨需要の落ち込みが浮き彫りになった。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。


中国外貨準備高、6月末は3.057兆ドルに増加 8カ月ぶり高水準

UPDATE 1-中国商業銀の外貨取引、5月は171億ドルの売り越し
アングル:中国企業が外貨建て起債拡大、資本流出規制で切迫
コラム:人民元改革、中国の踏み出す一歩小さく
http://jp.reuters.com/article/column-china-forex-control-idJPKBN1AP0EZ?sp=true


 


 


 
中国で膨れ上がるレバレッジという「原罪」−政府の規制効果薄〜影の金融438兆円
Bloomberg News
2017年8月9日 14:00 JST
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• 2008年以降に打ち出された刺激策が「怪物」生んだ−東方資本
• 理財商品や委託貸付などが依然として高水準に積み上がっている
中国当局が大々的に進めるレバレッジ縮小キャンペーンが今年、ニュースの見出しを飾っている。しかし当局がなぜこの問題に取り組んでいるかを理解するには、またその脅威が中国経済に及ぼし得る影響を把握するには掘り下げて分析する必要がある。
  国営メディアが中国金融システムの「原罪」と呼ぶレバレッジは、この10年で膨れ上がった。従来の標準であった10%超の成長から景気が減速する中で、当局がその影響を和らげようとしていることなどが背景にある。銀行預金金利が低く抑えられている中で、家計や企業がより高いリターンを求めていることがレバレッジの急拡大につながった。
  中国のシャドーバンキング(影の銀行)に関する著書もある東方資本のマネジングディレクター、アンドルー・コリアー氏(香港在勤)は、2008年以降に打ち出された前例のない刺激策が、中国指導部が現在取り組んでいる「怪物」を生み出したと指摘した。

中国の主なレバレッジの伸び
https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/ibwBCNC0Jbuc/v7/1200x-1.png

  中央政府による暗黙の支援に対する期待が、借り手が容易に債務を増やすことにつながっている。
  レバレッジの代表格とも言える理財商品はこの数年で急増した。銀行が預金に付ける利息に比べ、一般的に利回りがかなり高いことから人気を得ている。ただ中国の銀行監督当局は7月、一部の銀行に対して理財商品の利率引き下げを求めるなど、規制が強まっている。

理財商品
https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iL1RfcdkSpXw/v4/1200x-1.png

  非金融機関に対する銀行の融資は、当局のリスク抑制キャンペーンの影響をまだそれほど受けていない分野だ。
  また、委託貸付(銀行を仲介役に企業が別の企業に資金を貸すこと)や信託貸付(銀行が理財商品で集めた資金を使って信託プランに投資し、収益が最終的に企業の借り手に渡る仕組み)、銀行引受手形(将来の支払いを銀行が保証する手形)なども人気が高い。ブルームバーグ・インテリジェンスがこの3分野について集計したデータで見ると、シャドーバンキングは6月末時点でなお過去最高の26兆7000億元(約438兆円)に上る。

非金融機関に対する銀行融資
https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/i3w6fSnueMmk/v3/1200x-1.png

  こうした影の金融は中国の不動産価格急上昇の原因の一つとみられている。
原題:China Is Taking on the ‘Original Sin’ of Its Mountain of Debt(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-09/OUEFGV6K50XS01

 

 

みずほFGがトランザクション業務強化で外為11兆円増へ
河元伸吾、Gareth Allan
2017年8月9日 06:00 JST

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シンガポールに国際営業本部、東京や香港、欧米に280人を配置
プロダクツとセールスが一体的推進、アジア展開の非日系企業に照準


みずほフィナンシャルグループは、アジアを中心に取引先企業の資金管理を包括的に受託するトランザクションバンキング業務を強化している。シンガポールを中心に顧客ニーズに合わせた資金サービスの開発とともに、競合金融機関から採用した営業担当者を世界5拠点に配置して案件獲得を進める。2017年度は関連する外国為替取引で1000億ドル(約11兆円)の上積みを目指す。

  同業務は、融資だけでなく預金から決済、貿易金融など顧客企業の資金を一元管理する業務。銀行は預かる資金の運用や送金、為替手数料などで収益を獲得する。みずほFGグローバルコーポレート業務部の田中丸善市参事役は、日本企業に加えて「アジアでビジネス展開する非日系企業のクロスボーダー取引にフォーカスして拡大を進める」と述べた。

  みずほFGは昨年、グローバルトランザクション営業部を設置して世界での推進体制を構築した。本部は初めて日本以外のシンガポールに置き、東京、香港、中国、ニューヨーク、ロンドンで展開する。人員は合計約280人で3年前に比べてほぼ倍増した。セールスではシニアクラスのバンカー5人を外資系金融機関から中途採用し、各拠点に配置して陣頭指揮を任せている。
  
  日本銀行によるマイナス金利政策の影響を受け、国内金融機関は本業の融資収益が低迷。みずほFGや三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループなど3メガバンクは、収益増強に向けて海外事業を拡大している。みずほFGは世界の大企業約300社との取引を深める「グローバル300」を展開中で、トランザクションバンキングを重点戦略に位置付けて取り組みを強化している。

  欧米の競合先に対応するためプロダクツ(商品開発)部門も強化した。新サービスでは、新たに顧客企業と下請け企業との資金取引を管理するサプライチェーンファイナンスや為替取引の事務効率化メニューなどをラインアップした。このほか、7月に金融と情報技術(IT)を融合したフィンテックを駆使して実施した新認証技術のブロックチェーンによる貿易取引なども売り込む考えだ。

  みずほFGのトランザクションバンキングに関連した外為取扱高は、17年3月期が前年同期比25%増の5000億ドル(約56兆円)に拡大した。今期も20%前後の増加を目指している。田中丸参事役は、「プロダクツとセールスが一体的に推進して取引実績を上げ、顧客企業から信頼を得て資金管理のコアバンクを目指す」と語った。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-08/OTOOU36JTSE801


 
コラム:再編議論避けられぬ日本のビール業界

8月7日、サッポロのほか、キリン、アサヒ、サントリーは最近、新興老舗を問わず、貪欲に海外ビール銘柄の買収を進めている。写真は都内で2014年7月撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)
Rob Cox

[ニューヨーク 7日 ロイター BREAKINGVIEWS] - コネチカット州の町の酒小売店で、6本パックのサッポロビールは、10.49ドル(約1168円)で売られている。もう1ドル出せば、同じく6本パックのアンカー・スチーム・ビールが買える。

一方の銘柄が、他方より10%高くなる理由を簡単に説明するのは難しい。2つの銘柄は、北海道とサンフランシスコでそれぞれ創立された由緒あるメーカーの製品で、両方とも米国内で生産されている。創業の年も近い。

ただ、アンカー・スチームがより高い価格を設定できるという事実が、サッポロホールディングス(2501.T)が8500万ドル(約95億円)を出してアンカー・ブリューイング・カンパニー(カリフォルニア州)を買収する理由を理解するカギになるかもしれない。

アンカー・スチームの価格設定の秘密は、マーケティングにある。米国の消費者は、いわゆるクラフトビールに付加価値を見いだしている。もっとも、同社の製品ついて言えば、クラフトビールと呼ぶのは誤りかもしれない。

アンカー・スチーム・ビールの起源は1871年にさかのぼる。ゴールドラッシュを目当てにドイツからやってきたゴットリーブ・ブレッケルが、サンフランシスコのロシアン・ヒル近くで開いたビールとビリヤードの酒場が起源だ。同じころ、ドイツでビール醸造を学んだ中川清兵衛が日本に帰国。明治政府の下、初の国産ビールの製造技術者として、北海道の醸造所の開業を監督した。

サッポロは一貫して事業に集中し、日本の4大ビールメーカーの一角となったが、アンカー・スチームの方は、1世紀ほど目立たない存在であり続けた。その後、ビール愛好者のフリッツ・メイタグが、曾祖父が家電販売事業で築いた資産を活用し、アンカー・スチームを一大人気銘柄に押し上げた。2010年にメイタグがビジネスを売却したときには、独立系醸造所はルネサンスともいうべき大ブームとなっていた。現在米国では、毎日2つの醸造所がオープンしている。

ただ、適切な株主還元を重視するなら、なぜ急速に飽和しつつある米国のビール業界に参入するのか、不可解な部分がある。

サッポロのほか、キリンビール(2503.T)、アサヒグループホールディングス(2502.T)、サントリー食品インターナショナル(2587.T)は最近、新興老舗を問わず、貪欲に銘柄の買収を進めている。

各社の株価は、安倍晋三首相の就任直後の2013年以降、市場一般を上回って推移している。だがその大部分は、低金利と円安が原因だろう。収益性に関していえば、4社は同業のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)(ABI.BR)やオランダのハイネケン(HEIN.AS)などに遠く及ばない。

日本のビールメーカーの海外買収攻勢は、ある目標を達成しているようにみえる。国内での業界再編の真剣な検討を遅らせるという目標だ。純粋を好む消費者には歓迎すべきことかもしれない。だが、安倍首相が掲げる経済改革の「3本の矢」の1つである、日本経済の効率化をはかるという観点からみれば、残念な状況というべきだ。

海外投資には、それなりの理屈がある。日本のビール事業は大量のキャッシュを生む。一方で、国内市場は縮小している。今後しばらく人口が減少し続けるという現実は、問題の一部でしかない。消費者の嗜好も変わり、いまビール消費量は過去最低水準となっている。2017年上半期のビール消費量は、前年同期比1.4%減少した。

この長期的な傾向は、各社に戦略の再検討を迫って然るべきだ。より小さな市場を前提とすれば、サッポロ、アサヒ、キリン、サントリーの各社は、コストを圧縮して競争力を維持する方法を見つけなければならない。それには、同様の傾向を経験した米国や欧州などの市場でそうだったように、国内で経営統合に向かうべきだろう。米国と欧州の市場はいま、ABインベブとハイネケンが牛耳っている。

日本のビール大手の直近の決算は、困難な状況をよく表している。サッポロの第2・四半期決算の売上高は3.2%増、営業利益率は3.1%だった。キリンの業績はさらに良く、売上高は9620億円、営業利益は800億円、営業利益率は8.3%だった。これは、キリンの製薬部門(そう、製薬部門が存在する)が部門の売り上げの15%を営業利益に貢献したからだ。

キリンの国内飲料事業の営業利益率は6%未満だった。全体の収益性は、ブラジルからの撤退効果で改善した。キリンは、2011年にブラジルのビールメーカー、スキンカリオールの買収に39億ドルを投じたが、今年それをハイネケンに7億ドルで売却した。

日本市場の3分の1のシェアを持つアサヒの営業利益率は10.7%、売上高は29%増加した。ABインベブからペローニなどの中東欧のビール事業を約1兆2000億円(約109億ドル)で買収したことを受けたものだ。ABインベブは、SABミラー買収の認可を得るため、これらの事業を売却した。

対照的に、バドワイザーやステラ・アルトワを生産しているABインベブの第2・四半期決算の利息・税金控除前の利益は44億ドルで、売上高は142億ドル。営業利益率は、アサヒの3倍近かった。世界最大のビールメーカーであるABインベブと比較するのはフェアでないというのなら、同族企業であるハイネケンが、売上高の17.2%を営業利益としている事実を考えてみるとよい。

日本の4社はみな、単独で、または力を合わせれば、もっと業績を上げられるはずだし、上げるべきだ。アサヒがサッポロを買収し、(それでもハイネケンに届かないが)合計の営業利益率が15%になることを想像してみよう。そうなれば、JPモルガンの2018年の売上予測をもとにすれば、両社合わせて15億ドルの売上高の上振れが期待できる。キリンとアサヒは、間違いなく7年前に中断した経営統合の協議を再開するだろう。

もちろん、日本は他と異なる。島国であり、国民は企業経営の効率や雇用の安定、金持ちの評価について、異なる考えを持っている。しかしその日本でも、政府がいかなる政策を取ろうとビールの消費量は減っている。

弱小のアンカー・スチームを買収したり、キリンのようにブルックリン・ブルワリー(ニューヨーク州)と資本業務提携を結んだりしても、それは変わらない。

巨大ビールメーカーの次の波は、すぐに日本を襲うだろう。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。


英国、南シナ海への軍艦派遣を計画 中国の反発必至

オピニオン:アベノミクス復活の条件=フェルドマン氏
コラム:ドル安ゆえに現実味増すドル円上昇シナリオ=高島修氏
コラム:狂うCPI上昇の筋書き、背景に高齢化も=村嶋帰一氏
http://jp.reuters.com/article/asahi-group-results-breakingviews-idJPKBN1AP0GG?sp=true

 

アングル:グーグル「メモ職員」、解雇に揺れるシリコンバレー

David Ingram Salvador Rodriguez Heather Somerville

[サンフランシスコ 8日 ロイター] - 米グーグルが、会社の女性雇用方針を批判するメモを書いた男性技術者を解雇したことを受け、シリコンバレーでは、リベラル色が強いテクノロジー企業と、一部の保守的な考え方の関係者との間の文化的な対立が改めて鮮明になっている。

メモを書いた技術者のジェームス・ダモア氏(28)には、批判と称賛のほか、いくつかの採用オファーが寄せられている。ソーシャルメディア上では議論が沸騰する一方で、自社で似たような事態が起きないよう予防策を取るテクノロジー企業も出ている。

ダモア氏は、IT大手アルファベット(GOOGL.O)傘下のグーグルから7日に解雇されたことを確認した。グーグルが保守的な意見を敵視しているほか、平均的に女性はより神経症的だという内容の10ページのメモを書いたことを受けた措置だという。

生物学的に男性の方が女性よりもコーディングの仕事に適しているという内容のダモア氏のメモについて、シリコンバレーの多くの人が、不快で破壊的だと受け止めている。一方で、特に政治的に右寄りな人の中には、ダモア氏は勇気をもって真実を語ったとして評価する人もいる。

今回の騒動により、保守活動家とテクノロジー業界との間で過去にあった深い溝に再び注目が集まっている。

2014年には、非営利組織モジラ財団のトップが、同性婚に反対する立場であることが公になり、辞任に追い込まれた。テクノロジー企業幹部は同性婚賛成派が多く、同性婚が合法となる前から、同性カップルに異性カップルと同様の福利厚生を提供している会社が多かった。

「リベラル左派と異なる見解を持つ人はみな、辱められ、避けられるようになり、追い出される」と、ソーシャルネットワークGabのアンドリュー・トルバ最高経営責任者(CEO)は言う。

保守層の間で人気のあるGabでは、ダモア氏を雇用する用意があるという。

昨年の米大統領選で、共和党候補だったドナルド・トランプ氏を有利にする内容のハッキングされたメールを公開した内部告発サイト「ウィキリークス」創始者のジュリアン・アサンジ氏も、ダモア氏に職をオファーした。アサンジ氏は「検閲は負け組がすることだ」と、ツイッターに書き込んだ。

リバタリアン(自由至上主義者)傾向のある技術者や投資家のグループ「リンカーン・ネットワーク」共同創設者のアーロン・ジン氏は、グーグルはダモア氏に研修を受けさせるべきで、解雇したのは「やり過ぎ」だったと指摘する。

「彼を殉教者にしてしまうだけだ。今日の分断された政治風景を考えるなら、殉教者を生むのは避けたいところだ」

米紙ニューヨーク・タイムズは8日、米フェイスブック(FB.O)の取締役会メンバーの間で、政治的な立場を巡る対立が起きたと報じた。昨年8月、取締役会メンバーの動画配信サービス大手ネットフリックス(NFLX.O)のリード・ヘイスティングスCEOが、同じくメンバーで投資家のピーター・ティール氏に対し、トランプ氏支持は「壊滅的な判断ミス」だと警告したという。

2人の対立の結末は明らかになっていない。ヘイスティングス、ティールの両氏は現在もフェイスブック取締役会のメンバーだが、同社は記事についてコメントしなかった。

一般的には、シリコンバレーのテクノロジー企業は、男女平等の推進やセクハラ対策が遅れているとして批判を浴びている。

配車サービス大手のウーバー・テクノロジーズ[UBER.UL]や他のベンチャー企業では、根強いセクハラが続いているとの指摘を受けて、経営陣の交代を余儀なくされた。

米労働省では、グーグルが法律に反して女性の給料を男性より低くしていたかどうか調査している。グーグル側は否定している。

<行動規範>

今回、ダモア氏のメモを「自社の企業文化への脅威」と捉えて対応したグーグルには、各方面から称賛が集まっている。グーグルは、「悪をなさない」との社是を掲げている。

「彼が書いた内容は、テクノロジー業界にとって極めて毒性が高い。女性を弱く、または無能に見せる内容だ」と、サンフランシスコでテクノロジー業界の女性の地位向上に取り組む非営利団体を設立したアドリアナ・ガスコイン氏は指摘する。

ソフトウエア会社ガストのジョシュ・リーブスCEOは、9日のスタッフミーティングでもメモの話題が出ると予測する。同社の行動規範では、ダモア氏が書いたような他人を傷つける内容のメモは「明示的に禁止されている」という。

ダモア氏は8日にはロイターの取材に返答しなかったが、7日のメールでは、解雇について法的措置を検討しているとしていた。

雇用問題を専門とする法律家は、ダモア氏が解雇を不当として訴えても認められる可能性は低いと述べた。また、もしグーグルがダモア氏を解雇していなかったら、グーグル自体が訴えられるリスクがあったという。

グーグル側は、個別の社員についての取材には応じられないとしている。

米企業は、職場での社員の言動を制限する幅広い権限を持っている。政府による言論への介入を規制した米憲法修正第一条は、民間企業の職場には適用されない。

ビジネス向け交流サイトのリンクトイン上のプロフィールによると、ダモア氏は2013年12月からグーグルでソフトウエア技術者として働いていた。また同年、ハーバード大学からシステム生物学の博士号を取得したとしている。だが同大は、ダモア氏が得たのは修士号であり、博士号ではないとしている。

テクノロジー業界に詳しい専門家によると、業界の創設期には、当時地味だったコーディングの仕事はほとんど女性が行っていた。だが最先端のプログラミング技術の価値が明確になるにつれ、男性が牛耳るようになったという。

他のテクノロジー企業は8日、グーグルを取り巻く状況を注視した。性別や多様性に絡む議論に巻き込まれずに済んで良かったと安堵する企業もあった。

「大きな組織なら、どこにでもジェームス・ダモアがいる。だがテクノロジー企業はより自由度が高く、個人的な見解をシェアしやすい」と、あるシリコンバレー企業幹部は言う。

テクノロジー企業には、「自分の考えを同僚とシェアする義務があると考える、頭が良くて自信家の職員が多い」のだという。

英国、南シナ海への軍艦派遣を計画 中国の反発必至

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http://jp.reuters.com/article/google-diversity-idJPKBN1AP0HP?sp=true


 


 

米モルガンS:日本での営業収益が外資トップに、ゴールドマン続く
日向貴彦
2017年8月9日 09:33 JST更新日時 2017年8月9日 14:40 JST

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米モルガン・スタンレーが日本で業務を営む外資系証券で、前期に営業収益と純利益を最も多く計上したことが分かった。日本のマイナス金利環境下で、仕組み債などの債券関連業務が好調だった。ゴールドマン・サックスが後に続いた。
  モルガンSと三菱UFJフィナンシャル・グループの共同出資会社のうちモルガンSが過半数を出資するモルガン・スタンレーMUFG証券の2017年3月期の純利益は290億円、営業収益は1263億円と、外国証券10社の中でトップになった。各社が金融当局に提出した資料を基にブルームバーグが集計した。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iEyDeD61bmJM/v3/-1x-1.png

  ニューヨークに本拠を構えるモルガンSは、日本の機関投資家がマイナス金利環境下でより利回りの高い投資先を模索する中、世界の拠点網を使って日本国外の為替や金利に連動した商品を組成、販売。また国内の大型新規株式公開(IPO)の引き受けなどにより、3年間で最大となる収益を計上した。
  モルガンMUFGのジョナサン・キンドレッド社長はブルームバーグの取材で、「グローバルなネットワークと経験を活用、顧客に対して国内外の多種多様な商品やサービスを提供している」と述べ、「現在、国レベルでの金融市場改革が進もうとしている日本には有望なポテンシャルがあり、われわれはさらにビジネスを成長させていく」と語った。
  同社が8月1日までに金融庁に提出した資料によれば、債券関連業務からの受入手数料は437億円とその前の期から22%増加した。株式関連では九州旅客鉄道やLINEのIPOの主幹事を務めた。
ゴールドマン
  一方、米ゴールドマンは1年間で稼いだ収益の規模で外国証券で2位となった。2016年12月期の純利益は221億円で、収益は1226億円だった。今期は投資銀行業務が順調で、東芝の半導体事業の売却でフィナンシャル・アドバイザーを務めているほか、財務省による日本郵政株式の売却の際のグローバル・コーディネーターに選出されている。
  同じく米系のJPモルガン・チェースは、17年3月期の純利益は219億円で営業収益は952億円だった。欧州系ではドイツ証券の利益は167億円で、収益は777億円だった。BNPパリバの純利益は150億円だったが、収益は955億円とドイツ証とJPモルガンを上回った。
  BNPパリバでは今年に入り債券関連業務などで約30人を採用していて、仕組み債などの金融商品の組成、販売業務を強化する方針だ。
日本での陣容
  日本での人員が最も多かったのはJPモルガンだった。3月末時点の人員数は765人と、1年前から4人増加して、外資系証券としては最大となった。一方、ゴールドマンは46人減少し12月末時点で764人とJPモルガンを下回った。
  最も減少したのは日本株から撤退したバークレイズで、74人減の429人、バンク・オブ・アメリカ傘下のメリルリンチ日本証券は64人減の654人、UBSグループは52人減少し412人となった。
  バークレイズ証券の木曽健太郎社長はブルームバーグの取材に対し、120人の削減を伴った日本株撤退から1年、同社は日本拠点の再構築に着手しており、企業の合併・買収(M&A)の助言業務を行うバンカーや金融商品を販売するセールスなど、10人強を今期中に採用する考えを明らかにしている。
外資系証券10社の収益
営業収益(十億円) 純利益(十億円) 人員数(増減)
モルガンMUFG 126.3 29.0 649 (-7)
ゴールドマン* 122.6 22.1 764 (-46)
BNPパリバ 95.5 15.0 382 (+4)
JPモルガン 95.2 21.9 765 (+4)
ドイツ証券 77.7 16.7 509 (-20)
クレディ・スイス 52.8      5.9 514 (+41)
メリルリンチ* 50.0 ▲2.7 654 (-64)
バークレイズ 39.4 ▲8.7 429 (-74)
ソシエテ・ジェネラル* 37.6      9.0 259 (+32)
UBS* 23.9 ▲52.2 412 (-52)
*2016年12月期、▲は赤字、シティグループは決算期変更のため9ヵ月の数字しかないため除外
英語記事:Morgan Stanley Tops Goldman Sachs With Biggest Profit in Japan

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-09/OUCPC86TTDS001

http://www.asyura2.com/17/hasan123/msg/102.html#c4

[経世済民122] 生活保護の女子高生、奨学金も夢も奪われ今なお終わらぬ葛藤 既婚三股男が傷つけた幼い娘の心、シングルマザー不倫の代償  酢
1. 2017年8月10日 10:22:32 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[729]
2017年8月10日 池上正樹 :ジャーナリスト
がん診断後も治療を拒否、引きこもり続けた40代長男の最期


長年、引きこもってきたある男性が「喉頭がん」のために亡くなった。父親は、個人が救われる仕組みの必要性を訴える。いったい、何があったのか(写真はイメージです)
病院に運ばれ2日後に死亡
長男はなぜ治療を拒み続けたか?

 長年、引きこもってきた長男が「喉頭がん」のために亡くなった。48歳だった。

 長男が「がん」の診断を受けたのは、昨年11月に亡くなる9ヵ月前のことだ。しかし、両親にも病名や余命のことを伝えようとせず、その後は一切の診療も治療も拒み続けた。

 食事はまったく喉を通らない状態が続き、水だけで痩せ細っていくなか、看護師が自宅に入院を勧めに来ても、頑として動かなかった。

 しかし、喘ぎ苦しむ声を聞いた次男が心配して救急車を呼んだ。隊員は説得したものの、中からカギをかけで出て来なかった。「中から声が聞こえなくなったら救急車を呼んで」というのが、本人の意思だった。

 ある日母親は、部屋のカギが開いていることに気づいた。本人は、ほとんど声が出ない状態だった。長男は病院に運ばれた2日後、亡くなった。
 
 そんな長男の最期の話を明かすのは、KHJ全国ひきこもり家族会連合会の「岡山きびの会」顧問で、NPO「津山・きびの会」代表の川島〓三さん(〓の字は火へんに亥)。

「救急車に乗せたとき、後ろ目で私の顔をじっと見るんです。“それでいいのか?”と。そのときが眼が生きていた最後でした」

 これまでも筆者は、同じように絶望の中で生きる意志を持てなくなっている引きこもり当事者たちに何人も会い、話を聞いてきた。今回は父親から見た息子像ではあるものの、川島さんの長男もまた、いずれの支援にも反応することなく引きこもり続けてきた。

「引きこもりというのは、欲望の肥大化を否定する積極的な行為ではないか」
 
 以前から川島さんは、感じるままをそう打ち明けていたものの、周囲はなかなか理解してくれなかったという。

 長男がまもなく40歳になろうというとき、国は「ニート」という用語をつくり、対策を始めた。しかし、なぜ対象者に39歳までという年齢制限を設けるのか、川島さんは理解に苦しんだ。

「39歳を超えても働こうとしない人は、障害者かホームレスとして判断するという暗黙の押し付けがあるのではないか」

 引きこもり当事者と同じ目線にどうしたら立てるのかという思考が欠如していると、川島さんはいう。

「我が家の長男の目線はどこにあるのか?」「対話ができない状況はどうして生まれたのか?」「親の教育が悪かったと言えば、それで済むのか?」
 
 川島さんは、どんな人でも社会全体で支え合うシステムができなければ、人類の未来はない、と考えるようになった。

 もともと長男は都会で仕事をしていた。その後郷里に帰り、ホテルでフロントマンを2年ほど務めた。ホテルを辞めた後、「自分の運命だ」と言って清掃会社に勤めた。しかし、熱心に通っていたのは最初の2ヵ月ほど。そのうち気が進まなくなったようで、完全な「引きこもり」状態になった。

息子の情況を病院に聞いても
「個人情報だから」の一点張り

 川島さんは言う。

「長男はいつも時間的な設定を考え約束をするが、守られたことはない。何かを待っているようにも思われるが、その正体は定かではない」

 長男は喉頭がんに侵されていると診断されているのに、頑として診察を拒み、治療を受けようとはしなかった。こうした状況への周囲の対処は、医療の面から考えてどうすればいいのか。親として心配でも、病院に問い合わせると「本人が同伴しなければ『個人情報』のため、お話しできない」と言われた。(親に打ち明けようとしない)息子の目線を、どのように理解したらいいのか。

 様々な事実を並べると、それなりの推測はできる。しかし、それは推理であって、本当の息子の目線であるかどうかがわからない。

 川島さんは、個人レベルの問題意識と地域レベルの問題意識が様々に交差することが人間社会の常であると説明した上で、次のように考えることが重要だと訴える。

「そこには、様々なレベルの矛盾が渦巻いている。この矛盾は、両親の持って生まれた矛盾を引き受けざるを得ないことが多い。引きこもる人の多くは、両親の矛盾を一身に受けてしまうこともある。引きこもる人は、社会の矛盾を一身に抱え込んでおり、自分だけではどうにもならないところまで来ている。そのために、その人に寄り添うことが何よりも大切になる」

個人が全体として救われる
「第4極」の必要性とは?

 この個人的な問題レベルに、社会が十分に気付いていない。これらの矛盾をどこから解決したらよいのか誰も何もわかっていないとして、川島さんは「第4極」の必要性を提唱している。

 第4極とは何なのか。川島さんの説明によると、第1極は政府のガヴァナンス(行政は全体としてここに属する)、第2極は政府に対する反対勢力(野党、組合などがここに属する)、そして第3極としては社会福祉協議会など、第1極と第2極を調整する機関が考えられるという。

 従来は、こうしたシステムによって社会が動かされてきた。しかし、それぞれのシステムの中で必ず個人としての問題が残り、多くの場合、置き去りにされてきた。それは様々ないびつな問題を残したままになっている。

 そこで、個人が全体として救われるようなシステムが必要になる。それが第4極としての個人の救済機関であり、その救済が徹底することにより社会の健全な発達が可能になる。その第4極が社会システムとして健全に機能したとき、社会はさらに全体として発展することが可能になると訴えている。

「私としては、同じような人間を二度と出したくない、と思っているんです」
 
 そのためにも「まず、引きこもっている人たちの気持ちを理解することから始めなければならない」として、川島さんは「第4極」をこれから社会に呼びかけようとしている。

※この記事や引きこもり問題に関する情報や感想をお持ちの方、また、「こういうきっかけが欲しい」「こういう情報を知りたい」「こんなことを取材してほしい」といったリクエストがあれば、下記までお寄せください。
otonahiki@gmail.com(送信の際は「@」を半角の「@」に変換してお送りください)

http://diamond.jp/articles/-/138201
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[経世済民123] 中国人はやっぱり日本車好き!?日系メーカー3社の7月の販売台数が過去最高に―中国メディア 赤かぶ
1. 2017年8月10日 10:29:15 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[730]
テスラに攻め込まれる独高級車メーカー

FINANCIAL TIMES

問題はディーゼル不正とカルテル疑惑にとどまらない
2017年8月10日(木)
FINANCIAL TIMES


(クレジット:Ingram Pinn/Financial Times)
 米電気自動車大手テスラが出荷を始めた同社初の電気自動車(EV)の量産車「モデル3」に注文が殺到している。問題は、同社のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)がこの注文に応えられるだけの生産ができるかどうかだ。一方、ドイツの高級車メーカーのBMWとダイムラーは全く反対の問題を抱えている。両社はディーゼル車の開発には長けているものの、誰がこれを欲しがるだろうか、という問題に直面しているからだ。

 独自動車メーカーは何十年も、完璧にデザインされた技術の傑作を世に送り出すことで世界の高級車市場を支配してきた。だが、ここにきて米アップルが「iPhone」で通信業界に殴り込みをかけた時と似た事態に直面している。

 当時の携帯端末大手のカナダのブラックベリーやフィンランドのノキアは、自分たちより優れた技術を持って、それに裏打ちされた洗練された商品を販売するアップルという米企業の登場に立ち向かわなければならなかった。

これ以上最高のタイミングはなかった「モデル3」の発売時期

 BMW、ダイムラー、フォルクスワーゲン(VW)の幹部は2日、ベルリンで開催された「ディーゼル・サミット」で一堂に会した。独政府閣僚も出席したこのサミットでは、自動車業界が自ら招いた技術的な問題への対応が協議されたが、今やディーゼル技術の改善を考える必要などないのかもしれない。というのもディーゼル車はもはや廃れる運命にあり、残る疑問は消滅するまでどれほどの期間を要するかという問題だけだからだ。

 テスラのモデル3は基本価格が3万5000ドル(約390万円)で、ドイツがこれまで誇ってきた自動車産業の輝きを奪っている。米自動車業メーカーが、これまで高級車の分野で真の脅威となったことはなかった。米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)の高級車「キャデラック」は「メルセデス・ベンツ」とは似て非なるクルマだ。

 だがマスク氏は米自動車大手が長く避けてきた課題に真正面から取り組んでいる。シリコンバレーにほど近い工場で7月に生産を開始したモデル3への注文は、既に40万台を突破している。

 テスラの創業者でもあるマスク氏は何事も派手に展開する経営者で、実現しそうもない約束をすることも多いが、運は今、彼に味方している 。同社の初の量産車を発売するのに、これ以上にいいタイミングはなかっただろう。VWがいまだにディーゼル車の排ガス不正というスキャンダルから抜け出せずにいるだけでなく、7月21日には独自動車大手5社が、部品調達などを巡りカルテルを結んでいた疑いがあるとして独当局の捜査対象となっていることが明らかになったからだ。

 独誌「シュピーゲル」が7月21日に報じた今回のカルテルは、自動車メーカーから部品メーカー、各種研究機関、そして政府までもが協力しあって一定のコンセンサス(合意)のもとで物事を進めるというドイツならでは文化の一例を示すものだ。

 この文化は日本の伝統的な経営手法である「系列」と同様、羨望に値する結果を生み出してきたが、業界標準の設定が談合へと陥った可能性がある。

テスラの強みはEVの部品点数が圧倒的に少ないこと

 そもそも自動車メーカー各社がなぜ、話し合いの場を設けたのかという疑問が今、浮上している。各社は例えば、ディーゼル車から排出される排ガスに含まれる窒素酸化物を浄化するための尿素タンクの価格を抑えようと、容量の小さいものを採用することで合意し、法律に抵触した可能性がある。BMWはこれを否定しているが、問題はなぜ共通の部品について合意する必要があったのかという点だ。

 その答えは、ガソリン車もディーゼル車も内燃機関のクルマの生産は極めて複雑で、自動車メーカーがサプライヤーとの複雑に入り組んだネットワークに依存していることにある。有害な排ガスを少しでも浄化できる技術を駆使してディーゼルエンジンを開発しなければならない場合はなおさらだ。既存の自動車メーカーにとって、このプロセスを簡素化し、コストを低下させられる手段はすべて天の恵みとなる。

 この観点から見た場合、テスラは決定的に優位な立場にあると言える。EVは内燃機関のクルマに比べ部品数がはるかに少ないため、生産しやすい。マスク氏によると、モデル3の部品点数は6000〜7000点。一方、ゴールドマン・サックスの推計によると内燃機関のクルマの場合、その部品点数は約3万点にも上る。

 従って、マスク氏が望んだとしてもテスラが部品調達のカルテルに関与すべき理由は少ない。テスラはまだ量産の仕方を学んでいる過程にある。過去には電池不足のために十分生産できなかった時期もあった。そのため、マスク氏は今回、モデル3の注文に答えるには「6カ月間は死にものぐるいで生産体制を構築しなければならない」と述べている。だが、EVの組み立てプロセスは、本質的にクリーンでシンプルだ。

アップルと同じく技術革新の波に乗ったテスラ

 同氏は最も重要な部品である電池を内製化することで、生産工程の一層の簡素化を図った。テスラは米ネバダ州にパナソニックと共同で巨大電池工場を建設したうえ、他にも電池工場の建設を計画している。また、 顧客がEVを充電するのに自宅の屋根にソーラーパネルを設置することも後押しすることで、面的な事業の拡大、融合も目論んでいる。

 従来の自動車メーカーに比べ、他分野との融合を進めるテスラの戦略は、iPhoneに内製チップを搭載し、ソフトウエアも自社開発するというアップルを彷彿とさせる。それだけでなく、両社はともに技術革新の機会をうまく捉えたという点でも共通する。

 テスラは、クルマが内燃機関から電気自動車へと進化する波に乗り、アップルが2007年に初代iPhoneを発売したのは、携帯電話の通信技術が第2世代(2G)からモバイルブロードバンドへと移行する時期だった。

 既存の自動車メーカー各社は、ノキアやブラックベリーよりも、業界が新しい技術によって大きく変化していく創造的破壊にうまく適応できるかもしれない。GMが電気自動車「シボレー・ボルト」を投入したように、既存各社はEVの取り組みを加速している。

痛ましいほど脆弱な立場に置かれた独自動車メーカー

 しかし、テスラがモデル3で狙うのはシボレーのような大衆車ブランドではなく、高級車の購入者で、その意味でBMWやアウディ、ダイムラーは目下、痛ましいほど脆弱な立場に置かれている。

 VWが、排ガス不正事件が明るみに出る前に西欧で販売していたクルマの半分以上はディーゼルエンジンを搭載していたし、同グループのより燃料を消費する高級車にいたっては、ディーゼル車の占める比率はそれ以上に高かった。

 だが、欧州各都市は大気汚染対策を強化しており、排ガスの有害物質の排出量が規定を上回るクルマについては罰金の対象となることから、ディーゼル車の販売台数は減少している。ディーゼル・サミットなるものを開催したところで、この状況を変えることはほぼできないだろう。

 独自動車メーカーはプラグイン・ハイブリッド(PHV)やEVといったクルマの投入を増やす計画で、BMWはこれらが2025年までに同社販売台数の15〜25%を占めると予想している。だが独高級車ブランドの崇高感は既に褪せており、テスラのように独自動車メーカが抱えるような法的責任や技術的な負担に縛られない企業との競争に直面している。

 マスク氏を取り巻く環境がシンプルになっていく一方で、BMWやダイムラーの幹部たちにとって事態は複雑さを増している。自動車業界にあっては、シンプルであることが非常に大きな意味を持つ。

John Gapper, Chief Business Commentator
(cFinancial Times, Ltd. Aug 2, 2017)

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このコラムについて

FINANCIAL TIMES
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[エネルギ3] テスラのマスク氏、豪州の電力危機に介入−石炭巡る意見対立が鮮明化 Perry Williams、Jason Scott 酢
1. 2017年8月10日 10:31:33 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[731]
監視委員会を動かした電力市場の警告 価格シグナルに隠れた異常を見逃すな
From 日経エネルギーNext
2017年8月10日(木)
日経エネルギーNext電力研究会
 電力市場における取引を監視する電力・ガス取引監視等委員会が、“市場の歪み”に関する調査開始を宣言した。「ようやく」の感は否めないが、7月の価格高騰で目が覚めたようだ。市場関係者は常日ごろから市場の価格シグナルに目を凝らし、背後に潜む異変に敏感でなくてはならない。
 ようやく、規制当局が“問題”に向き合ってくれそうだ。7月28日に開かれた電力・ガス取引監視等委員会における有識者会議(制度設計専門会合)に参加しての印象である。
 そこでは、「(前日の)取引所の需給がタイトな時間帯でも、当日は余剰インバランスが発生している」ことが明確に問題提起され、監視委員会は関連事業者への聞き取りなどを含めて、その原因について調査に乗り出すと明言した。
異常だった7月の電力市場
 日本卸電力取引所(JEPX)の7月のスポット市場は、これまでにない様相を見せた。東エリア主導で連日高値を追う展開となり、7月19日渡しは45.81円/kWhという異常な高値が30分コマで10コマにもわたって出現した。
 1日の値幅(最高値と最低値)を1本の棒グラフとして、2017年4月から7月末まで並べてその変化を見てみると、6月中旬から7月中旬にかけて日々高値を追った様子がよくわかる(グラフ1)。
6月中旬から7月中旬にかけて高値を負う展開に

グラフ1●東京エリアプライスの1日の値幅の変化(出所:日経エネルギーNext電力研究会)
 東京エリアプライスが牽引する形で、全国システムプライスも上昇した。システムプライスの1日平均をプロットしたのがグラフ2である。過去5年と比べても、この6月中旬からの価格上昇は異例のスピードだったことがわかる。市場参加者はこの事態に大いに当惑したに違いない。
今夏の価格上昇は異例

グラフ2●システムプライスの推移(出所:日経エネルギーNext電力研究会)
ずっと潜在していた売り入札不足
 確かに、電力需要の伸びも大きかった。全国9エリアの大手電力が当日発表した電力需要予測の合計値の推移をグラフ化すると、過去5年間の中でも今年の6月から7月にかけての伸びは著しい(グラフ3)。今年の梅雨は、西日本や九州北部中心に前線が停滞し、太陽光由来の発電を抑制した。その一方で、気温も高めに推移し、冷房需要の立ち上がりが早かったことが価格上昇の背景にあったことは否めない。
今年の6-7月は需要予測の伸びも大きかった

グラフ3●全国需要予測の実績推移(出所:日経エネルギーNext電力研究会)
 しかし、今夏の価格は需要の伸びだけでは説明できない。もう1つの大きな要因は全面自由化以降に恒常化した「売り玉不足」だ。とりわけ今年は6月中旬から7月に入って、ピーク時間帯における売り入札量が極端に減少し、買い入札量を大きく下回るようになった。
 大手電力が市場活性化に貢献するとして、余剰電源を市場に投入する「自主的取組」を2013年3月に始めてから、市場では売り入札量が買い入札量を常に大きく上回ってきた。この傾向が2016年4月の全面自由化を契機に逆転した。
全面自由化以降、昼間のピーク時間帯は売り玉不足が顕著に

グラフ4●売買入札量の推移(出所:日経エネルギーNext電力研究会)
 電力自由化の推進は、地域独占時代に発電設備を建設した大手電力が市場に電力を供出することから始まる。これは、自由化を進めた国は例外なくとった措置で、独占時代の電源開放なくして自由化はない。
 そして、本来なら余裕があるはずの電力が全面自由化以降、市場に十分に出てこなくなった問題は、このコラムでもしばしば指摘してきた。詳しくは、「油断禁物、電力市場波乱の兆し」、「自由化1年目の電力市場、東電による2大事件」を参照してほしい。
 要因としては、新電力に需要を奪われた大手電力がその分の市場投入を増やさず、電源を停止させてしまう「バランス停止火力問題」や東京電力グループによる「予備力二重計上問題」などが挙げられる。東電グループの場合、「自主的取組」のルールに背いて限界費用(燃料費相当)より高値で売り札を入れていた問題も明らかになっている。
市場価格は“体温”に似ている
 基調としては、家庭など低圧分野に参入した新電力による買い需要の増大が相対的な「売り玉不足」をもたらしている面は否定できない。しかし、市場の運用ルールが一部の事業者によってないがしろにされてきたことは見過ごせない。いずれにせよ全面自由化以降、売り玉不足につながる様々な要因、課題が卸電力市場には内在していた。
 そして、7月の異様な高騰である。
 全面自由化以降、様々な要因からピーク時間帯で売り玉不足が生じやすくなっていた地合いの中で、6月14日、電力広域的運営推進機関は「適正な計画提出について」という通達を出した。供給力確保に関する監視強化を打ち出したこの通達が、小売電気事業者の市場での買い入札行動に影響を及ぼし、価格高騰を演出してしまった可能性がある(「電力市場の連日高騰に“制裁強化”原因説」参照)。
 地域独占状態から真の電力自由化が進展するためには、卸電力取引におけるスポット市場への玉出しは不可欠である。自由化のエンジンがエンストを起こさんばかりに機動力を失いかけていた微妙なタイミングで監視が強化され、市場では価格暴騰という現象が発生した。
 だが、7月の高騰は改めて市場の重要性を関係者が再認識する機会となったのではないか。
 卸電力市場の取引量は全国の電力需要の4%程度にすぎないとして、市場を過小評価するような議論がある。確かに取引量はまだまだ不十分で、活性化は引き続き大きな課題だが、現行の市場は電力ビジネスの競争環境を映すバロメーターとしての機能をすでに十分に備えている。
 市場価格は競争環境の健全性を示すいわば体温のようなものだ。市場価格をウォッチすることは、体温計で人の健康状態をチェックするのに似ている。6月中旬からの体温の高さは、電力ビジネスに異常事態が生じていることを示唆していた。市場価格でシグナルを発していたのである。
 しかしながら、市場が高熱のシグナルを出していた一方で、当日の電力需給はどうであったのか。
 それを示すのが、需要(発電)計画と需要(発電)実績のズレを精算するインバランス価格だ。グラフ5をグラフ1と比べると、市場価格に比べてインバランス価格が低い日が多いことがわかる。市場価格が45.81円/kWhをつけた日も、インバランス料金はせいぜい25円/kWh前後止まりだった。その意味するところは、前日の市場取引で決まるスポット価格は売り玉不足で高騰しているにもかかわらず、当日になれば実際の電力は余剰気味だったということだ。
市場価格が高騰してもインバランス価格は安かった

グラフ5●当日インバランス価格の推移(出所:日経エネルギーNext電力研究会)
市場を壊しては自由化が壊れる
 冒頭で触れたように監視委員会は、こうした前日スポット市場と当日の全国需給の間に生じる不整合の原因を調査する方針を固めた。適切な取引が行われているのかどうかにメスが入ることになったのは画期的だ。
 監視委員会は卸電力取引のモニタリングを継続的に行い、都度、モニタリング結果を報告してきた。だが、これまでは残念ながら売り玉不足を強く指摘し、積極的に対応してきたとは言えない。そもそも監視委員会も有識者会議のメンバーも、全面自由化以降の売り玉不足の状況に強い問題意識を持てていなかったのではないか。
 その意味では、遅きに失したきらいがないでもない。それでも、ここにきて監視委員会が切り込む姿勢を見せ始めたのは、7月の高騰などを市場の異常を告げるシグナルとして受け止めたことが大きかったはずだ。
 卸電力取引市場はシグナル機能を有する社会の公器だ。
 広域機関も従来から市場のシグナルにもっと気を配り、その意味するところに目を凝らしていれば、供給力確保を巡る電力取引に対しても、もっと深い洞察を持てたのかもしれない。仮に供給力確保に関する監視や規制の強化に一理あったとしても、市場を壊してしまっては自由化も壊れてしまう。
 市場参加者が進んで市場を利用するには、常に信頼できる売買が行われる状況が担保されていなければならない。電力の場合、その域にはまだ距離があるものの、市場関係者はそこを目指して市場と対峙していくことが求められる。その先に、多くの需要家や国民が期待する自由化の果実もあるはずだ。
 一部の事業者や関係者の安易な判断や行動が、健全な市場の成長を阻害することがあってはならない。そのことは電力市場に関わるすべての関係者に問われている。
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このコラムについて
From 日経エネルギーNext
 電力・ガスの全面自由化を迎え、日本のエネルギー市場は新たな局面を迎えた。王者・東京電力は原子力発電所事故の賠償や廃炉の責任を背負い、大規模な合従連衡が進もうとしている。数多くの新規参入企業が虎視眈々と商機を狙い、まさに戦国時代の様相だ。電気やガスの料金は本当に下がるのか、魅力的なサービスは登場するのか――。エネルギービジネスの専門誌「日経エネルギーNext」が最新ニュースを解説する。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/022700115/080800032/

http://www.asyura2.com/16/eg3/msg/118.html#c1

[経世済民122] 無料が当たり前! 今の子どもは「タダ・ネイティブ」 20年で変化していた子供のお小遣いの使いみち 酢
2. 2017年8月10日 10:36:46 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[732]
生涯未婚時代
「逃げ恥」族は本当に結婚を焦っていない「どうするのかは場合による」
ライフ 2017.8.9
永田 夏来
社会学者 永田 夏来
PRESIDENT Online
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生涯未婚率が上昇している。昨年、ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』と『東京タラレバ娘』という、どちらも「結婚する/しない」という選択を描いた作品が放送された。同じように結婚を前に考え込む人々を描きながら、『逃げ恥』は評価され、『タラレバ』は批判された。家族社会学者の永田夏来さんは、その違いを「『結婚したくないわけではないが、どうするのかは場合による』と考える若者が増えているから」と読み解く。著書『生涯未婚時代』(イースト新書)から抜粋して紹介しよう。
※以下は永田夏来『生涯未婚時代』(イースト新書)の第1章からの抜粋です。

『逃げ恥』はどこが斬新だったのか
『逃げるは恥だが役に立つ』(以下『逃げ恥』)とは、『Kiss』(講談社)にて2012〜17年に連載された海野つなみさんによる漫画作品です。2015年に第39回講談社漫画賞・少女部門を受賞して話題となり、2016年10月に系列でテレビドラマ化されました。内容としては基本的にラブコメディで、新垣結衣さんが演じる「職ナシ」「彼ナシ」「居場所ナシ」の主人公森山みくりを星野源さんが演じる「恋愛経験ナシ」のサラリーマン津崎平匡が「妻」として雇ったことを発端に話がスタートします。

仕事として割り切った「契約結婚」だったはずの二人の関係が、いつしか恋愛に発展していくという展開で後半になるにつれて盛り上がりを見せ、第9話の総合視聴率では30.0を記録する大ヒット作品となりました。とりわけインターネットでの反響が大きく、番組のエンディング曲に合わせたダンスを様々な人が再現してYouTubeにアップしたり、平匡とみくりの恋愛関係の進展に一喜一憂する投稿がTwitterに数多く見られるなどの現象が起きています。


『生涯未婚時代』(著:永田夏来/イースト・プレス刊)
私の友人たちの多くも、くっつきそうでくっつかない平匡とみくりに「ムズキュン」してTwitterにて大いに盛り上がっていました。しかし私が連載時からこの作品で面白いなあと思っていたのは、本作のもう一人のヒロインともいえるみくりの伯母、 土屋百合です。49歳で外資系の化粧品会社勤務、最終話には部長にまで昇進するキャリアウーマンという設定の彼女は、主人公であるみくりの最大の理解者として登場します。美人で若い頃からモテていたという百合ですが、実はこの年齢になるまで性交経験がないままに未婚というキャラクターです。

この百合が一回り以上年下の男性から熱烈なアプローチを受け、年齢を理由に拒んだものの最終的にはその愛情を受け入れるという展開は本作のクライマックスの一つとなりました。「私たちのまわりにはたくさんの呪いがある」と百合は言います。作中で直接言及される呪いとは「女性は若い方が価値があり、49歳にもなって年下と交際するのは恥ずかしい」というようなものなのですが、しかし作品全体を俯瞰してみれば、「夫は外で働き妻は家庭を守る」という性別役割分業、 LGBTのカップル形成、「結婚には法的な結びつきが必要だ」という嫡出規範、「一つの会社に勤めあげることが当然だ」という終身雇用などが「呪い」として描かれているように感じられます。「そんな恐ろしい呪いからはさっさと逃げてしまいなさい」との百合の台詞はTwitterで大きな共感を呼びました。

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『タラレバ娘』ドラマ不発の理由

もう一つ話題となったのが、結婚して家にいて欲しいとプロポーズする平匡を「それは好きの搾取です」とみくりがバッサリ斬るシーンです。契約結婚において平匡が要求する細かい家事水準に合わせる努力をしたのは金銭的な対価を得ていたためである。結婚後無給になってもその水準を要求されるとするならば、それは搾取だというのがみくりのロジックです。

「逃げろ」と言ったが「選べ」とは言っていない
ドラマ版の二人はお互いの愛情を確信して同居を継続はするものの(法的な意味での)結婚はしないという選択に落ち着きます。金銭的な面だけでなく、生活の水準や家事の分担についても話し合いをしながら擦り合わせていこうとの結論で物語は幕を下ろします。

ここで確認しておきたいのは、百合は呪いから「逃げろ」とは言ったけれども何かを「選べ」とは言っていないという点です。平匡とみくりも性別役割分業や結婚というフォーマットから一時的に逃げただけで、これから何を選ぶかを決めたわけではありません。

原作でも周到に描かれているこのニュートラルさは、注意深く視聴していないと見逃してしまうように思います。呪いからの逃亡とは全ての選択肢に対してオープンであり、人生の選択を追って沙汰があるまで一時的に中断しているというスタンスです。独身生活の維持や理想の結婚を待ち続けるなど、人生に対して何かを決めてかかるスタンスとは異なる姿勢が描かれているように思います。

成功した『逃げ恥』、失敗した『タラレバ』
『逃げ恥』とは50歳になろうかという未婚女性の人生(=生涯未婚率の上昇)と、結婚するかどうかは場合によるので仕事をしながらぼちぼち考えたいという20歳代の女性(=非婚就業希望者の増加)の人生からなる、生涯未婚時代をまさに正面から描いた作品といえます。

収入や年齢などを基準に結婚を決めるという価値観を批判し、結婚や恋愛は人生を構成する要素として位置付けた上で、いろいろな幸福があることを高らかに宣言しています。つまり、絶対を前提とせずに悩みながら、その都度考えるという人生観が克明に描かれているのではないでしょうか。本作が大きな共感とともに大ヒットしたのも、時代の状況を鋭く描いた先見性が評価されたもののように感じます。


ドラマ『東京タラレバ娘』HPより
『逃げ恥』が放送終了した翌月の2017年1月より日本テレビ系列にて放送された『東京タラレバ娘』(以下『タラレバ』)は東村アキコさんによる同名の漫画を原作とするラブコメディです。『逃げ恥』と『タラレバ』はどちらも若者の現代的な恋愛模様を描いた作品で、立て続けに放送されたのに加え、同時期に『Kiss』(講談社)で連載されていたという共通点があり、これまでもしばしば比較されてきました。

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「精神的リストカット」という自嘲

「そんなにイケてないはずじゃなかった」のに気がついたらアラサーになっていたという女子三人による「東京オリンピックまでに結婚する」という目標をめぐって繰り広げられるドタバタを支柱とした本作は、不倫、元彼、ダメ男などに翻弄されるタラレバ娘たちの恋愛模様が「精神的リストカット」とまでいわれ大きな評判を呼び、コミックの累計発行部数が330万部超というヒットとなりました。

「精神的リストカット」という自嘲
しかし吉高由里子さんが主演したドラマの方はそれほど振るわなかったようです。 その原因は様々かと思いますが、「結婚先延ばし」説を無批判に描いた結果、20〜30歳代からは共感を得られず40歳代からは反感を買ったという点もあるかなと思います。私の周りにいるぼちぼち暮らしたい派の友人たちも『逃げ恥』は一生懸命見ていたようですが『タラレバ』の反応は今一つでした。

原作ではこのミスマッチがギャグとしてうまく昇華されていて、「結婚をしなくてはならない」との強い前提を死守しながらも現実のままならなさに打ちひしがれるタラレバ娘たちの様子を我が身に照らし「精神的リストカット」と自嘲する効果につながったように思います。しかしそのテイストをドラマにうまく組み込めなかったのも、 視聴率が振るわなかった原因の一つなのかなと思います。

つまり、2作の反応の違いは、「結婚したくないわけではないが、どうするのかは場合による」という人生観をもつ20〜30歳代の増加と関係しています。おそらく現在の「生涯未婚時代」をつくっているのは、そうした人生観なのです。

永田夏来(ながた・なつき)
社会学者
1973年、長崎県生まれ。2004年早稲田大学大学院にて博士(人間科学)取得。現職は兵庫教育大学大学院学校教育研究科助教。専門は家族社会学。共著に『入門 家族社会学』(新泉社)、『ポスト〈カワイイ〉の文化社会学』(ミネルヴァ書房)。
http://president.jp/articles/-/22778?page=3


 
先日、逃げるは恥だが役に立つ、のハンガリーの諺の意味を考える記事、というのを執筆したのですが
逃げるは恥だが役に立つのドラマタイトルの意味は?ハンガリー語のことわざの理由は?
漫画のサブタイトルはこのように

(出典)逃げるは恥だが役に立つ(第1巻) [ 海野つなみ ]
Szégyen a futás, de hasznos.
スィジィナフタース デ ホスノス.
逃げるは恥だが役に立つ

とタイトルそのままのハンガリー語の諺がサブタイとして書かれているのですが

ドラマタイトルロゴには英語のサブタイトルが描かれているのです!

(出典)http://www.tbs.co.jp/NIGEHAJI_tbs/ ©TBS
We married as a job!
ウィ マリィド アズ ア ジョブ!
「私たちは仕事として結婚しました!」

こんなふうに、ドラマらしくサブタイトルが改変されていました!

ふたりは「仕事としての結婚」ということで、”夫=雇用主、妻=従業員”の契約結婚、事実婚を始めていくんですよね。
それが今夜放送の逃げ恥第三話では「恋人ができたら雇用契約解除?!」という条件追加がある?!

とのことで、今までにわかった津崎とみくりの生活収支やみくりの雇用契約条件を振り返ってみました^^
こちらでの事実婚プレゼン資料の続編となっております。
逃げ恥第一話の事実婚プレゼン資料!津崎(星野源)のメリットとは?

【こんな解説もしてます♪】
逃げ恥でガッキーが出した妻(未届)の住民票とは?事実婚の定義との関係は?
読みたい場所へジャンプ
• 1 津崎の事実婚プレゼンにあった共同生活の試算
o 1.1 総合的にみた雇用関係における共同生活のメリット
• 2 みくりの生活費収支は?!
• 3 みくりの雇用契約条件
• 4 (おまけ&追記)雇用契約書の追加項目
o 4.1 こちらの記事もよく読まれています
o 4.2 ●パートナーや友人へシェアする
o 4.3 関連
津崎の事実婚プレゼンにあった共同生活の試算

(出典)「逃げるは恥だが役に立つ」第一話 ©TBS
総合的にみた雇用関係における共同生活のメリット
↑こちらが資料タイトル
で、試算した収支が次々挙げられていきます。
これまでの生活
家賃 150,000円
光熱費 8,000円
食費(外食) 90,000円
家事代行業費 50,000円
総出費 298,000円
これまでの生活ってことは、津崎さんがひとりでやりくりしてた時の出費ですね。
津崎さん、独身のプロを謳う独り暮らしなのに月々の出費が約30万もあるじゃないすか!
どんだけお給料もらってるんすか?!←

これがふたりの共同生活になると
共同生活の場合
家賃 150,000円
光熱費 25,000円
食費 30,000円
家事代行業費 0円
森山さんへの給料 194,000円
総出費 399,000円
Woo,Waoh!!!
津崎さん、
総出費約40万!

光熱費の試算はコチラでしていたとおりですね。

逃げ恥第一話の事実婚プレゼン資料
この中の電気ガス水道、全部合わせて(ふたりで)25,000円と。

気になるガッキーみくりんのへのお給料はなんと、
月額194,000円!!!

だけど、、、
毎月の食費を3万円でやりくりせねばならない!
がんばれみくりん!!!

家事を仕事にするくらいのみくりなら大丈夫か。
(私は料理は好きだけど毎日作ってると自分の味に飽きます、疲れます、、たまには外食させてほしい((人д`o))


このままだと津崎さんの総出費は約40万だけれども・・・
折半分のバック
家賃 75,000円
光熱費 12,500円
食費 15,000円
合計のバック 102,500円
ふたりで共同生活をするので、生活費は折半で、折半すれば津崎さんにお金が戻るのでそれが書いてあります。
で、その後、収支を計算したわけですね。
総出費-バック分 296,500円
共同生活をしたときの津崎さんの総出費(399,000円)
引くことの、
みくりからの生活費折半バック分(102,500円)
ということで、
 399,000円
– 102,500円
= 296,500円

そして、津崎さんの会社、3Iソリューションズは家族手当があるみたい^^
(事実婚でももらえるの?!会社や上司に事実婚って言うの?!というこのブログの運営者らしい個人的なツッコミはあるけど、”ドラマダカラスルー”されるでしょうね。)
各種手当によるバック
家族手当(妻の扶養) 18,000円
家族手当で、妻ひとり分、18,000円がもらえる、と。

実質総出費 278,500円
これは共同生活でかかる総出費(399,000円)から、みくりが折半して負担する生活費(102,500円)と家族手当(18,000円)を引いていった数ですね。
 399,000円
– 102,500円
– 18,000円
= 278,500円
これまでの総出費
-共同生活の場合の総出費 19,500円
※なぜか最後のこの二つの枠だけ上手く表示できなくてすみません(;´・ω・)

「※つまり月々の出費が19,500円もお得になります!」
これ、なんか好きなんだよな(笑)

これまでの総出費(津崎さんの今までの生活費)
298,000円から、
共同生活による津崎さん分の生活費278,500円を引くと
=19,500円


 298,000円
– 278,500円
= 19,500円
となって、毎月津崎さんにとっても
+19,500円分オトク
になるという試算結果が出たんですね。

みくりの生活費収支は?!
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ではみくりんの方の収支はどれくらいだろう・・・?
月々194,000円のお給料
から共同生活費の折半分として
毎月102,500円
は津崎さんへ支払うとすると、残りは
91,500円!!!
みくりんが自由に使えるお金は
毎月91,500円
ということですね!
みくりの雇用契約条件

(出典)http://www.tbs.co.jp/NIGEHAJI_tbs/gallery/gallery02.html ©TBS
一日7時間のフレックス制
月〜金曜日 勤務
土日祝は休み
代休申請化
生活費は折半
月給から天引き
給料は月末に現金で手渡し
(出典)TBSドラマ「逃げるは恥だ役に立つ」第2話 ©TBS
これ、どうでしょう?
7時間、という労働時間の換算は長いのか短いのか。。。
子供がいない専業主婦なら長く見積もってもらえてラッキー?
余った時間分はなにか仕事を見つけて働かないとやっぱりダメ?!

ちっちゃな子供がいたら7時間はオーバーしますよね。
でも、津崎とみくりは”夜の生活”の方は
「別です!大丈夫です!」

とのことだったので、そこは問題ないか(笑)

土日祝休みということは、津崎さんは土日は自分のことは自分でやってくれるのかな〜?
月末に手渡しのお給料は、振り込みの通帳記帳もないし、税金がかからなそうで良いですね〜( ´ー`)

ふむ、、、これで手取り91,500円!
生活費すでに支払い済み!
だったらみなさんいかがでしょうか?

恋愛にウブな津崎さんが
「好きな人ができた場合雇用契約は速やかに解除する」
という雇用条件追加をした?する?のは見逃せません!
本日放送の逃げ恥第三話、楽しみにしています^^
(おまけ&追記)雇用契約書の追加項目
第9条 恋人(または好きな人)ができた場合
・恋愛対象者との交流は世間体を鑑み極力見つからないようにする。
・恋愛対象者との交流は互いに気を使い極力見えないところで行う。
・恋愛対象者に本雇用関係を打ち明けることも可能だが、互いの許可を得てからとする。
・恋愛対象者と結婚したくなった場合、本雇用契約は速やかに解除する。
(出典)TBSドラマ「逃げるは恥だ役に立つ」第3話 ©TBS
風見さんへのコンプレックスで心を閉ざしていた時の追加条件ですね。
一話ごとに視聴率もUPの逃げ恥!
ガッキーみくりんや百合ちゃんが可愛いのは当然のことですが←
平匡さんへの萌えが毎回毎回浸透力が半端ないッス!
次回も楽しんでいきましょう♪

※引用した画像の著作権は著作権元に帰属しています。

【逃げ恥の契約結婚は偽装結婚?】
偽装結婚と契約結婚の意味や違いは?ドラマ逃げ恥のガッキーは犯罪者?!

• 【ケースに雇用契約書?!最新レビュー!】
• 実は逃げ恥発じゃない!シェア婚とは?ガッキーはプラベでもシェア婚?
http://xn--3kq65ey3m5z9a.com/nigehaji-employment-631

結婚して20年。夫婦喧嘩が絶えず、妻を愛せない −超訳「人間キリスト」の言葉【6】
ライフ 2013.5.18
白取 春彦
作家 白取 春彦
PRESIDENT 2011年12月5日号
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聖書は古の書物ではなく、私たちの生活にも優れた示唆を与えてくれる……。大ベストセラー『超訳 ニーチェの言葉』の著者が、職場や家庭でのビジネスマンの尽きぬ悩みに、独自解釈した聖書の言葉で応える。
現代はセックスレスの夫婦が増えているといわれているが、聖書の時代からユダヤ人社会では2週間にわたって性交渉がなければ、それが離婚事由として認められている。結婚生活がマンネリ化して定期的な性交渉がなくなるということは、聖書的には夫婦関係が破綻していると見なされてもおかしくないのである。

現代人の多くは「愛情とはこういうものだ」ということを自分で決めている。自分が勝手に思い込んでいる「愛」を注げなくなるから、「妻を愛せない」と考える。しかし「愛する」ということはそんなに甘く、やわらかいことばかりではない。新約聖書には「我慢したり、耐え忍ぶことも愛だ」(コリント人への第一の手紙?第13章)という旨の1節もある。

右の言葉は新約聖書の「マルコによる福音書」にある言葉。最後の3行に「神が一体にしたものだ。そんな2人を人が引き離してはならない」とあるが、この場合の「人」は、第三者だけではなく、自分も含まれている。つまり、神が引き合わせてくれた相手と自分たちの都合で別れることをも戒めている。

「愛情を感じなくなった相手と結婚生活を続けることに意味があるのか」と思う向きもあるだろう。キリスト教やユダヤ教の世界観では、愛せない相手でも、いかにも愛しているかのように振る舞うことが大切だと教える。偽善に思えるかもしれないが、愛しているかのように振る舞うこともまた「愛」なのである。

たとえ嫌々でも他人に施すことに意味がある。自分の気持ちではなく、神の意思に従えばいい方向に向かう、という考え方である。そうだとすれば、仮面夫婦にもわずかな希望はある。

聖書の言葉

神はこの世に男と女をつくった。
その男と女はそれぞれの
親を離れ、互いにあいまみえ、
ついに結ばれる。
このときはこの男女はもう
2人ではない。
一体となっている。
それは神の手によって
引き合わされたものだ。
神が一体にしたものだ。
そんな2人を
人が引き離してはならない。

マルコによる福音書?第10章
次ページ
このまま老後を迎えるのは不安

子どもができない。このまま老後を迎えるのが不安だ

(PIXTA=写真)
聖書は、子孫を残すことが人間の営みとして大事なことである、という教え方はしていない。子どもは神様からの授かりものであって、願えば授かるかもしれないが、もし授からないとしてもそれは不幸ではないという考え方を示している。

「子どもができなければ人間として一人前ではない」ような考え方は、現代の、しかも日本のような少子化の問題を抱えた社会で流布しがちな考え方であって、実はそこに根拠も理由もない。人生の意味や目的を、世間の常識に合わせるように求めすぎると、思い悩むことが多くなるものだ。

聖書は子孫や財産を残すことより、まっとうな生き方をするほうが大事だと説く。代表的なものが右の1文で、旧約聖書にある教訓書の1つである「知恵の書」の言葉だ。

普段から徳のある生き方をしていれば、皆から慕われ、尊敬される。たとえ子どもがいない人でも、子どもから「お父さんのようになりたい」「お母さんみたいになりたい」と思われる代わりに、何人もの人から「あの人のようになりたい」と思ってもらえる。だからちっとも寂しくない。

「このまま老後を迎えるのは不安」という部分については、「自分の面倒を見てくれる人がいなくて心配」という意味なら、ただの自己保身というものだ。子どもの介護をあてにするような生き方は「徳がある」とは真逆である。

そもそも起きてもいないことをあれこれと心配するのはすべて妄想でしかない。妄想に心煩わされるのは考える余裕があるからで、人はもっと目の前の今を生きるべきだろう。新約聖書には次のような1節もある。

「明日のことのために今日あれこれと心配しないように。明日のことは、明日みずからが心配すればいい。きょう1日の労苦は、きょう1日だけで充分に足りている」(マテオによる福音書?第6章)

聖書の言葉

もし自分に子どもがいなくても、
徳を持っていればよい。
徳こそ不滅のものだからだ。
神も人も徳を喜ぶ。
そこに徳を見出すと、
人は真似ようとする。
徳が欠けていれば、それを
欲しがる。だから、悪い人に
どれだけ多くの子孫がいても
何にもならない。
徳がないからだ。
生きた年の数で
人を計ってはならない。
正しかったか、徳があったか、
愛があったか、が喜ばれる。
そういう人の霊魂が
神に喜ばれる。

知恵の書?第4章
※フェデリコ・バルバロ訳『聖書』に準拠

作家 白取春彦
青森県青森市生まれ。ベルリン自由大学で哲学・宗教・文学を学ぶ。哲学と宗教に関する解説書の明快さには定評がある。著書に『超訳聖書の言葉』『超訳?ニーチェの言葉』『この一冊で「聖書」がわかる!』などがある。
(作家 白取春彦 構成=小川 剛 撮影=小原孝博 写真=PIXTA)
http://president.jp/articles/-/9317?page=2

http://www.asyura2.com/17/hasan122/msg/889.html#c2

[国際20] 「辞任」「解任」続出で迷走するホワイトハウスの課題 ラスプーチンと将軍たちの戦い 財政規律バトル「政府債務上限問題」再燃 酢
1. 2017年8月10日 12:00:48 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[733]
コラム:混迷のホワイトハウス、存在感増す軍出身の幹部

 8月7日、無軌道で型破りなトランプ米政権下では、うまく仕事を進め、生き残り、そして成功すらできるのは、少数だが拡大しつつある元軍幹部らのグループだけとみていいだろう。写真中央は、軍出身の政権幹部らと共にEU高官と会談するトランプ大統領。ブリュッセルで5月撮影(2017年 ロイター/Jonathan Ernst)

Peter Apps

[7日 ロイター] - 米行政管理予算局のミック・マルバニー局長は、トランプ大統領が元海兵隊大将のジョン・ケリー氏を首席補佐官に指名した理由を聞かれて、単純明快に答えた。

「彼は、軍人となら仕事がしやすい」

無軌道で型破りなこの政権下では、うまく仕事を進め、生き残り、そして成功すらできるのは、少数だが拡大しつつある元軍幹部らのグループだけとみていいだろう。トランプ氏は、彼らの規律正しさ、忠誠心、部下をうまく動かす能力にますます信頼を置いているようだ。

米国で大きな尊敬を集める「将軍3人組」が、政権の中枢に迎えられている。国防長官にジェームズ・マティス元海兵隊大将、大統領補佐官(国家安全保障担当)に現役のヒューバート・レイモンド・マクマスター陸軍中将、そして、大統領首席補佐官に就任した元国土安全保障長官のジョン・ケリー氏である。

前任のラインス・プリーバス元共和党全国委員長に代わってケリー氏がホワイトハウスの通常執務を担当するようになってからは、彼ら3人組の影響力が強まり、外交や安全保障政策にとどまらず、国内政治まで及ぶ勢いだ。

政権内外では、現政権に決定的に不足している健全性と経験を、3人が補ってくれることを期待する声が大きい。しかし、軍が政治性を帯びたり、自ら稼いだものではない信用を政権が「借用」してしまうリスクがあるとの批判も出ている。

もっとも内実は、大統領の信用と尊敬を獲得し、トランプ氏が耳を傾けることを期待できるのはこうした軍出身者以外ほとんどいないということかもしれない。

もちろん米国では、初代ワシントン大統領と独立戦争の時代から、軍指導部が国政に定位置を占めてきた。軍人から大統領になった直近の例としては、第二次世界大戦の連合軍最高司令官を務めたドワイト・アイゼンハワー、その前には南北戦争のユリシーズ・グラント将軍がいる。しかし、近年では、これほど多くの軍出身者が政治の中枢ポストに集中した例はない。

当然のことながら、瞬く間に「政治」に巻き込まれた軍人もいる。現役の軍人でありながら、政治任用が通例となっているポストに指名されたマクマスター氏がまさにそうだ。

先週、マクマスター氏は、新たな政敵から厳しい内容のブリーフィングを受ける立場に陥った。その多くは、スティーブ・バノン大統領上級顧問の一派とみられている。マクマスター氏は、対ロシア制裁、イラン核合意、アフガニスタン増派部隊の規模をはじめとする数々の問題をめぐって、バノン氏と対立していると広く報じられている。

これから、さらなる政治闘争が起こるのは間違いない。特に、ケリー氏にとっては切実だ。議会対策などの重要分野での経験があまりないにもかかわらず、ホワイトハウスの政治機構全体を運営する責任を担っているからだ。

すでにトランプ政権から去った軍出身の閣僚も1人いる。外国政府とのつながりを明らかにしなかった問題を巡って米大統領補佐官(国家安全保障担当)を辞任した、マイケル・フリン元国防情報局長だ。もっとも、フリン氏は軍幹部としても最も毀誉褒貶が激しい人物の1人であり、その後任にはもっと協調性に富む者が収まることが多かった。重要なのは、ポストに残った軍出身者らが団結を強める傾向にあるということだ。

マティス、ケリー、マクマスターの3氏や、軍の現役幹部は、みなイラクやアフガニスタンで複数回の従軍経験がある。(マティス氏はイラクで、現米軍制服組トップのダンフォード統合参謀本部議長の直属の上官だった)

こうした構造から、米国の現役軍幹部にとっては時として面倒な状況も生まれている。中には、率直に不満を表す者もいる。先週、沿岸警備隊幹部の1人が、先日発表されたトランスジェンダーの入隊禁止を公然と批判し、自身のトランスジェンダーの部下を守ことを優先すると発言した。他の幹部はこの方針について直接コメントを避けている。この入隊禁止方針は、トランプ氏がマティス国防長官の休暇中にツイッターで不意打ち的に表明したものである。

マーク・ミリー米陸軍参謀総長は先週、ナショナル・プレスクラブで、トランプ氏によるツイッター投稿までトランスジェンダーの入隊禁止案など全く知らなかったと述べた。ミリー氏はさらに、軍の上級幹部でも、大統領の決定を報道で初めて知ることは珍しくないとも付け加えた。

このコメントは、ブッシュ政権とオバマ政権に対する当てこすりのようだ。両政権とも、国防総省や現地の司令官に知らせる前に、アフガニスタン派遣部隊の規模などの情報を発表することで有名だった。

オバマ政権時代は、大統領が軍人を苦手としており、直接の接触をほとんど避けているという不満が軍幹部からしばしば聞かれた。一方で逆説めいているが、オバマ政権は、特殊部隊絡みを中心に軍事作戦への指示が細かすぎるという批判も受けていた。

対照的にトランプ氏は、司令官に作戦を委ねるほうだ。トランプ政権になってからは、軍の作戦実行の裁量は従来よりもはるかに広くなった。また、トランプ氏は、マティス氏に、アフガニスタン追加派遣の決定権限を与えたと報じられている。

専門家の一部は、軍に対する文民統制が弱いと、軍務に悪影響を及ぼすと危惧している。報道されているイラク、シリア等での軍事行動による民間人の死傷者数は、トランプ氏が就任してから増加しており、軍が、国民の知らないうちに無差別な武力行使に傾いているのではないかとの懸念も出ている。

しかしトランプ氏にとって心配なのは、「軍出身の閣僚3人組が、大統領と米国に代わって謝罪してばかりいる」という評判が広がることだ。また、「#presidentMattis」(マティス大統領)というハッシュタグが先週ツイッターでトレンド入りしたこともあり、3人組の野心も心配しなければならないところだ。

「もう少し辛抱を願う」

6月にシンガポールで開催されたアジア安全保障会議で、マティス氏はこう発言したうえで、第二次世界大戦中のウィンストン・チャーチル英首相の「米国は最終的に正しい選択をする。他の選択肢をすべて試した後の話だが」との言葉をアレンジして引用した。

米軍出身の閣僚が、トランプ政権の暴走を防ぐ功績をあげられれば、彼らのうち誰かが、後に大統領になる道が開ける可能性もある。しかし失敗すれば、大統領のすべての失政について、適正以上の責めを負うことになるだろう。

*筆者はロイターのコラムニスト。元ロイターの防衛担当記者で、現在はシンクタンク「Project for Study of the 21st Century(PS21)」を立ち上げ、理事を務める。

*本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。(翻訳:エァクレーレン)

アングル:トランプ氏の新補佐官、安全保障上の意見に食い違い

コラム:一貫性なきトランプ外交、就任100日の「成果」
米入国制限に関する新大統領令、イラクを対象から除外へ=関係筋
コラム:米国家安全保障会議、最大の課題はトランプ氏自身か

http://jp.reuters.com/article/apps-generals-idJPKBN1AQ06E?sp=true


 


コラム:北朝鮮情勢緊迫化に動じない米国株に異議あり

Tom Buerkle

[ニューヨーク 9日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米国株投資家の貪欲さは、核戦争の可能性を巡る恐怖でさえ圧倒してしまう。株式市場はこれまで、連邦準備理事会(FRB)の利上げや世界的な保護主義ムードの高まり、ワシントンの政治機能不全といった数々の逆風をさらりと受け流してきた。さすがにドナルド・トランプ米大統領が北朝鮮に対してはっきりと警告を発した今回は、安全資産の金などに資金を振り向ける理由になりそうだが、市場は恐ろしい事態が起きる予兆をほとんど示していない。

地政学的緊張は株価の動揺を誘っていない。S&P総合500種は、依然として年初から10%高い水準を維持する。1日の変動率が1%以上に拡大する局面は目にされない。トランプ氏が、北朝鮮が米国を挑発し続ければ「炎と怒りに直面する」と述べた後、シカゴ・オプション取引所のボラティリティ・インデックス(VIX).VIXは一時20%強跳ね上がったものの、その後上昇幅の半分を帳消しにして過去最低近辺で推移している。

核戦争となればそれが小規模だとしても、何が有効な投資戦略かは証明されていない。それでも資金の安全な避難先を模索する動きは多少見えた。例えば金価格は9日に1.5%強上がっている。ただし足元のオンス当たり1277ドルは、まだ今年の狭いレンジ内に余裕でとどまっている。伝統的に混乱時にはもう1つの安全資産とされてきた米国債の値動きも、似たような状況だ。

市場の泰然自若ぶりは、トランプ氏の存在によって説明できるかもしれない。同氏はどう喝的な言辞を非常に気軽かつ頻繁に用いるきらいがある。矛先を向けられた人物は、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長だけでなく、米共和党のミッチ・マコネル上院院内総務や、アマゾン・ドット・コム(AMZN.O)のジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)など。人々もその言辞をあまり真剣に受け止めなくなってきた。

米企業の収益が市場に落ち着きを与えている面もある。第2・四半期の利益は予想に対して大きく上振れし、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチによると、S&P500種企業の利益と売上高のアナリスト予想を上回った比率は13年ぶりの高さを記録した。

そうはいっても将来のトラブルを見通す上で、投資家の動きは決して当てにはできない。ノーベル賞を受賞した経済学者のポール・サミュエルソン氏は冗談で、株式市場は過去5回の景気後退について9回予想していたと話したことがある。ちょうど10年前、BNPパリバ(BNPP.PA)は3本の債券ファンドを閉鎖し、世界金融危機の初めての兆しが顕現化した。しかし米国債の価格はこのニュースで3%下げた後、その後2カ月で8%近くの上昇に転じ、それが不幸をもたらした。すべての人のために、この特別な局面では今までと異なる姿勢を取るのが得策だろう。

●背景となるニュース

*北朝鮮は9日、新型中距離弾道ミサイルをグアム周辺に向けて発射することを検討していると表明。トランプ米大統領が、北朝鮮が米国を挑発し続けるなら「炎と怒りに直面する」などと発言し、米軍による全面的な軍事攻撃をちらつかせたことに反応した。

*グアムには16万人強が住んでおり、米軍基地もある。レックス・ティラーソン米国務長官は、トランプ氏の発言に関して「金正恩氏が理解できるような言葉で強いメッセージを送ろうとした」と説明した。

*米紙ワシントン・ポストは8日、北朝鮮が弾道ミサイルに搭載可能な小型の核弾頭を開発したと米情報当局が確信していると伝えた。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

オピニオン:アベノミクス復活の条件=フェルドマン氏

コラム:ドル安ゆえに現実味増すドル円上昇シナリオ=高島修氏
コラム:狂うCPI上昇の筋書き、背景に高齢化も=村嶋帰一氏
アングル:タイを目指す「脱北者」急増の理由

http://jp.reuters.com/article/column-us-stock-nk-idJPKBN1AQ06P?sp=true


銀行のダブリンへの関心が低下、ソフトな離脱への期待高まる−関係者
Dara Doyle
2017年8月10日 03:05 JST

アイルランド当局は、英国の欧州連合(EU)離脱に伴いダブリンに拠点を開設しようとする金融機関からの問い合わせが弱まってきたと感じている。事情に詳しい関係者が明らかにした。6月の英選挙で与党・保守党が過半数を失ったことを受けてソフトな離脱への期待が高まっているもようだ。

  選挙結果を受けて銀行や保険会社、資産運用会社は計画策定を急ぐのをやめ様子見の姿勢を強めたと、関係者が述べた。情報が非公開だとして匿名を条件に語った同関係者によると、金融機関幹部の一部は英国が単一市場にとどまりロンドンを本拠としてEU内顧客にサービスを提供できる可能性が選挙結果によって高まったとみている。

  アイルランド中央銀行の委員会の6月会合議事録は、「英EU離脱に関連した銀行の免許申請の最終的水準について不明瞭性は高い」としている。
原題:Bankers Said to Stall Dublin Decisions on Soft-Brexit Hope (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-09/OUF10J6JIJUO01


 

トランプ氏、「期待し過ぎ」とのマコネル氏指摘に反発−ヘルスケアで
Sahil Kapur、Laura Litvan
2017年8月10日 10:21 JST

オバマケア廃止・代替の話が出て7年でなぜ実現できないかと反撃
マコネル氏はトランプ大統領は政治の素人だと示唆していた

トランプ米大統領は9日、米共和党のマコネル上院院内総務への批判をツイートした。マコネル氏は7日に地元ケンタッキー州で、トランプ大統領は共和党に実行不可能な速さの行動を期待する政治の素人だと示唆し、大統領がこれに反論した。
  トランプ大統領はツイッターで、上院が先月、廃止内容を限定した医療保険制度改革法(オバマケア)撤廃法案を通過させられなかったことに言及し、「マコネル上院議員は私が『期待し過ぎていた』と言ったが、私はそう思わない。廃止・代替の話が出て7年もたつのに、なぜ実現できていないのか?」と述べた。
  マコネル氏のデービッド・ポップ報道官は電子メールで、オバマケア廃止に向けた道筋についてマコネル氏が既に語ったと指摘し、それ以上のコメントはないとした。
原題:Trump Rips McConnell Over ‘Excessive Expectations’ Health Remark(抜粋)


 
http://www.asyura2.com/17/kokusai20/msg/270.html#c1

[戦争b20] 遠のく「核兵器なき世界」被爆国の重い責任 北朝鮮「地球規模の乱世」を予想し核開発 トランプは中露韓から袋小路に 日本は  酢
3. 2017年8月10日 12:03:58 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[734]

トランプ氏、米核兵器の威力は増した−専門家は否定
Nafeesa Syeed
2017年8月10日 06:15 JST

「大統領としての私の最初の命令は米核兵器の改修と近代化だった」
「米国の核爆弾には威力が増すような変化ない」と専門家

トランプ米大統領は9日、自身が大統領に就任した1月以降、米国の核兵器は増強されていると述べた。しかし専門家はこれを否定した。
  トランプ大統領はツイッター投稿で、「大統領としての私の最初の命令は米国の核兵器の改修と近代化だった。現在は従来よりも力強くなり、威力も増している」とコメントした。
  核政策・軍事アナリストらは、大統領が言うようなことは全く行われておらず、唯一進行中なのはオバマ前大統領が着手した30年間で推計コスト1兆ドル(約110兆円)の計画だと指摘する。同計画が実施された場合でも、支出の大半は2022年以降になる。
  戦略国際問題研究所(CSIS)の国防予算アナリスト、トッド・ハリソン氏は、「米国の核弾頭ないし核爆弾には、威力が増すような変化はない」と指摘。「予算には全く反映されていない。停止したり遅らせたりすることもない代わりに、ペースを速めることもなく、既定方針の継続でしかない」と説明した。
原題:Trump’s Nuclear Weapons Arsenal Isn’t Any Different Than Obama’s(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-09/OUFRIO6JTSEC01

 

米ミサイル防衛に疑念も、専門家「より現実に即した実験が必要」

[ワシントン 9日 ロイター] - 米軍は、北朝鮮やイランからのミサイル攻撃を想定したシミュレーションに際し、独自の防衛システムやレーダー網により、弾頭を追跡して成功裏に破壊することができると説明する。

しかし、テスト環境は戦時の状況を正確に想定しているわけではなく、専門家は米国が本当に自国を防衛できるのか疑念を抱いている。18年以上にわたる研究開発で400億ドルを投じたにもかかわらずだ。

米軍は5月30日、大陸間弾道弾(ICBM)による模擬攻撃をミサイル防衛システムで迎撃する実験が成功したと発表。数日後には国防総省が5年ぶりに米軍の対ICBM防衛能力の評価を更新し、「米国防衛に限定的な能力」から「立証された能力」に引き上げた。

とはいえ、実験は日中に実施され、ミサイル1発を迎撃したにすぎず、北朝鮮が攻撃してきた場合、どちらかの想定が起こり得るとみる専門家はほとんどいない。

米ロビー団体「ミサイル防衛擁護同盟(MDAA)」のリキ・エリソン会長は「現実主義にならねばならない」と指摘。5月30日のシミュレーションは「最も困難で挑戦的な実験」だったとしつつ、ミサイル防衛システムを混乱させるデバイスを搭載した複数の弾頭といった脅威を想定するなど、より現実に即した形での実験を実施する必要があると述べた。

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アングル:米ミサイル防衛、北朝鮮のICBMを防げるか
http://jp.reuters.com/article/northkorea-missiles-usa-defense-idJPKBN1AQ04Z

 

トランプ米大統領、自らの直感に頼り北朝鮮を「口撃」
Bill Faries、Nafeesa Syeed
2017年8月10日 11:05 JST 
「炎と怒り」の発言、ティラーソン国務長官にも事前相談なし
過去の政権の取り組みの失敗で戦略見直し必要に−上級顧問
 
トランプ米大統領はエスカレートする北朝鮮の挑発行為に対抗するため、数少ない非軍事的手段の一つに訴えている。それは自らの直感に頼った北朝鮮「口撃」だ。
  北朝鮮の核兵器プログラムを抑制する米国の取り組みが何十年も成功していないことに不満を募らせるトランプ大統領は8日、単刀直入な物言いで北朝鮮を非難し、市場と各国政府関係者の両方を驚かせた。トランプ政権閣僚や側近も意表を突かれた様子だ。北朝鮮問題を協議するため東南アジアを歴訪中のティラーソン米国務長官でさえも事前に相談を受けていなかったと長官の報道官は明らかにした。
  北朝鮮が米国を威嚇し続ければ「炎と怒り」に見舞われると警告したトランプ氏の口調は、まるで度を超えた愚弄(ぐろう)の言葉を繰り返す金正恩朝鮮労働党委員長のお株を奪ったもののようにも響く。ホワイトハウス関係者は、前政権までの政策の失敗を踏まえてトランプ大統領は米国の戦略を見直さざるを得なくなっていると指摘した。
  大統領の上級顧問、スティーブン・ミラー氏は9日に英ラジオとのインタビューで、「われわれは総じて、多くの外交政策や対外戦争で誤ったアプローチを引き継いだ。世界との関与へのわれわれのアプローチを完全に考え直す必要がある」と指摘。「それは現大統領が選挙戦で訴え、今取り組んでいることだ」と付け加えた。
原題:Trump Goes With His Gut to Shake Up Strategy Toward North Korea(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-10/OUFZZ06TTDSH01


 

北朝鮮、8月中旬までにグアム攻撃案策定へ 米大統領の警告を一蹴

[ワシントン/ソウル 9日 ロイター] - 北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は、北朝鮮が中距離弾道ミサイル4発を米領グアムに向けて発射する計画を8月中旬までに策定すると伝えた。

KCNAは、トランプ米大統領が8日、北朝鮮がこれ以上米国を脅かせば「世界がかつて見たことのないような炎と怒りに直面する」と発言したことは「全く無意味」として、警告を一蹴。

「このように理性を欠いた人物との健全な対話は不可能であり、同氏には絶対的な力のみが有効だ」とし、米国の言動を引き続き注視する方針を明らかにした。

北朝鮮は8月中旬までにグアム攻撃計画をまとめた上で金正恩朝鮮労働党委員長に提示し、実行に移すかどうか委員長の判断を待つ方針。

KCNAによると、朝鮮人民軍の金絡謙戦略軍司令官は「朝鮮人民軍が発射する『火星12』は日本の島根県、広島県、高知県の上空を通過する」と発言。ミサイルは「グアム沖30─40キロの海域に着弾する」とした。

米国と北朝鮮の激しい応酬を受け、世界の金融市場が動揺。9日は世界的に株安となり、リスク資産を回避する動きが強まった。代わりに金や米国債など安全資産が買われた。

米国のマティス国防長官は9日、北朝鮮は「体制の終えん」につながるいかなる行動も中止し、核兵器の追求を放棄する必要があるとの考えを示した。

長官は、米国は北朝鮮が示す行動と同様の行動をとるとし、北朝鮮は自国が仕掛けた軍拡競争や紛争で敗北を喫することになると警告。米国務省は外交努力を進めているとしながらも、米国、およびその同盟国は「世界で最も正確で堅固な防衛・攻撃能力を有している」とした。

一方、トランプ大統領は9日、前日の「炎と怒り」発言に補足する格好で、「私が米大統領として一番に下した命令は、米国の核兵器備蓄の刷新および近代化だった。(米国の核能力は)かつてないほどに増強された」とツイッターに投稿。「この威力を使う必要がないことを願うが、米国が世界最強の国でなくなる時は決して来ない」と強調した。

米政権の北朝鮮問題担当者は9日、ロイターの取材に匿名を条件に応じ、トランプ大統領の「炎と怒り」発言について「計画された発言ではなく、自発的なもの」との見解を示した。

同当局者は「北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の発言などに対応してレトリックをエスカレートさせることは検討されていなかった」と述べ、トランプ大統領が発言の文言について事前に側近と打ち合わせていなかったことを明らかにした。

一方、ホワイトハウスは、ジョン・ケリー大統領首席補佐官のほか、国家経済会議(NEC)のメンバーは、トランプ氏の発言について「発言前から全般的なトーンについて認識していた」と説明。

サンダース報道官は大統領の休暇先のニュージャージー州で、「トランプ氏は自身の言葉で語ったが、メッセージのトーンと強さについては事前に協議されていた」と述べた。

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http://jp.reuters.com/article/northkorea-missiles-idJPKBN1AQ067?sp=true


http://www.asyura2.com/17/warb20/msg/702.html#c3

[国際20] 「辞任」「解任」続出で迷走するホワイトハウスの課題 ラスプーチンと将軍たちの戦い 財政規律バトル「政府債務上限問題」再燃 酢
2. 2017年8月10日 18:03:47 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[735]
モラー米特別検察官、弁護士事務所勤務で3.9億円報酬−就任前3年間
Chris Strohm
2017年8月10日 14:56 JST

ロシアによる米大統領選介入疑惑を捜査しているモラー特別検察官と同氏のチームの主要メンバーが、民間の法律事務所で勤務していた際、米アップルやフェイスブック、米プロフットボールリーグのNFLなどの代理人の仕事を通じて、3年間で数百万ドルの収入を得ていたことが分かった。
  米司法省が開示したモラー氏の財務情報によれば、5月に特別検察官に任命された同氏は、2014年3月から今年5月まで期間にウィルマーヘイル法律事務所で約350万ドル(約3億8500万円)の報酬を得た。このほか、シティグループのメキシコ部門からの5万2000ドルを含めて、一定の講演料を受け取っていたことも明らかになった。
  
原題:Mueller Left Millions in Salary, Speeches to Lead Russia Probe(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-10/OUGASW6JTSEU01


http://www.asyura2.com/17/kokusai20/msg/270.html#c2

[エネルギ3] テスラのマスク氏、豪州の電力危機に介入−石炭巡る意見対立が鮮明化 Perry Williams、Jason Scott 酢
2. 2017年8月10日 18:04:21 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[736]
コラム:米シェール企業の採算ライン、原油50ドル前後と判明

John Kemp

[ロンドン 9日 ロイター] - 米シェール企業が採算を維持するにはWTI原油価格で1バレル=50ドル前後が必要なことが、第2・四半期の各社財務諸表の分析からは読み取れる。

最大手クラスのシェール15社の第2・四半期の純損益は合計で4億7000万ドルの赤字。この間WTIの平均は48ドルだった。赤字額は第1・四半期の37億ドル、昨年第2・四半期の74億ドルからは大幅に縮小した。

このうち黒字を計上したのは9社で、第1・四半期の10社には届かなかったが、昨年第2・四半期のゼロからは目立って改善した。

シェール企業が赤字拡大に歯止めをかけられたのは、コスト節減や経営効率化、原油価格上昇が組み合わさったおかげだ。しかしこれらの企業が全てのコストをカバーし、株主のためのリターンを稼げるようになるために、原油価格がどれほど上がればよいかを巡っては、かなりの論争が起きている。

一部の生産者は、WTI価格が50ドル割れ、あるいは40ドルでさえ収支トントンから大幅黒字にできると主張する。

こうした見解が、全ライフサイクルコスト(人件費を含む)に当てはまるのか、また全ての生産者(あるいは最も生産性の高いグループのみ)に適用されるのかはなお判然としない。

ノースダコタとオクラホマにおける大手シェール企業コンチネンタル・リソーシズ(CLR.N)のハロルド・ハム最高経営責任者(CEO)は、原油価格は50ドル超が続く必要があると述べた。ハム氏は、6月28日のCNBCのインタビューで、40ドル割れなら掘削作業の再休止をもたらすと予想している。

<悩ましいヘッジ戦略>

経験的な証拠からすると、ハム氏の示した数字はほぼ正しい。実際、50ドルをやや下回る水準でシェール生産者は小幅の赤字となっている。

掘削リグの稼働数は、WTI価格が2月終盤の54ドルから6月終盤に43ドル程度まで落ちた後、直近数週間で頭打ちになった。掘削リグ稼働数は、WTI価格の変化に対しておよそ16─20週のラグを伴って動きを見せる。

さらにこの数週間で、多くのシェール企業は今年下半期の設備投資を小幅に圧縮すると発表し、原油安に対応して予算を引き締めている。

総合的に考えれば、やはりシェールセクターの平均採算ラインは50ドル近辺、上下数ドルの幅であることを各種指標が示している。

一部の企業は、原油価格が50ドルをやや上回っていた昨年終盤や今年序盤に何とかヘッジすることができた。ほとんどの場合、ヘッジや輸送のコストを含んだ実現価格は50ドルより数ドル低い。最も活発にヘッジに取り組んだ企業の1つであるパイオニア・リソーシズ(PXD.N)の第2・四半期の実現価格は45ドルだった。

ただし大半の企業は、来年見込まれる生産量に関しては、これまでのところヘッジ比率は非常に小さい。例えばパイオニアも最新の投資家への説明資料に基づくと、年内の生産分のヘッジ比率は約90%だが、来年分は50%にとどまる。

シェール企業にとっては、来年の生産分でもっとヘッジ比率を高めるか、それをどの価格で行うかを決めるまでにはまだ幾分時間の余裕がある。2018年のWTI先物は足元で50ドル前後と、6月の45ドルから上昇し、企業は今ヘッジすべきかそれともさらに価格が上がることに期待をつなぐか頭を悩ませているところだ。

先週を通じてWTIは50ドル前後の比較的狭いレンジで推移。シェール企業が採算を維持する必要があることが価格を支えた一方、生産者がフォワード売りを再開するのではないかとの懸念が上値を抑える形になった。

*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

アングル:OPECと米国のいたちごっこ、原油価格を翻弄か

原油相場60ドル回復なら米シェール生産急増も=IEA事務局長
コラム:米石油大手、原油価格上下両方向にリスク
原油先物3%超上昇、シェール生産鈍化の兆しで過剰供給懸念後退
http://jp.reuters.com/article/shale-crude-idJPKBN1AQ0DR
http://www.asyura2.com/16/eg3/msg/118.html#c2

[政治・選挙・NHK230] マスコミの「反安倍」祭りはいつまで続くのか、朝日新聞が「ワイドショー化」したお家の事情 自衛隊ドローン1機の攻撃防げない 酢
3. 2017年8月11日 11:26:36 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[737]
安倍首相の自民党総裁3選を望まずが6割、世論調査−読売
池田 祐美
2017年8月11日 09:07 JST
 
読売新聞社と早稲田大学現代政治経済研究所は、政治意識に関する全国世論調査(郵送方式)を共同実施。安倍首相にいつまで首相を続けてほしいと思うかを尋ねると、「自民党総裁の今の任期が切れる2018年9月まで」41%と「すぐに退陣して欲しい」23%と合わせ、総裁3選を望まず、今の任期内での退陣を求める人が6割を超えた、と11日付の読売新聞朝刊が報じた。
  「党総裁の次の任期が切れる21年9月まで」は16%、「なるべく長く続けてほしい」は14%だったという。
http://www.asyura2.com/17/senkyo230/msg/531.html#c3
[経世済民123] 米朝の緊張激化で米株大幅安 VIX急上昇 ドル108円台 欧州銀、失われた10年 米PPI予想外低下、1年ぶりマイナス 酢
1. 2017年8月11日 17:02:10 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[738]
DNA研究:保険業界を脅かす遺伝子検査
2017.8.11(金) The Economist


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(英エコノミスト誌 2017年8月5日号)

生物を改変する「遺伝子ドライブ」技術、研究推進に賛否
仏西部ナントの研究所で、DNAサンプルを確認する研究者(2015年12月10日撮影、資料写真)。(c)AFP/GEORGES GOBET〔AFPBB News〕
保険会社は逆選択について心配し、保険契約者は差別について心配している。

 もし遺伝子検査で自分ががんやアルツハイマー病になるリスクが高いことが分かるとしたら、あなたは検査を受けますか――。そうした検査が利用しやすくなるにつれて、イエスと答える人がどんどん増えている。その結果、保険業界が頭痛の種を抱えている。

 ベーシックな予見的遺伝子検査はかつて医学的な理由に限って使われていたが、今ではオンラインで数百ドルで注文できる。米カリフォルニア州の23アンドミーという遺伝子検査会社は、2007年以降、およそ4000リットルの唾液を集め、家系や健康リスク、子孫に受け継ぐ可能性がある特性について約200万人に情報を与えてきた。

 同社は今年4月、規制当局から、遅発性アルツハイマー病やパーキンソン病など10種類の病気と遺伝子疾患に関係したリスク要因についてスクリーニング検査を実施する承認を得た。この裁定により、ほかの会社が堰(せき)を切って消費者に直接サービスを販売するようになる可能性がある。

「情報は力だ」。遺伝子検査を受ける多くの人はそう主張する。だが、保険会社はそうした情報に対する平等なアクセスがなければ、抜け目のない顧客に出し抜かれると心配している。

 他方、消費者団体は、もし保険の引受会社が実際にそうした情報にアクセスできるとしたら、「悪い」遺伝子を持った人が不当に保険に入れない状況に追い込まれる恐れがあると危惧している。いずれにしても、科学の進歩は保険を大きく揺るがす公算が大きい。

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A・ジョリーで注目、病院を飛び出す「遺伝子検査」 (2015.9.16 島田 祥輔)
日本初の「ゲノム編集」農作物、普及までの課題とは? (2017.7.28 佐々 義子)
遺伝子組換の総本山、モンサントの本当の目的とは? (2017.2.27 有坪 民雄)
それでもまだ怖い?「遺伝子組み換え」の拡散リスク (2016.12.2 有坪 民雄)
この6万年でヒトの進化は急激に加速していた! (2016.4.21 矢原 徹一)

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/50763
http://www.asyura2.com/17/hasan123/msg/150.html#c1

[経世済民124] TPP11は大筋合意?(在野のアナリスト) 赤かぶ
3. 2017年11月11日 10:05:26 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[738]

>米国がもどらない前提なら、カナダと同じで離脱した方がいい

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171111/k10011219881000.html
TPP カナダも大筋合意に 労働条件の改善など一致
11月11日 5時25分
TPP=環太平洋パートナーシップ協定の参加11か国による閣僚会合に参加しているカナダの閣僚が10日、「大筋合意していない」とツイッターに書き込んだことについて、カナダのメディアは、その後、焦点となっていた労働条件の改善などをめぐって一致し、大筋合意に達したと伝えています。
カナダのシャンパーニュ国際貿易相はきのう、アメリカを除いてTPPを発効させることについて「大筋合意はしていない」とツイッターに書き込みました。

カナダメディアによりますと、最低賃金や安全基準の導入など労働環境の改善について一部の国が受け入れないとしたため、カナダとしては支持できないという姿勢を明確にしたとしています。

しかし、その後、反対していた国が譲歩したため、カナダとしても大筋合意に達したとしています。

シャンパーニュ国際貿易相は現地でカナダの記者団に対して「カナダにとってよりよい内容となった。21世紀の通商は前のままであってはならない」と述べたということです。

カナダは11日、トルドー首相がベトナムのダナンで記者会見を行う予定で、その発言が注目されます。
http://www.asyura2.com/17/hasan124/msg/468.html#c3

[国際22] トランプ大統領 マクマスター補佐官を交代へ  赤かぶ
2. 2018年3月23日 08:57:29 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[739]
トランプ政権の安保担当補佐官にボルトン氏−マクマスター氏の後任
Mike Dorning
2018年3月23日 7:44 JST

元国連大使のジョン・ボルトン氏 Photographer: Andrew Harrer
トランプ米大統領は22日、マクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)が退任し、後任に元国連大使のジョン・ボルトン氏が就くと発表した。

トランプ氏はツイッターで、「2018年4月9日付でジョン・ボルトン氏が新しい国家安全保障担当補佐官に就任する。マクマスター氏の貢献に深く感謝する。マクマスター氏は素晴らしい仕事をし、常に私の友人であり続ける」とコメントした
原題:Trump Replaces McMaster With Bolton as National Security Adviser(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-03-22/P60KHQ6JTSE801
http://www.asyura2.com/18/kokusai22/msg/306.html#c2

[経世済民127] ソフトバンクの挫折…米携帯電話市場進出が失敗、スプリントで巨額有利子負債抱える(Business Journal) 赤かぶ
1. 2018年5月09日 18:48:42 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[740]
ソフトバンク:1−3月期営業益は60%増、ビジョン・ファンド貢献
古川有希、Pavel Alpeyev
2018年5月9日 15:10 JST 更新日時 2018年5月9日 15:33 JST
ビジョン・ファンドなどからの営業利益は666億円
国内通信事業の営業利益3.2%増の703億円

ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長 Photographer: NurPhoto/NurPhoto
ソフトバンクグループの2018年1−3月期の営業利益は前年同期比60%増の1550億円と、ブルームバーグが集計したアナリスト3人の予想平均1374億円を上回った。主力の国内通信事業が好調だったほか、前年同期にはなかったビジョン・ファンドなど投資事業からの利益が貢献した。

  今期(19年3月期)の業績予想は公表していない。1−3月期の売上高は1.2%増の2兆3475億円、純利益は94%減の351億円だった。ソフトバンクなど国内通信事業の営業利益は3.2%増の703億円、ビジョン・ファンドなどからの営業利益は666億円となった。米スプリントの営業損益は126億円の赤字だった。  

  ソフトバンクGは3日、米携帯子会社スプリントのマルセロ・クラウレ最高経営責任者(CEO)を最高執行責任者(COO)に選任した。スプリントはそれに先立ちTモバイル USとの合併を発表。次世代通信規格「5G」の規模拡大を急ぎ、米ベライゾン・コミュニケーションズとAT&Tの米2強を追う。

  孫正義会長兼社長はかつて、ソフトバンクGの副社長に据えたニケシュ・アローラ氏を後継候補と公言していた。しかし孫氏が当面は社長を続けることを決めたため、アローラ氏は2016年6月に退任した経緯がある。
http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/168.html#c1

[経世済民127] 日本が5000万人国家になるとどうなるか 2053年には1億人を割り込む(PRESIDENT) 赤かぶ
4. 2018年5月12日 09:42:13 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[741]

>学校の教科書は「時代」が変わると仕切り直しになってしまう

意味不明だが

別に教科書は、仕切り直し?になどなってない

そう習ったのなら、それは、教師の問題


>平成の人口減は何によって転換するだろうか

欧米の凋落による保護主義化と世界紛争多発、

その結果としてのグローバリズム経済衰退のダメージが最大になるのが日本

さらに巨大災害と超少子高齢化による国民負担の増大、貧困化が続き

社会保障崩壊と国家崩壊が起これば、人口は半減以下になるだろうが

それでもまだ十分多い


社会保障が崩壊し、労働集約の途上国化すれば、再び人口減と生態系・環境破壊へと突き進むことになる


理想のシナリオは、AIとロボットの進化による、生活の高度化と、緩やかな人口減だが

そうなる確率は低そうだ


http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/196.html#c4

[経世済民127] 日本が5000万人国家になるとどうなるか 2053年には1億人を割り込む(PRESIDENT) 赤かぶ
5. 2018年5月12日 09:49:13 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[742]

再び人口減と生態系・環境破壊へ

再び人口増と生態系・環境破壊へ
http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/196.html#c5
[経世済民127] 国の借金は過去最高を更新、国債のアラート機能は停止中 --- 久保田 博幸  赤かぶ
2. 2018年5月14日 12:58:26 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[743]

巨額の累積赤字は、既得権を握り締め、負担を嫌い、

少子化を進め、厳しい改革を先延ばしにしてきた無責任な現役世代が

既得権者、地方や高齢者向けのバラマキと放漫財政政策を支持してきた結果だが


いずれは、こうしたポピュリズムのツケを払うことになる

その時に今の高齢世代は、死に逃げできていると考えているのだろうか



http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/215.html#c2

[経世済民127] 「サラリーマン大家」はこうして騙された 寄ってたかって食い物にされる(PRESIDENT) 赤かぶ
4. 2018年5月14日 13:01:04 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[744]

無知で怠惰で強欲な人間ほど騙されるが

投資は自己責任


http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/220.html#c4

[経世済民127] 日本経済の期待値がアジア最低になる理屈 日本の経済成長だけが、別格に低い(PRESIDENT) 赤かぶ
1. 2018年5月14日 13:12:12 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[745]

>規制緩和だけでイノベーションは進まない
>「異次元緩和政策」を導入したけれど

規制緩和自体、ほとんど進んでいない

よって3本目の矢(規制緩和)を欠いたアベノミクスでは、

あくまでも愚かな民主党政権での超円高投機を巻き戻し、

産業と雇用の崩壊を食い止めることができただけだ

>日本はアジアから学ぶべき アジアではデジタル化が急速に

日本でも規制緩和が進めば、当然、低コストのデジタル化は進む


ただし、政権交代したところで、高齢者が政治の中心にいる限り、規制緩和はそう進まない

そして少子高齢化の中で、労働規制が益々強化され、

労働コストが高止まり続ける日本では

新興国のような経済成長を望むのは大きな間違い

それより衰退を前提に考えた方が、遥かに現実的だろう



http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/218.html#c1

[国際22] 借金漬けのアメリカに「国債危機」が迫る(ニューズウィーク) 赤かぶ
4. 2018年5月14日 20:00:28 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[746]

>借金漬けのアメリカに「国債危機」が迫る

FRBと政府次第だが

現時点では完全な杞憂


http://www.asyura2.com/18/kokusai22/msg/733.html#c4

[経世済民127] メガバンクがATMを共通化と報じられたが、その目的とは --- 久保田 博幸  赤かぶ
1. 2018年5月14日 20:05:57 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[747]

BlockChain技術などを活用し

日本もキャッシュレス化を加速する良い機会

そうすればマイナス金利(主に富裕層対象の金融資産課税)の効果も強まる

http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/225.html#c1

[経世済民127] 定年退職したのに年収1500万円!? 中国の自動車メーカーに転職した日本人に聞いた驚きの現状(オートックワン) 赤かぶ
1. 2018年5月14日 20:10:05 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[748]

昔の日本も欧米から外国人技術者を超高待遇で呼び寄せ、技術を急速に吸収したのだから

それに比べれば、大したことではない

http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/223.html#c1

[経世済民127] アベノミクス景気、終焉の兆候…都心の戸建て住宅、1割値下げしても売れず(Business Journal) 赤かぶ
3. 2018年5月15日 16:48:14 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[749]

別にアベノミクスに関係なく

世界は金融緩和バブルだった


特に少子高齢化が進む日本では

都心であっても

高すぎるものは下がる

当然のことだ

http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/230.html#c3

[経世済民127] NECが末期状態…1万6千人削減→また3千人削減、事業売却の連続で稼ぐ事業消滅(Business Journal) 赤かぶ
1. 2018年5月15日 16:56:44 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[750]

絶えざる改革を続けなければ、

破壊的イノベーションが進み、成長が著しい先端産業ほど厳しい淘汰に晒される

企業に限らず、個人もまた同じ

http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/231.html#c1

[経世済民127] ゼロ円タクシーがグローバル経済をぶち壊す --- 酒井 直樹  赤かぶ
1. 2018年5月16日 11:33:14 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[751]
>ゼロ円タクシーがグローバル経済をぶち壊す
>グローバリズムを超えてシェア経済に移行

完全に勘違いしている

IT化で個人情報にアクセスでき

グローバル化で経済主体が巨大化・効率化し

個別CM効率が上がったから

一見、フリーに見える状況が出現しただけに過ぎない


>交通だけでなく、エネルギー・水道などの社会インフラ系や商業・外食などサービス業でも同じでしょう。ゼロ円電気にゼロ円食堂

誰もが、全てが無料になると思っているとしたら、愚か過ぎる

バブルで不動産が値上がりすれば、全て、それで賄えるという妄想と同じ

誰かが、サービス提供者に支払うが、最終的には、それは消費者がマネー、情報、労働という形になる



http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/236.html#c1

[経世済民127] 雑感。労働法制に関して(在野のアナリスト) 赤かぶ
3. 2018年5月16日 11:41:25 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[752]

>根が悪人で、悪いことばかりしていると小さな良いことがとても素晴らしい行いにみえる。ジャイアンの法則

逆だろう

キレイゴトばかり言って、経済や安全保障を崩壊させ、

国民を貧困に落とし込むよりは、多少、汚くても

自己利益に適うなら、それで良いという

競争を恐れ、既得権にしがみつく国民が、今の状況を生み出している

http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/245.html#c3

[経世済民127] 雑感。労働法制に関して(在野のアナリスト) 赤かぶ
4. 2018年5月16日 11:43:11 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[753]

厳しい改革より、緩和バブルの恩恵が続くなら、そちらの方が良いということだろう

https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL16HFV_W8A510C1000000/
名目雇用者報酬、21年ぶりの高い伸び 1〜3月期、雇用者数の増加や賃上げで
経済・政治
2018/5/16 10:53
 内閣府が16日発表した2018年1〜3月期の国内総生産(GDP)速報値で、収入の動きを示す雇用者報酬は名目ベースで前年同期比3.2%増となり、1997年4〜6月期以来およそ21年ぶりの高い伸び率となった。非正規労働者を含めて雇用者数全体が増えた。1人当たりの賃金上昇も寄与した。物価変動を考慮した実質ベースは2.0%増だった。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕

http://jp.gdfreak.com/public/detail/jp010010001010100005/ 
暦年系列_雇用者報酬 《名目雇用者報酬と労働分配率の推移》

【データ出所】内閣府 四半期別GDP速報
【メタ情報/グラフタイトル一覧】 Click!
【ロボット君のつぶやき】
2017年の名目雇用者報酬は前年から1.9%増加して274.3兆円。また、労働分配率(グロスベース)は0.2ポイント上昇して50.2%です。
暦年系列_雇用者報酬 《名目雇用者一人あたり報酬と雇用者数の推移》

【データ出所】内閣府 四半期別GDP速報
【メタ情報/グラフタイトル一覧】 Click!
【ロボット君のつぶやき】
2017年の雇用者数(総務省労働力調査)は前年から1.2%増加して5819万人。また、雇用者一人当たり報酬は0.7%増加して471.4万円です。
暦年系列_雇用者報酬 《名目雇用者報酬増加率の要因分解》

【データ出所】内閣府 四半期別GDP速報
【メタ情報/グラフタイトル一覧】 Click!
【ロボット君のつぶやき】
2017年の雇用者報酬増加率は1.9%である。これを、雇用者数要因と一人当たり報酬要因に要因分解すると、雇用者数要因は1.2%、一人当たり報酬要因は0.7%となります。
【更新日】2018-03-08
1 名目雇用者報酬と労働分配率の推移
2 名目雇用者一人あたり報酬と雇用者数の推移
3 名目雇用者報酬増加率の要因分解

四半期原系列_雇用者報酬
【出所】内閣府 四半期別GDP速報
【関連性】暦年--四半期
四半期原系列_雇用者報酬 《名目雇用者報酬(原系列)と雇用者数(原系列)の推移》

【データ出所】内閣府 四半期別GDP速報
ロボット君のつぶやき】
2017年第4四半期(10-12月)の雇用者報酬は前年の同期間と比べて1.9%増加して79.8兆円。同様に、雇用者数は1.1%増加して5868万人です。


四半期季節調整系列_雇用者報酬
【出所】内閣府 四半期別GDP速報
【関連性】暦年--四半期
四半期季節調整系列_雇用者報酬 《名目雇用者報酬(季節調整)と雇用者数(季節調整)の推移》

【データ出所】内閣府 四半期別GDP速報
【メタ情報/グラフタイトル一覧】 Click!
【ロボット君のつぶやき】
2017年第4四半期(10-12月)の雇用者報酬は前期から0.2%増加して276.1兆円。同様に、雇用者数は0.0%増加して5841万人です。
四半期季節調整系列_雇用者報酬 《名目雇用者報酬(季節調整)の前期比増加率の要因分解》

【データ出所】内閣府 四半期別GDP速報
【メタ情報/グラフタイトル一覧】 Click!
【ロボット君のつぶやき】
2017年:4Qの雇用者報酬増加率は0.2%である。これを、雇用者数要因と一人当たり報酬要因に要因分解すると、雇用者数要因は0.0%、一人当たり報酬要因は0.2%となります。
【更新日】2017-03-08

暦年系列_GDP
【出所】内閣府 四半期別GDP速報
【関連性】上位分類

【毎月勤労統計】賃金指数(事業所規模5人以上)_調査産業計
【出所】厚生労働省 毎月勤労統計
【関連性】別の関連統計


http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/245.html#c4

[経世済民127] 「東大卒」の半分が失業する時代が来る(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
1. 2018年5月16日 18:42:49 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[754]

>東大卒」の半分が失業する時代

仮に、そうなった時、東ロボくんにすら勝てない

一般大卒は、どれだけ失業しているか

現時点でも、かなり予想がつく

www.amazon.co.jp/AI-vs-教科書が読めない子どもたち-新井-紀子

東ロボくんは東大には入れなかった。AIの限界ーー。しかし、”彼”はMARCHクラスには楽勝で合格していた! これが意味することとはなにか? AIは何を得意とし、何を苦手とするのか? AI楽観論者は、人間とAIが補完し合い共存するシナリオを描く。しかし、東ロボくんの実験と同時に行なわれた全国2万5000人を対象にした読解力調査では恐るべき実態が判明する。AIの限界が示される一方で、これからの危機はむしろ人間側の教育にあることが示され、その行く着く先は最悪の恐慌だという。では、最悪のシナリオを避けるのはどうしたらいいのか? 最終章では教育に関する専門家でもある新井先生の提言が語られる。

【主な内容】
はじめに

第1章  MARCHに合格――AIはライバル
 AIとシンギュラリティ
 偏差値57.1
 AI進化の歴史
 YOLOの衝撃――画像認識の最先端
 ワトソンの活躍
 東ロボくんの戦略
 AIが仕事を奪う
  
第2章 桜散る――シンギュラリティはSF

 読解力と常識の壁――詰め込み教育の失敗
 意味が理解しないAI
 Siri(シリ)は賢者か?
 奇妙なピアノ曲
 機械翻訳
 シンギュラリティは到来しない

第3章 教科書が読めない――全国読解力調査

 人間は「AIにできない仕事」ができるか?――大学生数学基本調査
 数学ができないのか、問題文を理解していないのか?
 全国2万5000人の基礎的読解力を調査
 3人に1人が、簡単な文章が読めない
 偏差値と読解力
 
第4章 最悪のシナリオ

 AIに分断されるホワイトカラー
 企業が消えていく
 そして、AI世界恐慌がやってくる
http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/246.html#c1

[経世済民127] 日本郵政が「正社員待遇引き下げ」というパンドラの箱を開けた事情 ついに非正規しわ寄せに限界が…(現代ビジネス) 赤かぶ
1. 2018年5月16日 18:47:53 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[755]

>日本郵政が「正社員待遇引き下げ」

生産性の低い企業や衰退産業では、必然的に起こることが、起こっているだけ

http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/247.html#c1

[経世済民127] 日本郵政が「正社員待遇引き下げ」というパンドラの箱を開けた事情 ついに非正規しわ寄せに限界が…(現代ビジネス) 赤かぶ
2. 2018年5月16日 18:53:13 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[756]

いずれ米国でも同じことが起こる

トランプのamazon批判は完全に見当違いだが

このままでは、米国の凋落も止まるどころか加速していくことになるだろう

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53099
巨額の赤字を続ける米郵政公社が民営化できないわけ
損失をアマゾンのせいにするトランプ大統領だが、本当の理由は別に
2018.5.16(水) 堀田 佳男
財政難の米郵政公社、ファッション業界に進出
米カリフォルニア(California)州ロサンゼルスで、速達便を届ける米郵政公社(USPS)の配達員(2013年2月6日撮影)。(c)AFP/Getty Images/Kevork Djansezian〔AFPBB News〕

 エッ、まだ民営化されていない――。

 そんな声が聞こえてきそうなのが、米郵政公社(USPS:以下「米郵便局」)である。

 米国だからこそ、民間でできることは民営化するという動きがあるかに思えるが、米郵便局だけは今でも連邦政府によって運営されている。

累積損失は約7兆円
 しかも赤字が膨らんでいる。過去10年の累積損失は650億ドル(約7兆円)である。

 過去、債務不履行に陥ったこともある組織だが、いまだに民営化の道筋を辿れていない。

 日本が郵政民営化を行って日本郵政グループを発足させたのは2007年のことである。諸外国をみても、1995年のドイツをはじめ、オランダ、ベルギー、オーストリア、英国なども郵便事業を民営化させてきた。

 なぜ米国だけ民営化できないのか。

 その前に、記憶に新しいドナルド・トランプ大統領(以下トランプ)の米郵便局擁護の発言を振り返りたい。昨年12月、トランプはこうツイートした。

 「なぜ米郵便局が損失を出し続けているのだろうか。アマゾンは利益を出し続ける一方、米郵便局は損失を増やし続けている。アマゾンにもっとコストをふっかけるべきだ」

 今年4月になってもアマゾンを批判するツイートは続いた。4月3日、こう記している。

 「やはり米郵便局は、アマゾンの商品を運び届ける『配達屋』になっていた。そのせいで多大なコストがかかっている。アマゾンが支出を支払うべきだ。納税者を利用すべきではない」

大統領のツイートで約4360億円減少
 トランプのこうしたアマゾン批判の背景には、トランプに批判的な論調を展開するワシントン・ポスト紙の存在がある。

 アマゾンのCEO(最高経営責任者)ジェフ・ベソス氏がワシントン・ポスト紙を買収したのは2013年で、以来トランプはポスト紙だけでなくオーナー会社のアマゾンにも攻撃の矛先を向けている。

 トランプが4月に批判ツイートを複数回行ったことで、アマゾン株は一時40億ドル(約4360億円)も時価総額を下げた。だが現在は元の株価に戻っている。

 話を元に戻したい。米郵便局が税金によって賄われながら損失を出し続けていることは紛れもない事実である。

 トランプの指摘では、米郵便局はアマゾンの商品を1個配達するたびに平均1ドル50セントの損失を出しているとのことだが、調べてみると、アマゾンと米郵便局の間には料金面で内々の合意が成立していた。

 アマゾンは大量の荷物の配送を米郵便局に依頼しているため、例外的なレートが設定されていたのだ。

 しかも米郵便局は土日の配達を中止しているにもかかわらず、アマゾンの一部商品に限っては日曜の配送も行っていた。

 実は米郵便局はアマゾンに限らず、こうした大量の荷物を依頼してくるクライアントとは特別料金を設定してきた経緯がある。

小荷物の扱い総量は増えている
 こうした流れを無視してトランプは一方的にアマゾンを攻め立てるツイートをしていたわけだ。

 アマゾン株の乱高下後、金融市場関係者は平静を取り戻した。というのも、米郵便局の多額の赤字の主因はアマゾンではないからだ。

 確かにアマゾンは小荷物の配送で、米郵便局と特約契約を交わしていたが、損失の本質はそこにはない。

 というのも、米郵便局が扱う小荷物の総量は増えているからだ。

 昨年度、小荷物の売り上げは前年比で9.5%も増えていた。フェデックスやDHLといった大手民間業者の配送料金と比較すると、米郵便局の提示する料金はほぼ半値で、実は競争力があるのだ。

 例えばカリフォルニア州サクラメント市からカナダのトロント市に20センチ四方の小荷物を翌日配送した場合、DHLは34ドル82セント、フェデックスは28ドル43セント、米郵便局は15ドル20セントで、価格面では米郵便局が最も安価だ。

 そのため、民間の配送業者にお株を奪われているかに思えた小荷物配送分野で、米郵便局は健闘していた。

 しかし売り上げが下落している分野もある。一般郵便だ。

人件費高騰と年金が主な原因
 電子メールやラインといった無料の通信ツールの普及で、一般郵便の絶対数は年を追うごとに減少している。昨年は前年比で1.4%減。1億8100万ドル(約197億円)の減収につながった。

 ちなみに米郵便局が配送する郵便物(手紙、はがき等)の総数は年間約1534億(2016年)という数字である。手紙やはがきを送る機会が減少し、米国で一般的だった個人用小切手の使用頻度も減っている。

 だがネット通販の利用者が増えていることから小荷物の総量は増え、手紙やはがきの減収を差し引いても、米国の郵便事業は前年比で1.4%増を記録している。

 それでも米郵便局としては年間13億ドル(約1400億円)の赤字を計上している。これはいったいどういうことなのか。

 からくりは65万超の職員の人件費高騰と、退職者に給付する年金、さらに配送費の高騰などによる。

 民営化の話は出てきているが、法律を改正しない限り民営化の道へは進めない。

 現在、手紙やはがきといった一般郵便物の配送は米郵便局以外には認められていない。唯一、速達などの郵便物に限り、民間業者が参入できるためフェデックスなどがエクスプレスメールを配送しているのだ。

 民営化については、米郵便局職員が加盟する労組からの反対意見が強く、連邦政府の庇護の下から出ようとはしない。

政治が動けば民営化は可能だが・・・
 しかも退職後の健康保険が確保されることから、進んで民営化を後押しする職員がほとんどいないのが現状だ。

 米郵便局の組織の近代化と使用している配送技術などの改革も求められている。ミーガン・ブレナン郵政長官も指摘している。

 「時代に適合した技術革新が必要ですし、環境の変化に柔軟に対応するために、法律を改正する必要もあります。実は頑迷な法律によって十分な利益が上げられずにいるのです」

 後は連邦議員を動かすだけである。反対派議員がいたとしても、どの国よりも改革が得意と思われている米国で郵政民営化ができないのは解せない。

 首都ワシントンにあるシンクタンク、ケイトー研究所のクリス・エドワーズ研究員も民営化の推進派だ。

 「いま米郵便局が早急にやるべきことが民営化です。世界では日本を含めて多くの国ですでに民営化を行っています。連邦議会は目を覚ます必要があります。米国も郵政事業の近代化を達成すべき時です」

http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/247.html#c2

[経世済民127] GDP、9四半期ぶりマイナス 1〜3月期年率0.6%減 内需勢い欠く(SankeiBiz) 赤かぶ
1. 2018年5月17日 18:07:15 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[757]

基本的に内需の勢いがないのは、一時的というより

少子高齢化と産業のサービス化による労働生産性低迷の必然だし


1Qのマイナスは、主に天候要因と中国要因だから、一時的なものである確率は高いから

いずれにせよタイトルは不適切


ただし、米国の景気後退リスクも高まっているから

いずれにせよ要注意といったところ

http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/259.html#c1

[経世済民127] 団塊世代も逃げ切りに失敗 「年金格差」を世代別比較(マネーポスト) 赤かぶ
2. 2018年5月17日 18:14:55 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[758]

定常状態では、一般に、平均水準よりも所得が多かった人々は、必ず払い損になるようにできている


まして少子高齢化が続く場合、その損益分岐点は当然下がるし

デフレが続いたり、年金の運用が非効率だったり

さらに社会保障の非効率なバラマキが行われれば

さらに損益は悪化する


つまり日本の社会保障とは再分配システムの一部ということだ


http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/255.html#c2

[経世済民127] 団塊世代も逃げ切りに失敗 「年金格差」を世代別比較(マネーポスト) 赤かぶ
3. 2018年5月17日 18:24:50 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[759]

>1941年生まれの“焼け跡世代”の男性のケースでは、保険料の払込総額2249万円に対し、88歳まで生存した場合の年金支給総額は約5170万円。払込額と受給額の差額は2921万円
>団塊世代の1947年生まれの男性のケースでは、保険料払込総額約2844万円に対し、年金受給総額が約4799万円で、差額は約1955万円
>焼け跡世代より595万円も多く保険料を納めたうえ、受け取る額は371万円も少ない

焼け跡世代が、完全に、もらい過ぎだから

あまり意味が無い比較であり

確かに若年世代に比べれば、どちらも名目では、もらい過ぎているから

負け組みというのは間違いだ


ただし、上の世代ほど、その分、子育て負担や、厳しい競争と過重労働

不十分なインフラなどで苦労してきたのも事実


いずれにせよ、全世代とも負担が大きくなっていくのは必然であり

重要なのは最終的に、持続可能な産業構造と社会保障システムを構築すること

こうした比較自体は、有害無益に過ぎない


http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/255.html#c3

[経世済民127] 日本の携帯が中国で負けた、誰も言わない本当の理由 中国のアジアNo.1スマホメーカー、oppo日本法人社長インタビュー  赤かぶ
3. 2018年5月17日 18:35:06 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[760]

>日本の携帯が中国で負けた、誰も言わない本当の理由

誰も言わないというのは間違いで

以前から、こうした日本の体質は批判され続けている


だから本当の問題は、そうした批判の中でも変われない日本の経営

つまり既得権者と化した変われない日本人ということだろう


これは先進国では共通の病理だが、非正規化の進展同様

否応無く、変わっていかざるえない


そうでないものは淘汰され外国企業化していくのは

シャープやSONY、ニッサンなどを見れば明らかなことだ


http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/258.html#c3

[経世済民127] 20代が陥る「転職・負のスパイラル」…勘違いする新卒社員たち(Business Journal ) 赤かぶ
2. 2018年5月18日 14:21:57 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[761]

負の転職スパイラルに陥る人ほど、企業や職場のせいにする傾向があるのは間違いないし

過労死事件を起こすような企業であっても、現実の大部分の労働者は適応して高賃金を得ているが

今後の労働力不足時代には、そうした隙を作らず、WLBを高め、労働生産性を高めた企業ほど、優秀な人材を集めて、勝ち残っていくのだろう



http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/270.html#c2

[経世済民127] 20代が陥る「転職・負のスパイラル」…勘違いする新卒社員たち(Business Journal ) 赤かぶ
3. 2018年5月18日 14:28:32 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[762]

何でも会社や上司のせいにするような勘違い社員が多いと、入社後に矯正できない場合

採用時の初期投資はサンクコストとして無視できないくらい大きいから

入社時に排除できれば、それにこしたことはないが、現実には難しいだろう


逆に言えば、できるだけ早く自発的に消えてくれた方が、企業にとっては有難いかもしれない



http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/270.html#c3

[国際22] ボルトンに歴史的偉業を潰されるようではトランプもそれまでだ  天木直人  赤かぶ
2. 2018年5月18日 20:14:28 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[763]

WSJ社説】北の非核化、正しいのはボルトン氏

ボルトン大統領補佐官、北朝鮮と米メディアの共通の敵に

ボルトン大統領補佐官は「リビア方式」で北朝鮮が非核化されるべきだと主張している PHOTO:ANDREW HARRER/BLOOMBERG NEWS
2018 年 5 月 18 日 16:40 JST
 ドナルド・トランプ米大統領はすでに、国家安全保障担当補佐官を2人更迭している。わずか数週間前に就任した3人目についても、メディアはトランプ氏が戒めるべきだと騒ぎ始めている。北朝鮮の非核化は「リビア方式」で実現されるべきだとしたジョン・ボルトン氏の意見をトランプ氏が退け、それをもってボルトン氏が「切り捨てられた」と各メディアが17日報じたことは、そう読み取るのが自然だ。
 正しいのはボルトン氏だ。以下にそれを説明したい。
 ボルトン氏は最近、北朝鮮の非核化実現に向けた前例のひとつが「リビア方式」だと述べていた。これはイラクのサダム・フセイン政権が崩壊した後、リビアの最高指導者だったムアマル・カダフィ大佐が2003年に受け入れた非核化の方法だ。リビアはすべての施設で米国の査察を受け入れた。米国はリビアの核関連施設にあった機材をすべて押収して持ち出し、核不拡散にとって大きな勝利を手にした。
 だがリビアを持ち出したことに北朝鮮は激怒し、15日にはボルトン氏を名指しで批判。6月12日に予定されているトランプ氏と金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長による米朝首脳会談を取りやめると脅した。声明では「(ボルトン氏に)向けた嫌悪感は隠さない」とし、北朝鮮は「悲惨な運命をたどった」リビアとは異なると続けた。
 米メディアはこれを丸飲みにした。米政治情報サイト「ポリティコ」は、「トランプ氏が北朝鮮でノーベル賞という話をジョン・ボルトンが消し去るかもしれない」と書き立てた。トランプ氏のノーベル平和賞受賞の可能性と大きな外交的成果の前に立ちはだかるのが、ボルトン氏だといわんばかりだ。北朝鮮の感情をメディアがここまで気にするとは、どれほどの人が思っていただろうか?
 ある記者はトランプ氏を誘導しようと、「リビア方式での非核化についてボルトン氏が述べたこと」に関し、17日に大統領にコメントを求めた。トランプ氏はそれに食い付き、「北朝鮮について考える時、われわれが想定するのはリビア方式ではまったくない」と述べた。そして「カダフィ体制を維持する合意はなかった。話に出たリビア方式は、まったく異なるやり方だ」と続けた。これをもって、ボルトン氏は「切り捨てられた」と伝えられた。
 ただし両者が口にしていたのは、2つの異なる出来事だ。トランプ氏は民主化運動「アラブの春」の最中の2011年にリビアでカダフィ政権が崩壊した件に触れている。これはカダフィ氏が核を放棄してから長い年月が過ぎてからの出来事だ。一方のボルトン氏が言及していたのは2003年の出来事であり、米国が当時のリビアと同様に、北朝鮮に対して「完全かつ検証可能で不可逆的」な非核化を求めるものだった。その意味では、リビアは北朝鮮にとってモデルとなる。
 ホワイトハウス内の誰かが、この歴史をトランプ氏に説明すると信じたい。トランプ氏の人生の中でも、北朝鮮は最もタフな交渉相手になるだろう。ビル・クリントンやジョージ・W・ブッシュ両元大統領のように偽りの約束に引っ掛からないためには、トランプ氏にはボルトン氏の助言が必要なのだ。
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http://www.asyura2.com/18/kokusai22/msg/781.html#c2

[国際22] ボルトンに歴史的偉業を潰されるようではトランプもそれまでだ  天木直人  赤かぶ
3. 2018年5月18日 20:17:02 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[764]

>その後に、その合意に従って、完全で、検証可能で、不可逆的な核放棄が進められる

あまりに愚か過ぎて

話にならない


http://www.asyura2.com/18/kokusai22/msg/781.html#c3

[経世済民127] 萩原博子が警告「銀行大リストラ時代」はネットバンクで備えろ(女性自身) 赤かぶ
3. 2018年5月18日 20:23:18 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[765]

確実にインフレは進み、日本でも1%レベルが常態化しつつある

ネットバンクも金利が高いと言っても僅か0.1%程度

インフレリスク対策において無力なのはメガバンクと大して変わらない



http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/274.html#c3

[経世済民127] “人手不足倒産”が日本経済にとっては「いい倒産」である理由(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
3. 2018年5月18日 20:37:54 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[766]

>>01 有効求人倍率と失業率の指数は、民主党政権時代から一直線に改善しています。指数を見る限りでは、アベノミックスは何処にも見えて来ません

どのデータを見るかによるが、明らかに影響はある

政権交代以降、名目雇用者報酬の上昇速度は上がり

労働人口など雇用も、バブル崩壊以降なかったくらい長期にわたって上昇が続いている

これは日銀の緩和政策による円安誘導などの影響を受けて上ぶれしていると見るのが妥当だろう


また民主党時代にもリーマンショック後からの自律回復過程はあったが、弱かったし

自律回復は長期には続かない


つまり民主党政権時代の円高投機放置による悪影響、企業の投資や雇用拡大意欲の低迷は明らかだった


だから、より重要な問題は、今後の成長戦略がなく、緩和依存が続くのは長期的に見て妥当かどうかということだ

https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL16HFV_W8A510C1000000/
名目雇用者報酬、21年ぶりの高い伸び 1〜3月期、雇用者数の増加や賃上げで


http://jp.gdfreak.com/public/detail/jp010010001010100005/1
名目雇用者報酬と労働分配率の推移


http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/272.html#c3

[経世済民127] バブル世代 お荷物社員扱いされ出世は困難、生涯賃金も低い(マネーポスト) 赤かぶ
1. 2018年5月21日 18:41:48 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[767]

>生涯賃金でも退職金でもバブル世代の受け取る額は上の世代を下回る。合計で955万円の“逸失利益


無意味で愚かな記事

上の世代ほど、より年功序列制が、強いし、

バブル崩壊後はデフレと賃金引下げが続いたのだから、

バブル世代といえども平均年収が下がるのは当たり前


さらに下の世代は、人口が少ないのに非正規の割合も高く、年収上昇も頭打ちな上に

団塊世代など上の世代の社会保障負担をしなくてはならないから

経済的には、さらに苦しくなる


そして何より世代間格差より個人間格差の方が遥かに大きい


ただし、後世代ほど、労働時間は少なく、子育て負担も小さく

都会でも地方でも、住宅や車に限らず、携帯やネットなどインフラや娯楽は

遥かに低コストで享受できるようになっている


他の要因を無視した無意味な比較で、世代間憎悪を煽るより、

超少子高齢化と、財政・経済・環境・軍事安全保障環境の悪化など、

もっと厳しい現実を直視して生産的な提言を行わなければ

有害無益に過ぎないが


大部分のメディアはまさに有害無益と言える



http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/298.html#c1

[経世済民127] 年金支給開始が70歳になりそうだが、大丈夫か?(投信1) 赤かぶ
3. 2018年5月21日 18:48:34 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[768]

長生きで生活水準が低下するリスクを心配する一般労働者であれば、

まず公的年金をフルに活用し、次に、しっかり分散投資を行い、

さらに海外のトンチン年金などを活用するのが良いだろう

もちろん長生きによる貧困化リスクを心配せず、

最悪、生活保護や餓死でも良いと考えるなら

公的年金すら払う必要はない


http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/299.html#c3

[経世済民127] 年金支給開始が70歳になりそうだが、大丈夫か?(投信1) 赤かぶ
4. 2018年5月21日 18:54:25 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[769]

>>01 無理やり 70歳まで 仕事をさせるのは醜すぎる

今、シニアへの求人が激増している

例えば、保育園や介護などで送迎の労働需要が増えていて75くらいまでは皆働いている

ただ80くらいになるとミスが増えるので、

ナビを活用すれば、さらに楽になる

今後はAIやロボットを併用し、AIが苦手な感情労働や因果推論などを高齢者が担うことで

介護など3K産業でも、低コストで高品質な多くのサービスが実現していくだろう


http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/299.html#c4

[経世済民127] 働き方改革のせいで廃止される手当2万円 住居手当の次は家族手当が標的か(PRESIDENT Online) 赤かぶ
1. 2018年5月21日 19:40:33 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[770]

>正社員の待遇を非正社員なみに引き下げることが許されるのだろうか

当然、同一労働同一賃金を実現し、

非正規の賃金や待遇を上昇させて、雇用を維持するためには、他に選択肢はないだろう

それ以外に、正規の待遇低下を避ける方法としては


価格引き上げ、生産性の向上だが、ヤマトを見れば明らかなように

厳しい競争環境では、そう簡単なことではなく、短期間で実現できるものではない


http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/292.html#c1

[経世済民127] 働き方改革のせいで廃止される手当2万円 住居手当の次は家族手当が標的か(PRESIDENT Online) 赤かぶ
2. 2018年5月21日 19:48:16 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[771]

ちなみにパート時給はアベノミクスと海外景気改善による

景気回復以降、上昇が続き

総雇用者数の増加もあって、労働分配総額は増加が続き

貯蓄増だけでなく、インフレ圧力も高まっている


今後も、名目賃金、特に実質賃金の上昇が続くかどうかは、

海外景気と企業の投資意欲次第と言える

ただし、いずれにせよ、生産性上昇が低迷している成熟産業では、

年功序列賃金の結果、高止まりしている正社員の

賃金や待遇の抑制が続くことはほぼ間違いない

http://www.garbagenews.net/archives/2228492.html


http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/292.html#c2

[経世済民127] 「年齢不問の求人」を謳っても65歳以上の実際の雇用は13.5%に過ぎない(マネーポスト) 赤かぶ
2. 2018年5月22日 20:33:21 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[772]

>65歳以上の実際の雇用は13.5%

少し前は、ほぼ0だったのが、最近は、伸びが加速し、ここまで増加してきた

つまり今後、シニア労働者の割合が、さらに増え続けるのは間違いない

http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2017/html/zenbun/s1_2_4.html

>71歳元メーカー勤務の男性が「再就職は絶望的です」

少し前は40台の人が、こう言っていた

70台で再就職を検討すること自体、ほとんどなかった

時代は変わるということだ


>75歳まで働けることはたしかに理想ではあるが、まるで現実味のない話

無知

75歳でも、もっと働いてくれと言われている人々が、増えている現実を見ていない



http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/310.html#c2

[経世済民127] 3月に中国は米国債保有高を削減どころか増加させていた --- 久保田 博幸  赤かぶ
1. 2018年5月22日 20:41:38 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[773]

中国は為替操作国

加えて厳しい規制や、輸出ドライブで、元売投機を防ぐことができたのだから、

次は、元高防止の為替介入と欧米国債買は当然の結果と言える

http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/309.html#c1

[経世済民127] 「本を買うならアマゾン」はなぜ危ないか “取次”に取って代わる日は近い(PRESIDENT Online) 赤かぶ
5. 2018年5月23日 13:16:08 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[774]

>今後再販制度がなくなり、売り手が販売価格を自由に設定できるようになったとき、小規模出版社がアマゾンとどれだけ交渉できるのかは、はなはだ疑問

これは間違い

amazonにとっても、コンテンツ創出の場である小規模出版社の消滅は大問題だ

そしてIT化による出版コスト激減は、取次ぎやamazonすら通さない直接印刷&直売すら可能になっている


>アマゾンに抵抗できずに小規模出版社がつぶれてしまえば、この多様性は失われてしまう。

つまり、小規模出版が、良質な書籍の生産にプラスの寄与をする限り、どこかに均衡点があるから

amazonに責任転嫁すべき問題ではない


>アマゾンが与えてくれるあらゆる利便性に浸り過ぎていると、いつか手痛いしっぺ返しを食らう

勘違いも甚だしい結論

問題なのは、amazonに十分対抗できるネット書籍販売企業が育っていない現状にある



http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/311.html#c5

[経世済民127] 業界では「硬化油」の呼び名…合成油脂、市販のパンやマーガリンで広く使用の実態(Business Journal) 赤かぶ
4. 2018年5月23日 13:30:07 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[775]

>人工ダイヤ(合成ダイヤ)が「加工ダイヤ」「装飾用ダイヤ」と表示されていたらどうしますか?

特に問題ないだろう

いわゆる高額の天然ダイヤには、きちんとした鑑定書が付いているし

いずれ合成ダイヤと最高級のピュアな天然ダイヤ(欠陥のない炭素の結晶)の差はなくなる


>合成油脂がなぜ危険なのか

別に化学合成全てが危険なわけではない

逆に天然食品の方にも、致命的に危険なものがたくさんあるのと同じ

モノによるということだ



http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/316.html#c4

[経世済民127] 事務処理を正確にこなす人の給料が減っている理由(Business Journal ) 赤かぶ
1. 2018年5月23日 13:37:06 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[776]

>事務処理を正確にこなす人の給料が減っている理由

技術革新の結果、タイピストが消え、郵便連絡員が消え、秘書も翻訳も激減し

定型的で単純なオフィスワークに関しては、給料どころか、仕事自体がなくなるのは時間の問題

それができない企業は、企業自体が消える


http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/313.html#c1

[経世済民127] 膨張する医療費に対処する秘策…後期高齢者医療制度への自動調整メカニズム導入(Business Journal) 赤かぶ
1. 2018年5月23日 14:31:32 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[777]

>日本で最初に提案したのは、筆者「医療版マクロ経済スライド
>75歳以上の診療報酬において、ある診療行為を行った場合に前年度Z点と定めているすべての診療報酬項目の点数を、今年度では「Z・(1−調整率)点」と改定
>診療報酬を抑制しても75歳以上の自己負担(窓口負担)が基本的に増加することはない

自画自賛しているようだが

この方式には、明らかに致命的な欠陥がある


つまり、時間がたつにつれ、75歳以上の患者で医者が得られる利益が減っていき

いずれ74歳以下では利益がでていても、75歳以上では利益がでない状況になり

最終的には、確実に後期高齢者への治療拒否や抑制が行われることになる点だ


つまり社会主義的な配給制度の崩壊と闇市の隆盛同様、

公的医療崩壊と闇医療化という末路に陥る

小黒は、消費増税支持者だが、高い消費税では闇経済により、見かけの高い失業と

税収の漏れの拡大が起こることを無視していた


今回の、一見、高齢者に優しい改革も、経済のダイナミクスというものを理解していないことを示す好例だろう


http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/315.html#c1

[経世済民127] 森永卓郎氏 「日本経済にとっては安倍総裁の再選が望ましい」(マネーポスト) 赤かぶ
7. 2018年5月25日 20:01:24 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[778]

財政悪化と国民経済の維持のためには、消費税増税よりも、

規制緩和による経済成長と、社会保障や地方へのバラマキを削減する方が、遥かに重要だとは思うが


>岸田政権が誕生すれば、消費税の8%から10%への引き上げが2019年10月から予定通りに行なわれる 日本の景気が大きく失速する

必ずしも、そうではない

前回は、3%アップで、しかも世界景気悪化の影響が大きかったが

今回は+2%で、政府は対策を立てているので、米国景気が維持されるのであれば

影響は小さいだろう


つまり安倍政権が続くとしても、消費税引き上げを延期する可能性は低い


よって長期化し、モラルハザードで求心力を失った安倍政権は

交代した方が、一時的には円高や株安などが起こったとしても

基本的には日本経済にとってプラスだろう


http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/345.html#c7

[経世済民127] 「弱者ほど減額幅が大きい」年金制度の恐るべき矛盾(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
1. 2018年5月25日 20:20:00 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[779]

>弱者ほど困窮する仕組みだが抜本的改革には反発も多そう


まだ50年程度は確実に超少子高齢化が進む

現状のままでは国民の4割が働かなくなり

しかも一人当たりの医療費やインフラ維持費は大きくなる


つまり、いくら制度をいじって、高所得層の支払った年金や資産から搾取したところで

よほど生産性が上昇しない限り、人口の大部分を占める中下流層の生活水準が大きく低下していくのは100%間違いないし

大企業、富裕層バッシングでGoogleやAmazon,Facebookを起業するような生産性の高い労働者が海外に流出していけば

さらに貧困化が加速するのは間違いないことだ


一方、北欧やスイスなどでは資産格差をある程度容認して、投資と富裕層を呼び込み

労働所得への厳しい課税で社会保障を維持し、

逆に、全体の経済の生産性上昇と、一般労働者の生活水準の上昇を実現している


これは大いに参考にはなるが、自助努力よりも政府や会社への甘えを当然視する日本で、

それを模倣できるかと言えば大いに疑問であり、

グローバル化の衰退と保護主義化の強化、安全保障コストの上昇などから考えても

特に日本では、中長期的には、貧困化がベースとして続くと見るのが妥当だし

その痛みを上層から下層まで含めた全国民で受け入れるしかないだろう


http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/346.html#c1

[戦争b22] 米主導軍、シリア東部の政権軍拠点を空爆(AFP) 赤かぶ
2. 2018年5月25日 20:25:47 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[780]


イスラエルのシリア空爆とロシアの役割

2018/05/19

小泉悠 (財団法人未来工学研究所客員研究員)

イスラエルによる過去最大規模のシリア空爆
 2018年5月10日、イスラエルはシリア領内に対する大規模な空爆を実施した。攻撃の全容は明らかになっていないが、イスラエル国防省によるとシリア領内に対する攻撃としては過去最大規模のものであったという(最大で100発程度のミサイルが発射されたとの見方もある)。

 また、この攻撃についてはシリア領内に展開するイスラエル革命防衛隊がゴラン高原のイスラエル軍に対するロケット砲攻撃を行ったことへの報復という見方もあるが、筆者の専門家らは外れるので本稿では詳しくは扱わない。この攻撃がシリアを舞台としたイスラエルとイランの直接衝突に繋がるかどうかも懸念されているが、この点についても専門家の筆に譲りたい。

 むしろ本稿で焦点としたいのは、新たな段階を迎えたシリア情勢におけるロシアの役割である。以下、この点について筆者の見方を論じてみたい。


(Le_Mon/iStock)
板挟みのロシア
 紛争勃発から8年目を迎えたシリア内戦において、ロシアは確固たる影響力を発揮してきた。2015年9月に開始されたロシアの軍事介入は風前の灯であったシリアのアサド政権を形成逆転させ、イランとともにシリア情勢の鍵を握るに至っている。

 ことに2016年以降はロシアの猛烈な空爆による支援を受けたアサド政権がアレッポ、パルミラ、東グータといった要衝を次々と奪還し、ロシアが望むシリア内戦の落としどころ、つまりアサド政権とロシアの軍事プレゼンスを維持した上での内戦終結が現実味を帯びるようになった。

 しかし、ここに来てイスラエルとイランの対立がシリアで顕在化したことは、ロシアのシリア戦後構想に関する計算を複雑化させることになろう。

 アサド政権がシリア全土の領土的一体性を独力で回復する力を持たず、ロシアがそのための地上兵力を提供し得ない以上(ウクライナのドンバスに次ぐ第二戦線を抱え込むことは財政上も国民感情の上からも極めて難しい)、イランの協力は不可欠である。

 その一方、ロシアはイスラエルの対イラン脅威認識にも一定の理解を示しており、軍事力に訴えてまでイスラエルの行動を阻止するほどのコストを背負いこむこともできない。

 加えてイスラエルの対イラン強硬姿勢はサウジアラビアの支持を得ている。サウジアラビアとの協力を通じたエネルギー価格の底支えも継続せざるを得ないロシアにとっては、この点もイラン一辺倒の姿勢を取るわけにはいかない理由となる。

 ロシアの中東政策に関しては、ある特定の勢力に極度に肩入れすることなく、あらゆるステークホルダーとの間に一定の関係を維持できることが強みであった。しかし、イランとイスラエル(及び同国と急接近するサウジラビア)との緊張が極度に高まりつつある現在、このような多方位外交は難しい局面に立たされている。

戦勝記念式典の陰で
 ところでイスラエルによるシリア空爆の前日、すなわち5月9日は、ロシアにとって最重要の記念日にあたっていた。1945年5月9日、ドイツ第三帝国を降伏させた対独戦勝記念式典である。
この日には外国のゲストも招いて大規模な軍事パレードが実施されるのが常であるが、今年のメイン・ゲストはイスラエルのネタニヤフ首相であった。

 ほとんど目立った扱いは受けなかったものの、この日、ネタニヤフ首相はかなりの時間をプーチン大統領とともに過ごしたとされることから、翌日に迫ったシリア空爆に関して突っ込んだ協議が行われていた可能性が高い。

 その内容は公表されていないが、ロシアがイスラエルの空爆を容認したことは明らかである。ロシアの防空システムが空爆を行ったイスラエルの戦闘機部隊に対して沈黙を守ったことはもちろん、シリア軍もほとんどなすがままにされたところを見ると、イスラエル軍の動きに関する情報もシリアには提供されていなかった可能性もある。おそらくはイランの革命防衛隊に対しても同様であろう。

危機はどこまでエスカレートするか
 問題は、この危機がどこまでエスカレートするかである。イランとイスラエルがシリアで直接衝突する事態となれば、終わりが見えかけていたシリア内戦は再び激化しかねず、ロシアにとって明らかに望ましい状況ではない。かといってロシアがイランとの関係を簡単に捨てることができないことはすでに述べた通りである。

 これについては、ロシアが両国の仲介役となって緊張緩和を図れないのかという声もある。たとえばイランに対して、シリアに展開した革命防衛隊をイスラエル国境に近づけないこと、反体制派武装勢力との戦闘に必要な以上の重火器を持ち込ませないことといった緊張緩和措置をロシアの音頭で実現できないかという見方である。

 これは建設的な意見ではある。イランの核開発を規制するJCPOA(包括的共同作業計画)から米国が離脱を表明したことで、イランが再びロシアに対する依存度を高めることもたしかであろう。その一方、ロシアがイラン(特に革命防衛隊)の行動にどこまで影響力を及ぼせるかは不透明である。

 ロシアの調停が奏功しなかった場合、事態のエスカレーションを緩和することはできるのか。今のところ、ロシアもその他のステークホルダーも、有効な「プラン-B(次善策)」を見いだせていないようである。
http://www.asyura2.com/18/warb22/msg/162.html#c2

[戦争b22] VXガスの10倍の猛毒の神経ガスで攻撃されたという女性の元気な様子が放送されて疑惑は深まる(櫻井ジャーナル) 赤かぶ
1. 2018年5月25日 20:28:38 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[781]

驚くべき無知

サリン事件の被害者だって、回復すれば元気そうには見える

しかし、深刻な後遺障害が残るケースも多い


http://www.asyura2.com/18/warb22/msg/168.html#c1

[経世済民127] 専門家もほとんど理解できなくなってきた「日銀黒田総裁の頭の中」 自然利子率っていったい何…? ドクターZ(週刊現代) 赤かぶ
2. 2018年5月28日 15:04:41 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[782]

>専門家もほとんど理解できていない

「実質金利」「自然利子率」

どちらも金融の専門家なら常識

問題は、現在の日本経済が、台頭するアジア諸国の中で、超少子高齢化と資本主義の成熟化

その結果としての投資抑制と生産性の低迷、相対的な国力の低下と貧困化、

そして拡大し続ける社会保障による巨額の財政赤字の膨張

つまり以前の欧州の苦悩に加え、世界の先進国の中でも新たな課題に苦しんでいるということだ


>全雇用が達成されるまで金融緩和を続け、それが達成されて物価が上昇しはじめたら金融を引き締める。日銀がやるべきことはそんなシンプルなものであればよい

これも誤り

こうした単純な金融緩和やマイナス金利では、いくら巨額でもあっても、日本の現在の問題を解決することができないことを示したのが

黒田日銀の功績とも言える

>日銀の迷いは、アベノミクスを信じてきた国民に対して背信行為

つまり、正確に課題を認識せず、こういう愚かな批判を行ったところで意味はないし

根本的な解決策は、ポピュリズムを志向する政治と、政府・日銀に依存する国民・企業に対して、厳しい提言を行うべきということになる



http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/361.html#c2

[経世済民127] 生活保護費30兆円超予測で見えてきた国家財政破綻(週刊実話) 赤かぶ
10. 2018年5月28日 15:17:46 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[783]

>出生率を飛躍的に増やすか、それができなければ、ロボットやAI(人工知能)による生産性向上で人口減少に勝つか、単純労働者も含めて海外からの“移民”を受け入れるかの3つしかない

単純な3択ではなく、どれも推し進めるべきなのは言うまでもないが

ロボットやAI(人工知能)による生産性向上が一番重要であり

それに加え、高齢者や障碍者を、AIやロボットの補助の下で活用することも

当然、考えていくべきだし

子どもも、無意味な受験勉強やゲームで時間を浪費するくらいなら

介護や建設、食ビジネスなど、いろいろな仕事を、やはりAIやロボットの補助の下で体験することが有益だろう



http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/354.html#c10

[経世済民127] 長生きリスクに備えて保険加入 割高の保険料で「下流老人」に陥る恐れ(マネーポスト) 赤かぶ
2. 2018年5月28日 15:24:45 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[784]

致死的疾病がない状況での尊厳死は、欧州では既に現実化しているし

スイスでは外国人も利用できる


日本も実現すれば

社会保障コストの激減で、子育て世帯を中心に、多くの人々のQOLを改善できるし

海外から富裕層を呼び込めばビジネスとしても活用できる


ただし、その結果、再び人口が増え、消費が増えて、生態系の破壊が進むようであれば

あまり望ましいことではない

http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/362.html#c2

[経世済民127] 対外純資産は328兆円!27年連続世界一!   赤かぶ
7. 2018年5月28日 17:52:49 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[785]

その一方で、社会主義的な政策のお陰で、

日本には富裕層などおらず

資産は広く薄く保有され

年々、その相対的な地位は下がり続けている

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-05-27/P98SY36VDKHZ01
どのくらい資産があったらお金持ち?−「27億円」はエコノミークラス
Suzanne Woolley
2018年5月28日 7:35 JST
• ビジネスクラスは1億ドル、ファーストクラスは2億ドル
• 1994年は300万ドルで「ウルトラリッチ」−シティのシャリントン氏

Illustration: Joel Plosz
幾ら資産があったら金持ちと呼べるのか。その答えはさまざまだ。
  富裕層が密集するニューヨークやロンドンに住んでいる人は、年収50万ドル(約5470万円)でもディケンズの小説に描かれるようなつましい暮らしだと嘆くだろう。ドラマに出てくる資産4000万ドルのヘッジファンド運用者は、自分のことを「文無しだ!」と叫ぶ。

  口の堅いプライベートバンク業界によると、2500万ドルが正解だ。投資可能資産、つまり失ってもすぐには困らない資金が2500万ドルあれば、富裕層に入れてもらえる。といっても、これはプライベートバンカーから基本のサービスを受けられる最低水準であり、富裕層の中のエコノミークラスということになる。ビジネスクラスは1億ドル、ファーストクラスは2億ドル。プライベートジェットは10億ドルといったところだ。
  「ほんの数百万ドル」しか持たない顧客は相手にしないなどと、プライベートバンカーは口にしないものの、ノーザン・トラストによればこの数四半期に新規に獲得した顧客の50%以上が、1000万ドルを超える投資可能資産を持っていた。さらに、 ボストン・コンサルティング・グループで資産運用およびウェルスマネジメントを統括するブレント・ビアズリー氏は、プライベートバンク各社は「最高クラスに届くため、基準を引き上げている」と述べた。

  富裕層の定義は過去20年の間に劇的に変わった。 シティ・プライベート・バンクの世界責任者ピーター・シャリントン氏は、入行した1994年を振り返り、当時は「300万ドルの資産を持っていればウルトラリッチと、業界ではみなされていた」と述べた。

http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/360.html#c7

[経世済民127] 闇金業者に国税局が敗北!「違法な未収利息は収入に計上しなくていい」異例の判決(Business Journal) 赤かぶ
1. 2018年5月28日 18:02:26 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[786]


>生まれ変わったらなりたいものは「連帯保証人」

虚言癖か

そんなものは、いつでもなれる

>法律を犯している事業者が、犯していない事業者より、税の負担が少なくなる珍しい事例

この手の事例は、そう珍しくはない

過去にも、時効を迎えた違法な利益に対して

違法な利益を得たことを認めた場合、課税されないことがわかっている

一方、犯意(脱税する意図)がなかったと主張するなら、課税されることになる


http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/357.html#c1

[経世済民127] 中央銀行の市場介入を「支持する日本、嫌う米国」それぞれの事情(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
1. 2018年5月31日 20:05:52 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[787]

>中央銀行の市場介入を「支持する日本、嫌う米国」

これは明らかな間違い

そもそも米国は、日本より潜在成長率が高く、人口も増加している上に

既に、巨額の金融緩和の結果、完全にデフレから脱却し、2%インフレ率や3%近い賃金上昇率を実現している


しかも最近はトランプのようなポピュリストの型バラマキ政治家が現れたのだから

保守政治家が緩和策に反対するのは当然のことだ

一方、日本では、未だにデフレに戻るリスクがあるにもかかわらず

最近は、この加藤のように、日銀の緩和策に批判的なメディアが主流になりつつある

その理由は、当然、年金高齢者を中心とした国民の大多数がインフレを嫌うからだが

現実には、緩和的金融政策よりも、低レベルの政争によって動かない政治により、

非効率な社会保障やバラマキは維持されたまま、

本来淘汰されるべきゾンビ企業が生き残って

生産性の上昇を阻害している現状の方が、遥かに深刻と言える



http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/388.html#c1

[戦争b22] 比外相が中国に警告「南シナ海レッドライン越えたら宣戦布告」―米華字メディア  赤かぶ
3. 2018年6月01日 18:22:10 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[788]

国民向けの

単なる虚勢


http://www.asyura2.com/18/warb22/msg/183.html#c3

[国際23] 戦争を知らない国民:戦没将兵追悼記念日を祝うアメリカ(マスコミに載らない海外記事) 赤かぶ
1. 2018年6月01日 18:25:24 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[789]

サヨクに洗脳された平和ボケ日本人とは大分違う

2018年6月1日 / 13:42 / 20分前更新
コラム:戦争に備える平和国家スウェーデン
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Peter Apps

[30日 ロイター] - この2週間で、スウェーデンの全世帯に、戦争への備えをまとめた冊子が配られた。スウェーデン政府が発行したもので、いかなる手段を使ってでも侵入者に抵抗するよう、全住人に指示している。

  ほんの最近まで考えられなかった問題について、とりわけ北欧の国々がいかに急激に対策を講じる緊急性に迫られるようになったかを示す劇的な出来事だ。

「長年の間、戦争の脅威に対してスウェーデンではきわめて限定的な用意しか行われていなかった」と、このスウェーデン語の冊子には書かれている。「しかし、われわれの周りの世界が変わり、政府はスウェーデンの総合防衛力の強化を決めた。平時の緊急事態への備えは、戦時の回復力の重要な基礎になる」

欧州の大半の国では、4年前のロシアのプーチン大統領によるクリミア併合とウクライナでの戦闘は警鐘と受け止められたが、自国の存在を脅かす脅威とまでは考えられていなかった。

ドイツや英国、フランスなどは、国防体制を見直し、少しずつ防衛費を増額した。しかしほとんどの場合、安全保障専門家の間ですら、圧倒的な規模を誇るロシアの通常戦力が自国領土を攻撃するという差し迫った本物の危機を見て取る人間はほとんどいない。ロシアの軍事力は、冷戦後もっとも活発な状態にあるとはいえ、同国の戦車や軍隊は安心できるほど遠く離れた距離にある。

だが地理的にロシアにずっと近い北欧では、明らかに事態は異なる。

ノルウェーは、侵略者から国を守る専門部隊であり、通常戦力とは別組織の郷土防衛隊の隊長に、特殊部隊幹部を任命した。フィンランドは、戦闘で多くの負傷者が出た場合の対応力を強化するため、より大規模な中隊に軍を再編した。両国とも、健全な青年男性を対象とした徴兵制を長年維持している。さらに、理論上は中立のスウェーデンも、男女が対象の徴兵制度を復活させた。

北欧諸国の軍隊が、海外での国連平和維持活動を含めた人道的活動や武装勢力掃討などにより注力していたほんの数年前と比べれば、劇的な変化だ。

ノルウェー、スウェーデン、フィンランドのいずれも、ロシアの侵略を国境で食い止めることはできない。

程度の差こそあれ、これらの国々の戦略は、侵略者に国土の大半を明け渡し、その後、攻撃しては撤退する戦術を繰り返して、徐々に相手を失血死させるというものだろう。

これらの国々が、実際に戦争が近いと考えているわけではない。とはいえ、最近ノルウェーで人気のテレビ番組は、ロシアによる侵略を軸にした「占領下」という番組であり、潜在的な脅威がいかに変化したかを物語っている。

ほとんどの欧州安全保障専門家は、ロシアが圧倒的な軍事攻撃ではなく、これまでと同様に、過激な主張の政党を支持したり、定期的にサイバー攻撃を仕掛けたりするなどの非対称戦術を続けると予測している。

北大西洋条約機構(NATO)にとって、より重要なのはエストニア、ラトビア、リトアニアのバルト3国の防衛だ。これら3カ国は旧ソ連の構成国で、地理的にロシアに近い上、ロシア語人口を多く抱えていることもあり、より狙われる可能性が高いとみられている。

ドイツとカナダ、英国が主導する部隊が3カ国に駐留しているほか、最近では米軍の有力部隊や欧州各国が参加して大規模な軍事演習が行われた。

北欧諸国も、単独で攻撃に耐える事態に陥らないことを願っている。ノルウェーは長年NATOに加盟している。加盟国ではないスウェーデンとフィンランドでは現在、加盟を議論しており、軍事のみならずNATOとのつながりを強化している。3カ国とも、北欧やバルト諸国で構成され、英国主導の連合遠征軍に参加している。同遠征軍は、NATOとは軍事的に別行動をとることができる。

だが、北欧やバルト諸国が自国内でとっている備えを見れば、こうした国が口には出さないものの、内心では軍事的な協力関係が頼りにならないのではないかと心配していることが分かる。このような不安は、トランプ米大統領の就任や、ドイツやフランスなどでの極右政党の台頭によって、いや応なく深まっている。

北欧諸国が本当に恐れているのは、そう遠くない未来、場合によっては今後10年以内に、彼らが長年頼りにしてきた欧州や環大西洋の構造が崩壊してしまうことだ。

「軍の存在意義は、単純に国の存続にある」と、北欧のある軍人は昨年私に語った。同盟国は頼りにするが、必要とあれば単独で戦うという意思表明だ。

ロシアは明らかに、スウェーデンが心配している唯一の危険ではない。冊子は、テロ攻撃の危険にも具体的に言及しているほか、戦争や特定されない「危機」のリスクにも全編を通じて触れている。

だが冊子を読めば、スウェーデン政府がもっとも心配しているのは、戦争が始まってもいない段階から「戦争に敗れた」というデマを国民に流す工作を伴った、圧倒的な軍事攻撃だということは明らかだ。

スウェーデンの冊子は、「侵略を受け、降伏した」という内容のメッセージはすべて無視するよう明示している。

「スウェーデンが他国から攻撃を受けた場合、われわれは絶対にあきらめない。抵抗をやめるよう促す情報は、すべてニセ情報だ」と、冊子は断言している。この冊子には、不安をあおっているなどの批判もあるとはいえ、これがスウェーデン当局が訴えたかったメッセージであることは疑いようもない。

冊子は、最近やってきた移民にも理解してもらえるようアラビア語やソマリ語などに翻訳された。こうした移民の若者は男女とも、徴兵の対象になる。

冊子全体のトーンは全体的に穏やかなものだが、間違いようのないメッセージが込められている。攻撃を受けた場合、救護活動などに協力するにせよ、戦って死ぬにせよ、国内にいる人すべては指示通りに動くことを求められている。

これは、フィンランドとノルウェーのレジスタンス戦闘員がソビエトやナチスの侵略と戦い、中立のスウェーデンが両者に脅かされていた暗黒の1940年代に、予期せぬ形で揺り戻されたようなものだ。

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欧州でもっともリベラルで、進歩的で、平和なこれらの国の指導者が、いまや暗い時代の再来を恐れていることの、憂慮すべき証左でもある。

*筆者はロイターのコラムニスト。元ロイターの防衛担当記者で、現在はシンクタンク「Project for Study of the 21st Century(PS21)」を立ち上げ、理事を務める。

*本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/143.html#c1

[政治・選挙・NHK245] 安倍政権を支持する労働者(しかも若年ほど)は、まさに「肉屋を支持する豚」 竹中平蔵氏のおかげで高プロ法案の恐ろしさが… gataro
4. 2018年6月01日 18:37:57 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[790]

愚者には何を言ってもムダだが

現在の雇用状況は、過去に比べて劇的に改善している

その理由を人口要因だけだと思っているとしたら、大きな間違いだろう

http://www.asyura2.com/18/senkyo245/msg/529.html#c4

[政治・選挙・NHK245] 日米同盟時代の最後の首相になるかもしれない安倍首相  天木直人  赤かぶ
2. 2018年6月01日 18:39:07 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[791]

当然、最後にはならないが

当面、日米関係も厳しい状況になるのは間違いない

安倍首相:米の輸入制限は「世界市場を混乱、極めて遺憾」
広川高史
2018年6月1日 13:38 JST
G7サミットで議論へ、EUとも懸念を共有−米輸入制限措置
日欧貿易相は共同声明、対米国で他国へも連携を呼び掛け

安倍首相 Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
安倍晋三首相は1日の参院本会議で、米国が日本などに課している鉄鋼・アルミニウム関税などの輸入制限措置は世界市場を混乱させるとし「極めて遺憾だ」と批判した。G7各国とも対応を議論する考えを示した。

  安倍首相は、8、9両日にカナダで開かれる主要7カ国(G7)首脳会議(シャルルボワ・サミット)で、「米国の措置への懸念を共有するG7各国や欧州連合(EU)とともに率直な議論を行いたい」と述べた。

  米トランプ政権は5月31日、鉄鋼・アルミ関税の適用を猶予していたEUとカナダ、メキシコにも発動すると発表した。

  米国の対応を巡っては、世耕弘成経済産業相とEU欧州委員会のマルムストローム欧州委員(通商担当)が同日、パリで会談した。鉄鋼・アルミ関税に対する「深刻な懸念」を共有し、米国が検討している自動車関税は、WTO(世界貿易機関)のルールに基づく多角的貿易体制を「崩壊させかねない」とする共同声明を発表。両氏は密接に協力し、他国へも連携を呼び掛けていくことを確認した。

  安倍首相は30日の党首討論でも米国の対応を「理解しがたいし、受け入れることはできない」とした上で、「WTO体制を守っていく先頭に立つべきは日本だ。しっかりと私たちも行動すべき時には行動していく」との考えを示していた。
http://www.asyura2.com/18/senkyo245/msg/537.html#c2

[経世済民127] 中央銀行の市場介入を「支持する日本、嫌う米国」それぞれの事情(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
3. 2018年6月01日 20:20:51 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[792]

捕捉しておくと、高齢者の社会保障や地方へのバラマキを中心とした放漫財政を止められない限り 日銀依存は、どの政権になっても続き

いずれ国内生産力の衰退とともに社会保障も財政も破綻する

それは、過去も・現在、多くの国で必ず起こっていることだ


日銀が財政再建のキープレーヤーに−金利抑制が新計画達成の鍵握る
占部絵美
2018年6月1日 5:00 JST
• 国債利払い費含む財政収支の赤字対GDP比3%に抑制−21年度まで
• PB黒字化目標25年度へ先送り、社会保障費を抑制する「目安」削除

The Bank of Japan headquarters in Tokyo, Japan. Photographer: Tomohiro Ohsumi
政府の新たな財政健全化計画のキープレーヤーは日本銀行。そんな見方が市場関係者の間で広がっている。国債の利払い費の削減が鍵を握る新指標が中間目標として盛り込まれる方向となっており、金融緩和で金利上昇を抑制し続けなければ達成が困難となるからだ。
  5月28日開催の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)では、民間議員が基礎的財政収支(PB)の黒字化目標の達成時期について現行の2020年度から25年度への先送りを提言。21年度までに財政収支の赤字を国内総生産(GDP)比3%に抑制するなど3つの中間指標を新たに設定する。PBは税収・税外収入と、利払い費などの国債費を除く歳出の収支だが、財政収支の歳出には利払い費が含まれる。
  BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは、金利上昇による利払い費の増加が財政収支の悪化につながることから、「日銀に対するけん制になる。目標達成を難しくするような長期金利の誘導目標の引き上げは難しくなる」と指摘する。
  日本の債務残高対GDP比は、18年に236%と主要先進国で最悪の水準に上るが、13年4月に日銀が導入した異次元緩和下で金利は低水準を維持している。特に日銀によるマイナス金利導入により、16年2月以降、年限の短い国債の発行コストは実質マイナスで推移。ブルームバーグの試算によると、過去5年間の国債発行コストが消費増税2%分にあたる5兆円程度抑制された。
  みずほ総合研究所の野田彰彦上席主任研究員は「政府から日銀へのプレッシャーがより強まる可能性がある」とみる。デフレ脱却後も利払い費膨張による財政悪化を防ぐため、日銀が出口戦略に踏み出せなくなる可能性を示唆し、日銀が新計画の「キープレーヤー」になるとの見方を示した。
名目GDP比の財政収支赤字
両ケースともに新目標の3%を下回る
出所:内閣府
備考:成長実現ケースは2020年代前半に実質2%、名目3%以上、ベースラインケースは中長期的に実質1%強、名目1%台後半程度の経済成長を想定
  今年度の財政収支赤字は対GDP比4.4%。19年度の消費増税を織り込んだ内閣府の中長期試算では、21年度は2.6−2.8%と目標の3%を達成できる見通しだ。BNPパリバの河野氏は、安倍政権が消費増税後や20年の東京五輪後の景気の落ち込みを回避する追加歳出の財源確保のため、歳出余地を残す狙いがあるとも指摘する。
  新たな中間目標が盛り込まれる一方で、歳出改革の要となる社会保障関係費の抑制目標は削除される。現行の3カ年計画(15−18年度)では、同関係費の伸びを高齢化に伴う自然増に相当する年5000億円に抑制する「目安」を掲げていた。しかし、75歳以上の後期高齢者人口の伸びが20−21年に急減し、団塊の世代が同年齢に差し掛かる22年度以降に急増するなど振れが大きく、数値目標の維持は困難と判断した。
団塊の世代の高齢化、社会保障費抑制の足かせに
2022年以降、後期高齢者に仲間入り

出所:国立社会保障・人口問題研究所
  今年度一般会計予算の社会保障関係費は33兆円と過去10年間で1.5倍に増え、政策的経費にかかる一般歳出の6割近くを占める。前年度比の伸びは5000億円程度に抑制したが、予算総額は97.7兆円と6年連続で過去最高を更新した。安倍首相はアベノミクスによる高成長を実現し、税収を増やすことによってPB黒字化を目指すが、歳出改革なき財政再建は容易ではない。
  東海東京調査センターの武藤弘明チーフエコノミストは、「アベノミクスで財政健全化は全く進んでおらず、先送りされているだけ」とした上で、歳出が拡大しても財政健全化が進むという「幻想を振りまいている」との見方を示した。
社会保障費は財政健全化の重荷
税収の過半を充当

出所:内閣府の中長期試算(ベースラインケース)
最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
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http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/388.html#c3

[経世済民127] イタリアの国債が大きく売られたあと急速に買い戻されたが、何が起きたのか --- 久保田 博幸  赤かぶ
2. 2018年6月01日 20:47:13 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[793]

イタリアの財政は、まだ、それほど致命的ではないし

ECBのドラギ総裁も、完全に無力というわけではない

またポピュリストも、金利上昇の将来的悪影響を無視できるほど愚かではなかったこともわかった


つまり売られすぎの反動ということだ



http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/390.html#c2

[経世済民127] イタリアの国債が大きく売られたあと急速に買い戻されたが、何が起きたのか --- 久保田 博幸  赤かぶ
3. 2018年6月01日 20:49:05 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[794]

ポピュリストも現実を見れば、単なるバラマキ再分配では、皆が貧困になるだけだといずれわかるだろう

ただし、愚民が多いほど、大体、手遅れになってからということになる

「格差拡大」統計に衝撃を受ける韓国政府
「庶民重視」で最低賃金を大幅に引き上げたのが裏目?
2018.6.1(金) 玉置 直司
金委員長は「米朝会談通じ対立の歴史に終止符打つ意思」 文大統領
韓国・ソウルの大統領府(青瓦台)で記者会見を行う同国の文在寅大統領(2018年5月27日撮影)。(c)AFP PHOTO / Jung Yeon-je〔AFPBB News〕

 2018年5月24日、ふだんならあまり注目を浴びない経済統計が発表になると韓国メディアは大騒ぎになった。

 「経済政策失敗」

 翌日の新聞にはこんな見出しの記事があふれた。あわてた文在寅(ムン・ジェイン=1953年生)大統領は5月29日に、2時間半にわたって「緊急経済点検会議」を開催することになった。

 その統計とは、統計庁が発表した「2018年1〜3月期家計所得統計」だった。

 所得に応じて世帯を5分類し、それぞれの所得がいくらだったかという重要だが地味な統計だ。ふだんはメディアも関心をほとんど寄せない。ところが、思わぬ結果が出て一気に注目を浴びてしまった。

家計所得統計の衝撃
 所得下位20%の「第1階層」の所得が前年同期比8%減、下位20〜40%の「第2階層」の所得が同4%減になってしまった。

 逆に、上位20%の「第5階層」の所得は同9.3%増を記録したのだ。

 所得が低い階層の所得がさらに減少し、所得が多い階層の所得がさらに増えた。つまり、経済格差が拡大したということだ。それもかなりのペースで。

 これは「庶民中心経済」「格差是正」を掲げる文在寅政権にとっては衝撃的な数字だった。

 「第1階層」の所得は、2016年に前年比2.9%減少した。しかし、文在寅政権の登場とともに2017年4〜6月期からプラスに転じていた。それが、1〜3月期に一気に大幅マイナスになってしまったからだ。

 「格差是正」のための政策を続ければ、このプラス傾向が定着するはずだった。ところがそうならなかったばかりか、富裕層の所得は増えてしまった。

 「四半期ごとの統計」に一喜一憂する必要はない。もちろん、そうだ。

 だが、今回は、そうとも言えない何とも政権にとっては心配なタイミングでの深刻な結果になってしまった。

最低賃金引き上げのせい?
 「最低賃金引き上げの逆効果ではないか」

 今回の結果に、これまでの現政権の経済政策を批判してきたメディアや専門家は勢いづいた。標的は「賃上げ政策」だ。

 文在寅政権は、「経済格差是正策」の目玉として、最低賃金の引き上げを果敢に実施した。2018年の最低賃金は、前年比なんと16.4%増の7530ウォン(1円=10ウォン)になった。

 週40時間、月209時間勤務の場合、月額は157万3770ウォンになる。庶民層の所得を引き上げて格差を是正しようという狙いだ。

 この引き上げが実施されたのが1月。本来ならば、「第1階層」や「第2階層」は増えるはずだ。なにしろ、16%を超える賃上げなのだ。

 ところが、こともあろうに、賃上げ効果が出るはずの1〜3月に所得はマイナスになった。一体どうしてこうなってしまったのか?

 政策批判派は、「無理な賃上げの副作用だ」と声を高める。

 筆者が住むソウルのアパートでは2017年12月にこんな張り出しがあった。

 「警備員減員のお知らせ」だ。最低賃金引き上げによるコスト増を管理費ではまかなえず、2人いる警備員を1人に減らす。よって、週末の勤務がなくなるという内容だった。

 同じような話を食堂やコンビになどでも聞いた。

 雇用主の立場から見れば、いきなり賃金が16%も上昇すると、対応するのが大変だ。零細企業や商店は死活問題だ。だから、勤務時間を短縮したり、やむをえず、人員削減に踏み切った例も少なくない。

 最低賃金は上昇したが、そのおかげで雇用や就業時間が減り、かえって所得が減ってしまったという例もある。

所得主導成長論
 「所得主導成長“失敗”」

 5月25日付の「毎日経済新聞」は1面トップでこう報じた。「第1階層」の所得大幅ダウンは、失政だという意味だ。

 文在寅政権は「所得主導成長」を掲げてきた。

 これまでの政権は、減税や規制緩和など大企業に様々な支援をした。大企業が成長すれば、それがけん引役となって経済全体が成長するという考え方だった。

 ところが、長年の「サプライサイド政策」の結果、何が起きたか。

 サムスングループや現代自動車グループなど財閥は大きくなったが、経済格差が広がる一方で雇用は期待したほどには伸びなかった。

 サムスン電子の半導体事業は絶好調だが、半導体産業では雇用拡大効果は投資額ほど伸びない。サムスン電子や現代自動車など主力企業は、生産拠点を韓国よりも海外で急拡大させている。経済構造上、雇用はそれほど伸びないのだ。

 経済政策は財閥のためのものではない。庶民中心の政策を実行する。文在寅政権はこう考え、「所得主導成長論」を唱えた。

 庶民層の賃金を引き上げ、非正規職を正規職に転換する。そうすれば、消費が伸び、企業はこれを受けて設備投資を増やす。

 経済成長のけん引役を財閥から庶民層に変えるという発想の転換だった。だから最低賃金の引き上げは最も重要な政策だった。

 ところが、1月に引き上げたとたんに、格差がうんと拡大してしまったのだ。

 毎日経済新聞などはこれを、実体経済を理解せずに無理な賃上げを進めた結果、雇用が減少するなど逆効果が出てしまったためだと分析する。

 これに対して政府は、統計が出た直後には、「高齢化と観光客の伸び悩みで飲食店などの経営が振るわなかったためだ」などと説明した。

 この説明にさらに批判が出てしまった。

ガチンコ討論?
 こうした事態を受けて5月29日、文在寅大統領は「緊急経済点検会議」を招集した。

 経済副首相兼企画財政部長官、青瓦台(大統領府)政策室長、経済首席秘書官、労働部長官、公正取引委員長など現政権の「経済政策の責任者」が勢ぞろいした。

 「1〜3月期の調査結果、所得下位20%の方の所得が減ったことは私どもにとっては大変、手痛いことだ。経済政策がうまく機能しているのか、虚心坦懐に話し合ってみよう」

 文在寅大統領はこう話を切り出した。会議には担当者や実務者は出席せず、責任者だけでとことん議論したようだ。

 議論の内容の詳細は公開されていない。ただ、韓国メディアは「時に激論になり、発言内容が外部に漏れないように注意しようという話になった」と報じている。

 文在寅政権内では最近、経済の現状判断や、最低賃金引き上げの効果などを巡って一部で不協和音が出ていた。

 景気は拡大局面なのか低迷期に入ったのか。最低賃金を一気に引き上げたことで副作用は出ていないのか。こうした問題について、経済副首相と青瓦台の室長、あるいは経済政策の諮問委員などの間で、異なる見解を示す場面が出ていた。

 この日の会議は、大統領の前で一度きちんと議論するという目的もあったようだ。

雇用も改善しないが、代案も見当たらず
 文在寅政権は、最低賃金引き上げ、実質労働時間短縮、非正規職の正規職への転換など、「庶民層」の雇用環境を改善する政策を打ち出して実行してきた。

 「働き口対策」には11兆ウォン(1円=10ウォン)もの予算も投じている。

 ところが、所得は大幅に減少した。雇用状況も一向に改善しない。統計庁によると、「体感失業率」は4月も11.5%を記録した。庶民層の雇用も所得も改善しないのだ。

 エコノミストの見方は分かれる。

 そもそも経済政策が政権発足からたった1年で目に見える効果を上げるはずがない。もう少し時間をかけて評価すべきだという見方もある。

 一方で、「所得主導成長論」は、そもそも無理な政策だという意見も根強い。産業界でも、「企業の負担ばかり重くなる」と嘆く。

 では、だからといって、何か妙案があるのか。文在寅政権が進める「格差縮小策」を批判するのは簡単だが、これまでの政権も決め手となる政策など打ち出せなかった。

 財閥中心の経済構造、急速に進む高齢化による将来への漠然とした不安感、主要業種での競争力の低下、造船産業など構造不況業種の処理の遅れ、強い労組・・・。

 半導体や化学産業のような「強い業種」がある一方で、韓国経済は多くの構造問題を抱える。こうした複合的な構造問題の解決は容易ではない。

 文在寅政権は、「最低賃金」を2019年以降も引き上げる方針だ。さすがに、雇用主の負担が大きいことにも配慮して、その「最低賃金」に「賞与」や「福利厚生費」の一部を含めることになった。

 それでも「所得主導成長論」の旗はそのまま掲げると見られる。だから、「格差拡大」の統計は、放置できない。近く何らかの追加的な「庶民対策」を打ち出すと見られる。

 「大きな政府」もまた、今の政権の大きな方向であるのだ。

http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/390.html#c3

[経世済民127] イタリア政治情勢と金融株式市場の再動揺(植草一秀の『知られざる真実』) 赤かぶ
1. 2018年6月01日 20:54:27 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[795]

>五つ星運動と同盟による連立政権が樹立される寸前で、マッタレッラ大統領が新政権の発足を妨害した。
>そのために金融市場も動揺している

ここまで見当違いだと、呆れるしかない

ポピュリストによる放漫財政の阻止期待で、市場が戻ったというのが現実


http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/384.html#c1

[経世済民127] 企業内部留保の国庫返納 経済成長の限界と財政収支(世相を斬る あいば達也) 赤かぶ
2. 2018年6月04日 19:37:58 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[796]

>現在の日本の選挙制度においては、どの政党が政権政党になっても、社会保障費を大幅に削減することは不可能だろう。

つまり、財政再建など無理ということだ


>自民党政権、安倍晋三の下で開かれる、経済財政諮問会議に、日本の財政経済のかじ取りを任せていたら、既存大企業やパソナ、オリックス、加計など、ハイエナ軍団の私利私欲の為に、利権が国民の側から、ハイエナ連中に引き渡されるのは確実なのが現実だ。輸出製造関連大企業は、経団連を先頭に、政治圧力団体になっているので、経団連を叩かない限り、国民に経済のイニシアチブは返ってこない。

こちらは完全な誤り

そもそも経済財政諮問会議は、日本の財政経済のかじ取りなどしていない

規制緩和を唱えても何も進まないのが現状だ


当然、経団連を解散させても、何も変わらない


そして高齢者を中心とする国民自身が、膨張する社会保障と地方へのバラマキを支持し続けているのだから

あいばが言うような「国民が経済のイニシアチブを取」ったところで、財政再建にとっては意味のない話


>アベノミクスや日銀黒田のマイナス金利政策など、狂気の沙汰

つまり国民が狂っているから、巨額の財政赤字は止まらず、それが長期的な消費や投資を抑制し

それを補うために巨額の財政赤字や異次元の金融緩和が必要というのが現状

それを理解せずに日銀や政府、経団連を批判したところで、全く何も解決しないし

内部留保批判など、まさに無知に基づく見当違い以外の何ものでもない



http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/412.html#c2

[経世済民127] 不機嫌な妻のへそくり額は平均900万円だ 家庭が険悪なほど、妻は貯め込む(PRESIDENT Online) 赤かぶ
1. 2018年6月04日 19:42:52 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[797]

少子高齢化で高齢世帯の割合が高まっているし、最近は共働きも増えているのだから

平均で500万程度、共有ではない預金があっても当然で、全く不思議ではない


http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/409.html#c1

[政治・選挙・NHK245] 日本舵取り、誰がやっても難しい が、安倍では悪化の一途(世相を斬る あいば達也) 赤かぶ
3. 2018年6月05日 19:34:59 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[798]
ビジネス2018年6月5日 / 18:15 / 44分前更新
政府、財政目標先送りの骨太原案を提示
1 分で読む

[東京 5日 ロイター] - 政府は、5日の経済財政諮問会議で、財政目標の先送りを盛り込んだ財政運営指針「骨

太方針」の原案を提示した。消費増税そのものは2019年10月に実施するとし、19、20年度当初予算で「臨時

・特別の措置を講じる」と併せて明記した。

従来20年度としてきた基礎的財政収支の黒字化目標は「25年度の達成を目指す」とした。社会保障費の抑制目安は

基本方針から外し、中間年度となる21年度に国内総生産(GDP)比で基礎収支の赤字を1.5%程度、債務残高を

180%台前半、財政赤字を3%以下とする新たな中間目標も掲げた。

骨太原案では、持続的な経済成長の実現には潜在成長率の引き上げが最重要課題とし、新たな在留資格の創設などを柱

に、外国人材の受け入れを加速させる方針も盛り込んだ。与党との協議を踏まえ、15日に閣議決定する。

2018年6月5日 / 18:47 / 12分前更新
日本財政は「海図なき航海」、実効性ある健全化計画を=財総研所長
1 分で読む

[東京 5日 ロイター] - 財務総合政策研究所の土井俊範所長は、国の債務が歴史的水準まで積み上がる財政状況

を「海図のない航海」に例え、実効性の伴う財政健全化計画が必要と指摘した。低金利環境が続いているうちに、財政

再建に向けた道筋をつけることが危機回避につながるとの考えも併せて示した。

財総研や国際通貨基金(IMF)などが共催するフォーラム閉幕後、ロイターのインタビューで述べた。取材は都内で

5日行った。

土井氏は、日本の財政の現状について「少なくとも平時では、歴史的にみて債務がこれだけ積み上がっている国はほと

んどない。海図のない状況をナビゲートしているのが日本だ」と指摘した。

政府が、従来20年度だった基礎的財政収支(PB)の黒字化目標を25年度に先送りしたことに関しては「(以前の

計画が)なぜ達成できなかったのかはいろいろな要因があり得る」とした。「財政のルールを作っても実施しないとい

うのでは意味がない」と述べ、新たな財政再建計画では実効性を担保するべきとの考えも示した。

土井氏はまた、日銀の金融政策で金利が上昇しにくい状況が続いていることを踏まえ、「この間に、なるべく速やかに

財政健全化に向けて道筋を立て、着実に実施するのが危機シナリオを避けるために大切だ」と語った。

梅川崇、梶本哲史

ビジネス2018年6月5日 / 18:30 / 42分前更新

焦点:骨太に社会保障抑制目標なし、景気重視 赤字膨張も
2 分で読む

[東京 5日 ロイター] - 経済・財政政策の運営スタンスを示す今年の「骨太方針」は、予算の中で最大の支出項

目である社会保障費について、抑制目標の明記を見送った。また、基礎的財政収支(PB)黒字化達成の時期も5年延

期され、財政赤字の膨張を危ぶむ声が民間エコノミストの一部から出ている。

政府内では歳出拡大派と財政再建派の攻防が最後まで続いたが、景気腰折れを懸念する首相周辺と財政拡大派の事務方

が押し切った格好だ。

<押し切った財政拡張派> 

今回の「骨太方針」で特徴的なことは、社会保障費を年間5000億円程度の増加ペースに抑制するという目標値がな

くなり、それに代わる数値も盛り込まれなかったことだ。

財政拡張派が押し切ったかたちだが、ここに落ち着くまでには、財政健全派と財政拡張派の激しいつばぜり合いがあっ

た。

今年5月、ある経済官庁幹部は「歳出抑制の具体的な目標額を記入するのかどうか、まだ、もめている」と述べ、政府

内で歳出抑制ペースを巡り激しい駆け引きが展開されていたことを認めていた。

最大の焦点は、2016年度から18年度までの3年間に、一般歳出抑制目標を1.6兆円、最大費目である社会保障

費の増加幅を1.5兆円と定めていた歳出枠を19年度以降にどうするか──ということだった。

経済財政諮問会議の民間議員である榊原定征・経団連前会長は「わが国の財政健全化への道筋が不透明であることが、

国民の不安を惹起(じゃっき)している。今後3年のいわゆる基盤強化期間の社会保障関係費は、これまでの目安以下

とすべき」と繰り返し主張してきた。

また、19年度から21年度までの3年間に75歳を迎える世代は、第2次世界大戦中に生まれ、その後の団塊世代に

比べ極端に人口が少なく「焼け跡世代」と呼ばれている。高齢化率は年平均1.5%増にとどまり。18年度までの3

.3%の伸びと比べると低い。社会保障関係費も、3年間で概ね1.2兆円程度に抑制できるとの見方があった。

だが、ふたを開けてみれば「今後の経済物価動向を踏まえる」として、物価上昇を前提に歳出拡大が可能となるという

拡大路線と、「高齢化による増加分に相当する水準に収める」という歳出抑制路線の、両論併記がやっとだった。

<20年代、歳出拡大目白押し>

このように財政拡大派ペースに落ち着いた背景には、安倍晋三首相が景気腰折れを強く警戒していたことが影響したと

の見方が、政府内にはある。

諮問会議の民間議員の1人は、20年代には歳出が膨らんでいくことはわかっているとした上で「それでも歳出抑制の

ために社会保障負担を増やせば、景気が心配だ。GDP比で毎年1%も赤字を縮小するような抑制ペースでは、景気悪

化は必至だ」との考えを打ち明けていた。

実際、安倍首相と近い世耕弘成・経済産業相は経済財政諮問会議で「経済情勢の変化の可能性を念頭に置いて、機動的

な財政政策の活用を制約しないよう、留意すべき」と述べ、財政再建より景気やデフレ脱却を優先する考えを主張して

きた。茂木敏光・経済再生相も「財政健全化を、着実かつ景気を腰折れさせることのないようなペースと機動性を持っ

て行う必要がある」と発言していた。

また「骨太方針」には19年10月の消費税率10%実施対策も別途記載され、耐久財消費の購入を政府が支援する対

応策も明記。

増税時に予定されているこども向け社会保障「新しい政策パッケージ」の経費は、社会保障費の抑制とは別扱いと記述

され、景気腰折れを防ぐ機動的財政出動に向け、きめ細かい配慮が加えられた。

一方、22年以降は団塊世代が75歳以上となり、医療・介護費用が膨張。老朽化した社会インフラの補修費用の増大

も見込まれ、歳出拡大要因が「目白押し」と言ってもいい状況に直面する。

20年度の基礎的財政収支(PB)黒字化目標は、25年度達成に延期とされた。自民党や財政制度審議会による「2

5年度までに」あるいは「遅くとも25年度」といった提言に比べ、緩めの目標となっている。

複数の政府関係者によると、25年度への延期に落ち着くまでの間に「27年度でいい」といった、財政再建に消極的

な意見も出ていたという。

今回の骨太方針に対し、SMBC日興証券・チーフマーケットエコノミストの丸山義正氏は、25年度のPB黒字化の

鍵は社会保障をいかに抑制するかだと指摘する。

だが、社会保障費抑制に向けた具体策に関し、現時点では相当にあいまいであるとし「25年度のPB黒字化は、実現

できないリスクを意識せざるを得ない」と述べている。

中川泉 編集:田巻一彦

http://www.asyura2.com/18/senkyo245/msg/708.html#c3

[政治・選挙・NHK245] 日本舵取り、誰がやっても難しい が、安倍では悪化の一途(世相を斬る あいば達也) 赤かぶ
4. 2018年6月05日 19:36:10 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[799]

#ただしポピュリズムが蔓延しているのは世界どこでも同じ

 


EU改革、南北格差解消探る 独首相案 仏大統領案からは後退
ドイツ政局 ヨーロッパ
2018/6/5 19:00
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 【ベルリン=石川潤】欧州連合(EU)改革で沈黙を守ってきたドイツのメルケル首相が独自案を示した。ユーロ圏経済の南北格差の解消を目指す数兆円規模の投資予算、危機に対応する欧州版国際通貨基金(IMF)の創設、国境警備の強化の3つが柱だ。背景には、欧州への不法移民の大量流入や、域内の経済格差拡大で台頭するポピュリズム(大衆迎合主義)勢力への危機感がある。

 EU改革はフランスのマクロン大統領が強く求めてきたが、欧州のもう一つの有力国であるドイツを率いるメルケル氏は政権発足が遅れたこともあり、これまで考えを明確にしてこなかった。6月に入って独紙のインタビューに応じ、具体的な改革案を初めて示した。

 柱のひとつが、ユーロ圏で技術革新などで遅れる国に対して投資を促すための数百億ユーロ(数兆円)規模の予算だ。対象国の研究開発などを支援することで経済格差の解消につなげる狙いだ。経済成長が進み豊かな欧州北部から、開発が遅れるイタリアやギリシャなどの欧州南部に資金が流れる仕組みになる。

 メルケル氏は当初、小規模の予算でスタートし、効果を確認しながら段階的に増やしていきたい考えだ。ドイツなどの税金が無駄に使われないように、各国の議会が予算を監視する仕組みも検討しているもようだ。

 一方、マクロン氏はユーロ圏の共通予算や共通財務相の創設を唱えていた。金融危機などへの対応も念頭に置いたこの共通予算案に比べ、メルケル氏の掲げる投資予算は用途が限られる。従来のEU予算の一部として扱われる可能性があり、規模も小さめだ。だが両氏の案は、成長の遅れる南欧への投資を促すという大きな流れで共通する。

 さらにメルケル氏は金融危機への対応の軸として、欧州版IMFの創設を掲げた。ユーロ圏が危機に陥った時に長期資金を提供するのが役割で、構造改革を加速することが救済の条件となる。

 資金が確実に返済されるように、欧州版IMFには加盟国の経済状況を評価し、債務の返済能力を見極める役割も担わせる。具体的な支援実行までの流れはなお明らかでない。しかし、判断が慎重になりすぎたり、救済の条件が厳しくなりすぎれば、危機対応が後手に回るリスクは残る。

 ユーロ圏の国家間の経済格差を解消して危機時のセーフティーネット(安全網)を作るだけでなく、不法移民の流入抑制にも取り組む。ドイツやフランスでも移民の増加がポピュリズム政党の台頭につながっており、対策が必要だと判断した。

 メルケル氏が描くのは、欧州で統一の難民保護の仕組みを作り、保護対象の難民として認定できるかどうかを国境で厳格に見極める仕組みだ。不法移民がいったん欧州に入ってしまえば、ほとんどチェックを受けることもなく、欧州内を自由に行き来できてしまう。不正移民やテロを阻止するための国境の共同警備はマクロン氏の考えともおおむね一致する。

 ここでは難民として保護する基準を域内で擦り合わせるほか、国を越えた権限を持つ欧州国境警察の設置などが課題になる。難民らの受け入れを強制されるのではないかと警戒する東欧諸国などをどう説得していくかも考えなければならない。

 ドイツとフランスは6月末のEU首脳会議までに改革の工程表をまとめる方針だ。

 メルケル案が提示されたことで、今後は各国との調整が本格化する。ドイツ政府によると、メルケル氏は近く、イタリアのコンテ首相をベルリンに招待する予定だ。

 メルケル案について、フランス側はマクロン氏の提案へ歩み寄りがみられるとして評価する立場だ。ただ、これはドイツ側の「最初の回答」(仏大統領府)とみており、投資や危機時の対応などについてより野心的な改革にできないか、ぎりぎりまで探る構えだ。

 北部欧州ではオランダなどがメルケル氏に対して、マクロン氏に安易に歩み寄らないようにけん制している。ドイツ議会も議会の監視なしにお金が流れないようにメルケル氏に注文を付けていた。メルケル案はこうした統合慎重派に配慮したぎりぎりの案といえる。

 投資や危機時の救済の条件をどのように設定するかで、新しい制度の機能は大きく変わりうる。制度の設計次第では「ドイツが牛耳るEUが各国に干渉している」との懸念を強め、逆にポピュリズム勢力を勢いづかせかねない危うさもある。
http://www.asyura2.com/18/senkyo245/msg/708.html#c4

[経世済民127] 「親が死んだら生活保護か、死か」高齢化するひきこもりが直面する現実〈AERA〉  赤かぶ
3. 2018年6月07日 18:31:41 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[800]

少子高齢化や医療年金介護の高度化、人件費増による負担増に加え、

こうした障碍者向けの生活保護負担も増える

一方で、ムダなバラマキは止まらない


結果、一般納税者の税負担はどんどん増えていく

無用の長物と化す「豪華漁港」に予算を費やす水産行政

2018/06/07

真田康弘,浅野有紀

 日本の水産業の衰退が止まらない。2016年の漁業・養殖業生産量はピーク時の3割以下に落ち込み、1961年には約70万人だった漁業就業者数も15万人まで減少した。衰退の最大の要因の一つは資源管理を怠ったことにある。

 持続可能な漁業に転換するためには抜本的な見直しが必要だが、水産予算の内訳を見ると、資源管理は冷遇され、漁港整備に重きが置かれていることが分かる。昨年12月に閣議決定された今年度の水産予算1772億円のうち、資源管理・調査への予算は46億円で予算全体の3%である一方、約40%の700億円が漁港整備などの一般公共予算に充当されている。


(出所)水産庁資料を基にウェッジ作成 (注)2018年度水産関係予算概算決定の主要事項の金額 写真を拡大
 漁獲量も漁業従事者も減少する中、なぜこれだけの額が漁港整備に費やされているのだろうか。国は漁港漁場整備長期計画を5年ごとに策定し、これをもとに全国各地の漁港整備を進めているが、現場の実態を見ると、それが漁業の発展に繋(つな)がっているか、大いに疑問と言わざるを得ない。

公募開始後10年以上が経過するも
いまだに「空き地」と化した埋め立て地
 神奈川県三浦半島の南端に位置する三浦市。冷凍マグロ類の取引が有名な三崎魚市場から西側に目を向けると広大な埋め立て地が広がっている。

 三崎漁港に隣接するこの二町谷地区の埋め立て地は、水産加工場等の集積を目的として2003年に総事業費145億円で整備された。面積は13万8000平方メートル(東京ドーム3個分)で、1万トン級の漁船が着けられる水深10メートルの岸壁などが整備された。この埋め立て地は2007年4月より分譲が開始されているが、いまだにほぼ全面が空き地で立ち入り禁止になっている。


総額145億円をかけて整備された三浦市二町谷地区の埋め立て地。だが、利用希望事業者がほとんど現れず、大部分が立ち入り禁止の空き地となっている (写真・Wedge)
 数年前まで市内で魚屋を営んでいた男性は、「あのあたりは風が凄く強く、波も高いことは漁師の間では有名な話。越波して海水が入り込んでくる可能性もあり、あの地区を使いたいという業者が出てこないことは、計画段階から分かっていたことだ」と苦笑いする。


二町谷の埋め立て地周辺は、風が強く越波して海水が入り込んでくる可能性があることは漁師の間では有名だった(写真・Wedge)
 分譲開始後、使用が決まった事業者は1者のみで、他に希望者が現れなかったため、市は16年7月から水産関係以外の目的でも利用できるよう条件を緩和して募集を行った。結果、新たに3者が加わったものの、埋め立て地全体の使用状況は2%にすぎない(今年4月末時点)。そんな中、台風により度々護岸や背後の用地の一部が被災し、現在も修復作業が行われている。埋め立て後も、こうした修復費用に加え、整備時の土地購入費の返済で毎年5億円が市の財政負担となっている。

 同市で事業を行う水産会社取締役は、「魚も船も減り、年々漁業が衰退している。あれだけ大きな埋め立て地ができても、肝心の魚が取れなければ意味がない」と嘆く。実際、三崎魚市場での取扱数量と金額は、1989年には6万4000トン、620億円であったが、2014年には2万2000トン、200億円とそれぞれ約3分の1の水準まで落ち込んでいる。

 こうした埋め立て地の現状について、三浦市政策部市長室長の徳江卓氏は、「ここまで漁業環境が厳しくなることは計画当初は想定していなかった。工事を進める途中で、漁船数や漁獲量が減少していることは把握していたが、中途半端な状態で終わらせられなかった。財政上の負担は大きく、何とかして利用業者を見つけたい」と話す。

 このように、多額の漁港整備予算を投入して整備を進めたにもかかわらず、漁獲量も事業者も減り、残ったのは無用の長物と化した設備と、その維持・管理費というケースは他にもある。


漁港と荷捌き施設を結ぶべく総工費142億円で建設された「牛深ハイヤ大橋」。しかし、漁獲量も漁業者も急減していった (写真・YASUHIRO SANADA)
 天草諸島の南端、熊本県天草市牛深の漁港に忽然とモダンな橋が姿を現す。パリのポンピドゥー国立美術文化センターや関西国際空港ターミナルビルを手掛けたイタリアを代表する建築家レンゾ・ピアノ氏が設計した「牛深ハイヤ大橋」だ。

 牛深では1988年に県が魚介の保存・加工と流通の拠点化を目指して埋め立て地に漁港を整備し、漁協は90年にイワシなどの荷捌(にさ)き所を整備した。ハイヤ大橋は、この漁港と荷揚げ施設のある対岸とを結ぶために建設され、97年に開通した。総工費は142億円で、その半分を国が負担しており、水産庁の漁港整備のための予算が使われている。だが、漁港の湾内は道路ですでに繋がっており、橋は往来時間を若干短縮するに過ぎない。

 また、立派な施設を整えたにもかかわらず、肝心の漁獲量は激減していった。牛深はかつてイワシ漁で大いに栄え、その水揚げ量は1949年には全国2位を誇った。しかし、80年代半ばに3万トンあったマイワシの水揚げ量は、その後急減し、2016年には1150トンとなっている。大中型まき網船団はゼロとなり、漁業経営体数は橋が開通した翌年の98年には607あったが、2013年には364へと大きく減少した。

利用実態に合わず不満噴出

現場置き去りで進む高度衛生化整備
 前述の整備事業はすでに完了したものだが、現在も各地で漁港整備が進められている。全国有数の水産物の流通拠点である下関漁港もその一つだ。同漁港は、水産振興上、特に重要な漁港として特定第3種漁港に指定され、安全で安心な水産物の提供を図るべく、「高度衛生管理基本計画」に基づく整備が行われている。

 主な事業内容は、荷捌き所の高度衛生管理化対策工事や長さ300メートルの岸壁の改良・耐震強化工事などで、22年度完成予定、総事業費見込みは137億円だ(今年3月末時点)。事業進捗(しんちょく)率は40%に至るが、現場からはなぜか不満が噴出している。

 鮮魚の仲買を行う株式会社山口代表取締役常務の山口栄二氏は、「高度衛生化の整備で魚の立替スペースが極端に狭くなり、作業時間、手間が大幅に増える。また、パレットを保管する場所も、パレットの大きさと合っていないなど、現場の実態と合わない整備が進んでいる」と語る。工事の影響で荷捌きを行うスペースが確保できず、一時的な仮設施設を建設するなど、当初の計画にはなかった追加コストも発生し始めており、総事業費見込みは、15年3月末時点の92億円から45億円も増加した額である。

 市場を使用する際の費用面についても課題が出始めている。例えば、整備後の荷捌き所では、内燃機関で動く既存のフォークリフトではなく、電気や水素(実験段階)を動力としたリフトを使わなければならないため、各事業者には導入コストがかかる。また、整備後の施設使用料や家賃等については、整備完了直前まで公開されない。

 下関中央魚市場株式会社常務取締役の波田慎治氏は、「衛生化を進めること自体に反対はしないが、リフトの電動化や木製パレットのプラスチック化、荷捌きの手間の増加など、コストがかさむ事業を急速に進められても、現場はその流れに対応できない。整備完了後に事業を続けていけるのか不安に怯(おび)える業者は多い」と苦悩をませる。

 また、ある市民は、「今の下関漁港ができたのは漁獲量も船も多かった時代だ。これだけ漁業が衰退する中で同規模の漁港を整備する必要はあるのか」と疑問を呈す。事実、下関漁港での取扱量はピーク時には約25万トンを誇ったが、現在では2万トンを切っている。

 沖合底引き網漁を行う有限会社佐賀水産専務取締役の宮本洋平氏は、「昔は20カ統40隻以上の沖合底引き船があったが10年前には11カ統22隻に、今では7カ統14隻まで減った。船の多くは老朽化していて改修が必要だが、それには2億5000万〜3億円かかるため、やむを得ず漁業から身を引く事業者も多い」と表情を曇らせる。

 16年度から、高度衛生化に対応した船の改修を行う場合に限り、県と市で計1億円の補助を行う「リシップ事業」が行われているものの、それを利用しても1億〜2億円もの改修費用がかかる。「漁港整備に137億円もかけるのであれば、もう少し船の改修などに回せないものか」(宮本氏)との声も聞こえてくる。

 各地で課題が山積している状況に関して、水産庁漁港漁場整備部計画課課長補佐の中村克彦氏は、「新しいことを行うことに対して抵抗があるかもしれないが、衛生管理の重要性が世の風潮として高まる中で、現場は少しずつ前向きに捉えるようになってきたという認識はある。漁港整備の予算については、ハードの対策なのでどうしても金額が高くなる。事業対象箇所は厳格に選定しており、年間700億でも厳しい金額だ」と説明する。

透明性に疑問符がつく水産行政

全ての漁港整備事業で費用対効果がプラス
 各地で進められる漁港整備事業については、それらの費用対効果が水産庁の下でレビューされている。例えば、今年3月末に水産庁は計86の水産関係公共事業の事前ないし事後評価結果を公開しているが、いずれも効果が費用を上回るとされている。しかしながら、結果については首をかしげざるを得ないものも少なくない。

 例えば、下関漁港整備の総費用額約125億円に対し、整備によって得られる便益は約176億円とされているが、うち約170億円は「漁獲物付加価値化の効果」とされている。前出の中村氏によれば、これは年間の陸揚げ金額に衛生管理効果率8%を乗じて算出しており、8%という数値は、いくつかの市場の関係者に、衛生管理が魚価にどれくらい影響しているかを調査した結果として算出した値で、他の多くの漁港整備の(高度衛生化整備に関する)計算でも用いているという。

 ところが、これに関して下関の魚市場関係者は、「全国でここだけが高度衛生化の漁港整備をするなら別だが、各地で同様に整備するので特異性がなくなり、漁価の向上には繋がらない。そもそも、店頭に並ぶ魚が高度衛生化された市場を通したものかどうかを消費者がどれくらい気にするのか。(他の漁港でも)高度衛生化によって魚価が高くなったという話は聞いたことがないし、その実感もない」と、水産庁の評価に対し驚愕(きょうがく)する。

 こうして不可解な費用対効果分析に基づき多額の水産予算が投入される中、水産土木関係の業界団体の多くが水産庁OBの受け皿になっているという現実がある。例えば全国漁港漁場協会、全日本漁港建設協会、漁港漁場漁村総合研究所、水産土木建設技術センター、全国漁港漁場新技術研究会、全国漁港・漁村振興漁業協同組合連合会など、これら業界団体の全てに歴代の水産庁漁港漁場整備部長が在籍している。なかには、これら業界団体役員を退職後、現在でも漁港建設コンサルの社長や消波ブロック製造会社の社外取締役に就任した者もいる。ある元漁港漁場整備部長は、関係者の強い繋がりを「漁港一家」と評し、これを「肝に銘じる」と述べているが、言い得て妙と思われる。

 業界団体には、当然漁港整備の予算が流れている。例えば4人の水産庁OBが再就職している漁港漁場漁村総合研究所は31億円の予算がついている16年度のプロジェクトで、「直轄漁場整備事業」で9600万円、「水産基盤整備調査」で1億8300万円の予算を受け取っている。

 資源が激減する中、その効果に疑問符がつく漁港整備事業に水産予算の大部分を投入することは合理的なのか。予算を投入すべきは、資源を増やし、持続的に管理するための前提である資源管理対策ではないのか。わが国の漁業を再生し漁村地域の創生を図り、持続可能な漁業を築く。そのために、水産予算の検証と大胆な再配分が今まさに必要とされているように思われる。

PART 1.ルポ・佐渡島、水産資源管理の成功事例≠ェ広がらないワケ
PART 2.無用の長物と化す「豪華漁港」に予算を費やす水産行政
http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/424.html#c3

   

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