1. 2016年12月06日 13:41:38 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[645]
トランプ氏の会見嫌い、市場に影響する恐れも
米大統領選後に意外にも中国A株市場が上昇した背景
トランプ政権でホワイトハウスの記者会見室は一体どうなるのか
トランプ政権でホワイトハウスの記者会見室は一体どうなるのか PHOTO: PIXABAY
By KOPIN TAN
2016 年 12 月 6 日 08:28 JST
?ホワイトハウスの記者会見室
このところ、ドナルド・トランプ次期大統領の閣僚人事がニュースを独占しているが、政権移行を取材する記者たちにはより気にかかっていることがあるはずだ。つまり、トランプ政権ではホワイトハウスの記者会見室で一体何が起きるのか疑問に思っているのだ。
大統領や報道官が報道陣に概要を伝える場所で、座席数49の記者会見室はホワイトハウスの西棟にある。それは皮肉にも、現代の大統領職務に対してジャーナリストたちが果たす役割に感謝の意を表すため、リチャード・ニクソン元大統領によって承認されたものなのだ。トランプ氏の記者会見嫌い――最後に会見を開いたのは7月で、同氏は短文投稿サイトのツイッターや動画投稿サイトのユーチューブで米国民に直接話しかけることを好んできた――を踏まえると、その記者会見室がどうなってしまうのか心配になる。すごく豪華なスパに改装されるのかもしれない。あるいは、座席が取り除かれて米国でブームとなったフィットネスプログラム「ズンバ」専用のスペースになる可能性だってある。
当然だが、トランプ次期大統領には記者会見が義務付けられていない。また、お気に入りのメディアがある初の大統領になるわけでもない。フランクリン・D・ルーズベルト元大統領はラジオ演説を好み、ジョン・F・ケネディ元大統領はテレビを通じて国民に笑顔を見せた。とはいえ、最近ではトランプ氏ほど大っぴらに報道陣を愚弄する大統領などいなかった。
マリオ・クオモ元ニューヨーク州知事はかつて、選挙運動は詩で、実際の統治は散文で行うものだと述べた。記者たちを「人間のくず」「いかがわしい連中」「最低の生命体」と呼んだとき、トランプ氏はクオモ元州知事の言葉を肝に銘じていたはずだ。しかし既に、同氏は抗議運動を扇動したとして報道陣を非難していた。CNNのベテラン記者、クリスティアン・アマンプール氏は最近の演説で、「報道陣はまず扇動を、次に抗議者たちへの共感、次に結託を非難された。そして気が付くと、彼らは本格的なテロリストや危険人物とまで呼ばれていたのだ」と警鐘を鳴らした。
ニューヨークの5番街に建つ豪華なタワーの最上階に住むトランプ氏が報道陣のことを「エリート主義者」と呼ぶのは、チェダーチーズがスイスチーズに対してチーズっぽいと文句を言っているようなものだ。とはいえ、向こう数年間にトランプ政権が報道陣の仕事のやり方にどのような影響を与えるのか、大富豪の最高司令官が採用するメディア戦術を米国企業が取り入れるのかどうかを観察することは興味深く、重要な経験になるだろう。何しろ株式市場では、うそをつく動機もそれで儲かる金額も政界以上に大きいのだから。
考えてみてほしい。業績が悪かった四半期決算の後に開かれる、アナリストや記者のうるさい質問から逃れられないカンファレンスコールはどんな最高経営責任者(CEO)でも回避したいはずだ。より寛容な会計規則を採用した理由など、ツイッターで説明すれば良いではないか。メッセージの信用を落とすためにメッセンジャーを中傷するというやり方は、企業に公表しなければならない悪材料があるときにも役立つ可能性がある。ロシアが関与するとされる偽ニュースサイトを見てローマ法王がトランプ氏を推薦したと信じた米国人がいたとしたら、新しいハンバーガーパティや有望なハイテク株を売り込むときなど、世論を動かす必要性があるときはいつでも、そうした営利目的の企業が動員されてしまうかもしれない。
?中国の新たな社会統制ツール
大統領選以降の米株式市場の上昇は先週ついに一服したが、国内成長株への資金の移動はまだ健在である。大統領選以来、銀行株は17%上昇し、米鉄鋼大手USスチール(X)は60%の急騰を示した。失業率は9年ぶりに4.6%まで下がり、石油輸出国機構(OPEC)が供給過剰を緩和するために減産に合意すると、ブレント原油先物価格は16カ月ぶりとなる高値まで急騰した。また、インフレ率上昇への不安は米10年国債の利回りを17カ月ぶりの高水準に引き上げた。
インフレ率上昇は成長の加速を伴えば好材料となる。トランプ氏の税制改革、規制緩和、金融政策から財政刺激策への転換などで、成長促進への期待が大いに高まっている。しかし、成長を伴わないインフレ率上昇はまったく別物であり、全ての市場関係者は2017年の景気回復の兆しに注目することだろう。
その一方で、ある市場が密かに米国市場をアウトパフォームしてきた。中国市場である。米大統領選以降、S&P500指数は2.5%上昇しているが、中国A株市場に連動している上場投資信託(ETF)、ドイチェXトラッカーズ・ハーベストCSI 300(ASHR)の上昇率はそれを上回る3.8%だ。世界貿易への不透明感は中国にとって打撃であり、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げで米国への資本逃避に拍車がかかる可能性もある。しかし、米国が内向きになれば勢力拡大に野心的な中国政府にとって好都合。それは次の超大国にとって歓迎すべきニュースなのだ。
刑務所に入れられているジャーナリストの数が最も多い国の一つである中国は、なお一層の社会統制手段を開発しているという。インターネット上の活動から交通違反、「孝」の評価に至るまで、国民の行動のデジタル記録で個人の社会信用を格付けしようとするものだ。その信用スコアは次に貸出金利、仕事、旅行許可など国民に与えられるあらゆるものの判定に適用されるかもしれない。
習近平氏は2012年に国家主席に就任して以来、中国の社会統制を強めてきた。外国の報道機関はこうした監視制度のことを盛んに伝えてきているが、中国国有の地元メディアは政府にかなり協力的でおとなしい。
http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/436.html#c1